平成24年9月定例会 第7回岩手県議会定例会 会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。花泉診療所の民間移管の破綻問題に関する達増知事の本日の定例記者会見での発言について、緊急質問いたします。
 花泉診療所の民間移管の破綻に関する県医療局の検証最終報告案は、決算特別委員会で集中審査が行われ、昨日には、医療法人白光の橋本堯夫会長を呼んでの参考人質疑も行いました。その結果、知事を含め、県と医療法人白光との癒着の疑惑がさらに深まり、2011年度の岩手県一般会計歳入歳出決算と県立病院等事業会計決算については、継続審査することになったところであります。
 ところが達増知事は、本日の定例記者会見で、参考人が答弁した内容に関する医療局としての反論は既に検討が終わっている。最終報告案は手直しする必要はないという認識でいると発言し、昨日の参考人橋本堯夫氏が明言した知事からの電話と知事への電話についても、ありませんと否定しました。
 県議会は、昨日までの決算特別委員会で、民間移管した花泉診療所の破綻問題について、県医療局の花泉地域診療センターの民間移管に関する検証最終報告案について、当事者である医療法人白光の会長、橋本堯夫氏に対する参考人質疑も行い、徹底した審査を行ってきました。私は、知事を呼んでの集中審査を求めましたが、決算特別委員会は、2011年度の岩手県一般会計歳入歳出決算と県立病院等事業会計決算を継続審査にして、継続して審査することでまとまったところであります。
 また、決算特別委員会での審査を踏まえて、決算特別委員長が、議会での審査を踏まえて、医療局と保健福祉部に対して、最終報告案を精査するよう申し入れることを確認したところであります。
 ところが、本日の知事の定例会見で、こうした県議会での審議を無視する内容の発言を行いました。異常な発言であります。以下、具体的に質問いたします。
 第1に、民間移管した花泉診療所の破綻の背景には、知事、県医療局、保健福祉部と医療法人との癒着があったのではないかということであります。
 昨日の参考人、医療法人白光会長の橋本堯夫氏は、公募前に知事から電話があり、不在のため後で知事に電話したこと、その内容は、今度の件ではよろしくお願いしますというものだったと発言されました。知事からの電話があったことは、医療法人白光の女性職員も証言しています。知事は、橋本堯夫氏の発言と女性職員の証言をどういう具体的な根拠で否定しているのでしょうか。
 知事が、公募前に医療法人白光会長によろしくお願いしますと電話しているとすれば、花泉地域診療センターの民間移管は、医療法人白光で既に決まっていたということになるのではないでしょうか。
 第2に、公募前の6月8日付で医療法人白光の医師が、県立病院花泉地域診療センターの嘱託医師として任用され、7月6日から8月21日まで勤務されました。公募前に、公募に手を上げようとしている医療法人から、その所長候補でもある医師を採用することは、医療法人白光への民間移管を前提にした異常な癒着を示すものではないでしょうか。
 橋本堯夫氏は、医師をかした6月の段階で、既に県との間では家賃など移管後の条件について合意していたと述べています。知事は、医師派遣の事実は知っていましたか。異常な癒着とは思いませんか。
 第3に、県医療局と保健福祉部は、公募前から医療法人白光の公募手続を手伝っていました。橋本堯夫氏は、私どもは、応募の書類の書き方も医療局に教えていただいて提出したと発言しています。
 私の調査では、公募前の5月ごろには、一関総合支局の県職員が、保健福祉部長にたびたび呼び出され、公募前の手続を進めるよう強く指導されてきたとの発言がありました。その際には、医療法人白光で既に決まっていること、この方向で行くと上から言われているとの証言もありました。
 医療法人白光で民間移管を進めるというのは、県の方針だったのではないでしょうか。なぜこんな県職員の動きとなったのでしょうか。知事の命を受けて、医療局長も保健福祉部長も、公募前から医療法人白光の民間移管の手伝いをしてきたのではないでしょうか。
 第4に、民間移管破綻の最大の原因は、医師確保の見通しがなかったことであります。県医療局の検証最終報告書案にも明記されているように、公募した時点で、9月県議会での審査のとき、翌年3月25日の事業計画見直しの時点、全て医師がかわっています。結局4月からの民間移管のスタートの時点では、患者を診られる常勤医師は不在だったのであります。事業計画の根本にかかわる医師確保の問題について、知事はどう実態を把握し、事業の成否にかかわる問題として受けとめてきたのでありましょうか。
 以上でありますが、答弁次第では再質問をいたします。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 電話については、これはないものはないということでございます。
 そして、その後の医療法人白光で既に決まっていたかということについては、これは、その後の公正なプロセスの中で契約に至ったということでございます。
 医師の採用については、これは、平成21年5月中旬に、医療法人白光から花泉地域診療センターに非常勤で勤務できる医師がいるという情報をいただき、医師の確保が非常に厳しい中、非常勤でも勤務いただける医師がいる場合はお願いしたいという立場から、花泉地域診療センターの非常勤医師として採用したと医療局から聞いています。
 そして、医師確保問題についてでありますけれども、10年間以上事業継続するためには、常勤医師の確保、定着が最も重要な要素の一つでありますが、医師の確保について、法人側役員の個人的人脈に期待し過ぎたという点は否めなく、特定の大学医局とのパイプの有無を初め、さらに掘り下げて審査をすべきでありました。
