平成17年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成17年3月17日(木)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事課長 平 澤 石 郎
議事課長補佐 八重樫 典 彦
主任主査 千 田 利 之
主査 小 船   進
主査 福 田 清 喜
主査 佐々木 ユ カ
主査 嵯 峨 俊 幸
主査 安 藤 知 行
1説明員
農林水産部長 今 泉 敏 朗
農林水産企画室長 和 嶋 憲 男
農政担当技監 千 田   勉
林務担当技監 千 田 壽 光
水産担当技監 千 葉 信 明
農林水産企画室特命参事 大 谷 陽一郎
農林水産企画室特命参事 東大野 潤 一
農林水産企画室企画担当課長 徳 山 順 一
農林水産企画室管理担当課長 長 岡 栄一郎
団体指導課総括課長 高前田 寿 幸
指導検査担当課長 藤 沼 豊 頼
流通課総括課長 佐々木 和 博
農業振興課総括課長 及 川 傳 弘
経営体育成担当課長 幅 下 順 一
農業普及技術課総括課長 阿 部 郁 夫
農村計画課総括課長 田 山   清
農村建設課総括課長 佐 藤 具 揮
農産園芸課総括課長 中 正 保 治
水田農業担当課長 高 橋 伸 夫
畜産課総括課長 菅 原 好 秋
振興・衛生担当課長 三 浦 牧 夫
林業振興課長 和 佐 健 介
緑化推進課総括課長 西 村 和 明
緑化育成担当課長 関 口 一 昭
森林保全課総括課長 千 田 育 郎
水産振興課総括課長 宮 澤 公 明
漁業調整担当課長 寺 島 久 明
 
予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
〇佐々木順一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号、議案第41号から議案第45号まで、議案第47号から議案第49号まで、及び議案第100号の以上30件を一括議題といたします。
 本日は、農林水産部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 農林水産部長から、農林水産部関係の説明を求めます。
〇今泉農林水産部長 農林水産部関係の平成17年度の予算関係議案について御説明申し上げます。
 予算の説明に入ります前に、平成17年度における農林水産施策の推進に当たっての基本的な考え方について御説明申し上げます。
 本県の農林水産業は、従事者の減少・高齢化に伴う生産構造の脆弱化や価格低迷などによる生産額の減少、経済社会のグローバル化に伴う産地間競争の激化など、内外に多くの課題を抱えており、その一方で、我が国の食料消費は、より安全で安心なもの、高品質で生産方法などに特色を持ったものへの志向を強め、その消費形態も、加工食品や外食、中食への依存度を高めるなど、多様化、高度化してきております。また、国民の生活様式や価値観の変化から、ゆとりと安らぎの場としての農山漁村や、生産活動を通じて環境保全などの多面的機能を発揮する農林水産業に対する期待も高まっております。
 このような状況のもと、農林水産部としては、県下各地でしっかりとした担い手が地域特性を生かした経営を展開し、消費者の高い評価を受けた県産農林水産物が各地で販売されているという産業としての目指すべき姿と、適切に維持・管理された環境のもと、快適で潤いのある地域が形成され、人々が地域に誇りを持って暮らすという農山漁村――地域社会の目指すべき姿の実現に向け施策を展開することとしております。
 それでは、予算関係議案について御説明申し上げます。
 なお、平成17年度において、公共事業の一元化に伴い農林水産部から県土整備部へ移管となる予算につきましてもあわせて御説明申し上げますので、御了承願います。
 まず、議案第1号平成17年度岩手県一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、農林水産関係の予算は、6款農林水産業費の844億8、765万1、000円、9ページの11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費の23億9、774万4、000円及び12款公債費のうち9億6、904万1、000円をあわせて878億5、443万6、000円となるものであります。これを前年度当初予算額と比較しますと、金額で32億2、446万円、率にして3.5%の減となるものであり、一般会計の予算総額に占める割合は11.5%となるものであります。
 予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、新規事業を中心に主な事業を簡潔に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の147ページをお開き願います。6款農林水産業費1項農業費であります。農業総務費は、農政関係職員の人件費や国土調査に要する諸経費等であります。次に、148ページをお開き願います。農業金融対策費の主なものは、農業近代化資金等の貸し付けを行う農協などの融資機関に対し利子補給等を行うものでありますが、説明欄中段の特定農業法人育成資金利子補給は、農作業の受託などを行っている一定要件を満たす集落営農組織、いわゆる特定農業団体が法人化を円滑に進めるために必要な資金を貸し付けた融資機関に対し利子補給を行おうとするものであります。次に、農業構造改善対策費の主なものでありますが、経営構造対策事業費は、地域の実情に即した経営体を育成するため、農業近代化施設の整備に対し助成するものであります。次に、149ページの農業改良普及費の主なものは、農業改良普及センターの管理運営に要する経費のほか、150ページをお開きいただきまして、説明欄二つ目の農業やってみようプログラム支援事業費は、ジョブカフェいわてと連携した就農情報の提供や研修制度の整備、農業者や民間組織などの地域人材による人材バンクの整備、普及組織との協働化を促進するための調査を行おうとするものであります。次に、農業振興費の主なものでありますが、151ページの説明欄三つ目のいわて農林水産ブランド輸出促進事業費は、経済成長の著しい中国などの海外をも視野に入れた県産農林水産物のいわてブランドの確立に向け、海外でのPRや商談会を開催するとともに、本県産リンゴの販路拡大を図るために要する経費であります。一つ飛びまして、いわて食育支援人材派遣事業費は、食育出前授業や体験指導などを行う食育ボランティアを募集するとともに、県内のモデル校に派遣し、学校での食育の取り組みを支援しようとするものであります。四つ飛んでいただきまして、中山間地域等直接支払事業費は、中山間地域等において協定を締結し、継続して農業生産活動を行う農業者などに対して、平地地域との農業生産条件の格差の範囲内で直接支払交付金を交付するために要する経費でありますが、国の事業が平成17年度から21年度まで一部支払い要件を変更して延長されたことに伴い、継続して実施しようとするものであります。次に、説明欄下段の食の新ビジネスモデル構築事業費は、食の高付加価値化による新たなビジネスモデルを構築するため、県産農林水産物や加工品などの素材を発掘し、消費者のニーズにマッチする商品開発や新たな流通チャネルの開拓を行うとともに、ブランド化を進めながら地域産業型商品を育成しようとするものであります。次に、152ページをお開き願います。農産物対策費の主なものでありますが、説明欄最後の水田農業構造改革支援事業費補助は、適地適作による作目再編を進めるため、米の生産目標数量の市町村間調整や畑地化及び園芸作物の拡大を促進するなど、水田農業の構造改革を加速化する経費に対し助成するものであります。次に、153ページの畑作振興費の主なものでありますが、説明欄下段のいわて純情野菜契約ブランド産地育成事業費は、県内野菜の販売価格を安定化させる契約取引の拡大を促進するため、産地育成マネジャーの能力向上講座や実需者との意見交換会の開催、先進的技術確立のための実証圃の設置などに要する経費であります。次に、北上奥羽山系開発費の主なものは、緑資源機構が北上・奥羽山系地域で実施した広域農業開発事業における地元負担分の償還金であります。次に、154ページをお開き願います。植物防疫費は、病害虫の防除指導のほか、農作物生産者及び農薬販売事業者に対する農薬の適正使用、適正販売の指導・検査などに要する経費であります。次に、農業協同組合指導費は、農業協同組合の指導監督に要する経費であります。次に、155ページの農業共済団体指導費は、岩手県農業共済組合連合会及び農業共済組合の運営費に対する助成等であります。次に、農業研究センター費は、同センターの管理運営及び試験研究に要する経費であります。156ページをお開き願います。農業大学校費は、同校の管理運営に要する経費であります。次に、蚕業費は、中核的養蚕農家の育成・確保のため、養蚕団体を中心とした普及指導体制の整備等に要する経費であります。
 次に、158ページをお開き願います。2項畜産業費であります。畜産総務費は、畜産関係職員の人件費及び岩手県肉牛生産公社の経営改善を図るための無利子の貸付金等であります。次に、畜産振興費の主なものでありますが、畜産振興総合対策事業費は、生産性の高い経営体の育成を図るため、生産から流通、消費に至る総合的な地域畜産振興対策に要する経費であります。次に、159ページの説明欄下段のいわて酪農の郷総合対策事業費は、雌牛群の改良及び飼養管理技術の指導のほか、地域内の酪農家に対して混合飼料を定期的に供給する完全混合飼料――TMRセンターや自動搾乳システムの実証に必要な施設の整備などに対し助成するものであります。次に、160ページをお開きいただきまして、説明欄中ほどのバイオマス利活用フロンティア整備事業費は、県内の豊富なバイオマス資源の有効活用を促進するため、畜産バイオマスのエネルギー利用などの施設整備に対し助成するものであります。次に、草地対策費の主なものでありますが、説明欄三つ目の県営畜産経営環境整備事業費は、環境汚染の防止と畜産経営の安定を図るため、家畜排せつ物処理施設等を整備するものであります。次に、161ページの家畜保健衛生費の主なものでありますが、牛海綿状脳症防疫対策事業費は、24カ月齢以上の死亡牛のBSE検査等に要する経費であります。次に、162ページをお開き願います。農業研究センター費は、畜産研究所の管理運営及び試験研究に要する経費であります。
 次に、163ページに参りまして、3項農地費であります。農地総務費は、農地関係職員の人件費等であります。次に、土地改良費は、農地等の区画形質の改善、農道・用排水路等の整備、農業集落排水施設の整備など、農村の生産基盤や生活環境の総合的な整備に要する経費でありますが、説明欄二つ目の骨寺村荘園遺跡田園景観整備事業費は、平泉文化遺産のコアゾーンである骨寺村荘園遺跡を含む地域において、文化財調査や景観の保全に向けた整備計画を策定するために要する経費であります。また、165ページをお開きいただきまして、説明欄中段の県土整備部と記載しております農道整備事業費以下の事業でありますが、これは、事業の企画から実施まで一貫した形での効率化を図り、限られた財源で、より効果的、効率的な整備を進めるため、道路整備や汚水処理施設整備、海岸施設整備などの類似の公共事業について、県庁組織を一元化することに伴い、関連する経費を県土整備部に移管しようとするものであり、土地改良費では、農道等の道路整備関係と農業集落排水事業等の汚水処理施設整備関係の事業費が対象となるものであります。次に、農地防災事業費は、農地・農業用施設に対する洪水被害等を防止するための防災ダムや水門等の海岸保全施設の整備及び老朽化した水利施設の整備に要する経費でありますが、166ページをお開きいただきまして、海岸保全施設整備事業費は、公共事業の一元化に伴いまして、県土整備部に移管しようとするものであります。次に、開墾建設事業費は、農業経営の規模拡大等を図るための農地造成及び用排水施設等の整備に要する経費であります。次に、167ページの農地調整費の主なものでありますが、農地保有合理化促進費は、農業経営の規模拡大、農地の集団化等を促進するため、岩手県農業公社が行う農地等の売買、賃貸借等の業務に要する経費に対し助成するものであります。
 次に、168ページをお開き願います。4項林業費であります。林業総務費の主なものでありますが、管理運営費の森のトレー訴訟関係費用や林政関係職員の人件費のほか、県有林事業特別会計への繰出金等であります。次に、169ページの林業構造改善対策費の林業・木材産業振興推進事業費補助は、林業事業体等の経営指導に要する経費に対し助成するものであります。次に、林業振興指導費の主なものでありますが、説明欄四つ目の森林組合育成強化対策事業費は、森林組合の経営体質の強化と広域合併を促進するため、財務改善に要する資金の貸し付け等を行うものであります。次に、170ページをお開き願いまして、説明欄の中ほどより下の岩手木炭産業再構築事業費は、中国木炭の全面輸出禁止措置を契機に、高品質な岩手木炭の国内シェアの拡大を図るため、情報収集や販売活動を展開するとともに、新規就労者の定着及び後継者が育つ環境を整備しようとするものであります。次に、171ページに参りまして、説明欄中段の岩手県林業公社事業資金貸付金は、社団法人岩手県林業公社の事業資金のうち、国庫補助金及び公庫融資の残額に対し資金を貸し付けようとするものであります。次に、172ページをお開き願います。森林病害虫等防除費は、松くい虫などの森林病害虫の防除と被害拡大の防止のほか、五葉山周辺のシカ被害の防止に要する経費であります。次に、造林費は、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の充実を図るため、森林の育成管理や広葉樹林の整備に対し助成等を行うものであります。次に、173ページの林道費は、山村地域の生活環境の改善と林業生産基盤の整備を図るため林道整備等に要する経費でありますが、木材生産団地路網整備事業費を除きまして、公共事業の一元化に伴い、県土整備部に移管しようとするものであります。次に、174ページをお開き願います。治山費は、山地災害を未然に防止し、県土の保全を図るため、治山や地すべり防止、保安林の管理、整備などに要する経費であります。次に、林業技術センター費は、同センターの管理運営及び試験研究などに要する経費であります。
 次に、176ページをお開き願います。5項水産業費であります。水産業総務費は、水産関係職員の人件費及び水産科学館の管理運営に要する経費等であります。次に、漁業構造改善対策費は、効率的かつ安定的な漁業経営を育成し、流通の衛生管理向上を図るため、ワカメ・ホタテなどの養殖施設や海水殺菌装置などの整備に要する経費に対する助成等であります。次に、177ページに参りまして、水産業振興費の主なものでありますが、178ページをお開きいただきまして、説明欄中段のさけ、ます増殖費は、サケ・マス資源の維持安定を図るため、施設の整備や人工増殖事業を推進するために要する経費であります。次に、179ページの説明欄上段でありますが、いわて養殖漁業ステップアップ事業費は、本県養殖漁業の構造改革を推進するため、施設再編や規模拡大など、地域ぐるみでのステップアッププランの策定や実行に対し助成するとともに、津波などの災害に強い漁場・施設の整備に必要な調査等を行うものであります。次に、水産業協同組合指導費の主なものでありますが、説明欄中段の漁業協同組合組織緊急再編対策事業費は、合併等を行う漁業協同組合の組織・事業基盤の強化を図るため、漁業協同組合が岩手県信用漁業協同組合連合会から借り入れた資金の利息に対し利子補給を行うとともに、合併漁協の電子機器の整備に要する経費に対し助成するものであります。次に、漁業調整委員会費と、180ページをお開きいただきまして、漁業調整費は、海区漁業調整委員会等の開催並びに漁業調整などに要する経費であります。次に、漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営や漁業取締船の運航などに要する経費であります。次に、181ページの水産技術センター費と、182ページをお開きいただきまして、内水面水産技術センター費は、両センターの管理運営及び試験研究に要する経費であります。次に、漁港管理費は、県管理漁港の施設の維持管理等に要する経費であります。次に、漁港漁場整備費は、水産業の振興のため、漁港・漁場・漁村の総合的な整備、漁港海岸の整備など水産基盤施設及び海岸保全施設などの整備に要する経費でありますが、183ページの説明欄中段の津波緊急避難誘導対策事業費は、県管理の漁港地域において、津波時に地域住民が安全かつ迅速に高台に避難するための避難路などの施設、設備を緊急に整備するものであります。なお、海岸保全施設整備事業費及び関連する経費は、公共事業の一元化に伴い、県土整備部に移管しようとするものであります。
 次に、大きく飛びまして、241ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費であります。農地及び農業用施設災害復旧費及び林道災害復旧費、242ページの治山災害復旧費及び漁業用施設災害復旧費、243ページの漁港災害復旧費は、いずれも過年災害と現年災害の災害復旧事業に要する経費であります。なお、農地及び農業用施設災害復旧費のうち、海岸保全施設災害復旧事業費及び林道災害復旧費は、公共事業の一元化に伴い、県土整備部に移管しようとするものであります。
 次に、247ページをお開き願います。12款公債費1項公債費であります。元金の説明欄、特定資金公共投資事業債償還元金16億2、393万6、000円のうち9億6、904万1、000円が当部の所管となるものでありますが、これは、いわゆるNTT債無利子貸付事業の執行に伴い借り入れた資金の償還金であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、5市中金融機関が社団法人岩手県農業公社に融通した資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償から13ページの35地域振興支援道路ネットワーク整備事業(農道)までの31件であります。内容は、社団法人岩手県農業公社及び社団法人岩手県林業公社の事業資金の借り入れに係る損失補償が3件、農林水産業関係の各種資金の融通に伴う利子補給が9件、平成17年度から翌年度以降にわたって施行される工事に係るものが19件でありますが、いずれも、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。なお、33農道整備事業から35地域振興支援道路ネットワーク整備事業(農道)は、公共事業の一元化に関連する事業であります。
 次に、特別会計予算について御説明申し上げます。
 21ページをお開き願います。議案第3号平成17年度岩手県農業改良資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を歳入歳出それぞれ2億2、914万4、000円とするものであります。
 次に、22ページをお開きいただきまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、1款繰入金は、一般会計からの繰入金であり、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 23ページに参りまして、歳出の主なものでありますが、1款農業改良資金貸付費は、新たな農畜産物の生産や加工を開始、または販売方法を改善するなど農業経営の改善を図ろうとする農業者等に対し無利子資金を貸し付けするものであります。
 次に、24ページをお開き願います。議案第4号平成17年度岩手県県有林事業特別会計予算についてでありますが、予算の総額を歳入歳出それぞれ30億244万1、000円とするものであります。
 25ページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、2款財産収入は、県有林造成基金の運用収入、3款繰入金は、一般会計及び県有林造成基金からの繰入金、5款諸収入は、立木処分に係る売り払い収入等であります。
 26ページをお開き願います。歳出の主なものでありますが、県有林事業費は、県行造林造成事業費等の下刈り、除伐、素材生産及び県債の償還等に要する経費であります。
 次に、第2表地方債でありますが、県有林事業に充当するものであります。
 次に、27ページに参りまして、議案第5号平成17年度岩手県林業改善資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を歳入歳出それぞれ13億5、167万5、000円とするものであります。
 28ページをお開きいただきまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 29ページに参りまして、歳出の主なものでありますが、1款林業改善資金貸付費は、林業経営の改善を図るため、林業者等に対し、林業・木材産業改善資金を無利子で貸し付けするものであります。
 2款木材産業等高度化推進資金貸付費は、森林組合等に低利の運転資金を融通するため、その原資を金融機関に預託するものであります。
 次に、30ページをお開き願います。議案第6号平成17年度岩手県沿岸漁業改善資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を歳入歳出それぞれ3億325万7、000円とするものであります。
 31ページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 次に、歳出の1款沿岸漁業改善資金貸付費は、沿岸漁業の経営改善を図るため、漁業従事者等に対し経営改善資金等を無利子で貸し付けするものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 まず、負担金徴収に関する議案でありますが、59ページをお開き願います。議案第16号農業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、かんがい排水事業等の農業関係の建設事業に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。なお、66ページの農道整備事業及び67ページの農免農道整備事業は、公共事業の一元化に関連する事業であります。
 次に、69ページをお開き願います。議案第17号林業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、林道事業及び県単独治山事業に要する経費の一部を受益市町に負担させようとするものでありますが、林道事業は、公共事業の一元化に関連する事業であります。
 次に、70ページをお開き願います。議案第18号水産関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、地域水産物供給基盤整備事業等の水産関係の建設事業に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、歳入を伴う条例議案について御説明申し上げます。
 議案その2の44ページをお開き願います。議案第44号中山間地域等直接支払交付金基金条例の一部を改正する条例でありますが、これは、平成12年度から実施されております中山間地域等直接支払制度が国において平成17年度以降も継続して実施することとされたことに伴い、交付金の支払い財源に充てるために設置しました基金を継続するために、本基金条例の有効期限を平成22年3月31日まで延期しようとするものであります。
 次に、48ページをお開き願います。議案第47号岩手県手数料条例の一部を改正する条例についてでありますが、当部の所管は、66ページの別表第5の関係であります。まず、57の項(小型船舶検査手数料)から63の項(船籍簿の謄本又は抄本の交付手数料)は、小型船舶の登録等に関する法律の施行に伴い、小型船舶(総トン数5トン以上20トン未満の漁船を除く船舶)の県の船籍登録事務に係る手数料を廃止しようとするものであります。次に、31の項の動物用高度管理医療機器等販売業又は賃貸業許可申請手数料及び32の項の動物用高度管理医療機器等販売業又は賃貸業許可更新申請手数料は、薬事法及び採血及びあっせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴い、それぞれの審査手数料を徴収しようとするものでありますが、あわせて所要の整理をしようとするものであります。
 次に、議案第100号平成17年度岩手県一般会計補正予算について御説明申し上げます。
 議案その6の2ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算補正の歳出の表でありますが、6款農林水産業費を27億円増額しようとするものであります。
 恐れ入りますが、予算に関する説明書で説明させていただきたいと存じますので、予算に関する説明書の4ページをお開き願います。今回の補正は、さきに平成16年度追加補正予算の提案の際にも説明させていただきましたが、岩手県競馬組合の安定的な事業の継続と財政構造の健全化を図ることを目的として、岩手県競馬組合が策定した岩手県競馬組合改革(改訂実行計画)の確実な遂行に向けて、組合経営の安定を図るため、構成団体として年間資金27億円を年0.03%の利率で貸し付けようとするものであります。
 以上で予算関係の議案についての御説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
〇佐々木順一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 2点についてお伺いいたしたいと思います。
 まず第1点は、林業振興についてのことでありますが、これは、資料を私がそろえたものを先般の商工労働観光部にもお渡しをしてございましてやりとりを若干させてもらいました。当部にも資料を渡してありますので、簡単にお伺いいたします。
 新年度から中国の大連に岩手県事務所を開設をする。その活動の中に、本県の林業振興という観点から、本県の木材を売り込む機会を模索をするべきではないか、こう思っての提案でありましたが、資料も渡してありますので、繰り返しになりますから、戦後60年、営々と築いてきた木材がいよいよ伐期を迎えておりますけれども、なかなか販路がない、こういうことからの提案でありますので、ぜひこれに取り組む意欲をお示しいただければこれはこれで終わりたいと思いますが、お願いします。
〇今泉農林水産部長 伊藤委員からの資料、私も読ませていただきました。やはり私、なかなかまだ全体に目が行き届かないところは反省しておるわけでありますが、ただ、どうして他県でできて岩手県でここまでできないんだろうということは大変深く反省しておりまして、今年度、そういったところをよく調査しながら、岩手県として取り組んでいけるものに積極的に取り組んでまいりたい、そのような気持ちでおります。
〇伊藤勢至委員 ぜひ林業振興の観点から、ゼロから1までの間が大変なのであって、1になれば、それが3になり、5になりと、こういう可能性もあると思いますから、ぜひこれに努力をしていただきたいと思います。
 次に、いわゆるIGRの巣子駅の問題にかかわりましてちょっと不透明な点があると思ってございまして、それについて質問させていただきたいと思っております。
 これは、一義的には滝沢村の農業に関する部分とすれば農業委員会の問題でございますが、それを指導監督する県の農林水産部に聞いてみたいことがある、こういうことでの質問でありますので、お願いいたします。
 その間、資料を自分なりに集めようと思いまして、昨日、県議会の議事課から滝沢村の議会の方に問い合わせをしていただきました。聞いた内容は、後で時系列的に話をしたいと思いますが、平成15年8月18日に行われた巣子駅(仮称)整備にかかわる農業委員への説明会での質疑の状況について教示願いたい、こういうことでありまして、回答は、まず、①といたしまして、平成15年8月18日には村当局から農業委員会に対して巣子駅(仮称)整備事業の進捗状況を説明した。②といたしまして、村側出席者は、村長、経営企画部長であった。③として、説明会の大半は村側からの事業の進捗状況の説明に終始した。④といたしまして、説明の後、事業の進捗について若干の質問があった。⑤といたしまして、説明会のやりとりについては正式な議事録等もない。現在、この件に関し刑事告発を受けた警察の事情聴取を受けており、警察から詳細なことについて外部に話さないよう指示を受けているので、差し控えさせていただきたい。こういう回答をもらったところであります。
 これについて、時系列でお聞きしたいわけでありますが、IGR巣子駅の設置にかかわりまして、その土地をいろいろな形で持った方から、その土地で農業をやりたいのだという申請があったわけでありますが、第1回目ありましたのが平成14年10月24日で、このときは、農業委員会の総会では許可が保留になってございます。そして、平成14年11月1日に不許可になっているわけでありますけれども、その不許可の理由が、本人に農業委員が聴取したところ、巣子新駅の予定地として村に所有権等を移すつもりであるとのこと、土地の所有権の短期保有を目的としていると判断されたため不許可とされた、こういうふうになって不許可になったわけであります。この後で、説明会があったのかどうか知りませんけれども、第2回目には、それが3時間の農業委員会のやりとりで今度は全員賛成ということになった。
 その議事録を読ませてもらいます。まず、議長から、続きまして、整理番号3の質疑に入ります。4番委員から、先日の村側の説明を聞きますと、相当村も苦労しているようです。私としては許可したいものだなと考えます。議長は、4番委員は、村政発展のためには許可すべきとの意見のようですが、ほかに御意見等ございますでしょうか。こういうことになりまして、5番委員が、この場所については、駅の設置のためにどうしても村の取得が必要のようで、〇〇さんを経由して村が取得しなければどうにもならないようですが、この営農計画書は、営農するわけではないが、こういう営農計画書をつくって出しますので、これで審議してくださいというものでしょうか。ここで、今度は担当主任だと思うんですが、農業をやるということでの第3条申請ですので、どのように農業をやるのかの説明資料として営農計画書を求めたものです。次に、1番委員が、去年の11月に否決して再度出てきたものです。また、18日には、村長初め、関係者の説明を聞いたわけです。今回、否決されますと、村としての損失も大きいとのことでした。それというのも、我々農業者に対する補助金も来なくなったりするとの説明でした。ですので、これは許可し、村が駅を誘致してほしいものだなと考えます。そこで休憩に入ります。暫時休憩。そして、45分間休憩がありました後、会議を再開して、ほかにご質問ございませんか、なし、そして、挙手全員でこれが今度は許可になった。こういう形があるわけであります。
 そこで、この件に関しまして県当局に佐藤さんという方から質問書が文書で出て、それに対する回答があります。平成16年9月21日、佐藤何々様、岩手県知事増田寛也、公印が押してある回答書でありまして、その中に、岩手県といたしましては、当該案件の事務処理の経過等について調査した結果、滝沢村農業委員会の判断に誤りはなく、適正に行われたものと判断しておりますので、その取り消しを指導する考えはありません、こうなっています。そして、平成15年8月、2回目の申請の際には、第2号及び第4号を含め法第3条第2項各号のいずれにも該当しないと判断しており、その理由は、農地法第3条第1項の規定による許可申請に係る調査書の記載によれば、譲り受け人は、農業に対する意欲十分にあると認めたというふうになっております、回答がですよ。次は、県といたしましては、2回目の申請の際に、譲り受け人が提出した許可申請書及び営農計画書から、特に法第3条第2項第2号及び第4号については以下のように判断しており、アの農業委員会の判断に誤りはないと考えている。そして、譲り受け人は、経営規模の拡大を志向しており、取得後の農地のすべてについて耕作を行うこととしていることから、第2号には該当しない。そして次に、譲り受け人が農作業に従事する日数は年間150日に満たないが、農作業を行う必要がある日数は年間62日であり、本人または世帯員が農作業に従事するということであるので、農作業に常時従事するものと認めて差し支えないものであり、第4号には該当しない。そしてさらに、農業委員会からの聞き取り調査等によれば、次のような事実も農業委員会の判断が平成14年10月、1回目の申請の際と変った要因であること。①といたしまして、1回目と2回目の申請の間に当該農地の遺贈があり、所有者――譲り渡し人が変わったこと。そして、譲り渡し人は、いわゆる不在地主――大船渡市在住――であり、耕作目的を持たない農業者以外の者であること。そしてさらに、平成16年5月28日に本県職員が現地を調査したところ、同地において、営農計画書にある牧草とは異なるが、麦が栽培されており、権利移動の対象となった当該農地が耕作の目的に供されていることを確認している。こうなっております。
