平成19年9月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 年金保険料を年金以外の費用としないことを求める意見書の採択に賛成の討論を行います。
 5、000万件を超える年金記録が宙に浮き、そのために受け取る年金額が減らされたり受給権が消えてしまうという年金問題は、国による詐欺的行為に等しく、国民の不安と怒りを広げる大問題となっています。一方で、国民が納めた年金保険料が年金給付以外の施設建設や天下りのために流用されてきたことは、許しがたいことであります。
 ところが、さきの第166回通常国会では、政権を無責任に投げ出した安倍自公政権のもとで、年金事務費への年金保険料の充当が恒久化されました。年金教育・広報、年金相談などの事業やコンピューターシステムの運用などの費用に保険料が充当されることになったことは、年金問題の解決を求める国民の願いに背を向けるものと言わなければなりません。
 年金問題への国民の不信の根本にある問題は、低過ぎる年金給付水準であります。国民年金の場合、40年かけ続けてもらえる年金はわずか6万6、000円、平均では4万6、000円となっています。これでは生活保護基準以下で、とても老後の生活を支えるものとはなりません。しかも、25年以上保険料を払わなければ受給資格を得られないという世界に例のない過酷な制度であります。また、年収200万円以下のワーキングプアが1、000万人を超える中で、高過ぎる保険料を払えない青年、国民が急増しています。さきの報告では、年金の納付率は既に50%を割っており、年金制度は既に破綻している状況であります。
 この問題を解決するためには、全額国庫による月5万円以上の最低保障年金制度の確立が必要であります。加入者の掛金は、それに上乗せされる制度であります。こうすることによって無年金問題は一気に解決することができます。さらに、低過ぎる現在の年金給付額を底上げすることが可能となります。年金受給資格も最低10年以上にすぐにでも改善すべきであります。
 自民党と公明党は、100年安心年金プランと称して年金制度の改悪を強行しました。その中身は、掛金は毎年ふえ続ける、もらう年金は減らし続けるという最悪のものでありました。100年安心どころか、既に破綻していると言わなければなりません。
 さらに、自民党と公明党は、年金財源にするとの口実で、定率減税を廃止し住民税の大増税を強行しましたが、年金財源にはほんの一部しか使われませんでした。また、今度は年金財源を口実に消費税の増税をたくらんでいますけれども、とんでもないことであります。
 消えた年金問題の解決のためには、すべての加入者・受給者に年金記録を早急に送付するとともに、国の責任で当時の領収書など、物証がなくても申し立てや証言などを尊重して支給すべきであります。
 さらに、低過ぎる年金給付額の抜本的な改善を目指す最低保障年金制度の導入と、受給資格を10年以上に改善を図るべきであります。
 こうした立場から、国民が納めた保険料を年金給付以外に使用することは許されない悪政であることを改めて指摘して、私の賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で通告による討論は終わりました。これをもって討論を終結いたします。
 これより、発議案第11号年金保険料を年金支給以外の費用としないことを求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第11号年金保険料を年金支給以外の費用としないことを求める意見書は、原案のとおり可決されました。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後2時41分 散会

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