平成21年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成21年3月12日(木)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長   浅 田 和 夫
  議事担当課長   保 原 良 和
  主任主査    菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主査    鈴 木 文 彦
  主査    菊 池 芳 彦
  主査    齋 藤 貴 弘
  主査    藤 原 由喜江
1説明員
  地域振興部長   藤 尾 善 一
  地域振興部副部長
  兼地域企画室長  千 田   永
  地域振興支援室長 鈴 木 健 夫
  交通政策参事   菅 原 和 彦
  地域企画室
  企画担当課長   畠 山 智 禎
  地域企画室
  管理担当課長   佐々木   淳
  交通担当課長   平 野   直
  市町村課総括課長 浦 上 哲 朗
  NPO・文化
  国際課総括課長  岩 間   隆
  IT推進課
  総括課長     桐 田 教 男
  行政情報化
  担当課長     中 野   栄
  県北沿岸振興
  担当課長     高 橋   厚
  選挙管理委員会
  事務局
  書記長      浦 上 哲 朗

  警察本部長    保 住 正 保
  警務部長     島 村   英
  生活安全部長   船 野   透
  刑事部長     小 舘 欣 康
  交通部長     中 村 照 美
  警備部長     佐 藤 英 憲
  警務部参事官兼
  首席監察官    遠 藤 貞 造
  警務部参事官兼
  警務課長    佐 藤 善 男
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 菊 池 義 憲
  生活安全部
  参事官兼
  地域課長     千 田 敏 伸
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   小野寺 憲 一
  交通部参事官兼
  交通企画課長   藤 村 光 雄
  警備部参事官兼
  運転免許課長   豊 岡   茂
  警備部参事官兼
  公安課長     鹿 嶋 政 一
  総務課長     今 野 秀 人
  会計課長     内 山 新 次
  監察課長     佐々木 芳 春
  給与調査官    武 田 正 則

  参事兼予算調製課
  総括課長     高 橋   信
〇関根敏伸委員長 これより本日の会議を開きます。
 飯澤匡委員は欠席とのことであります。また、菊池勲委員はおくれて出席とのことでございますので、御了承願います。また、勝部企画理事につきましても欠席とのことでありますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 議案第1号から議案第22号まで、議案第26号、議案第27号、議案第31号から議案第35号まで、議案第37号、議案第39号、議案第40号及び議案第74号の以上33件を一括議題といたします。
 本日は、地域振興部及び警察本部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、3月10日の総合政策部審査の際、後日提供することとしておりました資料につきましては、お手元に配付してありますので、御了承願います。
(総合政策部 国体推推課)
(総合政策部 国体推推課)

第71回国民体育大会岩手県準備委員会における
開・閉会式会場選定スケジュール(予定)

年度時期会議等名審議内容等
H2020年7月
  ~
21年3月
常任委員会、
総務企画専門委員会
〇会場地市町村及び競技施設選定要領決定
 (第2回常任委員会)
〇候補施設現地調査、開・閉会式会場選定検討
 (総務企画専門委員会 3回)
(事務局)〇市町村連絡会議・競技団体連絡会議合同会議
 (競技会場地希望調査の説明)(8月)
〇競技会場地希望調査、ヒアリング、現地調査、調整
 (市町村、競技団体対象)(8月以降)
〇開・閉会式会場候補地市町村意向調査、ヒアリング、現地調査
 (盛岡市、北上市対象)
(10月以降)
21年3月30日常任委員会〇競技会場地選定(第1次)
〇開・閉会式会場選定に向けた検討状況等(報告)
H2121年4月中旬常任委員会〇候補施設現地調査
21年4月下旬
  〜
21年5月中旬
常任委員会、
総務企画専門委員会
(必要に応じ複数回開催)
〇開・閉会式会場選定検討
21年5月下旬常任委員会〇開・閉会式会場決定
21年5月下旬総会〇開・閉会式会場決定及び競技会場地選定(第1次)の報告
21年7月以降常任委員会〇競技会場地選定(第2次〜)
H2222年4月〜中央競技団体正規視察〇県内の各競技会場地視察
 (視察時期は競技団体がそれぞれ判断)
23年3月第71回国民体育大会開催に関する県議会決議(決議書を国体開催申請書に添付)
H2323年6月第71回国民体育大会開催申請(日体協会長及び文部科学大臣あて申請)

(参考)
○常任委員会及び総務企画専門委員会における審議事項等
 (第71回国民体育大会岩手県準備委員会会則等から関係部分抜粋)
(1) 常任委員会
常任委員会は、次の事項を審議、決定することになっている。
・総会から委任された事項
→会場地市町村及び競技施設の選定に関すること
・総務企画専門委員会への付託事項
→会場地市町村及び競技施設の選定に関すること
(2) 総務企画専門委員会
常任委員会から付託された専門的事項について、調査、審議し、その結果を常任委員会に報告することになっている。
 最初に、地域振興部長に地域振興部関係の説明を求めます。
〇藤尾地域振興部長 平成21年度の地域振興部関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、地域振興部における施策推進の基本的な考え方でございますが、少子・高齢化や本格的な人口減少社会を迎え、過疎化の進行など、地域を取り巻く環境が大きく変化する中、昨年策定いたしましたいわて希望創造プランの着実な推進により、希望に満ちた黄金の國、いわての実現に向け、自立と共生に基づく社会の構築を目指してまいりたいと考えております。
 予算編成に当たりましては、このような認識のもと次の3点について重点的に取り組んでいくこととしております。
 第1点でございますが、新地域主義戦略の展開であります。
 分権型社会の構築には、地方みずからの主体的な取り組みが重要であるとの認識のもと、二重行政の解消を通じて県と市町村との役割分担を整備しながら、市町村の行財政基盤の強化に向けた支援、市町村合併の推進、広域振興局等による広域行政の推進及び県北・沿岸圏域の振興に取り組んでまいります。
 また、市町村との連携による地域コミュニティの維持、再生に取り組んでまいります。
 第2点目でありますが、岩手ソフトパワー戦略の展開であります。
 昨年策定した岩手県文化芸術振興指針に基づき、文化芸術活動者はもとより、各地域の住民の方々との協働により、文化芸術活動のネットワーク化や県内外への効果的な情報発信に取り組んでまいります。
 3点目でありますが、地域振興基盤の整備であります。
 首都圏の岩手ファンの拡大を通じた本県への定住と交流の促進、東アジアを中心とした海外の高度産業人材の活用・育成、市民活動への積極的な参画を促進する環境の整備に取り組んでまいります。
 また、地域公共交通の維持、確保や地域情報化の戦略的方策の検討を進めるなど、地域社会を支える基盤の整備に取り組んでまいります。
 それでは、歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。地域振興部関係の予算は、2款総務費のうち、3項地域振興費の100億2、240万円余、5項選挙費11億3、556万円余、総額は111億5、796万円余、これが地域振興部関係予算でございます。これを前年度当初予算と比較いたしますと7億7、198万円余、率にいたしまして約7.4%の増となっております。
 それでは、各項、目ごとの内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明いたします。予算に関する説明書の90ページをお開き願います。
 なお、平成21年度の重点事項等、主な事業の内容につきまして御説明申し上げまして、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 まず、2款総務費3項地域振興費1目地域振興総務費46億3、403万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。右側の説明欄をごらんください。まず、4行目の地域振興推進費は、広域振興局等におきまして、市町村、NPO及び民間との連携、協働のもと、産業振興を中心とした圏域の活性化に向けた施策を推進しようとするものであります。次の草の根コミュニティ再生支援事業費は、地域コミュニティが持つ多面的な機能の維持、再生を図るため、市町村の集落支援員等を対象とした研修会の開催や元気な地域の事例の発信などにより、地域コミュニティへの支援体制の強化を図ろうとするものであります。次のいわて学推進事業費は、県民一人一人が郷土を愛し誇りを持って情報発信していけるよう、地域の特色ある取り組みなどさまざまな機会へ県民参加を促進しようとするものであります。次の地域総合整備資金貸付金は、地域の振興等に資するため、県内民間放送事業者2社が行う地上デジタル放送の施設設備整備に対し、金融機関と協調し、貸し付けを行おうとするものであります。次に、1行飛びまして、NPO協働推進事業費は、県民の参画と協働による地域づくりを推進するため、各種研修等を行おうとするものであります。次のいわて文化芸術王国構築事業費は、本県の文化芸術の振興を図るため、広域振興圏ごとの文化芸術ネットワークの構築、文化芸術資源の映像発信等を行おうとするものであります。次に、4行ほど飛びまして、県北・沿岸広域振興圏政策形成費は、地域資源や地理的条件を生かした政策形成の強化等を図るため、海洋産業の振興に向けた指針の策定や県北圏域と八戸圏域との交流、連携を促進しようとするものであります。次のいわてへの定住・交流促進事業費は、本県への定住と交流を促進するため、市町村及び関係団体と連携し、多様な情報発信や首都圏における相談会を中心とした総合イベントの開催等を行おうとするものであります。
 次に、91ページをお開き願います。2目市町村振興費31億2、213万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の市町村総合補助金は、分権型社会の確立と産業の振興による自立した地域を構築するため、市町村が取り組む事業を支援しようとするものであります。次の市町村優先の行政システム構築事業費は、市町村と県の役割分担を明確にし、住民、市町村及び県が共通認識のもとで権限移譲等を推進しようとするものであります。次に、3行飛びまして、合併市町村自立支援交付金は、合併旧法下で合併した市町村が、自立に向けた新たな行政課題等に先導的に対応していくために必要な取り組みに対して交付金を交付しようとするものであります。次の合併市町村地域力向上支援交付金は、合併新法下で合併した市町村が、合併後の地域づくりを円滑に進め、住民自治を促進するために必要な取り組みに対して交付金を交付しようとするものであります。次に、2行飛びまして、市町村振興宝くじ交付金は、災害関係あるいは地方債資金として市町村への貸し付け原資や市町村への交付資金として活用するため、財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものであります。
 次に、3目情報化推進費13億1、852万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の地域情報化推進事業費は、ブロードバンド・ゼロ地域の解消、携帯電話不感地域解消及び地上デジタル放送への円滑な移行など、地域情報化に係る課題について、戦略的方策を検討し、総合的、効率的に解決しようとするものであります。次の携帯電話等エリア整備事業費補助は、市町村が行う鉄塔施設等の整備を支援することにより、携帯電話の利用可能エリアの拡大を促進しようとするものであります。
 次に、4目交通対策費8億2、625万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。次のページに参りまして、1行目でございますが、三陸鉄道運営支援事業費のうち、三陸鉄道強化促進協議会負担金は、三陸鉄道の経営改善を支援するため、当協議会が実施する誘客促進事業等に要する経費の一部を負担しようとするものであります。また、三陸鉄道運営費補助は、三陸鉄道の経営を支援するため、関係市町村と連携して財政支援を行おうとするものであります。次に、1行飛びまして、並行在来線対策事業費のうち、いわて銀河鉄道経営安定化対策費補助は、いわて銀河鉄道経営安定化基金から、通学定期運賃の軽減など会社の経営安定に必要な経費を補助しようとするものであります。また、いわて銀河鉄道指令システム整備事業費補助は、東北新幹線青森開業に伴い、IGRいわて銀河鉄道が整備する指令システム構築に要する経費に対し、関係市町村と連携して支援しようとするものであります。次に、1行飛びまして、県立病院再編支援バス運行費補助は、地域の中核的な県立病院への直通バスの運行に要する経費を引き続き市町村に対して支援しようとするものであります。
 次に、5目国際交流推進費1億2、144万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の国際交流推進費は、語学指導等を行う国際交流員の招致や県内在住外国人が暮らしやすい多文化共生の地域づくり等を通じて、地域の国際化を推進しようとするものであります。次のグローバルネットワーク推進事業費は、海外県人会との交流や海外技術研修員の受け入れを通じて、国際的なネットワークの維持拡大を図ろうとするものであります。次の東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費は、東アジアを中心とした各国からの県内大学等への留学生に対する支援や中華人民共和国大連市からの研修員受け入れを通じて、本県との密接なネットワークを形成しようとするものであります。
 次に、96ページをお開き願います。5項選挙費ですが、1目は、選挙管理委員会経費として5、343万円余、2目は、選挙啓発費として323万円余、3目は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に要する経費として10億7、889万円余をそれぞれ計上しております。
 以上で地域振興部関係の歳出予算について説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇関根敏伸委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇三浦陽子委員 それでは、私のほうから三つほど質問させていただきます。
 まず、ITの活用策についてですが、川井村で高齢者世帯の健康状況を把握する取り組みがなされていると聞いておりますが、その現状と成果、そして今後の県の取り組みについて伺いたいと思います。
 二つ目には、定住・交流促進事業について、最近、農業に従事する目的で県内に定住者が増加しているとのことですが、現状と課題について伺います。また、離県しないような取り組みを考えているか伺います。
 三つ目に、本県の留学生の実態をどのようにとらえているか伺います。生活相談支援システムはどのようになっているか、また、本県から海外へ留学している人たちの状況の把握や相談システムなどの支援は整備されているか伺います。
〇桐田IT推進課総括課長 川井村におきます高齢者世帯の健康状況を把握する取り組みということでございますが、川井村と岩手県立大学が平成15年12月から協働でNTT東日本のLモードというシステムを利用しまして、独居高齢者の安否を確認する取り組みを行っております。平成21年3月現在におきまして30名の方が御利用になっているということを聞いております。
 この利用者の方々にどのようなものかということをお聞きしたところ、毎朝Lモードの電話機に触れる、あるいは受話器をとることで、Lモードがお友達、それから毎朝のメッセージが役に立つ、それから1日の生活の毎朝の仕事というふうに、安否確認システムといったものを利用しまして、安心感、楽しさ、生活の張りというものができて、非常に好評だというふうに伺っております。
 それから、実際のところ、調子が悪くて安否確認に応答がないので職員の方がそのお宅を訪ねたら、実際に体調が悪くて、すぐ救急車を呼んで事なきを得たことが3度ほどあったということで、孤独死というような最悪の事態を防いだのではないかと現場のほうでは評価しているところのようです。
 ただ、このLモードというシステムはNTTがつくっているんですが、平成22年3月をめどに終了を検討しているという状況が発表されておりまして、川井村におきましては、岩手県立大学と協働で平成20年度に新たに開発をいたしましたICT活用予防型安否確認システムというものをつくって、この3月に移行するというふうに伺っております。
 県といたしましては、このような川井村の取り組みもあるように、こういう情報通信機器の活用ということは、高齢者福祉はもちろんのこと、さまざまな行政ニーズにこたえられると考えておりまして、ICTの活用は今後とも積極的に図っていくべきだと考えております。
 こういう県立大学の取り組みなどとも連携いたしまして、平成18年11月にIT推進課に市町村地域情報化サポートセンターというものをつくっておりますので、引き続き市町村と密接に連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇鈴木地域振興支援室長 岩手への定住・交流についてでございますけれども、委員御案内の本県への新規就農者につきまして農林水産部から聞き取りいたしましたところ、合計200名中、Uターン者が139名と3分の2を占めている状況ということでございます。
 今般の雇用情勢につきまして、知事も申し上げておりますように、危機を希望に変える契機だととらえておりまして、1次産業へ誘導いたしまして、農林水産部と連携しまして就農を促進させる必要があると考えてございます。
 次に、定住・交流促進事業の現状と課題ということでございますけれども、現在の取り組み状況でございますが、ホームページや首都圏での相談会などで積極的に情報発信を行っておりまして、本年度は2月までに延べ11万件の情報を発信してございます。まだ本年度は2月末現在の数字でございますが、これは昨年度全体の実績を既に上回ってございます。
 それから、モデル市町村を選定いたしましたり、定住交流アドバイザーを派遣いたしまして、受け皿となる市町村の取り組みを支援してございます。その結果、平成19年度におきましては991名の定住実績となってございます。本年度も、就職や就農などを含めまして、1月末現在で808名の方々が岩手県内に定住ということでございます。前半は地震の影響で苦戦しましたけれども、後半に盛り返している傾向にございます。
 次に、課題でございますけれども、こういった取り組みは各都道府県が行っておりまして、競争が激化してございます。したがいまして、それに対応しまして、他県との差別化を図っていかなければならないのではないか。それから、移住希望をなさる方々のその行動段階に即した対応が必要だと考えてございます。それから、何よりも生活の基盤となります雇用機会の確保ですとか、あるいは住宅など、地域における受け入れ態勢の強化が必要であろうと考えてございます。
 このため、今までも取り組んでまいりましたけれども、その取り組みをさらに充実させるとともに、平成21年度におきましては、首都圏における相談会を中心とした総合イベントを開催しようと思っております。そして、岩手の魅力を積極的にアピールしたい。それから、先ほど申し上げました行動段階に応じた市町村と連携したプログラムや受け入れメニューを策定いたしたい。それから、広域圏ごとのサポート体制を強化するということで、振興局にいる職員のコーディネート機能を高めたいと考えております。こういったことを通じて課題に対応してまいりたいと考えてございます。
 それから、離県しないような取り組みということでございましたが、先ほど申し上げましたように、地方振興局の職員がサポーターとして一応100名ほどおりますので、そういったサポーターと連携いたしまして、相談者や移住された方々の段階に即しましたきめ細かなフォローアップをしたいと考えてございますし、何よりも受け入れの主体となる市町村における取り組みを強化するということを進めてまいりたいと考えております。
〇岩間NPO・文化国際課総括課長 続きまして、本県留学生の実態についてのお尋ねでございます。
 まず、本県留学生の実態及びその生活相談支援システムの状況についてお答え申し上げたいと思います。
 まず、本県に在学しております留学生でございますが、平成20年5月1日現在で342名でございます。これを昨年同時期と比較いたしますと8名の減となってございます。
 御参考までに国籍について御紹介申し上げたいと思いますが、中国からの留学生が167名と最も多く、5割を占めてございます。続いて韓国96名、マレーシア24名、モンゴル14名等の順になってございます。
 こうした留学生の生活相談支援の関係につきましては、一義的には留学生を受け入れる各大学のほうで適切に対応しているということで承知してございまして、具体的に御紹介申し上げますと、例えばチューター制度でございますとか留学生のパートナー制度。
 チューター制度につきましては、大学が日本人学生の中からチューター、個別指導員を選定いたしまして、留学生の指導教員あるいは国際交流センターの教職員と相談しながら留学生を日常的に援助するというシステムでございます。それから、留学生のパートナー制度につきましては、留学生の大学内における各種手続の支援等を行うこと等を目的といたしまして、会話のパートナーでございますとか、あるいは日本語指導等、学生の中からボランティアを募集して適切に対応してまいっている、こういった制度でございます。
 こういった制度によりまして、それぞれ留学生への生活支援あるいは学習支援が効果的に行われているというふうに承知してございます。
 こうした各大学での取り組みとあわせまして、県といたしまして、岩手県国際交流協会との連携、協力のもとに留学生に対する奨学金の支給でございますとか、あるいは県内大学あるいはジェトロ盛岡貿易情報センターとの連携のもとに県内就職への支援活動を進めているところでございます。
 続きまして、本県から海外への留学生の状況、それから相談システムなどの支援が整備されているかというお尋ねでございます。
 県内から海外へ留学を行っている方々の人数についてでございますが、実は大学を休学して自費留学をするとか、あるいは短期留学も行われているところでございまして、県として総体的な全体的な把握は実は行ってございません。ただ、岩手大学から聞いたところでは、学術交流協定を結んでいる海外の大学がございまして、そういった大学との交換留学あるいは語学留学等の制度を活用いたしまして海外へ留学してございまして、その数は毎年10名以上に上っているということでございます。
 こうした本県から海外へ留学を希望する方々に対しまして、県では、国際交流協会との協力、連携のもとで留学情報等の収集、提供を行ってございまして、その支援に努めているところでございます。また、同様に県内の大学におきましても、留学相談窓口の設置でございますとか、あるいは相談カウンセラーの配置、援護、支援等が行われまして、積極的な支援を行っているというふうに聞いてございます。
 県といたしましては、こうした留学生の本県の受け入れに係る支援でございますとか、あるいはその環境整備について、今後におきましても引き続き関係団体あるいは機関との協力、連携をより密にいたしまして、本県における学生生活の安定でございますとか、あるいは多様な留学情報の提供等に一層努めてまいりたいというふうに考えてございます。
〇三浦陽子委員 御丁寧にありがとうございました。
 最初のITの活用策、NTTとの契約が切れて県立大学の新しいシステムに切りかえられるということですが、やはり今お話を伺ったように、高齢者の方々にとって非常に心強い味方といいますか、そういうツールになっていると思うのです。今、非常に皆さんに御心配をおかけしている地域医療のあり方についてですが、そういう高齢者世帯の方々にこのシステムを積極的に導入していただくことによって随分安心感が違うと思いますし、できれば病院との間にそういうシステムがあれば、急激な変化にはちょっと難しいかもしれないけれども、ふだんのいろいろな状況が把握されるということで、大変すばらしいものになるんだろうというふうに思いましたので、ぜひとも県内全域に、特に高齢者の方々が多い地域に活用していただけるような取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
 それから、定住・交流促進についてなんですけれども、私も最近知ったんですが、御主人が岩手県出身で県外で学校の先生をしていて定年で奥さんと一緒にこっちに戻ってきて、奥さんが伝統芸能に触れて、それでとても楽しく、そしてまた初めて農業に触れて、毎日がとても生きがいがあるんだという話をお聞きいたしました。やはりそういう地域に根差した生活ができる態勢というのは、その方のいろいろな感性の問題もあるかもしれませんけれども、地元の方々と一緒に何か活躍、活動できる、そういう仕組みをもっと積極的に取り組んでいただくと、もうここから離れられないということにもなると思いますし、私自身も北海道から出てきて大変皆さんによくしていただいたのでこうやってここにおりますけれども、いずれその地域の方々の思いやりの気持ちというのがとても大きいと思いますので、そこら辺の取り組みをしっかりやっていただけたらというふうに思います。
 それから、3番目の留学生の実態のことですけれども、やはり中国の方が多いんだなということをまた改めて認識いたしました。私も岩大の留学生の方々と接する機会がありまして、やはり細かいところの相談がなかなかできないというようなお話も聞きましたし、その国の政治的な背景とかいろいろなこともあって非常に苦しんでいるような雰囲気を感じたこともありましたので、そういうきめ細かな対応が県としてもできたらいいのではないかというふうに思いました。
 あと、やはり生活が非常に苦しそうなんですね。奨学金制度があるというのはもちろんわかっていても、本当に朝早くから夜遅くまで勉強しながらバイトをして、本当にそれこそお皿洗いをしながらやっている、そういう留学生が結構見受けられますので、その辺の生活の支援といいますか、そこをもうちょっと、奨学金だけじゃない部分で何かできないのかなというような思いもあったんですが、その辺、その三つについてお伺いしたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 高齢者とつながるというキーワードでITを考えた場合には、おっしゃるとおり非常に有効で効果的な道具立てだと思っております。