 これについて、本当にこのようなことを確認した上で、現地確認をして、本当に農業ができる、こういう判断を岩手県がしたということなんですが、これについてどうお考えでありますか、まずお伺いします。
〇今泉農林水産部長 今、伊藤委員がおっしゃったところの部分、私どもの文書はそのとおりでございますので、そこについては特に触れないでおきます。
 まず、農地法のいわゆる許可の考え方というものについて若干御説明申し上げて御理解いただきたいと思うのでありますが、今回のケースのように、耕作するという意思を持って農地の権利移動の許可申請があったときには、3条の2項というところが今回法的には該当するわけでありますけれども、3条の2項というのは、いわゆる許可をしてはならない場合というものが列挙されておりまして、これらの各号に該当する事由があるかどうかによって許可するか不許可とするかということが判断されます。この許可の性格でございますけれども、ある意味では覊束裁量ということで、なかなか許可権者の裁量の入り込む余地が少ないという扱いになってございます。
 今回、では、どういう場合に許可になり、どういう場合に不許可になるのかということをこの3条に即して例をとって申し上げますと、この3条の趣旨でございますが、申請人が耕作の事業を行う意思がないにかかわらず、他人に転売したり貸し付けたりする目的で結局農地等を取得するようなことを排除するために、取得後の農地等のすべてについて耕作の事業を行うと認めない場合は許可ができないということになるわけであります。これは、農地法が、そもそも農業者以外の者に農地を持たせないという趣旨から出ているわけでありまして、その3条2項はそういった性格がございます。したがって、2項に許可をしてはならないという場合が列挙されておりまして、これの各号に該当する事由かによって許可を判断していくということになります。
 本件の場合、農地の権利を取得した者は、営農計画書において、取得後のすべての農地について牧草を栽培するという計画であったことから、滝沢村の農業委員会は不許可とする場合に当たらないと判断したもので、県としても、この判断は妥当ではなかったかと考えているわけです。
 なぜ妥当かと判断したかということでありますが、私ども、村の方に直接出向きまして、まず手続に問題がなかったか、手続に違法性がなかったか、それから、不許可事由に掲げられている事由に該当するかどうかについての判断に誤りがなかったかということを調査し、かつ現地に出向きまして、現地で実際に耕作が行われているかどうかということを見た上で、私どもとすれば、滝沢村の許可という判断に農地法上の誤りはなかったという判断をしたものであります。
〇伊藤勢至委員 先ほども言いましたように、第1回の委員会で否決になった、不許可になった際の理由が、本人に農業委員が聴取したところ、巣子新駅の予定地として村に所有権等を移すつもりであるとのこと、土地の所有権の短期保有を目的としていると判断されたため不許可とされた、こういうことなんです。それがなぜこの農業委員会の中のやりとり、先ほど議事録を言いましたけれども、営農計画等についてのやりとりがなくて、45分の休憩があって、しかもこの間、行政側からの説明会があったようでありますけれども、大変この辺も不透明だなと思っております。これは一義的に村の農業委員会の問題ということで、後でこれはまたと思いますけれども、いずれその結果、この荒れ地であった土地が最終的には3億1、110万円という値段がついて、これを売買するということで最終的に動いているようであります。
 そういう中で、用地補償を含む買収償還計画によりますと、取得方法として、1番、村が直接取得をする、2番、岩手県土地開発公社が委託を受けて取得、委託取得、こういうことになっています。岩手県の土地開発公社、これは岩手県の出資法人であります。こういうところが、言ってみれば用地2億4、920万円、補償分が8、980万円、あわせて3億3、900万円、これをなぜ代理取得をしなければならないのか。これは、結果的に岩手県の土地開発公社が、ある見方からいきますと、地上げそのものにお墨つきを与えて、そして地上げ行為を後押ししている、こうとられてもしようがないと思うのであります。今、51の出資法人が大変厳しい状況にあると思いますけれども、こういうことが果たして出資法人の最初の設立の目的に沿っているのかどうか、私は大変疑問な点があるのでありますけれども、これは直接は岩手県の行政をちょっと離れたとはいいましても、県の現職が出向した形で行っているところでもありますので、そういうことについて、まず部長がどのようにお考えになっているのか。私は、公社がこういうことというのはあり得ないと思うんですけれども、それについてのお答えをまずいただきたい。
〇今泉農林水産部長 私どもが所管しておりますのは農地法でございまして、農地法は、今回のようなケースの場合、つまり農地法の許可とは別に民法上の多分そういう売買というものがあって、それを結局補完するという形だけであります。今、農地法の関係について私がお答え申し上げたところでありまして、そちらの民法的な、いわゆる土地売買についてこれがどうだということについては私の方からの答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 この問題は、大変重要な問題だと思っております。つまり、県民も大変注目をしているんだと思っておりますけれども、この際、委員長にお諮りしたいと思いますけれども、岩手県土地開発公社の理事長といいますか代表をぜひここにお招きをして、こういう経緯について詳しくお聞きしたいと思っております。一回公社が取得をして、それを3カ年で村が買い戻していく、なぜこんな回りくどいやり方をしなければならないのか。まさに公社が後押しをしているのではないか。そういうところについて詳しく知りたいものでありますので、委員長から岩手県土地開発公社の理事長を招請をしていただいて、ぜひ改めてここでお聞きしたいと思います。
〇佐々木順一委員長 ただいまの発言は議事進行でありますか。
〇伊藤勢至委員 はい。
〇佐々木順一委員長 ただいま伊藤勢至委員から、岩手県土地開発公社の職員を本委員会に参考人として出席をとの申し出がありました。この取り扱いにつきましては、本日の委員会終了後、世話人会を開き協議することとし、その結果につきましては、明日の委員会に報告いたしたいと思いますので、御了承を願います。
〇伊藤勢至委員 委員長にお願いをしたわけでありますので、委員長のお取り計らいということになりますが、できればこの場でお聞きしたいと思っております。したがいまして、世話人会なりを開いて、それについてひとつ御議論をいただいて、できればこの場で、今のままの状況の中でお聞きしたいと私は思うのでありますけれども、お取り計らいをお願いします。
〇佐々木順一委員長 伊藤勢至委員に申し上げます。
 本委員会の任務は、付託された議案を審議し、処理することにあります。本職の任務は、円滑な議事進行に努めることにありますので、現在、審議中でありますので、ぜひ御了承のほどお願いを申し上げたいと思います。伊藤委員、よろしくお願いします。
〇斉藤信委員 今の農地法違反と思われる事案について、私は、地域振興部でこの問題を取り上げました。
 問題は何かといいますと、今、転売をされようとしている土地が、その前から巣子新駅の予定地になっているということなんです。村は、平成14年5月に、今の巣子新駅の予定地として決めているんです。そして、これは県もかかわるけれども、いわて銀河鉄道利用促進協議会、ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社の調査計画報告書――これは並行在来線新駅設置可能性調査です――が平成15年7月ですよ。だから、農業をやるといったって、村も県もかかわったこの利用促進協議会も、それが新駅の予定地だと報告されている中で、農地として農業をやるから許可してくれというのは、私は全く成り立たないと思います。これが第1点です。
 第2点は、これも地域振興部で私、言いましたが、実は、この農地を買うために3億1、000万円の融資を受けているわけです、金融機関から。この利息が4.5%です、年間。1、395万円なんですよ、年間の利息が。営農計画は、牧草をやって150万円の営農ですよ。農業が成り立つわけがないじゃないですか。私は、これは全く転売を目的とした売買だと思います。私は、そこで、農水省の経営局構造改善課に国会議員を通じて聞きました。取得後の転用期間というのはないけれども、転売目的で偽装が見え見えの申請はそもそも許可はおりないものなんだと。新駅予定地なんですから、そして、3億1、000万円も金融機関から融資を受けていて、何で農業をやることになるんですか。これは偽装が見え見えじゃないですか。
 この2点について、部長、まともだと思いますか。
〇今泉農林水産部長 まず1点の、転用が予定されているところの農地の取得は認められるのかということでございますけれども、やはり転用が例えば1年先ないしは半年先に予定されているということであっても、その間そこで耕作するという意思が明確であれば、これは許可せざるを得ないことになっております。これは、私どもも上級庁である農林水産省に確認はとっております。
 それから、多額の借り入れを行っている、それで本当に収支が賄えるのかという話がありますけれども、営農計画というのは、あくまでも通常の農業経営が営まれるかどうかということを判断するということでございまして、滝沢村農業委員会では、出されてきた営農計画でそれが営まれるんだというふうに判断したものと考えております。
〇斉藤信委員 結果的にどうなっているかというと、この土地は、当時の実勢価格の28倍以上で取引されているんですよ。最初の農地として村が直接買えば28分の1で買えるんですよ。大体、金融機関が農地の取得で3億1、000万円融資しますか。農地の取得で3億1、000万円なんか融資するわけがないじゃないですか。それは、もう確実にこれは転売されると、新駅予定地だということがあるから、確実に売れるという根拠があるから融資したんですよ、これは。大体、年間の利息にも合わないような営農計画は営農計画と言えますか。これは、最初に不許可になったときの営農計画と同じなんですよ。変わっていないんですよ。1回は否決、2回目は村長の説明を受けて通したと。私は、これはまさに偽装、農地としての偽装の転売だと。そのことによって高い土地を買わされる。私は、これは本当に深刻な問題で、部長のそんな説得力のない答弁で済む話ではないと思いますよ。どうですか。
〇今泉農林水産部長 農地法というのは、例えばそういう所有権とは別に、両当事者間での農地の所有権の移動というものはあるわけでありまして、そちらはそちらで別にまた考えていかなければいけないもの。農地法は、あくまでも農地の権利の移動が農地法に違反していないかどうかという観点だけで判断されていくものというところで処理せざるを得ないという部分がありますので、その中で、農業委員会としてはそれが不許可には当たらないという判断をしたと。その判断に当たって、法令の適用等について、私どもとすれば特段違法性は認めらなかったというふうに考えております。
〇佐々木順一委員長 斉藤委員に申し上げます。
 関連質疑は、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、農水省はこう言っているんですよ。転売目的で偽装が見え見えの申請は、そもそも許可がおりないんだと。おろしてはだめなんだと。これは農地法の精神なんですよ。現実こういうふうに進行しているわけです。私は、そういう点では、結果的に転売になったと。これは決定が間違っていたということになるんですよ。そして、自治体が28倍もの高い価格で買わされる、こんなことが許せますか。この巣子新駅については、県だって補助金を出すんでしょう。県のかかわる問題ですよ。私は、そういう点では、この問題を本当にもっとあなた方が責任を持って調査、対応すべきだと思います。
 委員長、ぜひこの問題について、知事を呼ぶなり何なり、明らかにする手だてを検討していただきたい。
〇小原宣良委員 今の件について私からも、かねて疑問に思っておりましたので、お伺いしたいと思うんです。
 これは、農地法の解釈と、実際に市町村の農業委員会がさまざまなケースに遭遇するわけですね。その場合にどう判断したらいいだろうかということで、これは独立機関ですから、農業委員会というのは市町村部局とは切り離された独自のものです。農業委員は、公職選挙法に基づいて選挙によって選ばれている、そういう機関ですね。したがって、その上部機関というのは、県の農業会議だと思いますし、その指導なり何なりというものは、当然、県においても農林水産部が所管していると思いますが、指導の立場にあるということでしょう。そういう立場にあるものだから、先ほど出たように、佐藤さんという方から知事に対して、滝沢村の農業委員会の判断に誤りがあったのではないかと、十分に調査をして、その取り消しを指導するようにという趣旨の文書が来たわけでしょう。それに対して、知事名で、佐藤さんという方に返事を出したと。先ほど出ているように、これは滝沢村の農業委員会の判断は正しいのであると、間違ってはいないと、こういう文書を出したということなんです。
 このように、各市町村の農業委員会は、大変判断に苦しむ事案というのは、案件というのはあるんですよ。その場合に、あなた方には当然問い合わせも出てくる。どうしたらいいだろうか、こうした方がいいんじゃないか、これが妥当な判断だと。今までのケースさまざま、裁判判例とか、あるいは当時の農林省の事務次官通達とか、こういう判断材料というのはあるわけですよ。そういうものに照らして皆さん方も指導をされていると思う。さまざまなケースがあると思うから、そのうちの一つなんですよ、これもね。これはもうかなり最たるもので、私も行政実務経験が若干ありますが、農地法も農振法も国土法も、若干見たことはありますけれども、こういう判断というのは私は初めて見ますね、こういう判断というのは。
 というのは、先ほども出ましたように、この農地法の解釈というのは、もちろん農地法の立法の精神であり目的というものをしっかりと据えて判断をしなければならない。結局は、皆さん方が、市町村、農業委員会に指導している資料によっても明らかなように、農地等が資産目的あるいは投機の対象として、農業者以外の者によって取得されることのないようにするとともにということなんですよ。ここが一つあると。
 それから、3条2項各号の、事由がない場合の不許可処分。これは3条2項には、1から8までの項目がありますね。これにすべて該当していかないと、許可の判断はしちゃいけないよと、こういうふうに厳しく具体的に書かれてある。それに対して、先ほど出たように、滝沢村の農業委員会は、2号と4号について、最初のときは問題があるので不許可だと、こういうふうに一たん出した。もう一回、出し直しをした段階においては、2号も4号も、これは問題ないということで許可の判断を与えたんですね。そこに問題がある。
 したがって、これは3条2項各号の事由がない場合の不許可処分という指導文書にはこうある。
 各号の――これは3条2項の各号です――各号の1に該当しない場合には、必ず許可をしなければならないとは規定されていないと。また、社会の発展に伴い、2項各号のいずれかに該当しなくても、現に許可をすることが明らかに農地法の目的に反するという事態が考えられないわけでもないと。以上の点から、2項各号の事由がない場合であっても、行政裁量権を適切に行使し、不許可処分をすることもできると解されると、こうなんですよ。こういう解釈指導があると。
 それから、昭和27年の農林省事務次官通達。
 許可、不許可を決定するに当たっては、第2項各号に明文のない場合でも、農地法全体の趣旨に反するものについては不許可とする等、農地行政の目的に照らして処理することは論をまたないと、こういうことなんですよ。
 こういう形で、皆さん方は市町村の農業委員会を指導しているんですよ、客観的な中で。どこの農業委員会がこういうふうに解釈したとかということじゃないんです。客観的な基準の中であなた方は指導している。
 先ほど部長は、滝沢村の農業委員会の判断はこれこれで正しいと、適切だと、こうおっしゃったが、今、私が例示したような部分に照らして、私は重大な解釈上の疑義があると考えますが、どう考えますか。
〇今泉農林水産部長 確かに各号の1に該当しないからといって、そのときに必ず許可しなければならないというものではないということは私も存じ上げております。(「さっきの答弁と違うぞ」と呼ぶ者あり)いや、ただ、あくまでもやはり許可行政でございますから、許可はなるたけ私は、裁量というものは発動すべきじゃないんだというふうに考えております。基本的に同じ、つまり要件が満たされているのであれば、それはやはり基本的に許可すべきものだというふうに私は考えております。私はそのように考えております。
〇小原宣良委員 私が申し上げたいのは、各市町村の農業委員会が、それぞれの置かれている事情とかさまざまな問題を受けて、独自解釈をしながら土地利用――県土の利用です、言ってみれば――そういう県土の土地利用計画というものの根本を侵しはしないか、侵してはならないんです。そこのところを監督し、指導するのが県の役割なんですよね。ということですから、あとは本質問でやりますから、詳しくは。
 いずれ、そこのところは、私は今の答弁をもってしても、納得はできないということを申し上げておきます。あとは本質問でやりますから。
〇柳村岩見委員 この問題についてのすべてを申し上げるつもりは全くありませんが、何点かお話をしておきたいと思います。
 大変特異なケースであったと、このように私も思うところであります。その出発点は、IGRいわて銀河鉄道、(仮称)巣子駅の予定地の中の9名の地権者の中のお1人。ですから、駅の予定地のすべての土地の地権者ではないのだと、土地の話ではありません。何人かのうちの1人の土地の話であります。
 そこで、出発点がこうでありました。
 登記簿をとると、Aさんという方の権利の土地でありました。Aさんいわく。この土地がどうなるか、売られるか、貸されるか何かされるときは、A、私の意思ではありませんと。人生に世話になった方の判断でありますと。私は登記簿上地権者でありましょうが、私の意思ではなく、人生にお世話になった方、人生にどういうお世話になったのか話は別として、その方の意思によって決せられることであると、そこから出発した土地でございます。その間に、人生に世話になったと言われる方が会社の経営に困難を来し、担保能力を持つ必要があったと。それは、遺贈という形の中で登記をされ、担保能力を持って会社の危機を脱したのでしょう。そういう過程を持っている土地でございます。まことに理解がしにくい、深い、余り事例のある土地ではないのではないかと、このように思うところであります。
 それから、先ほど申し上げました、あたかも巣子駅用地全体の土地にかかわる話のようにお話をされ、ある方が3億3、000万円余の融資を受けてといいますが、今ではそういう土地ではなくて、御存じのように、当初計画予算を半分以下にしての滝沢村議会における債務負担行為が採決をされておりますから、現在では、その話の対象の土地のさらに一部ということになろうかと思いますから、必ずしも巣子駅全体の土地にかかわる話ということではなくて、予定地の一部ということになろうかと思います。
 答弁は必要ありませんが、一部そのように申し上げておく必要があったということで話しておきました。
〇佐々木順一委員長 柳村委員に申し上げます。
 関連質疑でありますので、短時間、簡潔に質問をしてください。
〇柳村岩見委員 そのように私は認識しておりますが、農林水産部長の認識についてお聞きをしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 私は、今回のケースが農地法に照らして妥当であったかどうかというところだけの事実は把握してございますが、その裏にあるそういった経緯については承知してございませんので、それについての所見は控えさせていただきます。
〇新居田弘文委員 2点ほどお聞きします。
 今の駅の問題ですけれども、実は都市計画法上で見ますと、16年1月21日に都市計画道路巣子駅線及び巣子滝沢駅線ということで都市計画決定がされまして、それから5月6日に市街化区域に編入されております。と申しますのは、申請した14年10月10日、第1回、それが不許可になって、第2回目の申請が8月になされて11月28日に許可ということですが、その都市計画が決定する以前に、地元地権者に対して、住民に対して説明会を14年6月15日に開催しております。ですので、第1回目の申請をして不許可になった時点では、その当該地域での都市計画上の駅前広場とか、あるいは関連道路の計画が全部地元に周知された後の申請でございますので、農業委員会が最初に不許可にした時点では、短期所有で将来の農業に使うものではないよということで判断して、多分不許可にしたと思うんですけれども、したがいまして、先ほど部長が言いますように、2回目の許可が法令上問題ないという説明でございますが、それでは、最初の方が法令に照らしてどうなのかという疑問を感じるわけですけれども、いずれ、一貫して1回目の不許可が適法であれば、あとの許可が同じ理由の同じ申請でございましたのでおかしいんじゃないかと、いわゆる土地転がしに該当しないかどうかの疑問を感じますということで、もう一度説明をいただきたいと思います。既に地域の関係者が知っているという事実の中で申請されたということでございます。
 それから、先ほど土地開発公社が取得するやに話が出ましたけれども、もし承知であれば、既に契約しているものかどうか、おわかりになればお示しをいただきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 済みません、私もちょっとあやふやなこと言えませんので、整理したペーパーでちょっと御答弁したいと思います。
 1回目の申請と2回目の申請で判断が異なったというのは、私どもの調査では、1回目の申請の際には、譲り受け人本人が農業委員会からの聴取に対して、駅用地として村に所有権を移すつもりだとの発言があったことから、滝沢村の農業委員会は、耕作目的の農地取得ではないと判断したということが大きいかと思います。
 2回目の申請の際には、そのような事実がなく、農地法第3条第2項各号該当の有無の検討をした結果、いずれにも該当しないと判断したということになります。あとは、では、その転用が予定されているところを許可するのがいかがかということは先ほど申し上げましたように、そこでその先転用が予定されていても、やっぱり半年間なり1年間なり耕作できるんだと、耕作する意思があるんだということであれば、農地法上該当しないということで許可したと。その判断は少なくとも、農地法の解釈上、問題はないだろうと私どもは是認したわけであります。
 それから、土地開発公社の関係につきましては、申しわけございません、私どもの方で承知してございませんので、それは御容赦願います。
〇佐々木一榮委員 1点だけ関連します。
 部長は、この農業委員会の議事録、第1回目、第2回目、これ読まれているでしょうか。
 先ほどありましたように、2回目の農業委員会の議事録の中では、これを通さないと村が大変なことになる、我々農業者に補助金がなくなるからということですぐ採決になっているような議事録です。
 それから、さっき伊藤勢至委員が出資法人の理事長とお話しされましたが、県出資法人の土地開発公社の理事長は竹内副知事であります。
 そもそも許可の部分からいきますと、さっきから農地法の話がありますが、その後に今度は土地取得で県の出資法人という中で、これがさっき言いましたように、説明会の内容について今警察が事情聴取中なので差し控えたいという、役場側からそういう話が来ているんですね。こういう状況の中で事業が進んだ場合に、この最終責任というのは、どういう形でどなたが執行されるかとなると、当然県ですから知事という認識を持っていますが、それでよろしいでしょうか。
〇今泉農林水産部長 ちょっと最終責任がどこかということは、もともとはこれは滝沢村が進めている事業でございまして、そこの中で判断していかざるを得ないのかなと思っておりますが、それについては御答弁、ちょっと差し控えさせていただきます。(「議事録読んだのか」と呼ぶ者あり)
〇今泉農林水産部長(続) 調査の過程で両方の議事の概要を読ませていただいております。
〇佐々木博委員 私も関連で1点だけ。
 結局いろいろありますけれども、農地法の3条の許可が妥当だったのかどうかということが争点なわけであります。結局、農地法の3条というのは、先ほど部長は、3条の2項に記載していないものについては、覊足行為で裁量の余地が少ないという答弁をされましたけれども、私は農地法の解釈については、小原委員の方が正しいと思いますよ。
 それは、覊足行為は裁量の余地がないわけじゃありませんから、やはり変だと思ったら裁量しなきゃいけないんですよ。裁量の余地はあるんですよ。それで、今回の場合、農地法の、要するに農地を粗末に扱っちゃいけないというのが農地法の趣旨ですよ。今回の場合、本当に営農計画をやるということであればそれはよかったでしょうが、裏には滝沢村の、要するに巣子駅の用地として転売するということがあって、しかも農業委員会では、ほとんどその説明に終始しているわけでしょう。ですから、これが本当に農地法の3条の許可として妥当なものかどうか、もう一度私は部長の見解を聞きたいと思いますよ。
 いずれ、覊足行為で裁量の余地をなるべくとりたくないというのは、私は責任の放棄だと思いますが、いかがですか。
〇今泉農林水産部長 確かに解説では、本来的にはまず覊足行為だけれども、やはり農地法全体の目的に照らしてというときには、できないと解されているものというような言い方をしてございます。ただ、一方で、最高裁が、農業委員会の自由な裁量にゆだね任せられているものではないのだという、一方は判決も下してございます。となれば、やはり私どもとすれば、それはそちらの方を優先せざるを得ないだろうと。やはりそこのところは、いろいろお考えはあろうかと思いますけれども、やはり許可行為であり、かつ、そういった最高裁判決も出ているのであれば、我々としてはある程度形式的とはいえども、法の解釈に従って判断せざるを得ないのではないかと思っているところであります。
〇佐々木博委員 関連ですからこれで終わりにしますけれども、最高裁の判例とおっしゃいましたが、最高裁の判例、最高裁に限らず、判例はまず事案を見て、やはりどちらに勝たせることが妥当かということが必ず判断に働くんですね。純粋に法理論だけで決まっているわけじゃありませんよ、最高裁の判例といえども。その辺の事案も調査して、それでぜひとも再考していただきたいと思いますが、いかがですか。
〇今泉農林水産部長 今のところ、今のままの事案でというか、これ以上の事実がなければ、ちょっと再調査というのを考えるのは難しいかなと思っておりますが、いずれ、何かまた出てきましたら、そのときにやっぱり考えなくちゃいけないだろうとは思っております。
   〔「議事進行について」と呼ぶ者あり〕
〇田村正彦委員 議事進行について委員長にお願い申し上げたいと思います。
 この問題、ただいまの質疑にあるとおり、大変複雑怪奇であります。それぞれお互い資料を持ち寄って集中的に審議すべきと思いますが、この点についてお諮り願います。
〇佐々木順一委員長 田村正彦委員の御発言の趣旨を踏まえ、世話人会を開催いたしたと思いますので、暫時休憩いたします。
   午前11時24分 休 憩
   午後1時3分 再 開
〇佐々木順一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 世話人会の協議結果を御報告いたします。
 田村正彦委員から、IGR巣子新駅用地関係について集中審議を求める発言がございましたが、世話人会で協議した結果、集中審議をしないこととの結論に達しましたので、御了承願います。
 質疑を続行いたします。
〇渡辺幸貫委員 10月24日に滝沢村農業委員会が1回目の審議をしているわけでありますが、このときには、どうも農機具も本人はお持ちになっていないし、稼動者――働く人もどうも1人だったというふうに把握しているわけでありまして、結局、そういう疑問に対して当局は、稼動者は1人ということである。一方、営農計画書では2人となっているが、近くに住んでいる譲り受け人の父も農作業を行うことのようだ。また、譲り受け人の方は現在田んぼをやっているわけではなく、畑から何か出荷しているわけでもない。和牛をこれから飼いたいとのことである。現在持っている2町4反の畑は付近の人に貸しているとのことであるが、農業委員会は通していない。取得後の農地については、牧草を作付するということ。それに対して質問は、売買価格を教えてほしい、整理番号3番、10アール当たり500万円となっているという答弁であります。
 ということでありまして、結論は、この実情については、2回目の農業委員会でもやっぱり牧草に関する農機具なり何なりも持っていないじゃないかということを盛んに言われているわけでありますが、その辺の不耕作目的の権利取得の禁止、つまり3条の2項の2号に対しての見解を、これらの事実を県は把握して、よかったのか悪かったのかということを当局――滝沢村の方から聞いていらっしゃるのかどうなのか、その点だけ。
 それと、この判断は、さっきは妥当だということを何度もおっしゃっているわけですが、通常では今のような事実の場合には不許可が普通ではないかと思うのでありますが、その点の通常の判断と、この事例の判断と二つ、常識的なものと、この事案についてはこうだというお答えをいただきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 細かい話でございますので、担当課長の方から答えさせていただきます。それを踏まえて私の方からまた御答弁申し上げたいと思いますので、お許しいただきます。
〇及川農業振興課総括課長 10月24日にそういうことがあるんですけれども、これにつきましては、多分平成14年の調査結果から言われておるということと承知しております。その後、いろいろうちの方で調査した経緯もありますけれども、あと、国の農政局等の照会もありましたけれども、その中では、そういう機械も持っているし、営農計画に間違いないという国の判断もありますし、我々もそういうような形で判断しておるということでございます。
 通常の営農の判断でございますけれども、直接経費、ああいう形で、土地の取引はあるんですけれども、通常の営農の直接経費、収入支出の中ではそういう営農計画も一つの農地を管理する中ではあるのかなという判断だと思っております。
〇渡辺幸貫委員 通常は、こうだと思うんです。この方は、今までやみ耕作で隣の人に貸していた、本来、トラクターも持っていなかった、こういうことが農業委員会の議論の中で明らかになっています。そして、今までやっていなかったということは、こういうことだと思います。普通は、例えば、みずから耕作等の事業を行うか否かの判断は、新たに所有権を取得し、または使用及び収益権の設定もしくは移転を受けようとする土地についてのみ行えば足りるものではなく、今まで耕作等の事業に供していた農地等と新たに権利を取得する農地等との全部について判断する必要があります。要するに、今までこの人がどういうふうな農業をやってきたかということも全部について判断しなければならないんですね。後に出てきたこの申請書の中に、トラクターがあって、モーアーもなければヘイベーラーもなく、そしてなおかつ12キロの距離があって、それでトラクターの22馬力がとことこと、私の経験でいけば大体2時間ぐらいかかってそこに行ってやってきて、それで40万円かの収益を上げるというような計画書が出ていたときに、今申し上げた法的な意味での通常の判断とは著しく異なると私は思うのでありますが、その点についてはいかが思いますか。
〇及川農業振興課総括課長 本人につきましては、農業委員会の調査した結果によりますと、農業委員会には農家台帳というのがありまして、そこでそういう農地があって耕作しているというようなこと、そういうところから農業委員会は判断しておるわけでございます。それはそのとおりでございますし、そのほかに、その後、平成15年の時点では確かにトラクターはあったということですし(渡辺幸貫委員「14年は」と呼ぶ)、14年についてはそういうようなことは多分、農業委員会の方の調査では(渡辺幸貫委員「ないでしょう」と呼ぶ)、はい、そういうようなことだと思います。
