平成22年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成22年10月14日(木)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 佐 藤   博
議事管理担当課長 菊 池 達 也
主任主査 岩 渕 伸 也
主任主査 藤 原 由喜江
主査 葛 西   貢
主査 菅 原 俊 樹
主査 大 森 健 一
主査 千 葉 智 貴
1説明員
秘書広報室長 廣 田   淳
首席調査監 木 村 卓 也
調査監 小 山 康 文
調査監 宮   卓 司
秘書課総括課長 杉 村   孝
秘書課管理課長 藤 澤 敦 子
広聴広報課
総括課長 川 口   眞
報道監 菅 原 芳 彦

企画理事 藤 尾 善 一

地域振興部長 加 藤 主 税
副部長兼
政策推進室長 工 藤 孝 男
副部長兼
地域振興室長 佐々木 和 延
政策監 大 平   尚
評価課長 南   敏 幸
調整監 阿 部 一 哉
分権推進課長 千 葉   彰
政策推進室
管理課長 高 橋 達 也
市町村課総括課長 佐々木   信
調査統計課
総括課長 浅 田 和 夫
NPO・文化
国際課総括課長 佐 藤 応 子
国体推進課
総括課長 西 村   豊
施設課長 小 倉   茂
県北沿岸・
定住交流課長 鈴 木 一 史
交通課長 野 中 広 治

環境生活部長 松 川   求
副部長兼
環境生活企画室長 稲 葉 比呂子
環境担当技監兼産
業廃棄物不法投棄
緊急特別対策室長 谷 藤 長 利
環境生活企画室
企画課長 成 田 公 哉
環境生活企画室
管理課長 佐々木 康 夫
温暖化・エネルギー対策課長 平 井 孝 典
環境保全課
総括課長 吉 田   茂
資源循環推進課
総括課長 吉 田   篤
自然保護課
総括課長 八重樫 典 彦
青少年・男女共同参画課総括課長 鈴 木 浩 之
県民くらしの
安全課総括課長 佐 藤   新
食の安全安心課長 白 岩 利惠子
県民生活安全課長 佐々木   宏
消費生活課長 久 喜   勉
調査追及課長 田 中 耕 平
再生・整備課長 玉 懸 博 文

会計管理者 古 内 保 之

監査委員 伊 藤 孝次郎
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 千 田   永
監査第一課
総括課長 奈須川 博 司
監査第二課
総括課長 小 原 一 信

予算調製課
総括課長 八 矢   拓
〇三浦陽子委員長 これより本日の会議を開きます。
 森のトレー事案にかかわる審査方法について、昨日、世話人会を開いて協議した結果について御報告いたします。
 森のトレー事案については、事案の重大性等にかんがみ、第1部農業関係分野、第2部林業関係分野及び水産業関係分野の審査を終えた後、第3部としてまとめて審査を行うこととしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 なお、質疑要旨の様式については、所要の見直しを行った後、後刻改めて配付いたしますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成21年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成21年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、秘書広報室、政策地域部、環境生活部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇廣田秘書広報室長 平成21年度の秘書広報室関係の決算について御説明申し上げます。
 秘書広報室は、平成22年度の本庁組織再編によりまして新たに設置された組織でありますので、平成21年度の決算等につきましては、旧総合政策部の業務のうち、主に広聴広報業務について御説明申し上げます。
 平成21年度の重点的な取り組みといたしましては、県の重要施策等について県民に周知し、県政への積極的な参画と協働の促進に努めるとともに、岩手県のイメージアップと岩手ブランドの構築を目指し、首都圏を中心とした県外への積極的な情報発信に努めたところであります。
 それでは、当室関係の決算につきまして、歳入歳出決算書によりまして御説明を申し上げます。恐縮でございます、12ページをお開き願います。
 秘書広報室に係る決算は、2款総務費2項企画費の支出済総額13億5、664万円余のうち、表には記載されておりませんけれども7億7、457万円余でございまして、不用額は949万円余となっております。
 以下、決算の内容につきまして、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書172ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、備考欄の管理運営費は、人件費及び一般管理事務に要した経費であります。次に、174ページをお開き願います。3目広聴広報費の主なものでありますが、2行目の県政広報事業費は、県の主要な施策等について、さまざまな広報媒体を通じて広く県民に周知するとともに、県政への県民の理解と積極的な参画や協力を促進するために要した経費であり、3行目のいわて情報発信強化事業費は、岩手のイメージアップと岩手ブランドの構築に向けて、岩手が持つ豊かさと信頼を首都圏を中心とした県外へ情報発信するために要した経費であります。4行目の情報公開制度推進費から6行目の情報公開基盤整備費までの3事業につきましては、本年度から総務部に業務を移管しており、総務部において御審議いただいておりますことから、説明は省略させていただきます。次に、176ページをお開き願います。1行目の広聴広報活動整備事業費は、緊急雇用創出事業により、これまで制作してきた県政番組等の資料の適正な管理と活用を図るために要した経費であり、2行目のいわての魅力WEB発信事業費は、ふるさと雇用再生特別基金を活用したもので、新たな雇用を創出しながら、民間の活力を活用した斬新な発想で県内外向け情報発信ウエブサイトを開設、運営し、岩手の魅力発信に取り組んだものであります。
 以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇嵯峨壱朗委員 広聴広報費の委託費が1億7、131万円ございますけれども、この内容と主な委託先を示していただきたいと思います。
〇川口広聴広報課総括課長 広聴広報費の委託料についてでございます。
 まず、紙媒体のいわてグラフの制作事業、それから電波を使いました県政番組の制作、あるいは県外向け広報といたしまして、いわて情報発信強化事業というのがその主な内容でございます。
 委託先につきましては、県内の広告代理店のほうに委託をして実施いたしました。
〇嵯峨壱朗委員 当たり前の話でしょう、広告代理店って。委託先はどこかと聞いているんです。全然答えになっていない。
〇川口広聴広報課総括課長 いわてグラフにつきましては、株式会社盛岡博報堂でございます。それから、電波を使った広報につきましても盛岡博報堂でございます。それから、県外向けの広報でありますけれども、これは株式会社東広社であります。それからもう一つ、昨年度から新規の事業ということで、いわての魅力WEB発信事業がございます。ここにつきましては、株式会社めんこいエンタープライズ、それから株式会社デジタルカルチャーテクノロジーの2社に委託をしたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 大体最初からそう答えればいいんだけれども、なぜ最初にそう答えなかったんですか。
〇川口広聴広報課総括課長 具体の会社の名前が出てくるものですからどうかなとちょっとちゅうちょがございまして、そういうことであります。
〇嵯峨壱朗委員 何のちゅうちょですか、教えてください。どういったちゅうちょですか。
〇川口広聴広報課総括課長 個人名というか、具体的な会社の名前が出てくるのでちょっとちゅうちょいたしました。
〇嵯峨壱朗委員 それがおかしいとしゃべっているんです。おかしくないですか。ちゃんと契約しているわけでしょう、印刷して。後ろめたいこと何かあるんですか。おかしいよ、もう一回ちゃんとしゃべってください。
〇川口広聴広報課総括課長 特に他意はございません。
〇嵯峨壱朗委員 大体、他意がなかったら最初からしゃべればいいでしょう。なめている、大体。
 それで、これは繰越明許費が出ていますね、357万円。昨年度中に終わるべきものを10月31日、今月の予定のようですけれども、この情報というのは新しくなければだめですよね。10カ月も延ばしている。これはどういった内容で、なぜこうなったのかお願いします。
〇川口広聴広報課総括課長 この繰越明許費につきましては、昨年度、県外向け広報ということでパワースポットをテーマにやったその事業の中で、作家2人の方、高橋克彦先生、それから荒俣宏先生に本県に来ていただきまして、本県のいろいろなパワースポットを実際に歩いて取材をしていただきました。それにつきましてはジェイ・ノベルという雑誌のほうに4回にわたって連載をしたわけでありますけれども、最後に単行本を出版するというのがございました。当初はジェイ・ノベルに記載されたものを集約する形で単行本で出版するという予定であったわけですけれども、お2人の作家のほうから、岩手を調べてみたらとにかくいろいろおもしろいパワースポットが出てきて、これではちょっと足りないということで、もっと中身を充実させて、そしてしっかりしたものを出したいという強い要請がございまして、やむを得ず取材をさらに延ばして出版がちょっとおくれてしまった、こういった事情がございます。
〇嵯峨壱朗委員 はい、わかりました。私も買いました、その本。それはそれで。
 室長にお伺いしますけれども、ことしから秘書広報室という形で室を新たにしたわけですけれども、何がやってみて変わったような感じがしますか。実態と実感とかお尋ねいたします。
〇廣田秘書広報室長 秘書広報室の設置の目的ということでは、知事の県政運営を身近からサポートする組織ということで、さまざまな情報の収集あるいは発信を積極的に行うということで今まで4月以降努めてきたところでございます。
 具体的には、県内のさまざまな団体等から収集した情報を随時報告しておりますほか、県内外の新しい動き、あるいは時代を先取りしました新しい施策等に関する情報の収集、分析などを行っているとともに、ツイッター、ユーストリーム等の新しいウエブによりますリアルタイムな情報発信に取り組むなど、さらには、いやし、健康、パワースポット、こういったことをテーマといたしました県外への広報活動を強力に展開しているところであります。
〇嵯峨壱朗委員 従来の総合政策室に属していたのと比べると、やはり一定の独立させた効果があると室長も実感していますか。
〇廣田秘書広報室長 設置したときの趣旨は、トップマネジメントを直接補助するために最低限必要な業務に純化させるということで、秘書あるいは広聴広報という二つの組織へ、スリムな形にしたわけでございます。私どもとしましては、そういった設置の趣旨にできるだけ体するように、知事に対してはタイムリーな、あるいは鮮度の高い情報を上げて、さまざまな政策判断をしやすいような環境づくりに努めているつもりでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。
 さっきのに戻るんですけれども、後でいいですけれども、それぞれの金額を教えていただければと思います。契約金額、さっきの委託先の。後でいいです、それは。わかるのだったらお願いします。
〇川口広聴広報課総括課長 具体的な委託料でございます。いわてグラフにつきましては5、469万円となっております。それから、電波媒体を使ったものでありますけれども、4、828万円余でございます。それから、県外向けの広報、いわて情報発信強化事業でありますけれども、これが2、000万円余となっております。それから、ウエブを使ったいわての魅力WEB発信事業でありますけれども、株式会社めんこいエンタープライズのほうが848万円余でございます。それからデジタルカルチャーテクノロジーが846万円余となっております。
〇嵯峨壱朗委員 これ、平成20年度と比べればどうですか、推移というのは。
〇川口広聴広報課総括課長 基本的には横ばいで推移しているところでありますけれども、年度途中で新規のウエブ発信事業が入ってまいりましたので、その分が若干増加となってございます。
〇及川あつし委員 一昨日の総括質疑においても伺いました知事公用車の選定に関して伺いたいと思います。
 質問の趣旨は、先日は時間がなかったのできちっとお話しできませんでしたけれども、4月26日に本音で語ろう県議会という場がありまして、私も含めて7人、県会議員が参加いたしました。その席上、議事録の概要にはやんわり書いていますけれども、出席された方から非常にえらい剣幕で、県会議員は何をやっているんだと、何のために議員をやっているんだ、こんなものを通してという言い方をされたんですね。私もとっさに、存じ上げなかった部分もあったので、これは平成21年度にかかわる部分なので決算云々という説明もした関係でお尋ねしますし、あともう一つ、一連の説明、知事に関しても室長に関しても、どうも議決権の問題なのか知事の執行権の問題なのか、そこをあいまいにして説明をしてきているというのが私には非常に腑に落ちないところがありまして、もちろん1、407万円のハイブリッド車が高いとか安いとか、ぜいたくであるかどうかという論点もありますけれども、一体この問題は議決権の問題なのか、知事の執行権の問題で、皆さんがきちっと説明をしていない問題なのかということを明らかするために改めて伺いたいと思います。
 まず、この知事の公用車の選定に関していろいろな意見が県民から寄せられていると思うわけですが、どの程度の件数、意見が寄せられていますでしょうか。また、その意見の概要についてお示しいただきたいと思います。
〇川口広聴広報課総括課長 知事公用車の選定に係る県民からの御意見ということでありますけれども、全体では6件寄せられました。
 その主な内容でございますが、公用車の購入額が高額過ぎる、あるいはこのような税金の使い方はやめるべきだとか、あるいは公用車はもう売却すべきだと、そういった内容の御意見が寄せられたところでございます。
〇及川あつし委員 確認ですけれども、今回の選定についての肯定的な意見はなかったということでよろしいですか。
〇川口広聴広報課総括課長 ございませんでした。
〇及川あつし委員 では、その6件すべてネガティブな意見に対してどのように説明されましたか。
〇川口広聴広報課総括課長 具体的には、来庁が2件と、それから電話が3件、そして電子メールが1件、こういった内容でございましたけれども、来庁された方につきましてはかなり激昂されるような形で言われまして、県としての考えを述べるというのではなくて、むしろお話を伺う、こんな状況でございました。それから電話につきましても県としての回答を求めるというものではなくて、一方的にしゃべってそれで終わりというものでありました。メールにつきましては回答を求められましたので、そのときに回答しているということでございます。これは秘書課のほうから回答いたしましたけれども、具体的には、省エネとか安全性とか、そういうものを考慮して今回購入したので御理解をいただきたい、こういう返信をしたところでございます。
〇及川あつし委員 その返信内容には、県議会の議決の趣旨にもかなうという内容は入っているか入っていないか説明してください。
〇川口広聴広報課総括課長 そういうものは入っておりません。
〇及川あつし委員 では、そういう趣旨の発言は知事が行ったということで理解をさせていただきます。
 私の理解では、当時、この地域活性化・経済危機対策臨時交付金ということで、我々は予算の総枠と予算趣旨等については了として議決をしたと理解をしております。車種1台1台について、何を買うからと議決を求められたわけでもないし、これはまさに知事の執行権だと思っておりますが、確認の意味でお伺いします。
 この知事公用車については、いつ選定されて、どのような経過で決定されたのか御報告願います。
〇杉村秘書課総括課長 選定時期、経過についてでございますが、昨年5月、国の経済対策といたしまして地域活性化・経済危機対策臨時交付金が創設されたということで、その中で、県の重要施策である地球温暖化対策として県の公用車を低公害車に更新しようと。その一環として、既に基準に達している知事公用車を更新したものでございます。
 更新に当たっての車種選定におきましては二つほど基準を設けておりまして、一つが、知事の職責等を勘案いたしまして、疲労度が少ない機能的な性能を有するとともに、安全性を重視した車両で、現行車両と同等程度の車両、二つ目といたしまして、排気ガス性能四つ星であり、かつ平成22年度燃費基準プラス25%以上の車両ということで基準を選定して行っております。
 その選定基準に適合する唯一の車種といたしましてレクサスLSのハイブリッドを購入したところでございます。
〇及川あつし委員 もう一回伺いますけれども、いつ選定したんですか、この車種を。いつ選定して、いつ決定したか、もう一回その時期を明示してください。
〇杉村秘書課総括課長 昨年の6月補正の要求がございましたので、それに向けて先ほど申し上げましたとおり5月に一応検討しております。最終的に発注したのは、その6月定例会の議決を経た8月に実際の仕様書等を作成して発注しております。
〇及川あつし委員 ということは、6月に補正で決定をして8月に発注したということでありますので、我々は当時十分な説明を受けていないということだったと理解させていただきます。
 総括質疑の際伺いましたけれども、本音で語ろう県議会に来られた方は、この車は内閣総理大臣と同じ車で、総理大臣しか乗っていない車なんだと。県会議員、何をやっているんだというような発言でありましたけれども、室長の先日の答弁では、他県でも同様の車種を知事車、県議会議長車で使っているということがありましたけれども、具体的にどういう事例がありますか、もう一度説明してください。
〇杉村秘書課総括課長 他県の同車種の導入実績でございます。
 平成21年5月に兵庫県が調査してございまして、この調査によりますと、本県知事車と同車種でございますレクサスLSハイブリッドを導入しているのが群馬県の知事車、議長車及び大分県の知事車でございます。さらに、ハイブリッドではございませんが、レクサスを導入しているということで愛知県副知事車や副議長車及び岐阜県の議長車がございます。
〇及川あつし委員 つまりそんなに事例がないということですよね、私の理解では。
 きょう、たまたま朝日新聞にも出ていますし、私も調査をしておったんですけれども、東北6県内の知事公用車から見てもかなり突出しているというのが私の印象であります。
 いずれ、今、るるお伺いしてまいりましたとおり、これはあくまで知事の執行権の問題であって、その執行権の範囲で行われた今回の知事の公用車の選定がどうだったかという趣旨をこの決算特別委員会でただしたいと思いますので、以下、また改めて伺います。
 選定理由、総括質疑の際も本日も地球温暖化防止対策という言葉一つで片づけられておりますが、ちょっと私には、1、407万円かけた車がなぜ地球温暖化防止対策に効果があるのかというのが即、理解はできません。費用対効果の面からもどうなのか、詳細に御説明をいただきたいと思います。
〇杉村秘書課総括課長 環境配慮の具体的な効果でございます。
 まず、平均燃費を比較してみました。更新前のセンチュリーはリッター当たり6.01キロメートル、これに対しまして、更新後はリッター当たり8.18キロメートルということで36%改善してございます。
 費用対効果でございますが、この36%の改善によるランニングコスト節減あるいはCO2削減、このほかに、地球規模で問題となっております地球温暖化対策につきまして知事が率先して取り組んでいることを県民に示すアピール効果、これは数字としてはあらわせませんけれども、大きなものがあると考えています。
〇及川あつし委員 総括課長、今の驚くべき説明だと思いますよ。知事が1、407万円のレクサスのハイブリッドに乗って県内を巡回することが県民に対するPRになると考えているのであれば、それは完全に認識の間違い、錯誤ですよ。この点についてはどう思いますか。
〇杉村秘書課総括課長 知事が率先しているという姿勢だけは、やっぱりこれはかなり県民にとってはアピール効果になるものと考えております。
〇及川あつし委員 否定をされないということなのでそれ以上の答弁は出ないと思いますけれども、私からは、その認識は完全に県民の意識と認識と感覚と180度のずれがあるということで御指摘を申し上げたいと思いますし、今、具体的に説明してくれといった話についても、全くこれ理解できないですよね。リッター6キロメートル程度のがリッター8キロメートルになる。計算上は36%改善するでしょうけれども、これで県民の皆さんが、大いに知事、レクサスハイブリッドに乗ってくれとは言わないと思いますよ。こうした意見もぜひ踏まえていただきたいと思います。
 選定の事務的な過程についてでありますが、知事は記者会見で、自分はプリウスがいいと思っていたと。でも、事務方は、高速の安全性とか、先ほど言ったいろいろな安全性の問題とか、職責を全うするに当たって云々、四つ星の排ガス規制クリア云々、そんな理由で事務方の意見を尊重したという言い方を記者会見等でされていますが、伺いたいのは、じゃ、プリウスが高速運転で何の問題があるのか、長距離走行に何の問題があるのかということです。私はもう十何年乗っていますけれども、おんぼろのプリウス、もう17万キロメートル走っていますけれども、余り問題を感じないんですよね。あえてそこで事務方として知事にそういう御進言申し上げたことが適当であったかどうか、また、プリウスについて本当にそういう問題があるかどうか御説明いただきたいと思います。
〇杉村秘書課総括課長 プリウスの問題点というか、知事の職責等を考えた場合、そのプリウスとレクサスを比較いたしました。レクサスのほうが、比較上の話なんですが、疲労度の少なさや安全性という観点からはすぐれているものということです。
 実は知事業務、御承知のとおり多忙でございまして、知事は用務先に移動する車内におきましても資料を読んだり、あるいは電話をかけたりと、いわゆる知事車を執務室として使用してございます。その執務室において知事として的確な業務を行うために、より疲労度が少なくて安全性の高い車を選定するということに事務方としては合理性があると判断しておりました。
〇及川あつし委員 これも水かけ論になると思うので意見を申し上げますけれども、きょうの報道にもありましたけれども、他県ではワンボックスタイプのエスティマ、またはアルファードなんかが大分使われておりますし、今、国会でも公用車はこういうものを使っていると思うんです。執務環境という意味では全然こっちのほうがいいと思いますよ。しかも今の説明、それはお金をかければいい車を買えるに決まっているんです。そういう理由を述べて県民が理解するとは思えませんので、この点につきましても再度検討材料に加えていただきたいと思います。
 次に、これも先日総括質疑でお伺いしました稼働実績であります。
 室長の答弁によれば、災害の現場視察等においては必要に応じて別の車で行っているという答弁でしたが、これは間違ってはいないと思うんですけれども、私が聞いているところによれば、買ってしまった、非常に立派だ、ここに行く場合にはレクサスのハイブリッドに乗るよりもこちらのほうに乗ったほうがいいのではないかという判断で時々そういう車の使用の方法があって、実態は、これだけお金をかけたのに知事公用車として十分に利活用されていないのではないかという趣旨で伺ったものであります。
 そこでお伺いしますが、この前の答弁では私は理解できませんので、まず、導入後の総走行距離のキロ数をお示しください。1日の平均の走行距離、稼働日数ベースでお示しください。稼働日数は何日であったかお示しください。そのほか、稼働実態のわかる数値を御公表願います。
〇杉村秘書課総括課長 まず、導入後の走行距離でございます。本年2月の稼働以来9月末まで8カ月間ございましたが、走行距離で9、533キロメートルとなっております。
 次に、1日平均の走行距離でございますが、稼働日数ベースで申し上げますと1日平均55.7キロメートルとなっております。
 さらに稼働日数につきましては、8カ月間において171日となっております。
 その他稼働実態のわかる数値ということでございますので、9月末までの間に公務のあった日が182日ございました。そのうち、公用車レクサスを利用した日が171日ございましたので、公用車の稼働率とすれば94%となっております。
〇及川あつし委員 数字上は、私が仄聞をした、買ったけれども利用をはばかって別の車を頻繁に利用していることはないという認識でいいんですか。
〇杉村秘書課総括課長 公用車としてはフル活用してございます。
〇及川あつし委員 そういう説明であればそのとおりなんでしょうけれども、私のところにはそういう説明をされた方もいらっしゃいました。
 かように、これは実態はともあれ、今回の知事公用車の導入というものについては疑念を持たれているという趣旨でぜひとらえていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、きのうこの点について斉藤信委員からも質疑がありました。知事から選定基準の見直し云々という話もありましたが、選定に関しては7万キロメートル基準、7年基準というのがあるんですけれども、7万キロメートルで車を更新していくというのはいかにも今の時代に合っていないし、その7万キロメートル、7年ということだけで公費をもって知事の公用車を買っていくというのもだめだと思うんです、きょうるる説明をいただいた内容でも。ですから、知事の言うように時代に合わせて選定基準を見直すのは当然のことだろうと思っておりますので、これは早急に今回の選定の反省も含めてぜひやっていただきたいということで申し上げたいと思います。
 そこで伺いたいのは、本当に選定基準について、答弁では見直していきたいということでありましたけれども、具体的に検討しているかどうか伺いたいと思いますし、検討しているのであれば、その具体についてお示しいただきたいと思います。
〇杉村秘書課総括課長 選定基準の関係でございますが、今回、更新したばかりということもございまして、現時点では具体的な検討はしてございません。ただ、総括質疑におきまして御指摘ございましたとおり、知事がこれは絶対的なものではないと、絶対化するものではないという答弁をしてございますので、それらを踏まえて対応したいと思います。
〇及川あつし委員 いずれ、総括質疑であった御答弁、きょうの質疑であった答弁、いずれをもってしても、執行権の範囲内とはいえ、この選定については多くの疑義が残るということを再度、再度、再度申し上げたいと思います。
 廣田室長には、何か所見があれば最後に伺って終わりたいと思います。
〇廣田秘書広報室長 ただいま課長から答弁いたしましたとおり、選定、更新基準につきましては絶対化しているものではございませんので、今後、経済情勢あるいは財政状況等を見ながら適宜検討をしていきたいと思っております。
〇及川あつし委員 経済状況とか財政状況を勘案して何か選定するのは当たり前ですよ。県民の意見、これについてはどうですか、室長。
〇廣田秘書広報室長 今回、6件、県民の声が寄せられたわけでございますけれども、そういったこともしっかりと受けとめながら今後検討してまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 関連。公用車の問題、いろいろな質問があったところでありますが、岩手県内は相当広くて、林間部、山間部等々ありまして、いまだに携帯電話の通じない地域もあります。そういう中で、GPSを使った電話、当然唯一の知事の車でありますから、そういう装備はされているものと思いますが、いかがですか。
〇杉村秘書課総括課長 災害対応等の関係もございますので、装備してございます。
〇伊藤勢至委員 宮城県沖地震あるいは東南海地震等がかなりの確率で近い間に起こるということが言われている中で、やはり司令塔である知事が一時的であっても県内で行方不明になる、連絡がつかなくなるということは非常に憂慮すべき点だと思っておりまして、知事は、したがってそういうことにも備え得る、連絡がとれる環境の中にあるべきだという視点も忘れてはいけないと思っております。
 それから、今度購入した車につきまして、会社名を出して恐縮でありますけれども、トヨタ系でよかったと思っております。これが別の車種であればもっと今よりも、何だ関東自動車があるのにほかの車を買ってと、こういうことになりはしないかとも思いまして、そういう大きな意味では、県内で一番の雇用を確保している関東自動車系の車を買ったということは間違いではない、そういう声も県民の中にあるということを加えておくべきだと思います。
〇斉藤信委員 それでは、私も順番を変えて、1、400万円の知事車、570万円の副知事車の購入問題について質問いたします。
この知事車、副知事車の選定基準、それぞれ言ってください。
〇杉村秘書課総括課長 選定基準につきましては、先ほど知事車のところで答弁した内容と同様でございます。
〇斉藤信委員 いやいや私は選定基準に反しているから今聞いたんですよ。副知事車は幾らになっていますか、排気量。だめだ、ちゃんと答えなければ、あなた。
〇杉村秘書課総括課長 公用車の配置基準というのがございまして、知事車につきましては3、000cc以上のセダン、副知事車につきましては3、000cc未満のセダンとなってございます。
〇斉藤信委員 副知事車の新しいのは何ccですか。
〇杉村秘書課総括課長 新しい副知事車につきましては3、500ccでございます。
〇斉藤信委員 選定基準に反しているじゃないですか。選定基準があって、反した購入をしたということでしょう。とんでもない話じゃないですか。
 それで、私聞きたいけれども、副知事車は7万キロメートルしか走っていなかった。7万キロメートルといったら一番走り心地がよくなるときですよ、整備がいいんだから。そんなときに選定基準に反して副知事車を買った、間違いじゃないですか、これは。
〇杉村秘書課総括課長 知事車のところで申し上げましたが、選定基準の中で環境基準というものを設定してございます。副知事車についても同様の環境基準を設定してございまして、これに適合する車種といたしまして、今回購入いたしましたクラウンハイブリッド、ほか1車種の計2車種ございました。というか、この2車種しかございませんでしたので、多少オーバーする部分はございましたが、該当する車種として選定させていただきました。
〇斉藤信委員 答えていない。選定基準に反しているんじゃないですかと。3、000cc未満となっていて、3、500ccを買ったんでしょう。
 それで、燃費は前回9.2キロメートルだった、リッター。今回11.64キロメートル、新しいレクサスよりいいんですよ、燃費は。何なんですか、これは。無駄遣いじゃないですか、これ。
〇杉村秘書課総括課長 知事車につきましても副知事車につきましても、それぞれ更新前の車に比べてかなり燃費が改善しているということでございます。
〇斉藤信委員 大変大事なことを聞いているんです。
 室長、選定基準に反した購入というのはあなたが決裁したんでしょう。選定基準に反した購入、いいんですか、これ。
〇廣田秘書広報室長 昨年度は私、当職におりませんでしたので決裁しておりません。
〇斉藤信委員 そういうのもありました。
 いずれ選定基準があって、選定基準に反した購入ですよ、これは。古いクラウンは、今、新しい副知事の副知事車になっているんですよ。もちろん去年の段階で新しい副知事なんか検討されていないんだから、使える車だったということでしょう、事実は。二重の無駄遣いじゃないですか。とんでもない話だ。
〇杉村秘書課総括課長 知事車、副知事車、両方ともそうでございますが、当然まだ使える車ということで、更新前の車につきましてもそれぞれ所管をかえて公用車として活用してございます。
 これは、知事車、副知事車ということであればかなり頻度が高いということで修理費等もかさんできますが、頻度の少ない一般の公用車としてであればまだまだ使えるということで、具体的には、知事車につきましては東京事務所のほうで活用しておりますし、副知事車につきましては一たん管財課のほうに所管がえして使っておりました。今年度、上野副知事が就任されたということで、その管財課のほうからまた所管がえいたしまして副知事車として活用してございます。
〇斉藤信委員 選定に反して買って、今、副知事車として使っていると。買う必要がなかったということでしょう。買う必要がなかったということですよ、事実、今、副知事車として使っているんだから。
 室長、どう思いますか。これは必要ないものを買ったということになりませんか。そして、副知事車は2台必要なんですか。もっと合理的に活用したらいいんじゃないですか。
〇廣田秘書広報室長 従来から知事、副知事車につきましては、先ほど7年ということで、お話しした以降につきましては別な用途で有効に活用しているところでございます。
 また、今回、9月1日付をもちまして副知事2人制になったわけでございますけれども、それぞれ業務スケジュールを個別にセットしてございまして、しかも行動が別々ということで、共用という形は今のところできないものでございますし、また、新副知事につきましては、まだ1カ月余でございますので、今後のスケジュールを見ながら、どこまでそういった共用ができるかどうかは検討課題とさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 明らかになったのは、選定基準に反して副知事車を買った。ところが、その前の車を今、副知事車として使っている。私、二重三重にこれは無駄遣いだったと。577万円ですよ。以前に買った車が499万円だったというのだから、7年たってもっと高い車を買っちゃった。許されないと思います。
 次に、知事車ですけれども、この知事車についても、今、東京事務所で使っているわけですよね。十分使える車だと、整備がいいから。1、400万円で買わなくちゃならない理由というのは全くなかったと思いますが、プリウスと比べなくても、せめて副知事車で買ったクラウンハイブリッドで十分じゃなかったですか。
〇杉村秘書課総括課長 繰り返しになりますけれども、知事の職責等を考えまして、従前センチュリーという車を使ってございましたので、そのセンチュリーと同等の、疲労度の少なさ、あるいは安全性を持った車ということでレクサスLSを購入してございます。
〇斉藤信委員 私の質問に答えていない。クラウンハイブリッドではなぜだめなんですか。3、500cc以上ですよ、これ。知事車の基準に合うじゃないですか。十分居住性も高い。577万円といったら高い車ですよ、庶民感覚から見たら。しかし、1、400万円となったら途方もなく高いのですよ。県民から見たら信じがたい、1、400万円なんていうのは。県財政がこんなに厳しくて、まだ使える車があるのに、そして私は副知事車も高いと思うけれどもね。副知事車が577万円で知事車が1、400万円、私はここが全く理解できない。せめてクラウンハイブリッド程度でいいんじゃないですか。
〇杉村秘書課総括課長 繰り返しになり恐縮でございますけれども、先ほど申しましたとおり、更新前の車であるセンチュリーもやっぱり1、000万円超えていた車でございますが、この車とある程度同等の居住性あるいは安全性、こういった車を選定するのが必要かということで、今回、レクサスを選定したところでございます。
〇斉藤信委員 先ほど及川委員も紹介したように、きょうの新聞では東北各県の知事車が紹介されています。青森県、エスティマハイブリッド527万円。秋田県、これは5年リースで449万8、000円のようですが、エスティマハイブリッド。宮城県、アルファードハイブリッド436万円。山形県、エスティマハイブリッド388万円。みんなトヨタですよ、これ。ほかの県はみんな見直しているんですよ。昔のセンチュリーとか、ああいうところからみんな見直して、実用的な、それで高級感もあるというものに見直しているんじゃないですか。岩手県は、前回のセンチュリーが1、150万円だった。それよりももっと高い、途方もない高い車を買ってしまった。知事がプリウスでいいじゃないかと言った。プリウスとレクサスじゃ余りにも違い過ぎるけれども、何で途方もない高いものになったんですか。東北各県の動向をどう見ていますか。
〇杉村秘書課総括課長 昨年の選定の際にいろいろ検討したわけですが、最近、東北各県にもございますとおり、いわゆるワンボックスカーのハイブリッド車がふえてきているというのは承知してございました。これも当然検討対象に加えました。その結果ですが、ワンボックスカーの場合は確かに居住性もよいと、車内はかなり広うございます。さらには車高も高いということで見晴らし等もよくて、居住性等との関係ではワンボックスのほうがいいかなという判断もございました。
