平成20年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案に対する質疑を行います。
 議案第1号は、2008年度岩手県一般会計補正予算(第3号)であります。
 第1に、灯油高騰対策緊急特別支援事業費補助いわゆる福祉灯油として1億2、483万円余計上されています。いち早く実施を明らかにしてきたことを評価するものであります。補助の対象世帯、市町村の動向はどうなっているでしょうか。年内に支給できるでしょうか。また、昨年度は障がい者施設にも補助がありましたが、昨年度の実績と今年度の実施の見通しはどうなっているでしょうか。
 第2に、原油高騰対策として省エネルギー型の農業機械等の整備に助成する強い農業づくり交付金が4、996万円余計上されています。具体的にどこに何を整備するために助成されるのでしょうか。原油高騰対策はほかにどういう事業が行われているでしょうか。原油高騰による農家の負担増、影響額をどう把握しているでしょうか。
 議案第8号は、看護師養成所条例の一部を改正する条例であります。県立水沢高等看護学院を廃止するものでありますが、県内の看護師需給見通しはどうなっているでしょうか。看護師確保の具体的な対策はどうなっているでしょうか。
 議案第6号、議案第7号、議案第14号は、県人事委員会の勧告に基づく県職員、教員等の給与、特殊勤務手当に関する条例の一部を改正するものであります。
 第1に、通勤手当は引き上げとなりますが、義務教育等教員特別手当は限度額が4、300円引き下げとなります。部活動などの教員特殊業務手当の限度額は3、200円引き上げとなります。小学校の教員の場合は基本的に引き下げとなると思いますが、どれだけの教員がどれだけ引き下げとなるのか、示していただきたい。中学校、高校の場合はどうなるでしょうか。教員の超過勤務手当は改善されるのでしょうか。
 第2に、人事院は国家公務員の勤務時間の15分の時間短縮を勧告し、国はそれを実施しようとしています。県人事委員会はなぜ勧告しなかったのでしょうか。県はなぜ時間短縮を実施しないのでしょうか。
 議案第11号は、県立花巻厚生病院及び県立北上病院を統合し、県立中部病院を設置しようとするものであります。
 第1に、統合により新たな機能と診療科、その常勤医師確保の見通しはどうなっているでしょうか。医師などの職員体制はそれぞれどうなるでしょうか。
 第2に、診療科も機能も強化され、岩手中部保健医療圏での高度特殊医療の体制が確立し、盛岡医療圏に流出している16.8%の入院患者が戻れるとしていますが、病床数は一般病床で493床から414床に79床も減少します。減らし過ぎではないでしょうか。これで流出している患者が戻れるのでしょうか。
 第3に、緩和ケア病棟が設置されますが、磐井病院での実績はどうなっているでしょうか。中部病院の特徴はどうなるのでしょうか。
 第4に、初診患者は診ないという話が一部でありますが、どうなるのでしょうか。開業医との連携は時間をかけ、患者の理解を広げながら進めるべきではないでしょうか。
 第5に、県立病院の新しい経営計画案では大迫地域診療センターは中部医療圏であります。中部病院附属の診療センターとなるのでしょうか。具体的にどういう連携、ネットワークとなるのでしょうか。大迫診療センターが無床化となれば、地域に入院施設がなくなります。年間198人の入院患者はどうなるのでしょうか。特養ホームや老人保健施設の高齢者はどこに行けばよいのでしょうか。現場の医師は、入院治療を含め地域医療は継続されるべきと訴えています。現場の医師等の意見は聞いたのでしょうか。パブリックコメントや説明会での県民の意見はどう検討され、生かされるのでしょうか。
 議案第17号から議案第51号は、県立の施設の指定管理者を指定しようとするものであります。委託料が引き上がる施設数、引き下がる施設数と、その具体的理由について示されたい。指定管理者の職員の正規、非正規の実態はどうなっているでしょうか。指定管理者制度は、不安定な非正規労働者いわゆる官製のワーキングプアをふやすことになっているのではないでしょうか。
 議案第54号は、岩手県住宅供給公社を解散しようとするものであります。
 第1に、現在売れ残っている団地と分譲残区画数、その販売価格はどうなっているでしょうか。その主な要因は何でしょうか。
 第2に、プロパー職員の状況と再就職の見通し、県の責任はどう果たされるのでしょうか。
 第3に、住宅供給公社の解散は、余りにも解散が先にありきで進められたのではないでしょうか。解散を決める前にもっと効果的に分譲を進める必要があったのではないでしょうか。
 以上でありますが、答弁によって再質問いたします。
