平成24年9月定例会 第7回岩手県議会定例会 会議録

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〇1番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
 私は、請願陳情受理番号第4号、第39号の一部不採択に、そして請願陳情受理番号第44号、第46号、第47号の不採択に対して反対の討論を行います。
 請願陳情受理番号第4号は、東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電所の撤退・再稼動の中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願であり、請願陳情受理番号第39号は、放射能汚染対策を求める請願であります。
 原発事故の収束や放射能汚染対策を強化すること、そして再生可能エネルギーを強力に推進することは当然であります。しかし、定期点検中の原子力発電所を再稼動させないことや、原発ゼロからの脱却を目指す請願項目を不採択にしたことは請願の趣旨に反するものであり、賛成することはできません。
 福島原発事故は収束するどころか、その被害は拡大し、多くの被害者の方々が先の見えない苦しみのもとに置かれています。そもそも、原発再稼動の条件は全く存在しないということであります。
 第1に、事故の原因究明が緒についたばかりであり、政府がとりあえず必要とした30項目の安全対策もとられていません。
 第2に、日常生活や経済が混乱すると言って政府が再稼動を進めたことは、全く根拠のない脅かしだったということは、この夏を乗り切ることができたことを見ても明らかであります。
 関西電力は、大飯原発を再稼動しなくても政府が最低限必要とした3%を超える余裕があったという試算を明らかにし、事実上再稼動が必要なかったということを認めました。原発事故のリスクは余りにも巨大であり、原発ゼロに伴って起きる問題を、原発事故の巨大な危険とてんびんにかけることは問題であります。原発からの撤退は福島原発事故の教訓であり、即時、原発ゼロは以下の点で可能であります。
 第1に、再生可能エネルギーの導入可能量は20億キロワット以上となり、原発54基分の40倍のエネルギーとなっております。これは、原発ゼロを決断してこそ、その爆発的な取り組みを進めるができることを示しています。
 当面、国民的な節電の努力とともに、火力発電による電力確保が必要であります。地球温暖化問題もあり、あくまでも5年から10年とか過渡的な措置とすべきであり、その間に再生可能エネルギーと低エネルギー社会への取り組みを進めるべきであります。
 第2に、再生可能エネルギーと低エネルギー社会への取り組みが広がるほど電力コストが下がる効果があり、それはドイツなど先進国の取り組みを見ても明らかであります。
 第3に、原発からの撤退こそ、日本の経済の持続的な成長を実現することができるからであります。
 そして第4に、福島原発事故から1年7カ月、国民世論が大きく変化をして原発ゼロを求める国民の声が圧倒的多数になっており、請願採択は国民の世論に応えるものであります。
 次に、請願陳情受理番号第44号米軍輸送機オスプレイの配備撤回・訓練計画中止を求める請願であります。
 各地で事故を繰り返しているオスプレイが、世界一危険と言われる普天間基地に配備されています。既に日米両政府が合意した運用ルートが飛来初日から踏み破られ、沖縄では今、島を挙げて反対運動が繰り広げられています。
 沖縄に駐留するアメリカの海兵隊は、沖縄で訓練をして、そして中東などイラク、アフガンなどの戦争に出かけて活動をする、まさに殴り込み部隊と言われています。日本の安全保障とは全く無縁であり、軍事的な緊張を高めるものであります。しかも、岩手を含め、国内各地で低空飛行訓練を計画しており、国民の安全や命にかかわる重大な問題であります。
 ただいま総務委員長の質疑にもあったように、明確な反対理由もなく、不採択となったことは大変問題と言わなければなりません。知事会も反対を明確にしており、達増知事も容認できないと議会で明確に述べているにもかかわらず、これに賛成をした民主党や自由民主クラブ、地域政党いわての責任も問われると思います。
 次に、請願陳情受理番号第46号は、医療従事者の増員と夜勤改善で安全・安心の医療・介護を求める請願であります。
 看護師の配置基準は7対1と見直しが行われました。しかし、構造的な看護師不足の中で、医療構造改革による診療報酬及び入院日数が大幅に短縮をされ、看護の業務量が激増しました。にもかかわらず、看護師の抜本的増員策が放棄されたために、超過密労働が増大し看護師不足が深刻化しています。県立病院においても、年次有給休暇がとれない、病気休暇、退職が出ております。
 一方、介護現場では、介護報酬の見直しなどによる深刻な人材不足になっております。福祉の志を持って、介護の現場で働く人たちが次々と燃え尽きており、これが介護制度の存続にかかわる事態であります。
 厚生労働省は、勤務条件の改善を求める通知を出しております。しかし、GDPに占める医療費は、我が国はわずか8%と、OECD諸国の中で平均以下、医師、看護師などの医療従事者が極端に少なく、国際比較でも最低クラスとなっている社会保障費の増額こそ行うべきであります。
 生きがいと誇りを持って働き続けられる労働条件、そして職場環境を整えることは、離職を防ぎ医療と介護従事者をふやす決め手であります。医療と介護現場の労働条件の改善、ゆとりを持って働ける実効ある施策を講じることは国の責任でもあります。
 最後に、請願陳情受理番号第47号は子どもの医療費助成制度の拡充を求める請願であります。
 子育て安心の政権公約を掲げた民主党政権のもとで、子ども手当の廃止、児童扶養手当の所得制限、そして年少扶養控除の廃止などが行われました。加えて、雇用の規制緩和による不安定労働の広がりなど、子供を産み育てる環境はますます悪化をして、今、子供の貧困問題も社会問題になっています。子育ての経済的負担を軽減することは、少子化対策の重要な施策となっており、制度の拡充は公的医療保険制度を補完する制度として、多くの自治体に広がっています。
 小学校3年生までは6県、小学校卒業までは6都道府県、中学校卒業までは7県となっていますが、岩手は就学前となっており、東北で唯一償還払いになっています。どこに住んでいても、ひとしくそして安心して子育てができる環境をつくることは、政治の責任であります。ましてや、国庫負担の減額措置でペナルティを科すことは自治権の侵害でもあり、請願採択は当然です。
