平成21年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成21年3月16日(月)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長   浅 田 和 夫
  議事担当課長   保 原 良 和
  主任主査    菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主査    鈴 木 文 彦
  主査    菊 池 芳 彦
  主査    齋 藤 貴 弘
  主査    藤 原 由喜江
1説明員
  保健福祉部長   岩 渕 良 昭
  保健福祉部副部長
  兼保健福祉
  企画室長    千 葉 茂 樹
  公的医療改革
  担当技監    六本木 義 光
  医師確保対策室長 尾 形 盛 幸
  保健福祉企画室
  企画担当課長兼
  医師確保対策監  野 原   勝
  保健福祉企画室
  管理担当課長   花 山 智 行
  医療国保課
  総括課長兼
  医師確保対策監  柳 原 博 樹
  保健衛生課
  総括課長     高 田 清 己
  地域福祉課
  総括課長     小 林 繁 春
  長寿社会課
  総括課長     及 川 伸 一
  障がい保健福祉課
  総括課長     菅 原   博
  児童家庭課
  総括課長     佐々木 比呂志

  医療局長     田 村 均 次
  医療局次長兼
  病院改革室長   細 川 孝 夫
  参事兼管理課
  総括課長     熊 谷 俊 巳
  参事兼職員課
  総括課長     志 田 清 一
  参事兼業務課
  総括課長     八 木 善 一
  システム管理室長 三 田 崇 雄
  経営改革監    根 子 忠 美
  医師対策監    岡 山   卓
  参事兼予算調製課
  総括課長     高 橋   信
〇関根敏伸委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第22号まで、議案第26号、議案第27号、議案第31号から議案第35号まで、議案第37号、議案第39号、議案第40号及び議案第74号の以上33件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、本日の審査方法につきましては、さきに決定いたしましたとおり、保健福祉部の出席のもと、保健福祉部関係議案について説明を受けた後、岩手県公立病院改革推進指針及び県立病院関係予算以外の事項について質疑を行い、次に、医療局及び保健福祉部の出席のもと、医療局関係議案について説明を受けた後、岩手県公立病院改革推進指針及び保健福祉部所管の県立病院関係予算を含め、質疑を行います。
 最初に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。
〇岩渕保健福祉部長 平成21年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について説明申し上げます。
 最初に、平成21年度予算編成に当たっての当部の基本的な考え方でありますが、昨年1月に策定いたしましたいわて希望創造プランに掲げる政策の6本の柱の一つであります共に生きる岩手の実現に向け、医師確保を初めとした地域医療の確保、子育て環境の整備、高齢者や障がい者が地域で生活できる環境の構築、健康づくりの推進の4項目と、来年度に対応しなければならない緊急的課題への対応の1項目を加えた5項目を施策のポイントとして重点的に取り組んでいくこととしております。
 ポイントの一つ目、医師確保を初めとした地域医療の確保については、まず、地域の医療の基本となる医師の養成、確保を図るため、奨学金等による医師の計画的な養成や臨床研修医の確保定着の促進及び即戦力となる医師の招聘に取り組むほか、病院勤務医の負担軽減など医師の勤務環境向上を総合的に支援する取り組みを新たに実施してまいります。
 また、産科医師不在地域における在宅妊婦に対する健康支援体制の整備や、がん診療連携拠点病院の整備によるがん医療の均てん化など、質の高い医療提供体制の整備を図るほか、ドクターヘリの導入可能性についての調査、検討を引き続き行い、さらには県民総参加型の医療体制づくりに取り組んでまいります。
 ポイントの二つ目、子育て環境の整備については、保育サービスや放課後児童対策の充実を図るとともに、児童虐待の未然防止や早期発見などの取り組みを推進してまいります。
 なお、県の予算に係るものではありませんが、本県の少子化対策を一層推進するため、財団法人岩手県長寿社会振興財団が管理しているいわて保健福祉基金の33億円のうち、10億円を原資としていわて子ども希望基金(仮称)を本年10月を目途に創設し、県と財団が一体となって同基金の運用益を活用し、若い世代の結婚支援や子育てに優しい職場環境づくりに取り組む企業・団体への支援、地域の多様な子育て活動への支援等を充実することとしました。
 ポイントの三つ目、高齢者や障がい者が地域で生活できる環境の構築については、障がい者の地域定着や介護予防、在宅サービス等の公的サービスの充実をさらに進めるとともに、高齢者や障がい者などの日常生活を住民参加による地域協働で支援する仕組みづくりや総合的な認知症支援体制の整備等に取り組んでまいります。
 また、介護サービス基盤の整備に向けて、医療療養病床の介護保険施設等への転換や県立病院等の空き病床を介護保険施設として活用する取り組みを支援してまいります。
 ポイントの四つ目、健康づくりの推進については、市町村、事業所等の関係機関と一体となって、健康づくりやがん検診の受診率向上に向けた普及啓発、特定健診、特定保健指導支援の強化などに取り組んでまいります。
 また、自殺防止の担い手の育成や、自殺対策ネットワークの構築など、総合的な自殺対策を推進してまいります。
 ポイントの五つ目は、緊急的課題への対応についてであります。具体的には、新型インフルエンザの発生に対応するため、抗インフルエンザウイルス薬の追加備蓄や県民への啓発等に取り組むとともに、老朽化が著しい知的障がい者更生施設やさわの園の整備基本計画の策定を進めてまいります。
 以上が、平成21年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方であります。
 続きまして、当部関係の議案について説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費671億6、400万円余のうち、2項県民生活費を除く666億3、300万円余と、次のページの4款衛生費163億8、400万円余のうち、1項公衆衛生費と2項環境衛生費の一部を除く85億900万円余、9ページに参りまして、12款公債費1、012億8、900万円余の一部500万円余と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、2項公営企業出資金と3項公営企業負担金の一部を除く280億9、800万円余であり、合わせますと1、032億4、700万円余の予算額となっております。これを平成20年度当初予算と比較しますと33億9、100万円余の減、率にしまして3.2%の減となっておりますが、その主なものは、県立病院等事業会計運営資金貸付金30億円の減であります。
 貸付金が減額となりました理由は、先般、議決をいただきました平成20年度2月補正予算において、病院等事業会計の資金計画を勘案し、1年以内の短期貸し付けとしていた同貸付金133億円のうち30億円を平成23年度末までの長期貸し付けに切りかえたことに伴い、貸付所要額を103億円と見込んだことによるものであります。
 以下、予算の内容につきまして、便宜、予算に関する説明書により説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の106ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承願います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、説明欄の上から9番目、社会福祉活動推進費は、社会福祉活動の育成助長を図るため、岩手県社会福祉協議会に対し各種助成を行うほか、地域福祉活動コーディネーターの育成や住民参加による生活支援の仕組みづくりなど、市町村の地域福祉推進の取り組み支援を拡充しようとするものであります。また、下から2行目のひとにやさしいまちづくり推進事業費のうちには、障がい者用駐車区画の適正利用を促進するためのパーキングパーミット制度─駐車場利用証制度の導入を進めるための予算が含まれております。107ページに参りまして、2目障がい者福祉費の中ほどの重度心身障がい者(児)医療助成費は、市町村が行う重度心身障がい者(児)医療費助成事業に要する経費の一部を補助しようとするものであります。次に、下から2番目、チャレンジド就労パワーアップ事業費は、障がい者就労支援事業所における工賃水準向上の取り組みを支援しようとするものであります。
 なお、目の名称につきましては、地方自治法施行規則の一部改正に伴い、これまでの2目身体障害者福祉費と3目知的障害者福祉費を平成21年度から2目障がい者福祉費に改めたものであります。
 108ページに参りまして、3目老人福祉費のうち、下から7番目、認知症対策等総合支援事業費は、高齢化の進展に伴い、今後、増加すると見込まれる認知症高齢者への早期対応を図るため、専門医療提供体制を整備し、かかりつけ医を対象とした研修等を行おうとするものであります。109ページに参りまして、上から7番目、後期高齢者医療療養給付費負担金は、岩手県後期高齢者医療広域連合が支弁する療養の給付等に要する費用の一部を負担しようとするものであります。5目国民健康保険指導費の国民健康保険事業安定化推進費は、市町村の国保財政の安定を図るため、国保税の軽減相当額の一部を負担するほか、岩手県調整交付金による保険者間の財政調整や、高額な医療費の一部を負担しようとするものであります。
 少しページを進んでいただきまして、114ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、上から10番目、保育対策等促進事業費は、保育所における一時保育、休日保育や病児・病後児保育などの保育対策や地域の子育て支援拠点の設置等を支援しようとするものであります。次の、地域子育て活動推進事業費は、市町村が行う放課後児童クラブ等の児童健全育成のための取り組みを支援しようとするものであります。次に、下から2番目、仕事と生活の調和推進プロジェクト事業費は、一般事業主行動計画策定や子育てと仕事の両立に取り組む企業の支援等を行おうとするものであります。次の、子育て支援対策臨時特例事業費は、平成20年度2月補正予算で議決いただきました子育て支援対策臨時特例基金を活用し、市町村が行う保育所の整備、その他の子育て支援に関する体制の整備に要する経費の一部を補助しようとするものであります。115ページに参りまして、2目児童措置費の児童保護措置費は、児童養護施設等に児童を措置した際の施設入所などに要する経費であります。3目母子福祉費の児童扶養手当支給事業費は、児童扶養手当と、その支給事務に要する経費であります。4目児童福祉施設費は、県立の児童福祉施設等の管理運営などに要する経費であります。
 117ページに参りまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 119ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費の下から2番目、被災者住宅再建支援事業費補助は、平成20年岩手・宮城内陸地震災害により全壊の住宅被害を受けた世帯及び宅地の崩壊等により移転を余儀なくされた世帯が、平成21年度に住宅再建を行う場合、市町村が実施する住宅再建支援事業に要する経費を補助しようとするものであります。
 120ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の母子保健対策費は、小児慢性特定疾患児等に対する医療給付や特定不妊治療費助成、周産期医療体制の整備、充実、さらには、助産師を活用した妊婦の健康支援体制の整備を行うほか、平成20年度2月補正予算で議決いただきました妊婦健康診査臨時特例基金を活用し、市町村が行う妊婦健康診査に要する経費の一部を補助しようとするものであります。121ページに参りまして、3目予防費でありますが、狂犬病予防費及び動物愛護管理推進事業費は、来年度、環境生活部へ移管することとしております。次に、当部の事業の説明欄の上から3番目、特定疾患対策費は、パーキンソン病などの特定疾患患者に医療費の給付等を行おうとするものであります。一番下の肝炎総合対策推進事業費は、肝炎治療を効果的に推進するため、B型肝炎及びC型肝炎のインターフェロン治療者に対する医療費助成等を行おうとするものであります。122ページに参りまして、4目精神保健費の下から4番目、精神障がい者地域移行支援特別対策事業費は、精神障がい者の退院促進や地域定着を支援し、その地域移行を推進しようとするものであります。5目高齢者保健費のうち、123ページに参りまして、がん・脳卒中対策事業費は、がん及び脳卒中の疫学的分析や、がん検診の受診率向上に向けた普及啓発等を行おうとするものであります。
 125ページに参りまして、2項環境衛生費2目食品衛生指導費でありますが、管理運営費から畜水産食品安全確保対策費までは、来年度、環境生活部へ移管することとしております。
 飛びまして、131ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費の5番目、医師確保対策費は、自治医科大学運営費負担金や、医学部進学者に対する奨学金制度の拡充、女性医師の就業支援など、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の、救急医療対策費は、病院群輪番制病院や高度救命救急センターの運営費の補助などを行おうとするものであります。132ページに参りまして、2目の一番下、県民みんなで支える岩手の地域医療推進プロジェクト事業費は、県民総参加による地域医療体制づくりを推進するため、シンポジウムや地域講座の開催、住民活動の支援等の取り組みを通じ、県民運動を展開しようとするものであります。3目保健師等指導管理費の看護職員確保対策費は、修学資金貸付制度について、貸付金額・人員の拡充を図るほか、看護職員の定着を図るための働きやすい職場環境づくり、潜在看護師の活用等を総合的に推進しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、232ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち578万9、000円が当部の所管ですが、これは、災害援護資金借入金の償還元金であります。
 233ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 234ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
 235ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 以上で、一般会計についての説明を終わります。
 次に、議案第2号平成21年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について説明申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。
 292ページをお開き願います。歳入と、293ページの歳出の予算総額は、それぞれ2億9、900万円余であります。294ページから299ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入及び県債であります。次に、300ページから302ページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。
 議案その2の40ページをお開き願います。議案第26号介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、平成21年度から23年度までの第4期介護保険事業計画期間に市町村から徴収する介護保険財政安定化基金拠出金の拠出率の見直しを行い、現行の1、000分の1から零─ゼロにしようとするものであります。
 次に、47ページをお開き願います。議案第31号岩手県保健所使用料等条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、保健所において行う業務の実情にかんがみ、手数料を徴収して行う保健所の業務について、水質検査及び水質検査に係る成績書の謄本の交付のみに改正し、あわせて所要の改正をしようとするものであります。
 次に、55ページをお開き願います。議案第33号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、当部の関係は、57ページから58ページまでの介護保険法関連の改正及び67ページから68ページまでの薬事法関連の改正であります。
 まず、57ページから58ページまでの介護保険法関連の改正案の内容でありますが、介護サービス情報の公表事務に係る所要額を全面的に見直したことなどにより、調査事務及び情報公表事務に係る手数料の額を減額しようとするものであります。
 次に、67ページに参りまして、薬事法関連の改正案の内容でありますが、薬事法の一部を改正する法律の施行により、医薬品の販売先等変更許可制度が廃止されることから、申請手数料を廃止するとともに、所要の整備を行おうとするものであります。
 次に、73ページをお開き願います。議案第35号看護職員修学資金貸付条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、将来、県内の特定施設等で看護職員として従事しようとする者の修学を容易にし、県内の看護職員の確保及び資質の向上を図るために実施している看護職員修学資金貸し付けについて、看護職員養成施設の新卒者の県内定着率を高めるため、貸付金額を引き上げ、上限を設けようとするものであります。
 以上で、保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
〇関根敏伸委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、集中審議とのかかわりであれなんですが、一つは、県立病院等空き病床利用型介護保険事業特例交付金、これは、委員長、ここで聞いていいですか。
〇関根敏伸委員長 少々お待ちください。
 第2部のほうでお聞きいただけますか。
〇斉藤信委員 じゃ、意見広告も含めて2部で聞きます。
 じゃ、県内全体の医師確保対策についてお聞きします。
 県内全体の医師数の推移、勤務医、開業医、それぞれどうなっているか。診療科で減少している医師数はどうなっているか。勤務医勤務環境向上支援事業の内容と対象となる医師数はどうなっているか。
〇柳原医療国保課総括課長 まず、県内の医師数の推移でございます。
 県内の医師数の推移につきましては、国が隔年で実施してございます医師・歯科医師・薬剤師調査の結果により把握されているところでございますけれども、平成10年と平成18年を比較した場合、県内の医師の総数は2、390人から2、569人と179人増加してございます。このうち、病院の従事者は1、548人から1、544人と4人減少しておりまして、開業医というよりも診療所の従事者となりますけれども、診療所の従事者は714人から850人と136人増加してございます。
 次に、医師が減少している診療科についてでございますけれども、主なものを申し上げますと、内科を標榜する医師につきましては、同じく平成10年から平成18年の推移でございますが、572人から540人と32人減少しておりまして、また消化器科を標榜する医師は140人から121人と19人減少してございます。それから、循環器科を標榜する医師は127人から106人と21人減少しておりまして、小児科を標榜する医師は133人から128人と5人減少、産婦人科を標榜する医師は114人から90人と24人減少している、主な状況はこのような状況でございます。
 それから、勤務医の勤務環境向上支援事業の内容とその対象となる医師数でございますけれども、この事業は、短時間の正規雇用や交代制勤務の導入、それから医療クラークの資質向上に取り組む病院、また分娩手当等を支給する病院、さらに院内保育所の夜間運営、病児・病後児院内保育を行う病院に対しまして支援をするものでございまして、それに加えまして、女性医師の育児支援を行うベビーシッター派遣、それから、子育てなどによりまして職場を離れた医師の職場復帰を支援する研修の実施に取り組むものでございます。
 この事業の対象となる医師数でございますけれども、今後、事業主体である医療機関などと協議を行いながら決まっていくものでございます。現時点におきまして、対象医師数の詳細は把握していないものでございます。
 なお、対象となる医師につきましては、医療クラークの資質向上に取り組む医療機関に対する支援におきましては、臨床研修病院の指導医がその対象となるものでございますし、分娩手当等を支給する病院に対する支援におきましては、県内の病院の産科医、ベビーシッター派遣や職場復帰研修につきましては、現在子育て中、または職場復帰をしようとする女性医師などが対象となるものでございます。
 短時間正規雇用、交代制勤務の導入支援につきましては、今後、具体的にこうした勤務形態を導入しようとする医療機関の医師が対象となるものでございます。
〇斉藤信委員 今、平成10年と平成18年を比較した医師数をお聞きしました。全体では179人増、一方で勤務医はマイナス4で、診療所関係、いわゆる開業医が136人増、こういう話でしたね。それで、全体とすれば微増ということになる一方で、勤務医は残念ながらマイナス4という、ふえていないと、ここに大きな問題があると思います。
 私は、だから、そういう意味でいくと、岩手県全体の医療を考えたときに、ふえている開業医との連携というものが、病院の場合、極めて重要なのではないかと。これは病診連携という点でも、あとは宮古市が実施している基幹病院への応援だとか、こういうことが本格的に今、取り組まれる必要があるのではないか、これが第1点。
 第2点は、診療科ごとに減っているところをお聞きしました。全体として微増なんだけれども、今聞いたら、内科、消化器、循環器、小児科、産科は減っていると。どこがふえているんですか。それとも、内科というのは、いろいろ分かれたりしますので、具体的にどういう形でアンバランスが出ているのか、その点を第2点に示していただきたい。
 第3点は、勤務医環境向上支援事業で、これは改善を目指すものだとは思いますけれども、予算を計上しているわけだから、それなりの見込みでやっていると思うんですよ。例えば、この医療クラークの対策だったら、どれだけを見込んで予算を計上したのか、女医さんの復帰対策であれば、どのぐらいを見込んでやったのか。あとは、短時間勤務、これだって、やりたいというところがあるから予算計上したと思うんだけれども、そこの見込みを示していただきたい。
〇柳原医療国保課総括課長 まず、1点目の病院と診療所の連携についてでございます。
 この連携を促進する一つの事業といたしまして、今回の勤務環境向上支援の中の短時間の正規雇用でございますとか、交代制勤務導入といったものを県内にも導入していきたいと考えているところでございます。
 それから、診療科でふえているところというものでございます。例示的に申し上げますと、例えば内科でいきますと、呼吸器科といったところが、平成10年が46人でございましたけれども、平成18年は51人とふえております。それから、精神科となりますけれども、平成10年が100人でございますが、平成18年が115人となってございます。それから、本当に微増でございますけれども、いわゆる外科と標榜するところが、平成10年228人から平成18年230人となってございます。それから、脳神経外科が、平成10年75人から平成18年81人などとなってございます。それから、眼科が、平成10年94人から平成18年104人、皮膚科が、平成10年58人から平成18年65人、泌尿器科が、平成10年67人から平成18年78人などとなってございます。
 3点目でございますけれども、勤務医の勤務環境向上支援事業の推定される対象となる医師ということでございます。医療クラークの向上支援、資質向上に取り組む場合の支援についてでございますが、それにつきましては、県内に今、14の臨床研修病院、これは来年度から13になりますが、そこにいわゆる臨床研修の指導医をされる方々がいらっしゃいます。そうした方々を支援する医療クラークの方々が、比較的長期の研修に行く場合に、その研修に行った方々を代替するための経費として予算計上しております。したがいまして、臨床研修病院にいる指導医は県内に二百数十名いらっしゃいますけれども、直接的というよりは、間接的な効果も含めて、こうした臨床研修の指導医の方々が対象になるというものでございます。
 それから、女性医師の育児支援でございますとか、職場復帰支援の関係でございますけれども、現在、子育てをされている女性医師の方々の全体数を把握することは、個人情報の関係もあってなかなか把握できておりませんが、今年度までいろいろとこの事業について御利用いただける人数については十数名という状況でございますので、引き続き、こうした人たちがこの事業の対象になると思います。
 それから、職場復帰しようという方々の全体数もなかなか把握できないところでございますけれども、現在まで5人の方々がこの事業を使って職場復帰をされ、現在、3人の方々が継続してこの研修を受けておられますので、こうした方々が、今後この対象になると考えてございます。
 それから、短時間の正規雇用でございますとか交代制勤務を導入する関係でございますけれども、短時間の正規雇用の場合には、まず、当面、1医療機関を県内に導入したいと思っているところでございます。それから、交代制勤務の導入についても、県内に3医療機関を導入したいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 じゃ、ちょっと今のところで、短期間雇用が1医療機関、交代制が3機関、これは、県立病院がどのぐらい含まれているのでしょうか。
〇柳原医療国保課総括課長 短時間の正規雇用の場合につきましては、現在のところ、これからまさに対象となる医療機関を募っていくという状況でございます。交代制勤務につきましては、現状、それに類する取り組みもされている県立病院が二、三想定されているという状況でございます。
〇斉藤信委員 じゃ、次に、国保問題についてお聞きいたします。
 1人当たりの国保税の10年間の推移、私、本会議で聞きましたら、世帯単位で回答がありましたので、改めて、1人当たりの国保税の推移を示していただきたい。そして、国保税の滞納者、率、滞納額はどうなっているか。
 医療が必要な滞納者に対する保険証交付について、1月20日、共産党の小池参議院議員の質問趣意書に対して政府から回答がありました。医療の必要な対象者に対しては、届け出があれば保険証を交付すべきだ、こういう回答ですが、県内の場合、こうした実態を把握しているでしょうか。
〇柳原医療国保課総括課長 まず、1人当たりの国保税の推移でございますけれども、平成19年度の国保税は6万8、739円でございまして、平成10年度の7万5、931円に比較いたしまして7、192円減少してございます。
 それから、国保税の滞納額でございますけれども、これは、平成19年度末で117億円余となっておりまして、これは平成16年度末の111億円から6億円ほど増加してございます。
 次に、医療が必要な滞納者の方に対する保険証の交付についてでございますけれども、平成19年度の状況につきまして、平成20年度に市町村に対して調査した結果がございます。それによりますと、1年以上の滞納のある方で資格証明書の交付が検討された案件のうち、特別の事情がある者として資格証明書交付の対象外とされた者が87件─このうち病気を理由としたものは37件でございますけれども─ございました。
 そして、資格証明書を交付されている方で、医療機関への受診の必要性があるとして市町村に相談に訪れ、資格証明書の交付が取り消されて、短期の被保険者証が交付された例が78件ございました。
 こうした状況でございます。
〇斉藤信委員 国保税の1人当たり、10年間の推移で見てみると、これは7、100円余減額になっている。私はちょっと驚いたんですね。医療費総額はふえているんです。なぜ、これは、1人当たりの国保税という点では下がっているのか、その理由を示していただきたい。
 それと、滞納額はふえ続けています。滞納率は、私は聞いたと思うけれども、言いませんでしたね。滞納者の数とね。それを示していただきたい。
 実は、資格証明書の発行というのは、特別の事情がある場合には、これは交付しなければだめなんですね。その特別の事情の中に、医療が必要な人の場合には、届け出があれば、これは交付しなさいと、これは厚生労働省の通知でも出ているんです。しかし、市町村の実態を見ると、そういうところまで実態を把握していない。幸い、盛岡市は2月1日から新たな資格証明書の発行をやめました。実態を把握するためです。
 今、保険証がなかったら、これは10割負担ですから、事実上、医療を受けられないのですよ。そして、医療が受けられないために命を落としているというのは、これはテレビの報道などでも、また、全国民医連の調査などでは二百数十人いると言われているんですね。
 今、国保の問題で、収入が減少している、払いたくても払えない、私は、こういう方が多数だと思うけれども、そういう払えない人が滞納した場合に、機械的に資格証明書を発行して保険証を取り上げることがあってはならないと思うけれども、この間の厚生労働省の通知や政府の1月20日の回答を踏まえて、これは厳格にやるべきだと思いますが、いかがですか。
〇柳原医療国保課総括課長 まず、1点目の国保税が低下している要因というものでございますけれども、さまざまな要因があろうかと思いますが、一つの要因といたしましては、この10年間で国保税の課税対象となる所得額が減少していることがあるのではないかと考えております。平成10年度67万7、685円、1人当たりの課税対象所得額が、平成19年度では46万4、361円と減少しているものでございます。
 それから、先ほどの答弁漏れの点、大変申しわけございませんでした。
 滞納世帯の状況でございます。滞納世帯数は、平成20年6月1日現在で3万3、259世帯となってございます。これは、平成16年に比較いたしますと2、503世帯減少してございます。これは、後期高齢者医療制度が開始されたことによりまして被保険者数が減少していることも、一つ影響しているものと思われます。
 それから、滞納世帯の割合につきましては、平成20年14.2%で、平成16年の13.6%から0.6%ポイント上昇してございます。
 それから、滞納率でございますけれども、平成19年度末、滞納率については22.6%、平成16年度末の22%から0.6%ポイント上昇してございます。
〇斉藤信委員 後半戦の答弁がありませんでした。国保税、医療費が上がっているのに1人当たりの国保税の調定額が下がったのは、課税所得額が下がったからだと。いわば、所得が減少して貧困化が進んだということですよ。私、これは本当に驚きました。10年間で67万7、000円から46万4、000円ですよ。本当に大変な、低所得の方々が国保に入っている。そして、滞納世帯は後期高齢者に移行した部分を除いても3万3、000世帯余で14.2%。これは7世帯に1世帯ですよ。
 そういう中で、1年間滞納すると資格証明書が発行される。まさに金の切れ目が縁の切れ目、命の切れ目という形になっているので、それで、厚生労働省からも通知があったと思うし、これは、子供世帯については4月1日から改善されます。
 しかし、子供世帯だけではなくて、ちょっと正確に紹介します。これは1月20日の政府答弁ですよ。世帯主が市町村の窓口において、当該世帯に属する被保険者が医療を受ける必要が生じ、かつ、医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、当該世帯主は保険料を納付することができない特別な事情に準ずる状況にあると考えられることから、緊急的な対応として、当該世帯に属する被保険者に対して短期保険者証を交付することができる。ぜひ、この立場に立って厳格にやっていただきたい。保険証の取り上げは本当に慎重にやって、盛岡市のように、2月1日から発行を今やめていますからね。そのことを県として、こういうことはしっかり徹底すべきなんですよ。いかがですか。
〇柳原医療国保課総括課長 答弁漏れ、大変申しわけございませんでした。
 委員御指摘のとおり、1月20日の閣議決定によりまして、資格証明書を交付されている世帯の世帯主が医療を受ける必要性が生じまして、かつ医療機関に対する医療費の一時支払いが困難である旨の申し出を行った場合、特別の事情に準ずるとして短期被保険者証を交付できるとされたところでございまして、この決定を受けて、県といたしましても、国の通知を踏まえた形で、市町村に対しまして適切な取り扱いをするよう通知させていただいているところでございます。
 そして、先ほども申し上げましたとおり、各市町村におきましては、医療が必要な滞納者の方への保険証の交付につきましては、市町村において、滞納者の個々の事情に十分配慮して、きめ細かな対応が行われていると考えております。
 県といたしましても、こうした国の方針も踏まえまして、今後とも適正な取り扱いが行われるよう、市町村に対して助言してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今の答弁、大変重要ですのでね。国保税、本当にどんどん国保税は上がってきていると。私たちが地方に行きますと、一番重税感の強いのがこの国保税なんですね。ですから、払いたくても払えない、こういう方々が滞納に陥っている。7世帯に1世帯です。この実態をよく見て、今の精神でしっかり徹底していただきたい。
 次に、介護保険の問題についてお聞きします。
 高齢者の実態について。ひとり暮らし世帯、高齢者夫婦世帯、1カ月当たりの高齢者の平均収入額、老後の生活の不安の中身、老老介護の実態はどうなっているでしょうか。
〇及川長寿社会課総括課長 まず、高齢者の実態についてですが、平成17年の国勢調査によりますと、本県の47万9、000世帯のうち、高齢単身世帯が約3万6、000世帯、高齢者夫婦のみの世帯が4万6、000世帯となっております。
 それから、平均収入額についてでございますが、平成20年3月に内閣府が公表いたしました高齢者の経済生活に関する意識調査によりますと、これはこういうくくりでしか発表になっていないんですが、東北、北海道の60歳以上の1人1カ月当たりの平均収入額が10万円以上15万円未満という割合が18.1%と最も高くなっております。次いで、5万円以上10万円未満が16.4%ということになっております。
 それから、老後の生活への不安についてでございますが、平成20年1月に公表されました岩手経済研究所の老後の暮らし、住まいに関するアンケート調査によりますと、本県の60歳以上の方の老後の生活への不安、これは、健康が36.2%と最も高くなっております。次いで生活資金20.6%、介護19.1%となっております。
 それから、老老介護の実態でございますが、これは、平成19年の国民生活基礎調査によりますと、主な介護者が70歳以上である世帯の割合は、全国で初めて3割を超えたと公表されているところでございます。
〇斉藤信委員 介護保険が導入されてちょうど10年目なんですね。しかし、この間、2度にわたって介護報酬は引き下げられて、介護保険料は上がったと。恐らく岩手県全体平均で、4月からは4、000円を超えるということになるのではないでしょうか。
 ところが、今、私がお聞きしたように、これは北海道、東北というレベルで、60歳以上1人当たり月10万から15万円が18.1%、5万から10万円が16.4%、実に35%が15万円以下の収入ということになるわけです。私は、そういう中で、医療費もふえるが介護保険料もふえる、介護サービスを受ければ利用料も取られるという大変な事態に今あるのではないか。
 老老介護が、これは全国のデータで、残念ながら3割超えたということでした。深刻な実態だと思いますが、介護保険料の滞納状況はどうなっているでしょうか。それと、介護保険の使い残しの基金は全体でどうなっているでしょうか。
〇及川長寿社会課総括課長 介護保険料の滞納状況でございますが、これは、平成19年第1期の調査で、全県で3、361人いらっしゃいました。これは、全体の1%程度に相当するものでございます。
 それから、介護保険料の使い残しの基金ということでございますが、これは、各市町村で介護保険料として徴収したものを、事業の負担分としてそこから介護給付分に支払うわけですが、この部分については、使い残し分は準備基金として次期の介護保険料に対して繰り入れまして、平たく言えば、介護保険料が上がらないようにという形でそれが使用されることになろうかと思います。
〇斉藤信委員 準備基金でもいいから基金残高を示してください。残念ながら、余り次の介護保険料に使われていないのですよ。使ったら、もっと介護保険料の値上げが抑えられると私は思っているんです。
 結局、介護認定で低く認定されて、利用料が高いから利用率は本当に低いですよ。本当は必要な介護サービスが、限度額の半分ぐらいしか使っていないんですよ。これも示していただきたいんだけれども、限度額に対する介護サービスの利用率。本当は必要な介護サービスが5割程度しか使われていないのではないでしょうか。使えないんですよ、利用料を払えないから。そこの実態を一つ。
 そして、そういうために給付金の基金がふえ続けている。困ったときに県が貸し付ける、こういう基金があるけれども、今、全然使われていません。余っているからです。私はその実態を聞いたので、利用率とあわせて、そのことをお聞きしたい。
 もう一つ、老老介護の実態の中で、特別養護老人ホーム、老人保健施設の入所待機者の実態。第4期計画での整備計画と地域ケア計画は破綻しているのではないかと思います。岩手県が昨年1月に制定した地域ケア計画は、特養ホームの整備を減らす計画でした。私はとんでもないと指摘したが、もう第4期計画でたしか六百数十床、特養ホームを整備するということが本会議でも答弁がありました。この特養ホームの整備を減らす地域ケア計画は破綻したのではないか、こういう計画を出すことが間違いだったのではないかと私は改めて思いますが、いかがでしょうか。
〇及川長寿社会課総括課長 先ほどの介護給付費の準備基金の状況でございますが、平成19年度末で、全県下で各市町村ごと積み上げますと44億円ほどの準備基金が積み上げられております。今回の介護保険料の改定にどの程度充当されたかについては全部チェックしておりませんが、相当程度これに使用されるものと考えております。
 それから、介護保険のサービスの利用限度額についてでございますが、岩手県の平成19年4月の状況で、居宅サービスの利用限度額でございますが、限度に対して47.1%ぐらい使用しているのが全国平均でございますが、それに対して岩手県は、限度額に対して1人平均41%ぐらいの使用ということになっております。
 次に、待機者の状況でございますが、特養ホーム待機者の状況は、平成20年3月末現在で5、422人、うち在宅での待機者は1、836人となっております。
 ちなみに、老人保健施設の待機者につきましては749人、うち在宅の方が308人いらっしゃいます。
 それから、第4期計画での施設整備でございますが、特別養護老人ホームは、現段階で整備計画が明らかになっているものが662床ございます。それから、老人保健施設につきましては1、280床の増床を見込んでおりますが、これは、療養病床の転換に伴う老人保健施設の増というものも含んでおりますので、純増で新たに設置される分は、老人保健施設は、計画期間中150床となっております。
