平成21年2月定例会 第10回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 県民の命と暮らし、雇用を守る立場から、主に達増知事に質問いたします。
 まず、雇用問題についてであります。
 2月末に発表された県内の有効求人倍率は0.41、県の調査による3月末までの雇いどめは、2月20日現在で97事業所、4、594人、正社員の解雇940人など、パート等を含めると実に162事業所で6、222人の雇いどめ、解雇となっています。
 派遣、請負業界の調査では、全国で40万人の雇いどめが予想されています。いわて労連やローカルユニオンが2月に各地のハローワーク前で行ったアンケート調査や労働相談では、いすゞ自動車の下請で3年勤めた派遣労働者が解雇され2月いっぱいで部屋を出される、ことし12月までの契約だった派遣労働者が2月末で解雇されアパートも出なければならなくなった、8年間働いたが、正社員にしてもらえず解雇されたなど、切実な実態と相談が寄せられました。
 知事に質問します。
 第1に、こうした派遣切り、雇いどめによる大量解雇は、労働者派遣法の改悪によって、人間を物のように使い捨てにする派遣労働者の急増によってもたらされた政治災害ではないでしょうか。派遣労働者や期間社員が、非正規雇用だからといって、仕事も、住宅も、生活も奪われ、寒空のもとに放り出されることは、人道的にも許されないことではないでしょうか。政治災害だとするなら、政治の責任で全力で解決に当たるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、既に雇いどめ、解雇された失業者の生活と住宅、再就職を確保する取り組みであります。既に解雇された労働者の実数と実態をどう把握されているでしょうか。国、県の離職者対策資金、就職安定資金融資はどれだけ活用されているでしょうか。活用されていないとするなら、その原因とその解決をどう図ろうとしているのでしょうか。失業や減収による生活保護の相談、申請と決定はどうなっているでしょうか。
 北上市による派遣事業所に対する調査では、35事業所の回答で、派遣労働者3、764人中、1月末までに1、199人が失業し、227人が寮やアパートから退去させられるとなっています。県内全体の実態を把握しているでしょうか。失業者が入居可能な県営住宅、雇用住宅、市町村の住宅の戸数それぞれ、これまでの入居戸数はどうなっているでしょうか。3月末に向けて万全の対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、これ以上の違法、無法な雇いどめ、解雇を許さない取り組みが決定的に重要であります。今進められている雇いどめ、解雇は、労働契約法に違反する契約期間中の解雇や、3年以上働いている、本来派遣先が直接雇用を求めなければならない労働者が多数であります。実態をどう把握しているでしょうか。県の雇用対策が企業の勝手な解雇を許し、その後始末となってはなりません。現行法でもできる違法、無法な雇いどめ、解雇をやめさせるために、岩手労働局とも連携し全力で取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第4に、関東自動車390人や東芝350人など、県内を代表する大企業、誘致企業の大量解雇がその先駆けとなっていることであります。県が県政の重点課題としてきた自動車産業、半導体産業が、大量解雇の先駆けとなっていることは重大であります。雇いどめ、解雇の実態はどうなっているでしょうか。県の責任をどのように認識されているでしょうか。
 また、関東自動車は、昨年3月期で1、024億円の内部留保をため込んでいます。わずか4年間で210億円も内部留保をふやしました。400人の雇用確保のためには内部留保のわずか1.2%、12億円あれば守れるものであります。4年間でふやした内部留保の5.7%取り崩すだけで可能です。
 東芝本体では1兆7、200億円の内部留保をため込んでいます。こうした大企業の大量解雇には、合理的な理由があるとは言えません。麻生首相も河村官房長官も、またマスコミ等でも、内部留保にも株主配当にも手をつけないで大量解雇を進めるやり方に批判が出ております。知事はどう認識をされ対応しようとしているのかお聞きいたします。
 第5に、県の雇用対策は、6、200人を超える大量解雇がさらに拡大しようとする中、4カ月以上の常用雇用で2、700人の雇用を創出する計画です。余りにも不十分と言わなければなりません。一人たりとも路頭に迷わせない立場で、県民が求めている医療、介護、福祉の分野、教育、環境、防災・耐震化対策など、思い切って雇用対策を拡充すべきではないでしょうか。
 第6に、雇用を維持するための雇用調整助成金、中小企業緊急雇用安定助成金の活用はどうなっているでしょうか。また、厳しい中での求人開拓と就職支援はハローワークの重要な仕事ですが、人員不足で対応し切れていないのが実態であります。緊急の増員を求めるべきであります。陸前高田市、一関市千厩町のハローワーク閉鎖の撤回を強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第7に、今回の違法、無法な雇いどめ、大量解雇の背景には、労働者派遣法の改悪がありました。日本共産党は唯一、1999年の原則自由化に反対した政党です。人間を物のように使い捨てる労働者派遣法を抜本的に改正することは、急務の課題です。登録派遣は禁止し、一時的臨時的雇用に限るよう、1999年の原則自由化前まで戻す抜本的改正を求めるべきですが、知事は、具体的にどのように対応してきたのでしょうか。
 2月に明らかになった昨年10月から12月の国民総生産の実質成長率は、速報で年率換算マイナス12.7%となりました。アメリカは3.8%の減、ヨーロッパは5.7%の減と比べて異常な落ち込みであります。ここには、日本経済の異常な外需頼み、輸出依存と労働法制の規制緩和による非正規労働者の急増、医療・社会保障改悪による負担増と増税で家計を犠牲にしてきた構造改革路線の破綻が示されているのではないでしょうか。知事はどう認識されているでしょうか。
 重大なことは、12月の鉱工業生産で岩手県が前年比28.2%減少していることであります。全国が20.8%の減、東北が21.5%の減と比べて、岩手の減少が極めて大きくなったことは、日本経済のゆがみ以上に、岩手経済が輸出依存にゆがんでいることを示しているのではないでしょうか。自動車産業、半導体産業を産業振興の二つの柱としてきたことを見直し、農林漁業はもとより、内発型の地域産業の振興に全力を挙げるべきではないでしょうか。
 景気悪化が県内中小企業に与えている影響はどうなっているでしょうか。来年度の融資枠は拡大されていますが、融資を除いた中小企業対策費はどうなっているでしょうか。企業数の99.3%、従業員数の83.9%を占める中小企業対策の予算を抜本的に拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 県立沼宮内病院と五つの診療センターを無床化しようとする計画を知事と医療局は2月19日、地域住民の声を無視して強引に決めました。県民の声も県議会の声も聞こうとせず、無理やり4月から計画を実施しようとする県政運営に、県民の怒りと不安が広がっています。
 知事に質問します。
 第1に、今回の計画は、地域医療を切り捨て、命の格差をもたらすものだということであります。岩手県の高齢化率は26.3%、今回無床化が計画されている住田町は38%、九戸村は34.4%など、既に超高齢化社会を迎えています。それだけに病気も複数持ち、いつでも診察でき入院できる医療機関があることが、健康と生活の支えとなっているのであります。
 夫が中央病院で手術、その後、地元の大迫や岩手町の病院で安らかに最期を迎えることができた。地元で入院できるから、家族が毎日付き添いにも行くことができる。岩手町の説明会では、年間190人亡くなるが、沼宮内病院で看取る人が60人、民間の診療所で20人。もし無床化されたら看取るところがなくなってしまう、こうした訴えが出されました。
