平成21年2月定例会 第10回岩手県議会定例会 会議録

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〇48番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 さきに通告しておりました事項について、順に質問いたします。
 増田前知事は、県債残高がこれほど多額になった要因の一つは、バブル経済崩壊後、景気浮揚のための国の経済対策に呼応し、公共事業をふやし続けたことによると繰り返し言ってきました。国の財政支援があるといっても、取り組みやすい箇所の公共工事で借金だけがふえ、長期展望に基づく社会基盤整備ではなかったとも反省の弁を述べ、勇退いたしました。そして、昨年は、年明けも石油製品の値上がりが続いていて、これに食料品の大幅値上げが重なり、公明党はその対策として、かつてのような公共事業中心ではなく、広く効果のある定額減税を主張し始めたのでありますが、日経新聞で2年前から何度か紹介されているように、既に欧米先進諸国は給付つき税額控除の方向にあったこともあり、与党として定額給付金を政策決定いたしました。所得税、住民税だけの減税では公平性に欠け、ひとしく間接税、消費税等を納めている全納税者に還付するには、定額給付金こそ効果的な景気、経済対策だということであります。
 不況から脱出するため、国は平成20年度の2度の補正予算と平成21年度予算で、事業規模総額75兆円の切れ目のない景気対策を打ち出しました。その中身は、緊急保証等中小企業支援、雇用対策、災害復旧、学校耐震化工事1万棟、高齢者医療費負担軽減、医師確保、難病対策、さらに個人の生活支援と消費の下支えとして定額給付金2兆円が盛り込まれ、いまだかつてない景気、経済対策となっています。特に国の第2次補正予算で本県におよそ221億円配分になるということで、県2月補正予算が組まれましたが、その重要な柱である地域活性化・生活対策臨時交付金は、本来、地元商店街の活性化や地域の安心・安全対策など、生活者の支援に向けられるべきものでありますが、県有施設の老朽化に対応した、例えば県公会堂、その他外構改修整備やボイラーの更新など、これまで予算がなくて手のつけられなかった部分を一気にやってしまおうというのはいかがなものでしょうか。この定額給付金を地域の活性化のために役立てようと、生活者支援と地域での消費喚起をねらって、プレミアムつき商品券を計画している自治体、商店街がふえており、県も側面から支援すべきと思いますが、知事の総合的な景気対策の基本方針を伺います。
 さて、このほど平成19年度県民経済計算速報値が示され、1人当たりの県民所得が若干上がり、234万9、000円になりました。言うまでもなく、雇用者報酬等に企業の所得を加え総人口で割った数字であり、これまで稼ぎ頭であった自動車、半導体産業の不振で、今後の、知事の掲げた平成22年度の県民所得260万円という目標はかなり困難になりました。昨年の答弁では、こうしたものづくり産業の一層の集積で県内総生産を高めていくとしておりましたが、不測の事態ではありますが、このようなマイナスを何で補てんしていくか、お尋ねいたします。
 輸出依存の日本経済は、アメリカ発の金融危機で大企業を中心に業績が悪化し、人員の削減が急速に進んでおります。マイナスの経済成長は、企業の業績悪化、生産減少、失業の増加、個人消費の不振という負の連鎖を感じさせます。
 そこで、世界の潮流でもありますが、政府は環境、エネルギー分野への巨額の集中投資と、それによる雇用の創出、いわゆるグリーン・ニューディールの実施にかじを切り始めたと言われます。省エネ家電や省エネ住宅、次世代の電気自動車等の購入を促す政策などであります。本県でも、こうした国の政策に上乗せした政策を打ち出し、将来への投資となる環境、エネルギー分野と、人手の足りない福祉や第1次産業で経済成長を牽引すべきものと考えます。
 そこで、まず、環境、エネルギーのうち太陽光発電装置の一般家庭への設置について伺います。このことに関しては、平成8年9月議会一般質問で取り上げ、一般家庭で設置する場合には採算が合わないので、県予算で国の補助制度にさらに上乗せして支援すべきであると提言し、その後も何度か伺いましたが、途中、国の補助も打ち切られるなど、なかなか進展しませんでした。しかし、地球温暖化が原因ではないかと思われる大災害や作物などへの悪影響が切実となり、国は平成20年度の第1次補正予算で90億円の予算措置をし、1キロワット当たり7万円、3.5キロの標準タイプで24万5、000円の補助金を3万5、000世帯に予定しています。平成21年度政府予算で住宅用太陽光発電導入補助金は、さらに前年度の倍以上となる200億円が予定されていますので、4月からの県の上乗せ補助が始まれば、さらに申し込みが増加するものと思われます。しかし、新年度県予算は、国の補助に上乗せする事業費1、170万円を500世帯に予定してありますが、一気に普及を図るには規模が小さいと懸念いたしますが、その具体的な補助内容、見込まれる効果を伺います。
 なお、東京都は1キロワット当たり10万円、上限100万円の補助費を上乗せして、2年間で4万世帯に導入する予定、宮城県は上限12万5、000円補助と聞いております。温暖化対策への貢献、電機や住宅関連の産業振興に資するものであり、有効な消費拡大になると考えられますので、本県の思い切った対策を期待いたします。
 次に、環境適合車でありますが、生活必需品である車は、幾ら丁寧に使っても買いかえをしなければなりません。更新はできればハイブリッド車にしたいが、高くて買えないというのが実情であります。インセンティブとして、国はこの4月から新規購入ハイブリッド車の自動車取得税と自動車重量税を減免いたしますし、宮城県などではハイブリッド車を購入する個人に補助金10万円から40万円を出そうとしています。青森県は公用車にプラグインハイブリッド車10台、東北電力はプラグインハイブリッド車を当面100台、10年間に電気自動車などで合計1、000台の環境対応車の導入に踏み切ります。こうした流れの中で、本県の省エネ住宅、エコ・アクション・ポイントなど、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会に向かう方針を伺います。
 次に、浄化槽普及の推進について伺います。浄化槽整備は、公共下水道とは別にさまざまな利点があり、人口の密集度が低く、汚水処理人口普及率も低い本県にとっては大変に効果的でありますが、自治体の財政負担も伴い、容易ではありません。しかし、公明党の斉藤鉄夫環境大臣が、就任以来、強力に推進してきた事業の一つが浄化槽整備の促進であり、今回の2次補正予算で、生活対策におけるモデル事業として、国の補助率をこれまでの3分の1から2分の1に引き上げ、普及推進を図りました。しかも、残り2分の1の地方負担分については、地域活性化・生活対策臨時交付金の充当対象となり、ほとんど自治体の負担がなくなります。
 国の来年度予算にも、浄化槽整備区域促進特別モデル事業が盛り込まれており、補助率2分の1で新年度もかなり広い範囲で事業が進められます。ちなみに、平成20年度の浄化槽市町村整備推進事業は、県内では14市町でしか実施されていません。補正では3モデル事業に限定されていたものが、来年度はモデル事業が五つに拡大されますので、一気に推進すべきものと思いますがいかがでしょうか。
