平成19年9月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇19番(三浦陽子君) 民主・県民会議の三浦陽子でございます。
 本日は、会派の先輩・同僚議員の御配慮により、1年ぶり2期目の初登壇の機会を得ることができましたことに心から感謝申し上げます。
 また、この4月に行われました統一地方選挙において達増知事がめでたく誕生され、私にとりましても、達増県政の中で議員活動ができることは、大変うれしく、そして心強く感じているところでございます。
 人口減少や地域格差、地域医療の崩壊、県財政の危機など、さまざまな難題を抱えている岩手県政の中で、今こそ危機を希望に変えるという強い意気込みで、希望王国マニフェストの実現に向けて、ぜひともしっかりと達増カラーを打ち出し、リーダーシップを発揮していただくことを期待しながら、質問に入らせていただきます。
 まずは、先月の16日から18日にかけて秋雨前線がもたらした大雨により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。今後も心配な地域もあると思いますので、一日も早い防災対策が必要と考えます。
 そこで、県内の土木施設の被害状況はどうであったか、また、その状況から見て緊急に講じる対策は何か、御所見を伺います。
 特に、北上川沿川の浸水被害が多かったようですが、私の住んでいる盛岡市の都南地域も、ここ30年経験したことのない洪水に見舞われ、北上川を挟んで避難勧告が乙部地区で47世帯131名と三本柳で165世帯459名の方々に出され、住民の一部の方々は、近くの学校やコミュニティセンターなどに1晩避難しておりました。救命ゴムボートで救出されて無事に避難できたのは幸いでございましたが、大変不安な時間を過ごされたと思います。
 結果的に、家屋の床上浸水が3棟、床下浸水が48棟で、罹災世帯が58、罹災人員が152名でした。田畑や道路への冠水や遊歩道の崩壊など被害があり、収穫期を迎えていた農家の方々の打撃は大きかったようです。さらに雨が降り続けば甚大な被害をこうむったかもしれないということを伺い、改めて自然の脅威を感じました。
 このところの異常気象で、今回のような大雨がいつ来てもおかしくない状況です。今後の北上川の治水対策をどのように進めていくお考えか、お伺いいたします。
 また、このたびの救助活動には、消防関係機関はもとより消防団の夜を徹しての活躍がありました。地域の安心・安全のために、仕事を持ちながら防災活動に尽力され、日常的には地域の夜回りや防災訓練、道具の点検など、地域にとって大変心強い限りです。地震による津波を経験している三陸沿岸では、地域における自主防災組織率が高いようでございますが、都市部にはさほど危機感がないためか、余り充実されていないようです。
 このたびのことを契機に自主防災組織率の向上を目指すとともに、地域の消防団の育成・支援の強化に努め、地域住民の防災意識を高めて、ひとり暮らしの高齢者、障害者の方々や乳幼児や妊婦さんなどの災害時要援護者への対応や、防災関係機関との連携の強化を図り地域の安全の確保に努めるべきと思いますが、御所見を伺います。
 次に、保健・医療・福祉について伺います。
 地域医療が崩壊の危機に瀕している現状から見て、医師確保は喫緊の課題でありますが、全国的に医師の絶対数は世界の平均からすると12万人不足していると言われており、毎年4、000人の医師が現役をリタイアすると言われ、このままでは地域医療は破壊されかねません。本来、医師数はふえ続けるべきものと言います。それは、高齢化により有病率は増加し、医療の高度化と細分化が進み、患者様の医療への期待度が高まるからだと岩手県医師会長の石川先生がおっしゃっています。医師が不足しているのは、国が医師過剰と判断し、全国の医学部の定員を削減したところから来ているともお話しされました。
 本県においても、医師の偏在や産科・小児科医の確保の困難が言われている中、来年度から岩手医科大学において医学生が10名増員予定になりました。県として岩手医科大学への支援対策はどのようにお考えか、お示しください。
 また、県が策定に取り組んでおられる医療計画においては、脳卒中、がん、小児救急医療などの事業別の具体的な連携体制を位置づけするものと聞いておりますが、現在までの取り組み状況をお示しください。この中で、医療連携の枠組みにおける歯科医療の位置づけはどのようにお考えでしょうか。
 2年前の私の一般質問で口腔ケアの重要性と医科・歯科連携の取り組みについて取り上げましたが、岩手県の地域医療計画の中に脳血管疾患やがんの回復期や維持期の在宅介護における摂食嚥下口腔ケア、つまりよくかんで、飲み込めるように口腔機能の改善を図るために、歯科医療との連携がぜひ必要であります。
 歯周病が全身に影響することがわかってきました。糖尿病、血管系の病気、心内膜炎、誤嚥性肺炎と歯周病の関係、低体重児出産など、歯周病菌が全身に影響するために起こり得るということです。
 また、県立胆沢病院では、平成17年から、低栄養による褥瘡、つまり床ずれを防止するため、栄養サポートチームに歯科医師と歯科スタッフの参加をいただいて効果を上げているそうです。県立病院と地域歯科医療との連携によって、特に高齢者や障害者の医療サービス体制が図られると考えますが、医療局の御所見を伺います。
 次に、子育て支援対策についてお伺いします。
 少子化に伴って、子育てを支援する上で保育サービスの充実が急務と思われます。いつでも、だれでも子供を安心して預けられるシステムをつくることが必要です。さまざまな職種に対応できるように休日・夜間を問わず、また子供が急に発熱などで帰らなくてもいいように、病児、病後児保育などの特別保育事業の県内の実態を伺います。
 また、家庭の事情にきめ細やかに対応できる保育のあり方を県としてどのようにとらえ、取り組んでいくつもりかお聞かせください。
 次に、高齢者の介護支援ボランティアについて伺います。
