平成19年9月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇27番(大宮惇幸君) 民主・県民会議の大宮惇幸です。
 本定例会におきまして一般質問の機会をいただいた先輩・同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
 初めに、9月7日の台風9号の接近による被害及び9月17日の記録的な大雨による被害を受けられた方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、通告に従い、順次お尋ねをいたしますので、知事並びに関係部局長の簡潔な御答弁をお願いいたします。
 まず、行財政運営についてお伺いいたします。
 達増知事におかれましては、4月の就任から半年が経過いたしました。県政を担うトップリーダーとして山積している県政課題に取り組まれ、また、各地域に足を運び、現場の声に耳を傾けておられる姿勢には、私も希望を感じております。ぜひ、この姿勢を一過性のものにせず、現場主義を貫いていただきたいと思います。
 さて、9月26日には福田内閣がスタートしました。首相みずからが背水の陣内閣と命名し、増田前知事も総務大臣に再任されました。ようやく首相の口からも地方再生とか地域活性化という言葉が出るようになりましたが、都市部との格差が広がり続けて、疲弊し切った地方の現状を、果たしてどれだけ認識しているものか、疑問でもあります。
 そこで、知事にお尋ねいたします。達増知事は、福田政権の地方再生、地域活性化についてどのような期待をお持ちでしょうか。
 次に、財政運営についてお尋ねいたします。
 9月18日には、県総合計画の後期計画に当たる新しい地域経営計画の素案が発表されました。この計画が計画どおりに実現できれば、危機を希望に変える希望王国岩手へと大きく前進するわけでありますが、当然ながら、実現には財源が必要となります。しかし、県財政は向こう3年間、2010年までに毎年200億円から300億円の財源不足に陥ることが明らかとなっております。財源不足の原因は、地方交付税の削減に加え、県の借金返済額に当たる公債費の上昇であります。県の主要3基金も、今年3月の岩手競馬融資のために大きく取り崩した影響で、財政調整基金の残高がわずか85億円という、いわばがけっ縁の状況であると思います。
 そこで、知事にお伺いしますが、新しい地域経営計画の実現に要する財源確保についてはどのような構想をお持ちでしょうか。
 次に、総合政策室のあり方についてお伺いします。
 総合政策室の存在意義についてであります。かつての総務部財政課を廃止し、予算調製課へ置きかえ、同時に財政課主体の予算編成方式から、各部局ごとの判断で予算編成する方式へと移行されました。しかし、今度は部局を横断する全庁的な県政課題に対する予算配分が手薄になるという問題が出てきたため、総合政策室で政策評価を行い、それをもとに予算調製するという方式が編み出されましたが、これではまさしく二重構造であります。
 そこで、知事にお伺いしますが、新しい地域経営計画(素案)の中にある行財政構造の徹底した簡素化、効率化を実行するならば、総合政策室のあり方についても一考を要するものと思われます。御所見をお聞かせください。
 次に、合併推進についてお尋ねいたします。
 8月27日には、知事が県市町村合併推進審議会へ諮問を行うことが発表されましたが、県では昨年4月にも同審議会から答申を受け、県内の大幅な再編構想を提示しております。しかし、合併といった選択肢をとらなかった自治体も、厳しい財政状況に置かれながら地域性を生かす方法を模索し、自立に向けた経営努力を懸命に続けているところであります。知事は、既に合併した市町村における合併効果の検証と、合併協議会の設置勧告のあり方の2点について同時に諮問されたようですが、私は、合併効果の検証と県民への周知徹底が最優先事項と考えます。さらなる合併の必要性については、合併によるメリット、デメリットが十分に浸透した後に、一部の有識者による議論でなく、住民主体で検討されるべきではないでしょうか。
 そこで、知事にお伺いしたいのは、まず、今回の諮問が今後の合併協議会設置勧告を目的としたものかということであります。また、県が昨年4月に打ち出した再編構想では、花巻・北上・奥州市などの6市町村を除いた県内の29市町村を八つの自治体に再編する枠組み案が提示されましたが、知事は、県内の自治体数はどの程度が理想的だと考えられておるのでしょうか、お聞かせください。
 次に、北東北の拠点機能についてお尋ねいたします。
 北東北の主要都市のうち、合併によって50万都市となる可能性が最も高いのは盛岡市と言われております。盛岡市に隣接する雫石町、滝沢村、矢巾町、紫波町の3町1村は、平成の大合併の議論に加わりながらも、最終的には合併協議会には参加しませんでした。
 さて、今回示された新しい地域経営計画(素案)では、盛岡を中心とした県央圏は、都市と農山村が広域的に連携しながら、北東北の拠点として機能する地域とうたわれております。しかし、県の人口推移は、以前の140万人から136万人へと減少の一途にあり、盛岡市と、さきに述べた3町1村の現在の人口を合計しても43万人であり、少子・高齢化が急激に進む中では、大幅な自然増加を期待することもできません。
 そこで、知事にお伺いしますが、まず、北東北の拠点機能とは、具体的にはどういった機能を想定しているのでしょうか。また、50万都市の実現に向けてどのような取り組みを行っていくお考えでしょうか、対策をお示しください。
 次に、農林業振興策についてお尋ねいたします。
