平成22年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成22年10月19日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    佐 藤   博
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  教育長    法 貴   敬
  教育次長兼
  教育企画室長   高 橋 嘉 行
  教育次長兼
  学校教育室長   佐々木 修 一
  参事兼 
  教職員課総括課長 及 川 伸 一
  教育企画室
  企画課長    石 川 義 晃
  予算財務課長   泉   裕 之
  学校施設課長   宮 野 孝 志
  学校企画課長   高 橋   勉
  首席指導主事兼
  義務教育課長   多 田 英 史
  首席指導主事兼
  高校教育課長   高 橋 廣 至
  高校改革課長   上 田 幹 也
  首席指導主事兼
  特別支援教育
  担当課長    鈴 木 長 幸
  主任指導主事兼
  生徒指導担当課長 田 村   忠
  首席指導主事兼
  産業教育担当課長 佐々木   淳
  生涯学習文化課
  総括課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター所長   錦   泰 司
  首席指導主事兼
  文化財・世界遺産
  課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター副所長  中 村 英 俊
  首席指導主事兼
  スポーツ健康課
  総括課長    平 藤   淳
  首席経営指導主事
  兼小中学校人事
  課長    菊 池   宏
  首席経営指導主事
  兼県立学校人事
  課長    中 山   敏

  警察本部長    樹 下   尚
  警務部長    森 本 敦 司
  生活安全部長   千 田 敏 信
  刑事部長    佐 藤 英 憲
  交通部長    矢羽々   諭
  警備部長    佐 藤 善 男
  警務部参事官兼
  首席監察官    吉 田   修
  警務部参事官兼
  警務課長    小野寺 憲 一
  警務部参事官兼
  会計課長    川 村 邦 光
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 菊 池 昭 一
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   伊 藤 広 務
  交通部参事官兼
  交通企画課長   佐 藤 哲 夫
  警備部参事官兼
  公安課長    工 藤 義 彦
  総務課長    高 橋 恵 市
  会計課
  指導監査室長   八重樫 博 美

  会計管理者    古 内 保 之

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長    奈須川 博 司
  監査第二課
  総括課長    小 原 一 信

  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
〇三浦陽子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成21年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成21年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会、警察本部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇法貴教育長 それでは、平成21年度の教育委員会関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会所管の事務事業に係る総括的な評価、成果とこれを踏まえた今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
 いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、家庭・地域との協働による学校経営の推進、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成、生涯を通じた学びの環境づくり、文化芸術の振興及び豊かなスポーツライフの振興の五つを主要な柱として、重点的に取り組んできたところであります。
 まず、家庭、地域との協働による学校経営の推進につきましては、すべての学校において目標達成型の学校経営に取り組まれておりますが、教職員のすべてが策定の趣旨を十分に理解するまでには至っていないということから、先進的な取り組みを他校に普及していくなど、取り組み内容の質的向上を図っていくこととしております。
 次に、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成に向けては、児童生徒の学力向上については、学習定着度状況調査などの結果の詳細な分析により、本県の強み、弱みが明らかになってきており、特に算数、数学、英語での指導上の課題の分析に努めたところであります。この結果をもとに、教員の授業力向上を初め、授業と連動した家庭学習の取り組みなどに集中的に取り組んでいるところであります。
 また、平成21年度から開始した中学校1年での35人学級編制の試行や学校生活サポート推進事業により、児童生徒に学習面、生活面での改善傾向があらわれ始めており、さらに、教育振興運動の全県共通課題として、家庭学習の充実、読書活動の推進により、家庭での取り組みが徐々に浸透してきており、引き続き家庭・地域との連携により学力向上の取り組みを強化してまいりたいと考えております。
 また、平成22年3月に本県のキャリア教育の方向性を示したいわてキャリア教育指針を策定したところであり、児童生徒が社会人、職業人として自立するための能力育成に学校教育全体で計画的、組織的に取り組んでまいります。
 豊かな心を育む教育の推進については、児童生徒の読書活動は学年の進行とともに低下する傾向が認められることから、今後、選書の充実を図りながら読書活動の習慣化に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、児童生徒の問題行動や学校不適応の早期発見、早期対応に重点的に取り組んできた結果、小中学校での不登校児童生徒の出現率に改善が見られました。今後も引き続き、教員の指導力の向上を図るとともに、スクールカウンセラーなどの配置により、きめ細かな相談指導体制の整備を推進し、学校、家庭、地域が緊密に連携しながら対応してまいります。さらに、情報モラル教育を推進しながら、携帯電話などを通じた問題行動の防止に努めてまいります。
 健やかな体を育む教育の推進については、各小中学校で、まなびフェストに健康、体力に関する目標を設定して取り組んでいるものの、体力・運動能力調査及び肥満傾向児の指標のいずれも目標値に及ばない状況にあります。このため、学校、家庭が協力して、基礎的な生活習慣の確立や運動機会の確保の取り組みを継続していくほか、体育の授業力向上に取り組んでまいります。
 特別支援教育の充実については、特別支援学校の分教室を中学校に初めて設置したほか、特別支援教育支援員の高等学校への配置を進めるなど支援体制の充実に努めておりますが、各種指標の進捗状況にはややおくれが認められるところであります。このため、平成21年12月に策定したいわて特別支援教育推進プランに掲げる、共に学び、共に育つ教育の実現に向けて、教育研修の充実や、市町村と協力して、児童生徒一人一人のニーズにこたえられる人的、物的な支援体制を整備していくとともに、県民理解の促進等に引き続き取り組んでまいります。
 次に、生涯を通じた学びの環境づくりにつきましては、県民一人一人が生涯にわたって多様な機会を通じて学ぶことができるよう、生涯学習情報提供システムの利便性の向上などに取り組んできたところであります。今後とも、学びの成果が地域づくりの推進に生かされ、郷土への誇りを持ち愛着を深められる学びの場いわてとしての環境づくりを推進してまいります。
 次に、文化芸術の振興につきましては、平泉の文化遺産の世界遺産登録のための推薦書作成に重点的に取り組み、本年1月に世界遺産委員会に提出され、9月にはイコモスによる現地調査が行われたところであります。今後も引き続き平成23年度の登録に向けて万全を期してまいります。こうした中で、情報発信など普及啓発活動にも一層工夫しながら取り組んでまいります。
 また、平成21年度を文化芸術振興指針元年として、文化振興基金を活用した新進・若手芸術家育成支援や鑑賞機会の創出などに取り組み始めたところであり、今後も引き続き計画的に育成や各種団体の活動支援に取り組んでまいります。
 次に、豊かなスポーツライフの振興につきましては、スポーツ実施率は年々伸びが見られるものの、依然として目標値を下回っている状況にあります。このため、地域の生涯スポーツの拠点となる総合型地域スポーツクラブの設置などにより、だれもがスポーツに親しむことができる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 また、平成28年岩手国体に向けて選手強化を図っておりますが、各年度における目標順位に到達していない状況があることから、関係機関、産業経済界などと一層の連携を深めて、競技力向上の取り組みを強化してまいるとともに、スポーツ医科学サポート機能を有する多目的屋内練習施設の早期供用に向けて整備を推進してまいります。
 なお、今年度の千葉国体においては、少年層を中心にこれまでの取り組みの成果が見られていると認識しており、今後もなお一層選手強化の取り組みを強化してまいりたいと考えております。
 以上、総括的な評価と取り組みについて申し上げました。
 引き続きまして、決算額等の説明に入らせていただきます。お手元の平成21年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。
 教育委員会所管に係る一般会計予算現額は、10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費まで1、392億1、564万円余で、これに対する支出済額は1、348億2、517万円余であります。翌年度への繰越額は37億345万円余となっております。
 16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費の予算現額は3、178万円余であり、これに対する支出済額は2、833万円余であります。
 10款教育費と11款災害復旧費の予算現額合計は1、392億4、743万円余、これに対する支出済額は1、348億5、350万円余、翌年度繰越額37億345万円余を除いた執行率は99.5%であります。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は18.3%となるものであります。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成21年度歳入歳出決算事項別明細書により、その主なものについて御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 決算事項別明細書の334ページをお開き願います。10款教育費の1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額は1、519万円余で、これは、委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額19億6、827万円余の主なものは、事務局職員の人件費等管理運営費のほか、語学指導支援等のための外国青年招致事業費であります。3目教職員人事費の支出済額は81億3、192万円余で、教職員健康診査などの人事管理費、337ページに参りまして、児童手当、退職手当の支給等に要した経費等であります。4目教育指導費の支出済額は14億7、786万円余で、その主なものは、学校不適応対策のためスクールカウンセラーなどの配置を行った児童生徒健全育成推進費、県立学校などを結ぶいわて教育情報ネットワークの運営費、特別支援学校に看護師や支援員を配置した特別支援教育推進事業費、高等学校が複数で進学対策に取り組むいわて進学支援ネットワーク事業費、民間委託による外国語指導助手を配置する外国語教育推進事業費。339ページに参りまして、新規高卒者の就職支援の充実を図る就職支援相談補助員配置事業費、学力向上対策のほかモデル事業等に取り組んだ指導運営費であり、繰越明許費180万円余は、いわて教育情報ネットワークの端末更新に係る備品廃棄処理に不測の日数を要したものであります。5目教育センター費の支出済額は4億8、222万円余で、総合教育センターの管理運営に要した経費であります。繰越明許費3億8、003万円余は、老朽化に伴う冷暖房設備等改修に係る経費であります。6目恩給及び退職年金費は2億1、891万円余で、恩給及び扶助料等の支出に要した経費であります。
 2項小学校費1目教職員費487億3、250万円余の主なものは、小学校の教職員人件費のほか、小学校1年生の多人数学級等に非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業費であります。
 次に、340ページをお開き願います。3項中学校費でありますが、1目教職員費279億5、303万円余の主なものは、中学校の教職員人件費であり、2目学校管理費906万円余は、一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費であります。
 4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額265億9、001万円余の主なものは、県立高校の教職員人件費、高校再編などの高等学校教育改革推進費などであります。次に、342ページをお開き願います。2目全日制高等学校管理費16億5、060万円余及び3目定時制高等学校管理費6、509万円余は、それぞれ各学校の管理運営に要した経費等であり、繰越明許費4、735万円余は、杜陵高校教務システム更新に係る経費であります。次に、344ページをお開き願います。4目教育振興費の支出済額16億6、790万円余の主なものは、産業教育設備及び情報処理教育設備など高等学校に係る設備整備費、農業実習や共同実習船運航のための教育実験実習費、財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助及び国の補助金により高等学校等生徒修学支援基金を造成するための積立金であり、繰越明許費5億8、450万円余は、産業教育設備及び部活動設備整備費に係る経費であります。5目学校建設費の支出済額14億5、375万円余の主なものは、高校再編に伴う一戸高校、岩谷堂高校のほか2校の校舎建設事業費、岩谷堂高校、宮古高校の体育館改築設計を行った体育館建設事業費、大船渡東高ほか2校の校地整備事業費、金ケ崎高校ほか3校の校舎及び黒沢尻北高校ほか6校の屋内運動場の耐震補強及び8校の耐震診断などを行った校舎大規模改造事業費であり、繰越明許費7億9、605万円は、盛岡商業高校の改築の設計に係る経費、盛岡工業高校ほか1校の校舎及び盛岡北高校ほか6校の屋内運動場の耐震補強に係る経費、県立高校の受変電設備やボイラー設備の改修に係る経費であります。次に、346ページをお開き願います。6目通信教育費633万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
 次に、5項特別支援学校費1目特別支援学校費でありますが、支出済額99億6、593万円余の主なものは、特別支援学校教職員の人件費を含む管理運営費、一関清明支援学校の整備及び盛岡視覚支援学校産振棟改修を行った施設整備費であり、繰越明許費5億5、869万円余は、釜石祥雲支援学校高等部設置に伴う備品の整備、特別支援学校の受変電設備改修及び一関清明支援学校整備に係る経費であります。
 6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額12億2、616万円余の主なものは、349ページに参りまして、放課後子ども教室などを推進する生涯学習推進費、青少年の家の管理運営費及び社会教育に係る職員人件費などの指導運営費であり、繰越明許費1、904万円余は、青少年の家受変電設備改修などに係る経費であります。2目文化財保護費の支出済額4億2、445万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理に対する補助などを行う文化財保護推進費、柳之御所遺跡に係る整備調査事業費及び土地公有化事業費、世界遺産登録推進事業費であり、繰越明許費2、052万円余は、柳之御所遺跡土地公有化において、移転補償に係る代替地の確保に不測の日数を要したもの及び埋蔵文化財センター受変電設備改修に係る経費であります。次に、350ページをお開き願います。3目芸術文化振興費の支出済額6億6、101万円余の主なものは、芸術文化の普及、振興のための芸術文化振興事業費、県民会館の管理運営に要した経費であります。4目図書館費1億6、263万円余は、県立図書館の管理運営に要した経費であり、繰越明許費3、727万円余は、図書情報システムの更新に係る経費であります。5目博物館費3億4、640万円余は、県立博物館の管理運営に要した経費などであり、繰越明許費4、777万円余は、施設の案内表示や展示のリニューアルに係る経費であります。次に、352ページをお開き願います。6目美術館費4億9、715万円余は、県立美術館の管理運営などに要した経費であります。
 7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額5億5、594万円余は、県立学校児童生徒の健康診断など保健管理費、学校管理下での災害に対する共済の掛金及び給付金、保健体育及びスポーツ振興に係る職員人件費などの指導運営費などであります。次に、354ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額4億212万円余の主なものは、スポーツ教室開催などの生涯スポーツ推進費、県民体育大会の開催及び国体への選手団派遣事業費、県体協、中体連、高体連への選手強化補助及びスーパーキッズの発掘、育成を行った競技力向上対策事業費であり、繰越明許費1、250万円は、第71回国民体育大会選手強化のための練習機器整備に係る経費であります。3目体育施設費の支出済額5億6、057万円余の主なものは、県営体育館の管理運営費及び県営野球場改修等施設設備整備費であり、繰越明許費11億9、790万円余は、体育施設の受変電設備改修などに係る経費、県営運動公園陸上競技場改修及びスキージャンプ場スモールヒル整備に係る経費であります。
 次に、362ページをお開き願います。11款災害復旧費の3項教育施設災害復旧費でありますが、平成20年の岩手・宮城内陸地震あるいは岩手県沿岸北部地震により被災した総合教育センターの災害復旧が年度内に完了しなかったため、事業費を繰り越し完了させたものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
 本日は、質疑を予定している委員が多数いることから、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇及川幸子委員 おはようございます。議事進行に協力いたします。
 1番目、世界遺産登録が平成23年─来年に向けて行われておりますが、その登録に向けた取り組みというのはどういうものだったかお聞きしたいと思います。
〇中村文化財・世界遺産課長 世界遺産登録に向けた取り組みについてでございますが、平成20年7月の登録延期の決議以降、世界遺産委員会やイコモスからの指摘を踏まえまして、国内外の専門家からの意見を聴取しながら、国や関係市町などと連携し、推薦書改定の取り組みを丁寧に進めてきたところであります。
 このような取り組みによりまして、推薦書はことし1月に完成し、ユネスコの世界遺産センターへ提出されたところであります。
 また、先月には、イコモスによる現地調査が終了したところでありますが、今後とも、登録に向けた取り組みを着実に推進してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 中村課長には、さまざまと頑張っていただいていることがうかがえると思います。
 ところで、県は県なんですが、この平泉町、地元の方々の思いというのはどうなんでしょうか。
〇中村文化財・世界遺産課長 平泉町の方々の思いということでございますが、県では、世界遺産登録に向けまして、関係部局が連携し県内全体で取り組んでいるところでありますが、特に平泉町では、日常的な清掃や草刈り活動、また、観光客を案内するガイドの取り組みなど、さまざまな活動が実施されておりまして、私としては、登録に向けた熱い思いを感じているところでございます。
〇及川幸子委員 その熱い思いですが、登録の前の部分から外された部分についての地元の方々は、今どういう取り組みをなさっているんですか。まさか草ぼうぼうとか。外された部分の箇所。
〇中村文化財・世界遺産課長 周辺で、特に奥州市、一関市の部分で、追加登録を目指す資産があるわけでございますが、それらの資産につきましても、両市におきましては、地元住民の方々による清掃活動や、あるいは解説ボランティア活動というように、平泉町の登録を目指す資産と同様の活動が行われている状況でございます。
〇及川幸子委員 イコモスの指摘というのはいろいろあろうかと思います。その箇所から外されたところも、やっぱりちらっと目につくものだと思いますので、全体、全庁挙げて、その熱い取り組みを望むところでございます。
 先ほどの説明の中で、国、県とも関係市町とかなりの要望活動を行っているということですが、過日、私は登録に向けた特別委員会の委員長を仰せつかっておりまして、議長の命を受けまして、議長の代理で中村課長、そして副知事と一緒に、何と近藤長官、文化庁へお邪魔させていただきました。私、たった10分間でございましたが、これは登録になるのかなという熱い期待を持って近藤長官の前でお話をして、やりとりをお聞きしたわけですが、こういうふうに国への要望というのはどうだったのでしょうか。
〇中村文化財・世界遺産課長 登録に向けましては、国や関係市町と十分に連携しながら進めてきておりますが、前回の登録延期の決議を受けて以降、国は、特にも最優先で取り組みを進めてもらっているところでありまして、今後とも、国、県、関係市町が一体になって、気を引き締めながら対応してまいりたいと考えているところでございます。
 なお、そういった要望等につきましては、時宜をとらえながら、適切な形で取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇及川幸子委員 やっぱり1回、2回の要望活動じゃ、絶対だめだと思いますので、時宜をとらえた強い取り組みをまたなさっていただきたいと思います。
 次に移ります。豊かな体験活動推進事業についてですが、この活動の内容を示していただきたいと思います。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 この事業は、子供たちの豊かな人間性や社会性をはぐくむため、自然体験活動を実施する小学校の取り組みを支援するということで、小学校における豊かな体験活動のより充実した展開の推進に資するものでございます。
 昨年度の取り組みといたしましては、12校の推進校がございまして、3泊4日という日程の中で、民泊の生活体験、例えば田野畑村の田野畑小学校では、そのほか、北山崎のネーチャートレッキングやさっぱ船体験などということで体験を行っております。
〇及川幸子委員 昨年12校では、私は大変少ない数だと思っております。全校が豊かな人間性を育てるために、自然体験などはもう積極的にやっていかなければならないと思っております。全校に向けたそういう教え込み、指導というのはどうなったんでしょうか。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 全県の体験活動の状況ということでお話しいたしますと、これは平成20年度の内容、実施学校数になりますが、体験活動を実施している小学校は419校と100%このような体験を行っております。例えば環境美化、あるいは農作物等の栽培活動、それから動物の飼育、郷土芸能、こういったものも含めますと419校すべての小学校、それから、中学校におきましても192校、100%で体験活動の実施をしております。
 逆に、中学校になりますと、地域との交流活動、それから職場体験、社会人等を招聘しての講演会等の内容も行われております。
〇及川幸子委員 以前にはよく言われておりましたが、豊かな心をはぐくむ教育というものと、これは一体のものなのでしょうか。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 これらの体験活動の意義としまして、子供たちの豊かな人間性や社会性をはぐくむためには、自然や社会の現実に触れる実際の体験が必要であると考えております。
 子供たちは、具体的な体験や事物とのかかわりをよりどころとしまして、感動したり、それから驚いたりしながら考えを深める中で、みずからの人間性を豊かにするとともに、相手を思いやる、そういう優しさや自分の責任で行動することの大切さを学んでいくことになります。
 これらのことから、本事業は豊かな心をはぐくむ教育と関連する事業と考えており、体験活動推進校のこれらの取り組みの普及を図りながら、子供たちの豊かな心をはぐくむよう努めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 とても重要な答弁をいただいたと思っております。相手を思いやり、優しさを育てるという、豊かな心、本当にこれは、いつの教育にも忘れてはならない教育だと思っております。
 それで、農作業をしているときに私も経験しているんですが、やっぱり自然と子供たちが、あいさつをしなさいと学校の先生に言われるまでもなく、御苦労さんという言葉が伝わるということは、自分たちも農作業の体験を学校でしてきて、その思いが、大変だというのが伝わってくるからこそ自然と言えるのだと思っております。
 今、学校では農作業のそういう体験をさせるのは大変だと思いますけれども、幼稚園も含めて、保育園も含めて、農作物を収穫する、その喜び、そして、それを味わわせるということが一番大切だと思っておりますので、今後ともこの教育には力を入れていただきたいと思います。
 それでは、最後に学校教育について、法貴教育長にお聞きしたいと思います。
 早寝、早起き、朝ごはんの取り組み状況とその成果についてお聞かせいただきます。法貴教育長です。
〇法貴教育長 早寝、早起き、朝ごはんの取り組みというのは、子供たちが健やかに成長していくためには、調和のとれた食事、十分な休養、睡眠が大切であることから、子供の基本的生活習慣の確立、あるいは生活リズムの向上につながる運動として、国民運動的に推進されているものであり、本県においても、教育振興運動を中心として、学校と家庭、地域が連携して取り組んでいるところであります。
 今年度の全国調査の結果を見ますと、朝食をとっている児童生徒の割合は、小学生が98.3%、中学生が96.5%、また、7時前に起きる児童生徒の割合は、小学生が91.6%、中学校78.5%、就寝時間については、午後10時前に就寝する小学生が55.9%、午後11時前に就寝する中学生は45.4%となっており、この結果からも、本県の児童生徒の状況は、おおむね良好であるととらえております。
 余り順位にこだわるわけじゃありませんけれども、全国第1位ということだそうです。
〇及川幸子委員 法貴教育長はすごい自信を持ってここを言いましたね、全国1位、すばらしいです。早寝、早起き、朝ごはん、私も本当に子育て、孫育ての中で、これは徹底してやっていきたいと思うんですが、実は、それほど成績が伸びているにもかかわらず、学校では最近ちょっと、1年生に入学しました孫ですが、このごろそういうもののマル、三角、バツ、全然やらないので、最近どうなっているかなと思ったら、学校から持ってこられて2週間調査しなさいということですが、やっぱりこれは徹底して、せっかくですから、小学校が98.3%だったら1.7%というのが残っているんですよね。これを100%にしなければ、一等賞だと法貴教育長、威張っていられないと思いますよ。どうですか。
〇法貴教育長 100%を目指すのは理論的にはそうなんですけれども、やはりさまざまな状況があってなかなか達成することは難しいのですが、そういう気概を持って進めたいなと思っています。
〇及川幸子委員 やっぱり以前はお昼に出前をとって届けさせる親なども聞いたことがありましたけれども、そういうものも全く数字がなくなったということで、いずれ学校側に、とにかく徹底してこれは、生徒が早寝、早起き、朝ごはんといつも言えるように、この1.7%も達成するように頑張っていただきたいと思います。
 それから、これは秋田県のほうから発信したものなのかが一つですね。いいことなんですけれども。
 それからもう一つ、成績が、いろいろの資料を見まして秋田県がトップでございます。国語A・B、算数A・Bも秋田県が1位ですね。2位に福井県も入っていますけれども。そういう中で、秋田県が示しておりますこの早寝、早起き、朝ごはん、これが成績に通じるということがわかっておりますけれども、やっぱり岩手県では成績の伸び悩みもちょっと問われておりますが、中学校でも数学なんかは随分下のほうです。