 高齢化が進展する中、政府は平成19年版高齢社会白書をまとめ、前例のない高齢社会に向けて、高齢者は、高齢社会を支えることが可能な貴重なマンパワーという意識に転換しなければならないことを強調しています。
 高齢者の社会参加活動は全国各地で多彩に展開されておりますが、国は、このほど高齢者の介護を支援するボランティア活動を推進する介護支援ボランティア制度を創設したものと伺っています。
 私の周囲にも、いわゆる団塊の世代で、これから高齢者の仲間入りをされる方や高齢となっても元気な方が多くおられ、まさに、そのパワーを介護支援に活用するものとして本県においても積極的に取り組んでいくことを期待するものですが、県ではこの制度をどのようにお考えでしょうか。また、取り組んでいくとした際の課題や今後の対応についてお示し願います。
 次に、今年度から都南の園が障害児療育の拠点となった、県立療育センターについて伺います。
 県直営から指定管理者制度に移行してスタートしましたが、人的資源や施設設備の整備状況と課題、さらに今後の展望について伺います。
 平成16年8月から検討委員会を設置して指定管理者制度の導入を決め、社会福祉法人岩手県社会福祉事業団が選定されて本年4月からオープンするに至ったようですが、医師やスタッフの人的資源の確保の状況はどうなっているのでしょうか。
 また、センターに期待される機能を十分発揮するために、どのような整備を図っていくつもりかお聞かせください。
 次に、特別支援教育についてお尋ねいたします。
 人は、誕生してから家庭、学校、地域社会の中ではぐくまれ、人間として心豊かに生きていくことができると考えます。中でも障害を抱えている子供たちの特別支援教育を県としてどのようにとらえ、どのように進めていくべきと考えているか、お伺いいたします。
 さまざまな程度の障害を抱えている子供たちに、まずは生活環境を整えていく必要があるのではないかと思います。例えばバリアフリーの学校や機能訓練のできる施設、医療関係者などのスタッフなど、できるだけ安全に生活できる場を提供すべきであり、人間はいつか、大なり小なり程度の差はあっても障害を持つようになるということを、みんなが共通認識に立つ必要があると思います。
 すべての人間が、どんなときにも教育を受ける権利があるということを確認することから始めるべきであります。今、普通教育の中で陰湿ないじめがはびこり、人間の尊厳を平気で傷つけ、死に追いやるような時代になっている実情を見るに、教育とは本当に何なのかと考えてしまいます。
 6月定例会でも橋博之議員からインクルーシブ教育について質問があり、相澤教育長からは、本県では一関市立千厩小学校と遠野市立遠野小学校に養護学校の分教室が設置されたということですが、まだインクルーシブ教育の理念が浸透していない。今後、特別支援教育全般の方向性について、外部の有識者によるあり方検討委員会を設置して十分な議論をしていくという御答弁をいただいておりますが、現在の状況をお聞かせください。
 さまざまな声をお聞きする中で、理想と現実のギャップを感じるのは私だけではなさそうです。社会の大きな変化にのみ込まれそうになりながらも、地域社会の中で活動しているPTAや青少年育成関係団体などの社会教育団体、NPO、ボランティアの力もかりながら、本県のすべての子供たちの教育に全力で当たっていただきたいと願ってやみません。県としての御所見をお伺いいたします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次に、男女共同参画の推進について伺います。
 今日、少子・高齢化、グローバル化の急速な進展、本格的な人口減少時代を迎えている中にあって、今後も社会の活力を維持していくためには、女性の社会参画への期待が一層高まるとともに、仕事と子育て・介護の両立などの観点から、男女を問わず働き方を含む生活スタイルの見直しが強く求められています。
 また、ライフサイクルの変化、価値観の多様化は、人々に心の豊かさや生活の質の高さを求める傾向をもたらし、女性も男性もその性別にかかわりなく、家庭や職場、地域などにおいて、お互いが支え合いながら自分らしく生き生きと暮らせる社会を実現していくことが求められています。
 このような仕事と生活の調和、いわゆるワーク・ライフ・バランスは、当然のこととして、真の意味での男女共同参画社会が実現されていることが必要であると考えます。真の意味での男女共同参画社会を実現するためには、産業、労働、医療、福祉、教育、地域振興など、社会システム全体を変えていくような施策を推進していくことが必要と考えます。
 知事は、去る4月の知事選挙の際に掲げた希望王国マニフェストにおいて、男女共同参画の停滞の打破を訴えておられます。私も知事が指摘されておられるような現在の男女共同参画の停滞を何とかして打破しなければならないと強く感じており、知事のお考えに賛同するものであります。
 そこで、知事は、男女共同参画社会の構築についてどのように認識されておられるのか、まず知事の御所見を伺いたいと存じます。
 次に、県では、社会経済情勢の変化を踏まえて、平成17年にいわて男女共同参画プランを改定され、各般の施策を推進することとされておられます。私は、男女共同参画を進める上で、県民意識の高揚は特に重要と考えております。県民意識の普及啓発についてどのような取り組みをしてこられたのでしょうか。また、その結果として県民意識は以前と比較してどのように変化したのでしょうか、県当局の認識をお伺いいたします。
 次に、男女共同参画社会のバロメーターとして、公職への女性登用、政策決定過程への女性の参画が挙げられます。中でも県の審議会への女性委員の就任は重要なものと考えます。県の審議会などへの女性委員の就任状況と今後の促進策についてお聞かせください。
 次に、岩手の食と伝統文化など地域資源の活用について伺います。
