平成17年2月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇35番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 通告しておりました事項について順に質問いたします。
 最初に、子育て支援についてでありますが、我が党は、少子化傾向に歯どめをかけることを最重要課題ととらえ、待機児童ゼロ作戦や育児休業の取得促進、児童手当の拡充などを進めてまいりましたが、少子化対策は県政課題でもありますので、何点かお伺いいたします。
 昨年発表されました平成15年の国の合計特殊出生率は1.29と最低記録を更新し、少子化傾向に歯どめがかかっていない状況にあります。平均寿命が延び続けているのに2年後からは人口減少社会になると予測されており、いかに少子化が深刻であるかがわかります。県の合計特殊出生率も1.45にまで下がっており、出生数も逓減を続け、平成15年は1万1、376人にまで減少しました。昨年12月24日、政府は、少子化社会対策基本法に基づき、子ども・子育て応援プランを決定し、10年後を展望しつつ、特に平成17年からの5年間は重点的に取り組むとしておりますが、これに対し、県はどのように考えているかお伺いいたします。
 経済的負担の軽減でありますが、我が党は、義務教育までは児童手当等で応援し、高等教育期には奨学金制度で対応することが理想であると考えております。そのため、出産費用の保険適用や出産育児一時金の増額、児童手当の拡充、希望者全員への奨学金貸与等、具体的に政策推進に当たっております。しかし、国内総生産に対する子供への公的支出の比率を見ますと、主要国の平均が1.9%であるのに対し、我が国は0.6%と最下位クラスで、子育て支援に重点が置かれていなかったことがわかります。しかも、平均所得が低い本県にあっては、手厚い子育て支援策を講じないことには悪循環に陥ってしまいます。
 子育て支援策の一つであります本県の乳幼児医療費助成には児童扶養手当に準じた厳しい所得制限があり、改善すべきであると思いますが、いかがでしょうか。また、若年夫婦にとって保育料は大きな負担ですが、保育料の市町村格差は最大でどの程度になっていますか、これに対する知事のお考えをお伺いいたします。
 広い県土で通学費用がかさむ本県では、高校、大学の奨学金制度は特に重要であります。日本学生支援機構の奨学金無利子採用枠は限られていますので、県の制度として大学生への無利子奨学金制度を創設すべきであり、特に平成15年に33.7%であった大学進学率を平成19年には35.0%にまで上げるという計画であればなおのことと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、少子化傾向から派生する目の前の問題としての学校の適正規模維持対策でありますが、現在、検討されています県立高校新整備計画後期計画案及び後期計画後の再編計画の対応について伺います。
 県教委の資料によりますと、10年後の中学校卒業者は現在より70学級相当分減少することになりますが、円満な人格形成のためのクラス編制がえやクラブ活動をするだけの人数を確保しなければなりません。単なる数合わせに陥ることのない、適正規模の維持に対する県教委の理念をお伺いいたします。
 農業や工業、商業といった専門学科高校は、これまでの経過と将来を展望するならば、広域ごとにおのおの別に存置すべきであると思います。地域ごとに工業も商業も一緒にするというのは、だれの目にも安易な数合わせとしか映りません。特に、商業高校が県内では盛岡の1校だけになってしまう後期計画案は乱暴で、商業教育軽視とさえ感じられます。他の商業高校の存在は励みとなり、また、生徒の資格取得の試験や専門教諭の交流等においても重要な役割を果たすものと考えます。既に定員割れしているならともかく、現在、志願者が多い状況を見る限り、工業と商業の統合は拙速と言わざるを得ません。これだけ反対されているのに盛岡商業だけにしてしまう意図をお聞きしたいと思います。
 さらに言えば、本県においては、漠然と普通科を希望している中学生に対し、専門学科の重要性を認識してもらう努力が足りないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。専門学科高校は、中学生に対しどのようなアピールを行ってきたかお伺いいたします。
 次に、介護予防について伺います。
 高齢による身体機能の低下、転倒・骨折などによって介護されるようになるのですが、一度寝たきりになると回復は困難です。高齢者の場合は特に回復力が弱いので、要介護状態に近いことを自覚し、予防対策を講じなければならないと認識することが大事で、できるだけ入院しないようにしなければなりません。要は、ふだんから歩くこと、体を動かすようにしなければならないということですが、個々の高齢者に適合したオーダーメードの介護予防プログラムを提供できるかどうかが重要で、楽しく集い合う中での継続できるメニューが必要です。
 介護が必要になるおそれのある高齢者を対象に、筋力を維持または向上していけるトレーニングや転倒予防を行えるサービスを提供できる拠点地域を当面市町村の中学校区単位に整備し、歩いて通える施設での介護予防及び高齢者が気軽にスポーツのようなものに親しめる環境整備を進めるべきであります。モデルケースとして、盛岡の中心部に高齢者が気軽に入って相談したり、トレーニングのようなことができる総合的介護予防支援センターを整備してみてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、発達障害児に対する支援について伺います。
 これまでも、学習障害、注意欠陥多動性障害への対応について教育現場と福祉の面で検討がなされてきましたが、高機能自閉症障害、アスペルガー障害など、従来、障害と認定されていなかった知的障害を持たない軽度発達障害を障害と認めようとの働きかけがありました。このため、発達障害児を社会全体で支援し、発達障害者が犯罪被害に遭わないようにするなど、すべての領域で必要な支援、権利擁護を行う発達障害者支援法が昨年12月に成立いたしました。障害の原因ははっきりしないものの、脳の損傷とか遺伝によるものではないかとされ、早期発見、早期療育により本人と家族への支援が必要となります。アスペルガー障害については1万人に1人の割合で発生するとされていますが、コミュニケーションの下手さということで疎外され、悩み、苦痛を受けてきたといいます。
 今後、発達障害者に対し、保健、医療、福祉、保育、教育、就労など生涯にわたる支援を乳幼児期から成人まで一貫して行うことになりますが、発達障害支援センターや支援連絡協議会の設置について県の方針をお伺いいたします。
 次に、児童養護施設、県立養護学校等における虐待、性被害の防止対策について伺います。
 養護学校や通所あるいは入所施設において生活訓練や職業指導を受けている障害児等に対し、意味がよく理解できないとか反抗する力が弱いことにつけ込んで性的人権侵害が行われることがあります。親からの虐待で心身ともに傷を負って児童養護施設に入った子供、あるいは養護学校であれば、専門の養護教諭のもとできめ細かな指導が受けられると期待しますが、指導者の懐に飛び込んだつもりが性被害の犠牲者になったケースもあります。事件として報道された場合もありますし、事の性質上、細かな事情聴取に応じたり、事実関係の証明ということになれば困難が予想されるため、あいまいにならざるを得ないこともあります。