 県といたしましては、高齢者の方々に安心して生活していただけるように、また、高齢者の方々が住まわれる地域がより振興していくためにブロードバンドの整備が必要だと考えて、強力に市町村と連携をとりながらその整備を図っているところです。それはまだまだ途上ではありますが、ブロードバンド・ゼロ地域の解消を目指して一生懸命頑張っております。
 なお、高齢者の方々につながるネットワークを整備しても使われないといけないと考えておりますので、先行して取り組んでいる川井村の事例とか、これまで取り組んできている市町村も、高齢者の方々を含めた町民の方々が使いやすい装置ということを第一に考えて、事前に展示会を開いて触ってみて、導入しようと思う市町村は非常に機能がたくさんあって便利だぞ思っても、実際に使っていただくと難しくてわからないと。ボタンの数が少ないほうがいいとかという声を聞いて、結果的にそのようなものを導入しているという事例がありますので、そういったことも参考にしながら、より使いやすい、そういう基盤整備を図っていきたいと考えております。
〇鈴木地域振興支援室長 御指摘のように、伝統芸能は、文化振興のみならずコミュニティの維持といったものにも重要であろうと思いますし、それから農業は担い手の問題もございまして、どちらも県政の重要課題だというふうに考えてございます。
 したがいまして、そういう地域に根差した活動に入りやすいような配慮といったものを受け入れ先の市町村と一緒になって推進してまいりたいと考えております。
〇岩間NPO・文化国際課総括課長 2点御質問をちょうだいいたしました。
 一つ目はきめ細かな支援というお尋ねでございます。
 これから、留学生だけではなくて県内に在住する外国人の方々がふえてこようかと考えてございまして、今後、多文化共生という視点は非常に重要だというふうに考えております。
 留学生に限った施策ではございませんが、県内に在住する外国人の方々を対象といたしまして、例えば県で国際交流協会とともに、日本語サポーター制度でございますとか、あるいは生活支援サポーターを養成したりとか、あるいは外国人の方々のネットワークの形成等を進めてございまして、各市町村の国際交流協会あるいは各種団体と連携をとりながら、こういったきめ細かな施策を今後とも展開してまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、二つ目のお尋ねでございますが、アルバイトとか、非常に生活が苦しいのではないかというお尋ねでございます。
 留学生につきましては、昨今の経済情勢でございますとか、あるいは円高の関係等で非常に経済的に余裕がないという話が報道されたりしてございます。平成19年に行いました外国人留学生の生活状況調査ということでこういった調査をしてございまして、その中で、やっぱり留学生は経済的になかなか余裕がなくて、勉学あるいは就職活動に容易に集中できない状況にあるという問題点が指摘されてございます。奨学金等についてはさまざまメニューがございますが、生活奨学金だけではなくて、そういった生活する上できめ細かな相談体制でございますとか、あるいは生活をしていく上でのフォローとかについては、受け入れ側の大学あるいは国際交流協会、私どものほうでも認識しております。関係機関、関係者と十分に協議を進めながら、さまざま効果的な施策を展開していきたいというふうに考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 2点お尋ねします。
 最初に一つ、地域総合整備資金貸付金1億2、600万円、そして去年は1億9、000万円、先ほど部長の説明で地上デジタル放送の整備に向けて2社にということでしたけれども、これはなぜやっているのか。2社ということはどういうことなのか。他社はどういうふうにしてやっているのか説明してもらえればと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 地域総合整備資金貸付金の関係でございますが、この事業内容についてまず簡単に御紹介させていただきますと、この整備資金につきましては、地方公共団体が地域総合整備財団及び金融機関と協調いたしまして、創意工夫による民間活動を長期・無利子融資により支援するものでございまして、本県におきましてはさまざまな事業にこれまで支援をしてまいりましたけれども、最近におきましては、平成23年の地上デジタル放送の移行に伴いまして、大幅に設備投資が増加する民間事業者を支援し、現行の視聴エリアを確保することを目的といたしまして、平成18年度から民間放送事業者の地上デジタル放送施設整備事業に対し、貸し付けを行ってきているところでございます。
 平成20年度につきましては、当初1億9、000万円で、IBC1、000万円、めんこいテレビ1億8、000万円の貸し付けを予定しておりましたけれども、めんこいテレビのほうの事業計画の見直しによりまして借入額を減額したいということで、2月補正におきまして4、000万円の減額をしたところでございます。
 平成21年度の予算額につきましては1億2、600万円ということでございます。IBCが8、400万円、めんこいテレビが4、200万円ということの2社を予定してございまして、各事業者の事業計画、資金計画に基づきまして計上しているところでございます。
 他社についてはどうなのかということでございますけれども、まず、テレビ岩手につきましては平成18年度に貸し付けを行った実績がございまして、平成18年度で貸し付けを終了してございます。まだもう1社あるわけでございますが、それぞれの事業者の事業計画、そして資金計画というところで、この地域総合整備資金貸付金を使うかどうかという経営の判断で選択いただいているものでございまして、私どもといたしましては積極的にこの資金を活用していただけるよう、毎年、市町村あるいは民間の事業者、金融機関を集めての説明会などを行いましてPRをしているところでございますが、今のところ平成21年度に関しましては2社からの御要望がある、こういう状態でございます。
〇嵯峨壱朗委員 次に、携帯電話等エリア整備事業費補助1億5、052万円計上されております。平成20年当初予算では移動通信用鉄塔施設整備事業費補助という名目だったと思うんですけれども、これが2億5、031万円と1億円ほど減額になっておりますが、本来ならば要望がいっぱいあると思うんですけれども、減額になっているのはなぜかなと思って聞いてみました。
 あと、名称が変わったことによって何か事業内容に変更があるのかお知らせ願いたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 携帯電話についてでありますが、平成20年度当初予算の2億円と申しますのは、4カ所でありました。盛岡市、一関市、岩泉町が2カ所。それに対しまして、平成21年度の1億5、000万円と申しますのは、2カ所、久慈市と岩泉町でございます。
 なお、名称変更につきましては、国が携帯電話に対する補助事業のメニューを組みかえいたしました関係で県の補助要綱、予算事業についても変更いたしました。
 名称が組みかえられたということの実質的な内容でありますが、国のほうでは、電波利用料を財源とする仕組みに変えたということで組みかえということであります。
 事業の補助率につきましても、解消するエリアの世帯数が100世帯未満の場合は従来は2分の1の補助だったんですが、3分の2にするというふうに拡充が図られているところです。
〇嵯峨壱朗委員 四つから二つになったということですけれども、需要は多いんだと思うんです。携帯電話不感地域解消目標数というのがございますが、これで見ると今年度見直しているわけですけれども、117カ所という形で要望がふえているということですね。そういったことからすると、減額しないでもっと整備すべきかなと思って聞いているんです。
 というのは、やはりグリーン・ツーリズムを含めてですけれども、観光地が意外と奥に行ったりとかすると携帯電話が通じないという不安と不満があるんです。国道沿いでも電話が通じない箇所も何カ所もあります。そういったことを考えると、要望も多くなっているわけですし、そういった要件も入っておりますね、観光地とか幹線道路とかについてもカウントされているわけですからふやしていいのではないかと思うんですけれども、なぜふえなかったのか、減ったのかというのを知りたいんですけれども。
〇桐田IT推進課総括課長 携帯電話の不感地域の解消につきましては、国庫補助事業を活用した整備と、それから携帯電話の会社が直接事業を行うというふうに、大きく二つに分けて推進しているところです。117カ所というふうに要望箇所が再調査の結果ふえておりまして、平成21年度と平成22年度にかけての要望箇所は、79カ所が整備する必要があるというふうになっておりまして、79カ所のうち、補助事業をもって解消したいと市町村が計画しているところが3カ所ございます。ですから、その3カ所のうち、平成21年度予算には2カ所予算計上したということでありますので、県の予算上は着実に解消に向けて努力をしているというふうに認識しております。
 残りは事業者に整備してほしいという状況でありますけれども、この国庫補助事業につきましては、国の支援制度等によって、市町村は実質上負担がほぼゼロに近いわけですが、そういう補助事業を使わないで民間事業者にやってほしいという要望を少し市町村に詳しく聞いてみますと、鉄塔を市町村が財産として管理するということについては、後々なるべくそういうことはしたくないというのが第1にまず理由があるようです。それから、補助事業におきましても、市町村が何とか補助事業を活用して携帯電話会社につくってほしいと仮にお願いしたとしても、最終的に携帯電話会社にそこは利益が上がらないから難しいよと言われると、国と県と市町村が補助事業を使いたいと思ってもなかなかうまくそれが実現しないという状況にありますので、通信事業者にまずみずからつくっていただくためにどうしようかということを昨年4月に立ち上げました基盤整備の戦略会議の中の携帯電話部会で携帯電話会社といろいろ深く議論をさせていただいたところが、補助事業を要望したから単純に整備に向かうというわけでもなく、どういう環境にあって、どういう利用者が今後見込まれるかというような細かな現地の情報をもうちょっと詳しく提供してくれないかということを言われて、県も市町村もそのような情報交流が必要であれば、それは積極的に連携していきたいということで、残りの79カ所のうち事業者にやっていただきたいと思っている76カ所については、そのような携帯電話会社とのより深い連携と情報共有のもとに解消していきたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 私からは、岩手ソフトパワー戦略の一環として、芸術文化振興とその情報発信についてお伺いいたします。
 知事演述では、今年度は平泉の文化遺産の世界遺産登録に向けての再出発や、岩手文化芸術振興指針に基づいた豊かさを感じ伝える国岩手の実現などを挙げられました。その成果に期待するものであります。
 岩手ソフトパワー戦略は、歴史、文化、芸術などと県産品や観光などをいかに総合的、有機的に結びつけ、取り組めるかがポイントと思います。また、この取り組みはある程度中長期的なものと考えます。このような視点から、いわて文化芸術王国構築事業の展開と取り組み方についてお尋ねいたします。
〇岩間NPO・文化国際課総括課長 お答え申し上げます。
 いわて文化芸術王国構築事業の関係についてでございます。
 御案内のとおり、昨年度、文化芸術振興基本条例を制定いたしました。岩手の文化芸術のすばらしさ、こういったものの県内外への発信等を振興の視点としてございまして、また、その条例に基づきまして、昨年12月でございますが、文化芸術振興指針を策定いたしまして、四つの柱で今後岩手の文化芸術の振興を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 こうした中で、こういった振興指針を具体的に進めていく事業の一つといたしまして、委員御紹介のありましたいわて文化芸術王国構築事業を今回予算として提案させていただいてございます。
 具体的に御紹介を申し上げたいと思います。一つ目は、いわて文化芸術ネットワークの形成でございます。これにつきましては、文化芸術関係者だけではなくて、広く地域全体の総力を結集していくという視点でございまして、指針に定める目標の達成に向けまして、新たに文化芸術県民会議、仮称でございますが、こういったものを4広域圏において設置する予定にしてございます。
 構成メンバー等については、これからまた各地域と検討を進めてまいりたいと考えてございますが、現在、想定してございますのは、例えば自治会の連合団体の代表でございますとか、あるいは文化施設、芸術文化協会、さらには商工団体、市町村等を想定してございます。
 運営につきましては、全体で全体会を2回程度、分科会を5回程度開催したいというふうに現在のところ考えてございます。
 また、あわせまして、4広域の振興圏に文化芸術振興活動のアドバイスを行うアドバイザーを設置する予定にしてございます。アドバイス機能といたしまして、文化芸術鑑賞活動あるいはサークル活動へのアドバイス等を行って各種調整機能を果たしていきたいということでございます。これが一つ目でございます。
 それから、もう一つでございますが、文化芸術資源の総合的把握等の一環といたしまして、映像発信事業を予定してございます。これは、対外発信すべき代表的な文化芸術資源、本県は全国に冠たる民俗芸能の宝庫というふうに称されてございます。こういったものを保存しながら対外的に発信をしていきたいということで、DVDの作成を進めてございます。
 DVDにつきましては2種類を考えてございまして、一つは普及版でございます。民俗芸能の概要の紹介で、ナレーションつきでございまして、芸能のハイライト映像等を中心とするものでございます。これは既に今年度分については取材、編集を終了してございます。それから二つ目、演目版も作成する予定にしてございまして、県内の民俗芸能の代表的な演目を通しで紹介をするものでございます。通し映像7から10演目程度を予定してございます。
 今年度につきましては神楽のDVD化を進めてございまして、平成21年度以降につきましても、例えば念仏剣舞でございますとかしし踊、田植踊等、計画的に進めてまいりたいと思います。
 こうした推進体制の整備でございますとか対外的な情報発信体制を充実いたしまして、指針の目標の達成に向けて総力を結集してまいりたいというふうに考えてございます。
〇関根敏伸委員長 この際、議事進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇亀卦川富夫委員 今、岩手の芸術文化のすぐれたものを後世に残すといいますか、今後とも普及していく、こういうことでお聞きしましたが、この映像発信、これは多分県内だろうと思います。そこで、対外的にどのようにこれを発信していくかということもソフトパワー戦略で私、大変大切なことだろうと思います。
 一つの例として挙げますが、これは地域振興部にとって直接的なものかどうかは別にいたしまして、このソフトパワー戦略の一つとして東京の銀河プラザの活用をちょっと考えてみたいと思うんですが、御案内のとおり、県のアンテナショップとしてもう10年を迎えたわけですが、東銀座、歌舞伎座前という立地のよさもあって、首都圏における岩手の魅力紹介は特産品を通して一定の成果をおさめております。しかし、岩手の風土、文化などの情報発信についてはポスターやパンフレットレベルでありまして、今後の工夫が大切であるのが現状と思うわけです。
 そこで、今お聞きいたしましたこのような岩手の芸術文化、こういったものを、岩手の持つ豊かさと信頼、こういったことを映像によって情報提供する、こういうことが私は可能だろうと思うんです。例えばこの銀河プラザにネットワークを接続いたしまして、ディスプレーなど電子的な表示機器、例えば200インチクラスの大型LED画面を使って岩手の情報を発信するシステムのようなものが考えられると思うんです。ここで平泉の薪能あるいは早池峰の神楽、先ほどのお話のすぐれた芸術文化、こういったものを発信することによって、首都圏において銀河プラザ等で鑑賞することが私は可能だろう、このように思うんです。
 これはほかにもソフトパワー戦略ということで、芸術文化のみならず、四季折々の岩手の風土、お祭り、あるいは各種イベント、あるいは農林水産業の現場からの情報、企業の紹介、あるいは岩手競馬もその一つであろうと思いますし、議会中継なども可能ではないかと思うんです。これらの情報発信、こういったものは交流人口の拡大、あるいはいわゆる岩手ソフトパワー戦略の目的達成に十分つながっていくのではないかと。
 そして、このネットワークによる映像発信、これは、例えば県内の情報産業界、先ほどもお話ありましたが、ブロードバンド整備、これについては、広大な県土でありますので、我が国においては後進県ということになっておりますが、その中で、岩手のCATV、今、9社か10社あると思いますが、ここが大変奮闘しております。こういった岩手のCATV各社と有機的に連携することで先ほど申し上げたような発信が私は日常的に可能だと思うんです。
〇関根敏伸委員長 亀卦川富夫委員に申し上げます。この際、質疑は簡潔明瞭にお願い申し上げます。
〇亀卦川富夫委員(続) はい。
 そこで、こういった映像素材、こういったものを作成、そういったことを十分情報産業の育成という観点からも取り上げていただきまして、ぜひそのような進め方をすることがソフトパワー戦略においては大変大切だろうと思いますが、地域振興の観点からお答え願えればと思います。
〇岩間NPO・文化国際課総括課長 ただいま御指摘のございました情報発信手段といたしましては、例えばインターネットによる動画配信でありますとか、県内外の施設にある視聴機器を活用して、より多様な情報提供の手法というのは非常に重要であるというふうに認識してございます。
 例示としてお示しいただきました銀河プラザにつきましては所管外でございますので、ここでは文化芸術情報の発信という視点でお答え申し上げたいと思いますが、こういった大型ディスプレーの設置については、より効果的な情報発信の手法の一つというふうに認識してございます。構造面あるいは費用面等の課題があるというふうにも認識してございます。関係部局と連携しながら、その導入可能性等について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
〇亀卦川富夫委員 部長にお尋ねしたいと思いますが、このソフトパワー戦略、今、所管がそれぞれあるんですね。例えば教育委員会にまたがるもの、あるいは農林関係、あるいは商工労働観光、さまざまであります。したがって、このソフトパワー戦略を進めるに当たって、非常に全庁的あるいは部局横断的と申しますか、そういったものが必要だと思います。
 そうしますと、どこがそれの中心になっていくかというのは物によって違ってくるのかなと。これ、どういうふうにやっていったらいいのか。これまでいつも横断的とか全庁的と言いますが、なかなか実例がない。そういった意味で、やはりモデルとして、ただいま私が取り上げたようなものを、どこが中心になるかは別にしても、ぜひそういう進め方というのを考えてほしいと思うのでありますが、御所感をお伺いしたいと思います。
〇藤尾地域振興部長 文化政策の進め方ということでございますが、文化政策はあらゆる領域にまたがっているということで、委員御指摘のとおり、我々行政機関とすれば各部局にいろいろ関係してくるわけでございます。したがって、そういった包括的なものでございますから、全庁挙げて総合的に進めていくということが必要になるわけでございますが、このたび、昨年12月に策定いたしました文化振興指針、これは当然そういった包括的に進めるという前提で策定いたしたものでございますので、我々は、つまり県としては、全庁、そこに掲げる目標達成に向けて、実効性を常に認識しつつ、連携して取り組んでいくということを確認いたしておりますので、したがって、議員の方々にも、あるいはまた県民の方々にも、そういった振興指針に基づいて、包括的に、かつ総合的に進んでいるのかどうかといったようなことを常にチェックしていただくために、必要に応じて情報提供しながら、そのようにして進めていきたい、そのように考えております。
〇五日市王委員 私のほうからは、広域振興局体制の整備の基本的考え方中間報告について何点かお伺いいたします。
 総括質疑でたしか工藤勝子委員のほうからもいろいろ御質問があったと思いますが、これまで中間報告を発表した後、各市町村長さん、あるいは地域説明会、またパブリックコメントを行ったと思うのですが、その総括をどのようにとらえているのか。県北広域圏に限ってで結構でありますので、お答えを願います。
〇千田副部長兼地域企画室長 広域振興局体制の整備に関する基本的な考え方案中間報告に関する地域説明会の反応などについて、特に県北地域においてということでございますが、地域説明会については1月上旬から中旬にかけて県内26カ所で開催しておりまして、延べ参加者が1、000人を超えてございます。
 御意見につきましてはパブリックコメントで829件いただいておりますが、主なものは、いわて希望創造プランの目標を達成できるように広域的な産業振興に取り組むべきである、また、県北、沿岸も含めて、そういった地域の振興のために手厚い配慮が必要である、さらに、広域振興局長には十分な予算と権限を与えるべきである、また、行政センターには必要な権限を付与して、予算も縮小しないなど行政サービスを維持してほしいといった要望が寄せられてございまして、また、本局の位置についても御意見が寄せられてございます。
 現在、これらの御意見を踏まえながら最終案の検討を進めておりますが、いただきました御意見等について十分に検討を加えるとともに、地域の多様な主体の総力を結集する地域経営の考え方を基本に、さらに地域との意見交換を重ね、地域の特色を生かした取り組みを展開できる最も望ましい広域振興局体制を構築していきたいと考えております。
〇五日市王委員 今のお話の中でもありましたが、いずれ本局の位置の件に関してでございます。
 新聞報道等でもいろいろございましたが、いずれ二戸圏域は、本局の位置に関して4市町村長及び四つの議会から反発が出ております。位置の考え方白紙撤回あるいは2局体制をこのまま維持していただけないかというのが県北の総意でございます。
 そういった中で、私も実は昨年3月の予算特別委員会においても、いわゆる産業振興も進んでいない、あるいは合併も進んでいない、久慈との一体感もまだできていない、そういった状況で平成22年4月スタートというのはまだ時期尚早ではないかというお話もさせていただきました。つまり、2局体制のままでいいのではないかというようなお話もさせていただいておりまして、県北地域からも総意で2局体制を維持してくれという提案が出されているわけですが、まずは、このことに対する見解と、今後そういった意見を取り入れて計画が変更される可能性があるのかどうかについてお伺いいたします。
〇千田副部長兼地域企画室長 二戸地域における意見に対する見解等についてでございますが、県北広域振興圏にありましては、これまで地方振興局が果たしてまいりました役割を引き続き維持すべきである、また、圏域の一体感の醸成が図られるまでの間は、二つの地方振興局体制を維持すべきであるといった今後の取り組みへのさらなる期待があったものと認識しているところでございます。
 しかしながら、広域振興局体制に移行する事情といいますのは、地域からの若年層を中心とします人口流出や、また、特に県北・沿岸圏域の場合には、自動車や半導体関連企業の集積等が進みます県央・県南圏域との格差拡大の懸念、特に、昨年秋以降、急激に経済情勢が悪化している中で、いわて希望創造プランにより、これまで以上に効果的な産業振興施策などを展開しながら、市町村優先の行政システムの確立に向けた支援をさらに強化していくということが、急務であると考えているところでございます。
 一方で、知事部局が4、000人未満の職員体制のもとで現在の二つの地方振興局体制を維持した場合には、単なる職員体制のスリム化となってしまって、企画機能が分散されたままで、申し上げましたような課題等に対応する実効ある施策展開も、なかなか期待しがたいところでございまして、また、集約によりまして生み出すこととしておりました市町村支援のための体制も、整えることがなかなか難しいといった事情がございます。
 さらに、極めて厳しい財政事情のもとで、広域振興局体制移行によって、見込まれる人件費等の削減により生み出す財源を、新たな地域振興施策の財源として配分していくといったこともできなくなるといった問題がございます。
 したがいまして、現行の二つの地方振興局体制を維持することについては困難でございまして、当初の計画どおり、平成22年4月から4広域振興局体制に移行すべきであると考えているところでございます。
〇五日市王委員 本局の位置に関しては、何も久慈の本局を取り返すというか、二戸にしてくれと言っているわけじゃないんです。要は、今までどおり、まずもうちょっと時間をかけてやってもいいのではないかというお話なんですね。二戸地域は、もう総意でそういうふうに要望を出しているわけです。そうなると、例えば、今度、3月に素案を出すとしますけれども、同じような結果にしかならないと思うんですね。
 その辺は、今、県立病院の問題がありますが、命にかかわる問題とは、またこれは別でございますので、もう少し時間を置いて、二戸、久慈双方が一体感を持つまで、2年でも3年でもいいですが、そういった間、今のまま2局体制を残す考えはないのか、もう一度お伺いいたします。
〇千田副部長兼地域企画室長 現在、県全体でいろいろ振興局体制を考えていきます中で、県南をモデル的に平成18年度先発したところでございますが、二つの地方振興局体制というものを、地域によってそういうことを考えていきますと、4広域振興局体制で考えておりました広域振興局による足腰の強い地域の振興ということから一層離れていくのではないかという懸念を持っておりまして、なかなか難しいのではないかと考えております。
〇五日市王委員 難しいというお話でございます。まず、それはちょっと置いておきまして、先ほど副部長からも、いずれこれまで以上の地域振興をやっていくんだというお話がございました。ただ、地元にしてみれば、いわゆる県北・沿岸振興の観点が見えてこないとか、あとは、地域振興の観点が、この広域振興局をやることによってどうなるのかというのが見えてこないというような不安といったものがございます。
 その辺については、今後、その広域振興局体制になって、県北の振興策というか、そういった方向性が今どのように検討されているのかお伺いいたします。