 今年から、戦後農政の一大転換と言われる品目横断的経営安定対策事業の開始に加え、民間主体の新しい米需給システムの導入という二重の改革が生産現場に押し寄せています。また、市場原理主義の小泉構造改革以来、規制緩和と市場開放の推進により、農産物、畜産物の輸入が増加し、農林水産業は以前にも増して苦難にあえいでおります。それでなくても、長年にわたる米価の下落で稲作農家の経営は既にかなり厳しい状況へと追い込まれております。今年の米価がそれに追い打ちをかける事態となれば、政府の方針に従って品目横断的経営安定対策事業へ参入した認定農業者や集落営農組織の経営問題にも影響が及ぶことは間違いありません。品目横断的経営安定対策事業―以降は品目横断と略させていただきますが、この事業へ参入するためには、個人の場合は、耕地面積4ヘクタール以上を有していること、集落営農組織として参入する場合は20ヘクタール以上という条件が課せられています。岩手県の実態は、販売農家戸数6万7、500戸のうち、この条件をクリアする農家は4、680戸、これは全体の7%にすぎず、本県の農業がいかに小規模農家により支えられているかが数字にもあらわれております。これらの前提を踏まえ、具体的な質問をさせていただきます。
 県内では、品目横断に参入した集落営農組織は326団体が設立済みとのことですが、具体的にはどのような指導や支援を行っておられるのか、また、設立に際しては少なからず問題や障害が発生しているものと思われますが、これらの問題点を集積し、今後の設立支援に活用できるよう分析するなど、対策はとっておられるのか、お示しください。
 また、率直な現場の声を聞きますと、品目横断に一定の理解は示すものの、集落営農組織の設立後5年以内の法人化や組織内における経理の一元化などの課題が伴うことに対して、生産現場での認識や理解はまだ広く浸透しておりません。こうした状況の中、集落営農組織の設立増加に向けてどのような指導をしていくお考えでしょうか。
 平成18年産米の1俵60キロ当たりの生産費は1万3、561円の経費がかかっている現状であります。これに対し、農協による今年度の収穫前説明では、1俵60キロ1万円が仮渡しされるという提示でありました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 品目横断では、収入が基準より少なかった場合、差額の9割を補てんする処置、すなわち、ならし対策がとられますが、この補てんには上限があり、国が計上する品目横断の事業費と品目横断参入者の拠出の範囲にとどまるため、米価が著しく下落した場合、9割の補てんは難しいという予測もされております。
 そこで、実際には何割程度の補てんが見込めるものか、見解をお示しください。
 県の米収穫量、平成18年度は31万2、000トンと公表されております。そのうち全農岩手県本部の集荷量は17万6、292トン、これは全体の56.5%であります。全農集荷率は6割弱、残りは農家保有のほか、商系の取り扱いや農家の直接販売などとなっています。生産者としては1円でも高く買ってくれる方に売りたいというのが本音であり、恐らく今後も全農の集荷率は下がり続けるものと思われます。このような集荷の状況のままでは、果たして米の需給バランスをとっていけるものでしょうか。昨年までの取り組みを踏まえ、今後の対応策についてお聞かせださい。
 次に、畜産振興のための耕作放棄地の活用策について質問いたします。
 岩手県の畜産物の販売高は、米穀、園芸を上回る実績を示しており、現在、県内では肉用牛、乳牛合わせて16万1、600頭が飼養されております。そうした中で、最近では飼料穀類の国際的な値上がりが著しく、農林水産省は国産飼料の増産支援を打ち出したところであります。この状況を契機として、県内至るところに見られる耕作放棄地の活用へ動くべきと考えますが、行政としてはどのような対策をお考えでしょうか。
 次に、BSE対策についてお伺いします。
 先月末、国から20カ月以下の牛のBSE検査について、検査費用の補助金を来年7月をもって打ち切るという通知が出されました。平成13年に国内初のBSEの発生から、現在まで33頭の発症事例が確認されております。全頭検査が実施されている現状でさえ、国内の感染源や感染経路はいまだ特定されておらず、消費者や生産者の不安は解消されておりません。
 検査の補助金打ち切りは、平成17年の食品安全委員会における20カ月以下の感染リスクが低いという答申が根拠となっているようです。今、食に求められているものは、まず安全・安心であり、輸入農産物や畜産物の安全性に疑念が高まると同時に、国産物への信頼が見直されているところであります。
 そこでお伺いしますが、本県の牛肉の出荷先は大部分が東京都であり、検査はそれぞれの食肉処理場で行うため、仮に岩手県が全頭検査を続行しても、東京都が実施しない場合、検査済みと未検査の県産牛肉が混在して流通し、消費者に不安や戸惑いを招くおそれがあります。このような混乱を防ぐためには、全国一律の検査体制が必要と考えますが、見解をお聞かせください。
 また、国からの補助金打ち切り後も本県では全頭検査を継続すべきと考えますが、どのように対応される方針であるか、お示しください。
 次に、林業振興について質問いたします。
 本県は、県土の77%を森林が占める本州一の森林県であります。御存じのように、森林は、水資源の涵養を初め、多面的な環境保全機能を有しており、災害防止や木材の供給など、県民生活に大きな恵みをもたらしております。
 また、水資源と農業は一体のものであり、さらに、森は海の恋人という言葉もあるように漁業とも密接に関係しており、すなわち林業、農業、漁業は運命共同体でもあると言われます。すなわち、森林はその公益機能を発揮できるよう、適切な保全と管理を行いながら次の世代へ引き継いでいくべきものであります。しかしながら、森林伐採跡地には、不採算という理由で放置されている土地が多いのが現実であります。長引く木材価格の低迷から、再造林に向ける費用が捻出できないこと、それに伴って林業従事者の意欲は低下し、今後ますます放置林が増加することが懸念されます。
