平成17年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成17年3月10日(木)
1開会  午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事課長 平 澤 石 郎
議事課長補佐 八重樫 典 彦
主任主査 千 田 利 之
主査 小 船   進
主査 福 田 清 喜
主査 佐々木 ユ カ
主査 嵯 峨 俊 幸
主査 安 藤 知 行
1説明員
知事 増 田 寛 也
副知事 竹 内 重 徳
総合政策室長 照 井   崇
首席政策監 相 澤   徹
参事兼政策推進課総括課長 廣 田   淳
政策調査監 中 村 一 郎
政策担当課長 深 澤 忠 雄
経営評価課総括課長 大 矢 正 昭
政策評価担当課長 菅 原 伸 夫
地域振興部長 山 口 和 彦
地域企画室長 法 貴   敬
市町村課総括課長 野 本 祐 二
総務部長 時 澤   忠
総務室長 圃 田 清 昭
総合防災室長 佐々木 全 爾
総務室管理担当課長 立 花 良 孝
法務私学担当課長 齋 藤 陽 夫
入札担当課長 門 口 正 雄
人事課総括課長 小 川 明 彦
予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
税務課総括課長 千 葉 茂 樹
管財課総括課長 伊 藤 瞬 一
防災消防担当課長 高 橋 勝 則
防災指導監兼危機管理担当課長 薄 井   學
県立大学事務局長 千 葉 俊 明
県立大学事務局次長 小野寺 篤 信
県立大学事務局総務課長 遠 藤 達 雄
県立大学事務局企画課長 熊 谷 俊 巳
県立大学事務局学生課長 吉 岡 朋 子
 
議会事務局長 武 田 牧 雄
議会事務局次長総務課長事務取扱 藤 沢 重 一
議事課長 平 澤 石 郎
政務調査課長 駿 河   勉
〇佐々木順一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第24号、議案第41号から議案第45号まで、議案第47号から議案第49号まで、及び議案第100号の以上30件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。伊沢昌弘委員。
   〔伊沢昌弘委員質問者席に着く〕
〇伊沢昌弘委員 平成17年度の予算審査に当たりまして、社会民主党を代表いたしまして総括的に質問させていただきます。
 来年度予算は、補正予算第1号競馬組合経営改善対策資金貸付金の27億円を加えた7、698億6、000万円余であり、4年連続マイナスの予算でありますけれども、平成17年度末県債残高も過去最高の1兆4、127億円余を見込み、県民1人当たり100万円を超える厳しい状況となっています。予算案と同時に示されました岩手県行財政構造改革プログラム平成17年2月版では、さらなる歳出抑制を図り、平成18年度にプライマリーバランスの均衡を目指すとしております。このプログラムには、この改革は、単なる歳出削減や収支の均衡を図るだけのものでなく、10年先、20年先を見据えた、県民の皆様が心の豊かさやゆとりを実感し、安心して暮らせる地域社会の実現をするための取り組みであり、必要な改革を推進しながら行政システムの進化を図るとされておりますが、真に県民のための改革となるのか疑問な点もあることから、以下、お伺いしてまいりたいと思います。
 まず、借換債についてでございます。平成15年の時点で、平成18年度までに見込まれる財源不足額1、750億円のおおむね2分の1の850億円の借換債を県債償還額の平準化のために4年間で発行することとしておりましたが、本年2月の見直しでは、平成18年度の財政見通しで221億円の財源不足となっております。
 そこで伺いますけれども、借換債の発行計画に変更はないのでしょうか。また、既に発行した平成15年度の借換債の利率と今後発行予定の借換債の利率をどのように見込んでいるのでしょうか。あわせて、借換債は、償還年数を延ばすことにより単年度の元金償還額に充てる一般財源を低く抑える意味を持つと理解しておりますけれども、償還年数が延びることにより、元利を合計した場合、負担増になると考えられますが、いかがでしょうか。
〇時澤総務部長 借換債についてでございます。借換債につきましては、本県の銀行等引受債はそれまで10年の償還を基本としていたわけでございますが、施設の耐用年数と比較して償還期間が短いということで、プログラムの作成時点におきまして平均いたしますと平均償還年数は17.4年であったということでございます。一方、交付税算定は、平成9年の調査をもとにすると全国で大体20年の償還になっていることを踏まえまして、交付税の算入は20年償還を原則とされていたわけでございます。したがいまして、交付税の算定と本県の実態に差があることを踏まえまして、本県の平均償還年数を20年まで引き上げる場合に必要な借換債を計算いたしますと約862億円となったわけでございます。プログラム作成時点で見込まれます財源不足額が1、750億円でございましたので、その半分を目安にしたいということで借換債の発行を850億円としたわけでございます。
 このように、この借換債の発行額は、交付税措置との整合性を図りながら、なおかつ公債費負担の平準化を図るという趣旨でございまして、現時点において、そのような趣旨から考えまして発行額の見直しは考えていないものでございます。
 平成16年3月末に平成15年度借換債を発行しておりますが、その利率は0.692%となっております。これは、償還期間につきまして、5年据え置き後の5年償還を基本といたしまして、発行利率は、直近の市場公募債の5年ものの応募者利回りを参考といたしまして、金融機関と協議の上、決定したものでございまして、5年後に見直すこととなっているものでございます。
 平成16年度債につきましてはこの3月に発行の予定でございまして、この条件につきましても、3月の市場公募債5年ものの金利をベースに金融機関と協議を行う予定でございます。
 最後に、借換債の発行に伴って負担増となるのではないかという御指摘でございます。現在、平準化のための借換債の発行は、確かに当該年度の償還元金の財源として県債を充てることになります。したがいまして、償還期間が延びますことから、借りかえしない場合よりも利息支払いは増加するわけでございます。ただ、今回、償還期間を延ばした場合のトータルの利息額と、17.4年で借りていたものを最初から20年で借りていた場合とを比較、現在の借換債はそのすき間を埋めるという意味でございますので、仮に最初から20年で借り入れた場合の比較をした場合には、必ずしもふえるかどうかということはよくわからない。厳密にいいますと、金利変動等がありまして正確な比較は困難でございまして、現在の単純な利息増加ということではなくて、あるいは金利は逆に減っているかもしれない。ここは検証は不可能でございますが、理論的にはそういうふうに考えられるのではないかと考えております。
〇伊沢昌弘委員 どうなるかわからないという部分がファジーな部分ですが、一般質問を含めて、平成17年、18年の交付金措置というのは一定程度国でも見る、19年度以降についてはファジーだと。借換債で、言ってみれば後年度に負担がいくわけであります。プライマリーバランスの計画を見ても、元金償還額が平成18年度までこの計画によるとピークになっていて、その後はわからない。後年度負担がやっぱりいっているのではないかという思いがあるんですけれども、そういった部分を含めてきちっとした対応をお願いしておきたいと思います。
 次に、独立行政法人についてお伺いしたいと思います。
 本年4月から県立大学が独法化に移行することになりました。我が会派は反対をした経緯があったんですれども、移行することになっているわけであります。この間、移行に向けた準備に関係職員の方々の大変な苦労があったと思われますけれども、独法化に向けた事務的な準備状況についてお示しいただきたいと思います。
 また、独法化のねらいは、サービスの向上や業務運営の効率化等が十分に発揮できるようにすることにあったと思われるわけであります。そこで伺いますが、予算書によりますと、公立大学法人岩手県立大学運営費交付金は46億5、500万円余となっておりますが、今年度――16年度の運営費と比べて県費の負担はどの程度軽減されたのでしょうか。授業料収入が出入りを含めて法人に入ることもあるわけでありますけれども、その状況も含めた見通しをお示しいただきたいと思います。
 あわせて、県立大学が独法化になることによって、学生が生き生きと勉学や研究に取り組み、将来の人材を育成するために大きく変わることが求められているわけでありますが、大学運営がどのように変わるのか、目指す姿についてお示しいただきたいと思います。
〇時澤総務部長 まず、独法化の準備でございますが、9月議会で法人の定款、12月議会で出資財産の評価について議決をいただきました。これを受けまして、去る2月23日に総務大臣及び文部科学大臣に公立大学法人岩手県立大学の設立認可申請を行ったところでございます。3月下旬には認可の見通しとなっております。
 現在、大学内部で4月1日に向けまして、教職員に対する説明会の開催によります学内コンセンサスを形成しながら、法人化に伴い大きく変わります財務会計、人事給与の制度・システムの最終調整を行っているほか、運営体制の見直しに伴います学内規程の整備などを行っているところでございます。
 それから、運営交付金でございます。県費負担の比較を一般財源ベースで見てみますと、前年度44億4、000万円に対しまして2億1、500万円余の増となってございます。これまで全庁的に計上していたもの等がございます。例えば、職員の福利厚生あるいは退職金等、こういったものが上乗せされておりますので、そうしたものが2億800万円等ありまして、これを差し引いた実質的な増は700万円余となっているものでございます。
 また、授業料につきましては、これまで国立大学に準じて改定してきておりますけれども、平成17年から国立大学の授業料標準額が改定されますので、県立大学も同様の改定を行うこととしております。
 この運営交付金につきましては、まず、法人化の初年度であるということで、実際は平成16年度の予算を基準とした積み上げ方式を行った結果でございます。今後は、こうした積み上げ方式ではなくて、実績等を勘案した上で、合理的で簡素な算定方式で定められないか検討することといたしております。例えば、中期目標、中期計画に基づき業務の改善・効率化を図ることによりまして経費の抑制に反映できるとか、あるいは外部資金の確保など法人の経営努力によって賄える部分もふやしていく、こういったことを交付金の算定にも取り入れながら研究教育環境の整備などに活用していくことを検討していきたいと考えております。
 それから、法人化にあわせまして、目指す姿ということでございます。独法化にあわせまして、理事長と学長を別に置いて、経営と教学の役割分担をしながら、トップのリーダーシップと環境変化への機動的な対応を確保するための本部設置など、運営体制の見直しを進めているところであります。また、教育研究面におきましては、学生による自主的プロジェクト演習の導入や演習の充実、さらには、学生の授業評価、そして、その授業方法の改善の組織的な取り組み、あるいは地域課題への学際的、複合的な取り組み、そしてその成果の還元、こういったことを進めることといたしておりまして、さまざまな取り組みによりまして、実学実践を中核といたしました人間教育、そして実証研究、地域貢献の一体的な進展を目指していくこととしているものでございます。
〇伊沢昌弘委員 これから変わっていく部分があって、議会の方にも報告義務、いろいろな経過があると思うんですけれども、これまでと違った形がどうなのか、それがわかるような形でぜひ報告の方もお願いをしておきたいと思います。
 独法化に関連して、今年度中に制度導入の可否を検討することとしていた工業技術センターについてお伺いしたいと思います。
 昨年の決算特別委員会で質問した際には、職員の理解を得るために職員との協議を重ねている状況であることをお伺いいたしました。独法化によってどのような姿に変わり、センターを利用している県内の中小企業者にとってどのような効果をもたらすのか具体的には示されませんでした。また、我が会派は、本年1月、知事に対して、各研究機関の独立法人化については、地方独立法人化による効果が期待できないことから、現状の運営体制とすることを2005年度岩手県事業及び予算編成に関する申し入れ書で要望をしていたところであります。
 そこでお伺いいたしますが、工業技術センターの独法化導入の可否についての検討状況と、独法化後の具体的な効果についてどのようにお考えなのかお示しいただきたいと思います。
〇増田知事 工業技術センターの独法化の関係ですけれども、独法化をすると、地方自治法や庁内の組織、人事、予算などさまざまな規程に定められている手続を経ずに、センターの判断で、タイミングを失することなく中小企業の皆様方のニーズに対応した事務事業執行を行うことが可能になる、こういうふうに考えています。
 具体的に申し上げますと、例えば、今、多くの技術相談や指導業務が企業の方から来ているわけですけれども、そうした場合、やはり特定分野に精通した人材がいないとなかなか対応し切れない場合がありますので、そうした際には外部の人材を機動的に採用して対応するですとか、試験研究業務が数多くございますけれども、この試験研究業務について、従来ですと県の予算措置という手続を経ないとどういうテーマでやるか決められなかったんですけれども、年度途中から中小企業との共同研究にも速やかに着手できるといったことがございます。その際、外部資金を導入してやろうなどという話が年度途中に出てきた場合には特にそういった機動的な対応が可能になります。それから、機器利用につきましても、相手先の企業の業種や規模に応じたきめ細かな料金設定が可能となるといったようなことで、恐らく中小企業の皆様方の利用拡大につながっていくだろう、こういうふうに判断しています。
 今、県内の中小企業1、500社に対してアンケートを実施していまして、そこで企業の皆さんからの意見、要望もお聞きすることとしていますけれども、今、代表例で申し上げましたけれども、そうした中小企業のニーズに即応した業務運営とサービス水準の向上を図ることが可能となると判断していますので、まだ検討過程でありますが、今後、独法化のメリットを生かせるように十分検討していきたいと思っております。
 それから、独法化導入可否の検討状況についてのお尋ねがございましたけれども、これは、平成14年11月から独法化について制度の勉強を始めまして、昨年1月から導入の可否について本格的な検討に入ったんですが、現在、独法化による効果が数多く期待できる、そのような判断をしております。ただ、やはり工業技術センターの職員の皆さん方の理解ですとか不安の解消を図ることがございますので、これまで大分回数を重ねて職員団体の皆さんや職員の皆さんに直接の説明を行ってまいりました。私も参りまして意見交換会なども行ってきましたけれども、そんなことを今行っているところでございます。
 現在、センター職員の協力を得て、独法化に向かっての中期目標や経営計画作成のための検討を行っていますけれども、こうした作業を通じて、独法化した後の具体的なイメージや効果を職員の皆さんにお示しして、より職員の理解あるいは不安の解消に努める必要があると思っていまして、そうしたことを行った上で導入の可否を決めていきたい、このように考えているところでございます。
〇伊沢昌弘委員 職員の関係で、仄聞しますと、公務員の身分を持った形で移行したい、こういうふうに思っているようでありますけれども、その辺はどうでしょうか。
〇増田知事 移行後の身分については、総務省との協議も必要ですが、私どもの方では、独法化した場合には、いわゆる公務員型という形で独法化に持っていきたい、このように考えておるところでございます。
〇伊沢昌弘委員 国も独法化をやってきた経緯があるんですが、ここに来て、農水省関係の多くの独法化の部分が公務員型で移行したのが非公務員型に8、500人移行するという情報もあるんですけれども、将来的にはどうなんでしょうか。この辺は総務省との関係があると思うんですけれども、知事はどのようにお考えですか。
〇増田知事 私どもの方では、公務員型で移行することが職員の皆さん方の理解も深まりますし、それから、独法化することによって多くのメリットが得られるので、その身分が公務員型か非公務員型かということについては、移行した後、やはりまた職員の皆さん方の中でよくそのあたりは議論をしていただく必要があるだろうと思います。私どもは、今、公務員型でやることが一番職員の身分の安定にもつながりますので、公務員型がふさわしいのではないか、このように考えております。
〇伊沢昌弘委員 企業1、500社のアンケートもおやりになっているようでありますので、最終的にはその状況も含めて議論の場があると思いますので、これはよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、職員数の削減と総人件費の抑制についてお伺いいたします。
 プログラムの取組実績によれば、これまでに一般行政部門で130人、学校配置職員が193人、計323人を純減し、20億円の経費節減が図られたとなっております。さらに平成18年度までの2年間で純減目標を引き上げ、最終的には1、330人の削減計画となっております。財源不足を解消するためとはいえ、本当に可能な数字なのでしょうか。結果として、県の行政組織体としての新規採用者を抑制することにつながり、バランスを欠くことにはならないのでしょうか。
 加えて、県の重点施策に雇用対策が掲げられていることからすれば、県の1、330人の削減は県の施策上矛盾があるのではないでしょうか。御所見をお伺いしたいと思います。
〇増田知事 職員数の削減につきましては、現状では、例えば社会資本整備をする部局では、全体の事業量、事務量が減少しておりましたり、学校を担当している教育委員会の部局におきましては、少子化に伴って児童生徒数の減少が見込まれるといったような変化の要因がございます。それから、県の事務事業自体についても不断に見直しをして、全体の仕事量を減らす。これは、官民の役割分担などでさまざまな見直しをして、本当に官がやらなければいけない仕事をしっかりとやる、今こういうさまざまな見直しを行っています。それから、これは組織のマネジメントにかかわる話ですが、組織をフラット化したりグループ制を導入したり、電子決裁システムを本格的に導入しようとする時期に来ていますので、そういった業務革新で組織としての業務効率を上げることも可能になります。こうしたことなどを勘案して削減の目標を掲げておりますけれども、その着実な実現を図っていきたいと思っています。
 それから、職員の採用でバランスを欠くことにならないかということですが、退職者が毎年出るんですけれども、その退職者がどのくらい出るかといった短期的な要素だけではなく、やはり将来の行政需要の動向など、かなり長期的に見ながら職員の採用の方は計画的にやっております。御懸念のように、年齢層によって大分職員数が違ってくるいびつな形になると確かに組織全体として活力が失われますので、そんな形にならないように毎年計画的な採用に心がけております。これは、将来的にもそうしたことにならないようにこれからも努力していかなければならないんですが、将来、バランスを欠くことにならないように、そのあたりの見通しをしっかりつけて対応していきたいと思います。
 それから、雇用との関係ですが、当然雇用対策も大変重要なことでございまして、私どもも雇用対策については重点事項で精力的に取り組んでいるわけでございます。やはり民間でできることはできるだけ民間にやっていただいて民間の活力を高めていくことが民間市場の活性化につながって、それはそれでまた雇用にもつながってまいりますので、官は官として、それぞれの官としての組織を強めていく。それから、民間は民間分野での経営体としての強化を図っていく。それぞれの場面でそれぞれの役割をきちっと果たしていくことが必要だと思います。そういうことによって雇用の需要にも対応することができると考えているところでございます。
〇伊沢昌弘委員 計画的にきちっとした対応をしていかないと若い人たちが大変ではないかと思います。昭和48年、私も県庁に入ったんですが、大変多くの仲間と一緒にいたわけであります。今の採用状況というのは、当時200人を超える採用があった部分がかなり減っているのではないかという思いがありますので、ぜひその辺、計画的にお願いしたいものだと思います。
 職場の問題でお伺いいたします。
 県職員、民間も苦しい中で頑張っているわけですが、この間、人事委員会の勧告と賃金カットによって実質的な賃金の低下、それから、今申し上げたような人員削減の中で、職員の職務に対する士気の低下が懸念されるところであります。知事はこの間、職員の勤務意欲について、よく職員との話し合いをしながら頑張ってもらっている、こういう形でのお話もあったわけでありますけれども、改めて、このプログラムをやっていく上で職員の勤務意欲をどのように引き出そうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇増田知事 賃金を含めた経済条件を大分抑えていますので、職員の皆さん方の士気を高く保つということは大変重要なことであります。そのためには、やはり職場風土全体を改善していったり、一人一人の職員の皆さん方の業績をきちっと評価する。本当に一生懸命職務に尽くしている人を適正に評価することが職員の士気全体を高く保つことにつながるだろう。私も、今年度、特に意識して地方振興局の方に恐らく30回ぐらい出かけていっていますけれども、職員の皆さんからもそういった話が多く聞かれております。ですから、逆に言うと、今まで業績評価なども十分に行われなかったといったような職員の皆さん方の中での不満もあったんだろうと思っております。
 ことしも、そうした職員の業績評価ですとか、業務上のすぐれた取り組みについての表彰制度の拡充ですとか制度の改善につなげてまいりましたし、それから、庁内分権を進めてできるだけ現場で判断ができるようにすれば、今まで以上に職員の皆さん方にそうしたことに対して意欲的に取り組んでいただけるだろうと思います。また、引き続き職員との対話も行っていかなければなりませんし、将来の職能育成のため、さまざまな研修制度も効果的に生かしていくといったことも必要だろうと思います。今申し上げましたようなことをさらに見直しをしたり改善をして、仕事に対する意欲がさらに促進されるように取り組んでいきたい。私自身、年度がかわりましてからも一層職員と対話をして、共通の理解のもとに、職員全体が一丸となって課題に取り組めるような、そういう職場風土の育成に努めていきたい、このように考えております。
〇伊沢昌弘委員 知事が直接お話をして士気を高める、大変重要なことだと思うんですが、今、お話の中にありました平成16年度の表彰制度、これは総括課長表彰のことだと思うんですけれども、この内容について、どういう中身になっているのか若干教えていただきたいと思います。
〇時澤総務部長 これまでは事績顕著の知事表彰、そのほか部局長の表彰なども制度的にはあったんですが、やる部局、やらない部局ばらばらでございました。私どもいろいろな職員と話してみる中で、やはり自分たちがやった努力を評価してほしい、やらなくてもみんなと平等だというのはやはり不満だというような声がかなり聞こえてきました。それを改善するために、やはりやった努力あるいは成果に対しまして正当に評価をしていくべきではないかということで、現在できる範囲の中で表彰制度というものを拡充することによりまして職員の士気を高めていきたい。
 その中で考えましたのが、従来の知事表彰は知事表彰といたしまして、それに漏れた者も含めまして、例えば部局長レベルでの表彰というのもやりたい。その下にも総括課長表彰というのもやりたいということで、段階ごとの表彰を行うことによりまして、例えば部局長表彰でありますと、その対象は、行った結果が各部局にも効果があるとか、そういうすぐれた業績を顕彰するという制度、それに至らない者も例えば総括課長レベルで表彰していこうということでございまして、各レベルの表彰制度を創設することによりまして職員の士気を高めることにつなげていくのが目的でございます。
〇伊沢昌弘委員 知事表彰、部局長表彰、歴史があっていろいろな意味での評価があると思うんですが、職場で総括課長表彰を導入されて、表彰された方々は頑張ったということで評価なんですけれども、職場全体の中で本当に全部が頑張ってどういう形になるのかなということで若干私のところにも雑音が聞こえてきた部分がありまして、今年度導入したものでありますので、その状況、どういうものがあってこうなったと、全体的にどうなんだということで、これは知事、いろいろなところでお話をする際に、職員全体の意見把握、アンケートといいますか、そういったことも含めて、真にみんながやる気になるのか、そういった部分をぜひ把握すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇増田知事 表彰ですけれども、従来は、今議会でもいろいろ御議論ございましたけれども、何か不祥事があると職員に責任を追及する。そういうことだけで、一方では本当に努力したことについての報いがないのではないかということがあって、だから結局みんな何でも閉じこもって、やらないということになりがちになるのではないか。ですから、やはりいいことは本当に褒めて、賞賛するような、そういう風土を一方ではつくっていかなければならない。そういうことで新しい表彰制度を考えてあります。
 今お話しのとおり、初年度なものですから、そこが本当にそういう形につながっているかどうかよく確認する必要があります。ですから、今、委員がお話しのとおり、総括課長表彰も後でつくりましたが、それがどういうふうに運用されたのか、追跡調査というか、よく検証して、今、言いましたような本当にそういうことに向けた目的に沿うものになるような制度に改善すべきところは進んで改善をしていきたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 ぜひしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、県立施設の民間移管についてお伺いします。
 県は、県立社会福祉法人の今後のあり方について検討を重ね、本年2月に改革プラン原案を策定いたしました。今年度中に成案とした上で、平成18年度から実施に移すとしております。私は、県立社会福祉施設の運営は、仮に民間移管となった後においても県としての行政責任が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 これまで多くの県立社会福祉施設の運営を担ってきた岩手県社会福祉事業団の自立に向けた支援方策を含めて知事の御所見をお伺いしたいと思います。
〇増田知事 今回、県立社会福祉施設の民間移管の方針を打ち出した背景でございますけれども、そもそも県立で社会施設をつくったのは、民間施設が少なかった時代に先行的に県として整備をして福祉の水準を上げていきたい、こういう考え方で行ってきたものでございます。その後、民間法人による施設整備が大分進んできている、それから、社会福祉制度自体の改善も大分行われてきていますので、県立でやる部分の役割というか意義が大分変わってきているのではないかということでございます。県は、これからは施設を直接設置・運営するのではなく、そういった直接的なサービスの提供から、民間施設の適正な運営ですとか福祉サービスの第三者評価などを行ってサービス水準の維持向上を図る。福祉施設に適切な指導・助言をするような立場に役割を変えていく。それで県内全体の福祉の水準を維持向上させていきたいということでございますが、今、申し上げましたように、移管をした後のサービスの水準が低下するのは大変困るわけでございますので、そこは県として第三者評価などの制度を入れて、そういったことがないようにしっかりと指導・助言をしていく、こういう県の大変重要な役割を十分果たしていきたいと思います。
 それから、社会福祉事業団についても移管する施設があるわけですけれども、当然、社会福祉事業団自体、自立に向けたさまざまな経営改善に向けての取り組みが必要になりますので、社会福祉事業団の方にそうしたものを促していきます。委員会の方でも昨日御質問がございましたけれども、そういったことを行った上で、なお事業団に対して県の方としても一定の財政支援なども行いながら、スムーズな事業団移行が図られるようにしていく必要がありますので、そこは県としても、その間どういう形で移行していけば一番スムーズに、しかも中に入っている皆さん方が水準が下がることなく、あるいはよりよくなるような形で移行できるか検討していくことにしておりますので、一定の期間、時間をかけながらそういったスムーズな移行に努めていきたいと考えています。
〇伊沢昌弘委員 社会福祉施設、昭和46年あたりですか、四六通知の中で、県営のものについては事業団等を設立してやれと。時代の趨勢の中でその四六通知が変わったという部分もあるし、民間がふえたというのもあります。ただ、民間の部分で、一生懸命頑張っている皆さんは多いんですが、特にもこの福祉関係は、支援費に移行した関係で、潤沢な支援費になっているのか。経営自体も困っている部分が現在でもあるのではないかと思っています。そして、運営する上で、職員の皆さんの勤務条件を含めて、かなり頑張って職員はやっているようなんです。だから、何でもかんでも民間でいいのだ、こういう形にはならないと思いますので、ぜひその辺を対応していただきたいと思います。
 民間になれば県の監視指導の体制も強化されなければならないと思うので、そういった分野もふえてくると思うんです。そういうことに対して、どうなんでしょうか、県の、いわば削減するところはする、しかし、必要なところにはするというスクラップ・アンド・ビルドの考えで人員の配置というのは必要だと思うんですけれども、御所見があれば教えていただきたいと思います。
〇増田知事 お話のとおり、民間の皆さん方が基本でいろいろやっていただく上で、そこがしっかりとした運営を行っていくかということを監視することは大事ですので、県の方もそういう体制へ移行して、やはりやるべきところにはちゃんと力を入れてやるような体制にしていきたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 次に、地域経済再生に向けた施策の推進についてお伺いいたします。
 国においては、新年度において地域経済間のネットワーク形成を進めるとともに、地域ブランドの創設、中心市街地の活性化などを支援するとして、広域的新事業支援連携等事業費補助金、地域ブランドアドバイザー・フォーラム事業、戦略的中心市街地商業等活性化支援事業を初め、商工業小規模事業経営支援や中心市街地商店街施設整備への補助を予定しております。本県においては、最大の商業集積地である盛岡市や他の地域におきましても相次いで大型店舗が進出してきているわけであります。さらに出店予定がある中で、中心市街地での売り上げが減少している状況にあります。このことは市町村において特色ある市街地形成やまちづくりの阻害要因になっていることを意味していると考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか。