 次に、廃焼却炉解体について伺います。
 家庭から排出されるごみ、一般廃棄物については市町村の責任において処理されておりますが、排出量の増大、しかも発熱量が大きく焼却炉に大きなダメージを与えるプラスチック類の焼却による影響で、ひところ施設の更新が相次ぎました。
 例えば盛岡市の場合、市内小鳥沢に入念なダイオキシン類対策を施した新焼却炉を稼働させておりますが、これにより、三ツ割清掃工場の50メートルの煙突を持つ焼却炉、及び門清掃工場の40メートルの煙突を持つ焼却炉が、平成10年3月に廃止になり、そのままになっています。また、盛岡市玉山区の岩手・玉山環境組合の焼却炉も廃止になっております。
 現行の循環型社会形成推進交付金制度は、現在地において廃棄物処理施設を整備する場合に限り、廃焼却炉の解体が交付対象になるというもので、盛岡市の場合は、従前地に廃棄物処理施設のたぐいを整備しなければ対象にはなりません。
 焼却炉の解体は、煙突が高いだけでなく、厳格なダイオキシン類曝露防止対策を要するため多額の費用がかかると言われます。釜石市も同じような事情を抱えていると仄聞いたしますが、県内の廃焼却炉の実態はいかがでしょうか。また、財政難という理由でそのまま放置されている現状をどのようにとらえているか、対策を考えていればお伺いいたします。
 次に、雇用対策について伺います。
 急激な雇用の悪化に対応するため、政府の緊急雇用・経済対策実施本部は、ふるさと雇用再生特別交付金2、500億円、緊急雇用創出事業臨時督励交付金1、500億円、地方交付税増額分1兆円の半分5、000億円など、計9、000億円を活用し、緊急に雇用を創出していくことを打ち出しました。
 具体的には、将来展望の見込まれる10分野、206事業をモデルとして挙げていると言われますが、自治体独自の内容も可能であると聞きます。
 県の緊急雇用対策本部は、このことに関し、地方公共団体による雇用機会の創出のため、どのような方針で取り組まれるのか伺います。
 次に、介護福祉士などの就学資金貸付制度について伺います。
 かつて、介護関係の人材が大量に必要になるとされ、各地に介護福祉士、社会福祉士を養成する専門学校ができましたが、福祉現場の実情、処遇が大変厳しいということで離職者が続き、人材が不足しています。国は、平成21年度の介護報酬を十分ではありませんが3%ほどアップ、障害者自立支援報酬改定は5.1%アップを決めており、志願する方がふえることを期待いたします。
 一方、資格者養成の専門学校ですが、学費は2年間の場合、およそ200万円程度で、日本学生支援機構の修学資金貸付制度の対象となります。これとは別に、15の都道府県では補助率2分の1のセーフティネット事業費補助金を活用し、月額3万6、000円の介護福祉士等修学資金貸付事業を実施していて、7年間当該業務に従事すれば返還免除になります。岩手県ではこの貸付事業を行っていないということですが、なぜでしょうか。看護師等の就学資金については拡充がなされていますので、介護福祉士等についても対応すべきであります。
 なお、今回の国の2次補正では、補助率10分の10、セーフティネット事業費補助金で介護福祉士等修学資金貸付制度が拡充されるようでありますが、その概要と本県の対応、将来見込まれる雇用対策の効果を伺います。
 次に、雇用対策としての農業支援について伺います。
 農業は、農地と農業機材を持つ者のみの産業というイメージがありますが、米の生産調整や農業所得の厳しさもあり、当然のように思われていた世襲が続かなくなり、農業者の高齢化、耕作放棄地が大きな問題になっております。
 先月、県農業公社などの主催で農業法人等への就業相談会が開かれました。農業に意欲のある人材を求めるためのもので、無職の方を救済するあっせん会ではありませんでした。今回の相談会には、新たに従事者を採用したいという農業法人が11社参加しましたが、いずれも賃金を払う資力のある法人でありました。
 働き手が欲しい、しかし、給料を出したら全くの赤字になってしまう、だから耕作せずに放置するという農業者が多数存在するのではないかと感じました。
 山林の場合、除伐、間伐の行われていない民有林に対し、いわての森林づくり県民税条例をつくり森林整備に充てています。ならば、中山間地でもないのに採算の合わない農地、農業者のために、公金を投入し、食料生産、雇用確保、耕作放棄地解消等、農地の有効利用を図る制度を考えるべきではないかと思いますが、現在のさまざまな制約の中でどのような方法が考えられるか伺います。ほかに、林業、建設業関連の雇用創出については、どのように検討されているか伺います。
 次に、中小、小規模企業の年度末金融対策について伺います。
 急激な原材料価格高騰に対し、国が中小企業の資金繰りを支援するため、昨年10月31日にスタートした緊急保証制度は、融資総額を20兆円とし、対象業種も760業種に拡大いたしました。また、セーフティネット貸し付けも、金利を下げ貸付枠を10兆円にし、合わせて30兆円、しかも条件緩和で資金難による倒産を防止する対策をとっています。しかしながら、融資をお願いしたものの思いがかなわなかったという声も聞きますが、県内の不適合になった例、これまでの総数を伺います。
 なお、3月は決算というところが多いと思いますが、県内のこれまでの融資状況と今後の見通しを伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 国の2次補正予算には、生活対策として定額給付金だけではなく、全国平均5.5回であった妊婦健診をすべての自治体で14回無料化にする措置、就学前の第2子が3歳から5歳の場合、年間3万6、000円支給される子育て応援特別手当、都道府県に安心こども基金を創設する子育て支援サービスの緊急整備、中小企業の子育て支援促進、そして10月から42万円になる出産育児一時金なども予定されております。このうち子育て応援特別手当は、定額給付金と合わせて支給されれば効果が大きくなると思いますが、県内に支給される子育て応援特別手当の状況はいかがでしょうか。
 こうした中、本県の合計特殊出生率は全国平均よりも0.13ポイント高いとのデータが出ましたが、果たして子育て環境は充実しているかどうか伺います。
 まず、保育所ですが、入所待機児童数は改善されてきていると聞きますけれども、勤務形態は景気に左右されますので、最近の状況はいかがか、及び認可外保育所の運営状況の実態を伺います。
 また、規模の小さい家庭的保育事業、いわゆる保育ママ及び病児、病後児の扱いもするファミリーサポートセンターの需要把握はいかがでしょうか。
 次に、高速道路のスマートインターチェンジについて伺います。
 県内には幾つかの高速道路がありますが、大動脈とも言うべき東北自動車道と八戸道は、宮城県境から青森県境まで約210キロメートルで、インターチェンジは18カ所ありますから出入り口はほぼ10キロごととなりますが、山間地では次の出口までは20キロ以上のところもあります。
