平成17年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成17年3月14日(月)
   
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事課長 平 澤 石 郎
議事課長補佐 八重樫 典 彦
主任主査 千 田 利 之
主査 小 船   進
主査 福 田 清 喜
主査 佐々木 ユ カ
主査 嵯 峨 俊 幸
主査 安 藤 知 行
1説明員
教育委員会委員長 船 越 昭 治
教育長 佐 藤   勝
教育次長兼冬季国体推進室長兼全国スポーツ・レクリエーション祭推進室長 及 川 宣 夫
教育次長兼高校改革推進室長兼県立埋蔵文化財センター所長 伊 藤   勝
総務課総括課長 千 田   永
教職員課総括課長 田 村 均 次
小中学校人事監 岩 田 俊 雄
県立学校人事監 山 田 市 雄
学校教育課長 遠 藤 洋 一
生徒指導監 高 橋 嘉 雄
学校財務課総括課長 千 葉 勇 人
生涯学習文化課長兼県立埋蔵文化財センター副所長 渡 邉   淳
文化財保護監 中 村 英 俊
スポーツ健康課長 佐々木 正 春
高校改革推進監 鎌 田 善 昭
冬季国体推進監 高 橋 光 彦
全国スポーツ・レクリエーション祭推進監 高 橋   保
警察本部長 山 内 正 和
警務部長 山 手 康 男
生活安全部長 細 田 敬 一
刑事部長 伊 東 忠 久
交通部長 吉 村   浩
警備部長 佐 藤 久 孝
警務部参事官兼首席監察官 小野寺 英 一
警務部参事官兼警務課長 菊 地 啓 一
生活安全部参事官兼生活安全企画課長 齋 藤 忠 利
刑事部参事官兼刑事企画課長 小 方 政 司
刑事部参事官兼捜査第一課長 船 野   透
交通部参事官兼交通企画課長 及 川 正 文
警備部参事官兼公安課長 菅 原 勝 義
総務課長 佐 藤 善 男
会計課長 松 井 利 廣
指導監査室長 山 内 義 啓
少年課長 鹿 嶋 政 一
予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
〇佐々木順一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号、議案第41号から議案第45号まで、議案第47号から議案第49号まで、及び議案第100号の以上30件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 これより教育委員会関係の審査に入るわけでありますが、教育行政施策について、教育委員会委員長から発言を求められておりますので、発言を許すこととし、その後、教育長から教育委員会関係の説明を求め、質疑に入ることにいたしたいと思います。
〇船越教育委員会委員長 教育委員会所管に係る予算について御審議をいただくに当たりまして、平成17年度の教育行政施策について説明申し上げます。
 教育に対する県民の期待にこたえ、子供たちに新しい時代を生き抜く力を培うためには、確かな学力、豊かな心、そして健康・体力をバランスよくはぐくむことが大切であります。学校、家庭、地域がそれぞれの役割を十分に果たしながら、三者の連携を図っていくことが何よりも重要であります。
 このような基本的な認識に立ちながら、現在、地方分権の推進に伴って、教育においても中央教育審議会の場などにおいて、教育制度のあり方、教育における国と地方の役割など、教育改革の検討が進められているという動向を踏まえて、地域に根差した教育を目指し、教育行政の一層の推進に努めてまいります。
 以下、平成17年度の施策の大綱及び重点事項について説明を申し上げ、予算に係る事項については、教育長の方から説明を申し上げます。
 第1は、学校教育の充実についてであります。
 喫緊の課題である学力の向上につきましては、小学校、中学校における学習定着度状況調査を引き続き実施し、児童生徒の学習定着状況の正確な把握に努めてまいりたいと考えております。また、これまでの調査結果の分析に基づいて、教育事務所単位に教員の指導力の向上に取り組むとともに、学年を経るごとに定着度の落ち込みが見られる英語等については、取り組み成果の検証に英語検定を活用するモデル事業の実施校を拡大するなど、教育内容の充実を図ってまいります。
 高等学校においては、進学を希望する生徒、就職を希望する生徒がそれぞれの目標を達成できますよう、進路指導に創意、工夫を凝らしてまいりたいと考えております。
 また、きめ細かな指導のさらなる充実に向けて、今年度小学校1年生、2年生及び16人の複式学級に配置した少人数指導のための非常勤講師を平成17年度は15人の複式学級にも拡大し、個々の習熟度に的確に対応した指導など、より一層きめ細かな少人数指導を推進しますとともに、小学校低学年に重点を置いて少人数学級の研究指定校を拡大し、その成果を調査研究してまいります。
 学校教育の充実には、教員の資質能力に負うところが大きいことから、採用段階でのすぐれた人材の確保、教員に対する研修の充実等に引き続き取り組みますとともに、外部有識者による検討結果を踏まえて、教員の養成、採用、研修の各段階を通じた資質能力の向上について、具体的な取り組みを検討してまいります。
 次に、いじめ、不登校などへの対応については、教員のカウンセリング研修を充実するとともに、スクールカウンセラー、心の教室相談員、学校適応相談員、子どもと親の相談員を引き続き配置し、個々のケースに応じた適切な対応を図ってまいります。
 また、学習障害や注意欠陥多動性障害を初め、特別な支援を必要とする子供たちへの対応として、盲・聾・養護学校の地域における相談支援センター機能の充実を図りますとともに、通常学級に通う障害のある児童生徒を支援する非常勤職員の配置や医療的ケアを必要とする子供たちのために、盲・聾・養護学校に看護師を配置する体制を拡充し、支援内容を充実させてまいります。
 一方、子供たちの体力に目を向けますと、あすの岩手を担う子供たちの体力・運動能力は全国平均を下回っているという状況にあります。このため、今年度まで実施した児童生徒の日常生活と体力・運動能力の関係について行いました調査研究の成果を、体育スポーツ活動実践校による指定研究や指導者への講習会の開催などによって普及を図ってまいります。
 また、児童生徒が食に関する知識の習得やさまざまな体験を通じて、生きる力を身につけるために、知事部局と連携し、地域の食文化や農林漁業に触れながら学ぶ食育を通じて、望ましい食生活、食習慣の形成を図ってまいります。
 次に、高等学校の改革については、さきに県立高等学校の新整備計画後期計画案を示したところでありますが、今後も県民の理解を得ることに努めながら、生徒の多様な進路希望に対応できるよう、新しいタイプの学校づくりや学校規模の適正化など、学びの環境の整備に向けて取り組んでまいります。
 これら学校教育の充実を図る上で、何よりも学校を地域に開かれたものとし、学校、家庭、地域が一体となって子供たちの生きる力をはぐくんでいくことが重要であります。そのため、学校評議員制度のより効果的な運用を図るとともに、教職員や保護者などによる学校評価の実施と評価結果の公表を定着させ、学校運営の改善を図り、なお一層透明性を高めていくよう取り組んでまいります。
 また、児童生徒の安全安心な環境整備のためには、各学校ごとの安全対策について再点検を行うとともに、関係機関と連携を強化し、地域の巡回体制の整備等を行うなど、より一層の安全確保に取り組んでまいります。
 なお、校舎等については、耐震診断を進めますとともに、診断の結果、改築が必要とされる高等学校等については、改築・改修による耐震化を図ってまいります。
 第2は、生涯学習の推進等についてであります。
 生涯学習の推進に当たっては、いつでも、どこでも、主体的、継続的に学ぶことができる生涯学習環境の整備を図るため、新しい県立図書館の平成18年度開館に向けて着実に準備を進めますとともに、県内各地での学習機会の提供を積極的に進めてまいります。
 家庭教育については、個々の家庭のニーズに対応した情報提供や相談体制の充実に努めるとともに、地域で子供を育てる環境の整備に向け、子育てサポーターの各地域での活動促進やネットワーク化を目指して取り組んでまいります。
 また、読書が人間形成や学力向上等に与える重要性にかんがみ、読み聞かせキャラバンの展開や読書ボランティアグループのネットワーク化を通じて、読書習慣の形成、定着を図り、また、北海道、北東北3県の連携によります子どもの読書活動実践者交流会の開催など、読書活動の普及に努めてまいります。
 なお、本県においては、学校、家庭、地域等が総ぐるみで地域の教育課題の解決に取り組む教育振興運動が展開されておりますが、この運動の原点に立ち返って、各地域で子供たちに係る課題を再点検し、時代の要請に対応した活動に取り組めるよう支援してまいります。
 第3は、スポーツの振興についてであります。
 県民が日常生活において身近にスポーツに親しむことは、健康で生きがいや潤いのある人生を送る上で大きな意義を有するものであります。このため、広域スポーツセンターにおいて、各市町村への総合型地域スポーツクラブの普及、定着を積極的に推進してまいります。また、本年10月に本県で開催する全国スポーツ・レクリエーション祭が、県民に夢と感動を与える祭典となるよう準備を進めてまいります。
 競技スポーツの振興については、ジュニア層に特に重点を置いた中学校指導者層の強化や、アジア地域で高い競技力を有する韓国チームとのスポーツ交流を実施してまいります。
 第4は、文化の振興についてであります。
 感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人生を送る上で、文化を大切にする社会の実現を図っていくことは極めて重要であり、県民が主体的に文化に親しみ、文化を創造していくという視点に立った環境づくりを進めてまいります。
 また、民俗芸能フェスティバルの開催などにより、岩手の価値ある民俗芸能を次代に継承していく後継者の育成に取り組んでまいります。
 また、平泉の文化遺産は、岩手が世界に誇る貴重な文化遺産であります。この文化遺産を県民共有の財産として、県内外に広く周知を図るとともに、世界遺産登録の実現を目指して、柳之御所遺跡に係る史跡公園の整備を進めるなど、平成18年度に予定されておりますユネスコへの推薦に向けた具体的な準備を進めてまいります。
 以上、平成17年度の施策の大要について、基調とする考え方について申し述べましたが、岩手県の教育の振興に向けて、委員の皆様の一層の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 次に、教育長から教育委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤教育長 平成17年度における教育委員会予算の調整に当たりましては、平成16年度に引き続いての厳しい県の財政環境などを踏まえまして、平成16年度予算と同様に、必要な分野に重点的に予算を配分する選択と集中に配意して予算調整を行ったところであります。
 個別の予算の説明に入ります前に、平成17年度予算の重点化方針について御説明申し上げます。
 教育委員会予算における重点化方針は、学校教育の充実を主要な柱としまして、このほか、生涯学習の推進、生涯スポーツの振興や文化の振興などの施策の着実な実施により、新しい時代を担うひとづくり先進県の達成に向け、一層の推進をしようとするものであります。
 まず初めに、学校教育の充実についてであります。
 学校教育の充実は、喫緊の課題である学力向上対策におきまして、学習定着度状況調査結果を踏まえ、教員の指導力向上のための授業力ブラッシュアッププラン推進費を、高等学校における進学希望生徒の大学進学率向上対策といたしまして進学目標達成推進事業を学力向上プロジェクトの構成事業として新規計上するとともに、先ほどの教育委員長演述にもありましたけれども、学年を経るごとに定着度の落ち込みが見られる中学校の英語対策として、英語大好きジュニアハイスクール推進事業においてモデル事業の実施校の拡大に要する経費を計上しております。
 以上の事業の予算化によりまして、学力向上プロジェクト、平成17年度におけるこのプロジェクトの予算額は9、102万円余となり、今年度の7、397万円余と比較して23%増の拡大予算となっております。
 次に、学力向上対策の関連事業でございますが、岩手県少人数指導支援プロジェクトのすこやかサポート推進事業は、今年度までの対策に加えまして、平成17年度は対象学級を15人複式学級にも拡大し、合わせて224人の非常勤講師の配置に要する経費を計上いたしております。
 また、特別支援教育の充実についてでありますが、通常学級に在籍する特別な教育的支援を要する児童生徒が増加傾向にありますことから、従来、国の緊急地域雇用創出特別基金事業で配置しておりました非常勤職員について、いわて特別支援教育推進プロジェクトの構成事業として、新たにいわて特別支援教育かがやきプラン推進費を計上いたしまして、特別支援教育の充実に引き続き努めていくことにしております。
 さらに、児童生徒の安全安心も学校教育の充実にとって重要な課題であることから、今年度に引き続き、校舎等の耐震対策についても予算を拡大して取り組むことにしております。
 次に、生涯スポーツの振興についてでありますが、平成17年10月に本県で開催される第18回全国スポーツ・レクリエーション祭を成功に導くため、祭典の開催に要する所要の経費について計上するとともに、平成15年度・16年度に国の委嘱事業を導入して実施いたしました広域スポーツセンター整備事業での市町村巡回指導及びクラブマネージャー養成講習会を主とした広域スポーツセンター機能を継続して、総合型地域スポーツクラブの設立や育成を支援するため、広域スポーツセンター運営事業を県単で予算措置したところであります。
 次に、文化の振興についてでありますが、平成17年度は、平泉の文化遺産の平成20年度の世界遺産登録に向けた取り組みを具体化するため、千年の古都平泉プロジェクト事業として、各種普及啓発事業を拡大するとともに、平成18年にユネスコ世界遺産委員会へ提出を予定している推薦書の作成等を行う事業を追加計上するなど、全県を挙げた機運の醸成をより一層図っていくこととしております。
 以上で予算の重点化方針の説明を終わらせていただきまして、引き続き、平成17年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係の予算関係議案について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の1ページをお開き願います。議案第1号平成17年度岩手県一般会計予算でありますが、6ページの第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は、恐れ入りますが、8ページの10款教育費の1項教育総務費から7項保健体育費まで、それと、9ページの11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費を合わせた総額で1、551億6、436万円余であります。これを前年度当初予算額と比較しますと5億6、338万円余、率にいたしまして0.4%の減となっております。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書218ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承願いたいと思います。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。218ページから219ページにわたる2目事務局費でありますが、事務局の管理運営に要する経費、児童生徒の保護者に向けた広報紙の発行などの教育広報活動に要する経費、関係県が共同で設置する日本の次世代リーダー養成塾への高校生派遣のための経費、及び語学指導や地域のスポーツ指導の支援等を行う外国青年招致事業に要する経費であります。次に、3目教職員人事費は、教職員の人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。219ページから220ページにわたる4目教育指導費は、教職員の研修、児童生徒のいじめや不登校などへの対策、高校生の海外派遣研修、盲・聾・養護学校の特別支援教育及び高校生の就職支援対策並びに学習定着度状況調査などの学力向上対策などについて引き続き実施することとし、それぞれ所要の経費を計上しているものであります。また、児童生徒のいじめや不登校対策についての予算を計上している児童生徒健全育成推進費では、スクールカウンセラーの配置数を拡充したほか、平成15・16年度に国の緊急地域雇用創出特別基金を導入いたしまして配置した学校適応相談員については、国の基金事業の終了後も、引き続き県単独事業として措置するとともに、心の教室相談員の配置も継続して行うことといたしております。
 なお、平成16年度から実施している英語大好きジュニアハイスクール推進事業につきましては、既指定の3校に、さらに9校をモデル校として追加指定し、取り組み成果を英語検定により検証するなど、なお一層の英語力向上に取り組んでいくこととしております。
 新規事業の授業力ブラッシュアッププラン推進費は、学習定着度状況調査結果をもとに、小・中学校の教員を対象にした研修計画を教育事務所ごとに作成、実施し、授業力の向上を図ろうとするものであります。進学目標達成推進事業は、進学実績の向上のため、県立学校が自校の課題等に即した目標・計画をみずから企画立案して行う取り組みの支援を行うものであります。いずれの事業につきましても、学力向上プロジェクトの構成事業として新規に措置したものであります。220ページから221ページにわたる5目教育センター費であります。これは、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であります。221ページから222ページにわたる6目幼稚園費は、こまくさ幼稚園の管理運営に要する経費であります。222ページをお開き願います。7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 223ページの2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費などのほか、初任者研修の指導に係る非常勤講師の配置に要する経費について、引き続き計上しております。また、少人数指導のためのすこやかサポート推進事業費は、先ほどの教育委員長演述にもありましたが、多人数複式学級への非常勤講師の配置について、今年度措置した16人の複式学級に加えまして、来年度からは、15人の複式学級にも拡大して実施することとしております。
 次に、224ページをお開き願います。3項中学校費でありますが、1目教職員費、これは、中学校教職員の人件費、旅費等のほか、初任者研修の指導に係る非常勤講師の配置に要する経費等であります。
 225ページの4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等のほか、新たな中高一貫教育やコミュニティスクールの導入などについての検討や高等学校新整備計画の推進に要する経費等であり、いずれも継続して実施するものであります。225ページから226ページにわたる2目全日制高等学校管理費及び226ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれ各高等学校の管理運営に要する経費等であります。226ページから227ページにわたる4目教育振興費は、高等学校における備品設備等の整備充実、農業及び水産業教育等に係る教育実験実習並びに不況等による家計悪化の世帯増加に伴い、高校生の修学支援のための奨学金の貸し付けを行う財団法人岩手育英奨学会への補助について継続して実施することとしております。また、高校奨学事業費補助は、日本育英会の解散に伴いまして都道府県に移管された高校生を対象とした奨学金貸与事務の実施主体となる財団法人岩手育英奨学会に対し、運営経費を補助しようとするものであります。平成17年度予算には、従来の運営費補助金に加え、貸付金原資に係る補助金を新規に計上しております。227ページから228ページにわたる5目学校建設費は、高等学校の建物等施設整備に要する経費について引き続き計上しております。校舎建設事業費は、盛岡第二高等学校改築工事を平成16年度に引き続き実施するほか、新たに大船渡高等学校及び一関第一高等学校の改築工事に着手、また、新たに総合学科高校となる一戸高校の改築設計に着手することとしております。産業教育施設建設事業費は、大原商業と統合予定の大東高校の産振棟の新築、体育館建設事業費は、盛岡農業高校及び遠野高校第一体育館の改築設計に要する経費であります。校地整備事業費は、一関第二高校において今年度に引き続き実施するほか、新たに紫波総合高校において工事に着手することとしております。校舎大規模改造事業費は、黒沢尻工業高校産振棟の大規模改造を今年度に引き続き実施するほか、盛岡工業高校ほか2校で教室棟の改修に、平舘高校ほか4校において屋内運動場の改修に着手することとしております。また、校舎大規模改造事業費において、災害に強く耐震性にすぐれた安全な学校施設整備の促進を図るため、地震に対する安全性を把握するための耐震診断を沼宮内高校ほか4校の体育館を対象として実施することとしております。このほか、校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費を計上しております。228ページをお開き願います。6目通信教育費でありますが、通信教育の管理運営に要する経費を計上いたしております。
 229ページの5項特殊学校費1目盲聾学校費は、盲学校及び聾学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費、初任者研修の指導に係る非常勤講師の配置に要する経費、並びに施設の整備や維持管理に要する経費であります。230ページをお開き願います。2目養護学校費は、養護学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費及び新任教員研修の指導に係る非常勤講師の配置に要する経費並びに施設の整備や施設の維持管理に要する経費であります。このうち、施設整備費において、花巻養護学校寄宿舎の改築を今年度に引き続き実施するほか、久慈養護学校屋内運動場の耐震改修に着手することとしております。
 231ページの6項社会教育費1目社会教育総務費は、子供の読書活動推進及び広域での学習サービス体制整備など、多様化・高度化する県民ニーズに対応する生涯学習推進に要する経費であります。次代を担う子供たちを心豊かでたくましい人間として育成するため、テレビ放送等による情報の提供、電話相談等を実施する家庭教育推進に要する経費、青少年が異年齢集団の中で、県内各地を訪問しながら、体験学習、郷土学習、相互交流等を行い、豊かな感性と主体的に生きるたくましい青少年の育成を図る青少年銀河鉄道体験交流事業の実施に要する経費のほか、生涯学習推進センター並びに青少年の家管理運営及び施設整備に要する経費であります。2目視聴覚教育費でありますが、視聴覚教育の指導者養成等に要する経費であります。232ページをお開き願います。3目文化財保護費は、指定文化財の保存・修理への補助、埋蔵文化財センター建設費補助などの文化財保護の推進や特別天然記念物カモシカの食害防止対策及び県立埋蔵文化財センターの管理運営に要する経費等について継続して計上しております。また、柳之御所遺跡整備調査事業費は、国指定史跡柳之御所遺跡の史跡整備を促進するため、学術調査を行うほか、史跡公園整備のため、新たに第Ⅰ期の工事箇所である堀内部地区の盛り土造成工事の実施に要する経費であります。柳之御所遺跡土地公有化事業費は、遺跡地内の民有地の取得に要する経費であります。次に、世界遺産登録推進事業費でありますが、平泉の文化遺産の平成20年度の世界遺産登録に向けて、全県を挙げた機運の醸成を図るため、大河ドラマに関連した義経展の巡回開催など各種普及啓発事業を行うとともに、平成18年度に予定しているユネスコ世界遺産委員会へ提出する推薦書の作成などに要する経費について事業費を拡大して計上しております。新規事業の岩手の文化情報発信事業費は、平泉の文化遺産を構成する史跡等を紹介するとともに、平泉町を初め、本県を訪れた観光客に対するガイドにもなり得る総合的なガイドブックの作成に要する経費であります。232ページから233ページにわたる4目芸術文化振興費は、青少年にすぐれた芸術鑑賞機会の提供、全国高等学校総合文化祭参加への補助、岩手県中学校総合文化祭開催への補助などの芸術文化振興に要する経費、岩手芸術祭の開催に要する経費、高校生の文化部活動の技量向上を図るための技術講習会などを開催する高校生カルチャーキャンプ事業の実施に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費等であります。233ページの5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費及び県民の生涯学習の支援拠点となる図書情報総合センターの平成18年度開館に向け、資料の整備やデータベース化に要する経費のほか、県立図書館の移転などの開館準備に要する経費であります。234ページをお開き願います。6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費であります。このうち施設整備費は、重要文化財旧藤野家住宅・旧佐々木家住宅の保存修理工事を今年度に引き続き実施するほか、博物館の維持修繕工事の実施に要する経費であります。234ページから235ページにわたる7目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費であります。
 236ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、児童生徒の保健管理に要する経費のほか、指導運営に要する経費について継続して計上しております。また、新たに食に関する関心・理解度を高め、望ましい食習慣の推進を図るため、食の安全に関する実地調査を行うこととしております。236ページから237ページにわたる2目体育振興費でありますが、県内市町村に総合型地域スポーツクラブの設立、育成を支援するための経費や生涯スポーツ推進協議会運営費補助などの生涯スポーツ推進、児童生徒の体力、運動能力の向上を図る運動大好き岩手っ子育成事業、各種体育大会への選手の派遣に要する経費の補助、本県の全国大会等における競技力向上を図る競技力向上対策事業などの実施に要する経費について、継続して計上しております。また、全国スポーツ・レクリエーション祭の開催経費については、本年10月に本県で開催されることから、今年度予算額と比較して予算を大幅に増額して計上しております。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営に要する経費及び県営運動公園陸上競技場給水設備等改修工事ほか4工事など、県営体育施設の整備に要する経費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、246ページになりますが、そこまで飛んでいただきたいと思います。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校施設に災害が発生した場合の復旧に要する経費であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。恐れ入りますが議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会で所管する事業は、14ページの№49の校舎建設事業から№51の校地整備事業までの3件であります。49の校舎建設事業は、大船渡高校及び一関第一高校の校舎改築です。№50の産業教育施設建設事業は、大東高校の産振棟の新築、№51の校地整備事業は、紫波総合高校のグラウンドの整備であり、これらは、いずれも工期等が翌年度以降にわたることから、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、歳入を伴う条例議案について御説明申し上げます。議案その2になります。議案その2の48ページをお開き願います。議案第47号岩手県手数料条例の一部を改正する条例についてであります。これは、教育委員会の所管は66ページ下段の別表第8の関係であります。これは、岩手県教育委員会が開設する教育職員免許法認定講習の単位習得証明書の発行について、受益者負担の適正化の観点から、新たに手数料を徴収しようとするものであります。
 以上で予算関係議案の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋賢輔委員 県教委の皆さん方には大変御苦労さまです。今、委員長から教育行政の施策についていろいろ御説明をいただきました。大変意図するところがあるわけですけれども、いかんせんこの高等学校の改革については、県教委の教育に対する認識、そしてまた姿勢について、県民の皆さんからそれにおきましては大変問われているのではなかろうかと思うわけでございます。
 そこで、前期計画の件について、まず、前期計画がどのように今進んでいるのか、それから、課題もまだまだあるのではなかろうかと私は認識しているわけでございますけれども、これまで引きずっているそういう問題は、どういう形でそうなっているのか、その辺を具体的にお知らせいただきたいと思うわけでございます。
 今まさに後期計画も県民からいろいろ問題になっているわけでございますけれども、私は、やっぱり前期の計画を満足に、県教委が示したことをしっかり、きちんとやっていただければ、そういうこともなかろうと思うんですが、それらを具体的に、きちんとわかるような形で教えていただきたいと思うわけでございます。
 答弁によっては、また質問したいと思うんですが、まずその辺をお聞きしたいと思います。
〇佐藤教育長 前期計画、これは、御案内のとおり、今年度をもって5年間の経過を見るわけでありますが、これらについては、地域の皆さん方の理解と協力によりまして、総じて計画どおり着実に推進されたと思っておりますが、ただいま高橋委員からお話がありましたとおり、一部、後期の計画に食い込まざるを得なかった地域もありますし、また、それぞれ前期の中で、統合された、あるいは新しく学校を新設した、いろいろな学校がそれぞれスタートを切っているわけですが、まだまだ地域の方々、あるいは関係する方々からの御意見を集約しながら改善に結びつけなければならない部分も残っているということで、これからも、前期のそういう部分についても、さらに一層協議の場等を設けまして詰めていきたい。
 それから、後期の計画につきましても、今やるべきことは、地域の皆さん方の理解、あるいは私どもの掲げた計画そのものの理解を求めるための、あるいはそれぞれの地域の方々の意見等をいただくための、そういう説明会の場というものを今後も続けていきたいと考えております。
〇高橋賢輔委員 そこで、具体の件について申し上げたいと思うんですけれども、花巻農業高校の耐震診断をなされておるのかどうか。それから、お話によりますと、この学校は老朽化がもう進んで、あと何年もしないで改築の方向に持っていかなければいけないというような話もお聞きしておりますけれども、ここの学校のこれまでの改修なり、そういったことをおやりになっておるのかどうか。それから、もう一つは、検討委員会の今までの検討された事項等々が恐らくあったんだろうと思うんです。もちろん、それを課題にして引き継ぐということもあったわけですから、その件についてどのような形を今までとってこられたのか、それを具体的にお示しいただきたいと思います。
 やはり、何といっても教育は、県教委は現場の教職員を指導する立場なんですから、それらをきちんと約束どおり守らないで、岩手の教育をよくやっていきますなどということは、私は、教員に対しても、それから地域の皆さんに対しても、それは、皆さんが胸を張って、岩手はこういう施策でこれまでやってきたし、こういうふうに認められるような教育行政であればいいんですけれども、いかんせん、お話によりますと、そういうことを全然守っていないという地域の皆さん方の声をよく耳にするわけですが、そういった面についてはどうなんでしょうか。
〇伊藤教育次長 ただいまの耐震等の工事のことでございますけれども、後で財務課長から正確な年度は申し上げますが、大規模改修をいたしまして、それで、当面新しい校舎のあり方について決定するまでは、十分教育環境としては維持できるということで進んでいるものでございます。
 なお、新しい校舎のあり方ということについては、今御指摘ございましたように、両校の関係者から成る新しい検討委員会を組織いたしまして、その場で新しい花巻農業高校の新しい学科にふさわしい施設設備及びそれにかかわる校舎のありようも総合的に検討し、さまざままとめてまいりたいということでこれまで参っているものでございます。
〇千葉学校財務課総括課長 花巻農業高校の改修の状況でございますけれども、平成12年に大規模改修ということで、一通りのリフレッシュな内外装、そういった工事を行いまして当面使えるような形にしており、その後の再編統合といった時期にまた改めて整備をしていくというような計画で進めております。
〇高橋賢輔委員 今、改修の問題で平成10年と言われました。当初、この前期の計画で公表されたのは11年だったと思っております。そこで、当然、北上農業高校と花巻農業高校の再編で、合併しようということが盛んに話題になっている時期でございます。そうすれば、今の話をお聞きしますと、最初から花巻農業高校に統合するんだから、そういう形で早く、そういった耐震計画も当然やらなければいけないでしょうからですけれども、そういう問題が起きているときに大改修をやりましたとおっしゃっておりますが、そうであれば、検討委員会にそんなこともきちんと説明すべきじゃなかったんでしょうか。それが何にもなくして、ともかく農業高校は統合させるんだということだけでいったわけですから。その時点でそういう大改修をやったというのであれば、あえて場所の問題とか、そういったことまで論をさせるべきではなかったのではないですか。今初めて聞きましたよ。
