平成17年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成17年3月16日(水)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事課長 平 澤 石 郎
議事課長補佐 八重樫 典 彦
主任主査 千 田 利 之
主査 小 船   進
主査 福 田 清 喜
主査 佐々木 ユ カ
主査 嵯 峨 俊 幸
主査 安 藤 知 行
1説明員
商工労働観光部長 酒 井 俊 巳
商工企画室長 熊 谷 順 太
商工企画室管理担当課長 及 川 伸 一
産業振興課総括課長 山 本   博
科学技術課総括課長 宇 部 眞 一
観光経済交流課総括課長 松 川   求
企業立地推進課総括課長 菅 原 研 一
労政能力開発課総括課長兼技能五輪推進担当課長 菅 原 和 弘
総合雇用対策局長 上 村 俊 一
総合雇用対策監 勝 部   修
医療局長 千 葉   弘
医療局次長兼病院改革室長 岩 渕 良 昭
参事兼医師対策監 橘 山 孝 悦
管理課総括課長 齋 藤 淳 夫
職員課総括課長 細 川 孝 夫
業務課総括課長 吉 田 廣 光
システム管理室長 釼 吉 民 雄
経営改革監 八 木 善 一
労働委員会事務局長 種 田   勝
審査調整課長 岩 渕   清
予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
〇佐々木順一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号、議案第41号から議案第45号まで、議案第47号から議案第49号まで及び議案第100号の以上30件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部・総合雇用対策局、医療局及び労働委員会関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 これより、最初に商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求め、引き続き総合雇用対策局長に総合雇用対策局関係の説明を求めます。
〇酒井商工労働観光部長 平成17年度の商工労働観光部関係予算について御説明申し上げます。
 約25分ほどになりますので御了承願います。
 初めに、当部における施策の基本的な考え方でありますが、少子・高齢化と人口減少社会の到来、経済のグローバル化の進展及びユビキタス社会の進展に対応し、岩手が真に自立できる地域として発展していくためには、地域経済の活性化が不可欠であります。このため、これまでの工業集積を含め、岩手ならではの地域資源や情報通信技術を初めとした新しい技術を生かした産業の振興及びそれを支える産業人材の育成に積極的に取り組み、21世紀型の新しい産業先進県の実現を目指すものであります。
 平成17年度予算の編成に当たっては、これらを踏まえ、自動車関連産業の集積を通じたものづくり産業基盤の集積、産学官連携の充実強化及び産学官金連携の推進、多様な連携・交流による産業ネットワークの構築、いわての特性を生かした食品関連産業の振興、商店街の自律再生の促進、県内産業の国際化の促進、県民がみずからの個性や能力を生かし、生き生きと働ける就業機会の確保、千年の古都平泉を生かした本県観光の振興について、重点的に取り組むこととしているものであります。
 それでは、予算の議案につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、総合雇用対策局関係及び労働委員会費を除く22億2、400万3、000円と、7款商工費の549億6、490万3、000円、9ページに参りまして、12款公債費のうち5、700万円、あわせまして572億4、590万6、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと90億1、223万円余の減、率にいたしまして約13.6%の減となっております。
 以下、予算の内容につきまして、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の141ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、労政部門の職員給与費や地域雇用相談員の設置、中小企業の労務改善等に要する経費であります。2目労働教育費は、雇用・労働フォーラムの開催に要する経費であります。142ページに参りまして、3目労働福祉費は、労働者等生活安定支援資金貸し付けなどに要する経費であります。4目雇用促進費でありますが、若年者等就職支援事業費は、新規大学卒業予定者等を対象とした就職面接会の開催や職業講習、就業体験による職業意識の啓発など、若年者の就職を支援しようとするものであります。チャレンジド就業支援事業費は、障害者の就業を支援するため、生活面と就業面を一体的に支援するチャレンジド就業支援センターの運営に要する経費等に対し補助しようとするものであります。
 143ページの2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、認定職業訓練費は、技能労働者の養成及び技能水準の向上を図るため、職業訓練団体等の認定職業訓練に要する運営費及び施設整備費に対し補助しようとするものであります。ものづくり人材育成事業費は、昨年の技能五輪全国大会岩手大会の成果を踏まえ、岩手県青年技能協議会・技能評価会――これは仮称でございます――を開催するなど、若年技能者等の育成を一層推進しようとするものであります。2目職業訓練校費でありますが、管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。公共職業能力開発校施設設備整備費は、産業技術短期大学校水沢校等の施設設備の整備に要する経費であります。就職支援能力開発費は、離転職者等の再就職を促進するための職業訓練及び不安定就労若年者を対象とした職業訓練(日本版デュアルシステム)を職業訓練法人等に委託して実施しようとするものであります。チャレンジド就業支援事業費は、障害者の就業を一層支援するため、職業訓練法人等への委託による職業能力開発について、定員を拡充して実施しようとするものであります。
 次に、飛びまして184ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、管理運営費は、商工業部門の職員給与費、事務経費等、管理運営に要する経費であります。いわて産業人材育成事業費は、本県のものづくり基盤を支える、すぐれた技術・技能を持った人材の育成を推進するため、産学官や教育界との連携による産業人材育成の支援体制を構築するほか、財団法人いわて産業振興センターでのいわてものづくりアカデミー――これも仮称でございますが――の開催や、岩手県立大学の組込系ソフトウエア開発技術者養成講座の開設を支援しようとするものであります。新事業創造推進事業費は、市場ニーズに対応した県内企業における新たな事業の創出と展開を支援しようとするものであります。いわて型ペレットストーブ普及促進事業費は、木質バイオマスを活用したペレットストーブの普及を促進するため、一般家庭等及び市町村がペレットストーブを購入する経費に対し助成しようとするものであります。次に、重点企業成長密着支援事業費補助は、成長を目指す意欲的な県内ベンチャー企業を育成するため、財団法人いわて産業振興センターが行う専門チームによる密着支援事業に要する経費に対し補助しようするものであります。戦略的技術開発推進事業費は、県内誘致企業が有する国際競争力の高い技術シーズを核に、岩手大学等との連携による実用化を目指した関連研究の実施などにより、新たな産業の創出と関連産業の育成を図ろうとするものであります。科学技術振興推進費は、科学技術の振興による地域の活性化を促進するため、総合的かつ長期的な科学技術振興策を企画・推進しようとするものであります。185ページの夢県土いわて戦略的研究推進事業費は、大学等の研究シーズを生かし、産学官連携による産業化を図ろうとする有望な研究開発を適切に目ききするため、金融機関との連携のもとに新たな目ききシステムを構築するとともに、資金面での援助を行おうとするものであります。産学官連携機能強化促進事業費補助は、研究開発の育成から事業化までの一貫支援体制を構築するため、財団法人いわて産業振興センターが行う産学官連携の支援機能を強化する経費に対し、補助しようとするものであります。国際経済交流推進事業費は、県内企業の国際展開力を高め、地域経済の活性化を図るため、東アジアをターゲットとしたビジネスモデルの調査、海外における岩手ビジネスフェアの開催等により、県内企業の海外展開を支援しようとするものであります。大連経済事務所管理運営費は、今後、一層の市場拡大が見込まれる中国との経済交流や観光客の誘客の促進を図るため、本年4月に設置することとしている岩手県大連経済事務所の管理運営に要する経費であります。いわて観光経済交流センター整備事業費は、地場産品の販路拡大、県内企業の海外ビジネス展開の支援及び観光振興に関係する各機関を集約したワンストップ・サービスセンターを整備しようとするものであります。次に、2目中小企業振興費でありますが、攻めの食産業推進事業費は、岩手の基幹産業である食品関連産業をマーケットインの企業へ育成するため、首都圏等の食品関連マーケットにおける商材調査や販売促進、商品企画等の売り込み機会を誘致するなどして、本県企業のビジネスマッチングを推進しようとするものであります。次に、貸付原資を金融機関に預託して実施する県単融資でありますが、商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者の設備改善等に要する資金を貸し付けるためのもの、186ページに参りまして、中小企業経営安定資金貸付金は、取引先の倒産、営業不振等により事業経営に支障を来している企業等に対し、運転資金を貸し付けるためのもの、いわて起業家育成支援貸付金は、新たに事業を始めようとする者に対し、創業資金を貸し付けるためのものであります。次に、商工業小規模事業対策費は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う商工業小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費に対し、補助しようとするものであります。中小企業連携組織対策事業費は、岩手県中小企業団体中央会が行う組合等の組織化を支援する事業の実施に要する経費に対し補助するとともに、異業種連携による県内サービス産業の活性化を促進しようとするものであります。187ページの中小企業経営革新支援事業費は、新商品・新技術開発等、新たな事業活動を実施する中小企業等に対し、経費の一部を補助するとともに、経営の向上及び新規販路開拓を支援しようとするものであります。中心市街地活性化推進事業費補助は、タウンマネジメント計画等に位置づけられた商店街活性化のためのソフト事業に対し、支援しようとするものであります。商店街自律再生支援事業費は、生活者に支持・選択される個店づくりや商店街づくりに向けた自律的な取り組みを支援しようとするものであります。中心市街地商店街施設整備費補助は、共同出資会社・有限会社水沢クロス開発が行う水沢メイプル取得・再生事業に要する経費に対し、補助しようとするものであります。コミュニティ・ビジネス育成支援事業費は、福祉サービス、特産品づくりなど、地域の課題解決や資源を生かしたビジネスに取り組む事業者を支援しようとするのであります。自動車関連産業創出推進事業費は、県内中小企業の自動車関連産業への参入促進等のため、専門家による県内企業の生産工程改善指導及びビジネスマッチングを一層強化するほか、人材育成のための県外企業への派遣研修に対し、支援しようとするものであります。次に、188ページに参りまして、食の新ビジネスモデル構築事業費は、銀河プラザサテライト店として指定した首都圏の飲食店等において、食を通した岩手県の情報発信を行おうとするものであります。いわてクラフトふれあい事業費は、展示会の開催などにより、県内で生産されている工芸品等を広く紹介するとともに、県内工芸品関係者の協同による新製品の開発等を行おうとするものであります。森からの新ビジネス展開事業費は、森林や木材を新たな活用方策でビジネス化する企業やNPO等を支援し、雇用の創出を図ろうとするものであります。いわて短角和牛肉逸品化推進事業費は、首都圏の消費者を対象に、安全性の高い、いわて短角和牛肉のオーナー制度を立ち上げ、購入はもちろんのこと、調理方法の紹介など、交流事業等を実施しようとするものであります。3目企業立地対策費でありますが、企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し、資金を貸し付けるための原資を金融機関に預託しようとするものであります。企業立地促進奨励事業費補助は、市町村が実施する事業に対し、補助しようとするものであります。コールセンター立地促進費補助は、雇用創出効果の大きいコールセンターの開設等に要する経費に対し、補助しようとするものであります。189ページの4目中小企業経営指導費の中小企業支援センター事業費補助は、中小企業の不足する経営資源の円滑な確保を支援するため、財団法人いわて産業振興センターが行う専門家派遣事業、取引支援事業等に対し、補助しようとするものであります。5目貿易振興費は、日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易情報センターの事業運営経費に対する負担金等であります。6目工業技術センター費は、工業技術センターの管理運営に要する経費及び県内企業の技術ニーズに対応した試験研究、技術指導、企業技術者の養成等に要する経費並びに計量検定に要する経費であります。
 次に、191ページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、管理運営費は、観光部門の職員給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。財団法人岩手県観光協会育成事業費は、県内における観光団体の中枢機関である財団法人岩手県観光協会の育成を図るとともに、同協会が行う観光客の誘致宣伝事業及び受け入れ態勢整備事業等に対し補助しようとするものであります。ゆったり・ぬくもり岩手の旅推進事業費は、観光客の拡大を図るため、財団法人岩手県観光協会が行う、岩手らしいゆったり・ぬくもりを感じる旅の商品化を促進する経費に対し負担しようとするものであります。杜の賑い盛岡実行委員会負担金は、国内大手旅行業者との連携により、本県の伝統芸能を全国に情報発信する杜の賑い盛岡を開催し、本県全域への観光客の拡大を図ろうとするものであります。北東北広域観光推進事業費は、観光客の誘致拡大を図るため、青森県、岩手県及び秋田県の3県共同で各種観光宣伝事業等を実施しようとするものであります。国際観光推進事業費は、本県への外国人観光客の来訪促進を図るため、ミッション派遣事業、旅行エージェント招聘事業、国際チャーター便歓迎支援事業等を実施しようとするものであります。大河ドラマ義経タイアップ観光特別推進事業費は、平成17年1月からのNHK大河ドラマ「義経」の撮影ロケや放送番組を活用し、本県への観光客の誘致を図ろうとするものであります。2目観光施設費は、観光地間の移動の利便性向上を図るための総合観光案内板の整備や誘導標識を設置するとともに、八幡平ユースホステルの改修など、県有観光施設の機能強化を図るための経費であります。
 次に、飛びまして247ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目公債費でありますが、当部の所管は、県債償還元金のうち、平成10年度の新産業創造支援事業に係る5、700万円でありまして、財団法人いわて産業振興センターからの償還金を財源に、独立行政法人中小企業基盤整備機構へ償還しようとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 戻りまして、議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄1から4までの4件であります。これらは、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に関する損失補償、岩手県信用保証協会が行う創造的中小企業支援資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償、財団法人いわて産業振興センターが貸与した設備に係る被貸与者からの償還金の納入がない場合の不足額の損失補償、岩手県信用保証協会が行う中小企業再生支援に係る融資についての信用保証契約の履行に伴う損失補償について、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 議案その1の32ページをお開き願います。議案第7号岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ36億925万4、000円とするものであり、歳入及び歳出の区分は、33ページの第1表のとおりとするものであります。
 項・目の区分ごとの内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 それでは、予算に関する説明書の366ページをお開き願います。歳入歳出予算の総額につきましては、ただいま申し上げましたとおりであります。
 まず、歳入ですが、367ページの1款繰入金1項一般会計繰入金1目一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
 次に、368ページに参りまして、2款繰越金1項繰越金1目繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 次に、369ページの3款諸収入は、1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入は、設備資金貸付等の貸付償還金であります。
 370ページに参りまして、2項預金利子1目預金利子は、歳計現金の利子であります。
 371ページの3項雑入1目雑入は、違約金収入等であります。
 次に、歳出でありますが、372ページをお開き願います。1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費1目設備資金貸付費及び2目設備貸与資金貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸し付け及び設備貸与事業に要する資金を貸し付けるとともに、余裕資金を国へ償還及び一般会計へ繰り入れようとするものであります。3目高度化資金貸付費は、特別広域高度化資金貸付金及び中小企業基盤整備機構に対する償還金等であります。
 373ページの2項貸付事務費1目貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費及び財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸し付けに要する事務経費に対する補助であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算について説明を終わります。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の48ページをお開き願います。議案第47号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうちの商工労働観光部関係の改正は、62ページの技能検定手数料についてであります。これは、職業能力開発促進法施行令別表第2(第3条関係)の改正等により、都道府県知事が実施することとされている技能検定職種の改廃が行われたことから、所要の改正をしようとするものであります。
 以上で商工労働観光部関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
〇上村総合雇用対策局長 それでは、平成17年度の総合雇用対策局関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに、当総合雇用対策局は、平成17年度の組織目標を、県民や地域が実感できる雇用の創出とし、サービス関連産業における1万5、000人の雇用創出目標を中心とした岩手県総合雇用対策の推進、総合的な若年者就業支援体制の確立及び地域の特色を生かしたモデル事業の創出に重点的に取り組みます。
 次に、予算議案につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費1項労政費のうち、1億8、054万7、000円が総合雇用対策局関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと、11億9、126万円余の減、率にいたしまして、約86.8%の減となっております。これは、国基金事業の廃止により、前年度の当初予算に計上していた当対策局関係の国基金事業の予算額11億円余が減となったことによるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 それでは、予算に関する説明書の141ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費の管理運営費は、総合雇用対策局の職員給与費、運営事務費であります。142ページに参りまして、4目雇用促進費でありますが、若年者等就職支援センター管理運営費は、若年者に対しきめ細かなカウンセリング等の就職支援サービスを行うために設置したジョブカフェいわて及び県内4カ所のサテライトセンターの運営等に要する経費であります。地域若年者雇用対策強化事業費は、現在、各地方振興局に配置している就職支援アドバイザー並びに高等学校の学区ごとに1名を配置しているエリア・マネージャーを統合して、エリアジョブ・コーディネーターとしてジョブカフェ・サテライトセンターあるいは地方振興局に配置し、新規高等学校卒業者を中心とした若年者の就職活動を総合的に支援しようとするものであります。
 以上で総合雇用対策局関係の予算についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の43ページをお開き願います。議案第43号緊急地域雇用特別基金条例の一部を改正する条例についてであります。これは、国基金事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、平成16年度末をもって廃止されるものでありますが、引き続き、常用雇用の創出や若年者就業支援策を一層推進するため、県単独で造成した基金条例の有効期限を平成19年3月31日まで延期しようとするものであります。
 以上で総合雇用対策局関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇渡辺幸貫委員 実はこの間発表されましたトヨタ自動車が京都議定書の批准によりまして、モーダルシフトをして、盛岡なんかから運ぼうということが発表さました。これはトヨタも長期的展望に立っての判断だろうと思いますし、また、関東自動車は常々流通のコストダウンが必要だということを話しながら、私らも聞いているわけですが、そういう中で、実は昔、国鉄の北上操車場というのは、岩手県内でも最も大きな操車場であったかと思うんでありますが、現在は東北インテリジェント・コスモス構想だったか、たしかそういう中でオフィスアルカディアという構想ができまして、それが具体化されているように見ていますが、私は実はそのそばを毎日通過しているのでありますが、一向に広々とした操車場は相変わらず広々としていると、こういう状態であります。したがいまして、その案によれば、ある程度の荷役機械、つまり昇降機も巨大なものでなければ、そういうものがなければなかなかトヨタの部品がお互い、飛行機かそれからコンテナに乗せるか何か知りませんけれども、それが必要だということを盛んに書いてありましたから、そういうことに対する対処をやったらいかがかと。思い切って北上操車場を、もう一回JRにかけ合ってちょっとあそこを少し戻そうよと、あれだけ広いんだからささやかでも十分な広さがあると思いますが、そういうお考えがあるかどうか。もしないとすれば、ぜひ働きかけてほしいと思います。とにかく、あそこの場所は工業団地に10分もかかれば、皆さん御承知のとおり工業団地に隣接した場所、これ以上のところは国内だってそうざらにはないだろうと私は思うんでありますが、いかがでしょうか。
〇酒井商工労働観光部長 今の関東自動車のいわゆるモーダルシフトといいますか、JR貨物を利用しての御質問でございますが、今のところの計画では盛岡貨物ターミナル駅を使うと。そこから関自の方に運ぶというようなことでございます。これは県内に関自が今予定しているような規模で搬入した場合に、対応できるところが盛岡駅しかないということでございまして、そういうことになっております。それに対して、今、水沢の方からも、水沢駅のところにこれの対応をさせてくれないかという話で、させてはどうかというようなことで水沢地区の方からも実は働きかけがございます。これに対してはJR貨物が基本的に対応することになっておりますので、JR貨物の意向次第によるわけでございますが、現状では水沢も難しいということになっています。それは単に引き込み線の長さだけ、そういう問題もございますが、それ以外に、要するに周辺に住宅地が密集しているとか、夜間作業とか結構あるものですから、そういう部分がクリアされない限り、土地の問題、取得の問題がございます。それからJR貨物の資産でないという問題がございますので、一部しか持っていないということがありますので、水沢もなかなか実は難しいところでありますが、御要望は受けております。
 それで、ただいまの北上オフィスアルカディア、北上操車場のお話につきましては、今お話を受けたばかりでございますので、今この時点でどうするという返事は実はできません。したがいまして、今のお話につきましては、そういう案も検討してはどうかという御提案と受けまして、私どもとしてもそれについても検討をさせていただくというところで、今はとどめさせていただきたいと思います。
〇渡辺幸貫委員 前の構想の中には、例えば相去駅というのを、あの辺が大いに発展したらつくろうという構想もありました。御存じだろうと思います。そう思ったときに、あの辺が大変な車の混雑で、遠くからも汽車で通える場所、そこでおりれば、自転車でも行けるんじゃないかという場所ですから、そういう時代の流れ、京都議定書の流れはこれは国家的なものですから、ぜひ速く対処していただきたいと思います。
〇樋下正信委員 私は4点ほどお聞きしたいと思いますけれども、最初に観光総務費、観光施設費のところでお聞きしたいんですけれども、今までも何回か岩手公園を中心とした大型バスの駐車場整備等の質問をさせていただいたわけでございますけれども、いよいよ温かくなってきまして、隣の石割桜のシーズンというような形になってきたわけでございますけれども、県内では多くのお祭りや祭事が年間を通じて行われているわけでございますけれども、それぞれの地域で多くの方々が活躍して盛り上げていただいているわけでございますけれども、東北でも行われているわけでございますけれども、そういった中で岩手県の観光、祭事というんですか、お祭りにどの程度の観光客が来県しているのか、東北管内でベストファイブとかベストテンとか、集計をとっているやに聞いておりますけれども、県内のそういった祭事でベストテンとかベストファイブに入っているお祭り、祭事があればお聞かせ願いたいと思います。
 次に、大型店出店についてでありますが、盛岡地区では2年前ですか、前潟地区にイオンショッピングセンターがオープンし、大変なにぎわいをしているわけでございますけれども、盛岡の大通りを中心として中心市街地の商店街の購買というんですか、お客さんに対しての影響が商店街が大変影響を受けているというようなお話を聞いておりますけれども、このような中にありまして、中心商店街に対しての応援といいますか、それなりに支援はしていると思いますけれども、どのような対策を持っているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 3点目は、今の質問にも関連しますけれども、きょうのタイムスを見ると、14日に知事を囲む懇談会ということで、県の商工会議所連合会斎藤育夫会長が主催で、知事を囲んで大型店の郊外への出店や、大型店撤退による中心市街地活性化対応を中心に、地域振興を議題に懇談したという記事がありました。こういう懇談会もあったようでございますけれども、盛岡地区の盛南開発というところでは、今340ヘクタールの規模で区画整理、宅地化の開発が行われているわけでございますけれども、そこに第2のイオンショッピングセンターが出店することが決まったということでございますけれども、大変ショッキングな話でありまして、実は3月3日付の岩手日報に、福島県の大型店進出、条例で調整という記事がありました。
 その記事の内容は、福島県は2日までに、複数の市町村に商圏がまたがる大型店の進出の際に県が事業者に建設予定地の変更などを勧告できるという条例を制定する方針を固めたと。2006年度中の施行を目指すと。県の商業まちづくりグループは、県レベルで大型店の立地調整を個別に行う条例は全国で初めてとしている。同グループによると、対象は店舗面積1万5、000平方メートル以上の大型店。県は地元自治体などと調整し立地について事業者に意見を通知。事業者が対応を県に報告し、対応が不十分な場合は勧告を出すと。事業者が従わない場合はその事実を公表するというような記事がありました。
 福島県ではこのような取り組みをしているようですが、岩手県としてどのような、同じような問題を抱えていると思っておりますけれども、商工労働観光部として、県としてどのような考えを持っているのか教えていただきたいと思います。
 4点目ですが、これは地元の生産者なり納入業者からのお話でございますけれども、大型店に対しての納入業者はどのくらいの割合で納入しているのか。そしてこの割合を上げる方策として、県としての指導はどのような指導をしているのか。一概に食料とか衣類とか電化製品、物によっては全部が全部地元の納入率を上げるというわけにはいかないと思いますけれども、例えば、これも条例などを制定してその大型店に指導していくというような考えがあるのかないのか、お聞きしたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 東北の祭りの入り込み状況、本県の祭りがベストファイブに入っているかどうかというお尋ねでございます。
 実は私ども、県内の祭事の入り込み状況の調査はいたしておりますけれども、東北6県との比較というような形のものは残念ながら行ってございません。ただ、聞くところによれば、青森のねぶたが大変ダントツで入り込みが多いということを聞いてございます。
 私どもの平成15年の県内の祭りの入り込み、調査の結果を見ますと、県内で最も多いのは花巻まつりの50万人でございます。それから、次が岩手雪まつりの30万8、000人、これは平成15年の数字でございます。それから、続きまして、春の藤原まつりが24万8、000人というようなところがベストスリーでございます。ただ、これには盛岡のさんさ踊り、これは今年度から数値を取り出したということで、平成15年までは数値をとっておりませんので計上されてございません。本県の祭りの入り込み状況は、主なところはこういったところでございます。
〇酒井商工労働観光部長 御質問について、私の方から後段の二つについてお答えをしたいと思います。残りは担当課長の方からお話をさせたいと思います。
 イオンの出店による商店街の影響、これについては担当課長の方からお話しさせたいと思います。
 まず商工会議所連合会との懇談会との関係でございますが、これはお話しのとおり、この間開催させていただきまして、いわゆる現在まちづくり三法というのがございまして、これによって中心市街地の活性化といいますか、そういったことをその三つの法律の中で取り組まれているわけでございますが、その効果というものが果たして出ているのかという論点がございまして、今、国の方でも、経済産業省それから国交省がこのまちづくり三法についての検証といいますかレビューをしております。それで、場合によっては今後の法律の改正みたいなものをにらんだような形での意見を聴取しているといいますか、そういう作業をしております。
 そこで、福島県の話でございますが、福島県については私どもの方もこれは承知をしてございまして、今福島県は3月4日から条例骨子案を出して1カ月、4月4日までの間、パブリックコメントをかけております。具体的には17年度中にパブコメをやって、18年の4月あたりから施行しようかということでやっておるわけでございますが、この条例については国と今まで福島県の方も協議しておりますけれども、実は大店立地法との関係がございまして、大店立地法は商業の需給調整をやっちゃならないという、そういう禁止規定がございます。上乗せでやることはできないということで、福島県の方は、それは需給調整をやっているんじゃないんだと。要するに、そういうことでなくて、ゾーニングとか土地利用の観点の中でのことをやっているということで、条例をつくって国と今協議をしておりますけれども、そういった中で、やはり依然として制度に向けて、先ほど言ったいろんな仕組みになっていますが、果たして実効性があるのかという問題がございます。大型店との需給調整、上乗せ禁止とか、そういうものとの関係がどうなっているのか。あるいは大型店というのは、一応今1万5、000平方メートル以上の特定商業施設というのが大型店、福島の条例で言っているんですが、それ以上についてのいろんな出店に関する計画を出したり、地元の説明会をやったりというようなことも条例の中に入っているわけでございますけれども、いずれ、そういった運用上の問題というのはまだはっきり出ていないところもあると聞いてございます。
 それから、訴訟に耐えられるのかという問題がありまして、先ほど言いました大店法との関係等で、こういった規制が自治体条例の中でできるのかといいますか、そういったこともあるようでございます。いずれ、私どもとしましては、福島県の例というのは、そういう意味では一番最初の条例でございますので、それは十分情報収集しながら参考にしていきたいと思いますし、また、県としても、大型店問題については商工会議所等の要望もございますし、私ども問題意識を持っておりますので、平成17年度、新年度になりましたら、庁内にまちづくり関係のいわゆる研究会というものをつくりまして、多面的な検討をしていって、その中で条例の問題等についても検討を加えていきたいと考えてございます。
 それから、大型店に対する地元商品の納入率というのは、多分これは調査していないと思いますのでわからないと思います。ただ、いずれ、大型店もいろいろ地域貢献ということで地元の商品の納入率というのは高くしているということは聞いておりますけれども、数値としては把握していません。できていないということでございます。
 今後、指導するかどうかの問題につきましては、商売の話でございますので、強制等はできませんし、条例の中でもそこまでやれるかどうかちょっと難しいのかという気はいたしますが、一つの要請として、地元調達率を上げてほしいというようなことは可能ではないかと思います。
〇山本産業振興課総括課長 イオンの出店に伴います地元商店街に対する影響ということでございましたけれども、前潟にイオンが進出いたしましたのは明けて一昨年でございます。私どもの方で前潟に出店をいたしました影響というものを、地元の商工会議所あるいは各商店街等々に聞き取り調査等を行いましたけれども、基本的にはある程度若干の影響はある状況でございますけれども、商店街によりまして非常に影響の度合いが異なっていると。それから、不況の影響だとかあるいは天候の影響で衣料品等の売り上げ、こういった変動が大きいのではないかということでありまして、総じてイオンの影響というものが全くないわけではないけれども、経済情勢の影響によることの方が大きいのではないかと、こういう見方を各商店街あるいは商工団体の方ではしていると受けとめてございます。ただし、今後まだ大店立地法上の正式な届け出などは出ておりませんけれども、いわゆる盛岡南地区に出てまいります第2イオンの関係、これがどういった影響を与えてくるかということにつきましては、大分心配をしている向きがありますし、我々もこの辺を注視していかなければならない。まだイオンの出店の計画、正式な届け出が出ておりませんので、正式な詳しい出店計画が明らかでありませんので、明らかになりましたらば、その辺はそういったものを十分に検討いたしまして、地元の市あるいは商工会議所等と対応等については情報交換をしてまいりたいと考えてございます。
 それから、商店街に対します商店街振興の支援でございますけれども、御案内のとおり、今議会で御提案申し上げております予算にもありますように、商店街のいろんなアーケードでありますとか駐車場の整備だとか、そういった商店街のいわゆる商環境の整備に係るハードの支援、具体的に言いますと、水沢のメイプルの施設に対します取得あるいは整備に対する補助でありますとか、こういったハードの面のメニューを用意してございます。
 それから、17年度の新しい事業でございますけれども、商店街の振興といいますか、各商店街を構成している個店のあり方といいますか、いわゆる消費者、生活者の視点に立った店舗の持ち方だとか、あるいは営業の仕方、そういったものにつきまして、県内の商店街すべてではありませんけれども、幾つか選定をさせていただきまして個店の指導、支援をさせていただく。こういった生活者、消費者の視点で、個店の改善なりそういったことを通じまして成功例をどんどん出していきたい、それを県内の商店街なり各商店の方に及ぼしていきたいということを考えております。そのほか、商店街とそれから商店街を利用される消費者、生活者、これらの協働を促すような、協働の考え方で商店街あるいはまちづくりというものをいろいろ考えてもらう、あるいは議論をしてこれからのあり方について工夫をしていただく、そんなことを御支援申し上げる事業なども用意していると、こういったことで商店街の振興をしてまいりたいと考えてございます。
