平成23年6月臨時会 第22回岩手県議会臨時会 会議録

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〇48番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 一般会計補正予算(第3号)についてお伺いいたします。
 最初に、県債について。
 非常時には蓄えを使い切り、なお不足する分については借金をしてでも住民を守らなければならないのは当然であります。さきの県の2次補正予算では344億円余の県債発行、今回の県債は341億円余となりました。復興への重大な決意を感じますが、今後、5年先、10年先の県財政への影響をどのように考えての県債発行かお伺いいたします。
 2、生活再建について。
 昭和8年の三陸沖地震津波では、本県の死者、行方不明は2、671人、昭和35年のチリ地震津波の全国の死者、行方不明は142人であり、このたびの被害がいかに甚大であるかがわかります。今回の大震災ではこれだけ多くの県民の生命、財産を失ったわけであり、生活再建は困難をきわめることになります。個人の努力、地方自治体の支援では十分ではありません。避難所から移り住む応急仮設住宅、民間賃貸住宅借り上げで2年間は家賃を手当てしていただけますが、その後の展望はいかがでしょうか。
 従前の土地に住宅を再建できるかどうか、建築基準法第39条に基づく条例制定の動向はいかがでしょうか。
 新たに高台に土地を購入し、住宅を新築できるのは倒壊家屋の何%程度とお考えでしょうか。
 住宅に困る住民用に新たな公営住宅の建設750戸を発表しましたが、第2弾、第3弾があるとすれば、最終的には何戸を目指しているか伺います。
 現時点での被災者生活再建支援法による給付実態はいかがでしょうか。
 被災者生活再建支援法による給付は、所有者みずからが居住する住宅に限られ、給付額は合計最高300万円、期限は37カ月以内となっていますが、実態にそぐわないと思いますが、法改正への要望が必要と思います。知事の所見を伺います。
 また、日赤からの家電6点セットは災害発生から1カ月経過してからであり、給付を受けることができた、できない等不公平感が残りましたが、これまでの給付状況はいかがでしょうか。
 同様に、住宅用品代10万円限度の給付でありますが、民間賃貸住宅の借り上げに当たり、ガスコンロや照明器具、カーテン等を設置した場合、県が10万円を限度に負担するというものでありますが、住民はもちろん、市町村担当者も知らないでいたという例を聞きましたが、どのような周知方法をとったのか伺います。
 これに対して遡及しての適用があるとすれば期間はどのくらいでしょうか。
 なお、救助費121億円余に関して伺います。
 災害救助法第23条第1項第7号には、正業に必要な資金の給与、そして同条第2項には、救助を要する者に対し金銭を支給できると2カ所にわたって現金支給を認めていますが、本県の判断と執行状況はいかがでしょうか。
 3、義援金について。
 何カ月も生活できるほど蓄えている家庭はそう多くはありません。当面は善意の義援金を頼るという方が多いと思いますが、義援金支給は市町村によって進みぐあいが違っています。速やかな支給のため、県はどのような支援を行っているか、今後に予定されている第2次配分の際はどのように改善できると考えているか伺います。
 なお、平成23年5月18日の厚生労働省社会・援護局総務課長から各県の義援金担当者への事務連絡では、その第6項目めに、義援金配当に当たっては、災害弔慰金の支給等に関する法律の取り扱いと同一とする必要はないので、地域の実情に応じた運用をお願いいたします。例えば、死亡者に係る生計同一の兄弟姉妹について、これを義援金の配付対象としている自治体もあることを申し添えます、このように発出していますが、なぜ本県だけがこれに対応できないのか。知事は、時々国の対応を遅いと言っていますが、本県でもこのような遅い対応があるじゃないですか。どうお考えでしょうか。
 4、転出について。
 住んでいた家屋や仕事を失う等により県内の他市町村や他県等に転出せざるを得なくなる場合があります。何よりも復興のスピードが求められ、おくれるほど転出者が多くなります。この3カ月でどのように推移してきているか、また、今後の対策はどうか伺います。
 なお、全国避難者情報システムでありますが、県内市町村の導入状況はいかがでしょうか。
 5、医療について。
 県立病院ほか多くの医療施設を失いましたが、医療機関のない土地では生活はできませんので、速やかに復元しなければなりません。大まかな見通しで結構ですが、今後の復旧見通しを伺います。
 6、教育について。
 義務教育施設、県立学校も大きな被害を受けました。通学させるための、生徒の家庭事情はそれぞれですが、スクールバス等通学への配慮、及び安心して学べる環境整備の見通しはいかがでしょうか。
 7、水産業について。
 水産業、漁港の復旧は最優先課題ですが、国の第2次補正予算が見えてきていません。養殖漁業は時期を逃すと1年を棒に振ってしまうことになり、県は国の予算措置を待たずに対応せざるを得ませんでしたが、この今回の英断を評価したいと思います。