 それから、地域ケア体制整備構想につきましては、今回、第4期計画策定に伴いまして各市町村で実際の必要量を見積もりました。そういうことで、地域ケア体制整備構想の該当部分については、施設、居宅サービスの必要見込み量、それから療養病床の転換計画もあわせてですが、これに、今回の介護保険事業計画にあわせて、今年度中に地域ケア整備構想の該当部分についても改定予定でございます。
〇斉藤信委員 居宅サービスの利用限度額比は41%、4割しか使われていない。それと、特養ホームの待機者が5、422人いると。在宅で1、836人もいるのに662床しか整備する計画がないと。老健の場合も749人、在宅で308人待機しているのに純増で150床。これだったら待機者がますますふえてしまうことになるのではないでしょうか。
 どこへ行っても、これは保険医協会が調査したんですが、入所申請しているけれども入れないという方が400人中100人いました。大変切実で、それが老老介護の実態にもなっていると思うんですが、こういう計画でいいんでしょうか。入所待機者がふえ続けるこういう計画でいいんだろうかと、改めてお聞きします。
〇及川長寿社会課総括課長 特別養護老人ホームの662床の整備計画でございますが、まず、待機者の5、400人というのを把握いたしましたのが平成20年3月末現在でございます。その後、今回の介護保険の計画は平成21年度からの計画で、現在整備が明らかになっているのが662床ということでお話し申し上げました。そうしますと、今回、平成20年度、今年度中に整備される特養が303床予定されてございます。それで約960床になるわけですが、そのほかに、特養ということではございませんが、第3期計画期間中に、認知症グループホームが537床整備予定でございます。それと、今年度特に調査しておりますが、特養の入れかえ、入所、退所の方ですが、この入れかえの方が毎年度1、300人ほどいらっしゃいます。
 それらを考え合わせますと、特養ホームを希望されている方が、希望されている施設に即入れるということではないとは思いますが、認知症グループホーム等も活用いたしまして、居住系のサービスというものが今回の計画でかなり充実する計画でございます。それと、毎年度の入れかえ等も考えますと、入所必要性の高い方から順次お入りいただけるのではないか、そういうことで、順次、特養ホーム待機者の解消につながっていくのではないかと考えております。
〇関根敏伸委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえ質疑をされますよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 質問者が少ないのに余り制限する必要はないのでないかと私は思うんですよ。委員長の指摘に基づいて、できるだけ簡潔にします。
 今の長寿社会課総括課長の答弁のごまかしは、昨年3月の待機者の調査だと。1年間で待機者はまたふえているのです。毎年毎年調査して待機者がふえているのは、そういう理由なんです。毎年入れかえもあるんですよ。整備もされているんですよ。
 今回、第4期事業では、確かに特養ホームの整備は、今までの計画と比べればふやしたと、私はこれは評価したいが、しかし、待機者の増の勢いから見て、それを減少させる規模ではない、このことを私は指摘しているのです。待機者だけは2003年でとまって、整備数だけ計算しても待機者は減りません。そのことは、指摘だけにとどめておきます。
 次に、介護認定の新方式が導入されようとしています。これで、今まで受けられた介護が受けられないと、全国の施設や介護認定調査員から悲鳴のような声が出ていますが、この実態について盛岡ではモデル事業もやられて、盛岡の結果も出ているけれども、この新しい介護認定方式に変われば、どういうふうになるか示していただきたい。
 介護職員の待遇と改善の見込みについて。
 全国でたくさんの介護労働者が、余りにも条件が悪くて退職をしていると。一方で、今、雇用危機の中で、仕事を求める人たちがいると。私は今こそ、この介護職員の労働条件を改善して、必要なところに必要な雇用を確保する。大変大事なことだと思うけれども、残念ながらミスマッチになっている。その岩手県の実情、そして打開する対策はどうなっているか。
〇及川長寿社会課総括課長 まず、要介護認定の関係でございますが、昨年、全国でモデル事業等も行われました。一般質問のほうでも答弁している内容かとは思いますが、まず今回の見直しについてなんでございますが、今回の見直しの趣旨は、要介護認定の結果が、例えば同じような状態の方で全国で認定結果にばらつきがあると、こういうのを是正しようということで判定基準の明確化を主眼にしたと認識しておりまして、現行の方法と異なる認定結果を出そうということでの見直しではなかったものと私どもは認識しております。
 それから、要介護認定のモデル事業でございますが、その結果がどうであったかということにつきましては、その結果が直接国のほうに報告されたものでございまして、県内の結果についてはちょっとデータを持ち合わせておりません。
 それから、厚労省が公表した全国のモデル事業の全国集計によれば、現行制度で認定した場合と新しい認定方法でやった結果と、ほぼ同等の結果が出ていると聞いております。
 それから、介護労働者の関係でございますが、介護従事者の確保につきましては、県内の事業所の方からもいろいろお話を聞いておりますが、まず、制度上の人員配置基準はおおむね満たしておると聞いております。ただ、サービスの質をより高める必要がある、あるいはさらに余裕を持ったローテーションにしたいというような理由から増員を考えている施設もあるようですので、これらに対しては、例えば県内の介護職場に就職が内定している介護福祉士の養成施設の方がいらっしゃいます。今年度の卒業予定者の方は170人ほどいらっしゃいます。そういう方々が、さらにプラスの増員分ということで、人材として期待されるのではないかと考えております。
 介護従事者の確保の対策につきましては、社会福祉協議会が運営しております介護福祉士等修学資金貸付事業が平成21年度から始まることとなっておりますので、県内の施設、事業所の人材確保につながるものと期待しております。
 また、……
〇関根敏伸委員長 執行部に申し上げます。この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇及川長寿社会課総括課長(続) はい。個々の事業所では難しいような研修の実施などにつきまして、関係団体と協議しながら、対策を講ずることとしております。
〇斉藤信委員 この介護認定の判断基準がどう変わったかというと、例えば、移動、移乗の機会がない重度の寝たきり状態、これは今までは全介助でした。新しい方式だと自立なんですよ。中心静脈栄養、高カロリー液の点滴のみで口から食べていない。今までは全介助、これが自立なんです。
 これは本当に大変な中身で、実は盛岡で40例、モデル調査をしたと。1次判定で現行より重度に判定されたのが3件。現行より軽度になったのが11件。現行と一致した人が26件。27.6%は軽度判定なんです。軽く判定されていると。これ、全国で大体そういう傾向です。今でさえ、必要な介護サービスを受けられないのに、新たな介護認定の仕組みが導入されるとますます受けられなくなると、これは指摘だけにとどめておきます。
 それと、介護労働者の実態は、170人卒業するから就職するなんていう状況じゃないんです。今、寿退社というのは、介護職場では男性ですよ。結婚して生活できないから、男性が寿退社するというのが介護職場の実情で、介護報酬をわずか3%上げただけでは、月2、000円程度の報酬アップかというのが施設の声です。この程度では、私は改善されないのではないか。
 これは指摘だけにとどめて、あと最後、まとめてお聞きします。
 後期高齢者医療制度について。
 年金天引き特別徴収の対象はそれぞれどうなっているか。滞納者の状況。悪質と考えられる高齢者はどれだけいるか。高齢者医療制度の見直し論議はどうなっているか。
 保育所児童待機者について、母子家庭対策について。
 保育所待機児童がふえている理由、解消の対策、公立保育園民営化の実態、母子家庭の実態と支援策について示していただきたい。
〇柳原医療国保課総括課長 後期高齢者医療制度における特別徴収の対象者でございますけれども、最新のデータが今年2月15日の年金支給日での把握した状況になりますけれども、9万6、491人となっております。
 それから、12月納期分までの保険料を納付していない方々、いわゆる滞納者の数でございますけれども、これは4、447名となっておりまして、滞納者の割合は2.38%になっております。
 それから、悪質と考えられる高齢者ということでございますけれども、保険料納付について悪質と考えられる高齢者につきましては、平成20年6月の政府・与党の決定によりまして、相当の収入があるにもかかわらず保険料を納めない場合とされておるわけでございます。こうしたケースに限り、資格証明書を交付することとされたところでございます。
 現在、広域連合におきまして、相当な収入の基準の策定に取り組んでいるところでございまして、この相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない滞納者の方につきましては、今後策定される基準に基づき把握されることになるものでございます。
 次に、後期高齢者医療制度の見直しについてでございますけれども、これまで国におきまして高齢者医療制度に関する検討会を設置いたしまして、六つの論点、例えば今後の見直しの基本的な考え方や進め方、年齢で区分することや制度の立て方、世代間の納得と共感の得られる財源のあり方、運営主体、保険料の算定方法や支払い方法、医療サービスなどについて、これを中心として検討を進めてきたところでございます。
 なお、国におきまして、この六つの論点につきまして、3月17日に予定されております検討会において、一定の取りまとめを行うと聞いているところでございます。
〇佐々木児童家庭課総括課長 まず、保育所待機児童が増加している理由についてでございますけれども、増加の要因は、昨今の経済不況や雇用環境の悪化の影響により、新たに就職するとか求職活動を理由とした年度途中の入所申し込みがふえていると聞いております。
 次に、解消策についてでありますが、県では、待機児童発生市町村及び所管の振興局とで待機児童解消推進会議を開催しておりまして、定員の見直し、分園の設置、認定こども園の設置などを個別具体的に市町村に助言しております。
 なお、国の平成20年度第2次補正予算を受けまして、子育て支援対策臨時特例基金を本年度設置し、平成21年度と22年度の2年間、待機児童の解消に向けて、民間保育所の整備などを集中的、重点的に支援することとしております。
 今後とも、発生市町村と引き続き協議しながら、待機児童解消に努めてまいります。
 次に、公立保育所の民営化の実態についてでありますが、民営化された公立保育所は、平成20年4月現在までで8カ所となっております。
 なお、平成21年4月からは、さらに四つの公立保育所が民営化される予定でございます。
 次に、母子家庭の実態と支援策についてでありますが、平成20年9月の調査結果では、母子世帯数は1万2、285世帯であり、前回の調査、平成15年度に比較しますと、この5年間に1、192世帯が増加しております。
 母子家庭の支援策についてでありますが、まず、経済的支援として母子福祉資金の貸し付けや児童扶養手当の支給、それから、就業等の相談に応じる母子家庭等就業・自立支援センターの運営、弁護士による法律相談に応じる特別相談事業、生活援助や子育て支援を行う日常生活支援事業、就労に必要な知識、技能を習得させる就業支援講習会事業、医療費の自己負担相当額を助成する母子家庭医療費助成事業などの支援を行っております。この中で、今年度、特に相談件数がふえておりますのが就業相談でありまして、平成19年度571件の相談でありましたが、本年度は、2月末現在で655件の相談件数と大幅にふえております。また、平成21年度からは、母子家庭等就業・自立支援センターに新たに専門の養育費相談員を配置し、養育費の取り組みや支払いの履行などの相談に応じるとともに、母子家庭の生活や児童の養育相談に応じるため、各振興局に配置しております母子自立支援員、これを1名増員し、相談対応の強化を図ることとしております。
〇斉藤信委員 これで最後にします。
 後期高齢者の保険料の滞納が4、447人ですか、これは月額1万5、000円以下の年金低所得者が対象なんですよね、特別徴収というのは。私はこういう方々、相当な収入があるわけじゃない。こういう方々に資格証という形で保険証を取り上げちゃ絶対ならないと思いますが、最後にこれを聞きます。
 それと、子育て支援対策臨時特例交付金で保育所整備をするんだと、こういうお話がありました。確かに補正で10億円余、基金が積まれて当初予算で3億300万円ですか、予算化されていますが、これによってどれだけ保育所が整備される見込みなのか、そこを示していただきたい。
〇柳原医療国保課総括課長 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在、広域連合におきまして、相当な収入基準の策定に取り組んでいるところでございます。県といたしましては、こうした基準の策定も含めまして、資格証明証の交付、運用が適切に行われるよう、広域連合に対しまして必要な助言をしてまいりたいと考えております。
〇佐々木児童家庭課総括課長 平成21年度の保育所の整備につきましては、3億円余りを当初予算に計上しておりますが、保育所が7カ所、認定こども園が2カ所の計9カ所でありまして、そのうち定員増は約160人になる見込みであります。
 平成22年度の計画につきましては、今後、市町村から協議を得て決定していくということにしております。
〇小野寺好委員 食品衛生の関係で、外食産業における食べ残し、持ち帰りについて伺います。
 日本の場合、食料自給率が非常低い。にもかかわらず、食べることのできる食品が大量に廃棄されていると。そのうちの一つとして外食産業、ここで食べ残されたものが大量に廃棄されている。最近は持ち帰りがおしゃれになっているとか、そういったことを言われます。ただ、衛生という面でいろいろ問題が出る場合があると。そういうことで、これの推進についてはどのように考えるか、現状と今後の方針をお聞きしたいと思います。
〇高田保健衛生課総括課長 外食産業における食べ残し料理の持ち帰りについてでございますけれども、食品衛生法では、食べ残しの料理の持ち帰りに関して特段の定めは今のところはございません。しかしながら、食中毒の防止の観点から、生ものであるかの別とか、あるいは加熱の有無の状況等に応じまして、持ち帰りができるかどうか、これらにつきましては、営業者みずからが判断しまして、消費者に説明することが極めて重要だと考えてございます。
 県としましては、これらのことから、外食産業における食べ残し料理の持ち帰りの実態については、現段階では把握しておりませんけれども、ただ、保健所におきましては、今、申しましたように、食中毒が起こらないとか、食品事故が起こらないということを前提にしまして、営業者にそういう視点で指導をしているところでございます。
〇小野寺好委員 似たような問題なんですけれども、食品の形が整っていないとか、包装の途中でちょっとうまくない、そういった形で廃棄されるものも随分あると聞きます。そういったものに対し、福祉ボランティアといった形でフードバンク活動という部分もありますけれども、これに対する支援についてどう考えるか、お聞きしたいと思います。
〇高田保健衛生課総括課長 私らの所管しています食品衛生の立場から申しますと、消費期限切れのものは別としまして、形状の不一致とか包装不良品の食品、これらを有効活用するという取り組みにつきましては、食中毒など危害防止を発生させないこと、あるいは食品衛生法で決められています食品自体の規格基準、表示等が適正であるということが担保されていることを大前提としまして、有効活用が図られる仕組みが極めて大事だと考えてございまして、それを促進するとかしないとかというのは、ちょっと私の食品衛生の立場からは申し上げられないと思っています。
〇小野寺好委員 次に、乳幼児の細菌性髄膜炎、県内における発症状況をお聞きしたいと思います。
 これについては、昨年の12月からヒブワクチンが非常に有効であるということで許可になっていると聞きます。ただし、これは病気ではないので自己負担、1回1万円ぐらいが3回といったことで、ちょっと負担になっているということで、自治体の中には補助をしてあげようといったところもあるようですが、県内では今後どういった取り組みになっていくか、お聞きしたいと思います。
〇高田保健衛生課総括課長 県内における乳幼児の細菌性の髄膜炎の発生状況でございますけれども、本県では二次保健医療圏ごとに合計20カ所の医療機関を定点医療機関として指定しておりまして、ここからの報告によりますと、乳幼児の細菌性髄膜炎の発症状況は、平成18年度は3件、平成19年度が2件、本年度は、2月末現在で1件の報告となっておるところでございます。
 それから、公的補助の関係、今、委員御指摘のとおり、これは予防接種法で定められた予防接種ではございませんので、乳幼児に対しては保護者の判断によりまして任意の接種ということになりまして、私どもが調べた範囲では、1回につき、大体7、500円から9、000円ぐらいの範囲で、盛岡市内では接種しているという状況を聞いてございます。
 この公的な費用負担につきましては、これは他の予防接種でありますジフテリアとか破傷風、あるいは三種混合等の法律で定められた予防接種がございますけれども、国のほうでそういう予防接種法に定めるという中で、基本的には国の制度の中で対応していくべきものであろうと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 先ほどのやりとりの中で数字的に大事な点があったと思いましたので、確認をさせていただきたいと思います。
 当局は、県内のお医者さんの数はふえていると。そして勤務医は微減であるというお話をされましたけれども、勤務医はどういう人が勤務医なのか、ちょっと区別がわからないんですが、あえて伺いたいと思いますが、岩手県立病院のお医者さんはいかがなんでしょうか。まず、これを一つお伺いをいたしたいと思います。
 私のところにあります資料によりますと、平成16年度から20年途中までは、合わせて165人のお医者さんがやめております。全部読むわけにいきませんけれども、2けたのところだけ読みます。
 中央病院で22名、大船渡で14名、宮古が18名、胆沢が11名、磐井が15名、久慈が12名、北上が11名、二戸が10名、その他いろいろありまして、合わせて165人のお医者さんが足りない、やめている。これは微減どころではなくて激減だと思うんですが、考えを伺いたいと思います。
〇柳原医療国保課総括課長 先ほど申し上げました県内の医師数の推移につきましては、平成10年から平成18年までの推移でございます。その中で、病院の従事者につきましては、平成10年が1、548人でございましたけれども、途中、平成16年に1、556人までふえておりますけれども、平成18年で1、544人まで減っているという状況でございます。
 それから、お尋ねの県立病院の医師、歯科医師、薬剤師調査での県立病院でのデータということでございますけれども、それについて今、手持ちでデータがございませんので、後ほど調べさせていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 医師の際に、常勤医師と、それから初期研修医あるいは後期研修医があるわけでありますけれども、何とかかんとかの手術をするといった場合に、執刀ができるのは常勤医の先生だと私は思うんです。つまり、初期研修あるいは後期研修のお医者さん方は、インターンと申しますか、サポートをするとか、そういうところだと思うんですが、そこもちょっと教えていただきたいのが一つと、それから、本会議の岩渕誠議員の関連質問で聞かせていただきましたけれども、保健福祉部は次にまたありますので余り深く聞きませんけれども、あなた方は、お医者さんを見つける役目で、見つけたお医者さんを医療局に渡してしまえばそれで自分たちの仕事が終わりだと、そういった思いがずっとあったんではないかと私は不安があるんですね。つまり、現場の先生の声をどこの場面で聞いてきたんだということが不安なんでありますが、いずれ、連携をしてこのごろはやっていますという話もありましたけれども、これは指摘だけにして、御一緒のときにあえて伺いますけれども、研修医と常勤医の差といいますか、手術ができる、できないの差、その辺を教えてください。
〇柳原医療国保課総括課長 まず、初期臨床研修医の方々につきましては、制度上、初期臨床研修でどこまでできるのかといったものがプログラムとして定められております。そして実際、そういう診療行為等を実施する場合には、その都度、上級の指導医の確認を得てから実施をするという仕組みになってございます。
 それから、手術等に関しましての役割分担ということでお答えいたしますと、基本的には常勤医の方々が主たる執刀医なりになると思いますし、一方で、初期臨床研修の方々は、その手術に、助手等で何らかの形で立ち会うといったこともあろうかと思います。
 なお、初期臨床研修を終えた後に、3年目以降、後期研修という形で病院に残られる方もいらっしゃるわけでございますけれども、そうした先生方の中には、手術の一部を執刀する場合もあるものと理解してございます。
〇関根敏伸委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇関根敏伸委員長 質疑がないようでありますので、これで岩手県公立病院改革推進指針及び県立病院関係予算を除き、保健福祉部関係の質疑を終わります。
 執行部の入れかえを行いますので、委員の皆様はそのままお待ち願います。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます
〇田村医療局長 平成21年度岩手県立病院等事業会計予算について御説明申し上げます。
 まず、今般の県立病院等の新しい経営計画の策定に当たりましては、さまざまな御批判をいただき、御心配をおかけしたことに対しまして真摯に受けとめるとともに、改めておわび申し上げます。
 それでは、事業運営に当たっての基本的な考え方について若干申し上げたいと存じます。
 御案内のとおり、国の医療制度改革の中、医療費抑制政策が進められ、診療報酬等につきましては、平成14年度以降4回連続となるマイナス改定が行われており、一方で、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が進むなど、医療を取り巻く環境が一段と厳しさを増しております。
 本県県立病院事業におきましても例外ではなく、県立病院改革実施計画策定時の想定以上に、患者数の減少や診療報酬のマイナス改定の影響が大きく、医業収益の大幅減少となっているほか、医師の不足により診療体制が整わないことにより、これまで以上に厳しい経営状況となっているところでございます。
 このような状況のもと、平成21年度の事業運営に当たりましては、新しい経営計画の初年度として、計画達成に向けてさまざまな取り組みを進めていくこととしております。
 具体的には、医師不足解消に向けた取り組みとして、地域診療センターの当直勤務やそれを支援するための基幹病院からの当直応援等に伴い過酷な勤務環境が加速しており、このままでは、病院現場から退職する医師が増加すると見込まれることから、その負担を少しでも減らすため病床の適正化をさらに進めるとともに、医師支援推進室の設置により、勤務環境の改善を一層進めながら医師の離職に歯どめをかけるとともに、医師招聘活動の継続的な実施、医療クラークの増員、女性医師への支援策としての保育所の24時間対応の拡大を図ることとしたほか、良質な医療を提供できる環境を整備するため電子カルテの導入を進め、安定した経営基盤の確立に向け、経営企画機能を強化する組織改編を行うとともに、県立病院間の役割分担の明確化と特色ある医療の提供、及び職員の資質と満足度の向上を図るほか、市町村等との協働により、県立病院の現状や課題等に関する情報提供に努めることなどに重点的に取り組んでいきます。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の56ページをお開き願います。議案第13号平成21年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、593床と定め、年間延べ患者数を、入院では155万5、000人、外来では236万6、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出についてでございますが、病院建築工事は、中央病院の増改築工事につきまして、平成22年度の竣工に向けて所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、磐井病院等に更新整備いたします循環器用X線透視診断装置等の購入が主なものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、次のページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 第5条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械の整備及び退職給与金の財源となる企業債の限度額を83億5、700万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 58ページに参りまして、第6条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものであります。
 第7条では、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第8条は、薬品、診療材料等のたな卸資産購入限度額を定めようとするものであります。
 第9条、重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の425ページをお開き願います。平成21年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は933億8、200余万円で、平成20年度の最終予算と比較しますと、およそ1.6%の増加を見込んでいるものでございます。
 第1項医業収益は807億6、400余万円で、1目入院収益は528億3、700余万円、2目外来収益は219億200余万円でございます。3目その他医業収益は60億2、400余万円で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動収益等でございます。
 第2項医業外収益は126億1、800余万円で、その主なものといたしましては、2目補助金6億余万円は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金111億5、900余万円は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益8億1、800余万円は、不動産貸付料などでございます。
 426ページに参りまして、次に支出についてでございますが、第1款病院事業費用は948億1、600余万円で、平成20年度の最終予算と比較しますと、およそ0.1%の減少を見込んでいるものでございます。
 第1項医業費用は884億6、800余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費491億3、500余万円、2目材料費220億4、200余万円、3目経費129億5、900余万円、5目減価償却費39億6、700余万円などでございます。
 第2項医業外費用は62億4、700余万円で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費42億3、600余万円、次のページに参りまして、2目繰延勘定償却18億9、700余万円などでございます。
 この結果、収入と支出を差し引きまして14億3、300余万円の純損失が見込まれるところでございます。
 428ページに参りまして、次に、資本的収入及び支出について御説明申し上げます。
 まず、収入でございます。その総額は121億4、600余万円で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債83億5、700万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました中央病院の増改築工事や医療器械の整備等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金37億8、900余万円は、企業債償還金等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 次に、支出についてでございますが、その総額は165億6、500余万円で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費65億6、300余万円で、その主なものといたしましては、429ページに参りまして、2目建物費24億600余万円、3目医療器械費30億6、700余万円などでございます。
 第2項企業債償還金は73億9、500余万円でございます。
 第4項開発費は9億3、000余万円でございますが、その主なものといたしましては、情報処理システム等の開発費でございます。
 第5項退職給与金は15億600余万円でございますが、退職者の増加に伴い、退職給与金の支払いが多額に上ると見込まれることから、その負担を平準化するため、翌年度以降に繰り延べ費用として計上しようとするものでございます。
 なお、430ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇関根敏伸委員長 ただいまの説明並びに岩手県公立病院改革推進指針及び保健福祉部所管に係る県立病院関係予算に関し質疑はありませんか。
〇佐々木一榮委員 それでは、冒頭、医療局長にお伺いしたいと思いますが、まず、県立病院を含めた公立病院の医師不足とそれから経営収支の悪化の現状は、御案内のとおり、岩手だけの問題ではなくて、全国的な問題になっております。国の診療報酬等医療費の抑制と地域のそういった現状を把握できずに医療制度改革が行われてきたということでありますが、まず最初に、今までの医療制度改革に対する認識をお伺いしたいと思います。
〇田村医療局長 まず、医師の抑制がずっと続いたということに関しましてでございますけれども、やはりそれが今になって非常に厳しい状況を招いているのではないかというのが、まず認識として持っております。それで、その要因としまして、医師数の抑制のみならず、地域偏在をある程度放置してきたといいますか、そういったことが岩手、東北全体がそうなんですけれども、地方に行けば行くほど、厳しい現状を招いてきたのではないかと思います。
 それから、診療報酬につきましては、医学の進歩に伴って非常に人手がどんどんかかるといいますか、そういった流れがある中で、なかなか診療報酬が抑え込まれてきたということで、我々の企業努力ももちろんやっていかなければならないわけですけれども、なかなか診療報酬のマイナスに見合うだけの企業努力が追いつかないといいますか、そういった現状があったのではないかと認識しております。
〇佐々木一榮委員 それでは、それを踏まえまして、新しい経営計画についてお伺いをしていきたいと思いますが、大きく二つに分けて質問をさせていただきます。
 まず、広域基幹病院において、現在、医師不足と過重労働ということが言われておりまして、その機能の停止、縮小をどうしても余儀なくされているということでありますけれども、これは具体的にどの病院のどの診療科か御説明をいただきたいと思います。特にも、県が担うべき救命救急や高度医療分野、この分野において影響の出ているものはかなりあるかと思いますが、これについてお伺いいたします。
 次に、医師不足について、今もお話がありましたけれども、マンパワー不足は、この計画が仮に実施されても、恐らく大変厳しい状況が続くものだろうというように考えられます。県立病院が、今後もこの医療の質、量を確保していくという大変大きな課題があるかと思いますけれども、県立病院と医師会ですとか民間を含めて、役割分担のあり方と質の維持というものをどのように今後考えていかれるかということをお伺いします。
 それから、今回の無床化、それから基幹病院の正直言って危機的状況を踏まえて、地域にあります市町村立や私立の病院、先ほど議論がありましたが開業医と県立病院との具体的連携をどのように進めていかれるのか、まずお伺いします。
〇八木参事兼業務課総括課長 まず、医師不足等によって機能の停止、縮小を余儀なくされている広域基幹病院及び診療科でございますけれども、平成18年度から常勤医が不在で休診状態にある診療科は、大船渡病院の呼吸器科及び神経内科、宮古病院の循環器科、眼科及び耳鼻咽喉科、胆沢病院の神経内科、産婦人科、磐井病院の眼科、久慈病院の麻酔科及び耳鼻咽喉科となってございます。また、常勤医師の減あるいは非常勤医師の対応で機能の縮小を余儀なくされているところは、釜石病院の消化器科及び産婦人科、宮古病院の内科、胆沢病院の小児科、久慈病院の産婦人科で常勤医が1名体制となってございます。
 次に、県が担うべき救命救急や高度医療への影響ということでございますけれども、例えば宮古病院や平成19年度の大船渡病院の循環器科の休診によりまして、心筋梗塞の治療方法でありますPTCAと言うんですが、経皮的冠動脈形成術というものでございますけれども、こうした高度な医療につきましては、救急車等で中央病院や岩手医科大学病院の方まで搬送しなければならないということで、その際には、医師それから看護師の同乗が必要になります。したがいまして、宮古、大船渡等からの往復五、六時間が拘束されるということで、さらなる負担につながっていると考えてございます。
 宮古病院から盛岡地区への救急車等による搬送件数でございますけれども、平成19年度121件、20年度は119件でございます。さらに、循環器科が平成19年7月から休止になりましたけれども、その際に市内の開業医の方々に約1、500人くらいの患者さんを紹介せざるを得なかったという状況も出てございます。
 また、大船渡病院から盛岡地区への搬送件数でございますけれども、平成19年度47件、20年度は14件、さらに気仙沼の方にも搬送してございまして、気仙沼地区への搬送の件数は平成19年度44件、20年度11件となってございます。
 こうした状況の中で、例えば搬送されるもとであります中央病院なんかでも循環器科の負担が増大をしてございまして、PTCA等の実施件数は平成18年度の520件から19年度は605件と、16.3%もふえているという状況でございます。
 また、ある病院長は、現在1カ月ぐらい待っていただいているがん等の手術についても、こういった状況がふえることによって、さらに若干延びるのではないかというお話も伺っているという状況でございます。
〇根子経営改革監 役割分担のあり方としての維持、それから開業医との連携の話でございました。
 医師不足の関係ですけれども、医師の養成に関しては、平成20年度から大学医学部の定員が増加されまして、本県でも奨学金制度を拡充するということで養成に取り組んでおりますけれども、こうした医師が地域医療に従事するまでは10年程度の年数が必要になるということで、しばらくは医師不足が続くのではないかと思っております。
 こうした中で、二次医療圏全体で地域医療を確保していくということが必要だと考えておりますけれども、既に産婦人科が、釜石の機能を大船渡、それから胆沢の機能を北上に拠点化するといったような状況がありますし、それから、先ほど申し上げましたように宮古病院の循環器科、これが常勤医不在で盛岡まで救急搬送しなければいけないということで、本来、二次医療圏で完結すべき高度医療それから救急医療が、既に崩れてきているという状況でございます。できるだけ二次保健医療圏の中で医療の完結性を高めるよう、救急医療や高度専門医療は基幹病院、それから地域の入院医療は地域病院、それから地域のプライマリーケアを地域診療センターがそれぞれ役割分担しながら、医療の質を維持していくという状況にしていかなければならないと考えております。それから、今言った二次保健医療圏全体で地域医療を確保するということのためには、県立病院だけではなくて、市町村それから民間の開業医さん、そういった方々の連携が非常に重要だと考えております。
 今、具体的に脳卒中だとかあるいは大腿骨頸部骨折、そういったものについて、急性期から維持期までの診療計画を定める地域連携パスというのがありまして、それで、それぞれの関係医療機関との機能連携を進めているという状況でございます。
 さらに、県立病院に地域医療福祉連携室というのをつくっておりまして、ここで県立病院や開業医、それから介護保険施設の連携を図っておりまして、例えば平成20年12月末現在では、開業医等から広域の基幹病院のほうに紹介を受けた患者さんが3万10人(後刻「3万1、010人」に訂正)で紹介率35.1%、前年度に比べて2、741人、9.7ポイントふえていると。それから逆紹介のほうも、3万3、072人、逆紹介率25.2%ということで、前年度に比べて947人、2.9ポイントふえているといったような病診連携を進めているということでございます。
 それから、開業医の先生方から、平成20年の4月現在で48人、県立病院のほうに応援をいただいているというような状況もございます。さらに、県立病院から市町村立の病院のほうに、年間800件程度の診療応援をしているといったような状況もございますので、こういった中で、他の病院との連携もさらに詰めてまいりたいと思っております。
 先ほど申し上げました紹介の患者、開業医等から基幹病院等に紹介を受けた患者数が延べ3万1、010ということで訂正いたします。
〇関根敏伸委員長 佐々木一榮委員の質疑の途中ですが、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時55分 休 憩
午後1時3分 再開
〇平沼健副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、柳原医療国保課総括課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇柳原医療国保課総括課長 午前中の伊藤勢至委員からの御質問の中でございました県立病院の医師の推移についてでございます。
 先ほど私が御説明申し上げました医師・歯科医師・薬剤師調査、いわゆる3師調査では、勤務先を特定いたしました回答といったものは求めていないものでございまして、この調査では、県立病院の医師がどれだけ推移しているかについては、特定できないものでございます。
 なお、この3師調査の時期にあわせまして、比較といたしまして、医療局から平成10年12月1日時点と平成18年12月1日時点の数値を確認させていただきました。平成10年12月の段階の医師数でありますけれども、全体としては567人でございまして、うち研修医、旧制度の研修医で27人、その他の常勤が540人という数字になってございます。これが、平成18年12月でございますけれども、全体として617人でございます。50人ふえておりますけれども、内訳といたしましては、研修医が27人から101人ということで74人増加しております。一方、その他の常勤医につきましては540人から516人ということで24人減少しているという状況でございます。
〇平沼健副委員長 質疑を続行いたします。
〇佐々木一榮委員 午前中の質疑は主に医師不足の部分を質問させていただきましたが、非常に、医師不足が前面に出ていまして、逆に、お医者さんが学会とか、そういった医療技術を向上させる時間が全然とれないというようなことを一方で感じましたし、医療の質をいかに維持するかという部分までは到底、不足のほうが前面に出てしまって、そこまで実際、お医者さん自身の医療技術の向上とか、学会への参加とか、また医療事故の心配もあります。そういった不安が非常にあるなというところも一方で感じたところであります。
 そういった状況下で、4月から新しいこの計画がスタートするということでありますけれども、民間移管の議論もありますが、仮にこれをした場合、県として、こういった住民の不安解消のためにどこまで経営、また医師確保の分野にかかわりといいますか責任を持っていく考え方か、これについてお伺いしたいと思います。