 学校5日制の見直しについてお聞きするのですが、学力が低下しているので、宿題の量も大変多くて先生たちもぴりぴりしておりますが、学校5日制じゃなくて、この土曜日の4時間というのが大変貴重だと思っております。当初は国のほうでは、親子ともにふれあう自然体験学習など、きれいなことを随分おっしゃっていましたけれども、これも親が共稼ぎの中では可能ではありません。子供がうちで留守番をしている、それでテレビを見たり、ゲームをしている状況、とてももったいないと思っております。
 岩手県で5日制をなくして、土曜日に学校に通わせるわけにはいかないんでしょうか。済みません。
〇法貴教育長 去年の決算特別委員会でも同じ議論がされたわけですけれども、制度論的にいけば、学校で指導する内容を示す学習指導要領というものは、もう学校週5日制を前提として制度設計されております。土曜日は日曜日と同様に休業日と定められておることから、さまざまな、委員おっしゃるような、土曜日を学校の開校日にしたらいいのではないかという話もあるんですけれども、まず、一義的には、やっぱり先生方の勤務時間の問題とか、さまざまな課題を解決しないと、なかなか5日制は解決していかないということになりますので、制度設計の見直しを全国的に行っていかないと、各県ではなかなか難しいんだろうなと考えています。
 ちなみに、土曜日も、本県においては運動会等の学校行事とか、保護者や地域の方を招いての参観日、それから保護者や地域とのかかわりの中で土日でなければ実施できない教育活動など、活用には努めていますが、制度的に5日制をやめるというのは、なかなか難しい問題だなと考えています。
〇及川幸子委員 制度的に難しい、それから先生の勤務時間と法貴教育長はおっしゃっていますけれども、先生の勤務時間というのは、土曜日に生徒を休みにしたって、リラックスなんかできないでしょう。うちに帰っても、ほとんど持っていった残業、生徒のマルつけから何から物すごい量で攻められていて、恐らく先生になって体を壊している先生方が結構いるのではないですか。うちの学年でも、孫の担任が、やっぱり体を壊して休んでいるような状況です。
 制度設計とおっしゃいますけれども、子供たちを見ていると、1人で遊んでいる。親が働いている状況なので、やっぱり社会の仕組みが違っていますので、こういうのをよほど国のほうへ呼びかけていくのも必要じゃないかと思うんですよ。法貴教育長、どうでしょうか。
〇法貴教育長 先ほど制度設計の問題だということですので、これは全国的に、もしそういう問題、ひとり親の関係でうちに閉じこもっているとか、さまざまな問題点も指摘されていて、そういう家庭がふえてきていることにも憂慮している状況なので、どうすればそういう子供たちの居場所づくりみたいなことができるのかということについて、関係部局あるいは国とも十分連携して取り組んでいきたいと思っています。
〇及川幸子委員 これからも十分に取り組んでいくという法貴教育長のお答えだったので、よしとして。
 それから、私は何も法貴教育長に不服があるわけじゃないんですよ。それでも、この質問を最後にさせていただきます。
 実は、この決算特別委員会に1人姿が見えないということに気がつきました。それは八重樫教育委員長です。予算特別委員会のときには、確かにその席にお座りになっていまして、いろいろ質疑して、答弁していただきました。
 私、とあることで、地元でこの間、八重樫委員長とお会いしましたら、私が質問しますよと言ったら、ああ、そうですか、でも、私は要請を受けていないので出られない。えっ、何ですか、予算のときはいたでしょうと言ったら、いや、決算というのは、会議規則で、私に要請が来なければ出られないことになっているというので、きのう質問事項をお渡しするときに、私は、これはぜひ八重樫教育委員長に聞きたいと言ったら、調べていただいたら、これは議会の会議規則で決まっているということですね。
 しかし、私は大変おかしいと思うんですよ。いつ決まったか、どうなっているかわからないですけれども、予算で質問して、きょうは総括ですよ。今まで問うた部分がどうなっているのかと私たちは聞きたいわけですよ。それを法貴教育長がお答えになっているんですけれども、不服はないんですが、やっぱりその辺のところ、教育委員長にもおいでいただくのが本当は妥当じゃないかと思うんですが、どうでしょうか、法貴教育長。ごめんなさい。
〇法貴教育長 出席要請というのは会議規則で決まっているわけですので、議会の規則の関係からそういうことになっていると思いますが、予算のときに出ているのは、便宜、教育方針を本会議で教育委員長がお話しする関係上、それに基づく質問が出てきたということの関連で出ていると理解しておりますが、決算のときには、そういうことがなかったので出ていないのかなと思っています。
〇及川幸子委員 これも3日前ぐらいに要請を受ければ、何か手続上、議会運営委員会を通してやれると。それすらちょっと、議会運営委員会のほうにもお聞きしましたが、いつからこれは規則で決まっているのかということですが、やっぱりぜひこれからは、予算も決算もおいでいただいて、その胸のうち、その問われた部分についての評価はどうだったのかを絶対これからは審議していかなければ、いい案は生まれないのではないかと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
〇平沼健委員 私は、県立高校の再編について二、三お尋ねいたします。
 現在、県内各地で今後の県立高校に関する地域検討会議というものが開かれていまして、地域のいろいろな方々が出てこられて、自分の地域の高校の将来のあり方についていろいろな意見を皆さん方に申し上げておるわけでして、そういう会を開いているということは、本当にありがたいというか、すばらしいということで評価したいと思っております。
 その中でいろいろな方々がいろいろな自分の地域の高校存続というか、そういうことの熱い思いを皆さん方にぶつけていると思うんですけれども、私も参加していますからいろいろな意見を聞いております。
 まず伺いたいのは、特に県北・沿岸にある県立高校、たくさんございます。それの今後のあり方を、存続をどのように考えているかというようなことなんですが、いろいろな検討会議の中でも、各地域事情を考慮しましょうというようなお話もされておるわけでして、その地域事情というのは、各地域によって異なっていろいろたくさんあると思うんですけれども、どのようなことを想定されているのかということも含めて伺っていきたいと思っております。
 岩手県は、ずっと毎年たくさんの方々が県外に移っていって人口減少ということが出ておりますけれども、これは、県北・沿岸に限らず全県で起きているわけですが、特に自然減とか社会減を含めると年間約1万人ということが言われておるわけでして、その1万人に相当する人数が県北・沿岸から毎年人口減という形で出ておるわけです。そういうような県北・沿岸の今後の高校のあり方というもの、再編の仕方、この辺をどのように考えていかれるのか、まずお尋ねしたいと思います。
〇上田高校改革課長 県北・沿岸部の人口減に対する県立高校のあり方についてのお尋ねでございます。
 今後、少子化の進行が続いてまいりまして、全県的にも中学校卒業生の人数は減少していくと見込まれておりますけれども、特にも県北・沿岸の複数のブロックにおきましては、その減少の割合が大きいと見込まれるところでございます。
 このような状況の中で、生徒にとってよりよい教育環境を整えていくことが重要でございまして、このような観点から、現在、委員から御指摘もございましたけれども、地域の代表者で構成する今後の県立高校に関する地域検討会議、それから一般の方々を対象といたしました今後の県立高校に関する地域別懇談会を開催しております。
 そういうことを通じまして、地域の皆様に、例えば地域ごとに産業構造なり、あるいは地域の振興方向、あるいは地勢的な条件が異なりますので、そういった地域の事情等に応じた県立高校の学校や学科の配置のあり方について、きめ細かに御意見をお伺いしているところでございます。
 いただいた御意見、御提言を参考にさせていただきまして、来年度上半期の第二次高等学校整備計画─これは仮称でございますけれども─策定に向けた検討を進めていきたいと考えております。
〇平沼健委員 そういうことなんでしょう。
 私が危惧するのは、やっぱり今までの形をずっと見ていますと、私の地元もそうですが、地域、広域で田野畑あるいは川井高校がああいう形で廃止されましたね。そうすると、やっぱり地域で高校がなくなると、その地域が本当に活力を失ってきているんですよね。
 やっぱりこれは、人口が減っていく、中学校卒業生が当然減る、そうすると高校が再編ですよ、あるいは廃校にしますよとか、あるいは学級数を、4から6が適正だという話ですけれども、それが2になり、1になり、それで廃校、そういう形につながってきていると思うんですが、そこを心配するんですけれどもね。
 それで、皆さん方は4から6学級というのが人数的に、子供たちにとっては将来的にすばらしいんだというお話をよくおっしゃいますけれども、確かにそれは、多ければ多いほど、お互いに切磋琢磨してすばらしい形が出てくるとは思います。ただ、やっぱり反面、少人数というか、そういうような形のすばらしさが、まだまだこれはあるわけです。今でも高等学校で1学年2クラスとか、そういうところもあちこちにございますし。
 だから、何を言いたいかというと、例えば2学級のときには定員40人、80人前後でしょうか、80人以下でしょうか、それを二つに分けてということなんでしょう。それで、今度はそれを1学級にするとか、そのような形がもしこれから出てくれば、これが今度はだんだん廃校という形になっていくんでしょう。
 やっぱり財政というか財源のこともあるのは理解しますが、人数だけで40人というものに固執して、それによってがんじがらめになって、学級数を決めたり、あるいは統廃合を決めたり、そういうようなことが、この広い岩手県の県土で、これだけ大きな面積がある県土で、高校標準法というものがあって、教職員の定数とか、40人というのは決まっているようですが、それを度外視にするという言葉がいいんでしょうか、それに余りとらわれないで、岩手県は岩手県なりの考え方、そしてまた、県北・沿岸という一つの地域のいろいろな事情を考えて、やっぱり少人数教育というようなことも、いろいろな特徴として、そこの地域によっては、そういうことがこれから大いにあってもいいのではないか、そういう方向にあるべきじゃないかという思いがあるんですけれども、それについてはどうでしょうか。
〇上田高校改革課長 委員からのお尋ねでございますが、やはり小規模校は小規模校のいいところがあり、そういったことは評価すべきではないかという質問と理解させていただきますけれども、第二次県立高等学校長期構想検討委員会という外部の有識者によります検討委員会を平成20年4月に立ち上げまして、約1年半にわたって御検討いただきました。
 その中で、大規模校と比較しての小規模校の評価等についてもしていただいております。小規模校につきましては、生徒一人一人に対応したきめ細やかな指導ができ、地域との連携により進路や部活動の成果など一定の成果を上げている、このような評価をいただいております。ただ、一方で、生徒の科目選択の幅がやはり狭くなる、あるいは多様な進路希望があって、それらの対応あるいは学習内容の質の確保に困難な面が出てくるといったような課題も示されております。
 いずれにいたしましても、高校につきましては、学習活動を通じて社会性や協調性といったものをはぐくむ場でございますので、社会につながる前段階の役割を担っていくことが必要と考えております。
〇平沼健委員 同じ県内でも、やっぱり県央部、県南部に比較して、県北・沿岸部というのは、御存じのとおり、通学にしても大変なハンデがあるわけですね。そんなに多く高校が点在しているわけじゃないわけでして、そういうことを相当これは考えていかなければならないと思うんですよ。
 ですから、確かに人数が減ってくれば、統合ということはあるとは思うんですけれども、今でもこれはありますが、ただ、やっぱり最低でも2学級というものを維持すべきだというのが私の思いなんですけれどもね。
 それは、40人切ったから1学級だとか、そういうことではなくて、数だけではなくて、やっぱり今、特に都市部というか都会のほうでは、大人数学級というか、多くの子供たちがいる大規模な学校になじめない子供が出てきておるわけでして、そういうような子供の受け皿という表現がいいのでしょうか、少人数で心の教育というか、そっちのほうに重きを置いた高等学校という、いろいろなそういう特徴を持たせるような教育が当然できると思うし、これからこういうことが多くなってくると思うので、それをやっぱりやっていかなければならないと思うんですね。
 だから数字、あるいは40人とか、学級数が4から6とか、そういうものに余り固執されない、県北・沿岸にとって何がいいかというか、特に今は県北・沿岸振興ということで全県で取り組んでおるところでもありますし、学校がなくなるというか、そういうことがあると、本当にその地域が死んでしまうというか、本当に衰退していく、これはもう明らかなことでございます。
 この高等学校の再編というか、学級数の問題にしても、これは県北・沿岸の将来にかかわっていますので、これは法貴教育長の腕にかかっていると思うんですが、教育長の考え方を最後に聞いて、終わりにいたします。
〇法貴教育長 小規模校という定義はないんですけれども、小さい学級編制の学校のよさとか課題とかについては、先ほど高校改革課長から申し上げた答申を受けて、そういうふうに認識しているんですが、今、委員がおっしゃられました多人数になじまない受け皿としての高校教育みたいなものが確かにあることはあると認識していまして、画一的な一般論としての学校編制と、また、なかなかなじめない受け皿としての学校編制というものが両側からあるんだと思いますので、そういうことについても、今、各地域に行ってさまざまな御意見を伺っていますが、そういうことも考慮しながら意見集約をしていければと考えております。
〇斉藤信委員 今の平沼委員の高校再編の問題に関連してお聞きしたい。
 実は、県立高校のあり方に関する検討委員会の報告を踏まえて、第1回の地域検討会議が開催されました。私も盛岡の検討会議には出席しました。たくさんの意見、建設的な提案が出されたと思いますが、この第1回の検討会議で出された意見をどのように整理されているのか。
 第2に、これからすぐ第2回の検討会議、第3回の検討会議を年度内に開催して、今、答弁あったように、来年度早々には計画を策定するとありますが、第2回、第3回の検討会議はどういうテーマで議論を深めるのか、どういう資料や問題提起が県教委からなされるのか示していただきたい。
 そして、最後に、県教委は、来年早々にも再編計画を策定すると、その前に案を出してパブリックコメントもやると言っていますが、上半期というのは来年度すぐなんですよね。ここらの具体的なプロセスを示していただきたい。そして、実際にブロックごとにどういう高校をどう配置するかというのは、どこが提案して、どういう議論をされるのかを示していただきたい。
〇上田高校改革課長 まず、地域検討会議第1回についての出された意見の特徴あるいは整理についてのお尋ねでございましたが、県内9ブロック、高校の配置などを考える場合の基本単位をブロックと呼んでおりますが、県内を九つに分けております。その九つのブロックごとに検討会議を実施したところでございます。御出席いただいた委員の方からは、小規模校のあり方、あるいは少人数教育の推進、教育機会の観点からの通学に対する支援、あるいは地域の産業構造に応じた専門学科の設置、各高校の特色の明確化など、さまざまな意見をいただいたところでございます。
 この内容につきましては、会議録を作成させていただきまして、市町村長を含めました委員、さらには県議会議員の方々に送付させていただきましたほか、県のホームページにも掲載して県民の皆様に公表しているところでございます。
 次に、第2回目以降の進め方でございますが、第2回目の地域検討会議を予定しておりますけれども、第1回目の会議で出された意見をもとに、例えば学級定員に関する国の動向、それから各学校や学科の特色、あるいは部活動や進路の状況、さらに、各地域における通学の状況等に関する資料をお示しする方向で現在検討を進めているところでございます。
 会議におきましては、これらの資料をもとに、地域の産業構造あるいは地域の振興方向、そういった地域の実情を踏まえた学校、学科の配置につきまして、委員の皆様の御意見を賜りたいと考えております。
 また、地域の一般の皆さんを対象とした今後の県立高校に関する地域別懇談会を現在、各ブロックにおいて開催しているところでございます。この懇談会で出された意見についても、検討会議にお示しして、議論を深めていただきたいと考えております。
 それから、今後のプロセスでございますが、今年度内にできる限り機会をたくさん設けまして、地域の方々から御意見をいただきたい、あるいは議論を深めていただきたいと考えております。先ほど申し上げました地域検討会議をさらに2回、計3回、それから一般の方々を対象とした地域別懇談会を、今、開催しているものに加えてあと1回、計2回開催することとしております。
 あわせて、地域から御希望があった場合には、どのような単位でも結構でございますが、出前懇談会を実施するということでお知らせさせていただいたところでございまして、きめ細やかに意見を伺ってまいりたいと考えております。
 来年度におきましては、これは仮称でございますが、第二次県立高等学校整備計画、来年度、おおむね第1四半期をめどに案を公表させていただき、パブリックコメントの実施、あるいはそれに伴います、ブロックごとになろうかと思いますが、地域での説明会も考えております。上半期を目途に策定したいと考えております。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、大変たくさんの意見が出されて、会議録も出されて、私も目を通しました。これを本当に酌み取って論議を深めるというのは大変なことだなと思いましたが、地域における地域と結びついた高校を残してほしいという思いが大変強く出たと私は思います。
 それで、問題は、佐々木室長は盛岡の会場で、学校、学科の配置がこれでいいのかということを2回目以降討議いただきたいと。この学校、学科の配置が、最終的には一番のポイントになってくるわけです。これは、第2回、第3回にどういう形でこの学校、学科の配置のあり方というのが提起されるのか、これは自主的に議論されるのか、これが第1点。
 あと第2点は、今、プロセスをお聞きしましたけれども、来年度の上半期で策定すると。今の答弁だと、来年度に入ってから案を公表して、パブリックコメントをやって、これを全部上半期でやると。そうすると、来年度早々に案を出すということで理解してよろしいですか。
〇上田高校改革課長 お二つお尋ねをちょうだいいたしました。地域検討会議という場を私どもで設けさせていただいて、意見なりをちょうだいしております。その場合、議論はどうなるのかということでございますが、ぜひ、さまざまな意見を私どもちょうだいする、あるいは委員間で、例えばどうしたらいいかということでの議論を深めていただくというふうになっていくようにと考えております。
 ある一定の方向性とか、あるいはそういったものが出ましたならば、私どものほうでも受けとめさせていただいて、ぜひ来年度策定予定の計画に可能な限り反映させていきたいと考えております。
 それから、プロセスについてのお尋ねでございますが、繰り返すようで恐縮でございますが、第1四半期には案をお示ししたいと考えております。その後、大体上半期を目途に案を策定ということでございます。その間にパブリックコメントの実施、あるいは説明会の実施等のスケジュールが入ってまいりますので、そういったことでは支障がないように、十分なスケジュールをとった上で、案を示す時期についても考えてまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 それでは、まとめて聞きます。2点質問があります。
 最初は、学校図書室の充実についてお伺いします。
 小・中・高の学校図書室を活用させるための活動、これまでの活動実績、平成21年度ということでも結構です、示していただきたい。
 そして、あわせて学校図書室における司書の配置、司書がどれだけ配置されているのか、実績数を示していただきたいと思います。
 それから3点目、平成21年度においては、子どもの読書活動推進事業を展開しておりますが、その成果と課題を示していただきたいと思います。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 学校図書館は、児童、生徒の主体的な学習を支える学習情報センターとしての機能と豊かな想像力をはぐくむ読書センターとしての機能、二つの機能をあわせ持つことが強く求められております。
 この趣旨から、各小中学校ではこれまで、国語科における読書学習、社会や理科、総合的な学習の時間の調べ学習、そして昼休みや放課後の自由読書のための貸し出しや図書ボランティアによる読み聞かせ会などの図書館の活用を行っております。さらに高等学校では、教科学習を深めたり確認するための学習活用やディベート等の言語能力の育成のための学習活用など、学校図書館を児童、生徒のために、各学校の状況に応じて教育活動の中で積極的に活用を進めております。
 また、図書館を運営する側の教員の研修として、平成16年度から小・中・高等学校の司書教諭と学校図書館担当教諭を対象とした学校図書館担当者研修講座を各教育事務所単位で実施しております。これにおきまして、図書館の環境整備や蔵書の整理の仕方、担当者の役割や学校の体制づくり、各教科等の授業における活用等について、教員が学び、児童、生徒の学校図書館を活用した読書活動を支援することができるよう、活用の仕方とその充実に向けた取り組みを進めてきております。
〇及川参事兼教職員課総括課長 私のほうからは、司書教諭の配置の状況についてお答えいたします。
 学校図書室への司書の配置につきましては、学校図書館法及び関係法令によって必置義務がありますのが12学級以上を有する学校でございますが、これらについては、県内すべての必置義務のある学校に司書教諭を配置しているところでございます。
 具体的な配置数といたしましては、高等学校38校、特別支援学校7校、小学校98校、中学校44校でございます。
〇錦生涯学習文化課総括課長 子供の読書活動の推進に係る成果と課題についてでございますが、県ではこれまで、第1次岩手県子どもの読書活動推進計画に基づきまして、読書ボランティアや学校図書館担当者の研修、各地区における読書活動推進体制の整備等を行います子どもの読書活動推進事業を初めとした事業を施策として展開してきたところでございます。これらの取り組みによりまして、小・中・高ともに読書冊数が増加しております。全校読書に取り組む学校も増加しております。また、読書ボランティアを活用する学校も増加するなどの成果が見られたところでございます。
 一方で、この第1次計画を進めた結果といたしまして、中・高生の読書離れといった問題ですとか、学校以外での読書時間が十分ではないなどの課題が依然として見受けられることから、昨年6月に策定した第2次計画いわて子ども読書プラン2009に基づきまして、新たに、教育振興運動において読書活動の推進を全県共通課題に位置づけて取り組んでおります。また、これは平成22年度からですけれども、中・高生を対象としたブックリストお薦め図書100選というものを作成したいと考えております。また、子育てに活かす読書活動推進フォーラムを10月24日開催する予定でございまして、こういった取り組みを含めまして、豊かな本との出会いを通し、進んで読書に取り組む環境づくりのための各種施策に積極的に取り組んでいるところでございます。
〇飯澤匡委員 ただいま答弁にありましたように、教員が司書を兼務しておるということになっております。これは、いろいろな予算の張りつけ等、大変に人件費が伴いますので専門司書ということはなかなか難しいかと思いますが、今の学校の中における先生の役割というのは大変煩雑になってきておりますし、この学校図書室を充実させる、図書館を充実させるというところまでどの程度余力があるかということだと私は感じておるんですが、その現状についてどのように把握しておりますでしょうか。
〇法貴教育長 図書司書を専任で置くということは、教科の専任教員がかなりぎりぎりのところでやられているところで専任教諭というのはなかなか難しい配置になりますし、学校現場も、図書司書と専任教員どちらをとなるとやっぱり教科の担当をぜひ置いてほしいみたいな要望も多く出ているところで、なかなか司書教諭を専任で置くことは難しい状況ですが、各学校の校務分掌の中で、司書教諭を兼任ということになりますと、校務分掌の中で全体の、校長先生の判断で過重にならないように調整してやられていると認識しております。
〇飯澤匡委員 これは、先ほど話のあった一つの国家の制度設計、教育長の好きな言葉の制度設計、そういうことになると思うんですが、一つ課題として、やはり今の子供たちが創造力豊かな発想を持つということ、それから今、情報がはんらんしている中で、情報をいかにとるかということだけに専念をしてしまう。そして、思慮深い判断力、考える力を育成するには、やはり本になじむということ、そして歴史、文化、特に先人の果たしてきた時代における役割などをしっかりと学ぶということは、私は大切なことだと思うんです。今の答弁でありますとやれることは今のところやっていますが、まだまだ私は、予算の配置だけではなくて、学校図書館の充実についてはもう少し力を入れなければならないと感じております。
 一方、各地域、市町村で、みずからの市立図書館であるとか町立図書館を充実させるという意味で、さまざまな活動が最近かなり積極的になってきております。その中で、各市町村の教育委員会、各学校、そういう行政との連絡の中で、行政図書館の、あるいはそういう司書の方であるとか、いろいろな交流の中で図書館活動を充実させるということも一緒に考えていったらいいのではないかと思うんですが、その点について、どのような所感とこれからやっていこうとするつもりがあるのか答えていただきたいと思います。
〇錦生涯学習文化課総括課長 委員御指摘のように、現在、公立図書館が学校支援などに取り組んでいる例はかなりございます。具体的には、図書館がボランティアを学校に派遣して生徒の指導に当たりましたりとか、あと、その学校にアンケートをして人気の高い書籍を選書するなどの取り組みを行っている図書館もございます。また、その図書館の職員が町内の小中学校を巡回しまして、学校図書館業務の支援を行っている図書館もございます。
 こういった学校と公立図書館との連携の取り組みについては県教委としても後押しをしていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ぜひ県の教育委員会のほうで、市町村のほうに図書館を、学校図書館もそうですが、行政図書館とのいろいろな交流、そしてまた、その活動を融合させて、よりよくさせていくような指針になるものを定めて市町村に啓発、啓蒙していただきたいと思っております。それは最後、教育長にお伺いします。
〇法貴教育長 県立の図書館の業務にも市町村の図書館とのネットワークの形成みたいなものが中に入っていまして、各館長さんとの話し合いの中で、市町村の図書司書あるいは図書館との連係プレーをぜひ濃密にやっていただきましょうということを私の口からもお話ししているところでありまして、指針というところまでいっているかどうかわかりませんけれども、いずれそういうネットワークづくりと、その資質の向上の研修みたいなものはぜひこちらでもやっていきたいと考えています。
〇飯澤匡委員 なかなか学校現場の人たちは学校以外のところには出たがらないですよね。だから、ある程度県教委のほうでも市町村教育委員会のほうにそのような形でしっかりとそういう考え方を伝えていただきたいと思います。
 それから、第2点目に移ります。英語の学力向上について伺います。
英語検定のそれぞれの級のレベルの英語力を身につけている生徒の割合、中学生では3級レベル、目標値50.0に対し実績値は27.4、高校生は準2級、目標値35.0に対して31.0と、ともに達成度はD判定ですね。これは大学の判定だと不可です。特に中学生の低い達成度はひどいです。低落だ、これは。この間の取り組みと改善策を示していただきたい。
 それから、平成21年度においては、中学生の英語力を客観的にはかるテストを導入したとしていますが、結果をどのように分析して今後の英語の学力向上に生かすのか示していただきたいと思います。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 英語の学力向上の取り組みと改善策についてですが、御指摘にあったとおり、本県における英語力が低いことを踏まえまして、平成21年度に英語力向上プロジェクト事業を立ち上げ、県内の中学校第3学年の英語担当教員全員を対象とする研修と、生徒の英語力を客観的に把握するためのテストを導入したところであります。また、テスト結果を受けて、各地域の指導主事によるすべての中学校を対象とする学校訪問指導や地域での研修会を実施し、改善に努めてきたところであります。
 次に、テストの結果についてでありますが、目標値に照らした場合、全体的に御指摘のとおり厳しい状況であるという認識を持っております。また、分野別に分析した場合、特に読解力と文章構成力が不足していることもとらえております。