 岩手の産品の国外への輸出についてですが、経済成長が著しい東アジアでは、富裕層を中心に食と健康への関心の高まりなどから日本食がブームとなっており、水産物需要は、年々増加していると聞いております。
 また、私も本年5月に実施された岩手・大連友好の翼に参加しましたが、中国大連では、現地で非常に健康によいとされている高価なナマコの需要が拡大しているほか、水産物需要が今後も増加すると考えられ、グローバルな視点で見ると、本県からの水産物の輸出に適した追い風が吹いていると肌で感じたところです。
 県では、中国大連からのバイヤー招聘や商談会などの取り組みにより、水産物を中心に年々輸出が拡大していると聞いておりますが、水産物の輸出の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 また、岩手の食や伝統文化などの地域資源は、グリーンツーリズムに大いに活用を図るべきと考えます。生活にゆとりと安らぎを求める動きを背景に、農山漁村を訪れ、地域の自然や文化に触れ、人々との交流を楽しむグリーンツーリズムが注目されており、中でも中・高生が農家に泊まって農業や農家生活を体験する体験型教育旅行の受け入れが増大していると伺っています。
 このような中、国では来年度から、全国120万人の小学生を目標として、農山漁村で1週間程度の宿泊体験をさせる子ども農山漁村交流プロジェクトを始めると発表しました。本プロジェクトは、グリーンツーリズムを積極的に推進している本県にとって効果的なプロジェクトではないかと考えますが、その内容と県としての取り組み方向をお伺いいたします。
 また、岩手の地域資源の活用についての最後として、地域資源型産業にかかわる支援についてお伺いいたします。
 県が平成18年11月に策定した産業成長戦略は、社会経済環境の劇的な変化に能動的に対応し、安定的で持続的な地域経済基盤を構築していくため、広域的な視点での産業の振興が不可欠であるとの認識のもと、力強い産業の成長を実現する指針としてまとめられたものと認識しております。
 県が先ごろ明らかにされた地域産業資源活用事業の促進に関する基本的な構想では、本県の特色ある地域資源を活用した食産業や観光産業を含む地域資源型産業を地域経済を支える産業として確立・成長させていく観点から、県として各種の支援を進めていくこととしていますが、この取り組みの状況、今後の展開方向についてお伺いします。
 次に、環境・エネルギー対策に関してお伺いいたします。
 まず、地球温暖化問題への対応についてですが、今、世界的な政策課題として地球温暖化への対応が強く叫ばれております。来年の洞爺湖サミットも、地球温暖化対策を中心にした環境問題への対応が中心議題になると聞いております。
 地球温暖化の防止のためには、温室効果ガスの大半を占める二酸化炭素の削減が不可欠であり、県は、二酸化炭素排出量を基準年の平成2年に比較して、京都議定書の目標6%を上回る8%削減を目標としていますが、県が公表した本県における平成16年の二酸化炭素排出量を見ると1、288万6、000トンであり、基準年に比較して0.1%の増加となっております。
 排出量の構成比を見ると、産業部門が約34%、運輸部門が約23%であり、次いで家庭部門が約18%を占めております。このことから、私は、身近な家庭部門での二酸化炭素削減が極めて重要と考えますが、家庭における二酸化炭素削減対策について、県としてどのように取り組みを進めていくのかお聞かせ願います。
 次に、木質バイオマスエネルギーについてお伺いいたします。
 地球環境や限りある資源を次の世代に引き継いでいくためには、環境とエネルギーの調和に向けた取り組みを進めていく必要があります。そのためには、地球に優しいエネルギーとしての太陽光や風力などの自然エネルギーが注目され、その導入に向けたさまざまな取り組みがされております。その一つとして木質バイオマスエネルギーの活用があり、地域にある未利用資源の有効活用の観点から、県民の期待は大きなものがあります。
 本県は、全国に先駆けて種々な取り組みを進めてきていると伺っており、木質バイオマスエネルギーの利用拡大を図ることは、二酸化炭素の排出削減による地球温暖化防止への貢献にとどまらず、本県林業の振興に大きく寄与するものと考えます。
 そこでお伺いしますが、本県における木質バイオマスエネルギーの取り組みの現状と今後の推進方向についてお聞かせ願います。
 この環境エネルギー問題は地球規模で考えていかなければならない問題ではありますが、一人一人の意識を変えることによって少しでも解決できる方向性を見出していけるものと思います。例えば、ごみ処理の問題では、身近には家庭一般のごみ処理問題から、産業廃棄物処理問題、そして化石燃料に頼らずCO2削減につながると言われ推進されている原子力発電所からの廃棄物となる使用済み核燃料の処理問題など、余り日常的には目に触れず、情報も余りないことから、一般的に関心が薄い問題もあります。自分たちの生活が少しでも便利になることを目的にして発展してきたその陰にある部分を、しっかり検証していかなくてはならない時代が訪れているように思います。
 私たちは、未来を担う子供たちに豊かな自然と環境を引き継ぐために、今、何をしなければならないかを真剣に議論することが重要と考えます。地球の環境汚染は確実に進んでいます。自然の豊かな岩手県でなければできないことを県議会の中で十分議論し、国に働きかけていくことをお願いして、私の一般質問を終わります。
 なお、答弁によっては再質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 三浦陽子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、9月16日から18日にかけての大雨洪水の被害状況とその対策についてでありますが、9月16日から18日にかけての豪雨による県及び市町村管理の公共土木施設の被災状況については、10月1日現在で、八幡平市や花巻市など23市町村で473カ所、57億6、000万円余の被害額となっています。これら被災箇所のうち、土砂崩れなどにより通行どめとなった道路や、増水により家屋が被災した河川について、土砂の撤去や仮護岸の設置など緊急対策に努めています。また、直ちに国に災害緊急調査を要請し、応急工事の実施や施工方法などについて指導、支援を受けるなど、国、県、市町村が連携の上、早期復旧に努めてまいりたいと思います。