〇田村医療局長 民間移管した場合の県の責任ということでございますけれども、県としては、民間の医療、福祉関係者あるいは市町村が病床を活用することに対しまして、使用料の減免措置、介護保険事業への利用に対する支援措置など、最大限の支援を行っていくというふうに考えております。
 また、公募の際に、貸し付けあるいは使用許可の条件というものが出てくるわけですけれども、早期撤退の防止という観点から、5年程度の継続利用を義務づけるというようなこともやる必要があると考えておりますし、場合によっては、使用料の見直しですとか、診療所として利用するというようなケースを想定した場合には、緊急時の医師の応援とか、そういったことも必要に応じて検討して、施設がきちんと維持できるように支援していきたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 それでは、それに関連しましてちょっと話を進めていきたいと思いますが、無床化から病床復活という部分については、今、休止という考え方でありますから、民間にしましても、市町村移管にしても、医療、福祉一体、連携というものが非常に望ましいと考えます。今、田村局長からもそのお話がありましたけれども、これについて再度確認をさせていただきたいと思います。
 これに関連しまして、保健福祉部のほうになろうかと思いますが、県立病院等空き病床利用型介護保険事業特例交付金制度というものを創出しようとしておりますけれども、今回、五つの診療所が問題になっておりますが、現在、この制度についての市町からの問い合わせがどうなっているか。
 また、今お話がありましたとおり、医療と福祉という、診療所を残し、福祉部門の併設というお話がありましたけれども、これは、私は、やはり基本的には、条件としては、医療施設を経営するということを前提にこの福祉施設の併設を認めるべきという、同じ事業者にそういった形ですべきが─民間にする場合ですよ─地域の最低条件になってくるのかと思いますけれども、この点について御答弁をいただきたいと思います。
〇田村医療局長 病床休止ということにしているわけですけれども、休止扱いにするということにしまして、地域の皆様の利用意向を踏まえまして、民間の医療関係者あるいは市町村において、病床として活用する道を残して、空きスペースを福祉施設等として使うというようなことにもできるようにしたものでございます。
 また、休床した病床を利用していただく場合には、市町村の意向が非常に重要だと考えておりますので、そういうことを考慮した上で決定するというふうに考えておきたいと思います。地域の要望が医療と福祉の一体型というものを希望する場合は、公募の際に、そういうような意向を踏まえた形での公募をしていくというふうにして対応していきたいと考えております。
〇岩渕保健福祉部長 御質問の交付金、県立病院等空き病床利用型介護保険事業特例交付金についてでございますけれども、基本的に、第4期の介護保険事業計画を改定して空き病床を利用するというのは、一戸病院の例は、これはほぼ決まっております。そのほかに、花泉の例で、一関市とはうちうち、事務的にはいろいろ詰めている状況でございます。
 あと、その他の無床化の関連の市町村には、事務的にこういう制度ができたので、利用できるのであればいろいろ御協力をしたいということで、お話は申し上げている状況でございます。
 あと、高田病院の関係で、陸前高田市が、その検討についていろいろ始めているという情報はございます。
〇佐々木一榮委員 そうしますと、今回のこの交付金制度というのは、新しい経営計画にかかわる五つの診療所のみではなくて、高田初め、従来のほかの病院の空き病床も該当するという理解をさせていただいてよろしいですね。はい。
 それで、この件でありますけれども、再度確認いたしますが、先ほど田村局長から該当地域の要望というお話がありましたが、現在、この4月からの無床化問題については、さまざまな凍結要望ですとかをいただいている実態の中で、実際のところ、各地域ごとの事情とはいっても、基本的には病床を残してほしい、そこに福祉施設の併設というのは地域にとってもありがたいことでありますから、私は、それは非常にいいのではないかと思うんですけれども、福祉施設のみにするのか、病床と併設にするのか、それは地域の声を聞くと言われましたが、どういう形で公募条件というものを決定するお考えでしょうか。
〇田村医療局長 公募条件の、一部の地域では、有床診療所として使いつつ福祉施設というような情報があるわけでございますけれども、その辺は、多分、地域によって事情はさまざまではないかと思っております。一つの考え方としては、でき得れば、それぞれの市町村の思いは、やはり有床で残してほしいというのが、多分それぞれの思いとしてあると思っていますので、それを一つのベースに話をしつつ、地域によっては、あるいは無床の診療所と併設するというような選択肢もあろうかと思いますので、まずもって、その辺の選択の仕方について十分相談はしなければならないと思っています。
 一つ、有床診療所として運営するということで、残りの部分は空きスペースで活用するということに関連しまして、有床診療所というのは、当然、医療関係の施設でございますので、医療法人が運営するということになります。そこに福祉関係の、例えば特別養護老人ホームのようなものを併設するということになりますと、こちらのほうは、どちらかというと社会福祉法人の仕事ということになりますので、我々の今検討している中では、医療法人が、既存の、例えば社会福祉法人なり、あるいはみずからもう一つ社会福祉法人を立ち上げるというような作業をしつつ、そして共同運営するという方法もあるだろうと。それから、もう一方では、社会福祉法人がむしろメーンになって、どこかの医療法人に呼びかけて共同で運営するというようなケースが考えられるかと思っています。
 もう一方、老人保健施設のようなケースの場合は、医療法人自体が経営できますので、その場合には、一つの法人が両方を経営するというようなことで、基本的なスキームをまず市町村でよく話し合いをした上で、その辺の公募をするということで考えております。
〇佐々木一榮委員 それでは、最後にしたいと思いますけれども、この特例交付金については、第4期介護保険事業計画期間中でも、計画期間中の変更にも対応するものであるということでありますから、新年度からもしそういう話があれば、地元市と協議をして変更されるということになろうかと思いますが、今の局長の御答弁にありましたけれども、この診療所と、特別養護老人ホームでも老人保健施設でもいいんですが、もし仮に、4月以降公募を進めて、仮に手を上げてくれるところがあって、経営をしてくれるところがある、移管を受けてもいいよという順調な公募条件にのっとった場合、最短の無床期間はどのぐらいになるでしょうか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 施設開設までの日程ということでございますけれども、特別養護老人ホームを開設する例で申し上げますと、公募、それから提案受け付け、提案内容の審査につきましては、医療局と地元市町村との協議を含めまして、おおむね2カ月程度で事業実施主体を決定できるのではないかと。
 それから、この期間内に社会福祉法人設立認可または定款変更認可手続が行えるのではないかと考えております。
 それから、特別養護老人ホーム設置認可手続に要する期間でございますが、2週間程度ではないかということでございます。これらを合わせまして、公募から施設開設まで、おおむね2カ月半程度ではないかと考えております。
 なお、施設改修が別途必要な場合は、その期間がまたかかるということにはなると思います。
〇柳原医療国保課総括課長 医療法人による診療所の開設に要する期間でございますけれども、一般的に、医療法人が診療所を新たに開設する場合、必要な手続といたしまして、医療法人の定款変更、それから定款変更の認可なされた後の診療所の開設許可申請、それから開設許可がなされた後の使用前検査ということがありまして、これらを経て使用許可がなされるものでございます。
 これらの手続の標準的な処理日数といいますのは、合算しますと55日以内ということになっております。ただ、この申請の内容によりまして、一定程度の期間の短縮は可能と考えてございます。
 なお、県外におきましても、同じように、事業所を有する医療法人の場合は、この所管は東北厚生局になります。したがいまして、この場合、定款変更の認可に要する標準的な処理日数が、さらに22日間ほど要するとされておりまして、手続の標準的な処理日数は、この場合、合算すると77日以内となるものでございます。
 また、こうした手続の後に、保健所に開設の10日以内に開設届といったものを提出いただくことになるものでございます。
〇佐々木一榮委員 ありがとうございました。
 それでは、最後の確認ですが、今の流れで行った場合に、条例改正が必要となってくる部分について確認して、終わりたいと思います。
〇田村医療局長 一つの今の有床診療所を民間として丸ごと使いたいというようなことになりますと、県の施設としての利用がなくなるということでございますので、その際には、県立病院等の設置条例の中にある診療所という部分を削除する改正が必要ということでございますので、その際には、条例改正後に開設をしていただくということになると思います。
 ただ、もう一つのほうの診療所以外の部分の利用については、そういった条例上の制約がございませんので、場合によっては、そちらのほうを先行して開設するというようなことも、可能性としてはあると考えております。
〇嵯峨壱朗委員 初めに、ガイドラインについて質問いたします。
 このガイドラインについて、2月20日の衆議院の予算委員会で岩手県の県立病院のことを共産党の高橋千鶴子議員ですか、集中的に取り上げておりました。その中で、ガイドラインの作成の究極の目的は採算ありきか、官から民ありきではなくて、地方において必要な医療提供体制を確保するということではないのでしょうかと麻生総理に聞いております。その答えとして、改革の究極の目的は、公立病院、民間病院の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることであると明示してあると思いますので、損益だけとかという話ではないと理解しておりますと答えております。
 もう一点、同様の質問です。これ、高橋議員は、県下にあまねく医療の均てんを、これが県立病院の精神でありますが、県立病院だからこそ、不採算あるいはそういう医療の中でも持ちこたえてきたというものがあると思うのですが、公立病院の役割について認識はあるのか、地理的な条件、経済的な条件が違う病院に対してどういうふうに考慮したのかと尋ねております。
 これは、岩手県の病院のことを国会で取り上げたということでありますので、今の岩手県の話ですが、県立病院だけで22を数えると承っておりますと、これは鳩山総務大臣の答弁ですけれども、私はいつも答弁しておりますが、公立病院というものは、不採算であってもやらなければならない、地域医療のためにどうしても必要だというふうなことを述べております。公立病院の特殊な性格というものを考えると、これをきちんと助けていかなければならないというふうに考えておりますという認識でつくったガイドラインのようですけれども、この点はどうお考えでしょうか。
〇六本木公的医療改革担当技監 公立病院改革ガイドラインの性格についてでございますけれども、ガイドラインは、その本文にも記載されておりますが、関係地方公共団体が公立病院改革に係るプランを策定する際の指針を示し、改革の実施に関する技術的な助言を行おうとするものであり、法的な拘束力についてはないものという考え方でございます。
 しかしながら、本県においても深刻な医師不足などの状況がございまして、地域医療は危機的な状況にございます。こういったようなことを踏まえまして、今後とも、必要な医療提供体制を維持していくために、公立病院の再編、ネットワーク化を通じた医師の集約化、医療機関の役割分担と連携など、ガイドラインを参考にしつつ、必要な改革に取り組んでいかなければならないと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 技術的な助言にすぎないということ、これも、国会でも鳩山大臣が述べているとおりですね。そうした中で、ガイドラインの中に、公立病院の果たす役割の明確化という項目があります。その中に四つの役割が指摘されております。その一番最初にあるのが、山間へき地、離島など民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供、これが第1番目に出てきております。そして、2番目に救急、小児、周産期等、不採算、特殊部門にかかわる医療の提供。三つ目に、民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供。そして、四つ目に、医師派遣の拠点としての機能。こういうふうに四つ書いてあるわけですけれども、この順番が軽重ではないのかもしれませんが、どうもこの1ではなくて、3ですか、高度医療、今回の計画はそこにだけ重点を置いているのではないかというきらいがあります。もちろん、医師不足等の絶対的な不足という認識のもとではありますけれども、その点はどう考えているか、お聞かせ願いたいと思います。
〇六本木公的医療改革担当技監 この四つの民間等で不採算等のために医療提供が難しい部分について公立の医療機関が担うこととされているわけでございまして、県内でも、実際に県立病院、それから市町の病院─8病院ございますけれども、それらが、盛岡とか、あるいは東北本線沿いを除きましての地域では、ほとんどの部分、僻地医療から中核的な高度な機能を持つものまで、ほとんどの機能を担っているという状況にございまして、そういったようなものを全体的に公立病院が担って、二次保健医療圏という考え方を今度とっておりますけれども、二次保健医療圏単位で、全体として必要な医療を提供する体制を確保するための再編、ネットワーク化等について示したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今回の病院改革、これは医療局のほうなんでしょうか、こういったガイドラインの役割の明確化というこの四つの点ですけれども、どこに重点を置いてガイドラインというかプランをつくったと考えればいいのでしょうか。
〇根子経営改革監 公立病院の役割というのは、先ほどの四つ、これは十分承知しております。その中で、今の県立病院の状況等を踏まえますと、二次保健医療圏全体として地域医療をカバーしていくということにしていかざるを得ないような状況だということで、今回については、地域診療センターの入院の部門については、二次保健医療圏の中でカバーしながら、全体として高度医療、救急も含めてそういった形で対応していきたいということで、今回の計画に盛り込んだということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今回、各診療センター五つあるわけですけれども、それぞれ医療環境がちょっと違い過ぎますよね。医師の状態とか。例えば、現状ですけれども、いわゆる県立病院以外の診療所ということですが、花泉は6カ所、大迫はゼロ、九戸もゼロ、住田も2ということで、高齢だということですが、紫波は14カ所と、これはかなりの地域医療の環境の差があると思うんですが、この辺を無視した状態で一律に無床化を打ち出したのはなぜかということをお聞かせ願いたいと思います。
〇根子経営改革監 今回の、地域によってそれぞれ開業医と民間医療機関を含めた医療資源の状況、それから道路・交通事情等、そういった状況が違うということは、各地域の説明会等でもいろいろお話を伺っておりまして、私ども承知しております。
 その上で、今の地域診療センターが抱えている問題、特に、今の医師不足の危機的な状況の中で、基幹病院等からの当直応援によって診療体制を支えているという状況については、それぞれ共通だということもございますので、私どもとしては、その基幹病院等からの過重な労働環境といった中で当直応援が難しくなってきているという状況の中で、地域診療センターの病床を休止して外来中心の診療所とすることによりまして、何とか県営として維持していきたいということで考えたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私が聞いているのは、なぜ、全く環境の違う状況の診療所を一律に無床化しようとしたのかという理由を聞いているんです。
〇根子経営改革監 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今の地域診療センターが置かれている状況というのは、県立病院全体の医療提供体制、診療体制を組んでいく中で、センターへの当直応援、応援する部分のウエートが非常に高くなってきているということがございまして、その中で、その辺の基幹病院の医師の勤務の軽減、これらも喫緊の状態になっているということもありまして、今回の地域診療センターの病床休止という考え方に立ったものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 物事の裏面の説明だと思って聞きましたけれども、今の説明だけだと、条件が違うものを一律に無床化するということの説明ではちょっと、半分足りないと思って聞きましたが、説明できないものだと理解するしかないですね。
 それと、今、医師の話ばかりが出ておりますけれども、例えば看護師、これは、現状では各診療所に18名ずつ配置されているわけでありますね。そして、無床化することによって5名ずつになると、13名、65名がここから要らなくなるわけです。
 そこでお伺いしたいんですけれども、中部病院が今度できます。通常の10対1の看護体制から7対1の看護体制にするということで、恐らく相当多くの看護師の体制が必要かと思うんですけれども、花巻と北上の現状と比べてみた場合に、どれだけの看護師が必要なのかお聞かせ願いたいと思います。
〇志田参事兼職員課総括課長 地域センターの無床化に伴いまして異動の対象になった職員につきましては、全体調整の中で、医療の質と収益の確保のために強化が必要な病院に配置することとしておりまして、その中には中部病院も含まれるものでございます。
 なお、中部病院の看護部門につきましては、7対1看護体制の取得等、体制強化のために30人程度の増員を図っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 いずれ7対1看護という体制にすると、絶対的に看護師がまた不足してくるわけですよね。私は、これは勘ぐりではないですけれども、やはり中部病院を維持するために、その35人を一度に確保するのも大変だ。診療所を廃止することによって、ここから異動するということも背景にあるのではないかと思ってしまうんですが、全くそういうことはないですか。
〇志田参事兼職員課総括課長 ただいま30人と申し上げましたけれども、この人員で7対1の取得は可能であると考えてございます。
〇根子経営改革監 先ほど申し上げました地域診療センターの病床の休止ということにつきましては、いわゆる基幹病院の医師の負担軽減が中心でございます。病床を休止することによって、看護師を基幹病院のほうに配置できるということで、それで患者さんのサービスの向上といったものを含めて7対1看護のほうに配置しようという考え方でございます。
〇嵯峨壱朗委員 つまり、看護師の場合、私の指摘のとおりだと理解していいんですか。
〇根子経営改革監 先に今回の診療センターを休止するということの考え方に立った上で看護師の配置を見直したということでございますので、7対1の看護体制をとるために、ここを休止するということではございません。
〇嵯峨壱朗委員 最初のほうを私は大事にします。大体わかりました。やはり全体の人数の配置ですから、実際としては、多分ないわけではないと思います。7対1対応によって診療報酬のカウントも高くなるというさまざまな事情があるんだと思います。ただ、いずれ、その発想で全部進めていくと、どんどんこういう発想が進んでいくのではないか、方向性になるのではないかと危惧するところであります。
 そして、交付税、これはベッドの数等もカウントされているわけですね。平成19年度の決算で見ますと、一般会計繰入金177億6、000万円のうち、算定上ですけれども、交付税として75億4、600万円入っていることになっております、繰入金の内訳で。その中で、普通交付税には、病床数割というカウントもあります。22億8、900万円。これは、今回の診療所のかかわりではどういうふうに推移していくのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 交付税の算定基礎の病床数の部分もございますので、その分が減れば、当然、算定上から減っていくということになります。
〇嵯峨壱朗委員 そうしたら、県全体として見るとますます負担が多くなるんですか。これ、例えば病床を休止した場合のシミュレーションで見ると、無床化になった場合の一般会計繰入金というものを同額想定していますよね。今の話だと、同額想定するのはちょっとおかしいのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 平成21年度ではほぼ同額に見ておりますが、以降、職員が再配置されず、それから、全体的に減るということでございますので、若干減るような形の推計をとっております。
〇嵯峨壱朗委員 診療所化になってベッドが減ったと。現時点では、減る前の病床数でカウントして交付税を算定していると理解していますけれども、その期限が切れるのが平成22年度という理解でいいですか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 いずれ、当然、年度ごとにカウントして減っていくということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうではなくて、これは平成17年でしたか、診療センターになったわけですよね。それで19床になった。現在では、その19床になる前の病床数で交付税を算定していると理解しておりますが、それはいつまでなんですか。今言った平成21年とか22年までと理解すればいいんですか。そこまではわからないか。
〇平沼健副委員長 確認に時間がかかりますか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 済みません、今、数字を調べさせていただいて、後で答弁させていただきます。
〇嵯峨壱朗委員 何を言いたいかというと、さっき言ったとおり、恐らく減るんですよ。そして、さらに平成23年度からは、今度、さらに稼働率を反映させるという形で全体がまた厳しく見られてくるのだと思いますので、この診療センターを無床化したとして残したとしても、収支はどんどん悪くなるのではないかという意味で聞いているわけです。そうすると、またぞろこういう問題が出てくると思っているので指摘しているんですね。
 先ほどのマイクロバスの件ともかかわってくるわけです。廃止になったら、実際には要らないですよね。何に使うのかわかりませんけれども。仮にですよ、仮にね。
 あと、この歳入というか医療外費用というものがございますが、この中で、ここには出ていないけれども、減価償却というものが毎年されているわけですが、それは通常定率でやっているかと思うんですが、定率でやっている場合に、例えば現在になっても各診療所、非常に大きな金額、数千万円単位で減価償却しているわけですが、これは、各診療所の累積の欠損金がありますが、その中に占めている割合はどれぐらいなのか教えてもらえればと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 センターごとに申し上げますと、まず、平成19年度末の累積欠損金でございますが、花泉地域診療センターが7億9、000万円、大迫地域診療センターが23億6、700万円、住田地域診療センターが29億4、500万円、九戸地域診療センターが20億3、500万円、紫波地域診療センターが34億6、500万円となっております。
 それから、減価償却費でございますけれども、私どもの資料として残っているのは昭和39年以降しかございませんので、その積み上げということで御了承いただきたいと思いますが、その単純な累計でございますが、花泉地域診療センターが8億3、200万円ということでございますので、ほぼ累積欠損金と同額ということになっております。それから、大迫地域診療センターが7億1、700万円ということでございますので3分の1程度。それから、住田地域診療センターが10億9、000万円でございますので、これも3分の1程度。それから、九戸地域診療センターが8億6、100万円ということでございますので、これは20%程度でしょうか。それから、紫波地域診療センターが12億円ということでございますので、これも3分の1程度ということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 なぜ聞いたかというと、恐らくこの減価償却というのは、公立病院と言ったら変だけれども、官であった場合、なかなか得にくい部分ではないかと思うんです。いわゆる、もうけられないんですね。
 ですから、これというのは、私が思うには、減価償却の分というのはかなり負担になっていたのではないかと思うんです。それを直接カバーするわけではないと思うんですけれども、それが背景として、例えば、さっき言っていた山間地とか僻地とかの民間で成り立たないところに公立病院の役割があるというところの背景として交付税が措置されていると私は理解しているんです。ストレートにそれをやっているわけではないと思うんですけれども、それはそういう理解でもいいですか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 交付税のほうで申し上げますと、設備投資関係は、企業債元金、それから利息でございます。その分として、一般会計のほうから今2分の1ずつちょうだいしておりますので、算定上は、その分は、交付税として半分程度は措置されているということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 来年度予算で地方交付税を国全体として、これは公立病院に向けてですか、700億円ほどふやすという話があるわけですけれども、これはそうですか。そうなった場合、岩手県の場合、どういうふうに影響があるのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇六本木公的医療改革担当技監 これまである交付税措置の一部重点化しての措置と見ておりますけれども、平成20年度で2、930億円が日本全体での交付税措置額でございます。それに対して、全体では700億円程度増額すると見られております。
 内容といたしましては、過疎地に関する財政措置の充実、産科、小児科救急医療に関する財政措置の充実等でございまして、その中で、特に救急の部分が、要綱がまだよく示されておりませんで、こちらのほうで実際の額を算定するのが非常に難しいと考えておりますが、全体として2、930億円プラス700億円というところから見ますと、大幅ということではなくて、ある程度の増額と見ております。
〇嵯峨壱朗委員 増額になるということで、ある程度この繰入金の、先ほど言っていた、ベッド数の減少によって交付税が減少されるのが想定されるという中で言うと、幾らかのカバーもできるのかなという感じの数字かと思って見ていました。ですから、いずれ今回の計画は、一般会計の繰入金を想定してプラスマイナスゼロになることを目指すということですね。理解的に言うとね。それからすると、入りの部分で言うと、この交付税とか、さまざまな医業外収益というか、その部分がかなり大きい要素を占めてくると思うんです。その辺を考慮しないとなかなかできないと思っています。ですから、先ほどのような数字がぱっと出てくるべきかなと実は思っているんです。細かいから出てこないかもしれませんけれども。
 いずれ、トータルで見ていくと、恐らく2年、3年後ですか、交付税が700億円プラスになったとしても、減っていくということは、それぞれの診療所に向けての繰入金も減っていくと想定される。そうすると、ますます収益上、苦しくなってきて、もっと現状に近いような状態になってくる。ということは、この状態ですと、やったとしても収益上の改革にはならないのではないですか。どうでしょうか。
〇根子経営改革監 いわゆる平成19年度の決算で有床診療所の5地域でございますけれども、入院収益が約3億8、000万円、外来収益が6億4、000万円ということで、外来収益のほうが1.7倍ぐらいあるという状況でございます。
 これが、病床を休止にすることによって、若干、外来収益も減ると見込んでいますけれども、収益全体で4億8、000万円減るというような状況でございます。 
 その他、あと、先ほど申し上げましたように、看護師の給与費が減る、あるいは材料費とか経費も減少するということがございますので、費用全体で約13億8、000万円ということでございます。
 それで、有床診療所の今の状況よりは収支の改善が見込まれるということで、今回の病床の休止ということは考えていることでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりましたというか、そうでなければやらないでしょうからね。
 一番心配しているのは、この結果、実際に、さっき私が言ったような形で、ますます収益が悪化して診療所が廃止されるのではないかといった懸念があるわけです。そういうことは絶対ないですか。その考え方はどうでしょうか。
〇根子経営改革監 先ほど申し上げましたように、今回の病床の休止については、基幹病院等、全体の医師の状況を踏まえた上での対応ということでございます。それで、今回、いわゆる病床を休止して外来中心にやるということで、何とか県営として維持できるのではないかということで、今回のその考え方に立ったということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私のあれは、二、三年先まではありますかという話ではなくて、この診療所についてはずっと、それはずっとと言ってもあれでしょうけれども、維持するんだ、できるんだと明確に言えますか。そう思っていいですか。
〇田村医療局長 未来永劫とか先々絶対というような話は、これは、その時々の情勢がありますので申し上げられる状況ではない、我々自身も先々の情勢がわからないということでございますけれども、我々は、あくまでも無床の診療所であれば、医師の体制から含めて県立病院として運営が可能であると。仮にその赤字の問題も、赤字が出ないということではないと思います。ただ、県立病院全体の会計の中で見ますと、無床診療所の赤字の額というのは、全体の中で頑張っていけば十分カバーし切れる要素があるんだと見ておりますので、そういう意味で、我々としては、無床診療所であれば何とかやっていけるのではないかというような話をさせていただいているところでございます。
〇平沼健副委員長 執行部に申し上げます。
 先ほど答弁を保留していた事項については、審査終了までに資料の取り寄せを行い、再度、答弁してください。
〇千葉伝委員 関連。今、嵯峨壱朗委員が、今後の診療センターはどうなっていくんだという質問をしたわけでありますが、それは未来永劫ということは言えないよという理解ですが、前のこの診療所化するときの話で、これも1年ほどかけて、両者というのは、地域なり、関係者、それから医療局等々で話をして、最終的に有床の診療所として今の19床になった、こういうことだったわけです。それは経過です。その時点で、例えば大迫の話で、やって1年もたたないうちにベッドをなくす、こういう話が出たわけです。
 そういうことからすれば、地域の皆さんからすれば、今の嵯峨壱朗委員が質問した中身というのが、非常に大事な質問だという思いをしています。ですから、地域住民に信頼してもらう、それから信用していくような地域医療を進めていくには、やっぱり地域の皆さんに、そのぐらい考えてもらっているのなら、こういうことも私は必要ではないかと思います。
 したがって、そういったあたりは十分答弁の中で、少なくとも5年とか10年とか、私は、そんな期限を区切ってほしいんです。そこまでは頑張るとか何かがなければ、地域の皆さんは、今はベッドをなくすということで、例えば、このまま行った、そうすると、来年になって、診療所もやめさせていただきます、こんな話になりかねないということの危惧もあるわけです。
 ですから、ちょっと長くなりましたが、関連ですので、もう一度、局長の、これからのこの地域医療を進める上での今の診療所の状況をどう進めていくかということで、お答え願います。
〇田村医療局長 過去のいろいろな経緯があって、前回も、私どもも市町村から約束違反だというようなことでかなり厳しい御指摘、御批判をいただいたわけでございます。その間に、何でこんなことになったんだろうということを実際、我々も考えましたけれども、やはり医療環境の変化というのは、本当に想像もつかないような変化をしている現実があるということがあって、今回、こんな形で無床化という提案をせざるを得なかったわけでございます。
 そういう意味でも、今、5年、10年というお話がございましたけれども、なかなか確定した年数で申し上げるのは、私どもとしてもちょっと厳しい部分があるのかなと思っています。ただ、いずれにしても、今回の計画の基本的な考え方の中に、無床診療所という形であれば県営として何とか維持していけるというような考え方をもって、今回計画として提案させていただいているんだということで御理解いただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 それでは、岩手県立病院等の新しい経営計画に関して、数点お伺いします。
 現在の状況は、医療局側─県側と申してもいいですが─住民側、特に当該地域の方々には、大変、非常に悲しい状況が起きている。県立病院においては、やっぱりお医者さんがどんどんやめていく。それも医療局は対応せざるを得ない。しかし、住民側にとってみれば、いわゆる医療の提供側として県が責任を担ってきたと。公的な病院でもあるから、これは何とか残してほしい、これがやはり素直な心情かと思います。
 これは、岩手県だけではなくて、全国的にも、そのようなお互いの不幸な対立がこのような形で起こっている。そこの中に、じゃ、何が必要かというのは、やはり住民への現状の理解であるとか、それから将来への不安の払拭、極めて基本的な骨太の姿を示さないから、やはりこういうような現状に至っていると私は思うんです。
 したがって、それを念頭に置きながら質問したいと思うんですが、まず、質問の第1は、平成17年に、実はこの無床化案というものが出ました。その当時、県議会は超党派で、いきなり無床化は大変でしょう、これは地域の方々に大変な不安を与えるということで、診療所として19床、精いっぱいの病床をつけるということで、これは医療局の改革も必要で、これも進めなければならないという判断のもとに、そういう折衷案で通していただいた。これは、先ほど議論がありましたように、当面はこのようにしていくんだというお話がありました。
 それから、当時の環境福祉委員会で、やはりこのような状況になるということも想定しながら、保健・福祉との連携、包括的な患者さんとのそのようなケアというようなことも、それを推進していくんだ、全庁的に推進していきなさいというような決議を上げています。
 それで、この4年間ですか、県は今次の計画が出る間、保健、福祉の連携だとか、包括的な体制であるとか、それから部局横断的な体制で一体何をしてきたのかということを、まず、医療局長、それから部長にお伺いしたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 平成17年、それから18年の12月定例会で決議されていたことについてであります。
 医療から介護、福祉への連携についてでございますけれども、これまで、平成18年度から市町村が設置してまいりました地域包括支援センターがございます。その中で、医療関係者、ケアマネジャー、介護サービス事業者等で構成するケア会議を定期的に開催いたしまして、退院後の医療、介護、福祉の切れ目のないサービス提供のシステムなどにつきまして構築してきたところでございます。
 このシステムのもとに、ケアマネジャー、それから病院、介護施設などの実務担当者が協議しながら、介護を要する高齢者個々のサービスを調整してまいりました。
 今後、なお、地域包括支援センターを中核といたしました保健、医療、福祉の多様なサービスが総合的に提供される体制を充実したいと考えておりますし、なお一層、県立病院などの医療機関と支援センター、そして介護施設の連携を密にして、高齢者個々の状態に応じた医療から介護までのサービスが継続的に提供されるように取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、主に保健福祉部と医療局の連携についてでございますけれども、本庁は、従前から庁議、政策会議等におきまして、他部局も含めまして部局間連携による政策形成に努めてきたところでございます。昨年策定いたしました医療計画、それから今年度策定の公立病院改革推進指針、それから医療局の新しい経営計画の策定に関しましても、常に協議をし、情報共有を図りながら、あるべき姿の検討を進めてきたものでございます。
 また、医療局との共通の課題であります医師確保対策についても、共管ということで取り組んでおります。一定の成果を上げているほか、その他の課題につきましても、管理職から担当レベルまで、随時、協議の場を持つなど、連携して取り組んでいるところでございます。
 また、保健所、振興局の関係では、二次保健医療圏単位で、保健所が中心となりまして、市町村、県立病院、民間病院、医師会、介護、福祉関係機関等が参画します圏域連携会議を設置しまして、医療連携推進プランというものを初めとして、医療と福祉との連携も含めた切れ目のない医療連携体制の構築に向けて取り組んでいるところでございます。
〇田村医療局長 保健福祉部長の答弁とダブるかもしれませんけれども、保健福祉計画に掲げるがん、脳卒中などの4疾病6事業を中心とした医療連携体制の構築については、保健所が二次保健医療圏ごとに設置している圏域連携会議に参画して、連携して取り組んでいるところでございます。
 また、今回の新しい経営計画の策定に当たっては、保健福祉部の公立病院改革推進指針との整合性を図られるよう、十分に情報交換を進めながら策定してきたところでございます。
 また、今回の県立病院の空き病床の有効活用というようなことにつきましても、保健福祉部と連携をして制度を創設するというような形で取り組んできております。
 それから、1点、私の保健福祉部との連携という点で考えていることは、先ほど、保健所を中心に県立病院が参画しているんだという話がございましたけれども、医療局の本庁も、そういった連携の場にもう少しかかわっていくべきではないかというようなことについて、私の思いとしては、そういうことをやっていかないと、医療局としての政策全体の中になかなか反映できない部分があるのかなと思っておりますので、そういった点では、これから、もう少し現場レベルの話し合いに医療局本庁自体も行って、情報をしっかりつかんで、課題が何なのかというようなことに取り組んでいかなければいけないと考えております。
〇飯澤匡委員 それでは、今度は医療局のほうに、ちょっと時系列的に今回の計画案を策定し現在に至るまで、少し時間かかかりますけれども、その点を踏まえて説明しながら、お聞きしたいと思います。
 先ほどの答弁の中で、急激な変化に医療局側が要するに耐えられなくなったということで、今回、無床化案を出さざるを得なかったというようなお話がありました。要は、この4年間、5年間、その対応ができなかったということだと思います。そして、一言で言うと、県立病院を一つの会社に例えると、医師から魅力がなくなったということだろうと思うんです。その声をやはり医療局がとれなかった。そしてまた会社のトップというのは実質的には医療局長になると思うんですが、会社のオーナーである知事は、以前まで、これは医療局、社長がやることだから社長に説明を任せてやりなさいと。要は、医療局が抱えている根本的、抜本的な問題、そういうものに切り込んでこなかった。それがいわゆる住民のほうにも、姿そしてメッセージが伝わってこなかったと思うんです。これはあくまで経営サイドでの考え方ということで理解をしていただきたいんですが、オーナーである知事は、最初は説明に行くと言いながら、社長さん、あなた行きなさいというような格好にしたと。すべてやることなすことが、後手後手に回ってしまったと。そして、私たちの会派が指摘しているとおり、11月に発表して4月というのは、余りにも住民の方々にとって理解する時間が足りないんだろうと、そういうことを大きく指摘しているわけです。