 高齢化社会を迎えている中で、高齢者を支える医療、入院ができなくなるということは、まさに命の格差を広げることではないでしょうか。知事には、切り捨てられようとしている地域住民の痛みと不安をどう認識され、対応しようとしているのでしょうか。
 今、全国から注目されている藤沢町民病院は、町民、高齢者の暮らしを診る健康病院を目指し、大きな成果を上げています。こうした地域医療はだれが担うのでしょうか。先進高度医療はもとより、地域に密着した地域医療、高齢者の生活を支える地域医療に、県は責任を持つべきではないでしょうか。
 第2の問題は、無床化計画が、これまで築いてきた地域の医療、保健、介護の連携を壊してしまう重大問題だということであります。
 岩手町は、30年かけて日本一のがん検診体制を築いてきました。大腸がん検診は対象者の約70%、四千数百人が受診し、早期発見、早期治療で町民の命を守るとともに、年間1、000万円の医療費削減効果を上げています。これを支えているのは、124人の保健推進員と役場、沼宮内病院の検査、診療体制であります。4、000人を超える検体の検査が沼宮内病院で迅速に行われるために、精度が上がり、精密検査の件数もふえています。精密検査の7割、約400件は、沼宮内病院で応援の医師を含めて行われています。常勤医師が1名ないし2名の無床診療所化では、岩手町方式のがん検診体制は県によって壊されかねません。
 紫波病院は、特別養護老人ホームと併設した県内初の医療と福祉、介護の連携施設でありました。今でもにいやま荘の入所者が常時3人から5人入院し、外来にもかかっています。だからこそ、介護度が4ないし5の重度の高齢者が9割を占めてもやっていけるのだと言っています。しかし、入院できなくなると、遠くの病院に介護士や看護師がついて搬送しなければなりません。近隣の老人病院は、どこも満床で行き場がないと訴えております。住田でも大迫でも、介護施設関係者から、医療、福祉の連携を根底から崩すものと厳しい意見と不安が出されています。
 知事は、こうした地域の取り組みをどれだけ理解しているでしょうか。県の都合で一方的に医療、介護、保健の連携を崩していいのでしょうか。
 第3の問題は、医療費抑制の目的で公立病院の再編、統廃合を進め、病床削減をもたらす国のガイドラインに輪をかけて追随した計画となっていることであります。
 全国の公立病院の8割近くが赤字となっている要因は、総務省自身が認めているように、医療費削減政策のもとでの医師不足と診療報酬の引き下げ、地方交付税の削減によるものであります。医師不足の打開と地域医療の確保は、こうした国の政策の根本的な転換を図ってこそ実現されるものではないでしょうか。
 ところが、県の計画は、全く国のガイドラインを引き写したように、病床利用率が3年間、7割を割ると無床の診療所化を進め、無理な再編、統廃合を進めて、3年後には経常収支を黒字にする、こういう計画であります。地域医療を守ることこそ優先すべきではないでしょうか。
 医師不足の問題についても、厳しい状況は認めますが、冷静な議論が必要です。計画が示しているように県立病院の医師総数は増加しています。後期研修医と常勤医師数の合計では、平成15年535人から507人に28人の減少となっているのであります。問題は、全国的な医師不足の中で臨床研修医制度が導入されたため、大学の医局に研修医が集まらず常勤医師が引き揚げられたことであります。この解決のためには、医師の大幅な増員とともに、大学の医局にかわる地域への医師派遣機能を国が責任を持って構築することであります。
 国の医療費削減政策のもとでは、県立病院の縮小、リストラの繰り返しにしかなりません。国の悪政に追随するのではなく、県立病院、診療所を守る立場で対応すべきではないでしょうか。
 また、医師を支える医療クラーク、看護師、臨床検査技師、薬剤師などの大幅な増員を図るべきであります。こうしたことをやらずして無床化を強行すべきではありません。知事の認識と対応策をお聞きいたします。
 第4の問題は、計画の策定と実施のプロセスが、県民不在、県議会無視、民主主義を踏みにじるものとなっていることであります。
 11月17日の計画案の公表から、わずか3カ月で計画を決定すること自体、無謀であります。この間、2度にわたる地域説明会、懇談会が開かれましたが、住民の声をただ聞くだけに終わって、何の検討も対案も示されませんでした。4、591件のパブリックコメントに示された意見も、県議会の請願採択も無視されました。こうしたやり方は、県立病院の問題にとどまらない、県政運営に対する不信と怒りを広げているのであります。
 本来、県立病院の新しい経営計画案は、地域住民とともに地域医療をどう守るか、どう協力できるかを協議する絶好の機会だったのではないでしょうか。その協議もせず、打ち切り、協力関係を壊してきたのが、達増知事と医療局ではなかったでしょうか。だからこそ、県町村会が、計画決定後も、計画の一時凍結と地域との協議の継続を求めたのではないでしょうか。
 岩手日報2月21日付の論説で、県立病院は、昭和初期に住民が自ら出資し医療施設を運営する動きが広がったのが前身だ。そうした歴史に裏打ちされた施設に対する地域住民の思い入れを喚起できない改革では、改革の重みがない。こう厳しく指摘をしているのであります。ましてや、こうした計画を4月から強行実施するなど、無謀に無謀を重ねるものであります。
 伊関友伸城西大准教授は、密室で計画を策定したのが最大の問題。4月実施は余りにも時間がない。東北大学伊藤恒敏教授は、拙速なプロセスに瑕疵がある。4月実施のせっぱ詰まった状態でしか住民に説明していない。医師確保は緊急課題だが、理解を深めるためには、実施を半年延ばしても状況は変わらない。こう指摘をしています。こうした指摘を受けとめるべきではないでしょうか。
 第5に、既に入院患者の追い出しが始まっていることであります。
 現在の入院患者はどうなっているでしょうか。医療局は最近、無床化に関連して外来専門医の募集を行いました。医療センターで頑張っている医師は、この募集を見て、これでは現役の私は診療センターに要らないということだと述べています。これは、定年を過ぎた年配の医師の募集となるのではないでしょうか。無床診療所の医師、看護師、検査等技師、事務職員の配置基準はどうなるのでしょうか。3月半ばに新たな人事異動が出されると思いますが、これでどうして4月実施ができるのでしょうか。
 知事、地域医療を切り捨てる計画は、地域住民に大きな痛みをもたらすものであります。今後の地域医療のあり方について、協議もしないで強行すべきでは絶対ありません。4月実施を凍結し、医師不足についても、地域医療のあり方、地元医療関係者の協力のあり方を含めて協議し、信頼関係を回復、構築すべきではないでしょうか。
 県の公立病院改革指針について、知事は、県立病院を初めとする公立病院の再編、ネットワーク化を推進すると述べました。指針で診療所化の検討が提起された西和賀町の沢内病院は、生命尊重行政を継続する立場から、病院の存続を決め、リハビリや人工透析などにも取り組む改革プランを検討しています。現在、県の支援もあって医師3人体制となっています。
 知事は、全国に大きな影響を与えた旧沢内村の生命尊重行政についてどう認識されているでしょうか。民間では対応できないこうした地域医療こそ県が支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、県民の命にかかわる国保、高齢者医療、介護の問題について質問いたします。
 国保税は、県民にとって最も重く耐えがたいものとなっています。この10年間で国保税は1人当たりどれだけふえたでしょうか。国保加入世帯の県民所得はどうなったでしょうか。