 高速自動車道は、いわば閉じた空間であり、万一の場合に一般道に戻りたくても10キロほど走らなければ出ることはできません。かつて質問した際、新たにインターチェンジを開設するには20億円程度かかり、地元負担になると聞いております。しかし、近年、社会実験と称してサービスエリアやパーキングエリアに併設されたスマートインターチェンジはとても有効であるようですが、県はメリットをどのように認識しているか伺います。
 国では、平成20年度から10年間かけて200カ所以上にスマートインターチェンジを整備し、将来的に高速道路の平均インターチェンジ間隔を欧米並みの約5キロに改善したいと計画しております。特に、人口や産業が集積しているとか、高速道路が通過するだけでインターチェンジがないため不便である市町村を優先させたいとしています。スマートインターチェンジ等のために、新年度政府予算で2、045億円計上されていて、整備費については、国の負担で高速道路会社が敷地内を整備し、道路管理者である県や市町村が負担する接続道の整備費用は、臨時交付金で55%手当てすることになっています。
 東北自動車道と八戸道にはサービスエリアとパーキングエリアが計14カ所ありますが、県がスマートインターチェンジが必要だと考えている箇所、あるいは住民要望がある箇所を伺います。
 医療問題については、まず、県民医療の確保について伺います。
 全国の医師総数は増加しているにもかからず、本県の公立病院の医師不足は深刻で、特に県立病院の無床化が大きな問題になっております。
 国は、平成21年度予算で医師確保対策関係に倍増に近い271億円計上し、医師派遣の推進や医師の勤務状態の改善等の推進を図るとしています。
 本県では既に一昨年7月から、3カ月ないし6カ月間、国の緊急臨時的医師派遣システムで、県立の宮古病院と大船渡病院に数名の医師を派遣していただきました。
 先々月、私は、厚生労働省の医師確保等地域医療対策室の職員を訪ね、国の医師確保対策を聞くとともに、一度派遣を受けた県では再度派遣要請することはできないのかと尋ねましたところ、そのような制約は全くなく、医師不足が深刻で、県の地域医療対策協議会が、厚生労働省の地域医療支援中央会議に医師派遣を要請すれば、きちんと検討されると答えてくれました。
 今、地域住民が納得しない状態で無床化を進めるのではなく、当面、地域診療センターに医師を回すため、国から二次保健医療圏への医師派遣を受け、また開業医の皆様から支援を得ながら次への対応をすべきと考えますが、知事はいかが考えるか伺います。
 次に、救急医療について、まず、ドクターヘリについて伺います。
 昨年6月、震度6強を記録した岩手・宮城内陸地震では、被災地までの道路が寸断されましたが、捜索や救助のための警察ヘリコプターや防災ヘリが大活躍いたしました。
 地震発生当日は、ほかに自衛隊、海上保安庁のヘリも含め、両県に、全部で100機以上のヘリコプターが救援に当たっております。特にも人命救助を本来の目的とするドクターヘリには、その有効性と必要性を明確に認識させられました。福島県等他県のドクターヘリには大変お世話になりましたが、ぜひとも本県にも導入したいものであります。
 県は、平成20年度予算でドクターヘリ導入可能性調査費300万円を措置し、ヘリポート、運航体制等の調査事業を行い、来年度も同額で事業を予定していますが、これまでの成果と今後の調査方針を具体的にお伺いしたいと思います。
 また、前の知事は、当面、防災ヘリで対応するからいいと言っておりましたが、近年の防災ヘリを活用した救命救急活動の内容と、その場合、どのような課題があったかもお示しいただきたいと思います。
 また、高規格ドクターカーでありますが、医師と救命救急士が同乗するドクターカーの県内での稼働はいかがでしょうか、お尋ねいたします。
 なお、昨年の質問でも急患の受け入れ拒否実態を伺いましたが、その後どのように変化しているか伺います。
 いわゆるたらい回しの発生を避けるため、次の消防法改正で、都道府県ごとに患者の容体に応じた搬送先の医療機関リストを盛り込んだ搬送、受け入れ基準の策定を義務づけることになるとの報道がありましたが、これまでの地域ごと、症状ごとの救急搬送手順はどうなっていたのか伺います。
 本県の災害派遣医療チームに関し、平成17年12月の決算特別委員会で質疑いたしましたが、その後の状況を伺います。
 昨年10月現在、全国で546チーム組織され、各地での活躍が報道されております。岩手・宮城内陸地震でも活躍するなど貴重な存在でありますが、医師不足が深刻な本県での最近の運営、訓練活動はいかがでしょうか。
 次に、学校の耐震化について伺います。
 岩手・宮城内陸地震及び岩手県北部沿岸地震で学校施設にも大きな被害が出ましたが、改正地震防災対策特別措置法による地震対策緊急事業5箇年計画に計上された本県の事業はいかがでしょうか。
 国が半分見てあげるからと言われても、財政の厳しい自治体では、すぐには学校の耐震補強工事はできないという実態にありましたが、その後の文部科学省の安全・安心な学校づくり交付金事業の補助金は、Is値が0.3未満であれば3分の2、そのほかは2分の1にし、しかも地方財政措置として地方債の元利償還金について地方交付税措置が平成20年度から20%に拡充になり、実質的自治体負担は13.3%となりました。
 国は、第1次と第2次補正予算及び平成21年度予算で緊急性の高い全国の1万棟の耐震化工事を決めておりますが、本県の対応を伺います。
 次に、公立学校の地上デジタルテレビの整備について伺います。
 デジタルテレビ放送は世界の流れであり、日本では、あと2年余りで現在のアナログ波が停止となります。一般家庭では少しずつ買いかえが進んでいますが、学校、役所、公共施設は、そのときになって混乱を生じさせないよう、ことしと来年とで対策を終えるべきと考えます。
 今回、公立学校の対応についてのみお伺いいたしますが、まともに買いかえるとすれば全体で何台、幾らかかることになるのでしょうか。
 文部科学省の平成21年度予算では、公立学校施設整備費として安全・安心な学校づくり交付金を用意し、アンテナ等工事費の2分の1が補助されるようであります。さらに、当該工事とあわせて一体的に整備するデジタルテレビ、デジタルチューナーについては充当率75%の地方債で措置することになっていますが、県内での予定、費用はいかほどでしょうか。
 最後に、薬物汚染の状況と予防対策について伺います。
 深刻な不況、急激な高齢社会、少子化による労働力不足等々を考えるとき、今後、青年への期待は高まるばかりでありますが、成長期にはさまざまな誘惑、落とし穴があります。その一つである薬物問題について伺います。
 例として、東京都では、関係機関が連携して薬物乱用対策に取り組んできたものの、覚せい剤事犯は減少傾向にあるが、大麻事犯で検挙される者が増加し、年間700人以上で、うち6割が20歳代とのことであります。このため都では、薬物乱用のない社会づくりを目指して、ことし2月5日に薬物乱用対策推進計画を策定し、具体的な取り組みを始めました。
 また、警察庁のまとめによりますと、昨年の大麻事件摘発は3、832件、2、778人で、前年に比べ550件、507人増加しております。スポーツ選手、大学生等が次々と検挙され暗たんたる気がいたします。