 ただ、本県の場合、知事の場合特にですけれども、高速道路をかなり頻繁に利用します。あるいはカーブの連続する道もかなり走行するということで、どうしてもワンボックスカーの場合、車高が高いということで走行安定性に欠くと。そういったことから、やっぱり従来どおりのセダンタイプのほうがよろしいかなという判断に至ったところでございます。
〇斉藤信委員 山形県も山あり谷あり、青森県もそうですよ。1、000万円違いますよ。私、せっかく各県の動向を把握していたなら、やっぱり選定基準も見直して、今の財政状況にふさわしく、それでいて安全性も守られるものにすべきだったと。
 私、県政報告会やっていますけれども、1、400万円の知事車と言ったら、みんな目を丸くしますよ、信じがたいと、そんな車あるのかと。庶民の感覚、本当に1円、2円を節約している県民から見たら、本当にこれは県民の感覚からかけ離れた無駄遣いですよ。
 私、最後に室長に聞くけれども、トヨタクラウンハイブリッドだって知事車の選定基準に合うんじゃないですか。
〇廣田秘書広報室長 選定基準上は、環境対応ということになりますれば、しかも前の車と同等ということになりますとレクサスということで私どもは選定したものでございます。
〇斉藤信委員 秘書広報室、そんなのではトップマネジメントはできない。あなた方は県民の感覚からかけ離れている。本当に信じがたいですよ。1、400万円の知事車を買ったって宣伝してください。それだけで知事の信頼は失われますよ、そういう問題ですよ。
これは指摘だけにとどめて次に行きますが、知事のトップマネジメントを効果的に行うために秘書広報室が設置されましたが、具体的に、どうこの間トップマネジメントが発揮されたのでしょうか。
〇廣田秘書広報室長 秘書広報室に係るトップマネジメントの発揮の状況でございますけれども、先ほども嵯峨委員のほうから質問がありましたけれども、私どもは、知事を身近からサポートする組織ということで、そのトップマネジメントが十分に発揮されますように、さまざまな情報収集あるいは発信を積極的に行い、さらには県民の県行政への参画を促進する広聴広報活動、岩手のイメージアップに向けた情報発信に努めているところでございます。
 具体的には、さまざまな団体等から収集しました情報を随時報告したり、あるいは国内外の新しい動きや時代を先取りした斬新な施策に対する情報の収集、分析を行うとともに、ツイッター、ユーストリームなどウエブによりますリアルタイムな情報発信、そして健康、パワースポットなどをテーマとしました県外への広報活動を強力に展開しているところであります。
〇斉藤信委員 全然見えませんね、県民から、新たなトップマネジメントの中身が。
 私は3月の予算特別委員会で聞いたときには、秘書広報室というのは秘書機能、広聴広報機能、報道機能だと、政策機能というのはないのだと。実は、平成13年度に総合政策室をつくったときにもトップマネジメントが理由だったんですよ。そのときには、まさに秘書機能と政策機能が一体だった。今回、政策機能を分けちゃったんですね。私はこんなことでトップマネジメントは発揮されないんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
〇廣田秘書広報室長 秘書広報室の設置の趣旨でございますけれども、トップマネジメントを直接補助するために最低限必要な業務に純化するということで現在の体制になってございまして、それをやることによりまして知事の迅速な政策判断を可能にするように設置した組織であります。
〇斉藤信委員 恐らくあなた方のトップマネジメント支援というのは知事の定例会見にあらわれると思うんです、一番。しかし、知事の定例会見を私はずっと読んできた。小沢問題がこの間焦点になったということもあって、ツイッターを始めたけれども、オザワ現象、小沢のことばかりやっているんじゃないかと。これはマスコミの批判ですよ。
 そして、検察審査会が小沢氏を強制起訴した。そうしたら、検察が暴走していると、検察審査会が間違っていると。私は、これは知事の発言としてはいかがなものかと。一個の政治家の発言ならいいけれども、知事は定例記者会見、公式の知事の立場で話をしているわけですよ。あなた方はこういうものもちゃんとトップマネジメントを支えているのですか。
〇廣田秘書広報室長 記者会見におきます知事の発言は、政治家としての知事御自身のお考えによって対応されていると私どもは承知しております。
〇斉藤信委員 知事の定例記者会見というのは、知事が直接県民に語りかける、全国に語りかける一番のトップマネジメントですよ。知事の発信ですよ。ところが、この間、小沢一郎氏がいろいろな意味で話題になってきた。小沢という言葉を聞くだけで、知事の立場から離れた異常な発言が出ているのですよ。
 例えば、もう政治と金の問題というのは検察がつくった虚構だ、無罪になる可能性が高い、陸山会問題も逮捕や起訴に相当するような起因ではない。そして、この検察審査会に訴えた人の個人的な批判までやっていますよ。本当に私は信じられない。今、小沢一郎さんが日本の総理大臣でないということはとても異常なことだ。岩手県を代表する知事として、こういう発言がずっと続いているわけですよ。マスコミ関係者から聞いても、特に小沢関係の知事の会見は聞くにたえないと。
 私は、そういうふうに続いているわけだから、ちゃんとトップマネジメントを支援するというのであれば……
〇三浦陽子委員長 斉藤信委員に申し上げます。
〇斉藤信委員 何ですか、今、質問中じゃないですか。
〇三浦陽子委員長 平成21年度決算に関する質疑を行うことになっておりますので、御留意願います。
〇斉藤信委員 ずっと定例会見が続いていて、去年から続いているんですよ、これは。西松事件、私はたまたま最近のことだけ紹介したけれども、これはずっと続いた事件なんですよ。
〇三浦陽子委員長 斉藤信委員に申し上げます。平成21年度決算に関する質疑を行うよう御留意願います。
〇斉藤信委員 委員長、いいですか、西松事件、小沢の秘書事件、政治と金問題というのは昨年から問題になっている事件なんですよ。
〇三浦陽子委員長 斉藤信委員に申し上げます。
〇斉藤信委員 全く関連あるでしょう。
〇三浦陽子委員長 決算に関する質疑をお願いいたします。
〇斉藤信委員 定例会見というのはずっと去年からやられている。私はその異常性について指摘をしているのですよ。
 室長、この問題については全くフリーハンドですか、知事は。それとも秘書広報室なりに、政務秘書もいるでしょう、きちんとやっているのですか。
〇廣田秘書広報室長 定例記者会見の場合は、県のほうから提案する課題、情報提供するものにつきましては私どもがいろいろと準備をしてございます。そして、今、斉藤委員から御質問のあったさまざまな件につきましては、記者のほうから御質問ということで知事がお答えになっているもので、先ほど言ったとおり、知事自身のお考えによって対応しているものでございます。
〇斉藤信委員 私はリアルに指摘をしましたから、私が今、指摘をしたのは、昨年来一貫して、共通の中身ですよ。そして、やっぱり県民から見たら少し異常だと。その点はトップマネジメントの大変大事なポイントなんだから、秘書広報室がしっかり支えて、知事らしく振る舞うようにしっかりやっていただきたい。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 質疑がないようでありますので、秘書広報室関係の質疑をこれで終わります。
 秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇加藤政策地域部長 平成21年度の政策地域部関係の決算について説明申し上げます。
 この4月の組織再編によりまして政策地域部が発足したところでございまして、ただいまより説明申し上げますのは、旧総合政策部、旧地域振興部並びに総務部に係ります事務事業のうち、現在、政策地域部におきまして所管しております内容であることを御了承願います。
 初めに、政策地域部所管の事務事業に係ります総括的な評価及び今後の取り組み方針につきまして説明申し上げます。
 県では、いわて希望創造プランを着実に推進するとともに、昨年12月には、10年後の岩手の将来像を描くいわて県民計画を、県民の皆さんの御意見を広く伺いながら策定したところでございます。
 いわて希望創造プラン及びいわて県民計画の着実な推進につきましては、各部局との連携や横断的な取り組みの推進のほか、政策評価システムによる効果的、効率的な施策の推進、政策形成の基礎となる統計数値の把握、分析などにより、政策形成支援機能の充実に努めたところでございます。
 また、自立と共生に基づく分権型社会を構築するため、市町村行財政基盤の強化に向けた支援、市町村合併の推進、広域振興局等による広域行政の推進、県北・沿岸圏域の振興、地域におけるリーダーとなる人材の育成など地域コミュニティの維持・再生、岩手ファンの拡大を通じた本県への定住と交流の促進、市民活動に参加する県民への支援機能の充実、文化芸術情報の提供やコーディネーターによる活動支援など、文化芸術の振興や岩手県多文化共生推進プランの策定に取り組んだところでございます。さらに、地域公共交通の維持、確保と利用促進、情報通信基盤の整備に引き続き取り組んだところでございます。
 今後におきましても、政策評価システムに基づいた成果や課題等を検証し、その結果を次の政策等に適切に反映させるなど、県政全般にわたり、より効果的な政策の推進に努めますとともに、次のような点につきまして一層の選択と集中を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
 まず、希望郷いわてを実現していくため、いわて県民計画の県民への周知を図るとともに、岩手の未来をつくる七つの政策や岩手の未来を切り開く六つの構想の実現に向けて、県民との協働による取り組みを展開し、あわせて、アクションプランに位置づけられる政策等の評価や、県民視点に立った県民協働型評価のほか、政策の企画立案、評価に資する統計調査に取り組んでまいります。
 次に、この4月からの4広域振興局体制のもと、明確な顔を持った広域振興圏の確立に向け、市町村と連携し、産業振興を中心に自立した地域の形成に向けた取り組みを推進するとともに、県北・沿岸圏域につきましては、引き続き県北・沿岸振興本部を中心に、県政の重要課題としてその振興に取り組んでまいります。
 また、地域コミュニティの活性化や定住交流、多様な市民活動の促進、文化芸術の振興や多文化共生社会の実現に取り組むとともに、持続可能な公共交通体系の構築や、情報通信基盤の整備と利活用の促進を図ってまいります。
 最後に、平成28年に本県で開催が内々定しております第71回国民体育大会に向けまして、引き続き競技団体や市町村等と連携を図りながら、諸準備に取り組んでまいります。
 続きまして、決算の概要につきまして説明申し上げます。
 政策地域部関係の決算は、岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページの第2款総務費のうち、2項企画費の一部、3項地域振興費の一部、5項選挙費、7項統計調査費、14ページと15ページの第10款教育費のうち、8項大学費の一部及び16ページと17ページの第13款諸支出金のうち、3項公営企業負担金の一部でありますが、これらの支出済総額は102億8、028万円余であり、翌年度への繰越額は21億5、572万円余、不用額は2億2、486万円余となっております。
 それでは、便宜、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書によりまして、項目ごとに主な事業を中心に御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書の172ページと173ページをお開き願います。第2款総務費2項企画費1目企画総務費の支出済額11億2、941万円余のうち、当部関係5億3、530万円余の主なものについて御説明申し上げます。まず、プロジェクト研究調査事業費728万円余は、東北経済連合会と連携し、国際リニアコライダー計画に関する研究会を開催するほか、基礎的な調査を行うために要した経費でございます。次に、第71回国民体育大会開催準備費5億1、452万円余は、平成28年に本県開催が内々定しております国民体育大会開催に必要な準備を行うために要した経費でございまして、そのうち5億100万円は、大会運営基金への積み立てでございます。
 次に、175ページをお開き願います。2目計画調査費の支出済額3、907万円余のうち、主なものについて説明申し上げます。まず、新しい長期計画策定費1、784万円余は、10年後を展望しながら、行政のみではなく、県民の皆様とともに取り組んでいくための羅針盤となりますいわて県民計画の策定に要した経費でございます。次に、政策評価推進費820万円余は、外部の有識者で構成されます政策評価委員会の意見を反映させながら政策等の評価を行うとともに、県民協働型の外部評価を推進するために要した経費でございます。
 次に、177ページをお開き願います。3項地域振興費1目地域振興総務費の支出済額43億2、178万円余のうち、主なものについて説明申し上げます。まず、地域振興推進費2億3、456万円余は、広域振興局等におきまして、市町村やNPO、民間との協働のもと、産業の振興を中心に圏域の活性化に向けた事業等を行うために要した経費でございます。次に、草の根コミュニティ再生支援事業費198万円余は、地域コミュニティが持つ多面的な機能の維持、再生を図るため、地域人財力活性化セミナーの実施や地域コミュニティ相互の連携及び情報発信の促進のために要した経費でございます。次に、地域総合整備資金貸付金1億2、200万円は、県内民間放送事業者2社が行う地上デジタル放送設備の整備に対しまして、金融機関と協調し資金の貸し付けを行ったものでございます。次に、NPO協働推進事業費663万円余は、県民の参画と協働によります地域づくりを推進するため、NPOの活動支援や多様な主体による協働推進のための各種研修等の実施に要した経費でございます。次に、いわて文化芸術王国構築事業費794万円余は、県民一人一人が豊かな文化芸術とともに生きる地域社会の形成を目指し、文化情報総合システムの運営、拡充や、文化芸術資源の発信、文化芸術ネットワークの運営等に要した経費でございます。次に、いわて県民情報交流センター管理運営費7億1、459万円余は、いわて県民情報交流センターの管理運営に要した経費でございます。次に、県北・沿岸広域振興圏政策形成費214万円余は、地域資源や地理的条件を生かした政策形成の強化等を図るため、海洋産業の振興に向けた指針の策定や、県北圏域と八戸圏域との交流、連携を促進するために要した経費でございます。次に、いわてへの定住・交流促進事業費2、566万円余は、首都圏等の団塊の世代を中心とした本県への移住を促進するため、市町村及び関係団体と連携し、情報発信や受け入れ態勢の整備を行うために要した経費でございます。
 なお、事故繰越19万円余は、地域振興推進費の一部を繰り越したものでございます。
 次に、2目市町村振興費の支出済額28億1、744万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。179ページをお開き願います。まず、市町村総合補助金4億1、853万円余は、分権型社会の構築と産業の振興による自立した地域を構築するため、市町村が地域の自立に向けて取り組む事業及び生産基盤の維持、確保や行財政基盤の強化を図るために取り組む事業に要した経費について助成したものでございます。次に、市町村優先の行政システム構築事業費259万円余は、市町村優先の行政システム構築を目指し、国、県及び市町村を通じた望ましい行政システムのあり方を検討する場でございます岩手県分権推進会議の開催及び権限移譲の先進的な取り組みを行うモデル市町村への交付金等に要した経費でございます。次に、合併市町村自立支援交付金13億3、161万円余は、平成17年度までの旧合併特例法の適用を受けて成立いたしました合併市町村が、自立に向けた新たな行政課題等に先導的に対応していくために必要な取り組みに対して交付金を交付したものでございます。次に、合併市町村地域力向上支援交付金2、000万円は、本年3月までの合併特例法下で合併した市町村が、地域における住民の自主的な活動を支援し、地域力の向上を図るために行う取り組みに対して交付金を交付したものでございます。次に、市町村振興宝くじ交付金8億647万円余は、市町村の単独事業等に対する貸付事業及び交付金の原資といたしまして、財団法人岩手県市町村振興協会に対しまして、市町村振興宝くじの販売収益金を交付したものでございます。
 なお、繰越明許費1億円は、市町村総合補助金の一部を繰り越したものでございます。
 次に、3目情報化推進費の支出済額13億7、967万円余のうち、当部関係の1億8、880万円余の主なものにつきまして御説明申し上げます。まず、地域情報化推進事業費109万円余は、岩手県内の情報通信基盤に係る戦略的な方策を検討いたしますいわて情報通信基盤整備戦略会議の開催のほか、各種検討会への参加、関係機関への要望活動に要した経費でございます。次に、携帯電話等エリア整備事業費補助8、227万円余及び移動通信用鉄塔施設整備事業費補助4、417万円余は、いずれも地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため、実施主体でございます市町村に対し経費の一部を助成したものでございます。
 また、繰越明許費19億5、308万円余は、携帯電話等エリア整備事業費補助の一部を繰り越したものでございます。
 次に、4目交通対策費の支出済額7億5、528万円余のうち、主なものについて説明申し上げます。まず、三陸鉄道運営支援事業費1億6、708万円余は、三陸鉄道の経営を支援するため関係市町村と連携し、前事業年度の経常損失相当額及び鉄道設備の整備に係る経費等について助成するとともに、三陸鉄道強化促進協議会が実施する誘客促進事業等に要した経費の一部を負担したものでございます。次に、181ページをお開き願います。並行在来線対策事業費3億6、708万円余は、IGRいわて銀河鉄道株式会社によります鉄道事業の経営の安定化を図るため、いわて銀河鉄道経営安定化基金を積み立てるとともに、通学定期運賃の抑制、鉄道設備の更新及びいわて銀河鉄道指令システムの構築等に要した経費を助成したものでございます。
 なお、繰越明許費1億244万円余は、三陸鉄道運営支援事業費及び並行在来線対策事業費の一部を繰り越したものでございます。
 次に、5目国際交流推進費の支出済額1億851万円余のうち、主なものについて説明申し上げます。まず、グローバルネットワーク推進事業費692万円余は、海外ネットワークの維持拡大を図るため、海外県人会との交流及び支援等に要した経費でございます。次に、東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費869万円余は、東アジアを中心とした各国から県内大学等への留学生に対する支援や、中国大連市からの研修員受け入れを通じまして、本県との密接なネットワークの形成を図ったものでございます。
 次に、183ページをお開き願います。5項選挙費についてでございますが、支出済額9億2、758万円余は、県選挙管理委員会の運営と衆議院議員総選挙等の管理執行に要した経費等でございます。
 次に、187ページをお開き願います。7項統計調査費についてでございますが、支出済額5億5、788万円余は、人件費及び一般管理事務費並びに県単独で実施いたしました統計調査及び国の委託により実施いたしました統計調査に要した経費等でございます。
 次に、少し飛んでいただきまして357ページをお開き願います。10款教育費8項大学費1目大学費についてでございますが、支出済額42億8、491万円余のうち、総務部から当部に移管されました高等教育機関連携推進事業費202万円余は、高等教育施策の今後の方針の検討のために要した経費でございます。
 次に、367ページをお開き願います。第13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金についてでございますが、支出済額190億4、841万円余のうち、当部関係2、657万円余は、県施設におきまして平成23年7月の地上デジタル放送完全移行に備えましたテレビ受信機のデジタル化に要した経費でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇新居田弘文委員 きのうの総務部の質問の中でも、財政問題についていろいろ質疑が交わされたところでございます。岩手県の実質公債費比率も、現状は14%ちょっとでございますが、将来的には18%を超えるというような議論がなされたところでございまして、きょうの新聞にも掲載されておりました。
 私、政策地域部の中の市町村課は、県内市町村の財政なりいろいろな面で御指導をいただいている立場だと思うんですけれども、まず、県内の市町村の財政状況について前段ちょっとお聞きしたいと思うんですが、どのように把握しておられますか、お聞きしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 県内の市町村の財政状況でございますが、平成21年度の市町村の普通会計決算について申し上げますと、歳出の決算規模は6、088億円ということで、前年度に比べますと471億円の増加となっております。
 その主な要因は、性質別に見た場合の扶助費でございますが、生活保護費等の増加により扶助費がふえていること。あとは、定額給付金事業が昨年度実施されました関係で補助費等がふえていること。それから、経済対策によります学校等の施設整備等に積極的に取り組みましたことによって、普通建設事業費が伸びていること等が挙げられます。
 一方で、財政状況ということで健全化比率を見ますと、実質赤字比率については、県内の市町村で実質赤字が生じている市町村はございません。また、これに公営企業などの特別会計とか、ほかの三セク等も含めた連結実質赤字比率でございますが、この連結実質赤字比率につきましても、県内の市町村で赤字が生じている市町村はございません。
 また、実質公債費比率でありますが、県内の市町村の平均は、平成21年度決算においては16.0%ということでございまして、単純平均でございますが、その前の年、20年度よりは1.0ポイント改善してございます。
 それから、将来負担比率でございますが、これにつきまして県内市町村の平均で平成21年度116.4%となってございまして、これにつきましても前年度、20年度よりも12.3ポイントの改善ということであります。
 この実質公債費比率及び将来負担比率につきましては、財政健全化法で規定されております早期健全化基準に該当している市町村はないということでございます。
 また、公営企業につきましては、資金不足比率というものを公営企業ごとに算定することになってございますが、県内の公営企業は全部で152事業ございますが、このうち2市の3事業について資金不足が生じておりますけれども、経営健全化基準であります20%を超えている公営企業はございませんという状況であります。
〇新居田弘文委員 いろいろ御説明ありがとうございました。
 過日、新聞に、県で9月28日付で公表したということで掲載されておりまして、今も説明があったんですが、全県平均はわかるんですが、特に数字の高いところ、財政的に厳しいほうからそれぞれ市町村名が掲載されておりまして、実質公債費比率あるいは将来負担比率、中にはかなり厳しいような財政状態にあるということもこの中から読み取れるわけでございます。
 それで、次にお聞きしたいのは、市町村には土地開発公社もございまして、設立の認可を与えているのは県知事ということで窓口は市町村課だと思うんですが、そういう中で、県内にもそれぞれ市町村によって土地開発公社があるわけでございますが、その経営状況といいますか、その実態についてどのようにとらえておられるか、その辺についてお聞きしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 市町村の土地開発公社の経営状況についての御質問でございます。
 県内の市町村土地開発公社は、平成22年3月31日現在で9公社ございますが、平成21年度決算の経常損益を見ますと、このうち経常損失が生じた公社は6公社でございます。9公社の合計で見ますと、7億460万円の経常損失となってございます。
 一方で、土地開発公社の場合は土地を保有しているわけですが、土地の保有状況についてみますと、平成21年度末現在の保有土地は、金額で234億5、600万円、面積で148ヘクタールとなってございます。これを前年度と比べますと、金額では55億4、100万円、19.1%の減でございます。面積でいきますと17ヘクタールの減、10.3%の減という状況でございまして、総じて経営が厳しい土地開発公社もございますが、そういった中でも、土地の処分等により経営の健全化に努めている状況かと存じております。
〇新居田弘文委員 それで、本来、土地開発公社は公共用地の先行取得、これは市町村、自治体からの要請に基づいて取得するわけですね。後年度、早期に引き取っていただくというのが原則なんですけれども、それがありますし、単独で団地造成をして、いわゆる住宅地の供給とかあるいは工業用地ということで企業の誘致等、そういうのを公社の任務としてやっているわけでございますが、確かに工業団地とかあるいは住宅団地については、こういう景気低迷ですからなかなか思ったように入ってこないということで、いわゆる塩漬け土地と称されるものが県内でもたくさんあると思うんです。
 一方では公共用地、本来、市町村が買うべき土地を都合によりまして公社に買ってもらう、そういうのは間々あるわけですけれども、さっきお話ししましたように、それも本来、市町村の財政で負担すべきものが後年度に買うということで、結果的には買わないで、市町村で負担しないまま、公社は金利を払って抱えているというのが実態としてあるんではないかと思います。
 先般、北上市の土地開発公社の記事を拝見いたしました。九十七、八億円の負債を抱えて来年度に解散するという方向で、公社の抱えている借金と資産を全部引き取って、それを清算するという方向の記事でございました。
 私、甚だ地元のことは言いづらいんですけれども、奥州市の土地開発公社にもややそれに近い借入金があって、そして、むしろ団地よりも本来自治体の買うべき土地が債務負担議決をしないまま、ただ債務保証だけで先送りされている実態を地元紙で目にしまして、非常に心配しているわけですけれども、その辺について県のほうはどのような指導をされているのか、あるいはどういう方向づけで進めようとしているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 県内の土地開発公社に対する県の指導、助言といったことでございます。
 県といたしましては、委員御指摘のとおり認可権者ということでございまして、そういう立場から、公有地拡大推進法に基づきまして、必要に応じて土地開発公社に対し業務及び資産の状況に関する報告を求めたり、あるいは事務所の立入検査を行うことができます。また、設立団体に対して、公社に必要な措置を講ずるよう求めることもできることとされておりますが、まずは、公社及びその構成市町村の判断により自主的な対応が検討されるべきでありますことから、県としては、公社自身において―これは構成市町村も含めてでございますが、その必要性について、存廃を含めた抜本的な検討を行っていただくと。
 存続する場合におきましては、債務を計画的かつ早期に解消するよう努めるということ。また、仮に廃止する場合については、そのための必要な手続を十分に行うと、準備を行うということで、こういったことを市町村に対する財政状況ヒアリングですとか、市町村行財政コンサルティングということで、当課のほうから市町村にお邪魔していろいろお話を伺う機会もございますので、そういったいろいろな機会を通じて助言しているところでございます。
〇新居田弘文委員 ぜひ、その辺の指導を徹底といいますか、やってほしいと思うんです。
 先ほど申し上げました原点は、本来市町村が買うべき、財源で手当てすべきものを全部そちらに丸投げして、それが結果的に借金をずっと上積みしてくると。しかも、公社の会計システムを見ますと、全部、金利負担分も簿価に上乗せして、バランスシート上はプラスマイナスゼロのような、第三者から見ますとわからないような仕組みになっているものですから、その辺きちっと皆さんの指導なりを。それから健全化計画を策定するような指導もあるようでございますが、それについてもきちっとやってもらわないと、結果的に、それが市町村財政あるいはさっき言った実質公債費比率とかあるいは将来負担比率を押し上げ、例は悪いですけれども、夕張市の例も多分そういう経過をたどったのではないかなと思いますので、県ではその辺を、的確な指導をお願いして質問を終わります。
〇嵯峨壱朗委員 地デジ対策についてお尋ねいたします。
 岩手県の状況はこの間新聞等に出ておりましたけれども、全国でもワーストツーという指摘がありました。県内の状況は具体的にどうなっているのか、お聞かせ願えればと思います。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 県内の状況についてでございます。来年7月の地デジ完全移行に向け、整備すべき中継局360局所(後刻「60局所」と訂正)のうち、本日時点で48局所の整備が完了しまして、残る12局所についても、本年12月までに完了する見込みでございます。
 また、辺地共聴施設の改修につきましては、既設共聴538施設のうち308施設が終了し、残る230施設についても、本年度中に改修する見込みとなってございます。
 さらに、地上アナログ放送を視聴していたにもかかわらず、地上デジタル放送へ移行後、地上デジタル放送が視聴できなくなる新たな難視地区は、本年8月10日現在で28市町村、485地区、7、949世帯となっておりますが、このうち445地区、7、398世帯については共聴施設の新設、高性能アンテナの設置等で解消する見込みでございます。残る40地区、551世帯についても、来年7月までに対策が間に合わない場合を想定して、暫定的な衛星視聴を行ういわゆるホワイトリストへの登録も視野に入れ、鋭意、解消に向けて検討が進められているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今の説明、最初の360局(後刻「60局所」と訂正)から348局(後刻「48局所」と訂正)ができていて、あと12局(後刻「12局所」と訂正)がということですか。(佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長「はい」と呼ぶ)
 もう一回、360局(後刻「60局所」と訂正)整備しなければならないけれども、348局(後刻「48局所」と訂正)ができたので、あと12局(後刻「12局所」と訂正)を今年度中にやれば、中継局については可能だという説明でしたね。そして、今の説明を聞くと、ほとんど大丈夫だという話ですよね。ただ、共同受信施設は世帯数とかによって非常に負担がばらばらで、大きくなるという問題があるように聞いておりますけれども、そういった部分も把握しておりますでしょうか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 NHKの補助とか国の補助がございまして、1世帯当たりそういう難視聴世帯については7、000円までは個別の世帯負担でございますが、それを超えている部分については国庫補助あるいはNHKの補助がございますので、これらを積極的に導入するように推進してございます。
〇嵯峨壱朗委員 本年度中に全部、そして共聴等をやってもできないところはホワイトリストというか衛星を使ってと。その場合、暫定的なわけですね。5年間とかという期限があるわけですけれども、その部分もどうやっていくかというのもあるんですけれども、実際には、結構共同受信の、例えばうちはざらざらでもある程度見えるから入らないと。把握しているようにうまくいくのかどうかというのが非常に心配しているんですよ。そういった心配はないんですか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 確かに、地域によっては世帯のまとまりがつかないで、私は共聴組合に加入しないというところもございますが、そういうところには県のほうで市町村と一緒に出向いて、地域説明会を行いながら積極的に共聴施設を設置して、各世帯で地デジ対応ができるようにということで推進してございます。
〇嵯峨壱朗委員 しっかりとお願いしたいと思います。
 先ほど40地区、551世帯と。これって地域的に偏っているとかという特色があるものでしょうか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 どうしても山間地域が、電波がアナログと比べてなかなか回らないで直進性が強いということで、委員御出身の久慈の山根地区とかあるいは岩泉とか、そういうところが難視の世帯数の多い地域でございます。
〇嵯峨壱朗委員 そのようですね。県だけの責任ではないので、これは一緒になって対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それと、これは部長にお伺いしますけれども、昨年、いろいろ議論があって政策地域部と変わりましたね。昨年の総合政策部と、前は何でしたか忘れましたけれども……(「地域振興部」と呼ぶ者あり)地域振興部をセットして一つの部にして、これはどうでしょう、プラス面、マイナス面、この半年ぐらいやっていて、実感というか実態をお聞かせ願えればと思います。
〇加藤政策地域部長 まず、プラス面から申し上げますが、二つの部に分かれておりました政策立案機能を一元化したということでございまして、それぞれ県庁内の政策の調整機能等を担います総合政策部、また、広域振興局、市町村との連携を図る地域振興部、それが一緒になったということでございますので、地域主権の理念に立ちました広域振興局との連携を強化しながら、現場のニーズに即した、より効果的な政策を立案、実施するという体制がつくられたのではないかと考えております。
 マイナス面ということでございますが、今後の課題ということでお答えをさせていただきいと存じますが、県北・沿岸振興あるいは国体、交通対策等、本県の重要施策への対応を図りつつ、広域振興局等が抱えております現場の意見や問題意識、そういうものをくみ取り、全庁的な政策の企画立案、調整につなげていく、生かしていくと、そういう姿勢で取り組んでおりますものの、まだ浸透というか実効性を上げるという面では十分と言えない部分もあろうかと思います。
 各部局との調整方法、議論の方法を工夫するなどいたしまして、より全庁的な政策をしっかりとリードできるような体制を構築してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 課題もあるけれども、おおむね調整という意味で言うと予定どおりというか、機能が発揮されているということのようですけれども、物すごく広過ぎるので、つまり、概念と言ったらいいか、そういった大きいのから具体的な個別まで入ってくるわけですね。それが大変だなと思っているんですよ。実感としてどうでしょう。結構、またもっと絞ってという言い方は変だけれども、それをトータルにやっていくというのは難しい面が実際あるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
〇加藤政策地域部長 確かに業務範囲という面では、部の中でふえた事業内容等もかなり豊富というか、ウイングが広がったというのは事実でございます。仕事のやり方を工夫しながら、しっかりと全体を見通して必要な対策を打てるように努めているところでございまして、事業なりそれぞれの施策に忙殺されるとか、その施策の中に穴ができるとか、行き届かない部分ができるということがないように、しっかりとマネジメント体制を構築してまいりたいと、そういう中で業務を進めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 具体的なことというか、繰越明許について通告していなかったけれども多分わかると思うのでお聞きしたいんですけれども、携帯電話等のエリア整備事業費補助19億円ですか、これはかなりの金額になっています。これは恐らくエリアごとでばらばらだと思うんで、全部の用地の交渉が難航したということはないのではないかと思うんですけれども、これは全部総額が抜けているのはどういうことかなと、お聞かせ願えればと思います。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 この繰越明許につきましては、携帯電話事業は国の補助事業でございまして、国の経済対策等による交付が急遽だったということで市町村が十分それに対応できなかったということがございまして、あるいは用地がなかなか確定しないということで、鉄塔をつくるにしても地権者の了解を得なければならないという手間隙がかかるということで、ほとんどが繰り越しということで今年度実施することになってございます。