 今後の民間活用に当たっては、選考者に民間病院経営者等の専門家を加えるなど、複眼的、多面的な観点から審査を行うことができるよう、審査体制の充実を図るとともに、有床診療所の特殊性にかんがみ、医師確保の視点を十分に考慮して審査する必要があると最終報告案にまとめたところであります。
 その他の質問については、部局長より答弁させます。
   〔医療局長遠藤達雄君登壇〕
〇医療局長(遠藤達雄君) 公募手続から一連の決定プロセスにつきましては、適正に行われたものと認識しております。(斉藤信議員「はっきり言ってくれ。聞こえない」と呼ぶ)適正に行われたものと認識しております。
 それから、昨日の中で、応募書類の書き方を医療局に教えていただいて提出したという発言をとらまえての御質問でございますけれども、これは別にどこでも同じだと思うんですが、補助金申請にしても何にしても、行政に出す書類というのはなかなか面倒くさいものですから、そういった意味では、特に今回の民間移管というのは初の事例ですので、書類の書き方とかなんとかというのは、やはり一般の法人、白光に限らず、最初の事例というものは難しいと思いますので、そういう意味では、申請書の書き方とかをお手伝いしたというのは、それは通常の申請行為がある場合に一般的に行われている事務─事務指導という表現はいかがかですけれども、そういった対応だということで、特に問題はないと考えております。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 保健福祉部の医療法人白光に対する公募前の指導についてでありますけれども、確かに、公募前に医療法人白光に対しまして、社会福祉法人の設立手続あるいは介護保険施設等の施設基準について説明を行いますとともに、社会福祉法人の設立及び小規模特別養護老人ホーム等の開設に係る相談対応は行ってきたところでございます。
 この対応は、本件に限るものではございませんで、一般的に社会福祉法人の設立、または介護保険施設等の開設に係る相談等が寄せられた際も同様の対応をしているところでございまして、医療法人白光ありきでこのような指導を行ってきたものではございません。
〇37番(斉藤信君) じゃ、再質問します。
 まず第1に、知事、あなたは、公募前に医療法人白光会長に電話をした件で、いいですか、当事者が電話を受けた、知事に電話をした、その内容まで話している。そして、その電話が来たことは、第三者の法人の女性職員も証言しているんですよ。あなたが一言でしていませんと言っただけで、この疑惑は解決しませんよ。これは極めて重大な癒着の問題なんですよ。公募前に、この件でお願いします、こういう電話だというんですから。ここで一言否定しただけで全然済む問題じゃない。それは全然弁解にもなっていない。逆にいけば、疑惑はますます深まったと言わなくてはならない。
 そのことについて、知事にもう一つ私はお聞きしたい。この民間移管が破綻した最大の原因は、私は、医療法人白光ありきで進んだということだと思います。2月16日に医療局長は、新聞報道を受けて、真っ先に一関市長に行った。その後、白光に行った。白光の意思を確認する前に一関市長に行っているんですよ、この民間移管の方針で。民間移管にかかわる方針は、知事はいつごろこれを協議されましたか。2月16日以前だと思うけれども、そのことをお答えいただきたい。
 それと、きょうの定例記者会見で重要なのは、きのうの参考人の答弁に際する反論は、昨日の昼過ぎの時点で既に検討が終わっていると。報告書に書いてあるとおりで問題はない。私は、この発言は全然言葉足らずで、正確でもないと。正確に精査をして、真実かどうか、何が問題か、これを検討して対応するのが当たり前の話でしょう。きのうの昼の時点でもう対応は決まっている、こういうのは、まともに検討したことにならないんですよ。
 最終報告案そのものについて、手直しする必要はない、そういう認識です。これまたおかしいですね。きょうは、少し手直しした答弁をしていますけれどもね。手直しする必要がないという認識だというんですから。訂正するのはきちんと訂正すべきだ。
 それと、私はかなり具体的に先ほど提起をいたしました。実は、県職員は、白光先にありきで事が進んでいると言っているんです。相談に乗ったのではないんです。もう白光の民間移管、そしてセットの特別養護老人ホームの開設に向かって、手とり足とりあなた方が手伝ったんですよ。だから、白光の会長が、6月の時点では家賃を含めて大体の話はついていたと言っているんですよ。だから、応募期間は1カ月もないような状況だったんですよ。これで白光以外に申請できますか。
 知事、事業計画の一番の問題は医師確保だった。私は具体的に提起したでしょう。最初の申請書、9月県議会の審査のとき、3月25日の事業計画変更のとき、全部医師がかわっているんですよ。4月でスタートしたときには常勤医師は一人もいなかった。あらゆる段階で、立ちどまって本事業計画、民間移管を見直すべきだった。私はそのことを提起したし、県議会はけんけんがくがくその議論をしてきた。なぜそうしなかったんですか。
〇知事(達増拓也君) 電話の件に関しては、これはもうノーとしか言いようがないところでございます。
 それから、民間移管崩壊の最大の原因が癒着ということではないかということですけれども、きのうの参考人質疑をテレビで見ていた中での私の印象として、むしろ事前の段階では、県当局との間では何か決まっていたわけではないということを本人が言っていたのではないかというようなことを、医療局や保健福祉部との打ち合わせの中で、私からそういう話をして、その場にいた者は、確かにそのとおりだというようなやりとりをいたしました。