〇松川観光経済交流課総括課長 先ほど岩手の祭りの入り込み状況を答弁させていただきましたが、平成14年の数値でございましたので、訂正をさせていただきたいと存じます。
 平成15年は、やはり順番は変わりませんけれども、花巻まつりが40万人、それから岩手雪まつりが29万1、000人、それから春の藤原まつりが25万5、000人でございます。失礼いたしました。
〇樋下正信委員 今の観光の入り込みでございますけれども、花巻まつりが40万人ということでトップのようでございますけれども、いずれ、事盛岡周辺にすれば、先ほどもちょっと話出たんですけれども、さんさ踊りとかあとチャグチャグ馬コですか、こういうものは全国に類を見ないようなお祭りではないかなと思っております。競馬振興の、競馬というか馬事振興のこともありますので、ぜひそういう特徴あるものを盛り上げていただいて、少なくても東北6県でどれか一つぐらい、5番目か10番目かわかりませんけれども、入るような施策といいますか応援をしていただきたいと思います。
 それから、大型店の出店でございますけれども、まだイオンは届け出がないということでございますけれども、駅の中央大橋、今工事をやっていますけれども、それからまっすぐ南の方に向かった市立病院のわきを通って、45号線の西回りバイパスのところの角地といいますか、そこに大きな今用地が形をあらわしてきているわけでございますけれども、本当に中心街商店街の方々は大変、この間も大通り商店街の理事長さんからもお話をいただいたわけでございますけれども、何とかならないものかなという話をしておりましたので、ぜひこの辺は福島の例などもあるようでございますので、御対応をお願いしたいと思います。
 それから、納入業者でございますけれども、これは地元の方々がそれなりに大型ショッピングセンターなどにも入っている人たちもいるようでございますけれども、ぜひこれも県の方の指導で、条例までは難しいかもしれませんけれども、地場のものを採用していただくようにということで、引き続きお願いをしていただきたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 祭りは重要な観光資源と認識してございます。国内のみならず、国際観光の面でも岩手の魅力の重要な部分を担うものだと思っておりまして、国内観光宣伝分野につきましては、観光協会に本年度事務移管したわけでございますけれども、この観光協会とも連携をいたしまして、効果的な発信に努めてまいりたいと存じております。
〇飯澤匡委員 1点のみお伺いします。
 総合雇用対策局が発足して2年を経過いたしました。これまでジョブカフェモデル事業の導入、それとか県北沿岸へのサテライトセンターの設置、あるいはNPOを通じて新たな雇用の場の創出など、雇用創出に積極的に取り組んできていることは評価をしたいと思います。
 私も特別委員会の視察で大阪のジョブカフェを視察しましたけれども、岩手の方が中身的には大変進んでいると評価をしたいと思います。
 しかしながら、本県の雇用情勢を見ますと、例えば有効求人倍率では、これは岩手労働局が発表した1月分の数字でございますが、本県が0.59倍、東北平均が0.68倍、全国では0.91倍と、このところ全国との格差がなかなか縮まらない状況にございます。このような依然として厳しい雇用環境が続いている本県の今後の雇用対策は、極めて重要な課題であると思います。深刻な若者、若年者の就職問題や誘致企業の閉鎖撤退による失業などを思いますと、緊急的また臨時的な雇用対策、すなわち目先の雇用創出もこれは否定するものではございませんが、私も代表質問で、これからの社会が知識社会へ移行するということと、若年者の就職問題について、あわせて県として対応していかなければならないのではないかというようなことを申し上げましたけれども、将来を見据えた長期的な対策、こういうのも必要であってしかるべしと思いますけれども、総合雇用対策局長のお考えをお伺いしたいと思います。
〇上村総合雇用対策局長 まさに雇用対策局、スタートして2年を迎えまして、新年度に継続されるわけでありますけれども、担当した責任者として感じるのは、3回ほど各地方振興局を回って、企業あるいは団体等を訪問したんですけれども、やっぱり難しいというのが一つの実感であります。それから、いろんな対策を講じていますけれども、実感がわかないというのも、現実を越えてございます。そうしたときに、やはりきちっとした産業の振興が大事だと思います。産業の振興なくして雇用なしということだと思います。知事演述にもありましたけれども、やはり岩手らしいあるいは岩手らしい資源を使った産業起こしが大事ではないかと。と同時に、そのためには人づくりが大事だと思います。
 前の全国知事会長でありました梶原さんの岐阜県では、IT産業の振興ということで10万人研修をやっているわけです。これでもかこれでもかとやっています。ですから、岩手もそういったことで、きちっとした人づくりを中長期的な戦略をもとにやっていくべきではないかと思っています。
 雇用され得る能力ということで前回知事が答弁しておりますけれども、雇用される能力と同時に、資源を活用して産業を起こす能力。例えば、自動車産業とかあるいは農林水産部では1次産業をリーディング産業と言っていますけれども、その核としてすそ野の広い産業に育てていくことが大事なので、すそ野の広い産業を育てるためには、外から持ってくるだけではなくて、そのすそ野の広い部分を岩手県の人で、人材で広げていくといったことが大事ではないかと思っております。したがって、お答えは、やはりそういった人づくりをきちっと進めることがきちっとした雇用につながると思っていますので、そういった視点で、今回産業振興と人づくりを重点施策として挙げておりますので、ぜひ委員の御協力を願いたいと思っております。
〇飯澤匡委員 まさにそのとおりだと思うんですね。これは学校教育の中にでもやはり教育委員会なんかと連携をしながら対策を進めていく必要があると思うんです。というのは、何といいますか、職業観といいますかそれから働くことの大切さといいますか、そういうのがせっぱ詰まった問題と今の二十、成人になる前の方々、私も振り返ってそうかと思えばそうではないんですけれども、そのような機運を醸成していくということが大変大事であると思います。
 ある雑誌によると、今の日本の社会の成人は30歳であるというようなことも言われていますけれども、これは平均寿命が長くなったことにも起因するかと思いますが、いずれそういうことも含めながら連携を強めていくことが大切だと思います。
 今までは、製造業を中心にして、学校が社会に送り出す部分の大きな受け皿があったわけですね。大きな幹があったと思うんです。ですが、サービス業がどんどん分化をしていく、そして、自分たちが果たしてどういう職業についたらいいかわからないというような状況が真の状況だと思います。
 また一方、東京、またはそういう首都圏の方に行きますと、今は、製造業のみならず販売員までも外国人がかなり進出しています。商業学校などが、今の企業からの求人ですと、販売員という部分がかなり少なくなってきている。これらもやはり総合的に、局長が、岩手ならではという企業立地を考えながらやっていかなければならないということは、まさにそのとおりだと思いますので、これは各部局連携をしながらやっていく必要があるのではないか。と同時に、やはり大きな視点に立った岩手県の雇用対策といいますか、企業の立地というものも考えていかなければならないと思いますので、そこのところを含めてどのような御所感をお持ちか、もう一度御答弁をお願いしたい。
〇上村総合雇用対策局長 先般、本会議で飯澤委員から「ネクスト・ソサエティ」の話がございました。いわゆる知識社会の到来ということで、まさに私もそうだと考えておりまして、これからは、岩手県に潜在的ないろいろな資源があると思いますけれども、そういった資源を産業として、あるいは雇用として結びつけるためには、やっぱり知識が必要だと思っております。
 少子化が叫ばれておりますけれども、それなりに今度は中高年の役割というものが大変大事になってきます。同時に、そういった知識というものは常にリニューアルしていかないとだめなものですから、継続教育ということが大事だとP・F・ドラッカーは言っておりますが、まさにそういった観点で、やはりどういった産業を起こしていくのか、これは商工労働観光部長のあれですが、同時に、その産業に結びつく人材をどうつくっていくのかといったことを、しっかり戦略的にとらえながら進めていくことが大事だと思います。
 もう一度繰り返しますけれども、やっぱり雇用というものは産業振興なくしてないということでありますので、そういう点で、産業振興については商工労働観光部長の方に任せて、ひとつよろしくお願いします。
〇酒井商工労働観光部長 局長から指名されましたので、お答えします。
 いずれ、まさに局長がおっしゃったとおりでございまして、今いろいろお話しさせていただいておりますけれども、来年度、商工企画室の中にものづくり人材関係のセクションをつくることにしておりますが、当面はものづくりということでやっていますけれども、来年の商工労働観光部の産業は、自動車を中心にしたものもございますし、それから食品産業、こういった岩手の得意とする産業をまず中核として、それの人材を育てていく。
 派遣労働なり請負労働というものを一概に否定はしていないわけですけれども、結局、いろいろ雇用されたとしても、言い方は悪いですが、例えば使い捨てみたいな人材に使われたのではかなわないという気があります。
 岩手県も人口が減ってきますし少子化も進みます。そういう中で、地域の中に若い人を残すには、産業がきちんとしていないと、働くところ、所得を得るところがないと少子化にだって対応できないし人口も減るだろうということで、とにかく産業振興ということを平成17年度は目玉にしてやっていくつもりでございます。そういう意味で、人材育成をすることが、いわゆるこういう事業をやることが、長期的な雇用対策になると確信しておりますので、そういうことで一生懸命やらせていただきたいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 最後に、これは観光とも結びつくんですけれども、東北全体にも言えるかと思いますが、やっと観光農園であるとか、第1次産業と結びついたいろいろな交流を通じて経済を自立していくというような動きが出始めました。西日本に行ってみますと、観光地に行けば、必ず通った人にはくっついて離れないというような、非常に商魂たくましいものがございます。
 私は、これはぜひ申し上げたいんですが、1次産業の部分で20人でも30人でも、それぐらいの規模で立ち行くようなモデル的なものを設置して、どんどんそういうものに応援していくような体制づくりをしていただきたいと思います。総合雇用対策局というものは、あくまでも短期的な部分があるかと思いますけれども、そういう部分も入れて、これから施策を展開していただきたいと思います。
 終わります。
〇伊藤勢至委員 2点についてお伺いいたしたいと思います。
 まず最初は、新年度に策定しております中国・大連事務所開設につきまして、関連してお伺いいたします。
 シンガポール、韓国のソウル、そして中国の大連ということで、海外事務所三つ目なわけでありますが、この開設の目的、それから相手国の状況、そして、どういうものをこれから売り込むなり、やりとりができるのか、そういう部分について改めてお聞かせいただきたいと思います。
〇熊谷商工企画室長 それでは、大連経済事務所の開設の目的につきまして、私から御答弁させていただきますが、御案内のように、中国の経済発展は目覚ましいものがございまして、私ども県内の産業、とりわけ県内産業の多くを担っていらっしゃる中小企業者の皆様方が、これから新しい市場として海外にも目を向けていただきまして、中小企業の方々が生き生きと業を営まれるようにという願いを込めて、期待される中国に事務所を設置するものでございます。
 私ども、設置に当たりましては、県内の中小企業者の方と向こうのいわゆる御商売の相手の方々とうまくマッチングさせ、安心してお仕事ができるような形に持っていきたいと考え、そういう思いで、このたび4月に仮オープン、5月末に正式なオープンをさせていただくということで、ただいま準備を進めているところでございます。
〇伊藤勢至委員 中国では、今答弁にありましたように、都市化政策を大変急激に進行しているわけであります。海岸線沿いでありますが、上海、北京、青島、大連などが、世界の建築をする際のタワークレーンといいましてビルの上にあるクレーンが、今世界の3分の1が中国に集まっているというぐらい、行くと、本当にタワーだらけの状況で、目覚ましい経済発展を目的とした需要がいっぱい起こっているんだと思っております。
 その結果として、実は、中国は広大な国なのでありますけれども、ビルの内装材として使う木材関係の乱伐、伐採が相当進んでいるようでありまして、これはお手元に資料を差し上げてございましたので、長くなりますので省きますが、いずれそういう森林を保護しようとなってきているようであります。それで計画的に植林をしていこうと。
 そういう中で、実は一つの取り組みとして、宮崎県が平成15年から中国向けに木材の輸出を始めております。これは、宮崎県の副知事は林野庁出身ということもあって、そういう情報が早かったかと思うのでありますが、私は、ここにも県内へのいいヒントがあるのではないかと思っております。
 平成15年4月に宮崎県の細島港から出港して中国の厦門に杉丸太200立米を400万円で出している。平成16年5月は、同様なルートで100立米を約207万円で出している。それから、平成16年8月には、一戸建ての住宅を建てるために、材料と、そして職人さん、現場管理者1名、そして大工2名を派遣している。1軒を完成させるためだと思うんです。そういう中で、平成16年にも17年にも、それぞれマンションの内装材、あるいは杉丸太、これは箱屋さんですけれども、250立米輸出をしているということがありまして、ここに大変大きなヒントがあると思うんですね。
 本県もいよいよ伐期を迎えている材木、木材が山にはいっぱいあるわけでありますが、使い道がなくて困っているということから、これは大変、最初から大きなロットでさばけるとは思っておりませんけれども、ゼロから始めれば十分太刀打ちができるのではないかと思います。
 宮崎県の細島港から福建省の厦門までは船で10日間かかっております。同じく細島港から上海までは7日間、こういった日程的なことからいきますと、本県の久慈あるいは宮古から津軽海峡をかかって日本海を行って大連というのは、むしろこれよりも時間的には短縮できると思っておりますので、大変いいヒントがあるのではないかと思うのですが、ぜひこういう取り組みをしていただきたい。
 先ほど、県内の中小企業は大変困っているので、そういったところとうまくマッチした形がとれればいいとおっしゃいましたが、実は今年度末にも中小企業対策の融資を50何億円取り崩ししていますね。結局、金利が高いので、ほかの銀行から使ったから使えなかった。言ってみればこれは見せ金だと思うんですが、こういうお金の幾らかを使って、こういうところに新しい門口を開いていくということは、本県のいろいろな意味での産業界に大変有効だと思うのでありますが、これについてのお考えなり、今後の検討なりをしていただけるのであれば、お示しいただきたい。
〇酒井商工労働観光部長 今の大連事務所を使っての中国への木材の売り込みという御質問でございます。
 ちょっと調べましたら、中国国内での木造建築物の着工件数に対するいわゆる木造住宅の占めるシェアというものは0.05%と非常に少ない数値です。ということは、逆に言えば今からふえるということでございますので、市場としての大きさというものは物すごくあると考えていいと思います。
 それで、日本からの丸太輸出のお話につきまして、今、宮崎県のお話がございましたが、まさにそのとおりでございます。それから、鳥取県の方でも、商社を介在としてやっているということで、現に鳥取県、宮崎県ではそういう形で行っているということでございます。
 本県でも昨年8月に宮城県と大連商談会を開催いたしまして、そのときに県内の木材関係のところにも、特に部材をつくっているところとか、そういうところにも実は声をおかけしたわけですけれども、まだ中国に向けた輸出は早いといいますか、情報がないせいかもしれませんが、残念ながら参加していただけなかった。
 ただ、その後、ことしの2月に私、県内の住田町の方にちょっと行ってまいりましたけれども、あそこでは既にハウスメーカーと共同して戸建ての部材を1戸分丸ごと持っていって、向こうで木造住宅を建ててモデル展示場みたいなものを建ててやろうではないかみたいな動きをしてございます。
 したがいまして、シェアの関係から、市場の関係から、他県の動きとかを見て、そういうことは今後大いに展開されることだろうと思っておりますので、情報を提供しながら、促進しながら、結果として中国の方に販路を拡大するような御支援をしていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 先般、港湾議員連盟で4泊5日の上海、大連視察をしてきたわけでありますが、その間12食ぐらいの食事をしたわけですが、朝食のホテルは別にいたしまして、昼食あるいは大連の副市長さんから招待を受けての食事、それらにはほとんど海藻類が出ないんですね。招待の食事の際は、ウニとアワビとナマコが出ました。だけれども、このウニも、殻の色がまず、私たちの目から見ると白茶けた色でありまして、この実も、やはり日本の方がおいしいと思っていただきました。ただでごちそうになったのに文句は言われませんが、おいしさはこっちにある。
 それから、ナマコも、食べておいしいと思ったんですが、最終日にアワビの養殖場を見に行きましたところ、アワビの養殖場でナマコを一緒に飼育しているんですね。そのナマコのえさは何かというとアワビの排せつ物ということでありまして、それを聞いた途端、これも勝っているなと実は思ったところであります。
 アワビそのものも肉厚がやっぱり薄いんですね。貝そのものの種類が違うんだと思うんですが、高さが余りなくて、従って実も薄い。そういうことから、本県の食材としての海藻類、あるいはナマコも、ウニも、アワビもこっちが勝っていると思っています。吉浜アワビがそのとおりであります。
 ワカメの加工工場を視察した際に、中国ではほとんど食べないんだそうですね。でも、韓国では、子供を産んだ後の肥立ちには必ずワカメのスープをとる食生活があるようでありまして、考え方によっては、いい品質の三陸物を売り込めるチャンスがあると思ってきたところでありますので、そういう部分も含んでお願いしたいと思います。これは提言にしておきます。
 それから、もう1点、海に関してお伺いしたいと思います。
 平成10年が国際海洋年であるということから、岩手県の委託事業として人間と海という国際会議を開いていただきまして、世界の海洋学者36名ほどが岩手県にも来ていただいて、海についての会議を開いていただいたところであります。私は、ようやく岩手県政の目が海に向いてきたかなと大変いいことだと思いまして、それから、ぜひ海に目を向けた政策を展開していただきたいというお願いをたびたびやってまいりました。
 そして、その結果として、平成13年度から海洋資源の研究実証機関の誘致についてということで、毎年、文部科学省に対しての――本当は文部科学省だけでは足りなかったと思うんですけれども、海洋資源をフルに活用するための研究実証機関などを黒潮と親潮のぶつかり合う三陸海岸に設置するよう要望する、こういうことをやってきていただいているわけですが、なかなか成果があらわれていないと思っております。
 この間、平成13年からやってきて16年までの間に、国にとって大きな新しい問題が提起されて、国際的な海に関する問題が提起されてきたと思っていますが、そういう情報を先取りしながら、海という部分にもっと目を向けていくことが本県の発展に必ずつながると思ってのことだったわけでありますが、これについて新年度はどうされるのでしょうか、まずお伺いいたします。
〇宇部科学技術課総括課長 本県の沿岸における海洋研究開発フィールドの形成をどうやっていくのかということでございますが、平成14年から継続して文部科学省とか、独立行政法人海洋研究開発機構に対して、三陸地域の沿岸環境を利用するようなプロジェクトとか、あるいは海洋開発に関する研究とか実証試験施設の設置につきまして、ずっと要望を行ってきたところでございます。
 現在、国の予算もかなり厳しいとは聞いておりますが、海洋研究開発機構からも文部科学省に対しまして、三陸沖への海底地震総合観測システムの設置について予算要望していると聞いております。
 それから、現在もマンガンとかリチウムとかいった海底鉱物資源とか、海洋エネルギーみたいな新エネルギーなどの分野の関係機関、それから大学等から情報収集を引き続きやっております。それからまた、海洋研究開発機構とか石油公団等々とのネットワークづくりに継続して取り組んでおったところでございますが、委員がおっしゃるとおり、なかなか成果は上がっていない、まだまだもう少し時間はかかるのではないかと思っております。
 国の動向でございますが、今のところ本県から具体的な提案を申し上げられるような新たな政策についての情報は、うちの方ではちょっと得られていないところでございますが、今後も引き続き国や関係機関への要望を継続しますとともに、関係機関とのネットワークづくりをぜひ進めていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 独立行政法人海洋研究開発機構にお願いしていくとおっしゃいましたが、海洋研究開発機構のよって立つところの予算は今年度で打ち切りだという話じゃありませんか。打ち切りで予算がなくなったところに、平成17年度もまたお願いしますという陳情要望の仕方をやるんですか。タイミングがずれているじゃありませんか。
 それからもう一つ、平成15年ですけれども、国策の部分でありますが、大陸棚調査を抜本強化するということが新聞に出ました。これは、大陸棚、あるいは排他的経済水域の部分の海底資源の所有権にかかわっての問題なわけでありますけれども、この経済水域、200海里、沖合370キロですが、これが排他的経済水域として日本のものとして認められているわけですね。
 この海底資源等につきましては、鉱脈なり何なりがそれを越えている場合でも認められる。だけれども、それについてのある程度の調査研究なり、説得できる内容がなければいけないということで、日本があわて出しまして、昨年ですけれども、新年度に2億円の調査船を急遽つくって調査を始めるとなっていました。
 これは、日本の沿岸、排他的経済水域の中に数十兆円の資源が眠っているだろうと言われているわけでありまして、こういう国策が出てきたときに、この三陸沖の海という部分も研究に入れてもらいたい、そういうことを本県からやっていくべきだと思うんです。
 海岸線700キロ、そして沖合370キロ、この広さは、言ってみれば岩手県の無限の可能性を秘めた地域でありたいと思うわけですが、どうも皆様方は、高松の池が海だと思っているような小さい考えしかないのではないか。東京事務所なり何なりからなぜこういう情報を先取りして、全国で5カ所か幾らかのベース基地を設けてやろうとしている中に、なぜこの三陸沿岸地域を当て込んでくださいという動きをしないのか。私は、一つだけを出して、ウサギぶつかれ木の根っこで守っているような方式では新しい展開が出てこないと思うのでありますが、これについてはいかがですか。
〇宇部科学技術課総括課長 まず、独立行政法人の海洋研究開発機構への要望でございますが、委員おっしゃいました海洋研究開発機構の平成17年度までの事業そのものは終わっておりますが、また新たなプロジェクト等々が今後、将来にわたって出てくる可能性はございますので、そういうものがもし出てきたような場合には、ぜひ岩手県沿岸でやりたいということをお願いに上がっていくというような趣旨でございます。
 それから、大陸棚調査の関係でございますが、これは、200海里を超えて沿岸国の大陸棚の限界が国際的に認められるところになりますので、日本そのものの資源を有効活用できるチャンスがふえていくということだと思います。
 2004年度から6年間で1、000億円ぐらいの規模の予算を計上するという国の方針がございまして、2004年度は104億円を確保しております。それで、国土交通省とか、文部科学省とか、経済産業省等々で海底の地形の調査でありますとか、地殻の構造探査でありますとか、そういったことに予算を割いて事業を行っておりますが、県といたしましても、こういった関係省庁にぜひ情報収集をしながら、岩手県の方にうまくチャンスがあるようなものがあれば、ぜひそれは働きかけていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 いずれ本県だけの政策では大変難しいというときには、やはり国策に頼るべきでありまして、そういう国策に新しい流れが出てくるという情報を先取りして、そして他県に先駆けて行動を起こしていかなければ、この海の部分に新しい産業を興し得ないと思うわけであります。
 現在、三陸沿岸に立地しております大槌町の東京大学海洋研究所、あるいは北里大学の水産学部、釜石にもありますけれども、これらは主に水産・漁業という観点なんですね。あるいはまた、食物連鎖、生態系あるいは海洋汚染というテーマを持っているわけですが、海そのもの、あるいは海底までも含めて新しい見直しをして政策を転換するという部分の研究機関ではないのですね。したがいまして、先ほど言いました本県の海岸線700キロ、沖合370キロ、ひょっとして400キロまで行くかもしれないこのエリアの中に、新しい研究機関をぜひ頭出ししていただく努力を、東京事務所等を活用して情報収集されて、あるいは、岩手県だけで弱いのであれば、北東北3県でもいいです、青森県、秋田県を含んでもいいと思います。日本海はちょっときな臭いのでそっちまではやめておきまして――尖閣列島、竹島も、詰まるところは海底資源の問題なんですよ。太平洋側は何もそういった心配はないわけでありますので、ぜひともそういう視点を広く持って、新しい産業をこの海の部分に興してもらいたい。
 酒井部長からひとつお聞きして、終わりたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 今御指摘のとおり、いずれ海底資源等に関する国家プロジェクトといったものに対する感度を高くしながら、行動してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 関連。
 かつて岩手の物産を海外にということで、アメリカ、東南アジア、東ヨーロッパ、こういったところに出したわけなんですけれども、それがきちんと検証されていたかどうか、お伺いします。
 もう一つは、知事は常々、身の丈に合った施策展開ということを言っていますが、こういった巨大マーケットを相手にやっていくことがこれに合致しているかどうか、お伺いします。
〇熊谷商工企画室長 二つ目の身の丈のお話でございますが、確かに中国の富裕層1割といっても、日本の人口に匹敵するのではないかというぐらいの数を要している国家でございます。しかも今、いろいろ将来に対する御懸念を持たれる方もありますが、少なくとも当分右肩上がりで上がっていく。
 私ども、身の丈のことではいつも、相手の大きさよりも、私どものかけられるパワーというものは限られてございますものですから、事務所設置なり運営に当たりましては、他県なり、先発の県を見まして、それこそ身の丈に合った程度の投資しかできませんが、そこはマンパワーで十分に補っていこう、そういう形で中国市場にチャレンジしてまいりたいと考えております。
〇松川観光経済交流課総括課長 海外での物産展の開催とその後の取引状況というようなことについて、お答えいたします。
 オーストラリアで岩手フェアを開催いたした経過がございますが、平成11年度から13年度に実施いたしました。これにつきましては、平成14年度に大丸オーストラリアの撤退により、岩手フェアの開催は以後なくなったわけでございますけれども、その後も、岩手県産株式会社におきまして、若干の額でございますが、取引が継続しているということがございます。平成14年の岩手フェア以外の取引額が76万円という額でございます。
 それから、ハンガリーとの経済交流がございました。平成9年度から10年度まで行ったわけでございます。ここでは、米でありますとか、清酒、鋳物製品等が売れ筋ということで、一定の販売額があったわけでございます。その後の具体的な取引の状況というものについては把握してございませんが、旧ソ連、東欧への輸出額につきましては、ジェトロの調査によれば、平成13年若干の増になっているというような状況でございます。
〇小野寺好委員 例えば、アメリカのアンテナショップなんかも、私はちょっと失敗だったのではないかと思うんですが、今回も何千万円もかけるわけですけれども、投下資本に対してどの程度の効果を考えているのか。いや、そういうことは考えないんだ、ただやってみるだけだ、そういったものなのか、確認したいと思います。
〇熊谷商工企画室長 決してやってみただけだとは思っていないのでございますが、ただ一方、今、当初予算で2、480万円お願いしているわけでございますが、これは、事務所の運営に要する場所代とか、人件費とか、本当に基礎的な部分で、例えば3年先に何百万円、何千万円の商いを成立させるぞというプログラムは、残念ながらまだできてございませんので、今、私どもにできることは、かける資本を極力圧縮するということがその額でございます。ちなみに、先発県の半分とまでは申しませんが、3分の幾つとかというような数字でスタートさせていただきたいと思っております。
〇酒井商工労働観光部長 今の御質問は、これまで岩手県が海外で展開した物産展とかアンテナショップとか、そういうものはどうだったのか、効果はあったのかという御質問だと思います。
 端的に申し上げますと、やはりそういったような物産展とかアンテナショップという一時的な形での海外への展開というものは、もう限界があるだろうと思います。したがって、居直るわけではございませんが、反省というと、海外展開の3点セットというものがございまして、それがよく言う物産展とかアンテナショップの設置、ミッションの派遣、こういうものが3点セットと言われているようでございます。そういう手法での海外への中小企業の展開支援というものはもう限界だということで、それを事務所というような、海外に拠点を置いて、それで県産品、中小企業の海外展開をしていこうという考え方でやっているということでございます。
 昔、ハンガリーもそうだったと思いますけれども、アメリカ等へのアンテナショップ等を出したのは、たしかあれは農林水産部の関係だと思いますが、国の補助金がありまして、そういう補助金が出て、それによってショップを出したりしていて、補助金がなくなったら終わりというやり方をしていたような気がいたしますけれども、やっぱりそういう展開では定着しないということで、事務所という形で展開しようと考えてございます。
〇佐藤正春委員 一つだけ関連でお伺いします。
 大連の事務所開設、それはそれでいいんですが、今、伊藤勢至委員、あるいは小野寺好委員の話を聞いてもわかるとおり、実際にこれがどういう意味でやるかわからないんだよな。だから、大変失礼だけれども、ソウルの事務所開設のときにも酒井部長にもちょっと言ったんだけれども、あなた行ったことあるのと。いや、ありませんでしょう。だから、聞いていると、物産展なり商売をやりたいと言うんだけれども、一番大事なことは、いわばそこの、今度は中国人なら中国人の性格、好み、趣味、そういうものを知らなければいけないし、できれば言葉もわかればなおいいんですが、そういう民族性というものを知らないで、ただ単に出ていくから、今、好委員がおっしゃるようなことになるんです。
 今まで、実際にみんな失敗しているんですよ。だから、それはどういう意味で出すかわからないが、そういうことをきちんと研究して、例えばソウルの事務所でも、同僚の吉田洋治委員などは韓国に詳しいから、ああいう人によく聞くとかね。
 ソウルの事務所に行ったって、私の知り合いを何回か紹介して、行きますよ。行っても、岩手の人が行っても、だれも知り合いもいないし、非常に不親切だし、あれは何ですかと帰ってくるわけだよ。だから、実際には実績が上がっていないわけ。中国人でも、韓国人でも、朝鮮人でも――シンガポールなんかも中国人が多いんだけれども、シンガポールなんかは、いわばイスラムの文化すらわからないわけよ。そういうわからない人が、ただ行くわけ。
 中国だって、韓国だって、今、国際間でもめているというのは何をもめているかというと、これは民族性を知らないからなんですよ。本音と建前がある。特に商売なんていうものは、日本人なんかが行ったって中国人にかなうわけがないんだから。それを、大連に行って商売をすると言うんだからね。
 何をおやりになるかわからないが、例えば、今三陸の話が出ましたが、三陸のアワビとフカヒレは、中国へ行くと、高級料亭に行くとちゃんと看板に出ているんです。当店は三陸のアワビ――フカヒレは、三陸の場合は一等品とは言えないんですがね。まだほかにもいいものがあるものだから。アワビだけは中国料理では最高級なんです。この店は日本の三陸のアワビを使っていますということが出ているんですよ。そういうことを売り込むことが大事だし。
 それから、例えば物を売るなんていうのは、ほとんど歩いてみると、商社の連中がずっと上なの。岩手県の事務所に座っていてなんか商売はできないですよ。商社の連中は、公園とか露頭にみんな行って、それこそ露天商みたいに品物を並べて売っているんだから。商社の連中は、そのぐらいの努力をしてみんな売っているんですよ。岩手県があなた、物産展やります何をやりますといったって、売れるわけがないでしょう。
 ですから、この商工労働観光部とはちょっと担当が違うんですが、私は逆に、日本の文化とか、学問、科学というものは物すごく、特に中国だの、韓国だのというのは、先進国で勉強したがっているんですよ。だから、県立大学の留学生をそこで募集する。ここは課が違うけれども、岩手県にいい県立大学がありますよ、そこではこういう勉強をしていますよという、逆に言えば、留学生の募集をするぐらいの方が、私はそういう――大連に今度事務所を開くと言うけれども、大連は割合日本人びいきなんです。かつて日本人が多かったから。行ってみてごらんなさい、あそこは物すごい日本人びいきなんですよ。ですから、そういうことをよく勉強して――さっぱり勉強もしない、行ったこともない人たちが、わあわあとわかったふりをするから、伊藤勢至委員や好委員にやられるんですよ。おれはきょうはやらないから、教えているわけだから。
 どうですか。そういうことで、課が違うけれども、そういう方法も一つの大連の開設意義だろうと思う。だから、もう一回整理して、こういう意欲でやるんだ、こういうことをやるんだということをどうぞおっしゃってください。
〇酒井商工労働観光部長 今、御指摘のとおり、ソウルに事務所を開設した際には、佐藤委員の御紹介で、韓国の方の趣味、あるいは好み、性格、そういったこともいろいろ教えていただきまして、韓国の方は雪とか、紅葉だとか、そういうものが向こうにないものですから、こちらはそういう提案をしたらいいんですよというお話もいただきまして、そういう御指導をいただきながら、今のソウル事務所の観光の旅行商品の企画等につきましては、そういうことを現地の旅行エージェントの方に提案しながら、実際の旅行商品を組んで韓国の方を誘致しているという状況であります。
 それで大連、中国の方につきましては、まさにそういった反省もございまして、実は事務所の所長は岩手県と大連に非常にゆかりの深い民間人、これは中国人の方ですが、そういう方にお願いすることにしております。したがって、そういう形で日本と中国との文化とか、意識とか、そういったものの違いをそういう方を採用することを通じて埋めながら、具体的な成果を上げていこうという形に進めているものでございます。
 それから、留学生の話がございましたが、これにつきましても、岩手大学と大連理工大学が昔から深いつき合いがございます。特に、これは鋳物関係とか何かで深いつき合いがあるわけでございますが、そういう大学間の協定等も結んでおりますし、それから、県立大学は、大連はITの関係が非常に盛んなところでございますので、県立大学と大連の大学とのつながりといったものも、今回の事務所を通じながらそういった交流も深めていこうと考えております。
 いずれそういったことで、観光、物産だけではなくて、学術的な、あるいは人の交流といったものを進めていくと考えているところでございます。
〇木戸口英司委員 関連。
 私からは、この大連経済事務所、期待と激励を込めて質問させていただきます。
 その中で、当事務所は宮城県との共同設置となっておりますが、本県から共同での設置を呼びかけていました青森県でありますけれども、昨年12月24日、青森県と青森市が同時に、それぞれでありますが、大連市側と友好経済文化交流協定というものを締結しております。私もこの報道を見まして、おっと思いまして、青森県に行ってこのことを聞いてまいりました。
 それで、同一地域と同内容の協定を同時に締結するということは、中国では極めて異例のことだとされております。先月開催された青森県と大連市との第1回経済文化交流委員会が開かれておりますけれども、トップの相互訪問、商談会の相互開催、大連市に青森県がビジネス支援アドバイザーを配置し拠点施設開設。実際、岩手県の今度の事務所のような拠点施設を青森県も独自に持つ。岩手県ほどの規模ではないと言っておりましたけれども、そういう取り組みのようであります。
 また、今、伊藤委員からもお話がありましたが、やっぱり青森県も同じ視点に立っているようでありまして、大連市に青森県の県産材のモデルハウス設置を約束してきたということであります。
 岩手県から青森県に一緒にやりましょうと言っておったところが、青森県はそれを断ってきたわけでありますけれども、実は独自にこういう取り組みをしておるということであります。青森県のこれは経済界が主導で始まった取り組みでありまして、青森県側の中国へのビジネスニーズの高まり、今お話が出ておりました木材、海産物の売り込み、また観光や大学の技術交流、これも今お話がありましたが、やはり岩手県と同じような視点で経済交流のメッセージ性が強く感じられるものと私は感じてまいりました。