〇千田副部長兼地域企画室長 広域振興局体制での県北地域を中心とした振興の方向性についてでございますが、県北・沿岸振興については、これまでも県北・沿岸振興本部を中心としまして、平成18年に策定いたしました県北・沿岸圏域における産業振興の基本方向、さらには、いわて希望創造プランに基づいて各般の産業振興施策を展開してきているところでございまして、県北圏域における具体的な成果ということにつきましては、体制整備の面では、ものづくり産業や食産業を支援いたしますカシオペア産業振興センターの整備や、農家への栽培技術指導を実施する園芸産地確立サポートセンターの設置などの産業振興体制の強化を図ってきておりますし、また、県北地域産業活性化協議会、県北ものづくり産業ネットワーク、食産業ネットワークの設立、さらには、二戸地域雑穀振興戦略会議の設立などの広域的な産業振興ネットワークを構築してきております。
 産業振興の成果でございますが、この結果、平成18年度からこれまで、新たな企業立地について5社、企業増設が8社を数えております。最近は、地域の食資源を生かしました食品加工業が、二戸市への立地を決定したところでございます。
 また、二戸管内の雑穀の生産拡大は、平成15年に58トンでございましたが、平成19年には268トンと大幅に拡大してきておりますし、園芸作物の販売額の拡大、あるいは浄法寺漆の生産量の拡大、平成18年には800キログラムでございましたが、20年12月には1、200キログラムといった成果が出てきております。
 広域振興局体制移行後におきましても、八戸圏域との交流、連携を促進しながら、地域資源を生かした食産業、ものづくり産業や体験型観光の振興とともに、地域産業を支える農林水産業の振興を図って、いわて希望創造プランに掲げた県北圏域の将来像の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 このために、県北広域振興局の産業振興部門の構築に当たりましては、本局に産業振興部門を設置しながら、圏域全体の産業振興施策の企画立案や推進を担う一方で、県央や県南には置かない予定の産業振興を担う行政センターを設置することとしておりまして、管内市町村、企業、関係団体に対する個別の支援や情報収集等の各地現地業務を行うなど、産業振興のための体制を特に強化していきたいと考えております。
 特に、二戸地域におきましては、主要産業であります農業振興を図る観点から、課題ごとに関係部署横断による農商工連携プロジェクトチームを設置したり、市町村の産業振興部門との人事交流による連携を図るなど、運用面においても十分配慮してまいりたいと考えております。
 こうした地域の特性に応じた実効性の高い広域的、専門的な……。
〇関根敏伸委員長 この際、答弁は簡潔、明瞭にお願い申し上げます。
〇千田副部長兼地域企画室長(続) はい。
 こういった工夫を加えながら、最終的に6月の実施計画案で詳しくお示ししていきたいと考えております。
〇五日市王委員 いずれ、スケジュールでいきますと、3月に素案を出して、6月に最終決定ということだと思います。3月も、今のままで行けば、当然、二戸広域からは反発が予想されるわけでございます。
 その件につきまして、例えば、二戸は2局体制を維持してくれとこぶしを上げておりますから、なかなか久慈の皆さんとは今、お話できないような状況になっているわけですね。だけれども、二戸圏域の総意ですから、例えば、二戸の総意はこうなんですよというお話を久慈の皆さんに投げかけることも一つの手だと思うんです。久慈の皆さんも、今の体制を残すということであれば、もしかすればいいと言うかもわかりませんよね。その辺、やっぱり二戸の総意を受けて、何かそういうふうな行動をしていただけないものかどうかもお伺いいたします。
〇藤尾地域振興部長 広域振興局の本局の位置に関しまして、先ほど副部長が答弁いたしましたとおり、さまざまな意見をいただいているところでございます。本局がいずれであっても、当然、行政サービスとか地域振興面で格差があってはならない。それから、これまで地方振興局が果たしてきた役割というものがあるわけでございますが、そういったものとの比較におきましても、従前と比較して、できるだけ利便性等について確保していく、そういったことを基本にいたしまして、副部長の答弁にもあったわけでございますが、特に県北・沿岸の地域特性といったようなものを考えながら、県南の場合と同様の行政センターであっていいというふうには我々考えておりません。
 したがって、そういった皆様方からの御意見なども踏まえ、あるいはまた、市町村からもさまざま具体的な提案等も寄せられておりますので、そういった具体案を検討する過程の中で、できるだけ最大限に反映できるような形で検討を重ねていきたい、そのように考えておるところでございます。
〇五日市王委員 最後にいたしますが、いずれ、これまでのいろいろな御意見を聞いて、3月素案の発表があるということでございますが、現在検討している新たな取り組みが何かあれば、お伺いいたします。
〇千田副部長兼地域企画室長 現在、検討しております新たな取り組み等についてでありますが、パブリックコメントでいただきました県民の皆様からの御意見や市町村長等との意見交換を踏まえながら、現在さらに検討を加えているところでございますが、柱建てといたしましては、基本的に12月の中間報告と変わりないものと考えておりますが、広域振興局体制の整備の基本的考え方の最終案といたしましては、県民の皆様方に、より一層御理解をいただけるように、各部門別の行政センターの設置先、それから主要な職の設置案とその権限、さらに広域振興局の業務運営のあり方など、より詳細に、また新たな項目を追加するなど作業を進めております。
 中でも、新たな取り組みとして具体的なものは、広域振興局長を補佐するために、県南広域振興局同様に、沿岸、県北の広域振興局に、現在の地方振興局長と同程度の権限を有する副局長を設置することといたしまして、沿岸、県北の広域振興局においては、行政センター化する地域に勤務してもらって、そこで当該地域での対応や本局との連携に配慮するということを考えております。
 また、本局の職員が行政センター化する地域に出向いてのサービスの拡充、所管区域にかかわらず、どの本局、行政センターでも申請等を受け付けることができないかどうか、そういった利便性の維持、確保に努めることなどを検討しております。
 なお、最終案の公表後におきましても、県民の皆様方から広く御意見をいただくとともに、市町村との意見交換等を行い、それらを踏まえ、6月を目途に四つの広域振興圏の地域特性を踏まえ、4広域振興局の組織や業務内容などを実施計画案としてお示しし、引き続き、多くの方々との意見交換等に努めてまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 下手な字で質疑要旨を出しましたのでお読みになれたかどうかわかりませんが、何点か質問させていただきます。
 まず、市町村合併についてですが、平成18年におきましては五十何市町村あった数が35市町村、大分合併が進んだわけでありますが、これからは、なかなか前回のような合併はそうないのかと思いますが、県の見通しをお伺いいたします。
〇浦上市町村課総括課長 県としては、合併推進構想というものを平成18年に策定しておりまして、これは、合併新法というものに基づいて策定したものでございますが、その中で八つの組み合わせというものを示させていただいております。
 その中で、現在、宮古市と川井村が、昨年7月に法定協議会を設置いたしまして、今月までに8回の協議を行い、合併期日を平成22年1月1日と確認したところでございます。
 二つ目は、釜石市と大槌町で、昨年11月に大槌町議会で合併協議会設置議案が否決されましたけれども、2月中旬、大槌町の住民有志が、両市町の合併協議会設置を求めて直接請求を行っているところでございます。
 また、その合併推進構想の組み合わせ以外でも、奥州市が昨年、平泉町と金ケ崎町に対して、合併に関する事務レベルの研究会の設置を申し入れているところでございます。
〇熊谷泉委員 基本的に県のスタンスを聞きたいんですが、当該の市町村が、基本的には自分たちの意思で合併は決めるものだと思いますが、大分世の中が変わってきまして、どうしても、やはり合併したほうがいいという事例もあるのではないかと思うわけでございます。あくまでも頼まれ仲人でいて、大体でき上がったカップルをそこで仲人するのと、今の農村の嫁不足みたいに、なかなか大変なところに入って、そこをまとめ上げる、そういう時期に入ってきているのかと思います。
 簡単に申し上げますが、実は私、平成19年、20年と市町村要望で県南のほうを続けて2回回らせていただきました。一つは、前回の平成18年のときの合併に、協議会にも入れてもらえなかった、例えば、そこへ行くと、庁舎も大分古くなって、財政的に皆さん頑張っておられて、非常に大変な事態なのかなと見てきました。つらつら思えば、財政的なものがあってなかなか協議会にも入れなかった、あるいは、平泉のように、名誉にかけて、ある意味、名前にかけて、そういう意思でやられたところもあります。
 一つは、県のかかわり方として、ここに協議会等への職員派遣とか、大体話がまとまったら1、000万円出すというような予算になっているようですが、私は、そういう合併も一つのあり方だと思うんですが、合併をしなければどうしても大変だという地域があるのではないか。そこへのかかわりをもうちょっと踏み込んで県も支援すべきだと思います。
 時間がないので具体的に言います。その市町村の名誉もありますのであえて名前は出しませんが、畑作の国営パイロットでかなり大投資をした、当時の判断で、それはそれとしてよかったと思いますが、現実は、でき上がったものは3分の1も瓦れきの山で、農地にもならない。こういう例は全国にあるわけですが、その辺の、いわゆる国の償還をもう少し何とかしてもらうとか、具体的な事例に援助してやらないと、なかなか周りの市町村も納得しない。その辺、県ももっときめ細かい政策を持ってそこまで踏み込んでやる気があるのかないか、それを伺いたいと思います。
〇浦上市町村課総括課長 市町村の一方が合併を強く望みながら、合併に向けた取り組みに進展が見られないような場合と理解しておりますが、そういった場合は、やはり委員おっしゃるとおり、きめ細かい対応をしていきたいと思っております。
 まずは、合併協議の障害となっているものは何かということをきちんと明らかにして、その障害を除去するために、県、それから市町村、地域住民、その他多くの関係者の方々が、それぞれの役割をどう果たしていけばよいのとかということを整理した上で、一つ一つ解決していくことが必要かと考えております。
 県としては、これまでも、いろいろと説明会を通じて議論の働きかけをしたり、それから、県と市町村とで共同して研究会を設置して、住民に対して説明資料を作成したりというような取り組みをやってまいりました。
 今後とも、合併を望む市町村の取り組みに対しては、広域振興局等と連携しながら、情報提供、助言、関係市町村への働きかけなどの支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 なかなか課題は単純にいかないと思いますが、大変前向きな御答弁ありがとうございました。
 それから、もう一つ、先ほど三浦陽子委員も質問しておりまして、私もダブっておりますが、岩手の定住・交流促進について、ちょっとお伺いしたいと思います。
 団塊の世代を1、000人ほど定住させるということのようですが、大体、団塊の世代というのは岩手に何を求めているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 岩手に求めているものという御質問でございますが、私ども、一応、団塊の世代とは銘打ってございますけれども、団塊の世代に限らず、あらゆる年代層の方に、岩手においでいただきたいと思ってございます。
 それで、岩手県のみを対象としたような調査ではないのでございますし、団塊の世代に限定したものでもございませんが、ふるさと暮らしを決める条件としての調査という首都圏で行われたものがございます。それを見ますと、多い順に申し上げますと、まず、自然環境がよいこと、それから、気候がよいこと、住むところがあること、仕事といいますか就労の場があること、医療施設が充実していることといったものが上位を占めてございます。
 それと、岩手県独自の調査というのは、例えば首都圏での相談会ですとかでお聞きしているものがございますが、それによりますと、移住しようとする場合に、そういう方々が必要な情報として挙げているものは、やはり、先ほどもありましたが、病院、介護施設等の医療機関の情報、あるいは家賃、物件等の住宅情報、それから交通機関、買い物等に関する生活情報、それから気候などの情報が欲しいというものが多うございます。
〇熊谷泉委員 あとはまとめてお伺いしますが、昨年991名程度の定住があったということですが、大体その方々はどこにお住まいになったのか。先ほど、病院が近いとか住宅があることというお話がありましたが、今、岩手県で一番の課題のことでありまして、なかなかすべてそこを満足するような場所は限られてくるかと思いますが、昨年まで住宅供給公社で売れ残った宅地があるわけですが、その辺の提供をされているのかどうか、あるいはそういうものをある意味、買いやすい方法で提供する方法等もあると思いますが、それをお伺いいたします。
〇鈴木地域振興支援室長 どこに住んだ方が多いかというきちんとした情報はございませんが、一般的に人気の高いところとして、遠野市あるいは奥州市などが挙げられてございます。
 それから、住宅供給公社の情報でございますけれども、平成20年10月以降は、住宅供給公社が清算中でございまして情報提供は行っておりませんが、9月までは、公社と連携いたしまして、首都圏において積極的なPRをしてまいりました。
 今後は、売れ残った土地につきまして、関係市町村等が販売するといったような場合には、ホームページ等により、連携して情報提供を行っていきたいと考えております。
〇熊谷泉委員 どこへ住んだかよく統計がとれていないというお話ですが、市町村と連携をとるのであれば、その住まわれた方に、思いがあってそこへ住まわれた、ある意味の一つの傾向が出てくると思いますので、その辺はきちんと精査して市町村に情報を流すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇鈴木地域振興支援室長 おっしゃるとおりでございまして、官民で構成するいわて定住・交流促進連絡協議会というものがございますが、これに全市町村が加入してございます。そこで事例の紹介ですとか、情報提供、情報交換などを行っております。
 それから、例えば移住を検討している相談者の情報が県のほうにありました場合には、関係市町村に対して迅速に情報提供する。あるいは県のホームページとかパンフレット等で、市町村がどういう対応ができるかといったような情報を提供する。それから、首都圏イベントの相談会を共同で実施するといったようなことを通じて、市町村と連携して進めてまいりたいと思っております。
〇熊谷泉委員 ことしは1、000人程度ということでございますが、やはり福島あたりまでの東北のところが一つの競争の場所になってくるのではないかと思いますが、他県に負けないように、よろしくお願いします。
 終わります。
〇高橋博之委員 私のほうからは1点に絞って、この定住・交流促進事業についてお尋ねします。先ほど、熊谷委員、それから三浦委員からも質問がありましたので、ダブらないように質問させていただきます。
 事業費が来年度倍増するようでありますが、その理由について教えていただきたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 いわてへの定住・交流促進事業費が倍増しておる理由ということでございますけれども、先ほども申し上げましたが、定住・交流について、各都道府県が一生懸命取り組んでございます。したがいまして、都道府県間の競争が非常に激化していると。そういう中で、首都圏等において、岩手県の存在感を増すような取り組みが必要なのではないかと考えてございます。そのために、首都圏での移住、就職、就農といったものについての相談会を中心としました総合イベントの開催経費、これは昨年度はございませんでしたが、それを計上したことによるものでございます。
〇高橋博之委員 実は、大変高く評価しておりまして、昨年991人、今年度も1月時点で808人という数字がありましたが、これは青森、秋田、隣県を突き放して、群を抜いている数字であります。しかも1、000人近い人数なんですが、この1、000という人数以上の効果があると思っていまして、県内の元気のある地域を見ていますと、よそから入ってきた、いわゆる風の人と呼ばれる方々がキーマンになっている事例が大変多いんですね。ですので、そうやって外から人を住まわせるということは、その数字以上の大きな効果があると思っております。あえて地域振興部の地域振興支援室の中に定住交流担当課というものを設置して、専任職員を4人置いたということの成果が、しっかり出ていると思います。
 ホームページですか、あれもアクセス数が全国で第1位です。頻繁に情報を、ホームページのブログも更新して発信している。あるいは、これは非常によくできているんですね、岩手移住指南。これも読んでいると、本当に、ああ、岩手に引っ越してみたいなと思わせるような、大変いい内容になっていると思います。
 以下、さらに定住の促進をするために必要な、私の気づいた点について少しお伺いさせていただきたいわけですが、一つ、この中でも欠けている視点がありまして、それは何かというと、よそから、とりわけ都会からこういう地域に入ってくる方々が心配されているのは、地域の結びつきの強い中に入ってうまくやれるのかということを心配しているとよくお聞きします。これは、その地域の方々との交流やかかわりという視点がないんですね。こういう仕事をやっているという、その仕事に特化をしてさまざま事例を紹介しているわけですが、入っていった地域で、どうやって地域の方々と生活をしているんだという事例もぜひ発信していただきたい。
 それから、もう一点は受ける側です。受け皿の側にも、僕は情報発信するべきだと思います。といいますのも、花巻市の大迫でありますが、これまでも都会から何人か引っ越してきて、実は、その地域の方々が反省していると。なかなかうまく自分たちも受け入れられなくて、5年、6年で帰ってしまった、こういう反省をしておられるわけです。ですので、県内でも、上手によそから入ってきた人と交流をしながら、その方々の力をかりながら活性化に成功している地域があると思いますので、そういう事例を県内の受け皿となるところに発信する必要もあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇鈴木地域振興支援室長 地域の人との交流といったようなことにつきまして、確かに、市町村によって取り組み方に温度差があったということは事実でございますので、私ども、各市町村を回りまして実態をお聞きして、あるいは、去年、移住された方々との情報交換を行いました。そういった場での意見なども踏まえまして、一次的には、市町村である程度ワンストップ窓口みたいな形でいろいろ相談に乗っていただくと。そうしたら、次は地域の、例えば町内会長さんでしょうか、あるいはその地域のリーダーの方々とのつながりをつけるとか、そういったきめ細かい対応が必要ではないかと考えておりまして、その辺、先ほど申し上げましたような協議会の場でも情報交換してございますので、そういった場を通じて、それぞれの市町村のそういったサービスのレベルアップを図っていければと思っております。
 それから、受け皿のほうへの情報発信ということでございますが、おっしゃるとおり、こういうふうにやっているところ、例えば、ここの市町村は、こういう取り組みをしてうまくいっている、あるいはこういう仕組みでうまく動いているといったようなものも、このパンフレットを改訂する際には、ぜひ盛り込んでまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 よろしくお願いします。
 団塊の世代を中心にと書いておるんですが、それ以外の若者もということでしたけれども、具体的に、若者の定住促進にどのように取り組んでいるのか聞いてみたいわけです。といいますのも、今、岩手県の大きな問題の一つに、若者がどんどん県外に流出していく、その流れに歯どめがかからないという大きな課題を抱えております。もちろん産業振興、雇用の問題もありまして、若者の流出に歯どめをかける施策も必要なのでありますが、一方で、やはり私もかつてそうでありましたが、なかなか足元にある豊かさに人間、気づかないものでして、私も18でここを出るときに、もうこんな田舎に二度と帰ってくるかぐらいの気持ちで東京に出ていったんですが、しかし、東京という比較対象を持って初めて、岩手の豊かさに気づいたのであります。
 ですので、若者のUターンあるいはIターン、これをぜひふやしていただきたい。そのことが、やはりこれから何十年この岩手で暮らしていただける若い人がふえるということは、長い目で見てもすごく大きな力になると思うんですが、具体的に若者の定住促進にどのように取り組んでおられるのか。
 それとあわせてお尋ねしますが、やはり農業をやりたいという若者も今ふえていますが、就農支援、先ほど農林水産部とも連携しているという話ですが、具体的に就農支援とどう絡めているのか、その辺の具体策をお聞きしたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 若者の定住促進の取り組みということでございますが、一つには、県内大学に進学なされた、岩大とか岩手県立大学にいらっしゃった方が、できればとどまるといいますか、地元定着していただくための雇用機会の確保というのが、これは雇用対策としてございます。それから、実は、県立大学で検討しておるのでございますが、県外の学生、あるいは県外に就職した県立大学出身者の方のUターンに関する情報提供、就職相談を、県立大学と私どもで連携して取り組んでみたいと考えてございます。
 これは短期的な取り組みでございますが、中長期的には、やっぱり委員おっしゃったように、岩手を愛するような方がふえていただくことが必要かということで、最近、岩手県に教育旅行などに来る小・中学生がふえてございますが、こういうものを通じまして、子供のころから岩手のよさを知っていただく、それから、岩手に親しみ、魅力を感じてもらうといったことを推進したいと思っております。それから、岩手県出身の方ですとか、あるいはいわて文化大使のようなゆかりある方々を通じまして、若者向けの岩手の魅力を発信していきたいとも考えてございます。
 こういった事業を全庁的、総合的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 それから、就農支援との連携ということだと思いますが、一つには、いわてUJIターンというホームページがございます。それから、先ほど委員がお示しいただいたこのイーハトーヴぐらしという冊子にも就農関連情報を載せてございますので、そういったものを通じての情報発信、それから、農業公社と連携した首都圏での相談会の実施等を行っております。
 なお、実際に就農したいという方がおいでになった場合には、その市町村あるいは農業関係団体に御紹介申し上げますし、実際に農業に取り組まれる際には、農業改良普及員とかの御指導もいただけるような配慮をしているところでございます。
〇高橋博之委員 今の答弁を聞いておりましたら、若者の定住促進についてはなかなか具体策を今は持ち得ていないと聞こえましたが、いずれ、若い人たちの価値観も今、相当変わっておりますので、ぜひ研究をしていただきたいと思います。
 これからどんどん地域間の競争が激しくなっていくというお話をさっきされておりましたが、課題として差別化だというようなお話をされておりましたけれども、何で差別化を図っていくおつもりですか。
〇鈴木地域振興支援室長 まず、岩手の魅力を積極的に発信すること、これは今でもやっておりますが、あとは、やっぱり来ていただいた方に満足していただくといいますか、そういうきめ細かい対応、サポートといったものが必要だと思います。
 ただ、そのきっかけとしての情報発信面で、どうしても、首都圏でばらばらにやっていますとインパクトが弱いといったことがございますので、先ほど申し上げましたような総合イベントを何かインパクトのあるものにして、オール岩手の情報発信にできないかということを現在検討しておるところでございます。
〇高橋博之委員 最近、皆さん、オール岩手ということをよく言われるわけですが、今の話だけでは、やはり差別化には僕は聞こえないわけです。例えば、豊かな自然環境といっても、それは別に岩手だけじゃなくて、地方に行けば自然が豊かなところが多いです。あるいは食べ物がおいしいというのも、岩手県はおいしいものがたくさんありますが、それも、地方に行けば、食べ物がおいしい点もあると思うんですね。
 やっぱり岩手の固有のもの、例えば、伝統芸能が多い、それはもう誇れるんだと。数でいってもそうだろうと思います。あるいは、自然崇拝のような、アニミズムのような多神教的な世界観も、岩手というのは全国の中でも極めてすぐれていると思います。
 これは、いわゆる知事が言っているソフトパワーですよ。知事はよく、道義的な信頼を高めて、それで、買うなら岩手のもの、雇うなら岩手の人、住むなら岩手と言っているじゃないですか。まさにここにこそ、常日ごろから知事が言っておられるソフトパワーを発揮すべきところだと思うんですね。そのソフトパワーとの兼ね合いといいますか、これから差別化を図っていく上で、やはりそこを工夫したほうがいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇鈴木地域振興支援室長 おっしゃるとおり、伝統芸能、アニミズムといったようなものは、ソフトパワーといいますか、いわゆる宮沢賢治の心でもあると思います。そういったものを岩手を売り込む、あるいは岩手ブランドとして出していくことによって、岩手がよそとは違うんだということを印象づけ、岩手に来てもらう、あるいは岩手のものを買ってもらうといった観点から、いろいろ進めてまいりたいと思っています。
〇高橋博之委員 10年計画を今立てていて、10年間で1万人に移住してもらうプログラムを策定しているということですが、今の達成状況、去年は1、000人近くですね、ことしもどれだけかわかりませんが、現在の達成状況を見ておると、その1万人という目標はもうちょっと高くできるのではないかと思うんですが、もうちょっと高くできませんか。
〇鈴木地域振興支援室長 我々ももっと高くしたいのはやまやまではございます。現在のところ、平成20年度については、前年度を若干下回っている状況です。特に、最近の雇用状況とかそういったものを反映してか、若干低迷いたしておりまして、なかなか平成20年度につきまして、目標の1、000人というのをクリアするのはちょっと厳しいかと思っております。
 そういうこともございますので、当面は、この目標達成に努め、その後にさらに上を目指したいと考えております。
