平成20年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成20年10月20日(月)
1開会  午後0時22分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長   浅 田 和 夫
  議事担当課長   保 原 良 和
  主任主査    菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主査    鈴 木 文 彦
  主査    菊 池 芳 彦
  主査    齋 藤 貴 弘
  主査    藤 原 由喜江
1説明員
  農林水産部長   高前田 寿 幸
  農林水産部副部長
  兼農林水産
  企画室長    小田島 智 弥
  農林水産企画室
  管理担当課長   紺 野 由 夫

  県土整備部長   佐 藤 文 夫
  県土整備部副部長
  兼県土整備
  企画室長    松 川   求
  県土整備企画室
  管理担当課長   吉 田   拓

  総務部長    川 窪 俊 宏
  総務部副部長兼
  総務室長    菊 池 俊 夫
  総務室
  管理担当課長   松 川   章
  参事兼予算調製課
  総括課長    高 橋   信

  教育長    法 貴   敬
  教育企画室長   菅 野 洋 樹
  学校教育室長   佐々木 修 一
  教育企画室
  企画担当課長   佐 藤   博
  予算財務担当課長 高 橋 宏 弥
  学校施設担当課長 佐 野   淳
  学校企画担当課長 宮   卓 司
  高校改革担当課長 鷹 觜 文 昭
  首席指導主事兼
  義務教育担当課長 小 岩 和 彦
  首席指導主事兼
  高校教育担当課長 佐 藤 成 人
  首席指導主事兼
  特別支援教育
  担当課長    鈴 木 長 幸
  主任指導主事兼
  生徒指導担当課長 佐 藤 淳 子
  首席指導主事兼
  産業教育担当課長 西 村   豊
  生涯学習文化課
  総括課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター所長   大 月 光 康
  文化財・世界遺産
  担当課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター副所長  中 村 英 俊
  スポーツ健康課
  総括課長    川 口 仁 志
  教職員課総括課長 小 原 敏 文
  小中学校人事
  担当課長    侘 美   淳
  県立学校人事
  担当課長    高 橋 和 雄

  警察本部長    保 住 正 保
  警務部長    島 村   英
  生活安全部長   船 野   透
  刑事部長    小 舘 欣 康
  交通部長    中 村 照 美
  警備部長    佐 藤 英 憲
  警務部参事官兼
  首席監察官    遠 藤 貞 造
  警務部参事官兼
  警務課長    佐 藤 善 男
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 菊 池 義 憲
  生活安全部
  参事官兼
  地域課長    千 田 敏 信
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   小野寺 憲 一
  交通部参事官兼
  交通企画課長   藤 村 光 雄
  警備部参事官兼
  公安課長    鹿 嶋 政 一
  総務課長    今 野 秀 人
  会計課長    内 山 新 次

  会計管理者    古 内 保 之

  監査委員    菊 池 武 利
  監査委員    谷 地 信 子
  監査委員事務局長 小 川 明 彦
  総括監査監    奈須川 博 司
〇大宮惇幸委員長 これより本日の会議を開きます。
 この際、古内会計管理者から発言を求められておりますので、これを許します。
 なお、説明に当たって資料配付の申し出があり、これを許可し、お手元に配付してありますので、御了承願います。
   〔資料の登載省略〕
〇古内会計管理者 10月18日、新聞、テレビ等におきまして、国庫補助金に係る事務費の不正経理として、るる報道されたところでございます。
 当日、委員の皆様方にはファクシミリでお知らせしておるところでございますけれども、ただいまから、18日当日、夜9時から記者発表いたしましたその資料に基づきまして概要を御説明申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、要旨については四つほどポイントを書いてございますが、その下から詳しく御説明申し上げたいと思います。
 まず、事の経緯、発端でございます。
 長崎県等におきまして、事務費を業者に預ける、いわゆる預けと称される不適切な経理処理が行われていた実態が平成18年度ころから明らかになったことを受けまして、会計検査院では、都道府県におけるいわゆる不適正な処理について検査をしてきたところでございます。
 当県におきます検査は、第1回目が平成20年2月18日から22日でございまして、対象機関は記載のとおりでございますが、農林水産部、県土整備部の企画室等公所に入り、需用費、賃金、旅費等について検査が行われました。また、2回目は、平成20年6月3日から6日にかけまして、対象機関も記載のとおりでございますけれども、農林水産部、県土整備部の多くの公所等に入り、検査が行われたところでございます。
 検査対象経費といたしましては、平成14年度から18年度の国庫補助金に係ります需用費、旅費、賃金でございました。
 2の検査院の検査でございますが、今、申し上げましたとおり、平成14年度から18年度までの国庫補助事業に係ります需用費、旅費、賃金の使途でございます。
 検査の過程におきまして、需用費につきましては、事務費を業者に預けるなどの不適切な経理処理があるという指摘があったという事実がございます。ただ、すべての事務用品の購入に使用しているものでございまして、職員が私的に流用したものや飲食に支出したものはなかったことを確認しております。また、現在は、今回、問題となっているような事例はないというふうに確認してございます。
 また、賃金、旅費につきましては、補助対象基準について会計検査院との見解の相違があり、一部補助対象基準に適合しないものがあったという指摘がされているところでございます。
 会計検査院の検査結果につきましては、今後、11月上旬に予定されている国会報告でその内容が示され、確定されるものと聞いております。
 恐れ入ります。次のページをごらんいただきたいと思います。
 不適切な処理が発生した主な原因、要因でございますけれども、職員に会計規則等の関係法令を遵守した適正な会計経理を執行していかなければならないのだという認識が不十分であったこと、また、組織としての検査機能が十分に発揮していなかったことなどが考えられます。
 今後の対応といたしましては、国会報告等を踏まえ、その内容をつぶさに分析・検証いたしまして、早急に事実確認を行いつつ、今後の再発防止対策を策定してまいりたいと思っておりますが、下の段のほうに書いてございます3点ほどにまとめて今の時点では整理してございます。
 まず、発生原因の究明というのが行われなければならないと考えてございますし、また、関係した職員等の責任問題についてもどうするかということを検討してまいらなければならないと思っております。最も大事なことといたしましては、今後、同様の問題が二度と再び発生しないような防止策の策定についても検討してまいらなければいけないと考えております。
 下段のほうに、別表ということで指摘予定額の状況、10月18日現在時点で整理してございますけれども、申しわけありません、総計欄のところだけ申し上げます。
 農林水産省所管、国土交通省所管の合計で、需用費につきましては、事業費ベースで1億1、700万円、国庫補助金相当額として6、900万円、賃金は、事業費ベースで4、500万円、国庫補助相当額として2、200万円、旅費が事業費ベース4、800万円で国庫補助相当額が2、400万円、計、事業費ベース2億1、000万円、国庫補助のベースで1億1、500万円となっているものでございます。
 今般、農林水産部と県土整備部におきます国庫補助金に係ります事務費の不適切処理につきまして会計検査院から指摘を受けましたことは重く受けとめておりまして、大変遺憾に思っているところでございます。
 この際、改めまして、このたびの会計検査院から指摘されたことにつきまして、県民の皆様、委員の皆様、そして関係する多くの皆様に心からおわびを申し上げます。大変申しわけございませんでした。
〇大宮惇幸委員長 この際、監査委員から発言を求められておりますので、これを許します。
〇菊池監査委員 この場をおかりしましておわびいたします。
 一連のマスコミ報道、不正会計問題でありますけれども、その不適正な会計をしたこと自体確かに遺憾でございますけれども、同時に、我々監査委員がそれを十分チェックできなかった、いわゆる見落とした部分があった。技術的な問題があるにしろ、非常に我々は深く反省しております。
 この場をおかりしまして、県民と各委員に深くおわびしたいと思っております。どうも済みませんでした。
〇大宮惇幸委員長 この際、お諮りいたします。このたびの会計事務の不適切処理については、その事案の重大性にかんがみ、委員会審査の日程を変更し、本件についての集中審査を行いたいと考えますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇大宮惇幸委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 集中審査の方法につきましては、本日、各会派及び会派に所属しない議員に質疑時間を配分して行うほか、10月22日の企業局審査終了後、改めて審査の時間を設け、質疑を行うこととしたいと考えます。
 本日の質疑時間につきましては、民主・県民会議が15分、自由民主クラブが9分、政和・社民クラブが6分、会派に所属しない議員はそれぞれ2分といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇大宮惇幸委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後0時33分 休憩
午後1時38分 再開
〇大宮惇幸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成19年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第14号平成19年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算14件を一括議題といたします。
 本日は、会計事務の不適切処理に係る集中審査の後、教育委員会、警察本部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、会計事務の不適切処理に係る集中審査に入ります。
〇佐々木一榮委員 会派を代表しまして、与えられた時間で総括的に質問をさせていただきたいと思います。
 午前中といいますか、冒頭御説明をいただきましたが、まず、いただきました資料の裏でありますけれども、不適切な処理が発生した主な原因というところに2項目出されておりますが、特にも(1)の国庫補助事業の事務費等を満額精算すべきとの認識のもとというところが今、非常にテレビ、新聞等でこういう意識かということを問いただされておりますが、まず、この見解についてお伺いしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 このたびの会計検査院の検査を受検いたしました県土整備部、農林水産部を代表して、まずお答えしたいと思います。
 今回の事案の発生の原因についてでございますが、これにつきましては、先ほどの説明の中でもございましたとおり、今後、徹底的に究明するということにいたしておりますが、今、考えますに、やはり自主財源が乏しい中で、国庫補助金をできる限り有効に活用しようとする余り、国庫補助金の満額精算によって返還金を極力避けるという意識が組織内に潜在的にあったということがこのたびの不適切な経理処理の主な背景にあるというふうに認識いたしているところでございます。
 それに加えまして、需用費につきましては、内部牽制機能の不全ということがあると。これは、組織としての内部牽制機能が働かずにチェック機能が十分でなかったということがございますし、それから、物品の納入に関する検収システムについてもいろいろ問題があったということで考えております。
 具体的には、発注と検収を同一の担当者のみで行っていたといったようなことがございます。
 組織的な検収の仕組みがしっかりと構築をされていなかったというのが二つ目にあると思います。
 それから三つ目といたしましては、職員の公金に対する意識の問題でございまして、公共事業予算を有効に執行するためには預け金等の処理は必要であり、かつその用途も、私的流用であるとか他用途使用ではなく業務上必要な物品を購入するものであることから、許容範囲ではないかといったような意識があったということが挙げられるかと思います。
 さらには、予算の年度内執行といったことも背景にあると考えておりまして、予算単年度主義の中で、補助事業の事務費は使い切るものといった認識のもとに、国庫補助金事務費は満額精算で、返還がないように対応したといったようなことが挙げられると思います。
 それから、賃金、旅費の関係につきましては、補助金の対象基準等が必ずしも明確となっていない部分がございます。これは国の事業の要綱、要領等で対象基準は一定程度示されておりますが、厳密に事細かに示されているかというと必ずしもそうではないという部分がございまして、国庫補助金の有効活用といった観点から、国庫補助事業との直接的関係が薄いものまで支出の対象としたといったことなどが考えられると認識いたしております。
〇佐々木一榮委員 次に、総務部長にお尋ねしたいと思いますが、昨年の決算特別委員会でありますけれども、昨年の10月16日です。我が会派の千葉康一郎委員がこのように質問されております。
 年度末に旅費や需用費、備品購入費などが集中して執行されるようなことがないかお尋ねします。不要不急な用務による出張、消耗品などの一括大量購入、十分に使用に耐えられるのに安易に新機種に更新するための備品購入などないか。厳しい財政状況下において予算適正執行に向けた厳しいチェックが必要と考えています。そこで、財政当局、特に予算調製課として予算の適正な執行についてどのような指導をしているのか。俗に言う使い切り予算となっていないのかお伺いしますと、ちょうど去年のこの決算委員会でありました。
 それに対しましての御答弁は、歳出予算の執行に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえまして、年度当初に各部局長に対しまして予算の適切な執行について通知により徹底を図っております。また、補正予算等の編成の都度、各部局に対しまして経費の徹底した見直しと県全体としての効率的かつ適正な予算執行について徹底を図っているところでございます。特に、一般行政経費におきます物件費及び維持修繕費につきましては全庁的に一定の節減努力を行っており、また、入札残の取り扱いにつきましても、県単独事業のものにつきましては使わずに2月補正で減額措置を講ずるよう努めておりますという御答弁をされておりますが、ただいまの冒頭質問いたしました見解と、この中村予算調製課長─当時─の御答弁でありますが、これについての御認識をお伺いしたいと思います。
〇川窪総務部長 今、御紹介いただきました総務部としての、また、予算を担当しております部局としての考え方は今も全く同様な考え方で、今後とも執行上の無駄がないように取り組んでいかなければいけないと思っておりますが、そういうことを徹底していかなければならないということでやっていく中で、今回のケースは、補助事業に関するものが中心であったとはいえ、同じ県庁の中でこのような事例が出ておりまして、補助金については特にということだったと思いますけれども、年度末までに満額精算といいますか、全額を使いたいという意識があらわれたものであったと思いますので、再度そういった意識を改めて、予算の適切な執行を図っていくように再徹底しなければならないと考え直しているところでございます。
〇佐々木一榮委員 次に、ただいま御答弁ありましたけれども、補助金の使途についての規制の考え方でありますが、これは国のほうと県のほうと見解の相違が非常に見られると思うんですけれども、これは各県独自解釈で行われているという理解でよろしいでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 結論から申しますと、かなり幅広の解釈になると思います、各県ごとに。これは、旅費につきましても賃金につきましても、いわゆる明確なマニュアル的なものが示されてございません。旅費につきましては、例えば直接事業の執行に要する経費という定義はございますが、では、何がそういう経費なのかということが示されているものではございませんで、そうしますと、それに伴う例えば研修旅費ですとか、あるいはシンポジウムですとか、そういうものについて対象としている県、対象としていない県、さまざまでございます。本県の場合は、そういうものについて対象としてきたということがございます。
 こういうものにつきましては、省庁とも相談をしておりますが、今回の会検のやりとりの中でも、ある省庁ではそれは認めるという見解で内々お話をちょうだいしているところもあれば、いや、それは認められないという解釈をされているところもあって、まちまちだという実態にございます。
 それから、賃金についても同様でございまして、明確な定義があるものではございませんで、例えば、ワンフロアのところで、ある国庫事業をやっているところについている臨時職員、これは直接的に対象経費になるわけですが、その隣の島でお手伝いをしているというような場合、こういうものについては認められた場合と認められない場合さまざまでございまして、本県の場合はそういうものについて対象経費としてまいったというようなことがございます。
〇佐々木一榮委員 この補助金の使途について見解が違うということで、今後の国との協議にゆだねられる問題かなというように思っております。
 続きまして、まとめてお尋ねしたいと思いますが、いただきました資料の一番最後でありますけれども、需用費の指摘態様というところで、預け金、差しかえ、一括払い、年度越え、先払い、前年度納品というところが大きなかぎ括弧で囲まれておりますが、これ、それぞれの件数、また、1回当たりの金額、また、相手先は確認、公表できるのか、また、本庁と出先機関の割合はどのようになっているのか、それぞれについてお尋ねしたいと思いますし、また、ここには説明が書かれておりますが、指摘を受けた具体的事例についてそれぞれどういうものかお示しいただきたいと思います。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 預け金のほか、各行為態様につきましてのお尋ねでございます。
 まず、預け金の件数でございますが、約230件でございます。1件当たりの金額につきましては、最大が約10万円程度でございます。
 相手先の確認につきましては、預け金ほか、前年度納品まで、ほぼすべて確認してございます。
 本庁、出先の状況につきましては、預け金につきましては本庁のほうが当部の場合多いという状況になっています。具体的な数字は、ちょっと今、持ち合わせてございませんが、そのような状況になってございます。(「集中審査するとき、わからないじゃだめだろう」と呼ぶ者あり)後ほど詳しい数字については御報告させていただきたいと思います。
 差しかえの件数でございますが、約380件程度でございます。1件当たり大体約2万円程度でございます。
 一括払いにつきましては、件数につきましては約180件程度。これにつきましては、1件当たりの金額は後ほど御報告したいと思います。
 先払いにつきましては約10件程度でございます。これにつきましても、1件当たりの額につきましては後ほど御報告させていただきます。
 前年度納品につきましては約10件でございます。
 年度越えにつきましては約270件程度ということでございます。
 それぞれ各類型の具体的な事例でございますけれども、まず預け金につきましては、事前に業者に代金を支払って、後に必要な都度物品を納入させたということでございますので、コピー用紙ですとか、いろいろな物品を発注して後日トナーを納入させるとか、いろいろな形態がございます。そういった形態でございます。
 差しかえにつきましては、これにつきましても、コピー用紙等を発注して、後日ボールペンですとか、そういう筆記具だとか事務用品にかえて納入させたというもの。
 一括払いにつきましては、事前にコピー用紙などを納入させて、後日それとは違う物品、例えば先ほど申し上げたトナーですとか、そういうものに名をかえて一括して払ったというようなもの。
 先払いでございますけれども、当部の場合ですと、具体的なものですとブルセラ病という牛とか馬の疾病があるんですが、それについて前年の年度末に納めさせたというものがございます。これについては、翌年度4月早々そういう検査に使うということで、早目に手元に置かないと検査に間に合わないということで、やむなく納めさせたというものでございます。これについても会検からは不適切だということで、これについては私どももかなり抗弁したんですが、やはり手続としては不適切だという扱いを受けたものでございます。今申し上げたのが前年度納品でございます。
 年度越えでございますけれども、これについては、年度末に発注して、翌年度、物品については納入させたと。その典型なものとしてはBSEの検査試薬なんですが、牛海綿状脳症の検査試薬を、BSEが発生してなかなか試薬とかが手に入らない、あとは家畜保健所の中で検査試薬は特別な保管をしなければいけないということで、そういう施設がないことからやむなく納入業者に保管してもらったということで、年度早々納めさせたというもの、これについても事情を考慮してもらえなかったものがございます。
 そういったものが不適切だという取り扱いを受けまして指摘を受けておるわけでございます。
 今、申し述べられなかった数字につきましては後ほどすぐに御報告したいと思います。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 県土整備部関係の需用費の不適切処理の状況を御説明申し上げます。
 まず、預け金についてですが、167件。おおむね10万円程度の購入票によるものが多いのですが、最高で70万円というものがございました。これはファイル箱を購入したものです。一回に2、800枚のファイル箱を購入しています。
 それから、差しかえにつきましては128件。1件当たりは3万円から5万円程度のものでございまして、中身は多種多様にわたっております。
 それから、一括払いは75件。これも数万円程度のものです。
 それから、年度越えが71件。これは細かいものもございます。数万円程度のものかと思います。
 前年度納品は1件。
 以上でございます。
〇佐々木一榮委員 現在、精査中かと思いますが、確認しておきたいと思います。この相手先の確認はできているということでございますので、その相手先、今、事例を御答弁いただきましたけれども、それぞれ公開できるものでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 今回の事案につきましては業者の側から働きかけられたというようなことではございませんで、例えば年度末に使い切ろうというような意識等のもとに、県側が業者のほうにお願いをしたというような、いわゆる原因者が県であると考えておりまして、そういう意味では業者の名前というのは公表するものではないというふうに考えております。
〇佐々木一榮委員 そうだとすれば、いずれ業者側といいますか相手側は県側に対して文句を言える立場にないわけであってそれを受け入れたかと思うんですけれども、当然ながら相手は決算というのがあると思うんです、民間企業なんかの場合に。そうしますと、さっきから出ている預け金とかこういった差しかえ、差しかえの場合、例えば棚卸しの在庫管理とか、そういうものが全部、要は架空のものが業者側も、相手側も行われていたということでありますから、相手にとっても、もし仮に税務調査なり、そういうものが入れば大変な問題に発展したと思いますし、当然ながら商品名と違うものを入れるとか、さっき言ったような状況になりますと、その辺は相手先も困ると思うんですが、今まで苦情とか、そういうことはなかったんでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 業者側からのいわゆる苦情というのはなかったと聞いています。
〇佐々木一榮委員 このような今まで御説明いただいた事務処理、これは実際どなたの指示で、それからそれぞれ本庁、振興局とありますけれども、直接その相手先とかかわりを持っていた、実際に契約行為をされていた職員の方というのは、恐らく転勤等もあるかと思いますけれども、どういう方々が行っていたのでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 どういう形でやられていたかということにつきましては、原因究明のところでは十分これから行うべきであると考えておりますが、今回の会計検査院からの調査に伴って、いろいろな調査を我々もやっております。その過程の中で承知してきておりますのは、そういう処理につきましては、いわゆる係長相当職以下の方で実際にやりとりをされていたというふうに承知をしております。
 そこから上になりますといわゆる決裁処理がありますので、そういう形式的な書類については整っていますので、そういうことをもって印鑑をついているというような実態であるというふうに承知しております。
〇佐々木一榮委員 この件につきましてそれぞれの部門長の見解をお伺いしたいと思います。非常にたくさんの職員の方がいらして、今、御説明のように現場の係長以下の方々でそういう事務処理をされていたということですけれども、トップは知事でありますが、各部門長もこの辺については各年度把握されていたのでしょうか。また、もし把握されていたとすれば、こういうことというのはいつごろから行われてきているというように御認識かお伺いしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 今回の事案についてでございますけれども、まことに申しわけございませんが、今回の事案については、こういった実態を十分把握し切れていなかったというのが率直なところでございまして、管理監督が非常に不十分であったというふうに反省をしているところでございます。
 この問題につきましては、先ほど来原因の背景等を申し上げたところでございますけれども、やはりコンプライアンスの問題ということがまだまだ十分に浸透していなかったということも背景にありまして、今後さらにその原因を究明して、再発防止策を徹底的に講じて、二度とこういうことのないようにしてまいらなければならないという意識を強くしているところでございます。
 いずれにしても、今後さらにこの問題については原因をしっかりと究明してまいりたいと考えております。
〇佐藤県土整備部長 当部といたしましても、今、農林水産部長が答弁申し上げたような状況でございます。
 ただ、一つ、主査等の担当職員に任せていた部分が多いとはいいながら、年度末に大体不用額も確定する段階になった時点で、私どものほうから、それほど無理しなくていいと、多少の不用額が発生してもやむを得ないんじゃないかと、そういう指導も今思えばあればよかったのかなと反省しているところでございます。
 今後は、このようなことがないような形で、より一層職員の管理監督に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 恐らく職員の方々の転勤の平均は3年から4年ぐらいで異動が行われているというように思います。今お伺いしますと、部門のトップの方は把握できていないということでありましたので、そうしますと、こういったことは、それぞれの職責といいますか、その立場になった段階でこういうことに、当然ながら引き継ぎといいますか、そういうことがないとずっと行われてこないと思うんですけれども、この辺に対する認識はいかがでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 少なくとも預け金につきましては、やはり預けたお金を次の年度とかに引き出すという行為が必要でございますから、そのときに人事異動があった場合は次の方に引き継がれているものというふうに理解しております。
〇佐々木一榮委員 そうしますと、恐らくこれから原因究明ということになるかと思いますが、当然ながら年度がかわるときの異動も含めまして、こういった部分についての引き継ぎ事項のマニュアルとか、そういうものが存在するんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それはあるんでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 私どものほうで今、承知しておりますのは、そういうマニュアルというものを使って例えば引き継いでいたとか、そういうことは確認できておりません。いずれ原因究明をする中でそういうことについても確認はしてまいりたいと思いますが、今の時点ではそういうものがあるというのは聞いておりません。
〇佐々木一榮委員 今後のことについてお伺いしたいと思います。
 今お話あります原因究明の進め方について、今後どのように、例えば第三者委員会ですとか、外部監査機関ですとか、そういうことをお考えなのか。冒頭、代表監査のほうから陳謝のあいさつがありましたけれども、やっぱり監査も限界があるかと思います。我々議会も、チェック機関とはいえ、なかなかそこまでチェックできないのが私は現状だというふうに思っております。やっぱり原因究明に当たっては、内部でのそういった徹底した調査ということであるかと思いますが、今後の進め方とめどといいますか、解明、はっきり県民に対して説明責任は、どの時期ぐらいに発表できるというようにお考えでしょうか。
〇高前田農林水産部長 原因究明についてでございますけれども、これは可及的速やかに行わなければならないと考えておりますが、このたびの会計検査院の検査の過程におきましてもさまざまな調査が行われておりまして、その結果で、先ほど冒頭私の方から原因については今の段階での考えをお話ししたところでございますけれども、今後、会計検査院からの国会への報告、まずこの内容を十分検証、精査する必要があるというふうに考えておりますし、それから、これまで私どもが行ってきた調査の結果というものがございます。これらをベースといたしまして、今後、具体的にその関係部局とも協議をいたしまして、まずはそういったような原因究明の組織といったものをどうするか、それから検討体制、そしてスケジュールというものを早急に検討してまいりたいというふうに思っております。
〇佐々木一榮委員 これまでいろいろ御答弁をいただいてきますと、国からの補助金そのものも、やっぱりそのあり方ということも今後、国と地方の間で本当に真剣に今、議論していかなければいけないんだろうと思っています。ありとあらゆる事業に国からの補助が入っていますから、そういった意味では、財源の厳しい地方としては、何とかやっぱり地方のためにという思い、これも十分我々も地方議会で認識しているところではあります。
 その中で、現行の補助金適正化法、補助金適正化法と言わせていただきますけれども、これに今回の件は抵触しないというふうにお考えでしょうか。
 また、仮に抵触して、これが補助金適正化法に違反したとした場合にはどのような処分が行われるのかお尋ねしたいと思います。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 補助金適正化法の抵触の関係でございますが、まさしく会検で指摘されるものにつきましては補助金適正化法に抵触するということで指摘を受けるということでございますので、指摘を受けるということになれば、今後、抵触ということになろうかと思っております。
〇佐々木一榮委員 その際、抵触した場合にはどのような罰則になりますでしょうか。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 失礼いたしました。漏れておりました。
 違反した場合につきましては、補助金相当額、補助金本体でございますけれども、その分の返還ということと、加算金、10.95%の懲罰的な加算金でございますけれども、これが科される場合があるというふうに考えております。
〇佐々木一榮委員 例えば、懲役5年または罰金50万円以下というような違反した場合のあれもあるようですが、その場合は、個人が特定された場合にそのようになるんでしょうか。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 個人が罰則適用されるかどうかということについては、今まで私の知る範囲では自治体の職員に罰則が科されたという例は記憶にはないんですけれども、特に悪質な場合ですとか、そういうものについては検討がなされる可能性もあるかもしれませんが、今回の場合については、事務上のミスですとか、そういったものが私ども不適切な処理、会計上のルール違反ということでございますので、意図的に補助金を支出させるとか、そういうものではないというふうに認識してございます。
〇佐々木一榮委員 今回の補助金返還に関する現状での認識、それから、今後、財源についても出てこようかと思いますが、財源をどのように現在のところお考えでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 いずれ、会計検査院のほうから、こういう内容でこういう指摘でそういう金額だというのがはっきりすれば、その返還について各省庁と今度は折衝してまいることになります。したがいまして、そういう中において返還金をどのような形で返していくのかということについて検討していきたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 私のほうからは最後にしたいと思っております。
 平成19年度以降現在までの認識といいますか、平成19年度についてはこういうことについて、ないというように見解をいただいていると思いますが、それで間違いないんでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 農林水産部所管分について申し上げますと、それはございません。
〇佐藤県土整備部長 県土整備部所管では、まず、平成19年度の需用費につきましては、すべて契約内容に沿いまして納品されているということでございますので、今回のような預け金とか会計事務処理の不適切な事例はございません。
 それから、旅費につきましては、会計規則に沿いまして、実際に出張した事実に基づきまして支出をしております。ただ、考え方につきましては、これまでの県が補助対象と考えたものについて国庫補助の事務費を充当しているということでございますので、今回、会計検査院が最終的に国会報告をされる内容によりましては、平成19年度分の旅費については不適切だとされるおそれがあります。
 それから、賃金につきましては、やはりこれも実際に臨時職員を雇用した事実に基づきまして支出をしておりまして、補助対象事業を実施している所属におきまして雇用した臨時職員に対しまして支払っておるものでございまして、平成19年度はそういう該当はないということでございます。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 失礼いたしました。先ほどの御質問はいわゆる需用費というふうにとらえておりまして、需用費につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、賃金、旅費につきましては、やはり今、県土整備部長がお答えしたと同様に平成18年度以前と同様の解釈でもって執行してございますので、確実に執行はしているものの、それが県単か国庫かという振り分けの部分については同じような指摘がなされる可能性はあるというふうに考えております。