 そこでお伺いしますが、県では、再造林対策をどのように進めていくお考えでしょうか。現行の施策だけでは森林再生はなかなか進まないと思います。対策についてお考えをお示しください。
 また、県行造林についてですが、契約期限が来たものは伐採し分収金の交付をしますが、その後の対処を森林所有者に任せるだけでいいものでしょうか。特に、保安林指定を受けている箇所は指導や支援を行い再造林をすべきと考えますが、どのような対策をお考えでしょうか。
 次に、災害復旧対策についてお伺いします。
 9月7日に接近した台風9号による本県の被害額は38億円に上ると報告されております。さらに、そのわずか10日後の9月17日には記録的な大雨が本県を襲いました。
 民主党岩手県連、民主・県民会議では、9月21日に災害状況調査を実施いたしました。盛岡市を初め、花巻市、北上市、奥州市、一関市、西和賀町などの被災地を間近に見てまいりましたが、交通網は各地で寸断され、収穫を目前にした田畑が冠水し、泥まみれとなった農作物の被害は、予想以上に深刻でありました。
 各地に大きなつめ跡が残され、今回の大雨による本県の農林水産関係の被害額は21億円以上、台風9号と合わせ総額33億円もの甚大な被害であります。県として緊急的に対策を講じておられるとは存じますが、現時点の復旧状況などについてお尋ねいたします。
 まず、今回の農林水産関係の災害が激甚災害指定を受けられる見通しはあるのでしょうか。
 次に、主要な交通網については最優先で復旧されたものと思いますが、農業用施設や林道などの復旧も速やかに進められている状況でしょうか。
 また、被災農家に対しては県としてどのような緊急的対応策が可能となっているのでしょうか。被災農家の再生産に向けた経営支援も早急に必要と思われますが、対応状況や今後の見通しについてお示しください。
 次に、観光振興策についてお伺いします。
 本年はNHK連続テレビ小説どんど晴れの放映、JR6社連携による北東北デスティネーションキャンペーンの展開などにより、本県への観光客誘致が活性化した年でありました。来年以降もこれらの流れを受け継いだ旅行商品の提案や誘致キャンペーンを行い、観光地としての定番化を図ることが重要と思われます。
 さらに、来年は平泉の世界遺産登録が見込まれることから、マスメディアでは大きく取り上げられることが予想され、他の神社仏閣や世界遺産と組み合わせての誘致などの効果が高いと思われます。
 県として、この機会をどのように活用していくお考えでしょうか、対策をお示しください。
 次に、観光振興における地域間連携についてお伺いします。
 最近の観光客の行動パターンは、広範囲かつ目的の多様化が進んでおり、自治体単位の対応では、観光客の要求をカバーし切れなくなっているという分析がされております。
 観光客は、市町村単位での観光案内ではなく、より広域的な情報提供を求めており、盛岡広域圏全体の連携、さらには北東北3県や宮城県との連携をいかに築いていくかが今後の観光振興において重要になるものと思われます。特に、外国人観光客の誘致においては、先進地域である関東、関西などとの差別化を図ることが必須であり、東北ならではのセールスポイントを明確にして観光客へ提案することが求められると考えます。こうした地域間連携の必要性については、どのように認識しておられるのでしょうか、見解をお聞かせください。
 次に、二次交通の改善策についてお伺いします。
 本県を訪れた観光客が訴える不満として最も多いのは、二次交通の便の悪さに関するものだと聞いております。都市部からの観光客は、多少の不便さについては目をつむる、あるいは不便さも一つの楽しみとする傾向にあるようですが、岩手県では、不便さの度が過ぎている地域が少なからずあり、これが本県のイメージをおとしめる一因となっているようです。
 デマンドタクシーの採用や採算の合わない路線であっても観光シーズンだけは期間限定運行するなど、地域事情に合わせた対策は可能であると思われますが、県としてはどのような改善策をお考えでしょうか。
 次に、通称奥産道について質問させていただきます。
 奥産道は、昭和40年の工事着工以来、今日まで実に42年もの歳月が経過しております。そのうち昭和46年から13年間は工事が中断され、自然保護団体から事業への反対運動があったこと、さらに道路の通過方法やルートについて検討するよう環境庁から指示を受けたことなどが中断の理由とされております。
 しかし、一方では、この工事中断の間に、同じ十和田八幡平国立公園エリア内の通称八幡平樹海ラインという道路が、こちらの方は無事開通され完成を見ております。いかに計画の再検討を要したとはいえ、すぐ近くでの別の道路建設が着々と進む中、なぜ奥産道だけが13年ものブランクがあったのか理解に苦しむところであります。
 その13年間の空白の後、環境への配慮から、道路の一部をトンネル化することに計画を変更し、昭和59年にようやく工事が再開されました。しかし、そのトンネル掘削に伴う地下水位調査の際に、工事業者による樹木のなぎ倒しが発生、これが平成7年の出来事であります。この事件に際して県の管理体制が不十分という指摘があったためか、その後、復旧対策委員会などが設置され、各委員会の検討結果を受けて増田前知事が、工事再開を断念するという発表を行ったのが平成10年11月。完成を待ちわびていた雫石町、旧松尾村の関係者にとって、当時非常に大きな打撃でありました。
 着工から平成18年までに整備延長された距離は13キロ、全体の8割に当たり、投資額は49億円、実に巨額の投資であります。そして、あと残り2割、距離にして3.2キロのところで、道路として開通できない状態のまま10年以上が経過しております。