 以上申し上げて、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第4号及び受理番号第39号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第4号及び受理番号第39号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第46号医療従事者の増員と夜勤改善で安全・安心の医療・介護を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第46号医療従事者の増員と夜勤改善で安全・安心な医療・介護を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第44号米軍輸送機オスプレイの配備撤回・訓練計画中止を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第44号米軍輸送機オスプレイの配備撤回・訓練計画中止を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第3号東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電からの撤退・再稼動中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第3号東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電からの撤退、再稼動中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第47号子どもの医療費助成制度の拡充を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第47号子どもの医療費助成制度の拡充を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第51号及び受理番号第52号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第51号及び受理番号第52号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第55号まで、議案第60号から議案第64号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第55号まで、議案第60号から議案第64号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第62 委員会の閉会中の継続審査の件
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第62、委員会の閉会中の継続審査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査事件
1 継続審査
   環境福祉委員会 請願陳情受理番号第53号
            福祉灯油の早期実施と拡充、石油製品に係る国への価格高騰対策及び適正価格と安定供給のための監視・指導の強化を求める請願
           請願陳情受理番号第54号
            福祉灯油の早期実施と拡充、石油製品に係る国への価格高騰対策及び適正価格と安定供給のための監視・指導の強化を求める請願
   県土整備委員会 請願陳情受理番号第57号
            主要地方道紫波江繋線のうち自然保護指定地域の区間を遊歩道とすることについての請願
〇議長(佐々木博君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査の件につきましては、環境福祉委員長及び県土整備委員長からお手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
   日程63 議案第65号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについて
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第63、議案第65号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。千葉副知事。
   〔副知事千葉茂樹君登壇〕
〇副知事(千葉茂樹君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
 議案第65号は、人事委員会の委員でありました及川卓美氏が去る9月25日に逝去されたことに伴い、補欠委員として熊谷隆司氏を新たに選任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
 人事委員会の委員は、地方公務員法第9条の2第2項の規定により、人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、かつ、人事行政に関し識見を有する者から選任することとされており、熊谷隆司氏は、法曹分野の識見を有する委員として弁護士活動を通じて幅広い経験を有しており、また、岩手県建設工事紛争審査会委員など、行政関係の委員としても業務を的確に遂行されているほか、社会福祉法人や学校法人の要職を務めるなど、さまざまな経験を通じて人事行政に関してすぐれた識見を有する方と存じております。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(佐々木博君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第65号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第65号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、議案第65号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   日程第64 発議案第2号消費税増税時の低所得者等対策に関する意見書
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第64、発議案第2号消費税増税時の低所得者等対策に関する意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。高橋元君。
   〔22番高橋元君登壇〕

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