〇佐々木一榮委員 平成19年度はないというお話ですけれども、今までずっと質問で御答弁いただいたとおり、年度ごとにあったわけですね。それがぴたっと平成19年度でなくなるというのが非常に不自然な感じがしまして、例えばさっき冒頭に御答弁いただいた預け金というものなどは、当然ながら前年度に、ですから、今ですと平成20年度ですから、19年度決算を審査するところなんですけれども、当然ながら繰り越してきているわけですね。そういう手続がずっと行われているわけで、ゼロというのはちょっとおかしいような気がいたしますが、ないということでありますので、そういう御答弁になるということで仕方ないのかなというふうに思いますが、そこの確認だけしておきたいと思います。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 先ほどの件数、単価の関係で、漏れていた分でございます。
 もう一度、預け金につきましては、事業費ベースで1、800万円ということでございます。単価につきましては1件当たり約7万7、000円ということでございますし、差しかえにつきましては、事業費ベースで700万円でございます。1件当たり17万5、000円程度ということ。一括払いにつきましては、事業費ベースで2、100万円ということで、1件当たり約12万円程度ということ。年度越えでございますが、3、400万円でございまして、1件当たり13万円程度ということ。先払いにつきましては、事業費ベースで100万円で、1件当たり約7万円ということでございます。前年度納品につきましては100万円で、1件当たり12万円程度というようなことでございます。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 先ほどの佐々木一榮委員の、いわゆる平成19年度がないということは何をもってという根拠のお尋ねだと思います。
 今回、会計検査院が入りまして、いわゆる業者の帳簿等と突き合わせをしながらチェックをしてまいったわけですが、それは年を追って減ってきております。基本的には、公共事業費がずっと減ってまいりますと事務費が減ってまいります。そういうことも恐らく一つの要因かと思いますが、平成18年度における需用費そのものについての不適正な金額というのは非常に少なくなってきておりまして、それが最終的に事業者との突き合わせの結果によれば平成20年1月に解消されております。したがいまして、平成19年度に新規に発生しているというものはございませんでした。そういう確認をいたしております。
〇佐藤県土整備部長 当部も同様でございまして、平成20年2月に会計検査院が入ったわけですが、こういう事例というのは年度末に往々にして生ずるということから、それを受けまして、私どもも年度末の事務費の不用額の処理につきまして、不適切な経理をしないようにということで再度周知をしまして、また、その後、今、農林水産部の副部長が述べたように、県側の支出書類と納入業者の帳簿を突合しまして、契約内容に沿った納品が行われたこと、また、預けの残額もないことを確認した結果、今まで申し上げたように平成19年度は需用費に関する不適切な事務処理はなかったというふうに申し上げているところでございます。
〇佐々木一榮委員 冒頭の古内会計管理者からの説明の要旨の3番でありますけれども、今回の会計検査の結果については、会計検査院が今後、国会で報告する中で示され確定することとなり、会計検査院からは、その国会報告までは内容未確定であり、会計検査院の検査結果の公表については国会報告後に行ってほしいとの指示をされたものであるけれども、今般、新聞等の報道を受けて、会計検査院の了解の上、公表するものであるというのが今回の発表の経過でありますから、本当に突然のことだったというように思っております。
 先ほど若干申し上げましたけれども、国からの補助事業、このあり方というのは非常に大きな制度的な問題があるんじゃないかなと。当然ながら地方は、補助金、これを残すことによって、翌年度、その補助額が減額されるんじゃないかという心配は非常に強いと思っております。今回、12の道府県がこういう形で報道されましたけれども、恐らく全国当たれば、私は多くの地方が、大変財政が厳しい県ほどこういう形で、言葉はあれですけれども、ある意味の努力をしている部分もあるのではないかという思いを強くしているところであります。
 そこで最後に、事務事業の取り扱いが若干違うのでありますけれども、総務部長に、せっかく国のほうから出向されて岩手にいらしておりますので、今回こういうような事案が全国で起きている中で、補助金の使途の見解が国と県の中でも変わっているというお話もありましたとおり、こういった補助金のあり方についてどのようにお考えで、また、補助金がその年度消化されないと翌年度から減額される今のあり方、こういうことについてどのようにお考えか、最後お尋ねして終わります。
〇川窪総務部長 補助金につきましては、事務費の部分に補助が入っている、公共事業関係の補助金はそういう仕組みになっておりまして、そして、事務費の部分がどこまで補助対象なのかということについての基準が、事務費の個々の話になりますとどうしてもグレーゾーンがあるというような中で、見解の相違というような意味での不適切を指摘されている部分もございまして、そういう面から見ますと、やはり補助金のあり方についても、できる限り地方の判断で責任を持って使う、その使い方の範囲がどこまででなければいけないという部分につきましてはできるだけ地方に判断を任せるというような方向に動いていってほしいとは思っております。
 ただ、今回の需用費の会計処理の不適切事例などにつきましては、それをもって補助金の制度のよしあしというようなことを申し上げるわけにもいかないかなと思っておりますので、過ちの部分につきましてはしっかり反省して対応してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 質問させていただきます。
 まず、この不適正処理はいつから始まったのか。
 それと、本年2月と6月に会計検査院の調査があったといいますけれども、調査があったのはこの月ということで、本事件をいつから認知していたのかお尋ねします。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 今回、会計検査院が平成20年2月に入ったわけでありますが、それは平成19年度であります。会計検査院は、過去5年間にさかのぼって調査をするということで、平成14年度から18年度までの検査対象期間となります。
 証拠書類というのもその5年間の保存期間になってございます。したがいまして、その期間について調べたものでございまして、平成14年度以降について、少なくとも平成14年度から発生をしているというふうには考えております。
 それ以前のものにつきましては、証拠書類がございませんので、現時点では掌握はしてございません。
 それから、2月、6月に会計検査院が入るまでは、先ほども申し上げましたとおり、県の書類上につきましては形式書類が整っております。私どものほうでいわゆる業者との突き合わせのような形で行っておるものではございませんので、私どもが承知したというのはその時点でございます。
〇嵯峨壱朗委員 県土整備部も多分同じでしょう。平成14年以前の証拠はないと。書類がないので、ないであろうと。多分皆さん方、係長を経験しているでしょう。ということは、係長時代はどうだったんでしょうか、していなかったんでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 私も主査等を経験をして、いわゆる係長クラスを経験してきているわけですが、私の歩いてきた経緯の中では、いわゆる経理担当という部署がなかったということもあると思いますが、そういうことはございません。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、一連の話を聞くと、平成14年度以降に特殊要因があってこういったことが始まったと、そう断言していいわけですか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 私が申し上げておりますのは、平成13年度以前になかったと断言しているものではございません。いずれ証拠書類がある期間について確認をとっているということを申し上げておるわけでありまして、平成13年度以前については、そういった証拠書類による確認が難しいということを申し述べているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 じゃ、あったかもしれないけれども確認できないと、それが正確ですね。あったかもしれないと。
 先ほど2月、6月のを聞きました。2月のその時点でって、その時点というのはいつのことですか、わかったというのは。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 2月に会計検査院が入りまして、調査の結果、いわゆる本庁の証拠書類と業者の書類と突き合わせをしていく中で、それが合わないと。そういうことで実態が明らかになったと、それでわかったということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 検査が入って指摘されてわかったのではなくて、それ以前から、検査が入るので調べていったらわかったということですか。ちょっとわからない。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 どういう調査内容かということでございますけれども、会計検査院による検査が、私どもの所掌しております会計書類と、あとは、直接業者に出向いていきまして業者の帳簿類を突き合わせた結果、例えば支出日と、こちらの押さえております納品日ですとか、業者が帳簿上記載しております納品日ですとか、それが一致しなかったものとか、そういうものがございまして、それで突き合わせていった結果、不突合箇所が見られたのでということで、そこから判明したということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 その経緯というのはわかりましたけれども、わかったのはいつということですか。そうやって照合した結果なんでしょう、不突合が指摘されてわかったのは。実際に皆さん方が知ったのはいつかということを知りたいと思います。
 それと、先ほど佐々木委員からも指摘がありましたけれども、さまざまな状況、需用費、賃金、旅費、これは年度ごとに追って減ってきているという説明をしておりますけれども、年度ごとに出せないものかというのを、まず出してもらいたいですね。これは出せるでしょうから、今すぐじゃなくてもいいですけれども、出していただきたいと思います。
 それと、新聞等を見ておりますし、また、この説明の書類で見ますと、私的流用はないと。飲食とか私物を購入したとか、そういうことはないという表現ですけれども、この私的流用、そして原因調査のところもなんですけれども、原因は調査して、今後の対応というところで、再発防止策の策定、発生原因の徹底した究明と併せて、不適正支出の再発防止策─ありますね。究明していかなければ、本当にあったか、ないのか、わからないんじゃないですか。そうと私は思うんです。究明が終わってないのに私的流用はないとなぜ断言できるのか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 私のほうからは、いわゆる年度ごとの金額を示せないかというお話でございました。現時点で、いずれ確定したものではございませんが、年度ごとの数字を、可能であればお示ししたいと考えております。
〇佐藤県土整備部長 まず、当部のいつわかったかということでございますが、会計検査が平成20年2月に入った段階でわかったものであります。
 それから、私的流用がないのかどうかということでございますけれども、これにつきましては、会計検査が2月に入って指摘を受けて以来、その後、当部としましても、農林水産部も同じだと思うんですが、需用費関係については、県側の証拠書類、帳簿と、業者側の帳簿をすべて突合しまして、文房具用品の種類は違うものも納入はされておったわけですが、総額としてはすべて納入されているということを確認できたものでありまして、したがって、私的流用はないと申し上げているところでございます。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 当部といたしましても、私的流用、飲食等への使用につきましては県土整備部と同様の調査を行いまして、総支出額と業者からの納品額が同等だということで、私的流用はないと考えておるところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私的流用という言葉で表現される使い方というのを、ちょっと具体例を幾つか挙げていただきたいと思います。どう考えているか。
〇佐藤県土整備部長 一般的に申し上げますと、私的流用というのは、恐らく、例えば着服とか、あるいは自分の趣味のために公金を使うとか、そういう私的に使うということで私どもは理解しております。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 私的流用の定義といいますか、考えでございますけれども、例えば他県において私的流用とされたものにつきましては、例えばゴルフセットを買って、納めさせて私的に使っただとか、あとは商品券を購入して、それを職員が使ったとか、そういうものでありまして、私どもが私的流用がないということは、事務用品で納めさせて補助事業のために、事務のために使ったということでありますので、その意味で私的流用とか、そういうものはないというふうにお話をしているわけでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私的流用がないことを祈っております。
 それと、先ほど、業者、相手方ですか、公表してはどうか、できないものかという質問に対して、できないということでありましたけれども、結果として、これが違法だと認められれば、業者サイドも違法行為に加担したことになるんですね。となると、やはり県の側に問題があってということであったとしても、事実としては、県民から見れば、やはり禍害ですよね。そういう意味でいうと公表すべきではないかと私は思うんですけれども。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 今の嵯峨委員の御指摘は、いわゆる違法な行為として会計検査院から指摘されたような場合について業者名を公表すべきではないかというお話でありますが、現時点におきましては、いずれ、会計検査院からどういう形で指摘が出るのかということがまだよく見えていない部分がございます。現段階におきましては、そういう状況下におきまして、県からお願いして預けたということにかんがみますと、公表すべきではないと考えておるものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、確定した段階では公表する、しなきゃならないという理解でいいですか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 私がお答え申し上げていますのは、例えば違法だったから、それじゃすぐ公表するかということについては、その内容等を勘案して判断すべきものであって、今の段階で仮定の話として公表すべきだということをお答えできないということを申し上げているものであります。
〇嵯峨壱朗委員 今しろというわけじゃないんです。これで会計検査院の報告が11月初めにあって、それで不適正な支出である、補助金適正化法に抵触する可能性があると。抵触したのか、違法性があったと指摘された場合には公表すべきではないですかというお尋ねです。
〇高前田農林水産部長 その業者の公表につきましてでございますけれども、先ほどもお答えをしたところでございますけれども、この件につきましては、県側から依頼してきたそもそもの経緯がございます。それから、業者はそれに協力したということであるわけでございますけれども、今回、事案の実態解明を進めるに当たりまして最大限の協力も一方でいただいております。そういったようなことなどを考え合わせますと、現時点ではやはり業者名の公表については考えておらないところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 これは、じゃ、いいですというか、公表すべきだと私は思いますけれども、いいんですが、この相手方というのは大体何社ぐらいなのか。それと、新聞報道ですけれども、会計検査院からの指摘のこういった形の支出というのは、横領や業者との癒着などの不正の温床になりかねないという指摘が載っておりました。当然、そういった指摘がなされると思うんですけれども、この点に関してはどのように考えておりますか。
〇高前田農林水産部長 まず、業者の数でございますけれども、私どもが把握しているところでは35業者でございます。
 それから、業者との癒着の関係でございますけれども、私どもの調査で、私的な流用であるとか、いわゆるキックバックといったようなものがないということを確認いたしておりますので、癒着ではない、癒着はないと考えております。
〇佐藤県土整備部長 県土整備部の所管の預け金を行っていた会社は3社でございます。
 それから、横領とか癒着というお話でございますが、先ほど申し上げましたように、すべての帳簿書類を突合した結果、そういう事実はないということでございます。ただ、そういう懸念があるという御指摘は私どもも考えられると思っておりますので、今後は、こういうことのない適正な経理処理に努めていきたいと考えております。
〇高前田農林水産部長 先ほど私のほうで業者の数を35であると申し上げましたが、これは、今回、不適切な事案として指摘されている関係の業者の数が35でございまして、このうち、預けに該当するのは6業者でございます。
〇嵯峨壱朗委員 こういったことが契機でいろんな特殊なつながりが出てくるという意味でも、癒着とか横領の温床になるという指摘だと思いますので、その辺は十分気をつけていただきたいと思います。
 それと、購入した物品一覧とか、金額とか、そういったものというのは出せるものか。どこかの新聞に、車1台分の文房具を買ったところもあったというのが出ていましたね、どなたの発言だったか。そういったことを考えると、どういったものを購入して、金額は幾らかという一覧は出せないものかどうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 整理をさせていただきまして、お出しをしたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 それで、いろんな事実ですけれども、これは、今回、農林水産部そして県土整備部ということですが、先ほど、総務部長の説明によりますと、補助対象となる事務費を持っている事業ということですけれども、これは他の部局にはないのでしょうか。また、それと、こういった形の支出というのは考えられないのでしょうか。
〇川窪総務部長 今回、まず、会計検査院の調査を受けて御指摘を受けております国土交通省と農林水産省関係の補助事業を中心に、本県も両部におきまして調査をしてきたところでございます。先ほど来の御議論にありましたように、平成18年度に向けてなくなってきているという背景には、やはり公共事業の規模の縮小で事務費そのものが非常に小さくなってきているということもございまして、こういう事件が起きている動機の中心が、補助金をいわば無駄にといいますか、できる限り使いたいという思いからということもございまして、他の部局において同様な事例がある可能性は極めて低いとは思っているのですけれども、ここのところは現時点で悉皆調査等をして確認したわけではございませんので、そういう状況で、今は指摘を受けているこれらの案件につきまして、まず正確な事実関係の把握や御説明ができるような作業を必死でやっているというところでございますが、その会計検査院の指摘の結論や、今回の両部における調査の結果を踏まえまして、次の話としてどう考えていくか、ちょっと検討させていただきたいと思っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 可能な限りやっていただいたほうが、我々も責められなくて済むというか、ぜひ、そうしていただきたいと思います。
 それと、こういった一連の不適正支出と言われるこの事実を、知事とか副知事という方々はいつ認識したのか、いつお知らせしたのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇高前田農林水産部長 この件につきましては、先ほどの御説明の中でもございましたように、本年2月と6月に会計検査院の検査が行われておりまして、6月の検査の段階で具体的にこういうことが指摘なされておりますことから、その段階で、まず第一報としてお話はしておるところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 6月ということですけれども、先ほどの一連の話を聞いていると、2月の第1回目の調査時点で、こういったことはほぼ認識していたという話でしたね。なぜそれが6月になったのか。もっと前に教えるべきだったのではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
〇佐藤県土整備部長 2月に指摘を受けましたのは、その全貌ではなくて、こういう事例があるという一部分の事例でございました。その後、調査をして大体全貌がわかりつつあったときが6月の会計検査院の調査終了後のお話でございまして、全貌がわかった時点で、副知事、知事には御報告申し上げたということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、全貌がわかって、こういう可能性がありますよとか、そういったことはやはり大変重要なことですから、むしろもっと前に教えるべきだったのではないかと思うんですけれども、本当に6月だったんですか。なぜなのかなと思いますけれども。
〇佐藤県土整備部長 2月の段階では、先ほど申し上げましたように部分的なものでございましたので、今思いますと、そういう情報というものは早目に知事のほうに上げたほうがよかったかなと思っております。今後は、こういう情報がわかり次第、できるだけ早急に知事に上げるように努めてまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 そうしたほうがいいかと思います。
 それと、6月ごろ、副知事、知事がこういったことを知ったと。その上でどういった指示があったのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇高前田農林水産部長 6月の段階で御報告した際には、御指示としていただいたのは、まず、徹底的にその事実関係をできる限り解明しろということでございます。それから、あわせまして会計検査院とのすり合わせがまだできていない部分が多々ございましたことから、会計検査院との協議、さらには関係省庁に対しても事前に情報を提供して、そういった特に旅費、賃金等の支出に係る基準の部分についてのすり合わせをしっかりやるようにといったようなことを具体的な指示としていただいたと記憶しておりますし、それから、6月に引き続いて8月の段階にも、知事、副知事にも御相談させていただきまして、あわせてその時々の会計検査院との協議・調整の状況、各省との協議の状況につきましても御報告をさせていただいているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 県土整備部も大体同じ状況だと理解してよろしいですね。いいですね。
〇佐藤県土整備部長 今回の案件につきましては、農林水産部、県土整備部、両部連携しながら取り組んでいるところでございますので、同様のことで進めております。
〇嵯峨壱朗委員 先ほど、佐々木委員の質問の中で、平成19年度決算分についての質問がございました。その中で、私は、一つは確認ですけれども、需用費については両部ともないということですね。しかしながら、賃金、旅費についてはあり得る、見解次第によっては該当するものがあるといった理解でよろしいでしょうか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 そのとおりでございます。先ほども申し上げましたとおり、需用費と旅費、賃金は指摘の性格が異なっております。需用費については手続の問題でありまして、預け金とかの手続の問題であります。これはないと、これははっきり申し上げます。旅費と賃金につきましては、その事業が国庫に当たるか、県単に当たるかという問題でございます。平成19年度につきましては、平成18年度と同様の考え方で国庫、県単の扱いを運用しておりましたので、同様のことは平成19年度もあるということでございます。
〇佐藤県土整備部長 農林水産部と同じような状況にございます。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、不適正支出なのかどうかわからないけれども、今回、平成18年度までの5年間で指摘された内容のものは平成19年度の決算にもあり得るという、先ほどの繰り返しになりますけれども、そうですね。
〇高前田農林水産部長 先ほどの御答弁の繰り返しになりますけれども、特に旅費、賃金につきましては、基準の部分でまだ国の各省との調整がついてない部分がございます。したがって、その調整の結果、私どもの主張が認められないということになりますと、国の基準に該当しないものが平成19年度も出てくることはあり得るということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 なぜ何回も聞いているかというと、本来は平成19年度の決算をする特別委員会でありますので、決算認定に係って、そういった部分がどうなのかというのは極めて重要な要素かなと思って何度か確認したわけであります。そう御理解いただければと思います。どうですか。
〇古内会計管理者 今のお尋ねの本質でございますけれども、国庫補助金相当額はもう既に歳入として受け入れてございます。支出のほうは、見解の相違等があって、今後どういう形で指摘を受けるか、これは国会の発表をもってはっきりするわけですけれども、支出そのものの実績というものについては、そういう意味での事務的な行為は正しく行われているということですので、決算の数値上、変動を来すようなことはないと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 決算の数値に変動を来さないからいいとか悪いとかという議論ではないんですが、そういった不確定なものがあること自体に問題があると指摘をしているつもりであります。話としてはわかりました。
 最後になりますけれども、一般論としてですけれども、こういった会計検査院の指摘があった場合に、補助事業の執行等にどういった影響がこれから考えられるのか、お聞かせ願えればと思います。
〇高前田農林水産部長 今回の会計検査院の指摘を踏まえて、補助事業の執行にどういう影響があるかということでございますが、まず、私ども事業を執行するサイドといたしましては、今回のこの事案を契機として、不適切な事務処理を行わないように、また、再度周知徹底を図りまして、再びこういうことが起きないようにするということでございますし、それから、まず、こういうことも含めて、国からのいわゆる貴重な税金で事業を実施しているということに十分思いをいたして、その事業効果を高めるためのさまざまな努力をまた一層していかなければならないと考えているところでございます。
〇佐藤県土整備部長 県土整備部としましては、今回の需用費に関する不適切な事務につきましては、やはり私どもは襟を正して、今後とも適正な経理処理に努めていかなければならないということでございます。
 また、旅費につきましては、職員の各種研修、あるいはシンポジウム、あるいは内部職員向けの研修とか、そういうものが補助事業の対象ではないというような指摘になるおそれもございまして、職員の資質向上、あるいは研修等々の部分を今後どういう形で、人材育成も含めてやっていくか、この辺が一つの課題になってくるのではなかろうかと思っております。
 それから、賃金につきましては、今後はやはり、補助事業がなされているところ、その科目に従って適正な執行に努めてまいらなければならないと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 いずれ、どんどん減る収入も含めて、大変厳しい予算の中でやっていることは重々承知しております。その中でも一定のコンプライアンスを当然保ちながら、適切な予算執行をしていただくことを御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
〇大宮惇幸委員長 執行部に申し上げます。ただいま嵯峨壱朗委員から請求がありました年度別の需用費の額及び購入した物品の一覧の資料は、10月22日の審査までに提出してください。
〇小野寺好委員 最初の佐々木一榮委員の質問の際に、私も、例えば学校の生徒みたいに、いろいろ御答弁の内容とか項目、単価を逐一メモするような形で、中には聞き取れない部分とかがあったんですが、その最初の資料を、きちんとしたものがあるのであれば、その写しを配付していただけるよう御配慮いただきたいと思うんですけれども。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 いずれ、現時点でのということでございますが、可能な限り詳細な資料でお出ししたいと思います。
〇大宮惇幸委員長 よろしゅうございますか。先ほど同様、22日までに提出してください。
〇飯澤匡委員 政和・社民クラブの飯澤匡でございます。
 それでは、短い時間ですが、質問させていただきます。
 今、世の中は大分、民間会社も利益優先からコンプライアンスという大きな柱が、むしろそちらのほうが大事になっている。したがって、コンプライアンスは経営の根幹として、仕事の仕組みづくり、そしてまた徹底した教育を進化させていくことが今求められております。県庁においても、職員が違法な行為によって不幸な事故を起こすことがないような仕組みづくりをすること、これが指導者の大切な役割ではないかと私は思っております。この点をまず最初に申し上げて、最初に具体的なことについてお伺いします。
 預けと称されるものについて違法性が指摘されたわけですが、取引業者の帳簿ではどのようになっていたのでしょうか、まずお伺いします。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 業者の帳簿につきましては、例えば県の支出書類と異なった納入品目、納入した物品の種類ですとか、あとは納品日、そういったものが記されておりまして、それが県の支出書類と違っていたということを確認してございます。
〇飯澤匡委員 では、それは預け以上のものですよね。預けたものとか別のものが帳簿に書かれたということは、別の違法性を指摘されるということにはなりませんか。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 当方で発注した額というものは押さえておりますので、それに見合うものが、その業者のほうの帳簿でございますので、それとチェックをかけたということで、違法性というようなことは、その……。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 お預けをした金額を記載した別の帳簿で管理されていたと承知しております。
〇飯澤匡委員 そうなりますと、長崎県などでは肩がわり、または配分、小分けというような脱法行為が日常的に行われていたと調査をされましたが、この件については岩手県はあるんですか、ないんですか。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 私どもで確認したところによりますと、県から入金した金額から納品した額を差っ引いて残高を管理するというような形になっていたと承知しております。
〇飯澤匡委員 それは、今回指摘された預け以外のものも含まれるというふうに今の答弁だと認識をされるんですが、これは、今、私も調査不足ですので、集中審議の中で明らかにしていきたいと思います。
 それでは、この内容ですけれども、平成14年から平成18年までの5年間指摘されて、平成19年以降はないと答弁がありました。しかし、この期間において、今後の処分の件ですが、職員の自己申告に基づくものと帳簿の突合が合っていて、その内容が違っていたということで、それとよしというような答弁となりましたけれども、それ以外のことで、職員がこういうこともあったよと、これは職員の良心に頼る以外ないわけでございます。全容がすべて解明されておりません。この状況での弁済額の確定が可能なのかどうか。とりあえず弁済額の判明分だけ弁済するとしても、この処分をされる人、この処分者の範囲が決まらないと、これは弁済されないんじゃないかと思うんですが、その点についてはいかがですか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 まず、国会報告で金額が、いわゆる会計検査院の態様と指摘額がはっきりするわけです。そうしますと、返還につきましては、次に各省庁との協議に入ってまいります。どの程度までその返還をするのかということについて各省と詰めまして、範囲が決まってまいります。それで返還額というのが確定してまいります。そういった状況の中で、返還金をどういう形で返していくのか。先ほど、処分の関係との関連性でお話がありましたけれども、そういう全体の中で、そのことについては検討してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 済みません。弁済じゃなくて返還でしたね。長崎県は私的流用があったので弁済という格好になっておりました。
 それで、きょう、お昼のテレビを見ていましたらば、愛知県の知事は記者会見で陳謝しておりました。私が冒頭に申し上げた仕組みづくりをするという意味においては、県の責任者、指導者の方々がかなり大きな影響力といいますか、私は必要なものと考えております。長崎県等では外部の有識者の調査委員会を設置して、これの事実の究明を明らかにしております。そしてまた、この事案についても私的流用はないとされていますが、あくまでやはり内部のほうでも徹底的な調査が必要と私は考えます。先ほどの愛知県では、副知事を先頭とした内部の調査の委員会も設置すると。かなり随分早い対応だなと考えておりますが、今後のそのような外部委員会等の機関の設置について、どのような見解であるのか、総務部長にお伺いします。
〇川窪総務部長 今回の会計検査院の指摘の最終的な結論がまだ示されておりませんで、最終的に、具体的にどのような年度、内容、金額、そこにかかわった職員の範囲というようなことを確認していく必要があるかと思っておりまして、今、私が聞いているところでは、本県の需用費関係の不適切事例につきましては、そのお金がどの業者さんのところにどのように支払われ、また、それに相当する物品がどのように納品されたかということが、書類上、確認ができているということでございますので、そこをあと、会計検査院の指摘内容や、各省庁の判断に基づく国庫返還の最終的な行方というようなものを確認すれば、職員に対する責任をどう考えるかということを含めまして、対応方針については決め得るのかなと今のところ考えているところでございますが、いずれにしても、ちょっと会計検査院の指摘の最終的な結論を確認の上、そこのところは検討させていただきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 愛知県は何か使途不明金が出たということで、知事も早い対応をしたと思うんですが、いずれ、皆さん方が冒頭陳謝したように、県民にとって、岩手県が大変大きなダメージの報道をされたわけです。誤って不適切な処理をしたということは間違いないわけですから、これは、私が冒頭申し上げたように、仕組みづくりにおいては、やはり企業で言えば社長に当たる知事が大きな指導力を発揮するところじゃないかと思うんですよ。
 では、お聞きしますけれども、どのような結果になれば、内容が明らかになったと県民が納得するかどうか、その御見解を総務部長にお伺いします。
〇川窪総務部長 やはり個々の事例につきまして、どのような問題の事例が何件、そして対象の行為の内容が、どういう物品についてどのようなことが何年何月に行われ、それが最終的にはこのような備品の納入で納入されて終わっているとかというようなことのすべてを確認し、明らかにし、そして、それにつきましては、いわば包み隠さずきちんとすべて御説明を申し上げ、そして事案の中身に応じた事後の対応をやっていくようなことを細かくしっかりやっていくということに尽きるのかなと思っておりますが、そういった方向での作業を引き続きやってまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 私は、冒頭に言ったように、コンプライアンスを確立していくという意味で、これからどうやって県政を、事務処理について適正なものにしていくかという大きな岐路に立っていると思います。これは、今後の予算執行のあり方についても大きな影響を与えると思いますので、いずれ、今後の調査の継続性について、どのように知事が判断するかわかりませんけれども、その点についてはきっちりと議会でもやっていかなきゃならないと思うんですが、その継続性について、私は、5年間にとどまらず、今後のことも含めてやっていかなきゃならないと思うんですが、総務部長、その点についてはどうですか。