〇増田知事 今の中心市街地の問題というのは、大型店の問題がやはり大変影響が大きい。大型店が出てくる背景には、もちろんよく言われるようなモータリゼーションの進展ですとか、そもそもまちづくりを郊外に、どんどん外縁に広げていったようなまちづくりの問題、これは行政であったり、そこに住む住民の皆さん方もそういったまちづくりでいろいろ計画してきた部分もあると思いますし、中心市街地は地価が高いということでどんどん外縁に広がってきたということもありますから、複雑なさまざまな問題が非常に絡まっている。ただ、今、委員がお話しになりましたとおり、その中で、最近はやはり何といっても大型店の進出、しかも、異常とも思えるほどの進出ラッシュが続いてきていますから、その問題が大変大きいと思っております。そのことが一番大きな引き金となって中心市街地の停滞を招いていますし、それから、まちづくりそのものの阻害要因にもなっているということです。
 こうした問題については、さまざまな角度から分析を加えていかなければならないと思います。今、制度的にはまちづくり三法というものでこの中心市街地の問題に対応するようになっていますが、このまちづくり三法が本当に今の状況に的確に対応しているかどうかもっと検証していかなければならない。国でも、そういうことでまちづくり三法について検証の作業が始まっていますが、県の方でも、岩手県の中で、今ある制度――まちづくり三法がそれぞれの岩手県内各地域の中心市街地活性化のためにどういうことになっているのか、あるいは変えるべき点をどういうふうに変えていけばいいのかということを検討していきたいと思って、その組織を立ち上げていくことにしております。こういった問題については、広く商工団体などからも意見を聞いたり、あるいは住民の皆さん方からもさまざまな意見をお聞きする必要がありますので、そうした関係の皆さん方からの意見聴取などもこれから幅広く行っていきたいと思いますし、その上で一定の方向性が出ましたら当然国の方にも申し入れをしていきたいと思います。まちづくり全体を中心市街地を中心としたもっとコンパクトなものにしていくような考え方も必要になるだろうと思いますので、その場で幅広く問題、それから対策を検討していきたい、このように考えております。
〇伊沢昌弘委員 県では、中小商店ないしは企業者に対していろいろな融資制度を持っているわけです。平成16年度の中で約12%使えなかったということで補正予算を組んだ経緯もありますけれども、新年度に当たりましても、今、知事がおっしゃったような形でぜひ御努力いただき、元気のある岩手県土をつくるように要望申し上げて終わります。
〇佐々木順一委員長 次に、斉藤信委員。
   〔斉藤信委員質問者席に着く〕
〇斉藤信委員 最初に、知事の退職金の見直しと出張問題についてお聞きします。
 知事の退職金を今年中に見直すとの答弁がありましたが、そもそも4年間で約5、000万円もの高額退職金に根拠はないのではないでしょうか、それを示していただきたい。横並びに是正するのではなく、退職金の根拠を明らかにして、私は県民の理解が得られるものに抜本的に見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇増田知事 退職金の関係について、まず、根拠ですけれども、知事の退職金ですけれども、退職手当ということになると思いますが、これは、特別職の給与条例の中で決められているものでございまして、現在の算定方式は、昭和37年にさかのぼって決められております。それが根拠になっているということでございます。
 それから、知事の退職手当についての見直しですけれども、議会におきまして私の方から見直しをすると申し上げてきたわけでございますけれども、これについては、やはり岩手県の特別職報酬等審議会の意見などもお聞きした上で判断をしていく必要があるだろう。そこの中で専門の皆さん方がいろいろ専門的な見地から、今、委員からお話のありましたような根拠なども含めて御議論されると思いますから、そこでよく議論していただいた上で、県民の皆さん方の理解と納得を得られるような形で見直しをしていきたい、このように考えております。
〇斉藤信委員 私が聞いた根拠は、5、000万円という高額の退職金に根拠はないのではないか、こういうことです。勤続38年で課長で退職した場合の退職金は2、862万円ですよ、38年勤続で。4年で5、000万円。私は、本当に知事が激務だとしても、そういう高額の退職金の根拠はないのではないかと思います。特に今、県財政の危機的状況、率直に言って、増田知事は10年間で8、000億円借金をふやした、こういうことから見ても、私は高額退職金というのは県民の理解を得られないのではないかと思いますけれども、いかがですか。
〇増田知事 退職金の根拠は、今、申し上げましたような形で条例で定められているんですが、逆に言いますと、そういった条例で定められて、算定根拠、これはどこの県の算定根拠も見ますと同じような形になっているわけですけれども、それは、やはり国民的というか社会的に認知された算定根拠で、どこの都道府県あるいは市町村も含めてやってこられたのではないかと判断しています。
 当然、時代とともにそういった根拠については認識が変わるわけですから、今、各都道府県からも退職手当が現在の情勢にかんがみて高額過ぎるのではないか、こういう話も出てきております。私も、そういったものについてはよく見直しをして、やはり県民の皆さんの理解が得られるようなものにならなければいけないと思います。これは退職時にもらうものですから、私の方でもこの4年間の間のしかるべき時期に見直しをすると申し上げてきましたけれども、ことし任期がちょうど半ばになりましたし、他の都道府県でももちろん下げる方向でいろいろ見直しをして随分事例も重なってきておりますので、そうしたところも審議会の中でいろいろ議論するときの一つの手がかりになると思い、ちょうどことしが見直しの時期としても適切と判断しておりますので、よく御意見を聞きながら見直しをしていきたい、このように考えております。
〇斉藤信委員 抜本的な見直しを求めたいと思います。
 知事の出張問題ですけれども、財政の危機的状況や競馬組合問題や出資法人の問題など、私は、知事が今こそ岩手の地に足をつけて県政に取り組むことが必要だと思いますが、昨年度、今年度の出張の状況を改善するおつもりがあるかどうか。
〇増田知事 出張の昨年度、今年度の状況でございますが、県内、県外、海外を含めまして、平成15年度が在庁日数が146日、出張日数が193日、16年度は、これはまだ2月末現在ですが、在庁日数が同じく146日、出張日数が154日、こういう形になっています。
 県政にいろいろ課題があるからという話ですが、課題がいろいろあるので出張に行く場合があるわけでございまして、重要な課題があるのは当然承知していますが、やはり知事でなければできない役割というのが多々ありますから、一つ一つ出張についてはそれぞれ目的がございまして、それでこういう日数になっている。県外、県内あちこちに直接行って、できるだけ顔を見せていろいろな話を聞いたり相手と折衝したりということが以前に比べてより必要になってきていると私は全体的には思います。ただ、連絡体制とか、そういうものは常に確実にとっておく必要がありまして、最近は各部局との連絡も常にとれるような体制が大分整備されてきましたから、不在だから何か問題が起こるようなことがあればこれは大変問題になるんですけれども、副知事以下と適切に役割分担をしながら、知事としてどうしても役割を果たさなければいけないことについては、やはりきちっと知事として臨むということで考えていきたいと思っています。
〇斉藤信委員 次に、青年の雇用対策について、これは、岩手の未来、日本の社会の存続にかかわる重大問題であります。昨年の岩手県の失業率が5.7%、4万人と最近発表されました。青年の失業、フリーター、ニート、無業者の実態はどう把握されているでしょうか。
〇増田知事 まず、本県の若年の失業率ですが、年齢別に分けたものは平成12年の国勢調査ということになりますので、その数字で申し上げますと、15歳から19歳までが15.7%となっておりまして、全国を見ますと12.8%でございますから、全国よりもこの層では2.9ポイント高いというふうになります。それから、次の層の20歳から24歳までは8.1%、これは全国が9.3%なので、全国よりは1.2ポイントばかり低い状況でございますが、やはり全体的に、特に15歳から19歳までの層が全国よりかなり高いわけでありますので、厳しい状況と。全年齢層を通じての完全失業率も3月1日に総務省から発表されていますが、本県は5.7%となって、前年に比較しても0.3ポイント悪化しているということでありますので、この失業の問題あるいは雇用対策には万全を期していかなければならないと思います。
 フリーターについてですが、フリーターのきちんとした定義はないんですけれども、国民生活白書で平成15年に定義されて、その中を見ますと、平成2年で183万人、平成13年が417万人と、約2.3倍フリーターが増加している、このように推計しています。県内のいわゆるフリーターの定義に当てはまるものを平成14年度の就業構造基本調査をもとに推計いたしますと、約5万1、000人と推計されます。これは、全国が10年ぐらいの間に約2.3倍に増加していますから、岩手県の5万1、000人というのは平成14年の数字でございますけれども、恐らくその前に比べてずっと増加してきてその数字になったんだろうと。今のままですと、多分これからも増加の方向に移っていくだろう、こういうふうに推計しているところです。
 それから、委員の方からお話のありましたニートあるいは無業者については、昨年の労働経済白書で国全体として初めて約52万人という数字が出たわけでありますけれども、国と同じような方法で本県の把握ができるかどうかということで、いろいろこちらの方でも検討したり問い合わせなどもしたんですけれども、ニートについては国の算出方法は公表しないということになっております。何らかの算出根拠はあるはずなんですが、それは公表しないということ。それから、県独自での算出ではサンプル数がやはり少ないので、岩手労働局とも大分協議をしましたけれども、今、その具体的な人数を把握するのは難しいということになっております。今後、国の方での算出方法が公表されるなり何なり、そういうことになれば、私どもの方でもすぐに実態把握に努めたいと考えております。
〇斉藤信委員 青年の失業は、全国が大体310万人強の中で150万人です。失業者の約半分は青年が占めているという深刻な状況であります。埼玉県はニートの数を3万人とやっているようですから、ぜひこれは研究していただきたい。
 あわせて、働いている青年の状況も深刻なんです。派遣労働者は全国236万人、請負は100万人、パートなど不安定雇用が急増しています。厚生労働省の職安調査によれば、求人数の33.9%が業務派遣となっていますが、岩手の実態はどうでしょうか。
〇増田知事 これは、岩手労働局に問い合わせをして、うちの方でもそこの実態を出そうと聞いたんですが、今、委員の方から求人数の33.9%というお話があったんですが、これは平成15年に厚生労働省が調査をしたものですが、全国の公共職業安定所を10カ所選んで調査をしたということで、残念ながら本県がその10カ所の中に入っていないものですから、恐らく地域的にいろいろな状況もあるだろうと思っておりまして、労働局の方と協議したり、向こうの方に聞いたりしたんですが、今、言いましたような、本県での求人に占める業務請負とか派遣の割合は労働局では承知していない、こういうことでございます。
 労働者派遣元事業主から厚生労働省に提出された平成15年度事業報告によりますと、本県の派遣労働者数は7、580人と聞いているんですけれども、業務請負の方については厚生労働省も実態は把握していない、こういう状況になっているところでございます。
〇斉藤信委員 求人の3割がパート、派遣・請負という不安定雇用です。高卒の就職するフリーターの率は38.4%、大卒は31.3%となっていますが、この岩手の実態がわかるでしょうか。
〇増田知事 担当のところでも今言ったような岩手県の状況を把握していないということでございますので、今後、また把握に努めたいと考えております。
〇斉藤信委員 高卒、大卒を私、紹介しましたが、フリーターにならざるを得ない人たちが4割、3割ですよ。
 私は、最近、岩手の青年の方々から、特に派遣をやっている方々から話を聞きました。大変深刻な実態です。盛岡近郊の工場に勤務している派遣労働者、朝8時半から5時半の勤務で、昼休みは勤務外、交通費は1日200円、時給750円、日給6、000円です。月13万円です。これでは生活できないというので親と同居している。もう1人は、配管の会社に準社員という形で入っている。日給7、000円、月16万円から17万円。奥さんと子供がいるんですよ。ですから、国保税、国民年金を払うだけで月4万円から5万円かかるんです。とても生活できない。平日の勤務を希望したが、土日の仕事しかなかったという方もいました。外資系の保険会社は、9時から夜9時まで働いて、月給11万円。プラス若干の出来高です。
 フリーターというのは、まさにみずからの生活さえ支え切れない。だから親と同居しなければ生活できないという実態になっている。私は、本当にこれで岩手の将来、日本の将来は大丈夫なのか。こうしたフリーターの状況を私は本当に働くルールの確立ということで改善すべきだと思いますが、いかがですか。
〇増田知事 今お話ありましたようなフリーターも、確かに、安心して働くことができるような労働条件でなければいけないわけでありまして、まだそうした労働条件の整備が必要になってくると思っています。各地域でさまざまな実態があると思いますので、今、県の方でも地方振興局に地域雇用相談員を配置して、そこで労働相談に手軽に応じられるような体制をとっています。以前は、御承知のとおり、労働行政というのは労働局全部が一手に引き受けるということで県はそういった対応はしていなかったんですが、地域の雇用問題というのはやはり県行政の重要なテーマであろうということで、そちらの方に詳しい方を地域雇用相談員にお願いして配置しておりますし、そこで労働相談を実施したり、労働基準法やパートタイム労働法などいろいろな法律がございますけれども、やはりそれをきちっと遵守していただいたり、そもそもどういう仕組みになっているかを周知、啓発していくことが必要ですので、セミナーや広報などを行って、そしてまた労働局にも県で受けた労働相談の内容をよく話をして、国、県全体でこうした労働条件とか、今お話のありました勤務条件の改善に努めていかなければならないと思っています。今後も、こうした窓口等を通じて得られたことをよく私どもが分析をして、勤務条件や労働条件の改善に努めていきたい、このように考えております。
〇斉藤信委員 フリーター、特に派遣の場合は3カ月未満というのが68.4%ですよ、3カ月働けないという人たちが。そして、年収100万円未満というのが56.2%、200万円未満が85.3%です。正社員は人事課が対応するんですけれども、派遣は資材課が担当するんですよ。物扱いなんです。このフリーターの状況を打開しなければ、離職率が高いといったって当たり前なんですよ。
 私、知事に提案したいんだが、こういう岩手のフリーター青年とあなたが得意の懇談をぜひやっていただきたい、いかがですか。
〇増田知事 私は、そういうフリーターの皆さん方がどういう実態にあるか、どういう考えを持っているか、そういったことを私自身も聞くことは大事だと思いますから、もちろんそういう場をつくることには賛成でございますし、いろいろ直接話も聞かせていただきたいと思います。
 今お話のあったそういうものは、私は実はさまざま条件があると思うんです。ですから、そういった条件について、委員の方もいろいろ資料をお持ちでしょうから、積極的に提供していただいて、やはりこれは行政も含めて真剣に考えていくべき話だろうと思いますから、ぜひ御協力もお願い申し上げたいと思います。
〇斉藤信委員 雇用対策を県政重点課題にしたことを私は評価するんです。大いに協力しますから、日本一の雇用対策を岩手はやっている、こういうふうにやっていただきたい。
 具体的に雇用を拡大する対策について最後にお聞きします。
 第1は、サービス残業の是正です。全国162万人の雇用がふえる。有給休暇を全部取得すれば148万人の雇用をふやせる。1、800時間達成すれば、去年は3万2、000人の雇用に結びつくということでしたが、岩手の場合どうなるか示していただきたい。
〇増田知事 雇用拡大の見込みですけれども、今、委員の方からお話がありましたそのデータをもとに推計いたしますと、政府の目標である年間1、800時間を達成した場合の雇用拡大見込みですが、こういう数字をとっております。県内の常用労働者5人以上の事務所の1人当たりの月間平均総実労働時間、これは、我々の調べによりますと、月平均160.7時間、これは毎月勤労統計調査という総務省の調査がございますので、これをとりますと、月間平均で160.7時間となっています。これをもとに、年間の総実労働時間を試算すると1、923.4時間となっていますので、この差、1、800時間との差が、また具体的に雇用拡大分としてつながるだろうと思っていまして、政府で目標としている1、800時間との差を計算し直しますと、約3万人。試算値ですと、正確には3万426人となっていますが、約3万人の雇用につながると考えているところでございます。
〇斉藤信委員 サービス残業というのは、これは公的な試算では出てこないので、160万人ということは大体100分の1で、1万6、000人分ぐらいに私は岩手は当たるのではないか。そうすると、基本的には今の失業者を救済できるということになります。有給休暇を全部とったら、もっと雇用をふやせるということになりますので。
 二つ目には、平成15年度、平成16年度の規模別新規採用の状況はどうなっているか示していただきたい。大企業ほど、大きい企業ほど青年雇用、少ないんですよ。その実態を示していただきたい。
〇増田知事 資料は岩手労働局の方の調査によっているわけですけれども、平成17年1月に、県内の職業安定所を通じて常用で採用された34歳以下の者です。若年者の数860人おります。860人ですが、それを見ますと100人未満の事業所、ここが664人、それで77.2%になります。それから100人から500人未満の事業所が127人、これ14.8%。それから500人以上の事業所が69人、8.0%ということになっておりまして、これは年度ごとの数値がちょっとないんで、一番直近の数字、データということで調べたものが今言ったような数字でございます。それから、ちょうど1年前の平成16年1月のデータですが、これは年齢別のデータがないんで、全年齢でやりますと大体似たような傾向になっておりますので、今申し上げました17年1月のデータというか、数値が大体傾向をあらわしているのではないかと考えております。
〇斉藤信委員 それで、大企業が今経営をよく改善しているんですよね。1兆2、000億円の経常利益を上げているトヨタが期間雇用ですよ。私はこういう大企業こそ、きっちり正採用を採るべきだと思うんですね。そういう働きかけを、知事、するべきじゃないでしょうか。
 それと、教育、福祉、防災で、30人学級、特養ホームの整備、防災の消防職員の増員などで公的なそういう雇用もふやすべきじゃないか。
 最後に、職業訓練ですね。産業技術短大、職業訓練校、私は大変立派な実績を上げていると思うんですが、定員がわずか300人なんですよ。この職業訓練の充実強化というのも重要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇増田知事 大企業への働きかけですけれども、これは私の方からも機会あるごとに地元の採用拡大を申し上げております。しかも、できるだけ常用雇用で採用していただくようにということを申し上げております。向こうの方からも、そういったことについて努力する旨のお話をいろいろいただいておりますけれども、こちらの方でも、地元は地元として、またしっかりとした職業訓練などを行うといったことで、労働力の質を上げる努力も必要だと思うんですが、これから県としてどれだけの努力をしているのかということも示しながら、常にやはり常用雇用の拡大に向けて、大企業の皆さん方にはお話をしていきたいと思います。
 東京の企業訪問のときなども、常にこのことについては触れるようにしておりますので、今後もそういうことで雇用拡大に取り組んでいきます。
 それから、あと、教育、福祉、防災分野での雇用拡大のお話がございました。それぞれの分野で私どもも目標を掲げて取り組んでおりますし、これからも必要な分野について、必要な数を積極的に出していくようにしていきたいと思います。
 それから、あと、職業訓練の充実強化でございますけれども、これも大変大事なことでございまして、県立高度技術専門学院の短大をつくったり、それから来年度は委託型のデュアル訓練を導入したりということで、内容の充実強化を図っているところでございます。
 それから、これから今後いろいろなオーダーメード型の訓練といったようなことも地元の企業からも出てきていますから、ここの産業技術短大ですとか職業訓練校でも提供できる実践の訓練の内容もよく見直しをしながら、そこでしっかりとした職業訓練が行われるように努力をしていきたいと思います。
〇斉藤信委員 最後ですけれども、岩手におけるサービス残業の是正の実績を示していただきたい。これ2001年から行われて、全国は450億円の是正をされていますので、岩手の実態を示していただきたい。
〇増田知事 いわゆるサービス残業の是正状況ですが、これは岩手労働局からの聞き取りになりますけれども、岩手労働局が、平成13年の1月から平成15年の12月までの3年間に監督指導を行った結果によりますと、いわゆる割増賃金違反、労働基準法の37条ですけれども、割増賃金違反があった事業所が691事業所です。また、1企業当たり100万円以上の割増賃金を是正して支払った県内の企業ですが、これは平成13年の4月から平成16年3月までの3カ年度、これは年度の方になりますが、3カ年度で14企業であったと、こう聞いているところでございます。(斉藤信委員「額はわからないの、14企業の」と呼ぶ)
〇増田知事(続) 14企業の中で是正支払い金額ですが、これは年度ごとですが、1企業当たり今申し上げました100万円以上の割増賃金を是正支払いした事案で、平成13年4月から平成14年3月までは、これは14企業のうち、年度に該当するのは3企業でございまして、是正支払い額が756万円、それから次の平成14年4月から平成15年の3月、ここが2企業でして、ここが1、338万円、それから平成15年4月から平成16年3月、ここが9企業ですね、全体で14企業になるわけですが、この平成15年4月から平成16年3月は9企業で、ここは是正支払い額が3、203万円という額になっています。
〇佐々木順一委員長 次に、小野寺好委員。
   〔小野寺好委員質問席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党の小野寺好であります。
 わずかな時間ですが、平成17年度予算に関し総括質疑を行います。
 最初に、新年度予算を編成する上で、国のいわゆる五全総及びポスト五全総と、平成11年にスタートして折り返し時点にかかった県総合計画との整合性について、どのような配慮、工夫がなされているのか伺います。
 平成10年に国土総合開発法に基づく全国総合開発計画が閣議決定いたしました。現在の五全総であります。多軸型国土創造形成の基礎づくりを目指し、平成22年から27年あたりを目標にした国土開発で、本県に関する計画では、岩手と秋田を結ぶ地域連携軸、北東北広域交流圏の形成、三陸縦貫道、その他道路、空港、港湾、鉄道などを整備することが計画されています。しかし、計画決定後の政治、経済、社会状況は大きく変化し、構造改革を進めることによる社会資本の整備主体である特殊法人の改革、各種規制緩和、国、地方を通じた多額の債務等により、五全総は目標年次に至る半ば前に破綻状態になったとも言われております。社会基盤整備のおくれている本県としては、五全総に寄せる期待は大きく、平成11年からスタートした県総合計画は、この五全総の実現を前提としていたのではないかと思いますが、五全総計画決定後のさまざまな状況変化で、本県では影響を受けるものかどうか伺います。
 さらには、先ごろ、国土開発中心のこうした全総計画をやめて、国土の利用と保全を中心とする政策に転換する国土形成計画法案が検討されていると発表されました。計画案では、全国計画とブロック計画の二重構造で、全国計画には都道府県の意見を聞き、ブロック広域計画には、市町村、経済団体などとの協議会で作成することとしています。地域主導で自発的発展を目指すことになりそうですが、このポスト五全総と県総合計画との整合性についてどのようにお考えでしょうか。
 特に、想定外の少子・高齢社会で、県総合計画もソフト中心に変更せざるを得ない状況になってしまったのではないかと思いますが、今後の計画見直しについて伺います。
〇増田知事 今、委員の方からお話がありました五全総の考え方、多自然居住地域の創造ですとか、従来は一極一軸の国土構造だったんですが、それを多軸型の国土構造に転換するとか、そういった新しい概念が持ち込まれたんですが、そうした五全総の考え方を受けながら、我々の総合計画もつくっているわけですけれども、総合計画の方が、中をごらんいただきますともう少し先に進んでおりまして、県民も含めた参画それからあと地域の自立ですとか、それから新しい価値観を創造するという、自立、参画、創造ですけれども、そういった持続的な地域づくりということをその概念の中に入れておりまして、そしてハードも当然整備することは整備する。しかし、環境とか人づくりとか、ソフト中心の取り組みもその中に多く取り込んだような形になっておりまして、むしろ五全総から、国の方では、今委員がお話になりましたようにポスト五全総ということで、今度は計画というよりは構想になるようでございますけれども、国土形成計画法案というのが今検討されていると聞いておりますけれども、その国土形成計画法案に国の方が五全総から移らざるを得なかったような、そういった時代の認識というのを我々としてはできるだけ今の総合計画の中に取り込んだ形でつくったということでございます。
 ただ、そうは言いましても、平成11年に総合計画をつくってございますが、その後、我々の予想を超える財政環境の変化等もございまして、総合計画についても、一番そこの具体的な計画を描いております実施計画のところは、やはり総合計画で当初考えておりましたようなものを達成するのは、なかなか困難な状況にもなってきております。
 そこで、総合計画については、私ども内容をいろいろ検討しておりますけれども、総合計画の基本理念ですとか基本目標はこれからの時代にも十分通用するものでございますし、そこは県民理解の上でつくり上げたものでございますので、環境、ひと、情報という、これを21世紀を切り開くキーワードにしていくというところは、これからも普遍的に通用するものであろうと。ただ、具体的な実施計画のところについては、やはり今の財政環境をよく考え直す必要があるということで、そこを具体的にもう一度組み直ししたのが今の40の政策ということになっております。したがいまして、これは以前の県議会でもお話し申し上げたんですが、総合計画自体の見直しということは、現時点では特に必要ないと思っているんですが、その各論でございます、詳細計画でございます実施計画のところは、平成18年度までの40の政策を念頭に、予算なども重点投資を相当図っていくということにしておりまして、総合計画は前期計画が平成11年から17年までになっていますが、その17年を越えて18年まではこの40の政策によって具体的には対応していくと。それから、19年以降については、国の方の財政見通しも中期財政ビジョンでこれが明らかにされる。恐らく、今、全部国の方は三位一体改革の全体像も何もすべて平成18年度までの見込みになっておりますので、その中期財政ビジョンを見ないと、平成19年以降の財政見通しが全く明らかにならないということがございますので、そういった見通しが明らかになった段階で、平成19年以降についてはもう一度新しいプランを策定するというのが今の状況の中で現実的な選択だろうと考えております。ですから、総合計画自体は今の基本理念ですとか基本目標を維持しつつ、40の政策を前提に選択と集中を図っていきまして、その上で、平成19年以降は、中期財政ビジョンなどを踏まえて新しい政策推進プランの方への移行を考えておるところでございます。
〇小野寺好委員 次に、県立大学でありますけれども、著名な西澤教授を学長に迎えての県立大学の開学に、県民は大きな期待を寄せました。学生、教職員の努力で、教育、研究の成果が徐々にあらわれ、就職も順調であると伺っておりますが、学長退任後も魅力を維持し続けるためには、どのようなことを考えているか伺います。
 この県立大学の県内出身者は、平成16年の場合は入学者の62%となっております。少子化傾向の中で、一定の学生数を確保していくには、関東や近畿地方でも一般選抜入学試験を実施するなどして、他県出身者も獲得していかなければならないと考えますが、現状と今後の予定を伺います。
 日本私学事業団の調査によりますと、平成16年度の全国の私立大学の29%が、入学定員割れの状態であったとのことです。少子化傾向で18歳人口が激減し続け、大学の存続自体が危うくなっているところも出てきております。県立大学の受験倍率は4倍ぐらいと聞いていますが、最近の志願倍率の傾向を伺います。
 また、県立大学は、盛岡駅西口複合施設を利用して、広く県民のために貢献していくとの意向を聞いていますが、単なる教養講座といった程度ではなく、交通至便なこの地で、社会人のための正式な履修制度を検討してはいかがでしょうか。
 高卒時には諸事情で大学に行けなかった方、ライフスタイルがスローで、8年とか10年の期間をかけても大学を卒業したいと考えている方などに対し長期履修学生制度も取り入れ、広く社会人に門戸を開放してはいかがでしょうか、お伺いいたします。
 かつて、大学のステータスを高めるために、競って大学院を設置した時期もありましたが、その結果、定員充足率が半分にも満たない大学院が多いというのが最近の状況であります。県立大学は、卒業生が出ないうちに大学院を設置するという、強引な手法をとり戸惑いを感じましたが、現在の学生と指導陣の充足状況はいかがでしょうか。また、大学院修了後の様子についてもあわせてお伺いいたします。
〇時澤総務部長 まず、大学の魅力の維持でございます。