 また、秋田県でも、これもまた独自にさまざま大連との関係、取り組みということが進められていると聞いておりまして、両県が共同事務所に参加しないことは、実は本県との競争を大きく意識したものではないかと感じるところであります。また、大連市側も、実はこの各県の取り組みをはかりにかけている部分もあるのではないかと感じる部分もあるわけでありますが、県では、隣県のこのような取り組みをどのように分析され、また、今後のこういう取り組みに対しましてどう生かしていくか、北東北の中での競争する部分、また、北東北で連携していく部分をどのように整理して取り組んでいく考えか、お聞きしたいと思います。
〇熊谷商工企画室長 大連経済事務所と隣県の各県との絡みでございますが、実は、この事務所をつくるに当たりましては、北海道と、私どもを含めた北東北3県、さらには宮城県との共同設置の可能性につきまして、かなり早い段階からこちらからアプローチをかけていたような格好でございますが、まず、事務所はどうでしょうか、一緒に考えませんかという御提案を各県に――宮城県はちょっと後なんですが、4道県の中でやらせていただきました。その中で、この秋までに五、六回、岩手県にも各県にお越しいただきましたが、いろいろな情報交換をいたしました。私どもも先発の秋田県からいろいろ教えていただきまして、それぞれがそのベースの情報を持ち帰って、うちの県はこうしよう、ああしようということになってきたのが今日でございます。
 今、私どもが存じ上げている範囲で申し上げますと、北海道は、地元の金融機関との人事交流の一環ということで、道の職員の方をその地銀の大連駐在事務所に派遣する、地銀の大連事務所に道の職員を入れて、そこをベースにやろうというのが北海道の考え方。これも民間主導の経済交流の考え方だと思います。
 私どもがいろいろ教わりました秋田県でございますが、秋田県は、既にジェトロに職員を派遣されておりましたけれども、いろいろ何か戦略を考えられまして、今年度途中でございましたが、ジェトロ派遣をおやめになって、民間の体制に移行すると私ども聞いてございます。
 また、木戸口委員からお話がございました青森県でございますが、こちらは、初めから事務所はちょっとなという御意向でございましたが、最終的に、事務所はつくらないものの、かわりに行政主導で、青森県の民間企業の方々の後押しもかなりあったやに伺っておりますが、相互の交流委員会を設置いたしまして民間を巻き込んだ交流を進めていくということで伺ってございまして、いずれ、中国現地の方だと思いますが、コーディネーターを設置しようという方向でございます。
 各県区々でございますが、私ども、本県と宮城県につきましては、ともに成長著しい中国経済、中国を市場と見ているわけでございますが、一緒に事務所を設置しようと。一緒と申しましても、決してシャッフルすることなくて、岩手県、宮城県というそれぞれの人格を持った形で、いわばコストメリットを考えた共同設置ではございますが、緩やかな連携を保ちながら、当然のことながら、宮城県も私どもも県益を背負いながらよき競争相手として競合関係、いい意味で競争していこうと。
 これは、北海道、青森県、秋田県の各団体とも、私ども同じ考えでございまして、できることは一緒にやり、切磋琢磨するところは切磋琢磨するということでやっていきたいと思います。とりわけ、さっき伊藤委員からお話がございました水産物とか農産物は、結構競合する部分がございますので、それぞれ岩手県の特色を生かしながら、高付加価値化、付加価値を何とかつけて、中国市場で他県のものと差別化が図られるよう、関係部局とも協議しながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 4項目にわたってお話をしたいと思うんですけれども、海外事務所のお話が出ましたので、まず最初に、海外事務所について質問させていただきたいと思います。
 るる委員の皆様方からお話があったとおりだと思ったんですが、貿易振興費、いわゆるジェトロへの委託と海外事務所の位置づけというものが明確に違うということでいろいろとお聞きしているわけでありますが、その中で、やはり特定の商品を販売していくために、どうしても事務所を通じて行うんだというような話もされていますけれども、シンガポール、ソウル、これはやはり実績があると思いますので、まずその販売実績と今後の見通しについて明確にお知らせいただきたいと思います。
 また、小野寺好委員の中で身の丈という言葉がありますけれども、知事演述の中でも、地元の、この岩手県の経済の活性化のために海外の販路を拡大していくということを明確に述べられている。これだけ明確に知事が演述しているのであれば、やはりこの県産品の品目とか量、そして、どういう経済効果が見込まれるのか、そういうものをある程度もくろんでやっているのではないか。そうすると、先ほどの身の丈のお話からするとちょっと整合性も合わなくなると思うんですけれども、その点をどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 シンガポール事務所、ソウル事務所を通じての販売実績ということでございますけれども、まず、シンガポール事務所の関係でございますが、本年度は、昨年10月にシンガポールの日系百貨店等のバイヤー2名を招聘いたしまして、盛岡市において商談会を開催いたしました。これには本県から9企業が参加いたしたわけでございますけれども、この話し合いの中で、初めてシンガポールの日系百貨店において北海道&みちのくフェアを開催することが決まったわけでございます。本年1月にこのフェアに県内から3業者が出店いたしまして約140万円の売り上げがあったところでございます。
 来年度におきましては、流通の多様化を図るという観点から、日系百貨店ではなくて、現地の卸・小売のバイヤーの招聘あるいは商談会を実施したいと検討してございます。
 また、このビジネスマッチングの成果といたしまして、シンガポール国内の日本酒専門飲食店と県内の酒造メーカーとのパイプができましたことから、この店を核といたしまして、清酒に食材等をセットにいたしまして県産品の効果的な情報発信が可能となるような取り組みをしたいと考えてございます。
 それから、ソウル事務所関係でございますけれども、これにつきましては、昨年11月に事務所設置2周年を記念するという形で、韓国において初めて物産商談会を開催いたしました。これには本県から7社が参加いたしたわけでございますが、具体的成果といたしましては、水産あるいは水産加工、あるいは清酒の2社が合計約250万円の成約を得たところでございます。
 平成17年度の取り組みにつきましては、物産の共同事業化を4道県において検討しておりますけれども、この商談会の成果といたしまして、ソウル市内の日本酒専門飲食店と県内酒造メーカーとのパイプができましたことから、シンガポールと同様に、効果的な取り組みを検討したいと考えてございます。
 それから、今後の見通しということについてでございますが、シンガポール、ソウルとも、地元の食品と差別化が容易な日本酒、清酒でありますとか水産加工品が商談成果としても上がってございまして、こうした県産品を核といたしまして、商談機会の設定、県内企業の商談参加促進など、着実な販路開拓の取り組みに対する支援が必要と考えてございます。
 このために、海外事務所の個別支援を受けて県産品の海外販路開拓を行おうとする県内企業にとって、この海外事務所を利用しやすい環境をつくることが重要だと考えておりまして、関係団体の体制強化あるいは連携を強めながら、県内企業のビジネス展開に対してきめ細かく支援をしてまいりたいと考えてございます。
 中国も含めた韓国、シンガポールなどとの経済交流を推進するに当たりまして、私どもでは、その事業目標ということで、平成16年度には、海外との新規取引企業数10社を目標として考えてございますが、現在まで、本年度の実績は12社ということでございます。
 それから、今後、平成18年度末までには目標として累計40社の新規取引企業数を考えてございますけれども、清酒や加工業を中心とした県産品の販路開拓、あるいは海外企業とのビジネスマッチングの取り組みに対し、この目標達成に向けて支援に努めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 まず、このシンガポール140万円ということ、あとソウル250万円ということですけれども、やはり明確に費用対効果の部分からすると、余りにもつたない成果しか上げられていないということでありまして、今後、取引業者をふやしていくということではあるんですけれども、じゃ、この140万円、250万円が、要は知事演述で言う地元経済の活性化に位置づけられるのかというと、私は非常に心もとないものではないかと思うわけであります。この点について、やはり部長はどのように考えるか、明確な答えを教えていただければと思います。
〇酒井商工労働観光部長 確かにおっしゃるとおり、数字はまだ小さい。シンガポール事務所につきましては、平成15年11月に開設してございますので、1年ちょっと、まあ1年でございます。それから、ソウルにつきましては、当初の目的が、最初は観光を中心に行こうと。観光でスタートして、その後、物産ということでございましたので、ソウルは2年目でございますので、平成16年度になって4道県共同で物産関係の商談会等を開催したということでございまして、まさにスタートしたばかりでございます。したがいまして、始まったばかりだから小さいのだと言いたいのですけれども、いずれ大きくはなると思っています。
 それで、どうすれば大きくなるのだということにつきましては、基本的には、私どもは、海外の事務所から何かおいしいものが来るのを待っていたってだめだと思っています。したがって、それはどうしなければいけないかというと、県内の中小企業が海外事務所をどんどん使うような環境をつくらなければいけない。そうすれば、おのずと海外事務所に対してどういう情報が欲しいか、どういうことをやってほしいかということが出てまいります。したがって、県内での海外事務所を利用したいという企業を数多くつくることが重要だと思っています。
 したがって、そのために、先ほど関係団体の体制強化といいましたが、岩手県産業貿易振興協会がございますが、ここに平成17年度県職員を2名新たに派遣いたします。それで体制を強化いたします。今、現実的には産業貿易振興協会というのは職員が1人か2人しかいませんが、ここに県職員2名を派遣いたします。彼らの仕事は、海外の事務所のつなぎでございます。
 それから、中小企業団体中央会がございます。これは県内の中小企業者のいろいろな組合がございまして、その傘下に会員をいっぱい持っているわけでございますが、この中には、酒とか、みそとか、しょうゆもございますし、建設系もございますし、観光系もございます、一般の団体もございます。中央会をそういった団体に対するいろいろな情報を提供する、あるいは企業からの情報を集めるといいますか、そういったことを中央会にお願いしたいと思っておりまして、来年度、中央会の方に何がしかの委託費を出すことにしてございますが、そういう形の中で県内企業の利用拡大をさせる。そして、結果として海外での取引の拡大というものにつなげていけると考えております。
〇佐々木順一委員長 高橋雪文委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 高橋雪文委員、御了承願います。
   午後0時 休 憩
   午後1時3分 再 開
〇田村誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇高橋雪文委員 先ほどの海外事務所の関連で、ちょっとつけ加えさせていただきたいと思うんですけれども、今、海外事務所の主な業務として販売ルートの確保とか、あとは観光客誘致ということが前提になっているんですが、私はこの2点だけであれば民間企業、商社とかあとは旅行代理店、こういうもので十分対応し切れるのではないか。
 例えば、ソウルとか大連とかに行かなければならないときは出張で何度か行って、あとは民間業者に頼んで連携をしていった方がいいのではないかと思うわけでありますが、いずれにせよ、事業は進んでいるわけでありますので、鋭意この成果を積み重ねていっていただいて、そして県民にも納得できるような、そんな数値を今後披瀝していただきたいと思います。
 それでは、時間もありませんので、そのほか三つやらせていただきたいと思います。まず最初に、ジョブカフェの運営についてお聞きしたいと思います。
 先日の新聞報道でもありましたが、岩手県の人口減もしくは社会動態の減少が非常に著しいと。特に若年層の、高校まで岩手県にいて、大学をほかに行ったりしてそのあと戻ってこない。Uターン、Jターンというものが非常に少ないわけでありまして、このジョブカフェが一応の解決の手段の一つとして、私は大いに期待しているところでありますが、このジョブカフェ事業を行った中での登録数、もしくは契約実績などをまずお示しいただきたいと思います。
 また、先ほど言いました社会動態の減少が非常に岩手県として問題としてあるわけでありますけれども、ジョブカフェの運営活動と、この社会動態の減少の関係についてどのような所見を持っているのかお聞かせいただきたいと思います。
 また、サテライトということで新たに2場、ジョブカフェができるわけでありますけれども、その今後の見通しと目標についてお知らせいただきたいと思います。
〇勝部総合雇用対策監 まず、ジョブカフェにつきましてですけれども、ジョブカフェは、フリーターなど不安定な雇用環境に置かれている若者に対して、カウンセリングなどによる動機づけ、あるいはスキルアップのための各種セミナーなどを通じて就職を支援していくという目的で、昨年7月1日にオープンしたわけでございますが、この2月末現在での延べ利用者数は9、068人となっておりまして、1日当たりおよそ45名、46名という利用者がございます。これを1月以降に限ってみますと、利用者が急増しておりまして、1月以降では1日当たり87人というデータが出ております。年明け、かなり利用者が増加しているということでございます。この9、068人の中には、数回にわたってジョブカフェを利用している若者がおりますので、登録者という見方で見ますと、3、606人という新規登録者の数が出ております。この3、606人のち、就職に結びついた人数は432人という数字でございます。この就職に結びついた432人という数字は、あくまでも本人から、カウンセリングを担当したカウンセラーの方に申告のあったものを積み上げた数字でございます。したがいまして、このほかにも相当数、就職決定に至っている若者がいると思われますので、現在、そのカウンセラーがそれぞれ担当した若者に対して、電話等でその後の進路決定等の状況の確認を行っているところでございます。
 現時点におきまして、ジョブカフェの利用者のうち、地元就職を希望する若者という数が多いとは聞いておりますけれども、正確には把握できておりません。それは、ジョブカフェを利用する段階で、必ずしも若者が働くということへの動機づけがまだ十分になされていないケースもございまして、数回にわたってのカウンセリングを通じて、自分の進むべき分野というものが絞り込まれていくというケースも多いわけでございまして、なかなか把握が難しい状態にあります。
 ジョブカフェが稼動して利用者が増加傾向にあるということは先ほど申し上げましたけれども、これをもって直ちに若者の人口の県外流出に歯どめがかかっているかといいますと、直ちにはそうは言い切れない部分があるのではないかと思っております。
 本年1月にジョブカフェサポーターズという、県内企業の応援団的な組織もできましたので、今後、そういう地元産業界との連携をさらに強めまして、また、産業支援等による雇用創出の取り組みとも相まって、若者の地元定着が進むように、取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 それから、ジョブカフェの今後の見通しと目標についてでございますが、宮古、久慈がサテライトを昨年オープンいたしまして、平成17年度は大船渡それから一関等を予定しておるわけでございます。17年度につきましては、これらサテライトのサービス機能をより充実させて、全体として多くの若者に利用していただくように心がけていきたいと思っております。
 平成17年度の数値目標でございますが、ジョブカフェ本店、盛岡の本店のみで話しますと、利用者数をおよそ2、300人、就職者数をおよそ1、000人と見込んでおります。その目標に向かって、サービス機能を高めてまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 非常に登録者数も3、606人ということで多いようですし、頻度も増していると。ただ、432人という、本人からの申告の方が就職されたということで、これが多いか少ないかという検証は必要であろうと思うわけであります。多額の予算をかけて、そして人件費をかけてこの事業を運営しているわけで、どういう形で就職されたのか、そして今若い就職者の一番の悩みである短期3カ月ぐらいで離職してしまう、そういう人たちの解決にも、ぜひともこのジョブカフェの機能を最大限に発揮していただいて、そして解決に臨んでいただきたいと思うわけであります。
 それで、1月以降87人というのでちょっと気になった点なんですけれども、これは大学に在学している、いわゆる就職が決まらない若い人たちも中に相当数入っているのではないかと思うわけでありますけれども、それはどうなのか。とすると、大学の学生課との連携というのも視野に入れていかなければならないのではないかとも思いますけれども、いかがでしょうか。
〇勝部総合雇用対策監 ただいま委員おっしゃるとおり、大学との連携というのは非常に重要な部分でございまして、私どもといたしましても、もう既に昨年のオープン以来、県内の盛岡大学、県立大学、岩手大学、富士大学等と就職センターとの連携を密にとっておりまして、例えばジョブカフェの方から大学の就職講座、そういうものに出向いていっていろいろジョブカフェの機能を紹介したり、あるいは大学生の自主的なサークルもできつつございます。そういう学生による自主的なサークルとの連携も図りながら、今後、十分その辺は連携をとってやっていきたいと思っております。
 利用者のうちに大学生もいるのではないかということでございますが、そのとおりでございまして、みずからの就職活動の一環として、ジョブカフェを利用なさっている若者もございます。全く失業中の方もいますし、それから現に職についている方で、どうしても自分がその職に合わないので何とか適職を探そうと思って来られる方もございますし、さまざまでございます。したがって、学生の立場でジョブカフェを利用しているという若者も現にございます。
 それから、先ほど私が数値目標で平成17年度のサービス利用者のところを2、300人と申しましたけれども、けたが一つ違ってございまして、2万3、000人でございますので訂正させていただきます。
〇高橋雪文委員 久慈地域のジョブカフェなんかは非常によく使われているということで、周辺部の大船渡とか一関とか、こういうところでも若い人たちがどんどん離れているという状況もありますので、ぜひ期待したいところだと思います。ぜひ頑張っていただければと思います。
 次に、184ページの商工業総務費にかかわることでございますけれども、いわて起業家大学というものがこれまでございました。今回その予算が見当たらないので聞かせていただきますけれども、このいわて起業家大学のこれまでの実績についてお聞かせいただきたいと思います。また、特徴的な企業が育っているのであれば、それについてもお聞かせいただきたい。
 そして、この予算の中でもさまざま起業家の育成について予算措置をされているようでございますけれども、これからの県が進めるべき起業家育成についての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 また、今回の項目ではコミュニティ・ビジネスというようなものの育成事業費、支援費を計上しておりますけれども、増田知事の政策の中でも、NPO法人の育成というものもテーマにして掲げられているわけでありますが、このNPO法人と産業のかかわり方というのがこれからのテーマになっていくと思いますけれども、このNPO法人の育成の関連事業についての御所見等、お聞かせいただければと思います。
〇山本産業振興課総括課長 起業家大学の関係でございますけれども、起業家大学は御案内のとおり、平成7年から県の方で起業家育成セミナーとして全国に先駆けまして開始したものでございます。これまでの受講生、平成7年から16年の10年間でございますけれど968名、それから修了生が516名、そして、こうした中から新規の創業された方が87名というような実績になってございます。
 どういう創業の中身かといいますと、IT産業、いろんなコミュニティ・ビジネス関係、物販その他いろんな分野に分かれてございます。
 それから、今後の起業家大学あるいは起業家支援のあり方でございますけれども、今般の予算にかかわる問題でございますけれども、今申し上げましたように、起業家大学10年という長い期間を経ておりまして、その間、起業を取り巻くいろんな情勢が変わってきております。
 一つには、最初、起業家大学を始めたときには創業・起業を支援する機関というのが、今の産業振興センターに限られていたような状況でございましたけれども、現在では御案内のとおり、商工会議所あるいは商工会連合会、地域中小企業センター、あるいは大学におきましてもインキュベート施設を持っていわゆる大学発ベンチャーを支援するというような状況。それから地方振興局あるいは市町村、それぞれがこの創業・起業の支援を行っているというような状況でございまして、創業・起業をめぐる支援機関、非常に多様化、拡大をしているという状況でございます。
 それから、創業・起業の対応といいますか、あり方みたいなものも随分変わってきてございます。第2創業ですとかあるいは大学発ベンチャー、あるいはコミュニティ・ビジネス、こういったいろんな形での創業・起業というのが行われるようになってきていると。これからの起業支援というのが、こういったいろいろバラエティーに富んでいる起業のあり方に応じた支援が必要になってきているというような状況でございます。
 こういう状況を踏まえまして、これからの起業家支援というものを考えた場合に、これまでの反省も含めまして、どちらかというと各機関がばらばらに縦割りで起業家支援をやってきた嫌いもあったということがございます。それから、どちらかといいますと、起業家大学でいろいろ勉強をしていただいて、その後のフォローがなかなか長く継続できなかったという嫌いもございます。
 それで、これからのいわゆる起業家、創業者を支援していく考え方といたしましては、こういったたくさんの機関がやっております支援事業、これを有機的に横の連携を密にしてネットワーク化をしていくということが必要だろうということを考えてございますし、それから、できるだけ継続的に創業者、起業者を支援していくというようなことで、継続的なフォローをやっていくということを考えてございまして、平成17年度につきまして提案申し上げておりますのは、いわて起業家フォーラム事業、こういったことを考えております。これは支援者と起業者のネットワークを充実する、あるいは情報共有を進めると、こういう仕組みづくりでございます。
 それから高度技術者起業化支援事業、これは産業振興センターに籍を置いている高度な技術を持っている方を、工業技術センターにおきまして研究開発をしていただいて、起業につないでいただくというような事業、それから青少年の起業意欲を醸成するということで、次代の担い手ビジネスチャレンジ事業、こういったものも平成17年度考えてございます。
 それから、NPO法人の育成との関連でございますけれども、基本的に先ほど申し上げましたコミュニティ・ビジネス事業におきましても、実態といたしましてかなりNPOの団体が絡んでいるというような例がございます。私どものコミュニティ・ビジネス支援事業の中で御支援申し上げている団体といいますか企業、平成16年度におきまして12団体御支援申し上げておりますけれども、そのうちNPO法人は2団体というようなことでございまして、平成13年から累積でいきますと、NPO団体が5団体ぐらい数えられるというようなことがございます。
 こういったところを見ましても、これからの企業あるいはコミュニティ・ビジネス、地域おこし、そういったことに関してのNPOの担う役割といいますか、果たせる役割というか、可能性というものは結構大きいものがあるのではないかと考えてございます。こういったNPOの方々、こういった形での産業おこしあるいは産業振興にかかわってこられるNPOの方につきましては、私どももこれから引き続き御支援を申し上げていくというような考え方でおります。
〇田村誠副委員長 この際、進行に御協力を願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いをいたします。
〇高橋雪文委員 起業家大学、10年もこの実績を積み重ねてきたということでありますけれども、やはり私はこの事業をやめるにしても、新しく新規にやるにしても、その検証が十分なされたのか、もしくはこの議会でももんだことがあるのかというと、それが非常に心もとないなということを感じているわけであります。今、るるこれからの問題点についてお聞かせいただいたわけですけれども、この起業家というのをどうやって育成していくかというのが、これからの大きなテーマになるんじゃないかということで、先ほど飯澤匡委員の方からも指摘があったわけでありますけれども、私は、これは全庁的な、一体的な取り組みの中で、どうしても培っていかなければならないだろうと。
 特に、例えば環境生活部関係ですと、岩手県の青少年育成プランというのがことし改正になるわけでありますけれども、こういった中に産業界の声というのは余りにも少ないと。こういう中でこれからの岩手県の子供たち、社会性もしくは起業家精神を持った若い人たちをどうやって育てていくかというのを、そういう部とかあとは教育委員会とか一体となって取り組んでいかないと、結局は皆さん方、努力している成果がなかなか見出せないと思います。ぜひこういうところをお願いしたいわけでありますが、部長、どのように考えているかお聞かせいただきたいと思います。
 あわせて、次の項目にありますけれども、重点企業成長密着支援補助費、これについてでありますが、いずれ、これから、今まで起業化した企業を少しずつ育成して、大きくしていかなければならない。フューチャー・ベンチャーという事業もあって、この店頭公開を目指す企業を応援しようということで、事業を重ねていったりもしておるわけですけれども、この重点企業成長密着支援の見込み企業というのはどんな企業であるのか。また、どんな企業に対して10分の10の補助をしようとするのか。そして、今後どういう見込みでこういう企業を育てていこうとするのか、その辺について具体的にお知らせいただければと思います。
〇酒井商工労働観光部長 今、青少年の育成ということと起業ということのお尋ねでございますけれども、確かにおっしゃるとおりでございまして、産業界の声といいますか、そういうものと学校教育とのつながりというのが悪いんじゃないかということは言われております。つまり、一つの例を言うと、高校の話をいたします。高校の専門学校というのと産業界というものとのニーズというのは、本当に合っているんでしょうかというのがあります。結局、高校とかなんかで、専門学校で学んだ技術みたいなものが、実は企業に入ったときに役に立たないとか、そういう話もございます。したがって、そういう意味で基本的には職業意識みたいな、そういったものも学校教育の中できちんと入れていかなければいけないと思いますし、それから、学校教育をやっている中で、そういった職業体験みたいなものをやっていくということも必要だろうと。そのときに、単なる職業体験じゃなくていわゆる今お話の起業といいますか、業を起こすといいますか、ビジネス感覚といいますか、そういったものもあわせて教育していくことが、卒業して産業界に入ったときに非常に役に立つのではないかと考えておりますので、今後、産業人材育成等をやっていくわけでございますが、そういった中にもそういった観点を入れながらやっていきたいと考えております。
 それから、重点密着については担当課長の方から説明させます。
〇山本産業振興課総括課長 重点企業の成長密着支援費補助の関係でございます。この事業は財団法人のいわて産業振興センターが実施する県の補助事業でございまして、10分の10の補助というのは、産業振興センターが、専門チームを組んだりあるいは専門家に頼んで、いろんな企業を支援するときに必要になる経費、これに対する補助でございます。大体専門チームといいますのは、経営分析ですとかあるいは商品開発、あるいは生産管理、こういった得意分野を持っておられる専門家の方によります専門チームを組織いたしまして、集中的、密着した支援を行うというようなものでございます。
 簡単に申し上げますと、非常に技術だとかあるいは商品開発でいいところがあるけれども、例えば財務の面だとかあるいは労務の関係、いろんな経営全般、各面でネックがあって伸び悩んでいるような、そういう企業、こういった企業を支援している事業でございます。
 これまでの支援は、14社ほどを対象企業ということで選定いたしまして支援を行ってまいりました。こういった企業、14社につきまして専門チームを中心にして支援をしてきたと。財務面、人材面あるいは営業、販売面、ベンチャー、中小企業の抱える課題、いろんな課題の解決を通じまして、企業成長を支援してきたわけでございます。14社のうち大半の企業、11社でございますけれども、売り上げ、あるいは雇用の増加、こういった成果があらわれてきております。
 これからの見通しでございますけれども、平成17年度に向けまして厳しい経済情勢ではございますけれども、今後も積極的に対象企業の発掘を行ってまいりまして、来年度中に30社というのを一つの目標といたしまして、株式公開企業の創出というようなことを目標に、岩手の誇れる企業の育成を行っていきたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 この総務費にかかわるものは、やっぱり結果を出して何ぼであろうと思うわけであります。それが実は余り見えない。ある程度の実績も確かにお聞きしているんですけれども、それをもっと世の中にPRしながら、その社会全体とともにこの企業を育成していこうという、そういう風土をつくっていかないと、本当にたくさんのいろんな事業をやって、仕事もやっていただいているというのもよくわかるんですけれども、それはさらに広がっていかないだろうと思うわけであります。ぜひ、その点も考慮に入れていただいて、よりよく成長してきた、我々の支援をしてよりよく発展して、そして地域に貢献している企業がこういう企業があるんだということを明示いただきたい。それをPRすることによって、実は企業マインドもこの地元から沸き起こってくることだと思いますし、そういう取り組みもぜひ並行してやらなければならないのではないかと思います。所感をお聞かせいただければと思います。
〇酒井商工労働観光部長 今御指摘のとおりでございまして、商工労働観光部余りPRが、県庁全体がPR上手ではございませんけれども、商工労働観光部も特に下手だと思っております。私はこの4月から参りまして、言っているのは、いろんなところで何か提言等があるわけなんですけれども、実はその提言されていることというのは結構やっているんです。やっているんですけれども、それが知られていないということがありまして、もっとPRするべきだと。いわゆるマスコミ等にもどんどん情報を流して、こういう成果が出ていると、そういう企業の情報を流してくれという話もしておりまして、少しずつ取り上げられてきております。したがって、今おっしゃっている趣旨はそういう成果をもっと出すことによって、それによってつくられてまたこういうものを使ってやろうという企業が出てくる、だからすそ野が広がってくるんだよということだと思いますので、単なるPR下手ということではなくて、積極的にPRをしながら、さらにその成果の拡大を図るようにしてまいりたいと思います。
〇樋下正信委員 高橋雪文委員の関連でお聞きしたいと思います。
 海外事務所の件でございますけれども、運営費のところでございますけれども、過去にロサンゼルスに事務所があったと記憶しておりますけれども、これはどうなったんでしょうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
〇熊谷商工企画室長 かつて、何年前でございましょうか、私、記憶で申し上げるんで恐縮でございますが、ロサンゼルスにアンテナショップを設置したことがあるやに聞いてございますが、これ、残念ながら当部ではちょっとタッチしなかった事業でございますので……、今はございません。
〇樋下正信委員 農政の方の関係で、アンテナショップということで……、そうですか。農政とも若干かかわりがあれですけれども、ずっと先ほど来の海外事務所の話を聞いておりまして、アジアももちろんいいんですけれども、ぜひ私はアメリカにも海外事務所があってもいいんじゃないかなと考えているものでございます。
 といいますのは、ロサンゼルスなんかにはリトル東京とか日本のいろんな形で事務所が張りついておりますけれども、私はネバダ州のラスベガス、ここにぜひ事務所を出して、ここは御存じのとおりカジノが有名なところなんですけれども、あのストリップ通りという2キロぐらいのところに、年間何千万という各国からカジノをやったり観光する人たちが来るんですけれども、ここに岩手の海外事務所を設けて、競馬が今回大分議論になったわけでございますけれども、インターネット、ネットでもこれから売るというような計画なわけでございますけれども、私はああいうところに事務所を設けて、競馬の馬券をラスベガスあたりで売ったら、本当にかけをする人たちがたくさん世界各国から集まってくるわけですので、ぜひ私はそういうふうなものも検討して、農林の方と調整しながら検討してみたらいいのではないかと思っております。(「検討に値する」と呼ぶ者あり)検討に値すると言っていまので、ぜひ検討していただいて。
 それから、実は何回かラスベガスに行っているんですけれども、あの通りに、ホテルには日本食というのは大体入っているんですけれども、あのストリップ通りには、日本食とか日本人向けの店みたいなものというのはないんですよ。実は韓国の料理とか中国の料理はその通りにもありまして、そういうところでも食事をした経緯があるんですけれども、そういう日本人向けのものがないということで、ぜひ岩手が率先してああいう世界各国から年間何千万人も集まるようなところに出せば、さっきの話じゃないですけれども、商談で100万円とか200万円の話じゃなく、もっと何億円という話に私はなるのではないかと思っておりますので、ぜひ検討していただきたいということでございます。御所見があればお伺いしたいと思います。
〇熊谷商工企画室長 まず、ラスベガスへのアンテナショップといいますか事務所でございますが、今私どもソウル、シンガポール、そして大連と一つずつやってきております。これは今回の大連も、さっき部長正直に答弁いたしましたが、今までの反省と申しますか、プラン・ドゥ・シーをきちっとしながら、次の大連にということでやってきております。私、大連の次の事務所のことを考える余裕は今とてもございませんけれども、今まず、大連の事務所をきちっとつくり上げること、成果を出すことが新しい発展につながると思ってございます。ただし、競馬の関係につきましては、競馬組合の方との関係でございますので、私の方からはちょっと……。
〇樋下正信委員 それは農政で聞けばということだと思いますけれども、あともう一つ、2年前ですか、ノースカロライナの方に県の職員が派遣されて行って、知事も行っているんですよ、そこに。日本酒持って行ったとかと新聞に載っていましたけれども、それの成果がわかれば、成果を聞きたいんですけれども。ノースカロライナに1年ぐらい行っているはずなんですけれども、わかれば、わからなければいいですけれども。
〇酒井商工労働観光部長 ノースカロライナの方は、総合政策室の方で基本的には所管してやっております。したがって、いろんな成果とか職員を派遣しての何をやってきたとか、その成果というのはそちらの方になっていますので、ちょっと答弁の方は御了承願います。
〇亀卦川富夫委員 私からは、今県政の大きな柱であります自動車関連産業の振興と、それに関連しまして工業技術集積支援センターの中身についてが1点。
 それから、先ほど以来、食品産業ということで非常に結構な話でありますが、攻めの食産業推進事業、これに関連しまして観光、さらに関連いたしまして競馬振興についての取り組み、こういったことをお尋ねします。最後に中心市街地活性化について、大体三つに分けて質問いたします。
 まず、自動車関連産業の振興でありますが、関東自動車が昨年生産拡大すると、こういうことを発表して以来、非常に自動車関連産業に関する関心とか、あるいは産業としての弾みもついているんではないかと、このように思います。経済効果も非常に大きいということでありますが、雇用の拡大あるいは下請、孫請といったものが県内で進展することが期待されているわけであります。あるいは、物資の調達、さらに物流、そして住宅関連あるいは消費の関連、かなり幅広いところでの経済効果あるいはこれからの進め方が期待されるわけでありますが、これらの現状をどうとらえておりますか、まずお伺いしたいと思います。
 それから、あわせて工業技術集積支援センター、これは昨年自動車関連産業及び新産業の育成ということを柱にして立ち上げたわけでありますが、16年度間もなく終わりますが、この間における実績があればお尋ねしたい。また、これからの取り組みについていろいろな項目がございます。自動車関連産業創出推進事業費とか、あるいはものづくり基盤技術集積促進関連機関支援強化事業、あるいは新事業創造推進事業、こういったものがたくさんありますが、これらの予算を使って、これを駆使して多分推進することだろうと思いますが、これらとの関係、さらに事業が具体化しているものがあって、これらで支援していくというものも幾つかあろうかと思いますが、この辺具体的にお聞きできればと思います。まずこの辺をお伺いいたします。