 私も1期目4年間、一般質問や予算・決算特別委員会など、機会あるたびにこの奥産道問題を取り上げてまいりました。現地にも頻繁に足を運び、つい先日も道路の整備状況や周辺環境などの状況を調査してきたばかりですが、未開通の3.2キロ区間を目にするたびに、たったこれだけの部分がなぜという思いがこみ上げてまいります。
 達増知事にも、ぜひ現地に足を運んでいただき、政策判断をいただきたいものであると考えております。知事の御所見をお伺いします。
 以上で私の一般質問を終わります。答弁次第では再質問をさせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 大宮惇幸議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、福田政権の地方再生などに対する期待についてでありますが、本県を含む地方は、依然として厳しい雇用環境や医療資源の地域偏在、さらには財政状況の逼迫など、さまざまな課題に直面しているところであり、また、中央と地方との経済的格差が我が国の構造的な問題として提起されているところであります。
 私は、疲弊した地方が活力を取り戻し、人々が希望を抱けるようにすることが急務であると考えており、こうした意味において、今臨時国会における福田総理の所信表明演説で自立と共生という理念が掲げられ、改めて地方重視の姿勢が強調されたことは、福田内閣においては、これまでの政策を転換する方向性が示されたものと受けとめることもできると考えております。
 今後、国政においては、地方の声を聞きながら、その実情から目をそむけることなく、このような自立や共生という理念のもと、地方の自立を促進し、中央と地方が共存・発展できるよう、地域産業の振興に向けた政策を着実に実施する方向に進んでいくことや、地方の判断と責任において地域経営を行うことが可能となるよう、真の分権改革を推し進めていくことを期待したいと考えております。
 次に、新しい地域経営の計画の実現に要する財源確保についてでありますが、まず、近年の地方交付税の抑制基調がこのまま継続された場合には、自助努力による財源確保にも限界があることから、交付税総額の充実確保と財源調整機能の強化、地方税の偏在是正などの地方税財政制度の改革が早急に実現するよう、国への働きかけを強めてまいりたいと思います。
 また、政策編、地域編と合わせて改革編としての岩手県集中改革プログラムを策定し、このプログラムに基づいて歳入、歳出両面から、あらゆる対策を講じながら収支不足の改善を図ってまいりたいと思います。
 こうした対策の一環としての歳出の見直しについては、新たな予算編成システムのもとで選択と集中を徹底し、全庁的視点での優先度の高い政策への重点化をさらに進めるとともに、ゼロ予算事業も活用しながら、限られた財源で最大の効果が発揮できるよう努め、財政の健全化を進めつつ、新しい地域経営の計画に沿った施策展開を図ってまいりたいと思います。
 次に、総合政策室のあり方についてでありますが、県行政を取り巻く環境の変化が著しく、また、財政状況が極めて厳しい中にあって、知事のリーダーシップのもと、全庁的な政策を束ね、県全体の政策を効果的・効率的に推進する視点で、そのあり方を調整し取りまとめる組織は必要であると認識しており、他県においても、そうした機能を果たす組織が置かれている例も多いと承知しております。
 現在の総合政策室は、こうした役割や行政分野全般にわたる計画の企画立案、政策評価などを担当しておりますが、その今後のあり方については、平成20年度以降の組織改正の論点の一つであると考えており、現行体制のメリットや課題を踏まえながら、新しい地域経営の計画に掲げる施策を着実に推進していく上で望ましい体制はいかにあるべきかという観点から、十分に検討してまいりたいと思います。
 次に、合併協議会設置の勧告のあり方について諮問した目的でありますが、合併新法の期限まで残り2年半であり、各市町村では、将来のまちづくりについて、今まさに真剣に議論していただく時期に来ていると認識しております。
 合併協議会設置の勧告は地域の議論を喚起するための制度でありますが、そのあり方については幅広い意見を聞いて考えるべきであり、今般、岩手県市町村合併推進審議会に対し諮問したところでございます。
 この諮問は、勧告すべきかすべきでないかも含めて調査審議していただくものであり、勧告することを前提としているものではございません。
 次に、県内の自治体数についてでありますが、昨年4月に策定した合併推進構想においては、合併推進審議会の答申を踏まえ、生活圏域等の視点から総合的に検討し、八つの組み合わせを示したところでございます。
 私としては、理想の数というものは申し上げにくいのでございますが、合併推進構想に基づき、住民が納得して、各市町村が将来ともに自立できる、いわゆるよい合併を推進することが、理想に向けての前進になるものと考えております。
 次に、北東北の拠点機能等についてでありますが、盛岡市を中心とする県央広域圏は、高速交通体系上の結節点になっていることから、北東北の広域観光や産業・経済活動の拠点としての機能を担っておりますが、さらには、高度医療施設や教養文化施設などの高次の都市機能とともに、大学、試験研究機関などの学術研究機能が集積し、加えて、近年は盛岡駅西口開発、盛岡南新都市開発等による新しいまちづくりなどにより、北東北の拠点圏域にふさわしい職・住・遊・学近接の魅力ある都市圏が形成されつつあり、人、もの、情報の交流拠点としての役割は、ますます高まっていくものと期待しております。
 今後においては、これら機能集積を生かした企業誘致、産学官連携による新技術の開発によるものづくり産業の創出やIT産業、地場産業の振興などの取り組みにより、本県はもとより、北東北全体を牽引する役割が期待されています。
