平成17年6月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇36番(伊沢昌弘君) 社会民主党の伊沢昌弘でございます。
 初めに、広域生活圏と地方振興局のあり方についてお伺いいたします。
 県は6月3日に、これからの広域生活圏と地方振興局(素案)を発表いたしました。この素案策定の背景として、県は、これまで県と市町村との役割分担のもとに社会資本の整備を着実に進める中で、一定水準のサービスを提供できる環境が整ってきたこと、一方で、地方分権改革や市町村の合併の進展、さらには人口減少、少子・高齢社会の到来や経済・社会環境の急速な変化への対応などを挙げています。
 確かに九つの広域生活圏に12の地方振興局を配置した時代と比較して、県行政のありようを根本から見直す変化が生じていることには間違いありません。この問題は、まさにこれから市町村や多くの県民の皆様からいただく意見をもとに、十分な検討の上に策定されるべきものであると考えます。
 この際、私からも3点に触れてお伺いしたいと思います。
 第1点は、広域生活圏のくくりの問題です。
 素案では、地域特性が異なる広大な県土を持つ本県においては、地域の産業の類似性、連続性に着目して、県内を幾つかの圏域に区分し、それらの集積の効率性を出していくことが必要であるとの記述に見られるように、産業の類似性を圏域区分の根拠としているようであります。とすれば、種市、久慈、野田、普代といった沿岸市町村が盛岡市と同じ広域生活圏とすることには無理があります。産業の類似性という点からは疑問を感じるのですが、どうお考えでしょうか。
 私は、将来的にも5ないし6程度の広域生活圏が必要ではないかと考えるものです。なぜなら、やがて振興局を三つにする案は、おおむね10年間で県は地域からほぼ全面撤退することを意味するからであります。基本認識をお伺いしておきたいと思います。
 また、現在の九つの医療圏を将来的にどのように集約していこうとするのか、素案では読み取ることができません。保健・医療・福祉施策は、県民の求める重要な施策であり、現在の保健所も三つの生活圏に集約していくとすれば、県民生活に大きなマイナスになることが予想されますが、いかがでしょうか。
 第2点は、人口の推移と地域づくりについてであります。
 素案の資料によりますと、2000年の本県人口は約141万6、000人であるのに対して、2015年の予測人口は136万3、000人、2030年は123万2、000人となっています。この予測人口を現在の九つの広域圏ごとに予測した場合、大きな差が生じるものと思われますが、具体的にお示しをいただきたいと思います。
 結局、広域生活圏を三つに区分することは、地域の振興を図る地域づくりから目をそらすことになるのではないかと思われますが、私の思い過ごしでしょうか。知事の御所見をお伺いしたいと存じます。
 第3点は、広域生活圏内の各地域に配置される行政センターの機能と県から市町村への事務事業にかかわる権限移譲の問題であります。この点については、市町村長や県民が一定の判断材料とするために、今回の素案を出す段階で、ある程度具体的な方針を含めて示すべきものであったと私は考えております。前に登壇をした議員の各位もこのことを申し述べているわけでありますけれども、そのように私も考えているわけであります。
 素案に示されている行政センターの機能と市町村への権限移譲について、市町村の受けとめ方を含めて、知事の基本認識をお伺いいたします。
 次に、市町村の合併のあり方について伺います。
 本県における市町村合併は、新宮古市を初め、2006年3月までに11の地区において新たな自治体が誕生する予定となっております。この間における当該市町村を初め、関係各位の御努力に敬意を表するものであります。
 さて、国は、今後の合併推進に当たり、本年4月施行の市町村の合併等の特例に関する法律、いわゆる合併新法に基づき、先ごろ総務大臣基本指針を各都道府県に示しました。この指針は、都道府県が市町村合併の推進に関する構想を策定すること、知事が市町村合併調整委員を任命し、合併協議会に係るあっせん・調停を行わせることができること、知事が合併協議会設置、または合併協議推進勧告により市町村の合併を推進することなどを内容とするものであります。
 このように、これまでの市町村合併とは異なり、合併新法は、都道府県知事に対してかなり強い権限を付与しております。言いかえれば、強制合併も辞せずという姿勢にも受け取れるものであります。
 知事はこれまで、市町村合併に当たっては、自主的な合併に向けた取り組みを支援するとしてきました。そこで、以下質問いたします。
 これからの市町村合併に当たっての知事の基本姿勢は、これまでどおり、市町村の自主的合併の支援という基本スタンスに変わりはないか、お伺いいたします。
 また、今議会に提案されております岩手県市町村合併推進審議会条例の運営に当たっての基本的な考え方について、お示しいただきたいと思います。
 次に、岩手県国民保護計画についてお伺いいたします。
 この計画は、本年2月定例会で制定された岩手県国民保護協議会条例により、当協議会の意見を受けて県が策定することになっているものであります。この計画の主な任務は、武力攻撃事態において、市町村等との協力のもとに、県民をいかに安全に避難誘導させるかにあります。しかし、消防庁国民保護室が示した都道府県国民保護モデル計画には、自然災害を想定した防災訓練と有機的に連携させるとの記述があります。
 このような中で、宮城県沖や三陸沖での地震・津波の発生が極めて高い確率で発生することが予測されており、今月22日に政府の中央防災会議の専門調査会は、この地域で発生する地震により、最大22メートルを超える津波が宮古市などを襲うとの推計を発表したところであり、極めて深刻な事態の想定と受けとめております。こうした自然災害への対応に全力を挙げなければならない時期にあります。
 さて、こうした事態の中で、自然災害時の県民の避難誘導と武力攻撃事態を想定した避難誘導とは全く異質のものであります。これらは分離すべきものであると私は考えます。県防災会議の委員とはほぼ同じメンバーである県国民保護協議会に諮問する際の県国民保護計画案は、地震や津波などの自然災害と完全に分離すべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。
 県の国民保護計画は、市町村の同計画と密接に関係するものでありますことから、さきに述べたとおり、国の防災会議の予測等への対応を最優先して取り組む基本姿勢を県は示すべきであると思います。知事の基本認識をお伺いいたします。
 次に、工業技術センターの独立行政法人化についてお伺いいたします。
 このことについては、私が、本年2月定例会における予算特別委員会総括質疑でも取り上げました。知事からは、独立行政法人化によって、センターの運営に自由裁量が拡大し、企業のニーズに対応した事務事業執行が可能になるとの見解が示され、さらに、県内中小企業1、500社を対象にアンケートを実施して、意見や要望を聞いて、独法化のメリットを生かすように十分検討を進めると伺いました。
 また、職員の身分については、公務員として移行する考えであるとともに、職員の協力を得て、中期目標や経営計画を策定し、独法化後の具体的なイメージや効果を職員に示して、職員の理解や不安解消に努めた上で導入の可否を決めていきたいと答弁をいただいておりました。
 しかし、その後、3月末の庁議におきまして、2006年度に独法化に移行する方針決定を行ったと伺っていますが、独法化後の具体的イメージや効果についてはきちんと定められたのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
 現在の組織体制において不都合な業務の内容とその理由、並びに地方独立行政法人化によって可能となる業務の内容についてもお示しいただきたいと思います。
 また、国においては、独法化に移行した場合、職員の身分を非公務員化とする方向にあると私は理解しておりますが、公務員の身分のまま移行することが国との協議で困難となった場合、独法化は断念するのでしょうか。知事にお答えいただきたいと存じます。
 次に、産業振興についてお伺いいたします。