〇酒井商工労働観光部長 まず、関東自動車の生産拡大の関連でございます。この経済効果につきましては、試算が新聞にも出てございましたが、東北経済産業局の方で試算した数字がございます。これは現状の生産台数では約2、900億円という数字でございますが、生産台数が現在15万台、25万台に増加した場合の効果につきましては、それ自体では6、100億円、それからいろんな関連企業とか部品等の地元調達もございますが、そういったものを含めた場合、東北地域で7、400億円という数値を出してございます。
 これで岩手はどうかということで、岩手の産業連関表を使いまして単純な試算をしてみますと、数字的にこれの約8割くらいでございます。ただし、この推計はあくまでも今の車種なんです。ということは、今の車種というのはマークX、アルテッツァとか高い車なんですが、今度ヴィッツとかカローラというグローバルコンパクトカーという値段の安い車になりますので、そういうことになると単価が下がりますので、経済効果もそれに従って落ちてくるとは思いますけれども、ただ、いずれ現状よりはかなり大きな経済効果が出るし、当然に雇用という面もこの経済効果の中に入るわけでございますが、出てくると考えてございます。
 それから、工業技術集積支援センターの実績ということでございますが、これは企業誘致と地元の企業の参入促進と両面でやっているわけですが、まず参入の関係では、ことし16年度の目標では3社という目標をやりましたが、それをかなり上回る数字、取引規模の大小はございますが、7社ぐらいの新規参入が見込まれております。それ以外に工場を増設して生産を拡大するとか、それから今後チャレンジしてみたいといいますか、今仕事をとりたいというようなマッチング支援の方で少し入ってきている企業も複数社ございまして、そういう効果は出ております。
 それから、企業誘致の方につきましても、具体的な数字は今まだ申し上げにくいところではありますが、現時点でも複数の企業が立地をしようというような状況になってきている、そういう状況でございます。
 それから、具体的な事業の内容につきましては、担当課長の方から答弁させます。
〇山本産業振興課総括課長 自動車の関係の具体的な事業の内容について御説明申し上げます。
 自動車関連産業創出推進事業、これは三つに分かれておりますというか、3機関で実施する事業でございまして、一つは、財団法人いわて産業振興センター、こちらの方で実施する事業でございますけれども、自動車の生産管理に精通しました関東自工のOBの方を委嘱いたしまして、コーディネーターということで委嘱して、県内の地場の企業で自動車産業に参入したいと、こういう希望を持っておられる企業、こういった企業を平成16年度は5社選定いたしまして工程改善研修会を行っております。新年度、17年度におきましては、このコーディネーターの方を2人にふやしまして、10社ほどの企業の工程改善、生産技術でありますとか生産管理の技術のレベルアップを図りたいと。そしてゆくゆくは自動車産業に参入をしていただきたいと、こういう事業でございます。
 それから二つ目は、工業技術集積支援センターが実施する事業でございまして、これは技術の目ききをやっていただきまして、企業のグループ化あるいは連携ということをやっていただくということを考えております。というのは、愛知あるいはメーカーの方から仕事を受注する際に、1社ではなかなか難しいというような仕事もございます。そういう仕事につきまして、県内の企業が数社グーループをつくったり、あるいは協業という形で仕事を受注するというような形の参入の仕方も模索していく事業でございます。
 それから三つ目は、産業振興課が実施する事業でございますけれども、自動車関連で高度な産業人材を育成するというような目的で、県内企業が自動車関連の企業に、企業の従業員、社員の方を派遣いたしまして、その自動車メーカーの高度な技術、これを身につけるというような人材を育成する、こういったことをされる場合に、そういう企業に派遣の旅費でありますとか滞在費、人件費等を一部県の方で支援申し上げるという事業でございます。これらの事業につきましては、来年4月からの事業でございますけれども、現在、数社からそれぞれやりたいあるいは実施したいという希望が寄せられていますし、最終的には公募という形もとりながら、年度早々には決定をいたしまして実施いたしたいと考えてございます。
 それから、ものづくり基盤技術集積促進関連機関支援強化事業でございますけれども、この事業は北上川流域基盤的技術産業集積の活性化に関する計画というものに基づきまして、花巻の起業化支援センター、北上の基盤技術支援センター、あるいは水沢の鋳物技術交流センター、岩手県南技術研究センター、こういった地域の支援機関が実施いたします人材育成事業、こういったものに補助する事業でございまして、自動車関連のものも含めまして、自動車に限ったものではございませんけれども、ものづくり産業人材全般の育成を目的とした事業でございます。
〇亀卦川富夫委員 ここで今人材育成ということが大分触れられました。私、これ最も大切なことだろうと思うんです。雇用の関係なんかはすぐ効果としてあらわれてまいります。あるいは部品調達とかそういうところもあるわけですが、孫請から下請になるというのは大変なことだろうと思うんですが、孫になるのも大変だと。そういうことで、これはなかなか県内ではすぐ効果が出ないんですが、こういう人材育成を今のような形できちっとやっていく。あるいは企業のグループ化などもやっていく。これでじっくりと岩手県が取り組んでいつでも拡大していくと、こういう部分が最も大切ではないかと。焦っていきますとすぐ効果の出る部分だけに飛びついて、なかなか難しいということになるんだろうと思いますが、こういう自動車関連はやはりすそ野をきっちりやっていく、この辺が官民一体になってやっていく部分だろうと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、攻めの食産業推進事業という項目があります。先ほど以来お聞きしておりまして、非常に私はこれいいことだと思うんですね。食品産業、これはまことに岩手ならではの産業ということで、私は大いに結構だろうと思います。そこで、攻めの食産業推進という内容をまずお聞きしたいと思います。
〇熊谷商工企画室長 攻めの食産業推進事業の内容でございますけれども、ちょっととがった事業名なんでございますが、これは当部ならではといいますか、当部が一番近いところにいるであろうと私どもも自負しておりますが、商いの視点から、私ども県が持っております信用力というのはまずございますし、情報も数多くの情報を私どもいろんな部署で持ってございます。そして、人材がございます。特に人材に関しましては、当部には、やる気と使命感にあふれた若手の人材が数多く配属されてございまして、そういう職員をコアに、彼らがみずから行動して、県の信用力と数多くの情報を駆使いたしまして、ここからが肝心なんでございますが、マーケットと県内の食品産業の連携関係をきちっとつくりまして、マーケットインというと格好いいんでございますが、要するにマーケットを意識した食産業を育てていこうと、そういうのが私どもの、ざっくり申し上げるとそういうことでございまして、特にも商工労働観光部、多様で厚みのある産業構造を構築しようというのが目標になってございますが、もちろん、先ほど来お話しの自動車、酸化亜鉛、電気機械、伝統産業、これはもとよりでございますが、さまざまな将来的な流れなりトレンドを見ますと、足元の農林水産業に立脚する本県の食品産業の振興が不可欠だと、そういう思いから着手しようと、そういうことにしたものでございます。
〇亀卦川富夫委員 非常に前向きの答弁ありがとうございました。
 そこで、これ予算の説明書の188ページの上の方に、いわてブランドマーケティング戦略展開事業とか食の新ビジネスモデル構築事業、あるいは森からの新ビジネス、あるいはいわて短角和牛肉逸品化推進事業、こういった農林水産の方の分野とまたがるようなもの、かつては1.5次産業などという名前でもてはやされた部分等があるわけでありますが、こういった形で総合的に食品産業ということでは私はいいんだろうと思いますが、今の攻めの食産業とこれらの項目の部分、これとの関連性というのはどういうものか、まずお伺いしたいと思います。
 さらに、これあるいは視点が違うのかもしれませんが、いわて観光経済支援センター(仮称)というのがありますが、これの内容、目的、これらが、あるいはこれらと関係する部分があるのかどうか、この辺も含めて御答弁願えればと思います。
〇熊谷商工企画室長 委員お話しの事業、攻め食と私ども言っておりますが、攻めの食産業推進事業でございますが、事業のねらうところは同じでございますが、事業の形態がちょっと違いまして、簡単に言ってしまえば、攻め食はビジネスを誘致しようという、ビジネスの接点を県内でつくろうという考え方で、そういう意味では、性格といますか手法がちょっと違ってございます。先ほど信用力なり情報と申し上げましたけれども、まだ新年度スタートしていないんでございますけれども、農林水産部の職員と当部の職員がワーキンググループをつくりまして、実は内々に動きまして、首都圏の大手の食品流通業なり運輸業の方々とのネットワークづくりを始めてございまして、予算を認めていただければ、新年度直ちにスタートしようという準備はさせていただいてございまして、特にも、農林水産部の持つノウハウをきっちりといただきながらこの事業を展開していきたいと、そのように考えてございます。
〇松川観光経済交流課総括課長 いわて観光経済交流センター整備事業についてお答えを申し上げたいと存じます。
 このセンターの整備事業の目的でございますけれども、県内企業の海外展開あるいは地場産品の販路拡大、観光振興を図るために、1次産品も結果的に入ってくるだろうと思っておりますけれども、社団法人岩手県産業貿易振興協会、財団法人岩手県観光協会及びジェトロ盛岡貿易情報センターを集約させまして、支援拠点を整備しようとするものでございます。このことによりまして、相談から情報提供、実務のアドバイス等、一体的なサポートを効果的に実施したいと考えてございます。設置場所は、盛岡駅西口にありますマリオス3階の、現在のいわて物産観光センターブランドiの跡に計画してございます。
 なお、岩手物産観光センターブランドiでございますけれども、平成10年4月からアンテナショップとして運営してまいったわけでございますが、盛岡駅舎の民間企業によります県産品取扱店が充実したことから、県のアンテナショップとしての役割は終了したと判断をいたしまして、今年度末をもって閉鎖することといたしました。この跡にこのような機関を設置しようとするものでございます。
〇亀卦川富夫委員 後ろの方からまいりますが、この交流センター、これについてはそうしますと同居ということになるわけですか。そういたしますと、部屋は多分間仕切りするんだろうと思いますが、同じ屋根の下でありますから、ひとつ先ほどの所期の目的に向かって、常に連携を深めてしっかりした確立をしていただく、こういったことがあるいは攻めの方まで通じていくんだろうと、このように思います。
 先ほど来、1次産業あるいは農林水産との横断的な取り組み、私は横断的取り組みというのはまことにいいと思うんです。さっきも答弁の中で、商いの視点というような言葉がありました。そういった意味で、この競馬の支援という部分があるんだろうと思います。確かに所管は農林水産部でありますが、あるいは農林水産業の流れということにもなるのでありますけれども、今岩手競馬の置かれた立場というのは、とにかく売り上げをどんどんふやしていくといいますか、経営、商い、商売、こういった分野だと思います。そういった意味で、先ほど以来の積極的な発言を聞いておりますと、さっきも樋下委員との間で観光というものとのあるいは観光と競馬と、これは大変大切な視点だと私も思うわけです。海外からの観光客も含めて、観光との結びつき、これは岩手ならではの部分があろうかと思います。
 さらに、観光ということになりますと、祭りとかイベント、こういったものを考えますとテレトラックが各所にあるわけですが、そのテレトラックの活用などを考えますと、地場のイベントあるいはお祭りとの関係とか、さらにインターネットというようなことを考えますと、全国のスポーツ紙に岩手競馬が取り上げられていくということにならなければ、これはなかなか売り上げ増というものも難しい部分もあるわけでありますので、こういった商いの視点になりますと、私は商工労働観光部の持てる力を大いに発揮してしかるべきではないかと。所管はともかく、ひとつそういう視点での取り組みというのが私は大切だろうと、このように思いますが、ひとつこの辺の所感をお尋ねしておきます。
〇酒井商工労働観光部長 なかなかちょっとお答えしにくいところがございますが、観光との関連で言えば、例えば中国とか韓国とか、ああいう外国のお客様をこういう競馬、あちらの国は多分競馬場というのはないんだろうと思いますけれども、ただ、興味のある方はいらっしゃると思いますので、ああいう施設を観光のコースの中に組んでいただくとか、旅行商品の中に、そういうことは可能かなと思います。
 それから、あと商いの観点でいいますと、例えば盛岡競馬場の広い敷地を持っていますので、あの中でよくフリーマーケットをかなりやっています。したがって、ああいうのを見ていますと、ああいうスペースを活用してあそこの中で何かビジネスをやる、あるいは起業して、ちょっとあそこの中でおもしろい仕事をやってみたいという人たちにスペースを使っていただくとか、そういうことは可能かなと今ちょっと思いましたものですから、そういう面で今御提案でございますので、検討させていただければありがたいと思います。
〇亀卦川富夫委員 私は競馬のようなものはそういった思いつきのようなものを大いに出して、それを思い切ってやっていく、こういうことが大切だろうと思いますので、県政の荷物とは言いませんが、大きな課題でありますので、ひとつ横断的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、中心市街地活性化についてお尋ねします。
 これは、これまでも大変多くの支援策をさまざまやって取り組んできたんですが、これほど効果が上がらないということもないわけであります。これは本当に社会の仕組みが変わってきたという一言にあるいはつながるのかもしれませんが、現状等これを聞いても、先ほど以来、前の質疑でもありましたのでこの辺は省きますが、私はそういう意味で、今後の中心市街地の活性化というのは、まちづくりと非常に連動した部分があるんだろうと思います。単に商店街ということではなくて、いわゆる中心市街地の思想と申しますか、そういうまちづくりの思想が大変大切です。そういう意味で、先ほどの樋下委員でございましたか、答弁の中で17年度にはまちづくり研究会、これを立ち上げていきたいということでありますが、非常に私は大切な視点だろうと思うんです。
 そこで、例えば県土整備部ではコンパクトなまちづくり、これは郊外に広がり過ぎたものを集約していこうという、非常に私はこれは岩手の市街地活性化には大切な視点だろうと思いますが、既にそういうものが芽生えております。これは都市計画マスタープランにもそのとおり載っているわけであります。それのみならず、具体的にはやはり福祉とかあるいは医療、スポーツ、文化、こういったあらゆるものが市街地の中でどのように展開するか、これらが一番私は中心市街地のこれからの大切な視点だろうと、このように思っております。これはすぐやれるわけにはいかないでありましょうが、ぜひそういう考え方で進めていただきたいと思いますので、これらについての所感をお尋ねいたします。
 また、具体的には、水沢メイプルの再生ということで大変ありがたいわけでありますが、有限会社水沢クロスに支援ということで予算を割いていただいております。私はこれは前にも取り上げましたが、そのときの部長の答弁は、単体への支援ではないですよと。予算は単体へ行くわけですが、考え方とすれば単体ではないんだと。周辺の活性化、こういったものに資するためにやるんだと、こういうようなお話で、私も同感でありますが、これらが先ほど申し上げたものに結びついていけばいいなと。具体的にはそういうことがあります。そうなりますと、県とすれば当該商工団体あるいは市町村、こういったところに適切な助言指導というとちょっと変ですが、一緒になってそういうものをリーダーシップを発揮してやっていただければありがたいなと。商工団体とか、あるいは市町村ですと、先ほど言った横断的なものと言っても考え方はわかりますが、具体的なものになるとなかなか結びつかないわけです。これは都市計画とかそういったものとも関連してまいりますし、あるいは福祉とか医療、そういうものにいきますと制度的な問題もありますので、県が相当リーダーシップをとっていただきたいと、このように思うわけでございますが、この辺の考えについてお尋ねいたします。
〇山本産業振興課総括課長 中心市街地の活性化の関係でございますけれども、今委員御指摘のとおり、中心市街地活性化の問題につきましては、単に商業機能の問題ではないと。やはり街なか居住あるいは公共インフラの整備、こういった広く都市政策のあり方というものも視野に入れました総合的なまちづくりの視点で検討が必要だと認識しております。
 それで、先ほど来話題に上がっております庁内部局横断的な組織研究会の立ち上げでございまして、この研究会でこの問題を広く分析、検討するほか、中心市街地活性化の主体的な役割を担うべき市町村あるいはTMO、商工団体、住民、幅広い関係者から御意見をお伺いいたしまして、議論をしていきたいと考えてございます。
 こういうことを通じまして、県といたしましては、関係者との議論を通じて、市町村、商工団体、住民の方々のより一層のまちづくりに関する問題意識、こういったものを醸成していただく、あるいは主体的な取り組みを促していきたいと考えてございます。
 それから、これからの新しい取り組みの支援の仕方でございますけれども、昨年、中心市街地の活性化ということにつきまして、県内いろいろな各層各般の方々からアンケートあるいはヒアリングを実施いたしました。このヒアリング調査の視点は、商業者、生活者、両面からのアプローチということでやっております。
 この調査の結果、生活者に支持・選択される中心市街地づくり、あるいは商店街と生活者の協働による中心市街地づくりというものが非常に重要だというような認識に立ちまして、平成17年度におきまして、生活者に支持・選択される中心市街地の起点となる個店の魅力強化支援、あるいは商店街と生活者の協働の仕組みのコーディネート及びその活動を支援する実験的補助制度といった事業を新規に実施する予定にしてございます。
 こういった事業の実施に当たりましては、その前提といたしまして、そこに住む商業者あるいは住民の主体的な取り組みが重要と考えておりますので、関係者と連携の上、みずから考え、みずから行う商業者や住民に対する効果的な支援、そして、これらの事業を通じての人材育成を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、商店街の中で新たに起業・創業あるいはお店を出すというような方々の御支援といったものにつきましても、コミュニティ・ビジネス育成支援事業などによりまして積極的に御支援を申し上げたいと考えてございます。
〇亀卦川富夫委員 ひとつ今のお話のとおり、ぜひ進めていただければと思います。
 そこで、最後にお話のあった人材育成、これがやはり新しい視点での考え方ではないかと私は思うんです。農業で言えば担い手というところだろうと思うんですが、商業の場合は、これはなかなか大変な部分でありまして、やはりお話にあった起業化精神にあふれた、若いばかりじゃないんですが、いわゆる若さのある人材を大いに支援していくことはまことに大切だろうと思うんです。
 特に、まちづくりになりますといろいろ、例えば区画整理なんかはその最たるものでありますが、地権者の合意などとなりますとなかなか難しい。これはやはり、そういう中では担い手、意欲のある人を支援育成していくという観点が私は非常に大切だろうと思います。そういったことが、今回のまちづくり研究会の中にも取り入れられていることを私は高く評価したいと思いますが、ひとつこの辺、きちんとした取り組み方を願って、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
〇木戸口英司委員 財団法人岩手県観光協会と観光行政につきまして何点か質問させていただきます。
 財団法人岩手県観光協会は、出資法人改革において経営改善ということで取り組んでおります。観光振興事業への特化、観光開発部門の整理、観光開発部門の整理に伴う職員・事業規模縮小ということの三つの柱として進められていると承知しております。
 本年度の出資法人運営評価を見ますと、こういった取り組みが評価すべき内容ということになっているということを拝見させていただきました。この現状についてお伺いいたします。
 それで、特に経営の悪化を招いた八幡平温泉郷開発事業における別荘分譲事業の不振でありますが、単年度赤字が続き、積立金を取り崩すということで、まだ累積債務ということには至っていないようでありますが、これから撤退するということになっているようであります。本年4月から、この別荘地を八幡平温泉開発株式会社――これは協会出資の関連会社ということでありますが――と松尾村に無償譲渡することになっている。これによる処理ということでありますが、その経過についてお伺いしたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 財団法人岩手県観光協会についてでございますが、御指摘のとおり、平成15年12月に策定されました岩手県出資等法人改革推進プランにおいて、観光協会は、二つの理由によりまして経営改善を要する法人とされてございます。一つは、協会で実施している観光振興事業については、全県的な観光振興施策の実施機関として効果的な事業展開を求められているという点、それから、ただいま御指摘のあった点でございますけれども、もう一つは、観光地開発事業については、民間企業主導で行われる分野と考えられることから、当該事業の今後のあり方については検討が必要である、こういうことでございます。
 これを受けまして、岩手県観光協会では、法人として自主的に検討いたしました結果、近年の景気低迷により別荘地の販売が不振で同部門の単年度赤字が続いていることから、観光地開発事業からは撤退することとしてございます。
 具体的には、平成17年4月までに、別荘地を地元松尾村の第三セクターでございます八幡平温泉開発株式会社に現物出資をし、松尾村には無償譲渡する方向で現在手続を進めておりますほか、昨年9月には、八幡平トラウトガーデンを同じく八幡平温泉開発株式会社に売却したところだと承知してございます。
 それから、こうした観光地開発事業からの撤退に伴いまして、事務局職員等も5名の減員を予定し、収支の均衡を図りつつ観光振興事業へ特化して、効果的な事業展開を図れるよう経営改善を進めているところでございます。
〇木戸口英司委員 わかりました。
 それで、この別荘地の販売ということが、いずれ大変厳しい状況だということは、これからもそのとおりだろうと思いますが、これからこの八幡平温泉開発株式会社と松尾村に譲渡するということでありますが、今後のこの売り方について、県としてまたどのようにかかわっていくものか、ひとつ確認をさせていただきたいと思います。
 それから、観光振興事業でありますけれども、これが岩手県観光協会の方に特化された、専門的、そして民間になじむ業務ということで、本年度、平成16年4月から、県からこの岩手県観光協会に大幅に業務が移管されたところと認識しております。それで、県観光協会におきましては、主に国内向けの観光宣伝事業に同協会など民間が主体となり取り組むこととなっておりまして、また、海外からの観光客誘致や北東北3県、東北6県などの広域観光戦略は県が主導的に取り組むということの役割分担ということであります。
 この観光協会に県から業務の一部移管に伴い5名ということで、3名の増員職員が派遣されておりまして、県では新たに観光経済交流課として組織改編がなされたところであります。これら経営改善の点、観光振興の点から、約1年たったわけでありますけれども、どのように評価されていますでしょうか。また、この体制で、ことしの反省点を踏まえ、課題を踏まえ、来年度どのように取り組んでいくか、お伺いいたします。
 また、県観光協会が取り組む観光振興事業は、このいろいろな計画を見ますと、観光、そして広域観光振興、情報発信、受託事業、県業務移管事業と広範多岐にわたっております。それぞれ地道な取り組みがなされていると理解しております。聞けば、例えば修学旅行の誘致など、長年にわたり大変地道な活動をして、ある程度の成果を上げてきているという事例も紹介されております。
 こういった中で、この県観光協会の現職員体制でこういった事業に対応可能な状況であるかどうか、また、実効性ある効率的な観光振興を推進するため、県観光協会とのさらなる役割分担を図りつつ連携の強化が重要と考えますが、今後の方向性を伺いたいと思います。
 また、観光協会の理事長は知事ということになっておりますが、この点も民間で観光事業を進めるという方向性と合わなくなってきているのではないかと思いますが、お考えをお聞きしたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 別荘分譲事業と今後の県としてのかかわりについてお答えいたします。
 この別荘分譲事業は、この4月までに松尾村の第三セクターに引き継ぐということでございます。基本的には、この会社におきまして事業をしていくことになるわけでございますけれども、実は、これに伴いまして岩手県観光協会から2名、この会社に職員を移籍するということにしてございます。そういう形と、それから、基本的にはこの会社に観光協会が現物出資をするという形で、この八幡平温泉開発株式会社に観光協会としてかかわっていくという形でございます。
 それから、県は、この観光協会については、出資法人としてその運営について相談に乗っていきたい、重要事項については協議をしていきたいと考えてございます。
〇酒井商工労働観光部長 観光協会への業務の移管の評価と課題ということでございますが、いずれ県外向けの観光宣伝など、これまで県と協会とで連携が不十分な形で重複して取り組んだということもございますので、そういったことがなくなったという効果、あるいは、岩手県で推進しておりまして観光協会にやっていただいておりますゆったり・ぬくもり岩手の旅推進事業というものがございますが、こういった場合に、特定の旅行エージェントの旅行商品企画、あるいは特定の施設、企業等を個別・具体的に宣伝・紹介することが、今まで行政主体だとなかなかできなかったわけでございますが、そういった制約がないといいますか、そういった部分でも協会でやれることになったということで、より幅広に顧客、観光客の視点に立った業務の展開が行えるようになったと考えてございまして、効果はあった、それが評価だと考えてございます。
 とはいえ、まさに初年度でございまして、来年からは観光振興事業に特化するということでございますので、業務移管の効果がより一層実現できるように、役割分担、仕事のやり方というものを随時見直しながらやっていきたいと考えております。
 それから、職員の体制につきましては、現在は業務に見合った職員体制になっていると考えてございますが、今後、今主に県が担当しております国際観光とか、北東北3県、東北6県などの広域連携業務といった部分についても、可能な部分は順次協会に移管したいと思っております。
 ただ、現状を見ますと移管による成果は出ているわけでございますが、実は人的にも財政的にも県に大きく依存しているわけでございまして、これは、やっぱり本来はもっともっと役所依存を外すべきだろうと思います。したがって、そういう意味では、時間がかかるかもしれませんけれども、協会としての収益事業等をどう導入するかなどを今後計画的にやっていきたいということで、少しロードマップをつくりながら、本当の意味での民間移管みたいな形に持っていけないかと考えております。
 それから、知事は現在理事長ですが、いずれ知事の方からも、外した方がいいのではないかという意向が出ておりまして、象徴的なといいますか対外的な信用からいうと、やっぱり知事の名前が大きいので、例えば会長とかという形になって、理事長はホテル・旅館の民間企業の経営者の方という方向で、今、協会の方では検討していると聞いてございます。
〇木戸口英司委員 わかりました。
 今、観光協会側に対する評価ということでお聞きいたしましたが、民間で観光を考えていく、これは大きな方向性だと思います。また、民間の発想の中で、今まで以上にいろいろな発想が出てくる、それを実現していくということを言えば、当然、県の役割というものはこれまで以上に大きくなる部分も出てくるのではないかと思います。当然、これまでもやってきたことでありましょうが、他部との連携を強く図っていくこともさらに重要になってくるのではないか。そういう意味で、商工労働観光部として、今後、観光行政ということをどう考えるか、もう一度その辺、部長からPRをひとつお願いしたいと思います。
 続けます。
 最後になりますが、40の政策を見ますと、観光・レクリエーション客数、新規旅行商品集客数ということで指標を定めているわけでありますけれども、平成15年度の評価はB、目標達成までもう少しということになっております。平成16年度、17年度の目標、これは入り込み増を当然目標として示しているわけでありますけれども、これらの目標を達成させることは大事でありますが、観光客数の増加が一過性のものではなくて、安定性・継続性が大切であろうと思います。
 本年は、特に義経ということで積極的に取り組みをしているわけでありますが、これが継続的に岩手の観光として定着していくことが大事だと思います。そのためにも、観光協会が取り組む種々の観光振興事業、こうして計画を見ますと、かなりたくさんの事業に携わっているわけでありますけれども、それぞれ数値目標を立てられるものについては設定して進行管理をしていくことが重要であろうと考えております。これは運営評価の中でも指摘されているところでありますが、これに対しまして考え方をお伺いしたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 先ほど言いましたとおり、民間でやることはできる限り観光協会に移していこう、しかも体制もより民に近いものに持っていこうという方向は、間違いなくそういう方向でいきたいと考えておりますが、やはり県の観光振興というものを全部民間の観光協会に丸投げできないところもあるでしょう。つまり、観光振興というものは行政の役割として持っている部分もありますので、そこのところを明確に役割分担しながら、分野をはっきりさせながら、観光振興を県と協会とで一緒になって取り組むというようなことをやっていきたいと考えます。
 それから、他部との連携の中で、特に、私は1次産業との連携が非常に大きいかなと思っております。つまり、地元の食材をホテル・旅館等が使う、あるいはいろいろなレストハウスで使うということも必要でございますので、そういった1次産業との連携とかというものは、新年度の予算の中でも若干見てございますので、そういう広いネットワークの中で観光振興ができるようにしていきたい。
 観光振興は、単に入り込み客数だけじゃなくて、観光産業の振興も必要だと思っていますので、産業振興の視点での観光振興という事業は、役所の中でもやれるところはやっていきたいと思っております。
 それから、数値目標につきましては、一部目標を立ててやっているものもございます。例えば、北海道からの修学旅行数を平成17年度は何校とかやっておりますが、はっきり言えば、おっしゃるとおり、余り具体的な数値目標を立ててやっているわけではない。ただ、確かに数値目標は立てやすい分野でもあると思っておりますので、この数値につきましては、今後、適切な数値目標が設定できるように、協会とともに検討してまいりたいと思います。
〇ザ・グレート・サスケ委員 私からは、大河ドラマ義経タイアップ観光特別推進事業についてのみお尋ねいたします。
 平成16年度も行っていると思いますが、まず、具体的に何を今までやってきたのかという詳細を、それから、これから行う予定の事業内容の詳細。それから、これはドラマとのタイアップでございますので、ドラマの盛り上がりのタイミングに合わせた事業は何かございますかということですね。
 私が心配しておりますのは、このタイアップ事業がやっと形になってきたと思ったら、実はドラマが終わっていましたなんていうことになるのではないかと思っているんですね。結局、このドラマのプロジェクト推進実行委員会負担金だけはしっかり払って終わっちゃったという事態になるのも非常に心配でございまして、これは県庁舎1階の県民室に入ってすぐ左のところに遠慮がちに番組の宣伝ポスターが張ってありましたけれども、それも確かにいいですが、思い切って、例えば県庁舎の壁一面に義経大河ドラマとペイントしちゃうとか、そのぐらいやってもいいのかなという気もしないではないんです。PR下手な岩手と言われないように、これはしっかりやっていただきたいと思うんですが、その点はまず、いかがでしょうかということです。
〇松川観光経済交流課総括課長 大河ドラマ義経タイアップ観光特別推進事業についてお答えいたします。
 御案内のとおり、平成16年度から千年の古都平泉プロジェクトの一環といたしまして、このドラマ放映でありますとか、撮影ロケを活用し、観光客の誘致拡大を図るという目的で実施してきてございます。
 平成16年度、本年度の取り組みでございますけれども、まず、平泉町でありますとか、メーンロケ地であります江刺市、一関市と県とで実行委員会を5月に設立いたしました。ここで具体的な事業の受け皿をつくりまして、この実行委員会の事業といたしましては、まずはその受け入れ体制の整備でありますとか、機運の醸成を図るために、ロケ開始記念事業として9月に記念シンポジウム、これは、原作者の宮尾さんの記念講演等々を行ったわけでございますが、こういった取り組みでありますとか、あるいは特産品を活用した弁当、古代食メニューの開発、こういったところに取り組んでおります。
 それから、この取り組みをまず県外に広く周知するということで、全国企画キャンペーンというものを実施いたしました。これは全国の大都市圏ということでございますけれども、11月から3月にかけまして、仙台駅、横浜駅、東京・大阪・名古屋・横浜の百貨店、これは岩手県の物産と観光展の会場を利用いたしましたり、あるいはその周辺の報道機関を訪ねるなどによるキャンペーンを行ってきたわけでございます。
 それから、県の事業といたしましては、このほかに、旅行会社を対象にいたしました現地招待会の開催、あるいはNHKのステラという雑誌がございますけれども、この1月号に広告を掲載する。これをまた増し刷りいたしましてキャンペーンで2次使用するというような形で宣伝活動に取り組んでまいったところでございます。
 それから、平成17年度の予定事業でございますけれども、この実行委員会事業といたしましては、前年度はキャンペーンを主体にやったわけでございますが、地元に具体的に足を運んでいただくための取り組み、伝統芸能鑑賞事業でありますとか、ロケパネル展、FMウォークin平泉といった地元イベントの開催事業、それから、これらのイベントを紹介、宣伝するための事業を主体に計画しているところでございます。
 それから、県におきましては、今度は具体的に旅行会社に商品造成をしていただかなければならないということで、旅行会社を対象とした旅行商品の造成支援を行う義経と岩手の旅特別観光プロモーション事業を実施したいということでございます。
 もう一つは、御指摘がいろいろございますけれども、今回の大河ドラマの放映によりまして、一度平泉に行ってみたいという新規顧客の増加が見込まれるわけでございますが、この新規顧客のリピーター化を図るという視点が重要だと思っております。このために、これらの方々に岩手の奥深い歴史文化等の魅力をきめ細やかに紹介するための岩手の歴史文化情報発信事業、厚手のパンフレットをつくったり、あるいは岩手の旅のホームページで紹介するといった事業を展開したいと考えてございます。
 3点目でございますが、ドラマの盛り上がりに合わせた事業展開は考えているのかというような御質問でございます。これについては、必ずしもドラマの盛り上がりに合わせた事業スケジュールという、ただいまイベントの開催についても申し上げましたけれども、それを決めているものではございませんが、この放映の期間中、間断なく誘客が図れるように、4月から11月まで連続的にイベントを開催していくというような形にしてございます。
 例えば、4月にはFMウォークin平泉を4月17日に予定しております。それから5月には、御案内のとおり、春の藤原まつり、5月1日から5月5日、5月3日には主役の俳優が来るということでございます。6月には関連事業でございますけれども、杜の賑わい事業を盛岡市で実施したい。それから、7月から8月には岩手県立博物館において義経展が開催される。9月には、先ほど申し上げました伝統芸能鑑賞事業を平泉で行うというような形で、連続的な展開によって、この放映期間中、間断なく誘客を図っていきたいと考えております。
〇ザ・グレート・サスケ委員 大変心強い御答弁をいただきまして、私も勇気が出ました。ありがとうございました。
 これは個人的な見解なんですけれども、旅行会社というのは余り当てにしない方がいいのではないかと思うんですけれども。
 タイアップというこの言葉なんですが、これは立派な英語でございまして、提携すること、協力することという意味なんですが、実は、アメリカ英語では、これは反対の意味で、ストライキですとか事業をあきらめることという意味になるんですね。ですから、そうならないように、本当にこれは気合いを入れてやってもらいたいんですけれどもね。
 実は、本県に本拠地を置くプロの格闘技のチームが、ことしの初めから、同じくこの大河ドラマ義経に合わせて遮那王と名づけた選手をデビューさせたんですね。これも補助金など一切もらわず、本県の観光振興のためによくやるなと、私も本当に感心しながら、ぜひ応援させていただきたいと思っているんですけれども、せっかく県外から今、この選手を目当てに来県してくるお客様が来ているんです。ただ、一様に皆さん拍子抜けしていらっしゃるんですよ。ゆかりの地にしては何か盛り上がっていないなみたいなですね。ですから、せっかく民間も自助努力で動いていますので、県も、ぜひ民間の模範となるぐらいの盛り上がりをしていただきたいと思うんですが、最後に、民間を上回る盛り上げという部分で、いま一度決意のほどをお願いします。