〇川窪総務部長 今回、こういう問題が生じておりますので、先ほど申し上げました細かく事実関係をきちんと把握し、御説明するということの中に、年度別のデータもということが先ほど出ておりましたが、年度別にどのような状況になってきていて、今現在がどうであるか、そして、来年度以降もそのような問題が起きていないということにつきまして、その時々で、県民の皆様から見て御納得いただけるような事務処理の体制でありますとか、事務処理結果の説明の仕方でありますとか、それぞれこれまでと同じということではなく、改善が必要かと思っておりますので、そうした方向で取り組んでいきたいと思います。
〇飯澤匡委員 適化法の話が出ましたが、岩手県では会計規則というものがありますが、これにも違反していますね。それだけ最後に聞いて、終わります。
〇古内会計管理者 委員御指摘のとおり、岩手県の会計規則に照らしましてもルールを逸脱したものと言わざるを得ないと考えております。
〇斉藤信委員 古内会計管理者の言葉で、出先事務所で一度に数百万円の注文を出したケースがあった、一つの事務所で車1台分の値段に相当するようなケースがあったと。どこですか。
〇古内会計管理者 私が、ある新聞社の記者の方から取材を受けた際に、いわゆる預かりというのはどういったものかという説明を求められました。その際、こういうものですという話をしたんですが、恐らく私のそのときの説明の仕方が悪かったのかと思いますが、一つの例示として、例えば先ほど、1回70万円ほどの預かりがあったというような御回答をしておりますけれども、例えばバインダーで、70万円ほどのバインダーというと相当の容量になります。そういったことをイメージするために、そういうふうにお話ししたものでありまして、私が数百万円に及ぶ事例があったと申し上げたのではございませんでしたけれども、ただ、記者の方は、そうあんたはしゃべったというような話だったものですから、それは、事後になりましたけれども、おわびして訂正をさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 70万円の実態はどうだったんですか。どこの事務所ですか。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 平成15年度末、平成16年の春に県土整備企画室で購入しております。(斉藤信委員「何を購入したか聞いているんだよ、実態を」と呼ぶ)70万円分のファイル箱2、800枚を購入したという伝票になっております。
〇斉藤信委員 伝票になって、何を実際に購入したんですか。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 この時期はほかにも何件か、何十件かですが、同様の預けをしておりまして、どの分がどの購入と特定できるものではございません。
〇斉藤信委員 私的流用がないという根拠が全然ないじゃないですか。発注した分、何を買ったかわからないんですよ。それで、預かり金について私は聞きたいんだけど、何社に、何万円から何万円預けたんですか。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 22日に購入物品についてはすべてお示しする予定になっております。その中に含まれているということでございます。
 それから、業者ごとの預け金額でございますが、業者名は、先ほど申し上げましたようにお知らせしないこととしておりますが、県土整備企画室におきまして、A社に710万円、B社に約1、000万円、それから出先機関1公所において65万円ほどの預けをしております。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 ちょっと手元に資料がございませんので、後ほどお知らせしたいと思います。
〇斉藤信委員 あなた方は私的流用がないと結論が先に行っているんですよ。その根拠は何もないんですよ。きょうは全然出せないんですよ。それで、愛知県は、悪質な手口であり、裏金と見られても仕方がないと言ってますよ。裏金ですよ、これは。そういう認識はありますか。
〇高前田農林水産部長 この預けの関係でございますけれども、預け金に係る県の支出関係書類と業者の帳簿とを照合させていただいた結果、預け額に相当する物品は既に納品されております。それと、加えまして当時の担当者からもヒアリングを行いまして具体的な処理状況の確認を行っておりまして、そういったようなことから私的流用はなかったと考えているところでございます。(斉藤信委員「裏金かどうかを聞いているんですよ」と呼ぶ)裏金かどうかということでございますけれども、裏金という言葉の定義でございまして、要するに、私的流用であるとか、飲食費への支出のために資金をプールしたというものを裏金と称するのであれば、それは裏金ではないと私どもは考えております。(斉藤信委員「県土整備部長も答えてよ、聞いているんだから」と呼ぶ)
〇佐藤県土整備部長 今、農林水産部長が答弁申し上げたことと同じでございます。私どもとしても、その裏金という言葉自体の定義によっては、裏金ではないと考えておりますけれども、いずれにしても、会計処理の不適切なことがございましたので、そういう意味では、やはり不適切な処理だったと反省しているところでございます。
〇斉藤信委員 使ってはならないお金を、裏帳簿で金を先にやって、実際にどれだけ買ったかわからないというのが実態ですよ。こういうのを裏金と言わないで、どうして、何が裏金なんですか。いいですか、必要のないものをあなた方は買っているんですよ。国費だけじゃない、県費の無駄遣いをやっているんですよ。そういう認識はありますか。
〇高前田農林水産部長 ただいま委員から御指摘がございましたけれども、必要のない物品を購入しているという認識はございませんで、これは県の事業として必要な物品を購入していると考えております。
〇佐藤県土整備部長 当部も全く同じでございまして、県の事業執行上やはり必要なものを、必要な物品を調達しているということは同じでございます。
〇斉藤信委員 事業に関係ないものに使ったら無駄遣いなんです。それを裏帳簿で業者もやっていたんですよ。いいですか、A社は710万円、B社は1、000万円、これは業者との癒着でしょう。今、業者は仕事がなくてとれないんですよ。特別な業者だけ、こうやって癒着していたんじゃないですか。これを使ったお金は裏金じゃないですか。
〇高前田農林水産部長 事務処理の不適切性というのは御指摘のとおりでございますけれども、購入した物品等につきましては、これは間違いなく県の事業、事務として必要なのを調達したわけでございまして、その事務処理の不適切性はおわびを申し上げますけれども、実際に使途はどうかということになりますと、そういった私的な流用であるとか飲食費への支出といったものはございませんということを御理解を賜わりたいと思っております。
〇佐藤県土整備部長 全く当部でも同じでございまして、いずれにしても、我々、県事業を執行する上で、例えばコピー用紙あるいはトナーのインク、それを国庫補助事業の事務費で賄うか、あるいは県単の事務費で賄うか、これは必要な事務費、いわゆる用品は同じでございますので、それを調達する手法、会計処理が適切ではなかったということと、それから、県単事業の事務費よりは補助事業の事務費を使ったということでございまして、トータルとすれば、やはり必要な事務費を調達したと。ただし、その調達方法が不適切な経理処理によって行われたということでございます。
〇斉藤信委員 一部の業者に不適正な発注をしたというのは癒着じゃないんですか。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 いずれ、県のほうから、国庫予算の使い切りというような観点からお願いを申し上げて業者に預かってもらったというふうに、事実がそういうことでございます。それイコール癒着かと聞かれますと、いわゆる癒着という定義というふうには私どものほうでは理解はしてございません。
〇古内会計管理者 今、農林水産企画室長が答弁申し上げたとおりでございまして、前段のほうで私が陳謝申し上げましたけれども、そもそも会計処理上、不適切だった、それは間違いない事実でございますので、これは本当に深く深くおわび申し上げなければいけないとは思っております。会計管理者としても強く責任は感じております。ただ、今、委員御指摘のとおり、そのことをもって業者と癒着しているかという観点につきましては、我々としては、それは癒着というふうには考えておりません。やり方として、今回、出納局の検査がうまくできなかったというのは、各公所が独自に物を調達できるというシステムを使ってやったというのが事の本質でございます。そうすると、例えばどういうものかというと、単価契約物品、1年間に大量に使いますコピー用紙等を単価契約しておりますけれども、そういったものは、それは業者が決まっております。そこにコピー用紙を10個なり20個なり入れてくださいという中で、実は仮に20個買ったとして、今々必要なのは10個なので、その残りの10個は後で納入してくださいというパターンもあったようですし、残りの10個については、ペーパーではなくてフォルダーにしてください、あるいはトナーのカートリッジにしてくださいということで品物が変わったというようなことはあったと聞いておりますけれども、総じてそれを、そういうことがあったという事実は、それは問題でございますけれども、癒着と考えているものではございません。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 農林水産部におきます業者への預けの内訳ということでございますが、当部におきましては6業者への預けがございまして、A業者に対しましては5年間で900万円、B社に対しましては5年間で約950万円、C社に対しましては5年間で200万円、D社に対しましては5年間で約20万円、E社に対しましては5年間で約50万円、F社に対しましては5年間で約130万円程度の預けを行っております。
 どういう形態かということでございますが、例えばリサイクルトナー等を発注いたしまして、当該額を保有させて、後日、ファイルだとかそういう事務用品、総額として見合う物品を納入したというものになってございます。
〇斉藤信委員 預け金をやった課と振興局、出先を示してください。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 先ほど、次の22日に資料をいろいろ可能な限りお示しするというお話をしておりますので、その際に、あわせてお示ししたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、返還を迫られると思うけれども、県民に全く責任がないことです。これは絶対県民に転嫁させてはならないと思いますが、いかがですか。
〇高前田農林水産部長 国庫への返還についてでございますけれども、まずは、現在まだ会計検査院との協議が完了しておりませんので、そういった会計検査院との協議の結果を踏まえた国会報告、これを踏まえて、さらに今度は各省との協議がございます。各省との協議を経て返還額が確定するということでございますので、まずは、私どもとしてはその返還額の圧縮に向けて、先ほど来申し上げておりますような賃金、旅費等についてのすり合わせを行っていきたいと考えておりますが、その上で必要となる財源につきましては、関係部局と今後協議をしてまいりたいと考えております。
〇佐藤県土整備部長 ただいまの農林水産部長の答弁と全く同じ考え方で県土整備部も進めてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 私は、返還額を聞いているんじゃないんですよ。県民に転嫁させてはならないということを聞いているんですよ。この原則は確認できませんか。
〇高前田農林水産部長 今回、指摘をいただいている内容につきましては、特に旅費、賃金等につきましては、これは国庫の補助対象となるかどうかといったようなことが問題になっているわけですけれども、これらの賃金、旅費につきましては、県の事業執行上、これは必要性があって執行したものでございますので、そういった部分については、まずは県のほうの財源ということで、今後、関係部局と相談したいと考えておりますし、その他のものにつきましてどうするかにつきましては、これから関係部局を含めて協議したいと思っております。
〇佐藤県土整備部長 先ほど来から申し上げておりますが、農林水産部と県土整備部、両部連携して取り組んでおりますので、農林水産部長の考え方と全く同じ考え方で取り組んでまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 総務部長、2006年に長崎県で同じような預け金の不正が明らかになった。何で岩手県は調査しなかったんですか。
〇川窪総務部長 この点につきましては、本県におきましてそういう事情が、事実関係があるということにつきまして、先ほど来お話のありました平成20年2月の会計検査院の最初の調査の時点までいわば認識できていなかったということでございます。(斉藤信委員「調査しないからだろう、わからないのは。なぜ調査しなかったかを聞いているんだよ。だめだよ、そんな」と呼ぶ)少なくとも総務部もそうだと思いますし、私としては、長崎県のそういう事例があったときに、本県においても同様な可能性があるというようなことを、その時点で考えていなかったということでございます。
〇斉藤信委員 最後に、これは第三者委員会で調査しないとだめですよ。今の答弁を聞いたって、身内でごまかしですよ。次の審査にはぜひ知事も呼んでいただきたい。この二つを聞いて終わりです。
〇高前田農林水産部長 原因究明については早急に取り組みたいということで先ほども御答弁申し上げたところでございますけれども、まずは国会報告の内容であるとか、それから、これまで私どもが調査した内容、これを踏まえて、関係部局とどういったような調査組織をつくってこの原因を究明していくかということをしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
〇大宮惇幸委員長 ただいまの斉藤信委員からの知事の出席要求でありますが、後刻、世話人会を開催して協議させていただきます。
〇小野寺好委員 私は、監査委員にお伺いします。
 冒頭、菊池監査委員のほうから見落としたという表現でおわびがありました。しかしながら、私の前に4人の委員がいろいろお尋ねして、それに対する答弁を聞いていますと、非常に強気の答弁、そういうふうに感じましたが、まず監査委員はどのようにお感じになったか最初にお聞きしたいと思います。
〇菊池監査委員 見落としたということより、目が届かなかったという表現のほうが正しいかと思います。
 需用費については、発注あるいは納品あるいは領収書という関係書類が整って、その単価に疑問がない状態であると大体監査はそこで終わるということになります。ですから、ここで問題になっているように、預け金とか一時払い、先払いという状態になっているかどうかについてまでなかなか監査では明らかにならない。それが見落としたといえば見落としたことになりますけれども、目が届かなかったということになります。
 そこまで解明するには、棚卸しですね、これも年に1回とか2回の棚卸しじゃなくて、年に数回の棚卸しをして、いわゆる納入品と現物を照らし合わせる。ただそれでも、例えばコピー用紙なんかですとしょっちゅう動いていますので、なかなかわかりにくいと思います。
 それから、会計検査院は業者に確認したということなんですが、会計検査院の場合は業者も検査に応ずるのが義務であります。ところが、県の監査委員の場合は、業者に協力要請はできますが、強制はできないというのが地方自治法の規定であります。したがって、これは表現が難しいんですが、見逃した、見落とした、あるいは目が届かなかったというのが現実でございます。
〇小野寺好委員 となれば、国会での報告なりがなされる前に今回の先走った報道がなければ、これは表に出なかったんでしょうか。
〇菊池監査委員 はっきり申し上げますと、そうかもしれません。というのは、監査が深く反省しているのは、預け金あるいは差しかえ、一時払いといった六つの視点の監査、それがやっぱり欠けていたと。したがって、今後はこういうものに目を向けながら監査していくということになります。
〇古内会計管理者 会計管理者の職務の中にいわゆる支出負担行為の確認というのがございまして、またさらに出納局には、県の会計事務の適正な執行を確保する、それを支えていくというミッションがございますので、常日ごろそういう思いでこれまで取り組んでまいりました。ただ、今回のようなケースの場合に、いわゆる出納局の私どもの職員がそこまで目を届かせる、要するに実際、書類上は形式的に皆整っておりますので、そこでのチェックは基本的になかなか難しい。私どもは、現物の確認とか実地の確認も実はできることにはなっております。ただ、いわゆるスタッフの問題でありますとか、さまざまなそういうマンパワーの問題等々がございまして、なかなか現実的には難しい。かなりの公所がございますし、その検査も年1度でいいかというと、またそれも違ってまいります。そういう全体の兼ね合いの中で、どういうふうにしていけばいいかというのをこれから必死で考えていかなければならないなと思っているところでございます。
〇小野寺好委員 けさの政府官房長官の記者会見でありますけれども、12の道府県で今回、不正な経理があったと。よって、全部または一部を取り消して補助金を返還させるようになるかもしれない、こういった会見をしておりました。
 先ほど来の答弁ですと、職員の方は責任を負うようじゃない。前回の食糧費の場合は、それぞれ個々に飲食をしたと。そういうことと違って、今回は個別にそういった飲食等をしていない。むしろせっかく来た国からの補助金なので、返すことなくきちっと使い切ってしまおう、そういった御答弁だったようですけれども、結局は国から返せと言われた場合に、すべての県民が負担していかなくちゃならない、こういう結果になるかと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
〇高前田農林水産部長 このたびの事案につきましては、まさに不適切な経理処理という指摘は免れないところでございまして、これを踏まえて、具体的に今後、国の返還に対してどう対応していくかということでございますが、これにつきましては、今後、関係部局と十分に協議をしていくことになるものでございます。
 いずれにいたしましても、前回の食糧費の支出の問題と今回が性格を異にするのは、そういった私的な流用であるとか、そういうものはなかったということではございますが、いずれにしても不適切な経理処理であるということは間違いないところでございますから、そういった点も踏まえて、今後、関係部局と十分協議したいというふうに考えています。
〇小野寺好委員 自治法上、議会に出される決算関係の書類は非常に限られておりますが、議会選出の監査委員にいろいろ詳細とか尋ねてもいいものなのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
〇小川監査委員事務局長 監査委員のほうの見解は、監査委員協議で4人協議して結論等を出すことになっておりますので、個人的なあれは別として、公の話はやはり4人協議の結果で処理していかなければならないものだと思います。
〇阿部富雄委員 不適切処理として指摘された国庫補助事業の数というのは幾らになるのでしょうか。
 それから、本庁企画室など34公所を対象に会計検査院は検査したとしておりますけれども、不適切処理として指摘された公所は何カ所に及ぶのかお尋ねいたします。
〇紺野農林水産企画室管理担当課長 事業につきましては、今、会検のほうで精査中でございますので、具体的な数字はちょっと申し上げにくいのですが、公所でいきますと、預け金につきましては5機関、差しかえにつきましては11機関、一括払いにつきましては1機関、年度越えにつきましては24機関、先払いにつきましては5機関、前年度納品につきましては3機関ということになってございます。
〇佐藤県土整備部長 当部の補助事業の全体は、毎年度、大体70から80事業でございます。道路改築事業あるいは河川改修事業等々でございます。
 次に、預け金の公所ですが、5年間で2公所、一括払いが二つの公所、差しかえが8公所、それから年度越えが10公所でしょうか。詳しい資料は22日の資料の中で詳細に明らかにしてまいりたいというふうに思っております。
〇阿部富雄委員 22日に出すということですから、これ以上聞いてもしようがないと思いますけれども、ただ、少なくとも会計検査院が国庫補助事業での不適切処理だと言ったのは、事業名をちゃんと挙げて、そして精査した中で、例えば需用費については預け金が何件だ、それから差しかえが何件だというふうに示しているんだと思うんですよ。それをまだ精査中だからわからないという農林水産部の答えは、私は執行部として把握の仕方が弱いのではないかなというふうに思いますし、それから、県土整備部も70から80件のうちだという、こういうあいまいな言い方をしておりますけれども、そういうことじゃなくてきちっとした数字というのは出せないんですか。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 事務費につきましては、幾多の事業にまたがって負担している場合がございます。今回の会計検査院の指摘につきましても個別の事業ごとの指摘ではございませんで、こういった需用費とか賃金とか旅費といったくくりで総額幾らということで指摘がなされる見込みになっております。
〇高前田農林水産部長 農林水産部関係の事業数でございますけれども、現在、実は件数であれば指摘の途中段階の件数がそれぞれわかりまして、それは御報告できますが、あわせまして22日までにはきちんとしたものをお示ししたいというふうに思っております。
〇阿部富雄委員 それでは、どのレベルが対応したかということについては、担当者レベル、係長以下がやったのだというふうに言い切っていますね。ただ、今言った携わった関係機関の数、それから不適切処理とされた件数、こういうものを見ますと、担当者レベル、係長以下が単独でやったというのは考えられないんですよ。特にも県土整備部なんかは本庁が多額の金額を計上しているわけです。私は、組織ぐるみというふうに言われても仕方がないのではないかなというふうに思うんです。まず、この点についてはどうか。
 それから、関係した職員数はどの程度いるのか。そして、今回、こうした関係した職員のうち何人から事情を聞いたのかお聞きします。
〇佐藤県土整備部長 確かに需用費の経理というのは主査等の担当職員に任せていた部分が多いわけではございますが、私どもとしては、先ほども申し上げましたが、やはり組織として、国庫補助事業の事務費を、県費の支出をできるだけ抑えるためにできるだけ満額精算にしたいという思いが担当者も含めて職場の中には職場風土としてあったのではないかというふうには思っているところでございます。その辺の意識改革が今後必要だというふうにも考えておりまして、今後はそういうことも含めて、原因を究明する中でいろいろ調べてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、何人の職員に聞いたかということでございますが、吉田管理担当課長から答弁させます。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 正確な数についてはただいま手元にございませんが、ヒアリングの対象といたしましては、県土整備企画室におきまして、平成14年度から18年度までに経理を担当しました担当者及びその直属上司である総括主査、それから各地方振興局土木部の経理担当者とその上司ということで、出先につきましては17カ所を聞いておりますので、その5年間にわたります担当者を聞いております。
〇小田島農林水産部副部長兼農林水産企画室長 農林水産部も同様でございまして、調書をもちまして全所属に照会しまして調査をいたしております。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 委員長にお取り計らいを二つお願いしたいと存じます。
 嵯峨壱朗委員、小野寺好委員が要求しておりました資料について、22日までというような委員長の先ほどの発言と執行部の御答弁もありますが、22日に再度集中審議をやるという意味においては、できれば21日までに、大変にお手数でありますけれども、資料が出せるのであれば出していただきたいという手配をお願いしたいのが1件と、あと、きょうの質疑の中で大事な答弁があったと思います。今、付託されている平成19年度の部分については、国会への会検の報告次第で賃金と旅費について不正経理と認定される可能性があるという報告がありました。
 よって、委員長にお取り計らいをお願いしたいのは、認定案件がありますが、どの認定案件にその疑いがあるのかどうかを取りまとめのあさってまでに執行部からお求めいただいて我々に提示をしていただきますように、最後の認定の処理の関係で大事な部分だと思いますので、お取り計らいをお願いします。
〇大宮惇幸委員長 ただいま及川あつし委員から議事進行がありました。先ほどの嵯峨壱朗委員からの資料請求は10月22日ということで決定したわけでありますが、今、及川あつし委員からは10月21日までに提出してほしい旨の発言であります。執行部では21日までに提出できますか。
〇高前田農林水産部長 いろいろと資料のほうの御要請をいただきましたので、私どもとしては最大限努力をいたします。あした遅くまでには何とかしたいと思いますが、そういうことで御了承いただければと思います。
〇大宮惇幸委員長 県土整備部も同じですか。
〇佐藤県土整備部長 当部としても同じ考え方で取り組んでまいりたいと思っております。
〇大宮惇幸委員長 では、そのように取り計らいを願います。
 次に、認定の何号に不適切支出の可能性があるのか、今、執行部でおわかりの部分がありますか。
   〔及川あつし委員「後日でいいです、委員長職権でお願いします」と呼ぶ〕
〇大宮惇幸委員長 後ほどの確認ということでよろしくお願いいたします。
〇及川あつし委員 では、質疑に入りますが、総務部長と監査委員だけにお聞きしたいと思います。
 まず、監査委員にお聞きしたいのは、今回会検の対象となった平成14年─18年度の検査された事業は、監査委員がもし再監査する場合には対象となるかどうか教えてほしいと思います。
 あと、事案を受けて、先ほど小野寺好委員からもいろいろ指摘がありましたが、監査委員として今後どのように対処していく予定、方針なのか、今お考えがあればお示しいただきたいと思います。
 総務部長に伺います。きょう一連の質疑を聞いていて、農林水産部長と県土整備部長に私は質問する気持ちはうせました。というのは、恐らく全庁的、構造的、恒常的な支出の仕方があったのではないかと心証として受けたからであります。
 そこで総務部長に伺いますけれども、きょうの答弁の中で、達増知事がこの事案を認識したのが本年6月だと伺っておりますが、農林水産部並びに県土整備部に真相究明をきちっとやるようにという指示はあったようでありますけれども、全庁的に各部局に支出行為の改善について具体的な指示があったかどうか、また、それを受けて総務部長として何か対応されたのか、この点について伺いたいと思います。
〇川窪総務部長 支出行為の改善に関する指示ということでありますと、総務部というよりは出納局、会計管理者のほうにあるかもしれませんけれども、私のほうでは、このような問題事例が発生しているということに関しましては、まずその事実関係を正確に把握するということ、それから、その問題に対して公開をきちんとして、また説明を尽くし、事後対応をしっかりやるというようなこと、そういった観点からの指示をいただいているところであります。
〇小川監査委員事務局長 ただいまの監査の対象となるかということでございますが、随時監査という制度がありますので、もしそういうふうな問題があって、もう一度やらなければならないということであれば監査の対象にはなると思います。特に平成19年度の関係が入っておりますので、これがどういうような状況かということ等がもしあれば対象になろうかと思っております。
 それから2点目でございますが、今後どうするかということでございますが、これは4人の委員と協議していかなければならないものでございますが、ただ、今回の会計検査院の検査結果というものについてちょっと整理しますと、需用費と旅費と賃金ということでございます。その需用費の関係でございますが、補助事業に使われずに、補助目的に反する使い方で返還等の問題があるもの、特に事業年度が終わった後に残金が残っているというものについては本来的にやはり返さなければならないものですから、これはもともと返さなければならないものをなるべく使おうとしてやったということですので、県民の負担とかそういう問題とは別にやはり適切な処理が必要かと思っております。ただ、これにつきましては、先ほど来出ているように、外部確認をしないとわかりません。業者の帳簿を見なければわかりません。ただ、それは、県の監査委員事務局にはそれを強制する権限は、先ほど代表監査委員から申し上げましたとおりございませんので、やるとしてもなかなか難しい。協力をしていただくという形になります。ただ、業者の方はほかにも協力して一応払った格好で書類を出していますから、こっちには別に協力してまた別なものを出すというのが期待できるかどうか、若干そういう点は検討を要するかと思っています。
 それから2点目でございますが、補助事業には使っておりまして、その補助目的に反しない、ただ、会計規定には違反する。例えば、本来であれば予算の科目の更正等をしてコピー用紙から別なものに変えなければならないとか、そういう手続を小まめにとればよかったようなものにつきましては、やはりそれにつきましては会計規定に違反するということはそのとおりでございますが、これにつきましては今後どういうふうに対処するか、先ほど来の話のように、各省庁からの指摘、指導等を受けて返すか返さないかというような問題になると思いますので、これは検討を要するかと思っています。
 それから3点目の旅費と賃金の問題ですが、これは、県と会計検査院との間で考え方、評価が違っているというものが非常に大きい問題でございます。ですから、本来的に県費で負担すべきものであったというのであれば、それは今、国庫で出してもらっていますから、それはもう返さなければならないものですから、これは改めて県費負担という問題ではないんですね。最初にもらって県で出したものですから、これはだめだというのであれば、やはり本来はその旅費は県で出さなければならなかったものですから、本来の県費で出しますと。ただ、それにつきましては、従来の見解と若干違いが出ておりますので、今、関係部局のほうで会計検査院と、また各省庁と議論をしているというふうに伺っておりました。
 それから、賃金につきましても、集中管理いたしまして、例えば企画室とか振興局の主管課で全部それをまとめてやっておりますと、本来、その単一の課で全部やっておりますと全部国庫で見てもらえるものが、例えば会計事務とか支出とか、そういうものは別な課でやっておりますと、各課が賃金を持ち寄って1人臨時の方を雇ってその人にやってもらおうということで、本来的に原価計算的にはその負担をしなければならないものなわけですが、それが同じ職場でやらなければだめだというような話になりますと、これは今までと大分違うのではないかなということで、それも多分各部局、それから全国の各県が会計検査院と調整しているものだと思います。ですから、その辺につきましては、やはりその辺の議論を待った上で、それを踏まえた上で監査委員と協議しながらどうするか検討させていただきたいと思います。
〇及川あつし委員 最後にします。
 総務部長に再度聞きます。他の部局では可能性が低いというような御答弁があったんですが、私はどうも素直に受け取ることができません。よって、平成19年度の認定にかかわって、他の部局にこういう問題があったかどうか、再度確認する意思はありますか。それを聞いて終わります。
〇川窪総務部長 今回のこの会計検査の指摘を受けております両部の状況についての最終的な指摘の内容、そして事実関係の内容、それへの対応の状況、そして、これまでの各年度にどのような事実関係で流れてきているかというようなことも踏まえまして、今、御指摘の点につきましては、そこらあたりを踏まえつつ検討をさせていただきたいと考えております。
〇大宮惇幸委員長 これをもって会計事務の不適切処理に係る本日の審査を終わります。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時55分 休憩
午後4時17分 再開
〇高橋博之副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 休憩中に、10月22日の会計事務の不適切処理に係る審査の際に知事の出席を求める件について、世話人会を開催し、協議いたしましたので、その協議結果を御報告いたします。
 斉藤信委員から申し出のあった知事の出席を求める件については、最終日に知事の出席を求めることとするとの結論に至りました。
 お諮りいたします。世話人会の協議結果のとおり、最終日の企業局審査終了後、本委員会に知事の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋博之副委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇法貴教育長 教育委員会関係の平成19年度の決算について御説明申し上げます。
 平成19年度の教育委員会における重点施策は、岩手で生まれた子供たちが、豊かな人間性を持ち、多様な個性や価値観をお互いに尊重し認め合いながら、たくましく、みずから新しい時代を切り拓いていける人材の育成を目指すこととして、学校教育の充実、家庭教育などの充実、文化・スポーツの振興の3項目を主要な柱に据え、これらの施策の着実な実施に努めてきたところであります。
 まず、学校教育の充実についてでありますが、子供たちに生きる力を身につけさせることを目標として、児童生徒の学力向上、キャリア教育の推進、学校不適応対策の推進と特別支援教育の充実を中心に取り組んできました。
 特に、平成19年度から実施したいわて型コミュニティ・スクールによる目標達成型の学校経営や、学校不適応対策での高校へのカウンセラー配置などについては成果が見え始めていると認識しており、今後とも、子供たちに確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよくはぐくむ学校教育の充実に向けた取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
 次に、家庭教育等の充実については、家庭・地域の教育力の向上のため、放課後や週末に地域の方々の参画を得て、勉強やスポーツ、郷土芸能伝承など文化活動、子供たちと住民との交流活動の実施に取り組んだところであり、こうした安全・安心な活動拠点がある小学校区も71%まで広がってきております。
 なお、地域の大人や学年が違う子供の間での交流、文化活動や自然体験など体験活動の不足や地域での人材育成力の低下が指摘されていることから、今後は、より一層地域と一体となった、心豊かでたくましい子供の育成に取り組む必要があると考えております。
 次に、文化・スポーツ振興については、平泉の文化遺産の世界遺産登録推進と競技スポーツの強化の二つを中心に取り組んできました。
 平泉の文化遺産の世界遺産登録については残念ながら登録延期となりましたが、3年後の登録決定に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
 スポーツ振興については、特に競技スポーツの強化策としてジュニア層の強化に重点的に取り組んできた結果、素質あるスーパーキッズ78人を発掘し、能力の育成を行っているところであります。
 なお、全国レベルの競技大会での成績が伸び悩んでいることから、平成28年度の岩手国体内々定を契機ととらえ、指導者の養成や競技力向上などの取り組みを一層進めていく必要があると考えております。
 以上で重点事項の状況の説明を終わらせていただき、決算額等の説明に入らせていただきます。