 今後の対応についてでありますが、プロジェクト事業と連動して、数学、英語に特化した学力・授業力向上担当チームによる個別の学校訪問指導や授業力向上セミナーに加えて、各地域の指導主事による学校訪問指導を継続して、学校現場とともにこの課題を共有し、きめ細かな指導、改善に向けた支援を実施してまいりたいと思います。さらに、この中で改善効果が見られる優良な取り組み状況、いわゆるベストプラクティスの収集、並びにこの普及を図ってまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 話す英語も大事ということで、ALTの招致事業、これは大分国のお金もなくなってきたので、最近はNS―ネイティブスピーカーの、これは民間会社を利用したということになっていますが、そこら辺のバランスが余りにも、特に中学生においてしっかりとしなければならない先ほど御指摘のあった読解力であるとか、それから文章の構成力であるとか、そこら辺がやっぱり少しおろそかになっていて、さらにALT事業がだんだんやめになってきて、今度はNSという、私はかつてから指摘をしておるんですが、非常に実力差の幅の大きい方々が来て、どうもどういうふうにして授業に組み入れていくのか。本当にその授業の組み立て方が非常に脆弱といいますか不安定と申しますか、そこら辺にも影響があるんじゃないかと思うんです。今後、こういうNS、ネイティブスピーカーの方々の組み入れ方を初め、本当の意味での中学生が必要な基礎的な英語の実力をつけるためにそういうカリキュラムのあり方というのも考えなきゃならないと思うんですが、その点についてはどう考えておりますか。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 現在の中学校での英語の授業の状況でございますが、ALT及びNS等の活用について、さまざまな工夫がどの学校でも行われながら、子供たちにわかりやすい授業ということで取り組んでいる状況にございます。
 英語の4能力、聞く、話す、読む、書く、この四つを、英語担当教員とALTあるいはNSとのコンビで何とかバランスよく育成するという授業の工夫がなされている状況にはございます。しかしながら、先ほどのさまざまなテスト結果においては、読解力とか長文の構成の読み取りとかがなかなか身についていない、こういう分析をして、英語担当教員とネイティブスピーカーとの打ち合わせ等でさらに授業の中で工夫、改善していくというふうに考えているところです。
〇飯澤匡委員 私、多分、余りにも話す英語の部分に安易に入っちゃって、肝心なところをちょっと失った感があるんですよ。今の答弁だと打ち合わせしながらやると言いますけれども、どうしても補完的な立場でしかNSを使っていないわけですよね。ただ、これを全部の中に取り入れるというのもまた難しい話で、やはりしっかりとした基礎学力をつけるということをしないといつまでたっても英語の成績が低レベルで推移していると。これは全国的にそういうふうな発信をされるとやっぱり情けないですから、この辺はしっかりやっていただきたい。
 特に、再度申し上げますけれども、NSの使い方については各学区ばらばらです、学校によって。教育委員会もなかなかそこは統制できない。ただ流れの中でやっていくんじゃなくて、しっかりとした立場と、それからここまでやるという指導要領もきっちりと決めてやっていかなければ私はだめだと思います。
 最後に、所感を聞いて終わります。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 NSについても、今、各学校でさまざまなメリット部分をとらえながら、授業の場面、場面で活用するということで取り組んでいるところでございます。御指摘のとおり、まだ各学校でばらつきはございますけれども、優良な取り組み事例等を、各地域ごと、事務所ごとの研修等で広めながら、できるだけベストプラクティスという形で全県に広げていくということでNSの活用についても考えていきたいと思います。ありがとうございます。
〇佐々木博委員 それでは1点だけ、10款1項3目教職員人事費の中の教職員互助会補助について伺いたいと思います。
 この補助の中身についてまずお伺いします。
〇及川参事兼教職員課総括課長 教職員互助会に対する補助の決算額の中身でございますが、これは、人件費及び事務所の借り上げ費用の2分の1相当額を補助したものでございます。
〇佐々木博委員 この職員互助会への補助ですけれども、平成16年だったと思いますが、随分全国的にも大きな争点となったことがあります。大阪市なんかが大分マスコミにたたかれたと思いますけれども、そのとき私も調べましたら、本県は東北6県の中でも突出して高かったんですよね、補助額が。それで、平成16年のたしか9月定例会だったと思いますが、一般質問でこのことを指摘させていただきました。その後、包括外部監査も出されて、やはりこの補助は適当じゃないという監査報告だったと思います。
 それで県は結構それに対して取り組みが早くて、翌平成17年度には補助金額を大幅に削減したんですね。そして、翌平成18年度には、県職員、それから医療局の職員、警察職員の互助会に対する補助はなくなりました。どうして教職員互助会へだけの補助が、これは平成22年度はなくなっていますからこれが最終の補助だったわけでありますが、どうして平成21年度まで続いたのか伺いたいと思います。
〇及川参事兼教職員課総括課長 教職員互助会の場合は、他の互助会等と比較いたしますと抱えている会員数が非常に多いということもございまして業務量が相当あったということで、まず、ほかの互助会にはない専任の職員を抱えております。県職員が便宜供与の形で通常の事務を行いながらこちらの互助会業務を支援するという形ではなく、専任の職員、それから専用の事務所が必要でございました。そういう特殊性があったものですから、これらに対する補助を2、200万円余継続してまいりました。
 今年度につきましては、他の互助会の状況ももちろんございますし、それから教職員互助会とも協議を進めてまいりましたが、教職員互助会自身、事業をいろいろ見直していただいて、人件費等をみずから負担しても運営の根幹を揺るがすようなことがないと判断いたしまして、平成22年度、今年度からは廃止いたしました。
〇佐々木博委員 教職員の互助会の会員が多いからと。それで専用の職員を使ってやっていたからというお話でありますけれども、私から言わせますと、互助会の会員が多ければ十分人件費も賄えるんじゃないかと。小さいところだったらそれは大変でしょうけれども、反対にそう思うんですが、互助会の会員ってどれほどいらっしゃるんですか、人数は。
〇及川参事兼教職員課総括課長 今年度、平成22年9月1日現在で会員は1万4、219人でございます。それらの会員の被扶養者の方も対象になっておりますので、同程度の人数がまたおります。ということで、対象となる人数は2万8、000人ほどになります。
〇佐々木博委員 二千二、三百万円の補助金ですよね。1万4、000人もいれば、1人月150円も上乗せすればおつりが来るんじゃないですか。人数が多いということは、十分それだけで賄える。もともと互助会というのは、相互扶助の精神にのっとって、会員が拠出して会費で運営するというのが原則ですよね。
 1万4、000人もいて、私は年間2、200万円の負担もできないという、それはちょっとおかしいんじゃないかと思いますし、加えて言えば、実は県の補助金が岩手県は他県と比べて高かったですから、平成16年当時、すごく互助会は剰余金があったんですね。責任準備金ですか、正式名称は、あったはずなんですよ。今、財政状況どうですか。恐らく財政状況悪くないでしょう。当時は商品券を配ったり眼鏡の補助を出したり、すごく財政豊かだったわけですね。どうなんですか、その辺ちょっとお伺いしたいんですが、いかがですか。
〇及川参事兼教職員課総括課長 包括外部監査の際にもそれらの積立金等の状況について監査をいただきましたが、例えば福利厚生事業の積立預金とか短期給付事業の積立預金とか積立金分がございましたが、これらについては特に問題はないと。その包括外部監査の時点では特に問題とはなっておりません。
 運営状況につきましては、毎年度見ておりますが、大分余裕が出てきたということで、激変緩和ということもございまして、そういう教職員互助会の特徴である専任職員、専用の事業所もございまして補助はやってまいったんですが、他の互助会の状況等も見まして、これ以上続けることはやはり県民の皆さんの納得もいただけないと判断いたしまして、平成22年度から廃止したということでございます。
〇佐々木博委員 平成22年度から廃止になっていますので余りいつまでもあれはしませんけれども、ただ、会員相互で会費で運営することが原則で、しかも1万四千何百人も会員がいて、1人1、500円出したら二千何百万円なんて出るじゃないですか。1人1、500円といったら月に100円ちょっとでしょう。しかも、財政状態がいいはずなんですよ。全然困っていない。会員が少なくて専業がいたら、それは大変だから幾らか補助しましょうという話は通りますけれども、これだけ人数がいて、1人月額百何十円か負担すれば賄えるのに、それを今まで継続してやってきたというのは、私はこれはやっぱりうまくなかったと個人的には思っているんですけれども、ちょっと教育長の見解を後で伺いたいと思います。
 なぜこの問題を取り上げたかというと、なかなか財政状況が厳しくて教育予算もふえていないわけです。本当は教育予算、多分もっともっと皆さんも必要だと思っていらっしゃるでしょうし、私もできれば教育予算はもっととれればいいと思っていますけれども、なかなか状況が厳しい中で確保できていない。
 そうなりますと、この教育予算の中の若干見直しが、私はこれからの予算編成に当たって実は必要じゃないかと思っているんです。これ以外にも実は指摘したいことが何点かあるんですが、その場所じゃないから今はあえて言いませんけれども、ぜひともそういった問題についてもう一遍本当に見直しをしていただいて、それで来年度の予算編成に当たっていただきたい。そういった思いでこの問題を取り上げたわけでありますけれども、法貴教育長の御所見を伺って終わりにします。
〇法貴教育長 教職員互助会への補助金というのは、教育長になってからやはり少し見直すべきだという感じを持っておりましたので、その団体とも十分話し合って今年度からやめさせていただきました。
 それから、事業の見直しの件については、各年でやはり予算編成が厳しくなっておりますので、委員御指摘のような、例えば無駄があるということであれば、そういうものはゼロベースで見直してきちんとした予算編成をしたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 まず、高校再編についての前に、先ほど法貴教育長から決算の説明がありましたけれども、繰越明許の説明で、内容説明はいいんですけれども、なぜ繰り越しになったかという部分の説明というのが大きいものについては必要かなと思いながら聞いていたんですけれども、その辺はどうでしょうか。
〇法貴教育長 詳しく説明は申し上げませんでしたが、経済対策で6月、9月、2月と緊急に措置した分が、翌年度に繰り越しの事業を当初から想定してつけているものもありましたので大きくなっていると考えています。
〇嵯峨壱朗委員 かなりの額だったので、内容と同時に理由も説明すればなと思ったので指摘したまでのことであります。
 高校再編について質問いたします。
 先ほど平沼委員のほうからも質問がございましたけれども、12月24日からことしの2月28日までパブリックコメントを行ったわけですけれども、パブリックコメントでどういった意見が多かったのかということをお伺いしたいと思います。
〇上田高校改革課長 昨年になりますが、今後の高等学校教育の基本的方向(案)をお示しいたしました。これは、先ほど触れさせていただきました長期構想検討委員会の報告を受けて、県教委としてまとめさせていただいた案でございました。これをパブリックコメントにかけさせていただいております。平成21年12月24日から平成22年2月28日まで、一応パブリックコメントの規定でございますと1カ月以上となっておりますが、2カ月余り、かなり長い期間をとらせていただいたところでございます。この間、パブリックコメントに基づいての、例えば郵便、ファクスあるいはメール、さらには説明会も行いましたので、その場での御意見等もちょうだいしたところでございます。
 全体といたしましては523件の御意見をちょうだいいたしましたが、その中で主なものを申し上げますと、やはり学級定員についてのお話がございました。40人定員についての是非、可否についてのお話が多かったと存じます。さらに、学校規模に関してのお話もございました。これは、望ましい規模を4ないし6学級程度とさせていただきました。その前提といたしまして、高校標準法で本校の場合には240人が基本だということで記述はさせていただきましたけれども、やはり4から6学級というところに焦点を当てての御意見がございました。それから、学校配置につきましてもかなりの御意見をちょうだいしております。そういったことでは、地域の産業あるいは振興方向に配慮した学校、学科の配置が必要ではないか、こういった御意見でございました。主なものはそういった御意見だったと承知しております。
〇嵯峨壱朗委員 やはり先ほどの平沼委員の質問じゃないですけれども、学級定員というのに関心が非常にあったやに私も聞いておりました。
 高校標準法というのは確かにあって、平成14年かな、改正になったんですかね。それで以前よりも柔軟に、定員を見直してもいいという方向になったように聞いております。そして、このいろいろな意見の中には、青森県では30人から35人の定員にするという話を聞いたとありましたけれども、実際に青森県はそういうふうにしているようなんです。その中で、国の学級編制や教員定数の改善に向けた動向を踏まえて対応という形で県教委では答えているわけです、そういったものに対して。国の動向というのはまずどういうふうになっているのか、現在わかるところで教えていただければと思います。
〇中山首席経営指導主事兼県立学校人事課長 国の動向についてでございますけれども、今後の高等学校教育の基本方向を策定いたしました本年3月時点におきまして、学級定員のあり方に関して、高校標準法の基準に基づき策定することとしたところでありますが、国においては新たな定数改善等の検討が進められていましたことから、この動向を踏まえることが適当と考えた次第でございます。
 続きまして、どのように対応するのかという御質問についてでございますが、国の概算要求で示された新たな定数改善計画(案)におきまして、習熟度別の少人数指導の充実等にかかわる定数改善等が示されたところであります。しかし、標準法に基づく学級定員につきましては現行どおりとされたところから、現時点では、それをもとにして対応することが適当であると考えております。
 三つ目の、青森県において30人学級を実施している、岩手ではなぜできないんだろうかというような趣旨の御質問だったと承っておりますが、青森県のシステムについて評価することは差し控えたいと思いますけれども、県単の定数で措置しているとは認識しておりません。本県において同様の対応を図ることについては、教育水準の確保等の観点等を踏まえれば非常に難しいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 実際に青森県だけではなく、全国で見るとやっているところがありますよね。それはつまり、やろうと思えばできるということですよね。それを岩手県はなぜしないのかというのが関心があるところなんですけれども、その辺についてはどう考えておられるのか。
〇中山首席経営指導主事兼県立学校人事課長 教職員定数の算定についてでございますが、高校標準法に基づいて算定されるわけでして、1学級の生徒の数というのは40人を標準とすると示されております。ただし、やむを得ない事情がある場合及び高等学校を設置する都道府県または市町村における生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合についてはこの限りではないと定められておりますので、御指摘のとおりなわけです。
 ただし、本県で35人学級をすべての学年で実施いたしますと、県立学校で210名の教職員の増加が見込まれます。所要経費、大ざっぱに計算しますと大体11億円ぐらいになるんでしょうか。県単での実施というのは非常に難しいわけです。よって、1学級の生徒数を40人を標準としまして教職員の定数を条例で本県では定めているわけでございます。
 少し長くなりますけれども、平成22年現在、本県の1学級当たりの生徒数は全日で37.4人です。定時制は13人です。すると全体では既に35.8人の状況なわけです。こういうことを考えますと、標準法による職員の配置は学級数で配置されるわけではございませんので、定員の生徒数によって配置されます。そうしますと、40人学級としておいたほうが多くの教職員の数を国のほうから配置いただける、このように考えておりまして、40人学級として教職員定数を多く配置していただいたほうが有利ではないのかと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 驚くべきというか、普通高校の37.4人と定時制13人を平均すれば35人は達成するみたいな、そういうレベルの話じゃないですよね。それ自体がまずおかしいですね、計算として。
 そういうのではなくて、結局、県単の部分、負担がかかるのはそのとおりです。それはどこの県も一緒だと思うんですよ。にもかかわらず、そういった選択をしている県とそうじゃない県がある。岩手県はしていない。なぜかということを聞いているわけです。
 クラスが2クラス以上とかどうこうというのも、35人にすることによって2クラスにすることができるかもしれないじゃないですかということなわけですよ。
 そして、先ほど来県北・沿岸とかどんどん減っていくところについてはそういった基準でやってもいいだろうというふうな話につながっていくわけですね。ですから、なぜなのかということです。ほかの県ができたのになぜできないのか。
 今の理由はそのとおりです、一般的な話です。つまり、財政上、高校教育にはこれ以上金はかけたくない、そう判断したということですか。
〇中山首席経営指導主事兼県立学校人事課長 もう少し具体的にお話しさせていただきたいと思います。
 例えば、40人学級の4クラス、3学年といたしますと480名の定員になるわけでして、標準法上、28人の教員配置が可能となります。1人の教員に対する生徒数というのは大体17.1人になります。そうしますと、1学級に2人の職員を配置することが可能となるわけです。ところが、35人、4クラス、3学年とすれば420名の定員で、教職員は24人の配置となります。1人の教員に対する生徒数は17.5人で、1学級に職員2人を配置して、あと全然余裕が生まれないわけです。ところが、40人学級の場合は、1学級に2人を配置してさらに4人余裕が生まれるわけです。どう考えてもこのほうが本県の教育全体を考えた際にある一定の教育水準を維持できると考えているわけでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうしたら、先ほどの何人教師が必要で11億円負担になるというふうな説明をしないほうがいいんじゃないですか、最初から。本県の高校教育にはこういった40人定数のほうがはるかに、今、説明があったように教師の配分も有利だし、そういう意味でこういう選択をしたと説明すべきじゃないですか、財政の話じゃなくて。どうですか。
〇法貴教育長 先ほど冒頭に青森県とか他県で県単定数をつけないでやりくりしているというお答えをしたと思いますけれども、それは標準法全体の中で、例えば4人配置しなければならない高校のところを、定数を割って講師にして1人を2人分に計算してというふうなやり方をして、県単を標準法の1を割り返して配置しているというシステムにはなっているんですけれども、そういうシステムのあり方よりは、財政的な事情を私は余り話はしたくないんですけれども、教育の質を維持するためには、やはり正規の職員で標準法どおりきちっと配分したほうがいいということで、他県のシステムを評価することは差し控えたいという答弁をさせていただいているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 財政の問題もないわけではないということはよくわかっています。ぜひ、本県のさまざまな、広いということも含めた、あとは中山間地域が多いとか、そういったものを考慮した上で定数を、せっかくの機会ですから柔軟に考えていっていただきたいと思います。標準法の中に、たしか設置主体による柔軟な取り組みが可能であるというふうな部分が出ていますので、そういった意味において、どういったあり方が最も高校生にとっていいのかということも踏まえて今後検討していっていただきたいと思います。
 次に、教育委員会所管の建設関連業務の入札についての今年度の状況をまずお示し願いたいと思います。
〇宮野学校施設課長 平成22年度のこれまでの入札結果でございますけれども、設計委託料等の積算基準の全面改定等もありましたけれども、これまでのところ全部で13件執行してございまして、落札率が60%以上70%未満が1件、それから80%以上90%未満が5件、90%以上が4件となってございましたが、9月補正でこの間御議決いただきました分3件について、10月12日に設計業務2件、それから地質調査業務1件を執行したところ、13%から23%の落札率ということで低入札があったという状況でございます。
   〔「適切なんじゃないの」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗委員 そうらしいですよね。つまり、どれが適切かというのはわからないところですけれども、9月補正をやって予算どりしたと。この間やったばかりですね。それが実際には、例えば1、400万円の予定価格だったのが286万円ですね、1件については、設計。そしてもう1件は、800万円だったのが194万円とか、今言われた数字ですよね。これをどのように考えていますか。先ほど全面改定という言い方がございました、積算方法の。そういったものも含めてちょっと説明願えればと思います。
〇宮野学校施設課長 今回、低入札になった落札の状況でございますが、今、金額、委員からお話しございましたが、3件について、杜陵奥州校体育館整備に係る設計業務につきましては、予定価格が1、122万5、400円に対しまして落札額が194万円、落札率17.28%という状況でございます。それから、一関一高附属中学校体育館整備に係る設計業務につきましては、予定価格2、171万9、400円に対しまして、落札額286万円、落札率が13.16%。それから、杜陵奥州校体育館整備に係る地質調査業務につきましては、119万2、000円の予定価格に対して落札額が28万5、000円、落札率が23.91%という状況でございました。
若干先ほども申し上げましたが、設計関連の業務委託、設計でありますとか監理業務でありますとか、こういったものにつきましては、御案内のとおり、本年4月から県営工事における積算の基準あるいは要領が全面改定になっておりまして、全体として、その積算額、予定価格ですが、これについては大幅に増額になっているというように考えております。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、今回の入札前の10件についてはいずれも60%以上でございました。そういう意味では、今回、非常に低入札があったということでございますが、その辺のことにつきましては、今回、7月から県土整備部のほうにおきましては設計関連業務につきましてもいわゆる最低制限価格が設定されております。県教育委員会におきましては、そういった状況等も見ながら、来年度から導入を予定していたところでございます。
 こういった状況につきましては、最低制限価格導入を我々はしておりませんけれども、基本的には、そういった競争原理の導入による経済性の追求ということもありましょうけれども、一方において、こうした経済状況を受けて、こういった低入札、いわゆるダンピングというものが非常に多くなる状況になりますと、業務の質の低下でありますとか、あるいは労働条件の悪化とか、そういったことにもつながりかねないということで、7月から県土整備部のほうでは導入したと思っておりまして、今回、県教委においてもこうした低入札がございましたので、速やかな導入について検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 県土整備部自体がそうだったわけですね。来年度ということですけれども、やはりこういった事態が生じるということは、品質確保の問題もそうですし、大丈夫かなと。この間、9月に補正を通したばかりですからね。じゃ、補正で通したときの積算となっている金額はどこから来ているんだみたいな話になってしまうので、そういった意味で言うと、来年度と言わず前倒しという方向で進めていっていただきたいと思いますし、そうすべきですね。そういうことで、一言あればお願いします。
〇宮野学校施設課長 先ほど御答弁申し上げましたとおり、教育委員会のほうで今年度予定しているものは監理業務が年明けに1件ございますので、その前に最低制限価格の制度について導入をしたいと思っております。
〇三浦陽子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休 憩
午後1時5分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 あすの農林水産部の審査につきましては、10月14日の当委員会で決定したとおり、第1部、第2部及び第3部に分けて審査することとし、第3部では、森のトレー事案についてまとめて審査することとしておりますが、第3部の審査の運営等について、本日、世話人会を開いて協議した結果について報告いたします。
 さきの総括質疑での各委員からの要請を踏まえた対応等について、第3部の審査に先立ち、宮舘副知事及び農林水産部長から報告を求めることとしたいと考えますが、これに御異議ございませんか。
〇柳村岩見委員 今の世話人会の報告ですが、宮舘副知事は、決算特別委員会に報告したい、このような要請が委員長にあったのですか、それとも議会に報告したいと言っておられるのでしょうか、どちらでしょうか。
〇三浦陽子委員長 決算特別委員会に御報告をさせていただきたい─決算特別委員会から報告を求めることとするということです。
〇柳村岩見委員 そうですか。そうすると、宮舘副知事は、議会に報告するという感覚と決算特別委員会に報告するという感覚をきっちり整理しておっしゃっておられるのかは、委員長は判断できませんね。
〇三浦陽子委員長 はい。
〇柳村岩見委員 要は、ここの決算特別委員会というのは議長を除いております。議員1人を除いた特別委員会であります。議長を除いたところに報告するという副知事の作法でしょうか。それとも、それをきっちり認識の上で、議長がおられない特別委員会であるけれども、それでも特別委員会でよろしいのだという御判断なのかは、後日談になるのでしょうか。
〇三浦陽子委員長 さきの総括質疑での各委員からの要請を踏まえた対応等について、宮舘副知事が御報告をしたいということと私は解釈しております。
〇柳村岩見委員 そうであればそれで、まず方向性はそれでよろしいと思いますが、ただ、副知事が出てこられて説明をされる、それは議長を除いた特別委員会であるということは、議会に報告をしたいという意味ではないのだということを当局の皆さん、あるいはまた事務局の皆さん、作法上はそういう解釈だということをきちんととらまえておかないといけないのではないかという、以上であります。
〇菊池勲委員 我が会派の世話人からその話の説明がありました。議長を除いている組織でありますから、議会の権限よりはずっと下に位置するところに、我々は今、議論しているわけですよね。決算特別委員会の中でね。ですから、副知事が来て説明して、それに質問は受けないという話をうちの世話人が言ったものだから、そんな話はどこにもないだろうと。
 果たして議長を抜いた委員会の中で、そんな大事なものを副知事が来て説明して、果たして成り立つのかという話になっているんですよ。この判断は、委員長の判断でこれを決めたとするならば、その意味をひとつ具体的に説明してください。
〇三浦陽子委員長 世話人会で協議した結果、そのようになりまして、委員長の判断ではございません。
〇菊池勲委員 委員長の判断。
〇三浦陽子委員長 いいえ、委員長の判断ではなく、特にそういう意見がなかったので、そのままそのように決定いたした次第です。
〇菊池勲委員 世話人会がその判断で決めたといって、私は、それに不満を持っているから今質問しているんです。それでよろしいのかと。議長抜きの委員会で副知事が出て説明したこの大事な森のトレーの問題で、それに質問は受けないという話ですから、それでいいのかということですよ。それを聞きたいんだ。
〇三浦陽子委員長 菊池勲委員に申し上げますといいますか、個人としてということではなく、会派としてそういうお話になったということですか。
 ただいま菊池勲委員から要請があった件につきましては、後刻、世話人会を開いて協議いたしたいと思いますが、菊池勲委員、御了承願います。
 柳村岩見委員と菊池勲委員、今の要請につきまして、後刻、世話人会を開いて協議いたしたいと思いますが、御了承いただけませんでしょうか。
〇菊池勲委員 きょうの決算特別委員会が、この審査の日程の終了後に説明があると私は聞いておったんですよ。それとも、審査がすべて終わった後に世話人会を開いて報告して、副知事を呼ぶか呼ばないかの話になるんですか。それじゃおかしいんだよな。手順を委員長が今、説明したわけだから。
〇三浦陽子委員長 あすの農林水産部の第3部で副知事が御報告をしたいということについて、お諮りしたところでございます。
 ただいまの菊池勲委員からの要請があった件につきましては、後刻、世話人会を開いて協議いたしたいと思いますが、御了承願います。
〇菊池勲委員 これには、きょうは火曜日でしょう、19日。決算特別委員会終了後に、特別委員会室で森のトレーの問題で事業報告をしたいと書いてある文書をもらってあるんだ。そして、その報告資料をもらってあるの。これで聞いているわけさ。世話人会ではそういう話になりましたからとうちの世話人が説明したものだから、やり方が違うのではないかと。
〇三浦陽子委員長 菊池勲委員に申し上げますが、きょうの説明会は説明会でありまして、質疑につきましては、あすの農林水産部の第3部ということにさせていただくということで御了解いただいているところでございます。
 では、これから質疑を続行いたしますが、教育委員会審査では、この後、7人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。
〇及川あつし委員 簡潔にお聞きいたします。