〇松川観光経済交流課総括課長 大変観光振興には、私どもが勇気づけられる御発言をいただきましてありがとうございます。
 もちろん、地元の実行委員会、県と関係市町村が連携して取り組みを進めるということをやっていきたいと思っておりますけれども、先ほども申し上げましたように、やはり大河ドラマをやっていて、平泉に関心を持って来られたお客様をきちんとおもてなしをして、やはり来てよかったという思いをお持ち帰りいただいて、またおいでいただく取り組みが肝要だと思っております。
 そのためには、もちろん元気よい発信も必要でございますけれども、心を尽くしたおもてなしをする、そういうホスピタリティー向上の取り組みというものもあわせて行いまして、2度、3度と、つまり、ことしはNHKの大河ドラマで岩手が注目されて、それなりの入り込みがあると思いますが、他の例を見ますと、翌年度がたんと減るということがございます。そこを少しでも食いとめて、何度でもおいでいただけるような取り組みを進めてまいりたいと思っておりますし、これは官民挙げてやってまいりたいと存じております。
〇中平均委員 今の木戸口委員、グレート・サスケ委員と関連するんですけれども、まず最初に、この義経の件で私も1点だけ。
 先ほど、このドラマの盛り上がりに合わせた対応もしていくべきじゃないかというサスケ委員の御意見、私もそのとおりだと思います。そういった意味で、間断なくやっていくことで観光客の入り込みを図っていくということでした。ただ、残念なのは、NHKのドラマでは、既に義経は平泉に来ているわけですよね。そういった意味でも、本来であればもっと早くから、ことしの初めからでも、この予算という面でも、実行という面でも、確かにこれは官民一体となってやるべきことではありますし、これを継続させていくのも当然ですが、やはりこの1月から放送が始まって、やるのであれば、もっと思い切って、補正でもいいからつけてやるとか、そういうものもあってよかったのではないかと思うのですが、この点をお伺いしたいと思います。
 次に、観光客をこれから誘致していく、その中で継続的にまたリピーターをふやしていくという中で、私は前回の12月の決算特別委員会のときに部長の方にお伺いして、大連からも今度またチャーター便で来ると。その中で、岩手県の内陸だけでなくて沿岸部も見たい、そういうところを誘導していくような形で、まずそのチャーター便で来た人たちを案内して、それをまたリピーター化して国際的な観光客をふやしていきたいという御答弁をいただいた記憶があるんです。今度、大連からのチャーター便という話も実に具体的になってきていると聞いていますし、そこら辺、この花巻空港に来て、内陸部だけじゃなくて、具体的にどういう形で、いる期間、県内の案内をしてといいますか、そういう企画を考えているのか、お伺いします。
〇酒井商工労働観光部長 それでは、私の方から、外国人観光客の県内誘導の関係でございますが、いずれ東アジア、韓国、中国、台湾を中心に展開しているわけでございますが、こういった誘客をするために、現在、今年度は、まず韓国の関係でございますが、県の単独事業ということで、ソウル事務所と連携いたしまして、アシアナ航空を訪問、それから、仙台空港の定期便を利用したモデルコースを提案しまして、さらに、県南、沿岸地域を中心とした韓国旅行会社・マスコミ招聘事業というものも実施してございまして、こういうことで入り込み地域の拡大を図っています。韓国は、青森、秋田県境、盛岡も雫石とか、あの辺が多いんですけれども、そういうことで、県南、沿岸地域にマスコミ、旅行会社等を招聘いたしまして、入り込みの拡大を図って旅行商品の造成を促進しているところでございます。
 それから、中国につきましては、今月20日から23日にかけまして、国のビジット・ジャパン・キャンペーンというものがございますが、これとタイアップいたしまして、内陸、それから沿岸地域を中心として、中国・大連の旅行エージェントの招聘事業を実施いたします。本県の観光視察あるいは体験、商談を実施することにいたしております。今月から来月にかけまして、中国・大連市の有力新聞に陸中海岸国立公園とか八幡平、それから温泉とか、そういった観光資源を集中的にPRいたすことにしておりますので、そういう形で県内全域の誘客をするような事業を実施していくところであります。
〇松川観光経済交流課総括課長 義経関連のプロモーション活動についてお答え申し上げたいと存じます。
 昨年度もこのプロモーション活動を実施したわけでございますけれども、平成17年度の事業としては遅いのではないかというような御指摘でございます。実は、この取り組みについては、例えば関係事業の中で既に着手している部分もございます。ゆったり・ぬくもり岩手の旅推進事業といった中で、歴史をテーマにした旅もモデルコースということで推奨しているわけでございますが、JR東日本におきまして、義経公最期の地・平泉という商品の取り組みが本年1月から6月までございまして、これらの支援も行ってきてございますし、近畿日本ツーリストにおきまして、源義経公最期の地・平泉は本年11月30日までの取り組みでございますけれども、こういったものも実現しているというようなことでございます。
 それから、プロモーション関係で、実は私どもが基本的に考えましたのは、平泉にはお客様がおいでになるであろう。この平泉においでになったお客様を、どうやって県内各地へ足を運んでいただく取り組みにしていくのかということが課題だと考えてございます。そのために、本年度は、この義経と岩手の旅特別観光プロモーション事業におきまして、平泉をゲートにして、義経北行伝説の旅を行っていただくような仕組みを、実は平成16年度の初めから観光協会等とこれの実現についていろいろ協議を重ねてまいりまして、関係機関とも種々打ち合わせをしてきた取り組みでございます。これが現在動き出してきつつあるということでございます。
 それから、平泉に来たお客様を県央部の盛岡へ運んできて、それから各地へ動いていただこうというものが杜の賑わいの意図でございます。そういった取り組みについても、実は今年度半ばから関係機関といろいろ構想を練りまして、具体的な提案をできる段階になってきたというようなことでございます。
〇中平均委員 御答弁ありがとうございます。まずその義経の方も、ぜひともこのチャンスを生かして頑張っていただきたいと思います。まず、北行ということであれば、当然、岩手県沿岸部、北行伝説は宮古から北になるのでしょうか、まず、宮古もたくさん行った箇所があるということになっています。当然、久慈市にも来たことになっています。
 ただ、残念なところは、昔の北行伝説のときにつくった看板とかが宮古にもあるでしょう、どこの地域にもあると思うんです。それが非常に古くなっている。例えば、北行伝説ではこの場所に来たことがあるとこのパンフレットで見ても、行ってみれば、当然当時とは変わっているわけですけれども、その上で、ここに昔は、私が小学生ぐらいのときは新しい看板でしたが、今となっては字もかすれて見えないような看板とかも多々あるわけであります。こうなったときに、パンフレットだけを見て、そこに行ってみたときのこの人たちが、果たして本当にリピーターになってくれるのかどうか、そういう点も考えながらの活動をこれからしていかなければならないのではないかと思いますので、そういった意味におきましても、一過性のものとならないような活動を期待しまして、私の質問を終わります。
〇小原宣良委員 地域経済活性化については、先ほど部長が午前中、本県の極めて重要な課題であるという認識を示されました。そこで、物流活性化の観点から幾つかお伺いしたいと思います。
 初めに、貿易額の推移でございますが、本県を含めて東北における輸出入の状況、実績、これをどう把握しているのか伺います。
 港湾、空港という手段があるわけですが、これらを合わせても結構ですから、お知らせください。
 なお、この中で岩手の港湾については、輸出入の実績について、そして、今後の利用拡大に向けた振興策をどうお持ちか、お伺いしたいと思います。
 また、県土整備部では、港湾ビジョン・アクションプランを昨年3月に策定しておりますので、連携した取り組みが必要と思われますが、いかが取り組みの予定でしょうか。
 次の質問ですが、関税法の改正が行われるようでありますが、それとインランドデポ設置への影響という点です。
 国では関税法の一部改正を予定していると聞いておりますけれども、その内容はどのようなものでしょうか。
 本県におけるインランドデポ――内陸通関基地でありますが、この設置は、港湾の利用拡大にも密接に関連しておりまして、本県の物流活性化の切り札的役割を持つものと考え、これまでもインランドデポの早期設置に向けた取り組み、県の支援を強く求めてまいりました。
 そこでお伺いしますが、インランドデポの早期設置の見通しをどうお持ちかという点、また、関税法の一部改正は、直接これらの取り組みには影響しないと思いますけれども、この国の動きをどう受けとめているでしょうか。
〇松川観光経済交流課総括課長 まず、東北における輸出入の状況、それから、本県の輸出入の状況でございます。
 函館税関の資料によりますと、東北6県の輸出入額は、平成10年から平成15年まで緩やかな増加を続けている状況にございます。平成15年の東北地域の輸出額は5、066億8、400万円でございます。これは全国比で0.9%のシェアということでございます。それから、輸入額でございますけれども、7、896億1、300万円でございまして、これは全国シェアの1.8%というようなことでございます。
 本県の輸出入額の状況でございますけれども、輸出においては、平成13年及び平成15年において大きく増加いたしております。これは、自動車関連輸出と北上地域における通関実績によるものと考えてございます。
 輸入につきましては、SARS等の影響によりまして平成12年から14年まで若干減少したわけでございますけれども、平成15年には回復してございます。平成15年の岩手県の輸出額は84億7、400万円でございまして東北全体の1.7%のシェア、輸入額は164億8、000万円でございまして東北全体の2.1%のシェア、このようになってございます。
 それから、岩手県の港湾を利用した輸出入の状況でございますけれども、これは取扱重量であらわしてございますが、岩手県の港湾統計年報の数字、県土整備部で取りまとめたものでございます。平成15年の輸出につきましては7万4、781トンで、これは平成14年が約8万5、000トンでございますので1万トンほど減少してございます。それから、輸入につきましては137万3、110トンでございまして、昨年から比べますと9万トンの増加というような状況でございます。この輸出の状況を見ますと、平成13年に6万トン台になっておりまして、前年から倍増以上の伸びを示しておるわけでございますけれども、これは、自動車関連輸出の伸びによるものと考えてございます。
 それから、県内の主要3港湾、宮古、釜石、大船渡の通関実績を金額で見た場合に、平成15年の輸出の状況は84億7、400万円でございまして前年の142%でございます。それから、輸入は164億8、000万円で前年の121%というような状況になってございます。
 それから、港湾の利用拡大について、部としてどういったことを考えているのかというような御質問でございます。
 この港湾振興に係る当部の取り組みということでございますが、これまで、例えば国際経済交流推進プロジェクトの中で、昨年11月には中国上海におきまして東北フェアin上海ビジネスフェア等を行ったわけでございますが、この一環として、岩手県港湾セミナーを県土整備部と連携して実施してきたところでございます。
 今後も、こうしたポートセールスの機会となるような情報を海外事務所を通じるなどいたしまして収集し、提供し、県土整備部と連携して効果的な取り組みとなるように努めてまいりたいと考えてございます。
 それから、関税法の改正の関係でございますが、関税定率法等の一部を改正する法律でございますけれども、この改正の趣旨は、関税率等について所要の改正を行うとともに、税関における水際取り締まりの強化及び通関手続の迅速化等を図るための改正であると聞いております。具体的には、例えば水際取り締まりということであれば、知的財産権侵害物品等の水際取り締まりの強化等があるわけでございますが、通関手続の適正化・迅速化を図る観点での改正の中に、法令を遵守する体制を整えている輸出者に対する輸出通関手続の迅速化のための諸施策を講ずるというような内容がございます。
 この法律は本年4月1日から施行するということになってございまして、この内容を具体的に申しますと、いわゆるコンプライアンスのすぐれた企業、法令遵守をきちんとしているといったものについて、貨物を保税地域に入れることなく輸出申告を行い、輸出の許可を受けることができる制度を導入しようというものでございます。
 このことによりまして、改正の効果としては、国際物流の高度化に対応した物流の促進が図られる、リードタイムの短縮が図られるというようなメリットがあるというような内容でございます。
 これの現在のインランドデポ設置促進の取り組みに係る影響でございますけれども、2月2日に、県、北上市等の関係者が集まりましてインランドデポ設置促進戦略会議でいろいろ意見交換をいたしました。ここには大船渡税関の支署長にも入っていただいたわけでございますが、そこで意見交換をいたしましたが、この制度では、セキュリティーの観点から、いわゆる混載貨物は対象外となっているということでございまして、現時点で、この北上地域での輸出利用企業へ与える影響は非常に少ないのではないか、また、インランドデポ設置に向けた活動の障害となるものではないというような意見交換をしてきた経過がございます。
 なお、この制度については、函館税関を通じて情報収集いたしまして、北上市等に伝達してまいりたいと考えてございます。
 それから、インランドデポの取り組み、今後の見通しということでございますけれども、昨年12月に商工労働観光部長が、北上市あるいは北上インランドデポ設置促進協議会の会長とともに函館税関長を訪問いたしまして、インランドデポ設置の要望をいたしたところでございます。その際、函館税関側から課題として出されたものの一つが、税関側としては、民間企業からの政令派出要請にこたえることとなることから、さらなる企業との連携や掘り起こしを行い、当地での一層の通関実績を上げていくことが肝要である、このようなことを言われてございます。したがって、今後の取り組みということでございますが、さらなる県内の通関実績を上げていくことが必要だと考えておりまして、輸出取扱金額の多い誘致企業に対しまして、物流アドバイザー等が行うフォローアップのための企業訪問あるいは定期ミーティングの機会をとらえまして、積極的に利用促進を働きかけることでありますとか、セミナーを開催いたしまして、直接企業にこのインランドデポの必要性について周知を図るなどの取り組みを進めて、通関実績の向上を図ってまいりたいと考えてございます。
〇小原宣良委員 ありがとうございました。まとめてお聞きしましたから、ちょっと答弁が長かったんですが、内容はよくわかりました。
 そこで、部長に最後にお聞きしますけれども、インランドデポの設置について函館税関ともいろいろ折衝をしておられるということで感謝しますが、以前から私も、これは北上という地域限定の話じゃないということを申し上げておりました。これはもう岩手のインランドデポであると。東北では山形しかないわけですから、そういう意味で、そういう位置づけをしながら全県的取り組みを図る必要がある。その中で、物流の活性化というものが大きく拡大されていくんだ、港湾の利用にも結びついてくるんだ、こういう位置づけで、ぜひとらえていただきたい。
 これはそのようにお考えだと思いますから、そこのところをひとつ再度お願いし、さらに、この実績を上げていくという部分について、知事にもトップセールス等を要請した件もありますが、いずれそれらを含めて、部長から今後の取り組み方について一言お伺いして、終わります。
〇酒井商工労働観光部長 今お話のとおりでございまして、いずれ県内企業の通関実績をとにかく上げることが重要だということでございます。それで、北上地方振興局の方でも、特にアドバイザー等の経費を調達したりしながらやって、いろいろな調査をしたり、企業の意向を聞いたりしてやっているわけでございます。
 そこで、私どもの方としても、県内の誘致企業等に対しても事あるごとに話はしてございます。あと、かなり大口のところの可能性が出てきた場合等につきましては、いわゆるトップセールスという形で、知事にもお出まし願うというようなことまで考えてございますので、そういった誘致企業等への働きかけと情報収集をきちんとしながら、しかるべき対応を適時、適切に実施していきたいと考えております。
〇田村誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時54分 休 憩
   午後3時14分 再 開
〇佐々木順一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇伊沢昌弘委員 3点についてお伺いをしたいと思います。
 一つ目は、チャレンジド就業支援事業についてお伺いをいたします。
 5款1項4目に雇用促進費、そのほかにもあるんですが、チャレンジド就業支援事業費に関連してお伺いをしたいと思います。
 障害者の就業を支援するために、生活面と就業面を一体的に支援するチャレンジド就業支援センターの運営に関する補助事業の御説明が先ほど部長からもございました。
 そこでお伺いをしたいわけでありますが、障害者の就業は、現下の厳しい経済状況の中で、大変厳しいものがあるのではないかと思っております。県が率先をして就業支援を行うことは、大変重要なことであるわけであります。チャレンジド就業支援センターが、今年度実施してきた障害者職場実習事業の概要についてお示しをいただきたいと思います。
 また、この科目についての予算を見てみますと、今年度の予算と比較して、支援センターの運営費が16年度は1、000万円あったわけでありますが、来年度500万円になっています。逆に障害者職場実習費補助が120万円から870万円に増額をされているわけでありますので、その理由についてお示しをいただきたいと思います。
 もう一点は、法定雇用率の関係についてお伺いをしたいと思います。
 県及び市町村または56人以上の企業が、障害者を雇用する義務があるわけであります。民間にあっては1.8%、県自治体等については2.1%、教育委員会は2%等々になっているわけでありますけれども、県内の状況はどのようになっているのでしょうか。前にお伺いしたときはかなり低いということもあったわけでありますけれども、その辺、県として把握しているとすれば、教えていただきたいと思います。
 管轄は岩手労働局なわけですけれども、法定雇用率に満たない企業等に対する県の指導、直接はないと思うわけでありますけれども、どのようにお考えなのかお示しをいただきたいと思います。
〇菅原労政能力開発課総括課長 まず、障害者職場実習事業についてでございますが、県内に3カ所、水沢、宮古、盛岡に設置してございますチャレンジド就業支援センター、ここで支援対象者の職場への適応性を見きわめるということを目的といたしまして、職場実習をあっせんしているところでございます。この職場実習は、就業支援センターが開拓いたしました協力事業所に受け入れを依頼しまして実施しているものでございまして、今年度の場合ですと、2月末現在で68名の方が延べ1、024日間、1人当たり大体平均15日間の職場実習を行いまして、そのうち57名の方が就職をしてございます。
 それから、次は予算的な面でございますが、チャレンジド就業支援センター事業は、厚生労働省が行っております障害者就業生活支援センター事業というものに先駆けまして、県単事業として運営費補助を行ってきたものでございます。国のセンターの設置箇所数の拡大に合わせまして、順次、県単のセンターを国庫委託事業ヘ移行するということを進めてきたところでございます。
 県内3カ所の就業支援センターのうち、水沢のセンターは平成14年度、設置当初から国庫事業を受託しておりますが、今年度宮古のセンターが国庫委託事業に移行いたしましたことから、平成17年度予算におきましては、1カ所分の県単運営費補助金500万円になりますが、これを減額するものでございます。
 それから、障害者職場実習事業が増額になっている理由でございますが、これまで障害者職場実習事業1カ所当たり40万円でございますが、それと就業支援サポーター派遣事業というのが1カ所250万円のものがありまして、この二本立てで事業を実施してございましたけれども、事業の効率的な実施を図る観点から、障害者職場実習等事業ということで平成17年度統合いたしました。この結果、予算総額といたしましては1カ所当たり290万円ということで、増減はないものでございます。
 それから、次に障害者の法定雇用率等のお話でございます。
 岩手労働局が毎年6月1日現在で行っております障害者雇用状況調査によりますと、昨年6月1日におきまして、障害者雇用が義務づけられております常用労働者56人以上の県内民間企業757社、こちらの障害者雇用率が1.62%となっております。これは法定雇用率の1.8%には満たないわけですが、前年度より0.02ポイント上昇しておりまして、北海道・東北地方では最も高い割合ということになってございます。
 一方、法定雇用率の未達成企業が54.6%ございまして、前年度1.3ポイント上回ったんでございますが、岩手労働局におきましては、こうした未達成企業への戸別訪問による是正指導を行っているところでございますけれども、県といたしましても、いずれ関係機関と連携を密接にとりまして、チャレンジド就業支援センター事業などを実施していく中で、障害者雇用について事業主の方々の理解と協力が得られるように、努力してまいりたいと思っております。
 また、法定雇用率が適用されます県、市町村の機関の障害者雇用率でございますが、教育委員会は2.0%、その他の機関が2.1%ですが、県の機関につきましては2.02%、それから市町村の機関が1.81%、ともに前年より低下いたしましたが、県等の教育委員会は1.27%と前年度を上回っている、そのような状況でございます。
〇伊沢昌弘委員 県等の雇用率が下がったのは母数の変化があって、知事部局なんかはよかったのが下がったとも聞いている部分があるんですけれども、これ、ぜひ商工労働観光部としても、県の部分については労働局に任せるのではなくて、県としてもぜひいろんな意味で、側面で雇用促進をやりながら、県の部分、直接来られるかどうかまた別問題があろうと思うんですけれども、雇用を拡大するようにぜひお願いを申し上げたいと思います。
 2点目ですが、産学官連携事業についてお伺いをしたいと思います。
 これも部長の方から、いろんな事業がある中でこの間やってきたことが出ているわけでありますけれども、私、戦略的技術開発推進事業費の部分で一つお伺いをしたいと思っております。
 これまでもこの予算が計上されていまして、研究実績それから県内企業への技術転換も図られてきた部分があるのではないかと思うわけでありまして、改めてこの状況についてお示しをいただきたいと思います。
 また、新年度における事業の推進計画がもしあるとすればお示しをいただきたいと思います。
 あわせて、4月から県立大学が独立法人化をするわけでありますけれども、これまで岩手大学等々含めてやってきた部分があるんですが、この県立大学を含めた産学官、そして金融機関も含めた形でこれお金がかかる部分があるんですけれども、この産学官金連携の推進に向けた基本的な県の考え方について、改めてお示しをいただきたいと思います。
〇山本産業振興課総括課長 それでは、私の方からは戦略的技術開発推進事業につきまして御説明申し上げます。
 この事業は、本県誘致企業の東京電波が世界で初めて開発いたしました酸化亜鉛の単結晶を活用いたしまして、関連産業の創出を目指すという事業でございます。これまでの研究実績あるいは県内企業への技術移転の状況でございますけれども、現在、岩手県内の企業7社と共同研究契約を結びまして、紫外線センサー、圧力センサー、磁気センサー、高周波フィルターなどの酸化亜鉛応用製品の開発を進めているところでございます。開発に当たりましては、工業技術センター内に研究設備を整備しました酸化亜鉛のオープンラボを開設いたしまして、参加企業や大学に無料で開放しているところでございます。現在、工業技術センターにおきまして、参加企業とともに試作品の作成と動作確認、性能向上に向けた光特性や電気的特性の評価を実施しているところでございまして、今後、特許出願などを経て、参画企業において市場へのサンプル出荷を行う、こういう予定になってございます。
 また、東京電波株式会社におきましては、現在、一戸工場に単結晶育成炉4本を増設するべく工事を進めているところでございまして、4月から単結晶・基板の量産に向けた体制が整備される予定になってございます。
 それから、これから新年度に向けての事業の推進計画でございますけれども、今年度に引き続きまして酸化亜鉛研究会を定期的に開催いたしまして、事業成果のPRを行うとともに、本事業への参画企業の拡大に向けた企業への勧誘を引き続き行いたいと考えてございます。
 それから、これまでの共同研究等の成果をもとにいたしまして、産学官によります共同研究開発をより加速化するために、現在、経済産業省の公募事業、地域新生コンソーシアム研究開発事業、これへの提案の準備を進めているところでございます。
 それから、また、東京電波株式会社の酸化亜鉛単結晶・基板の利用促進等の観点から、各地の研究者との連携を模索しております。本県と同様に、酸化亜鉛の研究を進めている東北大学あるいは高知工科大学の教授との連携を検討しているところでございます。
〇酒井商工労働観光部長 私の方から、産学官連携の推進につきまして県の基本的な考え方についてお答えをいたします。
 いずれ、県といたしましては、本県の産業振興あるいは産業人材の育成という観点でも、産学官連携というのが非常に重要でかつ有効なツールだと考えております。
 具体的な産学官研究の推進につきましては、夢県土いわて戦略的研究推進事業というのがございまして、これはいろんな研究に対して数億円のお金を用意して小分けして助成するものでございますが、そういった研究、こういった夢県土研究推進事業ということによりまして、大学と民間企業あるいは県の試験研究機関による共同研究による製品化、事業化に対して強力に支援をしてございます。
 それから、県立大学につきましては、独法化を御案内のとおりするわけでございますが、産学官連携コーディネーターというのを2名配置をするというようなことにして、県立大学における産学官連携の機能も一層強化するとしております。
 それから、県立大学も含めてでございますけれども、大学等における研究成果の育成から事業化まで、一貫して支援するプロモート機能の強化ということで、このためのプロモーターの配置も考えてございます。昨年度までRSP事業といいまして、地域研究開発促進拠点事業という国の予算事業がございましたが、これが16年度で切れるわけでございますけれども、新たに県単でこういった措置をしながら、引き続きこれまでの成果を事業化に結びつけたいと考えております。
 それから、金融機関と共同で目ききシステムというのをつくりまして、委員会をつくりまして、これは外部の方、しかも県外が大半でございますが、県外の外部のそういう目ききの委員会をつくりまして、いずれ研究から事業化までの加速化、いわゆる産学官連携の成果のより確度の高い、ヒット率の高い研究を支援するというシステムを構築することとしております。
 いずれ、こういった面で金融機関との連携をしながら、本県の産学官プラス金という体制の強化を図っていきたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 人を育てそして企業が技術を持ってやっていくということは、とりもなおさず就労の機会もふえていく、経済活性化という部分では長いスパンがかかると思うんですけれども、ぜひこれは、これまで以上に力を入れていただきたいと思っています。
 最後になりますが、人づくりでございます。
 産業技術短期大学校を含めて県内職業訓練のための施設が配置をされているわけでありますけれども、優秀な生徒さんが出て頑張っているという思いがあります。これまで新卒の皆さん方の就職率、今年1月でも去年よりはちょっと高いが、内実的にいけば県内なかなか難しいと、こういうのもあるんですが、県が行ってきている産業技術短期大学校等の卒業生の就職動向といいますか、例年に比べてどうなのか、100%なのか、その辺についてお示しをいただきたいと思います。
〇菅原労政能力開発課総括課長 県立の産業技術短期大学校及びその他の職業能力開発校の就職実績でございますが、産業技術短期大学校につきましては、平成14年度修了者107名に対し、就職希望者101名、うち就職者95人ということで、就職率は94.1%でございました。それから、同じく平成15年度の修了者数111人、就職希望者数うち104人、就職者数104人で、就職率100%でございます。それから、大学校以外の職業能力開発校でございますが、14年度修了者数158人、うち就職希望者数153人、就職者数151人で、就職率98.7%でございました。それから15年度につきましては、修了者173人、うち就職希望者168人、就職者数161人で、就職率95.8%でございました。
 なお、平成15年度の就職未定者については、現時点では全員何らかの形で就職しておると確認しております。また、今年度就職予定の者の内定率でございますが、平成17年2月末現在でございますが、産業技術短期大学校が92.2%、それ以外の職業能力開発校が89.1%ということで、昨年度を上回る趨勢ではないかと、そのようにとらえてございます。
〇伊沢昌弘委員 人数的にも少なくなってきている面があると思うんですけれども、ぜひいい人材を輩出して――県内、県外、聞かなかったんですが、もしわかれば、そこをちょっと教えてください。
〇菅原労政能力開発課総括課長 県内、県外の率でございますが、県内の方が多いですので、そちらのパーセントのみ申し上げますが、産業技術短期大学校14年度は県内就職74.1%、15年度が県内72.1%。それから16年度、これちょっと1月末現在でございますが、61.1%が県内でございます。その他の能力開発校につきましては、平成14年度修了者が県内84.5%でございます。それから、15年度修了者が県内85.6%、それから本年度、17年1月末現在では県内83.0%と、そのような割合になってございます。
〇伊沢昌弘委員 県内に多く就職ができるということで、企業からの言ってみれば要望といいますか、どういう人材なのかも、これ綿密に計画の中でもできるでしょうし、科目も少なくなってきている面はあるんですけれども、ぜひいい人材を輩出していただくことをお願い申し上げまして、終わります。
〇斉藤信委員 私、一発回答でやりますから、ぜひ簡潔明瞭、かみ合った答弁をお願いしたい。
 大型店問題であります。知事を囲む県商工会議所連合会の新聞報道を見ますと、イオンを初めとした大型店の出店攻勢に大変な危機感があらわれたと。盛岡商工会議所の副会頭は、大型店の売り場面積が2006年には67%になると、こういう大変深刻な内容が報道されていました。そこでお聞きします。
 一つは、大店立地法以来の大型店の出店状況はどうなっているか。その中で、イオングループの出店状況、今後の計画も示していただきたい。
 二つ目に、まちづくり三法の見直しの動向についてどう受けとめているか。私はこのまちづくり三法というのは、大型店の出店自由で、今、地域経済も地元の商店街も、大変な事態に直面していると思うんです。
 そこで、あわせて岩手県としても大店立地法の見直しを強く国に求めるべきではないか。増田知事は全国知事会の会長にも立候補したんですから、全国知事会でも、私はまちづくり三法を、大店立地法の見直しを議題にして取り上げていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 3番目の問題は、特に盛岡は第2イオンの出店計画、これ盛岡市議会での市長の答弁を見ますと、3万8、000平方メートルと言われています。そうしたら、前潟イオンが5、000平方メートルさらに増床すると。イオン同士の争いになっているんですよ。競争になっているんですよ。ただ、これだけイオンが出店攻勢をかければ、第2のダイエーになってしまうんじゃないかと、こういう危機感も専門誌の中では出ています。出店攻勢している割合には、小売面積当たりの売り上げが低いと。これはイトーヨーカドーの3分の2だと言われています。有利子負債が7、000億円抱えていると言われていますから、私はだからそういう点では盛岡におけるイオンの出店計画、これに対して、県としてどう受けとめ対応しようとしているか。
 もう一つ、ダイエーと大通りの商店街、これ共存共栄して大変いい役割を果たしている、これは撤退をするという、こういう計画が出されました。盛岡市長は、ダイエーの存続を求めて繰り返し要請に行っているようですが、私は県も盛岡市と一緒になって、これは第2イオンの問題とダイエーの問題については取り組むべきではないかと。
 最後ですが、先ほど樋下委員からも取り上げられましたが、福島県の取り組み、私、2月4日に福島県に行ってきました。担当者からもこの取り組みを詳しく聞いてきました。福島県は担当者がドイツにまで行って、まちづくりを研究しているんですよ。半端じゃないんです。福島大学の専門家と一緒に集団的な検討をやるだけでなく、ドイツにも行ってまちづくりを研究して、そして今条例化を目指している。兵庫県もそうです。岩手県も研究会を設置するという話ですが、この点をどう受けとめてやろうとしているかお聞きしたい。
〇山本産業振興課総括課長 大店立地法施行以後の大型店の出店状況でございますけれども、17年の3月15日現在で39店ございます。それから、イオングループの進出でございますけれども、大店法施行前も含めますと全部で16店でございますけれども、大店法の施行後の新規の届け出というところに限りますと、平成12年以降でありますけれども6店、実際営業している店舗は5件というような状況でございます。
 それから、今後の計画でございますけれども、大店法上の届け出をされておりませんので正確な計画というのは把握できかねるわけでありますけれども、新聞報道等で把握しているもの、こういったものは全部で9件でございますけれども、そのうちイオングループがかかわるものは6件と考えてございます。
 それから、次にまちづくり三法の見直し、国での動向でございますけれども、御案内のとおり、全国の商工会議所あるいは商工会等の団体の方からも、まちづくり三法の見直しの要望が国の方に出されております。経済産業省におきましては、昨年の9月から関係審議会等の開催をいたしまして、大店法からまちづくり三法への政策転換以降の小売業をめぐる環境変化を踏まえた関連政策のレビュー、時点評価を行っております。
 これからの予定といたしましては、まちづくり全般に関する問題、こういったことについての検討、これを夏ごろまでには方向性について取りまとめると聞いてございます。
 それから、国土交通省におきましても、昨年の11月から中心市街地再生のためのまちづくりのあり方に関する研究、これを開始しておりまして、こういった経済産業省あるいは国土交通省のまちづくり三法にかかわる動き、こういったものを注意深く注視してまいりたいと考えてございます。
 それから、第2イオンの関係でございますけれども、昨年、都市再生機構が進めている用地、これの事業者ということで昨年6月30日に決定をいたしたわけでありますけれども、まだ正式な大店立地法上の店舗の計画、届け出がなされておりません。今のところ、私どもで把握している内容は、新聞報道その他、そういった情報を総合的に加味したものでございますけれども、延べ床面積が9万2、000平方メートル、それから商業施設面積4万6、000平方メートルというような計画でございまして、開業時期は平成18年度中と見られてございます。ですから、大店法上はこれから来年にかけて正式な届け出が出されるのではないかと考えておりまして、そういった正式な届け出がなされれば、どういった規模のものなのか、正確に把握することができるというような状況でございます。
 それから、ダイエーの盛岡店の関係でございます。ダイエーの関係につきましては、もう大分新聞報道等がなされておりまして、私どもとすれば正式なダイエーそのものの店舗の閉鎖、正式な決定をしたとまだ受けとめておりませんけれども、新聞報道その他いろんな情報を加味いたしますと、店舗の継続はかなり厳しい状況なのかと認識してございます。これから、動きというものを十分に見きわめていきたいと考えておりまして、仮に閉鎖ということが正式決定ということになりましたら、地元市、関係団体等と連携して、今後の対応を検討していきたいと考えてございます。
〇酒井商工労働観光部長 国に大店立地法の見直しを求めるべきではないかと、こういうことでございますが、いずれ、中心市街地の空洞化あるいは小売商業の衰退、こういった問題につきましては、そのプロセスというのはかなり似たようなプロセスにはなっているわけですけれども、地域地域によって大分実情が違う。つまり、東京と仙台と盛岡と、それから盛岡以外の都市と比べた場合、中心市街地の空洞化なり商業の衰退の対応というのはやはりイコールではないと思います。したがって、大店立地法の見直しについての提言云々につきましても、やはり地域地域の実情というものをきちっと踏まえた上で、前向きな提言をするということが必要じゃないかと考えております。したがいまして、前の答弁でも申し上げましたが、岩手県における中心市街地に関する研究会というのを立ち上げまして、この辺のところをきちんと深掘りした議論をしていく、それからいろんな業界の方々とか行政関係者を含めて意見を聞きながら、その中で平成17年度中ぐらいには一定の形に出しまして、国に提言できるものがあればそういった提言できるような形にまとめていきたいと思っております。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部及び総合雇用対策局関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部及び総合雇用対策局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます。