 なお、今年度については、ほぼ全事業がつつがなく実施されてございます。
〇嵯峨壱朗委員 大体その理由はわかりました。それぞれ個別だけれども、なかなかまとまらなかったということなんでしょうね。これが実施されることによって、かなりカバーされるでしょうか。どう見込んでいますか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 パーセンテージですと母数が大きいものですから、そんなに急激に改良されることではございませんけれども、着実に推進しているという状況でございます。
〇亀卦川富夫委員 企画費のうち、プロジェクト研究調査事業費728万8、254円の決算についてお伺いいたします。
 この調査事業はILC―国際リニアコライダー計画実現に関するものであります。ILCは、岩手県はもちろん、我が国にとっても、東北の地においても、まさに大きな夢の計画でありますが、その実現に大きく資する調査事業の一つである本調査事業について、改めてその意義と昨年度の成果をお伺いいたします。
〇大平政策監 プロジェクト研究調査事業についてでありますが、まず、その意義でありますが、国際リニアコライダー計画につきましては、国における正式なプロジェクトとなっていない段階でありますが、その建設は、直接的な経済効果のみならず、国際学術拠点の形成など大きな波及効果が見込まれることから、東北地方が一体となって取り組むことが重要と考えるものであり、この事業の経費を計上したものであります。
 その成果についてでありますが、事業が大きく二つに分かれてございまして、その一つ目でありますが、東北経済連合会と連携いたしまして、東北地域における国際リニアコライダー計画の推進組織として、産学官からなる東北加速器基礎科学研究会を設立いたしまして、設立総会を初め講演会やシンポジウムの開催、大型加速器の視察会などを実施し、東北における国際リニアコライダー計画の周知を図ったところであります。
 また、もう一つの柱でありますが、本県独自の事業といたしまして、国際リニアコライダー計画の建設候補地とされます北上山地の花崗岩岩体の分布状況について調査を行ったものであります。具体的には、北上山地の花崗岩岩体であります人首岩体と言われる岩体と、千厩岩体と言われる岩体の二つの岩体の接触部分について調査や情報が不足していたことから、専門機関に委託いたしまして、地上部での現地調査や人工的な振動による地下の岩盤の調査を行ったものであります。
 その結果といたしまして、二つの岩盤が接触する部分については、地下においても安定した花崗岩岩盤が広く分布しているということが確認され、国際リニアコライダーなど、地下施設の建設には支障がないとされたところであります。
〇亀卦川富夫委員 ILCの候補地である北上山地を有する岩手にとって、非常に心強い結果を得たものと思います。ただいまお聞きした結果を踏まえて、本年度予算によって、東北大学と共同で行われている北上山地のボーリング調査の着手が先日報道されたところでありますが、この事業の内容をお伺いいたします。
 また、これによって得たデータ、調査結果、これは東北大学はもちろんでありますが、その他どのような研究機関に提供されるのでしょうか。その活用と国際リニアコライダー計画に対し、今後の進め方についてお伺いいたします。
〇大平政策監 今年度の地質調査事業でありますが、東北大学と本県が共同研究を行うことにより、北上山地の花崗岩岩体の地下構造や岩盤安定性などを明らかにし、トンネルなどの地下施設設計に必要な基礎的な技術的情報を得ようとするものであります。
 具体的には、先ほど申し上げました人首岩体と千厩岩体と呼ばれる二つの花崗岩岩体について、奥州市及び一関市内の計3カ所でボーリング調査を行うほか、人工的な振動を起こして花崗岩岩体の地下構造の調査などを行うものであります。現在、まさにこれらの調査を実施している最中でありまして、年内に現地調査が終了いたしまして、年度内には調査結果がまとまる予定であります。
 その結果の提供についてでありますが、当該調査結果につきましては、東北大学の研究チームが分析の上、高エネルギー加速器研究機構や東京大学などの研究者からなります我が国の国際リニアコライダー研究グループに提供されるものと聞いております。現在、国際設計チームによる技術設計が進められている段階でありますが、前述の日本の研究グループでは、我が国の山岳地帯に適応した独自の日本版山岳地帯シングルトンネル設計案というものを検討して、国際設計チームに提案しているところであります。
 今後、本県における調査結果がその設計の技術的検討に活用されるものと考えているところであります。
 さらに、今後の進め方についてでありますが、本年度の地質調査結果などを踏まえまして、東北大学と本県との共同研究を来年度以降も継続する必要があるか、新たな調査を実施する必要があるかなどの検討を進めることとしております。
 さらに、東北地方が一体となった機運醸成のためにも、東北加速器基礎科学研究会における普及啓発活動を継続して進めるとともに、今年度から研究会において検討を開始いたしました国際学術都市の調査研究についても、本県も積極的にかかわっていきたいと考えているところであります。
〇亀卦川富夫委員 日本での実現には、日本特有の山岳地帯におけるトンネルなどの施設計画が基準設計の条件をクリアする必要があります。去る9月24日、盛岡市で開催された高エネルギー研究機構の吉岡正和先生の講演は、日本の山岳地帯など複雑な地形、地質に配慮した日本に最適なILC計画を示された内容でありました。
 ILCの国際共同開発を担う将来加速器国際委員会では、日本の加速器技術者、研究者、産業界、学会などで構成するフォーラム、先端加速器科学技術推進協議会が提出した日本版山岳地帯シングルトンネル案の検討を高く評価していると聞いております。今後、日本実現のためには、候補地の地域自治体と大学が協力し、地質調査など立地可能性の技術的検討も大切な要素であると存じます。県当局のさらなる取り組みを期待いたします。
 最後に、当局の今後の取り組み方への決意をお伺いいたしまして、質問を終わります。
〇大平政策監 先ほども申しましたように、まだ国においては、この計画をどのように推進するかということが決まっているわけではありませんが、地元といたしましては、東北大学が我が県の計画の推進に非常に協力的であるということもありますので、東北経済連合会など、東北大学を初めといたしまして東北が一体となった活動を推進していき、我が国の建設に決まるような活動になればと思っております。そのような活動を展開してまいりたいと思っております。
〇三浦陽子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時51分 休 憩
午後1時2分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 先ほど、嵯峨委員の質疑に対する本県の地デジの状況の答弁のうち、一部あいまいな部分がございましたので、改めて御説明を申し上げたいと思います。
 整備すべき中継局の数値について、中継局の数となる局所数、いわゆる鉄塔でございますが、これが60、うち48が完了して12が今後直る見込みだということでございます。
 その鉄塔局所を利用する放送局の数は、県内でNHKが2局、民放4局ということで、合わせて6局が60局所数を使うので、掛け合わせて360がいわゆる局数になります。そのうち、288が完了しているというふうに訂正させていただきます。
〇工藤勝博副委員長 質疑を続行いたします。
〇高橋元委員 私からは、第三セクターについてまず最初にお伺いしたいと思います。
 第三セクター等財務分析データベース構築事業費280万円余ということで支出されております。この事業の目的、事業の内容、それと市町村とのかかわり、こういったものはどういうふうにあるのか、まずこの点をお尋ねしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 第三セクター等財務分析データベース構築事業についてでございます。
 この事業は、市町村みずからが第三セクターの経営状況等を正しく把握しますとともに、第三セクターの抜本的改革や経営改善の必要性及びその方策等の検討を資料として活用していただくために本県独自に構築したものでございまして、昨年度、緊急雇用創出事業を活用いたしまして、県において、県内の市町村が出資しております第三セクター及び土地開発公社に係ります過去3年分の貸借対照表等、財務諸表のデータを入力いたしまして、それによって収益性、効率性、安全性等を示す分析指標が過去3年分一覧できるようなフォーマットを作成し、入力したものでございます。その成果物につきましては市町村のほうに配付してございます。
 市町村とのかかわりということでございますが、今回、配付したものに入っておりますデータは、昨年度構築した際に、過去3年分のデータということで平成18年度から20年度までの3カ年分の決算に係る貸借対照表等の財務諸表のデータを入力してございますが、今後は、各市町村において、この表計算ソフトについて平成21年度、22年度以降それぞれのデータを入力することによりまして、市町村において過去3年分の直近のデータが把握できるようにする、そういった趣旨で行った事業でございます。
〇高橋元委員 こういうデータベースがもう少し前にあればよかったと、そんな思いをして今、説明を伺っておりました。
 それでは質問を続けますが、県内市町村が出資している第三セクターは124法人ということでありました。平成20年度においては10市町村12法人が債務超過となっていることをことしの2月の予算特別委員会で説明を受けたところでございます。平成21年度においてはどのようになっているのか。また、平成20年、21年度を見て、近い将来、債務超過になるような法人はあるのかないのか、その辺についてお尋ねしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 市町村が出資しております第三セクターの経営状況でございます。
 本年3月31日現在でありますが、第三セクターの総数は前年度より1減りまして123法人でございます。このうち、債務超過になっております法人が7市町村の8法人でございます。
 それから、近い将来に債務超過が予測される法人ということでございますが、そういった形でのデータは市町村のほうから提供いただいておりませんので、県としては把握してございません。
〇高橋元委員 わかりました。
 次に、第三セクター等改革推進債というものがあるわけでございますけれども、これの活用についてお尋ねしたいんですが、第三セクター等改革推進債というものは、第三セクターの破綻処理や公立病院の廃止費用などに充てるため平成21年度から5年間に限り認められた地方債ということで、初年度の平成21年度に大阪市など11自治体がこれに取り組んでいるということが報じられております。
 県内において、この第三セクター等改革推進債を活用し、破綻処理あるいはセクターの廃止をした法人はあるのか。あるいは、この地方債の活用を検討している市町村、法人等はあるのかお尋ねしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 第三セクター等改革推進債、通称3セク債と呼んでございますが、これの活用状況等についてでございます。
 昨年度創設されたものでありますが、現時点で本県でこの3セク債を活用した事例はございません。
 また、現在これの活用について検討している市町村または法人ということでございますが、県に対して具体の相談がありますのは、午前中の新居田委員のときにもちょっと御紹介がありましたが、北上市から北上地区土地開発公社について、この3セク債の活用についての相談は受けてございます。それ以外は具体の相談を受けている市町村、公社、三セクは今のところございません。
〇高橋元委員 私の地元でもそういう動きがあるということで、心配をしながら、そしてまた、ある面では早い時期に処理をしていただいて、もう少し前向きな議論ができればいいなと、そんな思いもして見守っているところでございます。
 これらについて、県内各市町村も私は積極的に活用すべきじゃないかと。丸々赤字が膨らんで、そしてどうにもならないというところよりも、将来展望をしっかりと持って、改善が図られないのであれば早目に、5年以内ということでありますので、ぜひ活用していただきたいと。その辺の指導も含めて、研修会でもないんでしょうが、何かそういう取り組みは県としてやられているのか、市町村への働きかけ等、その辺お尋ねしたいと思います。
〇佐々木市町村課総括課長 この第三セクター等改革推進債の活用に係る市町村への助言ということでございますけれども、委員御指摘のとおり、この起債は平成21年度から25年度までの5年間に限り使える時限的な措置でございます。そういったことで、経営が悪化している第三セクター、法人等につきまして抜本的な改革、見直しを行って、廃止あるいは事業の一部廃止等を行う場合については、この起債を利用することが非常に有効な手段であると考えてございます。
 この三セクのあり方につきましては、一義的には当該法人及び出資している市町村等が自主的に検討すべきことではございますけれども、県といたしましても、時限的な起債措置であることも踏まえまして、この活用も含めて積極的な見直しを行いますよう、こちらから市町村にお邪魔して行っております市町村行財政コンサルタントあるいは市町村のほうに来ていただいている財政状況ヒアリングといったいろいろな機会を通じて助言しているところでございます。
〇高橋元委員 大体今の説明で三セクの関係は理解をいたしました。
 次に、地デジの関係でございます。午前中にも嵯峨委員のほうからもお話がありましたが、私は、県内のケーブルテレビの関係についてお尋ねしたいと思います。
 まず、ケーブルテレビは県内に何社あって、その各ケーブルテレビ会社の地デジ化への取り組みは順調に進んでいるのかどうか、その辺の状況を把握してあるのであればお伺いしたいと思います。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 現在、県内には、ケーブルテレビ事業者は和賀有線テレビや北上ケーブルテレビなど13社ございます。2011年の施設廃止を予定しておりますテレビ都南を除く12社については、全社地デジ化が完了してございます。
〇高橋元委員 地デジ化が完了しているということですが、先日、和賀有線テレビの役員の方とちょっとお話ししたんですが、何か機器の変更とか、そういったものがまだ残っているようなお話を聞いたんですけれども、本当にすべて完了して、問題ないんですか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 特段問題があるという話は伺ってございません。
〇高橋元委員 わかりました。もう少し私も詳しくお話を聞いてから再度お尋ねしたいと思います。
 3点目に、新しい長期計画の策定経費ということで、175ページにも載っておりましたが、1、784万円余ということであります。この中身というか、長期計画策定全般についてどういう経費がかかったのかということをお尋ねしたいと思います。
 例えば、長期計画の策定のための審議会とか、あるいは策定にかかわる事務局を含めたそういう体制とか、その辺はどうなっているのか。そしてまた、策定にかかわって、総額的にそれらも含めるとどのくらいになるものなのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
〇大平政策監 新しい長期計画策定費についてでありますが、この事業の主な内容といたしましては、総合計画審議会の運営経費、県民からの意見聴取の経費、県民を対象とした情報提供の経費、計画策定後の県民への周知の経費で、合計で1、784万6、000円余の決算額となっているものであります。
 お尋ねにありました審議会等の経費についてでありますが、審議会につきましては、総合計画審議会が7回、それの部会が3部会ございまして延べ4回の開催経費でございまして、委員の報酬、委員の旅費、会場使用料、茶菓代を合計いたしまして、決算額で審議会の開催経費が264万1、000円余となっております。
 策定に係る総人件費でありますが、昨年度でありますと、総合政策部の政策推進課の政策担当が主として行っております。このほかに、各部局の企画担当あるいは各振興局の企画担当が計画策定にかかわっておりますので、それらの総人件費を算出するのは困難でありますが、担当課、総合政策部政策推進課の政策担当のスタッフに限って申し上げますと、主として昨年度、計画策定に携わった人員がスタッフ、主任、主査以下5名でございます。課長は含まないで計算いたしますと5名。これに、人事委員会の資料から1人当たりの人件費単価607万7、000円を掛けますと、政策担当で3、038万5、000円の人件費がかかっていると。主としてかかっているということが言えるかと思っております。
 新しい長期計画策定費の1、700万円プラス今の人件費を合計いたしますと、策定に係る直接的な経費といたしますと4、823万1、000円余ということが言えるかと思います。
〇高橋元委員 これはちょっと先の話になるんですが、例えば長期計画は、あと来年、アクションプラン、その次また4年後にアクションプランと。知事の任期に合わせてアクションプランが策定されるわけですが、これにはこんなにはかからないと思いますが、およそどのくらいかかるものなのか、その辺をもし予測されているのであればお尋ねしたいし、なければそれで構いません。
〇大平政策監 次期アクションプランにどのくらいかかるかということは、今の段階ではどの程度のボリュームになるかということを数字として申し上げるのはちょっと困難でありますが、いずれこの長期計画、昨年度、平成21年度につきましては、政策担当のスタッフはそれにほとんどかかわっていたと。一方、現在のところ、計画の推進とか、あるいはほかの事業等にもかかわっておりますので、来年度については、アクションプランが丸1年かかるということは想定されませんし、ほかのあるいは計画に関係する普及推進だとか、そのほか、例えば国の成長戦略にかかわる部分の事業の立案とか、あるいは全庁的な政策立案等ございますので、それらの一部の業務ということしか言えないということを御了承いただきたいと思います。
〇熊谷泉委員 私のほうからは、草の根コミュニティ再生支援事業についてお伺いいたします。
 この事業は達増知事になられてから新たに取り組まれた事業だと思います。事業費については昨年度は198万円という額でありますが、この事業の内容についてお知らせ願いたいと思います。
〇鈴木県北沿岸・定住交流課長 昨年度のコミュニティ対策事業の実績についてでございますが、コミュニティ活動の担い手の育成といたしまして、市町村の担当職員を応援し、その活動を通じてコミュニティ活動の担い手を育成するため、地域人財力活性化セミナーを実施してございます。また、他地域の活動事例を紹介するため、平成19年度から20年度の間に選定いたしました元気なコミュニティ100選団体、これらの活動を紹介いたしまして他地域への波及を促進、それからコミュニティ活動全体の活性化を図るため、元気なコミュニティ100選連携促進セミナーを開催したほか、元気なコミュニティ100選活動事例集を作成し、配布したところでございます。ほか、県政懇談会こんにちは知事ですで100選団体と知事との懇談、こういったものを実施してございます。
〇熊谷泉委員 そうすると、もう既に100選ということで100のコミュニティは選定してあるわけだと思いますが、これの選定基準といいますか、どういう経緯でそれらを決められたのか。34市町村あると、それぞれにコミュニティがもし三つあるとすると全体で100ぐらいになるんですが、そういう観点なのか、それをお知らせ願いたいと思います。
〇鈴木県北沿岸・定住交流課長 元気なコミュニティ100選団体の選考につきましては、当方で把握しているコミュニティ団体が県内に約3、700ございました。そちらの中から市町村の推薦を受けた団体のうち、現地調査であるとか団体の活動の独自性、それから効果、継続性、発展性などの視点から審査し、選定したものでございます。
〇熊谷泉委員 私も草の根地域訪問あるいはこんにちは知事ですという知事が訪問される機会に3回ほど同席したことがありますが、それぞれ今まで実績のある団体であります。そこへ知事がおいでになって直接話を伺うということで、その団体にとっては大変励みになるということで、それはそれとして評価しているわけですが、知事も、昨年いろいろな岩手県の危機的な状態には痛みを知ることがまず第一だということでありまして、それぞれのコミュニティを訪れて実情を知るのは大変結構なことと思いますが、100選のうち、大体どのくらいを訪問されたものか、それをお尋ねしたいと思います。
〇鈴木県北沿岸・定住交流課長 100選団体のうち訪問した数でございますが、昨年度は9団体を訪問してございます。
 これまでの経緯を申し上げますと、平成19年度は7団体、20年度は13団体、21年度は9団体訪問してございます。
〇熊谷泉委員 具体それぞれについて、支援事業ということでありますので、広く県内に広報するということもありますが、その時々でいろいろなコミュニティの課題も提起されていると思います。それについてのサポート、地域振興室だけの問題ではないと思いますが、具体そういうもので支援されたものがあるのでしょうか。
〇鈴木県北沿岸・定住交流課長 具体的な支援策についてでございますが、まずもって地域に暮らす住民の方、コミュニティに参加している住民の方の意識の醸成を図るために元気なコミュニティ100選連携促進セミナーを開催したほか、県政懇談会等の開催により、コミュニティの活性化の取り組みについて、その地域で暮らす方々がみずから考え、行動されるよう促すための支援を行ってまいりました。
 それから、コミュニティ団体のほうで後継者問題がやはりこれからの課題かと思いますが、後継者の育成につきましては、市町村の地域づくり担当職員を対象としました地域人財力活性化セミナーを実施するなど、それぞれの地域コミュニティの課題に対し、先導できる担い手の育成に努めてきたところでございます。
〇熊谷泉委員 大体わかりました。
 私が申し上げたいのは、従来の市町村要望も一応振興局長が受けるということで、実際は知事が地方に出向いて懇談する機会が非常に少なくなってきたわけであります。昨年は12回の予定が9回、実際知事の日程とか、1度は夜お邪魔した場面も得ていますし、大変だと思いますが、せっかくの機会ですので、まずこれを有効に生かしていただきたいと思います。
 あとは、非常にこれらはモデル的なケースで、今までそういうことで選定されたものと思いますが、やはりこれを、各市町村は皆その存在をわかっているわけでありますが、ぜひこれをモデルとして全県的に、次に続く団体が出るように広報活動も必要だと思いますが、その辺の御意見を伺って、この件については終わります。
〇鈴木県北沿岸・定住交流課長 コミュニティの訪問につきましては、知事の県政懇談会のほかに、広域振興局でも担当職員が団体のほうに出向きまして、日ごろからいろいろと市町村と連携しながら支援を行ってきているところでございます。
 それから、コミュニティの取り組みの広報というお尋ねでございましたが、現在、県のホームページからコミュニティ100選団体について情報発信しているほか、活動事例集につきましては、県内の全市町村に加えまして、先ほど御紹介いたしました約3、700の地域コミュニティのほうに先進事例として直接お送りしているところでございます。
 そのほか、担い手の育成を図るために、地域人財力活性化セミナーであるとか市町村担当者の会議を通じまして、日ごろからコミュニティと連携して支援を実施している県内の市町村等に情報提供を積極的に行いまして、取り組みの参考としていただくよう努めているところでございます。
 それから、県政懇談会を通じて知事とコミュニティの方との意見交換をやっているわけですけれども、こちらのほうで出てきました課題、提案につきましては広域振興局各部で共有しながら進めているところでございます。
 そのほか、この100選団体を初めといたしまして、地域コミュニティ相互の連携促進、それから相互の情報発信を行うために、今年度、元気なコミュニティ100選連携促進セミナーを開催予定しているところでございます。
 今後とも、地域コミュニティの取り組みの広報につきましては、さまざまな機会をとらえまして、県民の皆様の御理解をいただき、地域コミュニティの活性化が図られますように、市町村と連携しながらさらに広報活動を徹底してまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 次に、情報化推進費についてお伺いいたします。
 平成21年度、携帯電話等のエリア整備事業費ということで8、227万円ほどが支出されていますが、これによってどのくらいの不感地帯が解消されたのかお聞かせ願いたいと思います。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 県では、平成19年度から22年度までに、市町村が希望する215地域の携帯電話不感エリアの解消を目標として取り組んでいるところでございます。平成21年度までに48地域を解消してございますが、このうち、補助事業を活用したものは13地域となっております。
 現在、平成21年度からの繰越分―先ほど嵯峨委員から質問のありました大幅な繰り越しでございますが、それから本年度の当初分及び今般の補正分―これは花巻と岩泉でございますが―を合わせた102地域において補助事業を活用した整備が進められておりまして、これらの地域を含めて115地域の携帯電話不感エリアが解消され、これに事業者みずから整備する69地域を加えますと、215のうち184地域が解消される見込みでございます。
〇熊谷泉委員 大分解消されてきたようでございますが、まだやはり40カ所ぐらい残っているでしょうか。今、残ってきたところは、非常にこれから経費がかかる部分で恐らく残された。あるいは小さな集落ということで、ある意味、奥地のほうの山の中の地帯が残されたと思います。市町村においてもそれを一つの事業に取り上げるのは、大変今、残った部分はお金がかかるということでなかなか事業に手をつけられないと思いますが、市町村の事業の推進の方向もあると思いますが、残ったものは大体あとどのくらいで解消されるものなのか。
 実は、今、確かに地デジの問題もありますが、若いお母さん方には携帯というのは必要欠くべからざるものということで、特に、小学生は携帯を持っているかわかりませんが、中学生、高校生になると送り迎えから何から、普通の固定電話よりも携帯のほうが通信手段になっているということで、ある意味、多くの集落の方々にとっては非常に切実な問題であります。
 その辺の事情があるわけですが、残った部分がどのくらいの予定で解消されていくものかお知らせ願いたいと思います。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 先ほど申し上げましたとおり、215地域のうち184地域が解消される見込みということで、残り、現在把握しているのは31地域でございます。そのうち、県民生活の利便性の向上なり安全・安心の確保を図るため、やはり市町村が事業主体として整備していただければと。そうすると国庫補助事業の導入が極めてやりやすくなるということで、久慈市の5地域については、国庫補助事業の予算確保に努めてまいりたいということで現在進めてございます。
 それから、盛岡市ほか8市町村の26地域については、やはり採算だけがすべてではなかろうということで、通信事業者へも自主的な整備を要望していくと。NTTとか、そういうところに整備を要望して、いろいろ市町村の負担できる分、あるいは事業者がどこまで負担できるかという個別具体の折衝をしていただきながら、その仲介を県のほうでは努めてまいりたいと思ってございます。
 やはり事業採算性が民間の場合、通信事業者はすべてなものですから、なかなか安全・安心という県の要望を直、市町村と県とで伝えても現実としては受け入れがたいので、いついつまでにすべてという回答は現段階では申せませんが、そういう努力をしているところでございます。
〇熊谷泉委員 ほとんど今は鉄塔、アンテナを立ててそういう不感地帯をカバーするという方法だと思いますが、一説には、高圧線の鉄塔が近くにあれば何かそれも利用できないかという話もあるんですが、その辺の情報はないでしょうか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 現段階では、余りそういう有効な手段については話はございません。
〇及川あつし委員 たびたびで恐縮でございますが、いわてNPOセンター、またNPOの委託、指定管理のあり方などについて改めて伺いたいと思います。
 なぜまた質問するかというと、2月の一般質問以来いろいろな議員からもいろいろ指摘があり、政策地域部になってもさまざまな取り組みをされてきたことについては多とするものの、どうも私の中で釈然としない点がまだございますし、その点さらに皆さんに御対応いただけないかという意味で質問するものであります。
 質問に入ります前に、昨日、総務部の審査がございました。その中で、佐々木博委員、また吉田敬子委員から非常に大事な指摘があり、重大な質疑がありましたけれども、きのうの質疑については、部長、副部長、また総括課長のところで何か把握していますか。確認です。
〇加藤政策地域部長 ちょっと業務を進めながらでございますが、折に触れ、庁内テレビで議論、審議の内容につきましては聞かせていただいておりましたので、おおむねの概要につきましては把握していると思っております。
〇及川あつし委員 わかりました。きょうの答弁書もつくりながらだったと思いますので、十分御理解をいただいていない部分もあろうかと思いますけれども、ぜひ後で、きのうの総務部審査で関係する部分については御精査を賜りたいと思います。
 それでは質問に入るわけでありますが、私の質問の全体の趣旨は、問題の発端となったいわてNPOセンターについては、過日の総括質疑でもお尋ねしましたとおり、皆さんがいろいろな包括的な調査を行う中で、必要な部分については告発もされたし、あとは警察に必要な情報も提供しているということでありますので、その刑事事案については見守るしかございませんので、その点についての努力は多といたしたいものであります。
 しかし一方で、私、当初から指摘しましたとおり、岩手県自身の対応はどうだったのかというところの検証が私にとってみれば極めて不十分だと思っておりますし、また、6月定例会で、亀卦川議員、また高橋博之議員の関連質問の答弁でもどうも納得できないという前提から伺うものでありますし、県民の皆さんからもいろいろな御意見をいただいておりますので、絞り込んでお尋ねいたしたいと思います。
 まず、初動の段階の話であります。当初、旅行業法の違反の問題があって、また県民からの声もあって、コピー機の料金の簿外処理があったと。その中で県の要請もあって、いわてNPOセンターでは内部監査という形でいろいろな処理をされたと思っておりますが、その書類を我々が資料請求をしても、当時、調査に当たったとされる公認会計士の方の名前が黒塗りになって、いまだに出てこないということであります。これについて県民の間でいろいろな議論になっていますので、なぜこの公認会計士の名前を明らかにしていないか、公表しない事情、できるのであれば公認会計士の氏名の開示等についてまずお伺いしたいと思います。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 委員のおっしゃる報告書というのは、2月15日にいわてNPOセンターから県に出された報告書のことだと思いますが、コピー料金の不正経理に関する資金の流れを調査するために、いわてNPOセンターは新体制のもとで公認会計士に調査を依頼しております。当該公認会計士は、それまで法人の監事を務めておりました東京在住の公認会計士とは別の公認会計士でありまして、現在の理事長が独自に依頼した者であるという報告を受けております。
 調査を行った公認会計士につきましては、今回の不正事案とは関係を有しない者であり、その氏名は、第三者の個人情報であることから非公表としているものでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。では、新体制のもとで新たに依頼をした第三者の公認会計士ということで確認をさせていただきたいと思います。
 なぜこういう質問をするかというと、旧体制において監事を努めていた会計士、今、一部答弁がありましたけれども、前理事長は、私、住所も場所も電話番号も全部チェックしていますが、そこの旧体制における監事を務めていた会計士の事務所と同じビルのところに賃貸で借りて今いろいろな活動をしているわけです。県民からは、一体この内部監査というものは何だったのか。県も、そうした本来は監視をするべき立場の人間と、そして理事長とのいわば不適切な関係を見逃してきたんじゃないか、こういう指摘がありましたのであえて伺ったところでありますので、その点についてはきちっと説明をしないとさらなる疑惑を招くと思いますので、指摘しておきたいと思います。
 2点目であります。
 6月定例会で、部長から答弁が高橋博之議員の質問に関してございました。高橋博之議員の質問は、NPO法の立入調査を実施するための要件である法令の違反はどの時点であったかというものでありましたけれども、議事録を精査したところ、明確な答弁がなかったと思っております。この問題については、2月定例会で部長は、法令違反はないのでNPO法の立入調査はできないと当初答弁しておりました。しかし、この段階で既にコピー料金をいわてNPOセンターが収入計上しなかったという事実は明らかになっておって、このことによる脱税というものは認識されていたはずであります。法人税法違反、岩手県県税条例、盛岡市市税条例違反という法律、条令違反は明らかになっていたということではないかと思いますし、伺うところによりますと、後日、この脱税していた部分については払っているということであります。それにもかかわらず、なぜ当時、加藤部長は法令違反がない旨の答弁をしたのでしょうか。
 6月定例会の答弁では初動のおくれ等についての一定の反省の弁もございましたけれども、改めてこの件について伺います。NPO法の立入調査を実施するための要件である法令の違反が生じた最初の時期はいつでしょうか。
〇加藤政策地域部長 2月定例会及び6月定例会での私の答弁についてでございますが、答弁申し上げました趣旨につきましては、不適正経理につきまして、3月初めの時点におきまして、刑法上の背任や業務上横領など、法令違反が相当の蓋然性を持って認められる段階に達していなかったため、NPO法上の立入調査に至らなかったというものでございます。抑制的な運用を図るというNPO法の趣旨に照らした上での判断でございまして、また、NPO法に基づくものではございませんが、必要な報告徴収、立入調査は委託者としての立場で行っていたものでございます。
 なお、いわてNPOセンターが、コピー料金の不適正経理が発覚した後の平成22年、ことし1月に法人税等の修正申告を行っていることは確認しております。これによりまして、確かに税法上の違反というのはあったわけでございますが、修正申告という手続をとったということで法令違反は治癒されていたと認識しておりまして、その事実をもちまして、立入調査の要件を満たす法令違反に当たるとは認識していなかったものでございます。
 それから、法令違反を生じた最初の時点についてのお尋ねでございます。
 コピー料金の不適正経理につきましては、背任、業務上横領罪の要件を満たすまでの確証が得られていなということでございましたことからNPO法に基づく立入調査は実施しておらなかったところでございますが、先ほど申し上げましたが、NPO法とは別に、事業の委託者としての立場から必要な調査を行ってきたところでございます。
 NPO法に基づく権限行使のための要件であります法令違反を、先ほどの答弁と関連がございますが、相当の蓋然性を持って把握した時点でございますが、包括的調査を通じて助成金の不正受領が判明した時点、確認等もございましたが、法人からきちっと報告を受けた時点になろうかと思います。その後、その事実関係を精査した上で、NPO法上の権限行使としての改善命令を発しているということでございます。
〇及川あつし委員 やっぱり答弁を聞いても私は理解できない。皆さんの理屈としては一貫性があるのかもしれないけれども、私としては理解できない。