〇高橋博之委員 今、削るだとか、減るだとか、少なくなるとか、そういう話ばかりの中で、数少ないふえる希望を生み出せる分野だと思うんですね。ぜひ、引き続き力を入れて取り組んでいただきたいと思いますが、最後に、先ほど熊谷委員も指摘しておりましたが、僕は、やはりデータがないというのはどうなのかなと思います。どの地域に、どういったところから行っていて、あるいは年代層も、調べてもデータがないと言われるんですね。それがないと、やっぱり新しい手だてというものを講じることができないと思うので、御面倒だろうと思いますが、ぜひデータの収集を今後課題として取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇鈴木地域振興支援室長 確かに、既存のデータではこういったものはちょっと把握できませんので、ただ、今、県立大学なんかともいろいろ定住・交流についての研究を進めたりしておりますので、そういった方々とも相談申し上げまして、どういった形でデータ収集ができるか検討してまいりたいと思います。
〇菅原一敏委員 午前中には終わらないかもしれませんが、一つだけ簡潔にお尋ねしたいと思います。
 三陸鉄道の運営状況等についてお伺いしたいと思いますが、三陸鉄道は、この4月に開業25周年を迎えるわけでございます。知事演述にもありましたけれども、しかしながら、利用者が減少しておりまして、非常に厳しい経営状況になっているということでございますが、まず、お尋ねしたいんですが、この三陸鉄道の近年の利用状況、利用客の推移、そして、本年度は現在までの動向、これらについて、まずお尋ねしたいと思います。
〇平野交通担当課長 三陸鉄道の利用客の動向でございますけれども、昭和59年の開業以来、基本的には減少傾向が続いてございます。しかし、ここ四、五年でございますが、減少率がやや鈍化いたしまして、横ばいとなってございます。平成19年度におきましては、大体前年度と同じ103万6、000人に御利用いただいておるところであります。
 しかしながら、平成20年度に入りましてから、平成21年1月末現在で申し上げますと85万2、000人ほどとなっておりまして、これは、前年同月と対比いたしまして94.2%となっております。
 これは、やはり本県を襲いました2度の大地震による影響がございまして、団体観光客のキャンセルが相次いだということが主な原因でございます。特に夏場、7月から9月にかけまして、観光の団体客の申し込みが前年対比で約4割から6割にとどまったということが、大きな原因だと思っております。
〇菅原一敏委員 三陸鉄道は、県北・沿岸振興を図るためには欠かせない大変重要な社会基盤、交通基盤であるわけですが、県も市町村も連携をしながら、さまざまな支援をしているわけでございます。
 そこで、新年度の予算ですが、事項別明細書の92ページに三陸鉄道運営支援事業費がありまして、その大部分が運営費補助ということになっておりまして1億5、886万5、000円計上されているわけでございます。定額と書いてありますけれども、この補助の考え方といいますか、経常損失分の補てんばかりではないと思うんですが、どういう考え方でこの定額補助を組み立てておられるのか、簡単でよろしいですからお聞かせいただきたいと思います。
〇菅原交通政策参事 三陸鉄道運営支援事業費のうち、三陸鉄道運営費補助についてでございますけれども、これは、平成12年1月4日に日本鉄道建設公団から鉄道資産の無償譲渡を受けた、その無償譲渡に起因した資産の固定資産税相当額、それから施設等整備に要する経費の会社負担分、これは、平成19年度までは鉄道軌道近代化補助金というものでございましたけれども、平成21年度からは輸送高度化補助金と名前が変わりますが、その際の会社の負担分、それから、三つ目としまして、三陸鉄道の運営の前年度の経常損失額に相当する経費を補てんしているものでございます。
 三陸鉄道につきましては、やはり人口減少、特に少子・高齢化で、一番核となります高校生が減少しておりまして利用客が全体的に減少している中で、やはり運営上は赤字やむを得ない面がございますので、その点につきましては、三陸地域に必要な社会基盤として、やはり支えていかなくてはならないということで、このような支援を行っているものでございます。
〇関根敏伸委員長 菅原一敏委員の質疑の途中でありますが、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休 憩
午後1時3分 再開
〇平沼健副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇菅原一敏委員 先ほどの運営費補助の続きになるわけですが、この運営費補助ですね、県と市町村の負担割合といいますか、三陸鉄道に補助金として行くもののうち、県の部分と沿線の12市町村の分と、その負担割合はどの程度、半々ぐらいになっているんですか、その辺をお尋ねしたいと思います。
〇菅原交通政策参事 負担割合についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、県と沿線等12市町村で5対5の割合で支援しております。
〇菅原一敏委員 今後の経営改善に向けた取り組みについて次にお伺いしたいと思います。
 平成19年に国では地域公共交通活性化・再生法という法律をつくったわけですが、この法律に基づいて地方鉄道の経営改善を進めましょうということになったわけでございます。この三陸鉄道においては、3月3日ですか、日経新聞紙上にも取り上げられておるようですけれども、いわゆる上下分離の方式というものがあるんだそうですが、これは土地、それからレール、駅舎等は沿線の市町村が所有する、そして鉄道会社はこれを借りて列車の運行をする、こういう方式を上下分離方式と言うんだそうです。三陸鉄道では既にこの上下分離に向けた取り組みを始めているというふうにお聞きしているんですが、その取り組みの状況と、それから、これに取り組むことによって沿線の市町村にどういう影響が出るのか、この点についてお尋ねしたいというふうに思います。
〇藤尾地域振興部長 ただいまのいわゆる地域公共交通活性化・再生法に基づくところの国による経営支援でございますけれども、仰せのとおり、この上下分離の仕組みを導入することが言うなればその支援を受ける場合の要件になってございます。
 三陸鉄道では、平成12年にトンネル、橋梁を沿線市町村に無償譲渡しているところでございまして、今回これに加えて鉄道用地を無償で沿線市町村に譲渡し、沿線市町村がこの用地を三陸鉄道に無償で貸し付ける、そういった方式をとることといたしております。
 これに伴う市町村への影響についてでございますけれども、固定資産税、これは三陸鉄道が納税義務者ということで年大体240万円ほど納付しておるわけでございますが、これが沿線市町村にとっては減収になると。240万円ほどです。
 そういったことがございますが、災害時の対応、あるいは通常の保守管理は三陸鉄道が引き続き行うとなってございますので、資産を受けた市町村への大きな影響は生じないというふうに考えております。
〇菅原一敏委員 市町村への影響はないということになるようでございますが、いずれそういう新しい方式を取り入れて経営改善に取り組むということなわけですが、では、このスケジュールはどうなっているのか。そして、このことによって経営改善等にどのような効果があるのか、その辺についてもお聞きしたいと思います。
〇藤尾地域振興部長 まず、スケジュールでございますが、この法律に基づく支援を得るためには地域公共交通活性化総合連携計画といったものを策定しなければなりません。これは現在策定中でございまして、5月を目途に国の認定を受けたいと考えております。
 それから、当然のことながら市町村に鉄道用地等の所有権を移すといったことが必要になってまいりますので、これは9月を目途に各市町村における議会の承認を得て実施したいというふうに考えております。
 この効果でございますが、三陸鉄道はことし25周年を迎えるということでございますが、利用促進を図って収支の改善を図っていくという課題のほかに、実は昭和40年代に整備した旧盛線とか、あるいは宮古線、久慈線、こういった当時の施設を今使っておるわけでございますが、こういったものの老朽化が著しいということでございますから、平成21年から5カ年の経営計画の中においてそういったものの更新をやりたいと考えておりまして、その所要額が大体11億6、000万円ほど予定されております。したがって、地域公共交通活性化・再生法に基づく支援を活用すると。これは具体的には、国の3分の1ほどの補助支援ということになります。額にして大体3億1、200万円余となりまして、そういった支援を受けることが可能となりますので、そういった老朽化の進む施設の更新が進捗するということで、今後の安全運行、持続的な運営の確保に大きな効果があると期待いたしておるところでございます。
〇菅原一敏委員 5月に計画の認定をいただいて8月には市町村の議決ということになれば、早ければ平成22年度からでもそうなるのかなと受けとめたわけでございますが、いずれ国の支援を受けながらの経営改善、ぜひとも急いで取り組みをしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 最後に一つお伺いしますけれども、三陸鉄道では昨年11月に経営改善計画を改定されたとお聞きしているんですが、この改定と今回の上下分離方式の導入はかかわりがあるのか、あるいはないのか。そして、この経営改善計画はどういうところにポイントを置いて改定をされたのか、その辺をお聞きして終わりたいと思います。
〇平野交通担当課長 三陸鉄道の経営改善計画についてでございますが、先ほどお話のありました地域公共交通活性化・再生法による取り組みに基づくところの上下分離の導入と経営改善計画は極めてリンクしたものでございます。
 まず、その経営改善計画の中身でございますけれども、もともと三陸鉄道は平成16年から平成25年までの10カ年間の経営改善計画を定めておりましたが、平成20年度はその折り返し地点、平成21年度から後期が始まるということで、平成20年度におきましてこれの見直しを行ったところであります。
 その内容としまして主な中身を申し上げますと、まず一つは、先ほどのお話にありましたとおり、国の重点的な支援を受けながら老朽化した施設の更新を図るために、まず、上下分離を導入するということをこの計画の中にも明記、明定いたしております。
 それから、2点目でございますけれども、利便性の確保を前提といたしまして、現行のダイヤを4往復削減する、あるいはそれに伴いまして、車両を、現在20両ございますけれども16両に削減するなどによりまして経費の削減を図るということでございます。5年間で約2億4、400万円ほど削減するという計画でございます。
 さらには、3点目でございますけれども、削減一方ではなくて、三陸鉄道の強みであるところでありますが、観光団体の誘客強化を図るということでございます。平成19年度は約8万4、000人の観光客を誘客したわけでございますけれども、平成25年度にはそれを10%はふやす、9万3、000人まで持っていくと。こういった三鉄の強みを生かしながら営業を展開すると。そして、その収益を確保しながら、経費の削減とあわせまして収支の改善を図るということが目標でございます。
 なお、この経営改善計画のお金の面でありますけれども、5年間の経常損失額、トータルでございますけれども約7億8、240万円と見込んでおるところでございます。三陸鉄道では、いずれ可能な限りこの額をさらに圧縮、改善することとしておりまして、その上で、県と市町村が先ほどお話ししましたとおり5対5で必要な支援を行って支えてまいることとしております。
〇菅原一敏委員 最後にしますけれども、三陸鉄道には、三陸鉄道強化促進協議会という県と沿線市町村、民間団体も入っている協議会─支援組織があるわけですが、ここでさまざまな支援の相談をしているんですけれども、どうも県の対応が消極的だというふうに、私もかつてその協議会に参加等もしたことがありますので、そういうふうに感じる場面が多くあったように思っているところでございます。
 いずれ県は最大の株主でありますし、そして前任の地域振興部長が社長に行っているわけですから、県の責任は重大だというふうに私は思うんですが、今後ともさまざまなこういう方式等を活用しながら、国の支援も受けながら、経営改善に向けて、大事な三陸鉄道の維持に向けてぜひとも積極的なお取り組みをしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 部長の御所感があればお伺いしたいと思います。
〇藤尾地域振興部長 三陸鉄道は、三陸沿岸にとってはなくてはならない地域公共交通の基盤であるだけではなくて、やっぱり地域振興のシンボルといったようなことで、観光、その他さまざまな面でいろいろな貢献をしていかなければならないというふうに考えております。
 私ごとで恐縮ですけれども、開業前の昭和58年、三陸鉄道の運営助成基金を創設する担当から三陸鉄道にかかわっておりますけれども、当時から変わらないものと変わったものがそれぞれあります。
 変わらないものは、やはりいろいろな人口減少下で、地域の三陸鉄道を愛するマイレール意識というものは着実に受け継がれているということが一つあります。
 それから、大いに変わったものは二つありまして、一つは、やはり三陸鉄道自身の自律的な企画力といいますか、それから情報発信力、これは物すごく成長、進化したというふうに考えております。昨年1年間だけでも100件以上のさまざまなメディアに取り上げられて、そしてまた話題性を提供しつつ観光誘客に大きな力を発揮しているということが一つありますし、それから二つには、今、社員、プロパー六十数名おりますけれども、大体当時は高校を出てから入社した人がほとんどだったんですけれども、今や会社の中堅として自律的な経営に参画して、会社をリードしていると。いわゆる自治体がそれまでかなりいろいろな手取り足取りといったところがあったんですけれども、自律的に会社を強力にリードしている、そういう人材が育っているというようなことがございます。
 そういった前提のもとで我々も先ほど申し上げた経営改善計画を見直したわけでございますが、どうしても会社だけではできない基盤整備の老朽化といった課題、こういったものはいずれ財政支援制度を活用しながら、きっちりと安全運行ができるようにやっていかなければならないということで県、市町村とも意識が一致いたしておりますし、そしてまた、冒頭申し上げましたように、三陸沿岸振興のシンボルといった面におきましては、さまざまな政策を通じて三陸鉄道の利用促進あるいはまたその発展につながるような取り組みをしていきたい、そのように考えておりますので、何とぞよろしくこれからも御理解と御協力をお願いしたい、そのように存じます。
〇小野寺有一委員 先ほどから地域振興部の審査のお話を聞いておりますと、アニミズムから交通機関まで本当に幅広いお仕事をされていらっしゃるんだなということを感じたところであります。
 お仕事の中であるもう一方の極とも言えるIT、情報化推進のことについてお尋ねしたいと思います。
 私、大変不勉強で恐縮なのでありますけれども、IT推進課というのがいつごろ設置されたのか承知しておりませんけれども、ITを行政上で導入する目的には、主に、多分今まで人手をかけてやっていたものを効率的に行っていく、あるいは人手をなるべくかけないで安価に行っていくという目的と、それから、今まではできなかったことがITを活用することによってできるようになるという側面と二つの側面があると思うわけでございます。
 それで、予算書の情報化推進費というところを見ますと、後半の部分、これから今までできなかったことをITを使ってやっていこうということについては大変いろいろな事業の中で盛り込まれていると思うんですが、行政コストを削減していこうという部分については、逆に主要事業の項目を見ただけでは我々ちょっと理解できないところもございまして、行政コストの削減効果みたいなものをどのように評価していらっしゃるのか。いつの時点からということも難しいのかもしれませんけれども、こういった削減効果が得られたというような実績があればお示しいただきたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 IT活用による行政コスト削減効果ということでありますが、平成17年3月に新しい行政情報化推進計画の実施状況における庁内省力化効果の概要ということで一度整理しておりまして、その行政事務効率化については、業務の電子化による事務作業の迅速化と省力化、情報資産の共有による業務の高度化、電子掲示板や電子メールの利用による紙、コピー経費など事務費の削減、内線電話について、いわて情報ハイウェイを利用したことによる通信費の削減などによりまして、年間で32億8、000万円余の経費削減効果が発生したものと推計しております。
〇小野寺有一委員 平成17年3月にそういった取りまとめがなされているということでありますけれども、ことしは平成21年でありますが、その後、こういった試算とか、あるいは評価といったものは出ているんでしょうか。
〇桐田IT推進課総括課長 現在、平成20年度までにおきまして、行政コストの削減については、例えば一例を申し上げますと、平成16年度にオンラインシステムの経費の縮減を図りまして、それは大型コンピューター、汎用機の性能を調整いたしましたり、出力帳票を電子化したりいたしまして2億7、500万円余、それから、平成17年度から平成18年度にかけまして、ネットワークの経費の縮減ということで、低廉な通信回線への切りかえやネットワーク構成機器の見直しによりまして3億7、100万円余、それから、平成19年度におきまして、また汎用機の経費の削減ということに取り組みまして、それは汎用機のハードウエアのより効率化を図ったということですが、これが約1、300万円など、そのような取り組みをしてきているところであります。
〇小野寺有一委員 行政削減効果があらわれていることについては理解しているところでありますけれども、翻ってITの場合はそれなりの設備投資を行っているわけでありまして、投資対効果というか費用対効果をどのように評価されているか教えていただきたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 投資と効果についての件でありますが、今現在は平成12年ごろから整備し始めたシステムをもとに改善しながら運用しているところでありますが、その大本のシステムをつくりました初期費用が約26億円であります。そういったシステムを運用していく経費が年間18億4、000万円余かかっております。これをもとに、情報システムの平均的な更新期間とされております5年間ということで計算してみますと費用は118億円となりまして、削減効果は、先ほど32億円ほどと申し上げましたが、それが160億円ということになりまして、経費と効果という面でいくと黒字になっているというふうに考えております。
 なお、金額に換算するのはちょっと難しい項目がありまして、例えばそういったシステムを導入しましたのは、県職員の業務の効率化というだけではありませんで、県民の方々への利便性やサービスの向上をもたらすものだということが大きな目的でもあります。その中で、例えば医療分野における電子カルテシステムとか遠隔医療、あるいは農業分野における農産物トレーサビリティーシステム、それから各種情報伝達分野におけるいわてモバイルメールという形で防災情報を県民の会員の方にお知らせしたり、あるいは岩手県電子収納システムということで県の歳入を電子的に収納していただくようなシステムということで、県民生活の向上にも大きな役割を果たしているものと考えております。
〇小野寺有一委員 大変そういう意味ではITを導入された効果が上がっているということで非常にいいと思いますけれども、やはり利便性向上に対しての効果ということと、それから行政コストを削減する効果というのは、やはり不断に点検を続けていかないと、ITの投資というのは非常に大きいものになると思いますので、そういったことはやはり行政削減効果をあわせてずっと継続的にウオッチをしていっていただきたいというふうに思うことと、あと、そういった行政削減効果だけではなくて県民の直接の利便性も大分高まっているんだというお話がありましたけれども、これについても、やはり思ったほどの投資効果が得られないということは往々にしてあることでありますし、それはそれ以外の公共事業でも同じようなことだと思いますけれども、やはりこういった投資対効果を点検していく仕組みというのは継続的に行っていかなければならないと思いますので、その辺の御見解をいただきまして終わりたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 ITのコストと効果につきましては私ども常に意識を持っておりまして、平成21年度当初予算におきましても、情報システム最適化事業という形で、現在、105台あるサーバーを仮想化技術という最近出てきております技術を活用して5台までに削減して、今後、5年間程度の見込みでは1億9、000万円ほど削減できるのではないかと考えているところです。
 したがいまして、そういう我々がつくってきているシステムについてはそのままにしておくのではなくて、より効果が発揮できるように改善を図ることと、コストも下がるように、岩手県集中改革プログラムの情報システム関係経費削減の取り組みという形で一生懸命取り組んでいるところであります。
 それから、システムについては使われて効果を発揮するということだろうと思っておりますので、県職員の間でも有効に活用できるように、情報ハイウェイとかグループウエアについて県職員向けの研修会、あるいはどんな課題があるかということについてのワーキンググループなども昨年度から継続して取り組んでいるところでありますので、内部のそういった意識づけを図りながら、たゆまなく改善を図っていきたいと思っております。
 なお、先ほど申し上げました県民の方々に対するサービスの提供ということでありますので、県民の方々からもさまざまな御意見を伺いながら迅速に対応してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 私もいわてへの定住・交流促進事業についてお伺いします。4人目ですので、重なる部分があると思いますけれども、何点か質問させていただきます。
 知事は、しょっちゅう買うなら岩手のもの、住むなら岩手ということをおっしゃっていますけれども、そういう中で、昨年より大分予算も増額したということで大変評価したいと思います。
 そういう中で、総合イベントということがありました。回数、何回計画しておるのか、そして受け入れ態勢の整備というのは、これは県の整備なのか市町村なのか、そういうことを最初にお願いします。
〇鈴木地域振興支援室長 定住・交流のイベントについてでございますが、これについては、今後、全庁的あるいは各団体あるいは市町村等の御協力もいただきながら詰めていきたいと考えてございます。
 大体考えておるのは、首都圏で例えば今、岩手はどうなっているかといったようなことを強調する、例えば知事が出てのトップセールスみたいなものですとか、あるいは岩手の文化を発信するということで、郷土芸能ですとか、それから観光、食材、そういったものをアピールする場にしたいと思っておりまして、回数としては多分1回になると思うんですが、その前後にいろいろな取り組みをして、なるべく盛り上がりを図るようにしていきたいと考えてございます。いずれにせよ、今後、皆様の御協力を得ながら詰めてまいりたいと考えてございます。
 それから、受け入れ態勢のほうでございますが、これは基本的に市町村が実際に受け入れるわけでございますので、例えば移住したいという方がいらっしゃいましたら、私どものところに相談がありましても、じゃ、どういったところがいいですかと。例えば八幡平市のようなところに行きたいという場合には八幡平市に御紹介申し上げて、実際はそちらで対応していただくと。ただ、私どもとしてもフォローして、何か御不便がないかとか、そういった問題がないかといったことはサポートしていくという体制になってございます。
〇工藤勝博委員 前の質問でも受け入れ態勢といいますか、市町村との連絡協議会といいましたか、それができているということですので、その辺の連携はうまくとれていると思いますけれども、先ほどもありましたが、県内35市町村の地域力によってそういう競争、地域の競争ということになるだろうと思います。そういう中で、モデル市町村を選定して先進的なそういうPRをする予定なんでしょうか。その辺ちょっと詳しく教えてください。
〇鈴木地域振興支援室長 モデル市町村と申しますのは、定住・交流事業に積極的に取り組んでいらっしゃる市町村をある程度点数化して選びまして、要はやる気のある市町村ということでございますので、例えば先ほど高橋委員の御紹介にありましたようなパンフレットなんかではそういったモデル市町村を中心に紹介しております。
 そういった形で、先ほど申し上げた中にもございましたけれども、定住交流アドバイザーを派遣したりですとか、あるいは移住者との意見交換会で発表していただくとか、そういった形で県と市町村が一体となって進めておるところでございます。
〇工藤勝博委員 来週16日ですか、知事が奥州市に行って移住者との懇談会を予定しているということですけれども、今の定住・交流事業とリンクしている知事の懇談会なのか、その趣旨等も教えてもらいたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 当初、来週に知事が奥州、県南広域局管内での移住者の方々との意見交換ということを予定してございました。残念ながらいろいろな事情がございまして、延期といいますか、一たん仕切り直しという形にしてございます。
 ただ、趣旨としては、当然移住者の方々との意見交換を通じて定住・交流を促進していく上での課題とか、そういったものを探りまして、それによって私どもも次なる手あるいは今後の展開、どうしたらいいかということに資したいなということでございます。
〇工藤勝博委員 先ほどのパンフレットの多分先進的な事例だと思いますけれども、そういう方々を知事が直接訪問しながらいろいろな意見を聞いて、イベントのときには実際知事の声、岩手はこういうすばらしいものがあるんだよということをやるためにはやっぱりそれは、今、知事もしょっちゅう草の根訪問していますけれども、ポイントを絞った形でそういう意見交換会をして全国に発信するような場にしていったらいいのかなと思いますけれども、その辺お願いします。
〇鈴木地域振興支援室長 おっしゃるとおりでございまして、そういった今後の定住・交流施策の展開、知事を先頭に取り組んでまいりたいと考えてございますので、そういった移住者の方々の御意見、あるいはいろいろな課題といったものをみんなで共有して進めていこうということでございます。
〇喜多正敏委員 厳しい財政状況の中に0.1%とはいえ拡大の予算を提案されたということで評価しているわけでありますが、地域別に見るといささかばらつきがあるように拝見いたしました。盛岡地方振興局では約15億1、300万円の減額ということで、9%の対前年比減額、それから二戸は16%、7億9、800万円の減額というふうなことになっていましたが、主な減額の理由といいますか、項目はどうなっているでしょうか。
〇畠山地域企画室企画担当課長 広域振興局等の予算に関する御質問でございます。