 そういう大きいものに巻かれろと言わんばかりのやり方だったら、全く説明をなさっていなかったのではないですか。何でそんなことが、最初からそういうことを言っていれば、皆さんも、花巻農業高校がそういう事情だということだったものですから、早く、しからば場所もきちんと決めて、校舎もきちんとやらなければいけないのではないか、そういう心配が先に立っておったんですよ。何でそんな説明をするんですか。地域住民にまやかしみたいなことをやっているんですよ。だから、後期の計画だってそんなような形でしょう。そうして、合併すればそれでいいんだというような、あとの問題は地域に投げかけて、これからの農業教育のあり方をどうしましょうなんて、そんな検討をするような話を今やったんですけれども、そういうものじゃないでしょう。
 教育の立場に立っているおたくさんたちが、果たして現場の職員たち、県職員も指導できるような環境なんですか。その辺、もう一回答弁してください。
〇伊藤教育次長 御案内のように、前期計画における最初の御提案は、花巻農業高校は花北商業高校との統合でございまして、当初から農業高校を統合するということで御提案したものではございません。
 また、花巻農業高校の改修でございますが、通常、コンクリートの建物は60年をもって使用限度と申しますか、改築ということになっているんですけれども、学校の場合には、子供たちの安全等を考えて40年ぐらいをめどに見直すということになっております。それで、花巻農業につきましては、老朽化が甚だしかったこと、それから、花巻空港との関係で騒音の問題がありましたことから、統合の問題とは別に、窓を二重にすること、また、安全を確保するための改修をすること、それが決まっていて、平成12年度に改修したということでございまして、それが花巻農業高校と北上農業高校を統合する際の布石になったとかということではございませんので、御理解賜りたいと存じます。
〇菊池勲委員 関連。
 私も花農出身でありますから、今の高橋委員の質問だと、もう統合学校は花農に吸収してという意味にとられたんだけれども、私はそう聞いていないんだよね。将来は新しい学校をつくって、両方交えた学校をつくるという段階で、今の段階では、校舎が古くなったから、このままでは持たないから改修工事をしたと私は理解しておったんだけれども、どうも賢輔委員の質問だと、最初からそこに学校が決まっているのではないか、だまして統合させたみたいな議論になっているんですが、本当にそうなんですか。それを聞かせてください。
〇伊藤教育次長 また繰り返す形で恐縮でございますが、当初の計画は、花巻農業高校と花北商業高校の計画でございました。それが、さまざまな御意見をちょうだいする中で、また、岩手県中部地区の農業教育を維持しなければならないということもございまして、県の教育委員会といたしましては、農業教育の充実という観点から新たな調整を加えたということでございまして、当初から花巻農業高校を使うということがあったわけではございません。
 なお、これは言わずもがなでございますが、両校の話し合いの中で、当面、現在の花巻農業高校を活用して学習をするのだという形で進んでいるということでございます。
〇菊池勲委員 ですから、将来は一緒にさせて新しい学校をつくる、私もそう思っておったから黙って聞いておったんだけれども、今の高橋委員の話だと、何か最初から花農に北農を入れるのかというような御質問だったからこんな発言なんですが、将来は新しくつくるわけですよね。そして、今の場所じゃなく、どこかにまた場所を移転してつくると私は思っておったから。
 花巻と北上の関係なんだけれども、先般、私どもの地域はもう一つ、医療局の病院の統合もあったんだよね。これで、照井委員が前にいるんだけれども、私も、お互いに仲間でありながら多少議論をした経緯があったので、恐らく将来は、近い将来か遠い将来かわからないけれども、計画では、今の財政事情からすれば、簡単につくりかえて、新しく建てるのは難しいと判断しておったから私どもはずっと待っておった。でも、花巻空港が滑走路を500メートル延長すると、とてもあそこは教育の場所ではないと私は思っているの。だから、当然、北農と統合して、もっと環境のいい場所に、本当の農業を教育する一番いい場所をつくってくれるのだと期待しておったんだけれども、それで間違いないのかね。どうも高橋委員の発言を聞くと、今の学校に北農を入れるというような感じでとれるんだけれども、そうではないと私は思ったんですが、それはどうなんですか。
〇伊藤教育次長 現在の花巻農業高校の施設設備を活用するということは、現有の施設設備の当面の最大限の活用ということでございまして、この場で私も、それから歴代の教育長も明言いたしましたように、今後、岩手県中部地区の農業教育を進めるにふさわしい教育環境として検討してまいるということで進んでいるものでございます。
〇小原宣良委員 私も本質問でこの件をお聞きしようかと思っておったんですが、この問題が出ましたので、関連でお伺いしたいんですが、北上農業高校は、御承知のとおり、この3月で最後の卒業生を送って実質の廃止ということになりました。そこで、今まで検討してこられたように、新たな農業専門高校をこの中部地域にどうつくるかという課題がありまして、それぞれ関係者による検討委員会で検討がなされてきた。しかし、残念ながら、この3月で北上農業高校の最後の卒業生を送り出すまでにそうした懸案の課題について整理、解決することができないで、今日を迎えたということなんですね。
 したがって、実は北農の60周年が2年前にあったときも、あいさつの機会があって私は述べたんですが、子供たちに本当に申しわけない。あなた方にも宿題を残してしまった、こういうあいさつをした記憶がありますが、そんな思いなんですね。したがって、今、北農の卒業生といいましょうか、喫緊の卒業生については特にそうなんですが、行き場がない、うちの母校はどこだ、こういう思いがとても強くあるわけです。したがって、できればことしの3月の北農の3年生が卒業するまでに、統合の姿なり、あるいは帰属する学校についてしっかりとした姿を見せてあげるべきだったと思うんです。
 そこで、この検討委員会をこれからつくると。実は私は、何回かこの問題に触れてきましたが、平成16年度、今年度でこの検討委員会を立ち上げながら懸案の課題について検討すると伺っておったわけです。しかし、きょう時点でもまだ立ち上げはできていないんですね。そこで、今年度で、もう少しですが、3月に立ち上げという形をとるか、検討委員会の立ち上げそれ自体が新年度にずれ込むか、1点はここのところをお聞きしておきたい。せめてそこの道筋を立てながら、これから、花農は今の校舎を使って花巻農業高校という形で当面推移をしておりますから、そういう違和感はないとは思いますが、北上農業の卒業生については、かなり寂しさというか、行き場というか、そういうものに対して気持ちの上での思いは持っているだろうと思うから、その点、いつの時点でこの検討委員会を新たに立ち上げて検討に入っていくのか。その場合の検討の課題、主要な項目は何か。場所ということを選定しながら、先ほどの答弁ですと、それに見合うような形で校歌をつくり、そして新たな統合学校としての姿を整えるんだというふうにも聞こえるんですが、その点はどうお考えですか。
〇伊藤教育次長 ただいまのお尋ねの件でございますけれども、おっしゃるとおりの経緯でこれまで参っております。ただ、北上農業高校に関しましては、現在の卒業した3年生、さらに昨年卒業した3年生につきまして、あなた方は北上農業高校の卒業生として卒業するのであるということを明示して入学してきたという経緯がございますので、制度上、平成15年から新花巻農業高校は発足しており、北上からも通っているという実態がございますけれども、統合はしたけれども北上農業高校は2年間は維持していたと、こういう形になるものでございます。
 これが、今後どのような形で両校がよりよい形になっていくかということにつきましては、昨年9月に検討委員会の準備会を持たせていただきまして、さまざまな御意見等をちょうだいしたところでございます。これを踏まえまして、今年度中ということでいろいろ努力したのでございましたが、なお調整がつかない部分がございますので、できるだけ早く、特に花巻農業高校は平成18年が100周年という事情もございますので、その時期も見ながら、できるだけ早く検討委員会をつくりまして、そして岩手中部地域の農業高校にふさわしいあり方について総合的に検討していただきたいと。また、それをいただきながら私どももまた検討してまいりたいと、このように考えております。
 なお、北上農業高校と隣接する北上翔南でございますが、単に隣接するにとどまらない同じ北上市の高校生として、一部ではございますが、学校行事ですとか部活動ですとか一生懸命一緒にやっている状況でございまして、今度は韓国への合同公演なども決まっております。こうしたことから、現在の北上農業の跡地には、いわばメモリアルパークのようなものなども考えております。
 公的な諸表簿は新花巻農業高校で管理し、さまざまな便宜を図っていくことにはなりますけれども、北上農業高校の伝統は、いわば北上翔南にも一部は受け継がれていくと、こういう形になろうかと存じます。
〇小原宣良委員 わかりました。しかし、卒業した子供たちといいますか、賢輔委員も同窓の会長なんですが、そういう面でいうと、しっかりとその辺をわかりやすく整理をしながら、これからに向かっていくということが大事なんだろうと思うんですね。経過上から言えばやむを得ない。両方にそういう足跡を残した、あるいはこれから残すという特殊性を持ったわけですね。この点については、十分にこれからの検討が必要であろうということを指摘しておきたいと思います。
 そこで関連して大変恐縮なんですが、北上農高の跡地については、かなり広大な用地が実習地としてございます。一部コースというか、そういう形の中で農業関連も翔南にはあると聞いておりますけれども、なかなかに全体を活用するということには限界があるだろうと思うんですね。しかし、あそこの用地は御承知のとおり、旧相去村の財産区でありまして、昭和29年に北上市が合併してできた数年、10年ぐらい後ですが、その後に北上市の管理になった経緯を持っているものなんですね。地元の皆さん方の財産であった。それは今北上市が管理をしておる、こういう経過を持っておりますから、教育関連に十分活用することというのは、これは地元の強い意向という点からすれば、あの広大な用地をどう活用するかというのは、これは北上市との協議なしには進め得ないものと。第一義的には県教委の財産であるからということにはなるでしょうが、そこのところは十分留意をしていかなければいけない課題ではなかろうかと思っておりますが、今のメモリアルパークも含めてその点どうお考えか。喫緊、こういう計画があるということではなかろうとは思うんだけれども、その点をお伺いしておきます。
〇鎌田高校改革推進監 農場等も含めました土地の利用でございますけれども、御存知のとおり、北上農業高校の生徒が、あの農場につきましては実習で使用してきたわけでございます。今後は、今委員御指摘のとおり、北上翔南高校の農業関係の環境系列というところがございます。そこでの授業では当然活用いたしますし、さらに学校行事等で活用する方向で今考えているところでございます。
 なお、今後の利用につきましても、関係の方々等の御意見等も伺いながら、有効な活用を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、花巻農業と北上農業の統合の経過、議論がありました。今、次長からは花巻農業高校100周年という話もありました。これは一つは、新生花農ということではないのか。同窓会が二つあるわけですよね。北上農業と花巻農業、どちらも受け継いだという形なのか。今の話で、その性格をはっきりさせていただきたい。
 もう一つは、当面、今の花巻農業の校舎を活用するのだと、大規模改修したのだと。ところが後期計画を見ると、平成26年度までに花巻農業は統合の対象ですよ。当面やっている間に、統合しようというあなた方の計画じゃないですか。そうすると、全然新しい統合になりませんよ、これは。私、ここらあたりであなた方の計画というのは、全く今の県議会の議論から見て、本当に新しい農業高校をつくろうという計画になっていないんじゃないかと思うけれども、これ平成26年度まで、それ以前にも着手すると書いているが、いずれ新しい花巻農業を検討するときに、統合の対象にするというのはどういうことなんですか。
〇伊藤教育次長 まず、周年行事の考え方でございますが、県内の学校は、例えば村立であったとか郡立であったとかさまざまな経緯がございまして、統合したり分離したりという経緯をさまざま、すべての学校が経ております。すべてといいますか、大概の学校は経ております。周年行事をする場合には、一番最初のところからカウントしていくのが通常でございまして、新生花巻農業高校の場合も、花巻農業高校のこれまでの歴史と北上農業高校の60年の歴史と一緒になったという形で数えていくべきものと考えております。
 それから、二つ目でございますが、おっしゃる意味は、統合ということではございませんで、そこの学校のあり方について考えていこうということでお示ししているものでございます。したがいまして、花巻農業高校をより充実するためにも、早く検討委員会をつくりたいと存じますし、また、地域の方々の御支援をいただきながら、より一層充実して、花巻農業高校を施設設備の整備も含めて進めてまいりたいと、こういうことでございます。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、後期計画ではこう書いているんですよ。あなたの説明と違うんですよ。
 後期計画の中間年度である平成19年度、さらに完成年度である平成21年度に、それまでの定員充足率等を勘案し、この期間中の整備、統合・学科改編などを検討する。なお、状況の変化に適切に対応するため、それ以前の着手も検討する。
 これが花巻農業なんですよ。立派な花巻農業をつくるという対象じゃないじゃないですか。定員を割ったら、統合を含めて検討するという、統合の対象にあなた方は挙げているんじゃないですか。私は挙げるべきじゃないと思いますよ。花巻農業を立派にしようというんだったら、ここを削除すべきじゃないですか、後期計画から。
〇伊藤教育次長 後期計画策定の基本的な考え方でございますが、すべての学校につきまして、今後よりよくしていくためにはどうあればいいかということについて検討したわけでございます。その場合に、私どもは4学級以上というのを一つの生徒の活動、教育の充実のためにはふさわしいものとしてお示ししましたために、それ以下の学校についての今後の方向についてということもお示しすることが必要だと考えた。また、これは、地域の説明会でのさまざまな方からの御指摘でもあったわけでございます。しかし、そこに掲げたということが、即座に平成22年以降に統合するあるいは廃校にするということを意味するものではございませんで、今御指摘のように、それまでの定員の充足の状況あるいは地域との産業構造とのかかわり合い、そうしたものを考えながら十分検討してまいりたい、こういうことでございまして、ぜひ、岩手中部の農業高校としては維持し充実していけるように私どもも努力いたしたいと思いますし、地域からもかわいがっていただきたい、このように思っております。
 なお、必要に応じて学科改編等はやはり必要になってくるものと考えております。
〇高橋賢輔委員 先ほど菊池委員からいろいろ意見があったわけですけれども、私申し上げたのは、大改修をしたということですから、当然学校改革は、恐らく財政もかなり含んでいる改革だろうと、こう思うわけです。したがって、それだけの大改築をしたのであれば、あのときに、もう既にこういうことでこういうふうな大改築もしましたしということであれば、二重、三重のそういう心配もなかったでしょうし、恐らく地域住民もわかってくれたったんだろうと思うんです。それ全然なくして、今すぐこうだと言ったから、私はその件について申し上げたところです。もちろん、私は花巻農業高校、北上農業高校は対等の統合だと理解してございますから、そういうことで私は言ったんです。やたらむだな、こういう厳しいときに、むだな金をかけて、また、かけたもう翌年にそういう議論をさせるということはいかがなものかと、こう言ったことでございます。
 それから、委員会では随分いろいろな話をおっしゃっているわけですけれども、いろんな面で、そういう関係の地域の皆さん方がよしとはしてございません。なものですから、本当に真剣にこのことについて取り組んでいただかなければ大変な、禍根を残すんだろうと、こう思っているわけでございます。
 いずれにしても、これまでは小規模高校というものも、ずっと歴史が長くて今までも何事もなくしてやってこられたわけですから、したがって、私は大きいものに巻かれろというようなことじゃなくて、小規模校だって十分立派にやれるわけですから、なものですから、私はこれから本当に財政を考えるのであれば、盛岡地区にも再編を1校考えるべきだと思うんですよ。全然盛岡の学校は、一つも手をつけていないんじゃないですか。そういうことで、岩手県の全体の格差を縮めようったって、縮まるものじゃないんですよ。そういうことも申し上げたいことでして、あれだったら御意見をちょうだいしたいと思います。
〇伊藤教育次長 花巻農業高校のその時点における校舎でございますけれども、ちょっと下世話な申し方で恐縮でございますが、教室の床にピンポンを置きますと自然にころがり出すような、そんな状況もございまして、早急に子供たちの安全のために、最低限の手は入れなければならないということだったのでございます。さらに、花巻空港は、現在は滑走路がちょっと違っているようですけれども、当時の滑走路は大変騒音が問題でございまして、二重窓にする必要も早急にあったということで、統合とは別に、差し当たって、子供たちの教育環境として整備する必要もあったのだということで御理解賜れればと存じます。
〇高橋賢輔委員 盛岡地域の学校の、これはどう考えておりますか。
 以前、時事放談ってあったんですね。藤原弘達さんですか、それから細川隆元さんの対談を聞いてみて、これからの学校教育、学校環境は、広々とした自然の厳しさとか自然の恵みとか、そういうところの場所が一番いいんだということを言っているんですよ。ましてや、過密の場所は交通渋滞はあるしごみごみしたあれ、そういうところを随分批判された経緯があるんですが、やはり私はそう思っているんですよ。そうなってこそ初めて、岩手県全体がよくいくというふうに私は思うんですけれども、その辺のことのもしお考えがあったらお示し願いたいと思います。
〇佐藤教育長 花巻農業高校につきましては、いろいろ今お話があったように経緯がありますし、それから検討委員会、今、立ち上げようとしておりますので、その場で、またこれまでの御意見等も踏まえながら検討させていただきたい、こう思っております。
 それから、専門高校のあり方として、今回総合的な専門学科高校、御提示申し上げているわけでありますが、盛岡地区といえども、専門高校のあり方につきましては、これからの時代を考えますと、やはり農業であるとかあるいは工業だとか商業という、そういう一つの単独の学科高校ではなくて、その垣根を越えたといいますか、これからの時代の要請にこたえるような学校というものを、もう一辺考えていかなければならないということで、今、盛岡地区は御案内のとおり一つの学校として規模も大きいというようなこともあります。したがって、なかなかあわせるということは難しい状況にありまして、ただ、基本的には、考え方としましては、これからの産業教育のあり方、これは地域の産業の構造が変貌しつつありますし、また、特にも地域の振興という観点からも、かなり幅の広い人材を求められていますから、それらをどう高校教育でこたえるか、それら踏まえながら、盛岡地区といえども、あわせて一緒に検討していきたいと考えております。
〇樋下正信委員 私からは、体育振興費のところで質問をさせていただきたいと思いますけれども、先ほどの教育委員会の船越委員長からも委員長演述があったわけでございますけれども、その中でも子供たちの体力に目を向けると、体力、運動能力は全国平均を下回っているという演述がございましたし、その中で、体育スポーツ活動実践校による指定研究や指導の講習会などもやると。また、競技スポーツの振興については、ジュニア層に特に重点を置いた中学校の指導者層の強化や、アジア地域での高い競技力を有する、これはよその国とのスポーツ交流などもするということでございますけれども、そういった中で、実は中学校の体育連盟が県にあるわけでございます。中体連というのがあるわけでございますけれども、各種のスポーツ大会が年間を通じて県内各地で、各会場で行われているわけでございますけれども、このような状況の中で、県内にも国立大学、岩手大学の附属小・中学校等もあるわけでございますけれども、こちらの方には県教委の方から先生方も行っているということでございますけれども、その中で、独立法人化が進められてきているわけなんですけれども、節約の中で教職員の配置なども見直されてきていると聞いております。
 そういった状況の中で、子供さんたちがスポーツなりそれぞれの大会に出場をしているわけでございますけれども、団体スポーツなんかは比較的参加できるということでございますけれども、1人で、個人競技なんかの場合は、どうしても先生なりがついていかなければ参加できない部分も出てきているということでございます。例えば水泳とか柔道とか、いろんな各種目があるわけでございますけれども、そういうふうな中で、県の方の中学校関係もそうなっていくのではないかというPTAからの危惧されたお話を聞かされたところでございます。いずれ、そういうことをかんがみますと、県教委としてその辺をどのようにとらえているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。どのような指導をしていくのか、お聞きしたいと思います。
〇佐々木スポーツ健康課長 学校の運動部活動のあり方というふうなことと、附属中学校でのスポーツ活動のあり方という御質問だったと思いますけれども、運動部活動は教育活動の一環として、部活動の設置については、校長が、学校の施設とか生徒のニーズとか、指導教員の配置とか、そういったものを総合しながら運動部を設置している状況にあります。
 なお、大会出場等については、そういった練習環境、練習してきたことを発表の場ということで、体育大会に出場をさせているという状況にございます。
 なお、中体連主催の大会等については、教員が引率するという規定があるという状況でございます。
〇樋下正信委員 今、引率するというような規定があるということでございますけれども、実は私自身も県の水泳協会の会長をやっておりまして、多くのスポーツ選手が自由に伸び伸びと参加して、県のスポーツの質の向上に大きく貢献してほしいと願っているところでございますけれども、今、先生が引率しなければというお話ですけれども、今、世の中随分変わってきておりますし、例えばスポーツ保険をかければ参加できるとか、あとは父母、親御さんといいますか親戚関係、身内の方が同伴すれば参加ができるとか、その辺の枠を広げてみる考えも必要ではないかと考えているところでございますけれども、先生が一緒についていくのもいいんですけれども、むしろ親御さんとか親戚の人が一緒に行けば、選手といいますかお子さんたちも、逆に張り切っていい成績が出せるのではないかと私考えるところでございますけれども、その辺、枠を広げるというか、そういう保険に入れば参加できるとかというような考えがあるか、今後そういう見直しといいますか、そういうことが予測されるようなことがあればちょっとお聞きしたいと思いますし、また、実は私、協会を通じまして、中体連の水泳の部長さんには、そういうふうな会議があったら、ぜひ水泳の方は、もう、ついてこなくても参加できますよとやったらいいんじゃないかということで相談もしているところでございます。ぜひ、その辺の考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
〇佐々木スポーツ健康課長 確かに現在は少子化とか学校の規模も小さくなってくるとか、そういったことで部活動がかなり厳しい状況にあります。また、個人競技につきましても、学校に部がなくても出場したいという要望もあることは承知しております。県の中体連におきましても、そのようなことは承知しておりまして、どのように子供たちの要望にこたえることができるかということにつきまして、引率の規定等も含めまして検討に着手したと聞いております。
 今後、各支部の意向等も調査して、どのような方法があるかということを検討するということを聞いておりますので、教育委員会としてもそういったことについてよく聞きながら、あり方等について指導もしてまいりたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 ただいま樋下委員から御発言のございました中体連の問題は、既にさきの3月7日の商工文教常任委員会で私の方から提起をさせていただいた問題でございます。当該委員なんですが、申しわけございません。
 この問題につきまして、私は県の小澤中体連会長と、それから市の木村会長にもお会いして既にお願いしておりまして、今、佐々木課長が中体連でも承知しておりますという御答弁にございましたように、何か非常にいい動きがあると伺っておりますので、よろしく中体連の方で考えていただいて、規約の改正ができれば、これは大会開催基準の第7条6項の、参加生徒の引率は当該校の教員とする、部長監督は当該校の教職員とするという、この項目を削除すれば柔軟性がきいてくるものでございます。
 少子化という時代の流れによって、団体種目のスポーツクラブの存続も危うい学校もあると聞いております。教職員の削減は、昨今の補助減額の事情をかんがみれば時代の趨勢とも言える事柄でございます。したがって、時代に合わなくなった規約の改正をすれば、スポーツの振興ということにも結びついてくる状況ですので、ぜひ御検討いただきたくお願い申し上げます。よろしく……。
〇佐々木順一委員長 平野委員に申し上げますが、質問をしてください。
〇平野ユキ子委員(続) その件につきまして、実は何か動きがあるとも伺っておりますので、もう一度お伺いいたします。
〇佐々木スポーツ健康課長 学校の部活動というか、生徒のスポーツ活動というのは、スポーツ振興の面とそれから学校の活性化とか周りへの影響とか、子供たちに好影響を与えるとか、そういった多くの教育的な内容も含んで行われているのが部活動だととらえております。そういった観点から、ただ単にスポーツをやっているから大会出場とか、そういったことについて学校側はいろいろ苦慮されているだろうと思っております。先ほど申しましたけれども、そういったもろもろのことを含みながら、中体連ではどうあるべきかということを検討したと聞いておりますので、ちょっと推移を見守っていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今の附属中学校の問題について、私も父兄から相談を受けました。校長先生にも話を私も聞いてまいりました。
 事態はこういうことなんですね。入学説明会で、新入生に対しては、もう引率できないので大会参加はできませんよという形になったんです。在校生については引率すると。附属中学校というのは教育実習も抱えていて、大変な激務の学校ですから、私は学校の事情もわかります。しかし、中体連がせっかく今検討に着手した段階で見切り発車することなく、スポーツというのは子供たちにとっては勉強と同じぐらい大事なんですよ。そういう点では、県議会でこういう議論があったということを踏まえて、国立大学法人が相手ですから、ぜひ課長が、附属中学校の校長先生と今後の対応について、県議会の議論を踏まえて、本当に中体連の議論を踏まえながら、新入生についても対応できないか、私はぜひ対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐々木スポーツ健康課長 附属中学校は、他の中学校と比較して、従来から生徒の個々の能力を引き伸ばそうという学校教育の目標がありまして、部がない子供たちに対しても、大会の出場については、何らかの手だてをしてきたという経緯は聞いております。ただ、先ほど国立の独立法人化に伴いまして、教員の定数も削減されたと。それから、非常に部活動も多いということから、大変いろんなところで苦労をなさっているようでございますので、そういったものをもろもろ含めながら、中体連とあるいは附属中学校、そういったところで検討していくという状況にあるようでございます。
〇飯澤匡委員 それでは2点お伺いします。
 平成16年度から県立高校に民間校長の登用がなされました。もう1年が経過いたしますので、県教委として、その評価をどのようにしておるのかをお伺いします。それが第1点。
 第2点目は、先ほど関連質疑の中で出ましたけれども、県立高校統合後の跡地利用、そしてまた自治体との話し合いの持ち方、その点について基本的な県教委の考え方を確認したいと思いますので、2点よろしくお願いします。
〇山田県立学校人事監 平成16年度に任用いたしました民間人の校長の評価ということでお答えいたします。
 二つの学校に民間出身の校長を配置して以来、2人の学校長は、民間企業で培った経験を十分に生かして、教職員の意識改革を図りながら、進路指導の充実と部活動の活性化に取り組んでおりまして、活力ある学校づくりのために、大いに力を発揮しているのではないかと認識しております。
 2人の校長の具体的な取り組みとしましては、まず、生徒に対してでありますけれども、例えば、民間から銀行の担当者や旋盤の熟練技術者を招いて、金融業の事務処理の講義とかあるいは旋盤の実務指導を行って、より社会の実践的な技能と知識を理解させるような指導を行っております。
 また、単に就職率をアップするということで新しい職場開拓を図るというだけではなくて、帝国データバンクのデータなんかを活用しまして、企業の中身とか実情をより吟味しながらの進路指導を行っております。
 それから、教職員に対してでありますけれども、開かれた学校づくりのために、民間的なマナー習得の研修会を開いたり、あるいは企業の人事担当者を招いて企業のニーズ等の研修会を実施したりしております。また、生徒による事業評価を導入しまして、教員の事業改善を図っており、その結果の進学実績がやや向上したと伺っております。
 このような取り組みを通じた結果、地域との連携がこれまで以上に深まってまいりまして、また、教職員のみならず、生徒にも意識の向上がもたらされたと。そして、進学や就職の進路指導が、より充実したものとなっておると思っております。
 これから、2人の校長には、学校経営に対するこの1年間の自己評価とそれから来年度への方針とか計画、あわせて、私どもの方への要望等を報告させてまいるつもりでおりますけれども、その手法を、ほかの学校のこれからの学校経営にも生かしてまいりたいと考えております。
〇千葉学校財務課総括課長 統廃合によって廃校となった跡地の利用でございますけれども、廃校になったと申しましても県民の貴重な財産には変わりございませんので、その地域の活性化に資するよう、地元市町村と検討していくということにしておりまして、基本的にはまず公共用地として活用できないか、県あるいは市町村で活用できないかというような検討の後、そういう道も開かれない場合は、広く民間で利用いただけないかというような検討をしていく順になっております。
 最近廃校になった例で申し上げますと、例えば岩泉の小川校につきましては、岩泉町に農産物の研修施設として譲与してございます。それから、黒沢尻南高校、これの校舎を北上市へ文教施設として譲与、それから土地については有償譲渡するということで進めておりまして、このように地元市町村と相談しながら、できるだけ有効に活用していただけるように進めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 跡地利用ですが、有償譲渡というお話も出ましたが、これは教育行政に係る問題で、そこのところは柔軟に対処していただきたいと思います。
 と申しますのは、市町村合併が進んできまして、今までの自治体の基盤というものがこれから、例えば私の住んでいる東磐井なんかも大きな変化を来す可能性がありますので、そこのところは柔軟に県教委の方でも対処していただきたいと思っている次第でございます。
 それから、民間校長の登用ですが、大変新しい風を吹き込んでいると聞いております。今後、どのような形で、平成16年度は初めて登用したわけですが、今後の登用枠の拡大の可能性も含めて、県教委のお考えをお聞きしたいと思います。
〇山田県立学校人事監 民間人校長の新しい採用につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、まだ任用して1年目ということで、そして新しい風が徐々にではありますけれどもふいておりますので、むしろふやすというよりも、今の校長の学校経営の手法をほかの学校の校長たちにそれを浸透させまして、他の学校経営にも生かしてまいるということに重点を置きたいと、むしろそちらの方がちょっと大切かと考えておりますので、今後の新たな任用につきましては、今のところ考えていないというところでございます。
〇飯澤匡委員 ちょっと確認しますが、今2名おりますけれども、これを検証した上で、民間校長の登用もやめるかそのまま、また新たな人材を登用するか、その点だけちょっと確認します。
〇佐藤教育長 今年度4月から2人の今お話あったように民間人の校長ということで登用して、そしてそれなりに今成果というものを人事監から説明したとおりなんですが、まだ1年ということで、この1年を振り返って今総括の時期でございますので、この2人から自己評価も含め、あるいは今後の抱負なり、どう生かしていくか、これらもきちんと確認しながらまた明年度見守っていきたい、こう思っております。
 民間人の校長の登用につきましては、もちろんこれは時代の流れに沿ってどう対応するか、さまざま違いが出てくるかと思いますが、今日の状況下にあって、昨年4月登用して状況が変わりませんし、山田人事監から御答弁申し上げたように、むしろいい点を県内の各学校のマネジメントに生かせる部分、これを我々も厳選しながらそれをどうやって伝えるか、その伝え手の中の一人になってもらえればいいなというようなことで、今のところ、拡大しようとかあるいは廃止しようとか、そういう結論づけているものではないということを御答弁申し上げたいと思います。
〇伊藤勢至委員 高校再編につきまして、何点かお伺いをしたいと思います。
 昨年の12月の一般質問でも、私の思いのたけは披瀝をしたつもりがありますので、端的にお伺いをしたいと思います。