 次に、北上川の治水対策についてでありますが、今回の出水は、県内の北上川上・中流域において、カスリン・アイオン台風以来、最高の水位を記録し、御例示いただいた盛岡市三本柳など各所で出水があり、家屋や農地等に浸水被害を受け、避難勧告が出されるなど、県民生活に大きな影響を及ぼしたところでございます。
 国土交通省においては、一関遊水地事業を初め石鳥谷地区の築堤工事を着実に進めるとともに、新たに、無堤地区である北上市立花地区の築堤工事の着手に向けた準備や、今回被災した護岸や堤防の漏水箇所の災害復旧に早急に取り組むと聞いております。県としても、北上川の治水事業の促進を国に働きかけるとともに、国や市町村と連携を図りながら、水防情報の速やかな共有や、排水ポンプ車等による水防活動への支援により、減災に向けた取り組みを一層強化し、県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいりたいと思います。
 次に、岩手医大の定員増に対する県の支援についてでありますが、本県を初めとする医師不足地域の大学医学部の定員増については、平成18年8月に国が公表した新医師確保総合対策において、平成20年度から最長10年間にわたって、最大10名の増員が認められたところであり、岩手医科大学医学部についても、現行の80名から90名に定員を10名増員することとなったものであります。
 県では、岩手医科大学医学部の定員増に対応して、本県の地域医療の確保及び優秀な医療人材の育成強化を図るため、大学が実施する医学生の受け入れ、医学知識の修得及び医学実習環境の整備等を支援する補助事業を創設し、6月補正予算において措置したところでございます。今後は、今回の定員増の条件とされている奨学金制度の拡充に取り組むこととしており、医師の地域への定着を確実にする観点から、地域枠の設定なども含めて、今回の定員増に伴う県としての支援のあり方を検討してまいりたいと思います。
 次に、医療連携体制の取り組み、そして歯科医療の位置づけについてでありますが、本年度末までに策定予定の新しい医療計画においては、医療機能の役割分担による切れ目のない医療を確保することが重要なテーマとなっていることから、これまで、岩手県医療審議会医療計画部会において検討を行っているほか、外部の専門家による本県のがん医療のあり方に関する検討会、急性疾患等に係る医療連携体制のあり方検討会などを設置し、検討を継続しております。これらの検討結果をもとに、本県における脳卒中、救急医療など疾病・事業ごとの基本的な医療連携モデルを作成する予定です。
 次に、歯科医療の位置づけについてでありますが、この医療連携モデルにおいて、例えば脳卒中にあっては、食べたり飲んだりする機能を改善する摂食嚥下リハビリテーションへの歯科の関与を位置づけるなど、医療連携における歯科医療の役割や医科等との連携について明確にしていくこととしています。今後とも、県歯科医師会を初め関係者の御意見を伺いながら、医療連携体制の構築等に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、男女共同参画の推進についてでありますが、少子・高齢化やグローバル化の急速な進展、価値観の多様化など、社会経済情勢が大きく変化する中にあって、活力ある地域社会を実現するためには、男女が性別にかかわりなく、さまざまな可能性をみずからの意思によって選択でき、能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めていくことが重要であると認識しております。このため、特に、社会の半分を構成する女性が、あらゆる分野の政策、方針等の決定過程に積極的に参画するとともに、仕事と家庭の両立、地域での活動などを社会全体で支えていく仕組みづくり、さらには配偶者などからの暴力防止対策を展開していくことが重要であり、その基本として、県民、事業者などの意識改革が不可欠であると考えております。こうした考えのもと、男女共同参画センターを拠点として、より効果的なものとなるよう取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 地域の安全確保についてでございますが、県といたしましては、災害の発生時から応急・復旧対策に至るまで、自助、共助、公助それぞれの分野におきまして、その機能が十二分に発揮できますよう、災害対応力のさらなる強化、向上が重要と考えております。このため、津波防災対策に関する普及啓発教材の作成、地域住民等を対象としたワークショップや講習会等の実施、自主防災組織のリーダー講習、消防団の教育訓練などを進めているほか、実践的な総合防災訓練や災害対処訓練などに取り組んでいるところでございます。また、自主防災組織の組織率も、まだ不十分ではございますが、順次上昇しておりまして、平成19年4月現在では65.1%となったところでございます。
 地域防災力の一層の向上を図っていくためには、地域において、住民や市町村、消防団等がさらに連携を強化し、それらが一体となった的確な防災活動が行われることが重要でございますので、県としては、今後とも防災関係機関と連携しながら市町村をしっかりと支援し、地域の安全の確保に尽力してまいりたいと考えております。
   〔医療局長法貴敬君登壇〕