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) まず、灯油高騰対策緊急特別支援事業費補助についてでありますが、市町村が、低所得世帯である高齢者等世帯や生活保護世帯の冬期間における経済的負担の軽減を図るため、灯油購入費の助成を行う場合に要する経費に対し補助するものであります。補助対象世帯数は約5万世帯と見込んでおり、34の市町村において実施する予定であります。市町村における灯油購入費助成の時期は、市町村の判断によりますが、対象世帯の把握等を行った上で、おおむね年明けから始まる見込みであります。
 次に、障がい者施設への対応についてでありますが、国の実施要領に基づき障害者自立支援対策臨時特例基金を活用し、障がい者施設への冬期暖房費の補助を実施しており、平成19年度の高騰対策分としては、今年度において計82の事業者に2、250万1、000円を助成したところであります。平成20年度高騰対策分の補助については、延長が予定されている基金の内容等が現時点では示されていないことから、今後、国の動向を注視しながら対応してまいります。
 次に、県内の看護師を含む看護職員の需給見通しと具体的な確保対策についてでありますが、若干古いデータではありますけれども、平成17年度に国の示した基準に基づき策定した岩手県看護職員需給見通しでは、平成22年において、常勤換算数で659人の看護職員の不足が見込まれております。しかしながら、直近の調査によれば、平成18年は、需給見通しで当初見込んだ需要数を100人余り上回る結果となっております。
 県といたしましては、これまで、県立看護師養成所の運営や民間立看護師養成所への運営費補助による看護職員の養成に努めるとともに、潜在看護職員などの再就業を促進するナースバンク事業等に取り組んできたところでありますが、県内看護職員養成施設の卒業生の県内定着率が全般的に低下傾向にあることや、病院看護職員の離職率が高まっていることなどの本県の看護の現状を踏まえ、看護職員の安定的な確保、定着を図るため、新たに(仮称)岩手看護職員確保・定着アクションプランを年度内に策定し、総合的な取り組みを積極的に進めてまいりたい考えであります。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 強い農業づくり交付金についてでございますが、この交付金は、原油価格の上昇に耐え得る生産体制を確立するため、共同利用組織等における省エネルギー型の農業機械、施設の導入を支援するものでございまして、紫波町や北上市など県内6市町において、米、麦の遠赤外線乾燥機や省エネ型の高速田植え機などを導入しようとするものであります。
 次に、原油価格の上昇による農業経営への影響についてでございますが、県の平均的な水稲作付規模1ヘクタールの経営におきまして、平成17年と直近の11月を比較いたしますと、燃油費が10アール当たり25%増の約900円上昇し、生産コスト全体では4%増と試算されるところでございます。このようなことから、補正予算案に計上しております強い農業づくり交付金に加え、施設園芸用燃油費の増加分の7割を補てんする国の緊急対策事業や、国の補助事業等を活用した施設園芸の省エネ施設の導入などを促進するとともに、県独自の資材費節減マニュアルによる低コスト生産技術の一層の普及に努めているところでございます。最近、燃油価格が低下傾向で推移しておりますが、今後ともこうした対策を積極的に推進し、農家の経営安定に努めるとともに、引き続き、体質の強い経営体の育成に取り組んでまいります。
〇総務部長(川窪俊広君) 勤務時間の短縮についてでございますが、県人事委員会の職員の給与等に関する報告及び勧告におきましては、勤務時間の見直しに関しまして、他の都道府県の動向を十分に踏まえながら適切に対応していく必要があること、なお、その見直しを行う際には、各任命権者において公務能率の一層の向上を図り、行政サービスを維持するとともに、行政コストの増加を招かないよう努める必要があるとする旨の報告をいただいているところであります。
 このため、県といたしましては、現在、他の都道府県の動向をも注視しながら、県における勤務時間の短縮を行う場合の課題等につきまして各任命権者とも協議を行っているところであり、これらの検討を進めつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 指定管理者に係る委託料が引き上がる施設、引き下がる施設の数と理由でございますが、債務負担行為の額、これは委託料の上限額に当たりますが、これで比較いたしますと、今議会に指定の議案を提出しております35施設のうち、前回に比べ増加が11施設、減少が16施設となっているところであります。その理由につきましては、増加は、例えば施設の老朽化による維持修繕費の増や光熱水費の増、減少は、複数の施設をまとめて管理することで得られるスケールメリットによる減や公租公課の減などによるものでございまして、個々の施設によりそれぞれ理由はまちまちでございます。