 ただ、その後、平成15年の段階では農業委員会の調査ではトラクターはあるし、牧草栽培に係るアタッチメント等については近くから借りて利用できるとか、そういうことで営農可能ではないかという判断をしたということのようでございますので、そういうことも考えられるということで妥当かなと判断したわけでございます。
〇佐々木順一委員長 渡辺委員に申し上げますが、関連質疑は、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力をお願いいたします。
〇渡辺幸貫委員 つまり、今、あなたの発言の中に、前のときにはトラクターはなかったと。要するに、今までの耕作等の後ろ姿がなかったのに、平成15年の許可するときにはあったと。これでは、この法3条2項の趣旨に合致しないんじゃないですか。つまり、農地を取得しようとする者がどうも耕作するつもりはなくて、他人に転売し、あるいは貸し付ける目的を持って許可の申請を出していることを諸般の事情からもわかる場合には、許可権限庁としては許可を出さないとするものでありますということになるんじゃないですか。
 以上の質問で終わります。
〇及川農業振興課総括課長 平成14年当時はそういうようなことで記録に残っていますけれども、その後、私らも調査した経過がありますし、その後、国の農政局等の調査もいろいろありました。その中で、平成15年当時にはそういう機械もあったし、アタッチメントも借りることができる。それから、農業委員会の農地台帳を見ましても未貸し付けとなっておりますし、それで本人は、農地取得後は取得農地とあわせて牧草を作付するという計画ということで、その営農計画は正しいものだということで農業委員会も認定しておりますので、私らの方も農業委員会のそういう状況判断を正しいものだと判断したわけでございます。
〇大宮惇幸委員 滝沢村農業委員会の農地法3条の許可に関して、まさに実勢価格を無視した取引、これを認めたわけであります。これがもう先例になるわけです。滝沢村周辺の市町村も、大変この取引に注目をしております。もちろん県内の市町村の農業委員会も注目しておるだろうと思いますが、今後、市町村の農業委員会に対して、担当課の指導はどのように行っていくのか、その考え方をお聞かせ願いたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 農地法につきましては、農地法そのものの目的は、耕作者の地位の安定と農業施策の増進の二つでありまして、この二つの目的を達成するために、農地は耕作者みずから所有することが最も適当であるという認識のもとに耕作者の農地の取得を促進いたしまして、その権利を保護するというのが一つの方向でありますし、さらに、土地の農業上の効率的な利用を図るために、その利用関係を調整するという二つの大きな目的であります。一方では、そういう農地等が、今ありますように、投機的目的等で取得されている場合もございます。生産性の高い経営体によって効率的に利用されるようにするということで、農地等の農業上の利用と農業以外の利用との調整を行いながら優良農地の確保を図るということを基本前提として今後ともいろいろ指導してまいりたいと思ってございます。
〇大宮惇幸委員 3条の説明を聞いているんじゃないんです。滝沢村を中心とした近隣の市町村あるいは県内の市町村の農業委員会は、こういう3条の実勢価格を無視した取引に注目しているんです。こういう先例をつくってしまったんだから、今後どう県内の市町村の農業委員会に指導していくのかということを聞いています。3条についてはわかります。3条は、農地取得して規模拡大をしてやっていく農家にある3条なんですよ。だから、私の聞いているのは、県内の農業委員会への今後の指導体制を聞いています。お答え願います。
〇今泉農林水産部長 平成12年の地方分権一括法に伴いまして機関委任事務が廃止されて、農地法に係る許可事務は市町村農業委員会が処理できる法定受託事務になったわけであります。機関委任事務のときと違って我々県庁は直接上級庁という立場にはなくなったわけでありますが、いずれ農地法が本来の目的どおりに適切に運用されなければならないということは大変大事なことでありますので、これを機に、我々としてももう一度市町村に対する指導のあり方というものを考えて適切な対処をしてまいりたいと思っております。
〇千葉康一郎委員 この用地のことについては、既に巣子駅用地になるということについては、その当時、周知の事実であったわけです。一回これは申請に対して保留になって、さらに不許可になって、そして最後は、平成15年8月20日に、その不許可を覆して滝沢村農業委員会が許可する旨の議決が行われたわけなんですが、この間、不許可になった場合には、この処分に不服があるときは行政不服審査法第5条第1項の規定によって、この処分を知った日から60日以内に審査請求することになっているんですが、これはなされないで再度同じような内容で申請をしてきた。一つは、これは受け付けられるものなのか。
 さらに、このことについて農業委員会から県に対して指導を求められたか、つまり相談を受けたかどうかということ。相談があった場合にはどういうふうに指導したか、その内容についてお聞きします。
〇今泉農林水産部長 前段は私が答えます。当方にどのような相談があったかについては担当課長の方から答えさせますのでお願いいたします。
 今回のようなケースに限らず、一般的に、一回申請し、却下された。その後に、申請書を補正するなり何なりして再度申請することは私はあり得ることだろうと思っております。必ずしも許可されなかったからといって不服申し立てを行うのではなく、補正できるものであれば申請人の方が補正する。逆に、受けた方が前回指摘したその部分が補正されているというか治癒されているということであれば、その申請書を受け付けて再度手続に入るということは一般的にあり得ることだと考えております。
〇及川農業振興課総括課長 平成14年11月当時、不許可となったときに、村の農業委員会の方から地方振興局を通じまして、どうも行政不服審査の請求の動きがあるらしいと、そういうことで相談を受けております。そのときに当初の方の回答では、申請書の記載事項及び添付書類に不備がなく、そして3条許可要件を満たせば、仮に何年後かにIGRいわて銀河鉄道の建設予定地で買収される見込みがあっても許可せざるを得ないだろうが、いずれ判断は許可権者である農業委員会である。いわゆる法定受託事務でありますので、滝沢村農業委員会の判断であるというような指導をしてございます。
〇千葉康一郎委員 相談があったわけですね。相談があって、結局、県が責任逃れみたいな形になったんじゃないか。滝沢の農業委員会に任せたというふうに私はとったんですけれども、それはどうなんでしょうか。
〇今泉農林水産部長 先ほど答弁申し上げましたように、法定受託事務で、第一義的な事務権限を行うのは村の農業委員会ということになってございます。したがいまして、私ども、御相談を受ければそれにはお答え申し上げるということしか今はできないということでございまして、決してその判断を村にすべて丸投げしたとか責任を逃れたということではないというふうに考えております。
〇佐藤正春委員 農林水産部長、あなたね、午前中からの答弁を聞いているんだけれども、部長の素質に欠けるね。そう思いませんか。いいですか、今やっているのは、県の農林水産部の予算ですよ。さっきから聞いていると、あなたの権限というのは、いわば滝沢村の農業委員会のあり方、農地法の解釈でしょう。それ以外に何も権限はないんですよ。べらべらべらべら、何も予算に関係ないことを何を答弁しているんですか。最終的には、先ほど大宮委員から言われたように、あの答弁でいいんですよ、それで。人が金もうけしようが何しようが、何であなたがそれに関与するんですか。委員長は冒頭に何と言ったんですか。開会の冒頭に何と言いましたか。質疑は簡単に、部長の説明は新規事業を中心にして簡明に、こう言ったでしょう。あなたは委員長の言うことを聞いてないじゃないですか。だめだよ、あなた、やめなさい。全く何をやっているんですか。この混乱のもとはあなたですよ。自分が何様だかわからないけれども、あなたは部長なんだから、滝沢の部長でも何でもないんだよ、しっかりしなさい。
 そこで私は、森のトレー、このシリーズは、私は任期があと2年間あるから、予算・決算ずっとやるから、楽しみにして待っていてくださいよ。森のトレーのうそつき答弁についてお伺いします。
 私が昨年、森のトレー疑惑について質問したところ、あなたは、県では計画どおり実績のある庄内鉄工方式で進めてはどうかと指導したところ、トレー組合では、トリニティ工業方式採用の意思が固かった、こう答弁しています。なぜですか。それは、庄内鉄工との間にトラブルが生じ、だめになった。トラブルの原因は、トレー切削刃の耐久性の保証についてであるが、これは、知事も農林水産部長も、組合の岡野専務がこう言っている、全部こういう答弁で、自分が確認して調べたのは何もない。全く無責任だ、これは。県より12億5、000万円あるいは4億2、600万円の立てかえ払いは、県民の金です。全くその意識がないんだ。だからこの審議のときの冒頭に伊藤勢至委員が怒っていた。最近怒らなくなった、何の事情かわからないけれども。怒るのは当たり前ですよ、それは。
 そこで、私なりに調査した結果、非常になかなか難しかったが、庄内鉄工社長とトリニティの代理人弁護士竹下氏より文書で回答を得ています、私の方は、一部は知事に聞きましたが。庄内鉄工では、まず、取引中止の原因となったトレーの切削刃の問題については100分の0.01程度だろうと断言しています。これが理由ではない、こう言っているんだ、庄内鉄工の社長は。どっちがうそを言っているんですか。あなたがうそを言っているんですか、庄内鉄工が言っているんですか。あなたが一番の責任者だから、どっちがうそを言っているんですか、お答えください。
〇今泉農林水産部長 どちらがうそを言っているかというお話でございますけれども、私どもは、この問題に関して佐藤委員に常々お答え申し上げているのは、両者の間で切削刃の問題が発端になって、その後、それまでいろいろとトラブルがあったみたいですけれども、それらが複合して結局連携関係が壊れたんだということを申し上げております。私どもからすれば、それは双方それぞれの言い分はあるんだろうと思いますけれども、少なくとも両者の間に何か原因、その発端はそれぞれ言い分が違うわけでありますけれども、いずれ連携関係が壊れていったんだと。そこのところにおいて私どもは認識に違いはないというか、うそはついていないというふうに考えております。
 それから前段、トレー組合ではトリニティ工業方式採用の意思が固かったという答弁をしています。それについてなぜかというお尋ねでございますけれども、これも、これまで何度かこういった機会に申し上げていますように、トレー組合は、生産数量を上げていく上でコストをどう下げていくかという課題に直面していた。そんな中で、やはり庄内鉄工方式の場合だとコストが下がっていかない。そういった中で、トリニティの方から一貫したラインでもってさらにコストを下げていくという提案があったのでトリニティの方に乗っていったというか、それを採用していったんだというふうに私どもは考えておりますし、これまでも再三そのようにお答え申し上げてきたところであります。
〇佐藤正春委員 部長、あなたは一番の責任者なんだから、私の方が正しいんだ、だから裁判をやっているんだ、庄内はうそつきだとなぜ言えないんですか。裁判をやっているんでしょう、そのために。あれはうそをついているんだと。私の方が正しいんだと。自信がないんですか。
 知事は、さきの総括の答弁ではっきり言っているんです。庄内からは話を聞いていない、こう言っている、知事は。そこで聞くが、なぜ庄内鉄工、トリニティ側から状況説明を聞かないんですか。聞くのが当たり前でしょう。なぜ聞かないんですか。
 次に、県と私の調査の違う点について伺います。
 1、トレー切削刃の耐久性保証については、段ボールを切断するのと違い、今回は単板を接着剤でくっつけたものの切断で、実績がないので、幾らまで保証しろと言われてもできない。ただ、岩手林材向けに無償で試作品をつくっている機械のトリミングの作業工程で使う刃は2年使った。まだ使えると、こう言っているんです。今のトリニティとあなたのとちょっと違うんじゃないですか。2年使って、まだ使えると、こう言っている。
 2番目に、切削刃の保証が取引をとめた原因ではないと断言しています。取引中止の約2年前から岩手林材に何万枚もトレーを無償で供給していたが、岩手林材が展示会等で全く関係のない通行人などにトレーを10枚、20枚と配って自社の宣伝用にしているので、岡野専務に庄内鉄工は怒って、電気代、人件費だけは払ってください、これは元金がかかっているんですからと、こう言ったらプンとなって怒って、それから関係が悪くなって取引をやめた、こう言っているんです、向こうは。
 次に、岡野専務のパクリのせいで――このパクリというのはよくわからないんだけれども、盛岡弁かな、これは。パクリというのは、多分だますという意味だろうと思うんだけれども――トレーを無償で岩手林材に出した。全く商道徳に反した理不尽な人だ、許せない、こう言っているんです。
 5番目、庄内では、トヨタの担当者にもトレーは金属と違うので難しいことを説明しています。
 6番、再三にわたりやめた方がいいと組合に忠告したが、目がトリニティの方に向かっていた。
 7番目は、コンサルが入って、大量生産するために自動搬送が必要ということになったようだが、そのことは全く庄内の方では教えてもらえなかった。
 8番、トリニティの代理人弁護士竹下さんは、組合や県などからふぐあいのため稼動おくれを指摘されたが、設備の稼動おくれは責任がないと回答している。すなわち、指示どおりの製品である、こう解釈します。
 9番目、農林水産部長は、さきの答弁で、トリニティからの借入金2、000万円は5、000万円の範囲内と答えているが、私の調査では、トリニティの竹下代理人弁護士は別個の貸し金だと、貸した方が言っているんですよ。別個の貸し金ですと。あなたが言っているとおりに5、000万円の範囲じゃないですよ。2、000万円は2、000万円、5、000万円は5、000万円です、こう言っているんです。なぜうそを言うんですか。また私のことをだますんですか。はっきりしてください。
 10、さきの知事の総括質疑でも質問しましたが、この裁判の原告は組合の岡野氏でございます。原告が裁判費用を一銭も払わないで、裁判所から却下された県がなぜ弁護士代を払うのですか。違法ではないんですか。私は返還を求めたい、こう思っております。
 11番目、負担金補助及び交付金で森のトレー裁判に係る弁護士の日当等を予算措置しております。これは農林水産部の方でしております。この契約の相手方、県費の支払い先はどうなっていますか、念のために伺っておきます。
〇今泉農林水産部長 何点かお尋ねがございました。
 まず一つ、なぜ庄内、トリニティ側から説明を受けなかったのかという御質問でございます。これについて、庄内、トリニティから説明を受けるとすると、それは、佐藤委員がかねがね問題視しておりますトリニティから組合への月500万円の費用負担あるいは5、000万円の融資の性格に起因するんだろうと私どもは考えております。ただ、この性格につきましては、既にトレー製造ラインのふぐあいで資金難に陥ったことから、トレー組合がその責任を理由にトリニティ工業に要請した結果行われたものであると認識しておりますし、その交渉経過については、両者の間で取り交わされた書簡によって、こういった経緯であったということは私も確認してございます。したがいまして、そこの費用、ここの500万円なり5、000万円なりの金の性格というものが明らかになっている以上、少なくとも私ども、どういう理由でそこの間が破綻したのかということについては、別に庄内あるいはトリニティから詳しく説明を受ける必要はないのではないだろうかと考えまして、今回あえて庄内から説明を受けなかったというものでございます。
 なお、トリニティにつきましては、もう既に県が支援している訴訟の係争相手でありまして、トリニティと組合との事実関係については、いずれ必要に応じて司法の場で明らかにしていきたいと考えております。
 次に、庄内鉄工とトレー組合の発言の食い違いでございます。それぞれ双方の言い分があると思っておりますが、いずれにしてもさまざまな要素が絡み合って、最終的に連携関係の解消につながったという結果については相違ないと認識しているところでございます。
 次に、2、000万円と5、000万円の貸付金の話でございますが、さきの12月議会で、確かにトリニティ工業からの借入金の2、000万円は限度額5、000万円の範囲内であるという旨の答弁を行っております。これは、組合とトリニティ工業が合意した運転資金としての借入金の限度額が5、000万円であった、そのような意味で、2、000万円は5、000万円の範囲内である。つまり、金の性質は同じでありますということでお答え申し上げたものであります。いずれ2、000万円の借入金があって、後で5、000万円の金銭消費貸借が結ばれた時点で、その後旬日を経ずして2、000万円はトリニティの方に返還されているということから判断いたしまして、私どもとすれば、金の性格は同じなのだから、2、000万円は5、000万円の範囲内のものでありますというお答えを申し上げたものでございます。
 次に、裁判費用の負担の関係でございます。なぜ弁護士費用を払うのかということでございますが、この訴訟の目的は、訴訟の相手方から賠償金を獲得し、それを補助金の返還金に充てること。すなわち補助金に係る返還金の回収にあります。一方で、組合には訴訟費用の負担能力がなく、訴訟を維持することができないということがございますので、県といたしましては、県の負担を最小限にするために訴訟費用を負担し、この訴訟を支援しているものであります。
 次に、弁護士日当の契約の相手方と県費の支払い先についてでございますが、県が弁護士費用を支出する場合の契約の相手先及び支払い先はトレー組合でございます。トレー組合からの請求により、県から組合あてに負担金として支払い、その後、組合と弁護士との訴訟委任契約に基づき、組合から弁護士に支払われることになっております。ただし、県からの実際の支払いに当たりましては、組合が県から支払われる負担金の受領について弁護士に委任していることから、県から弁護士に直接支払っているという関係にございます。
〇佐藤正春委員 部長あなたね、ずっと競馬だの今の農業委員会の問題を聞いているけれども、話はうまいけれども、聞いている我々同僚委員の皆さんが、何またインチキ言っているんだろうと、皆聞いているんですよ。
 例えば、庄内鉄工だのトリニティから説明を受ける必要はないと判断した。一方的に自分の部下だの組合の岡野さんの方から話を聞いていて、じゃ、あなたは岡野さんの何か代理ですか。顧問でもやっているんですか。それとも、言っちゃ悪いけれども、幾らかもらっているの。そうじゃないでしょう。公平にするなら双方から聞くのが当たり前でしょう。だから私は、冒頭に聞いた、どっちがうそを言っているんだと。答弁できないんですよ、これは。そうでしょう、双方から聞いていないんだから。だから、今おっしゃるように、庄内から説明を受ける必要はなかったといったって、委員の皆さん納得しますか。納得しないでしょう。双方聞いて判断しなければならないでしょう。そういううそを言うからうその積み重ねになっていく。例えば、私は、金を貸した方のトリニティの弁護士の方から聞いているんです。金はこれで合っているんですかと、いや、2、000万円は2、000万円で先に貸したんですよ。一たん返されましたよ。それからまた5、000万円貸してくださいと言われているんです。まだ全部返していないから、今、残金の訴訟をやっているんです、こう言っているんです。弁護士がうそをついたんですか、これは。あなたの方がうそをついているんでしょう。貸した方が言っているんだから。あなたは借りた方の代理で言っているんだから。こういううその積み重ねをしているから問題なんですよ。あと2年間あるから、じっくりやるからね、これから、楽しみにしていてくださいよ。
 さて、時間がかかるから続けていきますけれども、ただいまの質疑でもおわかりのとおり、庄内鉄工は一番実績があるんですよ。県が推薦しただけに実績があるんです。ただ、金は出さない。リベートを出さない。仕事をとるのに技術力と実績で商売している会社なんです、庄内は、私が調べたところ。トリニティは、県の方にも投書が来ている、私の方にも告発が来ているとおり、岡野の言い分どおりにリベートを出します、こう言っているんです。また、うまくいかなくなったときには月500万円ずつ出します、こう言っている。もっとわかりやすく言えば、岡野さんの組合はおいしい方に乗りかえたんですよ。これが一番わかりやすい。一銭も出さないより出してもらった方がいいんだから。そっちに乗りかえた、こういうことなんですね。
 県は、なぜ庄内鉄工を推薦し、採用するようにあれだけ言っていながら、トリニティ工業に変更することを阻止できなかったんですか。おかしいじゃないですか。なぜ阻止しなかったんですか。補助金は出しているんですよ。岡野は一銭も出していないんだから。金を集めてやっているだけで、一銭も出していない、自分の方からは。にもかかわらず、県はこれだけの金を出しているんですから、なぜ阻止できなかったんですか。そうすれば結果的には、私はわかりませんが、庄内鉄工がやればこういう結果にならなかったんじゃないか、こう思っております。
 なお、トリニティ代理人の文書によると、平成11年6月16日、トヨタ側、岡野親子、久慈地方振興局川村課長、岩田係長、林担当官と打ち合わせ、以後24日以降断続的に打ち合わせを行い、平成12年1月27日に平成10年度予算、11年度予算分の契約を締結しております。これに問題はございませんか。私の手元に内部告発が来ております。何回会食して会費は何回払ったんですか。県では一応処分はしていますがね。明らかにしてください。
 また、裁判費用について、知事は、新年度は計上しないと言っているのに、農林水産部では84万円計上しています。これは知事を裏切って、無断でこんなことをやったんですか。さきの知事の総括では、知事は答弁できないですよ、あなたの方から資料も何も上がってないから。大恥かいた、知事は、答弁できないから。その責任はあなたにあるんですよ。責任とってやめなさい、あなた。知事にあれだけの恥をかかせて。責任ありますよ。
 また、森のトレー損害賠償請求訴訟の原告は、組合の岡野氏であるのに、岡野氏は裁判費用を一円も払っていない、一銭も払っていない、先ほど申し上げたとおり。また、県は、この裁判の原告でなく補助参加の申し出も裁判所に却下されています。私は1回目から聞きに行っている。あなたは来ていない。こんな大事な裁判でも来ていない。私は1回目から行っているんだ。県と裁判をやっている、直接じゃないんだけれども。議員として行っている。あなたなんか見たことないじゃないですか。このような中で、県が訴訟費用を負担するのは適正な予算措置と言えない。そもそも県の予算は県民の福祉向上のために執行されるべきものであるが、農林水産部長はどう認識しておりますか。私は決算特別委員会でまた聞きますよ、このことを。あなたはうそを言っちゃだめですよ。
 また知事は、さきの答弁で、組合の弁護士源新氏も関係書類も知らないと、こう言っている。源新氏の書類がここにあるんだけれども、知事はそうおっしゃっている。知事は、裁判自体に関心がないんじゃないですか。自分が訴訟をやっている弁護士の書類もわからないというのだから、関心もないんじゃないの。部長、私はあなたに確認しておきたい。この裁判は勝てると思いますか。勝ちますか。はっきり答弁してください、この際、その点だけまず伺っておきます。
〇今泉農林水産部長 まず1点、県はなぜトリニティ工業への変更を阻止できなかったかということでございますが、補助事業でありましても、事業変更の責任はあくまでも事業体側にあって、事業体側から強い意向を示されれば、それを県として拒否することはできないと考えております。そういったことで、結局トリニティへ変更していったものと考えております。
 庄内鉄工ならこんな結果にならなかったのではないかということでございますが、庄内からトリニティに乗りかえたのは、結果として生産コストの面で折り合いがつかなかったということで乗りかえたわけでございます。仮に庄内鉄工で行った場合、生産コストが合わず、逆にそういったところでの問題が出た可能性もあります。また、トムソン刃――トレーの縁をカットする刃の耐久性で問題が発生した可能性もあると考えております。したがいまして、庄内鉄工ならふぐあいが起きなかったということについては、やはりこれは何とも言えないのではないかと考えております。
 次に、契約締結の問題でございますけれども、私どもの調査では、トレー組合がトリニティ工業に会ったのが平成11年6月14日でございます。その約1カ月後の平成11年7月13日の理事会においてトリニティ工業方式の採用を決定し、その後、平成12年1月27日に10年度予算、11年度予算分の契約を締結したと承知してございます。
 次に、会食があったのかということでございますが、該当する職員から聞き取りした結果、委員御指摘の平成11年6月から平成12年1月の契約日前までの間においてトリニティ工業の関係者等と会食したことはない旨報告を受けております。
 次に、裁判費用の予算計上についてでございます。決算特別委員会で平成17年度当初予算に特別の訴訟費用を計上する必要は今のところないと考えていると知事が申し上げた趣旨は、例えば、今後鑑定を行うこととなった場合の経費あるいは控訴に要する経費といった特別にかかる訴訟費用についてその都度予算に計上して議会に審議していただく必要があるが、訴訟は、現在、争点整理中でございますから、そのような特別な訴訟費用については計上する段階にないということを申し上げたのであって、訴訟維持のために通常必要な経費についてまで予算計上しないと申し上げたものではございません。
 森のトレー訴訟関連費用につきましては、平成17年度当初予算におきまして管理運営費に84万1、000円を計上しておりますが、これは、原告弁護士の日当及び通信費等の実費に係る原告組合への負担金のほか、県職員の旅費であり、現に係属している訴訟を維持していくために必要な経費として措置しているものでございます。
 次に、県が訴訟費用を負担することに対する認識についてでございますが、この訴訟の費用を県が負担し、支援しているのは、県の負担、すなわち県民の負担を最小限にすることにあります。そのことが結果として県民の福祉の増進に資するものと認識してございます。また、それは必ずしも県の補助参加を前提とするものではなく、県の負担を最小限にするため、引き続き組合の勝訴に向けて全面的に支援していくことが必要だと考えております。
 次に、知事が組合の弁護士を知らないと答弁したことについてでございますが、知事は、組合の弁護士を知らないと答弁したのではなく、委員の質問の中で源新弁護士の書面について取り上げられたことに対しまして、その書面は見ていないと答弁したものと認識してございます。決して知事は、この訴訟に関心がないということはございません。我々も定期的に情勢報告等を行っております。その都度的確な指示を得ているというふうに私どもは考えております。
 次に、勝てるのか、自信があるのかというお尋ねでございますが、私は、そもそものこの事件の発端は、やはり性能要件に満たない機械を設置したトリニティにすべての非があると考えておりまして、いずれこのことは裁判の中で明らかになっていくと思っておりますし、私もそのために全力を尽くさなければいけないと考えております。
〇佐藤正春委員 最後にするけれども、庄内と契約が壊れたのは、刃の問題もあるが、私の調査では、機械のトリミングの作業工程で使う刃は、2年使ったけれどもまだ使える、こう言っている。今、部長の答弁では、この刃の問題で使えないと、こう言っている。これでトラブったと、こう言っている。向こうは使えると言っている。この点についてどうか。
 それから、詰まるところは、ここまで来れば、裁判で勝つか、私どもは県会議員だから、県民の税金で使った金が戻るか戻らないか、正当か不正かということを聞いているわけで、組合だろうがそっちの方はそっちのことでおやりになればいいわけで、私の方の議員としての責務は、県民の税金を使って裁判をしたり費用をかけたり補助をしたものが一体戻るのか戻らないのか。あなた方は、知事も含めて、裁判で勝って取り返すと、こう言っているんだからね。今聞くと勝てるというんだけれども、負けた場合どうするのか。
 もう一点は、知事は、さきの総括の答弁でこう言っている。これはよく聞いておかないとだめです。こう言っている。内容を見ると、負けることを覚悟している。トリニティ工業から損害賠償金を取り戻すことによって県負担を幾らかでも少なくしていくという努力が必要である、こう言っている。もう負けているんだ。全部取り返すなんて一言も言っていない。どうですか。あなたは勝つと。勝つということは全部取り返すことですよ。通常だれが見ても、我々法律関係者でなくたって、民事訴訟で、最後は和解なんだから、全部なんて取れっこないんだから。せいぜい取れたって3分の1。下手したら一銭も取れないんだから。そういう中で勝つ、勝つとあなた方が言ったって、トンカツじゃないんだから。いいですか、負けたらどうするんだ。知事はもう言っている。負けることを布石している。もう一回読むか。トリニティ工業からの損害賠償金を取り戻すことによって県負担を幾らかでも少なくしていこうという努力が必要だ、こう言っている。普通なら、何としても勝って全部取り返して、県民に迷惑をかけない。県の税金を戻す、こう言わなければだめでしょう。知事とあなたの発言は違うじゃないですか、この点どうなんですか。それから、さっきの刃の点と。
〇今泉農林水産部長 その刃の問題については、多分庄内とトレー組合の方との間で認識にずれがあるんじゃないかと私は考えております。多分、庄内の方は、通常の自分のところで想定されている製造枚数でもってやっていけば2年だというお話をしているかもしれません。トレー組合の方は、あくまでも製造数量50万枚ということを想定してやっていますので、多分そのときに本当に2年もつのかということでトラブルが出てきたというふうに考えております。
 それから、裁判の話のことでございますけれども、やはり私は、まず勝つということを前提に取り組んでいかなければ取れるものも取れないんだというふうに考えております。私は、やはり勝つということで、何としても勝つということでこの訴訟には取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐藤正春委員 部長、あなたは自分の言っていることに気がつかないんですか。だから、刃の問題でも、庄内ではそう思っているんだろうというのならなぜ聞かないんですか、庄内から。聞くべきでしょう。何で私を真ん中にして、あなた方は組合と自分の部下から聞いただけ、私は、本会議、委員会でもって、部長を初め、知事、ほかの人からの答弁を聞いて、庄内鉄工の社長からも聞いているんですよ。私が中に入って言っているんじゃないの、あなたは。なぜ聞かないんですか直接。聞けば一番問題ないでしょう。その刃の問題でも、庄内鉄工はそう言っているんですと、あなた方は想像して言っているんじゃないですか。あなたそれでも部長なの、本当に。あなたの責任でしょう、それは。
 それからもう一点、負けた場合どうするんだと聞いた。裁判に負けた場合。勝つ、勝つと言うけれども、負けた場合どうするの、この点について。
〇今泉農林水産部長 私がなぜ庄内から聞かなかったかということは、そもそものこの問題のスタートが、やはり500万円、5、000万円の金の性格をどうとらえるかというところから出発していたというふうに認識してございます。そこのところでそこの性格が明らかになっているのであれば、両者がどこが原因で破綻したのかということは、両方から言い分を聞かなければそこが証明できない、そういう問題ではないというふうに理解したために私は庄内からは聞く必要がないだろうと判断したものでございます。
 それから、負けたときどうするのかということでございますが、負けたときのことはまだ考えておりません。いずれ勝つことを前提に取り組んでいるところでございます。
〇田村正彦委員 6項目ぐらい質問しようかと思っておりましたが、もう2時になろうとしているので、きょうの質問者は大分多いということで、1点だけに絞らせていただきます。