 県としては、以上のような認識のもとで、新たに策定する新しい地域経営の計画に基づき、当該圏域の多様な機能のさらなる充実に向けた取り組みを推進することにより、名実ともに北東北の拠点としての機能を担うことができる圏域の確立を目指してまいりたいと思います。
 また、50万人都市の実現に向けては、昨年4月に策定した合併推進構想なども念頭に置きつつ、盛岡市と関係市町村を支援していく考えでございます。
 次に、奥産道の工事再開見通しについてでありますが、一般県道雫石東八幡平線、いわゆる奥産道は、平成10年11月に、道路検討委員会からの提言を総合的に検討し、工事の再開を断念したところであります。
 その後、平成12年8月から平成13年3月にかけて、専門家や公募委員による活用計画検討委員会において、整備済み区間の道路の活用方策について検討を行い、県が平成14年3月に、利用に伴う人為的な影響を極力軽減し自然環境の保全に努めることを基本的な考え方とする活用計画を策定したところであります。
 この活用計画に基づいて、昨年度までに駐車場、連絡歩道等の整備を行い、本年6月29日に整備済み車道の一部、連絡歩道、既存登山道区間について、歩道としての利用を開始したところであります。
 今後についても、この活用計画に基づいて、歩道を中心とした活用を図っていく考えでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) まず、品目横断的経営安定対策についてのお尋ねでございますが、集落営農組織に対する指導・支援につきましては、この対策に加入した集落営農組織の現状や課題を把握するため、本年7月から、全組織を対象にアンケート調査を実施し、現在その取りまとめを行っているところであり、この結果を踏まえて、11月をめどに今後の経営の展開方向等を明らかにした集落カルテを作成することといたしております。
 このアンケート結果を見ますと、生産面では麦・大豆の収量・品質が低いこと、経営管理面では資金繰りや経理に詳しい人材の確保などが課題として挙げられております。
 このようなことから、県といたしましては、麦・大豆の反収向上技術の普及に向けた県とJAによるチームの設置、県独自の集落営農組織への低利な運転資金の融資、経理に精通した人材の育成や法人化を促進するための県税理士会等と連携した税理士のネットワークの構築などに取り組んでいるところでございます。
 また、今後におきましては、課題となっております経理に精通した人材の育成や資金繰りの改善などの支援強化、平成15年度に策定いたしました集落ビジョンの点検と見直しの促進、さらには、先進的な集落営農組織の取り組み事例の紹介などにより、小規模・兼業農家も含めた集落営農の組織化に向けて、地域の合意形成を促進してまいりたいと考えております。
 次に、品目横断的経営安定対策による補てんについてでありますが、この対策における収入減少影響緩和措置、いわゆるならし対策が発動される基準米価を9月15日現在の作柄概況をもとに試算いたしますと、60キログラム当たり約1万5、000円となりまして、また、生産者と国の積み立てによる補てんのための財源は、60キログラム当たり約1、350円となります。
 現時点では、本年産の米価の予測が困難でございまして、具体的な補てん割合を算出することは難しい状況でございますが、仮に19年産の米価が60キログラム当たり約1万5、000円を下回りますと、このならし対策が発動され、基準米価の1割下落に相当する約1万3、500円までは、減収額の9割まで補てんされると見込まれております。また、19年産米が仮にこれ以上下落した場合は、財源の制約がございまして、補てん上限額は1、350円で固定され、減収額に対する補てんの割合は低下することとなります。
 次に、米の需給調整システムについてでありますが、米の生産調整につきましては、19年産米から、農業者、農業団体が主体の需給調整システムへ移行したところでありますが、米の需給は、消費の減退に加え需要を上回る生産となっておりますことから、大幅な過剰在庫が発生し、米価の下落が続いております。こうした中で、現行の需給調整システムは、米価の下落の際の補てん財源が限られており、また、その補てんの水準も低下してきているなど、生産調整のメリット感が少なくなってきていることや、生産が過剰となった場合、その過剰分を生産調整に取り組んでいる農家が負担しなければならないことなど、生産調整への参加を促進するといった観点からは、必ずしも十分とは言えない面があると考えており、このようなことから、本年8月に国に対し、稲作経営の安定化を図るため、生産調整のメリット措置の拡充など、現行制度の見直しについて提案をいたしたところでございます。現在、国におきましては、販売を軸とした米システムのあり方検討会が設置されまして、市場重視、消費者重視の米づくりとあわせて米の需給調整のあり方についても議論が行われると伺っており、この検討状況を注視してまいりたいと考えております。また、県におきましても、市町村や農業団体と連携を図りながら、集落座談会等におきまして生産調整の必要性等について改めて説明し、生産者の理解を求めるとともに、米の消費拡大、さらには米粉加工品や飼料用米等の新たな用途の需要拡大を図り、米の需給バランスの確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、畜産振興のための耕作放棄地の活用についてでありますが、県内におきましては、奥州市や一関市の中山間地域で、補助事業や中山間地域等直接支払交付金等を活用した電気牧さくの設置等により、転作田や耕作放棄地に黒毛和種を放牧する取り組みが始まっており、耕作放棄地の活用による畜産振興を図るためには、こうした取り組みを全県に普及することが課題となっております。このため、県といたしましては、今後とも、集落での話し合いを基本に、耕作放棄地活用の合意形成を促しながら、農業改良普及センターが中心となって、低コストで簡易な電気牧さくを普及するためのモデル圃場の設置や放牧牛の管理技術の指導等に努めるとともに、国の補助事業等を活用して耕作放棄地等を草地に転換する取り組みを支援し、耕作放棄地を活用した畜産振興に努めてまいりたいと考えております。