 次に、指定管理者の職員の正規、非正規の内訳につきましては、県派遣職員を除きまして、合計で正規106名、非正規155名と聞いております。正規、非正規の職員の採用理由につきましては、各施設の性格や各指定管理者個々の運営内容により異なるものと考えております。いずれにしても、指定管理者制度につきましては、公の施設を民間のノウハウや創意工夫のもとで効果的、効率的に運営していただく制度であることを踏まえつつ、今後とも、現場の人員配置も含めて、各施設の設置目的に沿った適切な運営が続けられるように対応してまいりたいと存じます。
〇医療局長(田村均次君) 中部病院の関係でございますけれども、まず、新たな機能と職員体制についてでございますが、新たに整備するPET-CTを初めとする最新の放射線診断、治療器機や、緩和ケア病棟を備えたがん治療の中心施設として、その機能を充実させるとともに、二次救急や災害医療、周産期母子医療などの高度特殊医療も担うこととしております。
 診療科については、現病院の診療科を基本に、診療内科、リハビリテーション科、麻酔科及び病理科の4科の新設を予定しており、診療体制の確保を図るため関係大学などとの協議を進めているところであり、現在、医師を初めとする職員体制についても最終調整を行っているところであります。
 病床数についてでございますけれども、基本構想の策定に当たりましては、統合後の一般病床の病床利用率90%、平均在院日数を16.2日と見込み、これをもとに総合的に検討を行ったものであります。
 緩和ケア病棟についてでございますが、磐井病院の緩和ケア病棟、24床ございますけれども、年間平均病床利用率は平成19年度で55.1%、平成20年度上期においては59.1%となっております。磐井病院は院内組み込み型であるのに対しまして、中部病院の緩和ケア病等については平屋建ての別棟として24床を整備しており、別棟の特徴を生かし、庭園に面した各室にウッドデッキを設けるなど、家庭に近い療養環境を提供できるものと考えております。
 初診患者についてでありますけれども、紹介状をお持ちでない患者さんの診療も受け付けることとしておりますけれども、これまでも、現病院においては、地域の医師会と患者の紹介、逆紹介などの連携を進め、順調に推移してきており、中部病院におきましても、引き続き、圏域における基幹病院として地域の医療機関等との機能分担と連携を進めることとしております。
 次に、大迫地域診療センターに関する御質問でございます。中部病院の附属となるのかどうかということでございますが、各地域診療センターはそれぞれの二次保健医療圏の基幹病院に附属しておりますが、大迫地域診療センターについては、中部病院の移転統合の関係により中央病院の附属としております。今後、中部病院の開設後の状況を考慮しながら、中部病院の附属としてまいりたいと考えております。
 それから、具体的にどのような連携、ネットワークになるのかということでございますけれども、岩手中部二次保健医療圏の基幹病院である中部病院との役割分担により、それぞれの機能に応じて連携を図ってまいる考えであります。
 それから、入院が必要な患者、特養ホーム、老健の高齢者の方々への対応についてでありますが、圏域の他の県立病院や中央病院などでカバーすることとしております。
 それから、現場の医師の意見等ということでございますが、計画案の策定は、各病院長、各地域診療センター長を初め各職域の代表で構成する検討委員会などにおきまして、意見を聞きながら進めてきたものであります。
 それから、県民の意見はどう生かされるのかということでございますが、パブリックコメントなどを通じてお寄せいただいた御意見については、十分に検討の上、反映できるものは反映してまいりたいと考えております。
〇県土整備部長(佐藤文夫君) 岩手県住宅供給公社についてでありますが、まず、売れ残っている団地の状況についてです。売れ残った分譲宅地は、本年9月末現在で、二戸市のグリーンヒル戸花6区画、紫波町のアヴニール紫波4区画、花巻市の石鳥谷ニュータウン39区画、花巻市のホットタウン湯口45区画、奥州市のパークヒル向山60区画、陸前高田市のエコタウン鳴石30区画、一関市のレークタウンおざわ3区画、雫石町の星の駅団地29区画、奥州市のいさわニュータウン若柳15区画の合計9団地、231区画となっております。販売価格の合計は12億7、000万円余となっております。
 公社では、解散決定した平成15年度以前の3カ年の販売区画数は年平均70区画でありましたが、解散決定後の平成16年度以降昨年度まで年平均106区画と、約1.5倍の合計466区画の販売を行ってきたところです。しかしながら、売れ残ったわけですが、その要因は、近年、新設住宅着工戸数が減少するなど、県内経済状況が低迷したことによりまして販売数が減少傾向にあったというのが要因だと考えております。
