平成24年9月定例会 第7回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(小野寺好君) 公明党、小野寺好です。
 議案第1号及び議案第14号について伺います。
 まず、議案第1号平成24年度岩手県一般会計補正予算(第3号)ですが、今回、313億7、723万円の増額補正で、このうち東日本大震災関連は222億円と高額になっており、その内容について数点伺います。
 1、被災者住宅再建支援事業費補助金は8、226万円追加し12億円余となりますが、当該補助金の加算支援金受給世帯は、当初の見込み及び修正後の今年度の見込み数は幾らでしょうか。その場合の建設場所は、従前地及び従前の行政区域内箇所あるいは他市町村などに分類した場合の数を伺います。
 2、岩手産業復興機構出資金は3億円追加して8億円になりますが、これまでの成果及びその前段階となる岩手県産業復興相談センターでの対応状況はいかがでしょうか。
 関連して伺いますが、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構への申し込み状況を把握しておりましたら、お示しいただきたいと思います。
 3、中小企業等復旧・復興支援事業費87億円について伺います。
 被災地の企業にとって、いわゆるグループ補助金は大変好評ですが、希望者すべてには行き届いておらず、早期の国の補正予算による手当てが望まれています。しかし、いまだ臨時国会は召集されず、補正予算も示されていませんが、この87億円はどのような内容になるのか伺います。
 4、企業誘致の活動は大変地道で時間を要し、御苦労していると思いますが、特に被災地では雇用の場の確保として期待されます。今回、企業立地促進奨励事業費補助を3億円追加して倍増になりますが、その効果見込みを伺います。
 5、災害時地域医療支援教育センター整備費補助金4億5、700万円の内容を伺います。
 最後、6番目は震災とは離れますが、鳥獣保護費のシカ特別対策費1、700万円の追加ですが、ニホンジカ捕獲経費の増額について伺います。県都盛岡でも被害が出ておりますが、農作物を鳥獣被害から守る観点から見た場合の現状と対策を伺います。
 次に、議案第14号地方自治法第8条第1項第4号の規定による都市的施設その他の都市としての要件に関する条例の一部を改正する条例案について伺います。
 都市としての要件に、軌道またはバス事業の経営とか博物館、公会堂、劇場、映画館の数などが規定してあり、時代の変化に取り残された条例であり、改正の提案は時宜にかなったものと思います。
 20年ほどさかのぼりますが、かつて人口が5万人に迫り、日本一人口の多い村と言われた紫波郡都南村の場合、市制移行を願う立場からの上記都市要件は不合理だとの声はなかったのかどうか。今回要望されたから見直しをしたということになるのかどうか伺います。
 いわゆる平成の大合併が行われた際、滝沢村が単独で残る道を選択しましたが、近年、市制移行を主張するようになったのはどのような理由になると思われるか伺います。
 また、湯田町と沢内村が合併しても1万人になりませんでしたが、この場合の人口要件及び人口稠密度はどのように判断されたか伺います。
 滝沢村の人口稠密度、住宅連檐状況はどのように判断したか伺います。
 最後に、基礎自治体の形態が村である場合と市である場合とでは、住民生活にどのような差異が生じるのか、また、行政をあずかる立場はどう変化するのか伺います。
〇理事(高前田寿幸君) 被災者住宅再建支援事業費補助についてでございますが、当初予算におきましては支給対象件数を1、918件と見込んでおりましたが、今年度の執行見込みを市町村に確認し、100万円を助成する複数世帯が357件の増、75万円を助成する単数世帯は311件の減、合計では46件増の1、964件と見込み、補正予算額を計上させていただいたところでございます。
 また、建設地につきましては、まちづくりの進捗状況等により、今後、その動向が変化することも見込まれますが、被災者生活再建支援金の加算支援金の9月末までの申請状況を前提に推測いたしますと、従前地と従前の行政区域以内箇所を含めた地元市町村に建設、購入するものが全体の約7割の約1、400件、隣接する市町村も含め他市町村に建設、購入するものが約3割の約600件と見込まれます。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 3点お尋ねがありました。
 まず、いわて産業復興機構についてでありますけれども、9月末現在において25件の債権買い取りを決定しております。また、岩手県産業復興相談センターでは、買い取り支援に向けて検討中の案件が約40件ございます。これらが順次決定される見込みでありますことから、県では出資金を増額して対応しようとするものでございます。
 また、岩手県産業復興相談センターの相談件数は336件であり、債権買い取りに加えて長期返済猶予や新規融資などを含めた総支援件数は60件となっております。
 東日本大震災事業者再生支援機構における9月末現在の県内事業者からの相談件数は約150件と聞いております。
 次に、中小企業等復旧・復興支援事業費、いわゆるグループ補助金についてでございますが、本年5月に実施いたしました4次公募では43グループから申請があり、そのうち採択となったのは21グループでありますが、今回9月補正予算案に盛り込んだのは、採択とならなかったグループに対応する分であります。
 この事業を実施していくためには、国の早期の補正の予算措置等の財源対策が必要なことから、引き続き国に対して強く要望してまいります。
 次に、企業立地促進奨励事業費補助金についてでありますが、この補助金は、企業が岩手県内に工場等を新設または増設する場合、投資額や新規雇用者数を要件といたしまして、市町村が企業に交付する補助額に対して、県が市町村に交付する事業でございます。
 今回の増額補正につきましては、既に立地し、今年度内に操業を開始する9社の新設、増設に対する補助金を追加しようとするものでありまして、これによって約780名の雇用の確保が図られるものでございます。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 災害時地域医療支援教育センター整備事業費補助についてでありますが、これは、災害時における医療提供体制の強化と人材の確保を図るため、学校法人岩手医科大学が矢巾キャンパスに設置する拠点施設の整備に要する経費の一部に対し補助しようとするものであります。