 まず、岩手県の海外事務所について伺います。
 私は、先月、花巻空港からチャーター便で岩手県議会大連友好議員連盟の一員として、中国の大連を29年ぶりに訪れる機会がありました。以前に比べて、高層ビルが建ち並び、渋滞を引き起こすほどの車の多さに驚きながら、宮城県と合同で開設した岩手県大連事務所や訪問先での説明に、急激に発展している中国を感じてまいりました。
 今後、経済発展をさらに続けるであろう中国との経済・観光等の交流を進めることは、期待が持てるものと思われます。
 しかし、多くの日本企業や他の県は、大連において数年前から拠点を設置して活動を展開しており、岩手県は、いわば後発部隊となっております。県民の中には、海外事務所の展開が遅過ぎたのではないかと指摘する声もあります。
 大連事務所における成果を上げるためには、県内企業が展開する対中ビジネスや経済交流・観光事業について、本県独自の取り組みを進める必要があると考えますが、当面する事業展開の基本方向についてお示しいただきたいと思います。
 また、平成14年にはソウル事務所、平成15年にはシンガポール事務所を北海道、青森、秋田県と合同で開設してまいりましたが、二つの事務所のこれまでの成果と課題をどのように生かそうとしているのか、あわせてお伺いいたします。
 連携を強化するに当たっては、県立大学と大連交通大学、そして岩手大学と大連理工大学との間で締結されている国際交流協定がより活発になるように、県としても支援していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。御所見を賜りたいと思います。
 この項の最後に、大連事務所やソウル事務所の今後における事業展開に不可欠なのは、日中及び日韓関係の正常化であると考えます。そのためには、日中・日韓間において共通の歴史認識を持つことが重要と考えますが、いかがでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、林業振興についてお伺いいたします。
 県は、林業振興を図るため、この間、森林整備に向けた諸施策を展開してきましたが、輸入木材の増加や景気の低迷による新規個人住宅の着工件数の減少等により、木材価格が年々下がり、林業関係者のみならず、木材加工関係業者の経営も厳しさを増してきていることは、大きな問題であると考えています。
 このような中で、今月18日に、みどりを守り育てる岩手県民会議が主催した森林・環境フォーラムが遠野市の木工団地内で開かれ、私も参加してまいりました。岩手県を初め、東北森林管理局など、多くの団体の後援をいただいた集会であり、岩手の山に多く植林されてきたカラマツをテーマとして開催されたものでありました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 この中で、これまでカラマツはねじれや節が多く、価格も杉、アカマツに比べて低いことから日の当たらない存在であったものが、強い材質を生かした集成材技術の向上によって、注目を浴びてきていることが報告されていました。
 そこでお伺いいたしますが、カラマツに対する県の認識についてお示しいただきたいと思います。また、県内で加工されている集成材の約4割は北海道産のカラマツが使用されていると言われておりますが、もっと県産材の活用を促進することはできないのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 次に、環境施策についてお伺いいたします。
 まず、地球環境温暖化防止対策についてお伺いいたします。
 岩手県は、二酸化炭素の排出量削減率を国の目標である6%を上回る8%に設定し、削減対策に向けて種々の取り組みを行ってきていることに敬意を表するものであります。しかし、2001年の実績を見ると、1990年の基準年に比較し3.3%増加している状況にあります。目標年次である2010年までに削減率8%を達成するということは大変難しい状況ですが、今後、県民一人一人の生活実態を見直すことや企業活動において努力を重ねることによって、決して不可能ではないと思います。
 二酸化炭素等の温暖化ガスを削減することは、単なる目標ではなく、海面の上昇を抑えてサンゴ礁でつくられた南の島の消失を防ぎ、高波被害を防止するとともに、気候変動による動植物への影響を少なくすることによる食糧問題への対策など、人類のみならず、地球上のすべての生物にとって必要なことであると考えます。
 県は先ごろ、具体的な削減対策を盛り込んだ地球温暖化対策地域推進計画を策定し、公表いたしました。大変すばらしい計画であると評価するものですが、県がみずから実行することとあわせて、県民にも広く実践していただく必要があります。
 そこで伺いますが、県として計画の実行に向けたこれまでの取り組みと今後の計画をお示し願います。
 また、県は、本年2月に地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて、NPO法人環境パートナーシップいわてを本県における地球温暖化対策に関する普及啓発活動支援の拠点となる岩手県地球温暖化防止活動推進センターとして指定いたしました。今回の計画を含めて、県民への周知と実践に結びつけるための推進センターとして位置づけられていると理解しておりますが、今後における岩手県地球温暖化防止活動推進センターの活動内容等についてお示し願います。
 環境施策の2点目として、早池峰地域自動車利用適正化対策について伺います。
 この事業は、早池峰山に登山者が集中する時期に、車の排気ガスや路肩駐車による踏みつけから高山植物を守るために、車の通行を規制し、シャトルバス等による運行を1998年から実施してきたものですが、先日、この施策を今年度限りで打ち切りを示唆する新聞報道がありましたが、本当でしょうか。私は、貴重な自然を守るための環境施策を中止すべきでないと考えますが、いかがでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 車の規制を始めて8年目を迎えているわけですが、この間に行ってきた状況と成果についての見解をお示しいただきたいと存じます。
 次に、介護保険制度について伺います。
 介護保険制度がスタートして5年が経過し、制度の改正に向けた介護保険法一部改正法が、先ごろ、6月22日に国会で成立いたしました。介護保険制度の存続のためとはいえ、低所得者対策として保険料の引き下げが行われたものの、施設介護の入所者に対しては、居住費用や食費について保険給付の対象外となり、個人負担の増加につながる点や予防介護の導入などが盛り込まれるなど、事業者や被保険者から余り歓迎されていない改正ではなかったかと思われます。今回の改正について、保健福祉部長はどのような御所見をお持ちでしょうか、お伺いしたいと存じます。
 また、今後、市町村を中心に地域包括支援センター等の整備が必要になると思われますが、十分に対応が可能なのでしょうか。現時点における県内市町村の状況についてお示しいただきたいと思います。
 介護保険に関する2点目は、ご近所介護ステーション設置支援事業についてお伺いいたします。
 県は、昨年度から、住みなれた地域において、きめ細かな介護サービスを受けながら暮らせるように、ご近所介護ステーションの設置に要する費用に対して、県単独の支援事業を実施しております。私も常任委員会の調査で、二戸市に開設されたご近所介護ステーションを調査する機会がありましたが、居宅サービスの充実のためには必要な施設であり、有意義な事業と考えます。これまでに進めてきた施設設置の状況と今後の事業推進計画についてお伺いいたします。
 次に、いわて子どもの森について伺います。
 いわて子どもの森は、開館3年目の本年5月29日に50万人目の来館者を迎えたことを吉成館長から過日伺ってまいりました。建設当時、建設場所の関係や開設後の運営方針が不明であり、入館者が本当に来るのか、議会でも大いに論議したものですが、私は、大型の県立児童館としてその役割を十分に果たしているように感じてまいりました。県として、この間の運営に対してどのように評価をしているのか、お伺いしたいと思います。
