平成22年6月定例会 第16回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第9号、第17号と請願陳情受理番号第90号の不採択に対する反対討論を行います。
 議案第9号は、住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例であります。
 その中身は、県立病院と県営住宅の徴収事務に住民基本台帳ネットワークシステムを活用しようとするものであります。
 そもそも、住民基本台帳ネットワークシステムは、個人情報の漏えいが心配される不完全なシステムであり、全国でも既に個人情報が漏えいする事態も生じております。また、実際の活用状況を見れば、岩手県県税条例による県税の賦課または徴収に関する事務が2万6、685件となっており、旅券法に関する利用もあるものの、行政による住民の管理と滞納徴収に使用されているのが実態であります。今回の改正は、さらに県立病院と県営住宅の滞納徴収に活用を広げようとするものであり、住民基本台帳ネットワークシステムが、こうした徴税を強化するためのものであることを一層明らかにするものであります。
 住民基本台帳ネットワークシステムのカードの発行数は4万5、315枚であり、これはわずか3.37%にすぎません。一方で、県の維持管理費用は1億3、850万円余かかっています。実際には、県民にとってほとんど活用されていないのが実態であります。問題のある住民基本台帳ネットワークシステムは、そのあり方が根本から問われているものであります。
 議案第17号は、津付ダム建設橋りょう工事の請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。
 津付ダム建設事業そのものが洪水対策から見ても効果のないダムであり、河川改修より70億円も過大にかかる無駄遣いのダム建設事業であります。本来、国の見直し基準が示されなくても県自身が見直し、中止すべきダム建設事業であります。
 また、国のできるだけダムに頼らない治水対策を目指すダム事業の見直し基準の中間取りまとめのたたき台によれば、検証の検討手順として、ダム事業等の点検を行い、ダム案とダム以外の複数の治水対策の立案を行い、環境への影響などの評価軸ごとに評価し、総合的な評価を行うとしています。ダム以外の方法による治水対策案については、決壊しない堤防、決壊しづらい堤防の検討など26項目が提起されています。
 検証に当たっては、関係者の意見を聞くとともに、主要な段階でパブリックコメントを行うとしています。時間をかけて、徹底して検証し見直すべきであります。こうした状況を考えるなら、津付ダム建設事業にかかわる工事は、当面凍結すべきであります。
 請願陳情受理番号第90号は、沖縄・普天間飛行場の早期閉鎖・返還を求め、訓練移転の受け入れに反対する請願であります。
 先ほどの総務常任委員長に対する質疑でもただしましたが、沖縄の米軍普天間基地の早期閉鎖と返還を求めることは、沖縄県民の圧倒的な総意であります。
 琉球新報の世論調査によれば、県民の84%が普天間基地の名護市辺野古への移設に反対しています。仲井眞知事は6月県議会において、県内移設は不可能に近いと明言しています。こうした沖縄県民の総意を踏まえて、請願は採択されるべきではなかったでしょうか。
 そもそも、米軍の普天間基地は、沖縄の地上戦のさなかに占領され、土地と家を無法に奪われてつくられた国際法違反の基地でありました。本来、無条件で撤去、返還されるべき基地であります。戦後65年間にわたって米軍基地が居座ってきたことこそ、異常なアメリカ言いなりの政治だったと言わなければなりません。
 また、沖縄の海兵隊は、これまでもベトナム侵略戦争を初め、今でもイラクやアフガニスタンに出撃し戦争している侵略部隊であります。日本を守る抑止力ではありません。だからこそ、民主党も昨年の総選挙のときには、国外移設、最低でも県外移設を公約したのではないでしょうか。政権が菅政権に交代したとしても、この公約違反は許されるものではありません。
 岩手県民にとって忘れてならないことは、平成5年の大冷害のときに、わずかな種もみを沖縄県の石垣島に運び増殖していただき、翌年の田植えに間に合わせるという、前代未聞と言われた協力をいただいたことであります。この協力と交流を記念して、この種もみはかけはしと名づけられました。
 沖縄県民が戦後65年間、米軍基地の支配のもとで耐えがたい苦しみと痛みを受け、県民が一丸となって普天間基地の閉鎖、撤去、県内への基地の押しつけに反対しているときに、岩手県民こそ、岩手県議会こそ、この沖縄県民の声にこたえるべきではないでしょうか。この請願に反対することは、沖縄県民の願い、痛みと苦しみに背を向ける行為と言わなければなりません。
 日米合意では、危険な沖縄の米軍の訓練の一部を全国に分散移転することを求めています。自公政権のとき以上の悪質なものであります。危険な訓練は、分散するのではなく、除くもの、やめさせるものであります。実際、嘉手納基地では訓練の一部が本土に分散移転されましたが、海外の部隊が来て基地被害は全く軽減されませんでした。
 重大なことは、請願審査の際に、県側が訓練移転の受け入れを想定していないと答えていることであります。県が想定していないと言っているのに、なぜこの請願は不採択となったのでしょうか。これは、危険な米軍基地の訓練を岩手県民に押しつけようとするものであり、県民の平和の願いに背を向ける許されない態度であります。