 要は、このようなはやらなくなったものに対して、急激にはやらなくなったから何とかしてくれという論理だけが聞こえてくるような気がするんです。事実、9月議会まで、この計画を発表するまで、医療局は、こんなに危機的な医師不足の状況というのはアナウンスしてこなかった。何とか頑張りますというような─あなた方の立場を考えると、そういうドラスチックなことを言うと、かえって不安をあおってしまうという面もあったかもしれませんけれども、いわゆるそういう周辺の方々に対する問題解決、例えば市町村だとか住民だとかに対する説明がおくれてしまったから、こういう事態に私は陥っているんだろうと思います。
 今までも、医療局の今の経営体制が現在のままでいいのかということは、医療局の決算審議の中でも予算審議の中でも、数多く、ほかの議員からも指摘がありました。例えば独立行政法人化の検討であるとか、民間への移譲であるとか、そういう組織のあり方、この間は医療局長が、医療の現場経験者であったほうがいいんではないかという我が会派からの提案もありましたけれども、そのたびに言うのは、公営企業法の全部適用だからということで問題を避けてきたと。要は、根っこの部分を掘り出さないで、今回も末端の部分から切り捨てたような格好になって、先ほど議論があったように、この流れはもう加速度がついてとまらないと。その中で、では、政策医療として、四国にも匹敵する面積の岩手県の中山間地だとか、そういう医療をどうするんだというような姿が見えないから皆さんが不安になっていると、私はそういうことだと思います。
 それから、そういう姿が見えないと同時に、これは市町村側にも確かに指摘をせざるを得ないんですが、県立病院は県がやっていることだからというようなことで、あえて医師確保だとか、それから先ほど質問した包括的な協議の中でも、本当に腰を入れて協議に臨んでいたかという部分についても、これは反省すべき点はあると思います。
 そういう点を踏まえながら質問しますが、医療局がこういう組織のあり方、私も当時の増田知事にも質問しましたが、検討委員会の中で検討するであるとか、そういうようなことで先送りの状況です。今の組織の中では、私はもう立ち行かないんじゃないかと思うんです。そういうことを指摘しながら、今の状況の中で、本当に住民に説明できる抜本的な改革というのが示されないのでは、なかなかこれは理解が進まないと思うんですが、組織のあり方、そして医療局の抜本的な改革の方向性、それについてどういう図柄を今のところ描いているのか、今時点の考察で結構ですから御答弁をお願いしたいと思います。
〇田村医療局長 医療局という組織を預かる者として、医療局以外の経営形態のあり方というものを議論するというのはなかなか微妙なところがあって言いにくい部分もあるわけですけれども、私どもとすれば、今、医療局という地方公営企業法の全部適用で運営しているわけですけれども、仮に経営形態の変更というようなことを本気で議論をしていくというようなことであるとすれば、我々の立場からまず議論をしていただきたいと思っていますのは、この多額の累積欠損金を抱えたまま経営形態を変えるのかどうかとか、それから、法人に財産を承継する際の問題点としまして、例えば旧南光病院とか旧磐井病院という使用しない財産というのは、これはだれもいただく人はいないだろうと思っておりますので、そういった扱いですとか、それから、相当数の職員が医療局にいるわけですけれども、それを公務員という身分から外す場合にどうやって転籍をさせていくのかとか、それから、私どもは経営が非常に厳しいというようなこともあって退職の引当金というのを計上していないわけですので、その際の新しい法人に引き継ぐ際にそういったものをどうするのかとか、そういったものをまずしっかりと議論をしていただかないと、いざ議論が始まった途端に、大きな難題にぶつかってしまうというようなことがあるのかなと思っております。
 それから、私どもも基本的に医療局の経営形態がベストだと思っているわけでもございませんので、ただ、これを私どもが言うというよりも、むしろもっと幅広いさまざまな見地の方々がしっかり議論をして、医療局とか今の県立病院のあり方というものを議論した上で、方向性を決めていただくということだと思います。私たちは、その中で、仮にそういうことをする際には、こういう課題をきちんと整理をしてほしいというような立場になるのかなと考えております。
〇飯澤匡委員 私が指摘したかったのは、将来の図柄が出てこないということなんですよ。そういう組織体制にないということが問題だと、そういうことだと、これはまた再度指摘しておきます。
 それから、我が会派の高橋博之委員が全県立病院のお医者さんにアンケートをとって返ってきた答えというのは、確かに過酷な状況というのも赤裸々に伝えられてきました。しかし、大きく取り上げられていたのは、医療局側への不信ですよ。不信なんです。私たちがどのような環境にあるのかというのも、理解しているのか、していないのかというような部分がありました。それから、私たちの会派全員は、県立病院をやめて開業なさった方、これも聞き取りをしました。そうしますとさまざまな観点から、これは過労だけじゃないんですね。だから、今、県立病院に勤めている方々も、自分たちが悪者になって縮小の方向に向かっているというようなことを、そう言う医師もいます。だから、こういう状況の中で進んでいくということが、極めて何といいますか、残念なやり方だなと。
 だから、私は、県立病院が提供側として、歴史的にもそれを県立病院として移管をされてやっていくんだと、そして提供側として責任があるんだと。ただ、今の現状を踏まえた中で、医師の不足というのはどうにもならなくなってきたと。だったら、やっぱり事実上の撤退を仮にするということを言うのであれば、時間をかけて、倍以上の時間をかけて住民の方々と、そしてまた市町村とも、県という立場を一段下げて協議をすると、そういうテーブルに立って初めて問題の解決というのができるんじゃないですか。その点についていかがですか、局長。
〇田村医療局長 医療局に対する現場の医師の思いというのは、私どもも現場に行って、幹部懇談会と称しているんですが、そういったものを通じてさまざまな御意見をいただいております。その中で解決できるものは解決していかなければいけないんだと思っています。なかなか現実問題として、解決が難しい課題もたくさんございます。ただ、さはさりながら、そのことをしっかりとお医者さんたちと話をしていかなければいけないんじゃないかと思っておりますので、そういった点は、今までもやってきましたけれども、引き続きそういう努力をしていきたいと思っております。
 それから、もう少し住民の方々としっかり話し合いをしてというようなお話でございましたが、ふだんからもう少し住民、あるいは市町村と連携を密にしていればいいのかなというのは、全く率直にそのとおり反省をしておりますけれども、今回の計画づくりの過程で非常に厳しい医師の状況というものを目の当たりにして、やむにやまれず、こういう形で計画を出させていただいたということでございますので、今まで言ってきたことの繰り返しでございますけれども、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 後にもたくさん質問者が控えていますので最後にしますが、二次医療圏で完結というのを言っているんですね。前回の計画のときも言いました。これは私の理解では、私たちの両磐医療圏で言えば、高度医療そしてまたいろんな先進的な医療に携わる、そういう興味のある若い先生方を中核病院に集中させて、地域病院に適時配置をしていくんだと、派遣をしていくんだと。ところが、これさえも今はできない状況ですよね。今後、二次医療圏での医療の完結ということが本当に言っているとおりになるのかどうかということなんです。言葉では言っても、実際、その姿が見えてこないというのが現状じゃないでしょうか。
 これは保健福祉部長にも聞きたいんですが、先ほど振興局の支援体制についてもお話がありましたけれども、さきの本会議で、我が会派の田村誠議員から私たちの会派の提案が話されました。要は、保健福祉部が前面に出て、岩手県というのは特異な県で、医療と言うと医療局というものが前面に出てしまって、広範的な医療体制そしてまた保健福祉体制というものがどうもできなかったのではないか。だから私はあえて連携というのを強く言っているわけですが、この二次医療圏の完結について、私たちが関連質問で出したことを踏まえて、こういう協議機関を本当に立ち上げるつもりなのか。できれば、いつまでにというような形で─これは知事答弁でなるべくやりたいというような話の内容でありましたけれども、その点について今、想定しているというか考えていることは、どう考えているんですか。どうも今までのお話の中では、言葉では二次医療圏での完結と言いつつも、どうもその中で完結をしていないということが不安の材料の一つになっていると私は思うんですが、その点いかがでしょうか。
〇岩渕保健福祉部長 本会議におきます田村議員の御提案でありましたけれども、それについてどう考えるかということでございます。
 基本的にこの地域医療を取り巻く環境の厳しさというのは、ここ二、三年、かなり加速的に厳しくなっています。昔から厳しいんですけれども、引き金は平成14年度の診療報酬の戦後初のマイナス改定に起因しているし、大学の先生に言わせれば、平成16年の臨床研修医制度の創設というようなことも若干影響しているということも聞いております。今後、これから医師定数をふやして、十分になるかどうかわかりませんが、一人前の医師が出てくるのは約10年後だということでございますので、この厳しさはしばらく続くということが考えられます。したがいまして、現在、いろいろな組織が保健医療圏ごとにありますけれども、現在の圏域連携会議というのが別に、全九つの、9保健医療圏域におきまして、保健所が中心となって新たに住民の代表にも参画いただいて、深刻な医師不足などによる地域医療の危機的な状況について課題を共有し、そして本県の地域医療において、大きな役割を担っている県立病院を中心とした地域医療体制のあるべき姿、こういうことなどにつきまして協議する場を設置したいと考えております。
 いつまでということでございますけれども、来年度、できるだけ早く設置をして実施をしたいと考えております。
〇田村医療局長 今の協議の場に、私どもも県立病院の今の姿というものをしっかりと情報を出しながら、先ほど若干申し上げましたけれども、病院任せじゃないということで、医療局自体がそういう協議の場に入っていくというようなことで対応していきたいと考えております。
〇佐々木博委員 それでは、私も新しい経営計画について何点か伺いたいと思います。
 今、全国の自治体病院で医師がやめたと、それで診療科の縮小だとか、救急医療が崩壊しただとか地域医療の崩壊、しかもその原因が医師の過酷な労働条件にあると、そういったニュースが連日のようになされているわけでありまして、本当に大変な状況だなと思っております。しかも、これは別に東北だけじゃなくて、東京都も含めて全国的な傾向でありまして、大きな原因というのは医師の定数を抑制した政策に誤りがあったのかなと、一番大きな原因はそこにあったのかなと思ったりもしておるわけであります。
 そこでまずお伺いしたいわけでありますが、平成16年度から19年度までの4年間で、県立病院の常勤医の退職者数が140名に上っているわけでありますけれども、ことし末、常勤医の退職者数は何名と見込んでいるでしょうか。また、間もなく来年度、21年度が始まるわけでありますが、スタート時点で常勤医師数は何名になるのでしょうか。
 先日の報道によりますと、12の医療機関で、退職あるいは移動する常勤医の補充がなければ、来年度からの診療への影響が懸念されるという旨の報道がされておりましたけれども、どのような懸念があるのか、まず具体的にお示しをいただきたいと思います。
〇岡山医師対策監 今年度の常勤医の退職者数についてでございますけれども、この前新聞等にかなり出ておりましたけれども、医局人事とかそれから後期研修医、あるいは初期研修医等も入った数値が出ているようでございますが、それらを除きますと大体十数名となってございます。
 それから、平成21年度の常勤医師数につきましては、現在の見込みでは、これらの十数名が減るという状況を見ますと、449人ほどになるものと思っております。
 それから、退職する常勤医の補充がない場合の懸念を具体的なということでございますけれども、先ほども話がありましたように、医師が補充できない場合は、基本的には二次保健医療圏で応援体制を支援するということにしておりますけれども、広域基幹病院等でも医師が減少しているという状況がありまして、その支援にも限度があるということから、県全体、中央病院などからの支援なども調整を図らなければならないと考えてございます。
 いずれ、常勤医の補充がなかった場合には、手術や本院等からの診療応援の負担、それから本院の通常の診療にも影響が出るということが予想されまして、大きな支障が出るものと思っています。
 いずれ、今回新たに山田病院では4月から内科医の不在、あるいは千厩病院の内科医の医師が3人から2人退職ということもございますし、仮にこういった病院に外来診療を応援しますと、年間482回もの応援が必要になるということもございまして、この辺も市町村等への応援も含めますと、なかなか難しいものがあると考えております。
〇佐々木博委員 常勤医の退職が十数名ということでありますと、過去の4年間は平均35名やめていましたから、そういった点ではよかったなと、若干安堵するわけであります。
 そこで新しい経営計画ですけれども、常勤の医師についてですが、今後5年間で67名の増員を見込んでいるんですね。しかし、これには退職者数は含まれていないと、このような注意書きがされております。委員会でもいろいろ出ていますけれども、県もそれから医療局も、私は基本的に医師確保には努力してきたと評価しております。例えば研修医制度ですけれども、これが導入された2004年度から2008年度までの研修医数、年平均の数というのは、導入前の2003年度と比べると七十何%も伸びているんですね。沖縄に次いで全国で2番目ですよ。この方々がすべて岩手県に定着していただけるとは思っておりませんけれども、いずれ、そういったきっかけをつくる、そういった努力をしていただいたということについては評価をしているわけであります。しかしながら、そうは言っても、今、私がお話ししたとおり、今後5年間で67名程度の増員を見込んでいるわけでありますが、退職する医師のほうがこれを上回るのではなかろうかなと。要するに、常勤医がこれからの5年間もさらに若干ずつ不足していくのではないかと、そういった危惧感を非常に持つわけでありますけれども、まず、このことについていかがでしょうか。
 一つは、若干ずつとはいえ、常勤医がさらに減っていく傾向があるのだと、心配なんだということになりますと、先ほど来いろいろ話が出ていますけれども、今の医療体制も本当に維持できるのかと、そういったことが新しい懸念材料として出てくるわけでありますが、その辺の医師の見込みについてどのようなお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。
〇岡山医師対策監 先ほど年度末が十数名というお話をしましたけれども、その前に退職している方も含めますとかなりふえているという状況で、大体通常の年と同じくらいになるかなと思っております。
 それから、今回の計画で67人でございますけれども、今後5年間の見込みで、先ほど67人確保すると。この中身につきましては、岩手医科大学の地域枠である医療局奨学生が大体この5年間で17名出てくる予定となってございますし、それから医療局の奨学生の義務履行者が大体18人程度見込んでございます。それから、全国からの医師招聘、これを年間5人で大体25人見込んでおりますし、あと、後期研修医等の増ということで7名、全部で67名を見込んでいるものでございます。しかし、退職者が当然ふえておりまして、今後も退職者というものが見込まれるわけでございまして、これが続いていきますと、当然、現在の診療体制の維持というのが難しくなってくると考えております。
 いずれ、医師確保が一番の大きな課題であろうと考えておりまして、この医師確保につきましては、全国の医師招聘なども含めて取り組んでおりますけれども、ただ、先ほどお話のありました臨床研修医の確保、これにもかなり取り組んでございまして、平成21年度は新たに過去最高の58人を受け入れる予定となってございまして、これらの研修医が後期研修医となっていく、そしてそのまま岩手に残っていただけるような対策というものが必要になってくるのかなと思ってございます。これらによって常勤医師の負担も軽減されまして、医師の退職者に歯どめがかかってくるのかなと考えております。
 いずれ、医療局では、医師の負担軽減策なども医療クラークの配置あるいは超音波検査の臨床検査技師による実施などに努めてきておりますし、今後におきましても医師確保が重要と思っていますし、さらにやめていかれない対策としての負担軽減策を進めていくことが、医師の退職を抑制することにつながるものと思っております。
〇佐々木博委員 私、今、今年度末でやめるのは十数名と聞いてぬか喜びしたわけでありますけれども、例年と変わらないぐらい退職者がいると聞いて、いや、本当に大変だなと思いました。
 この職員配置計画を見ますと、医師と臨床研修医と分けてあるんですね。それで、地域枠で確保した学生、医大の学生なんかが、これは臨床研修医じゃなくて医師のほうに入るわけですか。そういったカウントなんですか。通常、医者は一人前になるのに、大体10年ぐらいかかると言われているんですね。ですから、私らは常勤医というのはその程度ぐらいの、30代以上ぐらいのお医者さんかなという感覚で数えていたわけで、それはちょっと違うわけですね。そこのところだけ確認させてください。
〇岡山医師対策監 臨床研修医は2年間の初期研修医のほうでございまして、この常勤の中には後期研修医等が含まれた数値となっております。
〇佐々木博委員 私は、新たな医師の確保というのは、今、全国的にも医師不足ですしなかなか大変だろうと思います。ですから、今いる医師に残ってもらうための努力をしなければいけないんだと思っています。
 私の周りにも県立病院の医師もおりますし、それから、もちろん県立病院を退職して開業した仲間もおります。あるいはまた、親は開業医で子供さんが夫婦で県立病院の医師をやっている方もおります。そんな方々から話を聞くと、例えば給料を上げたら残るという人は、私の知っている範囲では1人もいませんよ、正直言って。やはりやめていく理由というのは、過酷な勤務条件。とにかく、ゆとりのある時間がちょっとでも欲しいという方が、まず、ほとんど全部だと私は思っています。
 なぜやめないかというと、一つは地域医療に対する責任感と、それからもっと大きい理由は、自分がやめると、その分、残ったほかの医師に余計負担がかかりますよね。それは防がなければいけないという義務感で残っている方のほうが、私はずっと多いと感じています。少なくとも、私の周りの方々からお話を聞けばそうですよ。それで、私は病室を残すことはもちろん、なくなるところは大変ですし、もちろんですけれども、そのためには医師を残さなければいけない。いかに立派な施設や設備があっても、医師がいなければ病院は機能しないわけでありますから、医師を残すための最大の努力というのが、私は今、県立病院に課せられた大きな課題ではないかと思っているわけであります。
 もちろん、さっき飯澤委員からも話がありましたけれども、医療局に対する不満だってないわけではないですよ。それはどういう不満かというと、私が聞いているのでは、お役所体質だと。例えば医師の過酷な勤務条件だとか、あるいはほとんど多くの病院では昼間診察した後、いわゆる36時間体制で勤務していて大変だということがわかっているわけでありますけれども、ただ、そういったことに対して医師の待遇改善よりも、現状維持を優先して問題を先送りされたと、そういった思いをおっしゃっている方々はいますよ。それから、病院運営の権限の多くが、現場ではなくて、自治体の人事だとか財政担当者にあって、病院の事務の職員も数年間で異動すると。だからどうも実態がよく伝わらないだとか、そういった不満は私も聞いています。しかしながら、やめる原因のほとんどは、過酷な勤務条件です。ですから、これを何とかしなければいけないと思うわけでありますが、今お話を聞いていて私非常にびっくりというか心配になったのは、例年と同じぐらいずつ医師がやめていって、そして増員が5年で67名ということでありますと、ますます常勤医が不足していって、この経営計画自体、本当に達成できるのかなと非常に不安になってくるわけであります。
 ちょっとお伺いしますけれども、今後もこのまま医師が不足すると、二次医療圏の基幹病院もそうでしょうし、あるいは中央病院もそうだと思いますけれども、ますます機能の縮小ということが想定されるのではないかなと心配になるわけでありますが、その辺についての御見解を伺いたいと思います。
〇根子経営改革監 病院の機能の縮小というお話でございました。それで、基幹病院の機能縮小についても、現状でも、例えば大船渡病院は、呼吸器科が平成18年4月からゼロになって応援体制、それから神経内科も18年にもうゼロになっているという状況がございます。それから釜石病院では、消化器科が平成19年から1人の体制という状況が続いていると。それから宮古で、先ほど申し上げたように循環器科が今常勤ゼロ、それから久慈では麻酔科がいないとか、そういう基幹病院においても縮小されているという現状があります。
 それで、今後の医師不足の影響ということになりますと、本来は二次保健医療圏全体で地域医療を確保していくということだと思いますが、こういった部分では一部崩れてきて、二次保健医療圏を超えた形で考えていかなければいけない状況になっている部分はあります。こういったところがさらにもし不足になってくれば、ちょっとふえてくる可能性があるかなと思っています。ですから、できるだけ二次保健医療圏の中で完結できるようにするために、その中でできることはやった上で、やった上で限られた医師をどうやって考えていくかということをやらなければ、もう、なかなか二次保健医療圏だけで完結するということは難しくなってきているという状況にあるのではないかと思っております。
〇佐々木博委員 今度の新計画ですけれども、策定に当たって県立病院の医師の意向も強く反映したものだと実は聞いておりまして、この計画を実施することによって、医師の退職にある程度の歯どめがかかればいいなと強く期待しているわけであります。そしてもう一方で、県立病院としてのベッドの維持がもしできないということであれば、次に住民が望むのは何なんだろうかと。それは私は、経営形態にとらわれないベッドはないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 とにかく慢性期の入院患者さん、あるいは療養ベッドに入っている方々が病院を出ろと言われると、それにかわる老人保健施設でも特別養護老人ホームでも何でもいいんですが、それにかわるベッドを探すということが通例だと思います。そして今はそれもなかなかなくて、苦労しているという方が現実に大変多いわけでありますけれども、私はそういった点から言っても、もし県立病院としてのベッドの維持ができなくても、経営形態にとらわれないベッドが維持できれば、最善の策ではないけれども、次善の策ではないかなと考えるわけですが、この辺についてどう認識されているでしょうか。
 また、先ほども出ましたけれども、県立病院の空き病床の利用のこの交付金制度、これもそのことも視野に入れてつくられた制度ではないかなと考えておりますけれども、これが十分なものと考えているのかどうか、そのことについての認識についてもお伺いしたいと思います。
〇根子経営改革監 県立病院のベッドの維持が不可能だといった場合にどうなんだというお話だと思います。
 私どもとしては、先ほど申し上げましたとおり、県営であればその病床を休止したという形で維持できるのではないかということで考えておるわけですが、いわゆる休止病床についての活用につきましては、民間の医療あるいは福祉の関係者、それから市町村が活用できる道を残したということでございますので、地域にとってどういった形での利用の仕方がいいのかということについて、市町村と地元と十分協議しながら考えていきたいと思っております。
〇岩渕保健福祉部長 県立病院と空き病床利用型介護保険事業特例交付金の予算措置の内容でございますけれども、いろんな施設、種別がございます。地域密着型介護老人福祉施設、小規模介護老人保健施設、あるいは短期入所生活介護事業所と、それぞれ単価がいろいろ違ってまいりまして、6種類の中で一番単価の高い地域密着型介護老人福祉施設で算定をしておりますので、予算上は十分対応できるのではないかなと考えております。
〇佐々木博委員 今、医療と福祉の連携というお話がありましたけれども、最近、医療と福祉が連携した一体型の施設というものが非常に私は住民ニーズにこたえる形で、そして経営的にもうまくいっているなと考えております。
 実は、我々の会派もことしの1月に、財団法人地域医療振興協会で管理運営を受託している公設宮代福祉医療センターを視察してまいりました。病床数が19床の診療所を初めとしまして、介護老人保健施設、訪問介護ステーション、それから通所リハビリテーション、在宅介護支援センター、そして保育所、六つの機能を持ち合わせているわけですけれども、しかもそれぞれが独立した形ではなく、相互に連携して、幅広いサービスを効率よく提供している姿を見て、大変勉強させていただきました。
 今、本当に全国的にもこのような施設が成果を上げているわけでありますけれども、その理由をどのように分析されているのか、お伺いしたいと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 医療と福祉が連携した複合施設が成果を上げている理由ということでございますけれども、医療と福祉が連携しました複合施設でございますと、病院それから診療所のお近くに老人保健施設や特別養護老人ホームがあるということでございまして、入所されている方が、例えば風邪を引きますとすぐ医療施設に入って、元気になればすぐまたもとの施設に戻るということがあろうかと思いますので、こうしたシステムは確立されておりますと、地域の住民の方々、他の地域、他の施設に行かなくても済むということで、非常に安心してサービスが受けられているのではないかと思います。
 いずれ、高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らしていくためには、医療それから介護が必要とする状態になっても、いずれの状態にも応じた適切なサービスが切れ目なく効果的に提供されていることが重要だろうと思います。それが住民ニーズの高い理由だろうと考えております。
 お話のあった施設は、こうした住民ニーズをしっかりと受けとめまして、医療から介護までのきめ細かなサービスが継続的に提供されていることが、経営的にも成果を上げているのではないかと考えております。
〇佐々木博委員 これで最後にしますけれども、先ほども申し上げましたけれども、今、一番大切なのは医師の確保だと思いますし、なかなか増員は難しいわけでありますから、今、頑張っていただいている医師にできるだけ残っていただくように、その対策を第一に考えていただきたいと思うわけであります。それがもしうまくいかなければ、恐らくこの経営計画自体も、5年間の経営計画ですけれども、維持するのも難しくなってくるのではないかと私は危惧するわけであります。
 そこで、常に医師のそういった現場の声を聞きながら、計画を若干ずつでも修正しながら対応していくということが私は大切ではないかなと考えているわけでありますが、そのことに対する医療局長の御所見を伺って終わります。
〇田村医療局長 御指摘のとおり、当然、直すべきものは直していきたいと思っております。
 先ほど委員のほうから御指摘のあった医療局が問題を先送りしているとか、それから実態が伝わらないという話がございましたけれども、今回、医師支援推進室というものをつくらせていただきましたけれども、その大きなねらいは、まさに現場の医師の話を聞く組織をつくりたいという思いがございまして、それでこちらのほうの、部隊を二つに分けておりますけれども、一つの部隊は外部からの医師招聘ですが、もう一つの部隊は、内部のお医者さんのお話をしっかり聞いて、私はでき得れば、いろんな医師の問題について検討段階からいろいろ一緒にやるような仕組みをつくりながら、お医者さんにとって魅力のある職場づくりをしていくというような取り組みを継続していきたいと考えております。
〇高橋雪文委員 私は県立病院の新しい実施計画もそうなんですが、県内の医療の計画も、私たちが県民に対してどういう医療を提供しなければならないのか、それによってその病院の医療提供の規模、こういう全体像の中から医師の数、こういうものを出して、そして医療局がその医師確保に向かって努力をされて、そしてそれを完遂するために計画を練って実施すると、これが本来の姿だと思うところでございます。
 しかしながら、今までの議論をずっと聞いていると、とにかく国の医療改革、これを改正しなければならないところがたくさんあると思います。それでも、その根拠となるところは医師不足ということで、そもそも医師不足が大前提で議論されているわけですけれども、これはやっぱり私は違うのではないかと。私たちが県民に対してどういう医療を提供していかなければならないか、地域医療をどうやって提供していくのか、こういう議論の中から、例えば医師がどれぐらい必要で、そしてこういう形で医師を提供したいと、こういうふうに本来であれば議論が成り立っていってほしかったなと思っているところでございます。
 非常に厳しい言い方をするのですが、県の一般財源から178億円の負担金も出ている。そして医療局の職員、これ、実は医師数よりも多い職員がいるわけであります。事務にとってはプロの方々がいる中で、どうして医師が確保できなかったか、そして今まで我々がサービスを提供したレベルを堅持できないか、これが非常に私は不満に思うし、地域住民も納得がいかない最大の理由がそこにあると。今まで提供されているサービスが低下するんだということが、非常に不満を持つところだろうと思います。私はそれに関しまして、四つ大きく質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、医師確保についてでございますけれども、先ほども佐々木博委員がおっしゃいましたように、これまでの医師確保の反省がしっかりできていなければ、たとえこの実施計画を5年推進したとしても、医師がきちっと確保できるかという保証が与えられないと、ここが非常に私たちも不安になるところでありますし、容易に今の実施計画を認められないというところに至るということでございまして、この反省をどうしているのか。その反省のもとで、どうやってこの計画を実施していこうとしているのか、その反省を踏まえた形でどうやっていくのかをお知らせいただきたいと思います。
 そして今、市町村との連携で医師確保の取り組みをしているところがあります。これは遠野市でございますけれども、遠野市は馬をプレゼントするなんて言って、馬が原因で来たかどうかよくわかりませんけれども、それでも30代の若手、ばりばりの人を2人も確保しているということであります。ここは、遠野市で対策室を独自に市がつくって、そして医師確保に尽力しているというところであります。そういう地域との連携がしっかりできて、地域事情をしっかり聞いて、地域の医療がどういうふうにあって欲しいと言われているのかもわかって、そして県だけではなくて、市町村がともに医療をどうやって守っていくかという、そういう形が多分、今回、病院改革のガイドラインの柱にもなっているはずなんですけれども、そういうところがほとんど見えないというところが非常不満でございます。無床化となる対象の地域、ここの町村と一体どんな連携をしてこれまで進んできたのか、その辺をちょっとお知らせいただきたいと思います。
〇岡山医師対策監 これまでの医師確保が十分でなかったということでございますけれども、まず背景としまして、現在の医師不足は、勤務医のもととなります医学部の定員につきまして、国が入学定員を抑制してきたということがまず挙げられます。また、平成16年度から開始されました国の新しい臨床研修制度は、研修医を大学から市中病院へシフトしたことから、大学各講座への入局者が減りまして学内体制維持さえも困難となり、地域の病院等への派遣が難しくなったと。それから、国公立系などの大学院大学によりまして、各大学の講座が細分化されまして、大学教員の数が足りなくなりまして、地域に派遣している中堅の医師を引き揚げられ、その結果、地域の医師不足が加速したといった背景がございまして、この医師不足は全国でも深刻になっていると認識しております。
 また、このような中で、医療局では、発足しました昭和25年11月には、もう奨学制度をいち早く開始しておりまして医師確保に取り組んでおりまして、これまで246名が義務履行しまして、現在、義務履行のため勤務中の奨学生が33人ほどおります。また、平成14年度には、全国に先駆けて、岩手医科大学への地域枠であります修学制度を創設し医師養成を行ってきておりまして、本年度には、最初の修学生が大学を卒業しまして1年次の研修医ということになってございます。そのほか、先ほどもお話ししましたけれども、臨床研修医の積極的な受け入れを行うための体制整備など、医師確保に努めてきているところでございます。
 ただ、全国からの医師招聘が極めて難しい状況にございまして、30代、40代の中堅医師の退職が非常に顕著となってございまして、これらの医師にやめていかれないようにしていくことが課題であろうと思ってございます。
 新しい経営計画では、このような状況を踏まえまして、限られた医療資源の有効な活用を図りながら、二次保健医療圏全体で地域医療を確保していくということにしております。
 また、地域との連携でございますけれども、県立病院と地域の連携は我々も大変重要なことと考えてございまして、今回、委員からお話がありました遠野病院では2人の医師が全国から招聘されることになりました。これは病院と市、それから医師確保対策室などと連携して対応してきたことが今回の医師確保にもつながったものでございまして、大体これにも2年、3年という時間をかけて確保に至ったものでございます。また、宮古市では、地域医療保健推進監を設けまして、地域医療を守る体制の整備などを行っているところでございます。
 いずれ、地域との連携については、必ずしも十分な連携となっていない面もございますけれども、市町村連絡協議会などを通して、市町村の窓口としての医療担当と連携をしっかりとしていきたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 外部的な要因については、もう何度も何度も答弁を聞かせていただいているので、それはよくわかりました。しかしながら、じゃ、内部には何も問題がなかったのか。その内部をどう反省をしていったのか、それが全くないと。当然、遠野に来るお医者さんは30代ということで、それこそ県立病院のたくさんやめられる層の30代、40代とダブるわけでございますけれども、やはり内部的な反省をしっかりしていかない限りは、この問題は、本当に正しく医師がやめるということについて問題解決にならないのではないかと、その辺をもう一回お聞かせいただきたいと思います。
 そして今、ほかの自治体との連携ということでお話がありました。今、答弁をいただいただけでこれからやっていったら、また同じことであって、実はしっかりとした連携を組めないのではないかと。もっと細かな連携というのが、今後必要になってくるのではないかと思います。その点、局長そして部長にもぜひお聞きしたい。
 私は今までの議論で、医療局医療局と、医療局が非常にやり玉に上げられているんですけれども、実際は岩手県の医療をどうしていくか、地域医療をどうしていくかという部分で言えば、医療局の一部門の問題ではなく、県内の医療をどうやって提供するかという、医療局ではなくて岩渕保健福祉部長のところの責任というのは非常に大きいのではないかと思います。その点も踏まえてお知らせいただきたいと思います。
〇田村医療局長 内部的な反省というお話でございますけれども、反省すべきところはあると思っています。一つは、医師確保というものが、どちらかというと、医療局の中の体制も、そんなにたくさんの人数を敷いてやっているわけではないということがございました。そういった反省を踏まえて、知事部局との協働の組織をつくって、今は岩手県出身の医師で全国に散っている職員をかなり把握しておりますので、そういった方々と定期的に接触をしながら、できるだけチャンスを逃がさないように、きちっと連携をしているというようなことをやっておりますし、それから、お医者さんに逃げられないようにすると。先ほども話が出ましたけれども、今いるお医者さんを大事にするという部分で、いろいろ対策は練ってきているんですけれども、どうもやり方とすれば、私はお医者さんと一緒になって検討しているという部分よりも、いろいろ言われたことを医療局が検討してやるというパターンなんですけれども、どちらかというと、もう少し一緒に検討するというような流れにしていきたいなと思っております。
 それから、自治体との連携の話でございますけれども、ある院長先生から聞いた話で、市町村も、そもそもどこの窓口に行って話をしていいかわからないというようなお話を言われました。先ほど市町村連絡協議会というものをつくると言いましたけれども、そういうものをつくることによって、市町村自身の窓口もしっかりしてくるのではないかと思っています。そういうことをしながら、医療局と市町村との関係を強めていくと。担当窓口もしっかりさせないと、連携と言っても厳しい部分がございますので、我々とすれば、市町村との連携の窓口をしっかりとって、その中で医療局側からもさまざまな情報を提供していくというような取り組みをしていきたいと考えております。
〇岩渕保健福祉部長 委員御指摘のとおり、本県の全体の医療行政につきましては保健福祉部が責任を持っておりますし、公営企業たる県立病院等事業には医療局が責任を持っている、それは極めてそのとおりでございます。
 私どもとしては、全体の医療体制をどうするかということにつきましてはさまざまなコンテンツを持っておりますけれども、基本的には、医療審議会の中で、医師会の代表とかさまざま大学を初めとした代表の中で、全体のあり方について議論をしているところでございます。昨年策定いたしました医療計画についても、この審議を受けながら策定したものでございまして、これをもとに、今、4疾病6事業、例えば脳卒中、急性心筋梗塞の機能分担、連携をどうするかというようなことを各保健医療圏でこれらに基づいて、順次、今ほぼ完成しつつあるというような状況のことをやっております。
 それから、基本的には、医師確保をどうするかということでございまして、これは岩手医大、医師会、市長会、町村会を初めとした関係者で集まっております地域医療推進協議会というところで毎年度、二、三回程度議論をしながら骨格を決めているところでございます。ちなみに、2月の段階では、岩手医大の地域枠で10名、来年度からは15名養成ですけれども、10年ぐらい続けます。その義務履行をだれがどうするかというのは県がやる、保健福祉部がやるという基本的な骨格を、了解を得て定めたところでございます。それから、市町村医師養成事業につきましても、市町村の意向を伺いながら、県が最終的に取り決めるという基本的な方向性も決めているところでございます。そういうこと、それから御案内のとおりの公立病院改革推進指針ということで、県全体の公立病院のあり方についても計画を定めているところでございます。これらが一体となって、県の医療行政というものをきちっとした形でさらに充実をしていきたいと考えております。