 また、本年3月にまとまった県立社会福祉施設改革プランでは、利用型施設の方向性として、県立として維持し、2006年度から指定管理者制度に移行するとしており、指定管理者の選考に当たっては、原則として公募する方針となっております。しかし、子どもの森の運営は、開館当時から運営を社会福祉事業団に委託し、スタッフが事業をつくり上げてきたものであり、公募によって管理者とスタッフが変更するようでは、事業の継続性が保たれないと考えるものでありますが、いかがでしょうか。指定管理者の選考に向けた基本方針をお示しいただきたいと思います。
 次に、教育行政についてお伺いいたします。
 まず、少人数学級の実現促進についてであります。
 近年、全国の都道府県で少人数学級に取り組む動きが加速いたしており、30人以下学級など、独自に特定学年の学級定員の引き下げを実施しているのは、42道府県と伺っています。本県でも、すこやかサポート推進事業の充実や、昨年度から導入した少人数学級研究校を、本年度から30校にふやしての研究を行っていることを評価するものであります。
 本県における少人数学級の試験導入によって、登校を渋る児童が、2学期には元気に学校に通えるようになる例や、入学当初は落ち着きがなく立ち歩いていた児童の多くが、授業に集中するようになるなど、改善が見られたという報告を聞いております。
 そこでお伺いいたしますが、この間の少人数学級や少人数指導による効果を県教育委員会ではどのように把握しているのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
 この間、学校現場や教育関係者から、少人数学級の実現を求める声が多く上げられ、岩手県議会でも国に対して少人数学級の実現に向けた意見書を提出してきました。他県の状況や研究指定校の成果をもとに、本県においても、小学校低学年の編制基準を来年度より引き下げる時期に来ているものと考えますが、いかがでしょうか。照井教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、学校図書館の専任司書教諭の配置について伺います。
 平成15年度から、12学級以上のすべての学校に司書教諭を置かなければならないとする学校図書館法の一部改正がなされてから3年を迎えています。小・中・高とも、12学級以上の学校に司書教諭がすべて発令されているものの、いまだに専任司書教諭は配置されていない状況であります。すべてが兼務発令となっております。
 当初、文部科学省は、司書教諭の発令により学校図書館は変わると言っていましたが、学校現場からは、担任業務や授業、そして部活活動をやりながらの司書教諭の業務は難しいとの声が上がっています。このことについて、県教育委員会として現状をどのように把握しているのか、お示しいただきたいと思います。
 総合学習や情報教育などの新たな教育の充実やみずから学ぶ場として、学校図書館には読書センター、情報センター、学習センターの機能が要求されており、平成15年3月に策定されたいわて子ども読書プランや県教委の掲げる学力向上の推進とともに、来年4月に盛岡駅西口複合施設に開館する県立図書館との連携を図るためにも、学校図書館の充実が必要と考えるものであります。県立図書館の充実とともに、学校図書館の充実を考え、岩手県独自の政策として専任司書教諭を配置すべきものと考えますが、いかがでしょうか。教育長の御所見をお伺いいたします。
 次に、県立高等学校新整備計画(後期計画)の再調製案についてお伺いいたします。
 県教育委員会は、6月10日に県立高等学校新整備計画の再調整案を発表しました。私は、今回の再調整案は、県議会での議論や県民の意見を取り上げたものであり、一定の評価をするものであります。また、多くの県民や学校関係者等も、今回の再調整案を評価しているようでありますが、一方では、再編整備を先送りして、地域や学校間の生徒獲得競争を助長するものではないかとの声も聞こえてまいります。
 今後も成案の取りまとめに向けて、さらに関係者からの意見、要望を十分に取り入れる必要があると考えますが、成案策定に向けた基本的な方針をお示し願います。
 また、これまでも教育関係者から要望の高かった夜間・通信高校に係る多部制の整備については、久慈ブロックについては平成20年を目標にしているものの、胆江ブロックは後期計画以降に検討する案となっており、県民ニーズにこたえたものとはなっていないのではないでしょうか。杜陵高校における多部制の教育成果に対する評価と今後の整備計画について、教育長の御所見をお伺いいたします。
 最後に、公正取引委員会が今月21日に、岩手県がAの等級に格付している県内業者91社に対して行った勧告についてお伺いいたします。佐々木博議員が既に聞いている部分でありますけれども、重ねてお伺いさせていただきたいと思います。
 公正取引委員会が審査の結果、独占禁止法の規定に違反するとして勧告したものですが、私は、このことが事実とすれば、公平公正な社会を求めている県民の期待を裏切る行為であり、まことに残念に思うわけであります。このことに対する知事の所感をお伺いいたします。
 また、県における入札制度全般について見直すべき点はないのでしょうか。加えて、多くの事業者が指名停止となることも予想されているわけであります。県の発注する工事への影響等について、大きな影響は出ないのかどうかお示しいただきたいと思います。
 以上でこの場からの一般質問を終わらせていただきます。御清聴大変ありがとうございました。(拍手)
   

〇議長(伊藤勢至君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 伊沢昌弘議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、広域生活圏のくくりなどについてでございますが、特に、沿岸市町村と盛岡市とを同じ広域圏にしている、この点についての御質問でございます。
 これは、盛岡広域生活圏の北部と久慈広域生活圏の1次産業、特に畜産、園芸などの農業産出額が多く、また、工業分野におきましても食料品関連産業のウエートが高いなどの類似性の中で、畜産、園芸などの競争力の高い農業の展開とともに、1次産業と食料品加工などの地場産業との連携によりまして付加価値の高い産業を育成していく、こういうねらいのもとに今回くくりを設定したものでございます。さらには、久慈地区の農林水産物をできるだけ盛岡の消費に結びつけますとともに、盛岡からの交流人口の拡大を図るなど、圏域内交流による地域経済の活性化を目指す、こういう考え方に立っているものでございます。
 今回の見直しでございますが、これは、県民生活の維持・向上を実現していくために、主として広域的な産業振興の成果を上げるという問題意識で設定しているわけでございますが、あわせて県の方では、広域的、専門的な行政に重点を移す一方で、市町村への事務移譲を着実に進めて、市町村が住民に身近な行政サービスをしっかりと担う、こういう役割分担をつくり上げて、県と市町村が協働して住民本位の行政に取り組む仕組みをつくっていく、こういう考え方に立っているものでございます。
 それから、医療圏についてでございますが、第二次医療圏につきましては、県民の医療に係る日常の行動実態を踏まえて検討することとしております。新たな広域生活圏に、したがいまして複数設定することもあり得る、このように考えております。まず実態の把握が必要でありますので、今月中に患者の皆さん方の行動調査を行って、その上でこれを決めていきたいと考えております。
 それから、保健所の配置につきましては、こうした二次医療圏の設定や、今後、保健所にさらに求められることが予想される機能、一つは健康危機管理対策、それから生活習慣病対策を担う体制の強化、こうしたことが今後保健所に求められることになりますので、こうしたことなどにも着目しながら検討を進めることとしております。
 次に、広域圏の中で人口の推移と地域づくりでございますが、現在の九つの広域生活圏ごとの人口の推移を示せということでございました。これは、2000年と2030年を比較いたしますと盛岡広域と岩手中部広域はほぼ横ばいでございまして、盛岡広域が2030年には2000年よりも0.3%減、岩手中部広域が1%減、こういう数字でございます。それから胆江広域は11%減ということで、これは減少する。そのほかはさらに大幅な減少が見込まれておりまして、両磐広域は22%減、気仙広域が28%減、釜石広域が37%減、宮古広域が34%減、久慈広域が25%減、二戸広域が28%減、これは、国立社会保障人口問題研究所の将来推計人口に基づくものでございますが、今このような数字になっているところでございます。