〇千葉医療局長 平成17年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 予算の内容を御説明申し上げる前に、事業運営に当たっての基本的な考え方につきまして若干申し上げたいと存じます。
 御案内のとおり、平成14年及び昨年4月に行われた診療報酬等のマイナス改定、あるいは医師の臨床研修必修化に伴い、大学からの医師の派遣が得にくくなるなど、医療を取り巻く情勢は一層厳しさを増しております。県立病院等事業におきましても、これらに加えて、平均在院日数の短縮や薬剤の長期投与の拡大等により、依然として患者数の減少傾向が続いており、収益の大宗をなす診療収入が大幅に減少し、一方で、診療材料等費用の減少があるものの、平成16年度の収支見込みでも大幅な赤字が見込まれるところであります。引き続き厳しい経営環境にございます。
 このようなことから、平成17年度の事業運営に当たりましては、今後とも県民に良質な医療を持続的に提供していくため、昨年策定いたしました県立病院改革実施計画を着実に実行していく必要がございます。特にも、二次保健医療圏ごとに県立病院群の連携を強化しながら、医師の広域人事異動や広域基幹病院等からの診療応援の強化、及び地域開業医との連携強化等により患者と収入の確保を図る必要がございます。
 また、病床規模の適正化を進めるとともに、各種業務の外部委託や集約化等により職員配置の適正化を図り、給与費の抑制により費用を縮減するなど、総合的に経営改善を進めることにより、安定した経営基盤の確立に努めてまいりたいと考えております。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の47ページをお開き願います。議案第13号平成17年度岩手県立病院等事業会計予算でございますが、まず、第2条の業務の予定量でございます。収益的収入及び支出につきましては、病床数を6、151床と定め、年間延べ患者数を、入院で178万5、000人、外来では328万3、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事のうち、新築工事では、磐井病院及び南光病院は平成17年度の竣工に向け、また、山田病院は平成18年度の竣工に向けて、工事費など所要の事業費を計上するものでございます。花巻厚生・北上病院の統合整備につきましては、引き続き基本実施設計料及び造成工事費を計上するものでございます。増築等の工事では、県立釜石病院と釜石市民病院の統合に伴い、県立釜石病院に外来診療棟などを整備するため、所要の事業費を計上するものでございます。
 また、医療器械につきましては、新磐井病院に設置する磁気共鳴画像診断装置――いわゆるMRIでございますが――などの購入が主なものでございます。さらに、医師養成負担金につきましては、岩手医科大学に引き続き本県出身者の入学枠5人分を確保し、その養成経費を負担しようとするものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 次に、49ページに参ります。第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が18年度以降にわたる花巻厚生・北上病院新築用地造成工事並びに山田病院新築工事の債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械整備等の財源となる企業債の限度額を230億5、200万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を158億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 50ページに参ります。第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条、重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書428ページをお開き願います。平成17年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明を申し上げますます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。第1款病院事業収益は958億5、300余万円で、平成16年度の最終予算と比較しますと、およそ1.0%の増加を見込んでおります。
 第1項医業収益は834億4、900余万円で、1目入院収益は529億4、600余万円、2目外来収益は248億余万円でございます。3目その他医業収益は57億200余万円で、主なものは、救急医療などの一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動収益等となってございます。
 第2項医業外収益は124億400余万円で、その主なものといたしまして、3目負担金交付金112億2、000余万円は、結核病院や精神病院及び高度医療などの不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益6億5、200余万円は、不動産貸付料等でございます。
 429ページに参ります。支出についてでありますが、第1款病院事業費用は960億700余万円で、平成16年度の最終予算と比較しますと、およそ1.4%の減となっております。
 第1項医業費用は909億5、000余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費525億7、000余万円、2目材料費233億4、000余万円、3目経費112億2、300余万円、5目減価償却費32億9、600余万円等でございます。
 第2項医業外費用は49億4、000余万円で、その主なものといたしましては、1目企業債等に係る支払利息39億3、500余万円等でございます。
 次ページでございます。第3項特別損失は1億1、200余万円で、磐井病院の新築に伴う引っ越し費用等でございます。
 この結果、収入と支出を差し引きまして、平成17年度当初予算におきましては、1億5、400余万円の純損失を見込むものでございます。
 次に、431ページに参ります。資本的収入及び支出でございますが、収入の総額は278億6、800余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債230億5、200万円で、これは、先ほど業務の予定量で御説明申し上げました磐井病院及び南光病院等の建築工事や医療器械の整備等に充てるものでございます。
 第3項負担金48億1、500万円は、企業債償還等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 次に、支出でございますが、その総額は328億3、100余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費231億4、300余万円でありますが、その主な内容は、次のページでございますが、2目建物費173億7、300余万円、3目医療器械費39億2、300余万円等でございます。
 第2項企業債償還金は84億500余万円でございます。
 第3項投資は3億3、400余万円でございますが、その内訳は、1目長期貸付金は、医師等に対する奨学資金として1億3、200万円、2目医師養成負担金は2億200余万円でございます。
 第4項開発費は、情報処理システム等の開発費で9億4、600余万円でございますが、主なものといたしまして、磐井・南光病院の電子カルテ構築整備に係る開発費7億8、300余万円が含まれてございます。
 なお、433ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 以上でございます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 通告をしておりませんでしたが、お許しをいただいて2点ほどお伺いいたしたいと思います。
 まず1点は、お礼を申し上げたいと思います。
 県立宮古病院の産婦人科医につきましては、大変宮古広域圏の県民が心配をしておったところでありますけれども、医療局長を初めスタッフの皆さんの懸命な努力によりまして、新年度からも2人のお医者さんを確保していただくことができました。宮古広域圏の県民を代表して、厚くお礼を申し上げる次第であります。ありがとうございました。平沼委員もみんな入っているわけでありますから、よろしくお願いします。
 そこで一つお伺いといいますか御要望といいますか、余り聞きたくないことなんでありますが、言わなければならないことでありますので言わせてもらいますけれども、病院はまさに新しい生命が誕生し、あるいは傷ついた、あるいは疾病を持った方々が入院をして全快をして、そして退院をしていく。あるいは一方では、懸命な看護をいただきながらもあえなく死後、終わって裏から出ていく、こういうまさに明暗があるのだと思っております。
 その暗の方なのでありますけれども、目をつぶった瞬間から、病院の療養の方には入らなくなってしまうのかもしれませんが、当然今度は、生々しいところでありますけれども、葬儀屋に連絡をしてあるいは自分の車に乗っかってということに移っていくわけでありますけれども、その連絡の第一報が、どうも規制緩和で葬儀屋さんがいっぱいふえてきた中で、結果的に見て偏っているのではないか、おかしいのではないかという声が実はないわけではありません。そんなことはないかとは思うのでありますけれども、ちまたの声としてそういうことがあります。それぞれ宗家、宗門いろいろあるのでありますから、ただ、すっかり全快をしてもらいたいと思って懸命の看護をしておった家族の皆さんにすれば、命が終わった途端、次なる段取りというのはなかなかつきかねるものでありまして、そこにアドバイスなり何なりがあって連絡がつく、あるいは身内以外のアドバイスがあってやっていくということになるのだと思いますけれども、そういうときに、ある方向に向けるようなことがあってはいけないと、こう思うわけでありまして、あとは聞きませんけれども、あとは平均にそういうことになっていくような、そういう方法にしていただかないと、つまらぬところでつまらぬ、せっかく頑張っていただいている、努力していることが水の泡になってもいけないと思いますので、市内平均に、穏便に当たっていただければいいなということをぜひここの機会にお願いをしておきたいと思いまして、答弁、難しいかもしれませんが、調査検討するぐらいでも結構ですから、お礼だけで立ってはまずいと思いますので伺って終わります。
〇千葉医療局長 今のお話、以前にもお伺いいたしましたし、正直申し上げまして投書もいただいているということで、大分前から病院には厳重にそういった疑われることのないようにということで注意してございますし、霊安室なりそういった場所には、順番はどうしても一番上に来るところは、下に来るところはあるわけでございますが、張り紙をして連絡先を明示して、その中から基本的に御家族の方に選んでいただくということを徹底するようにしておりますが、改めてそれを徹底してまいりたいと思います。
〇平沼健委員 私からも厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それで1点だけ伺わせてください。
 県内に27の県立病院がございます。その中で院内の個人情報管理について伺っていきたいと思います。
 現在までに、県内の県立病院、院内の個人情報が外部に流出したりあるいは盗難に遭ったり、こういうことが委託業者を含めてなかったのかどうか、そこだけをひとつお聞をかせください。
〇吉田業務課総括課長 県立病院においては、過去にもそのようなことがあったかという御質問でございますが、カルテとかそれから検査データ等のいわゆる診療情報等について、過去に漏えいとか紛失とかということはなかったと認識してございます。
〇平沼健委員 それは本当に結構なことだと思います。
 そこで、私、急遽質問をするんですけれども、実は手元にメディファクスという資料がございまして、これ今月の14日の日付の文章です。実は私きょう、こういう話を質問したのは、こういうことができるだけ起こらないようにしなければいけないという、そういう思いで今質問しているんですけれども、このメディファクスによりますと、実は下関の市立中央病院で血液検査を委託された業者が、患者161人分の個人情報が入ったフロッピーを紛失したということなそうです。患者の血液検査結果が入ったフロッピーが14枚ということなんですが、これは片仮名で患者の名前とか性別とか年齢、検査結果が入っておるそうなんですけれども、この結果は記号化されているために、普通では、特別な知識がないと判読ができないということらしいんですけれども、それはそれにいたしましても、この病院ではパソコンからフロッピーを使って検査データを病院のコンピューターに移しかえたときに、昼食をとるために一たん出ていって、帰ってきたらフロッピーが入った箱といいますかケースがなくなっておったということなそうです。それで、この事件について盗難届けが出てきたと。病院側では、院内の個人情報管理が抜けておったというようなことを院長先生がおっしゃっているんですけれども、県内の県立病院でも、今後こういう個人情報が全く大丈夫だということではないと思いますので、何かその辺対策というか考え方というか、そういうものがもしありましたらお聞かせをください。
〇吉田業務課総括課長 今現在、県立病院で情報管理ということの取り組みでございますけれども、カルテとか検査データ等の診療情報、それからコンピューターシステム等で処理された情報等、各病院での保管管理等に係る取り扱いのルールを定めまして、適正に管理しておるものでございます。
 それから、外部業者に業務委託している部分もございますので、そういう場合にあっては、委託業務の実施に当たって知り得た秘密を他人に漏らしたり、あるいは委託業務の実施検査に関する記録等においても、他人に閲覧させたりそれから譲渡してはならないというようなことを、業務委託の契約書の中に盛り込んでございます。それから、契約解除後においても、同様の取り扱いをするということで明記して、適正な取り扱いを行っているところでございます。
〇田村正彦委員 1点だけお尋ねします。
 県立病院の今後の経営と財政の問題だと思いますが、まず、当年度、平成16年度の欠損金というんですか、赤字というのはどの程度を予測しておられるのかお尋ねします。
〇齋藤管理課総括課長 平成16年度の欠損金の見込みでございますが、約24億円の見込みでございます。
〇田村正彦委員 24億円というお話がありました。この資料にありますとおり、一般会計からは110数億円ということで、これは単純に一般会計の持ち出しが、先ほど高度な医療のサービス部門での支出なんだという説明があったんですが、いずれにしても110数億円、そしてこの赤字の24億円、かなり莫大な額になっているんですが、そういった現状を認識された上でのこれからの病院の再編計画なりサテライト構想が出てきておるものだと理解しておるんですが、それぞれの地域の個々の病院にちょっとお邪魔していろんな収支の問題等を拝見しますと、中には20数年ずっと赤字続きだという病院もあるんですよね。そうして、その赤字続きの病院は、県立病院としての存在意義がもう薄れているんじゃないか。
 と申しますのは、近辺には大きな病院がどんどんある。そしてまた、病院、個人診療所もいっぱいあると。そういうものが20年以上もその地にあって赤字を続けている。そして今度の計画を見ますと、そこは診療所化するんだというような計画があるようなんですが、診療所化したとしても当然赤字が予想される。私はぜひこういった財政状況、県全体の財政状況の中で、地元対策的な診療所をまずとりあえず設置しますよというような考え方から、もうこの際、県立病院としてのこの地域における役割は終わっているんじゃないかという判断をして、廃止するのは廃止した方がいいんじゃないかと私は思うんです。その反面、小さい病院ながらも大変努力されていて黒字を出している県立病院もある。そこがまた診療所形式に規模を縮小されていく。そういう、何というんですか、矛盾がすごくあるんです。だからそういう矛盾、地域のいろんな努力によって黒字をずっと維持していても、縮小化される。片や、全く20年も赤字を出して、黒字の見込みのないところもそのまま続けていく。ここの矛盾点、これを解消する必要が今の財政状況から言えばあるんじゃないのかと思うんですが、その点を1点と、もう一つ、局長の先ほどの説明にありました。今の病院の経営状況の中で、やはり給与の抑制等によって安定的な経営を図っていかなければならないというような冒頭のお話があったんですが、その給与の抑制、今資料を拝見しますと、財政支出の58%程度が給与費で食われているわけですから、やはり給与の抑制というのはもう重要な事項だと思うんですが、その給与の抑制によるという、その抑制の具体策というのはどういうものを持ち合わせになっているのか、お尋ねいたします。
〇千葉医療局長 診療所化の問題あるいは廃止という問題ですが、委員おっしゃるとおり、病院によってその赤字基調が続いている病院と、それから頑張っているというお話ですが、黒字になっている病院とかいろいろございます。ただ、病院ごとにその地域地域の状況であるとか診療科がちゃんとそろっている、そろっていないとか、医師が充足している、していない、もちろん病院長のリーダーシップとか経営手腕というのはあるわけでございますが、それぞれに異なる条件、それからときによってそういったいい条件に恵まれるときもありますし、悪いときもあると。それから、構造的に赤字というのはやはり例えば精神病院でありますとか、なかなか採算性がどうしてもとれない病院とか、そういった状況がございます。
 いずれ、我々昨年改革プランを策定したわけでございますけれども、したがって、その個々の病院も大事ではございますけれども、それぞれの病院一つ一つをとらえるのではなくて、二次保健医療圏ごとにネットワークをしっかり組んで、御案内のとおり、患者数が減っております。空き病床が900床から1、000床も常にあると、そういったのをまずもって解消しようじゃないかということで改革プランを立てたものでございます。したがって、今後は計画に沿いまして、それぞれの基幹病院を中心に、お互いに医師とかを補完し合いながら、共通業務はできるだけ基幹病院に集約するといったような形でネットワークを強化しながら、その圏域の医療を引き続き守っていきたいと思ってございます。
 それから、給与費の抑制は、今の診療所化なり病棟縮小とか業務の集約あるいは外部委託も入るわけですが、そういったものとも連動いたしますけれども、いずれ、今年度の実績で言えば、常勤職員で病棟を縮減したり業務を集約化あるいは外部委託をしたことによりまして、118名職員数を減らしてございます。改革プランの収支見通しで本年度、平成16年度、約7億円弱の改善、費用の縮減、収入の増ということで計画したものですが、今申し上げました給与費の縮減が主でございますが、全体で8億円を超える実績を見込んでございます。
 先ほど管理課長から24億円の赤字ということですが、御案内のとおり、当初予算の段階で16億円の赤字予算を組んでございます。そのうちの一番大きなものは、昨年5月に開院しました二戸病院が新築移転いたしまして、その引っ越し料、それから旧建物の解体撤去、それからこれは非現金支出になりますが、企業会計ですので計上しなければなりません、除却損、建物とか器械の除却損がございます。それが約13億円でございます。特別損失が13億円でございます。それがございまして、16億円の赤字予算を組んだわけですが、ですから差額は実質的には3億円と、いわゆる計上ベースでは3億円。それが24億円ですから、16億円から8億円ぐらい残念ながらやはり患者さんの減が大きいです。プランで見込んだよりも、相当乖離して入院患者、外来患者が減ってございます。ただ、一方では、先ほど申し上げました8億円の改革プランに基づく改善効果も含んでおりますが、30億円ほどの費用を縮減いたしてございます。
 それから、ちょっと言いわけではございませんが、今年度の決算見込みの中で、2月補正予算で8億円ほど退職金を追加でお願いいたしております。これは勧奨退職者が優遇措置、知事部局同様に講じておりますので、見込みより30数名ふえたということで、8億円ほど退職金がふえた。そういったようなことを勘案しまして、いずれ私ども改革実施計画を立てておりますが、基本的には、これに沿って、初年度は数字的にはおおむね順調にスタートしたと思っておりますので、来年度以降、着実にこれを進めながら、何とか経営改善を図りながら、地域の医療を守るよう引き続き努力してまいりたいと思います。
〇田村正彦委員 縮減努力は私も大いに認めております。大変御努力なさって、薬剤購入においても、機器購入においてもかなりの努力をされているということは十分に認めております。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、はっきり病院を特定して言わせていただければ、例えば紫波病院のような場合、もう20数年赤字続きですよ。そして、同じ病院長が20数年。全然認識も何もない。事務局もそのとおり、赤字で当たり前なんだというような意識しか感じ取れないような、そういう経営をなさっている。そういうところは、もう皆さん御承知のとおり、周りには日赤なり、たくさん病院があるわけですから、広域医療圏云々というお話がありましたけれども、それは、医療局長は廃止しますなんては当然言えないわけですが、先送りじゃなくて、ある程度の時期を見て抜本的にこれは廃止します、そのかわり、こっちの部分はこういう手当てをします、こういうめり張りを効かせなければ、この財政的な危機というものは解消できないのではないかと私は感じているんです。
 患者減のお話がありました。やはりこれは負担割合の改定が物すごく影響していると思うんですが、どこの病院でも軒並み外来がどんどん減っていますよね。これはふえる可能性はないんですから。働く人の負担が今どんどんふえている時代の中で、今、病院に行くのをみんな経済しているんですよ。そういう状況の中なので、やはり今の現実もきちんと見つめながら、もっと厳しく、めり張りの効いた再編構想というものをもう一度ローリングの際に検討していく必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇千葉医療局長 具体的に病院名を挙げられました。紫波病院の病院長は20数年やってはおりません。五、六年だと思います。
 ただ、いずれこういった情勢で改革計画を立てまして、各病院長は、やはりそれなりに意識を変えながらそれぞれ頑張ってはおります。職員も頑張っております。ただいかんせん、今おっしゃったような、紫波病院の場合はそういう条件地域にありますので、やはり平成18年度にはまずもって診療所化するということで、当面は、御案内のとおり、日赤とか、盛岡市が近いわけでございますので、十分にそういったところでカバーできるだろうと思ってございます。
 それから、患者減少は委員お話のとおりでございまして、外来が大きく落ち込んでございますので、負担の問題はなかなかはかれないんですが、一番大きいのは、やはり薬の長期投与が緩和されたということで、データを見ましても、従来は原則2週間までなのが、1カ月で済めばいいんですが、2カ月、3カ月というもののシェアがどんどんふえていく。これは患者さんの希望がどうしても反映されるんだろうと思いますし、昨年、川井診療所で無診察投薬の問題がありましたが、そういったことでも、やはり医師が従来にも増して、薬だけの患者さんもしっかりと診なければならないということで、やはり時間がかかります。そういう意味で、勢い長期投与に診察する側も走る傾向がある。これはある程度、やはり一定のところでとめなければならんと思っておりますけれども、こういった傾向は、データを見ますと、県立病院に限らず、民間病院も含めて、おっしゃるとおりだと思っております。入院も外来も患者数は減っております。
 そういうことを考え合わせますと、果たしてこの計画で大丈夫かということですが、当面、やはり先ほど申し上げましたとおりでございますが、これで、つくってまだ1年もたたないということでございますが、いずれさらに経営が悪化しますと、いろいろな医療制度もいい方向には行かないのだろうと思っておりますので、その際にはさらなる計画の見直しというものは当然あり得るだろうと思ってございます。
〇藤原泰次郎委員 関連。
 実は、この医療の関係につきましては私も十分赤字ということは承知しております。そしてまた、病院の整理計画については、局長を初め、それぞれの皆さん方にも大変御苦労をおかけしていることもわかっております。
 しかし、医療というものは、人の命を守るということでございます。それで青天井に、いつまでも赤字でこれでいいと言うつもりは私はございません。ただ、やはり地元の名前が出ますというと、このままではどうも私もうちに帰れないものですから、あえて局長の意見を賜りたいと思っております。
 実は、私どもの病院といたしましても、いろいろ地元の総力を上げて陳情いたした経過がございます。それも、やはり病院の改革という名のもとに、じりじり地元の意向も、無視とは言いませんけれども、計画に従った形の中で進んでおる。これも一面ではやむを得ないことは、私も十分承知しております。
 ただ、やはり地元としても、今現在も、果たして診療病院でいいのかという不安感が地元の利用者にとっては大きな問題になっておるわけでございます。特にも、近々は花巻厚生病院、北上病院が合併するとかいろいろあるわけでございまして、交通弱者の人たちは非常に不安なわけでございます。そういう環境の中で、これからのこの診療所化された場合のということは、今も地域内でいろいろ議論されておるわけでございまして、地域の状況も把握しながら、なお、診療所化となりましても、ある程度弾力的な運営をできるようなことをというような地元の願いもあるわけでございます。
 いろいろと私も、積年の赤字があるわけでございまして、非常に残念な思いはしております。しかし、病院長初め、看護師さん方はそれぞれ大変な努力をされていることは、運営協議会でも私も十分承知しております。そういう熱心な医師の心構え、さらにはまた、地元の意思というものを酌みながら、これからの病院改革、そしてまた、さらには診療所化された場合の対応も十分やっていただきたいと思いますが、局長の御意向をお伺いいたします。
〇千葉医療局長 紫波病院でございますが、現在についても70%程度の利用率ということで、やはり計画に沿った方向で進めなければならんと思っています。
 ただ、いずれ診療機能は外来中心に残すわけでございまして、紫波病院の場合は、裏にある特養ホームとの連携ということも十分視野に入れながら、当面そういった形で考えていかなければならんと思っています。
 紫波の場合は、盛岡市に近いということで、医大とか、中央病院等からの医師の応援も得やすい地域でございますし、そういった部分については十分に、サービスを余り低下せず、入院患者さんの一部は、縮小しますので他へ移るということになるんですが、こういった形で、いずれ需要に合ったサイズにしていかないと、いつまでも赤字をたれ流しながらということになりますので、そういった方向で進めさせていただきたいと思います。
〇藤原泰次郎委員 今の答えの中で、いつまでも赤字をたれ流しというところにちょっと私も引っかかったわけでございます。私は、たれ流しではなくて、やはり誠心誠意努力した中での赤字ということであれば理解しますが、どうもこのたれ流しという言葉が気にかかったわけでございます。
 ですから、私が言いたいのは、例えば19ベッドになっても、一番不安なのは、手術あるいは何か手当てをした場合に、病院から他に、あるいはまた1晩ぐらいは泊めてもらえないかという弾力的なベッドの運用もやってもらいたいという声も地元には強いわけでございます。ですから、19ベッドであとはだめということではなくて、ある何日間とかという期間も考えながら弾力的な診療所化の運営もしてもらいたいと思いますが、そのたれ流しについてちょっとお伺いします。
〇千葉医療局長 失礼しました。
 私は、その赤字たれ流しというのは、紫波病院のことではなくて、全体で赤字をこのままふやしていくわけにはいかないという意味で、私に自戒を込めてたれ流しと申し上げましたので、紫波病院のことではございません。
 それから、診療所の弾力的な運営ということは、診療所の場合は、御承知のとおり、原則48時間ということがありますが、これは、実態上も、それを超えた運用が、現実に民間も含めてされておりますし、制度解釈でも、私どもは十分に対応できる、ある程度長期間の患者さんも診られると考えておりますので、今の御説のような運用をしっかりとやってまいりたいと思います。
〇佐々木一榮委員 田村正彦委員の器材購入に関連してお伺いしますが、予算特別委員会冒頭の総括質疑で吉田洋治委員も知事に、PETの導入について質問されました。
 そこでお尋ねしますが、PETを導入する場合、実際にその購入費は幾らかかるのでしょうか。また、損益分岐点はどの程度になるでしょうか。
 現在、首都圏、また大阪は、何カ月も先から予約でPETを待っているということで、逆に、旅行代理店と組んで地方都市に日帰りツアーをやっているというのが今非常にはやっているようであります。岩手医大との関係はあるかと思いますが、医大と県立病院の二つぐらいあっても、花巻空港ですとか、新幹線の日帰りを利用して、結構首都圏の患者さんといいますか、検診を受ける方を集客できるのではないかと。今、大河ドラマで義経をやっていますが、これに連動させて、検診して、例えばそういうこともリンクできる、これは岩手県のためになると思っていますが、その辺、PETの導入の可能性、今お伺いしたものと現在の需要についてどのように認識されているか、お尋ねしたいと思います。
 それから、もう1点、外来患者の減少について、これも田村正彦委員に関連するんですが、紹介診療ということがあります。私のところに、実は、風邪で県立病院に行ったところ、県立病院はコンビニではありませんよという話をされたということで、その後、3日ぐらい寝込んでしまったという話があって、なかなか県立病院に行けないという話がありましたが、いずれ薬剤投与、さまざまお話があるかもしれませんが、患者とお医者さんの話法といいますか、会話の研修みたいなものというのはどういう形で行われているのでしょうか、お尋ねいたします。
〇千葉医療局長 後段の、いわば接遇の件については担当課長から申し上げます。
 PETでございますけれども、知事も予算特別委員会のときにたしかお答えしたと思います。いずれ万能ではございませんけれども、がんの早期発見には、部位によっては非常に有効な器械だと私も、受診したことはございませんが、承知いたしてございます。
 初期投資はいろいろ、診断する器械そのものはそんなに高くないんですが、いわゆる放射性物質を製造するサイクロトロンという装置、あるいは上屋に相当かかるということで、一般的にはPETの器械2台ぐらいで10数億円と言われておると承知いたしております。上屋から、サイクロトロンの製造装置からすべて含めてです。
 それから、患者の需要なり、採算性ということですが、需要については、自由診療にした場合は10万円なりを超えるということ、それから、診療報酬点数で認知されておりますので、その場合は、要精密検査ということで受ける場合でも、やはり7万5、000円ぐらいですか。3割負担ですので、すべて負担するわけではないんですが、いずれ相当高額だということ。そういう意味で、需要というものもやはり相当慎重に検討しなければならんだろうと思ってございます。
 それから、他県の例等を参考にしまして、例えば、人間ドックのオプションでどれぐらい受診なさるんだとか、そういったものから勘案しますと、それなりの患者さんは見込めるだろうと思ってございますし、ちょっと話が戻るんですが、私自身、県内にございませんので、将来も含めて、できるだけ早い機会に県内にはぜひ欲しいと思ってございます。
 採算ラインは、やはり多額の経費をつぎ込んでやりますので、PET診断というものは、1人の患者さんに2時間ぐらいかかりますし、検査そのものに関する時間も1時間ぐらいかかるということで、1日に検査機器1台では、さばける人数はせいぜい10人ぐらいだろうということで勘案しますと、やはり1台では採算ベースにはなかなか乗りにくい。医師とか、検査技師とか、看護師とか、それなりのスタッフも必要ですし、そういったものを勘案しますと、やはりPET器械2台ぐらいあれば、逆に、かなり効率的に運用して採算ベースに乗るのではないかと思ってございます。
〇細川職員課総括課長 苦情処理と申しますか、接遇の向上に対する私どもの取り組みの状況についてなんですが、確かに、私どもふれあいポストですとか、医療相談コーナー、あるいは直接電話等で御意見をいただくケースがございます。いずれそういったものについては、できるだけ職員に広くそういう状況について知らしめるといいますか、周知をするとともに、改善の中身につきましては、できるだけ、例えば玄関ホール等にその回答を掲示するとか、そういった取り組みをしてございます。
 それから、職員の接遇についてでございます。いずれ、接遇というものは、やはり、まず指導者を養成することと言われております。私ども、会議とか研修会、機会あるたびに接遇の向上ということで、そのカリキュラムとか、あるいは内容を取り込んでございますが、これまでにそれぞれの病院に対して、私どもの研修の中で、接遇指導者を配置するということで、そういった取り組みをしてございます。ちなみに、現在各27病院の中で接遇指導者として養成しているのが217名ございます。そういった方々に、それぞれの現場で職員に対して教育をしていただく、そのリーダー役を担っていただいている、そんな取り組みをしてございます。
〇佐々木一榮委員 これで終わりますが、PETについては、知事も東北大学で受診されているそうでありまして、今、局長から損益分岐点といいますか、1日の検診回数のお話も聞きましたけれども、私が冒頭申し上げましたとおり、今非常に、そういうツアーで地方都市に行ってPETをやっている。これがもう各県に入ってしまうと、後発ですから、恐らくもう県内需要だけということで、今度はなかなか採算が合わなくなってしまうと思うんですが、この辺の市場動向を、これは全国を含めて、ぜひ旅行代理店等も含めながら、現在のPETツアーの状況を調べて、一日も早くこの導入について検討すべきと思いますが、そこのお話を聞いて、終わりにします。
〇千葉医療局長 先ほどの委員のお話の中で岩手医大というお話がございました。新聞報道されましたが、滝沢村に一時、そういった構想をお持ちで、新聞報道でしか知りませんが、最終的にはあそこは断念されたということでございます。ただ、引き続き、岩手医大の矢巾町への移転構想が進んでいるわけで、そういった中で、そういったお話もあるやにお聞きいたしてございます。
 大変高額な器械でございますし、我々とすれば、やはりドクターも1人では足りません、数人必要ですし、競合してまでやるのはいかがかなということで、あるいは他の民間も含めてもうちょっと様子を見たい。当面、今やるとすれば、やはり今、花北統合というものが新しく進むわけで、敷地も十分ございます。そういったことは選択肢の一つにあると思っておりますけれども、そういった調整にちょっと時間を要すると考えてございます。いずれ、近い将来本県に欲しい、北3県、秋田県にちょっと小さいものはありますけれども、まともなものではございませんので、その辺の患者さんも視野に入れられるのではないかと思ってございます。いずれ、調整にもうちょっと時間がかかるということを御理解いただきたいと思います。
〇吉田昭彦委員 今の質疑の中で改革プランのことについても局長からお話があったようですけれども、私は、改めてお伺いしたいわけでありますが、病院改革プランの初年度を終えようとしているわけでありますが、この1年間を振り返りまして、プランの進捗状況とそれに対する評価をどのようにされておるか、また、新年度の取り組みについて改めてお伺いしたいと思います。
 改革案の中心は、人件費などのコストの縮減と医療圏単位での中核病院と、その他病院の病院機能の役割分担による効率的な医療体制の整備を計画されていると承知いたしておりますが、医療圏単位のこれに向けての取り組みについてどのように見ておられるか、お伺いしたいと思います。
〇千葉医療局長 先ほどの御答弁で田村委員にお答え申し上げましたので、簡単に申し上げます。
 いずれ改革プランというものは二次医療圏単位に、今の御質問の中にもございましたけれども、効率的な体制を構築する、さらには給与費初め、いろいろな費用の縮減に努めまして、それによって経営改善を図るということでございます。
 本年度は計画の初年度でございますが、高田病院初め3病院で病棟を休止してございます。それから、検体検査業務の集約化ということで、基幹病院にほとんどの検査を集約するということを4圏域で始めてございます。それから、医事業務とか調理業務を、調理については、県立病院で初めてでございますが2病院、それから医事業務についてはさらに2病院、合わせて4病院で外部委託をやりました。こういったことで、先ほども申し上げました118名の常勤職員を減員したということでございます。
 そのほか、細かい部分でございますが、中央病院にSPDのシステムを導入したり――これは物品管理システムでございます――職員の時差出勤を活用しまして検査機器のいわゆる時間を――まだそこまで行っておりませんけれども、将来的には検査機器を時間外、5時以降でも稼働させるような取り組みとか、あるいは医療器械の有効活用等、患者サービスにつなげるといったような取り組みをやってございます。
 こういったことで、これも先ほどと重複しますけれども、約8億円を上回る改善効果を生んだ、そういった成果を上げたと思ってございます。しかしながら、患者数の大幅な減少で収入の方が計画に対して38億円ほど減った。一方で、今の8億円の効果も含め、費用の方では30億円ほどの減少にとどまっているということで、24億円ほどの大幅な赤字が現時点で見込まれるところでございます。
