平成17年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成17年3月15日(火)
   
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事課長 平 澤 石 郎
議事課長補佐 八重樫 典 彦
主任主査 千 田 利 之
主査 小 船   進
主査 福 田 清 喜
主査 佐々木 ユ カ
主査 嵯 峨 俊 幸
主査 安 藤 知 行
1説明員
環境生活部長 中 村 世 紀
環境生活企画室長 稲 田   収
産業廃棄物不法投棄緊急特別対策室長 長 葭 常 紀
参事兼資源エネルギー課総括課長 高 橋 敏 美
環境生活企画室管理担当課長兼交通安全対策担当課長 宮   一 夫
食の安全安心推進担当課長 菊 池 正 佳
環境保全課総括課長 熊 田   淳
資源循環推進課総括課長 滝 川 義 明
自然保護課総括課長 鈴 木 健 夫
青少年・男女共同参画課総括課長 松 岡   博
調査追及担当課長 及 川   明
再生・整備担当課長 根 子 忠 美
保健福祉部長 佐 藤 敏 信
保健福祉企画室長 赤 羽 卓 朗
保健福祉企画室企画担当課長 福 田 博 明
保健福祉企画室管理担当課長 水 野 和 彦
医療国保課総括課長 福 島 寛 志
保健衛生課総括課長 工 藤 竹 昭
地域福祉課総括課長 菊 池 俊 夫
監査指導担当課長 奈須川 博 司
長寿社会課総括課長 熊 谷 忠 市
障害保健福祉課総括課長 高 橋 裕 好
児童家庭課総括課長 古 内 保 之
予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
〇佐々木順一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号、議案第41号から議案第45号まで、議案第47号から議案第49号まで、及び議案第100号の以上30件を一括議題といたします。
 本日は、環境生活部及び保健福祉部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、環境生活部長から環境生活部関係の説明を求めます。
〇中村環境生活部長 平成17年度岩手県一般会計予算のうち、環境生活部関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 平成17年度の予算編成に当たりましては、環境首都いわての実現に向け、環境と共生した持続可能な地域社会を構築するため、県境産業廃棄物不法投棄事案への対応、地球温暖化対策及び循環型地域社会の形成を推進することや、県民生活の安定と向上に向けた安全で安心な社会の構築に向け、食の安全・安心対策、食育の推進及び男女共同参画や配偶者からの暴力防止対策について重点化を図り、施策の充実に努めたところであります。
 それでは、お手元の議案その1をごらんいただきたいと思います。議案その1の6ページをお開き願います。環境生活部関係の予算は、3款民生費2項県民生活費の5億2、947万8、000円、それから7ページに参りまして、4款衛生費2項環境衛生費の一部の77億1、343万8、000円、9ページに参りまして、13款諸支出金2項公営企業出資金の一部の1億2、567万3、000円及び3項公営企業負担金の一部の143万5、000円でありまして、総額で83億7、002万4、000円であります。これは、前年度当初予算額と比較いたしまして15億7、799万3、000円の増、率にいたしまして23.2%の増となるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
 なお、公共事業関係組織の一元化に伴いまして、平成17年度から他部へ移管になる予算につきましても、あわせて御説明いたしますので、御了承お願いいたします。
 それでは、お手元の予算に関する説明書の117ページをお開き願います。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 117ページ、3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、消費生活協同組合等育成事業費は、消費生活協同組合の育成や支援等を行おうとするものであります。食の安全安心対策推進費は、食の安全安心委員会の運営及びシンポジウムの開催等を行おうとするものであり、食育推進費は、食育の推進計画を策定するとともに、出前講座の実施等食育の普及啓発を行おうとするものであります。2目交通安全対策費の主なものでありますが、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の助長や市町村の交通指導員設置への支援等を行おうとするものであります。118ページに参りまして、3目青少年女性対策費の主なものでありますが、青少年育成県民会議運営費補助は、青少年育成県民運動を助長しようとするものであり、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、人材育成や、フェスティバルの開催及び民間団体等への活動支援と協働の促進などにより、男女共同参画社会の実現に向けた施策を推進しようとするものであります。配偶者暴力防止対策推進事業費は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に基づき、県における基本計画を策定するとともに、配偶者からの暴力の根絶のため、関係機関の連携強化及び配偶者暴力防止に関する普及啓発活動を行おうとするものであります。岩手っ子の夢ゲット大作戦事業費は、子供たちがかなえたい夢を、青年ボランティアの支援を得ながら実現に取り組むことを通して、子供たちの主体性や協調性をはぐくむとともに、青年ボランティアの育成を図ろうとするものであります。
 次に、ページを少し飛びまして、131ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでありますが、いわて環境地元学推進費は、環境に対する関心を高め、環境に配慮した行動の促進を図るため、環境アドバイザーの派遣やいわて環境学習館などによる、環境学習への取り組みを支援しようとするものであり、環境首都創造ネットワーク形成促進費は、県民・事業者・行政による環境パートナーシップいわてを育成支援するとともに、こどもエコクラブの活動支援を行おうとするものであります。流域交流ネットワーク形成推進費は、流域における健全な水循環の確保に向けて、上流地域と下流地域のネットワークを形成し、各主体の協働による取り組みを推進しようとするものであります。循環型地域社会形成推進事業費は、循環型地域社会を形成するため、環境に配慮した産業活動の促進や環境関連産業を育成するとともに、廃棄物の減量化やリサイクル等の推進に向けた総合的な施策を実施しようとするものであります。ごみ減量推進事業費は、一般廃棄物の減量化に向けた市町村向けの施策マニュアルを作成するとともに、ごみ減量化に効果が見込まれるモデル事業を実施しようとするものであります。次に、131、132ページにかけまして、新エネルギー導入促進事業費は、新エネルギーの導入や、省エネルギー対策を促進するため、クリーンエネルギーフェアの開催や住宅への新エネルギー機器の導入に要する経費に対して補助しようとするものであります。132ページでございますが、地球温暖化対策推進費は、地球温暖化防止のためのセミナー等を行うとともに、地球温暖化防止活動推進員、地球温暖化対策地域協議会及び岩手県地球温暖化防止活動推進センターの活動を支援しようとするものであります。133ページに参りまして、3目環境衛生指導費の主なものでありますが、廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理や不法投棄を未然に防止するため、産廃Gメンの配置やスカイパトロールなどを行おうとするものであります。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、産業廃棄物の適正処理を推進するため、モデル施設の運営主体であります財団法人クリーンいわて事業団に対して、運営費の貸し付け等を行おうとするものであります。廃棄物処理モデル施設整備費は、公共関与によります廃棄物処理モデル施設を九戸村に整備するため、事業主体の選定等を行おうとするものであります。県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県との県境地域に不法投棄された廃棄物の撤去や汚染土壌の浄化などにより、現場の原状回復を図ろうとするほか、首都圏を中心とする排出事業者等の責任追及を行おうとするものであります。次の浄化槽設置整備事業費補助及び下水道事業債償還基金費補助の2事業は、公共事業関係組織の一元化に伴いまして、新年度、環境生活部から県土整備部へ移管になるものでありますが、浄化槽設置整備事業費補助は、浄化槽設置整備に対して助成しようとするものであり、下水道事業債償還基金費補助は、浄化槽の整備を促進するため、市町村が設置する下水道事業債償還基金の積み立てに要する経費に対して助成しようとするものであります。次に、134ページに参りまして、4目環境保全費の主なものでありますが、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山について、坑廃水に起因した河川の水質汚濁防止のため、中和処理を実施しようとするものであります。化学物質環境対策費は、環境中の化学物質汚染調査を実施し、環境汚染の実態を把握するとともに、県民・事業者及び行政がお互いに理解し合い情報を共有することによって、事業者の環境保全に関する自主的な取り組みを促進しようとするものであります。水質汚濁未然防止推進事業費は、湖沼や内湾などの閉鎖性水域での水質汚濁の未然防止を図るため、富栄養化の原因となる窒素やリンの環境容量を設定するとともに、望ましい指標値を達成するための対策を検討しようとするものであります。5目自然保護費の主なものでありますが、自然環境保全対策費は、自然環境保全地域を適正に保全するため、自然保護指導員を設置するなど、総合的な自然保護施策を推進しようとするものであり、自然公園等保護管理費は、自然公園を適正に管理するため、自然公園保護管理員の設置等を行おうとするものであります。いわてグリーンボランティア活動推進事業費は、自然公園等におきまして、自然環境等の保全をボランティアとのパートナーシップにより積極的に推進するため、ボランティアの養成及び活動支援を行おうとするものであります。次に、135ページでございますが、自然公園施設整備事業費は、国立国定公園地域等におきまして、歩道や標識などの自然公園施設を改修・補修しようとするものであります。6目鳥獣保護費の主なものでありますが、鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置、狩猟事故防止の研修会の開催など、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ろうとするものであり、シカ特別対策費は、五葉山地域に生息するホンシュウジカを適正に保護管理するとともに、農林作物の被害の防止を図るなど、総合的な対策を推進しようとするものであります。特定鳥獣モニタリング調査事業費は、カモシカ及びツキノワグマの適正な保護管理を推進し、個体群の保護と被害防除等を図るため、保護管理計画に基づき、生息動向等を調査しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、249ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、工業用水道事業会計出資金は、工業用水道事業の経営健全化を図るため、工業用水道事業会計に対して出資しようとするものであります。
 250ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当に要する経費の一部について、それぞれの会計に対して負担をしようとするものであります。
 以上で環境生活部関係の説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇吉田昭彦委員 鳥獣保護費に関連をいたしましてシカ対策、カモシカ対策についてお伺いいたします。
 シカ、カモシカの生息状況をどのように把握されているかお伺いしたいと思います。
 それから、農林業被害は、これは被害額が年ごとに減っているというデータになっておると思いますが、実際は農業者、林業者、大変な不安に侵されているというのが実態ではないかと思うわけでありますが、この農林業被害に対してどのような認識をされておるか。
 第3点目は、昨年の11月に保護管理計画の策定を行ったようでありますが、これは、各地域の個体群の安定的な維持及び農林業被害の軽減を図り、もって人とカモシカとの共存を実現することを目的にカモシカ保護管理計画が策定されておるようでありますが、これのこれからの進め方、それから市町村とのかかわり、このことについてまずもってお伺いしたいと思います。
〇鈴木自然保護課総括課長 まず、シカ対策、カモシカ対策ということでの生息状況のお尋ねでございますが、シカにつきましては、以前にヘリコプターで調査いたしましてある程度の数を把握してございます。シカの第2次計画をつくった際には、五葉山周辺を中心にシカがかなりいると、ヘリコプター等を使って調査いたしましたが、それで2、000頭を目標に調整するということで進めてきてございます。ただし、この際のヘリコプター調査というのは、見えるものということでございましたので、改めて今度計画が切れる場合には再度調査したいと思っております。
 それから、カモシカでございますが、実はカモシカというのは全県におりまして、特定の場所を選んで調査するということができないものですから、カモシカが実際に生息しているという場所を選んで調査をいたしました。その結果、一応26カ所15年度に調査したのですが、それによりますと26カ所の平均は、平方キロメートル当たり2.76頭という形になってございました。ただし、これを全県に当てはめるというわけにはいかないと思います。
 2番目の農林業被害の方でございますが、委員御指摘のとおり、かつては、例えば林業被害が3億円超えるといった時代もございましたけれども、少なくとも最近の被害を見ますと、例えばシカの場合は、林業被害が被害額で平成15年度は5、300万円、それからカモシカの場合ですと2、500万円といったぐあいに減ってはきております。ただ、実際、これは農林水産部の調査でございますけれども、必ずしも全員が申告しているわけではないという実態もあるようでございますので、その辺は調査の精度を今後高めていきたいと考えてございます。
 それから、3番目の保護管理計画のこれからの進め方でございますが、おっしゃるとおり県計画は昨年11月につくりましたが、この計画ではカモシカの保護管理施策の主たる実施主体は市町村と位置づけてございます。したがいまして、個体数調整――いわゆる捕獲でございますが――をして被害対策を実施しようとする市町村につきましては、当該市町村におきましてカモシカ保護管理実施計画というものをつくることにいたしております。ということで、今後は市町村におけるその実施計画作成に対する助言といったことを進めてまいりたい。それから、カモシカを捕獲するための必要な許可手続、そういったものについても助言してまいりたいと考えてございます。そういった市町村での実施計画作成を経まして、実際に個体数調整を実施する時期は、捕獲に適した時期ということを考えますと、おおむね本年の12月以降になるのではないかと考えてございます。
〇吉田昭彦委員 先ほど部長の説明の中で、特定鳥獣モニタリング調査事業の中でカモシカの適正化に向けての調査をという説明がありました。これはどのような形で調査をされる内容のものですか。
〇鈴木自然保護課総括課長 それは、例えば生息状況を調査するというよりは、そういった市町村の実施計画を受けまして、県として保護管理検討委員会等で検討すると、それから実際に捕獲したカモシカについてその個体の調査、例えば生物学的にどういうものだと、どんなものを食べているかとか、そういったことを調査するための経費でございます。
〇吉田昭彦委員 個体数調整、それから適正化に向けての実施計画、これを市町村にというお考えのようでありますが、本来県がやるべきことを市町村に転嫁をしていると考えられませんか。それと、今、課長の説明があったように、市町村に適正化に向けての実施計画をやらせる、そしてどれが適正なのかという判断基準がどのような形になっているのか、それらについてお伺いします。
〇鈴木自然保護課総括課長 カモシカの保護管理の全体計画につきましては、当然県の責任で策定いたします。ただし、実際に駆除しようという場合になりますと、これは有害駆除というものは市町村といいますか、その被害を受けている方々がやるというのが原則でございますので、そのための計画でございますので、市町村に例えばここの地域のこのカモシカを駆除したいといったものは、市町村でないとつくれないということで、市町村につくっていただくということでございます。
〇吉田昭彦委員 少しわかりました。それで、再度確認をさせていただきたいのですが、助言指導は、これは当然県においてしかるべき指導をやっていただかなければならないと思いますが、財政的な面の支援等はその中に含まれているのかどうか。いろんな調査をやるにも、実施計画をつくるのはその市町村にとっての市町村に関係する事項ですから、それはよろしいと思いますが、その個体数調整に向けたいろんな諸調査が必要になってくると思いますが、それについては県としてもどの程度か考えるべきではないかと思いますが、この点についてはどのようなお考えになっているかお伺いします。
〇鈴木自然保護課総括課長 確かに市町村も財政的に大変だということで、それは承知してございます。しかし、それは県も同じでございまして、原則としてそういった有害鳥獣の駆除というときは、正直申し上げますと、我々環境生活部としては許可をする立場、実際にその駆除のために要する経費というのは、本来的には農林サイドといいますか、被害を受けているサイドが駆除を申し出るわけですから、そこで負担していただく。そこで財政的に大変だということであれば、そちらサイドでの補助が筋かなと思っております。
〇吉田昭彦委員 そちらサイドというのは、農林業サイドという意味ですね。それはシカ対策、いわゆる保護、それから適正化に向けての調整、それから被害対策、これらの県庁内の連絡調整の所管は自然保護課で、環境生活部でやっておられると私理解しておりましたが、あっちだこっちだの議論ではなく、それをどうするかという調整を、連絡会議の所管をしておられる環境生活部が担当しなければならないと思います。これはどうですか。部長、どうですか。
〇中村環境生活部長 シカ、カモシカについての今お尋ねなわけですけれども、シカにつきましては、この被害防止に対してのいろいろな助成措置も今までも継続してやってきた経緯がございまして、今回新たにカモシカにつきまして、具体的なその実施計画ができる、それに向けてどうするかということだと思うのですけれども、基本的な考え方は、ただいま自然保護課長が答弁申し上げましたように、原則的には県がその許可をする、あるいは技術的ないろいろな助言、指導と言っていいのかどうかわかりませんけれども、県が持っているノウハウをいろいろ提供いたしまして、駆除の実効が上がるようなことを県は一緒になってやっていくという考え方でございまして、助成についてまだ、そこまで、カモシカについてはシカみたいに群れではなくて個体でいきますものですから、その駆除の方法もかなりシカとはやり方が違ってくるのではないかということもございまして、そういう意味で具体的に補助というところまでまだ話が進んでおりません。まず、どうやって駆除をするのだと、それのノウハウをこうやったらという、既に先行して実施している県の状況等もございますので、そういう段階でございますので、今のお話につきましては、実態としてどのぐらいの経費がかかるのかと、それに対してだれがどのように負担すればいいのかという、そういう検討はこれからということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、何部、何部ということではなくて、県は県で最終的には一本になってやるものでございますので、今後そういう形で検討していきたいと思います。
〇吉田昭彦委員 わかりました。これからスタートする、まさに保護と調整、それから基幹産業である農林業の被害防止という観点で、いろんな角度から調整を図っていかなければならないことではないか、そういう意味では平成17年度からスタートする事業でもあると思いますので、これについては市町村との連携を密にしながら対策を講じられていただくことを要望しまして終わります。
〇千葉伝委員 岩手県と青森県のいわゆる産業廃棄物の不法投棄の問題に関係しまして、予算に関する説明書は133ページに、県境不法投棄現場環境再生事業費として27億7、000万円余りが計上されております。これに関連しまして、私、昨年の2月議会の代表質問でもお聞きした経緯があるのですけれども、この分につきましては、一昨年6月に、20世紀の負の遺産を一掃する特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法が成立して、不法投棄現場の原状回復の見通しというものが明らかになってきたということであります。その後、私が昨年聞いた分では、原状回復に向けたその実施計画というものが国に対して出されているということ。そしてまた、処理に当たってはさまざまな工事を進めるということで今日まで1年たっているわけであります。まず、最初にお聞きしたいのは、今どの程度までこの処理が進んでいるのか、その現状、進捗状況をまずお聞きしたいと思います。
〇根子再生・整備担当課長 青森県境の不法投棄事案についてでございますけれども、今年度の進捗状況ということでございますが、平成16年8月から無害の野積み廃棄物の撤去を開始しております。それで、12月末現在で、行政代執行で全量18万8、000トンに対しまして、約1万3、000トン撤去しているという状況でございます。1月、2月は冬季のため撤去は休止しております。
〇千葉伝委員 その処理の場合には、一つだけの方法ではなくてさまざま、いわゆる投棄されている内容が種類はいろいろあろうかと思っています。そういったことで何か選別のプラントを施設の建設もやっている、あるいはその廃棄物の撤去をするためには、選別プラントの建設と並行して進めるということで進めているはずと承知しております。そういったことで、では廃棄物の種類によってその処理の方法というものは、どの程度大別されて処理されているか。ちょっとそこの部分をお聞きしたいと思います。どこでどのように処理されているかというのをあわせてお伺いします。
〇根子再生・整備担当課長 今年度の処理でございますけれども、先ほど申し上げました1万3、000トンにつきましては、大船渡市の太平洋セメント大船渡工場で処分しているという状況でございます。それから、御質問にありましたように、現地では今、選別施設の建設中でございます。
〇千葉伝委員 太平洋セメントでやっている、私、中身、どのように大別されたものがどこで処理されているかということでお聞きしました。場所はわかっているのですが、その中身はどういうものが行っているか。あわせて、太平洋セメントだけしかその中身が処理できないのかどうか、ほかではできないのか、あわせてお伺いしたい。
〇根子再生・整備担当課長 現在処理しておりますのは汚泥状のものでございます。これについては現在太平洋セメントの方で処理できるということで処理しております。それから、あと今後の処理につきましては、県境現場の施工システムの基本設計の中で、県内の四つの産業廃棄物処理施設につきまして、これを受け入れ可能施設と位置づけております。これらを可能な限り活用しながら撤去してまいりたいと考えております。
〇千葉伝委員 今やっているのは汚泥の分ということで、同じように処理できる施設が県内にほかに四つ施設があると、プラス4ですね……、合わせて4、失礼しました。そういうことであれば、いわゆる県境という、一番北から大船渡市の一番南まで運んで今処理をしている。そうしますと、いずれ27億円という経費がかかると、総トータルで221億円たしか総事業費見込んでいるはずなんですが、そこを考えれば、可能な限りコストというものを下げて、あるいはその処理する場所を1カ所だけではなくて可能な限りふやして、早期に撤去するというのがこれは目的だと思います。そういった意味でもう少しこの処理の場所も早目にそういったこと、これも入札か何かわかりませんけれども、やった上で進めるべきではないかと思うのですが、その辺は、例えばことしにそういうことを進める予定があるのか、ちょっとこの見通しもお伺いしたいと思います。
〇根子再生・整備担当課長 御承知のとおり、不法投棄廃棄物が大量でございます。それから、その性状もいろんな多種多様なものがございます。それからあと国のいわゆる支援の根拠になる特措法――産廃特措法の期限が平成24年度内ということで期限決まっておりますので、いずれ可能な限り、地元の皆さんの最大の願いである汚染源の早期全量撤去ということでありますと、可能な限りこの4施設以外の処理施設、対応可能な処理施設の活用も検討する必要があると考えております。
〇千葉伝委員 いずれ、今後の処理に当たっては万全を期してというのと、その処理の分についても、いろいろとほかの方で可能な限り進めていただきたいと思います。
 27億円の予算を来年度ですか、使うということで、その分の中には環境関係のモニタリングとか、そういったこともたしか入っていますよね。そういったことで、最近新聞でちらっと見たのですが、岩手県と青森県のその問題でまだ懸案事項というのか、問題になっている事項というのはあるのか、あるとすればどういうものがあるのか、それに対して今どう対応しているか、今後どう対応していくおつもりか、そこの分を部長でも、お願いしたいと思います。
〇中村環境生活部長 御指摘いただきましたように、この青森県境不法投棄廃棄物、早期全量撤去に向けまして一生懸命やっていきたいと思います。それで、懸案事項といいますか、まだ未解決になっている事項と申しますか、実はその18万8、000トンの不法投棄が岩手県分で今あるという、そのエリアの隣地にも廃棄物の不法投棄がされているのではないかと、隣地も牧野なんですけれども、エリアは青森県のエリアなんですが、そこにも不法投棄されたものがあるのではないかということが、青森県のエリアだけれども川の流域が岩手県にその水が流れてくるというところがありまして、岩手県側の住民の方がそういう疑念を抱いております。
 この疑念、不安を解消するためにボーリング調査をして、不法投棄の廃棄物がその牧野の下に埋められているのかいないのかを確認したいということを申し立てまして、青森県はそれを了解いたしまして、ボーリング調査、調査費を組んでおります。組みましたけれども、その土地所有者であります牧野組合の方々が、そんなことやってもらっては困るのだということで拒否をしておりまして、そこのところがまだ結論を得るに至っておりません。この件につきましては、基本的にはその土地所有者である牧野組合と、その流域下流に居住いたします岩手県の住民の方との問題だとは思いますけれども、そうは言いながらも、県といたしましても、住民の方の不安を解消するということがやっぱり一番大事なことだと思いますので、県といたしましては青森県にそういうことで早期調査――調査をすることによって不安が解消されると思います。あるいはもし本当に埋もれているのであれば対策を講じなければならないわけですけれども、まず調査をすることが必要だと思いますので、県といたしましても住民の方々とともに、青森県に対して早期調査をしていただくように要請をしておるところでございます。この点がまだ両県で懸案になっている事項でございます。
〇千葉伝委員 処理を早期にという話と、一方ではまだそばに相当不安な分を抱えているということで、鋭意それに対しての解決に向けてお願いはしているということなわけですね。そうすると、持ち主がだめと言えば最後までそこは検査されないというか、ボーリングされないのかと、こういうことになると、もう未来永劫それでいいのかという話になると思うのですが、例えば、強制的に法でできるかどうかと、こういうあたりの分、ちょっと私よくわからないのですが、それが可能なのかどうか、そこの分。