 本県でもたまに薬物事犯の報道を聞きますが、これまでの県警察本部における摘発状況、薬物事犯対策を教育現場も含めてお伺いいたします。
 以上、登壇しての質問を終わります。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、本県の景気対策の基本方針についてでありますが、私は、平成21年度当初予算を、岩手を守る逆風立ち向かい予算と名づけ、喫緊の課題である雇用の維持・創出や地域経済の活性化などに迅速かつ的確に対応するよう、国の予算にも呼応しながら、平成20年度補正予算と一体的に切れ目なく取り組んでいくとともに、厳しい財政状況ではありますが、予算総額を平成13年度以来8年ぶりに増額したところであります。
 具体的には、緊急的な就業の場の確保や安定的な雇用機会の創出に向けた取り組み、求職者に対する総合的な就業支援などを通じて、雇用の維持・創出に努めるとともに、低額な使用料での県営住宅の提供や県立高校、県立大学などの授業料減免など、生活支援対策についても進めているところであります。
 さらに、ものづくり産業の基盤強化や農林水産業など地域の特性や資源を生かした産業の振興に取り組むことにより、地域経済の活性化を図ることとしたところであります。
 また、地域活性化・生活対策臨時交付金については、国の地方再生戦略や生活対策に対応し、地域活性化等に資する事業に要する経費に対し交付されるという制度の趣旨に沿いながら、防災や治安対策、農林水産業の振興、文化、福祉、教育などさまざまな分野において、事業の必要性、緊急性に加え、施設の修繕等も含め、地元企業への発注等を通じた地元経済の活性化や県民生活の安全・安心の向上に資するものを優先するという考え方に立って活用することとしたものであります。
 雇用や社会経済情勢を初め、県民は極めて厳しい環境にありますが、この逆風に吹き飛ばされることなく、県民一人一人の仕事と暮らしの現場を守っていくため、今やるべきことにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、県民所得向上の達成についてでありますが、本県を取り巻く環境は、ITバブル不況の影響によって県民所得が7.7%減少した平成13年度に匹敵する厳しい状況となっており、私は、何よりもこの経済、雇用の深刻な危機に対し、あらゆる政策手段を用いて迅速かつ的確に対処していかなければならないと考えております。
 このため、ものづくり産業の基盤強化に今後も引き続き取り組んでいくことに加え、農商工連携による食産業や観光産業の振興、安全・安心で高品質な農林水産物の産地競争力の強化、医療機器関連や海洋関連などの新たな産業の創出、こうしたことを初めとした地域経済の活性化に向けた取り組みを幅広く展開していくこととしております。
 こうした取り組みに加え、危機を希望に変えるために策定したいわて希望創造プランに基づく施策を着実に推進していくことで、今般の経済危機による県民所得への影響を最小限に食いとめていく考えであります。
 次に、低炭素社会などに向かう方針についてでありますが、地球温暖化等の環境問題への対応は、県民一人一人が自分のこととして考え、取り組んでいくことが、大きな力になると考えております。
 そのため、家庭や事業所において、電化製品や自動車、住宅等を省エネ型に転換していくことは、環境技術の開発の支援にもなり、環境と経済の両立につながっていくものであります。
 昨年の環境王国展などでは、多くの企業の協力を得て、進んだ環境技術や製品を紹介していただいたほか、循環型社会や自然共生社会に向けた取り組みについても、セミナーや展示等を行ったところであります。
 地球規模の環境問題に地域から貢献し、本県のすぐれた環境を保全、創造していくことは、私たちに課せられた使命であり、今後、長期計画や環境基本計画の策定等を通じて、持続可能な社会への道筋を定め、着実に取り組んでまいります。
 次に、雇用機会創出の方針についてでありますが、昨年12月10日、岩手県緊急雇用対策本部会議を立ち上げ、生活支援や雇用維持、雇用創出、就業支援の四つの柱をもとに雇用対策に取り組んできたところでありますが、去る2月10日の第4回本部会議におきまして、平成21年度では全体で2、700人の常用雇用を創出するとの方針を打ち出したところであります。
 具体的には、ものづくり産業の基盤強化や農林水産業など、地域の特性を生かした産業振興により900人の常用雇用を創出することとしたところであります。
 また、新たに二つの基金を造成し、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して1、300人の臨時の雇用を創出するとともに、ふるさと雇用再生特別基金を活用して500人の安定的な雇用を創出し、これらの基金により、合わせて1、800人の雇用を創出することとしたところであります。
 今後、この方針に基づいて、県と市町村が一体となって雇用の創出にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、国からの緊急臨時的医師派遣についてでありますが、本県では、平成19年度に県立大船渡病院と宮古病院で循環器科医師の派遣を受けた例がございますが、この制度により医師の派遣を受けるためには、救急医療等公的な役割を担う病院で二次医療圏内の中核的病院であること、過去6カ月以内に医師数が減少し休診を余儀なくされた診療科があること、二次医療圏内に当該医療を代替する医療機関がないことなど、幾つかの要件が示されているなど、制約が多く、現時点で本県県立病院でその要件を満たす病院はない状況であります。
 この制度については、緊急臨時的で、原則として6カ月以内と短期間であることや多くの医師の派遣が望めないなどの問題がございます。既に国に対して見直しを要望しているところでありますが、今後も必要に応じ要望してまいりたいと考えております。
 こうしたことから、現在、国による医師派遣も難しい状況にございまして、新しい経営計画の4月からの実施について御理解をいただきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔環境生活部長瀬川純君登壇〕
〇環境生活部長(瀬川純君) まず、太陽光発電装置の一般家庭への設置についてでありますが、住宅用太陽光発電の導入の促進は、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を図り、地球温暖化対策を推進する上でも重要な課題として認識しております。
 平成21年度予算案における補助内容は、設置時に1件当たり2万円を助成するものであり、件数は500件を予定しております。平成15年度から平成17年度まで国及び県が補助を行った際、年平均575件の設置が図られましたが、このうち県の補助を受けたものは年平均131件であり、県の補助が一定の呼び水としての役割を果たしたものと考えております。こうした効果を期待し、今回の予算においても、地域ごとに導入推進のためのセミナーを開催し、県民の理解を深めていただくほか、補助事業の窓口となる団体の相談員によるきめ細かな助言、利用者に対するモニター調査の実施などを盛り込んでおり、国と県の補助が相まって太陽光発電の導入が促進されるよう取り組んでまいります。