 厚生労働省は、これまで老人や障害者も含めた社会福祉施設全体に苦情解決の指針で福祉オンブズマンと呼ばれる第三者委員の設置を促し、声を上げにくい子供たちの立場に配慮し、より拘束力の強い最低基準に盛り込むことにしたとされています。この第三者委員に想定されるのは弁護士や学者などで、問題解決や福祉サービス向上の助言をするとしていますが、本県の教育や福祉の現場では、虐待、性被害の防止についてどのような対策を講じてきたかお伺いいたします。
 次に、災害対策について、まず、県管理の中小河川について伺います。
 北上川のような大河川であれば、気象庁、国土交通省、県及び市町村の連携で洪水に対する警戒に当たりますが、中小河川についての対応はいかがでしょうか。例えば、平成14年の台風6号の際、県内各地で記録的雨量を観測しましたが、このときの盛岡市では、木賊川のはんらん、簗川の堤防崩落などが発生しましたが、洪水予報や避難警報が適切であったか疑問であります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 今後のために、万一集中豪雨があった場合、避難を中心とした対策をきちんと確立すべきでありますが、いかがでしょうか。
 なお、この木賊川の洪水対策に関し、昨年の9月議会で柳村岩見議員が北上川水系盛岡西圏域河川整備計画に触れて質問していますが、平成17年度はどのような工程が予定されていますか。その他中小河川の築堤計画は、例えば盛岡の場合はいかがでしょうかお伺いいたします。
 次に、すべての生活用品が泥まみれの廃棄物になる水害廃棄物対策ですが、通常のごみの分別収集の範疇を超えてしまいます。平成11年の雪谷川水害では、水害廃棄物の処理をめぐってトラブルがあったと報道されたことを記憶していますが、本県では、一般的に廃棄先確保や処理費用等、個人と行政の負担区分、役割について明確になっているものかどうか伺います。
 次に、活断層についてですが、阪神大震災を教訓に、全国に2、000カ所以上ある活断層のうち98カ所を選定し、113億円を自治体に交付して今年度まで調査をしてきています。本県では、北上低地西縁断層帯と雫石盆地西縁断層帯について調査が行われ、活断層であることは間違いないが、直ちに心配されるものではないと報告されています。しかし、鳥取県西部地震、宮城県連続地震、そしてさきの新潟県中越地震の震源と見られる断層帯は、いずれもこの98カ所の調査対象外で、想定外の地震であったとコメントされています。本県の胆沢町出店と雫石の断層帯については、活動等について特定できるデータが得られなかったとされていますが、他県の被災例がありますので、県北の折爪断層帯など未調査の活断層も含めて引き続き継続調査すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、交通対策について伺います。
 盛岡駅前や病院前などのあふれるほどのタクシーの台数、一方では、乗り合い路線バスの休廃止の拡大など、平成14年2月施行の改正道路運送法で規制が緩和されてから、バス、タクシーの過当競争、高齢者等交通弱者へのしわ寄せが一段と顕著になってまいりました。県の資料によりますと、平成15年度及び16年度に申し出のあったバス路線の休廃止は50近くに及んでおり、17年度も、特に過疎地域においては休廃止がふえるのではないかと懸念されます。大型バスで少しの乗客を運んでいたのでは、行政から補助金を受けても採算が合わないのは当然です。自治体がバス会社に委託して路線を維持している例が見られますが、県としては、補助金を出すこと以外にどのような対策を考えているか伺います。
 また、都市の中心部や学校、駅などへの朝夕の通勤マイカー、送迎マイカーによる渋滞も深刻で、路線バスは時刻表どおりに運行されなくなってしまいます。県都盛岡では、こうした悪循環を改善しようと市が5年間にわたりオムニバスタウン事業を実施し、ゾーンバスシステムやバス専用レーンの設置などを行いました。バス専用レーンなどが効果を上げるためにはマイカー規制が必要でありますが、警察本部は、指導取り締まりについてどのような方針で臨んでいるかお伺いいたします。
 都市部では渋滞するほどの交通量ですが、高齢者、障害者にとっては過疎地同様の状況にあります。お買い物、通院などで郊外から中心部に出かけるのにバス代がかなりの負担になっているとか、病院に通うタクシー代を補助してくれる制度はできないかなどという声も寄せられます。大型バスにこだわらず、マイクロバス、ワゴン車も有効ですし、また、携帯電話やタクシー無線、GPS、カーナビゲーションシステム等を活用し、過剰と思われるタクシーを交通弱者と言われる方へ仕向けるような対策を業界の方々と協議できないものか、今後の方針を伺います。
 県都盛岡におけるマイカー対策について伺います。
 通勤マイカー、園児や生徒の送迎マイカー、買い物のときぐらいしか使わないマイカーなど、果たして1人に1台の車が必要なのかどうか。庭をつぶして駐車スペースを確保できる場合はともかく、公営住宅に至っては路上駐車が常態化している始末です。大都市では車の保管場所確保の困難さということもあって、コミュニティー路線バス、複数の他人同士が使用するカーシェアリングなどという形態も出ております。話としては、盛岡でも中心部へのマイカー乗り入れを禁止すべきだとの考えも出ていますが、いまだ根本的な交通対策に手がつけられていません。県の交通政策におけるマイカー対策、中心部への集中についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。また、公務員等の時差出勤の効果についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、県都盛岡の玄関口ともいうべき盛岡駅周辺の整備に関する県の姿勢をお伺いいたします。
 まず、駅東の開運橋付近の渋滞でありますが、新開運橋ともいうべき不来方橋が開通すると渋滞が緩和されると聞いていましたが、いまだに盛岡駅南大橋線の姿が見えてこない状態です。当面の交通渋滞対策として不来方橋は有効であるとお考えでしょうか。
 また、盛南大橋からの車が右折して開運橋を渡る際の信号ですが、橋の上に車が滞る状態にならないにもかかわらず4台程度しか通過できない状況にありますが、今後の駅前交通渋滞解消への取り組みについて、交通規制の面から警察本部長にお伺いいたします。
 次に、盛岡市が進めております盛岡駅西口地区土地区画整理事業でありますが、中心市街地の再開発ではなく、旧国鉄盛岡工場跡地等を中心とするもので、県都盛岡市の新たな中心軸として期待が寄せられています。しかし、景気低迷が続いている中での保留地処分及び盛岡地区広域土地開発公社所有地分譲等をしなければならない区画整理で、なかなか順調ではないと報道されていますが、この際、県で土地を購入し、駐車場経営をしてみてはいかがでしょうかお伺いいたします。
 県もこの地域の利便性を高めることになる(仮称)中央大橋の建設工事を順調に進めているところでありますが、県としてこの西口開発を支援しているようなことがあればお伺いいたします。