 次に、再造林の対策についてでございますが、再造林を促進するためには、低迷する木材市況のもとで再造林のための資金をいかに確保するかが課題となっております。このため、引き続き、国庫補助事業を活用した再造林を促進するとともに、施業の団地化や高性能林業機械の導入等により伐採作業の低コスト化を促進し、再造林のための資金の確保を図っているところでございます。また、昨年度からは新たに伐採から造林、保育という施業のサイクルを地域単位で一括して担う地域けん引型経営体を育成しており、この経営体が行う森林経営の中で、伐採作業と再造林の一体的な実施により、造林コストの縮減に取り組んでいるところでございます。今後とも、このような取り組みを通じて、木材資源の循環利用や公益的機能の維持に資する再造林の促進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県行造林伐採後の再造林対策についてでございますが、県行造林で契約期限が到来し、伐採した森林の管理につきましては、土地所有者みずからが行うことが基本でありますことから、県といたしましては、土地所有者に対し、森林整備補助金等を活用した再造林を要請いたしますとともに、立木処分に際しましては、土地所有者に県の立木の持ち分を買っていただく方法や、土地所有者の持ち分を伐採せずに立木の状態で分収する方法を提示し、再造林が必要となる伐採跡地が最小となるよう、土地所有者と協議をいたしているところでございます。
 また、保安林につきましては、土地所有者に対し、伐採後に植栽義務がある旨を事前に十分説明するとともに、国庫補助金等を活用して再造林が行われるよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。
 次に、激甚災害指定の見通しについてでございますが、農地・農業用施設及び林道に係る激甚災害の指定につきましては、当該災害に係る全国の査定見込み額が農業所得推定額の一定割合を超えることなどの指定基準に基づき、国が行うこととなっておりますが、9月17日から20日にかけての大雨洪水災害の被害額だけでは指定は難しいものと見込まれているところでございます。しかしながら、本年、九州地方で連続して発生した一連の災害をまとめて指定した例もありますことから、県といたしましては、9月7日の台風9号による被害も合わせ、二つの災害を一括して激甚災害に指定するよう、先般、国に要望いたしたところでございます。今後は、全国の被害額の確定を待って国が最終的に判断することとなりますが、県といたしましては、本県と同様に大きな被害をこうむった秋田県とも連携を図りながら、引き続き激甚災害の指定に向けて努力してまいりたいと考えております。
 次に、農地・農業用施設等の復旧状況についてでございますが、このたびの災害による本県の農地・農業用施設及び林道の被害額は約21億6、000万円となっておりますが、早急に被災箇所の復旧対策が講じられるよう、国に対し、災害査定の早期実施を要望しているところであり、査定が終わり次第、速やかに復旧工事に着手することといたしております。また、災害の発生により農作物の品質低下や農作業に支障が生じる場合には、査定前であっても、農地の排水対策や農道の補修などの応急工事を早急に実施するよう市町村に対し指導しているところであり、今後とも農地・農業用施設の災害復旧に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、被災農家の経営支援についてでございますが、県といたしましては、これまで排水や適期刈り取りなど被害の軽減に向けた技術指導を徹底するとともに、迅速な損害評価と共済金の早期支払いの指導、県内金融機関への制度資金の貸し付け条件の緩和要請、災害対応資金の周知などに努めておりますほか、先般、国に対して、被災農家の経営を支援するための産地づくり交付金の交付要件の緩和や、担い手経営革新促進事業の助成要件の緩和などを要請したところでございます。今後におきましては、緊急薬剤散布や作物の植え直し等に対する県独自の助成、さらには被災農家の所得確保のための冬春野菜の栽培指導や経営相談などにより、経営支援対策を強化することといたしているところでございます。県といたしましては、今回の災害によりまして、農業者の営農意欲が損なわれることのないよう、また、次年度の営農に支障を来すことのないよう、市町村や関係団体との連携を図りながら、被災された農家の経営支援に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長菊池秀一君登壇〕
〇環境生活部長(菊池秀一君) BSE対策についてでありますが、これまで国におきましては、消費者の不安と生産・流通現場における混乱を回避するという観点から、経過措置として補助を行ってきた経緯がありますが、今般の補助金打ち切りの方針が全国各地での議論を引き起こし、また、県内の消費者団体などから要望が出されるなど、こうした経過措置に至る情勢が解消されたとは言いがたい状況にあることから、全国一律の体制が維持されるべきであると考えております。また、本県が単独でも検査を継続すべきということにつきましては、県産牛は県外においても屠畜処理されておりますため、本県産牛への信頼確保という点では余り効果は期待できないこと、他県産の牛肉と、他県及び県内で屠畜処理された県産牛が混在するということによりまして、消費者の混乱を招くことなどの問題がありますことから、単独継続を表明するということよりも、同じ事情にあります他の自治体と足並みをそろえながら、国に対して、全国統一の取り扱いや、消費者の不安解消に向けた国民への説明責任を果たすことなどについて、知事会等を通じて働きかけることを優先して取り組んでまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長阿部健君登壇〕