 このセンターの具体的な機能といたしましては、同大学が、東日本大震災津波に伴う災害時医療活動を通じて得られた経験や知見を生かし、医師や研修医、医療従事者等を対象とする災害医学の講座や各種研修プログラムを設け、災害時に対応する医療人材や災害医療を調整する災害医療コーディネーターの育成を図ること、また、災害時におきましては、県災害対策本部や災害医療支援ネットワークと連携を図りながら、同センターで養成した医師等の被災地への派遣や全国から参集する医療チームの受け入れとその活動調整等の機能を発揮するよう検討しているものであり、今後、本県の災害時医療提供体制を充実していく上で、重要な役割を担うものと考えております。
〇環境生活部長(工藤孝男君) シカ特別対策費についてでありますが、鹿による農業被害は昨年度で約1億5、700万円と鳥獣による被害総額の約5割を占め、生息域も遠野市、県南部から全県にまで広がっている状況であります。
 また、鹿肉から基準値を超える放射性物質が検出され、7月26日に出荷制限が指示されたことによりまして、狩猟による捕獲頭数の減少が見込まれ、一層の頭数増加や被害拡大が懸念されております。
 このため、基準を超える放射性物質が検出された6市町を対象に、一層捕獲を強化することとし、昨年度の狩猟による捕獲総数の2倍以上に当たる2、200頭の捕獲を県猟友会及び市町村に委託しようとするものであります。
 これにより、今年度の捕獲頭数は、有害捕獲や一般狩猟を合わせると、昨年度実績の約1、900頭を大幅に上回る3、000頭以上を見込んでいるものであります。
 今後とも、市町村、猟友会と連携しながら、適切な頭数管理と農業被害の拡大防止に努めてまいります。
〇政策地域部長(中村一郎君) 都市としての要件に関する条例等についてでございますが、まず、1点目の旧都南村の場合に、都市要件が不合理等の声がなかったのかというお尋ねがございました。
 旧都南村につきましては、単独での市制施行ではなくて、盛岡市との合併を進めていたということで、滝沢村の案件とはまた状況が異なってございますので、その時点では、特に本条例に定める都市としての要件についての議論はなかったというように承知をしてございます。
 それから、滝沢村が市制移行を目指している理由についてでございますが、滝沢村におきましては、平成12年に人口が5万人を超えまして、現在も増加している中、住民による主体的な地域づくりを進めて、住民自治をさらに深め、自立した自治体経営を進めるために市制移行を目指しているものと伺ってございます。
 その次に、湯田町と沢内村の合併についてのお話がございました。
 これにつきましては、本県で町としての要件に関する条例というものを設定してございますが、その要件の一つに、人口1万人以上を有することという条件がございます。
 当時、湯田町と沢内村から人口要件の緩和について要望がございまして、県におきましては、この要望を受けまして、平成18年3月31日までに合併した場合にありましては、人口1万人以上の人口要件を満たさない場合においても町を設置することができるという規定を附則に規定いたしまして、西和賀町の設置に至ったものでございます。
 それから、滝沢村の人口稠密度のお話がございました。
 これにつきましては、地方自治法の第8条で、市になるべき要件の一つに、普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の6割以上であることという要件がございますが、これにつきましては、総務省とも協議いたしました結果、滝沢村においては、連担していると思われるとみなしてよいというお話をちょうだいしておりまして、それによりまして、滝沢村については、ここの全戸数の6割以上が中心市街地の区域内にあるという要件もクリアしているという判断をしてございます。
 それから、最後、基礎的自治体である村である場合と市である場合の差異でございますけれども、一つは、市制移行に伴いまして、福祉事務所が市のほうに設置されることになります。そして、生活保護、児童扶養手当、母子生活支援施設への入所措置など、福祉関係の業務について市のほうで新たに担うことになりますので、住民に近い立場から迅速かつきめ細かな行政サービスが市のほうで提供できるということになります。
 行政としても、町村に比べ市に対する権限移譲項目が多く、担うべき事務が拡大されるという状況になりますので、村のままである場合に比べまして、より地域の実情に応じたサービス提供が可能になるものというように認識をしてございます。
〇38番(小野寺好君) 1点だけ確認させていただきたいんですけれども、グループ補助金の今回の87億円、これは、国が今までと同じような仕組みをやるとした場合のことなんでしょうか。その場合に、県として87億円で、国からは倍の174億円、合わせて261億円、これを使える、そういうような判断でよろしいんでしょうか。
 万一、国のほうで、これはもう終わりだよ、あるいは補正予算も組まないとなった場合に、これは県単独の87億円で中小企業等復旧・復興支援事業費としてやるんでしょうか。その点、確認させていただきたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 中小企業等復旧・復興支援事業についてでございますけれども、今般、87億円を補正予算案に盛り込ませていただいております。現在、この裏づけとなる国の財源措置については、まだ最終的に確定しているものではございません。しかしながら、県といたしましては、復旧、復興にぜひとも必要な事業ということで、ぜひ国のほうで予算措置をしていただきたいということで要望してきておりますので、それらを踏まえて、今回、踏み込んだ形で補正予算に盛り込んだものでございまして、仕組みといたしましては、従来と同じ、全体では4分の3、国が2分の1、県が4分1という形の4分の3の補助制度ということを想定しております。
〇38番(小野寺好君) 国の補正予算の成立を提出条件として今回組んだとすれば、今の野田内閣の不誠実さを見ると、これは、場合によってはだめになるということも考えられるんでしょうか。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 被災地である本県の実情を国に対してしっかりと訴えて、本県に対するグループ補助金がしっかりと財源手当てがされるよう、要望を強く働きかけていきたいと考えております。
〇議長(佐々木博君) 次に、斉藤信君。

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