 次に、県内の廃焼却炉の実態についてでありますが、現在、解体、撤去を必要とする施設が15施設あり、このうち解体、撤去の計画がある施設は4施設にとどまっている状況であります。そのほかの11施設につきましては、解体費用の財源の確保が難しいことなどから、解体時期等は未定となっております。
 次に、放置されている廃焼却炉の対策についてでありますが、廃止された焼却施設については、解体、撤去までの間、施設周辺の生活環境に支障が生じないよう、市町村等において適切に管理されているものと承知しております。
 廃焼却炉の解体、撤去を進めるための対策については、ごみ処理事業に係る財政的支援は、法律上、国の責務とされており、焼却施設の解体には、跡地にリサイクル施設などの廃棄物関係の施設を設置することを条件として、交付金等の助成措置が講じられております。こうした制度を活用し、施設の解体及び跡地利用が円滑に進むよう市町村等に対して助言を行うとともに、国に対しては、市町村等の厳しい財政状況等を踏まえ、交付金の交付要件の緩和等について要望してきたところであります。今後においても、国に対する要望を継続しながら、市町村等が適切な時期に解体に着手できるよう助言等を行ってまいります。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) まず、浄化槽普及の推進についてでありますが、今回のモデル事業は、浄化槽の設置規模、一定期間内に設置する基数などが採択要件となっております。県内では、2次補正のモデル事業では4市町、平成21年度のモデル事業では2市町が要望しているところであります。浄化槽の設置に際しましては、国、県、市町村の補助金のほかに個人の負担金や水周りの改造費用も伴うことなどから、モデル事業の採択要件を満たす戸数を確保できにくい市町村が多く、浄化槽の普及を短期間で拡大していくことは難しい現状にありますが、今後も市町村に国の制度の積極的な活用を働きかけていくとともに、県としましても浄化槽設置整備事業費補助などにより市町村を支援してまいります。
 次に、スマートインターチェンジのメリットについてでありますが、スマートインターチェンジの新たな設置は、インターチェンジの間隔が短くなることから高速道路が利用されやすくなり、観光産業の振興など地域の活性化や救急医療などの面において大きな効果があるものと考えております。また、利用者はETCを搭載した車両に限定されているため、簡易な料金所の設置で済むなどコンパクトに設置可能で、かつ低コストで導入できるメリットがあると考えております。
 次に、市町村などから要望を受けている箇所についてでありますが、矢巾パーキングエリアと中尊寺パーキングエリアの2カ所でございます。また、本線に直接接続する4カ所、合計6カ所について要望を受けているところでございます。本線直結型の箇所は、北からのインターチェンジ、略してICと申し上げますが、順に、安代ICから松尾八幡平ICの間、滝沢ICから盛岡ICの間、花巻南ICから北上江釣子ICの間、水沢ICから平泉前沢ICの間の4カ所でございます。県としましても、スマートインターチェンジのメリットを踏まえ、高速道路への接続位置、設置要件である費用対効果や採算性の確保など、引き続き、関係市町村や高速道路会社、国土交通省などと連携しながら検討してまいります。
   〔保健福祉部長岩渕良昭君登壇〕
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) まず、介護福祉士等修学資金貸付事業を行っていない理由についてでありますが、本県におきましては、県内の社会福祉施設等において有資格者を確保する必要があることから、平成5年度より貸付事業を開始しましたが、その後、平成16年度まで135人に貸し付けを行い、同年度に実施した事業評価において、有資格者を確保するという所期の目的を達成したとして、平成17年度から本事業を休止していたところであります。
 次に、国の2次補正に伴う介護福祉士等修学資金貸付制度の概要と本県の対応等についてでありますが、本県の場合は、平成20年度内に岩手県社会福祉協議会に対し修学資金の貸付原資を補助し、平成21年度以降、当該団体から介護福祉士等養成施設に入学または在学する学生に対し、修学期間中月額5万円、入学準備金及び就職準備金各20万円の貸し付けを行おうとするものであります。県といたしましては、今後、介護事業者等における需要が見込まれることから、今般の2月補正予算において、社会福祉士及び介護福祉士修学資金貸付事業費補助2億8、400万円余を計上したところであります。
 なお、県内において介護業務等に原則として5年間従事することによって返還免除となりますが、すべての者がこの条件を満たすと仮定した場合、4年後までにはおおむね160人程度の介護福祉士等が県内の施設、事業所に就職するものと見込んでおります。
 次に、子育て応援特別手当の状況についてでありますが、多子世帯の幼児教育期の子育ての負担に対し配慮する観点から、国が、小学校就学前3年間に属する第2子以降1人当たり3万6、000円を平成20年度限りで支給するものであります。現時点での支給対象児童は県全体で2万685人となる見込みであり、また、支給額は7億4、400万円余となる見込みであります。
 次に、保育所入所待機児童の状況についてでありますが、平成19年4月時点で6市町92人、平成20年4月時点で6市町75人と17人減少しましたが、平成21年1月時点では7市町で245人となっており、大幅に増加しております。待機児童発生市町村からの聞き取りによりますと、増加の要因は、産後休暇、育児休業明けの職場復帰のほか、昨今の経済不況や雇用環境の悪化の影響もあり、新たに就職することによる入所申し込みがふえていることなどにあると伺っております。
 次に、認可外保育所の運営状況についてでありますが、1日に保育する乳幼児が6人以上の認可外保育施設について、毎年度、施設の設置、運営状況を調査しており、平成20年3月31日現在で124カ所、2、175人が利用しております。前年度と比較して施設数は3カ所増加しておりますが、利用児童数は207人減少しております。
 次に、家庭的保育の需要把握についてでありますが、保育士などが自宅などで少人数─これは3人まででございますが─の保育を行う家庭的保育、いわゆる保育ママについては、待機児童発生市町村と、その実施に向けて協議を行っているところでありますが、現在のところ、実施場所や保育士の確保などの課題があり、実施に至っていない状況にあります。今後も市町村と協議を継続し、実施できるよう支援してまいります。
 次に、ファミリー・サポート・センターの需要把握についてでありますが、育児の援助を行う人と育児の援助を受ける人が会員登録し、冠婚葬祭や保育所への送迎等一時的な保育を行うファミリー・サポート・センターは、現在、8市町村、9カ所に設置されており、平成19年度の利用状況は1万1、184件であります。平成21年度からは、新たに病児、病後児の対応もできるよう国の助成制度が創設されますが、現時点では1市のみ実施予定となっております。