〇商工労働観光部長(阿部健君) 北東北デスティネーションキャンペーン等を契機とした観光振興策についてでありますが、ことしはどんど晴れの放送や北東北大型観光キャンペーンの効果により、多くの皆様に岩手を訪れていただいたところであり、また、来年は平泉文化遺産の世界遺産登録が見込まれているなど、これらのチャンスを最大限に生かし、本県の観光振興に取り組んでまいる考えであります。このため、今般の北東北大型観光キャンペーンを通じて培った県内の各地域やJRとの連携をさらに強化し、観光資源の発掘や旅行商品の造成を進めるほか、平泉文化遺産の世界遺産登録を契機とした首都圏や関西圏等の旅行会社と県内観光関係事業者との商談会の実施、いわて世界遺産情報局による平泉を中心とした情報発信、また、県内各地の受け入れ態勢の整備に積極的に取り組みながら、岩手や平泉をしっかりとした観光ブランドに育て、国内外からの観光客の増加に努めてまいりたいと考えております。
 次に、観光振興における地域間連携についてでありますが、県内では八幡平・雫石エリアにおいて、健康、いやしをテーマに、食産業や医療機関との連携のもと、滞在型観光のモデル形成に取り組んでいるほか、久慈市、洋野町、野田村、普代村がそれぞれの持つ観光資源を共有し、相互に補完し合うモデルコースを設定するなど、各地でさまざまな取り組みが行われております。
 一方、隣接県との連携につきましては、北東北3県が共同で北東北大型観光キャンペーンを実施するなど、これまで広域連携による誘客を図ってきたところであります。このような中、国内外の観光客のニーズは、より広域化、周遊化してきており、これまでにも増して市町村域や県域を越えた地域間連携の視点が重要となっていることから、今後におきましては、市町村間の観光ルート等の連携はもとより、近隣県と共同し、世界遺産を核とした旅行商品の造成、効果的な連携による情報発信、これらを行いながら、さらなる地域間連携の強化に努めてまいる考えであります。
 次に、二次交通の改善策についてでありますが、二次交通につきましては、現在、県内の観光地における巡回バスの運行や、花巻、遠野、平泉を回遊するいわてクラシック街道ツアーバスなど地域主体の取り組みが行われているところでありますが、今後一層の誘客を図り、本県の観光振興を進めるためには、二次交通の整備、改善は大変重要な課題と認識しているところでございます。このため、県といたしましても、平泉効果の全県波及を目的とした二次交通のあり方につきまして、いわて世界遺産観光推進会議受入態勢部会で検討を進めることとしております。既存の路線バスや循環バスとの連携、シーズン限定の巡回バスの運行、統一料金による乗り合いタクシー、デマンドタクシーの導入など、観光客の速達性の向上や乗り継ぎの円滑化について、交通事業者、観光事業者などと協議を行い、地域における具体化を図ってまいる考えであります。
〇27番(大宮惇幸君) 御答弁に対しまして再質問をさせていただくわけでありますが、まず、奥産道についてお尋ねしますけれども、私は、道路というものは起点があり、終点があるものと思っております。そうした中で、1本に結ばれて道路という理解をするわけでありますけれども、この奥産道はまさに俗に言う歩く歩道で、これが先般の調査で県道なのだよという説明をいただきました。まさに歩く県道であります。それで、松川工区側と接点しているわけでありますが、果たしてこれで起点と終点が結ばれたという理解をできるものかどうか、県土整備部長にお尋ねいたします。
 次に、米の価格の問題であります。何もこれは高前田農林水産部長が悪いのではありません。責め立てる理由もないわけでありますけれども、問題は、現状の米の価格は既に採算割れであります。原価を割っておるという中で、食料供給県を目指す岩手と標榜しているわけでありますが、これだけ米の値段が下落して、果たして、今とられている品目横断の制度が本当に県内で高く評価されようとしているのかどうか、ここの見通しなのです。私に言わせると、品目横断というこの事業は余り評判がよくない。農林水産部長、御所見をお示しください。
 もう一つ、BSE対策についてでありますけれども、先ほどのお答えを聞いていますと、仮に補助金が打ち切られても県単独でやる気はないのかという私の質問に対し、全国的な動向を見ながらとか、そういうお答えをいただいたわけでありますけれども、御承知のとおり、本県は全国に誇れる畜産県であります。そういう中で、どれだけの、仮に県単独でこのBSE検査を実施したとしても、何千万円というような予算ではないと私は認識しております。ですから、やはりこういう部分についてももう少し検討を深めていただきたいと思いますが、環境生活部長のもう一回の答弁をお願いいたします。