 4月から独立行政法人化がされますので、この法人化を契機といたしまして、カリキュラムや授業方法の改善などによります教育の質の向上を、まず図ってまいりたいと考えております。それから、適切な人事評価システム、あるいは任期制などの制度を利用いたしまして、優秀な教員の確保、こういったことにも努めてまいります。また、社会人教育あるいは産学官連携研究など、地域貢献活動を積極的に進めてまいりたいと考えております。
 また、優秀な学生の確保ということも必要だと考えておりまして、入学志願者に対しまして、大学がどのような学生を受け入れるかを明らかにしました入学者受け入れ方針あるいは教育方針、こういったことを明示しまして、これに対応した多様な選抜方法によりまして、県立大学にふさわしい学生を確保していきたいと考えております。
 また、高校への出前授業や進学説明会の開催、高校訪問活動などを強化いたしまして、県立大学を志願する動機づけのための活動を展開してまいりたいと考えております。
 新法人のスタートを契機に、新学長、新理事長のもと、これまで以上に、魅力ある大学づくりを進めることといたしております。
 それから、県外志願者の確保でございまして、これにつきましては北海道・東北地区におきまして、平成16年度、県外の進学説明会、10会場でございますが、これに参加しましたほか、高校85校を訪問するなど、志願者の掘り起こしに努めております。また、関東地区からの志願者の増加を図るために、平成15年度から東京でアドミッション・オフィス入試、これは学力入試を行わずに、複数回の面接あるいは書類選考により適正能力を見きわめるものでございますが、こういったものも実施しておりますし、さらに、全国からの志願者確保のために、ホームページ等の広報活動を展開しております。
 今後とも、本県のみならず、他県の高校生、保護者、高校教員等へ大学の魅力を適切にお伝えしまして、志願に結びつくようにしていきたいと考えております。
 また、県外の進学説明会への参加、高校訪問など、情報発信を積極的に展開するとともに、県外受験生の受験の利便性を図るための選抜方法や試験会場の見直し、こういったことも行いまして、志願者の確保を図っていきたいと考えております。
 それから、志願倍率の傾向についてのお尋ねがございました。
 志願倍率、平成15年度が5.9倍、16年が5.5倍、平成17年度が5.1倍ということで、他の公立大学同様に緩やかな低下傾向を示しておりますが、国立大学の平均が平成15年度で4.8倍、16年度で4.6倍でございます。これより若干上回って推移しているものと考えております。
 それから、西口複合施設の利用方法でございます。
 県立大学では、社会人受け入れのための入学者選抜における社会人枠あるいは科目等履修生等の制度を導入しておりますが、さらにアクセスの利便性がよい西口の複合施設に県民リフレッシュ教育センターを予定しておりますが、ここで学位取得が可能な大学院の特別コースの開設のほか、社会人や職業人の学習ニーズに応じた高度・専門的な講座の開設を予定しております。
 さらにお尋ねのありました長期履修学生制度でございますが、この制度は社会人が働きながら学ぶ上で有効な制度の一つでございますので、県立大学としましても、今後、制度導入が可能かどうかを検討してまいりたいと考えております。
 西口複合施設での導入につきましては、ここの単独での実施は困難ではないかと考えておりまして、滝沢キャンパスからの遠隔授業による実施の可能性も含めまして、あわせて検討してまいりたいと考えております。
 それから、大学院の学生、教員の充足状況等でございます。
 平成16年度で大学院在学生合計186名ございます。四つの研究科の収容予定員208名でございまして、充足率89.4%となっております。それから、教員の充足状況、大学院の四つの研究科の教員が合計で113名ございます。大学院の設置基準に照らして、適切な教員数を配置しているところでございます。
 それから、卒業後の進路でございますが、大学院修了者、平成16年3月でございますが69名、このうち社会人入学者20名おります。社会人入学者20名がそれぞれの職場に復帰しますので、それを除きます修了者49名につきましては、就職者31名、進学者10名、その他8名という状況になってございます。
〇小野寺好委員 最後に、県民の基礎的法律知識養成について伺います。
 人間が人間らしくあるという当たり前のことが基本的人権の尊重かと思います。しかし、これが希薄になってきていて、金のための殺人あるいは自殺という極端な事件が多発しています。この人権意識を高めるためには、どのような施策が考えられているか伺います。
 県民生活センターでは、悪徳商法から特に高齢者等を守るために懸命の努力をしていると思いますが、人を陥れようとしているやからは、法律知識の不足部分を巧みに突いてきています。高齢者の生活防衛のため、あるいは子供たちのインターネット絡みの金銭トラブルや出会い系サイト被害を回避するため、学校や行政がもっと積極的に、基礎的法律知識の養成に出るべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 子供によるゲーム感覚のような殺傷等凶悪犯罪、パソコンやコピー機の性能が飛躍的に向上し、子供がいとも簡単に通貨を偽造してしまう事件等々が続発しています。また、一部の人生を捨てた者のために、まじめに努力してきた者の生活、家庭が、一瞬にして破壊される事件も多発しています。こうしたアウトローを出さないよう、社会全体で対策を講じなければならず、規範意識の徹底を図ることが必要かと考えます。
 強盗、殺人などの凶悪犯、放火や通貨偽造など、社会全体に対する重大犯罪を子供が犯すなどということは、これまで想定されてきていませんでした。このようなことが日常的に惹起されるようでは、社会不安が増幅いたします。これらが重大な犯罪であることを子供たちに意識させるには、学校などでも繰り返し教えていかなければなりませんが、どのような方法が可能であるかお伺いいたします。
〇竹内副知事 最初に、人権意識を高めるための施策についてですが、最近の人権問題は、女性や子供、高齢者、障害者からHIV感染者、ハンセン病患者等大変広範にわたっておりまして、最近ではインターネットによる人権侵害なども新しい問題として生じてきております。このため、国におきましては、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律を平成12年に制定いたしまして、さらに平成14年3月に策定した人権教育・啓発に関する基本計画に基づいて人権啓発を総合的かつ計画的に推進し、人権尊重意識の涵養等を図ることといたしております。
 県におきましても、国から受託している人権啓発活動委託事業費というのがありますが、この活用などを初めといたしまして、男女共同参画や児童・高齢者虐待防止のためのセミナー、研修会等を開催いたしますとともに、ハンセン病啓発パンフレットの作成などを行っておりますほか、市町村に対する人権啓発事業の委託を実施するなど、人権意識の高揚に積極的に取り組んできたところでございます。
 今後とも、あらゆる人々の人権が尊重される社会を目指しまして、市町村や人権擁護委員と協力して、ボランティア団体、NPO等とも連携しながら、一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
 それから、悪徳商法の防止についてですが、消費者契約法やクーリングオフ制度などの特定商取引法に関する知識の普及啓発及び情報提供にこれまでも努めてまいっております。
 主な取り組みといたしましては、県民生活センターにおいて、一般県民を対象に1日教室や消費者大学等の講座を開催いたしまして、被害に遭わないための契約やクレジットの知識等についての講座を実施いたしております。それから、学校や公民館で実施する講座に講師を派遣いたしまして、悪徳商法の実態と対処法についての講義を行っております。さらに、報道機関を通じた県民への情報提供や県の情報誌、ホームページ等によりまして、悪徳商法への注意喚起を行っております。
 こうした取り組みに加えまして、平成17年度は、新たに夜間や休日における啓発講座の開催や地方紙家庭欄における定期的な情報提供を行いますほか、学校や市町村における消費者教育の充実を図るため、教育委員会や市町村と連携をいたしまして、教員や市町村担当職員を対象とする消費者教育指導者講座を開催するなどの取り組みによりまして、これまで以上に悪徳商法からの防御に努めてまいりたいと考えております。
 それから、子供の遵法意識、規範意識の徹底についてでございますが、学校教育におきましては、社会科や生活科、家庭科、道徳、特別活動、こういったものを初めといたしまして、学校生活全体の中で決まりや約束を守ることなどの、生活上必要な習慣や技能を身につけさせるとともに、ルールやマナーの意義を理解させまして、それを遵守しようとする態度などを現在も育成しているところでございます。
 今後、秩序と規律ある社会の担い手をはぐくむために、いわゆる法は単に規制するだけのものではなくて、自分たちの生活や権利を守るためにあって、それを遵守することの大切さについての自覚を促すように、これは学校と家庭との連携を図りながら、特に学校におきましては、特別活動や総合学習などを積極的に活用するとともに、児童生徒の発達段階に即したより適切な指導ができますように、教員の研修指導強化等について取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員長 次に、阿部富雄委員。
   〔阿部富雄委員質問席に着く〕
〇阿部富雄委員 地方振興局の政策形成能力の向上を図り、地域活性化事業調整費の事業熟度を高めるため、地域政策推進費を制度化しました。地方振興局の政策形成能力を高めることは必要でありますが、本制度については疑義も感じています。
 一つ、地域政策推進費は、地域活性化事業調整費の別枠として設定しています。調整費は、今日まで、地域の小さな事業を実現するため貢献してきました。地方振興局への財源、権限を委譲しないままでの実施であり、別途増額し行うべきではないか。
 二つ、各地方振興局長によるプレゼンテーションを経て、各地方振興局長の評価結果により決定したとしていますが、政策立案、決定過程が住民には全く見えませんが、どのような形で決定したのか。
 三つ、こうした対応は、今までも住民に見える形をとらないで進めているということです。地方振興局長会議は、非公開として進められてきました。住民のための政策決定、検証を、なぜ非公開とするのでしょうか。住民が自分たちの地方振興局を評価できません。県民に目を向けた会議に変えていくべきです。いかがでしょうか。
 四つ、事業採択の状況は、10地方振興局15事業となっています。2地方振興局が採択なしとされ、地方振興局の政策立案能力が問われます。県全体としての政策立案能力は向上しますが、県民の立場からすれば、政策立案能力の弱い地方振興局内の住民は、事業の恩恵を受けられません。政策立案能力の弱い人材を配置された住民が不利益となります。今後、地方振興局へ大幅な財源、権限の委譲が行われることを考えれば、こうした施策採択や政策立案には何らかの配慮が必要と考えます。
 以上について、どう対応していくのかお聞きします。
〇山口地域振興部長 地域政策推進費についてのお尋ねでございます。
 地域政策推進費は、地方振興局の戦略的な地域経営機能の向上を目指して設定したものでございます。過去の地域活性化事業調整費の実績をもとに、1件当たり500万円以上の事業を対象に、本庁との連携も含め、各地方振興局がベンチマーキングや情報共有をしながら、事業の戦略性が高まるように実施されたものでございます。
 実施に当たりましては、既存の各地方振興局の事業規模、予算枠などに支障を来すことのないよう考慮して実施したものでございまして、別枠での措置は考えておりません。
 次に、政策立案決定過程が住民に全く見えないのではないかというお尋ねでございます。
 各地方振興局が、管内の市町村や地域住民と十分協議して定めた地域振興方針に基づきまして、重点的な事業として政策立案したものを持ち寄り、地方振興局長の事業プレゼンテーションと地方振興局長同士の事業採点によりまして、採択決定されたものでございます。その結果については、各地方振興局を通じて公表しており、住民の意見を十分加味したものであると考えております。この試行の結果を検証しながら、さらなる改善に努めてまいりたいと考えております。
 次に、地方振興局長会議についてでございます。
 会議の中で、一般に公開できない情報も提供されることも想定されることから、一部を非公開としてきたものであります。しかし、地方振興局長会議は、住民のための政策決定、検証の機会でもあり、原則として公開すべきものと考えております。それで、地方振興局の予算編成過程におきましての情報の公開のあり方については、さまざまな方法を検討しながら改善してまいりたいと考えております。
 それから、最後に施策採択、施策の立案についてでございます。
 今回は地方振興局から26事業、2億7、630万円余の要求がございました。その中で、1億2、000万円の枠の中で、15事業、1億1、000万円余の事業が採択されたものでございます。
 事業の採択に当たりましては、有効性とか独自性、それから戦略性それから緊急性、あるいは総合性、そういうものを評価項目として決定されましたが、採択されなかった地方振興局が政策能力が低いということではなくて、中には、その中で本庁予算要求に組み入れられたものもございます。それで、最終的には本庁要求となったものもございます。そういうようなことでございます。
 施策の立案とか選択が県民の皆様に十分納得していただけるように、職員のより一層の政策形成能力向上に努めるとともに、権限委譲については地方振興局の再編を通じて検討してまいりたいと考えております。
〇阿部富雄委員 地方振興局間の政策立案機能の格差の問題ですけれども、それはないんだということを今部長は言い切ったわけでありますが、これからさまざまな地方振興局に権限、人材あるいは財政も委譲していけば、私は出てくる。現に今回のプレゼンテーションの中でも、その事業は採択されないというのはいっぱいあったわけでありますから、そういうことを考えると、もっともっと地方振興局の政策立案機能を向上させるという取り組みが必要ですし、やっぱりそれを向上させる以外にも、何らかの救済措置を講じていくということが私は必要だと思うんです。そのことをやっていかないと、政策立案能力のある地方振興局はいいけれども、ないところは、どんどん施策が取り残されていくということになるわけですから、もっとその辺については踏み込んで、こういう制度を取り入れていくわけでありますから対応すべきだと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
〇山口地域振興部長 今委員からお話がありましたように、そういう格差というのがあるのではないかというお話でございますが、各地方振興局とも優秀な職員を派遣しております。職場の研修とか大学院派遣とか、あるいは政策指向型の業務推進というもの等の職員の政策能力の向上に努めてまいっております。これからも、そういう意味で格差がないようにしたいと思っております。
〇阿部富雄委員 優秀な職員だということはわかるわけですけれども、それが政策立案能力に即結びつくかどうかということは、また私は別の次元の問題でもあると考えていますから、十分に考慮して対応していただきたいと思います。
 次に、雇用対策についてお伺いをいたします。
 雇用課題として、依然として低迷する雇用状況、若年者の早期離職増、雇用のミスマッチなど顕在化、職業観の欠如などがあります。企業や雇用主が常用雇用を目指すのではなく、パート、期限つきなどへの雇用形態へ移行しており、雇用対策を取り組んでも、こうした壁に突き当たり限界を感じると思います。2カ年間、雇用対策を重点施策として取り組んでいますが、その中でどのような課題が明らかになったんでしょうか。例えば、一定数以上の解雇は、事前協議や届け出制を義務づけるなど、国や関係機関が主体的に取り組んでもらわなければならない、解決できないことがあったと思います。どのような課題が明らかになったのか、お聞きします。そして、これら課題は制度改正や制度の創設、政策をもって解決されることになろうと思いますが、実現のためどう働きかけてきたのかお聞きします。
 雇用の確保は、雇用を受け入れる企業や雇用主の意向によるところが大きいものと思います。企業や雇用主が雇い入れるに当たり、県や行政機関にどのような要望、支援を求めているのか、それを把握して対応すべきです。求められている支援の内容、要望、これらを支援するための制度化などについてどう取り組まれてきたのか、お聞きします。
 緊急地域雇用創出特別基金の活用による雇用創出は、平成16年度終了します。臨時・応急的な雇用対策から、今後は常用雇用、若年者の雇用対策へ軸足を置いて取り組むことが必要です。
 若年者対策については、若年者就職支援センターが中心となって取り組んでいます。ジョブカフェいわての実績は、新規来訪者の就職率は10%前後になっています。ジョブカフェについては、数値目標を示し努力することが必要ですが、いかがでしょうか。
 常用雇用の確保を図る必要がありますが、一方で、県は行財政構造改革プログラムに基づき、外部委託等による職員体制のスリム化や特殊勤務手当の見直しに加え、管理職手当の支給額抑制などにより、総人件費の抑制に努めているとしています。県が外部委託、職員体制のスリム化、総人件費の抑制を推進する中で、民間に対しどのような方途を持って雇用拡大をお願いできるのでしょうか。説得力があるのでしょうか。県は、一団体として雇用の確保に向け、どのような取り組みを講じていくのかお聞きします。
 また、常用雇用確保は産業界との連携等によるところも多いと思いますが、どのような施策をもって対応していくのか、お聞きします。
〇竹内副知事 2年間の雇用対策への取り組みに関する課題についてでございますが、これは二つほどの大きな課題が出てきております。
 その一つは、実感のわく雇用創出に余りつながっていないんじゃないかということでございまして、これは国の基金を活用した臨時緊急的な、いわゆる短期雇用としてはその成果を上げたわけですが、常用雇用につながっていないため、実感がわかないとの声が聞かれたことでございます。
 それから、このことについては、国の基金事業は今年度で終了いたしますので、今後は県としての産業振興策、いわゆる産業を振興するということを強化いたしますとともに、雇用創出のための支援策をなお強化しながら、常用雇用の創出に努めてまいりたいと考えております。
 2点目は、若年者の就業支援のことでございます。
 若年者を取り巻く雇用情勢は依然として厳しく、特に就職後における早期離職の問題、それから離職後におけるいわゆるフリーターの増加の問題が課題としてこれはかなり顕著になっております。このため、1人でも多くの若者が希望する職につけるよう、ジョブカフェを中心とした若者の就職支援サービスの充実に努めますほか、地域における産業人材確保の観点から、ジョブカフェのサテライトセンターなどを中心といたしまして、NPOの参加などを視野に入れた、それぞれの地域における主体的な取り組みを促進してまいりたいと考えております。
 それから、企業や雇用主からの意向等の把握ついてでございますが、これまで各地方振興局に配置いたしました地域雇用相談員による企業訪問、産業人材育成に係る企業インタビュー、さらには、昨年ジョブカフェいわてで実施いたしました県内企業に対する人材ニーズ調査などによりまして、企業側の要望の把握に努めております。当面、これまで行ってきた地域雇用相談員制度を活用いたしまして課題を的確に把握するなど、これからも雇用の受け皿となる企業側の要望にこたえられるように、産業人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
 それから、ジョブカフェいわてについてでございますが、その利用実績は、昨年7月1日のオープン以来3、606人が訪問しておりまして、2回以上の来訪者もカウントいたしますと、延べ9、068人の利用になっております。このうち、就職に結びついたのは432人となっております。来館者数は目標の7、000人を上回っておりますが、就職者数は2月末で目標の500人にまだ到達していませんので、これは年度内の達成を目指してさらに努力していきたいと考えております。
 それから、県として職員体制のスリム化のお尋ねがございました。
 行財政構造改革プログラムによる職員体制のスリム化は、事務事業のアウトソーシングを活用した行財政の効率的な執行を目的としているものでございまして、事務事業のアウトソーシングは、民間経済活動の活発化とあわせて、民間により多くの雇用の機会をもたらすものと考えております。
 なお、県として、雇用確保につきましては、若年者の就職支援の観点から、ワークシェアリングとして平成16年度に86人の実績がございまして、平成17年度におきましても83人の採用を見込んでいるところでございます。
 それから、常用雇用を生み出す産業界との連携についてでございますが、常用雇用による新規雇用を生み出していくためには、産業界との連携が不可欠でございます。県では、平成17年度、産業振興を重点施策の一つに掲げておりまして、今後とも、企業に対する新規雇用拡大の要請を行いますほか、ジョブカフェを応援する企業応援団とも言えるジョブカフェサポーターズがことしの1月に発足いたしておりますので、これら企業との連携をさらに強めて、常用雇用の創出につなげていきたいと考えております。
〇阿部富雄委員 次に、知事の資産公開についてお聞きいたします。
 知事の資産公開条例については、一昨年の6月議会、昨年の6月議会において否決されましたが、知事は、任期中の条例案の提案は行わず、自主的に公開するとしています。公開の仕方として、知事の資産の公開と同じ場所で、一覧性のある形で見られる方が県民にわかりやすいことから、県の行政情報センターで閲覧できるよう、条例に基づかない規則を根拠として公開するとしている。
 そこでお伺いいたしますが、最初の議会提案時と同様に、配偶者、子供の分も、来年の知事資産公開のときからあわせて公開するよう内容を検討していくとしていましたが、これらの資産公開はどういう形で行うのか。また、公開の内容として、普通預金などの金融資産などについては検討課題としてきたが、これらを含めて公開するのか。
 公開のための規則は、後々の知事を拘束することになるが、議会が否決していることにかんがみるとともに、知事の信念として公開するのであれば、時限規則での対応も可能と考えるが、どのように対応されるのかお聞きします。
〇増田知事 資産等の公開の関係ですけれども、これにつきましては、県議会におきます議論なども踏まえましてこれを公開いたしますけれども、自主的に公開ということにしたいと。配偶者とそれから子供、子供の資産についても自主的に公開をすると、こういうことで考えております。
 それから、その場合は、私の方の資産公開の内容に準じて書類を作成して、それで行政情報センターで閲覧できるようにしておきたいと。私の書類と合わせて、しておくのが見やすいと思いますので、そのようなやり方を考えています。そして、その場合には、書類を保管する。その保存期間とかそれから閲覧の手続、それを定める必要がありますので、時期としてはことしの6月30日からの閲覧の際に合わせてやろうと思っておりますが、そういった手続的な規則を定めて、それで公開をしたいということで、現在その準備を進めています。
 それからこの規則ですけれども、これについては自主的に提出された書類の取り扱い手続を定める、そこの手続だけを定めるものでございますので、後々の知事を拘束するものではございません。拘束はしないものでございます。
 それから、この公開について議論としては大きく二つございまして、その対象の範囲、配偶者とか子供まで広げるのかどうかという点と、それからあと、公開する資産の内容、その内容をどうするかという大きな論点が二つあったんですが、今お話がございました普通預金等の取り扱いですけれども、これについては金融商品もさまざまあるわけでございまして、これについてどういう範囲までするかというのは大分議論が、こちらの点については分かれているようでございますので、配偶者にするか子供にするかとか、その対象の拡大については、もう既に他の公共団体の例ですとか、それから閣僚の場合の例などもあるんですけれども、金融商品の内容等、資産に係る部分については、かなり資産公開制度、根幹にかかわる議論で議論が分かれていますので、こちらはまだ時間をかけて検討すべき課題だと考えています。ですから、任期中に公開に踏み切るわけですが、その際には、対象の範囲を配偶者や子供の資産に拡大をして、それから普通預金等の取り扱いについて、普通預金等については対象にしない形での公開を今考えているところでございます。
〇佐々木順一委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事初め、執行部の皆様は退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時54分 休 憩
   午後1時2分 再 開
〇田村誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより、各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査を終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めるものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長から議会関係の説明を求めます。
〇武田議会事務局長 平成17年度の議会関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 議案その1の6ページをごらん願います。第1款議会費は、総額14億1、091万円余でありますが、この詳細については、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の81ページをごらんいただきたいと存じます。まず、1目議会費の9億8、880万円余は、議員49名分の報酬、旅費等の議会運営に要する経費であります。次に、2目事務局費の4億112万円余は、議会事務局職員34人分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費であります。次に、82ページをごらん願います。3目議員会館費の2、099万円余は、議員会館の管理運営に要する経費であります。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇田村誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐藤正春委員 軽く質問いたします。
 知事がおられないので寂しいんですが、知事は、どうも自分の政策がうまくいかない。これは、職員が余り協力しないんじゃないかというので、最近は職員の表彰制度というものをつくったようでございます。この表彰制度というのは、言ってみれば知事に対する忠誠心、上司に対するごますり度――と言っては悪いかな――、そういうものを含んでおりまして、余り評判はよくない。最近、庁舎を歩いても、職員は白目を出して歩いている、上目遣いに。非常にそういうものがあるわけでございますが、ところで、議会の事務局は私どもと非常に密接な関係があるわけでございまして、聞いたところ、議会の事務局の職員はまだ表彰していないんだそうです。
 そこで伺うんですが、議会事務局の職員というのは、議会あるいは我々議員に対していろいろサポートしたり調査をしたりする立場にあるわけです。したがって、議員のために一生懸命やればやるほどほかの部局の部長からにらまれる。かといって、議員に余りいい質問をされては困るので当局側に回ると今度は議員から怒られる。非常につらい立場にあると思うんです。そこで、議会事務局の表彰などというものは、私はやはり議員のために一生懸命やってくれる職員が表彰されるべきものである、こう思っているんですが、局長はどうですか。表彰に対してどういう基準で議会事務局の職員の表彰をなされるんですか、これを質問したい。
 もう一点ですが、私は、議会に来るたび、けさもそうなんですが、まず、議会棟に入ると、入り口の守衛さんに、せっかくつくっていただいたので、議員証を見せて入ってくるんです、ほかの議員さんはどうかわからないんですが。私の議員証は、ナンバー50佐藤正春、入ってくるんですね。自民党の控え室に行って、本会議になって、ベルが鳴る。うちの女性職員に、正春さん、バッジを忘れないでつけてくださいよと、こう言われるんです。そこで私は、かつて議員章着用規程というものがありまして、これは第1条で、議員は記章をつけなさいと書いてある。ずっとつけていた。ところが、余りつけると、もう20年になるものだから服が傷むんですよ。そこで最近は、議員証をいただいたのでもっぱら議員証を使って入場しているんです。ところが、どういうわけか議員証の携帯規程というのはないんですね、見るところ。もちろんバッジの場合も、着用しないからといって特にペナルティー――罰則はないわけなんですが、これはどうなんですか、両方持つべきなんですか、それとも片方持った方がいいんですか。議会の方ではどういうふうにこれをお考えなのか。両方持てというなら両方持たなければいけない。なるべくなら私は服が傷まないように議員証だけにしたい、こう思っているんですが、この2点について軽く質問をいたします。
〇武田議会事務局長 最初の御質問は御激励の言葉と承り、痛み入る次第でございます。
 議会におきます事務局職員の所掌事務は、地方自治法により、議会の庶務を掌理することとされておりますが、御案内のとおり、議会活動及び議会運営、最近におきましては、議員発議による政策条例の策定等、すべて議員の皆様方の意思及び意思決定により、とり行われてところでございます。事務局は、こうした議員の皆様方の活動及び運営のサポート役として業務を遂行しているものでございます。したがって、事務局はあくまでもそうしたサポート役としての庶務を掌理しているものであり、執行部における職員みずからによる施策の形成あるいはその推進とは、そういう意味では異なるものでございます。ただし、執行部における行政執行も、県議会におけるチェック機能等も、顧客はあくまでも県民であり、県民のため、県民福祉の向上のためそれぞれ役割を担い、業務遂行あるいは活動をしておりますことから、その目的とするところは同じものと理解しております。表彰を行うとした場合も、そうした観点でもって評価すべきものと考えております。
 それから、バッジにつきましては、両方携帯という規定はございませんけれども、規程でもって定めておりますのでやはり通常バッジは着用していただき、議員証につきましても携帯していただくようにしていただきたいなと……(佐藤正春委員「両方か」と呼ぶ)、そう思います。