 次に、ドクターヘリに係る本年度の事業成果と今後の調査方針についてでありますが、本年度はドクターヘリ導入先進地の調査を行い、救急医療機関との連携体制など運航体制の検討に有用な情報を収集したところであります。また、防災ヘリを用いた模擬飛行では、ほぼ全圏域を30分以内でカバーできること、一方、県内の救命救急センターに搬送された重症事例調査では、ドクターヘリ運航可能時間帯に、119番通報から医師の治療開始までに60分以上を要している例が多数あることを把握し、ドクターヘリ導入により治療開始までの時間を大幅に短縮できることを確認したところであります。平成21年度におきましては、引き続き、ヘリポートの確保を含む運航体制に係る専門的な調査や、ドクターヘリの導入、運営に要する県と運営主体との経費負担についての調査を行い、有識者の意見も伺いながら導入可能性を検討してまいります。
 次に、災害派遣移動チームDMATの最近の運営、訓練活動についてでありますが、本県では、現在、11のすべての災害拠点病院に15チームのDMATが配置されております。今年度の総合防災訓練では5チームのDMATが参加し、岩手・宮城内陸地震の教訓をもとに、負傷者のトリアージや搬送訓練等を通じて、チーム同士や防災関係機関等との連携を確認したところであり、また、それぞれのDMATにおいても、各地域で行われる訓練等に積極的に参加し、関係機関との協力体制の確立に努めているところであります。県といたしましては、今後とも、DMAT派遣病院の協力を得ながらDMATの養成、確保を図るとともに、DMAT派遣病院間の相互支援、協力体制が円滑になされるよう、さきに策定した岩手DMAT運営要綱等をもとに、適切な運営体制の確保に努めてまいります。
 次に、薬物汚染の予防対策についてでありますが、国、県、警察や岩手県薬剤師会などで構成する岩手県薬物乱用対策推進本部を設置し、第3次薬物乱用防止5カ年戦略に基づいて総合的に薬物乱用対策やその取り締まりを行っており、また、保健所等に薬物乱用の相談窓口を設置し、本人や家族からの相談に応じる体制を整備しております。さらに、薬剤師や保護司など378名の方に薬物乱用防止指導員を委嘱し、地域に根差したきめ細やかな普及啓発を行うとともに、県内各地で、ダメ、ゼッタイ普及運動などを展開し、集中的な普及啓発活動を実施しております。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 雇用対策としての農業支援についてでございますが、農業をめぐる情勢が厳しさを増す中で、雇用の受け皿となる農業の振興を図るためには、農地を有効に活用し、農業法人等の経営規模の拡大を促進するとともに、6次産業化等による本県農産物の高付加価値化を図ることが重要と考えております。
 このような考え方のもと、まず、農業生産面におきましては、来年度から、国の交付金等で新たに措置されます土壌改良等による耕作放棄地の再生利用や、低利用水田での飼料用米の生産拡大などの事業の積極的な活用、さらには、今国会に提出された農地改革関連法案に基づく新たな農地の面的集積の仕組みを活用した担い手の経営規模の拡大などにより地域農業の振興を図るとともに、農業法人等が就農希望者を雇用し、そのキャリアアップを支援する農の雇用事業の活用による就業を促進することとしております。
 また、流通、加工面におきましては、新たに創設いたしますいわて農商工連携ファンドやいわて6次産業チャレンジ支援事業を活用した食産業の振興や6次産業化を促進し、雇用の創出に努めることとしているところでございます。県といたしましては、このような各般の施策を最大限に活用し、本県農業の振興による雇用の創出と就業促進に努めてまいります。
   〔商工労働観光部長廣田淳君登壇〕
〇商工労働観光部長(廣田淳君) まず、林業、建設業関連の雇用創出についてでありますが、林業における雇用創出につきましては、森林組合等の大規模林業事業体の育成によります雇用の周年化などにより雇用を創出するほか、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して、間伐作業等による臨時雇用の創出に努めていくこととしております。また、建設業におきます雇用創出につきましては、公共事業の前倒し発注や、新分野進出等に対する補助制度などの従来からの支援に加え、来年度は新たにふるさと雇用再生特別基金を活用して新分野進出等モデル創出事業を実施し、雇用創出につながる取り組みを重点的に支援していくこととしております。県といたしましては、林業、建設業を含め、あらゆる分野で雇用の創出が図られるよう取り組んでまいります。
 次に、中小、小規模企業の年度末金融対策についてでありますが、緊急保証制度やセーフティネット貸し付けにおいて、融資を必要とする中小企業の方々が金融機関に対し返済計画や経営改善計画などを提出し、相談する段階で、融資にまで至らなかったものはあると聞いておりますが、理由もなく貸し付けを断られ、融資に至らなかったような事例はないものと認識しております。
 緊急保証制度の県内の保証承諾実績は、制度が開始されて以来、本年2月20日まで336億9、000万円余となっており、また、日本政策金融公庫盛岡支店及び商工組合中央金庫が扱うセーフティネット貸し付けの融資実績は、昨年10月から本年の1月末までで52億4、000万円余、前年同期比26.5%の増と聞いております。今後の見通しにつきましては、例年3月の融資実績は、3月決算の中小企業への融資や建設業へのつなぎ融資などによりまして、1、2月の実績と比較して伸びる傾向にあり、ことしの1、2月においては、昨年同期を大幅に上回るペースで増加しておりますことから、3月末においても例年を上回る見込みであると聞いております。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 防災ヘリを活用した救命救急活動についてでございますが、県の防災ヘリコプターひめかみが平成15年度から平成19年度までの間に救急業務により出動した出動件数は123件であり、5年間の平均は年24.6件となっております。5年間の内訳としては、年度によってばらつきがあり、一定の傾向を示してはおりませんが、平成19年度が38件、平成20年度も1月末までの間に既に32件の出動があり、ここ一、二年、出動件数が増加傾向にあると感じております。また、活動の内容につきましては、平成19年度の例で見ますと、救急出動38件のうち、傷病者の救急搬送が23件、転院搬送が15件となっております。
 防災ヘリを活用した救急救命活動に関する課題につきましては、防災ヘリという性格上、救急専用ではないことから、ドクターヘリと比べまして、例えば山林火災や救助、捜索活動などといった他の事案があった場合には、要請のあった救急事案に対応できない場合があるといった限界点があると考えております。
 次に、消防機関が行う救急搬送の際に、救急車に医師が同乗するというケースの稼働状況についてでございますが、平成19年の消防統計の数値によりますと、災害現場に医師や看護師等の搬送を行った件数は14件となっております。医療機関から医療機関への搬送については5、320件行っておりますけれども、そのうち医師が同乗したケースがどの程度含まれているのかということにつきましては、データがないところでございます。