〇医療局長(法貴敬君) 県立病院と地域歯科医療との連携についてでありますが、高齢者などの体力の回復や生活の質の向上には、地域の歯科医師会などと連携を図りながら、病院の医師、看護師、管理栄養士、調理士、薬剤師、臨床検査技師、場合によっては理学療法士や作業療法士などからなる栄養サポートチームと共同で、入院患者の診察、指導、口腔ケアを行うことが有効であり、現在、胆沢、北上、二戸及び軽米病院の4病院で実施しているところであります。また、大船渡病院ほか6病院においても、地域の歯科医師会などから講師をお招きして口腔ケア研修会を行い、その技術、知識の向上を図るなど、病気の予防や改善に取り組んでいるところであります。今後におきましても、県立病院に設置している栄養サポートチームを中心に、口腔ケアに対する活動の充実を図るとともに、地域の歯科医療とさらなる連携を図ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 特別保育事業の実態についてでございます。平成18年度の特別保育事業の、主な事業の実施状況でございますが、休日保育は13の市町村で35保育所、一時保育は27の市町村で154保育所、病児・病後児保育は5市村で6つの医療機関併設型の施設で、延長保育は31市町村、226の保育所で実施されているところでございます。
 県では、平成17年3月にいわて子どもプランというものを策定いたしておりまして、平成21年度までの目標を掲げております。平成18年度までの進捗状況は、休日保育は52%、一時保育は66.7%、病児・病後児保育は11.1%、延長保育は21.7%となっているところでございます。病児・病後児保育につきましては、今年度から、入所児童が保育中に微熱を出すなど体調が不良となった場合に、保護者が迎えに来られるまでの間、入所している保育所で預かる新たな制度―これは先ほど申し上げました医療機関併設型に対比して自園型と呼んでおりますが、こうした制度が創設されまして、5市町の21保育所で実施される予定となっております。今後とも、特別保育事業の充実により、きめ細やかな保育サービスの実施について、市町村を支援してまいりたいと考えております。
 次に、保育対策の取り組みについてでございますが、保護者の就労形態の多様化などに対応して、子育てを支援するという観点から、必要な保育サービスが必要な場所で的確に提供されることが重要であり、そのためには、市町村における地域子育て支援センターなども活用した相談機能の充実、次世代育成支援計画における特別保育などを含む特定14事業の市町村目標の達成に向けた取り組み、待機児童の解消に向けた保育所定員の見直し、分園の設置などが必要と考えているところでございます。
 また、こうした取り組みに加え、待機児童の解消を図ることを主な目的とする家庭的保育、いわゆる保育ママ事業の県内市町村での実施に向けた検討を進め、よりきめ細やかな保育サービスが県内において展開されますよう、市町村を支援してまいりたいと考えております。
 次に、介護支援ボランティアについてでございますが、少子・高齢化が進展する中で、高齢者がボランティア活動を通じて社会参加、地域貢献を行うとともに、高齢者自身の健康増進も図っていくことを積極的に支援するこの制度は、高齢者の介護予防の観点からも意義があるものと考えているところでございます。
 一方、市町村の介護保険財政に多少とも影響がございますことから、県内市町村におきましては、その導入について、全体として現時点では慎重な状況にございます。本年9月に県において行った市町村の意向調査の結果によりますと、16の市町村がこの制度に関心があると答えておりまして、そのうち4市町から実施について検討したいという回答をいただいております。県としては、県内の各市町村に対しまして、国や先進事例の情報を提供するなど、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、療育センターについてでございます。
 まず、人的資源の確保についてでございますが、県立療育センターにつきましては、県内の障害児療育の拠点としての機能を果たすことを基本的な役割といたしまして、従来の都南の園を再編し、本年4月、新たにスタートしたところでございます。スタッフの熱心な取り組みもございまして、外来患者が前年に比して毎月十数%から20%以上増加するなど、多くの障害児やその御家族に御利用いただいているところでございます。
 人的資源については、従来からの課題であります常勤医の不足を初め外来診療の増加もありまして、言語聴覚士や臨床心理士等の専門スタッフが不足しているとセンター側から伺っているところでございます。スタッフの確保は療育センターの機能充実の重要な課題の一つでもございまして、センターや指定管理者でございます岩手県社会福祉事業団とも連携しながら、必要なスタッフの確保に引き続き努めてまいりたいと考えております。
 療育センターに期待される機能発揮の取り組みについてでございますが、療育センターの開設以来、保護者や障害児医療関係者などから、医療的ケアが常時必要な重度障害児への対応、発達障害児支援の一層の充実、医療設備の充実の必要性などさまざまな提言が寄せられているところでございます。県では、療育センターの機能充実のための今後の方向について検討するため、本年4月に療育センターの将来像検討委員会を設置し、障害児療育関係者による検討を行っているところでございまして、年内をめどに一定の方向が出される予定となっております。こうした方向を踏まえながら、療育センターのさらなる機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長菊池秀一君登壇〕