 今後、市町村が先ほど申し上げましたように身近な住民サービスの大部分を担って、県が広域的な部分、それから専門的な役割を担っていく、こういう体制にしていきたいと思っておりますが、特にも、県北、沿岸部、さらには県南部、これは地域特性がかなり異なっておりますので、そういったそれぞれ異なる地域特性を生かした広域的視点での産業振興の強化により地域づくりの基盤を支えていく、こういう考え方でございます。また、そうした際には、今言いましたような視点も含めて、県としてそれぞれの地域の資源や人材を生かしながら、今まで以上に市町村、NPOなどとの協働を進めて地域の活性化に取り組んでいく考えでございます。
 次に、行政センターの機能についてお尋ねがございました。県と市町村との適切な役割分担ということを申し上げてきたわけでございますが、その中で、本県は広大な面積を有しているという現状がございますので、現地での対応が必要な防災の業務、危機管理の業務、広域的な施設の建設や維持管理といった業務、こうしたもの、将来においても県が担うべき役割については、県内に行政センターを適切に配置して、そこで確実に対応することが必要、このように考えているわけでございます。
 それから、事務移譲についての市町村サイドの受けとめ方でございますが、合併を通じて行財政基盤の強化が進む中で、市町村として住民サービスの向上を一層進めたいとする姿勢がそれぞれの市町村の方で出てきておりまして、今、市町村と研究会を立ち上げているわけですが、その中で県からの事務移譲に向けた準備を進めているところでございます。
 次に、市町村合併の基本姿勢ですけれども、ことしの4月からの新しい合併新法ですが、この合併新法の考え方に基づいて自主的な市町村合併を推進する、これが基本になります。県では、自主的な市町村の合併の推進に関する構想を策定して、その上で各地域で議論を深めていただくように支援していく考えでございます。
 岩手県の市町村合併推進審議会は、この新しい合併新法に基づいて、今申し上げました構想の策定に当たり、また、意見を聞く機関として設置しようとするものでございまして、この審議会におきましては、それぞれの市町村の将来の運営方針なども参考にしてさまざまな意見を出していただきまして、十分に議論をいただきたい、このように考えております。また一方で、それぞれの市町村におきましても、こうした審議会での審議経過も踏まえながら、地域の将来展望について一層議論を深めていただきたい、このことを期待しております。
 次に、岩手県の国民保護計画についてでございます。
 武力攻撃災害は、自然災害とは発生原因や事象の本質などにおいて根本的に異なるものでございまして、武力攻撃等の類型に応じて県の行う国民保護措置等を国民保護計画において定めるものでございます。一方で、国民保護法の第42条及び基本指針並びに示されました都道府県国民保護モデル計画におきましては、それぞれ国民保護措置についての訓練と防災訓練との有機的な連携を図るよう配慮するもの、このようにされているわけでございまして、特に基本指針には、収容施設の運営、避難住民等への炊き出しが防災のための措置との間で共通する訓練として例示されております。したがって、今後、県の国民保護計画案の作成に当たりましては、規定すべき項目に関して、可能なものにつきましては岩手県地域防災計画などとの共通化を図っていきたい、このように考えております。
 今申し上げました都道府県の国民保護計画ですが、これは、平成17年度中――本年度中に作成することが求められておりますので、本県の計画も来年3月までに作成を予定しております。市町村においても、県の国民保護計画に基づいて、平成18年度中――来年度中に作成が求められているところでございまして、県の計画の作成は、これはこれとして着実に進めていかなければならない、こういうふうに考えております。
 一方で、防災対策ですが、平成17年度予算において、緊急課題として県でも位置づけしておりまして、今、災害対応プログラムの作成、それから県民の皆さんの防災意識の高揚、自主防災組織の育成などに取り組んでおります。また、各市町村における津波防災マップや津波避難計画の作成、避難訓練の実施などにも積極的に支援するなど、自助、共助、公助の観点から体制整備に力を入れ、自然災害に対する備えを万全にして、県民の生命、財産を守る施策を今進めているところでございます。
 工業技術センターの独立行政法人化について幾つかお尋ねでございますが、まず、現在、センターの職員の皆さんの参画をいただいて、独法化後のセンターの基本理念の明確化や企業支援ロードマップの作成、新たな財務会計や人事労務システムの構築などの作業を行っております。これらは、今後策定する中期目標や中期計画に反映されていくものでございまして、こうした作業を通じて、職員の皆さんには独法化後の具体的なイメージがより一層浸透していくもの、このように考えております。
 現在の組織体制で不都合な業務はどんなものがあるか、こういうお尋ねでございますが、予算や組織定数の制約によりまして、予算措置後のニーズ、実際に予算措置した後、年度途中で出てまいりました企業側のニーズなどがございますが、そうしたニーズに基づく試験研究への速やかな対応、それから、外部人材の機動的な採用といったものが極めて今困難であることなどが代表例として挙げられようかと思います。
 独法化によって可能となる業務としては、今述べましたような現在実施困難な業務が可能となりますほか、昨年度末に実施した企業アンケートでも要望が多かったものでございますが、夜間、休日における施設、設備の利用、依頼試験の特急扱いや研究員派遣型の現場支援などについても、このことによって柔軟に対応することが可能となる、このように考えています。
 それから、職員の身分の問題で、これは公務員型ということで県は考えておりまして、公務員型で独法化を行う、こういう考えでございます。現在、本県のセンターが果たす役割、業務内容等について国の方に説明をして協議をしている最中でございまして、私どもは公務員型という考えでございますので、できる限り早期にこの県の考え方について国の理解が得られるように努めていくこととしております。
 それから、海外事務所の関係でございます。
 大連の経済事務所設置に関係しまして、当面する事業展開の基本方向についてお尋ねがございましたが、まず、1次産品を含む県産品の販路開拓や観光客の誘致促進のために、まずもって中国国内における本県の認知度を高めていく必要がある、このように考えています。このために、大連の経済事務所に本県にも精通しております中国人所長を配置した強みを生かして、できるだけ早期に、向こう側の政府関係機関を含め、多くの組織、企業などとのネットワークを構築して岩手への関心を高めていくことが重要である、このように考えております。
 また、県内企業などの対中ビジネスを具体化させるためには、県内企業がこの事務所を利用しやすい環境づくりが重要でございまして、このため、本年度、事務所と県内企業との取り次ぎの役割を果たします社団法人岩手県産業貿易振興協会の体制の強化を図りました。それに加えまして、岩手県中小企業団体中央会、日本貿易振興機構との連携強化などを図っておりまして、その上で大連経済事務所の利用促進を図ることとしているところでございます。
 それから、日中、日韓それぞれの間との関係でございますが、我が国と中国、韓国との関係は近年ますます交流も深まってきている。一方で、特に最近でございますが、領土をめぐる意見の相違や歴史教科書問題、靖国問題などに対しましてそれぞれの国で複雑な感情がある、これもまた事実だと思っております。しかしながら、これらの近隣諸国とは、歴史観において気持ちの違いが仮にあったとしても、未来に向けてより一層友好関係を発展させていこうという共通認識を持つことがまずもって重要である、このように認識しております。今、確かに中央政府は大変微妙な時期、このように見えるわけでありますが、一衣帯水という言葉であらわされるように、お隣同士の地域が拠点をつくって交流を深めていく大事な時期だ、このようにも思うわけでございます。大連経済事務所、ソウル事務所におきましても、こうした基本認識のもとに、幅広い経済交流や文化交流などを展開していくことが日中間、日韓間の友好発展につながっていくもの、このように認識しております。