〇平沼健副委員長 高橋雪文委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際10分間ほど休憩いたします。
 高橋雪文委員、御了承願います。
   午後3時1分 休 憩
午後3時23分 再開
〇関根敏伸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋雪文委員 それでは、私のほうから、次の項目の経営形態についてお話をさせていただきたいと思います。
 県立病院は、公営企業法全部適用ということで、今、その中で改革をしているということでございますけれども、この公営企業法全部適用の利点と欠点を、まずどのように把握されておられるのでしょうか。
 また、ガイドラインの中では、私、総括でも質問させていただきましたが、民間との対比とか、あとは経営形態ですから、指定管理者制度とか、民間譲渡とか、こういう形でも議論をするべきだということで明確に書かれてある。ところが、いち早く公営企業法の全部適用ということでしたわけでございますけれども、今後、このあり方について、全体も議論していかなければならないんですが、無床化となるような小さなところとか、民間に委託できる診療所みたいなところも十二分にあるのではないかと思うわけでございますが、今後どのような取り組みをされようとしているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 地方公営企業法全部適用の利点と欠点ということでございますが、まず、利点でございますけれども、公営企業の経営に関しまして広範な権限を知事から委任されるということで、独立した事業管理者を置くことができるということで、経営責任が明確化する。それから、意思決定に際しての機動性、迅速性が発揮される。それから、自立性が拡大される。それから、職員の経営意識が向上する。それから、場合によっては、業績に応じた給与体系が可能になるということでございます。
 それから、欠点でございますけれども、どうしても、やはり公務員だということに変わりはございませんので、事実上、給与体系の見直しに限界があるということがございます。それから、職員の兼業禁止などの服務上の制約が、民間と比べて非常に大きいということがございます。それから、地方公共団体であるために、高度医療、それから災害に強い病院をつくらなくてはいけないということ等ございますので、建設費がどうしても割高になるということがある。それから、物品購入等の事務処理に高い透明性が求められますので、これについても、価格が割高になるケースがあるということだろうと考えております。
〇根子経営改革監 経営形態のお話でございます。
 まず、民間病院との対比というお話がございましたが、比較しますと、病床利用率が民間病院のほうが高いというような状況がありますので、病診連携を進めながら、紹介率、逆紹介率を高めていくことが必要かと思っております。
 それから、医業収益に対して給与費、材料費が高目になっているということがございます。それで、平成18年度から実施している給与の構造改革とか、あるいは超過勤務手当の関係、それから特殊勤務手当の見直し、そして、材料費、薬剤費の、例えば後発医薬品の拡大とか、診療材料の関係のコンサルティングの活用といったことで縮減に努めてまいりたいと思っております。
 それから、経営形態の検討については、先ほど飯澤委員にも局長からお話ししましたが、例えば、独立行政法人の場合ですけれども、多額の累積欠損金の処理とか、跡地問題の財産の処理をどうするかとか、あるいは全体として4、800人の職員を抱えていますので、そういった職員の転籍の問題、あと、転籍した職員とプロパー職員の給与のバランス、いろいろ課題があると思います。
 それで、それぞれ病院ごとにもというお話もございますが、いろいろ課題もございますので、今後、いずれいろいろ住民の皆さんとか専門的見地からの御意見をいただきながら議論していく必要があると思っておりますが、今回の計画では、今の規模とか機能の見直しを進めていくということもございましたものですから、当面、全部適用で策定させていただいたということであります。
〇関根敏伸委員長 答弁漏れがあるようですが。
〇高橋雪文委員 答弁漏れの部分は、全体の議論としてはわかるんですけれども、要は、無床化になるセンターとかこういうところを切り離して議論していくことも必要だと思いますので、その点どうなのかを聞きたかったんです。
 実は、ガイドラインの中にはこういうことを書いているんです。現在、財務規程などのみを適用している団体、そして、こういうところが比較的取り組みやすいということで、公営企業法の全部適用の導入を進めているところですが、我々は、もう進めて、その形でやっていますので、その中に経営形態の見直しを契機とした民間的経営手法の導入が不徹底に終わりがちである、その点については特に留意すべきであるということをガイドラインにもう記載されているわけです。
 国のほうも、この経営形態を見直す中で、公務員改革では限界がある。そこをさらに突っ込んで、やっぱり民間的な経営手法に学ぶべきだということを明示しているわけです。その点、まだまだ議論不足でありますし、あとは、そういうところをこれから協議していかない限りは、民間との格差が埋まらないと思います。
 私、開業医の先生方からお話を聞くのですが、病院の規模が同規模の場合、例えば人員の配置とか給料、こういうものを考えると経営的に赤字になるのは当たり前だとおっしゃるんです。このコメントは非常に重要でありまして、これから本当に病院を黒字転換していく、また負担金もできるだけ減らしていくということを考えていくならば、やはりこれをしっかりとした議論にして、内部でも検討していく必要があるんだろうと思います。
 それをしないままに、そのままでの形でやると、当然、経営はどんどん逼迫していきますし、そして、医者が少なくなるということであれば、やはり本当は医療提供を堅持しなければならない地域の無床化が進行してしまう、結果としてそういうふうになっているのだと思います。ぜひ、その点はどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇根子経営改革監 まず、職員数と給与のお話だと思います。
 職員数につきましては、やっぱり民間との比較をした際に、数が多い状況にはなっていると思います。そうはいいながらも、県立病院が抱えている医療の中身等々を考えますと、ある程度手厚い職員数を配置しながら、高度専門医療等々に対応するということもございますので、そういったこともあって手厚い体制になっているのではないかとは思っております。
 それから、給与については、ある程度、私どもとしても、先ほど申し上げましたように、給与自体の構造改革の中で給与を抑えていくこととともに、医療局独自でやれる手当について、特に特殊勤務手当等については、見直せるところは見直していくという状況に努めておりますので、できる限りその辺のところも、できるところは見直ししていくという方向で考えていきたいと思っております。
〇関根敏伸委員長 先ほどの答弁漏れの部分、答弁できますか。
〇根子経営改革監 地域診療センターについてのいわゆる民間移譲とかというお話だと思います。
 先ほどもちょっと申し上げましたが、私どもとしては、いずれ今の段階では、県立病院の今の全体としての経営形態をどうするかという議論についてのお話を申し上げましたが、地域診療センターについては、今の考え方としては、いわゆる病床を休止して外来中心でやるということの中で、県営として維持していきたいという考え方で進めております。
 それで、先ほどちょっと申し上げましたが、そういった中で地域のほうの御意見がいろいろあると思いますので、その中で、例えば民間の活用というお話もあるということであれば、それについては、私どもいろいろ地元と相談しながら進めてまいりたいと思っております。
〇高橋雪文委員 いずれ、公立病院の改革については、不断に見直していくというのは必要だと思うんですけれども、やっぱり民間ときちんとした数値のすり合わせというか比較をもうする状況にあるのではないか、それをしっかりやらないと、いつまでたってもこの赤字体質から抜け出ることができないのではないかということで、その部分は、ぜひ内部的に検討いただきたいと思いますし、あとは、できるならば我々にも早目に明示していただいて、一緒に病院改革に取り組んでいければいいなと思います。
 次の項目に入りたいと思います。先ほど、地域医療の堅持ということで保健福祉部長にもお話をさせていただきました。やはり私は、こういう観点からしますと、市町村との強い連携のもとに、それぞれの公立病院の経営を見直していく柱は、保健福祉部がもっと積極的に市町村と連携をして、そして市町村の窓口なり担当者を決めていただいて、どのように地域医療をやっていくか、そしてその中で福祉と介護、こういうものをどうやって連携させていくか、そういうきめ細やかな計画を策定する、そのリーダーシップを私は保健福祉部がしっかりと担うべきだと思います。
 この公立病院の改革ガイドラインでも、やはり1部局の問題ではなくて、これは全庁挙げて、もしくはその地域全体として議論する中で改革プランを策定するべきだ、こういうふうに明示されているわけです。
 どうも今までの議論を聞いていると、内部的なもの、そして病院長との打ち合わせ、こういうものが柱になって、やはり地域とか市町村とかとしっかり連携できていない。医療局が十分にできていないというならば、やはりその大もとであるこの保健福祉部の皆さん方が、積極的に地域に入って、そして、その将来像も含めて市町村と協議するべきだというふうに私は強く思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇岩渕保健福祉部長 市町村との連携についてでございます。
 とりもなおさず、医療、そして福祉、介護の切れ目のない連携といいますか、そういうものは、やはり県と市町村が一体となってやらなければならないということは、当然のことでございます。
 現時点におきましても、保健所、振興局の保健福祉環境部が中心になりまして、さまざまな会議、あるいは先ほど申し上げました医療連携推進会議等で連携をしております。それから、公立病院改革推進指針につきましても、個別に当該市町村に赴きまして、さまざまな意見は聞いてきたところでございます。まだ、その辺で不足しているのではないかという御懸念も当然かと思います。
 先ほど、今後のことを申し上げれば、二次保健医療圏ごとにそういうふうな県立病院ないし市町村、あるいは住民の代表の方々、医療関係者、福祉関係者一体的な組織をつくるということを答弁申し上げましたので、そういうところを活用しながら、さらに市町村と連携してやっていく仕組みをつくりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 二次医療圏ごとに体制を組んでいただいている、これは本当にすばらしいことだと思います。こういうふうになってくると、地域の市町村はどういう役割を担っていくのか、どういう医療、介護、福祉を提供していくのかというのが、やっぱり出てくるんだろうと。
 そのときに、やはり私は、例えば今、議題になっている診療センターなどは、病床数をそのままにして、例えば市町村にその母体を委託して、そして、譲渡するという形になるかよくわかりませんけれども、そして、そこを中心に地域の病院として活性化してもらうというような選択肢もあり得るのではないかと。それは、やはり細かな、市町村レベルの皆さん方ときちんと議論していきながらやっていくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇根子経営改革監 地域診療センターにつきましては、先ほど来申し上げましたが、病床を休止して、外来中心にして何とか維持したいということの中で、病床は廃止の手続をとらず、休止扱いとして、市町村においても活用できる道を残しております。
 それで、今後については、市町村やその地域の方々と、どういった形がいいのかということは十分話し合っていきたいと思っております。
〇高橋雪文委員 それでは、最後のほうにしたいと思います。
 今回、無床化の対象となる地域があるわけでございます。そこには、ベッド数がなくなってしまうというような地域もあるということでございます。今までのサービスからすると大きく低下していくことははっきりしているわけでございますけれども、そういう中においても、やはり光を持てるような、そんな思いをしていかなければ、到底、住民は納得しないだろうと思います。
 ところが、今までの医療局の話を聞きますと、非常に、自分たちの提案をのめと言わんばかりの一方的なものでございまして、到底、地域住民の方々からすると納得いかないのではないかと思います。
 そこで、やはりこれをどうやって住民の皆さん方にも納得させていくか、そして、地域の代表である我々にも納得させていくか、これがやはり必要なのではないかと思います。
 この柔軟な協議の場をどんどん積極的に前倒しして行うべきだと思いますけれども、医療局が無床化移行で新たに取り組む事項の八つの項目の中で、例えば、協議会の設置のところでも、こんなふうに書かれているんです。県立病院の現状と課題を市町村に伝える協議会の設置ということです。実は、こっちから一方的に伝えるだけの協議会であるということを示唆しているわけであります。しかしながら、やっぱり地域でどのようにやっていくか、そういう柔軟な協議の場所が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、これから休床になるわけでございます。先ほどの議論にもあるわけでございますけれども、休床した場合、それをさらに復活させる場合の、例えば条件とか、スキームとか、そういうものの具体的なものを明示しない限りは、やはり地域住民の方は納得しないのではないかと思います。その点はどのように考えておられるのか。ただただ無床化のことだけを言って、医療局の一方的な意見だけ言って、それで今回予算を我々に通してもらいたいと思っているのか、その辺をはっきりさせていただきたいと思います。
〇根子経営改革監 今回の案でございますけれども、4月以降、現状よりも相当厳しい状況で全体の診療体制を組まなければならないという状況でございますので、何とか地域診療センターは4月からということで御理解いただきたいと思っております。
 それで、その後の、病床の休止以降についても、各地域で、市町村あるいは医療、福祉の関係者、関係団体の方々と協議を継続して、これまでの取り組み、対応、それから今後の新しい課題についても十分話し合っていきたいと思っていますし、先ほど、市町村連絡協議会につきましても、いわゆるこちらからの現状の説明というだけじゃなくて、一緒になって、どういう形で市町村と連携した病院運営につなげるかということについて、十分話し合いをしていきたいと思っております。
 あと、休床した後の扱いということで、先ほども申し上げましたとおり、休床後について、民間あるいは医療、福祉関係者、市町村で活用する道を残しておりますので、地域でどういう活用、どういう利用が最もその地域にとっていいのかということについても、地元のほうと十分協議してまいりたいと思っております。
〇高橋雪文委員 最後にします。その協議なんですけれども、タイムスケジュール、どういう段階で、大体どれぐらいをめどに、そういう協議のある程度の方向性を示していきたいということを決められるんでしょうか。その時間的な部分を最後にお聞きして、終わりたいと思います。
〇根子経営改革監 それぞれの地域の協議の場というのは、今回の計画の説明段階で、説明会の後に懇談会というものを設けましたので、その懇談会を母体にしながら、引き続き、4月以降も話し合いを続けていきたいと思っています。
 それから、市町村連絡協議会については、できるだけ早く立ち上げて、市町村の特に医療関係の窓口の部署と十分連絡、話し合いできるような体制をつくってまいりたいと思っております。
〇関根敏伸委員長 この際、熊谷参事兼管理課総括課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 交付税と繰入金の関係でございます。
 交付税の算定の病床数でございますけれども、県の場合……(発言する者あり)
〇関根敏伸委員長 続行してください。
〇熊谷参事兼管理課総括課長(続) 県の場合、診療所は入らないということになっておりますけれども、当面、5年間は、診療所前の病院の病床数でカウントされるということになっております。
 一方、交付税の算定方法と違いまして、一般会計からの繰り入れでございますけれども、診療所の場合、前々年度の赤字額によって繰入金が決まってくるということでございますので、交付税が減額されても直接影響することはないということではございますが、先ほどお話ししたとおり、交付税の特例が5年で切れるということがございます。紫波、花泉は平成18年度から22年度まで、大迫、九戸につきましては平成19年度から23年度まで、住田は平成20年度から24年度までということになっております。
 ちなみに減額の額でございますけれども、平成23年度には6、720万円ほど減るのではないか、それから、平成24年度にはさらに4、464万円、平成25年度には3、120万円ほど減るのではないかと見込まれるものでございます。
〇亀卦川富夫委員 私からは、岩手の医療の体制について、まずお伺いしたいと思います。
 岩手の医療の一番の大きな特色は、県立病院が、この間、この広大な県土の医療をカバーしてきたということだろうと思います。この県立病院が、さまざまな日本の医療の中で限界に達したといいますか、大変難しい経営状況に迫られている。その中で何とかしていかなければならないということが、今回の改革だろうと思います。
 そういう中で、一方、公立病院の改革推進指針、この中で、二次医療圏というようなこと等を含めて地域医療というものに目を向けて今後の岩手の医療を考えていく、こういうことだろうと思います。そこで、しかし、そうはいいながら、これまで大変大きな成り立ちがあった県立病院が、全部引いていくというわけにはいかないんだろうと思います。そこの中で最も大切なものは、県民が安心して医療を受けられるということだろうと思うんです。その中でこの無床化というものが出てきたわけですので、随分大きな問題意識を皆さん持ってきた、これは、ある意味ではいいことだと思うんですね。
 そういう中で、この公立病院の改革推進指針というものをせっかく地域と、先ほど来の議論の中でも、これからやるんだということですが、私は、その中でこそ岩手県立病院のあるべき姿が議論されることだろう、このように思うんです。
 今回のボタンのかけ違いは、どうもその辺にあったのではないか。この時間のずれですね。少なくとも、公立病院改革推進が議論されている中で、実は県立病院がこういう状況だ、どういうふうにしようか、こういうことが本来の進むべき姿ではなかったか。このボタンのかけ違いだろうと思う点について、保健福祉部長の御見解をお聞きしたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 総務省が示したガイドラインに基づきまして、公立病院改革推進指針を本年度、外部専門家の意見も聞きながらつくり上げたわけですが、基本的に、改革指針を平成20年度内にできるだけ早くつくりなさいというのが総務省の指導でありましたし、かつ、それぞれの病院設置者の公立病院改革プランについても平成20年度中にというようなお話がありまして、本当は先行しなければならないということは、委員のおっしゃるとおりでございますけれども、ある程度、並行作業にならざるを得なかったということでございます。
 そのために、医療局の新しい経営計画等につきましても、推進指針と矛盾が生じないような形で、常に情報交換、協議をしながらやってまいりましたし、それから、市町村の意見等も随時伺いながらやってきました。基本的に、全部市町村の言うとおりの指針には、結果としてならない面もありましたけれども、いずれ、お互いの意思疎通の中できっちりとやってきたということでございまして、時間的ずれという御心配もありますけれども、基本的には、その方向で改革プラン等は動いているものと考えております。
〇亀卦川富夫委員 今の部長の答弁は部長の答弁として、私は、やはりこの地域医療についてのもう少し突っ込んだ議論の中から、今回の岩手県の新しい─県立病院のほうですね、こういったものはやるべきだったろうと、これは指摘をしておきたいと思います。
 そういう中で8項目というものが出されたわけですが、これについては、当該の地区と十分なすり合わせはなっているものなんでしょうか。
〇根子経営改革監 今回の新しい経営計画を進めるに当たって、地域のほうで説明会、それから懇談会等の中で、住民の皆様からいろいろな不安とかいただきました。その中で、それの対応策として8項目ということでまとめさせていただきましたが、例えば、入院先の確保とか交通アクセスの関係、そういった部分につきましては、そういう説明会、懇談会の中でもいろいろ、こういった対応をしていきたいというお話をしながら進めてきたものでございます。
 あと、最終的に、例えば休日、夜間の看護師の当直につきましては、最後の最後、こちらのほうで決めたということもございましたので、それについては今後、地域のほうに説明しながら進めてまいりたいと思っております。
〇亀卦川富夫委員 我が会派の高橋博之委員の質疑に対して、知事は、地域に出向くというお話をなされたわけです。私は、こういった8項目のようなものこそ、いち早く地域とすり合わせをしていくべきだろうと思うんです。そうでないと、地域の方々は非常に不安に思う、こういうことが一つございます。その辺については、これも指摘しておきます。
 それから、この無床化、いわゆる休床にしろ、入院取りやめということは、次は廃止につながっていくんだろう、こういうことを強く皆さん考えているわけです。この辺、本当に地域医療というものを担保するには、また先ほどの話に戻りますが、公立病院の改革推進などがはっきりしてこないと、この辺の不安というのはいつまでもぬぐい去れない。何といっても、県立病院が今まで岩手県の医療を支えてきたわけでありますから、これは当然そう思うだろうと思います。この辺についての御見解をお伺いしたいと思います。
〇田村医療局長 先ほど来、そういった住民の方の御不安があるというお話があるわけでございますけれども、これも、反省として申し上げさせていただければ、やはり今までの今回の計画の進め方とかもいろいろあって、そういうような我々に対する不信感というようなことにつながっているのかと思います。
 いずれ、先ほど来申し上げているように、ベッドを休止して外来中心の診療所であれば、今の医療局としては何とか続けていけるんだというような判断のもとに、今回そういうものを書いたのだということでございますので、そういうことで御理解いただきたいと思います。
〇亀卦川富夫委員 我々の議論というのは重ねているわけですが、地域の方々というのは、なかなかこういう議論を聞く機会もないでしょうし、したがって、ぜひ、地域の皆さんとという言い方がどういうことになりますか、当該の市町村はもちろんですが、県立病院がこれからどうやっていくかということを十分県民の皆さんがわかってほしいというのが、まず一つあります。
 それから、医師確保の中で、先ほど来、過酷な勤務条件というのが一つあります。そのほかに、しかし、そうはいいながら、給料面とかそういったものだけじゃないというような、言ってみれば医師の魂といいますか、そういうものがあるんだろうと思いますが、その中で、各地の事例を見ますと、地域が、そういった医療の危機というものに気がついて、地域の方々がそれに気がついて、医師と地域の対話が始まる。そういう中から正確な情報を共有し合うことが、むしろ医師が踏みとどまる大きな要件ではないかというようなことが、各地で事象的に出てきているわけですね。
 これらが、こういう大きな問題になった岩手県で、やはりこれを取り上げて、きめ細かく進めていくことが大切だろうと思うんです。今、強行してしまいますと、せっかくそういった芽が、各地で芽吹いてきたものが、逆につぶれてしまって、次の段階に行って本当にいい岩手の医療になるとは私は限らないと思うんですね。一時的には出血はストップするにしても、長い目で見ますと、この4月からの推進というのは、もう一度原点に立ち返って、先ほど申し上げたような公的な公立病院の改革推進というものをもう一度しっかりやる中で、岩手県立病院のあり方というものを問われてしかるべきだ、このように思うんですが、いかがでしょうか。
〇根子経営改革監 今回の経営計画の関係、4月から実施のお話でございますが、来年度の診療体制、非常に厳しゅうございまして、平成15年度に比べて86人減少するということで、現状の体制を維持するのは非常に難しくなってきてございます。
 それで、地域病院のほうも2人の体制の病院が出るということもございまして、そちらのほうを支援しながら、さらに診療センターのほうもというのが、非常に厳しい状況にございます。そういう状況でございますので、何とか4月からは、いわゆる地域診療センターのほうは病床を休止し、外来中心としながら、入院のほうは二次保健医療圏の中でカバーさせていただきたいと考えております。
 それから、先ほど保健福祉部のほうで申し上げました二次保健医療圏の協議の場につきましては、そちらのほうに私どもも積極的に参画しながら、どういうあり方がいいのかということについて、十分私どもも議論してまいりたいと思っております。
〇新居田弘文委員 前段は、公立病院改革推進指針について伺います。
 県内の医療については、県立病院はもちろんですが、民間病院あるいは市町村立病院の支えによって成り立っております。なお、これは通告しておりませんので、前段ちょっと。
 ところが、全国的な傾向を見ますと、ちょうど金曜日の夜でしたか、全国で崩壊する医療というような問題で取り上げておりまして、全国に953の公立病院がありまして、その7割が赤字、赤字の総額約2兆円というような報道でありました。代表的な例は、千葉県の銚子市とか、あるいは愛知県の東栄病院がありましたし、あるいは千葉県山武市の国保成東病院、そのほかにも取り上げておられました。
 それで、大きな赤字になった要因は、先ほど来指摘されておりますように、医師の不足、そして診療報酬のマイナス改定ということで何回かありました。加えまして、最近では研修医制度ということで、医師の確保、絶対量が全国的にもないという状況にあります。
 さらに、内部的には、人件費が非常に膨大な比率になっているということも指摘されておりまして、最初に言いました愛知県の東栄病院は、民営化で黒字に転換したというような事例も報道されておりました。
 県内の病院も、先ほど申し上げましたように、県立あるいは民間を含めて自治体病院で成り立っているわけでございますが、公立病院改革指針の中でも、各医療圏ごとに、県立病院あるいは民間病院、市町村立病院の機能とか、連携とか、いろいろ指摘されております。
 近く、地元のことで恐縮なんですが、地元のある大きな総合病院は、年間の医業収益が約25億円ですが、単年度で約9億円の赤字を出しておりまして、累積欠損が約44億円にならんとしております。岩手県の場合ですと、全体の医業収入が807億円に対して累積が138億円ですから0.17%なんですが、先ほど指摘しました地元の病院は、医業収入に対して1.72倍の累積欠損になっているという状況でございます。
 そこで伺いますが、これは地元の例なんですが、県内全県的に自治体病院の経営状況についてどのように把握されているかお伺いしたいと思います。
〇六本木公的医療改革担当技監 県内の市町立病院8病院ございますけれども、一部の例外を除いては、いずれも経営状況は、やはり医師不足と診療報酬マイナス改定等によって厳しくなっておりまして、不良債務を既に抱えているところも二、三出ているという状況でございます。また、その額も年々ふえてきているという状況でございまして、今回、この改革プラン策定の際には、経営改革というものについてきちんと取り組んでいただく必要があると考えております。
〇新居田弘文委員 今お話ありましたように、私が指摘した地元の病院については、この改革推進の中でも、固有名詞を挙げまして、やっぱり改善すべきだという御指摘をいただいております。また、別なある病院については、これは収支とんとんということで健全経営しているということもあります。
 いずれ、県立病院あるいは市町村立病院も、地方公務員法というような法に守られておりまして、人件費は割と高く推移しております。そして、この病院についても、医業収入に対する給与費等の割合が79%、考えられないような数字でございます。県立病院でも62%。
 ガイドラインですと、まだまだ低く抑えなさいということになっているんですが、やはり県とすれば、医療局は医療局ですが、市町村立病院についても、適正な運営をするような指導をする責任があるのではないかと。もちろん、背景には医師不足等、さまざまありますけれども、ある中でも、収支をなるべく均衡するような努力、特に給与費については適正化を図るべきと思いますが、その辺の指導について、本来、地元市町村あるいは地元市町村議会で議論する話なんですが、県も指導する立場として、その辺の御所見をお伺いします。
〇六本木公的医療改革担当技監 指針を策定する立場から申しますと、今回の指針の策定については、全国的にですが、公立病院の経営状況が非常に悪いということを踏まえまして、プランの中では一応、3年の間に適正な額の繰り入れを行った上での黒字化というものを目指すような計画を各自治体に対して求めているものでございまして、今、各病院を運営する自治体においてプランがつくられておりますけれども、指針の中には、具体的にどういった内容の経営改革をやりなさいということは示しておりませんが、基本的には、自治体のほうできちんとそういった経営改善というものを目標に置いてプランが立てられていると考えております。
〇新居田弘文委員 どうかよろしくお願いしたいと思います。その地元の病院が経営難に陥りますと、ますます医療環境が悪くなりますので、早目に御指導をひとつお願いしたいと思います。
 それから、医療局についてお伺いしますが、先ほど来ずっと、医師問題あるいは診療報酬、さまざま御指摘されておりまして、その中で、特にも勤務医の勤務実態について、皆さんからも御心配をいただいているところでございます。
 私も、家族のために病院に行くときがあるんですが、お昼休みをいつとっているのかなと、真っ先にそれを感じました。というのは、朝行ってから、3時、4時まで全部患者がおります。医者がずっとそこで診察しております。もちろん、それ以外のスタッフもそういう形でございまして、直接話をしますと、なかなかこういう状態ですと。特に、30代、40代は子育て世代でもありますので、やっぱり適度な休みの日程とか、あるいは日曜日は子供と一緒に歩くとか、そういう生活が求められておりますが、実態を聞きますと、なかなかそういうことにいかないと。もちろん、その背景はいろいろ議論されておりますが。
 そういうことで、ちょっとお聞きしますけれども、一般的に1日の勤務状況はどのような流れでいるのか、あるいは36時間勤務と言われますが、その流れについて御紹介いただきたいと思います。
〇志田参事兼職員課総括課長 医師の勤務実態についての一例を申し上げますと、朝の外来診療が始まる前に、入院患者の回診等を行いまして、その後、昼過ぎまで外来診療を行います。午後からは、検査や手術等の業務、それから研修医の指導や勉強会等も行っております。食事につきましても、業務の合間を縫いながら慌ただしくとっている、そういう場合がほとんどでございます。
 さらに、当直がある場合には、日中の業務が終了した後に従事しておりますが、その間においても、救急患者や入院患者の急変の対応を随時行っている状況であります。
 また、宿直勤務の翌日なんですが、前日の勤務と同様に、外来診療、それから入院患者の回診、手術等の勤務に従事しておりまして、いわゆる36時間勤務と呼ばれている非常に過酷な勤務に従事している状況にございます。
〇新居田弘文委員 次に、研修医についてお伺いします。
 平成21年度見込みですと、常勤医師が449名で、それが、後期が57名、初期が97名の実態になっているようでございますが、常勤医師のピークは、最近ですと平成13年の545名ですか、それからずっと減っています。その中で、常勤医師が初期研修あるいは後期研修医の先生方に指導する時間も当然あるようでございますし、それから、研修の成果を全部記録するとか、さまざま時間がとられるという実態になっておりますが、普通、何も研修医を担当しない医師に比較して、いわゆる指導医という立場の常勤医の実際の勤務状況は、どれくらいの割合で本来の業務に専念できるのでしょうか、その辺をお聞きします。
〇岡山医師対策監 研修医の業務といいますか、常勤医の負担がふえているというお話ですけれども、県立病院の臨床研修医は平成20年4月1日現在では、初期研修医が97人、そして後期研修医が59人の合わせて156人となってございます。
 このうち常勤医師ですけれども、委員御指摘のような、臨床研修医の指導のための負担がふえている状況でございますが、一方では、研修カリキュラムの中で入院や外来診療、あるいは救急患者への当直の対応、こういったものが指導医の負担の軽減となっている部分もございます。そのほか、医療の質の向上、あるいは院内の活性化などといった臨床研修医のメリットもあるところでございます。
 そのほか、3年目の後期研修医は2年目を教え、あるいは2年目は1年目を教えるという、いわゆる屋根がわら方式という教育システムを取り入れて、指導医の負担軽減などを図っているところでございます。
 いずれ、臨床研修医は基幹病院中心に配置となってございまして、現場の医師から聞いたお話では、臨床研修医がこれだけいるので何とかもっているという声もあったところでございます。
〇新居田弘文委員 わかりました。
 それで、先ほど来、今回無床化が予定されている地域の皆さんとか、あるいはその思いを代弁していただくいろいろな委員の皆さんのお話もありますが、私も気持ちは同感なんですけれども、やはりこれも、お医者さんがいて初めて議論できる話なんです。ですから、今、我々が求められるのは、勤務医、常勤医の方々を含めて、あるいは将来、岩手県に来てもいい先生方の条件づくりをどうつくっていくかというのが一番のポイントだと思います。
 したがいまして、我々も議論は議論ですが、やっぱり医師の皆さんの気持ちを十分体して議論もし、そういう受け皿をつくることが我々に求められているのではないかということを一つ申し上げたいと思いますし、さらに加えまして、いろいろ議論されました医師不足、これははっきり言って国の政策の失敗です。ですから、これは党派、会派を超えて、議員全員が当局と一緒になって国に対してそういう、医師の定数をふやすことはもちろん始まっておりますが、定数の見直しあるいはその報酬、医療制度の改革を全員の力でやるということを訴えて、終わります。
〇熊谷泉委員 私のほうから何点か質問させていただきます。本来は、保健福祉部に質問すべきものもありますが、せっかくの合同審査ということで、今の時間に質問させていただきます。
 ちょっと医療局から離れたところで、一つは、地域リハビリテーション支援体制整備推進事業ということで予算がついていますが、この中身はどういうものなのかお知らせいただきます。
〇及川長寿社会課総括課長 地域リハビリテーション支援体制整備事業についてでございます。
 この事業は、脳卒中などで障がいを持った方々の在宅復帰とか社会参加を推進するために、地域におけるリハビリテーションが円滑に提供される体制の整備を目的とした事業でございます。
 具体的には、二次保健医療圏ごとに地域リハビリテーション広域センターというものを指定いたしまして、医療、介護関係職員の専門的な研修会の開催とか、理学療法士等の専門職のネットワークの構築、それから、市町村等関係機関への専門職員の派遣等を行っております。
 また、いわてリハビリテーションセンターを県全体の支援センターということで指定いたしまして、地域の実施体制について調査研究、それから広域支援センターへの専門的技術支援等を行いまして、全県的な体制の整備を進めております。
 それから、関係団体の代表や学識経験者等によります県リハビリテーション協議会を設置いたしまして、地域リハビリテーションの推進方策等について検討を行っているところでございます。
 さらに、脳卒中患者さんの入院から在宅療養までの切れ目のない支援を行うために、ITを活用した情報共有システム、これは地域包括ケアネットワーク形成支援システムと呼んでおりますが、この運営を行うこととしております。
 以上が、この事業の内容でございます。
〇熊谷泉委員 この件についてはもう一点だけ。
 各二次医療圏で何カ所ぐらいそのリハビリテーションセンターというのは、1カ所でそれですか。県立病院には余りないようですが。
〇及川長寿社会課総括課長 各二次医療圏ごとにということでございますが、特に県立病院と限っておるわけではありませんで、支援センターにつきましては、県内9医療圏に10カ所、盛岡は2カ所でございますので、10カ所指定しております。
〇熊谷泉委員 それでは、次に、医療療養病床転換事業費補助ということですが、これは新年度の事業ということでありますが、療養病床の転換事業、この補助がなくても昨年行われた事例があるのか、お聞きしたいと思います。
〇及川長寿社会課総括課長 平成19年度と、あと、ことしも含めまして、医療療養病床から介護保険施設等への転換というのは、実績はございませんでした。
〇熊谷泉委員 それでは、医療局について質問いたします。
 今後、基幹病院に入院が大分集中すると思いますが、ベッドはあるかもしれませんが、そのスペース面で何ら問題がないのかお聞きしたいと思います。
〇根子経営改革監 地域診療センターの患者さんの入院を基調とする場合でございますけれども、二次保健医療圏内の基幹病院を中心にしながら、圏域内の他の病院とも連携しながらということでお話ししておりますが、今の入院患者さんが、3月11日現在で7人から15人ということでございますので、基幹病院に受け入れが可能な空き病床があるというほかに、圏域によって、それ以外の病院も当然、入院の受け入れ体制がありますので、そういったことも含めますと、いわゆる施設面での問題はないと考えております。
〇熊谷泉委員 施設面では問題ないということですが、診療センターからの入院がそっちへ行くことによって、基幹病院の医師の負担がむしろ増加するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇根子経営改革監 今回の地域診療センターの病床の休止でございますけれども、中央病院や基幹病院に勤務する医師の、いわゆる36時間勤務、それから超過勤務が多いといったような状況を改善したいということで始めたものですが、なかなかその状況が厳しいということで、当直応援をなくしながら、少しでも労働の軽減を図りたいということで、そして、本院における診療とか検査、手術等に専念できるようにしたいと考えております。
 本院の入院患者さんの増加ということで業務負担がふえるのではないかということでございますが、本院と、他の病院もそうですが、本来の病床数の範囲内での対応と考えておりますので、診療センターへの当直応援の負担軽減のほうが、より大きいのではないかと考えております。
〇熊谷泉委員 それでは、もう一点、慢性期に移行した場合、基幹病院はそんなに長くは入っておられないと思いますが、今まで各地域の診療センターは、そういう慢性期の方、あるいは先ほどリハビリの話が出ましたが、脳梗塞なんかで急性期を脱してリハビリに専念する、あるいは手術をして、自宅に帰る前にどうしても治療が必要だというような方々が診療センターのベッドに入っていたと思うんですが、これは基幹病院でいつまでも置ける状態なんですか。
 もう時間がありませんのであれしますが、それ以降、各医療圏において、その転院をどのようにシミュレーションしているか、お知らせ願いたいと思います。
〇八木参事兼業務課総括課長 慢性期に移行した患者の転院先ということでございますけれども、県立病院のみならず、民間病院あるいは介護施設とも連携しながら、それぞれ慢性期あるいは療養型病床など、その受け入れ先を現在でも確保してございます。
 ちなみに、例えば両磐地区にある磐井病院では、圏域内の千厩、大東病院や、あるいは一関病院、それから国立病院機構岩手病院などに転院してございますし、気仙地域の大船渡病院では、近くにある高田病院のほか、遠野病院のほうにも転院をしている状況にございます。さらに、二戸地域の二戸病院では、一戸あるいは軽米病院のほか、東八幡平病院などにも転院してございますので、その他の地域においても、同様に、他の県立病院や民間病院等の医療機関を転院先としてございまして、その連携をしてございますので、今後においても、こういった連携をさらに強めてまいりたいと考えてございます。