〇環境生活部長(菊池秀一君) まず、男女共同参画の推進についてでございますが、県民への普及啓発と県民意識の変化についてのお尋ねにつきましては、県では、男女共同参画社会を実現するため、その推進役となるリーダーの養成を初め、男女均等な雇用環境の整備や子育てに優しい環境づくりなど、部局横断でさまざまな取り組みを進めてまいりました。こうした取り組みの結果を、県の意識調査によりまして、昨年度と平成10年度とを比較して見てみますと、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきにつきましては、肯定する割合が38.9%から34.8%へと変化し、また、男女の地位の平等につきましては、平等と思う人の割合が、家庭では14.3%から27.7%に、職場では11.3%から20.3%へと向上しておりますが、社会通念、習慣などでは6.7%から8.7%と向上はしておりますが、10%に満たないという状況となっております。男女共同参画の推進は、県民、事業者などの意識改革が最も重要でありますことから、男女共同参画センターを拠点といたしまして、地域で活躍するサポーターの養成、各地に出向いての出前講座の開催、各種普及啓発セミナーの開催などの取り組みをさらに進めていく考えでございます。
 次に、県の審議会への女性委員の就任についてでございますが、県では、県の審議会等への女性委員の登用を平成17年度末で33%、平成22年度末で50%という目標を掲げて取り組みを進めてまいっておりますが、ことしの4月現在で31.8%と、平成17年度末の目標に達していない結果となっております。これは、法令等によりましてあらかじめ職が指定されている審議会がございまして、また、そのような審議会が新たに設置されたということが主な要因となっており、他県でも同様の状況にあるほか、国におきましても、内閣府が各省庁に対して職指定に対する柔軟な対応を働きかけているところであります。県では、こうした状況を踏まえまして、昨年4月に各部局ごとに平成22年度を目指した登用計画を策定いたしまして、全庁的に取り組むこととしております。女性人材リストの活用や、団体等に幅広い人材の依頼を行うことなどを通じまして計画の推進を図るほか、職指定の改善につきましても、引き続き国に働きかけていく考えであります。
 次に、地球温暖化問題への対応についてでありますが、県では、CO2排出量8%削減という目標を設定して取り組んでおりますが、直近のCO2排出量を見ますと、家庭部門では、世帯数の増加や家電製品の普及などによりまして、基準年に比較して20.3%と高い伸びを示しております。CO2排出量の削減は、県民一人一人が環境問題をみずからの課題としてとらえ、身近なところから取り組みを進め、それが積み重なって県内各地に広がっていくよう意識改革を進めていくことが重要であると考えております。このため、家庭対策といたしましては、身近にできるCO2削減の取り組みを推進するCO2ダイエット県民運動や、家庭における省エネを促進する環境家計簿の普及、県内各地での出前環境学習の推進や、優良事例コンテストなどイベントの開催、自家用自動車のエコドライブの普及促進、地域ぐるみの取り組みを促進する地域協議会の設立支援などにつきまして、重点的に取り組んでいく考えであります。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) まず、水産物の輸出の現状と今後の取り組みについてでございますが、平成18年の本県水産物の輸出額は約21億円と、前年に比べまして8.3倍に急増しております。これを品目別に見ますと、タラやサバなどの冷凍水産物が約6割を占め、その輸出先は、中国が7割、東南アジアが2割となっております。県といたしましては、水産物輸出の拡大に向けまして、今年度から新たに商社等の専門家を輸出コーディネーターに委嘱し、中国に加え、経済成長が著しい東南アジアの販路拡大にも取り組んでいるところでございまして、7月には、タイにおいてサンマやワカメなどの商談会を開催したほか、この11月には、マレーシアの日系量販店でカキやホタテなどの試験販売を実施することといたしております。
 一方、本県の水産物輸出の大半は加工度の低い冷凍水産物となっており、輸出を通じて沿岸地域の活性化を図るためにも、付加価値の高い加工品の輸出割合を高めることが重要な課題となっております。このため、今後におきましても、輸出コーディネーターを活用したきめ細やかな市場調査を実施するとともに、市場調査を踏まえた輸出先のニーズにマッチした新商品の開発などに取り組み、本県水産物のさらなる輸出拡大に努めてまいりたいと考えております。
 次に、子ども農山漁村交流プロジェクトについてでございますが、このプロジェクトは、総務省、文部科学省、農林水産省の3省が連携をいたしまして、子供たちの学ぶ意欲や自立心、思いやりの心などをはぐくむ教育活動として、農山漁村での長期宿泊体験活動を推進するものでございます。このプロジェクトは今後5年間で年間120万人の小学生の受け入れ態勢を整備するものであり、来年度はモデル的に全国40地域で1週間程度の宿泊体験を実施することとし、本年11月までにモデル地域の候補地を選定することとされております。本県では、グリーンツーリズムの一層の振興を図るため、近年需要が高まっている体験型教育旅行の受け入れを重点的に推進しているところでございますが、今回のプロジェクトは、こうした取り組みの方向と軌を一にするものであり、プロジェクトの実施により、受け入れ農林漁家の拡大や地域のグリーンツーリズム推進体制の整備等の促進が期待されることから、県といたしましては、市町村と連携を図りながら、地域の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、木質バイオマスエネルギーについてでございますが、平成16年3月に策定いたしましたいわて木質バイオマスエネルギー利用拡大プランに基づき、民間企業や団体、市町村と連携を図りながら、ペレットストーブなどの燃焼機器の開発や普及を促進した結果、本県のペレットストーブやボイラーなどの導入実績は全国でもトップレベルとなっております。このような成果を踏まえ、本年3月、新たに平成22年度を目標とする利用拡大プランの第2ステージを策定したところでございまして、今後におきましては、このプランに基づき、利用機器の導入支援やペレットの流通改善、未利用木質資源を利用したチップ燃料の供給促進、さらには1次産業など産業分野での利用拡大などに取り組み、木質燃料の生産、流通の促進と、地域に根差した木質バイオマス産業の育成に努めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長阿部健君登壇〕
