平成20年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇議会のあり方調査特別委員長(佐々木一榮君) 民主・県民会議の佐々木一榮でございます。
 私は、議会のあり方調査特別委員会の発議案として本日提出いたしました発議案第2号岩手県議会基本条例について、議会のあり方調査特別委員会を代表して御説明申し上げます。
 戦後の日本を支えてきた中央集権型の行政システムが、社会の構造的変化を受け、さまざまな問題に対応力を失いつつある今日、自立した地方の創意工夫が生かされる分権型社会の実現が強く求められています。
 しかし、地方分権は、平成12年4月に、いわゆる地方分権一括法が施行され本格的なスタートが切られて以来8年以上経過した現在においても、なお多くの面において課題が指摘されており、その実現は道半ばであります。
 地方分権改革をなし遂げ、地方自治体の自主性や自立性をさらに高め、住民主導の行政システムに転換し、真の地方自治を実現していくためには、我々地方議会が、まずは現行の制度の中で、そのためにでき得ることに果敢に取り組むとともに、さらなる分権の推進に向けた機運をみずから高めていくことが必要であります。
 本県議会は、これまでもさまざまな取り組みにより議会改革や活性化に努めてきたところではあります。しかしながら、県政に関する政策をみずから立案・提言したり、知事による事務の執行について監視・評価したり、議会の活動状況について説明責任を果たしたりといった、分権改革以降、特に地方議会に求められるようになってきた取り組みが十分だったとは、必ずしも言えないところであります。
 本来、県の機関の中で住民に最も近い存在であるべき議会が、ともすれば遠い存在として県民の皆様にとらえられてきたこともまた事実であり、議会と議員は、今まさにその果たすべき本来の機能と存在意義を問われていると言えます。
 そもそも議会は、知事とともに県民から直接選挙によって選ばれ、ともに県民を代表するという二元代表制のもと、知事と対等で切磋琢磨の関係を築き、県民の意向から乖離することなく適正にその職責を全うしていく責めを負っています。
 この条例は、このような二元代表制のもとにおいて、県議会が担う具体的な役割と議会を構成する議員の活動期間、さらに県民参加による県政実現に向けた実効ある取り組みの方向性を明らかにするとともに、議会改革に継続的に取り組み、県民の負託にこたえる議会のあり方を不断に追求していこうとするものであります。
 我々議会が、県民から選ばれた県民全体の奉仕者であるという誇りと議会の果たすべき役割を自覚するとともに、この条例の内容を実践していくことにより、県民の意向を反映し、県民に開かれた議会、県民に信頼される議会を構築し、県民福祉の向上及び県勢の発展に寄与するため、この条例を制定するものです。
 主な条例の内容としましては、議会の役割及び活動方針、議員の活動及び活動方針について定めること。県民と議会との関係の基本的考え方について定めるとともに、県民参加の具体的取り組みについて定めること。二元代表制のもとにおける知事等と議会との関係の基本原則について定めるとともに、知事等とも対等で緊張ある関係を構築するための具体的方策について定めること。その他、議会運営の基本となる事項等について定めることであります。
 次に、条例の施行期日については、平成21年4月1日としております。
 なお、本条例案の作成に当たっては、参考人招致や県民説明会等を通じ、多くの皆様方から御意見を伺いながら検討を進めてまいりました。最後に、この条例の策定に当たり御尽力いただきました議会のあり方調査特別委員会の委員を初めとする議員諸君の苦心と努力を多とするものであり、心から敬意を表し、提案理由の説明とさせていただきます。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております発議案第2号岩手県議会基本条例は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより発議案第2号岩手県議会基本条例を採決いたします。
 本案は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、発議案第2号岩手県議会基本条例は、原案のとおり可決されました。
   日程第75 発議案第3号自主的な共済制度を新保険業法の適用除外とすることを求める意見書
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第75、発議案第3号自主的な共済制度を新保険業法の適用除外とすることを求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。工藤総務委員長。
   〔総務委員長工藤大輔君登壇〕

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