 公正取引委員会の勧告についてでございます。この所見を問われているわけですが、独禁法違反については、県の適正な予算執行を阻害するわけでございまして、納税者である県民の利益を著しく損ねる行為でもございます。そして、これまでもその未然防止に努めてきたわけですが、そうしたことを行っているさなかに、今般、県が発注する工事に関しまして公正取引委員会から県内建設業者のうち実に91もの多数の社に対して排除勧告が出されたことは極めて遺憾でございますし、また、大きなショックを受けているわけでございます。県では、今回のこの排除勧告を真摯に受けとめて、談合などの不正行為は絶対に許さない、こういう強い決意のもとに、二度とこのようなことが生じないように対策を講ずる必要がある、このように考えております。
 入札制度の見直しでございますが、今申し上げましたように、これまで談合などの不正行為が起きにくい仕組みづくりに向けて、条件付一般競争入札や受注希望型の指名競争入札の導入、入札契約適正化委員会の設置、ペナルティーの強化などの種々の改革に取り組んできたところでございます。今回の公正取引委員会からの県内建設業者に対する排除勧告を受けまして、県としては、今後、入札制度について見直すべき点は早急に見直す一方で、発注者側の対応にも限界がございますので、受注者側に対しても法令遵守に向けた抜本的な対策を求める必要がある、そして求めていきたい、このように考えております。
 県内発注工事への影響でございますが、今回多数の建築A級業者が排除勧告を受けておりまして、今後、この被勧告人がどのような対応をするか見きわめる必要がございますが、仮に全者が独禁法違反によりまして指名停止となった場合には、建築工事では、少なくとも大規模な建築工事におきまして県内業者の参入が困難になる、このように見込まれるところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔商工労働観光部長酒井俊巳君登壇〕

〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) まず、ソウル事務所、シンガポール事務所のこれまでの成果と課題をどのように生かそうとしているのかというお尋ねでございますが、ソウル事務所については平成14年11月、シンガポール事務所につきましては平成15年9月に開設したわけでございますが、まず、観光面におきましては、ソウル事務所では、事務所を開設して韓国の旅行エージェント等との商談会などを開催した結果、開設した翌年から韓国から本県への旅行商品化が初めて実現をしたとか、それから、それ以後、毎年高い率で韓国からの入り込みがふえているというようなことで成果が上がってございます。また、物産関係につきましても、現地での商談会あるいは盛岡市内に来ていただいての商談会などを行い、また、現地での物産フェア、こういったものを行いました結果、いずれの地域におきましても商談成約が出て、その後の取引が継続拡大しているということもございまして、成果が出ているものと認識してございます。
 ただ、課題といたしましては、このような成果が出ているわけでございますが、なお観光客の県内への入り込みしているエリアとか、あるいは物産の商談成立の品目というものが限定されてございますので、これを課題として、今後こうした観光客の入り込みのエリアをさらに拡大する、あるいは物産の取扱品目を拡大していくということが必要と認識しているところでございます。特に、シンガポール等の事務所におきましては、現在、シンガポール周辺でのそういった仕事が多いわけでございますが、例えば、エリアはシンガポールのエリアになっているわけでございますが、タイとかベトナムなど、そういう地域が今発展をしてございますので、今後この辺もにらんだ新たな市場開拓の取り組みも検討していく必要があるのではないかと考えております。
 こうした課題を解決するため、先ほど知事の答弁にもございましたが、まずもって県内の企業さんにこの海外事務所を利用していただく、利用しやすい環境をつくることが必要だと考えておりますので、産業貿易振興協会の体制強化なども行っているわけでございますが、さらに来年の1月には、岩手県観光協会、産業貿易振興協会、ジェトロ、今それぞれ市内の別々のところにあるわけでございますが、これを、これまでブランドiというのがございましたが、マリオスの3階のフロアの一部でございますが、あそこにこの三つの事務所を集約しまして、ワンストップサービスできる機能強化を図るなどして、県内企業の利便性の向上、利用拡大を図ってまいりたい。そうしたことが海外事務所の活用、成果につながるというふうに考えてございます。
 次に、大学間の国際交流協定に関しまして、今、県立大学と大連交通大学が平成15年12月に、それから岩手大学と大連理工大学との間で協定が締結されているわけでございますが、この協定がより活発になるよう県として支援をする必要があるのではないというお尋ねでございますが、この両大学につきましては、それぞれ教員、研究者の交流なり、学部生、大学院生らの交流、あるいは共同研究の実施などを行っているものでございます。
 交流事業は、現在、このような教員、学生の交流、大学の研究シーズの相互紹介などを実施しているわけでございますが、将来的には、これを岩手と中国の国境を越えた産学官連携というものに発展をさせて、その成果が両国にビジネスとして実現されていくということが重要だと考えてございます。したがいまして、今後こうした共同研究の成果等を見きわめながら、岩手と中国の産学官連携による国際的な共同研究プロジェクトに対する研究費の助成、あるいは研究成果の事業化に当たっても、事業化をし、それが県内企業に移転をされ事業化をする。それらが中国市場に進出あるいは県内での事業を展開する、そうしたことの支援もしたいと思っておりますので、そういうことを見越した支援のあり方なども今後検討してまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長今泉敏朗君登壇〕

〇農林水産部長(今泉敏朗君) 林業振興に関連して二つのお尋ねでございますが、まず、カラマツに対する県の認識についてでございますが、カラマツは、本県の針葉樹面積の約4分の1を占める重要な樹種であり、特に戦後の復興期から高度成長期に多く植えられたカラマツは資源的にも充実してきております。また、カラマツは、これまで欠点とされていましたやにの湧出や乾燥に伴うねじれの問題などが木材の乾燥技術や接着技術の発達により解消されたことで、その強い強度特性を生かした集成材としての需要が近年急激に増加しており、今後とも旺盛な需要が期待されることから、本県の林業の振興を図っていく上で有望な樹種と考えているところでございます。
 次に、県産カラマツの活用の促進のためには、素材生産コストの一層の低減を図る必要がありますことから、現在、川井村で取り組まれております需要者側と供給者側の調整の取り組みなどを全県的なものとしていくとともに、伐採林分の団地化やそれを支える効率的な路網の整備を進めることでコストの低減を実現し、活用の促進に努めてまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長千葉弘君登壇〕

〇環境生活部長(千葉弘君) まず、地球温暖化対策地域推進計画についてでありますが、今回策定いたしました岩手県地球温暖化対策地域推進計画は、住宅などの高断熱化、自動車依存の高い社会の改善あるいは森林資源の利活用などの対策を盛り込みまして、8%削減のための八つの地球温暖化対策、これを柱とし、これらの対策を着実に推進いたしまして、本県の目標であります二酸化炭素8%削減達成を目指すものでございます。