 滞納者から保険証の取り上げが行われています。資格証明書、短期保険証の発行状況はどうなっているでしょうか。昨年は、保険証を取り上げられた子供の問題が問題になり、国会では議員立法で子供世帯への短期保険証の交付が決められました。1月20日には、日本共産党の小池晃参議院議員の質問趣意書に対して、麻生内閣は、子供世帯に限らず、医療が必要な滞納世帯にも短期保険証の交付はできると回答しました。
 保険証の取り上げに当たっては、こうしたことを留意して、医療が必要な世帯に対して確実に保険証が交付されるよう徹底すべきであります。現在の対応状況を含め答弁を求めます。
 後期高齢者医療制度は、舛添厚生労働大臣自身が、うば捨て山医療と言うように、高齢者差別医療であり、廃止すべきであります。同時に、老人保健法の時代にはなかった滞納者からの保険証の取り上げが盛り込まれました。12月現在で滞納者は4、447人となっています。計画では、8月に短期保険証、来年2月には資格証明書の発行の予定であります。
 子供以上に複数の病気を持ち病院にかかりやすい後期高齢者から、保険証の取り上げなどはあってはならないことであります。県はどのように対応するのでしょうか。
 介護保険は、4月から第4期事業計画に入ります。2度にわたる介護報酬の引き下げによって、保険あって介護なしの深刻な状況となっています。5、422人の特養ホーム待機者は、どう解消される計画でしょうか。保険料の引き上げ状況、保険料滞納者の状況はどうなっているでしょうか。保険料、利用料の減免実施市町村の状況を含めて示していただきたい。
 介護認定がまた改定、改悪されます。これまで以上に低く認定されるようですが、県内のモデル事業の実態を含めて、その影響を示していただきたい。
 次に、教育の課題について質問いたします。
 県民の強い要望にこたえて、来年度から35人学級が中学校1年生に試行という形で導入されます。一歩前進と評価したいと思います。
 これまで小学校1年生で実施されてきた35人学級の成果について、どう把握されているか。3、4年生に拡充できなかった理由は何か。中学校1年生に導入する場合、対象となる市町村と学校数は幾らで、実施予定はどうなるか。また、中学校1年生での全面実施の見通しはどうなるか示していただきたい。
 昨年の岩手・宮城内陸地震では、学校施設も大きな被害を受けました。土曜日であったために人的被害がなかったことは、不幸中の幸いであります。子供たちの安全にとっても、避難施設となっている防災上からも、学校施設の耐震化は緊急重要な最優先課題であります。耐震性のない学校施設の状況とその耐震化の計画は、小中、県立それぞれどうなっているでしょうか。
 教育委員長にお聞きします。全国学力テストが2度にわたって実施されました。小学校6年生と中学校3年生の全生徒を対象とする学力テストは、専門家からも、学校関係者からも、その必要性に疑問が出されています。都道府県間、市町村間、学校間の順位と競争だけが強まっているのではないでしょうか。既に少なくないテストが実施されており、子供たちをテスト漬けにしているのではないでしょうか。必要なことは、子供たち一人一人に応じたきめ細かい指導と援助の体制を強化し、保障することではないでしょうか。
 学力テストの問題点とその打開について、また、学力テスト結果の公表を行うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
 県の財政状況が厳しいときだからこそ、無駄と浪費、不要不急の大型開発は総点検し、見直すべきであります。
 知事にお聞きします。津付ダム建設事業は、来年度、再々評価を迎えます。この事業の必要性、妥当性が厳しく問われています。津付ダムの建設事業は、当面、30年に1回の洪水に対応することを目指して整備されるものであります。ところが、141億円のダムを建設しても、30年に1回の洪水に対応できないのであります。さらに23億円の河川改修が必要で、総額164億円の事業費となります。一方で、河川改修事業費は94億円で済みます。欠陥ダム建設のために、なぜ70億円もの無駄遣いをしなければならないのか、知事自身が精査すべきだと考えますが、いかがでしょうか。再々評価の見通しを含めて示していただきたい。70億円もの無駄遣いをするのであれば、県民の医療のために、県立病院のためにこそ回すべきじゃないでしょうか。
 530億円の簗川ダム建設事業も、洪水対策上の必要性が根本から問われています。自然環境を破壊する危険も指摘されています。緊急の課題は北上川合流地点の堤防の強化であります。堤防の点検、安全率と補強対策はどうなっているでしょうか。
 港湾整備事業について、昨年、包括外部監査報告で厳しく指摘されました。大船渡港湾整備事業に絞ってお聞きします。貨物取扱量の計画と実績、国、県の港湾事業の進捗状況と今後の見直し、事業の進め方はどうなっているでしょうか。
 県警の不正支出問題について、公安委員長にお聞きします。
 平成15年度から平成20年度までの県警の不正支出は24所属で2、758万円余、昨年10月末で100万円余の預け金がありました。さらに、それ以前に約400万円のお金が残っておりました。総額3、200万円の不正支出であります。これはあくまで県警自身の自主的な聞き取り調査の結果であります。公安委員会に報告し、指示を受けて調査してきたとのことですが、公安委員会には、いつ、どのように報告されたのでしょうか。県警は、本庁のように調査報告書も作成せず、不正支出が起こった具体的な要因、背景、構造的な仕組みについて報告していません。私たちは受けていません。こんなあいまいな調査でいいとしたのでしょうか。県警の不正支出は本庁と比べても異常です。警察本部の各課にまたがって預けや不正支出が行われていること、警察官の表彰の記念品が裏金、預け金から支出されていたこと、これはまさに組織ぐるみの不正だったということを示しているのではないでしょうか。捜査第二課では、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、パソコンも買っています。高速道路交通警察隊では、パソコン3台、プリンター3台も買っています。残ったお金を何にでも使えという体質だったのではないでしょうか。こうした実態について公安委員会でどのように審議され、指導されたのでしょうか。また、預け金は裏帳簿で管理されていたと思われますが、その実態はどのようなものだったのか。国費分の需用費には不正支出がなかったのでしょうか。
 代表監査委員に質問します。県警の不正支出についてはどのような監査が行われてきたのでしょうか。県警の異常な不正支出の実態について、どう把握しているのでしょうか。
 捜査報償費は、裏金問題が指摘され、社会的な問題となった平成16年に大幅に減少し、その後、微増となっていますが、国費、県費それぞれ平成15年度比でどれだけ減少しているでしょうか。減少して何か不都合があったでしょうか。来年度予算では決算額と比べて200万円弱の増額となっていますが、その具体的根拠は何でしょうか。昨日のニュースで、宮城県警の捜査報償費の裏金疑惑は濃厚だと、仙台裁判所の判決がありましたが、どう受けとめているでしょうか。
 最後に、知事の不可解な政治資金問題について質問します。
 知事の資金管理団体、世界にはばたく岩手の会の平成19年度分の収支報告書によると、主たる事務所の所在地は花巻市材木町の知事秘書宅となっています。事務所費が433万円余支出されています。知事秘書宅には看板も、電話も、人もいません。事務担当者は知事秘書であり、連絡先は県庁の秘書課であります。公私混同ではないでしょうか。事務所の実態はどうなっているのでしょうか。433万円の事務所費は実際何に使われたのでしょうか。使途不明金ではないでしょうか。
 選挙管理委員長に質問します。事務所費が使途不明金だとするなら、政治資金規正法上ではどういう問題になるでしょうか。
