平成20年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成20年10月17日(金)
1開会  午前10時4分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長   浅 田 和 夫
  議事担当課長   保 原 良 和
  主任主査    菊 池 達 也
  主任主査    石木田 浩 美
  主査    鈴 木 文 彦
  主査    菊 池 芳 彦
  主査    齋 藤 貴 弘
  主査    藤 原 由喜江
1説明員
  保健福祉部長   岩 渕 良 昭
  保健福祉部副部長
  兼保健福祉
  企画室長    千 葉 茂 樹
  公的医療改革
  担当技監    六本木 義 光
  医師確保対策室長 尾 形 盛 幸
  保健福祉企画室
  企画担当課長兼
  医師確保対策監  野 原   勝
  保健福祉企画室
  管理担当課長   花 山 智 行
  医療国保課
  総括課長兼
  医師確保対策監  柳 原 博 樹
  保健衛生課
  総括課長    高 田 清 己
  地域福祉課
  総括課長    小 林 繁 春
  長寿社会課
  総括課長    及 川 伸 一
  障がい保健福祉課
  総括課長    菅 原   博
  児童家庭課
  総括課長    佐々木 比呂志

  医療局長    田 村 均 次
  医療局次長兼
  病院改革室長   細 川 孝 夫
  参事兼管理課
  総括課長    熊 谷 俊 巳
  参事兼職員課
  総括課長    志 田 清 一
  参事兼業務課
  総括課長    八 木 善 一
  システム管理室長 三 田 崇 雄
  経営改革監    根 子 忠 美
  医師対策監    岡 山   卓

  会計管理者    古 内 保 之

  監査委員    菊 池 武 利
  監査委員    谷 地 信 子
  監査委員事務局長 小 川 明 彦
  総括監査監    奈須川 博 司

  参事兼予算調製課
  総括課長    高 橋   信
〇大宮惇幸委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成19年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第14号平成19年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算14件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部、医療局関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇岩渕保健福祉部長 まず、平成19年度保健福祉部関係の決算説明に先立ち、当部所管の事務事業に係る重点的な取り組み状況とその成果等について御説明いたします。
 当部におきましては、いわて希望創造プランに掲げる政策の6本の柱の一つである「共に生きる岩手」の実現に向け、医師確保を初めとした地域医療の確保、子育て環境の整備、高齢者や障がい者が地域で生活できる環境の構築、健康づくりの推進の4点を重点的な政策項目として、選択と集中を図り、取り組んで来たところであります。
 まず、一つ目の、医師確保を初めとした地域医療の確保についてであります。
 地域医療の基本となる医師の養成・確保を図るため、奨学金等による医師養成、子育て等で離職した女性医師の職場復帰支援、即戦力医師の招聘など、医師確保対策に積極的に取り組み、この結果、平成19年度における医師養成・招聘等医師確保数は28人となり、目標を3人上回ったところであります。
 また、医師養成奨学金制度の拡充や岩手医科大学の教育環境整備への支援等により、岩手医科大学医学部の定員が地域枠として10名増員となったほか、平成21年度からさらに5名の地域枠の増となるよう取り組みを進めております。
 さらに、地域医療を確保するためには、医療機関の適正受診等に関する県民の意識が高まるなど、医療者のみならず県民もまた地域医療を支える主体であることについて、県民の理解や協力が必要であることから、今後、こうした取り組みを県民運動的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、二つ目の子育て環境の整備についてであります。
 保育サービスの充実による保育所待機児童の解消を初め、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定に向けた企業への支援、協賛企業による子育て世帯への優待制度の導入など、地域力を生かした子育て支援の充実等に取り組んでまいりました。結果として、本県の平成19年合計特殊出生率は前年の1.39を維持しておりますが、保育所待機児童数、地域子育て支援拠点設置数等においては年度目標に達しない状況にあることから、今後、保育所待機児童数ゼロに向けた保育所の新設等の取り組みや、放課後児童クラブの充実等に取り組んでまいりたいと考えております。
 三つ目は、高齢者や障がい者が地域で生活できる環境の構築についてであります。
 高齢者や障がい者一人一人の状態に応じた地域生活を支援する仕組みづくりを進めるため、地域包括支援センターや障がい者就業・生活支援センター等の相談支援体制の整備、小規模多機能型居宅介護・ご近所介護ステーションなどの地域密着型サービス拠点施設や障がい者グループホーム等の整備、障がい者工賃倍増計画に基づく就労環境の整備等に取り組んでまいりました。その結果、居宅介護サービス利用割合は目標値を上回り、全国水準に向けて順調に推移している一方、障がい者の地域生活への移行については、目標の356人に対し262人という実績になっております。
 今後は、在宅サービスや住環境等を整備することに加え、県地域福祉支援計画を策定し、また、ひとにやさしいまちづくり推進指針を見直しするなどにより、高齢者や障がい者の多様な生活ニーズに対応した暮らしやすい地域社会をつくるための取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。
 四つ目は、健康づくりの推進についてであります。
 生活習慣病等のハイリスク者の減少を図るため、保健医療圏ごとに健康づくり推進組織を設置するとともに、平成20年度からの特定健診・保健指導の円滑な実施に向け、市町村や医療保険者に所属する保健師等専門職の研修等に取り組んだところであり、また全国で高位にある自殺死亡率の低下に向けて、自殺予防の相談窓口の整備や心の健康に関する普及啓発、住民ボランティアの養成等に取り組んだことにより、都道府県別自殺死亡率はワースト2位から4位と若干改善されております。結果として、人口10万人当たりの65歳未満で死亡する数は、男女とも平成22年の目標値、男234.2人、女100.2人を下回ったところであります。
 今後とも、生活習慣病予防やうつ病等、心の健康づくりを市町村、医療保険者、職場等と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
 引き続きまして、平成19年度保健福祉部関係の決算について説明申し上げます。
 お手元の平成19年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出決算は、3款民生費のうち、2項県民生活費を除いた支出済額544億8、413万円余、4款衛生費のうち、1項公衆衛生費、2項環境衛生費の一部、3項保健所費及び4項医薬費で支出済額175億4、236万円余、16ページに参りまして、12款公債費の一部で支出済額504万円余、13款諸支出金のうち、1項公営企業貸付金で支出済額133億円、2項公営企業出資金の一部で支出済額41万円余、及び3項公営企業負担金の一部で支出済額177億3、139万円であります。当部関係の支出総額は1、030億6、425万円余で、翌年度繰越額は6、032万円余、不用額は6億4、882万円余となっております。
 以下、順次、各項目ごとに、その主なものにつきまして、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書の176ページをお開き願います。3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費の主なものでありますが、備考欄冒頭の管理運営費は、職員の人件費など管理運営に要した経費であります。五つ目の岩手県社会福祉事業団自立化支援事業費は、県立の入所型社会福祉施設を岩手県社会福祉事業団へ移管したことに伴う当該事業団への支援に要した経費であります。下から七つ目の障害者介護給付費等は、市町村が行う介護給付及び訓練等給付などに要した費用に対する負担金であります。
 なお、繰越明許費386万円余は、ひとにやさしいまちづくり推進事業費に係るもので、県立施設ユニバーサルデザイン化工事の施工に伴う設計、工法の検討に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであります。
 178ページに参りまして、2目身体障害者福祉費の主なものでありますが、備考欄中ほどの重度心身障害者(児)医療助成費は、本事業を実施する市町村に対する補助などに要した経費であります。次に、3目知的障害者福祉費に参りまして、備考欄、小規模通所授産施設等運営費補助は、小規模通所授産施設等に対する運営費の補助に要した経費であります。180ページに参りまして、4目老人福祉費の主なものでありますが、備考欄中ほどからやや下の介護給付費等負担金は、介護保険法に基づく市町村等に対する負担金であります。
 なお、繰越明許費5、168万円余は、老人福祉施設整備費に係るもので、補助事業者において関係機関等との協議、調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであります。
 182ページに参りまして、5目遺家族等援護費は、戦傷病者戦没者の遺族及び家族等への援護などに要した経費であります。6目国民健康保険指導費は、市町村の国民健康保険財政基盤の安定化に資するための負担金や積立金、貸付金などであります。184ページに参りまして、7目婦人保護費は、婦人保護施設への入所保護委託などに要した経費であります。8目社会福祉施設費は、県立の社会福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 次に、186ページに参りまして、3項児童福祉費1目児童福祉総務費の主なものでありますが、189ページに参りまして、備考欄中ほどの地域子育て活動推進事業費は、児童健全育成事業を実施する市町村に対する補助に要した経費であります。乳幼児、妊産婦医療助成費は、乳幼児、妊産婦医療費助成事業を実施する市町村に対する補助に要した経費であります。
 なお、翌年度繰越額欄の事故繰り越し477万円余は、児童福祉施設整備費に係るもので、補助事業者において関係機関等との協議、調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものであります。
 2目児童措置費の主なものは、児童福祉施設への児童等の措置に要した経費であります。190ページに参りまして、3目母子福祉費の主なものでありますが、備考欄五つ目の児童扶養手当支給事業費は、児童扶養手当法に基づく児童扶養手当の支給に要した経費であります。4目児童福祉施設費は、県立の児童福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 192ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費は、生活保護指導職員の人件費、指定医療機関等に対する指導監査及び生活保護電算システムの更新などに要した経費であります。2目扶助費は、生活保護世帯に対する扶助などに要した経費であります。3目生活保護施設費は、県立救護施設の管理運営及び施設整備等に要した経費であります。
 5項災害救助費1目救助費は、195ページに参りまして、自然災害により死亡した方の御遺族に対して支給した災害弔慰金の負担金がその主なものであります。
 次に、196ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の主なものでありますが、備考欄冒頭の管理運営費は、職員の人件費などの管理運営に要した経費であります。母子保健対策費は、小児慢性特定疾患治療研究事業、未熟児に対する養育医療給付及び周産期医療対策などに要した経費であります。2目結核対策費は、結核医療費の負担や予防対策などに要した経費であります。198ページに参りまして、3目予防費の主なものでありますが、備考欄四つ目の特定疾患対策費は、難病のうち、パーキンソン病等の特定疾患に対する医療費給付等に要した経費であります。下から三つ目の感染症等健康危機管理体制強化事業費は、抗インフルエンザウイルス薬タミフルの購入・備蓄に要した経費であります。4目精神保健費の主なものでありますが、備考欄四つ目の精神障害者社会復帰施設運営費補助は、社会福祉法人等の運営する精神障害者社会復帰施設の運営費補助に要した経費であります。200ページに参りまして、5目老人保健費の主なものでありますが、備考欄二つ目の老人保健対策費は、市町村が行う老人保健法に基づく医療給付及びその他保健事業に係る負担等に要した経費であります。6目環境保健研究センター費は、施設の管理運営及び試験研究に要した経費であります。
 202ページに参りまして、2項環境衛生費のうち、当部の所管は、204ページに参りまして、2目食品衛生指導費で、食肉衛生検査所職員の人件費や食肉の安全確保のための検査などに要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、210ページをお開き願います。3項保健所費1目保健所費は、保健所職員の人件費等の管理運営などに要した経費であります。
 4項医薬費1目医薬総務費は、人件費等の管理運営費がその主なものであります。212ページに参りまして、2目医務費の主なものでありますが、備考欄五つ目の医師確保対策費は、臨床研修医受け入れ態勢の充実や岩手医科大学の医学部の定員増に対応した医学実習環境整備補助など、総合的な医師確保対策の実施に要した経費であります。救急医療対策費は、救急医療の確保充実を図るため、病院群輪番制病院や高度救命救急センターの運営費補助などに要した経費であります。3目保健師等指導管理費の主なものでありますが、備考欄冒頭の保健師等指導費は、民間立の看護師等養成所及び院内保育施設の運営費補助などに要した経費であります。214ページに参りまして、4目薬務費の主なものでありますが、備考欄三つ目のワクチン需給費は、ボツリヌス菌食中毒の発生に伴い、国有ワクチンの購入などに要した経費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、342ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金には、当部所管の災害援護資金の国への償還金が含まれております。
 344ページに参りまして、13款諸支出金1項1目公営企業貸付金は、県立病院等事業会計への運営資金貸付金であります。
 次の2項1目公営企業出資金のうち、当部の所管は、県立病院等事業会計への出資金であります。
 同じく、3項1目公営企業負担金のうち、当部の所管は、県立病院等事業会計への負担金であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 引き続きまして、特別会計について御説明申し上げます。
 364ページをお開き願います。母子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、367ページに参りまして、歳入の収入済額は4億6、566万円余であり、その主なものは、貸付金元利収入、前年度からの繰越金及び一般会計からの繰入金等であります。また、収入未済額は1億9、969万円余であり、その主なものは、母子福祉資金償還金であります。
 次に、368ページに参りまして、歳出の支出済額3億6、933万円余は、母子世帯及び寡婦に対する修学資金、就業資金及び技能習得資金などの貸し付けに要した経費であります。
 以上で保健福祉部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇大宮惇幸委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑・答弁とも、簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 200ページの老人保健費に関連して1点お伺いしたいと思います。それは、いわゆる後期高齢者医療制度についてであります。
 75歳以上の老人をねらい撃ちにするこの悪政は、非常に恥ずかしいものと思っております。
 国会の中には衆参議員それぞれの中にいろいろな族議員がいると言われております。例えば、道路族であるとか、農業族であるとか、あるいは港湾族であるとか。そういう中で、厚生族というのもあるんだそうでありまして、参議院では尾辻さん、衆議院では鈴木俊一さん、あと2人いるようでありますけれども、ドンと言われているその4人が、この後期高齢者医療制度について、厚生労働省の幹部といろいろな協議を重ねてまとめ上げたものだと聞いておりますし、きょうの新聞にも、鈴木が党の社会保障制度調査会長として制度設計にかかわった後期高齢者医療制度と書いてあります。
 そういう中で、15日が年金の支給日でありましたが、いきなり天引きが行われたということについて、県内でも30万人の75歳以上の方々と言われていますが、そういう方々がテレビに映りまして、がっくりと肩を落としたり、しょんぼりとしたり、あるいは怒ったり、そういう声が非常に上がっているわけであります。実は、この方々は戦後の復興期を支えてきた方々でありまして、そういう人が頑張ってきたおかげで、我々が継続して今があると考えるときに、これは非常に恥ずかしいと思っているところであります。
 そういう中で、この当たりどころのない75歳以上の老人の方々が、どこかに、どうしたらいいんだ、こうしたらいいんだ、いろいろな苦情であるとか、悩みであるとか、相談をしていると思うんですけれども、保健福祉部のほうにはそういう相談がなかったんでしょうか。もしあるとすれば、何件ぐらいあって、どのような対応をされているんでしょうか、お伺いします。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 後期高齢者医療制度に関する県民の方々からの問い合わせの状況でございますけれども、制度施行直後の4月につきましては、県、広域連合及び市町村のほうにお問い合わせがあった総数は3万2、565件でございました。
 主なお問い合わせの内容を申し上げますと、大きくは、被保険者証に関すること、または保険料に関すること、あとは後期高齢者医療制度全般に関することなどでございました。
 もう少し内訳を申し上げますと、被保険者証に関しましては、被保険者証が届いていないということでございますとか、病院に何を持っていけばよろしいのかというようなこと、また、保険料については、どうしてこの額なのかというようなお問い合わせが寄せられたところでございます。
 その以降、5月、6月、7月と推移を継続的に我々のほうでお聞きしてきたわけでございますけれども、5月に入りますと、総数として4、500件ほどになりまして、6月では2、459件ほどとなったわけでありますが、7月に新たに保険料額の決定通知書といったものを各保険者の方々に市町村等から通知をさせていただいたこともありまして、7月にはまた8、131件程度に相談、お問い合わせの件数が上がってございます。
 それから、10月15日の天引きの関係でございますけれども、この前後におきまして、10日から15日にかけまして県と広域連合、市町村に対してお問い合わせがあった件数について、二次的にちょっと把握させていただいたわけでありますけれども、総数としては、後期高齢者医療制度の保険料に関しまして382件のお問い合わせをいただいております。中身は、10月からの年金天引きの件が一番多うございまして254件となっております。
 こうした制度の施行、運営に関しましては、制度施行以来、市町村におきましても、広域連合におきましても、各対象者の方々にきめ細かく制度の説明をしていただいておりまして、小規模の説明会でございますとか、あとは少し大きな範囲での説明会でございますとか、あとは対象者の方への個別の通知、リーフレットの配布等によって制度の周知については取り組みをいただいたところでございます。
〇伊藤勢至委員 大変な混乱をしていると思います。5、000万件の宙に浮いた年金から始まりまして、今は改ざんですよ。今そういうところに目が向いていますが、実は、もうちょっと先を見ていかなければいけないと思うんですが、2年半後には年金機構に名称を変えて新しい船出をする、こういうことがもう決まっているわけですね。
 ですけれども、今までの政府・自民党のやり方というのは、例えば年金事業団の例であるとか、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団、あるいは特にも緑資源公団なんていうのは、その存在そのものが国会審議等の中で、いろいろな問題をはらんで危なくなると、すぐ名称を変更して、そして、5年以上の記録は残っていませんというように、カメレオン的に、そういう衣を変えて中身は温存をしながら生き延びてきたという経緯があると思います。
 特に、この緑資源公団につきましては、いろいろな談合問題が発覚しそうだというときがありまして、そういう中で、農林水産大臣がみずから命を絶つという大変な痛ましいことがあったわけでありますが、しかし、罪を憎んで人を憎まずという観点から我々は見なければならないと思うんですけれども、そういうふうに危なくなってきたら組織を変えていく、変えていくというやり方が、今回また社会保険庁の問題にも来るのではないかと私は思っております。社会保険庁を解体して、2年半後には年金機構へ船出をする。そこに船出をしたときは、5年前以上の記録は残っていませんということを言われかねないのではないかと思っております。
 昨年の参議院の選挙では、100年安心の年金とか、最後の一人まで支払うとか、そういうキャッチフレーズが随分流れたわけでありますけれども、今、国民は、それは相当無理じゃないかという思いがしておりますが、そういう中で既に年金機構へ変わっていく、こういうことが私は大変危ないと危惧しておりますが、そういった点についての先を見てのお考え等あればお伺いしたい。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 後期高齢者医療制度及び国保につきましても、年金からの天引きという制度が今、実際施行されて、運用されているわけでございます。そうした中で、委員御指摘のとおり、その基礎となる年金といったものの重要性といいますか、その基礎自体をしっかりとしていかなければ、この制度自体も立ち行かなくなるおそれもあるのではないかと考えておりますので、私どもといたしましては、こうした年金を含めた社会保障制度全般の設計に責任を持つ国におきまして、しっかりとした対応を求めていきたいと考えております。
〇平沼健委員 2点お尋ねいたします。1点目は、通告しておりました地域福祉計画についてお尋ねしようと思っておりました。
 けさの新聞で、認知症学ぶ劇児童にということで、県職員が創作劇をやっているということで、こういう記事が大きく上がっておりましたので、これで理解いたしましたけれども、改めて、この講座といいましょうか、小・中学生を対象にして県内8市町で平成19年度は取り組んでいるということですが、できればこれをもう少し詳しくお話いただきたいということが一つ。
 それから、事業費はどこを見ればよろしいのかということをお尋ねしたいと思います。
〇小林地域福祉課総括課長 地域福祉計画についてでございますけれども、計画につきましては、本年6月に1市ふえまして6市町で策定済みとなっているところでございまして、この計画につきましては、社会福祉事業の推進と住民参加というようなことで、行政、社会福祉事業者、住民が相互に協力しまして、総合的に地域福祉の推進を目指していくものと思っております。
 それで、事業費でございますが、現在、県のほうで地域福祉支援計画というものを策定しておるところでございますが、その策定のための経費というものが今載っているところでございまして、地域福祉計画そのものは市町村の計画ということでございますので、今後それを支援していくための支援計画を策定しながら、その推進を支援していきたいと思っております。
〇平沼健委員 今、6市町と言いましたね。ただ、このデータ、説明書によると、これは8市町になっているんですけれども、じゃ、こっちは間違いなんでしょうか。
 それと、この8市町で、けさのこの新聞では、県職員が取り組まれているということが出ておりますが、この6でも8でも、市町ではどういうような形の取り組みをしているのか。あるいは、35市町村のうち、残りの市町村というのはどういうことになっているのか、それをひとつお答えください。
〇小林地域福祉課総括課長 一応、地域福祉計画策定を済ませた市町村は9市町ということでございます。
 それから、今後策定を予定しておりますのは10市町村ということになっておりますが、県としては、できるだけ早期に策定していただくように、広域的な見地から策定研修会等を開催いたしまして、そういうものを通じて市町村を支援していきたいと考えております。
〇及川長寿社会課総括課長 孫による認知症講座の関係でございます。
 まず、お孫さんのほうが、お年寄りとおつき合いしたときに、純粋にお年寄りの変化に敏感に気づく場合が、ふだんと違うなというような場合がある。それから、高齢者の方も、お孫さんと接触することによって、ふだんの会話が活発になって認知症の予防につながるということが言われておりますので、私ども、県で認知症サポーターの養成講座を一般の方々を対象としてやっておるんですが、これを小・中学生を対象に、平成19年度から授業時間の中で、紙芝居とか、先ほど、きょうの新聞報道の件の御紹介がありましたが、創作の寸劇とか、わかりやすい、親しみやすい、そういったものを使って、高齢者の方の認知症の理解を進めようということで、平成19年度から始めたものでございます。
 それで、決算額でございますが、これは、事項別明細書の181ページの真ん中辺に認知症対策等総合支援事業費というものがございます。これが決算額2、168万3、660円となっておりますが、この孫による認知症講座、職員が出向く等して、実際にかかるのは会場経費と旅費ぐらいなんですが、孫による認知症講座についてはその程度なんですが、認知症対策の予算としては、推進会議とか、そういったサポーター養成講座のための旅費、会議費等で、2、100万円のうち86万2、000円ほどの内訳になっております。それが、孫による認知症講座も含む認知症サポーターの養成講座に要した金額でございます。
〇平沼健委員 わかりました。ありがとうございます。
 次に、高齢者の結核感染者ということで国内で盛んに報道されております。これは特別ふえているわけじゃないということなんですけれども、県内の高齢者の結核感染者数の推移といいましょうか、それをお尋ねしたいと思いますし、特に、施設入所での感染がふえているというか、そのようなことも聞いているんですけれども、その辺の実態といいましょうか、伺います。
〇高田保健衛生課総括課長 結核の関係でございます。
 高齢者の結核患者の年次推移をちょっとお話ししてみますと、結核患者は、平成15年新たに239名発生しておりまして、そのうち高齢者、60歳以上と言われる方が168名、70.3%出てございます。順次、平成16年には197名のうち145名が60歳以上、また、平成17年には195名のうち133名が60歳以上、また、平成18年が181名発生しておりまして121名が60歳以上、平成19年が、165名の新たな患者発生で91名が60歳以上ということで、これを見てまいりますと、結核の患者さん自体も減っていますし、60歳以上の高齢者と言われる方々についても、数は減ってございます。