 まず、県当局、教育委員会として地域地域の県民の声、そういったものにどのように耳を傾けておられるのかということについて、2点ほどお伺いをいたします。
 12月8日だったと思いますけれども、宮古商業を守る会の方々が3万4、000の署名を集めまして、知事と教育長に提出をいたしました。その際、宮古、下閉伊の県議団4名と、選挙区は盛岡でありますが、宮古出身の吉田洋治委員にも御参加をいただいて、5名の県議団で一緒に参りました。3万4、000の署名と、1人1万人として、5人の県議会議員で5万人がついていったと私は思うわけでありますが、こういう地域の声に対しての教育委員会としてのお考えは、どうお考えになっているのかという部分を一つ。
 それから、その後いろんな経緯がありまして、北高に行くとかあるいは工業と統合するとか、そういう声が出てから、今度は教育委員会の方ではパブリックコメントを実施されたようであります。1月18日から2月18日まで。受け付け総数が59件。対象地域別に宮古が35件、水沢が12件、釜石が3件、気仙が2件、その他が7件、こういうことになっていますが、この中の宮古に限っての35件を見ますと、99.7%ぐらいが、宮古商業を存続するべきだという声だと私は読み取ったところであります。こういうパブリックコメントあるいは3万4、000人の署名、そういったものについて、県教委はどのように県民の声を吸い取ろうとしているのか、分析も含めてまずお伺いをしたいと思います。
〇佐藤教育長 署名簿あるいはパブリックコメントの状況、今、伊藤委員からお話があったとおりでありますが、私どもとしては、宮古地区のみならず、県内各地区から、いろいろ要望なりあるいは意見なり、あるいは提言をいただいて今日までいるわけでありますが、これらは地域の方々の貴重な声であったり、あるいは重みというものを感じておりますので、これらも十分に勘案しながら、と同時に、我々自身が示している案につきましても、さらに理解を深めていただくように、この説明についてもきめ細かにやっていかなければならないものと、こう思っております。
 それから、パブリックコメントの内容状況、分析については鎌田推進監から説明をいたします。
〇鎌田高校改革推進監 パブリックコメントの状況につきましてでございますが、先ほど委員の方からもありましたとおり、調整案公表後のパブリックコメント59件いただいております。そのうち、宮古地区につきましては35件ということでございまして、その内容につきましての分析でございますが、大方の御意見は単独の存続ということでございました。そのほか、総合的な専門高校につきましては専門性に若干疑問があるとか、そういうような御意見もいただいておりました。また、説明の部分で不足している部分があるのではないか、もっと地域に入って説明をしてほしいというようなさまざまな御意見をいただいたところでございます。
 一部には、早期の統合を求める声もございましたけれども、私ども今教育長の方から申し上げましたとおり、まだ十分に説明ができていない部分もございますので、それも含めまして、地域の方々と理解が深まるように、今後進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 今回の予算特別委員会の冒頭で、高校再編問題に質問がありまして、増田知事は、まだ県民への理解をお願いする動きが足りないのだと思うと。教育委員会とすれば別枠みたいなところがあって、手が届きづらいところもあるが、いずれ自分としては、もうちょっと議論をしてもらいたいと、こういう発言があったように私は聞いております。したがいまして、そこのところについて教育長としてどのようにお考えになるのかを一つと、それからもう一つ、伊藤次長にお伺いをいたしますが、宮古地区の三陸情文研ですか、そこに講師として行かれて講演をされたようでありますが、これはあなたの方から呼んでくれと言ったのでしょうか、地元からおいでをいただきたいということだったんでしょうか、それが一つと、それから、どういう内容を講演されたのかお伺いをいたします。
〇佐藤教育長 予算特別委員会の総括の席上におきまして、知事がさらに理解を深めるようにという御答弁をしたということは、私どもも知っておりまして、まさに今教育委員会に課せられたと申しますか、やるべきことは、さらにこの案についてきちんと理解を求めるべく説明をすると同時に、あわせて、地域の意見、提言というものも聞きながら、そして、それを最終的な詰めに勘案したいと我々も考えているところであります。
〇伊藤教育次長 あの会の成立の趣旨でございますが、岩手日報社の情文研、定例的にやっているようでございますけれども、その宮古会場における講師として招聘されたということでございます。
 それから、内容につきましては、翌日の新聞に掲載させていただいたところではございますが、概略を申し上げますと、現在の先進国にあっては、教育は国家戦略であるということを申し上げました。それから、日本としても岩手としても、教育を組み立てていかないと、子供たち自身のためにもそれから将来の社会のためにも、大変大事な時期になってきているのではないだろうかということを申し上げました。その際に、現在の産業構造が今後ますます複雑化、高度化するとすれば、今のままの商業、工業、農業というような枠組みではなくて、そこの枠も超えた専門教育ができるような工夫をしなければならないのではないだろうか。その選択肢の一つとして、総合学科高校あるいは総合的な専門高校というのが望ましいのではないだろうか、あるいは選択の一つとして考えられるのではないだろうか、そのようなことを申しました。
 さらに、少し行き過ぎましたが、宮古地区の問題を若干申し上げまして、生徒の数の状況でございますとか、これまでの流れでございますとか、さらには二つの学校が統合することで、子供たちにとって、どのような活力ある環境が保障できるのかということについても申し上げたところでございます。
〇伊藤勢至委員 行ってしゃべったものはもう戻らないわけでありますけれども、情報開示をしたいという思いから招請を受けてやったんだと思うんですけれども、しかし、今、宮古市内があるいは宮古、下閉伊がいろんな意味でこの高校再編について揺れている中で、一方的な予断を与えるような場に臨んで、しかも特定の有識者、知識者といいますか、本当の一部の人たちの中でそういうことを言われてしまうのはいかがかなという思いがあったものですから、そういった場合には、仮に反対の声もこうこうあって、その人たちの声はこうですと。それを言って初めてイーブンだと思うんですが、あなた方の考えだけを天下国家から始めて――天下国家から始めたのはなかなか宮古に来ないんですよ、10年もかかるんです。そういう中で、いきなりそういう予断を与えるような講演はいかがかと思ったものですから、お伺いをした次第であります。
 言ったものはしようがないと、こういうことでありますが、そこで次にお伺いをいたしますが、後期再編計画に汗をかいてまとめてこられたお三方、いわゆる教育長、そして伊藤次長、鎌田推進監が、報道によりますと4月1日から勇退あるいは転出をされるようであります。そうしますと、大本営作戦部が解体をしてしまうのか。海軍も空軍も陸軍もいなくなってしまうのか。だれが後をまとめていくんだろうと、こう思うわけでありますが、この点についてはいかがにお考えなんでしょうか。
〇佐藤教育長 私は県議会で後任が同意人事がありましたので間違いなくそうなんですが、ただ、一部新聞には出たようですが、まだ恐らく本人は内示を受けていないと思うのでどうなるかわかりませんが、ただ、よしんば、そういうことがあったとしても、行政につきましてはもちろん停滞は許されませんし、また、行政は人でやるのではなくて職と組織でやるということで、これはもちろん継続して私どもの考え方を後任にはきちんと伝えますし、また、その方向できちんと進められるもの。当然、基本的な考え方として地域の皆さんの声を聞き入れながら、聞きながらということを基本として進められるものと、こう思っております。
〇伊藤勢至委員 高校問題については1点で、あと1点で終わりたいと思いますが、及川次長にお伺いをしたいと思います。
 今言いましたお三方が、よしんば、仮に、もし、ひょっとして抜けられたとして、及川次長はお残りになるんだと思います。及川次長は県立宮古短大におられましたから、あの地域が宮古短大、宮古水産、宮古商業そして河南中学校、磯鶏小学校、あるいは宮古市民文化会館等、まさに宮古市の文教地域であることはよく御理解をいただいていると思うわけであります。そういう中で、宮古市を3年近くごらんになってきた及川次長は、今行政は継続をしていくと、こういうお話でもありましたが、そこの中に地域状況を当然加味していただけるものと私は明るく期待を持っているところであります。お考えがありましたらお伺いをして、この件については終わりたいと思います。
〇及川教育次長 人事につきましては天命を待つのみでございますので、お答えはちょっと申しかねますけれども、いずれ、宮古地区につきましては3年間、十分、磯鶏地区のみならず、すべてについて足を運んできたつもりでございまして、いずれ、宮古地区、周辺市町村も含めまして、子供たちにとってよりよき高校教育の環境が整備されればと思っております。
 ちなみに、宮古工業高校の建設の際には、私も宮古に赴いて用地買収で汗をかいた一人でございます。
〇伊藤勢至委員 いずれ、商業の今後の可能性、そして宮古工業の金型産業を中心とするコネクター等への可能性、大変高まっているわけでありまして、そこを何も十把一からげに一緒にすることはないという思いから、それぞれ私は単独で存続をしていただきたい、この任にあるうちは、これを叫び続けていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 それから、スポーツ振興に関連いたしまして1点、提案を含めてお伺いをしたいと思います。
 3月3日に盛岡市長から私に電話連絡がございまして、ぜひ会いたいということでございました。お会いをしましたところ、県内のラグビー協会の関係者何人かと、それから盛岡工業から明治大学に進んでキャプテンをやって、現在、日本ラグビー協会の理事をやっております笹田学氏がおりました。お話を伺いましたら、ワールドカップラグビーを日本に招致をしたいという運動を今しているところだと。次の年はフランスだそうでありますが、その年の2011年を目指して、今日本が手を挙げていると。競合相手は南ア連邦と日本ということだそうでありますが、今まで余りヨーロッパから離れたことがないラグビーといたしましては、日本が有力であるということでありまして、その決定するのが6月ごろだと伺いました。6月ごろに決まってから手を挙げては遅いということから、ラグビー協会あるいは岩手県体協等にお願いをしながら、盛岡市もあるいは岩手県も一緒になって運動を展開するべきではないかと、こういうお話でありまして、大変夢のあるいい話だと思ったものですから、次の日、飛び込みで、4日朝でございましたが、8時50分に10分間、増田知事の時間をいただきまして、行って御報告をして、それはいい話だから全体的に盛り上げを図ろうではないかと、こういうお話をいただいたところであります。
 内容的には、日本開催が決まりますと、世界から20カ国のチームが参加をすると。そして、例えば福岡、名古屋、大阪、東京そしてあと北東北、北海道ぐらいで、6カ所ぐらいで予選の大会をやると。そうすると、大体3カ国か4カ国が予選の地域に張りつきになる。肉体と肉体をぶつけ合うスポーツなものですから、3日置きとかではできないものですから、約50日ぐらいのキャンプを張るようになるんだそうです。そうしますと、仮に3カ国が来て50人が50日、こういうことになると、大変いろんな意味での振興にもつながるということから、ぜひ誘致をするべきだと思っておりますが、岩手県として、県教委として、施設整備等の話はまた別にいたしましても、ぜひこれは次に続ける本年の10月の全国スポレク祭等の次の、あるいは大きなイベントがあるのかもしれませんが、こういうものも視野に入れた中で、次の世代に夢を残していくべきだと思うわけでありますが、お考えをお伺いします。
〇佐々木スポーツ健康課長 ただいま伊藤委員からお話のあったワールドカップラグビーというのは大変夢のある大きな大会だと考えております。聞きますと、ニュージーランドと南アフリカと日本が手を挙げているということを日本協会から聞いて、時期が迫っているということがあります。
 本県開催の誘致はどうかということがありましたけれども、そういった夢のある大きな大会だということで、国際的なあるいは国内的な大会の誘致等も考えながら、可能性について検討していかなければならないだろうと思っております。
〇伊藤勢至委員 先ほど言い漏らしましたけれども、増田知事にお会いをした際には、佐々木大和委員にも一緒に同行をいただいたところであります。
 これは超党派でお願いをしていくべき問題だと思っておりますし、これはオリンピックと同じ扱いになるということから、閣議決定が必要なんだそうでありまして、それもその方向だと聞いております。日本ラグビー協会の最高顧問が森元総理大臣でありますし、そういった関係もあってこれはうまくいくだろうと。あと、競争に勝ちさえすれば、今から早く手を挙げていた方が勝つと、このように思っておりますので、ぜひ県教委挙げての御支援をお願いしたいと、要望をして終わります。
〇佐々木順一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時 休 憩
   午後1時3分 再 開
KDGL〇田村誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇平沼健委員 私は、大きなくくりで言いますと、県立高校新整備計画後期計画の再編案についてと、それから、もう一つは、先ほど飯澤委員からも質問がございましたけれども、県内の小・中学校の廃校舎の利活用について、こういう大きなくくりでいけば二つを質問したいと思っております。
 まず、1点目の高校の件なんですが、先ほど来、午前中のお話を伺っていますと、昨年は県教委のいろいろな場所での説明のたびに、今回の後期計画は2005年度からスタートなんだ。それによって、2004年度中に成案を作成するという考え方があちこちで前面に出てきておりました。そういうようなことを考えながら先ほど、午前中の話を伺っておったんですが、伊藤勢至委員の質問にもその答えが若干ございました。
 教育長は、さきの吉田洋治委員の質問に対する知事の答弁の中で、やっぱり各地域・地元との話し合いが不足だったということを受けて、その辺の知事の思いというか、そういう考え方を尊重して、この際、今回のこの後期計画を一時凍結するなりして見直しをするということなのか、また、それと同じような見方をしますと、今回、さっきも話が出ていましたけれども、中心になってこられた教育長を含めて3人の方が転出、あるいは退職するということでございますし、これを無理無理ごり押しして、はい、さよならということにするのか、その辺、ちょっとくどいんですけれども、もう一度考え方を伺いたいと思っております。
〇佐藤教育長 知事の御答弁申し上げた事項、その中に今お話があったようなことが出ているわけですが、基本的には、これからの岩手県における高校教育のあり方、特にも産業教育については、例えば商業、工業という垣根を越えて、横断的なこれからの時代の要請にこたえるような幅広い人材育成をするという基本的な考え方が大切ではないかということは知事が申し述べました。と同時に、あわせて県内の各地域、とりわけ総合的な専門高校設置案をお示しした宮古地区であるとか、あるいは水沢地区でいろいろ意見があるというようなことを受けまして、もうちょっと理解を求めるような、あるいは話を聞くような、そういう時間が必要ではないかということを申し述べたのだろうと私なりに受けとめているわけでございます。
 今の子供たちの置かれている状況を見まして、やはり高校のあり方を広域的な視点に立ってもう一度組み直しをしなければならないのではないかということで、これは平成12年から始まった前期計画を受けて、後期の計画ということで明年度からスタートさせるべく、これまでいろいろ地域の方々の御意見を伺ってきたわけでありますが、まだまだ地域からの意見等も、先ほど御説明したように出ておりますし、もうちょっと時間を、引き続き、これからも意見をまとめながら詰めていく必要があるだろうと思っております。
 今、凍結というお話がございましたが、いずれ前期に引き継いで後期計画ということで、これまでいろいろ御意見を伺ってきて、それを勘案しながら、一度調整の案も示しましたし、さらに、各地域に出向いて理解を求め、あるいは新しい意見等もお聞きしながら詰めていきたいと考えております。
〇平沼健委員 そうしますと、ただいまの教育長の答弁を聞いておりますと、当初の計画の2004年度じゅうに成案を決定するというか、そういうようなことではない。ただ、凍結もしない。そして、今のこういう案を各県内の地域に出向いていって説明をするんだということなんでしょうか。その辺、もう少しはっきりと。
〇佐藤教育長 計画につきましては、前期の計画が平成16年度で終わる、つまり常識的に見て17年度からのスタート、この4月1日からスタートさせるべき計画ではありますが、御案内のとおり、平成17年度の措置については、もう既に議会の御理解を賜りまして、条例化すべきものは条例化しスタートを待っている状況にあります。したがって、何が何でも平成17年度からだからということで、十分な理解がまだ得られないままにスタートするというのはいかがなものかということで、私たちに今課せられた最大の使命は、理解を、あるいは地域の声がまだあるかもしれないということで、これを努力することが第一だろうと申し上げたわけでございます。
〇平沼健委員 ちょっと私、うまく理解できなくているんですけれども、要するに、ごり押しはしないということですね。今、県内各地域でいろいろな問題というか、要望というか、反対というか、そういうこともあるわけでして、それを度外視するというか、強権でそれをごり押ししていくんだという考えではないということですね。それはちょっと確認したいんですが。
〇佐藤教育長 これは計画ということで、これからの5年先、10年先を展望した上での計画を策定し、それを着実に推進することを私ども願っているわけでありますが、そのためにも、地域の方々の理解が得られない限りにおいてはなかなか難しいということです。ただ、行政におきましては、よかれと思う方向に導くということもまた大切でありますし、と同時に、あわせて地域の声を聞き、それを合わせながらどういうふうに持っていくかということが大事だろうと思います。
 今、委員からお尋ねのごり押しということについては、これは、恐らく今のままスタートさせるという意味かと思いますが、そのようなことではなくて、引き続き意見を求めながら、聞きながら、調整を図りながら行いたい、こういう意味でございます。
〇平沼健委員 そうすると、今回のこの再編案というものが変更ということもあり得るということなわけでございますね。そういうふうに理解させていただきたいと思っております。
 そこで、今、教育長は、各地域との話し合い云々ということをおっしゃっております。本当にこれは一番大事なことだと思っております。ぜひ、各地域のいろいろな考え方、あるいはいろいろな歴史があるわけでございまして、その辺もとらえながら進めていただければと思っておる次第でございます。
 そこで、もう一つ伺いたいんですけれども、県教育委員会が今回、先ほど、伊藤勢至委員がるる質問しておりましたが、全く同じ考えで再度また質問いたしますが、宮古も、当初は田老町にございます普通高校の宮古北高校、ここに宮古商業高校、専門高校とを統合させるという案がございました。そこで総合学科というものをつくるんだ、これは時代の要請なんだ、すばらしい学科なんだというような説明がございました。
 ところが、一転して今度は商業高校と工業高校の統合という再編案が出てきておるわけでございます。その中で、実業高校同士を統合させるというようなことがどういうことかの説明の中で、県教委としては、専門性を確保し、希望次第で柔軟な教科選択が可能だ、専門性を確保できると。また、専門校の融合で魅力が高まる、このような説明をされておるわけでございます。
 これは、いろいろな考え方が個人によってあると思うんですけれども、私は一民間企業人としてこう考えているんです。商業と工業高校というのは、授業内容が全く違うわけですね。授業の内容が異質なわけです。ですから、そういう意味では、この専門性を確保とか、専門校の融合ということはどうかなという思いが本当に強いんです。特に実業高校というのは、地域事情を十分に考慮して、その地域の産業界の要望にも十分耳を傾けるべきではないのかとも思っております。
 今、大学進学率がふえてきておりますけれども、ただ、この時代、どっちかというと大学を卒業してまでも専門性を身につけるというか、専門志向というか、そういうものが年々強まってきているように私は受けておるんですね。各産業界にしましても、やっぱりこれは、浅く広く学んだ生徒も必要でしょうけれども、やっぱりいろいろなそういうチャンス、チャンスに深く学んで、将来のスペシャリストを育成するというか、そのような形が今、各産業界からは要望されていると思うんですよ。
 そういうような中にあって特に、私は宮古なんですが、この宮古商業というのは、御存じのとおり、あの地域では最も人気の高い高校なんですね。今まで定員割れしたこともないし、4クラスとも今、定員いっぱいでございますしね。そういう意味では、将来的にもこの宮古商業高校というのは、定員割れということは私自体は考えられない。そういうようなことでございまして、この地域事情というものを各地域、地域でこれは考慮していかなければいけないと思うんですけれども、事この宮古に関しましても、実業高校というものはまだまだ単独で存続できる、させなければいけない、そういう環境にあると思うんですけれども、その辺も踏まえながら、ぜひこの地域の声をもっともっとお聞きしていただきたいと思っておりますので、その辺をひとつ御答弁をお願いできればと思っております。
〇佐藤教育長 私どもの方で案としてお示しした総合的な専門学科高校、専門高校というものは、宮古地区を例にとっていいますと、商業と工業、これが、もしかすれば誤解されているかもしれませんが、専門性というものは、まさに今の工業高校なり商業高校としてのカリキュラムを万全にして、その上でさらにもし余裕があればということですし、また、別の資格を得るための、便宜、他学科のものも習得しようとすることは、あえて言えばそういうこともできる。
 ですから、あちこちつまみ食いしながらの商業も工業も学んだ中途半端な人材を育成しようとするものではなくて、あくまでも商業は商業、工業は工業、自分が志望して入った学科の専門性というものをきちんと維持した上で、自分の将来に役立つような、例えば、進学しようとすれば、それは数学でありますとか、理科あるいは国語の基礎的な教科についても、教師陣が豊富になりますから、それも受けようと思えば受けられるような、あるいは逆に、自分がさらに専門性を高めるために、例えば商業の情報関係をやっていながらもハードもあわせて習得したいというような場合には、それも可能となるような、いわば産業教育に特化した充実した学校にしようということです。ですから、今の商業高校に入っている子供たちが1年生から3年生までに学ぶものは当然学びますし、あわせて取得できる資格についても、もちろんきちんと取れるわけです。ですから、そういう組み合わせはどうだろうかと。
 一方では、小規模化とか、あるいは十分にやっていけるという、それを超えた形で今統合を試みようと。つまり、人気もありますし十分に定員は充足するわけですけれども、そういうことではなくて、これからの複合化する産業、社会に対応した人材の育成のために、かなり密接不可分な状態の工業系と商業系の学科をあわせ持つような学校にすることによってそれにこたえられるのではないかということで、今提案申し上げていることであります。ですから、専門性が全く薄れるとか、ばらばらになるということではなくて、そこは御理解賜りたいと思っております。
〇平沼健委員 そういう教育長の思いも私はわからないわけではないんです。ただ、教育長がおっしゃっていることと私が若干違うのは、幅の広い人間をつくるということは、本当にそれは正しいと思うんですよ。ただ、問題はその過程であって、幅が広い人間をつくる前段階として、やっぱり個人個人の絶対得意な分野を幾らでも深く掘り下げた、そういう知識があって初めて、それを基盤にしていろいろな知識とか知恵とかというものが出てくるのが正しいと私は思っておるものですから、あえてこういう話を今しているんです。
 そういう意味では、商業と工業が統合されて幅広くという意味が私は理解できないんです。そこなんですよ。やっぱり商業は商業、工業は工業としての本当に深いそういう勉強は必要だと思っておるんです。これは考え方の違いということになるかもしれません。これはこの辺にしておきますけれども。
 もう一つ、やっぱりこれは、当初は普通高校の宮古北高校と宮古商業の統合なんだと。これが一転して工業と商業と急に変わったものですから、その辺の理念というか、やっぱりその辺が地元では大変な不信感を持っていると思うんですよ。やっぱりこの辺の考え方というか、どうもこれはうまくないと思うんですけれども、どうしてそういう形になったのか。ただ、反対が強かったから、じゃ、商業と北高だということなのか。初めは北高校との統合ということでしたよね。その辺の理念というものがどうなのか、その辺をお聞かせ願えれば。
〇佐藤教育長 まず一つには、初めの部分で専門性の問題でありますけれども、これは、専門性が薄れるということは全くないわけであります。むしろ深めるために他学科のことも学ぶチャンスを与えるということになります。ですから、あくまでも今までと同じように、商業学科あるいは工業学科系に入った場合には、もちろんそれを全うしてきちんと深めてもらうわけですから、それは何ら変わらないものだということを御理解賜りたいということ。
 それから、私どもマスタープランを示して、昨年の8月に案を示し意見を求めたわけであります。その8月の案をつくる段階でも、もちろん地域の方々のさまざまな意見というものがありました。宮古地域からもいろいろ意見が出ました。そのときに、子供たちの志望動向、あるいは子供たちが今求めている学校像というものを踏まえながら、総合学科高校が沿岸地区にも必要だという声が実は私どもの方にも多く届いております。それから、やはりこれはつくるべきだということで、その案をお示しした以降に、これは商業、工業というものも、今、平沼委員がおっしゃったように、まさに専門性というものをもっと維持しながら、そして、地域の方、地域の企業にも貢献できるような、あるいは地域の産業構造にもマッチしたような工業系あるいは商業系の専門学科高校というものを維持したいというお話が強く出てまいりまして、これらを勘案しながら案を示したものであります。
 決して、反対があればこっちだとか、そうではなくして、これはまさに宮古地域の産業の構造等を見ましても、これまで現実に宮古地区を支えてきたのは、商業系、工業系の二つの専門学科高校の卒業生が、しっかりと根を張ってその地域を支えてきたという実績がありますから、これをさらに将来にわたって広げようと。それから、沿岸地域のちょうどど真ん中にある中核の町でありますから、ここにきちんとした産業教育が必要だという考え方のもとに、今回、案をお示ししたものでありまして、AがだめならB、BがだめならCということではなくして、これはそういう背景、あるいは地域の意向というものを十分に勘案して案をお示ししたと私ども思っております。
〇平沼健委員 何か私だけ時間をもらって本当に申しわけないんですけれども、ちょっと、これは宮古にとっても大事なことですから、もう一回お聞きします。
 今、総合学科の要望もあったんだ、強かったという話がありましたけれども、私は宮古でそういう話は余り聞いたことがないんですね。やっぱりこれは、専門高校という話が従来から強かったはずでございまして、この総合学科について今さらどうのこうのと言うつもりはありませんけれども、やっぱり県内でも総合学科の高校があります。確かに立派に運営していると思います。ただ、全国的に見て、この総合学科というのはふえていないんですよね。それなりにやっぱりこれは何か問題があるのではないかと思います。これはこれにしておきますけれども。
 ぜひ、これは県内各地域で、今、教育長おっしゃるとおり、いろいろな地域事情があるわけでございまして、また地域の歴史もあるわけでございますし、産業環境も違います。やっぱりもっともっと時間をかけていただいて、いろいろな話を聞いて、それから進めていただきたい。これは強く要望させてください。
 それから、最後に一つ、先ほど飯澤委員からの質問がございました。私は、県内の小・中学校の廃校舎、遊休校舎というのでしょうか、この利活用についてお尋ねいたします。
 少子化に伴って、県内の小・中学校の統廃合が実施されてきて、その廃校舎が年々ふえている現状にあると思います。この一部は地域の集会施設等に利用されているところもございます。このため、新聞にありましたけれども、新里村の旧刈屋中学校の廃校舎を、国の認定を受けた地域再生計画によりNPO法人による介護予防拠点として再利用を目指す、そのような試みがなされようとしている、このような記事が載っておりました。
 そこで、現在県内にどの程度の廃校舎が存在しているのか、その状況をひとつ伺いたいということがございますし、また、今後ますます増加してくるであろう廃校舎をどのように再利用させようとしているのか。これは市町村の絡みがあると思うんですけれども、県教委としてどのような指導をされるのか、この点を最後にお聞かせください。
〇千葉学校財務課総括課長 県内小・中学校の廃校となっている校舎の利活用の状況でございますが、廃校となった校舎の数、これは平成4年度分から調べておりますが、平成15年度までの12年間で、小学校が62校、中学校が24校、合わせて86校が廃校になっております。
 この廃校となった86校のうち、現在、建物が残っておらないもの16校を引きますと70校になります。この70校のうち、活用が図られているものが46校で、全体の3分の2は何らかの活用、使われ方がしております。その主な用途は、公民館、集会所等の社会教育施設が17校、体育施設が10校、体験交流施設が4校等でございます。
 それから、新たに統廃合等によって生じる廃校あるいは使われていない校舎の再利用の進め方ですが、学校は、地域にとりまして最も身近な公共施設でございますので、廃校となった後も、地域の実情に応じて社会教育施設、あるいは社会福祉施設に転用するなど、可能な限り有効に活用が図られますよう、設置者であります市町村に対して研修会等を開催するなど、指導・助言しているところでございます。今後ともいろいろな事例、例えば、委員から御紹介がありました旧刈屋中学といった優良な例がございますので、こういったものを紹介しながら、積極的に活用の促進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 先ほどの平沼委員の高校再編に関連いたしまして、ちょっと言い忘れたところを思い出したので、あわせてお伺いしたいと思います。
 実は、宮古市に国内最古の宮古水産高校があるわけであります。県立でありますけれども。しかし、ここの議論が全然度外視されておって、工業、商業だけに向いているというのは、全体を見た中で実はおかしいのではないかと思います。確かに、水産漁業界の大物をどんどん輩出してきた歴史もありますので、手をつけない方がいいという思いもあるのかどうかわかりませんが、現実的には、今、女子高校化してきていると思っております。そういう中にありまして、本当の水産高校としての名前が残るのが、この宮古水産高校になるのだと思いますけれども、水産漁業者のニーズに合った授業をしていないのではないか。つまり後継者が好んで、あるいは争って宮古水産に入ってくる状況にないのではないか、このように思うわけであります。
 かつて宮古水産高校の応援歌には、七つの海を乗り回すという節があって、大変勇壮な応援歌だったわけでありますが、200海里問題が出て、あるいはTACの問題が出て、あるいはHACCPの問題等が出て、海が狭くなってまいりまして、漁船漁業というものは今もあるんですけれども、やはり沿岸の耕す漁業、つくり育てる漁業、そういったふうに全体の水産漁業が変わってきているんだと思うんですが、そういうところの後継者育成という科目がないのではないか。
 食物科とかも大事な部分でありますけれども、そういうところもひとつ入れていただいて、そうなりますと、新宮古市の中に、本当の意味の宮古高校という普通校、そして、水産、商業、工業と、まさに新宮古市は人材を育てられる三陸の中心ということになっていくんだと思います。
 思い切ってこの宮古水産高校、県内沿岸各地区から子供たちが集まってくるとするならば、これを全寮制にして、本当に三陸沿岸の水産漁業を育てる子供たちを教育するんだ、そういう学科の転換をしながらニーズにこたえていただくべきではないか。
 宮古水産が欠落しているのは大変にもったいない。大事なことだと思うのですが、これについてのお考えを伺いたいと思います。
〇佐藤教育長 今御指摘ありました宮古水産高校につきましては、もちろん、今回の高等学校のあり方に係る検討過程においては十分に我々も意識しながら内部で議論をし、それから、地域の方々にもいろいろ意見を求めたところであります。
 ただ、宮古水産高校につきましては、今日の岩手県の産業の基幹である一翼を担っているわけでありますが、そこに多くを直接的に輩出してきたという経緯があります。これからも、もちろん本県の水産業の振興に必要とする人材、これは輩出していかなければならないわけですが、それにどうやっておこたえするか。今、委員から大変貴重な御提言があったわけでありますが、大変難しい状況にあります。
 御指摘にもありましたように、なかなか漁業に直接結びつくような、つまり漁労でありますとか、漁業学科とか、そういう形の学科に、40人の募集定員を出しましても、なかなか充足できない状況下にあります。これらをさらに魅力ある学科に、さらには、本県の水産業振興の、いわば漁場で着実、確実に要望されるような、要請されるような人材をどうやって育成し、出すべきかどうか、これらも含めながら学科の再編等を検討していかなければならないというのは、今日的な課題として私ども持っているわけです。