 次に、急患の搬送、受け入れ実態についてでございますが、これは、総務省と厚生労働省からの照会に基づいて調査しているものでございますけれども、初診時の傷病程度が重症以上の傷病者を搬送した事案について見ますと、平成20年の場合、対象件数6、325件のうち、1度の照会で受け入れがされたものが5、849件で、全体の92.5%でございます。ちなみに、平成19年度は93.2%でありましたので、0.7ポイントの減となっております。また、3回までの照会で受け入れがされたものは、平成20年の場合6、277件で、99.2%となっております。こちらは、平成19年では99.5%でありましたので、0.3ポイントの減となっております。いずれもわずかに率が下がっておりますが、おおむね少ない照会回数での受け入れができているものと認識しております。
 ちなみに、今回の調査で病院への受け入れまでの照会回数が一番多かったものが7回の照会であったところでございまして、1年前の平成19年では一番照会回数が多かったのは8回の照会であったところでございます。
 救急搬送の手順についてでありますが、救急搬送手順は消防本部においてさまざまでございますけれども、一般的には、まずはかかりつけ病院や当番病院、または直近の病院に搬送することが可能かどうかを検討し、より重篤な傷病者につきましては救命救急センターへ搬送するということを原則といたしながら、患者の状況や地域の実情等を考慮して、それぞれの消防本部で一定のルールを定めていると聞いております。
 全国的にも、傷病者の搬送、受け入れの際に、どういった順番で医療機関に要請を行い、どの医療機関に搬送するかといった点につきまして、消防機関と医療機関との間で明確なルールが決められていないケースも多いという状況にありますことから、今般、国においては、傷病者の搬送及び受け入れの実施基準を定めることなどを内容とする消防法改正を行おうとしているところでございます。今後におきましては、国のこのような動きを踏まえまして、より円滑な救急搬送、受け入れ態勢の整備を目指しまして、まずは現状の課題等を調査し、本県としての対応方針を検討してまいりたいと存じます。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) まず、公立学校施設に係る地震防災対策緊急事業5カ年計画についてでありますが、昨年6月の地震防災対策特別措置法の一部改正を受け、各市町村教育委員会を通じて対象箇所等の見直しを行い、現在、総務部を通じて内閣府防災担当に協議しているところであります。協議中の公立小中学校に係る計画では、校舎443棟、屋内運動場155棟、事業費はおおむね575億1、400万円となっており、また、県立の特別支援学校につきましては、校舎1棟、屋内運動場2棟、事業費はおおむね1億4、900万円となっています。
 次に、公立学校施設の耐震化に係る国の補正予算及び平成21年度予算への対応についてでありますが、国の補正予算事業につきましては、校舎等の改築及び補強事業として、県内の公立小中学校では延べ18校32棟、事業費約23億円を予定しているところであります。また、平成21年度事業につきましては、市町村教育委員会を通じて事業実施希望調査を行ったところ、延べ30校42棟、事業費約39億円となっております。公立小中学校施設の耐震化につきましては、市町村の事業実施に支障が生じないよう国に対し予算額の確保を要望するとともに、引き続き市町村教育委員会と連携し、学校施設の安全化に取り組んでまいりたいと考えています。
 次に、公立学校の地上デジタルテレビの整備についてでありますが、まず、地上デジタル化に伴い公立小中学校、高等学校及び特別支援学校における買いかえ等が必要な台数及び所要額については、昨年10月、文部科学省が行った所要見込み額等に関する調査をもとに推計いたしますと、デジタルチューナーで対応することも考えられますが、議員御案内のとおり、まともに買いかえるといたしますと、平成22年度までに約4、100台、1台当たり10万円とすると、4億1、000万円程度と推計されます。また、平成21年度の予定、費用につきましては、同じ調査結果によりますと、アンテナ工事約140カ所、約2、600万円、デジタルテレビ整備約600台、所要額約1億円、デジタルチューナー購入約300台、所要額約500万円と見込まれております。
 次に、学校における薬物乱用防止教育についてでありますが、学校では保健の授業で、飲酒、喫煙のほか薬物の健康への影響、薬物乱用が引き起こす社会問題等の学習を行っております。特別活動では、学校薬剤師や警察職員などの外部講師を招いての薬物乱用防止教室を各学校の実態に即して開催しており、教職員のほか、外部講師を務める学校薬剤師、警察職員を対象とした研修会などを実施し、指導者の資質向上にも努めております。今後も、地域の関係機関と連携し、児童生徒に対する薬物乱用防止教育を推進してまいります。
   〔警察本部長保住正保君登壇〕
〇警察本部長(保住正保君) 岩手県内の薬物事案の検挙状況についてでありますが、平成20年中における岩手県内の覚せい剤事犯の検挙状況は、検挙件数40件、前年比27件の減、検挙人員30人、前年比21人の減と、件数、人員とも減少しております。
 一方、大麻事犯の検挙につきましては、検挙件数7件、前年比1件の減、検挙人員8人、前年比2人の増となっております。検挙人員につきましては、少年の検挙はありませんでしたが、20歳代の若年層が4人とその半数を占めるなど、若年層への広がりが見られるところであります。また、大麻の押収量についても、乾燥大麻等約131グラム、前年比129グラムの増となっているところであります。
 このような現状を踏まえ、薬物乱用防止対策として、街頭補導のほか薬物乱用防止広報車による広報を初め各種広報媒体を介した広報啓発活動を推進しているほか、小中高及び大学を対象とした薬物乱用防止教室を開催しているところであります。
 警察といたしましては、今後、より一層、関係機関、団体との連携強化を図りながら、薬物乱用防止のための指導、広報啓発活動を強化し、薬物事犯の根絶を図ってまいりたいと考えております。
〇48番(小野寺好君) 再質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、太陽光発電の一般家庭への設備の関係なんですけれども、国の場合は、アイーナ5階の環境パートナーシップいわて、こちらのほうを通じてやることになっているようなんですが、県のほうと両方受ける場合に2カ所に足を運ばなくてはならなくなるかと思いますが、1カ所で済むような手だてというのはないのかどうか、これをお聞きしたいと思います。
 しかも、この環境パートナーシップいわては、アイーナに行っても看板も何もない。せんだって、県主催の新エネルギーセミナー、2月23日にあったんですけれども、その帰りに探したんですが、5階に行ったら、それらしき場所があったので聞いてみたら、ええ、ここですよと、そういったことでしたので、この辺、県はどのように把握しているか、その連携とかをあわせてお伺いしたいと思います。