〇中村環境生活部長 土地所有者と地元住民の方の意見が一致しない、合意にならないときは、最終的には訴訟による決着ということが、法治国家日本の最終的な解決方法だと思いますけれども、そのほかにも、言うなれば、その水質が汚濁されているおそれがあるとかという、ある意味で、広い意味では公害的な要因もございます。そういうものでございますとそれなりの、特別法に基づく調停制度とか、そういうようないろいろな制度もございます。どうしても合意に達しないけれども、このままで終わらせたくないというようなことであれば、そういう形の一歩進んだ、要請ということを超えた次の制度へということはあるわけでございますが、それを行うかどうかの判断は県が行うのではなくて、原則的にはその住民の方がどういう方法を選択するかということになるわけでございまして、もし住民の方が、解決に至らないものをもう一歩進んだ形での解決をしたいのだと、そういう選択をされるのであれば、県は県の立場で必要な資料提供、助言、指導等々を行っていきたいと考えております。
〇千葉伝委員 いずれ、鋭意その早期解決ということで御努力をお願いしたいと思います。終わります。
〇田村正彦委員 1点だけお尋ねします。環境首都いわてを目指して御努力いただいておるわけですが、その中で重要な位置を占めておると思うのですが、産業廃棄物処理業者ですね、これの健全な育成というのは岩手県独自に自主的な組織をつくって優良化に当たって努力なさっておるようなんですが、現在までの優良業者というんですか、その組織の中に入っていただいて頑張っておられる業者というのは何件ぐらいあるのか。そしてまた、一方では自社処理というんですか、自社処理の許可をとって自社処理をしている業者も中にはたくさんおられるようなんですが、その自社処理の実態というんですか、それは概略でいいんですけれども、どの程度あるものか、それをお知らせいただきたいと思います。
〇滝川資源循環推進課総括課長 最初の本県独自の制度である業者のいわゆる格付、これの認定をとっているのは現在のところ114業者でございまして、一定の基準を満たして優良な処理業を行っている。
 もう一点のお尋ねの方なんですが、自社処理とおっしゃいましたけれども、これは認定をとらないで業をやっている業者という意味であれば、正確な数字は刻々動いているのですが、業としては県外も入れて約1、100社程度、これ以外にですね。許可業者としては1、100から約1、200程度と考えております。
〇田村正彦委員 今御答弁にありましたとおり、認定をとらない業者というのは結構数が多いようなんです。一方で貴重な税をつぎ込んで優良な業者を育成していくと、県の行政上そうやって育成しているのですが、一方では無認可――無認可というんですか、自前で処理している業者も――業者というか、会社もあると。そういった中でよく言われることは、表面上は確かに自分たちで処理するという形でやっているのだけれども、実態として、例えば解体した材木を他社から受けて料金を取って処理していると、こういう訴えが結構あるんですよね。そういったその実態の把握というのは一体どうなっているのか。そして、もしそういった業として、やみでおやりになっているそういった者に対して、どういうふうな行政指導なり監督なりこれからしていくつもりなのか。片や育成していて、片やそういうのが野放図ということでは、とてもじゃないけれども環境首都いわてを目指す立場にすれば、相矛盾するのではないのかと考えるので、ぜひそのところの御見解をお尋ねしたいと思います。
〇滝川資源循環推進課総括課長 お話の内容ですと、例えば建設業で解体を行う業者で、本来は他社の解体したものを受けてそれを処理する場合は産廃処理業の許可がいるはずなのに許可を受けていない者がいるのではないかということでございまして、正直に言いますと、正確に何社あるかというのは把握し切れていません。逆にそういった情報がある場合は、県としましては直ちにその事業者に立ち入りして必要な指導をまず行います。許可が必要であれば許可をとりなさいと、そして今のやっている業は違反であるからやめなさいということでございますし、それに従わない場合は告発もするということでございます。また、そういった情報をこちらから積極的に集めるためにも、産廃Gメンという、特にそういったことを、情報を集めたり監視する制度を持っていまして、この中で、昨年度は特に1万件を超える立入調査等々行っております。その中でこういったものを発見して指導してきた経緯もございますし、もしそういった情報があればぜひ積極的に地方振興局なり本庁の方に御連絡をいただければ、直ちにそういったのに対応する体制にはなってございます。
〇平野ユキ子委員 私の方からは2点お伺いいたします。
 1点目は、雫石山林ほか県内6町村、21カ所の山林に埋設されて放置されております6、070キログラムもの2・4・5-T系除草剤に関して、その後の経過をお伺いいたします。昨年度は5年ぶりの土壌調査も行われたということですので、毎年行われております水質調査の結果とあわせてお伺いいたします。
〇熊田環境保全課総括課長 この問題は、埋設処分者であります、また、処分地の管理者であります国に責任があるということから、これまでも関係市町村等で構成する協議会におきまして、国に対し撤去を含む恒久対策を実施するよう要望を行ってきました。具体的には、平成16年5月21日に東北森林管理局の青森事務所に私が行ってまいりました。それから、同じく6月14日に東北森林管理局、秋田市ですけれども、中村部長ほか3市町村の首長さんが要望に行ってまいりました。これに対しまして国の方では、現在のところ環境汚染は認められておらないので現状では安全と考えている。しかし、今後、技術開発が進みその処理の技術が実用化されれば、専門家の意見を踏まえて恒久対策を実施していきたいという返事がございました。
 それから、2点目の水質検査の結果でございますけれども、平成16年度の河川の水質調査、8カ所で行いました。いずれもダイオキシンによる汚染は認められませんでした。ちなみに平成17年度も同じ8地点で調査をする予定でございます。(平野ユキ子委員「土壌調査は」と呼ぶ)
 土壌調査でございますけれども、土壌調査は5年に1回、平成10年に行いましたし、それから平成15年に行いました。ですから、5年に1回ですから次は平成20年ごろの予定をしております。これは国が行う調査でございます。
 平成15年度の調査は、土壌1カ所、それから水質調査10カ所を行いまして、いずれもダイオキシンによる汚染は認められませんでした。
〇平野ユキ子委員 昨年お伺いしたときには、土壌調査の結果はこれからですということでしたのでお伺いいたしました。昨年もお伺いいたしましたし、これまでにもほかの委員の方々からも何度か質問が出されているようですが、ただいまお話しいただきましたように、国の責任で放置されているのに、毎年検査の予算をとって県で安全を確かめるというのは、どうも筋違いなような気もいたしますし、環境首都いわてを目指すというただいまのお話にもございましたところ、問題として無視されるべきではないと思いますので、くどいようですがお伺いいたしました。放置されて20年ぐらいになって、環境汚染がないので安全と認めるというふうな国の回答が毎年あるということは、このままですと余り動かないのではないかと思っております。非常にこれは危険な、ベトナムで使われた枯れ葉剤系の催奇性のあるダイオキシンを含んだ除草剤ですので、環境汚染が出てからでは非常に遅いのではないかと思っております。何か対策として県民の世論を喚起する、割合に知られていないですね。皆さん、県民の方は意外とこういった毒物、除草剤が埋設されているということを知らない方が多いので、県民の世論を喚起する意味で広報活動を展開するなど、何らかの方法をとられるお考えがあるかということもお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇熊田環境保全課総括課長 今後とも盛岡市、雫石町、県、関係市町村と一体になりまして、粘り強くその恒久対策を要望していくということで、積極的に危ない、危ないというPRのところを行うことは今現在考えておりません。
〇平野ユキ子委員 環境先進県を標榜する岩手県としては、ぜひ国に再度強く撤去を要請して、県民に本当の安全・安心をもたらしていただきたくお願いいたします。
 中村部長におかれましては、今年度をもって勇退と伺っております。勇退のごあいさつ聞けなくて残念でございますが、この環境問題につきまして鋭意取り組まれましたこと高く評価されていると思います。殊にも青森県境の産廃問題におきます、県民の立場を考えて鋭意、毅然として国に対して対応した姿勢は高く評価されるところであると思います。今後も後任の部長によろしくこの問題も引き継ぎをお願いいたします。
 2点目は、DV法改正に伴っての取り組みについてです。
 昨日、警察本部での審議の際に質問させていただき、岩手の実態についてお知らせいただいたところです。青少年・男女共同参画課では平成17年度の新規事業として、配偶者暴力防止対策推進事業に事業費257万6、000円を計上しておりますが、この内容を具体的にお知らせください。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 配偶者暴力防止対策推進事業、これは新規事業でございますが、近年、非常にDVの相談件数が増加傾向にあることと、それから平成15年に実施いたしました実態調査、これなどを見ますと、まだまだこのDVというのが社会の中に知られていない、それから表にまだ出ていないのではないか、そういう状況がうかがえたところでございます。ですので、この配偶者からの暴力というのは、これは重大な人権侵害であるんだと、これは男女共同参画社会の形成を図る上でも非常に重要課題だと、そういう観点から、今般、DV法の一部改正に伴って義務づけられました県のDV防止に関する基本計画の策定と、それからあと関係機関の連携強化を図るという意味でのDV防止対策マニュアルの策定、それから県民の皆様にいろいろと制度とかそういうものをきちんと知っていただくためのさまざまな普及啓発活動をやっていきたいということで、この新規事業を実施しようとするものでございます。
〇平野ユキ子委員 平成15年度のDVに関する相談件数は343件ということで、17年度目標件数を500という数字がここに出ておりますけれども、何かDVの目標500というのは、DVの相談件数目標を掲げるというのはちょっと変な気がするのですが、500にふやすということ、それだけふえることを目標にするというような気がして変な気がしますが、それだけ今、松岡課長がおっしゃられたように、潜在件数が予測されるということに当たっているのではないかと、そのようにとらえております。いずれ社会的弱者というのは声を上げることができない人々を言うわけですから、DVも本当に社会的弱者ととらえられますし、効果的な啓発活動に取り組んでいただきたいと思います。平成16年度はまだ終わっていませんが、この数値の中に16年度の件数は出ていないのですが、現在までで何件ありますでしょうか。この平成15年度の343件に比べてふえているかどうか、それをお伺いいたします。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 配偶者暴力相談支援センター、これは教育福祉総合相談センターでございますけれども、ここで平成16年度に受けた相談件数というのは、17年1月現在で291件となってございます。それで、平成15年度の1月現在では287件ですので、291件と287件ということですので、まずほぼ、ほんのちょっとだけ増加ぎみという、そういう状況でございます。
〇平野ユキ子委員 平成17年度はさらにふえそうな予測を立てて頑張っていらっしゃるのかなと思われますが、いずれ非常にいい取り組みなのではないかと思います。今後もぜひ効果的な啓発活動として頑張っていただきたいと思います。
〇樋下正信委員 私は、有害図書の件でお聞きをしたいと思います。
 最近、地域を車などで移動していると、ところどころで自動販売機で成人向けの雑誌とかビデオテープなどを売っているところを見る機会が多いのですけれども、多くなっているんですよ、本当に、冗談じゃないですよ。成人の人、大人の人が買う分には問題ないと思うのですけれども、人通りもなく少ないところであれば容易にその自動販売機から買うことが青少年といいますか、未成年の方々、買えると思うのですけれども、それがひいては犯罪につながる場合もあるのではないかと危惧されるところです。この自動販売機の設置について環境生活部ではどのように、県内か盛岡市内かわからないですけれども、把握しているのかお聞きしたいと思いますし、これは許可制になっているのか、なっていないのか。許可制になっているとすればどのように指導しているのか。いずれ学校の通学路などに特に設置されているような場所は、どのようにその業者に指導しているのかお聞きしたいと思います。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 有害図書の自動販売機の設置状況でございますが、現在、県内で238台ございます。市町村でいきますと38市町村に設置されているという状況になってございます。それで、これにつきましては届け出制でございます。どのような指導をしているのかということでございますが、私ども毎月環境浄化審議会というのを開催いたしまして、青少年には売ってはいけない、見せてはいけないというそういう有害図書とかビデオテープというのを、これを指定してございます。そして、指定したものにつきましては、本屋さんとかコンビニとか、それからあとは自動販売機の設置業者とか、あとは関係団体、約2、000の団体・個人に、これが有害図書ですと、青少年には売ってはだめですというのを、それを通知いたしまして、そしてそういうことがないようにというような指導をしているところでございます。
〇樋下正信委員 実は、私の地域でも地元の方々から、学童というか、小学生が通る道路沿いに新しく設置されたところがあるんですよ。地元の人たちから、ああいうのを設置して子供たちというか、通学しているときに興味本位に見たり中に入ったりというようなこともあると思いますし、いずれそういうふうな地元の人たちからも心配の声がありますので、ぜひその辺をその業者さんの方々に、特に通学路とか何かはやっぱり設置されては困るのではないかと私思うわけでございますので、その辺の指導をよろしくお願いしたいと思います。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 こういう関係業界とは定期的にそういう話し合いを持ったりもしてございます。それから、地域住民の皆さんが立ち上がって、撤去するようにという運動とか、そういうものもやってございます。ですので、そういうことをやりながら、それこそ通学路に防犯灯があるような、そういう環境というものを改善していくような方向で取り組んでまいりたいと思います。
〇関根敏伸委員 私の方からは、2点につきましていろいろ教えていただきたいと思いますので、御質問いたします。
 まず、食育推進につきましてお聞きいたします。
 平成17年度に食育推進のための新規事業ということで各部局横断的に事業が実施されるようでございますけれども、事業の概略と部局ごとの関連性、連携体制がどのようになっているのかまずお聞きいたします。
 あわせまして、かなりの部局、四つの部局にわたると思いますが、事業の主導はどこが担うことになるのか。
 それから、食育の基本方針を策定する観点はどのようなものなのか。最終的に、事業の目的とする40の政策に掲げられるスローライフを基調とした食と森の先進県、これにどのように結びつけていくお考えであるのか、この点につきましてお聞きいたします。
〇菊池食の安全安心推進担当課長 まず、新規事業の具体的な内容はどうなっているかということでございますが、一つは、食育の推進計画を策定するという事業がございます。それから、岩手食育支援事業は、20市町村を対象といたしまして学校を選定して、それらの学校に対しまして食育の講座を複数回実施するというものでございまして、これにつきましては担当部局が生活福祉部でございますけれども、ここに農林水産部の方で育成しました食育ボランティアなどを派遣したり、さまざまな形で連携をして取り組むことといたしてございます。
 そのほかに、食育の支援人材派遣事業は食育ボランティアを育成するということで、これは農林水産部でございます。さらに、岩手食育首都圏交流事業、これも同じく農林水産部でございます。それから、教育委員会におきましては、食の安全安心親子探検隊ということで、全小学校を対象として、3年間で一巡いたしますけれども、子供たちと親が一緒になりまして食の生産現場あるいは製造現場に参りまして、それぞれそういう取り組みを実体験する、そして、それを親子で話し合いをしながら発表もするという取り組みでございます。
 これらに関しまして部局間連携はどうするのかということですが、食育というものは取り組む分野が複数の部局にわたってございますので、食の安全・安心の推進と同様に環境生活部が全庁調整を行いまして、それぞれの部局が連携・協力をしながら進めていくということを考えてございまして、本年度の事業はただいま御説明申し上げましたけれども、環境生活部、保健福祉部、農林水産部、教育委員会が連携をして検討したものでございます。
 それから、計画の基本的な考え方ということでございますが、食育の基本方針につきましては、平成15年8月に策定いたしました岩手県食の安全・安心に関する基本方針がございます。これを踏まえて策定することとしてございますが、食育を推進するために、子供たちの成長に身近な存在ということで、家庭、学校、地域のそれぞれの役割、連携の方法、あるいはこれらに対して行政がどのようにかかわっていくかということにつきまして具体的な取組方向を示すものとしたいと考えてございます。
 それから、スローフードのお尋ねもございましたが、策定に当たりましては、本県が食料生産県であるということ、それから、豊かな自然と伝統にはぐくまれました食文化などにも恵まれてございますので、これらを十分踏まえまして、岩手らしさを出した内容としていきたいと考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 これは、今、国会で審議中の食育基本法案に絡んだ事業と理解するわけでございますが、法案自体は、今、審議中ということで理解してよろしいんですよね。
 ちょっと突っ込んでお聞きいたしますが、食育という限りは、かなり長いスパンで、教育以外の生活習慣であるとか食生活そのものにかかわるものだと思いますので、かなり長期間の事業実施なり取り組みが必要だと思うのですが、その辺につきましてはどうお考えになっているのか。
 それから、国との連携の中で区域特性を生かした施策というものがたしか盛り込まれていると思いますが、それについてはどのようにお考えになっているのか。
 それと、先ほど御答弁にございましたが、まさに食料生産基地ということで、我が県にとりましては非常に重要な政策的な施策だと考えておるわけでございますが、生産者と消費者の食に対する乖離がこの背景にあると思うんですが、これに対する具体的な取り組みの施策はどのようなものを考えているのか。
 それから、最後になりますが、こういう質問をしていいかどうかわかりませんが、今、国会で審議中の食育基本法案が審議の過程でどういう形になるかわかりませんが、国の法案の成立の有無がこの施策・政策に影響を及ぼすものであるのかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。
〇菊池食の安全安心推進担当課長 現在、国の方で食育基本法案が審議されておりますけれども、今回の食の推進というものにつきましては、本県のニーズに従いまして、国の食育基本法の経過もにらみながら策定することとしてございます。
 この法案を見ますと、岩手らしさとかそれぞれの地域特性というものを考えてございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、本県はやはり食料生産県であるということ、それから、地域に根差した食文化、あるいは同じように食料生産県でも安全・安心な取り組みをしてございますので、そこと、地域それぞれの持つ、これは食育の対象となりますのはあくまでも子供たちでございますので、子供たちの環境を見ますと、同じ岩手県の中でもそれぞれの地域特性というのは出てくるんだろうと思っておりますが、総じてそのようなものをできるだけ地域地域で実現できるように、その辺を計画の中に盛り込んでいきたいと考えてございます。
 特に生産者と消費者の乖離というお話がございました。これは、現在、食の安全・安心の方でも生産者と消費者をつなぐような形で意見交流をするようなものを設けてございますが、先ほどお話ししました親子探検隊などというものは、直接親子で生産現場に行ってその実態を見て、先ほど詳しくお話ししなかったんですが、その中で生産者とのお話し合いもしたり、そこで交流をして、子供たちが将来食に対する知識を高めて、自分でできる限り食育を選択できるような力を得られるようなものにしていきたいと考えているところでございます。
 最後に、基本法案の行方についてどうなのかということでございますが、これにつきましては、それをにらみつつということで考えてございますが、国の計画につきましては基本的に取り入れていきたいと考えてございますが、岩手として、岩手らしさはどうかということをまず議論していきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 国との関係につきましてはお答えしづらいと思いますし不透明な部分もあると思うんですが、個人的には、岩手らしさ、岩手スタンダードの非常に根幹的な事業ではないのかと思っているわけでございまして、ぜひ積極的な推進をお願いしたいと思っているところでございます。
 次に、消費生活条例についてでございますが、担当委員会で詳しくもまれることになるかと思いますが、内容につきまして若干お聞きいたします。
 まず、関連することになると思いますが、県民生活センターに寄せられます消費生活に関連する苦情等の実態、数、それから、ここ数年間の傾向的なものがもしあればお示しいただきたいと思いますし、それにあわせて、引き続きお伺いいたしますが、消費者保護条例がこのたび消費生活条例ということで全面改正されるわけでございますが、この辺の苦情等の実態を踏まえての恐らく改正もあると思います。ポイントになる部分等ありましたら教えていただきたいと思います。
〇稲田環境生活企画室長 消費生活条例にかかわります御質問で、県民生活センターと地方振興局の消費生活相談室に寄せられた相談件数でございますけれども、苦情相談につきまして、平成15年度は1万3、295件ございました。これは、平成10年度の5.4倍となってございます。
 消費者苦情の主な特徴ですけれども、電話勧誘販売とか訪問販売、通信販売などの店舗以外の、いわゆる特殊販売に関します苦情相談がふえておりまして、平成15年度では1万1、136件ございました。これは前年度に比較いたしまして58.2%の増加となってございます。特にも、電話で高額な教材を売りつけます資格商法と言われるものや、高齢者に被害が多いSF商法と呼ばれるものなどの悪質商法に係る苦情相談が多く、8、551件で、これは前年の2.3倍となってございます。また、最近は、身に覚えのないインターネットの利用料金などの支払いを求められる不当・架空請求に関する相談がふえてございまして、これの苦情相談件数は、平成15年度は7、411件ということで、前年度の3.8倍となってございます。
 こういう状況にかんがみまして、今回、消費生活条例を提案しておるわけでございますけれども、条例改正のポイントはたくさんございますけれども、特に実効面でのポイントを三つほど申し上げますと、一つは、消費者契約の適正化のための知事の権限を強化するということでございます。具体的には、販売目的を隠して勧誘して高額な商品を購入させるなど、近年増加しております消費者被害に対応するため、不当な取引行為として禁止する取引の範囲を現在の条例よりも大幅に拡充するということでございまして、不当な取引を行う事業者に対する知事の権限を強化いたしまして、指導、勧告、公表に加えまして、立入調査、事業者への資料の提出要求、調査結果の情報提供の規定を設けることにしてございます。また、架空請求等で事業者が特定できないケースにおきましても、被害の拡大と未然防止を図るため、請求元に関します情報を県民に提供いたしまして被害防止に努めてまいりたいと考えております。
 ポイントの二つ目は、消費者苦情等の適時適切な解決を図るということでございます。このため、消費生活審議会に紛争解決部会を設置いたしまして、苦情、紛争の適切かつ迅速な解決を図るため、機動的に対応できる体制とすることを考えてございます。
 ポイントの三つ目は、消費者教育の充実でございます。具体的には、消費者が基本的な取引の仕組みを理解し、適切な選択をすることができる能力を身につけることによりまして悪質商法による被害を未然に防止するため、新たに夜間や休日における啓発講座の開設や定期的な情報提供を行うほか、あるいは教育委員会や市町村と連携しまして消費者教育の指導者の養成講座を開設するなど、消費生活に関する知識の普及啓発や情報の提供に努めて消費者教育の充実を図ることとしてございます。
〇関根敏伸委員 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。
 この内容につきまして再度若干質問をさせていただきますが、第6条に国への要請という部分がたしか規定されておるんでございますが、これはどういったものを想定しての規定になっているのかお教えいただきたいと思います。
 それから、今御説明いただきましたとおり、県の責務、また、それに伴います実質的な業務がかなり拡大すると思っておりまして、当然だと思うんですが、それに伴う部局の体制ですとか組織体制がかなり大がかりになるんじゃないのかという印象を受けるわけでございますが、その辺につきましてはどのような対応をされるのかということでございます。
 それから、第3点目でございますが、今は説明の中に触れておらなかったわけでございますが、確かに苦情の実態等々を見ますと、本当に前年に対してかなり大きな苦情実態が報告されておりますので、この改正はまことにそのとおりだと思っております。特に最近の企業倫理の欠如であるとか法令遵守の意識の低下など、本当に大変なものがあると思いますので、全くそのとおりだと思っております。
 片や一方で、保護条例は昭和50年ですから30年前に制定されたものでございまして、かなり大きく変化しているものといたしまして、消費者と生産者の情報量の差――情報格差を前提としてこの条例が規定されておるわけでございます。確かに、消費者個人個人は高齢者であったり判断能力の低い未成年者であったりする場合もありますから、情報格差というのもかなり生じてくることは理解するわけでございます。一方、消費者団体ということになっていきますと、かなり消費者団体自体物すごい情報力であったり、いろいろな面での影響力、いろいろな面での存在というのが非常に大きいと私は思うわけでございます。ですから、30年前と今の消費者、消費者団体の実態を踏まえて、消費者団体の役割ということも規定されておるようでございますが、その辺の認識をどのようにお持ちの上で消費者団体等に対する役割を規定されようとしているのか再度お聞きしたいと思います。
〇稲田環境生活企画室長 まず、国への要請の規定はどういう趣旨かということでございますが、消費生活にかかわります問題というのは、県とか市町村とか一公共団体にかかわる問題ではなくて国全体に大きくかかわっておりまして、今回、条例も提案いたしますけれども、実は、法律でいろいろな規制とかさまざまな消費者施策をやっておるわけですが、やはり根本的には法律でがっちりやっていくというのが何よりも肝心でございます。そういう意味で、岩手県内で起きているさまざまな課題で、県で対応できないものについては、やはり国にきちっと要請して必要な措置を講じていただくというような趣旨で県の要請として行っていきたいと考えております。