 一方、再編につきましては、これは岩手県における水産学科系の学校というものが宮古水産だけになります。これをさらにどうやってこの機能を岩手県の沿岸域、あるいは青森県、宮城県まで含めてこれを活用できないかどうか、これも我々としての中長期的な課題として持っていますので、今、貴重な御提言をちょうだいしましたので、あわせて検討していきたいと思っております。
 それは、後期計画後の中にも宮古水産を位置づけしてありますけれども、学科の再編であるとか、あるいはそういう隣接する学校との関係であるとか、まだまだ課題がありますから、検討させていただきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 かつて宮古水産高校には漁労科という、言ってみれば魚をとる専門の科、それから漁業科、これは魚から魚介類まで含めての養殖育成、あるいはとった魚介類を2次加工するという製造科、あるいは、それらを含めて総合科というものもあったはずであります。
 ちょっと考えてみますと、例えば、沖合でとってくるのが工業系の部分だとしますと、それを流通に乗っけるのが商業系の部分ですよね。そうすると、かつての宮古水産高校の中には総合科というものがあって、それを一緒にやった科があるわけでありまして、工業と商業を一緒にするというのではなくて、むしろ沿岸のこの宮古水産高校にこそ、とって、製造して、流通に乗っける、それが本当の総合学科というのではないかと思いまして、それが現地に最も適しているのではないかと思うところがありますが、これらもぜひ検討の中に含めていただきたい。
 お考えを伺って、終わります。
〇佐藤教育長 先ほども申し上げましたが、漁業関係における漁場での生産から、漁獲から、それから流通、消費に至るそういう流れというものも十分意識しながら、これからの学科編制を考えていきたいと思っております。
〇及川幸子委員 4人目でしょうか、関連も多くて、問題がダブりますけれども、地域にとっては大変重要なことだということで、しつこく私からも言わせていただきます。
 船越教育委員長のお話の中に、高等学校教育の改革について述べられました。今後も県民の理解を得ることに努めながらということで、まさにそのとおりです。しかしながら、果たしてどうでしょうか。
 そこで教育長に質問いたします。知事に対する吉田委員の総括質疑の際の答弁を教育長としてどのように評価されるのかお伺いいたします。特に、県民や産業界にわかりづらいところがあるのではないかという点について、どういう点がわかりづらい点であると指摘されたとお思いでしょうか。そして、今後、わかりづらい点をどのようにして理解を求めていこうとされるのか、お伺いいたします。
 次に、商業高校の扱いも首尾一貫していない、単独で残すところと変わるところがあり、地元で理解されないとも知事は述べておりますが、県内に盛岡商業1校のみ残す計画が、答弁では、各専門高校の学校規模が比較的大きいことを再三述べられております。そしてまた、専門性を高める理由で、果たして地元の人たちに理解が得られるのか、私は大変疑問に感じております。
 先日、3月8日ですが、地元の署名を持ちまして第2回目の提出要望をいたしました。一般質問でも取り上げました結果、教育長には、今度はきちんと出席していただきました。ありがとうございます。宮古商業のPTAの方々も遠路から参加していただきましたが、水沢商業の関係者の方々との1時間に及ぶ話し合いも平行線で、なかなか理解まで及ばない状況を見て、今後地域の声をどのように受けとめて、理解を求めていかれるのか、一番懸念されるところでございます。まず、この点についてお伺いいたしたいと思います。
〇佐藤教育長 知事の答弁の件ですが、産業教育、いわゆるこれからの専門学科高校のあり方については、これまでのように、農業ですとか、工業だとか商業ということで、いわばその領域を守るということではなくて、今度は、これからの産業構造なり、あるいは活発化する経済活動に対応できるような学校、それは、例えば商業、工業という垣根を越えて一緒になって、そして期待にこたえるような人材育成をすべきではないかということを言いながらも、なかなかこれが理解されない。つまり、宮古とか、水沢とか、いろいろ声が上がっていますから、そういう新聞報道等を見ながら、知事が直接感じたことを申し上げたんだろうと思います。ただ、基本的な考え方は、今、私が申し上げたように、まさに軌を一にするものでありますし、考え方も、そこは変わるものではないということを御理解いただきたいと思います。
 それから、地域の理解を得るということについては、この前、及川県議、もちろん地域の新居田県議にも来ていただいたわけですけれども、平行線ということで、あのぐらいゆっくりいろいろお話をさせていただいたので、私は、平行線ではありながらも、随分意義のある会合だったなということで喜んでおりますし、また同時に、これからもああいう機会を活用しながら、こちら側の考え方も伝えますし、また、相手方の意見とかというものにもじっくり耳を傾けて、そして、いい案にそれを少しでも結びつけられればと思っております。
 これからも地域に出向きますし、また、地域から私どもの方に参りましても、十分に意見を聞いたり、述べたりしたいと考えております。
〇及川幸子委員 私、全く伊藤委員と平沼委員と同じ意見を持っているわけなんですが、先ほど教育長が、商業高校と工業高校の部分で、カリキュラムを万全にして、余裕があればあえて修業していくのだと。しかしながら、カリキュラムを万全にしてと言っていますけれども、美しい言葉だと思いますが、授業時間内に、ある程度専門の勉強をしたほかに、他の部分を取り入れるということはなかなか困難なのではないかと思うんですね。
 この間、鎌田改革推進監が私のところにおいでいただきました。私の方で大変誤解があるのではないかということで、商業高校と工業高校が一緒になって、早く、簡単に言えば、半分ずつの勉強をしていくのであれば専門性が薄れるのではないかと私が申しましたら、やっぱり参加している父兄の中では、そういうふうにとらえている方が多くあったわけです。それで、鎌田改革推進監においでいただいて、そういうことではないんですよと言われたんですけれども、今まで長い時間かけて立派な説明をしていただきましたが、せっかく足を運んでいただいて、説明不足も甚だしいのではないかと思うんですね。
 ですから、教育長が御退任される前にどうぞ地元に何回か足を運んでいただいて、もっともっと計画というのはこういうものだよと理解をしていただく努力をしてみてください。せっかく伊藤次長も私どもと本当にいろいろ詰めてこられた中で、学校現場の校長先生としての籍につかれるということで大変残念だと思っておりますが、後任の方には、地元からこういう思いがうんとあるのだよということをどうぞ引き継いで、時間をかけて徹底してこの地域の声を吸収していただくように。まだまだ理解するにはなかなか時間がかかるかと思います。先ほど、平沼委員の中でごり押しはしないということを聞いて安心しましたが、早急に決定することが絶対ないように、賢輔委員もおっしゃいましたけれども、前期の計画がはっきりしなければ後期の計画もなされないと思いますので、その点を十分踏まえながらやっていただきたいと思います。
 次に、公立高校入試出題ミスが指摘されております。理科、社会の出題ミス、回答用紙の文字数表記を間違えた国語、花巻北高校の聞き取りテストでの会話の一部が放送されなかった英語などミスが4件続きました。なぜこのようなことが起きるのか。受験生に大きな混乱はなかったと申し述べておりますが、やっぱりもっともっと気を引き締めて対応していただかなければなりません。チェック体制はどうなっているのか、そして、出題の問題はどのようにしてつくられるのか、そこをお伺いいたします。
〇佐藤教育長 入試の関係については、本当に私ども大変遺憾に思っております。これは学校教育課長から答弁させますが、その前に一つ、要望かと思いますが、今、及川委員からそういうお話がありましたので、今までの総合的な専門学科高校のその専門性を維持するということについては、多分に御理解いただいたのではないかということで、大変ありがたく受けとめております。
 それから、できる限り現地にということで、これも、残された時間はわずかではありますが、できるだけ顔を出して、そして、私どもの考え方を説明し、また、意見、提言があれば、これを承りたいと思っております。
〇遠藤学校教育課長 公立高等学校入試に際しましての出題ミスについてお答え申し上げます。
 まずもって、このたびの高校入試でこのような出題ミスを起こしてしまいましたこと、大変申しわけなく思っております。受験生の皆様、それから保護者の方、県民の方々に、この場をおかりしまして、まずもって心からおわび申し上げたいと思います。
 お尋ねのありました出題、チェック体制について申し上げますけれども、まず、問題の作成につきましては、各教科の担当指導主事というものがございます。その担当指導主事が中心となりまして、学校の関係者数名がチームを編成いたします。それで、繰り返し検討を重ねながら、できるだけ本県独自の問題という形で、本県の特色を出した形の問題を作成しておるという形で御理解いただければと思います。
 また、英語の聞き取りに際しまして使用いたしますCDの作成につきましては、専門の業者に委託して実施しております。
 また、チェック体制についてのお尋ねもございましたけれども、現在、問題作成にかかわる担当指導主事が、自分の専門教科以外の違う教科の問題につきましても、幾度となく校正作業を繰り返すという形、それを通して、万全を期した形で、できるだけ誤記、出題ミスがなくなるようにという形で細心の注意を払いながら作成しておるものでございますけれども、残念ながら、今回のような形で出題ミスが発生しましたこと、改めておわび申し上げたいと思います。
 いずれにいたしましても、高校入試というものは、受験生にとりましてはこれまでの学習の成果を発揮する、それぞれ将来に向かってスタートする大切な第一歩であると考えております。そうした中学生の思いにこたえるためにも、今後このような事態が発生することのないように、今回の事態を重く受けとめまして、問題の作成者と点検者をかえるとか、今さまざま検討しておりますけれども、そのチェック体制の構造的な見直しについても検討しながら、再発防止に向けて最大限努力してまいりたいと思います。
〇及川幸子委員 そういうことですが、CDなどは、1枚だけならわかるんですけれども、事前にテストすればわかることです。全部全部その部分が切れたということですから、これは本当にチェックミスも甚だしいと思っております。大変口の悪い言い方で申し上げますと、本当に教育委員会と警察は、いつも申しわけない、悪い、悪いということの連発でございますので、どうぞその辺のところをしっかりとして、新しい照井教育長を迎えて、本当に頑張っていただきたいと思っております。
 さっき教育長が、私に理解を得られたととられたようですが、ある一部は理解していますが、ほとんど理解しておりませんので、今後も引き続き、一緒に対話しながらやっていきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 私は、教育指導費についてお尋ねいたします。
 この中に、いわて特別支援教育推進事業費というものがございます。これは、多分県立盲・聾・養護学校の授業の支援事業だろうと思って理解いたしております。今年度、平成17年度から新規事業としていわて特別支援教育かがやきプラン推進事業というものが入りました。これは、県内の小・中学校における学習障害、注意欠陥多動性障害など軽度発達障害児の支援事業と理解いたしておりますけれども、通常学級に在籍する学校並びに学級、人数等について質問したいと思います。
 それから、特殊学級が必要と思われながらも設置されていない小・中学校というのはどのくらいありますでしょうか。
 未熟児でお産したために軽度発達障害児になったお母さんからの相談がございまして、このお母さんは、自分の信念で通常学級に入れていると言っておりました。しかし、長時間じっとしておれないために、現場からも親のしつけが悪いと言われる。それから、父兄の人たちからは、なぜ養護学校に入れないのかと言われると。それで、現場の理解、PTA並びに地域の理解も、こういう子供たちに対して非常に理解が浅いのではないかということでした。日報の3月9日にも、足りない現場の理解ということで出ておりました。学習障害、この軽度発達障害児に対する理解が足りないのではないかというようなことがありました。
 ちょうどこういう質問をしようと思ったときに、このはばたけいわてっ子12号が私たちに配付になりました。そういうことで、今後この理解を深めるために、私は、これを読んでみても理解が深まるような気がしませんでしたので、事業内容等は詳しく書いてあるんですが、今後の方策や取り組みについて御質問したいと思います。
〇遠藤学校教育課長 今、工藤委員から御質問があったわけでございますけれども、先ほど及川委員の方から、入試にかかわりましたCDのチェック、万全を期すようにというお話がありました。現在でも各学校に配布しておりますCDについては、それなりのチェック体制は組んでおりますけれども、いずれ、今回ちょっと私どもとしても信じられないような事故が起こりましたので、その原因を究明しながら対策を考えてまいりたいと思います。御理解いただきたいと思います。
 それから、工藤委員に御質問いただきました特別支援教育にかかわりまして何点かお話をいただきました。まず、県内の小・中学校、いわゆる学習障害(LD)児、あるいは注意欠陥多動性(ADHD)児とか、さまざまないわゆる軽度発達障害の子供さん方がいるということで、通常学級に在籍する人数等についてのお尋ねがございました。
 このような子供たちの認定は非常に難しい、医学的な認定があるわけでございますが、保護者の申し入れとか、あるいは医師の方々による専門的な診断が必要だと把握しております。
 小・中学校の通常学級における在籍数については、実は正確に把握することは困難な状況でございます。いわて特別支援教育のかがやきプランにおきましては、いわゆるADHD児に限りませず、いろいろな障害を持っていらっしゃる方、あるいは軽度発達障害の方も含めまして、そのような子供さん方と障害のない子供さん方がともに学んでいる通常学級のうちで、従来、担任の先生が1人で指導しておったわけですけれども、1人での指導が著しく困難だと思われるような学級に対して、非常勤職員を配置してまいりたいと考えております。双方の子供さん方の学習を円滑に進められるようにするとともに、お互い同士の理解を推進するための事業として実施するものでございます。御理解いただければと思います。
 それから、特殊学級が必要と思われながらも設置されていない小・中学校の状況ということでございますが、特殊学級の設置要望に対しましては、それぞれの状況をできるだけ正確に把握しながら、できるだけ積極的に対応することとしております。
 今年度、市町村から設置要望のありましたのは小・中学校62校でございまして、これらにつきまして、該当児の実態とか、あるいは保護者の方々のお考えとか、それらを総合的に検討した結果、新年度は、現在48校に特殊学級を設置したいと考えております。
 それから、現場への理解といいますか、お父さん、お母さん方への理解が不十分ではないかと。いろいろな形ではPR活動もやっておるつもりでございますけれども、今後の取り組みについてという御質問もあったと思います。いずれにしましても、特別支援教育を推進する上では、さまざまな方々の理解を得ることが重要ではないかと考えております。これまでは教員の研修をまず積極的に進めるとともに、特別支援教育に関する情報とか、あるいは総合教育センターや盲・聾・養護学校の相談支援機能というものがございますので、それらについて、先ほどお話のはばたけいわてっ子等の広報紙とか広報番組等を活用いたしまして、県民の方々にお知らせしてまいっております。
 また、理解啓発のパンフレットの配布とか、特別支援教育の巡回教育相談というものを担当職員が各地区に出向いて実施しておりますけれども、そんなふうなものを通しながら、直接担当します教員とかPTAの方々、保護者の方々の理解を得られるよう、今後とも工夫してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 わかりましたけれども、困難な状況ということは、今後もこの状況を把握する気持ちが県にはないのでしょうか。例えば、医師の認定とか何かが難しいことがあると思うんですけれども、こういうところから、やっぱり現場の理解の不足というものが出てくるのではないかと思うんですね。この辺のところをやはりきちんと把握するべきではないかと私は思います。
 また、62校の特殊学級が必要だと出ていて48校に対応すると。じゃ、残されましたあと14校はどういう対応をしていこうとしているのか。現場の先生だけに責任というのでしょうか、大変だろうと思うんですよね。そういうふうになってしまうのか、その辺のところをお聞きしたいと思います。
 それから、遠野地域には養護学校がないわけですね。私は、養護学校を設置するぐらい人数が多いとは思っておりません。ただ、30人前後おりまして、花巻、釜石、盛岡の方に行っているということを聞いております。親として、働いているお母さんたちで、時間的にも経済的にも負担がかかっているということがございまして、例えば、分教室、今、少子化になりまして遠野でも空き教室があるわけですね。そういうところを活用してそういうものができないのか。また、先ほども、今度統廃合によって高校があくわけですよね。遠野地域におきましても遠野ビジネス校が今度統廃合になるわけですね。あそこがまた、立派な施設が、体育館を含めて、校庭も含めて立派なところがあいてしまうんですけれども、その活用、例えば、ああいうところに広域で養護学校、または学校と一緒に――例えば、親から言わせると、養護学校に行っているうちはいいと言っているんですね。学校に行っているわけですから。ただ、そこを卒業したときに受け入れるところが少ない。こういう就職難の時代ですから大変だろうと思うんですね。それで、そこのことをかなり心配していらっしゃいますので、例えば、今年度この養護学校を卒業した就職の内定、そこいら辺のところをお聞きしたいと思います。
〇遠藤学校教育課長 まず、最初の御質問の中で、実態調査が必要ではないか、実態把握が必要ではないかというお話をいただきました。
 本県でも、かつて総合教育センターで調査したことがございますけれども、全県的な調査は近年行っておらないような実態でございます。ただ、日常的には、学校のクラス担任を通しての実態把握とか、各教育事務所単位での調査がございますし、こちらから巡回相談等でもさまざまな形で実態把握に努めておりますが、今後とも、全県的な形での実態把握の機会があれば、実施してまいりたいと考えております。
 それから、さらに特殊学級の設置が万全ではないというお話があったわけで、確かにそのとおりかもしれません。以前に比べますと、できるだけ積極的な形で設置するようにという形で、実態把握をしながら、可能であれば、例えば1人でも特殊学級を設置するような方向で、積極的な方向では考えておるわけでございますけれども、いずれ要望どおりの設置は難しい状況があると思います。
 ただ、その場合にも、先ほど御指摘いただきましたかがやきプランというもの、特殊学級にはなかなか難しいかもしれませんけれども、どうしても必要な場合には、通常学級に特別な教員を配置して複数の形での指導ができるような形も、実態を把握しながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、遠野地区における養護学校等について2点御質問をいただきました。
 まず、遠野地区への養護学校の設置あるいは分教室の設置についてどうかというようなお話、あるいは遠野情報ビジネス校の統廃合によって生じる校舎を活用できないかというようなお話をいただきました。これにつきましては、これも御存じかもしれませんが、本県では現在、平成16年6月からでございますけれども、教育委員会内に県立盲・聾・養護学校の再編整備に関する検討委員会というものを設置して、いろいろな角度から検討しております。今後、養護学校または分教室、県内全般でございますが、その適正な配置につきましても、各地域の状況とか、あるいは必要性等を勘案しながら、御指摘いただきましたけれども、設置の場所とか、どんなふうな形で設置するのがいいのかとか、そんなふうな方法も含めまして、この委員会において検討することとしております。
 もう1点、進路のお話を出していただきました。就職内定率が厳しいのではないかというお話だったと思いますけれども、養護学校等を卒業する生徒の就職内定の状況でございます。これは県内全体でお話し申し上げますけれども、県立の盲・聾・養護学校、就職ですので高等部の本年度の卒業予定者でございますが、その内定状況、2月末現在でございますが、就職希望者が全体で42名ございました。高等部の卒業者のうち、就職希望者が42名ございました。そのうち内定しましたのが2月段階では20名となっておりまして、内定率は47.6%という状況になっておりまして、いずれ、依然として厳しい状況が続いておるものと認識しております。
 各盲・聾・養護学校では、中等部段階、中学部の段階から、将来の就労等に向けて、必要な知識、技能等、あるいは就労に向けた態度等を身につけさせる、働く力を高めるための、例えば作業学習とか、校内でのさまざまな実習等を実施しております。さらに、高等部におきましては、実際に事業所の協力を得まして、就業体験等、現場実習を実施するなど、就職に向けて努力をしておるところでございます。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう1点お聞きいたしたいと思います。
 旧事業と聞いておりましたけれども、個性輝く学校づくり推進事業、今年度から夢と活力あふれる学校づくり支援事業に名称が変わると聞いておりました。変わった理由、私は比べてみて、どこがどう変わるのかな、どっちでもいいような気がするんですけれども、これを変えようと思ったことで学校と地域の連携として新しい何か事業を生み出そうとしているのか、それからまた、全部の高校、それから盲・聾・養護学校も対象にしていると聞いておりますけれども、例えば、普通高校とこういう養護学校と比べて事業の割合というのは、今までの旧で結構ですので、どういう割合になっているでしょうか、その辺をお聞きしたいと思います。
〇遠藤学校教育課長 今お尋ねいただきました、いわゆる夢と活力あふれる学校づくり支援事業につきましてでございます。
 これまで名称は確かに変わっております。旧来の事業ですと、個性輝く学校づくり推進事業というものがございました。この事業は、それぞれの学校、地域の特色にあわせまして学校の特色づくりに大きな役割を果たしておると考えております。各学校からも大変な好評を得ているものということでございます。
 新しい事業につきましても、基本的にはこの趣旨を生かしながら、実施方法等に改善を加えながら継続して実施してまいりたい、地域あるいは学校の特色化を図ってまいりたいと考えております。
 このどちらの事業につきましても特色ある学校づくりを目指していることは、今申し上げたとおり同様でございますが、これまでの事業は、ほぼすべての県立学校を対象として実施したものであります。それに対しまして、新しい事業では、事業実施を希望する県立高等学校あるいは盲・聾・養護学校のうち、生徒の実態やニーズに即して、特色ある学校づくりに取り組む意欲のある学校をより厳選するという形で、その特色づくりを支援してまいりたいと考えております。
 なお、盲・聾・養護学校と普通高等学校との比率というお話がありましたけれども、これは従来の事業もそうでございますし、新事業の場合でも、選定割合というものを特に設けておりません。いずれ学校、学習の別なく、例えば一つの視点でございますけれども、開かれた学校づくりというような目標とか、あるいは特色ある学校づくりというようなものの目標が明確であるか、それぞれ事情があると思います。そんなようなものを、事業内容に創意工夫が見られるかとか、そんなような観点から、それぞれの学校で計画を出していただきまして、それを県の教育委員会の方で精査しながら適正に選定したいと考えております。
〇工藤勝子委員 わかりました。ありがとうございました。
 これは事業によって1校70万円ぐらいと聞いておりますので、非常に魅力ある事業だろうと私思っております。そういう面からも含めまして、ぜひ、盲・聾・養護学校、そういうところにも、この事業をぜひ入れてほしいと要望をいたしまして終わります。
〇木戸口英司委員 それでは、教育委員会制度の見直しにつきまして何点か質問をさせていただきます。
 2004年、昨年3月4日、文部科学省は、地方分権時代における教育委員会のあり方についてとして、教育委員会制度の見直しの検討を中央教育審議会に諮問をしております。地方分権の進展、地方公共団体の権限と責任の拡大、市町村合併が進む中で、教育委員会は教育行政の責任ある担い手として、地域のニーズに応じた教育行政を主体的に企画し実行していくことが一層期待されており、現制度が抱える課題を踏まえ、教育改革の着実な推進のため、教育委員会のあり方について見直しを検討していくことが必要ということが理由とされております。
 この検討につきましては、現状認識ということで、昨年のこの予算特別委員会でも私伺ったところであります。それで、検討事項の中味、私も読んでみましたけれども、教育委員会制度の意義と役割、首長と教育委員会、市町村と都道府県の教育委員会、学校と教育委員会、それぞれの関係ということについて検討されております。地方分権時代という視点で言えば、国と地方の関係を見直すことが最重要と、基本と考えますけれども、その点には実は余り触れられていない。そして教育委員会への現状の批判だけをとらえて、制度の弾力的運用や市町村と学校現場への多少の権限移譲を進めるなどの見直し内容で、抜本的な改革とは言えないのではないかと、私はそう感じているところでございます。
 昨年の8月に、この中教審の検討に対して、全国都道府県教育委員会連合会が意見を求められて出しておりますが、これも私読んでみましたけれども、現行の課題をこの教育委員会連合会でも認識しつつ、基本的には現状維持と。国に対し、地方分権を求めるような国と地方のあり方を変えるというような内容とはなっていないという印象を持ちました。
 昨年の三位一体改革の議論の中で、義務教育費国庫負担金制度の存廃が大きく注目をされました。義務教育を担うのは国か地方か、金の議論でありましたけれども、国と地方の役割を見直す議論に進んでいくことを大きく期待するところでありますが、この制度見直しの一連の流れを踏まえ、岩手県の教育委員会としての所見を伺いたいと思います。
 また、ことしに入りまして1月13日、この制度見直しの中で中教審教育制度分科会教育行政部会、ここが見直しを担当しておったわけでありますが、部会まとめが発表されております。制度の見直しについてはこれからでありますけれども、この部会の取りまとめを見ますと、指摘されている中で、地方で取り組めるものは、すぐにでも本県としても取り組んでいっていいのではないかと、そう考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 例えばこの中で指摘されている教育委員会の組織の弾力化、委員の選任の改善、委員会会議の改善、公開、委員会の外部評価、市町村委員会の事務処理の広域化、委員会と首長の連携強化、学校の権限、校長のリーダーシップの強化、学校の外部評価、学校評議員、学校運営協議会制度など、こういうところを本県からむしろ改革の方向性を発信していくと、そういう意思があってしかるべきと思いますけれどもいかがでしょうか、お考えをお聞きいたします。
〇佐藤教育長 教育委員会制度の見直しということで、今お話がありましたように、国におきましては、具体的には中央教育審議会の中で、地方教育制度のあり方万般にわたり今審議している、検討しているということで、これは地方分権の流れの中で、国と地方の役割分担であるとかさまざまな課題がありますし、また、昨年の例の義務教育費の国庫負担の問題等につきましても、中教審に義務教育制度全体の中で、費用負担のあり方も検討してみてくれというようなことで、それも今これから本格的な議論になるようだということで、いろいろ価値判断があるかと思いますが、我々といたしましては、実務的なサイドでお話し申し上げますと、まずは、国と地方の役割分担というものを、今の地方分権あるいは地方自治の流れをどう見きめながら議論されていくのか、なお一層深く論議されることを期待しながら、その動きについては注視していきたい、こう考えております。
 そのほか、千田総括課長の方から答弁させます。
〇千田総務課総括課長 地方で取り組めるものについてはすぐにでも取り組んでいくべきではないかという件でございますけれども、中央教育審議会の教育制度分科会地方教育行政部会のまとめで提言ございました事項ですけれども、今後、中央教育審議会でさらに審議がなされていくものと考えてございます。
 本県の教育委員会といたしましては、教育委員会議の運営の活性化、学校評価や学校評議員などの開かれた学校づくりの取り組み、知事部局との連携の強化など、教育委員会の活性化や住民の視点に立った現行制度の中でも対応できるものについては積極的に取り組んでおりまして、今後も引き続き必要な取り組みを実施してまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 今の点、ぜひ教育委員長の御所見もお伺いしたいと思います。
 といいますのは、教育委員会の今日における意義ということも示されておるんですが、政治的中立性の確保それから継続性、安定性の確保、地域住民の意向の反映。その中で、政治的中立性の確保ということの中で言えば、情報公開が進んでいくことでこれは相当担保されるべきことであり、逆に今の制度の中でいけば、選任権、予算権、これは首長にあると。また、もっと大きく言えば、文部科学大臣は与党から出ているということを言えば、非常に形骸化している部分もあるわけでありますし、また、地域住民の意向の反映というところを考えれば、そこに今一番地域住民の批判というか不満が出ているということも指摘されるわけでありまして、こういった指摘を踏まえて、御所見があればお伺いしたいと思います。
 それから続きまして、この部会まとめでは、教育委員会制度は、今日においても必要としながら、教育委員会を置かないことを認めてもよいとの意見については今後引き続き検討すると、この中でしております。昨今、特に改革派と言われる首長から、教育委員会の必置規制の見直し、首長部局による教育行政ということが主張されております。これは、現制度の批判と、今ちょっと御指摘をいたしましたけれども、教育政策の責任の明確化、迅速な意思決定等に対する強い要請をもとに主張されているものと認識しております。この指摘をどのようにとらえるか、お伺いをいたします。
 部会まとめでは、首長と教育委員会の権限分担の弾力化として、学校・社会教育は教育委員会、文化財保護と文化・スポーツは首長が担当することができるよう、検討すべきといたしております。既にこのような取り組みをしている自治体もあると聞いておりますが、この点についても御所見をお伺いしたいと思います。
 それから続けて、教育改革の方向性として、三重県に例を見ますと、これ1999年から教育振興ビジョンというものを示して、事業計画に対し数値目標を設定し取り組んでいると聞いております。また、2002年より第2次推進計画が進められております。この数値目標については総合政策室の質疑の中で関根委員から指摘があり、照井総合室長から答弁もあったところでありますが、本県教育行政においても、さまざまな指標を掲げて取り組んでいるものと認識しておりますが、三重県では、学校教育現場にかかわる事業計画を細かく設定して、それぞれ数値目標を立て取り組んでいるところであります。今後、このような取り組みについての考えはないか、お伺いをいたしたいと思います。
〇船越教育委員会委員長 ただいまの教育委員会制度の見直しでございますけれども、基本から申しますと、委員御指摘のように、教育における中立と公正性、機会均等、特に義務教育に関しては、そういう観点から教育委員会設置による独立性を保つという形で、今日、教育基本法のもとに根拠を受けて設置されているわけでございますけれども、その中で、委員御指摘のように、教育委員会制度の制度疲労と申しますか、そういう問題が最近非常に強くあらわれてきていると認識しております。
 それで、現在中教審で検討されておりますように、首長と教育委員会との関係、それから国と都道府県教育委員会との関係、また、県教育委員会と市町村教育委員会との関係、このあたりが、役割分担というものが教育における役割をそれぞれがどのように果たしていくか、受け持っていくかということが極めて明確なようでいて明確でない、そういうグレーゾーンがいっぱいあると私は認識しています。
 例えば、市町村教育委員会におきましても、義務教育の学校は、設置者は市町村長であります。市町村も一応義務教育に関しては設置義務を負わせられております。しかし、現実の学校運営とか何かというものに対して、市町村長が具体的にそこに責任を持つ局面というのが、かなり形式的な部門に限られていると思っております。そういうことから、市町村教育委員会が中心になって、地域の全体の教育振興をどう図っていくかという全体ビジョンがなかなかにじみ出てこない。それで、結局は学校の管理運営だけのことで追われているというような状況があるのは、非常に制度的なことにも問題があると私は認識しております。
 そういう観点から、委員御指摘のように、例えば他県におきましては、かなり教育委員会が現在所掌しております文化とかスポーツ関係でありますとか、そういうものを知事部局に移管するという動きも出ておりますが、文化とかスポーツというのは、実は生涯教育あるいは学校教育と密接に絡み合った分野であるという観点で、軽々に判断できない問題を持っていると私自身は理解しています。慎重にやっぱり検討していく必要があるというように思っていますが、あと具体のことにつきましては、担当の方から御説明させていただきたいと思います。
〇千田総務課総括課長 教育委員会の必置規制の見直し等についてでございますけれども、教育委員会制度は、教育の政治的中立、教育行政の安定を確保するために、複数の委員による合議体で教育に関する事務を管理、執行しております。その反面、合議体であることによりまして、適時、迅速な意思決定が行いがたいといったこと、あるいは、住民や保護者等の意向がストレートに反映されがたいといった課題も指摘されているようでございます。