 まず、学力調査についてでございます。
 この点につきましては、文部科学省から全国の教育委員会にアンケートがあったと伺っております。全国学力・学習状況調査については、2007年から3年間、全員参加という形をとられて、政権交代に伴って、本年度からですか、約3割の抽出方式に変更されたものであります。
 この文部科学省からのアンケートに対しては、全員参加方式の支持率は49%程度と伺っておりますが、全国の状況についてお知らせいただきたいのと、本県はどのような回答をされたのか、お示し願いたいと存じます。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 国の調査結果を見ますと、多くの都道府県が悉皆調査がよいとの結果であったととらえております。ちなみに、悉皆調査がよいと回答した都道府県は33都道府県ということで、7割となっております。
 本県の回答につきましては、本調査の主たる目的が児童生徒の学習状況を把握して、その後の児童生徒の教育指導や学習状況の改善等に役立てるということで認識していることから、本県も悉皆調査が望ましいと回答したところであります。
〇及川あつし委員 確認ですけれども、悉皆調査というのは、全員に調査をするという意味でよろしいですね。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 はい、そのとおりでございます。全員ということでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。私も最初読んで、何と読むかわかりませんでしたので、確認したまでであります。
 都道府県のうち33は悉皆調査のほうが望ましいと回答して、本県もそのようにされたということであります。
 教育長は、この点についてどういう御見解なのか、この点は非常に大事な案件だと思いますので、教育長からも、この点についての所見をいただきたいと思います。
〇法貴教育長 今、課長からお答えしたように、児童生徒一人一人の学習状況を把握して、それを還元して学力向上に役立てるという意味では、全員がやったほうがいいと考えております。
〇及川あつし委員 やっぱり私もこの調査というのは非常に大事なものであって、抽出調査でトレンドをはかるのが本来の趣旨じゃないと思っておりましたので、事業仕分けの対象になったときに大変に残念な思いをしていましたので、折に触れてこの点については意見をぜひ申し上げていただきたいと思っております。
 ちなみに、抽出方式に変わっても、希望利用方式というものも導入されて、結果として、全国的には、抽出校と、あとは希望利用という形で、総体的には7割程度がこのテストに参加しているという状況のようなんですが、本県の参加状況はどうですか。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 本県の希望の学校数でございますが、小学校で144校、中学校で46校、合わせて190校、抽出調査が232校ですので、合わせて422校、72.5%が今回の本県の参加学校数、率になります。全国が74.6%ですので、ほぼ全国並みの参加数ととらえております。
〇及川あつし委員 今の御答弁を私なりに解釈すると、政府で2007年から導入されたこの学力テストについて、やっぱり全員で参加すべきという考えが現場のほうでも多い結果が、結果として希望利用の方式のトータルでも72%に及んでいると理解しているところでありますので、この点を踏まえて今後対応していただきたいと思います。
 来年度以降の対応の中間の取りまとめも拝見しましたけれども、小学校についても、中学校についても、平成24年度以降ですか、対象となる学科、科目もふやすような方向にあろうと思いますし、これは、岩手県の学力の問題もありますけれども、日本人の国際的な中における学力の低下というものも懸念されている中でありますので、しっかりとこうした学力テスト等も通じて、学力向上にはさらに努めていただきたいと存じます。
 次に、スクール・ニューディール政策について伺いたいと思います。
 政権交代に伴って、この用語はもう余り使われていないようでありますが、政策の名称はともあれ、教育関連予算がずっと削減してきた中で、経済危機対策とはいえ、教育分野にこのような政策が導入されたことは、私はよかったなと評価しているところであります。
 導入された政策のメニューは多々ありましたが、途中で事業仕分けなどにも遭って頓挫したものもあるというふうにも理解しておりますが、決算認定の委員会ということでありますので、まず、このスクール・ニューディール政策、平成21年度等も含めていろいろな整備をやられてきたと思うのですが、その結果についてお知らせ願いたいと思います。
 ちょっと質問の前提に移るわけですが、今回この質問をするに当たって、アクションプラン政策編も全部拝見しましたけれども、指標にないんですよね。LANの整備率がどうなっているとか、あとは学校における教育用のパソコンの配備状況の目標とか。これは、そもそも指標になかったのはなぜなのかなという気もしているんですが、ちょっと質問の前提で、その点についておわかりになる方がいれば、お答えいただきたいと思います。
〇宮野学校施設課長 県の総合プラン実施計画につきましては、従前はバリアフリーとかの関係などを載せていまして、ハードの関係につきましては、今回、耐震化の整備率に絞ってこれを計上したということでございまして、それ以外のいわゆるICT関連とか、この辺を載せなかったということについては、何か積極的な理由があるわけではございません。教育委員会としての課題といったものについてのさまざまな指標を設定する中で検討を進めたわけでございますけれども、その辺についても、必要であれば、今後の課題として考えてまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 じゃ、それが指標に必要かどうかについて、今、質疑の中で明らかにしていきたいと思います。
 スクール・ニューディール政策の中でメニューがそれぞれございますけれども、整備状況についてお尋ねしたいと思います。
 まず、今、一部御答弁がありました学校の耐震化の関係でありますが、小中学校の耐震化の整備状況はどうなっているでしょうか。同じく、太陽光パネルの設置状況はどうなっているでしょうか。地上デジタルテレビの整備状況はどうなっているでしょうか。まず3点についてお答えをいただきたいと思います。
〇宮野学校施設課長 小中学校の耐震化の状況についてでございますが、主にスクール・ニューディール等、事業実施後の整備水準、整備率を中心に申し上げたいと思います。
 平成22年4月1日現在の耐震化率でございますけれども、小中学校につきましては73.1%と全国平均の73.3%とほぼ同水準となっております。
 また、スクール・ニューディール構想におきましては、平成21年度予算執行後の耐震化率を72%とすることを目標にしておりましたので、おおむねこうした目標も達成できたのかなと思っております。
 また、対前年度の伸び率ということについて申し上げますと、平成14年度の調査開始以来、全国平均の伸び率が6.3%ということで過去最高の伸び率になったというように言われておりますけれども、県内市町村の耐震化率につきましては、これを上回る6.7%の対前年伸率ということになってございまして、県内各市町村におかれましても、積極的に耐震化に取り組んでいただいたというように理解しているところでございます。
 それから、次に、小中学校の太陽光パネルの設置状況についてでございますが、太陽光パネルの設置事業につきましては、従来、国の補助制度というものがなかったのでございますが、昨年度のスクール・ニューディール経済対策によりまして、新たに安全・安心な学校づくり交付金の補助対象に追加されたということでございまして、経済対策でしたので本年度に繰り越されて事業実施されているものもございますが、平成22年4月1日現在の設置状況は、19市町村で51校、全小中学校に対する設置率は8.8%となっておりまして、前年度に比較して6市町村、30校の増加、設置率で5.3%の増加となっております。
 なお、ただいま申し上げました繰り越しで今年度実施している事業、あるいは今年度の事業として実施しているものが完了しますと、本年度末には21市町村、91校、設置率で15.6%となると見込んでおります。
 それから、3点目の地上デジタルテレビの整備状況でございますけれども、これにつきましては、市町村でございますが、昨年度、国の補正予算におきまして単年度限りの補助ということでございましたが、ICT環境整備事業費補助金、こうしたものが創設されまして、そうした補助制度を活用して事業が実施されております。その実績は、22市町村で2、087台となっているところでございます。
 それから、県におきましては、83校に494台を整備したところでございまして、県におきましては、すべての県立高校あるいは特別支援学校において、地デジ化への対応を完了したところでございます。
〇及川あつし委員 特に耐震化については、各市町村教育委員会も頑張っていただいて、かなりおくれていたものも、大分挽回されてきているなというのもわかりましたし、太陽光パネルについても普及が進んできているし、地デジについても、県立高校等についてはほぼ終わっているという確認ができましたので、大変よろしいことだなと思ったところでございます。
 あともう一点は、教育用、あとは校務用のコンピューターの整備状況であります。これも、昨年度末ですか、整備状況の調査が文部科学省でされたようでありますが、まず、公立小中学校のLANの整備率について、都道府県の順位もわかれば教えていただきたいと思います。
 報道によれば、公立高校のLANの普及率については、最高が富山県の99.7%、最低が青森県の43.1%ということで2倍ぐらい差があるようでして、本県はどの程度の位置におるのかお知らせ願いたいと思います。
〇宮野学校施設課長 普通教室のLANの整備率についてでございますが、校種別に申し上げますと、小学校につきましては47.8%の整備率でございます。全国平均が67.2%ということで、全国で第42位となっております。それから、中学校のLANにつきましては49.5%、全国平均で69.0%でございまして、やはり全国42位という状況になってございます。
 なお、小・中・高あるいは特別支援も合わせた全体での本県の整備率でございますけれども、岩手県は全体では73.8%となっておりまして、全国では35位ということでございまして、やや、特に小中学校でのLANの整備率が低位にあるという状況になってございます。
〇及川あつし委員 なるほど、日本経済新聞が7月3日に出した記事では下位の47位から43位まであったのですが、本県は42位ということで新聞上は載らなかったわけですが、やはり小・中が大分おくれているという状況なわけでありまして、これもちょっと深刻な問題なのかなという感じがしておりますので、取り組みが何かあれば、ぜひお願いしたいと思っております。
 あとは、教育用のパソコンの整備状況であります。これは、1台当たりの児童生徒数、少なければ少ないほど子供たちがより頻繁に使えるという数値だと思うんですが、これもいろいろ数値を見ますと、全国で約2倍ぐらい差があるようでございます。
 同じく、この教育用のパソコンの配備状況についてはどのようになっているのか、都道府県の順位等も含めてお知らせ願えればと思います。
〇宮野学校施設課長 まず、LANの整備率の向上につきましては、ハード的な整備ではありますけれども、やはり普通教室、LANの整備率というのは、すべての普通教室に対する接続を、LANに接続している教室の数ということで整備率が出ておりますので、特に小中学校の場合、いわゆる教育の内容として、本当にすべての普通教室にLANの接続をするのが必要なのかどうかといった、運用面でのそういったものもよく各市町村でお考えいただきながら、必要に応じてそういった整備を進めていただければよろしいと思っております。私どもとしては、そういう御要望があれば、いわゆる補助制度のそういったものについて、積極的に支援をしてまいりたいと思っております。
 それから、今お尋ねありました教育用・校務用コンピューターの整備の状況についてでございますけれども、まず、市町村の状況でございます。文部科学省では、IT改革戦略ということで、児童生徒3.6人に1台整備というものを目標に掲げておりますけれども、本県の平成22年3月1日現在ですが、現状は、小学校が6.3人に1台ということで、目標には達しておりませんが、全国順位では8位となっております。それから、中学校が5.0人に1台ということで、全国順位は6位の整備率。
 それから、小中学校の校務用のコンピューターでございますけれども、これにつきましては、教員1人に1台ということで100%が国の目標ということになっておりますが、小学校につきましては61.6%、全国順位34位、それから中学校につきましては56.5%、全国順位39位という状況でございます。
 それから、県におきましては、教育用のコンピューターにつきましては、高校が4.4人に1台ということで全国順位が10位、それから特別支援学校が2.2人に1台の整備ということで全国4位という状況になってございます。
 それから、校務用のコンピューターにつきましては高校、特別支援学校とも、既に100%の目標を達成している状況にございます。
 なお、小・中・高・特別支援を合わせた整備率につきましては、コンピューター1台当たりの児童生徒数につきましては4.9人ということで全国6位の状況でございますし、それから、校務用コンピューターの整備率につきましては98.1%ということで、全国28位という状況でございます。したがいまして、いわゆる児童生徒に対する教育用のコンピューターにつきましては、国の目標値まではまだ達しておりませんけれども、全国的な状況の中では、全体としては比較的高い整備率になっているという状況でございます。
〇及川あつし委員 県教委の御努力の結果かと思いますので、この点については感謝を申し上げたいと思います。国の目標に近づくように、計画的にまた配備も進めていっていただければと思うところでございます。
 この項については、あと電子黒板ですね。これについては非常に悩ましい問題であります。最初は、電子黒板については大々的に宣伝されまして、これからの教育現場での新しい教育ツールだというような宣伝もあったわけですが、これも一体どうなったんだろうというような感じがしているわけでありますが、電子黒板については、整備状況はどのようになっているでしょうか。
 また、電子黒板の導入の国の考えは現状どうなっているのか。現場での活用状況、特に小・中学校については一体どっちに行くんだというのが、ちょっと方向性が見えない部分も若干あるような気がいたしておりますので、その点についてどのようになっているのか御説明いただければと思います。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 まず、電子黒板の整備状況についてでございますが、平成21年度に市町村ではICT環境整備事業補助金等を活用しまして、電子黒板の整備を進めたところであります。平成22年3月31日現在、県内小・中・高の学校に電子黒板のある割合は62.8%となっております。国のほうの配備率が約6割ということなので、国と同程度の整備ということととらえております。
 また、電子黒板の導入についてでありますが、文部科学省は、電子黒板等のICT機器を、わかる授業や魅力ある授業の実現に役立てることを目指して普及を推進しているところであります。教師の説明の中でICT機器を効果的に活用したり、児童生徒が調べたり、交流したりする活動に活用するという考え方でございます。
 次に、活用状況についてでありますが、学校における電子黒板の授業等への活用は始まったばかりでございます。各学校においては、導入の趣旨を踏まえて、各教科、例えば算数の問題提示の場面とか、動画を活用したり、あるいは理科等の実験場面での詳細な画面ということ、あるいはタッチパネル方式ということで、子供たちにその操作方法を体験させたりということで工夫して取り組んでいる状況ととらえております。
 それから、小中学校における活用の方向性についてでありますが、今後、電子黒板の整備による導入の効果等、現在導入・配置されている学校等の効果等をよく検証いたしまして、その活用の工夫事例等を紹介するなど、適切に対応してまいりたいと思っております。
 活用している現場からの効果としましては、着目させたいところを拡大して、視覚的、映像的に示すとか、書き直しが何度もできるとか、保存ができるという効果等は、今のところ寄せられております。
〇及川あつし委員 私は、この電子黒板についてどういうふうにとらえたらいいか、自分の中でまだ実は答えがございません。えてして政府は、教育のためというより、機械のための機械みたいなものもたまにやりますので、現場での検証は怠りなくお願いしたいと思いますし、最近、ソフトバンクの孫正義さんは、全生徒にiPadを配って教科書なんか配るななんていうことも言い出していますので、どうなるかわかりませんけれども、日進月歩の世界でありますので、教育現場でも遅滞なく、また検証しつつ進めていっていただければと思います。
 最後に、教職員の配置について伺いたいと思います。
 私自身は、選挙区も住まいも盛岡市でありますので、実は、日ごろは余り問題意識を感じていないことでありますけれども、県北・沿岸の首長さん方、また東北本線沿線沿いの首長経験者等からいろいろ意見を聞くと、実は教職員の配置については、長年の課題でもあるし、これからさらに議論しなければいけない課題だなということから、以下、お伺いするものであります。
 過去の議事録も全部精査しましたけれども、かなり多くの議員の皆さんが、例えば県北・沿岸の出身者の採用が非常に少ないのではないかとか、配置について工夫が必要なのではないかとか、いろいろな議論がこれまでもなされてきたわけですが、若干違う視点も含めてお尋ねしたいと思います。
 まず、原則論なのでありますが、教職員の配置について、県教委ではいろいろな工夫をされてきていると思うわけですが、地域に根づいた教員をどのように養成していくかとか、そうした地域のいろいろな声を踏まえて人事の配置をやられていると思うんですが、基本的な考え方について、人事異動の方針というものがあるようなんですが、その点について、概要をまず説明していただければと思います。
〇及川参事兼教職員課総括課長 まず、教職員の配置でございますが、教職員だけじゃないのですが、出身地とか生活根拠地がどうしても県内でばらつきがございます。そういった方々を採用して、採用する際は、どこの出身地の方を優先というわけにはまいりませんので、県内から公平に採用するわけですが、出身地、生活根拠地にはばらつきがございますが、そういった方々について、配置につきましては、県の東北線沿線沿い、あるいは県北・沿岸地域、これらを県内各地バランスよく配置できるように、いろいろな状況を勘案して、バランスをとって配置しているものと認識しております。
〇及川あつし委員 今の及川総括課長の説明では、採用の段階では、特段何らいろいろな加味することがないので、結果としていろいろな偏在があり、その中でも工夫してできるだけ頑張っているというようなことであったようなのですが、我々がいろいろヒアリングしていくと、例えば東北線沿線沿いであっても、花巻市、北上市、水沢市、奥州市、一関市、ここは交通の便利がいいので、勤務地になっても盛岡から通う。そうすると、いろいろな地域行事も中途半端にして盛岡に帰ってしまうのではないか、こういう声も伺いました。県北・沿岸の方々からは、地域で生まれ育ち、学び、本当は次の地域の人材の先導役になるべき教員がいない。来ても、短い期間でかわってしまう、こういう声を聞いたわけであります。
 その点についてですが、勤務地に居住していない教員の実態についてはどのようになっていますでしょうか。また、今、紹介したような地域との連携の希薄さについて、教育委員会ではどのように認識されていますか、お尋ねしたいと思います。
〇及川参事兼教職員課総括課長 勤務地に教員が居住していない場合というのも当然あるわけなんですが、実態をちょっと調べますと、例えば片道40キロ以上を通勤している教員、40キロといいますと、車で通勤すれば大体1時間位かなと。そういった教職員は、ちょっと調べて数えてみますと、小学校の場合は158人、それから中学校の場合は114人ということで、全体の4%程度が遠距離の通勤をしているという実態がございます。
 もちろん、そのほかの教員の方は、勤務地あるいは勤務地の近隣の市町村から通勤しているという実態をとらえております。
 県といたしましては、いわて型コミュニティスクール構想というものもございまして、それによる学校経営の改革に取り組んでおります。そういうことで、管理職を初めとして、教職員も地域に入って、地域の意見に耳を傾けて、信頼関係を築きながら児童生徒の健全育成に当たるようにということで指導しているところでございまして、教職員の皆さんにも努力をしていただいているととらえております。
〇三浦陽子委員長 及川あつし委員に申し上げます。
〇及川あつし委員 了解です。最後の質問にいたします。
 ここがメーンなわけでありますが、ちょっと教育長に、今後のことなので御所見を賜りたいと思います。
 採用の段階でそういう工夫ができなくて、今の置かれた状況の中でいろいろ工夫しているのはよくわかるわけでありますが、ことし文部科学省で、都道府県で条例をつくれば、公立小中学校の教員の採用、管理職の登用、転任、懲戒処分といった権限を市町村に移したり、市町村の教育委員会が連合を組んだところにそういう権限を移すことも可能だということになったようでありますが、まだ、そういう要請は本県の市町村からは出ておりません。ただ、今後出る可能性は十二分にあると思うわけですが、そういう要請等がある場合には、どのように対応されていく御所存なのか、その点について伺いたいと思います。
〇法貴教育長 義務教育の市町村と県の権限配分というのは、やはり根本からさまざまな問題があるんですけれども、人事権は県にあって財政権は市町村にあるみたいな形で、さまざまなそごが出てきていることも事実ですので、その制度のあり方については、今後も注視していかなければいけないんですが、岩手県の場合の人事配置に特化してお話し申し上げますと、どうしてもやっぱり、先ほどから何回も出ていますが、盛岡市近隣に集中することが予想されるということで、県北・沿岸部のほうに勤務する教職員がいなくなるというか希薄になるという問題点を、各市町村もみんな抱えていることは事実です。
 それで、例えば市町村に権限が移った場合にしても、広域で人事を回すような仕組みをつくっていかないと、なかなか人事が回らないのではないかという気持ちも聞いておりますので、そういうところは、市町村の教育委員会と十分話し合いを続けながら、その権限配分については留意してまいりたいと考えています。
〇新居田弘文委員 私から2点についてお伺いします。
 1点目、学習定着度状況調査結果の評価ということで、アクションプランの指標一覧表の39ページに記載されておりまして、これは、小学校5年生あるいは中学校2年生ということで、特定の学年、そして教科でございますが、これ以外についても午前中からいろいろ議論があったわけでございまして、要は、達成度については、ここの中では一つだけがAで、あとは全部Dランクということです。
 あと、そのほかに全国学力調査についてもいろいろ議論されておりましたし、私も以前にそういう話も質問の中で取り上げさせていただきました。秋田県にも見習うところが非常に大きいということで、いろいろな対応を考えていくんだという力強い答弁もあったところでございますが、改めてこの学習、もちろん学習だけじゃなくて、徳育とか体育、さまざまな分野があるんですけれども、冒頭、教育長からの概括的な説明の中でもお話がありましたが、改めて今後の対応について、どうして岩手県内の子供たちの学力を向上させるか、あるいはそういう精神力を高めるか、そういうことのお考えをまず拝聴したいと思います。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 御指摘のとおり、さまざまな目標値に照らした場合、全体的に厳しい状況ということを認識しております。
 昨年度までの学力調査結果を見ますと、教科調査では、中学校数学・英語において、正答率のばらつき、分布が広がる状況がございます。これが大きな課題となっております。
 特に数学では、関数の問題や文字式の乗除計算の問題などで特に正答率が低い傾向がありますし、英語では、先ほどもお話しした長文読解、長文を読み取ったり、まとまった内容の英文を書いたりする問題でつまずきが見られております。
 このような課題を改善するために、各学校が、調査、集計分析システム、この県独自のシステムを活用して、調査の結果を分析しながら、一人一人の児童生徒の課題を明らかにしながら授業改善の取り組みに生かしております。設問ごとの正誤個人票、このデータなども活用しております。
 それから、中学校・高校の授業改善につなげるために、昨年度から数学、英語に特化した学力・授業力向上担当チーム、このプロジェクトを設置しておりまして、個別の学校訪問指導や授業力向上セミナーモデル事業を実施するなど、まず、教員の授業力の向上を図る取り組みを行っております。
 さらに、家庭学習については、授業と連動した課題の工夫や家庭学習時間の確保と環境づくり等、家庭や地域と連携した取り組みを推進しており、家庭学習時間も徐々に確保されてきているところです。
 これらの取り組みを通して、各学校において改善が図られていると把握しておりまして、今後、さらにこの取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 ぜひそういう取り組みをしてほしいのですけれども、我々が思いましたのは、絶対の授業時間、午前中にもありましたが、週5日制で、前は土曜日があったのですが、今はなくなったということで、教科書の厚さとかいろいろな内容を見ても、前よりは薄くなって、しかも内容も大分問題が軽くなったといいますか、そういう状況に変化していますという状況もその背景にあるのではないかと指摘があったり、あるいは、前回も予算特別委員会で質問したのですが、午前中にありましたように、東京都でも、都の教育委員会の助言の中で土曜日の授業もやっている、それもぜひ参考にしたいというような答弁を聞いたように記憶しています。ぜひ、それらを含めて、ただ制度的な決まりだけじゃなくて、もっともっと工夫をして取り組んでいただきたいと思います。
 次に、2点目ですけれども、同じくこの資料の中で、新規高卒離職者ということで、1年目の中で離職する率が資料として出されておりまして、平成21年度実績でも20.6%が1年足らずに離職されるというような資料が出ております。目標は25.8%ですから、目標よりは成績がいいから達成度Aだというような評価をしているようでございますが、この辺も、さっきの学力とも直接関係があるかどうかわかりませんけれども、問題は、職場に入ってからの問題よりも、その生徒が学校にいるうちにどのような教育を受けて、どのような精神的な、あるいはいろいろな面を高めたかによって、その職場でも我慢してやれるという忍耐力とかさまざまなものが出てくるのではないかと思います。
 まずは、この数字について、これは商工労働観光部のほうだと思いますが、Aランクに評価しておりますけれども、私個人的にはAランクに評価するような値はないものと思いますが、まず、教育委員会で、高校生を預かる立場でどのような評価をしておりますか、お聞きしたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 新規高卒就職者の離職についてでございますけれども、就職1年目の離職状況は、岩手県の労働局の調査によりますと、平成19年3月卒業者で23.6%、平成20年3月卒業者で20.5%。この0.1%の違いについては、後で説明させていただきます。平成20年3月卒業者は20.5%、平成21年3月卒業者は17.7%と減少傾向にございます。
 県が行った企業へのアンケートによりますと、離職の理由は、仕事になじめなかった、職場での人間関係、それから、ほかの職につくため、この三つが多かったわけでございますが、委員がおっしゃるとおり、我慢が足りないという側面もあるものと認識はしております。
 このようなことを踏まえまして、各学校におきましては、基礎学力の向上、それからコミュニケーション能力の育成に加えて、社会人、職業人として自立することができるよう、働くことへの意義や意欲の育成に向けて、OB講話、あるいはインターンシップ等による指導を、これまでにも増して積極的に実施してまいっているところでございます。
 先ほどの0.1%の違いでございますが、これは、年度によって調査が違うということを労働局のほうで聞いておりまして、昨年のこの資料が、アクションプランが出たときには20.6%、そして今年度は20.5%ということだったということでございます。
〇新居田弘文委員 数字の何%は大した問題ではありません。いずれ、そういう子供たちがまだまだたくさんいらっしゃると。今、どこでも就職難で、なかなか有効求人倍率が上がらないということで、みんな職を探すのに困っている中で、せっかくチャンスをいただいてその仕事に入った、ところが、いろいろな理由があるにしても、1年未満でその約5分の1の方が離職されるというのが、我々にとっては、本当に情けないというか、悲しいというか、その家族にとっても大変な話だと思うんです。
 これは、高校教育もさることながら、小学校、中学校、あるいはもっと、幼稚園とか、さかのぼればそこまで行くんですけれども、いずれ、特に県の場合だと、小・中・高について責任を持っている立場ですから、そういう面で、我慢強い、たくましい、そんな心の教育をもう少ししっかりやってもらわないと、学力も決してよくない、そういう我慢強さも足りないと岩手県の将来にとっても大変なことですから、その辺はしっかり教育委員会も責任を持って、あるいは市町村とも連携しながらやってほしいなと。
 さらにさかのぼれば、三つ子の魂百までと言うように、幼児教育まで含めて一貫した教育を筋のあるもので進めていただきたいということをお願いして、終わります。
