平成20年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 次の議案に反対の討論を行います。
 議案第6号、第14号は、一般職と市町村立学校職員の給与等に関する条例を一部改正しようとするものであります。小・中・高の教職員の特別手当を月額4、300円引き下げるものであります。総額4億4、000万円の減額となります。既に今年度から、特例減額で教職員は約13億円の賃金の引き下げが行われており、許されるものではありません。
 議案第13号は、青少年の家条例の一部を改正するものでありますが、その中身は、新たに使用料を徴収しようとするものであります。わずか200万円程度の増収となるものの、利用者は3割減少すると見込んでいることは問題であります。社会教育、生涯教育に受益者負担主義、市場原理主義を導入しようとするものであり、反対であります。
 議案第21号、25号、41号、44号、45号、51号は、県立の施設の管理運営を指定管理者に指定するものであります。岩手産業文化センターは、正規雇用が1人、非正規が6人と、非正規雇用が拡大しています。県民の森も正規1人に、非正規は9人となっています。陸中海岸青少年の家の場合は、非正規が2人だけの運営であり、官製ワーキングプアを広げるものであり、反対するものであります。県立博物館と県立美術館は文化振興事業団への指定でありますが、正規1人、非正規職員1人で4億6、200万円、7億800万円の委託料となっています。指定管理者の実態のないものであります。県営武道館の場合は、利用料の値上げが盛り込まれており、反対するものであります。
 議案第54号は、岩手県住宅供給公社の解散に関し議決を求めるものであります。
 第1に、9月末現在で9団地、231区画が売れ残っています。販売価格で約12億7、000万円余となります。最近は投げ売り状態であります。住宅団地の造成の進め方に問題があったのではないかと思います。
 第2に、現在も13人のプロパー職員の再就職が決まっていないことであります。県の出資法人であり、最後の1人まで再就職が決まるまで責任を持って取り組む必要があります。
 第3に、出資法人改革の中で早々と解散が決められました。そのために売れ残った団地の赤字覚悟での投げ売りのような事態も引き起こされました。もっと見通しを持った解決策があったものだと考えるものであります。
 次に、6市町村の地域住民による沼宮内病院と五つの診療所の無床化計画に反対し、地域医療の充実強化を求める請願の採択に賛成の討論を行います。
 私はこの間、花泉、紫波、住田、大迫、岩手町の県立病院と診療センターを訪問し、病院長、センター長らから地域医療の実情を聞くとともに、首長さんや地域住民の皆さんの切実な声を聞いてまいりました。
 県立病院、診療センターの無床化に反対する第1の理由は、無床化が診療センター廃止への道であり、地域医療切り捨ての道となる危険があるからであります。本会議の質疑で明らかにしたように、無床化の体制は、医師は応援を含めて2名、看護師3名に補助員2名、事務は2名という体制であります。これは開業医と基本的に変わりません。開業医の多い紫波町や岩手町、花泉では開業医と競合することになり、県立として存在する意義が失われます。実際、広域基幹病院の院長は、無床の診療所は存在意義がないと述べているのであります。
 第2の理由は、無床の診療所化は、土日、祝日、夜間は無医地区になり、地域医療の切り捨てとなることであります。高齢者が夜、ぐあい悪くなったら、特養ホームや老人保健施設のお年寄りがぐあい悪くなったら、どこへ行けばよいのか。紫波町でも、大迫でも、岩手町でも強く訴えられました。入院できる病院、診療センターが地域にあってこそ、安心して地域で暮らすことができるのであります。また、介護施設にとって、なくてはならないよりどころとなっているのであります。
 第3の理由は、無床の診療所化では、医師にとっても、地域の開業医にとっても、患者や家族にとっても、安心できる医療が脅かされるということであります。医師は、入院できるベッドがあるからこそ安心して患者を診て、必要なら入院をさせ、様子を見ることができます。入院ベッドがなければ、すぐ大きな病院に転院させなければなりません。また、入院ベッドのない診療センターでは、医師にとっても魅力のない施設となり、今頑張っている医師もやめかねないのであります。地域の開業医にとっても、入院できる県立の医療機関があることが大きな支えとなっているのであります。大迫では、中央病院で手術して、大迫で療養できた、ホスピスのような病院だった。岩手町でも、夫が脳梗塞で倒れたとき、沼宮内病院に入院してリハビリで助けられたとの訴えがありました。入院ベッドのある病院・診療センターは、文字どおり、地域住民の命綱となっているのであります。
 第4の理由は、地域住民に対してまともに説明することなく、2月には計画を策定し、4月には無床化を強行して、今入院している患者を追い出すやり方は、余りにも無謀なやり方だということであります。計画の中身が問題だけでなく、進め方も異常な地域住民無視、県民無視のやり方だと言わなければなりません。
 県議会での請願の採択は、地域住民・県民の切実な声にこたえた意思表示であり、審判であります。パブリックコメントに寄せられる県民の声とともに、最大限に考慮されるべきであります。ところが、昨日の新聞には達増知事のコメントが載っていますが、請願が環境福祉委員会で採択されたにもかかわらず、計画どおり実施したいと述べていることは、県議会の意思を無視する、県民の声を無視する態度だと言わなければなりません。こうした異常な、かたくなな態度が県民の不信と怒りを広げているのであります。
 第5の理由は、無床化の計画が、地域が築いてきた医療保健活動を壊しかねないことであります。岩手町は日本一のがん検診事業を築き上げ、一昨年、権威ある保健文化賞を受賞しました。検診による早期発見、早期治療で住民の健康を守るとともに、年間1、000万円の医療費削減の効果も上げています。検診事業と治療の中核になっているのが県立沼宮内病院であります。紫波病院は特養ホームと隣接した県内初めての医療と福祉の連携モデル施設第1号でありました。大迫や住田診療センターでの訪問診療、訪問看護も貴重な取り組みであります。無床化では、こうした取り組みが壊されかねないのであります。
 第6に、新しい経営計画案が、破綻した自公政治の医療費削減政策の継続を前提としていることであります。しかし、医師不足を認めなかった自公政権は、やっとその誤りを認め、医師の定員は来年度から大幅に増員されることになりました。社会保障費の年2、200億円の削減も、医療・介護・福祉をずたずたに崩壊させてきたことが、今やだれの目にも明らかとなり、その根本的な転換が求められているのであります。国の医療費削減政策の転換をかち取ることこそ、県立病院と地域医療を守る最も確かな道であります。世界に例のない医療費削減政策に追随した計画ではなく、住民の生命と尊厳を大切にする地域医療を守り抜く計画こそ策定すべきであります。
 もちろん、直面している深刻な医師不足の問題も軽視することなく、あらゆる実効ある対策を講じるべきであります。さきの討論で述べたとおり、医師を支える医療クラークの大幅な増員、看護師や臨床検査技師、薬剤師などの増員などで医師の負担を軽減することが必要です。地域の開業医、地元医師会との連携を強め、初期救急、夜間救急などの体制を確立するとともに、宮古市などのように、広域基幹病院への応援体制なども真剣に検討すべきであります。