〇熊谷泉委員 今、千厩、大東あるいは高田等、二戸、一戸の例が出ましたが、紫波の場合は、内科における入院病床というのは今の診療センターしかないわけでありまして、こういう例はどういうふうになるのでしょうか。
〇八木参事兼業務課総括課長 基本的に、診療センターからは、入院が必要な場合は広域基幹病院といいますか、本院あるいは他の県立病院で受け入れをしているということになりますので、そこの中で一定程度、慢性期に移行した方々を、今言ったような、盛岡でありますと、例えば中央病院の場合は市立病院とか、あるいは南昌病院とか、鶯宿温泉病院、いろいろな近隣の病院に転院してございますので、移行した場合は、そういったことに移行していくことになると思います。
 さらに、介護保険施設というものもございますので、そういった介護保険施設とも連携をとりながら、転院先を、受け入れをしていくという形で取り組んでいくことになります。
〇熊谷泉委員 今、南昌病院の話が出ましたが、私も南昌病院には何回か行っていますので、あそこも、先ほど触れました療養病床から転換を迫られている部分があると思うんです。そういうところで、お医者さんがいなければどうしようもない患者が、今はそれで救われているんですが、これから、さっき言った療養病床を転換するのに補助を出して、それでまた南昌病院に行けというのもおかしいのではないですか。その辺、もう一度整理をお願いします。
〇八木参事兼業務課総括課長 いずれ、診療センターの患者さんが、入院施設がなくなるということになりますと、基本的には本院、あるいは近くの県立病院で受け入れをするということになるわけでございまして、そこの中で一定程度の、いわゆる急性期から慢性期に移行したという場合は、当然、その後方病院として、療養型を含めたいろいろな病院を受け入れ先として確保していくことになろうかと考えてございます。
〇熊谷泉委員 余り紫波のことにこだわるわけではないんですが、例えば、中央病院に行っても、岩手医大に行っても、最低3週間で出なければならないとかという事態があって、住民はそこを一番不安に思っている。特にも、夜に診てもらえるお医者さんがいない、それも一つですが、現実問題として、先ほど雫石のほうもあると言いましたが、そこへしょっちゅう住民が行ってみるような状態ではないわけです。南昌病院の場合は、紫波から歩いても近い。マイクロバスの話も出ましたが、一々そこを、あっちへ行け、こっちへ行けという状態ではないと思うんです。
 だから、個々に病院の置かれている立場を、診療センターの置かれた立場をもっと精査するべきだったと思いますが、いかがですか。
〇八木参事兼業務課総括課長 受け入れ先をどこにするかというお話だと思うんですが、基本的に、今、基幹病院のほうで連携しているのは、当然、地域にある県立病院のみならず、民間病院とも連携を図っていますので、その方々のいろんな症状に応じた形で、当然、家族等とも相談をしながら、次の受け入れ先を確保していくということになろうかと考えてございます。
〇熊谷泉委員 今の件は、紫波の場合は指摘しておきますが、内科の入院病床はないんです。だから、さっき言ったような事例では解決がつかないわけでありまして、当然、民間の開業医も、もはやベッドがなくなりましたので、幾ら盛岡に近い紫波といえども、現在はそういうことで、県立病院の診療センターのベッドがなくなれば、そういう事態がすぐ起きるということであります。
 それからもう一点、例えばの話、無床化に対応して民間に委託する場合、いろんな手続で55日以内、あるいはほかのことは70日以内とか、これは大体二、三カ月で、手続上、そうなるという話でございました。
 一つ、今回の点で問題なのは、昨年の11月に発表して4月から無床化するということで、これらのことも例えば各診療センターで新たな提案が出たとしても、この4カ月の時間ではスムーズな移行はできない、タイムスケジュール上、そういうことですよね。そこで、医療局の問題は、これが1年ぐらい前に話されておれば、先ほど介護施設への転用ももっと地元で協議できる場があったと思うんですが、私は最後に、もうここまで来た以上は、時間を区切って、1年は必要ない、6カ月ここを延ばして、そういう新たな提案を協議して、できるだけスムーズに無床化の問題を解決する方法があると思うんですが、その点をお聞きします。
〇根子経営改革監 今回の4月からの実施の話、繰り返しになるかもしれませんが、平成21年度の体制を組むということについて、非常に医師が不足してきているという状況の中で、地域の病院でも、もう2人という病院もあるということもございまして、そこの地域病院も支えながら、それから地域診療センターもということについては非常に厳しい状況だということでございますので、何とか4月からということでお願いしたいと思っております。
 それで、今後については、先ほども申し上げましたように、いろいろ協議の場の中で話し合いを続けていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
〇熊谷泉委員 水かけ論になりますが、住民は今のところ全然納得していないわけでありまして、知事が来る、来ないは別として、もう少し医療局の説明をきっちりすべきだったと思います。
 以上、指摘して終わります。
〇工藤勝博委員 私のほうからも何点かお聞きしたいと思います。
 まず、医師確保養成に関する事業費ということで、きょうの説明でも7億1、614万円という金額が示されております。この金額で、目標とする医師の確保養成は妥当な予算なのでしょうか。
 それと、この中で奨学金制度というのがあります。その制度を活用した医師の定着率、勤務年数はどのような形になっているのか。また、義務履行はどのような状況なのか、あわせてお願いします。
〇柳原医療国保課総括課長 平成21年度の医師確保対策に係る事業費につきましては、7億1、614万2、000円ほどとなっているわけでございます。その内訳といたしましては、奨学金制度による医師養成事業、臨床研修医確保定着のための事業、それから勤務医の勤務環境向上を支援する事業、また、そして即戦力医師の招聘等に関する事業などでございます。
 こうした事業によって、目標とする医師数が確保できるのかということでございますけれども、まず、奨学金制度による医師の養成については時間を要するものでございまして、すぐに成果につながるものではないと考えてございますけれども、初期臨床研修が必修化された平成16年度以降、今年度まで321名の研修医を受け入れておりまして、このうち、臨床研修を終えた8割以上の方々が、引き続き県内において、病院での勤務や大学院への進学等をしているわけでございます。また、女性医師への就業支援によりまして、5名が職場復帰をこれまでなさっており、それに加えまして、医師確保対策室による即戦力医師の招聘活動によりまして、15名の医師を招聘することができているなど、こうした取り組みが徐々に医師確保につながっているものと考えてございます。しかしながら、厳しい勤務環境を背景といたしまして勤務医が病院をやめる状況が加速しているということから、平成21年度は、勤務医の勤務環境向上を支援する取り組みを強化することとしたものでございます。
 それから、奨学金による医師養成事業による定着というものでございますけれども、この事業自体は、平成20年度から新しく45人定員ということで取り組んだ事業でございますけれども、20年度以降についてはこれからでございますけれども、その前身といたしまして、例えば平成14年度または16年度から実施してきておりました医療局の奨学生の養成事業につきましては、定着といいますか、まだ初期臨床研修に卒業生が入ったばかりの状況でございますので、今後把握されるものでございます。
 それから、全体として予算額が妥当なものかどうなのかということでございますけれども、予算につきましては、効率的な執行に努めることはもちろんでございますけれども、医療環境の変化に対応いたしまして、今後とも、必要な予算の確保に努力してまいりたいと考えているところでございます。
 奨学金制度による医師養成事業についてでございますけれども、平成20年度から実施しておりますこの制度につきましては、今年度の地域医療対策協議会におきまして、今後の義務履行の方針について基本方針を御決定いただいた状況でございます。
 その考え方といたしましては、初期臨床研修終了後において、その後は地域の中核病院で2年から3年程度、修練をさらに積んでいただくと。その上で、それ以降、地域の医療機関に義務履行という形で地域医療に貢献いただくという基本的な形で、今後進めさせていただくということでございます。
〇工藤勝博委員 わかりました。それで、初期研修医が97名、そして後期研修医が57名とありますけれども、この研修医をなされている医師は、現場で、後期の場合は、そろそろもう一人前ということで解釈してよろしいでしょうか。
〇岡山医師対策監 後期研修医は3年、4年、5年という形がございますけれども、後期研修医もまだ医師になって間もないという中身がございますし、一般的に医師が一人前になるのは、診療科によってもありますけれども、10年はかかるという形がございます。いずれ、後期研修医というのはある程度一人でできる形にはなりますけれども、指導といったものはある程度必要であろうと思っております。
〇工藤勝博委員 それでは、次に民間の病院でも、相当、県立病院からトラバーユしているわけですけれども、民間の勤務医の勤務状況というのはどのように把握しているのか、わかればお知らせ願います。
〇田村医療局長 直接は民間の勤務医の勤務状況というのはわからないんですけれども、県立病院の勤務医から聞いた話では、給与面はそんなに違いはないけれども、夜、帰る時間が、民間の先生方と私たちは全然違いますよということを、よく県立病院の医師からは言われております。
〇工藤勝博委員 退職された皆さんの行き先を見ますと、民間の病院に行くのは大分多いですよね。その民間の魅力というのがあるから、県立病院から行くのかなとも思います。その辺の違いがはっきりわからないと、次々と県立病院から離れていくのではないかなという感じもします。
 そこで、県立病院を退職した開業医の皆さんが、今の現状、窮状をどのように感じているのかもお聞きしたいと思いますし、また、開業医の皆さんが県立病院に患者を紹介すると、そういう医療連携は当然できておると思いますけれども、その辺の連携事業がこれからますます求められると思うので、その辺の開業医との連携はどのような形でなされているのか。
〇細川医療局次長兼病院改革室長 開業医の先生方との連携というお話ですが、開業医の先生方がみずから私どもの方に応援してくださっているというケースも多々あります。
 その件数をちなみに御紹介申し上げますと、病院数で言うと相当あるんですが、例えば中央病院でさえ、開業医の先生から例えば放射線科とか神経内科とか心臓外科で応援に来てくださっているということもありますし、地域の病院等ありまして、延べてまいりますと、平成20年4月1日現在でございますが、48人の先生方が、センター病院あるいは基幹病院あるいは地域の病院等に応援に来てくださっているということがございますし、それから、宮古のケースがよく出てくるわけですが、宮古病院のように救急の応援ということとか、そういった形で民間の開業医の先生方に御支援をいただいているという実態でございます。
〇工藤勝博委員 次に、医師の増加している病院、先ほど高橋雪文委員からも遠野の話がありましたけれども、遠野病院とか藤沢町の公立病院、ふえている要因をどのようにとらえているのか、詳しく教えてもらいたいと思います。
〇細川医療局次長兼病院改革室長 私どものほうでなかなかふえている病院は御紹介できないんですが、例えば遠野病院で、実態として今度4月から2人、それ以前に1人ふえて3人ふえるという体制なんですが、ここは先ほども御答弁申し上げましたとおり、市との連携が相当うまくいっているということと、それから、病院長の考え方に共鳴している先生方があるということで、大学医局とは直接的ではないんですが、そういったつながりが功を奏しているということがあろうかと思います。
 それからもう一つは、しっかりと大学との連携ができているケースというのが藤沢の町民病院のようなケース、あるいは自治医大とか、そういったケースもあろうと思いますし、それから地域医療とかそういう面で、院長先生等との考え方に共鳴できる部分が多いといったこともあろうと思います。
 いずれ、私どもも特色ある病院づくりをしていった上で、先生方あるいは地域にも育てられるような形での病院運営といいますか、そういう形で整備をしていって、先生方にも魅力を持っていただくということで進めていかなければならないと思っております。
〇工藤勝博委員 今、遠野市の話がありましたけれども、馬という話もありました。そして先生によっては、家庭菜園をつくって安心・安全な食事をしたいという、すばらしい取り組みだと思いますけれども、そのためには地元の自治体に協力してもらわなければこれは当然できないと思うので、そこに一つの光があるだろうと私は思います。そういう中で、例えば沿岸の病院でしたら、沿岸の委員もいますけれども、クルーザーとかヨットとか、そういうのを置いて、どうぞ休日には疲れをいやしてくださいとか、そういう手も、地元の自治体と一緒に取り組まないとだめではないかなと思います。そういうことも含めて、その中に、当然、地元自治体の負担もあると思うんですけれども、それを本気になって地域医療を支えるという観点から、住民とともに自治体と協力しながら、地域医療を守らなければならないと思います。そういうところも含めて、所感があればお願いします。
〇根子経営改革監 市町村との連携の話でございます。これまで私どもも病院の運営協議会とか、そういうところでいろいろお話はしてきたんですけれども、県立病院全体、あるいは二次保健医療圏全体の置かれている状況の情報がきちんと提供できていなかったという反省をしております。
 今回、市町村連絡協議会をつくって、それぞれ市町村の医療の担当の窓口をある程度お決めいただいた中で、我々と一緒になって県立病院の状況をわかってもらう。それから、一緒になって県立病院あるいは地域全体の医療をどう持っていくかというところを、市町村と一緒にならないとなかなかうまくいかないという反省もしておりますので、その辺、十分連携をとりながら進めてまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 最後ですけれども、県立病院のない地域も県内にはたくさんあるわけで、その中で八つある公立病院、8地区にありますけれども、その辺との不公平感というのはどのようにとらえているか、また、どのようにこれから解消していこうとしているのか、最後にお聞きいたします。
〇六本木公的医療改革担当技監 病院を経営する多くの市町におきましては、深刻な医師不足や診療報酬のマイナス改定など、経営環境が非常に厳しい状況にございます。そのような中で、首長が先頭となって医師確保に努めたり、あるいは財政面では地方交付税措置はあるものの、一般会計からの持ち出しで病院を運営しているというところでございまして、当該市町に、県立病院がある市町との不公平感があるという意見については承知しているところでございます。地域に必要な医療を確保するために、市町立病院においては、経営の安定化に向けた必要な改革に取り組んでいただきたいと考えておりますが、県としても、今後とも自治医科大学卒業医師の派遣や、県立病院からの診療応援に取り組むほか、財政面では、国民健康保険財政調整交付金などによる支援を行ったり、あるいは国に対して診療報酬や地方財政措置の見直し、改善などを引き続き求めてまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 私のほうからは勤務医師の労働環境について、かぶらないところで質問をしたいと思いますが、その前に、田村医療局長、きょうの冒頭、いろいろ御迷惑をおかけしたということで陳謝をなされました。
 今回の混乱の構図は、何となく26議員対民主会派みたいなお話になっておりますが、この計画の進め方は、拙速、唐突、乱暴、こういう進め方に関しては我々もよしとはしておりません。これは、知事は最高責任者ですからああいう形だったんですが、陳謝もしましたが、やはり現場の田村医療局長には、この辺はきちんと反省をしてもらいたいと思います。
 それともう一つは、請願が出されたときに、我々は、最初は継続審査を主張しました。なぜ継続かというと、確かに、地元の皆さんのお気持ちは痛いほどよくわかるんです。だけれども、実はこれは私個人かもしれませんが、これまで明らかになってきたような医師不足の状況だとか、そういったものというのが、実は私も勉強不足でわからなかったんです。だからある意味、継続ということもあったんです。だから結局、そういったことがもっと早く我々にも情報提供していただいていれば、我々も一緒になって、住民の皆さんを説得できたかもしれない、そういった意味では大変残念に思っております。そういう意味では、反省─反省じゃ私はちょっと今回の件は足りないと思います。やはり猛省を促すものであります。これは指摘をさせていただきます。
 質問に入ります。先ほど来、勤務医師の離職の理由の一つとして、過重労働がいろいろ言われていますが、そのほかにも、患者からのクレームや医療事故などによる訴訟の提起等、精神的にもかなり負担がかかっているとのことでありますが、これらに関してはどのような対策を講じているのか、お伺いをいたします。
〇八木参事兼業務課総括課長 まず、訴訟等への対策でございますけれども、現在、顧問弁護士2名と委託契約をしてございます。そのうち、1名は医師免許の所有者でございまして、いろいろと示談締結に向けた相談など、さまざまな事案に対応していただいているということでございます。さらに、医療事故及び損害賠償請求等に備えまして病院賠償責任保険に加入するとともに、医師個人が訴えられた場合に備えて、勤務医賠償責任保険にも契約をしてございます。
 さらに、本年4月からは、先ほど申しました2名の顧問弁護士に加えまして、県立病院医師連合会が刑事訴追された場合の対応ということで、みずからの会費で刑事訴訟専門の弁護士と、医療法務の業務委託契約を結ぶということになってございます。
〇五日市王委員 わかりました。じゃ、次に行きます。
 先ほど来、過重労働のお話がありましたが、全病院の超過勤務の平均は月54時間24分と聞いておりますが、二次保健医療圏における高度専門医療や救急医療を支える基幹病院に勤務する医師の超過勤務の状況や当直勤務の状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。
〇志田参事兼職員課総括課長 基幹病院に勤務する医師の超過勤務や当直勤務の状況でありますけれども、二次保健医療圏の中心的な役割を担っている基幹病院に勤務する医師に限れば、超過勤務時間の状況は、1人当たり月平均59時間となっております。また、月平均100時間以上の超過勤務を行っている医師が約15%、およそ7人に1人の割合となるなど、過重な労働環境となっております。
 次に、当直勤務の状況についてでございますけれども、日中における診療や検査、手術等の多忙な業務を行ったほかに、基幹病院であっても、最大で月8回の当直勤務を行っている医師もおり、月4回以上の当直を行っている医師が、今年度1月末までに延べ440人に上るという、非常に過酷な勤務を行っているところであります。
〇五日市王委員 100時間超が7人に1人いると。厚生労働省の過労死認定基準が、100時間超だというようなお話でもあるわけでございますが、こういった問題について、いわゆる労働基準法上の基準はどうなっているのか、あるいは公務災害とのかかわりはどうなっているのか、お伺いをいたします。
〇志田参事兼職員課総括課長 労働基準法の規定に基づきます当直の許可基準でございますけれども、宿直勤務が週1回、当直勤務が月1回が限度とされておりまして、最高でも月5回までが許可の範囲内となるものであります。全病院の6.3%、基幹病院以外の小規模病院では26.4%、4人に1人を超える割合の医師が、月6回以上の当直勤務を行っている状況であり、医師からは、過重な勤務環境の改善が求められている状況にあります。
 次に、医師の勤務実態と公務災害のかかわりということでございますけれども、公務災害につきましては、人事院の認定指針によりますと、発症前1カ月間に100時間程度の超過勤務を行った場合、あるいは、発症前2カ月間に、月80時間程度の超過勤務を継続的に行った場合と定められておりまして、県立病院の医師の12.3%が、月平均100時間以上の超過勤務を行っている現状では、何らかの心身の故障により、医師から公務災害の申請があれば認めざるを得ない過酷な勤務状態となっているものであります。
〇五日市王委員 きょうもまたいろいろ医師の過酷な勤務状況というのが明らかになってきたわけですが、そういった医師の負担を減らすために、医療クラークであるとかあるいは電子カルテの整備を進めていると思いますが、こういったことは医師の業務支援にとってどのような効果があると考えているのか、お伺いをいたします。
〇三田システム管理室長 電子カルテでございますけれども、現在、県立病院においては、年次計画的に導入を進めております。これを整備することによりまして、医師が蓄積した診療情報を、治療の際にリアルタイムで詳細に把握できると。それから、集められました情報を、時と場所を選ばず必要時に近くの端末から把握できる。また、転記作業が軽減されるために事務的にも楽になると。さらには、転記ミス等からくる医療事故の防止、こういったことにも役立つと考えております。これまで、学会発表や研修会、講演会などのデータ収集、こういったことを手作業で行っていたものが、簡便にシステムから取り出し活用できるといったこともございますので、医師の業務支援面で少しでも寄与できるものと考えております。しかしながら、電子カルテ導入当初におきましては、医師自身が情報や指示の入力を直接行うこととなりますので、操作になれるまでの間は時間を要しますので、そういったところでございますが、徐々に改善されていくものと考えてございます。
 また、応援の医師、こういった方々に対しては、院内に専門職員を配置しまして短時間の研修や訓練を行うと、こういったことの対応を行っているところでございます。
〇久保孝喜委員 保健福祉部、医療局、それぞれにお伺いをしたいと思いますが、きょうも質疑が長時間に及んでおりますけれども、これまでの一般質問や総括質疑などでも明らかになってきたことなんですが、きょう改めて質疑全体を通じて、この県立病院の新しい経営計画案というのは、政策立案過程もそうなんですが、手続的に非常にまずいということを改めて私は感じたところなんです。この流れで、これからすべての県政課題が進められていくとしたら、これは恐ろしい話なんだなということを私は改めてまず申し上げておきたいと思うんですが、その上で、公立病院改革指針についてまずお尋ねをしたいと思うんです。
 先ほど答弁の中で、この改革指針についてはガイドラインの中で技術的助言だという性格の話がございました。技術的助言という割には、素人の私が読んでも、これがどういう技術的支援なのかよくわからない。しかも、町村立の病院を経営している方々にとって、この新しい改革指針がどういう効果を生み出すかということを、保健福祉部は、先ほど部長答弁で各市町村を回ったという話ですから、どういう説明をされてどういう反応が返ってきたのか、まず、その点を明らかにしていただきたいと思います。
〇六本木公的医療改革担当技監 各市町8病院、3市4町で運営しておりますけれども、これらの市町に対しましては、7月それから9月ごろだったと思いますけれども、私どものほうが出向きまして、現在の運営状況からすると、どういった改革が必要であるかといったようなことについて意見交換をさせてもらいながら、また、県の指針づくりのスケジュール等もお示しし、市町に対しても、それと意見交換をしながら進めてくださいといったようなお願いをしながら進めてまいりました。9月時点で指針のおおむねの案ができましたので、それを各市町にお示しをいたしまして、意見も伺ってまいりました。
 それから、検討委員会の場に、盛岡、葛巻、沢内、奥州市については来ていただきまして、検討の状況についてもお話をいただいた上で、検討委員会については専門の委員もございますので、その方々からの意見もいただきながら指針をつくり上げたといったものでございます。
 現在、最終的にお示しした指針と異なる方向性で検討されているところも実はございまして、具体的には、盛岡につきましては平成18年度に既に経営改善計画をつくっておりまして、平成19年度から22年度につきましてはその計画に基づいて実施すると。その期間終了後に、再度検討するといったような内容と伺っております。
 それから、国保沢内病院につきましては、こちらのほうでは診療所化ということも改革の方向性の中に示しましたけれども、町民に対して病床削減や診療所化した場合の状況などをお示しした上で、現状の40床を維持する方向で検討されていると伺っているところでございます。
〇久保孝喜委員 結局、今回の経営改革指針というのは、国のガイドラインに対するアリバイ的文書みたいな感じに私は実は受けてしまっているわけです。それはなぜかというと、今、御説明のあった沢内病院の話などもそうなんですが、結果的に、技術的アドバイスというような中身には医療圏ごとの方向性となる文書があるわけですが、例えば西和賀の沢内病院については、たかだか7行ぐらいの文章なわけですよね。しかも、その中身は、過去3年の経営状況が芳しくないので、病床削減なり診療所化をしたほうがいいという、これが技術的指導、アドバイスだというには、余りにもお粗末過ぎるし、なおかつ、この文章のどこにも、例えば沢内病院なりほかの市町立病院がその地域の中で果たしてきた役割だとか、その意義だとか、あるいはその思いだとかに思いを寄せた文章にはひとつもなっていないわけですよ。そこが実は地元の方々の思いというものを非常にがっかりさせている、こういうことなんだろうと思うんです。
 先般、沢内に関しては、沢内病院の機能存続を求めた集会があったという報道がございました。たかだか人口8、000人ぐらいの町で、250人を超える方々が集まった集会だったということなんですよ。私も沢内生まれですからよくわかるんですが、あそこで250人集まるといったら、とんでもないことなんですね。つまり、それほどの方々が沢内病院に対する思いを寄せて、何とかこの機能を存続させたいという思いで集会を開き、なおかつ宣言までして、県が示した公立病院改革指針の方向は、何としても受け入れがたいということを宣言したと、こういうことなんです。
 お聞きしますけれども、こうした改革指針と、先ほどの答弁では、盛岡市立病院と沢内病院が別な結論といいますか、方向性を今考えてやっているということなんですが、どの公立病院も、県立病院などあるいは県の応援をいただきながら医師確保を、苦心惨たんやっているわけですよね。その際に、そうした改革指針と違う方向性を出したその病院に対する態度、対応というのは、これからも変わらないのかどうか。ひょっとして、県に逆らうと、これまで応援をいただいた医師の問題もあるいはちょっと手控えられるのではないかという、そういう不安なり危惧というのを実は持たせてしまっていると、結果的に。そういう県行政の中であってはならない余計な心配、余計な危惧を市町村に対して与えてしまっているというこの現実は、私は改革指針という名前なんですが、非常に問題のある文書になってしまったと思うんですが、その点に関してどのようにお考えなんでしょうか。
〇六本木公的医療改革担当技監 今回8カ所の病院について、指針に、改革に当たって検討をいただきたい内容を具体的にお示ししているわけですけれども、先ほど申し上げました盛岡市立病院それから国保沢内病院については、指針で記載された内容と、方向性としては検討した上で違った方向に行っているということでございますが、他の病院、例えば奥州市の総合水沢病院でありますとか葛巻病院、それから種市病院等につきましては、これは情報交換をしたという結果でもありますけれども、指針に示した方向に沿った改革が基本的に進められるものと聞いております。
 それから、県からの支援についてですけれども、この指針はあくまでも指針でございまして、それを踏まえてきっちりと議論していただいて、市町村がその責任のもとで改革を進めていただければと考えておりまして、例えば医師案件とかそういったような支援と直接に連動するものではないと考えております。
〇久保孝喜委員 その点については、後でまたもうちょっと触れたいと思うんですが、次にこうした経営改革指針もそうですし、医療局の県立病院の問題もそうなんですが、総括質疑で高橋博之委員が触れたように、この問題が提起した課題は、単なる病院をどうするかとかベッドをどうするかというだけの問題にとどまらず、県の政策運営、施策決定のその過程の問題に実はかなり鋭く迫る課題になったと私は思うんですよ。つまり、政策決定をどうやっていくのか、どうやっていくことが正しいのかということを、実は逆な意味で問題提起していると思うんですね。
 その点で一つお聞きしたいんですが、私ども議員に配付された資料に、政策評価2008がございます。2月に配付いただきましたけれども、その中で、希望創造プランの六つの課題ごとに政策評価をしている政策調書というのが出されています。評価者は保健福祉部長ですが、その中に、この政策の柱は、共に生きる岩手の実現、政策項目は、医師確保を初めとした地域医療の確保というこの項目に対する政策評価。部長の評価は、概ね順調という評価。それ以外には、順調、やや遅れ、遅れという4段階なんですが、概ね順調、こういうことになっています。しかし、この評価を県民が今見たときに、今出している計画とこの政策評価が果たして整合するのか。概ね順調で、なぜ削るんだという話に勢いなってしまうというところも含めてお聞きしたいと思うんですが、例えばこの中にも書いてあります。県民の意識調査というのを毎年やっているわけですね。その中で、適切な医療体制というのは、県民の意識調査の中では、重要度で断トツ1位なんですね。ニーズ度、何を欲しているかという県民のニーズ度では5番目。さらに、そういう県民の関心が高い割には、満足度は31位だと表記されています。つまり、求めているんだけれどもなかなか届いていないという政策のありように、県民は敏感に反応しているわけですよ。そういうことを踏まえて考えたときに、今回のような計画の出し方、あるいは検討過程というのは、実に問題が大きいのではないか。
 ここは、部長、局長、それぞれにお聞きしたいと思うんですが、こういう政策評価と今回の計画について、どういう整合性をお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 政策評価2008の地域医療の確保の面で、概ね順調ということについての違和感といいますか、そういう御指摘だと承りましたが、基本的に、例えば医師の確保の指標を取り上げれば、いわゆる全国の医師の総数、10万人当たりの伸び率どおりにいくか、あるいはそれを上回るか下回るかによって、政策評価がA、B、C段階になるというような指標を打ち立てたものでございまして、結果として、全国平均を上回ったということでA評価ということになりましたが、県立病院の医師が急激に減っていく状況の中で、県民の皆様には、確かに実感として受けとめられないということは事実だと思います。したがいまして、指標のとり方につきましては、今後、いろいろ検討していかなければならないと考えております。
 そういう結果、評価も出ておりますが、また、公立病院改革推進指針の政策決定過程との整合性云々の話でございますが、そういう評価も踏まえつつ、やはり今、公立病院が全国的にもかなり厳しい状況にあるという中で、総務省から示されましたが、岩手県もある意味ではそれと同等、あるいはそれを上回る厳しい状況にあるということで、昨年度からいろいろな外部の専門委員も入れながら検討してきたということでございます。
 手続的には、必要な外部の意見を聞き、市町村とも連携しつつ、公表し、かつ、県民の皆様の意見を聞くためのパブリックコメントを実施しやってきたという、一連の手続をやったつもりでございますが、再三再四、御指摘のある唐突感といいますか、そういうきちっとしたことをもっとすべきだったという御指摘については、十分反省をしております。したがいまして、もう少し政策決定過程というものを、時間をかけた形でやるということだろうと思いますので、今後、その辺十分に気をつけてやっていきたいと思います。
〇田村医療局長 先ほどのプランとの関係ということで、私どものほうの医療局の新しい計画、直接関係ないわけですけれども、今回の議会でも議論になった10万人当たりの指数が逆に達成度が高くなったりというようなことを見ますと、勤務医不足で悩んでいる我々とすれば、数字的には非常に違和感を覚えたと思っております。
 それから、政策決定過程の問題については、今、岩渕保健福祉部長が申し上げたとおり、私もどうすべきだったんだろうかなということを、本当に反すうを続けておりまして、本当にこういう形にならないような策を、あり方といいますか、進め方とか、本当に毎日のように実は反すうしているんですけれども、こういうことが二度とないように、きちっとした形で次回進められるように、早目に準備はしていきたいということで毎日考えております。
〇久保孝喜委員 政策評価のとり方というか指標のとり方という問題は、単にここの場所だけの問題ではなくて県庁全体の課題ですから、また別の場面に譲るとしても、つまり、このことに象徴されるように、どこまで行っても説明不足ということが明らかなんです。そういう点で、今回の議論というのは、非常に私は不幸だったなと思っているわけです。
 そういう不幸な中で、ある種唯一の希望みたいに私はきょう受けとめたんですが、飯澤匡委員の質問に対して、九つの圏域ごとに新たな協議機関を設けるんだと、その中で地域医療についてしっかりと議論をしていくんだと、こういうお話をいただきました。私はこれがきちんと担保されていくのであれば、無床化どうのこうのの問題以前に、実はこういうことをきちんと積み重ねた上での計画であってほしかったなということを、またぞろ思ってしまうわけなんですよね。
 私どもの会派も、当初から、そうした議論抜きに無床化の問題が提起されたり、あるいは公立病院の改革も、それぞれの持っている病院の歴史や意義などを全く度外視した中で数字だけで示されるなどということは、政策としてはあってはならないということを当初から申し上げてきたわけで、その意味では、この議論というのは、結論はどうあれ、これは非常に重要だと私は思うんです。
 ところが、先ほどの部長、局長の新たな機関を立ち上げるという発言の後にも、実はさまざまなチャンネルで、地域における会議というのがいっぱいあるわけですよね。医療連携会議だとか、あるいは今回の問題でできた市町村との懇談会だとか、さまざまなチャンネルで、点と線を結ぶ会議がいっぱいあると。しかし、我々が指摘したとおり、地域全体を包括的に地域医療のあり方というところで、医療局も入って保健福祉部も入ってやるという機関が今までなかったと。それが実は地域医療全体の議論というのを、病院のある場所に特化させて議論させてしまったという、大きな過ちがそこにあったんだろうと私は思うわけなんです。
 そこで、先ほど来のさまざまな答弁の中で出ているいろんな会議を、先ほど表明いただいた協議機関は包括的にまさに議論する場だと理解していいのかどうか、そこの確認をまずさせていただきたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 今、どういう会議があるかといいますと、圏域連携推進会議、連携推進プランをつくるための会議がありますし、それから個別に、これはずっと昔からありますけれども、保健所運営協議会というものがあります。そのほかに、地域介護・保健福祉協議会、あと医療局サイドでは県立病院運営協議会、これは二次保健医療圏ごと、あと病院ごとに地域懇談会、新たに地域診療センター等懇談会、それから市町村連絡協議会とございまして、それぞれ目的があり機能を持っているということでございます。したがいまして、今度つくる協議する場というのは、包括という表現よりも、今まである会議の目的とか機能とはまた別な観点で、もっと大きな立場で、もっといろんな人を入れた立場で、県立病院を中心とした地域医療体制のあるべき姿をフリーにトークする場ということで位置づけたいと。結論に対しては、県の政策としても当然取り入れながらやっていく形にできればなと思っております。
〇久保孝喜委員 この部分は議案に対する賛否を別にして、私は徹底的に、早急にぜひ取り組んでいただきたいということをあえて申し上げたいと思います。
 次に、医療局にお伺いをいたしたいと思います。
 無床化計画の中で、今回の計画の当初から、この計画はこのままだと医師の確保、全体の医師数を確保するということも含めて、大変な危機感の中でつくられたのだということを再三言っているわけなんですが、先ほど来指摘があるように、我々議会の議論としては、昨年9月の決算特別委員会の中では、何度も読み返しても、そういう危機感のある答弁だったり、あるいはそういう提示は一つもなかったわけですよね。決算特別委員会から提案までのわずか1カ月ちょっとの間に、実は皆さんの言われ方、物の話し方が180度変わってしまったというか、大きな転換をしてきたという経過があるわけなんです。結果的に、この五つの診療所の無床化によって生まれ得る、先ほど来の答弁では、当直応援がきついというところに特化してお話がありましたけれども、この当直応援がなくなることによって、どれだけ医師確保に貢献できるのかという点での姿というのが、私たちはいまだにイメージできていないわけなんです。なるほど、我々のヒアリングの中でも、お医者さんの勤務環境が厳しいということは出てきました。しかし、一方では、先ほど来の質問にもまたあるように、実は当直だけのきつさというよりは、医業以外の事務的な仕事が年々とにかくふえて、なおかつ、今は先ほどあったような電子カルテの研修があったり、とにかく患者さんを診るという時間よりも事務的な仕事が物すごくふえていて、これが実は一番の過重感になっているという、ヒアリングの結果も実はあるわけなんです。そうすると、皆さんの言う、ここから無床化をしてお医者さんを引き揚げないと基幹病院が成り立っていかないという議論と、我々が聞いたヒアリングがマッチングしないわけですよ。そういう実態は本当にないのかどうか。あるいは、無床化することによって生まれ出た全体の医師数の問題は、これから先の基幹病院の成立にどういう効果を生み出すのかという具体のイメージをぜひわかりやすく教えてもらいたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
〇根子経営改革監 今回の病床の休止の考え方ですけれども、当直応援の話を先ほど来申し上げましたけれども、そもそも当直を応援している基幹病院の医師というのが、委員おっしゃったように、いわゆる事務的な仕事がふえてきたという業務負担、そういったのがあります。それもあって、さらに36時間勤務とかいった状況、それから超過勤務がふえているといったような、基幹病院自体が非常に多忙になってきているということがあると思います。その上で、さらに地域診療センターのほうの当直応援ということで、多い人では月5回というようなこともありますし、そういった中で、センターによっては常勤医が1人しかいないということで、相当数、例えば九戸であれば二戸から294回、年間当直をしているといったような負担が来ているんだと思います。それで、そういったことからして、入院を取りやめることによりまして、センターもそうだしそれから基幹病院の双方から、当直の負担を軽減したいということで考えているものでございまして、今回、センターの常勤医がそんなに数多くおりませんので、それによって、その勤務医が基幹病院のほうに多数移動されてということではなくて、今の負担を少しでも軽減するという方向で今回考えているところでございます。
 それからあと、事務的な仕事が多いという点に関しては、今年度から医療クラークを入れて、それでその辺を相当軽減するような取り組みを進めていまして、来年度もさらにそれを進めていきたいと思っておりますので、そちらのほうはそちらのほうで、その支援策を考えてまいりたいと思っております。