 二つ目は、公用車に環境適合車ということですが、岩手県では何か予定とかないのかどうか、お聞きしたいと思います。
 三つ目は、廃焼却炉、先ほどの御答弁では、県内15施設、うち4カ所のみ計画がある、こういったお話でしたけれども、先ほど例に出した盛岡市はどうなのか。例えば、三ツ割の場合に、もう10年も使われていなくて、国道から20メートル程度のところに40メートルの高さの煙突があって、万一劣化して、仮に倒れる方向が悪くて国道をふさぐようなとか、そういった場合もなきにしもあらずかと思いまして、ちょっと盛岡市の場合にはどうなのかといったことをお聞きしたいと思います。
 スマートインターですけれども、例えば、矢巾はそういった可能性ということでしたが、これから医大病院も、後々のことで移転ということもあるかと思いますが、そういったことで、さっき二つ例示されたうちの矢巾については、可能性というか、熱意がどの程度進んでいるのか、お聞きしたいと思います。
 あと、知事に対して一つだけ。一番遠い距離になったので、なかなかあっさりと御答弁いただいたんですけれども、知事に一つだけお聞きしたいと思いますが、買うなら岩手のものをということで、例えば県庁の食堂に行きますと、テレビは東芝のものを買ってくださいとか、そういったものがあるんです。北上の関係かと思いますが、仮に学校のテレビをすべて東芝とか、そういったことにする場合に、WTOの関係とかあるかと思いますが、こういった特別な需要に対して特段何かお考えがあるのか、特に東芝をひいきしたいとかそういったお考えがあるのか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 あと、耐震改修なんですけれども、実際に1次、2次、3次と診断を受ける場合とか、診断と設計と工事と、なかなか時間がかかって進まない。もちろん夏休みとかを利用してやりたいといったこともあるかと思いますが、例えば、ここの校舎については、手をかけてから完成するまで平均的にどのくらいかかるかとか、そういったものをお聞きしたいと思います。
 最後ですけれども、大麻の関係で、我々、歴史で阿片戦争というのを習ったわけですが、きのうの新聞に、アメリカで、日本は大麻汚染拡大国だといったものがありまして、例えば中国が供給源になっているのではないかみたいなことで非常に懸念されるわけです。
 特に若年層、こういったところが懸念されるわけですが、その原因の一つに、ネット社会の悪い部分で、種を手軽に手に入れることができるとか、栽培は違法だけれども、種を入手すること自体は違法ではないとか、その辺、ちょっと理解に苦しむんですが、実際、県内では、ネットを使って種を入手して栽培したとかという事例があったかどうかお聞かせいただければと思います。
 あと、新聞に、ネットの弊害でまことしやかに、大麻は、たばこ、酒よりも安全だとか、禁止しない国もあるんだとか、そういった間違った認識があるということを書いてありましたけれども、県内では、検挙した結果、そういったことを言っている者がいたかどうかお聞きしたい。無理であればいいんですけれども。
 以上、お願いします。
〇知事(達増拓也君) 買うなら岩手のもの運動は、まず、私も含め、県職員が率先して岩手のものを買っていこう、その中で、岩手の工場でつくられている製品については、意外に、どういう製品がつくられているか、また、どういう製品にかかわる部品がつくられているかが、県内広く知られていないということもありましたので、今回、特に工業製品についても取り上げて運動しているところであります。
 そして、今回、県の調達としても、ちょうど買いかえの時期に来ていたところで、テレビの買いかえも行ったわけでありますけれども、今後の学校のテレビの買いかえについては、学校のテレビの買いかえの計画そのものの検討とあわせ、適切に対応していくべきものと考えます。
〇環境生活部長(瀬川純君) 太陽光発電装置の関係でございますが、県の補助要件等につきましてはこれから詰めていくことになりますが、現在、国の補助の窓口となっておりますNPOとは、いろいろな面で連携いたしまして、県内での国の制度の説明会等も行っているところでございます。県の補助の手続につきましても、御指摘のように、利用者の利便を第一に考えて検討してまいりたいと思います。
 それから、アイーナでの窓口がわかりにくいという御指摘でございますので、これは早速、そういった表示が適切になされるように措置したいと思っております。
〇教育長(法貴敬君) 耐震工事の計画期間ということですけれども、建物の規模とか構造とかで一概に幾らかかるということはなかなか申し上げにくいんですが、耐震診断をしてまず1年、それから実施設計して1年、それから、規模によりますけれども、一、二年工事にかかりますので、全体で最長でも4年間ぐらいもっていければ十分にできるかと思います。
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) ネットで大麻の種を入手した事例ということでございますが、ちょっと把握しておりませんので、御了承をお願いします。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 市町村などから要望がありました矢巾パーキングエリアでのスマートICの検討状況でございますけれども、現在、町のほうで整備効果や利用の数の推計を行っている段階でございます。
〇警察本部長(保住正保君) 大麻事犯の関係でございますが、個別具体的な事例について申し上げることは困難であるわけですが、大麻事犯の検挙に伴いまして押収したものとして我々が統計上把握しておるものは、乾燥大麻と大麻草、このような二つのものになっておるところでございます。
 また、検挙した被疑者の薬物の危険性などに対する認識などについても、これはちょっと個別具体的な話になりますので、我々としては、公表できるものは現在持ち合わせていないということで御理解いただきたいと思います。
 いずれにしろ、薬物の危険性などについては、県内の関係機関、団体と連携を図りながら、先ほど申し上げましたような薬物乱用防止のための指導、広報啓発活動というものを強化し、薬物事犯の根絶を図ってまいりたい、このような認識で対応しているところでございます。
〇環境生活部長(瀬川純君) 大変失礼いたしました。答弁漏れがございましたので、答弁させていただきます。
 一つは、環境適合車の県庁での導入状況でございます。県が率先して自動車運行に基づく環境負荷を低減するために、平成17年6月に、岩手県ハイブリッド自動車及び低燃費かつ低排出ガス認定車に係る導入等の方針を策定いたしまして、これらの自動車への更新を図っているところでございます。平成19年度末現在におきまして、ハイブリッド車を含む更新実績79台となっております。
 それから、県内の解体、撤去を要する廃焼却施設のうち、盛岡市に係るものでございますが、盛岡市の2施設につきましては、現在のところ、解体予定は未定となっているものでございます。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時26分 散 会

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