 施設の関係につきましては、詳細についてはちょっと調べておりませんけれども、65歳以上の高齢者が入られている施設につきましては、検診等が九十二、三%の割合でやられておりますので、そこの中できちんと把握はされているところでございますが、施設での内訳というところまではちょっと把握できていない状態です。
〇斉藤信委員 結核患者の話が出ましたので、ちょっと関連して。
 実は最近、国立盛岡病院の結核病床が大幅に削減されるという状況で、私も担当課に、それでいいのかと。中央病院が結核病床を返上すると。私は、胆沢病院、江刺病院と見てきたんですけれども、ここは結核病床がありますが、専門の呼吸器科の医師が配置されていない。国立盛岡病院は専門の呼吸器科の医師が2人いるのに、50床から、あれは20床でしたか、今の入院患者がいる以上にベッド数を削減するというので、私はいかがなものかと。
 結核病床の今の状況と必要な呼吸器科等の専門医師の配置状況、これを示していただきたいし、私は、せっかく複数の、県内では最も中心的な結核医療を担っている国立盛岡病院の結核病床の削減を許していいのか、この許可権限はどこにあるのか、このことをお聞きしたい。
〇高田保健衛生課総括課長 結核病床につきましては、県の医療計画の中で、結核病床は、基準としては県全体で126があれば一応いいということになってございまして、国立盛岡病院がなくなった場合におきましても県全体では141の結核病床が確保されているというような状況でございまして、結核病床は、県全体の中では確保されていると認識しております。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、確かに141床確保されるでしょう。しかし、私が言った例えば胆沢病院とか江刺病院は、専門医がいないのですよ。何でそこに結核病床があるのかわからない。だから、結核で重症な患者は、国立盛岡病院に移転されているんですよ。いわばそういう県内の結核医療の中心になっている、せっかく専門の医師が2人もいる国立盛岡病院で、なぜ入院患者がいるのに、それを上回るような病床削減が許されるのかということを私は聞きたいのですよ。そういう状況をつかんでいますか。
 ただベッドを確保したって、医者がいなかったらだめなんですよ。呼吸器科という専門の医師がいる、141床のうちどのぐらいいるのか。せっかくそういうしっかりした医療ができる国立盛岡病院で、何でこういう大幅な病床の削減が認められるのか。私は、極めてこれは問題ではないのか、そういう調整をするのが県じゃないのかと思うんですけれども、どうですか。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 県内の呼吸器科を主たる診療科とする医師の状況ということでございますが、平成18年の医師・歯科医師・薬剤師調査の状況によりますと、いわゆる呼吸器科といったところを主たる診療科にしている医師というものは、県全体で51人となっております。
 この調査では、今、施設ごとの状況はございませんが、平成16年から比較いたしますと3名ふえています。平成16年が48名でございましたので、全体としては51名、3名ふえている状況でございます。
〇斉藤信委員 関連ですからこれで終わりますが、私が聞きたいのは、141床確保されているといっても、今言った呼吸器科の医師が配置されていなかったら余り意味ないのではないかと。そして、配置されているところでこの結核病床が減らされたら、これは逆行現象じゃないかということを私は指摘しているのですよ。
 委員長、後でいいですから、141床、病院ごとに明らかにして、そこに呼吸器科の専門医師が何人いるかという資料を提供させていただきたい。それで私は終わりますから。
〇新居田弘文委員 私は、障がい者の雇用対策についてお伺いします。
 きのうの商工労働観光部の審査の中で、いわゆる企業、事業所等の障がい者の法定雇用率についていろいろ質疑がされまして、現況50.3%だというような報告がございました。これは雇用すべき側の立場からの状況でございますが、私は、障がい者の立場から、どのような雇用状況になっているかということをお聞きいたします。
 平成19年度の主要施策の説明書の44ページに、高齢者や障がい者の地域生活移行と就労支援というようなことでそれぞれ報告がございます。その中で、障がい者就業・生活支援センターの設置数は、平成18年度の3カ所から、19年度は5カ所に増加したと。きのうの審査では7カ所というような報告がございまして、いずれ達成度はAだったと。それから、同センターの設置とその支援活動によって障がい者の一般企業での就労も135人に達しと─きのうの答弁は161人でありました─さまざまな分野での活動する環境が整ってきたと報告されております。
 また、障がい者の工賃倍増5カ年計画の実践によりまして、前年度に比べ7.5%が改善されたということで評価する旨の記述もございます。
 そこで一つお伺いしますが、障がい者の雇用について、いわゆる障がい者が実際いろいろハンディといいますか、その程度もさまざまありますが、仕事をしたいという希望者が何人ぐらいいて、その方々のうちどの程度が実際仕事についているのか、その辺の状況。それから、もちろん達成できない状況の中には、障がいの程度によりますし、あるいは勤務先への交通手段とかさまざまあると思いますが、その辺の内容をどのように分析されているかについて。
 二つ目は、工賃倍増計画の7.5%増加したということですが、そもそも基準がどれくらいで、目標値がどれくらいの金額で、それで7.5%ということなのか、それとも全体のパイの話なのか、その辺の分析状況についてお伺いしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 障がい者の雇用についてでございますが、岩手労働局のデータによりますと、障がい者就業・生活支援センターに求職登録をしている障がい者の方は、平成19年度実績で488人おりまして、そのうち一般雇用に結びついた方が135人ということでございますので、実現達成率は27.7%となってございます。
 また、達成率については余り高くはない、むしろ低調だということでございますが、その理由はさまざまあると思います。先ほど委員御指摘のように、障がい者の方の障がいの状況、あるいは通勤の有無、困難さということもあると思いますが、私どもとしましては、法定雇用率を未達成の企業のうち、7割以上の企業で障がい者の雇用実績がないということがございますから、これらから判断しますと、障がい者雇用に対する企業の理解が十分進んでいないのではないかと考えております。
 次に、工賃倍増計画についてでございますが、この計画は、一般就労まで至らない、いわゆる福祉的就労の底上げ支援を目的に本年2月に策定したものでございまして、平成18年度の就労支援事業所全体の平均工賃月額1万3、848円を平成23年度までに2万7、700円と倍増しようとする計画でございます。
 計画初年度である平成19年度の平均工賃実績は月額1万4、881円と目標額1万5、700円には達しませんでしたが、平成18年度比7.5%の伸びとなっております。なお、この伸びは、対象となる就労支援事業所141カ所全体の平均でございます。また、平均工賃は年度ごとに実績把握をしてございますところから、現況の平均工賃につきましては、今御説明いたしました平成19年度の実績が最新のデータとなってございます。
〇新居田弘文委員 それで、雇用の関係ですけれども、9割の方が実績がないとか、あるいはまだ事業主の方の理解が得られていないというようなお話がありました。それで、各地区にいわゆる就業・生活支援センターが設置されておりまして、それぞれいろいろな関係団体で組織を挙げて取り組んでいると思いますが、県として、振興局等の担当部局との連携とか、あるいは皆さんの御協力をいただきながらいろいろ企業に働きかけも必要ではないかと思いますが、その辺の状況についてひとつお聞きしたいと思います。
 あわせまして、新たな就業機会をつくるためのということで、実は私、山形県の新庄市を訪問したことがあるんですが、これは、障がい者の新たな就労機会の創出と資源の再利用を進めるための一環として、山形県新庄市では、地元の企業、スーパー、学校、家庭との連携の中で、いわゆる使用済み食品トレーとか発泡スチロール等を回収しまして、それを再びトレーの原料にするための取り組みをやっていまして、その使用済み食品トレー等の回収とか、洗浄とか、分別とか、そういう作業過程の中で、障がい者が、いわゆる授産施設的な施設でいろいろ作業しているのを見てきました。実はこれが、いわゆる新庄方式ということで高く評価されていると伺っております。
 今、この新庄方式をモデルとして、県内でもその実現を目指している地域の社会福祉法人があります。県内の大手スーパーとの連携の中で立ち上げしたいということで、いろいろ模索中でございまして、まだ現実のものにはなっておりませんが、いずれ、これらを進めることによりまして、障がい者の雇用の場とか、あるいは今、そういう廃棄物の再利用とか、地球に優しい環境づくりというような一環の大きなモデルケースになるのではないかと思います。
 県では、今すぐ財政とか、そんなことは言いませんけれども、やはりそういう指導、あるいは関係者の連携するためのいろいろなアドバイスとか、そういうものの取り組みについてどのようなお考えをお持ちなのか、それについてお聞きしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 初めのお尋ねでございます振興局で障がい者の就労支援のためにどのような支援をしているのかということでございますが、県におきましては、障がい者の雇用機会拡大を目的に、県内九つの障がい保健福祉圏域ごとに、地元のハローワークですとか、それから就労支援事業所、あるいは商工会議所、特別支援学校などの関係者を束ねました障がい者就労支援ネットワークというものを全圏域で設置させていただいておりまして、このネットワークを通じまして、特に一般就労を希望する障がい者への支援を行っております。
 また、委員から御質問がありました新庄方式という取り組みにつきましては、県内でもその新庄方式をモデルとして今、事業立ち上げを模索している社会福祉法人があると伺っております。
 県としましては、モデル的なもの、あるいはほかの模範となるような取り組みにつきましては、今、御説明申し上げました障がい者就労支援ネットワークなどを通じて積極的に紹介して、他の事業所の参考にしてもらうような取り組みを今後とも進めてまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 ネットワークでいろいろ取り組んでいるということで、さらにそれを進めていただきたいと思いますし、後段の分についても、まだ模索中だと思いますが、地域のそういう熱意を何とか実現するように、他の部局とも連携しながらぜひやってほしいと思います。
 終わります。
〇大宮惇幸委員長 先ほど、斉藤信委員から執行部に対して、病院ごとの結核病床数及び専門医師の配置状況に関する資料の請求がありましたが、執行部は提出できますか。
〇高田保健衛生課総括課長 今の段階では、お時間をいただいた後でなければ調べられませんので、後ほどということでお願いしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
〇大宮惇幸委員長 お諮りいたします。執行部に対して病院ごとの結核病床数及び専門医師の配置状況に関する資料の提出は、委員会会期中に提出を求めます。これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇大宮惇幸委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させていただきます。
 主要施策の成果説明によると、10万人当たりの医師数についてですけれども、平成16年度179.1人に対して、平成18年度186.8人と7.7人増、そして全国平均では211.7人から217.5人と5.8人増ということで、全国との差も縮まって、その目標達成度もAということで評価しているようであります。
 平成22年度の目標を191.2人としているわけですけれども、その理由をまず説明していただきたいと思います。そして、全体としてというよりも、医療圏域ごとの医師数はどうなっているか。それと、いまだにこういった増加の中でも指摘されておりますけれども、医師の地域偏在、そして診療偏在等の問題についてどのように認識して、どのように解消しようとしているか、お聞かせ願いたいと思います。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 平成22年度におきます医師の目標値についてでありますけれども、これは、指標となります人口10万人対の医師数の本県の状況が、全国水準と比較いたしまして格差の拡大傾向が続いておったということで、プラン策定時の直近のデータでございました平成16年度時点の本県の人口10万人当たりの医師数といったものが、全国平均に対しまして84.6%の比率でございました。プランにおきましては、この比率がこれ以上拡大しないよう、全国の医師数の見通しに対して85%となるように設定したものでございます。
 それから、圏域別の医師の状況でございますけれども、県全体といたしましては、平成16年から18年の2年間、これは医師・歯科医師・薬剤師調査が2カ年ごとに実施されるわけでございまして、このデータが平成18年が最新のものでございますが、この2カ年で見ますと70人増加しているわけでございます。
 一方において、圏域別に人口10万人当たりの医師数の動向等を見ますと、両磐地域などでは盛岡圏域との格差が、この人口10万人対の医師数で見ますと格差が縮小しているということもありますけれども、一方、久慈・宮古圏域などでは格差が拡大した地域もございます。医師の地域偏在、診療科の偏在といったものは、依然としてあるものと認識してございます。
 県といたしましては、これまでの取り組みも含めまして、引き続き医師の絶対数の確保に取り組ませていただきながら、医師の不足地域に対しまして、現在でもございます各奨学金制度によって養成させていただいております医師でございますとか、自治医科大学卒業生の方々の計画的な配置・派遣調整に努めさせていただくとともに、関係大学への医師の派遣要請でございますとか病院間の診療応援により、地域医療の確保に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私は、医療圏域ごとの医師数はどうなっているかと聞いています。それは把握していないんでしょうか。そういった傾向はわかりますので。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 大変失礼いたしました。
 平成16年から18年の推移で申し上げますと、盛岡医療圏では、平成16年が1、296人だったものが、平成18年は1、350人、岩手中部医療圏、これは、平成16年と18年で医療圏の範囲が異なっております。つまり、遠野地区が釜石から岩手中部に編入したという変化がございます。その前提で申し上げますと、平成16年が294人から平成18年323人。胆江医療圏が、同じく平成16年222人から平成18年224人。気仙医療圏が、同じく93人から106人。失礼しました。両磐医療圏を抜かしました。両磐医療圏ですが205人から213人。気仙医療圏、もう一度申し上げますが93人から106人。釜石医療圏、これは、先ほど申し上げましたように、遠野市が岩手中部医療圏に編入されましたが、112人から76人。宮古医療圏が123人から119人。久慈医療圏が77人から78人。二戸医療圏が77人から80人となってございます。
〇嵯峨壱朗委員 先ほど説明したとおりの傾向というのは、こういうふうな、70名ふえたとしても、沿岸地域とか県北地域というのはどうしてもふえ方が少ないと言ったらいいか、そういった傾向になっているのは一目瞭然ですけれども、こういった地域偏在というのは、どこまで行政が関与して解消できるかどうかというのはまた別問題ですが、診療科の偏在も含めて積極的にやっていくべきだと私は思っているので、ぜひ今後も対応していただきたいと思っております。
 それと、この施策の説明書にかかわってですが、ちょっとこれは部長の感想をお聞きしたいんだけれども、例えば子育て環境の整備、政策目標の状況、合計特殊出生率1.39、達成度A。ちょっと疑問な点というか違和感を覚えるものだけ。あと、政策項目のナンバー14、健康づくりの増進。政策項目の目標として、指標として、65歳未満で死亡する男性の数、何人。
 これって、僕が違和感を覚えるのは、政策と目標との距離というのがあり過ぎるのではないかと思うんですよ。政策的に合計特殊出生率をどうやって上げていくんでしょうと思ってね。確かに書いています。子育てと仕事の両立に向けた雇用環境の整備、男性の育児参加の促進、そういったものとか、これでストレートにつながっていかないんじゃないかと私は思うんですよね。その辺の感覚、何というかな、考え、ちょっと教えていただきたいと思います。
〇千葉保健福祉部副部長兼保健福祉企画室長 ただいまの嵯峨委員のお尋ねの関係でございますけれども、この説明書でございますけれども、各項目ごとの目指す姿、いわゆるこれは県……(嵯峨壱朗委員「部長にと聞いている」と呼ぶ)失礼しました。
〇岩渕保健福祉部長 それぞれ政策項目の状況という大きな柱立てのほかに、それぞれの推進事業といいますか、それぞれ項目立てをしていまして、政策を達成するための指標をどうするかということが、いろいろこれをつくるに当たって議論されたということを聞いております。その中で、どれをとるかということで、子育て環境の整備では、行動計画策定率とか家事労働時間というようなことを取り上げてきておると思います。保育所の待機児童数等については、保育所の新設とかいろいろなその他の取り組みでやっていけるわけなんですけれども、県民の意識改革というようなところで一つの目標を掲げているということで、なかなかぴんとこない点があるのかなと思いますけれども、基本的に合計特殊出生率が、いろんな要素が絡み合って最終的な実績を上げるということでございますので、具体的なものとなかなかぴんとこない面があるかもしれませんが、いずれ、これ以外のものについてもいろんな事業を展開しながら政策項目を達成していくと、目指す姿の指標に達するように努力していくということだろうと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 詳しいのはやっぱり千葉副部長ですかね、これを実際つくったわけですよね。それからすると、改めて、では説明していただきたいんですが。
〇千葉保健福祉部副部長兼保健福祉企画室長 大変失礼いたしました。
 今、大きいお話は部長から申し上げたとおりでございますが、この政策項目の一番最初の目指す姿、及びこれに対応いたしました政策項目の状況と申しますのは、特に行政のみならず、県民の皆様あるいは民間の団体の皆様、それぞれの方々、皆様でこれを進めていこうと。その中で、一番わかりやすく、まず代表となる、シンボルとなるものということで、この政策項目の指標が掲げられているところでございます。したがいまして、行政のほうのみならず、他の分野の方々と総合的に取り組むということで、なかなかこの行政のほうだけの施策、ぴんとこないとか違和感があるという御指摘もあろうかと思っております。
 あと、私ども、特に県のほうの取り組みはどこをやるのかということにつきまして、下に掲げております具体的な推進方策、ここのところは県が主導的に、中心となってやって進めていきたいということで掲げている項目となっておりまして、確かに上の項目と下の項目の間に、いわゆる連続性がなかなかわかりにくいという御指摘はあろうかと思いますが、考え方としては、そのような形で構成をさせていただいているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 要するに、単純に見ていて、合計特殊出生率等の数値を県の政策の目標の指標とするのはわからないではないけれども、かなり距離を感じる、違和感を覚えるなと思って。ですよね、多分。この65歳未満で死亡する男性の数を、どうやって政策をもって直接目標設定をしていくのかって。非常に、何というか、実感に合ったような形にしていくべきという思いで質問しました。
〇関根敏伸委員 私からは、192ページの災害救助費1点につきましてお伺いをさせていただきます。
 まず、具体の中身ですが、災害の弔意負担金でありましたり基金の積立金、それから事務費等々が計上されておりますが、この具体の内容について教えていただきたいと思います。
 また、予算額千二百数十万円余に比較をいたしまして不用額が670万円、多額になっているようでありますが、これは具体的にどういう理由によるものなのか、教えていただきたいと思います。
〇小林地域福祉課総括課長 災害救助費の内容についてでございますけれども、お話がございました災害弔慰金につきましては、自然災害によって死亡した方の御遺族に対して、市町村が弔慰金を出した場合に県が補助する、負担するという制度でございますし、また、障害見舞金は、同じように障害が起きた場合に、市町村がやった場合に県が負担するというものでございます。
 それから、災害救助基金につきましては、有事のための、災害救助のための基金を造成しておりまして、現在のところは、運用益を積み立てるという形で載せているものでございます。そういったようなものが主なものになっているところでございます。
 それから、不用額についてでございますけれども、不用額は災害弔慰金負担金でございますとか、災害障害見舞金負担金というものが大きく残っているわけでございますけれども、これは不測の災害に対処するということで、減額補正を行わないで最後まで持っていて、結果として不用額になったというものでございます。
〇関根敏伸委員 おおむね理解をいたしました。結果として、弔慰金等々が適用がないということで、対処が不用だということでありまして理解をいたしました。
 それで、関連してお伺いをしたいわけですが、私、ちょうど昨年のこの10月の決算委員会で質疑をさせていただいたわけでありますが、ちょうどそのときは9月の大雨洪水があった直後だったものですから、住宅再建支援のあり方とか災害救助等々のあり方ということで質疑をさせていただきました。それに関しまして、こういう御答弁をいただいておりましたが、そのときの答弁は、例えば被災者の住宅の再建支援、これに関しては支援法の適用外であったとしても、市が仮に支給したときは、全額、県が交付をする仕組みになっていると。あわせて、災害救助法や弔慰金に関する法律の基準未達であったとしても、市が支給したときは、全額、県が交付をする仕組みになっていると、こういう御答弁をいただいておったと思いますが、これに関しては現状もそのようになっているのかどうか、まず聞かせていただきたいと思います。
〇小林地域福祉課総括課長 生活再建支援法あるいは災害救助法の関係でございますけれども、これらは法が適用にならなければ、市が負担した場合に県が全部負担するということには、直接にはならないということでございます。したがいまして、住宅再建等につきましては、市が負担したからすぐに県がそれを肩がわりするということには、直接的にはならないと考えております。
〇関根敏伸委員 もう一度確認いたします。私、逆に理解をしておったものですから。そうすると、あくまでこれは支援法等々の適用外であったときは、市町村が支給するしないにかかわらず、県の支給はない。いわゆる、あくまでも適用の要件に該当することが必要だと理解をするということなんでしょうか。
〇小林地域福祉課総括課長 そういうことになります。ですが、例えば今回の災害の住宅再建支援事業の県単事業のように、災害によりましては必要な場合がございますので、それは、その災害のときにまた検討していかなければならないということになっております。
〇関根敏伸委員 それで、被災者の生活支援、住宅再建の支援に向けた県の今後のお考えの方向性ということでちょっとお伺いをしたいわけですが、そのとおり今回の地震に関しましては、これは県単の制度なんですかね、住宅再建に対して300万円といったようなものをつくっていただいて、全壊、半壊に応じて支給をすると。あわせて、義援金4億数千万円を利用いたしまして、これも個別の配分に向けて500万円とか300万円それぞれ負担を、支給をすると。また、市町村によっては、市町村でさらにメニューを組んで支援をすると。かなり、結果的には手厚い支援がなされるのかなと思って、私はこれについては評価をしているわけなんですが、今、御答弁があったとおり、個別の災害の状況の中で対応していくという形、それはそれで結果として仕組みができればいいとは思うんですが、今後の大規模な地震、津波、洪水等々、いわゆる防災、減災に向けた対応はするにしても、不幸にして被災をされたときの住宅再建、生活支援ということは、今から大いに検討すべきであると思っているわけです。
 そんな中で、報道等によると、県や市町村独自で基金を積み立てて、いわゆる国の再建支援に上乗せをする仕組みをつくる、こういった動きをしているところもある。さまざまな形で3階、4階建てぐらいで生活再建支援のメニューを体系化しているというところがあると理解をしているわけです。いわゆる施策の再建レシピと呼んでいる大学の先生もいるようですけれども、こういったことを、今から、県として市町村と検討を加えながら体系化していく必要があると思うわけでありますが、こういった方向性についていかがお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇小林地域福祉課総括課長 今後の災害救助あるいは生活住宅再建支援に向けた考え方ということでございます。体系化というお話がございました。現在のところ、一つは災害救助法による救助支援、それから、応急仮設住宅の設置といったようなことをやっておりますし、こういったような対策については、今後についても、支援を必要とする被災者の状況を確認しながら続けていかなければならないと考えております。
 それから、今般の災害におきましては、先ほど委員も御指摘がございましたように、県単の全壊、全焼した世帯、あるいは移転を余儀なくされる世帯に300万円を支給したところでございますが、また、住家被害の程度に応じて義援金も配分されたところでございます。また、そのほかに生活支援としましては、災害救助資金でございますとかあるいは生活福祉資金の災害援護資金というようなものを貸し付けができるように、広報を図っているところでございます。
 こういった対策を講じながらでございますが、今後の災害につきましても、被災者支援につきましては、今回の支援内容を踏まえまして、被害の状況に応じて対応していこうということになろうかと考えております。
 体系的にレシピと言われますと、こういうような形で一応対応しているということで御理解をいただければと。
〇関根敏伸委員 ぜひ今回の災害を踏まえまして、こういった方向性についてさらに踏み込んだ御検討をいただきたいと要望しておきたいと思います。
 最後になりますが、今、課長の答弁の中にもあったとおり、これは基本的には市町村の役割になってくると思いますが、仮に災害が起きると、今、福祉生活支援のための資金を申し込むだとか、医療費の減免だとか税の減免だとか、あるいは仮設住宅への入居だとかさまざまな復興メニューがあるわけでありますが、それが市町村の部局間の役割分担と申しますか、そういった縦割りの状況の中で、被災を受けられた方々が、たびたび部局をまたいでいろんなところに相談に出向く、あるいはその都度担当者が変わる、こういったことによって非常に救済を受けるための大きな努力を余儀なくされているという現状であります。
 これについては、今般の本会議で阿部富雄議員もカルテという言い方で触れておったかと思いますが、私どもも会派で勉強をしながら、ある大学の先生からこのカルテの必要性についてお伺いをしてきたわけです。それで、県といたしましても、総合的な生活再建に向けた市町村を支援するという意味合いにおいて、市町村とあわせてこのソフト、これ早急な支援が実現できるようなカルテといったようなものの作成に向けて、市町村と一体となって進めていくべきではないかと考えているわけでありますけれども、こういった方向性についてぜひ見解をお示しいただきたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 被災者が市町村のほうに参って窓口がいろいろあると、あるいは担当が変わると、いろいろその辺、御苦労なさったことは聞いております。