〇久保孝喜委員 余り説得力のない答弁だと思うんですよ。つまり、お認めになっているように、無床化をしたことによって生まれ出るある種の余剰という効果、これが基幹病院そのものの存立まで危ういということを皆さんにずっと言い続けてきたわけですから、だとすれば、その結果として、これだけの効果があって、だから基幹病院はこれだけ効果があるんですと、プラス要素があるんですということを、きちんと数字も含めて示すぐらいの説明責任は、この計画をつくった側に私はあると思うんですね。それがまず第1点。
 それから、さらにこの問題は、先ほど来質問がありますように、結局、無床化した後の診療所のイメージが地域の住民の方々を含めて、なかなか将来にわたるイメージとして存続ができるということに結びついていないというところに、またもう一つの不幸が私はあると思うんですよ。そこのところを示すためには、かつて診療所化したときの議論だとか、あるいは診療所化してから数年たったこの間の経緯を考えてみると、診療所化でずっと維持できるんだということの説明が、実は今回の質疑の中でも、やっていくんですというだけの話で、それが何をもって、どういう根拠によって維持できるのかということの説明も、残念ながら実は数字として私らは示されていないということがあるわけです。その点についてはどのようになされるお考えなのか、お聞きしたいと思います。
 私らのお医者さんに対するヒアリングの中で、ある方はこう言いました。医業に対して熱意を持っているお医者さんとしてみれば、単なる診療所というところの職場というのは、興味としては非常に薄いということまで言っているお医者さんもいました。したがって、無床化することによって全体の医師数の余剰をつくっていくという考え方は、逆に言えば、県立病院全体の医業に対する熱意みたいなものも、実はそいでいくことに結果的にはなるのではないかという心配も、ヒアリングをしている中で私は実は感じたわけなんですが、その点も含めてお答えをいただきたいと思います。
〇根子経営改革監 まず、病床休止によって基幹病院のほうで医師がどうなんだという話、数字で示してくれというお話ですけれども、先ほど来申し上げましたように、来年度の診療体制等の状況を考えますと、基幹病院自体も確かに厳しいということがありますが、地域の病院そのものが非常に厳しくなっているという状況がありますので、そういった部分で、相当その分、基幹病院の医師の負担を軽減していくということを考えていかないと、それが離職にもつながるという危険性もあるということから、こういう体制の中でやらざるを得ないのではないかということで考えているものでございます。
 それからあと、医師のほうで魅力がないというようなお話、診療所の無床の場合というような話もありましたけれども、もちろんそうお考えになる方もおると思いますけれども、一方で、無床であれば勤務してもいいという医師の方もおりますので、そういった中で、今回無床であれば何とか県営で維持できるという中で、そういった医師の方々にもおいでいただきながら、いわゆる今回の無床の診療所に移行というものについて進めてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 なかなか平行線という感じなんですが、最後になりますが、結局、質疑全体を通して、あるいは皆さんの説明を聞くにつけ、この医療計画の性格というものに思いをいたさざるを得ないわけなんですが、医療計画前文のあたりに、行政文書ですからこういうスタイルなんでしょうが、本論に入る前に、県立病院の状況ということが説明されています。
 その中で、1番目の項目が、県立病院が果たしてきた役割ということで、まず最初に歴史が書いてあって、2番目の項目には、県全域における医療提供体制の整備ということ。その中で2項目あって、一つが、医療資源に恵まれない地域における一般医療や初期救急の確保というのがタイトルとしてつけられています。二つ目には、地域の県立病院や市町村立医療機関への診療応援、これが二つの大きな役割なんだ。その後には、救急医療とか高度専門医療というのがついてくるわけですが、つまり、こういう役割があったんだということを前提にして、今度の医療計画をつくりました。
 じゃ、本論ではどうかというと、本論になると、途端にこの二つの話がトーンダウンしてしまうわけですよね。最初に無床化ありきと皆さんから言われている、そういう姿勢がありありなわけです。
 そうすると、今回の医療計画というのは、せんじ詰めれば、結局、今まで県下にあまねく医療の均てんをとやってきた県立医療の性格を、今回の無床化計画というのは大きく踏み出して変えていくことなのではないかということをやっぱり指摘せざるを得ないわけなんです。県立病院による医療の提供というのが、本来これまで持ってきた役割から変質したのだということを明確にこの計画の前文では示しているような気がするわけなんです。結果的に、本文を読んでも、基幹病院のある種の特化ということが全体を貫く基調になっていますから、そうしますと、経営の理念だと言われてきた、あるいは岩手の医療ということの最大の眼目であった、このあまねく均てんをという……
〇関根敏伸委員長 久保孝喜委員に申し上げます。
 世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇久保孝喜委員(続) はい。
 そこで、この問題についてどのようにお考えなのか、これまでの県立医療のあり方を大きく変える、そういう方向性がこの計画だったのではないかという点について、お尋ねしたいと思います。
〇田村医療局長 基本的に、あまねく医療の均てんをという理念を変えるというようなことを考えているわけではございません。ただ、大きく今回の論点として、あるいは最近の医療の考え方として、単体ごとの病院で全体をカバーできるような状況じゃなくなってきている、どんどん変化してきているということで、ネットワークで支えるというような考え方になってきているんだと思います。
 ですから、二次医療圏全体で支えていきますよという言い方をしているという考え方の中には、一つ一つの病院単体である程度完結するということが、なかなか現実問題としてできないというようなことで、二次医療圏全体で地域医療を含めてカバーしていくんだ、そういうような考え方を大きな考え方として取り入れてきていると私は受けとめております。
〇久保孝喜委員 この問題は、今回の議案に限らず、これからも県政課題にとっては非常に大きな課題になってくると私は思います。その意味で、あのときの政策決定がどうだったかということが、必ず歴史的に検証されることに私はなるんだろうと思いますので、その点は、ぜひ心して進めていただきたいと思います。そのことを指摘して、終わります。
〇関根敏伸委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後5時27分 休 憩
午後5時58分 再開
〇関根敏伸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇喜多正敏委員 国の診療報酬の改定や医師の不足が地方の公立病院のこうした経営について極めて深刻な打撃を与えていると感じるわけでありますけれども、平成14年度に26億円、平成16年度には11億円、そして平成18年度には19億円、そして平成20年度には1億円、こういうような診療報酬の改定が行われたわけでありますが、このことについて、本県の県立病院の経営に与える影響の額というのは一体どのぐらいになると考えておられますか、お伺いします。
〇八木参事兼業務課総括課長 診療報酬改定による影響についてでございますけれども、平成14年度の医療保険制度改革によりまして、診療報酬本体の初めてのマイナス改定が行われ、それ以降、マイナス改定が続いてございまして、先ほど委員御指摘のとおり、県立病院でのその影響額を試算しますと、平成14年度にはマイナス2.97%、平成16年度にはマイナス1.33%、平成18年度にはマイナス2.32%、平成20年度にマイナス0.17%という状況でございます。
 平成14年度からの影響率のトータルが6.79%ということになりまして、平成20年度でそれを置きかえ試算した場合、いわゆる平成20年度単年度に影響する額というのは、この間も御答弁しました約57億円となるかと思います。
 ただ、平成14年度以降の累積の影響額ということになりますと、入院、外来収益が平成14年度から20年度まで約5、600億円の収益になりますので、それに対しては約275億円ぐらいの影響があったものと推計してございます。
〇喜多正敏委員 平成19年度において、県からは141億円繰り入れた後に10億8、000万円の欠損、さらに累積欠損が138億3、800万円、こういう額であるわけでありますけれども、今お話の診療報酬の改定による減額は、極めて本県の県立病院に対する影響が大きいと。もしそういう診療報酬の改定がなければ累積欠損は2年分ぐらい賄えた、こういう状況だと思います。
 しかしながら、そうした影響額については、この経営計画や、それから、県民に配りましたこのパンフレットからは読み取ることができないのであります。もう少しこういう実態について、国の政策については、県民に対してわかりやすく説明する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
〇根子経営改革監 今の診療報酬のマイナス改定のような、そんな国の政策も含めての話でございますけれども、これまでも、いわてグラフの全戸配布とか、リーフレットとかで、一応そういうことで御説明したつもりでございましたが、なかなか県民の皆さんに十分周知されて、御理解がいただけているというところまでは行っていないのかなという感じはしております。
 今後、いずれ、これまで以上に情報を共有していく、地域の皆さん、あるいは市町村も含めてそういう取り組みが必要だと思っておりますので、もう少しきちんとわかりやすい情報を伝えるような取り組みとして、今のようなリーフレットも少し活用するとともに、それぞれ、先ほど申し上げた市町村の連絡協議会とか、あるいは地域ごとの懇談会がありますので、その中でも、積極的にそういう情報を提供するということを今後さらに進めてまいりたいと思っております。
〇喜多正敏委員 次に、医師不足は患者数の減少を招くとか、あるいは診療報酬のマイナス切り下げは診療単価の低下となっているということでありますけれども、それぞれについて、例えば患者数の減少、あるいは診療単価の低下、これについてどのような影響がそれぞれあったかお伺いいたします。
〇八木参事兼業務課総括課長 患者数の減少と診療単価の減少でございますけれども、まず、患者数に関しますと、入院、外来ともずっと減少してございます。平成19年度の入院、外来の患者数の減少による影響額は約34億4、000万円余の減収と見込んでございます。
 ただ、診療報酬は若干下がってございますけれども、新たに、例えば入院の場合は、入院基本料を13対1から10対1に引き上げをするとか、それから、例えばDPCを中央病院で導入するとかということで診療単価のアップを図ってございますし、さらには、外来なんかでは、がん患者に対する化学療法の増加ということで、単価のほうは少し増加してございまして、この単価の増加の影響額は、平成19年度は22億6、000万円余の増収、差っ引きでいきますと約11億7、000万円余の減収と推計してございます。
 それから、平成20年度でいいますと、患者数の減少による影響額は約33億100万円の減収を見込んでいますし、単価は、今言ったように、例えば中央病院が7対1をとるということで上がっていますので、単価のほうの増収の分が約28億5、700万円ぐらい、差っ引きまして4億4、000万円余の減収と見込んでございます。
〇喜多正敏委員 そういうことで、お医者様の確保が経営改善になるということは、そういった数字からも明らかであるわけですけれども、ところで、公立病院を設置している県あるいは市町村で、この経営についての改善とか、あるいは効率化、患者さんをふやすとか、こういったことで先進的な事例とか、あるいは参考にすべき事例についてあったかどうか、そうしたことについてどのように生かされたかお伺いいたします。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 公立病院を設置している県と市町村との情報交換ということでございますけれども、本県に、公立病院を設置している県、それから市町村、いわゆる病院開設者によります岩手県自治体病院開設者協議会というものが組織されてございます。知事が会長を務めているということでございます。それから、全国組織といたしまして、社団法人全国自治体病院協議会というものがございまして、各県立病院、それから市町村立病院等が加入しているということで、県支部も当然組織されてございます。
 主な活動でございますけれども、公立病院が抱えます課題、それから問題点を解決するために、相互に協議の上、各県の開設者協議会で構成いたします全国自治体病院開設者協議会を通じて国への要望活動を行っているということでございます。
 本県の独自課題についても、当然、個別要望しているということで、具体的に申し上げますと、医師確保を初めといたします医師養成の強化、それから地方交付税の拡充、それから、先ほどお話がございました診療報酬の引き上げ等を要望してきたということでございます。
 要望活動による最近の成果でございますが、御案内のとおり、全国の医学部の定員が増員したということでございますし、当然、岩手医大の医学部の定員も増加したということ、それから、入院基本料等の診療報酬の引き上げも認められているという状況にございます。
 それから、関係者一同が会します病院協議会総会でも情報交換をやってございますし、それから、その時々に公立病院が抱えます課題の解決といった意味では、講師の先生をお呼びして医療講演会などを開催しているということでございます。
〇喜多正敏委員 無床化も含めて、体力があれば、お医者様もある程度いればこういうことが起きないわけでありますけれども、そうしたことを含めて、やはり経営改善ということについては、不断の改善が必要だと思いますし、そうしたことで、ある意味では、先ほど高橋雪文委員からも、民間病院等の数字の整合性なども参考にしてはどうかというお話もありました。
 いずれ、経営のやり方については、民間も、あるいは民間企業も、病院も、ある程度通じるところがあると思うわけでありまして、そういうことで、いわゆるマネジメントといいますか、例えば経営診断を受けてみるとか、そうしたことで経営改善には大いに取り組んでいただきたいと思います。
 それから、いろいろ皆さんからも意見が出ました。ぜひ、県民には的確な情報を適時に出していただきながら、そして、経営改善に努めていただいて、一刻も早く県民の不安を取り除くような医療をやっていただきたいということを要望して、終わります。
〇斉藤信委員 今回の県立病院の新しい経営計画は、地域に大変な痛みをもたらす、県立病院の歴史にとっても、私は、重大な問題が提起されていると感じています。
 そこで、無床診療所化が計画されている6地域の病院、診療所が設立された経緯はどうなっているか、そのときの病床数はどうだったのか示していただきたい。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 6地域の病院、それから地域診療センターの設立の経緯でございますけれども、まず、県立沼宮内病院でございますが、昭和29年5月14日に開設されておりまして、その当時の病床数でございますが、一般病床が16、それから結核病床が16ということで、合わせて32床ございました。
 それから、紫波地域診療センターでございますけれども、昭和25年11月1日に厚生連の志和診療所から県営に移管されてございます。その際、県立志和診療所となっているということでございまして、当時の病床数でございますけれども、一般が22、結核8、伝染病が4床ということで34床ございました。
 それから、大迫地域診療センターでございますけれども、昭和25年11月1日に国保連の大迫病院から県営に移管されてございまして、県立大迫病院となってございます。当時の病床数は、一般病床の50床でございました。
 それから、住田地域診療センターでございますけれども、昭和6年6月1日に県立世田米診療所として開設されてございまして、昭和23年に国保連に経営委託された後に、昭和25年11月1日に県営に移管されて、そのときに県立世田米病院となっておりまして、その当時の病床数でございますけれども、一般病床27床ということになっております。
 それから、花泉地域診療センターでございますけれども、昭和25年11月1日に厚生連の磐井病院附属花泉診療所から県営に移管されてございまして、県立花泉診療所となり、当時の病床数でございますが、一般病床の21ということになってございます。
 それから、九戸地域診療センターでございますけれども、昭和25年11月1日に厚生連の伊保内病院から県営に移管されてございまして、その際、県立伊保内病院となりまして、当時の病床数は、一般病床36床ということになっております。
〇斉藤信委員 私は、今6地域の病院、診療所の設立経過を聞きました。今の答えは、県立に移管したときの経緯なんですよ。せっかく質問をあなたにお示ししても、そんな中途半端な回答じゃだめですよ。
 住田病院は、言われるように昭和6年です。伊保内は明治15年に住民によってつくられたと県立病院の50年誌に書いているじゃないですか。大迫は昭和19年です。このときは20床。花泉は昭和19年。そして、紫波は昭和9年ですよ。もう70年、80年近い。伊保内なんかは明治ですから127年の歴史を持っている。
 私は、そういうふうに戦前、70年を超えるような歴史を持って、住民によって設立されたという経過を持っているこの地域医療について、無床にするというふうに提起をするときには、それなりの歴史の重みを持った提起の仕方が必要だと思いますけれども、局長いかがですか。
〇田村医療局長 我々とすれば、先ほど来申し上げているように、歴史的な経緯について全くわからないというわけではございませんけれども、私どもなりに、これからの県営医療というものを維持していく上でどうしたらいいのかという大きな議論の中で、今回の病床の休止というようなことも、やむを得ない措置だということでやってきたということでございます。決して歴史的な経緯を無視してこういうような考え方を出したということではございません。
〇斉藤信委員 本当に75年前、78年前、九戸はもう120年前に、住民が本当に思いを集めて設立したと。世田米診療所なんかは、当時の世田米村が一般会計の22%のお金を出してつくったんですよ。そうやって守られてきたのが地域医療です。県立病院と診療所です。そういうときに、住民の声を聞かずにわずか4カ月で無床化を強行する、このこと自身が許されないやり方だ、歴史の重みが伝わらないやり方だと。ここに一番大きな怒りがあるのですよ。これが第1点。
 第2点、それでは、県立病院の創業の精神は、どういう歴史的な経過で打ち立てられたのか示していただきたい。
〇根子経営改革監 地域の人たちに十分説明すべきだというお話でございます。(斉藤信委員「創業の精神を聞いてるんだよ」と呼ぶ)そうですか。失礼しました。
 創業の精神でございますけれども、戦前から各地で、地域の人々が、わずかな出資金を出し合って、相互扶助の精神で自分たちの医療機関を持ったという歴史的な経過が医療局の設立の背景にあるということは、十分認識しております。
〇斉藤信委員 私は、この経営計画に創業の精神が書かれているから聞いているんですよ。計画に書かれていないことを聞いているのではないんですよ。あなた方は、一応、この創業の精神を貫くと言っている。それで私は聞いているのですよ。この計画にはこう書いているじゃないですか。
 創業の精神。県下にあまねく医療の均てんを。
 今日の県営医療の中核をなしているのは、昭和の初期、疲弊した経済環境と劣悪な医療事情の下で、無医村に医療の灯をと希求する人々の血のにじむような苦闘の中で県内各地に開設された協同の医療施設である。私たちは、こうした県下にあまねく医療を均てんさせるため、苦心、努力された先人の考え方、行動を創業の精神として受け継いできたものであり、県営医療に流れる一貫した信念である。
 これ、計画にちゃんと書かれているんです。私は、こういうふうに立派に書いていながら、そして、基本方針にはこう書いています。地域からの理解を得ながら、地域医療の確保のために協働で取り組むことも重要だ。地域からの理解を得ながら、地域医療の確保のために協働で取り組む、これが経営計画の基本方針ですよ。
 あなた方のやっていることは全然違うのではないですか。この創業の精神、基本方針、これから見て、あなた方の、わずか4カ月前に突然無床化を出して、2月19日に決定をして、1カ月余で無床化を強行するというのは、この創業の精神にも基本方針にも反するのではないですか。
〇根子経営改革監 創業の精神につきましては、創業の精神を踏まえた基本理念を基本計画の中で定めております。
 一方ですけれども、いわゆる創業の精神については、創業当時と比較しまして、やっぱり道路交通事情、それから緊急搬送体制など、医療を取り巻く環境が大きく変化していると考えておりまして、その中で医療の高度専門化も進みまして、医師不足も危機的な状況になってきていると認識しております。
 こういう状況の中で、県立病院全体の診療体制を現状のまま維持することが非常に困難になってきているので、二次保健医療圏全体で医療を確保していくことが必要ではないかということで、今回の計画を出させていただいたということでございます。
 地域説明会等で県立病院の現状等について説明申し上げてきましたけれども、医師不足が危機的な状況にあるということで、そういった過酷な今の医師の業務負担を少しでも軽減して、そして、その離職に歯どめをかけたいということでございますので、何とか御理解いただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 医師不足の問題は、後でじっくりやります。
 それで、今、交通事情が変わったと。しかし、変わったものがまだあるんですよ。高齢化が進んだのですよ。例えば、住田町は38%ですよ。軒並みもう3割を超えるような高齢化になっている。そして、この高齢者世帯というのは、交通弱者なのです。どんなに道路が立派になっても、家族に車に乗せてもらわなくてはならない。家族が仕事に行っていれば病院にも行けない、これが実態なんですよ。道路が立派になったからといって病院に行けるような情勢ではないと。これは指摘だけにとどめておきます。
 三つ目の問題。実は、この経営計画の33ページに県立病院が担うべき役割と機能というものが書いてあります。こう書いてあるんですね。広域で実施する必要のある医療を提供することが県立病院の役割であり、原則として、県立病院はその役割に応じた機能を中心とします。これはどういうことですか。広域で実施する必要のある医療を提供する。これは、基幹病院だけ集約して充実すればいい、こういうことになりかねないのではないですか。
〇根子経営改革監 本県の県立病院でございますが、御承知のとおり、27の医療機関を有しております。これは、全県のセンター機能を担う中央病院から、各圏域の高度専門医療を担う基幹病院、それから地域の入院医療を担う地域病院、それから地域のプライマリーケアを担う地域診療センターまで、幅広い役割を担っていると認識しております。
 一方、他の都道府県でございますが、圏域の中核病院や、がんや小児医療など、全県を対象とした専門的な医療を提供する、そういった病院運営をしているところが多いと承知しております。
 県という広域的な自治体が運営するということを考えますと、原則的には、広域的な役割に応じた機能が中心になると考えられますが、本県では、今申し上げましたように、地域によって医療提供体制に相違があるということがございますので、これまで幅広い役割を担ってきたといった経緯も十分に考慮しながら、それぞれの地域の医療提供体制に応じた機能を県立病院が担うということで、ここの役割のところには、そういう記載をさせていただいております。
〇斉藤信委員 ここの表現が私は極めて微妙だと思っているんですよ。そして、創業の精神を事実上、変質させる記述ではないかと思って指摘したのです。
 局長に聞きますよ。こう書いているんですよ。広域で実施する必要のある医療を提供することが県立病院の役割であり、原則として、県立病院はその役割に応じた機能を中心とすると。局長、これはどういう意味ですか。
〇田村医療局長 この記述の前段には、県立病院の設置主体である県が広域自治体として果たすべき役割を考えた場合という言葉が入っております。要するに、広域自治体としての県の役割という視点からとらえたときの記述を言っているのであって、県立病院は、そのことだけやっているわけではありません。事実上、今、お話あるように小さい地域の病院もあります。そういうことで、要は、ここで書いてあるのは、広域自治体としての役割を記述しているというのであって、決して今まで医療局が担ってきた役割を変質させるとか、大きく転換するとか、そういうような趣旨で書いてあるものではございません。
〇斉藤信委員 ここの題名は、県立病院が担うべき役割と機能なんですよ。題名がそうなんですよ。局長が、今まで果たしている役割と変わりはないというのだったら、はっきり言明していただきたい。ここには、県立病院が担うべき役割と機能というので、広域で実施する必要のある医療を原則にする、中心にする。だったら今までの役割と違うじゃないか、創業の精神とも違うじゃないか、私はそう指摘した。そうでないというならはっきり言明して、今までどおり地域医療も大事にすると言明できますか。
〇田村医療局長 今、前段の記述を申し上げましたが、後段には、岩手県の場合、地域によって医療提供体制に相違があり、これまで県立病院が幅広い役割を担ってきたことから、その経緯も十分に考慮していく必要がありますと言っているわけですので、私どもは、そういったことも考えて、大きく転換をするとか、そういう趣旨で書いているものではございません。
〇斉藤信委員 後段は役割と機能と触れていないんですよ。経緯も十分に考慮し、考慮していくだけなんですよ。局長、全然表現が違うんですよ。県立病院は、広域で実施する必要のある医療を提供することを中心にするとはっきり書いて、これまで県立病院が幅広い役割を担ってきたことから、地域のことについては、その経緯も十分に考慮していくと。全然表現と位置づけが違うんです。だから私は問題にしたんですよね。
 今までと違わないというのだったら、それではっきり言っていただきたい。つけ足し的に書いているのです、ここは。私は、ここの文章に重大な変質があると思っていますよ。こういう形で、事実上、本当に創業の精神を崩しかねないと、これは、まず指摘をしておきます。
 次、四つ目の問題。私も、国のガイドラインの問題について医療局長にお聞きしたい。
 私は、この国のガイドラインというのは、医療費抑制政策を進めて、そのために医師が不足になった、診療報酬を引き下げた、地方交付税も減らした、患者には負担増を押しつけた。病院も年間2、000億円の赤字ですよ。さっき、累積で2兆円という話もありました。そういうふうに押しつけておいて、3年間で黒字にしろと提起しているんですよ。どうやったら黒字になりますか。不採算な部分を切り捨てるしかないじゃないですか。そして、医師を中心的な病院に集約する、これがガイドラインが目指すものなんですよ。さらに、医療費を減らすために病院とベッドを減らす、これがガイドラインの目的ですよ。私は、このガイドラインに追随したら、県立病院の縮小、リストラ、病院とベッドの削減にしかならないと思いますよ。
 だから、問題は、今、実は、このガイドライン路線というのは破綻しているんです。この後、医師の定員増が決まりました。そして交付税も700億円新たに補てんをする。これは一部的な補てんですよ。私は、根本的に国の医療政策の転換、医療費抑制政策の転換が求められていると思う。
 しかし、県の計画は、ガイドラインに追随して、輪をかけて再編、ネットワークを進める、縮小、リストラを進める。厳しいこういう中で3年間で黒字をつくるという計画になっているじゃないですか。ガイドラインそのままじゃないですか。これでどうして地域医療が守れるんですか。
〇根子経営改革監 ガイドライン追随ではないかというお話でございますけれども、県立病院の今度の新しい経営計画でございますが、現在の病院改革プランが平成20年度までだということがございまして、21年度以降からの新しい計画ということで策定を進めておりました。その中で、公立病院改革ガイドラインの趣旨も踏まえながら策定したという経過でございます。
 そういう状況でございますので、いわゆる病床の削減、切り捨てになるのではないかというお話がございますけれども、私どもとしては、今回の、特に診療センターの無床化も含めて、医師不足の危機的な状況の中で、少しでも医師の業務負担を軽減したいということで考えているものでございますので、そういった中での計画だということを御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 医療局長にお聞きしたい。ガイドラインが目指すものは何か。私は、医療費抑制、削減が目的で、そのために三つを提起した。再編、ネットワーク化、これは縮小、リストラですよね。二つ目は経営の効率化。そして、三つ目は経営形態の見直しですよ。
 岩手県の計画は全くそれに追随してやられているのではないでしょうか。だったら、医療費の削減にしかならないんですよ、縮小路線にしかならないんですよ。私は、もう破綻したガイドライン路線に従っていていいのかと。このガイドライン路線という目的を医療局長はどう受けとめ、このガイドライン路線に沿っていいのかということを私はお聞きしたい。
〇田村医療局長 先ほど根子改革監からも申し上げましたけれども、そもそも私どもの5カ年計画というのは、今の計画が平成20年度で終了するという、時期的にはそういう時期にありましたので、平成21年度からの新しい経営計画をつくらなければならないというところから論点として出発しております。
 その中で、ガイドラインというものが平成19年12月に出されたというようなお話もあって、それらも、当然そういったものを出されて、そういうものはまるきり関係ないと言うわけにもいかないというようなことで、そちらのほうもにらみながら検討を続けてきたということでございます。
 再編、ネットワークの話とか、ガイドラインで言っている大きな問題点というのは、似たような規模の病院が地域の中にぽつぽつとあって、中核的な病院もないような場合に、やはり再編して中核病院をしっかりと位置づけるべきではないかというようなねらいがあったんだろうと思いますけれども、県立病院の場合は、今回の中部病院の完成で、医療圏ごとに中核病院というものがきちんともう位置づけられております。そういう意味では、国のガイドラインの目指すような方向というものは、岩手県の場合は、一つ、ある程度もう形はつくってきたんだと思っております。
 そういう中で、ただ、一方で、医師不足というような非常に厳しい状況があって、その辺を新しい県立病院の計画の中で維持していくにはどうしたらいいかというようなことで、病床の休止というような、診療所の問題等について見直しをさせていただいたというようなことでございます。
 経営の改善については、3年後の黒字がいいのか、5年後の黒字がいいのかわかりませんけれども、いずれにしても、黒字を目指すというのは当然のことですので、そういう意味で、我々も経営改善に向けて最大限の努力をするという形の計画としてつくったということでございます。
〇斉藤信委員 結局、医療局は、確かに医師不足を強調しています。しかし、私は、隠れたねらいは経営の効率化だと思いますよ。3年間で黒字化するというのは、そういう不採算部門を切り捨てなければできないことです。いわば不採算の地域の医療を守るという、本来県が果たすべき役割の放棄なんですよ。しかし、そんなことは表立って言えないから医師不足を前面に出している、そうとしか思えません。3年間で黒字にする計画は、私は無謀だと思うし、伊関さんも無謀じゃないかと指摘していますよ。
 入院収益をふやしながら材料費は減少する計画ですが、その根拠は何でしょうか。
 一般会計繰入金が3年間で10億6、000万円減少しますが、その根拠は何でしょうか。
 企業債償還金が113億円余から130億円余に増加しますが、その財源はどう見込まれているのでしょうか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 入院収益をふやしながら材料費が減少する根拠というお話でございますが、まず、収益確保策でございますけれども、7対1看護の取得、それからDPC─診断群分類包括評価の導入によりまして入院収益の増加を見込んでいるということでございますが、これらにつきましては、看護師の手当てを、配置を手厚くすること、それから、診療報酬の算定方法を変更することにより収益が確保されるものでございますので、材料費の増減とは直接関係ないということでございます。
 それから、材料費の減少を見込む根拠でございますが、一つは、ジェネリックと申しますが、後発医薬品の使用拡大、それからSPD─物品供給管理システムの導入拡大、それから価格交渉コンサルティングの活用などによります廉価購入の促進によって、材料費の削減を見込むということでございます。
 それから、一般会計負担金が3年間で14億6、000万円減少するという根拠でございますが、一つは、診療センターの病床休止及び不採算地区病院の収支改善、それから、職員配置の適正化によりまして職員数が若干減りますので、それに見合って、いずれ一般会計負担金が減るということでございます。
 それから、企業債償還金の増加分に対する財源措置でございますけれども、差額17億円余に対しまして、一般会計繰入金と内部留保資金で一般会計とのルールを決めておりまして、2分の1ずつ負担するということになっております。
〇斉藤信委員 次に、入院患者の減少と入院在院日数についてお聞きします。
 平成20年9月末で平均16.4日、5年間で2.4日も急激に減少しています。私は、これが大幅な患者減少の要因だと思いますが、入院在院日数が1日ふえると入院患者はどれだけ増えて、入院収益はどれだけ増加するか。経営を考えると各病院ごとの適切な入院在院日数というのはあるんだと思います。私は、それを無視した在院日数の減少を、基幹病院だけじゃなくて地域病院もやっているのではないかと思いますが、いかがですか。
〇八木参事兼業務課総括課長 在院日数の短縮による患者数の影響でございますけれども、平成20年度の延べ患者数を大体157万1、000人余と見込んでおりまして、5年前と比較しますと23万8、500人余の減少となってございます。そのうち、平均在院日数が2.4日短縮されていますので、この在院日数による減少の数は16万9、600人余と見込んでございます。
 仮に、在院日数が1日ふえますと、延べ入院患者数で7万600人ぐらいの患者数増が見込まれてございますし、入院収益に関しますと、入院が1日ふえてございますので、入院基本料1日分の増としますと約9億2、000万円ぐらいの増収と推定されます。
 それから、病院ごとの適切な入院在院日数ということでございますけれども、病院の機能なり、あるいは診療科によって在院日数の長短が当然ございますが、やはり近年、クリニカルパスとか、あるいは療養中の指導などによって早期退院等の取り組みが促進されているところでございます。
 ただ、在院日数は、やはり患者数、それから収益確保の大きな要因となってございますので、各病院に対しましては、適正な在院日数を確保するよう要請してございます。平成18年度以降の一般あるいは療養病床の在院日数は16.5日ほどで推移してございますので、いずれ、今後とも適正な在院日数の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 本当にこの5年間というのは、入院在院日数が急激に減少し過ぎたと私は思っています。そして、経営を考えるなら、やっぱりもっと柔軟にやるべきだと。患者さんの声は、本当にすぐ出されるという声ですよ。そして行き場がないと。だから、完全にこれ、ミスマッチなんですよ。患者の要求にもこたえられない、そして、早く退院させて、空き病床にして、1日1、000床余っているというけれども、もっと有効な活用があるべきなのです。
 私は、このことは指摘をして、今後の計画でも在院日数は簡単に減らない計画になっているようですが、私は、もっと柔軟に、病院の性格に応じて、この問題は対応すべきだと思っております。
 次に、医師不足の問題についてお聞きします。
 この経営計画の25ページに県立病院の医師数というものが書かれています。ここでは593人から643人に40人増加している、こういうふうになっているんです。これは非常勤医師を常勤換算した場合です。ふえているのが実態じゃないですか。
〇岡山医師対策監 非常勤医師を含めるとかなりふえているのではないかという御指摘でございますけれども、非常勤医師は、大体、眼科、耳鼻科などの特定診療科の外来とか、それから手術の応援、それから日直、宿直の応援、あるいは学会等で不在となった場合の応援などとなってございまして、そもそも非常勤医師は、常勤医師の不足を補っているものと思ってございます。本来は、常勤医師を基本として医師数を確保すべきものと考えてございます。
〇関根敏伸委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 ちょっと早いんでないか、指摘が。委員長、ちょっと早いんでないか。
 どこでも、学校なんかでもそうなんですけれども、非常勤医師を常勤換算するというのはあることなんだ。実態として、いいですか、実態としては医師は減っていないということでしょう。これは極めて大事なことなんですよ。あなた方は減った数ばかり言うけれども、現場の病院は、実態としては減っていないということじゃないですか。
 もちろん、常勤医師の不足というのはそのとおりです。しかし、それに対応して、後期研修医を確保したり、非常勤を確保したり、私は、その点は医療局は頑張っていると思いますよ。これは大事なことなんですよ。医師の総数はふえているのだから。
 そして、なぜ、じゃ、臨床研修医を確保できるかというと、私は、県立病院に魅力があるからだと思いますよ。高度先進医療、救命救急から地域の医療まで幅広く学ぶことができる。だから、沖縄に次いで確保できるわけじゃないですか。私は、この点は医療局を評価したい。来年、過去最高の臨床研修医でしょう。
 しかし、なぜ常勤医が減ったかというと、これは、絶対的医師不足の中で臨床研修医制度が導入されたからです。岩手医大に研修医が残らなくなったから、常勤医を大学に戻したんでしょう。だから、どっちかというと、これは外因によるんですよ。医療局の努力不足というよりは、国の政策のもとで本当に大学に残らなくなったと。私は、そういう点でいけば、医療局は責められないと思っていますよ。
 しかし、医師総数は確保したが常勤医師は減った、非常勤を含めれば総数としてはふえている、冷静にこの問題を見るべきです。やめた退職の数ばかり強調するというのはアンフェアな報道だと、私はこのことを厳しく指摘しておきたいと思います。
 それで、診療センターの現在の医師数、無床化した場合の医師数はどうなるか、何人の医師が他の病院の戦力となるのか、入院がなくなることについての具体的な軽減がどうなるのか、示していただきたい。
〇岡山医師対策監 まず、地域診療センターの医師数等でございますけれども、病床を休止した場合の医師の配置は、常勤医師1人から2人、応援等を含めて平均2人体制を基本としております。常勤の医師は、大迫地域診療センターが3人から2人、住田地域診療センターが2人から1人、紫波地域診療センターが2人のまま、花泉地域診療センターが1人のまま、九戸地域診療センターで1人から2人となる見込みでございます。
 それから、他の病院の戦力という形でございますけれども、他の県立病院へ異動を予定している医師は1人となってございます。
 また、地域診療センターが休床されることで軽減されるのは、地域診療センターの医師につきましては、当然のことですが、入院患者の診療、あるいは当直業務がなくなるほか、応援を行っている広域基幹病院等の医師の負担が、やはり大きく軽減されると考えてございます。
 例えば、九戸地域診療センターを見ますと、正規の常勤医が当直できない状態でありますことから、年間約500回にも及ぶ当直を本院の二戸病院を中心に、中央病院あるいは久慈病院が応援しており、この分の負担が軽減されると考えてございます。