 この計画を推進するためには、地球温暖化対策につきまして、計画の内容を中心とする普及啓発あるいは市町村ごとに県民、事業者、市町村で構成されます地球温暖化対策地域協議会の設置などによりまして、地域レベルでの取り組みの支援が重要でございます。普及啓発の具体的な内容でございますが、県民に対しまして、今月19日に地球温暖化対策シンポジウムを開催しましたし、また、市町村に対しましては、ブロック別に説明会を順次開催し、理解と協力を求めているところでございます。
 今後におきまして、本県の地球温暖化対策の普及啓発活動の拠点といたしまして指定した岩手県地球温暖化防止活動推進センターや、県が委嘱しております地球温暖化防止活動推進員と連携・協働しながら、幅広く県民あるいは事業者による活動の輪を広げていくような取り組みが必要と考えてございます。
 また、これらの対策を推進するに当たりまして、県庁内部の取り組みとして、知事を本部長とする岩手県地球温暖化対策推進本部を設置いたしまして、各部局が連携して、部局横断的に具体的な対策を今後に取り組むことといたしてございます。
 次に、岩手県地球温暖化防止活動推進センターについてでございますが、本県の地球温暖化対策の推進母体としまして指定した岩手県地球温暖化防止活動推進センターは、その活動拠点となる事務所を今月14日、県の環境保健研究センター内に開設したところでございます。この推進センターの役割は、主に県民への普及啓発活動、地球温暖化防止活動支援などを期待しているところでございまして、普及啓発活動としましては、先ほど申し上げました、19日に開催した地球温暖化対策シンポジウムを県との共催で開催したところであり、今後におきましても、地球温暖化防止パネル展、あるいは地域リーダー育成講座などのイベントや講習会を各地域できめ細やかに開催し、県民の地球温暖化対策に対する意識の醸成を図っていくことといたしております。
 また、地球温暖化防止活動に対する支援としましては、小冊子を作成して、あるいは60名の地球温暖化防止活動推進員が、地域での活動を展開するための支援を行いますほか、市町村単位で地球温暖化対策地域協議会の設立、あるいは運営、これらの支援を行っていくことといたしてございます。
 今後、地球温暖化対策を進める上で、この活動推進センターの役割は極めて重要でありますことから、県といたしましても、これを支援するとともに、ともに連携いたしまして普及啓発等に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、早池峰地域自動車利用適正化対策についてでございますが、御承知のとおり、早池峰山は貴重な高山植物が数多く生育する国内でも有数の高山植物の宝庫でございまして、こうしたすばらしい自然との触れ合いを求めて、年間2万人を超える登山者が訪れております。これらの登山者は、週末あるいは休日に集中するという状況でございます。
 8年目を迎えますこの車両交通規制、あるいはシャトルバスの運行は、利用最盛期における交通混雑の解消や路肩駐車による高山植物への影響を軽減するとともに、利用者の休日から平日への分散化が図られるなど、一定の成果を上げているものと考えてございます。
 現状の道路の状況あるいは駐車場等を勘案しますと、今後においてでございますが、現在の交通規制あるいはシャトルバスの運行は必要なものと考えてございます。この考え方を基本といたしまして、交通規制やバスの運行方法、あるいは費用負担のあり方も含めて、今後、早池峰地域保全対策事業推進協議会での意見、あるいは地元市町村の意向なども踏まえまして検討してまいりたいと考えてございます。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕

〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 介護保険制度の改正についてでございますが、大幅な制度改正であり、負担面や、あるいは介護予防の新しいサービスについて不安の声があることも事実でございますが、全体として見た場合、介護予防の考え方への転換でありますとか、身近な地域でサービス提供が受けられる地域密着型サービスの創設、それから、認知症高齢者や高齢者虐待への対応等、これまで本県としても課題としておりました事項への対応が盛り込まれているものと考えております。
 市町村とも連携しながら、地域密着サービス等、新たな内容を十分に生かしながら、円滑な制度移行に努力してまいりたいと考えております。
 次に、地域包括支援センターでございますが、地域包括支援センターの設置につきましては、現段階では、平成18年度において設置したいとする市町村、これは合併後の市町村で確認させていただいておりますが、今のところ半数を超えてきているところでございます。各市町村において前向きに御検討いただいていると考えております。
 今後、政・省令等でこのセンターの詳細がより明らかにされる予定となっておりますことから、平成19年度までの設置期限内で全市町村に設置していただき、円滑な運営が図られるよう県としても支援してまいりたいと考えております。
 次に、ご近所介護ステーションについてでございますが、介護や支援を要する高齢者が、きめ細やかな介護サービスを受けながら、地域において継続して暮らせるよう、小規模で多機能なサービスを提供する拠点として、県が独自に設置を進めてきたものでございます。
 平成16年度におきましては、盛岡市を初め6市町村に1カ所ずつ設置したところでございまして、現在、デイサービスとかホームヘルプサービスなどを行っていただいているところでございます。今年度は7カ所予定しております。
 なお、国においては、今回の介護保険法の改正により、通い、泊まり、訪問等の機能を組み合わせた、先ほども申し上げました地域密着型サービスを創設する予定としておりまして、今後の展開につきましては、こういった動向も見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、いわて子どもの森についてでございますが、子どもたちが創造性豊かに自由に遊び、居心地のよい場所という基本コンセプトをもとにいたしまして、開設以来、スタッフが利用者とともに運営にさまざまな工夫を凝らしてきているところでございまして、先ほどお話がございましたように、予想を上回る早さで、5月に入館者50万人を達成したところでございまして、県民から高い評価をいただき、県立児童館としての機能や役割を発揮していただいているものと考えております。
 いわて子どもの森の指定管理者の選定についてでございますが、利用型福祉施設の指定管理者制度につきましては、基本的に公募としているところでございますが、この子どもの森につきましては、本年5月に開催いたしました外部委員で構成いたします県立利用型社会福祉施設に係る指定管理者制度の選定委員会において、これまで培った企画力でありますとかノウハウを活用するといった視点から、現在の運営委託先である県の社会福祉事業団を指定する方向で了承が得られたところでございます。今後、その方向で作業を進める予定としております。
   〔教育長照井崇君登壇〕

〇教育長(照井崇君) まず、少人数教育についてですが、少人数学級の効果としては、昨年度、県内23校で実施した研究指定校の報告によりますと、学級の人数が少ないため、児童生徒一人一人の発表の場や活動の場がふえた。担任の目が行き届き、児童生徒が落ち着いて学習に向かうようになった。特に小学校低学年において、生活面での基本的な指導に効果があり、学校生活の安定が図られていることなどが上げられております。
 また、少人数指導の効果としては、習熟度別学習やチームティーチングにより基礎学力が向上した。学習内容によって指導形態を変えることができ、個々の児童生徒の学習意欲が高まったことなどが上げられております。
 今後、研究指定校における研究成果や課題をさらに分析検証するとともに、国の動向を注視しながら、少人数学級を含めた岩手の少人数教育の方向性をできるだけ早い時期に示せるようにしたいと考えております。
 次に、学校図書館の専任司書教諭の配置についてですが、現在、司書教諭は12学級以上の県内のすべての学校に配置しております。司書教諭については、国による定数措置がなされていないことから、担任業務や教科、部活動の指導等も行いながら、その業務に従事しているところです。