 それから、今回、条例を改正いたしまして消費生活施策を充実していくことにしておりますけれども、体制といたしまして、現在、センターに相談員の方が6人ございますけれども、1人ふやすということで、県内には全部で各地方振興局にも24人おりまして、そういうネットワークを強めながら、相談員の資質向上も図りながらやっていくということと、部局にいろいろまたがった施策を展開することになりますので、環境生活部がもちろん中心となりますけれども、関係部局からの調整を図るため、連絡組織を設けましてきちっとした連携を図っていきたいと考えておりますし、何よりも市町村との連携とか支援も行って、やはり住民の方が市町村に相談して、そこでなかなか解決できない場合は、県との連携のもとに、県がいろいろ広域な観点から相談に乗っていくということを考えてございます。
 それから、消費者団体の役割が30年前と変わってきたんじゃないかというようなことで、いろいろ事業者と消費者の間の情報の質とか量の格差というものはやはり大きくあるんだと。したがって、どうしても一個人では企業との関係でいろいろ弱い立場にあってなかなか自分の主張が通らないというようなことがあります。そういう意味で、消費者団体が消費者のかわりにいろいろな事業者と対応することも出てきましょうし、また、いろいろな形で消費者の支援をしたりして、あるいは行政と一緒になっていろいろな解決に向かうということで、消費者団体の役割というのはますます重要になってきていると考えてございます。
〇関根敏伸委員 御答弁いただきまして、組織的な充実という部分がちょっと不安に思う部分が若干私の印象としてありますし、消費者団体の役割、消費者団体への支援ということもこの事業の中に含まれておりますから、その辺につきまして、いろいろな部分で十二分に検討を踏まえて、十二分な体制のもとに条例の施行をしていただきますことを要望いたしまして質問を終わらせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 三つのテーマがありますから、一つずつまとめてそれぞれ聞きます。
 一つは、雫石のクリーンセンター問題についてです。私は、一般質問でも取り上げまして、環境アセスを実施するべきじゃないかという質問をしました。3月11日に県担当課の判断が出されまして、環境アセスが必要と。技術審査会で出された問題点を含めて、その理由を示していただきたい。
 今後、弁明の機会を含め、今月中に最終的要否の判定を下されますが、環境アセスを実施するとなると、どのような内容でどの程度の期間が必要になるのか。
 施設許可申請の手続に当たっては県の事前協議が必要となりますが、事前協議の項目、内容はどうなっているか。地域住民の合意も重要な内容と考えますが、いかがでしょうか。
〇熊田環境保全課総括課長 1点目と2点目について答えさせていただきます。
 2月23日に開催しましたアセス技術審査会の中で、委員から主に次の3点が出されました。計画地周辺に貴重な動植物が存在しているが、データが不足している。2点目が、事業予定地に隣接する住民の方々に施設の稼動に伴うばい煙による影響等について十分な資料を提供する必要がある。三つ目が、景観に配慮する必要がある。以上3点が主な意見として出されました。
 これらの意見を受けまして、去る3月10日付で、事業者に対しまして環境影響評価その他の手続が行われる必要があると判断し、お知らせいたしました。理由といたしましては、重複いたしますけれども、事業予定地に貴重な動植物が存在している。特に計画地周辺で猛禽類の営巣地が確認されている。工事の実施及び施設の稼動に伴い、これらの貴重な動植物の生息環境へ影響を及ぼすおそれがあるというのが第1点でございます。第2点目ですが、事業予定地において、隣接するところに多くの方が利用されている小岩井農場があるが、施設の稼動に伴うばい煙により、これらの人と自然の触れ合いの活動へ影響を及ぼすおそれがあるというものでございます。3点目は、事業予定地は、岩手山ろく・八幡平周辺景観形成重点地域内の田園景観形成区域に該当するなど、景観に配慮を要する区域と認められますが、施設の稼動に伴う煙突から排出される白煙――水蒸気でございますけれども――によりまして、地域全体の景観に対して影響を及ぼすおそれがある。以上3点を理由としてお知らせしました。
 次に、内容と期間でございますけれども、環境アセスが必要ということになりますと、通常のアセスの例のとおり、手続を実施していただきます。具体的には、調査・予測手法を定める方法書、次に、準備書、それから最後に、最終的な形での評価書という流れになります。
 なお、アセス手続は、事業者が自主的に行う手続でありますが、広く一般の意見を聞く必要がありますことから、公告・縦覧手続による県民の意見の聴取や雫石町長等からの意見を聞くことになっています。
 期間でございますけれども、通常は約1年半から2年かかると考えております。
〇滝川資源循環推進課総括課長 県の条例に基づきますこの施設に関する事前協議が行われる場合はどんな項目を審査するのか、協議するのかということでございますが、廃棄物処理法での許可申請時に求められる、例えば施設の構造の基準とか維持管理のやり方とか、そういった技術的な項目がほとんどすべて入っている。加えて、本県の条例の場合は、この事業計画を地域の住民等に説明しなさいということもつけ加えてございますので、それに基づいて、事業者が説明した内容を報告していただくということになってございます。
 県のスタンスとしましては、やはり地域の方々との合意形成を図るよう指導してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 雫石クリーンセンターは、小岩井農牧の農場と隣接した地域に建設が予定されていて、私は、大変これを危惧して一般質問でも取り上げました。地元の大宮議員もこれを取り上げました。大変説得力のある県の対応が出たと思いますから、ぜひ厳しくやっていただきたい。
 次に、第2クリーンセンター問題についてお聞きします。
 当初の計画と今の実施しようとしている計画は大幅に変更がされています。第2クリーンセンターの必要性の具体的な根拠、変更された中身、そして、処理すべき廃棄物と溶融炉の安全性、そして、環境アセスの今後の進め方、この点について示していただきたい。
 地域住民への説明が全くなされていません。計画の変更を含めて説明をして住民の理解と合意を得る、これが大前提となると思いますが、いかがでしょうか。
 建設予定地では、第2クリーンセンターの建設で、雇用がふえる、関連企業の誘致、固定資産税の増収などバラ色の夢が描かれています。私は、これには根拠がないんじゃないかと思うんですが、雇用の拡大とか関連企業の誘致とか、また、農業系廃棄物の処理だとか、こういうものはもうほとんど見込みがなくなっているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 PFIの検討がされています。やるとすれば平成17年度にはPFIの事業主体も決める、こういうスケジュールだと聞いていますけれども、私は、このPFIのこういうやり方で公共性はどのように確保されるのか、そのことをお聞きしたい。
〇滝川資源循環推進課総括課長 第2クリーンセンターに関するお尋ねでございます。
 まず、計画の変更内容でございますが、当初は平成21年度稼動を目指しまして、一般廃棄物と産業廃棄物をあわせて処理しようということで進めてまいりました。しかし、昨年10月に、県北地域の久慈、二戸の両広域の市町村から、財政事情等の理由によりまして、現有施設、今現在一般廃棄物を焼却している施設をなるべく長く使いたいということがございまして、一般廃棄物処理部門の整備を延期してほしいという要望が県の方にあったものでございます。県としましては、これはやむを得ないものと受けとめまして、全体構想、つまり一廃と産廃を同じ場所で処理するという基本的な枠組みは変えないものの、一廃は延期して、当初計画どおり進めるのは産廃の処理施設ということで、こちらの方は予定どおり平成18年度の着工、21年度の稼動を目指したいと考えてございます。
 次に、第2クリーンセンターの必要性等の根拠のお話でございました。本県におきましては、産業廃棄物の自県内処理をまず進めようではないか、そういう方針で取り組んでいるわけでございますが、実は、大体4万トンから5万トンぐらいの産業廃棄物――有害な産業廃棄物が多うございますが――が県外に運び出されて処理されている実態にございます。そういった自県内処理の受け皿として、こういったものを主な標的とした処理を行う施設が必要ではないかということが一つございます。
 また、今後は、産業廃棄物の処理は、単に処理するばかりではなくて、できれば資源化、リサイクルする。つまり、埋立処分をなるべく減らして、例えば今回計画しておりますような溶融スラグをつくってそれを再資源化しよう、こういった方向に持っていくという再資源化のモデルとしての役割も果たさせたいということも必要性の根拠になっているところでございます。
 さらに、処理しようとしている廃棄物あるいは溶融炉の安全性についてのお尋ねがございました。この第2クリーンセンターにつきましては、今お話し申し上げましたように、県外に排出されている有害産廃あるいは青森県境に不法投棄された廃棄物の処理もできる機能を持たせようと考えてございまして、そういった処理能力を備えること、また、資源循環の観点から、発生するスラグの活用を見据えた、先ほど申し上げましたような溶融方式をとろうとしているものでございます。
 この溶融炉の安全性の話でございますが、実は、溶融炉は、県内では一般廃棄物の施設として昭和55年から釜石市が導入してございまして、その後、最近まで、産廃を含めまして県内では四つの溶融炉が稼動してございます。稼動以来、重大な事故等はなく、これらは順調に動いていると理解してございます。ただ一方、溶融炉の形式につきましてはいろいろな技術革新等も進んでございまして、必ずしもすべての方式について評価が定着していないという面もあろうかと思います。
 この第2クリーンセンターのアセスはどういうふうに進めるかということでございますが、現在、事業主体がまだ確定してございませんので、県が実施主体となり、現在手続を進めている最中でございます。現在は、方法書に対する知事意見を待っている段階で、来年度は、恐らく順調にいけば準備書作成に取りかかることになろうと考えてございます。
 それから、地域住民への説明の話でございます。当然こういった施設は、地元への説明を十分に行い、また、その意見や要望を受けとめまして施設の整備計画に反映させていくことが地元の信頼をいただける施設になるということで、重要と考えてございます。今現在、計画の変更に伴う見直し等々で、説明の内容の準備を進めているといいますか調整を図っている段階でございまして、地元の九戸村と協議を十分行った上、地元の住民の方々には、十分に具体的な施設の整備の内容等あるいは環境安全対策等を含めまして説明をできる限り早く設けたいと考えてございます。
 第2クリーンセンターの効果の話がございました。この件につきましては、例えば、直接的な施設への雇用は確実にあるものと考えてございます。施設の規模、方式、管理のやり方等によりまして、今の段階でどれぐらい直接雇用があるかというのは明確には申し上げられませんが、例えば、大体同規模の江刺につくりましたいわてクリーンセンターの場合は、焼却炉の運転に関しまして大体30名前後の雇用が生じてございます。それから、この第2クリーンセンターが設置されるということで、企業にとりましては、企業活動する上で産業廃棄物の処理がかなり重要な仕事といいますか重要な事項になってございまして、その産廃を安心して頼める処理施設ができるということで、企業誘致に有利な条件と考えていいのではないかと思っております。さらに、例えば、今お話が出ましたけれども、施設が整備されることによって一定の固定資産税の税収が村の方には見込まれるということも言えるかと考えてございます。
 それから、PFIの検討状況あるいはPFIに関連した公共性の確保の話がございました。お話ありましたように、今年度、PFIによる事業化の可能性について調査してきておりまして、これまでに、このケースの場合、民間事業のノウハウの活用が見込まれまして、また、この事業の効率性につきましても十分な効果が期待できるということから、PFI事業として整備をすることが適当との方向性を出してございます。
 PFIに伴う公共性の確保についてでございますけれども、PFIの制度といいますのは、あくまでも県の公共事業として施設を整備・運営するという基本は変わりないものでございます。それに民間事業のノウハウを活用するということでございまして、その整備とか、あるいは運営に当たりましては、県が事業者を直接監視するシステムをとることが基本になります。具体的には、来年度になりますが、PFI事業者と運営、例えば情報公開等々さまざまな事業のやり方について契約を結んで、公共の方がきちんと管理をしながら事業を進めてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 委員長に協力してまとめて聞き過ぎた感じがします。
 この計画が、今、大幅に変わっているということについて、もう少し正確に答えていただきたい。これは去年の3月に出た第2クリーンセンター整備基本計画です。その中では、一般廃棄物、産業廃棄物を処理すると。焼却溶融施設、バイオガス発酵施設、高速堆肥化施設、そして、この高速堆肥化施設にかかわって、マテリアル・サーマルリサイクル、再資源化施設、廃石こう分離混合廃棄物前処理、木質バイオマス発電施設、木工団地と、バラ色の計画を去年の3月出したんですよ。しかし、農業系廃棄物の処理施設はもうコストが高くてやらないと。一般廃棄物部門も平成24年以降だと。残ったのは産業廃棄物だけなんですよ。だから、地元は、何なんですか、これはと。今まで一回も説明がないし、説明がない間にこんなに計画が変わってしまった。今残っている計画は、産廃の焼却溶融施設を整備する、ここしか残っていないんじゃないか。それで地元に本当にメリットがあるのか。
 雇用の問題で、焼却施設で働く、これは基本的には専門技術者だと思いますよ。だから、厳密に言ったら地元雇用はほとんど考えられない。今の計画では、関連企業の誘致もなかなか考えられませんよ。
 私は、この第2クリーンセンターの必要性について否定するつもりはありません。しかし、これだけ計画が大幅に変わったら、やっぱり真っ先に地元によく説明をする。それで本当に理解と納得をいただく。そして事業を始めないと、それは村に全部任せて、事業だけはどんどん進める、こういうやり方は私は正しくないと思うんです。今お話しされた効果についても、はっきりしているのは、建物ができれば固定資産税が入るだけじゃないですか。後の見通しはかなり難しいし、今、九戸村が工業団地と予定地を結ぶ村道の整備に4億円もかけようとしているんです。それは、そこに計画にあるような企業が誘致されるという幻想を前提にしてやっているんですよ。だから、もっと正確な計画に基づいて、そういうアクセス道路についても、本当にそれが必要なのかどうかというのは村議会でも大問題になっているんです、今。私が紹介した、去年3月に出されたものからなくなったのは何なんですか。私は、本当にそういう点でいけば、地元が期待するようなものではなくなっているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇滝川資源循環推進課総括課長 当初の構想段階では、今お話がありましたような農業系のものも再資源化するということで提案申し上げまして、地元の九戸村等々を通じまして御意見を伺ったほか、広域の市町村にも意見を伺いました。その結果、農業系のものはどうしても採算性が難しいだろうから先延ばししたらどうかということで、そういったものについては、いわば第3次的な計画で今後改めてどういう形でやったらいいか地元とも協議しながらやっていこうということで、決してなくしたわけではないということでございます。
 現在、とりあえず早期にやろうとしているのが産廃の部分だけで、次に考えているのが、広域の市町村で協議される一般廃棄物部門、これがあわせて整備されるというところでございます。
〇斉藤信委員 私が紹介したとおりだと思うんです。今スタートするのは、かなり計画が変わって、産業廃棄物の焼却溶融施設だけが先行すると。だから私は、地元に過大な期待を与えるべきじゃないと思います。本当に正確な説明と理解と合意を前提に進めてください。雫石クリーンセンターは民間がやったので、これはもう本当に大変だということで大問題になった。今回、県がやるというので、そういう信頼感があるんです。しかし、聞いてみたら、1年間にわたって地域住民に説明がなかったというのは異常なことですよ。そういうことはしっかり大前提にしてやっていただきたい。
 産廃の問題にかかわって最後に一つだけ聞きますが、実は、産業廃棄物の中では家畜ふん尿が66%を占めるんです。だから、第2クリーンセンターの構想が出たときにどういう期待があったかというと、九戸村というのはブロイラーの全国有数の産地で、この鶏ふんの処理ができるんじゃないかという期待が高かったんです。しかし、今お話があったように、とてもコスト高でできないと。第3次ということですから、かなり途方もなく未来ということになってしまって、農林水産部関係でも家畜ふん尿の処理施設は期限を切って整備はされてきましたが、担当課として、これは産業廃棄物の3分の2を占めるんですが、どのようにこれを処理される見込みなのか示していただきたい。
〇滝川資源循環推進課総括課長 確かに、本県の場合は家畜ふん尿が最も多いということでございます。家畜ふん尿は、これまでは肥料化して土地に還元して再利用していこうというのが基本でございます。ただ、その段階で、ややもすれば堆積しているところから周辺の水を汚染する、あるいは地下水を汚染する等々もありまして、家畜ふん尿の利用の法律が別途、特別法としてできてございます。それに従いまして、適切な管理の上で肥料等に再利用していくというのが大きな基本の方針でございます。加えて今回の第2クリーンセンターでは、それをもっと効率的に利用できないかということで、例えばメタン発酵等によるガスの採取等々エネルギー化を図ることができないかということで検討しておりますが、今のところはそれを処理するために委託する農家の負担が難しいだろうということで、もう少し技術革新等も見ながら先延ばしして、どういうやり方をしたらいいかというのを検討していこうという考えでございます。
〇斉藤信委員 最後に、三つ目のテーマ、男女共同参画プランの見直しについて、これは、パブリックコメントもされていまして、今度の県議会でも審議されるべき私は大事な中身だと思いますので、幾つか県の見解、今後の方針、目標にかかわる問題についてお聞きしたい。
 私は、男女共同参画を進める上で一番大事なことは、仕事と家庭の両立を図る、そういう条件を整備することだと思います。働き方の見直し、劣悪な労働条件の改善、そのためには、サービス残業、長時間労働、男女の賃金格差、私が総括でも取り上げた派遣、請負、こういう不安定雇用の解消、改善、こういうことが必要だと思いますが、この点について、私は、残念ながら男女共同参画のプランには十分盛り込まれていないのではないかと思います。これが1点です。
 第2点は、子育て支援策と経済的支援の強化です。子育て支援というと、例えば保育所の待機児童、この対応は、定員をふやして対応するというんですよ。4月から15%、あとは無制限に定員をふやして対応する。それでも待機者がプラス・マイナスあわせて174名もいる。174名という数字は間違いですよ。多いところの数を解消しなければだめなんだから。いわば、十分許容力のあるところをプラス・マイナスして174というのではだめなんですよ。あふれているところの数を解消しなければだめなんです。盛岡で働いている人が、花巻があいているから花巻に預けるということはできないんだから。私は、そういう点では、その指標ももう少し正確に、オーバーしているところをどういうふうに解消するか。
 それと、何よりも求められているのは経済的支援です。だから、例えば乳幼児の医療費助成制度も、負担金を上げるなんていう逆行現象を県がやったんじゃだめなんじゃないかと思います。
 3番目は、具体的な指標、目標の問題点について触れます。保育所の待機児童については今も触れましたが、私は、定員増の緩和ではなく、必要な施設の整備、増設、これが必要になっているのではないかと思います。
 放課後児童クラブの利用率は、現在28.8%の利用率なのに、目標が26.5%になっているんですよ。私は、こんな目標はないと思うんです。利用率が減るなんてことは。需要はどんどんふえていますから。すべての小学校区に学童クラブを設置するという計画を掲げて当然ではないか。
 年間総労働時間1、800時間の目標がなくなります。今、1、900時間を超えて、いつまでたっても達成できないからこの目標をやめてしまう。これは長時間労働の是正になりませんよ。新たに有給休暇取得率の目標が掲げられましたが、63.5%で、この率は上がりません。意味がないじゃないですか。
 審議会における女性委員の登用について、重複の委員を最大限避けていただきたい。三つ以上の審議会にかかわっている方は18人いますので、最大5審議会、6審議会かかわっている人もいますから、やっぱりこういうものは改善をして、本当に女性の出番をふやすことが必要なのではないか。
 教職員の管理職に占める女性の割合、これも24.1%で変わらないんです。こういうのは目標にならないんじゃないですか。
 最後ですが、男女共同参画センターが西口複合施設につくられます。私は、この機能と管理運営、どのように考えているかお聞きします。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 男女共同参画プランで、まず第1点目は、仕事と家庭の両立を図るための部分が十分盛り込まれていないのではないかという部分でございます。プランの中では、労働の場における男女共同参画の推進ということでいろいろ書き込んでいるものでございますけれども、実際、私どもがやるのは、岩手労働局との連携を図りながら制度とか法令の周知を図って、そういう制度の定着、それから実際の運用をまず企業の皆様方にどんどんやっていただきたい、そういうことでの啓発等々に取り組んでいるところでございます。確かに、仕事と家庭の両立を図るためには、男性も女性も子育てにしっかりとした力と時間を注ぐことができる、こういう環境が必要でございます。ですので、そういう働き方の見直しとか労働条件の改善に向けて、普及啓発みたいな格好になるわけでございますが、そういうものに取り組んでまいりたいと考えているものでございます。
 それから、二つ目に、子育て支援策の中で経済的支援が大事なんだというところでございます。幾つかの県で経済的負担の軽減を主眼とした子育て支援をやっているとお聞きしているわけでございますけれども、奨励的なものであるために、なかなかその効果もあらわれていないと聞いてございます。
 国の方では、子育て支援対策の次の一手ということで、個人所得税とか児童手当の見直し、社会保障制度そのもののあり方などにつきまして、国会の場ですとか関連諮問機関などで幅広く議論なされているとお聞きしてございます。県としては、こうした国の動きを注視いたしまして、少子化対策に係る実効性の高い制度の創出などについて必要な働きかけを行っていくとともに、保育サービスの一層の充実ですとか、男性を含めた働き方の見直し、こういうものの促進などによりまして子育て支援に取り組んでまいりたいと考えているものでございます。
 それから、具体的な指標と目標の問題点等々でございます。まず一つ、保育所の待機児童の解消ということでございますが、これは、平成15年度174人、平成16年度が123人という数字になってございます。平成22年度ゼロを目指しているわけでございますが、現行の保育所の定員の見直しとか定員の弾力的運用に加えまして、学校の空き教室などの既存施設の活用ですとか、保育所の創設、増改築等による施設整備、こういうものなどによりまして待機児童の解消を図ってまいりたいと考えているものでございます。
 それから、放課後児童クラブ利用率、これは平成15年度が28.8%で目標が26.5%ということで、下がっているわけでございます。利用率の算定基礎というのは、放課後児童数――対象となる子供さん方と実際にクラブを利用する子供さんたちの割合で算定しており、毎年変動している状況にございます。平成15年度は28.8%ということで高い数字になったわけでございますが、これまでの利用状況等を勘案しまして現在のプランの目標値の26.5%の修正は行わなかったものでございますが、ニーズに応じてそのサービスの充実を図ってまいりたいというものでございます。
 それから、年間総労働時間数の削除の関係でございますが、パート労働者の増加で、1人平均の総労働時間を目標とする意味合いが薄れたということで、有給休暇の確実な取得の方が労働時間の短縮に有効だということで、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法における総労働時間目標を撤廃する方向で検討がされているということですので、本県でも、労働時間短縮の目安とする指標を年間総労働時間数から有給休暇取得率に改めたいというものでございます。
 それから、有給休暇取得率は63.5%でずっと変わらない目標でございます。これは、国では55%という目標を設定してございます。本県の場合はそれを達成してございますので、いずれこの水準を維持していこうということでこういう目標の設定になっているものでございます。
 それから、審議会の女性委員の重複でございます。委員の選任に当たりましては、審議会等の運営等に関する指針がございます。そこでは、同一人が兼任できる審議会数は原則として4機関程度、そういう指針がございます。ですので、これまでも充て職の見直しですとか、公募制の導入などによりまして幅広い人選を要請してございますが、今後、女性人材リストなども充実いたしまして、積極的な情報提供をしながら、あとは各部局への調査・ヒアリングをしながら指針に沿った委員登用に努めてまいりたいと考えているものでございます。
 それから、教職員の管理職に占める女性の割合、これも現状の24.1%がずっと目標までいくという目標設定になってございます。本県における教職員の女性の管理職の割合は全国上位という現状がございます。ですので、今後とも管理職としての資質の向上を図りながら、この上位の水準を維持していこうということでこういう目標設定になっているものでございます。
 4点目、男女共同参画センターの機能と管理運営の関係でございます。このセンターの機能につきましては、平成12年に基本計画を定めまして、情報、学習、相談、交流・連携という四つの基本的な機能を定めているものでございます。この四つの機能を定めるに当たりましては、平成11年度に、関係団体とか市町村、県民を対象にしましたアンケートを実施しまして、その意見を集約して大体基本的な部分を決めているものでございます。
 それから、センターの管理運営でございますけれども、複合施設に入るわけでございますが、盛岡駅の西口複合施設全体の管理運営につきましては指定管理者制度を導入することを検討してございますし、男女共同参画センターの業務の運営につきましては、男女共同参画を十分に理解して、センターを効果的かつ円滑に運営できるような管理運営体制を検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、この機能等も含めまして、昨年の3月に、学識経験者ですとか関係団体の皆様をメンバーとする検討委員会を課の中に設置いたしまして、センターの円滑な運営、効果的な事業実施についての意見をいただいてございまして、それらをまとめて、今後さらに関係団体、県民の意見を集約しながら具体的な事業運営を固めてまいりたいと考えているものでございます。
〇斉藤信委員 本当に説得力のない答弁なんですよ。男女共同参画プランをせっかく見直していいものにしようというときに、目標が下がるとか、5年たっても指標が変わらないとか、こんなのはプランと言わないんですよ。これは抜本的に見直していただきたい。