 広域振興局等の予算に関しましては、主に各広域振興局等の管内におきます公共事業で構成されているところでございます。
 御質問のございました盛岡あるいは二戸の予算比較で大幅に減少しているところでございますけれども、いずれも県土整備部や農林水産部所管の公共事業の事業費が、事業の完了あるいは事業が山場を越えたとか、あるいは事業の年度間の事業量の変動、こういったことによりまして減少したことによるものでございます。
 主なものといたしまして、盛岡振興局管内につきましては、盛岡市の北山バイパス道路改築事業が山場を越えたことによりまして10億2、000万円の減、葛巻町の葛巻東部地区の草地整備事業の事業完了によります2億300万円の減、こういったものでございます。二戸振興局管内につきましては、二戸市の毛無森地区ほかの林道整備事業の年度間の事業量の変動によります4億7、000万円の減、一戸町の街路整備事業上野西法寺線の事業完了によります1億6、400万円の減などでございます。
〇喜多正敏委員 わかりました。
 それから、以前にいただきました平成21年度当初予算のあらまし、2月10日の日付でいただいていましたが、広域振興事業一覧表というのがありまして、県央とか県南とか沿岸とか県北というふうに整理されておられます。36ページであります。
 県央広域振興圏においては県央滞在型広域観光振興事業費380万円が載っていると。県央のほうは1項目でありまして、県南、沿岸、県北は3項目ぐらい載っているということで、何か50万県民から見るといささか寂しいなというような感じがしておりました。それぞれの振興局の考え方によると思いますけれども、ぜひ県央広域振興圏においても、広域振興事業について各市町村と一体となって政策提案をしていただきたいなというふうに思います。これは要望であります。
 以上です。
〇斉藤信委員 最初に、市町村合併の問題についてお聞きします。
 先ほどの総務部長の予算説明で、第1の重点的課題として市町村合併の推進と。今、平成の大合併がどうだったのかと厳しく問われているときに、私は、達増県政のこの姿勢というのは異常な感じがしていますが、まず第1に、陸前高田市、大船渡市、ここでの合併協議会の設置議案、大槌町、釜石市の合併協議会の設置議案がそれぞれ議会で否決されました。これをどういうふうに受けとめているでしょうか。
 もう一つ、全国町村会が、これは10月なんですけれども、平成合併をめぐる実態と評価という100ページを超える膨大な、全国の合併したところ、しないところ、現場を訪ねた詳細な調査を踏まえた報告書が出ています。私は、大変この平成合併に対して厳しい評価が出されているなというふうに受けとめていますが、県としてこれをどういううふうに受けとめているか、何が提起されているか示していただきたい。
〇浦上市町村課総括課長 まず、1点目、陸前高田市、大船渡市、また、大槌町、釜石市の合併協議会設置の議案が否決されたということにつきましてですが、市町村合併については、市町村が住民に対して的確な財政見通しのもとで将来のまちづくりのために必要な情報を積極的に提供して、合併協議会などオープンな場で議論を深めていただきたいと考えているところでございまして、今般、陸前高田市議会や大槌町議会において合併協議会設置の議案が否決されたことというのは、そうした議論の場である合併協議会が設けられなかったということでございますので、非常に残念であるというふうに受けとめております。
 陸前高田市においては、合併協議会の直接請求というのがございまして、必要署名数の3倍の署名を集めて直接請求を行った住民の方々の思いや行動、それから大槌町においては、平成20年8月に住民意向調査を実施して、合併議論の必要ありとした住民が64.5%を占めているという事実がございますので、合併協議会などの議論の場をつくっていただくことを県としては期待しているところでございます。
 それから、2点目の御質問でございますが、全国町村会の調査報告書でございますが、昨年10月に全国町村会が公表した報告書、これは平成の合併をめぐる実態と評価というものでございますが、これによりますと大きく二つありまして、一つは合併によるマイナス効果として、住民サービスの低下、行政と住民相互の連帯の弱まり、財政計画との乖離、周辺部の衰退などの弊害が生じていることや、もう一つは、合併推進の問題点として地方交付税削減などの財政問題、国、府、県の強力な指導により小規模市町村が合併を余儀なくされたことなどが指摘されているところでございます。
 この調査は、全国で合併した団体は570団体ぐらいあるんですけれども、実はこの調査が対象とした団体というのは9団体のみということでございまして、また、その選ばれた団体の選定基準も明らかにされておりませんので、少し調査方法への疑問というものもございますし、また、本県市町村は調査対象に含まれていないので、一概に指摘された事項がすべて我が岩手県の市町村に当てはまるかどうかということは言えないところでございますけれども、県としては、これまでに市町村合併推進審議会による調査とか、それから計48回に及ぶ地域説明会を重ねてきたことを通じまして、特に旧町村部の住民の方々が報告書で指摘されているような行政と住民の連携の弱まりとか周辺部の衰退という不安を強く抱えていることは十分に認識しているところでございまして、この全国町村会の報告書も一つの参考としながら、合併後の特に旧町村部の住民自治の向上ということに努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 合併協議会の議案が否決されたことについて非常に残念というのは極めて印象的な答弁でありました。しかし、これは地域住民の声を反映した一つの自治体の議会の決断だったと。
 特に大槌町では、きのうも議会が行われて、町長さんは、釜石市長が市議会に付議して可決した場合を前提とすると、町議会が否決した場合には法定期限内の合併は厳しいと、町長としては住民投票請求は控えたいと、こういうふうに答弁をしております。現実問題、合併新法の期日からいったら、私はもう事実上厳しいのではないかというふうに考えていますが、この期日の関係でどうなのか、町長さんの意向も含めてですよ。
 あともう一つ、今、全国町村会、すべての合併した町村の調査は難しいと思いますけれども、東大の大森先生、これは県議会でもお呼びして勉強会も開いたんですけれども、学者と町村会のメンバーが一緒になって、この調査の特徴は、政府がやっている合併した自治体から聞くだけではなくて、特に吸収合併といいますか、そういう町村部分の職員とか住民から詳しく聞いて実態を浮き彫りにしたというところに私は大変大きな意義を持つ報告書ではないかと。
 今も報告されましたが、こう言っているんですよ。合併に至った経過で、共通して言われているのは財政問題。結局、地方交付税が大幅に削減されて地財ショックと言われるそういう中で、財政問題で合併を余儀なくされたと。国や県の強力な指導によって合併に追い込まれたという声が強かったと。しかし、合併してみて、財政支出の削減効果は、人員削減、こういうのはあったけれども、しかしそれが住民サービスと結びついているとは言えなかったと。周辺部の衰退、財政計画との乖離、さまざまな弊害が顕在化している、こういう指摘がありました。
 私は今、平成の大合併を冷静に受けとめる、そういう時期ではないのかと。そこを見ないで合併推進に県が走るというふうにしたら、ここで指摘されている国や県の強力な指導でということになりかねないのではないか。そこだけちょっと改めて聞きます。
〇浦上市町村課総括課長 まず、1点目の協議の残り時間の関係でございますが、合併新法につきましては平成22年3月末ということが一つの期限ということになっておりますが、合併協議に必要な時間というのは一律には言えないところでございまして、参考までに、旧法下での法定協議会の協議時間というのは平均201日、約6カ月20日ですので、現時点で合併の実現が難しいとは必ずしも言えないというふうに考えておりますので、やはり改めて合併協議会を設置していただいてオープンな場で議論していただきたいというふうに考えております。
 それから、2点目の御指摘のありました財政問題と、それから県の指導ということが指摘されているということでございますが、まず、この報告書の中で財政計画との乖離ということが一つ言われているところでございますけれども、この全国町村会の報告書の対象団体9団体におきましては、合併する前に計画をしていた地方交付税の額というのと実際の決算額との乖離があって、マイナス12.9%乖離しているということでおかしいじゃないかという話でございますが、岩手県内の合併した市町村につきましては、計画に対して決算額はむしろプラス5.4%となっておりますので、一概にこの報告書のことがそのまま岩手県の市町村に言えるかどうかというと言えないというふうに考えておりますが、財政問題、地方交付税の削減が契機になったということについては、やはり地方交付税については必要な財源を確保する観点から増額維持ということが大切だと思いますので、その点については国に対してもきちんと働きかけていきたいというふうに思っております。
 それから、県の指導ということでございますが、ずっとこれまで岩手県は、そういった合併を最後に決めるのは、最終的な判断は市町村がするという姿勢は崩しておりませんので、ただ、そのためにはやはり議論が必要であって、そういった議論をする場というのを設けましょうということを助言してきているところでございまして、やはりそういった取り組み、まだ時間はありますので、そこで議論をしていただきたいという思いでおります。
〇斉藤信委員 合併まで二百数日だったと。駆け込み合併だったというのが平成大合併の一つの特徴でありました。一たん破綻したものが1月にまたつくられて3月には合併と、こういうことが間々ありました。これは指摘だけにとどめておきます。
 次に、広域振興局の再編について。
 県北、沿岸の広域振興局再編の具体的なメリットは何なのか。農林水産業の振興にとってどういうメリットがあるのか。本局設置予定の久慈、釜石以外の市町村の意見、要望はどうなっているか示していただきたい。
〇千田副部長兼地域企画室長 初めに、県北、沿岸における広域振興局の再編の具体的なメリット等についてでございますが、広域振興局体制への移行は、いわて希望創造プランの実現に向けて、これまで以上に効果的な産業振興施策などを展開しつつ、市町村優先の行政システムの確立に向けた支援をさらに強化していくために行うものでございまして、人口減少や雇用、経済情勢の悪化の傾向が顕著な県北・沿岸広域振興圏におきましても広域振興局体制への移行の効果は高いものと考えているところでございます。
 再編の具体的なメリットですが、県南広域振興局の成果である各種産業振興戦略等の策定によります一体的、効率的な広域行政、さらに広域的なネットワークの形成など産学官連携による地域経営を推進すること、また、県北・沿岸振興を図るため、相対的に職員を重点的に配置すること、また、人件費等を削減し、新たな地域振興施策の財源として振り分けることが可能になると考えております。
 農林水産業の振興についてのメリットですが、従来の地方振興局の枠や商工部門等との部局の枠を超えて情報やスキル等の共有、活用が図られ、地域の資源を核とした食産業戦略の策定、1次から3次産業まで連携したネットワークの構築、大手スーパー、食品メーカー等との連携による商品開発、販路開拓、生産者等の育成などの施策をより効果的に展開できるということがありますし、また、本庁から広域振興局に地域営漁計画の重点課題の支援等や水産流通加工に関する業務を移管することで漁協等とより密接な連携が図られ、生産力と販売力の強化などの施策を現地で完結的に実施できることが見込まれております。
 また、本局設置予定の久慈、釜石以外の市町村の意見、要望ということでございましたが、主なものといたしましては、本局のある地域との格差が生じないように地域経営の具体的な方策を示すべきである。また、市町村優先の行政システム確立に向けて、市民サービスの向上につながる権限移譲を推進すべき。さらに、地方振興局と市町村のつながりができているので、こういった現場主義の取り組みが後退しないように配慮してほしいといったような意見が出されてございます。
〇斉藤信委員 産業振興が理由だと言うんですよね。県南のときにはまだそれは説得力がありましたよ、自動車産業とか半導体産業とかありましたから。しかし、県北、沿岸はそうじゃない、第1次産業が中心でしょう。第1次産業というのは、その地域、地域の特性に応じて振興するんですよね。ところが、例えば二戸、久慈、久慈に集約をしたと。企画部門がそこにあると。久慈から奥中山まで見なくちゃならない。そんな広い範囲の産業振興って、私は現場から離れると思いますよ。地域の特性から離れてしまうと思いますよ。沿岸の場合は、今、水産指導の専門員の配置を地元は強く要望していますね。ふやしてほしいと言っていますね。現場はそのことを求めているんですよ。しかし、企画部門だけ集約をして、じゃ、そういう水産業の振興の知恵が出るのか。
 私は、やっぱり県南と県北、沿岸というのは産業の構造が違いますから、その地域に結びついた産業の振興を考えたときに、一極集中することが結局切り捨てになると、現場から離れてしまうと、そういう危険が大きいのではないでしょうか。
 もう一つ、はっきりしているのは人員削減だけなんですよ。4、000人体制にすると。そのためには人員を減らさなくちゃならない。4広域体制で何ぼ減らせるんですか。私は、この4、000人体制にするための広域振興局というふうにしか、今までずっと議論を聞いてきて、ここしか説得力がないですよ。リストラのための広域振興局再編じゃないですか。そこを示していただきたい。
〇千田副部長兼地域企画室長 初めに、企画機能と現場の仕事が乖離して困るのではないかというふうなことでございましたが、企画機能についてはほぼ集約するような方向で考えてございますが、産業振興のための機能については、県北、沿岸におきましては、そういった部門をある程度の機能をそれぞれの現在の地方振興局のほうにも残しながら、本局と言われる集約化した広域振興局と行政センターで連携をとりながら進めていくということでございまして、現場的な、例えば農林関係の事業であるとか水産関係の事業というものについては、それぞれの合同庁舎において現場機能をこれまでのような形で進めていくことを想定しておりますので、そういった影響については余り懸念はしていないところでございます。
 また、広域振興局となることによって職員数についてどのようなトレンドになるのかということでございますけれども、その件、当面、四千二、三百人のところを4、000人ぐらいのボリュームの職員数で、今後、定数縮減なども含めまして総体的に考えていくと。そういう中で、相対的に重点的に配置するところが必要な広域振興局にはそれなりの配置をしながらやっていくということで考えているところでございます。
〇斉藤信委員 結局、企画は集約して、じゃ、産業振興の担当の専門家は現場に置くと。私、こんなことで産業振興は進まないと思いますよ。関連性がないんですよ。
 それで、今、四千二、三百人を4、000人にすると。200から300人減らすと。ここだけはっきりしているのではないですか。だから、産業振興にとって、地域の振興にとって必要だから広域振興局じゃなくて、4、000人体制にするために、その手法として広域振興局の導入と。
 市町村はよくなると思っていないのですよ、だから。だから先ほども五日市委員から質問があったように、二戸広域はみんなそれに疑義を呈していると。市町村の産業振興にプラスになるんだったら賛成するのではないですか。私、そこに大きな乖離があると思いますよ。いいものだったら賛成するでしょう。いいものとは思えないから、例えば沿岸だってそうですよ。陸前高田や大船渡は釜石に行くというより、だったら盛岡に行ったほうが話が早いと。
 一関の説明会で、これは一関の市長も、県南の本局に行っても話がつかないと、こういう指摘まであるんですよ、県南広域振興局の場合でも。私は、そういう意味では、やっぱり本当に地元に歓迎されるような案を考えなければだめなのではないですか。地元がそれでよくなると。あなた方、産業振興と言うけれども、だったら歓迎されるはずでしょう。それがされないのは何なのか。
 そしてもう一つ、久慈と二戸は立派な合同庁舎をつくったばっかりだ。病院のときもそうなんだけれども、何というか、立派なものをつくって、つくった途端にリストラするんですよ、使えなくしちゃう。こんな後先を見ない県政でいいのかと。その点、部長どうですか、私の質問に答えてください。
〇藤尾地域振興部長 広域振興局体制について幾つかの質問があったわけでございますが、いずれこれまでの地方振興局ではできないような、そういう産業振興に力を入れていくと。県が今現在取り巻かれている財政状況等も考えれば、いかに効率的な、しかも効果的な施策展開をしていかなければならないのかということが切実な要求として迫られている中で、限られた行財政資源を集中と分散によってこういう広域局体制というものを構想していかなければならない、そのように考えております。
 市町村からのさまざまな意見があるわけでございますけれども、いまだその実施計画等を策定している段階ではなかなか、具体的にイメージをすり合わせるといったことはこれからもっとしていかなければならないとは考えておりますけれども、先ほど副部長が答弁したような、そういう雇用、経済が厳しい情勢の中で、こういう情勢であればこそ、市町村と連携をしつつ、広域局体制によって、これまで地方振興局ではできなかったような、例えば6次産業化だとか、あるいはまた何よりも1次産業をベースにした付加価値の高いものをつくって販路を拡大していくところというのは、まだまだ他県との競争においても、あるいはまた国際的なそういう市場もにらみつつ、やっぱり力を入れていかなければならないといった課題というものは存在するものと。そういったものの解決に向けて、行財政資源の効率的、効果的な使い方というものを考えていく上でこの広域振興局体制があるんだといったようなことでございます。
 それから、建物でございますが、これは空きスペースみたいなものは当然出てくるわけでございますが、それは地元市町村と、言うなればさまざまな連携策を模索する中で、市町村にも入ってもらう。あるいはまた、農協とか、そういう産業関係機関も入居した形で、いわゆる合同体制といいますか、そういったようなものも当然我々としては想定いたしておるところでございまして、これは当然地域にとっては貴重な資源でございますので、さまざまな活用策は当然あるわけでございますから、投資した費用以上の効果を回収する、そういうことを念頭に置きつつ、さまざまなアイデアを市町村等といろいろ意見交換を重ねる中で模索していきたい、そのように考えておるところでございます。
〇斉藤信委員 冒頭、限られた行財政資源を効果的にどう使うかと。結局ここなんですよね。リストラが前提になっているからそういうことになるので、だから私は、地域の振興から出発したものではないというところに大きな問題点があって、やっぱり地元の市町村長が十分納得できないのはそこなんだと思うんです。私はぜひ最終案に向かって、やっぱり市町村長ともう少し議論をし合う、いや、県は決めました、やりますよ。県の医療局のようなやり方は絶対、私、してはならないと思いますよ。よく聞く、議論をする、それで本当にましなものになるのか、私はそのことを強く求めておきます、進め方として。2月に決めて4月実施じゃないから、これは6月に決めて来年度だからまだ決め方にも余裕がありますし、そういうプロセスを大事にして、ぜひ地元の市町村が反対する中で強行するなんてことは絶対やらないでいただきたい。
 次に、エコパーク平庭高原、今年度から、これが指定管理者で、これは久慈市と岩泉町に管理委託されました。この利用状況はどうなっているでしょうか、示していただきたい。
〇鈴木地域振興支援室長 エコパーク平庭高原─いわて体験交流施設の利用状況についてでございますけれども、まず、葛巻側の森のこだま館の2月末までの利用者でございますが2万1、025人ということで、平成20年6月から21年2月までの計画数1万8、000人に対して116.8%と上回ってございます。
 また、久慈側のしらかばの湯でございますが、これは、同じく2月までの利用者が1万8、601人ということで、平成20年4月から21年2月までの計画数2万7、500人に対しまして67.6%と計画を下回ってございます。ただし、しらかばの湯につきましては、この施設が開設されたことによりまして、平庭山荘のレストランや自動販売機の売り上げが増加しておりまして、期待した相乗効果により、おおむね見込んだ収入を確保できるものと考えております。
〇斉藤信委員 わかりました。エコパークについては、私、この間、取り上げてきた経過があって、今、実態をお聞きしました。
 最後です。政治資金について、選管の書記長にお聞きしたいと思います。
 私は本会議でも取り上げましたが、民主党県総支部連合会に03年から06年に新政治問題研究会、未来産業研究会、この二つの団体から1、100万円の政治献金がありました。今、特捜部が捜査しているのは、この二つの団体は西松建設のダミーの団体ではないのかということが、疑惑の一つのポイントです。政党支部は、企業献金は、これは可能なんですけれども、しかし、これがダミーの団体だったとなった場合に、虚偽記載ということになるのではないか。こうしたダミーの団体、その原資に裏金が使われていたとしたら、政治資金規正法上どういう問題があるのかお聞きしたい。
〇浦上選挙管理委員会事務局書記長 委員お尋ねの事案につきましては、県選挙管理委員会としては、詳細について了知しておりませんし、また、調査あるいは判断する権限を持ち合わせておりませんので、お答えする立場にないものと考えておりまして、御理解のほどをお願いいたします。
〇斉藤信委員 非常に残念です。今日の新聞には、岩手県に対して、西松建設に係る公共事業の資料提供があったということもありまして、岩手の県政そのものが、この疑惑の中に置かれていると言ってもいい状況だと思います。
 それで、もう一つ私がお聞きしたいのは、実は、民主党の総支部連合会に1、100万円の政治献金があったわけですけれども、この当時の県連会長は、今の達増知事でありました。一方で、達増知事の資金管理団体、世界にはばたく岩手の会、ここには民主党県連からまた寄附をされると。こうしますと、迂回献金じゃないのかという疑惑が出てくるわけです。政党支部を通じて個人の資金管理団体にと。私は、これは、小沢さんの場合もそういう疑惑が出ていると思うけれども、疑われても仕方がない状況ではないのかと思いますが、こういう迂回献金というのは許されるのですか。
〇浦上選挙管理委員会事務局書記長 委員お尋ねの事案につきましても、県選挙管理委員会としては、詳細について了知しておりませんので、お答えする立場にないと考えておりますが、一般的に政治資金規正法におきまして、現行法は、政党は、企業団体献金を受けることができるとされておりますし、また、政党から資金管理団体その他の政治団体に対する寄附は、現行法上、認められているところでございます。
〇斉藤信委員 これで最後にしますが、残念ながら、権限がないというのも事実かもしれません。しかし、今、文字どおり、連日この問題が取り上げられ、岩手の県の公共事業にかかわる疑惑まで指摘されている中で、この徹底究明というのは県議会に課せられた課題でもある、このことを指摘して、私の質問を終わります。
〇及川あつし委員 総括質疑で通告しておりましたけれども、時間の関係で積み残しておりました情報政策の件についてのみ、お伺いしたいと思います。
 きょうの予算の説明でも、市町村に対して、市町村総合補助金を活用してブロードバンドや地デジに対して補助をする予定だと伺っておりますけれども、きょう、三浦陽子委員の質疑でも一部ありましたが、情報政策を県として推進するに当たって、情報政策を所管するIT推進課と市町村総合補助金を所管する地域企画室、まず、この情報政策を推進するに当たって、どういう協議をして事業を推進しているのでしょうか。その経過、中身について、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 情報政策推進に当たりましてのIT推進課と地域企画室との関係についてのお尋ねでございます。
 平成19年度から現在の市町村総合補助金がスタートしております。これにつきましては、市町村の地域自立に向けて取り組む事業を支援するものでございますけれども、地域振興を図る上で重要なブロードバンド整備などの事業につきましても、支援の対象としておるものでございます。
 この支援の制度設計に当たりまして、市町村総合補助金を所管いたします地域企画室とIT推進課を初めといたします庁内関係課との間で、協議を重ね、構築したものでございます。
 なお、個別事業の採択に関しましては、市町村の補助要望を受けまして、事業として妥当かどうかなどを検討した上で、振興局長が採択をしているところでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。そういう協議の中で決まっているということで理解をしましたが、実質は、市町村に対する中身だと思うんですね。前回、決算のときにいろいろ御指摘を申し上げました。その後、私も市町村、今いろいろな事業をやっているところに行って、実態についてヒアリングもいたしました。
 そこでいろいろ伺ってきますと、事業を現場で執行している市町村は、県に求めるのは、もちろん補助金、もっとお金をくれ、しっかり支えてくれというのもありますけれども、より求めているのは、今、この分野というのは新しい分野ですから、全国で、また県内で先進的にやっている事例がどうなっているか、この実施の具体例についての情報提供をもっと欲しいと市町村のほうでははっきり申しておりました。
 この意見に対して、現状、課題、今後の方針についてお聞きするわけですが、なぜこれを繰り返し申し上げるかと言えば、やっぱりこれはモデルが新しいですから、各市町村も、地域の皆さんの意見を受けて、きょうもいろいろ御答弁ありましたけれども、携帯電話にしろ、地デジにしろ、ブロードバンド化にしろ、イントラネットにしろ、いろいろなことをやっていると思います。しかし、情報がいかんせん少ないということで、完全に特定企業の誘導のもとに事業が行われているという実態があるということは、これは繰り返し指摘せざるを得ないと思っております。
 結果として、効率性とか、より安価で、しかも使いやすいものが本当に市町村において実施されているかというと、私は、まだかなりあやしい状況があるなと見ております。ついては、そういう趣旨で今、御質問しておりますので、現状、課題、方針についてお示しいただきたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 市町村の御意見といたしまして、先進的な具体例がもっと欲しいんだという御要望だということですが、県といたしまして、市町村情報化サポートセンターというものを平成18年11月に設置して以降、35団体をきめ細かく御訪問したり、あるいはブロックごとに会合を開いていろいろお話し合いをさせていただいております。