〇商工労働観光部長(阿部健君) 地域資源型産業に係る支援の取り組み状況、今後の展開方法についてでありますが、本年6月に中小企業地域資源活用促進法が施行されたことに伴い、県では、地域の強みである農林水産品や観光資源といった地域資源を活用し、新商品の開発等の事業を行う中小企業者を支援するため、地域産業資源活用事業の促進に関する基本的な構想を策定し、去る8月31日に国の認定を受けたところであります。これに基づき、県といたしましては、中小企業者の国による事業計画の認定を目指し、事業計画策定の相談、支援を行っているところであり、10月中旬には第1回目の認定が行われる予定であります。なお、認定を受けた中小企業者につきましては、試作品開発や販路開拓に対する補助、設備投資減税、政府系金融機関による低利融資、専門家による人的支援など総合的な支援が受けられるところであります。今後におきましては、年度内に予定されている第2回目、第3回目の認定に向け、制度の周知徹底はもとより、新たな事業者の発掘にも関係機関と連携しながら取り組むとともに、県独自の事業であります各種アドバイザーなどの専門家を活用した商品力強化、販路開拓のための支援なども一層充実しながら、地域資源型産業を地域産業の核として強化してまいる考えであります。
   〔教育長相澤徹君登壇〕
〇教育長(相澤徹君) 特別支援教育の進め方についてでございますけれども、本年4月に学校教育法が改正されまして、障害児の教育制度は従来のいわゆる特殊教育から特別支援教育へと転換されたところでありまして、一人一人の特別な教育的ニーズを把握し、それに適切に対応していくという方向性が明確になったところであります。今回の制度改革については、ともすれば教育を行う側の主導で行われがちだった教育を、今後は教育を受ける側のニーズに主眼を置く教育に転換するものであり、これまで以上に本人や保護者の願いに耳を傾け、きめ細かな教育と支援が行えるよう、教育体制と環境の整備を着実に進める必要があると考えております。
 また、今回の制度改革は、障害のある子供と障害のない子供が、地域の学校や学級でともに学び育ち合うインクルーシブ教育の実現のための第一歩でもあります。インクルーシブ教育は、本格的な高齢化社会の到来のもと、学校教育のできるだけ早い段階から、すべての子供が、障害の有無にかかわらず、相互に支え合うことを学び、将来にわたって成熟した共生型社会の構成員として育っていく上で極めて重要な意義があると考えております。
 このインクルーシブ教育の導入についてでございますけれども、まず第一に、ともに学ぶ教育の場を広げる必要があり、そのためには、地域の学校の中に特別支援学校の分教室を設置する。障害のある子供を通常の学級に在籍させながら、必要な時間だけ特別支援学級での指導を受けられるようにするといった取り組みが大切であります。県として、ことし4月、花巻養護学校遠野分教室、一関養護学校の千厩分教室を設置したところでありますが、現在、来年の4月に向けて、みたけ養護学校の二戸分教室の開設に向けた準備を進めております。今後も市町村と協働しながら、希望する児童生徒が地域の学校や学級で学ぶことができるような環境の整備を進めてまいります。
 第2に、人材の育成と配置の拡充が必要であり、特に、すべての学校の教職員がインクルーシブ教育の意義を理解し、実践できるようにすることが重要であります。このため、来年度からは、初任者研修から教職経験者研修のすべての講座においてインクルーシブ教育に関する研修を取り入れることとしております。また、特別支援学校の教員が地域の小中学校等に出向いて具体的な支援を行うシステムを、より強固なものにしてまいりたいと考えております。また、本年度から、地方財政措置が講じられております特別支援教育支援員の配置についても、今後一層拡充が図られるよう、市町村に働きかけてまいりたいと考えております。
 第3に、学校現場、県民の意識改革と共通理解が必要であります。
 インクルーシブ教育については、その成果への期待とともに、さまざまな課題も指摘されておりまして、県としても、本年4月に有識者等による検討委員会を設置し、これまで2回にわたる実務レベルの小委員会による検討を行っております。この中で、就学指導から就学支援への転換、インクルーシブ教育と特別支援学校のあり方、特別支援学級や通級指導教室のあり方などについて議論、検討を行っているところであります。本年度中には中間報告を取りまとめ、広く県民の方々から御意見をいただいてまいりたいと考えております。
 また、教育関係者の理解を進めるために、去る9月10日にインクルージョン・フォーラムを開催いたしました。また、県PTA連合会の役員との意見交換も開始しているところであります。
 今後とも、幅広い県民の皆様の問題意識の醸成と理解の拡大に取り組みながら、インクルーシブ教育の実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
〇19番(三浦陽子君) いろいろ御答弁ありがとうございました。
 まず、知事が中国の大連においでになったとき一緒だったわけですけれども、大変あちらで歓迎されて、何かいかにももうすぐお米でも何でも輸入してもらえるのではないかと思うぐらいすばらしい歓迎だったんですが、お米の問題なんですが、水産物は非常に輸出が伸びているということですけれども、米の問題につきましてはいろいろと課題があるのかとは思いますが、その辺の取り組み方について、知事の感触を含めてお聞かせいただきたいと思います。