 このため、学校においては、司書教諭が本来の業務にできるだけ従事できるようにするために、校内業務の調整を行い、他の学校図書館担当の教員とも連携・協力しながらその運営に当たっております。
 また、県教育委員会としても、学校図書館指導者研修講座を開催し、司書教諭と学校図書館担当教員の資質向上を図りながら、学校図書館を活用した教育活動の充実に努めているところです。
 現下の厳しい財政状況のもとにおいては、専任司書教諭の配置は困難な状況にありますが、今後、学校図書館機能をさらに充実し、児童生徒が主体的かつ積極的に学習活動あるいは読書活動を行っていくためにも、ほかの都道府県教育委員会と連携しながら、国に対し必要な定数措置を求めていきたいと考えております。
 次に、県立高校新整備計画(後期計画)の再調整案についてですが、この再調整案については、現在、パブリックコメントを実施し、県民の皆様から広く御意見を伺っているところでありますが、いただいた御意見や御要望について、さらに議論を重ね、できるだけ成案に反映するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、杜陵高校多部制の教育効果の評価と今後の整備計画についてですが、この多部制・単位制高校は、定時制課程であって、午前、午後、夜間の3部で構成され、生徒は学年の枠にとらわれず、みずから立てた学習計画に基づき、自主的・主体的に学習をする学校であり、勤労青少年はもとより、多様な学習歴や生活歴を有する生徒が多数入学しております。
 入学生のうち、中学校で不登校であった生徒の約50%が、また他の高校から転入や編入してきた生徒の約75%が回復傾向を示しており、有意義な高校生活を過ごしているとの報告を受けております。このような成果が広く県民の皆様に御理解いただいて、毎年多くの志願者を集めているところであります。
 このたびの再調整案において、胆江地区の多部制・単位制高校の設置については、平成21年度までの後期計画期間内に確実に校舎を確保できる見通しが立たなかったことから、後期計画以降に整備を検討することとしたところでありますが、その設置の要望の動きもありますことから、できるだけ早い時期の設置に向けて、校舎の確保などに努力してまいりたいと考えております。

〇36番(伊沢昌弘君) 知事から大変多くの御答弁をいただいてありがたく思うわけでありますが、二、三再質問させていただきたいと思います。
 生活広域圏の関係で多くの方々がお話をして、ほぼ同じ御答弁をいただいているわけなんですが、7月段階できちんとしたまとめ、それも、できれば、私も指摘しましたが、市町村に移譲する分と、それから、これまで地方振興局が担ってきた部分が、行政センターも含めてどういう形になるのかを示すことが、やっぱり基本になるような気がするわけであります。そういったものがない形で今回出たということに対して、やはり問題があると思います。
 三つにくくったというのは、決定したものではないと思うんですが、改めて御答弁をいただきたいんです。私は五つか六つ必要ではないかと。五つか六つに絞ってしまえと言っているのではなくて、三つにするというのは余りにも、最終的な10年後の形の中が三つというのはいかがなものですかと。
 この意見をいろいろ聞く中で、五つ、六つという、例えば今の三つをそれぞれ1個ふやせば六つの拠点ができるわけですけれども、そういったことも視野に入れたことが、この成案に向けた中でもう一度、今度は素案じゃなくて、案が出てくると思うんですが、あり得ないのか、そういうことも考えられないのかどうか、今の時点で三つで終わりですよというのか、ふやすのかという基本的な部分をここはお示しいただきたいと思います。
 それと、各地区の人口推計を伺いました。三つということでいけば、くくってしまえば、減ったところも総体で減るわけですが、それぞれの地区が、今の九つの生活圏が、かなり減っているところも、それから、中央部でふえたところといいますか、そんなに減らないところも、まとめてしまえば三つの生活圏がほぼこのような人口推計でありますよ、そして、その地区にある産業が衰退したことも、三つでくくれば見えなくなってしまうのではないですか、こういうことでお伺いしたものであります。
 将来的に5万人を切る市がそれぞれのところにも出てくるというふうなところも今かなり想定されているのがこの数字だと思うんですけれども、そういったことにならないように、知事は、きちんとした基盤を支えてやっていく、三つにくくっても、今のような小さな単位のところでどのような振興がされたのかわかるようにするという御答弁をいただいたような気がするわけですが、改めて、そういう形になるようにここは求めたいわけですが、御所見を賜りたいと思います。
 それから、あと2点でやめます。教育問題であります。
 私どもの同僚議員でありました阿部静子さんが、質問の機会ごとにこの30人、それから司書についても話をしてきた経緯があったわけであります。県議会でも請願をいただいて、毎年採択をしながら、国に対しても、教育長がおっしゃるとおり、30人学級なり司書の問題についても要望を出してきているという状況があります。
 しかし、ここに来ても、今、それぞれのところで――学校の図書館司書から言いますけれども、鋭意努力をしていると。学校ごとにあわせて、学校の中で司書教諭を発令されている人の業務を調整していると今教育長がおっしゃいましたけれども、現場ではとてもそうなっていない。そのために、図書館をきちんと整備をし、図書教諭というのは、図書館を利用して子供たちに教育をするという部分だと思います。
 加えて、私は西口の問題も今入れました。西口に県立図書館を整備していく。県民が大人になってこの図書館を利用するというのは、生涯学習の一環として多額のお金で整備するわけです。そして、市町村と公民館的な図書館と、それから、できれば学校等の関係も含めてラインで結びながらいろいろなことをやっていくとすれば、中学校、高校の段階できちんとした図書館を利用した、そういった部分が日常的に可能になることが必要ではないか、こういうふうに思うわけであります。財源的には大変難しい。国が決めたらやります。これは、私が知事なり、教育長に言わなくても、財源をつけたから置きなさいという形ですから、何も県議会の中で議論する必要はないわけでありますので、そういった意味で、すべてとは言いませんが、すべてとは言いませんけれども、大きな学校、高等学校も含めて、そういったところにせめて配置すべきではないかと思いますので、改めての御答弁をぜひお願い申し上げたいと思います。
 もう1点でありますが、最後の質問をいたしまして、知事からも御答弁いただきました公正取引委員会の勧告に関することでありますけれども、知事からは、今後入札制度を見直すということでの御答弁がありました。一つだけ追加でお伺いしたいのは、このAというクラスにくくられている業者の皆さんがあるわけです。91社になっていますが、かつては106社とか、もっと多かったようでありますけれども、現下の厳しい状況の中で少なくなってきている。いろいろなことをやるために、いわば親交会的な組織をつくってきたという中で、それも改組をしながら、解散したというものも経過の中にあるようであります。
 私がお聞きしたいのは、Aというくくり、91社でも106社でもいいんですが、県工事として一定の指名なり競争入札をする際に条件がかかわるわけですから、県内に本店のあるA級業者に対して指名をしました。これは10社指名しても、全体は100社とか91社とか決まっているわけですから、だれが請けるかというのは、そのクラスの方々はわかることになるのではないかと思うわけです。そういうシステムでないというのであれば、御説明いただきたいわけです。
 大船渡の談合事件があって、県職員の方が不幸にして処分を受けるという事例がありました。それに基づいて、県は、大変な努力をしながら、入札制度の部もかえながらこの間努力をしてきたわけであります。
 談合が起きるというのは、この事業に対して入札がされる、それがどことどこなのだというものが想定されなければ、横でのつながりはないというのが、私は素人ですけれども、そう思うわけです。想定される、こことここだ、5社なり10社なりといったときに、ネットでなり探りを入れていけば、いろいろな団体がなくても、親交会のようなそういうものがなくても、私は、将来的にもわかるのではないかと思うわけです。そういった意味から、ここにメスを入れるというのは大変難しいと思います。