 それで、制度論につきましては、今後、中央教育審議会の義務教育特別部会で3人の地方の代表委員が入ると伺っております。この中で、地方の意見が十分に酌み上げられた議論となることを期待しております。
 また、運用面でございますが、地域や学校現場と教育委員との懇談や、教育モニターの設置など、住民や保護者等の声が十分に反映される仕組み、また、重要な案件につきましては、教育委員による協議を十分に行うといった工夫をしながら、制度の枠の中で改善を行ってきておりまして、今後も一層、住民のニーズに的確に対応した運営に努めてまいりたいと考えております。
 次に、教育委員会の事務と首長の事務の関係についてでございますが、先ほどの部会のまとめでは、文化財保護や文化・スポーツについて、基本的には教育委員会の担当とすることの利点が大きいとしながら、また、地域づくりや予算確保の観点から、自治体の実情や行政の性格に応じまして、自治体の判断により首長が担当することを選択できるよう、検討すべきであるという提言がなされてございます。
 本県では、これまでも平泉の文化遺産に関する施策、また、子供の健全育成、さらには、環境教育や食育といった施策につきまして、知事部局と十分に連携を図りながら取り組んできているところでございます。
 今後とも、教育行政を取り巻くさまざまな課題への対応のために、知事部局と十分に連携を深めながら、組織横断的な取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 次に、事業計画に対する数値目標の件でございますが、お話がございました三重県教育振興ビジョン第2次推進計画でございますが、その中では48の指標を用いて数値目標の設定がなされてございます。本県では、政策評価においては施策評価、総合計画の関係で23の指標、40の政策評価では14の指標、政策形成プロジェクトで18の指標といった、あわせて55の指標を用いて数値目標を既に設定してございます。
 例えば、一例ですが、バリアフリー整備校の数あるいはスクールカウンセラーの中学校配置の数など、そういった指標を掲げながら事業の進捗状況、効果等の評価を行ってございます。
 なお、今後におきましても、現在の指標の見直しも含めまして、より事業の成果を適切に反映する新たな指標の設定に工夫しながら取り組んでいきたいと考えております。
〇木戸口英司委員 今の三重県の指標につきましては、本県の取り組みも十分私も承知しているところでありますが、学校教育現場にかかわるものということにかなり踏み込んで指標を立てているようなことで見させていただきました。その辺、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 また、先ほど来の質問、知事の教育行政、それに対する考え方、これが大きいものと思います。この辺は、私もいつか機会があれば知事の考えを聞いてみたいと思っておりますが、ぜひ教育委員会としても、知事、また、知事部局とよく意見を交換されて、今後の施策に反映をしていただければと思うところでございます。
 それでは質問を変えまして、先ほど工藤委員からもお話がありましたが、小・中学校におけるLD――学習障害、ADHD――注意欠陥多動性障害、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備についてお伺いをしたいと思います。
 これも文部科学省では、2003年3月に今後の特別教育のあり方と、2004年1月に教育支援体制整備のためのガイドラインを示し、本年4月より発達障害者支援法が施行されることとなっております。
 昨年示されたガイドラインによりますと、先ほど本県の現状はどうかということがありましたが、この中では、全国実態調査の数字が示されておりまして、知的発達におくれはないものの、学習面や行動面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.3%、これは40人学級では二、三人、30人学級では1人から2人という数字が示されておりまして、大変厳しい数字が出ておったところでございます。その中で、2000年から2002年度まで学習障害児――LDに対する指導体制の充実事業、それから2003年度から特別支援教育推進体制モデル事業が、これは国の事業でありますが、全都道府県において実施されてきました。その本県における成果につきまして、また、問題点等は何かお伺いをさせていただきます。
 また、このガイドラインによりますと、2007年度までに、すべての小・中学校において支援体制の構築が図られるものとしていると。今まではモデル事業であったわけでありますが、すべての小・中学校において構築が図られるものとしておりますが、これをどのように受けとめて実現を図っていくか、そのお考えをお聞きいたします。また、早急な実現が望まれるかお伺いをいたします。
 それから、県としては、特別支援教育体制の整備促進のため、市町村、学校をどのように指導していく考えか。また、ガイドラインによりますと、各市町村によるわけですが、特別支援連携協議会の設置、巡回相談員、専門家チーム、教員、特別支援教育コーディネーター等、この辺の整備が進められていくとしておりますけれども、県としてどのように指導していく考えか、お伺いをいたします。
 特別支援教育で重要な点は、早期の発見、一人一人の教育的ニーズの把握、福祉、医療、労働等の関係機関との連携・協力ということが大変重要と思います。この点をいかに取り組んでいくか、お伺いをいたします。
〇田村誠副委員長 この際、進行に御協力を願うため、質疑、答弁は、簡潔明瞭にお願いをいたします。
〇遠藤学校教育課長 特別支援教育につきましての御質問をいただきました。
 まず、本県のいわゆる教育発達障害児の現状というようなお話があったわけでございますけれども、先ほど工藤委員の際にもちょっと触れさせていただきました。本県の調査によりますと、これは平成13年度、総合教育センターが、そのような子供さん方に対する指導法研究のために実施しました抽出調査でございますけれども、この調査は、通常担当しておりますクラス担任の目から見て、学習上の困難を示す児童生徒の割合ということで調査したものでございますが、小学校では2.3%、それから中学校では3.3%という数字になってございます。これを全県の児童生徒数に当てはめてみた場合の推定値でございますけれども、およそ小学生では1、830名、中学生では1、450名、合計で3、280名という数になるのではないかと、13年度の調査によりますとこうなると考えられます。
 それから2点目でございますが、特別支援教育推進体制モデル事業についてお話しいただきました。その成果と課題についてというお話でございます。
 まず、このモデル事業、全県で四つ、県の事業としては3地域、国の地域では一つ、合計四つの地域、市で行っていただいておりますけれども、該当の子供さん方に対する教育とかあるいは心理関係の方々、それから医療関係者一体となった地域での支援体制が組織されるということ。それから、学校内にも支援体制が組織されたことが大きな成果ではないかと思いますし、あわせて、教員や保護者を対象にした特別支援教育全体に対する理解啓発活動が進んだととらえております。ただ、課題としては、この分野はまだまだ専門家が少ないと、全国的にもそうだと思われます。県内全域を支援していく上での専門家の確保が難しいのではないかと把握しております。
 それから、次に、小・中学校における支援体制をどう構築していくのかというお話があったと思います。
 平成16年9月現在でございますけれども、調査によりますと、支援体制のかなめとなります校内委員会、学校における校内委員会の設置率、本県小学校では約90%となっておりますし、中学校では87%、かなり高い割合で整備が進んできております。
 それから、特別支援教育のコーディネーターの指名率、小学校で88%、中学校84%という形で、いずれも全国平均を上回る状況にございます。国が目標年度としております平成19年度を待たずに、設置率とか指名率は100%になるのではないかとの見通しを現在は持っております。
 いずれ、今後におきましても、その支援体制が実効性あるものにするために、教員に対する指導力向上のための研修等に努めてまいりたいと考えております。
 次に、御質問がありました特別支援教育の体制を推進するための市町村や学校への指導というお話がございましたけれども、今も申し上げました。県は平成15年度から、県内4地域におきましてモデル事業を進めております。それから、平成16年の3月には、市町村教育委員会を通じまして、管内の小・中学校に特別支援教育に係る、先ほどお話ししました校内委員会の設置とか、それからコーディネーターの指名を依頼しております。そのような形で、特別支援教育の推進体制づくりを進めてきておるところでございます。
 また、特別支援の連携協議会の設置ということもうたわれておりますが、専門家チームとか巡回相談チーム、それからコーディネーター等への指導についてでございますけれども、モデル事業を実施した地区におきましては、専門家チームや巡回チームに係る研修、これは各市で行っておりますし、また、直接担当します教員の研修につきましては、総合教育センター等で教員研修を行っております。特別支援コーディネーターに係る研修も県が今年度から開始いたしまして、関係者の指導力向上に努めております。
 なお、特別支援連携協議会につきましては、17年度の設置に向けて準備を進めておるところでございます。
 最後でございますが、障害の早期発見とか一人一人の教育ニーズに対応した形での福祉、医療、労働等関係機関との連携でございますが、県では、一人一人の教育的なニーズに応じた個別の支援計画を作成するために、平成16年3月、関係部局と連携しました推進会議を設置したところでございます。現在は、盛岡地区の障害幼児通園施設とか、小・中学校とか養護学校が連携をいたしまして研究を進めておるところでございます。また、障害の早期発見のため、関係機関あるいは市町村と連携の上、特別支援教育に係る巡回教育相談というものを実施しているところでございます。
〇木戸口英司委員 近々100%になるということ、力強いお話をいただきました。
 最後ですが、これも他県の例を挙げてということになりますけれども、宮城県教育委員会では障害児教育将来構想、これは中間案ということで公表しております。この基本理念は、障害の有無によらず、すべての子供が地域の小・中学校でともに学ぶ教育を展開するとし、都道府県で障害児教育の分離廃止を打ち出したのは初めてであります。2005年度からモデル校として取り組むとしております。これからの方向性として大変画期的な取り組みでありまして、県として発達障害児への教育支援体制の構築とあわせ検討していくべきと考えますが、御所見をお伺いします。
〇遠藤学校教育課長 今お尋ねの今回の宮城県によります障害児教育将来構想につきましては、いわゆるノーマライゼーションの理念に基づきまして、宮城県が今後の特別支援教育の施策の方向性を示したものではないかと理解しております。本県におきましては、御存知のとおり、平成15年に岩手県特別支援教育の推進プランというものを策定いたしまして、このプランに基づきまして、昨年6月には、先ほどもお話し申し上げました教育委員会内に再編整備に係る検討委員会というものを設置しております。今後の本県の盲・聾・養護学校のあり方や適切な配置について検討を開始したところであります。
 小・中学校における今後の特別支援教育につきましても、国による検討状況を注視しつつ、先ほどのモデル事業への取り組み等を通じまして、今後とも障害に応じた専門性の向上など、子供たち一人一人の特別な、教育的なニーズに対応する教育の充実を工夫して進めてまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 教育委員長の演述が冒頭にありましたので、これに関連して、まず最初にお聞かせいただきたいと思います。
 私はこの委員長の演述というのは、予算にかかわる大変重要なものだと思います。ところが、この予算特別委員会の冒頭でお話をされるということで、私はやはりこれをきちっと精査する意味でも、もう少し前に演述を聞かせていただきたいと思うわけであります。いずれ、議運の皆様方にも御検討いただきたいと思うわけでありますが、ぜひ事前にこれを告知する、もしくはその前に演述するということに対してどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
 それは、例えばこの中に確かな学力、豊かな心、健康・体力をバランスよくはぐくむことが大切であると述べているわけであります。確かな学力については、英語教育等に力を入れていくというようなことでよくわかります。では、豊かな心というのはどう進めていくのか、これが予算の中では見えないというのが実際であろうと思います。
 また、健康・体力についてでありますけれども、体力はスポーツ振興についてはよくわかりますけれども、それでは健康はどうなんだというところだと思います。特にこの健康、この後、性教育についても少しお話をさせていただこうと思いますが、それについても非常に小さな予算でしか見られない。また、食育についても、この後述べられているわけでありますけれども、先ほどの説明によりますと、236ページの保健体育の総務費の中で、いわゆる冒頭で食育のアンケート調査を行うというのみで、全く食育の食、育という言葉も出てこないと。にもかかわらず、この委員長の演述の中では大きな項目として挙げられていると、こういうところもあります。
 そして、三つ目でございますけれども、後半のスポーツ振興の中に、アジア地区で高い競技力を有する韓国チームとのスポーツ交流、これは今回初めて知ったわけでありますけれども、何で一国の韓国と連携をしていかなければならないのか、どうしてこの韓国チームと、どういう競技で連携していこうとするのか、それすらわからない。そういうもろもろの問題が実はあるのではないかなということで、まず最初に、冒頭でお聞きしたいと思います。
〇佐藤教育長 教育委員長の演述につきましては、これは歴史的な経過等があるかと思いますが、なかなか今委員から御指摘があったようなことは我々もちょっと考えませんでしたので、大変貴重な御提言ということで受けとめさせていただきますが、ただ、逆に、予算権、これは予算調整権といいますか、知事が知事演述をやるように、以前におきましては教育委員会で予算を調整し、そして議会の審議を経て成立させたという、そういう歴史的な経過があります。恐らくそういう名残ではないかと、このように感じておりますけれども、この辺のところはさらに議会事務局、あるいは知事部局とさらに協議させていただいて対応を考えさせていただきたい、このように考えます。
〇高橋雪文委員 細かいところも聞こうと思ったんですが、それは次の機会に譲らせていただきます。そしてよろしくお願いいたします。
 通告の点、2点についてお聞かせいただければと思います。
 まず最初に、栄養教諭制度の創設によっての栄養教諭の配置について、食育の観点から御説明いただきたいと思います。
 まず最初に、これは4月から本格実施をされるというものでありますけれども、学校栄養職員の現状について、どのような状況になっているのかお知らせください。そして、栄養教諭の免許状の取得がこれからは必要になってくるということでありますけれども、この取得に対して、教育委員会としても積極的に支援をするべきではないかという声が上がっているところであります。この2点について、まずお聞かせいただきたいと思います。
〇佐々木スポーツ健康課長 学校栄養職員の現状についてでありますけれども、平成16年度の学校栄養職員数は171名となっており、そのうち、現場への配置状況は、単独調理場が単独校101校に78名の配置、共同調理場が68施設に87名が配置されております。食に関する指導については、こういった栄養職員の方が、担任とか関係教職員と協力して指導に当たるチームティーチングと学校栄養職員が単独で指導する場合があり、これを活用して給食の時間を初め学校給食以外の特別活動、教科、総合的な学習時間において指導に当たっている現状にあります。
〇田村教職員課総括課長 学校栄養教諭の免許状の取得に対する支援ということでございますけれども、栄養教諭の免許状の取得の方法というのは、通常の学生が大学で取得をする方法ということがあるわけですが、御指摘の場合は、多分現職の学校栄養職員の話だと思いますけれども、これにつきましては、都道府県が開設する認定講習を受講するなり、あるいは大学で開設する公開講座というのを受講すると、それで必要な単位を取得するということになっております。
 県の方での支援ということでございますけれども、文部科学省の方で、平成17年度から19年度まで都道府県が開設する認定講習に対する補助制度というのを設けてございますので、これらを活用して、できるだけ早い時期に認定講習を実施したいと考えております。
〇高橋雪文委員 101カ所で78名とか、68カ所で87名ということで、比較的設置はされているようでありますけれども、本格的に国も我々岩手県も、食育についてもっと推進していこうということでございますので、今後とも御尽力いただきますよう、重ねてお願い申し上げたいと思います。
 次に、236ページのエイズ・性教育推進費についてお聞かせいただきたいと思います。
 10日前のさきの参議院の予算委員会で、3月4日金曜日ですが、山谷えり子さんという方が国会答弁の中で、いわゆる男女共同参画社会の中で、ジェンダーフリーという問題を掲げまして、これは造語でございまして、男らしさ、女らしさを解消していこうというような意図があるわけでありますけれども、これが非常に学校教育で蔓延していると。それに付随して実は性教育、これも学習指導要領を逸脱するような過激な、過剰な性教育が実は行われているということで問題提起をしまして、小泉首相もこんなことは自分たちの時代はなかった、これは余りにもひどいじゃないかということで意見を述べているわけでございますけれども、この国会答弁について、県教育委員会はどのように把握しているか。そして、各小学校でいろんな性教育が今実施されているわけでありますけれども、その性教育の現状と指導についてまずお知らせください。
〇佐々木スポーツ健康課長 今回国会で話題となった性指導に関する地域の指導はどのような経緯で指導が行われてきたか、詳しいことは承知しておりませんし、小泉首相の発言の真意についても理解はしておりませんので、所感は申し上げられませんが、本県における性教育は、学習指導要領に基づき、各地域の現状に合わせた内容で行われるものであると考えております。
 小学校での性教育の現状と指導についての御質問がありましたけれども、一部の保護者からは、自分が小学校のころに指導を受けた性教育の内容と、現在の小学校での指導内容との差が大きいことから、行き過ぎた性教育が行われているのではないかとの誤解が生じることもあるように聞いておりますが、本県では、学習指導要領に基づき、各発達段階に応じた指導が行われているものととらえております。
 具体的には、小学校4年生の保健領域で、体の発育発達の仕方や体つきには男女差や個人差があることについて、5年生では、二次性徴の発現や思春期における心の変化について理解させるなど、身体面、精神面の両面からの指導を行っております。さらには、道徳では、5年、6年生に、互いに信頼し学び合って友情を深め、男女仲良く共同し助け合うことについて指導しております。
 実践例といたしましては、性教育の領域別学年系統表を作成し、道徳や学級活動などの時間に指導を行っている小学校もあります。例としては、性自認の領域では、二次性徴や思春期の心の変化について、異性の友達というような題材で指導しているところもございます。
〇高橋雪文委員 実は今の答弁をお聞きして、温厚な私でも少し怒りたくなった、そういう心境なわけであますけれども、まず最初に、私はこの質疑の要旨を皆さん方に告知をさせていただいております。そして、なおかつ、この山谷えり子さんの国会答弁、資料をいただきました。これは、県当局から実はいただいているんです。県当局の方から、教育委員会の方からいただいている資料が、それは知らないということでは、私は済まされないのではないかと思うわけであります。
 これをしっかり、もう一度質問をやりたいんですけれども、いわゆる誠意を持って答弁をしようという姿勢が余りにも感じられない。
 確かに、この性教育については、今までタブーとしたところかもしれません。でも、今、岩手県の子供たちの人工中絶の率が全国一番高い、そして性教育の実態が非常に高まっていると、こういう中で、そのような答弁は果たして誠意ある対応なのかというと、非常に私は違うんではないかと思うわけであります。もう一度御意見を賜りたいと思います。
〇佐藤教育長 今のお話で、例に挙げられたのが吹田市とそれから東京都ですか、それでどういう形なのか、これはつまびらかにはなっておりませんので、そのことから何とも言いようがないというお話をしたわけですが、恐らく吹田市であるとか東京都におきましては、それぞれが持つ背景といいますか、状況をかんがみながら副読本をつくったりなんかしているんだろうと思います。ただ、本県で言えることは、先ほどスポーツ健康課長が御答弁申し上げたとおり、学習指導要領に基づくそういう指導を行っているということで、ちょっと見させてもらったけれども、こういう形のものを始めて見て、私も何とも言いようがないわけなんですが、ただそこには、恐らくそれが用いられるだけの何か背景があったんだろうということで、ただ、それは推測にすぎませんので、そういう意味で、なかなか受けとめ方、お話しできなかったということで御理解いただきたいと思います。
〇高橋雪文委員 それでは、しかるべきお話をさせていただこうかなと思うわけでありますけれども、現状の盛岡市の学校でも、実は小学校の課外授業かもしれません、それはちょっとわかりませんけれども、要は性器の名前を直接子供たちに教えまして、さらにそれをいわゆる性交を直接教えていると。直接というのは語弊がありますけれども、人形とかグラフとか、そういうものを使って事細かに教えているというような指導もなされている。それについてはどのように把握されているんでしょうか。
〇佐々木スポーツ健康課長 今、委員がおっしゃった盛岡市の課外指導等の状況については、掌握はしておりませんので申し上げられません。
〇高橋雪文委員 実はこれは東京都の例でありますけれども、こういう学習指導要綱をかなり逸脱した形で子供たちに性教育を行っているという実態があって、これはそれだけではないんですけれども、いわゆる服務規則違反ということで、116人の教職員を処分したというような問題が以前ありました。いずれ、内容については深く追求はしていきませんけれども、今、課長がおっしゃられた指導要領にのっとった形できちっと指導していただくのであれば、それは私も納得するところでありますけれども、それをさらに逸脱するような、そんな内容が今まことしやかに行われていると、これが非常に問題であって、しかもそれが県教育委員会が全く把握していないと、これはやっぱりずさんであろうと思うわけであります。ぜひこの辺の改善を願いたいと思いますが、教育長、しっかりとした御答弁をいただいて、次の教育長にバトンタッチしていただきたいと思います。
〇佐藤教育長 先ほど申し上げたように、性教育については学習指導要領に基づいて指導しているわけでありますが、ただ、今実態はどうかということにつきましては、お話し申し上げたとおり把握している状況にありませんので、今後各学校での状況、これについてしっかりと把握しましてそして適切な指導というものをやってまいりたい、このように考えております。
〇千葉伝委員 ただいまの高橋雪文委員の質問にちょっと関連して、性教育の部分も大変な重要な問題だと思いますが、その前段の方で栄養教諭の配置の件に関連してお伺いしたいと思います。
 先ほどの答弁で、国の法律が昨年改正になって今年度から配置に向けて講習をすると。そしてまた、講習を受けた人が教員免許を持って栄養職員になると、こういうことで配置することができるというのが国の法律なわけですけれども、先ほど雪文委員も話しておりますが、本県の今年度の重点施策の中に食育という部分があるわけであります。この部分が一つは食育の推進と、こういうことで、各部局とは言いませんけれども、例えば環境生活部では食育推進事業。これに食の安全安心委員会における審議を踏まえた食育推進計画を策定しますと。保健福祉部、いわて食育支援事業。学校での食生活の体験学習やバーチャル食事チェックソフトの開発等を実施しますと。それから農林水産部、いわて食育支援人材派遣事業と。県内のモデル校に対して食育ボランティアの派遣など、学校での食育の取り組みを推進すると。また、教育では、食の安全安心親子探検隊事業とか、こういったことで、それぞれの部局でこの食育に対していろいろと事業を組んでいると。対象は、子供たちに食を通してしっかりと、先ほどの心と健康ではありませんけれども、その年代に合った食事をとらせてしっかりと次代を担う子供たちに育ってもらいたいと、これが私は目標だと思います。そういったことから言えば、先ほどどうも取り組みの部分がちょっと私、最後の言葉がはっきりわからなかったんですけれども、そういうためにこの栄養職員を置くことができるんですけれども、私は岩手県がこういう事業をどんどん進めていくには、学校にきちっとそれを統括するというのか、主体的に取り組むこの栄養職員がぜひとも必要じゃないかと。いわゆる前後左右じゃないんですけれども、いろんな事業の中できちっと専門的な知識を持った職員が必要だと私は思います。そういった意味で、岩手県が率先してこの国の事業を取り入れて、そして講習会をするにも国がこの事業費をきちっと面倒見ますよと。それから、配置における給与ですか、給与の部分も国庫で持ちますよと、たしかこうなっていると思うんですが、そういったことからして、ぜひとも、例えばことしは全部には置かないけれども、講習会をやってその中で来年度から配置をするとか、そういった取り組みをする必要がある、ないも含めて、取り組みの方向について、教育長一言、関連ですので1回だけで結構でありますが、お願いしたいと思います。
〇佐藤教育長 ただいま千葉委員からお話あった栄養教諭については、まさに今回法律で明確に位置づけられましたし、と同時に食育、これは他県にも増して本県におきまして、先ほど御紹介がありましたように各部局横断でプロジェクトをつくって食育を推進しようと。しかも、そのフィールドはほとんどが学校ということになります。したがいまして、大変栄養教諭の役割というのは重要なわけでありまして、ただ、これには手続が必要だと。今の栄養士さんを栄養教諭とするためには、ある一定の講習、認定講習と言っておりますが、これを受けなければならない。今お話しあったように、確かに国の補助事業を受けて認定講習ができますけれども、ただ、これは今回の当初予算に間に合いませんでしたので残念ながら組むことができませんでしたし、あわせて、その配置についてどれほどの方々の希望があるかどうか、それらも含めて、今度の認定講習の実施については国と協議しながらやっていきたいと、こう考えているわけですし、また、あわせて、その認定講習の状況を見て、具体的に配置についても、これは平成18年度ということになろうかと思いますが、ここを展望する、にらみながら今回認定講習をまずはやることについての協議を国と話を進めていきたい、こう思っております。
〇千葉伝委員 積極的に取り組むことを要望して、私の関連質問を終わります。
〇小原宣良委員 先ほどの高橋雪文委員の質問に関連しますが、性教育です。実は国の指導要領というのはあると思うんですが、例えば私ども、私も含めて、30人以下学級の実現とか少人数のクラスをと、そしてきめ細かな指導というのは必要じゃないかと、こういう話をした際には、かなり国の基準というものを気にしましてなかなか前に進んでこなかった。しかし、国の方でも、こうした少人数学級については、一定の方向性を打ち出しながらそれぞれ県も対応していく、そういう形で積極性が見えてきたというのは大変いいことです。
 ただ、そういうお堅い県教委が、国の性教育にかかわってその指導要領を超えてどうこう指導を現場で行っているということについては、多少考えにくいんですよ。そういう意味で、国の指導要領というものに照らして見て、現状はどうなんだということは、これは今議会のしかるべき時期にしっかり状況を調査しながら報告をいただくことがよろしいのではないかと思うんですが、いかがですか、教育長。
〇佐藤教育長 性教育の実態、各学校現場で、これは発達段階に応じてそれぞれの性教育を実施しているわけでありますが、その実態というのが正直申しまして把握できていないということを先ほど御答弁申し上げたわけですが、今回すべてというわけにはなかなか難しいかと思いますが、いずれ何らかの形で実態を把握して、そして県議会の方に資料という形で、もし委員長の御判断がございますならば、私ども出させていただきたい、こう考えております。
〇田村誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時58分 休 憩
   午後3時19分 再 開
〇佐々木順一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、進行に御協力願うため、質疑答弁は簡潔明瞭、明快にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇ザ・グレート・サスケ委員 では簡潔に。
 まず一つ目は、いわて特別支援教育推進プロジェクトでもありますADHD児等支援事業についてお尋ねいたします。
 先ほど来、大分質疑、答弁がございましたので、私の方からは通告したものを大分はしょりまして、先ほどの答弁でADHDの医師認定の話がございましたけれども、そこの部分だけお尋ねしたいんですが、この点で医療機関との情報交換は行っているのかというところなんです。
 実は、これは先ごろの報道で、朝服用した薬の効用が切れた昼過ぎごろに発症したときの対応が云々というくだりがございました。私は大変なショックを受けました。なぜなら、ADHD児によからぬ薬が投与されているのではないかということを感じたからです。
 ちなみに、アメリカにおいては、このADHDもしくはADDも含めて、このように診断された児童は、強制的に薬物が投与され、これを親が拒否すれば、子供が退学になったり、あるいは親が逮捕されたりするということがあるんですね。ちなみに、アメリカの高校で銃の乱射事件なんかがあったんですが、あの犯人もプロザックあるいはリタリンという新薬を常用しておりまして、また、米軍においては、こうした新薬を常用して育った人間を採用しないと決めているわけです。
 このような状況がある中で、本県では一体どのような薬が投与されているのかという事実を含めまして、医療機関との情報交換はどうなっているのでしょうかと。
 そして、私は最近薄々感じていることなんですけれども、子供が勉強嫌いだったり落ち着きがないというのは実は当たり前であって、むしろ、それをアメリカの医学にならって病気にしてしまったことが問題だったのではないかとちょっと感じているんです。今回の盛岡、花巻、水沢3市のモデル地区指定事業で、平成17年度が3カ年事業の最終年度ということですけれども、こういった最終年度を迎えての所感とともに、このADHDの本質とは一体何なのかということについて、まずお尋ねしたいと思っております。
〇遠藤学校教育課長 ADHD関連の御質問をいただきました。特に、医療現場との連携ということで専門的な薬のお話まであったわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、今、三つの市を挙げていただきましたが、実際には国の事業も含めまして四つの市でやっております。それぞれにつきましては、先ほど来御説明申し上げておりますけれども、専門家チーム、これは医師とか、あるいは臨床心理士の方とか、学校の教員とかが入りまして、各それぞれの地区、どんな形で、どんな子供さんに、どんな対応をすればいいかということを相談しながらやっておりますし、各学校を巡回するような形のチームも組んでいただいております。
 それは四つの市それぞれ個別にやっていらっしゃるわけですけれども、県全体でこのモデル事業を推進するための調査研究運営会議というものを設置しております。その場にも医師の方等に入ってきていただいておりますけれども、いずれそのような場で、医療関係の方の協力を得ながら、いろいろなチームの設置とか会の開催をやっておるわけでございます。
 具体的な投薬、どんな薬を使われているかと、これは多分、個々の子供さんによって違うんだと思います。ここで一々について申し上げることはできませんが、今後、いずれアメリカの話もありましたので、どんな形で、実態はどうなっているかの把握に努めたいと思っております。朝服用して昼までというお話があったんですが、脳を活性化するような薬を使うのが一般的ではないかと理解しておりますけれども、具体的な服薬の実態につきましては、今後詰めてまいりたいと思っております。
 それから、このモデル事業等を実施しての所感、考えというようなお話もありました。これも先ほど来申し上げておりますけれども、四つの市におきましては、総合的な教育の支援体制の整備が進んできて、かなり実施率みたいな、整備率、施設率も高くなってきていると思っておりますし、各現場での教員を対象にした研修会とか、保護者に対する特別支援全般を含めた理解を図るためのパンフレット等も配布しておりますし、さまざまな専門家の方に講演会等も開いていただいております。そんなことを通しまして、いわゆるADHD等軽度発達障害にかかわる子供さん方、あるいは教員、保護者の理解が進んできておるものだと思っております。
 それから、本質をどうとらえるか、これもちょっと、医師の判断といいますか、まだ不勉強で申しわけございませんけれども、病気としてとらえる必要があるのかどうかというお話もあったわけでございます。その辺、実際に先ほど来、お話が出ていますけれども、国の調査と県の調査で率そのものもかなり違いがあるわけですので、どんなふうな形で押さえればいいのかということは難しいのかもしれませんが、今、私どもが理解しておりますのは、このADHDというものは、現在は一般的には発達障害に位置づけられています。ここ数年、こんなふうなものに注目されてきたんだと思いますけれども。