 なぜかといえば、確かに今、部長がおっしゃったように、NPO法に基づいて、その法律の権限のもとに調査をする場合には抑制的な対応をしろというのはガイドラインにも示されています。しかし、皆さんが、部長も初動の対応がおくれたというのを以前認めたように、抑制的な対応をしてきたがゆえに見逃してしまったこと、そして今、きょう時点においても、当時いろいろな法令違反を犯した人間たちが、いわば堂々とまだいろいろな活動をしてまた次なる問題を起こそうとしている。こういうことを放置したという結果責任が私は出てくるんだと思っております。
 この点については、皆さんに改めて当時の初動から今日に至るまでの対応についてはぜひ検証していただきたいと思っております。
 今、答弁があった、各税に対して未納であったこと、これは修正申告して治癒していた、だから法律の蓋然性がない、脱法行為の蓋然性がないというのも、全くこれは説得力のないお話ではないかということで改めて指摘しておきたいと思います。
 私、きょうまた改めて質問に立った理由のもう一つは、おとといの答弁で、包括的調査については一区切りがついたという一言であります。私は全然ついていないと思うんです。それは、県内部の対応について伺いたいということであります。
 もう一点、これまでの政策地域部の対応について私が腑に落ちないのは、高井前理事長が残務処理と称して本年の3月末まで当該法人に残ってさまざまな証拠書類を破棄していたということでありまして、これについては、やっぱり抑制的な対応をしたがゆえの大きな失態ではないかと私は思っております。包括的調査についても、本格的に実施を始めたのは新年度になってからだと私は理解しておりますが、こうした経緯について改めて御説明をいただきたいと思います。
〇加藤政策地域部長 前理事長が書類を廃棄したという情報につきましては、包括的調査の中でいわてNPOセンターの職員から証言がありました。そういう証言は得られたわけでございますが、事実関係につきましては、法人におきまして書類リストの不備等もございまして確認に至らなかったものでございます。
 調査につきましては、これまでいろいろ県に寄せられた情報を整理いたしまして、調査の手法を検討した上で3月下旬から着手しております。多くの職員が退職したわけでございますが、その前の年度末までに聞き取り調査を実施いたしまして、多くの貴重な証言を集めることができたと認識しております。
 4月以降になりますが、こうした証言の整合性を検討し、法人の諸規程あるいは残されております帳票類等に当たりまして客観的な裏づけが得られるように努めたところでございます。
〇及川あつし委員 経過については、今、御説明のあったいろいろな証言があるとおり、前理事長、また問題を起こしたとされる皆さんは、ほかの分野においても事務所から勝手にパソコンを持っていったり金庫を持っていったり証拠書類を破棄したり、私もその都度皆さんに言いましたよ。こうした一連の経過について今、説明がありましたけれども、それについて対応がどうだったかという所感をもう一度お聞かせください。
〇加藤政策地域部長 包括的調査につきましても、いろいろ御指摘いただきまして、我々もその必要性を認めて行ったわけでございますが、これもあくまでも任意の調査というところがございます。また、私どもの職員が24時間、いわてNPOセンターの中をすべて見張るというわけにもいかなく、また、帳票類、そういった整理がなかなか十分でなかったという面がございまして、我々も隔靴掻痒というか、もどかしい思いをしたことも事実でございます。
 そうした中でございますが、残されたもの、いろいろな証言の突合という中で、そういう限られた中ではございますが、考えられる範囲内でできる限りの調査を行ったと認識しております。
〇及川あつし委員 今、答弁の中で初動のおくれについての反省の弁はなかったんですが、その点についてはいかがですか。
〇加藤政策地域部長 先ほども、NPO法の解釈、趣旨等につきまして答弁申し上げました。そういう中で、ある意味、NPOの趣旨を体して厳格に解釈した結果、確かにおっしゃるような形で、後から見れば、もっと早い段階で着手する、あるいは調査に臨む方法、やり方もあったのかなということは認識しておりますし、その点、3月定例会でも答弁申し上げましたが、後手に回ったという印象は私としても有しております。
〇及川あつし委員 私はその認識が大事なんじゃないかなと思っていますし、今、また関係している方々がそうした対応についてどう見ているかというと、結局、県もある部分の一定の責任があるがゆえにそういう対応をとったんじゃないかと。と同時に、これまで答弁してきているように、県職員との関係については、特別問題がなかった。委託の選考過程についても問題がなかった。つまりこれは、何となく話をどこかでうやむやにしているんじゃないかというようなイメージを持たれているということをまず御認識いただきたいと思っております。
 結果として、前理事長については、先ほど申し上げましたように今、東京に行って、ある会計事務所のビルに入って、警察の対応等も見守っているのかもしれません。あと、旅行業法の処分を受けた人間が、きのう私も伺いましたけれども、また新しい公益団体に就職をして、旅行代理業の免許、資格は5年間停止されているにもかかわらず、第三者にはあたかも資格があるような形でまた活動を始めたとか、いろいろな疑念を持たれているわけであります。こうした件については、やっぱり私は包括的調査がまだ十分に終わっていない証左であろうと思いますので、改めて御指摘をいたしたいと思います。
 包括的調査が一区切りついたという話でありますが、県職員との関係についてであります。
 これについては、6月定例会で、私は非常に不思議な答弁を伺ったと思っております。このときの質疑の中では、部長の答弁で、いろいろな事業の委託の答弁の中で、それぞれの担当課、担当職員等が、それぞれの企画競争なりの中で、いろいろな提案について、ほかの要素は考慮せず、いただいた提案内容について厳密に審査した結果でございますと。中略いたしますが、それぞれ個々の事業の決定過程を見ると、大きな問題があったとはとらえていないという認識だということであります。私は、この認識は間違っていると指摘をしておきたいし、この件について伺いたいと思います。
 県職員との関係、委託の中の経過について十分に私は検証されていないと思っておりますが、検証過程はどうだったのか伺いたいと存じます。
〇加藤政策地域部長 県職員との関係でございますが、答弁申し上げたように、それぞれの職員―これは委託なり契約担当の職員ということになりますが、いわてNPOセンターの関係職員あるいは理事長、理事なりと不適切な関係があったということはないものと認識しております。これにつきましては、さまざまな証言あるいはさまざまな情報が寄せられておりますが、それにつきまして、当該職員、関係した職員等にもそれぞれの部局を通じまして聞き取りも行っておりますが、そういう形で裏づけられた客観的な事情というか物が出てきていないということでございまして、特に問題はないと認識しております。
〇及川あつし委員 その認識が問題だと言うんです、私は。結局、一連の問題をすべていわてNPOセンター前理事長に押しつけて一件落着させようとしたら、これは間違いを起こしますよ。総括質疑の答弁の中で、今後の委託のあり方についてはガイドラインをつくっていくということになっているようでありますが、これまでの経過を十分検証しなくてどうしてガイドラインができるんですか、と私は今、思っています。
 きのうの冒頭に戻るわけですが、総務部の部局審査の中で吉田敬子委員から指摘がございました。委託に関しての公募期間が異常に短かった事案、そしてきのうは、指定管理者制度の件で再委託率がなぜ高いか、こうした事情等がございましたけれども、じゃ、公募の段階で本当に適正な公募だったのかどうかという部分については検証されましたか、部長。
〇加藤政策地域部長 それぞれの公募手続につきましては、適正というか、おかしなところはなかったかどうかというのは担当部に確認しております。
 公募の時期の問題、具体的な御指摘がございましたが、時期につきましては、予算等が計上なりそういう方向になって、それから年度初めまで行う、そういう制約の中で、一部において確かにそういう形でちょっと期間がとれなかったんじゃないかという指摘はいただいておりまして、その辺につきましては、なるべく広く公募するという趣旨で、時間は十分とっていくように努力はしたいと思っておりますが、具体的な公募手続の中で、もうちょっと期間がとれればという部分はございますが、不適正というか、ある団体、あるところを念頭に置いた形での手続だったんじゃないかとか、そういうことを意図したんじゃないかというところについては、そういう認識というか、そういう事実関係はなかったと理解しております。
〇及川あつし委員 半年たってもそういう認識なんですね。何度も繰り返し指摘をしてまいりました。それぞれの委託事業について、公募の前から、県側からいわてNPOセンターに不適切な形で今後こういう委託事業の公募があるという情報提供があったという指摘をしましたけれども、半年間かけても一切そういうことはなかったということでよろしいですか。
〇加藤政策地域部長 そういう形での証言なり情報が寄せられていることは理解しております。いわてNPOセンターの職員なり関係者の方々からそういうものがもたらされているところがございます。ただ、それにつきまして具体的な裏づけなりが出されたわけではないと。そういうふうな情報という形がどういうものか、どういう形で提供されたのかというところが具体的に明らかになっておりません。それにつきまして、職員につきましてもどうだったのかという調査、聞き取りは行っておりますが、そういうことがあったということは出てきておりません。ここはなかなか双方の言い分というか証言が食い違っている部分でございますが、それをもって、外部からそういうのが寄せられたということでその事実があったというところまでは認識できないということで御理解いただきたいと存じます。
〇及川あつし委員 そろそろ30分経過しますので収束に入りますが、結局、部長がそういう答弁を繰り返ししたり県当局の対応がそういう状況であるので、前理事長が出席したある議事録、私きょう持ってきましたけれども、前理事長は、部分だけ引用します、県側も相当都合が悪くなっているものですから云々という発言もしているんです。つまり共同正犯だとお互いに認めているようなものですね。
 NPOの立ち入りについては抑制的、県庁内部の件については防御的な対応をしていると指摘せざるを得ないことを私は申し上げておきます。
 部長がそういう答弁を繰り返すのであれば、私も証言を再度案件名も確定して改めて指摘させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 きょうの質問は終わります。
〇嵯峨壱朗委員 ちょっと関連して質問させていただきますけれども、今の質疑を聞いておりますと、部長が来る前の話なんですね、これは。これはどなたをどういうふうに、組織をかばっているのか何をかばっているのかわからないけれども、そういった外部から指摘があったというのはやっぱり、それはそれとして事実として認識しないとかというレベルの話ではなくて重要なことなわけですよ。当事者は当然、あったかと言うと、ないと言うに決まっているんですよ、内部的にはと。それは当たり前の話です。
 ですから、そういう指摘があったことは謙虚に受けとめて、今の質疑を聞いていると、全然変わっていない。やはり頼んだほうに責務がないわけがないし、今の及川委員が指摘した部分というのは、確かに内部で確認できないと言うかもしれないけれども、認識としてはもっと厳しく謙虚に受けとめる必要があると私は思って聞いておりましたけれども、いかがでしょうか。
〇加藤政策地域部長 私の答弁が不十分だったのかもしれませんが、謙虚に受けとめているつもりでございます。そういうものにつきまして、具体的にはこういうことだったということで先ほど当事者同士の言い分の違いみたいなことを申し上げましたが、じゃ、こちらに軍配を上げるというものがない中で、職員についても確認する中で、じゃ、黒だということをなかなかそういうふうな形で断定はできないということでございます。
 いろいろな指摘がありまして、NPOを含めた業務委託のあり方、業務委託をどうやるかということについて、もっと県として襟を正す必要があるのではないか、いろいろ証言がこれまで寄せられてきたわけでございますが、確証は得られないとしてもそういう証言は聞くべきものがあり、そういう疑いを持たれないようにしていかなければいけないのではないかというのはそのとおり思っておりまして、そういう認識のもとに、現在、NPOを含めた事業委託の手続の適正化に関するガイドラインの作成を進めているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 白黒をつけろというわけではないんですね、僕が言っているのは。黒だなんていうことまで言うつもりもないけれども、人がやることですから想像を超えているような人もいるわけです、いろんなところで。ですから、そういうこともあり得るということを、性悪説に立てというわけではないけれども、そういった前提で、もっとこう、あり得ると。例えば職員の皆さん方でも、及川委員が指摘のようなことはずっと前から言われているんですよね、みんな言わないだけで。去年のあれでやっとはっきりしてきたけれども、その前からずっと指摘をされていた。外車に乗っていたとか、あり得ない。日報だったかな、1、000万円以上もらっているところは決して多くないとか。そういったNPOありますか。そこからしておかしかったし、そういったことを前提にやっているわけなんで、県は県として、そういったこともあるかもしれないという視点を十分持って今後やっていただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 昨日は総務部の中で指定管理者制度の件でお話しいたしましたが、その指定管理者制度を導入しているアイーナの施設に関して質問させていただきます。
 私は以前にアイーナでも仕事をしていた経験がありまして、いろんな方からお話を伺う機会がありますが、現在、アイーナの施設で、1階、4階の部分、1階は飲食店が入っていた部分で、4階も福祉施設が入っていた、その団体が営業していた飲食店がありましたが、この1階、4階部分のスペースが長期間あいております。どのくらいの期間あいているのか、そしてまた、その2団体が撤退された理由を県ではどのように把握していますか、お答えください。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 アイーナの空きスペースの件でございますが、1階につきましては、平成21年3月末から空きスペースになっております。また、4階につきましては、平成21年11月末から空きスペースとなっております。2カ所の空きスペースにつきましては、いずれも入居していた飲食店が経営的に難しくなったため、撤退したものでございます。
 撤退後は速やかに公募を行いまして入居を促進するように努めましたが、いずれも応募がなかったものであります。
 使用料につきましては、行政財産使用料条例に基づきまして算定しておりまして、近傍類似施設に比べて高い嫌いがありまして、事業者において収益確保を見込めなかったことが要因と考えております。
 アイーナには、飲食店が不足しているという声が寄せられておりますので、今後も時期を見ながら再公募を行うなど、飲食店の入居に努めてまいりますが、応募がない場合は、使用料の見直しの可能性等につきましても検討しながら、空きスペースの解消に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 アイーナの施設は、もともと免許センターや県立図書館があり、県民の皆さんのさまざまな地域活動や国際交流、NPO活動等に関する相談窓口を設けており、県立大学のキャンパスもあって、子供から年配の方々まで、学生から社会人まで幅広い層が利用する多機能的複合施設として私は理解しております。
 先ほど御答弁いただきました、あいていることによって本来得られる使用料は、県としては幾らと把握しておりますか。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 先ほどお話ししましたように、行政財産使用料条例に基づきまして使用料が決まっております。1階の店舗につきましては、面積から算出しまして、およそ月額34万1、000円余りの12カ月分ということになると思います。4階につきましては、障がい者の方たちの施設ということで、減免させていただいております。
〇吉田敬子委員 先日、政務調査の方に調査依頼をし結果、1階の部分は18カ月あいているということで私は調査結果をいただきまして、4階は10カ月です。確かに4階部分は福祉施設が入っていたので減免申請のためにゼロ円だと思いますが、実際に企業等が入れば、計算すると10カ月で400万円余りになると計算しております。
 アイーナ自体、建設費が245億円をかけて、他県にもない立派な施設であると私は感じておりまして、多くの維持管理費がかかっていると思われます。維持管理費は、年間7億円かかっているという計算になっているかと思いますが、本来、この財政難にあって、空きスペースを設けることに対して県ではどのようにお考えですか。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 先ほどお話ししましたように、財政的な面も利用者の利便の面につきましても、空きスペースというのは望ましくないという考えでおりますので、引き続き再公募を行っておりますし、また、使用料の見直し等につきまして、可能性や方法について関係部局と協議を進めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 また、アイーナは毎日3、000人ほどの来場者もありますし、県民、私たちの利用者だけでなく、全国各地から学会等での使用もあって、県外からの利用者もたくさんいるかと思います。その空室のためにどのような努力を実際に行われてきたのか、具体的にお示しいただけますでしょうか。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 引き続き入居のための再公募を行っておりまして、何件か問い合わせ、打診はあります。そのたびに説明をしまして案内をしておりますが、なかなか金額の面で折り合いがつかないということで、いずれ、今も空きスペースということになっております。
 4階につきましては、引き続き障がい者の方たちに使っていただきたいという考えを持っておりまして、そちらのほうにもいろいろ入っていただける方について声をかけたりしております。
 先ほどお話ししましたように、原因となる使用料につきましては、見直しができるものかどうか、条例に基づくものですので、それにつきましては行政財産を主管している部局等と相談をしながら、今後どういう方法があるのかというのは検討してまいりたいと思っております。
〇吉田敬子委員 県民からも、何であのスペースがあいているのかという声も私は実際聞きますし、逆にあのスペースがあいていると活気がないんじゃないかという声も、実際、私の耳に入ってきております。アイーナという施設は、たしか、ああ、いいなぁと県民が思えるような施設でアイーナと命名したと私は思っておりますが、ぜひ県に対しましては、私たち県民が利活用、また、交流しやすい情報センターになるよう、また、県外からの来場者の方々にも、また岩手に来たいなと思っていただけるよう努力していただければと思います。
〇久保孝喜委員 私からは、バス交通についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 一部通告しておりました順序を変えて、あるいは一部まとめてお聞きをいたしますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 昨今、交通機関にかかわって言うと、空の交通の問題が非常に取り上げられていまして、飛行機と新幹線の競合関係みたいなことがずっと言われてきたわけです。この地域にあっては、実はもう一つの競合関係というのが今生まれていると。それが都市間輸送にかかわるバス交通でございまして、高速バスなどで東京圏内へ走っていくバスなわけですが、ここでツアーバスというのが最近大きく取りざたされております。
 このツアーバスなるものの参入によって、さまざまな懸念が広がっているところなんですが、担当課として、このツアーバスの参入という新たな現象についてどのように認識をされているのか、まずお聞きをしたいと思います。
〇野中交通課長 ツアーバスの参入による県内業者の影響等についての県の認識ということでございます。
 旅行代理店が貸し切りバスを借り上げて人員の輸送を行ういわゆるツアーバスでございますが、これは本県にも進出してきております。しかしながら、現在のところ、県内のバス事業者が運行する高速バス、これにつきましては、路線の廃止とかあるいは運行回数の縮小等の大きな影響は出ていないと認識しております。しかしながら、バス事業者からヒアリング等でお聞きしますと、このツアーバスの運行の影響によりまして、今委員御指摘のありました盛岡-東京間の高速バスの収入が、昨年同期に比べて減少している事例もあると伺っております。すべての事業者がそういった影響があるという報告ではございませんでしたが、事業者によっては、高速バスの収入に一部影響が生じている例もございます。しかしながら、これまでのところ、ツアーバスによる生活路線への影響というものは生じていないと認識をしてございます。
〇久保孝喜委員 踏み込んで御答弁をいただきましたが、このツアーバスというのは法的にもいろいろ議論のあるところでして、ある意味、グレーゾーンの中で新たな業態として今広がっているというわけです。つまり、従来の既存業者による都市間輸送の中では、到着地においても営業所が必要だったりとか、あるいは都市間輸送にかかわる高速バスの運行規定の中にさまざまな制約があって、普通のいわゆるバス事業者でなければ参入できないエリアとしてあったはずなのに、規制緩和によってこれがさまざまな、先ほども申し上げた観光業者とか旅行業者等が参入できる状態になってしまった。結果、例えば、埼玉に本社があって盛岡-東京間のツアーバスを運行できるというようなことだとか、あるいは、不定期だということを前提にしておきながら、実は定期的にツアーバスなるものが運行されているという形で、競合するバス事業者の高速バス輸送にかかわって、今お話のあったように大変収益上問題点、これから先の障害になり得る事態に今発展しているわけです。
 先取りして御答弁をいただきましたが、そうした収益悪化が、バス事業者が抱えている赤字路線の補てん的な意味を持っていた高速バスという収益性の高い路線が影響を受けて、結果的には、県民の暮らしに直結する生活路線への影響が広がるのではないかという懸念が広がっていると。現在のところは、当局としても余り危機的には感じていらっしゃらないようなんですが、しかも運賃で言うと、既存のバス事業者の大体6割ぐらいだと言われていますので、そうしますと、昨今の経済事情の中ではこうしたツアーバスなるものに対する県民の、ある意味乗っかりやすさというのは当然環境として広がっているわけですので、この先はむしろ、状態としては、影響としてはかなり悪化をしてくることが懸念をされるわけです。
 そこで、それぞれの県内のバス事業者にさまざまな行政の支援というのもこれまでも行ってきましたし、生活路線を抱える、そして、それが昨今言われるような高齢化や少子化という事態の中で、路線そのものの縮小、廃止ということがやまないわけですね、その傾向が。そうなると、単にバス交通という問題では地方自治体、市町村やそれからバス事業者、そして県も含めた自治体全体の中でどうやっていくのかということが私は非常に大きなテーマになってきていると思うんです。
 そこで、それぞれ県の当局においては、バス事業者に対しての運行補助などについて、この近年どういった推移で補助を行ってきたのか、あるいはバス事業者本体の経営体力などの変化ということについてどのように調査をし検証をされているのか、その分析などの実態というものをこの際お示しをいただきたいと思います。
〇野中交通課長 バス事業者への補助の実績及び経営体力等の把握、分析等についてのお尋ねでございます。
 まず、1点目でございます。バス事業者への補助の実績につきましては、県は、広域的かつ幹線的路線の維持を図るため、二つの制度による支援を行っております。
 一つ目は、国との協調によるものでございまして、平成21年度は、57路線に対しまして3億982万8、000円の補助を行っております。
 二つ目は、準広域的な路線についてでございますが、市町村との協調補助であります市町村総合補助金を活用したものでございまして、平成21年度におきましては、24路線に対しまして4、194万7、000円の補助を行っているところでございます。
 また、市町村におきましては、いわゆる廃止代替路線につきまして市町村が単独で補助をしておりまして、県の調査では、平成20年度の実績でございますが、161路線に対しまして3億8、550万1、000円の補助が行われております。これらの国、県、市町村を含めました20年度のバス事業者への総額でございますが、8億1、200万円余となっておりますし、国を除きます県及び市町村の補助総額は合計で6億3、000万円余となっております。
 続きまして、バス事業者の経営体力等についての把握、分析等についてのお尋ねでございます。
 事業者の経営状況につきましては、毎年度事業報告書等の提供を受けたり、あるいは補助金申請の際に詳細なヒアリング等を実施いたしまして把握に努めているところでございます。そういった中で、県内のバス事業者の経営状況というものは、人口減少あるいは少子・高齢化、モータリゼーションの進展等の影響を受けましてバスの利用者数は年々減少しており、事業者の経営環境も非常に厳しい状況になっております。収支比率におきましても100%を切っている状況でございまして、なかなか事業者においてさまざまな増収対策あるいはコスト削減等々を実施してございますが、収支はなかなか好転していないと把握しているところでございます。
〇久保孝喜委員 毎年度それなりの補助の金額を積み上げているということは承知をしておりますし、経営体力などの分析にも努めているという御答弁でございます。しかし、先ほどのツアーバスなどの例に見られるように、この先、収益悪化になる環境が新たに生じたような場合に、どういう行政の対応をとっていくのかということが実は問われているわけですね、当たり前のことなんですが。
 そういう対応をどうとられているのかということを見るときに、総合的なバス交通にかかわる今の法体系の中では、例えば地域公共交通会議を市町村において設置をして、身近な生活交通から全体の総合政策の中でバスの問題をきちんと議論する場をつくりなさいということになっているわけですが、その設置数も残念ながら昨年度は目標には達していませんね。
 県が、実態としては、このツアーバスの問題でもあるいは地域公共交通会議なんかの設置の問題でも、実は完全に指導する立場ということ、あるいは市町村を先導するという立場を本当に持っているのかどうかというのが、実態として私は今浮き出ているんじゃないかという懸念を持っているんですが、その点で、本気度という点を何か具体的に示せるものがおありなんでしょうか。
〇野中交通課長 いろいろ、バス事業者を取り巻く環境は非常に厳しい状況だということで、県においてもそういった認識をしております。もちろん、市町村においてもそういった認識であるということを理解しております。そういったことを踏まえまして、基本的には、県の考え方としまして、路線維持の部分につきましては広域的な、あるいは太い幹の部分をしっかりと支え、そして市町村におきましては、地域内の公共交通体系を構築していくと、その部分につきまして県もしっかりとサポートしていくということで考えております。
 また、市町村において地域公共交通会議を開いておりますけれども、そういった中で、必要に応じて県のほうも参画をして意見を申し上げておりますし、また、県全体の協議会におきましても、市町村あるいは事業者等とそういう問題等を、課題等を共有してございます。
〇久保孝喜委員 お答えの趣旨は私たちの問題意識とはちょっと違うなという感じがしてならないわけです。
 最後になりますが、こうした地域交通の問題は、国においてもさまざまに今議論をされているところです。先ほどの地域公共交通会議の根拠法が地域公共交通活性化再生法という法律なわけですけれども、これをさらに大きく拡大をして、基本的な交通政策全体の基本法をつくろうという動きが今あるわけです。交通基本法と言われているわけですが、この交通基本法については、地方自治体の役割だとかあるいは国の責務なんかも含めて、移動する権利をきちんとうたおうということですね。国際的な流れなんだそうですが、そういうことをもって、今はどちらかというと、熱意を持った自治体、あるいは多少お金に余裕のあると言えば語弊がありますが、そういう自治体だけがやり得るバス交通政策、地域交通の施策ということから、まさに人としての移動する権利を保障するための法体系に変えていこうという大きな志のある基本法だと私は思っていますが、これについて、この際部長から、そうした国の動向に期待するもの、そして、その中にあって岩手県がなすべき役割について最後にお聞きをして終わりたいと思います。
〇加藤政策地域部長 交通基本法制定に向けての動きについてはこちらとしても非常に大きな関心を持って、今、フォローというか見守らせていただいております。また、私も民主党の検討の委員会に出席させていただきまして、本県の事情等を説明させていただいたところでございます。来年を目指すということで今見守っているところでございますし、また、それに伴う関連予算につきましても、例年に比べて大幅な概算要求の増ということで聞いておりまして、今後、施策の拡充、展開が期待されるところでございます。
 ただ、交通基本法ということで非常に期待が持たれるところなんでありますが、とかく基本法的なものにつきましては、理念的な部分にとどまって具体の中身がついていかないような法律等もございますので、これが本当に意味のある、そして今委員からもいろいろ御指摘いただきましたが、地方のこういう厳しい交通の状況、それを改善するというか、それに対して的確な内容のものとなるよう、引き続き私どもの事情、地域の考え方というものは申し入れなどをして反映させるように努めていきたいと思います。
 また、県といたしましても、この交通基本法ができ上がった暁には、それに基づきまして、今まで以上にそういった法律ができるということで県としての役割、位置づけも高まるものだろうと思いますので、それに基づきまして、しっかり現在の県の役割、県の施策のあり方というものを検証して、必要な対策、対応策を打っていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 最初に、いわて県民計画の推進にかかわって、県民総生産、雇用者報酬、県民所得、どのように推移しているでしょうか。
 円高の県内経済に対する影響はどのように把握されているでしょうか。
〇浅田調査統計課総括課長 リーマンショック以後の県内経済についてでございますが、平成20年9月のいわゆるリーマンショック以後、アメリカ発の金融危機の深刻化による世界的な景気の悪化を背景に、県内経済は大きく落ち込んでいるところでございます。
 これを景気の現状を示す指標であります岩手県景気動向指数で見ますと、平成17年を100とした場合に、平成21年4月には67.3ポイントまで落ち込んだところでございます。その後、県内経済は、企業の生産状況を示す岩手県鉱工業生産指数や有効求人倍率などの数値も緩やかに改善してきておりまして、また、景気動向指数も、ことしの7月現在で85.5ポイントまで上昇してきておるところでございます。このことから、最近の県内の景気につきましては厳しい状況が続いておりますが、緩やかな持ち直しの動きが見られるものと認識しているところでございます。
 次に、急激な円高の影響についてでございますが、各種統計データのタイムラグの関係がございまして、その影響がまだ明確にはあらわれていないところでございます。円高傾向が今後も継続する場合、県内経済に影響が及ぶおそれがございますし、県内総生産や雇用者報酬に対する影響も懸念されるところでございますので、今後の動向を注視していく必要があるものと認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 もう一回。県民総生産は、ピーク時からどのぐらい落ち込んでいますか。雇用者報酬は、ピーク時からどのぐらい落ち込んでいますか。1人当たりの雇用者報酬は、どのぐらい落ち込んでいますか。
〇浅田調査統計課総括課長 まず、県民雇用者報酬につきましては、平成12年度がピーク時で、1人当たり427万9、000円でございます。平成20年度が386万9、000円、41万円の減ということになってございます。
 県内総生産でございますが、平成12年度は4兆9、921億円、平成20年度が4兆3、536億円でございます。
〇斉藤信委員 県民総生産と雇用者報酬はちゃんと聞いておりましたのでね。
 県民の暮らしにかかわって極めて重要なのは、ピーク時から1人当たりで41万円減収になっているということですよ。ここに景気の落ち込みが端的にあらわれていると。
 それで、県民計画では、せっかく知事が県民所得260万円と言っていたのに、全国との乖離なんてわけのわからない目標を出したので、例えば平成12年、国との乖離は261万円のとき89.2%でした。平成20年、224万円まで落ち込んで、このとき81.3%なんですね。一番落ち込んだのは平成18年、80.8%です。リーマンショックの前なんです。日本経済がだーっと、景気がいいときに実は乖離が一番広がったんです。リーマンショックで乖離が云々じゃないんですね。そうすると、この乖離という目標は余り意味をなさないんじゃないか。やはり県民の所得、雇用者報酬が実態としてどこまで引き上がったのかということを目標にしないと、県民の暮らしがよくならないということじゃないですか。いかがですか。
〇加藤政策地域部長 どのような目標を県民所得について持つほうがいいのか、あるいは県民にわかりやすいのか、さらに政策の目標というか、政策の目安として施策をこちらとしても組み立てやすいのかという観点から、次期アクションプランの中でまたその辺のところを議論したいと思いますので、御指摘も踏まえて考えてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 謙虚な話でしたので、これはここで終わりますが、せっかく知事が最大の公約で県民所得の向上を掲げたんですが、それが調子悪くなると、ころっといわて県民計画では指標を変えちゃった。これは無責任だと私は指摘だけしておきます。
 それで、私は、県内経済を振興する上で決定的に重要なのは内需の拡大、循環型経済で県内が潤うことだと思いますが、この内需拡大策、地域経済、循環型経済の振興策はどうなっていますか。どういう課題でどう取り組むようになっていますか。
〇大平政策監 循環型の地域経済の取り組みについてでありますが、本県の地域経済を持続的に成長させていくためには、まず一つといたしましては、国際競争力が強く成長の牽引役となるものづくり産業の集積を図るとともに、もう一方では、世界経済の影響を受けにくく、安定的で持続的な循環型の産業の振興を図ることが重要と考えております。このため、本県は、これまで地場企業の技術力の向上や高度技術人材の育成などを図りながら、自動車、半導体関連産業の集積に努めてきたところであります。
 また、このような産業集積と同時に、地域の特性や資源を最大限に生かした産業を振興していくことも重要であるという観点から、国内有数の生産力を誇る農林水産業、質の高い農林水産物を活用した食産業、豊かな自然や歴史などを生かした観光産業などの振興にも取り組んでいるところであります。
 具体的には、加工品開発やインターネット販売等の6次産業化による農林水産物の高付加価値化、農林漁業者と中小企業者との連携促進や新商品開発、グリーン・ツーリズムとのマッチング等による新たな観光商品の造成などの取り組みを支援しているところであります。
〇斉藤信委員 私は、リーマンショックの最大の教訓は、輸出型産業に依存していてはまた同じように大きな打撃を受けてしまうと。そして、輸出企業だけがもうけるという体制をつくったから円高がつくられたんですよ。そして内需が冷え込むと。それだけに、内需を拡大する地域産業の構築に全力を挙げるべきだと。その割には、いわて県民計画では、そうした課題や目標、指標が明確でない。唯一評価したいのは、食産業が前進しているということです、リーマンショックのもとでも。今や製造業を超えるような状況になっている。私は、それを全体的にもっと戦略を持って、個別の小さな課題じゃなくて、内需拡大、地域産業を全体として前進させるという戦略、目標を持つべきだと思いますが、いかがですか。
