平成22年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成22年10月13日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    佐 藤   博
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  知事    達 増 拓 也
  副知事    宮 舘 壽 喜
  副知事    上 野 善 晴
  企画理事    藤 尾 善 一
  会計管理者    古 内 保 之
  秘書広報室長   廣 田   淳
  首席調査監    木 村 卓 也
  秘書課総括課長  杉 村   孝

  政策地域部長   加 藤 主 税
  副部長兼
  政策推進室長   工 藤 孝 男
  副部長兼
  地域振興室長   佐々木 和 延
  NPO・文化
  国際課総括課長  佐 藤 応 子

  副部長兼
  商工企画室長   高 橋   信

  農林水産企画室
  企画課長    小 岩 一 幸
  林業振興課
  総括課長    堀 江   淳

  県土整備企画室
  企画課長    木 村   稔

  議会事務局長   宮   一 夫
  総務課総括課長  伊 藤 孝 栄
  政務調査課長   高 橋   徹

  総務部長    菅 野 洋 樹
  副部長兼総務室長 小 原 敏 文
  総合防災室長   小 山 雄 士
  総務室管理課長  八重樫 一 洋
  入札課長    高 橋 宏 弥
  人事課総括課長  浅 沼 康 揮
  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
  法務学事課
  総括課長    紺 野 由 夫
  私学・情報
  公開課長    清 水 一 夫
  行政情報化
  推進課長    菅 野 義 克
  税務課総括課長  八重樫 幸 治
  管財課総括課長  吉 田   拓
  防災消防課長   小野寺 文 也
  防災危機管理監  越 野 修 三
  総務事務
  センター所長   平   哲 夫

  会計管理者兼
  出納局長    古 内 保 之
  出納指導監兼
  出納局管理課長  浅 沼   浩
  指導審査課長   南 舘 俊 則

  人事委員会
  事務局長    熊 田   淳
  職員課総括課長  及 川   明

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長    奈須川 博 司
  監査第二課
  総括課長    小 原 一 信
〇三浦陽子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成21年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成21年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。斉藤信委員。
   〔斉藤信委員質問者席に着く〕
〇斉藤信委員 それでは、知事に質問します。
 雇用問題は県民にとって、そして県政にとって最も切実で重要な課題であります。
 第1に、県内の雇用情勢についてお聞きします。
 一つ、リーマンショック以後の事業主都合による離職者はどうなっているか。そのうち誘致企業による離職者、自動車・半導体関係はどうなっているでしょうか。
 有効求人倍率はわずかに改善しつつありますが、深刻な状況に変わりありません。臨時、非常勤がほとんどだと言われています。正社員の求人比率、正社員の就職率はどうなっているでしょうか。
 失業の長期化が指摘されています。県内の失業者の状況をどう把握されているでしょうか。ワンストップ・サービスの成果を合わせて年内にすべての地域で開催すべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 雇用対策につきまして、まず第1に、県内の雇用状況について、事業主都合による離職者についてでありますが、岩手労働局によりますと、平成20年10月から平成22年8月までの事業主都合による離職者数は延べ約6万3、000人となっています。また、誘致企業や自動車、半導体関係の離職者全体の数は承知していませんが、報道資料などから平成22年3月までの主な誘致企業の雇いどめ等の数は約7、800人、そのうち自動車関連産業は1、900人程度、半導体関連産業は2、600人程度であると把握をしております。
 正職員の求人比率及び就職率ということについてでありますが、岩手労働局によりますと、平成22年8月の新規求人数に占める正社員の割合は27.4%となっています。また、就職者数に占める正社員の就職率は25.8%となっています。
 失業者の状況とワンストップ・サービスについてでありますが、失業者数については、総務省の労働力調査による平成22年度第1・四半期の県内の完全失業者数は3万6、000人と推計されています。
 これまで5カ所において開催されましたワンストップ・デイ・サービスにおいては、生活資金、多重債務などさまざまな相談が寄せられ、対応をしてきたところであります。岩手労働局によると、12月までにすべての地域においてワンストップ・サービス・デイを開催する予定と聞いております。
〇斉藤信委員 正社員の求人倍率を改めて、0.91というのが一番新しいと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 岩手労働局によりますと、平成22年8月の新規求人数に占める正社員の割合が27.4%、また、就職者数に占める正社員の就職率が25.8%と聞いております。
〇斉藤信委員 それは間違いじゃないんですよ。私が言っているのは正社員の有効求人倍率、これは8月で0.19です。ほとんどが、有効求人倍率が改善されているといっても非正規、臨時が多い、このことだけは指摘しておきます。
 第2に、誘致企業による工場閉鎖、解雇・リストラへの対応についてお聞きします。
 ソニー千厩テックの退職者は、正社員590人のうち442人と報告がありました。富士通岩手工場は1、130人の再配置という人員削減でしたが、700人が退職されたと聞きました。再就職の状況はどうなっているでしょうか。そして、知事として、県として、この間、どう対応してきたのでしょうか。
〇達増知事 ソニーイーエムシーエス千厩テックについては、一関のハローワークから確認したところ、離職者数が423人、求職登録者数は366人、8月末現在で約6割が再就職したと聞いております。
 富士通セミコンダクター岩手工場については、北上及び水沢のハローワークから確認しましたところ、離職者数が727人、求職登録者数が599人、8月末現在で約3割が再就職したと聞いております。
 ソニー及び富士通側に対しましては、知事、副知事初め、県として退職者に対する再就職支援を行うよう強力に要請してきており、両者からも万全を尽くす旨の回答を得ているところであります。
〇斉藤信委員 万全を尽くす回答をいただいている割には、富士通は、私はかなり深刻だと思うんですよ。3割程度で。既にもう雇用保険の期間も切れている状況だと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 富士通の人事政策の内容についての質問であれば、この場では、私のほうからは、特にコメントは控えさせていただきたいと思います。
 (斉藤信委員「再就職の取り組みを聞いてるの、人事政策じゃなく。委員長、おれは聞いたんだから。人事政策を聞いているんじゃないんだよ」と呼ぶ)
〇達増知事 富士通の人事政策への不満をおっしゃられたと聞きましたので、その富士通の人事政策については、私のほうからは特に、そういう趣旨に対するコメントは控えさせていただきたいと答弁いたしました。
〇斉藤信委員 富士通の人事政策を聞いたんじゃないんですよ。再就職の取り組みが不十分じゃないかと。まだ3割程度ですよ。3割弱ですよ。もう雇用保険も切れているのではないかと。その点についてどうですかと。
〇達増知事 雇用保険の状況については、ハローワークに確認をする必要がありますので、ハローワークに対し確認をせよという趣旨の御質問であれば、今のその要望を受けて対応を詰めたいと思います。
〇斉藤信委員 関東自動車は県内最大の誘致企業であります。しかし、早々と派遣切り、期間工切りを行いました。雇いどめ・解雇の状況、再雇用の状況はどうなっているでしょうか。
 期間工の人員と比率はどうなっているでしょうか。4年も5年も期間工として正社員と同じように働いている期間工も少なくありません。正社員への登用が求められると思いますが、この4年間の正社員の登用はどうなっているでしょうか。
〇達増知事 関東自動車工業についてでありますが、岩手工場の期間社員数は、平成20年3月末時点において約1、240人、最も少なかった昨年8月末で約720人が減少したところであります。このうち、やむを得ず雇いどめを行った数は430人と聞いております。また、業績の回復に伴い再雇用した人数は250人と聞いております。
 ことし8月末現在の岩手工場全体の従業員数は約2、440人で、このうち期間社員は約750人、その比率は約30%となっております。
 正社員への登用数は、平成18年度から21年度までの4年間の実績で233人と聞いております。
〇斉藤信委員 次に、高校生、大学生の超就職氷河期の対応についてお聞きします。
 昨年度の卒業生、高校生、大学生の未就職者とその対応はどうなっているでしょうか。今年度の状況と対応はどうなっていますか。
 市町村独自の未就職者への取り組みが18市町村で実施されましたが、その状況と県の支援はどうなるでしょうか。
〇達増知事 昨年度卒業者の高校、大学の未就職者についてでありますが、昨年度卒業の高校、大学の未就職者数は、岩手労働局の発表によると、高卒未就職者は6月末で24名、大学では3月末で244名であります。
 未就職者への対応については、県では、ジョブカフェ等におきまして継続して就職支援を行っておりますが、現在までに157名を支援し、うち68名が就職決定しているところであります。
 さらに、就職が決まっていない方については、就職に向けた各種スキルアップ講座の開設、職業体験などを実施しておりまして、本年7月からは、県の時間雇用職員としても直接任用を行い、業務を通じて社会人としての基礎的能力向上が図られるよう支援をしております。
 今年度の状況と対応につきましては、来年卒業予定者の就職環境は昨年に引き続いて厳しい状況にありますことから、昨年度の経験を踏まえまして、就職支援相談補助員の増員、セミナー開設など、進路指導の強化に早期に取り組んでおりますほか、個別の企業を丁寧に訪問して求人要請を行っております。
 また、岩手労働局でも、岩手新卒者就職応援本部を設置して就職支援体制を整えていくこととしており、県としても、これら関係機関と連携して、新規学卒者へのきめ細かい就職支援に努めていきたいと考えております。
 そして、市町村の未就職者への取り組みについてでありますけれども、現在のところ、18市町村で制度化することとしており、対象者は150人程度と把握しておりますが、このほか数市町村でも制度導入を検討しており、対象者はさらに増加する見込みであります。
 県といたしましては、こうした市町村にその経費の一部を助成して支援をしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 じゃ、第4に、地域職業訓練センター北上コンピュータ・アカデミーについてお聞きします。
 施設の広域的機能、役割をどう認識しているでしょうか。国の財政支援策は示されたのでしょうか。県はどう支援するのでしょうか。花巻のポリテクセンターの県への譲渡にどう対応するのでしょうか。譲渡条件はどうなっているでしょうか。
〇達増知事 当該施設は、各地域における労働者の職業訓練を行う拠点として重要であると認識しております。
 去る9月22日、県及び市が共同で国からの財政支援について要望を行いましたところ、大規模修繕経費に関しては、県内の他の認定職業訓練校と同様の補助金制度を適用する方向で検討を進めるという回答がありました。同制度が確実に適用されるよう、関係市と協力して国に粘り強く働きかけていきたいと思います。
 また、北上コンピュータ・アカデミーのリース料についても、大規模修繕経費と同様の補助金制度を適用する方向で検討しているという回答でありましたが、新たに県と市の財政負担がふえることになりますので、引き続き国による財源措置を要望してまいります。
 独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止法案については、ポリテクセンター岩手の譲渡条件を含め、国会においていまだ審議がなされておりませんので、県としての対応については、お答えできる状況にないと考えております。
〇斉藤信委員 職業訓練センター北上コンピュータ・アカデミーは、重要な役割を果たしています。私は、国が県や市に負担を押しつけるのであれば、これは国の切り捨てだと、本当にこれは許せないと思いますよ。
 指摘だけにとどめて、次に、県内の常用雇用の89%を占める中小企業対策についてお聞きします。
 第1に、県内中小企業の実態についてどう把握されているか。倒産、廃業、経営状況、個人事業税の納税企業数・率はどうなっているでしょうか。下請単価の切り下げ、円高の影響をどう把握しているでしょうか。
〇達増知事 県内の中小企業の実態でありますけれども、まず、倒産については、民間信用調査機関によりますと、平成22年1月から9月末までの中小企業の倒産は58件、負債額は約138億円であります。
 廃業については、平成18年事業所・企業統計調査によりますと、企業規模別のデータはなく、全体では平成16年から平成18年の間の廃業事業所数は8、811となっています。
 法人事業税については、資本金1億円以下の法人では、平成21年度に税額が発生した企業数は5、231社、その割合は26%であります。
 取引単価の切り下げについては企業間の取引に関することであり把握はしておりませんが、8月と9月にいわて産業振興センターが行った訪問調査によりますと、取引先から取引単価の値下げ要請があるとした企業もあったと聞いております。
 円高の影響については、9月下旬に行いました金融機関への調査によりますと、現在のところ直接の影響は見られないが、今後、円高が長期に及ぶ場合は、受注の減少などの影響を懸念する企業もあると聞いております。
〇斉藤信委員 中小企業が元気になってこそ、雇用も守れるし内需も拡大される。中小企業対策は、経営支援、技術支援、営業支援、ネットワークの構築など総合的な支援策が必要だと思いますが、県の中小企業対策の決算額、融資を除いてはどうなっていますか。
〇達増知事 中小企業に対しましては、県として、これまで経営の安定化を図るための資金繰り支援や相談対応による経営支援などを主な柱に、ものづくり産業、食産業などの県の新たな進むべき分野ごとに振興施策を決めて、きめ細かに実施してきたところであります。
 また、中小企業の支援をワンストップで総合的に実施する機関として、いわて産業振興センターを設置して、産学官連携の中核となり、県とともに中小企業振興施策を総合的に実施してきたところです。
 県の中小企業対策に係る平成21年度決算額は622億1、939万円余、決算額のうち融資を除いた額は38億7、781万円余となっています。
〇斉藤信委員 融資を除くとたった38億7、000万円。平成20年度は55億円でした。こんな低額で中小企業対策と言えるでしょうか。
〇達増知事 厳しい財政状況の中、いわて県民計画に掲げる国際競争力の高いものづくり産業の振興や地域資源型産業の振興など、重点分野を定めて集中的に予算を配分するなど、効率的な執行に努めてきたところであります。
〇斉藤信委員 どうも答弁になっていないんだけれどもね。中小企業の総合的な支援を強化する上で、私は、県の体制、予算を抜本的に強化すべきだと思います。
 政府も中小企業憲章、そして千葉県など15道県が中小企業振興条例を制定していますが、特に先進的な千葉県の条例を岩手県はどのように受けとめていますか。
〇達増知事 中小企業は、多分野、多業種にわたりますので、組織上も、ものづくり、食産業、観光など分野ごとに窓口を設けて、きめ細かく対応しているところであります。
 予算についても、厳しい財政事情を勘案しながら、重点的かつ効率的な執行に努めているところであります。
 お尋ねのありました憲章、また条例の目指すところは、昨年12月に策定しましたいわて県民計画と同じものと考えておりまして、県民計画に盛り込んだ各分野の政策項目の着実な実行が肝要と考えております。
〇斉藤信委員 予算は減らしていて、どこが同じ方向なんですか。全然違いますよ。千葉県がどういう取り組みをしているかわかりますか。
〇達増知事 千葉県の中小企業振興条例に基づく千葉県の中小企業振興施策の内容についてお知りになりたいということでありましたら、県のほうとして、そういう要望を正式にいただきましたら検討させていただきたい─要望があったということで検討させていただきたいと思います。(斉藤信委員「いやいや、私は知っていて聞いてるの」と呼ぶ)
〇斉藤信委員 私が質問したら県民計画と同じだと言うから、違うよと私は言っているんですよ。千葉県は、中小企業元気戦略を立てて、毎年、中小企業の総合的な対策を明らかにして、来年度の中身まで示していますよ。全然知らないですか。
〇達増知事 この前も千葉で国体がございまして、千葉県に行って、いろいろまちの様子等々も見る機会がありましたけれども、国体の開会式の会場でありますとか、それを取り巻くまちの様子でありますとか、かなり岩手県とは違うなという印象を受けましたので、千葉県の中小企業振興施策に岩手県の施策と違うところがあるとすれば、それにも理由があるのかなと思います。
〇斉藤信委員 知事、ぜひ研究してください。
 米価暴落対策についてお聞きします。
 第1に、現在の米価の暴落で県内の米の生産額はどれだけ減少したでしょうか。農家の減収はどうなっているでしょうか。国の戸別補償の見込み、生産費を賄えないと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 米価の下落による生産額の減少額ということでありますけれども、本県の平成22年産米の販売が先月、9月開始されておりますが、この9月末時点で、全農が設定した岩手ひとめぼれの相対契約基準価格が60キログラム当たり1、451円の減少となっていて、それに県産米の出荷見込み数量を乗じますと、県全体では約55億円の減少と見込まれます。
 概算金が引き下げられたことによる農家の減収額については、全農岩手県本部が先月決定した概算金について、ひとめぼれの引き下げ額3、600円を用いて試算いたしますと、農家の減収額は約136億円と見込まれます。ただし、概算金は米代金の仮渡し金でありますので、今後の販売実績に基づく精算が伴いますので、この試算額がそのまま農家の減収額になるものではないと考えております。
 国の米戸別所得補償モデル事業による交付額の見込みについてでありますが、10アール当たり1万5、000円が交付される固定部分については、県全体で約65億円が年内に交付される見込みです。これに加えて、平成22年産米の販売価格が過去3年の平均価格を下回った場合には、変動部分が3月までに交付される見込みであります。
 生産費を賄えない状況ではないかというお尋ねについてでありますが、概算金の引き下げによって、農業者の方々が大きなダメージを受けたものと認識しております。モデル事業の固定部分と変動部分が交付されて、生産費の不足分と販売価格の下落分が補てんされることで、県内の農業者の方々への影響は緩和されるものと考えております。
〇斉藤信委員 136億円の減収というので、もう来年、米やめようかと、今、本当に農家は深刻です。私は、一番の問題である40万トンの過剰米を備蓄米として早く買い上げて、価格安定に責任を持たせると。
 知事、これをいち早く知事が政府に申し入れるべきだと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 この過剰米の発生によって、県内の米生産農家をめぐる環境が極めて厳しい状況になっているということは、県としても認識しております。米の需給調整に係る緊急対策が必要と考えておりまして、既に国に対して、過剰米について、非主食用へ仕向ける緊急措置を講ずるよう提案しているところでありますけれども、さらなる政府の買い入れについて提案をしていきたいと思います。
〇斉藤信委員 こういうときこそ知事の出番なんですから、岩手県民の期待を背負ってぜひやっていただきたい。
 次に、医療と国保の問題についてお聞きします。
 民間移管された花泉診療所の運営状況は、県医療局に提案された事業計画と違っているのではないか。県としてどう指導、改善を求めてきましたか。
〇達増知事 花泉診療所の指導、改善についてでありますが、まず、常勤医師の体制について、事業計画では2名としていたところでありますが、4月以降、医療局において常勤医師の確保と入院患者の受け入れを行うよう繰り返し要請して、7月には現在の常勤医師1名が着任して8月から入院患者を受け入れているところであります。
 現在も、法人においては、さらなる常勤医師の確保に向けて全力で取り組んでいると聞いておりますが、引き続き、常勤医師が確保されるよう要請をしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 常勤医師2名を確保したというので事業計画を出して、県医療局が契約したのではないですか。これは契約違反だったのではないですか。
〇達増知事 契約の解釈につきましては、関係部局の審査で確認をお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 だめだ、答弁不当だ。じゃ、仕方ない。
 国保税は最も重税感が重い課題ですけれども、国保加入者の平均所得と国保課税額、資格証明書、短期保険証の発行状況、短期保険証のとめ置きの状況はどうなっているでしょうか。無保険、保険証取り上げの状況をどう認識しているでしょうか。保険証取り上げはやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。国保の広域化は、国保税引き上げにしかならないと思いますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 まず、国保加入者の平均所得と国保税課税額についてですけれども、平成20年度における1世帯当たりの平均所得額は122万円、国保税課税額は14万7、000円となっております。
 資格証明書、短期被保険者証の交付状況等についてでありますが、平成22年9月1日現在、資格証明書は25市町村、992世帯、短期被保険者証は34市町村、1万4、772世帯となっています。
 短期被保険者証が1カ月以上未交付となっているものは、平成22年9月1日現在で23市町村、1、520人となっています。
 特別の事情がない1年以上の滞納者に対して、被保険者証にかわり交付が義務づけられている資格証明書については、市町村において、滞納者の納付相談の機会を確保するためには必要な仕組みと考えておりますが、具体的に資格証明書の交付に当たっては、市町村において滞納者個々の事情に配慮してきめ細かな対応が行われているものと認識しており、県としては、今後ともこの制度の適正な運用が図られるよう、市町村に対し適切に助言していきたいと考えております。
 国保の広域化についてでありますが、市町村国保の広域化については、現在、国の高齢者医療制度改革会議において、新たな高齢者医療制度のあり方とともに、都道府県単位化の検討がなされているところでありますが、国においては、将来の医療費推計に基づいた具体的な財政負担の考え方などについては、今後、改革会議に示して検討を行うとしておりまして、現時点では、国保の広域化が国保税の引き上げにつながるものかどうかは、判断できる段階ではないと考えております。
 県としては、医療保険制度などのセーフティネットについては、基本的に国が責任を持って行うべきものと考えておりまして、国民健康保険制度についても、国の財政責任を明確にしながら、十分な議論を尽くすよう、全国知事会等を通じて国に要請していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 国保の課税対象額は89万円です。そして、国保調定額は14万7、000円。これは高過ぎて払えないと思いませんか。
〇達増知事 国保の支払いに関する個別具体的な状況についてお知りになりたいということであれば、県として対応を検討させていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 どうも質問に答えないですね。高過ぎて払えないじゃないかと、知事の認識を聞いているんですよ。
〇達増知事 高過ぎるのではないかという問題意識をお持ちだということについては理解いたしますが、その結果、払えているかどうかという個々の具体的な状況については、そういった個々の状況をお知りになりたいのであれば、相談をさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 わかっているから聞いているんですよ、厳しいから。
 1、400万円の知事車の購入についてお聞きします。
 県民の感覚から外れているのではないですか。副知事車は7年間で7万キロしか走っていないのを577万円で買うなんてとんでもない話じゃないですか。
〇達増知事 今回の知事車の購入は、既に更新基準に達していた知事車について、知事の職責等を勘案して、安全性を特に重視する必要があり、また、県の重要施策の一つであります地球温暖化対策推進という観点から行ったものであり、妥当なものと考えております。
 副知事車の更新についても、同様に妥当なものと考えております。
 なお、更新前の知事車、副知事車は、一般の公用車としては十分使用することが可能でありますので、所管がえを行って、一般の公用車として再活用しております。
〇斉藤信委員 使えるのに買ったということでしょう。あの7万キロというのは一番走りのいいときですよ。そして、何で副知事は577万円で知事は1、400万円なんですか。
〇達増知事 それぞれ更新基準に達していた車両について、適切に購入を行ったということでございます。
〇斉藤信委員 更新基準を見直すべきだと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 県政の予算に関するあらゆる事柄については、さまざまな技術の進歩でありますとか、社会経済情勢の変化に伴って、予算の調製についても、毎年、基本的にゼロベース、白紙から考えていこうという方針でやっておりますので、そういう意味では、御指摘の部分についても、今あるものを絶対化することはございません。
〇斉藤信委員 簗川ダム、津付ダムの国の検証、見直しはどう進めますか。
〇達増知事 国の見直し方針は、厳しい財政状況の中で、国民生活にとって必要なものは何かを考え、税金の無駄遣いをなくし、不要不急な事業を根絶するとともに、住民の理解に基づいて事業を進めるべきというものでありまして、基本的に国民の利益に資するものと考えております。
 9月28日付で簗川ダムと津付ダムについて、国土交通大臣から検証の要請が出され、検証方法については、有識者会議から出された中間とりまとめをもとに作成したダム事業に係る検討に関する再評価実施要領細目が同時に示されております。
 県は、この細目に基づいて検証作業を始めたところであります。今後、対応方針の原案を作成した上で、大規模事業評価専門委員会の意見も聞き、対応方針を決定して、国土交通大臣に報告するという段取りとなります。
〇三浦陽子委員長 次に、小野寺好委員。
   〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党小野寺好であります。
 平成21年度は、県立の5地域診療センターが4月に無床化され、さらに、このうち花泉地域診療センターは、年が明ければ民間に移管されるという事態になり、大変な年になりました。それでもなお県立病院の経営は深刻な状況が続いております。
 そこで、まず、医療問題についてでありますが、救急医療について伺います。
 かつて救急患者のたらい回しが社会問題になりましたが、県内における受け入れ拒否は、その後どのように改善されているか、また、救急車の到着までの所要時間、さらに現場から病院までの搬送時間短縮にどのような努力がなされたか伺います。
 県高度救命救急センターでは、沿岸など遠隔地の消防本部の救急車も見かけますが、かなりの時間を要しているのではないかと思います。どのような場合に盛岡まで搬送されてきているものなのか伺います。
 また救急車では間に合わずヘリコプターを要請することもあったかと思いますが、平成21年度の救急搬送に防災へリが使われた実績はいかがでしょうか。