 その上で、養殖漁業を行う前提として、漁港、漁場の改修、瓦れき撤去が必要ですが、どのような課題が立ちふさがっているか伺います。
 8、道路等について。
 今回の大震災は内陸にも被害を及ぼしております。北上川にかかる橋が3カ所で通行できなくなりましたが、復旧への対応、見通しはいかがでしょうか。
 また、沿岸部の国道45号は陸前高田市や釜石市鵜住居ほかで大きく損壊しましたが、3カ月にもなろうとしているのに復旧のための査定等がおくれていると思われます。ルートを変えるとか規格を高めたりするなど、改良する予定などあれば主な場所をお示しいただきたいと思います。
 なお、震災直前に開通した釜石の縦貫道や大船渡、山田、そして宮古西道路などは大変有効に機能しました。今後、この縦貫道の建設は促進されるのか、あるいは予算が回ってこなくなるのか、その見通しを伺います。
 9、消防団、消防関係職員について。
 常備消防の消防職員及び特別職地方公務員である消防団員の公務災害状況─犠牲者数はいかがでしょうか。
 みずからへの危険に臆せず、人命救助、水門閉鎖等の公務に殉じた職員、団員の職階見直し等はいかがでしょうか。
 さきの国の1次補正予算では33億円の賞じゅつ金が計上され、今回の県補正予算では賞じゅつ金が31億円予定されています。先ほどの説明ですと、この賞じゅつ金は国、県、そして市町村別々と聞きましたが、財源はそのように別と判断してよろしいのでしょうか。
 その際、市町村によっては、余りにも多過ぎるため、対象者に対する減額がされるのではないかとの懸念の声が上がっているところもありますが、このことについてはいかがでしょうか。
 また、消防職員と団員との差、職務にふさわしい内容となっているかどうか、以上、お尋ねいたします。
 最後に、瓦れきの処理について。
 環境衛生費に関連し、災害廃棄物についてでありますが、一般廃棄物扱いとはなっていますが、産業廃棄物のようにしっかりとした処理が必要であります。中間処理や最終処分等、処理計画はいかがでしょうか。
 これはとりあえず野積みになっていますが、学校や魚市場等からは最優先で搬出されるべきと思いますが、方針を伺います。
 以上です。
〇知事(達増拓也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 生活再建支援法による給付についてでありますが、6月3日現在で、県から財団法人都道府県会館に進達した申請書の件数は1万4、154件に上っているものの、実際に被災者に支給された件数は625件、4.4%にとどまっております。
 同法人に対しては、既に5月17日付で早期支給を要請する文書を発出いたしました。法人側においても、早期支給に向けて、職員の増員など審査体制の強化を図ると伺っております。
 生活再建支援法は、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけとして1998年5月に成立、以降、数次の改正を経て、支給額の拡大や収入要件の撤廃などの改善がなされてきましたが、今般の未曾有の大災害では、多くの方々が住家のみならず、生業までも根こそぎ奪われており、これからの生活再建を考えたとき、現行の支給額ではとても十分と言えないと考えております。このため、国の東日本大震災復興構想会議において、被災者生活再建支援金の大幅な拡充を提案したほか、関係大臣等に対しましても、支援金額の拡充や支援範囲の拡大等について要望を行っておりまして、今後も機会をとらえて国に働きかけてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので御了承をお願いします。
〇総務部長(加藤主税君) まず、県債発行の今後の影響についてでございますが、過去の公共事業の財源として発行した県債の償還が、現在の県財政の大きな課題となっているところでございます。震災前の見通しでも、今後、公債費が大幅に増加していく見込みでございましたが、それに加えまして、累次の震災対応のための予算によりましてさらなる県債の増額と、その償還によります中長期的な財政への圧迫が懸念されるという状況でございます。
 このような既存債務に加えまして、震災による新規の債務の増大という問題に対する懸念から、去る6月4日に開催されました復興構想会議におきまして、補助裏や直轄事業負担金などの地方負担分につきましても十分な財源保障がなされるべきことを知事から提案いたしまして、宮城県、福島県といった関係各県、被災県からも賛同する旨の意見が示されたところでございまして、国におきましても一定の理解が得られているのではないかと考えております。引き続き、あらゆる機会をとらえまして、復興に要する国費措置のみならず、国と地方を通じた復興財源の確保でございますとか、地方財源の保障につきまして国に強く提言していく所存でございます。あわせまして、今後、県民の生活に大きな支障が生じることがないよう、これまで以上に緊張感を持った財政運営を行う必要があると考えております。