 男女共同参画センターは、女性団体にしてみれば念願の施設です。ただ、多くの女性団体に全然これは情報公開されていない。あなた方から相談もされていない。例えば、私がかかわっている岩手県母親大会実行委員会、これは毎年1、000名規模の集会、討論をやっています。そして、県への交渉もやっていますよ、各部局で。新日本婦人の会というのは、2、000人の自主的な女性の組織です。一言の相談もない。意見も聞かれていない。私は、これはちょっと違うと思うんですよ。盛岡に女性センターがおでってにあります。盛岡は、もりおか女性の会をつくって、そういう女性団体が総結集して知恵も出して、運営にもかかわっているんですよ。私は、そういう点で、きちんとそういう主な団体には資料も送って意見も聞いて、今後の管理運営にも生かしていく、こういう丁寧な対応をぜひしていただきたい。建物を立派につくって魂入れずじゃだめなので、最後に部長に、最初に言ったことも含めて見解を聞いて私の質問を終わります。
〇中村環境生活部長 まず一つ、男女共同参画プランの見直しにつきましていろいろな御意見をいただきました。この件につきまして、現在、パブリックコメントを実施中でございまして、その結果を踏まえまして、正式な見直し案をつくった上で6月県議会で御審議をお願いしたい、こういう段取りを考えてございますので、ただいまの斉藤委員のお話も十分に参考にさせていただきまして、6月議会に御審議をいただく際の案に反映をさせていきたいと考えてございます。
 それから、盛岡駅西口にできます複合施設の関係でございますけれども、いろいろな方の御意見を伺ってこの施設の管理運営をしていくというのは私どもの基本的な考え方でございますので、今後ともそのような形で取り進めていきたいと思います。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時1分 休 憩
   午後1時4分 再 開
〇田村誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。
〇佐藤保健福祉部長 それでは、平成17年度の保健福祉部関係の当初予算、それに予算関連議案について御説明申し上げます。
 保健福祉部の平成17年度予算編成に当たりましては、県民本位で質の高い保健、福祉、医療サービスの推進を基本的な方針に掲げております。その際の施策重点化のポイントは四つございます。すなわち、質の高い県民医療の提供、安心して子供を産み育てられる環境づくり、それから高齢者が安心して生活できる仕組みづくり、それに障害者が自立し参加できる地域づくりでございます。
 まず、一つ目の質の高い県民医療の提供についてでございますが、本県の医師不足や地域的偏在の解消を図るため、平成15年度から実施しております県と市町村と共同での6億円規模の基金造成によります医師養成事業に加えまして、新たに医学生対象のサマーセミナーを開催するほか、臨床研修修了者の受け入れ体制を整備するなど、さまざまな視点からのアプローチを行うこととしております。その具体的な内容は、現在、医師確保対策アクションプランとして取りまとめているところでございます。
 また、医療機関、医師会等と一体になりまして県民医療相談体制や小児救急医療体制、それにいわて医療情報ネットワークシステムの充実を図るほか、障害者の方などへの歯科医療体制の整備を進めてまいります。
 また、感染力が強く重篤なSARSなどの一類感染症に対応する第一種感染症指定医療機関の整備に向けた調査・計画策定を行ってまいります。
 二つ目は、安心して子供を産み育てられる環境づくりについてでございます。児童虐待への早期対応を強化するため、専門職員の増員や専門的な相談支援体制の充実を図ってまいります。
 また、地域で子育てを支え合う仕組みづくりを進めるため、市町村が行う地域子育て支援センターや放課後児童クラブ等への取り組みを引き続き支援してまいります。
 三つ目は、高齢者が安心して生活できる仕組みづくりについてでございます。老人福祉施設の整備を引き続き推進するとともに、高齢者が住みなれた地域で必要な介護サービスが受けられるよう、在宅介護サービス提供拠点の設置や配食・生活支援サービスの提供体制につきましてその整備を支援してまいります。
 また、認知症高齢者ケア研修の実施や介護サービス従事者の育成を図ってまいります。
 さらに、乳がん検診車の整備を図るほか、高齢者の介護予防・リハビリテーション推進の一環として、筋力向上トレーニング事業等の適切な普及等を支援してまいります。
 最後、四つ目ですが、障害者が自立し参加できる地域づくりについてでございます。障害者の福祉的就労の拠点となっております福祉作業所の運営の支援など、障害者の就労の場の確保を図るとともに、障害者が社会参加を通じて生活の質の向上を図ることができるよう、市町村や障害者団体等が行う生活訓練事業やスポーツ・芸術活動振興事業などを支援してまいります。
 また、障害児の親の方の就労や一時介護休息を支援するため、養護学校に通学する中・高生が下校後に活動する場の確保を図ってまいります。
 以上が保健福祉部の平成17年度予算編成に当たっての基本的な考え、方針でございます。
 引き続きまして、保健福祉部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成17年度岩手県一般会計予算についてでございますが、お手元の議案その1、6ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費526億6、200万円余のうち、2項の県民生活費を除く521億3、300万円余と、次のページの4款衛生費267億8、500万円余のうち、2項の環境衛生費の一部を除く190億7、100万円余と、次にめくっていただきまして9ページでございますけれども、12款公債費1、509億700万円余の一部6億6、000万円余と、次の13款諸支出金1項の公営企業貸付金から3項の公営企業負担金までのうち、2項の公営企業出資金と3項の公営企業負担金の一部を除く286億1、000万円余であり、合わせますと1、004億7、500万円余の予算となっております。これを今年度当初予算と比較しますと、70億2、400万円余の増額で、率にしまして約7.5%の増となっております。この中には増額の大きな要因であります国民健康保険財政調整交付金などの三位一体改革関連の影響額約50億円が含まれているものでございます。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。お手元の予算に関する説明書の108ページをお開きください。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承願います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、109ページに参りまして、中段の、ひとにやさしいまちづくり推進事業費は、だれもが使いやすい施設にするために必要な資金を民間事業者に貸し付けるなど、ユニバーサルデザインの考えに基づいた、ひとにやさしいまちづくりを総合的に推進しようとするものでございます。2目身体障害者福祉費のうち109ページの障害者社会参加促進事業費と、身体障害者福祉活動推進費は、身体障害者の社会活動への参加や、自立を促進し、福祉の増進を図るものでございます。110ページに参りまして、中段の重度心身障害者(児)医療助成費は、市町村が行う重度心身障害者(児)医療費助成事業に対し補助するものでございます。111ページに参りまして、3目知的障害者福祉費の知的障害者更生援護費は、市町村が行う施設訓練等支援費の支給に要する経費等に対しまして、負担または補助するものでございます。下から二つ目の福祉的就労拠点支援事業費補助は、市町村が行う障害者作業所運営費補助事業に対し補助するものでございます。めくっていただきまして112ページに参りまして、4目老人福祉費の上段にあります老人福祉活動推進費は、市町村が行う老人福祉事業への助成や、在宅介護の担い手を育成しようとするものであり、次の老人福祉施設整備費は、老人入所施設及び老人利用施設を整備するものでございます。113ページに参りまして、上段のご近所介護ステーション設置支援事業費補助は、在宅介護サービス提供拠点の設置に要する経費に対して補助するものであり、その二つ下のご近所生活応援事業費補助は、要介護高齢者などへの配食や生活支援サービス提供体制の整備に要する経費に対して補助するものでございます。次の介護給付費等負担金は、市町村などが行います介護給付、それから予防給付に要する費用の一部を負担するものでございます。114ページに参りまして、6目国民健康保険指導費の国民健康保険事業安定化推進費は、新たに創設された財政調整交付金により保険者間の財政調整を行うなど、保険者の財政基盤の安定を図るとともに、高額医療費の一部を負担するものでございます。
 少しページ進んでいただきまして、119ページをお願いいたします。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の中段にございます特別保育事業費は、市町村が実施する地域保育センター活動事業、乳児保育促進事業等の保育事業に要する経費に対して補助するものでございます。その二つ下の地域子育て活動推進事業費は、放課後児童クラブなどの市町村が行う児童健全育成のための事業に対し補助するものでございます。さらに、二つ下に参りまして、乳幼児、妊産婦医療助成費は、市町村が行う乳幼児、妊産婦医療費助成事業に対し補助するものでございます。120ページに参りまして、児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待に対する早期対応や相談機能の強化など、総合的な取り組みに要する経費でございます。その二つ下の障害児タイムケア事業費補助は、障害児の親の就労や一時介護休息を支援するため、養護学校に通学する中・高生が下校後に活動する場の確保に要する経費に対して補助するものでございます。3目母子福祉費でございますが、121ページ上段の児童扶養手当支給事業費は、児童扶養手当と、その支給事務に要する経費でございます。
 次に、123ページに参りまして、4項生活保護費の2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助費等の給付に要する経費でございます。次に、124ページに参りまして、3目生活保護施設費の松山荘施設整備費は、老朽化が進んでおります松山荘の改築整備を行うものでございます。
 次に、めくっていただきまして126ページですけれども、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の上段にございます母子保健対策費は、特定の不妊治療に要する経費や、総合周産期母子医療センターの運営費などに対し補助するものでございます。127ページに参りまして、3目予防費の特定疾患対策費は、パーキンソン病などの特定疾患患者に医療費の給付等を行うものでございます。128ページに参りまして、第一種感染症指定医療機関整備事業費は、感染力が強く重篤なSARSなどの一類感染症に対応する第一種感染症指定医療機関の整備に向けて、病床整備の基本設計、スタッフの専門研修などを行うものでございます。4目精神保健費の上段、精神障害者入院等措置費は、措置入院患者の医療の給付等を行うものでございます。129ページに参りまして、5目老人保健費の上段、老人保健対策費は、老人保健法に基づき医療費及び保健事業費の負担などを行うものでございます。下から二つ目の介護予防推進支援事業費は、高齢者筋力向上トレーニングモデル事業や介護予防の指導者研修などを実施するものでございます。次の、マンモグラフィ緊急整備事業費補助は、検診機関などが行うマンモグラフィ検診車整備に係る経費を補助するものでございます。130ページに参りまして、6目環境保健研究センター費は、環境保健研究センターの管理運営、及び環境や保健衛生等の諸課題に対応するための試験研究に要する経費でございます。
 次に、132ページに進んでいただきまして、2項環境衛生費2目食品衛生指導費の中段、牛海綿状脳症対策費は、BSEスクリーニング検査に要する経費でございます。
 少しページ進んでいただきまして、137ページをお開きいただきます。4項医薬費2目医務費でございますけれども、138ページに参りまして、中段の医師確保対策費は、自治医科大学などが実施する医師養成事業に対しまして負担または補助するものでございます。次の救急医療対策費は、病院群輪番制病院や、高度救命救急センターの運営に対する補助などをするものでございます。139ページ中段の障害者等歯科保健医療推進事業費は、障害者などを診療できる専門的な歯科医師などを養成するため、歯科治療ユニットなどの整備に要する経費に対し補助するものでございます。3目保健師等指導管理費の上段、保健師等指導費は、看護師等養成所及び院内保育施設の運営費に対し補助するものでございます。
 ページを少し進んでいただきまして、247ページをお開きいただきたいと思います。12款公債費1項公債費1目元金のうち6億6、009万9、000円が当部の所管でありますが、これは、災害援護資金借入償還金及び特定資金公共投資事業債、いわゆるNTT債ですが、その償還元金でございます。
 248ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対しまして、運営資金の貸し付けを行うものでございます。
 次に、249ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、県立病院等事業会計出資金は、県立病院等の事業会計に対して出資を行うものでございます。
 250ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行うものでございます。
 次に、議案第2号の平成17年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。
 予算に関する説明書の306ページをお開き願います。歳入と歳出の予算総額は、それぞれ4億2、000万円余となっております。それから、307ページから312ページにかけてでございますが、歳入は、一般会計からの繰入金と、繰越金、諸収入及び県債でございます。次に、313ページから316ページにかけましての歳出でございますけれども、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費でございます。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計予算の説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の48ページをお開き願います。議案第47号の岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、当部の関係は、62ページまでの岩手県手数料条例附則及び別表第3関係でございます。
 48ページにあります別表第3の28項は、保育士試験に係る事務の全部を指定試験機関に行わせ、その手数料を当該指定試験機関に納付させることに伴い改正するものでございます。
 同表の74項から206項までは、薬事法の改正に伴いまして、第一種医薬品製造販売業許可申請に伴う審査手数料のほか、115項目の申請に伴う手数料を新たに定めるとともに、所要の改正をするものでございます。
 なお、平成16年12月議会において、岩手県手数料条例の附則を改正し、改正法施行前に行うことができるとされた申請に対する29項目の審査手数料を定めたところでございますが、改正法施行に合わせ、これらの手数料を本則の別表第3に規定するとともに、該当する附則の規定を削除するものでございます。
 以上で保健福祉部関係の予算議案についての説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
〇田村誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 生活保護施設県立松山荘についてお伺いいたします。
 まず、最初に平成16年度に引き続きまして4億7、300万円余の同額の予算を計上いただきましたことに、部長初め、担当の皆様に心からお礼を申し上げたいと思います。これは三陸沿岸、そして宮古広域圏の中で大変希望の高い、要望の高い物件でありまして、私は平成10年ごろに同じく三陸沿岸の重要な案件でありました、県立はまゆり学園を小・中学部の県立化、そして高等部設置をお願いしてこれにめどが立ったことから、平成10年ごろから次はこの松山荘をお願いしなければという思いで取り組んできたところであります。そういう中で、平成12年度に当局から、次は松山荘を考えておりますという答弁をいただきました。大変ありがたく思っておりまして、平成13年度に用地調査費を計上していただきました。そして、平成14年度に実施設計、そして15年度に発注と、とんとん拍子にいく予定だったわけでありますが、実は15年度のいよいよ順番が来た時点に、盛岡近辺の別なこういう施設でいろんな事件があったということから、一つこの順番がずれてしまいまして、16年の発注ということでこの16年度に4億7、000万円余を計上いただいたわけでありますが、5月の中旬になりまして、残念ながら国からの1億6、000万円余の補助が見込めないということで発注ができなくなりましたという実は報告をいただいたところでありまして、これは国の状況大変厳しき折からということで、半分以上本当は納得しかねないものがあったわけでありますが、ではせめて減額補正をしないで年度内いっぱい引っ張っていただきたい。
 そういうのをまずお願いいたしまして、地元にありましては平沼議員と一緒になりまして宮古商工会議所等、あるいはそういう福祉関係の方々の協力をいただきまして街頭署名等をお願いしてまいりまして、平沼議員には平沼議員が所属する党の方に、私は私の党の方に、つまり国会にもお願いをしようということでやってきたところであります。普通、余りないことかもしれませんが、2年継続でこの予算を計上いただいて大変ありがたく思っておりますが、つきましてはこの国の今年度の補助の可能性といいますか、大変一生懸命取り組んでいただいているのだと思いますけれども、それらの予測と言ってはあれですけれども、可能性といいますか、そういう感触といいますか、その辺についてまず披瀝をいただきたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 松山荘に係ります今後の国庫補助の見通しについてでございます。
 2月の下旬に東北厚生局におきまして、平成17年度の国庫補助協議のヒアリングを受けたところでございます。国の方からは、平成17年度の予算額につきましては、16年度同様に厳しい状況にあるということ、また、採択に当たりましては、これもまた16年度と同様の状況にはございますが、定員増となりますところの施設の創設あるいは増改築、それから民間の老朽施設の改築整備、これらを優先する方針であると伺っております。
 このような中におきまして、本県の松山荘、2年連続の国庫補助金の交付申請ということになるわけでございますが、公立の施設でございます。それから、定員増を伴わない改築事業であるということがございます。それで、本県の事情につきましては国の方にも十分御理解はいただいております。地元の方々の要望、それから熱意、それから2年連続の要望であるということ、それから何よりも老朽化しているということ、こういうことにつきましては国の方から十分な御理解をいただいているとは思っておりますが、先ほど申し上げましたような状況でございますので、採択につきましては予断を許さない状況であると考えております。
〇伊藤勢至委員 この松山荘につきましては先般、地元の新聞にも取り上げられましたけれども、6畳間に4人がぎゅうぎゅう詰めの状態で大変居住環境が悪いということもあります。また、老朽化ということもありますし、地元要望も高いこの物件でもありますので、鋭意国においての交渉に馬力をかけていただきたいと思うわけでありますが、いつごろまでこの国の動向を見ていくのか、そして最終的には、国が仮につけてくれないとなった場合には、これは政治判断かもしれませんけれども、県の単独事業でも、あるいは2年計画を3年に延ばしてもやりましょうという、そういう判断をすることもあり得るのでしょうかお伺いします。
〇菊池地域福祉課総括課長 今後のスケジュールでございますけれども、国の方では現在、全国の各厚生局、そちらの方から要望を集めまして整理をしているという段階だと伺っております。例年でありますと国の方におきまして大体5月中旬ごろの国庫内示に向けまして、現在そういう精査を進めているという状況であります。したがいまして、県の方といたしましては、いずれ今後も機会あるごとに国の方に対しまして、この松山荘の必要性等、そういうものを繰り返し丁寧に説明いたしまして、何とか平成17年度におきまして国庫採択を実現してまいりたいと考えております。
 それで、万が一、つかなかった場合にどうするのかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、私どもはともかくこの国庫補助制度がある以上、平成17年度の国庫採択、この実現に全力を尽くすということが現時点においての我々の考えでございます。何とか実現に向けて頑張っていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 ぜひ頑張っていただいて、地域の要望に一日も早くおこたえをいただきたい。お願いをしておきたいと思います。
 それで、関連してお伺いしますが、地元紙の報道によりますと、民間委託の経営といいますか、運営といいますか、そういうのも視野に入れているというような報道があったわけでありますが、その民間委託ということにつきましては、どういうふうなお考えを、これは当然立派に新築になってからの話だと思っているわけでありまして、今のこの状況ではとても民間委託などは無理なわけでありますから、新築完成になった後での運営ということだと思うのでありますが、どういうお考えがあるのか。と言いますのは、実は地元の人たちが、例えば炊事のいろんな部分のアルバイトでしょうか、そういう仕事、臨時職といいますか、あるいは洗濯であるとか、いろんな部分で関連をしているわけでありまして、そういう希望も高いのであります。したがいまして、NPOと言うのでしょうか、あるいは社会福祉協議会と言うのでしょうか、既存のところにお任せをするという考えがもしあるのでしたらば、むしろ地元にそういうものをつくって、地元で力を合わせて運営したらどうだという指導があってもいいのではないかとも実は思ったりしておりますので、そういう点についてお考えを、成案でなくてもいいのですが、こういう考えがあるということがありましたらお知らせをいただきたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 松山荘についてのお尋ねと理解しておりますけれども、県立の社会福祉施設につきましては、先般、改革プランをお示ししたところでございます。この中におきまして、現在、岩手県社会福祉事業団に委託をしております入所型の施設、これにつきましては原則として、平成18年度から事業団、またはその他の民間の社会福祉法人に移管をして、そして自主的に運営をしていただくということを考えているところでございます。
 ただ、松山荘につきましては、先ほども申し上げましたように老朽度が著しい施設でございます。現在その改築整備を最優先課題として取り組んでおりますことから、整備をいたしまして、その改築整備が終了した後におきまして民間移管したいと考えているところでございます。
 したがいまして、それまでの間は、当面、県立として維持をしていきたい。この県立施設として維持する場合には、指定管理者制度、これを導入しなければなりませんので、平成18年度から指定管理者制度を導入して、当面の間、県立として維持してまいりたいと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 わかりました。ぜひこの地元の今までかかわってきた人たちにも、それなりの就労の場が確保されるような方向で御検討いただくようにお願いをしておきたいと思います。
 それから、ここの隣には県立の高度技術専門校があるわけであります。今、自動車システム科などを中心に大変人気の高い学校でありまして、この松山荘の整備につきましては、同じ県立のものが隣り合っているのだから、グラウンドを広く使う意味でバリアフリーにして両方で共有するグラウンドにして広く使ったらいいのではないか。実は商工労働観光部の方では提言をしてきた経緯があります。したがいまして、同じ県立同士でありますので、囲いで半分に仕切って狭く使うよりは、広く仕切った中で時間帯を交互にやるとかで広く使えるのでないか。そうしますと、これは地域の例えば秋の運動会であるとか、そういった形でも地域の行事の一つにもなっていますので、そういう意味では宮古盛岡横断道路の西道路がすぐそばを通るということもありまして、だんだんに広がっていく地域でもあろうかと思っていまして、そういうお考えもあった方が地域にとってはさらに喜ばしいのではないかと思うのでありますが、これにつきましては部長からひとつ御見解をお示しいただいて終わりたいと思います。
〇佐藤保健福祉部長 確かに隣接をいたしまして高度技術専門校があるのは承知をしておりまして、大変広大なグラウンドを持っていらっしゃいます。そういうことから、ただいま委員から御提言のありました件についても、今後実際に整備をしていく過程で関係部局と相談をしながら検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
〇樋下正信委員 私は、2件お聞きしたいと思います。一つ目は、老健施設の中核を担うグループホームの状況をお聞きしたいと思います。
 盛岡市内にはグループホームがことしのオープンを含めて7カ所と聞いております。そこで、県内には何カ所ほど開設しているのかお聞きしたいと思います。
 また、同じ人口規模の八戸市においては、20数カ所あると聞いておりますが、盛岡市の高齢福祉課によると、平成17年までに計画が決まっているので平成18年度まで待っていただきたいということであるようですが、八戸市のように20カ所ほどあるのならば待ってくれというのは理解できるわけでございますけれども、そういうふうな箇所数が盛岡市内には少ないということでございます。また、仙台市ではことしグループホームは1中学校区1施設と決めたと聞いておりますし、全国展開をしているコムスン――そういうふうな会社だと思うのですけれども――では仙台市で六つの施設、12ユニットを運営していると聞いております。また、ちなみに盛岡市内には中学校が20校あるということでございますので、20戸ぐらいあってもいいのかなとも思われます。
 聞きたいのは、この施設に関して、盛岡なり全国での順位は、47都道府県の中での順位はいかほどになっているのか、また、整備率はどの辺に位置しているのかお聞きしたいと思いますし、また、このような状況を踏まえて、このグループホーム関係の福祉にどのように反映していくのかお聞きしたいと思います。
 二つ目は、耳の聞こえない人、聴覚障害の老人ホームの開設でありますが、聾?者の対象になった人が数多くいるわけでございますけれども、それなりに学校を卒業し、結婚をし、普通の生活を営んでいる方々がおるわけでございますけれども、その当時、衛生保護法があり、遺伝で音が聞こえなくなった障害者がいるということで、その両親なり家族がその子供を心配して子供を産まないようにということがあったと理解しているわけでございますけれども、そういった方々には子供がいない聾?者が多いということでございます。子供がいる方でも老齢化により老人ホームに入所したいという方々がいると聞いております。普通の老人ホームであれば普通の方々は入所できるわけでございますけれども、耳の聞こえない方々であれば、そういうふうな普通の老人ホームには、入所してもなかなかコミュニケーション等がとれないということで、なかなか一緒に生活ができないと言われております。そういった中で、目の見えない方々に対しては大船渡市の福祉の里に盲人の老人ホームがあると聞いております。聴覚の障害者の専用老人ホームの開設がいまだ実現されていないわけでございまして、県としてどのようにこの状況をとらえ把握しているのか、また、今後、聾?者を対象とした老人ホームの早期開設が必要と思われますが、保健福祉部として今後どのように対応されていくのかお伺いしたいと思います。
