平成17年2月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第25号、第30号、第34号と請願陳情第47号について反対の討論を行います。
 議案第25号、30号、34号は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づいて、岩手県国民保護協会協議会と岩手県国民保護対策本部及び岩手県緊急対処事態対策本部を設置しようとするものであり、武力攻撃災害等派遣手当を新設しようとするものであります。
 第1の問題は、国民保護の名のもとに、先制攻撃戦略を推し進めるアメリカの戦争に国民と県民を動員し、戦争協力に駆り立てる体制をつくるものだということであります。
 具体的には、地方公共団体、指定公共機関、事業者に戦争協力の責務を課し、消火や医療、物資の収用にまで罰則をつけて動員する仕組みをつくるものであります。そのために、平時から動員計画に基づく訓練、啓発によって、国民、県民の間に戦争協力の意識を醸成しようとするものであります。これは、国際紛争の解決に当たって、武力の威嚇も行使も行わないとした、憲法9条の戦争放棄条項に反するものであります。
 第2の問題は、想定されている武力攻撃事態があり得ないものだということであります。
 想定では、1、着上陸侵攻、2、航空機による攻撃、3、弾道ミサイル攻撃、4、ゲリラや特殊部隊による攻撃となっていますが、こうした日本本土への攻撃は、政府の新防衛大綱でもあり得ないとしている根拠のないものであります。
 緊急対処事態というテロに対しては、戦争ではなく警察力で対応すべきであります。アメリカの不当な戦争に協力することが、テロの危険を増大させることになっているのであります。
 第3の問題は、アメリカが先制攻撃戦略で行う戦争に、自衛隊と国民が動員されかねないということが最大の危険だということであります。
 イラクに対するアメリカの戦争は、大量破壊兵器を理由にしたものでしたが、アメリカ自身の調査で、何の根拠もなかったことが明らかになりました。イラクへの戦争は、国連憲章に違反した侵略戦争そのものであります。戦争から2周年を迎えましたが、昨年10月、イギリスの権威ある医学雑誌ランセットが、イラクにおける民間人の死者が10万人を超えたと、調査結果を発表しています。その後、米軍はファルージャへの無差別殺りくを行っており、数千人の女性と子供が殺されています。
 イラクに派兵した有志連合は、当初の38カ国から20カ国が撤退もしくは撤退を表明し、18カ国に、半分以下に激減して崩壊状態となっています。自衛隊の給水活動も終了しており、自衛隊をイラクに派兵する根拠は完全に破綻しています。憲法を踏み破った自衛隊の派兵は、直ちに中止すべきであります。
 今、必要なことは、アメリカの戦争に自衛隊と国民を動員することではなく、戦争の放棄、戦力の放棄を明記した憲法9条の精神に立って、戦争のない世界と日本、築いていく先頭に日本が立つことであります。
 請願陳情第47号は、社会保障の抜本的改革を求める請願であります。
 その第1項では、基礎年金制度の改革を初め、各種年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しを求めるものとなっています。
 年金制度の一元化と社会保障制度全般の一体的見直しは、昨年の参議院選挙直前に年金改悪を認めた自民、公明、民主の3党合意で出されたものであります。3党合意では、社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付のあり方を含め、一体的な見直しを行うとしていました。こういう方向では、一体化と言っても保険料の大幅な引き上げか給付水準の引き下げになるだけあります。何よりも、消費税の大増税に道を開きかねないものであります。実際、今月の9日には、自民、民主、公明の3党によって、消費税増税を前提とした社会保障制度全般の見直し協議を早期に開始することで合意しています。
 消費税の増税は、大企業の負担なしに国民にだけ負担を押しつける最悪のものであります。年金財源を口実に、所得の低い庶民に重くのしかかる消費税の増税に道を開きかねない内容に強く反対するものであります。
 国民が求める本当の年金の改革は、すべての国民に、最低保障額、月5万円の最低保障年金制度を国の負担で実現し、それぞれの掛金に応じて給付を上乗せする制度とすることであります。こうするなら、国民年金の約4割、約1、000万人に及ぶ未納者、免除者、未加入者と無年金者の問題を解決し、低過ぎる年金額を引き上げることにもなるのであります。
 最低保障年金制度は、イギリス、フランス、ドイツや北欧諸国、カナダ、オーストラリアなどでも実施している世界の流れとなっています。財源は、むだな公共事業や軍事費の削減など徹底した歳出の見直しと、大企業や大金持ちに対する応分の負担を求める税制の民主的改革で、十分実現できるものであります。
 以上を申し上げ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(藤原良信君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第45号及び受理番号第46号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第45号及び受理番号第46号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第25号、議案第30号及び議案第34号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、議案第25号、議案第30号及び議案第34号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第47号社会保障制度の抜本改革を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第47号社会保障制度の抜本改革を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第44号及び受理番号第56号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第44号及び受理番号第56号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第21号から議案第23号まで、議案第26号から議案第29号まで、議案第31号から議案第33号まで、議案第35号から議案第40号まで、議案第46号、議案第50号から議案第60号まで、議案第65号から議案第70号まで、議案第101号、発議案第1号、発議案第2号、及びただいま議決をいたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(藤原良信君) 起立全員であります。よって、議案第21号から議案第23号まで、議案第26号から議案第29号まで、議案第31号から議案第33号まで、議案第35号から議案第40号まで、議案第46号、議案第50号から議案第60号まで、議案第65号から議案第70号まで、議案第101号、発議案第1号、発議案第2号、及びただいま議決をいたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第42 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(藤原良信君) 次に、日程第42、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
総務委員会
 盛岡駅西口複合施設整備事業について
環境福祉委員会
受理番号件名
52岩手県における出産と地域医療の充実を求める請願

商工文教委員会
 コールセンターの誘致・運営状況について
農林水産委員会
 地域住民参画による農業水利施設の管理について
県土整備委員会
 住宅の耐震対策への取組みについて
〇議長(藤原良信君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第43 議案第1号平成17年度岩手県一般会計予算から日程第72 議案第100号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第1号)まで
〇議長(藤原良信君) 次に、日程第43、議案第1号から日程第72、議案第100号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。佐々木予算特別委員長。
   〔予算特別委員長佐々木順一君登壇〕

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