 基本的に、この前の本会議で阿部議員からカルテのことについて提案がございました。そのときも答弁申し上げておりますけれども、被災者に対する対応の面で非常に有効なものだと私どもも認識しておりますので、今後、市町村と協議しながら、その導入について図ってまいりたいと考えております。
〇熊谷泉委員 私のほうから、204ページの食品衛生指導費に関連して、二、三お伺いをいたします。
 現在、衛生検査所においてはBSEの検査が継続されているわけですが、昨年度の岩手県の実績と、あとは全国的な傾向がわかれば教えていただきたいと思います。
〇高田保健衛生課総括課長 BSE検査につきましては、全国的には平成13年10月18日からBSE検査が開始されているわけでございますけれども、860万頭の牛について検査をやってございまして、そのうち、食肉検査段階では21頭の牛についてBSEが確認されているところでございます。本県の場合につきましては、検査以来、9月末現在では11万18頭の牛について検査をしておりまして、本県においては、BSEの発見はされておりません。また、昨年度におきましては、牛の検査を1万4、600頭ほどやってございますけれども、当然、累計的にもBSEは今まで発見されておりませんので、昨年度についてもBSEは発見されておりません。
〇熊谷泉委員 昨年度1万4、600頭の検査をされたということですが、近年、公務員獣医師の不足が全国的に言われておりますが、岩手県の食肉検査においては獣医師不足というものは影響していないのか、その点をお伺いいたします。
〇高田保健衛生課総括課長 岩手県食肉衛生検査所におきましては、今現在、所長以下二つの課におきまして、総勢24名の獣医師職員を配置しておりまして、安全で衛生的な食肉及び食鳥肉を消費者に提供するために、最新の科学的知見に基づき、検査は適正に実施されているというような状況でございます。
 なお、昨年度の実績といたしましては、牛、豚あわせて約31万頭の検査をしておりまして、また、16カ所の食鳥処理場につきましても立入検査をやっていると。これらにつきましても、適正に検査等はできているという状況でございます。
〇熊谷泉委員 最後にもう一つお尋ねをしますが、昨年から農林水産部の流通課が多分力添えをして進めていると思うんですが、今、いわちくでは、牛肉の輸出用に向けて屠場の整備を行っていると思いますが、予算ではないんですが、その体制に伴いまして、供用になった場合は専任の獣医師2名が必要と聞いておりますが、今現在の現場では、今まででさえ大変忙しいのに、さらにそういうことで、獣医師2名をそれに向けるのはなかなか大変だという現場の声も聞かれますが、それらの対応についてどのようにお考えか、お聞きいたします。
〇高田保健衛生課総括課長 対米の認定の作業につきましては、岩手畜産流通センターが、本年11月から対米輸出認定要件に合致させるための施設設備について整備し、来年の4月には輸出を開始したいということで作業をしているということを聞いてございます。食肉検査所におきましても、認定要件に合致するような衛生管理等につきまして積極的に指導するなど、対米輸出認定を取得するよう指導しているところでございます。
 検査体制についてでございますけれども、対米輸出の認定を取るということになりますと、アメリカ等の要求に基づきましたより高度な衛生管理の検証、あるいは輸出証明事務というような新たな業務がふえてまいりまして、それらに対応するために検査員の増員を図って、それらに適切に対応していきたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 私は3点についてお伺いをいたします。
 まず、第1点目については、事項別明細書の181ページの老人福祉費に関連することでお伺いをいたします。
 介護サービスの情報公表制度についてお伺いしますが、まず公表制度に関係する計画策定、または公表の結果を県民の皆様方にどのような形で、例えば告知行為とかで公表しておるのか、その周知の方法についてまず一つお伺いしたいと。
 それから、これがスタートしたのは平成18年4月からでございますが、そのスタートする前とスタートした後に、この公表制度を導入して、介護保険の事業を推進する上において何かメリットがあったのか、そこのところを一つお伺いいたします。
 それで、実はこの公表制度は、評価とかまたは事業所に対する改善指導とかではないと。全く事実の確認のみだということをお聞きしておりますので、それが果たして本当なのかどうか、そういうものにお金をかけていいものか。だから、事業所による費用負担のあり方について県はどのように考えておるのか、お伺いをいたしたい。
 そして、私ちょっと調べてみましたら、非常に公表制度の仕組みもわかりづらいと。まず一つは、調査機関は県の社会福祉協議会だと。そして、この公表センターは同じく県の長寿社会振興財団。それで調査は県社協で、そして調査票は振興財団から送付されると。そして、このほかにNPO法人、特定非営利活動法人でいわての保健福祉支援研究会というのがありまして、そこで評価をしておるということで、私、ぜひ、この介護保険法で県が一元化して取り組みすることができないか。ただ調査と公表ですから、だから何もこういうのにまた新たな組織をつくって、この間総務部の審査のときは天下りのお話があったんですが、まさにそういうことにつながるのではないのかということで、そして、今事業所は、特にも介護保険事業所の関係は青息吐息ですよ。経営が非常に苦しいと。その中で、多額にわたる手数料を負担しなければならないということで、これを直営でできないものかどうか。できないのであれば、国に強く現場の声として働きかけをする必要があるのではないのかということで、そのことについてお聞きします。
 次に、第2点目につきましては、今、老々介護とかそれから療養病床の再編、そして社会的入院の解消、また、今、来年度から始まる第4期の介護保険事業計画が策定中なわけですが、その中におきまして、特別養護老人ホームとか老人保健施設の待機者の実態がどのようになっているか。そういった老々介護とか療養病床再編とか社会的入院、こういうものが解消されたことによって待機者がふえるのではないかという心配もあるわけです。そういったことで、今回の第4期の計画の中で待機者の解消策をどのように考えて、また、具体的にどのような取り組みをしていくのか、お伺いをします。
 そして三つ目には、186ページの児童福祉総務費の関係で、いわゆる保育園の待機者の関係ですが、これは少子化対策の一環として非常に大切なわけですが、平成19年度の実態については報告書を見させていただいておりますが、私、評価させていただきたいのは、平成19年度からことしに入りまして改善されてきているというお話をお聞きしたもので、それがどういうあれで改善されてきているのか。そしてさらに、もうここまで来れば、待機者ゼロ作戦を立ち上げて、岩手県は非常に子育てに優しいと、そういったひとつ取り組みを、姿勢を示していただきたいと思うわけでございます。
〇及川長寿社会課総括課長 まず、介護サービスの情報公表制度についてでございます。まず一つは、周知方法はどういう方法をとっているかということでございますが、これは県が指定した公表機関でございます長寿社会振興財団、こちらのホームページで掲載してインターネットを活用して、その結果は公表されております。
 それから2点目、この公表制度のスタート前とその後でどう違ったか、メリットはあったのかということでございますが、具体的に公表したことによってこういうメリットがあったということを定量的な評価はしておりませんが、この公表されている情報の利用件数をカウントしますと、年間、平成19年度実績で約2万2、000件ほどございます。月平均2、000件弱ということになります。介護事業所の利用希望をしている本人だけでなく、恐らく介護支援事業所や地域包括支援センターのケアマネジャーさんの利用等も多いのではないかと考えております。
 それから、この調査公表は評価ではなく単なる事実を載せているだけではないかという御指摘でございますが、結論から申し上げますと、その事実を載せているものでございまして、この情報の公表について、それに対して、いい、悪いというような評価の内容はございません。
 情報の内容といたしましては、基本的な情報、事業所のサービスの概要とか提供の実績とか職員体制といった基本的な情報と、それから調査結果、例えば入所者それから利用者の情報というのを、どの程度、どう把握しているのかとか、その事業所を利用するに当たっての同意の状況はどういったものかということを具体的に、どういう格好で運営しているかということを調査してこの情報として載せております。それを利用して、利用者の方は事業所を選択するということになろうかと思います。
 それから、費用負担でございますが、昨年度もこの委員会におきましてちょっと調査機関、公表機関のほうの収支状況を見て料金を考えるべきではないかというような御指摘がございまして、費用については今年度、条例改定で下げております。
 それから次に、公表機関、調査機関、新たな組織をつくってやるようなものではないのではないかという御指摘でございますが、これは新たな組織をつくったというよりも、現存の公表機関であります長寿社会振興財団、それから調査機関でありますと県の社会福祉協議会、それからNPOいわての保健福祉支援研究会という既存の組織のほうに、これを指定して実施しているものでございます。
 それから、手数料的にちょっと苦しいと言われている法人もあると、事業所もあるという御指摘でございますが、小規模事業所、例えば年間の事業経費が300万円未満のところについてはこの制度の対象外とするといった配慮がございますし、それから、この手数料分については、考え方といたしましては介護報酬、各事業所が運営した結果として得る介護報酬の中で、この中に評価している、盛り込んでいると、厚生労働省、国のほうでもそういう見解を示しております。
 次に、第4期の介護保険事業計画の絡みで、特別養護老人ホームの待機者がどれぐらいいるのか、その解消策はどうかという御質問でございます。
 まず、特別養護老人ホームの待機者でございますが、本年3月、毎年やっております調査でございますが、何人いるかというのを調査した時点では、6、554人の特別養護老人ホームに入所したいということでお申し込みになっているいわゆる待機者の方がいらっしゃいました。そのうち、在宅で待機されている方が2、229人、全体の34%は在宅の方だったという結果でございます。今年度は、第4期介護保険事業計画の策定の年度に当たっておりますものですから、さらに詳しい待機者の状況を調査する必要があると感じておりますので、改めて市町村を通じてその実態を調査したところでございます。その結果、先ほど6、554人、昨年度末現在で調査した結果だったということを申し上げましたが、さらに詳細に調査したところ、既に特養に入所しておられた方あるいは既にお亡くなりになっていた、そういう情報がちょっとチェックできていなかったというような方もいらっしゃいまして、そういう方々、つまり、待機者としてカウントされない方が1、000人以上、1、132人おりました。その中で、市町村のほうから、1年以内に入所が必要ではないかと報告があったのは913人でございました。その他の方は、現在介護老人保健施設等に入所されている方と思っております。
 それから、待機者の解消策でございますが……。
〇大宮惇幸委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇及川長寿社会課総括課長(続) はい。待機者の解消策でございますが、在宅の比較的重い方というのが優先的に特養に入所すべきところではないかということで、市町村においては、今回の実態調査をやりましたものですから、それをもとに市町村でも次期計画を策定中でございますので、その実態調査をもとに、的確にサービス料が次期計画に盛り込まれるように、市町村を支援して助言を行ってまいりたいと。
 それから、老人保健施設の待機者についてもお尋ねでございました。老人保健施設の待機者は、3月末で749人でございます。これについても、第4期計画の中で老健施設の増床が見込まれたり、あるいは今申し上げました特養の待機者の解消とあわせて、第4期計画に的確に盛り込まれるように、県としては助言してまいりたいと思います。
 あと、先ほど、申しわけございません、介護サービスの情報公表の関係でございますが、やはりいろんな問題があるというのは各方面から指摘されておりますし、あとは会議の席上等、全国からそういう話が上がっておるということを国の方にも伝えておりまして、国の方では、例えばシステムを使いやすくするとか、あるいは手数料についての考え方、昨年度は手数料の現状がちょっと高いのではないかというような、国の方からもそういう話もございました。こういうこともいろいろございますので、いろんな問題点について我々としても考えて、必要なことを国のほうに要望してまいりたいと考えております。
〇佐々木児童家庭課総括課長 保育所の待機児童についてでございますが、平成19年4月1日時点では、6市町、92人でございましたが、本年7月1日時点では、4市町、77人と、発生市町村、待機児童数ともに減少している状況でございます。
 なお、7月1日時点での77人の待機児童数の内訳を見ますと、盛岡市が半数以上を占めているという状況で、他の市町村は減少しております。
 県におきましては、待機児童発生市町村及び所管の振興局とで待機児童解消推進会議を年4回開催しておりまして、定員の見直しとか分園の設置、認定こども園の設置など、個別具体的に市町村に助言しているところでございます。
 なお、待機児童解消計画についてもお話がありましたが、県においては、平成18年度に作成した保育計画におきまして、平成21年度末までに待機児童をゼロにするという目標を掲げております。
 今後とも、市町村の取り組みを支援し、待機児童解消に努めてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 懇切丁寧な御説明、大変ありがとうございました。
 それで、部長に最後、介護サービスの情報公表制度について、廃止を含めて見直しを国に強く働きかけるお考えがあるのかどうか、お伺いして終わります。
〇岩渕保健福祉部長 介護事業所のほうから、本当にメリットがあるのかどうかというような疑問が出されているのは承知しております。もう少しさまざまな問題点があるのかどうかよく現場の意見を聞いて、その上で必要があれば国に対して、改善について要望してまいりたいと考えております。
〇菅原一敏委員 ただいまの介護サービスの情報公表制度に関連をしまして私からもお尋ねをしたいんですが、今、高橋昌造委員に対する答弁の中で、介護報酬の中に手数料が含まれているという、たしかお答えがあったようにお聞きをしたんですが、ということは、個々の利用者がその分も幾らかずつ負担をしていると受けとめていいのか、まずそれが1点。
 それから、直営でできないのかという質問もあったはずですが、それに対して明確なお答えがなかったのでその点がどうなのか、私からもお聞きをしたいと思います。
 それからもう一つ、公表機関、調査機関、それぞれの平成19年度のこの調査事務、公表事務についての決算の結果どうだったのか、大まかに収支がどうだったのか、その結論だけでよろしいですから、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
〇及川長寿社会課総括課長 まず、この情報公表手数料が介護報酬の中に含まれているかということにつきましては、これは具体的にどういう積算かちょっとわからない部分はありますが、国のほうにもこれは確認しておりますが、国のほうの回答として、介護報酬の中に評価しているという回答でございます。
 それから、県直営で運営できないかということについてでございますが、今、対象事業所というのは今年度1、366事業所ございまして、県がそのための新たな組織をもって職員を充てるということよりも、専門的な外部団体にやっていただくのが合理的なのではないかと考えております。
 それから、指定団体の平成19年度決算でございますが、公表センターでございます長寿社会振興財団につきましては、収支差額が48万7、000円ほどの繰り越しがございます。それから、調査機関である県社会福祉協議会については、51万5、000円ほどの次年度繰越金がございます。それから、NPOいわての保健福祉支援研究会につきましては、53万3、000円の次期繰越金がございます。
〇菅原一敏委員 今、直営でやるよりも委託をしたほうがいろいろ合理的、効率的にできるというのが、それは原則わかります。ただ、この手数料はその調査機関、委託機関に徴収の委託までしているんですよね。したがって、この決算書に手数料が幾ら入ったのか、あるいは委託事業に幾らの経費がかかったのかは一切ないわけですよね。ということは、議会のチェックができないということになるわけですから、執行部のほうで、先ほど申し上げましたそれぞれの団体の決算書をよく精査して、手数料が適正に使われているのか、オーバーフローしている分はあるのかないのか、そういうこと等の不断のチェックはこれはしなければならないと思いますので、それはぜひやっていたただきたいと思います。
 それから、この平成19年度の決算をお聞きして感じたんですが、これは20年当初に、引き下げの前の決算ですよね。引き下げをして、これは決算、大丈夫なんですか。その点をお尋ねしたいと思います。
〇及川長寿社会課総括課長 この金額の、今年度改定いたしましたが、先ほど申し上げましたのは平成19年度でございますが、我々として決算状況等、その時点では18年度の決算状況と19年度の決算見込みを見まして、節約できる部分あるいは統合して一緒に調査できる部分、そういったものをチェックいたしまして、経費がこれぐらいかかるのではないかというのをもとに改定した条例の料金でございますので、これは見込みでございますが、指定機関については、一応運営についてはある程度の積算のもとに改定したもの、内容になってございます。
〇菅原一敏委員 済みません、もう一回だけ。何か積算がいいかげんなように思えるんですが。
 というのは、48万円と51万円しか繰り越しがないということは、平成19年度のレベルの手数料できっちりとこの委託事務はなされていると思えるんですが、さらに引き下げをしてもまだいいということは、この19年度の支出の中に余計なもの、要らないものが相当あったとしか思えないんですが、もう少し─これは先ほど高橋委員からお話があったように、弱い立場の事業所等からも取っているわけですから、きちっと真剣に検討して、可能であればもっと引き下げをして事業者の負担を軽減するような、そういう方向で検討していただきたいと思います。御所見があればお伺いして、あとは終わりたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 公表手数料につきましては、今年度改正したばかりではございますけれども、他都道府県との均衡とか、その他実態上の必要経費等を十分見ながら、さらなる引き下げについても検討してまいりたいと思います。
〇大宮惇幸委員長 この際、昼食ため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休憩
午後1時3分 再開
〇高橋博之副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、及川長寿社会課総括課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇及川長寿社会課総括課長 午前中の高橋昌造委員からの介護サービスの情報公開制度に関する質問に対する私の答弁の中で、情報公表制度事業から除外される小規模事業所の基準について、年間事業費300万円未満の事業所と答弁いたしましたが、私、うっかりしておりまして、これは100万円未満の事業所の間違いでございましたので、訂正させていただきます。
 どうも申しわけございませんでした。
〇喜多正敏委員 私は、199ページの感染症等健康危機管理体制強化事業費に関して、新型インフルエンザの対応についてお伺いいたします。
 政府は、我が国では人口の4分の1が感染し、医療機関で受診する患者数は最大で2、500万人と仮定して対策を講じております。過去にアジアインフルエンザ、スペインインフルエンザのデータに基づいて推計しますと、入院患者は53万人から200万人、死亡者は17万人から64万人と推定されております。
 そこでお伺いいたします。まず、新型インフルエンザの患者は本県では何人程度を想定されておられるか。そして、平成19年度では、抗インフルエンザ薬を含め、県としてはどの程度薬について確保されているか。市町村や県立病院以外の病院なども含め、県全体での備蓄状況があればお知らせいただきたいと思います。
 また、新型インフルエンザの病院での対応はどういうふうになっているか、お伺いいたします。
 さらに、入院患者数をどの程度と想定され、この入院の病床は確保されておられるか。そして、県立病院での行動計画や対応策のマニュアルなどは作成されておられるでしょうか。
 また、流行拡大防止のため学校の対応も大事であると思います。学校などでの一斉休校の基準や、こうしたことについて、いつ、だれが、どう判断するかなどについて設定されておられるでしょうか。
 さらに、こうしたことを踏まえまして、平成19年度実績があるわけでありますけれども、感染を防ぐ病院での個人防護具の準備なども含めて、平成20年度に向けてどのようなことを考えておられるかお伺いいたします。
〇高田保健衛生課総括課長 まず最初に、新型インフルエンザの、本県でどのぐらいの患者を想定しているのかということで、国でも想定していますけれども、人口の約4分の1、25%が感染するということが言われていますので、岩手県での患者も、患者数としては138万県民のうちの4分の1、約三十四、五万人が感染するのではないかという想定で物事を進めているところでございます。
 それから、平成19年度抗インフルエンザ薬をどのように確保したか、あるいは市町村等の確保状態はどうかというような御質問でございますけれども、これにつきましては、タミフルにつきましては、平成18年度、19年度の2年間にわたりまして、おのおの5万8、000人分、合計11万6、000人分のタミフルを岩手県としては備蓄しているところでございます。
 春に確認したところでございますけれども、市町村では備蓄しているというようなことは確認されておりません。
 また、病院等につきましては、特別確認はしておりませんけれども、通常、流通のタミフルを使っているということで認識しているところでございますので、むしろ病院でタミフルを備蓄するということは、通常、市中で出回っているタミフルに偏りが生じてしまうということも懸念されております。そういうことで、県として、そういうことが偏在化、あるいはタミフルがなくならないようなことのために、先ほど申しました11万6、000人分のタミフルを備蓄しているということでございます。
 それから、新型インフルエンザが発生した場合の病院の対応はどうなっているかということでございますけれども、やはり新型インフルエンザが発生した場合、初期の段階では、新型インフルエンザか、通常のインフルエンザあるいは他の病気かということが非常にわかりにくい部分がございます。病院では、各地域で発熱外来というものを設置して、いろいろな形で、これはこっちの病院、あるいはこっちの病院という形でトリアージをするということを発生の初期には考えてございますけれども、今現在の課題の一つとして、各二次医療圏ごとに発熱外来等を設置したいと考えているところですが、なかなか医療機関等との調整に手間どっている、あるいは十分に調整できないでいるところで、こういうところが一つ課題かと考えてございます。
 それから、入院病床につきましてでございますけれども、先ほど県内で患者がどのぐらい出るかということで、三十四、五万人ということを申しましたが、その中で、CDCのいろいろなモデルから推測しているところでは、1日最大1、100名ぐらいの入院患者があるだろうと想定してございます。それにあわせて、ことしの春、県内の入院できる病床を確認したところ1、065床ということで、1、100床までは行っていないんですけれども、ほぼ1、100床に近い数字があります。しかしながら、どういう不測の事態が起こるかわかりませんので、これらにつきましては、各保健所あるいは二次医療圏の中で引き続き調整をして、そういう病床の確保に努めてまいりたいと思ってございます。
 それから、県立病院での行動マニュアル等の問題でございますけれども、これらにつきましては、先ほど医療局のほうに確認したところ、医療局全体としてはこういうマニュアル等は策定していない。しかしながら、各病院では、それもちょっと医療局では確認していないところなんですけれども、我々としては、各医療圏ごとに、やはりこういう新型インフルエンザが出た場合には、その地域地域で完結型の対応をしなければいけない。他の圏域から援助、救援に来ることができませんので、その地域できちんと対応できるように、保健所を中心とした医療機関との連携、マニュアルを作成していただけるように、今後いろいろな形で調整していかなければならないと考えてございます。
 次に、学校などの一斉休業等の基準はどうなっているのかというようなことでございましたけれども、これは、国のほうでまだ十分に検討されていないということでございますが、新たな法整備も必要だろうというようなことを国のほうで考えてございまして、新型インフルエンザ発生時の休校等において、どのようにしたら迅速な対応ができるかということで、文部科学省のほうで今、検討中であるということを聞いております。
 我々としましても、ここら辺の文部科学省の方向性等が出た場合、当然、地域で子供さんたちに感染を広がらせないためにも、従前から休校等の措置がとられておりますので、そこのところを市町村教育委員会あるいは県教育委員会とも調整をしながら進めていかなければならない課題だと考えてございます。
 次に、平成19年度を踏まえた20年度の予算についてでございます。我々としては、個人防御具も含めて、新型インフルエンザが発生した場合に、保健所が前線となって対応していかなければならないと考えてございまして、そういう調査等に当たる保健所の職員が、まず身を守らなければならないということで、防護服等の確保をしております。
 それだけではなくて、新型インフルエンザが発生した場合に、いろいろな対応等を考えていかなければなりませんので、一昨年、県に新型インフルエンザの専門家会議を設置してございますので、そこら辺の方々と、新型インフルエンザが発生した場合の対策をどうするかというのは、検討の場とか、あるいは本年度から新たにやっておりますが、保健所の担当課長を中心とした新型インフルエンザの危機管理会議というものを定期的に開催してございます。ここの中で、地域との課題を取り上げながら、それを共通認識としながら、また地域に戻っていろいろなシミュレーションに活用するとか、さらには、各圏域においての連絡会議、これらも非常に大事なものですから、そこらの連絡会議等を充実させていくということで本年度の予算を組んだところでございます。
〇喜多正敏委員 素朴な疑問でありますけれども、11万6、000人分のタミフルを備蓄しておる。しかし、一方、三十四、五万人の患者が出ると。このギャップというのは一体どうなるのであろうか。
 それで、日本経団連では、第1波で3、200万人が新型インフルエンザにかかるのではないかと。イギリスとフランスでは、人口の50%超の薬を常備しているということで、しかも、第1発目のターミナルで抑えるわけでありますけれども、しかしながら、実際発生した時点で、この患者さんから細胞等をとって新薬を開発する。それまでには、最初だと1年半ぐらいかかるということでありまして、今の備蓄の水準ではどうも足りないのではないかという疑問が、あるいは懸念があるわけでありますが、県とすれば、国の基準で備蓄をしているということでありますが、この辺についてはどうお考えでしょうか。