 むしろ参考人が、なぜベッドがだめか、入院を諦めなければならなくなったかということについては、共産党議員団が視察をし、看護師の不足から、もし医療過誤で訴訟された場合にもたないということで撤退を決めたということを繰り返し述べていたというような印象があるんですけれども、きのうの打ち合わせの中でそういう話もしました。ただ、それをそのまま最終報告書の中に書くわけにはいかない。それをもって直ちに報告書を書きかえるわけにはいかないというようなやりとりをし、きょうの記者会見でも述べたのは、先ほど医療局長からも申し上げましたように、きのうの時点でいろいろ聞かれても、まず、それに対して答えられる準備はしていた。その検討はきのうの段階できちんとやっていたので、きょうの段階でもそれは答えられるということを記者会見で申し上げたわけでありまして、議会から精査の申し入れがあれば、それにきちんと対応するのは、これは当たり前で、それを否定したわけではありませんし、今議会での議論を踏まえて修正もするということについて否定したわけではございません。
 最後に、医師確保についてでありますけれども、これもきのうテレビで見ていた印象では、参考人は、医師確保については極めて強い自信を持っていて、それはもう簡単なんだ、できるんだ、そういう確信のもとに医療局といろいろやりとりし、契約に至ったのかなと。先ほど医療局から申し上げたように、また、私も答弁いたしましたように、しかし、やはり医師確保については、さらに掘り下げて審査すべきだったということが、今回の反省点であったと思います。
〇副知事(千葉茂樹君) それでは、私から1点だけ補足的に答弁させていただきたいと思います。医療法人白光との関係につきまして、当時の保健福祉部長ということで、私でございますので、その点について1点だけ答弁したいと思います。
 まずもって、平成21年、公募で6月ごろという話でございますが、これは平成21年6月ごろという話であります。実は、この時点では、新型インフルエンザの発生が4月末にございまして、5月は、はっきり申しまして新型インフルエンザの対策と、あと議会のほうから動議でいただきました地域医療懇談会の設置、この二つをどういう順番で各広域で進めていくかと非常に頭を悩ませていた時期でございます。このような時期にたびたび呼ぶというようなことは、ちょっと私は記憶が全くないところでございます。
 あと、医療法人の手続がございますが、これは、医療法に基づきまして準則主義でございまして、一定の基準があれば、合致すれば認可するという形になっておりますので、特段この時点で特定の法人がどうのこうのということは全く、どういう意味で発言する必要があるのか私としては非常に疑問があるところでございます。いずれ、そのような発言をしたことはないということで答弁をさせていただきます。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって緊急質問を終結いたします。
〇議長(佐々木博君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   日程第1 選挙管理委員及び補充員の選挙
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第1、選挙管理委員及び補充員の選挙を行います。
 お諮りいたします。選挙の方法につきましては、地方自治法第118条第2項の規定により、指名推選によりたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、選挙の方法は指名推選によることに決定いたしました。
 お諮りいたします。指名の方法は、議長において指名することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、議長において指名することに決定いたしました。
 選挙管理委員に八木橋伸之君、赤津征男君、佐々木悦子さん、百濟和夫君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま議長において指名いたしました八木橋伸之君、赤津征男君、佐々木悦子さん、百濟和夫君を選挙管理委員の当選人と定めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました八木橋伸之君、赤津征男君、佐々木悦子さん、百濟和夫君が選挙管理委員に当選されました。
 次に、補充員に吉田瑞彦君、佐藤勝君、斉藤ヨシエさん、佐々木貢君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま議長において指名いたしました吉田瑞彦君、佐藤勝君、斉藤ヨシエさん、佐々木貢君を補充員の当選人と定めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました吉田瑞彦君、佐藤勝君、斉藤ヨシエさん、佐々木貢君が補充員に当選されました。
 お諮りいたします。補充員の順位は、ただいま指名いたしました順序によって決定いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   日程第2 議案第56号平成23年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについてから日程第16 認定第15号平成23年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第2、議案第56号から日程第16、認定第15号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。小野決算特別委員長。
   〔決算特別委員長小野共君登壇〕

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