 次に、消防職団員の公務災害等の状況についてでございます。
 今回の震災におきまして犠牲となられました消防職員は、現在、死亡、行方不明合わせて8名、同じく消防団員につきましては、死亡、行方不明合わせて116名ということでございます。市町村等におきましては、現在、公務災害の認定を進めておりますが、公務従事中の犠牲者数につきましては確定を見ていないという状況でございます。市町村等における認定手続が円滑に進みますよう、助言、支援に努めてまいりたいと考えております。
 公務に殉じられました消防職員、消防団員の階級見直しにつきましては、各市町村や消防本部の判断が尊重されるべきものでございますが、県におきましても、必要に応じまして、助言でございますとかこれまでの先例等の情報提供等を行っていきたいと考えております。
 賞じゅつ金につきましては、国、県、市町村がそれぞれの規程や要綱に基づきまして、それぞれがその消防職団員の功労を賞し支出するものでございます。支払い元、これは別々でございまして、それぞれということになります。趣旨は同一でございますが、支払いはそれぞれ別々ということになります。
 この財源につきましてお尋ねがございました。財源につきましては、国は当然、みずから国庫で予算措置をしているというふうなところでございます。県につきましては、これまでのところは財源措置はございませんので、現在、要望を強めている最中でございます。
 市町村分の財源につきましては、特別交付税で措置されるということになっております。これにつきまして、財源の関係から、市町村において減額される懸念があるのではないかというお尋ねでございました。基本的に、その活動内容、それによります功労、これを厳正に審査した上で支給が決定されるということでございまして、お金の面というか財源の面から、その多寡が定まってくるというものではないと考えております。ただ、市町村の現場の段階でそういう懸念が生じているということでございますれば、確実な財源措置につきまして、市町村ともども、県におきましても要望を強めまして、そうした懸念が払拭されるように努めてまいりたいと考えております。
 なお、職員と団員の違いというお尋ねもございました。支給根拠となっております市町村の規程や要綱、これは消防職員、消防団員双方を同じ条項で規程しておりますので、基本的に職員、団員によりまして額等支給の状況、支給の多寡等につきまして差異はないものでございます。
 また、賞じゅつ金それぞれの主体が功績を的確に審査した上で支給されるものでございまして、適正性は確保される、その功労、功績にふさわしい内容になるものと考えております。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、応急仮設住宅、民間賃貸住宅の借り上げについてでありますが、災害救助法に基づく応急仮設住宅は2年以内とされておりますが、今般の災害については、去る6月1日に特定非常災害特別措置法の一部を改正する政令が公布され、建築による応急仮設住宅の設置期間を1年単位で延長することが可能とされたところでございます。民間賃貸住宅を応急仮設住宅として借り上げた場合についても、建築によるものと同様、公営住宅の整備状況や被災者みずからの住宅確保状況などを踏まえながら国とも協議し、必要な期間の設定をしていく必要があるものと考えております。
 次に、日赤からの家電6点セットについてでありますが、家電6点セットは、日本赤十字社から、今回の災害による被災世帯に対する救済事業として提供されるものであります。
 家電6点セットの給付状況は、県内に建設される応急仮設住宅、公営住宅及び民間賃貸住宅等に入居する世帯に提供されており、6月2日現在、5、071セットが寄贈されております。
 次に、民間賃貸住宅の借り上げに係る周知についてでありますが、民間賃貸住宅を応急仮設住宅として県が借り上げるに当たり、当該住宅の附帯設備として貸し主に対し、給湯器、ガスコンロ、照明器具、カーテンの4点の設置を求めるもので、その設置及び購入に要した経費について、上限額10万円の範囲内で県が負担するものであります。この制度につきましては、民間賃貸住宅の借り上げに係る賃貸住宅契約書の条項に盛り込んでおり、市町村や宅地建物取引業界団体に対し、契約手続について、4月21日及び5月2日付で文書により協力を依頼しているところであります。この制度につきましては、災害救助法の適用日である平成23年3月11日から適用しているところであります。
 次に、救助費に係る現金支給についてでありますが、災害救助法施行令に基づく国の基準によりますと、生業に必要な資金については、生業の手段を失った世帯に生業費として1件当たり3万円、就職支度金として1件当たり1万5、000円を貸与するとしており、給与するとはされておりません。これにつきまして、国では、災害救助法は被災者支援の仕組みが整備されていない時代につくられた法律で、災害弔慰金や被災者生活再建支援金の支給、生活福祉資金の貸し付けなど、さまざまな支援制度が充実した現在では現実的でない部分もあり、運用してこなかったものであり、県としても予算措置を行っていないところであります。