 今必要なことは、県下にあまねく医療の均てんをという県立病院の創業の精神をいかにして守り、発展させるかであります。日本で最初に老人医療費と乳幼児医療費無料化を実施した沢内村の深澤晟雄村長は、1963年、保健文化賞を受賞したときに、人命の格差は絶対に許せない、生命・健康に関する限り、国家ないし自治体は格差なく平等に全住民に対し責任を持つべきであると述べました。地域医療を築き、守り抜いてきた歴史と伝統に学び、地域住民の切実な声に耳を傾け、地域医療の切り捨てとなる県立病院の計画は撤回し、見直すべきであります。
 請願第39号、第42号は、六ヶ所再処理工場からの放射性廃棄物の海洋投棄と海洋汚染に反対し、規制を求めるものであります。再処理技術自身が技術的に未確立で、原発以上に危険なものであります。実際に事故続きであり、本来、プルサーマル計画の中止を求めるべきであります。海と漁業を守れという沿岸漁民等の切実な願いにこたえ、請願は採択されるべきであります。
 以上を申し上げ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第39号「放射能を海に流さないこと」とする法律、放射能海洋放出規制法(仮称)の法律制定を求める請願を採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は不採択であります。
 本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立少数であります。よって、請願陳情中、受理番号第39号「放射能を海に流さないこと」とする法律、放射能海洋放出規制法(仮称)の法律制定を求める請願は、不採択と決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第42号岩手県を六ケ所再処理工場の放射能汚染から守ることについての請願を採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は不採択であります。
 本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立少数であります。よって、請願陳情中、受理番号第42号岩手県を六ケ所再処理工場の放射能汚染から守ることについての請願は、不採択と決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第48号、受理番号第50号から受理番号第54号を一括して採決いたします。
 各請願は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、受理番号第48号、受理番号第50号から受理番号第54号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第57号保険業法の制度と運用を見直し、自主的な共済の保険業法の適用除外を求める請願を採決いたします。
 本請願は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、受理番号第57号保険業法の制度と運用を見直し、自主的な共済の保険業法の適用除外を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第6号、議案第13号、議案第14号、議案第21号、議案第25号、議案第41号、議案第44号、議案第45号、議案第51号、及び議案第54号を一括して採決いたします。
 各案件は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第6号、議案第13号、議案第14号、議案第21号、議案第25号、議案第41号、議案第44号、議案第45号、議案第51号、及び議案第54号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第5号まで、議案第7号から議案第12号まで、議案第15号から議案第20号まで、議案第22号から議案第24号まで、議案第26号から議案第40号まで、議案第42号、議案第43号、議案第46号から議案第50号まで、議案第52号、議案第53号、議案第55号及び発議案第1号を一括して採決いたします。
 各案件は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第5号まで、議案第7号から議案第12号まで、議案第15号から議案第20号まで、議案第22号から議案第24号まで、議案第26号から議案第40号まで、議案第42号、議案第43号、議案第46号から議案第50号まで、議案第52号、議案第53号、議案第55号及び発議案第1号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第72 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第72、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
1 継続審査
 総務委員会
  請願陳情受理番号第49号 地域公共交通維持継続に向けた請願
  請願陳情受理番号第56号 家族従業者の人権保障のため所得税法第56条の廃止を求める請願
 商工文教委員会
  請願陳情受理番号第55号 教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成についての請願
2 継続調査
 総務委員会
  県警察における若手警察官の育成状況等について
 環境福祉委員会
  肝炎対策計画について
 農林水産委員会
  林業の担い手対策について
 県土整備委員会
  道路整備をめぐる最近の情勢について
〇議長(渡辺幸貫君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第73 議案第56号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第73、議案第56号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。宮舘副知事。
   〔副知事宮舘壽喜君登壇〕
〇副知事(宮舘壽喜君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
 議案第56号は、収用委員会の委員であります津志田武氏、佐藤克郎氏、小泉寛氏、同じく予備委員であります東海林寛子氏の任期が12月24日で満了となりますので、4氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(渡辺幸貫君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第56号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第56号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第56号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   日程第74 発議案第2号岩手県議会基本条例
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第74、発議案第2号岩手県議会基本条例を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。佐々木議会のあり方調査特別委員長。
   〔議会のあり方調査特別委員長佐々木一榮君登壇〕

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