〇高田保健衛生課総括課長 御指摘のことは、ごもっともだと思います。それで、国におきましても、今現在、国と県で合わせて総計人口の23%程度のタミフル、あるいはリレンザという抗インフルエンザ薬を備蓄しているわけですけれども、これではやはり足りないということで、国では来年度の予算要求に向けて、これを23%から、50%までは行かないですが45%程度まで備蓄をふやそうということで検討しているところでございます。
 そうしますと、国と県と合わせますとさらに2、800万人分ぐらいを備蓄しなければならないということで、国では、予算の割り振りが最終的にどうなるか聞いておりませんが、おのおの2、800万人分を国と県が半分ずつ備蓄しようというようなことで来年度予算等で検討しているということになりますので、それを受けまして、今後、県としてもいろいろ検討していかなければならないかと思っているところでございます。
〇喜多正敏委員 新型インフルエンザは、過去の例を見ますと10年から40年の周期で必ず来るということで、大変な被害が懸念されているという状況であります。
 それで、県としてもいろいろな会議を設けて対策を講じている、検討しているということでありますが、お聞きしていますと、何か少し鈍いようなというか、スピード感がないというか、もう少し上げてほしいと思いますし、それから、当然ながら民間事業所でも、40%ぐらいの方が10日間欠勤をするのではないかということを想定して企業の行動計画もつくるというようなことで国のほうでは御指導されておられます。そうしたことも含めて、ぜひ万全の体制をとっていただくように。また、時折マスコミなどでも流れるわけでありますけれども、十分情報提供をして遺漏のなきように努めていただきたいと思います。
〇岩渕誠委員 私は、平成19年度決算に関しまして、まず、医師確保・養成と医師の偏在対策について、次に、待機者解消における病院の休止病棟の活用について、そして、先ほど関根敏伸委員からの質問の中にもありましたけれども、被災カルテの、以上3点につきまして、順次、御質問をしてまいりたいと思います。
 まず、医師確保・養成事業についてでありますけれども、本当に大変御努力されていることに対しまして敬意を表したいと思いますが、まず、平成19年度の医師養成事業、奨学金制度の応募事業、応募の状況、それから貸付決定の状況についてお知らせいただきたいと思います。これは平成19年度分と、実質的には平成20年度分について19年度にいろいろ応募が行われたと承知しておりますので、19年度分、20年度分につきまして、あわせてお示しいただきたいと思います。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 医師の奨学金制度の状況でございます。
 平成19年度におきましては、市町村の医師養成の修学生制度と医療局の医師奨学資金貸付事業と医療局の修学生制度、この三つの制度がございました。それぞれで申し上げますと、市町村医師養成事業につきましては、10名の応募に対して4名の貸し付け、医療局の医師奨学資金貸付事業については14名の応募に対して10名の貸し付け、医療局の修学生制度は9名の応募に対して4名の貸し付けで、合計18名の方々に貸し付けをしたことになります。
 それから、平成20年度でございますが、今申し上げた三つの制度のうち一つの制度が変わりまして、岩手県医療局修学生制度は平成19年度までの制度でございました。これにかわりまして、平成20年度から、岩手県医師修学資金貸付事業を設定したわけでございます。
 それで、この三つの事業についての状況でございますけれども、市町村の医師養成の事業につきましては、18名の応募に対して8名の貸し付け、それから、医療局の医師奨学資金貸付事業については、36名の応募に対して20名の貸し付け、岩手県の医師修学資金貸付事業につきましては、これは、岩手医大の地域枠に相当するものでございますので、31名の出願がございましたけれども、10名の方に貸し付けをさせていただいていると。合計38名の方に貸し付けをさせていただいております。
 なお、応募者の方々につきましては、市町村医師の養成事業と医療局の制度の両方に応募できることになっておりますので、応募者の数については、二つの制度については延べ数でございます。
〇岩渕誠委員 制度の拡充をしたことによって貸付者が倍増したということで、これは岩手県の医師養成の中で、今後大変期待を持てる数字だなと思っておりました。
 ちょっと細かく見ていきますと、ただ、このせっかくのふやしたというところなんですけれども、毎年、医療局の関係につきましては、大体募集定員いっぱいの貸付決定ということになっているんですが、一方で、市町村の医師養成事業に関しましては、昨年度につきましても、それから今年度分につきましても、募集人員を下回る貸付決定者数となっていると承知しております。これは、成績等の問題もあるかと思いますけれども、何となくもったいないなという気がしているわけですが、この辺の理由についてお聞かせいただけますか。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 三つの制度ごとに応募状況等が異なるのではないかということでございますけれども、市町村医師養成事業におきましても、医療局の医師の奨学資金の貸付事業におきましても、奨学金をお借りいただいた年月に相当する期間、県内の医療機関で勤務をしていただくという制度になっているわけでございます。それで、市町村医師養成事業につきましては、県立病院のほかに、市町村の医療機関、病院、診療所等にも勤務いただくことになっているわけでございます。一方、医療局の医師奨学資金貸付事業については、基本的には県立病院中心ということになるわけでございます。
 こうした制度の内容について、実際、奨学金をお借りする医学生の方々がいろいろな御印象をお持ちなのではないかと考えておりますので、私どもとしては、もう少し制度の周知に努力いたしまして、よりこの奨学金制度をお使いいただけるように努めてまいる必要があると考えております。
〇岩渕誠委員 今年度の貸付枠でいいますと7人分の余裕がある状況だと思います。大変もったいない気がいたしますので、ぜひ制度の改善、見直しを図って、喫緊の課題でございますので、対応いただくようにお願いしたいと思います。
 そこで、実は昨年の決算特別委員会でも取り上げさせていただいたんですが、医師修学資金貸付事業に関しましては、岩手医大の推薦入試の要件、地域枠に関して、岩手県内の高校卒業者に限られておりました。その前までは、岩手県に住んでいて他県の学校に通うということについても認められておったんですが、去年はそうではありませんでした。そのことによって不利益をこうむった学生もあると私は承知しております。
 この要件につきまして、改善を昨年度の決算特別委員会で御要望申し上げたところでありますが、その改善はあったのでしょうか。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 岩手医科大学医学部の地域枠の特別推薦入試、いわゆる地域枠の関係でございますけれども、平成20年度に設定いたしました地域枠の出願資格につきましては、岩手県内の高等学校を卒業見込みの方、または前年度卒業した方となっていたところでございます。
 今年度、岩手医科大学と協議を進めた結果でございますけれども、平成21年度の医学部の推薦入学試験におきましては、今申し上げた要件に加えまして、岩手県外の高等学校を卒業見込みの方、または前年度卒業した方、具体的には、県外の高等学校に進学した方で、本人または保護者の方が出願時の3年前から県内に在住されていた場合においても受験が可能となったところでございます。
〇岩渕誠委員 実際に、県境地帯では高い志を持って他県に進学をする例がございますので、そういった意味において、御努力をいただいて、形として成ったことにつきまして、本当に御礼申し上げたいと思います。
 次に、偏在の関係に話を移らせていただきたいのでありますが、先ほどの嵯峨壱朗委員の質疑にもありましたけれども、やはり医師の地域偏在というものは、かなり深刻だなととらえております。
 一つは、専門医がいるか、いないか、こういうことも大変大きなところだと思うんですが、これは昨年度も私、お尋ねしておりますけれども、まずは、先ほど嵯峨委員のほうにお示しされた医師数の比較について、私は、このデータについて少し疑念を持っております。といいますのは、人口10万人に対しての医師数ではなくて、これは、人口10万人に対する医師免許保持者数というのが正しいものではないかと思っております。もう少し厳密にやると医師の充足率というのはもっと下がるのではないかと思うんですが、県当局はどのような御認識を持っておられますか。
 また、あわせて地域の偏在を示すことにもなろうと思うんですが、医療機能情報調査というのが間もなく公表になるかと思うんですけれども、今の時点で、やはり専門医等で足りないものは何かということを改めてお聞かせいただきたいと思います。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 医師の地域偏在等の状況でございますけれども、まず、午前中に嵯峨委員に御答弁したとおり、全体として医師数はふえているものの、圏域によって、医師の実数の増減は異なるという状況でございます。
 そして、一方で、実際に診療に従事している医師というものはどのくらいなのかということにつきましては、同じく平成18年の調査によりますと、医師が2、569という数字なわけでありますけれども、いわゆる医療施設の従事者としては2、394人でございます。そのほか、介護の老人保健施設の従事者が49人、あとは医療施設、老健施設以外の従事者ということで76人などとなっております。
 この医療施設、介護老健施設以外の従事者といいますのは、医療機関の臨床系以外の先生、いわゆる専門学部の先生でございますとか大学院生などでございます。
 そしてまた、もう少し中身を見ていきますと、例えば年齢構成でいきますと、例えば70歳以上の先生方は2、569人中369人、全体の14.4%ほどいらっしゃいます。また、女性医師の方についても316人ということで、全体の12.3%になっておるわけでございまして、こうした状況を踏まえて、より地域に必要な医療提供体制をどのようにつくっていくかということについては、非常に重要な課題だと考えております。
 それから、専門医の現状ということでございます。
 委員御質問のとおり、今年度、県のほうで岩手県の医療機能情報の調査といったものを実施してございます。これは、平成19年の改正医療法の施行によりまして、広告可能な専門医の資格の状況について、医療機関のほうから県のほうに報告を義務づけるものでございます。
 現在、この調査について集計中でございますけれども、この10月7日現在での全体医療機関からの回収率は92.8%でございます。そのもとで、現時点でどれほどの専門医の資格をお持ちの方の御報告があったかにつきましては、延べで1、797人の御報告をいただいております。これは延べ数でございます。お1人で二つの専門資格を持っている方もいらっしゃいます。
 それで、主な内訳を申し上げますと、いわゆる総合内科の専門医として112人、外科の専門医として141人、循環器の専門医として90人、脳神経外科の専門医として60人などとなっております。
 こうした情報が今回新たに把握することができましたので、こうした状況も踏まえた上で、今後の医療提供体制については、よく検討していく必要があると考えてございます。
〇岩渕誠委員 これは部長に聞きます。今、せっかくの医療機能情報調査が進んでいるということでありますが、やはりこの中を見ても、多分、偏在というのが激しいんだと思います。それは容易に想定されることではありますが、昨年、私、この決算特別委員会で、今までの医師の偏在の一つの要因は、やっぱり医療圏域ごとに、あるべき医療体制というものがどういうものであって、現状はこれしかいないのだ、したがって、これぐらい必要なんだけれども、これを充足するにはこれぐらいの時間が必要、あるいはなかなか難しい、そういうデータを示して、その上で患者と受診体制について考えるような仕組みをつくるべきだ。いわゆる地域医療圏ごとの将来像をつくるべきだ。医師の配置計画といいますか理想像をやるべきだというお話を差し上げました。
 当時の答弁は、これは国がやっていませんから県はできません、こういう話でありましたけれども、やはりそうではないと思うんですね。地域としてもきちんとそういうことをやらない限りは、患者にとっても不利益になると思いますが、これについて岩渕部長の御見解をお願い申し上げたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 二次保健医療圏ごとに医師必要数をきちんと出してはどうかというお話と承りました。
 医師必要数の算定につきましては、昨年度来、保健福祉部の答弁で、医療技術の進歩とか医療水準、あるいは地域の疾病構造など、さまざまな要素が影響を与えるので、なかなかエビデンスに基づいた確かな推計というのは困難であると答弁しておることは承知しています。
 しかしながら、やっぱり地域医療を確保していくためには、そういう必要医師数をある程度算定して、目標を定めながら医師の確保を図っていく必要があると考えております。
 こういう推計がなかなか困難な中で、一つの方法といたしまして考えておりますのは、現在、公立病院改革推進指針の策定を進めているところでございます。これは、民間病院も含めた機能分担、それから連携のネットワーク化を進めまして、二次保健医療圏内の中核的な病院にある程度医師を集約することを基本に据えて、今、検討しているものでございます。
 その上で、いわゆる当該病院、中核病院の救急医療の体制、それから高度医療の体制どうあるべきか、あるいは周産期医療に対して最低何人の医師が必要かというようなことを個別にはじくことは可能だと考えておりますので、この方法論について、今後検討を進めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 この1年余り胸につかえたものがすっとおりたような答弁でありまして、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。本当に前向きの答弁ありがとうございました。
 次に移ります。午前中の高橋昌造委員の質疑の中にもありました、いろいろな待機者があるということでございますが、老人福祉施設への待機者の解消の施策として、県立病院あるいは診療センターの休止病棟の福祉への活用というものにつきましては、昨年度以来、取り上げさせていただいてきております。平成19年度の一般質問、それから予算特別委員会での保健福祉部のほうからも、これは前向きに検討したいし市町村に対しても指導していくというお答えでありました。
 平成19年度において、実際どの程度指導を行って、今成果がどうあるのか、お示しいただきたいと思います。
〇及川長寿社会課総括課長 これまでは、活用の実績は、実際にはございません。ただ、もちろん要件さえ満たせば、人員基準とか配置医師基準、施設の基準ですが、これらを満たせば、今後、ショートステイとかグループホーム、小規模多機能型の居宅介護施設、老人保健施設のサテライト施設としても使うことは可能なのではないかと。それから、ケアハウス、有料老人ホーム等への活用が可能なのではないかと。
 これらの県立病院の空き病床の活用について、活用したいという相談を受けているところはあると聞いております。我々としても、医療局と連携しながら、実現に向けて支援していきたいと考えております。
 それから、第4期介護保険事業計画の策定に当たっても、県立病院の空き病床の活用も視野に入れまして、介護サービスの基盤整備に当たっては、既存施設の活用に配慮していただきたいということで、そういう方針で介護保険事業計画の策定に臨んでいただきたいということで、市町村のほうにも方針を示しているところでございます。
〇岩渕誠委員 これは私の地元の話で恐縮なんですけれども、地元の病院は診療センターになりましたが、その数年前に数億円をかけて病棟を直しております。ところが、直した途端に休止になりました。私は、大変な無駄遣いだと思います。それが今、手つかずのまま、立派に直したところが使われておりません。そういう状況は、やはり無駄遣いにもつながるわけであります。
 そして、これは事を急がなければならないのは、こういう福祉の状況、市町村が中心になって計画を組むわけでありますけれども、これは、ことしが3年に一度の見直しの時期でございます。これをきちんとその中に策定してもらうような努力を県としてもしなければ、今後3年間、また空き病棟は空き病棟のままであるという可能性も高いわけであります。
 したがいまして、県とすれば、相談を待つのではなくて、もっときちんとしたガイドラインをつくったり、あるいは積極的指導をしていくべきと考えておるのでありますが、これは、大変申しわけございませんが、部長のほうから見解をお聞かせいただきたいと思います。
〇岩渕保健福祉部長 県立病院の空床を介護サービス施設として活用する、これは、医療との連携あるいはコストの面からも非常に有効な方策だと考えております。一部で既に市町村に直接的な話をして検討を依頼した経緯もありますが、具体的な結論がまだ見えていないという状況もございます。
 先ほど、長寿社会課総括課長からも申し上げましたように、来年度からの第4期の介護保険事業計画策定ということで、これから市町村とヒアリングといいますか、いろいろな協議、話し合いを進めてまいりますので、これらの空きベッドを利用するという方法論について、該当市町村の方には話をしながら、第一義的には当然市町村で検討していただきたいものでございますけれども、方法論についても県として助言をしながら、これを詰めていきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 ぜひモデルケースとして一日も早くこういうケースをつくっていただいて、有効活用に進んでいただきたいと思います。
 最後にします。被災カルテの件でございます。
 先ほど関根敏伸委員からも御紹介がありましたとおり、我が、民主・県民会派でも、防災プロジェクトチームで、この7月に被災カルテの自治体のコーディネーター役、指導役をやっております静岡県の富士常葉大学、ここは国内で唯一の防災環境学部というものを持っております。そこの重川希志依教授を初め、4人の専門家と意見交換をしてまいりました。この重川教授は、中央防災会議のメンバーでもあります。
 被災カルテというのは大変有効である。能登地震、それから中越沖地震でも大変効果があったということで、帰ってまいりましてから、委員のメンバーそれぞれが、県に対しても、それから当該市町村に対しても、個別に政策提言を行ったところでありますけれども、それが今回、一般質問の答弁におきましても、そこに言及されたということは、そういう流れが出てきたんだなということでございまして、大変感謝を申し上げたいところでございます。
 ただ1点、この被災カルテにつきましては課題があります。これは、マンパワーがかかるということが実際には大きな課題になっております。当面はそれで対応するしかないと思うんですが、最新の状況を申し上げますと、この被災カルテの導入に当たっては、現在は、総合的支援のパッケージ化ということで、パソコンにいろいろなその他の福祉の与えられる情報についても研究が進んでおります。ぜひそういった最新の情報を取り入れてよりよい形でやっていくべきと考えますが、どういうふうに思っていらっしゃいますか。
〇小林地域福祉課総括課長 このカルテにつきましては、委員御指摘のとおり、非常に有効、効果があるということでございます。したがいまして、ただいま御提言のございましたパッケージ化といったようなことも含めて、現状どういうような対応をしていくのが一番いいのかというのを検討しながら、関係市町と意見交換しながら導入について検討してまいりたいと思っております。
〇岩渕誠委員 このパッケージ化も含めて、やはり防災に関しては、被災したときの福祉的支援に関しましては、先進地、被災地をきちんと視察いただくのが一番であると思っております。この中では、そのとき、私どもの視察の際にもあったんですが、実は、国内には被災地同士の部分でネットワークがあります。そういったものにも積極的に参加する必要があると思いますので、その必要性を感じていただきたいと思います。
 終わります。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、後期高齢者医療制度についてお聞きいたします。
 10月15日に新たな年金天引きとなりました。この新たな年金天引きとなった後期高齢者の数、国保でも年金天引きがありましたが、この国保の年金天引きの数、そして、年金天引きの総数を示していただきたい。
 4月の実施前から実施以降、後期高齢者医療制度は繰り返し見直しをされてきました。その主な項目。
 そして、舛添厚生労働大臣も、最近は見直しを発言しています。私案も出していますが、その検討内容はどういうものか示していただきたい。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 まず、10月15日の年金支給日から特別徴収に新たになられた方は3万4、162人でございます。そして、国民健康保険におきましては、65歳から74歳までの国民健康保険税の特別徴収の世帯数が3万3、604世帯となってございます。
 それから、特別徴収の全対象者ということでございますけれども、約9万4、000人(後刻「10万2、051人」と訂正)となってございます。
 それから、制度見直しの関係でございますけれども、この後期高齢者医療制度につきましては、まず、平成19年10月に見直しが行われまして、その際には、被用者保険の被扶養者の方が後期高齢者医療制度に移行した場合の保険料について、本年の上半期の6カ月間は負担を凍結するということ、そして、下半期の6カ月間は9割の軽減をするという制度が導入されております。
 その次に、今年度に入りまして、平成20年6月に、保険料の軽減措置といたしまして、これは平成20年度の暫定措置になりますけれども、これまで均等割の部分について7割軽減の世帯につきまして一律8.5割軽減までするとなったわけでございます。それに加えまして、所得割の負担をされている方のうち所得の低い方々について、所得割額の部分について一律50%の軽減といった措置が導入されてございます。
 同じく、この6月の見直しにおきましては、保険料の特別徴収について、国保税を確実に納付していただいた方々などにつきましては、普通徴収への切りかえが可能となったものでございます。
 それから、ことしの9月にまた見直しがされておりまして、その一つ目は、被用者保険の被扶養者の保険料負担の9割軽減が現在されているわけでございますけれども、これについては平成21年度末まで継続といった方針が示されております。
 それから、舛添厚生労働大臣の見直し発言等に関連したものでございますけれども、この発言におきましては、年齢による区分、または年金からの天引き及び若年層の方々への過度の負担の三つの問題点が述べられていると認識してございます。
 その中で、大臣の私案といたしましては、市町村国保を都道府県単位で広域化し、都道府県単位の後期高齢者医療と一体的に都道府県が運営するもの、それから、この私案のメリットとして、年齢にかかわらず保健医療制度を一体的にできること、そして、国民健康保険の財政の安定化等に効果があるとされているわけでございます。そして、この点について1年をめどに議論するとされているものでございます。
 現在の検討内容につきましては、高齢者医療制度に関する検討会におきまして、今回の改革の評価と今後の見通しなどの基本的な考え方・進め方、または、先ほど申し上げました年齢区分、保険料の算定方法、世代間の納得と共感の得られる財源のあり方などについて議論されていると認識してございます。
〇斉藤信委員 そうすると、10.15ショックと言われましたが、後期高齢者は3万4、162人、国保世帯で3万3、604世帯ですから、6万7、900人世帯というのが10月15日に新たに年金天引きされた、こういうことですね。そして、後期高齢者の場合は総数で9万4、000人が年金天引きになっている、こういうことでよろしいか、後で確認してください。
 実は、事実上、実施前から見直しして、実施後も見直しを連続している。これはもう後期高齢者医療制度が破綻していることを示すものだと思います。
 10月7日に第2回高齢者医療制度に関する検討会というものが開催されて、そこに舛添大臣の私案というものが出されています。これは本当はカラーなんですけれども、こういう図表が出ていまして、どういうものかというと、75歳専用バスに高齢者が乗っている。高齢者の声が紹介されています。行き先はうば捨て山かな。早く死ねというのか。料金も勝手に天引きされるし。これは、舛添厚生労働大臣がみずからつくったと言われるもので、後期高齢者医療制度はまさにうば捨て山医療だ、こういうふうに認めているわけですね。厚生労働大臣自身が認めているものは、もうこのままバスを走らせるのではなくて、直ちに廃止すべきなのではないのか。
 そういう意味で、これは本当に市町村は困るわけですよ。見直しのたびに仕組みが変わる、それに対応しなくてはならない。私は、こういう制度は直ちに県としても廃止を求めるべきだと思いますが、ここは部長、高齢者の声や痛みを部長はどういうふうに受けとめていますか。
〇岩渕保健福祉部長 後期高齢者医療制度の廃止を求めるべきではないかとのお尋ねでありますけれども、本制度につきましては、本年4月に制度が施行された際、75歳以上を対象に独立した医療制度としたことや、保険料の負担のあり方等にさまざまな意見が寄せられたところであります。県といたしましても、そういう保険料の負担の関係とか、あるいは、いわゆる天引きをやめて口座制にしてもらいたいとか、いろいろな意見をいただいていることは承知しております。こういう状況を受けまして、国において制度の運用改善に取り組んでいるものと認識しております。
 しかしながら、依然として残る国民の不安を解消するためには、社会保障の制度設計に責務を有する国におきまして、より一層適切に対応することが求められていると考えております。
 現在、国では、先ほど来、委員から御指摘の高齢者医療制度に関する検討会が設置されまして、厚生労働大臣からも、長寿医療制度と国民健康保険の一体化に関する大臣私案が提示されるなど、1年を目途に必要な見直しが検討されている状況でありますので、県といたしましては、こうした国における制度の見直しの議論を注視してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 見直しの中身というのは、後期高齢者医療制度の根本にかかわるところなんですよ。事実上、新しい制度をつくる、そういう中身のものです。
 私が問題だと思うのは、解散総選挙を前にして、見直しの中身を示さないで、1年間検討するなどという逃げの姿勢。実際に、後期高齢者医療制度の廃止法案が今の臨時国会にかかっているんです。ここで決着をつけて新しい制度をつくればいいだけの話なんです。私は、そういうことをひとつ、本当に地方自治体を振り回すようなやり方は絶対にしてはならないと思います。
 あわせて、広域連合の議会議員の選出見直しというのが岩手県の広域連合で議論されていましたが、これはどういうふうに進行しているでしょうか。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 広域連合議会の議員定数の見直しにつきましては、広域連合におきまして、広域連合議会での議論でございますとか、見直しについての市町村へのアンケートの結果等をもとにいたしまして、議員定数増について、市町村や関係機関と調整中と伺っているところでございます。
 県といたしましては、こうした状況を踏まえまして、広域連合に対しまして、必要に応じて助言、情報提供を行ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 2番目に、医療費適正化計画についてお聞きいたします。
 県の医療費適正化計画、これは、わかりやすく言いますと医療費削減計画でありますけれども、その具体的目標はどうなっているでしょうか。
 医療費削減の計画を立てる根拠、その影響をどのように見ているでしょうか。