 知事が民主党県連の会長だった2003年から2006年の4年間に、20億円の裏金問題で社長までが逮捕された西松建設のダミー団体、新政治問題研究会から800万円、未来産業研究会から300万円の政治献金を受けています。西松建設の裏金からの政治献金は返還すべきと考えますが、どう対応されているでしょうか。実際に岩手県の公共事業でも西松建設は花巻空港整備事業で65億円余、簗川ダム建設事業で26億円余など、1996年度から2003年度の間で193億円の公共事業を請け負っているのであります。透明、公正な県政運営の立場から、毅然としたわかりやすい対応が求められていると考えますが、いかがでしょうか。
 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、雇いどめ対策などについてでありますが、現在の雇用情勢を見ますと、ITバブル不況時に匹敵する危機の状況にあり、県民の仕事や暮らしに大きな影響を及ぼしていると認識しております。この背景として、経済のグローバル化に対応するため、我が国ではいわゆる労働者派遣法改正による規制緩和などの市場原理優先の政策が進められたことにより、雇用者の3分の1が非正規雇用という就業構造を生み出し、このことが今日の雇用情勢の深刻さを増幅する要因になっているものと考えております。こうした状況を改善するために、国においては、今後の労働者派遣制度のあり方やセーフティネットの構築についてしっかりと議論していただく必要があると考えております。
 次に、失業者への支援等についてでありますが、これまで県が公表してきた雇いどめ等の数値は、雇いどめされたものと、今後、雇用調整を行う予定のものを含めたものであります。
 生活資金貸付制度の活用状況でありますが、これまでの県の離職者対策資金貸し付けは2件、国の就職安定資金融資は10件となっています。県の貸付制度が活用されにくい原因の一つとして連帯保証人が必要となっていることなどから、関係団体に対し、これらの条件の緩和について要請したところであります。また、生活保護の状況については、昨年9月から1月までの申請件数が720件、支給決定したものが591件、このうち失業や収入減によるものが102件となっています。
 なお、相談件数のデータについては把握してございません。
 次に、失業者の県営住宅等への入居状況とその対応についてでありますが、派遣労働者が寮やアパートから退去している県全体の実態については、市町村等においても十分に把握し切れない状況もありますことから、県として正確な数を押さえることは困難であります。また、雇用促進住宅、県営住宅、市町村住宅の入居可能戸数及び入居戸数でありますが、雇用促進住宅においては、廃止決定された住宅を含め空き室戸数が320戸、入居戸数が64戸、県営住宅は、入居可能戸数が19戸、うち入居は5人、市町村住宅は、入居可能戸数が48戸、うち入居は9人であります。
 失業された方々の住宅対策でありますが、雇用促進住宅については、廃止決定された住宅の活用を含め、今後も住居ニーズに対応していくとの岩手労働局の方針を伺っているほか、県営住宅、市町村住宅においては、非正規労働者の雇いどめの状況等を十分に勘案し、可能な限り対応していくこととしております。
 次に、違法な雇いどめ等に対する取り組みについてでありますが、派遣先が本来雇用契約を申し込まなければならない派遣労働者については、所管している岩手労働局がその実態を把握し、不適切な解雇、雇いどめ等があった場合には、監督指導を行うものとなっています。また、県では、国のような監督指導権限はございませんが、就業支援員等が企業を訪問する際に国のパンフレットを配布して、違法な解雇等を行わないよう理解を求めており、今後とも、岩手労働局と連携しながら積極的に啓発に取り組んでまいります。
 次に、雇いどめ、解雇の実態等についてでありますが、2月20日現在で把握している雇用調整の状況については、県内全体で6、200人余となっており、そのうち自動車関連産業では1、800人余、半導体関連産業では1、000人余となっています。これらの企業については、私を初めとして、できる限り訪問するなどして、雇用の維持、確保を要請しているところであります。
 雇用維持対策については、内部留保の活用を含め、それぞれの企業の経営判断によって決定すべきものと考えております。
 次に、県の雇用対策の拡充についてでありますが、県は、医療、介護、福祉、教育を含め、あらゆる分野でできる限りの雇用対策に努めることとしております。介護、福祉分野においては、平成21年度から平成23年度までの第4期介護保険事業支援計画期間内に、特別養護老人ホーム等の整備により400人程度の雇用を創出するほか、教育分野においては、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して、県立学校に就業支援相談補助員等を30人程度配置するなどの取り組みを進めることとしております。
 雇用創出に当たっては、国、県、市町村、民間企業等がそれぞれの役割をしっかりと果たしていくことが重要であり、こうした県の取り組みが契機となって、民間企業による雇用拡大へと波及していくことを期待しているところであります。
 次に、雇用調整助成金等の活用状況についてでありますが、岩手労働局によると、1月の実施計画受理状況は、雇用調整助成金が6事業所、対象者数で2、263人、中小企業緊急雇用安定助成金が215事業所、対象者数で1万453人であったと聞いています。
 また、ハローワークの体制などについてでありますが、相談件数がふえていると聞いておりまして、地域住民へのサービスが低下することのないよう、効果的な運営について国に要請してまいります。また、平成21年度から陸前高田市や一関市千厩町に、国と市が協力して地域職業相談室を設置し、職業相談や職業紹介の業務を行うと聞いております。
 次に、労働者派遣法の改正についてでありますが、県では、平成20年7月から、労働者派遣法の改正について、全国知事会等の場を通じて国に要請してきたところであり、今後におきましても、その改正について、全国知事会等の場を通じて強力に国に要請してまいります。
 次に、構造改革路線等に対する認識についてでありますが、現在の我が国の経済状況は、内閣府が公表した2月の月例経済報告で、急速な悪化が続いており、厳しい状況にあると5カ月連続で下方修正されるなど、与謝野経済財政政策担当大臣が、戦後最悪、戦後最大の経済危機と述べたように、極めて厳しい状況にあると認識しております。
 この主な要因は、世界経済の急速な減速を背景に、外需依存型の経済構造のもとで大幅な輸出の落ち込みとなり、さらに個人消費や企業の設備投資も大きく減少したことなどでありますが、これは、我が国が地方が主役となる内需拡大型の真の構造改革を行わず、また、セーフティネットを十分に構築しないまま市場原理優先型の政策を行ってきたために、今、世界を襲っている経済危機が我が国に影響を及ぼし、それが本県を初めとする地方の実体経済にも及んできているものと考えております。
 次に、内発型の地域産業の振興についてでありますが、自動車関連産業と半導体関連産業は、現在、非常に厳しい状況にありますが、国際競争力が高く、中長期的には引き続き成長が見込まれますことから、今後においても、これらの産業を柱として、本県ものづくり産業の基盤強化に努めていくとともに、これまで蓄積されてきた高度な技術の強みを生かし、医療機器関連産業など新たな産業の創出にも取り組んでいく考えであります。
 また、本県産業がさらに強みを増していくためには、世界経済の影響を受けにくい地域の特性や資源を生かした産業を同時に振興していくことが重要であり、農林水産業を初め本県の質の高い農林水産物を活用した食産業の展開を図るとともに、豊かな自然や高品質な県産食材、伝統文化などを生かした観光産業などの振興にも積極的に取り組んでいく考えであります。
 次に、中小企業対策についてでありますが、平成20年の県内企業の倒産は、前年に比べて件数、負債額とも増加しており、特にも負債額は対前年比で203%と大幅に増加するなど、県内中小企業を取り巻く状況は深刻であると考えております。また、平成21年度における中小企業対策関連の予算については、融資を除き35億4、000万円余となっており、厳しい財政状況の中にあって、産学官連携による事業化の促進や新産業の創出など、中小企業の事業活動を支援する取り組みについて重点的に予算配分したところであります。