 そして、現在、県内にこのような耳の聞こえない方々が、そういうふうな施設に希望者が何人程度いるのかお聞きしたいと思いますし、わかる範囲でいいですけれども、全国、東北ではそのような方々を対象にした施設がどの程度あるのかお聞かせ願いたいと思います。
〇熊谷長寿社会課総括課長 最初に、グループホームの県内の数と定員でございますけれども、昨年の9月末日現在におきまして、県内では60施設、それから定員が642名となっております。全国の状況については資料を今把握してございませんが、東北6県の状況を見ますと、東北で一番認知症高齢者グループホームの整備がなされておりますのは青森県で207カ所ございます。岩手県の状況につきましては、東北6県の中で5番目という状況になっておるところでございます。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 聴覚障害者に対しましての高齢者対策はどうかということでございますけれども、現在のところ、県内には聴覚障害者で65歳以上の方々が4、000人ほどおられますが、その多くは加齢に伴いまして難聴あるいは耳等に不自由を生ずるという方々が圧倒的に多いわけですが、いわゆる今お話しありました中身というのは、先天的な聾あるいは中途の中で障害が発生された方々が、高齢者になった場合になかなかコミュニケーションがとりづらい、そういったことへの配慮を今後どういうふうに考えていくのかという質問の趣旨かと考えましたのですけれども、現在、私のところには東北6県等の実態にかかわります数値等は持ち合わせてございませんが、そういったことに関しまして障害者に関しまして、市町村の段階で事細かくそういうニーズが把握できるような対応というのが、まず何より大事なのではないかと思っておりますし、それから聴覚中途障害者団体あるいは先天の団体等を通じながら、そういう動向等も今後把握するよう努めてまいりたいと思います。(樋下正信委員「全国の状況はどうなったのか。東北とか、わからないのか」と呼ぶ)
〇高橋障害保健福祉課総括課長 大変申しわけございませんが、全国的なデータにつきましては現在持ち合わせてございませんので、ちょっと調べさせていただければと思います。
〇赤羽保健福祉企画室長 認知症高齢者のグループホームにつきましてですけれども、これまでも各市町村に計画を策定していただいて、その推進に努めてきたわけでございます。地域のバランスでありますとか、地域のニーズに考慮して計画をつくりまして、平成19年度までに992人の定員を目標として整備を促進してきているところでございます。来年度、介護保険事業計画の見直しの時期になっておりますので、他の介護施設の整備の計画量ともすり合わせしながら、各市町村のニーズも伺い、また、これは介護保険料の設定とも非常にリンクしてくることでもございますので、地域の方々の御意見も十分に伺いながら、新たな計画を策定してまいりたいと考えております。
〇田村正彦委員 3点ほどお尋ねいたします。
 まず、最初がBSE対策ということで検査業務、三千数百万円毎年投資――投資というのですか、財源措置しているわけなのですが、御承知のとおりヤコブ病患者の死者が国内で出たということで、かなりな緊張感が国内に出た。そういったことで、これも報道にあるわけですが、英国、フランス――フランスについては1日でも滞在した者は、献血はこの対象としないというような報道もなされ、また、それが全国的な輸血血液の不足を来すのではないかということで、大変な心配をされておるわけです。そういった中で、県内で該当する機関に英国なりフランスなり、渡航された人数というのはどの程度だと把握なさっているのか。それがまた県内の献血活動、これについてどう影響を来すものだと想定されているのか。これは多分、数字がもしわからなければ概数的なことで結構なんですが、それと、これは関連するのですが、いわゆる厚生労働省ではそれくらい危機感を持っておやりになっている、BSE対策ということでやっていらっしゃるのですが、片や、漏れ報道されているところによると、アメリカ輸入牛肉は肉の色と骨の形状で年を判定して、早期輸入再開だというような話も同じ政府部内であるんですよね。そういった整合性というのは、現場におられる皆さんにとってはどういう認識をお持ちになっているのか。それをお尋ね申し上げたいと思います。
 もう一点が、高度救急医療に対してはいろんな補助金が出ているわけですが、総額で4億円、5億円の補助金が出ていると認識しておりますが、医大の救急センターに限ってお話し申上げたいと思いますが、御承知のとおり医大の移転計画が持ち上がっております。これは私の判断では10年か20年先の話だと思っているのですが、ただ、学校関係はもう既に具体的に移転の計画があるということで、今ある救急センター、これと医大の移転計画との整合性というのですか、それをどう図っていこうとしているのか。県警にヘリポートをつくりましたよね。あれの予算要求の主な理由の一つには、あの救急センターにはぜひ緊急的に患者を搬送するには県警の屋上にヘリポートがなければだめなんだ、だから莫大な投資をして県警の屋上にヘリポートをつくったわけですよね。そういったもろもろのいろんな関係から、この救急センターというのは、私はぜひ、これは当然ここにあってしかるべきものだと思っているのですが、その医大の移転計画との中での整合性というのはどうなっているのかお尋ね申し上げます。
 もう一点が、これは先ほど伊藤勢至委員からもお話がありました。県営の施設の民間委託というのですか、民間移管というのですか、それに関連するわけですが、対象に都南の園、これが入っているのか。先ほどの答弁では、指定管理者制度を導入して平成18年から移管――移管と言うのですか、そういうふうな話もあったのですが、都園の園に対してはどういう計画をお持ちになっているのか、まずお尋ねいたします。
〇工藤保健衛生課総括課長 今回の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の国内での初めての発生を契機としたというか、それを原因とした献血への影響ということですけれども、全国では数十万人ぐらい減少するのではないかというような予測が立っていたようですけれども、本県の場合、これは非常に荒い予測ではありますけれども、平成12年に、法務省出入国管理統計年報というのがありまして、この年の英国、それからフランスへの旅行者が、英国が1、571人、フランスが1、655人ということで、トータルで3、200人ぐらい。今回の、1日でも行っては献血だめだよというその範囲、渡航の範囲が1980年から1996年までの渡航者ということで16年間、単純に掛けますと5万1、000人ぐらいになります。ただし、献血率が、全員が献血するわけではありませんので、大体人口の4%ぐらい、岩手県の場合の献血率ということになっておりますので、それから単純に最大で見て2、000人ぐらいと一応見ております。ただ、この2、000人も同じ人が渡航しているケースもありますし、あと献血の対象者から除外される場合もあります。年齢とかあれで。最大で2、000人ということです。
 それから、アメリカの輸入牛肉に関して国内措置と輸入牛肉に対する措置との整合性という問題ですけれども、これはまさに食品安全委員会の方で現在審議されているということで、仮に屠畜検査のその基準の改正がされたとしても、その20カ月以下が仮に要らないということになったとしても、次のアメリカの輸入を認めるに当たっては肉質とか骨のかたさでもって判別するということなので、日本の場合には科学的にエライザとか、それからウエスタンブロットとかやっていますので、その辺、食品安全委員会でも再度諮問を受けて答申するということになっておりますので、その辺大きな検討事項になるのではないかと思っております。
〇福島医療国保課総括課長 岩手医科大学移転の問題と高度、現在は高次救命救急センターと申しておりますが、この関係についてお答えをいたします。
 大学、それから附属病院、これの移転については、まず第1次計画といたしまして、平成19年度、薬学部開設、これとあわせまして学部棟なり体育館などの学校関連施設が移転新設することとなっております。しかしながら、それ以外の医学部あるいは歯学部、附属病院、この移転計画については第2次計画といたしまして、移転時期等その計画、内容はまだ未定でございます。この中ではさまざまな案が出ておりまして、第2次計画に関してでございますけれども、病院を移転するか、あるいは部分的に内丸に残すか、さまざまな案が出ておりましてまだ固まったものではございません。したがって、第2次計画については相当の年数がかかるものと受けとめております。お話しございましたとおり、昭和55年に現在の救急センターを整備した際には、県からざっと8億円程度の資金を投入しております。年数も25年ほどたっておりますが、いずれ計画については先ほど申しましたような状況の中でございますので、まだ今しばらく医大の方と協議をしていくということになるかと思います。
 それから、へリポートの関係にお触れになりましたけれども、私どもは、東署の屋上ヘリポートは患者の搬送用としても利用されているとお話しございましたが、そのように受けとめておりますけれども、いずれにいたしましても救急センターとヘリポートの設置、これは必要であるということから、第2次計画の内容を医大側と協議する中で、この点を含めて相談してまいりたいと考えております。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 都南の園の見直しについてでありますけれども、現在、都南の園のあり方を含めた障害児療育のあり方を検討するために、平成16年8月、医師、学識経験者等から成ります岩手県障害児療育のあり方検討委員会を設置したところでございます。これまで3回開催いたしまして、平成16年度中にあと1回の開催を予定しております。
 委員会での主な論点としましては、ニーズ変化への対応や今後の役割と機能、さらには施設運営の効率化や小児科医の不足によります医師確保等人的体制の問題などであります。中でも今後の役割と機能につきまして幾つかの意見が出され、現時点では意見の集約ができるまでには至っておりません。当面、今月中に開催します検討委員会において意見の集約を図りたいと考えているところでございますが、それにしましても他の県立社会福祉施設の見直しとも関連するため、遅くとも平成17年度の早い段階には一定の方向性を打ち出し、施設利用者や県民の皆様への説明に努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても今後の検討及び取組経過等につきましては、随時御報告を申し上げてまいりたいと考えております。
〇田村正彦委員 救急センターですか、この件については、御答弁では、ここに必要なのだというような答弁とは若干違って、新たに医大が移転した場合はそれはそれなりにヘリポートも必要ではないのかというふうな答弁ではなかったのかなと受け取ったのですが、ここの盛岡市の内丸にあることの重要性というのですか、それはどうお考えになっているのか。これはぜひここに必要なのだと、医大が移転したとしても必要なのだというお考え方なのか、医大が移転すれば当然この救急センターも新たなヘリポートをつくって移転するのだというお考え方なのか、そこのところを確認したいと思います。
 もう一点は都南の園の関係ですが、今御答弁で、効率化とか小児科医師の不足による診療形態の充実感がなくなるというようなお話なんですが、果たして都南の園のあの入所者、40数名だと記憶しているのですが、それに対して介護していらっしゃる方が60人ぐらいで一生懸命やられている。それに果たして効率化という言葉が当てはまるのか。そして、よそに委託したとしたって、本当に小児科医師は確保できるのですかということですよね。私は、都南の園にも行っていろいろお話も聞きましたし、あの子供たち、それに当たっている先生方、介護補助者、そういった人たちを見ていると、これは効率化だとかそんなレベルで話をすることではないのではないのかなと、つくづく私はそう思ってきたのですが、それでもあえて、最後に説明に努めるという話でした。説明に努めるということはもうこれは県立から外しますよという前提でそういう言葉が出たと思うのですが、私はあの施設は、何も介護施設――介護施設ですか、ばかりやっているのではなくて、いろんな県全体の相談業務もやっているんですよね、いろんな意味で。だから、私は少なくともあそこだけはちゃんと県立で残して今後とも運営していくべきだと思っているのですけれども、そこのところの御見解をお尋ねします。
〇福島医療国保課総括課長 ただいまは、救急センターを内丸に置くことの重要性についてどう考えるのかというお尋ねであったと思います。私どもは基本的には、救急センターの場合は御案内のとおり、大きな病院が後背施設として、バックアップとして一体的にあることが望ましい、これは基本的にそのように考えております。ただ、現在の救急センターは昭和55年に整備した段階では県が整備したものでございますが、その後、平成13年に、国の指導などもございまして、運営主体を岩手医科大学に変更いたしております。この点も御理解をいただきまして、医大の考えも十分にお聞きする必要があるという点について御理解を賜りたいわけでございますが、問題は、現在地、内丸の東署のヘリポートも含めたさまざまな搬送の部分も含めた問題と、それから移転先でのアクセスの問題と、それらを医大との協議の中で総合的に勘案していく必要があるのだろうと思っておりますので、現時点で確たるお答えをいたしかねますが、その点はよろしく御理解を願いたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 都南の園の方向性、今後県立でなくすることかというような御意見かと思いましたのですけれども、先ほど申し上げましたように、現在、特に問題になっておりますのが役割と機能ということを申し上げました。肢体不自由児の入所施設のあり方、これまで果たしてきた役割、それから地域支援、それから相談体制、こういったものが非常に大きな役割を果たして今日に来ていること、それに対するニーズが非常に高いということを私どもも十分了知してございます。そういったこと等も踏まえて各委員さんに専門的な分野から御意見をいただきながら、その方向性を詰めてまいりたいという段階でございます。まだその具体的な方向性をお示しできる段階にはございませんけれども、そういう経過をるる御説明申し上げてまいりたいと思っているところでございます。
〇吉田洋治委員 今、田村正彦委員が質問した岩手県障害児療育あり方懇談会、今設置されているわけですが、これに関連して質問させていただきます。
 この問題は昨年の12月の一般質問で、委員長席にいる田村誠議員が本会議場で取り上げた問題でもございまして、ただいま田村正彦委員からもそうした同じような問題提起がなされているところです。ただいま総括課長の御答弁ですと、できれば今月中、年度末3月、これにあり方懇談会からの答申を待つ、遅くとも平成17年度の前半にはと、こういう御答弁がございました。そこで、役割とか機能とか、あるいは地域支援とか、あるいは相談体制の充実とか、こうした問題は従来からの大きな課題でもあり、同時にそういう役割を都南の園も果たしてきた、こういうことだと思うのです。私たちも仙台周辺にこうした施設の視察等を研修させていただきまして、仙台市内におきましても非常に相談件数が毎年毎年増大の一途をたどってきている。本県でもそういう事実があるわけですね。非常に相談件数が大変多い。特に3歳児未満の子供たちに非常に相談件数が多い、あるいはまた、発達障害等の問題が出てきていまして、そうしたことから増大傾向にある、こういうことだと思っております。加えて、自閉症の子供たちの相談も非常に多くなってきている、このように思うわけですが、現在、県内のそうした施設もあるわけですが、特にこの県都の盛岡に県内各地から集まって、特に小児科の先生たちもそれなりに充実しているということで、松園のこども病院であるとか、都南の園であるとか、あるいはみちのく療育園であるとか、そういうところに集中してきている。
 今、あり方懇談会は、そうした体制を全体的に整備、見直しをしていこう、こういうことだと思いますし、また、指定管理者制度、民間委託等の新たな制度が出てきたので、県としてはどうしようかと、こういう視点で今、あり方懇談会が設置をされ、その答申を待ち、県ではいかに対応していくかと、こういうことで臨んでいると思うのです。前段申し上げましたように非常に相談件数が増大しているし複雑化している。しかも、非常に3歳児未満が大変多い。早期発見、早期療育すれば、いずれこれをクリアできた子供たちもいるのだと、こういう切実な保護者の叫びというのも大変多くなってきている現実から、公の施設として、大きくはこの皆さんは、療育センター、そういう大きな機能を持ったセンター構想というのが発表されているのですけれども、センター構想については、どのような県は認識でいらっしゃるか。私は、全部機能を充実したものを設置していく方向が一番いい方向だと思うんですけれども、その辺の県としての認識をどのようにお持ちかお伺いしたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 現在、委員会におきまして、その機能、いわゆる療育というのは本来どういうものなのかという議論もございまして、その中で、委員から御提案ありましたセンターの中には、やはり五つの機能として、相談でありますとか診断でありますとか、あるいは地域支援でありますとか、そういったフォローができるような形、きちんと指導ができるような形であるべきだろうというようなこと等についての意見が出されてございます。今、委員御指摘のように、仙台等におきまして、いろいろなモデルといいますか、医療を中心とした療育センターあるいは生活支援型の療育センターあるいは福祉支援というような形での療育の機能のあり方、さまざまあろうかと思います。そういったこと等についても現在御検討いただいてございまして、正直申し上げまして、県立の小児病院を大々的にということはなかなか現実的には難しいと思っておりますけれども、そういった障害を持ち、小さいうちに、言語でありますとか、あるいは何らかの発達障害、障害を残さないまででも、早いうちに支援することによって除去、軽減できる人たちに対する支援というものをできるだけ早目にチェックし、指導できる仕組み、それがどういうものなのかということを早目に構築しながら進めていければと思っております。
〇田村誠副委員長 吉田委員に申し上げますが、関連質疑は、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めておりますので、短時間、簡潔に発言をされるよう御協力をお願いいたします。
〇吉田洋治委員 重度の心身障害児、この問題は、本当に古くて新しい大きな問題だと私は思っています。しかも、大変重度化、複雑化してきておりまして、このあり方懇の行方を、出される方針を非常に注目している、こういうことだと思うんです。県としては、ぜひリーダーシップをきっちり発揮していただきまして、明るい展望が開けるようなものにしていってほしいし、ぜひそうした対応を求めまして、これは意見として終わらせていただきます。
〇千葉康一郎委員 私の方からは、先ほど保健福祉部長から今年度の重点施策の話がありましたが、その一つであります質の高い県民医療の基盤整備のことについてお伺いしたいと思います。
 中身は医師確保対策推進事業でございますけれども、まず初めに、本県に医師はなぜ定着しないのか、あるいは不足しているのかということをお聞きしたいわけでございます。調べによりますと、医師の充足率は、全国を100とした場合、岩手県は84.9%、ちなみに、県北沿岸は58.3%――これは新しい数字のようでございますけれども、そういう極めてゆゆしい状況にあるわけでございます。
 実は私も以前、医療局やら医大の方に足を運んで医師の配置を何回もお願いしたことがあるんですけれども、そのとき、知り合いの医師から大変ショッキングな話を聞いたんです。どんなことかといいますと、お医者さんの子供の教育のことですけれども、子供の教育を考えた場合、本県の教育レベルが問題だとか、あるいは芸術・文化に触れる機会が少ないとか、そういった話、特にお医者さんの奥さんたちがよく話をしている、そういうふうな話なんですね。そういうことがありました。いずれ、そういう先生、奥さんばかりではないと思いますけれども、現にこの地で一生懸命頑張っておるお医者さんがおるわけですから一概には言えないんですけれども、とにかく医者が何で岩手に――岩手ばかりじゃないですけれども――定着しないのかということ、その基本的な要因は何なのか、その辺をどういうふうに認識されているかお伺いしたいと思います。
〇福島医療国保課総括課長 ただいま、医師が岩手に定着しない、全体として不足している、この辺の要因なり原因をどのようにとらえているかということでございました。いろいろと要因はあるものと思いますけれども、大きく申しますと、本県の出身者で大学医学部に進学する者がまず基本的に少ない。これは、全国でもそうですし、それから東北の中でも岩手の場合は割合に少ない、これがまず一つございます。それから、県外の大学医学部に進学した場合に、卒業後もその進学した大学に引き続き残ってしまう、こういう例が多い。それから、地元の岩手医科大学で見ますと、入学者のうち4分の3ぐらいが県外の出身者で占められている。したがって、その方々は、卒業後に県外に行ってしまう。こういうことが基本にあるものと思いますし、また、ただいま委員から御指摘のありました、例えば御家庭をお持ちの医師を岩手にお呼びした場合、教育の問題であるとか文化的な面のやや貧弱さが言われたことも実はございます。そういった点もなくはないと思います。
 それから、もう少し現場に即した原因を一言お話しさせていただきますと、本県の場合は、人口に比較して病院のベッド数が非常に多いという状況になっておりまして、それと、入院される方の割合――入院受療率と申しますけれども――が高い、それから面積が広い。したがって、病院の、病院当たりと申しましてもよろしいんですが、あるいは1診療科当たりと申しましても同じですけれども、それ当たりの医師数の少なさがございまして、医師一人一人の実際の勤務上の負担感が非常に強いというようなことで、それをなべて申しますと、結局なかなか本県の場合人気がない、こういうことになるかと思います。先ほど申しました医学部進学者が少ないということとあわせて現在の不足の原因を形づくっているのかなと考えているところでございます。
〇千葉康一郎委員 不足する、あるいは定着しない要因はいろいろあろうかと思います。いずれ人気がないということが大きな要因になろうかと思いますけれども、先般の本会議において、佐々木大和議員、それから千葉伝議員の一般質問に対して知事が、昨年12月に設置された岩手県地域医療対策協議会、つまり医師養成確保懇話会のことを話されました。この協議会の設置目的とか、あるいは構成員、部長から冒頭お話あったと思うんですが、もう少し詳しくこれをお聞きしたいということと、もう一つ、保健福祉部長の答弁の中に、今年度末を目標に医師確保対策アクションプランを取りまとめ中だというお話がございました。年度末でございますから、もう既にプランもまとまっているんじゃないかと思うんです。その内容をお知らせいただきたい。
 さらに、県民は、とにかく日々安心して暮らせる医療体制の確保・確立を望んでいるわけです。医師不在地域といいますか、病院があっても医師がいない、そういう地域の住民にとっては本当に切実な願いでございます。特にも緊急に確保してもらいたいというのは、今さら申し上げるまでもないわけですけれども、小児科とか産婦人科の医師であります。この医師不在地域への医師の確保、この辺の見通しをお聞かせいただきたい。
〇福島医療国保課総括課長 地域医療対策協議会の設置目的、それから、アクションプランの内容、それから、緊急に医師を必要としていることに対してどういう見通しをしているか、順序にお答え申し上げます。
 まず、地域医療対策協議会ですが、これは、根本的には、厚生労働省、総務省、文部科学省の3省が、各都道府県に医師の偏在あるいは医師の不足に対して地域ごとに協議をするようにと求められた組織でございまして、ただ、本県の場合は、これにもう少し意欲的に取り組もうということで、サブタイトル的に医師確保懇話会と称しております。これは、お話ございましたとおり、12月に、メンバーといたしましては、岩手医科大学、医師会、国保連、市長会、町村会あるいは学識経験の方を含めまして設置したものでございます。
 この中で、主に中心的に議論をしてきたのが先ほどお話のございました医師確保対策アクションプランでございます。主な内容については、大きく、将来の医師を育てる、これは先ほど申しましたことと関連しますが、医学部に進学してもらうための取り組みをしようということ。それから、奨学金制度や臨床研修病院を知ってもらうということで、全国的にこれのPRを展開していこう。それから、今年度から臨床研修制度がスタートしたわけでございます。来年度で2カ年のワンクールが終わるわけでございますけれども、それが終わった方々にも引き続き残ってもらう、そういう方策をまず早急に立てよう。それから、地域に住んでもらうということで、特に女性医師の方々が仕事と育児を両立できるような環境の整備に取り組もう、それからまた、制度的なものは強力に国に要望していこう、そういった取り組みをしているところでございます。
 最後に、特に不足が話題になっておりますし、また、強い要望もいただいております小児科、産婦人科医師の確保のため、私どもといたしましては、自治医科大学卒業医師、市町村医師養成事業によって養成した医師の配置を中心にして、岩手医科大学の協力も得ながら、医療局と連携してその配置に鋭意努めているところでございます。
〇千葉康一郎委員 大変一生懸命取り組んでおることはわかりました。医師確保については関係当局が大変苦労なさっておる、これは十分承知しております。保健福祉部や医療局だけがどんなに血眼になってやっても、先ほどちょっと申しましたように、関係部門すべてのトータル的なものがありますから、一朝一夕にして医師が確保できるというものではないと思います。
 実は私、提案も含めて質問したいんですが、先ほど話がありましたように、県外にお医者さんが行っている、そういうお医者さんにこっちに戻ってもらうようなアプローチをしているんでしょうか。あるいは、縁故に医者はいないか。つまり、縁故のつてを頼って医者をこっちに呼び寄せる、そういうふうなこと。それから、市町村長にもそういういろいろな情報を寄せてもらうという、いわゆる県民一丸となった取り組みがやっぱり必要ではないのかと私は思っております。
 実は、私の縁故の医者の息子が埼玉におりますが、医者をやっているんです。この間結婚したんですが、産婦人科のお医者さんなんですね。親がこっちで医者をやっていますから、息子たちを呼んでこっちでさせたらと思っているんですが、ただ問題は、こっちで医者をやっても、おやじがやっているものだからこっちになかなか来れないというんです。ですから、例えば医療局あたりに入れてもらって、医療局にいる人をほかに出すとか、そういう考え。そういうふうなことをして、やっぱりあらゆる手だてを尽くしながら医師確保をしていかなければならないのではないか。
 アクションプランの中ではいろいろ立派なことを言っているんですが、そういう本当に汗を流すことも、できるかできないかやってみなければわからないんですけれども、そういうことも必要ではないかと思っております。ですから、ひとつそういう点も今後検討していただけるのであれば幸いなんですが、部長の所感をお聞きしたいと思います。
〇佐藤保健福祉部長 今、幾つか御提案いただきました。その御提案の中には、既に対応をしているものもございます。例えば、臨床研修制度が始まるに当たりまして、高等学校などの協力を得まして、県外に行っている医学部生に連絡をしまして、その上で本県で臨床研修をしてくれないかということで働きかけをしたという事例がありまして、御提案いただいた中には幾つかスタートしているものもございます。
