平成24年9月定例会 第7回岩手県議会定例会 会議録

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〇40番(及川幸子君) 希望・みらいフォーラムの及川幸子でございます。
 私は、環境福祉常任委員会委員長報告に対し、一部反対の立場で意見を申し上げたいと思います。
 報告のありました中の請願陳情受理番号第4号、東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電からの撤退・再稼動中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願のうち、項目1の(2)及び3、また、請願陳情受理番号第39号、放射能汚染対策を求める請願のうち、項目3及び4の(1)について、私は採択すべきとの思いから次の意見を申し上げます。
 あの東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故から、はや1年7カ月が経過いたしましたが、いまだ私たちの周りには、原子力発電所事故の影響で避難を余儀なくされた福島の方々が多く暮らしております。家族がばらばらになり生活をしている方々の現状を見るとき、一日も早い原発事故の収束を強く願うものであり、このような事故は二度と起こしてはならないとの思いを強くしております。
 先日まで環境福祉常任委員会に所属しておりました私は、多くの請願そして悲痛な声を受けて、青森県六ヶ所村へ原子力発電に関する視察に行ってまいりました。
 私自身、2度目の視察でありましたが、六ヶ所村の使用済み放射性廃棄物を再処理するための施設は、今なお修復されておらず、見通しも立っていない現状でありました。一体、この先、使用済みの核燃料をどうするというのでしょうか。
 また、今回の福島での原発事故は、私の住む奥州市の前沢区を初めとする各区、隣の金ケ崎町、一関市、平泉町など、県内各地の農畜産業を初めとした多くの業種に対して甚大な被害をもたらしており、その損害賠償も十分とも言えず、関係者の方々は将来に対しての不安の中で、やっと経営を続けている現状であります。胸を張って日本一の前沢牛と言える日々が遠ざかっているのです。
 先日、我が会派は、JA関係者、シイタケ生産者、そして奥州市、金ケ崎町、一関市、平泉町の各自治体の代表者とともに、東京電力へ一日も早い本賠償の実施を求め、将来にそして今の生活に不安を感じている方々の声を届けてまいりました。しかし、十分な回答もいただかぬまま、本当にやるせなさを抱えて帰ってまいりました。
 今なお、放射線量の測定が保育園、幼稚園、学校や公園、住宅地など全国各地で行われ、国民は放射能汚染におびえながらの生活を余儀なくされております。もう、たくさんです。
 政府は、2030年に原子力ゼロということを打ち出しておりますが、そのためには今から原子力に頼らず、自然エネルギーの本格的な導入をすべきであります。
 皆さん、おかしいと思いませんか。原子力ゼロを打ち出している政府が、原子力政策を続けようとしているのです。おかしいことはおかしいと、はっきり言える政治こそが本物の政治であります。2030年までの間にまた問題が発生したら、一体、誰が責任をとるのでしょうか。
 私たちの岩手には自然の恵みが豊富です。野山から海から多くの恵みをたくさんいただき、岩手に生まれてよかった、岩手に育ってよかったと思う季節がやってまいりました。しかし、この岩手の自然の恵みさえ放射能で汚染され、安心して口に入れることさえできないじゃないですか。原子力発電所に対して、安全対策をしなかったツケが、大きく大きく私たちの生活を脅かしている現状は、本当に腹立たしい限りです。
 未来に生きる子供たちのため、私たちは今すぐ原子力発電からの撤退、再稼動中止に踏み込むべきとの思いを述べ、委員長報告に対して反対の討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 次に、木村幸弘君。
   〔14番木村幸弘君登壇〕

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