〇熊谷泉委員 私からは、体育振興費についてお伺いいたします。
 第71回国体もあと6年後と迫ってまいりましたが、それに向けて選手強化が図られているところであります。第71回国体選手強化事業及び競技力向上対策事業等ありますが、冒頭の教育長のお話の中では、一部まだ目標に達していないとの御説明もありましたが、それらの成果と今後の課題についてお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 第71回国民体育大会選手強化事業につきましては、平成20年度を初年度といたします9年計画を策定して取り組んでおりまして、平成22年度までの3年間を基盤整備期と位置づけて強化を図っているところでございます。
 今年度における中学生・高校生の目覚ましい活躍に見られるように、指導者、選手ともに、学校の枠を超えて多方面からさまざまなことを学ぶことができる環境がつくられつつあるなど、一定の成果が上がっておると認識してございます。
 ただし、当初設定いたしました男女総合成績天皇杯目標順位には届いておりません。また、成年種別の活動環境やネットワークの構築がおくれているなど、課題もございますので、今後も計画の着実な推進に向けまして、関係団体と協力してさらに強化を図ってまいりたいと考えてございます。
〇熊谷泉委員 その中で、特にスーパーキッズの成果とその進度はどのくらいまで来ているのでしょうか、それについてお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業についてでございますが、今年度4年目の事業に入りまして、現在、最初に発掘・育成の事業に入りました子供たちが、中学校3年生になってございます。国民体育大会などでは中学校3年生が出場できる種目もございますが、今年度におきましては、スーパーキッズは出場してございません。
 ただ、国立スポーツ科学研究所などでの測定によりましても、運動能力などは非常に高い数値を出しておりますので、育成については、着実に成果が上がっていると認識してございます。
〇熊谷泉委員 スーパーキッズについては、もう少しでいろいろ競技会にも成果が出るということで、大いに期待しているところであります。
 あとは、ことし全国の中学の大会で、女子の方が陸上、そして水泳で男子が大変活躍されましたが、この中学生の層を今後どういうふうに伸ばしていかれるのか、それをお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 ことしの中学校総合体育大会の全国大会におきましては、陸上競技、それから水泳で優勝者が出ておりますが、個人競技の子供たちでございまして、この先どういう環境で育っていくのがいいのかというようなことで、県内の競技団体などと連携を図りながら、さらに高いパフォーマンスの発揮を目指して育てていきたいと認識しております。
〇熊谷泉委員 個人の方でございますので、それぞれのこれからの活躍に期待したいと思います。
 それでは、先般、千葉県において行われました国体についてお伺いいたします。
 千葉県の国体では、弓道男子、あるいは少年の重量挙げで優勝者が出るということで、天皇杯も前回の39位から33位と前進したわけですが、目標は25位ということでありました。今回の千葉国体における岩手県の成績をどのように評価しているのかお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今年度の千葉国体の本県選手の成績につきましてですが、委員がおっしゃられましたとおり、順位は六つ上げて33位、それから競技得点は68点増ということで、昨年よりは躍進しております。
 この天皇杯順位につきましては、過去10年で最高の成績ということでございまして、前年度課題としておりました女子の成績が上向いてきたことなどから、強化の成果があらわれた結果であると見ております。
〇熊谷泉委員 最後に1点お尋ねします。今回の天皇杯の得点の中で、812.5点という総合得点でありますが、その中で、ホッケーの団体競技が各種で入賞することで、その中で126点の得点を獲得しているわけですが、天皇杯の、点数だけがすべてではございませんが、実質強化の事業でありますので、これから団体の種目について、岩手県はどういう攻め方をするというか、特徴づけていくのか、それについてお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 委員御指摘ありましたとおり、ことしの国民体育大会は、ホッケーが参加点を除いて116点、ラグビーが競技得点のみで44点ということで、団体競技の得点が大分ふえてきているところでございます。
 団体競技のほうですが、特に成年のほうがやや落ちているところがございますので、成年の活動環境整備が必要になってこようかと認識しておりますし、女子も、ソフトボールなど2種別出ておりますが、どちらも一回戦を突破できなかったというところです。もう少しのレベルまで来ておりますので、成年、それから女子の活動環境の整備を図っていきたいと考えております。
〇熊谷泉委員 今、女子でソフトボール、ラグビーも出ましたが、大体、本県においてはその辺が一番望める種目ととらえてよろしいでしょうか。今後ともそういうことで、第71回の国体まで強化していくということでよろしいですか。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 ホッケーなどにつきましては4種別すべて得点を獲得しておりまして、これ以上伸びるのはなかなか難しいところもございます。新たに入賞していく競技をつくっていかないと得点の伸びには結びつかないと考えております。それには、団体競技が得点が大きいですので早道ではありますが、個人競技の積み上げも必要になってくると認識してございますので、両面から一生懸命頑張らせたいと考えております。
〇高橋昌造委員 まず最初に、学校教育室長を兼ねております佐々木教育次長からお伺いいたします。
 平成21年度の教育施策の重点事項でありますこの学校教育の改革、充実のために、教育委員会はこの6本柱、6項目を掲げておりますが、その取り組み状況はどうなのか。そして、その成果は。課題があるとすれば、その課題解決のためにどのような方策を講じてまいるのか、まずお伺いいたします。
〇佐々木教育次長兼学校教育室長 お尋ねの平成21年度教育施策の重点事項の取り組み状況、その成果及び課題と解決策についてでございますが、まず最初に、平成21年度教育施策の重点事項の取り組み状況、その成果、課題と解決策につきましては、平成21年度の主要施策の成果に関する説明書に記載もしてあるところでございますが、いわて希望創造プラン、及びそれに続くいわて県民計画に基づいて、人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向け、各種の施策に取り組んだところでございます。
 成果といたしましては、まなびフェストの導入率が引き続き100%を維持していること、目標達成型の学校経営の推進の充実が図られたこと、児童生徒の学校不適応対策に取り組み、小学校・中学校の不登校児童生徒の出現率が減少したことなどが挙げられると考えております。
 一方で、児童生徒一人一人の基礎・基本の定着を図るための学力向上、肥満傾向児の割合の減少などに向けた健やかな体をはぐくむ教育の推進、平泉の文化遺産の世界遺産登録の推進や伝統芸能等の伝承、平成28年岩手国体等に向けた豊かなスポーツライフの振興などが年度目標に達していないことなどから、今後、授業と連動した家庭学習の取り組み、児童・生徒の望ましい生活習慣の確立と運動機会の確保、平泉の文化遺産を初めとする歴史遺産や伝統文化の情報発信の充実、素質あるジュニア層の発掘・育成等による一層の選手強化等に取り組んでいく考えでございます。
〇高橋昌造委員 私、今、学校教育の改革、充実のことで、それ以外のことについても御答弁いただきましてありがとうございます。
 それで一つ確認ですが、家庭と地域との協働する目標達成型の学校経営の推進ということですが、これをもう少し具体的にその中身について、特にも家庭と地域との協働のところ、どういう役割を求めておるのか、そして、それがどのような形で学校経営に反映されるのか、そこをもう少し詳しく説明していただけませんか。
〇佐々木教育次長兼学校教育室長 学校と地域、家庭との連携・協働の取り組みでございますが、ぜひ家庭、そして地域には学校の応援団になってほしいと考えております。そのためには、まず、各学校がどのような学校づくりを目指すのか、将来に向けたそう言う理想とする学校像、そのために今年度あるいは次の年に行うさまざまな取り組み等について、まず保護者や地域の皆様方にしっかりと御理解をいただくように、県教育委員会ではまなびフェストというものを各学校が作成して、そこのまなびフェストに学校の将来像でございますとか学校の取り組みとか、そういうものを盛り込んで保護者や地域の方々にお示しして一緒に取り組むことを提唱してございます。
 このようにして毎年度、目標を設定いたしまして、その目標を設定するときには、現在では、管理職はもちろん、すべての学校の教員、そして保護者、地域の方も含めて最初に御提案を申し上げて目標を定め、年度末にはそういう方々からも外部の評価をいただき、きちっと反省を踏まえて次の年度の目標を組み上げる、そういうようなPDCAサイクルをきちっと回すようなシステムを学校でつくり上げることに取り組んでいただいております。これが目標達成型の学校経営ということでございます。
〇高橋昌造委員 理想とする学校像とは、それから、毎年度この目標設定をして管理職を初め取り組むということですが、その達成状況はどのようになっていましたか。
〇佐々木教育次長兼学校教育室長 この各学校で作成されますまなびフェストにつきましては毎年改定されるわけでございますけれども、そこのまなびフェストにつきましては、市町村教育委員会を通じて県の各教育事務所にすべて集約をさせていただいているところでございます。
 まなびフェストの取り組みが始まって数年たっわけでございますが、当初は初めての取り組みということで、レベルアップというか、次の年度の取り組みに前の取り組みの反省を生かすことがなかなかできなかったわけですが、最近はきちんとそこのPDCAサイクルの特にチェックとアクションの反省を生かして次の年度の計画を立てるというところがだんだんできてきておりまして、望ましい方向に進んでいるものと考えております。
〇高橋昌造委員 各教育事務所ごとに毎年度改定するということで、私、この学校教育というのは、やはりある程度継続性ということを大事にしていかなければならないと思うんですが、その辺のところ。特にも学校現場は毎年度改定されたらたまったものではないと思うんです。だから、その辺の考え方をもう一度お示し願いたいと思います。
〇佐々木教育次長兼学校教育室長 このまなびフェストで一番大切なのは何を目標に設定するかということでございますが、そのもとになっておりますのは、当然、教育基本法でございますとか学校教育法に定められている教育の目的でございますけれども、各学校ではこれを教育目標というものに落とし込んでおります。その教育目標は、ほとんどすべての学校で知、徳、体の充実、この知、徳、体をさまざま学校によって言葉を違えながら表現をしているわけでございますが、せんじ詰めればこの知、徳、体の育成というところに集約できます。
 この知、徳、体のバランスのとれた児童・生徒を育成することがやはり教育では最も大切なことでございますので、大きな教育の目標というものは変わることはないわけでございますが、各年度のそういう取り組みの実態でございますとか、あるいは地域の事情でございますとか児童・生徒の実態に応じて、次年度はどのような取り組みをしたらさらにこの知、徳、体の充実が図られるかという観点での計画をつくっているということでございまして、大もとのこの知、徳、体の育成につきましては教育では不易のことでございます。
〇高橋昌造委員 教育目標というのは、あくまでも児童・生徒なり教師に視点を置いた教育目標でなければならないと思うんです。もう一度そこのところ、私は何か理想像だけを、教育は理想も大事なんですが、現実、学校現場は、教育事務所なり教育委員会のあれによって非常に大変な状況下にあるわけです。だから、もう少し児童・生徒なり教師、そこに視点を置いた岩手県としての教育目標についてもう一度次長の、特にも学校教育には一番精通されている佐々木教育次長ですので、そのお考えをお伺いいたします。
〇佐々木教育次長兼学校教育室長 先ほど委員の御質問にありましたように、やはり学校で一番重視しなければならないのは子供たちでございます。児童・生徒を第一に考えなければならないということはそのとおりでございます。そういう意味で、この知、徳、体の三つがきちっと育つような、知、徳、体を兼ね備えたそういう子供たちの育成、これを重視しているわけでございまして、私どもといたしましては、学校で特別な教師の考えでということではなくてですね、やはり子供たち第一に、子供たちの知、徳、体、ここのところをいかにきちんと身につけ伸ばしてやるか、ここのところを最大限に重視してこの事業をこれからも進めてまいりたいと考えるところでございます。
〇高橋昌造委員 それでは、次に移ります。
 事項別明細書の349ページの関係でございますが、文化財保護費の関係で、指定文化財の保存修理などの文化財保護の推進状況、特にも平成21年度を中心にですね。それから、埋蔵文化財の調査研究の取り組み状況はどうなっているのかお伺いいたします。
〇中村文化財・世界遺産課長 指定文化財の保存修理等についてのお尋ねでございますけれども、指定文化財の保存修理につきましては、所有者等からの申し出により行っているものでございますが、国指定文化財の平成21年度につきましては2件実施している状況でございます。また、県指定文化財につきましては平成21年度は7件実施してございますが、これにつきましては、前年度にございました岩手・宮城内陸地震によります文化財の損壊等がございまして、それに対しての補助という形で実施しているものでございます。
 次に、埋蔵文化財の調査研究の状況でございますけれども、埋蔵文化財につきましては、各市町村に所在するものにつきましては、各市町村の教育委員会が主体となって調査研究等を実施しておるところでございます。県といたしましては、その調査指導委員会等への助言者としての参加、あるいは財政的な支援を行っているところでございます。
 なお、県では、平泉町に所在しております国指定史跡の柳之御所遺跡の学術的な調査研究を行っておりますほか、県立博物館におきましても埋蔵文化財の調査研究を進めているといった状況でございます。
〇高橋昌造委員 最後にいたしますが、携帯電話とかインターネットなどによる問題行動が実際、児童・生徒の中でどのような状況下にあるのか。それから、その防止策として県教育委員会はどのように取り組んでおるかですね、また、課題があればその解決策をどのようにして講じておるのかお伺いして終わります。
〇田村主任指導主事兼生徒指導担当課長 委員御指摘のありました携帯電話、またインターネット等の問題行動等についてでございますが、児童生徒健全育成推進費関連の事業におきまして、特にも小中学校におきましては総合教育センター等からの出前授業を実施してございます。また、特にも携帯電話については、児童、生徒のみならず、保護者の方々にもぜひその使い方等を御理解いただくために、県内4カ所でフォーラムを開催してございます。
 課題等につきましては、かなり技術の進歩に追いつかないような状況もございますけれども、やはり使い方等のモラルをきちっと指導するという観点からも、今後このようなフォーラム、また学校における使い方等の指導を継続してまいりたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 私は、354ページの体育振興費についてお伺いします。
 スポーツに親しみ、健康づくりや親睦を深めること、あるいは競技力向上を図るために、すぐれた選手や選手団との試合、練習を観戦、交流させる機会を設けることが非常に効果的だと思っております。2巡目国体を間近にして、こうしたすぐれた選手、選手団による県内での大会や試合の誘致について、平成21年度はどのように取り組んでこられたかお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県外大学、社会人などのレベルの高いスポーツ選手の合宿など、あるいは競技会などの誘致についてですが、合宿などにつきましては、岩手町のホッケー競技あるいは北上市のラグビー競技など市町村が主体となって実施しておりまして、県として特段の支援は行っていないところでございます。
 ただ、県外強豪チーム、選手との交流については、競技力向上の観点から効果的なものであると認識してございまして、中学生、高校生の競技力向上を目的とした県外チーム交流事業によりまして、招聘した県外チームに対して宿泊費、交通費の補助を行っているところでございます。
〇喜多正敏委員 県としては特段ということで、市町村がその活動の主体で合宿等についてはなされているということでありましたけれども、やはりそうしたことについて、県としても市町村や各種種目別団体、関係団体と連携をしながら、そうした合宿に適したグラウンドとかスポーツ施設あるいは宿泊を親しみやすい価格で提供するなどのデータベースを整備して、大会もさることながら、合宿について誘致を一層促進することについては地域のスポーツを通じた活性化にもつながると思うわけでありますけれども、そうした考え方で取り組みを強化していくお考えはあるかどうかお伺いしたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今後におきましては、県内で合宿をしている県外の大学あるいは社会人、高校生につきまして、中体連、高体連を通じて県内の中学生、高校生と一緒に練習をするようなケースが生じる場合につきましては、補助のあり方などについても検討していきたいと考えてございます。宿泊費、交通費という部分になるかと思います。
〇喜多正敏委員 ぜひ政策地域部などとも連携をしながら、スポーツを通じての地域の振興、あるいはそれがひいては商工労働観光部にも政策がつながるかもしれません。いろいろな意味で県外からそうしたすぐれた人材を誘致して交流を進めるようにぜひ制度化をして頑張っていただきたいと思います。
 教育長のお考えはどうでしょうか。
〇法貴教育長 委員御案内のように、やはりスポーツも一つの地域活性化のツールとして有効な手段であると考えていますが、政策地域部などとも十分連携してお話を進めていきたいと考えています。
〇久保孝喜委員 それでは私からは、第2次高校再編に向けた対応について1点だけお尋ねしたいと思います。
 最初に、この案件については午前中も質疑がございましたが、昨年の9月に長期構想検討特別委員会からの報告がございました。年末にはこれを受けて3月に策定された基本的方向の案が示されて、それぞれ県民の意見を聞くというスタイルをとって年度末に今後の高校教育の基本的方向というのを定めた、こういう流れになっているわけです。
 長期構想の検討委員会の報告が当然下敷きになっているわけでしょうけれども、この最後の3月の基本的方向を策定する際に、検討委員会の報告にどのようなことが付加をされ、あるいは教育委員会内部で検討が加えられたのか、簡単で結構ですから論点をお示しいただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 委員からお尋ねがございましたとおり、昨年の9月、委員会から報告をちょうだいいたしまして、昨年12月でございますが、今後の高等学校教育の基本的方向(案)を公表いたしました。さきの御質問でも触れさせていただきましたけれども、パブリックコメントの実施、あるいは地域説明会の実施を通じまして数多くの御意見等をちょうだいいたしました。
 その中で、3月に策定した基本的方向に反映したものについて主なものを申し上げますと、まず、県立高校に関する認識でございます。現状認識につきまして、岩手の高校教育の特長という項目を新たに設けさせていただきまして、本県教育におけるこれまでの取り組み、あるいは評価について加筆させていただいたところでございます。
 それから、いま一つは学級定員でございます。案の段階では「1学級40人とする」と記述しておりましたところを、「高校標準法に基づき設定することとし、国の動向に適切に対応する」、こういう記述に変えさせていただいたところでございます。
 さらに、学校規模等につきましては、「地域の実情等を踏まえ、地域の意見を伺いながら検討する」という記述を加筆させていただきまして、あわせて、小規模校という表現を使っておりましたけれども、この表現を削除させていただいた、そういうことでございます。
〇久保孝喜委員 長期構想検討委員会の議論は昨年度末の予算委員会でも若干触れさせていただいたんですが、改めてお尋ねしますが、この検討委員会のメンバーの委嘱については、どんな考え方において委嘱をされたのかということを簡単に説明いただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 委員の委嘱につきましては、学識経験者あるいは産業界からの代表、それから自治体等の代表等を、いろいろ諸団体等もございますので、いろいろ御意見を伺いながら委員として選定をさせていただいたところでございます。
 なお、地域ごとの配慮等につきましてもお尋ねをいただいたところでございますけれども、結果として、人口比等で考えた場合には、県央部、県北、沿岸ございますけれども、ある程度バランスのとれた委員配置となったと認識しております。
〇久保孝喜委員 21名の委員ということで、入れかえがあって全体では27名ほどの委員の方がお着きになって議論をされたと承知しておりますが、それでは、27名の方々の中に、今ちょっとお話のあった、例えば中山間地帯にお住まいの方とか、あるいは県北、沿岸にお住まいの方、あるいは小規模校と言われた県立高校などにかかわった方は何人おられますか。
〇上田高校改革課長 今ちょっと詳細な資料を持ち合わせてございませんので、恐縮でございますが後で御報告をさせていただきたいと思います。御了解をいただきたいと思います。
〇久保孝喜委員 この基本的方向を定めるに当たっての下敷きが長期構想検討委員会の報告だったというのは先ほど来のお話にあるとおりだと思うんです。そうすると、この委員会運営、昨年度の9月に出て、約1年半の8回にわたるかなり大変な作業だったろうと委員の皆さん方にはねぎらいを申し上げたいわけですけれども、その進め方ということが県の教育施策の方向を決める極めて重要なポイントであるがゆえに私は問題にしたいと思うんです。
 そこで、委員会運営に関して、例えばこういう批判があります。第1回目の最初から最後の報告案にかかわるいわば原案が示されて、それをもとにして議論を進めていくというやり方をとったと。こういうことでいえば、十分にこれはある意味、議論誘導が可能な、そして予定調和的な委員会運営ということになってはいないかという批判や、あるいはまた、先ほどあった小規模校に関して言えば、それに対する検証というのが本当に十分なされたのか。会議録を見ましたけれども、その量は大変に少ない。資料は確かに出されているというところは承知しましたけれども、全体の議論の量からすると非常に少ないという印象を持っているわけです。
 そういう委員会運営に関してどのような見解をお持ちでしょうか。
〇上田高校改革課長 長期構想検討委員会の運営についてのお尋ねでございますが、当初から答申案等の素案等が検討の対象となっていたのではないかというお尋ねでございますが、さまざまな委員の方々からの御意見等を受けて、論点整理という形で進めさせていただいたと承知しております。
 それから、小規模校につきましては、委員会の検討の中でいわゆる小規模校についての議論等が深められておったわけでございますが、途中、昨年度になりますけれども、委員会として県内9カ所で直接に地域の方から委員が御意見を伺う機会がございました。そういったところ等をきっかけにさらに小規模校などの検証を深めるべきという意見が出されまして、さらに検証が深められたところでございます。
 その結果、生徒一人一人に対応したきめ細やかな指導ができ、地域と連携により進路や部活動の成果など一定の成果を上げている、こういった評価をちょうだいしております。また一方では、生徒の選択科目の幅が少なく、多様な進路希望への対応や学習内容の質の確保が難しいなどの課題をお示ししたところでございます。これは実際に委員が地域の方々から御意見なり、あるいは御提言なりをお聞きいただいた上でこのように取りまとめていただいたものと承知しております。
 それから、委員御指摘の誘導のたぐいというものは、恐縮でございますが、そういったところは私ども伺っていないところでございます。委員会としてさまざまな観点から熱心な議論が行われて、それを踏まえて報告が取りまとめられたものと承知しております。
〇久保孝喜委員 先ほどのメンバーの問題も、私が見るに、それぞれの団体の代表者とか、そういうまさに識見のある方々ばかりなんですが、残念ながら、例えば県北、沿岸の地域性だとか、あるいは小規模校にかかわってきて識見を有する方々がどれぐらいいるかということを注目してみると、本当にわずかと私は見ました。
 今のお話の中にもありましたが、誘導していないということは、もちろんそう言わざるを得ないと思うんですが、残念ながら、会議録を見ると、どういう形で委員の皆さん方に資料提供がなされて議論が組み立てられたか会議録を見るしかないわけですけれども、会議録の中では、例えばこういう発言があったりするわけです。学校規模の問題について、これだけの資料を見せられると、やはり小規模校はうまくないなという印象を持ってしまうと委員が発言をしているわけです。つまり、そういうある種の予定調和的に結論を導き出すための資料提供だけが行われたとは言いませんが、そういう形で議論が進んだのではないかと、会議録を見る限りそういうように思えてしようがないわけです。
 さらに、この基本的方向の下敷きとなった報告の観点でもう一つだけ申し上げると、この委員会に対しては、長期構想という表題が示すとおり、岩手県の高校教育のあるべき姿という観点で議論をお願いしただろうと私は思うんですが、この委員会に現実的な政策判断を求めたということはあるんですか。例えば高校再編に関してこうあるべきだというようなことを求めたという経緯はあるんでしょうか。
〇上田高校改革課長 まず、一つ目の御質問でございますが、個別の委員の御発言につきましてはそういったものがあったかと存じますけれども、そういった個別の委員それぞれの御発言、そういったものが収れんいたしまして委員会の報告に取りまとめられたものと承知しております。
 また、資料につきましてそういう印象を持たれたというのは、これは委員のお気持ちでございますのでそれは事実でございましょうけれども、客観的なデータに基づいて資料を作成し、また、委員会あるいは委員からの求めに応じて資料等を作成の上、提示あるいはお示ししたものと存じております。
 それから、二つ目の御質問でございますが、この委員会に対して、例えば高校なり、あるいは学科なり、県内どうあるべきかというものの決定権を預けたかというような御趣旨の御質問かと思いますが、決してそうではございませんで、ただ学校教育も含めました高校教育全般に関して広く御検討なり御議論をちょうだいしたいと。
 ただ、そういったものはもちろん委員会の報告として取りまとめさせていただきましたが、それらをもとに私ども県教育委員会として基本的方向を今年3月に取りまとめさせていただいたものでございまして、委員会そのものにそういった権限をというようなお話、御趣旨かと思いますけれども、お与えして、それで責任を持ってそういった報告をまとめていただいた、これはそのとおりでございますが、そういった委員会報告が直接に例えば高校の配置あるいは学科の配置等に反映されるというものではなく、それを参考に私どものほうで責任を持ってそういった内容については計画なりをつくらせていただいたものと存じております。
〇久保孝喜委員 そういうふうに当然事務方としてはおっしゃるだろうとは思いますが、例えばここに報告の文書があるんですが、その中で焦点となっている学級定員の考え方の中でこういうくだりがあります。高校の学級定員については、生徒の社会性や協調性の育成など人材育成の観点や、高校教育における学級の機能、生徒の学習環境の確保などを踏まえると現行の40人定員が現実的であると考える、こういうくだりがあるわけです。
 つまり、長期構想を求めたはずの委員会が、現実的な対応について判断を示しているということじゃないんですか、これは。例えばこのくだりについては、県教委としてはどのように受けとめたわけでしょうか。
〇上田高校改革課長 おっしゃるとおりの報告の記述となっておろうかと思います。ただこれは、委員会の独自の判断としてこのような報告が取りまとめられたものと承知しております。
 それからもう一つよろしゅうございましょうか。先ほど答弁漏れがございましたけれども、第2次の長期構想検討委員会で、例えば県北・沿岸に御生活の方、委員の中では3人いらっしゃいます。いわゆる中山間地域にお住まいの方お1人、計4名おります。
〇久保孝喜委員 先ほど長期構想検討委員会の報告に対して、高校教育の現状認識のくだりを基本的方向についてつけ加えたという話がありましたよね。現在の高校教育の現状を考えるときに、私はポイントは幾つかあるんだろうと思いますが、その最大の問題は、今、全体の高校数のうちの45%ぐらいが小規模校だというその現実だと思うんです。その現実に即して言えば、今、追加的にお話のあった委員の数にしたって、本来、最終的には一番焦点となるはずの小規模校の扱い、あるいは中山間地帯の思い、現実をちゃんと見きわめれば、委員の構成だってそこをどうするかという議論が当然あっていいし、もっと量的にも質的にも高められた議論というのが私は必要だったんだろうと今にして思うわけです。
 そこで、午前中の質疑の中にもありましたけれども、学校標準法という法律があると。これに基づいた定員にするんだと、あるいは学校規模にするんだと、こういうのが基本的方向の肝なわけですよね。