 しかし、ただいま委員からお話ありましたように、幾つかまだやってみるべき部分というのはあるんじゃないかと考えております。実際振り返ってみますと、過去においては、どちらかというと市町村医師養成事業のような奨学金制度が中心でございまして、今、千葉委員がおっしゃったような、言ってみればどぶ板を踏むといいますか、本当に何でもやれることからやってみようというような、なりふり構わぬ取り組みがなかったのも、もしかしたら事実かもしれません。そういうことで、きょうアクションプランそのものを提示できないので大変恐縮でございますけれども、アクションプランの中では、当面考え得る施策をとりあえず網羅して、実行可能なものから順次実行していこうじゃないかということで検討をしているところでございまして、来年度と言わず、できる範囲から取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇千葉康一郎委員 県内の医療保健については、保健福祉部が総括しているわけでございます。医療局は、県医療、県立病院のことだけでございますから、中心はやっぱり保健福祉部だと思います。皆さんのこれからの御努力に期待をして終わります。
〇及川幸子委員 大変千葉康一郎委員はお優しい質問だったなと思っております。
 私は、女性の代表としてぜひこれは述べておかなければならないと思います。今、部長、当面、考え得るものを網羅して今後対処していくということですが、余りこれはのんびりしていられないんですよ、お産というのは。予定日が来まして産まれるとなりますと、対処していくとか考えてなどとは言っていられない状態だと、福島課長、そういう状況なんですよ。
 実は、花巻の場合をとりますと、大変な問題だと思っております。総合花巻病院の産科医師が今年度で退職し、4月より産科が休診ですね。その前に、昨年4月に県立花巻厚生病院も産科が休診でいないんですよね。2004年の状況を見ますと、総合花巻病院と市内の二つの産科、この三つで扱った出産数は800件ですよ。総合花巻病院の、このなくなった病院の部分だけでも220件ですから、これは本当に急いで何とか医師確保をしていかなければ間に合わないと思います。ですから、先ほど大変いい御意見を千葉康一郎委員はおっしゃいましたけれども、医療局とも連携しながら、早急になんですよ。アクションプランなんて言っている場合じゃないと思っておりますが、もう一度部長、強い答弁をお聞きしたいんですが。
〇佐藤保健福祉部長 冒頭にも申し上げましたように、医師確保対策は非常に重要な問題というのは認識しております。ただし、お医者さんに来ていただくということは、職業選択の問題があったり、特に診療科目については、何科を選ぶかというのは、卒業後に御本人様の意思でお選びになるということがあります。それから、そもそも人事というものが、必ずしも自由な出入りと申しますか、〇〇先生が〇〇病院に行きたいと思った、だから行く、やめたいと思ったからかわるという問題ではなくて、少なくともこれまでは医局という一つの人事ルートみたいなものがあって、その大学にある医局を通じた人事というものが行われていたために、そこに、悪い言い方かもしれませんけれども、食い込むということがなかなか難しかったんだろうと思います。そういう中で、私ども、手は限られていたわけですけれども、昨今の臨床研修制度の後の流れを見てみますと、そういった医局を通じた人事の流れというのが多少緩和して、ある程度、自由とまでは言わないまでも流動性のある市場と申しますか、流動性のある動きが見えてきているんじゃないかと思っておりまして、そういう意味でも、短期的に申しますと、やっぱり余裕、余力のある地域のお医者さんに来ていただくことを考えなければいけないんだろうと思っております。委員の方々から見ますと大変のんびりとしているとお思いになるかもしれませんが、実はアクションプランを立てながらも、例えば高校生に対する医学進学セミナーのようなものを並行してモデル的に実施をいたしましたし、あるいは女性のお医者さんからは直接面談をして御意見を聞いて、対応できそうなものについては対応するべく準備をしましたし、アクションプランというプランをつくりながら同時に実行していって、実行可能かどうかというのもある程度確認をいたしましたので、そう遠くない時期にそれなりの対応策が打てるんじゃないか、こういうふうに考えております。努力をいたしますので、どうかお力添えもいただきたいと思います。
〇及川幸子委員 以前に産科の先生とお話ししたことがあります。なぜ産科は人気がないのかと。そして、小児科の先生ともお話ししました。これは、ほかの診療科と違って、手がかかる割には報酬が少ないということなんですね。夜中の診療がほとんどだということ、その辺も医療局といろいろと福島課長、連携しながら、どういうふうに報酬が払われているのか、その辺も検討しながら、高校再編も少子化が一番問題なのでございまして、子供をたくさん産めよ育てよとしていかなければならない観点からお尋ねいたしました。
〇佐々木一榮委員 今の医師確保対策について2点関連してお尋ねいたします。
 どうしても公立の医科大学が東日本には少ないということで、西日本には結構たくさんありますので、医師不足は西日本の方はないようであります。岩手県の場合、どうしても自治医科大学、東北大学、そして岩手医科大学に依存する部分が多いわけでありまして、聞くところによりますと、自治医科大学とも真剣に話し合えば、例えば県立病院の院長ポストの数とか、そういうこともさまざま出てきているように伺っております。ですから、まずは三つの医科大学と今の県立病院の条件、これを再度、時代が変わってきましたけれども、詰めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 それから、九州は非常にお医者さんが多くいると伺っています。福岡から仙台空港まで1時間半で行きます。そうしたとき、例えば2年、3年の契約的な、先ほど子育ての話がありましたけれども、若いお医者さんで動けるうちに2年でも3年でも岩手県と契約できる形の、そういう特定の医者の多い地域との連携というものをどうお考えかと思います。
 それから、今、産科の話がありましたが、県立病院も今、老朽化でどんどん建てかえしておりますが、診療科がないということで空きスペースも結構あるようであります。実は、今度、磐井・南光病院には口腔外科の要望をしておりましたが、採算が合わないということで無理だと言われましたけれども、地元でもしそういうことができるのであれば、地元の歯科医師会で御利用していただいてもいいですよという話を医療局からいただきました。ある意味で、逆に言うと空きスペースですね、お医者さんになるんじゃなくて、県立病院の産科なら産科のあいているスペースを御自由に、御自由にというのもおかしいですが、使っていただくというような体制がとれないものかなと。というのは、代々お医者さんをやっていればいいと思いますが、これから個人で開業するのは絶対無理だと言われております。そういった意味で、せっかく医師免許を持って、地元に帰りたくても開院できないというお話も聞きますので、空きスペースをそういう形でお医者さんに貸すことができないかどうか、この点についてお伺いします。
〇佐藤保健福祉部長 かなり医師養成そのものの本質的な話に入ってまいりましたので、私の方から答えさせていただきます。
 三つぐらいお話いただいたんですけれども、まず、自治医大、岩手医大、東北大学の医局その他と十分話し合うべきじゃないかということでございまして、私どもも、先ほど申しましたいわゆる確保懇の中でも、医学部長はもちろんのこと、理事長にも座長として入っていただきまして話し合いをしたところでございます。また、東北大学につきましても樋口院長に入っていただいておりますし、また、県立病院のルートを通じて今後ともますます連携を深めていきたいと思っております。それから、自治医大につきましては事あるごとにお話をしておりまして、例えば、通常2人枠なんですけれども、これを3人枠にしてもらえないかということを担当部長などを通じてお話はしているところでございます。
 それから二つ目は、西日本みたいなところから一定期間お願いをして来てもらえないかという話でございますが、先ほどから何度か申し上げましたが、医師のキャリアパスと申しますか、その流れの中で見たときに、一体どうすれば岩手とかそういうところに来てもらえるかというのを全国的な流れで見てみますと、要は、魅力のある病院があればおいでになるんだろうというのがポイントになると思います。事例で申しますと、本土復帰前後の沖縄県立中部病院あるいは東京でいいますと女子医大病院というようなところを見てみますと、沖縄は非常に遠隔地でございましたし、東京女子医大は非常に勤務が激務でございまして、その上に給与に相当するものが非常に、額を申し上げると本当に驚かれるぐらいの、奨学金ほどもないような給与で皆さんが勤務をされているわけです。
 それはどういうことかというと、それぞれの病院に勤務すれば、それなりの能力、実力が身につくんだということがはっきりと日本中に認識されているわけでございまして、そういう意味でいいますと、私ども、アクションプランの中の一部を申しますと、やはり臨床研修が済んだ後の後期研修、シニアレジデントとも言っておりますけれども、後期研修の段階で、県立病院でもいいし日赤でもいいんでしょうけれども、岩手県内の病院にいればいかに能力、実力がつくかをアピールしていくことが必要なんだろうと思います。かなりこれまでおしかりを受けましたが、そういう意味で申しますと、これまで病院の側もそういうアピールが足りなかったのは事実だろうと思います。岩手は遠いからとか、気候がどうだとか申しますけれども、先ほど申し上げました復帰前後の沖縄県立中部病院とか女子医大のあの激務と比べますと、岩手のかなりの病院というのはまだ恵まれている部分もあるんじゃないかと思います。実際、沖縄の離島といいますと、本土から1、000キロ離れているとか、本島からも500キロ離れているところがあるわけですから、私ども、先ほどの千葉委員の話ではないですが、そういった種々の御提言とか御意見も承りながら今後とも対応してまいります。
 大変長くなって恐縮ですが、あいているスペースの利用についてでございます。これは、医療局にも趣旨を伝えたいと思いますが、一般論で申し上げますと、オープン病院、開放型病院と申しておりますが、そういう制度がございますので、診療報酬の中でもそれが一定の評価をされておりますので、例えば術場があいているとか、あるいは理学療法、作業療法――OT、PT――の部屋があいているということになりますと、それは病院と開業医の先生との間での一定の契約と申しますか、相談の上で使えるようになりますので、もし個別にお話があればまた医療局にもお伝えして、どういう方法があり得るか考えていきたいと思います。
〇佐々木一榮委員 最後の部分だけ確認させていただきます。今、佐藤部長から医療局の方につなぐというお話でしたが、医師確保の質問でしたので、こちらの部でさせていただきました。
 空きスペースというお話をしましたのは、医師確保の部分があったわけでありますが、現実には、さっき言いましたように、お医者さんの家にでも生まれないと自分が初代の医者だと開業もできないという時代に入っているのが現実でありますから、先ほど小児科の診療報酬の話がありました。産科の診療報酬も低いために医師がいないのは確実でありますので、であれば、県が医療局と保健福祉部の方でそういう部分を開放しますよという方針をきっちり出してもらって公告してもらえば、それだけの情報をもらって、じゃ、私は岩手の産科に行ってみようかということも出てこようかと思いますので、それについて、ただ医療局に話すということではなくて、何らかの結論を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇福島医療国保課総括課長 総論的にはただいま部長が御答弁申し上げましたので、ただいまの件につきましては、先ほどの千葉委員の御提言も含めまして、急ぎ一つの取り組みの方向として対策協議会の方でアクションプランにのせるべく、内容について議論してまいりたいと思います。その中に医療局も当然メンバーとして入っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇吉田昭彦委員 関連しまして私も一言お伺いしたいわけでありますが、ただいまの医師対策、医師不足については、保健福祉部、医療局それぞれのサイドで大変御苦労なさってこれまで来ているし、また、これからも続くであろうと心配なわけでありますが、東北、北海道は全国の中でやはり医師の充足率が低いと伺っておりますけれども、佐藤保健福祉部長は厚労省の御出身でありますが、厚労省は、こういう東北、北海道の医師不足の問題について、地域の問題であるというお考えなのか。先ほどの質疑の中でも、厚生労働省、総務省、文部科学省、3省でいろいろ検討を始めたという話を伺いましたけれども、私は、地方の医師不足については、制度的に何かを考えていかなければ解決できない問題ではないかと思います。そうすると、これは一県単位で考えてはなかなか解決できない問題ではなかろうか、そのような感じがするわけですが、厚生労働省は、この問題について何か検討しなければならないという考えに立っているのか、それとも、地方に任せて何とか頑張ってもらわなければならないというお考えなのか、その点はいかがでしょうか。
〇佐藤保健福祉部長 私も伝聞に頼る部分も多いんですけれども、結論から申しますと、単なる地域の問題とは考えていないと思います。であるからこそ、先ほど福島総括課長の方からもお話をしましたように、総務省や文部科学省も巻き込んで議論があったものだと思っております。ただ、そこで導き出された結論だけ見ます限りは、当面、国レベルで動けない、あるいは動かないというふうなサインが来ているようにも思えるところでございます。
 なぜそういう感じになるかと申しますと、本会議でも私お答えしたんですけれども、中長期的に見ますと国全体で医師はどうも過剰になるらしくて、全世界的にもトップクラスになるというのが見えている。そして、医師をふやすにしても減らすにしても、アクションを起こしてから効果が出るまでに30年から40年かかる。とすると、今ふやすと将来的に莫大な医師過剰になるんじゃないかという恐怖みたいなものを根っこには持っているんだと思います。
 ただ、それにいたしましても、東北、北海道を中心に、私ども機会あるごとに、短期的には非常に大きな問題になっていて、地域の産科医療とか小児科医療は崩壊寸前なんですよということを申し上げてきました。特に、一関の例の小児科の事件以降はそういう話をしてきましたので、そういった取り組みの一つが、繰り返しになりますけれども、先ほどの3省を巻き込んでの会議だと思っております。
 それから、動きとしてはやや遅いんですけれども、今の動き、つまり地域的に偏在がある、それから診療科に偏在がある、そういった動き、それから、最近は女性の医師がふえている、それから労働基準法の遵守をすべきだというような話も出てきたところなものですから、遅まきではありますけれども、国としては、もう一度需給見通しの検討会をするんだということで、今、動いてはいるようです。ただ、結論が出るまでにはもう少し時間がかかるのかなと思っておりますが、いずれにしましても、そういった問題は検討はしてみたいと考えているというように理解しております。
〇伊藤勢至委員 医師確保について一つの例をお話ししながら、ぜひそういうところも取り入れてほしいという思いから提言を含めて質問をしたいと思います。
 アクションプランといいますと、よく平面的な、例えば企業誘致に例えては失礼ですけれども、誘致企業が来た場合は固定資産税の減免をしますとか、設備投資の利子補給をしますとか、そういう平面的なところではなくて、もう一つ大事なところは、お医者さんも最終的には人間――人だと思うんです。つまり、社会に貢献をしたり世の中の役に立ちたい、こういうことで医師の道を選ばれるんだと思うんです。そういう中で、一つの例でありますが、数年前に田野畑村の将基面先生という先生がお亡くなりになったわけでありますが、これは、28歳で田野畑村長に当選をしました早野村長の公約の一つだったようでありまして、1年あるいは2年近い時間をかけて、心と心で誘致をしたというか三顧の礼をもって迎えたといいます。その結果、19年居ついてやっていただいた。お亡くなりになって葬儀は東京でやったようでありますけれども、田野畑村の住民は三千四、五百人だと思いますが、御葬儀に、お礼を申し上げなければならないということで、1割以上の村民400人近くが東京まで行ってわざわざお別れをした、こういう人と人とのつながりという部分が何となく欠落しているのではないか。
 したがって、心と心で招請をするといいますか、お願いをするというか、それで10人も20人にも仮にならないとしても、1人でも2人でも確保するためにはつながっていくのではないか。そういう例が本県にはあります。当時は日本のチベットと言われまして、そういうところだったわけでありますけれども、今はそんなことはなくなりましたが、そういうところにでも、やはり気持ちを持って、心を持って当たれば来てくれる人がいるのだと思いたいわけでありまして、そういうところも含んでいただきたいと思いますが、感想を伺って終わりにします。
〇福島医療国保課総括課長 将基面先生の件、私も存じ上げております。
 医師も人であるということと、おいでいただくに当たっては、単に報酬だけではなくて、心でお呼びするという点については、今後、このアクションプランをさらに肉づけしていく中で忘れずに入れ込んで皆様の御議論の中に生かしていきたいと考えております。
〇平沼健委員 私は、さきにいろいろな委員の方々が質問されておりまして、若干ラップするかもしれません。県立社会福祉施設の民間委託についてまず一つ伺いたいと思います。
 県内に県立社会福祉施設、入所型が12、そしてまた、利用型が五つ、計17施設あるわけでございまして、このうちの14施設が県社会福祉事業団へ委託をしております。しかも、これに年間約20億円前後の委託費といいましょうか、委託料が県費として出ていっているわけですね。この20億円のうちの約8割以上がそこの職員の方々の報酬というか給料というか、そういうものになっておるのが現在の実態です。今回、これを民間委託にするんだということで、大まかには平成18年度からの委託ということが考えられておるようでございますけれども、さきの知事の総括質疑の中でこの点にも若干触れておったような気がしたんですが、この県費の削減について、具体的にどのような削減をしていくのかということが定かでなかったものですから、この辺は、どういうような形でこれから民間へ社会福祉施設を委託していって、その間に県費の委託料をどういう形で削減を図ろうとしているのか、まずこれをお尋ねしたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 県立社会福祉施設の見直しにつきましては、改革プランの方でお示ししましたとおり、現在、社会福祉事業団に入所型の施設10施設を委託しております。改革プランにおきましては、これらの施設につきまして、先ほど松山荘は県立として維持ということになりましたので、残りの九つにつきましては民間移管、そして、そのうちの七つについてはあらかじめ事業団の方に移管をしたいと考えております。
 今までは、県の方から社会福祉事業団に施設の管理運営を委託しておりました。これからは、その施設につきまして事業団に移管をしまして、事業団に自主的に運営をしていただく。つまり、委託費は払わないということでございます。一般の民間の施設におきまして、事業団と同じような種別の施設におきましては、措置費とか支援費とか、そういうような制度的な経費の範囲内で施設を運営しているところでございますが、事業団の施設につきましては、先ほど委員御指摘のとおり、人件費等の問題もございまして多額の県費を上乗せしております。したがいまして、今回の改革におきましては、原則として、ほかの民間法人と同じように、そうした支援費あるいは措置費といった制度的な経費の範囲内で運営されることを期待しているものでございます。そういたしますと、現在、委託費に頼って運営しております事業団につきましては、経営の抜本的な改革が求められることになります。そういうことで、県の方といたしましては、今後、事業団の方とこの点につきまして十分協議をいたしまして、既に事業団の方でも、そういうふうに将来県費が縮減されていく、それに対応するためにはどうしたらいいかということで内部的には検討を進めております。そういうことで、事業団の方と協議・検討いたしまして、改革を着実に進めてまいりたいと考えております。
 具体的な方策につきましては、今後、事業団と協議してまいります。大部分は人件費ということになりますので、考えられるものは、例えば給与の見直しでありますとか、そういうものが大きな要素を占めてくることになるかと思います。ただ、それらにつきましては、やはり事業団事務局、そして職員の方々、組合、いろいろ関係がございます。そちらの方とも十分協議・検討しながら、経費の縮減、事業団の抜本的な経営改革、そういうものを実現してまいりたいと考えておるところでございます。
〇平沼健委員 そうしますと、もう平成18年度から委託して、すぐ今までの県費というものは上乗せしない、そういう意味でございますね。
〇菊池地域福祉課総括課長 先ほどつけ足すのを忘れておりましたけれども、改革プランの方には書いてございますが、そういう形で、支援費あるいは措置費という制度的な枠内で事業団が運営される、これを期待しているわけでございます。しかしながら、事業団はやはり大規模な施設でございますし、多くの職員もおります。それから、民間施設に比べまして重度の方々の割合が多いという事情もございます。そういうことを踏まえまして、県の方としては、一定の期間、事業団に対しまして支援が必要であろうと考えております。これにつきましては、県民の方々、議会の方々の御理解ももちろんいただきたいわけでございますが、そういう重度障害者の方々に対する処遇水準の維持、それから事業団職員の雇用の確保等々の問題、それから、これまで事業団が果たしてまいりました役割、事業団設立の経緯、そういったものを踏まえまして、繰り返しになりますけれども、一定の期間は支援を行ってまいりたいと考えております。
 ただ、改革を推進することによりまして、事業団に対する県費の支出額につきましては、毎年度、着実に縮減されていく、そういう計画をこれから詰めていきたいというふうに考えております。
〇平沼健委員 理解しました。
 そこで今度は、私は逆の面から一つ伺ってみたいと思うんですが、いろいろな公的な施設を民間委託ということは本当にいいことだと私は思います。ただ、今までのこういう面からいきますと、措置制度だったものが今度は契約制度になってくるということが一番大きいと思うんです。そういう中で、こういういろいろな社会福祉施設を、一気に全部ではないにしても民間委託にしていく。これは、現在でも民間でもって結構いろいろなところでこういうことがなされております。これも事実です。ただ、私、これを見て一番心配したのは、やっぱり制度ということなんでしょうけれども、民間に委託した。そうしますと、要するにこれは民間ですから、あくまでも利益追求ということがあるわけですね。そうすると、入所してくる方々の選別というか、手数がかかり過ぎる人は排除するとか、そういうことがあってはいけないと思うんです。その辺をどのように県としては指導していくのか、それを一つ伺っておきたいと思います。
 いろいろなこういう社会福祉施設の民間が今たくさんございますけれども、それが今、立ち入っているのも、背景には、やっぱり公的な施設、県の施設があるものだから、やっぱり民間でも安心して運営できるということもあると思うんです。その辺も踏まえながら、その考え方をお聞かせください。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 まず、社会福祉施設における障害者等の入所受け入れについてでありますが、障害者の支援費制度におきまして、入所施設は、正当な理由なく、指定施設支援の提供を拒んではならないとされております。このことは、県立施設とか民間施設かによって違いが出るものではないと考えておりますが、本県の対応について申し上げますと、市町村におきましては、個々の障害者の実態やニーズに対応して、入所の問題も含めて相談支援が十分にされるようなケアマネジメント体制の整備に努めてきております。また、在宅障害児(者)の地域生活を支援するコーディネーターを圏域ごとに配置しまして、障害児(者)の身近な地域で療育指導あるいは相談等が受けられる機能の充実を図ってきております。特にも、身体障害者療護施設――身体障害の中で最も重い方が入所される施設でございますが――入所等につきましては、福祉総合相談センター内に入所調整のための会議を設置いたしまして調整を図ってきております。
 今後とも、このような仕組みを軸に、援護の実施者であります市町村はもとより、各事業者への適正な指導等に努めてまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 わかります。確かにそういう項目があって、入りたい人をだめだと言うことはできない、公平に扱うというか、そういうことがあるんでしょうけれども、やっぱりこれは、民間施設ですと、ある面では、さっきも申し上げましたけれども、利益というものがやっぱりあるわけですから、だから、コストアップになるような場合にはやっぱり自分のところは受けたくないとか、そういうことがなければいいですよ、その辺を私伺ったんですよ。そういう書き物があるんだということはいいんですけれども、やっぱり実際にそういうことが全くないように、これは県の方でうまく指導をしてお願いしたいと思っております。その辺はどうですか。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 各地方振興局単位に、圏域での調整連絡会議等、事業提供者等も含んだ形で参入していただいております組織がございますから、そういった場を活用しながら、適正な入所等ができるように今後とも指導してまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 最後に、先ほど来医師確保対策についていろいろな方々の御質問がございましたし、また、これは毎議会、そして代表質問等でもたくさんの委員の方々から質問がございました。
 私、1点だけお尋ねして終わりますけれども、自治医科大学の運営費負担金として1億数千万円というものがあるわけです。この額が大きいか小さいか、これはまた別にいたしましても、依然として県内の医師不足が解消できない、これが実態ですね。自治医科大学ということで国内の各県がこういうような負担金を出していると思うんですが、岩手県として、自治医科大学からお医者さんに来てもらっているというか、その辺の効果と言ったら失礼でしょうか、投資している分に見合う効果というか、その辺をどのように判断しているのか、それだけお聞かせいただいて私は終わります。
〇福島医療国保課総括課長 自治医科大学につきましては、お話のとおり、1億2、700万円の交付金を出しているものでございます。ここは医学生は全寮制で6年間医学教育を受けるということでございますので、養成者1名当たりおおむね5、000万円ほどをかけて卒業していただく、こういうことになると思います。したがって、昭和47年度に事業開始いたしましたから、これまでざっと35億円ほど経費を要したというものでございます。これまでに、自治医科大学で養成した医師は約70名ございます。そのうち、9年間の義務履行を既に終了して、それぞれの地域なり病院なりで医療に携わっておられる方々がざっと40名、それから、現在、義務履行中の方々が25名という状況になっております。
 これはお尋ねにはなかったわけでございますけれども、もう一本、私ども市町村医師養成事業なども実施しておるわけでございますが、自治医科大学を中心として、毎年30名ないし40名の医師に現在県内の医療機関で勤務をしていただいておるということで、全体としては、先ほど来医師不足などの問題もある中で、それぞれの地域で一生懸命頑張っていただいているものと考えております。
〇田村誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時59分 休 憩
   午後3時20分 再 開
〇佐々木順一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、高橋障害保健福祉課総括課長より発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 樋下委員からの質問の部分で未回答の部分がございましたので、回答させていただきます。