 お手元の平成19年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。教育委員会所管に係る一般会計予算現額は、10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費まで1、477億2、527万円余で、これに対する支出済額は1、469億571万円余、執行率は99.4%であります。支出済額は、前年度に比べますと34億4、066万円余、2.3%の減となっております。
 なお、翌年度への繰越額は、教職員人事管理費、施設整備費、柳之御所遺跡土地公有化事業費の4億261万円余となっております。
 この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は20.4%となるものであります。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成19年度歳入歳出決算事項別明細書により、その主なものについて御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 決算事項別明細書の312ページをお開き願います。10款教育費1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額は1、620万円余で、これは、委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額22億3、753万円余の主なものは、事務局の管理運営費、語学指導支援等のための外国青年招致事業費であります。3目教職員人事費の支出済額は109億5、607万円余で、教職員健康診査等の人事管理費、315ページに参りまして、児童手当、退職手当の支給に要した経費等であり、繰越明許費2、968万円余は、国の委託による教員免許管理システムの開発に係る経費であります。4目教育指導費の支出済額は8億4、428万円余で、その主なものは、スクールカウンセラーの配置等を行った児童生徒健全育成推進費、いわて教育情報ネットワーク運営費、特別支援学校等に看護師、支援員を配置した特別支援教育推進事業費、317ページに参りまして、県政課題貢献人材育成事業費、県北沿岸地域人材育成事業費など進学支援事業、ものづくり人材育成推進費などキャリア教育事業、目的達成型の学校づくりを進めるいわてコミュニティ・スクール推進事業費、学力向上対策のほか、モデル事業等に取り組んだ指導運営費などであります。5目教育センター費の支出済額は5億1、847万円余で、総合教育センターの管理運営費、6目幼稚園費の支出済額は7、932万円余で、こまくさ幼稚園の管理運営費であります。次に、318ページをお開き願います。7目恩給及び退職年金費の支出済額は2億8、651万円余で、恩給及び扶助料等の支給に要した経費であります。
 2項小学校費1目教職員費の支出済額522億641万円余の主なものは、小学校教職員の人件費、小学1年生の多人数学級等に非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業費であります。
 3項中学校費1目教職員費の支出済額は293億7、470万円余で、中学校教職員の人件費などであります。
 次に、320ページをお開き願います。4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額289億2、868万円余の主なものは、県立高校教職員の人件費、県立高等学校新整備計画推進のための高等学校教育改革推進費などであります。2目全日制高等学校管理費17億6、709万円余及び3目定時制高等学校管理費6、320万円余は、それぞれ各高校の管理運営に要した経費等であります。次に、322ページをお開き願います。4目教育振興費の支出済額12億1、072万円余の主なものは、産業教育設備及び情報処理教育設備など設備整備費、農業教育実習や共同実習船運航のための教育実験実習費、財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助などであります。5目学校建設費の支出済額40億6、324万円の主なものは、高校再編に伴う一戸高校、釜石高校ほか3校の校舎整備、及び一関第一高校、大船渡高校の耐震改築等を行った校舎建設事業費、盛岡第二高校ほか2校の校地整備事業費、久慈高校長内校の大規模改造及び7校の耐震診断等を行った校舎大規模改造事業費などであります。次に、324ページをお開き願います。6目通信教育費602万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
 次に、5項特別支援学校費1目特別支援学校費でありますが、支出済額101億5、786万円余の主なものは、特別支援学校に係る管理運営費のほか、盛岡養護学校及びみたけ養護学校の屋内運動場大規模改造等施設整備費であり、繰越明許費3億5、982万円は、松園養護学校校舎建設に係る経費であります。
 次に、326ページをお開き願います。6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額11億7、683万円余の主なものは、放課後子ども教室等を推進する生涯学習推進費、青少年の家の管理運営費、及び社会教育に係る職員人件費等の指導運営費であります。2目視聴覚教育費の支出済額は10万円余であります。3目文化財保護費の支出済額3億9、972万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理への補助等を行う文化財保護推進費、柳之御所遺跡の整備調査事業費、329ページに参りまして、世界遺産登録推進のための普及啓発事業費であり、繰越明許費1、310万円余は、柳之御所遺跡土地公有化に係る経費であります。4目芸術文化振興費の支出済額2億2、678万円余の主なものは、芸術文化の普及・振興のための芸術文化振興事業費、県民会館の管理運営に要した経費であります。5目図書館費1億9、144万円余は、県立図書館の管理運営に要した経費であります。次に、330ページをお開き願います。6目博物館費3億2、896万円余は、県立博物館の管理運営に要した経費などであります。7目美術館費5億3、293万円余は、県立美術館の管理運営に要した経費であります。
 7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額5億5、221万円余は、県立学校の児童生徒の健康診断等保健管理費、学校管理下での災害に対する共済の掛金及び給付金等であります。次に、332ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額3億1、607万円余の主なものは、スポーツ教室開催などの生涯スポーツ推進費、県民体育大会の開催及び国体への選手団派遣事業費、県体協、中体連、高体連への選手強化補助及びスーパーキッズの発掘・育成を行った競技力向上対策事業費などであります。3目体育施設費の支出済額4億6、424万円余の主なものは、県営体育施設の管理運営費及びスケート場リンク改修等施設設備整備費であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋博之副委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、本日は、教育委員会、警察本部ともに多数の委員が質問を予定しておりますので、重ねて議事進行への御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 何点か質問させていただきます。
 豊かな心をはぐくむ教育の推進としては、体験活動や読書活動の推進等に取り組んでいるとされております。また、心の教育の充実として、ボランティア活動などの体験型の学習に取り組まれたようですが、平成19年の中学校のボランティア活動実施校の割合目標の達成度がDとなった要因は何だったのでしょうか、伺います。中学校が88%の割合でD、高校が85%で低いのにBというのはなぜなのか、まず伺います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 御質問のありましたボランティア活動の評価についてでございます。
 前年度からの伸び率で評価をしたということであります。平成19年度の中学校は88%で、7ポイントの減少ということでD評価と。それに対しまして、高校は85%ですが、4ポイント上昇したということでB評価ということになったものでございます。
〇及川幸子委員 次に、読書活動の推進についてお伺いいたします。
 主要施策の成果に関する説明書においては、小学校、中学校、高等学校とも読書者の割合や平均読書冊数が増加傾向にあり、豊かな感情や情操をはぐくむ心の教育の充実が進められているとされておりますが、果たしてそのとおりでしょうか。
 子供たちを見ますと、まず、3時半から4時半の間に下校し、夕食までの1時間から2時間、友達と遊ぶかテレビを見るかゲームをするか、夕食前後は宿題を30分から1時間して、ふろに入り、就寝。小学生の場合は、学校から帰った子供の行動を見て、日常においてはどこにも読書する時間がないようであります。夏休み、冬休み、土日の休みなら可能ですが、宿題も多い中で、読書冊数の多い児童は帰宅後の時間を有効につくられているのだと思います。中学、高校になりますと読書の時間を工夫されるところでもありますが、小学校の低学年においてはなかなか本を読むということができないようであります。この点についてはいかがでしょうか。
 そしてまた、学校においては読書の時間というのはとられているのでしょうか、お伺いいたします。
〇大月生涯学習文化課総括課長 家庭において子供が読書を行っている割合は、県教委の調査によりますと年齢が上がるにつれて減少する傾向にありまして、全体的には平成19年度で50%でありまして、平成15年度と比べて微増しておるところでございます。
 一方、小・中学校における読書活動の取り組みは、平成19年度の文部科学省調査によりますと、全校一斉の読書活動を実施している学校は小学校で414校、全体の98.6%、中学校で184校、全体の95.3%という状況であります。とりわけ、朝読書に取り組んでいる学校は小学校で377校、全体の89.8%、中学校で全体の92.2%、178校という状況にございます。
 また、読書ボランティアと連携のもと、読み聞かせや読書の環境整備に取り組んでいる学校は、小学校で67%、中学校で14%でありまして、平成15年度よりも増加しております。学校独自の取り組みはもちろんのこと、地域の読書ボランティアとの連携のもと、推進されております。
 読書活動は、子供の豊かな心をはぐくむためにも重要な活動であることから、教育振興運動やPTA活動等の家庭、学校、地域との連携による推進を図るとともに、子供の発達段階に合わせた働きかけの充実を行ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 朝読書の勧めというのが一番かなと思っております。きのう、奥州市内の小学校の文化祭にお邪魔いたしまして、子供たちが大変本を読んで感想文を書いているのに驚きました。しかしながら、先生方がそれについて感想をさらに書いてくださるという、そういう大変なお仕事をなさっているということにも、いやあ、教師の仕事は大変だなと思いながら、子供たちが冊数をふやすためだけに本を借りてはだめなんだという内容もありましたので、その辺のところは先生方にますます力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 次に質問いたします。
 豊かな教育を実現する上で少人数教育の推進が図られるべきと思うのですが、さきの一般質問の新居田議員、小西議員の質問に、知事、教育長の答弁が、年内にその方向性を示していくとされております。秋田県の全国学力調査の結果が上位だったことから、岩手においても一人一人の子供たちがきめ細かく指導されるように望むところであります。早期に私も30人学級、そしてまた少人数学級の推進を図るべきと思うのですが、平成19年度のすこやかサポート推進事業の取り組みの成果をお示しいただきたいと思います。
〇侘美小中学校人事担当課長 すこやかサポートも本県の少人数教育の中核をなすものとして重要な取り組みととらえております。昨年度、小学校1年生30人を超える学級に対しまして、57校に81名を配置しました。成果についてでありますが、複数の目で学級を見ることにより、学習あるいは生活面でも迅速にきめ細かな指導ができること、個別の対応が可能であることから、登校渋りや不適応等に適切に対処できるととらえております。
 なお、平成19年度の本事業の活用状況調査の結果を見ますと、目的としておりました学習意欲あるいは学習定着状況等に向上が確実に見られた児童数が50%台にとどまったことから、この事業実施の検証を進め、実施方法についてなお一層の検討を加えてまいりたいと思っています。
 次に、大人数、14人以上の複式学級には、51校に51名を配置いたしました。成果につきましては、複式学級ではありますが、各学年ごとに直接指導できること、すなわち単式学級と同等の授業が確保できること、それから学習意欲、学習の定着状況等の向上が図られたことが成果ととらえております。
〇及川幸子委員 教育長にこの件についての最後にお尋ねしたいと思います。
 やはり私、中学1年の取り組みという少人数学級の推進を述べておりましたが、私はやっぱり小学校低学年のころが一番大事だと思うところから、小学校のうちに少人数学級というか30人学級を取り入れるべきと強く思うのですが、その辺のところはいかがでしょうか。
〇法貴教育長 少人数学級への取り組みということは、先ほど3万7、000人の署名を持って、さまざまなお母さんたちが中心になって署名を集めて請願というか要望をなされたこともあって、その中でお答えしましたけれども、やはり全体の少人数学級というのは、岩手県でどこが足りないのか、どこがいいのかということで、今、どういうふうなやり方をすれば一番いいのか、あと2カ月しかないんですけれども、この2カ月内に少し結論を出したいなと思っています。
 秋田県がよく取りざたされていますけれども、秋田県の小学校1、2年生も少人数学級なんですが、秋田県は最低数25というラインもあって、3学級に分離しないとその少人数を取り入れていないんですね。そういうふうなこともありますし、うちの県の平均からいくと、今ちょっと数字細かいところは忘れましたけれども、全体でいくと小学校の平均学級人数というのは23.2人なので、秋田県の25という数字ラインよりも下になっていることは確かなんです。ただ、大きいところもありますし小さいところもありますので、教育資源は限られているので、全体の中でどういう投下をしていければいいのかということでさまざまな方面から今、シミュレーションをやっているところですので、他県に負けないよう、さまざまな取り組みをしていきたいと思っています。
〇及川幸子委員 他県に負けないように、地域の声をどんどん入れて、小さいところは小さいなりに、また大きいところには悩みがあると思いますので、どうぞ2カ月の間大変だと思いますが、取り組んでいただきたいと思います。
 次に、学校給食についてお伺いいたします。
 一番安全であったはずの学校給食において事故米及びメラミン混入食品が使用されていたことは、保護者にとっても大きな不安を隠せません。中国ギョーザの問題も解決しないままなのに、本県においても事故米混入の可能性のある給食用食材の使用が明らかになりました。特にも、県内において事故米混入の可能性のある給食用食材の使用状況を見ますと、県内の合計16万8、946に対し、一番多く使用している奥州市、6万6、540個とされておりますが、使用した年は平成15年から平成19年までとされておりました。使用状況の表には、1人当たり何回その食品を使用したのか示されておりません。この延べ使用数だけを見ますと、驚く数字であります。1人の児童が何回使用したのか問題であると思いますので、平成19年度まで児童1人当たり何回使用しているのか、追加して実態をお示しいただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 事故米の混入の可能性のある卵加工食品の平成15年度からの使用状況について、9月26日現在で取りまとめたところでございました。その後、農林水産省が中心となりまして事故米の流通経路等詳細に調査が進みまして、当該事故米は、水漏れによる一般カビが混入したものであることがまず確認されてございます。
 また、事故米が使用され製造されたでん粉の製造ロット番号、製造年月日、製造数量等が確認されまして、これらの米でん粉が島田化学工業株式会社から商品製造業者であるすぐる食品株式会社に4回にわたり納品され、そのうち、平成17年2月16日に納品になった米でん粉を使用して製造された、賞味期限が平成18年2月16日から平成18年3月16日までの商品に事故米が混入されている可能性があることが判明してございます。
 さきに調査しました使用状況について、この賞味期限に該当するものを10月17日に改めて再調査をしたところ、事故米の混入した可能性のある商品は、県学校給食会以外の業者から納入されました手づくり厚焼き玉子500のみでございまして、9校で1、643食、児童生徒1人当たり1食であることがわかってございます。
 なお、お話がありました奥州市では、当該賞味期限に該当する商品は使用されていなかったことが判明してございます。
〇及川幸子委員 そうしますと、陸前高田市が次いで1万6、882、釜石市も1万8、492個、大槌町も1万9、518という数字が出ていますが、これらについても使ったという形跡はなかったんですか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 先ほど申しましたように、県内は9校、1、643食ということでございまして、この数字は大槌町だけが対象ということになっております。
〇及川幸子委員 そこでお伺いいたします。給食を扱っているこの学校給食会の果たす役割をまずお示しいただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校給食会の役割についてでございますけれども、学校給食会は、学校給食を通じて児童生徒の心身の健全な発達に寄与するとともに、食育を推進するなどの役割を果たす公益法人でありまして、また、良質・安全な物資を低廉な価格で年間を通して安定的に供給することが重要な役割と認識してございます。
〇及川幸子委員 そういうふうに書いております。おっしゃったとおりなんですが、この給食会というのは昭和25年4月1日に任意団体として設立されたんですが、その体制というかその組織というのはそのころからずっと変わらないで、古い体質でなさっているんじゃないですか。その辺のところもお知らせください。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校給食会の組織というのは、県内の学校給食における給食用物資を適正かつ円滑に供給し、あわせて学校給食の普及・充実と発展を図ることを目的に、昭和25年に任意団体として設立されまして、その後33年に公益法人の許可を受けている組織でございます。物資の取り扱い手数料とか売り上げ収入などを資金として運営されておりますが、健全な運営がなされているものと認識しておるところでございます。
〇及川幸子委員 笑いながら言われたのでちょっと信じがたいような気がしますけれども、この事業で取り扱っている精米とか麦、パン、それから小麦粉、牛乳、冷凍食品、野菜、缶詰、油脂、調味料その他ですが、だとするならば、これが国産以外の外国のものをどの程度使っているか、ある程度わかりますか、何%というか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 外国の食品の使用割合でございますけれども、本県の学校給食用食材につきましては、外国産食材への依存割合は平成19年で約20%、平成18年で約24%となってございます。
 なお、野菜、肉などの細かいくくりについてのデータは、申しわけございません、持ち合わせていない現状でございます。
〇及川幸子委員 いずれ、岩手のいろいろ食材の豊富なときに、学校給食会さんも努力して安心・安全なものを子供たちの口に運ぶということをとにかく前提にしていただきたいと思います。
 最後にお尋ねいたします。
 この学校給食会では、給食に扱う食材の納入業者であるところに出向いて安全確認等を行っているのでしょうか、最後にお聞きしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 食材を購入している会社への現地調査についてでございますけれども、学校給食会が委託しております学校給食用炊飯、パン、めんの工場につきましては現地調査が行われております。その他の工場につきましては現地調査は行われておりませんけれども、製造工程表や保健所による食品衛生監視票、細菌検査表などによりまして、食品の安全性を確認の上、食品購入がされております。
〇及川幸子委員 業務も大変だとは思いますが、安心・安全な給食を提供するという意味でも、どうぞ足を運ばれて安全確認をしていただきたいと思います。
 以上で終わります。
〇柳村岩見委員 管理運営は委託されていると思いますが、教育委員会が所管いたします県営運動公園陸上競技場についてお尋ねいたします。
 この陸上競技場は、公認期間が平成17年4月22日から平成22年4月21日までの公認申請で、第1種ということになっていると思います。現在は特別許可を受けて第1種を維持した状況にあると存じますが、今度の公認申請時期になります平成22年4月21日、これは実は改築が行われると。今、特別許可ということですから、特別許可から本当の第1種に至る改修が行われるときには、1年延長して公認申請を受けるということになりますけれども、改修工事に平成22年に入っていないと、これはどういう評価を受ける陸上競技場になりますか、まずこれをお尋ねします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 現在の第1種陸上競技場の公認期間は、御指摘のとおり、平成22年4月21日まででございまして、全く手を加えない場合は、それ以降、第3種陸上競技場となるものでございます。
〇柳村岩見委員 一方、平成28年の第71回国体岩手県大会に関係いたしまして、盛岡広域の市町村が、盛岡に主会場をと。その意味は、開会式が行われる、あるいはまた閉会式が行われるという意味を伴って主会場をと、このように要望しているんだと思いますけれども、そのほかに、適合するような陸上競技場になる場合は陸上競技が行われるということも考えられますし、それから、部署は違いますけれども、前は教育委員会、今は総合政策部で、平成28年の国体の諸競技が行われる会場について、市町村、競技団体と、今、協議をいたしております。そして、ことしじゅうに第1回の選考を行うということが背景にあります。そして、今、国体は内々定であります。内定になるまでの作業として、国体の各競技の競技場を定めて申請し、審査を受けて内定が決まるという作業が平成23年にございます。こういったことを考えますと、限りなく来年に予算が計上─例えば基本設計とか設計、あるいはまた着工、頭出しとか、そういったことに平成21年に予算がついていないと、これは大変なことになりませんか、教育長。まず、認識のほうを川口総括課長。
〇川口スポーツ健康課総括課長 国体の開催申請に係る競技施設につきましては、平成25年に開催の東京都などの先催県の状況を見ますと、必ずしもすべての競技施設が選定されていないということもあるようでございまして、改修計画または着工していなければならないというものでもないと今の段階では認識しておるところでございます。
〇柳村岩見委員 そういう答弁になると、少し長くなっちゃうよ。大体そういう認識で、そういうこともあると。それは一般的な話じゃないでしょう。特別の事例でしょう。特別な事例を持ち出して、岩手もそういうことであってもいいような雰囲気の答弁を通しながらこのことが動いていったら、大変なことになりますよ。国体を平成28年にやらねばならないんだもの。陸上競技はどこかの競技場で行われなきゃならないんだ。一般質問において法貴教育長は、岩手県に第1種が二つあると答弁されましたけれども、みたけの陸上競技場は、第1種といったって特別許可を受けた陸上競技場ですよ。条件が満たされないところは何でもあるの。それでも今度やるときは改修してというふうな、そんなことをつけて特別なと言うんだ。だから、余り特別な例を出されないで、真正面から国体に取り組むんですよ。そういうような範疇で、教育長、来年度の予算を、このことについて、みたけの陸上競技場が国体の陸上競技場になるのか、ならないのか。それはほかの協議の段階も経る必要があるかもしれませんけれども、先ほどの1点目の第1種の陸上競技場から転落するという、いわば、岩手県に第1種の陸上競技場がなくなるということです、国体を離して考えても。くっつけて考えれば、余計に。
 さて、来年度、予算を獲得される決意はいかがですか。
〇法貴教育長 国体の主会場との絡みもあるし、うちの県営体育施設が全部非常に老朽化しているということも事実でありますので、そういう時間はもう余りないんですけれども、全庁的に、国体の主会場をどうするのか、第1種の公認の競技場をどうしていくかというのを、今、鋭意、各関係市町村等の話もヒアリング中だと聞いておりますので、そういう検討を踏まえながら、予算要求に向けてどうすればいいかということを、今、調整中でございます。
〇柳村岩見委員 答弁としては大不満であります。しかし、時間も押しております。終わります。
〇飯澤匡委員 それでは、英語指導助手、ALTについてまとめて聞きます。
 外国青年招致事業費の財源内訳を示していただきたい。文部科学省の当該事業は、県教委は中止と判断されたと伺っておりますが、その理由を示していただきたいと思います。ALTの就業規則、指導要領はどのように定めているか、お伺いいたします。
 最近、何らかの理由で契約期間途中で本国へ帰国する事例がふえていると伺っておりますが、平成19年度は何人該当したでしょうか。また、その穴はどのように埋めたのでしょうか、お知らせ願います。
 民間人材派遣会社からのALT採用が市町村教育委員会で増加していると聞いております。外国青年招致事業との人件費の比較実績と差異はどれほどでしょうか。契約している民間人材派遣会社は何社と把握していますか。また、民間会社から派遣された英語指導助手の質、能力は、どの機関でどのように審査されるのか、お伺いいたします。
〇佐藤高校教育担当課長 それでは、ALTの件についてお答えいたしたいと思います。
 まず、財源の内訳についてでございますが、外国青年招致事業費の財源は一般財源でありまして、県の単独事業として実施している事業でございます。
 二つ目ですが、外国青年招致事業を中止したというお尋ねでございますけれども、外国青年招致事業においては、毎年、中途退職者が出て、補充が難しいなどというような課題があること、それから、厳しい財政状況の中にあって、生徒に対して外国人との授業の機会を保証する必要があることから、平成20年度に新規に来日する分についてのみ民間委託に切りかえたものでございます。したがいまして、現在まだ、平成20年度において2年目、3年目を迎えたいわゆるJETにおけるALTはおりますので、この事業は継続しておるものでございます。
 三つ目に、ALTの指導要領についてのお尋ねでございました。ちょっと私どものほうで勘違いをしたかもしれませんけれども、実は指導要領という言葉でお伺いしたものですので、文部科学省が発表したところの英語が使える日本人育成のための行動計画ととらえまして、その中では、中学校、高等学校の英語の授業に週1回以上はネイティブスピーカーが参加するという目標が定められているということで御回答を申し上げるつもりでございましたが、これでよろしければ。
 次に四つ目ですが、外国語指導助手の中途退職に関するお尋ねですが、平成19年度には契約期間の途中で退職した外国語指導助手は4名ございました。これは時期の問題がございますけれども、そのうちの3名は補充ができましたが、1名は補充できませんでした。したがいまして、この学校では日本人の教師による授業で対応していただきました。
 五つ目ですが、外国青年招致事業費と業務委託における人件費の差異についてでありますが、業務委託は総額での契約となりますので、単純な人件費の比較は困難でございます。そこで、外国青年招致事業の実施に要する経費と業務委託による経費の1人当たりの経費を比較してみましたところ、民間の業務によると、年間で1人おおよそ20万円程度の経費節減が見込まれております。
 最後に、業務委託における外国語指導助手の質の審査についてですが、これは雇用主である会社が、研修を通し、あるいは学校訪問をし、みずから調査することを中心として、さらに学校等からの勤務状況の聞き取りを行って評価することになっております。
 五つ目の県内での契約実績を有している会社ということでございますが、当方としては、いわゆる市町村教育委員会で入っている会社は3社程度と把握しております。
〇飯澤匡委員 就業規則等は市町村の教育委員会でまた別々ですか、その点をお伺いします。
〇佐藤高校教育担当課長 基本的には、就業規則まで市町村のほうは私は承知しておりませんのでわかりませんが、民間委託ということであれば、おおむね同じものになるのではないかと思います。
〇飯澤匡委員 確かに、最近かなり私的な事情で帰国する例が多いと聞いております。そこで問題は、なぜ指導要領を聞いたかというと、民間委託した場合、外国青年招致事業に値する部分の質が確保できるかという点です。この点については、実際私の隣町に住んでいる方に直接聞きますと、その方は優秀な方ですから問題ないんですが、民間派遣会社によってかなり格差が生じているのではないかと。したがって、県教委では県立高校等についてだけやればよい、管理すればよいということですが、英語全体の、ただいま小学生まできちっと教えなさいということになっている中で、そういう質をきちっと管理できないという部分については問題があろうかと思うんですが、その点についてはいかがな考察をしておりますか。
〇佐藤高校教育担当課長 まず、業務委託の場合ですけれども、JETの場合と違いまして、もしも中途帰国するような場合があれば、すぐその分の補充が可能であるということが1点。
 それから、今度は、すぐに簡単に補充できるということで、ひょっとすれば質の低下ということをお考えになっているのかもしれませんけれども、基本的に、そもそも契約する段階でいろいろと要件等を定めてございまして、できれば教師の資格を持っている者とか、そういった外国で英語を教える資格を持っている者とか、全部が全部それに該当するわけではございませんけれども、そういった条件で会社のほうに条件を出しておりますので、それにかなったいわゆるノンJETALTを配置してくれるものと信じております。
〇飯澤匡委員 信用するだけでいいかという話ですよね。
 それから、もう一点問題点は、事業において民間委託して、1人当たり20万円ほどの経費が節約できるという点ですが、その会社に所属した中でも、実態は、またその会社からピンはねされるんですよ。そういう実態があるわけです。それで果たしてこれが将来の、特に市町村教育委員会で雇用している方々がこういう事例が多いと聞いています。たまたま私が伺った方は優秀な方だったからよかったけれども、そうでない方が来た。そしてまた、そういう生活の困窮にも、普通のJET事業の方との経済的な格差が生まれてくると、これはモチベーションの低下にもならないかという部分を懸念するわけです。したがって、県教委はそこら辺を総合的に人事管理する必要があるのではないかと思うんですですが、その点についてはいかがですか。
〇佐藤高校教育担当課長 確かにそういった人事管理という面は大事なことかとは思います。ただ、やはり業務委託ですので、あくまでもそういった管理権は会社にあると思っております。そこに我々が関与すると、いわゆるこれが指示、命令に近いもので派遣ととらえられないことになりますので、それはやはりできないのではないかと思っております。
 そういったいろいろな面に関して、とにかく学校に来て授業をしていくその姿、姿勢等を見て、もしも問題があれば、学校現場から会社のほうにそれぞれいろいろな話を上げる体制になっておりますので、それでも改善されないようであれは、やはりこれは会社にもっときつく指導するという形で処理していくことになると思います。
〇飯澤匡委員 長くなるので、最後にしますが、では、そうして事後評価するということは、全体的に我が岩手県の英語教育をどのようにして伸ばしていくかという総合的な観点の教育理念がないんじゃないですか。そういうことにはならないですかね。私はそこの部分を一番懸念しているわけです。したがって、これは何らかの教育指針なり、そういう事後で場当たりで、悪かったから質の改善を求めていくというのは、これはまずいんじゃないですか。教育長、いかがですか。
〇法貴教育長 この委託のネイティブスピーカーというやり方をしたのは、県としては今回が初めての取り組みで、常任委員会でもさまざまなその内容について御審議いただきました。そこで、やはり検証をきちっとして、どちらが本当にいいのかという面も含めて、それから、市町村の外国語教育がどうあるべきかという面からも含めて検証を加えて、どういう体制が一番いいのかということについて検証を進めてまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 では、教育長、いつまでその指針等について検討して発表するんでしょうか。
〇法貴教育長 本年度の事業で初めて入りましたので、年度末までには、どういうふうなやり方が一番いいのかというのを少し考えてみたいと思っております。
〇新居田弘文委員 私のほうからは平泉の文化遺産の世界遺産登録の取り扱いについてお聞きいたします。
 この件につきましては、先ほど教育長からるる説明がありましたが、ことしの7月のユネスコ第32回世界遺産委員会におきまして、残念ながら登録延期と決定されたところでございます。しかし、この間、県あるいは国、地元関係者の御努力に対しましては、改めて敬意と感謝を申し上げます。
 そして、2009年9月に提出予定の改訂推薦書暫定版について審議する第2回の平泉文化遺産登録推薦書作成委員会が文化庁で開かれたということが報道されております。この会議の中で文化庁は、これまで推薦書に掲げた浄土思想を基調とする文化的景観としてきた意義づけを、平泉浄土思想を基調として完成した12世紀日本の北方領域における政治・行政の拠点に見直したい旨の提案があったと、これまた報道で知ったところでございますが、まず、この委員会での議論の様子をもう少し説明していただきたいと思います。今後、どういう過程を通じて最終決定されるのか。
 あわせまして、この会議の中で九つの構成資産についてもいろいろ議論されたと伺っておりますが、今後、県はどのような姿勢で臨むのか、その点をお聞きいたします。
〇中村文化財・世界遺産担当課長 推薦書作成委員会の審議の詳細ということでございますが、去る10月14日に開催されました委員会におきまして、文化庁からは、平泉の再推薦に当たっての主題、構成資産、適用する評価基準の内容などにつきまして、たたき台が示されたところでございます。
 その内容でございますけれども、委員御指摘のとおり、前回のコンセプトの一つでございました文化的景観という概念を外しまして、政治・行政上の拠点と浄土世界というものに着目していく。
 また、適用する評価基準につきましては、本年9月のイコモスの評価を踏まえまして見直しを行っていくということ。また、構成資産につきましては、前回の9遺産を維持したいといった内容でございました。
 審議の過程におきましては、平泉を説明する上で、北方世界との交易にも言及する必要があるとする意見や、浄土思想を説明する際には、独特な発展を示した日本仏教からの流れにも言及しながら説明する必要があるなどの意見が出されたところでございます。
 また、九つの構成資産ということについてでございますけれども、構成資産のあり方につきましては、平泉を評価する上で9資産は不可欠であるという意見がある一方で、構成資産全体を網羅するコンセプトが見出せない限り、9資産のままではやはりイコモスに受けつけられないのではないかという意見も出されたところでございます。