 次に、地域医療に対する認識についてでありますが、無床診療所に移行する地域の皆様からは、地域説明会などにおいてさまざまな指摘が出されたところでありますが、指摘された個別具体の課題については、入院患者の受け入れ先や交通アクセスを確保すること、当分の間、夜間、休日に看護師を当直させることなど、8項目について対応策を盛り込んだところであります。
 今回の地域診療センター等の無床診療所化は、医師不足が危機的な状況にある中で、過酷な医師の業務負担を少しでも軽減し、離職防止につなげるためにはやむにやまれぬ判断であり、県立病院がこれまでどおりの機能や規模を維持することが困難となってきている現状を踏まえ、市町村立病院など他の医療機関を含めた役割分担と連携を進め、二次保健医療圏ごとに地域全体として必要な医療を提供する体制を構築していくこととしております。
 次に、地域の医療、保健、介護の連携についてでありますが、無床診療所に移行する地域においては、独自の保健活動の取り組みへの影響や介護保険施設との連携などについて、説明会等でも御意見をちょうだいいたしました。現在の危機的な医師不足に何とか歯どめをかけるためには、一刻も早く医師の過酷な勤務環境を改善することが必要でありますことから、無床診療所に移行することとしたものでありますが、市町村で取り組んでいる検診事業への協力や、また、施設入所者の一時入院への対応など個別課題については、地域との協議の場で話し合いながら対応することとしておりまして、今後も市町村と連携して取り組んでまいります。
 次に、公立病院改革ガイドラインとの関係と医師を支える職員の体制についてでありますが、今回の計画は、現在の県立病院改革プランが本年度で終了しますことから、平成21年度以降の新しい経営計画として、国のガイドラインの趣旨をも踏まえつつ、本県の危機的状況にある医師不足などの事情を考慮しながら策定したものであります。
 また、医師を支える体制については、これまでも、超音波検査の臨床検査技師による実施や、医師をサポートする認定看護師等の養成、医療クラークの導入、診療情報管理士の育成などにより医師の業務負担の軽減を図り、医師が本来の業務に専念できる体制づくりを進めてきたところであります。今後とも、要望の強い医療クラークの配置拡大や、認定看護師等専門資格職員の育成などに取り組んでいく考えであります。
 次に、計画策定の進め方についてでありますが、昨年11月の計画案公表後、さまざまな機会を通じ、県立病院が深刻な医師不足、患者数の減少、経営収支の悪化などにより、これまでどおりの機能や規模を維持していくことが難しい状況にあることや、医師の勤務環境の改善が喫緊の課題となっていることなどを説明するとともに計画案に対する意見の把握に努め、いただいた意見のうち、反映できるものは可能な限り計画に取り入れたところであります。公表から実施まで十分な時間がないという批判はございますが、県立病院の置かれている現状は一刻の猶予もならないことを御理解いただきたいと思います。
 次に、医師等の配置についてでありますが、地域診療センターの入院患者の状況は、2月末現在、平均で約9人となっております。外来専門医については、従来、当直等がネックとなって採用に至らないケースもありましたことから、新たな試みとして、採用する医師の年齢については特に限定せず、募集を行っているものであります。
 地域診療センターの基本的な職員体制については、医師は1名から2名、医師以外の職員については、看護職員は臨時職員を含めて5名、事務職員は同じく2名としておりまして、その他、各地域診療センターの実情に応じて広域基幹病院等から応援を行うなど、4月1日から新しい体制に円滑に移行できるよう、必要な職員数を確保することとしております。
 次に、4月実施の凍結についてでありますが、今回の計画は、病院長を初め現場医師の意見を踏まえて策定したものでございまして、計画実施の凍結は、医師の勤務環境の改善が先送りとなり、医師に失望感を与え、勤務意欲の低下や退職者の増加が懸念されますほか、医師確保や診療体制などに影響が出てくることが予想されますので、計画は本年4月からの実施が必要と考えております。無床診療所に移行後も、それぞれの地域で協議の場を継続することとしておりまして、市町村や地域の方々と十分話し合っていく考えでございます。
 次に、旧沢内村の地域医療についてでありますが、昭和30年代において、沢内病院を中心に地域における包括医療体制を整え、保健、医療の連携のもと乳児死亡率ゼロを達成するなど、全国に先駆けた取り組みであったと承知しております。
 また、公立病院改革推進指針は、二次保健医療圏を基本単位として、地域全体として必要な医療を提供する体制を確保するために、沢内病院を含めそれぞれの公立病院について、客観的な状況から、その改革の方向性をお示ししたものであります。各病院を運営する自治体にあっては、この指針を踏まえながら適切に対応していただくよう期待をしているところであります。なお、県としては、国民健康保険財政調整交付金などにより、必要な支援を引き続き行ってまいります。
 次に、津付ダムについてでありますが、気仙川の河川整備基本方針は、洪水被害から住民の生命や財産を守るため、目標とする治水安全度を70分の1としております。この基本方針では、ダムや遊水地、あるいは河川改修等さまざまな方法の中から、ダムと河川改修の組み合わせが社会的、経済的に最適であると判断しております。この基本方針に基づいて、今後20年間の治水対策を盛り込んでいる河川整備計画では、下流全川にわたり早期に効果的に治水安全度を向上することができる津付ダムの整備に取り組むこととしております。
 津付ダム建設事業の再々評価については、来年度、大規模事業評価専門委員会に諮ることとしております。計画については、県土整備部から説明を受けておりますが、今後ともコストの縮減に努めながら、着実に事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、私の資金管理団体の、平成19年分の事務所費についてでありますけれども、世界にはばたく岩手の会は、私が知事に就任した平成19年4月30日付で、盛岡市中心部のビルから政務秘書宅に事務所を移動しました。その後、経理及び収支報告書作成の事務は政務秘書が行っており、収支報告書の事務担当者欄には、収支報告書の内容に関する問い合わせに応じられる者の氏名、電話番号を記入することとなっていることから、政務秘書の氏名と、便宜上、県庁秘書課の政務秘書の電話番号を記載しているところであります。また、事務所の実態についてですが、政治団体の届け出上の事務所ということであり、現在は常駐の人を雇ったりしていることはございません。
 世界にはばたく岩手の会の平成19年事務所費については、そのほとんどが、私が知事に就任する前の平成19年1月から4月までにおける事務所賃貸料と通信費であります。知事就任後は、レタックス代や携帯電話料金等の通信費が主なものとなっております。
 次に、政治献金への対応についてでありますが、御指摘のあった両団体からの寄附については、民主党岩手県連において対応が考えられるべきものと認識しております。また、平成8年度から平成15年度までの本県における公共工事の入札及び発注につきましては、適正に執行されていると承知しております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔保健福祉部長岩渕良昭君登壇〕