 なお、隣県とのドクターヘリ要請に関する協定については、その後、協議がなされたかどうか伺います。
〇菅野総務部長 県内における救急患者の受け入れの状況でございますが、消防庁と厚生労働省の調査結果によりますと、対象件数6、025件のうち、照会回数1回で受け入れされたものが5、501件、全体の91.3%でございまして、前年と比較いたしますと1.17ポイント低下しております。ただ、国において救急搬送がおおむね円滑に行われていると判断されております照会回数3回以内での受け入れ件数は5、968件と全体の99.05%になっておりまして、これは、前年度とほぼ同様の水準になってございます。
 これらのことから、本県におきましては、おおむね救急患者の受け入れが円滑に行われているものと考えてございます。
 次に、救急搬送にかかる時間短縮の努力についてでありますが、消防本部におきましては、いわて医療情報ネットワークを活用いたしまして、あらかじめ、当日受け入れ可能な医療機関を事前把握しておくと。救急患者が発生した場合、そこからやるのではなくて、あらかじめそういう対応をやっていることや、道路管理者と連携いたしまして、救急搬送ルート等の道路改善を進め、幾らでも搬送時間を縮める、こういった努力を行っているところでございます。
 次に、岩手県高度救命救急センターへの搬送事案についてでございますが、これは、それぞれの消防本部の管内医療機関におきまして、診療科の問題、具体的に申しますと、やはり診療科がないですとか、手術等が緊急に必要で処置が困難であるとか、それぞれ個別の事案に対応いたしまして救急センターへの搬送を行っているところでございます。
 さらに、防災ヘリコプターの実績でございますが、平成21年度における防災ヘリコプターの救急出動は61件ございました。そのうち、転院搬送が33件、救助救急等が28件でございまして、これは、防災ヘリコプターの年間運航件数が320件ございますが、約20%を占めておりまして、年々この割合が増加しているという状況にございます。
 それから、救急医療のいわゆるドクターヘリにおける他県との関係でございますが、これは、現在、所管部において検討しているものと考えてございますが、それに至るまでの間は、今、委員から御指摘ありました防災ヘリによる対応を行っているところでございますが、防災ヘリにつきましては、いわゆる何らかの事情で出動できない場合、これは青森県に限らず、北海道、東北6県、新潟県と協定を結んでございまして、そういった協定に基づき、本県の防災ヘリが出動できない場合においては、適切に対応しているところでございます。
〇小野寺好委員 次に、臍帯血移植について伺います。
 これは、白血病や重い遺伝病などの治療法として非常に有効であることが知られています。これまで6、000例を超える移植がなされ、岩手医科大学附属病院でも行われたと伺っています。
 臍帯血には、採取、保存、搬送等、経費と手間がかかるという問題があり、全国11カ所の臍帯血バンクがネットワーク化され、ボランティアの皆さんに支援されていると聞いています。
 本県の状況はいかがでしょうか。
〇宮舘副知事 臍帯血移植についてでありますが、登録病院であります岩手医科大学附属病院に確認しましたところ、臍帯血の搬送につきましては、臍帯血の保存、搬送等を行っております臍帯血バンクから航空便で搬送していただいていると伺っております。
 全国的には、首都圏などにおきまして、ボランティアが臍帯血の搬送等を支援しているところもあると聞いておりますが、東北地域唯一の臍帯血バンクでありますNPO法人宮城さい帯血バンクにおきましては、ボランティアには依頼していないと聞いております。
〇小野寺好委員 医師確保について伺います。
 これは県政の最重要課題であるとともに、各市町村にとっても同様であり、深刻の度を増しています。厚生労働省が実施した必要医師数実態調査では、本県に必要とされる医師数は現在の1.4倍に当たる2、240人で、不足率は全国ワーストワンでした。
 医療局や県保健福祉部では、他県からの医師招聘や医学生養成に懸命の努力をしておりますが、本県の奨学金制度に関し、平成21年度の新規貸し付けと継続分の学生数及び医師の資格を得て就業したのは何人だったでしょうか、お伺いします。
 一方で、県の奨学金のお世話になったが、本人が将来の方針を変え、県への義務履行ができなくなったという例などあったとしたら、お示しください。
〇宮舘副知事 平成21年度における医学生への奨学金の貸付状況等、3点の御質問がございました。
 まず、医学生への奨学金の貸付状況につきましては、市町村医師養成事業、医療局医師奨学資金貸付事業及び県医師修学資金貸付事業─いわゆる岩手医大の地域枠の三つの奨学金制度がありまして、平成21年度には、新たに43名が奨学金の貸与を受けております。
 また、昨年度におきましては、従前からの制度も含めまして、新規、継続分を合わせて、全体で150名が奨学金の貸与を受けたところでございます。
 また、奨学金制度を利用して養成された医師の勤務状況につきましては、従前からの制度を含む全体で37名が臨床研修中でありまして、14名が県立病院において勤務したところであります。
 それから、3点目でございますが、県の奨学金を利用して、義務履行できなくなった事例につきましては、医療局医師奨学資金貸付事業におきまして、これまで9名が、県外大学で修学後、引き続き県外の病院に勤務したことなどによりまして、県立病院での勤務が困難となったため奨学金を返還した事例がございます。
 今後におきましても、奨学金の貸与を受けた医師個々のライフプランやキャリア形成等にも十分配慮したきめ細やかな対応を行うことによりまして、県内での義務履行及び定着に確実につながるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 次に、子供の安全について伺います。
 子育て支援の一環として乳幼児医療費の助成制度がありますが、現在は、小学校就学前までで入院、通院がカバーされるようになりました。
 平成21年度決算書には、乳幼児、妊産婦医療費助成5億6、200万円余となっていますが、このうち乳幼児医療費は幾らだったでしょうか。また、医療費助成の対象を小学6年までとした場合、入院だけ、あるいは入院も通院も可とした場合、さらに幾ら要すると試算されるか伺います。その上で、今後の県の拡大方針を伺います。
 なお、県内の市町村の中には、県の制度に上乗せして対象を広げているところもあると聞きますが、現在のその実態を伺います。
〇宮舘副知事 乳幼児医療費助成制度についてでありますが、大きく4点質問がございました。
 まず1点目でございます、平成21年度における乳幼児医療費助成の対象となった医療費は57億円余となっておりまして、これに対する乳幼児医療費助成に要した県費は4億2、000万円余でございます。
 それから、2点目でございますが、助成の対象を小学6年までとした場合に要する県費でございますが、入院医療費に対する助成に要する経費といたしまして約8、000万円、それから、入院以外の医療費に対する助成に要する経費といたしまして約3億2、000万円、その他、市町村が審査支払機関に支払う手数料に対する助成に要する経費といたしまして約2、000万円、合計約4億2、000万円と見込まれます。
 それから、3点目ですが、乳幼児医療費助成制度の対象者を小学生まで拡大した場合は、今申し上げましたとおり、多額の経費を要することから、直ちに対象者を拡大することは、現在の厳しい財政状況から考えますと困難であると考えております。
 また、この制度は市町村と共同で運営していることから、すべての市町村が足並みをそろえて取り組むことが重要であると考えておりまして、対象者を拡大した場合には、市町村にも新たに多額の財政負担が生じることとなります。
 したがいまして、県といたしましては、市町村の意見も伺いながら、引き続き県単医療費助成制度のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 最後に、市町村の上乗せの実態でございますが、小学校1年生まで対象を拡大しているのが1町ございます。それから、小学校卒業までが5市町、中学校卒業までが8町村、高校卒業までが1町となっている状況でございます。
〇小野寺好委員 次に、子供のアレルギーについて伺います。
 奥州市胆沢区の小学校がシックスクールでパニックになっているとの報道がなされました。シックスクール対策が必要なことは十分承知していたはずですが、どのような手が打たれていたか伺います。
 また、最近の小・中学生のアレルギー症状に関し、特に化学物質や食べ物について、どのような調査結果が出ているか伺います。
 卵とか牛乳など、特定の食材に対しアレルギー反応を示す子供に対し、学校給食の現場ではどのように対応しているのかについてもお示しいただければと思います。
〇宮舘副知事 シックスクール対策についてでありますが、奥州市立胆沢第一小学校の校舎大規模改修工事の施工に当たりましては、日本工業規格品(JIS)や環境配慮型製品など、できるだけ化学物質放散量の少ない建材料を選定するなど、文部科学省が定めております学校環境衛生の基準や学校環境衛生管理マニュアル等の指針に従って施工されたものと伺っております。
 しかしながら、シックスクール症候群の発症という残念な事態となりまして、その後、奥州市におきましては、全クラスへの換気扇の設置や夏休みの期間を利用してのベークアウトと強制換気の実施など、室内空気環境の改善に向けた各種対策が講じられたものと承知しております。
 それから、アレルギー症状を起こす化学物質や食物についてでありますが、化学物質に係る調査状況でございますが、小中学校における化学物質による健康障害の状況につきましては、平成20年6月に調査を実施しております。その結果によりますと、化学物質による健康障害があるとした児童生徒のうち、医師に診断された児童生徒は、シックハウス症候群が中学生で1名、化学物質過敏症は小学生が2名、中学生が5名となっております。
 また、保護者からの申し出があった児童生徒は、シックハウス症候群が小学生で33名、中学生が9名、化学物質過敏症は小学生が9名、中学生が41名という状況でございます。
 それから、食物アレルギーに係る調査状況でございますが、毎年実施いたしております学校給食状況調査で実態調査を行っているところでありまして、本年5月1日時点では、何らかの食物アレルギーを有する児童生徒は、小学校では1、255人、全体の1.7%、それから中学校で647人、これも1.7%という状況でございます。
 それから、学校給食でのアレルギーに対する対応でございますが、児童生徒の食物アレルギーの状況につきましては、各学校におきまして、年度当初に保護者に対し実施いたします保健調査により把握しているところでありまして、学校給食の献立内容の詳細を事前に保護者に知らせているほか、児童生徒一人一人の状況に応じまして、きめ細やかに対応しているところであります。
 個別の対応といたしましては、主に、アレルギー物質を取り除いた除去食や、アレルギー物質が入らない別の食品にかえる代替食がございます。
 なお、給食施設等の事情によりまして除去食等の対応が難しい場合にありましては、家庭と連携の上、児童生徒の状況に応じて、担任及び栄養教諭等が食べ方の指導を行っているところであります。
 また、多くの食品にアレルギー反応を示すため学校給食において対応が難しい場合は、弁当を自宅から持参してもらっている例もございます。
 これらの措置を講じていることにより、学校現場での食物アレルギーに関する事故は発生しておりません。
〇小野寺好委員 児童虐待について伺います。
 なかなか解消できない大きな社会問題で、被害は年々拡大しています。平成21年度に本県で児童相談所に寄せられた児童虐待ではないかとの通報はいかほどであったか、また、面会を拒否されたなど、児童の安否確認ができなかった事例などあったかどうか、実態を伺います。
 裁判所の許可で強制的に立入調査ができるようになりましたが、その手続が煩雑だとか、児童相談所の人手が足りないなどとも言われています。本県の実態と今後の課題はいかがでしょうか。
 なお、乳児院、児童養護施設の受け入れ実態、受け入れ事由はどのような状況にあるかもお示しいただければと思います。
〇宮舘副知事 児童虐待についてでありますが、平成21年度に県内の児童相談所が児童虐待の通告に対応した件数は293件ございました。前年度と比較いたしまして20件、7.3%の増加となっております。
 なお、児童の安否確認ができなかった事例は、見られなかったところでございます。
 次に、裁判所の令状のもとに強制的に行う臨検、捜索の実態につきましては、平成20年度には1件ございましたが、21年度にはなかったところでございます。
 この臨検、捜索につきましては、これまでマニュアルが示されなかったことから事前にさまざまな検討を要するなどの課題がありましたが、本年9月に国から具体的な手引が示されたことから、今後は、これを参考にして対応に万全を期してまいりたいと考えております。
 また、児童相談所の職員体制につきましては、これまで件数の増加や事例の複雑化に対応するため児童福祉司の増員を図ってまいりましたが、本年度からは、さらに1名増員して、現在24名の体制となっております。
 次に、乳児院の入所状況についてでありますが、10月1日現在、県内2カ所で、定員40人に対しまして入所児は35人となっておりますが、このうち虐待を受けた乳幼児は14人となっております。
 また、児童養護施設につきましては、県内6カ所で、定員が364人でございますが、入所児童は317人となっておりまして、虐待を受けた児童は190人となっております。
〇小野寺好委員 最後に、雇用確保について伺います。
 平成21年度主要施策の成果に関する説明書によると、県内で希望どおりに就職できるような雇用環境の改善が進んでいますとか、県北・沿岸圏域で職を求める者についても正規雇用で採用される環境の整備が進んでいるなど、達成度がすべてAという評価になっていますが、このことに関し、以下、質問いたします。
 まず、新規高卒就職者の1年目離職率が20.6%ということですが、非常に高いのではないかと思いますが、県の認識、他県との比較はいかがでしょうか。
 就業支援員の人的体制やキャリア教育、インターンシップは十分でしょうか、伺います。
 離職、転職で思うようにならなかった若年求職者にとって、ジョブカフェいわてや地域ジョブカフェは、本人の適性を自覚させたり、スキルアップを図るなど、非常に重要な役割を果たしていると思いますが、具体的な取り組みと成果を伺います。また、ハローワークとの連携はいかがでしょうか。
〇上野副知事 まず、新規高卒就職者の離職率についてでございますけれども、平成21年度に実績が明らかになることとなっております平成20年3月卒の高卒者の方の1年目の離職率につきましては、これは、統計の数字が少し時がたつにつれて動いたりするんですが、直近の統計で申しますと、本県が20.5%となっておりまして、全国平均が19.5%でございまして、これに比べまして1.0ポイント上回っているという状況にございます。次の年の平成21年3月卒の方につきましては、本県が17.7%、全国平均17.1%に近づいてきているという状況でございます。
 次に、就業支援員の体制についてでございますけれども、現在、各広域振興局を中心に39名を配置いたしておりまして、平成21年度には、学校訪問2、860件、事業所訪問4、929件を行うなど、高校生の就職支援と就職先での職場定着を支援いたしたところでございます。
 最後に、キャリア教育、インターンシップについてでございますが、キャリア教育につきましては、平成22年3月に岩手キャリア教育指針を策定いたしまして、8月には、いわてキャリア教育の手引というものを策定いたしております。これに基づきまして、生徒が将来、社会人、職業人として自立していくための能力の育成に取り組んでいるところでございます。
 次に、インターンシップにつきましては、県内高等学校生徒全体の半数程度が体験いたしておりまして、特に専門学校では、すべての生徒が体験をいたしているという状況でございます。
 それから、次に、ジョブカフェなどの具体的な取り組み、成果についてでございますが、ジョブカフェなどでは、若年求職者等に対しまして、就職に関する相談や面接などのスキルアップに向けた一連の支援を専門のカウンセラーが行っておりますが、このほか、職業観の醸成を目的としたセミナーや企業とのマッチングを図る合同企業面接会を開催するなど、就職に関する支援サービスを総合的に提供いたしております。
 こうした活動を通じまして、平成21年度実績といたしましては、ジョブカフェなどでは、延べ5万550人に利用いただいておりまして、3、069人が就職をされたところでございます。
 ハローワークとの連携についてでございますが、ジョブカフェなどでは職業紹介ができないということから、ハローワークとの緊密な連携のもと、個人に対しまして、ジョブカフェ等でそれぞれの適性に応じたスキルアップを図りながら、ハローワークの職業紹介へと結びつけたり、就職面接会や各種セミナーに関する調整を図りながら、若年者の方の就職に役立つ支援を進めているところでございます。
〇小野寺好委員 さきの自公政権が創設した訓練・生活支援給付制度は大変有効で、さらに延長する見込みであるという報道もあります。県内での利用状況はどうでしょうか。また、雇用調整助成金の活用状況はいかがでしょうか、伺います。
 最後に、知事にお伺いします。
 雇用・労働環境の整備に関する目指す姿指標で、達成度がすべてAと評価されていますが、改めて、岩手県経済・雇用対策本部長でもある知事として、これまでの取り組みをどう評価されているのか、また、今後とも喫緊の課題である雇用対策にどのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いします。
〇達増知事 雇用対策に対する評価と今後の意欲についてということで、世界同時不況によって悪化した雇用情勢を、まずはリーマンショック以前の状況に近づけるべく、これまで雇用対策基金事業や中小企業向け融資枠の拡大など、最大の努力を払って種々の施策を講じた結果、雇用情勢は改善傾向にあり、大きな効果があったものと考えております。
 現在、円高等の不安定要素もありますし、依然として予断を許さない状況にあると考えておりまして、今般の国の追加経済対策等と連携をしながら、引き続き、雇用環境の改善が図られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
〇上野副知事 訓練・生活支援給付制度などについての利用状況についてのお尋ねでございますが、まず、訓練・生活支援給付制度につきましては、これは、県及び雇用・能力開発機構が実施いたしております公共職業訓練、及び中央職業能力開発協会より認定を受けました民間教育訓練機関などが実施いたしております基金訓練の受講者が申請できるものでございます。
 岩手労働局によりますと、平成21年度は、これらの訓練受講者のうち、公共職業訓練分は196名、基金訓練分は495名、合計691名の方が訓練・生活支援給付の申請をされていると聞いておるところでございます。
 また、平成21年度の雇用調整助成金の計画受理件数は、延べ6、620事業所、20万8、377人と聞いておるところでございます。
〇三浦陽子委員長 次に、阿部富雄委員。
   〔阿部富雄委員質問者席に着く〕
〇阿部富雄委員 ものづくり産業の振興についてお聞きします。
 ものづくり産業の振興は、つくる、育てる、誘致するに尽きると思います。育てるについて、新規取引開拓件数は、平成21年度までに、半導体関連、自動車関連合わせて32社あったとしていますが、中核としている自動車、半導体、医療機器関連のアクションプラン期間内の年度別の新規参入、取引件数、雇用の創出はどうであったのか、お聞きします。
〇上野副知事 自動車、半導体、医療機器など、中核分野の新規参入及び取引件数についてでありますが、平成21年度は、新規参入が2社、新規取引受注が12社となっておりまして、平成22年度は、9月末現在でございますが、新規参入が2社、新規取引受注が4社となっております。また、雇用につきましては、平成21年度に、自動車、半導体分野で718人の新規雇用が創出されたと把握をいたしております。
〇阿部富雄委員 自動車関連産業といえども、景気に大きく左右されて受注減ということもありましたし、さらには高度な品質、さらにはコストの削減というのが常に求められているわけであります。
 自動車関連取引企業の取引額あるいは業績についてはどのような状況にあるのか、お聞きいたします。
〇上野副知事 恐縮ですが、ちょっと手元に資料がございませんで、部局審査の段階で御説明させていただければと思っております。
〇阿部富雄委員 金をかけてやっているわけですから、企業の取引高であるとか業績については、きちっと把握しながら対策を行うというのが私は普通のやり方だと思いますので、そこはきちっと対応していただきたいと思います。
 次に、誘致するについては、県経済の進展に大きく貢献することにつながりますが、中核以外の製造業の誘致や雇用の創出はどのような状況にあるのか、お聞きします。
〇上野副知事 お尋ねの自動車、半導体、医療機器以外の製造業の誘致や雇用の創出についてでございますけれども、平成21年度の誘致実績は全体で11社ございますが、このうち、自動車などのいわゆる中核分野以外の会社の誘致については10社となっております。また、今後の予定を含めました雇用人数は314人となっております。
 次に、平成22年度は、9月末現在でございますが、全体で13社のうち中核分野以外は9社となっておりまして、雇用人数は130人となってございます。
〇阿部富雄委員 次に、つくるについてでありますけれども、既存の地場産業を初め、立地企業などによる生産が大きなウエートを占めております。地場産業、立地企業の研究開発の推進や支援はどのような状況にあるのか、お聞きします。
〇上野副知事 研究開発の推進や支援の状況についてのお尋ねでございますが、まず、研究開発の推進につきましては、自動車、半導体、医療機器関連で、大学などの技術シーズを活用いたしました研究開発が、平成21年度は6件、平成22年度は5件という状況にございます。
 また、研究開発の支援につきましては、平成21年度は、県におきまして、企業の生産技術の高度化や試作開発などの取り組みを支援する補助制度を創設いたしまして、医療用コバルト合金の加工技術開発など39件について支援を行ったほか、平成22年度は、医療機器の試作開発を支援する新たな補助制度を創出したところでございます。これにつきましては、寄せられた御提案につきまして、現在、採択に向けた審査を行っているところでございます。
〇阿部富雄委員 そこで、つくる、育てる、誘致するについて一通り聞いたわけでありますけれども、東京商工リサーチの調査によれば、つくるを担う県内企業の倒産、負債額が1、000万円以上でありますけれども、件数、負債額とも高い水準で推移しております。
 県内企業の倒産はどのような状況にあるのか、知事の任期である平成19年から22年までの推移をお示し願います。あわせて、これらにどのように対応してきたのか、お聞きします。
〇達増知事 県内企業の倒産の状況についてでありますが、平成19年から平成22年までの県内製造業の企業倒産状況は、平成19年が12件、負債額20億円、平成20年が15件、負債額77億円、平成21年が9件、負債額15億円、そして本年が9月までの時点で11件、負債額57億円となっております。
 倒産防止や経営安定に向けた対策につきましては、県では、商工団体等と連携をとりながら相談窓口を設置するなどして、企業からの経営や金融相談に対応してきたところであります。特に、資金繰りが悪化した企業への対策として、中小企業経営安定資金の融資枠を、平成20年度では180億円から400億円、21年度では300億円から600億円に拡大するなど、機動的に対応してきたところであります。
〇阿部富雄委員 今、倒産の状況についてお聞きしましたが、これによって850人を超える方が失業しているという実態があるわけですね。それから、各職業安定所の窓口において把握した企業の整理または合理化による5人以上の人員整理の状況も、中小企業のみならず、従業員300人以上規模の企業においても行われております。ものづくり関連分野製造品出荷額が大きく落ち込むとともに、本県経済や雇用に大きな影響を与えています。こうした企業整備届はどのような状況にあるのか、平成19年から22年までの推移をお示し願います。
 効果的な対応は、企業整備届け出前の情報収集や事前の対応と思いますが、知事はどう対応してきたのか、その成果はどうであったのか、お聞きします。
〇達増知事 企業整備届についてでありますが、平成19年から平成22年までの県内製造業の企業整備届の状況は、岩手労働局によりますと、企業整備届における県内製造業の解雇人数は、平成19年度が923人、平成20年度が2、622人、平成21年度が2、765人、今年度は8月までで683人と聞いております。
 事前の対応等についてでありますが、企業整備届は、国において、離職者に対して再就職支援などを図る必要があるために事業者に情報を求めているものでありますので、その個別の内容が非公表となっております。県におきましては、独自に、日ごろから企業訪問、経営相談、立地企業へのフォローアップなどを行いまして、県内企業の実情を把握して、企業への経営支援に努めているところであります。
〇阿部富雄委員 この企業整備届でも、約1万5、000人ぐらいが人員整理されているという実態ですね。いわて県民計画で示されている新規参入取引数、誘致数をはるかに超える県内企業や立地企業の倒産、縮小、撤退が現実としてあるということを直視しなければならないと思います。
 県は、中小企業経営安定資金の融資拡大などを進めていますし、国においても、08年10月施行の景気対策緊急雇用制度や、09年12月施行の中小企業金融円滑化法、雇用調整助成金制度などで対応がされているわけでありますが、こうした金融政策が倒産発生の抑止力になった時期もありましたが、依然として、倒産、縮小、撤退が後を絶ちません。
 中小企業経営安定資金の融資枠拡大の活用や雇用調整助成金制度の活用はどのような状況にあるのか、どのような効果をもたらしたと考えているのか、お聞きします。
〇上野副知事 金融政策などの活用状況とその効果についてでございますけれども、まず、中小企業経営安定資金の融資実績につきましては、平成19年度が647件の140億円、平成20年度は2、072件で423億円、平成21年度は2、500件、420億円、平成22年度につきましては、8月末まででございますが916件、137億円となっております。
 民間信用調査機関の分析によりますれば、経営安定資金を初めとする金融支援策が倒産発生の抑止効果を発揮したものと評価をされているところでございまして、県といたしましても、資金繰りに苦慮しておられます県内企業の経営安定に大きく寄与したものと考えております。
 それから、雇用調整助成金の活用状況と効果についてでございますが、岩手労働局によりますと、雇用調整助成金などに係る計画届け出受理件数は、平成19年度は延べ23事業所で対象者が726人、平成20年度以降はたび重なる制度改正が行われましたのでかなりふえておりますけれども、平成20年度が1、233事業所、6万5、656人、平成21年度が6、620事業所、20万8、377人、22年度は8月末までで2、250事業所、5万4、538人となっております。
 この間の活用状況を見ますと、本年度に入ってから減少傾向が見られまして、雇用環境が改善に向かってきていることから、県内の企業の雇用維持に効果があったものと考えております。
〇阿部富雄委員 雇用調整助成金の対応というのは、人員整理の可能性が非常に高いものだと私は思っております。緊急保証制度が来年3月末で終了することを考えれば、具体的な追加対策が望まれるところですけれども、雇用調整助成金などの対応も必要であると思われますが、今後どのように対応されていくのか、お聞きします。
〇達増知事 今般、閣議決定された国の緊急総合経済対策には、来年度も引き続き借換保証やセーフティネット保証などの中小企業の資金繰り支援のほか、本年12月からの雇用調整助成金の要件緩和などが盛り込まれておりまして、県としては、施策の具体的な内容を把握しながら、的確に対応してまいりたいと思います。
〇阿部富雄委員 そこで、今後の支援のあり方でありますけれども、県は、自動車、半導体、医療機器関連に力を入れているという県民に与えている印象を、県内製造業全体に力を入れているという取り組みを行うことによって、県内企業の経営者の励みとすることが必要だと思います。どのような施策で対応されていくのか、お聞きします。