 次に、プロパー職員の状況についてでありますが、プロパー職員は13名おられまして、年代構成は、30代2人、40代1人、50代前半4人、50代後半から60代の方が6人となっております。
 再就職の見通しについてでありますが、公社におきましては、再就職が実現するまで再就職先の紹介や面接時のアドバイスなど、職員をサポートしてくれる再就職支援会社と公社の負担で契約することができるよう、支援も行ってきたところであります。現在5名の方が利用中でありまして、定年退職予定者を除く7名の方についても利用することができることとしておりますが、再就職の見通しは、大変厳しい状況にあると伺っております。
 県としましては、今後も引き続き、住宅供給公社と連携しまして、再就職につきまして、さまざまな角度から支援してまいりたいと考えております。
 次に、解散の方針決定についてであります。
 平成14年度の包括外部監査におきまして、県公社の単年度収支は1ないし2億円程度の赤字が見込まれること、あるいは民間事業者による分譲住宅戸数の供給が公社の供給を大幅に上回っていることなどから、住宅供給公社の存在意義はほぼ失われており、廃止すべきという指摘を受けたところであります。
 これを踏まえまして、平成15年度の県出資等法人改革推進プランの策定におきまして、民間でできることは民間にゆだねるという方針で検討した結果、平成20年度までに解散するとされたものであります。
 住宅供給公社の平成19年度決算におきましては、人件費や事務経費等の一般管理費約1億7、000万円を含め約3億7、000万円の事業損失が生じたところであります。このため、このまま公社を存続させた場合には、債務超過に陥ることが懸念されることから、県民負担が発生する前のこの時点で解散することが妥当と判断しているところであります。
 なお、分譲につきましては、解散決定後は、販売価格を安くしたということもありますが、解散決定前と比べると5割以上販売戸数がふえている結果となっております。この結果から考えますと、解散を決める前は、販売の工夫がやや足りなかった面もあったのではないかと思われます。
〇教育長(法貴敬君) 義務教育等教員特別手当及び教員特殊業務手当の改定に係る教員への影響についてでありますが、小学校教員は、教員特殊業務手当の支給割合が低く、ほぼすべての教員が引き下げとなり、1人当たりでは、年間3万5、000円程度引き下がると見込んでおります。
 中学校教員は、教員特殊業務手当の対象となる部活動指導業務への従事割合にもよりますが、おおむね引き下げとなる教員の割合は約50%、1人当たりでは年間3万5、000円程度の減、引き上げとなる教員の割合は約35%、1人当たりでは年間1万2、000円程度の増になると見込んでおります。
 また、高等学校教員も中学校教員と同様でありますが、引き下げとなる教員の割合は約50%、1人当たりでは年間3万6、000円程度の減、引き上げとなる教員の割合は約45%、1人当たりでは年間2万円程度の増になると見込んでおります。
 なお、教員には、超過勤務手当に相当するものとして教職調整額が支給されておりますが、現在、中央教育審議会において、超過勤務手当とすることなども含めた教職調整額の見直しについて、来年秋ごろをめどに検討されていると聞いているところであります。
〇人事委員会委員長(及川卓美君) 勤務時間短縮について、人事委員会が勧告しなかった理由についてのお尋ねですが、まず、職員の勤務時間は、地方公務員法の規定により、国及び他の地方公共団体の職員との権衡を失しないように、適当な考慮が払われなければならないものとされております。
 人事委員会としては、地方公務員法の趣旨を踏まえた措置をする必要があると考えておりますが、勧告を行った本年10月の段階では、人事院勧告は行われていたものの、人事院勧告を踏まえた国の関係法律の改正等の取り扱いが決定されていなかったため、人事委員会として勧告を行う状況には至っていないと判断したものです。
 そのため、勧告までは行わず、報告の中で、国における勧告の取り扱いや他の都道府県の動向を十分に踏まえて適切に対応する必要があると言及したものであります。
 勤務時間の短縮については、職員の給与等に関する報告及び勧告において言及した趣旨を踏まえ、条例権者において適切に対応することを期待しているところであります。
〇38番(斉藤信君) 私は最初に知事に、中部病院にかかわって、中部医療圏の医療がどうあるべきかということについてお聞きしたいと思います。