〇大平政策監 いわて県民計画におきましては、食産業の振興を初めといたしまして、農林水産業の振興等を柱にしております。これらの計画につきましては、平成18年度の産業成長戦略をベースにいたしまして、希望創造プラン、今の県民計画という流れになってきておりまして、それを取り組んだものとなっております。
〇斉藤信委員 立ち入って言わないけれども、このいわて県民計画の政策編の評価ですよ。全体的な地域産業の振興の評価というのはないんですよ、個別にしか。そして農林水産業は衰退しているのですよ。だから私は、リーマンショックの教訓から言っても、県が掲げた産業成長戦略のようにいきませんよ。そういうことで指摘しているので、これはここにとどめます。
 3番目、大規模事業評価について、簗川ダム、津付ダムの国による検証基準に基づく検証、評価はどのように進められるのか。
〇南評価課長 簗川ダム、津付ダムの検証についてでありますけれども、先般、9月28日付で、簗川ダムと津付ダムについて、国土交通大臣から知事あてに検証の要請が出されたところでございます。
 検証内容につきましては、国が設置いたしました有識者会議から出されました中間取りまとめ、これをもとにして作成されましたダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目というものが示されておりますが、これも同時に示されたところでございます。
 事業を所管いたします県土整備部におきましては、この細目に基づきまして検証作業を始めたと伺っておりまして、今後、対応方針の原案を作成した上で、私ども政策地域部が所管いたします大規模事業評価専門委員会の意見を聞いた上で対応方針を決定し、国土交通大臣に報告する予定となっております。
 検証に係る大規模事業評価専門委員会の審議は、現在作業を進めております県土整備部の進捗状況にもよりますけれども、現在のところ、予定では来月、11月中旬から始めまして、月1回程度の委員会の開催頻度を持ちまして、来年2月ごろ、年度内には取りまとめをしてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 詳しくは県土整備部でやります。
 次に、地デジ問題についてお聞きをいたします。
 難視聴地域、世帯数、これは485地区、7、949世帯と、先ほどの議論でもあったと思いますが、この解消策はどこまでいっているか。
 受信機普及率66.7%と聞いておりますけれども、これが沖縄県に次いで第2位なんですね、最低ランクで。私はここが最大のネックになると思います。結局、受信機がなかったら地デジを見られないのです。そういう点では7月24日に、学者、ジャーナリストが、今のまま推移すれば数百万人規模で地デジ難民が発生すると。二、三年延期すべきだと。関係者がこういう提言をしました。私も、今のままだったら、県内地デジ難民が出る可能性が大きいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 地デジ受信機の66.7%につきましては、委員御指摘のとおり、最下位から2番目ということですが、ただ、前回調査よりは11.5ポイント上がっているということで、上がり具合については、東北各県と比べても遜色がないような形で着実に進んでいるということでございます。
 なかなか中継基地がこれまで整備されなくて、家庭の事情というよりは地域の電波の受信の事情による関心度が低いということが原因でして、なかなか各世帯で受信機が普及しない理由だと思ってございます。
 それから、これは世界の趨勢を受けて、国が電波の有効利用という観点から事業者と国が当初から進めてきたということで、県と市町村の役割が必ずしも当初から示されておらず、市町村が非常にみずから地デジ化についてどういう立場で住民と接すればいいのかという戸惑い等もありまして、把握も十分でなかったという形で推移してきております。それで、現在、市町村単位に立ち返って、もう少し地区、集落ごとに、こういう形で共聴施設をつくって、あるいはアンテナを改修してやったほうがいいんじゃないかということで、鋭意進めているところでございます。
 それから、NHK等でも受信料免除世帯に対する地デジチューナーの無償の取りつけとか、そういうものがございまして、対象世帯に対しては申請書を既に送付してございます。それに気づいていただいて、各世帯のほうでそれぞれ申請していただければ、かなりの率で急速に普及するのではないかと考えてございます。
 それから、有識者によるアナログ放送停波の延期ということについてですが、先ほど申し上げましたとおり、県のレベルで云々という問題ではございません。相当程度事業者との間で、国策という大前提で進められてきたことから、国で相当の予算も使って、今さら延期はできないと明言してございますので、やはりその線に沿って頑張って進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 受信機普及率というのは、最終的に買わなければだめなのですよ。だから今どういう声が出ているかというと、経済的負担が大きいと。まだ使えるテレビがもったいないと。先ほど私がお話ししたように、この間41万円も報酬が減少している中で、特に低所得者の場合は大変なんですね。この66.7%というのも、専門家に言わせれば過大じゃないかと、そこまで行っていないんじゃないかと、極めて大ざっぱな調査じゃないかと言われていますよ。これは大変なことですよ、66.7%というのは。あと1年間を切ったんです。100%電波が届くようになるかというと、私はならないと思いますよ。100%届いても、受信機がなければ見られないのです。私はそうなったら、国の責任を果たせないと思います。まさに地デジ難民、情報難民なんです。そういうことがあってはならない。ほぼ100%というところまでいかないと、これは実施できる状況にないのではないか。低所得者だって、対象者は幾ら申請していますか。全部じゃないでしょう。そこの見通しを県は持っていますか。
〇佐々木政策地域部副部長兼地域振興室長 地デジチューナーの支援につきましては、対象市町村民税の非課税世帯まで拡充するということで特別枠で予算を措置してございまして、先ほど申し上げましたNHKの受信料免除世帯と合わせて、各世帯で購入が高価な場合は、あくまでも地デジチューナーを取りつけるということで普及を進めていきたいということでございます。
 それから、約67%の普及率のことですが、これは県のサンプル数192ということで、非常に少ないサンプル数で判定されてございますので、国のほうでもプラス、マイナス最大7%の誤差ということで、ある意味で約67%ではなく74%かもしれないということもございますので、ポイントを上げるために、今、市町村と県とで、鋭意、頑張っているところでございます。
〇斉藤信委員 6%、7%の誤差ということになると60%になりかねない。専門家がそう指摘しているのです。だから、66.7%自身が大変な、もう1年切った段階でシビアな数字だが、そういう誤差があるとすればもっと低いでしょうと。これは1割出たって大変なんですよ。県民の1割がテレビを受信できなかったら大変な情報格差になって、災害対応ができなくなってしまう。私はそういう意味では、そういう見通しを持たない限りこれは強行すべきではないと。国が決めたから何が何でもやるんだと。しかし情報難民、地デジ難民が出るようだったらこれは見直すと。諸外国だってみんな延期しているじゃないですか。率直に言うけれども、こんな短期間でやった国はないんですよ。そういうところも含めて、これは私は大いに努力してほしいけれども、地デジ難民が解消されないようだったら、国に勇気を持ってこの延期を求めると。諸外国はみんなそうしてやっていますから、それはぜひ検討していただきたい。
 最後に、いわてNPOセンターの問題についてお聞きをいたします。
 県の包括的調査結果が6月に出ました。これはあくまでも中間的なもので、まだ調査中だというのがこの報告書の中身でした。その後の調査で明らかになった問題を含めて何が問われているのか、改めて示していただきたい。
〇加藤政策地域部長 いわてNPOセンターにつきましては、包括的調査も行ったところでございまして、その結果の総括でございますが、旧体制におきましては、前理事長の独断によりまして非民主的な運営が行われ、不正な事務処理や経営処理に対する自浄作用が働かない、情報公開も十分でなかったということが大きな問題であったと認識しております。
 また、これらの調査自体というよりも県としての認識でございますが、県におきましても、今後におきましては、NPO法人と適切な距離を保ちつつ、また、情報管理をしっかり行いながら、組織運営等につきまして適切な助言、指導を行いまして、万一、不正等が明らかになった場合には、時期を逸することなく、厳正に対処してまいりたいと考えております。今、そのためのさまざまな仕組み、さまざまな規定、手続、ガイドラインの検討等を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 報告書では、大きく4点の問題点が指摘をされておりました。そして最後に、現在、調査内容を精査中であり、公表を差し控えているものもあると。これは告発した内容ととらえていいですか。さらに、それ以外のものもあるということですか。
〇加藤政策地域部長 告発したもの以外のこともあるという趣旨で書いてございます。そういう理解で結構でございます。
 ただ、その内容につきましては、これまでのこの委員会の答弁でも申し上げましたが、公表が捜査に支障を及ぼすおそれもありますことから、現在は、その内容につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。公表自体、そういう支障がなくなる、そういう状況になりましたら、その内容につきましては明らかにしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 平成21年度、いわてNPOセンターに対して県の発注件数、国、市からの発注件数、全体でそれぞれ何件になりますか。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 県が委託した件数については金額等把握しておりますが、国及び市の委託については詳細は把握しておりません。ただ、平成20年度の法人の事業報告書によりますと、国は委託が5件、補助が3件、計8件で4、478万円余、市のほうは委託2件、指定管理1件、計3件で1、280万円余ということになっております。
〇斉藤信委員 県の発注件数は13件になりますね、指定管理2件を含めて。そうすると、国と市は平成20年度だからずれがありますけれども、いわてNPOセンターは24件の仕事を、主に県から受注していたと。NPO─特定非営利活動法人として、一つの分野でいわば行政にはできないそういうサービスができる、提案ができる。しかし、こんなに広げたら、できるわけがないじゃないですか。私が3月に聞いたときには、正職員はたった6人でしたよ。こういうところに13件も岩手県が事業を発注したと、私はそこに大きな問題があると思いますけれども、このうち随契は何件ですか。
〇佐藤NPO・文化国際課総括課長 委託につきましては、11件中10件が随意契約です。ただ、これは企画提案をいただきまして、企画提案で契約の候補者となった法人に対しまして随意契約を行ったというものです。
 それから、指定管理につきましては、同じく企画競争で、候補者を決めて議会のほうで審議をいただいたという形になっております。
〇斉藤信委員 私は説明が不足だと思いますよ。特命随契というのがあって、事業の実績がいいから随契だと、こういうのがたくさんあるじゃないですか。形としては入札と違って企画提案というのもありますけれども、随契が13件のうち10件ですよ。
 一つのNPOに、いろんな仕事をこういうふうに県が発注したというところに私は問題があると思いますけれども、ここに癒着があるんじゃないかと言われる最大の理由があると思うんですよ。部長、どうですか。
〇加藤政策地域部長 これまでもお答え申し上げたところでございますが、集中してしまった事業が13件ということでございますが、いわてNPOセンターのほうに集まったということは、それぞれの所管課におきまして他事考慮をしないというか、今申し上げましたがそれぞれの提案内容とか、その事業についてどの事業者なりが一番きちっとした履行が図れるか、そういう観点から判断した結果でございます。また、その過程の中におきましては、公正な手続あるいは外部の目といったものも入れてきた結果でございます。ただ、いわてNPOセンターにつきましては、そういう形で事業が集中した結果、全体としてのきちっとした履行体制が確保できない、その結果としていろんな不祥事案が起こったという反省点がございます。
 先ほど、それぞれの所管課がということを申し上げましたが、私ども反省といたしましては、それぞれはきちっと見ていたということはございますが、横断的に、横も見ながら全体的に考えるという視点に欠けていたという反省がございますので、その辺、庁内の情報共有をしっかり図って、また、それぞれの契約なりにおきましてもきちっと履行体制が確保できるのか、集中なりいろんな事業をとった結果、きちっと回せないと、そういうことがないようにしっかりとしたチェックを行っていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、私は結局、今ある安易なNPOに仕事を発注するとなったからこうなったと思うんです。発注する事業にふさわしく、それができるNPOを育てていくと、支援していくと。
 例えば、いわて若者サポートステーション事業、ニート対策推進事業、若者いきいき就労体験事業。岩手県には、例えば盛岡にはポランの広場とか、宮古にもそういう若者の引きこもり、不登校も含めてこれは全くボランティアで取り組んでいる。もう20年も取り組んでいる団体があるんですよ。なぜそういうところと連携しないのか。そういう実績があって、まさに自腹を切って、ほとんど専門家と言ってもいいぐらいですよ。10年、20年やっているんですから。1年限りで発注するような安易な仕事、安易なところに押さえないで、仕事にふさわしく専門家も育成しNPOも支援していくと。
 いわてNPOセンターのもう一つ重大な教訓は、労働者を安上がりに使って、勝手に首を切っていたということですよ。だから、そこで働く労働者の待遇をしっかり確保すると。私はだから、発注するときに安ければいいということではないと思うんです。仕事にふさわしく、サービスもいい、そして、そこの専門家も育てるような、そういう発注の仕方、知恵を出す必要があるんじゃないか。公契約条例の精神も含めて私はそこを検討してほしいと思うけれども、部長いかがですか。
〇加藤政策地域部長 それぞれの契約、事業におきまして、どういう団体、どういう事業者なりが適正な履行なりを確保するためにふさわしいかということにつきましては、不断の検証を進めたいと思いますし、それぞれの担当課におきましても、今まで以上に効果を出したいということは常々考えておりますので、その辺はアンテナを高くして、より公募要件というか事業の要件をブラッシュアップして、いい事業執行が図れるようにしてまいりたいと思っております。
 また、人件費の問題等がございました。人件費をどうするかというのは、それぞれの事業者の責任という部分が大きい面もございまして、我々の立場としては、最低限、労働基準法上の公正なルールは守ってくださいというところについてはきちっとお願いするというか、きちっとそこは押さえなくてはいけないところだと思います。その辺につきましてどういう契約のあり方がいいのか、それをさらに契約書に盛り込めるかどうか、これはなかなか難しい問題だと思いますが、御指摘は承りたいと思っております。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、政策地域部関係の質疑をこれで終わります。
 政策地域部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分ほど休憩いたします。
   午後3時1分 休 憩
午後3時18分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇松川環境生活部長 平成21年度の環境生活部関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえた次年度以降の取り組み方針について御説明いたします。
 環境生活部では、世界に誇れる岩手の環境の実現と、県民生活の安全・安心の確保と地域の活動を支えるさまざまな人材の育成の二つを基本的な方針に掲げて取り組んでまいりました。
 主な取り組みでございますが、環境分野については、まず、二酸化炭素排出量8%削減に向けまして、温暖化防止いわて県民会議を中心に県民運動を推進し、県民一人一人が身近にできるエコライフの定着を図るとともに、県民の環境学習の取り組みに対する支援を行ってきたところでございます。また、環境に対する県民や企業などの取り組みを定着、発展させるため、いわて環境王国展を開催し、県内企業、行政、NPO等のさまざまな取り組みを広く発信してまいりました。
 循環型地域社会の形成に向けましては、廃棄物の排出抑制を第一とする3Rの推進や産業廃棄物の不適正処理の未然防止などに取り組んだほか、青森県境の不法投棄廃棄物の撤去などに取り組んできたところでございます。
 多様で豊かな環境の保全に向けましては、イヌワシの繁殖支援などの希少野生動植物の保護や野生動物の被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、水生生物調査や環境保全活動団体の交流などを通じて、水と緑を守り育てる活動を促進してまいりました。
 次に、生活分野でございますが、県民生活の安全・安心の確保に向けて、県民への防犯意識の向上のための普及啓発や自主防犯リーダー研修会などを実施したほか、食の信頼確保向上のための事業者への監視指導の徹底、食育普及啓発キャラバンの実施などによる食育の推進、多重債務問題の解決支援など消費生活相談の充実、さらには、交通安全対策などに取り組んできたところであります。
 また、青少年の健全育成や男女共同参画社会の実現に向けて、青少年活動交流センター、男女共同参画センターを拠点として、地域社会を担う青少年の自主的活動の支援や男女共同参画のための意識啓発などに取り組んでまいりました。
 こうした取り組みにより、総体としてはおおむね順調に業務が進展しているものと考えております。しかしながら、地球温暖化対策の推進では、平成19年の二酸化炭素排出量は、前年に比べて減少したものの、依然、基準年である平成2年に比較して0.9%増加しており、さらに取り組みを進めていく必要があると考えております。
 このため、二酸化炭素排出量削減に向けて、県民、事業者、行政などが一体となった取り組みを一層推進していくほか、地域に賦存するエネルギー資源の利活用促進に取り組んでまいります。
 また、ごみの減量化、食育、男女共同参画の推進などの取り組みにつきましては、県民一人一人が身近な問題として意識し、行動していただくことが重要でありますことから、市町村などと連携しながら、より一層の意識啓発などに取り組んでまいります。
 続きまして、平成21年度環境生活部関係の決算について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成21年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。環境生活部の決算は、3款民生費2項県民生活費、4款衛生費1項公衆衛生費の一部と2項環境衛生費の一部、それから16ページに参りまして、13款諸支出金2項公営企業出資金及び3項公営企業負担金の一部を含めまして、環境生活部関係の支出済額の総額は99億5、320万1、000円余となるものでございます。
 なお、平成22年度への繰越額は、公衆衛生費の655万2、000円余及び環境衛生費の6億7、705万1、000円余を合わせまして、総額で6億8、360万4、000円余となるものでございます。
 以下、決算の内容につきましては、平成21年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。恐れ入りますが、歳入歳出決算事項別明細書の203ページをお開き願います。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、備考欄の管理運営費は、生活部門の職員29人分の人件費など、管理運営に要した経費でございます。消費者行政活性化推進事業費は、消費者行政活性化基金を活用し、県及び市町村が実施した消費生活相談窓口の機能強化等に要した経費であります。多重債務問題解決支援事業費は、多重債務者の問題解決のため、県内各地での弁護士による無料相談の実施等に要した経費であります。食の信頼確保向上対策事業費は、食の安全安心委員会の運営やJAS法に基づく食品表示の点検指導等に要した経費であります。犯罪のない安全・安心まちづくり推進事業費は、県民の防犯意識の高揚や地域における防犯活動の推進、犯罪被害者等への支援などに要した経費であります。205ページをお開き願います。2目交通安全対策費のうち交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や、市町村交通指導員の設置に対する補助などに要した経費であります。次に、3目青少年女性対策費の主なものでございますが、青少年活動交流センター管理運営費は、アイーナ内の青少年活動交流センターが行ったいわて希望塾などの青少年の交流促進や活動支援などの事業の推進に要した経費でございます。男女共同参画センター管理運営費は、アイーナ内の男女共同参画センターが行った意識啓発や交流促進などの事業の実施に要した経費でございます。ニート対策推進事業費と若者いきいき就労体験事業費は、ふるさと雇用再生特別基金を活用し、ニート等の相談や、社会参加を促進するための就労体験事業等の実施に要した経費でございます。
 飛びまして、217ページをお開き願います。4款衛生費1項公衆衛生費3目予防費の主なものでございますが、狂犬病予防費は、野犬・放浪犬の捕獲・抑留、犬・猫の引き取り等に要した経費でございます。
 なお、繰越額がございます。繰越明許費3億8、392万1、000円余のうち198万6、000円余は、狂犬病予防費に係るもので、納入される狂犬病予防車の特殊架装の調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであり、456万6、000円につきましては、動物愛護管理推進事業費に係るもので、老朽化により修繕が必要な動物収容施設等の修繕方法の検討に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 恐れ入ります、飛びまして、221ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでございますが、管理運営費は、環境部門の職員184人分の人件費など、管理運営に要した経費であります。環境保全等管理事務費は、いわてクリーンセンターを建設した際等に電気事業会計から一般会計に借り受けた資金に係る元金及び利子の支払いに要した経費であります。環境学習交流センター管理運営費は、アイーナ内の環境学習交流センターが行った県民の環境に対する理解を深めるための情報提供や、地域で行われる環境学習などへの支援に要した経費でございます。循環型地域社会形成推進事業費は、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等のための調査研究、製品製造に対する補助等に要した経費でございます。土地利用対策費は、適正な地価の形成を図るための地価調査などに要した経費でございます。エネルギー確保対策費は、盛岡市など15市町村に対する電源立地地域対策交付金の交付などに要した経費でございます。石油貯蔵施設立地対策費は、久慈市及びその周辺町村に対する石油貯蔵施設立地対策等交付金の交付などに要した経費でございます。屋内温水プール管理運営費は、屋内温水プールの運営に要した経費、及び老朽化した屋内温水プールの外壁、管理棟屋根、屋上防水工事などに要した経費でございます。223ページをお開き願います。地球温暖化対策事業費は、CO2ダイエット・マイナス8%いわて県民運動の推進やエコドライブ講習会の開催、地域や学校への地球温暖化防止活動推進員の派遣など、地球温暖化防止に向けた普及啓発事業の実施などに要した経費でございます。環境対応車導入促進事業費は、一定の環境性能を満たす新規登録自動車の購入を行う者に対して行った自動車購入経費の助成などに要した経費であります。地球温暖化対策等推進事業費は、地球温暖化対策等推進基金を活用し、市町村が行う新エネルギー機器、省エネルギー機器の導入に対する支援や、事業者等が行うポリ塩化ビフェニルの汚染判別調査に対する支援に要した経費でございます。
 なお、繰越額がございます。恐れ入ります、221ページに戻っていただきまして、繰越明許費2億3、876万3、000円余のうち2、755万円は、環境対応車導入促進事業費に係るもので、一部車種について平成21年度内に納入できないため、翌年度に繰り越したものであり、447万7、000円余につきましては、環境対応公用車導入事業費に係るもので、一部車種について平成21年度内に納入できないため、翌年度に繰り越したものでございます。8、888万5、000円につきましては、地球温暖化対策等推進事業費に係るもので、木質バイオマスガス化発電施設の設備等の調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであり、1億1、785万1、000円につきましては、地域クリーンエネルギー資源調査費に係るもので、委託事業の調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 223ページにお戻りいただきたいと存じます。2目食品衛生指導費の主なものでございますが、管理運営費は、食品衛生部門の職員30人分の人件費に要した経費であります。BSE安全安心対策事業費は、県民の不安を解消するため、屠畜場に搬入されるすべての牛へのBSEスクリーニング検査の実施に要した経費であります。225ページをお開き願います。3目環境衛生指導費の主なものでございますが、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置やスカイパトロールの実施など、廃棄物適正処理の指導、監視等に要した経費であります。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、財団法人クリーンいわて事業団に対する運営資金の貸し付け及びえさしクリーンパークの老朽化した蒸気ボイラー等の修繕工事に要した経費であります。県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県境地域に不法投棄された廃棄物について、代執行による撤去、汚染土壌の浄化及び原因者や排出事業者等の責任追及などに要した経費でございます。
 なお、繰越額がございます。恐れ入ります、223ページに戻っていただきまして、繰越明許費2億7、410万円は、県境不法投棄現場環境再生事業費に係るもので、汚染濃度の高い土壌の処理に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 225ページにお戻りいただきたいと存じます。次に、4目環境保全費の主なものでございますが、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理、処理施設の耐震化工事などに要した経費でございます。大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、工場や事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費でございます。
 なお、繰越額がございます。繰越明許費6、568万5、000円のうち5、528万6、000円は、休廃止鉱山鉱害防止事業費に係るもので、耐震改修工事の設計に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであり、1、039万9、000円は、環境保全費に係るもので、大気常時監視測定機器の納入のための手続に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 227ページをお開き願います。次に、5目自然保護費の主なものでございますが、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費でございます。国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費は、国定公園等の自然公園における自然歩道、登山道及びトイレなどの整備に要した経費でございます。
 なお、繰越額がございます。繰越明許費5、337万6、000円のうち928万4、000円は、国定公園等施設整備事業費に係るもので、関係機関との協議に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであり、4、409万2、000円は、自然公園施設整備事業費に係るもので、計画設計に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 次に、6目鳥獣保護費の主なものでございますが、鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置など鳥獣の保護及び狩猟の適正化に要した経費でございます。希少野生動植物保護対策事業費は、いわてレッドデータブックの改訂に向けた調査やイヌワシの繁殖支援のための事業などに要した経費であります。
 なお、繰越額がございます。繰越明許費4、512万7、000円は、鳥獣保護センター施設整備費に係るもので、計画設計に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 飛びまして、367ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業出資金1目公営企業出資金でありますが、工業用水道事業会計出資金は、工業用水道事業の経営の健全化を図るため、工業用水道事業会計に対して出資したものであります。
 次に、3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当の一部について、それぞれの会計に対し負担したものでございます。
 以上で環境生活部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 大変御苦労さまです。部長、のど渇きませんか、水、大丈夫ですか。
 きのうの総務部の審査で、男女共同参画の推進について叱咤激励の意味でやらせていただきました。きょうは地球温暖化対策についてこちらではお伺いしたいと思います。
 まずもって平成21年度の取り組みについて伺うんですけれども、県においては2020年度までに25%のCO2削減を目標に掲げておりますが、それで大丈夫やれるのかと危惧するところから、まず平成21年度の取り組みについてお伺いいたします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 平成21年度の地球温暖化対策の取り組みについてでございますけれども、昨年度は、6月に家庭や事業所における温暖化防止の普及啓発や具体的な実践を全県的に推進します温暖化防止いわて県民会議を設立いたしました。この県民会議においては、家庭におけるエコライフの実践や事業所における具体的な省エネルギーの取り組みを行ったところでございます。
 また、家庭向けには、CO2ダイエット・マイナス8%いわて県民運動の展開、あるいは小学生を対象に地球温暖化について学習し、家庭においてエコライフを実践する地球温暖化を防ごう隊員ノートの取り組みを行ったところでございます。
 また、オフィスや小売店、そういった業務部門におきましては、この県民会議の取り組みに加えまして、事業所で省エネルギーの推進を担うエコスタッフの養成とか、あるいはいわて地球環境にやさしい事業所認定制度の普及を図って温暖化対策の促進を図ったところでございます。
 そのほか、地域ぐるみの取り組みとしましても、地域協議会の設立支援、あるいは活動支援、あとは公民館活動とか地域での温暖化防止に係る学習会、こういった場に地球温暖化防止活動推進員を派遣いたしまして地域ぐるみの取り組みを支援したところでございます。
〇及川幸子委員 さまざまな取り組みを今お答えいただきました。
 私思うんです。前にも質問しておりますが、うちの孫3人を見ておりますと、学校で学習してきたときは大変まじめに電気を消したり戸を閉めたりいろいろなことをしますけれども、ことしに入ってぴたっとその行動がなくなったんです。やっぱり学校で今、全然それを教えていないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 そしてまた、町内会において、そういう地球温暖化に向けた取り組みをしてくださいなんていう配布も一度も見たことがないんですが、それでも県民会議とか地域ぐるみの取り組みをなさっているとお答えになっていますが、具体的になさっているのかちょっとお尋ねいたします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 まず、学校の取り組みですけれども、平成16年度から先ほど申しました地球温暖化を防ごう隊員ノートという取り組みを進めておりまして、平成21年度までに延べ282校の小学校で約1万5、000人の児童が参加しております。ただ、これは2週間の取り組みということで、その後も継続して取り組んでいただきたいところでございますけれども、一応、家庭で、子供を中心にしてお母さん、お父さんに取り組んでいただく、そういう運動をしております。この取り組みは、今後できるだけ全小学校で実施するように広げていきたいと思っております。
 次に、各家庭への呼びかけですけれども、県民会議では、市町村ばかりではなくて、消費者団体とか地域活動団体にも会員の家庭等に、20の取り組みということでお願いしていますが、呼びかけを行ってもらったところです。
 あと、市町村の広報等でも呼びかけをお願いしておりますけれども、今、検討していますのは、来年度の話になりますけれども、市町村のPR用の普及啓発用のひな形といいますか、そういったリーフレットをつくりまして、市町村にできるだけ活用してもらい、より具体的に各家庭に呼びかけていただきたいと考えております。
〇及川幸子委員 平井課長も、お宅ではかなり電気を消したり、釜の常に入っているああいう保温などを切ったりしていますか。うなずいただけでいいです。やっていますね。担当課であれば、そういうことも進めていかなければならないと思っております。
 部長、どうでしょうか。このままでいくと私は目的の達成まではいかないと思うんですが、もっと積極的に、今、平井課長がお答えになりましたけれども、学校でもずっと続けて、やっぱり子供を通して、親だけやったって絶対だめだと思います。案外子供に言われると親も直すものですから、そういう面で取り組むということですが、部長、ことしの夏は大変な暑さでございました。異常気象の中では本当に危機を感じていたのではないかとみんな思います。大変な豪雨なども発生しております。この間、月曜日の祭日でしたけれども、NHKで10時間番組、地球が危ないという番組も見せていただきました。やっぱり大変深刻な問題だと思っております。
 松川部長、先ほどの説明では大変力強くお答えいただいておりますが、もっと力強く、この地球温暖化対策に向けての県の取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
〇松川環境生活部長 地球温暖化対策についてでございますけれども、本年はCO2削減8%の目標達成年でございまして、さまざまな取り組みをやっておるところでございます。ただ、御案内のとおり、国におきましては2020年に25%削減という目標を掲げているということでございまして、県の新しい削減目標についても検討しなければならないということで、現在、環境審議会におきまして、この国の目標達成に地域から貢献するという考え方でもって、国の目標と同じ25%削減という案で審議をしているところでございます。