 そこで、この法の枠内ということを強調するが余り、岩手のそうした特殊な、あるいは小規模校が多いということを含めた環境に配慮した岩手の教育方向ということをどれだけ打ち出せているのかということになると、ほとんど私は基本的方向の中ではそこに光が当たらなくなってしまっていると思うんです。
 今、議論してもらっているわけですけれども、県民の選択肢の中に法を守るか守らないかというだけの議論にしてしまってはいけませんし、なおかつ、午前中嵯峨委員が例示しましたが、例えば東北の中でも、青森、秋田、福島が35人学級を既に県費の投入も含めてやってるという現実があるわけです。しかも、その現実について評価はというと、評価はしないと教育長は明言されました。私たちの岩手のこれから先の高校教育を考えるときに、同じような環境を抱えている他県がどういう工夫と立場でその施策を決めているかということは、評価しないんじゃなくて実は一番検証しなきゃならない課題なんじゃないかと私は思うんですが、そういう点で評価をしないと言い切ってしまうことで、事実上県民の議論を封殺してしまっていることになりませんか。その点についてどのようにお考えでしょうか。
〇法貴教育長 他県のシステムのやり方、あるいは財政の投入の仕方というのはそれぞれの県のやり方があるわけですので、その評価について、評価しないというのは、そこでそれがいいとか悪いとかという評価はしないということを述べたわけで、それがもし参考になるというならばそれは参考にしますし、今ここでそのシステムはどうなんですか、いいものですか、悪いものですかということの評価はしないということで申し上げたところでございます。
 それから、先ほどから検討委員会の内容についてさまざまなお話があったわけですけれども、私も8回、2時間程度、かなり議論の沸騰した委員会でした。普通の審議会に比べて随分議論の出る委員会だなと思いながら過ごしたわけでございますけれども、決して議論を誘導的にやったわけでもないし、こちらからこういうふうにすべきだという話もしません。
 一番言いたかったのは、各論は当方の再編整備計画でいきますけれども、これからの高校教育はどうあるべきかという総論部分についてお話ししていただきたいということで答申を受けているわけですので、まず哲学の部分のところを、学識経験者あるいは校長経験者でも小規模校の経験のある方たちもさまざまいらっしゃったわけですので、そういう現実の委員会の中でいろいろな思いの中で取りまとめられたと理解しております。
〇久保孝喜委員 私自身もこのお話をする際に、例えば青森のやり方がいいとか福島がいいとか秋田がいいとか、いい、悪いの話で評価ということを言っているわけじゃないんですよ。つまり、県民が議論する際に、そういう制度についてはこういう短所も長所もある、岩手の実情に即して言えばこういうところが合わないんだとかという形で丁寧な説明が今求められているんじゃないかという思いで質問したわけです。
 その根拠は、これまでの昨年の検討委員会の中間報告の後の地域説明会でも、あるいは今回のさまざまな地域のブロック別の懇談会や検討会議の中でも、常に焦点はここだったわけです。学校規模、学級定員の問題、小規模校の扱いの問題ということでずっとやられてきた話だからこそ、だから他県の実例を検証して県としての考え方を掲示をちゃんとして、午前中の議論にもあったように、悪いなら悪い、いや、岩手にはめられないというのであれば、岩手にはこういう形で当てはまらないのだとか、あるいは岩手はこう考えるから採用しないのだとか、そこをちゃんと例示すればいいじゃないですか。今、県民の議論を聞くと言っている際に、この問題は資料も含めて一切出ていないわけですよ。その上で評価をしないと言ったら事実上の議論の封殺になるということを私は言っているわけなんです。
 現実に今、二つの形態で意見聴取の方法がとられております。私も参加させていただいてお聞きしたんですけれども、検討会議で行政やそれぞれの市町村教委の方々からの発言もございましたし、それから今、一部開催され始めた懇談会、これは広く県民の声を聞くということのようでありますけれども、例えば、これは私の中部ブロックでの一つの形態なんですが、検討会議というのを花巻の文化会館、だれもほとんどの方がわかっている場所、広く県民から意見を聞く懇談会は花巻北高校という形で、本気になって県民の幅広い意見を聞くかどうかというのを、私はちょっとうがった見方かもしれませんけれども、この会場選定には一つもあらわれていないと私は思ってしまうわけなんです。そこを含めて、教育長はたびたび地域の意見を最大限尊重すると記者会見でお話をしていますので、そういう観点に立てば、現状の開き方を含めてどのようにお考えなんでしょうか、見解をお示しいただきたいと思います。
〇法貴教育長 会場設営の場合は、民間の懇談会みたいなものを開く場合は夕方遅くから開かせていただいていますので、そういう意味では、自前の管理できる施設を使って開くということも一つのやり方であると認識しております。
 それから、定員のところが議論が深まっていないじゃないかという話なのですけれども、第2回検討会議が近々開催されますが、先ほど冒頭、委員に久保委員じゃないですけれども上田課長から申し上げたように、第2回目は国の動向とか定員の関係のところを検討会議では話したいということで進めてまいりますので、今の委員のお話ししたことなども踏まえて、資料の提供などについて工夫してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今の二つの形態での意見聴取でも、例えば私が参加した中部ブロックの検討会議は7月13日開かれたんですが、その際に、こういう会議を出前で懇談会やってくれないかという声が上がりました。それに対して県教委は、直ちに速やかにやりますと答弁しておりまして、いいことだなと思っていましたら、その開催について文書が出てきたのはこの間の10月7日という日付ですよね。私も地元から何回か言われたんですが、そういうところにも、本気で県民に対して説明をしていく、あるいは声を聞くという態度が見てとれるのかどうかというところで、私は非常に不十分だなという気がしてならないわけです。
 先ほどの小規模校の問題、それから学級定数、学校規模の問題を含めてもっと情報をきちんと出して、県民が取捨選択、判断ができる材料を私は出すべきだということを申し上げたいと思うんですが、最後にそこを教育長にお答えいただいて終わりにしたいと思います。
〇法貴教育長 先ほどもお話ししましたけれども、資料の提供の仕方については十分工夫させていただきたいと思いますし、出前の説明会に出向くスタッフの場合についても、どちらかというと検討会議を3回、懇談会を2回、準備を9ブロックで行っていますので、手間暇かけて出前会議もやるとなると日程の調整がなかなかつきづらいところもありますので、その合間を縫ってやっているわけですので、できれば御理解を賜りたいと考えております。
〇斉藤信委員 35人学級の取り組みに絞って簡潔にお聞きします。
 平成21年度から中学校1年生で35人学級が試行という形で実施されました。私も松園中学校を訪問してまいりましたが、中1問題が解決されたと、すばらしい成果が報告されました。県教委としてどういうふうにこの成果を受けとめているか、成果があるとすれば、来年度はぜひ全面実施を中学校1年生でやるべきではないか。
 二つ目は、政府は来年度からいよいよ国の制度として小学校1、2年生で35人学級を実施しようと概算要求をしています。この中身には私は加配を減らすことは入っていないと受けとめていますが、もし国で小学校1、2年生を実施するとすれば、県独自に小学校3、4年生に35人学級は拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇菊池首席経営指導主事兼小中学校人事課長 お尋ねの件でございますが、中1に対する試行については、委員御指摘のとおり、大変成果が上がっておるという報告が私どもにも届いております。それに伴いまして中1について全面実施ということでございますけれども、試行2年目ということで今、実施しておるわけですが、現在のところ、対象校の60%を超える学校が実施しているところでございますが、現在、取り組んでいる学校の成果と課題をさらに検証いたしまして、さらに市町村の教育委員会の意向等を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
 小学校1、2年生の35人学級の実施については、文部科学省から行うというように計画が出されておるわけですが、それに伴って、教員増をどうするかというところでございます。先ほど委員からお話がありました加配についてでございますが、これにつきましても、文部科学省では昨年と同様の数を要求しているという情報が伝わってきております。ですが、概算要求がそのまま通るかどうかというあたりが不透明でございまして、このことについても見きわめて検討をしてまいりたいと思っております。
 ただ、本県におきましては、多人数学級を有する小学校で少人数加配を配置することができないところにはすこやかサポートという非常勤職員を配置して手当てをしておるわけでございますが、そちらのほうもあわせて充実をさせてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私が聞いたので一つ答えていない。国の制度で小学校1、2年生をやるのであれば、県が今まで独自にやってきたんですから、3年生、4年生に拡充すべきだと。ぜひそれを検討してほしいと。
 もう一つは、今、小学校1年生、2年生以外でも学校が判断すれば少人数学級を実施している学校がかなりありますが、その実態を示していただきたい。
〇菊池首席経営指導主事兼小中学校人事課長 国の制度が本格的に実施されまして1、2年生がということでありますが、これにかかわる教員増につきましては、先ほども申し上げましたとおり、これに最悪の事態では加配が充てられるということも考えられるわけでございます。この加配の減という事態を考えますと、今の時点では踏み切るという判断にはなかなかならない状況でございますし、35人学級の恩恵を受ける学校の数を考えますと、岩手県全体のおよそ3割弱の学校のみであります。残り7割の学校は、35人学級が完全に実施されたとしても恩恵にあずからない学校が大変多うございます。そちらのほうの手当てということも考えまして、恩恵にあずからない学校への加配ということも考えなければならないと考えております。
〇法貴教育長 少人数加配の実施校の話だと思いますけれども、手元にある資料、ことしの前半で見ますと、小学校で121校、それから中学校で120校で少人数加配を使って少人数指導あるいは習熟度別あるいはT1・T2をやっているということになります。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時53分 休 憩
午後4時2分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 ただいまの世話人会の協議結果を御報告いたします。
 先ほど菊池勲委員から発言がありました農林水産部の第3部の審査の運営等について、改めて世話人会において協議した結果、さきの総括質疑等における各委員からの要請を踏まえた対応等について、第3部の審査に先立ち、宮舘副知事及び農林水産部長から報告を求めることとし、また、報告に対する質疑については、農林水産部審査であることにかんがみ、農林水産部長に答弁を求めることと決定しましたので、御了承願います。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇樹下警察本部長 警察本部長の樹下でございます。よろしくお願いいたします。
 平成21年度の警察本部関係の決算について御審議いただくに当たり、まず、警察業務の推進状況について御説明を申し上げます。
 県警察では、平成18年12月に平成22年度までを目途に緊急かつ重点的に取り組むべき各種施策を取りまとめました岩手県警察総合治安対策プログラムを策定したところであり、平成21年も引き続き本プログラムに掲げる7項目、安全・安心なまちづくりの推進、少年非行防止対策の推進、悪質・重要犯罪の検挙対策の推進、交通事故抑止対策の推進、テロ対策の推進、災害対策の推進、治安基盤の強化を柱に、組織の総力を挙げて取り組んだところでございます。
 その結果、平成21年の刑法犯の認知件数は8、240件と昭和52年の戦後最少、これは8、279件でございますけれども、この記録を下回りましたほか、刑法犯の検挙率につきましては44.0%と前年比で6.1ポイントの増となったところであります。
 次に、交通事故の発生状況を見ますと、平成21年の交通事故の死者数は81人で前年比12人の増加となったところでありますが、長期的に見ますと、交通事故の死者数は、平成14年から減少傾向となっており、特に、平成18年以降は、2けた台で推移しております。
 また、平成21年の交通事故の負傷者数でございますが5、403人と前年比150人の減少となり、昭和63年以降最少となったところであります。
 しかしながら、殺人など県民が不安に感じる凶悪犯罪が依然として発生しておりますほか、交通事故死者数に占める高齢者の割合が高いなど、県民が安全・安心を実感するまでには至っていないものと認識しております。
 こうした中、平成22年の県の施策に関する県民意識調査の結果によりますと、犯罪への不安が少ない社会づくりや交通事故の少ない社会づくりが重要度の上位にランクされていることから、県民は、良好な治安の維持を強く望んでいるものと思われます。
 県警察といたしましては、こうした諸情勢を踏まえ、自治体や関係機関を初めとして、県民の皆様と連携した総合的な治安対策を推進し、県民が安全・安心を実感できる地域社会の実現を目指し、今後とも組織の総力を挙げて取り組んでまいります。
 それでは、決算について御説明申し上げます。お手元の平成21年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。第9款警察費の歳出予算現額は293億6、163万円余で、これに対する支出済額は283億5、972万円余で、執行率は約96.6%であります。支出済額は、前年度と比べますと9、985万円余、約0.4%の増となっております。
 なお、翌年度繰越額は8億136万円余で、すべて繰越明許費であり、主には、国の経済対策に伴う臨時交付金に対応した事業であります。
 不用額は2億53万円余で、その主なものは、警察学校射撃場解体工事、二戸警察署新築工事等警察施設工事の入札残による工事請負費の残、退職手当等の実績が見込みよりも下回ったことによる職員手当等の残、運転免許証の高齢者講習等受講者の実績減による委託料の残などであります。
 次に、平成21年度歳入歳出決算書事項別明細書により、項目ごとに御説明申し上げます。
 なお、項目ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 事項別明細書の326ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費は、公安委員3名の委員報酬及び活動経費であります。第2目警察本部費は、警察職員の給料、職員手当などの給与費が主なものであります。警察費の決算額に占める給与費等人件費の割合は約79.1%となっております。平成21年度における警察官の定数は2、112人、警察官以外の職員の定数は319人であります。その他非常勤として交番相談員27人、警察安全相談員13人などの職員が勤務しております。第3目装備費は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両の購入や、車両、警備船、航空機などの維持管理費が主なものであります。次に、328ページをお開き願います。第4目警察施設費でございますが、治安の基盤をなす警察署、交番・駐在所などの警察施設の整備や維持管理などに要した経費であります。この中には、平成21年度から2カ年事業で進めている二戸警察署の移転新築工事費、警察学校射撃場解体工事費、北上警察署常盤台交番、遠野警察署青笹駐在所、宮古警察署川内駐在所、久慈警察署小久慈駐在所の新築工事費などが含まれております。第5目運転免許費は、自動車運転免許試験、免許更新、行政処分などに要した経費であります。次に、330ページをお開き願います。第6目は、恩給及び退職年金の経費であります。
 第2項警察活動費第1目一般警察活動費は、110番通報を処理する通信指令システムなどの警察通信施設の維持管理経費、犯罪被疑者の警察署留置のための食費等経費、犯罪被害者等支援のための補助経費が主なものであります。第2目刑事警察費は、少年非行防止や子供の安全対策などの安全・安心なまちづくり推進事業に要した経費、犯罪捜査に要した旅費等の経費、防犯活動支援のための補助経費であります。次に、332ページをお開き願います。第3目交通指導取締費は、交通安全や指導取締活動の経費、交通事故の防止と交通の円滑化を図るための交通信号機等の交通安全施設の整備及び維持管理に要した経費であります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 331ページの犯罪捜査取締費に関連いたしまして、現職警察官の漁業取締事務所への派遣の継続についてお伺いいたします。
 本県は日本一のアワビの生産県であり、沿岸各地の漁協では、年間800万個もの種苗を放流するとともに、沿岸の漁業者は、昼夜にわたり交代で浜の監視を行い、また、県の漁業取締船や漁協の監視船により密漁の防止に努めているところであります。
 しかしながら、このような努力にもかかわらず、暴力団等による組織的な密漁グループが、県北海域では車により、また県南海域には高速船により海上から本県に侵入しており、近年その活動が活発化していると聞いております。
 アワビの密漁は、暴力団等により組織的に繰り返されており、暴力団の資金源になっているとも言われており、このような悪質な密漁事犯に効率的に対応していくためには、多様な法律知識を駆使し、効果的に取り締まりを展開する必要があることから、現在、県漁業取締事務所に現職警官が派遣されているところですが、これによって沿岸の警察署や海上保安部との連携の強化や捜査機能も向上してきているものと考えております。
 先ごろ水産議員懇談会の場で県漁連の大井会長さんからも現職警官の継続派遣を強く要望されたところでございますが、警察本部として、今後の対応についてお伺いいたします。
〇千田生活安全部長 岩手県の漁業取締事務所への警察官派遣につきましては、平成4年から警察官1名を派遣しているところでございます。
 派遣職員の業務内容といたしましては、漁業関係法令違反の取り締まり及び犯罪捜査に係る実践的な指導、並びに警察や海上保安部との共同取り締まり、連絡調整に関する業務でございます。
 来年度以降の漁業取締事務所への警察官の派遣につきましては、今後、関係当局と協議するものでございますけれども、警察といたしましては、関係機関との連絡等に今後も必要であると考えております。
 また、密漁取り締まりのための宮城県警、青森県警との連携につきまして─以下の質問につきましては、次にお答えいたします。
〇伊藤勢至委員 私の質問が足りませんで、そこまで触れればよかったのでありますが、それはそれといたしまして、意のあるところは承ったところでありまして、心強く思います。
 ところで、本県の海岸線は740キロと言われておりまして、非常に広い距離を有しております。そして、この密漁に関しましては、青森県と岩手県の県境、そして岩手県と宮城県の県境の部分が非常に危うい、危ない、こう言われておりますので、現在1名の方が孤軍奮闘しておられるようでありますけれども、物理的に1人で740キロをカバーするのは非常に難しいのではないか、このように思います。
 そこで、重ねてお願いしたいのでありますが、ぜひ、あと1名を増員していただいて2名による監視体制あるいは抑止力を発揮していただくことになりますと、本県のこの沿岸の主要産業であります水産漁業にとりましては、イコール所得のアップにすぐつながるものでございますので、それをお願いしたいと思うところでございます。
 私は、今4期目をいただいておりますけれども、3期目の後半、議長を仰せつかりまして務めさせていただきました。その際、平成18年度だったと思いますけれども、県の担当が3人議長室に見えられまして、警察官房長官に警察官の増員の要望をするので議長にも同行してくれということでございました。私が行って役に立つのであればとお受けをしたのでありますが、お会いをする時間がおおむね10分ということでございましたので、その10分の中で要望書を読んで、ただお願いしてくるのも芸がないということで、私的にちょっと考えまして、無礼、失礼のないような範囲の中で10分間を大いに活用する要望をさせていただいたと思っております。
 そうしましたところ、その官房長官が非常に興味を示されまして、やりとりが結構できまして、20分、25分ぐらいお話をすることができました。そうしたら秘書が出てきて、もう次の予定がありますのでそろそろと、こういうことでございましたので、そのとき最後に、そういうわけでございますので警察官の増員を何とかお願いをしたいということで席を立ちました。
 その際に、私から言うのも何でありますが、非常に、余り笑わない官房長官だそうでありまして、それだけ激務なんだと思いますが、鬼がわらのような方がにやっと笑ってくれまして、非常にこれは脈があるかなというふうに思って帰ったところでございます。
 その後しばらくたって、県の御用納めの前後だったと思いますけれども、同行した3人の方が見えられまして、きょう内示がありました、私たちが思っていた倍の人数の内示があった、こういう御報告をいただいたところであります。
 これは、いわゆる団塊の世代の方々が大量に退職をされて、そこの補充が多くなる。ただ、その場合に、どうしても関東、関西、中央圏に集中するので、岩手県としては早く要望しておかないといけないということだったようでありまして、よかったなと思っております。
 そこで、倍の増員をいただいたわけでありますので、その倍の増員の中の一人を沿岸に派遣をしていただく、こういうお願いをすることはストーリーがある、説得力があると勝手に思っているところでありますが、今、冒頭申し上げましたように、沿岸の水産は、まさに沿岸漁民の悲願でありまして、これはイコール県民所得に直結する部分でありますので、犯罪を防止して、そういう抑止力を発揮されて、さらに県民所得が向上するとなれば、まさに一挙両得、警察官冥利に尽きるのではないか、このように思うのであります。
 いきなりの質問でございましたので、ここでお考えになる時間を持ってもらわなければならないので、答弁はいきなりは求めませんが、本部長からマルのサインでももらえばいいのでありますが、そうもいかないでありましょうから、じっくりと考えていただくことといたしまして、御感想があればお伺いしたいと思います。
〇樹下警察本部長 密漁取り締まりに関する御質問でございます。
 過去の検挙状況を見てまいりましても、県をまたぐような犯罪だということでもございます。また、夜陰に紛れ、あるいは組織的に敢行されるというところで、なかなか取り締まりの難しい犯罪だと考えてもおります。
 一方、先ほど来、御質問の中にもありましたように、漁業関係者の生活の基盤を脅かす極めて悪質な犯罪であるとも考えております。
 あと1名の増員ということについての御質問でございますけれども、今後の密漁事犯等々の発生状況の推移を見つつ、検討してまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 よろしくお願いします。終わります。
〇吉田敬子委員 男性も女性もみずからの意思で自分の人生を選択できて、性別にかかわりなく、その能力と個性が発揮できる個人の人権が尊重される社会の実現が望まれるところでありますが、男性社会というイメージがある警察において、毎年新規に採用されている警察官のうち女性の割合がどうなっているのか、過去5年間の状況をお示しいただきたいことと、このような男性社会というイメージのある警察においても、女性の特性を生かした業務がたくさんあるのではないかと私は思いますが、女性警察官が現在どういった部署に配置されて、どのような活動をされているのかお教えください。お願いいたします。
〇森本警務部長 女性警察官の採用等についての御質問でございます。
 女性警察官につきましては、平成5年度から採用を開始いたしまして、平成10年度に交通巡視員から警察官に身分を切りかえました12人を含めまして、これまででトータルしまして149人を採用しております。
 過去5年間の採用状況についてでありますけれども、平成18年度に8人、平成19年度に13人、平成20年度に13人、平成21年度に9人、平成22年度に9人の合計52人を採用し、採用数に対する割合は12.3%となっております。
 続きまして、女性警察官がどういった部署に配置されているかということでございますけれども、女性警察官につきましては、県民と直接触れ合う機会が多い交番におきまして、地域警察官として、各種届け出の受理、それから犯罪の予防、捜査、交通指導取り締まりなどの活動をいたしているほか、例えば刑事でありますとか白バイ隊員など、生活安全、刑事、交通などの各部門で幅広く活動しているところでございます。
〇吉田敬子委員 刑法犯罪認知数は減少傾向にある中、性犯罪が増加傾向にあり、また、配偶者からの暴力の相談件数も岩手県の男女共同参画センターの中ではふえていると聞いております。捜査や被害者支援に女性警察官の能力や特性を生かしていく必要があると私は考えますが、今後の職域拡大、幹部への登用等について、どのようにお考えになっているかお伺いいたします。
〇森本警務部長 女性警察官でございますけれども、市民の応接の面において非常によい印象を与えております。また、委員御指摘のとおり、女性の被疑者でありますとか被害者への対応、あるいは少年補導など、警察業務の中には女性の特性を活用すべき分野も多く、今後とも個々の適性等を勘案しながら、さまざまな分野での活動を積極的に展開させていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ぜひ警察官の中でもたくさんの女性が幹部への登用に行ければいいと私は考えます。
 あともう一つ質問ですが、平泉文化遺産登録など、県はこれからますますグローバル社会にも対応していかなければならないと考えておりますが、国際化に対応した警察官の語学能力についてお伺いいたします。
 この国際化に対応していくために、警察官の語学力向上が必要と私は考えておりますが、その認識と現在の取り組み状況、また、国際化に対応するためには海外での研修なども極めて効果が高いと私は考えておりますが、そのような研修も行われているんでしょうか、お伺いいたします。
〇森本警務部長 申しわけございません、先ほどの委員の御質問の中で、女性の警察官の幹部登用についてちょっと答弁が抜けておりましたので、まず、そちらからお答えさせていただきたいと思います。
 女性警察官の幹部登用につきましてでありますけれども、警察官の昇任は、競争試験に基づいて行うこととされておりまして、女性警察官も含めて、これに基づいて幹部に登用するものでございます。現在、女性警察官の最上位の階級は警部補でございまして、警察官の中で女性警察官の割合が年々高まる中で、さらに上級幹部への登用が期待されているところでございます。
 続きまして、警察官の語学能力の向上についてのお尋ねでございます。
 近年の国際化の中で警察業務を的確に行っていくためには、警察官が十分な語学能力を有することが必要と考えております。
 警察官の語学能力の向上につきましては、まず、警察学校における採用時教養といたしまして、高卒者や短大卒者を主に対象といたしまして、外国人講師による英語教養を18回36時間のカリキュラムで実施しております。また、若手警察職員を中心に、業務において一定の語学能力を身につけさせるため、民間の外国語学校に委託して週一、二回程度、英語等の外国語を学ばさせており、昭和63年からこれまで合わせて169名の受講者がおります。これらの者につきましては、警察本部、県下各署において、それぞれ配置しているところでございます。
 このほか、通訳人を養成することを目的といたしまして、警察大学校にあります国際警察センターでの長期語学研修に入所させており、現在、5言語15人の通訳人を保有しておるところでございます。
 なお、本年からは、通訳人の語学能力の維持・向上を図るため、警察学校において、英語、北京語の7名に対しまして、4日間の専科教養を新たに実施しているところでございます。
 警察におきましては、今後とも、採用時教養における外国語教養、委託教養、それから通訳人を養成する長期語学研修等を継続して実施するなどいたしまして、警察官の語学能力の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
 続きまして、海外研修についてのお尋ねでございました。
 部内の通訳人の能力の向上を目的といたしまして、平成9年から台湾、米国、大韓民国に警察官を派遣しているところでございます。本年は、大韓民国の現地学校におきまして3カ月間の長期海外語学研修を実施しているところでございます。
 海外研修は、現地における本格的な語学能力を身につけさせるために効果的な研修であると考えておりまして、今後とも、引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 樹下警察本部長に初めて御質問いたします。伊藤勢至委員の質問に執行部の皆さん、いつもおっかない面持ちですが、ぐっと崩れたところを見ますと、やっぱり人なんだなという気がいたしました。済みません。
 質問いたします。猟銃の免許所有について伺います。
 平成21年までの5カ年の猟銃等所持者、丁数の推移を伺ったところです。平成17年のライフル銃の所持者が980名で、農作物の被害が増大しているシカ、人的被害のクマなど、その駆除にはライフル銃と伺いました。そのライフル銃の所持者が5年間で980名から、平成21年、918名に減っておりますが、その要因は何だと思われているのか伺います。