 大迫診療センターが行く行くは中部病院の附属になると。しかし、この附属になる大迫診療センターが無床化という計画が出されています。私も現場に行って、さまざま医師からも、住民からも聞いてきました。一番の悩みは、今入院している患者の行き場がないということです。地方病院とか中部病院に転院できる患者じゃないのです。もう高齢者で慢性患者ですからね。
 私は、そういう意味では、今度の計画というのは、医療局は2月に決めて、4月から追い出すという、これは余りにも無謀ではないのか。
 もう一つは、無床化になった場合に、この地域は土日、夜間、祝日、無医地区になります。実は、大迫病院というのは、昭和19年11月に20床でつくられたというのがその原点であります。もしこれが無床化になったら昭和19年以前に戻る、戦前にまで戻ってしまうのか。
 おばあさんを見ている長男がこう言ったそうです。もうおばあさんの面倒は見れなくなった。おばあさんの死に場所はなくなったと。こういう切実な思いは、大迫だけではなくて、無床化の対象になっているすべてに共通のところだと思いますけれども、そういう点で、地域医療を守るというのは、全県で守るだけではない、地域に住んでいる方々の命を守る課題ではないのか。私はそういう点で、この無床化というのは大変重い、重大な課題だと思いますが、その是非というのは、ぜひ地域の医療、地域住民の命を守るという観点からも検討される必要があるのではないか。
 私は、医師不足についても、知事に劣らず危機感を持っています。しかし、医師が不足しているのだったら、まず第一にやるべきは医師を支える体制をつくることじゃないでしょうか。例えば、医療クラークを抜本的に3倍、4倍にふやす、臨床検査技師をふやす、看護師をふやす。そうやって最大限医師をカバーして地域医療を守るというのが第1の段階ではないのか。そういうことをやっても本当に守れないというのであれば、私は、多くの方々が納得すると思います。
 そういう手だてをまずやはりとって、県下にあまねく医療の均てんをと、戦前の事態まで戻すような事態というのをつくってはならないのではないか、こういうふうに思いますが、この地域医療を守る、地域住民の命を守るという点で、私は知事の考え方をお聞きしたいし、そして、切実に出されている地域からの声を真剣に検討して、見直しも含めて考えていただきたい。
 医療局長に聞きますが、中部病院で16.8%盛岡圏に流れている。これを戻すというのが中部病院のいわば基本構想で示されたものですよ。どのぐらいを今度の中部病院の機能強化によって見込んでいるのか、そのことも示していただきたい。私は、中部病院が本当に統合しただけ、1プラス1が3にも4にもなるような機能を発揮してほしいと思うけれども、その点をお聞きしたい。
 それと緩和ケア病棟は、切実な願いがあってこれは設置されるものです。しかし、磐井病院は、残念ながら十分機能していると言えない。この教訓をどう生かすのか、このこともお聞きします。
 あわせて、無床診療所化というのは、どういう医師体制、看護師体制を考えているのか。
 人事委員会の委員長に聞きますが、人事委員会の勧告というのは、生計費及び国、地方の公共団体の状況、さらに民間給与を考えると。私は、生計費を考えた場合に、灯油代、物価上昇、切実なものがあったんではないかと思いますが、そういう点で、そういうことがどういうふうに検討され、なぜそれが引き上げということにならなかったのか示していただきたい。
 最後ですけれども、農林水産部長にお聞きしますが、7割補てん、この申請状況はどうでしょうか。
 あと、保健福祉部長、34市町村、あと1市町村はどういう理由で実施しないのか。
〇知事(達増拓也君) 今回の経営計画案で無床診療所に移行するとされている地域については、地元の皆さんの意見をしっかり聞いていかなければならないと思います。地域の医療を守りたい、地域の住民の健康と命を守りたい。これは、住民も医療局も、そして私も同じ思いだと思います。目的は一つなわけでありまして、認識を共有しながら、そして一つの結論に達することができるよう努めてまいりたいと思います。
〇医療局長(田村均次君) 患者を中部病院へどう戻すかということでございますけれども、これはまさに診療体制いかんにかかっておりますので、具体的な試算ということはしておりませんが、できるだけいい診療体制をとって、地域の本当に中核的な病院としての機能を果たすように、今取り組んでいるところでございます。
 それから、緩和ケア病棟でございますけれども、今度は別棟型ということでやっておりますが、いろいろと磐井病院は磐井で一生懸命やっているという部分がありますし、それから、中部病院は中部で今、一生懸命これからやろうとしているわけですが、お互いにその辺をよく連携して、より魅力を高めるように、これからも取り組んでいきたいと思っております。