 こうした目標を達成していくためには、ただいまいろいろ御指摘をいただいたわけでございますけれども、例えば省エネ中心の取り組みから、より削減効果の高い取り組みに転換していく必要がある、それから、一部の方々の取り組みから、広範な、どなたもがやっていただくような取り組みに転換していく必要があると考えているところでございます。
 いずれ、この環境審議会における議論の結果を踏まえまして取り組みの具体化を図ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 報道を見ましたら、残念ながら、環境ISO14001に手を挙げて、もうどんどんやめる人が多くなっているという事実を知りました。2004年であれば514件であったのが、6年後はこの半分にも満たない229件。なぜなのかといいますと、それの更新には大変お金がかかって、年間約100万円、更新の際には200万円、本当にお金がかかることだけれども、メリットがあるかといえばそうでもないよと取っている方々がおっしゃっています。
 やっぱり部長、このように立派な部分は掲げておりますけれども、国においても県においてもですが、先ほど答弁でおっしゃっていましたが、市町村を巻き込んだ取り組みが実際必要になると思いますので、今後においてもチェック機能を働かせながら力強くやっていただきたいと思います。
 地球温暖化防止の一環として、廃油BDFの取り組みについて、その活用策、そして取り組みなどについて、製造についてもお伺いしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 BDFの活用策と取り組みということでございますけれども、まず、取り組みについてでございます。
 県内での廃食用油を精製して自動車等の燃料として利用いたしますBDF、バイオ・ディーゼル・フューエルでございますが、今年度は県内24カ所で製造しております。製造量は日量で213リットル、年間で約500キロリットルの生産とこちらでは推計しております。
 また、県内の11市町におきましてこの製造したBDFを公用車の燃料として利用しており、そのうち5市町においては回収等の支援を行っているところでございます。
 活用策でございますけれども、県のほうでは具体的にBDFを利用した公用車はございませんけれども、これまで各種イベントにおいて、この化石燃料の低減に効果のある省エネルギーの一つでありますBDFの市町村等の取り組み、事業者の取り組み事例を紹介するなど普及啓発を図っているところでございますし、BDFの製造装置を導入する場合、補助を行ってきたところでございます。
 今後におきましても、こうした取り組みを進めましてBDFの普及促進を図ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 促進を図るということですが、BDFの利用を見てみましたが、一関市では公用車5台、それから奥州市でも公用車5台、そのほかは市町村では5台以下なんですけれども、効果というか、使ってみて、うん、これはいいというところが余りないのではないかと思いますし、公用車利用を行っていたがやめたというところは、車両トラブルや冬期間の取り扱いの悪さなどが理由で利用を中止しているというんですが、こういうふうに余り伸びていない現況をどう思われますか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 BDFは軽油代替燃料として使われますけれども、軽油と異なりまして、特にこういう北国、寒冷地では低温において粘度が増すということで、トラブルが生じるという問題がございます。あわせて、不純物ということもあるんでしょうが、自動車の燃料フィルターが詰まってしまうという問題、そういった品質面の課題がございます。また、量の問題もございまして、広く使うにはかなりの量も必要になるということですが、やはり原料が廃食用油ということで、どうしても回収量に制限があるということがございます。
 県といたしましては、品質面の課題解決、直接できるわけではないですけれども、他県等、事業者等の例を見て、そういう品質面でよりよい使い方があるのであれば情報収集して周知を図っていきたいと思いますし、その利用上の問題点も周知して、使い勝手のよいやり方で利用していただきたいと周知していきたいと思っております。
〇及川幸子委員 この回収というのが問題になると思いますが、いただいた資料を見ますと、進んでいるのが紫波町の町内11カ所で、それから一関市が市内40カ所で回収を行っております。我がまち奥州市はこの回収をしながら1カ所でやったんですが、回収する実験を行ったなどとのんびりしたことが示されておりますけれども、やっぱり回収方法ですね。各家庭から出る廃油というのは大変大きいと思います。周知徹底というのをもう少し町内会を通じて、こういう油はここに持っていけばこうなるよというのを市町村に徹底させなければならないと思うんですが、いかがですか。
〇吉田資源循環推進課総括課長 廃食油でございますけれども、今、一般廃棄物については市町村に収集、処理の責任がございます。廃食油それ自身を市町村で集めるというのはなかなか今の段階では難しい状況です。というのは、液体でございますので、それなりの容器なり何なりの形が必要だと。それを集めたらどう処理する。いわゆるBDFですけれども、市町村自身でそれを持ってやっているところというのは、私どもで見ていますと、やっぱりNPOとか、あるいは法人で油をいろいろなところから集めてきてBDFにしているというような状況でございますので、民間のそういう活力なり、そういうものを利用しながらこれから進めていくというのが今後の課題だと思っております。
〇及川幸子委員 これはすごく大きな課題で、答弁もちょっと弱々しかったと思います。余り自信がないのかなと思いましたけれども、やっぱりこれ、民間でなさっている2業者さんに聞いたら、全然金にならない、もうやめるという話をやっていましたけれども、結構旗はどんと上げたけれどもなかなか取り組みがうまくいかないのであれば、何か地球温暖化対策の一環として声を大にして言えないのではないかと思うんです。部長、いかがですか。
〇松川環境生活部長 このBDFに関しましては、一つはエネルギー関連、いわゆる地球環境に優しいという省エネルギーの分野に関連があるということでございますし、それから、廃食油という関係で廃棄物行政に関連があると。例えば設備導入への支援などもいろいろ行ってきたわけでございますけれども、これについては、いわゆるゼロエミッションの立場で支援をしてきているわけでございます。
これについては、課長から答弁申し上げましたとおり、品質面とか、あるいは回収の面でいろいろまだ課題があるということを承知いたしておりまして、例えば廃棄物の関係につきましては、市町村が一般廃棄物の所管ではございますけれども、私どもも一緒になって研究をいたしておりますので、その一つのテーマとして、今後どうあればそういった有効な活用ができるのかというようなことは研究をさせていただきたいと思います。
〇及川幸子委員 本当に今後の課題として大きくとらえていただきたいと思います。回収するのも、一定のものにするとか業者を一堂に集めて指導なさるとか、その辺を考えて、せっかく立ち上げたものですからやっていただきたいと思います。
 3点目に移ります。
 多重債務者に対する支援の取り組みについてお伺いいたします。
 平成21年度の支援の状況と生活再建推進モデル事業についての取り組みを示していただきたいと思います。
 また、改正貸金業法が施行され、県民への影響はどうなったのか伺います。
〇久喜消費生活課長 多重債務者に係ります平成21年度の支援の状況でございますが、県に寄せられました多重債務に係る相談は、平成21年度1、762件となってございます。このうち、債務整理等が必要などといたしまして、県と岩手弁護士会が協力して実施してございます多重債務弁護士無料相談につなげた相談は1、141件となってございます。このほか、生活資金や、あるいは福祉の必要性がある場合等は市町村等の相談窓口を紹介してございます。
 多重債務対策といたしまして、このほか特別相談会ですとか、あるいは各種広報などを実施してきたところでございます。
 それから、多重債務者等生活再建推進モデル事業でございますが、これにつきましては、平成21年9月に北上市及び釜石市内に暮らしに不安を覚える人向けなどの相談窓口を開設いたしまして、3月までで182件の相談に対応したほか、ギャンブル依存の危険性の高い人あるいはその御家族を対象といたしましたカウンセリングを関係団体と連携いたしまして11回行うなど、県民への啓発やギャンブル依存症対策に努めたところでございます。
 次に、改正貸金業法の施行に伴う県民への影響でございますが、昨年度及び今年度の4月から8月末までの相談状況を見ますと、昨年度は604件、本年度は372件と減少してございます。さらに、改正貸金業法が施行されました本年6月18日を基準といたしまして前後約2カ月半の状況を見ますと、法施行前の相談件数は238件、施行後は134件と減少してございます。このような状況から、今のところ改正貸金業法の完全施行による県民への直接的な影響は見られないものと考えているところでございます。
 それから今後につきましては、今後とも、多重債務者からの相談に対しましては、相談者の家計あるいは債務の状況につきまして的確に把握いたしまして、必要に応じて弁護士等につなげてまいりたいと考えてございます。
〇及川幸子委員 この貸金業法ができるのを本当にどれだけの人が待っていたかと思うんです。本人は借りられなくなって困っていると思うんですが、その周りの人ですね。家族が離散するとか、本当に命を落とす人もいるわけで、やっぱりこういうのは本当にできてよかったなと。年収の3分の1しか借りられないということですが、金融業者に対するこういう徹底した指導というのはあるんでしょうか。
〇久喜消費生活課長 当部のほうで所管してございますのは消費生活問題ということでございまして、いわゆる金融業者に対する指導等につきましては、県のほうで登録している業者につきましては商工労働観光部のほうで行っているかと思いますし、あとは国のほうで財務事務所等で所管しているものと理解してございます。
〇及川幸子委員 生活再建に向けての指導というのを徹底していただいて、本当にお金に困っていっぱいいっぱい借りてしまって何ともならないという人たち、特に若者に対しての指導徹底を今後ともやっていただきたいと思います。
〇佐々木博委員 今の及川幸子委員の質問に関連して、多重債務の問題で伺いたいと思います。
 今、御答弁があったとおりなんですけれども、弁護士に相談した方が累計で2、606名、そういった数字が出ていて、それは解決者数ということの累計で出ていますけれども、果たして本当に弁護士に相談して解決したと考えてよろしいんでしょうか。
〇久喜消費生活課長 当方に相談がまずございまして、弁護士さんのほうにつなげるというケースにつきましては、先ほど申し上げましたとおり債務の整理ですとか、そういうことで法律的な知識がどうしても必要な方ということになろうかと思いますけれども、例えば弁護士さんのところで債務がなくなったとなりましても、次に今度、生活再建とかそういうことがございますので、まず生活再建するに当たりまして、その債務がなくなる、あるいは債務解消のめどが立つということが必要でございますので、弁護士相談につきましては、生活再建に向けての第一歩と理解してございます。
〇佐々木博委員 御案内のとおり、大手消費者金融の武富士が会社更生法を出しました。現在でも約11万人、利息の過払い金の請求をしていた方がいらっしゃるようでありますが、潜在的には100万人から200万人いるんじゃないかと。1兆円から2兆円になるんじゃないかと言われております。会社更生法を出しましたから、恐らく過払い金も相当カットされることになるだろうと思いますが、問題は、1社だけという方のほうが少ないようなんですね。大体2社ないし3社の消費者金融から借りている方のほうが統計を見ますと圧倒的に多いようであります。
 それで、武富士の管財人から過払い金の請求についての届け出をしろという案内がこれから出るわけでありますから、それにあわせて、気づいて、ほかの消費者金融に対しても一緒に過払い金の請求をする人がたくさん出てくるかもしれませんが、各県を見ていますと窓口相談を設けているところが結構あるんですね、この武富士のことについて。本県ではこのことについてどうなっているでしょうか、おわかりでしょうか。
〇久喜消費生活課長 武富士の関係につきましては、例えば新聞報道なされた日ということになろうかと思いますけれども9月28日から10月8日までというところで、武富士関係、武富士のみではなくて、いわゆる武富士にかかわります部分がある相談の件数というのは、この間全部で12件、県のほうで受け付けてございます。
 県といたしましては、特に武富士ということでは相談窓口は設けてございませんが、従前より県の広域振興局等の相談窓口ですとか、あるいは県民生活センターのほうで受け付けてございますし、あるいは多重債務の無料相談を数多く実施してございますので、その中でもし何かあればきめ細やかに相談、対応していくことになろうかと思います。今のところ武富士に絡みまして相談が殺到するという状況にはないものと理解してございます。
〇佐々木博委員 この過払い金が今、全国的に裁判所の訴訟のかなりの比率を占めているんですね。それで、弁護士さんだとか司法書士にとって特需、大変仕事がふえていまして、インターネットなんかでも随分宣伝していますけれども一方ではトラブルも結構発生しているというお話も伺っております。本県ではそういったことがあるかどうかおわかりでしたら。
〇久喜消費生活課長 岩手県の状況をまず申し上げますと、先ほど来、弁護士の無料相談を行っていますと申し上げてございますが、貸金業法が改正されまして、やはり完全施行に向けて相談等、あるいは総量規制を受けまして新たな貸し付けが受けられない人の大量の発生も懸念されたところでございまして、それを事前にできるだけ早目早目の解決を図ろうということで、平成20年から弁護士会と協力いたしまして、平成20年に約360回、それから平成21年に約300回、今年度は198回の予定でございますが、他県に例のない回数の無料相談会を実施してきてございます。
 その中で、やはり多重債務に係る相談ですと過払い金の相談が多いようでございますが、岩手の場合は、そういう中で、地元の弁護士さんとの間で相談者の方が対応していただいているケースのほうが圧倒的に多いと感じてございます。
 弁護士さんとのトラブルの関係については、大変申しわけございません、私といたしましては今、承知しているものはございません。
〇佐々木博委員 関連ですのでこれで最後にしますが、本県にはそういった悪徳弁護士はいないということで、大変いいことだと思います。
 6月18日から、先ほどもおっしゃったとおり貸金業法が改正になりました。年収の3分の1までしか借りられなくなったわけでありますが、あわせて所得証明がなければ借りられないということになりまして、実は家庭の主婦がカードローンとか結構利用している方が多いようであります。そして、そういった方々は収入証明が出せませんから、したがって借り入れができなくなったわけであります。6月から7月にかけては賞与が出る月なので、実はこの貸金業法の影響はこれから出てくるんじゃないかと言われているんですね、大体もう賞与も使ってきて年末になってきますので。それで、借りられるところがなくてヤミ金に走らなければいいということが一番心配されているというのは御案内のとおりであります。
 そういった点で、本県では県も頑張っていますし盛岡市の消費生活センターも全国的に高い評価を得ているわけでありますけれども、いずれヤミ金に走らないためのそういった手だてというものも状況によっては考えていかなければいけないんじゃないか。今、福祉資金だとかいろいろありますけれども、そういったものをもっと例えば周知徹底を図って宣伝するだとか、そういった対策も必要ではなかろうかと思うんですが、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
〇久喜消費生活課長 お話のとおり、多重債務者の問題に関しましては、今お話のございましたヤミ金等を利用することによりまして潜在化するといった部分が大変懸念されるところであると認識しているところでございます。
 引き続きまして、まずもって無料での相談機会とか、そういうものの提供を図ってまいりたいと思ってございますし、あわせて、相談機会を提供して、まずそこに相談に来ていただくようにするためにその掘り起こしが必要だと思ってございますので、引き続き弁護士会あるいは市町村、それから警察など、関係機関のほうと連携をきちんとしながら対応してまいりたいと思ってございます。
〇熊谷泉委員 私のほうからは、鳥獣保護についていろいろお伺いいたします。
 シカ特別対策費558万円となっていますが、これはどういう中身になっているでしょうか。
〇八重樫自然保護課総括課長 シカ対策の管理費の内訳ですけれども、シカの対策については保護管理委員会を策定いたしまして検討しているわけですが、それの運営費とか、それから五葉山地域の被害を受けている市町村に対する有害捕獲あるいは個体調整の補助金などに使用してございます。
〇熊谷泉委員 先般の総括質疑でも工藤勝子委員から質問がありましたが、2、000頭規模から4、000頭規模にふえている、あるいは生息地帯も気仙地方から遠野にまで来ているということで毎日新聞にも記事が出ていましたが、これについて、今、抜本的な対策をとらなければ非常に後々被害が拡大すると思います。保護も五葉山地帯にだけいるのであれば一つのあれですが、今、対策をとっているということですが、その辺、私一つ懸念するのは、松くい虫の被害を見ていると、あれも何年にわたって防止、防止ということなんですが、実際は北上の経過をたどって、後始末が大変なんですよね。シカについては天敵というものがないわけでして、昔はオオカミとか、最近の温暖化で冬もえさが豊富ということでこういうふうにふえてきたと思うんですが、ここで関係市町村と連携をとって抜本的な対策をとらなければ後々禍根を残すと思いますが、その辺の見解はどうでしょうか。
〇八重樫自然保護課総括課長 当初は五葉山地域に限定的に生息していたシカの生息域が、近年の暖冬の影響もありまして、盛岡市とか岩泉町などの県の中央部、それから沿岸の中北部でも生息が確認されておりまして、農業被害も増大してございます。
 県では、先ほど申しましたシカ保護管理計画に基づきまして、五葉山地域での適正生息数を2、000頭とすることに向けまして、有害捕獲と狩猟によりましてその個体数調整を行ってございます。また、五葉山地域以外の場所ですけれども、そこにつきましては、シカの生息域の拡大を抑制するために積極的な捕獲に努めていくこととしてございます。
 適切な個体調整をするためには、1日1人当たりの捕獲上限数を3頭から5頭、2頭から3頭という形で緩和したり、それから休猟区を見直したりというような対策はこちらでとっておりますけれども、実際問題、網を張ったり有害捕獲をやっているのは農林水産部のほうで特措法でやっておりますので、農林水産部のほうと連携して対策を講じてまいりたいと考えてございます。
〇熊谷泉委員 農林水産部にも、委員会で私も質問したんですが、対象の市町村がなかなか手を挙げないとか、来年度に向けては事業も拡大しているようですが、まず、北上というか、中央部に広がることを防がないといけないと思います。
 この間の質問で、かなりの個体数なので、処理して、後はただ廃棄物で焼却するという方法もあれですが、シカの食用化というか加工に向けて、答弁では採算に合わないという話もありましたが、せっかくここに食の安全安心課長がおられますので、もし事業化する場合、衛生上何か法的な縛りがあるのかお伺いしたいと思います。
〇白岩食の安全安心課長 五葉山のシカ肉の利用についてでございますけれども、シカ肉の有効活用の一環として、本県ではシカの食肉処理施設を県内で1カ所、旧三陸町、今の大船渡市に設けてシカの屠殺と解体を行って、食肉あるいはハムの製造を行っているところです。
 シカはと畜場法の対象外でございまして、牛とか豚とか馬でありますと屠畜検査という一連の検査があるわけですが、シカについては対象外の動物で、その検査が義務づけられていないところでございます。しかしながら、シカ肉ということで、県民の健康危害を未然に防止するということで、平成6年にシカ処理自主管理指針というものを設けまして、その中では、シカの屠殺、解体の処理を行う際の営業者の自主的な衛生管理の取り扱いを定めたものがございます。それから食品衛生法では、食肉処理業という許可をとって、保健所の監視指導のもとに営業を行っているところでございます。
 このように、食の安全安心の立場としましては、県民の健康被害の防止の観点から指導を行っているところでございます。
〇熊谷泉委員 三陸町にせっかく施設があるのですから、今はどういう状態になっているかはわかりませんか、新たに設備を整備するよりも、農林水産部の管轄かもしれませんが、その辺に集めて有効利用して、とにかく、もうこれは捕獲というより処理するしかないと私は思います。
 続いて、野生動物の共生事業ということもありますが、最近、猿の咬傷事例が新聞報道でありますが、これは野生との共生ということで、県は猿はどういうふうに位置づけているんでしょうか。
〇八重樫自然保護課総括課長 専門機関の調査によりますと、県内に生息する猿は、五葉山地域に4群約70頭ぐらいと推測されております。それから、離れ猿は県内各地で目撃情報がございます。
 ホンドザルはいわてレッドデータブック上ではAランクになっておりますし、国でも東北のホンドザルにつきましては絶滅のおそれのある個体群という形でなってございます。
 ただ、岩手県の生息数というのははっきりわからない状態ですけれども、青森県とかに比べればそれほど多くないだろうと推測してございます。
〇熊谷泉委員 レッドデータブックでのAランクということで、猿に関してはほかの野生鳥獣とはまた違った取り扱いが必要だと思いますが、これ、所管はこちらでよろしいんですね。農林水産部であれば、一関のイノシシなんかは農作物被害ということである意味有害鳥獣の補助対象になると思いますが、猿に関しては全く環境生活部の管轄の対応ということでよろしいですか。
 先般、首都圏のほうで家の中に入った猿を取り押さえたということで、どこかにまた放獣するということだと思いますが、今回、対象になっている取り扱いの権限は各市町村に移管されていると考えてよろしいですか。
〇八重樫自然保護課総括課長 猿の捕獲許可は現在、広域局のほうにおりておりまして、広域局から市町村のほうに許可を出すと。そして市町村で捕獲すると。その際、わなで捕獲して放獣するか、あるいは銃で捕殺するか、あるいは動物園とかで受け入れてくれるのであれば受け入れる、さまざまな方法があるんですけれども、その判断は、振興局と市町村とで相談して現場の判断で行うという形にしてございます。
〇熊谷泉委員 滅多にないケースで、これも五葉山にもともと4群の70頭ということで、今、騒ぎになっている猿はどこから来たかちょっとわかりませんが、実際は農作物被害というより人的被害なわけですので、これも早期に処理していかないと、これでどんどん個体がふえるということではないと思いますが、すべては温暖化ということでありとあらゆるものが北上している実態でありますので、ぜひ早期の対処をお願いしたいと思います。
〇吉田敬子委員 現在、人口減少、少子高齢化の進行に伴い、女性が本来持っている能力、活力を十分に発揮できる社会の実現が大事だと考えますが、男女共同参画社会の実現、中でも、特に多様化する社会の中で、自分らしい生き方が選択できるワーク・ライフ・バランス―日本語にすると仕事と生活の調和と言いますが―の推進が重要だと私は考えております。
 内閣府のほうでは平成18年にワーク・ライフ・バランス元年と位置づけまして、県ではたしか平成19年からワーク・ライフ・バランスの事業を始めているかと思いますが、このワーク・ライフ・バランス事業は環境生活部だけではなくて、保健福祉部、商工労働観光部のほうでも扱っております。平成19年当初は実際にワーク・ライフ・バランスの事業がばらばらに、一体化されていないといいますか横のつながりがなかったように私は感じておりましたが、今現在、商工労働観光部や保健福祉部との連携、話し合いのすり合わせ等はされているのかと、また、それぞれの部局での役割分担等はされているかと現時点の課題等を教えていただければと思います。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 委員仰せのとおりです。男女共同参画の推進に当たりましては、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和の推進が極めて重要だと認識しております。
 このワーク・ライフ・バランスの推進に当たりましては、男女共同参画推進につきましては当環境生活部の所管ではございますが、商工労働観光部が所管しております労働環境の整備でありますとか、子育て支援を所管しております保健福祉部の関係課との連携が極めて重要でございまして、事業の推進に当たりましては、それぞれの部局と日常的に意見交換を行っているところでございます。
 特にも今年度は来年からの新しい男女共同参画プランの策定ということでございまして、今年度、来年の2月定例会で新しいプランの策定につきまして議決をちょうだいしたいと思っておりますが、これまでの取り組み状況の反省を踏まえまして、新しいプランの策定に当たりましても各部局と連携しながら検討を進めているところでございます。
 これまでの男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスの関係につきましては、平成21年度に、男女が共に支える社会に関する意識調査ということで、県民の皆様方に対して意識調査をさせていただいております。その中では、仕事と家庭、社会生活の両立について伺っておりますが、現実に両立しているとお答えになったのは男性2割、女性1割にとどまってる状況でございまして、ワーク・ライフ・バランスにつきましては十分進んでいないと考えているところでございます。
 課題といたしましては、調査で、あわせて両立を可能とするために必要なことについて尋ねておりまして、女性の皆様方におかれましては、育児休暇、介護休暇制度を利用しやすい職場環境整備でありますとか、育児や介護のために退職した職員の復職、再雇用の制度でありますとか、保育、介護サービスの向上ということが必要だという回答が多く、また、男性の方につきましては、育児休暇、介護休暇等を利用しやすい職場環境の整備、労働時間の短縮、休暇制度の充実普及という回答が多くなってございます。
 両立支援のためのサービス体制と職場環境の整備が課題となっていると認識しているところでございます。
〇吉田敬子委員 環境生活部のほうでは、男女共同参画社会の実現のためには、特に男女共同参画センターが拠点になって事業を進めているかと思いますが、男女共同参画センターのほうでは、意識啓発の部分では進んでいるかもしれませんが、私たち県民がワーク・ライフ・バランスに対しての意識啓発がなされても、実際の受け皿がきちんと整備されていないと、結局は自分らしい生き方の選択、雇用環境の問題にはつながらないと私は思っておりまして、特に商工労働観光部のほうとの事業の連携を私は進めていただくことを強く要望いたします。特に、一般事業主行動計画策定率が今年度31.4%ということで、策定されただけでは私は意味がないと思っております。実際の運用状況は、県のほうではどのように把握されておりますか。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 一般事業主行動計画につきましては、委員仰せのとおり、平成17年4月に施行された次世代育成支援対策推進法に基づいて、子育てしやすい職場環境づくりを目指して企業が策定する計画ということでございます。現在は、従業員301人以上の企業に策定が義務づけられております。平成23年4月からは、101人以上の企業に義務づけということでございます。
 県では、策定のない中小企業に対しましても、これは当部ではございませんが、事業所訪問等により策定を促進しているということでございまして、平成21年度末現在で、従業員50人以上300人未満の中小企業31.4%で策定ということでございます。
 いずれ、各部局と連携しながら、実効ある計画にしていただくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 何だか目の前で質問するのが大変申しわけないんですが、私が質問したかったのは、策定されるだけでは意味がなくて、実際に私たち若い女性だけでなく、男性もそうだと思うんですけれども、育児休暇がとれるように、もちろん企業では決められていても、それが実際に運用されているかと言ったら、運用率は本当に低くなります。その31.4%の策定率の中での運用状況を教えていただきたかったんですが、よろしくお願いします。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 当課では運用状況について把握しておりませんが、担当部局と意見交換、情報を交換しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 そうであれば、一般事業主行動計画策定支援の担当は、こちらの環境生活部ではなく商工労働観光部ということになるんでしょうか。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 商工労働観光部(後刻「保健福祉部児童家庭課」と訂正)でございます。
〇吉田敬子委員 担当がたとえ商工労働観光部であっても、これは一緒にやる事業であると私は思っておりますので、ぜひ、県のほうではきちんと把握していただきたいと思っております。
 また、関連しまして、先ほどの一般事業主行動計画策定の件ですが、これが来年の4月1日以降は、先ほど課長のお話にもありましたとおり、101人以上300人以下の企業もこの策定が義務づけられるとなっておりますが、この件に関して、担当は商工労働観光部だとは思いますが、環境生活部としても何か一緒にやることを計画されているんでしょうか。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 商工労働観光部の事業ということでございますが、その取り組み状況につきましても、当部としても、把握、確認をした上で、男女共同参画の推進を一緒にやっていきたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 ぜひ、そのように努めていただきたいと思います。
 また、平成19年だと思いますが、これは再チャレンジ支援のために行った事業だと思うんですが、その際に企業訪問をしているかと思います。平成19年に行った事業で300社程度、そのときはワーク・ライフ・バランスの件で企業訪問をしているわけではないかと思いますが、実際に再チャレンジ支援もワーク・ライフ・バランスにつながることになるんですが、ワーク・ライフ・バランス事業にも生かせると思うんですが、この企業訪問は、現在、何か関連づけて事業はやっているんでしょうか。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 先ほど商工労働観光部と答弁をさせていただきましたが、大変申しわけございませんでした。保健福祉部の児童家庭課の所管ということでございます。
 詳細につきましては、いずれ、今後、担当部局といろいろ御相談を申し上げながら進めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 先ほどの件は、ぜひ横の連携をつなげて事業を進めていただきたいと思います。
 先ほど課長からも話がありましたが、今現在、新しくいわて男女共同参画プランの策定をされているかと思いますが、平成10年の調査のときには5%だったものが、平成21年は82.4%まで策定率が上がっているのに対して、男女共同参画社会法の認知度が平成15年度が11.5%で平成21年度が13.9%と、3ポイントしか上がっていないものに関して、県ではどのように把握しておりますか。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 県でも男女共同参画の推進に当たりまして幅広く普及啓発を進めてきたところでございますが、まず第1に、長年にわたる根強い固定的性別役割分担意識がございまして、これがなかなか解消されていないということと、やはり男女共同参画の推進が働く女性の問題だというような印象を与えてきたこともあり、効果的な普及啓発ができかねる部分があったのではないかと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 先ほどの男女共同参画プランの新しく策定されるプランのほうにも、ワーク・ライフ・バランスは重要な位置づけとして掲げているかと思いますので、仕事と生活の調和に向けた働き方の見直しに向けて、これからも全力で取り組んでいただければと思います。
〇新居田弘文委員 私のほうからは地球温暖化対策の一環として進められております新エネルギー対策の取り組みについて、平成21年度の内容と成果についてお伺いいたします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 新エネルギーの取り組みですけれども、平成21年度におきましては、各種新エネルギーの導入普及セミナーという形で、事業者とか県民の皆様に、太陽光発電とかその他新エネルギーの導入の普及啓発を図ってきたところでございます。あわせまして、昨年は、新エネルギーの中にはクリーンエネルギー自動車という定義もございまして、ハイブリッドカーも対象にした環境対応車の補助によってその普及を図ってきたと。あわせて国の補助の補完といいますか、太陽光発電の住宅用の設置に対して補助を行ったということであります。
〇新居田弘文委員 最近、新エネルギーの取り組みの一つとして、いわゆる米のバイオエタノール開発の取り組みも進んでいると聞いておりますが、その事例について紹介をしていただきたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 米のバイオエタノール利用でございますけれども、これは平成16年から奥州市において取り組んできております。内容としましては、休耕田、耕作放棄水田を利用しまして、多収穫米を作付してそれを原料に、できるだけコストを下げましてエタノールを製造する、あるいは家畜の飼料を製造するということに取り組んでおります。今年度、その事業の一環ということで、国の委託事業でより実証性を高めた試験、調査を行っているところでございます。
〇新居田弘文委員 県の農業試験場でもいわゆる多収穫米の開発ということで、単収800キロ以上ということでいろいろ取り組みをして、その成果も上がっているところでございまして、今お話がありましたように、休耕田等を使っての多収穫米の栽培を実際現地でやっています。
 今、奥州市の話の紹介があったんですが、モデルの取り組みということで先般ありまして、私は実は拝見しました。
 いろいろ聞いてみますと、米50キロを原料にしてエタノールがどれぐらいとれますかという話を聞きましたら、大体15リッターぐらいだということで、試験段階、調整段階ですから、それが商業ベース云々の話はまだ早いんですけれども、そういうのを実際現地で見ましたが、ただ、米50キロ、仮に60キロにしますと、米1俵当たりの単価と、それからエタノール15リッターでどれぐらいとれるかということなんですが、ガソリンでも130円前後で実際市販されているわけですね。それにもちろんガソリン税もかかっていますけれども、仮にそうだとしても、原価と得られるエタノールの価格というのは余りにも乖離しているということで、商業ベース的にどうなのかなという疑問を感じてまいりました。
 一方、国際的にも、アメリカとかあるいはブラジルでも、小麦からエタノール生産ということで、トウモロコシにシフトするということで、輸入穀物にも大きな影響を与えて飼料高につながっているという現象も見られます。
 それからもう一つは、国内の話なんですけれども、実は地球温暖化対策特別委員会で、北海道の苫小牧市の郊外といいますか、北電苫小牧発電所のすぐ隣に立地しております、かなり大がかりなエタノール生産の工場を現地調査といいますか、見学してまいりました。