 いずれ、議会運営委員会等でこういうことにしようということでお決めになったものでございますから、議員の皆さんが決められたことでございますので、それを守っていただきたいと思う次第でございます。
〇田村誠副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村誠副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長から総務部関係の説明を求めます。
〇時澤総務部長 総務部所管に係る予算審議をいただくに当たりまして、まず、総務部の平成17年度当初予算編成の基本的な考え方について御説明申し上げます。
 第1に、緊急課題への対応として防災対策を総合的に推進しようとするものであります。
 昨年は、台風の日本列島上陸が10回に及んだほか、10月の新潟県中越地震、12月には、死者、行方不明者あわせまして30万人を超える災害史上例を見ないスマトラ島沖地震に伴うインド洋津波災害が発生いたしました。改めて災害に対する日ごろの十分な備えの重要性を認識したところであります。
 本県におきましては、宮城県沖地震の発生確率が2033年までに99%と評価されており、高い確率での発生が予想されることから、これを前提とした地震・津波防災対策に万全を期してまいります。
 具体的には、災害対応プログラムの作成、図上訓練の実施など災害時の初動体制を強化するとともに、衛星系無線設備のデジタル化等による防災情報通信体制を整備します。また、津波避難対策の推進、地域防災力の向上を図るため、観光客、釣り客等を対象とした意識啓発を図るほか、災害による被害軽減を図るため、地域住民の連帯意識に基づく自主防災組織の結成、育成に取り組んでまいります。
 第2に、本県の財政状況は、多額の県債残高を抱える中にあって、歳入においては、県税収入に伸びが期待できない上、国の財政構造改革の影響等により、地方交付税、国庫支出金の減収が予側されるとともに、歳出においては、公債費の増嵩に加え、大規模プロジェクト事業の推進に要する経費が増加するなど、多額の財源不足が見込まれる状況にあります。
 このような中、持続可能な行財政構造の構築を目指し、平成18年度までにプライマリーバランス均衡を達成します。
 また、組織・職員体制のリエンジニアリングを進める中で、最小限の人的資源で組織力を最大限に発揮できるよう、採用から育成、評価、任用まで一貫した新しい人材育成システムを構築し、顧客指向、経営視点、働きがいを徹底した組織能力の向上を図るほか、いわてマネジメントシステムの展開拡大によるカイゼン活動のさらなる徹底に取り組みます。
 県税収入の確保対策の強化を図るため、軽油引取税などの課税捕捉調査の強化を図るほか、平成17年度から運用を開始する滞納整理支援システム、自動電話催告システムを活用し、滞納額の圧縮を図ります。また、県有未利用地等の処分の促進を図ってまいります。
 以上のような考え方のもとに施策を進めてまいりたいと考えております。
 次に、総務部関係の歳出予算につきまして説明いたします。
 お手元の予算に関する説明書で説明いたしますので、83ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費20億3、409万円余のうち、総務部関係予算は、説明欄記載のとおり13億9、361万円余となっており、その主なものは、職員の人件費及び一般管理事務費等の管理運営費であります。また、説明欄の最下段の共通経費は、人事異動に伴う赴任旅費や交際費等に要する経費であります。84ページをお開き願います。2目人事管理費は46億9、655万円余で、その主なものは、退職手当に要する経費であり、若年者就労支援費は、若年求職者を対象に、県の業務を実地に体験することで民間企業への就労促進を図ろうとするものであります。3目文書費は、法規審査事務、文書収発等に要する経費であります。次のページに参りまして、4目財政管理費でありますが、財政調整基金、公共施設等整備基金及び地域振興基金の果実収入の積み立てが主なものであります。86ページをお開き願います。6目財産管理費は、県庁舎、地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理等に要する経費などであり、次世代衛星系通信施設整備費は、衛星系無線設備について、デジタル化に対応するための経費であります。次のページに参りまして、7目県外事務所費は、東京、大阪、福岡等の県外事務所及びいわて銀河系プラザ等の管理運営に要する経費であります。8目公会堂費は、県公会堂の管理について、指定管理者制度を導入し、指定管理者に管理を行わせるために要する経費であります。9目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費であり、10目諸費は、宗教法人設立認証事務等に要する経費であります。
 次に、飛びまして96ページをお開き願います。4項徴税費でありますが、1目税務総務費は、税務関係職員の人件費等の管理運営費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
 次に、100ページをお開き願います。6項防災費1目防災総務費は、防災関係職員の人件費等の管理運営費、航空消防防災体制強化推進事業費及び津波防災緊急対策推進費等が主なものであります。2目消防指導費は、消防学校運営費及び救急業務高度化推進費等が主なものであります。
 次に、大きく飛びまして239ページをお開き願います。10款教育費8項大学費1目大学費は46億5、540万円余でありますが、平成17年度から県立大学を公立大学法人に移行することに伴いまして、県立大学及び同短期大学部の運営に必要な経費を交付金として交付するものであります。
 次に、240ページをお開き願います。9項私立学校費は53億8、044万円余でありますが、その主なものは、私立学校運営費補助、私立幼稚園施設整備費補助等であります。
 次に、少し飛びまして247ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち、総務部関係予算として1、230億8、379万円余であります。公債費の総額は1、492億2、092万円余であり、前年度比で0.7%の減となっております。
 次に、251ページをお開き願います。13款諸支出金4項地方消費税清算金は110億5、810万円余の計上額であります。
 次に、252ページをお開き願います。5項利子割交付金は5億2、832万円余、次のページの6項配当割交付金は5、643万円余、254ページの7項株式等譲渡所得割交付金は3、808万円余、次のページの8項地方消費税交付金は132億9、447万円余であり、256ページ、9項ゴルフ場利用税交付金は3億315万円余、次ページに参りまして、10項特別地方消費税交付金は52万円余、258ページ、11項自動車取得税交付金は25億9、087万円余で、いずれも市町村に交付するものであります。
 次のページに参りまして、12項利子割精算金は16万円余の計上であります。
 次に、260ページをお開き願います。14款予備費は、前年度と同額の3億円を計上しております。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 議案その1の14ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、事項欄の47と48が総務部関係であります。47は、県庁舎管理費に係る照明器具等改修工事に係るもので、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。48は、公会堂管理運営費に係る管理業務委託に係るもので、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 議案その2の5ページをお開き願います。議案第24号岩手県職員定数条例の一部を改正する条例でありますが、これは、より適切な職員数の管理を図るため、海区漁業調整委員会の事務部局の職員、県立学校の職員及び市町村学校の職員の職員定数を定めるとともに、監査委員の事務部局における業務量の増加及び警察官の増員に対応するため、職員定数を増加する等所要の改正をしようとするものであります。
 次に、35ページをお開き願います。議案第41号公会堂条例でありますが、これは、公会堂の管理を指定管理者に行わせ、及び利用料金を指定管理者の収入として収受させることとするとともに、あわせて所要の整備をするため、岩手県公会堂条例の全部を改正しようとするものであります。
 次に、45ページをお開き願います。議案第45号岩手県県税条例の一部を改正する条例でありますが、これは、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律の施行に伴い、個人の事業税、不動産取得税、自動車税及び自動車取得税の減免の対象とする災害に武力攻撃災害及び緊急対処事態における災害を加えるとともに、あわせて所要の整備をしようとするものであります。
 以上、総務部関係の議案について御説明申し上げました。よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
〇田村誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 86ページの各種審議会運営費について関連して1点だけお伺いしたいと思います。
 現在、県のいろいろな審議会が数多くあると思うんですけれども、そのメンバーにつきまして、有識者――大学の先生等――あるいは法曹界、そういった方々が必ず入るようになっておりますけれども、弁護士さんが参加をしている審議会というのは幾らぐらいあるんでしょうか。といいますのは、岩手県は弁護士の過疎地と言われておりまして、現在、41事務所に50人の弁護士がいるようでありますけれども、この方たちのうち何名ぐらいがいろいろな県の審議会の委員に委託されているのかお伺いしたいと思います。
〇圃田総務室長 ただいま数字を持ち合わせておりません。後ほど調べて御報告申し上げたいと思います。
〇伊藤管財課総括課長 ただいまの86ページの各種審議会運営費でございますけれども、これにつきましては、私どもが所管しております財産評価審議会の運営に要する経費でございます。
〇伊藤勢至委員 ちょっと角度、方向が悪かったかもしれませんし、通告もしていなかった形で申しわけないんですが、言いたいのは、岩手県に対して県民が訴訟を起こしたいような場合に、民訴の場合、当然弁護士に頼むわけです。そうすると、こういう審議会の委員になっている弁護士さんは、岩手県の審議会等に所属をしているので受けられません、こういうことになるようでありまして、そうなりますと、今後、環境問題とか廃棄物の問題あるいは公社、公団に対して県民がいろいろな民訴を起こしたいような場合に、弁護士を選ぶ権利を半分以上失ってしまうんじゃないか。つまり、仙台、東京から弁護士を頼まないと引き受けてもらえないようなことが発生するとすれば、結果的に県民が裁判をする権利を半分ぐらいふさいでしまっているのではないか、そういうことから実は調べてもらいたいと思いましたので、今どうのこうのではありませんけれども、いずれ調査をしていただいて、県民が県に対しての訴訟についての窓口を閉じることのないように対処していただきたいとお願いして終わります。
〇嵯峨壱朗委員 初めに、昨日の阿部委員の質問にも若干関連しますけれども、平成17年度当初予算の中で、県税収入が前年対比0.7%減、1、082億円余を見込んでいるわけですが、東北6県の平均値でも2.2%増を見込んでいる中で、本県のみが税収減を見込んでいるわけです。他県との比較で、理由というか原因というものをどのように考えているか、また、他県との相違は何なのかお尋ねします。
 もう一点は、平成17年度の予算調整要領というのがございますけれども、その第1の全般的事項の3の中で、県が行う大規模な施設の整備については新たな着工の抑制を図るとともに、着工済みの施設についても整備期間等の見直しを行い、その必要性や緊急性を十分に検討した上で調整することと書いております。また、施設整備に当たっては云々とあるわけですけれども、こういった要領に基づいて調整なり見直した施設、対象はどのようなものがあったのかお聞かせ願えればと思います。
 まとめて言いますが、北海道、名古屋、大阪、福岡の四つの北東北3県の合同事務所があるわけですけれども、合同にして開設した効果はどういうものがあるのかお伺いしたいと思います。
〇千葉税務課総括課長 平成17年度の県税収入の見積もりについてでございますけれども、本県は、今、委員からお話がございましたように、前年度との当初予算対比で0.7%減としているところでございますが、東北各県の状況について承知している範囲で若干御説明申し上げますと、宮城県が4.1%増と一番伸びております。これは、本県との産業構造、産業集積度等の違い等によるものではないかと考えているところでございます。また、青森県は2.0%増ではございますけれども、法定外税の核燃料物質等取扱税を除きますと2.9%の減、秋田県は0.4%の微増でございますので、北東北3県はおおむね同様の状況にあるものと認識いたしております。
 税収見積もりに当たりましては、平成16年度の決算見込み額をベースといたしまして、地方財政計画における税収見込み額などを参考にしながら、本県の実情に即して積算したものでありますが、ベースとなっております平成16年度決算見込みにつきましては、他の都道府県では、この2月議会で増額補正を行っているところが多いところでございます。本県につきましては、平成10年度以来6回目でございますが、総額としての補正を行わないこととしたところでございまして、この平成16年度の予算編成時の税収見積もりにつきまして、総額としてはおおむね的確に見込んだ結果ではないかと考えております。
〇菅野予算調製課総括課長 大規模事業の見直しに関してでございますが、これは、今の非常に厳しい財政事情にかんがみまして、おおむね5億円以上の大規模な施設整備事業につきまして、行革プログラムに基づきまして、平成16年度――1年前になりますが――の予算編成に当たりまして、事業ごとの必要性、緊急性等を検討した上で、事業費や実施時期の見直し、繰り延べ等を行うことにしたところでございます。
 平成16年度におきましては、例えば職員公舎ですとか警察の待機宿舎、こういったものについて当面整備を凍結する。また、新空港ターミナルビル整備事業、エコパーク平庭高原整備事業等につきまして完成年度の繰り延べを行ったところでございます。また、盛岡駅西口複合施設整備事業、こういったものについても事業費の抑制を行ったところでございます。
 平成17年度の予算編成におきましても、事業のより一層の選択と集中を図る観点からさらに再見直しを行ったところでございまして、平成16年度に凍結したものにつきましては引き続き新規着工を見送る、また、盛岡駅西口複合施設整備事業につきましては、さらに事業費の圧縮を行ったところでございます。
 一方、こういう見直し、圧縮ということだけではございませんで、やはり進めなければならない事業もあるわけでございますので、青森県境の不法投棄事案ですとか高等学校の耐震診断・改修工事、こういったものにつきましては昨年度に比べまして予算を重点的に配分いたしまして、より選択と集中を図る観点から優先的に予算配分を行ったところでございます。
〇立花総務室管理担当課長 県外事務所の合同化による効果についてのお尋ねでございますけれども、福岡事務所は新設のときから合同で設置したわけでございますが、北海道事務所、大阪事務所、名古屋事務所は、それぞれ単独で設置していた事務所を合同化したところでございます。
 合同化によりまして、それまで各県がそれぞれ別個に設置していた事務所を1カ所に集約したほか、組織体制につきましても、それぞれ設置しておりました管理職――所長でございますけれども――を各県共通の所長といたしましたし、また、その他の職員につきましてもそれぞれ併任発令することで一体的でスリムな組織としているところでございます。さらに、各県がそれぞれ設置してきました観光相談員とか出稼ぎ相談員を共同で設置したり、あるいは県産品の販路拡大とか観光客の誘致活動、こういった事業につきまして3県が協力して実施しているところでございます。
 こうした合同化によりまして、まず、事務所を集約することによりまして賃借料の節減を図っているところでございます。それから、観光相談員や出稼ぎ相談員は共同で設置して縮減を図ったところでございまして、合同化をいたしました北海道、名古屋、大阪の3事務所につきましては、その合同化によりまして約1、100万円の節減効果があったところでございます。
 また、組織体制につきましては、共通の管理職を置くことによりまして、福岡事務所が平成14年度から3名体制から2名体制に、北海道事務所は平成17年度から2名から1名体制とする計画としているところでございまして、組織のスリム化を図っているところでございます。
 さらに、観光・物産振興の面では、例えば福岡事務所のアンテナショップの売り上げが、3県による多様な品ぞろえによりまして、平成11年度当初では9、900万円ほどの売り上げであったものが、平成15年度では1億5、000万円余の約1.5倍の売り上げに拡大したり、また、3県による広域的な観光ルートを旅行代理店に情報提供することなどによりまして、いろいろな面で効果を上げているものと認識しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 初めの質問についてですけれども、軽油引取税とかさまざまな、いわゆる景気が悪いことによって影響を受ける部分の県税が減っているのではないかという説明もあったと思うんですけれども、何を言いたかったかというと、急激な歳出削減を平成15年、16年とやってきたわけですけれども、そういったものの影響が岩手県の場合はあったのではないかということを言いたかったのですけれども、そういった面ではどうなんでしょうか。
 それと、北東北3県ですけれども、今の説明ですと、賃借料と人員縮減によるコスト面の効果のみのように聞こえたわけですけれども、それはいいことでしょうけれども、本来やるべき業務が、岩手県だけで出していた事務所でやっていたときと比べておろそかになっている面はないのでしょうか。そういった心配をするわけですけれども、どうでしょうか。
〇千葉税務課総括課長 今のお尋ねに関してでございますが、ちょっと異なるものでございますが、昨年度も御答弁した経緯がございます。去年は、公共事業の削減等で税収等に影響があるのではないかというお尋ねもございまして、県の産業連関表等で試算しますと、個人県民税にはやっぱり減額ということで影響は出ている。法人事業税につきましては、個々の法人活動でいろいろなものがございますのでちょっと推測できないというような御答弁を申し上げたことがございます。今、具体的な数字等を持ち合わせておりませんので数値的には御説明できませんが、今のお尋ねに対しましては同様のお答えということにさせていただきたいと思います。
〇立花総務室管理担当課長 事務所の合同化によりまして本来業務がおろそかになっていないかというお尋ねでございます。先ほど申し上げましたように、合同化によりましてメリットが出てくるような、例えば事務所の集約化とか、それから観光の相談あるいは出稼ぎ者の相談業務あるいは観光・物産振興につきましては共同で実施しているところでございますけれども、本来事務所が必要としておりますいろいろな情報の収集とか、あるいは名古屋とか大阪でやっております企業誘致活動といった面につきましては、それぞれ所要の人員を配置いたしまして、県のそれぞれの事業につきましては適正に実施していると考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 3県合同事務所についてですけれども、私が何で聞いたかというと、3県でさまざまな事業を進めつつあるわけですけれども、ために3県事務所をつくっているのではないかというふうにしか見えないんです。本当に必要なのかという気がしております。例えば今の説明で出稼ぎ云々という言い方をしますけれども、観光でもそうですけれども、広域のエリアでどうこうという面もあるでしょうけれども、利害は一致しないだろうし、出稼ぎだってかなり細かいわけですから、久慈から行った人もいれば三厩の人もいるだろうし、恐らくそういうのは3県合同でできるようなものではないのではないかと思うんです。ですから、非常に疑問を持って聞いているんですが、どうなんでしょう、今までやっていた事業についても実際に効果は上がっているんですか。
〇圃田総務室長 業務の共有部分を3県合同によって縮減できますので、その業務部分を本来業務等に集中的に充てるということでは非常にメリットがあると思います。確かに基本的には各県それぞれ競争の部分はあるかと思いますけれども、そういった中で、それぞれの品ぞろえ等も含めて、いろいろ他県のいい面とか、そういったものを含めて、競争しながらという部分でも非常に成果が上がっていると思っておりまして、委員の御心配のようなことは今のところは出ておらないと思ってございます。
〇田村正彦委員 数点お伺いしてまいりたいと思います。
 総務部が財政再建の先頭に立って頑張っておられることは承知しております。そこで、県財政再建の中で、例えば高校再編だとか県立病院の再編問題あるいは福祉施設の民間委託、各担当部局でいろいろな改革案が出てきて、今、盛んに地元とのいろいろなことがあるわけなんですが、これは言うなれば、総務部の財政再建策の一環として、意向のもとに行われているものか、それとも、それぞれの部局が単独で、これではいかぬということで、それぞれの部局の発想でああいったいろいろな転換策がなされているものか、これをまずお尋ねいたしたいと思います。
 それから、部長の冒頭のあいさつにも最重点事項ということで防災対策、特に津波対策が挙げられておったわけですが、我々山育ちの者にとってはぴんとこない面があるんです。国がやるべき津波対策、そして県がやるべき津波対策、そして市町村がやるべき津波対策、この区分けが何か見えてこない。この間のスマトラ沖津波のいろいろな報道の中あるいは検証の中で、例えば100キロ沖に検潮儀を200キロの距離間で設置する、そのことが人命の保護というんですか、逃げる余裕を得るために非常に必要なことではないのかという意見もありますし、そういったものは私は国ですべてやるべきものだと思いますが、そしてまた、例えば50キロのところの範囲内での検潮システムは県でやるとか、いろいろなやり方があると思うんですが、国、県、各自治体の役割分担をどう図っていくのか、国の考え方というのがおわかりになっていれば教えていただきたいと思います。
 もう一つは、これも先ほど来大変話題になっておりますが、職員の表彰制度、私は、表彰だけではなくて、ぜひ報を加えてもらいたい。報奨制度も一つの観点としてとらえるべきではないのか。いろいろ私も各地方振興局を回る機会があるんですが、例えば、土地改良なら土地改良、この工事に対して予算額はこのぐらいあったんだ。でも、我々は努力した。道路の厚さも地元の人と協議を重ねて薄くしたり、あるいは工法を変えたり、いろいろな努力をして、予算の例えば6割で十分に機能を果たせる施設が建設された。こういったものを顕彰するシステム、努力を顕彰する。確かにあなた方はこういう努力の結果、すばらしい結果を出しましたよ、そういう顕彰するシステムと、あえて言うならば、その効果というのを認めていただいたら、変な極端な話ですけれども、翌年の土地改良予算には節約した部分の8割ぐらいは上乗せで認めるとか、そういう報的なもの、報奨的なものも加えることによって職員の意識高揚、やる気が起きてくるのではないのかと思うのですが、いかがでしょうか。
 とりあえずこの2点お尋ねします。
〇時澤総務部長 まず、私から、病院とか学校とか、財政構造改革を含めての観点と総務部のかかわりの御質問についてお答えしたいと思います。
 県の方で策定いたしました行財政構造改革プログラムは、県全体として、各部局集まった上で現在の財政危機をどうやって乗り越えていくか、さらに、持続可能な行財政構造に転換していくかということを各部局、医療局も企業局も教育委員会も含めて集まって議論をしながら決めていったことでございます。したがいまして、今の危機的な状況をどう乗り越えていかなければならないかということについては共通の認識があると考えております。ただし、それを前提とした上でも、個々の施策につきましては、やはりそれぞれの事情をしんしゃくしながら考えていかれていると考えております。例えば医療でありますと、県民に対しての適切な医療提供というサービスを県が行わなければならないわけでございますので、そういった観点での議論を踏まえて現在の改革プランができていると考えておりますし、高校の後期再編プランにつきましても、どのような形の再編をしていくことが県民にとって一番望ましい姿かということを踏まえての観点でございますので、財政再建優先的な発想で私どもがすべて物事を申し上げているということではございません。それぞれの背景なりを踏まえたものとして各部局で判断をしている。ただ、やはり財政再建あるいは持続可能なものに向けての共通認識というものはあると考えております。
〇高橋防災消防担当課長 津波に関する観測体制ということでございます。国、県、市町村のそれぞれの責任の分担ということでございますけれども、ただいま、津波に関します観測といたしましては、気象庁が気象業務法に基づいてやっております。それから、国土地理院――国でございますけれども――などがやっておりますけれども、気象業務法のほか、個別の法律に基づいていろいろ調査なり観測をやっているという体制がございます。
 それから、県でございますけれども、県は、具体的に観測とかそういう法的なものはございません。防災対策といたしまして、迅速な避難対策とか、そうした面から必要なものをやっているということでございますし、市町村におきましても、例えば潮位計、波高計の設置でありますとか、そういう地域に合った避難対策の一環としての調査なり観測なりをやっているのが現状でございます。特に三陸沿岸につきましては、海溝型の地震対策特別措置法におきましては観測体制の強化がうたわれてございますので、今後、そういう法的な部分から、いろいろ国でやること、県でやること、それから市町村でやること、そういうものがはっきりしてくると思いますけれども、県といたしましては、いずれ観測機器のネットワーク化とか、そういったものを検討し、防災対策、避難対策に生かしていくという考え方で対応しているところでございます。
 なお、国の研究機関などでも、例えば津波の深海における地震計の設置ですとか個別に研究をしているところもございますので、そういった情報なり成果というものを県の対策に生かしていきたいと考えております。
〇菅野予算調製課総括課長 表彰に報奨を加えるべきではないかという御指摘をいただきました。おっしゃるとおり、例えば公共事業等で、受益者、県民の方々といろいろ相談してコストの節減を図っていく、これは非常に大事なことでありまして、職員が最もやらなければならない部門だと思っております。ただ、それをやったことによって事業費が減って、結果的に自分らの使う事業費も減ってしまう、そういうことではやっぱり非常に委員御指摘のとおり、インセンティブが働かないということがございます。実は、私どもにおきましても、いわゆる効率的な予算執行を図る観点から、節減した予算につきまして、翌年度もしくは翌々年度の予算に加算するシステムを入れてございます。公共事業につきましてもこれの対象になりますので、例えば、今、委員から御指摘のありましたとおり、いろいろ工夫して工期を短くした、かついろいろ設計、施工を工夫してよりコストを下げた、それによってこのくらい浮きました、そういったものについては、各部局と予算調製課――私どもといろいろ御相談をしながら、それがいろいろな工夫で節減したものだということが明らかになるものであれば、これを翌年度または翌々年度に加算するということの対象になるものでございます。
〇小川人事課総括課長 順番が前後いたしましたが、表彰制度のことでございますが、県では、岩手県表彰規程、岩手県職員表彰実施要綱に基づきまして、永年勤続者とか事績顕著者につきまして従来から表彰制度はございます。また、岩手県部局長及び地方振興局長職員表彰実施要綱に基づきまして、同じように部局長表彰制度もございました。ただ、実際は、事績顕著などで日本とか世界で通用するような業績を上げましても、給与的に報いられる仕組みというのがありません。記念品とか、そういうものを差し上げるという形になっております。そういう現状が課題としてありましたものですから、そういう職員のやった成果をきちっと評価して表彰をもっときっちりやっていこうということで、事績顕著につきましても、それから部局長表彰を受けた者に対しても勤勉手当等できちっと対応していこうということで昨年の10月から一層の表彰制度の充実を図ったところでございます。
〇田村正彦委員 表彰制度、報奨制度についてはよくわかりました。ただ、一番最後の、大過なく20年勤め上げたとか30年勤め上げた、そういったものも確かに必要でしょうけれども、事績のあった、いわゆる成果の上がった人たちをいかに今後の意欲につなげるかというのが一番大事だと思うので、その辺のところはぜひ認識していただいて今後考えていただきたいと思っております。
 財政問題については各部局とも共通認識のもとで行っているという部長のお話でした。確かにそうでしょうけれども、我々商工文教委員会に所属しているんですが、例えば高校再編についてもその辺のところが出てこないんですよね。財政再建という共通の認識も片方にはあるんですよということが出てこない。確かにこれは金がないからそうやるんだとは言えないと思いますけれども、ただ、そういった意識というのは、今の県の財政状況を見た場合に、県民にぜひ認識してもらう必要が私は絶対あると思うんです。例えば、県の財政にしたって、来月使うお金がないから短期で岩手銀行から200億円借りなければ何ともならないというようなやりくり算段でやっているんですから、そういった県の財政の状況というものもやっぱり県民に理解してもらわなければならない。そういう働きかけとまではいかなくても、そういう認識の一部でも県民に持ってもらう必要は私はあると思うんです。そうでなければなかなか財政再建なんかできない。私は、そういう観点から、病院再編にしても高校再編にしても今いろいろな改革案が出ている中で、これの根底にあるのは、やはり県の財政の状況もこうなんですよという説明責任といいますか、それはぜひやるべきだと思っておりますが、そういったものに対しての御認識はいかがなものでしょうか。