 それから、無床の体制でございますけれども、計画上の算定でございますが、医師に関しては換算で2名分を算定しております。それから、看護師は3名、それと補助者が2名、それから事務が2名というような前提で計算をしております。ただ、具体の体制については、当然、それぞれまた実際のときにもう一回さらに精査をしてやっていくと考えております。
 それから、先ほど大迫の関係で、入院患者の行き場がないというようなお話がございましたけれども、やっぱり診療所ごとに、さまざま次に行く病院とかがありますので、それぞれの診療所ごとに、きちんとそれぞれの周辺の病院長とよく協議をして、その辺の対応については検討していきたいと思っております。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 燃油高騰緊急対策事業の関係の御質問でございました。
 この緊急対策事業は、燃油だけではなくて、その化学肥料の関係、肥料の増加分の7割も助成をするという緊急対策事業でございまして、12月から事業の申請受け付けが開始されております。現在、県のほうでは、県内各地でのこの事業の説明会、そして全農家へのPR資料の配布等によりましてこの事業の周知に努めているところでございますが、この事業申請の期限が1月30日までということでございますので、現時点ではまだ申請の状況は把握できておりません。
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) 福祉灯油の助成をしない1市町村の理由でございますが、灯油の価格が下がってきたことから、実施しないというふうに聞いております。
〇人事委員会委員長(及川卓美君) 今、議員の質問なさった意味は、基本給の引き上げをしなかったのはなぜかという意味でしょうか。(斉藤信議員「その意味です」と呼ぶ)はい。
 民間企業等、その他いろいろ比較検討いたしましたところ、引き上げできるような状況にはなかったということでございます。おおむね均衡しているということでございます。
〇議長(渡辺幸貫君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第55号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第8回県議会定例会 平成20年12月5日)
総務委員会
1 議案第1号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
2 議案第2号
3 議案第3号
4 議案第4号
5 議案第5号
6 議案第6号
7 議案第7号
8 議案第14号
9 議案第15号
10 議案第16号
11 議案第52号
12 議案第53号
13 議案第55号
環境福祉委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款、第4款
   第2条第2表中
    1追加中 1~4
2 議案第8号
3 議案第9号
4 議案第11号
5 議案第17号
6 議案第18号
7 議案第19号
8 議案第20号
商工文教委員会
1 議案第1号中
   第2条第2表中
    1追加中 5~7、20~33
    2変更
2 議案第12号
3 議案第13号
4 議案第21号
5 議案第22号
6 議案第23号
7 議案第24号
8 議案第32号
9 議案第36号
10 議案第40号
11 議案第41号
12 議案第42号
13 議案第43号
14 議案第44号
15 議案第45号
16 議案第46号
17 議案第47号
18 議案第48号
19 議案第49号
20 議案第50号
21 議案第51号
農林水産委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
   第2条第2表中
    1追加中 8~14
2 議案第10号
3 議案第25号
4 議案第26号
5 議案第27号
6 議案第28号
7 議案第29号
8 議案第30号
9 議案第31号
県土整備委員会
1 議案第1号中
   第2条第2表中
    1追加中 15~19
2 議案第33号
3 議案第34号
4 議案第35号
5 議案第37号
6 議案第38号
7 議案第39号
8 議案第54号
   日程第57 発議案第1号いわての水を守り育てる条例
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第57、発議案第1号いわての水を守り育てる条例を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。佐々木博君。
   〔32番佐々木博君登壇〕

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