 次に、盛岡市が策定した雫石川エコミュージアム構想についてですが、その推進協議会が設置されて3年になりますが、整備計画の進みぐあいについて伺います。
 手をかけないことが自然を守るということではなく、市街地整備と調和した自然環境の保全が重要なことは言うまでもありません。雫石川と北上川合流付近にできた盛南大橋の工事以降、かつて見られたハクチョウの姿がなくなったなどと言われますが、(仮称)中央大橋の建設に当たってはどのような配慮がなされているか伺います。外見的には何の変化も見えませんが、エコミュージアム整備自体は進んでいるのでしょうか伺います。
 この左岸には民家などがありますが、築堤が途中で終わっていて、豪雨の際の御所ダムからの放流には、何時間にわたってどれだけの水位が上がるのかわからず、不安な状況に置かれることになります。河川管理者の意向はいかがでしょうかお伺いいたします。
 また、県の複合ビルが建設中ですが、マリオスに直接歩いていける空中廊下の工事が予定されていましたが、その工事をする様子がありませんが、どうなっているのでしょうか。
 ユニバーサルデザイン、自然光と快適空調等環境共生型最新施設となる複合ビルは、すぐれた利便性を有するようですが、完成後の安全性確保、危機管理にはどのような配慮がなされているのか伺います。
 次に、(仮称)図書情報センターについて伺います。
 来春には県立図書館や視聴覚障害者情報センターが開設になりますが、盛岡駅から歩いていくことのできる距離で、広く県民に利用されていくものと思われます。最近の県内の市町村立図書館は、既に国立国会図書館や大学図書館と直接連携をとったりしていますが、新しい県立図書館は、県民への広報活動、生涯学習活動支援、活字文化の拠点として、市町村立図書館との連携、未設置町村への支援等にどのような工夫を凝らしていくのかお尋ねいたします。
 よその県立図書館を数カ所視察いたしましたが、快適で安全な公共施設であればあるほど、睡眠をとりにとか、子供を遊ばせるために来ているという姿も見られました。本来、いつでも、だれでも利用できるということで、一方的に細かな利用規制を設けることは望ましくありませんので、会話、電話、足音など図書館でのマナーを利用者の自発的意思で設定するようにしてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
 図書館には膨大な量の図書、資料のほか、最近は科学技術のデータや企業情報も豊富です。商工団体とのサービス連携や、場合によっては有料サービスのデータベース公開を行い、個人や企業のビジネス支援等も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、岩手県競馬組合への財政支援に関連して知事の御所見を伺います。
 競馬組合は、法律上独立した地方自治体で、貸借対照表もなく、その財務内容はほとんどうかがい知ることができませんでした。しかし、組合の運転資金50億円貸し付けに端を発して、ずさんな経営が判明し、皆が驚いたところであります。最盛期には年間27億円の配分金を出すほどに拡大した岩手県競馬組合でありますが、平成元年からは、ため込んだ100億円以上の基金を取り崩し始め、バブル経済が終わったにもかかわらず400億円を超える盛岡競馬場、各地のテレトラック建設と規模拡大路線を選ぶというかけに出てしまいました。平成4年から競馬の発売金額は減少し続け、16年度はついに最盛期の半額以下になっています。
 平成8年には配分金が2億円に下がりましたが、この年の9月定例会一般質問において、私は、テレトラックの増設や400億円を超す新盛岡競馬場への過剰投資、競馬組合議員の増員、旧競馬場の12.2ヘクタールの組合所有地の売却等を取り上げました。当時の議事録で答弁を読み返しますと、結果として、知事や農政部長に軽くかわされていたことになり、あのときに経営陣が真剣に財政運営に検討を加えていたらと悔やまれてなりません。
 バブル崩壊後、政府は積極的に公共事業を導入しましたが、景気低迷が続き、平成11年に個人消費の拡大をねらって一応20%の定率減税を導入しましたが、馬券を買えるような個人の遊興費がふえるほどの効果は出ませんでした。
 この平成11年は増田県政2期目で、県の新しい総合計画がスタートいたしましたが、県競馬組合は、この年に蓄えた財政調整基金をほとんど使い果たし、翌12年からは、地方自治法施行令で赤字の際に非常手段とされている翌年度予算の繰り上げ充用を行いました。これは、サラリーマンに例えればお給料の前借りで、この時点で財政破綻したと見るのが常識ではないでしょうか。この前借り措置が1回だけならともかく、あろうことか4年続けることになってしまい、5年目となるこの平成16年度は40億円もの赤字で、長期借入金と合わせると負債総額は280億円余となります。
 一方、資産はといいますと、不動産や美術品等で320億円と伺っていますが、土地の取引価格は下がっていますし、馬の絵画やブロンズ像は一部の愛好家しか価値を認めませんので、実質的評価をすれば債務超過と判断すべきであると考えますが、知事の見解を伺います。
 増田知事が就任した平成7年、発売金額が600億円を下回り、基金は10億円になっていました。今、データを見ながら考えますと、この時点で再建計画に着手しなければならなかったと思います。10年おくれました。今となっては、競馬愛好家をふやすとか、債務の借りかえ、経費節減等でしのぐなどという次元の問題ではなくなっています。
 改革案改訂版では、初心者向け馬券購入案内者の配置、イベント実施で競馬施設来場者を倍増、買い足しを促したり、万馬券当選で高倍率馬券購入の動機づけを行うなどあおり立てる工夫をしていますが、さきの質問項目で述べましたように、子育てや高齢者介護等で馬券を買うゆとりなどないのであります。札束を腹巻に入れて競馬に行ったような時代でもありません。
 かつて競馬場を視察に行った際、説明の職員が、ギャンブルは人間の本能ですから、すべての人をお客さんと思っていますと言ったことが思い起こされます。皆が理性に基づいて、自分の遊興費の限界をわきまえて馬券を買うとは言えず、家庭を崩壊させる危険性をはらんでいますし、実際そのような状況を身近に見てまいりました。馬券購入の促進は、知事が積極的に進めるようなものではありません。
 県競馬をもう少し続ければ、今まで負けた分を挽回できるとのめり込むこと自体、ギャンブルの弊害です。ギャンブルは有害というのが一般論で、刑法では賭博を犯罪として禁止していますが、利益を行政に寄附させるということで、いわゆる宝くじや競馬など五つの法律により例外的に認められています。財政競馬として成り立たなくなった現在、一般県民の必死な思いで納めていただいた税金をギャンブルの赤字補てんに回すなど論外です。破綻という事態を想定すれば、これまでギャンブルでいただいた利益をすべて吐き出さなければならないという皮肉な状況に追い込まれてしまいそうです。
 財調を使い果たした平成7年はイエローカード、繰り上げ充用を始めた平成12年はレッドカードで、ことしの年度末の50億円資金ショート回避責任よりも、経営者責任は重大であります。県競馬は継続しても、ストップしても、県民が犠牲になることになります。知事は、このような状況に至った責任がどこにあったとお考えでしょうか、総合的な御所見をお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、子ども・子育て応援プランの関係でございます。