〇達増知事 日ごろから、県や産業支援機関の職員が頻繁に企業を訪問するなどして、ものづくり企業の現場における課題やニーズの把握に努めているところであります。現在のところ、独自の加工技術などを強みとして大手企業と連携しながら新製品開発などに参画している企業があります一方で、生産や加工の技術向上が思うように進んでいない企業も多いと把握しております。これらの企業においては、開発資金や専門人材の不足、市場開拓など、それぞれさまざまな悩みやニーズを抱えていますことから、県としても、技術開発に対する支援、生産工程改善指導、取引あっせんなど、それぞれのニーズに対する個別のきめ細かい支援を行っているところであります。
 こうした取り組みの積み重ねによって、今後、競争力の高い企業が多数育成されるものと考えておりまして、分厚いものづくり産業の集積につながるものと期待をしております。
〇阿部富雄委員 県は、県民税の法人税割の超過税率を課しているわけですね。産業界からは、超過税分については産業振興に充てるということで了解をいただいていると聞いております。こうした過重な負担をかけているわけでありますから、その分については還元をするという考え方に立って、県内製造業の期待にこたえられるように取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、プライマリーバランスについてお聞きします。
 09年4月施行の自治体財政健全化法により、より財政の健全化が求められていますし、希望王国マニフェストは、プライマリーバランスの均衡を図るとしています。これらを踏まえ、プライマリーバランスについてどのように対応をしていくのか、お聞きします。
〇達増知事 プライマリーバランスの均衡についてでありますが、世界経済の落ち込みが日本経済に、そして岩手の地域経済に波及して、県経済や雇用情勢が極めて厳しい状況となり、県税収入の大幅な減少にもなっております。こうした経済社会情勢の中で、プライマリーバランスという財政規律を重視することよりも、長期、短期の視点から、岩手県民を守り、岩手をさらに発展させていくために積極的な事業展開を行うことが必要と考え、当初予算及び数次にわたる補正予算の編成を行ったところであります。
 こうした予算編成において、国、地方を通じた税収の減少によって、交付税の振替として配分される臨時財政対策債が急増したことから、平成21年度の本県のプライマリーバランスは赤字となったところでありますが、県として管理可能な県債は縮減をさせ、また、将来に備えて財政調整基金等の積み立ても行うことができたところであります。
 今後も、プライマリーバランスや健全化判断比率等の財政指標を参考としつつ、将来の負担を過度に増加させないよう配慮しながら、適切に財政運営を行っていく考えであります。
〇阿部富雄委員 将来の負担を増大させないため、的確に対応するということですけれども、数量的、時期的なものを明示して取り組んでいかないと、私はこういう問題は解決できないと思います。したがって、中長期的な公債管理計画を策定して、将来負担の軽減に向けて適切に取り組み、プライマリーバランスの均衡を図るべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 中長期的な公債管理計画の策定についてでございます。
 ただいま委員から御指摘のありましたとおり、毎年度の予算編成は、その年度に必要となる歳出規模や税収等の歳入を見込んだ上、将来負担も見据えながら基金の取り崩し、それから各種の財源対策を講じまして、ぎりぎりの財源対策を行って、何とかやりくりしながら編成をしているという実態がございます。
 先ほど知事から申し上げましたとおり、地方財政全体が大きな財源不足となる中、毎年の臨時財政対策債の規模が急増していることなどから、なかなか将来の県債発行の先行きの見通しが非常に立ちづらくなっているという状況もございます。さらに、今後、公債費の償還がピークに差しかかり、国体の事業も本格化するということもございますので、毎年度の予算編成は、財政の健全化には私どもとして極力重点を置きたいとは存じておりますが、一方で、なかなかそういう財政需要もあるということで、将来に過度な負担を増大させることがないよう配慮しつつも、ぎりぎりのやりくりをやっていかざるを得ないのではないかと思ってございます。
 御指摘のありました県債発行水準に係る上限を設けた計画をつくりながら、中長期的に均衡ある予算編成を行っていくことの重要性は私どもとして十分認識しているところでございますが、ただいま申し上げた状況から、なかなか県債発行単体の計画をつくるということは難しい状況にございます。このため、中期的な財政の見通しを十分に踏まえながら財政運営を行っていかざるを得ないのではないかと考えているところでございます。
〇阿部富雄委員 県債発行に当たっては、低利、安全な資金で運用されていると思いますけれども、どのような考え方で行っているのか、その資金調達はどのような状況にあるのか、お聞きします。
 仕組債でも調達していますが、その内容はどのようなものか。仕組債が県財政に大きな負担となっていますが、その実態をお聞きします。
〇達増知事 県債発行の考え方と資金調達の状況についてでありますが、県債発行に当たりましては、低利、長期という観点から、可能な限り政府資金や地方公共団体金融機構資金の配分を国に要望しておりますが、近年、銀行等引受資金のシェアが拡大傾向にあります。現状においては、資金調達に特段の支障は生じていませんが、県債発行の引き受けを地元金融機関のみに依存した体制では、将来的に金融機関の好む短い償還年限への発行の集中等の懸念がありますので、調達先の多様化を図る観点で、地元以外の金融機関からも調達を行っています。
 いわゆる仕組債については、平成18年度に1件調達実績がございます。発行総額50億円、期間10年の満期一括償還であり、金利は為替相場に応じて決定される仕組みとなっています。
 現在、円相場が高い水準で推移しており、平成22年7月の利払い日現在で、利率は6.16%程度、利払い額は1.5億円となっており、最低水準である利率1.37%、利払い額0.3億円と比較しますと、利払い額が1.2億円高くなったものであります。
 現在の円高は、日本以外の他国の経済状況を背景としたものでもあり、現行の円高水準が今後も維持するかどうかは不明でありますが、利払い額が増加傾向にある現状を踏まえ、為替相場の動向を注視していきたいと思います。
 なお、今後の県債発行に際しては、借入期間、参照する金利等の指標等が特定のものに偏らないように留意していくことに変わりはありませんが、本仕組債のような金利以外に連動するものの導入には、慎重に対処する所存であります。
〇阿部富雄委員 仕組債ですけれども、昨年1月から本年7月までに4回の利払いがありました。当初、利息額1億2、700万円を5億円以上上回っております。このまま円高が継続されるということになりますと、仮に85円で進んでいきますと、あと6.5年間返済を続けるわけでありますが、その利息がかなりの金額になります。18億2、000万円。5億円を加えて23億円の超過払いということになるわけですが、知事はこれについてどのように対応されていくのか。
 それから、会計管理者に聞きますが、会計管理者は出納長の仕事のある部分も担っていることになるわけでありますけれども、どのように対応されてきたのか。
 監査委員にお聞きします。監査委員はこの仕組債を御存じだったでしょうか。適切に対応すべきものと思いますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 金利以外に円高等の為替相場に連動するといったような県債発行の導入には、やはり慎重に対処しなければならないと思います。
〇古内会計管理者 県債の発行に関しましては、今、知事が御答弁申し上げたとおりでございまして、私どもも知事の指導のもとに、適正な発行が行われるように努めているところでございます。
〇伊藤監査委員 仕組債の発行については、知っておりました。それで、いずれ、経済原則と申しますか一般原則としても、リターンの高いものはリスクが高い、それからミドルリスク・ミドルリターンとか、あるいはリスクの低いものはリターンも低いと、そういう関係にあるわけでして、そういう意味では、仕組債はやはりハイリスクの分野に入るものではないかと思うわけです。
 リスクには金利変動リスクだとか価格変動リスク、流動性リスク、いろいろあるわけですけれども、基本はそういうリスクを正しく認識して、そしてリスク分散も含めましてリスク管理をしっかりやっていくということが、運用なり調達の基本になるのではないかという概念を持っております。
 今は金利負担が高くなっているということのようですが、ですからだめなんだというようなものでもないと思います。やはりいろいろとリスクも分散しながら調達資産をふやすというところにも意味があって、たまたま今の結果はそういうことで負担が多くなっておりますけれども、決してその判断が間違っていたのかどうかというとこれは難しいことだろうと、そんな感じに思っております。
〇三浦陽子委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行います。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時27分 休 憩
午後1時4分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局の審査を行います。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、平成21年度決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とし、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 また、冒頭で申し上げましたが、本日は議会、総務部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇宮議会事務局長 平成21年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、162ページをお開き願いたいと存じます。事項別明細書の162ページから163ページにかけてでございます。第1款議会費第1項議会費の支出済額は12億6、764万円余でございます。内訳でございますが、第1目議会費の支出済額は8億4、563万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費でございます。次に、第2目事務局費の支出済額は4億115万円余でございますが、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費でございます。
 なお、繰越額でございますが、繰越明許費4、386万3、000円は、本会議場マイクシステム等の老朽化への対応及び高度化を図るための設備の更新に要する経費でありまして、実施設計の検討に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 次に、162ページから165ページにかけてでございますが、第3目議員会館費の支出済額は2、085万円余でございます。これは、議員会館の維持管理等に要した経費でございます。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇工藤勝博副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 まず最初に、政務調査費の住民訴訟の審理の状況はどうなっているでしょうか。問われている論点、審査の状況について示していただきたい。
〇宮議会事務局長 まず、これまで政務調査費に係る住民訴訟の経過についてでございますが、本件訴訟は、平成18年9月に、開かれた行政を求めるいわての会が、知事を被告として提起したものでございます。
 これまでの審理経過は、口頭弁論が6回、争点整理のための弁論準備が14回行われたところでございまして、平成22年─本年7月15日の第6回口頭弁論で結審いたしました。判決言い渡し期日は、平成22年─来月でございますが、11月19日とされたところでございます。
 争点整理の内容についてでございます。原告が指摘します支出項目が膨大でありましたことから、裁判長の訴訟指揮のもとで争点整理が進められたところでございまして、例えば、議員連盟の会費等については三つの議連に絞り込まれたこと、あるいは年月日が不明な領収書については除外されたこと、個人的な交際費とされた支出については一部に絞り込まれたことなど、原告が指摘する争点が整理されたところでございます。
 その結果、原告の請求額は、訴訟提起時には4、129万円余でございましたが、争点整理によりまして3、204万円余となったところでございます。
〇斉藤信委員 11月19日に判決が出るということですので、それを踏まえてまた、これは取り上げていきたいと思います。
 それで、今の政務調査費にかかわって、平成21年度の執行状況はどうなっているか。新聞報道によりますと、会議費全体の80%に相当する約36万円の茶菓子代ということが指摘されています。調査研究費から数千円の手土産代を支出したと。1回7、000円の政務調査運転手代を年間102回支払った等々、これは新聞報道で中身が指摘されたことでありますが、私もこの新聞報道の範囲で調べてみましたけれども、政務調査費の執行マニュアルにかかわって、私はやっぱりこういうものは、本来、議員自身が責任を持って処理すべきものでありますけれども、政務調査費の事務処理マニュアルから見てどうなのか、その点もお聞きしたい。
〇宮議会事務局長 まず、平成21年度の政務調査費の執行状況についてでございますけれども、議員47名に対しまして、総額で1億7、267万円を交付いたしました。このうち議員の執行額は1億4、901万円余、交付額の86.3%でございます。残余額、いわゆる返還額でございますが2、365万円余、交付額の13.7%という状況でございます。なお、執行状況につきましては、前年、平成20年度とほぼ同様の状況でございました。
 次に、政務調査費の使途についてでございますが、例年、さまざま御意見をいただいているところではございますが、平成21年度の政務調査費収支報告書は、5月31日から閲覧を開始し、新聞報道等で御指摘のような御意見をいただいているところでございます。
 事務局といたしましては、議員の皆様から提出された収支報告書の収支内容につきまして、明らかに使途基準から逸脱しているものはないか、必要な記載事項の漏れはないか、定例会等の費用弁償と重複支給となるものはないかなどのほか、不明な点があれば、政務調査費を充当することについて、議員の皆さんに直接確認をするなど行っているところでございます。
 今、議員から新聞の関係でお話があった事例もございましたけれども、いずれも政務調査費の使途基準から逸脱するものではないものと考えてございまして、いずれにいたしましても、政務調査費は、議員が行う議会の調査研究に資するため必要な経費の一部として交付されているものでございますので、広範な分野にわたる議員の活動経費のうち、どの経費に政務調査費を充当するかについては、使途基準の範囲内において、議員の裁量にゆだねられているものと認識しているものでございます。
〇斉藤信委員 政務調査費の問題は、最終的には議員の裁量にかかわる、そのとおりだと思うんですね。ただ、今まで住民訴訟で訴えられた経緯もありますので、私は、本当に我々自身がもっと厳格に、厳しく今、対応しなければならないんだと思うんですよ。
 例えば1日7、000円の運転手代というのも、例えば4月を見ると20日間なんですよ。そうすると14万円ですよね。我々が秘書を使って1カ月仕事をさせても、これほど出しているわけではないのですね。
 それと、こういう例もありました。128万円の政務調査費執行のうち124万円が人件費だったと。実に96%。私は、本来、政務調査費というのは議員自身がやるべきことですよね。96%の人件費となると、これはやっぱり性格が違ってくるのではないか。茶菓子代も1人当たり500円を超えるとなりますと、弁当代を出しているようなものになりますので、これは、本当に公職選挙法上も疑義が出てもおかしくない。
 私はそういう点で、これは議会自身で、訴訟の判決も踏まえて、我々自身がみずからの中身について検討すべきことだと、これは意見だけにとどめておきます。
 最後ですけれども、県議会の傍聴、インターネット、オンデマンドのアクセス状況はどうなっているでしょうか。議員の海外視察は全国的にもかなり中止、見直しの状況にありますが、昨年度、そして全国の状況、全国の都道府県はどのぐらいで実施されているか、中止、見直しされているか示していただきたい。
〇宮議会事務局長 何点かお尋ねがございましたけれども、最初に、県議会の傍聴についてでございますが、平成21年度の傍聴人の総数は1、251人でございます。内訳は、本会議が1、132人、委員会が120人でございました。平成20年度に比べまして827人減少したところでございます。
 次に、インターネットでございますけれども、インターネット中継につきましては、リアルタイムで中継するライブ中継と、いつでも閲覧できる録画による中継、オンデマンド放送と言っておりますが、この2種類がございます。平成21年度のライブ中継のアクセス件数につきましては1万5、480件でございました。平成20年度の2万9、384件と比較しまして47.3%の減となっております。
 オンデマンド放送のほうのアクセス件数は9、567件でございまして、平成20年度の1万4、122件と比較しまして32.3%の減となってございます。
 次に、議員の海外研修でございますけれども、平成21年度の海外視察につきましては、議員5名による実施計画によりまして、フランス、イタリアの視察が行われているところでございます。経費の総額につきましては4、468万円(後刻訂正)でございました。
 全国の海外行政視察の状況でございますが、今年、平成22年6月に長野県が全国調査をしてございまして、その結果によりますと、実施中の県が28都道府県、休止、自粛中の府県が19府県となってございます。
 実施中としております28都道府県のうち、平成21年度、昨年度に海外視察を行ったのは19県といった状況になってございます。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇宮議会事務局長 大変失礼しました。昨年度、平成21年度の海外視察の経費の総額ですが、4、468万円と言いましたが446万8、000円の誤りでございました。大変失礼いたしました。
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇菅野総務部長 平成21年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から御説明させていただいたところでございますので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係決算の内容について御説明させていただきます。
 恐縮でございますが、お手元の歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。説明書の42ページをお開きいただきたいと存じます。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、一番上の行にありますように4、704億9、615万円余で、前年度に比べて234億7、539万円余、5.3%の増となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中ほどの行になりますが2、777億6、399万円余で、前年度に比べ413億2、094万円余、17.5%の増となっております。前年度と比較して増加した要因は、国庫支出金が305億7、661万円余、36.7%の大幅な増となったことによるものでございます。
 次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。恐縮でございますが、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって説明させていただきたいと存じます。
 6ページをお開きいただきたいと存じます。まず、第1款県税の収入済額は1、057億6、224万円余で、前年度に比べ184億6、179万円余の減となっております。これは、景気低迷や税制改正によって法人事業税の一部が国税─これは地方法人特別税でございますが─になったことなどによりまして、法人二税を中心に減収となったことによるものでございます。また、調定額に対する収入済額の割合でありますが、徴収率は96.9%で、前年度より0.5ポイントの減となっております。収入未済額は33億480万円余と、前年度より5%増加しております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は、市町村民税と合わせて賦課徴収することとなっておりますので、関係市町村とより一層の連携を図りながら、その徴収に努めてまいりたいと考えております。
 次に、18ページをお開きいただきたいと存じます。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じ清算するものであり、収入済額250億6、625万円余で、前年度に比べ3.4%の増となっております。
 次に、20ページをお開きいただきたいと存じます。第3款地方譲与税でありますが、収入済額は111億5、102万円余で、前年度比166.3%の増となっております。これは、さきに御説明申し上げましたとおり、税制改正に伴う地方法人特別譲与税及び地方揮発油譲与税の新設などによるものでございます。
 次に、22ページをお開きいただきたいと存じます。第4款地方特例交付金でありますが、収入済額12億2、636万円余で、前年度に比較し10億8、884万円余、47%の減となっております。これは、平成20年度限りの措置でありました道路特定財源の暫定税率の失効期間の減収を補てんいたします地方税等減収補てん臨時交付金が終了したことなどによるものであります。
 次に、24ページをお開きいただきたいと存じます。第5款地方交付税の収入済額は2、139億1、531万円で、前年度と比較いたしまして170億9、398万円余、7.4%の減となっております。これは、国の地方財政計画における歳出の見直しによるものでございます。
 次に、26ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金は、収入済額5億5、587万円余となっており、前年度と比較して0.4%の減となっております。
 次に、28ページをお開きいただきたいと存じます。第7款分担金及び負担金の収入済額は62億978万円余で、前年度と比較いたしまして17億7、851万円余、40.1%の増となっておりますが、これは、農林水産業費負担金などが増となったことなどによるものでございます。
 次に、34ページをお開きいただきたいと存じます。第8款使用料及び手数料の収入済額は84億4、642万円余で、前年度と比較して0.5%の増となっております。
 次に、恐縮でございますが、50ページまで進ませていただきたいと存じます。第9款国庫支出金でありますが、収入済額は1、471億268万円余で、前年度と比較いたしまして495億4、254万円余、50.8%の増となったものであります。これは、国の経済危機対策による地域活性化・公共投資臨時交付金等の皆増などによるものであります。
 以下、105ページまでは、国庫支出金の内訳となってございます。
 次に、恐縮でございますが、ページを飛んでいただきまして、106ページでございます。第10款財産収入でありますが、収入済額は12億8、534万円余で、前年度と比較して0.3%の減となっております。
 次に、114ページをお開きいただきたいと存じます。第11款寄附金の収入済額は、岩手・宮城内陸地震など大規模災害の被災に伴う災害見舞金が多かった前年度と比較いたしまして67.1%減の9、370万円余となっております。
 次に、116ページをお開きいただきたいと存じます。第12款繰入金は141億5、620万円余で、前年度と比較いたしまして68億5、407万円余、93.8%の増となっております。これは、地域振興基金や緊急雇用創出事業臨時特例基金などからの繰り入れが増加したことなどによるものでございます。
 次に、120ページをお開きいただきたいと存じます。第13款繰越金は105億7、878万円余で、前年度と比較いたしまして7.1%の増となっております。
 次に、122ページをお開き願います。第14款諸収入は、収入済額861億25万円余で、前年度と比較して96億5、633万円余、12.6%の増となっております。これは、中小企業経営安定資金貸付金元金収入などの増によるものでございます。
 156ページまで進ませていただきたいと存じます。第15款県債でありますが、収入済額は1、166億990万円で、前年度と比較いたしまして252億6、460万円、27.7%の増となっております。これは、臨時財政対策債の前年度比283億9、900万円の増によるものであります。
 なお、平成21年度末の一般会計県債残高は1兆4、384億3、020万円となっております。
 以上、款別に申し上げましたが、歳入の合計額は、160から161ページにありますように、予算現額7、762億8、960万円余、調定額7、634億3、798万円余、収入済額7、482億6、014万円余となっておりまして、収入済額は、前年度に比べ647億9、633万円余、9.6%の増となっております。
 なお、不納欠損として処理させていただきましたものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金の欠損処分額が大部分でありますが、これは、地方税法の規定により納入義務が消滅したもの、あるいは時効の完成等により処分したものでございます。
 次に、歳出について御説明申し上げます。恐縮でございますが、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただきたいと存じます。
 説明書の54ページ、第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況をお開きいただきたいと存じます。
 歳出決算を性質別に申し上げさせていただきます。左側区分に従いまして、義務的経費につきましては、計欄にありますように3、029億628万円余で、前年度と比較いたしまして0.1%の増、決算総額に占める割合である決算額構成比では41.2%で、前年度より3.8%減少しており、これは、人件費などが減少したことによるものであります。
 投資的経費につきましては、計欄のとおり1、267億5、032万円余で、前年度と比較いたしまして2.4%増加しております。構成比は17.2%で、国の経済対策に係る交付金等を活用した基金積立金等が大幅に増加したため、前年度より1.2%減少しております。
 なお、ここには記載してございませんが、公債費比率は、前年度より2.7%上昇いたしまして18.2%となっており、財政構造の弾力性の尺度である経常収支比率につきましては93.2%と、前年度より0.6%上昇しており、今後も当分の間、公債費が高い水準で推移することなどにより、財政構造は依然として厳しい状況が続いております。
 このため、引き続き自主財源の確保に努める一方、政策評価をもとに、緊急性、重要性の観点から徹底した、より選択と集中を行うとともに、創意と工夫を凝らしながら、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。
 次に、恐縮でございますが、総務部関係の決算について御説明させていただきたいと存じます。
 最初に、総務部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえた次年度以降の取り組み方針について御説明させていただきます。
 総務部におきましては、重点施策といたしまして総合的な防災対策の推進、私立学校の振興、地域に根ざした県立大学の教育研究の推進について、いわて県民計画の施策に位置づけ、推進してまいったところであります。
 総合的な防災対策の推進につきましては、想定されます宮城県沖地震などの災害や重大事故などの発生に対して県民の皆様の被害が軽減されるよう、地域防災力強化プロジェクト事業を実施し、自主防災組織の育成強化や、総合防災訓練及び国民保護訓練などの実践的な訓練を実施して地域防災力の強化に努めてまいりました。しかしながら、本年2月のチリ地震津波における住民の方々の避難行動に課題もあるなど、県民の皆様が主体的に避難力と備えを身につけ、地域ぐるみの防災体制を確立させる必要があることから、今後におきましても、市町村や防災関係機関と連携いたしまして、さらなる地域防災力の強化に努めてまいりたいと考えております。