 高齢聴覚障害者用施設についてでございますが、盲養護老人ホームは制度上位置づけられておりますが、聴覚障害者のための施設は制度化されておりません。したがいまして、現在、現存の養護老人ホームあるいは特別養護老人ホームの中で、そういった聴覚障害者のための施設として対応してきているといったところが実態のようでございます。ちなみにでございますが、全国の数といたしましては6カ所、養護系としましては3カ所、150人、特別養護系としましては3カ所、204人ということで、聴覚障害者の専用としましては4カ所ほど全国にあるということでございます。
〇樋下正信委員 ぜひ岩手県でもひとつよろしくお願いしたいと思います。
〇木戸口英司委員 障害者福祉についてお伺いいたします。
 支援費制度が始まりまして、来年度で3年目を迎えることとなります。障害者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービスの提供を基本として、事業者との対等な関係に基づき、障害者みずからがサービスを選択、そして契約をすることでサービスを利用する仕組みであり、すべての障害者に対して豊かな地域生活の実現に向けた体制を整備することが目的とされております。
 それで、地域生活を支えると、支援するということにつきまして、県として来年度、急増するホームヘルプサービスの利用需要に対しまして、どのように取り組み、市町村を指導していく考えかお伺いをいたします。
 また、整備のおくれが指摘をされておりますデイサービス、ショートステイにつきまして、この取り組みはいかがでしょうか。整備目標等があれば、それもお伺いをしたいと思います。
 ケアマネジメント体制の整備、これは予算も計上されておりますが、この取り組みはいかがでしょうか。この目標もあればお示しをいただきたいと思います。
 また、県は、県庁や出先機関の物品購入や業務委託の際、NPO法人が共同受注の拠点となり、県内の授産施設に発注する取り組みを始めております。各授産施設のお話を聞いてみますと、大変昨今の不況ということでこの業務、大変苦労しておるということを聞いておるわけでありますが、この現状、そして来年度の取り組み、数値的な見込み、また目標等があればお伺いをしたいと思います。今後この取り組みを県庁からさらに市町村、民間企業に波及をさせていくと、これが必要となってくると思いますが、この点どのように取り組んでいくか、まずお伺いいたしたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 まず、利用需要等についてでありますけれども、支援費制度開始2年を経過しまして現在サービス利用は着実に進んでおり、現在、在宅サービスにおきましては利用人員、支援費支給等も大きく伸びております。ホームヘルプで申し上げますと、昨年4月に比較しまして17.2%の増となっております。
 次に、今後の取り組み、指導等についてでございますが、ホームヘルプの市町村実施数で申し上げますと28市町村から47市町村に拡大するなど、サービス基盤の整備は確実に進んできております。整備すべき目標といたしましては、引き続き岩手県障害者プランの確実な推進に努力してまいりたいと考えております。
 また、市町村に対しましては、身近な地域で必要なサービスが受けられる体制の整備に向け、圏域ごとのサービス調整会議の場を通じて要請してまいりたいと考えております。
 ケアマネジメント体制につきましては、本県では取り組みが早かったこともありまして、他県と比較しますと相当充実していると言えます。しかしながら、市町村における体制は、質・量ともなお充実を図る必要がありますことから、具体的にはケアマネ従事者の養成研修でありますとか、相談窓口への研修修了者の配置、ケア会議の頻繁な開催などに努めてまいりたいと考えております。
 次に、チャレンジド就労の関係でございます。授産施設等への発注の現状等についてでございますが、県では率先して授産施設等から物品等の調達を行うため、取扱要領を定め、ことしの1月から全庁的な購入運動を展開してきております。実績としましては、会議等の茶菓でありますとか出前販売、会議等のテープ起こしなども行ってきております。マッチング機関ということで、また、営業や販売力が弱い授産施設等の課題に対応しまして、生産者である授産施設等と行政も含めた消費者とを結びつけるNPO法人――これを通称私どもマッチング機関と申し上げておりますけれども――といったものに対しまして、その運営を支援しているところでございます。最初の事例としまして、12月には綱取ダムの回収流木の分別業務、それから2月からは県庁内でパンなどの食品販売を行うむーぶCafeの運営にも取り組んできているところでございます。
 これらの取り組みについては、スタート間もないことから、現時点で数値見込みを立てることは非常に困難ではございますけれども、チャレンジド製品等の購入運動につきましては、全庁的な浸透を目指すとともに、市町村に対しても取り組みの普及に努めてまいりたいと考えております。また、マッチングにつきましては、当面、業種や業態の拡大に努めるとともに、盛岡圏域以外の展開も図ってまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 かなり対応が進んできているということをお聞きしました。いずれ障害者、大変広範多岐にわたるニーズ、また、それぞれの症状ということもありまして、きめの細かい対応が求められているところだと思います。なお一層のお取り組みをお願い申し上げます。
 次に、現在、国会におきまして、障害者自立支援給付法案、これ審議中であります。この点は総括質疑でも取り上げられたところでありますが、大きく変わる点は、支援費制度を含む現行の障害者施策体系を見直し、身体、知的、精神3障害の共通施策を一元化すること。その中で一番の問題とされるところは、利用者に原則1割自己負担を求める、これまでの応能負担から応益負担となることであります。低所得者が一般であります障害者にとりまして、特に、一般就労の困難な障害の重い人たちは、収入のすべてを障害基礎年金、これを聞きますと生活保護基準にも満たない金額だということも言われておりますが、それのみに頼っている場合が多いと聞いております。利用者に大きな負担を強いることになるのではないかという危惧が既に持たれておるところでございます。地域生活の継続が困難になれば、地域への移行という目的、これは先ほども触れましたけれども、これが全く困難になってくる。現在、法案審議の途中でありますけれども、これは、昨年10月に公表されました、今後の障害者保健福祉施策について、改革のグランドデザイン――これは国から発表されているわけでありますが――これに基づき法案化されたものでありまして、県として、現時点でさまざまな影響について考察しているものと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 まず、障害者自立支援給付法案の改革のねらいについてでございますが、障害種別によって異なる福祉サービス等の仕組みや内容を一元的なものにして、その利用者の増加に対応できるよう、制度をより安定的かつ効率的なものにしようとするものであり、その一つとして、利用したサービスの量や所得に応じた公平な負担を求めることとされたところであります。
 次に、利用者への影響等についてでありますが、新法では、サービスの利用に応じた1割の応益負担が原則とされています。現行制度では、自己負担対象者が全利用者のうち約半分でありますが、新法ではほとんどの利用者が自己負担対象者になると考えられます。
 また、在宅障害者との負担の均衡を図るため、現行各法で公費負担している施設入所者、入院患者の食費等の実費を負担することとされております。
 影響等についてでありますが、生活保護世帯についてはもちろんのこと、低所得者への配慮として、応能負担の考え方も一部残されることになっております。いずれにしましても、詳細が不明のため、全体的な影響額の予測は困難な状況にありますが、なお、今後示される低所得者対策の詳細も含め、市町村や施設あるいは関係団体等に対し説明する会議等を開催するなど、正確な情報の伝達に留意するとともに、利用者に対しましても、これらを通じて周知徹底に努めてまいりたいと思っております。
〇木戸口英司委員 いずれ、これからの法案ということでありますけれども、今お話しありましたとおり利用者の負担が増加ということ、これはどの政策にも今、共通する問題となっているわけでありますが、自立を支援するというはずの法案でありますが、これが阻害視されていくということが心配されているわけであります。これは私たちも注視をしてまいりたいと思っております。
 次に、これは昨日も教育委員会で議論をされたところでありますが、発達障害者支援法が昨年12月成立しております。いわゆるLD、ADHD、高機能自閉症等に対する発達支援と、医療的、福祉的、教育的援助ということでありますが、この早期発見、早期の発達支援、就労の支援、地域での生活支援等がこの法の柱となっているわけでありますが、早期の発見・発達支援は特別支援教育として教育現場で取り組みが特に進められていくわけであります。保健福祉部としても当然連携が図られていくものと考えますが、今後の取り組み、来年度の取り組みをお伺いいたします。
 また、就労支援――この部分は商工労働観光部の所管でもあるわけでありますが――また、生活支援につきましても、当部としてどのように連携をとり、取り組んでいく考えかお伺いいたします。
 また、この支援法の中に示されております発達障害者支援センター、この点につきましても保健福祉部としてどのように連携をとり、取り組んでいく考えかお伺いいたします。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 本県におきましては、自閉症・発達障害者支援センターの平成16年度の開設を目指しまして国庫補助協議しておりましたが、残念ながら採択されなかったこともございまして、改めて来年度予算に計上したところであります。
 発達障害者支援の取り組みについてでございますが、その後、発達障害者支援法が成立いたしまして、都道府県におきましても、これまで以上に早期発見・発達支援から、教育・就労・地域での生活といった一貫した支援や、発達障害者支援センターの整備、それから発達障害者支援を担う人材の育成に努めることとされたところであります。さらに、国におきましては発達障害者支援センター及び発達障害者支援体制整備事業の考え方が示されまして、この中では、自閉症・発達障害者支援センターが発達障害者支援法における発達障害者支援センターとして位置づけられたところであります。詳細は現在のところ不明ではありますが、国の要綱等の提示を待って所要の整備を図ってまいりたいと考えております。
 なお、このセンターにおきましては、教育委員会、児童相談所、医療機関並びに公共職業安定所、それから地域障害者職業センター等の関係機関とも十分に連携を図りながら、取り組んでまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 いずれ、この新しい大変な大きな問題ということで、今、教育現場でもそれぞれ父兄の方々も大変不安になりながら、また取り組んでいるという状況であります。やはり発達障害者のこの一生を生活の場で支援していくという意味であれば、これは保健福祉部の大きな課題であろうと思います。この点よく国の方の動向、情報を得ながら、各部局との連携を深め、取り組んでいただきたいと要望を申し上げるところであります。
 それでは、これは最後になりますけれども、昨年6月に、国の方で障害者基本法が改正されております。これは平成13年8月、障害のある人々に対するあらゆる種類の差別を禁止する法律を採択するようという、これは国連が日本政府に対し勧告したことによると聞いております。いずれ日本政府の対応がこの点で大変おくれていたと、世界的にそういう評価を受けたということだと認識いたします。障害者差別禁止条項がこの基本法改正の中で盛り込まれましたが、これは私も読んでみましたけれども、基本的理念にとどまっており、何が差別に当たるか定められておりません。実効性が乏しいとの批判があります。国は今後、差別法について検討するとしておりますが、他の法律、その整合性から難しいとの認識を示しているとも聞いております。
 隣の宮城県でありますけれども、これは全国初となります障害者差別排除条例の制定、これを方針で決めて、今2月議会に提案され、ことしの10月の施行を目指していると、今審議されているということを情報で聞いております。条例の案を見ましたけれども、地域生活、医療、不動産の取得・利用、労働、教育の5分野で、障害者であることを理由に不利な扱いをしないように努めると規定している。差別が認められた場合は、これは知事が是正勧告をする。重大な差別は公表するということになっております。これに先駆けて、宮城県では知的障害者施設解体宣言を行っておりまして、障害者が施設を出て、地域で安心して暮らしていけるための環境づくりが検討されている。大変すばらしい取り組みだと私も評価をしたところでありますが、本県でも、障害者に対する差別的な事象、これは宮城県ではたくさんの投書等があって、こういったまた取り組みになったということも紹介されておりますが、こういった事象につきまして、投書や投稿など寄せられているものではないかと思いますが、この点、現状をどう認識されているかお伺いしたいと思います。
 また、この点につきまして、これは部長にお伺いしたいと思いますが、こういった隣県での、宮城県でのこのような取り組みについて所見があればお伺いしたいと思いますし、また、本県においても検討する考えはないか。これからの県の障害者福祉政策の方向性とあわせてお伺いしたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 まず、障害者差別に関する投書や投稿についてでございますが、平成16年度は、差別の実態に関するものとしまして1件、それから差別禁止条例の制定に関するものが1件、合わせて2件ほど県政提言として寄せられております。
〇佐藤保健福祉部長 宮城県では平成17年度内の施行を目指しまして、条例案を議会に提案する予定ということで聞いております。宮城県の素案を拝見したんですけれども、例えば差別排除の仕組みとしまして救済機関を設けるなど、障害者が地域において普通に暮らしていく上で、障害者御自身に安心と自信とを与える先駆的な取り組みだろうと考えまして、大変意義のある意味のあるものだと考えております。ただ、こういう条例を踏まえて具体的には、ではどういう行政施策に反映していくのかという点については、これから検討すると聞いているところでございまして、本県におきましても、こうした宮城県の事例とか、あるいは障害者関係団体の意見を伺うなどして、その必要性を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 ぜひこれは今後の、国家としてのということも先ほど触れました、言えると思いますが、まだなかなか進まない部分もある中でやはり地域の声として我々もとらえて、部局、また、我々ともに取り組んでまたそれぞれ勉強してまいりたいと思っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 少子化についてちょっとお伺いしたいと思います。
 人口減少が進んでいるということで、岩手県も昨年の10月までの1年間で、全国で見ると減少率で7番目ということで、非常に減少が進んでいるということ。それは社会リスクもあるので一概に少子化とイコールではないのですが、福祉というところで少子化という視点で見てみたいと思うのですけれども、岩手県の今年度の予算措置の中で少子化対策と言えるような部分というのは、どのようなものが想定されているかお聞かせ願いたいと思います。
〇福田保健福祉企画室企画担当課長 少子化対策は、御承知のようにいわて子どもプランに沿って進めているわけですが、今年度全庁的に子どもプランの中にさまざまな事業を盛り込んでおりますが、今年度は特に子育て中の家庭への支援として、地域子育て支援センターの事業でありますとか、子育てと就労や社会参加の両立支援の分野で、仕事と家庭両立支援セミナーですとか、男女の雇用機会均等セミナーの開催、あるいは延長保育事業に力を入れていくことや、放課後児童健全育成事業、あるいは県警本部の関係の事業になりますけれども、子ども110番の家の事業ですとか、教育委員会の関係になりますけれども、岩手食育支援事業とか食の安全安心親子探検隊事業などを重点に進めていくということになってございます。
〇嵯峨壱朗委員 今年度の当該部の柱の中で、安心して子供を産み育てられる環境づくりというのがございます。今の説明でいろんな部局にわたっていると思うのですけれども、どちらかというと育てる部分に重点を置いた施策かなと思って聞いているのですけれども、去年、少子化とイコールではないでしょうけれども、不妊治療というのに対して補助をするという、今年度ですか、平成16年度の予算が、措置があったわけですけれども、それの利用状況というんですかね、効果というと非常に難しいです、利用状況はどうなのかお聞かせ願えればと思います。
〇古内児童家庭課総括課長 お尋ねのものは特定不妊治療費助成事業のことかと存じます。平成17年2月8日現在で各保健所から申請が当課に申達されましたものについて決定したもので申し上げますと、申請件数は97件でございます。決定の内訳で見ますと、給付の決定したのが96件、不承認であったものが1件となっておりまして、不承認につきましては制度が始まる前から治療を受けていた方でございましたので、1件不承認ということがございました。もう一つお尋ねの効果でございますけれども、この特定不妊治療につきましては、申請書の内容に、実際妊娠に至ったかどうかまで細かな部分まで記載を求めているものではないものでございまして、実際に治療を受けてどれほどの方が妊娠に至ったかということは、ここではちょっとデータで申し上げることはできませんので、御理解をいただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 少子化についていろんな問題があった、結婚観とか子供観の推移とか変化とかいろいろあると思うのですが、そうした中で福祉的な側面で見ると不妊の治療というのもある。そして、出産費用が高いとかいろんな要素があると思うのですけれども、例えば、こういったものに対する、国では一時金ですか、保険として40万円でしたか、出産費があるわけですけれども、そういった費用も含めた、あと児童手当も他国と比べて少ないとかという理由もあるのかですけれども、いろんなトータルに見てどういったことが施策としてできるのかなという気がしているのですけれども、部長、全体見て御意見いただきたい。
〇佐藤保健福祉部長 今、委員の方からるる御説明がありましたので、一部繰り返しになる部分もあろうかと思います。直ちに少子化対策、つまり子供が生まれるようになるかどうかは別としまして、これまで全国各県で幾つかの出産祝い金のような制度であるとか、いろんな各種の施策が行われてきた成果を総括したところによりますと、基本的には少額の、言ってみれば奨励的な補助金ではどうもうまくいかないらしくて、やっぱりやるのであればかなり大がかりに、しかも、もっと言うと所得補償的と申しますか、教育費も含めたその費用をかなりの部分補てんするような大がかりなものでないとだめなのではないだろうかというのが、過去10年ないし20年の経験だろうと思います。私どもも聞きますところでは、国もそういうところにだんだん気づき始めて、単純に祝い金でありますとか医療費の自己負担相当分を軽減しますというようなことではなくて、もうちょっと社会保障全体の分配と申しますか、社会保障給付の分配のあり方からやらなければいけないのではないかと言われております。
 例えばの例で言いますと、多少差しさわりがあるかもしれませんけれども、我が国の社会保障給付の特徴は、高齢者に手厚く、子供さんあるいは子供さんを持っていらっしゃる家庭にやや薄いという傾向があるようです。もちろん財源が限られておりますので、どういうふうに分配するのがいいのか、あるいは財源をどうするかというのは非常に難しい問題でありますが、いずれにしても結果だけを見ますと、高齢者に相当に手厚いというのはどうも事実のようでございます。
 ですから、今の話の繰り返しになりますけれども、分配の割合をどうするのか、あるいはパイそのものをふやすような努力をするのかといったようなことが、国政レベルで議論され始めていると聞いているところであります。
〇嵯峨壱朗委員 仮にですけれども、県として何らかの対策、可能なものというのがどういうものがそうでしょうか。
〇佐藤保健福祉部長 結論から申しますと、県レベルでできる財政的な支援というものは、青森県や秋田県や、あるいは西の方で言うと大分県とか高知県などでもやったようですけれども、結果的には効果がほとんど見えないというようなことでやめてしまったところも相当あると聞いております。そういった中で考えますと、私どもとしては、財政的支援は、もちろんその国の動向などを見ながらやらなければいけないんでしょうけれども、あわせて、当面、この1年とか2年とかいうレベルで言いますと、先ほど福田の方からもお話をしましたように、子育てプランの新バージョンと申しますか、御提示申し上げたばかりでございますので、その中で、男性を含めた働き方のあり方を見直すということになっておりまして、ちょっとやや迂遠といいますか、遠回りな感じはいたしますけれども、育児休暇が確実にとれるようにする。それも女性だけでなくて男性もとれるようにする。そういったことを、つまり働き方という部分を中心にやっていきたいと思います。その率先垂範というわけではないのですけれども、総務部の方では県庁全体の職員の育児休暇がとりやすくなるようにということで計画を立てましたし、また、教育委員会や県警本部は独自に立てているようです。そうした先駆的な取り組みが企業にも及んでいけばいいのではないかと考えております。
 これ以外には、先ほどの繰り返しになりますけれども、例えば、タイムケア事業と言っておりますけれども、一部の障害者の児童の方の放課後の保育の問題でありますとか、そういった種々さまざまなこれまでの児童健全育成の流れの中で組み合わせて対応していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私も県立社会福祉施設のあり方について、現地調査を踏まえてお聞きしたいと思います。県立みたけ学園、みたけの園、これは知的障害児の施設でございます。県立の施設として重度、最重度の障害者が多くて、国基準よりも人員が配置をされている。それだけの対応がなされている。私は、実際にこれは民間が手を出しにくい重度の方々が実際に入所されているし処遇をされているなと感じてきました。ここではグループホームやデイサービスなどの取り組みも積極的に取り組んでいまして、知的障害者施設たくさんあるけれども、岩手県の中でのモデル施設の役割を立派に果たしているのではないか。この点について県はどういうふうに評価をしているのか。
 もう一つ、今回の見直しに当たりまして、施設利用者の保護者からたくさんのアンケートでの不安の声が出されております。私も詳しくこれを読ませていただきました。施設利用者の保護者の意見や不安にどう県はこたえているのか。事業団に移行するとなっていますけれども、県の上乗せ補助、施設の改修・改築、そして人員、待遇、これどうなるのか。まずお聞きします。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 これまでの評価についてでありますが、知的障害児施設みたけ学園は、本県で最初の知的障害児施設として開設され、県内初の重度定員(重度棟)を設けるなど、重度障害児(者)の指導等に積極的に対応してきたところであります。また、言語聴覚士を配置しての言語療法や自閉症・発達障害対策等の事業にも取り組むとともに、更正施設みたけ学園、みたけの園におきましては、グループホームやデイサービスの事業の実施など、地域生活の移行にも努力しているところであります。こうした取り組みの成果は、県内の他の民間施設にも拡大しまして、現在では県立施設と同様のレベル、あるいはそれを上回る質の高いサービスを提供できるようになってきております。
〇菊池地域福祉課総括課長 施設利用者の保護者の意見、不安にどうこたえるかというお尋ねでございます。今回の県立社会福祉施設の改革プラン原案作成に当たりましては、私たち、まずは利用者、保護者の方々、その方々の理解を得ることが大切であると考えております。このため、これまで入所型の8施設におきまして、保護者、利用者の方々を対象といたします説明会を開催するなど、丁寧な説明を行ってきたところでございます。その中で、今、委員御指摘のように、保護者の方々からは、移管に伴いまして新たな経済的な負担が発生しないのかとか、あるいは利用者に対する処遇が低下しないのかといったような不安の声が寄せられております。
 これにつきましては、改革プラン原案の後ろの方にQ&Aという形で県の考え方をお示ししてございますけれども、県といたしましては、こうした不安に対しまして保護者の方々に対しまして、県立施設と民間施設の間で経済的な負担につきまして制度上の差はないんですよということを繰り返し説明してまいりました。また、移管によって入所者の処遇水準が低下しないよう、必要な人員の配置につきましては十分配慮すると、例えば今の県立の施設はやはり重度の方々が多いとかいろんな事情がありまして、職員の配置基準を上回る職員を配置しております。そういったことにつきましては、今後とも十分配慮して処遇水準が低下しないよう努めてまいるということを保護者の方々に説明しているところでございます。これらにつきましては今後、移管先となります事業団等と十分な協議を行うなどして、移管に伴う保護者の方々の不安におこたえをしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 先ほど平沼委員の質問に対しては、移管されれば、行く行くは上乗せの分は委託費払わないんだと、それまでの一定の期間だけやるんだと。今の答弁はちょっとニュアンス違いますね。結局重度層が多くて、それだけのいわば県内の施設のモデル施設としての役割は手厚い対策がとられていると、それを評価して人員増も認めるし、それへの対応も県としてやるのだと、こういうふうに受けとめていいのですか。私は障害保健福祉課長のこの評価はすばらしいものだと思うし、私は実際に行ってみてきて、そういう役割を発揮しているのだと思うのです。これはやっぱりその評価は正しいし、そして、もしそれは民間並みだということになりますと、いわば支援費だけでやる、措置費だけでやるということになりますと、今の体制は維持できないのははっきりしているんですよ。その点でもう少し今の地域福祉課長の答弁、それは一定の期間だけなのか、また、この今の高い水準レベルを維持する支援を県として続けるつもりなのか、ここをはっきり答えていただきたい。
 もう一つは、施設の問題です。みたけの園、みたけ学園は残念ながらやっぱり老朽化していますね。だから私はこのまま事業団への移管というのは、この改修・改築、大変な負担がかかると思うのですよ。Q&Aを見るとこの改築・改修は県と事業団で相談すると、これではちょいと私はいかないんではないか。やっぱりこの施設については県が責任を持って改修する、そういう援助も必要なのではないかと思いますがいかがですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 先ほどの斉藤委員の質問、当初2問ございまして、その1問の方をお答えする前に質問が出ました。それに関連するわけでございますが、支援措置についてでございます。我々としては処遇水準の低下を招かないようにしていくということでございまして、県立施設におきましては重度の方々の割合が多いと、そういうことに配慮いたしまして、県としてそういう部分については支援が必要だと考えているものでございます。