 県では、国のプランや次世代育成支援対策推進法の趣旨を踏まえて、これまでの子育て支援策を見直しをして、新たないわて子どもプランというものを今年度末に公表することとしております。
 今回策定いたしますこの新しいプランの特徴といたしましては、国のガイドラインに沿いまして、現行のいわて子どもプランを1年前倒しで見直しをして、平成17年度からの5カ年間の行動計画として策定しているものでございまして、内容的には、保育サービスの一層の充実や、男性を含めた働き方の見直しによる雇用環境の整備など七つの点に重点を置く、そうした内容としたものでございます。
 次に、乳幼児医療費助成の関係で、所得制限をしているわけでありますけれども、この所得制限については、確かにさまざまな御議論があるわけでございますが、この制度自体は、負担の公平性の観点から、いわゆる応能負担の原則を取り入れたものでございまして、将来ともこの制度を持続可能なものとしていくために必要な措置、このように考えておりまして、ぜひ御理解を賜りたいと考えております。
 それから、保育料の市町村格差ですけれども、この保育料は、国の徴収基準額というものを基本として、市町村がそれぞれ独自の判断で設定するわけでございますが、確かに、お話のとおり市町村間で格差がございます。
 平成15年度の数字で見ますと、この国の定めております徴収基準額を100といたしますと、県全体の市町村の平均が72でございまして、県内で最も低い町が24、最も高い村が100、このようになっておりまして、その最高と最低の間の格差が4倍程度、こういうことになっております。
 県では、今後とも市町村に対して、こうした保育料設定についての必要な情報提供を行っていきたい、そのことによって、市町村それぞれにどういう形でこれに対応していくのか判断を促していきたい、このように考えております。
 次に、発達障害者支援センターの関係、発達障害児に対する支援ということでございます。
 発達障害者支援法によります発達障害者支援センターですけれども、これは、本県におきましても、今年度の開設を目指して国庫補助協議をしてまいりましたが、残念ながら採択がなされませんで、改めて平成17年度中の開設を予定して、来年度の県予算の中に計上させていただいたものでございます。
 この発達障害者支援センターの運営にあわせて、市町村や教育関係者を含む連絡協議会というものを県としても設置をしたいと考えておりまして、そして、今お話がございましたように、いわば乳幼児期から成人までの一貫した支援を行えるようにしていきたいということで、この関係者を含む連絡協議会を設置して、そして十分に連携を図りながら取り組んでいきたい、このように考えております。
 次に、岩手県競馬組合の関係でございますが、まず財務状況ですけれども、競馬組合の財務状況については、構成団体からの融資及び新たな起債の引き受けが実現した場合でございますが、平成16年度末の借入金残高は約284億円と見込まれる一方で、資産でございます土地、建物、それから工作物の帳簿価格が約323億円、こういうことでございます。これに財務収支を含む平成12年度以降の収支不足の累計が加わってまいるわけでございまして、これは累計で、平成16年度末の見込みで実質144億円ということでございまして、今お話のとおり、極めて厳しい財務状況にある、このように認識しているわけでございます。
 こうした状況に至りました競馬事業についての所見を問われているわけでございます。この競馬などの公営競技につきましては、法律上の意味は財政への貢献ということでございますけれども、岩手競馬の場合には、そうしたことのほか、馬事文化や馬事振興、それから健全な娯楽の提供、さらには雇用の場の提供、それから地域経済への貢献、そういう非常に多くの面で重要な役割を果たしてきたと考えております。
 組合の方では、今お話ありましたように、財調基金などをためていたわけでございますが、そうしたものを取り崩しながら、平成8年に盛岡競馬場・オーロパークをオープンし、その後もテレトラックの増設などを行ってきたわけでございます。特にオーロパークのオープンというものが一番大きな投資になってきたわけでございまして、それが現在まで響いているわけでございますが、そうした中で、平成12年度には繰り上げ充用が必要となるなど経営収支が悪化してきたことがございます。この間、平成9年度に岩手競馬経営改善5カ年計画というものをつくりましたり、それから途中で、平成12年度にはみちのくレース岩手競馬改善計画というものをつくりまして、この間も経営改善には取り組んでまいりました。経営改善という問題意識を持って取り組んできたわけでございますが、その基本的な方向、内容については、確かにハード施設整備を中心に置いた、いわば事業拡大という方向性をとったことがございまして、結果的に、さらに今の財務状況を招くようなマイナスの効果をもたらした、こういうふうに考えております。
 しかし、この競馬事業の存続が今直ちに困難になった場合には、結果として、県民の皆さん方や市民の皆さん方にも多くの負担を強いるということになりますので、ともかくもそうした事態を避けるべく最善の努力をすべきものと考えているところでございまして、競馬組合が、今回の改訂実行計画、これは十分実行可能なものと判断しているわけでございますが、そうした今回の改訂実行計画の実現によりまして、自助努力を基本とした競馬の再生に全力で取り組もう、このように考えているところでございますので、県としても、他の構成団体と一致いたしましてこれを支援していく必要がある、このような考え方に立っているものでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔保健福祉部長佐藤敏信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐藤敏信君) 高齢者を対象にトレーニングなどのサービスを提供できる地域拠点を整備してはどうかという御質問でございました。
 これまで、県と市町村とは、例えば老人福祉法の中の介護予防地域支え合い事業、老人保健事業の中の機能訓練A型、B型という形で、こうした高齢者を対象にした機能訓練等のサービスを提供してまいりました。
 また、平成18年4月からの施行が予定されております介護保険制度の見直しの中でも、市町村が実施主体となりまして、生活圏域、例えば中学校区程度の生活圏域を中心に介護予防等の取り組みを進めることとなっておりまして、私どもこうした枠組みの中で、引き続きこういった対策を進めてまいりたいと考えております。
 なお、盛岡市にモデル的な総合的なセンターを整備してみてはどうかという御意見がございましたが、盛岡市自身が、平成15年度から高齢者筋力向上トレーニング事業を実施しております。その場合、市内中心部の民間事業者のスポーツ施設に委託をして実施しておりまして、聞きますところ、回を重ねるごとに受講人員も増加してきていると伺っております。このほか、調べますと、盛岡市内においては、公的なものや民間事業者など10を超える施設がありまして、これらの施設では、実際に高齢者もたくさん利用していただいております。また、もう少し聞きますと、利用者の受け入れについても、まだ相当に余裕があると伺っております。こうしたことから、当面は、それらの活用を図っていただくということで対応してまいりたいと考えます。