 平成17年度の取り組みというお尋ねでございますが、引き続きこの改善を進めなければ、とめれば、さらに収益が悪化いたしますので進めてまいりますが、来年度におきましては、引き続き病床規模の適正化ということで、江刺病院、それから、計画の中にはございませんでしたけれども、花巻厚生病院について1病棟ずつ休止いたしますし、今現在、業務の集約、いわゆる事務部門でありますとか、いろいろな業務、どの病院でも同じことをやっているというところがあるわけです。ただ、患者さんと直接接する窓口業務とかなんとかは人を減らすわけではございませんが、事務部門を中心に広域基幹病院に業務を集約いたします。物を買ったり、契約したり、お金を支払ったりといったいわゆる圏域ごとの一体的運営については、今度の4月から本格的に実施しようと思ってございます。そういったようなことで、一定の職員数も縮減できますし、物もある程度、共同購入という形で安く買えるのではないか。そういったようなことで、来年度、平成17年度についても、いろいろな面で一層改善に努めてまいりたいと思っております。
〇吉田昭彦委員 県立高田病院の最近の現状をどのように分析されておるか、入院・外来の動向についてお伺いしたいと思います。
 それから、今、局長の答弁にありましたように、高田病院ではことしから1病棟休止、休んでおるわけですけれども、どういう環境なり条件が整備になれば復活するのか、このお考えについてお伺いしたいと思います。
〇八木経営改革監 高田病院の現状をということでございますが、入院に関しますと、昨年4月から1病棟66床を休止しまして、現在、稼働病床数が70床ということで、平成16年12月末における病床利用率でいいますと、休止前、平成15年度は35%ぐらいの病床利用率でございましたけれども、今は60.3%ということで、分母が小さくなったということで率は非常に上がってきております。ただ、1日平均の入院患者でいいますと、12月末では42人でございますが、1月、2月はもうちょっとふえているという状況でございます。
 それから、外来の患者数でございますけれども、外来は、やはり長期投薬等の影響がございまして、平成16年12月で1日平均190人ほどということで、15年度は200人以上ございましたけれども、やはり外来は年々減ってきているという状況でございます。
 それから、県立病院改革における病床規模の適正化ということでございますけれども、これは圏域全体として一般病床の利用率を90%程度まで高めることを目標にしているものでございまして、実施計画の中でも、今後、医療環境や患者数などの著しい変化があれば見直しを行うことがあるというふうにはしてございます。
 じゃ、どういった具体例かということになるわけでございますが、やはり入院患者数が増加して、圏域の病院群で全体の一般の病床利用率が90%を大きく超えるような状態が続いている、なおかつ今後の患者の増加が見込まれるような場合には、やはり計画の見直しということも考えていかなければならないと考えてございます。
〇吉田昭彦委員 今の八木経営計画監の説明だと60.3%という説明がありました。私が聞いたところによりますと、2月は85%の入院患者になっているということで聞いております。そういうことで、経営改革監のお調べになったのは今までのトータル的な数字ではないかと思いますが、2月には85%の利用率ということになっているようでございますので、このこともよく認識していただければと思います。
 そこで、高田病院では、今、院長を先頭に地域懇談会などを積極的に開催いたしまして、地域住民とのコミュニケーション、それから信頼関係の構築に大変一生懸命頑張っておられる。そのことが、いわゆる病院の利用率も高めているのではないかと私は思っているわけですけれども、このことに対しましては、院長先生以下、病院の先生方の御努力に改めて敬意を表するわけであります。また今度、きのうの発表で、内科、外科複数の医師体制になったようでございますけれども、このことについても、局長以下、皆様方の御努力、お力添えに、改めて高田市民を代表して感謝申し上げたいと思うわけであります。
 そこで、今1病棟休止という状況になっていますけれども、医師体制の強化によって、これがさらにふえていく、いわゆる患者がふえていいということにはならないわけですが、利用度が高まっていくと私は思います。そういうことで、特にもあの地域での高田病院の役割というか、地域における開業医を合わせての医師の充足状況、それらを考えますと、県立病院への依存度は非常に高い地域であります。そういうことから、さらにそういう地域事情も勘案した上で、県立高田病院の強化について改めて要望し、また医師体制の強化、医療圏の中での役割、それらについて改めて強力な取り進め方をお願いするものであります。内科、外科の医師の複数体制を敷いていただいた、大変大きな置き土産をいただいたような感じがするわけでありますけれども、千葉局長の改めての御所見をお伺いしたいと思います。
〇千葉医療局長 先ほど改革監から申し上げましたし、前も申し上げましたが、いずれ全体として、やはり患者さんが伸びないというのは事実でございますので、個々の病院それぞれの、ときどきの状況、条件によってやっぱり変わります。それは動きます。ですから、二次医療圏単位で、先ほど改革監から申し上げましたとおり、圏域全体の稼働状況を見ながら、改革計画を進めるなり、見直すなりを現段階ではやっていくということを申し上げたい。
 大船渡医療圏での高田病院の役割なり機能というものは、やはり基幹病院は、救命救急を備えておりますし、大船渡病院と位置づけてございます。高田病院、住田病院については、その後方病院といいますか、いわゆる一般急性期も担いますが、あわせて回復期から慢性期までの患者さんは、やはり高田病院なり、住田病院で担っていただきたいということで、そういった位置づけで今後進めていくべきであろうと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 私からは、いろいろな改革が進められているわけですけれども、この一連の推移を見ながら感じたんですが、久慈広域圏に住む者として素朴な疑問でありましたが、何かというと、久慈広域圏6万7、000人の人口があるわけです。ある振興局の広域圏も6万7、000人とほぼ同人口。2月1日現在ですけれども。そして、久慈広域1市1町4カ村に県立病院は久慈病院しかないんですよね。そして、あるところは同じ人口で県立病院が四つある。
 例えば、野田村とかは5、000人の人口で無医村といいますか、それだけではなくて、幾つかそういうところもあるんですけれども、こういった状態のことをどういうふうに思われるでしょうか。
〇千葉医療局長 県立病院の配置でございますが、御承知のとおりでございまして、県立病院は昭和25年11月にスタートいたしました。その時点で、それまで県が設置して県の国保連に経営委託という形で運営してきたものが8病院あったと承知しております。そのときに、加えて県の厚生連の所管している病院17カ所の移管を受けまして、昭和25年に25病院でスタートしたという経緯がございます。
 その配置というのは、そういったことで、当時の状況がつまびらかではございませんが、それぞれの圏域にいろいろな事情があったと承知いたしておりますし、それ以来、県立病院があるところ、それから市町村立病院、あるいは民間の病院といったようなものが、それぞれの状況の中でお互いに連携を保ちながら地域医療を守ってきたのではないかと思ってございます。
 委員のおっしゃる久慈保健医療圏は、仰せのとおり、県立は県立久慈病院1カ所でございます。この病院につきましては、やはり県立病院のスタート時、昭和25年に県厚生連から県医療局が移管を受けまして、その後、昭和46年には、委員御承知と思いますが、県立久慈病院と久慈市立中央病院が統合され、350床の今の規模の新たな県立病院になったということでございます。
 さらに、平成10年には今の病院を現在地に新築移転いたしました。この際には救命救急センターという大船渡病院同様の、同規模の機能をつけましたし、その後、一昨年ですか、平成15年には地域の特性でございます回復期リハビリ病棟を院内に整備いたしまして、まさに久慈医療圏のかなめでございます基幹病院としてそれなりに整備してきたと思っております。現段階では、国保種市病院あるいは民間の医療機関もございますが、そういったところと連携をとりつつも、久慈圏域の中心的な医療機関であると思ってございます。
 野田村とかいろいろございましたけれども、基本的には、久慈地域に限りませんが、他の地域で新たに県立病院をというような、全く今そういう状況ではございません。余力もないというのが実態でございますし、久慈圏域の場合、いわゆる医療計画に基づく基準病床数というものがありますが、基準上、大幅な病床過剰地域でございますので、新たな病院の開設というものはなかなか困難であろう、そういった要因もございます。
 いずれ、今申し上げましたとおり、圏域のかなめであるということで、救急医療とか高度医療といったものの強化なり充実に力を注いでまいりたいと思ってございます。
〇嵯峨壱朗委員 県立病院が一つではあるけれども、その事情をかんがみて、さらに充実して、それでトータルにサービスを維持していきたいということですね。そう理解して、終わります。
〇千葉医療局長 委員仰せのとおりと考えてございます。
〇佐々木順一委員長 この際、議事の進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇工藤大輔委員 冒頭、局長の方から昨今の取り巻く厳しい情勢についての説明がございました。そういった中、これは以前から病院の経営改革に当たってコンサルを導入した。それによって、コンサルの方からさまざま考えを聞き、改善に向けて、まず最初に中央病院の方でやられたわけですよね。そして、その状況を見ながら他の病院にそれらを進めていき、内部の方の改革をするために今日まで努力をされてきたと思いますが、その状況と、今後、赤字が続いている病院について、それをどのように導入して改善を図ろうとしているのか、お伺いします。
〇八木経営改革監 外部による経営診断の活用ということで、平成11年4月から平成12年にかけまして中央病院で実施してございます。中央病院では、実施した後に、在院日数20日以内、紹介率30%以上の急性期病院加算の取得、あるいは材料の整理統合や在庫圧縮などの費用縮減による経営効率の向上といったものを柱とします経営改善計画を策定して、改善に取り組んできたところでございます。特にもこの急性期病院加算につきましては、平成13年11月に取得しまして、年間で1億6、000万円ぐらいの収入増につながるなど、一定の成果を上げていると考えてございます。
 県立病院の今回出しました改革のプラン、あるいは実施計画の中でも、コンサルタントの活用などによる経営管理の強化を図ることにしてございますので、特にも、このコンサルティングの効果が大きく出る広域基幹病院といったものの中から活用を考えていきたいと考えてございます。
 一応、来年度に、近年若干赤字基調になってございます宮古病院にこのコンサルタントの活用を考えていきたいと思ってございます。
 いずれ、コンサルタントを通じながら、そこの中で外部のコンサルタント会社の方、あるいは職員が一緒になってやることによっての意識改革といいますか、こういったものも大きく成果が上がると考えてございますので、こういうノウハウ等も他の病院に生かすように、今後の導入効果等を見きわめながら、他の病院への拡大も考えていきたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 やはり私は、各個々の病院がそれぞれまず努力をするというのが、当然これは大前提だと。そういった中で、例えば、今新しい計画の方では二次保健医療圏という枠組みで考えているわけなんでしょうが、それはそれで一ついいんでしょうが、もとは、一番の根本は各病院だと思います。広域基幹病院の方でそれらが効果があるとすれば、今後、当然次々導入していき経営の改善を図ってもらいたい。
 また、その他小さい県立病院等については、これまでの実績でどういったところに視点を置いたらいいのかどうかというようなやり方等もわかってきていると思いますので、そういったところは、直接コンサルが入れられない場合は、それらの手法をもとにして改革を図っていくというような努力をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、それからしますと、九戸村にある伊保内病院は、特にそういった経営的なコンサルが入ったということではないと思いますが、収支が以前にも増して目に見える形で改善していっていると理解しております。そういった中、ベッド数を減らし診療所化という話になっているわけでありますが、今日まで村からも相当の要請があったと思いますし、そしてまた、医療局の方からも説明をしてきたと思いますが、なかなか理解されていないような状況にあると思います。今後、これらについてどのように理解を深めていこうとするのかどうか、また、村民の方々の不安を解消するために何らか、例えば先生方を行き来させるということを言っておりますが、その形もまだ見えていないのが現状でございます。それらについて今後どう取り組むのか、考えをお伺いしたいと思います。
〇八木経営改革監 まず、個々の病院の経営改善ということで、当然、委員がおっしゃったような形で、特にもやっぱり大きい病院の改善効果というものが全体の収支の改善に大きく寄与するということでございますので、そういう意味では、広域基幹病院にはいろいろな形で収支改善を図ってまいりたい。
 あと、外部コンサルタント以外にも、例えば、病院評価機構の受診といったものをやりながら、そういうこともあわせてやっていくといったことも考えてございます。
 それから、伊保内病院が収支改善しているということでございますけれども、これは先ほど来、局長も申し上げており、いずれ今回の改革では、二次保健医療圏を単位とした形での効率的な医療提供体制を確立するというのが目標でございます。そのために、二次保健医療圏内の病院群で入院需要に見合う必要病床数を確保しながら、空き病床の範囲内で計画的に病棟休止、あるいは診療所化を行いながら、病床規模の適正化を図るとしているものでございます。
 伊保内病院の収支状況は、平成16年12月末で見ますと、やはり前年度に比べて改善されてきています。差引損益で見ますと10%以上改善されてきているという状況でございますが、二戸圏域の4病院で見ますと、まだ空き病床の状況では約90床の病床があいているという状況もございますし、それから、圏域全体の収支を見ても、圏域全体ではまだなかなか改善の方向に至っていないということもございますので、現計画どおりの診療所化なども進める必要があるのではないかと考えてございます。
 いずれ診療所化になっても、広域基幹病院からの地域の県立病院等に対する診療応援体制をきちんと確立していかなければなりませんので、こういったことをやりながら、圏域全体の地域医療の確保を図っていきたいと考えてございます。
 それから、地域の理解を当然得ていかなければなりませんので、昨年の地域懇談会の中でも、町の老人クラブの方、あるいは保健推進員の方々、20数人ぐらいの方々にはお集まり願いまして、この改革の必要性、これらについても一応説明してございますし、いろいろな機会をとらえながら、こういったものはやっていきたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 答弁では10%ほど去年からの改善があったということなんでしょうが、10%改善するというのは容易なことじゃないんですよね。これを改善に向けていい方向に向かっているところを減らすというのはかなり危険じゃないのかなと。減らしたときの効果が相当出ればいいでしょうが、減らした結果、さらなる赤字体質になってしまったということであっては、広域圏全体を見ても、単体を見てもよくないと思います。ですから、こういった改善の見えるところは、さらに改善することによって黒字になっていくことを目指すというのが、経営からすれば当然の考えではないかと思いますが、どうでしょうか。
 また、もっともっと広域圏で見た場合、名前が二戸病院に変わったわけですが、福岡病院はベッド数がもともとあいていたんですよね。それにもかかわらず一緒のベッド数の病院をつくってしまった。新しい病院をつくってしまえば需要が当然ある。そしてまた、新しい病院だから使わなければならないということであっては、結果、診療所化がもう最初から決まっていたのではないかと言わざるを得ないと思います。
 ですから、改善しているところをばっさり切るような形ではなくて、結果をさらに残すような手法をするべきでしょうし、また、前の病院の体制が余りにも評判が悪かったのは、九戸の病院ではなくて、医療局サイドにも問題があったのではないでしょうか。それらを改善して初めて、今経営がよくなっているという現状をとらえて再考を求めるものでございますが、どのような答弁をされるか、聞かせてください。
〇八木経営改革監 いずれ、12月現在で先ほど改善していると申し上げましたけれども、まだ決算の数字は出してございませんので、決算的に見てどういった状況になるかは、ちょっとここではわからないことでございますが、一つの考え方としますと、当然、個々の病院での経営改善というものもやっていかなければならないことだと考えております。さらに、空き病床が多い、入院患者が減少しているという現状を踏まえて、いかにして業務の効率化、あるいは職員の適正な配置を図るかという観点から、こうした改革プランを作成して、今それを進めているという状況でございます。
 それから、二戸病院のお話がございました。いずれ、圏域の中心病院としまして比較的医師あるいは医療スタッフが整い、さらに医療器械等が整備されています広域基幹病院において、やはり入院治療を行うということは、これは患者さんにとっても有益なサービスではないかと考えてございます。
 二戸病院に関しますと、新しくなりまして、1日平均の入院患者数が、これも平成16年12月末でございますが、対前年比で比較しますと増加傾向になってきています。二戸病院も少しずつ増加しているということでございますので、やはり二戸病院には、広域基幹病院としてその役割を十分果たしてもらうべきものと考えてございます。
〇工藤大輔委員 入院患者が減っているところに同規模の病院をつくるから、このようなことになるのではないですか。
 それで、広域の病院との役割分担というのは大事だと思います。たとえば、これはかかりつけ医のような形で、中央病院等でも、救急で来られた患者さんは、救急の場合は一度中央病院で預かりますが、状況を見て、かかりつけ医の先生のところに、病院の方に帰すという仕組みをとっていると思います。そういったやり方で、二戸病院は高度医療中心、そして周りにある二戸管内にある県立病院はかかりつけ医のような形で、地域に根づいた病院としての役割分担をするということができないものかどうか。先生方を移動させるのも一つでしょうが、患者さんの症状に応じて、必要な方は二戸病院、必要でない方は地域の病院という形にすれば、地域の病院はまだまだ需要があるでしょうし、もしかしたら、それをやった場合に、二戸病院は本当にベッド数が過剰病院だったかもしれないということもわかると思いますが、そういった取り組みも同時にしてもらいたいと思います。それについて御答弁願います。
 それと、医師不足ということがまず要因にあると思いますが、これまで県立病院がある地域は、どちらかというと、みずからの医師養成に対して努力不足だったのではないか。何かあったら医療局の方に頼みます、頼みますという声が多いようにも聞こえます。
 例えば種市病院の例なんですけれども、市町村の医師養成の制度を使って、これまで3名ほど地元出身の医師を養成してきました。その先生も、一部九戸の病院にも名前のプレートがちょっとあったので、時間を決めて行っている先生もいるんだと思いますが、そういった形をとって、自治体みずから努力をしてきた。それで国保の病院を維持し、そして先生も確保してきたという例もあるわけでございます。
 これは種市病院以外にも県内であると思いますが、特にも県立病院がある地域自治体は、みずから医師を養成する、それらが独自でできないんだったら、それこそ広域でやるような仕組みを保健福祉部の方、また市町村側の方と相談し合って体制をつくっていくことも医師確保において必要なことではないかと考えます。中核病院こそ、医療器械から何からそろっているわけでございますから、それに伴って、率先して医師を養成する協力をするとか、それらの姿勢も見せるべきと思います。いずれそういった関係機関等を用いて相談し合ってもらいたいと思いますが、これに対する所見も願いたいと思います。
〇千葉医療局長 後段の医師養成事業からお答えします。
 医師養成でございますが、いわゆる県立病院のない市町村でみずから国保病院、診療所を抱えている市町村の御苦労は、直接的には承知しませんが、いずれいろいろな場面で、私ども応援要請も受けますし、御苦労をなさっているということは本当に承知いたしております。
 県立病院も、あるいは市町村立病院も、民間の医師も、全体の医師養成というものは、やはり一義的には保健福祉部が所管するわけでございますが、最近、地域医療確保委員会なるものを保健福祉部の方で立ち上げまして、実は、私もその委員の一人になっております。そういったところで中長期の展望を持った医師養成のあり方、医師確保のあり方というものは議論されて、この3月末には中間の報告がなされると伺っております。
 いずれ、そういった市町村も県も、あるいは大学も一緒になって中長期の視点で医師の確保を計画的、系統立ててやっていく必要があろうと思っております。そういう意味では、その中で市町村の役割でございますが、保健福祉部の方で、本年度市町村と共同、これは県立病院あるところ、ないところすべてですが、県も一定の資金を出して新たな奨学資金制度をつくったということでございます。これについては市町村の事業ではございますが、いわゆる義務履行については県立病院の履行も一部認める。それから、私ども独自で従来からやっております医師養成事業についても、市町村立病院の勤務も一部義務履行に認めておりますので、そこは相互のリレーでやっていける制度でございます。これらを上手に組み合わせながら、全体として医師の確保はやっていかなければならんと思っております。
 県立病院のある市町村というのは、気持ちは私も同様でございますが、私ども、原則を言えば、地方公営企業ということで、開設者である岩手県、私は事業管理者ですが、いわゆる県営事業として病院をやっているということで、多額の税金、一般財源をちょうだいいたしておりますが、これは一定部分については地方交付税の裏打ちがあるということで、それは、仮に市町村が経営主体であれば、そちらの方に交付税が算入されることになります。公営企業の建前から言えば、その範囲内において独立採算を達成することが私の使命だと思っておりますので、いずれ、現在の繰り入れという範囲内で何とか収支が均衡するようにやっていかなければならない。
 市町村の負担については、この場でなかなか申し上げかねるところでございますが、医師確保に大学に出向いていただいたり、ある市町村では、東京の大学まで行って要請したとか、いろいろな御努力をいただいているのは、一部ではございますが承知いたしております。
 それから、1問目の質問の二戸病院とかかりつけ医ということで、伊保内病院だと思いますが、いずれ何回も申し上げますが、全体でその病床があいているということをどうやって解消して効率よくするかということですが、まず、入院患者さんについては、地元でと望まれる方もあると思いますが、やはり医師のスタッフがそろい医療器械も充実している大きな病院で、若干遠くはなるんですが、そこでの入院治療を受けられる方が、患者さんにとっては有益なサービスになるのではないかと思っております。そういった形で病床利用のコントロールをしていこうとするのが、この計画でございます。
 それから、収支もですが、診療所になれば赤字になるであろうと。確かに黒字にはなかなかならないと思っておりますが、赤字幅は縮まるだろうと思っていますし、診療所にした分、そこの病院の病床は減るんですが、例えば、二戸医療圏であれば、隣の軽米病院なり、一戸病院なり、二戸病院に入院していただくということになりますと、そちらの方の収入がふえるわけでございますので、圏域トータルとすれば、病床の効率的な利用と収支の全体としての改善にもつながるだろうと考えてございます。
〇工藤大輔委員 地域で生まれ育った方が医師になったら、そこに居ついてもらえる可能性は非常に高いと思いますので、いずれ保健福祉部や、また市町村と連携をとって共同でつくっていく、養成していく、そうしていきながら医師の充足率を高めていくという手法をぜひとってもらいたいと思います。
 また、最後の件なんですが、局長が言われたような答弁では、何回話しても、これでは理解が得られるわけはないと思います。いずれ二戸広域圏のベッドが多かったところに、同規模のものをつくったからこそそうなったというわけであり、伊保内病院を減らすのか、あるいは二戸病院を減らすのか、どこを減らしても結果は一緒だと思いますし、需要のあるところはそのまま維持し続ける、過剰な地域のものを減らしていくということでやっていかなければならないと思いますので、そのことを強く申し上げ、質問を終わります。
〇野田武則委員 それでは、説明書にあります釜石病院の増築工事についてお伺いをしたいと思います。
 この件につきましては、昨年の9月に県立釜石病院と釜石市立病院との統合に関し合意がなされまして、本年の2月に医療局と釜石市の間で統合に関する協定が締結されたところでございまして、そのことによりまして必要な施設整備を行うと、こういうことだと承知をしております。事業費が3億2、564万5、000円と、こういうことでございますが、まず最初に、その具体的な中身につきまして御説明をお願いしたいと思います。
 また、昨年の合意の時点では、平成20年を目途に統合するということでございましたけれども、その後、釜石地域保健医療協議会での協議によりまして、1年前倒しになりまして平成19年に統合すると、こういうことになったわけでございます。
 そこでお伺いするわけですが、市民病院からの看護師、それから医療技術職員の受け入れについてでございますけれども、20年を目途に統合するということの場合は3年間の移行期間があったわけでございますが、今回1年前倒しということでその移行期間が短くなったわけでございますが、それに伴って看護師並びに医療技術職員の受け入れ態勢が大変無理が生じるのではないかと懸念されるところでございますが、その辺の採用の取り組みといいますか、全員採用できるのかどうかお伺いしたいと思います。特に、県職員としての採用ということでございますから、特別扱いということはできないと思いますけれども、今回の事情を酌んでいただきまして、家族構成などを配慮して、勤務地など本人の希望に沿えるよう御配慮願いたいと、そういう気持ちで質問しているわけでございますが、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
〇岩渕医療局次長兼病院改革室長 県立釜石病院の増築の内容についてでございますけれども、統合に伴いまして、順次外来患者あるいは医師が増加する、それから新設の診療科、あるいは診療科の中でも医師がふえるというような形になっておりますので、新たに外来診察棟をつくりたいと考えております。現在、設計を始めたばかりですので、詳細な面積等はこれからですけれども、この需要に見合うだけの面積を確保していきたいと考えております。
 それから、救急についても当然ふえてくるということでございますので、現在ある救急処置室をさらに拡張すると。それから、駐車スペースにつきましても拡張すると考えております。敷地が若干狭いものですから、今ある工夫の中では最低30台ぐらいは確保できるのかと思っていますが、これから設計の段階でさらに何らかの方法でふやせないか、検討していきたいと考えております。これらの整備につきましては、平成17年中に完了すると考えております。
 それから、釜石市職員の県立病院の受け入れにつきましてですが、看護師、医療技術員につきまして、まず看護師につきましては、来年度の4月1日から16名を採用するということにしておりまして、すでに8人ずつ研修を今3週間ずつやっているという状況でございます。したがいまして、残りの方々については18年4月1日、それから19年4月1日に採用と。それから医療技術員につきましても、18年4月1日、19年4月1日に採用と考えております。基本的には希望者の勤務地とか家族構成等の要件を考えながら、できるだけ希望に沿うよう努力はいたしますけれども、県立病院の職員ということでございますので、考え方としては県立病院の職員と同じようなことで配置を決めていきたいと考えております。
〇野田武則委員 いろいろ御配慮してくださるということで大変ありがとうございます。いずれ、順次看護師の方は釜石市の方でということで、看護師と技術職員の方は医療局と、こういうことでございますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして質問したいと思いますが、統合後の新しい県立病院の姿というのは250床の病床数で、医師は市民病院から移行する医師とあわせて35名、それから診療科は18診療科になるということで市民に提示されているわけでございまして、もちろんこれは市民病院の方から医師が全員15名移行するという前提でイメージされているわけでございますけれども、なかなか医師の移行が思うように進まないようでございますし、それぞれの医師の都合等もあろうかと思うんですが、いわゆる当初イメージされた姿といいますか、結局平成19年の統合時点で、どうもイメージとは随分落差があるのではないかと想像するわけでございますけれども、特に呼吸器科と在宅診療科、これにつきましては新しい県立病院の大きな特色ということで掲げられておりましたので、多くの市民が期待をしていたところでございます。
 そこでお伺いをするわけですが、呼吸器科と在宅診療科の医師確保の点とあわせまして、いわゆる平成19年度の統合時点での県立病院の姿はどのようになるのか、お示しをしていただきたいと思います。
〇岩渕医療局次長兼病院改革室長 統合のイメージの実現についてでございます。
 統合が決まってから医療局といたしましても、釜石市と一緒になって各派遣大学、主に東北大学になりますけれども、そのまま県立病院に移行をお願いしたいというようなことを再三にわたってやってきましたし、それから各医師ともお会いしまして、何とか移ってくれないかということでお願いをしてまいりました。ただ、大学の医局の都合あるいは本人の希望等がありまして、15人全員が確実に行くというようなことはなかなか正直申しまして困難な情勢でございます。その中でも来年度の4月から外科2名、それから脳神経外科1名の3名が統合の前に県立釜石病院に先行して移行するということになっております。
 また、残念ながら、市民病院の呼吸器科の医師が今月退職ということになりました。市民説明会等にもお邪魔しましたけれども、その際にも市民から、呼吸器の診療機能というものをしっかりと維持してほしいというような希望が非常に強く出ました。医療局内でもいろいろ検討いたしまして、他の県立病院から県立釜石病院に週1回専門医を派遣するというようなことで、まず来年度はやりたいと考えております。
 それから、在宅療養科を初めとしますその他の診療科の医師についても、引き続き釜石市と一緒になりまして、協力して移行するように取り組みをしていきたいと考えております。
 在宅療養科というのは釜石市民病院の特徴でございますので、いずれ地域に必要なものと考えております。ただ、本人とも会いましたが、なかなか県立への移行について今のところ快諾を得られていない段階ではございます。ただ、引き続き努力をさせていただきたいと。
 基本的には、釜石市の地域に在宅療養が残ると、どういう形であれ、残るという形まではしっかりととりたいということで、釜石市ともその辺も見据えながら、一緒になってやっていきたいと考えております。
 それから、呼吸器科の医師の常勤化、それ以外にも非常勤がありますけれども、常勤化あるいは1人診療科の複数化ということで、今後とも関係大学に要請をしてまいりたいと考えております。
 なお、平成19年4月、このイメージ、35名体制まではなかなか困難なのかなと実は思っているわけですが、いずれ、これにできるだけ近づくように一生懸命努力をさせていただきたいと思いますし、統合後におきましても、救急医療、高度医療、研修病院機能をさらに充実して、圏域の広域基幹病院としてふさわしい体制となるように、さらに一層医師の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 そこでちょっと確認をしたいわけでございますけれども、ただいまお話がありましたとおり、平成19年の統合時点ではいわゆるイメージしたとおりにはいかないと、こういうことでございます。医療局の方としては、市当局と協力してその実現に努めると、こういうことでございますが、それは統合までということだと思うんですが、統合した後のことなんですけれども、統合でそれは終わるのか、それから統合した後も継続してそのイメージの実現に努力をしていくのかと、この点をちょっと確認したいと思います。
〇岩渕医療局次長兼病院改革室長 平成19年4月の統合後ということでございますけれども、いずれ、ここのイメージを出しているものに近づけるように、その後も一生懸命努力をしたいと考えております。
〇野田武則委員 その言葉を聞いて大変安心しました。
 最後に一つだけ質問したいと思いますが、御承知のとおり、県立釜石病院は昭和52年に設立されまして、もう既に28年ぐらい経過しているわけでございます。この間、何度か改築あるいは増築を重ねてきていると伺っておりますが、県立釜石病院の耐用年数といいますか、どのぐらいなのか。
 それと、今回予算に盛られているわけでございますけれども、耐用年数のそれ以前に、移転新築等の計画といいますか、例えば今回予算に盛られていますのは磐井病院だとか花巻厚生・北上病院とかいろいろあるわけでございますけれども、耐用年数以前に何年ぐらい前からそういう移転新築の計画が立てられるものか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
 あわせて、県立病院の耐用年数のことを今お伺いしたわけでございますが、そうしますと、あと10数年だと思うわけでございますけれども、先ほどちょっとお話がありましたとおり、これからもイメージに向けて医師確保あるいはいろいろと施設の整備に努めると、こういうことだと思うわけでございますが、そうしますと、その都度またいろいろと経費がかさんでいくのではないかと思うわけです。市民としては大変ありがたいわけでございますけれども、そこでトータルとしては、結局、移転する時点になって、かえって莫大な損失をこうむるのではないかと、こんな思いをするわけですが、そうだとするならば、もうこの時点で思い切って移転新築、特に市民の間では市の中心街、中心部に移転してほしいという希望があるわけでございますが、そういった点も考えるべきではないのかと、そんなことを考えているわけでございます。その点も含めまして、管理課長とあわせて最後に千葉医療局長の方にも御所見をお願いしたいと思います。
〇千葉医療局長 先ほど次長も申し上げましたとおり、平成19年4月がゴールではないということで、その後も引き続き医師初め機能の充実には努めてまいります。
 それから、病院の耐用年数という話ですが、いずれ、法定上の年数というのは一定のものがありますけれども、今委員のお話がありましたとおり、5年ほど前に大規模改修、一部増築をやっておりまして、通常であればその後20年、25年はもつと我々としても考えております。なおかつ、今回統合に向けまして医師もふえるという前提あるいは患者さんもふえるだろう、救急患者さんもふえるということで、先ほど次長が申し上げましたとおり、今のスペースの範囲内で最大限頑張ってそれに対応できるように、先ほど平成17年と、年度ではなくて年末までには整備したいと思っております。
 その後については、実は今、私ども確かに磐井、南光それから花北統合病院、それから山田病院までやっております。これは数年前につくりました後期県病の実施計画ということで、いずれ、それぞれは規模は縮小しながら整備するということで、実はその後の計画というのは今持ち合わせておりません。今現在は、まさにこの改革プランをきっちりと仕上げる方向で全力投球をしたい。いずれ、今制度の編成も激しい中でなかなか先を読めない部分もございます。今の体制は何とか維持したいと思っておりますが、釜石病院のその後については現時点では申し上げかねますので、よろしくお願いいたします。
〇齋藤管理課総括課長 耐用年数ということでございますが、鉄筋コンクリートの病院の場合は、39年を耐用年数としております。
 それからもう一つ、計画から建設に至るまでの期間でございますが、構想に一、二年、それから設計にやはり一、二年、そして釜石病院クラスの病院を想定しますと、工事に約2カ年程度でございます。ですから、大体4年から6年の間、期間としては必要になると。
〇佐々木順一委員長 この際、進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇木戸口英司委員 花巻厚生病院につきまして、私も伊藤委員、宮古市民同様に御礼を申し上げる機会を早くいただきたいと、そういう願いを込めて質問をさせていただきます。
 産婦人科医の状況につきましては、きのうも保健福祉部の質疑の中で及川委員から厳しく指摘があったところであります。改めてそのことについては深く触れませんけれども、現状、総合花巻病院からも産婦人科医がいなくなると。遠野・宮守地域からも、あわせて不安の声が寄せられているという状況の中で、産婦人科医の状況の厳しさは言われておりますが、その厳しさを言われても、花巻の地域の現状はなお厳しいという状況であります。この対応につきまして、お聞きをしたいと思います。
 また、本年4月より1病棟、一般病棟として65床、花巻厚生病院では休止となります。先ほど医療局長、吉田委員の質問に対しまして、この点県立病院の改革という中で触れられましたけれども、これは一体改革なんでしょうか。確かに厚生病院の場合、平成13年、14年、15年、そして16年と、入院患者数が減少し空き病床数がふえてきているというところでありますが、本年からの産婦人科医そして耳鼻咽喉科医、そして呼吸器科医の常勤医師がそれぞれ退職しているという現状の中で起きたこういう状況であって、現状における緊急避難的な対応であるということではないかと、そう私は理解したいところでありますが、この辺の対応についてお聞きをいたしたいと思います。