 また、救助事務につきましては、現物給付をもって行うことを原則としておりますが、埋葬につきましては例外的に遺族等が行う場合の現金支給も想定しており、6月3日現在で189件の申請を受理しているところであります。
 次に、義援金の配分についてでありますが、義援金の支給事務に係る市町村に対する支援についてでありますが、県では、支給について市町村の事務処理体制を整備するため、県職員の派遣や他の自治体職員派遣のあっせんなどの支援を行ってきたところであります。その結果、義援金の支給率は向上し、金額ベースでは5月27日の30.3%から6月3日には47.3%と、17ポイント上昇してきているところであり、今後、6月中に交付対象者のおおむね80%以上の支給を目標としております。
 今後予定されております第2次配分に当たりましても県義援金配分委員会において決定し、一日でも早く被災者の皆さんの手元に届くよう、県としても引き続き市町村に対し積極的に支援を行ってまいります。
 次に、生計同一の兄弟姉妹への対応についてでありますが、これまで県では、死亡、行方不明者に対する義援金交付に当たっては、県義援金配分委員会で災害弔慰金支給法による遺族の対象範囲を準用し、配偶者、子、父母、孫及び祖父母としてきたところであります。しかしながら、5月18日付厚生労働省社会・援護局総務課長事務連絡において、生計同一の兄弟姉妹を義援金配布対象としている自治体がある旨、例示されたところであり、また、岩手県弁護士会や被災市町村長からも同様の要請がありますことから、現在、支給対象の見直しについて検討を進めているところであります。
 医療施設の復旧についてでありますが、医療機関の復元に向けた大まかな見通しについてでありますが、津波の被害があった沿岸の市町村では、病院が19カ所中8カ所、診療所が109カ所中50カ所が被災したところであり、速やかな機能の復旧が急務であると考えております。このため、被災地の医療提供体制の復興に向けた第1段階として、被災した県立病院を含め、休止中の医療機関を中心として仮設診療所を設置し、一部の復旧している医療機関とともに、地域の診療機能が回復されるまでの間、おおむね1年から3年程度、仮設診療所等による医療提供体制を確保していく必要があると考えているところであり、今般の議会におきましても、仮設診療所設置に係る経費の補正予算を計上したところであります。
 なお、新たなまちづくりに対応した医療機関の復興や医療提供体制の構築に向けては、今後、地域や関係機関と十分に協議しながら進めていくべきものと考えているところであります。
〇県土整備部長(若林治男君) まず、建築基準法第39条に基づきます災害危険区域の指定につきまして、これまで、各市町村に制度の内容や浸水のおそれのある区域について説明をしてきたところであります。現時点では、多くの市町村から、今後復興計画を策定する予定、私権の制限を伴うため、条例制定には慎重な姿勢が示されております。
 沿岸地域の多くは浸水区域外に住宅建設に適した土地が少ないことから、被災者の自力での住宅再建は限られ、新たな団地造成などの宅地供給の動向に大きく左右されるものと考えております。
 新たな公営住宅の建設につきまして、まず第1弾として、750戸の県営住宅の設計費等を補正予算で計上したものでありますが、応急仮設住宅の建設を1万4、000戸、民間借り上げを2、000戸計画しておりまして、これらの入居者数を考慮すれば、相当数の公営住宅の建設が必要になるものと考えております。
 最終的な戸数につきましては、被災者の意向や今後の需要見通しなどについて、各市町村と協議しながら計画してまいります。
 次に、北上川にかかる橋の復旧見通しについてでありますが、3月11日、4月7日の余震によりまして、県が管理する五つの橋梁で橋脚などが被災したところであります。このうち、一関市柵の瀬橋につきましては5月初旬に復旧工事を完了し、奥州市江崎大橋、藤橋については5月下旬までに応急工事により交通開放を行い、引き続き工事を進めております。小谷木橋は橋脚が傾くなど大きな被害を受けたことから、専門機関による技術的助言を受けながら調査検討を行い、現在、鋭意、応急工事を進め、8月中の通行規制の解除を予定し、引き続き本格的な復旧工事を進めることといたしております。また、金ケ崎橋につきましては、現在、片側交互通行としておりますが、橋脚の一部が損傷したことから、今後、1週間程度の全面通行どめを行い、復旧工事を完了する予定であります。
 国道45号の改良予定箇所についてでありますが、現時点では具体的なルート変更箇所について国からお聞きしておりませんが、今後、県や市町村の復興計画も踏まえながら検討していくと伺っております。
 県といたしましても、国や市町村と連携を図りながら、信頼性の高い道路ネットワークの構築を目指してまいります。