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) まず、国保加入の現状と今後の対応についてでありますが、1世帯当たりの国保税は、平成19年度13万8、000円で、平成10年度に比較し2万9、000円の減少、1世帯当たりの国保税の課税対象となる所得は、平成19年度93万4、000円で、平成10年度に比較し55万6、000円の減少であり、また、平成21年2月1日現在、資格証明書は1、744世帯に、短期被保険者証は1万6、057世帯に交付されております。
 なお、資格証明書については、現在、7市町村において、子供のいる世帯を資格証明書の交付対象外としているほか、6市町が、資格証明書を交付されている世帯であっても、その世帯に属する子供に対しては短期被保険者証を交付しているところであります。今後とも適正かつきめ細かく対応するよう市町村に対し助言してまいります。
 次に、後期高齢者医療制度への対応についてでありますが、資格証明書の交付につきましては、保険料の滞納に特別な事情がない場合に発行するものであり、さらに、平成20年6月の政府・与党の決定により、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な者に限って資格証明書を適用するとされたことを踏まえ、広域連合においては、この適用の基準の策定に取り組んでいるところであります。県としては、こうした基準の策定を初め資格証明書の交付、運用が適切に行われるよう、広域連合に対し必要な助言を行ってまいります。
 次に、特別養護老人ホームの待機者の解消についてでありますが、平成20年3月末の入所待機者5、422人のうち在宅待機者は1、836人であり、そのうち、市町村が早期の入所が必要と判断した方は913人であります。これに対して、特別養護老人ホームは今年度303床を整備し、本年4月からの第4期介護保険事業計画期間中の整備の予定が約660床で、合わせて約960床の増加が見込まれております。
 なお、退所、入所の入れかえが毎年度1、300人程度いることから、入所の必要性が高いと判断される方から順次入所しているものと考えており、さらに、認知症グループホーム等の居住系サービスも整備し、待機者の解消を図ってまいりたいと考えております。
 次に、第4期介護保険事業計画期間の介護保険料については、市町村等から最終的な報告は受けておりませんが、現行の3、686円から8%ないし9%程度の引き上げとなるのではないかと見込んでおります。保険料滞納者は、平成19年度第1期では3、361人であり、保険料の減免制度を設けているのは、県内25保険者のうち15保険者で、平成19年度は205人が減免されました。また、介護サービス利用料の独自減免を設けているのは7保険者で、平成19年度は940人が減免されたところであります。
 次に、要介護認定の見直しについてでありますが、平成21年度から適用となる新たな認定方法の実施に先立ち、昨年9月に全国で実施された要介護認定モデル事業の本県分の結果では、2次判定結果が1次判定よりも重度に変更された割合が19.8%と、全国平均の13.3%を上回り、軽度に変更された割合が2.6%と、全国平均の5.0%を下回っております。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) まず、簗川の北上川合流点地点付近の堤防強化についてでありますが、昨年度までに2カ所でボーリング調査を行い、現在、堤防の安全性につきまして、国の研究機関の国土技術政策総合研究所などから技術指導を得ながら、安全率を含め検討を加えているところであります。
 また、簗川の堤防点検につきましては、日常の定期巡視のほか、出水期前や出水後の河川パトロールも実施しており、さらには平成20年7月に簗川を水防警報河川に指定し、浸水想定区域内の住民の方々に迅速で的確な河川情報を提供するなど、ソフト対策にも取り組んでいるところでございます。
 次に、大船渡港の港湾整備事業についてでありますが、大船渡港の計画貨物取扱量は730万トンであり、平成19年の実績貨物取扱量は約289万トンとなっております。
 また、国、県の港湾整備事業の進捗状況についてでありますが、国で進めております永浜・山口地区の水深13メートル岸壁につきましては、平成21年3月に完成する予定でございます。県が整備しております水深7.5メートルの岸壁、埠頭用地造成などについての進捗率は、平成20年度末で81.5%となる予定でございます。
 今後についてでありますが、大船渡港は、沿岸南部や内陸部の産業を支える重要な物流拠点でありますことから、水深13メートル岸壁背後の埠頭用地を初め、現在整備中の永浜・山口地区の県事業につきまして、港湾施設としての機能の早期発現を目指しまして、着実に整備を進めていく考えでございます。
   〔教育委員会委員長箱崎安弘君登壇〕
〇教育委員会委員長(箱崎安弘君) 全国学力・学習状況調査についてでありますが、学力の向上には、児童生徒一人一人の状況がどのようになっているかを把握することが大切でございます。
 学力・学習状況調査は、順位づけや競争を目的とするものではなく、一人一人の定着の状況を診断し、その後の学習に生かすことが目的であるととらえておりますので、本県では、全国の調査と本県の調査を、実施学年や教科が重なることがないよう配慮して実施しており、状況の把握と指導の改善に活用しているところでございます。
 また、学力・学習状況調査は、児童生徒の学力向上を目的として行っているものでございまして、学習状況を的確にとらえ、調査の結果を一人一人の学習に生かしていくことが何よりも大切であることから、本県では、調査結果を公表することは考えてございません。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 35人学級の拡充についてでありますが、平成18年度から順次取り組んでまいりました小学校1、2年生における35人学級の成果については、小学校の入学時点で一人一人に目が行き届くことから、基本的な生活習慣が身につきやすい、教師が個別に指導する時間がふえることから、つまずきのある児童が減った、などとといった学習面や生活面における小学校入学段階における円滑な教育の推進の観点から、成果があるものととらえております。
 少人数学級の拡充につきましては、現在の児童生徒の実態や限りある教育資源を勘案する一方で、本県中学校の基礎学力の向上、学校不適応生徒への指導等の充実を図るため、いわゆる中1ギャップ解消の取り組みが必要であり、中学校生活を円滑にスタートさせることの重要性から、来年度、中学校1年生で少人数学級の試行的実施を行うこととしたものであります。
 中学校1年生への35人学級の導入については、当初、17市町村41校がその対象でありましたが、平成21年1月31日現在で実施予定の学校があるのは11市町村22校となっており、この後、4月当初の生徒数により35人学級を確定する予定としております。
 今後、今般導入する学校と導入しない学校が生ずることから、それぞれについて検証を進め、市町村教育委員会と十分協議しながら、本実施に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、学校施設の耐震化の現状と対応についてでありますが、まず、耐震性のない学校施設の現状につきましては、昨年6月、文部科学省が公表しました公立学校施設の耐震改修状況調査結果によりますと、小中学校609棟、県立学校127棟、特別支援学校3棟が、耐震性がないとされております。
 次に、耐震化の計画については、県では平成19年1月、岩手県耐震改修促進計画を策定し、この中で、公立学校施設については、耐震化率の目標を平成27年度までに、県立学校は100%に、市町村立学校は75%とすることとしております。
 今後におきましては、県立学校については、計画的に耐震化を進めるとともに、市町村立学校については、国の2次にわたる補正予算などを活用しながら、これまで以上に耐震化が促進されるよう、市町村教育委員会と連携しながら学校施設の安全化に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔選挙管理委員会委員長野村弘君登壇〕