 防災の津波の対策ですが、津波については、命を守るのか財産を守るのか、両方もちろん守らなければなりません。でも、当面何を一番守らなければならないか、やっぱり私は命だと思うんです。そのためには、どうしたって早い段階での津波の予知を徹底させる。例えば、20分後には来ますよ、せめてこれぐらいの体制は整えておくべきじゃないのか。20分あれば、幾ら足の遅い老人でも500メートルは進めると思うんです。岩手県内の沿岸地帯の場合、500メートル移動すれば大体30メートル以上の高さのところには何とか半分ぐらいの人はたどり着けるんです。そういった、移動できる余裕のある予知というんですか、対策というんですか、そういうものをぜひ国とも協議して考えていくべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
〇時澤総務部長 まず、財政再建に関しましての県民に対するPRといいますか、もっと理解していただくべきだということでございます。今回予算を組みましたけれども、平成18年度におきましても200億円を超える財源不足が予想されております。今後どうなるかわかりませんが、平成17、18年はとりあえず交付税が何とか確保できるのかなと。ただし、国の方はまた歳出削減をねらっていると思います。国の方は、平成19年度以降をねらっているとも言われておりますので、まさにそういうことにも備えた形で県の財政も持続可能なように見直しをしていかなければならないと思っています。そのことも県民の方々に広く知っていただく必要があると思いますし、私どももそういう努力もしていかなければいけないと思っていますので、一層努力していきたいと思っております。
 ただし、すべて金がないからということではないわけでございまして、やはりつけるところにはつけるというめり張りも必要でございますので、県の施策決定に当たりましては、そういう選択と集中といいますか、伸ばすべきところはやはり伸ばしながらということもあわせて考えながら施策を展開していきたいと思っております。
 それから、命と財産どちらが大事かということでございます。やはり命あってのということでございます。私ども、やはり財産を守りながら命ということもあります。委員御指摘のように、観測体制の強化がまず大事でございます。まず、逃げること、逃げるためには知らなければなりませんので、特別措置法もできましたので、国において適切な観測体制ができるように私どもも働きかけをしておりますし、また、潮位計等のネットワークも考えております。こういうものが広域的にできれば、例えば青森なり宮城で津波が到達した何分後かに岩手のどこに来るというのも予測が可能になりますので、そういうことをやりながら、なおかつ、やはり逃げていただくということを皆さんに意識として持っていただかなければならない。どこに逃げればいいんだと。津波被害予測図で何分後にどこまで水が来るのかというのがわかっておりますので、それぞれの地区ごとにどこに逃げたらいいのか、どういう経路で逃げたらいいのかということも皆さん方に認識しておいていただいて、そういう防災意識の向上というのも大事でございますので、県としてそういうことを踏まえながら総合的に取り組んでいきたいと考えております。
〇吉田昭彦委員 私も、沿岸部に位置する人間として、防災対策について何点かお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 平成17年度の四つの重点施策の一つに災害への万全な備えが挙げられております。その中心となる施策は地震・津波防災対策であり、土砂・水防対策であります。これらの対策のために、ハード、ソフト両面からの諸施策を推進されようとしていることを高く評価するものであります。
 そこで、先ほど総務部長が総務部所管に係る諸施策の基本的な考え方の中で津波防災対策について触れられました。これは、先ほど田村委員からの御質問にもありましたが、国内外の各種の災害、いわゆる新潟中越地震とスマトラ沖地震・津波を教訓として対処され、2030年までには99%の確率で宮城県沖で巨大地震が発生する。これは、先ほど部長の説明の中にもありました。30年以内に99%ということは、あす来るかもわからない、それが災害であります。そういうことでいろんな対策を講じており、その中で危機管理体制と災害に強い地域づくりのための諸施策が進められておるところでありますが、そこでお伺いいたします。
 第1点は、防災体制の強化についてにかかわりまして、津波防災緊急対策事業として、新規に災害対応のプログラムの作成、図上訓練の実施を挙げ、また、地震・津波対策指導顧問の任用というのが施策の中で示されておりました。この内容についてもう少し詳しく示していただきたい、そのように思います。
 それから、通信設備の整備にかかわりまして、衛星系無線設備について、次世代化、デジタル化に対応する施策についても新規の施策として掲げておりますが、この整備内容、整備スケジュール、それについてもお示しをいただきたいと思います。
 第2点は、今、田村委員の質問に対する答弁の中でもありましたが、私もこれに関連しましてもう少し詳しく質問させていただきたいと思いますが、津波浸水予測図、いわゆるハザードマップを県が作成をして、沿岸各市町村に配布をしておるところであります。沿岸各市町村では、地震・津波避難計画や防災組織の育成など、防災計画の作成促進を進めているところでありますが、やはり今も質問、答弁でございましたように、いかに迅速に避難させるかが重要であると、私もそのように考えます。そのためには、潮位の変動、海の波高の変動を迅速に情報伝達することが重要でありますが、現在、沿岸13市町村に潮位計、波高計が設置をされております。これらの観測データを沿岸市町村がいかに迅速、的確に情報を共有して、それぞれの沿岸地域の住民に知らせるかが重要であります。
 そこで、平成16年度においてカメラの観測ネットワークの整備とあわせて、潮位計、波高計のネットワーク化については東北大学に調査を委託し、それぞれどのような形で分析をし、それぞれ周知をするかということについて種々検討されておると伺っておりますが、この検討の経過がどのような内容になっておるか伺いたいと思います。
 それから、地震・津波対策については宮城県との連携が大変重要であります。宮城県でも、この潮位計、波高計等々のネットワーク化についてはいろいろ調査検討されていると伺っておりますが、その宮城県との連携については、どのような形で今進められておるか、以上2点についてまずお伺いしたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 それでは、第1点目の災害対応プログラムについてでございますけれども、現在の災害時の体制は、県の地域防災計画に県の各部局あるいは関係機関が何をやるか、役割分担あるいはどのようなことをやるかということが定められておりますけれども、まず、初動体制の立ち上げ、情報伝達、被害情報収集、避難救助、それから関係機関・団体との相互支援体制の確立、このようなことにつきまして、災害発生から時程ごとの緊急度に応じた対応行動をプログラムとしてまとめまして、地域防災計画を保管するということで、迅速・的確な危機管理体制を構築しようとするものでございます。
 プログラムは、宮城県沖地震・津波を想定いたしまして、県のほか市町村につきましても作成する予定といたしてございます。
 プログラムの作成に当たりましては、作成の過程で、自衛隊など関係機関の参加をいただきながら図上訓練を実施しまして、プログラムの内容を点検しながら、平成18年3月までに作成したいと考えてございます。
 それから、次の津波対策指導顧問についてでございますけれども、自然災害は自然環境や社会の変容とともに質が変化していきますので、防災対策は避難対策などの日ごろの備えに加えまして、最新の科学技術や研究を取り入れながら取り組んでいく必要があると考えてございます。特に、宮城県沖地震・津波が発生した場合には、さきに県が発表いたしました被害想定調査におきましても、甚大な被害が発生すると想定されてございます。早急に十分な防災体制を整える必要があると考えてございます。
 このような津波災害に備えるために、来年度地震・津波対策指導顧問を任用いたしまして、専門的な立場から津波防災への御指導をいただくとしたところでございます。顧問には、これまでも多大な御協力、御指導をいただいております県立大学教授の首藤伸夫先生に内々打診をいたしておりまして、内諾をいただいているところでございます。
 次に、防災行政通信ネットワークのデジタル化についてでございますけれども、現在の県の防災行政情報通信ネットワークは、平成6年度から運用を始めておりますけれども、全国の自治体が加入しております地域衛星通信ネットワーク、この映像部分の通信方式が、平成20年度から現行のアナログからデジタル方式に切りかわるとなってございます。デジタル化はデータ伝送の高速化、情報セキュリティーの向上などメリットがございまして、本県の防災行政情報通信ネットワークにおきましても、映像のデジタル化に対応した設備に更新しようとするものでございます。
 スケジュールでございますけれども、来年度は実施設計をいたしまして、平成18年度から工事にかかり、平成20年度の切りかえに間に合わせる予定で進めてまいりたいと考えております。
 それから潮位計、波高計のネットワークについてでございますけれども、津波予測システムとあわせまして検討する必要があるということで、専門性が求められるということで、東北大学に委託研究としてネットワーク化の情報の活用方法、それから整備の方向性などの調査を委託したところでございます。
 本年1月に、津波観測システム広域ネットワーク基本計画というものが完成いたしたところでございます。基本計画には、ネットワーク化の有効性といたしまして、津波到達前に、他の地域に到達した津波を最大15分から25分前に、リアルタイムで観測ができる。それから、津波予測の有効性といたしましては、津波シミュレーションをあわせて活用することによりまして、波高や浸水予想地域など、地域ごとの詳細な情報が把握できるということ。それから、各市町村に、波高データや予測結果の情報が活用できる専門職員の育成が必要であるというようなものが主な提言の内容となってございます。
 それで、ネットワーク化は、津波到達前に、他の地域に到達した津波を観測できるということでございますので、隣県も含めて広域的に整備すれば、さらにその効果が高まると思っております。特に、宮城県沖地震は発生する確率が高いと評価されてございますので、宮城県の潮位データを共有することは防災対策上有効であるということで、現在、宮城県と協議を進めているところでございます。
 今後でございますけれども、ネットワーク化を予定しております市町村が設置している潮位計等でございますが、市町村によりまして形式あるいは処理方法のシステム、そのようなものが相違がございます。また、古くなって更新が必要だというような機器もございます。そのようなことから、ネットワーク化を具体化するためには、なお市町村、関係機関と協議をしてまいる必要があると考えてございます。
 それから、ネットワーク化は宮城県など隣県と一体となった広域的なシステムとして構築することで、より効果が期待できるということで、今後、国、関係機関への提言を含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。
〇吉田昭彦委員 地震・津波対策指導顧問についてですが、首藤先生にはこれまでもいろんな形で御指導はいただいておるんだと思いますが、今回の指導顧問ということでどのような形態、従来とどのような形に変わっていくのか、その点もう少し詳しくお知らせください。
 それから、潮位計、波高計のネットワーク化でありますが、これは基本計画がもう策定をされて、それぞれネットワークに伴ういろんな課題等についても調査分析をされておる段階と受けとめましたが、平成17年度はどのような形で進展をしていくのか。
 予算上はネットワーク化についての予算が計上されていないと見ましたが、このことについては、平成17年度中にでもそれらのいろんな課題が解決すれば、補正でも対処すべき問題ではないかと考えますが、このことについてどのようにお考えになっているか伺います。
〇佐々木総合防災室長 まず1点目の指導顧問の関係でございますけれども、首藤先生、今年度末で退官されるとお聞きしておりますので、県でいろいろ御指導をいただくときには、こちらで先生をお迎えして協議をする、指導をいただくという形になろうかと思います。そのための報酬とか旅費について計上しているところでございます。必要に応じてお願いしたいと考えております。これは、火山の場合の九州大学の太田先生の例がございますので、同じような形で運用していくことになろうかと思っております。
 それから、ネットワーク化でございますけれども、基本計画ではいろいろな課題が提起されてございまして、先ほど課題の一部を御紹介申し上げましたけれども、ネットワーク化つきましては、設置しております市町村の意向というものが非常に大きなウエートを占めてまいります。そういうことで、基本計画の内容をもとに、平成17年度は、県、市町村それから関係機関が入ったワーキンググループをつくりまして、どのようにネットワーク化したらいいかを含めまして検討するという予定にいたしてございます。
 来年度中に結論が出るかどうかということは、今の時点ではちょっと申し上げにくいわけでございますが、今のところ、課題がかなりあるということで、17年度は検討という形になろうかと思っております。
〇吉田昭彦委員 ただいまのネットワーク化については、予算として明確にするにはもう少し検討が必要だということのようでありますが、いろいろ諸課題についてはよくわからない部分もありますので、その辺の課題となっている部分を迅速に解決されまして――沿岸の住民は、潮の変動、潮の満ち干、それによって自分が避難すべきかどうか、それを判断する。経験によってそういうふうになっております。それではスマトラ沖地震・津波を見ても、大変遅い避難になって大変なことになるということですので、宮城県で潮位の変動があったと。例えば宮城県沖の場合、宮城県の気仙沼あるいは志津川の沖で潮位の変動があったと、それから何分後には広田湾には来るぞという形のものが、やはりリアルタイムで沿岸住民に知らせられるということが大変重要だと思います。そういう観点で、潮位計、波高計のネットワーク化というのは大変重要な部分であると思いますので、このことについては迅速に課題解決をされて予算措置に結びつけられるように、このことについては要望しておきたいと思います。
 もう一点、防災対策にかかわりましてお伺いしたいわけでありますが、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る防災対策の推進に関する特別措置法が昨年成立をいたしました。そのことによって、本年9月以降に施行されることになっておりますが、そのことで本県沿岸域が推進地域として指定をされるということになると思いますが、そのことによって国が基本計画を策定し、それで県、市町村が具体的計画を策定すると伺っておりますが、このことで地震・津波対策の諸施策がハード・ソフト両面からきめ細かな対策が講じられることが期待されるところでありますが、そこでお伺いいたします。
 今年度の秋以降の国の基本計画の策定、県及び沿岸各市町村のそれに基づく具体計画、それによってハード・ソフト両面の対策について種々国に対して要望をし、それに伴う諸般のハード面の整備も促進しなければならないだろうと思うわけでありますが、この日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る防災対策の推進に関する特別措置法の推進地域に指定されることによって、この三陸沿岸それから岩手県の沿岸域のところで、防潮堤も含めていろんな整備が必要となってくると思いますが、そういうことがどういう形で期待をされるのか、その点についてお伺いします。
〇佐々木総合防災室長 本年秋に施行が予定されております日本海溝等の特別措置法の関係でございますけれども、法律では、国が、地震観測、測量のための施設等の整備に努め、地震防災対策上緊急に整備すべき施設等の整備を推進するほか、地震防災対策の推進に必要な財政上、金融上の配慮をすることとされてございます。
 法律の施行後は、ただいま委員お話がございましたとおり、国では防災対策を推進する地域、これは市町村単位でございますけれども指定しまして、その地域の防災対策の基本的方針、それから、県や市町村が策定します対策計画の基本となる部分等を内容とします基本計画を策定することとなってございます。県それから指定されました市町村は、その国の基本計画に基づきまして、それぞれ避難地、避難路、消防用施設などの地震防災上緊急に整備すべき施設等、それから津波からの防護、円滑な避難の確保に関する事項を定める推進計画を策定するとなってございます。それから、同じ地域内に所在しております病院、劇場、百貨店等の事業者は、津波から円滑に避難をさせるというような内容とします対策計画を策定するとなってございます。
 それで、ハード・ソフト両面の整備の推進についてでございますけれども、既に施行されております東南海・南海地震に係る特別措置法、この例を見ますと、国が作成しました基本計画では、まず、津波防災体制の確立ということで重要な水門等の自動化や遠隔操作化の推進、それから避難地の計画的整備、安全な避難路の整備、また、広域防災体制の確立といたしまして、自主防災組織等を生かした自立対応体制の整備、地域住民や企業に対し、地震に関する正確な知識や日ごろの備え等について重点的な普及啓発の実施、このような内容が盛り込まれております。
 日本海溝・千島海溝に係る特別措置法につきましても、東南海・南海と同様に基本計画が策定され、それに基づいて、県あるいは市町村が推進計画を策定するとなるものと考えております。
〇吉田昭彦委員 推進地域に指定されることによって、いろんなハード・ソフト両面の整備の充実が図られていくと伺いましたので、このことに大いに期待を寄せるものであります。
 そこで、今年度の予算を見ましても、総務部のみならず、県土整備部それから農林水産部、教育委員会、それぞれの各部局で防災対策、地震・津波対策にかかわりまして、ハード・ソフト両面の施策が掲げられておりますが、これを円滑に効率的に迅速に進めるためには、庁内に連絡会議のようなものを設置をされて、それぞれの部局間の連携を図りながらスピーディーに対処していくということが必要ではないかと思いますが、それらの連絡会議のようなものの設置について、あるいは先ほど行財政構造改革プログラムの関係で、いろいろ事務事業の見直しとか人員の削減とか言われておりますが、部長おっしゃるように、予算措置だけではなく、めり張りのきいたいろいろ組織体制ということも必要ではなかろうかと思いますので、総合防災体制については、人員の増加も含めて組織体制の強化が必要ではないかと思いますが、どのようなお考えか。これは総務部長にお答えをいただきたいと思います。
〇時澤総務部長 今御指摘のとおり、各部局におきましていろんな災害対策を立案し、予算化してきてございます。これまでどちらかといいますと、各部局ごとにいろいろやってきたという面は、これは否定できないところがございます。
 私ども今必要なのは、災害に対する万全な備えをしていくためは、県として、被害状況等も明らかになってきましたので、何をいつまでにやるか、それを戦略的にかつ目標を立てながらやっていく必要があるのではないかと考えておりますので、今、御指摘のありましたような、組織になるのかどうかはともかくといたしまして、そういう各部局の取り組みが県全体としての取り組み、なおかつ戦略的な取り組みになるように部局間での連携を図る、こういったことは必要だと考えておりますので、その取り組みについて強化あるいは考え、検討していきたいと思っています。
 それから、防災室の職員、確かに現在定数の見直しを行ってきているところでございます。これまで、どちらかといいますと、総合防災の体制は、一応何かあれば県全体として組織として対応するということになっておりますけれども、どちらかというとちょっとそれが不十分ではないかと。どちらかといいますと、総合防災室がひとり中心となっていると。中心にならなければならないところもありますけれども、今までの災害の反省を踏まえて、今見直しを考えているところがございます。先ほど申し上げましたプログラム、災害対応プログラムの中で、いつ、だれが、何をするかということをきちんと検証していくことになっておりますので、それに合わせて体制も見直したいと思っています。
 例えば、先般の三陸南沖地震の場合、総合防災室の人間が、各部局あるいは各市町村との連絡の電話を受けながら、なおかつ、マスコミ対応をしながら、なおかつ、各部に対して総合的な指示を出していくということをやっておりましたけれども、今後はそのプログラムに沿って対応していくということが基本になりますので、そのプログラムに沿って対応していく司令塔として、総合防災室の役割というふうに位置づけたいと思います。したがいまして、何かあったときに、各地方振興局とか市町村の連絡というのは、例えば総務部の総務室の職員も行うというふうにあらかじめ決めておきまして、訓練もそういうことであらかじめ訓練をしていく。いざとなれば、総務室の職員が連絡体制に当たる。総合司令は総合防災室の職員が当たると。機能分担を明確にし、そして職員一人一人にそれをきちんと自覚してもらって、いざというときに実行できていくと、そういう体制をとっていきたいと考えておりまして、全庁的な機能分担の中で防災体制の強化ということを考えております。
〇吉田昭彦委員 県民の生命、財産を守るための防災対策でございますので、ハード・ソフト両面から万全を期されるようにお願いをして、この部分については終わりたいと思います。
 あと1点だけ。今、事務改善というか事務事業の見直しの一環として、トヨタ方式の事務改善を農林水産部をモデルにして行っておると伺っておりますが、このことについて現在どのような形で進められ、平成16年度の成果、評価はどのように分析をされておるか、このことについてお伺いしたいと思います。
 あわせて、新年度はどのような形で継続というか進められていくか、このことについてもあわせてお願いします。
〇小川人事課総括課長 トヨタ方式の事務改善の動向ということでございますが、今年度分の評価についてでありますが、今年度は農林水産企画室をモデル組織といたしまして、トヨタ生産方式においてカイゼンの基本と言われます整理、整とん、清潔など、そういう執務環境のカイゼンから取り組み始めまして、10分単位で行動を記録し、どのような作業に時間を費やしたか調べる、いわゆる行動内容分析。これは実は役所の場合、調整事務が36.0%、会議が16.6%、会議と資料作成が15.3%というように、住民に対する価値をつくるということよりも、内部の事務作業に非常に多くの時間を使っているということが出ております、結果として。
 もう一つは、民間では余り委託するとかそういう形で付加価値が低いと言われております入力とか起票とか転記とか、そういうものに対する事務作業の分析、これも同じように部長室に29.5%の時間いるとか、部内定例会議に15.0%注いでいるとか、非常にそういうふうな行動内容分析と事務作業分析から、なかなか効率的な仕事になっていないということがわかってきております。11月から、1万2、000時間の仕事のむだどりを目標にカイゼンチーム――これIMS推進チームと申しますが――をつくりまして、中心となりましてカイゼン活動に取り組みました結果、現時点で1万398時間のむだどりの実績を上げております。目標が1万2、000時間ということでございますので、年度内に達成できると考えています。
 このような成果といたしまして、行動分析それから事務作業分析の結果、会議、資料作成、再入力、転記など、いわゆる付加価値の低い作業に実は多くの時間を使っているということがわかっております。実際に1万2、000時間の仕事のむだどりができたということから、職員の間にも、これまで余り疑問を持っていない、または疑問を持っていたけれどもなかなか行動に移せなかったというような組織風土から、まず、改革改善に向け、職員の意識改革が進んだということが大きな成果の一つとして言えるかと思っております。
 次に、新年度の進め方でございますが、17年度は農林水産部内、本庁14室課へ展開したいと考えております。
 カイゼンの進め方につきましては、農林水産企画室の方に専任の職員を配置いたしまして、職場のカイゼンを進めるために取り組んでいくと。それからまた、総務部が職場のカイゼンを進めるためには関与する部分が多いということもありまして、新年度は総務部におきましても、農林水産部と連携しながらトヨタ生産方式の手法を参考とした、いわゆるIMS――岩手マネジメントシステムというカイゼン活動に取り組んでいくことといたしております。
〇伊藤勢至委員 防災について関連で1件お伺いをしたいと思います。
 沿岸の田老町も過去に大変大きな津波の被害を受けてまいりまして、田老漁港の観光船発着所に参りますと、裏の岩に、ここまでが津波の来たところというラインが入っていてびっくりするわけです。そういったこともあって、田老町も津波対策には鋭意取り組んできたと思っておりますが、このごろになって、随分全国の自治体からの視察等が多いようでありますが、田老町に何を視察に来て、どういう勉強をして帰られるんでしょうか。
 先般、消防庁長官も岩手入りをされまして、田老町に行ったのかどうかわかりませんけれども、そういった意味で、津波に目が向いてきているという中で、どういうところを勉強されて帰っていくのかというようなことを、まずお知らせをいただきたい。
〇高橋防災消防担当課長 田老町への視察の関係でございますけれども、伺っておりますところ、田老町における情報伝達体制、これがメーンだと聞いております。もちろん、防潮堤とかそういったハード面の整備等はもちろんでございますけれども、いわゆる潮位を観測するシステムですとか、それから住民への一斉通報ですとか、そういったシステムと両面と伺っております。
〇伊藤勢至委員 今、防潮堤の見学もとおっしゃいましたけれども、これは当時の久保町長が、万里の長城と言われるくらいの大きな堤防をようやく物にしまして、つくり出したわけですね。当然、当時は町内全体を守る堤防でありましたので、堤防外に建っている家は1軒もなかったんであります。しかし、ここ30年、40年の中には、堤防の外にもう既に30軒、40軒の家が建っているんです。中には、製材所もあれば石の加工をやっているところもあれば、保険屋さんの事務所も食堂も、アパートも一般住宅も40軒ぐらいもあるんでしょうか。実はここが問題だと思うんです。壊滅的な被害を受けた田老町の皆様が、50年たてば堤防の外に家を建てて出てくる。むしろ、全国の皆さんにここを見てもらった方がいいんじゃないかと思うんですよ。風化していく怖さという部分。建築基準法上、どういうことになっているのかわかりませんが、あえて、田老町の地元で、大きな被害を受けていわば痛めつけられた経験をお持ちの人たちが、そういうふうに出ていく。これが本当に風化する怖いところだと思うんです。行政が幾らしゃっちょこばって堤防をつくっても、その外に出ていく人までは何ともならない、こういう実は裏腹な例がそこにあるのではないかと思うんです。皮肉を言うわけでありませんで、今度新宮古市になる田老町の皆さんですし、宮古も同じ条件かもしれません。したがって、全国からの自治体等の視察があった場合には、そういうところもぜひ見ていただいて、風化が怖いんだと、そういうふうに持っていくべきだと思うんですがいかがでしょうか、これを伺って終わります。
〇佐々木総合防災室長 津波避難に係るといいますか、今の住民意識の向上の問題だと思うんですけれども、確かに委員からお話がありましたとおり、堤防外に住宅が建つということばかりじゃなくて、毎年市町村が実施しております防災訓練の参加者も減少しているというようなことで、この避難対策を含めて、地域の方々の命をいかに守るかということが重要だということで、避難対策に重点を置いているところなんですけれども、昨年度作成して市町村に提供しました浸水予測図に基づきまして、それぞれの地域で、地域の防災マップをつくるというふうにお願いをしているところでございます。そのような中で、地域の方々の防災意識を高めていただくということが大事だろうと思っております。
 その視察の関係、そういうことが50年もたてば出てくるよということは、確かに重要な情報であろうかと思いますが、県といたしましては、いずれにしましても、住民の方々がいかに早く避難して人命を損なわないようにするかということが大事だと考えております。
 今後も、防災意識の向上に向けた取り組みを重点的に進めてまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 2点についてお伺いします。
 まず最初は、2月に発表いただきました包括外部監査報告書に関連しまして、本予算でも職員互助会関係の予算が計上されております。
 まず、包括監査報告書によりますと、今回は三つの職員の互助会、県職員それから教職員、警察職員の三つの互助会について、それから農林関係と医師確保対策についての監査をされまして、その結果について述べられております。
 それぞれ三つの互助会は、県の職員互助会に関する条例に基づいて会員の出す負担、会費と、それから県からの補助金によって運営されておりますが、それぞれの互助会の会計の内容を見ますと、例えば県職員互助会については、全資産21億円のうち13億円が剰余金であるとか、あるいは教職員に関する互助会についても、全資産70億円のうち約36億円余りが財政に余力があるとか、あるいは警察職員についても、7億6、000万円程度が正味財産であるというような、表現は違いますけれども、いずれ、そのような財政的には磐石な内容であるというような指摘の中で、県が今厳しい予算運営、財政運営をしている中で、これ以上県補助金として出すことについての停止または廃止を求めている内容の監査報告でございましたが、それについてどのようにお考えか。
 それから、きのうこれについて佐々木委員の質問の中で、総務部長からは、今回の見直しによって削減しましたと。昨年から比べますと、昨年は三つの互助会に対する補助金が約6億1、500万円、そしてことしは1億3、800万円ということで、大幅に削減された内容ではございますが、事業に着目して削減されたというきのうの説明でありますが、財政状況から見ますと、まだまだ検討の余地があるのではないかと思うわけでありますが、その辺の見解についてお聞かせいただきたいと思います。
〇小川人事課総括課長 互助会の見直しにつきましてでございますが、予算でもごらんいただいておりますとおり、大幅に今年度、率でいきますと1、000分の6から1、000分の1、1億3、600万円から2、200万円と、1億1、400万円余りの減という形で組ませて御審議をお願いしておりますが、包括外部監査人の指摘は今お話ありましたように二つでございます。一つは、補助金のあり方について、もう一つは責任準備金についてどういうふうにするかということでございます。