 私立学校の振興につきましては、県内に所在する私立高校や専修学校、幼稚園など私立学校の教育水準の維持向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費に対する助成など各種の施策を行っているところでございます。今後においても、私立学校の振興を図るため、関係機関と連携いたしまして支援に努めてまいりたいと考えております。
 地域に根ざした県立大学の教育研究の推進につきましては、平成17年度から地方独立行政法人となりました岩手県立大学の自主的、自立的な運営を尊重しつつ、地域に根差した教育研究の活性化、多様な地域貢献の展開を図るため運営費の一部を交付いたしております。本年度は、現行の中期目標の最終年度を迎えるため、県におきましては、次期中期目標の策定を進め、県議会12月定例会に提案させていただきたいと考えているところでございまして、今後、策定する中期目標に基づき、地域に根差した教育研究による地域貢献が展開されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 これらの説明以外におきましても、厳しい経済状況の中にあっても県税などの財源確保にしっかりと取り組み、いわて県民計画の策定に向けた施策の調整を支援するとともに、広域振興局再編に向けた組織体制、人事配置のあり方を明確にし、職員のモチベーションを高める取り組みを進めてまいったところでございます。
 総務部といたしましては、各部がその機能を最大限発揮できますよう、必要な価値と限られた資源を効果的かつ効率的に提供することにより各部を支援いたしまして、最終的には、希望郷いわての実現に貢献してまいりたいと考えております。
 続きまして、平成21年度総務部関係の決算につきまして御説明させていただきます。
 総務部では、本年度の事務移管に伴いまして、総合政策部から情報公開に係る事務が、地域振興部から行政情報化推進に係る事務がそれぞれ移管され、一方、総務部からは、東京事務所を除く県外事務所等の運営管理に係る事務が商工労働観光部に、高等教育に係る事務が政策地域部にそれぞれ移管となっておりますので、御説明いたします決算につきましては、これらに基づいて説明させていただきたいと存じます。
 最初に一般会計についてでありますが、総務部の一般会計における支出済額の総額は1、778億769万円余となりますが、その概要につきましては、歳入歳出決算事項別明細書の166ページから説明させていただきたいと存じます。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように14億5、473万円余でございますが、その主なものは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費、外部監査費でございます。
 なお、今後、以下の説明につきましては、恐縮でございますが、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明させていただきたいと思いますので、御了承いただきたいと存じます。
 2目人事管理費でございますが、その主なものは、職員の研修や退職手当及び公務災害補償のほか、県民栄誉賞などの各種表彰に要した経費でございます。168ページをお開き願います。3目文書費でございますが、その主なものは、法規審査事務や文書の収受及び発送、電子県報の発行などに要した経費でございます。4目財政管理費でございますが、その主なものは、予算編成事務等支援システムの運営や財政調整基金、公共施設等整備基金、地域活性化・公共投資臨時基金などの積立金でございます。170ページをお開き願います。6目財産管理費でございますが、その主なものは、庁舎及び公舎の維持管理や県有資産所在市町村交付金などに要した経費でございます。7目県外事務所費でございますが、東京事務所などの各県外事務所や、いわて銀河プラザの管理運営経費でございますが、先ほど御説明申し上げましたとおり、東京事務所以外の管理運営につきましては、本年度から商工労働観光部に事務を移管したところでございます。172ページをお開きいただきたいと存じます。8目公会堂費でございますが、岩手県公会堂の管理運営及び地域活性化・生活対策臨時交付金を活用して行いました大ホールなど施設整備に要した経費でございます。9目恩給及び退職年金費でございますが、恩給などの給付に要した経費でございます。10目諸費のうち総務部関係は、備考欄にございますとおり397万円余でございますが、これらは、宗教法人の設立認証事務、公益法人の事務調整などの事務的経費でございます。
 174ページをお開きいただきたいと存じます。2項企画費3目広聴広報費でございますが、本年度の事務移管によりまして総合政策部から移管された事業でございます。総務部関係は、情報公開制度推進費、個人情報保護制度推進費及び情報公開基盤整備費で、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進に要した経費でございます。
 次に、少し飛んでいただきたいと存じますが、178ページをお開きいただきたいと存じます。3項地域振興費3目情報化推進費でございますが、これらも本年度の事務移管によりまして地域振興部から移管された事業でございます。総務部関係は、備考欄4行目のいわて情報ハイウェイ推進費から9行目の高度情報化推進費までの各事業及び11行目の情報化設備整備費で、情報化の推進に要した経費でございます。
 180ページをお開きいただきたいと存じます。4項徴税費1目税務総務費でございますが、この主なものは、税務担当職員に係る人件費等でございます。182ページをお開き願います。2目賦課徴収費でございますが、その主なものは、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要した経費でございます。184ページから187ページをごらんいただきたいと存じます。6項防災費1目防災総務費でございますが、この主なものは、防災担当職員の人件費のほか、防災ヘリコプターの管理運営に要する経費、総合防災訓練や地域防災力強化プロジェクト事業など、地域防災力の向上などに要した経費でございます。2目消防指導費でございますが、その主なものは、産業保安業務の指導や消防学校の管理運営等の経費でございます。
 少し飛びまして、恐縮でございます、356ページをお開きいただきたいと存じます。10款教育費8項大学費1目大学費でございますが、総務部関係は、公立大学法人岩手県立大学運営費交付金で、平成17年度から地方独立行政法人となりました岩手県立大学に対し、運営費の一部を交付したものであります。
 なお、高等教育機関連携推進事業費につきましては、本年度から事務を政策地域部に移管しておりますので、説明を省略させていただきたいと存じます。
 9項私立学校費1目私立学校費でございますが、その主なものは、私立学校の運営費補助や私立高等学校等授業料減免補助、認定こども園等環境整備事業費補助など、私学の振興に要した経費でございます。
 また、少し飛んでいただきまして、364ページをお開きいただきたいと存じます。12款公債費でございますが、総務部関係の支出額は、1項公債費1目元金884億5、152万円余のうち、県債償還元金865億4、948万円余及び県債管理基金積立金(元金)10億9、700万円余、計876億4、649万円余、2目利子225億2、489万円余、3目公債諸費1億596万円余となっており、事務費を除いて、公債管理特別会計に対して繰り出しを行ったものでございます。
 366ページをお開きいただきたいと存じます。13款諸支出金でございますが、4項地方消費税清算金につきましては、都道府県間の地方消費税の清算に要した経費でございます。
 5項利子割交付金から368ページの11項自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に対して交付いたしました税関係の交付金でございます。
 12項利子割精算金につきましては、都道府県間の県民税利子割額の精算に要した経費でございます。
 370ページをお開きいただきたいと存じます。14款予備費でございますが、当初予算額3億円につきましては、2款総務費に300万円を充用いたしております。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、総務部の所管する特別会計について御説明させていただきたいと存じます。歳入歳出決算事項別明細書の422ページから425ページをごらんいただきたいと存じます。
 公債管理特別会計でございますが、収入済額及び支出済額の合計は、それぞれ1、568億5、018万円余であり、歳入の主なものは、一般会計からの繰入金、県債管理基金利子、借換債であり、歳出の主なものは、県債償還元金、県債償還利子、県債の償還事務費及び県債管理基金の積み立てに要した経費になります。
 以上をもちまして、歳入歳出の構造、歳入の全般及び平成21年度総務部関係の決算についての御説明を終わらせていただきたいと存じます。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇工藤勝博副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 私からは2点お聞きしたいと思います。
 まず、1番目に県職員の女性管理職の登用についてどうなのかということをお聞きしたいのですが、これは前もって担当課のほうから資料をいただきまして、この平成18年度、19年度、20年度、21年度、そして22年度と、ごらんになって、課長、この表を見られてどのような印象をお持ちなのか、これでいいと思うのか、満足だったのか、不満足なのか、まずお聞きしたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 女性管理職の登用のお尋ねでございました。
 副部長級、総括課長級につきましては約5年前、平成18年度と比較いたしまして女性の職員数に変化はございません。その一方で、監督職、いわゆる主任主査級でありますとか主査級につきまして、特に主査級につきましては61名増加という状況になってございます。
 また、昨年から今年度にかけての登用ということでまいりますと、担当課長級1、主査級が14と、それぞれ増加はしてきてございます。
 いろいろな評価はあろうかとは思いますが、着実に登用は進んできているととらえているところでございます。
〇及川幸子委員 着実に進められているということでございますが、きのう、実は、私どもの岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会ということで講演会が行われました。その中で、岩手大学の男女共同参画の取り組みということを、副学長であります菅原悦子先生からお話がございました。副学長という登用は初めてなそうでございまして、県庁で言えば、副知事が女性だということになりますよね。
 その中でいろいろ勉強させていただきましたが、岩手大学では、やっぱり目標値を掲げてその取り組みに進んでいるということの、この目標値ですね、岩手県ではこの目標値は掲げていないのではないですか、この平成18年度から見ますと。どうでしょうか。
〇浅沼人事課総括課長 女性管理職への登用という部分につきまして、数値目標は掲げてございません。
〇及川幸子委員 実は、今の状況でいきますと、ほとんど動向もないままに、減ったり、ふえたり、減ったり、ふえたり、そういう意識のままで進められるのではないかと大変危惧するものであります。やっぱり岩手大学の取り組みでは、そういう女性の研究者も多くするためには、子育て支援なども積極的に取り組んでいるということですが。どうでしょうか、部長、この男女共同参画の部分についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
〇菅野総務部長 委員からは毎回厳しいおしかりをちょうだいしまして、ごらんいただいているとおり、ここに座ってございます総務部の課長級職員も全員男性でございまして、これを何とか解消したいという思いは、私も強く持ってございます。
 確かに男女共同参画社会ということで、当然、女性の方々の力を県政においても最大限発揮していただきたいと思っておりまして、そういった面でも私ども努力してまいらなければならないと思ってございます。
 当然、女性につきましては、大変恐縮でございますが、子育てという大きな役割を担っていただいていますので、そういうところと仕事というものをどう両立していただくかというのは非常に大きな課題でございまして、私どもといたしましても、女性が働きやすい職場は、男性にとっても働きやすい職場であるという考え方のもとに、そういう執務環境の向上を目指したいと思ってございます。
 また、女性幹部職員の登用につきましても、確かに、現在、採用数の半数が女性になってございます。今後、順次、女性管理職の登用が進むことにはなるわけでございますが、それをただ単純に待つだけではなくて、私としても、そういうことを十分踏まえながら人事政策に努めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 議員協議会では、他県に行っていろいろ勉強しておりますけれども、長野県では、県議会議員なども大変多く、全国一のところを見せていただきました。
 農業分野では、農業の従事者の6割が女性でありますが、一体農林水産部においての課長─次長、部長はいらっしゃいませんけれども、課長は女性の方いらっしゃいますか。
〇浅沼人事課総括課長 申しわけございません、今、手元に資料がございませんので、確認して、お答えしたいと思います。
〇及川幸子委員 私もちょっと部局にもお邪魔しますけれども、いないのではないですかね。
 それから、県土整備部ですよ、ここにも恐らくいらっしゃらないでしょう、浅沼総括課長。
〇浅沼人事課総括課長 本庁、県庁舎ということでまいりますと、農林水産部、県土整備部ともに総括課長級はおりません。
〇及川幸子委員 残念ですね。やっぱり農業に従事させて、女性を働かせて、県庁に来れば男の人たちだけでやっているというのは、ちょっと腑に落ちない気がいたしますよ。やっぱり部長、こういうものは目標値を掲げて、今後、何年後にはどのくらいの部長とか次長を、そして議場においては部長1人ぐらい女性の人がいらしてもいいでしょう。そういう考えでおりますので、力強い御答弁を最後にお伺いしますが。
〇菅野総務部長 先ほども申し上げましたとおり、女性が働きやすい職場をつくっていくと、そして、あわせてその働きが評価されまして、結果として、委員御指摘のとおり、ここに連ねております職員が男性だけになることのないよう、そういう社会を目指していきたいと思ってございます。
 ただ、私どもが入りました際には、税の徴収部門ですとか課税部門はほとんど男性だったのですが、今、女性もかなりそういった分野に進出してございます。そういった意味で、女性の土木職の職員もふえてきておりますので、極力そういう方向になるように、私どもも力を尽くしてまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 県土整備部などにおいても、心優しい方々が、積極的にいろいろ県土づくりに進まれるのであれば、1人や2人は女性の課長もいらしたほうがいいのかなと思うところからお伺いしたところでございます。
 次ですが、青少年・男女共同参画課が今、環境生活部にありますけれども、国においては担当が内閣府でございます。これで、環境生活部の中の青少年・男女共同参画課というのは、果たして機能しているのでしょうか。
 実は、きのうの講演会に、予算調製等や何やらで、部長もおいでにならなかったし、担当職員も、受付は手伝ったけれども、すぐ県庁にお帰りになって、担当課の職員4人ぐらいだったでしょうか。せっかくこういういい先生をお招きしてお話を聞くときに、やる気があるのであれば、担当課の総務の方々もそうですけれども、やっぱり参画して、一緒に講演を聞いて、岩手県の取り組みに寄与していくという気持ちにならないのかと思うんですが、どうでしょうか。
〇浅沼人事課総括課長 青少年・男女共同参画課のあり方のような趣旨の御質問があったかと思います。
 昨晩の会合については、詳細はちょっと承知してございませんけれども、いずれ男女共同参画社会の実現というのは、県政にとっても大きなテーマでございます。どの部に属しておりましても、全庁的な連携をとりながら進めていくということには、変わりはないととらえているところでございます。
〇及川幸子委員 きのうの菅原先生は、子供を2人育てた中で、海外に行って勉強されたのが50歳になってからですよね。本当に、子供を育てるうちはやっぱり子育て、そして、それが大体終わってから学ぶ、そういう中で、子育て環境が整備された職場で働くというのを全面的に打ち出したすばらしい先生だったなと思っております。
 私どもも、女性議員5人でございますが、子育て、孫育ては大変な状況であります。しかしながら、理解のある男性議員のもとで私どもも日々やっているわけですけれども、やっぱり今後において、岩手県庁においても、女性職員に対して、幹部候補になれるような、そして男女共同参画のそういう課が商工労働観光部、そして総務部、そして環境生活部と連携をとりながらやっていくという、そういう今後への取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
〇菅野総務部長 先ほど課長が御答弁申し上げましたとおり、男女共同参画社会、それから女性の働きやすい社会づくりというのは、県政の非常に大きな課題でございますので、環境生活部のみならず、県政全体挙げて取り組まなければならない課題だろうと思ってございますので、総務部としても、よく担当部と連携しながらフォローアップし、全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 期待しております。終わります。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させていただきます。
 平成21年度から地方税制の一部改正ということで、この決算を見ると新税として出ていますけれども、自動車取得税及び軽油引取税が目的税から普通税に改められたということになっていますが、これは、県の財政上どういう影響があるのか、どういうふうに変わるのかということをお聞かせ願いたいと思います。
〇八重樫税務課総括課長 自動車取得税及び軽油引取税につきましては、平成21年度の税制改正において、特定財源としての目的税から一般財源である普通税へ改正されたところでありますけれども、この改正に伴う課税標準や税率の改正はなく、使途の限定がなくなったという改正でございますので、これらの税が普通税となったことに伴う税収への直接的な影響はなかったものと承知しております。
〇嵯峨壱朗委員 道路等の整備にという目的税から何にでも使えると変わったということで、懸念されるのは、そういうことですよね、つまり、これまで持った目的から違った使途のほうへどんどん行くのではないかという懸念があるのですが、どうでしょうか。
〇八重樫税務課総括課長 本県におきましては、旧来の道路特定財源の充当につきましては、道路関係事業に係る事業費総額にこの特定財源分が満たない、つまり、さらに一般財源である税収を充当して整備をしている状況でございますので、本県においては、そうした影響というものはないものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 こういった公共投資というか道路等も、東北6県で見ても、岩手県は実態として投資額が少ないほうなんですね。比較すれば出ていますけれども。そういった意味で言うと、減ることを懸念したわけですけれども、むしろそのまま維持されるということのようですので、懸念がなくなったということですが、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、仕組債について、先ほど阿部委員からも質問がございましたけれども、私も何回か取り上げていますが、これは、実は最大で9%まで利率が上がるという仕組みになっています。当初は98円50銭を超えて円高になると、どんどん利率が高くなっていく1.37%からですね。これは、どれぐらいまで行ったら9%になるのかお尋ねします。
〇八矢予算調製課総括課長 最高利率9%として仕組債を発行しておりますのは、議会の方々から県債の発行の利率の上限9%ということで議決をいただいておりますので、そこを上限として仕組債を発行したものでございますけれども、御指摘のとおり、98円50銭より円高になりますと利率が上がっていくという仕組みでございますが、上限の9%に該当いたしますのは、1USドルで72円20銭まで円高になりますと、上限の9%にヒットするということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 先ほどの知事の答弁で、こういったリスクの高いものは余り採用していかないという話は、そのとおりだと思っています。72円まで行くかどうかわかりませんけれども、恐らく現時点でも81円ぐらいですか、そうすると、先ほど6.何%という話でしたが、実はもっとどんどん上がっているのではないかと私は思っているのですが、負担が。先ほどの説明だと去年の予算時なんかと同じようなレベルの話ですが、金利は、実は現状で見るともう少し上がっているのではないですか。12月15日が基準だと思うんですけれども、実態はどうですか。
〇八矢予算調製課総括課長 総括質疑の中で知事が御答弁申し上げたのは、実際に払った金利が幾らかということでございまして、判定日がございまして、7月と1月に判定日が2回ありまして、直近にお支払いした実績が、ことし1月に支払ったものが88円70銭でございましたので、利率が6.4%ということで御答弁申し上げたものでございます。
 仮に現時点での円相場、手元にありますが1ドル82円で試算いたしますと、利率が7.5%程度まで上がりまして、利息額は1億8、800万円程度になるものと見込んでございます。
〇嵯峨壱朗委員 恐らく政府も、この円高というかドル安対策については手詰まりですよね。ですから、この81円というきょうのレートの数字というのは、もしかしたらもっと高くなる可能性もあるということです。
 以前質問したときには、これだけではなくて、10年というスパンでまず見るという言い方もしていましたけれども、こういった県債、資金調達全体の中で利息を見ていって何とかという説明をしていましたが、それもいかがかなという気が、ここまで来るとね。
 1億8、000万円ということは、実際に換算のときがそういうレートだとすれば、想定よりも1億円以上、最低金利の1.37%だと3、425万円という利息が想定されていたのが1億8、000万円まで行くという、1億5、000万円以上になるということですよね。ですから、先ほどの知事の答弁でいいんですけれども、より慎重にしていただきたいし、これは、私は深刻にとらえて見ていました。この辺にしておきますけれども、そういった実態になるかなと思っていました。
 次を質問します。健全化の指標で将来負担比率というものがございますけれども、岩手県の現状は、実は全国で見ると北海道の次に悪いんですね、つまり下から2番目(後刻訂正)。しかも400%以下であればいいと言うけれども、実際は300%というのはかなりレッドゾーンだという指摘があります。それから見ると、こういった状態をどうとらえているかというのをお聞かせ願いたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 本県の将来負担比率は平成21年度決算で305.9%ということで、他県に比べて非常に高い水準と認識してございます。都道府県の中では一番高いのは兵庫県でございまして、震災の関係でいろいろ公共事業等を行いまして、2番目が北海道、3番目が岩手県ということでございます。
 将来負担比率が非常に高いということは、この将来負担比率の算定要素はいろいろありますが、本県の場合はほとんどが、県債の残高が多いということでございまして、県債の残高が多いということは、後々の借金の返済が非常に大きくなるということでございますので、将来負担比率単体でも非常に高い水準ですし、将来負担比率が高いということは、先々借金の返済が重くのしかかってくるということで、予算を預かる立場としても非常に心配しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 失礼しました。下から3番目です。兵庫県と北海道の次。
 昨年よりは若干よくなっているという、それはそれでいいことですけれども、今後これは。今、県債残高が多いのがその理由の大きなものだと。確かに、1人当たりの県債残高は、全国の都道府県で多いほうから5番目ぐらいですか、実際ね。東北では秋田県よりも、秋田県のほうがもうちょっと多いけれども、異常な数字なんですね。平成元年には1人頭30万円という数字だったようです。全国平均は20万円ぐらいですかね。それが今、百何万円までふえた。政府のいろいろなものに呼応していった理由もあると思うんですけれども、これは、この健全化負担比率の推移というか、今後どういうふうに動いていくと思っているのか。あと、実際下げるにはどうしたらいいんでしょうか。
〇八矢予算調製課総括課長 将来負担比率は、将来の県民の負担をフローだけではなくてストックで見るということでございまして、何を見ているかという大まかな要素といたしましては、県債残高、それから職員に対する退職手当の支給の見込み額、それから、大きいものでいいますと、公社、三セク等、県以外の関連団体の負債の三つを合計したものを負担の重さとして算定しているものでありまして、ここから県債残高のうちの交付税措置の見込み額や充当可能基金─将来の借金の返済に充てる可能性がある基金を引いたものを実質的な負担として算定しているものでございます。
 今後の見通しといたしましては、本県の大きな要素が県債残高ということでございますので、基本的には、公共事業の規模を現在と同じぐらいと仮定いたしますと、将来負担比率がそうそうふえていくということはないかなと思ってございます。
 これを引き下げるためにはどうするかということでございますが、方策としては三つございまして、新発債、新たな借金を減らして、借金をせずに返済だけ頑張って行うと。借金をしないということと、あと、繰り上げ償還等を含めて返済を頑張るということと、あと、3基金の積み立てを行うということでございますが、なかなかそういうことがすぐできるかといいますと、すぐできるような財政状況にないということでございまして、すぐ大まかに引き下げるということは難しいと思いますが、これが緩やかに低減していくように、何とか財政のやりくりをしていきたいということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。欲しいものは欲しい、でも、ないものはないという感じで大変だと思いますけれども、頑張っていただきたいと思います。
 それで、先ほど円高の影響ということでマイナスの影響も言いましたけれども、実は金利がまた下がってくるという、そうなるとプラスの影響というのか、県債全体の利息という面で見ると影響もあるのかと思うんですけれども、そういった動向はどう見ているか、お示し願います。
〇八矢予算調製課総括課長 県の新しく発行する新発債の金利が金利動向によって大きく影響するということでございまして、具体例といたしましては、ことし5月に、国債と同じ償還方式の5年の満期一括償還方式での借り入れを行ったものがございますが、5年国債の利率が0.425%、これにプラス岩手県の金利として0.25%が上乗せされて0.675%で資金調達をしてございます。ただ、昨年度の同時期の同じ条件下で発行した県債はことしは0.675%でしたが、去年は1.289%でございまして、0.6%程度低下していると。これは国債の金利が低下している、それから株式が低調ですので債券市場が活発化しておりまして、債券の引き合いがかなりあるということで、本県の債券も順調に資金調達ができているということかなと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 いい面もあれば悪い面もあるということで、全体としてプラス、マイナスでいい方向にいくことを期待しております。
 最後ですが、低入札についてですけれども、平成21年度の実態をお聞かせ願いたい。恐らく、聞くまでもなく、かなりの低入札だと思うんですけれども、その原因をどうとらえているか。そして入札という側面から、それをどういうふうな対策をとれるものかというのもお聞かせ願いたいと思います。