 時代の要請もありますし、また、騒音あるいは農薬被害、そういった観点からヘリコプターでの農薬散布というのは昨年をもって終了と。あした解散総会が行われるようでございますけれども、農薬散布に関して、今、無人ヘリコプターがかなり導入されておるというふうに承知しておりますけれども、無人ヘリコプターの導入状況、個人導入がどの程度あって、あるいは組合がどの程度あって、企業でも持っているところもあるかもわかりませんけれども、その導入状況をまずお尋ね申し上げたいと思います。
〇阿部農業普及技術課総括課長 無人ヘリコプターの導入状況でございますが、平成16年末現在だったと思いますけれども、37機が県内に導入されていると掌握しております。個人か集団かという内訳は細かく掌握しておりませんけれども、運用している団体が25団体ほどで37機を全体的に運用しているというふうにお聞きしております。
 ちなみに、今年度の稼動面積は延べで9、400ヘクタールと掌握してございます。
〇田村正彦委員 先ほど言いましたとおり、ヘリコプターによる農薬散布が中止ということになって、主に末端の農家の高齢化等を受けて、やはりヘリコプターによる農薬散布というのは必要不可欠であろうと思っておりますが、今、お話あった37機の体制で従来どおりの効率のある農薬散布というのは可能なものかどうかお尋ねします。
〇阿部農業普及技術課総括課長 1機当たり、一般的に600ヘクタール台から、効率よく稼動させれば1、000ヘクタールぐらいまで可能性としてはあると伺っております。
 現在の状況では多分足りないと思いますが、ただ、御案内のとおり、有人ヘリの防除が今年度7市町村で最後ということで、来年度から取りやめとなっておりますけれども、無人ヘリコプターは団地化とか集約化ができるような場所で、効率的な稼動ができるような場所で推進してまいりたいと思っておりますし、受け入れが困難な地域では、できるだけ集団で地上防除等の取り組みも推進してまいりたいと思っております。現実に、集団でありますとか個人でも地上防除の体制を組んでいるところもございます。今、お話ありましたように、実はあした、共済組合連合会が中心になりまして県の推進組織を設立するという運びになっているとお伺いしております。地域におきましても、胆江地方と遠野地方におきましては、トータルの防除の調整なり、あるいは支援なり、そういうことを支援する組織が既に二つの地域でできておりまして、連合会におきましては、各共済組合単位に地域単位のそういった組織を設立いたしまして、そういった活動の支援をしてまいりたいと聞いておりますので、それを支援してまいりたいと考えております。
〇田村正彦委員 私も御承知のとおり田んぼをやっているんですが、去年もそうでした、おととしもそうでした。ヘリコプターをチャーターして農薬散布するんですが、わざわざ水沢から来るんです。そういう非効率な農薬散布が今現実なんです。
 前にも私は御提言申し上げておったんですが、今、課長の方からそういう組織が立ち上げられる予定だと聞いて安心しているんですが、有効に無人ヘリコプターを配置して、各需要にこたえられるような組織体制の強化が今一番望まれていると思うんです。先ほど、これも課長の答弁にありましたけれども、集約した大区画農地への散布が主になるだろうというお話があったんですが、実はそうじゃないんですよね。望んでいるのは、山合いの、条件の悪い、小さな田んぼが並んでいる、そしてまた傾斜のある、そういったところの農家の人たちがそれを望んでいるんです。先ほど言ったとおり、地上防除といったって、70歳のお年寄りが動噴かついで、あれをやれるんですか。実際に無理なんですね。だから、そういうものの需要というのもよく喚起するなり把握して、防除体制というものを、今、カメムシだ、いもちだといろいろ防除をしなければならない状況になっていますし、そういう意味でも、早く機数、37機というのをもうちょっとふやすなり、ふやす補助制度はあるんですけれども、もっと強化するとか、早急にそういう組織体制の整備を図るべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
〇阿部農業普及技術課総括課長 今、申し上げましたように、全県的な組織と、地方でそういう支援体制ができれば現有の機につきましても有効な活用が可能だと思っておりますし、また、委員からお話がありましたように、補助事業も可能でございます。国の事業、県の事業も活用可能でございますので、必要に応じてそういった事業も活用しながら進めていければいいのかなというふうに思っております。
 また、今申し上げましたように、無人ヘリコプターは大型ヘリと違いまして小回りがききますので、お話のように、山合いとか、その辺についても稼動は可能だと思っております。あわせまして、特にいもち病につきましては、これまでの一般的な散布による防除も活用しておりますけれども、箱施用粒剤なり、あるいは出穂前の粒剤の施用なども普及してまいりましたので、それらをあわせて、トータルで防除できるような体制をつくっていただくように指導してまいりたいと思っております。
〇田村正彦委員 今、課長にいいのかなというような消極的な発言がありましたけれども、これはいいんだからやらせるんだ、やるんだという意気込みでぜひやっていただきたい。これは要望ですけれども、終わります。
〇佐々木博委員 私から、農業公社のことについてお伺いしたいと思います。
 このことにつきましては、さきの総括質疑でも若干質問はさせていただいておりますが、担当部局に対しまして、農業公社のことについて、若干その中身について伺いたいと思います。
 まず最初は、財務状況についてでありますけれども、私どもがいただいておりますこの法人の経営状況説明書、これの平成16年版によりますと、16年3月31日現在の農業公社の一般会計貸借対照表ですが、資本が5億1、200万円余あるということになっております。いわゆる資産超過ということなわけでありますが、ただし、実態が本当にそうかということに対しまして、私は非常に疑問を持っております。といいますのは、この資産の中には、今跡地利用で大変苦労されている例えば南畑の農地、これが簿価で16億5、400万円余ありますね。それ以外にも例えば買い入れをしていて、中間で、今保有で持っている農地で、恐らく買い入れの時価を下回っているようなものも相当数あるのではないか、今の時世ですから。こういったことをトータルしますと、実際は大いに債務超過ではないかと、そのように思っているところでありますが、この点どうなんでしょうか。
 それからまた、県の出資法人で14法人、いわゆる公認会計士等による外部監査を受けなければいけない法人がありまして、この農業公社もその一つに該当しているわけでありますが、今までまだ受けていませんですね。何か聞くところによると、今受けている最中だというお話もありますが、事実かどうかわかりませんが、もしそうでなければいつまでに受ける予定なのか、あわせてまずこのことについてお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 私の方から答弁させていただきますが、農業公社の一般会計の状況は、資産の時価評価を行った場合、欠損が生じる可能性は否定できないのではないだろうかと考えております。県といたしまして、そのような状況も踏まえまして、現在外部経営調査を実施しております。その結果を踏まえまして、適正な資産評価を行い、決算報告に注記するなど、適切な財務状況の開示を行うよう指導してまいりたいと考えております。
 それから、公認会計士の専門家による監査の件でございますけれども、これまではそういった公認会計士等の専門家よる監査を受けてこなかったということもございます。平成17年度からは出納長が監事から退任するということもございますので、公認会計士を監事に選任することを考えているところでございます。
〇佐々木博委員 今、部長も欠損が生じるのではないかと。私もそんなに手元に資料があるわけではありませんが、概算で恐らく10億円以上の欠損が生じるのではないかと、私自身は試算をしております。
 それで、今現在、長短あわせて借入金が48億円余あるはずなんですけれども、これは県が債務保証をしている、あるいは損失保証はしておりますけれども、最近では岩手競馬の例もありますが、その岩手競馬の場合も構成団体が最後は責任をとると言っていますが、金融機関は御承知のとおりの状態であります。金融庁は、要するに不良債権を半分にさせるということ、それからまた、今年度から、2005年度からペイオフが始まるということで、今非常に金融機関に対して厳しい姿勢で臨んでおりまして、民間企業で言えば破綻懸念先ですよ、この債務状態は。こういったところには融資をするな、あるいは融資をする場合、同額を引き当てろと、そういった指導をしているはずであります。そういった今の金融行政の流れからいいますと、もしそういったことになりますと、いかに県が債務保証あるいは損失補償をしているとはいえ、金融機関が融資を引き揚げてしまうという、そういった心配もあるのではないかと私は考えていますが、いかがですか。
〇今泉農林水産部長 どのような財務状況となって結果が出てくるかによるかと思いますけれども、そういった可能性が全くないということは否定し切れないと認識しております。
〇佐々木博委員 本当に私自身も、そういう心配を実は非常にしているわけであります。そういった中で、今までここの南畑の保有地でありますけれども、丸紅がコテージ村を撤退しました。そして販売を中止した平成8年度以降の流れを見ますと、土地の活用策を見てみますと、合計4社ほどのコンサルに、いろいろ活用策について委託をしてきたそういった経過がありますが、具体的な成果ははっきり言って上がっていないと言えると思います。
 それで、どうしてかといいますと、コンサルに何を委託してそして何を求めてきたのか、一定の方向性というものが私には見えないんですね。何か行き当たりばったりにコンサル任せだったのではないかと、そんな印象しか持てないのであります。
 そこで伺いますが、エコビレッチ構想というのがありました。一番最初に策定したのはリクルートであります。けれども、この構想はなかなか実現が難しいだろうということになったわけです。ところが、実現が難しいと言われていたのにもかかわらず、今度は生活科学運営という委託先ですか、ここにこのエコビレッチ構想の具体化の委託をしている。そして結局難しいということでだめになってしまった。にもかかわらず、さらに平成15年度に、また同じ生活科学運営にエコビレッチ定住促進事業ということでコンサルを委託しているんですね。一体これはどういうことなのか、全然理解ができないわけですけれども、ちょっとこの辺についての御説明をお願いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 丸紅が撤退した後の結局未利用地の処分をどうするかということで、多分公社も農林水産部もかなり対応に苦慮してまいったわけでありますが、その中で平成9年度にエコビレッジ構想を立てたというのは、それまでのコテージ村構想をまず見直しまして、農地以外の、コテージ村構想は農地付住宅分譲ということのコンセプトでございましたけれども、そういった利用構想ではなく、農地以外の土地利用構想というものを具体化していこうと。そんな中で、未利用地の処分というものを促進していこうと、売り渡しを促進していこうということで構想されたものが、このエコビレッジ構想というものでございます。ただ、御案内のとおり、その後、時間を置かずしてバブルの崩壊ということがございまして、結局、これは実現しなかったというわけでございます。その後、生活科学運営というところが、御所地区土地利用構想具現化ということを行ったわけでありますが、これはエコビレッジ構想の青写真があったわけでございます。これを何とか生かすことができないだろうかということで、始まったのがこの御所地区土地利用構想具現化と考えてございまして、これは都市住民の中高年、そういった方々が非常に農村志向というものを強めているという、そういった時代の動きというものをとらえまして、そういった都市住民への中高年向け住宅、そういったところで呼び込むことができないかということで、エコビレッジ構想を引き継ぐような形で立てたものでございます。ただ、エコビレッジ構想と違うのは、結局エコビレッジ構想は底地を売ると、処分するという前提で考えていたわけでありますが、なかなか底地を売るということ自体は難しいだろうということで、利用権の売買ということでやったわけですね。底地を動かさないと。ただし、その上に利用権を設定して、その利用権というものを売っていくという方法でやってみたらどうだろうかと考えたのが、この御所地区土地利用構想具現化というものでございます。
 ただ、これが先へ進まなかったというのは、一つは、結局リースになるわけでございますから、ある程度施設を先につくっておかなくちゃいけないという問題もございます。それから、なかなか御所地区といっても、名前は非常にいいんですが、どこにあるのかとか、なかなかアピール度というものがないだろうということで、どうしても目玉になるものが欲しいということがございまして、その辺を行政として何とかできないのかというような話もございました。そんな中で、ちょっと施設整備というものを先行していくということでの構想というものはどうなんだろうかということで、若干、これは少し実現、やっぱりちょっと今この時期を考えれば難しいのではないかという議論が中で出てまいりまして、そんな中で、もう少しアピールをしていけるような部分、むしろ施設整備を先行していくのではなくて、まず先にソフト面で何かやっていけるようなことというのはないのか、そういう中でもう少し御所地区といいますか、南畑の有効活用を図りつつ、その知名度を上げていくというような取り組みができないだろうかということで始まったのが、平成15年、16年とやったいわて銀河ファームプロジェクトということになります。このときも、ですから結局、エコビレッジ構想でつくった一つの青写真というものが御所地区の土地利用構想の中で生かされていまして、さらに、そこである程度ゾーニングされたところについて、逆に今度は雫石町の方がむしろ堆肥センターをつくるとか、市民農園をつくるとか、あるいは体験農園をつくる、さらに加工工場をつくるということで、そこのところは進んでおりましたので、むしろそういった蓄積されてきているものをうまく活用しながら、何とかここの知名度を上げていこうという発想で、今、取り組んでいるところでございます。
 いずれ、私どもも平成15年にこのプロジェクトをやった際に痛感したのは、土地利用というものは本来どうあるべきかというところの入り口のところの詰めというものが十分なされなかったのかなと。したがいまして、未利用地の処分というものをまず先に考えるのではなくて、まずそこの付加価値というものを高めていくと。高めていく中で外部経済効果というものが生まれてくるでしょうし、さらに知名度が上がってくれば、また別な利用方法というものが出てくるんじゃないか。
 全国同じような地域ってありまして、そういった取り組みをやりながら成功しているという事例もございまして、そんなものを我々参考にしながら、今、取り組みを進めているという段階でございます。したがいまして、確かにそれぞれで見れば、ばらばらにやっていると受けとめられるかもしれませんが、それぞれの中ではきちんと引き継ぐものは引き継ぎながら、それぞれのところで生かしていると私ども考えております。
〇佐々木博委員 今の部長の答弁ですけれども、しかしながら、実際同じ構想の策定あるいは具体化、つくるたびに現実的じゃないということで実現されていない。そしてまた、新たに同じようなところに同じような構想でまたお願いしている。やはり一番最初のこちらの意見というものが入っていないからだと思うんですね。この経済の今の状況を考えれば、そんな大型の設備投資なんかできるわけがないのに、そういったものが必要な計画が出てきて、それでできないということの繰り返しをやっているわけですよ。これは本当に県として一貫性がないということが、私は一番の大きな問題だということを指摘しておきたいと思います。
 それで、結局問題は、先ほどの答弁にもありましたが、いわて銀河ファームプロジェクト、これが平成15年度と16年度と東京コンサルティングという会社に委託してやっているわけですが、実は平成16年度についてですけれども、これは斉藤委員も指摘しているわけですが、いわて銀河ファームプロジェクト具現化支援というのは、いわて食と農の新ビジネスモデルの構築支援と一緒なんですが、いわゆる総合政策室の夢県土いわて政策形成調査費、これを充当していますよね。それで、これは非常に不透明じゃないかと思うんですね。農林水産部で必要な予算というのはあくまでも農林水産部の予算で計上すべきで、総合政策室で計上されたものが、わからないうちにこういうふうに充当されているということが非常に私は不透明だと思うんですが、その経過についてまず伺いたいと思います。
 それから、この政策形成調査費というのは、いわば県のこれからの目玉事業を考える、そういった政策だと思うんですね。予算の説明書においても、平成16年度の説明書によると、機動的かつ効率的で、質の高い施策の形成及び推進を図るため、政策立案に係る調査等を行おうとするものとされています。これがいわゆる政策形成調査費ですよ。これがそのまま農林水産部で何の説明もなされないまま、しかも言っちゃ悪いですが、この事業というのは敗戦処理ですよ。この敗戦処理にそういったものが充当されるというのは、非常に私は疑問に思うんですが、この辺の経過についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木順一委員長 この際、進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇今泉農林水産部長 2点お尋ねでございますけれども、経過でございますが、まず一つ、南畑の農地の活用というものは、県として重要な課題の一つとして考えておりました。また、地元雫石町からも、支援策を講じるよう強く求められていたということがございます。と同時に、県内見渡せば、同じようなところというのは何カ所かあるわけでございまして、それをどうしていくかということは、県全体にとって大きな私は政策課題であると考えております。したがいまして、地域の付加価値を高めて、潜在力を掘り起こして活性化につなげていくための調査研究を行うということは、非常にある意味、先導的、先進的な取り組みではないかと思いますし、これは一農林水産部だけで対応できるという問題でもございません。部局横断して取り組むテーマであると私どもは考えておりまして、したがいまして、そういった観点もあって、夢県土いわて政策形成調査費を充当したものでございます。と同時に、私どもは決して議員御指摘のように、南畑は敗戦処理とは考えてございません。まだここはやりようがあると。ただ、そのやりようがあるところのちょっと詰めがまだまだ足りなかったのではないかと私どもは考えておりまして、これはもっとここの中で新しい何かモデルをつくっていく、そういう可能性は大きいと考えております。
〇佐々木博委員 やりようはあると思いますけれども、総合政策室の予算を、何かわからないうちに予算を充当させるというのは、やはり問題があるのではないですか。そのことをまず指摘しておきたいと思います。
 それから、外部のコンサルタントに委託しても、今までほとんどここの例で言えば効果が上がっているものがないですね。
 そこでちょっと伺いたいんですが、コンサルタントをどういった基準で選択しているんですか。この東京コンサルティングという会社は、どういった経過で委託することになったのか。そしてどういった会社なのか、若干お知らせをいただきたいと思います。
 それから、実はコンサルタントの成果品というのは、眺めてみますと、全国どこにでも通用するような一般的なもので、地域事情、地域の特徴が出ていないんじゃないでしょうか。私は余り安易にコンサルに委託するというよりは、むしろ私は、岩手県庁の皆さん自身が県のシンクタンクだと思っているんですね。そして地域事情にも一番明るいわけですよ。ですから、県の皆さん方が主体的になって、あるいは大学等と連携しながら、本当に岩手独自の、本当に合ったプランというものをつくっていくということの方が、この南畑のことに関しても一番私はいい形になるんじゃないかなというふうに思っているんですが、その東京コンサルティングのこととあわせて御答弁をお願いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 それぞれのコンサルを選ぶというときには、いずれにおいても有する専門性を生かすという観点で私は選んでおるものと、これまでも選んでおるわけでありますし、これからもそういった点で選ばなくちゃいけないと思っておりますが、銀河ファームプロジェクトで東京コンサルティングを選んだ理由というのは、地域にある資源をどう活用して、外部経済効果を高めていくためにはどうすればいいのかという観点からの今回は調査でございましたので、マーケティングやブランドマネジメント戦略の策定、それから異業種連携コーディネート等のこの調査に必要な高度専門的知識、それから幅広い調査、企画能力、ノウハウを有しているところで東京コンサルティングを選んだというものでございます。
 それから、最後に、県庁はそもそもシンクタンクなんだというお話でございますが、私も確かに議員御指摘のとおり、県庁は地域におけるシンクタンクであると考えております。したがいまして、常に有能なシンクタンクであり続けるために、我々自身が新しい知識、技術を習得するため、みずから研さん、努力を行っていくということが大変大事だとは認識しておりますが、ただ、ここは委員御案内のとおり、だからといって、県ですべての領域を賄うということができるものではないと考えております。固有の領域について、高度の知識、技術などの専門性を有するコンサルの導入というものも必要なときがあると考えております。ただ、そのときも、今委員御指摘のとおり、全国で金太郎あめみたいなものを、そういった方向性しか出せないようなところは我々極力外すべきだと思っておりますし、そういったところでは我々随分厳しい目でそこのところは選んでいるということでございます。
 今後におきましても、いずれ、地域におけるシンクタンクであるという自覚もしながら、あとさらに委員御指摘のありました、県立大学等の連携も含め、その辺は今後も適切に対処してまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 最後ですけれども、いずれ、県の出資法人の経営が破綻してしまいますと、即県に影響が出てくることは御承知のとおりであります。最近は第三セクターだとかあるいは他県の例ですけれども、例えば住宅供給公社だとか、特定調停という例も何県かあるわけであります。私は正直言って、県の出資法人の中にもかなり危ないものがあるんじゃないかということで実は心配しております。それで、これを解消するというか、そのためにはできるだけ情報の提供が必要だと思っているんです。残念ながら、県の出資法人は実は県議会はノーチェックなんです。年に一遍、経営状況の説明書が出るだけであります。これは議会としても出資法人についてどうかかわっていくか、我々自身も考えなければいけない問題だと思っておりますけれども、いずれ、指導監督をもっともっと徹底的にやっていただきたい。特にも、不動産だとか、有価証券はそんなに持っているところはないかもしれませんが、そういった時価で資産が変動するところについては、なお一層慎重にお願いしたいと思うわけですが、御所見を伺って終わりたいと思います。
〇今泉農林水産部長 私も委員御指摘のとおりだと思います。確かにこれまで県の三セクは情報開示、とりわけ財務情報の開示が必ずしも十分でなかったと、私、反省してございます。と同時に、三セクだけの問題ととらえるのではなくて、我々も当事者の一員であるという意識を持って、今後は我々も三セクの経営にはもう少し主体的に参画し、かつ、改革すべきところは改革していかなくちゃいけないと考えております。
〇斉藤信委員 これ今話があったように、総合政策室の質疑で私は取り上げたんです。4、670万円の調査費、委託費ということで、あけてみたら南畑にかかわる調査だったというので大変びっくりしました。
 今、部長は、部局横断的だという話をしましたが、実は平成15年度に1、680万円で農政部が東京コンサルティングに委託しているんですよ。16年度になったら総合政策室に行ったんでしょう。それはあなた方ではこんな高額な委託ができないからでしょう。部局横断って何かあったんですか。私は総合政策室に聞いたら、説明に来たのはあなた方ですよ。総合政策室から一つも私は説明を受けませんでした。丸投げでした。私はこういう予算の仕方はおかしいと思いますよ。部局横断という実態がないんじゃないか。これが一つです。
 二つ目に、肝心なのは、この雫石町南畑地区の活性化を図るためのプランなんですね。それで、これは去年2月に出された南畑プロジェクトの現状評価、東京コンサルティング。結論はどうかというと、公社のこれまでの取り組みはすべて失敗したと、これが調査結果ですよ。それで、公社に任せていたらこれは何ともなりませんよということですよ。それで出てきたのが、外部経済効果の発揮しかないと。何ですか、この外部経済効果の発揮しかないというのは。東京コンサルティングの成果は、農業公社ではだめだと評価したことだけじゃないですか。これだったら、この責任をどうとるのかということですよ。今までこれだけ金をかけていろんな調査をして事業をやってみんな失敗してきた。東京コンサルティングの結論はこうです。それで出てきたのが外部経済効果なんですが、この評価については一つはどう思うか。
 もう一つは、では、今この南畑をどうしようとしているのか。外部経済効果を発揮するというのはどういうことなのか。4、670万円の成果をお聞きしたい。
〇今泉農林水産部長 一つは前段の部分です。
 まず、部局横断。なぜ部局横断なのかというお話でございますが、当初確かに農林水産部で南畑問題、それは先ほど言いましたように、もうちょっとあそこの知名度を上げていく、そのソフトのところで何か新しいことができないだろうかというところから、農林水産部で始まったわけでございます。そのときに、岩手の場合、食と農ということが、大きな他と差別化していく際の一つの切り口になり得るだろうということから、食と農に焦点を絞り、いわゆる川中、川下の中から見ていって、一体今どういうことをやっていけばいいのかということをまず一つ考えていたということがあります。と同時に、あとは、これまで南畑でいろいろ取り組まれてきたことの検証も行いました。今後もし取り組んでいくとすると、どういうことに着目していかなくちゃいけないのかということでやってきたわけです。ですから、ある意味、15年度の作業時においては二つ性格を持っていたということがあります。南畑につきましては、今斉藤委員からも御指摘ありましたように、新しいことをやっていく上には、新しいことをやらない。つまり、そこで出てきたのが未利用地の処分を急ぐのではなくて、まず、それは実態として処分は難しいわけであります。売るのも難しい。じゃ、賃貸借でやるかと言ってもなかなか雫石町内の実態を見るとそれも難しいと。であれば、まずそこの処分を急ぐというよりは、今あるもので、地域の中で、しかもいろんな地域活動が出てまいりましたし、雫石町にとって南畑というのは一体何なんだと。あそこをもっと活用していけないのかというような考え方、動きも出てまいりましたので、むしろ、じゃ、それを活用してそこで地域の活力をまず高めるという動きをやっていったらどうだろうかというのが、大きな柱の中のもう一本になっているわけでございます。
 食と農の切り口でいろいろ調査を行っていったところ、やはり岩手の場合、まだまだ農林水産業の付加価値を高めていくという上では、まだ取り組みが弱いところがあるんじゃないだろうかと。やはりそれをもっとそこの課題を解決していく必要があるのではないかということで、平成16年度、部局横断的な取り組みとして夢県土いわて政策形成プロジェクトの方に移っていったというものでございます。
 食と農と一口に言いましても、食の部分は農林水だけじゃなくて、商工もかかわってまいります。あるいは食と安全という意味では、環境生活もかかわってまいります。そういった意味で、部局横断的なプロジェクトだと私ども考えているところでございます。
 それから、南畑につきましては、今申し上げましたように、やはり他の地域でも、全国の中でそういう未利用地でもって活用に困っていたところ、かつ、やはりそこで成功事例になったところというのは幾つかございまして、そういったところを学びながら、そこのノウハウというものを今移植しているところでございます。ただ、現実に南畑の中では、今県それから雫石町、公社、それから平成16年度にできました地元のNPO、この四者が一体となって南畑の利活用をどうするかということを、もう既に昨年度からいろいろ具体的に取り組んでいるということも出てきております。
 いずれ、当面こうしたことをやりながら、もう少し南畑そのものの知名度を上げていくと同時に、地域での活動の輪というものを広げていくのが今は先かなと考えているところでございます。
〇佐々木順一委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 関連質疑の趣旨を踏まえ発言されるよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 私、踏まえて簡潔に質問しているじゃないですか。
 それで、私が実態として聞いているんですよ。部局横断という、全然部局横断していませんでしたよ、私聞いたら。総合政策室に聞いたら、あなた方が、農業振興課が説明に来たんですよ、これだけの資料を持って。ただ、予算はそこでやっただけじゃないですか。農林水産部ではとってもこんな高額の委託はできませんと、こういう話でした。私はだから東京コンサルティングに何で委託したのか、こんな高額の。農水はことしですか、1、000万円の補正をやっているんですよ、さらに。だから私は、何で東京コンサルティグなのかと思うくらいですよ。とってもそのぐらいの金にふさわしい報告書、出ていません。いろんな人からインタビューしたという、膨大なものはインタビューのまとめですよ、これ。インタビューのまとめです。報告らしいのは去年出たものですよ、農業公社はすべて失敗したと。だから、成果といったらこのぐらいじゃないですか。
 だから、今、佐々木委員も言われたけれども、南畑はこの間何度も失敗してきたわけです。やるたびに。そしてまたこんなに委託費を投入して、また金をかけようとしている。私は、この報告書から学ばなくちゃならないのは、農業公社ではもうだめだということですよね。むだな投資はしちゃならんと。やっぱり農業公社の責任をはっきりさせて、これは理事長は副知事ですから、これは副知事にかかわる、そういう点では、この問題については僕は最終日に副知事を呼んで、この南畑プロジェクト、この点についてぜひ徹底して解明すべきだと、委員長にこのことをお願いして終わります。
〇佐々木順一委員長 議事進行ですか、それは。
〇斉藤信委員(続) そうです。
〇佐々木順一委員長 ただいまの斉藤委員の御発言は、後刻、世話人会を開催し協議いたしますので、御了承願います。
〇藤原泰次郎委員 私からはイントロは抜きにいたしまして、質問項目だけ申し上げさせていただきます。
 まず一つは、農業総務費の関係でございますが、国土調査事業費に関連して、国土調査の進捗状況はどうなっておるかということ。そしてまた、この国土調査の今後の見通し、それからさらには、国土調査における課題等がありましたならば、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
 二つ目、農業改良普及費に関連してでございます。
 まず一つは、新規就農状況はどうなっているのかということ。できれば5年ぐらいの傾向だけでも結構でございますが、お示しいただければ幸いでございます。
 次に、この新規就農者の今後の見通しはどうなっておりますかということでございます。
 それからもう一つは、新規就農者であっても、せっかく大きな希望を持ちながら就農されたわけでございますけれども、その後の離農の関係はどうなっているのか。なければ幸いでございますが、そういう状況でございます。
 それから、大きい二つ目でございますが、きょうも先ほどの部長の予算説明の中でもございましたが、新規で、農業やってみようプログラム支援事業の内容というのはどういうものなのか、お示しいただければ幸いだと思います。
 それから三つ目でございます。残留農薬検査の取り組みの状況についてでございます。
 これは一つには、今日までの検査の状況そしてまた今後の計画は、あるいはまた、今日まで農薬検査をやっておったわけでございますが、今までの経過を踏まえて、課題としてどういうものがあるのかをお示しいただきたいと思います。