〇選挙管理委員会委員長(野村弘君) 政治団体の事務所費と政治資金規正法の関係についてでありますが、政治団体の活動において、事務所の維持に通常必要とされる経費については、政治資金規正法上、事務所費として収支報告書に計上することとされております。 
 仮に事務所費の収支報告書への記載について、故意または重大な過失により虚偽の記入をした者に対しては、政治資金規正法上、罰則があります。
 なお、単なる計算誤りなど軽微な過失によるものは、虚偽の記入に含まれないと解されております。
   〔代表監査委員菊池武利君登壇〕
〇代表監査委員(菊池武利君) 県警関係の不正支出についてでありますけれども、まず、監査の実施状況ですが、平成15年度から平成18年度までは、県警本部各課を決算前に監査し、また、各警察署は、期中監査で実施したところであります。
 監査の手法は、関係書類を中心に点検するものであります。
 平成19年度は、8月に決算前監査として警察本部各課を監査いたしました。さらに、期中監査として12警察署を実施する予定でありましたが、不正があることがわかりましたため、改めて、平成20年11月26日に、県警本部各課及び警察署の随時監査を実施したところであります。
 その後、不適正な事務処理があった4警察署及び平成20年度は対象としていなかった2警察署を、2月までに追加して監査を実施しております。
 監査の内容は、需用費の預けや差しかえなどの不適正支出に係る手法、これは手口と言っていいかもしれません。その手法と実際の納入物品等の内容について、支出関係書類及び納品物品状況確認表を調査、点検するとともに、担当者から内容を聴取いたしました。
 次に、不正支出の実態の把握についてでありますが、不正支出があることがわかったため、随時監査の実施及び不正のあった警察署の定期監査の実施により、平成19年度分として10機関、45件、200万円余りの不適当な支出を把握したところであります。
 不正支出の内容は、既に公表されているとおり、需用費を預けなどによって、ポットやシュレッダーなど、いろいろな物品を買ったというものでありました。
   〔公安委員会委員長元持勝利君登壇〕
〇公安委員会委員長(元持勝利君) 県警察のこのたびの問題につきましては、昨年11月7日に全庁調査を行う旨の報告、11月18日には全庁調査の進捗状況、さらに、同25日には臨時に会議を招集し調査結果の報告を受けております。また、12月2日には、納入物品の詳細な確認状況について追加報告を受けております。
 これらの報告に際し、当委員会からは、原因、背景について徹底した調査をすること、早急な再発防止策の検討を実施すること、関係者に対して厳正に対処すること、県民の皆様に対する説明責任を果たすこと等を指示しており、所要の調査がなされたものと考えております。
 組織ぐるみの不正などの御指摘につきましては、予算を残したくないという意識等から、複数の所属で預け金などが行われていたものと考えており、購入されたものは、いずれも業務上必要な物品であったとの報告を受けております。
 当委員会としては、このたびの問題を踏まえ、昨年12月に臨時に開催された県下副署長等会議、本年1月の県下警察署長会議などにおいて、職員の公金に対する意識を徹底すること、計画的な予算の執行に努めること、予算使い切りの意識を改めることなどを指示したところであり、県警察においては、現在、その対策に真摯に取り組んでいるものと認識しております。
 なお、預け金の管理につきましては、業者が残高管理を行い、担当者はその都度メモ等で把握していたこと、補助金につきましては、これまで預け金などは確認されていないとの報告を受けております。
 当委員会といたしましては、県民の警察への信頼回復に向け、再発防止対策の徹底について、引き続き県警察を督励してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長保住正保君登壇〕
〇警察本部長(保住正保君) 国費捜査費、県費捜査用報償費についてでありますが、平成19年度について平成15年度と比較して申し上げますと、国費捜査費は、平成15年度が約4、557万円、平成19年度が約3、749万円で、約809万円、率にして18%の減となっております。
 県費捜査用報償費につきましては、平成15年度が約3、061万円、平成19年度が約1、957万円であり、約1、104万円、率にして36%の減となっております。
 なお、捜査費、捜査用報償費の増減によって、捜査活動に特に支障が生じているというようなことはございません。
 平成21年度当初予算額は、前年度の実績、犯罪の発生状況、当該年度に予定されている事案等を勘案して積算したものでございます。
 なお、他府県が関係する訴訟につきましてコメントすることは差し控えたいと思います。
〇38番(斉藤信君) じゃ、質問させていただきます。最初に雇用問題でありますけれども、6、222名が3月までに雇いどめ、解雇をされるという、今、本当に重大な局面に私たちはあるわけです。それにしては先ほどの答弁というのは、何の緊張感も重大性も伝わらないような残念な答弁だったと思います。
 既に今まで解雇された数というのはわからないのですか。これ、第1点ね。
 二つ目に、今6、222名が雇いどめ、解雇されようとしているけれども、一番の問題は、この多くが違法、無法な雇いどめ、解雇だということなんですよ。岩手労働局の調査でも、派遣労働者の解雇の中で約半分は契約期間中の解雇ですよ。私は、いろいろな労働者に聞いているけれども、3年、4年と働いている派遣労働者が多いのです。だとすれば、本来これは、首を切るどころか、派遣先が直接雇用を申し出なければならない、そういう派遣労働者なんです。
 私は、だから今、本当になって、やってはならない派遣切り、解雇を食いとめる、この対策に全力を挙げなければだめだと思うんですよ。違法、無法なんですから。
 例えば、岩手労連のハローワーク前でのアンケートをもう少し紹介しますと、これは30代男性、盛岡ですけれども、このままでは死ぬしかない。日本は終わっている。北上、1月にシチズンに解雇された。住むところがなく知人宅にいる。一緒に70人解雇された。
 私は北上のハローワーク前で、関東自動車で派遣を切られたという30代の青年の話を聞きました。12月までに切られています。この20代の同僚が自殺したという話までしているんですよ。
 今の派遣労働者の解雇というのは、低賃金で働かされているから貯金もない、首を切られたら住むところがない、本当に深刻な事態なんですよ。滑り台社会とも言われます。それだけに、本当にこれを食いとめる対策というものを、厚生労働省の岩手労働局の調査でも、半分は契約期間中だ、多くは3年、4年働いている労働者だとするなら、この現行法を活用して食いとめる対策が必要なのではないか。岩手労働局に任せるような話では、私はだめだと思います。
 それと、関東自動車の問題ですけれども、私は、関東自動車の期間社員からも相談を受けています。もう4年以上働いています。2年11カ月ではなくて、4年以上働いている。なぜかというと、やはり熟練工が欲しいんですよ。1年雇用を継続している。だとするなら、これは、契約期間が来たから解雇できる労働者ではないと。関東自動車の正社員の比率を示していただきたい。そして、3年以上働いている期間工の実態を示していただきたい。
 関東自動車は、正社員の比率が低過ぎますよ。自動車産業が今、調子が悪いからといってすぐ首切りしているけれども、とんでもない話です。さっき言ったように1、024億円の内部留保を持っているんですよ、関東自動車は。4年間で210億円もためたんですよ。なぜこれを使わないんですか。経営者の判断だなんていう、そういうことでは、私は労働者の雇用は守れないと思う。