〇高橋入札課長 まず、低入札の実態でございますけれども、平成21年度の普通会計における低入札の発生状況は、平成21年2月と6月に、2度にわたり調査基準価格を引き上げたこともございまして、年間で813件、発生率は48.9%となっておりまして、前年度─平成20年度の30.2%に比べましては大幅な増加となっております。
 この低入札の原因でございますけれども、やはり一番大きな原因は、長引く景気の低迷あるいは公共工事の減少によりまして、建設業界では厳しい経営環境の中で、業者間で激しい受注競争が行われているためと考えております。
 最後に、こうした低入札の状況は入札制度のみで解決できる問題ではございませんけれども、入札サイドから、これに対してどう対応していくかということについてでございます。
 昨年度は、先ほど申しましたように調査基準価格の見直しを2度行いまして、低入札対策での失格制度あるいは義務づけを課す範囲を拡大したところでございます。さらに、11月の改正で、1億円未満の工事の入札に係る対策を強化し、そのほか失格者に対するペナルティーの強化、もう一つ、品質確保のために現場代理人と技術者の2人体制の義務づけといった、3項目にわたる対策の強化を行ったところでございます。さりながら、一層の低入札対策を求める声が多数ございまして、そういった状況に対応するため、現行制度における入札の透明性などメリットを最大限生かしながら、今後もダンピングの発生を防止するような方策について、他県の状況も勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 いろいろ手を打っているんですね。昨年もそうでしたが、新たなやり方をしている。いろんな基準を入れているんですけれど、結果としてここまでふえているということは、品質の問題もあるでしょうし、そして下請がさらに厳しい状況に置かれているといった問題もある。これは佐々木委員も指摘したところだと思うんですけれども、実はゆゆしき事態というか、これは調査基準価格というのがございますよね。実はそれが問題じゃないかと思っているんです。結局、調査基準価格となっても、ほとんどが大体とるんだよね。そういう仕組みです。だからどんどん下がっていく。調査基準価格というのは要らないんじゃないかと私は思っているんですけれども、どう思いますか。
〇高橋入札課長 現在、本県で導入しております調査基準価格は、国の標準モデルに準拠した形で、一定ラインを下回った場合には、その内容について、特に1億円以上の工事の入札の場合は、低賃金になるような労務単価の設定、設計の仕方をしていないかとか、さまざま詳細な調査を行っております。また、工事完成後も追跡調査とかさまざまな対応をしております。そういった形で、ある一定の効果は出しているのではないかと考えておりますが、委員御指摘のとおり、実際の落札率自体はなかなか上向いてまいりませんので、その点につきましては、先ほども申しましたとおり、他県の状況も見ながら、今後、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 もう、最低制限よりも低かったら、調査しないで失格にすればいいんですよね。そのほうが楽でしょう、行政コストから見ても。なぜそうしないのか不思議なんだけれども。国の基準と言うけれども、その点はトータルにどう考えているか、お聞かせ願いたいと思います。
〇高橋入札課長 確かに全国的に見まして、今、委員御指摘のような最低制限価格を設けて、それを下回った場合に失格という形をとっている県もございます。本県でも変動性ではございますけれども、失格基準価格を設けております。ただ、どうしても全体の入札が下がると基準価格も下がるということで、現在の状況になっております。一つには、法律のもとで、入札が予定価格の範囲内で最も低額の入札をした者を契約相手とするという基本がございまして、それを一つ考えながら、なおかつ、工事の品質をいかに確保するかということで、そのバランスと申しますか、両者をうまく引き立てられるような制度がないかということで検討してまいりたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 模索していると思うんですけれども、ぜひ、よりよい制度をつくって、どんどん見直しをして進めていただきたいと思います。
 これを最後にします。建築設計の入札が異常な低入札だという実態があるようですけれども、そういった実態を把握していますか。
〇高橋入札課長 大変恐縮でございますが、多分建築関連の設計あるいは測量業務の委託と存じますけれども、その業務は県土整備部の所管でありまして、その入札実態について把握してございません。
〇嵯峨壱朗委員 県土整備部の所管であるというのは知っているんです。教育委員会関係は教育委員会であるということは知っていますけれども、入札全体をあずかる立場として、知っているかということを確認したかったんです。知らないというのは、総務部として私はおかしいと思います。本来であれば、総務部が入札をすること自体おかしいと私は思っているんですけれども、実際には知っておくべきじゃないですか。どう思いますか、知らないことについて。
〇高橋入札課長 失礼いたしました。詳しい数値は手元にございませんけれども、過去においては非常に低い率での入札もあったと聞いておりますが、現在は最低制限価格を設定して、何とかそれを極端な低入札がないようにという形で運用しているものと聞いております。
〇嵯峨壱朗委員 これは教育委員会のところで私は聞こうと思っているんですけれども、教育関係の建築設計の入札があったんだそうですけれども、予定が1、800万円という数字、実際に落札した金額は二百六十何万円でしたか、そういったのがあったんだそうです。二十数%ですよね。それでできるのか、私は不思議でならないんですよね。これ事実です。そのことを教育委員会で聞くつもりなんですけれども、入札そのものをトータルに総括する立場として、やはりそういった実態をきっちり知っておくべきだと思うし、教育委員会の施設には、そういった最低制限価格は建築設計にはないと聞いていました。だから20%で落札するんでしょうけれども。こういったことはトータルに知っていないとだめだと思いますし、整合性に欠けていますよね、県がやる公共事業として。教育委員会にはそういったのがないと、ほかのところにはあるということも含めて、もっときめ細やかに制度設計をしていくべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
〇高橋入札課長 入札に関して、関係部局ともお互いに情報交換をしながら勉強してまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 今、嵯峨委員から指摘のあった入札の関係につきましては、私もいろんなところからそのような意見も伺っておりますので、これは部長、きちっとやっていただかないと実態はひどいことになっていると思いますので、御対応方お願いしたいと思います。
 それでは、通告していた質問2点を伺いたいと思います。
 まず第1点目は、県職員の博士号の取得者について、その現状と待遇等について伺いたいと思います。
 今、県の職員の身分で博士号を取得されている方がまず何人いるか、現状をお知らせいただきたいと思います。
 正規と言っていいのかどうかわかりませんが、大学、大学院の修士、博士課程、こういう経過をたどってきたそういう博士号の取得者と、専門の論文を書いて大学にオーソライズされて博士号を取った方がいると思うんですが、参考までに、それぞれ何人程度が今県職員としていらっしゃるのか、お知らせ願いたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 博士号を取得している職員数につきましては、本人からの資格取得の届け出という数になりますが、知事部局で33名おります。さらに、お尋ねの中にありました正規の課程と論文の課程があるわけですけれども、論文を提出することによって博士号を取得した者という、きちっとした数は押さえてございませんが、入庁後に博士号を取ったということになりますと、そういうようなことが推定されますが、その人数が19名、33名中19名は、御質問にありました論文博士になるのではないかと認識してございます。
〇及川あつし委員 この質問の趣旨は、今ちょうどノーベル賞の受賞がまたあって、基礎研究の大切さとかそういう部分も注目をされている昨今でありますし、各都道府県においても、都道府県間競争というんですか、いろんな技術分野での競争、これは経営面とか、あとは経済の分野でもいろんな専門知識を必要とする事項がふえてきているのではないかと思っております。そうした中において、今それなりの数の博士号の取得者がいらっしゃると伺いましたけれども、県政運営上、博士号を取得された職員というのは人事当局としてはどういうメリットがあると認識しているのか、お伺いしたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 博士号取得の職員につきましては、高度で専門的な知識、技術、これを持ってございます。その知識、技術を直接的に業務に生かしていただける。そのほかにも、県内にも、国などの他の試験研究機関でありますとか、さまざまな大学がございます。そういった機関との連携で、さらなる高度な研究も期待できるのではないかと思ってございます。
 現在、県政を取り巻く環境を見ますと、社会経済情勢、多様化、高度化する県民ニーズというものを見ますと、そういったようなニーズにこたえることが可能になってくるのではないか。さらには、周囲の職員のレベルアップでありますとか、組織自体の活性化でありますとか、そういったようなところで有益ではないかと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 一定のメリットがあるという認識で採用も重ねてきていると思いますし、その採用が、結果として行政に反映されて好循環になっている部分も多々あると、私自身も認識しております。
 ところが、これはいろいろ制度上の課題もあると思うんですが、問題は、職員の方の待遇という部分もあるのかなと思っております。
 先ほどいろんな課程での博士号の取得者がいると伺いましたけれども、大学院の修士課程、博士課程を経て博士号を取るまでに大体1、000万円とか、別の分野で言うと数千万円、取得費がかかると言われているところでありますが、奨学金を使う方、使わない方、千差万別あると思いますけれども、伺うところによりますと、特定の分野に2年以内に博士号を取得して就職すれば、制度上、いわゆる奨学金の返済が免除になると。しかし、一たん博士号を取って2年以上、民間企業とかでそれなりの研究機関に行って、岩手県に来て、よし、この力を岩手県に生かそうとしても返済が免除にならないと、そういう実態もあるようなんですね。こうした実態が一つと、あとは、せっかく博士号を取って県政でスペシャリストとしてもっと頑張りたいと。その方のいろんな知見を集約していけば、もっともっと岩手県にとってメリットがあるとわかっていても、待遇上―これはお医者さんの分野でも一定の給与体系の中での上限が適当かどうかという議論があったと同様に、県の知事部局における博士号の取得者の待遇というのも、本当にこれで十分なのかというのが質問の趣旨であります。
 博士号取得者が待遇上どういうメリットを享受しているか、その現状をお知らせいただきたいと思いますし、奨学金の返済を免除されている方と返済を免除されていない方、こうした実態があるかどうか、認識しているかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 県としての処遇という部分のお尋ねでございました。
 まず初めに、県といたしましては、そういった資格を持った方が採用される際の初任給という部分になりますけれども、大学院での就学年数に応じました優遇措置ということを講じているところでございます。
 また、御質問の中にありました奨学金の関係でございますが、実際にそういう制度があるということは認識はしてございます。ただ、制度自体につきましては、先般の法令改正によりまして、そういった試験研究機関に就職することによる免除の規定が廃止になっていると聞いてございます。現在は、その廃止の法令の経過措置において、当時、奨学金を利用されていた方に限り、そういった対応が可能である制度に今なっているところでございます。
 いずれ、そういった制度になっているという認識は、人事課としては持っているところでございます。
〇及川あつし委員 これは部長に御答弁いただいたほうがいいと思うんですけれども、いろんな県の施策展開上の必然性、メリット、あとは博士号の取得者の待遇について、もう少し多角的に検討する必要性があるなという趣旨の質問でありましたので、初任給の分も、2年間の分が加算されている程度という言い方が適当かどうかわかりませんけれども、もう少し思い切ったことをやらないといけないのかなという感じもしておりますので、そこはもう少し多角的に研究してもらいたいと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 先ほど委員からお話がありましたとおり、職員がその資格を持っていることに意味があるのではなくて、それが県政上ひいては県民の方々に、それがどう還元されて、それがどうお役に立っているのかというのが非常に大事なんだろうと思います。
 先ほど人事課総括課長が御答弁申し上げましたとおり、県政はなかなか複雑高度化してきておりまして、そういった大学院の資格だけではなくて専門資格、例えば公認会計士ですとか、一般質問での御質問もありました中小企業診断士ですとか、県職員にもいろんな専門的知識が求められるようになってきております。したがいまして、そういった県職員の専門的知識をどう発揮していただけるのか、その専門的知識と、待遇としてどうあるべきなのかということについては、本県のみならず、いろんな大きな公務においての課題だろうと思ってございます。そういった意味で今後の課題とさせていただきたいと思いますし、国の動向等それから他県の動向等を踏まえまして、どうあるべきかというのは、私どもも問題意識を持たせていただきたいと思っております。
〇及川あつし委員 時代の変遷に合わせて、適時、的確に人事制度の見直しはお願いしたいと思います。
 次に、幼保の一元化について伺いたいと思います。
 今定例会においても、高橋但馬議員が一般質問で取り上げたところでございますが、私のほうでもより詳細に伺いたいと思っております。
 今、政府の方針では、平成23年度の通常国会になるんでしょうか、法律を提案して幼稚園と保育所の一体化を含んだ新しい制度への移行を目指しているということで、どうも平成25年度に実施をするということですから、余り時間がないと思っております。この点につきましては、従前から何度も何度も御質問をさせていただきました。国の制度の変更にかかわらず、本県においても、子供に対する施策の部門の一元化というのはできないのかというお話もしてまいりましたけれども、国の制度設計に伴って、本県も必然的にやっていかなければいけない状況かと思っております。
 そこで、詳細にお伺いしたいのは、政府のこの方針に基づいて、本県において、組織のあり方について、平素もいろんな連携で議論しているとは承知しておりますけれども、今後についてどのような検討がされているのか、検討されている事項についてお知らせをいただきたいと思います。
〇紺野法務学事課総括課長 幼保一体化に向けた県組織のあり方の検討でございますけれども、正直言って、まだ国の方向が固まったと言える状況にないことから、現時点においては、組織のあり方の検討にはまだ入っていないというところが実情でございます。
〇及川あつし委員 検討に入っていないということであれば、今後の対応ということで少し提言も含めて伺いたいわけですが、もし、今回の幼保一元化がなされれば、これは私の目から見ると大改革でもあるし、大革命だと思うんです。児童福祉の革命でもあるし、幼児教育の革命でもあると認識しております。
 今年度、総務室が法務学事課に変わって、9階に移って、児童家庭課の隣に物理的に場所が変わったということは、皆さんの事務執行上の問題以上に、子供の施設運営、児童福祉だ幼児教育だとあずかる者からすると、物すごく県の変化を感じ取って象徴的なことだと思うんです。これをもっと先に進めてもらいたいと思いますし、今、国が制度設計をしている内容が仮に平成25年に移されるとなると、本当にあらゆる部分でとんでもないことになろうかと思っております。これは準備なしに、エイヤーのもとで平成25年の実施が本当にできるかどうかわかりませんけれども、これについては国の方向性がまだ未確定の部分ももちろんあろうかと思いますけれども、先んじて本県の実態に合わせた議論を進めていかないと大変なことになるのではないかという懸念のもとにお尋ねするものであります。このような指摘に対してどのような御認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
〇菅野総務部長 一般質問でも御議論がございました。これは大きな国の政策の変更になると存じております。いわゆる子供政策をどうやっていくかということでございます。したがいまして、これによりまして、委員から御指摘がありましたとおり、地方公共団体の役割、それから特に財源等も含めまして大きな影響が及ぼされる事案でございます。したがいまして、現在、本県知事もメンバーとなりまして、全国知事会におきまして、それに対する対応についていろいろ検討が行われているところでございます。現行におきましては、そういった中で議論を進めさせていただいているところでございますが、これがさらに地方と国との調整が進みまして具体的な制度設計が出てくる。そうしますと、県としてこれに対して具体的にどう対応していくのか。組織のみならず、財源問題も含めてでございますので、こういったところで多角的に総務部としても、主体的に検討に参画してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 最後にいたしますが、一連の幼児教育とか児童福祉の分野を見てきますと、どうも利用者の視点での説明というか、現実を踏まえたいろんな説明とか表現というのは、物すごく足りないなと私自身は思っています。
 例えば、今、幼稚園が一方で園児数がどんどん減っていく中で、都市圏を中心に待機児童もふえていると。親御さんからすると、幼児教育のほうが大事だから幼稚園のほうがいいという考え方の方もいらっしゃるし、就業形態から見れば保育園のほうがいいという方もいらっしゃる。でも、現実で言うと、幼稚園も延長保育をやって、もう保育園の機能を持っているし、保育園は保育園で、保育士の中でも教育というのも打ち立てて幼稚園化をしていますし、一体、現状は何が違うんだというところになってくると、実態はさほど変わらないと思うんです。そこにまた認定こども園というのが出てきて、制度改革があって、親からすると子供をどうやって育てるんだといったところで、全くわけがわからない状況になっているというのが今日であろうかと思いますので、いろんな問題を含んでいるこの問題は、子供がどうやったら就学前に健全に育っていくかという視点で、部局もいろんなところがあると思いますが、教育委員会も含めて、ぜひ御対応をいただきたいという意見を申し上げて終わりたいと思います。
〇佐々木博委員 指定管理者の制度について何点か伺いたいと思います。
 本県では、平成17年4月に県の公会堂に初めて指定管理者の制度が導入されて、自来、今49施設ですか、指定管理者の制度が導入されていると思います。それで、昨年度あたりが恐らく2回目の契約更新のピークだったのではないかと思っておりますけれども、この2回目の契約によって、1回目と指定管理者の変更があったところがあるかどうか、まず最初に、そのことについて伺いたいと思います。
〇吉田管財課総括課長 指定管理者の名義でございますが、第1期から第2期にかけまして、名義が変わったところが3カ所ございます。ただ、この変更の内容は、岩手県公会堂におきまして、いわてNPOセンターが単独で指定を受けておりましたものが第2期から盛岡舞台が参加した。それから、滝沢森林公園と御所湖広域公園におきまして、小岩井農牧株式会社が単独指定となっておりましたものがグループ企業との共同体に移行したと。この合わせて3件でございまして、実質的に後退したという事例はございません。
〇佐々木博委員 わかりました。それで、この指定管理者の導入の目的の一つというのが経費の削減にもあったわけでありますけれども、どうなんでしょうか、経費の削減の効果というのは目に見えて出ているものでしょうか、いかがですか。
〇吉田管財課総括課長 まず、平成20年度時点で、指定管理者制度導入前と導入後の比較をいたしました。コストの面では年間の平均ですが、2億4、600万円ほどの経費節減になっております。
 さらに平成20年度から21年度の比較をいたしますと、約540万円(後刻「5、400万円」と訂正)ほどですけれども削減になっておりまして、コスト削減の効果は出ているものと承知しております。
〇佐々木博委員 コスト削減の効果が今の数字を聞くと出ているようでありますが、ただ、指定管理者制度導入前に委託されていたところ、例えば岩手県文化振興事業団だとか岩手県スポーツ振興事業団だとか、指定管理者以前から県の委託を受けてやっていたわけですね。それで、その組織、内容というのは余り変わっていないと思うんですけれども、そういった大口のところが経費が削減になったということになりますと、どうなんでしょう、むしろ人件費が安くなったりだとか、例えば働いている方の労働環境の問題だとか、あるいは管理の仕方が幾らか手薄になっているだとか、そういった悪影響というのは出ていないものでしょうか、いかがでしょうか。
〇吉田管財課総括課長 お話のありましたスポーツ施設等につきましては、おおむね平成20年度実績と平成21年度の比較でばらつきはございますが、90%台程度まで管理料が減っているといったような実態になっておりますが、それに伴って、何らかの不都合が出てきたということは特に聞いておりませんし、一定のサービス向上が認められる、例えば新たな開催期日ですとかサービス提供時間が延長になったということがあったと聞いております。
〇佐々木博委員 この指定管理者制度、要するに民間の持っているノウハウを活用してということが一つの制度導入のねらいだったわけでありますけれども、民間の活力を導入すると言いながら、現実にはこの制度へ移行する期間というのは余りなかったんですね。しかも、これをやらなければ、県が単独でやるかどうかという選択が迫られていましたから、急いでやってしまったというところがあったと思います。
 そういった中で、現実にどういう対応がされたかといいますと、今も言った、例えば県営の運動施設だとかあるいは県民会館みたいな文化施設、以前から管理を受託していたところが指定管理者になっているわけですけれども、考えてみますと、理事長も県のOBであります。それから、県の職員もかなり多数行って駐在している、そういったところが指定管理者になっているわけであります。
 実は、今度の議会で、県公会堂の指定管理者の問題でいわてフォーラム21ですか、県の職員の方が役員の半分ぐらいを占めているところが指定管理者の候補者となったということで、本会議で議決はされましたけれどもかなり反対も出されました。
 私も県職員がNPO法人に参加して積極的に活動するということは大いに奨励すべきだと思いますし、それから、県の職員が役員とはいえ、当然報酬ももらっていないということもわかっていますけれども、ただ、そういったところが果たして県から仕事を受託する、そのことが本当に公正、透明と言えるのかどうか、若干疑問がないわけでもないんですが、しかし、考えてみますと、別にこれに限らず、既にそういったところもいっぱいあるわけでして、本当に民間の方々と一緒に、ノウハウあるいは経費の面で競い合いながらやるということになりますと、何らかの一つのけじめがだんだん必要になってくるのではないかなと、そんな気もします。ただ、もしそうなりますと、現実にたくさんの常用の職員を抱えているところにとっては死活問題になってしまうという問題もまた出てくるだろうと思いまして、非常に難しい問題が実はこの中に含まれているんじゃないかという気がしております。
 ただ、そういった中にあって、財団法人地方自治総合研究所と全国地方自治研究センター、ここの両方の共同研究が、実は指定管理者制度の現状と今後の課題ということで、何年か前に出されていますけれども、そこでもうたわれているのは、指定管理者制度では、地方自治法上の正副首長、議員、行政委員会委員の兼業禁止が適用されず、兼業は必ずしも違法ではないとされている。しかし、公平性及び透明性を確保するには、自治体の主体的判断として、これらの職につく人の兼業を禁止することも必要ではないかといった提言もされておりますし、現実にそういった規定を設けている自治体もそれなりにあります。数も一つ、二つではありません。それで、こういったことも含めながら、あるいはまた選定委員、中には利害関係者が入っていたということで議会で否決された例もあるんですね。ですから、選定委員の要件だとか、今の県の公の施設に関する指定管理者の手続の条例というのは余りにも簡略な条例でありますので、少しこの指定管理者制度も定着してきている中にあって、これらも含めて、総合的に一遍、スキームを見直しする必要があるのではなかろうかと感じているわけですが、部長、いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 ただいま委員から御指摘がありましたとおり、指定管理者制度がそもそもつくられたときに、現実問題として、公の施設をどのような団体が管理しているかと。各県におきましても、先ほど委員から御紹介のありましたとおり、本県で言えば出資法人が管理していた例もかなりございます。したがいまして、そういったところを円滑に移行させる、それから指定管理者制度そのものがいろんな団体、公から民間からいろんな団体に広く応募してもらってそこで選ぶという考え方から、今お話のあったとおり、特に兼業禁止規定、自治法の適用は排除され、排除されているというか、それは適用外とされているところございます。ただ、一方で、各県におきましては、仕組みの中でそういうことを導入している県もございます。
 本会議で知事からも御答弁申し上げましたとおり、さらにそういった指定管理者制度について、透明性を図る観点から一体何ができるのか、それからあとは議会での御指摘もございましたが、今回の事案を踏まえて、例えば緊急的に指定を取り消した場合の直営での対応が制度上も可能なのかどうかという御指摘もいただいてございます。したがいまして、そういった点を含めて、どのようなものができるかということにつきましては、私どもとして検討させていただきたいと思っております。
〇佐々木博委員 実際に、本当に法律の制度を導入した趣旨にのっとったことをやりますと、恐らく県の出資法人もかなり影響を受けるんだと思います。ですから、もう一度本当に指定管理者がふさわしい公の施設なのかどうか、その公の施設の性格そのものも十分に吟味していただいて、なおかつ、指定管理者制度を導入してやるものについては、やはり今以上に公平、透明なやり方でやっていかなければ今回のような問題が生じると思いますので、ぜひ検討の上、前進してくださるように見直しをお願いしたいと思います。
〇佐々木順一委員 きのうの森のトレーに関しまして、総括質疑における答弁を踏まえて、庁内の総合調整を任務とする総務部長にお伺いしたいと思っております。
 きのうの答弁でまず明確になったことは、一つは、国の責任の所在も含めて検証をもう一度行うと。最終報告を今定例会の会期中に、議会並びに県民にお示しするということが一つありました。
 それからもう一つは、訴訟については、今まで国の指導によって提案された可能性もあったし、県のほうから提案された可能性もありました。この点については、どちらがどうなのか判然としませんでしたが、きのうの答弁では、県のほうから提案したということでありますから、提案起案者は県であるということも確認されたわけであります。
 それから、最後は前知事の問題でありますが、きのうの答弁では、裁判の結果を踏まえて、てんまつを前知事のほうに早い時期にお伝えすると、この3点が確認されたわけであります。よって、きょう、総合調整の総務部の皆さんから答弁をいただかなければ。20日に農林水産部の審査があります、そのときは森のトレー問題についても、専門的に本質的な質疑が交わされるわけでありますので、それに先立って何点か確認をしたいと思います。
 まず一つは、最終報告書の関係であります。
 きのうの答弁では、定例会中ということでありました。定例会となると、最終本会議それから取りまとめの日も含むわけでありますから、議会とすれば、農林水産部の審査が20日でありますから、ぜひこれに間に合うようにこの報告書の提出を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。まず1点、よろしくお願いします。