 次に四つ目。松くい虫等の防除事業の関係でございますが、かねてこの委員会あるいは本会議等でもあったわけでございますが、この松くい虫の関係につきましては、紫波地域が一応今のところの北限と言われておりますが、その後増加の傾向にあるのか、せっかくの皆さんの御努力によってある程度歯どめがかかっているのか。その結果だけをお聞かせいただきたいと思います。
 以上、私から四つの問題についてお伺いいたします。
〇田山農村計画課総括課長 国土調査の進捗状況と今後の見通しでございます。
 本県の国土調査事業につきましては、国土調査法制定の翌年、昭和27年から着手いたしまして、市町村が事業主体となって進められており、本年で53年を経過したところでございます。これまでに県内58市町村のうち、紫波町を初め29市町村で完了し、盛岡市などの24市町村が現在調査を進めてございます。
 進捗率につきましては、土地面積あるいは権利関係の明確化による公租公課等、負担の公平化あるいは成果の公共事業への活用など、国土調査の果たす役割が評価されておりまして、全国平均では進捗率が46%の中、本県では16年度末見込みで約80%と、全国上位となってございます。
 課題といたしましては、県、市町村の財政状況が一層厳しくなるという中で、事業の進捗ということが考えられます。現在の予算の状況では、年1%程度の進捗と考えてございますので、完了までにあと20年近くかかるということで、この事業の進捗をいかに早くするかということが課題となってございます。
 このため、早期完了に向けて、各種データの電子化による事務コストの縮減あるいは国の制度改正によって、1筆調査等について外部委託の導入が可能となっておりますので、作業の迅速化を進めて早期完成を図る必要があると思ってございます。
〇阿部農業普及技術課総括課長 新規就農者の状況についてでございますが、過去5年ほどの動向というお話でございました。過去5カ年の動向を見てみますと、平成11年度が合計で89名、それから12年度が90名でございましたけれども、13年度から増加いたしまして、15年度まで大体106名から112名程度で推移しているという状況にございます。
 この中身をちょっと見てみますと、新規学卒者あるいは一たん都会等に出て戻ってまいりますUターン者、対象区分ごとに見てみますと、新規学卒者がこの5カ年で大体30名前後と横ばいでございます。これに対してUターン者はかなり増加してきておりまして、農外からの新規参入者につきましても、15年度には増加に転じておりまして、この両者の合計で全体の約7割を占めるまでになっております。
 今後の見通しでございます。こうした動向を踏まえまして、平成17年度に今お話が出ました新規事業を計画しておりますけれども、この事業は後で申し上げますけれども、今までより若い方々にも注目していただきたいということも入れておりますけれども、Uターン者あるいは新規参入者等を対象といたしました就農相談会、カウンセリング等を充実させますとともに、就農のための農地、あるいは必要があれば宅地情報等の提供、それから短期の農業研修を行うということにしておりますし、特に就農希望者が、農家等での長期的な実践研修を希望する方がいらっしゃいますけれども、こういう方に対して、あわせて農業大学校の方で座学の長期研修にも取り組むこととしております。こういう計画でおります。こうした対策によりまして、現在の就農者ここ2年、112名でございますが、これに20名程度何とか上乗せできないかということで進めたいと思っております。
 それから、近年、法人化する生産組織がふえております。集落等にふえておりますが、これまでどちらかといいますと、自営者を対象にした対策が中心だったわけでございますけれども、農業法人に就職するという形の就農もふえておりますので、広い意味での農業への就業者といいますか、そういう考え方で対応していく必要もあるものと思っております。
 それから、新規就農者の離農者でございますが、離農者に関する数値は残念ながら私ども統計にもございませんし、ちょっと持ち合わせて、調査しておりません。これの類似のデータと申しますか、そういうものをちょっと見てみたわけでございますが、新規の就農者の方々、就農希望者の方々に対しまして、平成7年度から15年度まで、9年間に就農研修資金を貸し付けた219名の状況を調査しておりますが、この方々の中で、就農したいということで資金をお借りしているわけですけれども、その就農に至らなかった方、あるいは5年未満で離農すれば繰り上げ償還になりますので、そういう方々の合計が58名となっておりまして、両者のトータルで大体4分の1の方々が結果的に就農に至らなかったということでございます。
 それから、来年度新たに考えております、農業やってみようプログラム支援事業についてでございます。この事業は、新規就農関係の関連情報の一元化を図りたいと思っておりますし、今申し上げましたように、支援対象を若者にも拡大してまいりたいと思っております。それから、就農の意欲や条件に応じて、段階的にかつ継続的に農業体験から技術研修等に入っていけるような形で三つの事業を仕組んでおります。
 この一つ目の事業は、就農支援の入り口の関係でございますが、これまでの農家後継者あるいはUターン者、新規参入者などから、さらにジョブカフェいわてとの連携によりまして、就農前の若者にまで対象を広げようとしているものでございます。
 次に、農業に興味を示した若者等につきまして、農業現場に直接触れる短期の体験研修等を実施いたしまして、農業・農村に対する理解を深めていただいた上で、就農への誘導を図りたいというものでございます。さらに、最後には、具体的に就農を希望した方につきましては、就農予定地の農業経営体における長期研修等の実施でありますとか、そこでの実践的な技術の習得と、それから地域への定着化を図るということを考えているものでございます。
 残留農薬の取り組みの状況でございます。
 残留農薬につきましては、今まで分析体制を整備するようにいろいろ検討してまいりましたけれども、現在、全農県本部で15年度から一度に100成分の分析が可能な精密分析機器も整備されまして分析が進んでおります。
 予算にございます残留農薬検査・安全防除促進事業につきましては、平成15年度に事業を創設しておりますけれども、農業研究センターにおきまして、低コストで簡易に検査できるイムノアッセイ法という分析方法の技術確立に取り組んでまいりました。これまで試薬を使う分析でございますので、数には対応できませんけれども、玄米、それから果菜類、リンゴ等々の11の組み合わせで活用され、可能となっております。この方法は、分析機器を使う方法と違いまして、分析器機を使う場合は、まとまったサンプルを正確に分析することは可能でございますけれども、サンプルを機器の設置してある場所に運ぶ必要があるとか、あるいは分析結果が出るまでに時間がかかるというデメリットと申しますか、そういう面がございますが、この方法は大型の機械設備は一切不要でございます。試薬と簡単な器具でございますが、ただ、少数の農薬にしか対応できませんけれども、実際、生産現場の方で比較的簡単に正確なデータを得ることができるということで、特定の農薬につきましては出荷前に検査が可能となるものでございまして、こういった意味から利用価値が非常に高いと思っております。こういう検査方法を従来からの検査方法とあわせて活用してまいりますと、非常に利用価値が高いと考えております。
〇関口緑化育成担当課長 松くい虫被害についてお答えします。
 16年12月末現在の被害市町村数は、23市町村となっております。新たに確認された市町村はございません。被害量も約4万300立方メートルということで、昨年同期の約18%減と、このようになっております。
 これを市町村別に見ますと、内陸部の北端であります紫波町、それから沿岸部の北端であります気仙地域では被害は増加傾向にはありますが、両磐地域を中心とした既往被害地では減少傾向にあります。このことは、15年度の冷夏、こういったものも一つの要因と考えられますが、これまでの継続した防除の徹底によるものとも考えられます。今まで増加してきたわけですが、8年ぶりに減少に転じるものと、このように推測しておるところでございます。
 今後とも、関係市町村それから団体、地域の方々とより一層連携して、徹底的に効果的な防除対策を実施してまいりたいと、このように考えております。
〇吉田昭彦委員 ただいまの松くい虫の被害状況に関連しましてお伺いしたいと思います。
 全体的には減少しているという今課長のお話ですが、その中で多分沿岸南部の方はふえているぞという意味合いが今答弁の中に入っておったと思いますが、松くい虫の問題については、宮城県との連携が非常に大切ではないかと思うわけでありますが、その状況はどうなっているかお伺いしたいと思います。
〇関口緑化育成担当課長 特にも、県南地域であります気仙地方では、やはり宮城県との連携が大切だということで、陸前高田市が中心となっておりまして、大船渡地方振興局それから陸前高田市、室根村、それから宮城県の県境の市町村と毎年8月に連絡協議会を開催しておりまして、被害材の移動とか被害木の駆除方法、それから予算の関係、そういったものを情報交換しながら、また研修会も開いてやっておるというようなことで、今後とも、このような一層連携を深めながら、松くい虫被害対策を推進していくように指導するとともに、県でも一緒になってやっていきたいと、そのように思っております。
〇亀卦川富夫委員 それでは、私は蚕業、蚕、この養蚕の関係と岩手競馬についてお尋ねいたします。
 まず、蚕業の関係でありますが、かつて日本の産業の大きな柱の一つであったわけですが、今は著しく養蚕農家も減少しております。そういう中で、全国的な傾向と岩手の現状、特にここの14目の蚕業費の説明等にも書いてある取り組み方についてお尋ねいたします。
〇中正農産園芸課総括課長 まず、養蚕の全国的な傾向から申し上げたいと思います。
 平成15年度の全国の養蚕農家2、070戸ということで、生産量は780トンとなってございます。これは前の年に比べますと戸数で300戸、生産量で100トン減少ということで、ここ数年このような傾向が続いているというところでございます。
 そしてまた、本県の現状でございますけれども、これは16年の数字になりますけれども、養蚕農家数で見ますと57戸、生産量は17トン、それぞれ前年度は64戸、20トンということで、全国と同様に減少傾向にあるという状況にございます。
 取り組みでございますけれども、何といっても、養蚕は中山間地域を中心に複合経営ということで、やっぱりほかに変えられないという農家もございます。そういう意味で、今現在取り組んでおりますのは、稚蚕、言うなれば1令蚕、2令蚕という稚蚕がございますけれども、これを3令蚕まで稚蚕飼育所において飼育いたしまして、それを全県内の農家に配蚕するということで、蚕作の省力化、安定化を図ると。あるいは蚕業の技術員を配置しながら、技術実証による生産技術向上支援を図っているというところでございます。
 こうしたことに努めながら、引き続き養蚕産地の維持継続に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
〇亀卦川富夫委員 この蚕業技術指導者は、今岩手県には何人いるんですか。
〇中正農産園芸課総括課長 県内に、現在6名を配置して進めておるところでございます。
〇亀卦川富夫委員 こういうふうに営々としてやっているわけでございますが、なかなかこれは大変だろうと思います。そこで、今グリーン・ツーリズムとかあるいは岩手の観光ということでの面から、何か寄与するものがないかというような気がいたしますが、今後の取り組み等をお聞かせ願えればと思います。
〇中正農産園芸課総括課長 繭の関係につきまして、県内で地元の繭を使って織物加工をする組織、あるいは繭材加工と申しますでしょうか、クラフト教室を開いている方がある。そのほか、絹に含まれているアミノ酸がございますけれども、こうした機能性成分をうどんに練りこんで提供しているという店もございます。こうした取り組みについて、今委員おっしゃいますようないわてグリーン・ツーリズムと申しますか、そういう機能を、取り組みをいわてグリーン・ツーリズム・サポートセンターを通じて、情報発信しながら活動していくことも考えてまいりたいと思っているところでございます。
〇亀卦川富夫委員 それでは、次に岩手競馬についてお尋ねいたします。
 いよいよ4月2日オープンということで準備等に入っていると思います。しかし、ここフアンが――フアンというのは恐ろしい気持ちの、不安がいっぱいで、関係者はなかなか手につかなかったというようなこともあったんではないかと、そういうことで、今の準備の推進状況をまずもってお伺いしたいと思います。
 それから、これまでいろいろ議論があったわけですが、関係者等との関係もあって、なかなか進行形であってはっきりしていない点があったわけです。例えばインターネットの業者とかあるいはテレトラックの売却・貸与の相手先、さらに金融機関との協議、こういったことが明らかになっていない部分があるわけですが、きょう現在で、何かこの辺での進展状況で明らかにするものがあればお聞きしたいと、このように思います。
 それから、先ほど準備のお話をいたしましたが、いずれこれからの経営の中で、今までに足りなかったものの一つに競馬関係者、調教師、厩務員、馬主さん、騎手、こういった方々と組合との中での話あるいは組合と県との関係、ある意味では上位下達的なところも私はあったと思うんです。こういった関係者との協力あるいは信頼関係というのが、これから岩手の競馬を再生していく上においては非常に基本的なことだと思うんです。したがって、4月2日オープンを前にして、これまでこういった方々は、これだけ大変な状況からはい上がろうとしているわけですから、当然そういった意味での懇談等はやってきたと思うんですが、これまでの経過、あるいは今後の取り組みについてお尋ねしたいと、まずこの点をお伺いいたします。
〇今泉農林水産部長 進行状況については私の方から答弁させていただきます。あとは担当の参事から説明させます。
 現在の進行状況でございますけれども、インターネット発売の委託につきましては、現在も引き続き交渉を進めている段階というところでございます。また、テレトラックでの発売、払い戻し業務の委託につきまして、その一部について、早ければ4月中に契約締結が見込める段階まで交渉が進んでございます。
 また、金融機関との交渉でございますけれども、これも前向きの感触を得ており、現在ワーキンググループ的なものをつくり、両者で細部の詰めを行っているというところでございます。
〇東大野特命参事 最初に準備の方の推進状況ということについてお答えいたします。
 3月15日現在の入厩頭数、馬房の中にどれだけの馬が入っているかということでございますけれども、783頭ということで、昨年同期とほぼ同じような頭数が入ってございます。それで、4月2日から第1回、水沢で競馬を開催いたしますけれども、その出走登録頭数684頭ということで、昨年より33頭ほど少なくなってございますけれども、ただ、レースに必要な頭数は確保されているということで、準備の方は進めているという状況でございます。
 二つ目でございますけれども、競馬関係者の方々との協力信頼関係ということでございますけれども、改訂実行計画の策定に当たりましても、馬主会の方々、厩舎関係者の方々ともいろいろ組合の方、話し合いを持ちまして説明をし、理解を求めながら今回の計画を策定したという経過が一つございます。また、正月に新潟の中越地震の支援競馬が開催されましたけれども、これは県の調教師会の発案で開催されたと。あと、調教師会の方でチャリティーオークションを開催されるといったような形で、競馬を進めていく上で競馬関係者の方々の協力が不可欠だという認識は組合も当然持ってございます。岩手競馬自体が多くの方々から支えられているということで、その方々と一緒に県としても組合としても、岩手競馬の再生が実現できるように最善を尽くしてまいりたいと、そのように考えてございました。
〇佐々木順一委員長 亀卦川富夫委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際10分間ほど休憩いたします。
   午後2時59分 休 憩
   午後3時18分 再 開
〇田村誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇亀卦川富夫委員 いずれ4月2日に向けて準備を万端整えて、ひとつ華々しくオープンしていただきたいと思います。
 先ほど部長から進行のお話を聞きました。それ以上はなかなかお話しできないと思いますが、金融機関との協議がまず最初でしょうから、そういう中で、テレトラックの売却になるか貸与になるかわかりませんが、そういったものが条件としてあるとすると、その辺を乗り越えないと金融機関との協議が進まないのか。あるいはそういったものは一応織り込んで、金融機関はまずオーケーするといいますか、進める、こういう段取りになるのか、この辺ちょっと微妙なところでありますが、お聞かせ願えればと思います。
 それから、競馬関係者という意味では、私は、今のほかに、競馬場を取り巻く、例えば食堂とか、水沢競馬場でいえば駐車場を貸し出している方とか印刷とか、そういった周辺のいろいろな方が携わっております。こういった方々にも十分現状を認識してもらいながら御協力願って進めていく、こういうことも必要だろうと思いますが、その辺のお話し合いがあったのかないのかお尋ねしておきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 最初の質問でございますけれども、私どもとすれば、今月中には何とかめどをつけたい、そういった気持ちで今、相手方と交渉しているところでございます。
〇東大野特命参事 周辺の事業者の方々への説明等でございますけれども、これにつきましては、地権者の方々とは直接的に競馬組合は話し合いの席を持って今回進めていると聞いておりましたけれども、周辺の食堂あるいは駐車場の事業者の方々までということは特に私は承知してございませんで、申しわけございません。
 ただ、いずれこの岩手競馬を再生していくためには、そういった方々の協力も不可欠だとの認識は競馬組合も当然持っていると考えてございます。
〇亀卦川富夫委員 ぜひそういった方も含めた競馬関係者と十分、特に定期的にやれるなら一番いいと思いますので、要望しておきたいと思います。
 次に、先ほど馬の関係がありましたが、やはり馬が資源でありますので、そういった中で、国の動向ということが情報としてあるようであります。地方競馬支援の国の動向について、特に馬資源については、中央競馬からの上がりのうち数%を地方競馬の賞金の補助に使う、あるいは馬産地、牧場等生産者に対して低利の融資をする、こういうものが国の動きとしてあると伺っておりますが、これらをどのように把握しておられますかお尋ねいたします。
〇東大野特命参事 地方競馬支援の国の動向ということでございますけれども、改正競馬法が施行されて間もない時期でもございまして、具体的な国レベルでの動きというのは特に承知してございません。ただ、地方競馬を取り巻く環境というのは競馬法が改正されても依然として厳しい状況でございますので、競馬組合、それから他県の競馬主催者とも連携しながら、今後とも国に対しては地方競馬支援ということで働きかけを継続していきたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 次に、再生となりますと、どうしてもこれは売り上げの増進策を講じなければならないと思います。これについては、いろいろ今までも試行錯誤してやっていると思いますが、気がつく点だけ指摘しておきますが、そのほかにもいろいろな御意見があろうかと思います。率直にそういったものに耳を傾けて、これはと思うようなものでもまず試みてみるとか、そういう姿勢が大切だろうと思います。そういう中で、一つは、特にインターネットなどに向かっていきますと、全国的な展開になると思うんです。そこで、岩手競馬をスポーツ新聞、やっぱり中央競馬は大々的に取り上げられます。そういう中で、岩手競馬というのをスポーツ新聞に取り上げていってもらう工夫をしていきませんと、インターネットといってもなかなかPRが行き届かないといいますか、参加者が少ない、ふえる部分については阻害要因になるのではないか。スポーツ新聞にどうしても取り上げてほしい。この辺の工夫。
 それからもう一つ、テレトラックのある市町村あるいは市町村の関係団体、今まではどちらかというと誘致は、随分みんな出てきてくれということでテレトラックの誘致に力を注いだんですが、その後の運営について、やはりテレトラックのある地域の方々が、経営者意識までは持たなくても売上増について何らか一緒に組合と工夫するとか、そういう連係プレーが必要なのではないか。
 それから、商工観光では随分観光施策をいろいろやっています。こういった中で、岩手ならではという観光の中にこの岩手競馬を位置づけるということで、あるいは外国関係の観光ツアーに競馬を盛り込むような工夫とか、考えるとこういうものもあるんですが、特にスポーツ新聞の関係とかテレトラックの存置しているところの協力、こういったものは非常に大切だと思います。そういった点を含めて、これからの売上増進策に取り組む姿勢をお伺いしたいと思います。
〇東大野特命参事 売上増進策についてですけれども、まず第1点、全国に向けて情報発信していかなければという点でございますけれども、委員から御指摘ございましたとおり、中央のスポーツ新聞への岩手競馬の情報掲載ということで、競馬組合では平成17年度にそういった取り組みを行うこととしたいということで、情報掲載に向けて動き始める予定でございます。
 そのほか、テレトラックの売上増進につきましては、県議会の審議の中でも御指摘いただいてございました。当面予定しているのが、地元住民の方々への施設利活用、水沢、盛岡両競馬場のテレトラック利用者の方々を対象とした本場ツアー、あるいはテレトラックを利用した地元産品の販売会といったたぐいのものを予定してございます。テレトラックがより地元に密着した形で事業が進められるように、関係の市町村、団体とも協議させていただいて、地元にとっても、あるいは競馬組合にとってもより望ましい形での連携方策をさらに検討してもらうこととしたいと思います。
 それから、商工労働観光部とのタイアップでございますけれども、競馬組合独自で、今、首都圏を対象として、両競馬場あるいは遠野の馬の里、ここら辺を対象にした情報発信ということで観光ツアーについて旅行代理店と協議させていただいてございましたけれども、商工労働観光部あるいは観光協会とも話し合いながら、そういったことも含めて効果的な連携というものを検討してもらいます。
 このほか、競馬組合職員がよりお客様に来ていただけるようにといった意識改革の一環として、16ほどのテーマで職員がグループを組んで個々の営業活動に取り組んでいるのが現状でございます。
〇亀卦川富夫委員 平泉に関係すれば、義経、これは日本で騎兵隊を組織した最初の人とも言われているような関係で、南部駒とか、いろいろ名馬の産地としての岩手でありますから、ひとつ観光面などでも思い切って馬事文化というものを打ち出すとか、ぜひそういうめり張りのきいた取り組みをお願いいたしまして終わります。
〇高橋賢輔委員 岩手県競馬組合について亀卦川委員から発言があったわけでございますけれども、若干確認をいたしたいと思います。今度27億円の追加補正があるわけですけれども、以前は金融機関との信頼関係が特に私は問われた案件だろうと思っているわけです。その際、貸し手、借り手のトップは知事でございますけれども、この関係で、貸し借りの、例えば貸借契約とか、あるいはそういった文書のあれが交わされるのかどうか、その辺をお聞きしたい。と申しますのは、これまで問題になっておったのは、だれが借りているのかさっぱり不明確だというようなこともあったわけですから、今度の場合は、しっかり貸し借りの責任者はきちっと示されるわけなんでしょうか、それをお聞きしたいと思うわけでございます。
〇東大野特命参事 今回、構成団体と競馬組合との融資ということでございますので、構成団体の長と管理者との契約になるかと考えてございましたけれども、知事の場合、双方代理という問題もございますので、その点、さらに検討してみたいと思います。
〇高橋賢輔委員 ちょっと理解に苦しんだわけですけれども、もう少しはっきり言ってくれませんか、どういうあれなのか。今まで問題になったのは、借り主がどなたなのかはっきりしていないということがよく話題になったんですけれども、そういう関係で金融機関との信頼関係が不明確だったというようなことが話題になったわけですから、きちっとどういう形になるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
〇東大野特命参事 金融機関と競馬組合との契約関係であれば、金融機関の代表者と競馬組合の代表者――管理者との契約になるかと存じております。
〇新居田弘文委員 3点についてお伺いします。
 一つは、いわて純情米マーケティング戦略展開事業に関連してでございますが、過日、財団法人日本穀物検定協会が昨年度、16年産米の県南ひとめぼれと県中のあきたこまちが食味ランキング特Aということで発表しております。県南のひとめぼれについては、平成6年以降10回目、あきたこまちは今回初めての特Aでありますが、それにつきましては、生産農家あるいは関係機関の御努力だということで敬意を表したいと思います。しかし、この喜びの反面、価格面では非常に厳しい状況にあります。1月末の価格形成センターの入札によりますと60キロ当たり1万4、502円ということで、他県に比べても、あるいは前年に比べても非常に下落しておりますが、この点について、米どころ岩手県として県はどのようにこの実態をとらえ、今後の売り込み対策をどう考えているか。また、在庫もかなりふえていると伺っております。あわせまして、こういう状況の中で、平成17年度の米の目標数量の取りまとめを市町村でやっていると思いますが、その辺の見通しについてお伺いしたいと思います。
 二つ目は、稲作の技術開発について、水稲の直まきを県内各地で試験的にやっておりますが、その状況についてどのように分析されているかお伺いいたします。
〇佐々木流通課総括課長 純情米の販売状況ということでございますが、御指摘のように、前々回の入札でかなり岩手県産が下落した、さらには、直近の入札では横ばいということで推移してございました。他県の産地のお米と比べますとコシヒカリがひとり勝ちの状態でございまして、ひとめぼれがそれに続くというふうな価格形成になってございます。ですけれども、価格の大きな流れからいたしますと、やや下げどまってきている傾向が見られるのかなと思ってございます。
 それから、販売状況でございますが、15年産の流通在庫が多いということで、16年産の販売につきましては、販売当初、動きが非常に鈍くて心配したわけでございますけれども、ここ2月ぐらいから荷が動き始めまして、単月では平年作でございました14年産並みに動いてございますが、累計値にするとまだちょっとおくれているのかなと思ってございます。
 委員から御紹介いただきました食味ランキングの中で、県南ひとめぼれの10回連続はもちろんでございますけれども、県中あきたこまちが初めて特Aの評価をいただいたということは、これからの県産米の販売にとっても大きなてこになるのではないかと思っています。さらには、本県のオリジナル品種でございます県中のいわてっこ、それから県北のかけはしにつきましても基準値より上のAということで、これは、5段階評価でいいますと4に当たる、特Aに次ぐ食味ということで評価されたということもこれからの県産米の販売展開にとってはてこになるものと考えてございます。
 このような成果を前面に打ち出しまして、農業団体等と一緒になって構成してございますいわて純情米需要拡大推進協議会の活動を中心として、卸とか外食等実需者に直接的にセールスするのはもちろんでございますけれども、消費者向けの情報誌とかテレビ、ラジオも使いまして、積極的にPRして販売対策を展開してまいりたいと考えてございます。
〇高橋水田農業担当課長 直まきの開発の状況という御質問でございましたが、御案内のとおり、直まきは、育苗作業――苗づくりが省略できるということなど非常にメリットがあるわけですが、逆に、まだまだ収量が安定していない。その原因は、出芽、苗立ちが安定しないとか、雑草対策とか、こういった面がまだまだ十分ではないということもございまして、現在、現地では平成16年で140ヘクタールほど実施されておりますので、そうした実施農家と一体となって、課題解決のために研究センター等がその苗立ちの安定を進めて、安定生産に向けた研究を実施しているところでございます。
〇新居田弘文委員 前段の米の関係ですけれども、確かに2月で下げどまりということで、これから力を入れて売り込むということでございますが、生産農家にとっては、つくっても安心して売れるような、しかもある程度の価格が保障されることが大事でございますので、その辺は引き続き頑張っていただきたいと思います。
 それから、直まきの関係ですけれども、やっぱり従事者の高齢化、あるいは集落営農を推進するために一方では田んぼが大きくなって、なかなか今までの機械では対応できないという部分で、この直まきも非常に有効な手段だと思います。したがいまして、確かに出芽とか雑草についての不安もあるようでございますが、引き続き研究開発をしていただきまして、農家のコスト減なり省力化のための取り組みを一層進めていただきたいと思います。
 それから、三つ目ですけれども、農道整備事業関係、予算は農林水産部でございますが、今度、県土整備部の方に事業が移ったと。一つお聞きしたいのは、土地改良法上の手続の所管に係る担当はどのような形になるか、その辺だけお聞きしたいと思います。
〇田山農村計画課総括課長 推進体制の一元化に係る法手続のお話でございます。来年度から本庁段階では一元化されるわけですけれども、計画、法手続等一切県土整備部に移管する予定でございます。
〇佐々木大和委員 私からは、機関造林についてお伺いします。
 本年度の予算を見ますと、県有林事業、一般会計から25億円の繰り出しで30億円の予算を組んでいるようであります。また、一方の林業公社の方の事業は8億ほどの貸付金、40年以内、そういう形で組んでおりますけれども、林業公社の事業は、県が8億円で、その他市町村、そしてまた融資を受けられるんでしょうけれども、今年度の事業は総体ではどれくらいの額になっているでしょうか。
 この機関造林は借り入れが多いということで問題ですけれども、しかしながら、適時適切な撫育事業を進めていかなければ、これまでやってきてせっかく積み上げた資産が最終段階でその価値を下げていっては意味がないと思いますので、新植はもうとまっていますけれども、枝打ちとか何か仕上げの撫育の段階に入っていて、この予算で適切なのか、その辺を説明いただければと思います。
 それから、林業公社の問題で、借入金の5割を占めています農林金融公庫の借りかえを進めているということで前にも説明がありましたけれども、この借りかえはどの程度進んでいるんでしょうか。
 そして、平成19年の一元化に向けて進んでおりますけれども、ほかの県を見ましても確かに県行造林に一元化する方が多いわけですけれども、県行造林に一元化するメリットをあわせて簡単に説明をいただきたいと思います。
〇西村緑化推進課総括課長 機関造林についてのお尋ねが幾つかございました。
 まず一つは、林業公社の借りかえの状況についての御質問がございました。林業公社におきましては、平成10年度以降、低利の資金でございます分収林機能高度化資金及び施業転換資金を活用いたしまして低利資金への借りかえをしてきております。平成16年度末におきます公庫借入資金総額216億円に対しまして151億円となっておりまして、約7割が借りかえ済みとなっているわけでございます。これによりまして、公社が現在借り入れしております公庫借入金の8割が利息が2%未満の資金となっておりまして、平成15年度当初、3.5%の利息でありました利率が1.83%まで大きく縮減しているところでございます。
 次に、県有林に一元化することのメリットについてというお尋ねでございます。御存じのとおり、林業公社はこれまで2万4、000ヘクタールという森林を造成してまいりまして、また同時に545万人の地域雇用を生み出してきたわけでございます。これらの森林、まだ40年生以下の若齢林ということでありますけれども、その公益的機能も高く、また、将来の本県の貴重な森林資源と期待されることから、今後とも必要とされる施業あるいは管理を継続し、将来にこの貴重な資源を維持、培養していく必要があると考えているところでございます。