 三陸縦貫自動車道につきましては、去る5月24日の衆議院復興特別委員会におきまして、国土交通大臣から全線事業化に向けて全力を挙げていくとの答弁がなされたところであり、整備促進に大きな期待を持ったところであります。県では、三陸縦貫自動車道などの三陸沿岸の縦貫軸及び東北横断自動車道釜石秋田線などの横断軸の道路を復興道路として位置づけ、集中的投資による3年間での重点的整備、5年以内の全線開通を国に強く要望しており、今後とも早期の全線開通に向け、要望を継続してまいります。
〇政策地域部長(千葉茂樹君) 転出者増加への対応についてでありますが、沿岸被災12市町村の最近の人口動態は、住基ネットで把握できます10市町村においては、3月12日から6月7日までの県内外から転入した者の合計が約2、800人であるのに対しまして、県内外に転出した者の合計は約5、300人となっているところであり、その転出事由が被災によるものか、あるいは進学、転勤によるものかなどについては把握できないところであります。
 また、被災2市町におきましては、津波によって住民基本台帳と住民基本台帳ネットワークシステムが被災し、住民基本台帳を復元するまでに時間を要したことや、現在も全国のネットワークと接続されていないことから、現時点では県内外に転出した住民の正確な数を把握することが困難な状況にあります。
 今後とも、被災された市町村において生活を継続していただくためには、まずは地域の安全を確保した上で暮らしを再建し、また、なりわいを再生することにつきまして、早急に復興の道筋を明確に示すことが重要であると考えているところでございます。このため、現在策定中の復興基本計画案において、これらの考え方や具体的な取り組みを盛り込んでいるところであり、スピード感を持って取り組んでいきたと考えているところでございます。
 また、総務省が構築いたしました全国避難者情報システムにつきましては、県内全34市町村に導入済みでございます。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 養殖漁業に係る漁港、漁場の課題についてでありますが、漁港においては、漁船の安全な航路、泊地の確保や養殖物の陸揚げ岸壁の復旧が必要であること、漁場については、まずは堆積している瓦れきの位置や堆積量を把握する必要があると認識しております。このため、被災した岸壁等漁港施設の仮復旧など応急工事を進めるとともに、漁場に堆積している瓦れき等については、今月から開始することとしている調査の結果に基づき撤去作業を早急に実施することとしており、このような取り組みなどにより、養殖漁業の早期再開を支援してまいります。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 災害廃棄物の処理計画についてでありますが、大量の災害廃棄物を迅速かつ適切に処理するため、現在、県内外の廃棄物処理施設の受け入れ条件や処理可能数量等につきまして、鋭意、情報を収集し、その設置者などと協議、調整を行っているほか、課題となっております塩分を含む廃棄物の処理方法に関しまして検討を進めているところであります。今後、これらの状況を踏まえながら、8月中をめどに県全体の廃棄物処理計画を策定し、3ないし5年以内で処理が完了するよう、市町村と一体となって取り組んでいくこととしております。
 また、廃棄物の搬出撤去でありますが、御提言のありましたとおり、住民生活等に与える影響が大きい地域につきましては、優先的に行うこととしているところでございます。
〇教育長(菅野洋樹君) 教育環境の整備についてでありますが、県立学校については、高田高校がその全部、宮古工業高校がその一部について甚大な被害を受け、校舎が使用できない状況でありますことから、高田高校は大船渡東高校萱中校舎、宮古工業高校は近隣の高校において授業を再開したところでございます。
 高田高校については、まちづくりの方針等も踏まえて整備の方向づけをしたいと考えておりますし、宮古工業高校につきましては、夏休み明けの授業開始を目指して、現校舎の改修工事に努めているところでございます。市町村立学校につきましては、各市町村において応急仮設校舎の建設など、復旧整備を進めているところでございます。
 通学手段の確保についてでございますが、県立学校については、JR及び三陸鉄道の不通区間において代替バス等が運行されているところでありますが、公共交通が運行されていない陸前高田市周辺から高田高校仮校舎を含む大船渡地区の高校へは、県において通学バスを運行しているところでございます。市町村立学校におきましては、8市町が28校の児童生徒を対象として、NPO等の支援も受けながらスクールバスを運行しているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、各市町村の状況や課題をきめ細やかにお伺いしながら、引き続き必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
〇48番(小野寺好君) 聞き取りにくい声にもかかわらず御答弁いただきましてありがとうございます。終わります。