 県といたしましては、構成資産のあり方につきましては、平泉のコンセプトをどのように設定するか、また、登録基準等にどのように適合させていくかということが大事であると考えてございますので、このあり方につきましては、推薦書作成委員会の意見や、今後、イコモスから紹介された海外の専門家を含めて開催される国際専門家会議等の意見なども踏まえながら、文化庁、関係市町などとともに慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇新居田弘文委員 それで、前の浄土思想についてはなかなかわかりにくいとか、いろいろ前回の委員会でも指摘されたところでもありますし、それから、構成資産の扱いについても、これまた指摘されたところでございます。最終的にはこれからのいろいろ審議を待つのでございますが、今まで特に構成資産を持つ地元市町にとっては大きな期待もあったし、それだけの取り組みもしてきたはずでございます。その辺の調整といいますか、いろいろ説明がなされないと、結果的に非常に悪い印象を与えたり、あるいはこれが他の部局との、観光関係とか、いろいろな分野にも波及しかねないというような大きな課題を持っていると思います。したがいまして、本来、9資産が全部そのコアゾーンとして取り込まれて遺産指定になれば一番いいわけですけれども、お話がありましたように、障害も、いろいろ見方もあるようでございますので、その辺の扱いについてよほど慎重にしていかないと大変だなと思います。なおかつ、さらに3年後の世界遺産登録は必ず実現するという目標も実現しなければならないと思いますので、その辺の調整を、ひとつもう一度、教育長からでも御答弁いただきたいと思います。
〇法貴教育長 3年後の世界遺産登録を目指して、やはり登録を目指すということが最優先です。ただ、構成資産のことで、先ほど、さまざまな御意見が出ているということですので、この構成資産の取り扱いについては専門家の意見を十分踏まえながら、関係市町とも十分慎重に取り扱って調整を進めてまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 ぜひ、そういうことで3年後の実現と、関係市町の調整を抜かりなくきちっとやっていただきたいと思います。
〇高橋比奈子委員 高等学校費に関連して、2点伺います。
 1点目は、障がいを持っている特別支援学校の生徒さんが地域の高校に入学を希望する場合の対応と、それに対する考え方をお示しいただきたいと思います。
 2点目は、高等学校施設のユニバーサルデザインについてです。新しいバリアフリー法が施行され、学校へのエレベーターの設置が義務づけられましたが、地域の高校で、この法律が求める内容に合わない施設に対しまして、今後どのように対応していかれるのか、2点お知らせいただきたいと思います。
〇鈴木特別支援教育担当課長 障がいや病気の状況はそれぞれ違います。個々のケースについて、教育的ニーズと志望校の教育内容を相互に理解した上で、毎日いきいきと学習し、希望を持って卒業できるような受け皿づくりに努めたいと考えています。
 ただ、その際、その生徒に対する周囲の理解と支える意識の醸成、同時に、本人と保護者が学校生活に関してどの程度理解しているかということが大切であります。本人にとってどのような教育を受けることが望ましいかということを考えていただいた上で自己決定をしていただくことが望ましいと思います。そのためには、在籍している学校において、可能な限り本人がイメージできるような具体的情報や体験の場を提供し、わかりやすい進路相談を行っていくことが求められていると受けとめております。
〇佐野学校施設担当課長 県立学校のバリアフリー化につきましては、ひとにやさしいまちづくり条例が本年4月に改正施行されております。これに伴いまして、学校施設が特定公共的施設の取り扱いとなったということで、具体的には床面積2、000平方メートル以上の建築物にエレベーターの設置が義務づけられたということでございます。これは、今後整備される施設について適合義務があるということでございますが、既存の施設につきましては、今後においては、その条例の趣旨にかんがみまして、大規模改造工事等の機会をとらえまして、順次整備に努めてまいりたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 今回は、特別支援学校の生徒さんが、来年度、お友達も一緒なので、ぜひ地域の高等学校に行きたいという強い要望を持っていらっしゃいまして、車いすが電動式なので、個人的にみんなで持ってサポートするということがちょっとできない状況だとお聞きいたしました。ぜひ、それぞれの子供さんたちに、生徒さんたちが障がいを持っているために希望を変えることがないよう最大限のサポートをしていただきたい。
 あわせて、去年なんですが、シックハウスの症状を心配して志望校を変えた生徒さんがいらっしゃいました。すべての生徒が、障がいや病気を持っていることを理由に志望校を変えることがないよう、教育委員会の皆さんや学校、そして御本人のいろいろな御意見をお聞きして話し合いの上、サポートしていただきますよう心からお願いを申し上げたいと思います。もし、見解があればお願いいたします。
〇鈴木特別支援教育担当課長 先ほど申し上げましたけれども、やはりそれぞれの状況が違いますので、今、委員から御指摘いただいたことに関しましては、それぞれの状況と望ましい教育内容を見据えながら、必要な事項個々に対応していくという形にしたいと思っております。
〇工藤勝博委員 私は人材の育成に関することで、家庭と地域が協働した形の学校経営への改革ということで載っておりますけれども、100%設置されたということでございますが、学校によっては活動の内容に大変差があるということであります。上から下までいろいろあると思うんですけれども、その内容をちょっとお知らせいただければありがたいなと思っています。
 もう一つ、児童の体力の向上ということでありますけれども、この数字では平成15年度から平成18年度は大変伸び率がよかったと。ただ、平成19年度は横ばいということで、評価もDということでありますけれども、体力が伸び切ったのか、伸ばし切れていないのか、その辺の判断はどういう形に思っているのか、お伺いします。
 もう一つ、私はことしの佐賀国体に参加させてもらいましたけれども、スポーツの競技力の向上ということで去年から始まっておりますスーパーキッズの子供さんたちが、多分、ことしいろんな大会とか記録会に出たと思うんですけれども、その辺もあわせてお知らせしてもらいたいと思います。
〇小岩義務教育担当課長 ただいま御質問のありましたいわてコミュニティ・スクール推進事業についてでありますけれども、これは、平成19年度は小学校65校、中学校29校、合わせて94校、それから、今年度は小学校で88校、中学校31校、合わせて119校で取り組んでいただいております。
 その内容といたしましては、主なものでございますけれども、保護者や地域の方々の読み聞かせ、あるいはそれに対するボランティア、あるいは郷土理解に関する学習、あるいは伝統芸能の継承、あるいは放課後の学習に対するボランティアという支援もいただいております。各学校の実態あるいは地域の実情に合わせてさまざまな取り組みをしていただいていると思っております。
 それから、事業ではなくて、スクール構想そのものでございますけれども、その一つとしてまなびフェストというものを各小・中学校で策定して、保護者の皆様と協力をしながら取り組んでおります。その内容等につきまして、各学校で目指すものをそれぞれ設定しておりますが、それらも、これからさらに次のステップに行けるような形で、私どもとしてもこれからさらに支援してまいりたい、学校と一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。
〇川口スポーツ健康課総括課長 児童生徒の体力向上の状況でございます。委員御指摘のとおり、本県で子供たちの体力向上に取り組んでまいりまして、平成15年度から平成16年度、平成17年度、平成18年度、平成19年度と、その結果としては非常に改善の数値が見えてまいっております。ところが、平成19年度の体力・運動能力調査結果によりますと、平成18年度の数字と横ばい状態であったということでございます。全国平均を超える項目割合を分析しますと、中学校、高等学校のほうは改善の度合いが大きいわけですけれども、小学校のほうが低く、この小学校時期の体力低下というのは、本県においてはまだ十分に解決されていないと考えてございます。
 児童生徒の体力を向上させるためには、特にも小学生においては、運動の楽しさを体験させながら運動の習慣化を図る必要がございまして、学校・家庭・地域が連携した取り組みを支援していくことが大切と考えてございます。そういう意味で、岩手っ子体力アップ運動あるいは体育実技アシスタント派遣事業というような新たな展開に取り組みながら、さらに子供たちの体力改善に努めていきたいというのが考えでございます。
 次に、スーパーキッズについての御質問でございますが、昨年度認定しました第1期生につきましては、月1回の能力開発を進めながら、子供たちの基礎体力やあるいは知的能力の開発ということで取り組んできております。ただ、1期生は、現在、中学校1年生、小学校6年生というような状況でございますし、スーパーキッズそのものは、どの競技にも当てはまる基本的な基礎体力を育成するという観点で進めておりまして、委員から御質問がございましたようなスーパーキッズが各大会でのどういうような活躍をしているかということについては、特にクローズアップして取り上げてはございません。子供たちは順調に育ってきているというのが現状でございまして、今年度の第2期生につきまして、来月から第2期募集という形に入っていく予定でございます。
〇工藤勝博委員 一つ目の地域のコミュニティの中で、実は去年から農林水産関係のほうで、農地・水・環境保全対策ということで集落でやっているんです。その中で、特にも小・中学生、子供会とPTA、あるいは地域の老人クラブとか、消防だとか、いろんなそういう、何といいますか、地域を構成している自治会の中で、特にも小・中学生の場合は水辺の環境調査とか、生態調査とか、結構そういう興味を持つようなことも含めてやっているんですけれども、その辺の地域で取り組んでいる実態は教育委員会のほうでは把握しているのでしょうか。
〇小岩義務教育担当課長 はっきりした数字はちょっとここには今は持ち合わせておりませんけれども、今お話がありましたように、自分の郷土の学習という中で、自分が住んでいる郷土の今の地理的な部分とか、あるいは歴史・文化も含めて、学校の中で、地域の方々の御協力をいただきながら学習しているという例は報告されております。ちょっと数字については、今は持ち合わせておりません。
〇工藤勝博委員 子供さんたちも含めて、地域では、何といいますか、そういう活動の中で、あそこの子供さんだとか、ふだんは接しない子供さんの顔も覚えたり、どこそこのだれそれだとかというので大変貴重な活動だと思っています。実はことし、八幡平市で、たまたま通学中に、引き回しといいますか、だれそれだと思っていても、周りの人が見ていてもなかなか気づかなかったという事例がありました。そういうことも含めて、そういう地域の活動には積極的に学校からも取り組んでいただければありがたいと思っています。
 それから、体力の向上と学力の向上は、私は、何となく比例するような感じを持っていますけれども、その辺はいかがなものですか。
〇佐々木学校教育室長 本県では、国もそうでございますが、知徳体のバランスのとれた子供たちの育成ということをまず第一に教育を進めておりますので、委員御指摘のとおり、知徳は授業で達成できますけれども、体の部分がやはり、三つがそろわなければと思っておりまして、明確な比例関係とか、そういうものは検証されておりませんけれども、やはりこの三つのバランスが大切だと認識しておりますので、このように進めていきたいと思います。
〇千葉康一郎委員 私は、大きく分けて2点質問したいと思いますけれども、まず第1点目は事項別明細書の316ページ、教育センター費に関連して質問したいと思います。
 まず、県立教育センターのミッションと業務はどんな内容であるかということをお聞きしたいということでございます。
 質問だけずっと続けますから、一つ一つ後からきっちりお答えいただきたいと思うんですが、本年4月に実施されました全国学力テストの結果を踏まえまして、本県の学力を県教委としてはどう感じているかということでございます。
 それから、3番目は学力向上のためには指導力のある教員が必要だと思います。教育センターでは、指導力向上のためにいろいろと研究なり研修なりを行っていると思いますけれども、その一方で、指導力不足の教員もいるんじゃないかと思います。この指導力不足の教員は現在どのような状況になっているか、これをお伺いします。
 それから、指導力不足の教員に対する再教育、いわゆる研修ですか、教育センターでやっていると思いますけれども、その実態はどうなのか。それから、受講した教員はその後どうなんですか。指導力が改善されたり向上しているかということについてお伺いしたいと思います。
〇宮学校企画担当課長 県立総合教育センターのミッション、業務についてでございますけれども、総合教育センターにおきましては、教員の指導力の向上を図る研修、支援、研究の三つの事業を中心に推進してございます。例えば研修事業につきましては、本県の研修体系に基づきまして、学力向上や今日的教育課題への対応など、教員の資質の向上と指導力の充実・向上に資する研修を実施しているところであります。
 あわせまして、学力テストの結果についての教育委員会としての所感でございますけれども、今回の調査の結果から、小学校におきましては比較的正答率も高く、学習内容の定着が図られていると思われますけれども、中学校におきましてはまだまだ定着が不十分な状況にあるととらえてございます。今後、調査結果をさらに分析・活用しながら、子供たちの学力向上に努めてまいりたいと考えてございます。
〇小原教職員課総括課長 指導力不足教員の件でございます。本県では平成15年度から、いわゆる指導力不足等教員に関します研修を本格的に実施してきてございます。指導が不適切な教諭と認定された教員に対しましては、総合教育センターで当該教諭の課題の状況等に応じたきめ細やかな研修を実施しますとともに、所属校や市町村教育委員会とも連携しながら、当該教員に対する相談、指導等を行ってきているところでございます。
 これまでの成果等でございますが、平成19年度、いわゆる昨年度までに指導力不足等教員と判定した教員は16名でございます。そのうち職場復帰を果たした教員は3名、みずから辞職した教員は12名、現在、総合教育センターで研修中の教員は1名となってございます。したがいまして、これまで指導力不足教員と判定を受けた方で、職場復帰を果たした者は少数でございますが、指導に課題を抱える教員の実態を早期に把握することによって、認定を受ける前に必要な研修をまず受講していただくということで、早期の指導改善を目指してまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉康一郎委員 今お聞きしますと、指導力不足の教員が12名も退職されておるというお話でございました。いずれ、文部科学省のほうでは教員免許の更新制度というものを実施されるわけですけれども、教育センターの役割というものは、そういう面からすればかなり重要だと思っております。さっき工藤委員からも質問がございました、知徳体のそろった形の教育というのが重要だというんですけれども、やっぱり学力の向上というのは先生の質によるんじゃないかと。極端な話、私が小学校、中学校のあたりは、先生はとにかく夜遅くまで、私たちが学校で遊んでいる時間までずうっと一緒だったんですよ。今は先生は時間になればすぐ帰そうとしているんですね。時間になれば帰す。これは学校でいわゆる事故なんかが起きれば学校の責任になりますから、早く帰してしまえという形なんですけれども、それでは生徒はなじまない。なじまない先生の指導は子供は、何といいますか、余り覚えが悪いといいますか、そうなると思うんですよ。私も悪かったですけども。いずれ、そういうことだと思っておりますので、やっぱり先生の質の向上を徹底してやるべきだと。岩手県の学力は、先ほどもお話がありましたけれども、まだまだというよりも、私が感じているのでは、まだまだなんていうものじゃないなと思っておりますので、その辺はひとつ教育センターは頑張って優秀な指導者をそろえていただきたいということを申し上げたいと思います。
 2点目は、先ほど教育長から、平成19年度の重点事項として、学校不適応─いわゆる不登校の関係について御説明がございました。いろいろ児童生徒の実態について伺うわけですけれども、現在、不登校の児童生徒の実態はどうなっているのかということをお伺いしたい。
 そして、不登校となる発生原因はどのようにとらえておるのか。また、未然防止対策はどうしているかということをお伺いします。
〇佐藤生徒指導担当課長 不登校の実態についてでございます。平成19年度の不登校児童生徒数でございますが、小学校におきましては169人、これは前年度比11人増、比率といたしましては0.23%、これは前年度比0.02ポイントの増、中学校におきましては1、024人、これは前年度比14人の減、比率といたしましては2.51%、この比率は前年度比0.02ポイントの増、そして高等学校につきましては472人、これは前年度比52人の減、比率といたしましては1.37%、前年度比0.11ポイント減となっておりまして、小・中学校におきましては、比率は増加傾向、高等学校におきましては人数、比率とも減少しております。
 次に、発生の原因についてでございますけれども、文部科学省の調査によりますと、不登校のきっかけといたしまして多く挙げられておりますのは、友人関係をめぐる問題、学業の不振、親子関係をめぐる問題等がございます。それらの要因となっておりますのは複雑で多様化していると存じておりますけれども、人間関係をうまく構築することができないことが主な要因ととらえてございます。
 次に、未然防止の対策についてでございますが、まず、どの子も学校が楽しいと思える教育活動を進めていくことが必要であると考えております。そのために、各会議や研修あるいは学校等訪問を行いながら、教員一人一人に学級経営の充実を進めるよう指導しているところでございます。
 また、不適応状況の早期発見と早期対応が必要でありますので、例えば小学校と中学校、中学校と高等学校の連携を強化すること、また、学校で教育相談体制を充実させること、あるいは教員の資質の向上を図りながら、不適応の予兆を見逃さずに早期に子供へ対応するよう働きかけているところでございます。また、会議や研修会では、こういった指導のほかに、随時、指導資料を提示しながら各学校や教職員の意識啓発に努めているところでございます。
〇千葉康一郎委員 今、実態、発生原因等をお話をいただきました。これは、文部科学省の調べということでございましたが、県として実態を調査してあるのかどうか。人間関係ということですが、人間関係は、子供ながらやっぱりいろいろあるはずでございます。そこで大切なのは、先生の子供に対するふだんの接し方といいますか、それによって、いわゆる子供のそういうものを見つける、これが大切だと思うんです。そういうことも、さっき申し上げましたような先生の質の問題じゃないかと私は思っております。先ほど私が申し上げましたように、時間になったからすぐ帰ってしまうということになりますと、見逃してしまうんじゃないか。子供は親にも恐らく言えません。そして、先生にも言わないと思うんですよ、自分がいじめられているとか、さまざま不登校になる原因を。やっぱりそこを見つけてやるというのが親であり、あるいは先生だと思うんです。ですから、岩手県としても、これは直接そういう実態を把握しておく必要がある。国の調べではなくて、全国的な傾向としてはそうだと思いますけれども、やっぱりその辺から不登校の対策が始まるんじゃないかと思っておりますので、その辺をよろしくお願いしたいと思います。
 あとは、時間ですから、終わります。
〇小野寺有一委員 私のほうは、まず特別支援教育の実態とそのあり方についてお尋ねしたいと思います。
 先ほど、高橋比奈子委員のほうから特別支援教育の主に高等部、高等学校の部分の御質問があったところでありますが、まず、9月25日版の未定稿しか私は持っていないんですが、岩手県における今後の特別支援教育のあり方の最終報告(案)というものをいただいたんですが、これはもう既に最終報告は出されているんですね。これを読みましたところ、本当に精力的に委員の皆様がいろいろ審議をしていただいて、非常に充実した内容の報告が出されたのではないかと考えております。特に、就学指導から就学支援へという流れを明確にされたということは非常に意義の大きいことだろうと思っておりますが、まず、自閉症等の発達障がいを持つ児童の就学に際して、市町村教育委員会の就学指導委員会のほうから、これは現在ということでありますけれども、知的おくれの特別支援学級ではなくて情緒障がいの特別支援学級への入学を指導されているといった事例があると聞いております。特別支援学級には幾つかの区分というか、種別があると承知しておりますが、発達障がいの子供たちの特別支援学級というのがないのか、また、こうした知的おくれではなく情緒障がいの特別支援学級への入学を勧めるといった指導が全県的になされているのか、その実態をお示しいただきたいということが第1点であります。
 第2点というか、続きでありますが、発達障がいというのは必ずしも知的障がいが伴うということは言えないわけであります。例えばアスペルガーとかADHDとかLDとかというのは、多分、知的障がいは伴わないと一般的に言われているものでありますけれども、いずれにしても、先天的な脳の機能障がい、あるいは器質障がいでありまして、先ほどの情緒障がいというのは、例えば心的ストレスを受けたりして、何らかの環境的な要因で引き起こされるものなわけでありますけれども、そういった情緒障がいと知的おくれのクラスというのは、やっぱり学習の指導方法というものもおのずと異なってくると思われるわけでありますけれども、情緒障がいの特別支援学級での発達障がいの子供たちの受け入れというのにはやっぱり無理があるのではないかと思うわけであります。こうした就学指導が行われている理由と、それから、今後もそういったことを継続されていらっしゃるのか、方針を伺いたいと思います。
〇鈴木特別支援教育担当課長 現在の制度では発達障がいのみを対象とした特別支援学級は設定されておりません。そのため、自閉症等の発達障がいの場合、国の定めた就学指導基準によりまして情緒障がい特別支援学級に入級することとなっております。この情緒障がい特別支援学級は、自閉症などの発達障がいと、委員御指摘の心理的な要因による、例えば選択性かん黙のお子さんとかが入級の対象となっております。本県においては、小・中学校合わせて88学級設置されてございまして、在籍者の96%が発達障がいの児童生徒が在籍している状況になっております。
 委員御指摘のとおり、障がい特性に基づく指導方法や指導内容が異なることは事実でございます。一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育が提供できるように、特別支援学級担当者の研修の充実や、地域内の特別支援学校のセンター機能による支援の充実を図ってまいりたいと思っております。
〇小野寺有一委員 国のそういった定めによって、現在、特別支援学級に発達障がいの区分がないというのはよくわかりました。ただ、先ほども申し上げましたように、発達障がいについては先天的なものであるということの理解がまだ一般的に進んでいないためにどういった悲劇が起こるかというと、結局、しつけの悪い子なんじゃないかとか、あるいは何かのそういう虐待とかいったことで後天的にそういった特性が発現するのではないかというような誤解を生むケースがままあるわけであります。そうすると、どういうことが起こるかというと、さっきも言ったように、情緒障がいというのは後天的な、環境的な要素で起こるケースなわけですから、その情緒障がいにいくということは、例えば親の育て方が悪かったのではないかとか、そういう誤解を招くことがあるわけであります。ですから、情緒障がいに、仕組み上、制度上、今はその中で特別支援教育を受けなければならないことはいたし方ないことだとすれば、その補足的な説明というか、そういったものが学校関係者とか、あるいは普通の子供さん、障がいを持たない子供さんに対しての説明とか、そういったことがやはり必要になるのではないかと思います。その辺のところを今後どういった形で取り組んでいらっしゃるか、見解を伺わせていただければと思います。
〇鈴木特別支援教育担当課長 委員御指摘のことに関しましては、日常的に新聞等を見ましても、発達障がいのお子さんの御家族の投書等に、やはり世の中に出て行動しているときに、しつけが悪いという形で指摘されることが非常に心苦しいといった内容が出ております。そのことを私たちも十分受けとめております。この発達障がいのお子さんに対応するためには、やはり広く皆さんに理解していただくということ、それから、当然現場の教員がきちっと理解して、それに対応をきちっとしていかなきゃならないということでございますので、これにつきましては、先ほどもあり方の検討が最初のほうに出ましたけれども、就学指導から就学支援へという形で切りかえる中で、その辺を十分に考慮した対応をしていきたいと思います。
〇小野寺有一委員 誤解のなきように申し上げておきますが、情緒障がい特別支援学級の先生方というのは非常に一生懸命やられておりまして、何というんですか、本当に手間暇かけて大変なエネルギーを割いて子供の教育に当たっていただいていると思います。それは評価をしてさしあげなければならないのではないかと思うわけでありますけれども、先般の議会で障がい者の差別を撤廃する条例の制定を求める請願というものが採択されておりましたけれども、その調査の過程で、私は、その差別撤廃条例が日本で唯一制定されました千葉県のほうに調査に行ってまいりましたけれども、千葉県では、条例制定の過程で、いろんな例えば当初案から後退した部分とかがあったと聞いておりますが、その最も大きなところは、実は教育現場であったと。教育現場から障がいの差別の撤廃に対しての抵抗感が実は最も強かったというジレンマがあったということを伺っております。
 そこで教育長にぜひお尋ねしたいのですが、さっきも言ったように現場は非常に一生懸命やられていると思うのだけれども、今後の特別支援教育のあり方が具体化していき、各論に入ると教育現場としては非常にいろいろな問題が発生してくると思われます。それをどのように県の教育委員会としては乗り越えていかれることを考えていらっしゃるのか、そういったところの教育長のリーダーシップが期待されるわけですけれども、御決意を伺わせていただきたいと思います。
〇法貴教育長 この特別支援というか、ともに学び、ともに育つという理念は非常に高い理念で、それに向けて教育をやっていかなければいけないんですけれども、委員御案内のとおり、受け皿づくり、それから教員の意識、それから保護者とか地元の意識というのは、それを全体で高めていかないと受け皿づくりというのはなかなか進まないということも事実でありますので、我々は、やはり特別支援学校センター機能をまず強化するなどして授業力を上げる、受け皿づくりで悩まないで特別支援学級を受け入れてあげられるというふうなものに向けて、1歩でも2歩でも前進するような形で進めてまいりたいと思っております。
〇小野寺有一委員 それでは次に、学生スポーツの競技力向上について伺わせていただきたいと思います。
 先ほど工藤勝博委員のほうからも競技力向上についての御質問があったわけですが、中学とか、あるいは高等学校等の学校スポーツで全国大会に出場する場合、中体連とか、あるいは高体連を通じて、例えば試合への派遣費用、そういったものの補助がなされているというふうに承知しております。しかしながら、例えば本県の場合には空手等の個人種目も相当全国的に高いレベルにあると承知しておりますけれども、そういった空手とか、あるいは柔道のような競技団体が主催する全国大会に出場する場合には、学校の代表として行くわけではないので、そういった場合の助成措置があるのかどうか、そういったことをまず1点お伺いしたい。
 その助成措置があればいいんですが、もしもないとすれば、本県では8年後には国体が開催されることになっているわけですから、競技力を向上させるためには、やっぱり高いレベルの選手と戦ったり、そういった対外試合というのが最もレベルを上げていく上で効果的だというふうに思われるわけ……。
〇高橋博之副委員長 小野寺委員、質問してください。
〇小野寺有一委員(続) 何らかの助成措置が必要と思われるわけですけれども、今後の方針を示されたいというふうに思います。
 最後に、県の代表として選手が全国大会に臨む場合、いかなるスポーツでも通じるところだと思うんですけれども、その選手個人の士気の高揚、あるいは岩手県の代表として全国大会に臨むんだという意味から、知事とか、あるいは教育長の激励の手紙とかメッセージみたいなものをあげて、それで頑張ってこいと送り出してあげるべきではないかと思うんですが、そのことについての御見解をいただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 委員御指摘のとおり、現在、中体連、高体連に対しまして全国大会の派遣費として宿泊費を定額補助しておるわけですけれども、その他の競技団体が主催する全国大会に出場する選手に対しては補助は行っておりません。
 中学生、高校生が出場します全国大会は、多くの競技においてさまざまな大会がございまして、そのすべてに補助をすることは財政的にもなかなか困難な状況でございまして、そういう状況から、中体連、高体連の主催する大会について補助している状況でございます。
 しかしながら、県体育協会に強化費を助成することによりまして、各競技団体が行う強化合宿や練習会に対しましては経費の支援を進めております。このことにつきましては、平成28年の国体開催に向けて拡充していきたいと考えております。
 次に、全国大会に出場する選手、学校に対しての知事、教育長の激励メッセージについてでございますけれども、国体やインターハイについては結団式等の場において行っております。また、小・中学生に対しましては、市町村教育委員会等において激励などが行われていると認識しております。
 今後も、できる限りその機会や方法については工夫してまいりたいと考えております。
〇小野寺有一委員 スポーツの全国大会への派遣については、例えば遠野市では、具体的にいろいろなスポーツに参加する場合に遠野市としての助成をされているという話を伺っております。先ほども申し上げましたとおり、平時でしたらいいんですけれども、8年後には国体が来るということであれば、例えば時限措置か何かだとしても、やはり何らかのそういう直接的な助成措置というのが必要になるのではないかというふうに思いますので、その点についての今後の取り組みの御見解をいただいて終わらせていただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 先ほども申しましたように、選手たちの強化には、実はかなりの時間と経費がかかっていると認識しておるところでございます。当然大会に行くにも経費はかかるわけですけれども、全国大会に行くまでの道のりにはもっとそれ以上の経費がかかっているわけでございまして、そういう意味では強化費の拡充というものをまずしっかり進めていくことが大事だというふうに考えてございます。
〇三浦陽子委員 私からは2点につきましてお伺いします。
 1点目は、社会教育団体活動費補助につきましてお伺いしたいと思います。
 本県の社会教育団体の活動状況と、また、県としての評価をお伺いしたいと思います。
〇大月生涯学習文化課総括課長 本県が事業補助をしている社会教育関係団体は10団体ございます。この10団体の活動は、青少年の健全育成のほか、婦人団体活動の振興、幼稚園、小・中学校及び高等学校のPTA活動の振興、市町村の社会教育の振興、民間ユネスコ活動や子ども会育成会の活動促進と多岐にわたっております。
 平成19年度、10団体の活動にかかわった参加者数は延べ約24万5、000人となっておりまして、本県人口の約18%に当たります。
 社会教育関係団体の活動は、県や市町村の教育行政と密接に連携し、現代社会や各地域のさまざまな課題解決に貢献する取り組みを地域に密着して行っていることから、地域コミュニティの充実の観点から評価しているところでございます。
〇三浦陽子委員 大変県としても期待をしていただいている団体の皆さんだと思いますけれども、平成19年度の決算を見ますと、補助金が293万円と、何か私から見ると非常に少ないのではないかというふうに思っておりますけれども、その点につきましてどのような御見解をお持ちでしょうか。
〇大月生涯学習文化課総括課長 社会教育団体が行っている活動に比べて大きな額とは言えないとは考えておりますが、委員のようにもっと額をふやすべきだとおっしゃる方がいらっしゃる一方で、逆に、立派な活動を長年にわたってやっている自立した団体に対して長年にわたって直接補助する必要はないのではないかというような御意見もあります。そのようなことから、このように大きな額とは言えませんが、御理解賜りますようお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員 確かに長年にわたって立派な活動をしていらっしゃいますけれども、非常に今、苦しい財政状況だということを私は聞いております。今はみたけの青少年会館のほうに団体が事務所を構えておりますけれども、この事務所経費も非常に大変だと。本当にちゃんとした活動をするにも、今、携わっている方々がだんだん減ってきているような話も聞いております。ですから、その団体の方々にもうちょっと密接にお話を伺って、莫大にとは言いませんけれども、何とかしっかり支えていただきたいと思いますが、その辺についてはどうでしょうか。
〇大月生涯学習文化課総括課長 繰り返しになりますが、これらの関係団体は非常に地域コミュニティの充実の観点からよい活動を行っておりまして、その活動の場に当課の職員、私も含めましてさまざま何回も伺って助言をしたり、そのような活動をやっておりますので、そのような活動もあわせて評価していただきたいと考えております。
〇三浦陽子委員 苦しい御答弁、本当に私にとっても心苦しいんですけれども、教育長、その辺どのようにお考えでしょうか。
〇法貴教育長 10団体に少額の補助金が出ています。歴史的には、零細補助金だから全部切るべきじゃないかという話が出たときも、やはりその団体とこれで少しでもつながっていればいいのかなということもありまして、少額ながらも続けてきた経緯もありますので、これで万全だとは思いませんけれども、ここがこれ以上下がらないようにぜひとも頑張っていきたいと考えております。
〇三浦陽子委員 本当に今、社会教育団体の活動が低迷していると言われてきておりますので、財政措置が難しければ、もうちょっと精神的な御支援をいただけたらありがたいと思います。これは要望としてお話ししておきます。
 2点目は、先ほどからも出ております特別支援教育につきまして、初任者研修費の対象者数、そしてその配置状況をお聞かせいただきたいと思います。
 また、今後の教員養成の展望をお示しいただきたいと思います。
 大変特別支援学級とか学校には教員の人数が足りないんだろうなということは想像がつくわけですけれども、非常に先生方御苦労されていらっしゃいますので、そういう意味におきまして、もう一度御見解といいますか、その辺の展望とかもお知らせいただきたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 初任者研修の対象となりました平成19年度の県立特別支援学校の新採用者数は19名で、17本分校がございますが、そのうち12校に配置されております。その内訳は、視覚、聴覚を対象とする特別支援学校に各1名、肢体不自由を対象とする特別支援学校に2名、病弱を対象とする特別支援学校に3名、知的障がいを対象とする特別支援学校に12名となっております。
 教員養成ということでございますが、教員研修ということに読みかえさせていただきますが、特殊教育から特別支援教育に転換されたことによりまして、さまざまな障がいの児童生徒に対応する力量を高めることが要請されております。重点といたしましては、複数障がいについての知識と理解、個々のニーズの把握と授業力、継続した支援を構築するためのコーディネート力の三つととらえております。
 そのためには、学校現場での実践とその評価。そして、全員を対象とする教職経験者研修講座、さらには、総合教育センターでの講座等をリンクさせながら、より専門性と実践力を高める教員研修を継続してまいります。
〇三浦陽子委員 いずれにしましても、教員の人数が全般的に少ないのではないか、その少人数学級の問題も含めてですけれども、先ほども先生の質の問題も出ましたけれども、本当に丁寧に一人一人に対応できる教育環境を望んで終わります。
〇関根敏伸委員 私からは二つの点について手短にお伺いしたいと思います。
 先ほど県の教育費の決算状況については御説明をいただきましたが、県を含んで、県内市町村の教育費の実態等々について傾向をお伺いしたいと思います。