 いずれ、中部医療圏、病床過剰と県では言われておるわけでありますが、花巻の場合は岩手労災病院の現状、それから平成20年の統合病院、これは花巻市からは県立病院がなくなるという現状もありまして、大変地域医療に不安が広がっているところであります。その辺の認識とあわせてお伺いをしたいと思います。
 それから、この統合病院、平成20年、いずれこういう現状の中で、それまでの期間、3年、4年とあるわけでありますが、これが大変大切だと思います。住民の今申し上げました地域医療への不安と、それから新統合病院がスムーズにスタートを切るためにも、現医療機能の維持、医師確保対策が重要であろうと思っております。花巻厚生病院がただなくなる病院だとすれば、当然医師がいなくなってしまうと、モチベーションが下がることは当然だと思います。両病院、これは花巻厚生病院そして北上病院において、現体制から新統合病院の体制に移る、この辺の医師との十分な意見交換そして意思疎通を図られ、そして20年を無事迎えることができるのか、その辺の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇橘山参事兼医師対策監 産婦人科医師の確保の見通しのことについてでございますけれども、絶対数が非常に少ない状況に加えまして、昨年の4月からの医師の臨床研修の必修化によりまして、大学医局への入局者が2年間途絶えるということがありまして、今後ともますます困難が予想されております。現在再開のめどが立たない状況でありますけれども、今後とも確保に努めてまいりたいと思います。
〇齋藤管理課総括課長 私の方からは、統合に至る準備について申し上げます。
 この両病院につきましては、岩手中部保健医療圏の中に二つの中核病院があるという現状でございまして、その医療供給体制を考慮しまして、両病院を診療機能それからマンパワーを集約して、圏内における一つの高度かつ総合的な医療機能を持つ広域基幹病院として整備するとしております。ですから、決して花巻厚生病院の廃止ということではなくて、両病院の機能があわさって、さらに強力な一つの病院ができるということで進めております。
 この統合病院の整備の現状でございますが、今、ソフト面といたしまして、統合後の新たな体制を想定しておりまして、昨年の6月に緩和ケア部会や救急部会などを初めとする14の専門部会を病院ごとに設けてございます。このメンバーは、医師、看護師、薬剤師などがそれぞれ部会に所属いたしまして、それぞれ病院の検討を行った後、両病院の合同部会を開催してそれぞれ連絡、それから新たな方針について取り組んでおります。ただ、これは緒についたばかりでございまして、現時点ではそれぞれの専門部会における取り組みに差が若干見受けられるということでございます。
 今、基本設計の終わりの段階に向かっておりますが、いずれ、新しい病院の姿がだんだん見えてまいります。それに伴いまして、平成20年度の開院に向けて、各部会での議論を一層深めていく必要があると考えております。したがいまして、今後、設計図もできますしそれから新しい体制も見えてきます。そうした意味で、各職種ごとの統合に対する共通の意識をしっかりと醸成して進めてまいりたいと考えております。
〇千葉医療局長 医師の件は対策監が申し上げたとおりで、大変申しわけないんですが、今現段階では特にも産婦人科についての確保の見通しの立たない、週3日、診療応援で婦人科のみの診察ということで、いずれ、今後とも何とか努力してまいりたいと思います。
 それから、労災病院の件については、私どもも圏域のリハビリ医療の拠点と考えてございまして、何とか存続していただきたい。今、地元が中心になってそういった動きがあると承知いたしておりますので、私どもとしてもそのように何とか残っていただきたいと思ってございます。
 それから、花巻と北上の統合病院については、確かに花巻市からは市町村の圏域でいいますと市ではなくなるんですが、お互いの二つの両病院のほぼ等距離にあるということで、いずれ、中部医療圏の基幹病院として位置づけられておりますので、それにふさわしいような病院を何とか整備してまいりたいと思っております。
 それから、統合までの間の機能の維持、これは今最初に申し上げた医師の確保と連動するわけでございますが、最大限努力します。大学も御承知のとおり、花巻厚生病院は岩手医大系なわけでございますが、十分に認識は持っておりますが、いかんせん、今言った医局に人がいないという状況の中で、いろいろ考えてはいただいていると思っております。我々もさらに後押ししまして、統合までスムーズにいけるように。
 それから、両病院の医師を初めとする協議とか協調のあり方については、私どもも反省しなければなりません。各セクション、組織的にはあるわけでございますが、今後待ったなしの時期でございますので、我々も中に入って統合がスムーズにいくように努力してまいりたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 ことし4月からの1病棟の休止となる再開の見通しはということでございますが、産婦人科、呼吸器科の常勤医師の欠員もありまして、入院患者の数が急激に減少しておるところでございます。それで、1日平均で12月末の累計でございますが、150人程度でございます。ということで、常に90床以上の病床が今空床になっているというような現状でございます。したがいまして、効率的な病床運営を図るために、平成17年4月1日から、四つの病棟のうち一つの病棟を休止することとしたものでございます。患者数の増加それから医師の確保ができるなど、状況が大きく変わった場合には、またその時点で検討してまいりたいと考えてございます。
〇木戸口英司委員 新しい統合病院については、市民からいろいろ不満とか不安の声が出たときには、私も立派な病院ができるんだということで実は応援団をしておるんです。ただ、厚生病院がどんどん縮小して電気が消えていくということは、市民にとってなおさら地域医療、また、県立病院に対する不平不満ということがまた大きくなってくることでありますので、このことは一層努力を要望するところであります。
 それで最後に1点、また花巻にとって一つ大きな問題になるわけでありますが、この花巻厚生病院の統合後の跡地についてでありますが、まず一般論として、こういった跡地処分、どのような要件、手順で進められるものか伺います。そして、花巻厚生病院の場合ということで、どのような考え方、スケジュールでこの後利用に向けて進められるものか。また、地元との協議は現在どのような状況にあるかお伺いをいたします。
〇齋藤管理課総括課長 一般論としての跡地の処分でございます。
 県立病院の跡地も県有地でございますので、県有地全般の話を申し上げますと、原則といたしまして、まず県の他部局での活用を考えます。それから、その次に地元市町村での活用、そして民間企業などへの売却と、こういった順序で検討することとしておりまして、これは県立病院跡地についても同様の手順を踏むこととしております。
 県立病院の直近の事例でございますが、例えば大船渡病院跡地につきましては、公共用地として市に売却いたしておりますし、宮古病院の跡地につきましても、郵便局用地として東北郵政局に売却しております。それから、一戸町にあります北陽病院跡地のように誘致企業、これは東京電波というところでございますが、そこに工場用地として売却している事例もございます。
 お尋ねのありました花巻厚生病院用地でございますが、これもこれまでと同様の手順で進めることになります。私どもといたしましては、平成20年度の統合病院の開院までに、この用地の活用策が決まっているということが望ましいと考えております。場所も市の中心市街地に位置しておりますので、今後、地元の花巻市と十分に協議して進めてまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 わかりました。いずれ、今までの病院の移転というところは、市からその市の中に移るということが大体一般的だったのではないかと思います。今回は、花巻市にあったものが北上市という住所に移るということで、ちょっと特殊な事情があるのではないかと、その点ぜひ丁寧な県の方の対応を要望いたしまして、質問を終わります。
〇斉藤信委員 私も最初に県立病院の改革プランについてお聞きをしたいと思います。
 伊保内病院の問題について、私は一般質問でも取り上げました。先ほど工藤大輔委員の説得力ある質問もありました。
 私、伊保内病院の実績を紹介しますと、経営が改善されているのは当然だけれども、患者は入院も外来もふやしているんですよ。外来もふやしているところは、これ12月末現在でいうと伊保内病院しかないんですね。これだけ改善をされて地域の方々が伊保内病院に期待している、こういう病院については計画を見直すと、診療所化を延期するとか、こういうことがあってしかるべきだと思いますよ。この点を私まず、これは医療局長にお聞きしたい。
 伊保内病院はなぜこういう改善がなされているのか、その理由、要因をどう医療局長は受けとめているのか。
 もう一つ、あわせて紫波病院、花泉病院が一番早く、平成18年度から診療所の計画となっています。実は紫波病院も藤原泰次郎委員が取り上げました。この1年間、9回、地域医療懇談会をやっているんですよ。これ、町と協力して紫波病院はどんな医療機能があるのか、地域の医療ニーズはどうなのかという、これは大変歓迎されたと私は聞いています。ですから、私はまだ紫波病院も花泉病院も改善の余地があるんだと。また、改善が始まったばかりだと、私はこんな感じがするんですね。ですから、そういう個々の病院の改善の努力というのを、伊保内病院の教訓を生かして取り組むべきではないかと、まず最初にこのことを医療局長にお聞きしたい。
〇千葉医療局長 病床があいているのは御承知のとおりでございまして、本年3病棟休止いたしましたが、なおかつ900床以上空いているということから診療所化を考えているものでございまして、それぞれの病院の努力は当然必要でございます。ただし、それなりに努力しているのも承知いたしておりますが、なおかつあいているということで、さらにデータ的にも平均在院日数もどんどん短くなっています。これは県病だけではないんです。民間もそうです。全国もそうでございます。それから、外来患者さんについても、薬の長期投与あるいは自己負担の問題もあるのかもしれませんが、年々下がっていくと。そういった中で、そういった形に我々の病院のサイズを合わせなければ、先ほど藤原委員に申し上げましたが、会計として赤字垂れ流しになるおそれがあるということで、この改革計画を進めなければならないと思ってございます。
 その他につきましては、担当課長、医療局次長、それから担当からお答えを申し上げたいと思います。
〇岩淵医療局次長兼病院改革室長 基本的なことは局長から申し上げたとおりでございます。いずれ、二戸保健医療圏では、昨年4月に一戸病院の1病棟48床を休止いたしました。しかしながら、16年の12月末におきましても、二戸保健医療圏全体として90床以上の空床があるということで、伊保内病院の診療所化、平成19年4月の予定は計画どおり進める必要があると考えております。
 また、診療所化しましてもいずれ19床のベッドは確保いたしますし、外来診療機能は維持しながら、必要な診療応援を二戸病院等から安定的に受けると。そういうことで、二戸保健医療圏全体で地域医療を確保していくと。さらに、検体検査、事務の業務等を広域基幹病院に集約して、二次保健医療圏の県立病院群として一体的、効率的に運営して経営改善を行っていきたいと考えております。
 紫波病院、花泉病院の方でございますが、それぞれ18年度からの診療所化を計画したものございます。昨年12月末現在のそれぞれの病床利用率を申し上げますと、紫波病院が71.8%、花泉病院が64.2%ということでございまして、圏域の県立病院の平均空床を申し上げますと、紫波病院が属する盛岡保健医療圏は約120床あいております。それから、花泉病院が属する両磐保健医療圏は約140床ということで、これについても計画どおり診療所化を進めていく必要があるものと考えております。
 いずれ、病院であるうちもそれから診療所になったとしましても、引き続きベッド数に見合った収益の確保を図ることは当然でありますし、さらに医事業務あるいは調理業務の外部委託の拡大、この2病院についてさらに進めたいと考えております。それから、材料費の縮減などによりまして、経営改善に取り組んでいく必要があるものと考えております。
〇斉藤信委員 私、わざわざ質問をあなた方にお知らせして、今も聞いているのに、私の聞いたことに答えていないんですよ。伊保内病院はなぜこういう改善ができたのか、そういう要因をあなた方はどう受けとめているのか、そういう教訓を生かすべきではないかと私は聞いたんですよ。そして、そういう画期的な改善を図っている病院をつぶしたら、改革の芽をなくしますよ。私はこういう改善、改革を進めている場合には、計画を延期するとかそういう見直しがあって当然だと思いますよ。
 私は、二戸の院長先生にも何度も会って話も聞いてきましたが、後方支援病院として伊保内病院は必要だと。先ほど工藤委員も言いましたけれども、二戸病院の方がベッド数が多いんだと。これは縮小してもいいんですよと。そうしてこそ機能的な広域連携ができますよと。これ院長先生の話ですよ。あなた方、自分の頭でだけ考えて、それを押しつけようとしている。どんなに地域から改善が行われても変えないと、おかしいんじゃないですか、これ。私が聞いたことにきちっと答えてください。改善、改革された理由、要因は何か、それを大いに県立病院全体に広げるべきではないか、そうやって地域医療を守るべきではないか。
〇千葉医療局長 伊保内病院が改善した要因というのは次長から申し上げますが、二戸病院の院長がそういう後方病院は必要だというのは、私も聞かなくてもわかります。それが一戸病院であり軽米病院であり、診療所化されても有床である伊保内病院になるわけでございまして、それから二戸病院長が自院の病院のベッドを減らしてもいいという話は、私は一切聞いておりません。二戸の病院長とは先月、今月3回ほど会っておりますが、改めて確認しますけれども、私自身は一切聞いてございません。
〇岩渕医療局次長兼病院改革室長 伊保内病院の経営改善の要因ということでございます。委員おっしゃるとおり、伊保内病院、平成15年度と16年度の12月累計の患者数を見ますと、1日平均で申しますと、入院では2名増加しております。外来では5名増加しております。この要因としましては、いろんな病院でもやっておりますけれども、老人保健施設との連携を密にするとか、あるいは地域に出まして健康づくり講話会を実施しまして、村民の健康意識を高める活動、いわゆる地域密着の活動を行っているようなこと、それから夜間診療も行っているようなこと、あるいは、自治体として九戸村が要精密検査等につきましては伊保内病院の受診を勧めていること等々、こういう活動をしながら、確かに経営改善は、赤字の中でも改善が図られてきていると考えております。
〇斉藤信委員 だから伊保内病院の教訓というのは大変私は大事だし、ほかの小規模病院の改革の大変参考になると思います。伊保内病院の場合は、医療圏だけではなくて、盛岡に入院している患者も戻ってくる、八戸に入院している患者も戻ってくる、そして村民の方の利用も上がっていると。二戸医療圏で病床利用率82%というのは、一番高いんですよ。二戸医療圏の中で一番高いんです、これ。こういうところを私は大事にして、本当に個々の病院の改善のモデルにしていくというぐらいの前向きの発想を私は強く求めたい。
 次に、中央病院の問題についてお聞きします。
 中央病院のあり方検討委員会の方向性はどうなっているか。50床以上空床の場合、病棟の縮小、病床を削減する方向というのも示されているようですが、中央病院というのは12病棟ありまして、1病棟毎日の入退院が8名、9名なんです。ですから、私は50床というのは本当にこれはぎりぎりの線で、それだけの毎日の入退院がありますから、こういう一定の余裕がないと中央病院の場合には対応できないのではないか。
 また、一方で、看護課の院内異動が5割にも達している。1年間の間に看護師さん5割が、勤務の場所が変わっているんですよ。私はこういう点は少し異常ではないか。医療の安全、看護の安全という点から言っても、もっと安全に配慮した体制をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、軽米病院の看護師1人夜勤、ヘルパーの16時間勤務についてもお聞きします。
 軽米病院の療養病棟について、県医療局は、看護師の1人夜勤と、そしてヘルパー。このヘルパーさんは夕方の4時半から次の日の9時までの勤務ですよ。こういうやり方というのは、労働組合との労使の協約にも反するし、こういうものを一方的にやるべきではない。実は軽米病院は療養病棟をやりまして、経営でもここも抜本的に改善をしているんですよ。患者さんもふやしているんですよ。そういう改善をされている中で、どうしてこのような医療、看護の体制を悪化させなければならないのか、この二つの点をお聞きしたい。
〇八木経営改革監 まず、中央病院のあり方検討委員会の方向性ということでございますけれども、昨年8月に委員会を設置し、今まで4回にわたりまして検討を重ね、現在、報告書が取りまとめられているところでございます。委員会では、これまで県立病院のセンター病院として、医師が不足している地域の県立病院や市町村立病院等への定期的な診療応援などに取り組むこと、あるいは臨床研修機能の充実を図ること、及び盛岡保健医療圏内の他の病院と診療機能や高度医療について協議するなど、機能分担と連携を図っていくこと。さらには、病床利用率の向上や給与費、材料費の抑制などに取り組み、一層の経営改善を図ること、こういった意見が出されているところでございます。
 また、中央病院の病床規模についてでございますが、中央病院の場合は、急性期病院を平成13年11月から入院加算施設として届け出をしてございまして、一般病床の平均在院日数は、平成11年度の23.4日から平成16年度12月末には15日と、大幅に短縮されて、病床利用率も低下をしてきています。委員会の中におきましても、やはりこういった状況を踏まえながら、一定規模の空床が続くようであれば適正化すべきとの意見が出されておりまして、いずれ、委員会から今後提出される報告書の内容を踏まえながら病床の利用状況、これなども検証し、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
〇細川職員課総括課長 中央病院の看護部門における院内配置がえの状況ということでございますが、病院における看護部門を含めた職員の配置がえにつきましては、その部門の円滑な運営の確保あるいは幅広い経験を積ませるといった面など、人材の育成面も勘案し、病院長の判断でこれを行っているものでございます。
 配置がえに当たりましては、病棟間のみならず、外来あるいは手術室等を含む正規、臨時も含みますが、看護部門全体で行っているものでございまして、私ども確認している平成16年度の数字で申し上げますと、16年度、中央病院では定期人事異動に伴って、年度当初に全体の15.7%に当たる74名の異動があると聞いております。その後、年度途中の妊娠とか出産、病気等に伴う休暇、あるいは育児に伴う休業等もございますし、夜勤の免除等もございまして、大体月で平均8人ないし9人、そういった職員が発生してございます。それに伴って異動をしておるわけですが、年間でいいますと、この1年間、ほぼ1年間ですが168名、35.7%の配置がえを行ったと私どもは病院の方から聞いてございます。
 それから、いずれ配置がえの際につきましてですが、看護能力の低下ですとかいろいろな面に配慮しまして、年齢の構成ですとか部門での経験など職員バランスに配慮するとともに、異動もできるだけ短期間で能力が十分発揮できるような、そういう研修とか教育等を行って対応している状況でございます。
 それから、もう一点の軽米病院の療養病棟の夜勤体制の変更についてでございます。
 いずれ、厳しい経営状況にありまして、情勢の変化に対応した制度の趣旨に沿った効率的な病院経営が求められている状況にあるわけでございます。したがいまして、今般、導入しようとしている療養病棟の夜勤への看護補助者の組み込みにつきましては、厚生労働省が定めます診療報酬の施設基準においても、一定の割合で看護師免許を有しない看護補助者を配置できるという改正がなされております。私どもこれを踏まえまして、軽米病院の療養病棟につきましては、これまで看護師2名による夜勤体制としてきたものを、平成17年度、今度の4月から看護師1名、加えてホームヘルパー2級以上の資格を有します看護補助者1名の、合計2名の夜勤体制としたいというものでございます。
 なお、看護師の夜勤につきましては、従来どおり3交代勤務とすると。それから看護補助者につきましては、深夜の出退勤がないあるいは夜勤の日数が実質的に4日に減ると、したがって時間的な余裕も大きくなると。それから、業務の中身がおむつ交換とか食事介助とかそういった介護的な業務が中心であること等、そういったことを踏まえ、さらに他の公立病院等の事例も参考にしながら準夜勤、おっしゃるとおり準夜勤、16時30分から1時15分まででございますが、これと深夜勤の0時30分から9時15分までの勤務、これを通してのいわゆる1夜2勤務の勤務体制としようとするものでございます。
 それから、労働組合との協議の関係についてでございますが、労働組合に対しましては、昨年の10月以来、10数回にわたる事務的な折衝に加え、3回にわたる団体交渉も開催し、実施の趣旨なり内容等について協議をしてまいったところでございます。
 それから、病院現場につきましても、労働組合の支部と当局による団体交渉の開催に加え、必要に応じ職員とも話し合いを行うとともに、4月からの実施に向けて看護職員の理解のもと、既に事前研修を実施していると、そんな状況になってございます。
〇斉藤信委員 中央病院については、私は現場から話を聞いているので、中央病院というのは重症患者が多いし入退院が激しいと。そういう中で、看護師さんの異動というのが大変激しいというので、医療の安全上問題だと。これは指摘だけにしておきます。
 軽米病院の問題ですけれども、結局、今医療局がやろうとしているのは1人夜勤なわけです。この1人夜勤については、医療局の労働組合と医療局で夜勤人員は2人以上にすると、こうしているわけです。看護師さん1人ですから、看護の責任をとるのは1人しかいないんですよ。ヘルパーの仕事というのは、これは限られているんですから、看護師と同じ仕事はできないんですから。私はそういう点で労働条件を根本的に解約をする、この点について労働協約をきちんと守る、労働組合の合意を得て変えるなら変える、この筋を通さないと、これは全く大問題になりますよ。
 それで、軽米病院は16年12月末の収益を見ますと、入院収益は3、381万円増ですよ。外来は789万円減ですけれども、収益も改善しているんですよ。だから、頑張って収益も改善しているにもかかわらず、なぜこういう一方的な1人夜勤の導入、ヘルパーは臨時職員で16時間勤務ですよ。私はこういうことで本当に病院の安全が守られるのかと、こういうことを一方的にやるべきではないと思いますけれども、いかがですか。
〇細川職員課総括課長 2点のお話があったと思いますが、1点は、労働組合との協議、協約の関係だと思います。それにつきましては、私どもも労働組合と話し合いをしておりますが、いずれ、私ども、確かに平成6年に労働組合と確認をとったその中身には、夜勤人員は2人以上と書いた箇所がございます。しかしながら、そのことについて、私どもの見解と労働組合とはちょっと異なってございまして、私どもは看護師2名とは規定されていないと解釈してございまして、協約に違反するものではないと判断しております。
 それから、もう一点の安全の問題ということでございますが、いずれ、そもそもその療養病棟に入院される患者さんにつきまして、あらかじめその患者さんの病状なり状態につきましてドクターが判断いたします。その上でその病棟に収容するかどうかを判断します。それから、看護師さんの業務につきましては、当然それにふさわしい業務を提供しますし、それから、業務の中には、看護補助者さんでも実施できる業務があるということ等もございます。そういったこと等を判断して、いずれ、万が一の場合におきましても、よその病棟ももう一つあるわけで、一般病棟もございます。それから、24時間当直医なりあるいはドクターが滞在してございます。いずれ、そういった対応もできます。したがって、私どもの方では、そういう質の低下だとかそういうことにはならないものと考えてございます。
〇斉藤信委員 軽米病院の1人夜勤の導入、ヘルパーの16時間夜勤、私はこれで条件が悪くならないという言い方は、全く欺瞞だと思いますよ。患者も看護師さんも大変不安です。結局、看護の責任を持つのは1人になるわけですよ。ナースコールが鳴って飛び出したら、あと、対応できる看護師さんがいなくなるということですよ。これ、あなた方、もしこういうことをしたら、法廷の場で争われますよ、これ。そのことだけ指摘をして、最後に釜石病院と市民病院の統合問題について私からもお聞きしたいと思います。
 私は、統合問題というのは実態のない、事実上、市民病院の廃止ではないかと思います。県立病院の機能や病床はどう拡充されるのか。これが全然明らかになっていないのではないか、これが第1点です。
 第2点、この間の進め方で、市民病院の医師とは全然協議がなかった。そういうことから、2月18日の釜石市が行った説明会の席上で、3名の医師が3月末でやめると。県立病院に医師が行くどころかやめてしまうんですよ。特に、その中で呼吸器科の医師が、先ほど野田委員も言いました、本当に悩みに悩んでやめることを決めたと。これは医師との相談がなかったからですよね。一方的なそういう廃止、統合だったからです。そして、呼吸器科の患者さんは行き場がなくなっています、今。これは本当に深刻な問題ですよ。私はそういう点で、こうした今まで医療に携わってきた医師の理解も得る、そういう話し合いも進めながら中身のある地域医療の確保に当たるべきではないかと。抜本的に今の進め方を変えなければ、結局市民病院だけなくなって、釜石県立病院は病床がふえるわけでもないし、本当に何のことも残らないと思いますよ。
 全部聞きます。救急患者への対応は県立病院ではできないと今まで言ってきましたが、どうするんでしょうか。釜石市民病院が対応してきた救急患者の対応、できなかった場合どうするんでしょうか。
 それと、市民病院が診療所化されると、市が設置者だということが新たな協定で明らかになりましたが、これは県の医療局が何らかの形で応援を求められているのでしょうか。全く市の責任で診療所化というのは行われるのでしょうか。
〇齋藤管理課総括課長 まず、統合の中身、機能、それから病床など、拡充されていないのではないかということについてお答えいたします。
 まず、この県立釜石病院、両病院のあり方については、昨年4月以降、釜石市と協議を行ってまいりましたが、共通認識といたしまして、釜石地域は再三申し上げていますが病床数が過剰であると。両病院が現状のまま存続するのは困難であると、こういう認識から、医師などの人的資源を集約いたしまして、両病院を統合するとの基本的方向性を両者で合意したわけでございます。これを受けまして、釜石地域保健医療協議会に医師派遣大学、それから地元医師会、住民代表などで構成いたします専門部会を設置いたしまして協議を重ねていただいたところでございますが、やはり限られた医療資源のもとで、医師確保及び健全経営を実施していくためにも、両病院を統合すべきであるという意見をいただいたところであります。こうした経過を踏まえまして、2月28日に釜石病院の投合に関する協定など締結したところでございます。したがいまして、この機能の強化については、先ほど次長の方から35名の医師確保に向けて頑張っていくと。それから、病床については今申し上げたとおり、過剰地域でございますので、逆にこれは病床を統合することによって、この地域にふさわしい医療資源のあり方というものが求められると考えているものでございます。
 それから、この間の進め方について、市民病院の医師との協議がなかったという御指摘だったわけでございますが、これも先ほど次長の方から申し上げたとおり、医療局も市も一緒になって市民病院の医師の移行については話し合いを持っておりますし、説得にも当たっております。ですから、その間説明にも当たっております。これも先ほど申し上げたとおり、あくまでも医師が、釜石病院確かに3名退職するというお話をお聞きしましたが、これも医師自身のお考え、それから医局の考えというものがありまして、なかなかこれは、私どもは来てほしいと思ってもその気持ちが通じない。これはあくまでも職業選択の自由でございますので、この件に関してはいたし方ないと思いますが、ただ、これも先ほど申し上げたとおり、医師の確保については、医療局は市と引き続き協力して、移行に全力を尽くすんだということについては変わりございません。
 それから、呼吸器科についても先ほど申し上げましたが、確かに呼吸器科、市民病院の方にはなくなりますが、4月以降、これ繰り返しでございます。県立釜石病院において週1回、これはほかの県立病院からの診療応援で対応いたしますので、それについても心配ないのではないかと考えております。
 それから、救急患者への対応がどうなるかということでございますが、救急患者については、当然、統合後につきましては県立釜石病院が中心になって受け入れることになると思います。この件数につきましても、これは現場の院長からも、二つあわせると1、200件ぐらい救急搬送だけでございますが十分対応できると思いますし、ただ、問題なのは初期救急患者、これは一挙に集中してしまうという、これはちょっと懸念となってございます。それで、これにつきましては、医師会や他の救急指定病院との役割分担及び連携を強化いたしまして、地域全体で二次救急それから初期救急の受け入れ態勢を構築することが必要と考えてございます。
 それから、市民病院の診療所化は市が設置者ということでございますが、これにつきましては、冒頭申し上げました協定書において、いわゆる市民病院の跡地の診療所化については、市が主体となって設置に努めることになってございます。現時点では、医療局に対して市からの具体的な支援の要請はございません。
〇斉藤信委員 大体これで終わりたいと思いますけれども、私は、やっぱり釜石の県立病院と市民病院との統合というものは、最初の歯車が間違ったと思うんですよ。本当に地域医療で頑張っていた医師との協議、話し合い、理解、これを得ないで廃止・統合を決めてしまったんですよ。市が行った2月18日の説明会に岩渕次長も行っていると思うけれども、そこで医師自身が訴えているんですよ。悩みに悩んでやめることにしたと。やめたくてやめるわけじゃないんですよね。やっぱりそういう決め方について納得できないと。
 在宅診療の医師は、NHKでも紹介されたような大変先駆的な医療活動をやっている、こういう医師も、この間のやり方に、僕は、県医療局というよりも、釜石市の対応がもっと悪かったと思うけれども、残念ながら、結局、釜石の病院はなくなって、医者がどんどんいなくなって、患者だけが置いてきぼりにされる。呼吸器科救急医療も、これは釜石病院に一つしかなかった。常勤の医師がいなくなって、週1回来るから大丈夫なんていうことは絶対ないんですよ。大変心配しているんですよ。私は、そういう点では、結局医師が行かなかったら県立病院も拡充しないわけでしょう。来年4月から外科、脳外科が行くというけれども、本当にいつまで残ってくれるかわからないというのが実態ですよ。私は、そういう点では本当に、医師の確保でこんなに我々は苦しんでいるんじゃないですか。そういう医師を確保して、地域医療を守るということを前提にしながらこういう重要な問題は進めないと、地域医療も患者も医師もなくしてしまうことになるのではないか。
 最後に医療局長に、私はそういう点で、診療所化と言ったけれども、それは中身がまだわかりません、だれがやるかもわかりません。市がやるということしか決まっていません。こういう点で市民にとっては地域医療がどう守られるか全く不透明なままですよね。この点について、基本的には市が責任を持つことだが、医療局も一緒になって市民の理解が得られるような努力をすべきだと思いますが、いかがですか。
〇千葉医療局長 まず、医師の確保というか、いろいろ御懸念を述べられておりますが、できるだけそういうことのないように、市と協力しまして最大限努力してまいりたいと思います。
 それから、診療所化については、先ほど管理課総括課長から御答弁申し上げましたが、我々、市からも直接伺っておりますし、協定書の中でも、先ほど課長が申し上げましたとおり、市が主体的に取り組み、これを設置するということであります。市議会の議事録等も拝見いたしておりますが、いずれ選択肢の中には、民間の有病床の病院か診療所かよくわかりませんが、そういった話も出ているようでございますし、市当局とすれば鋭意取り組んでいると私ども理解しております。
 我々とすれば、金銭的な支援はできないと思いますが、医師の応援とか、以前にもお話ししましたが、形として市が設置主体となって、部分的に我々が委託を受けるというようなものもあると思います。いずれ、それは市と相談しながら、我々でできる支援については最大限やってまいりたいと思います。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇小野寺好委員 昨年の医療局決算審査の際に、医師である病院長を補佐する事務局長に経営感覚にすぐれた民間人を起用したい、このような御答弁をいただきましたけれども、これは平成17年4月とそのときお聞きしましたが、この民間人の採用についてどうなったか、お聞きしたいと思います。
〇細川職員課総括課長 お話のとおり、すぐれた経営手腕あるいはリーダーシップ、それから柔軟な発想と企画力ということで、民間の経営感覚を導入しようということで、公募方式による民間からの事務局長の選考について私ども目指したわけですが、実際に、本県も含めて全国から17名の応募者がございました。その方々につきまして、私どもの方で選考を行いました。視点としますと、経営力ですとか、あるいは企画力にすぐれている、あるいはリーダーシップの問題ですとか、それから、本県の事務局長にないような斬新な発想ができる、あるいは病院改革に対する強い意欲がある、そんな視点から選考に当たったわけですが、残念ながら、その17名の方々の中には、私どもで採用したいという方々が見当たらなかったということで、昨年11月でございますが、採用を見送ったということでございます。
 とはいいましても、いずれ民間の経営手法を取り入れた効率的な経営というものは今後も求められるということで、今回の公募方式による採用については、あるいはいろいろな公務員制度の制約とか、難しい要素があろうかと思いますが、そういう視点から、さらに今後とも別な方法等について検討してまいりたいと考えてございます。
〇小野寺好委員 そのせっかくの17人の方で、事務局長でなくても、別な部分でお仕事をしていただけるみたいな方はいなかったのでしょうか。
〇細川職員課総括課長 正直言いまして、応募された方々の中には、医事課長とか、そういった役職の方もございましたが、私どもまずもって目指したのは、いずれ事務局長として力量を発揮していただくんだという発想から、そういう視点から事務に当たったということでございまして、あとは、そういう方々については、私どもは内部の私どもの職員を育成強化して当たっていくということを考えてございまして、そこまでの発想は持ってございません。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、労働委員会事務局長から労働委員会関係の説明を求めます。
〇種田労働委員会事務局長 労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、予算に関する説明書により説明申し上げますので、145ページをお開き願います。
 第5款労働費第3項労働委員会費のうち、第1目委員会費3、522万4、000円は、委員の報酬及び委員会の運営に要する経費であります。次に、第2目事務局費9、806万2、000円は、事務局職員の人件費ほか管理運営に要する経費でございます。
 以上で労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議をお願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊沢昌弘委員 御苦労さまでございます。1点だけお伺いします。
 労働委員会は、いろいろな申し出も含めてやっていると思うんですが、新年度に向けて、今年度の労働委員会にかかった案件といいますか、いろいろな申し出事項、調停を含めてどんなような状況だったのか、また、引き継いで平成17年に残ったような事件等はあるんでしょうか。その辺だけ教えてください。
〇種田労働委員会事務局長 労働委員会関係の業務の状況ということでございます。
 全体的な傾向といたしましては、対前年で横ばいというような状況にございます。大きく分けまして、不当労働行為の審査、それから、もう一つがあっせんあるいは調停事件の処理という分野になっているわけでございますが、件数で申し上げますと、不当労働行為の申し立ての審査は、平成15年の8件に比べて今年度が9件、1件の増という状況でございます。
 それから、あっせんの方ですけれども、これには集団、組合関係のあっせんと個別の分とございまして、集団の方は、平成15年の5件に比べて、平成16年が4件、1件の減という状況でございます。それから、残る個別あっせんの方でございますけれども、これは平成15年の2件から平成16年、今年度1件という状況でして、この方も1件の減ということですが、トータル、全体的にはほぼ横ばいという状況になってございます。
 来年度への繰り越しの状況ということでございますが、不当労働行為の審査ということで申し上げますと、今年度扱っております9件のうち、2件は終結あるいは取り下げという形になっておりまして、残る7件が、当事者の事情がございまして来年度に引き継ぎの模様でございます。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会の皆さん、御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時26分 散 会

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