 それで、こんなふうな子供さんが示す特に学校生活での一般的な様子としては、いろいろな所見があると思いますが、衝動的に動き回ったり、静かに学習に参加できない、確かに多動傾向、そんなふうなものもあると思いますし、あとは注意欠陥というお話もありますが、注意力を持続できなかった、興味のないことには関心を示さないとか、さまざまな状況が学校の中でも発生しているんだと思います。
 ただ、学校でも既にいろいろな対応をやっておるわけですので、障害に対する適切な教員の理解と、もちろん保護者の協力を得なければならないと思いますが、それぞれの子供たちの特性に応じた支援、いろいろな研究もございます。先ほど、総合教育センターのお話もありましたけれども、センターでもやっておりますが、そんなふうな適切な支援を個々に対応する形で継続することで、学校生活や社会生活が改善するのではないかと考えております。
 今は、申しわけありませんが、ここまでです。
〇ザ・グレート・サスケ委員 もう1点だけお尋ねいたします。
 英語大好きジュニアハイスクール推進事業についてなんですが、これは総括質疑でも答弁がございましたが、今、岩手県が全国で最下位レベルの状況下でございまして、モデル校を3校から12校にふやすということなんですが、正直申し上げまして、これは焼け石に水というような感もしないでもないんですね。それで、この辺はいかがかなというところです。
 そこで、これは私からの提案なんですが、私は、いっそのこと、この英語力向上というのを一たんあきらめて、岩手独自の施策としてフランス語を教える機会をつくってあげたらどうかなと思うんですね。
 実は先日、作家の浅田次郎さんが盛岡で講演をされまして、私も拝聴したんですけれども、こんなことをおっしゃっていました。新幹線に乗っていたら、後方からフランス語でしゃべっている貴婦人たちの声が聞こえる。美しい響きだなと思って振り返ってみたら、実は、かなりのお年を召したおばあちゃんたちが、おばんでがんす、おもさげながんすと盛岡弁でしゃべっていた。そこで盛岡弁とフランス語の共通点を見つけたとおっしゃっていました。
 私は何も冗談を語っているのではなくて、これは私自身の経験上でもわかったことなんですけれども、英語以外の外国語を学ぶときに、英語の場合はこう言うべきところを、単語を差しかえてこうなるんだろうとか、英語を軸にして考えるわけです。脳内の思考回路が英語になるんですね。日本語ではないんです。そこで初めて英語の大切さというものがわかるんです。やはり英語は必要なんだと。
 つまり、現在の英語力向上の施策というものは、決して大好きではない食べ物を子供の口に無理やり押しつけているようなもので、ますます嫌いになってしまう状況になっているのではないかと。フランス語は盛岡弁に似ていますし、おもしろいと子供たちの学習意欲をわかせておいて、やっぱり英語も必要だったんだと英語も必然的に学ばせる状況に追い込むような策の方が、むしろ効果があるのではないでしょうかということですね。
 そのような創意工夫の施策こそが本来のゆとり教育でもあるのではないかと思うのですが、英語大好きジュニアハイスクール推進事業というよりも、英語ができなくておもさげながんすフランス語推進事業のような、切り口を変えた施策があってもいいのではと思うのですが、御所見をお尋ねいたします。
〇遠藤学校教育課長 語学教育全般にわたるような御質問に、どうお答えするかちょっと迷っておりますが、県として今、来年度からお願いしようと思っていますのは、中学生を対象にした英語大好きジュニアハイスクールという事業でございます。
 余り効果がないのではないかというお尋ねもあったかと拝聴しましたけれども、この事業は昨年度から始めておりまして、指定校が県内各地域で、現在は3校でやっております。その3校の取り組みの効果がかなりはっきり見えてきております。それぞれの学校では、それぞれの学校の特色に合わせまして、例えば独自の教材開発とか、工夫していろいろな取り組みをしておるわけでございますけれども、いずれこの成果を英語検定を活用した形で客観的に検証しながら、それぞれの意欲も高めながら、直接的には英語の力を伸ばしていこうというような事業でございます。
 ちなみに申し上げますと、取り組みました3校の実績を見ますと、英語検定を指標にしておりますが、3学年、英語検定3級が一般的でございますが、この取得率は、全国の平均が約15%という数字がありますけれども、この3校の指定校の平均が47.3%とかなりすばらしい成績を上げておりまして、全国の数値の3倍にもなるような実績を示しております。また、中には高等学校いわゆる中級レベルと言われます準2級に挑戦しまして、合格者を出しているような取り組みも見られます。
 このようなことから、この事業はかなり効果があるのではないかと。今の中学生の心といいますか、学習意欲を引っ張っていくには有効ではないかと思いまして、現在、三つの中学校でございますけれども、ほかの九つの教育事務所の管内にもその指定校を広げて、本格的な形で本事業に取り組む中学校をふやしていきたい。その取り組みの成果を地域あるいは県内全般に広げていけば、本県の中学生の英語力、ひいては高校生も英語力向上に期待できるのではないかと思っております。
 なお、英語以外の外国語、これは中学校では現行の要領上は難しいわけでございますけれども、高校の場合には選択として取り組んでおるところも、御存じかもしれませんが、県内でもございます。ですから、興味を持つ生徒に対しましては、学校のカリキュラムによっては、英語以外の外国語に意欲的に取り組むことも可能だということを申し上げておきます。
〇小野寺好委員 最初に、教育委員会の関係なんですけれども、予算書を見ますと、教育委員会の委員の報酬が、人事委員会とか公安委員会、監査委員、こういったところの委員と同じぐらいの報酬かなとお見受けするんですが、これは何かの規定で横並びになっているのでしょうか。これに基づいて、教育委員会の会議というのは、ほかの委員会なんかと同じように年何回とか、そういったペースで開くように決まっているのかどうか、まずお伺いします。
〇千田総務課総括課長 まず初めに、教育委員会の報酬の件ですけれども、行政委員会ということで、ほかの委員会と並んだような形で設計されているものでございます。
 それから、会議の回数でございますけれども、教育委員会議は、基本的に定例会を毎月1回開催してございます。そのほか、必要に応じて臨時会を開催しておりまして、平成16年度は定例会はこれまで11回、臨時会は3回開催しているところでございます。
〇小野寺好委員 先ほども教育委員会について、制度についてあったんですけれども、どうもいま一つ教育委員会委員の姿が見えてこない。例えば、教育委員会でどのような会議の内容であったか、これが、例えばホームページを見ようとしますと、教育委員長ではなくて、教育長の発言ということで出ているんですが、法律上は、教育長は教育委員会の指揮監督のもとに、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる、こういったことになっていまして、教育委員会がどのような指揮監督、こういった力を発揮しているのか、船越委員長にお聞きしたいと思います。
〇船越教育委員会委員長 先ほどの御質問にもございましたけれども、教育委員というのは、要するにレーマンコントロールの立場で、公正・中立の立場で意見を申し上げ、教育行政に参加するという立場でございまして、組織運営に関する法律というもので根拠が与えられ、そして、具体の姿が見えてこないというのは、多分、事務委任という形をとっておりまして、教育長も教育委員でございますけれども、教育委員である教育長に大部分のものは事務委任をするという格好になっております。
 教育委員会議でプロパーに決定する事項というのは、教育に関する基本的な方針にかかわる事項、それから、例えば規則の改廃等、また、教職員の賞罰、あるいは学校の設置・廃止等、そういう限られた事項が箇条的に示されておりまして、それを超える大部分のものは教育長に権限委譲されているというのが実態であります。
 したがって、何となく教育委員の顔が見えてこないというおしかりも受けるわけでありますが、本県の教育委員会は、定例会はもちろんでありますけれども、かなり頻繁に臨時会も開催しておりますし、また、本県独自の試みとして、定例会のほかに月1の割合で教育懇談会という形をとっています。つまり、執行責任は教育長にある問題であっても、重要な事項は教育委員会議で議論するというシステムをとっているのが、岩手県の特徴であろうかと思っています。
 そのほか、二、三年前から地域に直接出向いていろいろな方々の御意見を聞こうということで、地域懇談会というものを2組に分かれまして、それぞれ年2ないし3回地域を回って意見交換をするというようなことをやりまして、本県の実態に即して意義がある教育方法、教育方針というものを立てていきたいという立場で参加させていただいております。
〇小野寺好委員 ただいまの委員長の御答弁の中で、重要な事項は委員会で決めている、こういった御答弁があったんですけれども、例えば、具体的にですが、いわゆる高校再編なんです。これだけいろいろ御意見がある。しかも、その意見というものが、大部分がうまくないと。すばらしい計画だとか、そういった意見は今のところ一回も聞いていないわけなんです。不満というか、うまくないという、そういった後期計画への意見が大半なんですけれども、これに対して教育長その他、改革推進監、現在の計画で中央突破というか、このままで行きたいというふうな――勝さんという方は、どちらも譲らないというか、名前のとおりそういった意向のようなんですが、こうした高校再編について、教育委員会としてはどのような指導監督を行ってきたか、お尋ねしたいと思います。
〇船越教育委員会委員長 教育委員会は、今回問題になっております高等学校整備計画の後期計画の部分についてでありますが、これは前期計画からも、その基本的な考え方について意見を申し上げ、それを具体的な実施の計画に反映させていただく、こういう立場でずっと来ておるわけであります。私どものスタンスというのは、基本的には、少子化の急速な進行、これは小・中からいって、今、高校に入ってきているわけでありますけれども、これに伴って、なおかつ高等学校教育のさらなる充実というものが求められているという認識のもとに、いかに県民に期待される、信頼される高等学校をつくっていくかという観点で意見を申し上げてまいったわけであります。
 そういう点で、既存の高等学校の学級数を減らすとか、あるいは高等学校の統廃合を行うとかという、形としてみれば非常に縮小プランのように見えますけれども、実際は質の高い高等学校をつくっていくという観点でありますので、例えば、学級数を4から8あたりのところに望ましい線を置くとか、それから、各地域ごとにバランスのとれた配置をやっていく。これはブロックとか学区とかということでとらえておりますが、そういう形で作業を進めてまいりまして、きょうも5人の委員からこの点についていろいろ質問が出た問題は、結局、高等学校のビジョンをどう描いているのかがよく見えてこないという形での内容の質問であったかと思います。
 私どもは、現在の高校教育を見ますと、普通高校を出て大学に行く、あるいはそのほかの専門学校等に行く子もございます。総じて、小・中あたりまでの本県の子供たちの水準は決して低くないと認識しています。ところが、高等学校に行くとどうも、高1ギャップというあたりで表現されますように、何か伸び悩むというあたりで、やっぱり高校教育に全国的レベルから見ても多少学力差があるのではないかという危惧感を一つ持っています。
 それから、もう一つは、そういう点で、高校教育を実施していく場合、小・中学校と決定的に違いますのは、やっぱりきちんとした教員を配置しなければいけないということにあると私は認識しています。例えば、社会にいたしましても、世界史、日本史から、倫理、一般社会、それから政治経済まで、やっぱり何でもこなす教員という形では高校教育はできません。世界史は世界史の先生、倫理は倫理の先生、そういう形できちんとした教員を配置していかなければいけない。そのためには、きちんとした生徒数というものを保持していかないと実際の運用は難しいという状況がございます。そういう形で、なるべくきちんとした学習ができる高校の規模というものをやっぱり頭に置かざるを得なかった。
 そういう点で問題になってまいりましたのが、総合学科高校というものの位置づけに対して非常に御意見が出ましたし、専門高校をくっつけるのは、単なる数合わせではないかというような御指摘もございました。私どもはそうはとらえておりません。といいますのは、総合学科高校というものは、15歳の子供たちが、おれは工業だ、おれは商業だというふうに明確に自分の進路とか自分の職業というものを自覚できる状況にあるかというと、僕はそうじゃないと思う。子供たちは、もう少し、もっと社会を見、基礎的な勉強を積んで、その上で、私は農業に進んでいこう、水産に進んでいこうという自分の進路というものが成熟していくようなものであって、現在のところは、何か15歳の子供に自分の人生を選択せいと迫っているに等しいと思っています。そういうことが専門学校の教育の中にも、入りたくて入ってきたのではないとか、どうも入ったところで、勉強が、やっていることが私の考えたものとイメージが違うというので、入ってから非常に苦労している子供たちが多いんです。それは無理がないと思う。
 それで、やっぱり子供たちが、自分の人生というものをどう開いていくかをきちんと考える、見定める期間というものは、やっぱり高等学校教育の中に持たなければいけない。総合学科高校の背景の基礎にもそれがあるわけでありますが、普通科と専門教育というものを合体することによって、そこの中で自分の学びたいこと、進みたいこと、そういうものを探しながら高校生活を充実させていくという考え方が一つであります。
 それから、専門高校を機械的にくっつけるというのは何だという御意見がありますけれども、今、産業界等で要望されておりますのは、今の専門高校を出ただけでは、産業界で必要な人材というものを私どもは余り期待しておりません。それほど産業界の技術は、あるいは活動というものは、知的集約化が進み、ある意味では高度化し、境界領域というものがどんどん広がっていって、農業とか、工業とか、商業で割り切るような勉強の仕方ではとても対応できないという状況にございます。そういうことで、本来は、専門高校も総合的な専門高校というような形で、そこの中で総合的な専門高校を置きますと、それは、農業科で農業をやり商業科で商業をやるけれども、その基礎になる基本的な教養をきちんと学ばせたい。少なくともそういうものを学ぶチャンスというものは、やっぱり教科、科目、先生も配置したい。
 例えば商業高校へやりますと、今は情報科学の基礎が大変必要ですから、数Ⅰだけではだめなんですよ。数ⅡA・B、できれば数Ⅲぐらいまでの知識を持っていないと、現在のコンピューター会計だとか、簿記とかというものに対応できないという状況なんです。
〇佐々木順一委員長 船越教育委員長の発言中でありますが、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇船越教育委員会委員長(続) ということでございまして、それで、柔軟な対応と、それから、子供たちに目線を合わせた体制を敷きたいということが筋でございます。
〇小野寺好委員 いろいろ詳しくいただきましたけれども、その中で、本当は、15歳の選択についてと高卒の実力についてちょっと反論したいところなんですが、時間が長くなりますのでやめます。
 もう一つの、体育施設の整備について二つお伺いします。
 一つは、ひところ市町村ごとに総合運動公園の誘致合戦が行われていましたけれども、昨今の財政事情で余り聞かなくなりましたが、現在の施設にかわる新施設について、最近どのような検討がなされているか、お伺いします。これが1点。
 もう一つは、サッカー場についてです。本県では、例えばJリーグの発足当時から、有名なJリーガーを出したり、最近ではナショナルチームでも活躍するような立派な選手が出ていますけれども、こういった背景の中で、岩手県には四、五十年の歴史を持つサッカークラブがありましたが、これとは別に、最近、Jリーグ入りを目指すチームが結成されたりとかしています。
 そういった状況の中で、岩手県のサッカー場ですが、芝生のサッカー場じゃなくて下のかたいところしかなくて、このサッカー場の整備については盛岡市役所がつくったんですけれども、観客席が少ないとかという問題があったりしますが、県の教育委員会として、このサッカー場整備についてどのような方針であるか、お伺いしたいと思います。
〇佐々木スポーツ健康課長 総合運動公園と芝サッカー場のことについて御質問ありましたことについてお答えいたします。
 総合運動公園などの県営体育施設の整備についてでありますけれども、昨年度、2巡目国体開催に向けた県民意向調査の際に、体育施設についても実施したところでありまして、その中で、開催に必要な施設については、県内外の現有施設を最大限に活用するとの意見が8割以上を占めておりました。
 一方、総合的スポーツ施設整備事業については、岩手県総合計画において主要な事業として位置づけられており、平成12年度の総合的スポーツ施設のあり方について、各方面の有識者から意見を伺うため、スポーツ施設のあり方に関する懇談会を設置し、検討を行った結果、平成14年3月25日に提言がなされたところでございます。
 提言の内容につきましては、今後、県が整備すべき施設については四つありまして、第1種公認陸上競技場、総合体育館、ドーム、いわゆる屋内多目的グラウンド、四つ目はスポーツ科学研修センターの4施設を高規格に整備することが適当であるとの内容でありました。
 したがいまして、今後は県民の意向や提言を参考に、財政事情も考慮しながら、スポーツ施設の整備に向けてさらに検討を続けてまいりたいと考えております。
 なお、芝サッカー場についてでありますけれども、ただいま説明申し上げました総合的スポーツ施設整備事業の検討の中で議論をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は当該委員ですから、高校再編・統廃合問題に絞ってお聞きします。
 予算委員会での知事の吉田洋治委員の質問についての答弁は大変大事な中身を持っていたと。答弁の大要をつくりましたけれども、知事はこう言っています。専門教育は非常に重要な分野だ。そして、やはり地域の合意が当然必要なわけで、地域の理解をもっともっと深める作業をしていかなければならない。専門高校の見直しについては、私自身もわかりづらいなと思います。こういう、地域の合意が当然必要だ、もっと深めるべきだ、わかりづらいと。
 私はこの知事答弁というものは、今後どういう形で地域と合意・協議を進めていくか、大変大事な問題提起ではないかと思いますが、教育長の受けとめを聞きたい。
 そして、1月18日に調整案を出してから、私は余り地域への説明会がやられていないと思うんです。学校関係者への説明はやっているけれども、地域への説明はほとんどやられていませんね。それでも、大変たくさんの要望、反対の声だけは広がっている。私は、そういう点では、県の教育委員会がこれまで慎重に、1年以上経過してこれをやってきたという慎重さは評価したい。しかし、やり方は、県がつくった案を、あくまでもその理解を求めるというやり方が変わっていないんですよ。地域の声を聞くといいながら聞いた形跡が余りない。私はそういう点で、今回の調整案も地域からの要望にこたえたものではないし、議会の超党派が提起したものにも沿っていないのではないかと思います。
 それで、2月13日に県のPTA連合会が意見書を出しています。県のPTA連合会というのは、これから高校に入る子供たちの父母です。こういう提起ですよ。目下のところ異論続出といった状況にあり、子供の未来にかかわる問題として深く憂慮しています。岩手という風土、県土の持つ特殊性と切り離されて画一的な図式で策定されることについては、不適切と言わざるを得ません。これから高校に進学しようとしている父母たちの気持ちがここなんですよ。
 私はこうした現段階での地域の声、県議会の要請、県PTA連合会の意見書を踏まえて、この計画は抜本的に見直すべきではないか、このように思います。いかがでしょうか。
〇佐藤教育長 先ほど同様の御質問がございましたが、知事の予算特別委員会総括での御答弁の内容でありますが、要は、これからの専門教育のあり方については、きちんと農、工、商という限られた領域ではなくして、そこは垣根を取っ払って、これからは幅広い人材育成という観点から見直すべきだということを言いながらも、なおかつ、宮古と水沢地区でいろいろ意見、提言があるのではないか。そういうことを受けてのお話だろうということで、我々からすれば、例えば盛岡地区の盛岡商業・工業のあり方につきましても、これからの専門教育のあり方、産業教育に特化する形での進め方、これは基本的な考え方として間違いなくて、これの方向に沿って整理をしていきたいわけです。ただ、規模が大きいとか、これはやっぱりまだまだ課題がありますが、方向としてはそういうことで、例えば、具体的には、単位の互換はできないかどうか、あるいは、もっと相互交流、連携できないか、これらは盛岡地区といえども模索していきたいと考えております。
 それから、地域の声を聞いていないのではないかということで、地域の声は十分私どもの方に届いておりますから、これらを受けてどうするか。と同時に、あわせて私どもも一つの案を示してありますから、これの理解を求めるために今力を注いでおりますし、あわせて、全く聞かないのではなくて、それを受けながら、どう調整すべきか、あるいはどう詰めていくべきか、今やっているさなかにあるわけです。
 PTA連合会の方も、これは、今、斉藤委員からお話があった部分以外の部分もございますけれども、それも一つの意見ということで受けとめてまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員長 斉藤委員に申し上げます。
 斉藤委員は当該委員であります。よって、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ、簡潔に質疑されるよう、御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 協力して、じゃ、これで終わります。
 それで、私は県P連の意見書というものは大変重い中身を持っていたと思います。県議会超党派で申し入れした際には、こういう申し入れがありました。少子化による生徒減少は今後も続くものと見込まれる。学級定員など、小規模校における効果的な教育のあり方について研究してほしい。小規模校のあり方について研究してほしいということも大事な提案でありました。しかし、調整案で変わらなかったのは、1学年80人未満、これは結局、5年以内になくすか10年以内に統廃合するかの違いはあっても、やっぱり統廃合の対象になっているんです。私は、これを画一的だと思っているんです。県P連もそういうふうに言っているのではないかと思うんです。
 私は伊保内高校の問題を繰り返し取り上げているんですが、これは一番新しいはばたけいわてっ子の2月号です。この裏面が、高校生による九戸村地域子ども読書会の紹介ですよ。いわば内閣表彰を受けた、文部大臣表彰を受けた、全国3回も受けた、詳しく紹介している。これは教育振興運動実践事例の紹介です。これだけ地域に根差して、地域とともに取り組んでいるこういうすばらしい小規模校の実践というものは、やっぱり小規模であっても守り育てていく。
 教育委員長は、地域に根差した学校、地域に開かれた学校ということを提起しました。学校がなくなったら、地域に根差すところも、地域に開かれることもなくなるわけじゃないですか。私はそういう点で、すべて残せと単純には言いません。しかし、小規模校として、こういう地域と結びついてすばらしい実践をやっている高校まで画一的になくすべきではないと。そして、前期計画では、広大な岩手の県土では分校も必要なんだと言っていましたから、私は、こういう分校の設置の必要性も含めて考えるべきではないか、このように思います。
 それで、恐らく年度内にはこの計画はつくれないでしょう。そして、教育長も、次長も、推進監もかわる。今まで担当した責任者が全部かわってしまうということは、私は、これだけ1年以上やってまとまらない計画について、本当に教育委員会はどうやって受け継ぐのか、思い切って根本的に転換しようとしているのか、新しい人に丸々これを丸投げして継続させるのか、そういうことも含めて、あとは聞きませんから、しっかり答えていただきたい。
〇佐藤教育長 ただいま斉藤委員が例ということで示したはばたけいわてっ子の新聞でございますが、これは私どもが発行しているものでございまして、まさに伊保内高校のこの活躍ぶりは、まさに金字塔でもありますし、これは広く県民の皆さんにも知ってもらいたいし、あるいは、広く県内の高校生の皆さんにも知ってもらいたいがゆえに載せたものであります。ですから、小規模校が悪いわけでもない、小規模校はたくさんありまして、そこで頑張っているわけです。これは十分にわかりますし、我々もそれを褒めたたえ、また、その特徴を伸ばしてほしいと思っています。
 ただ、一方では、さらに一層いい教育環境をつくる必要があるのではないかということです。それから、これから押し寄せてくる、もっともっと顕著化する少子化に対してどう対応するかということもありますし、それから、子供の志願の状況も大変多様化している、これにどうこたえるか。そういうふうに広く見ながら、これからの岩手の高校教育のあり方というものの青写真をつくるべきだということで、マスタープランをお示しし、そして、昨年の8月にも案を出したわけです。
 それから、意見を聞きながら――意見を聞かないのではなくて、意見を聞きながら、専門性は維持してほしい、専門高校をどうするかという問題を考えてほしいということが地域、地域でありましたから、もちろんこれも受けて、今度の1月の段階で調整案という形を出しましたけれども、そして、それを我々は今ベストと思っていますから、これを各地域に行って説明し、そして理解を求める。ただ、そのときにいろいろな意見がありますから、この意見に我々も十分耳を傾けて、それを参酌しながら、さらにいいものができるかどうか、これは詰めていきたいと、今なお力を注いでいるところであります。
 一方、これはちょっと、人事がどうかはわかりません。ただ、私は今回辞するわけですが、仕事は職と組織で行うということで、これは確実、着実に次の方にきちんと引き継いで、そして基本的な考え方は、教育委員長、教育委員の指導のもとに、そういう御理解、御協議、御迷惑をかけながらもいろいろ意見をちょうだいしながら固めた案ですから、これはきちんとつないでいきたいし、このことを県民の皆さんによく知っていただきたいということで、また各地域に出向いて説明を続けなければならないものと思っております。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇吉田昭彦委員 時間が大変超過いたしておりますけれども、忘れられては困るという観点で私も一言申し上げさせていただきますが、当該委員でありますので簡潔にやりますので、お許しいただきたい。
 高等学校教育改革推進費の中で、冒頭、教育長からの御説明によりますと、この費用は、中高一貫教育、それからコミュニティスクール、高校再編計画について検討する予算であると説明がありました。
 そこで質問させていただくわけでありますが、中高一貫教育のあり方については、昨年1月の高校再編計画のマスタープランの中では、具体的な計画を策定するとなっておりました。その後、8月に公表された計画案では、引き続き検討するとなっております。その間、住田町から中山間地域における中高一貫校の提言、要望があったのは、これは皆さん御承知のとおりであります。
 そこで、今いろいろ質疑が行われたわけでありますが、高校再編計画は年度内の成案化は難しいと判断せざるを得ない。ただ、今教育長がおっしゃるように、組織は引き継がれていく、いわゆる職と組織で行うもので、これは当然引き継がれていくものだというお話がありましたので、それは当然であろうと思うわけでありますが、そこで、中高一貫教育校については、これまでの検討経過でどのようなことが課題として提起をされて、そのことについて、新年度になってからさらにどういう部分について詰めなければならないと掌握されているのか、その辺についてまずもってお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 中高一貫教育校につきましては、マスタープランで、今、吉田委員から御指摘があったように、計画上、のせられればのせたいということでいろいろ検討した中で、岩手県において果たして中高一貫教育校が必要かどうか、さらには、つくるとすればどの地域に、またどういう目的を持ってつくるのか、これらまだまだ検討課題が多いということ。それから、一昨年12月に中高一貫教育校の検討委員会がありましたが、そこからの報告書をちょうだいしまして、その中でも、岩手県に果たして中高一貫教育校を今々つくる必要があるかどうか、ここはやっぱりじっくり検討すべきではないかという御指摘も受けているということで、マスタープランの時点ではそう書きましたが、そういう経過を踏まえて、8月の段階では具体的な中高一貫校というものは出せなかった。
 ただし、本文の中に引き続き、もちろん中高一貫教育校あるいはコミュニティスクールも含めて、新しいタイプの学校というものを検討していこうということは明示させていただきましたし、また、今も当然ながらこれからの高校教育のあり方、今度策定する新しい高校の整備計画を着実に推進する一方では、中高一貫教育校というものも岩手県に導入する必要があるとすればどういう学校がいいのか、これを検討していくための経費を今回予算に計上させていただいているものであります。
〇吉田昭彦委員 これで終わりますから。
 中高一貫教育校については、文部科学省は平成12年ですか、全国に500カ所、500通学区に設置をしたいという指標を出しておられることは御案内のとおりであります。そういうことからして、軽米・葛巻ですか、連携型の中高一貫モデル校が設置されて、今推進されているわけですが、併設型についてもそれとあわせてやはり取り組んでいくべきではないかと思いますので、そのことについてさらに論議を深めて、いわゆる高校再編計画の中でどのような中高一貫教育校を特色ある学校のタイプとして取り上げるか、その辺についてもいろいろ論議の上で取り上げていくのが、文部科学省の方針にも合うのではないかと思います。そういうことで、そういう観点で進めていただきたい。
 それから、先ほど来、地域の理解を深めるという教育長の御答弁が繰り返されてありましたけれども、他県の状況をどのように把握されているかですが、私たちが商工文教委員会の研修で秋田県に行きました。そのときに、秋田県では、定員に満たない学校については、定員の3分の2以下を3カ年継続したときに統廃合について検討すると。まさに地域の中でそういうことについてどう対応するかということを考えさせる方法もとっているというところもあるわけですので、どうぞ地域への理解を深める際に、こちらからの、教育委員会からの一方的な説明だとは申しませんが、地域の中でいろいろ組み合わせとか、それから、統廃合の時期について、地域の中で検討させるような方法もとっていただきたい。
 整備計画検討委員会というものを設置して、いろいろ統廃合後のあり方について検討される組織をつくっておりますけれども、これを計画決定前に地域の考え方を取りまとめる方法としてそういう委員会を活用するのも、私は、地域の理解を得るための一つの方法ではないかと思いますので、そのことも踏まえて、理解を深める方策をとっていただきたい。そのことを申し上げます。
 教育長から、もう一度御答弁をお願いします。
〇佐藤教育長 中高一貫教育校については、これは文部科学省で示しているものは承知いたしておりますが、それぞれの地域地域で事情があって、その地域にとって本当に中高一貫教育校が必要なのか、500だから、岩手県は47で割って何校というものではないと理解しております。
 したがいまして、いま一度岩手県にとって中高一貫教育校が本当に必要なのかどうか、それから、必要だとすれば、どの地域に、どういう趣旨の目的を持った学校にするか、そこからやるべきだ。これは、具体的には今検討委員会が動いていますので、検討委員会にも諮りながら聞いているところであります。
 それから、地域の声をということで、今、これは前期計画に引き継いだ後期計画でありますから、前期計画の積み残しの件について、今回、後期計画にも3カ所入れました。そして、後期計画におきましても、時間をふんだんに使いましてこれまで詰めてまいりましたので、まず、この行政が示す、県が示す計画案というものをいま一度きちんとした形で県民の皆さんに示していきたい。その上で、整備検討委員会の中で具体的にはどう進めるかを検討していただく、こういうふうにしてまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 私は、教育委員会委員長演述、文化の振興という観点から、世界遺産登録を目指す取り組み方、平泉文化を世界遺産にを実現する、そういう取り組み方の関連で、水沢市黒石寺と――水沢市に黒石寺という寺がございます。ここの国の重要文化財である薬師如来坐像の国宝昇格の運動について、ひとつ教育委員会の取り組み方を積極的にお願いしたいという意味で質問いたします。
 水沢市妙見山黒石寺、ここの所蔵の木造薬師如来坐像は、昭和32年、国指定重要文化財に指定されております。この仏像は胎内に墨書がございます。貞観4年(862年)でございまして、胎内墨書がある仏像としては国内最古のものであります。平安時代初期の東北地方北部の仏教文化の質の高さを語るには欠かせない貴重な資料であります。
 そこで、東北地方で国宝の指定を受けている仏像は、福島県会津地方の勝常寺の薬師如来1件だけであります。この勝常寺というのは、最澄と仏教論争で有名になった徳一が開祖と言われるお寺でございますが、この1件だけであります。
 そこで、平泉文化を世界文化遺産に登録するためにも、平泉仏教文化の先駆けである黒石寺の薬師如来の国宝指定は、本県の文化財行政充実のためにも私は欠かせない視点と思われます。平泉には、仏像以外の国宝は数点ありますが、仏像をぜひひとつ国宝昇格させたい。この仏像は、胎内名があるという珍しさのみならず、仏像としての気品を備え、かつ蝦夷文化の荒々しさをも内包したお姿をしており、東北の仏像としては勝常寺の仏像にまさるとも劣らない諸条件を備えております。
 教育委員会当局におかれては、ぜひともこの黒石寺の薬師如来坐像国宝昇格に向けた活動を展開していただきたいわけでありますが、御認識と、この進め方に際する考え方をお尋ねしたいと思います。