 ただ、こういった中で、公社をこのまま継続して管理するとした場合には、公社事業そのものが借入金でもって賄われているということで、そういった借入金が平成15年度末現在で総額469億円と非常に多額になっていることがあります。現在のところ、このような若齢林の中でまだ間伐収入がほとんどないということで、公庫借入金の償還に対しまして、県、市町村からの借り入れが年々増加している状況にございまして、そういった市町村の財政事情が厳しくなる中、大きな負担になっているということがございます。
 こういったことを踏まえまして、今、既に5万8、000ヘクタールの県有林の管理が県有林事業の中で行われているわけでございますが、体制の一元化を図ることによりまして、こういった公社の持つ借入金の問題あるいは市町村の負担の問題、そういったものが解消されるということが県有林に移行するメリットになると考えております。
 それと、公社造林の平成17年度の予算の総額でございますが、手元の資料を今整理してみます。しばらく時間をください。
〇佐々木大和委員 公社の部分は直接管轄じゃないかもしれませんが、その辺を教えてください。
 やっぱり問題なのは、分収造林で契約するときは、土地提供者は、適切な作業をもって立派な山をつくるということが前提にある案で、チェックする機関がないんですよね、地主の側からいくと。そういう意味で、予算がなくなったから減らしましたというのでは納得されないと思うので、これは契約に沿って適切なものをつくって、そしてやはりこの山の資産というものを、その時点その時点で評価は違いますけれども、それをしっかりやっていくというのは、契約をして土地提供を受けてやった事業ですので、やらなければならない絶対の義務があると考えますので、その辺について改めてお伺いしたいと思います。
 それから、一元化のメリットがちょっとはっきりしなかったんですが、市町村負担も限界が来たというのは一つの大きな問題だと思います。ただ、こういう形の中で、現実に生産段階に入っていない時期なわけですから長期化なんですが、借りかえで利息は確かに下げたんでしょうけれども、期間を仮に80年に持っていけば、その80年までの間に償還が来てしまっては困ると。やはり主伐期に償還できるような金融体制を構築していくことが基本にあるんじゃないか。そこに対しての取り組みが前段に必要だと思うわけです。
 さらには、今、公益的な機能というのを評価される森林の中で、そうなったときは立木分収もやはり提案していいのではないか。契約の中で、立木のまま分収し合う、そういうことにすれば長伐期ももっと現実的なものになると思うんですけれども、その辺についてのお考えはどうなっているんでしょうか。
〇西村緑化推進課総括課長 ただいま機関造林の経営改善という中に長伐期施業の話がございました。確かに、我々今、経営改善に公社、県行造林ともに取り組んでいるわけですが、そういう中での大きな柱として長伐期の施業というものを取り入れております。
 そういった中で、立木分収についての御提案がございましたが、現在、県有林の事業におきましても、現在の木材の価格が非常に低迷しておりまして、例えば契約が満了して、今、分収の時期に来たものも県有林の中にはあるわけですけれども、その契約が満了しても、所有者の方々の意向を聞けば、今ここで切っても、簡単に言えば不利な場合がある、そういった声も多々ございます。そういう中で、例えばこれを立木のまま分収するという方法もございまして、現在、その立木分収も、契約の満了の、要するに処分の中に占める割合が半分以上あるというようなことで、そういったことがまた長伐期の施業の方に結びついているということになります。
 現在、長伐期の施業で経営改善をしていこうということにしておりますが、委員から御提案のございました立木分収についても前向きに今後の施業の中に取り入れていきたい、そういうように考えております。
 先ほどの質問に対する答弁でございますが、平成17年度の公社事業は13億円でございますが、そのうち、保育間伐等の事業費は約2億円となっております。
〇佐々木大和委員 平成17年度は13億円の事業費ですか。(西村緑化推進課総括課長「はい、そうです。分収造林事業は13億円です」と呼ぶ)2万4、000ヘクタールほとんどの部分がまだ手入れをしなければならない部分、その生産間伐になかなか入ってないんだろうと思うんですけれども、そういう意味ではちょっと予算が足りないように思うんですが、その辺はぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。
 一つの大きな資産になったこの2万4、000ヘクタールある分収林ですけれども、アカマツ、スギ、カラマツ、主に3種類ですが、それぞれどのぐらいの材積になっているんでしょうか。その辺を数字で示していただきたいと思います。
 これを仮に80年の伐期に持っていくときには、アカマツの場合、4、000本の植栽で始まって最終80年まで持っていったときには立木密度は一体どれぐらいになっていくのか。スギは最終何本になるのか、カラマツはどれぐらいになるのかお伺いしたいと思います。
 これから40年、50年以降の間伐は、その際、工程上何回ぐらい行う予定になっているんでしょうか。そして、その際に収益分収が可能かどうか。要するに作業費でこの間伐が本当にできるんだろうか。多分長伐期の場合には、間伐の費用はその伐採木から出ますよということが想定している内容じゃないかと思うんですけれども、実際にはその収益分収になっていくのかどうか。その際には、どれぐらいの単価が予想されているか。あるいは、一番基本になるのは、生産間伐の決め手になるのは一体何だろうか、その辺にこれからの一番の課題があると思うんですけれども、この生産間伐を最終的に実施するときの決め手になるのは何があるか、その辺についての説明をいただきたいと思います。
〇西村緑化推進課総括課長 現在、公社造林は2万4、000ヘクタールあるわけでございますが、その資源構成についてですが、公社造林は御案内のとおり県北地域に多く所在するということでアカマツの割合が非常に多くなっておりまして、その材積は、アカマツが179万2、000立方メートルと、全体面積の47%となっております。次いで、スギが135万3、000立方メートルの35%、カラマツが66万5、000立方メートル、17%。その他のものが4、000立方メートルの1%となっております。
 80年伐期の場合の最終的なヘクタール当たりの立木の密度は幾らかということでございます。密度管理図をもとに作成いたしました林分収穫予想表、これを適用いたしますと、これは地形とか、あるいは標高とか地質、いろいろな自然条件によって異なるわけでございますが、基本的には、最終的な仕立てとしては、ヘクタール当たり、スギで800から900本、アカマツで500から600本、カラマツで600本程度の密度に仕立てる、そういうことで考えているわけでございます。
 三つ目は、50年生以降の間伐は何回行うか、その際の分収は可能かということでございますが、長伐期施業におきましては、50年生以降、成長状況によりますが、通常、基本的には1回の間伐を想定しております。この際の収穫の方法なんですが、先ほど委員から立木で処理しているという指摘がございました。まさに我々が生産をするということではなくて、事業費の削減ということもありまして立木で販売するということが考えられまして、それによって事業費が非常に削減されるということでございます。こういった場合には分収金の交付が可能になると考えております。
 四つ目の、生産間伐の決め手は何かという問いでございました。まさに生産間伐の決め手は、まずはずばり生産経費の削減をいかにして図るかということにあると考えておりまして、そのため、生産経費の主要を占めます集運材費の削減が不可欠と考えております。そのためには、基盤となる路網の整備が重要、そのようなことで考えております。現在、林業公社は、御案内のとおり経営改善を主眼に取り組んでおりまして、公社営林はいまだ生育途上の森林が多いということで、今のところ限られた予算の中で保育間伐を主体にした作業に取り組んでいるところでありますけれども、今後、公社営林が県有林に一元化された後には、現在ある県有林作業道との広域的な連携を図るといったことをしながら、先ほど言った間伐の実施状況、計画にあわせまして、国庫補助事業を積極的に活用するなどして路網の整備に努めてまいりたい、そのように考えております。
〇佐々木大和委員 これから生産間伐の段階に入って、まさに作業道が決め手になるんだろうと思いますので、その辺の施行をしっかりやっていくということがこれから山を守っていく大きなポイントになると思いますので、ぜひその方法論を研究しながら進めていただきたいと思います。
 岩手県の森林の蓄積でいったときに、面積からいけば国有林と民有林1対2ぐらいの割合ですけれども、既に材積は、昔と違って民有林が国有林の3倍というようなことが数字で出ていますので、そういう意味からいっても、機関造林が相当な効果を上げてこのような岩手県の山の資産をつくってきたんだろうと思います。国有林に頼っていた時代から民有林がその3倍にもなっているという状況からいっても、やはりこれらの機関造林は、大事な資産を管理する機関として、やはりぜひ頑張っていただきたいと思います。
 その中で、先ほど言いましたけれども、カラマツが現状では一番少ない。これは全体でそうだと思うんですけれども、カラマツの需要が今、逆に一番あるわけです。そういう意味で、カラマツが不足する可能性があるという声が地域で出てきておりますけれども、カラマツの供給状況についての見通しを聞いて終わりたいと思います。
〇千田森林保全課総括課長 カラマツの供給見込みについてということでございますが、本県民有林全体におけるカラマツの資源量は、平成15年度末現在で約1、400万立方メートルで、素材換算では約1、100万立方メートルとなってございます。一方、平成15年の本県のカラマツ材の需要量は、素材換算で16万1、000立方メートルとなってございます。このままの需要量で推移すると仮定し、需要量を間伐材を除いたすべてを民有林の主伐で賄ったとしまして、標準的な伐期でございます35年生以上のカラマツの資源量の推移を見てみますと、今後30年間は伐採量と成長量がほぼ拮抗しまして、資源量は素材換算で800万立方メートル前後で推移し、その後20年間は700万立方メートル前後で推移すると推定されるところでございます。
 したがいまして、需要量が増加しましても資源的には十分賄える状況でございますけれども、長期的に安定した資源量を維持していくためには、伐採跡地が確実に更新されることが大変重要なことと考えてございます。したがいまして、今後、引き続き更新等につきまして十分指導してまいりたいと考えてございます。
〇田村正彦委員 佐々木委員の林業関係の質問に関連してお尋ね申し上げたいと思います。
 まず、公社と県有林特別会計、これを合体する理由というんですか、これは先ほどちらっと話は聞きましたけれども、最大の理由は何なのでしょうか。
〇西村緑化推進課総括課長 最大の理由といいますか、理由は幾つかございますが、いずれ、今後公社を継続して2万4、000ヘクタールの森林を管理するとした場合には、要するに収入のない中、これまでの公庫からの貸し付けに対する償還に対する県とか市町村の貸し付けがさらに必要になるということが一つございます。先ほど申し上げましたとおり、現在、公庫からの借り入れが469億円と非常に多額になってきておりまして、これにさらにそういった貸し付けが積むということは、非常に市町村の財政が厳しい中、大きな負担になるということがございます。
 それと、今後は、現在の木材価格は非常に難しいところがありますので長伐期施業ということも導入することになっておりますけれども、公社を存続させた場合、そういった長伐期の施業をとることによりまして事業の期間が延長するわけですけれども、そういった公社組織の管理等についての必要な経費についてさらにまた長期にわたって貸し付けをしなければならないということになるわけでして、こういった県民の負担がさらに増加することは非常に問題があるということで県有林に一元化するということでございます。
〇田村正彦委員 今のお話を聞くと、最大の理由は財政的な理由ですよね。県有林特別会計も、林業公社は特に県北を主とした分収施策でやったものだと理解していますけれども、中身は大体同じなんですよね。同じ中身のものを二つに分けて、両側で非常に財政負担を伴って、あわせてもう1、000億円近い負債を抱えている、これが現実なんです。先ほどもお話ありましたよね、今までと違って、間伐についても、全伐もそうなると思うんですが、立木で処理していくんだというお話がありました。
 私はぜひそうあるべきだと思うんですが、一例を申し上げますと、私の所属している牧野組合というのがありまして、県の地方振興局にお願いして間伐をしました。そうしたら、分収はマイナスでございますと。一銭も入りません。赤字でございますと。したがって、分収するお金はありません、こういうお話があったんです。同じ面積を、ではということで立木で入札でやりました。そうしたら、マイナスでしたという同じ材積ぐらいの間伐材が200数十万円で売れているんですね。ということはどういうことかというと、伐採して土場に持ってくるだけの経費がとんでもなく県の場合高過ぎるんです。さっきも林業公社を合体して施業管理に努めますと言っていますけれども、施業管理が今までのような施業管理では、なかなか改善は図れないと思うんです、従来どおりの施業管理の仕組みでは。だから私はいつも提案するんですが、やはり従来の公社なり県有林特別会計での施業なり管理の体制を抜本的に改めない限り、この赤字の圧縮というのはなかなか大変なことじゃないのかと思うんです。これから、施業にしましても維持管理にしても、やはり民間の入札制度を導入して、そして単価を安く上げながらこれを管理していけば、ある程度の予算でもかなりな管理ができるんじゃないのかなと感じておるんですが、施業管理体制というのを旧態依然のまま今後とも続けていこうとしているのか、それをお尋ね申し上げます。
〇西村緑化推進課総括課長 機関造林の経営改善というものの大きな柱の中の一つには、いろいろな経費がありますけれども、施業に係る経費の節減というのがございまして、その中には施業基準の見直しというものがございます。例えば、除伐をする場所をかなり厳しくするとか、あるいは下刈りについても厳しくするとか、そういった作業についての施業する基準を見直して、そういったことも経費の節減に充てようということは機関造林の経営改善の中での大きな柱になっておりまして、実際、例えば公社の中では平成14年度も委員会を設置いたしまして、そういった造林とか保育の施業の見直しを行っております。こういった中で経費の節減も既に始めているわけですけれども、今後につきましても、そういったことは鋭意進めてまいりたいと思っています。
〇田村正彦委員 最後に、今、経費の節減に努めていくということですが、もう皆さん御承知のとおり、公社等の維持管理団体として造林協もありますよね。造林協、申しわけない話なんですけれども、かなり県の元職員の方が各地にあって請負をしているのが現実なんです。そういった請負業者がそのまま丸投げでまた下に出している。それがすごい経費の負担増になっている、私は現実見てそう思っているんですが、そういった造林協なり何なりの中間業者というんですか、そういったものを、整理という言葉はよくないんですけれども、整理しながら経費の節減に努めるという意識は持ち合わせていらっしゃいますか。
〇西村緑化推進課総括課長 一元化後の、それは森林の管理体制とも関連する話でございます。これまで県有林あるいは林業公社の造林事業というものは、林業の作業そのものが非常に経験を必要とする、あるいはその地域を熟知した、あるいはその森林を熟知して施業の適用の判断も熟練したものがあるということで、そういったことで現場の作業はそれなりの実施を行ってきたわけでございます。それはそれなりに尊重しながら、あるいは踏まえながら、また一方では、現在、森林というものは非常に多様な機能を求められておりまして、ひっきょう管理の仕方もいろいろな考え方が必要ではないかということで管理体制の見直しも必要だと考えていまして、現在、そういった一元化の森林管理というのはどうあるべきか、あるいは、今、高齢化の社会を迎えているわけでございますが、担い手についてもどんなものがあるだろうかということで、こういった一元化を機会に、管理の体制をどうするかということも今現在検討しておりますし、その中では、現場の業務のあり方というものも考えなければならないものだと思っております。
〇大宮惇幸委員 外来魚被害緊急対策事業に関連して1点のみお尋ねいたします。
 ブラックバスも外来魚の一種であるわけでありますが、その中で、御所湖のブラックバス対策については毎年のように駆除を行っていただいているところであります。しかしながら、一向に減らない。ワカサギ釣りをやられておった時代もあったんですが、ワカサギがいなくなった。もう生態系が変わったと言われております。
 そうした中で、平成16年までにどの程度御所湖からブラックバスが駆除されたのか、その数を知りたいわけでありますし、緊急対策の割には余り予算がないのではないかという部分も見えます。いずれ平成17年度ではどういうような対応をしていくのかお尋ねいたします。
〇寺島漁業調整担当課長 ブラックバスの対策について、御所湖での駆除尾数でありますけれども、平成13年度から今年度まで4年間、駆除を続けておりますが、合計で382尾の駆除となっております。内水面水産技術センターでは、御所湖での駆除が本県で最初の対策ということで、漁協と協力しながら、刺し網、定置網の効果的な方法などを研究開発しながらこの駆除に努めてきておりますけれども、現在のところこのような駆除尾数になっております。
 来年度以降につきましても、現在のような駆除の方法をとりながら、何とかできるだけ多くのものを駆除していきたいと考えております。
〇大宮惇幸委員 どういう方法でやっているか、その技術的なことについては、私、全く素人でわかりませんけれども、3年間で380程度ではちょっと少ないような感じがしますが、もっと効率のいい駆除方法はないんでしょうかお尋ねいたします。
〇寺島漁業調整担当課長 御所湖では少ないんですけれども、今年度、ため池駆除ということで10カ所で1万2、000匹ほどを駆除している例もあります。ため池の場合であれば水を全部抜き出して完出して駆除するという方法でできるわけですけれども、御所湖というと、広い面積の中で、魚もいろいろな場所にいるものですから、そういうところを何とか見つけながら定置網や刺し網を設置していくということで、非常に時間がかかるとは思います。しかし、漁業協同組合等と連携しながら、もう少し何かいい方法がないか考えていきたいと思います。
〇大宮惇幸委員 何とか早急な駆除対策を講じてほしいと要望をいたしまして終わります。
〇及川幸子委員 いい方法をお教えいたしましょう。実は、若い人たちが大変ブラックバス釣りに興味を持っております。大変若い人たちは財政難の中でお小遣いがないわけです。それで、1匹釣ったら幾らというふうな奨励を与えて、御所湖ブラックバス釣り大会などを考えてみてはどうでしょうか、いかがでしょうか。
〇寺島漁業調整担当課長 御所湖では、今年度、民間の釣り団体――インストラクターの方々なんですけれども――が自分たちで調査ということで、釣りを通じて駆除したりしております。そういう人たちとも相談しながら進めてみたいと思います。
〇及川幸子委員 私は、息子が中学校、高校のときに、御所湖とか花巻の三郎沼、あそこまで車で同級生を何人か乗せて連れていって、釣りに放したことがあるんです。1日じゅう釣っておりますので、早急にこれは考えてみていただきたい。大変いいアイデアだと思います。
〇田村誠副委員長 この際、西村緑化推進課総括課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇西村緑化推進課総括課長 先ほど、佐々木大和委員の質問に対しまして答弁しました公社事業の数字について訂正をいたします。
 公社事業は、先ほど、トータルの13億円のうち事業費2億円という答弁をいたしました。2億8、000万円に訂正いたします。謹んでおわび申し上げて訂正をいたします。
〇樋下正信委員 1点目は、農業集落排水の進捗率、ことしが幾らで、来年30何億ですか予算がついているようですけれども、どの程度にまでなるか教えていただきたいと思います。
 それから、シカとかクマの農作物とか人に対しての害、ことしはどの程度あったのか。来年も予算がついているようですけれども、どの程度、同じような施策だと思うんですけれども、その辺お聞かせ願いたいと思います。
 それから、農業委員会のところなんですけれども、農業振興地域、これは郡部といいますか中心地から離れたところに田んぼとか畑があるところに農業振興地域が設定されているんですけれども、優良農地じゃないところ、要するにそういうふうなところは農振がかかっていまして、家も建てられない。少子化になってきているということで学校の子供さんたちも減っているということでお聞きしたいんですけれども、限られたものしか建てられないということで、農業委員会とか地域の方々と活用方策みたいな、例えば住宅を建てられる、こういうところはいいんじゃないかというような打ち合わせといいますか懇談会みたいなものを考えているかどうかということをお聞かせ願いたいと思います。
 四つ目でございますけれども、いわて農林水産ブランド輸出促進事業ということで、来年は、中国、台湾などに販路開拓のための取り組みをするということですけれども、私、ラスベガスにそういうふうな……。過去に農林水産部でロサンゼルスの方にもアンテナショップがあったということでございますけれども、ラスベガスは年間に何千万人と世界各国からカジノをやりに観光客が来るわけでございますけれども、ああいうところに出せば世界各国に認知していただけるんじゃないかと。例えば、それこそ何回か行ってみているんですけれども、水沢の南部鉄器、ああいうふうなものもすごく珍しいんじゃないかと思うんです。ぜひそういうふうな考えがあればお聞きしたいと思います。
〇佐藤農村建設課総括課長 集落排水の進捗率についてのお尋ねでございますが、これまで整備を進めてまいりまして、平成15年度末時点の集落排水事業による整備済み人口は8万4、000人でございまして、県人口の約6%となっております。これに対しまして、整備目標がどうなっているかと申しますと、本年2月末に取りまとめましたいわて汚水適正処理ビジョン2004におきましては、平成22年度末時点での集落排水事業の整備目標を県人口全体の8.8%と定めております。したがいまして、平成22年度目標に対する現在の進捗率は約7割となっております。今後とも引き続き効率的な整備に努めまして、整備目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇徳山農林水産企画室企画担当課長 シカ及びクマに対する被害の状況のお尋ねでございますけれども、まず、シカにつきましては、平成16年度直近のデータで、県内で2、700万円ほどの被害となっております。これは、ここ3カ年は大体2、000万円で推移しておりますが、昨年と比べますと約500万円の減となっております。
 一方、クマにつきましては、平成15年度までのデータでございますけれども、15年度で1、900万円となっておりまして、ここ3カ年の傾向では、平成13年度2、200万円、14年度が1、400万円、15年度が1、900万円ということで、2、000万円前後で推移しているというような状況でございます。
〇及川農業振興課総括課長 農地の規制緩和というお尋ねでございます。農振制度、これにつきましては、市町村の農林課とか農政課のところで担当しているものでございますが、この農振制度につきましては、農業の振興を図るべき地域を明らかにして、農業生産にとって最も基礎的な資源である農用地等を良好な状態で確保するということ、そして農業振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、そういう農用地等のゾーニングを行っているわけでございます。しかし、今委員おっしゃいましたさまざまな事情によりまして、いろいろ状況が変わってきます。例えばそういう都市周辺の郡部といいますか、そういうところでは少子化とかいろんな形で、あるいは経済事情等の変動で、そういう社会情勢等によっていろいろ変わってくるわけでございますが、そういう場合に、農業振興地域の農用地区域からの除外の必要が生じたという際には、市町村において農振法に規定する除外要件を検討いたしまして、そして市町村農業振興地域整備計画の見直しを行いまして、農用地区域から除外するということができることになっております。したがいまして、これは市町村の事務でございますので、その辺、市町村主導で地域懇談会とかを開催しながらやっていただくことになるわけですけれども、必要な形で相談を受ければ、地方振興局を通じて県としてもいろいろ御相談に乗っていきたいと思っております。そういうことでよろしくお願いします。
〇佐々木流通課総括課長 アメリカへの農産物の輸出についてでございます。確かに平成7年から平成9年まで、アメリカ・ロサンゼルスのトーランスというところに、日系のスーパーでございましたヤオハンに常設のアンテナショップを置いたという実績がございまして、この取り組みの中で、アメリカにおける売れ筋ということで、めん類とか納豆とか、それから冷凍和菓子、水産缶詰、この辺が有望だろうということで、こういう有望な品目につきましては、実は貿易商社の商品カタログの中にコード番号がついて載せられるということで、私ども定番商品と言ってございますけれども、そういうところに載ったということで、この事業が終了した後におきましても、県内の企業なりがコマーシャルベースでアメリカには輸出してございます。特にも、海産物、ワカメ等とか、あるいは冷凍和菓子については根強い人気だということで、それ相当の成果はあったろうと思います。ですけれども、アメリカへの食料品の輸出ということを考えますれば、アメリカは開放された市場、成熟したマーケットということでございますから、これは基本的にコマーシャルベースで取り組んでいただくことであろうと思います。そういうことから、農林水産部といたしましては、当面、アメリカにそのような取り組みをするということは現在計画してございません。
〇樋下正信委員 漏れというか、人に対しての災害はなかったですか、害は。
〇徳山農林水産企画室企画担当課長 クマの人に対する災害でございますか、それにつきましては、ちょっと今すぐ、データ持ち合わせておりませんので、恐縮でございますが後ほど提供いたします。
〇平野ユキ子委員 私からは、いわてグリーン・ツーリズム促進事業費にかかわりまして、この1点のみ質問させていただきます。
 時間も押しておりますので、前段、説明、すべて省きまして簡潔明瞭にお聞きいたしますので、答弁なさる方も簡潔明瞭に、しかし、かつ誠意を持ってお答えいただきたいと思います。
 このグリーン・ツーリズムは、平成7年ですから、始まってことしで10年にちょうどなります。この10年の実績、状況などをお示しいただければと思います。
 実績と申しますのは、これは都市と農山漁村との交流を深めるためというのが目的でございますので、交流人口の数を入れた実績、それから県内と県外からと両方あると思いますので、その割合なども示しながら状況をお示しください。
〇及川農業振興課総括課長 グリーン・ツーリズムのこれまでの取り組みでございます。
 委員おっしゃるように、平成7年に、農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律が施行されまして、これを受けまして、平成9年に岩手県グリーン・ツーリズム推進協議会が設立されてございます。そしてその活動を中心といたしまして、地域の受け入れ体制の整備、指導者等の人材育成、それから県民のグリーン・ツーリズムへの理解の醸成等により、交流人口の拡大を図ってきたところでございます。
 その結果、平成15年度のグリーン・ツーリズム体験施設等の利用者数でございますけれども、約293万人ということでございまして、調査を開始いたしました平成10年度に比較いたしまして約30%増加してございます。
 利用者数の県内及び県外の割合につきましては、これ平成14年度の調査結果でございますけれども、県内67%、県外が33%ということになってございます。
 また、グリーン・ツーリズム体験インストラクターにつきましては、平成15年度で245人の個人と30の団体がインストラクターとして登録されておりまして、これは岩手県グリーン・ツーリズム推進協議会に登録されている数字でございます。その数は平成10年度と比較いたしまして、個人で225名、団体で24団体の増となってございます。
〇平野ユキ子委員 数が30%増加しているということでちょっと安心いたしました。私のところに寄せられております声には、ちょっとそういう感じではなく、先細りになっているのではないかという声があったものですからお伺いしたわけですが、このグリーン・ツーリズムの効果と期待といいますのは、都市との交流、都市部は最近の社会情勢から、農山漁村の豊かな自然に触れてそして人間性の回帰といいますか、豊かな自然に触れて、地域の人々との交流によってゆとりある休暇が過ごせると。人間性の回復や農業・農村への理解が深まるという、都市から来る方たちへのメリットと、受け入れる側の農山漁村地域にすれば、1次産業を中心とした複合的な産業振興が図られて、農家の所得の向上、そして新たな就業機会の創出、交流人口の拡大による定住化といったふうに、農山漁村地域の活性化が促進されるということの期待、効果があったわけです。
 今の割合をお聞きしましたところ、県内が67%、33%が県外ということですが、私はこの数値が逆になってほしいと思うんですね。この効果と期待からしますと、都会から、もう、たくさん人が訪れてほしい。そういう交流が活発になってほしいと思うわけなんですが、それには、民宿としての受け入れる宿泊の農家なり漁家なりがふえていないのが実態ではないかと思われます。
 実は、聞いてみましたら、やりたい人はたくさんあるんですね。都会から来た人を受け入れて交流を深めて、農業なり、林業なり、漁業を体験してもらいたいという人はいるんですが、いざそれをしようと思うと、非常に法規制が厳しくて、例えば民宿や農家レストランをやりたい、あるいは食品加工をしたいという場合は、旅館業法、食品衛生法、建築基準法、消防法など、そういった各種法規制をクリアする必要があって、とっても面倒くさくってやってられないというのが現状になっています。本当は受け入れたいという人はいっぱいいるんですが、それがふえない現状にはこういったことがありますが、その点につきましていかがお考えでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 そういう農家民宿なりそういう農林漁業体験民宿、あるいはその開業に係る法規制ということでございます。
 これにつきましては、委員おっしゃるように、そういう農林漁業体験民宿を開業する場合には、旅館業法、建築基準法それから消防法とございます。それから、宿泊して食事提供をするということになれば、食品衛生法等も絡んできます。そういうことで、いろいろそれをクリアするためには、おっしゃるように施設整備にそれ相応の投資をしなければならないということであります。手続もなかなか大変だということがあります。それは十分承知しております。
 それで、県におきましては、法規制の緩和に向けまして、こういう実態があるということで、県では、国に対しまして平成16年、農家民宿の開業に係る法規制の緩和に向けまして、構造改革特区提案、それを行っております。日本のふるさと再生特区ということでやっていますし、さらには、北東北3県、岩手、青森、秋田の連携によりまして、地域再生構想、北のふるさと再生提案、そういう提案を行っておりました。その結果、農家民宿開業におきましては旅館業法の下限面積の撤廃ということで、客室面積10平方メートル以下は法律として認めなかったんでが、その下限を撤廃いたしまして、小さくても開業できますということになっておりますし、あと、建築基準法あるいは消防法の緩和もさまざま図られてきたところではあります。従来に比べて、少ない経費で開業ができるような形になっております。そういうことで、今年度、今つくっておりますけれども、農家民宿開業の手引きの作成をいたしまして、こういう緩和された措置の内容の周知を図りながら、農家民宿の開業等を促進してまいりたいと考えております。
〇田村誠副委員長 この際、進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いをいたします。
〇平野ユキ子委員 簡潔にいたします。