〇野原保健福祉企画室企画担当課長兼医師確保対策監 医療費適正化計画において、平成24年度末までの5年間に達成すべき目標といたしまして、住民の健康保持の推進の観点から、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群としての特定保健指導対象者の10%以上の減少、特定健康診査については70%以上の実施率、特定保健指導については45%以上の実施率を目指すものでございます。
 また、医療の効率的な提供の推進の観点からは、療養病床数については、国の参酌標準をもとに、平成18年度2、990床を平成24年度には1、803床、平均在院日数については、平成18年度の35.5日を平成24年度には32.0日に短縮することを目指すものでございます。
 医療費削減の根拠とその影響というものでございますが、医療費の適正化の推計につきましては、厚生労働省の都道府県別医療費の将来見通しの計算ツール、いわゆる推計ソフトを用いまして、全国共通の方法により推計したものでございます。
 計画の柱は、生活習慣病対策と平均在院日数の短縮でございますが、生活習慣病対策の効果が認められるのには時間を要することから、今回、第1期計画におきましては、平均在院日数の短縮によって見込まれる総入院日数の減少による効果のみを算定に用いてございます。
 医療費適正化計画の推進による影響についてでございますが、平成20年度の医療費は3、605億円と推計されてございますが、医療費適正化計画による取り組みを進めた場合は、目標年次の平成24年度におきまして3、728億円と推計され、これは、自然体の伸びが3、833億円と推計されることから、削減効果といたしまして105億円を見込んでいるものでございます。
〇斉藤信委員 最後の結論が重大なんですよ。105億円医療費を削減すると。今までの医療計画で、国も地方も、こういうふうに額を決めて医療費削減をやるなんていうことはなかったですね。これは2006年小泉内閣のときに、自民党と公明党が強行採決で通したものなんですよ。
 そして、国の基準、国の方針で地方に医療費削減計画をつくらせると。これは、県民の実態、地域医療の実態からじゃないんですよ。もう削減の方針・目標に基づいて決められる。極めて深刻で、全国的には7、500億円の医療費を削減すると。今まで毎年2、200億円の社会保障費の削減が、医師不足、地域医療の崩壊、介護保険の大改悪ということを招いてきた。さらにこれに輪をかけて105億円も岩手県で必要な医療費を削減するということになったら、本当にこれは大変なことになるのではないですか。
 在院日数を削減する具体的根拠は何ですか。療養病床1、187床を削減しなければならない具体的理由は何ですか。そういうことをしたら医療難民が生まれるのではないですか。病院から追い出される人が出てくるだけじゃないですか。いかがですか。
〇野原保健福祉企画室企画担当課長兼医師確保対策監 平均在院日数短縮によって見込まれる影響ということでございます。
 委員御指摘のございましたとおり、この目標につきましては、国が告示いたしました指針にのっとって都道府県が定めなければならない目標ということで設定させていただくものでございます。
 平均在院日数短縮の根拠、この数値目標の根拠につきましては、国の定めたものにつきまして、岩手県は35.5日、最短の長野県が25日でございます。その差の3分の1の3.5日の減少を目指すという目標にさせていただいたというものでございます。
 また、療養病床の削減につきましても、国の参酌標準に基づきまして、現在の医療療養病床数、そして今後削減が見込まれる数、また介護療養病床から医療療養病床に移る数、そのほか、今後の高齢化等の見込まれる数値等を加味いたしまして設定したものでございます。
〇斉藤信委員 これは恐るべき答弁ですよ。国の方針に基づいて在院日数を減らし、療養病床を減らしたと。それに基づいて、じゃ、今入院している方々はどうなるんですか。療養病床に入っている方々はどうなるんですか。先ほどの答弁にもあったように、特養ホームは6、000人近く待機していると。老健も待機者がいるというときに、どうなるんですか。私は、これはもう撤回を求めるべきだと思いますよ。
 国が音頭をとって具体的に医療費を削減する計画を押しつけるなんていうことは、悪政中の悪政です。今、その根本的転換が求められているのではないでしょうか。岩手県議会は、社会保障費2、200億円削減の中止を求める意見書を採択しましたよ。公明党1人反対しましたが、しかし、圧倒的にこれは採択した。私は、こういう立場に立って、地域医療の崩壊、医療難民を広げるようなこの計画は、やっぱり見直し、撤回を求めるべきだと思いますが、部長、いかがですか。
〇岩渕保健福祉部長 療養病床削減によって、いわゆる医療難民と申しますか、そういう御心配もあるのは当然のことかと思いますが、基本的には、介護老人保健施設に転換するのが大層でありまして、現在の療養病床に入院している人数相当分については対応できるものと考えております。
 それから、医療費全体の削減等々については、やはり国の政策によるところが大きいことがありますし、それから、介護保険事業では、いわゆる国の参酌標準というもので地方も相当縛られておりますので、なかなかこの辺、県独自の考え方で進めるのは難しい面もあります。
 ただ、来年度の第4期介護保険事業計画の中では、その参酌標準は尊重しつつも、やはり地域の実情に応じた形でその施設整備に取り組むというような基本方針は、市町村に示しているところでございます。
〇斉藤信委員 実は、岩手県がつくった地域ケア計画の中で、家庭介護力の状況についてこういうふうに言っているんですよ。医療療養病床に入院している患者のうち、日中、夜間とも介護ができる人がいない方の割合は51.4%、介護療養病床の場合は62.6%だと。こういう方々を今の療養病床から追い出したら、行き場がなくなりますよ。そして、さっき言ったように、特養ももう5、000人以上待機している、老健も700人以上待機しているのですよ。
 今、小泉構造改革路線は完全に失敗して、その見直しが求められている、こういう状況ですから、ぜひ県としては、こうした国の悪政の押しつけに反対して、県民の命を守るという立場で対応していただきたい。これは要望にとどめます。
 次に、介護保険事業について。
 先ほど特養ホームの待機者が示されました。この間、特養ホームがどう整備されて、入所者が今どうなっているのか。待機者の解消計画はあるのか。
 岩手県地域ケア体制整備構想では、特養ホームの整備は、平成20年度─今年度ですよ、6、284床、平成23年度6、163床、121床減少する計画になっているんです。いいですか、受け皿なんかますますなくなるんですよ。なぜこんな実態に合わない計画をつくったのか。待機者はどんどんふやすという計画になっているのか。そのことを示していただきたい。
〇及川長寿社会課総括課長 まず、特養の整備につきまして、その実績でございますが、この第3期介護保険事業計画の期間中、平成18年度から今年度、平成20年度までですが、この間に608床、増床の見込みでございます。まだ建築中のものもございますが、それも含めて608床ほど、この3年間にふえる予定でございます。
 入所者の状況については、特養はほぼ100%の入所率となっております。
 それから、地域ケア体制整備構想の中で数字が減っているのではないかと、この状況で減っているのはおかしいのではないかということでございますが、この地域ケア体制整備構想につきましては、この算出方法、各種サービスの利用見込みにつきましては、国から示された方法によって算出したものでございますし、この数字につきましては、平成17年度に第3期介護保険事業計画、今の計画を策定する際に、国が定めた参酌標準をクリアするというのを前提に見込んだ数字、これを地域ケア体制整備構想の中では計上しろということで計上しております。ただし、実際の施設サービスの見込み量の確保につきましては、具体的には介護保険事業計画で定めることとなっておりますので、現在策定中の計画の中で、先ほど申し上げました、前回の答弁でも申し上げました施設入所の必要性の高い方に対応できるように、各市町村で実態調査をもとにいたしまして介護保険事業計画に盛り込むことが可能になるように、県としても市町村と協議しながら計画策定を行っていきたいと考えております。
〇高橋博之副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇斉藤信委員 今、極めて重大なところなんですよ。いいですか。特養ホームの待機者が5、422人いると。在宅で1、836人だというのが県の回答でしたね。しかし、あなた方が責任を持って決めた地域ケア計画では、この特養を減らす計画になっているんですよ。そして、この地域ケア計画に基づいて第4期の介護保険事業計画をつくるとなっているじゃないですか。こんな実態に合わないような計画をつくるべきじゃないでしょう。これ、立派な冊子になっているんですよ、岩手地域ケア計画というのは。特養の待機者がどんどんふえているときに、これから特養は減らしますという計画、あなた方つくっているんですよ。そして、これに基づいて、第4期介護保険事業計画を立てるんだと言っているんじゃないですか。この地域計画は全く根拠がないものですか。これに依拠しなくていいのですか。そこをはっきりやってください。言っていることと計画をつくっていることは全く矛盾しています。いかがですか。
〇及川長寿社会課総括課長 先ほども申し上げましたが、その計画の、地域ケア体制整備構想自体は、もちろん次期介護保険事業計画との整合性を持って作成されるわけなんですが、地域ケア体制整備構想で取り上げた数字につきましては、例えば具体的な介護保険料がどうなるのか、あるいは実際の直近での、今年度なんですが、向こう3年間のサービス見込み量がどれぐらいになるかというのがまだはっきり確定しない時点での数字になりますので、どうしてもその辺の数字の修正というのは入ってくる。それから、先ほど部長答弁でも申し上げましたが、参酌標準、国の基本方針についてはもちろん尊重するということですが、地域の実情を最大限に踏まえて次期計画、施設サービスの見込み量を実際に見込んで、介護保険料がどれぐらいになるかというのを策定していく新たな計画の中では、実際の数字を勘案しながら計画をつくることになりますので、ケア構想これ自体は、その時点では、将来の高齢者の見込みなり施設整備の見込みなりという見込み数をもとに作成しておりますが、今回は実際に各市町村の将来的な、具体的な介護保険料も念頭に置いた、そういった具体的な数字をもとに実際の、実行計画として介護保険事業計画をつくっていくものでございます。
〇斉藤信委員 本当に苦しい答弁で、全然わかりませんよ。部長、これ根本はこういう参酌標準を押しつけている自民党政治ありますよ、これは。しかし、待機者がふえ続けているときに、特養を減らすという計画をあなた方が立てること自身、私は全く実態を無視した計画をつくったということになると思いますよ。そしてこの計画では、特養が平成20年度6、214床、平成21年度6、204床で減らすんですよ、これ。地域ケア整備構想では。部長、これが立派な冊子になって出されて、これに基づいて第4期事業計画を立てたら、とんでもないことになりますよ。だから私は、特養の待機者の解消計画を聞いたのですよ。この整合性はどこにあるんですか。待機者がふえ続けている中で特養を減らすという、こういう計画って有効なんですか。私は全く無効だと思うけれども、部長、いかがですか。
〇岩渕保健福祉部長 地域ケア整備構想におきます計画でございますが、その時点では国の参酌標準、その他の諸条件を勘案しながら立てた計画だと承知しておりますので、その時点では適正な計画であったと考えます。しかしながら、その後、待機者等について実態を今年度精査いたしまして、在宅の待機者913人、それから介護老健施設に入っている待機者1、685人、これらの方々をどうするかという課題が出てまいりましたので、基本的には、今後特別養護老人ホームはふやすという方向で計画を再構築したいと考えております。
〇斉藤信委員 わかりました。最後のところ、ぜひ。計画って一度立てるとひとり歩きしますから、私は今の最後の部長の発言、これ重いと受けとめて。
 介護の問題で最後に、介護労働者の労働実態、退職率はどうなっているか。これ今、介護保険崩壊の一つの重大問題になっていますが、この打開策をどう受けとめているか。
 あわせて、大きな4番に、公立病院改革についてお聞きします。
 県民がどこに住んでいても必要な医療が受けられる、地域医療を守ることを基本に、私は公立病院の改革は進めるべきだと思いますが、現在どういうふうに公立病院の再編成というのは検討されているか。
 過疎地で地域医療を守って設立以来黒字を続けている藤沢町民病院、私、お邪魔をして院長先生から詳しくその経験を聞いてみました。高齢者が多い過疎地で、こうした高齢者に対応する医療をやって、設立以来10年以上黒字です。総務大臣表彰も受けています。私、ここに地域医療のあるべき姿の一つの重要な教訓があるのではないかと聞いてきましたけれども、この岩手の地域医療に生かすべき教訓、経験というのを県としてはどう受けとめているのか。
 総務省のガイドラインは、医療費削減を前提に、医師不足を押しつけて地域医療を縮小するものとなっていますが、地域医療の縮小ではなく、地域医療の私は確保、拡充と、こういう計画にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇及川長寿社会課総括課長 まず、介護労働者の労働実態と離職率についてでございます。
 まず、県内の介護労働者の平均賃金は、平成19年度の財団法人介護労働安定センターが実施した調査によれば、平均賃金は月額で20万5、000円になっております。同じ調査で、全国ベースでは21万5、000円。介護保険の場合は介護報酬がその元手になっておりますので、大きくは違わない。ただし、別の調査で、厚生労働省の調査で、全産業の平均給与という意味では33万円ほどになっておりますので、それと比較すると大分低い実態であることがわかります。
 また、これらの方々が働く上での悩み、不満等につきましては、やはり業務に対する社会的評価が低いと、健康面での不安があると、休暇、休憩がとりにくいというような調査報告がございます。
 それから離職率でございますが、先ほど申し上げました介護労働安定センターの調査によりますと、平成19年度の介護労働者の離職率は全国で21.6%となっておりまして、県別のデータは示されておりませんので、この調査での岩手県のデータはございません。ただし、岩手県社会福祉協議会の福祉人材センターというところで、県内の特養、それから老健施設、それから通所事業所、この三つを対象として行った調査では、平成19年1年間に介護従事者3、979人中498人が退職したと。その割合は12.5%になっております。
〇六本木公的医療改革担当技監 公立病院改革の検討状況についてでありますが、医師不足や診療報酬のマイナス改定などにより、公立病院の経営の厳しさが増している中で、今般の公立病院改革の目指すところは、経営を安定化し、地域に必要な医療を将来にわたり継続的に確保していくことにあると認識しております。このような考えのもとに、病院事業を行う県、市、町は、現在、公立病院改革プランの策定を進めているところでございます。
 各病院の公立病院改革プランの策定に当たりましては、二次医療圏ごとに病院間の機能の重複を避け、効率的なネットワークを形成できるよう、公立病院の機能の調整や規模の適正化など、県全体としての一定の方向性を示すために外部の有識者の意見を伺いながら、本県の実情を踏まえた公立病院改革に関する指針の策定を現在進めているところでございます。
 次に、藤沢町民病院についてでありますが、藤沢町民病院は、町立病院としてのメリットを生かし、健康・福祉部門と連携した健康増進外来などの住民の健康を守る取り組み、訪問診療、訪問看護などの在宅療養支援、一体的に運営されている介護保険事業者と統合してのサービスの提供など、いわゆる地域包括医療の取り組みを行っているものでございます。これらの取り組みとともに、病院を含む町職員の給与の抑制もあり、一般会計からの基準内の繰り出しによる経常黒字を実現していると認識しております。このようなことを可能としている大きな要因は、病院長のリーダーシップと、自治医科大学等との連携による安定的な医師確保でありまして、他の病院において同様の条件を整えることは容易ではないと考えられますが、地域医療を継続的に確保する上で学ぶべきところが多い取り組みと認識しております。
 次に、公立病院改革ガイドラインについてでありますが、このガイドラインは、先ほども申し上げましたように、公立病院を設置する県、市町村が公立病院改革プランを策定、推進することにより、二次保健医療圏ごとに他の病院との機能重複を避け、役割分担と連携によるネットワークを形成しながら経営の効率化を図るとともに、医師などの医療スタッフの適切な配置を進めることにより、安定した経営のもとで、地域に必要な良質な医療を継続して確保することを目指すものと認識しております。
〇高橋博之副委員長 斉藤信委員に再度申し上げます。
 委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑されるよう、議事の進行に御協力を願います。
〇斉藤信委員 では、最後にします。
 最後ですが、岩手・宮城内陸地震の義援金の配分についてですが、第1次配分以降、さらに義援金が集められていると聞いていますが、総額幾らでしょうか。私は、この義援金というのは被災者救援に回すというのが趣旨ですから、被災者の生活再建に活用されるような配分の仕方が必要だと思いますが、いかがですか。
 福祉灯油の昨年度の実績と、今年度の拡充の見通しについてお聞きして終わります。
〇小林地域福祉課総括課長 岩手・宮城内陸地震の義援金の配分状況でございますけれども、義援金につきましては、総額で約8億8、600万円ほどになっているところでございます。これが8月4日の配分委員会で配分内容が決定されまして、4億3、700万円ほど既に7市町に配分したところでございます。その後、おっしゃったとおり、義援金の受け付け終了後においても、なお義援金が寄せられていることなどから、現在4億5、000万円ほどが配分可能でございまして、配分委員会で決定された配分割合に応じて、10月中に市町村に配分になる見込みでございます。
 被災者に手厚く配分すべきではないかということでございますけれども、この義援金の配分につきましては、配分委員会で決められました配分ルールに基づきまして、県の配分の考え方、基準をお示ししながら、被災市町に配分しているものでございます。被災市町におきましては、被災実態に応じまして的確に配分されるものと考えておりますけれども、2次配分に当たりましては、被災者の復興のために柔軟かつ効果的に配分するよう、さらに要請をしてまいりたいと思っております。
 それから、福祉灯油の実績と見通しということでございますが、平成19年度におきましては、灯油価格の急激な高騰を踏まえまして、低所得者を対象に灯油購入費の助成を行う市町村に対して助成を行ったところでございまして、結果として、35のすべての市町村でこの福祉灯油を実施しまして、助成世帯数は5万3、666世帯、県の補助額は1億2、200万円ほどになっているところでございます。
 今年度につきましては、灯油価格が昨年を上回って推移していることから、市町村の意向も確認しながら、さらに継続して実施していきたいと考えているところでございます。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 先ほど斉藤信委員のほうから御質問のございました後期高齢者保険料の特別徴収対象者の総計でございます。
 私、先ほど9万4、000人ほどと御答弁申し上げましたが、10万2、051人の誤りでございます。おわびして訂正をさせていただきます。
〇小野寺好委員 通告をしておりました質疑に入る前に、今の福祉灯油の関係ですけれども、去年の場合、国で2分の1、特別交付税で措置していますけれども、今度は3分の2を予定していると聞きます。しかしながら、これよりももっと得な制度が、特に市町村、小さい自治体の場合に丸々10割使えるような、そういったものがあるとちょっと聞きましたけれども、もし、わかっていればその辺お聞きしたいと思います。
 じゃ、本来のほうに移ります。
 平成19年度の県民医療費、これは幾らであったかお伺いしたいと思います。
 国の場合の国民医療費ですけれども、これは毎年約1兆円ずつ増加していると聞きますけれども、本県の場合の最近の増減はいかほどでしょうか。
 また、人は年を重ねるごとに疾病を多く抱える傾向にあり、医療機関のお世話になりますが、本県の1人当たりの年間の医療費は、年齢階級ごとに見た場合、どのようになっているか伺います。
〇小林地域福祉課総括課長 福祉灯油の関係でございますが、大変申しわけございません、交付税の関係は特別交付税があるということは承知をしておるわけではございますけれども、それが3分の2であるかとか、そういうことはまだ示されていないものですから、うちのほうで承知してございません。
 それから、10割分補助されるというような制度もあるということでございますけれども、大変申しわけありません、私どものほうでは承知してございません。
〇野原保健福祉企画室企画担当課長兼医師確保対策監 まず、県民医療費についてでございますが、県民医療費は3年に1回公表されてございまして、直近の数値は平成17年度のものでございますが、平成14年度3、580億円に達しまして、平成17年度3、631億円と増加の傾向にございます。また、約10年前の平成8年度と比較いたしましても、6.3%増加しているところでございます。
 本県の1人当たりの年齢別医療費についてでございますが、老人医療費につきましては年度によりまして対象年齢が異なるため、その解釈につきましては留意が必要でございますが、老人1人当たりの医療費の推移で見た場合は、平成14年度の64万8、000円に対しまして18年度は69万7、000円と、7.6%増加してございます。
 老人医療費以外の本県の年齢階級別医療費については把握しているものではございませんが、全国の年齢階級別1人当たりの医療費の状況については、やはり加齢とともに増加する傾向を認め、また、近年の状況でございますが、平成14年度と17年度を比較いたしましても、いずれの年齢層におきましても増加傾向にあり、この状況につきましては、本県も同様であると考えてございます。
〇小野寺好委員 もともとの市町村国保ですけれども、これは自営業者とか農業者等を想定していたと言われますが、高齢化により、いわゆるサラリーマンであった人たちが多く加入するようになり、構造が変化しております。平成19年度の市町村国保対象者は何人で、県民全体の何%ほどになっているか。そのうち、老人医療対象者数はどれほどで、どれだけの割合であったか伺います。
 本県の市町村国保の収入はいかほどであるか、予定収納率に対する実績はいかがだったか、他県で行われている繰り上げ充用との関係でお伺いいたします。
 どこの国保会計も苦しいと言われますが、一般及び退職の国保税は幾らで、全収入に占める割合はいかがでしょうか。また、一般会計からの繰り入れと、その割合もお示しいただきたいと思います。
 失業率の改善が見られず、自営業者に厳しい風が吹きつけていますが、ちなみに、未納者数、金額はどれほどになっているか伺います。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 平成19年度の国保の被保険者数については53万399人、19年度末の総人口の38.8%であります。そのうち、老人医療の対象者数については13万9、792人、全体の10.2%であります。
 そして、収入関係でありますけれども、平成19年度の県全体での国保の収入は1、416億4、100万円余でございます。そして、このうち保険税といたしまして、一般の保険者からは305億7、200万円余でございます。これは、全体の収入に対して21.6%になります。
 それから、退職者の被保険者でございますけれども、保険税額は83億7、400万円余で、全体収入の5.9%ほどになってございます。保険税額全体としては389億4、600万円余となって、全体の収入に対しては27.5%でございます。そして、一般会計からの繰り入れについては89億円余でございます。全体の収入の6.3%ほどでございます。
 そして、保険税の収納率でございますけれども、これについては現年度分が92.4%で、滞納繰り越し分が15.65%程度となっておりまして、全体では75.06%程度になってございます。それから、未納者数でございますけれども、これは世帯であります。世帯数でいきますと3万4、136世帯、未納額といたしましては118億5、700万円余となってございます。
〇小野寺好委員 ただいまは収入のほうを聞きましたけれども、次に、市町村国保の支出済額はいかほどでしょうか。特に、多いと思われる疾患及び高額療養費は幾らで、全体に占める比率はいかがでしょうか。
 なお、老人保健拠出金の額と最近の増減の傾向もお伺いいたします。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 平成19年度の支出合計でありますけれども、1、380億9、000万円余でございます。
 主要な疾患といたしましては、国保連合会が毎年大体前年度の5月レセプトの診療分について調査した結果がございます。それによりますと、最も多い疾患は高血圧に関する疾患でございまして、次に続きますのは糖尿病などとなってございます。
 それから、高額療養費の額でありますけれども、これについては全県で73億8、500万円余となってございます。
 そして、老人保健の拠出金の推移でありますけれども、平成19年度は2、063億円余(後刻「206億3、000万円余」と訂正)でございますけれども、これは平成17年度から見ていきますと、平成17年度が2、461億円余(後刻「246億1、000万円余」と訂正)でございます。そして18年度が2、216億円余(後刻「221億6、000万円余」と訂正)ということで、年々減少してきた傾向がございます。
〇小野寺好委員 最後です。仮に後期高齢者医療制度を廃止してもとに戻すような事態になった場合、財政規模が小さく高齢化率の高い自治体は大変なことになるかと思いますが、国保が破綻しかねない市町村があるかどうか、県はどのように見ているか、お伺いいたします。
〇柳原医療国保課総括課長兼医師確保対策監 平成19年度の国保の状況で、例えば前年度繰り上げ充用を実施した保険者が何カ所あるかについて申し上げますと、これは1保険者となってございます。額としては、百数十万円の繰り上げ充用と聞いておりますが、そして過去5年間を見ていきますと、平成18年度はございませんでした。平成17年度は2保険者、平成16年度でも1保険者ございました。そうした中で、各市町村の国保には基金の保有をしっかりしていただいて、財政状況が厳しい場合には、それを取り崩すなどの助言をさせていただいております。したがいまして、現段階で申し上げますと、後期高齢者医療制度が廃止され、前の国保制度に戻った際に、すぐに国保財政が破綻する保険者といったものについては、現段階ではないのではないかと考えております。
 また、先ほど私、答弁申し上げた数値でまた読み間違えましたので、おわびして訂正をさせていただきたいと思います。
 老人保健の拠出金の推移でございます。平成17年は246億1、000万円余の間違いでございます。そして、18年度が221億6、000万円余、19年度が206億3、000万円余でございます。おわびして訂正をさせていただきます。
〇高橋博之副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇久保幸喜委員 済みません、通告もしておりませんでしたが、1点だけ、自殺対策についてお聞かせをいただきたいと思います。
 冒頭、部長の説明の中にもありましたが、自殺率それから順位ともに、今回改善をされたということでございますが、わずかながらも改善をされたということは、それだけ喜ばしいことではあると思いますし、伝えられるところによると、県内にあっても、久慈でしたか、振興局の皆さん方が一生懸命取り組まれたというような例も報道されたりということで、関係者の皆さん方は大変御努力をなさっていると思いますが、今回の改善要因について、まずはどのように分析されているのか、お尋ねをしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 今回、自殺率につきましては、平成18年度が全国ワースト2位でございましたが、19年度にちょっと上がってワースト4位となりまして、若干の改善がございました。