 そこでは、年間1万5、000キロリットルの生産をされて、それですぐ岸壁から船積みして横浜のほうに行って、大手メーカーでガソリンに混合して市販するといいますか、そういう使い方の取り組みをしておったのを拝見しまして、米の原価は幾らですかとお聞きしますと、ミニマムアクセス米を使って1キロ20円で購入して、それから、プラントは国からの半分の補助事業でやっているという大がかりなものでございまして、そういう実態の中で、今、身近な小さなプラントでの試験段階を、もちろんそれは否定するものではないんですけれども、今後、岩手として米を使ったいろいろな取り組みの際に、どのような形に持っていったらエタノール開発が一番いいのかなということを自問自答しながら拝見してきたんですけれども、県としてこの辺の評価はどのようにとらえて、直接は農林水産部とも関係がありますけれども、当部としてどのような認識あるいは今後の方向性を考えているか、その点についてお聞きしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 先ほど御説明いたしましたけれども、平成16年度から奥州市の取り組みということで農林水産部のほうで支援してきております。
 これまでの取り組みは、多収穫米の品種改良とか、それによっての作付の実証、そしてそのお米を使ったエタノールの製造。さらには、そのエタノールをどのように利用するかということで、川上から川下までというようなスタンスで分離して実証してきておりましたけれども、今年度はコストが課題だろうということで、それをお米の生産からエタノールの製造、利用面まで一括してコストの評価などを実施しております。
 それで、北海道の例等から、かなり補助が入らないと採算性が合わないということでございますけれども、やはりコストの面は非常に課題です。ただ、そのほかに石油燃料の代替ということでございますので、二酸化炭素排出量を抑制できると。あとは原油価格が高騰すれば、石油にかわる燃料の開発も必要だろうというのもあります。そして、休耕田をどのように活用して農家の皆様の所得を上げるかという問題もあるようですので、コスト面だけではちょっと押さえられない部分もございます。
 ただ、北海道の例と奥州市の取り組みは製造の手法
 が異なっておりまして、北海道の例は液体発酵法という方式でかなり水を使うようです。それに比べて、奥州市のほうは固体発酵法ということで、設備が少量化できる、あるいは廃液の処理が必要ないとか発酵残渣を有効利用できるということで、北海道の例はあるんですけれども、本県独自の取り組みによるコスト面、有効利用を今回の調査で評価したいというものでございます。
〇大宮惇幸委員 歳入歳出決算事項別明細書の226ページと227ページの自然保護費、そして鳥獣保護費に関連して質問をさせていただきます。
 まず初めに、栗駒山の昭和湖公衆トイレが平成21年と22年にわたって完成されたわけでありまして、去る10月7日から供用開始されているということをお聞きしまして、利用者にとっては大変ありがたい施設だと思います。
 そこでお尋ねするわけでありますが、かつて早池峰山の山頂に、トイレの改修計画があったと記憶にあるわけでありますけれども、その際に、地元の保護団体からの反対運動があって、これが先送りされたと。現在、ボランティアによる荷下げ作業が行われているという状況でありますけれども、それが現在どういう状況であるのか、まず、その実態をお示しいただきたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 早池峰地域の保全対策につきましては、早池峰地域保全対策懇談会で議論がなされまして、山頂避難小屋トレイのし尿処理方式について、当時から言って10年後で、平成23年度には山頂避難小屋全体の検討が必要になりますことから、それまでの間、し尿処理は人力による担ぎおろしで行うということとなりまして、今日まで、グリーンボランティアのお力添えをいただいているところでございます。
 その後、頂上の小屋につきましては補修でしばらくまだ使えるという、平成21年に工事をしまして、そういう状態になってございます。それで、本年3月には、早池峰山山頂避難小屋あり方検討会という協議会の下部組織をつくりまして、そこで検討結果報告書を取りまとめ、その内容につきましては、携帯トイレの山を目指していく方向性は適当であるけれども、まだ携帯トイレが十分普及していない状況があると。それから、くみ取り式トイレを残してほしいという声も依然あることから、携帯トイレ専用とする場合は、利用者の声を十分聞いて検討を行っていく必要があるとされたところでございます。
 以上のことから、人力による担ぎおろしについては、避難小屋全体の検討を行う平成23年度までの間は、ボランティアの皆さんに御協力をいただいて継続して行う必要があると考えてございます。
〇大宮惇幸委員 担ぎおろしのボランティアですが、私が考えますと限界があると思うんです。そこで、総括課長からお話をお聞きしますと、平成23年に避難小屋を含めて検討するということでありますから、ぜひとも―県内の主な山を見ますと、どこにも立派なトイレが完備されております。そういう意味で、私は早池峰山にも、それ相応のトイレが必要だろうと思います。
 いずれ、昨年の早池峰山の登山客数は、お聞きしますと約2万人となっておりますので、そういう方々に対する利便性を図る必要もあるだろうということで、ぜひとも、平成23年にはいい方向で検討していただきたいとお願いをするものであります。
 それから、これは農林水産部とも関連する質問になろうかと思いますけれども、いわゆる鳥獣被害対策でありますけれども、先ほど来、クマなりシカなり猿というような、農作物被害なり人的被害が出ている質疑がされておるわけでありますけれども、私はクマについて。
 まず、県内に生息している頭数を何頭と確認しているのか。そして、カウントはどういう方法でカウントしているのか、そのカウント方法を教えていただきたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 先ほど、シカについてはシカ保護管理検討委員会というのをつくっていると申し上げましたが、ツキノワグマにつきましても委員会をつくって、専門家とかあるいは市町村、農業団体、林業団体の方々に集まっていただいて協議いただいて対策を決めてございます。
 それで、生息数なんですけれども、保護管理計画を5年ごとに定めるわけですけれども、今やっている計画というのは、平成19年から23年までの5カ年ということで、この計画を立てるために18年度時点の生息数というのを直前ごろに調査してございます。ヘリコプターを飛ばして追い出しを図ってカウントするとか(後刻訂正)、さまざまな方法でやっていますけれども、そのときの生息頭数が、県内で1、720頭と推計したということでございます。
 その推計の仕方ですけれども、先ほどのヘリコプターのほかに、例えば毎年目撃情報でありますとか、被害情報、それから捕獲の情報、それから、これは猟友会にお願いしていますけれどもクマの痕跡調査、木をひっかいたり、そういうのでいるかどうか。あと観察調査、あと捕獲した個体を解剖して何を食べているかといった、調査など、すべて情報を集めて専門家で推計するというようなやり方で平成18年度当時1、720頭いたという状況でございます。
〇大宮惇幸委員 平成18年の調査で1、720頭。猟友会の協力をいただいているということでありますけれども、私の地元にも猟友会というのがあって、わかりやすく言うと、またぎさんたちが調査に協力したということでありますが、そのまたぎさんたちから聞きますと、相当奥羽山系のほうではふえているぞと。もう少し間引きをしないと大変だという声があります。やっぱり捕獲する、そういう間引きの割合をふやすことはできないのかどうかという点と、非常にまたぎさんが高齢化しているというのは総括質疑の中でもお聞きしたわけでありますが、私の知っている町内での一番若いのが60歳です。ですから、まず若い人たちがいる間にでも間引きをしないと、相当ふえるだろうと。そして、地元に出てくるわけです。うまい家畜のえさがあるから、肥育農家とか畜産農家のえさを求めてくる。そして、わなで捕獲するわけですが、これはまた山に戻すわけです。そうすると、そのクマはまた戻ってくるんです。おいしいところに来るということで。どうもイタチごっこなわけでありまして、そういう部分である程度間引きをしなければ大変じゃないかと思うのでありますが、御所見がありましたらお聞かせ願います。
〇八重樫自然保護課総括課長 先ほど答弁した中で、ヘリコプターというのはシカの間違いでしたので、修正させていただきます。
 クマの場合は、より正確にはかるために山の中にばら線というんですか、有刺鉄線を張って、その中にえさを置いて、クマがひっかかった毛をDNA分析して何種類通ったかというのが、今3カ年の計画で、去年、ことし、来年ということで、環境保健研究センターのほうでやっていただいております。この結果が出れば、相当、今までよりは精度の高い生息数が出るんじゃないかと考えてございます。
 それから間引きの話が出たんですが、実際、クマの管理委員会で、いわゆる捕獲頭数をどこまで認めるかという数も決めているんですが、一応、現在1、720頭から減っているかふえているかちょっとわからないんですけれども、3%程度減るような状態、例えば子供が生まれて死ぬ親もいるし、妊娠率とかそういうのを計算して、現在いるクマが3%程度減るのであれば、今の固体群は維持されるだろうという専門家の助言を得まして捕獲頭数を決めているという状況でございます。
 里にクマが出てくるのは、数が多いせいなのか、それとも山にえさが少なくなって、頭数は多くはないんだけれども出てくるという場合もあろうかと思いますので、岩手県ではクマの数は相当多いほうですけれども、九州では絶滅しているということで、日本全体から言えば希少に近い扱いという状態でございますので、そこあたりは慎重に専門家の意見も聞きながら、捕獲頭数を決めていきたいと思います。
〇大宮惇幸委員 最後にしますけれども、今、総括課長のお話は、えさが少ないのか頭数がふえているのかというお話ですけれども、またぎさんたちの見方は、山のなりものの木は同じくらいしかないんだと。それを、頭数がいっぱいいるから、山のえさにありつけないのは下におりざるを得ないという見方もあるんです。ですから、そういう視点からも、余り人的被害が起きないような対策を講じてほしいと思います。
〇関根敏伸委員 私からは、手短かに1点お伺いをいたします。
 先ほど来、シカとかクマとか猿とか話が出てまいりましたが、私はハクビシンに対するお話をお伺いさせていただきたいと思っております。
 従来、ハクビシン被害は関東地方を中心にかなり拡大をしているというお話は伺っておったわけですが、ここ数年来、岩手県、宮城県境を中心に、相当の被害が出ているという情報があります。また、委員の方々からも何度かこの点に対しての質問があるようでございますが、改めてハクビシンによる農作物の最近の被害状況はどうなっているのか教えていただきたいと思います。
 また、先ほどクマは1、720頭、シカは4、000頭、猿は70頭という概略が報告されておりましたが、このハクビシンの生息数とか生息状況を県はどのように認識をされていらっしゃるのか、ちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 ハクビシンによる農業被害額についてですけれども、県南地域を中心に発生しておりまして、平成19年度におきましては165万円だった被害額が、2年後の平成21年度には1、770万円と大幅に増加してございます。
 それから、被害額が多い市町村は、一関市、大船渡市、藤沢町、住田町などで、被害作目別には野菜が1、480万円、果樹が280万円となってございます。
 それから、ハクビシンの生息数の把握については大変困難でございます。ただ、広域振興局の職員とか鳥獣保護員を通じまして、目撃情報を現在収集している状況でございます。
 生息域は、県南部から県央部にかけて集中しておりますけれども、一部、県北のほうでも目撃したという情報も寄せられてございます。
〇関根敏伸委員 県央部、県北部での目撃情報も寄せられているというお話でございました。農業被害は165万円が1、700万円ですから10倍、激増という状況だろうと思いますし、個体数は把握されていらっしゃらないようでありますが、相当数これは増加しているんじゃないのかと。年に何回も繁殖するんではないかと、そんな情報もあるようでございますので、早急な被害拡大防止に向けた対応というのが必要になってくるんだろうと思っております。
 そこでお伺いするわけでございますが、有害鳥獣の捕獲につきましては法律に基づいて県の第10次鳥獣保護事業計画で、期間でありますとか区域、方法あるいは捕獲数などが種類ごとに定められているわけでございますが、県としてはこのハクビシンという種類に対しまして、捕獲に対しての方針はどのように臨もうとされているのか、認識をお伺いさせてください。
〇八重樫自然保護課総括課長 有害鳥獣の捕獲につきましては、従来、原則として、被害防除対策を講じても被害が防止できないと認められるときに許可することとしてきておりまして、有害捕獲実施者は狩猟経験者とされてございます。これは法律に基づいて国が指針を出して決めているものでございます。しかし、急速に生息域を拡大して、農業被害も大幅に増加しておりますハクビシンにつきましては、これまでの基準では地域ぐるみでの対応ができないということから、積極的な捕獲を推進するために、基準の緩和を図るよう市町村から要請がございました。
 ハクビシンは、鳥獣保護事業計画におきまして、本来、県内に生息地を有していなかった外来鳥獣等という分類の中に入っておりまして、根絶または抑制することという種になってございます。そこで、今般、有害捕獲基準を緩和したところでございます。
〇関根敏伸委員 昨年の一般質問におきましても、私どもの同僚議員であります千葉康一郎議員から、同種の質問があったと記憶をしております。松川部長は、今の課長の答弁と同じだったと思いますが、積極的に捕獲をするという意味で、この基準に関して審議会等の審議を経ながら緩和、見直しの方向性を示していくというような御答弁があって今に至っていると思っております。どのような基準の見直しを図ろうとしているのか、また、図られているのか、この辺につきまして教えていただきたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 有害捕獲の具体的に緩和された内容でございますけれども、まず、手続についてなんですが、基準の緩和に係る鳥獣事業計画を変更しなければなりませんので、環境審議会の自然・鳥獣部会というのをつい先日、9月28日に開催いたしまして、答申を得て10月8日に県報に告示し、8日から実施できることとされてございます。それから、市町村とか関係機関にも同時に通知してございます。
 その内容につきましては、今まで被害がなければ捕獲することができないという原則があるわけですけれども、ハクビシンなどの外来鳥獣については、被害の有無にかかわらず、被害がなくても捕獲できるといたしました。
 それから、個人が捕獲する場合ですけれども、垣とかさくなどに囲まれた住宅の敷地等におきまして銃器を使用しないで捕獲する場合には、狩猟免許を有しない者でも捕獲ができるとしてございます。住宅等ですから、庭だとか庭にある畑だとか―なぜ、垣、さくに囲まれたところと限定しているかというと、普通は箱わなでとるんですけれども、そこに近所の飼い猫とかが入ってきたりして、プロの方であれば毎日見回っていくんでしょうけれども、間違って入って例えば死んでいたとか、そうするとまたトラブルが起きるということで、個人がやる場合は目の届く範囲ということで、垣、さくの範囲というのがまずここでございます。
 ただ、許可申請者が農協のような法人の場合には、捕獲従事者の中にわなの免許を持っている方が1人いれば、実際にとる人は免許を持っていなくてもいいと。例えば1人猟友会の会員の方が指導を農家の方に行ってやれば、農家の方は免許が要らない。それは、垣、さくとかの条件は一切ございません。そういうような形で、積極的に捕獲するような基準にしたものでございます。
〇関根敏伸委員 まとめますと、今までは被害がなければ捕獲申請、捕獲ができなかったのが、被害がなくてもできると。狩猟免許等がなくともいいと。あとは経験がなければできないという基準があったと思いますが、それもハクビシンに関しては撤廃されたと、このように理解してよろしいわけですね。
 いずれ、かなり今までの基準があるために、捕獲に対して歯がゆい思いをされていた地域の方々が多くいらっしゃる、そういう声を私も耳にしております。
 10月8日の実施ということでございます。つい最近からの緩和ということでございますので、速やかに関係市町村、特に被害が拡大される地域に関しては啓蒙を、こういったことに関して大いに通知をしていただいて、捕獲の積極的な拡大に努めていただきたいと思いますし、農林水産部のほうの担当になろうかと思いますが、鳥獣被害の防止の特措法、関連市町村との計画等を定める、当部との連携とか関連性をしっかり保つという基準があるようでございますので、連携を取り合いながら、しっかりとした被害防止に取り組んでいただきたいと思います。
〇三浦陽子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後4時59分 休 憩
午後5時13分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後、5人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は、簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋昌造委員 私は基本的に4点について簡潔にお伺いいたします。
 まず、事項別明細書の204ページの交通安全対策費のうち、交通指導員の設置状況そして活動状況についてお伺いいたします。
 交通指導員は、交通安全の最大のボランティア組織であるわけでございますが、まず、その実態についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、県内の交通指導員の人数はどのくらいになるのか。そして、設置基準というのがあるわけですが、その設置基準に対しての充足率がどうなのか。もし満たしておらないとすれば、その理由は何か。また、その対策をどのように講じられているのか、お伺いをいたします。
 次に、交通指導員の高齢化も問題になっておるわけでございますが、交通指導員の在職年数または平均年齢がどのようになっているか。後がまを見つけるために当局としては対策をもし講じられておるのであれば、その対策についてお伺いをいたしたい。
 それから、この交通指導員は活動状況というか仕事柄というか、職務上、非常に危険なわけでございますが、保険に加入されておるのか。また、加入状況はどうなのか。そして、実際、活動の中において事故とかが発生したことが過去にあるのか、お伺いをいたします。
〇佐々木県民生活安全課長 交通指導員の設置状況、活動状況、それから在職年数等についてのお尋ねでございますが、市町村からの報告によりますと、平成21年度の交通指導員、県内全市町村合わせまして1、054人配置されております。活動状況につきましては、年間で延べ9万2、000日、1人当たり平均活動日数は90日となってございます。
 平均年齢についてお尋ねでございましたが、60歳ぐらいと伺っております。
 在職年数につきましては、多い方については四十数年という活躍をいただいているという方もいらっしゃいますが、大変申しわけありません、これについては資料を本日持ち合わせておりません。
 設置基準でございますが、人口1、000人に対し1名というような基準を示して、それぞれ市町村において設置をいただいております。充足率からいきますと77%ほどというところでございます。市町村におきましては、この設置基準より多く配置している市町村もございますし、この七十数%が示すように、少なく配置している市町村もございます。
 事故の関係につきましては、これまで活動の中で事故に遭ったというようなことにつきましては、ちょっと私のほうでは情報としては持ってございません。
 災害補償という部分につきましては、市町村議会の議員その他非常勤職員の公務災害補償等に関する条例というのを市町村総合事務組合において制定しておりまして、そこでもって補償がされるという定めになってございます。
〇高橋昌造委員 それでは、次に第2点目でございますが、事項別明細書の220ページ、環境衛生総務費についてお伺いいたします。
 今月は、どうも発音がよくないんですが、リデュース、そしてリユース、リサイクルと、この3Rの推進月間なわけでございますが、それで、県内の一般廃棄物、産業廃棄物の減量化やリサイクルの推進状況はどうなっているか。そして、特にもリサイクルについては、今、どこの市町村でも力を入れているんですが、リサイクル率が向上しているのかどうか、横ばいであればその理由は何なのか、そこをお伺いいたしたい。
 それから、きょうは時間がないので静かにお聞きしますが、エコスラグの県内の一廃、産廃の処理施設の発生状況と発生量と再生利用、その再生利用先はどういうところなのか。そして、再生利用されるときに何か課題があれば、どういうことが課題になっておるのか。特にも、JIS化されてからの取り組みについてどのようになっているのか、その辺のところをまずお聞きをいたしたいということで、これからの再生利用を進める上で、もし課題があるとすればどういう課題があるのか、そして解決するためにはどのような取り組みをお考えになっているのか、お聞きをいたしたい。
 それから、余熱利用対策についても、県内の一廃、産廃の施設で発電とか温水利用とか、その実態がどのようになっているのか。そして、それがもし地球温暖化対策の一環として数値化しているものがあれば非常にありがたいんですが、もし、なされておらないのであれば結構ですが、そのことについてお伺いをいたします。
〇吉田資源循環推進課総括課長 まず、廃棄物の減量化、リサイクルの推進状況についてでございます。
 まず、一般廃棄物につきましては、直近の集計データである平成20年度の県全体のごみの排出量は47万6、000トンで、前年度から3.6%減少しております。
 トレンドといたしましては、平成8年度から平成14年度まで増加が続いていたところでございますけれども、平成15年度から横ばいで推移し、平成18年度以降、3年続けて減少いたしております。
 また、平成20年度の県民1人1日当たりの排出量は955グラムで、前年度から2.35%減少いたしました。平成18年度に、実に昭和58年度以来23年ぶりに減少となった以降、3年連続して減少いたしております。
 次に、産業廃棄物でございますけれども、平成20年度に県内で排出された産業廃棄物の排出量は203万5、000トンとなっており、前年度より9.5%減少いたしております。
 次に、リサイクルの状況でございますが、一般廃棄物につきましては、平成20年度のリサイクル率は18.8%で、19年度から0.4ポイント増加しております。産業廃棄物につきましては、平成20年度は排出量の63%に当たる128万9、000トンが再生利用されており、平成15年度が56%でしたから、近年非常に大きくなっております。
 次に、リサイクル率の変化でございますけれども、これは平成18年が18.2%、19年が18.4%、そして20年が18.8%ということで、上昇はいたしております。ただ、一般廃棄物のこれからさらに上昇するための大きな課題は、今、リサイクルしている市町村が少ないいわゆるプラスチックそれから容器包装の紙、これらを収集してリサイクルすると。これは分析しますと実にごみの60%、ガサの60%が容器包装でございますので、この部分をまず進めていくのが近道だと考えております。
 次に、県内のスラグの状況でございます。
 県内における平成21年度の溶融スラグの発生量は、施設等に照会いたしましたところ3施設で9、000トンとなっております。この溶融スラグにつきましては、主に県内外のコンクリート製造会社等に販売されており、ほぼ全量がコンクリートの2次製品、アスファルト合材の原材料として利用されております。
 県では、資源の再生利用を促進するため、岩手県再生資源利用認定制度を設けまして、事業者の申請に基づき、一定の基準を満たす製品を認定してございますけれども、スラグを利用したコンクリート2次製品についても認定し、また、その活用の拡大を図っているところでございます。
 県におきましても、公共工事用の資材として優先使用するなど、率先して利用しているとともに、市町村等についても利用していただくよう、協力を依頼しているところでございます。
 次に、余熱利用の関係でございます。直近の平成20年度の一般廃棄物処理施設、それから公共関与を含めた産業廃棄物処理施設による余熱利用状況は、温水として利用している施設は全体の8割の16施設、それから発電を行っている施設は全体の2割の4施設でございます。
 数値化ということでございましたけれども、どのぐらいCO2の削減に貢献しているかというのはまだはかっておりません。ただ、発電量としては3施設で5、530キロワットということになっております。
 県としては、委員御指摘がありましたように、低炭素社会への取り組みが求められている中で、ごみ焼却施設の余熱利用は二酸化炭素の削減に寄与することから、現在進めているごみ処理広域化において、施設の整備などの際には余熱利用、高効率発電施設の導入に関する助言等を行ってきたところであり、引き続き余熱利用を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋昌造委員 それでは第3点目についてですが、事項別明細書の226ページの自然保護費に関してお伺いいたしますが、まず、自然環境保全地域における自然保護指導員の配置状況、そして活動状況はどうなっているのか。同じく、自然公園地域における保護管理員の配置状況と活動状況、そして適正な配置状況になっているのか。それから、あわせて、両地域の面積が、もしきょうわかればお知らせ願いたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 それでは、まず面積からお答えいたします。
 自然環境保全地域につきましては、国指定が2カ所、それから県指定が12カ所、それから面積は国指定が2、821ヘクタールです。それから、県指定の自然環境保全地域は2、135ヘクタールとなってございます。
 それから自然公園につきましては、国立公園2カ所、国定公園2カ所、県立自然公園が7カ所ございまして、面積は国立公園が2万9、247ヘクタール、国定公園は2万38ヘクタール、県立自然公園が2万2、654ヘクタールの計7万1、939ヘクタールとなってございます。
 それから、自然保護指導員の配置状況と活動状況についてでございますが、自然環境保全地域における風致景観を保護管理するとともに、当該区域の立入者に対する適切な指導を行うために、14の自然環境保全地域に自然保護指導員を15名配置してございます。それから、国、県指定の各自然環境保全地域について、原則として各地域ごとに1名を配置しているという状況でございます。14地域で15名なんですが、ある地域においては、90日の活動日数があるんですが、それを2人で分けてやっているところがありまして、15人ということになってございます。
 それから、職務の内容が担当区域内を巡回して自然環境保全地域の保全等の状況を把握しますとともに、違反行為等がある場合、またはそのおそれがあると認められる場合には、速やかに該当市町村等関係機関に連絡するなど適切な措置をとりますとともに、立入者にマナー等の指導を行ってございます。
 それから、自然公園保護管理員の配置状況、活動状況でございますが、これは自然公園内における風致景観を保護管理するとともに、公園利用者に対する適切な指導を行うために、11の自然公園の主要な地域に自然公園保護管理員64名を配置してございます。これは、先ほどと同じ理由で、原則は62名でございますが、2人で分けているという方がおりまして64名でございます。
 それから配置の仕方ですが、国立、国定、県立の各自然公園につきましては巡視路の実態、いわゆる巡回距離に合わせてブロック分けを行いまして、原則として山岳地域のブロックは2名、その他の海岸のような地域には1名を配置していると。活動日数は年90日ということでございます。
 職務内容は、担当区域内の巡回、それから違反行為がある場合はその通報、連絡、先ほどと同じでございます。あと、公園利用者に対するマナー等の指導を行ってございます。
〇高橋昌造委員 それでは第4点目でございますが、生物多様性の県の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
 国では、生物多様性の基本法というのが制定されておるわけでございますが、まず、生物多様性の地域戦略の策定に向けた県の取り組みがどうなっているのか。それから、生物多様性を県民の皆さん方にどのような形で浸透させていくか、その取り組み状況についてお示しを願いたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 平成20年6月に施行されました生物多様性基本法におきまして、都道府県を初め、地方公共団体がそれぞれの地域の特性に応じて生物多様性の地域戦略を策定することが努力義務として規定されたところであります。また、本年3月に閣議決定された生物多様性国家戦略2010というのがありまして、これは国の第4次の国家戦略でございますけれども、この中に、平成24年度には全都道府県において地域戦略の策定に着手するということが努力目標として掲載されているところでございます。
 県では、これまでにもいわてレッドデータブックの作成とか、希少野生動植物保護条例、それから岩手ふるさと森と川と海の保全及び創造に関する条例の制定などによりまして、種の保存や生態系の保存に取り組んできたところでございます。
 今後、先進事例の調査や関係機関との調整、それから計画構成の検討などを進めまして、平成24年度の完成に向けて、現在改訂を進めておりますいわてレッドデータブック、これが平成24年度に発行になる予定でございますので、この調査も踏まえながら、地域戦略の策定着手について検討していくこととしてございます。
 あと、生物多様性を社会に浸透させる取り組みということでございますが、環境省あるいは内閣府の世論調査などでは、生物多様性の認知度が高まる傾向があるけれども、依然として低い状況があるとされてございます。
 今月18日から、愛知県名古屋市で開催されます生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10と言われるものを契機といたしまして、生物多様性の保全の重要性が再認識され、社会を構成する各主体の行動に反映されるように期待しているところでございます。
 県といたしましては、これまでも希少野生動植物の保護、それから先ほど申しましたレッドデータブックの作成など、生物多様性の保全と方向性を同じくする取り組みを進めてきておりまして、今後においてもこうした取り組みを推進してまいるとともに、生物多様性の重要性につきまして周知を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 最後に松川部長に、平成21年度のいわて希望創造プランを着実に推進するために、環境分野、生活分野それぞれで重点施策を掲げてまいってきたと思うんですが、松川部長は、環境分野、そして生活分野での成果というか、そして課題があるとすればどのような課題があって、その課題解決のために今後どのように取り組んでいくのか、簡潔にひとつお願いをいたしたいと思います。
〇松川環境生活部長 平成21年度の当部の取り組みによる成果、それから課題ということでございます。
 成果ということで具体的に申し上げる中身というのはなかなか少ないわけでございますが、課題につきましては、まず、環境分野では、大きく申し上げますと、先ほどもいろいろ御質問あったわけでございますが、低炭素社会の構築あるいは循環型社会の形成、自然と共生する社会の形成という大きな三つの課題があると考えております。これらの課題については、現在、環境審議会でその新計画の策定に向けた中でいろいろ議論をしているわけでございますが、この三つの社会の実現のためには、県のみならず、県民、事業者、市町村等と広く協働していくことが重要でございまして、そのための環境づくり、仕組みづくりが課題であると考えております。
 それから、生活分野でございますけれども、これにつきましては、やはり安全・安心、これは今、消費生活相談関係についても市町村等といろいろネットワーク化を図りながら取り組みを進めているわけでございますが、そういうネットワークを構築していくことが課題であると思っておりまして、このためには、市町村としっかりとした協働、取り組みをしていくことが課題であると考えております。
 それから、一つ成果ということで考えておりますのは、当部にとりましては平成22年度はいろいろ節目の年でございまして、現環境基本計画の最終年度でございます。平成21年度は、その現計画の目標達成に向けた取り組みのいろいろ達成状況を確認する年だったわけでございますけれども、CO28%削減に向けて、関係機関、団体の御理解をいただきまして、温暖化防止いわて県民会議という県民、事業者、行政が一体となった体制づくりができた、これが一つの成果ではないかと考えているところでございます。
〇佐々木県民生活安全課長 先ほどの交通指導員のお尋ねの中で、申しわけございません、ちょっと答弁を漏らしてしまいました。
 交通指導員がやめているといいますか減少しているということで、確かに、平均年齢60歳ぐらいと申し上げましたが、非常に高齢化して、やめる方がいらっしゃいます。そういった中であっても、市町村によっては、若手の方とか女性の方を指導員に勧誘してふやしている例もございます。そういった事例とか具体的な活動を紹介してまいりたいと思いますし、また、県民大会がございますので、そういったところでの表彰等を通じて指導員の果たす役割の重要性について周知を図って、指導員の確保がなされるように取り組んでまいりたいと思っております。
〇郷右近浩委員 今、高橋昌造委員のほうからもちょうど最後に質問が出た部分でございます。そこから入らせていただきたいと思います。
 地球温暖化対策についてお伺いしたいと思いますが、冒頭、及川幸子委員のほうからも同様の質問がございましたので、重複しないように、順番等もいろいろ私、通告している部分が変わるかもしれませんが、ぜひともお答えいただきたいと思います。
 今、最後に御答弁あった中で、温暖化防止いわて県民会議ができたことが成果であり、そうした形で進めているという話を聞いておりましたが、その中においても、やはり本県においては、この平成22年が二酸化炭素の排出量を平成2年度比の8%削減、そうした目標を掲げて取り組んできたもののまさに期限間近の今の状況であると私自身認識しております。
 この達成に向けて、そうした県民会議等を組織して取り組んできたということではございますが、その中でこの8%削減という目標は達成できるのかどうか、まさに期限間近の今でございますので、感触等を教えていただければと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 8%削減目標の達成の見込みでございますけれども、初めに、本県の排出量の状況を御説明したいと思います。
 直近のデータが平成19年でございます。排出量が1、299万5、000トン、基準年、平成2年、1990年よりまだ0.9%上回ってる状況でございます。このため、削減目標を達成するにはあと114万8、000トン、率で8.9%の削減が必要でございます。これが平成19年時点。
 平成20年、21年はまだ排出量の集計は物理的にできておりませんので今後の見込みとなりますけれども、平成20年については、電気、灯油、重油等を調べますと、前年度よりすべて減少しております。
 ただ、先ほど言いましたとおりまだ集計ができておりませんので、目標達成年である本年、平成22年度におきましては、温暖化防止いわて県民会議におきまして10万トンの削減目標を掲げております。そして、エコ8キャンペーン、六つのキャンペーンと一つのコンテストといったさまざまなイベントを全県的に展開していくということ。あとは、これまでもやっておりますけれども、排出量の多い二酸化炭素多量排出事業者につきましては、県民の健康で快適な生活を確保するための環境保全に関する条例―ちょっと長いですけれども―に基づいて計画的な削減に取り組んでいただいておりますし、その実施状況を県に報告していただいているということがございます。