 7月の日経新聞に地方教育費が10年連続で減少しているというふうな実態が発表になっております。その中でも学校教育費、社会教育費それぞれが減、また、小学生1人当たりの学校教育費、中学生1人当たりの学校教育費、これらも減少の傾向が示されているといったようなことがありました。文部科学省で統計をとっていると思いますけれども、岩手県の平成19年度の教育分野別の状況、またあわせまして、小学校、中学校、公立の全日制高校等の生徒1人当たり及び1学級当たりの教育費の現状、全国との差、こういったものがどのようになっているのか教えていただきたいと思います。
〇佐藤教育企画室企画担当課長 地方教育費調査についてでございますけれども、平成18年度の本県における地方教育費の総額は2、323億円余ということで、委員御指摘のように7月に中間報告の形で出されてございます。これは前年度に比較しましてマイナス3.2%となってございますが、全国ベースがマイナス1.9%ということで、これもまた委員御指摘のとおり、10年連続で全国ベースでは減少しておるということでございます。本県も途中、対前年比で伸びた年度もございますけれども、総じて減少の傾向となってございます。
 そして、これを支出項目別に見てまいりますと、消費的支出、これは教員給与等の経常的に支出される経費、それから資本的支出と言われるもので、建築費、設備・備品費、こういったものの分類でございますけれども、この消費的支出につきましては1、913億円余ということで、これが10年前に比較しますと10.5%減少しているということでございまして、全国のマイナス7.2%に対しまして若干上回る減少という状況になってございます。
 一方、資本的支出で見ますと161億円余になってございますが、これが10年前─平成9年度と比較しますと69%の減と大幅に減少してございます。全国は41.8%の減ということで、本県は、このように資本的支出の減少幅が全国ベースと比較しまして大幅に減少しているということで、投資的経費が抑制されている傾向が見られます。
 それから、本県の分野別の状況でございますけれども、学校教育費が1、875億円余で8割を占めるわけですが、社会教育費が297億円弱、教育行政費等が151億円となってございまして、構成割合については基本的には全国と同じような傾向にあるということでございます。これもやはり10年前と比較しますと、学校教育費では全国が9.1%の減に対して本県では13.6%の減、それから、大きく差が出ているのが社会教育費でございまして、全国が31.4%の減に対して本県は48.2%の減という状況になってございます。それから、教育行政費は全国8.5%の減に対して本県は14.6%の減となってございます。
 それから、財源別で見た場合でございますけれども、公費、いわゆる国庫補助金、それから県、市町村支出金、これらが財源としては大宗を占めてございまして、国庫補助金は266億円余で、これは対前年比で20%減ってございますけれども、平成18年度は義務教育費国庫負担金の割合が2分の1から3分に1になったという影響がございまして大幅に減少しているところでございます。それから、県、市町村支出金が1、961億円余で、こちらのほうの減少幅は1.2%にとどまっているということで、国庫の減を県市町村の支出金でカバーしているという状況になってございます。それから地方債が85億円余、寄附金等で約10億円というような財源割合になってございます。
 それから、在学生1人当たりの傾向でございますけれども、平成18年度で見た場合、小学校、1人当たりでございますが本県は102万円ほどになってございますけれども、全国の平均が89万円弱ということで、全国を100にした場合、本県が115という水準になります。それから、1学級当たりで見ますと、本県は98という水準。それから、中学校で同様に見ますと、1人当たりで109、それから1学級当たりで見ますと102。それから、高校、全日制1人当たりで見ますと113ということで、全国に比較しますと、1人当たり、あるいは1学級当たりの教育費については全国の平均を上回る水準という状況になってございます。
〇関根敏伸委員 御丁寧にありがとうございました。
 これは、一義的には国の大きな教育施策、政策等を立案する上での根拠としていくものかなというふうに思うわけですが、国、地方を通じた教育施策を検討、立案するための基礎資料とするというふうになっているわけであります。膨大な調査を毎年行っているようでありますが、具体にこれ、県教委といたしましても、市町村を含めた岩手県の大きな教育行政をどう進めていくかという形の中で、どのような使われ方をしているのか。
 そして、こういった状況を踏まえて、県の全体の教育の現状と将来性について、大がかりな質問ではありますが、御見解をいただければと思います。
〇佐藤教育企画室企画担当課長 非常に私のほうから答弁するには大きな課題でございますけれども、特に近年、事業費が平成16年以降この3カ年にわたって大幅に減少してきてございます。しかも投資的経費が大幅に減少してきているということで、これを県分と市町村分をさらに分析してみたところ、県分の下回る割合よりも市町村の下回る割合が非常に大きくなっているということで、これは恐らく施設整備等になかなか十分にお金が回っていっていないというようなこと、それから、特に市町村の場合ですと施設整備に多大の財源を要するというようなことで、これは結果として先送りになっているのかなということでございます。
 いずれにしましても、今後、老朽化している施設とか、いろいろなそういった更新事業を多く迎えてくるということもあるかと思いますけれども、そういったところには適切に対応していく必要がございますし、財源を、限られたところでございますけれども、重点化しながら、その財源の有効活用を図ってまいることが必要かと思います。
〇関根敏伸委員 はい、わかりました。
 次に移ります。
 いわて教育の日に関連いたしまして簡単にお伺いいたします。
 平成19年度いわて教育の日関連の取り組みに対して145万円余が支出されています。これは議員発議で、平成17年4月にいわて教育の日に関する条例がつくられてこういった事業が展開されているというふうに思っております。平成19年度で3カ年目に当たろうかと思っておりますが、この目的─県民の教育に対する関心と理解を深め、学校、家庭及び地域社会が連携して次代を担う子供たちを育成する、こういった契機にするために教育の日を設け、11月1日から教育週間をつくっている、こういった形になっているかと思いますが、この条例の目的、趣旨等に合わせまして、現状、教育の日あるいは週間等々に合わせた取り組み、これが具体にどのようなっているのか、県あるいは各学校、地域、こういったところでの取り組みの状況をお知らせいただきたいと思っております。
 また、あわせまして、市町村に対する支援、助言、その他の支援ということが示されておりますし、また、県民のいわゆる活動促進に対しての取り組みもあわせて条例の中に書き込んでおるわけでありますが、こういった部分について総体的な取り組み、あわせて評価についてお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤教育企画室企画担当課長 教育の日に関しての取り組みでございますけれども、まず、平成19年度の取り組み状況でございますが、昨年も11月1日にアイーナホールにおきまして関係者約600人に参加していただきまして行事を開いているところでございまして、こういった記念行事、それからまた、いわて教育の日の関連事業として、11月1日から1週間ほど、いわて教育週間ということで、県立学校、それから市町村教育委員会、小・中学校、さらに民間団体などによりまして教育関連行事が実施されているところでございまして、昨年度は1、116件が登録事業として実施されたところでございます。今年度も来月5日に開催するということで、現在、準備を進めているところでございます。
 それから、市町村に対する支援あるいは県民の活動促進についてでございますけれども、いずれこのように関連事業も合わせまして多くの行事等が登録されてございます。県としましては、その周知を図って、多くの県民の方に参加していただいて、この機会に県民の教育に対する関心と理解を深めていただこうということで努力しているところでございます。
〇高橋昌造委員 まず最初に、私は2点についてお伺いいたします。
 まず、第1点目は、県立学校の生徒の授業料の未納、そして減免の実態はどうなっているのか。そして、それぞれの理由は何かお示しいただきたいということで、大変恐縮でございますが、疑うことは本当はよくないことなんですけれども、実は、青森県の県立高校で、会計操作で授業料の未収金を隠ぺいしたというようなことが報道されておるわけですが、本県ではまさかそういうことはないとは思いますが、その実態を、本県の事例がもしあればお示しいただきたい。
 次に、第2点目につきましては、総合型地域スポーツクラブは、地域の実情に沿った対応、また必要性が求められておるわけでございますが、本県のクラブの設置状況、そして運営の実態はどうなのか、そして運営上、課題があるとすれば何なのかお示しいただきたい。
〇高橋予算財務担当課長 まず、授業料の未納についてでございますけれども、平成19年度決算額で未納額は1、523万円余となっております。うち平成19年度に新たに発生した分が770万円余、それ以外の752万円余は、平成18年度以前に未納が発生していまだ納まっていない分でございます。
 その主な理由でございますが、やはり一番多いのは家庭の経済状況によるもので、約8割ととらえております。そのほかに、納入意識に問題があろうかと把握しているものが10%余りございます。
 先ほど青森の事例のお話がございましたけれども、平成11年度に本県で授業料未納が発生して以降、毎年増加傾向にございます。毎年増加しているという状況から、本県では隠ぺい等はないと考えております。
 次に、授業料の減免の状況についてでございますけれども、これも平成19年度、在学生3万3、593人のうち、減免の対象になった生徒は2、355人、人数で申しますと全体の7%、金額では2億2、286万円ほどございます。金額ベースでは6.2%ということで、一部半額の免除の生徒が含まれております。
 その理由ですけれども、これは減免ということで、まさに家計の状況を確認しての減免承認となっておりますので、いずれの生徒も家庭の状況が苦しい。その中で生活保護を受けている世帯は10%弱程度となっております。
〇川口スポーツ健康課総括課長 本県におきます総合型地域スポーツクラブの設置状況でございますけれども、平成20年、ことし7月1日現在でございます。25市町村に61のクラブが設置あるいはその準備中ということで進んでございます。
 運営実態についてでございますが、市町村体育協会内の行政区体協が中心となって運営されるケースが最も多いということでございますが、その他では、地区住民の会員による運営、それから地域の単一競技クラブから発展したものなど、形態はさまざまでございます。
 課題についてでございますけれども、認知度がいまだに低く、その意義、必要性が十分に認識されていないかもしれないという印象を受けることがございます。それから、熱意と能力を有するリーダー的人材の確保が困難であること、また、日常利用できる場所の確保や安定的な財源の確保が困難であること、学校における運動部活動と総合型地域スポーツクラブの活動との連携がなかなかうまく進まないということなどがございます。
 また、一方では、創設済みクラブにつきましても継続的なサポートが必要であるというのが現在の実態であると考えてございまして、これら課題の解決に向け、広域スポーツセンターや体育協会にございますクラブ育成アドバイザー等が連携をしながら推進をしているというのが現状でございます。
〇高橋昌造委員 我が会派の先輩であり、尊敬する及川幸子委員から先ほど財団法人岩手県学校給食会について質問をされたわけでございますが、私も給食会についてお伺いします。
 時間がございませんので単刀直入にお伺いいたしますので、よろしくお願いします。
 まず、食材の安全性の確保についてですが、食材の選定はどのように行われているのか。安全性確保で配慮している点があれば何なのか。それから、今回の事故を踏まえて、県の対応、どのような対策を講じられているのか。
 次に、給食会は、今回の委員会でも議論になった県職員の天下り先になっておらないのか。
 次に、地産地消を各市町村で進めるに当たって、給食会の存在が障害になっておらないのかどうか、県の御見解をお伺いしたいと思います。
 次に、給食用食材を提供する際に中間マージンを取っておらないのか。そして、県とのかかわりについて、人的・財政的支援等はないのか、また、どのようになっているのかお伺いしたい。
 最後に、今回の事故を踏まえて、県として給食会に対して今後どのような指導をなされるのかお伺いして終わります。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校給食会におきましての食材の安全性の確保についてでございますが、まず、食材の選定方法につきましては、県内の各地区栄養士あるいは学校給食センター協議会の代表などから成ります学校給食用物資委員会を設置し、選定されておりまして、県産品を優先に、県産品がない場合はほかの国産品を選定しているというような形で進められております。
 安全性確保についての配慮ということでございますが、学校給食会独自で、自主検査でございますけれども定期的に食品検査が行われております。また、流通過程での温度変化による傷みなどがないかどうかの抜き打ち検査も適宜行われております。さらに、製造元で検査したものが正しいのかどうかメーカーの検査記録との比較をするなど、厳密に実施されているところでございます。
 今回の事故を踏まえた県の対応ということでございますが、学校給食は、成長期にある児童生徒の心身の健全な発達を図るものでありまして、安全・安心な給食食材が提供されるよう十分配慮するよう要請しておりますし、今後も要請してまいりたいと思っております。
 県職員の天下り先ということでございましたけれども、現在、県職員OBとしましては常勤の常務理事1名だけでございまして、当該職員は、県職員の経験を生かしながら法人運営全般に携わっているというのが現状でございます。
 次に、市町村で行われる地産地消との関係でございますが、県学校給食会が取り扱う物資は、先ほど申しましたように学校給食用物資委員会で検討し、決定されております。また、米についてはすべて県産米が使用されておりまして、生鮮野菜や鮮魚などにつきましては地元の取り扱い業者から納入されているのが現状でございます。
 なお、給食用の食材の購入先は学校給食会以外の業者でも可能でございまして、今後とも、各市町村における地産地消の取り組みを尊重しつつ、地元の農協や産直施設などに配慮しながら多様なニーズへの対応に努めるよう、このことにつきましても要請してまいりたいと思っております。
 次に、学校給食会における中間マージンということの御心配の件でございますけれども、県学校給食会は営利を目的としない公益法人でございまして、食材提供に関しましても、県内同一価格で安価に安定供給されております。学校給食用食材提供に関しまして、県学校給食会の優位的特権はございません。ほかの納入業者との競争により食材が提供されているのが実情でございまして、御心配の実態にはないものと認識しております。
 県と学校給食会とのかかわりについてということでございますが、先ほど申しましたように、県職員OB1名が常勤の常務理事に加わっているほか、監事としまして1名入っております。また、学校給食用物資委員会委員として1名参加してございます。その他、学校給食関係の表彰に係る審査員の委嘱などがございます。
 財政的支援は、県からの財政的支援は行っておりません。また市町村からの補助等もなく、自主財源で運営されております。
 今回の事故を踏まえた今後の指導ということでございますけれども、公益法人としての役割をさらに充実させるとともに、安全・安心な給食食材が提供されるよう、従来にも増して十分留意するよう要請してまいりたいと思っております。
〇高橋昌造委員 法貴教育長にお願いですが、3育、いわゆる知育、徳育、そして体育、そして今、食育の推進が求められておるわけでございます。特にも食の安全というのが先ほどからお話ありますように求められておるわけでございますので、どうか今後しっかりと取り組んでいただきますことをお願いして終わります。
〇高橋元委員 私は、2項目質問させていただきたいと思います。
 1款4目教育総務費の県政課題貢献人材育成事業についてお尋ねしたいと思います。
 この事業は、サテライト授業の受信体制の構築など、生徒に関する学習環境整備等、高校が取り組むことについて支援をしていくことのようでございますが、その実施内容と、それから成果、課題は何かということを第1点お伺いします。
 それから、2つ目に、進学校6校ということであるようですが、ほかの高校でもこういう授業を展開をしたいという希望があれば、それは今後とも可能なのかどうか。例えば総合学科高校なんかも非常に多岐にわたっていろいろ要望もあるみたいです。
 それから、この事業そのものは継続事業ということのようでございますけれども、今後ともずっと年限を切らないで進めていくのか、それともある程度6校で終了すれば完結するのかということをお尋ねしたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育担当課長 お答えいたしたいと思います。
 まず、最初の質問でございますけれども、県政課題貢献人材育成事業について、こちらの表現が悪くてまことに申しわけございません。サテライト授業の受信体制の構築と、ハード事業のような表現をしておりましたけれども、実際には、これはサテライト授業といいますか、業者でつくったDVDを、特にも課外授業の中での生徒の空き時間、自習時間、ほかでは授業しているけれどもとらないというふうな時間帯に活用しておるもので、特にこれは自習ですけれども、生徒の実態や志望に応じて、しかも教科はもちろん、内容、レベル等を選択できるということで、非常に効果的であったと聞いております。
 さて、県政課題貢献人材育成事業ですけれども、まずその内容等ですが、これは、各学校が行う進路講演会やら課外授業等、いわゆる進路研究やらを含めたそういった独自事業にプラスして、今度、高校間の垣根を越えて、同じ目標に向かう生徒たちに対する合同の企画事業、合同の講座といいますか、そういったものを実施しております。この結果、生徒たちの進路意識の高揚、学力向上、それから、それに引率でついていく教員等もあわせてその授業を見るということもできて、指導力の向上にも役立っているということで、成果等が認められるのではないかなと思っております。
 また、そうした合同企画事業に参加した生徒たちからは、やはり緊張感があって刺激になったとか、勉強法や精神面で役立つことがあったというような肯定的な意見が多くありました。
 さらに、数字ということで問題があるかもしれませんけれども、本事業の指定校6校の本年3月の卒業者数ですが、これが前年度より定数減、生徒減等で134名減少している中、国公立大学合格者は100名減で917名と一定の成果をおさめたものではないかと思いました。
 さらに、課題ですけれども、特に県政課題貢献人材育成事業の合同企画事業は、特に3年生に集中して実施しているといったこともありまして、やはりこれは1年生の段階から進路意識を醸成することが必要じゃないか。それから、生徒の進路希望に幅広くこたえ、これまで以上に各学校の生徒、高校の枠を超えて参加できる事業にしていかなければならないと思っております。
 関連してですけれども、これ以外に県北沿岸地域人材育成事業がありまして、こちらのほうは5校がやはり同じような事業を展開しております。こちらのほうはどちらかといいますと、共同事業は2年生のほうに特化した事業をやっております。
 それから、それ以外にさらに進学目標達成事業ということで、平成19年度は16校を指定して展開しておりましたけれども、平成19年度に関しては締めて27校が参加してやったものですけれども、これをさらに今年度……。
〇高橋博之副委員長 簡潔に答弁をしてください。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育担当課長(続) はい、わかりました。
 進学支援ネットワーク事業に衣がえしまして、どこの学校からでも希望する生徒が参加できるような態勢に進めてきております。
 年限については、できればお願いしたいというふうに思っております。
〇高橋元委員 進学校でありますから、入学された生徒の方々、それぞれの大学に多数進学していると思いますけれども、今の報告では100名ぐらい減というふうな話もありました。私も6校について平成15年から20年までの資料をいただいたわけでありますが、少子化で定数が減っているのかなと思っていたんですけれども、平成15年、例えば盛岡一、盛岡三、ここは320人ずつ、それから花巻北、黒沢尻北、水沢、一関第一、ここは280人の定数。平成17年だけ1回1クラス減ったんですけれども、それ以降、平成18年からまたもとに戻っておりまして、一関一高だけは1学級少なくなっているということです。平成20年を見てみますと、定数割れしているのが花巻北と黒沢尻北なんですね。これが2年続けて定数割れしていると。総体的に定数と受験者とか合格者を見てきますと、相当少なくなってきている。競争率なんかも相当低くなってきているわけですよ。これで果たして、本県の第一線と言えばいいのか、そういう進学校としては非常に上のほうにいる学校のレベル、どういうふうに言ったらいいのか、レベルが低下しているんじゃないかと非常に心配される声をあちこちで聞くわけです。
 ですから私は、今の少子化の時代にあって、やはり1クラスずつ定数を見直ししなければならないのではないかと、そういう時期に来ているんじゃないかと思うわけでありますが、その辺について教育委員会としてはどういう検討をされているのかお伺いしたいと思います。
〇鷹觜高校改革担当課長 いわゆる進学を主とする学校の定数ということでございますが、確かに委員御指摘のとおり、二つの学校で定員を満たしていないということ、それから、さらに少子化が進んでいくという状況も踏まえまして、やっぱり考えなくてはならない時期に来ているかなという感じは率直に持っております。
 ことし4月から、県内外の有識者による長期構想検討委員会を設置いたしまして今後の高校のあり方等についても議論していただいておりますので、それらを受けながら、今後そういう形で適切な学級数等についても検討してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 検討されるということですからぜひそれを期待しておきたいと思いますが、いずれ入学して、さらに授業の段階で、例えばこのサテライト授業は、医師とか弁護士とか高度で専門的な研究とか技術者、そういった者を養成していくというんでしょうか、本県の将来を担っていく人材を育成していくんだと目的には書いてあるわけです。それが学校に一つの期待をされているということもありますので、そういうところでの一定の水準はやっぱり保っていかなければならないし、何しろ子供たちが今度、入学したはいいけれども授業が余り高度過ぎて一緒についていけないとか、そういうことがあれば今度は子供たちにも不幸なことになるわけですから、目指すところの水準と受験のあり方というのはやっぱり少し慎重に検討していただきたいと思います。
 2点目でございますが、県立青少年の家、これは県内に三つあるわけでありますが、この近年の利用状況とか利活用の状況についてお伺いしたいと思います。
〇大月生涯学習文化課総括課長 平成19年度の県立青少年の家の利用状況は、県南が5万232人、陸中海岸が2万8、111人、県北が3万1、301人でありまして、3施設合計で延べ10万9、644人となっております。各施設ともピーク時と比べると利用人数は減少しておりますが、この5年間のおおよその各施設ごとの延べ利用人数は、県南は増加、陸中海岸は減少、県北はほぼ横ばい傾向にあります。
 現在、三つの青少年の家では、それぞれの持つ立地環境などの特色を生かしながら、主として青少年を対象としてさまざまな体験活動を通じた健全育成等に取り組むとともに、それ以外の利活用にも努めているところでございます。
 具体的には、学校等による宿泊研修等の日常的な受け入れ業務についてはニーズに応じた適切な活動プログラムを提供することとしておりますが、それのみならず、主催事業としてスケート教室や、海釣り道場と呼んでおりますが親子での魚釣り体験のほか、不登校児童生徒を対象とした事業など、各年代層を対象とした特色ある事業を実施しております。そのほか、学校などに直接出向いて行う、いわゆる出前研修の促進や、青少年教育施設のみならず、広域的な生涯学習の拠点施設としての機能向上などに取り組んでおります。
 今後とも、利用者のニーズに即した利活用方策について検討を進めたいと考えております。
〇高橋元委員 1点だけ再質問させていただきますが、県の進めるさまざまな青少年の育成事業があるわけでありますが、それらとこの青少年の家の自主事業がうまく連携しているのかどうか。自主事業であるから、それぞれの家で検討されて進めているのか。できれば県の事業と一体的にそれぞれの地区の青少年の家が活動していけばいいなと、そんな思いをして見ておるわけでありますけれども、その辺確認でお伺いします。
〇大月生涯学習文化課総括課長 県立青少年の家の事業については、県が委託している本来の事業のほか、指定管理者が行っている自主事業がございます。現在のところ委託先も指定管理者も県のスポーツ振興事業団となっておりまして、問題はないわけですが、どの指定管理者となっても、県の委託先であるスポーツ振興事業団、また、指定管理者とともに連携をとって振興に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
〇及川あつし委員 質問の冒頭、大分時間も経過しておりますので、私も何個か項目を省きますので、簡潔な御答弁をまずもってお願い申し上げるところでございます。
 現場で大変にいろいろ困っている問題でありますので、その問題点を指摘しますので、御答弁をいただければと思います。
 まず、朝御飯を食べてこない児童の関係であります。
 新居田議員から一般質問でも生活習慣の件で質疑がありましたけれども、再度、保護者への具体的な指導はどうなっているのか、現状、課題、今後の取り組みをお示し願いたいと思います。
 質問の趣旨は、子供に朝御飯を食べさせない親がいろいろ見られるわけですが、教育委員会のほうからは、その都度、学校で例えば家庭教育学級とかを開催して、講演会とかで親にやれなんて言うんですけれども、そういう親はこういう集まりには出てこないのであります。よって、私が申し上げたいのは、個別の保護者に対する指導─指導という言葉が適当でなければ助言ですか、この強化をぜひ図っていただきたいという意味での質問であります。
 2点目、学力テストであります。
 これについては、知事は、この公表のあり方については現場の専門家に任せる方針であると伺っておりますけれども、再度、本県の基本方針を伺いたいと思います。
 特筆すべき成果については省きます。
 次に、学力については、全県的な順位等はいろいろ示されているとは思うわけですが、恐らく、これも類推ですけれども、地域的な格差が非常に大きいのではないかと思っております。その結果の公表がどうあるかは別として、学力低位にある地域についてはかなり思い切った対策をしっかりやってもらいたいと思いますけれども、その御認識を伺いたいと思います。
 この学力テストについては、指導強化と活用がなければテストの意味がないわけでありますので、しっかりと、公表問題も大事だと思いますけれども、本質の学力向上策について御認識をお示しいただきたいと思います。
 三つ目、教育を支える体制の一元化についてであります。昨年も質問いたしましたけれども、また状況が変わって現場が混乱しておりますのでお尋ねするものであります。
 本県独自の教育振興運動は、長年やっております。それに対して、国が学校評議員制度というのをつくれということでまたやっております。さらに、昨年、いわて型コミュニティ・スクールというのを始めて、ここでまたごちゃごちゃ混乱していたわけですが、ことしに入って、文部科学省から学校支援本部ということで四つが入っておりまして、県事業と国事業と類似事業が複雑に現場に来ているところであります。依頼調査したところ、いろいろとこの4事業の関連性について言葉で説明は受けておりますけれども、結局のところ現場に来るとあれもやれ、これもやれで、全く整合性が見えないというのが現実だというふうに思っておりまして、これについて学校支援本部制度が入ったことによってまたいろいろ課題が出てきていると思いますので、課題と対策を示していただきたいと思います。
 私は、これは提言でありますけれども、この四つの事業それぞれにいろいろコンセプトを重ねるのではなくて、もっとその四つを包含する大きいコンセプトを示していただいて、そしてこの事業はここに位置づけるんだよというふうに現場におろしていただければ非常に助かると思っておりますので、お願いをしたいと思います。
〇大月生涯学習文化課総括課長 朝御飯に関する取り組みについてでございますが、朝食をとることは、一日の始まりに身体にエネルギーを補給し、一日の身体のリズムを整えるという意味で極めて重要と考えております。
 本県の児童生徒の状況については、最近の小学校6年及び中学校3年を対象とした調査では、全国平均に比べておおむね良好な状況となっております。具体的な数字を申し上げますと、朝食を毎日食べていますかという質問に対しまして、小学校6年生では、全国平均は65.4%ですが、本県では97.6%となっております。中学3年生では、全国平均91.9%に対して95.6%となっております。
 小・中学校におきましては、朝食を食べているかどうかは心身ともに充実した学校生活を送る上で最も重要であることから、各学校においては、基本的な生活リズムの最優先課題として自校の現状把握に努めているところでございます。
 保護者に対しては、各学級や学校としての実態を示した上で、懇談会や各種広報を通じて啓発に努めている学校が多いところでございます。特に、委員御指摘のとおり、家庭との連携をとりながら個別指導にも力を入れているところでございます。
 また、保護者自身の自覚が大切であることから、学校との連携のもとPTA活動の課題として取り上げ、学校医や専門医を招いた講演会の開催を初めとした研修会の実施や、PTAを主体とした現在行われている自主的な取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 全国学力調査の関係でございますが、この調査は、結果を分析いたしまして、そしてそれを指導に役立てていくという目的で行っているものでありますので、改めて例えば県で市町村別を公表するということについては考えておりません。
 それから次に、その調査結果からの地域格差ということでございますけれども、県の調査全体から見ますと、地域によって大きな特性とか地域差があるというふうにはとらえておりません。ただ、県全体を見ますと、例えば、御承知のとおり、中学校の数学などでの課題は見られます。私たちはあくまでも個々の学校の状況をしっかりとつかみながら、その学校に対してどういう支援が必要なのかということをしっかり考えてまいりたいと。そのために、本年度もやっておりますが、ブラッシュアップとか、そういうふうな推進事業をやっておりますし、あとは、少人数指導の部分での加配等についてもさまざま検討してまいりたいと考えております。
〇高橋博之副委員長 質問をされた点についてのみ、簡潔に御答弁願います。
〇大月生涯学習文化課総括課長 教育振興運動と学校評議員制度等との関係につきまして御説明申し上げます。いわて型コミュニティ・スクールと教育振興運動は、ともに学校と家庭及び地域が連携と協働をもって子供たちをはぐくむ本県独自の取り組みでございまして、いわて型コミュニティ・スクールは、学校長のリーダーシップのもとに地域との協働を進める取り組みであり、教育振興運動は、学校を含めた地域全体で子供たちをはぐくもうとする実践的活動であることから、各学校や地域の状況に応じて創意工夫をもって両者の連携を深めることにより、相乗効果が期待されるところでございます。この二つの取り組みは、岩手の教育が目指す知徳体のバランスのとれた社会に適応できる人間形成を実現するための根幹をなすものであり、両者の関係について整理し、市町村等への周知に努めてきたところでございますが、理解が十分に進んでいない面もあると認識しております。
 本年度から国のモデル事業として始まった学校支援地域本部事業については、地域住民が自身の生涯学習の成果を生かしながら、学校の多様な活動をボランティアとして支援する仕組みを整えるものでありまして、予定を含めまして19市町村、46本部で導入が進んでいるところでございます。本事業の導入により、本県が取り組むいわて型コミュニティ・スクール、教育振興運動が一層推進されると考えておることから、周知に努めているところでございますが、一層の取り組みが必要な状況にあります。今後とも三者の取り組みを一体のものとしてとらえ、かかわる組織を重複させて活用するなど、効率的かつ効果的に取り組めるよう指導助言しながら、関係者がいわて型コミュニティ・スクールと教育振興運動を十分に理解し、学校支援地域本部事業を活用することなどにより、地域全体で子供たちをはぐくむ体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 質問した事項に答えていただければ結構でありますので、いずれ、現場の問題点を的確にしっかりとぜひとらえていただきたいと思います。これをやれ、あれをやれとPTAの父ちゃんも母ちゃんも非常に大変でありますので、ぜひ、その点は御理解をいただきたいと思います。
 最後になりますが、いわゆる男女の同室着がえについて伺いたいと思います。平成19年度の状況を調査したと伺っておりますが、調査結果を御報告賜りたいと思います。改善指導はどのように行ったのか。結果、改善状況はどうなっているのか、お示しいただきたいと思います。
 次に、一括して伺いますけれども、結果として、改善指導で、今、現場で男女同室の着がえをやっている学校は減っておりますけれども、私もいろいろ聞いていくと、せっかく物理的に着がえの状況を改善しても、子供がやっぱりまだ一緒に着がえているんですよ。これというのは、物理的なものの改善のほかに、新聞記事で担当の課長が、恥ずかしいと感じる児童生徒の気持ちを大切にする必要があると言っておりますけれども、全くその心の部分での指導がまだ徹底されてないということになっております。これが続いていけば、また何年かたつと、恐らくこういう調査が来たときに、男女同室の着がえの学校は何校ですかというと、絶対ふえますので、ぜひ、物理的な条件を整えるのみならず、そうした着がえの心の部分の指導もあわせてしっかりやってもらいたいというのが質問の趣旨でありますので、御答弁をよろしくお願いします。
〇佐藤生徒指導担当課長 平成19年度の調査結果についてでございますが、平成19年度実態といたしまして、中学校62校が同室の着がえという回答をいただいております。なお、平成20年度の予定を同じく調査いたしましたが、5月現在で、同室更衣を予定と回答した中学校は40校ございました。このことを受けまして、各教育事務所を通して、教室の使用の工夫とともに、平成18年度の文部科学省の通知の趣旨、すなわち児童生徒一人一人の心情を考慮することにつきまして、各市町村教育委員会に対して御理解をいただくようお願いをしてございます。その結果、現段階におきましてでございますが、5月末現在、同室を予定していると回答いたしました40校のうち5校が別室での対応に改善されております。また、現在、15校が別室とするための取り組みを進めていると報告を受けております。
 御指摘のありました心の部分の指導でございますが、委員御指摘のとおり、まだ十分とは言えない状況であるととらえてございます。改善が行われたと報告がありました学校におきましても、全教職員の共通の理解のもとで生徒を指導することが必要であると考えておりますので、市町村教育委員会に御理解をいただき、平成18年度の通知の趣旨の徹底が図られるよう、今後とも継続して指導してまいりたいと存じます。
〇及川あつし委員 では、2005年が46校であったのが、昨年度は62校にふえてしまって、また今、改善指導をやって徐々に減りつつあるという理解でいいのかなと思っておりますが、心の指導の強化とともに、授業間の時間が短いというのも一つの理由になっているようでありますので、体育の授業とか、図画工作の時間の授業の入り方の工夫もあわせてしていただきたい。このことについての答弁を求めて、質問は終わります。