 まず、補助金の検討の前提といたしまして、これにつきましては、若干御説明を要するかと思っております。基本的に職員の福利厚生事業につきましては、地方公務員法第42条におきまして、地方公共団体が計画を実施しなければならないと。一応雇い主としての県の仕事として職員の福利厚生をやりなさいと。これはどこの会社でも同じだと思うんですが、そういうふうに職員の福利厚生については、一定の役割を果たしなさいということがございます。このため、県では、同条に基づきまして使用者として福利厚生事業を実施するとともに、条例で職員互助会を設置してやってきたわけでございますが、事業の内容は性格的に三つに分けられると理解しております。
 それは、職員の掛金で自由にやってもらっていい部分。これは当然県費を投入しませんので、まず職員の中でやってほしい。例えば結婚祝金とかそういうものについては職員の掛金でやりなさいと。それからもう一つは、職員の掛金でやるものに対し、使用者としての県が補助して折半と考えるか、事業規模を倍にすると考えるか、そういうふうに雇い主としての県が半分を出すと。これは共済事業等も、雇用保険等もそういう仕組みになっておりますが、そういうもの。それから三つ目は、脳ドック等職員の健康管理の面から県が行うべきものと、大きく分けますとこの三つに分かれると思います。
 この中で、二つ目の県のお金を投入するもの、これにつきまして精査していかなければならないということで、今回、職員互助会の事業の財源には県から補助金が含まれているということから、その事業内容は県民の理解を得られるものでなければならないと。また、職員互助会の経営状況、それから他県における補助金の状況等を勘案する必要があるということから、今般、大幅に減額いたしまして、これまでの一定の率による補助をやめまして、使用者としても支援を行うべきであると考えられる個別事業にのみ補助金を充当することといたしまして、補助金の額を削減したところでございます。
 もう一つの問題点でございますが、責任準備金の関係でございますが、これはちょっといわく因縁といいますか経緯がございまして、長い間、退職生業資金という格好で職員が積み立ててきた部分がございます。これは退職時に支給していたものでございます。ただ、平成9年度にこれを廃止したために、現在の事業規模では積み立て超過に当然なってしまう。この部分、非常に大きいお金を預かっている格好になっております。これにつきましては、もともとは積み立てしたものでございますので、職員が退職してしまうとかいろいろ状況がございますが、これを今後の職員の厚生福利とかそういうことに活用するということで、平成17年度にはこの辺の中身についても検討してまいりたいと思っております。
〇新居田弘文委員 今、監査報告書の内容についてちょっと触れましたし、またいろいろ御努力されているという経過についてもわかりましたので、引き続きその辺を検討いただきたいと思います。
 それから二つ目ですが、予算説明書の262ページに県職員全体の給与明細書について記載がございまして、特にここでは職員が今年度が前年度に比べまして751人の減であると。それにあわせた形で給与も減額、総額が68億円ほど減っております。
 そこで、隣に共済費という数字が載っていますが、ちょっと私が違和感を思いましたのは、全体的に給与費が減額された中で、共済費がむしろ昨年より17年度予算の方が18億円ほど多くなっているという内容について、ちょっとわからないものですからお聞きしたいなと思っていました。
 それから、その下のページにありますが、今全体で、報酬とかあるいは給与の抑制等いろいろ取り組んでいるわけでございますが、昇給期間短縮の部分について、どのような考えでどのような制度になっているか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
〇小川人事課総括課長 共済費の増加の部分でございますが、これは職員等の減と直接は関係ございません。地方公務員等共済組合法に基づきまして、共済組合の給付、退職者拠出金、介護納付金の納付等の費用を県が負担する経費でございます。
 平成17年度の共済費が前年度より増加している理由でございますが、年金財政の均衡を保つために法改正がございまして、年金財源の負担金率が引き上げられたこと、それから介護保険法に基づく介護納付金が上昇したことと等によるものでございます。
 それから、昇給期間の短縮等についてでございますが、これは職員の場合、特別昇給制度等がございまして、これは人事委員会の初任給等規則35条に定める定数の15%の範囲内の人数に限って、勤務成績が特に良好な職員について、いわゆる成績特昇、それからそのほか昇任等があった場合に昇任特昇、こういうものがございます。こういう制度の内容でございます。
 特別昇給制度につきましては、勤務成績を評価いたしまして、一般職員の働く意欲を盛り立てるということ、それから上位の職については、職員の士気を高めるということで適正に運用しておりますが、近年、とみにそういう成績不良の職員に対しまして、県民の皆さんからもいろいろ御批判等をいただいておりますので、一昨年よりかなりこういう勤務成績の運用判断につきましては、厳正に判断して対処しております。
〇千葉康一郎委員 それでは、私から県税に関する質問をいたします。
 まず、平成17年度の県税収入は1、082億円余を見込んでおりまして、前年度当初予算より7億5、000万円余減少となっております。この税収の落ち込みは、今なお続く景気の低迷に起因するものと思います。先ほど嵯峨委員からもお話がございましたけれども、落ち込みの要因というか、これは何であるのか。
 それからまた、このような情勢でありますから、過年度分及び現年度、つまり平成16年度の滞納額、いわゆる収入未済額がかなり相当な額に上っているのではないかと思います。そこで、今年度末までの収入未済、見込み額といいますか、未済となるような額と、今後これらの徴収対策をどのように考えておるのか、まずお聞きしたいと思います。
〇千葉税務課総括課長 ただいま3点ほどお尋ねをちょうだいいたしました。
 1点目のマイナス0.7%という落ち込みの要因でございますが、法人2税につきましては、製造業等の現在の状況等を踏まえ堅調に推移しているところでございますけれども、軽油引取税あるいは自動車関係税等が、景気の動向等を反映いたしまして減額になっているということから、総額的にはマイナスのものになったと御理解をいただければと思うところでございます。
 2点目の県税の収入未済額の状況でございますが、現在固まっております数字が15年度決算でございますので、平成15年度決算の額で申し上げますと、県税の未済総額が22億4、800万円。うち、市町村が賦課徴収しております個人県民税が11億6、100万円と、51%程度でございます。残りがその他の税ということで、10億8、700万円となっております。この額につきまして、14年度との比較を申し上げますと、総額ベースでは2、700万円の減となっております。また、個人県民税を除いた税におきましては7、600万円の減となっております。しかしながら、個人県民税につきましては4、900万円の増ということで、平成14年度と15年度の増減になっているところでございます。
 あと、3点目でございます。県税の徴収対策でございますけれども、この県税収入未済額、22億円ほどございますが、この縮減は県の行財政構造改革の中におきましても喫緊の課題といたしておりまして、現在平成18年度までの目標収入率を設定して取り組んでいるところでございます。特に、個人県民税を除いた県税収入未済額の約半分、5億2、600万円、これが自動車税でございますので、いずれ、県が一斉に土曜日、日曜日における納付窓口の開設とか、あるいは滞納初期段階に税務職員全体で整理に当たるといった、いろんな取り組みを講じているところでございます。
〇千葉康一郎委員 わかりました。
 次に、個人県民税の話が出ましたので、個人県民税でありますけれども、まず、平成17年度の個人県民税の税収額はどのようにして算出されたものか、この算定根拠、これをお知らせいただきたいと思います。
 税収額には大きな影響はないと思うのですが、先ほどもいろいろ出ておりますけれども、いわゆるフリーターとか人材派遣会社の社員、あるいはパートといった人たちへの賦課といいますか課税、これはどのように算出しているのかお伺いしたいと思いますし、それからまた、過去の税収状況等から見て、収入未済額の傾向はどういう形になっているのか。そしてこれの滞納者に対す徴収上の問題、徴収策、どのように進めておられるのかお伺いしたいと思います。
 続けますが、個人県民税の収入未済額、これは今のお答えで県税収入未済額全体の約半分、つまり、決算ベースで11億6、100円ほどになるということでございます。これはわかりました。
 たしか平成16年度からかと思いますけれども、徴収方法の改善策として、滞納者に対して地方振興局長と市町村長が両名で共同催告を行っていると理解していますが、これの成果はどの程度出ておるかお知らせいただきたいと思います。
 それから、個人県民税の徴収は現在市町村長に、いわゆる徴収取扱費交付金、この予算にも載っていますけれども、これを出して市町村民税と一緒に徴収をお願いしているわけですね。そういう市町村の徴収担当者も、一般的には専門性に欠けていると私は思っております。特に滞納額を解消し収納率を高めるというためには、やっぱり専門性を有する県職員と市町村職員と共同徴収といいますか、そういうことを今後進めていくべきではないかと考えますが、お聞かせいただきたいと思います。
 市町村の職員の指導をどのように行っているか、徴収員の指導をどのように行っているか、その辺もお聞かせいただきたいと思います。
〇千葉税務課総括課長 まず、1点目でございます。平成17年度の徴収額、算定の根拠、考え方という点でございますが、これは関連する岩手県内のいろんな経済指標をもとにいたしまして、あと、税制改正の影響を考慮しますとともに、過去の市町村の徴収状況等を勘案して算定をいたしているところでございます。当初比では0.7%、平成16年度決算見込み費では1.9%の増と見込んでいるところでございます。
 あと、2点目でございますが、フリーターなどの短期就労者に対する捕捉の関係でございますけれども、実は今回の税制改正でこれらの事項が新たに見直しがございまして、具体的に申し上げますと、個人住民税の課税のために、給与を支払う事業者が毎年提出を義務づけられております給与支払い報告書というものがございます。その範囲が、今回いわゆるフリーターなどの短期就労者等にも拡大をされました。これは、納税義務者の所得把握を確実に行うためのものということでございます。ちなみに、現在、非課税の者について新たに課税の対象にするものではないと認識をいたしているところでございます。
 あと、3点目でございます。過去の徴収状況から見た収入未済額の傾向についてでございますが、過去5年間の決算状況を見ますと、収入未済額は平成11年度の9億1、800万円から、15年度には先ほどお話がございましたが11億6、100万円と、2億4、300万円の増となっております。徴収率も平成11年度の95.00%から15年度には92.89%と低下しております。県税の収入未済額全体に占める割合も44.2%から、先ほどお話ししました51.6%まで高まるということで、極めて憂慮すべき状況になっていると考えているところでございます。
 滞納者に対する徴収上の問題及び徴収策についてでございますが、今お話がございましたように、個人県民税は市町村におきまして、個人市町村民税とあわせて賦課徴収をお願いしているところでございます。
 いろいろと御努力をいただいているところではございますけれども、市町村の中には、滞納処分の経験にも乏しいというような徴収技術上の問題から、収入未済額が増加している状況にある団体もあるところでございます。したがいまして、県といたしましては、地方振興局単位での徴収対策会議とかあるいは滞納処分研修会などにおきまして、滞納整理の方策や滞納処分の技術的な助言などについての支援を行ってきているところでございます。また、二つの地方振興局におきましては、現在、町との人事交流によります実務指導等も行っております。加えまして、今年度は東京都主税局からの講師を呼びまして、徴収事務の進行管理などのマネジメント研修を、県、市町村の管理監督者を中心に実施したところでございます。
 次に、地方振興局長と市町村長の共同催告の成果についてでございますが、これは各局で取り組みの時点が違いますので、ある程度過去からやっていたところあるいは最近始めたところがございます。
 県下における共同文書催告は、8地方振興局で約5、700件実施しておりますし、同じく共同臨戸徴収、これは双方の職員で滞納者のところにお邪魔して具体的に徴収するわけですが、これは6地方振興局で約181件実施しております。その結果、納付に関しまして確実に成果が上がっているのではないかと考えているところでございます。例えばでございますが、この共同の文書催告と臨戸徴収を両方実施しております千厩地方振興局管内におきましては、共同文書催告が390件、共同臨戸徴収が10件でございますが、現在、管内の徴収率は個人県民税97.6%ということで、県下一ということになっているところでございます。
 あと、収納率を高めるために、滞納者に対する市町村との共同徴収の考え方についてでありますが、各地方振興局単位でございますが、希望する市町村に対しましては、県職員と市町村職員の共同臨戸徴収及び徴収権の引き継ぎによります県職員の直接徴収等も実施しているところでございます。
 あと、今後のことにつきましてでございますが、これまでもちょっと話題になっておりますが、地方税の滞納整理機構の検討、これについては市町村に賛否両論あるところでございますが、現在、検討に前向きの市町村と県が合同で先進事例調査を県と実施するなど、今後、県と市町村の共同徴収のあり方につきまして、いろいろと研究に着手しているところでございます。
 いずれにいたしましても、平成18年度税制改正で所得税から個人住民税への本格的な税源移譲が行われますことから、市町村と県の徴収強化の取り組みがますます重要になるものと認識しておりますので、今後、市町村との連携をより、一層強化してまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉康一郎委員 言うまでもなく、県税というのは貴重な自主財源でございます。この収入確保には特に意を用いて、県民に対する納税意識の高揚に努めて、収納率向上のためにさまざまな施策を検討し、実施していただきたいと思います。
 私の経験からしまして、税金の徴収というのは、他の部署の職員と違いまして、どちらかというと地味な職場でございますし、それから縁の下の力持ちでございます。また、強いて言えば憎まれ役でもあります、税金の徴収は。そういうことなんでありますが、徴収部署に携わる職員の皆さんには、税収があるからさまざまな施策、事業ができるんだと、税金があるからできるんだよという誇りを持って、これからも携わっていただきたいと思います。
 何か所感がございましたら。
〇千葉税務課総括課長 大変温かい激励の言葉、大変感謝申し上げる次第であります。県の職員及び市町村の職員一体となって、地方分権を支えるために、税源の確保のために、一層邁進していきたいと考えている次第でございます。よろしくお願いいたします。
〇田村誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時1分 休 憩
   午後3時18分 再 開
〇佐々木順一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、圃田総務室長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇圃田総務室長 先ほどの伊藤勢至委員から御質問のありました審議会における弁護士の数でございますけれども、平成16年4月1日現在で130審議会ございますけれども、その中で弁護士に委員をお願いしているのは23審議会ございます。人数でございますけれども、実員で25名、延べで30名となっておりまして、一つの審議会に2人の弁護士の方もおられるということでございます。
 なお、岩手県全体の弁護士登録数は56名となっておりますので、約半分近くの方に審議会の委員をお願いしているという現状でございます。
〇伊藤勢至委員 一つだけお願いでございますが、私の趣旨は、そういうふうに弁護士さんが半分ぐらい県にかかわっておりますと、県に対して住民が訴訟を起こしたい場合に、県の審議会の委員になっているので私は受けられないと断られるのが半分あるということですね。そのことは、盛岡でだめであれば仙台、東京、物件によってはということで、それだけまたお金がかかってしまうことになります。宮古あたりですと、仙台から呼ぶと1回4万円かかりました、私も自分でそういう経験がありますのでわかっておりますけれども。それは、結果的には県民の自由な弁護士を選ぶ間口を狭めているのではないか、そういうこともお考えいただきまして、法曹界の、法も曹も両方書いてあるわけですから、お坊さんが審議会の委員になったというのには私は会ったことがないんです。したがって、そっちも選択をしていただいて、法曹界でありますから、ぜひそういうふうにしていただいて、県民の裁判の場合の窓口をふさぐことのないようにお願いをしておきたいと思います。
〇野田武則委員 240ページの総合施設モデル事業と私立幼稚園の運営費についてお伺いいたします。
 まず、総合施設の件につきましては、昨年12月議会におきまして同僚の平野ユキ子議員によりまして一般質問でも取り上げられておりますが、御承知のとおり、幼保一元について長年にわたる議論が続けられてきたわけでございますが、いよいよこういった総合施設ということで決着を見まして、平成18年度から本格実施される、こういうことでございます。この総合施設は、幼稚園でもない保育園でもない第三の保育機関、こういう形でございまして、この点については了承しているところでございますが、その前段階としまして、今年度は全国で30カ所、そのうち本県においては1カ所、モデル事業の実施園として調査研究が行われるということでございます。
 そこでまず最初に、このモデル事業の内容についてお示し願いたいと思います。
 あわせて、公立幼稚園は教育委員会、保育所は保健福祉部ということで、再三にわたりまして縦割り行政の弊害につきまして、一本化について要望してきた経過があるわけでございます。そういう中でいまだ改善が見られないわけでございますけれども、その中で今回このモデル事業が私立学校を所管している総務部の担当となったわけでございますが、そうしますと、このモデル事業のみならず、平成18年度の本格実施に当たっても結局は私立幼稚園を対象として考えているのか、こういうふうに受け取るわけでございますが、この取り組みについてお示ししていただきたいと思います。
 また、40の政策でございますが、この中におきましては、幼稚園でもない保育園でもない、両方の機能をあわせ持つ、いわゆるこども園の設置について明記しているわけでございます。このいわゆるこども園は県が設置することになっているわけでございますが、この総合施設とどのような関係があるのか、そしてまた、そのこども園はどういう状況で進んでいるのか、これは総務部で把握している限りで結構でございますので、お示ししていただきたいと思います。
〇圃田総務室長 就学前教育・保育総合施設モデル事業の内容にまずお答えしたいと思います。
 この事業でございますけれども、就学前の教育と保育を一体としてとらえた教育・保育活動のモデル事業として実施するものでございまして、具体的に、既存の幼稚園、保育所あるいは合築、そういった施設の中から全国でも30カ所を選んで行う事業でございます。中身といたしましては、実施園におきまして、教育・保育の内容あるいは職員配置、施設設備、職員資格などのあり方などにつきまして総合施設制度の実現に向けた課題等を都道府県と協力しながら調査研究を行う事業でございます。
 私立幼稚園だけやるのかということでございますけれども、現在、私立幼稚園は恒常的に定員割れの状態がずっと続いておりますので、そういった空き教室などを使った、いわゆる施設の有効利用等の観点から今回のモデル事業の候補として私立幼稚園を選定した経緯がございます。
 国の方からは、この3月4日に具体的にモデル事業についての案が示されたばかりでございまして、受け皿となります幼稚園と交渉を始めたという状況でございます。ただ、幼稚園側の方からは、保育所のように乳児の保育ができるかどうか不安だという声もございますけれども、私どもは、幼児教育あるいは次世代育成支援の観点からもぜひこのモデル事業の導入をするよう引き続き協議をしてまいりたいと思っているところでございます。
 また、民間から15ヵ所ということでございますので、この採択につきましても、先導的、モデル的なところが選定されるといったことから採択までのハードルは高いと思ってございますけれども、引き続き要望してまいりたいと思っているところでございます。
 40の政策との関連でございますけれども、40の政策では、先ほど委員おっしゃいましたように、幼稚園と保育所それぞれの機能を生かした一体的運営のこども園ということでございまして、こども園の理念とか内容が今回の幼保総合施設の考え方と共通するところが多くございますので、そういったこども園を実現するための有力な選択肢の一つだと思っているところでございます。
 なお、こども園につきましては、まだ具体的な構想は承知しておりません。
〇野田武則委員 モデル事業の内容といいますか、その取り組みについてでございますけれども、現在、先ほど話したとおり、幼稚園教諭と、保育の方は保育士という資格の問題があるわけでございますが、モデル事業そのものの中身につきまして、指導体制につきまして、その資格はどのような取り扱いをなさるんでしょうか。
〇齋藤法務私学担当課長 ただいまお尋ねの保育士と幼稚園の教諭の資格の点でございますけれども、まだ総合施設モデル事業の案自体が国から3月4日に示されたばかりで、その通知の内容の中では、保育士、幼稚園教諭の資格の詳細について後刻お知らせすることになっておりまして、そこもこのモデル事業の中で検討していく課題と承知しております。
〇野田武則委員 まだ具体的な中身が決まっていないということでございます。そこで総務部長にお伺いしたいと思いますけれども、御承知のとおり、保育所と幼稚園という形で進んでいるわけでございますが、その中に、近年、縦割り行政の中で、地域のニーズに合わせるということで幼稚園の部分と保育園の部分をあわせ持った幼保一元の施設というものができているわけで、要するに3種類今進められているわけでございます。その中に、今度は幼稚園でもない保育園でもないということで四つ目の施設ができるということでございますので、平成18年度以降、随分混乱するのではないか、こんなふうに思うわけでございます。
 御承知のとおり、岩手県下の幼稚園児の約8割、1万2、000人を擁している私立幼稚園の管理監督をしている総務部としまして、やはり明確なビジョンを持って取り組むべきではないかと思うわけでございます。どうも先ほどのこども園もそうなんですが、県としての主体性のなさといいますか、残念に思うわけでございまして、ぜひきちんとした明確なビジョンを持って取り組んでいただきたいと思います。そこで、部長にその点をお伺いしたいと思います。
〇時澤総務部長 私学担当といたしまして、幼稚園につきましても私どもで担当させていただいているところでございます。私学の振興につきましても、これまでもさまざまな観点から私ども支援をしてきているわけでございます。幼稚園もその大きな対象の一つでございますので、私ども、次世代のことを考えますと、やはり幼稚園、保育所も含めまして、子供たちの環境ということに対していろいろと工夫をしていかなければならないと考えております。幼稚園の果たす役割をしっかりと認識しておりますので、私学振興という観点も含めまして私どもも努力していきたいと考えております。
〇野田武則委員 御承知のとおり、幼児期における人格形成の重要性が大変叫ばれているわけでございますから、どうぞその点御認識を改めていただきまして、よろしく御配慮をお願い申し上げたいと思います。
 最後になりますが、学校法人東北文化学園大学に対する運営費補助金の取り扱いについてお伺いしたいと思います。
 昨年度、東北文化学園大学の傘下にありますところの久慈幼稚園に対し、県としては、運営費補助金の返還にかかわる債権放棄をした経過があるわけでございます。平成16年度につきましては補助金の交付はなかったということでございますが、平成17年度以降の運営費補助金の取り扱いについて御説明をしていただきたいと思います。
 それを最後に質問を終わりたいと思います。
〇齋藤法務私学担当課長 ただいま質問ございました学校法人東北文化学園大学に対する補助金の件でございますが、ことしの2月7日にその取り扱いについて相手方の当事者である学校法人東北文化学園大学に伝達しておるところでございますが、平成16年度分の補助金については不交付、来年度の補助金についても不交付となっております。平成18年度以降20年度までについては原則として不交付ですが、法人の再生の状況を見守った上で、改善が顕著に見られる場合には減額交付をすることもあり得ると考えております。
〇関根敏伸委員 私の方からは、3項目につきまして何点かずつ御質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、歳入確保に向けました取り組みにつきまして2点お伺いいたします。
 先ほど来、県税の状況につきましては御質問があり、説明を受けているところでございますが、具体的に、県では、平成15年、16年2カ年にわたりまして、地域経済の活性化と税財源の確保という大きな目的で、岩手リーディング産業集積プロジェクト、いわて新産業創出育成プロジェクト、12億円余りを費やしてこの事業を行ってきたわけでございますが、これらのプロジェクトによる県税への影響額をどの程度見ていらっしゃるのか。あわせて、平成17年度につきましても同プロジェクトに7億5、000万円の予算がついておりますが、このプロジェクトによる予想額につきましても、お示しいただける範囲で結構でございますので、予想額をお示しいただきたいと思っております。
 それから、同じく歳入確保策ということで、新税についてでございます。これは、昨日、照井委員からも質問をされたところでございますけれども、いわゆる新税に対する県民の意識ということで、昨日は、知事からもおおむね理解を得ているという答弁があったわけでございますが、この辺につきまして、もう少し詳しくお聞かせいただきたいと思っております。
 さらに、法人の税額につきましては、現在導入されている各県では結構幅が持たれているようでありますが、現在いろいろ検討されている委員会で法人に対する税額につきましてどのような認識で検討が進められているのか。
 あわせまして、現在のような環境下で、個人、法人含めまして、全体で新税であるとか受益と負担というものに対してどのような意識を県民が持っているのか、どのように把握されていらっしゃるのか、この点につきまして御答弁をいただきたいと思っております。
〇千葉税務課総括課長 まず、1点目でございます。いわて新産業創出育成プロジェクトなどの各施策の県税への影響額等というお尋ねでございますけれども、現在進めております行財政構造改革プログラムの中で、自主財源確保に向けた取り組みの一つとして、産業の活性化等による安定的な財源確保を目指し、新たな産業の育成や中小企業支援等の施策を積極的に講じて中長期的な税源の涵養を図るということを一つの大きな柱として進めているところでございます。
 今、具体にお話ありましたプロジェクトの関係でございますが、この各施策が県税にどのような影響を与えるかということでございますけれども、これらの施策が実施された場合、最終的には各企業等の設備投資や所得の向上を通じまして不動産取得税や事業税等の増収が、あるいは雇用の拡大・促進を通じまして個人住民税等の増収がそれぞれ図られることを私どもとしては期待しているところでございます。
 ただ、県税への影響額ということでございますが、このプロジェクトの事業内容、構成する事業等を見ますと、例えば企業等への研究開発を支援するための事業などが数多く含まれておりますことから、その全体成果の発現には一定の時間を要するのではないかと考えられまして、現時点で影響額の把握は困難でございますので、御了承賜りたいと考えているところでございます。
 2点目でございます。森林環境税に関する県民の意識ということでございますが、きのうも一部答弁があったところでございますが、外部委員会の中で実施しました県民アンケート調査の中でも、環境を基軸とした新たな視点に立った森林整備の必要性あるいは財源確保の新たな税制度の必要性については8割方の方々に肯定的な見解を示していただいたところでございます。
 なお、負担してもよいという金額につきましても県民アンケートで調査しておりますが、年額500円程度というのが31%、1、000円程度が27%、2、000円程度と3、000円程度がそれぞれ5%となっておりますことから、約4割の方々が年額1、000円を一つの目安として許容範囲としているのではないかという結果となっているところでございます。
 今のは個人の方の話でございますが、法人について、きのうもちょっと答弁の中でございましたが、委員会の方では、最終報告に向けまして、その辺の最終的な書き込みについて現在議論がなされているところでございます。どの程度のところまで委員会として書き込むかということがありますので、そちらの方では申し上げにくいところがございますが、法人の税額につきまして、他の先進県の考え方を御説明申し上げたいと思います。
 まず、法人につきまして二つの考え方がございまして、一つは、一番最初に導入いたしました高知県では、法人と個人は同額で500円ということで考えているところでございます。これは、森林から有形無形の恩恵を享受するということでは法人も個人と同じではないかということがその前提にあるのではないかと考えております。ただ、その後続いて、例えば鳥取県とか、ほかに4県ほど既に制度を決定したところがございますが、これらの県につきましては法人の資本割、現在、法人県民税の均等割は、御案内のとおり法人の資本等の金額に応じまして5段階に区分されております。したがいまして、超過課税をとるとするならば、現在の法人について、いわゆる地域社会のポストを支える主体であるという観点から、現在の法人の負担割合に対して何%の超過課税をするべきではないかという形、例えば鳥取県では現行税率の3%、これは、一番資本金額の低いランクの法人では年額600円、5%ですと1、000円という形でございます。一番最高の資本金ランクですと、3%ですと2万4、000円、同じく5%ですと4万円という形になっております。我が県は大体2万4、000法人に均等割を納めていただいておりますが、大体2万4、000法人のうち1万7、000法人が1、000万円以下であり、区分でいいますと一番低いランク、その上の1、000万円超1億円以下のところが約5、000法人ということで、大体2万4、000のうち2万2、000法人がこの辺のところにございます。大体今申し上げたような金額が現在他県における実態となっているところでございます。