 県議会でも、地域の業者の皆さんに、県の公共事業なり、市町村も含めた事業をその地場に落としてくれということも言っているわけですから、県内に本店を置く人たちにこれをやれということになれば、ほかからの参入はあり得ない部分も当然あるわけです。大変難しいやり方だと思うんですが、ABCというくくりそのものがあることが、私は一つ問題なのかなという思いもするんですが、あわせて御見解を承りたいと思うわけであります。お願いしたいと思います。

〇知事(増田寛也君) 広域生活圏の関係ですけれども、そのことに関連して、今、議員の方から、市町村に移譲する分、それから、あと、県の方で、行政センターでやる分についてお話がございました。やはりこれは、次の段階になりますが、具体的なそういった業務の、私どもの方からそうした例をお出しして、それで議論していかなければいけないと思っておりますので、これらについて、次に進むような私どもの考え方をお出ししながら、議論を深めていきたいと思うわけです。
 それで、三つのくくりについて今お話がございました。五つあるいは六つというお話もございました。この三つという考え方は、県の考え方であり、またそれも、市町村の意見を聞いておりませんので、あくまでも素案ということですが、その上で今、私どもも予断を持たずに、頭を白くして、その上で市町村の方からの御意見にきちんと耳を傾ける、そういう姿勢で今お聞きしております。いずれ、これをどうするか、中でもよく吟味しまして、それで考えていきたい。今、私がどういう数字ということを申し上げる時期でもございませんし、とにかく予断を持たずに、市町村の方の意見にきちんと耳を傾けて、また、中でよく検討、吟味をしたいと思います。
 それから、先ほど人口推計の具体の数を申し上げましたが、そうしたことからもおわかりのとおり、今、議員の方もお話がございましたが、やはり人口減という、しかも急激な人口減ということに対しての大変な危機意識を私ども持っております。これは多くの県民の皆様方全員がお持ちになっているんだろうと思います。その中で、何とかして地域を支えていかなければならないということで、そのためにも、それぞれの地域にある産業をやはり強化していくという方向を特に強く打ち出さないといけない、こういう問題意識が一番あるものですから、こういう生活圏の問題になってきているわけです。
 いずれにしても、その中で、やはり地域に暮らす皆さん方の姿ですとか、それから、地域に暮らす人たちそのもの、そこの姿は見失わずにこの問題を考えていきたいと思いますし、そうした中で、県の役割、地域振興に果たしていくべき役割をよく、十分考えた上で、人口減という問題はございますが、その中でもしっかりと地域が存続していけるような策を、この中で解決策を見出していきたい、こういう思いでございます。

〇県土整備部長(橋本義春君) ABC等の格付についてのお尋ねでございますけれども、本県では、建築一式工事、土木工事、管設備工事、電気設備工事、舗装工事の5業種につきまして、それぞれ格付を行っているところでございますが、その格付につきましては、工事の適正な施工の観点から、あらかじめ工事の規模等に見合った建設企業等の能力を定めているものでございまして、安全で良質な施設を整備するためには、やむを得ないことではないかと考えているところでございます。
 また、格付によりまして、そういう対象業者が区分されまして、数が減少することになるわけでございますけれども、そういう点で、今議員が御指摘のような懸念もあるわけでありますが、このことが直ちにそういう不正行為の温床になるということではなくて、むしろ、施工者側の方のモラルの確立についても御尽力いただきたいと考えているものでございます。

〇教育長(照井崇君) この学校図書館については、司書教諭の方だけじゃなく、やはり学校全体で協力し合って運営していくことが必要ではないかとか、あるいは、教育の指導とこの学校図書館の指導というものは極めて密接な関連がございますので、司書教諭の方も教員としての教育活動を行いながら、学校図書館の方の業務にも携わっていった方がいいのではないか、いろいろそんなことで、ただいま申し上げたようなことで、学校現場では工夫しながら対応しておるわけです。
 今後、例えばですが、地域の皆様の御協力をいただいて、ボランティアでこうした学校図書館の運営に御協力できないかなど、学校図書館の充実のためにさまざまな工夫、努力をしていきたい、いかなければならなくなると考えております。

〇36番(伊沢昌弘君) 済みません、教育長から。
 ボランティアが行っていろいろなことをやるというのはいいと思うんです。なぜ学校図書館法が変わって、司書を置いていたものが、司書教諭にかわったのかというところ。これは当面置かなくてもいいような形があった部分で、最終的に解釈で兼務でもいいとなったと思うんですね。
 ここがやっぱり、枠として、ボランティアは別だと思うんですよ。できるだけ置くのだというところで、私は、すべてとは言わないが、大きなところはどうですかといった部分があるんですが、現実に、図書館の中でPTAの皆さんとかがボランティアで、本の修理だとかいろいろなことも含めて、子供たちと一緒に、こういう本があるね、ああいう本があるねというものを現場でやっているものを、それぞれの学校のホームページでも見ることができます。私も行ってみてきたことがあります。それはやっぱりプラスアルファだと思うんですね。
 教育という中で、なぜ○○教諭というものがくっつくか。保健の部分でいけば養護教諭がいるように、そこに人がいるから子供との触れ合いができるということを考えれば、今の教育長の御答弁では、ちょっと、黙って座るわけにいかないんです。目指す――大変難しいのはそのとおりですけれども、ぜひそこのところをもう一度お願い申し上げたいと思っています。
 それから、県土整備部長に今ABCのくくりをお聞きしました。私も、わかるから全部温床になるんだとは思っていません。ここは、最終的に今回の公取委の皆さんが勧告した中身で三つのこと、そして三つのことをやったら公正取引委員会に報告せよと排除勧告の要旨の中にもあるわけなんですけれども、自分のところでやらないと決めなさい、やらないと決めたことをほかの人たちに教えなさい、こういうふうになっているわけです。
 したがって、どんな形で、だれが受けるということがわかっても、基本的には、よそと共同していろいろなことをやってチャンピオンを決めるというやり方は許されないことですから、県の今の入札制度では問題はないと思うんですけれども、私は、余りにも106社、91社の皆さんが、3年何カ月となくそういう中でやってこられたという――それが事実とすればの前提ですが、公正取引委員会が、あれはかなりの権限を持ってやっていますから、勧告まで行ったというのは相当の裏づけがあると私も思うわけです。
 そういうことが起きないような方途というものは、県としてもやっぱりまだ考える余地があるのではないかと思って、くくりの壁を越えた形でできるものも、事業によってはできないと思います。7、000万円以上とか、それ以下とか、Aでなければだめだとか、それ以下であっても、Aでないと難しいものはAにやりますよというのは当然あるわけですから、そういったものも含めてトータルな検討というものが今後必要ではないかと思いますので、簡単で結構ですので、再答弁をお願い申し上げたいと思います。

〇県土整備部長(橋本義春君) これまでの答弁でも、あわせて入札制度についても見直しをかけていくということでございますので、ただいまのお話につきましても、そういう中で検討させていただきたいと考えます。

〇教育長(照井崇君) 学校図書館は、学校教育にはもちろん欠くことのできないものであり、その機能充実をしていかなければなりません。そのためには、司書教諭の専任もそのとおりなんですが、直ちに現下の状況下では難しいということで、いずれ私としても、できるだけ早期の配置に向けていろいろ努力していきたいと思っております。


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