〇菅野総務部長 ただいま委員からお話のございましたとおり、昨日、知事から今御指摘のあった点を御答弁申し上げたところでございます。
 知事の趣旨といたしましては、やはりこの問題に関しまして、議会それから県民の皆様方に説明をしっかり尽くさせていただきたいという思いで、ああいう答弁をさせていただいたものと私は承知いたしてございます。したがいまして、ただいま委員からの御提言もございましたので、そういった点を踏まえまして、私どもとして関係部とよく調整をさせていただき、極力、知事の意向を体する格好で進めさせていただければと思っております。
〇佐々木順一委員 ありがとうございます。御期待を申し上げております。
 それでは、残る前知事へのてんまつのお伝えとそれから訴訟について県から提案と、この点については密接に関係がありますから若干お聞きしたいと思っております。
 執行部のほうで、前知事のほうにてんまつをどうお伝えされるかは、それは執行部側の裁量でありますから、議会がどうのこうのというものではないわけでありますけれども、この点についても、議会側とすれば、先ほど申し上げました20日の農林水産部審査の前までに目的を達成していただきまして、前知事の反応と言ったらいいんでしょうか、御見解と言ったらいいんでしょうか、いろいろ含めていろいろな反応を示されると思いますので、それについてもあわせて御提示をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 知事の趣旨は先ほど申し上げましたとおり、議会、県民の皆様に説明を尽くさせていただきたい、それも早期にという思いでああいう答弁をさせていただいたものと、私ども事務的には理解してございます。したがいまして、ただいまいただいた御提言も含めまして、関係部とよく調整をさせていただきたいと考えております。
〇佐々木順一委員 ありがとうございます。それで、私なりにあるいは今までの一連の議会の審議の中で、疑問点が解消されない点が何点かあるわけでありますので、できれば、こういったものも議会側の意向としてお伝えしていただければありがたいと思います。
 例えば、一つは、まず判決が出たことによって、事態ももう終結です。よって、現状はいわば敗戦処理です。どう敗戦処理するか、どういう結論に至るかという状況だと思いますので、よって、まず一つは、訴訟に踏み切った、しかも県からの提案、どういう経緯でこれが庁内手続─どういう手続を踏んで決裁をされたかそこはわかりませんが、結果として、前知事の意思で提案したということは動かしがたい事実だと思います。よって、訴訟であるので、これは論理的でなければならないと思います。一か八かやってみなければわからんということではないと思いますので、よって、恐らく訴訟に踏み切った背景には、何らかの勝機があって踏み込んだと思います。すなわち、勝てるという見込みがあったと、当然あるわけでありますから、その根拠をまず一つ示していただきたいということが1点。
 それから、いずれにしろ、最終責任が県にあるわけでありますから、当時、訴訟に踏み切った前知事はこの結果をどう受けとめているのか。当然のことながら、議会でも問題になりましたが、道義的なあるいは政治的な責任も含めてどう受けとめているのか、この点についてもお願いを申し上げたいと思っております。
 それから、最初、訴訟の提起は補助金全額を回収するためと、これが本来の目的なんですよ、最終目的なんですよ。ところが、いろんな審議の中で、国のほうから最大限努力云々という話もありました。この最大限努力というのはいろんな解釈ができるわけでありますが、私は、結果として、訴訟の補助金を全額回収するというのは形式的な目的であって、結果として、訴訟を行うことによって努力をしているということが明確になるわけでありますから、この努力が最終的な国の延滞金の免除へと、ここにつながるための訴訟ではなかったのかという疑問が今のところまだ解消されないわけでありますから、この点についても前知事はどういう認識で訴訟に踏み切ったのか、これもある程度明確にしていただきたいと思います。
 それで、これを暗示させるような前知事の総務大臣としての記者会見の見解があります。平成19年10月12日、大臣会見、森のトレー問題、これについて記者から聞かれております。要旨は次のとおりです。
 まず、損害賠償請求で回収努力を続けることが大事。―この回収努力は、先ほど申し上げましたが訴訟をやることと、こう解釈しても構わないと思います。その適切な努力を続ければ、裁判を続ければ、その結果、最終的に国の判断がもう一回あってと―この国の判断がもう一回あってというのは何を念頭に置いているかというのをまずお聞きしたいと思います。
 最後は、一番県民負担が少なくなるということになると、県民負担は少なくしたほうがよいと―これは県民負担の最小化ということを述べているのではないかと思いますが、いずれ、この発言の真意は、先ほどの補助金全額回収が裁判の目的であるわけでありますが、これが結果として、国の延滞金の免除イコール裁判に持ち込むことと、これとも密接といいますか、暗示させることがありますので、この会見の真意もお聞きしていただきたいと思っております。
 あと、問題は、国の責任を県も求めたわけでありますが、最終的に国の責任は追及できないと、その障害になったのが補助金適正化法と、こういう事実が明確になったわけであります。
 それで、この補助金適正化法なんですが、私の解釈あるいは立法過程、国会の審議の段階でもいろいろ疑問が出ております。
 端的に言いますと、この適正化法のねらいは―ねらいはといいますか、適正化法の性質は事業主体の失敗のすべてを地方に負わせること、国が責任を負わない制度になっていると、これがこの法律の曲がった性格なんです。そして、この根底にある思想は、すべての権限は国が握るが、すべての責任は地方に負わせると。国は一切過ちを犯さない―検察庁みたいでありますが―よって、こういう思想は、すなわち、地方分権には逆行する法律であります。こういった法律がある限りは、補助金の一括交付金化なんていうのはなかなかこのハードルを越えないと実現しないわけでありますから、この法律に対して前知事はどういう御見解を持っているのか、あわせて執行部のほうでお聞きいただければ大変ありがたいと思いますが、いかがでしょうか。それをお聞きして終わります。
〇菅野総務部長 ただいま委員からの御発言がございました。先ほども申し上げましたとおり、知事の真意を測りながら、その発言を重く受けとめさせていただき、関係部と調整をさせていただきたいと思っております。
〇佐々木順一委員 よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは次の質問に入りますが、新公益法人制度への移行についてお伺いいたします。
 きょう、一部地元紙にも載っておりましたが、あえて議会からも確認をさせていただきたいと思っております。
 新公益法人制度においては、これは官から民へという流れの中で、民間の非営利活動のすそ野を広げるとともに、従来の制度では公益性の判断基準が不明確であって、類似の法人が存続しているなどの諸問題の解決を図るという目的のもとに、従来の公益法人である特例民法法人の移行申請を平成25年11月までに進めることとされております。政府のほうでもこれについてはもっとスピードを上げるようにという呼びかけをしておりますが、ついては岩手県の状況についてお伺いいたします。
 県が所管する特例民法法人の数、それから特例民法法人のうち、何法人が新公益法人の制度への移行を現在希望されているのか、まず確認をいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 2点お尋ねがありました。
 まず、1点目でございますが、特例民法法人の数についてでございますが、平成22年10月1日現在、知事所管及び教育委員会所管を合わせまして306法人、さらに本県に対しまして移行申請を行う可能性がある現在国所管の法人が24法人、これらを合わせますと330法人となってございます。
 2点目の移行を希望する法人数についてでございますけれども、昨年度、法人に対して移行調査を行っております。その結果、回答があった法人の92.2%が移行を検討中と回答しておりまして、多くの法人が新公益法人制度への移行を希望していると考えてございます。
〇佐々木順一委員 ほとんどの法人が移行、このことは認識されているということは確認できたわけでありますが、期限も切られているわけでありますから、集中されると県当局も大変だろうと思います。それはそれとして、ついては、移行にはどのような手続が必要なんでしょうか、その辺も確認をいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 移行のための手続についてでございますけれども、公益法人への移行につきましては、移行認定の申請が必要となります。一般法人への移行には、移行認可の申請が必要となります。この申請を受けまして、県では、弁護士や公認会計士などで構成いたします岩手県公益認定等審議会にこれを諮問いたしまして、この審議会の答申を受けまして、認定または認可の決定を行うということになります。
〇佐々木順一委員 それでは、移行申請は極めて低調であるというような状態でありますので、現在でどういう状況なのか。また、他県と比較して、他県における申請状況はどうなのか、これもお願いいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 まず、本県におけます移行申請の状況でございますけれども、10月1日現在、申請件数は4件でございまして、これが特例民法法人全体の1.2%にとどまっているという状況でございます。
 次に、他の県における申請状況につきましては、9月30日現在ですけれども、東京都の131件を初め、神奈川県、大阪府など、大都市圏における申請件数が突出しているものの、本県を含む25県におきましては申請件数が10件未満ということで、多くの県において移行申請が低調な状況となってございます。
〇佐々木順一委員 極めて心配されるような状況でありますね。それで、何とか努力をして完全移行を図っていただきたいと思いますが、この低調な理由は一体どういうところに原因があるのか、どういう御認識を持っておられるのか、お知らせをいただきたいと思います。
〇紺野法務学事課総括課長 低調な原因についてでございますけれども、私どもが法人から直接お聞きしたところによりますと、制度が非常に複雑だということ、その理解に時間を要するということ。また、事業、人員、資金等を総合的に検討した上で、公益または一般への移行を判断するということから、意思決定に時間を要するということなどが原因と考えているところでございます。また、特に小規模な法人におきましては、事務局体制が脆弱だということもございまして、申請書類の作成に相当の労力、時間を要するということのようでございます。そのほか、県内外の同種の法人の動向を見きわめながら移行作業を進めたいとしている法人もございまして、このことも申請が進まない原因の一つではないかと考えているところでございます。
〇佐々木順一委員 最後にいたしますが、期限内にやらないと解散という最悪の状態になるわけでありますから、これは岩手県にとっても決してプラスになるわけじゃないのでありますので、どうぞ全力で取り組んでいただきたいと思いますが、いずれにしろ、今後、県としていろいろな問題をどうやって克服されるのか、今後の対応について確認をいたしまして質問を終わりたいと思います。
〇紺野法務学事課総括課長 県としては、これまで説明会とか研修会、個別相談会、また、随時の相談に対応してきたところでございます。今後も引き続き、そういった随時相談、相談会などを実施してまいりますほか、いまだに相談等がない法人につきましては、県のほうから積極的に働きかけを行っていきたいと思います。
 また、そういうことを行いまして、移行期限直前に申請が殺到することのないよう、法人が申請に当たって困ることがないよう、積極的にきめ細やかに対応してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時58分 休 憩
午後3時19分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇吉田管財課総括課長 先ほど佐々木博委員から指定管理者制度についてお尋ねがありました。その中で、指定管理者制度の導入によるコスト削減額について御説明申し上げましたが、平成20年度と21年度の指定管理料の比較で540万円の減額と申し上げました。正しくは5、400万円の減額となっておりました。おわびして、訂正いたします。
〇三浦陽子委員長 質疑を続行いたします。
〇新居田弘文委員 私から4点ほど通告しておりましたので、お聞きいたします。
 なお、先ほど嵯峨委員からの質問の中で、私と何点か重複しておりますので、その辺はなるべく割愛しながら質問したいと思います。
 まず1点目ですが、財政の健全化判断比率、今定例会にも資料を提出いただきました。その中で県の実質公債費比率は14.1%、それから将来負担比率は305.9%というものでございましたが、それに先立ちまして、県内の市町村の財政状況も9月28日に公表されておりまして、早期健全化比率におきましては、数字の高いほうから言いますと239.9%、2番目が228.8%、3番目が205.9%ということで、かなり厳しい数字ではないかと私も理解したわけでございます。
 今回、県の状況ですと305.9%ということで、上回ること100%という数字でございまして、その状況については先ほどもいろいろ質疑が交わされたところでございますが、改めて現状の実質公債費比率が14.1%、将来の負担比率が305.9%ということでありますので、公債費比率もこれからずっと上がってくるのではないかと。財政が厳しい状態がますますそういう状態で後年度にあらわれてくるのではないかと思いますが、その辺の見通しと、それから、その対策ということでお聞きしたいわけでございますが、先ほど、下げるためには新しい借金を起こさないとか、あるいは繰り上げ償還するとか、基金の積み立てということも考えられるということでございますが、それを含めて、改めてその対策についてお聞きしたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 本県の将来負担比率305.9%ということでございまして、先ほど申し上げましたとおり、残高がこれから単年度、単年度の借金の返済としてあらわれてくるということになります。
 実質公債費比率等のお尋ねということでございますが、決算特別委員会等で知事から御答弁申し上げておりますとおり、今後、新発債をどの程度発行するかという前提によっても多少変わってまいりますが、これから県債の償還が高くなってまいります。今は14%台の実質公債費比率でございますが、県債償還のピークになろうかと思われる平成26、27年度あたりには、実質公債費比率が18%を超えて、将来負担比率が400%が早期健全化団体ですが、今、岩手県は300%ですので、まだ早期健全化の段階にはなっていないわけですが、単年度の返済の額が18%を超えまして、実質公債費比率のところで早期健全化団体になるおそれがあるのではないかと考えてございます。
 そのために具体的にどうしていくかということでございますが、やはり単年度、単年度で予算を組むということではなく、先々を見通して予算を組まなければならないと。できるだけ、すぐ借金を返済するとかということは難しいながらも、当初予算はぎりぎりで組みながら、年度内に何とか節減をして基金の積み立てを少しずつ行いたいと思っております。
 この将来負担比率につきましても、例えば、高い県といたしましては、兵庫県が一番高いんですが、平成20年度360%が21年度は366%と6ポイント上昇、北海道は346%から350%と4ポイント上昇、岩手県の次の茨城県も288.7%から295%と7ポイントほど上昇しておりますが、この中で岩手県は312%から305%と7ポイント低下させております。
 急激な低下というのはなかなか難しいですが、将来負担比率も何とか少しずつ低下させていきたい、あわせて、将来の公債費の増加に備えまして、先々を見通して、できる限り、少しでも備えを蓄えておく等の措置を行っていきたいと考えてございます。
〇新居田弘文委員 今の答弁で大体理解できますけれども、いずれ、県民要望とすればいろいろな雇用とか、インフラ整備とか、その要求、要望があります。一方では、こういう財政的な状況でございますので、それをうまく調整するのが皆さんの大きな責務だと思いますので、その辺、将来について、後で、まさか財政再建団体にはならないと思いますけれども、そういう思いでこれからもしっかりやっていただきたいということを、まず注文申し上げておきます。
 それから、二つ目ですけれども、県税の落ち込みということで、先ほど総務部長からも説明がありました。その中で、県税の事業税、不動産取得税、前年対比44.7%あるいは16.7%ということで非常に落ちております。この要因と、あわせまして、県で企業誘致するために、いわゆる農耕地域とか、あるいは工場立地法の地域を含めて、特定地域にいろいろな事実上の優遇措置をやりまして誘致活動をしておりますが、そういう企業に対する減免の額がもしわかれば、商工関係だと思いますが、予算のほうでも押さえていれば、お示しいただきたいと思います。
〇八重樫税務課総括課長 県税収入の減少の原因についてでありますが、法人事業税につきましては、景気低迷による受注減や消費の低迷、さらには法人事業税の一部が国税化、これは、地方法人特別税を創設し、本県でも平成21年度、42億5、100万円を国に納付しておりますけれども、こうしたことに伴いまして、委員御指摘のとおり、法人事業税は前年度決算対比でマイナス46.1%の減少となったものでございます。
 不動産取得税につきましては、住宅着工戸数の減、これは平成21年の県内の住宅着工戸数が4、903戸となりまして、対前年マイナス28.1%の減少となっております。こうした住宅着工戸数の減や企業の設備投資の減などによりまして、前年度に比べましてマイナス16.7%の減少となっているところでございます。
 また、特定区域における産業の活性化に関する条例によりまして、県では、そうした工業立地に適する地域に立地する製造業に対しまして課税免除をしているわけでございますが、その課税免除実績は、平成21年度でございますが、法人事業税で18社、1億2、694万1、000円、不動産取得税で8社、7、633万2、000円、合計26社、2億327万3、000円を課税免除しているところでございます。
〇新居田弘文委員 わかりました。それでは、次の質問をいたします。
 入札制度でございますが、さきほど嵯峨委員からも質問があったわけでございますが、その中で、低入札の状況については81件、48.9%あったということでございますが、全体的に、昨年度の入札の平均落札率についてお示しいただきたいと思います。
〇高橋入札課長 平成21年度の普通会計における建設工事の発注件数1、662件の平均落札率は82.2%でございまして、前年81.4%から若干上昇したところでございます。
〇新居田弘文委員 実はその落札率82.2%、非常に低いなという直観を持つわけでございますが、本来、設計額と入札予定額というのは大体100%であるべきなわけでございますが、いわゆる過当競争といいますか、仕事がない、それに受注希望者が多いということで、そういう競争からこういう低入札の現象があるんだと思います。その辺の、82.2%に対する、発注者としてどのような感想をお持ちですか、お聞きしたいと思います。
〇高橋入札課長 この落札率は、入札参加者の企業努力でありますとか、さまざまな取引上の要因で設計額を大きく下回る、総合的に反映した競争の結果であるとは思いますけれども、やはり一方で、過度な競争によるダンピングは、工事の品質低下でありますとか労働条件の悪化、さまざまな弊害を招くおそれもございます。そういったことから、やはりこの入札状況については、十分注視していかなければならないと考えております。
〇新居田弘文委員 その低入札を抑制する意味で、県では、調査基準価格とか、あるいは低入札失格基準価格、それぞれルールによって決めておりますけれども、いろいろ聞きますと、その制度そのものは、入札して、その入札された金額によって数字が出るというような仕組みですので、あらかじめ定めることはできませんが、その一番低いほうから6割云々というような話も実は実態的にあるわけですね。そのとらえ方が、私は余りにも低いのではないかなと。もっと引き上げるような工夫をすべきではないかと思うんですが、その辺についての所感をお聞かせいただきたいのですが。
〇高橋入札課長 委員御指摘のとおり、ダンピング防止は非常に重要な課題と我々も考えております。ただいま御提案のありました失格基準価格の算定方法、そういったものの見直しも含めて、今後さまざまな方法をもっと検討してまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 ぜひ積極的に検討いただきまして、やっぱり正当な価格で落札でき、契約できるような仕組みに改善を図っていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それから、最後になりますけれども、いわゆる91社問題ということで、県では、公正取引委員会の審決確定を受けまして、その指名停止を行いまして、4月10日から9月21日まで、それからもう一つは、建設業法に伴う営業停止命令、これも15日間ということで、それぞれ満了いたしました。
 そのことについてはそれでいいと思うんですけれども、問題は、今後の対応ということで県から配付された資料にもありますように、今後、公取のほうでは課徴金という形でその該当企業に納付命令がありますが、県でも損害賠償請求をするという次の段階に進むわけですけれども、これについては、国の状況、公取の状況を見た上でというような答弁が前回もあったようでございます。
 そこでお聞きしたいわけですけれども、実は先般、これは10月10日の新聞に載っていまして、談合違約金について他県の状況が紹介されておりまして、確かに契約約款には損害賠償等の項目があるわけでございますが、それにかかわらず、それを軽減するような措置も他県のほうではいろいろ検討されているやに報道されておりますが、県のほうでのお考えをお聞きしたいと思います。
〇高橋入札課長 委員からただいま御紹介ありました他県の例─沖縄県の事例でございますけれども、確かに現在、賠償金額の減額、履行期限の延期及び分割納付の承認等を内容とする調停についての議案が、現在開会中の沖縄県議会で審議されていると聞いております。
 本県の対応でございますけれども、まだ、対象工事等、国の課徴金納付命令の状況を見てということになりますが、そのほか、納付方法につきましては、自治法施行令の認めている要件もございます。ただし、賠償金額につきましては、今のところは、契約の中で、賠償金を取ることができるという規定ではなくて、もう賠償金を取るという表現になっておりますので、一応その契約の規定に基づいて対応していくものと考えております。
〇新居田弘文委員 契約約款にそういう項目が記載されていることはわかっていますけれども、いずれ他県でも多分そういう中での検討だと思いますので、やっぱり県内企業なり、雇用とかさまざまなことを考えた場合、いろいろ積極的に考えていいのではないかと私は思いまして、最後に部長から、その見解を聞いて、終わります。
〇菅野総務部長 沖縄県の事例は、私ども承知している範囲内におきましては、沖縄県も本県と同様の契約を結んでございまして、契約約款からしますと、私どもとしては、その契約を誠実に履行する義務をお互いに負っているということでございます。そういった中で、沖縄県におきましては、裁判所に民事調停の申し立てがなされ、裁判所においていろいろな議論を経て、今般、ただ最終的には和解という格好になりますので、これは自治法の規定により議会の議決が必要だということで、現在、沖縄県議会において議論がされているものと考えてございます。
 したがいまして、先ほど課長が申し上げましたとおり、私どもとして、現段階においては、契約約款に基づいてそれを、もう確定してございますので、もし公取の命令等によりまして債権債務が確定いたしますと、契約上によって、私どもとしてそれを行わなければならない義務が生じてまいりますので、そういった中で、先ほど申しました自治法の規定等によってどういったことができるのか、本会議で申し上げましたとおり、個別の事情によりまして、法の許されている範囲内において適切に対応してまいりたいと現段階においては考えてございます。
〇喜多正敏委員 私からは、岩手県消防学校についてお伺いします。
 チリの落盤事故で防火、事故発生後の対応の重要性が再認識させられましたけれども、本日、全世界注視の中で最初の1人が救出をされた、大変いいことだなと思っております。
 労働災害の防止もまことに重要であるわけでありますけれども、国民、県民の生命、財産を守る消防団の果たす役割は、まさに安全・安心の生活基盤であります。
 消防団員の減少の中、消防職員、団員の資質、特にも消火、警防予防、救急救助などの消防力の向上は欠かせないと思っております。
 そこで、186ページ、総務費、消防指導費に関してお伺いします。岩手県消防学校の平成21年度の指導内容や指導人数等の実績、指導上の課題についてお伺いします。
〇小野寺防災消防課長 消防学校に関するお尋ねでございます。
 まず、消防団員の教育訓練ということでございますが、平成21年度におきましては、未教育の消防団員を対象とした基礎教育課程の修了者は12人、分団長、副分団長、部長及び班長の幹部を対象とした幹部教育課程の修了者78人、警防要員やポンプ車等の機関要員などを対象とした警防・機関科課程の修了者は28人、計118人となってございます。
 課題といたしましては、基礎教育課程において、定員40人に対し修了者が12人と非常に少ないこと、それから、参加者が特定の地域に限られていることなどがあり、受講者の日程確保が難しいことなどが背景にあるものと考えられております。
〇喜多正敏委員 なかなか団員も減少して、しかも研修にも参加が難しいということで御苦労されていると思いますけれども、ホームページで拝見いたしますと、一日入校などということで、団員や署員の関係以外の方も、ここの施設を利用して消防防災等についての理解を深めておられるということでもありました。ぜひ、そうしたことについては、一層力を入れて研修に励んでいただきたいと思います。
 そういう中で消防の資質の向上は大事でありますけれども、先般、消防の操法大会がありまして消防学校に行ってまいりました。我々も自治会の役員とともに応援に行ったわけでありますけれども、消防学校が大変老朽化しておりまして、玄関の周囲、外壁がもう崩れて垂れ下がっている。そういうところに消防団の人が行って研修するということでは、まさに士気高揚ではなくて、がっかりして、我々は余り期待されていないのではないかなと、こう思っておりましたけれども、外壁修繕工事が始まったということで、大変いいことだなと思っておりました。
 しかしながら、昭和49年に建設された学校であるということで、施設等についても大分古くなってきたり、あるいは施設の近代化といいますかそういったことについては、まだまだするべきことが多いのではないかと見受けてきたわけでありますけれども、平成21年度の補修の実績や今後の対応については、どのようにお考えでしょうか。
〇小野寺防災消防課長 消防学校における平成21年度の補修実績やその対応策についてでございますが、平成21年度におきましては、国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用いたしまして、校舎及び寮舎の暖房設備改修、寮舎の居室及びトイレ改修、屋内訓練場の基礎補修等を行ったところであります。
 また、平成22年度におきましても、同交付金等を活用いたしまして、校舎、寮舎及び屋内訓練場の屋根、外壁の改修、それから寮舎浴室及び給湯用ボイラーの改修を行っているところでございます。
 消防学校につきましては、委員御指摘のとおり、昭和49年3月に盛岡市内高松から現在の矢巾町に移転しておりまして、現在まで36年を迎えたところでございます。かなり老朽化が進んでいるということでございますが、限られた予算の中で、特に緊急度の高いものから優先いたしまして、教育訓練に支障のないような改修をしてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 私も最初にあの学校を見たときは、県でもこういう老朽化した建物があるんだなと思ってびっくりしたわけでありますけれども、いずれ、逐次そうした団員の士気にこたえられるように整備を進めていっていただきたいと思います。