 それから、建物の改築とか修繕でございます。これにつきましては、例えば建物を無償譲渡するのか、無償貸し付けするのか、いろんな方法がございます。これらについては今後具体的に検討してまいりますが、やはり建物の維持修繕、これにつきまして、事業団に移管したとしましても、事業団自体は御案内のとおり県が出資した法人、つくった法人でございますので財源がございません。そういう意味におきまして、大規模な建物の維持修繕、そういうものにつきましては県の方でこれは支援をしていかなければいけない。ただ、どういう方法で支援していくか。これにつきましては事業団と協議をしてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 今の答弁は一定の期間ということではなく、必要な職員数を確保する、そういう支援をすると理解していいですね。今一定ということありませんでしたから。今、課長が言ったQ&Aにはこう書いているんですよ。民間に移管する場合には利用者のお世話に必要な職員数を確保するなど、利用者の処遇が低下しないような運営がなされなければならないと。こういうことで必要な支援をすると。ここには一定期間というのはないんですね。本当にすばらしい実績、役割を果たしている、そしてこの知的障害者の重度の方々が、私はこういうところにこそ行政の光が一番当てられなくてはならないと思うのですよ。そういうことで、ぜひ施設についてもやっぱり無償貸与して、その施設の改築・改修については県が責任を持つというふうにすべきだと思いますが、いかがですか。
〇赤羽保健福祉企画室長 事業団に移管後の運営費の上乗せについてでございますけれども、基本的には国の枠組みでございます支援費とか措置費の枠内で運営していただくように進めていただくのが、基本的に考えるべきことではないかと考えております。ただ、そういった運営でやれるのかどうかといったことについて、きちんと精査をして、そしてそういった支援費なり措置費の枠組みで運営していくにはどうすればいいかといったようなことも十分考えながら、事業団とも話し合って今後検討させていただきたいと考えてございます。(斉藤信委員「施設は、答弁漏れしないでちゃんと答えて」と呼ぶ)
 施設の無償貸与云々につきましても、先ほど菊池総括課長からもお話ししたとおりでございまして、県として設置して運営してきた施設でございますので、そういった経過も踏まえながら、どうするべきであるかといったことも検討していかなければならないと思います。事業団自身がみずから財源をつくっていくということもなかなか困難な状況にあるということも理解しております。ただし、その支援としてどういったあり方でやればいいのか、事業団も一つの事業者としてそれなりの経営責任をこれから持っていただかなければならないのではないかなとも考えております。そういった経営責任を持って運営に当たっていただくことが、利用者に対するよいサービスを提供していただく、そういう上にも非常に大事な視点ではないかと思っております。その点につきましても、事業団ともよくお話をし、関係者の声も伺いながら対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 大変肝心なところになって室長が答弁したら後ろ向きになるんですね。これは極めて重大ですよ。今のみたけ学園、みたけの園の取り組みは大変すばらしいと、そして重度者、最重度者、そういう方々を抱えて、だから人員増が必要なんですよ、基準より。それで措置費、支援費だけで間に合わないので県が支援しているというのが実態なんです。この人件費の支援に、私は最後、後から言いますけれども、一つは人員増というのがある、もう一つは福祉事業団の賃金水準という問題があるんですよ。これは後から私お話ししますが、そういう形で、そういう対応があったから利用者に満足されるような、保護者が安心できるような手だてがされてきたということなんです。一定の期間、もう措置費だけで、支援費だけでやってもらうということになれば、この水準は維持できないのははっきりしているんですよ。そこ、結論先にありきではなくて、なぜこういう役割を発揮してきたのかということをよくとらえて対応しないと、ただ財源を減らすための見直しではないかと、こういうふうになりますよ、これは。だから、本当に純粋な、民間ではできないようなすばらしいサービス、取り組み、やっています。デイサービスやグループホームやいろんな取り組みやって、ガラス工芸の取り組みだとか、本当にそういう形で社会復帰している子供たちも出ている、大人たちも出ている。すばらしい施設ですよ。私はこういうところこそ光を当てて、だれも県民はそこに税金投入することに反対しませんよ、これは。それこそ県の仕事だと、私そう思うのですけれども、部長、この点だけについてお答えいただきたい。
〇佐藤保健福祉部長 冒頭、高橋総括課長の方からもお話をいたしましたように、本県に先駆けて開設された施設であったり、あるいは種々の取り組み――例えば地域生活の移行など――がなされていることは承知をしております。ただし、現在になってみますと、たくさん民間施設もできてまいりましたし、こうした県が先駆的な取り組みをした結果、県内の他の民間施設にも影響が波及をしまして、幾つかについては県の実際の取り組みと同等のレベル、あるいはそれを超えるぐらいのレベルにまで達しているところも、これは幾つかあるのは事実でございます。そういう意味ではやっぱり、全体としては幾つか先駆的な取り組みがあるとしても、個々個別にもう少し丁寧に精査をして、どうしても県が長期にわたって支援をしないと、この特別な取り組みはできないというものはどれなのか。むしろ民間でも努力してもう今はやれるレベルになっているし、支援費や措置費の枠内でやっているよというものはどれなのか。そういったものをある程度見きわめて、その上で支援なりは考えていくべきだろうと思っております。いずれにしましても、短期的、中期的に問題を分析しながら対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 みたけ学園、みたけの園については、ぜひそういうふうに見きわめて、すばらしいリーディングモデル施設としての役割が発揮できるように、また、こういう施設があるから民間もそこに追いつきという、やっぱり効果を私は発揮しているのだと思うのです。
 二つ目は、児童養護施設の県立和光学園、この点については、この社会福祉施設についてのあり方では、事業団以外の民間社会福祉法人も視野に入れて平成18年度から民間委託にする、こういう方向であります。私これは大変重大だと思うのですよ。というのは、これ平成16年4月に和光学園は全面改築をされました。5、500万円かかっています。大変施設もすばらしい。親子生活訓練棟も設置して、小規模グループケアやショートステイ、トワイライト事業、休日預かり事業、私はこれも児童養護施設の中で本当に県内のモデルというような、施設もですけれども、取り組みがなされていると実感をしてまいりました。特にこの和光学園の取り組みで私評価できるのは、虐待の体験を持った子供たちが48人中41人、85%です。そういう子供を優先的に受け入れている。そして、そういう中で3年以内に29人を親元に復帰させているんですよ。これはほかの施設にないことなんですね。いわば子供を保護するだけではなくて、その子供が親元に帰れるような援助までやっている。これはすばらしい実績です。民間も頑張っているけれども、この和光学園というのは大変私はそういう点で県立施設としての役割を本当に発揮しているなと。しかし、これが今、事業団に委託されているんですけれども、民間法人ということになりますと、職員が変わってしまうわけです。こういう児童養護施設の子供たちと職員との人間関係というのが一番大事なんですね。本当に心に傷を持った、本当に恵まれない子供たちとの人間関係というのが、こういう児童養護施設では一番大事なことなんです。ですから、この移管に当たって、いや、別な民間も対象にしてやるということは、私はもう本当にそういう子供たちにとって新たな困難を与えてしまうのではないか、このように感じますがいかがでしょうか。
〇古内児童家庭課総括課長 今までの答弁と繰り返しになるところがあるかと思いますけれども、見直しに当たりましては、まず処遇の継続性、また、その質を維持していくために必要な人員の配置等について、移管先法人と十分な協議、調整を行うこととしているところでございます。特にも、和光学園のような児童施設におきましては、大人と違っていろいろな意味で影響を受けやすいという、児童の心理特性を十分踏まえた処遇の継続性が図られることが重要だと認識しております。委員の御指摘の点についても、十分踏まえながら対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員長 斉藤信委員に申し上げますが、各委員の発言の機会を保障するため、質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑は簡潔明瞭に行うよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 わかりました。今のような答弁されるとスムーズに進むんですよ。今の児童家庭課長の答弁のとおりぜひ対応していただきたい。すばらしい施設もつくって、すばらしい取り組みもされています。本当に子供を大事にして、こういう方々に光を当てるような取り組みしていただきたい。
 それで、私はこの社会福祉施設のあり方について、最後なんですが、実はその社会福祉事業団というのは、たくさんの取り組みを委託しているわけですね。この社会福祉事業団の問題は何かと言うと、中山の園が県の施策によって設置されたときに200人の職員が配置されたんです、今約400人のうち。だから、同じ時期に200人、約半分はそのときに職員採用されているんです。だから、今もう逆三角形の職員体制になっているんですよ。ここがいわば社会福祉事業団全体としての人件費が高騰する理由になっているんですね。そういう点でいけばこれは県の政策によってつくられた体制であり、人件費の構造なんです。これはやっぱり県の政策責任で解決しなければだめですよ。結果として事業団が高くなったから、ただ見直すということではなくて、これは県の政策の中でそういう構造がつくられたのですから、私は県が政策的にこういう解消をしていかないと、いや、福祉事業団は人件費が高い高いというのは、それは結果であって、それは県がそういう形で施設をつくり、事業団の仕事をそういう形でつくってきたということですから、そういう点の県の責任と改善というのを図るべきだと思いますがいかがですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 事業団につきましては、委員御指摘のとおり職員の年齢構成等が高いことはもちろんでございますが、国の通知に基づく職員待遇を実施してきました結果、同一年齢層で見ますと給与水準が民間の施設を上回っております。さらには、一部の重度障害者対応のために基準を上回る職員を配置している。そういうことによりまして人件費が高くなってきていると理解しているところでございます。
 今回の見直しに当たりましては、これらの状況も踏まえつつ、県立社会福祉施設を取り巻きます環境の変化、例えば、国の通知の位置づけが変わったとか、あるいは県立施設の委託に係る制度が変わったとか、その他社会福祉制度の改革、そういうものをもろもろ踏まえまして見直しが必要と考えたところでございます。
 県といたしましては、この見直しに基づきまして、移管した場合におきましても、これまでのこうした経緯等を十分踏まえまして、事業団が自立的な経営に移行するまでの間、重度者対応や職員待遇等に要する経費につきまして、先ほど申し上げましたように必要な支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 最後に国保の問題まとめて聞きます。国保税の平成15年度決算の特徴について。実質黒字は50億円、基金は104億円。国保税収支の問題は、私は老人保健からの高齢者の加入増と介護保険納付金の増加によって、今、市町村が値上げせざるを得ないという深刻な実態にありますが、その状況についてどうとらえているか。
 二つ目に、国保税に都道府県調整交付金が導入をされます。保険基盤安定制度の県負担割合の変更が行われようとしていますが、これはどういう影響を市町村国保に与えるのか。
 3点目は、滞納者資格証明書、短期保険証の発行状況。丁寧な納付相談抜きに機械的に資格証明書が発行されているのではないか。資格証明書というのは病院窓口10割負担ですからね。国保を払えない人が医療費全額払うというのは、これは本当に実際上できないぐらいの深刻な事態です。それで、盛岡市はこの問題、議会でも議論をされて、この間、新たな資格証明書の発行をやめています。1、137人の資格証明書から758人、379人減少しているんですね。この教訓も踏まえて、私は機械的な資格証明書、短期証明書の発行はすべきでないと、そういう趣旨をちゃんと徹底すべきだと思いますがいかがでしょうか。
〇福島医療国保課総括課長 それでは、一括してお答え申し上げます。
 平成15年度決算で国保の状況を見ますと、委員御指摘のとおり、14年10月から老人保健法の制度改正があって、対象の下限年齢が1年ごとに引き上げられているという状況にございます。ちなみに平成14年度から15年度を比較しますと、年齢が引き上げられた結果、例えば15年度ですと1万2、000人ほどが老人保健から国保一般の方に移行している。そのような状況を踏まえて、医療費、療養諸費と申しますけれども、これが平成14年から15年にかけまして50億円弱がふえているという状況でございます。しかしながら、一方、老人保健から対象者が国保一般に移行しました関係で、老人保健の拠出金が20億円ほど、これが少なくなっておりますので、差し引きで30億円がいわゆる国保医療費を引き上げているという結果につながっているものでございます。これがまず第1点目。
 それから、都道府県の財政調整交付金の導入、それから保険基盤安定制度の県負担割合の引き上げ、国保に与える影響はということでございますが、順序が逆になりますが、保険基盤安定制度の県負担割合は、これはただ単に国が2分の1負担していたものを県にいわば移行して県負担がふえたということでございますから、国保への影響はないと見ております。それから、都道府県の財政調整交付金の導入につきましては、これは具体的には、これを受けて都道府県にどのように配分するかということが注意しなければならないわけでございますけれども、これについてはまだ国からこの配分方法等を定めたガイドラインが示されていないということで、私どもも国の会議等で早期の提示を要望しているところでございますが、まだその詳細がわかっていないということでございますので、御理解願います。
 それから、資格証明書についてのお話がございました。資格証明書につきましては全県で、例えば平成16年2月とことし平成17年2月を比較しますと、発行世帯数が約1、800世帯から約1、500世帯と減っております。これについては、御指摘がありましたけれども、従来から私どもも機械的に交付するのではなく、事前に個別の事情に応じて、特別の事情、これは災害であるとか、病気であるとか、それから事業、御商売を休廃止したことがないのかどうか、それらを十分にお聞きしながら納付相談、納付指導を行うように、これを含めた資格証明書の交付に努めるようにと、指導監査等を通じてお願いしているところでございます。
 それから最後に、盛岡市の状況でありますが、お話のように、これにつきましては平成16年から17年にかけても資格証明書の交付世帯数が大幅に減っております。これは盛岡市が市としまして納付相談、納付指導に努めて、その結果、資格証明書から短期被保険者証に移行した件数が相当数ございまして、それが反映された結果だと認識しております。しかしながら、私どもとしては、これはこれとしましても、あくまでも法令の趣旨を念頭に置きつつ、また、市の御努力もお願いするということで指導しておるところございます。
〇小野寺好委員 高額医療について伺います。医療技術の発達、医療機器の開発等で、希望すれば高度な医療を受けられるようになってきていますけれども、岩手県内の場合に県内の医療機関において1、000万円以上の医療費がかかった例は年間どのくらいあるものか。どんな疾患でどういった医療機関でこういったことが行われたか。その場合に最高額の場合の例はどのくらいだったか。その場合の本人負担は幾らであったかお聞きしたいと思います。
〇福島医療国保課総括課長 県内の医療機関で1、000万円以上の高額医療費の件数ということでございますが、これは平成15年の例で見ますと2件でございました。それで、その内容でございますが、これは大変恐れ入りますが、小さい地域で病院名、それから傷病名、それから詳細な金額、お話を申し上げますと個人が特定されるおそれがございます。この点はひとつお許しをいただきたいと思いますので、多少大ざっぱな内容で御勘弁をいただきたいと思いますが、15年の場合で言いますと、最高額は約1、100万円の高額療養費ということになっております。この場合の疾患名でございますが、心臓疾患ということで、これは盛岡市内の医療機関ということでございます。(小野寺好委員「自己負担」と呼ぶ)失礼いたしました。この方の自己負担は月に、国の基準額どおりでございますが、4万200円ということになっております。
〇小野寺好委員 1、100万円のうち自己負担が4万200円ということで、この場合、初めに1、100万円自分で用意しなければならないんでしょうか。後で償還されるものか。そうであれば、こういった高額なお金を用意できない人にとっては無理なのかどうかお聞きします。
 二つ目の質問ですけれども、ドクターヘリについて伺います。
 ヨーロッパと同じように、日本の高速道路での重大人身事故に対してドクターヘリが離発着できるようにしようじゃないかという話も出ています。岩手県の場合は防災ヘリだけなんですが、岩手県の場合、この防災ヘリの救急出動で間に合っているのかどうか。防災ヘリの場合と専門のドクターヘリの場合とで救命効果はどの程度違うものかお聞きしたいと思います。
〇福島医療国保課総括課長 高額療養費につきましては貸付制度がございますので、この貸付制度をほとんどすべての方が御利用いただいているものと承知しております。
 それから、ドクターヘリについては、本県の状況は、さまざま運営経費とかその他の課題がございまして、防災ヘリの救急出動ということで頑張っていただいているわけでございますが、平成16年度は2月末現在で22件救急出動をしていただいております。総合防災室によりますと、災害救急にかかわらず、天候等の問題がなければまだ体制的にも余裕があって、要請からおおむね10分程度を目安に出動できるとお聞きしているところでございます。
 それと、北東北の状況を見ますと、青森、秋田につきましては、現在のところはドクターヘリの導入の予定はないということでございます。全国では、現在、大学病院を中心に、千葉県、神奈川県など7県において導入しているということでございます。
 防災ヘリとドクターヘリでどう違うのかという点でございますけれども、私どもも幾つか先駆的な大学病院等の実績をちょうだいしましてこれを見させていただいたわけでありますが、ドクターヘリを使用した場合には、死亡者がおおむね半減したという推計が出ております。これは具体的に申しますと東海大学の救命救急センターの例であります。参考になりますかあれですが、例えば車の場合で申しますと、医師の乗り込みますドクターカーの場合の救命率と救急隊の救命率を比較しますと、これは厚生労働省の研究によりますが、生存率はドクターカーが10.8%、救急隊の場合ですと4.5%ということになりますので、やはりヘリコプターでありましても自動車でありましても、医師が乗り込むということについて若干の開きがある、こういうふうに受けとめております。
〇小野寺好委員 国の方では、希望する県に対してもう既に予算措置してあるらしいんですが、なかなか手を挙げるところがない、こういったことを言っているんですが、そうしますと、岩手県の場合は当面足りている、こういったことで予定していないと判断していいんでしょうか。及び、北3県合同で用意しようとか、そういったこともないんでしょうか。
〇福島医療国保課総括課長 先ほど現状についてはるるお話し申し上げましたが、いずれにいたしましても、私ども、特に経費的な面も含めましていろいろハードルは高いと思っておりますが、たびたび議会等でも御指摘、御提言をちょうだいしておりますので、引き続きさまざまな情報を仕入れて検討は続けております。ただ、現状では、先ほど申しましたとおり、防災ヘリの最大限の活用ということで、先般も関係者の会議で防災ヘリの周知についてお願いをし、また、関係機関に対して御通知を申し上げて、当面、防災ヘリの活用に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊沢昌弘委員 当該委員でありますので自粛していましたが、県立福祉施設の改革プラン原案について私からもお伺いしたいと思います。
 総括で、13分の中で知事から、県の行政責任をどうとるんだということで、これまでと変わらない形で、どんな形になろうとも頑張っていきたい、そういう部分だけはいただきました。そこで、今いろいろあったわけですが、事業団の運営について一定程度支援も含めてやっていかざるを得ない、そういうふうなことが出ました。それは一定程度このプランの中にもいろいろな論議の中であった部分であって当然だと思うんですが、私、1点だけお伺いしたいのは、このプランの中には、事業団の経営体質といいますか、自立を目指した支援をしなければならないというのが同時にあるわけであります。四六通知に基づいて、県立の福祉施設は事業団をつくってやるのだと、原則そうだということでこの間来たわけであります。その当時の県議会の議論をひもといていけば、県営のままで県職員が定数条例の中でやっていくには、人が必要になってもふやせないのだと。自立の運営もできないのだと。よって、立派な福祉サービスをやるために事業団を設立して委託をするのですというのがあったと記憶しているわけでありますけれども、当時私は県議会議員ではありませんが、議事録にそう残っているわけです。この間、いろいろな流れの中でこの四六通知はなくなったという中で、民間の施設が育った等々含めてあります。ただ、民間の中でやってきているのは、やっぱりいわば支援費の中で頑張っていると思います。民間も立派にやっていると思います。だから県もやるべきだと、こういうことになるんですが、やっぱり年齢層の問題も含めて、職員の経験年数も含めてあるというふうなことがあります。ただ、事業団そのものが、これにもありますとおり、いわばその委託費の中で運営すればいいのだということで、いわば民間の資本といいますか、必要な部分を通知に基づいてきた部分でやってきたということがこれから移管をしていって自立する上で一つ大きなネックになっていると思うんです。平成18年に向けてこれをやるという形で、最終的なプランは今年度末、3月の福祉審議会で決まると聞いているんですが、まだ決まったわけではないと思うんですが、その時点で、平成17年中に、事業団の自立ができるように体制をつくって、そして7施設の部分は決めた。それから、今、斉藤委員が言った二つの施設については、民間も含めて、事業団も含めてこれから民間移管をします、こういう中身になっているわけですから、事業団が競合していくと思うんですね。私は、事業団に今やっている部分を本当はすべてやっていただいて、その中で運営すべきが県の責任がとれると思うんですが、1点お聞きしたいのは、自立をしてこなかった事業団を指導して民間の方々も活用しながらやっていくというのは書いてありますが、契約をするということになれば、多分平成17年度の中間、もしくは12月あたりにはやらないとこれは意味がないと思うんです。3月までいくのかどうかなんですが、今までそういった経験のない事業団が、民間の皆さんと移管に当たっていろいろな申請をする、そして、このような運営をするというのを出してきた際に、競合できるのかなという不安があるわけです。今行っている理事長さん初め、27人の県職員が事業団に派遣をされて運営している。どのように、自立を含めて早い時期に事業団が自立できるようにやっていくという、大変技術的にも実際的にも難しいと思うんですが、県としてはどのようにお考えでしょうか。
〇菊池地域福祉課総括課長 事業団につきまして、自立的な運営ということでございます。委員御指摘のとおり、事業団は、国の通知に基づきまして設立された社会福祉法人でございます。県から今まで委託費を全額支給していたという体質の中で、それから施設長等に県から職員が派遣されていたという中におきまして、なかなかそういう意味での経営といいますか、そういう面での感覚といいますか、そこら辺が薄かったのではないかと思っております。そういう経緯はございますが、いずれ事業団を取り巻く制度、環境は大きく変わっております。社会福祉法人は、そういう経緯はあれ、やはり独立した組織、社会福祉法人でございます。したがいまして、今後、この見直しの中で、事業団には、当然そういう経営感覚も含めた自立的な経営を幹部から職員の方々に至るまで認識していただいて運用していただく必要があると考えております。したがいまして、例えば、この移管に伴いまして、今、県が派遣している職員――施設長に派遣しておりますが――につきましては、やはりプロパーの職員の方のモチベーションの確保ということもございます。そういうことで、順次段階的にこれを引き揚げていくというようなことも考えているところでございます。
 それから、先ほど民間と競合するのではないかというお話でございました。二つの施設については、事業団とは限定しておりません。いわゆる養護老人ホームと児童養護施設でございます。これにつきましては、なぜ限定しなかったのかということでございますが、先ほどいろいろと県立の施設の意義、役割につきましてお褒めの言葉をちょうだいいたしましたが、児童養護施設と養護老人ホームにつきましては、処遇の面におきまして、民間施設と大きな差はないというのが我々の認識でございます。知的障害児(者)施設についていいますと、やはり重度の方々が多く入っているとか、処遇困難の方々が多いということがありますので、そういう意味ではやはり、あとは事業団のメーンとなる施設でございますので、事業団にも御理解をいただいて移管するのが適当であろうと。ただ、児童養護施設と養護老人ホームにつきましては、これは民間も同じような形で経営しております。そこにおいて大きな差はないということから、あらかじめ事業団と限定して事業団に移管すること、これはいかがなものかということで、事業団または事業団以外の民間法人、これを同列に置きまして今後選定をしていきたい。平成18年4月からでございますので、平成17年度中のできるだけ早い時期、予算要求の関係もございます。その時期までに適切な移管先も含めて検討してまいりたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 昭和46年のときの議論が、今は移管をするという案の段階ですから、本当に決まった段階で同じような議論が何年後かに出てくるということを私は一番おそれているわけです。今は支援費の中で一定程度民間の皆さんも頑張っている。しかし、経営も含めて本当にいいのかというと、若い職員の人たちが頑張ってやっているんじゃないのかなというところがいっぱいあるわけであります。支援費が今、国の方から来ているわけですが、御案内のとおり、社会保障費を含めて国の方の予算もどうなのかファジーだ、見えない。こういう中で、民間利用の皆さんには全く前と変わらないんですよという説明をされている部分が何年後かに変わってくるのかなというふうな不安材料ももちろん私持っているわけなんですね。そこまで考える必要はないといえばそれまでですけれども、そういったことを含めて、これは移管に当たっての、将来的ないろいろな人件費の見合いだとか運営費だとか、民間がやれば一定程度の利益も上げなければいけないというふうな部分も含めて計算をしていく中で、本当に変わらないで受益者がなっていけるのか、そういった不安を解くような、言ってみれば資料も含めたきちっとした対応を私は今の時点でもお願いをしておきたいと思います。最終的に決まる段階でもう一回論議をさせていただきたいと思いますけれども、部長、いかがでしょうか。
〇佐藤保健福祉部長 ただいま幾つか御指摘をいただきましたので、そういった点も含めまして、早い段階でどういう形で移管をしていくのか、移管に当たってどういう支援をするのか、それから、処遇水準が変わらないようにできるのかどうなのか、そういったことをもう少し具体的にお示ししていきたいと考えております。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時35分 散 会

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