 経費とか客室面積とか云々というお話が今ありましたけれども、そこの辺が私ちょっと何というんでしょうね、受け入れる側とか来る側のそういう思いを全然反映をしていないような、お役所的対応ではないかと思うのでお話しいたしますけれども、民宿って考えるから業務になってしまうんですが、これは本来のあり方からすればホームステイだと思うんですね。気楽に来ていただく。
 例えば海外から留学生を受け入れるときに、客室面積だとか、今言ったような消防法とか、そういうことは一切考えないで受け入れるわけなんですね。それがホスピタリティーというもので、そのホスピタリティーを発揮するのが都会から田舎に来た人への思いですし、来る人は、何もちゃんとした旅館に泊まろうと思って来るわけではないので、普通の民家に泊まってそして体験しようと。日常交流って書いてありますけれども、その日常交流を経験するので、今のような規制があったら、何も旅館に泊まった方がいい、ホテルに泊まった方がいいということになります。でも、それでは本来の目的ではないわけで、本当に来る人は日常の便利な、例えば水洗トイレだとか、廊下が明るくて夜中にトイレに行くときにいいとか、そんなことは求めてこなくて、水洗トイレじゃなくても、部屋が狭くても、自分で布団を敷いてもいいんですね。それで廊下が暗くても全然そんなことを求めて来るわけではなくて、むしろそれが現状なので、そういった現状を理解してもらうということも大事ですし、学習体験旅行という、そういう旅行もあるようですので、本当にありのままで、何も規制にとらわれず、ホームステイという感覚で受けるということはできないものかどうかと思いますが、いかがでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 委員おっしゃいますような民泊とかホームステイ、これは旅館業法の世界じゃなくて、そういうやり方もあるわけです。これは料金の問題が実はあるわけですけれども、その辺をクリアできれば泊まれる道があるということで、その辺、今最後の詰めを行っておりまして、関係課いろいろあります。こういう旅館業法、食品ですか、その辺が関係ありますので、その辺の詰めを行っておりまして、近いうちにできるような形で進めてみたいものだということで考えております。ただ、料金の問題がその辺クリアありますので、その辺。それは市町村等を窓口にした形での取り組みになるのかなということで、今詰めを行っているところでございます。はっきりしましたら皆さんにお示ししたいと思っております。
〇平野ユキ子委員 そういう方向で進んでいるのであれば非常に喜ばしく思います。いずれ、農業とか漁業とか林業とか、そういう1次産業に従事している人たちですので、煩雑な書類をつくらなきゃならないとか、そして家を変えなきゃならないとかですと、とてもじゃないけれども、事務仕事が煩雑ではやってられないと、農作業の合間にはできるものじゃないということになりますので、もしこの交流を促進するのであればこれを外す、緩和していく方向でお願いしたいと思います。
 今、特区申請をしているというようなお話がありましたけれども、できればきのうほかの委員からもお話がありましたけれども、そういったことを広報としてどんどん発信していってほしいんですね。
 秋田は上手なんですよ。上京しますと、電車のつり革とか、今、電車の中にITを使ったビデオのような宣伝、コマーシャルベースがありますけれども、そういったところにコマーシャルが出ていまして、あっ、行ってみたいなという思いがあるような、そういう思いにさせるようなコマーシャルをしています。ですから、そういう情報発信も非常に必要だと思いますし、1次産業の振興という点で、これはIT推進にかかわってくることなんですが、ITを使ったコマーシャルなどはぜひ必要なものかと思いますが、そういう総合的な部長の見解をお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 確かに平野委員御指摘のとおり、どうも我々、川上ばかりを見ていて、本当に川中、川下はどういったものを我々に求めているのか、農家民泊といったときに何を求めているかというところの考察が少し欠けていたのかという気がいたします。
 今、中ではもう少し規制を緩和できないかということで、関係部ともいろいろ調整しているようでございますけれども、なるたけやりたいという人たちに負担のかからないような形、なおかつ、来てくれた方に喜んでもらえるような、そんな取り組みができるように、我々としても努力してまいりたいと思っております。(平野ユキ子委員「情報については」と呼ぶ)
 情報についても同様に、秋田が上手にやっているということでありますので、その辺、我々ももう少し見習うべきところは見習って情報発信を進めてまいりたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 先ほど、申しわけありませんけれども、規制緩和で旅館業法の下限面積10平方メートルと申しましたけれども、33平方メートルでしたので訂正しておわび申し上げます。
〇平野ユキ子委員 緩和の方向に向かっているということで、前向きに受けとめていただけてありがとうございます。いずれ、現場の声を聞くということが大事ですので、2点だけお話ししましたけれども、実は細かい点ではかなりございますので、どうぞ一度現場に足を運んで声を聞いてみてください。
〇関根敏伸委員 私の方からは、中山間地域の直接支払制度につきまして、いろいろ教えていただきたいという観点から、何点か御質問をさせていただきます。
 平成12年度から5カ年にわたり実施されたこの制度が今年度で一区切りを迎えるわけでございますが、岩手県として、5カ年の評価をどのように総括されているのかお聞かせください。
 また、心配されました同制度の継続が決定をし、新たに来年度よりまた5カ年の事業が開始されるわけでございますが、これまでの評価を踏まえまして、来年度以降、協定集落の取り組みについて特に力を注いでいかなければならない点、重点的に取り組むべき事項などありましたら、お答えをいただきたいと思います。
 また、あわせまして、制度的に変化しているものがあれば、その辺もお示しをいただければと思っております。
〇及川農業振興課総括課長 中山間地域等直接支払制度についてでございます。
 これは平成12年度から5カ年間実施したわけでございます。これにつきましては、制度の対象となる傾斜のある条件不利な農用地を有する56の市町村があるんですけれども、これすべての市町村で実施されてございます。農業生産活動等に関する協定数1、449ということでございますし、その参加者数は約2万5、000人ということで、交付金の額につきましては、年間30億8、000万円ほどになってきてございます。さらに協定面積は1万8、358ヘクタールということで、56市町村、対象面積2万44ヘクタールあるんですけれども、これの92%が対象になったということになってございます。
 制度の総括と評価についてでございますけれども、協定を締結した集落におきましては、耕作放棄の発生を防止するとともに、多くの集落が、みずからの課題として、農地の高度利用に取り組むようになったというようなことがございます。その結果、1集落1農場構想を実現した集落に代表されるように生産の維持にとどまらず、将来の農業を支える意欲ある担い手が育成確保された集落もございます。そういうのが県内各地に見られるようになりました。さらに、集落の結束力は農産加工あるいは特産品の開発などにも注がれておりまして、また、都市との交流や景観づくりなどにも、各地域で創意工夫を凝らした集落活動が数多くなってきておるところでございます。協定集落の意欲的な取り組みに、こういう直接支払制度が加わって、中山間地域に活力が生まれて、そして地域の活性化に結びついたものと認識しております。
 17年度から今度新たな制度に取り組みますが、対象農用地とかそういう条件等は大きくは変わってこないんですけれども、いずれ、これから要領等は具体的になってきますが、特にも現行対策のこういうふうな成果を受けまして、次期対策につきましては17年度以降5年間継続して実施されることになってきましたので、次期対策におきましては、そういう従来の耕作放棄の発生防止等の活動に加えまして、やはり集落の将来像を明確化し、さらに生産性あるいは収益性の向上、それから担い手の育成、集落営農の組織化のための活動など、将来に向けての農業生産活動を維持するためのあるいは継続するための、前向きな取り組みを行うよう支援してまいりたいということで考えてございます。
〇関根敏伸委員 御丁寧な御答弁ありがとうございました。
 引き続きまして御質問をさせていただきますが、総じて、非常に高い評価というか総括をされていらっしゃると認識をしておりますが、今の結果、それから来年度に向けての重点事項を踏まえまして、平成21年度まで5カ年事業が継続されるわけでございますが、その21年度を目指して、例えば最終的に目指しているいろんな個別の数値目標的なものを設定されて取り組んでいるのがあるのかどうか、また、新年度に実施されます活力ある中山間地域構築支援事業といったものがございますが、この具体的な中身はどのようなものか、これにつきましてちょっとお知らせをいただきたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 次期制度の平成21年度まで到達すべき個別目標でございます。これにつきましては、次期対策による成果を高めるということ、それから中山間地域の活性化を促進するということで、できるだけ多くの集落で協定を締結していただくことが最大の数値目標だと思っております。今、国の方で、制度の実施に当たってさまざま細かいところを検討しておりますので、今のところ、個別の数値目標、設置するかどうかはまだ明らかになっておらないので、近いうちに国からのいろいろな細かい制度説明がありますので、それを受けてさまざま検討してまいりたいと思っております。
 それから次に、活力ある中山間地域構築支援事業、これも国の交付金事業でございまして、これは直接支払制度と並んで中山間地域のそういう対策の事業でございまして、これにつきましては中山間地域の農用地等の保全方策や地域特性を生かした、そういう中山間地域での事業の創出、そういうモデル的な取り組みを山村地域で行うというようなことでございまして、これは過疎法なり特定の山村法の指定地域の市町村等で行われるものでございまして、事業内容につきましては、市町村等がそういう山村法等の指定地域におきまして、三つの事業が実はあります。
 一つは、森林・農用地等の保全の活動事業、それから地域特性を生かした特産品開発と、それから都市と農山漁村の交流ということで、これはソフト事業で、しかもモデル的な取り組みに対して国が交付金を交付するということで、これは国から50%の交付金が来ます。
 平成17年度の県の事業計画におきましては、いろいろ希望を取りまとめた結果、8市町村18地区で行うことになってございます。森林・農用地等の保全の事業におきましては、室根村等で観察隊による森林パトロールのような事業、その他5地区ほどありますし、地域特性を生かした特産品開発では、雑穀を生かした料理の開発、これは二戸市とかが中心、そのほか5地区ほど取り組みがありますし、都市と農山漁村との交流、これは久慈市などで都市住民と農業体験学習等を行うような地区5地区ということで、県内8市町村18地区で事業を計画されておるということでございます。
〇関根敏伸委員 いずれ、個別具体的には、この制度が煮詰まった段階でまた具体的なものがどうなるか決まるということでございますが、この制度そのものが、耕作放棄地の復旧でありますとか農業活動の維持といったものが恐らく主な目的だと思いますので、本来的な目的からすればどうなのかわかりませんが、例えば事業を実施して、5年間で実施した集落での農業の生産量の変化でありますとか、農業所得の変化でありますとか、営農に対する意欲の向上でありますとか、そういったものを具体的に数値化してとらえているものがあるのかどうか、お示しをいただければと思いますし、また、今後5カ年の継続にあたりまして、県民の理解あるいは直接支払制度というそのものが非常に新しい試みであると思っております。県民、国民の理解というものも非常に必要になってくるのではないのかと思っておりますが、県民に直接、中山間地の維持、活力を向上することによってどのような効果と申しますか、いろいろあると思います、数値化できない部分もあると思いますが、そういったのがどのようなものがあると理解をして県民に知らしめようとしているのか。また、県民理解を広げるための具体的な方策はどのようなものを考えているのかにつきまして、ちょっとお尋ねをしたいと思っております。
〇及川農業振興課総括課長 5年間実施した成果の数値的なとらえ方といいますか、それについては統計数値等いろいろあるわけですけれども、具体的にそういう形で個別の数値としてはなかなかとらえていないのが実態でございます。統計数字を抽出しながらその辺整理してみたいと思いますけれども、今のところ、とらえ切れていないところがございます。ただ、県民の理解を得る方法につきましては、これまでこの制度の第三者機関、この制度の運営協議会を開催して実施状況の評価、検討、これをいろいろ公表しておりますし、あと、この制度の中山間地域モデル賞の実施をやりまして、これを皆様方にそういう情報を提供しておりまして、あとは中山間地域の集いなり中山間ツアー等を開催して、いろいろ県民理解に努めておりました。そういう一般参加者のアンケートを調査した結果では、こういう中山間地域で高齢化が進み、農業の担い手が減少し、耕作放棄の増加が心配されているという現状に対しまして、この制度、やはり中山間地域を守るために必要であるということで、平成17年度以降も継続すべきだという回答を、約7割から8割ほどアンケート結果からは得ております。
 いずれにいたしましても、制度に対する、県民に対する具体的な効果ということでございますけれども、具体的な数値はなかなか持ち合わせていないんですけれども、農用地面積約1万8、000ヘクタール、これは耕作放棄されることなく、良好に農業生産活動が行われたということ、さらには、耕作放棄地も130ヘクタールほど復旧されておりまして、そのことによりまして、そういう例えば水田等の畦畔管理だとか、そういうことが良好に管理されまして、そういう山村、中山間地域等の景観がすごく向上して、こうした活動の拡大、定着が中山間地域の活性化にとどまらず、交流等を通じて県民への安らぎの場の提供になって貢献するのではないかという認識をしてございます。
〇関根敏伸委員 最後でございますが、今、るる御答弁をいただいたとおりだと思います。岩手の場合、県土の80%が中山間と、総人口の50%、そこに農家戸数の6割、農業産出額の70%が中山間でつくられておると認識をしておるわけでございます。この直接支払いというのは、ある意味本当に極めて国策というか国政的なものでございまして、補助金農政から所得農政への転換という非常に大きな政策転換だと思っております。この制度の継続に当たりましては、国の方で、財政制度審議会等で見直しの議論もあったとも聞いております。あと、農水省の中で、中山間地域の総合対策検討会なども開かれて継続になったという理解をしているわけでございますが、来年度から5年間にわたって始まる前にこんな議論をするのもなんですが、5年後また見直しの議論を含めて国で大きな議論が起きてくるんだろうと思いますが、大変大きな中山間を持っておる岩手が先導的な役割を持って、具体的な結果を残して5年後に国に大きく物を言っていくということが非常に大切になるんじゃないのかなと思っております。その辺についての認識と、いわゆる各県連合で、東北地区を含めまして大きく国に対して物を言っていくという方向性、あと国の流れ、議論の流れ等々につきまして、最後に御答弁をいただければと思います。
〇今泉農林水産部長 今回大変大きな議論がありながら中山間が継続して認められたということは、やはり中山間を守っていくということの意味合いというもの、それはやっぱり単に地域に住む人々にとっての利益だけじゃなくて、国民全体にとっての財産になるんだということ、そこがよく理解していただけたのではないだろうかと思っております。そういう中で、岩手県の取り組みというのは、私は全国でも随分先の方に行っているのではないかと思いますし、何回かそういった現地にいろんな方がお見えになって非常に感嘆して帰られているという姿も何度か私は見ております。そういった意味では岩手県、そういったところで大変大きな役割を果たしてきたんじゃないかと思っております。
 いずれ、今後また5年間継続されるわけでありますけれども、やはり第1ステップからさらに第2ステップに上がっていくということが大変大事だろうと思います。いずれ、ただ単に地域の中だけで享受するのではなくて、もっと成果というものが広く県民あるいは国民に還元されていくということもあわせて考えてまいりたいと。そういうものが多分新しいメニューとしてそれが出ているんだろうと思うわけでありまして、それらをうまく使いながら、本当の成果というものを生かしてまいりたいと考えております。
〇田村誠副委員長 この際、徳山企画担当課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇徳山農林水産企画室企画担当課長 先ほどの樋下委員の質問にございましたツキノワグマの人身への被害状況でございます。
 平成14年度が9人、15年度が11人、16年度につきましても同様の11人、このようになっております。
〇小原宣良委員 滝沢村の農業委員会での農地法第3条、許可に伴う県の対応について改めて伺います。
 本当に世の中も変わったというか、県庁も変わったという感じがしてならないんですよ。
 実は皆さんの仕事というのは、法律の解釈、運用、こういうものについては一方に偏るとか、それの解釈次第によって、だれかがもうかってだれかが損をするということであってはならないですね。要するに、法律とか、そうしたものについては通達を含めて、しっかりした公平性というものが求められるんだろうと思うんですよ。
 そういう中で、先ほど及川課長でしたか、何年か先に転売することとしても、要件が整っていれば許可できると判断したという意味で答弁があったように聞きました。これをちょっと確認しないと先に進みませんが、もしこういう答弁であったとすれば、これはなかなか理解しがたいですよ。
 同時に、県が市町村の農業委員会を指導するという立場にある。例えば私も手元にありますが、農地法関係事務処理要領というのを課長のところでつくっている。これは岩手県農業会議が発行するんですが、岩手県農林水産部農業振興課監修となっている。皆さんの方でこれは責任を持って、こういう運用解釈でいいですよと、これに沿ってやってくださいと、こういうことなんですよ。こういう中で午前中紹介したのもそういう中に入っている。皆さん、それぞれこういう指導要領をつくって、処理要領をつくっているわけですよ。
 そういう中で先ほどの課長の答弁で、何年か先に転売することとしても、要件が整っていれば許可できると判断したという理解は、これは市町村の農業委員会は混乱しますよ。
 例えば、こういう今の解釈のようなことがこれからの事例の紹介という中に出てきたら、これはどうしようもない。ある地域の開発というものが将来見込まれる。そこの土地の所有者がおった。さまざまな形で地上げが始まったということは、農地法は、これはきっちりこれを規制するために、そういうことがあってはならないために農地法は3条で規制をしているんですよ。ここのところを、将来転売するにしてもという感じで解釈するというのは、これはいけない。これはしっかりちょっと精査して、もう一回その部分については答弁をいただきたい。
〇今泉農林水産部長 公共転用予定であっても、転用するまでの間、耕作するのであれば許可は可能であるという考え方は、私も午前中お話し申し上げましたし、多分先ほど及川課長もそれに類したようなことは申し上げたと思っております。これにつきましては、私どもの方でも、一応、実際に農地法を所管しております農林水産省の東北農政局の方にも照会して確認はとってございます。一応そういった考え方で間違いないということでございます。
〇小原宣良委員 今の部長の補足というか、解釈の中でもこれは整理つきませんよ。これ、農地法の申請の中で処理をしている問題なんですよ。農地法なんです。これは農振法でも国土法でもない。要するに、農地を拡大するために、生産を高めていくためにある農家が、農地を取得したいということで申請になっているものなんですよ。転用を前提にした申請じゃないんですよ、これは。そうでしょう。なぜ、そこに二、三年先の、何年か先のことはという話をそこに入って判断するんですか。これはいけないですよ。いけない。これはいけないです。
 そこで、私は、例えば許可ということの判断がなされた村の農業委員会のときに、これは一つの決め手だったんだろうと思うんですが、ある農業委員は、去年の11月に否決して再度出てきたものだと。また、18日には村長を初め関係者の説明を聞いたと。今回否決されると村としての損失も大きいとのことだったと。それというのも、我々農業者に対する補助金も来なくなったりするとの説明であったと。であるので、これは許可し、村が駅を誘致してほしいものだなと考えると。
 これね、農地法の解釈、議論じゃないわけですよ。全く別の要素が農業委員会の審査の過程の中に入り込んでいると。
 平成14年の11月1日、不許可としました。このときは、本当にまともな農地法第3条の解釈とか、周辺の状況とか、本人の意思とか、いろんなことを含めて判断をし、不許可としたんです。これは実にまともです。農業委員会の判断としては、手法も含めて実にまとも。ところが、次の平成15年8月20日の許可というのは、今私が申し上げたような形で出てきているわけですね。農地法の解釈以外のものが。ここが農地法によって許可をされるということはおかしいのではないかという、こう考えるから申し上げているんです。矛盾するんです。矛盾というよりも異質なものがここに入り込んでしまっているということで、無理無理と農地法によって権利移転を、売買ですが、売買を認めたと。県もそれを追認して妥当な判断であったと。こうしているから、こういうケースが出たときに、これはとてもじゃないけれども、前例にするとか先例にするとか、まともな例として紹介できるようなことじゃないでしょうと、違いますかと。どっかおかしいけれどもやむを得ないものがあるとか、せいぜいですよ。いや、妥当だというふうに皆さんがおっしゃるから、それは幾ら何でもおかしいじゃないかという話になるのです。ですから、村の農業委員会でやった。なぜ村が損失をこうむるのか、あるいはなぜこの補助金が来なくなったりするという心配が村長さんにあったというふうに思いますか。私は理解できないんだけれども、どうですか。
〇今泉農林水産部長 許可行政というものは、私が言うのもあれでございますが、小原委員が先ほど申しましたように、やはり公平でなければならないわけですね。許可を受けようとする者にとって、公平でなくちゃいけないということでございまして、したがって、許可基準というものが定められていて、それに適合していれば許可すると。そこをどういうふうに解釈するかです。非常に強い覊束性が働いていて、裁量の余地がないというものもあとは物によってありますけれども、いずれ、許可しなくちゃいけないというものでございます。
 私どもが今回判断したのは、要するに農地法の解釈をするに当たって、何を問題とすべきかということだけでございます。要するに、あとはそこで考えたのが耕作の意図があるかないか、そこのところで、農業委員会がいろいろと議事録の中であるのは私も承知しておりますけれども、要は農業委員会として耕作の意思ありと認めて許可をしたということであれば、それは農地法に照らして違法ではないと私ども判断したということでございます。
〇小原宣良委員 耕作の意図があるかないかというのは、一つの要素なんですよ。一つの要素。それはすべてじゃないのね。すべての要素なんですよ。これ釈迦に説法だから、あなた方、もうわかっていて市町村の農業委員会を指導している立場の中で、そんなことを言っちゃだめですよ。これは意思ありは一つの要素なの。それだけじゃないの。そのことだけは指摘しておきます。
 それで、最後になりますが、私も調べました。この申請書、滝沢村に、農業委員会に対して農地法第3条の申請、出ましたけれども、不許可の際の申請書、これは地目見ると、登記簿上の地目は田、畑です。そして現況も田、畑とあります。平成15年8月20日、許可というふうにした、これは改めて不許可を受けて申請を出し直したんですが、そのときの登記簿上の地目は田、畑です。現況は雑種地となっているんですよ。雑種地という解釈はどういう解釈ですか。これ、普通、雑種地というのは――まあ、いいです。私が解釈するより、あなたの方で雑種地を解釈してください。
〇及川農業振興課総括課長 済みません、ちょっと時間をお貸し願えませんでしょうか。
〇田村誠副委員長 それでは、この際、暫時休憩いたします。
   午後5時3分 休 憩
   午後5時21分 再 開
〇佐々木順一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、及川農業振興課総括課長より発言を求められておりますので、これを許します。
〇及川農業振興課総括課長 小原委員の先ほどのお尋ねの件でございます。平成15年8月12日付の農地法第3条規定による申請書の中身を今確認いたしましたけれども、これの中身を見ますと3筆ございまして、1筆は田、これは登記簿が田、それから現況が雑種地と。それからもう一つの筆は畑で、これも登記簿が畑、そして現況が雑種地と。それから最後の3筆目ですが、登記簿が畑で現況が雑種地ということでございまして、これは現況が長い間耕作放棄された状態であるということでもって、この申請者であります譲り受け人それから譲渡人連名で申請になっておりますけれども、そのことをもって雑種地と記載したものと考えられます。
 雑種地は、ここにどういうことを記載しなければならないかという申請書類上の特に決め方はないので、この申請者の譲り受け人それから譲渡人がそういう言葉で書いたということでございますが、厳密に言いますと雑種地、これ不動産登記法で定められておりまして、これにつきましては、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、それから池沼、それから牧場、山林、原野、墓地それから運河用地、水道用地、それから用悪水路、ため池、堤、それから井溝、保安林、公衆用道路、公園、鉄道用地、学校用地、こうありまして、これのいずれも該当しないものが雑種地というようなことで定められておるということでございます。
〇佐々木順一委員長 質疑を続行いたします。
〇小原宣良委員 これ田でもない、畑でもないということになると、農地じゃない、少なくとも、ということになっちゃうんですよ。これは現況ですから、今までも耕作をしていなくて、確かに10アール当たりの普通収穫高という欄がありますが、ここには不耕作と。これは以前からずっと不耕作なんですね。不許可のときの書類も許可のときの書類も不耕作です。したがって、雑種地、今解釈されたように、田でもない、畑でもない、山林でも原野でもない。こういう形の中で、いわゆる一般で言うならば農地と認めがたいものということになりますよ。それがどうして、農地法3条に基づいて規模拡大のための許可ということになるんでしょうかね。ここに無理があると。何としても現状に照らして――先ほど課長は、何回も申し上げて申しわけないんだけれども、何年か先に転売することとしても、要件が整っていれば許可できると判断したというふうに私は聞いたんですが、現況、この要件が整っていれば許可できると。しかし、雑種地という現状の中で、この農地法3条、これが通りますか、解釈上。現状が農地じゃないというなら、どうやって判断するんですか。それ以上の解釈要件があるなら教えてください。
 したがって、私は何回も申し上げるけれども、こういう無理な解釈というものが、皆さんが指導し監修をしているように、市町村の農業委員会のケースに対応したアドバイス、こうしたものが、この部分が出てくるとしたら、これは秩序が保たれませんよと。市町村農業委員会にとってもということになる。したがって、雑種地ということではあっても、農地として規模拡大にこれは現状、値するのだという解釈が私は理解不能、どうやって解釈をすればいいのかを私はお聞きをしたい。
〇今泉農林水産部長 農地法の施行についての施行通達によれば、農地とは、耕作の目的に共される土地というふうに定義されております。耕作の目的に供される土地とは、現に耕作されている土地はもちろん、現在は耕作されていなくても、耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見て、その現状が耕作の目的に供されるものと認められる土地と。これは休耕地、不耕作地をも含みます。そういう土地を言うというふうに解釈されています。
〇小原宣良委員 だから申し上げたようにね、平成14年11月1日の不許可の際の申請書には、登記簿上の地目は田、畑なんです。現況も田、畑だったんです。しかし、それが平成15年8月20日、許可の段階で再度不許可を受けて出し直しをしましたと。営農計画も一部修正をして出し直したというときに、出し直した申請書の現況は田でもない畑でもない、雑種地になっているということをどう解釈すればいいんだと私は聞いている。
〇今泉農林水産部長 農地であるかどうかは、その年の現況によって区分するということになります。もちろん、これは登記簿上の話ではございません。その土地の現況が雑種地と記載になっていたとしても、そこが耕作の目的に供される土地だというふうに解されるのであれば、それは農地というふうに解釈したというふうに私は考えております。
〇小原宣良委員 これね、何でもありの話なんですよ、こうなったら。全然基準も何もない。これは農地法3条による、まじめに、厳密に解釈をし、頭を悩ませながら、さまざま業務をしているほかの市町村の農業委員会に示しがつきますか、こういう解釈で。何でもありでしょう。結局、結論ありきという形の中で、していること自体は、納得しがたいということを申し上げて私は質問を終わる。
〇大宮惇幸委員 実は私はこの雑種地というものについて今ちょっと聞いてまいりましたが、雑種地に認定するには、耕作をしないで20年以上経過しないと、農業委員会は証明書は出さないというようなお話を伺いましたが、私の認識と当部の考え方は違うんでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 その場合に、いわゆる民法の世界でそういうように認定されることになります。
 失礼しました。農地法で適用除外証明というのがありまして、20年以上不耕作になっておれば、これは農地法から除外されると、そういう感じになっております。
〇大宮惇幸委員 何カ月しかたっていないのに、そういう地目変更が簡単に認められるんですか。何カ月もたっていないんですよ。1回目の申請は、現況は登記簿上も現況も田であり畑である。2回目の申請のときは、登記簿上は田であるけれども、現況は雑種地だと、こういうでたらめな申請が通るんですか。
〇及川農業振興課総括課長 この場合、雑種地ということで、そういう適用除外証明を得て雑種地としたのじゃなくて、譲り受け人それから譲渡人が連名で申請書を書いているんですけれども、現況がそういう形で、耕作が放棄されているような状態、荒廃状態であるということをもって、そういう雑種地として記載したというようなことだと聞いております。
〇大宮惇幸委員 私、前の答弁を聞いていますと、現況を確認して耕作されておったと、牧草地があったとかそういう答弁を聞いた記憶がありますけれども、私の聞き違いだったでしょうか。現地を確認していましたという報告受けているんですよ。
〇及川農業振興課総括課長 その後、うちの方で、許可後、16年の6月になりますけれども、そういう農業委員会の処理状況とかそういう事務処理状況が適正なのかとか、あるいはいろんな聞き取りとかいろいろ調査をしましたし、そしてそのときに現地も見ました。そのときには、復旧されまして麦が栽培されておったということで、ここに確認して写真もあるわけでございますけれども、そういうふうな状態になっております。
〇大宮惇幸委員 それじゃ、2回目に出された――一応公文書だと思うんですよ、申請書であっても。でたらめな申請をしてそれが許可になると、こういう内容のもので本当にこれチェックされた内容のものであるか、私は疑問に思いますね。いかがでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 先ほど申し上げましたように、譲り受け人あるいは譲渡人が連名で書いた申請書、現況がそういう形で、荒廃状態であるので雑種地として書いたということで、それを今度農業委員会がすぐ復旧して耕作できるというような、農地性があるというような形の判断でこういうふうに農地というような形で、認定といいますか、そういう形でこういう手続を進めたと認識しております。