 それから、ホームページを拝見いたしましたところ、岩手県消防学校という紹介がありまして、そこに平成15年度の教育訓練体系というものが載っておったわけでありますけれども、平成15年度から教育訓練体系は変わっていないのか、たまたまホームページが更新されていないのか。このあたりは、一体だれが、どのようにして掲載をして、チェックしているのか。やはり防災意識を高めるということを片方で標榜しながら、こういうことでは、団員もそうですけれども、ちょっとがっかりするのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇小山総合防災室長 ただいまの喜多委員の御指摘につきまして、早急に事実関係を把握いたしまして、まさしくそういったことでありますと、団員の士気のみならず、そのホームページをごらんいただく県民の方々初め、そういった方々に対する信頼感、果ては本県に対するマイナスイメージを増長するような状況ではないかと非常に反省する次第でございますし、謝意をここであらわしたいと思います。
 いずれ早急に対応させていただきたいと思います。
〇喜多正敏委員 懇切丁寧なる答弁、大変ありがとうございます。
 私は、実はこのことは、ほかの県のホームページにおいてもまたしかりで、例えば統計が古いとか、あるいは、いつか開かれたような審議会がまだまだ載っているとか、調べてみるとなかなか更新がなされていない。やはり情報の所轄の部としては、全庁的に、このホームページの更新とか掲載等についてチェックをするとか、何かそういうシステムが必要ではないかと思うのですけれども、総務部長、その辺のことについて取り組みが大事だと思うのですが、いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 その辺につきましては、私からもおわびをさせていただきたいと存じますし、ただいま委員からの御指摘のとおり、やはり県のホームページというのは、県の広報の一番の窓口でございますので、そこでどういった情報を提供申し上げられるのかというものが、議会でも御議論いただいておりますが、本県のいろいろな施策に当たってのまず第一歩になろうかと思います。
 したがいまして、そのホームページにおいてそのような状況下にあるということは、大変申しわけないと存じておりまして、当然、広聴広報課におきましても、私どもにおきましても、ホームページがどうあればいいのかということは、常日ごろいろいろ検討を進めさせていただいているところでございますが、その最も根本となる情報の中身、その的確性というものについては、ホームページ所管課ともよく調整をさせていただきながら、そういったことのないように、私どもとしても努めてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 関連。今、小山防災室長からいろいろお話があったんですけれども、室長も御存じのとおり、消防学校長をやられておったわけですが、そこで、消防学校は教育訓練施設として重要な役割を果たしておるわけですよ。それで、私も地元として、喜多正敏委員よりもっと気の毒な思いをしておるわけです。
 それで、まず一つは、消防学校の施設、それから人員、運営の基準があるわけですが、これが果たして今の状況で満たされているのかどうか、まず、そこから確認させていただきます。
〇小山総合防災室長 ただいまの高橋委員からの御質問でございますけれども、基準につきましては、ちょっと詳しい基準等、現有のものについて、今チェックしたものがございませんので合致しているとなかなか言いにくいのですが、常に基準が変わるごとに、そういった形で、予算当局の御配慮をいただきまして更新もしくは新たに導入しているといったことで、新旧の違いはありますが、その備えているものに不足はないと認識しております。
〇高橋昌造委員 ここで基準を満たしているかどうかわからないということでは、今後、先が思いやられるわけです。一番の基本なんですよね。この消防学校は、先ほども申し上げたように、教育訓練施設として、消防力の向上対策を講じる一番大事なところなわけです。ましてや、地元には、この消防と医療の連携、いわゆる消防学校と今度は岩手医科大学も、連携の推進強化を図っていかなければならない現状にあるわけですよ。もう少し真剣に取り組んでいただきたいということで、答弁は結構でございます。
〇高橋但馬委員 決算書の6ページに記載のあります県たばこ税についてお伺いいたします。
 平成21年度歳入の中で県税収入済額に占める額が24億123万2、000円となっております。県税に占める割合が2.3%となっており、平成20年度より構成比が伸びております。市町村に入るたばこ税は、盛岡市の17億2、710万3、000円を筆頭に、県内合計73億7、346万円、県たばこ税と市町村たばこ税の合計は98億円となっております。
 そこで伺いますが、平成21年度県たばこ税額は、平成20年度に比べて約1億2、154万2、000円減で4.8%減少となっておりますが、その原因はどこにあるとお考えでしょうか。
〇八重樫税務課総括課長 たばこ税減収の原因についてでありますが、近年、たばこの売上本数の減少傾向が見られるところであります。県内におけるたばこ販売数量は、平成21年度、22億7、400万本で、前年度比4.8%の減となっており、このような消費動向が県たばこ税の税収にも反映したものと考えております。
〇高橋但馬委員 最近、禁煙者の方もふえていると思うんですけれども、それだけではなく、むしろ少子高齢化、それによる成人者の人口の構成が減っている部分ということで、たばこの売り上げが減っているというのも考えられると思います。
 さらに、今月、10月1日より、たばこ税が1本当たり3.5円の大幅増税になりました。諸経費も含めますと36%から46%の大幅の値上げになっております。このことによって、今年度以降、県たばこ税の税収がどのように変動し推移していくか、当局の見通し、あわせて、県たばこ産業と農家に与える財政、税収的側面からの影響についてお知らせください。
〇八重樫税務課総括課長 平成22年度の県たばこ税の税収見込み額は、委員御指摘のとおり、本年10月からの税率改定による県税収入の増加が見込まれるものの、一方で、価格の上昇によりまして禁煙または節煙する方が増加し、たばこの売上本数がさらに減少することが見込まれることなどから、平成21年度当初予算額に比べまして0.7%、1、800万円程度の減となる23億8、600万円と見込んだところであります。
 今後におきましても、この売上本数の減少が続くものと見込まれることから、税収においても同様に減少傾向となるものと考えておるところであります。
 なお、県内たばこ農家の方々は、JT等と契約生産されているということを伺っております。税収というよりは、まさにその売上本数の減少によって、そうした県内たばこ生産農家の方への影響もあるものと考えております。
〇高橋但馬委員 やっぱり税収が減るということは想定できる範囲のことだと思うんですけれども、県たばこ税は、徴税経費がかからない税金であります。たばこを小売店がメーカーから仕入れる段階で自動的に徴税できるという税金でありまして、目的税とは違い、何に使ってもいい税金ということですので、こういう部分をよく考えて、なるべく税金を取れるように、その辺の売り上げ貢献に県としても努めていただきたいと思います。
 また、世界4大嗜好品であるたばこを吸われる方の権利と非喫煙者の権利を尊重しながら、県としても、施設管理の点で分煙施設を最大限に取り入れるべきだと思いますので、要望として挙げさせていただきたいと思います。
 あともう一点お伺いいたしますが、情報化推進費についてお伺いいたします。
 歳入歳出決算事項別明細書の178ページに記載されていますが、これまで本県において、平成12年度から16年度まで5カ年間を取り組み期間とする行政情報化推進計画に基づいて、情報化を業務の高度化、効率化の手段として、創造的、効率的な行政運営を行うことで県民の満足度を向上させるために、電子県庁の構築に取り組んできたと承知しています。
 その成果として、連絡事務の電子化による事務作業の迅速化、または防災情報を携帯で提供するモバイルメールサービスシステムの実現などによって県民生活の向上に大きな役割を果たしているものと思いますが、行政情報化推進計画の取り組み期間が終了した現在、どれほどの情報システムが構築されているのか、また、計画に対する進捗率、平成21年度における情報システムの関連経費の推移と決算額についてお知らせください。
〇紺野法務学事課総括課長 まず、電子県庁の構築につきましては、国のe−Japan戦略に呼応いたしまして、全国の団体と歩調を合わせて一斉に取り組んだものでございます。
 本県におきましては、委員御指摘のとおり、行政情報化推進計画に基づき、これまで、職員一人一台端末の整備を初め、電子調達システムや電子申請システムなどの情報環境整備に努めてきたところでございます。
 次に、行政情報化推進計画に掲げる取り組みの進捗率についてでございますが、これらの取り組みを進めてきた結果、現時点におきまして、計画されていた事項のすべてが完了しているという状況にございます。
 また、平成21年度における情報システムの数とその決算額につきましては、知事部局の情報システムに関して申し上げますと、情報システムは84システムで、決算額は17億5、000万円余となっているところでございます。
〇高橋但馬委員 電子県庁の構築に取り組んでいる団体は、すべて構築とかそのメンテナンスの経費に多大にお金がかかるということがあるんですけれども、本県の電子県庁は更新の時期をそろそろ迎えようとしているわけですが、多額の経費を要する電子県庁に対する経費削減の取り組み状況と成果についてお知らせください。
〇紺野法務学事課総括課長 経費縮減の取り組み状況と成果についてでございますけれども、平成21年度におきましては、給与計算処理業務など五つの個別業務におきまして、それぞれのシステムで保有しておりました職員情報データベースを一元化することによりまして、年間340万円の経費縮減を達成してございます。
 また、30の個別業務システムで保有しております101台のサーバーを、新たに開発された技術を活用することによりまして、平成21年度から25年度までの5年間で101台を5台に統合するということによりまして2億4、400万円余の経費縮減が達成される見込みとなってございます。
 今年度におきましても、電子システムの更新に当たりまして、これまでの自己開発方式からSaaS方式と呼ばれる─これはインターネットを通じてサービスを調達する方式でございますけれども、この方式に改めることによりまして、5年間で1億6、400万円余の経費縮減が達成される見込みでございます。
 また、年間5億6、000万円余の運営費を要します財務会計などを初めとするオンラインシステムの見直しに向けまして、現在、全庁を挙げて検討に取り組むなど、情報システム関連経費の縮減に努めているところでございます。
〇高橋但馬委員 今、御答弁にありましたSaaSなんですけれども、総務省は、ことしの4月に原口ビジョンIIということで、情報システムの集約と共同化による自治体クラウドを推進したわけですが、県としてのクラウドに対する検討状況、やっぱりこのクラウドというのは、情報システムの関連経費を30%軽減するということを原口ビジョンで言われているわけですが、その点についてお知らせください。
〇紺野法務学事課総括課長 自治体クラウドの検討状況についてでございますけれども、本県におきましては、先ほど申し上げたところでございますが、情報システムを集約、統合化するというサーバー統合ですとか、電子申請システムのSaaS化などの自治体クラウドに関する取り組みを、既に情報システム最適化事業の一環として、他県に先駆けて取り組んでいるところでございます。
 また、自治体クラウド導入に関する推進方策の詳細につきましては、現在、国においても検討段階にございますけれども、これが明らかになり次第、本県のこれまでの取り組み成果を生かしながら、自治体クラウドによる経費縮減の取り組みをさらに推進していきたいと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 自治体クラウドに移行、推移するに当たって、今まで県庁の中で個人情報とかを管理していたのを、今度は第三者に管理をゆだねるという問題が出てくるんですけれども、その情報セキュリティーに対する対策というのをお知らせください。
〇紺野法務学事課総括課長 自治体クラウドの推進に当たりましては、委員御指摘のとおり、情報セキュリティーの維持、確保を初め、プライバシーや他システムとの接続互換性の確保などが大きな課題になります。
 このため、現在、国におきましては、自治体クラウド推進のため、これらの課題解決のための方策について検討を重ねているところでございます。
 本県における自治体クラウドの推進に当たりましては、この検討結果を踏まえまして、十分な安全性が確保できるよう適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 そのセキュリティーの問題は、これからの検討課題であると思うんですけれども、その検討状況で、セキュリティーの問題をクリアした段階で、まず自治体クラウドというものを、さらに経費削減するために、例えば市町村と連携をして1団体当たりの単価を下げるという方法もあると思うんですが、それについて、あとは、あわせて電子県庁の今後のあり方をどう考えているのかというのを2点お知らせください。
〇紺野法務学事課総括課長 まず、市町村との共同利用についてでございますが、自治体クラウドによる市町村との共同化に当たり、業務手順の標準化や情報セキュリティー対策等の諸課題の解決に向けまして、現在、北海道を初めとした市町村を含む73団体におきまして、自治体クラウド開発実証事業を行っているところでございます。その結果を踏まえまして精査、研究したいと考えているところでございます。
 なお、本県の共同利用の取り組みにつきましては、今年度、電子申請システムの更新に当たりまして、既に県内8市町村と共同利用を行っているところでございます。
 次に、電子県庁の今後のあり方についてでございますけれども、自治体クラウドの目的といたしましては、いわゆる自治体丸抱えの運用により多額の財政負担を要している情報システムについて、経費縮減を図るということにございますので、この取り組みを今後も進めまして、さらなる経費縮減に努めてまいりたいと考えております。
 加えまして、行政情報化の本来の目的でございます住民の利便性の向上と業務の効率化も図りながら、住民サービスの向上に資するよう、安価で効率的な電子県庁の実現に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 先ほどの答弁にもありましたけれども、県のシステムが他県に先駆けているという部分もありますので、今後とも、なお一層の本県の情報化に取り組んでいただきたいと思います。
〇斉藤信委員 最初に、県財政の状況についてお聞きしたいと思います。
 県税収入184億円余の減収となりました。うち法人事業税が127億円の減収ですが、先ほどの議論では、地方法人特別税の分が42億5、100万円ですか、国に納付があったということがありました。そうしますと、法人事業税の減収はそれを除くということになるのか、また、その納付された分はどういう形で岩手県に返ってきているのか示していただきたい。
 県の滞納整理機構の滞納の内訳、差し押さえ、競売処分の状況を示していただきたい。
〇八重樫税務課総括課長 法人事業税のうち、国に納付しました地方法人特別税は、譲与税として各県に配分となりますので、この地方法人特別税分を除いた平成21年度の法人事業税の決算額は、前年度対比でマイナス30.6%となるものでございます。
 続きまして、県の滞納整理機構の実績についての御質問でございますが、平成21年度における岩手県地方税特別滞納整理機構の整理対象額は、個人県民税を含む個人住民税を初めとした市町村税の総額で合計8億2、600万円余となっているところでございます。
 この整理対象額のうち、公売等の処分により徴収したものは4、300万円余、任意の納付があったものは8、800万円余であり、平成21年度末において差し押さえ継続中のものが9、900万円余となっているところでございます。
〇斉藤信委員 私がリアルに聞いているのに、回答が全然抽象的なんだよ。法人事業税が127億円減収だから、地方法人特別税の分を除けば減収となるのかと、それがどのように岩手県に戻っているのかと。譲与税で戻っているとすれば、それはふえて戻ってくるんですか。どういう考え方で戻ってくるのか示していただきたい。
 次に、公債費が、決算の説明書を見ると、48ページでは1、110億8、238万円余、54ページでは1、111億4、023万円余となっていますけれども、これは何か矛盾はないんですか。
〇八矢予算調製課総括課長 公債費の区分につきまして、目的別と性質別で若干数字が動くということで、考え方の違いによって区分が違うということでございまして、特段矛盾しているものではございません。
〇八重樫税務課総括課長 平成21年度の地方特別法人税として国に納付した分が42億5、100万円ございます。各地方から国のほうに納付されましたものから、各県に地方法人特別税として譲与税で譲与されるわけですけれども、平成21年度の本県の地方法人特別譲与税は67億4、900万円でございますので、差し引き24億9、800万円の増となっているものでございます。
 ただ、法人事業税の決算におきまして、地方法人特別税の42億5、100万円の影響を差し引いても、マイナス30.6%の減少となっているということを申し上げたものでございます。
〇斉藤信委員 公債費で目的別と性質別で額がわずかに違うと。しかし、支出だったら同じなのではないですか。何で目的別と性質別で額が微妙に違うんですか。歳出決算、最終的に決算になったら同じになるのではないですか。
〇八矢予算調製課総括課長 委員御指摘のように、基本的に返している額は同じでありますけれども、例えば、北東北3県で共同発行している北東北みらい債の事務経費とか、あとは一時借入金の利子につきまして、入っている、入っていないという部分で数字が違っているということでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。いずれにしても莫大な公債費がこれからどんどんふえ続けると。前年比で約86億円余ふえているんですね。今後どれだけふえていくのか示していただきたい。
 県債残高は普通会計ベースで1兆5、072億円となっています。県民1人当たり約114万円となりますが、県債残高が異常に膨れ上がった県財政の危機的状況の主な要因をどのようにとらえていますか。
〇八矢予算調製課総括課長 公債費の見通しでございますけれども、今後、新発債─新規に県債をどの程度発行するかという前提の置き方にもよりますが、今年度と同じぐらいの規模と仮定した場合に、大体毎年40億円から60億円程度ずつ公債費がふえていきまして、平成26年度または27年度あたりに現在の公債費の水準が1、400億円台あたりまで行きまして、これがピークになるのではないかと大まかに想定しているところでございます。
 それから、県債残高がかなり多額になっている理由としては二つございまして、一つ目は、平成9年前後に、国の景気対策に伴いまして国、地方ともに公共事業をかなりたくさん行いました。本県は県土が非常に広うございますので社会資本の整備が立ちおくれていたと。順番待ちしている事業がかなりたくさんありましたので、これを好機ととらえまして、国の経済対策にあわせて、必要な公共事業を前倒しでかなりたくさんやったという部分が一つ。
 それから、近年の国、地方合わせた財政の悪化にともないまして、必要な歳出規模を税収だけで賄えないということで、国は国債を発行し、地方は臨時財政対策債を発行するという形で財源の手当てをしてまいりましたので、その臨時財政対策債の分がかなりふえていると。
 あわせて、本県につきましては、なかなか毎年毎年借金の返済に回せる財源が少ないということで、他県と比べて借入期間がかなり長いと。単年度10年、15年で借りて毎年頑張って返すということではなく、償還期間を長くして、単年度少しずつ返していって県民生活に負担を与えないようにするといった考え方で借り入れを行っておりますので、残高がなかなか減らないという形でふえているという状況でございます。
〇斉藤信委員 総務部長に聞きたいんだけれども、私が県議会議員になって16年目でありますが、県の決算額が一番高かったのは平成12年度、9、348億円でした。平成21年度が7、259億円ですから77%、約3分の2です。
 一方で、県債残高は、平成7年度、7、599億円が、平成21年度は1兆5、073億円で2倍にふえています。さらに、普通建設事業は、平成9年度、今、課長が言われた一番ふえたときが3、769億円、今1、219億円で3分の1です。3分の1。そして、主要3基金は、平成8年度がピークでしたが、1、564億円あったのが、今256億円、6分の1。予算も3分の2に減っているけれども、借金は倍にふえて、建設事業は3分の1に減って、ためていた基金は6分の1に減ったと。
 こういう深刻な財政危機というのは、今、課長が言ったことが大体正しいと思うけれども、私は整理して言うと、一つは、前倒しの公共事業じゃないんですよ、予算の規模を超えた公共事業をやり過ぎた、これが第1ですね。第2に、借金を返すときに三位一体改革で地方交付税をばっと減らされた。いわば手当てされるべき財源が来なかった。第3は、この十数年来ずっと不景気で税収が入ってこない。労働者の賃金も農林漁業も衰退して税収が入ってこない。私は、この三つが県財政危機の主な要因だと思うけれども、総務部長はどうお考えですか。
〇菅野総務部長 先ほど予算調製課長が御答弁申し上げた内容、それから、今、委員から御指摘のあった内容は、おおむね一致する内容だろうと思ってございまして、私もそのように考えてございます。
 やはり県債については、一般に20年償還でございますので、発行したときから返し終わるまで20年という長いスパンがかかっていると。したがいまして、先ほど委員から御指摘のありましたとおり、三位一体改革等によりまして国からの交付税総額が大幅に減って、本県の財政が極めて厳しい環境に置かれる。これは本県だけではなくて、地方という言い方をさせていただいてもよろしいかと思いますが、そこが非常に厳しい環境下に置かれていると。
 ただ、私どもの県で、そういう点で他県に比べてちょっとつらいところがございますのは、償還のピークが、もう既に減り始めた県も中にはございます、中には。ただ、私どもの県は、先ほど申し上げましたとおり、やはり平成26、27年まで償還のピークが上がっていくという状況もございますので、もう少しはどうしても辛抱しなければならない期間。そのピークが過ぎますと、いろいろな御意見でもございましたとおり、長期的に管理計画等をつくりまして、少し計画的にやっていける時代に入ってくるのではないかと思ってございますが、もう少し本県の場合はつらい期間が続くということだろうと存じております。
〇斉藤信委員 総務部長も議場の雰囲気も、この点は大体一致しているのではないかと思いますが、私は、国の財政も大変だけれども、県の財政、危機に陥った原因が大事なんですよ。原因が明らかになったら、やっぱり解決の方向も出てくる。無駄な大型開発が大きな要因だとしたら、今こそ、公共事業が減っているときに、無駄なダム建設なんかは真っ先に見直さなければだめだと。これはもう指摘をしておきます。
 次に、人件費が82億円減額となりました。その内訳はどうなっているでしょうか。人勧の影響分、そしてその他の要因。
 また、そういう人件費が大幅に減額する中で、超過勤務の実態と手当の支給状況はどうなっているでしょうか。
〇浅沼人事課総括課長 人件費の減額のお尋ねでございました。
 人件費は、平成20年度と比較いたしまして82億円の減額となってございますが、主な要因は、職員数の減、給与のマイナス改定並びに退職者数が前年度より少なかったことなどによります。うち給与改定分といたしましては約42億円と試算しているところでございます。
 職員1人当たりの減収額というお尋ねがございました。昨年度の給与改定によりまして、行政職の平均でまいりますと17万5、000円の減額となっているところでございます。
 超勤のほうの実態につきましてでございますが、平成21年度の知事部局におきます超過勤務手当の支出決算額につきましては、一般会計及び関連特別会計の合計で9億6、800万円余となってございます。対前年度比で8.4%の減となってございます。
 なお、知事部局の職員に係ります年間1人当たりの平均超過勤務時間数は114.0時間、対前年度比で5.0%の減、年間1人当たりの平均手当支給額は27万7、000円余、対前年度比5.9%の減となってございます。
〇斉藤信委員 大幅に県職員の賃金が減少する中で、私は、超過勤務手当というのはきっちり出すべきだと。選挙管理委員会は昨年、年間602時間の超過勤務でした。警察本部は335時間でしたが、これはきっちり出ていますか。
〇浅沼人事課総括課長 それぞれの任命権者のもとにおきまして、事前命令、事後確認をきちっと行って、その実績に基づいた超過勤務手当が支給されていると認識してございます。
〇斉藤信委員 私は個別に聞いたんですよ、具体的に。602時間も残業をしている部署があるのですよ。それはしっかり出ていますかと聞いているんですよ。これは去年の話ですよ。
〇浅沼人事課総括課長 選挙管理委員会個別の超過勤務理由につきまして、今現在、当方の手元にございませんが、選挙関連事務でありますとか、そういうことの突発的な業務によります超過勤務手当ではなかったかと推測しております。
〇斉藤信委員 ことしも参議院議員選挙があったわけですよ。私は、去年も総選挙、ことしも参議院議員選挙、これはもう決まっていた。これだけ残業をするなら、やっぱり人員の配置が必要だったのではないかと。後でもいいから本当に出したか示してくださいよ。私は出ていないと思いますよ。
 警察は、335時間のうち6割も出していないんですよ。これは警察本部長も認めているんです。これは極めて重大だと。後で答えるところはしっかり答えてください。
 次に、チリ地震津波の対応と避難調査の教訓についてお聞きいたします。
 2月28日にチリ大地震津波がございまして、避難行動に関するアンケートというのが県、岩手大学共同で調査をされました。私も見ましたけれども、大変詳細な教訓に満ちた調査だったと。
 例えば避難は、当初の新聞報道とは違って60.8%避難されたということでしたが、避難しないというのが35.6%あったと。今度の調査結果を踏まえてどういう問題が明らかになっているのか。その打開策、解決策、どういうふうに今取り組まれているか、示していただきたい。
〇越野防災危機管理監 まず、今回のアンケートを分析した結果でございますけれども、課題として、正しい知識に基づかない自己判断、それから要援護者に対する避難支援、あるいは避難施設の居住環境、あと、きめ細やかな情報の提供及び日ごろの防災活動など、避難行動に大きな影響を及ぼすことが明らかになりました。こういう課題がまた見えてきましたので、県としてはこの分析結果を踏まえまして、小、中学校の先生を対象とした津波防災講習会の実施などによる津波に関する正しい知識の普及あるいは啓蒙を行うとともに、現在はやっていませんが、これから県内自主防災組織間の連絡会議の設置などによりまして自主防災組織の育成強化を図る、あるいは指定避難施設のさらなる居住環境の改善など、沿岸市町村と共同しながら、これらの課題に取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、調査のまとめでもそのように提起をされております。私、この調査結果を見て、やっぱり行政が責任を持つ分野というのがあるわけですね。特に、要援護者に対する避難支援、避難したくてもできなかったというのは16.7%いた。病気だった、病気の者を抱えていた、高齢者を抱えていた。これは周りの支援がなければ解決されない問題。
 もう一つは、避難施設の居住環境が悪くて行けなかった、また、すぐ帰った。これは暖房施設がない、情報施設がない。宮城県沖地震というのはもう切迫をしているわけですから、私は今回のチリ地震大津波の教訓というのは、そういう意味でいけば、本当に結果的には教訓を生かせるものになっていると思いますので、その点どう進めようとしているか、示してください。
〇越野防災危機管理監 委員御指摘のとおりに、要援護者の避難支援の件に関しましては、現在、保健福祉部と連携をしながら、各市町村が、要援護者避難支援計画の全体計画、これを今年度中に作成することになっております。さらに、それの個別計画というのを、要避難者個人ごとの避難計画を作成するように、今、各市町村で進めてございます。したがいまして、先ほど言いましたように、保健福祉部それから防災所管部と連携しながら、これを早急に進めてまいりたいと考えております。