〇中村文化財保護監 今、亀卦川委員から、世界遺産登録にかかわっての黒石寺の薬師如来坐像についての国宝昇格というお話でございました。
 実は、昨年6月でございましたか、中尊寺金色堂内陣の仏像群が国宝に指定されてございました。そういった意味では、平泉の文化遺産にとっては非常に大きな出来事であったなとは認識してございます。と申しましても、この平泉の文化を支えるといいますか、その前段と申しますか、そういった平安初期の仏像の中では県内でも群を抜く仏像でございますし、しかも制作年代がはっきりしている非常に価値の高いものであると認識してございます。
 ただ、国宝の指定につきましては、重要文化財の中から文化庁がみずから選定いたしまして、それらを指定してございます。現在の重要文化財に2、600点ほど仏像がございますが、その中では国宝は125点、約4.8%というような数字でございまして、条件は非常に容易ではないと考えてございますけれども、委員御指摘のとおり、非常にすばらしい史料でございますので、今後、機会をとらえて文化庁の方に情報提供なり、その重要性を訴えてまいりたいと考えてございます。よろしくお願いいたします。
〇亀卦川富夫委員 今、お話のとおり、重要文化財の中の数%が国宝でありますが、この重要文化財の中では、この黒石寺の仏像は相当上位にあると私は認識しております。
 そこで、この黒石寺でありますが、これは蘇民祭とか、そういうお祭りでかなり知られております。住職は今、藤波洋香さん、県の教育委員のお1人で御苦労されておりますが、ここには国の重要文化財としてもう一つ座像があります。これは慈覚大師の座像ではないかと伝えられているものでありますが、そのほかに四天王立像4体、あるいは、県指定には十二神将像など多くの貴重な仏像を所蔵しております。
 ところが、ここは檀家が15戸なんです。そこで、観光拝観収入と、特に藤波住職さんの個人的な支援によって支えられてきております。そこで、やはり経済基盤などを確立するためにも、ここはひとつ、平泉との有機的連携を図る上でも、この国宝昇格は大きな課題だと思いますが、教育委員長、ひとつ教育委員会の会合の中で大きな課題として位置づけて積極的に文化庁等に訴えていただきたいと思いますが、よろしくその辺の御認識と決意をお聞きして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇船越教育委員会委員長 美術工芸品のうち、仏像の重要文化財が国宝に指定される割合というのは、先ほど文化財保護監が申し上げましたとおり5%を切っているわけで、大変厳しいという認識を持っておりますが、先ほど申し上げましたように、文化庁等に情報提供を頻繁に行いながら、何とか岩手県の宝を国宝に持っていくような取り組みをいたしてみたいと思いますので、御了承願います。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊沢昌弘委員 1点だけお願いいたします。外国青年招致事業についてでございます。
 平成17年度75人、そのうち71人が外国語指導助手ということのようでございますけれども、英語教育の学力向上に向けて、先ほど来お話がございました。この外国青年の招致についてはこれまでもやってきていると思うんですけれども、どのような成果があったのか、まずお伺いしたいと思っています。
 それから、もう1点は、委員長演述の中にも、指導力の向上ということで、先生方の指導力の向上分野があります。この外国から来る指導助手の皆さんが、どういった基準で選ばれて、岩手県に70人が来るということであれば、全国的にもかなりの数が来ているのではないかと思われるんですけれども、そういった状況、選定基準といいますか、お願いしている部分を含めて、どのような状況になっているのかだけ教えていただきたいと思います。
〇遠藤学校教育課長 JETプログラムによりまして、全国に派遣をされておりますいわゆるALTについてでございますけれども、委員御指摘のとおり、従来、県立学校を通しまして、全部で76名のALTを配置しておりました。今般、来年度では5名減というような形で現在考えております。これは、必要性がなくなったわけではなくて、先ほど来外国語教育のお話がありましたけれども、本県にとって特に必要なことも認識しておりますし、特に英会話につきましてリスニングとかヒアリングとか、そんなふうな分野におきましては、特に中学校、高等学校を中心に、高い成果を上げておるのではないかと思われます。学習定着度状況調査等の成果を見ましても、それは高くあらわれているところだと認識しております。
 それで、今般5名減らしましたけれども、これは配置する学校全部を全廃するわけではなくて、基本的にベーススクールと派遣先に出張していく学校と分けております。それで、何らかの形で必要性を勘案しまして、ベーススクールを変えたりというような形で、従来、全部の学校に行っておったわけですが、その体制は維持しながらも、配置のネットワークを変えたということで、5名減という形になっております。
 それから、全国的にはたしか今4、000弱ぐらいだったと思いますけれども、本県はかなり頑張って配置していると思いますが、研修そのものについてはさまざまな形でやっております。採用から研修。採用そのものは前にも多分委員会等でもお話し申し上げたことがあると思いますけれども、外務省がそれぞれの国で希望してやっております。選考の基準そのもの、どういうALTが選ばれるかというのは、基本的には外務省、現地の方が採用しますけれども、基本的な資格としては大学卒業という資格で採っております。必ずしも教員免許を持った者ではございません。ただ、国内に来てからいろんな県内の研修もございますし、全国的な研修もありますので、そんなふうな場を通して、指導力アップというような形で考えております。
〇伊沢昌弘委員 4、000人も来られて、と言えば悪いんですが、外務省が選考しているという中で、これまで多分トラブル的なものはなかったと思うんですけれども、来られている外国の方が、言ってみれば、県内でなじめないという状況は今までなかったのでしょうか。
 もう一つは、日本語を含めて、指導というのは英会話の部分はリスニング、しゃべらせて聞けばいいわけですけれども、それに対しての指導能力というのは、日本語を含めてどの程度の方々がいるのかということでちょっと疑問だったものですからお聞きしたわけです。そのような状況については把握していますでしょうか。
〇遠藤学校教育課長 具体的な日本語能力とか英語、指導力そのものについては、個々については具体的に把握しておりませんが、ただ、県内に配置されているALT、今まで問題はなかったかというお話があったと思いますけれども、いろんな研修を通しながら配置先も決めます。それから履歴書等も参りますので、それらを見ながら配置先は決めるわけでございますけれども、いろんな個人的な事情はわかりませんが、なかなかなじめないとか、中には日本語を余り話せないような状態で日本に来る者もありますので、ちょっと詰まってしまうような状況といいますか、見られなくはないわけでございますが、ただ、日本人の英語の教員と一緒の研修もありますし、配置先についてのオリエンテーションもやっております。それから、県の教育委員会の中には、聞き役みたいな、カウンセラーみたいなALTも配置しておりますので、その辺のネットワークを通しながら、できるだけ困ったような状況にならないような形の体制は組んでおるところでございます。
〇伊沢昌弘委員 多分、不安な中で来ている方も多いと思うんですよ。県庁の中にも外国人の方を含めているわけなんで、そういった人たちが全県の中で、70人と言えば決して少ない数じゃないと思いますけれども、ぜひフォローもしながらなじめるように、そして子供たちへのいわば成果が上がるように、これは努力するべきだということで、御要望を申し上げて終わります。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求めます。
〇山内警察本部長 初めに、警察本部におけます予算編成の考え方について御説明申し上げます。
 昨年の県内の治安情勢を顧みますと、地域社会が一体となった防犯活動の成果により、刑法犯認知件数は一昨年に引き続いて減少しておりますが、住宅対象の侵入盗の増加、振り込め詐欺など新たな手口の広域詐欺事件が多発するなど、県民に大きな不安を与え、また、交通事故にあっては、死者数は前年より4人減少したものの、依然として薄暮時間帯の死亡事故が全体の26%、高齢者の死亡事故が全体の53%と多発し、予断を許さない状況が続いております。平成16年の県民意識調査においても、犯罪への不安が少ない社会のニーズが前年に比較して0.3ポイント増加し、上昇率が第1位となるなど、体感治安が悪化している現状にあります。
 このような情勢の中、平成17年度の警察本部の予算は、行財政構造改革プログラムの趣旨を踏まえ、事業全般にわたる徹底的な見直しを行い、集中と選択を図りつつ、治安の悪化に歯どめをかけ、将来にわたって県民の安全な暮らしの実現を確保するため、その重点を、犯罪の防止と総合的な交通安全対策の推進として、岩手県警察の運営重点とあわせて、地域社会と連携しながら各種施策を推進し、県民の安全な暮らしの実現に努める考えであります。
 次に、平成17年度警察費当初予算について御説明申し上げます。
 岩手県議会定例会議案その1の8ページをお開き願います。一般会計歳出の第9款警察費の総額は、295億3、448万9、000円であります。これを項別に見ますと、第1項警察管理費が266億375万6、000円、第2項警察活動費は29億3、073万3、000円であります。
 次に、目別予算の内容について御説明申し上げます。お手元の予算に関する説明書によりまして、主なものについて御説明いたします。
 212ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費は840万9、000円であります。その内容は、公安委員の活動経費及び公安委員会の運営に必要な経費並びに委員報酬であります。第2目警察本部費は245億2、207万4、000円であります。その内容は、岩手県警察の運営に必要な経費であり、警察職員の給料、職員手当などの人件費が主なもので、平成17年度に増員される警察官10人の経費も含まれております。また、この中には、警察業務の高度情報化のための警察情報管理システム経費などがあります。213ページをお開き願います。第3目装備費は3億4、039万9、000円であります。その内容は、犯罪捜査、災害対策などに的確に対応するための警察装備の経費で、車両の購入費及び車両、警備船、航空機の維持管理費が主なものであります。第4目警察施設費は9億4、635万4、000円であります。その内容は、治安の基盤をなす警察施設の整備、維持管理に要する経費であります。この中には、交番などの建設事業費、警察署・警察待機宿舎の修繕費などがあります。平成17年度は、治安基盤を一層強化するため、老朽・狭隘化が著しい機動隊庁舎を移転するための経費も含まれております。214ページをお開き願います。第5目運転免許費は7億930万4、000円であります。この内容は、自動車運転免許の取得、更新、行政処分などに関する運転免許行政のための経費であります。この中には、道路交通法施行規則などの一部改正による運転免許制度の見直しに係るオートマチック二輪車などの購入、試験コースの改修に係る経費も含まれています。第6目恩給及び退職年金費は7、721万6、000円であります。
 215ページをお開き願います。第2項警察活動費第1目一般活動警察費は8億7、016万7、000円であります。この内容には、交番相談員の配置など交番・駐在所関係経費、警察通信施設の維持管理経費及び110番通報を処理するための新通信指令システム経費並びに犯罪の複雑・多様化、広域・スピード化に対応するため、新警察移動通信システム(警察無線機)の整備に係る経費などが含まれております。第2目刑事警察費は3億5、004万3、000円であります。この内容は、少年非行防止及び銃器、薬物事犯対策など、保安警察に必要な経費並びに犯罪捜査に必要な経費であります。この中には、サイバー犯罪対策などの経費が含まれております。216ページをお開き願います。第3目交通指導取締費は17億1、052万3、000円であります。この内容は、交通指導取締活動、交通安全施設整備など、交通警察に必要な経費であります。交通安全施設整備につきましては、総合的な計画のもとに、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良などを行い、交通事故防止と交通の円滑化を図ろうとするものであります。また、平成17年度は新規事業として、道路交通法の一部改正により、良好な駐車秩序を確立するための違法駐車対策事業に係る経費が含まれております。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 1点についてお伺いをいたしたいと思います。
 それは、私のところに、今、手にありますこれは匿名の方からの投書でありますけれども、いわゆる巣子新駅用地にかかわる土地転がし疑惑をただしていただきたいというものでありまして、関係者からいろいろ話も聞いてみましたが、随分これは信憑性があるのではないか。そしてどうもきな臭いにおいがするなと、私はこのように思っているところであります。
 この資料はそっくりお上げをしてありますから、ごらんをいただいていると思いますけれども、要約をいたしますと、東北新幹線が青森県八戸まで開通したことにより、かつての東北本線は、岩手県盛岡駅から青森県八戸駅までの間が第三セクター運行をされることになったと。岩手県側はいわて銀河鉄道、青森県側は青い森鉄道。そこで、盛岡駅の隣、厨川駅と滝沢駅との間に巣子新駅が建設されることが決まった。近隣住民にとっては大変喜ばしいことではあるが、新駅用地決定までの間に、用地を事前に買い占めるなど、土地転がしに暗躍した集団があり、既に数回の転売を繰り返している。
 これを要約しますと、明らかに農地法違反であり、土地の適正取引を規定した国土法違反に該当する。また、この間、金銭の授受があったとすれば贈収賄事件になるのではないか、こういう投書があったわけでございます。
 今、県内の景気は大変冷え切っておりまして、額に汗して働いている、一生懸命まじめに働いている人たちが、なかなか報われないという経済状況の中にあって、これがもし本当だとして、法の網の目をくぐってぬれ手にアワ式の連中がいるとしたら、ぜひともこれをただしてもらいたいというのが、県民の警察に対する大きな要望、希望であろうと思うわけでありますが、これに関しまして、当然、私のような素人でさえこういうものが入ってきておりますので、当局といたしましては既に情報キャッチはしておられると思いますが、何か動きがありましたらお知らせをいただきたいと思います。
〇伊東刑事部長 委員御指摘の件につきましては、本年の2月4日、いわて銀河鉄道巣子駅整備のための用地取得に関し、農地法違反で告発を受理しております。
 個別具体的な事案に関しての捜査状況につきましては、答弁は差し控えさせていただくというのが警察としての立場でありまして、この点は御理解をいただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 告発を受理したと。そうすると、受理をして金庫に入れておくことはないと、こういうことでありましょうから、ぜひ県民の期待にこたえて、ただすべきはただしていただいて、額に汗している者が報われるという、そういう希望を持てる岩手県でありますようにお願いをして終わります。
〇平沼健委員 私からは、先ほど山内本部長からも説明がございましたが、交通死亡事故の抑止対策と飲酒運転の取り締まりについて若干伺いたいと思います。
 まず、交通死亡事故の抑止対策についてでございますが、警察を初め自治体や地区住民の懸命な取り組みにもかかわらず、毎年多くの方々が交通死亡事故でとうとい命を失い、そして大変な思いをされている御遺族や御家族が確実にふえてきております。そのような中にあって、この交通死亡事故は全国的に4年連続で減少しております。当県内においても、3年連続の減少で、平成16年中の死者は115人、昭和38年以降3番目に少ない死者数となったとの報道がございました。これは、県警察と地域が一体となって交通死亡事故抑止対策に取り組んだたまものと思っておりますが、死亡事故のより一層の減少に向けて、今後の取り組みに期待するところでもございます。
 この死亡事故の内訳を見ますと、歩行中、運転中ともに、高齢者の関係する事故がかなりの割合を占めるとの報道がなされているところでもございます。
 そこで伺いますけれども、平成16年中の交通死亡事故の状況について、高齢者が関係する交通死亡事故の状況とあわせ、お聞かせいただきたいと思いますし、また、高齢者が関係する死亡事故の抑止対策についても、ぜひお聞かせをいただきたいと思っております。
 まず、ここまでをひとつよろしくお願いします。
〇吉村交通部長 交通死亡事故の発生状況と高齢者の事故防止対策についてお答えいたします。
 昨年の県内における交通事故による死者数は115人と、前年と比較しまして4人少なく、3年連続して減少したところでありますが、事故の主な特徴といたしましては、依然として、国道と幹線道路での事故が半数以上を占めていること。それから、薄暮時間帯における事故が多発していること。さらに、高齢者が関係する事故が増加傾向にあることなどが挙げられております。特に、高齢者につきましては、全死者数に占める比率が過去最悪の53%となり、中でも歩行中の死者の比率は全国平均を大幅に上回るなど、本県における高齢者の関係する交通死亡事故は、まことに憂慮される状況となっております。
 このような実態を踏まえまして、高齢者対策を最重点課題とし、高齢ドライバーによる参加・体験型の実技講習会や、高齢者講習の充実を初め、高齢者家庭の訪問活動、さらには、街頭における交通安全の呼びかけ活動等の対策を関係機関、団体はもとより、児童生徒も含め、広く一般県民の方々の参加も得ながら、これまで以上に強力に推進し、高齢者の交通事故防止を図ってまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 今お話がございましたけれども、高齢者の事故が年々ふえているということで、これから高齢化社会にますます入っていくわけでございまして、そういう意味でも、ぜひ高齢者の事故防止といいますか、これをぜひまたいろんな意味で続けていただきたいと思っております。
 次に、飲酒運転の取り締まりについて一つ伺っておきます。
 道路交通法の改正によりまして、飲酒運転の罰則が強化されました。ただ、それにもかかわらず、飲酒運転が原因の交通事故が後を絶ちません。全国的に危険運転致死傷罪、これが減少傾向にある中で、県内の昨年の摘発件数が8件と、これが倍増したということでございます。このうちの5件が飲酒運転によるものという報道がございました。
 そこで、昨年中の県内における飲酒運転の摘発件数などお示しいただきながら、県警察の取り組みについてお聞かせをいただければと思います。
〇吉村交通部長 飲酒運転の取り締まりについてお答えいたします。
 昨年、県内では、飲酒運転で1、839件の違反を検挙したところでありますが、一昨年の6月に、飲酒運転の厳罰化がなされてから取り締まり件数は減少傾向にございます。しかしながら、依然として多くの違反者が検挙されておりますほか、飲酒を原因とした死亡事故など、交通事故も後を絶たない状況にあり、特に酩酊状態で車を運転して人を死傷させる危険運転致死傷罪につきましては、昨年5件もの違反を摘発したところでございます。
 このようなことから、県警察といたしましては、飲酒運転の根絶に向けて地域ぐるみの追放運動を初めとする各種広報啓発活動を推進するとともに、繁華街での大規模な集中取り締まりや特別強化月間の設定等、飲酒運転取り締まりをなお一層強化してまいりたいと考えております。
〇川村農夫委員 1点だけ質問させていただきます。
 岩手県、このとおり雪国でありまして、県庁周辺は歩道の融雪とかそういった施設整備が進んでおりますが、そこから横断歩道に歩み出たときに、ツルッと滑るという状況が非常に怖いという。私も歩いて体験していろんな人に話をしたら、みんなそういったことを経験しているという声がありました。それで、横断歩道は左折、右折の車が来て、緊張感を持って歩行者も渡っているところでありますし、また、車自身も右折のため、横断歩道の上で待っていて発進するときに滑って横ブレをするというのもよく見かけます。こういった状況について、交通安全施設を担当している県警としましてどういう認識をされているか、まずお伺いします。
〇吉村交通部長 横断歩道ラインの滑りどめ対策についてお答えをいたします。
 御指摘のとおり、横断歩道の白線部分につきましては、雨や雪の場合、乾燥時に比べ滑りやすいという状況にございますので、滑りにくい施工方法を調査するため、先般、盛岡市内の二つの交差点を対象としまして、雨天対応型の路面標示数種類について試験的に施工したところでございます。その結果、いずれの施工方法につきましても、雨でぬれた白線部分につきましては、乾燥時に比べ摩擦係数が大きいことがわかりました。反面、耐久性やコストなどの面でまだまだ解決しなければならないという問題もありましたことから、県警察といたしましては、今後とも、横断歩行者の安全を守るという観点で、有効性があると認めますような施工方法については試験施工を行い、効果等を確認してまいりたいと考えております。
〇川村農夫委員 単価も現状のものよりも2倍以上も高くなるのではないかというような話も聞いたこともございますが、ただ、積雪地帯、特にも歩行者量の多いところ等をまず早く解決できるように調査研究を進めていただきたいと思います。そして、早期実施をできるように、これは高齢者等にとっても非常に危険な場所となっておりますで、前向きな御検討をお願いします。
〇平野ユキ子委員 平成13年に成立いたしました配偶者暴力防止法、いわゆるDV法が、昨年成立3年後の見直しによって改正されました。DVのような犯罪は、犯罪といいましても家庭内の微妙な部分を含んだものであり、訴えがあってもいまひとつ警察権の及ばない部分でもありましたが、法制化することによって、警察施策との関連部分を明らかにして、弱者救済のための具体的措置を図ることができるようにされております。こういった犯罪の谷間にあって、これまで光の当たらなかった部分に光を当てて弱者救済を図るものとして、やはり同じように昨年の12月に、犯罪被害者等基本法が成立いたしました。
 この2点についてお伺いするのですが、犯罪被害者支援としてこの犯罪被害者等基本法は、犯罪被害者本人や家族、遺族を含む被害者側の権利の保護を国や地方自治体、国民の責務と規定し、民間を中心とする現在の被害者支援活動を制度的に保障されることになり、支援の充実を図るものです。警察施策との関連部分として、本来業務を土台として相談、情報の提供から損害賠償の請求への援助など、民間の団体に対する援助など、多岐にわたる部分が策定されております。
 そこでお伺いするのですが、こうした被害者及び弱者救済の充実強化には財政的裏づけが欠かせないのですが、予算書で見ますと、9款2項1目の一般警察活動費の中の負担金補助及び交付金として、補助金がいわて被害者支援センターへおりるということでしたが、このいわて被害者支援センター、このパンフレットを入手しましたけれども、ここには賛助会員も募集することになっております。この200万円がここにおりるので、警察の方におりるのではないようなのですが、こういった予算の状況、賛助会員を募集するという予算の状況などを含めてお伺いしたいと思います。実際、予算として警察ではどれくらいとっているのかということです。
 それから、DVとか犯罪被害者等の岩手における現状と岩手県警の実際の取組状況を県民にお知らせいただければと思います。
〇細田生活安全部長 まず、DV関係についてお答えをいたします。
 配偶者暴力防止法は御指摘のとおり、平成13年10月に施行された後、昨年12月に改正されております。
 お尋ねの県内のいわゆるDVの実態についてですけれども、相談件数で申しますと、平成14年が142件、15年が100件ちょうどでございます。昨年が138件となっております。また、裁判所が発する保護命令は、平成14年16件、15年23件、昨年が33件となっており、昨年は、うち2件を保護命令違反として検挙しております。
 なお、平成16年の特徴的な傾向としては、相談件数が前年比で38件増加していることから、被害者の女性、行為者の男性とも、各年齢層で増加しております。特に、被害者は40歳代から60歳代、行為者は男性ですけれども60歳代、70歳代の年齢層で増加しております。
 県警察といたしましては、改正DV法の趣旨を踏まえまして、今後とも関係機関との連携を強化しながら、関係者の保護の徹底を期してまいりたいと思っております。
〇山手警務部長 続きまして、委員御質問の犯罪被害者支援について答弁をしたいと思います。
 初めに、犯罪被害者や御遺族でございますが、命を奪われる、けがをする、物を盗まれるなどの生命、身体、財産上の直接的な被害だけではなく、その後の捜査や裁判、周囲の無理解、医療費の負担といったさまざまな2次的な被害に苦しんでおられます。こうした実情を踏まえまして、県警察といたしましては、近年、犯罪等の発生直後から捜査と並行的に被害者の支援を行うように努めております。
 具体的には、平成8年に岩手県警察被害者対策要綱を制定して、被害者支援の基本方針を定め、被害者への情報の提供、相談・カウンセリング体制の整備、捜査過程における被害者の負担の軽減、被害者の安全確保、犯罪被害者給付金といった施策を講じております。さらには、被害者相談や付き添い等の直接支援を行っている民間の被害者支援団体であります、ただいま委員御指摘のいわて被害者支援センターとの連携を図りまして、被害者や御遺族の幅広いニーズに対応しているところでございます。
 続きまして、いわて被害者支援センターの運営資金についてのお尋ねでございますけれども、事件や事故の被害者や御遺族が抱えるさまざまな問題に対応するためには、ただいま申し上げました警察の活動だけでは限界がありますことから、被害者が負った深い心の傷を専門的かつ長期にわたってケアしていくということで、民間の被害者支援団体であるいわて被害者支援センターとの連携を図っているところでございます。
 財政的基盤でございますけれども、具体的なセンターの年間事業経費、これは640万円余でございます。
 収入の内訳でございます。県の補助金、これが200万円。それから市町村からの負担金、これは賛助会費ということで約200万円をいただいております。さらに、一般の方から賛助会費収入ということで130万円を計上し、そのほか寄附金約110万円をいただいております。総計、640万円で運営をしております。こうした事業費につきましては、ボランティアの方々の交通費や通信費、リーフレット等の印刷代、フォーラムなどの広報啓発事業、その他事務局経費に使われているところでございます。
〇平野ユキ子委員 警察そのものにおりる予算はないんでしょうかという質問をしたのですが。
〇山手警務部長 大変申しわけございません。ただいま申し上げました県の補助金200万円、これにつきまして、実は設立の経緯でございますけれども、岩手県犯罪被害者対策連絡会、こういったものを母体といたしましてボランティアの内容で設立しております。その意味合いで、県の補助金として200万円をいただいておりまして、それを運用していると。直接警察に入る予算というものはございません。
〇平野ユキ子委員 我が国の被害者対策というのは、外国に比べて非常にこういった面のケアはおくれておりまして、1995年の地下鉄サリン事件で犯罪被害者への対策の必要性が痛感されて、警察庁が改めて要綱を定めるなど、徐々に対応が拡大していったものです。本県では2000年ですか、今おっしゃられた任意団体のいわて被害者支援センターが担っているようです。犯罪の加害者の方は、2006年にも施行される総合法律支援法で、容疑者として警察で取り調べを受ける段階から公費で弁護士をつけられるようになるなど、その地位とか法的権利など、利益保護の体制は被害者側に比べて手厚くなりやすいのが現状です。でも、犯罪被害者らは、事件の後も心身にさまざまな影響を引きずって生きていくわけですが、この当然の実態に日本の制度体系は余りにも冷たかったわけで、その改善にDV法とともに現実に取り組まれることは、社会的弱者救済の見地から望ましいことであり、今後を見守りたく存じます。
 予算措置としてこれでいいのかなという思いもありますが、この点何か所感があればお伺いして、質問を終わります。
〇山手警務部長 ただいまの所感ということでございますけれども、現在640万円で年間運営をしております。現在の活動内容でございますけれども、電話相談、週2日の相談受付、そういった内容でこの予算規模でございます。
 なお、今後ますますこの被害者支援という声は大きくなろうかと考えております。したがいまして、当然ニーズも今後増していくということになります。そういった場合に、現在の予算措置で可能であるかどうか、これはまだ先のことでございますので、これから検討をして、必要な措置については、関係当局と協議をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
〇関根敏伸委員 私の方からは、交番・駐在所の見直しに関しまして、関連して何点かお聞きをさせていただきたいと思っております。
 近年の急激な治安低下によりまして、警察官の増員の必要性が叫ばれておるわけでございますが、私は警察官の増員とあわせまして、事故や事件の多発地帯や急激な人口増の見られる住宅地等には、交番の新設の必要があるものと考えております。昨今の財政事情大変厳しい中、重々承知をしておるわけでございます。県警としても、交番の建設、人員配置には大変苦慮されているところはよく承知をしておるわけでございますが、県警察の交番の配置方針等につきまして、ちょっと詳しく教えていただきたいと思っております。
 現在、県警察に対しまして交番の設置要望等はどの程度なされているのか。また、交番の設置基準、方向性につきましてはどういったものをお持ちなのか。地域の人口でありますとか、犯罪発生率、警察官の数など、判断基準となるものは多々あると思うんですが、それらを含めまして御答弁ちょうだいしたいと思っております。
〇細田生活安全部長 交番の設置方針と基準等ということでございますが、設置方針につきましては、国家公安委員会規則で、原則として都市部の地域に設けるものとされておりますことから、交番の新設は、市街化の進展が著しい地域が対象になるものと考えております。また、交番を新設する際の具体的な判断基準につきましては、地域の人口や世帯数の増加、事件・事故の発生状況、地域開発状況等を勘案して判断することとなります。
 なお、交番の新設の要望はどれぐらいかというお尋ねですが、平成16年中には盛岡市盛南地区、北上市黒沢尻北地区の2カ所から要望があるなど、これまで県内で数カ所の地区から設置要望を受けております。
〇関根敏伸委員 現在の岩手県の犯罪発生率につきましては、県警の御努力によりまして全国的にも大変低いものと承知をしております。また、大変広大な地域を非常に少ない職員の方々で、多くの県民、皆様方の多くの負担によって治安が維持をされているというところに対しまして、本当に敬意を表するわけでございますし、今後ますます治安の維持のために御努力をいただきたいと思っているわけでございますが、先ほど本部長からもお話がございましたとおり、刑法犯の発生そのものは減っておるというところでございますが、それはあくまで地域としての犯罪抑止力がまだ働いている地域ということが言えるんじゃないかと思います。片や、住宅侵入者が増加しているという現状があるわけでございますが、先ほど御答弁いただいたように、私の地域につきましても交番の設置の要望はしております。大変ある意味、恵まれた地域だとは思うんですが、片や負の部分というか陰の部分というか、マイナスの部分もかなり多く発生しておりまして、住民がかなり治安に対する不安を抱えている地域だと承知をしております。ですから、今一度でございますが、大変厳しい財政状況の中で、設置基準、方向性等につきましては理解をしたつもりでございますが、この急激な環境の変化を要する地域に対しまして、交番とか治安の抑止力に対しまして、大きな方向性など本部長さんにお示しをいただければということでございます。
〇山内警察本部長 先ほど私申し上げましたとおり、近年、侵入盗の増加など体感治安の悪化ということが非常に県民の皆様の間で広まっているところでございまして、こうした治安情勢を受けまして、県警察に対しましてもパトロールの強化でございますとか、あるいは交番・駐在所の増設等の御要望も多数寄せられているところではございます。
 他方、私ども岩手県警察の限られた職員で対応しなければいけないという事情もございますので、個別具体的には、地域におけます人口の増加の状況でございますとかあるいは犯罪の発生状況、こういったものを勘案しながら、今後とも適切に交番・駐在所の配置の見直しについては、適正化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
〇ザ・グレート・サスケ委員 大きく分けて3点なんですが、まず一つ目は、新警察移動通信システム整備事業について、データ通信機能等を高度化するとのことですが、そのシステムの詳細を教えていただきたいと実は通告したんですが、これは読んで字のごとしということが判明しましたので、この点についてはお答えをいただかなくて結構です。ただし、このシステムの強化整備によって逃走車両の無理な追跡はなくなるのか。それでも、今後も無理な追跡は続けるのかという点についてだけお尋ねいたします。