 それから、虐待についての御質問でございました。
 虐待につきましては、これまでも、研修を行う、それから特に子供さんを中心にいたしまして、子供さんにノートのようなものを配りまして、こういうときには注意するんだとか、こういうことがあったらすぐに通報しなさいというようなノートを渡すというようなことをしまして対応しましたし、また、監査の場でも、こうした虐待については厳しく指導してまいったところでございます。
 こうした県としての対応もありまして、それぞれの施設においても、施設職員の研修や周知徹底ということで対応されているものと承知をしております。
   〔県土整備部長橋本義春君登壇〕
〇県土整備部長(橋本義春君) 災害対策に関連いたしまして、まず、県管理の中小河川の洪水警戒についてでありますが、県では、盛岡地方気象台から洪水警報などが発表された場合や河川が警戒水位に達した場合には、市町村に対して連絡いたしまして、相互に水防警戒体制をとっているところであります。
 次に、集中豪雨時の避難を中心とした対策についてですが、県では、国とも連携しながら、市町村が作成します洪水ハザードマップの作成を支援してきたところです。平成15年度からは、県管理河川の洪水浸水予想図を作成しておりまして、本年度までに宮古市など6市町に浸水範囲等の資料提供を行っているところであります。
 また、これまでホームページなどで提供していた河川情報につきまして、平成16年度からは、携帯電話からもアクセスできるようにしておりますし、これに加えまして、平成17年度には、より迅速かつ適切な水防活動や避難行動がとれるように、地域の河川が警戒水位に達した場合、あらかじめ登録していただいた方の携帯電話にメールで知らせるサービスシステムを構築する予定としております。
 県としては、住民に避難勧告等を行う立場にあります市町村長が、迅速かつ的確な判断を行うために必要な河川情報を提供してまいりたいと考えております。
 次に、平成17年度の木賊川の工程予定ですけれども、木賊川の改修計画が位置づけられております盛岡西圏域河川整備計画について、現在、国に認可申請をしておりまして、認可後に、諸葛川への分水路予定地の用地取得に着手する予定でございます。
 また、あわせて木賊川の一部の区間におきまして、堤防のかさ上げや災害復旧工事を行うこととしております。
 そのほか、盛岡市内の中小河川の河川改修についてですが、南川は、現在、盛岡市と連携して用地補償を進めますとともに、国道4号から上流に向かって改修工事を行っております。また、諸葛川につきましては、木賊川からの分水路整備にあわせまして、一部河道を拡幅する予定としております。
 次に、盛岡駅周辺整備についてのお尋ねでありますけれども、まず、開運橋付近の交通渋滞について、不来方橋の開通によって交通渋滞が緩和されるのかということでございますが、盛岡市が整備を進めております不来方橋と明治橋大沢川原線までの街路整備は、平成17年度に開通すると市から聞いております。この開通によりまして、現在、駅及び盛南方面並びに市中心部から開運橋に集中しております交通が二つの橋に分散されることになり、交通渋滞の緩和が期待できると考えております。
 次に、盛岡駅西口地区土地区画整理事業についてでありますが、盛岡駅西口地区土地区画整理事業区域内の駐車場につきましては、既に盛岡市が平面駐車場を整備済みであります。将来的に需要が増大した場合には、立体化していく構想であると聞いておりまして、駐車場につきましては十分に充足するものと考えています。
 また、県の支援についてでありますが、盛岡駅西口地区における町並み形成を促進するために、(仮称)盛岡駅西口複合施設の建設を進めているほか、県営住宅等を平成9年度に整備しています。
 今後も、盛岡市と密接な連携を図りながら、現在事業中であります盛岡南新都市地区の整備や(仮称)中央大橋の早期整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、雫石川エコミュージアムと中央大橋についてでありますけれども、(仮称)中央大橋建設に際しまして、自然環境への配慮についてですが、橋の設計段階から、環境や景観に配慮するために、検討委員会を設置しまして、その意見を設計に反映させますとともに、盛岡市が進めている雫石川エコミュージアム構想とも整合を図りながら整備を進めております。また、施工に当たっては、環境調査を継続的に行い、専門家のアドバイスを受けながら整備を進めているところでありまして、平成18年度には2車線での供用を見込んでいるところであります。
 次に、雫石川エコミュージアム整備についてですが、同推進協議会を主催しております盛岡市によりますと、現状の維持保全を基本としながら、景観法等での位置づけであるとか導入事業の検討を続けていると聞いております。
 次に、堤防が整備されていない箇所についてでありますけれども、河川管理者であります岩手河川国道事務所に確認いたしましたところ、当該箇所には鉄道橋があることから、治水計画について、現在、東日本鉄道株式会社と協議中であると聞いておりまして、県としては、早期に対策が講じられるように国に要望してまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長中村世紀君登壇〕
〇環境生活部長(中村世紀君) 災害対策に関連いたしまして、水害などの災害によりまして生じた生活用品等の廃棄物につきましては、一般廃棄物として、これは市町村がその処理を行うこととされております。この市町村が行う災害廃棄物の収集、運搬、処分につきましては、現行制度上、廃棄物の処理に要した費用の2分の1以内の額が国から補助される仕組みになってございます。
 なお、被災市町村の処理能力を超える多量の災害廃棄物が発生した場合には、近隣の市町村の協力を得ながら早期に適正に処理することとしておりまして、県といたしましても、その処理先の確保などにつきまして、必要な調整を行うこととしているものでございます。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕
〇総務部長(時澤忠君) 活断層の調査についてであります。
 国が把握し、特に注意を要すると認めた活断層のうち、北上低地西縁断層帯につきましては、平成13年に国の地震調査研究推進本部が調査評価の公表を行いまして、マグニチュード7.8程度の地震が発生する可能性が示されておりますが、活動間隔から、今後30年での確率はほぼゼロと評価されたところでございます。また、雫石盆地西縁断層帯につきましては、断層活動を示す資料が得られておりませんで、長期評価につきましても、現在、国において研究中でありますが、近々公表予定であると伺っております。
 折爪断層帯につきましては、平成16年に長期評価が公表されまして、発生する地震の規模は最大でマグニチュード7.7程度と予想されておりましたが、最新の活動状況及び将来の活動、発生する長期確率につきましては、地形調査等が詳細に行われておりませんで、過去の活動に関する資料も不足していることから不明とされておりますが、今後も調査研究を進めていくこととなっているものでございます。
 本県の活断層につきましては、断層の存在なども含めまして、今後の国等の研究結果を踏まえながら対応策を検討してまいりたいと考えております。
   〔地域振興部長山口和彦君登壇〕