 したがいまして、現時点で県といたしましては必要な情報等については適切に提供しているのではないかと考えているところではありますが、委員もお話があったように、情報通信技術はどんどん進展しておりますし、それから、国のほうも支援制度を微調整して拡充等を図っておりますので、最新の情報が欲しいというのは、市町村の正直な気持ちだろうということで十分理解できるところであります。
 ただ、先ほども申し上げましたように、そういった市町村に対して、市町村とともに悩み、考えようと行動していると私ども考えておりますので、そのような市町村の御意見は、今後も十分に受けとめて、必要な情報を提供していきたいと思っております。
 なお、具体的には、今年度も35市町村に対して延べ100日間、172人という形で御相談に対応しているところでありますし、これまで、首長さんや幹部職員の方に対する研修会なども行っているところであります。
 それから、モデルというお言葉がありましたが、住田町が先進的に取り組んでおりますので、住田町からの先進事例の発表の場を設けるとか、実際に住田町にお邪魔して、現地でいろいろ情報をいただくとかということもやってきておりますし、それから、有線だけではなかなか整備が進まない地域もありますので、無線技術の動向につきましても、無線技術を利用したブロードバンド整備の説明会を開催して、先進的な取り組みをしている方々からのお話をお伝えしているところであります。
 なお、安価で効率的な整備を進めるべきだということについては、私どもも全くそのように考えておりまして、住田町が取り組んだ事例というものも、一つの金額的な、あるいは規模的な面でのモデルになりますので、そういった事例を踏まえながら、適切な事業運営が進むように、繰り返しになりますが、市町村とともに推進してまいりたいと考えているところであります。
〇及川あつし委員 最後にしますが、僕は、住田町は、私が言わんとする意味では、モデルにならないと思っております。それはなぜかというと、質問の趣旨はおわかりいただいていると思うんですけれども、結局のところ、コンサルタントとして請け負った会社が、自分で設計をして、そして、最終的に全部関連企業に入札の指名メンバーを限って、全部そこに落ちる。それで安価で効率的で先進的な例ができるとは、私は思っておりません。
 IT推進課の皆さんが御努力して、平成18年から市町村の情報化推進のサポートセンターをつくっているのも承知しております。その中身も承知しております。大体が国の制度等の説明とか、状況とかの説明をしているようでありますけれども、市町村が本当に求めているのは、やっと補助採択になった、じゃ、これからいよいよ実施しようとするときに、先進的にどういうふうに設計段階から最後の完成、そしてその後の保守点検までやるのかという具体的な事例なんですね。そのかゆいところまで手が届いているサポートセンターなのかというと、御努力は十分にお認めしますけれども、まだまだ努力の余地があるのではないかと思っておりますし、決算の際に申し上げましたけれども、特定の企業の方が、ジャンパーを着て、庁内をうろついて、情報収集をして、そして事業推進といっても、これはよろしくないと思っておりますので、そういう趣旨の質問でありますので、受けとめていただいて、さらに市町村に対してもしっかりとお支えをいただきたいと思います。
 御所見があれば伺って、終わります。
〇桐田IT推進課総括課長 住田町がモデルとなると我々が考えておりますのは、国のIT推進交付金を導入した初の事例でありましたので、住田町は、かなりその事業導入については、細かな点で非常に悩み、苦しんでやっと実現したということでありますので、そういうところが、他の市町村にとりましても、実際に事業をやる際に、より効率的な事業推進に役立つものと考えているところであります。
 なお、特定の企業というお言葉が幾つかありましたが、そういったことについては、我々は詳しく承知しておりませんし、住田町の導入について、ほかの市町村が、そういった点も踏まえて学んでいるかどうかにつきましても詳しくはわかりませんが、今後とも、国の補助制度を活用して、先ほども申し上げましたように、繰り返しで恐縮ですが、県は、市町村と一体となって、ともに悩み、ともに苦しみながら、県民の方々のために情報通信基盤整備に取り組んでまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 やめようと思いましたけれども、ぜひ実態を把握してください。特定企業について知らないということじゃだめだと思うんですね。この実態をしっかりと踏まえて、皆さんがとるべきことがあるということを、改善されるまで私は何度でもこの場で申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
 終わります。
〇平沼健副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇平沼健副委員長 質疑がないようでありますので、これで地域振興部関係の質疑を終わります。
 地域振興部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求めます。
〇保住警察本部長 警察本部所管の平成21年度予算等の御審議をいただくに当たり、予算編成の基本的な考え方について御説明申し上げます。
 初めに、昨年の県内の治安情勢を顧みますと、ここ数年、減少傾向が見られた刑法犯の発生件数、認知件数が、昨年、わずかではありますが増加に転じております。
 また、川井村及び陸前高田市における女性被害の殺人事件などの凶悪事件の発生、振り込め詐欺事件被害の急増などは、県民生活に大きな不安を与えているところであります。
 交通事故の状況につきましては、昨年の交通事故死亡者数は69名と50年ぶりの低い水準となりましたが、高齢者被害の死亡事故、高齢者ドライバーが関係する死亡事故の多発など、極めて憂慮すべき現状にあります。
 さらに、最近の急速な景気の悪化が、治安の不安定要因となることが懸念されるところであります。
 こうした危機を克服し、県民が明るい希望を抱いて前進するには、県民一人一人が、その仕事や生活に安全と安心を実感できるようにすることが、治安を維持するための大前提となると考えております。このため、平成21年度警察予算においては、県民が安全・安心を実感できる地域社会の実現に重点を置いて編成したものであります。
 それでは、警察本部関係の議案について御説明申し上げます。お手元に配付されていると思いますが、議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算についてであります。
 お手元の議案その1の8ページをお開きいただきたいと思います。予算の説明になりますが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、警察本部関係の予算は、第9款警察費287億1、331万7、000円であります。これを前年度予算と比較しますと、金額で2億6、504万6、000円、率にいたしまして0.9%の減となるものであります。
 予算の内容につきましては、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について簡潔に御説明いたしますので、御了承願います。
 198ページをお開きください。第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費でありますが、その内容は、公安委員会の運営に必要な活動経費及び委員報酬であります。第2目警察本部費の主なものは、警察行政運営費でありますが、その内容は、警察職員の給料、交通相談員等の非常勤職員報酬、庁舎光熱水費、警察情報機器の維持管理経費など、岩手県警察の運営に必要な経費であります。次は、199ページであります。第3目装備費の主なものは、自動車等維持費でありますが、その内容は、車両、警備船、航空機の燃料費や修繕費などの維持管理費であります。第4目警察施設費の主なものは、まず、警察署庁舎整備事業費であり、その内容は、老朽、狭隘化が著しい二戸警察署庁舎の移転新築に要する経費などであります。次に、財産管理費でありますが、その内容は、警察施設整備関係職員の人件費、公共下水道との接続に要する経費、庁舎及び各種設備の維持管理経費であります。200ページをお開き願います。第5目運転免許費の主なものは、運転免許試験場等の運営費でありますが、その内容は、自動車運転免許の取得、更新などの運転免許行政のための経費であります。第6目は恩給及び退職年金費であります。
 次に、201ページであります。第2項警察活動費第1目一般警察活動費の主なものは、警察活動運営費でありますが、その内容は、通信指令、警察通信維持費、地域警察活動経費など、警察活動運営に必要な経費であります。第2目刑事警察費の主なものは、まず、犯罪捜査取締費であり、その内容は、銃器、薬物事犯対策、捜査関係旅費や捜査資機材の維持、整備経費など犯罪捜査に必要な経費であります。次に、安全・安心なまちづくり推進事業費でありますが、その内容は、高齢者の犯罪被害防止、スクールサポーターと学校の連携による少年非行防止対策や非行少年の立ち直り支援などに必要な経費であります。202ページをお開きください。第3目交通指導取締費の主なものは、まず、交通警察費であり、その内容は、交通指導取締活動や高齢者の交通事故防止を目的としたシニア・セーフティアドバイザーの活動支援、子供の自転車事故防止を図るための自転車免許証普及啓発事業などに要する経費であります。次に、交通安全施設整備でありますが、その内容は、総合的な計画のもとに、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良、老朽施設の更新などを行い、交通事故防止と交通の円滑化を図るための経費であります。
 以上、御説明申し上げたとおり、県警察では、県民の安全と平穏な生活を守るため、岩手県警察総合治安対策プログラムに基づく施策を引き続き着実に実施していくものであります。
 次に、予算に関連する条例議案について御説明申し上げます。
 初めに、議案第34号岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例案についてでありますが、議案その2の70ページをお開き願います。改正の趣旨は大きく2点であり、一つ目は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の定期見直しにより、自動車運転代行業の認定申請に係る調査等に要する人件費等の減少が判明したことから、手数料を改正すること。二つ目は、一昨年の道路交通法の一部改正に伴い、75歳以上の方が免許証の更新を受けようとする場合に受けなければならないこととされた認知機能検査が本年6月1日から導入されることに伴い、手数料を新たに徴収するとともに、従来の高齢者講習の内容変更に伴い手数料を改正することであります。
 条例案の内容でありますが、自動車運転代行業認定申請手数料、現行1万6、000円を1万3、000円に改正し、認知検査手数料として650円を新設し、また、小型特殊自動車免許以外の高齢者講習手数料、現行1時間2、050円を、認知機能検査の結果に基づいて受ける場合は5、350円に、それ以外の場合は5、800円に、小型特殊自動車免許のみの高齢者講習手数料、現行1時間1、500円を2、350円にそれぞれ改正するものであります。これら手数料の額につきましては、地方公共団体の手数料の標準に関する政令及び道路交通法施行令の一部改正により、手数料の標準が定められており、政令で定める額と同額としております。施行期日につきましては、自動車運転代行業認定申請手数料につきましては、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の施行日に合わせて平成21年4月1日、その他につきましては、道路交通法の一部を改正する法律の施行日に合わせて平成21年6月1日とするものであります。
 次に、議案第74号岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例案について御説明いたします。議案その5の1ページをお開き願います。改正の趣旨でありますが、ただいま御説明申し上げたとおり、改正道路交通法が、本年6月1日から施行され、認知機能検査が実施されることとなりますが、この認知機能検査を担当する者に対する公安委員会による講習手数料を新設しようとするものであります。条例案の内容は、認知機能検査員講習手数料として30分、350円を新設するものであります。手数料の額は、全国統一の手数料が望ましいとして、警察庁から示された額と同様の額としております。施行期日につきましては、平成21年4月1日としております。
 以上で警察本部関係の当初予算及び関連議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
〇平沼健副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 ヤミ金事犯に対する県警察の対応について、まずお伺いいたします。
 改正貸金業法が来年6月に完全実施され、年収の3分の1を超える貸し付けは原則禁止となることから、正規の貸金業者が融資を渋り、お金を借りられなくなった人が、いわゆるヤミ金に手を出すといったことが懸念されます。
 そこで、まずお伺いいたしますが、ヤミ金とはどういうものを指すのでしょうか。警察ではどのように定義しているのか、お尋ねいたします。
〇船野生活安全部長 ヤミ金の定義についてお答えいたします。
 警察の定義といたしましては、一つは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律に違反する高金利事犯、二つ目は、無登録営業など貸金業法に違反する事犯、三つ目は、貸金業に関連し、詐欺や暴行、脅迫などが行われたものを総称いたしましてヤミ金融事犯と呼んでおります。
〇及川幸子委員 もう全く悪いのがヤミ金という感じを今受けました。借り手がいるから貸し手がある。正規の業者から借りられる範囲で分相応にお金を借りることがヤミ金被害に遭わない一番の方法であるとは思いますが、しかし、多重債務者からの相談内容を見ますと、低収入や収入の減少などが借金のきっかけとなっている方も多く、電話1本で簡単に借りられるといったダイレクトメールに、わらをもつかむ思いで申し込んでしまう方もあるのだろうと思います。また、今後、景気の悪化から、多重債務に陥る方がふえるのではないかと懸念されるところであります。
 多重債務問題を目的とした改正貸金業者法では、ヤミ金対策の強化として罰則の強化が盛り込まれておりますが、県警のヤミ金に対する対応とここ数年の検挙状況についてお伺いいたします。
〇船野生活安全部長 警察のヤミ金対応といたしましては、平成15年8月に岩手県警察ヤミ金融事犯取締本部を設置しているほか、昨年4月には、新たに生活安全特捜隊を設置して取り締まりを強化しているところであります。
 また、岩手県多重債務者対策の関係機関、団体などとの情報交換を行っております。
 次に、本県における過去3年間のヤミ金融事犯の検挙状況につきましては、平成18年は2事件、2名、平成19年は7事件、15名、平成20年は9事件、18名をそれぞれ検挙しておりますが、昨年は、件数、人員とも過去最多のヤミ金融事犯を検挙しております。
〇及川幸子委員 昨年は最多の検挙数ということですが、私、ちょっと疑問に思ったことなんですが、県警の警察安全相談では、昨年のヤミ金に関する相談件数はピークだった2003年の10分の1程度となっているようですが、減少の要因をどのように考えておられるのでしょうか。実際、検挙が多いけれども、相談が少ないというのはどういうことでしょうか。
〇島村警務部長 警察安全相談におけるヤミ金融の相談受理件数は、ピークであった2003年の6、940件から年々減少し、2006年には一時増加したものの、昨年は778件と大幅に減少したところであります。
 減少の要因につきましてはさまざまなものが考えられますが、貸金業法等の規制の強化に加え、警察といたしましては、各県における積極的な取り締まり、業者に対する警告の実施、その他、被害防止上の必要な措置を講じたことなどが、減少につながっているものと考えております。
〇及川幸子委員 積極的な取り締まりをなさっている結果ということもうかがえるということですが、若い人たちが、本当にこのヤミ金に走るという現状が大変多うございます。そういう中で、若い人たちにどのようにして今度のこの制度を徹底して知らせるかという部分になるようですが、なかなか警察本部ではこういう徹底の部分ができないということですが、何かの折に、そういうことがもうできなくなるということを知らせる機会というのはないんでしょうか。
〇船野生活安全部長 現在、各署を通じまして、チラシとかインターネットでも広報しておりますので、これからも、そういう被害防止には十分対処してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 いろいろ調査した結果をちょうだいいたしました。それを見ますと、私たちはサラ金と言いますね、このサラ金に走る一番の多いところが、低収入、収入の減少等で走る。そして、やっぱり2番目に多いのが、ギャンブルとか遊びに使われるということですが、世の中を見ますと、大抵のところのパチンコ店の隣には、必ず貸金業者の無人の建物がありまして、安易に借りられるということも大変若い人たちが走るのかなと思っておりますが、その辺についても、まず、警察ではそれも取り締まることができないようですが、どうぞ、今後とも、ヤミ金業者に対しては徹底的に手をつけていただくようにお願いしたいと思います。
 2番目に入ります。振り込め詐欺対策についてですが、昨年、振り込め詐欺の被害が全国的に急増し、本県においても157件、1億3、000万円余の被害があったと承知しております。地域の会合があるたびに、お巡りさんが熱心に振り込め詐欺のお話をしていただき、大変参考になるといった話も伺っております。
 県民の間にも大分意識が浸透してきたように思いますが、まず、これまでの広報、啓発の取り組み状況をお示しいただきたいと思います。
 そしてまた、少し気になりますのは、これまでの口座振り込みに変わって、郵便局のエクスパックを利用するといった手口も出てきているようでありますが、犯罪の巧妙化、多様化に合わせて、今後さらなる対策の強化が必要ではないかと考えますが、御認識を伺います。
〇船野生活安全部長 振り込め詐欺被害防止のための広報啓発活動の取り組み状況でありますが、県民に対しまして、振り込め詐欺の具体的な手口や被害に遭わないための注意事項などにつきまして、県警ホームページやミニ広報紙、報道機関の協力を得て広く情報発信しているほか、巡回連絡や防犯教室、あるいは各種会合におきまして、地域住民と接しながら広報啓発を強化しているところであります。
 次に、ことしに入ってからの被害状況についてでありますが、2月末現在で、認知件数は11件、前年同期と比べまして9件の減少、被害額は約1、715万円で、前年同期と比べまして約31万円の減少となっております。
 手口別では、親族などを装い、会社での金銭トラブルや交通事故の示談金名目にお金をだまし取りますオレオレ詐欺が3件で、前年対比ではマイナス3件、被害総額では約800万円。実際には融資しないのにもかかわらず、融資する旨の文書などを送付いたしまして、保証金などの名目でお金をだまし取る融資保証金詐欺が4件、これはマイナス3件、被害額では約230万円。サイト利用などの架空の事実を口実といたしましてお金をだまし取る架空請求詐欺が4件、被害総額では約690万円となっております。
 また、被害の傾向といたしましては、従来、銀行の現金自動預け払い機を利用した送金方法から、エクスパックや宅急便を利用して送金させる事案が増加しております。
 今後の対策につきましては、依然として振り込め詐欺被害が後を絶たず、定額給付金の給付を装った被害の発生も懸念されますことから、引き続き、自治体や金融機関などと連携し、官民一体となった被害予防活動を強化してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 取り組みの強化で被害も減少しているということで本当に感謝しておりますが、やっぱり遭うのは高齢者だと思います。私の地区においても、80名ほどの地区の会合が、新春のいろいろな取り組みがあったとき、地域の交番のお巡りさんが来て、いろいろパンフレットを回しながら、皆さんに、こういう例があって、こういうふうになると危ないですよということを言っていましたけれども、隣のおばあちゃんが、実際に、私のとこにも来たのっしゃということを言っていました。
 本当に皆さんも、自分だけは絶対遭わないと思っても、必ず遭っているような気がいたしますので、例などもいろいろ挙げながら、地域の署員さんを、お忙しいとは思いますが、そういう会合を利用して、今後もどんどん取り組んでいっていただきたいと思います。
〇樋下正信委員 交通安全施設の整備についてお伺いします。
 盛岡市の盛南地区は、盛岡南新都市開発により新しいまちづくりが急速に進んでおり、人口の増加に伴い、交通量も大変増加し、特に、国道46号を起点といたしました西廻りバイパスの整備が進み、直接国道4号に接続できるようになってから、当該地域の交通量の増加が著しく、交通事故の発生が危惧される交差点の指摘や歩行者の安全確保を求める地域住民の声が、私のところにも届いております。
 この当該地域は、児童の数もかなり増加してきており、通学路としての安全を確保する必要もあることから、道路を利用する地域住民の視点を生かし、安全な交通環境を整備すべきだと考えております。
 こうした状況を踏まえ、当該地域に必要な信号機や横断歩道、ドットラインなどの交通安全施設を整備し、地域住民の安全な……(「一般質問と中身が同じじゃないか」と呼ぶ者あり)だって、その原稿だもの、これ。残した分だって。
〇平沼健副委員長 御静粛にお願いします。
〇樋下正信委員(続) 地域住民の安全な通行を確保すべきと考えますが、当局の見解をお伺いします。
〇中村交通部長 信号機や横断歩道等の交通安全施設につきましては、従来から、交通事故の発生状況や交通量及び学校、公共施設などの立地状況などを総合的に検討し、特に、交通の安全と円滑を確保する必要のある道路については、道路管理者と連携しながら整備しているところでございます。
 委員御指摘のいわゆる盛南開発区域につきましては、国道46号盛岡西バイパスや盛南大橋及び杜の大橋を経由する幹線道路網等の整備に伴い、交通安全施設も整備しているところであり、例えば、信号機は、平成元年から20年までの間に国道46号盛岡西バイパスには6基、その他の道路には14基設置しているほか、横断歩道につきましても91カ所を整備してきたところであります。
 また、歩行者、自転車、自動車のそれぞれの通行空間を分離することで交通事故防止を図るため、道路管理者との連携により、国道46号盛岡西バイパスの両側の歩道上に自転車道の整備を推進するなど、地域住民の安全な通行の確保にも取り組む予定でおります。
 今後とも、当該地域の道路整備の進展状況や交通の流れなど交通環境の変化を見据えながら、より効果的な安全施設の整備を推進してまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 ありがとうございます。道路管理者と協議というようなお話が今ございましたが、ぜひ、地元の町内会なり、当然、交番もあるわけですので、そういう関係する方々ともお話をしながら、整備をしていただきたいと思います。
 次に、そこの地域の交番体制についてお伺いしますが、ここの交番は、3年前だったでしょうか、4年前だったでしょうか、あそこは本宮地区と太田地区という二つの地区がございまして、そこに一つずつ駐在所がございましたけれども、それが合併して、現在、交番という体制になっております。
 その交番が発足してから数年たつわけでございますけれども、その間に事故とか犯罪がかなり都市化になってきておりますが、昔の駐在所とは違ってかなり変わってきていると思います。そういう変わったといいますか件数とかがわかればお知らせ願いたいと思いますし、それから、当初から交番に勤務する方々の人数が足りないのではないかというお話がございましたけれども、現在、人数がどの程度になっているのか、そして、今後ふえていく予想がされるのかどうか、お知らせ願いたいと思います。
〇船野生活安全部長 おおみや交番につきましては、平成18年2月に新たに設置されたところでありますが、管内の窃盗などの刑法犯の認知件数につきましては、平成18年が162件、平成19年が225件、平成20年が243件と年々増加しております。また、交通事故につきましては、平成18年が122件、平成19年が137件、平成20年が103件となっております。
 現在の交番の勤務員は7名の配置となっておりますが、管内の盛南地域の状況、変化などを踏まえまして、今後、適正な配置に努めてまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 警察本部では、平成21年度の当初予算のポイントということで交通事故防止抑止対策を掲げております。それに関連しましてお伺いしますが、県内の交通事故の発生の実態とその対策、それから今ちょっと話が出ましたが、交通安全施設の整備状況についてお伺いします。
 まず、交通事故の状況でございますが、直近の資料によりますと、平成14年が5、900件ぐらいの事故発生件数がありまして、死亡も平成13年度で149人、平成20年は69人ということで、関係者の御努力によりまして非常に少なくなったということで、そのことについては評価いたしますが、事故件数等も、あるいはまだ死亡も69人ということで、まだまだこれから努力が必要ではないかと思いますが、最近の事故の要因とか、それから、これを踏まえて今後の対策等についてどのようなお考えを持っていらっしゃいますか、お伺いします。
〇中村交通部長 県内の交通死亡事故の実態とその対策についてお答えいたします。
 昨年の交通事故の発生状況についてでありますが、発生件数は前年に比較して911件減の4、458件、死者数は前年に比較して29人減の69人、けが人の数は前年に比較して1、160人減の5、553人といずれも大幅に減少したところでございます。特に、死者数につきましては、昭和33年の年間死者数67人以来、50年ぶりに60人台となったところであります。
 しかしながら、65歳以上の高齢者死者数が42人ございまして、全死者の60.9%を占めており、全国平均を大きく上回っているところであります。
 また、その他の特徴としましては、事故直前の速度が高い、あるいは死傷者に占める死者の割合、いわゆる致死率と言っておりますが、それが高い、自動車乗車中の死者の約4割がシートベルトを締めていない、こういう状況にございます。
 県警察といたしましては、このような実態を踏まえ、本年の交通死亡事故抑止対策といたしまして、高齢者在宅訪問活動等による安全指導や高齢運転者を対象とした参加、体験、実践型の講習など、高齢者の交通事故防止対策、交通事故に直結する速度違反等の取り締まり強化や交通事故が多発する夕暮れ時間帯の街頭警戒活動等による速度抑制対策、シートベルトなどの装着義務違反の取り締まりの強化、後部座席シートベルト着用義務の広報等による被害軽減対策、この三つの柱に加えまして、交差点対策あるいは横断歩行者対策という観点から、各警察署が管内の交通事故の実態に応じた独自対策を強力に推進しているところでございます。