〇県土整備部長(西畑雅司君) 道路は、ネットワークとしてつながって初めてその効果を発揮するというのは、大宮議員の御指摘のとおりでございます。しかしながら、歩道でありましても、つながったことには違いはございません。他県におきましても歩道で道路という例もございます。そういうことから、私どもといたしましては、さまざまな経緯がございましたが、その経緯を踏まえた活用計画に基づいて、歩道を中心とした活用を図っていくという考えでございます。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 米価の下落といったような厳しい状況の中で、今般の品目横断的経営安定対策についてどう評価して、これからどうしようとするのかというお尋ねでございますけれども、品目横断的経営安定対策は今年度からスタートいたしまして、私どもも組織を挙げてこれに取り組んでいるところでございますが、先ほどの答弁の中でも御説明させていただきましたとおり、この7月からアンケート調査、これは全組織についてやっております。そういったような中でさまざまな御意見をいただいておりますし、問題点もはっきりしてきているということでございまして、そういった問題点を踏まえて具体的な対策を講じていくことによりまして、本県が目指す集落営農組織、岩手型の集落営農といったようなものに資するような対策として活用していきたいと考えております。
 なお、米価の下落といったような厳しい環境の中で、本県の米づくりをどうするのかということが大きな問題になっておりますことから、先般、10月1日でございますけれども、いわて純情米戦略検討委員会というものを設置させていただきました。これは、生産者、生産者団体のみならず、流通、卸、消費者といったような方々で構成する委員会でございまして、こういった厳しい米をめぐる情勢の中で、本県の生産、販売戦略をどうしていくかということを議論するために立ち上げたものでございまして、こういった委員会の場での議論を通じてしっかりとした戦略を構築いたしまして、岩手らしい米づくりというものに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇環境生活部長(菊池秀一君) BSE対策の関係でございますけれども、前回の経過措置の際も議論になったのは、消費者の不安と生産・流通現場での混乱ということをいかに回避するかということが前提となって、ああいう暫定措置が講じられたわけですけれども、県によって対応がまちまちだという状況になった場合には、同じことが想定されると思っております。したがいまして、全国統一的な取り扱いというのが一番重要だと思っておりまして、やるならばみんなで一緒にやる。やらないならば、国が消費者の理解を十分に得る、説明責任を果たした上でみんな統一的に行動するということが必要だと思っております。そういうことで、先ほど申しましたように、やはりそういった議論を先にしていくということの中で、これからの方向性を見出していくほうがいいのではないかということでございます。
〇27番(大宮惇幸君) いずれ、BSEの検査体制についてでありますけれども、先ほども申し上げましたが、畜産県岩手であります。ブランド商品もございます。そうした中で、これは政策判断で、知事になろうと思いますけれども、来年度も国がやるという確実なものはないわけであります。既に来年の7月で打ち切るという文書が入っていると伺ってございます。それ以降の問題でありますから、岩手県として、やはりこれはぜひとも継続すべきと思います。達増知事、お答えをいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) お答え申し上げます。
 来年7月で打ち切るという通知が出されているわけでありますけれども、国の厚生労働大臣も安倍内閣の改造で舛添要一さんに変わっておりますし、今は各都道府県が一緒に補助金の継続ということを国に求めていく段階だと思っておりまして、まずはそれを大前提にして取り組んでいきたいと思います。
〇副議長(佐々木大和君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時28分 休憩
出席議員(47名)
1 番 木 村 幸 弘 君
2 番 久 保 孝 喜 君
3 番 小 西 和 子 君
4 番 工 藤 勝 博 君
5 番 岩 渕   誠 君
6 番 郷右近   浩 君
7 番 高 橋   元 君
8 番 喜 多 正 敏 君
9 番 高 橋 昌 造 君
10 番 菅 原 一 敏 君
11 番 小野寺 有 一 君
12 番 熊 谷   泉 君
13 番 高 橋 博 之 君
14 番 亀卦川 富 夫 君
15 番 中 平   均 君
16 番 五日市   王 君
17 番 関 根 敏 伸 君
18 番 野 田 武 則 君
19 番 三 浦 陽 子 君
20 番 小田島 峰 雄 君
21 番 高 橋 比奈子 君
22 番 高 橋 雪 文 君
23 番 嵯 峨 壱 朗 君
24 番 及 川 あつし 君
25 番 飯 澤   匡 君
26 番 田 村   誠 君
27 番 大 宮 惇 幸 君
28 番 千 葉 康一郎 君
29 番 新居田 弘 文 君
30 番 工 藤 大 輔 君
32 番 佐々木   博 君
33 番 工 藤 勝 子 君
34 番 平 沼   健 君
35 番 樋 下 正 信 君
36 番 柳 村 岩 見 君
37 番 阿 部 富 雄 君
38 番 斉 藤   信 君
39 番 吉 田 洋 治 君
40 番 及 川 幸 子 君
41 番 佐々木 一 榮 君
42 番 伊 藤 勢 至 君
43 番 渡 辺 幸 貫 君
44 番 小野寺 研 一 君
45 番 千 葉   伝 君
46 番 佐々木 大 和 君
47 番 菊 池   勲 君
48 番 小野寺   好 君
欠席議員(1名)
31 番 佐々木 順 一 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時48分 再開
〇副議長(佐々木大和君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。三浦陽子さん。
   〔19番三浦陽子君登壇〕(拍手)

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