〇千田生活安全部長 ライフル銃の所持者の減少につきましては、一般的な傾向としかお答えができかねるわでございますけれども、所持者の高齢化、それから狩猟鳥獣の減少、あるいは中山間地の人口の減少によるものと思われます。
 以上の要因として、こういう形で年々減少しているというふうに私どもとらえております。
〇及川幸子委員 それで、この間、総括質疑で工藤勝子委員が質問したわけですが、今、農作物の被害が大変増大だと。遠野市でも2、000頭のシカが確認されて、五葉山を含めて4、000頭。私の地元でも農作物が大変やられております。
 そういう中で、この918名というライフル銃の所持者では何ともならないのではないかと思うんですが、許可するときの内容というのはどうなんでしょうか、どういうふうな内容なんでしょうか。
〇千田生活安全部長 猟銃の所持許可につきましては、岩手県の公安委員会の許可となっております。試験の内容につきましては、猟銃の講習会、いわゆる学科考査といいますか試験、それから実際に射撃を行う射撃教習、これは実技の考査でございますが、この二つに合格して初めて猟銃の許可申請となっております。
 なお、猟銃のうちのライフル銃につきましては、殺傷能力が極めて高いということで、危険性を有することから、ライフル銃の所持につきましては、競技の選手のほかに、通常であれば散弾銃の猟銃を10年以上所持している方が許可できると。ですから、10年以上所持した者でなければ許可できないということで、これは法令に明記されている部分でございます。
〇及川幸子委員 事前に猟銃とか空気銃の所持者の許可状況を聞きましたが、ライフル銃、散弾銃、空気銃の中で、シカとかクマをやっつけるのはやっぱりライフル銃であるということですが、県内での鉄砲等を凶器とした、銃砲等を凶器とした事件というのはどうだったんでしょうか。
〇千田生活安全部長 許可銃を凶器とした事件につきましては、平成9年に散弾銃を相手に向けた強迫事件というものが発生しておりますけれども、これ以降は、この種の事件は発生しておりません。
 それから、拳銃の発砲事件につきましては、平成12年に盛岡市内で拳銃発砲による立てこもり事件が発生しておりますが、それ以降は発生しておりません。
 それから、拳銃の押収につきましては、過去10年間で31丁押収しております。
〇及川幸子委員 31丁の押収ですよね。所持許可の取り消し、狩猟などで取り消しがあると思うんですが、それの状況はどうでしょうか。
〇千田生活安全部長 所持許可の取り消し状況につきましては、平成21年にはライフル銃の取り消しはございませんけれども、散弾銃所持者1名に対して、その方が所持しておりました3丁の取り消し処分を行っております。
 それから、本年9月末現在では、同じくライフル銃の取り消しはございません。散弾銃の所持者1名に対して、所持している1丁の散弾銃の取り消しを行っております。
〇及川幸子委員 私は、その狩猟の猟友会のメンバーからちょっと重要なことをお聞きして、それは本当かなと思ったことがありました。それは、許可の際の審査基準になっていることの一つに、夫婦仲がいいということがあるんだよということで、どういうことかなと言いましたら、夫婦仲が余りよくない人には免許はやれないということなんですが、どこでそういう夫婦仲がいいか悪いかなんて基準にされているんでしょうか。
〇千田生活安全部長 所持許可の基準につきましては、銃刀法という法律がございまして、第5条に明記されております。具体的にお話ししますと、精神疾患あるいは薬物中毒者、それから住所が定まらない方、これらの方々が、所持許可の欠格事由として明記されております。
 委員御質問の部分でございますけれども、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、一般的に言われるDV防止法という法律がございますけれども、この関係で裁判所から保護命令を受けますと、許可は取り消しとなります。それから、取り消しとなりますと、さらに3年間は許可が受けられないという状況になっております。
〇及川幸子委員 配偶者の暴力とかそういうのだと、担当課では近所に聞き回るんでしょうか。あそこの夫婦、仲いいですかとか、時々けんかしていますかなんて聞くんですか。
〇千田生活安全部長 所持許可を申請された場合には、ある程度、本人と、それから家族の関係につきましては、一定の調査はいたします。ただ、周辺の調査という形になりますと、特に必要がある場合以外は、通常の場合は行っておりません。
〇及川幸子委員 警察本部長、いいですか。近所に聞き回るのも、それも事実だということを聞いたんですけれども、これ、夫婦仲がいいように見えても、やっぱり人ですから、とっさに爆発して、そういうものを持ち寄って凶器として使うなんていうこともあると思うんです。その基準というのが、その辺に置かれていいのかどうか。取りたい若者がおりました。しかし、よく夫婦げんかをしているので、やっぱり取れないだろうと言ったら、案の定、取れなかったんですよ。そういう基準という考え方はどうなのかということを、ちょっと最後に警察本部長にお聞きしたいと思います。
〇樹下警察本部長 銃砲許可の基準ということでございますけれども、先ほど生活安全部長が説明したとおり、欠格事由に当たるかどうかというところで判断することになろうかと思っております。
 ただ、夫婦仲が悪いかどうかとか、夫婦仲が悪いと判断するための要件は何かというのは、なかなか難しい話だろうと思っております。ただ、この特に欠格事由に、DV法違反で命令を受けた者というものが加えられた、その改正のもととなったのは、平成19年12月に発生しました佐世保における猟銃利用の殺人事件ということがありました。その際も、さまざまな不満等々を持っているということで、あの人が持っているのは危ないじゃないかというような情報もあって、そういった情報があったにもかかわらず取り上げることができないのかというような問題意識から、法改正が行われて、現在の欠格事由が定まっていると聞いております。
 さまざまな情報を、銃砲を所持するために、御負担なりおかけすることもあろうかと思いますけれども、このような事件の再発防止という観点で、この法律が改正されたものだと。そういった趣旨を踏まえて運用してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 どうぞ、農業被害もさることながら、きのうあたりの報道ですと、もうまちの中にクマの親子が出没して大変危険な状態だと思っておりますので、猟友会のお力もかりなければなりません。こういう少ない人数ではなかなか難しいと思いますので、今後においても施策、取り組みを行っていただきたいと思います。
 2番です。青少年犯罪の状況ですが、防止対策の取り組みと状況、その成果をお知らせください。
〇千田生活安全部長 少年の非行防止対策につきましては、非行の未然防止と、それから再非行防止のための立ち直り支援が重要ということで、この二つを主要な柱で現在進めております。
 特に、少年の規範意識の向上を図るための児童生徒に対する非行防止教室の開催、あるいは大学生ボランティアの少年サポート隊という組織を結成しておりますけれども、このサポート隊による非行少年の立ち直り支援活動を重点推進事項として、岩手っ子いきいきサポート作戦という名称で業務を推進しております。少年犯罪は、本年も引き続き、現実にも減少傾向にございます。
〇及川幸子委員 減少傾向ということですが、平成14年をピークに減少してきた万引きというのが、中・高生とも大幅に増加しているんですけれども、これはどういう要因ですか。
〇千田生活安全部長 平成21年中に万引きで検挙された少年は312人で、その前年に比べて35人増加しております。このうち中学生は116人で5人の増加ですけれども、高校生のほうが122人で35人と、やはり多く増加しております。
 この原因につきましては、必ずしも明確なものではございませんけれども、警察から店舗へ届け出の要請を行ったことが背景の一つにあると思われます。
 また、検挙補導少年の動機を分析いたしましたところ、単に欲しかったからというような所有あるいは使う、消費目的がほとんどでございました。万引きは犯罪であるという認識が極めて低いといいますか、薄いという、その背景もあると思われます。
〇及川幸子委員 やはり教育現場の方々とも連携をとりながら、これは再発防止に努めていかなければならないと思いますが、その対策として本当に強化していかなければならないと思いますが、最後にその対策の取り組みを。
〇千田生活安全部長 万引き防止の対策といたしまして、従来から行っています店舗に対しての防犯指導とか、あるいは被害の届け出の要請、それから、少年警察ボランティアの方々と連携して、各お店の店内の巡回活動を行っております。そのほか、あと、少年の規範意識の向上を図るために、非行防止教室というものを行っております。
 これら活動を通じまして、ことしの9月末現在の万引きの状況は、成人も含めた全体で556人で、前年の同じ時期と比べますと169人減少しております。
 それから、万引きで検挙された少年につきましても、148人で、前年の同じ時期と比べて90人の減少となっておりまして、中学生、高校生の万引きも減少しております。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。これがもっともっと減少するように努めていただきたいと思います。
 次に移ります。多重債務者の相談状況とヤミ金融業者の取り締まり状況についてお伺いするものですが、平成19年より今まで減少しておりますが、その要因をお聞きしたいと思います。また、受け付けた相談件数の中の年齢はどうなっているのか。
〇千田生活安全部長 多重債務相談につきましては、ヤミ金相談として受理しておる現状でございまして、ヤミ金融に関する相談の受理件数を若干お話しいたしますと、平成19年は933件で、平成21年は651件ということで減少しております。ちなみに、ことしの9月末現在は271件で、昨年の同じ時期から見ますと262件のマイナスとなっています。
 相談の年代別に見ますと、30歳代が一番多くて、次いで40、50歳代となっておりまして、この年代で大体全体の72%を占めております。
 それから、この年代の関係につきましては、やはり全体と同じように、年々相談件数は減っております。
 警察といたしましては、多重債務者のヤミ金事犯の取り締まりを強化しまして、あと、あわせて犯行使用口座の凍結とか電話警告による被害防止に努めているところでございます。
〇及川幸子委員 ヤミ金融業者の取り締まり、逆にヤミ金の取り締まりを徹底的にしないとと思うんですが、このちょっと入手した資料を見ますと、法定金利の約110倍から約750倍の利息で金銭を貸し付けているヤミ金もいるということがわかりましたけれども、すごい額だなと思っております。それで何億というお金を稼いでいるんですが、こういう人たちが岩手県に入って、東京から、岩手県はだましやすいというのでしょうか、入ってきて、実際逮捕されておりますが、その検挙状況をお知らせいただきたいと思います。
〇千田生活安全部長 ヤミ金融事犯の取り締まり状況につきましては、平成19年は7事件の15名検挙しております。それが平成21年は12事件の27名と大幅に増加しております。ことしは、9月末現在で3事件の3名を検挙している状況です。
 改正貸金業法がことし完全施行されまして、貸付金額が制限されておりますけれども、今後、ヤミ金利用者の増加が懸念されるということもありまして、今後も取り締まり強化を図ってまいります。
〇及川幸子委員 改正貸金業法が施行されたということを徹底して若い人たちに知らせることが一番大切だと思っております。県の生活支援センターなどとも連携をとりながら、県警においても、いずれ取り締まりに徹底して当たっていただきたいと思います。
〇新居田弘文委員 私から1点、祭典における交通規制についてお伺いします。
 県内市町村あるいは観光協会、団体、それから商工団体、それぞれその地域地域でいろいろな行事を展開しております。そういう中で、例えばマラソンのように道路を走るものもあれば、一定の区域を囲ってやるイベントもありますし、中には、いわゆる歩行者天国、一番のメーンストリートに全部交通規制をかけて、そこでいろいろな催しをやる場合もありますが、まず最初に、歩行者天国として許可しているその辺の状況、実態についてお知らせいただきます。
〇矢羽々交通部長 昨年中、県内におきまして祭典における手踊り、みこし、山車の運行のため、歩行者用道路等の交通規制を実施しました件数は139件となります。
〇新居田弘文委員 わかりました。それで、その歩行者天国で通行者の安全を図っていろいろなイベントをするわけですけれども、今言った山車の運行等もその中に入ってきます。それで、いろいろ地元からも話を伺うんですけれども、従来は、山車はいろんな飾りつけをするとか、あるいは音響装置を積載するとか、いろいろな組み合わせをして運行します。そして、その周辺で手踊りするとかさまざまするわけですけれども、昔のように大勢の皆さんがそれを引くとか押すということであればいいですけれども、よく大きなもの、トラックですね、平ボディとかを使って、トラックが一定の速度で運行するというような仕組みで今までやられた場所がたくさんあるんですけれども、最近、交通課の所管として、エンジンつきの車両は一切運行はだめだというような話を耳にするわけですが、その辺の実態についてちょっと御紹介いただけませんか。
〇矢羽々交通部長 まず、山車についてですが、山車に原動機を装着した場合、これは道路運送車両法上、自動車とみなされます。したがいまして、道路運送車両法上の保安基準が適用されるため、この基準に適合しなければ、運行することはできないこととなります。
 それから、歩行者用道路とした規制の中に、例えばトラック等を走らせる場合、これは、不意の暴走等から危険性があるということから、許可については慎重にしております。
〇新居田弘文委員 道路交通法その他の規制についてはわかっているつもりなんですが、ただ、実態的に、今まではよかったんだけれども、最近、その原理原則でするものですから、今までよかったものが運行できなくなると、せっかくのお祭りが盛り上がらなくなる、そういう心配をする地域の皆さんがあるものですから、ぜひこのことは県警のほうに話をして、無条件に全部緩和するという意味じゃないですけれども、ある一定程度、それは単なる車が走る、走らないじゃなくて、地域のイベントとして、経済活動でもあるし、あるいはよそからの交流人口をふやすとか、あるいは物産の販売とか、いろいろなプラス効果が多くあるんですよ。その辺をいろいろ考えていただいて、一定程度の規制はやむを得ないですが、ある範囲の中ではもっともっと自主的に、現場の警察官が例えばつくとか、あるいは交通指導員とか交通整理員もつくとか、いろいろな条件を付すことは構わないですが、県警としても工夫なり一考をひとつお願いできないかなということで、地域の皆さんの思いも思ってお話しするわけですが、もう一回、所感をひとつ。
〇矢羽々交通部長 歩行者用道路と規制した場合、その歩行者用道路の区間におきましては、いずれ自動車というのは原則として走行できません。ただ、例えばチャグチャグ馬コの清掃用車等のように、道路使用許可の中で個別に審査しまして、例えば歩行している集団と相当の距離をとること等の一定の条件を付して許可している場合もあります。
〇新居田弘文委員 わかりましたと下がればいいんですけれども、いずれそういう皆さんの思いと地域の実情を現場サイドで少しうまく協議して、交通安全を担保できるような方法でいろいろ工夫していただくようにお願いして、終わります。
〇高橋元委員 私からは、大きく2項目についてお尋ねしたいと思います。
 まず冒頭に、先ほども紹介ありましたが、北上市街地の北部に常盤台交番をつくっていただきまして、感謝申し上げたいと思います。北上市議会でもたびたび話題になりまして、私も一度そういう発言をしたこともあるんですが、長年にわたっての市民の悲願がようやく実現したということで、ぜひ今後とも、交番を中心に、市街地北部の安全・安心のまちづくりに、なお一層よろしく御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、昨年、基金を活用した雇用対策事業ということで、緊急雇用創出事業として安全・安心なまちづくり推進事業と、それから道路標識設置状況調査事業ということで、合わせて二つの事業が盛り込まれまして、新規で常用雇用、合わせて61人ですか、雇用をつくっていただきました。これは大変ありがたいことだと思います。
 これの予算額は、安全・安心なまちづくりのほうは4、540万円、道路標識設置状況の調査事業が2、910万円ということでありましたが、この決算額は幾らになっているのか。あわせて、その事業の実施状況とその成果をお伺いしたい。
 また、今後のこの事業の進捗度と、それから、今後のこの展開、それをどのように考えているのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 初めに、事業の実施状況とその成果についての御説明をいたします。
 平成21年10月1日から22年3月30日までの半年間、緊急雇用対策事業の一環といたしまして、警察安全指導員40名の方を採用いたしまして、警察本部、それから各警察署に配置いたしまして、安全・安心まちづくりの確保対策事業を実施いたしました。
 なお、本事業の支出済額についてですが、総事業費4、610万円余りになっております。
 この事業につきましては、警察安全指導員が高齢者宅を直接訪問して、振り込め詐欺の被害防止、それから高齢者の交通事故防止についての啓発活動を実施しております。
 主な活動の内容といたしましては、高齢者の家庭訪問、それからATMの警戒活動などを実施しております。その成果につきましては、振り込め詐欺被害の減少、それから高齢者被害の交通事故の抑止に一定の成果が得られております。
 なお、本事業につきましては既に終了しておりますので、警察といたしましては、引き続き、振り込め詐欺被害の防止と金融機関を含めた関係機関、あるいは交通事故防止につきましては、交通安全活動の関係団体と、一層これから連携を図って、積極的な広報啓発活動を行ってまいりたいと思います。
〇矢羽々交通部長 道路標識設置状況調査等についてお答えいたします。
 道路標識設置状況調査は、昨年9月に業者と業務委託契約を締結しまして、10月1日から26人を雇用しまして、県内に設置されております一時停止標識等を重点に1万3、871本の道路標識を調査し、本年3月10日をもって事業を完了しております。支出済額は2、810万円余であります。
 調査結果につきましては、調査内容と規制台帳との突き合わせを行ったところ、調査標識の約2.3%に当たる313本につきまして、地番と一致しない等の事実が判明したところであります。これらの標識につきましては、設置経緯等を精査し、施設管理者等が設置した紛らわしい標識については、撤去申し入れなどにより改善をしたところであります。本事業により、適正な交通規制の実現が図られたものと考えております。
 事業の進捗度と今後の展開についてですが、事業につきましては、既に終了し、改善も図られたところでありますが、警察といたしましては、引き続き、適正な道路標識等の管理に努めてまいります。
〇高橋元委員 事業を終了したということでありますので、その分、雇用が減ったんだなという残念な思いをしておりますが、いずれ安全・安心のまちづくりと交通安全の対策については、引き続き強力にお願いしたいと思います。
 2点目は、犯罪防止についてであります。
 ヤミ金融の被害の対策についても通告しておりましたけれども、先ほどの及川幸子委員と重複しますので、この件は取りやめをさせていただきます。
 1点目は、振り込め詐欺等についてであります。
 架空あるいは他人名義の携帯電話や預金口座等を利用し、不特定多数の者から現金をだまし取る犯罪ということで、振り込め詐欺、いわゆるオレオレ詐欺あるいは請求詐欺、それから融資保証金詐欺及び還付金詐欺等が加わるわけでありますけれども、平成21年度中における全国の認知件数は7、340件、被害総額約96億円ということでありまして、ATM周辺での声かけ運動が被害を未然防止できたということで、認知件数、被害金額とも、全国では前年の3分の1ぐらいになっているということであるようです。
 当岩手県におきまして、平成21年度の被害の実態と取り組まれた被害防止対策、これらについてどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 平成21年中の振り込め詐欺の被害実態と防止対策につきましては、平成21年中の振り込め詐欺被害の被害件数は50件、現金被害額約7、500万円となっております。前の年に比較しますと107件、約6、000万円の減少という状態でございます。
 特徴といたしましては、架空請求詐欺の被害額が増加しておりますけれども、そのほかは減少しております。
 被害防止対策といたしまして、警察として、犯行に使用される口座あるいは携帯電話などのツール犯罪と言われるものの取り締まり、それから犯行に使用されました預貯金口座の凍結依頼、あるいは携帯電話利用者に対する警告、ホームページあるいは電子メール、チラシ等での犯行手口の情報提供など、被害防止広報を実施しております。
 また、制服警察官や緊急雇用対策事業として雇用いたしました警察安全相談員による高齢者宅の訪問指導、それから、金融機関への声かけ、説得訓練、あるいは振り込め詐欺撲滅のための川柳コンテスト、振り込ま川柳というものを実施したところであります。
 本年は、警察官や金融庁職員を装って高齢者宅を訪問して、キャッシュカードをだまし取る訪問型の犯行、あるいはこれらを含めたオレオレ詐欺というものが若干増加しておりますので、引き続き防止対策を推進しているところであります。
〇高橋元委員 さまざまな取り組みによりまして被害が減少傾向にあるということは、大変喜ばしいことだと思います。
 実は、夕べ帰りましてから県警のホームページを開いてみましたら、さまざまな振り込め詐欺事件の資料が載っておりました。それを目にしますと、被害者でいいますと、被害者の性別は女性が70%ということでありますし、また、被害者の年代は65歳以上が26%、それから40代が25%、50代と30代がおよそ20%ということが載っておりましたし、手口としては、架空請求についてはATMが58%、それから融資保証について、同じATMで67%、オレオレ詐欺はATMが50%ということで、被害の半分以上がATMのところであると。また、金融機関の窓口というところも1割ぐらいずつあるというのも判明しております。
 また、振り込め詐欺のさまざまな手口というものも一覧表に載っているんですけれども、これらをもう少し手口を簡略化して、ATMのところに行きますと、振り込め詐欺に注意というのは、簡単なものはあるんですけれども、自分が振り込め詐欺に遭っているというのは、気づかないで振り込んでいるわけですよね。ですから、簡単な手口が何か見えるところにあればいいという思いをしているんです。
 警察署の白書か何かでしたか、これには、振り込め詐欺被害防止のポイントというところで載っておりました。オレオレ詐欺については、携帯電話の番号が変わったという電話は詐欺である。それから架空請求詐欺は、身に覚えのない請求は無視して、まず相談をする。それから、融資保証金詐欺、お金を借りるのに先に保証金を払えは詐欺である。それから、還付金等詐欺は、お金を貸すからATMに行けというのは詐欺だというふうな、簡単な、一目でわかるようなコメントがあるわけですね。
 県のホームページでは、こういうチラシをつくっているのかどうかわかりませんが、いずれ一目でわかるような呼びかけを、ぜひ金融機関の協力をもらってATMブースに掲示をしていただく。
 それから、窓口でも1割ぐらいの方が被害に遭っているということであれば、カウンターの下のあたりにも似たようなものを、ポスターみたいなものをつくって張って、そして、こういうことに近ければ行員に相談してくださいとか、何かしらそんなことをやれば、もっともっと被害が少なくなるのではないかという思いをしておりまして、その辺のさまざまなPR等について、もう少し研究していただきたいと思っております。これは要望でありますので、後ほどぜひ研究していただきたいと思います。
 次に、無施錠被害の防止についてお尋ねしたいと思います。
 地域の防犯会議等へ行きますと、無施錠被害が一向に減らないという話をよく伺うわけであります。そこで、県内の無施錠被害の実態と、被害防止に向けた対策はどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 無施錠被害の実態と被害防止対策についてでございますけれども、平成21年中の被害の実態につきましては、侵入窃盗の57%、それから車上ねらいの70%、自転車盗の65%がいずれも無施錠でありまして、これらの数字はいずれも全国平均を上回っているところであります。
 この対策といたしまして、地域安全運動や、あるいはかぎかけの実践推進期間などのキャンペーンを行っているほか、県民に対する意識啓発の強化という各種の活動を行っております。また、高校生に対する自転車の施錠指導などを実施しているところであります。
 その結果、本年9月末現在における無施錠被害は、昨年と同じ時期に比べましていずれも減少しております。
 以上の状態で現在推移しておりますので、よろしくお願いいたします。
〇高橋元委員 住宅の無施錠被害が57%ということでありました。県内かなり広域でございますので、それぞれの地域における住民の考え方とか隣近所のつき合いの仕方とかいろいろ違うところもあるんですけれども、住宅の無施錠被害の特徴的な、感触なんですけれども、例えば四つの広域振興圏ぐらいに区分けしてみて、多い地域はどっちのほうなのか。県央が多いのか県南が多いのか、県北とか、あるいは沿岸が多いのか、その辺、もし今、資料があってわかるようであればお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 県内四つの区域に分けた形で特徴等ございますかという委員の御質問でございますけれども、岩手県の場合は、地域性という形で全般的に全国から見るとかなり無施錠被害は多いわけですけれども、特に、例えば広域振興局管内ごとに分けたという形で我々主に統計はとっておりませんけれども、やはり特徴的な形とすれば県内全般に多いという形しか今現在では把握しておりません。
〇高橋元委員 以前ちょっとした会合の中で県北のほうで多いんじゃないかという話もちょっとあったものですから、地域的な特色があるのかなと思ってお尋ねしたところでございます。
 岩手県、私のそばもそうなんですけれども、地域柄、ちょっと1時間ぐらいかぎをかけないで出かける、あるいは農作業のために半日ぐらいかぎをかけないで出かけるというのが非常に多いわけでございます。そういうふうな地域事情もあるわけでありまして、また、よくよく自宅を見るとかぎそのものがついていないとか、しばらくかぎを使った形跡がないとか、そういったことも非常に見受けられまして、かぎそのものが不備の家庭が多数存在している。これは、無施錠による犯罪被害ということになれば、その温床みたいなところもあるわけです。
 窃盗だけで済めばいいんですけれども、出会い頭のいろいろな強盗事件になったり、そういったことも心配されるわけで、私はその被害防止の対応策として、地域にある自主防犯隊による各家庭の施錠点検みたいなものをしてもらって呼びかけしたほうがいいのではないか。よく消防団でありますと、消火器の点検とか、今は火災報知器の点検とかやっているわけです。そういう意味では、無施錠被害あるいは犯罪を防ぐ意味でも地域における防犯隊の協力を仰いでいくべきではないかなという思いをしておりますけれども、その辺の連携というか、防犯隊に対する協力の呼びかけとか、そういったものはどうなっているんでしょうか。
〇千田生活安全部長 防犯隊を含めまして、地域の自主防犯組織の取り組みあるいは呼びかけの協力、連携についてでございますけれども、現在、防犯隊のほかに地域ごとに自主防犯ボランティア団体がございまして、独自に駅の駐輪場での利用者のかぎかけ指導、あるいは防犯協会あるいは設備協会と連携したかぎかけのキャンペーンとか、具体的な防犯診断などを実施されているところであります。
 警察といたしましては、今後ともこういう自主防犯ボランティア団体の取り組みの支援とか連携をより一層強化してまいりたいと思います。
〇高橋元委員 次に、地域の防犯力の強化についてお尋ねしたいと思います。
 地域の自主防犯隊の組織現状、活動の内容についてお尋ねしたいと思います。
 いわて県民計画アクションプラン政策編の取り組みと成果に、政策項目のナンバー18、安全・安心なまちづくりの推進の中で、170項目に自主防犯団体数ということで、平成22年、ことしですが、目標値450に対して平成21年は実績値として357、達成度Dということになっておりますし、また、危険箇所点検を行う防犯団体数、平成22年、目標230、実績が平成21年155団体と、これも達成度Dということで、非常に防犯隊の組織化がおくれているのかなという思いをしておりますけれども、この自主防犯隊の組織現状と、それから現在の活動内容についてまずお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 地域防犯力の強化の関係につきましては、まず、自主防犯ボランティア団体の現状についてでございますけれども、平成21年末現在で県内では357団体、約2万1、000人の方々が活動されております。
 団体の活動といたしましては、青色回転灯の装着車両による防犯パトロールなどを初め、子供の登下校の見守り活動、それから少年非行の防止活動、あるいは万引き防止のための店内の巡回活動、あるいは自転車駐輪場の環境整備などを推進していただいているところであります。このような活動によりまして、県民の防犯意識の高揚と犯罪の未然防止に大きく貢献されているところでございます。