〇斉藤信委員 だから、今、現行が五つの診療センターで9人なんですね。これが4月1日は8人になる。住田が2名から1名ですよ。私は、入院できなくなるだけじゃなくて、今20人近くやっている訪問診療もできなくなるのではないかと思いますけどね。
 そして、実際には、常勤医がほかの病院に配置される可能性はほとんどないと言わざるを得ない。住田の場合は、今まで頑張っていたお医者さんが、ベッドが残るんだったら頑張るけど、残らないんだったらやめてしまう、こうなってしまった。極めて残念な事態であります。
 それで、無床診療所化の問題についてお聞きします。地域で安心して入院できなくなることについての具体的な対応について。基幹病院で本当に対応できるのか、たらい回しにしかならないのではないか。先ほど、慢性疾患の患者、これを急性期の中央病院とか中部病院で受け入れることができるんですか。すぐ転院させるんですか。その場合に、マイクロバスはどこへ行くんですか。
〇八木参事兼業務課総括課長 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、いわゆる急性期の患者さんについては、これは二次保健医療圏の基幹病院を中心にして受け入れをしているし、それから、症状が安定した患者さん、いわゆる慢性期等の患者さんにつきましては、基幹病院に現在、地域医療福祉連携室というものを設置してございまして、医療社会事業士のほか、退院調整看護師が中心となりまして、病診連携、あるいは病病連携、それから福祉、介護等の関係施設の連携をしてございますので、こうしたことを通じながら、その地域の他の県立病院や民間病院、介護施設とも連携を図りながら受け入れ先を確保していきたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 質疑の予定の項目が複数あるようであります。関連する項目は、できるだけまとめて質疑を行うよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 今、極めて重大な答弁でしたよ。基幹病院で受け入れるのは急性期の患者だと。慢性期の患者は、ほかの医療機関を探せということでしょう。あなた方が言っていることと違うんですよ。今、五つの診療センターで入院している患者は、ほとんどが80代、90代の慢性期の患者ですよ。だったら、急性期の病院に、基幹病院に行けないじゃないですか。そして、例えば紫波だったら南昌病院だとか出ましたけれども、満床ですよ。行き場がないと特別養護老人ホームの施設長は言っていますよ。どこに行くんですか。大迫の病院でもそう言っていますよ。周りの老人病院はいっぱいで行き先がありませんと。そういうことを医療局は全然考えていませんと。行き先がなくなるのではないでしょうか。
 そして、転院させた場合に、私、さっき聞いたでしょう、マイクロバスはどこに行くんですか。入院していない基幹病院に行くんですか、転院したところに行くんですか。全然めちゃくちゃじゃないですか。
〇根子経営改革監 入院患者の受け入れ先でございますけれども、お話ししていますのは、基幹病院を中心にしながら、圏域内の他の県立病院、それから、その連携している病院ということで入院先の確保をしてまいりたいと思っております。
 それから、交通アクセスの関係につきましては、本院等と地域診療センター間、これの往復を基本といたします。あと、その他、利用者の状況等を見ながら、他の県立病院等の運行については考えていきたいと思っています。
〇斉藤信委員 先ほど八木課長は、急性期は基幹病院で、その他の病院は、それこそ支援センターで、ほかの医療機関を探すんだと、熊谷委員の質問にもそう答えているじゃないですか。慢性期の患者は、南昌病院だとか、さっきたくさん言いましたね。老人病院というのはそんなにあいていないんですよ。だから、みんな苦労しているんですよ。本当にあなた方のそういうやり方だったら、これは行き場がなくなりますよ。
 それで、交通アクセスの問題についてもう一つ聞きますが、入院を必要とする場合、無料で搬送するとなっているんです。入院を必要とする場合って、だれが、どこで判断するんですか。恐らく診療センターでは判断できません。入院させるところじゃないんだから、これは基幹病院に紹介しかできませんよ。じゃ、紹介のときから、検査のときから、交通アクセスは確保されるのか、こういう問題が出てくるんですよ。あなた方の表現は、全く対象がなくなるような表現ですよ。
 そして、土日、祝日はなしということになるんですか。付き添いの場合は朝昼晩送るということなんですか。
〇根子経営改革監 まず、入院を必要とする場合、どこが判断するかというお話でございますけれども、基本的には、最終的にその入院を決定する本院等が判断することになると思いますが、それは、地域診療センターに通院している患者さんになりますので、センターと連携の上、交通アクセスについては考えていきたいと思っております。
 それから、紹介や検査というお話でございますが、基本的に、従来、例えばほかのところで検査、紹介するといった場合に自己負担となりますので、原則的には、この辺は利用できないものと考えております。
 あと、土日、祝日というお話ですが、ここについては、家族の見舞い、看護等ありますので、原則運行する方向でここは考えてみたいと思っております。
〇斉藤信委員 休止措置の問題について私はお聞きしたいんだけれども、この休止の問題については、民間が活用する場合、市町村が対応する場合とあるんですよ。私、これは全く無責任だと思うんですよ。今まで県が責任を持ってきた。それを民間なり市町村なりに移管してほしいというんだったら、あなた方が相談するのは当たり前じゃないですか。相談する期間もない、相談もしない、そして、一方的に4月に切り捨てて、使うんだったら休止にしますよ、こんなやり方ありますか。
 私は、市町村だって、いざとなったらやらなければだめだという検討もあると思いますよ。しかし、4月に切り捨てて、県は責任を持たないから、あなた方、やるならやってくださいというような提起の仕方は、私は絶対ないと思いますよ。
 この休止の中には県が再びやるというものは入っているんですか、入っていないんですか。10年後に医師がふえたら県がまたやります、こういう可能性がないのか、あるのか。市町村の意向と言うんだったら、きちんと1年間ぐらいの相談、協議するこういう期間が必要じゃないですか。いかがですか。
〇根子経営改革監 地域診療センターについて、今回、病床を休止するということで、外来中心の診療所ということで、診療応援等のやりくりをしながら県営としては維持していきたいというのが考えでございます。
 それで、センターの病床については、廃止手続を行わないで休止にするというのは、先ほども申し上げましたが、民間の関係者、あるいは市町村から利用するということを中心に考えておりまして、そういった場合に、私どもとしては、県営のいわゆる無床診療所であれば何とか維持していきたいということでございますが、地域のほうでそういう、例えば別の方向ということがあるのであれば、私どもとしては支援措置も考えながら、一緒になって考えていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 だから、休止扱いにして、民間がやるのなら、市町村が対応するならと。だから、そういう問題提起があるなら、無床にする前に相談すべきでしょう。県と市町村というのは対等な立場じゃないですか。ましてや地域医療というのは、地方の自治体にとっては一番大事な課題なんですよ。住民の命を守るという点で一番大事な課題なんですよ。その点について、相談もしないで無床化をやってしまうという、局長、私は、こういうやり方が全く間違っていると思いますよ。
 それともう一つ、あわせて地域の個別課題の対応。私は、岩手町のがん検診の問題も指摘してきた。さらには、先ほど住田の訪問診療も指摘しました。紫波の特別養護老人ホームと併設した医療、福祉の連携。
 先ほど、五つの診療センターの体制を聞きましたが、実は、検査の体制は、正規はゼロなんですよ。そして、臨時の検査は1人配置するんですよ。これでどうして岩手町のがん検診、毎日、検便検査をやるような状況なんですよ、精密検査をやるような状況なんですよ。こんな医師の体制、検査の体制で今までのものは絶対できませんよ。その点、局長、無床化をやるとしても、こういう個別課題について見通しを立ててすべきじゃないですか。
〇田村医療局長 現実問題として、市町村と話し合いをするという環境がなかなかなくて、例えば、民間活用の話というのは、12月時点で、私も各市町村を回って歩いた時点でもお話をしておりますが、具体的に話をするような状況じゃないというのは、これは多分、委員それぞれの皆さん重々おわかりだと思いますけれども、そういうことで話をしてきましたけれども、現実にはなかなか具体の話し合いができるような状況ではないと。ただ、我々とすれば、今の地域課題の話を言いましたけれども、再三お話ししてきたのは、地域に行っても、病床の休止ということではあるけれども、それぞれの有床診療所が果たしてきた役割というものが個別にあるというようなこともそれぞれの市町村から言われました。岩手町からも言われましたし、紫波町らからも言われております。そういうことについては、我々とすれば続けるというのが基本的な考え方なんだということを言っております。先ほど検査の話がありましたけれども、そういうのは、そのときそのときの体制の組み方をしっかり検討して、いずれ、やるというようなことで考えております。
〇関根敏伸委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 質疑が大変押しております。また、長時間に及んでおりますので、この際、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 委員長、では最後にします。
 実は、4月から無床化を強行するというのはどういうことか。
 私はきのう、紫波町で19床を守る町民集会というのがあって参加をしてきました。特別養護老人ホームの所長さんがこう言いました。一昨日、入所者が体調を悪くして紫波病院に運ばれて、そして残念ながら亡くなったと。
 いいですか。特別養護老人ホームというのは毎日のように、3人、4人と入院しているし、体調が悪くなると診てもらって、帰れる人は帰る。だから、にいやま荘というところは、20年間、施設で亡くなった人はたった1人しかいないんですよ。もし、紫波病院に入院できなくなったら、周りの老人病院には、みんな満床で行き先がないと言っているんですよ。遠いところに30分もかけて運ぶには、看護師さんをつけなくちゃならない、介護師さんをつけなくちゃならない、人をふやさなくちゃならないと言っているんですよ。4月からの実施というのはそういうことなんです。あと10日後には、紫波に入院できなくなったら、そういう体制をとらなかったら、入所者の命と健康を守れないのですよ、介護施設は。だから、4月に実施するというのは、文字どおり命を脅かす、お年寄りが30分もかけて別なところに行くということは、それだけで命を縮める行為なんです。
 私は藤沢町の佐藤院長の言葉を繰り返し紹介しますが、地域医療は医師と住民が協働でつくる文化だと。高齢化が進む中、保健と福祉の支えなくして、住民本位の医療はなし得ない。地域医療は、患者の人生に長く寄り添うことが必要だと。地域は、こういう地域医療を求めているのです。それを県が一方的に切り捨てるだけでいいのか。今まで頑張ってきた地域医療を、どうやって継続して守るべきか。地元と話し合うのは当たり前じゃないですか。4月から一方的に切り捨てて、後で相談しましょう。そんな無責任なやり方がいいのでしょうか。私は、少なくとも、4月実施は一時凍結をして、話し合って、見通しを出して、そのことによって命が奪われるような事態を絶対つくってはならない。このことを最後に医療局長に答弁を求めて、終わります。
〇田村医療局長 再三申し上げてきたわけですけれども、いずれ、我々とすれば、医師不足の厳しい状況というものが一方であるということで、そういう観点から、4月からの病床休止を何とかお願いしたいというものでございます。一方で、地域との話し合い、やりとり、これもしっかりやらなければならないということで考えておりますので、できるだけ早く、また市町村と話し合いをするようにしていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 当該委員でありますが、次の手続上どうしても必要な事項でありますので、2点だけ簡潔に伺いたいと存じます。
 まず、1点目でありますが、医師確保が非常に大事だということと、医師がどんどん退職されているという状況はよくわかりました。
 そこで伺うわけでございますが、新しい経営計画の中に、41ページ、勤務環境の改善ということで具体的方策がそれぞれ出ております。ただ、平成21年度の予算の中で、十分に措置されていない内容もあるのかなと思っておりまして、まださらに予算措置を必要とする事項があれば、お示しをいただきたいのが1点であります。
 2点目は、空きスペースの活用についてでありますけれども、当初、11月に案が出てきたときは、空きスペースの活用については全く何ら言及がありませんでした。その後、地元の住民の皆さんのいろんな声を受けて、文言の表現をお借りすれば、提案があれば支援等の措置も含めて云々という表現になりました。修正の対比の表をもらったときはそういう内容だったんですが、最後のまた経営計画案を見ると、活用について呼びかけを行うとともに云々となりまして、きょうの医療局長の答弁では、何度も、公募という表現を使っているんですね。その意味で、私は、地域の皆さんが不安になっている原因は、いきなり入院するベッドがなくなる。その次の展望が見えない。その中で非常に不安になってきている部分もあるんだなと思っておりまして、一つの重大なポイントだと思っております。ついては、空きスペースの活用について、再度、医療局長に、どういうスタンスなのか、確認の意味で伺いたいと思います。
 最後になりますが、来年度の予算案では、介護保険事業については交付金という形で予算措置がされております。一方で、先ほど斉藤委員の話もありましたけれども、民間のお医者さんとか市町村の皆さんが、もし、空きスペースを活用する場合は、減免措置等というような表現の答弁だったと思うんですね、これまで。その場合は、何らかの予算措置が既に盛り込まれているのか、いないのか。その点についても、再度確認の意味でお尋ねをいたします。
〇田村医療局長 予算措置の話は担当の方から説明しますけれども、当初提案があればというようなお話から始まったということでございますが、12月の議会の中で、いろいろな御質問なりあるいは御提言をいただいた中で、そういうことを受けて、提案があればというような形の私自身の言い回しをしてきたように思っております。ただ、その後、いろいろと私としても、果たして提案があれば動くというだけで本当にいいのかというのも私自身の気持ちの中にありまして、その地域の中で、もし病床が全く眠ったままになっているというのも、私としてもせっかくの施設を利用していただきたいものだという強い思いもありましたし、それから、使い方についても、非常に小さい規模の市町村が多ございますので、そういった意味で、我々自身も、そういうことに積極的にかかわっていく必要があるんではないかというような気持ちがございまして、医療局サイドのもう少し積極的な気持ちを出すというような形に、少しずつ表現も変えてきたというような経緯でございます。
〇細川医療局次長兼病院改革室長 平成21年度予算における医師の勤務環境の改善への取り組みの予算措置の状況でございますが、委員御指摘のとおり、計画の中で予算措置をしているのは、まず医師の業務負担の軽減という意味では、臨床検査技師による超音波検査等の臨床支援というのは、人の面で一応考えているということでございますし、それから認定看護師とか認定薬剤師等の育成、養成というのは、これは研究研修費の中で対応していこうと考えておりますし、院内助産システムの充実云々については、これは助産師を確保するということで考えております。
 それから、医療クラークの配置につきましては、これは人件費の中に一応予算措置をしてございます。
 それから、女性医師の支援という意味では、女性医師に配慮した施設改修というのは、これは既決の中で対応していこうということで考えていますし、24時間保育、病後児保育の実施につきましては、これは予算措置をしてございます。
 それから、最後の医師の処遇改善等につきましては、処遇改善に向けた諸手当云々については今後の検討もございますので、それにゆだねるというふうになろうかと思います。
 それから、学会等の出席で先生方の自由度を高めようということにつきましては、これも既決の範囲の中で振りかえるような形で対応していきたいと考えてございます。およそ、今、現時点で挙げられている項目に対する予算措置というのは、以上となろうかと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 減免措置ということでございますので、いずれ内容をお聞きして、公益性がどうかといういろいろな観点があるかと思いますし、それから収支の状況を見て相談したいと、弾力的に対応したいと考えております。
〇及川あつし委員 最後にします。
 今、御答弁で、医師の待遇改善等まだまだやらなければいけないことがあるというのも確認もできましたし、減免の問題についても、まだこれから精査が必要だなということも確認できましたので、了解をいたしました。
 最後になりますけれども、これまでいろんな質疑の中で御答弁があった中で、六本木改革担当技監が以前、サイレントマジョリティーという言葉を使ったことがあるんですね。申しわけないですけれども、この点については、ぜひ御撤回をいただけないかなと思っております。
 サイレントマジョリティーの反対はノイジィマイノリティーでありますので、今、地域で非常に苦しみの声を上げている皆さんを、そういう定義をするのは私はまずいと思っていますので、ぜひ、そういう表現等については慎重にお使いいただきますようにお願い申し上げ、終わります。
〇伊藤勢至委員 大変県政にとりまして重要な審査でありまして、各委員からちょうちょうはっし、やりとりがあったわけでありますが、その中で触れられなかった点が二、三あると思っておりますので、私からも質問をさせてもらいたいと思います。
 まず、現在はまさに平常時ではなくて緊急非常事態、こうとらえるべきだと私は思っております。そういう中にありまして、平常時の議論は議論といたしまして、今、本当に岩手県の医療そのものが沈没をしかねない状況にあるのではないかと思っております。そういう中で、かつて平成15年に改革計画が提案をされまして、そのときにも無床化の話が出たわけでありますけれども、足して2で割ったような、19ベッドを残すということで決着をしてきた経緯がありまして、実はあのとき、もっときょうのような議論を深めていれば、こんなことにはならなかったのではないかなというまさに思いがいたしまして、やんぬるかなの思いが実はいたしております。
 と申しますのは、多分、そのころの各病院の院長先生方の院長会を通じていろんな要望があった中で、そういったものが結局、県立病院に勤めている先生方の期待を裏切ってしまったと、そういうことにつながって、したがって、平成16年、17年、18年、19年とこの4年間で160人がやめてしまった、まさに異常事態だと思います。
 そういう中で、きょうは本当に重大な問題でありますから、私も初めての経験でありますが、医療局と保健福祉部の合同審査、そして大勢の報道陣、そして地域の医療を心配される傍聴者の方々がいらっしゃっているわけでありますが、我々はもう一つ重大な点を見落としてはいけないと思います。それは、お医者さんの立場としての初期研修医97名、後期研修医57名、そして常勤医449名、合わせて513名の県立病院に勤める医師たちが、きょうの会議を非常に注目をして聞いているのではないかと思うところであります。つまり、いろんな議論をされてまいりましたが、お医者さんの立場、過重な勤務、本当に命にやすりをかけてやっている状況にあるんだと思います。そういう中で、まさに非常事態。確かに説明不足もあったかもしれませんが、船を沈めないためには何をするかという今現状にある中で、ちょっと例えが古くて恐縮ですが、古い人間でありますからお許しをください。
 戦艦大和が左舷に6発の魚雷を食らって浸水をして、艦隊が25度に傾いたと。そうしますと、艦長は、もちろん船についている排水ポンプを全稼働しますけれども、それで間に合わなければ右舷の注水弁を入れて、水を入れて水平を保とうとする、それが艦長の判断なんですね。
 そういう中で、今回の新しい計画につきましては、千厩の院長先生からお話を聞く機会がありましたけれども、その先生は、計画は院長会で議論し決定をしました。我々の立場も守っていただきたい、そういう思いから決定をしましたというお話をいたしておりました。
 そこでお伺いをいたしますけれども、現実に無床化になるのであれば、勤務をしてもいいというお医者さんもいらっしゃいます。例えば、具体に話をしますけれども、花泉の場合は、無床化だったら残って勤務を続けてもいいという先生がいらっしゃいます。それから、もうお一方、九戸でありますけれども、現在は1人、無床化にしたら2人となっていますが、この2人のうちの1人は、体調を崩して長期入院をしているということでありますから、ここも1人なんだと思います。この先生も無床化ということにならなければやめるとおっしゃっているわけでありますから、もう、その時点で病院機能がストップをしてしまう。ベッドは残るけれども病院機能が破綻をしてしまう、こういうことになるんだと思うんですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
〇田村医療局長 前段の院長会とのやりとりでございますけれども、院長会自体には今回の計画、5回ほどかけております。それから、院長先生方も参画し、それから各職域の代表も入った検討委員会には院長先生も当然入っているわけですが、それも6回開催をして、我々としては医療局のといいますか、病院の総意として計画をつくらせていただいたと思っております。
 それから、先ほどの無床化の関係で、まさに有床診療所とは言いながら常勤医師がゼロになるかもしれないというような、非常に強い危機感の中で今回計画づくりをし、そしてやむなくこういうような判断をさせていただいたと考えております。
〇伊藤勢至委員 院長会なるものは、当然、各病院の院長先生、病院を統べるという立場で参加をされるでしょうが、当局からはどういう方々が参加をするんですか。医療局もでしょうが、保健福祉部からもだれか出るんですか。
〇田村医療局長 基本的には医療局の幹部は全部出ます。その上で、病院のほうから、院長会の場合にも院長先生は全員出ていただきますし、それから検討委員会につきましても、病院の幹部、医療局本庁の幹部職員は全部出て、保健福祉部は、一応医療局内部の検討ということですので、医療局だけでやっております。
〇伊藤勢至委員 前任の知事は、3期12年の間、一度もこの院長会に出たことがないと伺いました。達増知事になって、初めてこの院長会に出席をしたと聞きましたが、その辺はどうなんでしょう。
〇細川医療局次長兼病院改革室長 平成19年度から本年度も含めてですけれども、記憶で大変恐縮なんですが、病院長会議、それから先生方と知事との話し合い、それから病院長と知事の話し合い、それから岩手医科大学出身の院長先生方と知事の話し合いということで、たしか5回と私は記憶しております。
〇伊藤勢至委員 つまり、ことしの9月あたりはこういう改定計画が出なくて、いきなり出てきたということでいろんな議論があったわけでありますが、つまり、知事が県立病院の現状を自分の目で見て、耳で聞いて、これは容易ならざる大変な状況だと。ついては、岩手県の県営医療が崩壊をしかねない。したがって、まず出血をとめようと、そして輸血をしようということでこの計画を急ぎ立てて対応してきたんだと私は思うんです。そういう流れの中に、いろんな批判はありましたけれども、知事の本会議場での行動もあったんだと思います。岩手県の医療を守らなければならない。現実にもうやめる、無床化にならなければやめるという先生がいらっしゃるわけですから、そういう先生方にこれ以上負担をかけるわけにはいかない。そして一つがコケれば、これはみんなドミノ倒しのようにいくんですよ。
 実は私は宮古地区でありますが、先ほどだれかの質問に答えていました。宮古病院から中央病院への救急車が大体200回ぐらい。すると、3日に1回あるいは2日に1回、救急車で運ばれるわけですよ。そして、循環器ですから心臓がぴたっととまって、頭に血が回らなくなったら30分もたないと言われている中で、随分、宮古-盛岡を往復する際に救急車とすれ違います。ああ、大丈夫もってくれればいいがなと思います。そして、循環器のお医者さんを、誘拐でも拉致でもして、宮古病院に持っていきたいと実は思います。そうすれば、宮古のみんなは喝采をして喜ぶかもしれませんが、私は県内の人に殺されると思う。つまり、みんながどこでも痛みを我慢しながら、岩手県の医療を何とか持っていかなければならない、こうやっている状況にあるんだと思います。当該地域になれば、その痛みはわかります。それがなければいいです。しかし、現実に県立病院が倒産をしそうだ、崩壊をしそうだ、沈没をしそうだ、こういう状況にあるんだと思っていますから、そういうことを医療局もそれから保健福祉部も、我々にもっと、あるいは地域の皆さんにももっと訴えてほしいと思っています。
 そこで伺いますけれども、先ほど保健福祉部の際に指摘だけしたんですが、確かに県下にあまねく医療の均てんを、大変崇高な命題であります。それはそれといたしまして、それが余りに金科玉条になり過ぎて、医療局がお医者さんを使ってやっているんだと、保健福祉部はお医者さんを見つけてきて、医療局に回せばそれで終わりだと。そういう感覚があって、お医者さん方とのコミュニケーションがうまくとれてこなかったのではないか、そういう点が非常に大きいと思います。もちろん、お医者さん方には政治性を持っていない人がいないわけでもありませんが、お医者さんの道には精通をして一生懸命なんですが、そういったものを周りからカバーしてくれる人が当然いらっしゃるもの、いてくれるものとお医者さんは思っているわけですが、それが足りなかったと思います。したがいまして、60年もたった県内あまねく医療の均てんをという大命題はいいんですが、60年前の状況と変わって、県立病院並みの民間病院がいっぱい出てきたということもこれはあるわけでありますから、その中でどのようにしてこの県立病院を守っていくのかということを、もう一つ根っこに持ってやっていただきたい。早速、医療局と保健福祉部がきょうから連携をしながら、特にお医者さん方の不平不満なりフォローアップをするというのは、どっちの部局にも限らずやっていただくべきだと思うんですが、医療局長と保健福祉部長から伺って終わります。
〇田村医療局長 先ほど来何人かの委員の方々から、県立病院と保健福祉部の連携の話をされております。私どもとしても、保健福祉部との連携というのは非常に重要だと思っておりますので、今までもやってきたつもりではありますけれども、一層、しかも、でき得れば、本庁同士だけではなくて、現場の県立病院と振興局の連携、そういうことをしながら対応していきたいと考えております。
〇岩渕保健福祉部長 さまざまな連携方策があると思いますが、基本的に医師確保の面でいろいろやっていますけれども、この辺のところをもっときっちりした形でやらなければいかんのかなと。その点で、今度、医師支援室というものを共管で組織立ててつくりますので、そこをもっと充実をさせて、その中で医師の勤務環境改善あるいは臨床研修の関係で、さまざまな窓口となってお世話するということになっていますので、うちサイドの勤務環境改善事業とあわせて、そこをしっかりとサポートしていきたいと思っています。
 今までの連携体制、それなりにやってきたわけですけれども、私、前に医療局に長らく在籍して連携体制はずっと見てきておるんですが、今年度についてはいろんな計画を立てるところで、本当に連携してやってきたなと。おしかりも一緒でしたけれども、連携をやってきたということで、もっとこれを充実して深めて、岩手の地域医療を守るために頑張っていくべきだと思っております。
〇関根敏伸委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡委員 議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算及び議案第13号岩手県立病院等事業会計予算について編成替え等を求める動議を提出したいので、お取り計らい願いたい。
〇関根敏伸委員長 ただいま飯澤匡委員から動議の提出の申し出がありました。
 これより世話人会を開き、本動議の取り扱いを協議をするため、暫時休憩いたします。
 世話人会の方々は、議会運営委員会室にお集まり願います。
   午後7時21分 休 憩
                          平成21年3月16日
 予算特別委員会委員長 関 根 敏 伸 様
                    提出者議員  飯 澤   匡
                           嵯 峨 壱 朗
                           斉 藤   信
                           小野寺   好
                           及 川 あつし
   平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議
 標記の動議を別紙のとおり提出します。
         平成21年度岩手県一般会計予算及び平成
         21年度岩手県立病院等事業会計予算の編
         成替え等を求める動議(要綱)
 議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算及び議案第13号平成21年度岩手県立病院等事業会計予算について、4月からの無床化実施は延期を検討し、下記により、本定例会中に必要な予算の編成替え又は新たな予算措置を講ずることを要求する。
                 記
1 二次医療圏ごとに、保健福祉部〈保健所〉が中心となり、県医療局、市町村、県立病院施設、医師会、福祉施設及び事業者、住民代表からなる協議機関を立ち上げ、各地域事情に即した完結した「地域医療体制」の確立を目指すため、協議機関の運営費等の必要額を増額修正すること。なお、協議機関等においては公・民の適切な役割分担、県立病院等の経営形態の見直し、人事、組織体制を含めた病院事業の再検討も進めること。
2 地域から提案されている事項については、期限を区切り再検討すること。
  再検討にあたっては、経過の報告、情報公開、住民合意を図ること。
  空きスペースが生ずる場合は、その活用について民間の医療・福祉関係者に対して、積極的に条件を示した上で「公募」し「休床」状態の早期解消を図ること。
  空きスペースの活用の提案については、一定の減免措置及び支援措置の具体の内容を早急に明らかにし、地域との十分なる協議の上、目標期限を定め対応し、この「公募」に関しての必要額を増額修正すること。
3 新しい経営計画にある「魅力ある勤務環境への改善」の具体的方策を早急に実施し、これ以上の医師の退職を防ぐこと。また勤務医の不満、不信等の意見を再度聴取して、勤務環境改善策を更に充実、推進し、必要なものについては年度途中の補正措置も含め、勤務医の退職防止に必要な経費を増額修正すること。
 なお、この動議に関して議案の撤回及び予算編成替え等の意思を3月19日予算特別委員会とりまとめ前に、知事出席の上で、示されたい。
午後9時28分 再開
〇関根敏伸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先ほど当職に、平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議の提出がありました。あらかじめお配りしておりますので、御了承願います。
 本動議の取り扱いについて、休憩中に世話人会を開催いたしましたので、その結果を報告いたします。
 世話人会においては、本動議の取り扱いについては、今後の当委員会の進行にもかかわることから、直ちに議題に供し、速やかに採決までの議事を行うべきものとの結論に至りましたので、御報告いたします。
 お諮りいたします。本動議を直ちに議題に供することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇関根敏伸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。
〇飯澤匡委員 ただいま議題に供されました案件、動議につきまして説明いたします。
 平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議であります。
 議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算及び議案第13号平成21年度岩手県立病院等事業会計予算について、4月からの無床化実施は延期を検討し、次のことにより、本定例会中に必要な予算の編成替えまたは新たな予算措置を講ずることを要求するものであります。
 一つ、二次医療圏ごとに保健福祉部、保健所が中心となり、県医療局、市町村、県立病院施設、医師会、福祉施設及び事業者、住民代表からなる協議機関を立ち上げ、各地域事情に即した完結した地域医療体制の確立を目指すため、協議機関の運営費等の必要額を増額修正すること。
 なお、協議機関等においては、公・民の適切な役割分担、県立病院等の経営形態の見直し、人事組織体制を含めた病院事業の再検討も進めること。
 二つ、地域から提案されている事項については、期限を区切り再検討すること。再検討に当たっては、経過の報告、情報公開、住民合意を図ること。
 空きスペースが生ずる場合は、その活用について民間の医療、福祉関係者に対して積極的に条件を示した上で公募し、休床状態の早期解決を図ること。
 空きスペースの活用の提案については、一定の減免措置及び支援措置の具体の内容を早急に明らかにし、地域との十分なる協議の上、目標期限を定め対応し、この公募に関しての必要額を増額修正すること。
 三つ、新しい経営計画にある魅力ある勤務環境への改善の具体的方策を早急に実施し、これ以上の医師の退職を防ぐこと。
 また、勤務医の不満、不信等の意見を再度聴取して、勤務環境改善策をさらに充実、推進し、必要なものについては年度途中の補正措置も含め、勤務医の退職防止に必要な経費を増額修正すること。
 なお、この動議に関しての議案の撤回及び予算編成替え等の意思を、3月19日予算特別委員会取りまとめ前に、知事出席の上、示されたいということであります。
〇関根敏伸委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木博委員 ただいま提出されました動議、議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算及び議案第13号平成21年度岩手県立病院等事業会計予算について、4月からの無床化実施は延期を検討し、本定例会中に必要な予算の編成替え、または新たな予算措置を講ずることを要求するという動議で、3項目、具体的に記載されているわけでありますが、それについて質疑をしたいと思います。
 まず、第1の、二次医療圏ごとに協議機関を立ち上げること、また、第2項目の、地域から提案されている事項について、期限を区切り再検討すること等については、その趣旨には賛成をいたします。ただし、先ほどの委員会での議論にもあったとおり、具体的にどのような内容を盛り込むか今後の検討が必要であり、また、一般会計当初予算には3億円、医療局の当初予算には1億円の予備費が計上されていることから、予備費での対応が十分可能であり、増額修正の必要はないと考えるものですが、いかがでしょうか。
 具体的に、何に幾ら増額が必要と考えるのか、お示しをいただきたい。また、盛り込む中身と金額が決定した後、必要であるならば6月補正で十分対応可能と考えますが、このことについてもあわせてお伺いしたいと思います。
 次に、第3の、魅力ある勤務環境への改善による医師の退職の防止についてでありますが、このことと4月からの無床化実施の延期とは、相入れないものと考えます。
 新しい経営計画の骨子の一つは、過酷な勤務環境により、毎年多くの医師が退職することを防止するためであり、県立病院の医師の総意を盛り込んだこの計画が予定どおり実行されないとなると、多くの医師の失意を招き、さらなる医師の退職を招きかねないと思うのであります。
 また、現実に、予定どおり実行されないと、無床化を前提として、2名の医師が勤務を継続すると聞いておりますが、4月からの実施が見送られると、この2名の医師は確実にやめると思われますし、さらに、それに続く医師も出かねない状況にあると思われます。4月実施を延期しても、医師はやめないという担保があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇飯澤匡委員 お答えいたします。
 質問の第1でありますが、第1の協議機関の立ち上げ、第2の地域から提案されている事項につき賛意を示されたことについては、感謝を申し上げたいと思います。
 予備費で対応できるという指摘でございますが、これは政策的な意思を予算化して、県民の前でも、その二次医療圏ごとできちっと対応するという意思を明確にするために予算編成替えという、こういう動議に踏み切ったということであります。
 それから、具体的に何に幾ら必要かということでありますが、これは予算の組み替え等の動議でありまして、これはどのように組み替えるか、その事項を文章で箇条書きにして明示するということで事足りるわけでありまして、この組み替え動議は、予算修正の時期、内容について弾力的な要素を持っているということを申し添えておきます。
 それから、質問の第2でありますが、これは相入れないというような指摘でありますが、さきの委員会の審査で明らかになったように、医師が退職する理由については、過重な勤務以外にもさまざまな理由が横たわっているということが明らかになりました。私たちがこれを求めている最大の理由は、やはり医師と住民との地域医療の確保を目指した、そういう意識の共有化であります。住民との理解なしに、この計画を私たちは進めることはかなり困難であると思っております。
 4月実施を延期しても医師はやめないという担保というものについては、これは根本的な解決をしていかない限り、質問等で明らかになったように、今後ますます医師はやめていくという、こういうマイナスのスパイラルは続くものと。したがって、根本を求めるためには、やはり一時立ちどまって、住民との協議そして市町村との協議、それらを真剣に県も一緒になってやっていくことが、これこそが肝要だというふうに考えるものであります。
〇関根敏伸委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇関根敏伸委員長 なければ、これをもって質疑を終結いたします。
 次に、討論を行います。
 反対討論はございません。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇関根敏伸委員長 討論なしと認め、討論を終結いたします。
 次に、採決いたします。
 お諮りいたします。平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇関根敏伸委員長 確認のため、しばらくお待ちいただきます。
 起立多数であります。よって、平成21年度岩手県一般会計予算及び平成21年度岩手県立病院等事業会計予算の編成替え等を求める動議は可決されました。
 以上をもって保健福祉部及び医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆様は御苦労さまでございました。保健福祉部長以下、一日じゅう大変御苦労さまでございました。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後9時39分 散 会

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