〇佐藤生徒指導担当課長 授業の入り方の工夫等も含めまして、それぞれの学校の実態に応じてさまざま趣旨を生かすように工夫しているところでございますので、それぞれの学校の状況などもお伝えしながら、工夫できるように助言をしてまいりたいと存じます。
〇高橋博之副委員長 次に、斉藤信委員。当該委員でもありますので、質疑は簡潔に願います。
〇斉藤信委員 簡潔に聞きます。
 少人数学級の拡充について、法貴教育長は、10月9日の30人学級を実現する岩手の会の皆さんの要望に対して、中学校1年生への拡充の必要性を述べました。極めて重要な発言だと。その真意をお聞きいたします。小学校3年生、4年生、中学校1年生への拡充に必要な予算額はどう推計されるか。県教委分の給与特例減額分は13億7、000万円でありますから、私は、十分その財源はあるのではないかと考えております。
 最後であります。教員採用問題について、全国的な大きな教育・社会問題になりました。何をどう改善したのか。平成19年度の口きき、照会、それ以前の調査はしたのかどうか。
〇法貴教育長 先ほど及川幸子委員にもお答えしましたけれども、東北6県の状況を見ますと、中学校1年生の少人数学級のところが、若干というか、岩手県の部分がちょっとおくれているかなということで、そういう発言をしました。ただ、そのとき一緒に申し上げましたけれども、要望では全学年に少人数学級ということで、それらを全部やるとすれば19億円ぐらいかかります。そういう財政的な制約、あるいは中学校に入れていくときには、教科担任制をとっていると、本当に人事配置できるだろうかというふうなさまざまなことを考えながら、その壁を乗り越えていかなければなかなか実施できませんということもお話ししました。そういう意味で、何回も同じことを話して申しわけございませんが、この2カ月、最終の2カ月ですけれども、この間に人事も変わりますし、予算もありますので、この間に最終的な方向性を決めてまいりたいという真意を話したものです。
〇侘美小中学校人事担当課長 現状のままに単純に小学校3年生、4年生、中学校1年生に35人学級を実現するとすれば、小学校3年生ですが、学級数が29学級、教員数29人増となります。必要経費は、1人500万円と推計しまして1億4、500万円。同様に小学校4年生ですが、今年度ベースでいきますと、31学級増の31名、同様に1億5、500万円。中学校1年生ですが、学級数が37学級ふえます。ただ、小学校と違いまして、教科指導制でありますので、こちらの試算としまして学級数の約1.8倍ぐらいの教員を充てると試算しまして、67人増、必要経費3億3、500万円と推計しております。
〇小原教職員課総括課長 教員採用試験の見直しでございます。大分県の問題を受けまして、岩手県教育委員会におきましても、今年度行いました平成21年度からの採用試験について、より透明性を高める観点で見直しを行ってございます。
 見直しは、今年度は5項目ございます。
 まず、1項目めでございます。今年度から、一次試験での配点及び得点、及び二次試験の総合ランクを受験者全員に通知したところでございます。
 2点目としまして、合格者の受験番号を岩手県教育委員会のホームページで公開するとともに、県庁前掲示板に掲示したところでございます。
 3点目でございますが、解答につきましても、県庁及び広域振興局等で一般閲覧を可能としたところでございます。
 4点目でございます。従前は採用予定者につきましては内部でのチェックだけでございましたが、今年度は県人事委員会にいわゆる点検をお願いし、実施していただいたところでございます。
 また、5点目としまして、文書の保存年限を見直しまして、保存年限を延長する方向で見直したところでございます。
 あわせまして、来年度からでございますが、平成22年度採用試験からにつきましても、より透明性を高める観点で、さらなる見直しを現在検討しておるところでございます。
 続きまして、口ききと照会でございましたが、いわゆる職務上の行為をさせないようにする当該職務の公正な執行を失うおそれがある行為といったようなものはございませんでした。しかしながら、昨年度行いました平成20年度につきましては、いわゆる合否の判定結果の問い合わせはあったところでございます。なお、5年間さかのぼって調査はしなかったのかということでございますが、当時の担当者などから事情聴取したところ、口ききはなかったとのことでございます。
〇高橋博之副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋博之副委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後7時2分 休憩
午後7時18分 再開
〇大宮惇幸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇保住警察本部長 平成19年度の警察本部関係の決算について御審議をいただくに当たり、まず、警察業務の推進状況について御説明を申し上げます。
 県警察では、県民の安全と平穏な生活を守るため、昨年の運営重点の基本姿勢を県民のための力強い警察と設定し、地域社会と連携した総合的な治安対策を推進することとし、活動重点の5項目を、1、安全・安心なまちづくりの推進、2、少年非行の防止、3、悪質・重要犯罪の徹底検挙、4、交通死亡事故の抑止、5、テロ、災害等突発重大事案対策の推進とし、組織の総力を挙げて取り組んだところであります。
 県内の犯罪情勢を見ますと、昨年は刑法犯認知件数が9、102件と平成14年以降、6年連続で減少している一方で、刑法犯検挙率は41.2%と、5年連続上昇した平成18年と横並びの状態であり、統計的には改善傾向の継続が見られます。しかしながら、平成18年7月には、一関市滝沢における強盗殺人事件、洋野町における母子殺害の強盗殺人事件、昨年6月には一関市東山町における住職及び母親殺害の強盗殺人事件、本年7月には川井村における岩手県・宮城県にわたる殺人・死体遺棄事件と、3年連続で凶悪な殺人事件が発生しております。さらに、本年に入ってから振り込め詐欺事件が全国的に多発し、本県においても発生件数、被害額ともに増加するなど、憂うべき状況にあります。
 また、交通事故の発生状況を見ますと、交通事故死者数は、平成19年は98人であり、前年比プラス22人と5年ぶりの増加となっております。しかし、平成18年が5年連続の減少で、前年比マイナス38人と大幅な減少であったことから、総体的には減少傾向が継続していると思われます。本年に入りましてもこの傾向は持続され、昨日現在で、昨年同期比マイナス30人の51人となっております。交通事故の負傷者数は、平成19年は6、713人でありまして、前年比マイナス40人と4年連続の減少となっております。本年に入りましても、9月末現在で4、108人で、前年同期比マイナス820人と減少傾向は継続しております。
 こうした中、平成20年における県の施策に関する県民意識調査によると、犯罪に対する不安が少ない地域社会や交通事故が少ない社会であることが重要と認識している人が約92%と多く、重要度、ニーズ度においても上位にランクされていることから、県民は良好な治安の維持を強く望んでおり、警察や自治体への行政ニーズは強く残っている状態と思われます。
 県警察としては、こうした諸情勢を踏まえ、自治体や関係機関を初め県民の皆様と連携した総合的な治安対策を推進し、県民が安全・安心を実感できる地域社会の実現を目指し、今後とも組織の総力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 それでは、決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成19年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。第9款警察費の歳出予算現額は292億3、233万円余で、これに対する支出済額は290億6、715万円余で、執行率は99.4%であります。支出済額は、前年度に比べますと1億8、330万円余、0.6%の減となっております。
 なお、翌年度繰越額8、332万円余は、交通信号機の設置等工事が、道路工事のおくれのために年度内に執行できなかったものであります。
 不用額は8、185万円余で、その主なものは、職員手当、旅費、委託料等の実績が下回ったもの約3、800万円、繰り越し予算で、入札残等により不用となったもの約1、000万円、光熱水費等の節減により不用となったもの約500万円などであります。
 次に、平成19年度歳入歳出決算事項別明細書により項目ごとに御説明を申し上げます。
 なお、項目ごとの金額の読み上げは省略しますので、御了承願います。
 飛びまして、後ろのほうになりますが、304ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費は、公安委員3名の委員報酬及び活動経費であります。第2目警察本部費は、警察職員の給料、職員手当などの給与費等が主なものであります。警察費の決算額に占める給与費等の割合は81.6%となっております。
 平成19年度における警察官定数は2、101人、その他事務職員等定数は319人であります。その他非常勤の職員として、交番相談員27人、警察安全相談員13人などの職員が勤務しております。
 第3目装備費は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両の購入や、車両、警備船、航空機などの維持管理に要した経費であります。次に、306ページをお開き願います。第4目警察施設費は、治安の基盤をなす警察署、交番、駐在所などの警察施設の整備や維持管理などに要した経費であります。この中には、来年3月に完成予定の機動隊庁舎の移転新築の経費5、251万円余、二戸警察署の建設予定地の不動産鑑定の経費78万円余が含まれております。第5目運転免許費は、自動車運転免許試験、免許更新、行政処分などに要した経費であります。次に、308ページをお開き願います。第6目は、恩給及び退職年金の経費であります。
 第2項警察活動費第1目一般警察活動費は、110番通報を処理する通信指令システムなどの警察通信施設の維持管理経費、犯罪被疑者の警察署留置のための食糧費等の経費が主なものであります。第2目刑事警察費は、少年非行防止や子供の安全対策などの安全・安心なまちづくり推進事業に要した経費、犯罪捜査に要した旅費等の活動経費、捜査機器の整備、リース等の経費であります。この中には、平成19年度に少年非行防止対策として新設したスクールサポーター2名分の経費が含まれています。第3目交通指導取締費は、交通安全活動や交通指導取締活動に要した経費、交通事故の防止と交通の円滑化を図るための交通安全施設の整備、維持管理に要した経費であります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇大宮惇幸委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 3点ほど質問させていただきます。
 まず1点目ですが、青少年の健全育成については、これまでさまざまな取り組みがなされているのですが、それでもなお青少年の犯罪が深刻な状況にあると感じております。平成19年度の動向はどうだったのでしょうか。また、その犯罪に対する検挙状況についてお示しいただきたいと思います。
〇船野生活安全部長 平成19年中の本県における刑法犯少年の検挙・補導の現状ですが、刑法犯少年は800人で、前年より154人減少し、5年連続減少しております。特徴的傾向といたしましては、万引きや自転車盗などの初発型非行の検挙人員が558人で、全体の約70%と依然として多く、殺人、強盗などの凶悪犯は10人で、6人減少となっております。また、傷害や恐喝などの粗暴犯が79人と、14人増加しております。
 次に、警察で取り組んでおります健全育成対策といたしましては、小・中・高生を対象といたしました非行防止教室などを398校で約500回開催しております。また、平成18年度から岩手っ子いきいきサポート作戦という名称で、非行少年の立ち直り支援対策を強力に推進しているところであります。
 内容といたしましては、大学生ボランティア17名の少年サポート隊による勉学支援活動など32回、学校など関係機関によるサポートチームの結成、愛のレター作戦で514通発出するなどを行っているところであります。また、スクールサポーター2名を約780回派遣しており、引き続き学校などとの連携を深めながら非行防止活動を強化してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 それぞれいろいろな取り組みの中でこの青少年の犯罪が大分少なくなっていることには、私も皆様の御努力に大変感謝しておりますが、なお、引き続きこの点についてももっともっと努力していただきたいと思います。
 次に移ります。
 安全・安心なまちづくり推進事業として1、676万円余となっております。この推進には県民も一体となって取り組んでいくことが大事であります。先日、10月9日ですが、安全・安心まちづくりの県大会が行われ、私たちも参加いたしました。地域でのいろいろな取り組みが紹介されまして、県知事の表彰を受けたところでございました。昨今、児童に対する犯罪が続発する中で、県内では町内会で見守り隊を構成し、児童の下校時に道路に立たれ、児童へお帰りなさいと声をかけてくださる人たちを多く目にいたします。安全・安心なまちづくりを推進する上での地域の人たちの取り組み状況をお示しいただきたいと思います。
〇船野生活安全部長 県内では子供を対象とした声かけ事案が依然として多く、昨年、144件発生したうち、約6割に当たります87件が小学生を対象としております。子供見守り隊などの防犯ボランティア団体が、登下校時の通学路における児童の安全確保のため見守り活動やパトロール活動を行っていただいているところであります。こうした防犯団体は昨年末で352団体と、前年比で62団体増加しているほか、青色回転灯装着団体は115団体、342台、前年比34団体、129台増加しており、ここ数年、県内におきましても地域で子供を守る活動が広がっているところであります。このほか、児童が危険を感じた際に助けを求め、駆け込める緊急避難場所としての子ども110番の家や子ども110番の車などにつきましても広がりを見せておりまして、昨年末時点で、子ども110番の家が1万3、448カ所、子ども110番の車が1万6、829台という状況になっております。
〇及川幸子委員 学校のほうでも生徒に、そういう活動をしている地域の方々の活動を大分説明されて、子供たちからも御苦労さまという声が聞かれるようです。子供のいない家庭が大変多いので、地区内で取り組むのには、子供のいる家と決めると全く人が足りないので、町内会ではいろいろなそういう人たちにも呼びかけて何とかやっているようですが、団体としては352団体なので、すごく進んでいると思います。
 次をお伺いいたします。
 振り込め詐欺対策について伺います。これは全国的にも毎日のように報道されております。振り込め詐欺の被害がことしに入り急増しております。全国においても、ことし1月から7月の振り込め詐欺被害は約1万3、800件、総被害額約193億円で、前年同期比約1.5倍と驚く数字であります。岩手県においても、ことし1月から8月までで被害件数101件、被害金額計約1億円であります。
 そこで伺います。まず、振り込め詐欺の種別といいますか、どのような分類のものがあるのか。また、平成19年のそれぞれの発生状況等についてお示しいただきたいと思います。
〇船野生活安全部長 初めに、振り込め詐欺の種別を御説明いたしますと、大きく分けまして、手口は4分類しております。一つ目が、子供や孫などの親族を装い、会社での金銭トラブルや交通事故で妊婦さんにけがをさせたなどを名目に、また警察官や弁護士を装い、示談名目でお金をだまし取るオレオレ詐欺、二つ目が、実際は融資しないのにもかかわらず、高額を融資するという旨の文書を送付し、融資を申し込んできた者に対し、保証金などの名目でお金をだまし取る融資保証金詐欺、三つ目が、アダルトサイトを使用したなどと架空の事実を口実として文書を送付し、お金をだまし取る架空請求詐欺、四つ目が、社会保険庁などの職員を装って、年金などの還付に必要な手続を装いまして被害者にATMを操作させ、お金をだまし取る還付金詐欺などであります。
 平成19年の被害状況につきましては、認知件数が105件、これは前年対比でマイナス59件、被害額が約9、600万円となっております。
〇及川幸子委員 いろいろ私たちの身の回りにも一番多いのがオレオレ詐欺で、子供、孫の親族を装うとのことですが、やっぱり泣き声でいきなり母ちゃん、母ちゃんとか、おばあさん、おばあさんと泣きながら言われますと、もうとっさに子供か孫だと思って、それが幾ら言っていても、常に言っていても全然だめだったという、ひっかかった人がやっぱり言ってましたけれども、そういう意味では、本当にこれは真剣にもっともっと取り組んでいかなければならないと思っております。
 2点目です。平成19年4月に設置された県警の安全・安心まちづくり推進室では、振り込め詐欺についてどのような対策をとられているのでしょうか。
〇船野生活安全部長 予防対策につきましては、安全・安心まちづくり推進室を中心といたしまして、振り込め詐欺の撲滅を図るため、被害防止のための広報啓発活動、ATM周辺における対策を強化しているところであります。被害防止のための広報啓発活動につきましては、県民に対し、振り込め詐欺の具体的な手口や、被害に遭わないため気をつけていただきたいことなどについて、県警ホームページやミニ広報紙、報道機関の協力を得て広く情報発信しているほか、交番や駐在所職員などによる巡回連絡や防犯教室など、地域住民と接しながら指導を強化しているところであります。また、被害防止対策の浸透が十分図られるよう、各自治体や老人クラブなどと連携し、広報啓発活動を強化しているところであります。
 ATM周辺における対策につきましては、警察官の立ち寄りや警戒活動を強化するとともに、金融機関に対して、顧客に対する注意喚起や声かけの励行、携帯電話を使用しながらATMを操作しない環境整備などの協力を要請するなど連携を密にした結果、21件の被害を防止しております。引き続き被害防止を図っているところであります。
〇及川幸子委員 町内会とか、そういうところを使って啓蒙活動をするのはもちろんのことですが、まだまだそういう声がかかっていないのではないかと思っております。特にひとり住まいのお年寄りに対してはどのように啓蒙活動をなさっているのでしょうか。
〇船野生活安全部長 ひとり住まいの独居老人などの高齢者宅の訪問につきましては、ことしの1月から9月までに約3万3、000世帯に、交番や駐在所の警察官を個々に訪問させまして直接指導を行っているほか、老人クラブや民生委員などと連携し、継続して広報啓発活動を強化しているところであります。
〇及川幸子委員 やはりおひとり暮らしとか、町内会でお二人で暮らしているところ、そういうところのお宅に訪問して、どういうふうに被害に遭ったか、さっき言ったように、母ちゃん、おばあちゃん、おれおれと泣きながらのこういう事例がありましたよとか、そういうふうに具体的にこういうのでひっかかりますよというさっきおっしゃった四つの点、そういうものを徹底して訪問して、歩く時間がなかったら町内会長さんとか民生委員さんを徹底的に活用して、この未然防止をされるように強く望むものですが、いかがでしょうか。
〇船野生活安全部長 委員御指摘のとおり、継続してさらに地域警察官あるいは警察の総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇柳村岩見委員 岩手県内の駐在所・交番が抱えている課題は、それぞれの駐在所・交番の歴史、いつ建てられたとか、あるいはまたその後に駐在所・交番の環境が変わったとか、いろんな理由から課題として抱えていると思います。どのように整理されて御認識をされておりますか、お尋ねしたいと思います。
〇島村警務部長 県内の交番・駐在所が抱えている課題に関してお答えいたします。
 交番・駐在所の設置に当たりましては、住民の利便性、当該地域の人口・世帯数、事件や事故の発生状況等を勘案し、全県的な見地から総合的に判断して設置運用をしているところであります。本年4月1日現在、県内には39の交番、163の駐在所を設置して、約480名の警察官が勤務に当たっております。
 交番・駐在所の体制の見直しにつきましては、昭和43年の派出所・駐在所の統廃合によるパトロール活動の一層の強化を初めといたしまして、治安情勢に応じた的確な運用に向けて勤務員の増強など所要の見直しを行ってきたところであります。また、交番・駐在所には築後25年以上のものが合わせて51施設もありまして、老朽化、狭隘化が著しく、住民サービス上、また、勤務環境の観点からも早急に改善を要するものもあるところでございます。交番・駐在所の体制の見直しに当たりましては、治安情勢の変化に的確に対応できる警察力の運用、さらには当該施設の改善整備をも検討しながら、交番・駐在所の機能強化を図っていくことが重要であると認識しているところでございます。
〇柳村岩見委員 平成19年度の決算書では、警察設備費のところで、駐在所・交番それから用地買収ということも含めますと、1億7、400万円弱ということであります。こういう予算化をしながら逐次進めていくということでありますけれども、やっぱりこの予算とは別に、こういう駐在所・交番が持っている課題について、特にもそれに順位をつけようと思えば順位をつけられるんだと思う。より課題が大きいとか、そういうことも順位をつけられると思います。これらの課題を解決していくために、やっぱり県警にその方法論がなければならないんだと思います。このようにしてこれらを解決していくという、その方針についてお尋ねしたいと思います。
〇島村警務部長 課題解決の方針、方法論に関してお答えいたします。
 初めに、施設の整備についてでありますけれども、建てかえについての画一的な基準といったものはございませんけれども、建築後おおむね25年以上経過した施設について、個別に老朽度合いなどを検討して建てかえをしているところであります。
 また、今の予算以外の部分といたしましては、機能強化について、本県警察では、交番・駐在所の適正な設置及び地域警察官の適正配置を行うことによりまして、地域生活安全センターとしての機能を発揮することを目的として、平成16年度から、順次、交番・駐在所の配置・運用の見直しを行っているところであります。今後とも、行政サービスの向上と勤務員の執務環境、居住環境の改善を図りながら、より効果的な警察活動を推進するため、関係当局と連携して施設整備に努めるとともに、引き続き、交番・駐在所の配置・運用の見直しを図ってまいりたいと考えております。
〇柳村岩見委員 地域事例についてちょっとお話をしておきたいと思います。署長が遊びにいらしてくださいと言うんです。遊びに行ったって座るところがない。おらほの交番は駐在所でスタートしているんです。そして、人口増加によって、2人駐在所スタートから3人、4人、交番になって5人。本当は交番というのは6人体制ですよね、2人の3回転。要するに空き交番をなくするという意味ではですね。いずれ、5人なんです。机が並んでいる。座るところがない。
 それから、触れませんでしたけれども、今日では女性警官を配置するといった場合に、結局、更衣室の話だ、トイレの話だというふうにもなってきます。滝沢あたりのおらほの地域だと、女性警官がいたっておかしくない地域で、おらほは余り危なくないんだ。だからこそ女性警官がいいんだといったときには、今の建物じゃ何ともならないわけ。これは、順番を待って、いずれ優先順位─一番どこが課題が大きいんだ、ここは先に解決してくれなきゃならないんだと、こういう順序があるんだと思う。おれは並んで待っていたいと思うのさ。そして、いつの日か、きちっと整備を賜りたいと思っているわけ。こういうケースというのはどの程度課題が重いのでしょうかね。
〇島村警務部長 女性警察官専用仮眠室等の専用設備が整備されている交番は県内で16カ所でありまして、いまだ十分ではないと認識しております。また、委員御指摘の滝沢交番につきましては、先般、私自身も実際に見に行きまして、確かに狭隘だというのは見ているところであります。昭和60年移転新築以後、改修整備されておらず、狭隘となっている状況にあるのは承知しております。これにつきましては、経年による老朽度、狭隘度及び地域住民の利便性等を全県的な視野に立って総合的に検討しながら、順次、整備に努めてまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 治安対策と災害出動の2点についてお尋ねいたします。
 まず、治安対策でございますが、犯罪への不安が少ない地域社会を目指し、岩手県警では平成18年12月、次世代に託せる安心して暮らせる地域社会の実現を目指してと、このようなスローガンで岩手県警察総合治安対策プログラム行動計画を策定いたしました。平成22年までの4年を目途に、緊急かつ重点的に取り組むべき各方面での治安対策をまとめております。県警の積極的な姿勢を高く評価し、同時に心強く思っております。
 しかしながら、県内において凶悪な犯罪が発生しております。このような状況を見るとき、治安が回復に向かうのか、さらなる悪化の道をたどるのか。プログラム策定のときには、まさに治安回復の分水嶺に差しかかっているとの認識のもと進めているものと認識しております。そして、県民も実態の情報を共有しながら、日常の生活を営むことが必要でございます。
 そこで、治安対策プログラムの進展状況と、ただいまお話がありましたが、振り込め詐欺など推進上の課題も多々出てきているのではと思いますが、実情とその対応についてお伺いいたします。
 まとめてお伺いいたします。
 そこで、今日の社会情勢は、日を追うごとに、私は何か殺伐とした状況になってきている感がいたしますが、県警でのこの社会情勢の受けとめ方、岩手の状況認識をあわせてお伺いいたします。
 また、赴任間もない保住警察本部長におかれましては、本県の印象を含めて、このような状況をお話し願えればと思います。
〇島村警務部長 最初に、まず、私のほうから岩手県警察総合治安対策プログラムの進捗状況についてお答えいたします。
 初めに、このプログラムは、施策の一つであります安全・安心なまちづくりの推進においては、昨年4月、岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例を制定していただきまして、防犯まちづくりの推進や通学路等の安全対策等の積極的な推進を図ってきたところであります。また、交通事故抑止対策の推進におきましては、高齢者在宅家庭訪問による個々具体的な交通安全指導のほか体験型交通安全講習の開催など、主として高齢者被害に係る交通事故抑止に向けた各施策を実施してきたところであります。
 本プログラムの推進によりまして、刑法犯の認知件数は本年9月末現在で6、833件と、前年同期比でマイナス76件となっております。また、県内の交通事故による死者数も本年9月末現在で46人、前年同期比でマイナス30人と大幅に減少しているところであり、一応の成果があらわれ始めているものと考えているところであります。
 しかしながら、その一方で県民が身近に不安を感じる、先ほど来御議論のあります振り込め詐欺の急増でありますとか、凶悪事件に発展しかねない強制わいせつ事件や子供に対する声かけ事案の多発など、取り組むべき治安課題は依然として多く、これらに対する施策を積極的に推進する必要があります。今後とも、本プログラムの推進に当たりましては、犯罪発生状況や交通事故の発生状況など治安情勢を的確に把握・分析し、各施策の不断の検証と見直しを行い、着実な成果に向けて、引き続き、組織の総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇保住警察本部長 今日の社会情勢につきましては、権利意識の変化や都市化の進展による他人への無関心、相互不干渉の風潮の広まり、あるいは地域社会の脆弱化と人間関係の希薄化から、社会における連帯意識や帰属意識の薄まりといったことが指摘されております。冒頭に御説明いたしましたが、刑法犯の認知件数、交通事故死者数の減少傾向など数値的には治安の改善傾向が見られるものの、凶悪な殺人事件の発生、振り込め詐欺の多発などは、こうした社会情勢を反映しているように思っております。
 しかし、本県に脈々と息づいております結いの精神は、地域住民やボランティア団体による安全・安心に関するさまざまな活動にあらわれていると感じており、こうした活動がさらに大きく広がり、警察と県民が一体となった安全・安心なまちづくりへの取り組みを推進していきたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 岩手結いの精神というようなことでの御印象を持たれたように今お伺いいたしました。そこで、ただいまのようなお話を、県警の広報活動としてどうやっていくのかということであります。その一つに、官民一体となった取り組みが大切でありますが、今、ちょうどこの時間には奥州市では胆江地区の地域安全・暴力団追放胆江地区民大会が開催されております。この主催は地区民会議あるいは防犯協会、それに奥州市、金ケ崎町、さらに水沢警察署並びに江刺警察署であります。まず、このような官民一体となった治安の取り組み状況、岩手県の実情についてお伺いしたいと思います。
 あわせて、こういう趣旨でやっておりますので、県内の暴力団の実情についてもお伺いしたいと思います。
〇船野生活安全部長 官民一体となった治安対策の取り組み状況についてお答えいたします。
 安全・安心な地域社会の構築には、県などの行政機関及び防犯協会を初めといたします防犯ボランティアなど、官民一体となった取り組みが重要であると考えております。県警察では、これらの関係機関・団体と協働して、かぎかけの励行による盗難被害の防止、振り込め詐欺被害防止、子供・女性や高齢者の安全対策などの治安対策を推進しているところであります。特に、スクールガードなどと連携した通学路の重点警戒による子供の見守り活動、青色回転灯装着車両によるパトロール活動による街頭犯罪などの抑止、広報活動など各種の地域安全運動の推進に努めているところであります。
〇小舘刑事部長 暴力団追放地区民大会について御説明申し上げます。
 暴力団追放の各地区における大会等については開催市町村が主催しており、奥州市については、暴力団追放水沢地区民会議、暴力団追放江刺地区民会議の2団体が存在しており、平成18年の奥州市合併に伴い、この2団体が共催し、地域安全大会とあわせて暴力団追放胆江地区民大会を開催していると聞いております。なお、岩手県知事が会長を務める岩手県暴力団追放県民会議及び当県警察がこれらの地域防犯組織を支援し、暴力団を利用しない、暴力団を恐れない、暴力団に金を出さない、この暴力団追放三ない運動を推進しているところでございます。
 次に、県内の暴力団の実態についてでございますが、平成20年9月末現在、15団体410名であります。県警が把握している人数でございます。このうち、主な指定暴力団は、山口組系が9団体291人、稲川会系が1団体13人、住吉会系が4団体81人、合計で385人であり、県内の暴力団勢力の約94%を占め、全国同様、主要暴力団の寡占化が進んでいるところでございます。
〇亀卦川富夫委員 それでは、災害時の出動でございますが、今年、岩手・宮城内陸地震、岩手県沿岸北部を震源とする地震が相次ぎました。警察の災害出動の状況及び今回の出動で得た課題についてお伺いいたします。
〇佐藤警備部長 初めに、岩手・宮城内陸地震、岩手県沿岸北部地震発生時の災害出動状況についてでありますけれども、地震発生直後に、警察本部に警察本部長を長とする100名規模の岩手県警察災害警備本部、各警察署に署災害警備本部を設置しますとともに、約1、030名の部隊を動員し、初動態勢を確立しております。初動態勢を確立後は、直ちに被災地を管轄する警察署に機動隊を中核とする災害警備部隊を派遣して、人的被害、建物被害、道路・橋梁損壊、がけ崩れ箇所等の被害確認、また、孤立者などの情報収集と救出救助、さらにヘリコプターによる上空からの被害確認とヘリコプターによる映像の伝送など、県総合防災室、関係自治体等と連携して、被害状況の確認や被災者等の救出を第一とした活動を行っております。また、警視庁、福島、山形、千葉の各県の広域緊急援助隊や、北海道、青森、千葉、警視庁の警察ヘリコプター等、他県警察の応援を要請して被災地に投入し、被災地住民の救出救助や捜索活動、避難誘導などの活動を行っております。
 次に、災害警備上の課題についてでありますが、災害警備においては早期の態勢の確立が重要であると認識しておりますが、2度の大規模地震の発生に際しましては、県警察として早期に初動態勢の確立ができたと考えております。これにつきましては、平成18年以降、大規模災害等の発生を想定した抜き打ちを含む全職員対象の非常招集訓練を重ねてまいりましたし、震度5強以上の地震が発生した場合は、特段の連絡・指示を待つことなく全警察職員が直ちに参集することとしており、今後とも初動対応に万全を期すための訓練を重ねてまいりたいと考えております。
 また、平素からがけ崩れや土石流等の災害危険箇所を把握しておくことが必要でありますし、災害が発生した場合には、防災関係機関・団体との情報の共有や連携が重要でありますので、今後とも、県総合防災室や各自治体などと緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 私からは2点お伺いいたします。
 1点目は、平成19年度の高齢ドライバーの免許証返納状況と交通事故発生状況、また、今後の対策と見通しについて伺います。
〇中村交通部長 警察統計は年度ではなく暦年でとっているものですから、平成19年中ということでお答えさせていただきます。
 平成19年中の高齢者の免許証返納件数は56件でありました。本年は9月末現在で107件、前年同期と比較して51件の増加となっております。
 次に、高齢者の交通事故の状況でございますが、発生件数が878件、死者数が28人、傷者数が1、080人となっており、前年に比較しまして、発生件数が103件の増、死者数が9人の増、傷者数が98人の増と、いずれも増加しているところでございます。
 今後の対策でございますけれども、いずれ、今までもいろいろ取り組んでまいりましたが、参加・体験・実践型の実技講習や運転免許更新時の高齢者講習など、高齢ドライバーに重点を置いた対策を積極的に推進してまいりたい。
 あわせて、免許証の自主返納を促していくということも大変有効な手段の一つでありますことから、コミュニティバスを運行している市町村に対して支援をお願いする、あるいは県のタクシー協会のほうにタクシー料金割引等の優遇措置の検討をお願いするというようなことで現在進めているところでございます。県警察といたしましては、今後とも、他県の事例等を参考にしながら、県、市町村及び交通関係機関・団体と連携を図り、取り組みを強化してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 やはり高齢ドライバーによる事故が増加しているということは大変憂慮されることだと思います。免許証返納というのは、自主的に返納するのが一番いいと思いますけれども、自分で返納していいか悪いか判断できない高齢者もいらっしゃると思うんですけれども、そういう方々に対する声がけといいますか、御家族の方がそのほうがと言ってくださる場合もあるでしょうけれども、何か基準になるようなものというか、ありますでしょうか。
〇中村交通部長 特に基準というようなものはございませんが、いずれ、そういう自主返納の制度がありますよというようなことで、本人にいろいろ懇切丁寧に説明を申し上げる。そういった活動で、ことし8月末現在で大幅にふえているということであろうと思います。いずれ、今後とも窓口でいろいろ説明してまいりたいと思います。
〇三浦陽子委員 ぜひ、積極的にお願いしたいと思います。私の知人の方の御親戚がやはりこれで亡くなったということで、家族としてももっと奨励すればよかったというような思いを残している方もいらっしゃると聞いておりますので、後から、何というんでしょうか、そういう家族の方々の不幸な思いをなるべく解消してもらいたいと思っております。
 2点目は、DV被害者対策についてお伺いしたいと思います。警察の相談体制と相談件数、その後の対応状況を伺いたいと思います。
〇船野生活安全部長 DVに限った相談体制といたしましては、警察本部にDV対策係といたしまして4名、うち女性警察官1名、各警察署に女性に対する暴力対策班などいたしまして108名、うち女性警察官など20名の合計112名体制であります。平成19年中の相談件数につきましては136件、前年対比でマイナス35件となっております。
〇三浦陽子委員 その対応状況というのはわかりましたけれども、その後の対応状況というのは。