 それと、避難施設の居住環境につきまして、御指摘のとおり、暖房施設だとかそれからテレビがないとか、そういうことが今回課題で明らかになってまいりました。これは急になかなか改善できない問題でございますが、各市町村と連携をとりながら、できるところから少しでも改善できるように努力してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、次に受動喫煙防止対策についてお聞きをいたします。先ほどたばこというお話がありましたけれども。
 ことしの2月に、厚生労働省は、受動喫煙防止対策についてという通知を出しまして、官公庁は全面禁煙が望ましいと、こう提起をしておりました。県庁として、この通知を踏まえて、どのように全面禁煙に取り組もうとしているのか、全国の状況も踏まえて示していただきたい。
〇平総務事務センター所長 受動喫煙防止対策についてでありますが、県庁を含む県の各庁舎におきましては完全分煙を実施しておりますが、県内の4カ所の合同庁舎におきましては、既に庁舎内の全面禁煙に取り組んでいるところでございます。
 今、委員御指摘のとおり、本年2月に、厚生労働省健康局長から受動喫煙防止対策の通知が発出されまして、官公庁においては全面禁煙をすることが望ましいとの基本的方向が示されたところでございます。こうしたところから、県としても、職員安全衛生管理委員会において、職場における受動喫煙防止対策について調査、審議してきたところでございます。9月に開催いたしましたこの委員会におきまして、職員の意識調査、全国の取り組み、各委員の意見を踏まえまして、岩手県職員受動喫煙防止対策基本方針を取りまとめたところでございます。
 全国では、東京都を除く46道府県におきましては、20府県で既に完全禁煙に取り組んでおりますし、8割の府県が完全禁煙に取り組む目標で、現在検討を進めているところでございます。
 それで、9月に取りまとめました県職員の受動喫煙防止対策基本方針の内容でございますが、本庁舎、合同庁舎及び単独庁舎の屋内並びに公用車内は全面禁煙を基本とすること。また、庁舎敷地内への喫煙場所の設置等、受動喫煙防止対策の具体的な取り組みの内容につきましては、各地区の衛生委員会の意見等を踏まえながら、各庁舎管理者がそれぞれの庁舎の実情に応じて適切な措置を講じるものとしたところでございます。この方針を踏まえまして、本年10月から、各所属が保有、管理する公用車、およそ本庁及び広域振興局あるいは出先を含めまして551台ほどございますが、公用車は全面禁煙を実施してございます。
 それから、庁舎内の全面禁煙の実施に向けてでございますが、来年4月からの実施に向けて、各庁舎において課題を検討していただいております。各庁舎管理者において検討を進め、必要な措置を講じることとしているところでございます。
 県といたしましては、受動喫煙防止対策の一層の推進に努めてまいる考えでございます。
〇斉藤信委員 よくわかりました。4月からいよいよ県庁舎は全面禁煙と、公用車はもう10月から全面禁煙を実施しているということで、これは世界の流れ、全国の流れだと。議会棟を含めて、これは実施が求められていると私は考えるものであります。
 最後です。入札制度の改善についてたくさん議論がありました。結論的に、昨年度の落札率が82.2%で、低入札が48.9%だという実態が明らかになりました。
 一方で、本会議で佐々木博委員が立ち入ってやりましたが、県内建設業者の経常利益率がマイナス2%前後で推移していると。東日本では最低だと。私はこういう状況の中で、もう最低制限価格を導入するのは当たり前じゃないかと。全国の状況を示していただきたい。なぜ、最低制限価格の導入に踏み出せないのか。
 もう一つは、労賃単価が下がっています。私は公契約条例の制定も考えて、下請、孫請まで賃金を保証するということをしないと、犠牲が結局、下請、孫請に行ってしまうと。そういうことも含めて、安ければいいということではないと。やっぱり適切な事業、地元の業者も育成し、適切な仕事がやられるというレベルにしていかなくちゃならんと思うんですが、いかがですか。
〇高橋入札課長 まず第1に、最低制限価格制度を導入している団体でございますけれども、全国47都道府県のうち41団体がこれを導入しております。
 次に、低入札におけるそういった低賃金等の問題でございますけれども、特に1億円以上の工事につきましては、そういった実態、下請への圧迫等がないか内容をきちんと調査して、また、事後的にその支払い状況等も確認しながら、そういった防止に努めているところでございます。
 さらには、最低制限価格に限った話ではございませんが、そういった導入も含めて、どういう制度がいいのか、現在検討中でございます。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇吉田敬子委員 通告しておりましたが挙手をし損ねましたので、そのほかということで簡潔に質問いたします。
 先ほど佐々木博委員からも質問がありました指定管理者制度に関してですが、ほとんどが佐々木委員の質問と同じでありましたが、私自身、以前、NPO職員として県の施設で仕事をしていた当事者の一人として、それにつけ加えて、事業委託の公募期間に関して質問させていただきます。
 ホームページで公開されてから、募集期間が短いものでは2週間というものもあり、手を挙げたくても準備期間がなく、応募を断念せざるを得ないという声を私自身多く聞いてまいりました。
 一方、公募をかける時点で、事業を委託しているNPO等には、担当課から公募の時期がいつごろになるか情報が入っており、十分な準備期間を得られているケースがほとんどであったのが実態だと私は感じております。こうした状況も先ほど佐々木委員から御指摘ありました採択率が高いという状況、これは閉ざされた公募であると私は感じておりますが、その件に関して県の御所見を伺います。
〇吉田管財課総括課長 平成16年度当時ですが、公の施設に係る指定管理者制度導入のガイドラインというものを私どもで制定しております。その中におきましては、募集期間につきましては1カ月以上とし、十分な周知期間を設けると記載したのですが、委員御指摘のようなことがあれば、大変残念なことだと承知しております。
 これまで、昨年来いろいろ指摘がございました。この制度導入以降6年間が経過し、いろんな改善点が見られるということを認識しておりますので、先ほど総務部長からもお答えさせていただきましたように、この制度につきましては、必要な検討をしっかりとやってまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 また、ある特定の事業委託の公募なのですが、ある特定のNPO等を委託先に想定した委託応募要綱の内容になっていることも現状としてあるかと思いますが、その件に関しましてはいかがでしょうか。
〇吉田管財課総括課長 先ほど御紹介いたしましたガイドラインで私どもが一番大事だと考えておりますのは、競争性の確保、すなわち、透明性と公平性が十分に担保されることだと考えております。そうした点をきちんと踏まえまして、今後の制度の見直しを図ってまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 県に対しましては、ぜひNPO等、地域活動市民参加促進と育成につながる公平性、透明性のある指定管理者制度のあり方の見直しを強く御期待申し上げて、終わりといたします。
〇阿部富雄委員 仕組債についてお伺いをいたしますけれども、先ほどの総括質疑の知事の答弁で、仕組債のような金利以外に連動するものの導入については慎重に対処すると、これは今後そういうふうに対応していただくのはいいわけでありますが、問題は、既に発行している仕組債については、為替相場の動向を注視していきたいということにとどまっているわけですね。これで私は県の責任は果たせないと思うんですよ。少なくとも、発行している仕組債については、証券発行で市中を流通していると思いますけれども、これを買い戻す、そういう努力をやらなければ、二十何億円という金額を、むざむざ県民に負担を強いるということに私はならないかと思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えですか。
〇八矢予算調製課総括課長 この仕組債を発行する際に、証券会社と債券の取り扱いのルールを定めた要綱がございますが、この要綱には、そもそも繰り上げ償還のようなものができるという条項がございませんので、委員御指摘のように、不特定多数の、どのぐらいの方が証券をお持ちかもしれませんが、それを何とか探し当てて買い戻して、あとは証文を自分で買って破るような買い入れ償却ということになりますが、実際に相手が特定できたとして、この岩手県が発行した債券を売ってくださいと申し出るわけですが、買った側としては将来の運用のために持っているわけですので、将来の期待値も含めて買い戻してくれるのであれば売りますよと。発行したときの価格ではなくて、今は実際円高水準にありますので、将来このぐらい金利を払ってもらえるでしょうと。そうすると、発行したときの額ではなく、将来の期待値も含めた金額で買い戻すということになりますので、それは先々買い戻さないで、実際の為替相場に応じて金利を払った場合と、期待値を含めて現時点で買い戻した場合と、発行してしまった以上、先々払い続けるか買い戻すかで、財政的なメリットはそんなに変わらないのではないかと考えてございます。
〇阿部富雄委員 わかっていて私は言っているんです。そういう努力もしないで、為替相場のまま払っていったほうがいいかどうか、そこを見きわめるという、そういうことには私はならないだろうと言っているんですよ。まず、そういう努力をしてみて、買い戻しができるかどうか。それを発行額で買い戻すなんていうことができないのはもちろん当たり前ですよ。そういう追跡をして、とにかく持っている人と交渉して金額を比較してみて、安かったらやっぱり買い戻すという、そういう対策をなぜとらないんですかということを聞いているんです。そこはできないんですか。
〇八矢予算調製課総括課長 事務的に証券会社に実際買い戻すということができるのかどうかということを、我々も同じ問題意識を持って打診したことがございますが、そもそも不特定多数に証券が流れておりますので、特定することが困難である、あるいは買い戻しに応じるかどうかというのは全く保証がないと、現実的には難しいという話をいただいているところでございまして、委員の御指摘は十分踏まえて我々としても事務的な打診をしたところでございますが、現実的には難しいというところでございます。
〇阿部富雄委員 そうすると買い戻しの努力もしない、こういうことになると、先ほど総括課長は81円で試算すると1億8、800万円と言いましたけれども、これは半年分ですよ。1年分にすると3億7、600万円ですよ。これを今後6年半払い続けていかなければならないんですよ。そうすると、幾らの金額になりますか。25億円近くになるでしょう。そのほかにも今まで4回払って、5億円払っている。30億円ですよ。森のトレーで15億円の補助金の返還をどうするかと騒いでいる中で、新たに30億円もの県民負担を強いるというのは、一体どうなんですか。こういう買い戻しの努力もしないとなれば、これを執行した責任というものは問われなければならないし、それなりの処分を私は求めていかなければならないと思うんです。
 確かに、議会は、予算の際に9%以内の金利で普通貸借または証券発行で調達するということを議決していました。この仕組債を発行したときは1.37%で発行していますけれども、この当時の普通金利というのは1.6%ですよ。わかっていますか。1.6%どころか7%を超える金利を払うということになること自体異常だと私は思うんですが、いかがですか。
〇八矢予算調製課総括課長 去年の決算特別委員会でも仕組債等々いろいろな議論がございまして、その際にも御説明しましたが、県としてはリスク分散を図るということで、今は金利が低いということでその他の金利がかなり低い状況、この仕組債については高い金利を払っていると。将来、金利が上がった際に、ほかの条件を一定にいたしますと、単純に金利と為替相場は連動しないということでありますが、金利が高くてほかの利払いが高いときに円安になるとこの仕組債については利払いが低いということで、単年度単年度の利払い総体で見ますと、余りぶれたりしないようにするということもこの仕組債のねらいの一つであったと。ただ、上限9%ということもありますし、委員御指摘のように、最初から10年の通常の債券として発行していたらよかったのではないかといったような御指摘もあろうかと思いますので、今後、金利以外のものに連動した債券の発行というのは否定的に考えたいと思いますけれども、すべて終わってみないと本当に、現時点で、局面で切り取って、高いからどうということは一概には言えないのかなと考えてございます。
〇阿部富雄委員 そうだとは思いますけれども、買い戻しの努力もしないとなれば、私たち県議会は県民にどう説明したらいいんですか。県の起債発行で30億円も損失を与えたと。だれが負担するんですかと、こういうことに私はなると思うんですよ。少なくとも県においても、こういう財政運営といいますか、起債発行をした責任、これを明確にする、賠償責任も含めて私は対応するということを検討していくべきだと思います。
 今後、この問題についてはこれからも引き続き追及していきますから、きちっと県民に納得できるような対応をしていただきたいと、終わります。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇古内会計管理者兼出納局長 それでは、出納局関係の決算について御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、166ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、167ページの備考覧に記載しておりますとおり、出納局の管理運営費2億3、709万円余でございます。これは、職員30人の人件費など、出納局の管理運営に要した経費でございます。
 続きまして、168ページをお開き願います。第5目会計管理費の支出済額は2億8、342万円余でございます。これは、金融機関などからの一時借入金の支払い利息など会計の管理運営費、また、証紙の売りさばき手数料及び電子収納システム運営費でございます。
 次に、ページを少し大きく飛んでいただきまして、426ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計についてでございます。収入済額の合計は52億3、649万円余でございます。また、支出済額の合計は、429ページに記載してございますが、52億776万円余でございます。これは、一般会計に繰り出したものでございまして、その内訳は、県税、使用料及び手数料となっております。また、収入済額の合計から支出済額の合計を差し引いた実質収支額につきましては、454ページにございますが、実質収支に関する調書に記載しておりますとおり2、872万円余で、翌年度に繰り越しをしているものでございます。
 以上で出納局関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇熊田人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により説明申し上げますので、190ページと191ページをお開き願います。
 第2款総務費のうち、8項人事委員会費でございます。予算総額1億3、797万9、000円に対しまして、支出総額は1億3、625万6、000円余でございます。内訳でございますが、1目委員会費の支出済額の642万円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億2、983万6、000円余でございますが、これは、職員15名分の人件費及び事務局における公平審査事務、任用関係事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 1点だけ。先ほど総務部でも私は取り上げましたが、人事委員会は県庁の労働基準監督署の役割を持っております。超過勤務の実態についてどう調査、把握して、その手当の支給について改善を図っているか示していただきたい。
〇及川職員課総括課長 超過勤務手当についてのお尋ねですが、人事委員会におきましては、労働基準監督機関として職権を有する全事業場に対して、労働基準法及び労働安全衛生法等の遵守状況等につきまして書面調査を行っているところであります。それで、昨年度もこの調査におきまして超過勤務の状況についても調査しております。
 超過勤務の状況につきましては、超過勤務の実績の把握方法あるいは超過勤務縮減の取り組み等について調査を行ったところであります。それで、これらの調査結果に基づきまして、平成21年11月9日付の文書で各任命権者に対しまして、超過勤務の縮減をより一層図るために、超過勤務命令権者による事前命令と事後確認の徹底等について通知したほか、本年1月には、超過勤務の多い6カ所の事業場に出向いて職員からの聞き取りを行うなどにより、超過勤務に係る実態の把握にも努めたところであります。
〇斉藤信委員 私は県議会で繰り返し明らかにしているんですが、特に警察本部は、昨年1人当たり平均335時間超過勤務をしましたが、支給時間数は194.4時間でありました。実績は58%であります。これは毎年なんですよ。これは何で改善されないんですか。
〇及川職員課総括課長 人事委員会におきましては、昨年度の事業場調査の結果を受けまして、警察の事業場も含めて大まかで6カ所ですが、超過勤務の多い事業場におきまして実態確認を行いました。それで、超過勤務手当の支給に関しては、不適正な事例はなかったところであります。しかし、警察本部におきましては、超過勤務時間がほかの任命権者に比べて多いということで、業務の合理化、効率化による超過勤務の縮減に努めているところでありまして、人事委員会におきましても、今後におきましても警察本部におけるさまざまな取り組みを注視しながら、超過勤務の縮減に向けて、引き続き指導を行ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで最後にしますが、警察本部が335時間、1人当たり超過勤務をしたと認識して、しかし、手当は58%しか出していないと。これはサービス残業なんですよ。社会的犯罪行為なんですよ。
 私、会計管理者にお聞きしたい。これは警察本部から請求がないのですか。自主規制をしているんですか、警察本部が。
 それと代表監査委員、こういうサービス残業がはっきり明らかになっているときに、私は監査としてもこれはちゃんと対応すべきだと思いますが、いかがですか。
〇古内会計管理者 私どもといたしましては、各任命権者において適切に対応されているものと認識しております。
〇伊藤監査委員 監査では、命令を受けたものについて、書面ではございますが個々に点検をして、正当に支払われていると認識しておるところでございます。
〇斉藤信委員 もう終わるつもりだったけれども、私は県警本部から報告を受けているんですよ。超過勤務が1人当たり335時間だと。しかし、超過勤務手当の支給時間は月16.2時間で、年間で194.4時間ですよと。私が個々の警察から聞いたんじゃないんですよ。労働基準監督署の役割なんだから、そういうところがこういう事実を把握したら、きちんと改善、指導するということが必要なんじゃないですか。これを最後に事務局長に聞いて終わります。
〇熊田人事委員会事務局長 人事委員会といたしましては、超過勤務命令に基づいた適正な超過勤務に対しましては、超過勤務手当が支給されるべきものと認識しております。
 繰り返しになりますが、本年1月に超過勤務時間数の多い6カ所の事業場、警察を含んだところにおきまして実態確認を行いましたが、超過勤務手当の支給に関する不適正な事例はありませんでした。
 なお、人事委員会といたしましては、職員から不適切な事例が申告された場合には、個別に検証の上、適切に対応してまいる考えでございます。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇千田監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、190ページをお開き願います。
 第2款総務費のうち、9項監査委員費1目委員費の支出済額は2、472万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。2目事務局費の支出済額は1億9、209万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは簡潔にまとめて聞きます。
 一つ、2年連続の決算不認定を踏まえて、監査委員はどのように取り組みを改善強化しているでしょうか。
 二つ、昨年度の監査の重点項目の実施結果はどうだったでしょうか。
 三つ、警察本部の捜査報償費の監査はどうなっているでしょうか。
〇伊藤監査委員 2年連続の不認定の要因は、不適当な事務処理が発生したということだと思います。それで、その不適当な事務処理の発生を受けまして、監査の対応はどうだったのかという御質問だと思いますが、預けや差しかえなど不適当な事務処理を防止する観点から、平成21年度に引き続きまして、22年度も物品購入や事務機器の修繕について、倉庫の在庫状況や修繕箇所等を確認する内部確認と、それから、抽出調査ではありますが、物品の納入業者の協力をいただいて、品名、規格、数量、金額、納入年月日等が県と業者の書類で一致しているかという外部確認を実施しておるところでございます。
 一方、監査を受ける側の知事部局を初め公安委員会等におきましても、発注と検収の分離や会計事務自己点検の実施など、自主的な再発防止のための取り組みを強化しておりますことから、監査に当たりましては、そのような取り組みの確認に努めているところでございます。
 監査の結果、事務費の執行について支払いがおくれているもの、決裁を経ずに契約を行っているもの、公用車の車検費用の支出負担行為が行われていないなど、会計規則等の誤った認識により処理をしているものが見られましたが、平成19年度、20年度決算で問題のあった預けや差しかえ等の不適当な事務処理に該当する事案は認められませんでした。
〇千田監査委員事務局長 監査の重点項目についてでございます。
 平成21年度決算に係る監査の重点事項は、普通会計分で申し上げますと四つございまして、個々の重点項目ごとに監査を行いました結果を、指摘を行いました状況から申し上げますと、一つは、業務委託及び請負工事の随意契約では、委託料の積算額を過大に支出していたものなど3件がございました。
 二つには、調定事務の執行でございますが、調定がおくれているもの4件など、合わせて10件がございました。
 三つ目は、財産、特に土地、建物の管理でございますが、財産管理簿の整理がなされていないものが1件ございました。
 四つ目ですが、需用費、備品購入費の執行でございますが、相当期間を経過してから支出しているものなど5件がございまして、これら重点項目に入っているもののほか、諸手当等を間違って支給した例、支出金額を誤って行った旅費などが41件ございまして、合わせますと計60件の指摘をしたところでございます。
〇小原監査第二課総括課長 捜査報償費に関するお尋ねでございました。
 捜査報償費を含む警察本部の監査はことしの9月、それから各警察署、17警察署がございますけれども、これは7月から8月にかけて監査を行いました。警察本部と警察署合わせた捜査報償費は総計で、平成21年度の執行額は対前年度比5.8%減の1、907万1、000円余となっておったところでありまして、そのうち私どもが監査したものは抽出でございますが、額的には441万5、000円余の分について監査したということになります。抽出率は全体で23%ということになります。
 その結果でございますけれども、私どもが抽出した範囲で監査した結果は、捜査報償費の執行に関しては、特に不適当な執行は認められなかったところであります。
〇阿部富雄委員 監査委員の認識についてお伺いをいたしますけれども、先ほど来、議論は聞いていたと思いますから、知事の考えと監査委員の考えに私は認識の違いがあるんだろうなと思って聞いたわけであります。
 監査委員に質問した際に、監査委員は、ハイリターン・ハイリスク、いわゆる仕組債のようなものは必ずしも一概に悪いとは言えないというような趣旨の発言をしました。知事は、明らかにそれを否定しているわけですよね。
 ハイリターンと言いますけれども、今回の具体の例を見れば、仕組債は1.37%ですよ。半年の利息が3、425万円。通常の、ほかの利率はわずか1.6%です。その差が0.23%。この利息が400万円です。差額が500万円ちょっと、こういう中身ですけれども、これがハイリターンなんでしょうか。どのような考えのもとでハイリターン・ハイリスクというようなことをお話しされたのか、お尋ねいたします。
〇伊藤監査委員 先ほど初めての答弁でございますし、突然でございましたので、私も何を言ったかわからなくて失礼したかもしれませんけれども、基本的には、知事と見解はそう異なっているとは私も思っておりません。
 要は、金融取引にはおわかりのとおり、大なり小なりリスクはつきものだと思うわけです。それで、これは結果になってしまうと、確かにそのまま10年とか5年の普通の固定の金利で調達していったほうがよかったと、これはそういうことになるわけですが、当時、先ほど委員もお話ししたように、金利は1.6%、私は1.7%か1.8%ぐらいだったのかなとは思いますが、いずれそういう水準だったはずです。それが1.37%でございますので、やはり0.4%から0.5%は低く調達、当時はできたと思うんです。それで、仮にその後もし金利が上がっていれば、四、五%とかになっていれば、やっぱりあのときこれをやってよかったという結果になるんだろうと思うんですが、そういうことで、これは監査委員4人で協議したわけではありませんので個人的な見解ということになるわけですが、監査委員の立場とすれば、リスクがあるものについてやったのが悪いとかいいとか、なかなか言いにくいんだろうと。ただし、先ほどもちょっと申しましたが、リスクをきちっと認識してほしいし、それからリスク管理をきっちりやってほしい。あと、さっきちょっと言い忘れたかもしれませんが、そういうリスクの高いものについては説明責任と申しますか、こういうものはリスクがあるけれども、こういう運用をするんだ、あるいは調達するとかということで説明していただくというようなことが必要なのかなと。監査委員とすれば、そういうことぐらいしか言えないんじゃないだろうかなという感じがしています。
 要は、結果は金利の予測にしろ、為替の予測にしろ、株にしろ、どっちで上がるか下がるかなんていうのはだれもわからないことでして、それについてどうだろうかという感じがするわけでございます。
〇阿部富雄委員 監査委員の記載の中で、あなたは、前身は金融に携わってきたからその道のベテランだと思います。ですから、金融機関であるとか証券会社というのは、金融商品をつくってそれを顧客に売る。自治体も顧客の一人ですよ。そういうことをやってきたからリスクが伴ってもいいのだよと、こういう認識に立っている。ところが、自治体の場合はリスクは許されないんですよ。そういう認識でやらないと、自治体運営というのはできないということですよ。私はその発想が、今までやってきた、継続でやってきたことで対応していったのではだめですよと。自治体というのは、そういう金融商品をどうのこうのという話じゃなくて、どう資金を調達して、いわゆる最小の経費で最大の効果を上げるというのが自治体の目的ですよ。そこをわきまえてやってもらわないと私は困るということを言っているわけですけれども、いかがですか。
〇伊藤監査委員 またちょっとお話をしなくちゃいけないと思うんですが、基本的に公金運用は、税金に関係してくるわけですから、ハイリスクなものは私も好ましいと思いません。ただし、さっき言ったとおりに、監査委員の立場として行ったものについて、よかった、悪かったという判断はなかなかできないだろうということを申し上げたので、御理解いただきたいと思います。
〇阿部富雄委員 答弁はこれは要りませんけれども、監査委員というのは、事実に基づいてどうあるべきかということを判断するのが監査委員じゃないですか。私は私見を挟むとか何とかと言っているんじゃないですよ。どうあるべきか、どうならなければならないかということを判断するのが監査委員じゃないんですか。そこをわきまえて私は対応してもらいたいということを言っているんです。答えは要りません。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。
 監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時8分 散 会

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