 この改善の要因につきましては、県におきまして、官民一体となりました40機関からなる岩手県の自殺防止対策協議会をつくりまして、その協議会において、官民一体となった取り組みを進めてきておりますことが大きな要因と考えております。また、岩手県におきます、精神保健福祉センターを中心としました地域における自殺を予防するためのさまざまな介入的取り組み、これらも効果をあらわしているのかなと考えております。
 特に、久慈地域におきましては、例えば傾聴ボランティアを養成するなどして、自殺防止のための取り組みを地域ごとにきめ細かく行っているとか、それから孤立しがちな老人について、たぐきりという場にお集まりいただいて、そこでいろいろ悩みとかを聞くというような取り組み、そういう地道な取り組みが効果をあらわしているのではないかと考えております。
〇久保幸喜委員 2年前でしたか、自殺対策基本法ができまして、昨年は総合対策大綱が出されたということで、市町村からの声を聞きますと、高いことは承知しているけれども、実態がなかなかわからないので、対策の打ちようがないんだという声がずっとあったわけですけれども、ことしの夏に、初めて全国の自殺者の実態を警察署単位で、要因だとかそれから自殺者の年齢だとか、そういう構造的な問題を含めた分析をされた自殺白書というのが出されまして、民間のNPOの出版なようですが、これが各メディアにも取り上げられて、かなり大きな反響を呼んだと聞いております。この中でも、私も読ませていただきましたが、自殺者の追跡調査だとかそれから要因分析だとか、あるいは外国との比較を含めてかなり膨大な内容を含んでいるわけですが、この数字ですね、この白書で示された数字と、今回県が附属文書で示した自殺率とか自殺者数で違いがあるんですが、これは多分警察の資料をもとにしたものと、あるいは具体的な居住者との違いなのかなと思いますが、その点一つだけ確認させてください。
 それから、この白書の中で取り上げている今後の対策というところで一番重要な点が、先ほど官民共同で取り組んでいるんだと、これが成果だとおっしゃいましたけれども、自殺予防の民間団体と官の側がきちんと手を結ぶことが非常に有効であると。民間の活動が活発なところほど自殺率が低くなる傾向があるということが、この白書で分析として出されているようなんですが、対策協議会で、構成を白書の中で各県ごとに全部比較検討しているのがあるんですが、その中では、岩手県の場合は、民間の対策予防の団体が入っていないということにされているようなんですが、その実態をお知らせいただきたいと思います。あるいは、民間団体というのがどの程度県内で活動されているのかどうかも、あわせてお示しをいただきたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 初めのお尋ねでございますが、警察発表とそれから県の統計の差異についてでございますが、警察発表の場合は、そこで死亡した方の数、その地域を単純に計算いたしますし、それから県発表の場合は、岩手県の出身の方を数えますので、例えば岩手県の方がどっかに行って他県で死亡した場合も、県発表ではその方はこちらの数字にカウントされるということでの差異が生じてまいります。
 それから、岩手県の自殺対策の推進のための組織でございますが、これは49団体含んでおりまして、いわゆる企業とか行政機関とかも含めて、49団体の中にはいわゆる自殺対策を進める民間団体も構成員として入ってございます。
〇久保幸喜委員 私、ちょっと言い間違いましたね。民間団体というのは、自殺で残された遺族に対する支援団体が入っていないというところが、若干民間団体による評価の低いところだったなと、岩手県の場合は。そういうことなんですが、いずれにしても、若干とはいえ改善されたことは喜ばしいんですが、実はその白書で各県の推移を見ますと、今まで長い間1位を独占していたというか、隣の秋田県などが今回かなり大きなポイントで自殺率を下げているということなんですが、岩手の対策と秋田の対策の違いというのがもしあれば、この際お示しをいただきたいのと、今後の方向性、対策の基本的なポイントみたいなところがもしあれば、最後にお聞きしたいと思います。
〇菅原障がい保健福祉課総括課長 まず、先ほどのいわゆる遺族に関する民間団体が含まれていないのではないかという御指摘でございますが、岩手県自死遺族サポートグループという、いわゆる遺族の民間団体も構成団体に含まれてございますので、それも含めて民間団体がこの協議会では一緒に取り組んでいるということでございます。
 それから、秋田の取り組みが全国的に評価されておりますが、秋田の場合は、遺族への接し方について警察への研修を行うとか、それから、遺族専用の電話相談窓口を開設するとか、それから、きちんとした相談体制ができているという部分での大きな取り組みはございますし、岩手の場合は、その部分はこれからまさに対遺族への支援とか、そういう部分が今後の課題になっているかと思いますので、いずれ、秋田、青森、岩手が、自殺ではいつもランクが悪いほうで位置づけられておりますので、3県連携しながら、自殺数が減少するために引き続き取り組みをしていきたいと考えております。
〇高橋博之副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋博之副委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わります。
 保健福祉部の皆さんはこれで退席されて結構です。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇田村医療局長 認定第1号平成19年度岩手県立病院等事業会計決算について御説明申し上げます。
 県立病院等事業の運営に当たりましては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会の審議を通じての御意見及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえまして、まことに厳しい医療環境ではございますが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配意しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところでございます。
 平成19年度におきましても、良質で効率的な医療供給体制と、これを支える安定した経営基盤の確立のため、県立病院改革基本プラン及びこれに基づく改革実施計画の実行により、多様な取り組みを展開してきたところでございます。
 まず、病床規模の適正化につきましては、圏域ごとに入院需要に見合った適正な病床数を確保しながら施設効率を高めるため、大迫病院及び伊保内病院を診療所化し、59床を削減したところでございます。
 次に、医師確保についてでありますが、本県出身医師等の協力を得ながらの個別訪問や関係大学に要請するなど招聘に努めるとともに、奨学資金貸付制度の改正を行ったところでございます。また、臨床研修医師の積極的な受け入れに取り組んだ結果、平成19年度は初期臨床研修医が107人となり、後期研修医は47人を勤務医として確保したほか、育児短時間勤務制度や医療クラークを導入するなど、現在勤務している医師の定着を図るための勤務環境の改善に努めたところでございます。
 また、地域偏在の緩和に向けた取り組みでは、広域人事異動システムによる医師の派遣や、広域基幹病院等から地域病院等へ延べ6、549人の診療応援を実施するなど、県民医療に必要な医師の確保と定着に努めてきたところでございます。
 次に、医療機能の明確化等についてでありますが、宮古病院など3病院が新たに地域がん診療連携拠点病院として指定され、中央病院が地域医療支援病院として承認を受けたほか、全病院に地域医療福祉連携室、または地域生活支援連携室を設置するなど、医療機能の役割分担と病診連携の推進に努めてきたところでございます。
 また、職員の資質の向上等につきましては、新たな人事考課制度を、医師においては平成19年6月から実施するとともに、医師以外の職員においては試行期間を設けた上で、本年6月から本格実施したところでございます。
 このほか、収入確保の取り組みとして、入院基本料などの施設基準の上位への届け出や新規の基準取得を進め、また、費用面では、職員の適正配置、釜石病院など4施設の医事業務委託や、高田病院など2施設の調理業務委託など外部委託の拡大、薬品等材料の在庫管理の適正化と整理統一、後発医薬品の使用拡大等により費用の抑制を図るなど、総合的な経営改善の実施により、効率的な病院運営と安定した経営基盤の確立に努めたところでございます。
 また、施設整備につきましては、増大かつ複雑・多様化する医療需要と医学・医術の進歩等に的確に対応するため、中央病院増改築工事を平成19年7月に着工し、また、花巻厚生・北上統合病院については、本年度の完成に向けて、引き続き新築工事を行っているところでございます。
 以上、事業の概要を申し上げましたが、国民医療費の総額が抑制され、患者負担の引き上げや健康保険組合の再編等を柱とする医療制度改革が進められる中、4回連続となる診療報酬のマイナス改定が実施されるなど、これまで以上に厳しい経営状況となっているところでございます。
 こうした状況のもと、今後の事業運営に当たりましては、引き続き県立病院改革実施計画に定める、電子カルテ等の情報化の推進による患者サービスの向上や、PET−CTの整備による高度医療の提供及び診療報酬の適正算定、広域基幹病院へのDPC─診断群分類包括評価と呼んでおりますけれども─DPCの拡大等による収入の確保、給与費の縮減や材料費の抑制、外部委託の拡大等による費用の抑制に努めることを念頭に、全職員が一丸となって、県立病院改革を着実に実行していく必要があると考えております。
 なお、現在実行中の県立病院改革実施計画は本年度が最終年度となることから、県の新しい医療計画や国の公立病院経営改革ガイドラインを踏まえ、県立病院として真に果たすべき役割を明確にし、他の医療機関との役割分担と連携体制を構築するため、平成21年度を初年度とする新たな経営計画の策定に取り組んでいるところでございます。
 それでは、お手元の決算書に基づきましてその概要を御説明申し上げますが、決算書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めた金額で作成するものであるのに対しまして、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を除いた金額で作成することになっており、金額に相違がございますので、あらかじめ御了承願います。
 決算書の1ページをお開き願います。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でございますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額936億2、800余万円に対し、決算額は922億400余万円でございます。
 次に、支出でございますが、第1款病院事業費用は、予算額940億7、900余万円に対し、決算額は932億7、900余万円でございます。
 2ページに参りまして、資本的収入及び支出でございますが、収入の第1款資本的収入は、予算額166億7、200余万円に対し、決算額は151億2、700余万円で、その主なものといたしましては、第1項企業債84億3、100余万円、第3項負担金36億5、400余万円、第4項他会計からの長期借入金30億円などでございます。
 3ページに参りまして、支出の第1款資本的支出は、予算額183億800余万円に対し、決算額は175億6、100余万円で、その主なものといたしましては、第1項建設改良費は75億2、400余万円で、花巻厚生・北上統合病院新築工事並びに中央病院等への全身用エックス線CT診断装置、中央病院及び久慈病院への超電導磁石式全身用MR装置等の医療器械等の整備に要した経費でございます。
 第2項企業債償還金は74億9、900余万円で、施設等の整備のため借り入れた企業債の償還金でございます。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額40億5、100余万円につきましては、過年度分損益勘定留保資金等13億4、600余万円で補てんし、残りの27億500万円は、当年度同意等済未発行企業債で措置するものでございます。
 次に、損益計算書について御説明します。
 4ページをお開き願います。医業収益は798億200余万円で、前年度に比較いたしまして11億8、200余万円、1.5%の減少でございます。その主なものといたしましては、入院収益512億2、700余万円と、外来収益226億9、900余万円でございます。
 次に、医業費用は862億5、700余万円で、前年度に比較いたしまして15億700余万円、1.7%の減少でございます。その主なものといたしましては、給与費499億6、200余万円、薬品費を主な内容とする材料費216億2、400余万円、光熱水費、賃借料及び委託料等の経費106億4、500余万円、減価償却費35億6、300余万円などでございます。
 また、医業外収益は122億9、800余万円で、前年度に比較いたしまして1億4、400余万円、1.2%の減少でございます。その主なものといたしましては、一般会計繰入金のうち、医業外収益として繰り入れました負担金交付金111億9、800余万円などでございます。
 5ページに参りまして、医業外費用は69億2、400余万円で、前年度に比較いたしまして2億2、800余万円、3.4%の増加でございます。その主なものといたしましては、支払利息及び企業債取扱諸費40億3、200余万円、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税15億100余万円を含む雑損失16億7、200余万円などでございます。
 この結果、平成19年度岩手県立病院等事業会計の損益は、医師の退職等による診療体制の脆弱化などによる入院・外来患者の減少により10億8、100余万円の純損失を生じ、赤字決算となったものでございます。このことにより、当年度末累積欠損金は138億3、800余万円となるものでございます。
 以上、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げましたが、剰余金計算書及び貸借対照表、その他の事項については、説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇高橋博之副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時56分 休憩
午後3時13分 再開
〇大宮惇幸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 本日の保健福祉部審査の際、後刻提供することにしておりました資料については、お手元に配付してありますので、御了承願います。
   〔資料の登載省略〕
〇大宮惇幸委員長 これより、医療局関係の質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑・答弁とも、簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木一榮委員 それでは、簡潔に質問いたします。
 医師不足による収益減への対応について。
 産婦人科、眼科医不足による診療科休止の影響はどうなっているでしょうか。
 それから、これらの要因が主で収益減となっている病院への今後の対応はいかがお考えでしょうか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 医師不足によります収益減への対応についてというお尋ねでございますが、産婦人科につきましては、釜石病院、それから胆沢病院でそれぞれ2名ずつ減少しております。眼科につきましては、宮古病院、磐井病院でそれぞれ1名減少しているという状況でございます。
 これによる影響でございますけれども、それぞれの病院の各科の入院・外来収益の合計を前年度と比較いたしますと、産婦人科で約5億1、200万円、眼科で約1億6、800万円の減少になっているということでございます。
 収益減となっている病院への今後の対応についてのお尋ねでございますけれども、まずもって、医師不在となっている診療科のお医者さんを確保するのが先決ではございますが、御案内のとおり、産婦人科、眼科など、いずれ、医師確保が非常に難しいという事情がございますので、当面、患者サービス及び収入確保の観点から、産婦人科につきましては院内助産、それから助産師外来の取り組み、それから地域の開業医との連携強化などを進めまして、また費用の削減にも努めてまりたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 一般会計からの繰入金でありますが、141億円と県民1人当たり1万円を超えている現状でありますが、今後の病院経営の中で繰入金をどの程度予想されていますでしょうか。
 あわせて、保健福祉部の審査でもありましたが、医療費適正化計画の影響は、医療局としてはどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 まず最初に、一般会計からの繰入金の見通しでございますが、一般会計繰り入れにつきましては、国の定める繰り出し基準を基本といたしながら、財政当局との協議を行って定めているということでございます。そして、必要に応じて見直しをしているという事情にございます。
 今後におきましては、新しい経営計画の策定を踏まえまして、適切な基準に基づく繰り入れがなされるように、財政当局に対してお話をしていきたい、協議していきたいと考えております。
 ただ、今後の見通しにつきましては、繰入金のうち非常にウエートが大きいのは企業債の利息でございまして、今後、大規模な施設整備がない場合は、その分、当然減少していくだろうということでございます。
 それから、医療費適正化計画の影響ということでございますが、いずれ、今のところ医療局としてはまだ試算していないということでございます。
〇佐々木一榮委員 試算も不可能かと思いますが、医療局の経営をますます圧迫することは間違いないのではないかと考えております。
 そこで、平成19年度決算において、この合理化の面でお伺いしたいと思いますが、医療事務等を中心とした外部委託の推進など経費の削減内容、また金額が前年比どのようになっているでしょうか。
 また、効率的医療供給体制の構築に向けての具体的な取り組みをお示しいただきたいと思います。
 あわせて、恒常的な医師不足は、診療科休診により医療基盤の弱体化が大変心配されます。医師の労働時間も非常にふえておりまして、医療サービスの低下ですとか、医療事故の発生が懸念されるところであります。
 また、そういった状況下で、患者さんからの、各病院にさまざまな御意見をいただくような意見書箱といいますか、そういうものが設置されておるようでありますが、患者さんからのそういった病院への要望への対応状況と医療事故、また裁判の状況はどのようになっているでしょうか、お尋ねします。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 まずは、外部委託の推進などによる経費の節減でございますけれども、平成19年度におけます外部委託でございますが、削減された人件費と、それから委託料としてふえるわけでございますが、その分を相殺いたしますと、釜石、遠野、江刺、それから大槌の4病院で医事業務委託を行いまして、その結果5、400万円出ているということでございます。それから、高田、九戸─伊保内でございますが─の2施設の調理業務の委託によりまして3、600万円の減になっているということでございます。それから、大迫、九戸の2施設を診療所化したということで職員が減ったということがございますので、その職員の減に伴います給与費といたしまして2億3、600万円の減になっているということでございます。合わせまして3億2、600万円の効果があったと考えております。
〇根子経営改革監 効率的な医療体制の構築に向けた主な取り組みといたしましては、一つは、二次保健医療圏ごとの県立病院群の一体的な運営というものをやっておりますし、それから、病床規模の適正化の着実な実施、この二つが大きな取り組みと考えております。
 病院群の一体的運営につきましては、平成17年度から、圏域の広域基幹病院に事務部門、それから栄養管理部門、検査部門の集約化を進めておりまして、事務と栄養管理部門については平成17年度から実施しております。それから、検査部門についても順次実施しておりまして、平成18年度までに8圏域で実施済みという状況でございます。
 それから、病床規模の適正化でございますけれども、平成16年度から実施しておりまして、5病院の診療所化を初め、稼働病床ベースで、平成20年度までに554床の病床を適正化したという状況でございます。
〇八木参事兼業務課総括課長 まず、医師の負担軽減を図るため、医療クラークの配置、あるいは臨床検査技師による超音波検査の実施などの取り組みをしているほか、14病院に配置しております医療安全専門員による医療安全対策の推進及び院内感染対策委員会の活動などを通じまして、医療の質及び医療安全の確保には取り組んでいるところでございます。
 病院に設置していますふれあいコーナー、ポストがございますけれども、平成19年度2、203件ほど件数がございまして、診療内容に関するものが613件、約27.8%、あるいは接遇に関するものが558件、25.3%、こういう状況になっていまして、医師が少ない中での診療内容に対する要望というのは十分にこたえ切れないという面がございますけれども、医師以外の分野でカバーできるものはカバーして、十分説明をしながら対応している、そういう状況でございます。
 次に、医療事故と係争中の件数でございますけれども、平成19年度における医療事故の件数、本庁に報告があった件数は19件で、現在、裁判で係争中のものは4件ございます。
〇佐々木一榮委員 それでは、県立病院の監査委員からの審査意見書にかかわってちょっとお伺いしたいと思いますけれども、監査委員のほうから、損益分岐の再検討により経営収支の改善を図る必要があると指摘されておりますが、この指摘された損益分岐という部分の基本的な考え方をどのようにお考えでしょうか。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 監査から指摘されました損益分岐についてでございますけれども、現計画では、病院群の一体的な経営、それから病床数の適正化、それから給与抑制等によりまして、単年度に収支均衡を図るという計画でございました。いずれ、平成19年度には、もう既に均衡を図るという計画ではございましたけれども、御案内のとおり、患者さんが減っている、それから診療報酬がマイナス改定になった等々ございまして、計画から大分乖離している状況にございます。
 このような県立病院の現状を踏まえながら、新しい経営計画におきましては、二次保健医療圏を基本に、県立病院間、それから他の医療機関との役割分担と連携をより一層進めまして、圏域全体で医療提供体制を確保していく必要があるだろうと考えております。
 また、医師確保のために臨床研修制度の充実、それから医師の業務負担軽減など、これも当然進めるべきだろうと考えておりますし、それから、7対1看護体制、上位施設基準の取得によりまして収益の向上を図りたいと考えております。
 いずれ、これらの対策をとりながら、病院別の原価計算を含めましたシステム構築を今進めておりますので、それなどを考えながら、監査委員から御指摘のありました損益分岐の視点も取り入れながら、今後の経営収支の改善に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 監査委員にちょっとお伺いしたいと思いますが、ただいまの経常収支の部分の損益分岐に対する考え方でありますが、御案内のとおり、中央病院が12億9、000万円という利益を上げていまして、赤字のほうの一番大きいのは江刺病院の3億7、200万円ということで、黒字が8病院、そして赤字が15病院あります。
 それで、局全体の経常収支、それから二次保健医療圏の損益分岐のお話がありましたけれども、監査委員が意見書で、さっき指摘したとおりのことからいいますと、これは非常に厳しいように思うんですが、監査委員のおっしゃる損益分岐に対する考え方、どういうようなお考えの中で医療局に対してこういう意見書を出されたのか、これをお伺いして、終わります。
〇菊池監査委員 県立病院の収支ですけれども、当初、平成19年度は3億円ぐらいの赤字が見込まれていました。それが10億円を超える額に膨れ上がったのは、医療局が分析していますとおり、医師の退職などが大きく作用したと思っております。入院患者あるいは外来患者が大幅に減ったということですが、やはり、この病院はこれだけの利益を上げる、これだけの費用をかけるというものをはっきりと見通して計画を立てないと、同じような結果を招く。
 例えば、私たちが注目しているのは人件費比率なんですが、全国的な統計ですが、やはり黒字にしている病院は人件費比率が大体50%台。ところが県立病院になりますと、それが60、70%と膨れ上がっていく。県北のある病院なんですけれども、3億円の事業収益を得るために5億円も経費をかけている、そういう実態がありますので、やはりどれぐらいの収益を上げる、そのためにはコストはこれぐらいに抑えるんだというものを各病院ごとにはっきり計画を立てる必要があるのではないかと思っております。
〇佐々木一榮委員 大変ありがとうございました。ただいま監査委員から、さまざまな病院の改革についてはこれまでもお聞きしてきておりますが、人件費の大きな問題、この比率が、確かにそのとおりだと思います。すべての病院の収支を見ましても、やはり合理化の中でも、もう限界があるという部分もあると思うんですね。
 今、各病院の経営収支のお話がありましたが、これについては、今度の新しい計画の中で、各病院のそういった計画というものを盛り込まれて進めるお考えでしょうか、お伺いします。
〇根子経営改革監 公立病院改革ガイドラインにおいては、一般会計繰り入れ後、3年後の黒字ということが求められておりますので、その中で、それぞれの病院の収支等、それから、その全体を見ながら収支計画を策定してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 まず、各県立病院等の医師の充足の状況はどうなっているかお聞かせ願いたいと思います。それと、県立病院等の医師数に研修医はカウントされているのか。されているとすれば、その状況はどうなっているのか。まず二つです。
〇岡山医師対策監 まず、各県立病院等の医師の充足率についてでございますけれども、平成19年度末の県立病院全体の医師の充足率は120.1%と医療法上の基準を満たしておりますけれども、基準に満たない病院等が9施設ほどございます。北上川流域では充足率が139.1%と高くなっているものの、県北部や沿岸部の12の病院等では100.4%と低くなっているなど地域偏在があるほか、診療科によりましても偏在があるなど、医師数は十分とは言えないと考えております。
 次に、医師数に研修医はカウントされているかということでございますけれども、平成19年度末の県立病院の常勤医師数は507人となっておりますが、2年間の研修を終えたいわゆる3年目以降の後期研修医につきましては、正規職員として採用していることからこの中に含めておりますが、初期研修医につきましては、医療法上カウントできることにはなっているわけですけれども、指導医のもとで研修しているなどのことから、医師充足率としてはカウントしていないものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 地域偏在というのはここでも出ているんですけれども、先ほどの研修医の話ですが、507人中、後期研修医というのはどれぐらいいるのか。そして、特に県北・沿岸部の200床以上の大きい病院でいいんですけれども、どういう実態になっているか。実際に人数はいても、研修医がいることによってかえって負担のほうが高くなっているという実態もあるように聞いていますが、その辺はどうでしょうか。