〇地域振興部長(山口和彦君) まず、過疎地域における生活交通の確保対策についてであります。
 バス事業者がバス路線を休廃止しようとする場合には、休廃止予定日の1年前までに県に申し出ることとしており、この申し出があった際には、国、県、市町村、バス事業者等で構成します岩手県生活交通対策協議会において、十分に協議を行った上で、地域の実情を踏まえた対策を講じているところでございます。
 地域の生活交通確保対策を講じるに当たりましては、需要に応じた路線の再編のほか、これまでの路線維持費等に係る補助に加えまして、例えば、二戸市におきましては、廃止代替バスと患者輸送バスを一元化して昨年9月から運行しておりますコミュニティバス、それから、雫石町がバス事業者の路線廃止を受けて昨年4月から運行しておりますデマンドタクシー、宮守村が昨年4月から行っております村営バスと患者輸送バスの一元化等の先駆的な取り組みに対しまして、昨年度県が創設しました効率的バス運行モデル事業補助金、それから地域活性化事業調整費、市町村総合補助金を活用して支援しているところでございます。
 さらに、各種の乗り合いタクシー等の事例につきましては、岩手県生活交通対策協議会等を通じまして周知に努めているところでございまして、このような取り組みにより、県内各地域への先駆的かつ効率的なバス運行の普及を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、都市部における生活交通の確保対策についてでございます。
 盛岡市においては、住民、住民団体、バス、タクシー等の交通事業者、県等の関係機関から成る総合交通施策懇話会を設置し、交通施策に関する協議を行っておりまして、市内循環バスでんでんむしや郊外における支線バスの導入を図るなど、オムニバスタウン計画を契機として、高齢者や障害者の利用に配慮した対策を講じております。
 県としましても、この計画に係る支援を行ってきたところでありますが、今後におきましても、こうした公共交通に対する各地域の取り組みに適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、盛岡市におけるマイカー対策についてでございます。
 盛岡市中心部への渋滞を緩和するためには、路線バスの利便性の向上や、その定時性の確保によってマイカーから公共交通へのシフトを図ることが重要と考えております。このため、県では、盛岡市のオムニバスタウン事業の取り組みである低床バスの導入、バスロケーションシステム、ハイグレードバス停及びパーク・アンド・バスライド駐車場の整備について支援をしてきたところでございます。これらとあわせまして、バス専用レーン、バス優先レーンの設定や公共車両優先システム――これはバスが来ますと自然に信号が変わるような形のシステムです――の導入等を進めているところでございます。
 また、公務員等の時差出勤の効果につきましては、平成13年2月に、官公庁5機関、民間会社5社、6、100人を対象に盛岡市が実施した時差出勤の本格実施状況調査によりますと、時差出勤は、交通需要を平準化し、渋滞規模の縮小に効果があったものと評価されているところでございます。
 次に、盛岡駅西口施設の空中廊下の設置についてでございます。
 空中廊下、いわゆるスカイウエーについては、基本設計の時点で、優しい歩行者動線の確保等の観点から設置を検討していたものであります。しかしながら、マリオス側にスカイウエーを支える橋脚を設置しますと、地域冷暖房供給作業に重大な支障を生ずることがわかりました。やむを得ず設置を取りやめたものでございます。
 また、安全性確保、危機管理についてでありますが、災害が発生したときに速やかに避難できるようにするための緊急情報伝達システムや避難時間の短縮と避難経路への集中を分散させる二次災害防止のために効果的な構造を整備するとともに、今後、策定する危機管理マニュアルに基づき、万全の体制を構築してまいる考えでございます。
 なお、歩行者の安全確保につきましては、既に横断歩道を設置済みでありますが、関係機関と連携しながら、子供やお年寄り、障害者にとって優しい歩行者動線となるよう環境改善に努めてまいりたいと考えております。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕
〇教育長(佐藤勝君) まず、大学生への無利子奨学金制度の創設についてでありますが、現在、大学生を対象とする奨学金制度の主なものといたしましては、独立行政法人日本学生支援機構が行っているものがございます。そのほか、多くの大学にあっては、入学金や授業料の減免あるいは奨学金貸与制度を設けておりまして、経済的に支援を必要とされる学生に対する制度上の仕組みは、このほか、市町村の制度でありますとか民間のものを加えますと、かなり整ってきているものと考えております。
 こうしたことから、お尋ねの大学生への無利子奨学金制度の創設につきましては、現在、低金利情勢にあることから見ても、また、現下の厳しい県財政の状況から見ましても、早々に対応することは大変難しいものがございますが、一方、本県におきまして、これからの大学進学率の一層の向上を図る観点から、大学への修学支援は極めて重要なものと考えております。したがいまして、このことにつきましても、本県教育の中長期的な課題としてとらえまして、さまざまな進学支援施策の検討の中で研究してまいりたいと考えております。
 次に、県立高等学校新整備計画についてでありますが、まず、適正規模の維持に対する理念についてであります。
 新整備計画におきましては、望ましい学校規模を1学年4学級から8学級程度といたしております。この規模は、教育課程、教員配置等の面では少人数指導や習熟度別指導の導入が容易であること、進路希望に対応した幅広い科目が開設できることなど、きめ細かい学習指導、進路指導が可能になるものであります。また、部活動など生徒の活動の面では、生徒の希望に応じた幅広い活動が成立すること、活発な学校行事が行われること、豊かな人間関係の中で、社会性や協調性が培われることなどの機会が十分に保障されるものであります。
 こうしたことから、何よりも子供たちにとってよりよい学習環境を構築するという観点から、通学区域を基本とし、広域的な視点で望ましい規模の学校を配置していくべきものと考えております。
 次に、盛岡商業高校だけが残ることについてでありますが、これからの商業教育は、地域の産業との連携を強め、複合化し、高度化する産業活動に貢献できる人材の育成を目指さなければならないものと考えております。そのため、今後一層その専門性を高めるとともに、工業など、他の関係する専門分野との連携を強めることで、より活力ある教育環境に整備する必要があるものと考えております。
 このような観点から、水沢地区、気仙地区、釜石地区、宮古地区に複数の専門学科をあわせ持つ総合的な専門高校を整備しようとするものでありますが、盛岡地区にありましても、各専門高校の学校規模の状況を見てみますと比較的大きいことなどから、この方向での実施についてはなお条件整備を必要とするということであります。この地区にありましても、学校間連携あるいは単位の互換など工夫しながら、その理念の実現に向けて進めていかなければならないものと考えております。