〇斉藤信委員 私からも一言、新巣子駅問題についてお聞きをしたいと思います。
 転売目的で偽装が見え見えの申請というのは、許可されないと思いますがいかがですか。一般論として聞きます。部長。
〇今泉農林水産部長 転売目的で偽装が明らかと、偽装が明らかな場合はやはり取得は認められない。一般論としては、それは言い得るだろうというふうに考えております。
〇斉藤信委員 ここの精査が一番大事だと思うんですよ。
 結局、第1回目は転売目的というのが本人もはっきり言っていたので、これは許可されなかったと。しかし、2回目も営農計画は変わっていないんですよ。そしてこの用地は、新巣子駅予定地というのは事前にわかっていたんです、1年後には売買になると。わかっていたんですよ、これ。だから3億1、000万円も金融機関から融資を受けて、この土地を買ったんでしょう。農地だったら買えませんよ、こんなので。だから、麦を植えたというのは偽装なんですよ、転売の。客観的に見たら、そうしか見えないんじゃないですか。
 それで私一つだけ紹介したいけれども、許可をした農業委員会の議事録を見ますと、まともな議論をされていないんです。
 3人が発言していますが、1人は、先日の村側の説明を聞きますと、相当村も苦労しているようです。私としては許可したいと。村が苦労しているから許可したい、ですよ。
 2人目。この場所については、駅の設置のためにどうしても村の取得が必要のようで、これはCさん――買う人ですね――を経由して村は取得しなければどうにもならないようですが、この営農計画書は、営農するわけではないが、こういう営農計画書をつくって出しますので、これで審議してくださいというものなのか。
 3人目。去年の11月に否決して再度出てきたもの。18日には村長初め関係者の説明を聞いた。今回否決されますと、村としての損失も大きいとのこと。それというのも、我々農業者に対する補助金も来なくなったりするとの説明でした。ですので、これは許可し村が駅を誘致してほしいものだなと考える。
 どこに農地として活用するという議論がありますか。ないんですよ、これ。許可したときの農業委員会の議論というのはこれだけです。結論が3条申請に基づいて許可なんですよ。営農計画も同じ、前と。私はそもそも駅予定地としてはっきりしていて、これはもう1年後には売買される、確実に売買される、そういう土地を金融機関から3億1、000万円の高額で買って売買すると、これはもう転売が目的だったというのは客観的にはっきりしているんじゃないですか。こういうものを村長の圧力を受けて農業委員会が認めたというのは、これは私は本当に問題あると思いますけれども、いかがですか。
〇今泉農林水産部長 私どもが今回見たときに、着目したのは、あくまでもこれ許可事務でございますから、基準に沿って、基準がきちんと、基準が合っているかどうか、そこの判断のときに誤りがないかということだけは、私ども見ております。その中で、耕作または養畜の業務を行うと認められない場合に当たらない。大きくこの二つだけを申し上げますけれども、あとは常時、従事すると認められない場合に当たらない、そういったことで3条2項の許可を出したと、その判断というか、適用に違法性はないと私どもは判断したわけでございます。
〇斉藤信委員 これ以上平行線で、私はもう事実上、答弁不能の状態になっていると思いますよ。
 そもそも、だって、利子も払えないような営農計画なんですよ。1年後には売買がはっきりしているんですよ。これこそ、こういうものを転売目的というんですよ。麦を植えたのは偽装ですよ。確実にそういうふうになるんだから、これからの経過で。結果としてもそうなるんですよ。結果として。麦を植えたのは偽装ですよ、これ。
 私はこれ以上やっても仕方ないので、本当にこれは重大な問題を抱えているので、本当にこれの真相究明を県も一緒になってやるべきだと。県警は、告発を受理して捜査しているんですから。いいですか、県警は捜査しているんだから、あなた方が正しい正しいと言ったって、捜査の対象なんですよ、これ。村役場も聴取を受けているそうですよ。だから、あなた方もそういう立場でやらなきゃ、このことだけ指摘をしておきます。
 では、質問に入ります。
 農林水産部の予算の特徴について、私は農林水産部の予算総額と農・林・水ごとの額、公共土木事業の額と比率、価格補償、所得補償の額、比率を一つは示していただきたい。
 二つ目に、農産物の品目別産出額が総合計画の目標に照らして、接近するどころか後退している。私は、この要因をどうとらえて計画達成に取り組もうとしているのか、これは2点目です。
 3点目、むだな公共事業の例として、私は馬淵川沿岸水利事業の問題を取り上げてきました。
 国営事業520億円。この国営事業520億円のいわば国、県、市町村の負担はどうなるか。そして、これは受益農家が当初2、039戸ありましたが、実際にどうなったでしょうか。そしてこれから県営かん排が行われますけれども、この県営かん排にかかわる農家負担、市町村負担、このことを示していただきたい。
 簗川ダムの負担金、これは豊沢川の土地改良区の簗川ダムに利水参加をしていたけれども、これやめたと。これ、県の農政部がたてかえしているんですよ。これを撤退したらこの負担がそのままだと。私は本当におかしいんじゃないか、なぜそうなるのか。その理由には、ダム建設の協定書に豊沢川土地改良区が入っていないと。勝手に農政部がやったんじゃないか。だから、いわば本来の利水者である土地改良区の負担を押しつけられないということになっているんじゃないか、まずこのことからお聞きします。
〇徳山農林水産企画室企画担当課長 まず、第1点目の17年度予算額と農・林・水、それぞれの公共事業及び価格安定等の事業の比率でございます。
 まず、総額につきましては、農業関係総額で878億円余となっております。この中で、農業関係の公共事業は323億3、800万円余でございまして、比率は54%でございます。林業関係は103億8、100万円余で、比率は57%、水産業関係が64億2、700万円余で、比率は65%でございます。農林水産業関係全体では、トータルとして491億4、600万円余でありまして、比率は56%となっております。
 一方、青果物の価格安定対策及び家畜畜産物の価格安定対策の予算額は合計で2億4、700万円でございまして、農林水産関係予算に占める比率は0.3%となっております。
 次に、品目産出額の減少要因と計画達成に向けた取り組みでございますけれども、まず減少要因でございますが、輸入農産物の増大等による農産物全体の価格低迷など、さまざまな要因があるととらえております。中でも最も大きな要因は、農業従事者の減少、高齢化にあると考えております。
 計画達成に向けた取り組みでございますけれども、まずもって、本県の農業を牽引する力強い担い手を育成することが重要と考えており、これに向けまして、昨年度集落水田農業ビジョンをつくっていただいておりますので、ここで明確化された担い手が将来とも効率的、安定的な農業経営を展開できるよう、しっかりと支援を構築してまいりたいと考えております。また、担い手が不足する地域におきましては、専業農家、兼業農家がそれぞれの役割分担のもと、地域が一体となって取り組む集落営農の展開を、これを岩手型の農業振興策として取り組んでいくこととしております。
 このような考えから、平成17年度の予算におきましては、農林水産業を牽引する担い手の確保育成を最も大きな柱として掲げており、特に集落営農組織の育成の加速化、二つ目として、すぐれた担い手の確保育成、三つ目として、作目再編などによる生産構造の改革とその基盤となる基盤整備の推進、これらにつきまして集中的に予算化したところでございます。
〇田山農村計画課総括課長 まず、国営馬淵川沿岸農業水利事業についてでありますが、総事業費は、現在511億6、000万円となってございます。
 次に、事業費の負担割合でございます。国が約406億円、県が66億円、二戸市が15億円、一戸町が24億円となっております。
 次に、受益農家の状況についてでございます。御指摘のとおり、当地区の受益農家2、039戸となっておりまして、同意率が94.1%、1、919戸の同意を得て事業着工したものでございます。
 次に、簗川ダムの負担金についてでございます。農業用水に係る負担金は、基本協定書に基づき、平成15年までに、一般財源で5、260万円を県が立てかえて支出しております。
 勝手に県がやっているのではないかというようなお話がございましたが、この特定多目的ダム法施行令では、利水者負担金の支払い期間は、ダム等が完成した年の翌年から開始されるということになっておりますので、この間、県が立てかえしてきたものでございます。
〇佐藤農村建設課総括課長 国営事業に関連いたしました県営事業の農家負担、市町村負担についてのお尋ねでございますが、現在、畑地帯総合整備事業を3地区実施しております。この事業の負担割合につきましては、国が50%、県が30%、残りを市町村と農家が負担ということになっております。この農家負担、市町村負担につきましては、地区の整備内容、あるいは市町村がどこまで負担するかということが地区ごとに異なりまして、一概に申し上げられませんが、二戸市で実施しております舌崎地区を例に申しますと、農家負担につきましては10アール当たり4万円、これを年当たりの償還金に換算いたしますと、10アール当たり年3、000円となっております。また、二戸市が負担する額につきましては、約3億円の負担額ということになっております。
〇斉藤信委員 農林水産の品目別生産が減少していると。私は最大の理由はやっぱり成り立たないと、ここだと思いますよ。そして予算の性格を見ますと、公共土木事業で、全体で56%を占めていると。所得補償、価格補償、これはヨーロッパではこれが中心なんですけれども、これが県予算だと0.3%、ここに私はゆがみがあると思います。ここを本当に逆転をしていかないと、生産をやっぱり支える、守る、そういう予算にしていかないと、私はだめだなと。
 それと簗川ダム、5、260万円県が負担した。問題は、これは本来豊沢川土地改良が負担すべきものを県が立てかえてきた。しかし、撤退したからこれは県が負担そのままですと、そこが問題じゃないかと言っているんですよ。私は、そういう協定がないんじゃないかと。少なくとも、簗川ダム建設事業のときの協定書には、豊沢川土地改良区は入っていないんです。そういう協定がないからその負担を求められない。結局、県が負担しっ放しということになるんじゃないか。このことを聞いたので、そこをちょっと答えてください。予算のゆがみは部長答えてください。
 続いて、時間もありませんからもう少し聞きますしょう。あと絞って聞きますから。
 私は県産材の本格的活用で、資源循環を図るべきだと。公共施設や公共材、学校、住宅などへの県産材の活用はどうなっているか。これ実績、そして来年度の予算ではどのような施策が盛られているか。
 最後ですが、漁業、水産業の問題について。
 秋サケの今年度の実績と不漁対策の調査研究の結果はどうなっているか。
 生食用のカキのノロウイルス対策、これはどうなっているか。これは調査研究もされているようですから、その結果も含めて示していただきたい。
 カキ、ワカメ、ホタテの特別共済への加入状況。陸前高田市は、市としてこれ補助しているんですね。加入率が抜群に高いんですよ。これは国の補助事業ですけれども、私は県としてもそういう補助をすれば本当に漁民が安心して加入できるようなるのではないか。
 それと、県水産物産地魚市場機能強化計画、このポイントと電子入札導入の効果と見通しについて、これ魚市場対策としてお聞きしたい。
 それと、十勝沖地震津波、この調査結果を16年度やっていますから、これはどういう結果と今後の対応策になっているか、これで以上です。
〇今泉農林水産部長 まず、公共事業偏重のゆがみということでございますが、確かに品目別算出額は減少しておりまして、やはりここをどう下支えし、逆に上に上げていくかということは、今うちの部にとって大変大きな課題だと考えております。ただ、そこのところでどこから手をかけていくか、どこを優先していくかという部分はあるわけでございますけれども、そういった意味で、まだまだおくれている基盤整備の推進ということは、一方で大変重要ではないかと考えておりまして、そういったことを通して、生産性の向上、それに伴う若い担い手の確保育成ということに努めていくことも、品目別に生産性を上げていく一つの大きな施策になってくる、エンジンになっていくと私は考えております。
 いずれ、限られた予算の中で、優位性、重点性を考慮しながら価格安定対策も含め、全体的な予算編成に取り組んだところでございまして、今後もそういった視点を忘れずにやっていきたいと思っております。
〇田山農村計画課総括課長 負担金を豊沢川土地改良区に求めるべきではないかというお話でございます。
 特定多目的ダム法施行令及びその運用についてというのがございますけれども、その中で、かんがいに係る部分が撤退をする場合という規定がございまして、かんがいの用に供するものから負担を求めないという記述がございます。また、既に5、260万円の支出をしておりますけれども、これについては国道のつけかえなどにすでに支出されているものでございますので、負担を求めることは難しいと思っております。
〇千田林務担当技監 県産材の活用についてでございますけれども、まず、公共施設、公共財、学校への活用でございます。県の公共施設、公共事業におきましては、平成15年度、あわせまして5、432立方メートル活用してございます。
 ただ、県にとりましては、さらに率先して活用しなければならないという思いもございまして、平成15年12月に岩手県公共施設・公共工事木材利用行動計画を策定いたしまして、それに基づいてさまざまな活動をしているわけでございますが、その結果、平成16年度、まだ最終的な集計はしておりませんが、平成15年度の利用量を上回る見込みでございます。
 それから、市町村に対しましては、平成8年度から公共施設、さらに学校の机、いすなどの整備に対して助成を行っておりますが、これの平成16年度の実績は、地域の公民館などの公共施設が4施設、公園の木製遊具の整備――外構の整備でございますが――が3地区、それから、学校の机・いす744セットの整備に対して支援を行ってございます。
 それから、住宅ということで、個人住宅への利用促進、実は、これは昭和62年度から平成15年の8月までは利子補給を行っておったわけでございますが、やはり利用される方の利用勝手のいいような制度にしてほしいという要望がございまして、平成15年度から木の香る環境共生住宅促進事業、いわゆる一括助成をしてございます。平成15年度は32戸、平成16年度は64戸に対して助成を行っているところでございます。
 平成17年度の施策についてでございますが、これらの施策は引き続き行っていくわけでございますが、さらに県産材流通対策事業を実施いたしまして、県産材を利用した住宅の普及・定着に向け、消費者の方々への情報提供あるいはPR活動、さらには、県産材の安定供給システムの構築に向けた取り組みなどを進めることとしております。
〇宮澤水産振興課総括課長 秋サケの今年度の実績でございます。沿岸漁獲量は3万400トンと、平成11年度に2万2、000トンまで激減いたしましたが、資源が6年ぶりに3万トンを超えて、緩やかではありますけれども右肩上がりの回復傾向を示しているところであります。
 次に、不漁対策の研究の結果についてでございますが、これまで、ふ化場における技術の点検あるいは沿岸域における稚魚及び回帰親魚の調査、特に、放流後の稚魚の移動や成長を明らかにするための耳石温度標識放流試験、それから、放流後の稚魚の生残を左右する沿岸域での稚魚のえさとしての動物プランクトン量の調査に取り組んでまいりました。これまでの調査結果から、サケの生残率は、海洋生活初期――川から海に下ってその時期でございますが――にほぼ決定されるのではないか。それから、サケの回帰率と当該放流年度の3月から7月における太平洋沿岸域の表面海水温の間に関連があるということが明らかになっております。
 平成14年に耳石温度標識を放流してございますので、ことしそれが帰ってまいります。今後、その成長等の履歴を解析することによって資源変動との関連が明らかになっていくのではないかと考えております。
 また、同じ平成14年度に本県のサケ資源構成モデルを見直しました。これに従って、要するに回帰率を上げるというような形のモデルに変えております。このため、ことし秋以降、サケの回帰にどのような成果が出るのか、我々としては期待しているところでございます。
 次に、ノロウイルスの対策でございます。ノロウイルスは、残念ながら、どのくらいいるかというのがわからないで、いるかいないか、それから活性があるかないかというのはわかっておりません。そのために非常に対策が難しいということでございまして、現在とられている対策は、入り口の段階、つまり生産者の段階で、岩手県漁連、生産漁協、県の3者で生食用カキのノロウイルス対策指針というものをつくりまして、それに基づいて、要するにカキを生産している全海域――23海域ですが――において、出荷期間中、毎週出荷前に検査をして安全を確認して出荷するという体制を整えたところであります。
 今年度、その結果を見ますと、3月16日現在でございますけれども、412件の検査を行いまして、疑陽性、要するに危ないんじゃないかと疑われる件数は4件ということで、例年に比べますと非常にことしは低かったという結果になっております。
 調査研究の結果でございますが、カキへの蓄積、要するにウイルスがカキにたまるのはどういうふうな状況なのかということで調べていますが、河川等の影響が強い漁場、あるいは、やはり冬季になるとカキからノロウイルスが多く検出されるということが現在わかっております。また、県の環境保健研究センターと水産技術センターが協力しまして、カキの汚染経路の解明に努めているところでございます。
 それから、浄化についてでございますけれども、塩素とかオゾン等による浄化の検討を陸上でいろいろ行っておりますけれども、残念ながら効果的な浄化技術はまだ確立されておりません。さらに、一度カキに取り込まれたノロウイルスというのは非常に外に出にくいということがわかっております。大体4週間程度かかるということがわかっております。このため、清浄な沖合いの海域で蓄養した場合に最も浄化の可能性が高いということが別の調査等でわかっておりましたので、現在、耐波性にすぐれた養殖施設を沖合いに設置いたしまして浄化の試験を実施しているところであります。
 次に、岩手県の水産物産地市場機能強化計画のポイントについてでございます。産地市場の施設配置は、既存の13の市場を基本といたします。その中でも、久慈、宮古、釜石、大船渡の4市場を地域の中核市場と位置づけております。
 また、各市場が共通して取り組むべき基本的な目標を3点示しております。一つは、鮮度及び衛生管理の高度化を推進するということです。二つ目は、市場間の情報共有と利便性の向上を図ること、三つ目は、水揚げ増強と市場間の役割分担を進めるということでございます。
 その中で、電子入札の効果と見通しということでございますけれども、基本目標の中の市場間の情報共有と利便性の向上を図る手段として、遠隔地の市場における電子入札システムを提案しております。これにより、現物を見なくても遠隔地にて水揚げ情報だけで入札に参加することが可能となります。そのため、入札者の拡大による取引価格の向上があるのではないか。それから、利用者の利便性の向上、市場業務の効率化、省力化が図られるのではないかと考えております。
 取り組みに当たっては、現在、魚市場間で多くの魚種の規格が統一されていません。同じ魚でも、市場によって習慣的にいろいろな規格で呼ばれているということで、これをきちんと統一しませんと、せっかくシステムを導入してもなかなかうまくいかないということで、平成16年度に県内の各市場における実態調査の把握とか、消費地市場とか量販店における選別規格のニーズ調査を実施したところであります。今後は、電子入札の導入に向けて、調査結果に基づきまして、規格統一について市場関係者と協議を進めていきたいと考えております。
 次に、一昨年の十勝沖地震津波の調査結果と今後の対策でございますが、一昨年の十勝沖地震津波は、特に、外洋ではなくて内湾の、さらに局地的に施設が被災を受けたということが特徴であります。実は、平成16年度にそれらの津波を再現するためにシミュレーションを行いました。その結果、やはり複雑な海岸地形とか水深等の影響を受けまして、局地的に極端に速い流速となることを確認しております。さらに、その現場と照らし合わせますと、津波の流速に必要なアンカー重量がやはり満足していないということで、アンカーが動くというようなこと、それから、アンカーが動いて、さらに施設が絡まるということで外力がふえて次々と局地的に被害が拡大したのではないかということが推測されております。
 今後は、これらのシミュレーション結果を踏まえて、各漁場ごとに津波に耐え得る施設や、あるいは適正な漁場配置について漁業者に啓発・普及をしていきたいと考えております。
〇寺島漁業調整担当課長 カキ、ワカメ、ホタテの共済への加入状況と県の掛金補助についてお答えいたします。
 まず、漁業共済への加入状況についてでありますが、生産物と施設の二つの共済があります。生産物を対象とする特定養殖共済の漁協別加入状況は、カキ養殖を行っている漁協が13漁協あり、100%加入しております。ワカメについては21漁協あり、同じく100%の加入です。ホタテガイについては15漁協中、10漁協で67%の加入となっております。
 漁業施設共済の漁協別加入状況は、カキでは13漁協中、6漁協で46%の加入、ワカメ、昆布は21漁協中、20漁協で95%の加入、ホタテガイは15漁協中、6漁協で40%の加入となっております。
 生産物の特定養殖共済についてはおおむね加入率は高いのですが、漁業施設共済については、特にカキやホタテガイを内湾で養殖したり生産量が少ない漁協は加入していないこともあり、加入率は低くなっております。
 次に、県の掛金補助についてでありますが、漁業共済は、災害から生産物や施設を守り、経営安定のために重要な制度であると認識しております。漁業共済で最も重要なことは、漁業者に災害等に対する強い意識を持っていただき、漁業者みずからが漁業共済に加入してもらうことであります。このため、県は、平成14年度の制度改正により加入しやすい制度になったことを契機に、漁業共済組合と協力して各地の加入説明会等に積極的に参加し、漁業者に意識啓発や加入促進を働きかけております。このことに加え、平成15年3月の低気圧災害や9月の津波災害の発生により漁業者の災害に対する危機意識が高まり、加入率が高まっております。このように、県の掛金助成がなくても加入率が高まった実績がありますことから、漁業共済の加入促進においては必ずしも掛金助成を最も最優先しなければならないとは考えておりませんので、掛金助成については慎重に検討してまいりたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 稲作について素朴な質問をさせてもらいます。
 ことしの稲作は、さっき1万2、100円の仮渡金の話がありましたが、ちっとももうからなかったと。3月15日にみんなが税金の申告をしたけれども、労務費、自分で働いた分も全く残らなかった。なおかつ赤字だったという声を多く聞くのでありますが、この実態を県はどう把握されているか。
 それともう一つ、二、三日前の新聞に、農業における今後10年間の指針となる食料・農業・農村基本計画を審議会が農林水産大臣に答申したとありますが、今後の稲作を中心にした農政をどう描いていらっしゃるかお答えいただきたいと思います。
〇中正農産園芸課総括課長 渡辺委員から、ことしの稲作はもうからなかった、赤字だという声が強い、こういうお話でございます。ことしの米の販売価格、加重平均でございますが、1俵、現時点で1万5、000円ほどと伺ってございます。それを60キロ当たりのいわゆる流通経費――大体1俵当たり2、300円ほどになると聞いていますが――を差し引いて単収で乗じていきますと、10アール当たりの粗収益が11万7、000円ほどになると理解してございます。それに対して経費はということになるわけでございますが、16年産の経費についてはまだ統計情報センターの方から発表されてはございませんが、近似値の数字といたしまして、平成14年の生産費調査をぶつけてみたいと思いますが、それで見ますと、10アール当たりの粗収益は、経費が9万5、000円ほどになりまして、2万1、000円ほどと試算されるところでございます。これに、ことし発動されます稲作所得基盤確保対策の補てん見込み額が60キロ当たり1、200円でございますので、それを加えますと、10アール当たりの所得は約3万円ということで、いずれにいたしましても、14年産の所得と比較いたしますと10アール当たりで9、000円ほど減少するということで、非常に厳しい情勢だと認識しております。
〇今泉農林水産部長 国の食料・農業・農村基本計画との絡みで岩手県の今後の農政をどう考えるかというお話でございますけれども、今回の見直しのポイントは幾つかあるかと思いますが、重要なのは、やはり担い手を明確化したということ、それから、食料自給率がここまで落ち込んでしまったことの原因の一つとして、食生活が変わった、それに対する対応策として食育という問題を中に盛り込んだということではないだろうかと思っております。
 食育に関しましては、私どもも既に地産地消、さらには学校給食での地産地消化の取り組みを通して、もうちょっと食生活を変えていこうという取り組みをやっております。
 もう一つ、担い手の明確化ということにつきましては、認定農業者の認定というものを今一生懸命進めているわけでございますが、その一方で、担い手たる集落組織、集落営農組織というものをどうつくっていくか等々、その取り組みを今やっております。
 いずれ、今回の基本計画というのは、その両方について視野に入れた計画だと考えておりまして、今県が進めているそういったものに対してはある程度それをサポートしていく、そういったものになるのではないだろうかと思っております。私どもといたしましては、一方で安定的、効率的な生産ができる担い手を育成するとともに、他方においては集落営農組織というものを育てていって、その地域地域に応じた農業生産ができるような仕組みをつくっていきたいと考えておりまして、そういった意味で、今回の基本計画というのは我々の考え方とある程度方向を一にするものかなというふうには考えております。
〇渡辺幸貫委員 今、3万円ぐらいもうかるという話をしました。ところが、おたくの方からいただいたこの平成14年の生産費、岩手の統計で、種苗費と肥料代を足して1万3、669円なんですね。ところが、農業委員会、さっき盛んに話がありました、苗1箱が700円ですよ。それで大体20箱要るんですね。それだけで1万4、000円するんですよ。肥料も何もしないで、ただ田植えした苗箱だけで1万4、000円かかるんですよ。なおかつ、農機具費が3万円載っていますけれども、コンバインを頼んで10アール稲刈りしただけで2万円取られるんですよ。この数字と本当に乖離がひどいというのが農家の人たちの実感だと思います。それを引いていったら、黙っていても3万円なんか残りはしませんよ。幾ら残っても1万円も残らないと私は思います。その乖離を考えていらっしゃるのかどうかお伺いしたい。
〇中正農産園芸課総括課長 生産費調査でのデータは、データとして一定の係数というか、調査母数をもって調査したものでございますので、それはそれで一つのデータであると認識しているところでございます。
〇渡辺幸貫委員 実感を込めてお答えをいただくものだと思ったら、そうじゃなかったですね。明らかに違うんですね。農家の人たちはうなずいていらっしゃる。明らかに違うんですよ。要するに、1万円も何も、私なんか、ことし申告したら、実は損でした、それも100万円ですよ。ただ働き以下なんですよ。その実情をどうして理解しないのか。それがわからないから……。例えば1万円もうかったとしますね、1反歩から。そうすると、1町歩で10万円なんだ。10町歩で100万円なんだ。100万円しかもうからないで、例えば10町歩稲作をやったとします。それが今、部長が答えたようなお答えになりますか。担い手になれますかということなんですね。だから、その実情とうんと開きがあるから、国会議員の皆さんとこの審議会の答申との余りの開きで、それで夏までちょっと待とうかと。担い手のくくりがまだ議論が固まっていないんだと思うんですね。まさにこの岩手県のようなところがその実情を訴えないでだれが言うんだという思いを込めて、もう一度この余りの隔たりについてどう思うかということを部長にお伺いしたい。
〇今泉農林水産部長 確かに専業で一生懸命やっている方々のところに痛みが集中するのが今の実態なのかなということは私も感じております。そこを変えていくことが多分次の新しい本当の国の農政の基本の姿ではないだろうかと考えておりまして、私どもとしても、やはりできるだけ地域の実情が反映できるような形で、今度は国が新しい基本計画をつくっていくように今後働きかけていかなければなりませんし、県としてできることがあるのであれば、やっぱりそれはそれとして取り組んでいかなければならないだろうと考えております。
〇渡辺幸貫委員 次に、畜産について伺います。
 特に酪農の場合、奥羽山系、北上山系を中心にして広域農業開発事業によって酪農団地が整備されて、現在、その償還金が営々として払われて、北上山系の酪農家が大変困ったということは前々から議論になっておりますが、今年度の予算でも16億8、000万円の償還金がこの開発事業の償還のために用意された。これはいつまで続くのかということをお聞かせいただきたいのが1点。
 もう一つは、この間も畜産議員クラブで酪農家を視察したんですけれども、大規模酪農経営法人が国庫補助を中心として施設整備を行いながら100頭なり何なり酪農をやっている。1経営体に対して1億円ぐらいの多額な補助金が手当てされて頑張っていらっしゃるんですね。ただ、これが同じ農家の感覚として、酪農家同士で、片方は多額の補助をもらっている、片方は細々赤字のまま。農協なんかから見ていますと、赤字というのは大体畜産農家なんですよ。同じ農家同士の違いをひしひしと感じているんじゃないかということが一つ。
 もう一つ、畜産以外の農家の人たちに対する補助金、一番大きいのはいわて担い手対策事業6億1、000万円に何百人もの人たちがささやかなものをもらいながら対象にして補助金をもらっているんですね。要するに園芸だとかほかのいろいろなものがですね、余りに畜産との開きが大きいんじゃないですか。要するに一極集中にどんといっている。片方は本当に何百人もで同じような金額を分けている。このことについてどういうふうにお考えになっているかお答えいただきたい。
〇菅原畜産課総括課長 まず、広域農業開発事業関連の償還に関することでございますが、償還金の支払いにつきましては3年間の元金据え置きがございますけれども、事業完了の翌年度から20年間ということになってございまして、最後に完了いたしましたのが平成5年でございまして、最終的な支払いが終了するのは平成25年の予定となってございます。
 それから、大型酪農経営体への補助金の使い方ということでございますけれども、本県は、御案内のとおり非常に中小規模の経営体が多いということで、それぞれ中規模、大規模への規模拡大を図りながら経営の安定を図っていくということで、こういう経営規模拡大に当たっては、それぞれその規模に見合った施設あるいは機械の整備を計画的に進める必要があるということで、生産者それぞれ経営計画を持ちながら整備に取り組んでおるわけでございます。したがいまして、事業の導入に当たりましては、大規模、中規模、小規模を問わず、そういった大規模経営を目指した施設整備に当たりましては、投資を最小限に抑える。また、その投資に見合った収入が確実に確保されるというような経営の安定を図るという点から、経営能力の判断も含めまして、十分な収支計画の精査等をしながら、御指摘ございました大口の補助事業も含めまして、その補助事業がより有効に導入されまして、経営が確立していくような形での点検あるいは指導をしながら適切な事業導入を図っていきたいと考えてございます。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで農林水産部関係の質疑を終わります。
 農林水産部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時18分 散 会

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