 例えば、アメリカ西海岸などではよくあるんですが、逃走車両をパトカーが追跡するカーチェイスの模様を、テレビ局が空撮して生中継するなんていう報道が日常茶飯事であるんですが、その際、逃走車両は明らかに他の一般車両にぶつかりながら走っているんですね。つまり、パトカーによる追跡という行為は、一般車両を巻き込む事態が起こり得るということが明白なのであります。よって、新警察移動通信システムを強化することによって、追跡せずとも捕まえるというような、スマートな対応ができないものだろうかと期待しているのですが、そういう話になりますと、これは避けては通れないのが、平成6年の盛岡市上堂交差点パトカー追跡事件の、先月25日、原告全面敗訴の判決を聞いて、どうしても私、納得できないんですね。やはり、夜間にサイレン無灯火のパトカーに遭遇したら、だれもが驚くわけでございまして、これ何の落ち度もない運転者も、思わず逃げてしまうこともあるかもしれません。最近では、意識してかどうかわからないんですけれども、夜間でも大分サイレンをつけて警らなさっているようですけれども、あの当時、追跡しなければ、もしくは追跡しなくとも、移動通信システムは当時から当然あるわけですから、移動通信システムによって、先回りした別のパトカーが逃走車両を先回りして捕まえるというようなことができなかったのだろうか。やはり上堂事件というのは、私は警察側にも責任の一端はあるのではないかと思うのですが、この事件の総括的な所感もあわせてまずお聞かせ願いたいと思います。
〇細田生活安全部長 まず、前段に御質問のありました本システムの整備によりどんな効果、メリットがあるのかということについてお答えいたします。
 本システムの整備によりまして、セキュリティー機能の強化、不感地帯の減少と通信エリアの拡大、犯罪の広域化への的確な対応、無線機器の小型軽量化等の改善効果が期待されるものであります。ただし、本システムは無線機器通信の更新整備事業でありまして、逃走車両の追跡のあり方そのものに、直接関係するシステムの更新とはいいがたい面がございます。
〇小野寺参事官兼首席監察官 それでは、追跡について若干お話ししたいと思います。
 逃走車両の追跡につきましては、逃走形態や道路の交通状況、逃走車両の容疑の蓋然性等と逃走車両が第三者に危害を与える具体的な危険性、これを総合的に判断して行っております。警察が逃走車両を追跡することは、警察法及び警察官職務執行法に基づく職責、職権職務を忠実に遂行するために必要な手段だと思っております。
 それから、所感ということで、多分判決の所感ということだと思うので、これについてでございますが、本件事故によって、何の落ち度もない若いお2人が亡くなられたと、こういうことにつきましてはまことに痛ましいことであり、改めてお亡くなりになられたお2人の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対してお悔やみを申し上げたいと思います。
 判決は、本件パトカーの遭遇時、それから追跡行為及び事故現場におけるパトカー乗務員の処置は適法な職務執行であると、こういう判断でございまして、私どもとしては妥当な判決だと考えております。
〇ザ・グレート・サスケ委員 裁判の判決の所感ということでいただきましてありがとうございました。
 私も地元でありますので、本当にこれは追突した瞬間の音とか、これは明らかに聞こえているはずだと思うんですね。ですから、交差点の中心でこれは立ち往生していて、しかも無人と一見見えた車両が立ちどまっているというのは本当に、これ、そっちの方がおかしな状況で、それをまず最初に手をかけなければならないんじゃないかと私は思うんですが、これにつきましてはもう結構でございます。
 次に、警察官10名増員により、重点的に取り組む犯罪の種類についてお尋ねしたいんですが、振り込め詐欺が大分被害がふえているようでございますが、この辺ぜひ強化していただきたいのですが、これ強化できるのでしょうということです。
 先ごろ、お父さんが事故に遭って大変だよという息子からの電話を、これ振り込め詐欺と疑う余りに、ついに夫の死に目に会えなかったという女性の事例がありまして、これ県外ですけれども、いち早く高齢者でもわかりやすいような対応マニュアルを作成していただいて、例えば電話機のそばに張れるような印刷物にして配布したりとか、そういったことも含めてやってもよろしいのではと思うのですが、まずその点をお願いします。
〇山手警務部長 増員予定の警察官10名につきましては、本年10月に採用いたしまして、所要の教養終了後に警察署に配置することとなります。増員分につきましては、各部門の業務負担や県下全般の治安情勢を勘案いたしまして、配置する方針でございます。
 なお、振り込め詐欺取り締まり対策ということでございますが、体制面を中心に御答弁を申し上げれば、本年1月から、振り込め詐欺首都圏派遣捜査専従班、これに本県の警察官1名を派遣しております。また、2月には、警察本部に振り込め詐欺対策班、これを設置して取り締まり体制を強化しているところでございます。さらに、17年度体制といたしましては、捜査二課に振り込め詐欺対策としまして、警察官1名を増員するほか、警察署の刑事二係、これは詐欺等を担当する部署でございますが、ここに増員を図るなど、振り込め詐欺取り締まり体制の強化を図っているところでございます。
〇ザ・グレート・サスケ委員 振り込め詐欺のより一層の強化を期待しております。
 最後に、交番・駐在所の配置見直しで、3駐在所を廃止、1交番新設ということですが、この新設された1交番とはどこなのでしょうか。
 盛岡市内小学校近辺に大分不審者が出没しているということなんですが、この対応策強化にはつながるのでしょうかということです。また、県内全小学校を対象に、登下校の時間に合わせて警察官を配置するような、そういった対策はなされているのでしょうか。
〇細田生活安全部長 新設交番はどこかということですけれども、盛南開発が行われております本宮・太田地区の中心地域に本宮駐在所と太田駐在所を統合して、平成18年3月に交番を新設する計画であります。
 新設交番は、市街化の進展が著しい盛南地区の治安対策の拠点として位置づけられるものであります。
 なお、小学校の安全対策という面では、同地区には、太田、太田東及び本宮小学校各校が所在しておりますけれども、現在の太田、本宮両駐在所の4名の体制から6名に増強されますので、学校近辺のパトロール強化など、安全対策の強化が図られるものと考えております。
 なお、小学校の安全対策全般につきましては、教育委員会、学校等と連携しながら、通報体制の確立とか不審者侵入時の対応訓練等々含めて、鋭意事件防止、事故防止ということで努めているところでございます。
〇斉藤信委員 捜査報償費の問題について質問します。
 最初に、北海道警や愛媛県警では、現職警察官、警察官幹部職員OBの内部告発がありました。宮城県の浅野知事、私、本会議でも紹介しましたが、仙台高裁への意見書で、退職した県警幹部OBの証言として、捜査報償費の99%は架空で裏金になっていたと、こうした証言を仙台高裁に意見書として出しています。このほか、京都府警、福岡県警、たくさんの全国の県警で不正支出、とりわけ捜査費、捜査報償費の不正が明らかになっていますが、本部長は、全国のこの不正事件をどう受けとめているでしょうか。岩手県警だけは不正がないと証明できるのでしょうか。
〇山内警察本部長 全国には47都道府県警察があるところでございますが、このうち、北海道警、福岡県警及び愛媛県警の一部の所属において、特定の年度において捜査費の不適正な執行があったことは承知しております。
 なお、宮城県警察において、具体的に不適正な捜査費の執行の事実を確認されているという事実については承知しておりません。
 いずれにせよ、捜査費を含め予算を適正に執行することは、県民の警察活動に対する理解と協力を得る上でも必要なことと認識しておるところでございまして、これまでも、各種の検査、監査等に対応するとともに、部内におきましても、適正な会計経理の確保に努めてきたところでございますので、今後とも、引き続きその徹底を期してまいりたいと考えておるところでございます。
〇斉藤信委員 北海道警は一部なんということではなくて、全部署でですよ。全部署で不正が明らかになって、県警の現職幹部がOBと一緒になって今返還しているじゃないですか。いわば、内部告発、物証が明らかになって、あなた方が認めるというパターンなんですよ。それまではしらを切ると。
 それで、私は3日の本会議で、代表監査委員に対して県警の監査の状況について質問しました。
 代表監査委員の答弁はこういう答弁です。
 捜査協力者への謝礼として、現金または菓子等の物品で交付した相手先住所、氏名などは非開示とされたことから、捜査協力者からの受領確認はとれなかった。警察本部には、支出の正当性を証明できるよう、積極的な協力を望むと、こういう答弁でした。
 いいですか。捜査報償費、この不正が全国で疑われているときに、あなた方、証明責任があるんですよ。守秘義務を持っている監査委員にも、相手先の住所や氏名を開示できないというのはなぜですか。
〇山内警察本部長 まず、捜査協力者に関するお尋ねでございますが、捜査協力者に対しましては、警察に協力している事実を漏らさないという前提で協力を得ているものであり、その信頼関係があってこそ、情報提供を初めとする各種の協力を確保できるものと考えております。このため、捜査協力者の存在については、部内においても極めて慎重に取り扱っているところであり、知り得るものを限定してその保護措置を徹底しているところであり、その協力者に、協力の有無の確認を行うことなどについては慎重な配慮が必要であろうという観点で、監査委員の監査に対しては対応しているところでございます。
 他方、こういった監査に対しまして、県警察におきましては、支出の正当性を説明するために、捜査費を直接捜査協力者に対して執行している捜査員への聞き取り調査に応じることとしているほか、また、昨年につきましては、監査委員からの求めに応じまして、改めて県警察におきまして支出の事実確認を行って、その結果を報告するなど、監査委員からの要請に対しましては、県警察として、でき得る範囲内で誠実に対応しているところでございます。
 先ほど監査委員の本会議におきます答弁について言及がございましたけれども、私どもとして、現時点におきまして、積極的な協力というものが具体的に何を指しているのか承知しておりませんので、その点についてお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、県警察といたしましては、今後とも捜査への支障等を勘案しつつ、県の監査に対しては説明責任を果たすべく、できる限りの努力を行いたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 監査委員の答弁の意味がわからないって、あなた、私ちゃんと質問に書いたでしょう。相手先住所、氏名が明らかにされなくて、その受領を確認できなかったというのが、だから積極的な協力を望むと監査委員は言っているんですよ。
 今、北海道警、特別監査もやっていますが、北海道の監査委員は、捜査協力者の調査以外に方法はないと。いわば捜査報償費の支出の正当性は、捜査協力者、この調査以外に方法はないと言っているんですよ。あなた方は、この証拠が内部から出ない限り隠し通すと、こういう態度じゃないですか。監査委員というのは守秘義務を持っているんですから、地方自治法でちゃんとそういうふうに権限を持った監査委員ですよ。ここにもあなた方が開示できないという問題は、怖くて開示できないと、ばれたら大変だと、こうしか思えないですよ。
 愛媛県警の場合、現職警察官がこう言っているんですよ。
 架空の捜査協力者をでっち上げたもので、捜査協力者への実際の支出は皆無だった。七つの警察署で、いわば偽造領収書を書かされた。行った七つの警察署全部でですよ。しかし、この方は1回も協力しなかったという大変すばらしい人です。北海道もそうですけれども、実際内部告発で、相手先の住所、氏名が明らかになって調べたら、実際にもらっている人は1人もいなかったと、死んだ人まで入っていたと。これが今までの実態ですよ。
 それで、押し問答をしてもだめなので、私は県警の捜査報償費の実態について少し詳しく調査を踏まえてお聞きをしたい。
 県警本部の鑑識課は、平成13年度は交付額20万円に対し、19万7、177円の捜査報償費を支出していました。支出率99%。しかし、平成14年度、15年度は、交付額ゼロであります。平成16年度はどうだったのでしょうか。
 平成13年度の支出の中身、理由、その後なぜ交付額がゼロになったのか示していただきたい。
〇山手警務部長 平成13年度の鑑識課の捜査用報償費につきましては、機動鑑識隊員が現場鑑識活動を行う上で、協力謝礼等必要な経費として執行しております。
 なお、同課が執行する捜査用報償費につきましては、捜査指揮の一元化、これを図るという観点から、事件発生所属の所属長または事件主管課長の判断にゆだねることが適当と考え、平成14年度以降の交付はしておりません。したがいまして、御質問の平成16年度の交付はございません。
〇斉藤信委員 そうすると、鑑識課は、平成13年度までは支出していたと。鑑識課にも捜査協力者がいたということですね。鑑識にも協力者がいるんですか。これは極めて疑問ですよ、鑑識課にも協力者がいるなんていうのはね。大体、鑑識というのは現場でやるんでしょう。そういうときに何で協力者が出てくるんですか。どういう協力者か、具体的に答えてください。
〇山手警務部長 まず初めに、協力者がいるか、いないかの御質問についてでございますが、これは公安の維持にかかわることでございますので、ここでその存否の具体的な内容についてお答えすることは差し控えたいと考えております。
 なお、平成13年度の支出のお伺いでございますけれども、現場鑑識活動などの立ち会い、協力者、そういったものの協力謝礼、それから、個々の機動鑑識隊員が執行する捜査諸雑費、こういったものが執行されております。
〇斉藤信委員 今の答弁は吟味してくださいよ。捜査諸雑費ならわかるんですよ。あなたは捜査協力者への謝礼だと言ったんですよ。鑑識にも捜査協力者がいたと。捜査諸雑費というものはあり得るかもしれませんよ。しかし、その後ゼロになっていますからね。本当に鑑識課に捜査協力者がいたのかどうか、これは極めて疑問ですよ。
 まだまだたくさんありますから、一つ一つ聞きます。
 機動捜査隊の報償費、平成15年度交付額103万円に対し支出額101万4、934円、支出率99%。機動捜査隊の捜査報償費とは何に使ったんでしょうか。機動捜査隊にも捜査協力者がいるのでしょうか。
〇山手警務部長 私の言葉足らずもございました。先ほど申し上げました鑑識課の捜査協力とは言っておりません。現場鑑識活動などへの協力ということで、捜査とは言っていないつもりでございますので……(斉藤信委員「協力謝礼と言った」と呼ぶ)協力者謝礼ということで言っております。捜査ではございません。失礼しました。
 次に、質問にお答えいたします。機動捜査隊の報償費についてのお尋ねでございます。
 機動捜査隊が執行する捜査用報償費につきましては、現場捜査に従事する捜査員が、聞き込み、張り込み、追尾等に要する諸経費や捜査などに関する情報収集等に要する諸経費として執行しているものでございます。
〇斉藤信委員 機動捜査隊の報償費は、じゃ、捜査協力者への謝礼じゃないと。そこを私は確認したいと思うんですよ。機動捜査隊にも捜査協力者がいるのか。
 あわせて、少年課の報償費は、平成13年度交付額84万円に対し支出額83万2、068円で支出率99%。私が今まで紹介したものはみんな99%、交付額に対して立派に使い切っている。これも異常なことですが、平成14年度は86万円に対して82万円、支出で96%、平成15年になると交付額が35万円なんです。それに対して支出は34万1、174円、支出率98%ですが、少年課にも捜査協力者がいるんでしょうか。そして、平成15年度は、なぜ交付額・支出額が半分以下に減ったのでしょうか。
〇山手警務部長 先ほどの繰り返しになりますが、捜査協力者がいるか、いないか、この具体的な答弁につきましては、公安の維持、秩序の維持、その要請から、ここでその存否を含めまして詳細に明らかにすることはできません。
 なお、お尋ねの支出でございます。少年課の支出が、御指摘でございますと約半減したことがあるということでございますけれども、捜査活動に要する経費につきましては、発生する事件の規模、形態、捜査の期間などにより当然異なるものでございます。一概に申し上げられないものと考えております。
 なお、一般論として申し上げれば、捜査環境の変容、そういったもろもろの社会情勢の変化といったことで捜査経費というものは変化してまいるものでございます。
〇佐々木順一委員長 斉藤委員に申し上げますが、関連する項目につきましては、できるだけまとめて質疑されるよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 私は、この少年課の報償費の交付額・支出額が半分になったと。少年事件がどんどんふえているときに考えられませんよ。私は、少年課にまで捜査協力者がいたとは思えない。何が何でもあなた方は捜査協力者を仕立て上げて裏金をつくっているんですよ。あなた方に証明責任があるんですよ。私はそういうふうに言いたい。少年事件が続発しているのに、何で捜査報償費は半分に減ったか。事件の数その他、もう少し説得力ある答弁をしてください。
 交通指導課も、平成15年は58万円の交付額に対して55万円でした。支出率は96%。交通指導課にも捜査協力者がいるんでしょうか。
 あわせて聞きます。宮古警察署、私はこの捜査費、捜査報償費、平成13年度分を調べました。内部告発があったからです。4月の捜査費は交付額10万円で、支出額10万円、でき過ぎています。11月分まで交付額と支出額が開示されましたが、12月から3月分は真っ黒の黒塗りです。これです。私は500枚とったんですよ、この情報公開。まだ、それでも宮古は11月まで額は出したんですよ。ところが、肝心の最後の12、1、2、3月は真っ黒なんです。何で12、1、2、3月が明らかにできなかったのでしょうか。
 年間の交付額は110万円の捜査費の支出に対して105万円で支出率96%、報償費は、これは真っ黒でしたけれども、最後の年間の交付額は125万円、支出額は118万円で支出率95%でした。なぜ12月から3月までは真っ黒く消さざるを得なかったのか、このことを示していただきたい。
〇山手警務部長 先ほど来の委員の御質問の内容で、執行率が99%、96%という御指摘でございますが、これは、毎月交付ということが制度として実施されております。したがいまして、毎月必要なものをそれぞれの状況に応じて要求し、それを支払うという形でございますので、ほぼ執行額どおりに執行されるという状況がございます。これがそのパーセンテージに対するお答えでございます。
 なお、宮古警察署のことでございますけれども、情報公開の関係でございます。公安委員会、県警察におきましては、情報公開条例7条2項2号に該当する情報といたしまして、情報公開条例審査基準によりまして、所属別の月単位の支出額は、当該月終了後3年を経過したものを原則として開示するとなっております。こういったことから、平成13年12月以降は3年を経過しておらずに、その部分は開示をしておりません。
〇斉藤信委員 捜査報償費が毎月交付されている、そのとおりなんです。現金で交付されるんですよ。いわば緊急事態に対応するからということで毎月現金交付なんです。それがみんな金庫に入って裏金になるんですよ。一部表に出るだけなんですよ。首をかしげているけれども、本当にそうなんですよ。
 宮古だけは11月まで明らかになったから言いますけれども、4月に10万円交付されて10万円使った。5月、12万円交付されて11万5、085円使った。6月、10万円交付されて7万7、475円使った。必要額が交付されているのではないんですよ。もう頭で10万円、12万円、来ればほとんど全部使う。私は本当に、そんな協力者がいるわけがない。しかし、あなた方しか資料をもらっていないんですよ。私が請求すると真っ黒しか出てこない。
 私は、本当に現場で汗をかいている警察官はじだんだを踏んでいると思いますよ。現場の警察官は、本当にサービス残業もして頑張っているんだから。そこには捜査報償費はおりていないんだから。ためた捜査報償費は上司に上納されるんですよ。だから末端には行かないという仕組みなんです。
 私はそういう点で、きょう疑問にすべき問題点を指摘しました。残念ながら、我々には、これ以上の資料を請求しても真っ黒しか出てこない。だから、せめて監査委員には明らかにすべきですよ。守秘義務を持っている監査委員には、本当に捜査報償費を払った人物の氏名と住所を。そうすれば、その人が実在するか、本当にもらっているか確認できるんです。私はそういうことをあなた方はすべきだと思いますが、いかがですか。
〇山手警務部長 監査委員に対するいろいろな説明の責任ということの御指摘でございますけれども、先ほど本部長が答弁したとおり、我々は捜査の秘密、それとあわせまして協力者の保護、こういう観点から、でき得る限りの協力をさせていただいているつもりでございます。
〇佐々木順一委員長 斉藤委員に申し上げます。
 本委員会は平成17年度当初予算に関する審議を行う場であることを踏まえて質疑をお願いいたします。
〇斉藤信委員 今、県警本部でこれは一番大事なんですよ。今まで適正に執行されてきたかは予算にかかわる大問題なんですよ。22%減額したけれども、私はそんなものじゃないと。もう多くの部分が裏金になっていたのではないかと思っているんですよ。22%の減額では足りないのではないか。そのことを私は指摘をして、しかし、その証明責任を果たさないと、現段階ではそういう答弁ですね。
 北海道で、氏名が明らかになって、住所が明らかになって困った人はだれもいません。もらった人がいないからです。明らかになったところは、だれも困っていないんですよ。あなた方が言う捜査の秘密なんていうものは、どこでもそんなものは起きていない。もらっている人がいないからです。だから、そういう点で全国で問題になったところがありますか。そういうことを示していただきたい。
 時間がありますので、ちょっと先に進みます。
 次にちょっと、テーマは変わりますけれども、これは平成9年8月14日に起きた婦女暴行容疑事件で逮捕された容疑者が、旧東警察署で死亡した事件について。この件は二つの裁判がありまして、昨年、この二つの裁判が終結しましたので、私はこの事件についてお聞きをしたい。
 この婦女暴行容疑事件は、今でも遺族は冤罪ではないかと疑問を抱いています。息子の死亡についても疑問を持っています。旧東警察署の独房の中で、部屋の端のトイレの上に上って、頭から落ちて頭蓋骨骨折で亡くなったというんですよ。体操の選手でなければできないような芸当で、トイレの上に上って、真っ逆さまに落ちて死んだという、これは本当に不可思議な事件で、婦女暴行容疑事件も、亡くなった事件についても、遺族は今でも疑問を持っております。
 それで私は、そのことについてお聞きしたい。この婦女暴行事件について、当初、警察はDNA鑑定を行って、容疑者を犯人だと言っていました。私も問い合わせをしたら、そういう話を当時聞きました。しかし、このDNA鑑定というものは本当に行われたのか。行われたとしたら、なぜ遺族にそういう中身を示さなかったのか。裁判でも、このDNA鑑定がなされているなら、その証拠を出しなさいと言ったけれども、警察は出さなかった。私は、このDNA鑑定はやっていないという可能性があるのではないかと思いますけれども、本当にこのDNA鑑定はやった、その証拠はありますか。なぜ遺族にそれを示さなかったのですか。
〇船野参事官兼捜査第一課長 この事件では、DNA鑑定は実施しておりますし、その結果につきましては、御家族の方に説明をいたしております。
 また、裁判で鑑定書を提出できなかったのは、既に盛岡地方検察庁に関係書類を送付したと承知しております。
〇斉藤信委員 今、DNA鑑定の内容を説明したと言いましたけれども、それは何月何日、文書を示してやったのですか。遺族はこのDNA鑑定書を見ていない、説明も受けていない。ただ、私が問い合わせをしたときには、あなた方はやったと言ったんですよ。しかし、それはやったと言っただけの中身で、全然根拠のない話なんですよ。いいですか、この事件が本当に警察が言うような事件だったら、遺族は裁判で争わないんですよ。しかし、あなた方は誠実に対応しなかった。だから二つの裁判をやらざるを得なかったんですよ。DNA鑑定をやったというなら、どういう形で遺族に説明したんですか。口先だけですか。
〇船野参事官兼捜査第一課長 家族への説明につきましては、平成10年2月3日に盛岡東警察署員が説明いたしております。
〇斉藤信委員 私が聞いているのは、鑑定書を見せて説明したんですかと言っているんですよ。口先だけでDNA鑑定をやったと言うだけでは、説明したことにならないんですよ。事実かどうか客観的な証拠を示して説明したんですか。遺族はそういうふうには受けとめていませんよ。口先だけの話は私も聞いているんですよ。しかし、裁判でも出さない。私は本当にこれは疑義があると思っているんです。だから、そこを具体的にどういう形で示したのか示してください。
〇船野参事官兼捜査第一課長 鑑定書につきましては、平成9月9月30日に盛岡地方検察庁に追送致しております。御家族の方には、提示はしておりませんが、口頭で説明をしております。
〇斉藤信委員 わかりました。結局口頭で、あなたの息子は犯人だとやっただけなんです。そんなのは説明にならないんですよ。本当に事実が争われている事件なんですからね。大体、鑑定書そのものも見せていないんだから、警察がうそを言っているかどうかわからないじゃないですか。本当のことを言っているかどうかわからないじゃないですか。
 わかりました。結局、そういう物は示せなかったと。
 私は、この死亡した事件について、警察は自殺と断定しなかったのではないかと思います。実は、保険金の問題で、郵便局の保険は、自殺と断定できないとして支払われているんですよ。裁判の中でも、4年経過した段階でも自殺と断定していないという警察の話がありましたが、この事件について警察は、この死因についてどういう立場で臨んだんですか。自殺と断定したとしたら、いつの時点ですか。
〇船野参事官兼捜査第一課長 本件につきましては、盛岡東警察署員が、亡くなりました平成9年8月16日に検視いたしまして、現場の状況、関係者の申し立て、死体所見などから総合的に判断いたしまして、平成9年10月24日に最終判断ということで、自殺ということで盛岡地方検察庁に検視記録を送付しております。
〇斉藤信委員 裁判の中で、これは4年たった後ですよ。警察は自殺として断定しない、だから郵便局は自殺と断定できないから保険金を出したんですよ。あなた方はそんなことを言ってないじゃないですか。違いますか。本当にそう言ったんですか。
〇船野参事官兼捜査第一課長 繰り返しになりますけれども、本件につきましては、現場の状況や関係者の申し立てから総合的に判断いたしまして、平成9年10月24日に盛岡地方検察庁に記録は送付しております。
 また、郵便局で保険金を支払ったということにつきましては、郵便局の判断でなされたものと思いますが、本件につきましては、平成16年6月21日の民事裁判の判決におきましても自殺と認定されております。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、保険金裁判では最終的にそう認定されたんですよ。しかし、その裁判の中で、警察は、自殺と最初から断定したわけではないと言っているんですよ。だから、この事件は、私は今でもこの婦女暴行容疑自身、遺族の方の実際の記録などを見ますと疑問があります。死因にも本当に不明なところがあってね。
 警察はこういう本当に重大な事件については、一つ一つ丁寧に事実について遺族や被害者に対して説明すべきだと。追跡パトカーの事件でも、遺族の方々に対する丁寧な説明がなかったから、事件の真相を求めたいということで裁判が行われたんですよ。私は、本当に県警というのは、そういう一つ一つの事件について丁寧に、おどかさないで丁寧に被害者の遺族に対して対応すべきだと、このことを最後に本部長に求めて、私の質問を終わります。
〇山内警察本部長 個別具体的な事案につきましてはここで答弁は差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、まさに犯罪の被害者あるいは関係者の方に対して、捜査の結果等について、刑事裁判、公判等に支障の生じない範囲内で的確な説明を行うということには、今後とも努めてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 1点だけ、県民の地域安全安心対策についてお伺いいたします。
 近年多発している治安災害及び外国人や組織犯罪グループによる凶悪犯の多発で治安の悪化が著しくなっています。これに対し政府は、平成16年度に地域安全安心ステーション整備モデル事業を行い、身近な生活空間の安全とコミュニティーの活性化を図ろうとしております。東北では、青森県の横浜町と福島県の二本松市を含む全国で15市町村を選定し、先行実施いたしました。平成17年度は、国が助成措置を講じるこのモデル事業を全国で100カ所程度に拡大すると伺っていますが、本県はこの国の公募に応じる考えがあるかどうか、お尋ねします。
 また、県内各警察署と住民に一番身近な交番は、地域の安全活動にどのようにかかわっているか、特に、自主防犯組織の設立や運営に対する取り組みについて、お伺いいたします。
〇齋藤参事官兼生活安全企画課長 県民の地域安全安心対策についてお答えいたします。
 警察庁におきましては、平成17年度から地域安全安心ステーションモデル事業を推進することとしております。この事業は、地域住民の自主防犯活動の拠点・基盤の整備を図るため、全国で100カ所のモデル地区を指定し、公民館、交番・駐在所のコミュニティルーム等を活用して、安全安心パトロールの出動拠点、地域安全情報の集約・発信拠点、安全安心のための自主的活動の参加拡大の拠点を確立し、自主防犯活動を推進しようとするものでございます。
 現在、県内で犯罪発生率の高い地区3カ所を選定し、モデル地区指定に向けた手続をしているところでございます。
 次に、交番等の地域安全活動とのかかわりについてでございますが、交番・駐在所は、地域の生活安全センターと位置づけまして、地域の安全・安心のよりどころとして、防犯連絡所、女性子ども110番の家、地域安全推進隊などと日常的に連携し活動しているところでございます。
 また、自主防犯組織の設立や運営に対する取り組みについてでございますが、近年、各地域で防犯組織が結成されるなど、地域の安全は住民みずからの手で守るという機運が高まっているところでございます。
 警察といたしましては、設立の支援、地域安全情報の提供、防犯講習・防犯訓練の実施、既存ボランティアとの連携など、地域社会との連携による取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 3カ所を予定されていると今お伺いしましたが、どちらでしょうか。
〇齋藤参事官兼生活安全企画課長 まだ決定ではないのですが、一応、犯罪の発生の多い菜園交番管内、あとは盛岡駅前管内、それから、見前交番管内を考えております。
〇樋下正信委員 私は当該委員ですけれども、簡潔にお聞きしたいと思います。
 昨年の6月3日に衆議院本会議において、自民党、公明党、与党の賛成により、高速道路のバイクの通行に関して、二人乗りが解禁になるということで法案が可決されまして、それを受けて、ことしの4月1日から施行されることになったわけでございます。
 この二人乗りについては、韓国と日本がずっと禁止しておったというような状況の中で、岩手県にも高速道路が開通して25年ぐらいになると思っておりますけれども、ライダーにとっては遅きに失したのかなと思われておったんですが、やっとここに来て解禁になったということでございます。
 アメリカなどにおいては、州によってはヘルメットもかぶらなくてもいいというような州もございますし、また、日本においても、サイドカーなどは、車検証に記載されている3人乗車であれば3人乗っていいということで今まで来たわけでございますけれども、二輪車に関してはそういう規制があったということでございます。
 そこでお伺いしたいわけでございますけれども、県警察といたしましては、この解禁に向けてどのような認識をお持ちになっているのか。よかったなという認識なのか、また一つ悩みの種がふえたのかなというような――いい認識であると思いますけれども、どのような認識をお持ちなのか。そして、料金所とかそういうところでライダーにどういう啓蒙活動をする予定があるのか、また、高速道路に対しての安全運転スクールというか指導をどのようにしていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇吉村交通部長 高速道路の二人乗りの安全対策についてお答えします。
 道路交通法の一部改正によりまして、利用者からの強い要望も踏まえまして、本年4月1日から、高速道路等におきましては、特定の区間を省き、一定の条件のもとに自動二輪車の二人乗りができることになります。
 委員御指摘のとおり、高速道路での二人乗りの安全性を確保するためには、運転特性の違いや運転上の注意事項について、広報啓発や安全教育を十分に行うことが重要でございます。このため、各種講習において交通安全教育を行っておりますほか、二輪車安全普及協会等の関係団体等を通じまして、二輪利用者に対する改正法の要点や安全な通行に関する情報等を提供しているところでございます。
 また、実技指導につきましては、各地で行っております二輪車の実技講習会等におきまして、高速道路での安全な二人乗りのための技能や知識について具体的な指導を行ってまいることとしております。
〇樋下正信委員 私が考えるに、一般道と高速道路を比べてみた場合、一般道の場合は、どうしても交差点とか信号機があっていろいろな事故が多発しておりますけれども、高速道の場合は、当然、交差点がないわけですし、信号機もないわけでございますので、言うなれば、安全性に関しては高速道の方が高いのかなと私は考えているところでございます。だからといって油断はできないわけでございますので、ぜひ今のお話のような活動をしていただいて、よりよい高速道路、快適な高速道路になるように御尽力いただきたいと思います。
 終わります。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇船野参事官兼捜査第一課長 訂正をお願いいたします。
 先ほど斉藤委員の質問の中で、自殺と認定された民事裁判の日を平成16年6月21日と申し上げましたが、平成14年6月21日の誤りでありますので、訂正をお願いいたします。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さん、御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時49分 散 会

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