 意識調査というか全体の負担割合ということについては特にアンケートなどで調査した形にはなっておりませんので、それについては把握しておらないということで御了承願いたいと思います。
〇関根敏伸委員 最後の受益と負担につきましては、今回の森林環境税に限らず、このような状況下でございますから、財政を考えれば当然税収はあるにこしたことはない。ただ、逆に言えば、このような環境下であるから、県民にすると負担は幾らかでも少ない方がいいというのは当然の県民感情であろうと思います。大きな流れの中で、県民が受けるサービスに対してどの程度の負担を甘受できるのかということはやっぱり大きな目でとらえていくべきではないのかと思っての質問でございますので、何らかの機会にぜひそういったものは実施していただきたいと考えております。
 次に移りますけれども、たびたび質問が出ております県職員の数と人事制度に関しまして数点お尋ねいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 御存じのとおり、県財政の改善に向けた職員体制のスリム化と総人件費の適正化が順次進められてきておりまして、平成16年4月1日現在の岩手県の総職員数は2万7、700人余りとなっておると承知しております。総務省の定める定員モデルからは2.9%少ない職員数ということで、モデルを下回る率では全国一だと聞いております。平成17年度の歳出予算に占めます人件費割合は、岩手県が26.5%、東北6県の平均が29.5%ですから、これをかなり大きく下回った総人件費割合だと考えております。これは言いかえれば、少ない人員で職員の方々が一生懸命頑張っているということなのかとも理解できるわけでございまして、その辺につきましては大いに敬意を表するわけでございますが、これらにつきまして、担当部としてどの程度把握されておられるのかという意味で何点か質問をいたします。
 1番目は、順次削減が進められている現状にありまして、職員数と行政サービス、県民満足度の関連につきましては県ではどのように把握されていらっしゃるのでしょうか。県の求める行政の効率化と質の高い行政サービスの提供という両立は現状図られていると認識されていらっしゃるのか、これがまず第1点でございます。
 それから、第2点目です。これもたびたび質問が出ているところでございますが、職員が減り続ける現状の中で、職員の職務に対するモチベーションに対してはどのような把握をされていらっしゃるのか。また、表彰制度、勤務実績評価による勤務手当への反映など新しい人事システムを導入していらっしゃいますが、これらが職員のモチベーションアップあるいは職員のスキルアップにどのように貢献をしていると認識されていらっしゃるでしょうか。
 それから、平成17年度から職員に対する新しい人材育成と研修制度が始まるようでございますが、この詳しい内容はどのようになっていらっしゃるのでしょうか。
 それから、3点目でございます。東北6県の職員給与実態との比較並びに県内の民間給与実態との比較はどうなっていらっしゃるのでしょうか。また、それに対する部としての所感があればお聞かせいただきたいと思っております。
 最後になりますが、同じく各種の行財政改革の中で、平成17年度、各種補助金負担金の見直しというのが挙げられておりまして、約299件、24億円余の削減を見込んでいらっしゃるようでございますが、これら補助金とか負担金の削減による職員数への影響はどのようにとらえていらっしゃるか、以上につきましてお聞かせいただきたいと思います。
〇小川人事課総括課長 まず、お尋ねの職員数の現状と行政サービス、県民満足度との関連をどういうふうに認識されているかということでございますが、基本的には、直接広聴広報機能等を通しまして県民のニーズを把握するということはやっておりません。これは、組織要求等の段階で、各地方振興局、各部局からどういう要求があるかということを聞いて組織的な判断をしております。ただ、各地方振興局等において、各産業界と頻繁に懇談会等を行って、そういう意見等を踏まえた上で行政需要等を把握し、それに基づく組織を考えまして要求してきているのが実態でございます。
 今お話のありました趣旨は、多分、こういう組織・人数構成をとった場合に県民満足度、それから行政サービスが落ちていくんじゃないかということではないかと思いますが、今、私どもやっておりますのは、事務量を減らそうと。つまり、業務革新を進めることによって特に間接的な事務部門の業務のやり方を徹底して見直そう、そういうことによる効率化を図りたいと考えておりまして、県民の方々に対する行政サービスを実施する現場部門においては、例えば平成17年度の新規増員として、児童虐待、DV対策、これを6人増員したと。部局の方で2人追加いたしまして8人ということで、目標としては数字を1年で達成しているとか、それから、ものづくり推進体制の強化、鳥インフルエンザ対策の強化というように、間接部門を徹底して簡素化することによりまして事業部門の強化を図っていく、今後予想される非常に厳しい地方財政下で、組織を維持する方法はそれしかないということを踏まえましてやっております。その中で行政サービス等の質の低下を招かないように、徹底して間接部門の省力化を図るという考えでやっております。
 2点目でございますが、職員数の減傾向と表彰制度、勤務実績評価等、今いろいろやっております人事システム導入につきまして、職員のモチベーション等をどういうふうに把握しているかということでございますが、これはいろいろな調査をやっております。特に県の組織活動に関する分析結果――これは総合政策室の方でやっておりますが――によれば、職員の皆さんは県民ニーズにこたえたいという強い思いを持っている。ただ、その一方で、上司と部下との意識の共有とか自分の仕事の目的や意義の確認、業績に対する評価等に不満を抱いているというようなことが挙げられております。これにつきまして、職員の士気を高揚するために、職員の育成と対話を目的に所属長と職員が定期的に面接を行う業務方針推進支援プログラムを実施しております。これは、年に3回なり4回なり、きっちり職員と話し合う機会を持って、職員がどういうことを目指して将来進みたいかを把握いたしまして、そういう方向づけ等の助言をするなり、また、いろいろ職員自体が困っていること等を聞いて、要するに対話を強化していこうということでございます。
 また、業務上の実績により職員の成果を適正に評価して、これを勤勉手当等に反映する表彰制度の充実等、いろいろ職員の育成とか業績評価とか表彰制度とか、そういう人事システムを平成16年来入れまして、こういう厳しい状況下にありながらも、少しでも職員の意欲の向上を図っていきたいと考えております。
 新しい職員研修制度の詳しい内容ということでございますが、これにつきましては、新・人材育成ビジョンを平成15年に作成しております。その中で、職員一人一人に着目した能力開発等の視点から、職員がみずから考え、みずから行動できる人材の育成に取り組むということで、平成17年度から主に一層取り組もうとしているものについては、新採用職員の採用試験から一般級の職員の研修、管理職の研修は平成16年からやってきておりますが、こういうものを一層強化していく。特に、平成16年度から始めました幹部専門研修、従来ですと部局長については研修等はなかったわけですが、かなり高度な判断等が必要とされるということで、部長、室長級の方々にも研修をお願いしている。それから、新任担当課長等につきましても、経営能力とか経営感覚とか、特に会計的な知識とか経営の知識とか、そういうマネジメント能力が非常に重要になっておりますので、そういう経営感覚を身につけるための研修等を実施させていただいております。もう一つ、逆に、若い新任の主査等の研修におきましては、社会福祉施設での体験研修、これは、弱い立場の人のことをよく考えられるかどうかという視点から、いわゆる役人にならないように、そういうことから社会福祉施設での体験研修等を取り入れております。これにつきましては、やった後のアンケート調査におきましても、やはり自分は机で物を考える傾向が強かったというようなことで、非常に役に立ったという評価をいただいております。
 平成17年度以降でございますが、この辺の路線を強化するとともに、特に幹部の専門研修、これは、経営戦略とか危機管理とかコーチングとか、そういう研修をさらに一層強化していく。それから、先ほどちょっと触れましたが、採用につきましても、現在、初級、上級という格好になっておりますが、この試験制度を見直すことで、現在、人事委員会と協議等をしております。
 4点目でございますが、職員数と人事制度に関連いたしまして、東北6県の職員給与実態の比較、それから民間給与格差等の比較ということでございますが、これはラスパイレス指数によって判断するしかないわけでございますが、平成16年4月1日現在で、本県は東北で4番目となっております。これはラスパイレス指数でいいますと98.2という形で、前年度に比べて4ポイント落ちているということでございます。
 人事委員会の方で、毎年、企業規模100人以上かつ事業所規模50人以上の県内事業所317事業所――これは平成16年度でございますが――のうち100事業所を対象に調査を行っております。これらに基づきまして、平成16年におきましては、給料減額措置前の水準で2.22%、減額措置後の水準で0.39%県職員の給与が民間の給与を上回っている実態にあることを勧告されておりまして、ただ、本年度の給料月額は、減額措置中であることを踏まえまして据え置くという勧告をいただいております。
 本県では、人事委員会勧告に従って給与制度を実施しておりますので、民間給与との比較において、給与水準はおおむね適正であるのではないかと思っております。
 ただ、今後の方向性といたしまして、国等におきまして地域給とかいろいろ話が出ておりますが、そういう県民の理解等を得ながらやっていかなければならない中でも、職員の職務と責任に応ずるものでなければならないという職務給の原則がございます。都市部が高いというような形でいきますと、どうしても人材が都市周辺にしか集まらないという傾向も出てくるおそれもありますので、やはりそういうところと人材の確保とか士気の維持とか、そういうところとのバランスをとって考えていかなければならないのではないかと思っています。
 各種補助金の見直しと職員数への影響ということにつきましては、ちょっと私どもで……。具体的に補助金が見直しをかけられてということに関しましては、国等の関係でありますと、国庫補助を申請するために膨大な方々がかかわっておりますので大幅に職員数を減らすことができると思いますが、対市町村の関係でどの程度ということは余り、特に県と市町村の関係でそれほど大きな補助を持っておりませんので、大きい特段の影響があるというふうには考えておりません。恐縮ですが、その範囲でしか申し上げられません。
〇関根敏伸委員 細かな質問に対して御丁寧に御答弁いただきまして本当にありがとうございました。
 これらの問題につきましては、特に給与の実態であるとか職員数というのは非常にデリケートな問題でありますので私もどうこうというわけではないんですが、ただ、求めるところは、行財政を安定的なものにしながら、住民サービスは落とさない、県民満足度は落とさない、多様なニーズにこたえなければならない、これを両立しなければならない非常に難しいかじ取りを迫られているわけです。片一方では、その流れの中で組織を見直す、職員をスリム化するということで、このような実態が今生じてきているわけでございますが、私が言いたいのは、やっぱり職員の方のモラルアップ、スキルアップを図ることが最終的に県民満足度の向上につながるという大前提があるわけですから、その大きな本質をぜひ見失わないで、職員の定数であるとか削減であるとか組織の見直しをしながらも、なおかつ大きなところをぜひ見逃さないでいってほしいという意味で、職員のいろいろなニーズとぜひ両立しながらやっていってほしいといった意味での質問でございます。
 今の実態を踏まえまして、もしできましたら総務部長から、東北6県との人件費比較あるいは総務省が定める定数モデルからの今の職員の現状、そして、先ほど御答弁いただきました県職員の今の待遇、いろいろなものを総数で含めまして、もし何か御所感がございましたら最後に1点ぜひお願いをしたいと思っております。
 そして、最後の質問になりますが、項目が変わりますが、公会堂の指定管理者制度の導入がいよいよされるわけでございますが、平成17年度、公会堂費2、065万円余が計上されておりますが、これが前年比較で大幅な1、680万円余の減になっておりますが、どのような内容でこのような大きな減額になっているのか。そして、委託に伴う効率化はどのように把握をされていらっしゃるのかをあわせてお聞かせいただきまして質問を終わりたいと思います。
〇時澤総務部長 職員数あるいは給与につきましての総括的な御質問がございました。東北で比較いたしましても本県の給料は4番目でございますし、職員数も総務省の定員モデルからすればスリムとなっております。ただ、私ども考えておりますのは、やはり県民サービスに直結するような仕事をきちんとしていかなければならない、そのためにいろいろな見直しも行っております。例えば、今の仕事にむだがないのか、無理がないのか、むらがないのかという観点から見直しを行いまして、間接部門を直接部門――対住民サービスに直結する部門――の方にシフトしていく。その中でさまざまな工夫をしていっているわけでございます。また、これまでとかく役所の考え方は、例えば1日の中で一番忙しい時期がどのくらいで、月で一番忙しいときがどのぐらいで年に一番忙しいときはどれぐらいか、要するにピークを重ねてはかってきましたけれども、そうではなくて、やはり谷まで行って、ピーク時にはどうやって支援するか、そういった発想の転換も職員の数あるいは職員の業務を考える上で必要だと思っておりますので、そういうことをやりながら、なおかつ職員の満足度、職員のやる気ということもあわせて考えていきたいと思っております。
 県民満足度を上げるためには、やはり職員の満足度も上げていかなければなりませんので、そういうことを考えながら私どもはさらに努力していきたいと考えております。
〇立花総務室管理担当課長 公会堂に係る指定管理者制度の委託料の減額の理由と導入の効果についての御質問でございます。
 まず、委託料の減額の理由でございますけれども、従来、公会堂につきましては管理委託をしていたわけでございますが、予算上、管理運営費総額を委託料として計上しておりまして、会議室等の使用料、収入に当たる部分につきましては県の収入といたしまして管理運営費の特定財源として計上していたところでございます。4月から指定管理者制度を導入するわけでございますが、この導入に伴いまして、もう一つ利用料金制度を採用することとしているわけでございます。この利用料金制度を採用することによりまして、会議室等を利用した部分の収入は直接指定管理者の収入という形になります。今回、平成17年度当初予算に計上しております委託料は、指定管理者候補者が積算いたしました管理運営費の額から、指定管理者候補者が目標として定めた料金収入、指定管理者に入る料金の収入を差し引いた2、065万3、000円を計上しているところでございます。したがいまして、平成16年度の当初予算ベースでお話ししますと、当初3、750万円計上しているわけでございますが、これと比較いたしますと1、684万7、000円の減額になるところでございます。
 それから、効果でございますが、指定管理者制度につきましては、民間の方々に委託することが可能になっている制度でございまして、非常に多様なノウハウを持った民間法人の方々に委託いたしまして、その方々の創意工夫とか活力を生かしていこうと考えております。私ども、今回、管理を委託する候補の方々から計画をいただいているわけですけれども、その計画によりますと、まず、サービスの向上といった面では、窓口の業務時間を、今までは5時でやめていたんですが、これを19時まで延長する、あるいは、ホームページを開設いたしましていろいろなPRをしたいとか、予約状況をPRしたいとか、あるいは申請者はそこから申請できるというふうなサービスをしたいとか、あるいは銀行口座振り込みによって利用料金を納めていただいて利用者の利便を図るとか、そういったことを図る予定としております。
 それから、公会堂をPRするようなイベントを開催したりとか、あるいは高校生とか文化団体とか小・中学生が利用する場合は、大ホールですけれども、割引制度を導入いたしまして利用率の向上を図っていく、さらには、経費の節減を図っていくことを考えているところでありまして、コスト削減の効果で申し上げますと、指定期間3年間での管理運営費の総額では、平成16年度の見込み額のベースと比較いたしますと大体888万円の縮減となる予定でありますし、また、委託料の実質負担ベースで申し上げますと、さらにその利用料の増が見込まれますので、指定期間3年間で1、722万円の縮減となるという効果を見込んでいるところでございます。
〇佐々木順一委員長 この際、進行に御協力を願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇中平均委員 簡潔に質問させていただきます。
 先ほどの野田委員の質問に対して関連で質問させていただきますけれども、久慈幼稚園に対する補助金の関係につきまして、平成17年度は補助金は交付しない、平成18年度から20年度までは経過を見ながら補助金の方も考えていくという答えでありました。それは法律にのっとってというところでもあるし、重々理解できるところでもあるんですが、久慈市におきまして、久慈幼稚園は幼稚園が二つしかない中での一つの幼稚園でありますし、地域においても非常に重要な幼稚園であります。そういった意味においても、県において今後の支援を重ねてしていかなければならないのではないかと私考えるのでありますが、その点につきましてひとつ御答弁をよろしくお願いいたします。
〇齋藤法務私学担当課長 ただいま中平委員からお話があった次第ですけれども、確かに久慈市には私立幼稚園は久慈幼稚園のほかは宗教法人立の幼稚園しかなくて、そういう面でも、こういう再生法人として再生されている中で経営されているということで、非常に苦渋の中だとはわかりますけれども、県としては、今のところは、先ほども言いましたように、よくて平成18年度から減額交付ということになりますので、その間についても、学校法人、久慈幼稚園、さらには文科省、地元の久慈市とも協議しながら引き続き支援に努めたいと思っております。
〇中平均委員 平成18年からの原則不交付というところの原則、あくまでこれは原則であると私どもも信じておりますし、そういった意味で十分な対応を今後もお願いしていきたいと考えております。
 続きまして、予算の効率的、弾力的な運用という点に関して質問させていただきます。
 先ほどの田村委員の質問にも若干答弁ありましたけれども、平成17年度予算調整要領という資料を見させてもらって、去年の10月15日付の通達文書の10番目に、執行に当たり、節減した予算額を次年度以降に加算できるというふうな記載がございました。これがまず弾力的なという意味に私はとっているんですけれども、言わずもがなでございますが、改めて目的と、この効果をどのようにとらえているかお伺いいたします。
〇菅野予算調製課総括課長 私どもメリットシステムと呼んでおりますが、この目的、私どもからしますと、まず、執行面から経費節減を極力やっていただいて、なおかつ計画的な予算執行に各部局で主体的に取り組んでいただく。さらに、予算の年度間調整というものがございます。ことし使い切るのではなくて、極力節減してもらったものは工夫してもらえば来年度に持っていけますよということになりますので、そういった予算の年度間調整にもある程度資すると考えているところでございます。
〇中平均委員 裁量的経費と実質的経費というふうに書いてある。先ほど公共事業も含まれるとお伺いしました。そういった中で、昨年の決算特別委員会において私も質問したんですが、さまざまな公共事業の予算に限らず、とかく予算のときは審議の方が重点になるんですけれども、決算の方はなかなかわかりづらい。総額で出てくるということもあるんですけれども、そういった中において、残額と言えば聞こえが悪いんですけれども、執行していく上で節減した額、結果的に余った額を来年度につなげていくというのは非常に重要な点なのかなと考えております。例えて言えば、それこそ公共事業等でいえば、今、入札等の関係でどうしても落札率が下がってきている中で、当初設計で組んでいた予算より実質は金額が少なくなってきている、そういうふうなものを例えば地方振興局の単位内で集めてもう一つ新しい事業を出すとか、もしくは県が全体として集約をかけて新規の事業を出すとか、もしくは今までのように距離を延ばして継続をかけるためのことをやっていくとか、さまざまやり方があると思うんですが、そこら辺をより具体的に、そして、その効果がはっきりわかるようにしていくべきではないかと私は考えます。正直、今回やられていく中での効果というのがこれからどういうふうに金額的なものが見えてくるのかちょっとわからないところもありますし、そこら辺を含めて、今後この結果をどういうふうに示していただけるのかお聞きします。
〇菅野予算調製課総括課長 先ほど御説明申しましたいわゆるメリットシステムでございますが、これは、例えば公共事業についても適用できるんですが、これは、いろいろ工夫していただいて節減をしていただく。例えば設計で工夫しました、施工で工夫しました。残念ながら、例えば入札で節減ができた、これはどちらかといいますと入札いただいた事業者の方々の方の工夫でございますので、その分を翌年度に繰り越すというシステムにはしていません。その分については県側の努力というよりはむしろ事業者側の努力ということになりますので。ただ、そういった入札で執行残が出たようなものにつきましては、これは各部局でそれぞれ対応しているわけでございますが、今、委員から御指摘のございましたとおり、翌年度に予定していた事業を前倒しでやって供用開始を早める、それから、そういった箇所からもう少しやれば別な箇所ですぐ供用ができるという箇所について、機動的にそこに予算を持っていく、いろいろな効率的な運用をやっているとは存じます。
 ただ、気をつけなければなりませんのは、大事なのは、こういった限られた予算の中ですので、より予算の効率的、効果的な実施という観点でおのおの判断していただかなければならないですし、それをなおかつ県民の皆様に説明できるようにしておかなければならないと思っております。そういったことを私どもも予算担当課として各部局にお願いしているところでございますし、今後、今の委員の御指摘等も踏まえまして、いわゆる関係部局と会議等を通じまして、どうあるべきか、それから、そういう効率的な執行をどう図っていくのが最も県民の皆さんにとってベターなのかということをよく私ども議論させていただきたいと思っております。
〇中平均委員 公共事業の中で、入札の方はこれの対象にはならないけれども、実態はまた別にやっているんだというのもわかりました。そういった中で、ぜひ入札関係でもこういうふうに出たのに関して、もうそれは違うんだというのではなくて、それをやっぱり調整してやっていくことによって、これだけ厳しい緊縮予算と言われている中で社会基盤整備に使われている予算もどんどん削られている中でありますので、逆に言えば、この入札のものも次年度に繰り越せる、弾力的に使えるようになれば、同じ金額でより多くの社会資本の整備ができると私は考えますので、その点、今後もやっていっていただきたいと思うんですけれども、その点に関して部長の所感をお願いします。
〇時澤総務部長 確かに入札残ということは、事業部局が頑張ったわけではございません。ただし、そこに出た差額を使い切ってしまわなければならないという判断がされるようであれば従前と変わらないわけでございますので、やはり大事なことは、いかに効率的に使っていくかでございます。したがいまして、残ったから使い切るということの弊害を是正するために考えてきた制度でございますので、入札につきましても、残ったから使い切るということは、やはり制度の趣旨からすれば問題はあるという部分もございますので、その辺、翌年度に使うのか、今年度さらに効率的に使っていくのがいいのか、その辺を含めて効率的な執行ができることについて、これは今、御指摘のあった部分も踏まえましてさらに検討させていただきたいと思います。
〇伊沢昌弘委員 3点ほどお伺いしたいと思います。
 最初に、救急体制に関連してお伺いしたいんですが、過日、環境福祉常任委員会の方で救急救命士の気管内チューブによる気道確保の認定の状況についてお伺いいたしました。所管が総務部の方だということでありますのでお伺いしたいわけであります。
 気管挿管という形で認証の講習が義務づけられて、去年の7月1日からこれの実施が可能になったと聞いているところでありますけれども、最近の新聞報道で、県内8番目の方の認証が交付されたということがありました。消防学校での講習、さらには病院での実習が義務づけられているようでありますけれども、県内における救急救命士の気道確保の実施に向けた講習、さらには病院での実習状況がどのようになっているのか。また、救急救命士がたくさんいると思うんですけれども、将来すべての方にこの講習が私は必要だと思うんですけれども、その辺についての考えをお示しいただきたいと思います。
〇高橋防災消防担当課長 救急救命士の気管挿管の講習ということでございます。救急救命士は現在200名を超えておりますけれども、この処置範囲の拡大の一環といたしまして、気管挿管、これは三つございますけれども、この中で心肺停止状態の患者にチューブを入れるということでございまして、昨年の7月からこれができるようになっております。これをするためには、座学として62時間の講習が必要でございますし、実際に管を入れるわけですけれども、病院におきまして30症例の実習が必要だということになってございます。
 まず、講習でございますけれども、これは消防学校でやっておりまして、平成16年度、79名が修了してございます。それから、消防学校以外に消防大学校に派遣になっている者もおりまして、これが3名で、計82名となっております。それから、病院での30症例の実習でございます。30症例を終えた者がきのう現在で8名になっております。実施状況は、県内8消防本部管内の11病院で現在実習が行われているということでございますけれども、県内13消防本部がございますけれども、5消防本部の管内ではまだできないという状況になってございます。
 課題でございますけれども、できないのが課題でございまして、5消防本部、これは具体的に申し上げますと、花巻、北上、遠野、釜石、二戸の各消防組合の管内でございますけれども、やはり指導してくださる麻酔科の先生がおらないということもございますし、それから、新人の先生方の研修がございまして、これとかち合っているというのもございます。そういういろいろな病院の事情がございます。それから、病院の規模に応じまして、症例が少ないということもございます。こういう課題がございますけれども、いずれ県民の理解を得てやらなければならないということがございますし、病院の協力も必要だということがございます。
 今後の対応でございますけれども、まず、今できていない5消防本部につきましては、先発している消防本部との情報交換などをやりまして、早目にできるようにしたいと思っております。まず、それぞれの消防本部で、とにかく1人でも、ゆっくりしたペースでもとにかく取りかかっていただきたいというのが今の考えでございまして、そういう状況づくりをしたいと思っておりますし、これは医療機関から大変な協力を得ていますので、引き続き協力をお願いしていくとともに、県民の皆さんにも広報していきたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 大変厳しい状況だと思います。講習についてもお医者さんでなければできないような講習が並んでいますし、制度が変わってかつて論議を醸し出した部分ができるようになったものですから、今後ぜひ御努力をいただきたいと思います。
 2点目です。災害対策の部分で、この間、一般質問やこの委員会を通じて津波対策がいっぱい御審議あったんですが、岩手山に目を移して確認をしたいと思います。
 岩手山の火山活動は沈静化の方向にあって、去年からは全面的に登山も解禁されて、経済効果も今年度以降大いに期待されるところであります。岩手山の火山監視体制、噴火活動が活発化した時点では、ほとんど監視体制がなかったということで、いろいろな意味で県や国、それから大学等々を含めて調査や観測機器の配備などいろいろなことをやってきたと思っております。来年度予算にも1、200万円ほど火山活動監視ということでのっているわけでありますけれども、これまでの岩手山火山活動に対する観測機器の配置状況と今後における監視はどのようになっていくのかお伺いしたいと思います。活動が活発だった時点に比べて、体制が変わっていないのかということを中心にお聞きしたいのでこれを取り上げた部分でありますので、よろしくお願いいたします。
〇高橋防災消防担当課長 岩手山の監視体制でございますけれども、まず火山活動が活発化する以前につきましては、これは東北大学とか気象台が中心でございました。活発化をしてから、加えまして国土地理院それから東北地方整備局、これは岩手河川国道事務所でございますけれども、それぞれ全部で7機関になっておりますけれども、体制が強化されてございます。県におきましても、平成11年に地震計と地温計を設置したところでございます。
 それで、去年の7月から解禁をしているわけでございますけれども、6月現在におきましては、岩手山全体で地震計が39基、それからGSP観測装置28基、それからカメラ18基など、120基ぐらい機器を設置しておりまして充実をしているということでございますけれども、先ほどお話をいたしましたけれども、火山活動が静穏に経過しているということを受けまして、昨年の7月から全面解禁をしたということでございまして、それぞれ設置をしている機関におきましても縮小ということ、いずれ、状況に合わせて対応ということになってございますけれども、設置につきましては岩手山の火山活動に関する検討会、これ岩手大学の斎藤先生が座長でございますけれども、こうした検討会で専門的な助言といいますか、しっかりした検証を行った上で、そうした検証のもとに観測体制を見きわめて、しかるべく対応をするという形でございます。
 活動は静穏にということで経過をしておりますけれども、気象庁初め関係機関の方に継続設置については働きかけておりますけれども、活動が活発になったときは、緊急的なことがございましたので、臨時的に設置されたようなのもございますけれども、いずれ、数の問題もございますけれども質の問題も大事ということで、これは気象庁でございますけれども要請をしてございます。