 以上申し上げ、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第90号沖縄・普天間飛行場の早期閉鎖・返還を求め、訓練移転の受け入れに反対する請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第90号沖縄・普天間飛行場の早期閉鎖・返還を求め、訓練移転の受け入れに反対する請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第9号及び議案第17号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、議案第9号及び議案第17号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第8号まで、議案第10号から議案第16号まで、議案第18号から議案第20号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第8号まで、議案第10号から議案第16号まで、議案第18号から議案第20号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第22 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第22、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
 総務委員会
  請願陳情受理番号第93号 青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願
 環境福祉委員会 
  請願陳情受理番号第87号 花泉診療所問題についての請願
  請願陳情受理番号第88号 花泉診療所問題についての請願
  請願陳情受理番号第92号 子どもの医療にかかわる施策の拡充を求める請願
 商工文教委員会  
  請願陳情受理番号第94号 青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願
  請願陳情受理番号第95号 青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願
  請願陳情受理番号第96号 青年の生活と雇用を守り、将来に希望を持てる岩手県の実現についての請願
2 継続調査
  総務委員会   ・岩手県消防学校について
          ・県の広聴広報事業について
  環境福祉委員会 ・岩手県における2007(平成19)年の二酸化炭素排出量について
          ・いわての水を守り育てる施策の実施状況について
          ・県立杜陵学園の運営状況について
  商工文教委員会 ・平成23年度県立高等学校の学科改編等について
          ・雇用対策の状況について
  農林水産委員会 ・財団法人岩手生物工学研究センターにおけるバイオテクノロジー研究の取組について
          ・チリ地震津波における復旧・復興状況について
  県土整備委員会 ・都南浄化センターについて
          ・魅力ある「まちば」の再生について
〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長からお手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第23 議案第22号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについて及び日程第24議案第23号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(佐々木一榮君) 日程第23、議案第22号及び日程第24、議案第23号を一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。宮舘副知事。
   〔副知事宮舘壽喜君登壇〕
〇副知事(宮舘壽喜君) ただいま議題とされました人事議案について御説明いたします。
 議案第22号は、人事委員会の委員であります及川卓美氏の任期が7月18日で満了となりますので、同氏を再任するため、また、議案第23号は、公安委員会の委員であります藤原博氏の任期が7月25日で満了となりますので、同氏を再任するため、それぞれ議会の同意を求めようとするものであります。
 以上ですので、よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決したいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、これより、議案第22号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第22号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、議案第22号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
 次に、議案第23号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第23号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、議案第23号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   日程第25 発議案第1号地域主権時代に相応しい法改正及び法整備を求める意見書
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第25、発議案第1号地域主権時代に相応しい法改正及び法整備を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。高橋博之君。
   〔13番高橋博之君登壇〕

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