 あと、やはり安心・安全という立場で、中国に岩手県のものは安心・安全なんだということを強く強調するのはもちろん大事なことなんでしょうけれども、中国がこれから日本のそういう安心・安全の技術を導入するようになってくると、また独自でいろいろと技術的なものが高まってきて、日本のものはもういいよということももしかしたらあり得るようになるかもしれませんが、いずれ本当に友好的な交流ができるような、一応、食を通しての交流にもなるでしょうけれども、やはり人的な交流というのもとても大事なことだと思いますので、その辺の知事の御所見をもしよかったら伺いたいと思います。
 あと、インクルーシブ教育のことですけれども、本当に今、教育長からお話があった、いろいろと私も心配していることをこれからどんどん教育委員会の中で先生方の意識改革、それから私たち県民の意識改革をしていかなければいけないということ、それの、やはり一番、子供さんを持っている親御さんの意識を前向きにしていただくことがとても大事なことで、それの支援をしっかりとやっていかなければいけないのではないかと思っております。幾ら来てくださいとおっしゃっても、やはり何となく親御さんは、そこの壁をなかなか乗り越えられないということがあると思いますので、その辺の取り組み方などもお聞かせいただきたいと思います。
 あとは環境問題なんですけれども、やはり岩手ならではのエネルギー政策というものがあると思います。ですから、これは本当に自然のそういうエネルギーを活用するとか、自然のものを活用して、なるべく循環型のエネルギー資源を使っていくということは、本当にもっともっと進めていかなければいけないと思いますけれども、一つには、やはりまだまだ電力、要するに原子力発電に頼らなければいけないという思いが、先入観もずっとありますので、それはそれでエネルギー政策として進めていかなければならないかもしれませんが、知事のその辺のエネルギー政策についての思いをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇議長(渡辺幸貫君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇議長(渡辺幸貫君) 三浦陽子さんに申し上げます。
 議会運営委員会の申し合わせにより、再質問は、最初の質問に対する答弁が不十分な場合等に認められるものとされておりますので、米の輸出についての質問については、執行部に答弁を求めないこととしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) そうしますと、2番目の質問からということで、技術に関する人的結びつきの重要性という御趣旨の質問だったと理解しておりますけれども、グローバル化が進みまして、本当にいいものがあれば、世界じゅうから人や、またお金が集まる、そういう可能性がある時代になっていると思います。そういう意味で、技術に関する人と人との結びつきというものはしっかりつくっていくことで、今までできなかったような大きな発展につなげることができる、そういうところだと思いますので、県としても力を入れてまいりたいと思います。
 次に、インクルーシブ教育をめぐる親御さんへの取り組み方という視点の御質問と理解しておりますけれども、これは、やはりそういう教育のあり方、社会のあり方が当たり前なんだ、普通なんだという意識を県民全体として持っていくことが重要だと思っております。そういう中で、障害を持つお子さんの親御さんへの取り組み方に対しても、これは、きめ細かく県としても対応していくようにしてまいりたいと思います。
 最後に、岩手ならではの環境政策を進めていくべきということに関連してのエネルギー政策に関してでありますけれども、やはり岩手ならではの自然エネルギー政策というものは進めていかなければならないと思います。先ほどの答弁の中でも、木質バイオマスエネルギーとしてペレットストーブやボイラーなどの例について紹介があったように、全国の中でも岩手がトップクラスという分野をどんどん切り開いていくとともに、風力でありますとか地熱、また企業局で取り組んでいる水力など、そうした自然エネルギー系の開発については、県としても積極的に取り組んでいくべきと考えております。
   日程第2 認定第4号平成18年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第12 認定第14号岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第2、認定第4号から日程第12、認定第14号までを一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。川窪総務部長。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) ただいま議題とされました議案につきまして御説明申し上げます。
 認定第4号は、平成18年度岩手県一般会計歳入歳出決算を認定に付するものでございます。平成18年度の一般会計決算は、歳入総額7、766億2、900万円余、歳出総額7、674億6、900万円余で、差引残額から繰越財源額を差し引いた実質収支は28億2、100万円余の黒字となっているものであります。
 認定第5号から認定第14号までは、平成18年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計ほか9特別会計の歳入歳出決算を認定に付するものでありますが、各特別会計とも実質収支は黒字となっているものであります。
 以上でありますので、よろしく御審議の上、各決算を御認定くださるようお願いいたします。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時59分 散会

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