 今後とも、検証評価というのをきちんとやって、それに対する観測体制を構築していくという考えで対処してまいりたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 120ぐらいあるというのは、端的に聞きます。動いているのかいないのかということなんですが、済みません、そこだけもう一点確認をさせてください。
〇高橋防災消防担当課長 120というのは、昨年の6月現在で申し上げましたけれども、動いているのが120で、具体的に申し上げますけれども、気象庁は地震計と望遠観測装置がございますし、東北大学は相当、地震計とか傾斜計とか磁力計とかいろいろ63ぐらい持ってございます。それから、あとは東北地方整備局では望遠、これはカメラでございますけれども、こういったものを持ってございます。それから、国土地理院のGPSと、これも9ぐらいございますけれども、そういう状況でございます。
〇伊沢昌弘委員 動いているということでありますので、ぜひ経過を見ながらいかないと、また最初の大変だということになりますので、そこはぜひお願いしたいと思います。
 最後です。議案その1の14ページに、48番に債務負担行為、公会堂の管理運営に係る管理業務委託の部分で4、100万円の債務負担行為が載っているわけです。これ指定管理者制度で初めて移管をする施設でありますので、なぜ債務負担行為が必要なのか。そしてこれはどのくらいの期間、来年度限りなのかどうかも含めて、制度的にこの債務負担行為が必要な根拠等がもしあるのであれば教えていただきたいと思います。
〇立花総務室管理担当課長 債務負担行為の根拠でございますが、地方自治法の244条第5項で、指定管理者を指定する場合は、期間を定めて指定を行うこととなっておるわけでございます。今定例会に別途議案を提案しているわけでございますが、公会堂の指定につきましても、指定期間を3年とすることとしておりまして、この議決を経まして、知事は行政処分として指定管理者を指定するという形になっておるわけでございます。それで、その指定を3年間という指定期間を定めて指定をすることに伴いまして、後年度に債務が生じますことから、債務負担行為を行うものでございます。
 なお、債務負担行為の期間は、平成17年度から19年度までとしているところでございますが、その債務負担の額の4、103万6、000円でございますが、これは平成18年度と19年度の2カ年分の額でございまして、今後それぞれの年度におきまして、当該年度分に係るものを歳出予算に計上していくこととなります。
〇伊沢昌弘委員 14ページを見れば、平成17年から19年までということで4、100万円。今、最後にお話をした18年度以降は改めて云々というのは、この4、100万円以外のものが出てくるということでしょうか。ちょっと再確認です。
〇立花総務室管理担当課長 債務負担行為は、後年度の債務が生じる限度額を定めているものでございまして、その限度額の範囲内でその平成18年度にまたその範囲内で必要な委託料を計上するという趣旨でございます。
〇伊沢昌弘委員 わかりました。先ほどの2、000万円ほどの委託料の部分がこの部分で担保すると、こういうことで理解すればいいわけですね……。
 そうすると、今後、いろんな施設も含めて平成18年度から県立のいろんな施設がやっていくと。この部分については契約をする年度ごとによって、こういった形の債務負担行為というのは出てくると理解してよろしいんでしょうか、再確認です。
〇立花総務室管理担当課長 指定管理者の指定は、地方自治法に基づきまして指定を行政処分として行いますので、契約という形をとらないで、あくまでも指定管理者と設置者の間で協定を結んで行います。その協定の中で、委託料の額の積算とか何かを定めていくという形になっているところでございますので、毎年毎年委託契約を結ぶという形には、形式的にはならないという形になっております。
〇斉藤信委員 4点ありますが、簡潔に明瞭に私聞きますので、答えも簡潔明瞭にひとつ。
 三位一体改革と県財政について。
 地方交付税を大幅に削減された今年度並みで、臨時財政対策債を含めると74億円余の減となっていますが、これでは改革に当たらないと思いますが、いかがでしょうか。
 これまで、一般財源化、交付金化された項目と財源措置はどうなっているでしょうか。
 県債残高の中で臨時財政対策債分はどうなっているか。今後、補てんされる具体的な見通しはどうなっているか。
〇菅野予算調製課総括課長 昨年11月に示されました政府・与党合意による三位一体改革の全体像、これに基づきます平成17年度政府予算における改革の内容といたしましては、いわゆる税源移譲の対象になりました国庫補助負担金につきまして、いわゆる地方がリストに入れていなかった国民健康保険、それからあとは改革の内容が不明なままで義務教育国庫負担金等がこの中に入っている、そういった意味でもなお不十分ではないかと思っております。また、地方交付税改革の面におきましては、確かに地方の一般財源が確保されたということにはなっているんですが、本会議でも知事が御答弁申し上げましたとおり、道府県税の伸びが4.3%という伸びになっておりますので、やっぱり本県としては非常に苦しい状況でございます。こういったものについては、引き続き交付税できちんと措置されるよう、国に申し入れていかなければならないと考えているところでございます。
 それから、一般財源化でございますが、平成17年度におきましては、国民健康保険国庫負担など35事業、約6、989億円、それから暫定措置分といたしまして、義務教育国庫負担金約4、250億円の一般財源化が行われたところでございます。これによりまして、いわゆる税源移譲分でございますが、所得譲与税としまして約6、910億円、暫定措置分につきましては税源移譲予定交付金という格好で、約4、250億円の税源移譲が国ベースでなされたところでございます。
 一方、これを本県への影響額で見ますと、いわゆる一般財源化されました国庫補助負担金につきましては、いわゆる県レベルで見ますと約117億円程度、これによって県に税源移譲されたものが、先ほど申し上げました所得譲与税と予定交付金を含めますと、約108億円程度ではないかと見ておりまして、その差は9億円程度になるのではないか。これにつきましては、今後、先ほど申し上げました地方交付税の財源調整制度によりましてきちんと措置されるよう、私どもとしても重大な関心を見守っていかなければならないと思っております。
 それから、あとは臨時財政対策債の話がございましたが、現在、平成17年度当初予算をベースに試算いたしますと、臨時財政対策債分として約1、557億円程度の残高があると見ております。臨時財政対策債の元利償還金につきましては、地方財政計画におきましてその所要額が計上されるということになっておりますし、また、個々の団体につきましても、その元利償還金の全額を後年度、いわゆる交付税の基準財政需要額に参入することとされておりますので、これについてはきちんと措置されるというより、措置していただかなければならないものと存じております。
〇斉藤信委員 臨時財政対策債は、算定はされるんだろうけれども交付税総額全体が減少されると。結果的には、算定はされても総額としては保障されないということになるのではないか。これは合併のときもそうだと思うんですけれども、そういうごまかしの三位一体改革だということだけ、ここでは指摘をしておきます。
 二つ目、小泉内閣の大増税の影響額について、私一般質問で質問しましたが知事は答えませんでしたので、具体的に税の関係についてだけお聞きします。
 定率減税の縮小・廃止、これは3兆3、000億円になりますが、この影響はどう試算されるでしょうか。
 公的年金等控除の縮小、所得税の老年者控除の廃止の影響、全国的には500万人、2、400億円、1人当たり5万円と試算されていますが、岩手県の場合どうなるでしょうか。
 消費税の免税点の引き下げ、簡易課税の引き下げで増税となる業者数と増税額、そしてフリーター課税の対象と増税額の見込みはどうなるでしょうか。
〇千葉税務課総括課長 ただいまお尋ねがございました増税の影響額につきましては、国税及び地方税ともに影響がございますけれども、国税の所得税分につきましては、本県分の所得金額、納税者数等の統計資料がないために、算定が困難なところでございます。
 お尋ねのあったものの影響額につきましては、現時点での極めて粗い試算でございますけれども、まず定率減税の縮小・廃止でございますが、平成17年度税制改正の2分の1縮減については18年度から影響するものでありますが、個人住民税のうち、県民税で10億2、600万円、市町村民税で20億6、400万円と見込まれるところであります。定率減税が廃止になるとした場合には、これらの2倍の額が影響額になるものと見込んでいるところでございます。
 2点目でございます。公的年金等控除額の見直し及び老年者控除の廃止についてでございますが、これも平成18年度から影響するものでございますけれども、個人住民税のうち、県民税で3億5、900万円、市町村民税で6億5、700万円と見込まれるところであります。
 3点目でございます。消費税の免税点引き下げ及び簡易課税適用上限額の引き下げについてでございますが、これらの免税点制度や簡易課税制度につきましては、いわゆる益税を生じさせているのではないか等の議論等があることから、消費税制度に対する国民の信頼性、制度の透明性を向上させるために、今回の見直しが行われたものと伺っております。これらの見直しの影響は、平成17年度の税収から反映されるものでございますが、国、地方両税合計で38億円と見込まれるところでございます。
 また、これらの見直しの影響を受ける業者数は、新たに課税事業者となるもの約1万5、500業者、簡易課税が適用されなくなるもの約4、900業者と見込んでいるところでございます。
 あと、いわゆるフリーター課税の関係でございますが、ちょっと先ほども申し上げましたが、毎年度個人住民税課税のための給与を支払う事業者が提出を義務づけられております給与支払報告書におきまして、その提出範囲につきまして、いわゆるフリーターなど短期就労者等に拡大されたというものでございますけれども、これは納税義務者の所得把握を確実に行うためのものでございまして、現在非課税の者に対しまして新たに課税の対象になるものではないと認識しております。
 なお、この見直しによる影響額についてでございますけれども、これまで把握し切れていなかった部分でございますので、申しわけございませんが試算は困難でございますので、御了承を願いたいと思います。
〇斉藤信委員 粗い試算で、今不景気で家計の所得が毎年減少している中で、このような増税になったら、今の答えを簡単に合計しますと、定率減税半分の場合で約80億円の増税ですよ。これが廃止になった場合に110億円ですよ。1997年に橋本内閣が9兆円の負担増をやった。このときは家計所得が4兆円、5兆円ふえていたときです。今、減っているときにこういう負担増をかけたら、大変な経済の破綻と生活の破綻を迎えるのは目に見えているのではないか。これは指摘だけにとどめておきます。
 フリーター課税について、私たちが問題にしているのは何かというと、結局フリーターというのは国民年金なんです。厚生年金じゃないんですよ。国保税を払っているんですよ。これが控除されないんです。だから所得だけ捕捉されたら、いわば控除されないままの所得になっているんですよ。そしてまた、年金もそして国保税も払うので二重払いになると、こういうことを私たちは言っているわけ。だから、そういう危険性があるので、このフリーター課税、私は深刻な事態を先ほど述べましたが、ああいう青年やフリーターからこういう増税をやったら、ますます生活ができなくなるということだけ指摘しておきます。
 次に3番目、入札制度の改善と県内業者発注額、比率、落札率の推移について。
 これまでの主な入札制度の改善の取り組みとその成果はどうなっているか。改善の成果が上がっているのだけでいいですから。この間の落札率の推移はどうなっているでしょうか。これは1億円以上で示していただきたい。その中で95%以上の落札額の件数、比率はどうでしょうか。県内業者への発注額、比率はどう推移しているでしょうか。
 昨年の公正取引委員会の調査について、私は県内に深刻な談合体質が温存されているのではないかと思いますが、どのように受けとめているでしょうか。
〇門口入札担当課長 まずお尋ねの1点目でございますけれども、入札制度の改善の取り組みとその成果についてでございますが、主なものとして、これまで条件付一般競争入札の導入、これは平成12年の2月からでございますけれども、それから15年の7月に岩手県県営建設工事入札契約適正化委員会の設置、16年1月、受注希望型指名競争入札の導入と低入札価格調査制度の見直しなどを行ったところであります。さらに、本年度は、昨年8月に低入札価格調査制度の調査期間の短縮、11月に予定価格の事前公表の施行、本年1月には電子入札の一部運用などに取り組んできたところであり、これらによりまして透明性の確保、入札参加機会の拡大による公正な競争の促進、県内業者の受注拡大、安易な低入札の抑止など、一定の効果があったものと考えております。
 それから、2点目でございますけれども、県営建設工事の落札率の推移でございます。普通会計では、設計金額1億円以上の落札率は、平成12年度が95.7%、13年度が94.5%、14年度が93.9%、15年度が93.1%、16年度、2月1日現在でございますけれども92.2%となっております。
 次に、落札率が95%以上の件数と比率でございますけれども、平成12年度が315件で84.0%、13年度が212件で81.2%、14年度が144件で69.9%、15年度が88件で59.5%、16年度はこれも同じく2月1日現在でございますけれども、53.0%となっております。
 それから3点目でございます。県内業者発注額と比率でございますけれども、県内建設業者への発注額と比率は、落札ベースでございますが、普通会計で見ますと、平成14年度が1、110億円余で76%、平成15年度は811億円余で76.8%、平成16年度は2月1日現在でございますが、498億円余で81.0%となっております。
 それから次に、談合体質に関しましてでございますけれども、これにつきましては、公共工事の入札をめぐりまして、全国的に独占禁止法違反や贈収賄事件などの不祥事が依然として後を絶たない中、本県におきましては、これまで公共工事の入札契約の適正化の促進に関する法律や、これに基づく適正化指針などに基づきまして、透明性の確保、公正な競争の促進、不正行為の排除の徹底に向け、各種入札制度の改善に取り組んできたところであります。今般、多くの本県建設業者が公正取引委員会の立入検査を受けたと報じられたところでございますが、現段階では、本県建設業者が独占禁止法に違反するどのような行為をしていたか不明でございますので、今後、公正取引委員会の調査を注視し、その結果、改善すべき事項があれば速やかに対応していくこととしたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、答え聞きました。落札率、これが微減ですね。徐々に効果が発揮しつつあるかなと、こういう評価になるんだと思うんですね。そして、95%以上予定価格を明らかにして、なお95%以上が今年度2月1日段階でまだ53%を占めている。公正取引委員会が調査したように、私は談合体質というのが強く疑われるというのも、また県政の実態だと思うんです。
 それで、お聞きしたいんですけれども、官工事法に基づいて県内業者発注比率の目標ってありますね。こういうものはきちっと持っているんだろうか、これが一つ。
 もう一つは、私はこの間の入札改善で見直した低入札価格調査制度、この低入札価格にかかった平成15年度、16年度の件数とかかって調査した結果、だめになったと、最低価格を入れた業者が。こういう件数がそのうち何件あるか、それを示していただきたい。
〇門口入札担当課長 まず、第1点目の官工事法の関係でございますけれども、ちょっと手元に資料等がございませんけれども、県内の建設業者はすべて中小企業に該当すると、県内に本店がある建設業者でございますけれども、理解してございます。
 それから、低入札の関係でございますけれども、平成16年度は16件低入札がございまして、そのうち、最低価格を失格としたものが8件ございます。これが数値的判断基準による失格も含めてでございますけれども、8件が一番札を失格したものでございます。
〇斉藤信委員 官工事法の契約発注比率の目標というのは定めることになっているんですよね。後でいいですから、わかったら教えてください。
 それと、低入札価格制度、今年度は16件のうち8件失格と。これ全国的に低入札価格制度というのはいろいろ、今試行錯誤の段階にあって、なかなか効果を発揮しないということがありますが、岩手の場合は半分は失格にしていると。私、これで一番大事なのは、下請業者にしわ寄せされないことだと思うんですよ。下請業者の労賃、下請業者のいわば下請価格、こういうことがきちっと調査で見られているかどうか、失格した理由は何だったのか、このことをお聞きします。
 あと、最後の問題だけやっておきます。
 危機管理対策と国民保護協会について、これは来年度予算にも国民保護協議会の予算が計上されています。
 国民保護計画というのは、武力攻撃事態法に基づいて本土が、日本が攻撃されると。これは新中期防衛計画でもあり得ないと、可能性はほとんどないと言われているものですよ。しかし、そういう想定のもとで国民保護計画をつくりなさいと、訓練をやりなさいと。そういう想定自体が全く無理なのではないか。テロの危険というなら、今、自衛隊がアメリカの戦争に協力、加担していることがテロの危険を増大しているのであって、こういうことはやめるべきだと私はそう思うんですけれども、この国民保護計画の想定、あり得ない武力攻撃事態、こういうものについて今の時点でどう考えているのか。そして私は、テロというのは基本的に警察が対応すべきだと。軍隊ではなく警察が対応すべき課題だと思いますが、いかがでしょうか。
 日常の訓練は、これは本会議でも議論がありましたが、防災訓練と一緒という話もありましたが、防災訓練とこのテロや武力攻撃に対する訓練というのは、全く性格が違うと思うんです。防災訓練というのは、全面的に情報を明らかにして行う訓練です。軍事訓練というのは情報を明らかにされないのです。
 鳥取県がやった計画を見ますと、北から攻めてくる。南から自衛隊が来る。そしたら、県民が逃げる道路がなくなるというんですよ。こういう計画が実際には鳥取県でつくられて、笑い話なんだけれども、いわば2車線あるから片方避難だ、片方自衛隊だと言ったら、自衛隊はそれを認めないというんです。自衛隊が使うときは全線使うというんですよ。大体こういう想定をしてやること自身が私は全くむだだと思うけれども、こういう計画を立てるに当たって、地方自治体の自主性、自立性、これはどのように発揮されるのかお聞きしたい。
〇門口入札担当課長 先ほどの低入札における下請等の調査の関係でございますけれども、低入札となった場合におきましては、私ども、元請はもとより下請、それから資材業者からも個別に、なぜその価格でできるのかというようなこと、あるいは今までの取引実勢はどうなっているのかというようなことを調査してございます。
 それから、今年度、16年度の低入札におきまして下請の関係で失格理由としたものでございますけれども、いろいろ項目がある中でそれも一つの理由としたものとしては、下請予定者の見積書と異なる金額で工事費内訳書を作成しているというようなものが2件ほど見られました。
〇佐々木総合防災室長 武力攻撃事態でございますけれども、国民保護法で規定しております計画の策定でございますけれども、国から示されました国民保護に関する基本指針の案におきましては、武力攻撃事態につきましては、着上陸侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃の4類型が示されてございます。また、緊急対処事態といたしましては、危険性を内在する物質を有する施設等に対する攻撃が行われる事態、多数の人が集合する施設及び大量輸送機関等に対する攻撃が行われる事態、多数の人を殺傷する特性を有する物質等による攻撃が行われる事態、破壊の手段として交通機関を用いた攻撃が行われる事態の4類型が示されてございまして、計画ではあわせまして8類型について定めることとなるものと考えてございます。
 それから、次にテロについてでございますけれども、県におきますテロへの対応につきましては、岩手県危機管理対応方針、それとテロ対処に関する基本指針、これに基づきまして、警察や消防などの関係機関と連携を図りつつ行うこととなるものでございます。さらに、国からそのテロが緊急対処事態と認定されました場合は、岩手県緊急対処事態対策本部を設置しまして、国民保護措置に準じた措置を講ずることとなるものでございます。
 それから訓練でございますけれども、国民保護法におきます県の訓練は、国民保護法第42条の規定によりまして、平成17年度中に作成を予定しております県の国民保護計画、この中で定めるところにより行うよう努めることとされてございます。したがいまして、具体的な訓練の内容、これらにつきましては、来年度作成する国民保護計画において検討することになると考えてございます。
 それから、訓練の実施の問題でございますけれども、平時に有事を想定して行う訓練でございますが、防災訓練と同様に、いざというときに迅速かつ的確に対処するためには必要なものと考えております。
 いずれ、国民保護の事務は法律に基づきまして実施するものでございまして、国が基本的な方針を定めてそれに基づいて県が実施することになりますけれども、国、県の関係では、地方自治というものは守られると認識しております。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、新中期防衛計画でさえ本土への攻撃はあり得ないと、想定されないと。これは国の判断ですよ。あり得ないことを想定して、計画を立てて訓練をする。私は全く矛盾していると思いますね。
 それと、いざというときの備えだと言うけれども、防災訓練というのは、災害がしょっちゅうあって、本当の危機管理は今防災ですよ。これは本当に力を入れてやらなくちゃならない。あり得ないことを想定してやることは全くむだなんです、これは。だから本当のねらいは何かというと、いわば平時に有事の体制をつくる、これが本当のねらいなんですよ。有事体制。これ、戦争体制ということですよ。戦争体制をつくっていく。これは客観的には軍拡競争になっていくんですよ、戦争体制をつくるということは。
 私はそれで部長にお聞きしたいんだけれども、この法律はそういう矛盾に満ちているので、極めてあいまいな規定です。ですから、地方公共団体の自主性、自立性というのも認められているんです。基本的人権を制約してはならないとも書いている。ここが今までの有事法制と違うところなんですよ。あいまいだからそこまで規定できなかったと。私はだからこの計画を策定するに当たって、また訓練の場合だって、地方自治体が自主的に判断してむだなことはやらないと、こういうふうにしなければだめなんじゃないかと思うけれども、いかがですか。
〇時澤総務部長 県が策定する国民保護計画につきましては、国の方からもモデルを示すと。地方自治を熟知しております総務省、自治省の方からも、そういうモデルが示されるということになっておりますので、その辺も十分考慮しながら、県としての保護計画を策定していきたいと考えております。
〇小原宣良委員 当該委員で大変恐縮ですが、まずは議案第45号県税条例の一部改正です。これは今議論がありましたが、武力攻撃災害もしくは緊急対処事態における災害の場合に税を免除すると、こういうものですね。
 今お話もありましたけれども、武力攻撃の対応、これは四つに類型化をしていると。着上陸侵攻、海岸線に敵の軍隊が攻め込んでくるというものです。それから、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃、これは爆撃機による空爆ですね。この4類型で避難誘導等の対応策を考えるんだと、これが今話があった県における国民保護計画、これを平成17年度中につくるんだと、こういう話ですね。
 そこで、県税条例の一部改正の中で、そうした事態で減免の対象になる税というのはこれは議案にありますが、個人事業税、それから不動産取得税、それから自動車税及び自動車取得税、この4税目なんですよ。攻撃の想定する事態から言ったら、なぜこの4税目かと。空襲なんかかけられたら自動車どころの話じゃないですよ。なぜ武力攻撃災害もしくは緊急対処事態における災害を想定した4類型を想定した上に立って、税の減免というのはそういう場合を想定し、あった場合には税を減免するんだと。その対象税目がなぜこの4税目なんですか。これがよくわからないという点について教えてください。
 それから、今も話がありましたけれども、宮城沖地震の発生確率が大変高いという中で、地震・津波など自然災害に対応する避難誘導対応策、これは非常に大事ですし真剣に行われなければなりませんね。これから県もしっかりその部分は出していくだろうと思うし、地域住民の皆さん、県民もこれは真剣に対応して訓練に当たらなければならない、こういう状況が一つある中で、今議論があったような特有な類型に応じた避難誘導、こうした特有な避難誘導の訓練というものが必要になってくるし、これは別途計画して実施することになると、こう私も本会議でお聞きしたときに、総務部長、そう答えておるんですね。しかし、私が懸念するのは、こういう肝心の自然災害、地震・津波、こうしたものの防災訓練ということにこの国民保護法たるものが出てきて、敵の軍隊が攻めてくるぞと、これを想定して自然災害の避難の中にあわせて、共通の部分についてはあわせてやると言っているわけですね。あるいは法律はやれと言っているわけです。ここの中で本当の意味で岩手県なんかは防災訓練、自然災害に対する訓練が必要なんだけれども、それに対して障害、支障にならないかと。私は本質問でも話をしましたが、そこのところの区分けというものをどうするんだとお聞きしたのはそういう意味だったんですね。ここはぜひ、これから県における国民保護計画、これを策定するというわけですが、どんなふうに策定するものか。これはこれからでしょうが、お考えがあったら改めてお示しをいただきたい。
 そして、国では3月に基本指針を決めるんだと、したがって、それを受けて県の国民保護計画はつくられていくんだから少し時間がかかるといいますが、県議会に対してもこれは計画策定の段階では報告の義務を課していますね、法律は。いつ報告できるんですか。そういう内容についてお知らせをいただきたい。
〇千葉税務課総括課長 県税条例の関係について私からお答えいたしたいと思います。
 現在、岩手県の県税条例にこの4税目について載っているわけでございますが、税では、これは昨年の予算特別委員会で御審議いただいて改めて恒常的な制度として規定をさせていただいたものでございます。それまでは災害があるたびに単発でそれぞれ税目を定めて、その税目について免除するという条例を単発で定めておりましたが、議会の委員の方々からも、これらのものは恒常的に定めて機動的に対応すべきではないかという御意見もちょうだいいたしましたので、そういう応援もいただきましたので、この4税目について、とりあえず恒常的な規定とさせていただいたものでございます。ただ、これがすべてかといいますと、すべではないわけでありまして、いわゆる天災、自然災害でもそうでございますけれども、そのときさらに必要なものがあれば、特例条例なりでさらに拡大するということも当然想定されるものではないかと考えているところでございます。したがいまして、今回の武力災害関係につきましても、委員おっしゃるように、いろんな災害レベルのものがあるのではないかということは当然のことだと思うわけでございますけれども、私どもといたしましては、そういう意味で、先ほど申し上げたような趣旨から、恒常的に条例上定めておくべき最低のものといいますか通常のものといいますか、ということで定めておるというような理解でございまして、これですべて終了しているとか完結しているという考え方には立っていないものでございます。
〇佐々木総合防災室長 まず1点の訓練の関係でございますけれども、武力攻撃事態等に特有な訓練、それで国から示されております想定でございますが、核、それから生物化学兵器による攻撃により発生する災害への対応訓練、それから県境を越えるような広域にわたる避難訓練、このようなものが想定されてございます。
 それで、防災訓練との関係でございますけれども、実施時期あるいは実施場所、これらは重ならないように実施する必要があると考えてございます。具体的には、国民保護計画の中で検討されると考えてございます。
 それから、2点目の議会への報告の時期でございますけれども、計画は平成17年度中に作成する予定といたしてございます。それで、国民保護法の規定で、知事は計画を作成したときは速やかに議会に報告するという規定になってございますので、策定されたとき速やかに報告するとなるものでございます。
〇小原宣良委員 1点指摘にとどめますが、本会議で総務部長はこう答えているんですよ。
 武力攻撃による被害が最小になるようにするためには訓練が必要だと、こう言っているんですよね。ただ、これは武力攻撃による被害を最小にというのは、全くゼロにすることもできるわけですよ、当然。これは国の責任です。外交なんですよ。こういうところが破綻をするから、戦争というのは起きてくるんで、これは岩手県でどんな防災計画というか、そうした国民の保護計画をつくったって、これは挙げて国の責任です。これは外交なんですよ。ですから、ぜひここは認識において、武力攻撃による被害が最小になるようにするために訓練が必要だと。この認識は、やれと言われてそれを拒否できないという、上下の関係の中でこれは法律は組み立てられているから、部長としてはそういうふうに言わざるを得ないでしょうが、根底になる基本認識はぜひしっかりととらえておいていただきたいということを申し上げて、私の質問は終わります。
〇時澤総務部長 私が最小にと申し上げましたのは、あくまでも法体系の中での最小にということでございます。当然の前提としまして、本会議で知事も申し上げましたが、こういうことが起こらないようにするための外交努力というのが一番大事なことであるということの認識は私も持っておりますし、そのことが極めて重要だと思っております。
〇佐々木順一委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは御苦労さまでございましたした。
 以上で本日の日程は全部終了いたししました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時3分 散 会

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