〇岡山医師対策監 まず、後期研修医の数でございますけれども、後期研修医は47名ほど現在おります。初期研修医は107名おりますが、この初期研修医で、例えば県北地域ですけれども、久慈と二戸病院に、研修施設でございますので研修医がおりまして、久慈病院には昨年8名おります。また、二戸病院には3名ほどおります。
 研修医が負担になっているかということですけれども、確かに、指導医の先生にはある程度負担があるわけですが、いわゆる病院全体として、医療の質とかそういったことを考えますと、研修医に教えることも、医師みずからが勉強するという形もございますので、こういった中で、研修医が多いところでは当然活気もございますし、そういった意味では、若干の負担はあるとは思いますけれども、研修医を確保していかなければならないかと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 全体で507人中47人が研修医で、その人たちをカウントした結果が120.1%ということですね。そうすると、実際にはそれで、ありがたいことではあるけれども、まだまだ自立的にできない人も含めているということは名目上の充足率というとらえ方になってしまうような気がするんですが、その点はどうでしょうか。
〇岡山医師対策監 後期研修医は、初期研修2年修了して、診療的にもかなり戦力になっていると思っております。ただ、初期研修医につきましては、まだ、当然研修の身という部分がございますので、その辺は負担になっていると思いますが、初期研修医を含めますと充足率は140%ほどになってしまいますが、うちのほうでは一応除いておりますので120%の充足率。ただ、当然、非常勤の医師も含めておりますので、月1回とか、週1回という形で応援に来る先生も含めた数で充足率を計算しておりますので、これらを除きますと、100%に若干欠けるぐらいの充足率になるものと思っています。
〇嵯峨壱朗委員 北上川流域139.1%で、県北・沿岸100%ということ。これは一つの県立病院という組織ですから、もう少し平準化できるような気がするんですけれども、なぜそれができないんでしょうかというのと、また聞きますけれども、この決算の説明の中で、標榜診療科という名前で診療科を書いていますが、この標榜がつくというのはどういうことなのかというのをお聞きしたかったんです。
 先ほど佐々木委員の質問でもありましたけれども、医師がいなくなっている。この医師がいないところにも診療科が開設されているんですね。医師がいなくても診療科というのは開設できるものなのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇八木参事兼業務課総括課長 標榜診療科の定義だと思いますけれども、現在、医療法施行令の第3条の2の規定でございます診療科名の標榜をするに当たっては、専用の診察室の確保などの要件はございますが、広告する診療科名の数は、勤務する医師の数にかかわらないと医療法上の中ではされているところでございます。ただし、本年4月から医療法施行令の一部を改正する政令等の施行によりまして、平成20年4月以降、新しく広告する場合には、医師1人に対して主たる診療科を原則二つ以内と法が改正になってございます。
 したがいまして、現在、県立病院で標榜している診療科というのは、今回の法改正以前の、従前の標榜している診療科でございますので、それは現在も継続して標榜することが可能だとなってございます。医師がいて診療科を標榜し、その後、休診といいますか、医師がいなくなって実際診療していないという標榜科も何病院か標榜してございますけれども、今のところ規定上といいますか、医療法上での抵触という部分には当たっていないという状況でございます。
〇嵯峨壱朗委員 まさに標榜ということですね。何となく、我々からすると医師がいて初めて診療科。医師がいなくても、この表を見ていると、私はずっとすばらしいなと思っていたんです。これだけ診療科があるんだなと思って。実際には、これはうそですよね。そういうふうに理解していいですか。
〇八木参事兼業務課総括課長 実際、現在休診している診療科といいますか病院でございますけれども、やはり耳鼻科、あるいは眼科、産婦人科、それから循環器も休診していることもございますが、今、11病院で14診療科ほど休診してございます。
 委員おっしゃいますとおり、医師がいなくて、実際に今、標榜になっているという実態がございますので、これは、やはりこれからの医師確保の状況等もございますけれども、さらに、今いろいろと地域医療計画といいますか、機能分担とか連携の推進等もございますので、これからこういった診療科の見直しといいますか、きちんとした診療科にしていくといったことも必要かと考えてございます。
〇岡山医師対策監 医師の平準化といいますか偏在を解消できないのかということでございますけれども、確かに、盛岡地域にはかなり医師が多いという状況になっていますが、各病院にさまざまな機能がございます。高度な医療とか専門医療という形がございまして、それに見合った医師の配置ということもございますので、なかなか偏在というのは解消できないという状況になっているものと思っています。
〇嵯峨壱朗委員 この診療科が標榜だと、取ってしまうと医師が来なくなるかもしれないですものね。ですから、やはり確かにあったほうがいいんでしょう。多分、なくなってしまうとね。そういう意味で言うと、標榜でも、診療科を上げておいてもらったほうが、もしかしたら医師が来る可能性があるという意味で言うと、積極的にも解釈ができると思ったりします。ですから、標榜ではなくて、実際に医師を呼ぶ努力をしていただきたいと思います。本当にこれは、患者側は実際に勘違いしますので、お願いします。
 それと偏在の話ですけれども、その説明ですと、高度な医療は北上川沿岸だけでいいのかという話になってくるんですね。ですから、県立病院という一つの組織ですから、全体のバランスを見て配置をするべきじゃないかと私は思うんです。その辺がちょっと理解できないところです。今の説明だと、高度な医療何とかというのは余り説明になっていないというか、逆に、えっと思うような説明だと思って聞きました。
 それと、細かいところも聞きますが、もう少しだけです。各県立病院に人工透析の機械を設置していると思うんですけれども、その状況というのはどういった状態になっているか。北上川地域は充足しているという話ですから、多分それもそうでしょうから、説明としては充足していなさそうなところです。そのほうがはっきりするでしょうから。そして、そういった地域で、利用したいけれども利用できないという状況はないのかということもお聞かせ願いたいと思います。
〇田村医療局長 医師の偏在平準化というお話でございますけれども、基本的には、委員おっしゃるとおり、きちんと各地域にしっかり置くというのが基本だと思っております。
 実際のお医者さんの大学医局とのやりとりの中で、どこどこの病院というような形で、それぞれやりとりの中でやっているという実情が一方でございます。それから、もう一方で、比較的自治医大出身の人が、県費をかけて育てたお医者さんがいるわけですけれども、そういった方々は、比較的私どもの意向でやれる部分がございますので、そういったものを組み合わせながら、地域偏在の解消に向けて取り組んでおりますし、これからもそういう取り組みをしていきたいと思っております。
〇八木参事兼業務課総括課長 人工透析の関係でございますけれども、県立病院では、12病院に151台を設置してございます。大体広域基幹病院にはほぼ透析を入れてございますので、特に地域的な偏在といいますか、そういうものは、この透析に関してはちょっと見えてこないかなという気がします。
 さらに、県立病院以外、民間でも、これは全県で43施設が透析をやっていまして、そのうち県立病院が12施設ということでございますので、民間のほうでも十分対応しているという状況でございますので、民間との連携をさらに深めて、この腎対策に取り組んでいくことになろうかと思っています。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひ、この偏在については、今、局長がおっしゃられたような形で対応していただければと思います。
 もうこれでやめますから。
 この透析についてですけれども、実は、久慈病院の話だったんですが、久慈病院にあるのは20台かな。そして、ちょっと忘れましたが、患者が結構いるんですけれども、行ったら、今ちょっとできないということで八戸の病院を紹介されたという事例が幾つかあるようです。ということは、恐らく足りないということなのかなと思って聞いたわけです。そういった事実があるので、それで聞いたんです。これは偏在というよりも、そういったことについて、それであれば何とかすべきじゃないかと。
 もう一点は、人工透析に余り積極的でなくなっているという話もある。それは、診療報酬の関係で、それについては下がった、だから、県立病院は余り積極的じゃないのではないかという風聞もあるわけです。それはどうなのかということ。
 それと、せっかくこの資料をいただきましたけれども、結核病床ですが、これ、県立久慈病院にはないんですね。ということは、あの地域に結核病棟はないということなんですね。今いただいた資料です。ということは、なぜないのか。もし結核患者が出た場合はどうするのでしょうかということ。
〇八木参事兼業務課総括課長 まず、人工透析の関係でございますけれども、久慈地域においては、久慈と種市病院に透析装置が設置されている状況のようでございます。うちの県立病院の対応としますと、病院のほうから、そういう患者さんがいて、例えば台数が不足しているという要望があれば、例えば、昨年度も2病院に5台ほど追加してございますので、今後も、やはり病院からの要望、あるいは状況等を聞きながら、必要に応じて対応してまいりたいと考えてございます。
 それから、結核病床の資料は、確かに、県立病院としては久慈地域にはないですね。いわゆる結核は、医療計画の中では、今、全県で何床という決め方をしているわけです。一般病床の場合は、二次保健医療圏ごとに必要病床数といいますか、基準病床数を決めてやっていますけれども、結核と精神に関しては全県を1区として見ているようでございまして、そういう意味で、現在、この県内の結核病床数が、県の保健福祉部の資料ですと141床ということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 所管じゃないのかどうかわからないですけれども、なぜないんだろうかと思って、素朴な疑問です。あの地区にないんです。人口7万人のエリアですけれどもね。そういうことなんです。だから、なぜないのかなと思って、素朴に疑問です。結核になる人がいないのかわかりませんけれども、なぜなんでしょうか。
〇八木参事兼業務課総括課長 なぜないかという経過等についてはちょっとわかりかねますけれども、こうして見ますと、例えば、釜石圏域なんかもここには、県立病院ではないわけでございまして、いずれそういった患者さんが出た場合は、周辺の圏域も含めてカバーするといったことで、こういった形になっているのではないかと感じます。その経過等に関しますと、実態については把握してございません。
〇嵯峨壱朗委員 なぜと聞いても、確かにわからないかもしれないですね。多分、県立病院としては要らないという判断だったんでしょう。県立病院しかないわけですから、医療局としては、久慈地区には結核病棟はなくてもいいという判断なわけです。そう理解するわけです。やはり、うちのおやじも昔、結核をしましたからね。そのときは久慈病院で─昭和30年前だと思うんですけれども─治療した。手術して治ったので、そのころはあったんだと思うんです。蔓延していましたからね。だから、本来ならば、医療圏という単位で見ると、あるべきじゃないかと思って聞いているわけです。
〇田村医療局長 先ほど申し上げましたように、詳しい経過はわからないわけですけれども、この結核病床の配置とかというのは、医療局がここに置きたいとかという考え方ではなくて、保健福祉部とよく協議して、県立病院だけじゃなくてやってきたという経過の中でこういうふうになったと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇飯澤匡委員 先ほど、佐々木一栄委員のところでも出ましたけれども、私も給与費についてお伺いしたいと思います。
 平成19年度決算において、全体の費用の中の構成比において、職員給与費は、資料によりますと53.6%、料金収入に対する比率、入院収益と外来収益を足したものを分母にして、分子には職員給与費、その比率については67.6%。これらの構成比は、経営分析の観点から医療局は現在どのような評価をしているのかお伺いいたします。
 続けて、これらの構成比に対して、人件費の管理という観点から、先ほど給与費の低減というお話もありましたが、管理の方策、これは新しい経営計画にもかかわってくるものですが、どういう基本的な考え方に立っているのか、お知らせを願います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 平成19年度につきましては、料金収入に対する職員給与費の割合でございますが、委員御指摘のとおり、いずれ東北6県と比較いたしますと、岩手県の数値でございますが、低いほうから3番目。ただし、全国平均が66.5%となっておりますので、1.1ポイント高くなっているということでございます。いずれ、これは医師不足等の影響によりまして入院・外来収益が落ち込んでいることが、経営悪化の大きな要因と考えております。
 平成18年4月から、公務員給与の構造改革といたしまして平均で4.8%の給料表の引き下げを実施しております。その関係で、平成19年度においては、その着実な推進によりまして職員給与費の抑制を図っているということでございます。
 診療所化等によりまして、職員数の削減によりまして職員給与費の抑制にも努めているということでございます。
 今後におきましては、病床規模の適正化、それから人員配置の適正化等を進めながら、人件費の抑制に努めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 わかりました。大きな費用で、50%を超えるわけですから、この点についても、私は、少しメスを入れなければならないと思っております。
 それでは、次に、新しい経営計画、県立病院改革についてお尋ねします。
 現在、二次保健医療圏を単位として、圏域における医療度の完結性を目指しておりますが、先ほど来お話があった診療科の偏在というのがかなり顕著になってきております。急激に顕著になってきています。これらの事実を受けて、今後の改革の方向性、先ほどもちょっと他の委員への答弁でも触れられておりますが、改めてお伺いいたします。
 それから、今、本県では広域振興局、広域振興圏についてさまざま考察がなされておりますけれども、これらの再編による二次保健医療圏に対する影響が出るのか出ないのか、その点についてのお考えをお聞きします。
〇根子経営改革監 今策定中の新しい経営計画の中ですけれども、基本的には、県立病院間の役割分担と連携については、今の二次保健医療圏を基本的な単位として、できるだけ圏域の基幹病院を中心に進めたいと考えていますが、委員御指摘のとおり、診療科の偏在が現実となっておりまして、こういった限られた医療資源の中で、高度・専門医療を提供するという観点からすれば、二次保健医療圏では対応できないものも当然出てくると思います。そうした場合に、二次保健医療圏を超える範囲での連携は、当然必要になってくるかと思っております。
 それから、広域振興圏の再編による影響ということでございますけれども、今申し上げましたとおり、基本的には、やはり広域振興圏単位というよりも、二次保健医療圏を単位として考えていくということでございますが、医療計画の中で4疾病6事業といったような連携体制を構築するということがございますので、それによっては、越える範囲での連携も当然必要になってくるのではないかと考えております。
〇飯澤匡委員 新しい考え方が披瀝されましたけれども、新しい経営計画の中で、計画の推移を見ながら、これからも注視してまいりたいと思います。
 最後になりますが、医療と福祉の連携についてお伺いいたします。
 広域基幹病院に設置されている医療相談室の平成19年度の相談件数を示していただきたいと思います。その1、退院後の医療・福祉サービスを円滑に受けるための相談件数、また、過去3年の実績も示していただきたいと思います。
 広域基幹病院以外の地域病院等の病院については、専門スタッフの配置を行っていると伺っておりますが、これらの相談件数の実績と、今後のスタッフ配置のあり方についての考え方をお伺いします。
〇八木参事兼業務課総括課長 医療相談件数等についてでございますけれども、広域基幹病院等13病院に設置されています医療相談室における平成19年度の相談件数は6万1、587件で、そのうち、退院後の医療・福祉サービスを円滑に受けるための相談件数は2万5、385件、約41.2%となってございます。
 また、過去3年の実績でございますけれども、平成18年度の相談件数は6万1、454件、退院後の医療サービスに関する相談が2万3、603件、平成17年度は相談件数5万6、137件、退院後に関する相談が2万1、232件、平成16年度は、相談件数5万8、362件、退院後に関する相談が2万1、885件となってございます。
 このうち、広域基幹病院以外で、いわゆる医療社会事業士を配置している病院が3病院ほどございます。遠野、一戸、南光でございますが、これの平成19年度の相談件数は1万8、941件で、退院後に関する相談件数が5、242件、27.6%となってございます。
 それから、今後のスタッフの配置のあり方についてでございますけれども、昨年度までは、広域基幹病院以外の病院では、一部を除きまして、医療相談室は設置してございませんでした。医療相談は、医事業務を所管する医事課等で担当してきましたけれども、今年度から、医師をトップとした地域医療福祉連携室を全病院に設置し、さらに、この室の次長を事務局長または事務局次長が兼任することとして体制強化を図ったところでございます。
 今後におきましては、広域基幹病院へ専門スタッフの複数配置など、業務量等を踏まえながら、必要な体制整備を図ってまいりたいと考えてございます。
〇飯澤匡委員 ただいま数値が報告なされましたけれども、年々ふえているわけですね。特に、やはり退院後の福祉サービスを受けるための相談件数は伸びておりますので、それに準じた御対応をなさっていただいておることに対して感謝申し上げておきます。
 そしてまた、今後とも、やはりこういう相談件数がふえてくることが予想されますので、適宜、配置をするようにお願いしておきたいと思います。
 あと、最後の問いですが、これは恐らく保健福祉部だと思うんですが、医療局と保健福祉部の連携という意味合いからも、医療機関相互の連携を目指した地域医療支援主査の整備を県では行っていると聞いておりますが、医療局サイドの情報として、その活動実績についてどのように把握なさっているのかお伺いします。
〇八木参事兼業務課総括課長 地域医療支援主査の業務内容としますと、患者の紹介や逆紹介、地域の医師会あるいは開業医等との連絡調整、それから、地域医療連携に関する情報収集や広報活動ということで、例えば地域連携室だよりというようなことで当該病院の状況を広報をつくって紹介する、そうした業務をしながら、県立病院と地域の医療機関との連携強化を図るということで、今、この地域医療支援主査を広域基幹病院を中心にしながら配置しているところでございます。
〇飯澤匡委員 繰り返しになりますが、やはり福祉部門との連携は、積極的に医療局側もその姿を求めていってほしいと思います。
 以上で質問を終わりますが、それから、これは医療局じゃなくて議事調査課になると思うんですけれども、いただいている資料は、財務分析等に関する調べは東北6県と新潟県なんですね。これはほとんど比較対象にならないんですよ。やはり、先ほど菊池監査委員から話されたように、財務分析については、さまざまな角度からも考察が必要であると思いますし、それから、恐らく来年度には企業会計のものについてはかなり充実していきましょうということで、これから議会運営委員会の中でも諮られるわけですので、この資料は、県立病院に関するものとして出されているんですが、もう少し充実した資料の出し方にすることを、委員長のほうからもよろしく御配慮願います。
〇工藤大輔委員 それでは、お伺いしたいと思いますが、まず先に、診療所化した地域診療センターの収支はどうであったか。これは、病院機能を持ったときと、診療所化された後の収支がどうか。これは二つの病院以外でも、五つ全体で見ればどうかという傾向も含めてお示しいただきたいと思いますし、また、診療機能の低下は実際になかったのか、来年度の見通しとあわせてお伺いしたいと思います。
 また、先ほど佐々木一榮委員から、監査委員の指摘を踏まえた詳しい質問がございました。この件につきましてはカットさせてもらいたいと思いますが、監査委員の指摘を踏まえて、来年度、新たにこういった分野に取り組むんだという方針があれば、お示し願いたいと思います。例えば、事務量をこのぐらいカットするんだとか、基準等を持っているとすれば、示せるものをお示し願いたいと思います。
〇根子経営改革監 まず、地域診療センターの収支状況というお尋ねでございますけれども、経営収支の状況、平成19年度に地域診療センターとして運営した4カ所ですが、すべて損失を生じておりまして、紫波地域診療センターが8、800万円、花泉地域診療センターが1億6、600万円、大迫地域診療センターが1億1、900万円、それから九戸地域診療センターが1億5、100万円、計で5億2、400万円の損失となっております。
 いわゆる診療所化前の状況と比較してというお話でございますけれども、診療所化前と平成19年度の損益の比較ということでございますが、紫波地域診療センターについては4、900万円の改善、大迫については1、400万円の改善、それから花泉が7、100万円、これは悪化している、それから、九戸が8、000万円の改善ということで、トータルすれば7、700万円の改善という状況にはなっています。ただ、先ほど申し上げましたように、平成19年度全体としては5億2、400万円の損失という状況でございます。
 それから、監査委員の指摘を踏まえましてどう取り組んでいくかというお話でございますけれども、今、新しい経営計画、先ほど来、策定中だというお話をしておりました。その中で収益については、患者数の減少等もありまして、今後の増加も難しいという状況があります。
 そういった中で収益の増加の関係につきましては、先ほど管理課長からも答弁しましたが、7対1の看護体制等々による上位基準の取得で、患者サービスの向上、それから収益の確保といったようなものにつながるようなものがないかということ、あと、費用の抑制という意味では、やっぱり設備投資を抑えていく必要があるのではないかとか、それから材料費の抑制をどうするかといったようなところを、今、全体の収支計画を策定する中でいろいろ検討している状況でございます。
 今、具体的にお尋ねになったような事務費を例えば何%どうのこうのというところまで、まだお示しできません。そういった中でいろいろな取り組みを進めながら、新しい経営計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
 それから、診療機能が低下していないかということでございますけれども、診療機能につきましては、各診療センターとも、基幹病院等からの診療の応援を含めまして医師3人以上の体制は維持しております。ただ、常勤医師の確保が十分でないというところもございまして、他の医療機関との連携により何とか対応しているという状況もありまして、入院とか救急などの面で御不便をおかけしているところもございます。
 来年度の見通しというお話でございましたけれども、先ほど申し上げました新しい経営計画の中で、いろいろ検討している最中でございます。
〇工藤大輔委員 病院の診療センターのほうの収支はそれぞれ、改善されたところと、あとはさらに悪化しているところがあるようですが、今後もこれは行ったり来たりするのかなと思っています。
 そういった中で、結局、診療所化になったということで、地域にとってみれば、診療機能は低下しない、現状を維持する、19床の病床を維持するというのが必須条件としてとらえられていますので、その点についてはもう少し踏み込んで、その判断基準がどうなのかということを一般質問でも聞いたんですが、局長からは、病院の病床規模、診療所化や地域診療センターの無床化などについては、各施設の診療体制、患者の動向、経営状況などを総合的に勘案しながら検討するという答弁であったわけです。
 私が言いたいのは、当時の約束事項が果たされるかどうかということは、皆さん注視しているわけです。それによって、今後また診療所化をしようとする場合に当たって、地域合意が得られるかどうか。結局、そう言いながらも、今度は病床もさらにカットかということで、合意を得ることは難しいという状況に陥るんだと私は思うんです。ですから、当初約束したものはしっかりとこれは守っていくんだという強い方向性を持ち合わせてもらわなければ、どうやら新しい計画の中ではさらに踏み込んだ検討をするようなんですが、その基準というものをもう少し明確に示してほしいと思います。
 例えば、これは、公立病院改革ガイドラインと整合性を持って今度の新しい経営計画を立てるということになっていますが、例えば3年連続して病床利用率が70%未満の病院は改善が求められたとか、あとは、一般会計からの繰り入れ後の黒字化が果たせないところは、これも見直しを求めるというものは、総務省からのこの公立病院改革ガイドラインの中身で示されていると思います。
 整合性をとるというのであれば、この基準に照らし合わせた場合、さらに診療所化に該当しそうな病院というのはどこどこあるのか。また、別途、もう既に診療所化してしまった病院について、同様の基準で判断するのか、それともまた別の判断基準をもって今後の計画を実行する方向に進もうとしていくのか。スケジュールとあわせてお示し願いたいと思います。
〇根子経営改革監 基準のお話でございますけれども、公立病院改革ガイドラインでは、一般会計の繰り入れ後の黒字化と、それから3年連続して病床利用率が70%未満の場合は病床の抜本的な見直しを行いなさいと。その一つとして診療所化もありますよというような言い方でございます。
 それで、そういった内容でございますので、それに対応して病床を見直す必要があるかと考えておりまして、平成17年度から19年度までの3カ年ということであれば、3カ年連続して利用率70%未満の病院については、沼宮内病院と大東病院が該当いたします。
 それから、あと、既に診療所化しているところについて、同様の基準で見直すのかということでございますけれども、見直しの考え方としては、これまでの運営状況の検証の中で、例えば常勤医師の勤務状況がどうなっているかとか、それから、他病院からの診療応援がどういう状況になっているかといったような診療体制の状況とか、それから、入院患者数、あと入院患者の看護の必要度、処置とか治療の割合がどうなのかとか、あるいは介護的な要素が多い患者さんが多いのかとか、そういったような患者さんの事情も必要かと思いますし、それから、救急患者の数と、どういった救急患者さんがいらしているのかといったような患者の動向も必要ではないかと思っております。あと、それぞれの診療センターの経営収支が及ぼす県立病院全体への影響ということも当然考えなければいけませんので、こういったところを総合的に勘案しながら、病床規模適正化とか診療所化、地域診療センターの無床化などを実施するかどうか、あるいは実施する場合の時期、そういったことも含めて現在検討中という状況でございます。
〇工藤大輔委員 その検討中の計画はいつ示されて、いつごろこのように例えば提示していこうとするのか、それについてもあわせてお示しください。
〇根子経営改革監 今、保健福祉部が中心に、公立病院改革に関する指針を全体で進めておりますので、そういったところの様子を見ながらということになりますので、11月中旬以降をめどに計画の素案をお出しする予定で今、作業を進めている状況でございます。