〇議長(佐々木一榮君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第12号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第22回県議会臨時会 平成23年6月8日)
総務委員会
1 議案第1号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款
       第3款第5項中総務部関係
       第9款
       第11款第4項第2目
   第3条
2 議案第3号
3 議案第5号
4 議案第6号
5 議案第7号
6 議案第8号
7 議案第11号
8 議案第12号
環境福祉委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款第1項
          第3項
          第5項中環境生活部及び保健福祉部関係
       第4款
       第11款第4項第1目中環境生活部及び保健福祉部関係
          第5項
2 議案第4号
3 議案第10号
商工文教委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款第5項中商工労働観光部関係
       第5款
       第7款
       第10款
       第11款第3項
          第4項第1目中商工労働観光部関係
          第6項
   第2条
2 議案第2号
3 議案第9号
農林水産委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
     歳出 第6款
        第11款第1項
           第4項第1目中農林水産部関係
県土整備委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款
       第11款第2項
〇議長(佐々木一榮君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇議長(佐々木一榮君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時54分 休 憩
出席議員(47名)
1  番 吉 田 敬 子 君
2  番 工 藤 勝 博 君
3  番 高 橋 但 馬 君
4  番 小 野   共 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 岩 崎 友 一 君
10  番 木 村 幸 弘 君
11  番 久 保 孝 喜 君
12  番 小 西 和 子 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 及 川 あつし 君
16  番 亀卦川 富 夫 君
17  番 高 橋 昌 造 君
18  番 中 平   均 君
19  番 五日市   王 君
20  番 関 根 敏 伸 君
21  番 三 浦 陽 子 君
22  番 小田島 峰 雄 君
23  番 熊 谷   泉 君
24  番 嵯 峨 壱 朗 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 大 宮 惇 幸 君
27  番 千 葉 康一郎 君
28  番 新居田 弘 文 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 佐々木 順 一 君
31  番 佐々木   博 君
32  番 田 村   誠 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 佐々木 一 榮 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 渡 辺 幸 貫 君
43  番 吉 田 洋 治 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後7時32分 再開
〇議長(佐々木一榮君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   報 告
〇議長(佐々木一榮君) 各委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   日程第3 議案第1号平成23年度岩手県一般会計補正予算(第3号)から日程第14 議案第12号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで(続)
〇議長(佐々木一榮君) 日程第3、議案第1号から日程第14、議案第12号までの議事を継続いたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。関根総務委員長。
   〔総務委員長関根敏伸君登壇〕

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