 次に、専門高校の中学生への周知についてでありますが、各専門高校では、これまでも中学生の体験入学の実施、それから、中学校に出向いての説明、学校へ行こう週間の実施など、積極的に学校を公開し、また、岩手県産業教育フェアを開催し、それへの参加を促すなど、中学生が将来の進路選択に必要な各学科の特徴を体験し、理解を深めてもらうよう努めてきたところであります。
 今後とも、中学生に対する専門学科の重要性については十分に周知してまいりたいと考えております。
 次に、養護学校等における虐待、性被害の防止策、防止対策についてでありますが、養護学校等の児童生徒の指導に当たっては、発達段階や障害の程度に応じたきめ細かな個別指導や指導体制が求められております。このことから、養護学校等の教職員に対しては、特に児童生徒の人格を尊重した指導を行うように徹底することはもちろんでありますが、常日ごろから保護者や福祉施設等との連携を密にしながら、児童生徒一人一人の指導のあり方について研修を重ね、共通理解を図っているところであります。また、児童生徒が性に対しても正しく理解していけるように、年齢や発達段階に応じた適切な指導ができるように教職員の研修会を行っており、実際の指導に当たっては、複数の教員による指導体制を組み、さらに、個別指導時には、場所、場面に細心の注意を払っているところであります。
 今後とも、学校評議員等の外部の方々の御助言もいただきながら、校内におけるこれらの指導体制を強化するとともに、保護者や関係機関との連携をさらに深めてまいりまして、児童生徒の様子の変化を注意深く見守って、学校の内外で虐待や性被害に遭わないように努めてまいります。
 次に、新しい県立図書館についてでありますが、県立図書館は、図書の貸し出しや資料の提供などにより来館者の要望にこたえるほか、市町村立図書館等との連携を通じ、広く県民に資料や情報を提供するなど、生涯学習の重要な拠点となっております。新しい県立図書館におきましては、図書資料等の拡充や閲覧スペースの拡大、開館日数・開館時間の延長を図り、また、ホームページを充実させ、利用者がより利用しやすい環境の整備を進め、県民の生涯学習活動への一層の支援に努めてまいりたいと考えております。
 市町村立図書館との連携につきましては、県内公立図書館全体の振興を図るため、岩手県公立図書館等振興指針を本年1月に策定いたしました。県内の関係機関が一丸となって取り組むこととしております。
 県立図書館におきましては、今後とも、所蔵する資料の貸し出しや情報の提供により市町村立図書館を積極的に支援するほか、市町村の図書館職員研修の充実を図るなど、一層の連携を進めてまいりたいと考えております。
 また、図書館未設置町村に対しましては、公民館図書室などに対する支援を通じまして、地域住民の図書等の利用を促すなど積極的に対応してまいりたいと考えております。
 次に、図書館でのマナーについてでありますが、公共施設としての図書館利用に一定のルールは必要であります。これまでも、私語を慎むこと、ソファーでの仮眠や携帯電話での通話の禁止などを示しながら利用者のマナーの向上を促してきたところであります。新しい県立図書館におきましても、利用者の声も参考にしながら、館内での掲示や資料の配布を通して、利用者の意識啓発、モラルの高揚に努め、県民がお互いに利用しやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、図書館のビジネス支援についてでありますが、新しい県立図書館は、盛岡駅の西口という立地条件等によりまして、これまで以上に多くの方々、特に学生あるいは職業人が訪れるものと考えております。このため、ビジネス支援という観点からも、最新の情報機器類や、あるいは利用者用端末を全館に配備いたしまして、質の高いデータあるいは各種資料等を提供することといたしておりまして、大型ディスプレーによる館内表示やわかりやすい検索システムの導入等により、利用者の幅広い要望にこたえてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕
〇警察本部長(山内正和君) バス専用レーンに対する取り締まり方針についてですが、県警察では、朝の出勤時間帯の自動車交通を抑制するとともに、バスの利用促進を通じて交通渋滞の緩和を図ることを目的とした盛岡市のオムニバスタウン事業について、バスの定時運行を確保するため、公共車両優先システム対策を実施するなどの支援をしているところです。
 バス専用レーンの効果を発揮するためには、バス、タクシーなど指定された車両以外の通行を排除していくことが必要なことから、県警察では、随時、交通監視や遊動警戒活動を通じて、正しい通行方法の指導及び違反車両に対する取り締まりを実施しており、昨年中は137件の指導取り締まりを行ったところであり、今後とも対策の一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、盛岡駅周辺の交通渋滞対策についてですが、盛岡駅周辺につきましては、市内でも朝夕のラッシュ時間帯を中心に交通の集中する地域であることから、県警察においても、交差点間の系統的な信号制御や交通規制を行うなどの交通渋滞対策を実施しているところです。特に、開運橋西たもと交差点につきましては、渋滞が見られる箇所であることから、右折レーンの設置、矢印信号の増設や車両及び歩行者用信号の時間調整を行うなどの対策をとってきたところです。
 現在、盛岡駅周辺につきましては、西口の道路整備に伴い、交通の流れや交通量の変化が見られるところであり、さらに平成17年度中には開運橋下流の不来方橋の開通が予定されております。これにより、盛南大橋方面と市街地中心部方面との流れがスムーズになることが期待されるところですが、今後とも、県警察では、管制センターの機能の充実によるより適切な信号制御や違法駐車排除対策などを推進するとともに、道路管理者などと緊密に連携し、交通情報の提供による交通量の分散や公共交通機関の利用促進による交通総量の抑制など、駅周辺における交通の円滑化のための対策を進めてまいりたいと考えております。
〇35番(小野寺好君) 3点再質問させていただきます。
 最初に、子育て支援ですけれども、国の次世代育成支援対策推進法では、国や地方公共団体、従業員が301人以上の企業では、自らの職員の子供たちの健やかな育成を図るため、行動計画を策定して、平成17年4月1日から10年間にわたって集中的に取り組むこととしています。こういった子育て支援については職場全体で取り組むことが必要ですけれども、まず、計画推進に当たる公務員の皆さんが率先垂範すべきだと思いますが、本県の場合、どのような予定になっていますかお伺いしたいと思います。
 二つ目は災害対策で、去年の一般質問のときにも津波被害体験が風化している、こういったことをお聞きしました。阪神の場合、防災記念館みたいなものができたと聞いていますけれども、本県の場合、沿岸部の公民館でそういった資料を展示しているという御答弁が過日あったんですけれども、何かきちっとした防災記念館のようなものはできないものかどうか、いま一度お伺いしたいと思います。
 万一の場合、災害復旧のための資材置き場みたいなものについてはどうなのか。食料とか毛布については県の防災センターの方に一応あるとお聞きしていましたけれども、そういった復旧のための資材についてはどうなのかお伺いしたいと思います。