 今後とも、関係機関、団体と連携を強化しながら、交通死亡事故減少の定着化のため、組織を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 ありがとうございました。いずれにしましても、交通事故は、遭ったほうも、あるいは加害者も、家庭的にも、地域にとっても大変不幸な出来事でございますので、今いろいろお話ありましたような対策をきちんと進めていただきたいと思います。
 それから、毎議会に県警本部のほうから、いわゆる報告ということで専決処分の内容が各議会に示されておりますが、この中にも県警本部のいわゆる交通取り締まり等に起因して事故が発生したり、あるいは接触事故等々、いろいろあります。毎回のようにありますので、非常に残念でございます。
 内容を逐一申し上げませんが、何か接触あるいは衝突というような事案が結構多いんですが、警察官はベテランの運転技術の持ち主だと思いますが、そういう中でこういうものが発生するということは、非常に残念でございます。そういう意味で、これらの職員の指導とか今後の対策等についてどのようなお考えを持っているのかお聞きしたいと思います。
〇遠藤首席監察官 ただいまの質問についてお答えいたします。
 まず最初に、平成20年の警察職員による公用車事故の発生状況ですけれども、公用車の交通事故は50件で、そのうち第1当事者事故が35件、それから第2当事者事故が15件、過去5年間の平均が44件ですので、若干増加傾向にあるといったような状況でございます。
 事故の発生原因につきましては、安全確認が不十分であったものがほとんどであります。
 次に、警察職員の交通事故防止対策でありますけれども、まず、公用車の運転につきましては、県警察独自の検定試験に合格した職員に限定しております。
 次に、緊急走行する機会の多い運転者につきましては、一定期間、警察学校や安全運転中央研修所に入校させ、運転技能の向上のための指導教養を実施しているところであります。
 また、事故を起こした職員につきましては、独自に運転技能検定の効果測定を再度行うとともに、あわせまして、運転適正検査を受けさせ、その結果を再発防止の個別指導に活用しております。
 このほか、全職員に対しましても、各種会議や朝礼時等のあらゆる機会を通じて、事故発生原因等の情報を共有させ、事故防止を喚起しているところであります。
 今後とも、このような諸対策を継続的に実施しながら、事故防止を図ってまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 わかりました。ひとつそのように指導をお願いしたいと思います。
 それから、交通安全施設の関係でございます。
 平成17年から21年の予算までの傾向を見ますと、年間大体8億6、000万円から9億円に近い予算を確保して実施されております。一方では、大きな歳入の原資となります交通安全対策費は5億9、000万円ぐらいということで、国から来る対策費にかなり上積みしてやっておりますが、まだまだ地域にとっては、信号機とか、あるいはいろいろな交通安全施設の整備については、まだ十分ではないかなというような印象を持っておりますが、その辺の思いをどういうように見ておられるかお聞きしたいと思います。
 続きまして、今度のいわゆる短期の雇用、就業機会を創出、提供するための事業として、道路標識設置状況調査事業をするということで2、910万円ほど計上しておりますが、この概要について、前の予算説明会でも触れられたと思いますが、もう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
〇中村交通部長 まず、交通安全施設の整備状況はどうなっているかということのお答えでございます。
 交通安全施設の整備につきましては、交通の安全確保や円滑化対策の推進等を基本として、信号機の更新や改良、交通管制センターの集中制御エリアの拡大、道路標識・標示の整備などを行っているところであります。
 平成20年度の整備事業費につきましては、県単独予算による信号機の新設、道路標識、標示の設置、老朽安全施設の改修等で約4億3、700万円、また、国の補助事業による交通管制センターの更新整備、信号機の改良などで約4億3、600万円、総額8億7、300万円の整備をしたところであります。これは、前年比較で約5、000万円の増額となっておりますが、今後とも、各種事業につきましては、スクラップ・アンド・ビルドを念頭に置きまして、限られた予算の中で最大限の効果を発揮できるよう、鋭意整備に努めてまいりたい、このように考えております。
 次に、緊急雇用創出事業の関係でございます。
 道路標識につきましては、これまでも適正に管理しているところでありますが、他県の不適切事例を踏まえまして、今回、平成21年度緊急雇用創出事業の一環として、民間に委託し、26人の雇用を図り調査を実施することとしたものであります。
 交通規制標識は、道路利用者の交通の安全確保や円滑を図る上で極めて重要でありますので、この機会に、県内のすべての道路において、公安委員会が管理する標識に類似した標識が設置されていないか、一斉に調査、点検をし、その結果を今後の交通安全施設整備に生かす、そういう考えであります。
〇新居田弘文委員 次に、運転免許の取得に関連してお聞きいたします。
 運転免許のいわゆる試験ですが、実地試験のほうは、自動車学校卒業の免状で、多分それでほとんど終わっておりますが、学科試験については、公安委員会の指定の場所で試験を受けます。
 その際、今、岩手県内にも外国人登録者が相当住んでおられます。ちなみに、平成20年12月末では総数で6、400人住んでおりまして、そのうち中国系が3、040人、韓国・朝鮮系が1、130人、フィリピンが900人余、アメリカ人が198人、ブラジルが389人ということで、ここでは中国とか、あるいは朝鮮の方々、あるいはフィリピン、いわゆる東南アジア系といいますか、こちらのほうが多いと思うんですが、そういう中でよく私も言われますのは、自動車学校に行っても、日本語表記の学科なり、あるいはテストしか受けさせてもらえないと。よその県では、英語とか、それ以外の表記で授業があったり、あるいはテストもあるということの実態をお聞きいたしました。
 岩手県の状況について、その辺はどうなっているかお聞きしたいと思います。
〇中村交通部長 まず、免許の学科試験の件でございます。
 外国人が受験する学科試験問題については、本県では日本語の問題で行っておりますが、受験者が内容を理解できるように、試験問題のすべての漢字に振り仮名を付した、いわゆるルビつき問題で対応しているところであります。
 全国的に見ますと、約6割の都道府県で外国語の試験問題が実施されている状況にありますので、当県におきましても、外国人の利便性の向上のため、外国語による試験実施を前向きに検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、自動車教習所の対応の関係でございますが、教習所における外国人に対する教習方法の例を申しますと、講習内容の十分な理解を得るために、外国語に翻訳した教本やテキストを導入している教習所が約20校ございます。これに加えて、教習の効果を確認するため、仮免許の取得前や卒業検定の前などに複数回の模擬テストを実施するなどの工夫をしております。
 特に、教習進度の遅い入所者には、外国人に対する教習の経験豊富な指導員を充てて理解の促進を図るなど、外国人入所者が運転免許を取得するための教習は、十分な配慮のもとに行われておると理解しております。
〇新居田弘文委員 ありがとうございます。御検討いただくという返事をいただきましたので、それで済むわけでございますが、東北6県の傾向を見ますと、やはり青森、岩手あるいは秋田が、日本語だけということで、平仮名を振るのは、我々にとっては大変重要なことですけれども、外国人にそれが通用するかどうかは別だと思います。
 そういう意味で、それを基本的に考えていただいて、特に言われますのは、テストそのものよりも、それを受けないで、免許証を取らないと、どこの職場にも通えない、学校にも行けない。そういう生活面の大きな負担がありますので、早目に取れるような仕組みをつくり上げていただいて、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
〇平沼健副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後3時4分 休 憩
午後3時23分 再開
〇関根敏伸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇熊谷泉委員 現在、二戸の警察庁舎の移転新築が進められておりますが、県内には老朽化が進んだ手狭になった庁舎があると思いますが、今後どのような計画で整備を進めていかれるのかお伺いいたします。
〇島村警務部長 まず、県内には17警察署がありますが、そのうち、現在まで築後30年を経過する警察署は、古い順に江刺警察署、久慈警察署、紫波警察署、遠野警察署の四つの警察署となりますが、それぞれ経年により老朽化が進んでいるところであります。
 また、ただいま申し上げました四つの警察署は、建築時から署員の増員、事務量の増加、OA機器等の設置などによりまして、老朽に加えて狭隘化も進んでいるものであります。
 最後に、今後の整備方針についてでありますが、警察署の整備につきましては、経年による老朽度や狭隘度などを総合的に検討し、県の財政事情を見きわめながら、関係機関と協議し計画的に整備を進めたいと考えております。
〇熊谷泉委員 現下の財政下ではなかなか大変だと思いますが、二戸の次は、どこという表現はしませんが、何年後ぐらいに着手できるものか。
〇島村警務部長 なかなか何年というふうに申し上げるのは難しいんですけれども、警察署の新築移転につきましては全県的な観点からその必要性について検討することとしておりまして、現時点でどこの警察署をいつということは申し上げられなくて申しわけございません。
〇熊谷泉委員 非常に場所によっては古色蒼然としたあれで、あの中で勤務している方々もなかなか大変だと思いますが、それについてはおいておきまして、次に、新型インフルエンザの発生について、資材の整備をするというお話が今ありますが、その新型インフルエンザが発生したとき、県警の役割というのはどのようにとらえているかお伺いいたします。
〇佐藤警備部長 まず、県警の役割についてでありますが、県警といたしましては、新型インフルエンザが国内で発生した場合、直ちに警察本部長を長といたします岩手県警察新型インフルエンザ対策本部を設置いたしますとともに、県保健福祉部を初めとする関係機関と連携し、新型インフルエンザの感染拡大防止のほか、防疫措置の支援、水際対策の支援、医療活動の支援、混乱に乗じた犯罪の予防、そして死体検視活動などを行い、発生時の対策に万全を期すこととしております。
 具体的なこの活動内容ですけれども、これにつきましては、昨年11月に岩手県警察本部として新型インフルエンザ対策行動計画を策定いたしましたほか、本年1月末までに県内各警察署においてもそれぞれ行動計画を定めたところであります。
 その主な活動でございますが、1点目が、新型インフルエンザ発生地域における感染拡大防止のための地域封鎖活動、2点目が、保健所等による防疫措置に対する支援や現場周辺地域における交通規制の実施、3点目が、宮古港や大船渡港などの国際海空港における感染者の出入国に対する警戒活動、4点目が、病院窓口への受診殺到など病院周辺における混乱抑止活動や緊急感染患者の搬送に対する支援、5点目として、混乱に乗じた犯罪の発生予防や関係法令違反の取り締まりによる社会秩序の維持、最後6点目といたしまして、医療関係機関以外の場所等で亡くなられた感染死亡者の死体検視活動、これらを行うこととしております。
〇熊谷泉委員 具体的に今、6項目ほどの活動のお話がありましたが、最後の、あちこちで亡くなられた方の片づけなんていうことは非常に悲惨な状態を想定されたと思いますが、一つ私申し上げたいのは、実は数年前に、日本では90年ぶりに宮崎県で口蹄疫が発生したことがありまして、それは家畜の伝染病でありまして、この際、新型インフルエンザとは余りあれではないんですが、家畜にとっては大変恐ろしい病気でありました。高病原性鳥インフルエンザも並行して今、対策が練られているわけですが、そのとき、宮崎県の現場に当たった獣医にいろいろ話を伺いましたが、道路封鎖をしたそうであります。半径50キロの移動制限をかけるということで、そのとき、パトカーと一緒に獣医も検問に立ったようでありますが、交通規制、移動制限をかけるとき、やはり警察の方がいなければいかんともしがたいという話をしておりました。
 そこで、鳥インフルエンザの場合は家畜でありますが、それも想定して言われたのは、対策本部長が知事でなければ非常に対策が遅くなると。家畜の場合ですから普通は農林水産部長が本部長ということなんですが、そういう非常に拡大がおそれられる場合は直ちに知事が本部長にならなければ警察の力が得られないという教訓がありましたので、ぜひ心にとめていただきたいと思います。
 私のイメージでも、やはりそういう検問とか交通規制が警察の役割で一番大事なところかなというふうに思いますが、それについて御所見があれば伺って終わりにいたします。
〇佐藤警備部長 たしか平成17年当時でしたでしょうか、軽米町で鳥インフルエンザではないかという事案が発生いたしました。あの当時は、二戸の保健所とともに、二戸警察署のほうでその検査結果が出るまで約四、五日道路封鎖を実施したという状況にありまして、今、委員御指摘の点に県警といたしましても十分配慮して対策を講じてまいりたいと思います。
〇高橋元委員 私も一般質問で取り上げさせていただきまして県警としての取り組み等をお伺いしたわけでありますが、今改めて広範にわたってさまざまな活動を展開するということで一方で頼もしく思ったところですが、非常に不安な面もあると。つまり、警察官におきましても罹患者が出るわけですよね。そうすると、罹患者が出た時点でそれだけの体制を組めるかという大変そういう心配、危惧しております。
 自衛隊には予備自衛官というふうな制度もあるような話を聞いたことがあるんですけれども、警察官にもOBの制度とか、そういったものはないのか。現職の人員で足りないところは何らかの協力を仰いでそういう体制をとっていく必要があるのではないか。例えば地域には防犯隊というのもあるんですけれども、そういうあるものも活用しながら、この部分は防犯隊に任せようとかこの部分は警察でやるとか、そういうことも仕分けとして必要じゃないかなと思うんですけれども、その辺についての御検討はなされているのかお伺いします。
〇佐藤警備部長 まず、基本的には、県警といたしましては、業務の優先順位、万が一新型インフルエンザが発生いたしました際には、どの業務を優先してやるか。例えば窓口業務ですとか、そこら辺の本来の業務は優先順位を決めまして、その残りの部分で大部分の力を新型インフルエンザ対策のほうに回すというふうなことを予定しております。
 あと、OBの活用、それからボランティアの活用につきましては、何しろ正直申しまして新型インフルエンザが万が一発生という場合には、生命に危険があります。その場合に、OBの方、ボランティアの方にどれだけ御協力をお願いできるかというふうなこともちょっと問題がありまして、今、委員御指摘の点につきましては、その点を含めまして今後これからさらに検討させていただきたいと思います。
〇五日市王委員 紫波警察署のお先に失礼をさせていただきます二戸警察署庁舎の問題についてお伺いします。
 地域限定課題でございますので、短目に終わりたいと思います。
 二戸警察署庁舎整備事業、債務負担で平成21年度から平成22年度までの2カ年で6億6、900万円ということでございますが、この建築計画がどうなっているのかお伺いいたします。
 それと、新築移転後の現在の庁舎はどうなるのか、その辺についてまずお伺いいたします。
〇島村警務部長 二戸警察署の建築計画につきましては、平成21年度及び平成22年度の2カ年事業とし、平成21年度は全体工事の10%、平成22年度は90%を計画しております。
 本年度、建築設計や敷地造成設計を完了しますことから、平成21年度上期に造成工事を施工し、引き続き建築工事を計画し、平成22年度秋ごろの完成を予定しております。
 また、移転後の庁舎の関係でありますけれども、新庁舎に移転後、旧警察庁舎は解体する予定であり、平成22年度に解体設計委託料や解体工事費等の必要予算を要求する計画としております。
〇五日市王委員 実は、これまで地元からの要望で、二戸駅に交番を設置していただけないかというような要望がずっと出ております。現在の庁舎は二戸駅まで大体1キロぐらいですかね。それが北に大体5キロぐらい移るんですね、五、六キロですかね。ということで、まず、地元の要望の二戸駅に交番をという、ある意味タイミング的には非常に新築移転がいいタイミングになるのではないのかなというふうに考えるわけですが、その駅前交番設置に関する方向性といいますか、考えといいますか、お伺いいたします。
〇島村警務部長 二戸市から県に対しまして、市町村要望として警察署移転に伴う二戸駅前交番の設置の要望を受けていることは承知しております。現警察署が所在する福岡、石切所地区は、現在、警察署の署所在地が受け持っており、警察署が金田一地区に移転することによりまして、事件や事故への即応体制等の支障が懸念されるところであります。
 このようなことから、県警察といたしましては、御指摘の二戸駅前交番の新設の必要性や設置位置などにつきまして、警察署の移転新築計画と並行して検討してまいりたいと考えております。
〇菅原一敏委員 事項別明細書の201ページに犯罪捜査取締費があるわけですが、これに関連しまして密漁取り締まりについてお伺いしたいと思います。
 平成21年度予算案の水産業費でございますが、96億円余の計上となっております。そして、そのうち約2.5%に当たります2億4、430万円が漁業取締費として計上されているところでございます。
 密漁といいますと、新聞報道等でアワビの密漁で逮捕されたとの記事を目にすることがあります。特にも本県はアワビの生産量日本一を誇っているところでございます。その水揚げ量は300トンから400トン、水揚高では20億円から30億円に及んでいるところでございます。しかしながら、隣接県からの密漁者の侵入が絶えない、こういう状況にあるわけでございまして、被害の実態は把握できないものの、一説によると漁獲量に匹敵する量が密漁されている、そういうショッキングなお話もお聞きしているところでございます。
 一方、密漁の取り締まりには、海上だけではなく陸上からの警戒も重要であることから、警察の協力は不可欠であるわけでございます。特にも最近は、トラックに船を積んで陸路から県内の港などに侵入し、密漁を実行しているというお話も聞いているところでございます。
 そこでお伺いしたいのですが、警察官を漁業取締事務所に1名派遣されているとのことでございますが、来年度以降この1名派遣の見通しはどうなっているのでしょうか。そしてまた、陸上での警戒のために密漁取り締まりを専門とする警察官を増員することも検討されるべきと考えますが、いかがでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤参事官兼警務課長 密漁事犯は、本県の漁業資源や漁業関係者の生活基盤を脅かす極めて悪質な犯罪でありますことから、平成4年4月から警察官(警部)1名を県漁業取締事務所へ派遣するとともに、沿岸を管轄する警察署においては、各漁協を初め、海上保安部、県漁業取締事務所等関係機関との情報交換による連携や警備船による合同訓練など、密漁事犯の取り締まり及び防止等の活動に当たっているところであります。
 漁業取締事務所への警察官の派遣継続につきましては、現在、関係当局と協議しているところでありますけれども、来年度も引き続き継続する方針であります。
 アワビ密漁捜査を担当する警察官の増員の要否につきましては、宮古署及び大船渡署の警備船の活動状況、また沿岸各署の治安情勢など、その推移を見きわめながら対応し、アワビ密漁等の捜査体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
 なお、平成20年4月には、生活安全部生活環境課に生活安全特捜隊を設置し、密漁事犯、悪質商法事犯など県民の関心の高い犯罪を検挙する体制を強化したところであります。
 警察といたしましては、今後とも関係機関、団体との連携を一層緊密にして、密漁事犯の防止及び取り締まり活動を推進してまいりたいと考えておるところでございます。
〇菅原一敏委員 来年度も1名継続派遣をしていただけるということで、大変ありがとうございます。さらに御検討いただけるのであれば、専門の警察官の増員についても今後御検討いただきたいというふうに思うわけでございます。
 もう一点お伺いいたしますが、密漁者、これはとらえてみれば他県のほうから来る、あるいは隣県から来るということで、地元の人間は少ないのではないかなというふうに思っているわけでございますが、そうした意味で、県境での密漁事犯も非常に多いのではないかなというふうに思っているところでございます。
 隣県の警察との連携、協調体制、こういうものがどういうふうになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇船野生活安全部長 密漁防止対策につきましては、岩手、宮城、青森3県の海上保安部、農林水産部、漁業協同組合などと年数回のあわび等密漁撲滅連絡協議会などを開催して情報交換を図っているほか、県警の警備船や県警のヘリコプター、海上保安部の巡視艇、漁業取締事務所の取締船などによる合同訓練も実施して密漁防止の強化を図っているところでございます。
〇菅原一敏委員 ありがとうございました。いずれ地元の漁業者、漁協も昼夜を問わず、大変な資金と、それから労力をつぎ込んで密漁監視等に当たっているわけでございますので、今後ともよろしく御指導、取り締まり方、お願いしたいと思います。
 終わります。
〇岩渕誠委員 私からは、警察活動費のうち、解剖につきまして絞って何点かお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。
 岩手県警、大変地道な、足で稼ぐ捜査、そして科学捜査の積み重ねで、これまでも大変検挙実績においても高いものがあるというふうに私思っておりますけれども、近年、いろいろな事件の巧妙化で死体の検案が難しくなっているとよく耳にしております。
 そこでお尋ねいたしますけれども、岩手県警における死体の取り扱い数の推移、それから、そのうち解剖死体数の推移。恐らく近年増加しているものと推測されるわけでありますが、増加をしている理由がどういうものであるか、どのように分析されているのかお示しいただきたいと思います。
〇小舘刑事部長 死体の推移でございますけれども、手元に3年分の数字がありますけれども、平成18年は1、863体でございました。平成19年はちょっとふえまして1、892体、そして昨年、平成20年は1、946体と年々ふえております。
 高齢化の関係でふえているのではないかなと推測できます。
〇岩渕誠委員 そのうち、私もう一つ聞いたのは、解剖死体数というのはどのようになっているのかということをお尋ねしたと思いますけれども。
〇小舘刑事部長 解剖の推移でございますけれども、解剖もふえておりまして、平成18年は93体、平成19年は100体、平成20年は127体、こういうぐあいに解剖がふえている状況でございます。
〇岩渕誠委員 総数がふえたから司法解剖もふえているという単純な関係ではないと思います。近年、秋田県で起きました小学生2人の殺人事件で、なかなか難しい遺体の判断という問題もありまして、全国的に司法解剖される部分が多くなったのではないかなと私自身は思っておりますが、司法解剖というのは当然事件性の疑いがあるということでやるわけでありますが、その判断を監察医制度のない岩手県におきましては刑事調査官が一手に引き受けておるわけでありまして、書類上を含めてその死体の取り扱い件数については全部目を通すはずでありますし、恐らく相当数現場に臨場してやっているというふうに思います。恐らく3日に2日ぐらいは死体の臨場に当たっているのではないかなというふうに思っておりますけれども、この刑事調査官をサポートする体制なんですが、これは大変激務であるというふうに私は思っておるんですが、現在の体制で十分な判断ができるような体制になっているかどうかをお示しいただきたいと思います。
〇小舘刑事部長 体制でございますけれども、平成19年度は警視以下3名でやっておりました。平成20年度は1名増員しまして4名でやっております。そして、平成21年度は増員の予定で検討をしております。すべて24時間体制で対応している、こういうぐあいにやっております。
〇岩渕誠委員 新年度からさらに増員するということで、やはり事件性があるのか、それともないのかというのは大変警察捜査に対する信頼の根幹部分であると思いますし、専門的な刑事調査部門が充実するということは大変有意義なことだというふうに思っております。
 ただ1点、私、大変気にしておることがございます。実は、過日、報道でありましたけれども、司法解剖を担当いたします岩手医大の法医学教室の教授が退任をするという報道に接しました。その後任あるいはタイムラグがなくて着任するのかどうかというのを大変私は気にしております。
 といいますのは、前任の岩手医大の法医学教授でありました桂秀策教授から青木教授にかわるときに、着任まで大分時間があったと記憶いたしております。きょう御出席をされている皆様の中にも、当時、捜査部門におられた方が多く御出席のようでありますので、その当時の御苦労は改めて私のほうから言うまでもないと思いますけれども、当時は捜査員の皆さん、大変御苦労されたと思っております。当然裁判において、死体の司法解剖した場合には鑑定書が出されまして、場合によっては執刀した法医学者が証人として出廷するということも考えられるということでございまして、この引き継ぎがうまくいくのかどうかというのは大変私は心配をしておるんですが、その後、その状況についてお示しいただければと思います。
〇小舘刑事部長 当県における司法解剖は、主に岩手医科大学医学部の法医学講座に依頼しております。現在、青木康博教授ほか1名の医師にお願いしております。とりわけ青木教授におかれましては、平成8年から岩手医大に着任されて13年間にわたり1、100体ほどを超える解剖をお願いし、適切なアドバイスをいただいて絶大なる御協力もいただいております。
 平成20年中における司法解剖でございますけれども、127体あります。そのうち82体を青木教授の執刀によってお願いしております。
 御質問の青木教授の後任人事につきましては、現在、岩手医科大学において検討が進められていると伺っております。詳細については承知しておりません。しかし、青木教授が離任された後も、岩手医大には解剖鑑定医がもうお1人おります。当分の間、犯罪捜査等の支障は特に生じないものと考えております。
