平成24年9月定例会 第7回岩手県議会定例会 会議録

前へ 次へ

〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 発議案第2号消費税増税時の低所得者対策に関する意見書に反対の討論を行います。
 民主、自民、公明の3党の談合による公約違反の消費税大増税は、その実施を中止すべきであります。消費税大増税の実施までに解散総選挙があり、来年には参議院選挙も行われます。消費税の大増税勢力に国民の審判を下すなら、消費税の実施を食いとめることは可能です。
 フランスの大統領選挙で勝利したオランド新大統領は、サルコジ前政権が決めていた付加価値税の増税を中止しました。国民の審判によって消費税の大増税を中止に追い込むことこそ求められております。消費税は最悪の大増税であります。
 第1に、消費税の10%への大増税は、民主党による余りにもひどい公約違反の代物であります。今や、民主党のマニフェストは、公約違反の代名詞になりました。やると言ったことはやらず、やらないと言ったことを進める。こんなことを認めたら、民主主義は成り立ちません。政治不信を広げた最大の問題であり、民主党が分裂した原因でもあります。
 第2に、公約違反の消費税大増税を進めたのが、民主、自民、公明による密室談合による3党合意でありました。消費税大増税に加担、協力した自民党、公明党の責任も厳しく問われます。
 8月29日、参議院本会議で野田首相問責決議が可決されました。これは、日本共産党など野党7会派が提出したものでありますが、消費税大増税を強行したことがその理由でありました。民主党は、参議院でノーの審判を下され、自民党は、問責決議に賛成し自己破綻に陥りました。公明党は、問責決議の採択を退席し、増税の急先鋒としての姿をさらす結果となりました。この背景には、消費税大増税に対する国民の強い反対の世論と運動がありました。消費税増税法案が強行された後でも、消費税増税反対は共同通信の世論調査で56%を占めるなど、国民の多数を占めているのであります。
 第3に、民自公3党合意によって、消費税関連法案は、社会保障のためでも財政再建のためでもない、大型公共事業のためであることが明らかになりました。
 3党合意で突然出てきたのは、社会保障制度改革推進法案でした。この法案は、憲法25条を事実上否定し、社会保障を家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じて、その実現を支援していくとする、社会保障解体法案というべきものであります。具体化されようとしているのが、生活保護の削減など社会保障の削減であります。負担の適正化の名のもとに、年金、医療、介護の負担増を目指すものとなっているのであります。また、社会保障の財源に消費税を充てるとして、社会保障の充実のためには、際限のない消費税の引き上げを進めるものとなっています。
 消費税関連法案には、附則18条2項で、税制の抜本的な改革の実施により、成長戦略や事前防災及び減災に資する分野に資金を重点的に配分するとして、大型開発、公共事業の大盤振る舞いが明記をされました。
 自民党は、10年間で200兆円の国土強靭化基本法案を提出しており、民主党中心の議員連盟も160兆円の公共事業計画を打ち出しました。消費税増税を口実に、財政を破綻させた無駄遣いをさらに進めようとしていることは重大であります。財政再建に逆行するものであります。
 第4に、消費税の大増税は、国民の暮らしと経済を破綻に追い込むとともに、大震災津波、原発事故の復興に取り組む被災地にとっては、復興に逆行するものだということであります。
 今、国民の所得は減少し続け、日本の経済は長期のデフレに陥っています。こんなときに消費税を倍の10%、13兆円の増税、社会保障負担増を含めると20兆円の負担増を行うことは、国民の暮らしをさらに悪化させ、日本の経済をどん底に落ち込ませることが余りにも明らかであります。
 経済が悪化すれば税収も減少し、財政もさらに悪化することは、橋本内閣時代の消費税5%増税以後に大不況に陥り、その後、長期の経済の低迷から抜け出せていないことでも明らかではないでしょうか。
 被災地にとっては、消費税増税は復興に取り組む県民と事業者にとって冷や水をかけるもので、大震災津波、原発事故に続く第三の政治災害というべきものであります。今やるべきことは、消費税の大増税ではなく、復興のあらゆる取り組みを迅速に徹底して取り組むことであります。
 最後に、消費税に頼らず社会保障の充実と財政の再建を実現する道は、第1に、国民の所得をふやす経済改革を進めることであります。働くなら正社員が当たり前の雇用の改革、260兆円に及ぶ大企業の内部留保を労働者と中小企業に還元させる取り組み、農林漁業、中小企業の本格的な再建による地域循環型の経済の確立が必要です。
 第2に、民主的経済改革とあわせて、応能負担に基づく税制の改革が必要です。軍事費や大型開発、原発推進、政党助成金などの歳出の無駄の削減と、歳入面では、大企業、大資産家に対する行き過ぎた減税優遇税制の抜本的な改革が必要であります。こうした国民の立場に立った改革を進めるなら、消費税に頼らずに、社会保障の充実と財政再建ができると、日本共産党は具体的な財源を示して提言をしております。
 以上申し上げ、発議案第2号に反対の討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、発議案第2号消費税増税時の低所得者等対策に関する意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、発議案第2号消費税増税時の低所得者等対策に関する意見書は、原案のとおり可決されました。
   日程第65 発議案第3号農業者戸別所得補償制度の法制化を求める意見書
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第65、発議案第3号農業者戸別所得補償制度の法制化を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。工藤勝博君。
   〔25番工藤勝博君登壇〕

前へ 次へ