 三つ目は競馬ですけれども、平成16年度の発売金額は当初360億円ではないかと言われていながら319億円にとどまってしまったんですけれども、発売金額の75%を返すわけですからてんぷらの衣みたいなもので、実際、発売金額の4分の1しか普通の商売で言う売り上げにはならないと思います。これでいくと、平成16年の場合は大体80億円がそれに該当するわけですけれども、これに対して40億円の赤字と。これでは続けていくことが非常に難しいのではないか。しかも、過日の答弁で知事は、平成17年度も18年度も10%さらに売り上げが下がるのではないか、こういったことをおっしゃっていまして、傷口がどんどん広がるような気がいたしますが、この辺に対しての御見解をお伺いしたいと思います。
〇知事(増田寛也君) 競馬の関係について私の方から申し上げますが、まず、今回の改訂計画をどういうふうに評価するかということでございまして、この改訂計画に沿って、確実にそれぞれの立場の者が考え方を合わせて支援を実行していけば競馬の再建が実現できる、こういう基本的な考え方に立っております。その中で、今お話がありましたように、売り上げがどういう形になるかということが大きなポイントでございますけれども、これについては、準備不足もございまして、12月のときには売り上げの内容について十分な御説明が行き届かなかったということがございました。また、今回の改正競馬法を受けての、民間の力を入れる部分についての民間との折衝の時間も12月の段階ではほとんどございませんでしたので、その内容について確実さを御説明することができなかったんですが、今回、テレトラック等についての売却・賃貸の交渉も成りましたので、今お話ございましたとおり、平成17、18年は、私どももまだ準備期間あるいはインターネット発売などを取り入れた初年度でございますので、景気動向等のことも考えますと、そこの段階ではやはり既存体制での売り上げは控え目に見ておかなければならないと考えております。その上で、平成19年以降からはそうした部分も含めた売り上げがまた伸びていくもの。平成18年度のインターネットの立ち上げも、我々としては低目に、抑え目に見積もっているところでございまして、また、テレトラック等の賃貸・売却等によって下方修正が全体として可能になりましたので、そういうことも含めて、計画全体を我々としては実行可能なものとして考えているところでございます。
 したがいまして、今の経済状況の中で、我々としては、それぞれの構成団体としての支援の努力、それから市中の金融機関からの努力も含め、すべてがそれぞれやれる範囲のところで最善を尽くして今回の計画を実行していきますと岩手競馬の再建は成り得る、このように考えているものでございます。
〇総務部長(時澤忠君) まず、次世代育成支援対策推進法によります取り組みでございますが、次世代法によりまして地方自治体にも事業主としての行動計画の策定が義務づけられておりまして、県でも特定事業主行動計画ということで現在準備を進めておりまして、今月中に公表するということで作業を進めております。
 この計画の中には、すべての職員が希望どおりに育児休業を取得できる環境づくり、あるいは男性職員の育児参加をこれまで以上に促進するための総合的な施策を盛り込むこととしておりまして、県が率先して推進することによりまして、子育てと仕事が両立できる環境整備が県内の市町村あるいはその事業所に広まるように取り組んでいきたいと考えております。
 2点目、防災記念館のようなものを建設してはどうかということでございます。
 確かに、私ども、今、防災意識の希薄化あるいは風化、こういったことに対して非常に懸念しているところでございまして、この防災意識の醸成のためにどうしたらいいかということで苦労しているところでございます。御指摘ありました防災記念館といったものも一つの手段ではあろうかと思いますが、現下の財政状況にかんがみますと、当面の施設整備は困難と言わざるを得ない状況でございます。しかしながら、災害の正しい伝承あるいはその知識の普及、防災意識の高揚、こういったことは非常に大切でありますので、既存施設の活用あるいはソフト面での工夫、そういったことによって取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、災害復旧用の資材置き場を整備してはどうかということでございます。
 災害復旧用の資材置き場でございますが、災害はいろいろ多様なものがございまして、所要の復旧資材も非常に多岐にわたるということでございます。このため、現在、私ども、関係業界と協定を結んでおります。何かあった場合には、調達、応急工事が迅速に行われるようにということの協定でございまして、万が一の場合にはこのようなことで対処するということになっているものでございます。
〇副議長(菊池勲君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時27分 休 憩
出席議員(47名)
1  番 亀卦川 富 夫 君
2  番 中 平   均 君
3  番 ザ・グレート・サスケ 君
4  番 木戸口 英 司 君
5  番 関 根 敏 伸 君
6  番 野 田 武 則 君
7  番 平 野 ユキ子 君
8  番 高 橋 雪 文 君
9  番 嵯 峨 壱 朗 君
10  番 平   澄 芳 君
11  番 工 藤 勝 子 君
12  番 平 沼   健 君
13  番 柳 村 典 秀 君
14  番 飯 澤   匡 君
15  番 田 村   誠 君
16  番 大 宮 惇 幸 君
17  番 千 葉 康一郎 君
18  番 新居田 弘 文 君
19  番 工 藤 大 輔 君
20  番 川 村 農 夫 君
21  番 樋 下 正 信 君
22  番 照 井 昭 二 君
23  番 柳 村 岩 見 君
25  番 阿 部 富 雄 君
26  番 斉 藤   信 君
27  番 田 村 正 彦 君
28  番 佐々木 順 一 君
29  番 佐々木   博 君
30  番 及 川 幸 子 君
31  番 阿 部 敏 雄 君
32  番 吉 田 昭 彦 君
33  番 小野寺 研 一 君
34  番 千 葉   伝 君
35  番 小野寺   好 君
36  番 伊 沢 昌 弘 君
38  番 吉 田 洋 治 君
39  番 佐々木 一 榮 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 渡 辺 幸 貫 君
42  番 高 橋 賢 輔 君
43  番 藤 原 良 信 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 藤 原 泰次郎 君
46  番 菊 池   勲 君
47  番 工 藤   篤 君
48  番 小 原 宣 良 君
51  番 佐々木 俊 夫 君
欠席議員(2名)
24  番 阿 部 静 子 君
50  番 佐 藤 正 春 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時48分 再 開
〇副議長(菊池勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。阿部富雄君。
   〔25番阿部富雄君登壇〕(拍手)

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