 例えば、1月31日付の毎日新聞、世界同時不況のしわ寄せは、まず非正規に及んだ。雇用の調整弁として使われ、真っ先に解雇された。内部留保をふやしてきた企業が、その一部を取り崩してなぜ非正規雇用を守らないのだろうか。東京新聞、これは1月16日付ですけれども、企業には好業績で蓄えた内部留保がある。大企業16社だけで合計額は2008年9月、約33兆6、000億円と言う。企業の埋蔵金であり、雇用維持や賃上げに活用する余地はある。こういうことを求めるのは当たり前のことではないでしょうか。
 ヨーロッパも、同じように減産体制、景気後退しています。大量解雇は全くやっていませんよ、ヨーロッパは。雇用を守るという立場で企業も行政も頑張っているからです。
 富士通に私は行ってきましたけれども、ここは解雇ではありませんが、1、100名の配転合理化計画。1、700名のうち1、100名です。半導体の部署ですから、同じ仕事に配転するのではないんです。全く違った分野に行かなくてはならない。どこに行くかわからない。平均年齢43歳で、もう20年以上みんな働いている。マイホームを持っている、ローンも抱えている。
 私は、富士通に直接行って、この見直しができないか、富士通本体は8、000億円の内部留保を持っているから、岩手工場で新規事業をやって雇用を守れないかということを求めてきましたけれども、知事は、関東自動車にも富士通にも行きました。行ってどうだったのか、そのことを示していただきたい。
 それと、住宅の問題ですけれども、先ほど、雇用促進住宅は320戸入れるのに64戸しか入っていないと。相談をすると、先ほど紹介したように住むところがないとたくさん出てくるんですよ。なぜそうなるかというと、雇用促進住宅、どこが幾らあいているか示していないのです、公表していないのです。私は、こんなでたらめなやり方ではだめだと思うんです。今、どこの住宅が幾ら入れるかということを示したら、かなりの改善がされるのではないか。そういう解決策をとっていただきたい。
 医療の問題で、私は、今一番問われているのは地域医療の問題と提起しました。藤沢町民病院の佐藤院長は、新聞紙上でこう言っているんです。地域医療は、医師と住民が協働でつくる文化だ。地域医療は、医師はもとより、住民と一緒になって支える医療なんです。そして、それは住田でも大迫でも紫波でも花泉でも、住民にとって、自治体にとって最大の課題ですよ。
 命にかかわるこの事業、課題というのは、その地域の最大の課題です。その最大の課題について、県が計画を決めたから、それをのみなさいというやり方は、私は絶対ないと思う。みんなが一番の課題だと思っている課題について、なぜ自治体と協議して、住民と協議して地域医療のあり方を考えられないのか。考えた結果、それは無床化やむを得ないとなるかもしれない、ならないかもしれない。私は守るべきだと思うけれども、そういうプロセスなしに県だけで一番重大なこの地域医療の課題を強行実施すべきでない。改めて知事にお伺いします。
 二つ目に、医師不足が深刻なんだと。私、一面的強調だと思いますよ。先ほども私は指摘をしました、医師総数はふえているのです。そういう点では、私は県と医療局は本当に頑張っていると思いますよ。ただ問題は、中身が違ってきた。残念ながら、絶対的不足の中で、岩手医大に臨床研修医が残らない。それで常勤医が戻されている。しかし、医師総数はふえているんですね。急速に最近減ってきたと言っていますけれども、知事、違いますよ。平成16年の退職者は38人、17年37人、18年28人、19年37人。この一、二年で急速に減ったのではないんです。同じに推移しているんです。
 そしてもう一つ、採用者も同じぐらいあるのですよ。私は、岩手県の宣伝は誇大宣伝だと思いますよ。深刻さは私も認めます。しかし、減った数だけ言ってはだめですよ。それなりに頑張っているけれども大変だと。私はそういう点で、こういう問題は冷静に議論しなくてはならない。そうしないと皆さん、医師のせいで地域医療がつぶされたということになるのですよ。もっと冷静な議論をしなければ、医師と住民の対立の構造をつくってしまうのですよ。私は、そうあってはならないと思います。
 医師の深刻さも共有をする、しかし、地域医療を実践しているお医者さんは、みんな地域医療を守りたいと言っていますよ。そこをやはり冷静な議論をすべきだ。
 知事、いいですか、退職者と採用者の数を示してください。
 三つ目の問題は、8項目のごまかしなんですよ。8項目は全然県民は求めていなかった。無床化をごり押しするためにつけ足されたんです。例えば、入院が必要な患者の受け入れ先の確保。基幹病院を中心に受け入れる。しかし、診療所に入っている患者さんは、慢性期の高齢者の患者です。中央病院に行って、中部病院に行って、1週間で戻されたらどこに行くんですか。行き先がないですよ。20日、30日受け入れることができますか。そして、老人病院はどこも満床なのです。
 交通アクセスの確保、無料で送迎する交通手段を確保すると言っています。私は、3月末までに入院患者はいなくなると思いますよ。大体、診療センターで入院は判断できないのです。基幹病院に照会して、基幹病院が入院するかどうかを判断するのですよ。いつ車で送迎するんですか。
 看護師を当分の間、夜間配置する、これは大変ひんしゅくを買っています。当直の看護師に相談があって、判断できますか、看護師さんが。あなたは診療したほうがいいとか、待機したほうがいいとか。これは大変なことなんですよ。本当に形だけ、机上のことなんです。これは、現場の医師も看護師もとんでもないことだと言っていますよ。
 地域の個別課題への対応。私は、岩手町のがん検診体制を紹介しました。工藤議員も紹介しました。これは、平成18年に保健文化賞を岩手町が受賞した。全国で最もすぐれた保健活動として、がん検診体制は表彰されたのですよ。それは、先ほど紹介したように、120人を超える保健推進員や沼宮内病院を核にしてやったのです。常勤の医師だけでは足りないので、応援の医師もここに来ているんですよ。そして、検査も2人でやっているのですよ。どうして常勤一、二名の体制で、検査1名の体制で、これができますか。30年築いてきた検査体制、これから協議するなんていう話じゃないでしょう。そういう見通しを立てて決めるべきでしょう。
 住田町でも、介護と医療の連携の会議を毎月やっています。入院するベッドがなかったらできなくなるんじゃないか。20人の訪問診療をやっています。2人の医師でやっているんですよ。入院があるから訪問診療が生きると言っているんですよ。入院した患者を在宅に戻す、ぐあいが悪かったらまた入院してもらう、こうやって訪問診療は生きるのです。こういう一つ一つの問題について、協議もしない、解決もしないで一方的に切り捨てるということは、とんでもない話だと。だから、この8項目というのは全くでたらめなんですよ。
 空きスペースの活用では、知事は1月31日の知事査定で、既に、無床化を前提にして介護施設を活用したら、1カ所3、100万円ずつの予算が計上されているんですよ。1月31日の段階では、これは決まっているんですよ。あなた方は、地域の説明会、懇談会をやっても、全然聞こうとしなかった。こういうやり方では、県民、住民の理解は得られない。県政への信頼が崩れかねない。いま一度立ちどまって、やっぱり対応する勇気が必要だ。
 最後に、世界にはばたく岩手の会は1階と3階の事務所を借りました。家賃を全部払っても200万円そこそこです。通信費は別に政治活動費として計上されています。幾ら計算しても、200万円見えないのですよ。そして、あの選挙事務所もここで借りていました。岩手1区総支部の事務所も借りていました。3団体が入っていたんです。全額払ったって200万円も残るんですよ。これは本当におかしいし、連絡場所が県庁ということはないでしょう。あなたは反省の言葉は一つもなかったけれども、どうなんですか。
〇副議長(佐々木大和君) 少々お待ちください。今、答弁の準備をしていますから、少しお待ちください。(「休憩」と呼ぶ者あり)ちょっとお待ちください。(「議事進行」と呼ぶ者あり)

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