 次に、委員からお話のありました危険箇所の点検活動につきましては、やはり各地域ごとに各団体で自主的に活動なされている現状でございます。
〇高橋元委員 報告書の中では、自主防犯団体のところでは、高齢化や団体の活動を引き継ぐ構成員が確保できなかったということが減少の理由になっておりますし、危険箇所点検を行う防犯団体についても、やはり参加者の高齢化等のため、地域の危険箇所点検を実施する幅広い活動に至らずということも指摘がありました。
 私の地元の防犯隊も見ていますけれども、70歳すぎの方とか結構多いんですよね。そういう意味では若返りをしていかなければならないというふうな思いもあるんですけれども、団塊の世代が今、六十二、三のところから、これからの四、五年ぐらいはどんどん定年になる方々がふえてくるわけですので、そういう意味では、若返りと防犯隊の組織化については私は最大のチャンスじゃないかと、そんな思いをしているんです。
 それで、できれば各市町村とも自治会単位に一つの防犯隊が組織されれば非常に好ましいと思っておりますので、その辺の取り組みについて、今後、検討できるのかどうかお尋ねして私の質問を終えたいと思います。
〇千田生活安全部長 団体の組織化あるいは相互連携の取り組みについてでございますけれども、委員御指摘のとおり、現在、防犯団体を含めて団体の高齢化が進んでいる現状でございます。その関係もありまして、警察といたしましては、現在、自主防犯ボランティア団体の活性化ということで、若い世代あるいは現役世代の自主防犯ボランティア活動への参加促進を図って、活動の活性化を強力に推進していきたいと思っております。
 最近では、花巻市の富士大学の学生が中心となって結成されましたヤングボランティア団体、花巻ハンズtoハンズという名称でございますけれども、この団体が警察庁の支援実施団体に指定されるということで、若い世代の参加促進が徐々に図られているところでございます。
〇斉藤信委員 それでは最初に、昨年度に明らかになった県警の不正経理問題についてお聞きします。
 2億1、500万円に及ぶ不正経理が昨年度明らかにされましたが、昨年度分に不正経理はなかったのか、昨年度の需用費は減少しているのか示していただきたい。
〇森本警務部長 昨年10月に不適切な事務処理に関する最終報告におきまして、預け金、差しかえなど不適切な事務処理7態様について報告し、その再発防止に努めてきたところでありますけれども、平成21年度においてこのような不適切な事務処理は確認されておりません。
 なお、平成21年度の需用費につきましては、前年と比較しまして約3.7%減少しているところでございます。
〇斉藤信委員 これは昨年の10月に報告された最終報告書。ここでは、悪質な預けが33所属で4、321万円余確認され、平成14年以前から繰り越しされたものが726万円あって、総額5、047万円余が悪質な預けだったと。最終報告時点で現在まで預けが解消されていない所属の数は13所属、99万1、462円存在していることが確認されたと。だとするなら、昨年の段階で預けが残されていたということですね。
 生活安全企画課15万1、820円、盛岡東警察署32万4、186円、岩手警察署10万1、595円、去年までこの預けというのはあったんじゃないですか。
〇森本警務部長 預け金の残余額につきましては、すべて回収いたしまして県のほうに収納しているところでございます。
〇斉藤信委員 だから、去年まではあったということでしょう、預けが。大体、預けがあったということ自身が不正のあらわれじゃないですか、あるべきでない金が預けられているんだから。約100万円余、回収したんでしょう。
 それと、この間、2月補正で国庫補助金の返還分1、889万円余、これはもう既に国に返還をされているものです。そのうち23万7、000円余が職員負担金による返還となっていますけれども、1、889万円というのは県民の税金で返したと。そのうち23万7、000円だけが職員負担分だと、こういうことですか。
〇森本警務部長 不適切な事務処理の国庫補助金返還金等についての御質問でございますけれども、国庫補助金の返還金、加算金につきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に係る法律の定めるところにより、本件に係る補助事業者であります県から国に対しまして返還をしたものでありまして、一般財源により返還をしているところでございます。
 一方、委員御指摘の23万7、000円余の国に対しての返還のほうでございますけれども、これは別物でございまして、こちらにつきましては、国から県警察に対しまして直接予算配分をされました国庫支弁経費の分でございます。こちらにつきましては、県費における職員負担の考え方と同様に、預け金、差しかえ、一括払い、こういったものにつきまして、正規の物品調達と比較して割高に納入された実態を踏まえまして、公金支出の増嵩分といたしまして23万7、000円余を職員負担として国に直接納付いたしたものでございます。
〇斉藤信委員 じゃ、改めて聞きますけれども、岩手県に2、012万3、937円返還されております。この2、012万円余の内訳、理由を示していただきたい。
〇森本警務部長 2、000万円余の内訳でございますけれども、まず、ことしの2月時点で職員負担の額を決定しておるところでございますけれども、こちらにおきまして所要の計算をいたしました結果、職員負担をすべき額といたしまして1、680万円余という額を計算いたしたものでございまして、これを上回る金額を集めることを目標といたしまして職員負担をお願いしたわけでございます。
 この1、680万円余の計算でございますけれども、基本的に、預け金、それから差しかえ、一括払いのものにつきます物品調達等につきまして、正規の物品調達と比較して割高に納入された実態を踏まえ、増嵩分の計算でありますとか、そのほかに職員が負担すべき所在不明備品でありますとか親睦会で負担すべき物品等々の金額を足し合わせたものでございます。
 なお、この中には、純粋な県費のほかに、国庫補助金で支出されたもののうちの増嵩分も含めて負担をしているところでございます。
〇斉藤信委員 この不正支出で処分をされた職員数、そして今回、返還をした職員数はどうなっていますか。
〇森本警務部長 処分を受けた職員数でございますけれども、不適切な事務処理問題におきまして、今回の職員の処分というのは、事案の内容、それから関与の度合い、認識の程度、他の処分例等さまざまな要素を総合的に判断して、県警全体の処分者につきましては257名という処分を出してございます。
 あと、負担をした職員数でございますけれども、304名に負担をお願いしたものでございます。
〇斉藤信委員 4月27日付のものによると、現役職員、離職者、退職者、298名となっていますよ。304名って何ですか。僕が聞きたいのは、現役職員の数を聞きたいんですよ。
〇森本警務部長 失礼いたしました。先ほどの304名というのは対象者の増減でございまして、実際に負担いたしました者は、現職員につきましては205名でございます。
〇斉藤信委員 そうすると、257名処分されたけれども、そのうち返還に協力したのが205名だったと。処分したけれども返還しなかった職員がいるということですね、これ。これ、いかがなものでしょうね。
〇三浦陽子委員長 質問ですか。
〇斉藤信委員 質問です。
〇三浦陽子委員長 後ほどでよろしいですか。
〇斉藤信委員 それでは、後でしっかり答えてください。
 この問題の最後に、県警本部長にお聞きしたい。
 2億1、500万円余に及ぶ不正支出が警察の全部署で発生した。悪質な預け、差しかえ、一括払い、これは33所属ですよ。組織的な犯罪だと言わなければならない。
 私は、この教訓をどう受けとめ、改善に取り組んでいるか本部長にお聞きしたい。
〇樹下警察本部長 今般の不適切な事務処理についてでございますけれども、公金意識に欠けた大変遺憾な事案であったと考えているところでございます。
 その原因、背景につきましては、この最終調査報告書にも出ておりますように、やはり職員の意識改革の問題というのが一番大きかったんだろうと考えております。
 調査報告書で取りまとめた再発防止策につきましては、一つには、職員教育及び意識改革であろうと思っております。この点につきましては、9月に開催されました県下の署長会議におきましても、私の口から直接署長、すべての所属長に対しまして指示をしたところでございます。
 2点目は、物品の調達システムの見直しについてでございます。特に、発注業務と検収業務とが1人の者によって行われているということであれば、やはり楽をしようとか、そういう思いが出てくる可能性が高いのではないかということでございますので、そういうシステムの見直しを徹底していくことが重要であろうと思っております。
 3点目が内部統制の強化でございまして、会計事務についてきちんと自主点検をすることに加えまして、厳しい内部監査を続けていく必要があるのではないかと思っております。
 4点目は、節減加算システムの運用への適切な対応でございますけれども、年度末に予算を余らせるのがもったいないと思わないように、こういう節減加算ステムを適切に運用してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、県警といたしましては、これらの再発防止策を着実に実行していくことによってこそ県民の信頼が回復できるものと考えておりますので、こういった点にさらに取り組んでまいりたいと考えております。
〇森本警務部長 先ほどの処分者と負担者の関係でございますけれども、今回の負担金の負担者につきましては、現職の警視相当職以上の職員から負担をいただくこととしております。一方、処分者につきましては、幹部だけではなくて、実際の行為を行った者に対しての処分ということもございますため、人数等異なっているものでございます。
 今、詳細につきまして手元にございませんので、数はちょっと申しわけございません。
〇斉藤信委員 直接の担当者ですよ、処分されたのは。それが返還の対象にならなかったとしたら、ちょっと私は問題だと、これは指摘をしておきます。後で詳細がわかれば示していただきたい。
 二つ目に、私、予算委員会で取り上げた宮古署の会計係長の失踪事件について。
 2月15日に、3年余に及ぶ裏金工作を強いられたことを苦にして、置き手紙を残して宮古署の会計係長が失踪した。残念ながら、4月15日に宮古沖の海上で遺体が発見されたと報道がありました。
 この事案についてどのように調査をされているでしょうか。
〇吉田警務部参事官兼首席監察官 本年3月予算特別委員会における斉藤委員の質疑に対し、警察署に勤務する事務職員が所在不明になり、捜索を実施している旨をお答えしておりますが、以降、本年4月15日、沿岸部沖合にて遺体を発見、収容し、御遺族にお引き渡ししているところであります。
 死因及び背景等について、いまだ捜査中であり、また、当該職員のプライバシーに関することでもあることから、答弁は差し控えさせていただきます。ただし、委員が指摘されるような裏金工作を強いられた事実は確認されていません。
〇斉藤信委員 私のところにはかなり詳細な告発があったんです。この職員の所属をこの間示してほしいんだけれども、この職員は、本部会計課施設企画係長当時から上司のもとで裏金工作の犠牲を強いられた。平成19年、沿岸の警察署に異動し、署長、副署長のもとでさらに平成20年にも3年連続の裏金工作を強いられた、それを苦にして失踪したと、こういう指摘でございました。これに間違いないですか。
 それとね、置き手紙を置いていたというんですよ。置き手紙をちゃんと調べましたか。
〇吉田警務部参事官兼首席監察官 死亡した職員の職歴等についてお尋ねでありますけれども、現在も継続捜査中であり、本人を推認し得る情報については、個人のプライバシーに関することでもあり、答弁を差し控えさせていただきます。
 なお、置き手紙の存在については把握しておりません。
〇斉藤信委員 把握していないっていうのが私は深刻な問題だと思うんですよ。3月のときには関知していないという答弁でした。関知していない、把握していない、あったかないかわかるでしょう。あったけれども明らかにできないという答弁じゃないですか、それは。
 この職員は、処分をされた257名に入っているんじゃないですか。
〇吉田警務部参事官兼首席監察官 処分についても、個人のプライバシーに関することなので、答弁を差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 亡くなっているんですよ、この方は。もう亡くなって、この事件は、それこそあなた方、調査のしようがないでしょう。置き手紙があったかないかも明らかにしない。処分されたかどうかも明らかにしない。まさに処分をされて、苦にして失踪し、遺体で発見された、私はこういう事案だと思いますよ。まさに裏金工作の不正経理の犠牲だったんではないかと。本当に徹底した調査をして、必ず明らかにしていただきたい。
 次に、捜査報償費についてお聞きします。
 昨年度の捜査報償費の支出項目、支出件数、支出額はどうなっているでしょうか。
 少年課の捜査報償費が平成18年度と比べると4.3倍にも増加していますが、この少年課における支出項目、増加の理由は何でしょうか。
 盛岡東署、花巻署、大船渡署の捜査報償費が毎年増加しているのはなぜか。二戸署の場合は前年比で1.8倍に急増しているが、特別の理由があったんでしょうか。
〇森本警務部長 捜査用報償費についての御質問でございます。
 まず、昨年度の捜査用報償費の支出項目、支出件数、額でございますけれども、捜査用報償費の支出等につきましては、捜査用報償費は、犯罪の捜査等に従事する警察職員の活動のための諸経費及び捜査協力者等に対する諸経費でありまして、緊急を要し、または秘密を要するため、通常の支出手続を経ていては警察活動上、支障を来す場合に使用できる経費として現金経理が認められている経費であります。
 具体的な使途例といたしましては、捜査協力者、情報提供者に対する現金、菓子折り等の謝礼、捜査協力者、情報提供者との接触に伴う飲食店での飲食費や一時的なホテルの部屋代等、聞き込み、張り込み、尾行等に際して必要となる電車、バス、タクシーの交通費やレンタカーの借り上げ費等であります。
 次に、捜査用報償費の支出件数と支出額についてのお尋ねでございますけれども、まず、支出件数については集計をしておりません。また、捜査用報償費の支出額につきましては、平成21年度は1、907万円余でございまして、前年度の2、024万円余に比較いたしまして117万円余、約5.8%の減少となっております。
 続きまして、少年課の捜査用報償費についてのお尋ねでございます。
 捜査用報償費の使途、先ほど申し上げたとおりでございます。具体的な使途例も先ほど申し上げたとおりでございまして、そういったものに使用しているものでございます。
 増加の理由でございますけれども、一つの例といたしましては、体制を強化したことも増加の要因の一つという認識をしておりますけれども、そもそも捜査活動に要する経費の増減と申しますと、その年度で取り扱います事件の規模、形態、捜査の期間などによって当然増減するものでございまして、一概に申し上げることはできないと考えております。
 また、具体的な事項につきましては、その所属の捜査活動の内容の詳細にかかわる事項でありますこと、それから、公表されていない事件の捜査も含まれることから、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 それから、盛岡東署、花巻署、大船渡署、二戸署についての捜査用報償費の増加の理由でございますけれども、今申し上げましたとおり、捜査活動に要する経費の増減理由につきましては、それぞれの所属で取り扱う事件の規模、形態、捜査の期間などによって増減するものでございまして、一概に申し上げることはできないと考えてございます。
 こちらにつきましても、具体的な事項につきましては、その所属の捜査活動の内容の詳細にかかわる事項でありますことや、公表されていない事件の捜査も含まれるといったことから、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 捜査報償費は、社会的に大問題になったときに半分に減ったんですよ。1、600万円に減ったんですよ。それで私はほとんど支障がなかったと思うんです。だんだんほとぼりが冷めてくるとふえ続けて、昨年度は若干減ったということですが、しかし、そういう中でも毎年ふえ続けている署がある。
 そして、少年課の問題を取り上げたのは、平成18年度に比べて4.3倍ですよ。少年の犯罪がそんなにふえているわけはないんですよ。私は、少年を情報提供者、スパイ扱いにするんだとしたら、これは大問題だと。これは指摘だけにとどめて次に行きます。
 県警察職員の超過勤務とサービス残業の根絶について。
 昨年度の警察本部1人当たりの年間平均の超過勤務時間は335時間でしたが、どれだけ超過勤務手当は支給されたのでしょうか。時間数で示していただきたい。
 超過勤務手当の総額、1人当たりの超過勤務時間、超過勤務手当の支給時間、この間の推移を含めて示していただきたい。
〇森本警務部長 昨年度の警察の超過勤務手当の支給状況でございますけれども、昨年の超過勤務手当の支給時間につきましては、職員1人当たり月平均で16.2時間となっております。
 それから、超過勤務手当の総額等についての御質問でございますけれども、超過勤務手当の決算額につきましては、推移ということですので、過去5年ということで御説明いたします。
 平成17年度は12億6、481万円余、平成18年度は12億2、678万円余、平成19年度は12億1、379万円余、平成20年度は11億9、491万円余、平成21年度は11億6、970万円余となっております。
 次に、1人当たりの超過勤務時間でございますけれども、平成17年度は363.5時間、平成18年度は343.5時間、平成19年度は365.0時間、平成20年度は339.8時間、平成21年度は335.0時間となっております。
 それから、超過勤務手当の支給時間でございます。平成17年度は198.0時間、平成18年度は200.4時間、平成19年度は195.6時間、平成20年度は198.0時間、平成21年度は194.4時間となっております。
〇斉藤信委員 平成21年度の超過勤務手当は58%しか出ていませんよ。そして、今聞きましたら、超過勤務手当は毎年ずっと減っているんじゃないですか。あなた方、サービス残業をさせて、4割も不払い労働をやって、改善するどころか超過勤務手当を毎年減らしていたら確信犯じゃないですか、これは。大体毎年350時間、360時間働いているんだから、これをきちっと予算化して払うのは当たり前じゃないですか。
 本部長、私は何回もこの問題を取り上げてきているけれども、こんな異常な事態、いいのですか。不払い労働というのは社会的犯罪行為ですよ。本当に末端の警察官というのは命をかけて仕事をしているわけでしょう。働いた分超過勤務手当を支給するのは当たり前じゃないですか。はっきり答えていただきたい。
〇樹下警察本部長 超過勤務の問題についての御質問でございますけれども、今後とも、事務の合理化、効率化による縮減に努めてまいりますとともに、突発的な事件、事故が発生した際には所要の措置を講ずるなどして対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 答弁になっていないんですよ、本部長。毎回そういうふうに答えて、払っていないんです、あなたは。あなたは来たばかりだから樹下本部長が払っていないとは私は言わないけれども、これは今年度見なければだめだけれども、今聞いたように、突発的事件は毎年起きているのです。330時間から360時間、毎年超過勤務しているのです。しかし、6割も出ていないのですよ。異常ですよ、これは。不払い労働というのは社会的犯罪なんですよ。許されないんですよ。
 だから、これは是正すべきだと。昨年度がたまたま超過勤務時間が多くて払えなかったというのならまだかわいいところがある。毎年350時間前後超過勤務しているわけですよ。警察官の士気にかかわるでしょう、こんなことをしていたら。裏金でお金を払っちゃだめです。出すべきものはしっかり出すべきだと。本部長、真正面に答えてください。
〇樹下警察本部長 超過勤務手当の関係でございますけれども、予算管理上も、また勤務管理上もやはり予算の範囲内で超過勤務を命じるということを原則としておりますけれども、突発的に発生する事件、事故への対応というのもございます。さまざまな調整をしなければならない場合もあるものと認識しているところでございます。
 しかしながら、警察といたしましても、答弁したとおりの時間との差があることについてはしっかりと受けとめていく必要があるものと認識しております。今後とも、事務の合理化、効率化をさらに進めてまいる必要があると考えておりますけれども、必要に応じ所要の措置を講ずるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで最後にしますけれども、所要の措置を講じると。そうやってくださいよ。2月定例会もあるんだから、ちゃんとしっかり対処していただきたい。
 最後ですけれども、旧川井村で発生した殺人事件についてお聞きいたします。
 若い女性の遺体が発見されました。田野畑出身の青年が指名手配されましたが、指名手配された根拠は何でしょうか。
 同時に、この青年は別人から恐喝されていたと。この恐喝事件というのは捜査はされたのでしょうか。
 また、父親、地域住民からこの指名手配について異議申し立てがされています。署名も添えられていますが、これはどういう内容のものでしょうか。
〇佐藤刑事部長 川井村地内における女性殺人・死体遺棄事件の捜査状況について御説明申し上げます。
 本件につきましては、平成20年7月1日に旧川井村地内で死体が発見されたことにつきまして県内で捜査を行いまして、捜査を重ねた結果、平成20年7月29日に殺人罪で逮捕状の発付を得るとともに全国に指名手配したところであります。
 ちょっと順番が前後いたしますが、恐喝事件の関係につきましては、事件の個別具体的な捜査状況になりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思っております。
 それから、民事訴訟の提訴の関係でございますけれども、この件につきましては、被疑者として指名手配している小原勝幸の家族から、岩手県警察本部長に対しまして、指名手配の差しとめ及び損害賠償を求め提訴したという事実がございますけれども、訴訟の詳細につきましては、現在、係争中でありますことから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
〇三浦陽子委員長 斉藤信委員に申し上げます。委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力願います。
〇斉藤信委員 ロスタイムを除けばまだだと思いますが、これで終わります。
 実は、今の事件はテレビでも何度も繰り返し報道され、週刊誌でも詳しく不審だと指摘されている事件で、私はそれで聞いたのです。
 いずれ社会的にも問題になっているし、家族や地域住民の署名も届いているんですよ。私は、本当にこういう問題について、慎重な、そして的確な対応をしていただきたいと求めて終わります。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 1件だけお伺いしたいことがありまして手を挙げさせていただきました。通告をしておりませんで、申しわけありません。
 私が質問したいのは、事項別明細書331ページの安心・安全なまちづくり推進事業費についてでございます。
 この推進事業費につきましては先ほど自主防犯隊ということで高橋元委員のほうからも質問が出ておりましたけれども、この内容としましては、自主防犯隊のほかに、さらにスクールサポーターの配置、そして地域と連携した安心・安全なまちづくりの推進、そうした事業等が盛り込まれておりますし、また、冒頭の警察本部長の説明の中で子供の安全対策といったことが強調されて説明されておりましたので、その点で質問させていただきたいと思います。
 昨年の12月定例会一般質問におきまして、私、スクールガードであったり、そしてまた地域の交通指導隊、そして学校、親御さんたち、そうした方々と警察とが連携をとって子供たちの安全・安心をちゃんとつくっていかなければいけないのではないかといった趣旨の質問をさせていただきました。そうした中で、警察とそうした団体の方々との意見交換等の必要性であったり、そしてまた、その後実態等につきましてどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇千田生活安全部長 地域の安全・安心を守る活動のいろいろなボランティアの方々の活動につきまして、若干詳しくお話しいたします。
 今、委員から御指摘のありましたスクールガードあるいは防犯隊あるいは学校のPTAの方々との連携の活動につきまして、私ども警察のほうで支援しております防犯隊の活動、それから、主に学校関係のスクールガードの方々、あるいは実際にPTAの方々といろいろな合同の活動をしております。
 その中で、今大きく進められておりますのが、先ほどお話しいたしました青色回転灯装着の、通称青色パトカーという、県下に約600台ほどございますけれども、この方々と、あといろんな学校関係者と混合した形で進めております。
 それから、これは県の事業の中で、いろいろ異業種といいますか、ほかの団体の活動との交流を私どもの方もどんどんこれから進めていって支援をしていきたい。ですから、今までのような地域単位あるいは職場単位の活動のほかに、今お話ししたようにいろいろなネットワークを含めて交流して、そしてより濃密なボランティア活動が進めていけるような形で私どもも支援していきたいと思っております。
 具体的な成果という形になりますと若干の時間が必要と思いますけれども、息の長い活動として続けてまいりたいと思います。
〇郷右近浩委員 きょうこれを質問しておりますのは、実は皆様記憶に新しいところだと思いますが、本年5月31日月曜日の午後3時31分という時間に、8歳の女の子が奥州市の市道において24歳の女性の車にはねられる、そして死亡するといった事故が起きました。この事故自体、月曜日の午後3時31分、この時間というのはスクールガードの皆様方が下校の角々、道路に立って子供たちを見守っている時間でもあり、ただ残念ながら、この事故が起こった場所というのはそこから少し離れた場所でありました。やはりスクールガードやいろいろボランティアで活動していただいている皆様方も学校の近くには意外とたくさんいらっしゃるんですけれども、どうしても離れていくともちろん少なくなってくるといったような面がありますし、また、この事故においては、子供さんがお兄さんとお兄さんの友達と遊んでいて、そしてお兄さん方は市道の下を通る川沿いに歩いていったと。女の子は怖くてそこに入っていけなくて、そして上を歩いて、その結果、歩道側の車がとまって通してくれた。ところが、中央側の車がそれが見えなくてはねてしまったと。サンキュー事故とも言えるような、本当に残念な事故でありました。
 こうした事故が起こる箇所というのは、地域の方々においては、やはり幾らかその危険性というのをふだんから知っておられる、そうしたような面があると思います。私たちもその地域の方々に話を聞いて回ったところ、子供たちがそこの川で遊んでいる。そして、やっぱりそこの部分はよくわかっている、そうしたような話を皆様から聞かせていただきました。
 そうした中で、やはり地域のボランティアの方々であったり、または学校、そして親御さんたちとの連携というのは、そうした危険箇所を常に把握しておくことが一番大事な部分になってくると思います。そうした意味でも、このような両者とも不幸になるようなこんな事案が起こらないように、ぜひとも県警にはそうした地域とのコミュニケーションをさらにさらに図っていただいて、そして対応していただくようにお願い申し上げます。本部長から何か。
〇樹下警察本部長 ことし5月の事故の関係についての御指摘でございます。
 確かに御指摘のように、さまざまな地域で活動をしていただいていますボランティアの方々は地域の実情もよく御存じだと思いますし、危険箇所等々についての情報もたくさん持っていらっしゃるだろうと思います。また、そういった地域における防犯活動の具体的な進め方についての知恵というのもあるいはお持ちなのではないかと思います。
 先ほど高橋元委員からのお話にもございましたけれども、例えば、かぎがあいているじゃないか、全部締めろと声高に申し上げたところでなかなかそれは実情に合わないけれども、例えばこういった場合についてはきちんと締めてくださいねという進め方のほうがうまくいくだろうというような知恵は、恐らくそういう自主的な地域のボランティアの方々のほうがあるいはお持ちなのではないかと思っております。
 一方で、さまざまな場所で起こる事件、事故、そういったものの情報をきちんと共有していくのもこういった方々の活動を有効にしていくためにも必要なことと思っております。したがいまして、県警といたしましては、こういった方々の知恵を最大限に引き出すためのコミュニケーションをこれからも上げていくことに加えまして、県警のほうで知り得たさまざまな事件・事故に関する情報を共有すべく、情報の提供等々に当たってまいりたいと考えております。
〇森本警務部長 先ほどの斉藤委員の御質問の数の関係でございますけれども、処分者につきまして、国に戻った者を含めまして257名となってございます。
 続きまして、負担金を負担した者の数でございますけれども、全体が298名ございまして、そのうち、県警の現職で204名でございます。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
 警察本部の皆さんは御苦労さまでした。退席されて結構です。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時55分 散 会

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