〇船野生活安全部長 その後の対応状況につきましては、相談受理時の内容や被害者の要望に応じまして、事件としての被害届の受理が4件、加害者に対する指導警告が26件、被害者周辺の警戒活動が6件、被害者などへの防犯指導が133件、被害者などに援助した件数が13件となっておりますし、捜査の結果、事件として検挙した件数につきましては、DV防止法違反での検挙件数が1件、暴行傷害など他法令での検挙件数が15件となっております。
 また、岩手県福祉総合相談センターなどとも相互に情報交換を図りながら、一時保護や各種支援制度の教示など、DV被害者の安全確保に努めているところであります。
〇三浦陽子委員 女性に対するそういう暴力というのは私も許せないところですけれども、やはり警察に駆け込むというのはよほど勇気が要ると思うんです。その前のいろいろな相談体制もあると思うんですけれども、かなり複雑な状況を抱えている部分があると思いますので、女性の相談員の方もいらっしゃるようですけれども、もうちょっとふやしていただけたらいいのかなというような気もいたしますので、これは要望として言っておきます。よろしくお願いします。
〇熊谷泉委員 私も通告しておりましたので、振り込め詐欺についてお伺いいたします。
 先ほど及川委員に大分詳しく御報告がありましたが、2点ほど。
 一般的にはお年寄りが被害に遭われるという認識でありますが、本県の場合、年代別に被害者数がわかっているものがあればお聞かせ願いたいと思います。
 それから、先ほど埼玉で振り込め犯人の凍結された預金口座を裁判所の偽造文書をもって解除する、そういう手口もありますが、実際は被害に遭われた方にお金が戻っているものかどうか、被害に遭われればほとんどこれは戻っていないような現状なのか、その2点をお伺いいたします。
〇船野生活安全部長 振り込め詐欺被害者の年代別ということでございます。お答えします。
 昨年度は105件ほど発生しておりますが、20歳未満が2名、20代が13名、30代が18名、40代が20名、50代が29名、60歳から65歳が5名、65歳以上が18名となっております。
〇小舘刑事部長 犯人が特定されて被害者にお金が戻った状況のことについてでありますけれども、振り込め詐欺の被害に遭った方は、基本的には犯人側に対して民事訴訟を提起して被害回復をすることが可能でありますけれども、その状況については警察としては承知しておりません。
 なお、被害者の迅速な救済を図る目的で、本年6月21日にいわゆる振り込め詐欺救済法が施行になっております。この法律は、金融機関が被害回復分配金を支払う制度でありますことから、警察としましては、振り込め詐欺事件を認知した場合には、速やかに振込先の金融機関に対して口座凍結を依頼することにしております。被害に遭った方は、速やかに届け出していただければ被害回復分配金を受け取る確率が高くなるわけでありますので、警察としましても引き続き早期の届け出について広報してまいりたいと思います。
〇熊谷泉委員 それでは、交通事故についてお尋ねいたします。
 先ほど詳しく述べられておりますので、私のほうからは、平成19年度は98人の死亡事故ですが、平成19年に限って何か特徴的な傾向があればお知らせ願いたいと思います。
 それから、飲酒運転の推移と県職員の検挙推移について。
 あと、まとめて言います。
 もう一点は、最近、うちの管内で2年間ほど道路標識のない、比較的交通量の少ない場所で死亡事故がありまして、県内で道路標識のないところの事故ということで件数を取りまとめているものがあればお知らせいただきたいと思います。
〇中村交通部長 平成19年中の交通死亡事故の特徴的な点でございますが、まず一つは、高齢者の歩行中の事故が多いということでございます。2点目は、高齢ドライバーの関係する事故が年々増加してきている。それから三つ目は、全事故件数に占める死亡事故の割合が高い。これが岩手県の大きな特徴、平成19年中の死亡事故の特徴でございました。
 それから、飲酒運転の検挙状況ということでございますが、平成19年中は614件を検挙しており、前年に比較して677件の減少となっております。推移で申し上げますと、過去3年ぐらいで申し上げますと、平成17年が1、633件、平成18年が1、291件、平成19年が614件と大幅に減少したわけでございますが、これは罰則厳罰化の影響等も多分にあったのかなと承知しているところでございます。
 なお、公務員の検挙件数は12件でございます。
 次に、交差点事故の関係でございますが、平成19年中は交差点での交通事故が2、000件発生しており、うち、信号機あるいは一時停止標識のない交差点での交通事故は1、075件、全体の約5割がそういう施設等がなかったという状況になっております。
〇熊谷泉委員 そこで1件だけお願いでございますが、県下に標識のない交差点は何万箇所とあると思うんですが、実際事故が起きた場所については速やかに標識を立てるような対策をお願いしたい。その点の御所見だけ伺って終わります。
〇中村交通部長 交差点事故の防止対策ということでございますが、基本的には、交通安全教育あるいは交通指導取り締まりを継続するほか、交通安全施設の観点では、交通事故の発生状況あるいは交通流、交通量などを勘案し、交差点の実態に応じて、真に必要と思われる場所につきましては信号機や一時停止標識などの整備を検討してまいりたい。
 また、交差点の存在を振動等で知らしめる、いわゆる段差舗装、あるいは交差点の存在を明示するドットラインの設置など道路管理者の行う施策がございますが、そういった諸施策につきましても大変効果的であると考えております。県警察といたしましては、今後とも道路管理者と連携しながら交差点事故防止に取り組んでまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 何回も申しわけないんですが、別にそういう交通量の少ないところに信号機をつけろということではないんです。ただ、一時停止の標識、三角のを一つつければ済む問題でもありますので、よろしくお願いいたします。
〇高橋昌造委員 私は、1点だけについてお伺いいたします。
 安全・安心なまちづくりの一環として、青色の回転パトロールの巡回によりまして交通事故防止なり、または犯罪防止に実績を上げておるわけでございますが、お聞きするところによりますと、この青色の発光ダイオードの街路灯を採用して犯罪が減ったという成功事例が報告されておるわけですが、実際これは効果があるのかどうか。あるとすれば、県警を中心に、いわゆる庁内で横断的に前向きに取り組むお考えがあるのかどうかお伺いします。
〇船野生活安全部長 お答えします。
 この青色回転灯が地域住民の防犯意識の高揚につながるものと考えておりますが、他県では、青色防犯灯の設置により自転車盗が減少したという事例もございます。
 県内の効果につきましては、県内で現在7地域に85基が設置されておりますけれども、いまだ期間が1年に満たない地域がほとんどでありますことから、今後、設置地域の犯罪発生状況などの検証が必要と考えております。その検証結果によって地域への働きかけや支援を行っていきたいと考えております。
〇小野寺有一委員 私も1点だけお尋ねしたいと思います。
 アワビの密漁の対策についてであります。
 昨年10月に釜石市の両石湾でアワビの大型密漁グループが検挙されたわけでございます。しかし、これは氷山の一角とも言われておりまして、近年の密漁の実態と、それから密漁防止に向けての取り組みを示していただきたいと思います。
 それから、その事件を受けてかどうかわかりませんが、本年4月に漁業法と岩手県の漁業調整規則が改正されまして、違反者に対する罰則の適用が変わったと聞いております。新聞等では罰則が厳しくなったというふうに報道されておりましたけれども、よくよく聞いてみますと、今までは漁業調整規則で罰せられたものが、それが漁業法の改正で漁業法のほうで罰則適用になるということで、したがって罰則が結果として厳しくなったということだと聞いております。そのためにいろいろな構成要件が多くなってかえって使いづらいというか、運用上、罰則を適用するのが難しくなっているというようなお話も聞きましたので、その辺の罰則適用の変更点と、それから運用上の課題があれば示していただきたいと思います。
 最後に、海上保安部などの国の機関や農林水産部などの県の他部局、それから市町村あるいは漁協などの関係機関、それから住民の方々との間で、やはり密漁というのは夜遅く来て潜ってなかなか見つかりづらいというところもあるわけですので、これまでもいろいろと連携はされてきていると思うんですけれども、県警の立場から今後求められる連携方策、特に農林水産部の関係の他部局に対して求められる連携方策がありましたらお示しいただきたいと思います。
〇船野生活安全部長 初めに、密漁事犯の実態についてお答えいたします。
 平成19年中におきます県内のアワビの密漁事犯の検挙状況は、検挙件数が15件、検挙人員は26人となっております。また、本年9月末現在では、検挙件数が3件、検挙人員が4人となっております。
 密漁事犯の特徴といたしましては、密漁は組織化されたグループで敢行されるのがほとんどであります。
 次に、漁業法の改正による罰則変更点と運用の課題についてお答えいたします。
 まず、改正による罰則適用の変更点についてでありますが、本年4月に漁業法並びに県漁業調整規則が改正・施行され、罰則についての規定が変更されていることは承知しております。具体的には、知事の許可を受けないでアワビ漁業を行った場合には、より重い刑を規定する漁業法を適用できると理解しております。
 警察といたしましては、従来どおり、法の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
 次に、関係機関などとの連携方策についてでございますが、現在、アワビ密漁事犯の撲滅を目的といたしまして、岩手、青森、宮城3県の海上保安部、農林水産部、漁業協同組合などが構成員となるあわび等密漁撲滅連絡協議会などを年数回実施し、情報交換を図っているところであります。また、密漁対策につきましては、平成4年4月から警部1名を県の漁業取締事務所に派遣するとともに、漁協を初め海上保安部など関係機関との情報交換や、警備船による合同訓練も昨年はそれぞれ2回実施して密漁防止の強化を図っているところであります。
〇高橋元委員 主要施策の成果に関する説明書に載っている件でございますが、無施錠被害が昨年に比べて3.3ポイント増加しているという報告がございました。毎年犯罪の発生件数が減少している中で、この無施錠被害のほうがふえているという報告でありますので、その現状と、被害額の総額とか、あるいは検挙の関係とかどのようになっているのか、もしまとまってあるのであればお伺いしたい。これは平成19年についてです。
 それから、年度ごと、地域ごとに何か犯罪の特徴があるのか、その辺もお伺いしたい。
 それから、地域における防犯力の強化を推進中ということで、その中で、先ほどかぎかけ励行活動という話もちらっと出たんですけれども、この防犯対策はどのようになっているのか、具体的にお話を伺いたいと思います。
〇船野生活安全部長 本県におきます侵入窃盗や自転車盗などの被害状況を見ますと、被害件数はここ数年減少しているにもかかわらず、無施錠による被害の割合が全国に比べ高い状況にあります。
 平成19年中の統計では、住宅を対象とする侵入窃盗での無施錠被害率が64.4%、これは全国で悪いほうから4番目ということで、全国平均は34.8%となっております。自転車盗での無施錠被害率は57.5%、これは全国で8番目に悪い。全国平均につきましては47.1%となっております。車上ねらいでの無施錠被害率は64.6%と、これは13番目に悪いほうでございます。全国平均は37.6%となっております。
 地域の特徴といたしましては、住宅を対象とする侵入窃盗及び自転車盗での無施錠被害率は、いずれも県北地域と沿岸地域が県全体といたしましては高くなっていることが挙げられます。
 次に、警察としての被害防止の取り組み状況につきましては、県警ホームページやミニ広報紙などにより、無施錠被害の実態や被害に遭わないための防犯対策につきまして情報発信しているほか、警察官直接による防犯診断などによるかぎかけの指導を強化しているところであります。
 また、防犯ボランティアとの連携状況につきましては、かぎかけの浸透が十分図られるよう、岩手県防犯設備協会や地域安全推進隊などと連携し、施錠点検や広報キャンペーンを実施するなどして活動を強化しているところであります。
〇高橋元委員 一生懸命それぞれの地域で警察官の方とか、あるいは防犯隊の方とか、積極的に取り組んでいらっしゃると思いますけれども、そういう中にあってワースト4、64.4%ということですね。非常に残念な結果であります。本県は農家を中心に隣近所のおつき合いがあって、なかなかかぎをかけて歩かない、非常に地域全体を信用しながら生活しているわけですが、他県から来た方々とか、あるいは昨今の経済情勢から、この辺の犯罪は私はまだまだふえるような気がして心配しているところでございます。
 今後ともなお一層の取り組みをしていただきたいと思いますが、そういう中にあって、先ほどの報告の中では自主防犯隊の組織が352、これは見守り隊が中心のように聞いたんですけれども、この辺をもう少し急ピッチで展開して組織化できないのか。あるいはそれがちょっと難しいようであれば、今、自治会を中心に自主防災組織が急速なピッチで組織化されております。北上市もかなりの数の自主防災組織があるんですけれども、せっかくこういう組織ができてきているわけですから、そことうまく連携をとれないのかなという思いもしておるわけです。だから、その辺の総合的な対策について、今どのような検討をされているのかお伺いしたいと思います。
〇船野生活安全部長 連携を強化というお話でございましたが、現在、各種防犯団体が非常に多くありますので、これらの協力をいただきまして、現在、地域の警察官を初めといたしまして、各所との連携を強力に推進しているところでございます。
〇高橋元委員 先進地の事例等、私ちょっと調査しておらないんですが、警察のネットワークでそういう事例もたくさん手に入ると思いますので、平成20年はそういう意味ではいい結果が出るように期待をして終わります。
〇斉藤信委員 警察安全相談の昨年度、今年度の特徴、対応について示してください。
〇島村警務部長 平成19年中の警察安全相談の受理件数は2万3、561件で、平成18年と比較して3、706件、13.6%減少しております。その要因につきましては、はがきによる架空請求に関する相談が大きく減少したことによるものであります。
 平成19年の警察安全相談の特徴についてでありますが、ヤミ金融や悪質商法に関する相談が3、218件で全体の約14%を占め最も多く、次いで防犯上の問題や迷惑電話等の被害防止に関する相談、家庭や近隣、友人問題等に関する相談の順番となっております。
 次に、本年9月末における警察安全相談の受理件数は1万8、195件で、昨年同期と比較して461件、2.6%増加しております。その要因につきましては、詐欺や盗難など刑事事件に関する相談が増加したことによるものであります。
 本年9月末までの警察安全相談の特徴でありますが、家庭や近隣、友人問題等に関する相談が2、230件で全体の約12%を占め最も多く、次いで契約・取引に関する相談、さらに防犯上の問題や迷惑電話の被害防止に関する相談の順番となっております。
〇斉藤信委員 次に、平成19年中の自殺件数とその内容、特徴について、年代別、原因、動機別、職業別特徴はどうなっているでしょうか。また、その中に介護や老後にかかわる件数、殺人事件というのはあったのでしょうか。
〇船野生活安全部長 昨年、県内での自殺者は483人で、うち男性が348人、女性が135人であります。年代別では、70歳以上が137人と最も多く、次いで50歳代112人、40歳代69人の順となっております。
 原因・動機別につきましては、さまざまな事情が複合している場合もありますので一概には申し上げられませんが、遺書や生前の言動などから判断いたしますと、健康問題204人、経済・生活問題147人とで半数以上を占めております。職業別につきましては、無職者が270人と半数以上を占めており、次いで自営業者が79人の順となっております。
 次に、介護にかかわる件数ということでありますが、原因別に見ますと、配偶者や親の介護疲れが原因と思われる自殺者は5名と、いずれも男性となっております。
〇小舘刑事部長 介護殺人事件の状況についてでございますけれども、平成19年中に発生した殺人事件、未遂を含めますが、10件ほどありました。その中に介護を犯行の動機とするものは1件ございました。
 事件の内容は、当時報道がなされておりますけれども、平成19年8月、釜石市内において、当時48歳の被疑者─女性ですが、当時52歳の夫の介護に疲れ、夫の背中を刃物で刺したということで殺人未遂で逮捕しております。なお、この事件は最終的には傷害罪で公訴の提起がなされたと承知しております。
〇斉藤信委員 自殺件数、件数そのものは若干減ったんですけれども、特徴としては、50代、そして経済問題が147人、そして職業別で見ますと自営業が79人で一番多いんですね。本当に50代の働き盛りの方々が経済問題─不況の影響だとか生活苦ですよね、これは大変私は深刻だと。
 県警は今回、さまざまなデータを自殺予防対策推進協議会に提供して自殺対策に生かすというふうにしているようですが、そこらの連携はあるのでしょうか。
〇船野生活安全部長 委員御指摘のとおり、本件統計につきましては岩手県自殺予防対策推進協議会に提供しておりますし、家出人の早期発見など、警察も委員メンバーに入っているところであります。
〇斉藤信委員 では、これはここにとどめます。
 次に、捜査報償費についてお聞きします。
 県警本部の捜査報償費は平成16年度に一気に半分以下に減少しました。その理由は何でしょうか。具体的には1、026万円から454万円、44.2%に激減しました。平成18年度、19年度と増加していますが、その理由は何でしょうか。捜査報償費復権の動きではないかと私は危惧しておりますが、いかがでしょうか。
〇島村警務部長 まず最初に、警察本部捜査報償費が平成16年度に一気に半分に減少している理由についてお答えいたします。
 捜査報償費の執行額の減少理由につきましては、捜査を取り巻く環境の変化あるいはその年度の事案の発生状況などいろいろな要因が考えられるところでありますが、大きく三つと考えております。
 その大きな要因の一つ目は、権利意識の変化や都市化の進展などによる情報収集の困難化ということでございます。
 一般的な風潮といたしまして、他人への無関心や相互不干渉の風潮が広まり、事件にかかわり合いを持ちたくないという個人の考え方や、地域社会の脆弱化や人間関係の希薄化によりまして、社会における連帯意識や帰属意識が薄まっているというようなことから情報収集が大変厳しい状況が今ございます。
 それから、その要因の大きな二つ目といたしましては、警察相談業務の増加による捜査以外の業務の増大などであります。
 相談内容は、量的な増加に加えまして、最近、1件1件が年々複雑多岐となってきております。個々の相談内容を聴取し、関係者から確認作業をする、さらに事件化、解決のための教示、関係機関への連絡までの最終的な処理に要する時間が非常に膨大となっております。また、特に昨今は振り込め詐欺やサイバー犯罪など対面でのやりとりではなく通信手段を利用した犯罪が発生するなど、今まで協力者から得ていたそういった情報収集が困難な事案もまた増加しております。
 その三つ目といたしましては、司法手続の精密化などによる事務的作業の増大であります。
 具体的には、一層適正な刑事手続のための取り調べ過程・状況の記録制度や司法制度改革に対応するため、より精密かつ適正な捜査が要求されておりまして、そのための業務量も増加するということであります。
 また、刑法犯認知件数が依然として高水準で推移しておりまして、犯罪の広域化やスピード化に対応するため、犯罪発生直後の初動捜査に費やす時間や労力が増大しているというようなこともございます。
 このような状況のもと、捜査員においては、継続捜査に専念するための時間が十分にとれず、いわゆる畑を耕すと言うんですけれども、自分の畑を耕して情報源を開拓するための時間がなかなかとれないという実情にあります。
 以上が捜査報償費が減少した主な理由と考えております。
 また、二つ目の平成18年度、19年度と増加している理由で、捜査報償費の復権ではないかとの御質問に関してでありますけれども、減少した点は、今申し上げた点も加えてですけれども、この平成18、19年度と増加した理由というのは、それぞれの所属で取り扱う事件の規模や形態、捜査の期間などによって異なっておりますから、一概になかなかこうだと申し上げるのは難しいものと考えています。
 ちなみに、平成19年度における捜査用報償費の支出の状況につきましては、ふえている所属もあれば減っている所属もありまして、岩手県警察全体でならしてみますと前年度に比較して約10%の増加となっているところでございます。
〇斉藤信委員 支離滅裂ですよ。平成15年度と16年度は44%に激減したのですよ。あなたの理由というのは、一般論じゃないですか。半分以下に減るというのは特別の事情がなかったらあり得ないことですよ。あなたの説明は何の説明にもなっていない。
 刑法犯は平成15年からずっと減っているのですよ。生活安全相談だってあれですよね。ただ、激減したということはないんですよ、平成15年から16年にかけて。ずっと減っていて、平成18年、19年度はふえている。私はおかしいんじゃないかと聞いているんですよ。
 答弁不能でしょうから、これは国語の問題ですよ。平成15年度、16年度に44%に減ったなんていう、そんな理由に全然なりませんよ、そんなのは。
 私、各論でお聞きしたい。生活安全企画課は、平成15年度と19年度を比べると8%になっています。10分の1以下ですよ。これはなぜですか。
 もう一つ聞いておきましょう。刑事企画課、平成19年度は前年度と比べて5倍以上ふえています。これはなぜですか、具体的に答えてください。
〇島村警務部長 捜査活動に要する経費の増減理由につきましては、それぞれの所属で取り扱う事件の規模、形態、捜査の期間などによって異なりますことから、一概に申し上げることはできないと考えております。
〇斉藤信委員 一概でなくたって答えたらいいじゃないですか。いいですか、10分の1以下に減っているんですよ、生活安全企画課は。担当部長、答えたらいいじゃないですか。10分の1以下というのは異常なことですよ、これ。以前は必要ないのに使っていたということでしょう。そして刑事企画課、これは私は去年とことしのことを聞いているんですよ。5倍ですよ。何ですか、これ。5倍にふえたという、抽象的でもいいから理由を言ってくださいよ。だめですよ、こんなのは。
 捜査報償費を裏金にしているんじゃないかという疑惑をみんな持っているんですよ。愛媛県警でそれを告発した警察官の裁判があって、結局は控訴しないで確定したでしょう。そういう意味で、この捜査報償費というのは本当に県民が監視しないと、裏金で、幹部、上層部だけですよ、これを使っているのは。そういう疑惑について私は具体的に聞いているんだから、県民が聞いてわかるように答えてください。
〇島村警務部長 繰り返しになりますけれども、捜査活動に要する経費の増減理由は、発生する事件の規模、形態、捜査の期間などにより増減するものでありまして、当該所属の捜査活動の内容というのは捜査に支障を及ぼすおそれもありますことから公表されていない事件の捜査も含まれており、答弁は差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 生活安全企画課が8%に減った、10分の1以下に減った、これは何ですか。件数が激減したんですか。
 少年課は、平成18年度と19年度を比べますと2.85倍にふえていますよ。刑法犯の少年犯罪は減っているじゃないですか。何でこれはふえたんですか。件数は減って報償費は2.85倍にふえた、説明がつかないじゃないですか。
 機動捜査隊は平成18年度、19年度で1.75倍にふえました。これは何でしょうか。
 岩手署は前年度と比べて2.4倍にふえましたが、件数がふえたんでしょうか。
 一関署は、いいですか、ここは平成19年度、殺人事件があった、さっきありましたね。76%に減りましたよ、前の年と比べて。何なんですか、これは。
 釜石署は、私、これ確信犯だと思うけれども、釜石署だけは平成15年度から全然減っていないんですよ。ここだけです。釜石署は、全国的に大問題になったときにも捜査報償費を減らさなかった。今その2倍以上になっていますよ、ここは。居直って捜査報償費、裏金で使っているんじゃないですか。何か特別な事情があるんですか、釜石だけ減らないでふえ続けたというのは。警務部長、わかるか。
〇島村警務部長 先ほど来申し上げているとおり、その事件の規模というのは、例えば凶悪性とか広域性、複雑性、組織性、社会的反響の大きさ、いろいろ事件の規模もございます。それから、事件の形態としては、重要犯罪もあれば知能犯罪もあります。交通関係の犯罪もありますし、同じ罪種であっても単独か共犯かでもまた違ってまいります。さらに、捜査の期間も、長い事件もあれば短く終わるのもあります。ですから、一概に委員おっしゃった事件の数がふえた、減ったというだけで捜査報償費がふえたり減ったりという因果関係であるものでもございません。
〇斉藤信委員 全く答弁不能だと。私は一概に言っているんじゃないんですよ、具体的に聞いたんですよ。10分の1になるとか2倍、3倍になるとかというのは情勢に重大な変化があったということですよ。殺人事件があったところが減って、そうでないところがどんどんふえているなんていうことは考えられないでしょう。
 答弁不能だから、疑惑は残ったということで、次に行きたいと思います。これ、最後です。
 最後は、超過勤務手当とサービス残業の問題であります。
 昨年度の超過勤務時間、そして決算額、1人平均超過勤務時間と月平均時間はどうなっているでしょうか。超過勤務手当の支給はどうだったでしょうか。不払い時間と不払い支給額、これを示していただきたい。どう解決するかも示していただきたい。
〇島村警務部長 平成19年度の超過勤務手当決算額は12億1、379万円余となっております。超過勤務時間は、職員1人当たり年平均で365時間、月平均で30.4時間となっており、前年比月平均で1.8時間の増となっております。
 また、超過勤務手当の支給については、職員1人当たり月平均16.3時間となっております。不払い時間と額につきましては、職員の超過勤務の時間数及び時間単価には個々に差がありますことから、1人当たりの時間、額につきましては一概には算出しかねるところであります。
 最後に、解決策でありますけれども、まずは超過勤務の縮減が必要であると考えております。そのような観点から、警察署長会議などの各種会議におきまして超過勤務の縮減を指示しておりますほか、本年1月からは毎週金曜日を定時退庁日とするリフレッシュデーを本実施するなど、超過勤務の縮減に取り組んでおります。
 しかしながら、第一線の警察業務につきましては、突発的に発生する事件や事故に直ちに対処し、事件や事故の早期解決を図らなければならず、超過勤務が必要となる場合もございます。超過勤務につきましては、今後とも事務の合理化や効率化による縮減に努めますとともに、突発的な事件や事故が発生した際には所要の措置を講ずるなどしてまいりたいと考えております。
   〔「よし」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 全然よくないんですよ。
 私、この答えだけはまじめな答弁だったと。というのは、超過勤務時間と支給時間、正確に答えました。いいですか、超過勤務時間は1人当たり365時間、支給された時間数で計算しますと195.6時間です。サービス残業は169.4時間、1人当たりですよ。これ、幾らになりますか、169.4時間というのは。1人当たりの平均でですよ。40万円になるのか50万円になるのか、これを示していただきたい。
 去年は365時間だったが、平成18年度は343時間でした。ところが、超過勤務手当は、平成18年度12億2、600万円、19年度は12億1、300万円で減っているんですね。超過勤務時間がふえたのに超過勤務手当は減ったと。あなた方、何も努力していないじゃないですか。
 そして、さっきの決算の説明では8、185万円不用額で処理しているんですよ、旅費とか手当とか。超過勤務手当を払わないで、何で不用額が出るのですか。せめてこの不用額は超過勤務手当で払うべきじゃないでしょうか。いかがですか。
〇島村警務部長 まず、前段の個々の個人の金額につきましては、職員の超過勤務の時間数や時間単価には個々に差がありますので、1人当たりの額につきましては一概に算出しかねるところであります。
 また、不用額を超過勤務のほうに流用したらどうかという御質問でありますけれども、それぞれ費目等も違っておりまして、議会でお認めいただいた予算をそれぞれ執行しますので、不用額をそのまま持ってくるということではなく、別途、超過勤務にはそれぞれ所要の措置を要求するように努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 警察本部長に聞きます。
 サービス残業というのは社会的犯罪行為なんです。私、県警は、本庁と違って超過勤務時間と手当、別々にちゃんと把握しているから、その点は良心的だと思いますよ。しかし、その乖離が拡大をしている。私の試算だと1人50万円です。平均50万円、サービス残業。許されないですよ、今、賃下げしているときに、働いてもこれだけのお金が払われなかったら、意欲が出てきませんよ。命かけて皆さん働いているんだから。私はそういう意味で、サービス残業がふえて手当が減ったというのでは、これはつじつまが合わないでしょう。こういう社会的犯罪行為をどうやって解決するのか。逆行現象ですよ、これは。
 超過勤務時間をどういうふうに把握しているかも含めて、本部長、あなた責任者としてこの乖離状況をどう本気になって解決するのか、答えてください。
〇保住警察本部長 超過勤務の問題につきましては、今後とも事務の合理化、効率化による縮減に努めるとともに、突発的な事件、事故が発生した際には所要の措置を講じるなどして対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 驚くべき不誠実な答弁だ。いいですか、毎年300時間を超える残業をやっているんですよ。毎年突発的な捜査をやっているんですよ。平成19年度だけ突発的な事件があったわけじゃないんですよ。平成15年度364時間、16年度360時間、17年度363時間、18年度343時間、19年度365時間、大体どのぐらい超過勤務をやっているかわかるじゃないですか。半分しか出していない。あなた方、犯罪を取り締まるなんていう姿勢じゃないよ、これ。みずから社会的犯罪行為と言われるこの問題を解決してこそ私は警察官からも県民からも信頼される警察本部となると思いますよ。
 もう一度、そんな一般論にもならないような答弁じゃなくて、もっと誠意のある、解決しそうだなと思われるような答弁をしてください。
〇島村警務部長 解決策につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、警察署長会議等の各種会議におきまして、超過勤務やめようというか、縮減しようということを皆さんに意識徹底するとともに、本年1月から毎週金曜日は定時退庁、6時にみんなすぐ帰れるリフレッシュデーというのを本実施しておりまして、こういったことを続けて、無給の超過勤務をなるたけみんなでやめていこうという雰囲気をつくるとともに、超過勤務の縮減の意識をすべての、幹部署も含めてですけれども徹底していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 警察行政運営費に関して、警察官の社会対応力の強化、また、研修の強化、質の向上という観点から二つ伺いたいと思います。
 まず1点目は、喜ばしいことに本県、外国人の観光客が大変にふえております。この盛岡でも観光ガイドを片手にバッグを背負った外国人が非常に目立ってきておりまして、非常にいいことだなと思うと同時に、警察の皆さんのその部分の資質はどうなっているのかなという点で伺いたいと思います。
 外国語の研修について、研修過程でどのように学ばれておりますか。また、外国語に堪能な警察官はどの程度在籍して、配属に何か工夫があるのでしょうか。現状、課題、対応をあわせて伺いたいと思います。
 特に中国語については中学校、高校で習っておりませんので、今、中国人が大変にふえておりますので、この点について特にどのような対応をしているか伺いたいと思います。
 2点目、障がい者に対して、特に手話を必要とする方々への対応で伺いたいと思います。
 ことし6月の道交法の改正で、補聴器なしでも一定の条件下で聴覚障がい者が運転免許の取得が可能となって、過日も千厩の方が新しい法律体系で免許を取られたという報道があったところであります。
 そこで伺うわけですが、これについても、手話について研修過程でどのように学ばれているのか伺いますし、窓口業務、事故対応で手話を交えて話せるよう警察官のスキルアップが急務と考えております。これも現状、課題、対応について伺いたいと思います。
 今、聴覚障がい者、18歳以上5、007名いらっしゃるということで、全員が免許を取るとは思いませんけれども、これまで以上に手話というのが必要だと思っておりますし、私もこれまで聾唖協会の皆さんとの対話とかで、やっぱりなかなか手話が通じなくて困ったということも聞いておりますので、その観点でまとめて伺うものであります。
 よろしくお願いします。
〇島村警務部長 外国語教養の現状についてまずお答えいたします。
 警察学校における採用時教養といたしまして、大卒者については大多数が大学における外国語教養を受講していることから、高卒者や短大卒者を対象に、外国人講師による英語教養を18回24時間のカリキュラムで実施しております。また、通訳者を養成することを目的としまして、東京にあります警察大学校の国際警察センターで長期語学研修に入所させておりまして、現在、5言語13名の通訳人を保有しております。
 このほか、民間の外国語学校に委託して受講させている者につきましては、昭和63年からこれまで161名でありまして、警察本部や各警察署にそれぞれ配置しているところであります。
 委員御指摘の中国語の通訳人につきましては、北京語が6名、広東語が1名在籍しておりまして、先ほど申し上げました委託教養の受講者としては、北京語が40名、広東語が7名であります。
 また、これまでも外国人の窓口応対を適切に行うために、警察署、交番、駐在所へのコミュニケーション支援ボードといったものや、警察官用の執務資料を備えつけて活用を図っているところであります。
 警察といたしましては、今後とも採用時教養における外国語教養や通訳者を養成する長期語学研修、さらには委託教養を継続して実施しますとともに、各種の資料を活用しながら、増加する外国人観光客への適切な応対、対応に努めてまいりたいと考えております。
 それから、2点目の手話教養の現状についてお答えいたします。
 手話教養の実施状況につきましては、平成15年度までは採用時教養として警察学校において部外講師による教養を実施していたんですけれども、新規カリキュラムの導入の必要性等から、平成16年度以降、現在は実施していないところであります。
 聴覚障がい者の方々への対応につきましては、緊急時のメール110番通報システムの導入を図っておりますほか、一般的な窓口業務等の場合には筆談などで対応しているところであります。
 また、警察安全相談、事件や事故の対応は手話通訳者の立ち会いを付して適切に対応しているところであります。
 県警といたしましては、今後とも障がい者の方々への利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 御答弁それぞれありがとうございました。
 警務部長、研修過程で手話の講習が平成16年からなくなってしまったというのは非常に残念なことでありまして、議会でも障がい団体からの請願を採択して、できるだけ障がい者が生きやすい社会をつくろうということで今、取り組みが進んできているところでありますので、免許の対応に関していえば、他県の事例もいろいろ調べてみましたけれども、例えば免許証を見せてくださいとか、その程度の手話は絶対条件だと思いますので、こうした研修について再度復活させて、しっかり日常の中でもやっていただくようにしていただきたいと思うんですが、これを最後に質問したいと思います。
〇島村警務部長 委員の御指摘を踏まえまして検討してまいりたいと思っております。
〇大宮惇幸委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大宮惇幸委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後8時58分 散会

前へ 次へ