 また、県や市町村においても、事業者等にお願いしている部分もありますので、率先して温暖化防止に向けた実行を行う、率先実行をしていくと。あとは、国の制度も今盛んにできておりますので、それに呼応した再生可能エネルギーの導入を支援していく。そういった取り組みを結集しまして、二酸化炭素排出量8%削減の目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 まだ集計していないということでございますけれども、私の勘違いなのかちょっと確認をしたいんですけれども、平成22年というのは、私は22年度ではなくて22年という認識でいたんですけれども、22年だとするとあと本当に数カ月といった中で、集計もしないで進めていく中で、何とかなるのかならないのかというような形では私は達成は難しいと思うんですけれども、まずそこで、22年度なのか22年なのか、そこの確認からお伺いしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 この年度、年の区別につきましては、現計画では年ベースでやっておりますので、1月から12月と。ですから、ことしは平成22年。ただし、事業自体は年度ベースで実施しておりますので、年度ベースでお答えしてしまったということでございます。
〇郷右近浩委員 きっちりとした集計はしていないまでも、やはり先ほど来、ことしの温暖化防止いわて県民会議のほうで10万トン、そうした考え方があるということは、恐らく少しずつ、緩やかではあるけれども、このぐらいはいけるのではないかというような考え方等があって活動していただいていると思いますので、ぜひとも達成できるように進めていただきたいと思います。
 そうした中にあって、平成21年7月7日から実施されました環境対応車導入促進事業でございます。決算書でいうと事項別明細書223ページに3億数千万円余という金額がございますけれども、この事業につきましては、私自身は経済対策のねらいが強い事業というような認識を持っておりますけれども、しかしながら、こうした事業も含めて削減量という部分が出てくると思いますが、この事業においての成果は削減量にしてどのくらいの効果となっているのかお伺いしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 昨年7月から8月にかけて実施いたしました環境対応車導入促進事業によりまして、登録車につきましては4、522台、軽自動車1、609台、トラックなどの重量車が115台、計6、246台の環境対応車が導入されております。
 それによる二酸化炭素排出削減量は、年間換算でいきますと約3、000トンと推計しております。
〇郷右近浩委員 今回はそうした経済対策も絡み、そしてこの環境対応車というような考え方で事業が行われましたけれども、先ほど部長のほうから及川幸子委員に対して、これからは省エネよりも効果のある取り組みを行っていく、そうした形にも変わっていかなければいけないところがあるというような御答弁がありましたけれども、私はやはり本当に小さなことから、例えば、先ほど来話のありました学校現場であったり、そうした意識の部分において教育と結びつけながらきちんとやっていくべきではないかと。そして、そういう大きな事業者であったり排出量の多いところをねらい撃ちというか一気にというような考え方だけではなくて、きちんと細かくやっていくことが将来につながっていく、そして環境県岩手を誇れるような事業になっていくのではないか、県になっていくのではないかと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そうした中で、新しい環境基本計画を年内に策定すると聞いておるんですけれども、これは8%削減の目標にかわる新しい削減目標が盛り込まれてくるのかどうか、そうしたことをお聞きしたいと思います。
 先ほど及川幸子委員の質問の中でも25%という数字が踊っておりました。国が目標として掲げた中にあって、この岩手の新しい環境基本計画についてはどのような考え方になっていくんでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 新しい削減目標でございますけれども、新しい基本計画におきましては、これまでは二酸化炭素の排出量の削減を目標としておりましたけれども、新しい目標では、二酸化炭素を含みます温室効果ガス─6ガスと言っておりますが─の削減目標を盛り込むことにしております。
 この新しい削減目標の考え方は、国の排出削減目標―やはり同じ25%削減でございますが―の達成に地域から貢献するという考え方のもとに、国の目標と同じ、平成2年、1990年を基準年といたしまして、平成32年度までに25%削減する目標を現在、案といたしまして環境審議会において審議いただいているところでございます。
〇郷右近浩委員 では、例えばその目標を達成するための新たな視点とか、そして取り組み、そうしたものがまた盛り込まれてくるのか、そうした部分につきまして現時点で示せる部分で結構ですのでお示しいただきたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 新しい削減目標の達成に向けた今後の取り組み、対策でございますけれども、先ほど委員御指摘のとおり、最も重要なのは、県民、事業者の方々に省エネルギーあるいは新エネルギー導入の意識を持っていただいて実践していただくことだと思います。ただ、その意識の向上とか実践だけではやはり削減効果としてまだ弱い面がございますので、そういったこれまでの省エネ中心の対策から、より削減効果の高い取り組みを展開していきたいと。それによって25%削減を達成していきたいと考えております。
 例えばになりますが、やはり地域の再生可能エネルギーの導入をさらに進めていく、化石燃料に過度に依存しない低炭素社会の構築に向けた取り組みを進めていく必要があると思います。
 そのような平成23年度以降の新たな取り組みにつきましては、現在、策定中でございます新しい環境基本計画、これは年内に策定することにしておりますけれども、この計画を踏まえまして、また、地球温暖化対策の推進に関する法律がございます。この法律に基づきまして、県は地球温暖化対策実行計画を来年の早い時期に策定することにしておりますので、アクションプランに位置づけられますこの実行計画の中に地球温暖化防止に向けた具体的な対策を盛り込んでいきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 今、御答弁の中で、削減効果の大きいという言葉がどうしても出てくるんだなと感じておりました。
 かなり戻りますけれども、先ほど8%削減の目標達成についてということで質問させていただいた際にも森林吸収的な部分のお答えが入っていて、削減というのは、私の中では、減らしたもの、減らすという認識であります。そうした中にあっては、結局は削減できなかったという中で、その森林吸収という新たな考え方を使って何とかこの8%削減を達成できるというとらえ方を私自身したわけですが、ちょっときょうは気持ちが大きく、そこの部分はいいかなと思っていたんですけれども、ただ、削減できなくても森林吸収があるからという話ではなくて、やはり目標として立てたからには削減を目指さなければいけないと私自身考えるものであります。
 だとするならば、今回の達成、未達成にかかわらず、もちろん数字上は達成できると考えておりますが、その次の計画ができてきたときに、やはり計画をつくるからには達成を目指していかなければいけない、そのように考えるわけでありますが、そうした部分につきまして、ベースとなるものは、先ほど冒頭に御答弁いただきましたとおり啓発の部分であったり、そうした部分はどうしても大事だと私自身は考えるわけでありますが、部長の御答弁をいただいて終わりたいと思います。
〇松川環境生活部長 1点補足をさせていただきます。
 8%削減の目標達成について、削減が必要なのは114万8、000トンと申し上げました。これについては、実は森林吸収量についても見込んでおりまして、114万8、000トン中81万9、000トンについては森林吸収量を見込んでおります。したがって、残り32万9、000トンを削減努力によって削減していくということでございまして、例えば県民会議の取り組みによっては、そのうち10万トンの削減をやっていこうというような計画でございます。
 今後の温暖化防止に係る取り組みについてでございますけれども、国の基本的ないわゆる25%の内訳でございますが、国で今ちょうど議論がされているところでございます。国内でどの程度削減するのか、それから森林吸収分はどの程度見込むのか、あるいは国際的に調達する部分はどの程度なのかは今、議論がされているところでございます。本県の目標設定に当たっても、こういった議論はしっかり見きわめていく必要があると思っております。それが1点でございます。
 それから、きめ細かな取り組みが必要だという御指摘をいただきました。そのとおりだと思っておりまして、もちろん削減効果の高い取り組み、要は省エネだけでは足りない。岩手県に賦存する例えば森林資源でありますとか、そういったものを活用して、できるだけ化石燃料からそちらのものに転換していく取り組みをする必要がありますし、その取り組み自体は、大企業だけではなくて、とりわけ地方に求められているのは、住民に身近な立場でいるわけでございますから、家庭での取り組みについてしっかり啓発を図っていくのが私どもの役割だと思っております。
 これからの環境審議会の議論を踏まえまして、御指摘の事項を踏まえて具体的な取り組みについて検討させていただきたいと思います。
〇高橋但馬委員 私からは、自然保護費の温泉法施行事務費とありますが、その内容についてお知らせください。
 また、平成21年度までに、県内では温泉法に基づく温泉はどれくらいあるかお知らせください。
〇八重樫自然保護課総括課長 温泉法施行事務費39万1、000円余の中身ですけれども、温泉掘削等の申請に係る現地調査の報償費とか旅費、それから立入検査等の指導監督や、主要源泉定点調査というのをやっているんですが、その旅費。あと、環境審議会の温泉部会の開催経費などでございます。
 あと、県内での温泉の数、源泉数についてですけれども、平成22年3月末現在で410の源泉がございます。うち、利用されている源泉数は240という状況になってございます。
〇高橋但馬委員 かなりの数の温泉があるわけですけれども、県内で特に大きい温泉の地区としては花巻と繋と鶯宿、3カ所あると思いますが、いわゆる源泉の環境保全対策の観点から、平成21年度までに県の温泉審議会や県当局で源泉の湯量の安定化について調査されていると思うんですが、内容についてはどうなっているでしょうか。
〇八重樫自然保護課総括課長 まず、県で直接行っている調査といたしましては、昭和58年度から、現在15カ所の定点源泉を対象にいたしました主要源泉定点調査を行ってございます。調査の中身は、温泉の湧出量、それから温度、pHについて、毎年5月と10月の2回、職員が実際に行って測定してございます。
 もう一つは、温泉法を受けた温泉法施行細則に基づく温泉の状況報告というもの、これは業者のほうから報告を受けるものがございます。
 それから、平成21年度におきましては、これに加えまして、条件つきの掘削許可をした源泉につきまして、その後の影響を把握するために臨時的に実態調査を行っております。
 それから、国で行っているものもありまして、環境省が取りまとめている温泉利用状況報告がございます。これによりますと、湧出量なんかを記載することになっているんですが、ここ5年間はほぼ安定しているというような状況になってございます。
〇高橋但馬委員 温泉資源を将来永続的に使うためにも、今後も継続して定期的に調査をしていただきたいと思います。
 温泉というのは、地中にある源泉というのは自動車の燃料計のように残量がわかるものではありませんので、岩手県の貴重なる温泉資源の保全の観点から、例えば県民から県に対して、今までされている調査のほかに何かしていただきたいという要望がございましたら前向きな御対応をお願いしたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 県は温泉の掘削許可を出しているんですが、その許可をするときに、温泉法で他の源泉に影響を与えないという条件がございます。ただ、地下にあるものですから掘ってみないとなかなかわからないということもあるんですが、そうも言っていられないということで、やはりこういう調査を通じて水位の変化などを見ることによってある程度その状況がわかってくるということもありますので、今後ともこういう調査は続けてまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 それでは、事項別明細書の205ページに男女共同参画推進についての三つの事業がありますし、いわて県民計画の策定項目にも挙げられております男女共同参画の推進についてお伺いいたします。
 岩手県男女共同参画年次報告書によりますと、男女の地位の平等感では、約7割が社会全体として男性のほうが優遇されていると回答しています。また、現在の社会は女性が働きやすい状況にないと感じている県民の割合が年々ふえています。昨年は5割を超えています。
 このような意識調査の結果について、要因をどのように分析しているのでしょうか、お伺いいたします。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 委員御指摘の年次報告書に掲載されておりますのは、平成21年度の男女が共に支える社会に関する意識調査、県民の皆さんの意識調査の結果でございます。社会全体として男性のほうが優遇されていると回答した割合は男性が59.8%、女性75.1%、全体で68.7%ということで、約7割となってございます。
 このような結果となっております要因といたしましては、例えば、男は仕事、女は家庭といった長年にわたる固定的性別役割分担意識でありますとか、地域における男女の役割分担の慣習、しきたりなどが根強く残っておりまして、その解消が容易でないことや、男女共同参画につきまして普及啓発を行ってきたところでございますが、まだまだ不十分でございまして、男女共同参画が働く女性への支援といった印象を与えてきたために、男女共同参画があらゆる立場の人々にとって必要であるとの認識が広がっていないことなどであると考えております。
 また、現在の社会は女性が働きやすい状況になっていないと感じている県民がふえていることにつきましては、先ほど申し上げました意識調査の結果では、女性が余り働きやすい状況にない、または働きやすい状況にないと回答した割合が50.7%でございまして、前回の平成18年度調査の47.5%より3.2ポイント増加しております。
 その要因といたしましては、労働環境が整っていない、働く場が限られている、育児施設が十分でないとの回答が多くなっておりまして、雇用情勢の悪化により勤務条件が厳しくなっていることや、仕事と育児の両立が困難なことなどが働きにくいと感じる主な要因となっていると考えているところでございます。
〇小西和子委員 日本の労働力人口というのは2050年までに2、400万人減少すると試算されております。このことから女性の労働力への期待が高まっておりますが、実態は女性が働きやすい社会ではないということだと思います。
 男女がともに輝く心豊かな社会の実現を掲げて市町村でも男女共同参画計画を策定しておりますけれども、策定状況はどのようになっているでしょうか。まだ策定をしていない市町村がありますが、それはどこでしょうか。
 もう一つ、計画を実効あるもの、ただ計画をつくっただけではなくて、生活と仕事、それから地域生活というふうに、ワーク・ライフ・バランスに実際に移すための実効あるものにするために県ではどのような指導を行っているでしょうか、お伺いいたします。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 市町村における男女共同参画計画の策定状況についてでございますが、本年9月末現在、34市町村中29市町村において策定済みとなってございます。現在、未策定の5町のうち、一関市との合併が予定されております藤沢町を除く4町においても今年度中に策定する予定と伺ってございます。現在、策定中の市町村は西和賀町、岩泉町、軽米町、洋野町の4町でございます。
 策定に向けた県の取り組みでございますが、現行のいわて男女共同参画プランにおきましては、市町村における男女共同参画計画の策定を今年度末で100%と指標を定めておりまして、その実現のために、各種会議、例えば市町村の男女共同参画担当課長の会議でありますとか、こういうものによりまして市町村への働きかけ、意見交換を行っておりますし、策定に向けて、市町村計画策定マニュアルの策定、配布など、そういう取り組みを行ってきているところでございます。
 また、実効ある計画にするための県の支援についてでございますが、市町村職員研修会などを開催いたしまして、効果的な取り組みについて情報共有を図るなどをしておりまして、市町村計画の促進を図っているところであります。
 また、全市町村から御推薦をいただいた方々を男女共同参画サポーターとして養成し、これまで590名の方を認定させていただいております。これらの方々が市町村における取り組みの推進を担っているところでございます。
 県といたしましては、これからの男女共同参画を推進していく上で、身近なところからの意識改革や地域における取り組みが重要だと考えておりまして、今後とも市町村との連携をさらに深め、実効あるものとしてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 このように男女平等についてさまざまな取り組みが行われておりますけれども、配偶者からの暴力というのが大きな社会問題となっております。DVの相談状況と、DV被害者の立場に立った支援をどのように行っているかということ。
 それから、昨年度、全県的なDV対策のネットワークとして立ち上げました岩手県DV防止対策連絡協議会の活動状況と成果と課題を伺います。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 まず、DVの相談の実態でございますが、県内の配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談の件数は、平成21年度は1、262件でございます。県では11機関を指定しておりまして、県11機関で665件、盛岡市がもりおか女性センターを指定しまして607件、合計で1、262件でございます。5年前の平成16年度、このときは県の機関は1機関でございましたが、そのときは394件でございまして、5年前に比べまして868件ふえております。また、保護命令の発令件数につきましても、平成21年度は61件で、5年前の平成16年の33件に比べまして28件ふえております。
 これらの件数の増加につきましては、DV防止についての普及啓発とともに相談機関の整備が進んだこにより、これまで潜在化していた配偶者からの暴力の問題が顕在化してきたことによるものと考えているところでございます。
 また、相談、保護体制でございますけれども、まず、先ほど申し上げました配偶者暴力相談支援センターを県内で合計12機関を指定しておりますが、そういう形でDVの相談を各地域で受けやすくするということでございます。
 また、御相談をいただいた方々に対するさまざまなケア、例えば配偶者の方から逃げたいという方に関しましては、いわゆるホテル事業と申しておりますけれども、緊急に避難が必要な方については宿泊先を確保する事業でありますとか、一時保護というような取り扱いの支援でありますとか、そのほか住宅の確保等につきましても県と市町村と連携いたしまして取り進めているところでございます。
 昨年度設置いたしましたDV防止対策連絡協議会の関係でございますが、関係機関、団体との緊密な連携と総合的かつ効果的な施策の推進を図るために、昨年7月に設置しております。関係機関といたしましては、国の盛岡地方法務局の人権擁護課、盛岡市の市民部男女参画国際課のほか、関係団体としては、弁護士会、県民生委員・児童委員協議会、医師会等、関係機関からは委員の方を御推薦いただいておりますし、あと、県内部でも、警察本部の生活安全企画課、教育委員会の学校教育室、保健福祉部の児童家庭課、福祉総合相談センター、こういうメンバー等が委員となっているところでございます。
 昨年度は3回開催させていただいておりまして、現行のいわて配偶者暴力防止対策計画、これは今年度までの計画でございますけれども、この計画の進捗状況と、来年度からの新計画の策定を今進めておりますが、来年度からの計画についての協議をしてきております。それは現在も続けて、今年度におきましても7月に今年度1回目の協議会を開催しております。
 これまでの協議会の成果と課題でございますけれども、配偶者暴力防止対策につきましては、県単独では到底できかねるということでございます。これまでもいろいろ非公式の形では連携をして御相談を申し上げてきてございますけれども、こういう形で協議会を設置したことによりまして、組織的にいろいろな意見交換ができるようになったということでございます。
 特にも今年度は、先ほど申し上げましたとおり、配偶者暴力防止対策推進計画次期計画の策定に向けて非常に大切なときでございまして、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 執行部に申し上げます。この際、進行に御協力を願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇小西和子委員 丁寧な答弁ありがとうございます。
 DVに対する周知度というのは、この意識調査では、内容をわかっている方が3分の1しかいないんですね。ですから、達成度はもちろんDとなっております。
 デートDVについても含めていただきたいんですけれども、DVの予防啓発についてどのように今後していくかということをもう一度お願いいたします。
〇鈴木青少年・男女共同参画課総括課長 DVというのは配偶者からの暴力でございますが、DVの発生を未然に防止するためにも予防啓発が大変重要であります。特に結婚前の若者、若年層を対象にした男女の対等なパートナーシップでありますとか、暴力のない交際について意識啓発を図る必要があるということで、先ほど委員御指摘のありましたデートDVの防止については大変重要なことと考えてございます。
 このための取り組みといたしましては、昨年度の取り組みで申し上げますと、例えば11月に県民の皆様方を対象としたデートDVの防止セミナーを開催いたしましたほか、ことし1月には、教育関係者を対象といたしましたデートDV予防教育支援者セミナーを開催しております。このほか、高校等におきましてデートDV防止のための出前講座を開催するなど、さまざまな取り組みを推進しているところでございます。
〇小西和子委員 若い人たちが将来にわたり、被害者にも加害者にもならないような予防啓発が大変重要と考えます。
 最後に、松川部長にお伺いいたします。
 男女共同参画の推進というのは、いつまでも啓発だけではだめだということを以前ある会でお話をしたことがありますけれども、今後どのように推進していかれるかということの決意をお伺いして終わります。
〇松川環境生活部長 啓発だけにとどまらないという御指摘でございました。ただ、私ども考えておりますのは、男は仕事、女は家庭という固定的な性別役割分担意識の解消がなかなか容易でないことがやっぱり背景にあるということでございます。
 それから、今までいろいろな普及啓発をやってまいりましたけれども、働く女性への支援という印象を与えてきてしまったということがございまして、男性も女性も、ともに進める男女共同参画、こういった啓発に取り組む必要があると考えておりますので、今、男女共同参画審議会でいろいろ御議論いただいているわけでございますが、その議論の成果を踏まえまして対策を講じてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 地球温暖化防止対策、二酸化炭素排出量削減の取り組みについて私はお聞きしたいと思います。
 これは平成19年度の到達になってしまいますけれども、前年の5.5%増から0.9%増と、これは改善をしたわけですね。その改善された理由は何か、そのことを示していただきたい。景気の後退とか暖冬とか、まさに景気任せ、気候任せではないかという気がするけれども、いかがですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 平成19年は、前年に比べて4.3%減少しております。もちろんこの減少には、毎年の省エネルギーの取り組み、事業者、家庭を含めての取り組みの成果も入っております。ただ二酸化炭素排出量については、そういった努力のほかに、やはり経済動向とか気候の影響も大きく受けます。ですから、どうしても努力が見えない形で上下してしまうという傾向はあります。
 ただ、いずれその努力の成果を実際に排出削減量としても把握しておりますので、その効果も4.3%の減少には反映されていると考えております。
〇斉藤信委員 努力の成果があるんだったら、4.3%のうちどのぐらいその努力の成果なのか。平成20年度、21年度も景気がこのぐらい後退していますから、生産が後退していますから、暖冬が続いていますので、私は自然にこれは削減されているんじゃないかと。悪いことではないんですよ、これは。悪いことではないんだけれども、これから8%削減を必ずやっていくと。さらに25%削減に取り組むとなれば、やっぱり自主的な努力でどれだけ削減するかというのが必要になってくると思うんです。マイナス4.3%のうち、努力によって減らした分は幾らですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 4.3%は量にして59万トンになりますけれども、県のほうで把握できる取り組みからその排出削減量を推計しましたところ23万8、000トン、これは推進計画にあります項目に基づいて取り組んだ内容から計算しております。ですから、50%弱は排出削減努力による削減量だと認識しております。
〇斉藤信委員 昨年度の取り組みについて、いわゆるエコカー補助金6、246台、3億9、800万円使ったと。国の補助金が大盤振る舞いで、それに上乗せするような補助金は私は無駄遣いだったと思いますよ。県の補助金がなくても売れたんです。
 私は、この3億9、800万円を使うんだったら、太陽光発電の住宅にこそ回すべきだと。太陽光発電導入促進事業は497台、予算はたった1、074万円ですよ。それも4月から7月で終わっているんですよ。私はこういうところこそ4億円近いお金を導入してやるべきだったんじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 環境対応車の事業と太陽光発電の事業は計画策定時期が異なっておりまして、太陽光発電については前年度の事業計画のもとに実施しております。環境対応車については、昨年6月に提示されました国の経済対策等の交付金を活用して環境対応車の導入等も進めるようにという事例も示されましたので、4億円に近い予算をもって二酸化炭素排出量にも貢献する、そして経済の活性化にも貢献するということで事業化したものでございます。
 太陽光発電につきましては、国の補助事業が1月から実施されております。さらに11月から余剰電力の買い取り価格が倍額されまして、もう県の補助が終わっても同じようなペースで太陽光発電は普及しておりますので、まずその様子を見るということ。
 あと、環境対応車については、先ほど言いましたけれども、東北でも割合等で一番の伸びを示していると。ですから、短期間ではございましたが、非常に効果があったものと考えております。
〇斉藤信委員 太陽光発電については、昨年の11月から買い取り制度もスタートしたと。私は、岩手県が環境王国―私は王国は好きじゃないけれども―、環境で先進県を目指すというのであったら、やっぱり環境の取り組みは、岩手県に見にこようと思われるような対策をやらないとだめだと思いますよ。特に太陽光発電なんていうのは、私はこれからどこでも導入できるような条件を整備するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
 あわせて、グリーン電力証書の活用というのも提起されておりました。これは今どうなっているんでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電の普及による二酸化炭素排出量削減効果は非常に高いと認識しております。昨年1月から12月までの県内の住宅用太陽光発電の導入実績は2、049件と、例年の3倍以上の伸びを示しております―見込まれるという言い方になりますけれども。
 これは、世帯数での割合でいきますと、東北では一番の伸び。次は宮城県となっておりますので、これまで太陽光発電には適さない土地柄と思われてきたこの岩手県で非常に高い伸びを示したのは、そういう成果があったと思っております。
 グリーン電力証書につきましては、県内何カ所でしたか、バイオマス発電等の自然エネルギーをグリーン電力証書として扱っております。これについては、国内クレジット、あるいはJ−VER等のいわゆる排出量取引等のカーボンの活用とあわせて、どの制度を活用したらいいかも踏まえて普及を図っていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 太陽光発電、昨年は2、049件だったと。これは今年度はどのぐらいいきそうですか。どういう目標になっているでしょうか。
 それと、今、グリーン電力証書、私聞きましたが、この間NHKでもこれをやっていました。東京都はこれを義務づけたものですから、それぞれのビル、施設で削減目標を達成しなければいけないんですよ。それで風力発電、岩手に大変注目しているというNHKの報道でしたよ。私はこれを思い切って取り組んで、岩手の自然エネルギーの電力を首都圏にどんどん売り込むぐらいの取り組みをすべきじゃないかと思いますが、今後の計画方針をお聞きしたい。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 グリーン電力証書の活用について、東京都では進めているということですが、東京都は国に先んじて、一定規模以上の企業に対してキャップ・アンド・トレード、いわゆる排出削減と未達成の部分を売買するという中でグリーン電力証書を位置づけたという経緯がございます。東京都の場合は、いろいろな意味で地方とは違って、国に先んじて実施できる環境があったかと思うんですが、本県の場合は、国が検討しています排出量取引あるいはキャップ・アンド・トレードの状況を見守る必要があると思っています。
 あと、本県の自然エネルギーをグリーン電力証書化して東京都の企業に購入してもらうべきだということで、それについては東京都のほうからも東北数県に対して打診がありまして、本県も協力しましょうということにはしておりますけれども、まだ具体的に東京都のそういった多量排出企業等にお売りできるものがない。今は全部東北電力のほうに購入していただいていますので、今後、新しい発電設備ができれば、東京都のほうにもグリーン電力証書等として活用できるようになっていくのかなと考えております。
〇斉藤信委員 次に、一般廃棄物の減量問題についてお聞きいたします。
 盛岡ではプラスチック、紙パックのリサイクルが始まって、体積的には半分ぐらいごみの量は減っているんじゃないかと。聞きましたら重量は減っていないという話なのでその効果はよくわかりませんが、リサイクルの全県的な状況、岩手県の報告書によりますと、一般廃棄物の最終処分量は800トン減少したけれども達成度はDだったと。余り減っていないと。これ、本当に思い切ってごみの減量、リサイクル、資源化を進めるという点で、市町村にも大きなアンバランスがあると思うけれども、これを県としてはどういうふうに進めるのかお聞きしたい。
〇吉田資源循環推進課総括課長 プラスチックのリサイクル、紙ごみのリサイクルでございますけれども、ペットボトルなどのプラスチックと紙パックは、容器包装リサイクル法に基づき市町村が策定した分別収集計画に基づき分別収集がされております。平成21年度におきましては、県内の34市町村中、紙パックは32市町村、かなりの市町村が紙パックは回収しております。また、プラスチック、ペットボトルにつきましては31市町村で分別収集していると。これらはすべて国の指定を受けた法人、容器包装リサイクル協会に処理が委託されておりまして、すべてリサイクルされていると承知しているところでございます。
 また、リサイクル量につきましては、平成21年度は現在集計中でございますけれども、20年度における市町村の分別収集実績は、プラスチックが4、390トン、紙パックが147トン、これらがリサイクルされているところでございます。
 このほかに市町村関与の町内会などの集団回収がございます。
 市町村の事業でございますけれども、県としては、今、エコショップ制度というのを県のほうでやっております。これは小売店で減量あるいはリサイクルをする、ちょうど小売店というのは消費者との接点でございますので、ここで例えばレジ袋を削減するとか、あるは簡易包装をするとか、そういう取り組みをする小売店をエコショップとして認定するということで、今213店ほど認定しておりますけれども、それをさらに進めまして、そして消費者と小売店というところで、県としては市町村と協働してそういった取り組みをしていると。あるいは環境にやさしい買い物キャンペーンなどを通しまして、消費者に対しましてできるだけリデュースという考え方を浸透させていきたい。
 市町村に対しましては、それぞれの市町村が抱えているそれぞれの課題がございます。それぞれの課題、私どもでそれぞれの市町村の廃棄物の排出量を毎月毎月集計して公表しております。その中で、例えば事業系が多いとか生活系が多いとかいろいろな問題がございますので、それらについて分析して、市町村とともに一緒になってやっていきたいと考えているところです。
〇斉藤信委員 最後にします。
 いわてレッドデータブックの改訂作業中だと伺っておりますけれども、評価書では、イヌワシの繁殖率が12.5%ということでAランクと。これは、繁殖率は下がってはいるんだけれども努力してここで抑えている、こういう評価でありました。
 先日、私、環境保健研究センターの公開にも行ってきましたけれども、どういう努力でこのイヌワシの繁殖率を食いとめているのか、それをちょっと紹介していただきたい。
 というのは、やっぱりイヌワシは、まさに岩手がイヌワシ王国なんですよ。そして、岩手の自然環境の豊かさを証明するものですから、この取り組み。
 もう一つ、最後に、ダム事業などの大型開発によって自然環境が大規模に破壊されているのではないか。簗川ダムの場合、この間、現地調査に行ってきましたけれども、三十数種類のレッドデータブックでAからDランクに指定されている動植物が水没地帯に生息しているわけです。大規模開発による大規模な環境破壊というものをどういうふうに受けとめているか、これをお聞きします。
〇八重樫自然保護課総括課長 イヌワシの保護につきまして現在やっている取り組みとしては、県内観察者などから観察情報を収集いたしまして、営巣地だとか行動圏等の解明、それから繁殖状況のモニタリング、繁殖地へのえさとなるヤマドリの放鳥、それから巣の補修。─雪が降って壊れたりとかクマがひなを襲ったりというのがあったようで、そういうことをやっていますし、あと、列状間伐といって、えさをとりやすいように、間伐を縦に細くやっていくとウサギとかも繁殖しやすくなってイヌワシもえさをとりやすくなる、そういう間伐を森林の関係課と協議して取り進めてやっております。
 平成19年度に6.3%まで繁殖率が落ちたわけですけれども、22年度には15.6%まで回復してきていると。環境生活部の目標としては、30%まで回復すれば現状の数は維持できるだろうということで、最終的にはそれを目標にやってございます。
 それから、大規模開発の関係ですけれども、環境生活部では、いろいろなレッドデータブックのAランクの植物とか動物を全部デーベースに入れて、振興局なんかで工事をやる場合に、そこの工事の箇所についてどういうものがあるということを、余り貴重なものは公にできませんので職員の中だけですけれども、そういうことを情報共有して、それでもどうしても開発せざるを得ない場合は移植するとか、いろいろな方法でそういうことに助言をしているという状況でございます。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 大変失礼いたしました。答弁漏れがございました。
 先ほど斉藤委員からことしの太陽光発電の導入見込みということでございましたけれども、昨年と同じ大体2、000件ほどと見込んでおります。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、環境生活部関係の質疑をこれで終わります。
 環境生活部の皆さん、御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時30分 散 会

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