〇岩渕誠委員 当分の間支障がないというお話でございますが、通常の形にどれだけ早く戻せるかというのは、これはやはり捜査の前線に立っていただく皆さんにとって大変気になるところだと思います。そこで出番は多分本部長だと思いますので、ぜひ警察活動に遺漏のないように、後任人事についても早急に手当てをしていただくように御協議をしていただきたいと思います。
 それから、解剖の問題で最後の質問にさせていただきたいと思いますが、解剖には、先ほど示された司法解剖のほかにいわゆる承諾解剖というものがございます。これは何かといいますと、念のため解剖したいというときに、遺族の承諾を得て解剖するというたぐいのものであると承知しております。ただ、なかなかこの承諾解剖というのは、やはり遺体に傷をつけるということで、なかなか切り出しづらいという部分と、遺族のほうも承諾をしづらいという部分があって、岩手県においても極めて限られた数しか実行されていないと私は承知しております。
 そこで、今、法医学者あるいは国会等でも取り上げられておりますけれども、死後の死因の特定、特に事件性が薄いであろうというような部分についてはCTスキャンの活用というのをかなり法医学会のほうでは言っているようでございますが、岩手県警としてはどのように対応するおつもりなのか、あるいは対応してきたのかお示しをいただきたいと思います。
〇保住警察本部長 青木教授の後任の関係でございますが、県警といたしましても、青木教授の後任の早期選考につきまして、岩手医大側に早急にお願いをしてまいりたい、このように考えております。
〇小舘刑事部長 検視業務は死因を特定するためにやっておりますけれども、解剖以外はお医者さんの表面上の検査、あるいは触ってみる検査、そういうのでやっております。それでもどうしてもわからない、疑問だというのはCTスキャンの画像検査をやっているところでございます。それは内部的な状況も判明しますのでやっておりますけれども、平成19年度からは国費予算になっております。平成19年度はありませんでしたけれども、平成20年中は現在まで7件、CTを活用して死因を究明しております。今後とも適宜対応してまいりたいと思っております。
〇岩渕誠委員 余り予算の話はしたくないのでありますが、司法解剖をお願いするとかなり高額な費用で、これは鑑識の経費として計上されているはずであります。しかしながら、警察の捜査力への信頼、そして私ども県民が安心・安全に暮らすために、そこは当然譲れないものでありますし、それから今、CTスキャンの活用がございました。より一層警察力の増強と安心・安全のために御活動いただきますようお願い申し上げまして終わります。
〇斉藤信委員 最初に、警察の不正支出問題についてお聞きします。
 不正支出についての事実経過について、いつ、どの時点で不正支出が発覚したのか。
 3、200万円余の不正支出の内訳、預け金の預け先は何社か、預け金額はそれぞれ幾らか、請求書、納品書、領収書はどう処理されたか。
〇島村警務部長 今回の問題が発覚した経緯につきましては、昨年10月29日に県警本部の内部監査において、担当職員から過去に預け金があったことを示唆する旨の申告がなされ、全庁調査を行ったことによるものであります。
 次に、3、200万円余の内訳についてでありますが、平成15年度から平成20年の発生総額は2、863万4、883円で、その内訳は、預け金が24所属2、758万6、716円、差しかえが4所属12万7、717円、一括払いが1所属5、250円、年度越えが8所属91万5、200円であります。
 3、200万円余というのは、ただいま申し上げました発生総額に、平成14年以前から繰り越されたものなどの約430万円を加えた金額であります。
 預け金などにかかわっていた業者数は11社であります。そのうち、預け金の多い業者の金額は、一番多いものが1、838万9、790円、2番目が496万7、474円、3番目が281万3、307円であります。
 最後に、請求書等の支出証拠書類は県出納局に保管されております。納品書については、保存規定がないことから、保管されておりません。
 領収書については、すべて口座振り込みで支出されており、銀行を通してやっておりますので、それで支出が完了した形で整理しております。
〇斉藤信委員 2、863万円余の不正支出の中で預け金が2、758万円、ほとんど預け金だったと言ってもいい実態だというふうに思います。
 それで、この預け金で、私、本会議でも指摘したんだけれども、捜査第二課は洗濯機4万8、300円、ソニーのパソコン19万9、500円、テレビ5万400円、冷蔵庫5万4、500円、こういうものは需用費じゃ買えないものでしょう。本来買えないものを預け金で買ったと、これはなぜこういうことになったのか。
〇島村警務部長 第一線の警察活動の状況に対して臨機応変に対応し、迅速かつ円滑に物品購入等をすることが正規の会計手続を経ていてはやや難しい面があったことから、安易な手段としての預けという手法を用いてしまったものだと考えております。
 ただ、いけないことであったと考えております。
〇斉藤信委員 テレビ、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、これは本当に緊急に必要だったんですか。私はそこが不思議なんですよ。公用で使っていると言うんだけれども、公用で本当に使っているんですか。そこを確かめたい。
 本来こういうのを買う場合には何で買うんですか。
〇島村警務部長 いずれも公務で使用しております。冷蔵庫につきましては、鑑定物件や各種試薬等を冷蔵保管するため、洗濯機は、当時、設置した捜査本部事件の捜査員の衣類等の洗濯のため、パソコンは、公用パソコンの配備が少なく、円滑に業務を推進するため、テレビは、執務室において報道状況等を確認するために購入したものであります。
 本来でありますれば、3万円以上のものについては備品購入費で購入すべきであったと考えております。
〇斉藤信委員 それで、24所属でこういう不正支出があったと。県警全体にこれは蔓延していたと。そして、これは平成15年から平成20年まで捜査したけれども、それ以前にも400万円の預け、繰り越しですよね、あったと。だから、それ以前からもかなり長期にあって、実は預け金残額がマイナスになっても預け金を使っているんですよ、県警は。そして、残った場合は引き継いだケースもあるし、引き継がないで新しい部署に持っていったこともあったと。めちゃくちゃなんですよ、本当に。
 私は、そういう意味では、個人の公金に対する認識が弱かったなんていう問題ではないのではないかと。そういうのが組織全体に蔓延していたのではないか。不正を取り締まるべき警察でこういう事態が起きたというのは大変残念でならない。どういう法令、どういう規則に反した問題なのか。
 それに対して改めて聞きますが、どういうふうに厳正にこれは対応するのですか。
〇島村警務部長 何の法令に違反するかにつきましては、地方自治法、県の会計規則などの関係規定に照らし、問題となり得るものと考えております。
 対処方針につきましては、厳正な処分を今、担当課のほうで職員から聞いておりまして、処分という形で考えたいと思っております。
〇斉藤信委員 この問題の最後ですけれども、岩手県はこういう全庁調査報告書、11月27日付で最終報告書になって、これはホームページに公開されています。そして、県職員がこの経験、教訓を深めて再び繰り返さないという、こういう立場で公表しているんですね。しかし、県警はこういう調査報告書をつくっていないですね。私、都合の悪いものは証拠を残さないと、それが県警のやり方じゃないかと思うんですよ。
 公安委員長に私、本会議で聞いたときには、こういうふうに公安委員会は指示していると。県民の皆様に対する説明責任を果たすことを指示していると。
 今回の不正支出の実態がどうだったのか、なぜ起きたのか、どこに責任があるのか、今後再発防止はどうするのか。せめて本庁がこういうふうにつくったきちっとしたものをやっぱり作成して、警察官、職員にも徹底して、県民にも説明責任を果たして再発防止に取り組むべきではないですか。
〇島村警務部長 調査報告書を作成すべきとの御質問でありますが、これまでに納入物品の詳細な状況をまとめました資料や再発防止策を提出しているところであります。また、今回の問題の原因や背景等につきましては知事部局と同様と考えているところでございます。
 このようなことから、報告書の作成は現時点考えておりませんけれども、今後検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今後検討するという話だから、やらないという答弁じゃなかったので、県警本部長、やっぱりこういう事態が起きたときの対応が一番大事なんですよ。あいまいにしないで、徹底してこういうのを解明して、再び起こさないという、私はそれにはやっぱり情報公開が一番大事だと思いますよ。そのことを本部長、最後にお聞きしてこの問題を終わります。この問題ですよ。
〇保住警察本部長 報告書の作成につきましては、ただいま警務部長が答弁したとおりでございまして、県警として今後検討してまいりたいというふうに考えております。
〇斉藤信委員 次に、昨年の自殺の状況について、県警が昨年の自殺の概要、暫定値ですけれども、明らかにいたしました。40代で自殺がふえたと。経済問題、生活問題を原因とする人の急増というのが指摘されていますが、年代別、要因別内容、そして、この調査は今後、自殺予防にどう生かされるのか、その他の関係機関との連携、このことも含めて示していただきたい。
〇船野生活安全部長 県警察の統計によりますと、昨年の自殺者は490人でございます。年代別では70歳以上が132人と最も多く、次いで50歳代が96人、40歳代が87人となっております。
 原因、動機別につきましては、さまざまな事情が複合している場合もあり一概には申し上げられませんが、遺書や生前の言動などから判断しますと、健康問題が160人、経済生活問題が113人、家庭問題が44人となっております。
 次に、自殺予防対策にどう生かされているかにつきましてですが、これらの統計につきましては毎年公表しているほか、県内の関係機関、団体で構成しております岩手県自殺対策推進協議会などへ情報提供し、各種普及啓発、早期発見、早期対応、その他の具体的な自殺対策に活用されているものと承知しております。
〇斉藤信委員 景気の急速な悪化で本当に自殺がまたふえるのではないかと危惧されています。日本の場合は11年連続3万人を超えると。これは世界でも例のないぐらい多いんですね。その中でも岩手県は全国4番目ぐらいに位置しているということで、こうした調査、実態を今後の予防対策にぜひ生かしていただきたい。
 次に、取り調べの適正化に関する経費が810万円計上されています。取調室の改修整備の内容、そして私は、全面可視化ということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇島村警務部長 私のほうから、まず最初の質問の取調室の改修整備の具体的な内容についてお答えいたします。
 取り調べの適正化に要する経費は、取調室の改修整備、具体的には透視鏡の設置に要する経費であります。
 透視鏡の設置に係る経費についてお話しいたしますと、昨年4月、被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則が制定され、本年4月から施行されます。この取り調べ監督制度は、捜査部門以外の者が被疑者の取り調べを外部から確認し、不適正な取り調べにつながるおそれのある行為がないかを監督するものでありますが、透視鏡は、この被疑者の取り調べを外部から確認するために使用するものであります。
 透視鏡については、本県においてこれまで各警察署1室ずつの透視鏡を設置しましたが、これに要した経費をもとに取調室38室分の透視鏡整備を予算計上したところであります。
〇小舘刑事部長 取り調べの全面可視化についてお答えいたします。
 被疑者の取り調べにおける全面可視化を実施した場合、取り調べの機能が大きく阻害され、事案の真相解明を困難にし、犯罪検挙に支障を来すおそれがあり、それを実施することは極めて慎重な検討が必要と考えているところです。
〇斉藤信委員 今度の改修そのものに私、もちろん反対するものではないんですけれども、一部可視化ということになると、やっぱり警察の都合のいいところだけの、そういうことになりかねないのではないかということで、日弁連などもそうした場合には全面可視化をきちんとすべきだと。
 これは指摘だけにとどめて、次に、捜査報償費の問題についてお聞きします。
 これは3月2日の仙台地裁で宮城県警の捜査報償費をめぐる判決がありました。その判決の内容は、報償費の相当部分が裏金として使われた可能性が高いと、こういう判決でした。判決そのものは、これはもう提訴した時期が問題だというので門前払いという、中身はそうなんですけれども、判決の中身では、宮城県警の問われた捜査報償費の相当部分が裏金として使われた可能性が高いと。北海道から高知、愛媛、全国でこの問題が問題になって、仕組みは全く同じ、全国、捜査報償費の使い方。
 岩手県についてもそういう点では、宮城県と岩手県、違いがあったら示していただきたい。違いがないのであれば、やっぱりこの捜査報償費というのはどういうふうに管理してどういうふうに使われていたのかを示していただきたい。
〇島村警務部長 他県との比較等は、他県等の捜査報償費の執行状況を把握しておりませんのでコメントは控えさせていただきます。
 捜査報償費については、適正に執行されております。
〇斉藤信委員 宮城県の捜査報償費でこういう判決があったというのは、私は極めて重大だと思いますよ。恐らくそれ以上答えようがないから答えなかったということだと思うので、きょうはこれ以上しません。
 最後です。軽米交番の巡査部長がパトカー運転中に意識がもうろうとして物損事故を起こしたと。しかし、私のところに寄せられた情報では、飲酒運転ではなかったのかと、こういう告発がありました。この交通事故、県警はもちろん把握していると思うけれども、アルコール検査、その他きちんとやったでしょうか。
〇遠藤参事官兼首席監察官 ただいまの件についてお答えいたします。
 まず、先ほど軽米交番というふうなことでしたけれども、ここは3人勤務でございますので、駐在所といったような区分になります。
 それでは、本番に入りますけれども、この事故につきましては、本年1月26日午前9時55分ころに九戸郡軽米町地内の国道走行中の二戸警察署軽米駐在所勤務の男性警察官の運転するパトカーが路外に逸脱して進行方向左側ののり面に接触し、車の左前部を破損した事故であります。幸いにもこの警察官にけがはございませんでした。
 飲酒運転ではないかとのお尋ねですけれども、事故現場に臨場した二戸署員が本人の酒臭の有無を確認しておりますけれども、酒のにおいがなく、飲酒運転の事実はございません。
 事故原因につきましては、運転中に意識がもうろうとなったということで、事故を目撃した一般の方からの警察への通報であり、職員は救急車で病院に搬送されております。その後、検査入院しておりますけれども、意識がもうろうとなった原因につきましては特定されておりません。
 また、事故を起こした職員につきましては、持病がありまして、投薬治療を受けておりますけれども、過去にこのような症状はなく、勤務にも支障がなかったことから、車の運転を制限する等の措置はとっておらず、普通に勤務をさせていたものであります。
 今後とも、職員の健康管理には十分配慮しながら交通事故防止を図ってまいりたいというふうに考えております。
〇斉藤信委員 実は1月26日に、これは本当にがけから転落してレッカー車が出たという、こういう事故ですよ、340号で。ところが、その1週間後に同じ340号の小学校から二戸方向のところでまた土手に乗り上げたんですよ。知っていますか。
〇遠藤参事官兼首席監察官 軽米駐在所の件については承知しておりますが、先ほど質問のあった件については承知しておりません。
〇斉藤信委員 そもそも私、さっきの答弁で不思議だと思うのは、何でアルコール検査をしないのかと。普通の県民がやったらアルコール検査をやりますよ。大体同僚が見て、酒臭くなかったなんて、あいまいじゃないですか。
 それで、実はその1週間後にも340号の軽米の晴山地域、ここで土手に乗り上げて、うちの町会議員が見ているのですよ。前のがけに落ちたのも見ているし、極めて異常な事態だったと。私に対する告発は別な人だけれども、二日酔いどころではないと。すごい酒臭がしたままこの人は出勤する人だと、こういう告発もあるのですよ。本当にこれ、調査をしたんでしょうか。そして、この方は入院した後、何か自宅謹慎とか何かしていませんか。それとも2月末にまた事故を起こしていませんか。
〇遠藤参事官兼首席監察官 10日ほど入院をし、その後、療養した後に、現在は勤務をしております。
 なお、医師の診断によれば、現在のところは異常がないというふうなことで、公用車の運転については差し控えさせているといったような現状でございます。
〇斉藤信委員 10日も入院して原因がわからなかったと。アル中だったんじゃないですか。
 そして、1週間後の報告は受けていないと。340号の土手に乗り上げた、これは報告を受けていないということですね。
 いつから公用車の運転を差し控えているんですか。
〇遠藤参事官兼首席監察官 事故を起こした後からは運転は差し控えさせているというふうな状況でございます。
 それから、先ほどの340号の2件目の質問の件につきましては、私どものほうでは把握しておりませんので、調査をしたいというふうに考えております。
〇斉藤信委員 ぜひ調査してください。340号で、場所は違うけれども、小学校から二戸方向に向かったところです。同じミニパトですよ。
 そういう点で極めて深刻な疑惑も指摘されているので、やっぱり警察官同士で、こういうのはきちっとやるべきなんですよ。アルコール検査をやっていれば疑惑は晴れるんだから、やらないから何か隠したんじゃないかということになるんですよ。私は、そういう点できちっとその後の事態も調べてやっていただきたいと。
 終わります。
〇関根敏伸委員長 小舘刑事部長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇小舘刑事部長 先ほど岩渕委員のほうから解剖の死体数の御質問を受けました。私、平成20年は127体と申し上げましたが、これは司法解剖が127体です。承諾解剖を入れれば全部で130体になります。130に訂正してお願いします。
〇及川あつし委員 二つと半分、2.5点お尋ねしたいと思います。
 1点目は交通指導取締費でございますが、自転車の安全対策、これまでもいろいろお伺いしてまいりましたが、きょう、自転車に乗りながらの携帯電話、これについて伺いたいと思います。
 規制内容が若干変わったと伺っておりますけれども、今は冬場ですから余り見かけなくなりましたけれども、春先から自転車に乗りながら器用にメールを打っている子供たちをまた見かけるんじゃないかなということで心配をしているところでございます。過去に5、000万円の賠償を命じられた事案も神奈川県等であったというふうにも聞いていますけれども、県内の自転車の事故の状況、自転車運転中の携帯電話の規制、あと指導状況、広報啓発の取り組みについて1点目お伺いします。
〇中村交通部長 まず最初に、平成20年中における自転車事故の実態でございますが、発生件数が前年に比較して48件減の618件、死者数は前年に比較して2人増の7人、傷者数は前年に比較して46人減の620人であり、全交通事故に占める自転車事故の割合は13.9%となっております。
 自転車事故の主な特徴といたしましては、死者7人中、高齢者が5人となっており、死者に占める高齢者の割合が高いこと。それから傷者数620人中、高齢者が168人、高校生が102人となっており、傷者に占める高齢者と高校生の割合が高いこと。事故の形態で見ますと、交差点での出会い頭や右左折時の衝突が多いことなどが挙げられます。
 次に、携帯電話使用の規制の関係でございますが、昨年、交通の方法に関する教則の一部改正がございまして、携帯電話の通話や操作、ヘッドホンなどを使用しながらの自転車の利用について注意を促すこととされたところであります。
 県警察といたしましては、これを受けまして、岩手県道路交通法施行細則の一部を改正し、新たに自転車乗用中の携帯電話やヘッドホンの使用を禁止する規定を加え、昨年の9月1日から施行しているところでございます。
 なお、施行後、今日までの切符等の状況でございますが、携帯電話に係る指導警告は220件、ヘッドホンの使用に関する指導警告は144件、計364件となっております。
 なお、この細則には罰則もあるわけでございますけれども、道路交通法違反として検挙した例はまだございません。
 いずれ、今後とも、ホームページ掲載あるいは交通安全教室等の機会をとらえて、広く県民にこういった改正の趣旨を周知してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 自転車の運転中の携帯電話についてはわかりました。多分、私が見る限り、ほとんど高校生だと思うんですね。本当によく器用にあんなことをやるもんだなと思っていつも─感心はしておられませんので、ぜひ指導の徹底方、教育委員会とも協力してお願いしたいと思います。
 2点目、出会い系サイトを利用した犯罪についてでありますけれども、一般質問では教育委員会にお伺いしました。警察には、改めてその内容について伺いたいと思っておりますが、どうもいろいろな調査を見ると、高校生が大分巻き込まれているのではないかというふうにも思っております。仄聞するところによると、いろいろ犯罪被害もふえていると聞いておりますので、数年の状況をお示しいただきたいと思いますし、被害防止のための広報啓発活動の状況、法律も改正されたと伺っておりますので、新しい取り組みについてもお示しいただきたいと思います。
〇船野生活安全部長 過去3年間におけます出会い系サイトなどに関係した少年被害の犯罪として岩手県警察が検挙した件数及び被害児童の数は、平成18年が10件10人、平成19年が5件5人、平成20年が9件8人となっております。
 次に、被害防止のための広報啓発活動の状況でございますが、昨年は、中学、高校生などを対象に約600回、約8万6、000人に対しまして、インターネットの危険性などについての非行防止教室やサイバーセキュリティ・カレッジの開催をしておりますし、ことしの2月には、被害防止リーフレットを作成いたしまして、県内の全中学生約4万2、000人に対して配布しております。
 また、フィルタリング機能や出会い系サイトでの被害状況につきましては、保護者や教員などを対象に広報啓発活動を行っております。
 次に、出会い系サイト規制法の改正に伴う新たな取り組みでございますが、昨年12月から出会い系サイト事業者に対する届け出が義務づけられましたことを踏まえ、県内においても二つの事業者が、県公安委員会へ事業開始届を行っており、これらの事業者に対しましては、必要な指導をしております。
 また、県警のホームページなどでも、保護者や児童が気をつけるべき事項などにつきまして広報しているところであります。
〇及川あつし委員 以前御提供いただいた資料で、前年対比200%というような関連する案件があったと思うんですけれども、ちょっとその点について御説明いただけないでしょうか。
〇船野生活安全部長 検挙件数の200%という趣旨でしょうか。済みません、少しお待ちください。
 200%の増加というのは、ちょっと把握しておりません。
〇及川あつし委員 前にいただいた資料にありましたので、じゃ、後で御説明いただければと思います。
 いずれ、全国調査の中でも、高校2年生のうち7.8%ですか、ネットで知り合った人と実際に会ったり、会いそうになったとか、8%がしつこくメールを送られたり、つきまとわれたりしたということでありますから、十二、三人に1人というような感じだなと見ております。
 私も、実は高2の娘がおりまして、友達のいろいろな会話の中で、何かいろいろあるなというふうに思っております。法改正の取り組みにあわせて、ぜひ、しっかりとまた対応を進めていただきたいと思います。
 あと0.5問質問しておりますので、答弁が出るようであればお願いしたいと思います。
 最後の0.5問は、ちょっとこれは問題提起にさせていただきたいと思いますので、検討した過程があればお知らせいただきたいと思いますし、また、今後の課題としていただければと思います。
 毎年、県民の方から、特に女性から言われますのは、冬に白線の上が滑ると。ことしは雪が少ないのでいいですけれども、毎年、どうも女性の方が、特に歩道の白線の上を渡っているときに転んで、いつも軽いけがとか、時には大変なけがになっているということを聞いております。
 白線が滑るということで、何とかならないのかということで冬場にいつも言われるわけでありますけれども、以前、道路のほうに御相談したら、それは警察だということで、いつか申し上げなければいけないなと思っておりましたので、状況を把握しているのであれば、何かお知らせいただきたいと思いますし、今後、改善すべきところがあれば、ぜひ御検討いただきたいと思うわけですが、御答弁よろしくお願い申し上げます。
〇中村交通部長 委員から御指摘のありました横断歩道のラインが、特に冬期間滑りやすいということについてでございますが、一般に雨天あるいは積雪などでぬれた場合は、摩擦係数が小さくなるため、乾燥時に比べて滑りやすくなります。これは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、従来から、道路管理者あるいは業者などと連携を図りながら、道路標示の形状の見直しによる排水性の向上や騒音の発生防止などの対策に取り組んできております。
 平成20年度からは、従来より滑りにくく、かつ視認性の高い塗料を導入しており、順次、塗りかえる予定となっております。そういうことで、幾らかでも改善されるのではないかと思っております。
〇及川あつし委員 今、初めて伺いました。平成20年度から順次やっているということですね。この近辺であればどちらでしょうか。ちょっと現地を見ながら確認したいと思いますし、摩擦係数が問題だというのも改めて理解いたしましたので、後学ため、もし場所がわかれば。わからなければ後で結構ですが、御答弁いただければと思います。
〇中村交通部長 この場で具体的にここだということはちょっと把握してございませんが、いずれ、利用度の高い場所を重点的に、順次、改良してまいる、こういうことで御理解いただきたいと思います。
〇関根敏伸委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇関根敏伸委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆様は御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時32分 散 会

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