〇工藤大輔委員 11月中旬に素案を出すということであれば、その素案を検討する中身というのは、基準ぐらいは言えるのではないかと思うんですよ。基準をですね。例えば素案の中身がどういったものか、病院名まで記される素案なのか、本当に概略的なのか、あるいは具体的なものはその後、例えば素案提示後、半年後に提示するだとか、このプランを進めるに当たっての一定の方向性のものはもう持っているはずだと思いますが、もう少し説明していただきたいと思います。
〇田村医療局長 今、改革監が申し上げたとおりなんですけれども、もう少しお話をさせていただきますと、基本的な考え方は、例えば公立病院のガイドラインで3年後に黒字化するとか、病床利用率云々というのはあるわけですけれども、市町村立病院等では、一個の単体の病院の経営計画を普通はつくっているわけなんですけれども、医療局の場合は、22の病院と五つの有床診療所というのがあって、単体で見た場合には、多分医師確保の問題一つとっても、維持できないという答えにしかならないものがたくさんあるんだと思います。
 例えば、県内の市町村立病院も、県立病院の医師が大体820日ぐらい、年間応援しております。そのことで、常勤医師が少ない中で当直を回したりしながら、新しい計画に向けたといいますか、そういう前提で病院の存立を考えていると。県立病院も、個々の病院というよりも、県立病院全体として、どこまでやれるかという大きな問題がございます。個々の病院としての状況判断と、県立病院全体としての経営上の判断、それから、どこまでそれぞれのお医者さんが少なくなった病院を支援できるかというようなあたりを、全体としてやっていかなければいけないということがありまして、私たちもわかりやすい基準でやれれば一番いいんですけれども、現実はそういったものをにらみながらやっていくということでございます。
 それから、11月と言っておきながら随分進んでいないというような感じがあるかと思いますけれども、先ほど来の収支の問題でもいろいろと出ておりますけれども、収支改善に向けて、大口の見直し項目というのはかなりやり尽くしておりまして、そういった中でどういう形で黒字にするかというので、かなり正直、頭を痛めながら今計画をつくっているというようなことがあって、全体としてそういうことがあって、なかなかすきっと進んでいないというようなことがございますけれども、いずれ、先ほど申し上げましたように、来年度からの計画でございますので、何とか11月にはお示しし、県民の方々のパブコメとかできるような形に持っていきたいということで、今、作業を進めております。
〇工藤大輔委員 たしか公立病院改革ガイドライン、これに基づくプランは効率化は3年以内、ネットワーク再編は5年以内という形での計画策定として実行ということになっておりますので、それがガイドラインの方向性が示されているのであれば、それ以内の大体のスケジュールというのは本来言えるはずですので、しっかりとそのときには示すように、これは要望をしたいと思います。
 また、先ほど来嵯峨委員からも質問があったわけですが、県立病院が多い地域と、県立病院というか医療資源の多い地域と少ない地域、これは大きな差が県内でもあるなという思いを持っています。そういった中で、これも保健福祉部との連携にもなってくるわけですが、民間病院とのかかわりをどうするのかということが求められてきていると思います。既に医療計画の中には、4疾病6事業について、民間病院と連携を含めたものが二次医療圏ごとに示されているということにあると思いますが、例えば久慈広域のように、民間も非常に少なかったり、また診療科の幅が狭いというような地域においては、連携ということを考えても難しい分野があるんだと思います。地域においては、個人病院の先生の力を借りたらどうかとか、夜間診療を、入院患者さんへの対応をしてもらったらどうかだとか、あるいはまた、久慈病院の経営改善をするに当たって、JRが久慈病院のすぐ近くを通っていると。例えばそこに新駅を設置すれば、大体200メートルぐらいで病院に着くと、歩いても行けるという意見等も出されているわけですけれども、そういった点についてどのようにやっていこうとするのか。特にも、民間病院に対して今後何を望んでいこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
〇根子経営改革監 県立病院間の連携だけではなくて、他の医療機関、民間病院、それから市町村も含めた連携というのは非常にこれから大事だと考えておりますし、それからあと、地域の皆さん方がどうやって県立病院を守り立ててくれるかと、そういった地域との協働のような部分も必要だと考えております。
 民間病院、他の病院と医療機関との連携については、圏域連携会議というものの中で、いろいろ連携を保健所が中心ですけれどもとることになっておりますが、県立病院としてもその中に入って、その中で県立病院がどういう役割を担えばいいのかと、その中でどういった連携がとれるかというところを積極的に入って取り組んでいきたいと考えております。今度の計画の中でも、地域との協働、そういったことについては、その基本的な考え方の中に、一つの柱として入れていきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 それでは、質問は、項目最後にしたいと思います。
 これまで、医療局のほうでは、病院の経営改善に向けて努力はしていただいていると思います。ただ、先ほど来指摘されているような人件費等の問題、また、さらに努力をしなきゃならない点がまだまだあろうと思いますが、一方で、診療報酬や薬価基準の改定が2年に1度行われるごとに、ますます県立病院の収支が悪化しているとなっています。
 例えば、いただいた資料の中で見れば、累積の損失は平成13年度と比べれば57億円増加をしていますし、また、経営収支を見れば、平成11年が、もらっている資料の中で一番数字がいいわけですが、そのときと比べれば90億円減少していると。そういった中で、140億円前後の一般会計からの繰入金があると。これは変わらないまま進んでいるわけですけれども、いずれ、こういった診療報酬の改定が進むごとに、これだけどんどん収支が悪化し続けるというような現状になっておりますが、医療局長、経営者の視点として、今後のこの診療報酬や薬価基準の改定が自治体病院、特にも県立病院を運営するに当たってどのような改定を進めるべきであるか、経営者の視点に立って考えをお伺いしたいと思います。
〇田村医療局長 病院を運営する者とすれば、診療報酬は多いほどいいと思っております。特に、いろいろと努力をして削ると、また診療報酬が下がるというようなことで、まだまだ努力をしなければいけないことがたくさんありますけれども、一息つくということがなかなかできないなというのが正直な実感でございまして、現場のほうからは増員要望がたくさんございまして、なかなかそこに手が回らないというのが、一番経営者としてという立場ではやるせない思いをしております。
〇熊谷泉委員 私のほうからはまとめて2点ほどお尋ねをいたします。
 ことしの収支は10億8、118万円余の純損失ということで、138億3、800万円の累積ということになっていますが、一つは、最近、診療所化や病院の統合によって、旧施設であいているものが出てきたと思うんですが、特に医師・看護宿舎等々、これからもう使われなくなっている予定のものもあると思うんですが、その辺の利用率といいますか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
 それからもう一つは、県南のほうでもう磐井病院とか統合されたわけですが、旧病院施設の跡地をどう今後始末していくというか、申しわけないんですが、ことし約74億9、900万円の企業債を払っているわけですが、ところがまだ先まで企業債償還が残っているという施設があるわけです。そういう、特にも大きな施設の跡地をどうするのか、あるいは病院をどう再利用していくのか。今度、花巻厚生病院も北上というふうに来春から稼動するわけですが、花巻厚生病院の跡地をあとどうしていくのか。
 先般、ちょっと入った情報によりますと、旧施設で、だれもいないので、最近の金属高騰でアルミ窃盗が入って、銅線を引っ張っているうちに現行犯で逮捕されたとか、ガラス窓は割られる。それを防ぐため、フェンスを回すだけで約1、000万円近くかかる。こういったことが少しずつ経営にも影響してくると思うんですが、これらの見通しについてお伺いいたします。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 県立病院の職員公舎の利用実態でございますけれども、いわゆる1戸建ての一般公舎でございますが428戸ございまして、入居中の方が368人ということで、入居率は86%になっております。それから、アパート形式のいわゆる合同公舎、看護宿舎のほうでございますが、これが952戸に対しまして入居者が649戸ということで、入居率が68.2%となっております。
 お尋ねの全然使われていない施設はどこかということでございますが、紫波の合同宿舎が9戸入れるんですが、今のところゼロということになっておりますし、それから北上でございますが、これも合同公舎でございますが、5戸入居可能でございますが、今のところゼロとなっているということでございます。
 それから、花巻厚生それから北上病院の跡地の関係でございますけれども、今のところ、医療局それから県の他部局での利用がございません。計画がないということがございまして、まちづくりの観点から、基本的にはこの花巻厚生それから北上病院の跡地につきましては、花巻市それから北上市の両市に跡地の活用策を検討していただきたいということで、これまで花巻市それから北上市に働きかけてきておりますけれども、今のところ、現時点においては具体的な利用計画は示されておりません。
 今後とも、旧病院施設の利用の可能性につきましては、跡地の活用のあり方の中で引き続き検討していきたいと考えております。
 それから、県有地の処分でございますが、原則といたしまして、県の部局での活用を第一に考えるということ。それから2番目に、それでもなければ地元市町村での活用。次に民間への売り渡し、売却と考えているんですが、なかなかこういう昨今の経済状況を見ますと非常に厳しい状況でございます。いずれ、130億円の赤字を抱えておりますので、何とか少しでも売却に努めたいと考えております。
〇熊谷泉委員 全く使われていない施設が二つほどということでございますが、特にも病院の施設そのものを今後移転した場合、大きな施設でありますし、先般、保健福祉部で岩渕委員も質問しておりましたが、空きベッドも含め、今後の活用については、医療局だけで議論していても、私はそういうものはなかなか解決しないと思うんですが、やはり所在している振興局の中で、保健福祉部と協議しながらそういう施設の活用を横断的にやっていないと、医療局だけで大型のものをなかなかさばき切れないと思うので、今後どういう方法で進めていくか、お伺いして終わります。
〇根子経営改革監 例えば診療所化等に伴いまして、必要なスペース、病室等の利用していないスペースが生じたという状況もございます。そういったこと等も含めれば、できるだけ活用できるような方策というのが必要かなと考えております。
 病室のスペースに関しては、具体的に利用されているというのが、紫波のセンターのほうで、病後児保育の実験事業という形で今活用されているケースがございます。それ以外は、今のところ具体的な取り組みはなされていない状況です。
 それでは、その部屋はどうしているんだという話ですけれども、それぞれの診療センターでこれまでできなかった患者の療養環境の向上、例えば病室をもう少し広く使うとか、それからあとインフォームド・コンセントといったような部屋に使うとか、そういったことで活用しておりますが、今後、委員御指摘のように、市町村それから関係の機関、特に福祉の関係部局との連携を深めながら、介護とか福祉分野への活用ができればいいのかなと考えておりますので、その辺のところ、私どもも入りながら、相談しながら進めてまいりたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 先の委員の皆さん方と重複した部分は省いてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 最初に、さきの説明がありましたように、残念ながら平成19年度も10億8、000万円余の赤字と、それからまた、累積欠損もふえて138億円余となったと、こういうことであります。さっきも工藤委員がお取り上げになっておられましたけれども、この累積欠損、かなり年々増加をしてきた、その推移についてもう一度、おさらいの意味でお聞きしておきたいと思います。
 それで、医療局長から冒頭、今後の計画等についてもお話があったところでございますけれども、総論的ではなく、もっとより具体の方針等をお答えいただけたら大変幸いでございます。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 累積欠損の推移というお尋ねでございます。過去5年ほどの累積欠損の状況でございますが、平成15年度が107億7、400万円になっております。それから、16年度が122億7、800万円、それから17年度が若干減りまして117億8、600万円、それから18年度が127億5、600万円、それから19年度が御案内のとおり、138億3、800万円になっているということでございます。15年度に比較いたしますと、累積欠損につきましては30億6、400万円ほどふえているという状況でございます。
 今後どうするんだというお尋ねでございますけれども、このような厳しい環境ではございますけれども、平成16年度から効率的な医療提供体制の構築、それから、診療体制の充実及び良質な医療が提供できる環境の整備を目的といたしまして、現在県立病院改革を行ってきておりますので、当面はこの改革を着実に実行することが大事だろうと考えております。
 新しい経営計画の策定におきましては、医師確保のために、臨床研修医の先生を確保する手だてや、それから医師の業務負担の軽減などを図ってまいりたいと考えておりますし、それから、7対1看護体制への移行、それから上位施設の基準の取得などによりまして、収益の確保を図っていきたいと考えております。それから各病院の役割、それから機能を踏まえた病床規模の適正化、これも考えておりますし、それから設備投資、それから材料費などの費用の抑制についても、十分検討していきたいと考えております。
 以上のような取り組みによりまして、県民の皆様に良質な医療を引き続き提供をしていきたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 この種の質問に対しては大体同じようなお答えが返ってまいります。今、こうやって累積欠損も年々どんどんふえてまいりました。そういう中で、100億円を超した時点で大きな騒動になったわけであります。その要因はさっきお答えがありましたけれども、医師不足によって診療科が休廃止になったり、ひいては病棟廃止につながっている。負のスパイラルに入っている。これを改善するというのは極めて難しい問題だとは思いますけれども、もっと実効のあるような計画をお立てになられたらと思います。
 次に、さっき佐々木一榮委員の質問にもありましたけれども、御存じのとおり、現在22病院、五つの診療所があるわけでございます。その中で、もう一度黒字病院、赤字病院、診療所、それの別をお答えいただきたいと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 繰り入れ後の黒字病院それから赤字病院の数ということでございますが、平成18年度が、黒字が7施設ございました。それから赤字が20でございました。これに対しまして、19年度は黒字が10病院、これは東和病院も入ってございます。それから赤字病院でございますが、17施設となっているということでございます。
〇小田島峰雄委員 そこなんです、私の言いたいのは。数は少ないけれども、黒字病院は厳然としてあると。その中の病院を見れば、懸命な経営の努力をされている。院長先生を初めスタッフの皆さん方、その気になって。一概にみんな同じようにというわけにはいかないかもしれませんけれども、そういう黒字病院の事例等もしっかりと経営の中に生かしていくべきではないかと私は思うわけでございます。そういう点でひとつお願いを申し上げたい。
 それから次に、診療センターのことについては工藤大輔委員がお取り上げになりました。私もそれを聞こうと思っていたんですが、個々の診療センターを見ますと、前よりは改善されていると。しかしながら、総体的には5億2、400万円の赤字だと、こういうお答えでございました。
 そこで根子改革監、今後の診療センターの、将来どうなるかという質問に対して、患者数の動向であるとかあるいは病床利用率の何たらかんたら、そういう状況によってまた考えていくというお答えのように私は理解いたしました。
 そこをもう一回お答えをしていただきたいと思いますが、御存じのとおり、この診療所化に当たりましては、あれだけの大議論があったわけでございます。そこで、配置医師数も変えない、医療の質も落とさない、サービスを落とさない、そういうことで、地域の人たちは泣く泣く診療所化を受け入れた。私もこの議会において、苦渋の判断だったけれども賛成を投じたと、こういう経過があります。そういう中で、腹の中では、多分19床残したことが経営収支の改善につながっていない、悪化につながっていると、こういう思いを持っておられると思うんです。そこで、今後、果たして無床化するのかしないのか。11月中旬には計画を出すと言っていますから、あらかたもう結論が出ているはずなんです。近未来、近い将来、こうなるであろうということはもうお持ちだと思うんです。それを答えていただきたい。
〇田村医療局長 もちろん、ある日突然計画ができるわけではございませんので、いろんな内部の作業を進めております。我々とすれば、できるだけ県立病院の現場の意見を聞きながら計画をつくろうということで、現場のドクターはもちろんですけれども、ドクター以外の看護師さんとか検査とか放射線とか、いろんな方々の意見を聞きながら今作業を進めておりまして、そういう段取りが一つ一つまだございます。それから、知事にももちろん、途中経過は報告していますけれども、最終的な考え方を報告してございませんので、それから、向こうサイドのいろんな新しい今年度の取り組みをやっておりますので、それらを全部県がばらばらにつくるわけにもいきませんので、そういういろんな作業をこの1カ月ぐらいかけてやりたいということでございますので、そういうことを御理解いただきたいと思います。
〇小田島峰雄委員 そういうお答えにはなると思います。診療センター、今、紫波、花泉、伊保内、大迫、住田と五つ、順に診療所化になってきたわけでございますけれども、今後さらなる─まだ検討中ということでございますけれども、検討した結果が19床なくそうという話になりましたときに、どうやって地域の皆さん方の御理解をいただくか、県民の皆さんの御理解をいただくか、至難のわざだと思いますよ。確かに、冒頭申し上げましたような累積赤字がふえるのはけしからんと言いながら、矛盾するようなことを申し上げるようですけれども、ついこの間診療所化したばかりでございますので、しっかりと検証して、なおかつ、万が一の場合には、しっかりとした説明責任を果たさなければならないのではないかと思っているところでございます。
 ただ、願わくは、確かに5億2、400万円の赤字が出ている、こういったことはございましても、しばらくは推移を見ながら検証すべきだと思いますが、もう一度局長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇田村医療局長 基本的な話をするとまた通り一遍のような話になってしまうんですけれども、ことしで言いますと、今は平成19年度の決算をやっているわけですが、今年度もさらに経営が厳しい状況が今も現実に続いておりますし、それから何よりも医師の確保というのが非常に不透明な中で、どこまで医療局がやっていけるのかということが現実問題として、現場のドクターからはかなり手を広げ過ぎているのではないかという厳しい意見を言われております。そういうことで、それが結局、現場の医師のしわ寄せにいっているということで、かなり厳しいことを私どもも言われておりますので、それがひいては、県立病院をやめるというようなことにならないように我々も頑張ってやっていかなければならない。ですから先ほど申し上げましたように、現場の話も今一生懸命聞いているんだというのはそういうこともございまして、そういうことを聞きながらやっておりますので、しかるべき時期に公表させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇小田島峰雄委員 この件についてはやめます。
 前の委員の皆さん方と重複した部分を避けながら質問するというのは、なかなか大変でございまして。
 最後、今、局長が医師確保の不透明さについて言及されました。そこで、けさ、県議会に参りますときにラジオのスイッチを入れていましたら、山形の事例が流れてまいりました。既に御存じだと思いますけれども、4年生から3カ年は学費をゼロにすると、それからあとは地元に7年間義務履行すれば、勤めれば、年間200万円ほどの奨学金、全額返済免除と、こういう内容だったと思います。間違っておったら指摘願いたいと思うんですが、まさに医師確保の緊急事態なんです。緊急事態には緊急の対策が必要と思うんでありますけれども、まず、そういう抜本的な思い切った施策を展開されるおつもりがあるのか、それをお聞きしたいと思います。それを聞いてやめます。
〇岡山医師対策監 山形大学の取り組みに対する見解ということかと思いますが、同じような制度といいますか、これは医師定着等に向けた取り組みとして、保健福祉部の事業でもあります岩手医科大学への10人の地域枠、こういったものとか、医療局におきましても、20人の医療局奨学資金貸付事業等を行ってございまして、平成20年度からは、沿岸部などの病院に勤務した場合やあるいは特定の診療科に従事した場合は、貸し付けした年限からそれぞれ1年間、義務履行を短縮するなどの優遇措置を講じているという事業も行っております。
 いずれ、今後におきましても、全国の取り組みなども参考としながら、地域偏在や診療科偏在の解消に向けた取り組みをしていきたいと思っております。
〇高橋昌造委員 私からは2点についてお伺いいたします。
 この決算書の28ページ、29ページの医療器械、それから備品等の購入方法の実態はどうなっているのか。それから、薬剤等の医薬品の購入方法というか、そういった実態はどうなっているのかということは、今非常に財政が厳しい中で、ここにもございますが、いろんな器械なんかも5台とか3台とかあるわけですが、一括して購入をなされていらっしゃると思いますが、いわゆる随契なのか指名になるのか一般競争なのか、そういったことも含めてひとつお伺いをいたしたい。
 それから二つ目には、先ほどの岩渕委員、熊谷委員、両委員とダブるわけでございますが、ちょっと視点を変えまして、いずれ診療所化に伴う遊休施設、遊休設備、そして空きベッドについては岩渕委員の保健福祉部の答弁としては、いわゆる福祉、介護のほうにということでお話があったんですが、私は特にも県立紫波病院あたり、今の診療所、地域診療センター、リハビリ機器が非情にすばらしいものなんだそうです。だから、そういったことで、できれば地元の市町村とか医師会、または開業医の皆様方と協議の場を設けて保健福祉部と連携して、それで紫波地域診療センターの場合の病後児の保育についても、なかなか医療局がガードがかたかったということをお聞きしております。そういったことで、もし施設なり設備をなかなか利活用するのに大変だというのであれば、国とも協議をして特区制度、いわゆる医療特区みたいなものを考えて、利活用しやすいような環境づくりを構築していくお考えがないのか、あわせてお伺いいたします。
〇八木参事兼業務課総括課長 医療機器等の購入方法についてでございますけれども、医療器械の購入に当たりましては、医療器械整備委員会というものを病院あるいは本庁にも設けてございまして、この審議をもとにして品目を決定してございます。購入については競争入札を原則としてございまして、平成19年度の本庁での実績、本庁で大方、7割方の器械を執行してございますけれども、一般競争入札が19件、指名競争入札が22件。それから、品目が特定されましてメーカーが1社しかなかったという随契でやったものが3件という状況になってございます。
 それから、医薬品それから診療材料についてでございますけれども、これは県立病院の施設数が多いというスケールメリットを生かしまして、薬に関しますと100%、局一括購入をしてございます。それから、診療材料は治療に使います特定保健医療材料、これを本庁一括購入ということで、大体購入額の6割強になりますけれども、これを本庁で一括してございまして、ただ、購入方法に関しますと医薬品の品目、それから材料も同じでございますけれども、購入品目が非常に多いということと、それから扱っている業者が特定の業者といいますか医薬品卸あるいは材料卸となりますので、契約に当たっては、そういった業者の複数以上の業者からの見積もりによる見積もり合わせを行って、単価契約をしながら購入をしているという状況でございます。
〇根子経営改革監 診療所化に伴う遊休施設の利活用のお話でございます。先ほど、紫波で病後児保育をやっているというお話をしましたけれども、医療局のガードがかたかったと受け取られたのは非常に残念でございますけれども、私どもとしても、できるだけ活用できる方向であれば活用できる方向で考えたいと思っております。
 それで、基本的に介護福祉分野が一番妥当なのかなという感じはしておりますが、委員御指摘のリハビリの関係についてということでございますので、それについてはまだ検討したことがございませんので、その辺の医療法上の問題とか、あるいはどういう形であればできるのかというところを研究してみたいと考えております。
 基本的に、私どもは施設を貸す立場でございますので、医療法の範囲の中でどういう基準が、どういうことが制約かどうかというところを中心にしながら、あるいは事業自体については市町村なり医師会なりと、その辺は相談させていただきたいと思っております。
〇田村医療局長 最後の特区の話がございましたけれども、今回のような空き病床の問題というのは岩手だけの問題ではないと思っておりますので、全国的に公立病院の改革等を進めていく中で、あちこちで同じような問題があるのかなと思います。そして、市町村サイドも厳しい状況があるので、国サイドから何らかのインセンティブを与えてもらえれば大分違うのかなという思いもございますので、私どもの全国の自治体病院協議会というような組織もございますので、そういった中で要望できるような形がとれるかどうか、検討していきたいと思っております。
〇高橋昌造委員 今の田村局長の力強いお答えをいただいたわけですが、ぜひ、私にすれば跡利用が、そしてお聞きすると、ベッドを使わないとかリハビリの器械を使わないというと、もう、ほこりだらけで劣化してしまうと。次、使うときになかなかあれだということでございますので、このことについては公立病院の改革ガイドラインの、厚労省からもそういったものを示されて対応するわけですから、早く国に強く働きかけをして、特区制度の申請とか何かを速やかに対応できるようにぜひお願いをいたしたいということで、よろしくお願いいたします。
〇岩渕誠委員 私は、県立病院医師の勤務状況についてお尋ねをしてまいりたいと思います。これは昨年も聞いておりますけれども、まず初めに、平成19年度の県立病院の医師の採用者数、退職者数、これの実数と、18年度との比較についてお示しいただきたい。
〇岡山医師対策監 県立病院の医師の採用者数でございますけれども、医局人事等がございますのでかなりありますけれども、ちょっと今数字持ち合わせておりませんが、退職者数については医局人事を除きますと、定年退職等を除きますと37名の方が退職しております。
 失礼しました。採用者数でございますが、医師の採用者数は91名となってございます。この中に医局人事等も含まれた数となっております。
〇岩渕誠委員 ちょっともう一回確認します。私、取り寄せた、私が調べた限り、平成19年度の採用者数は医局人事を除くと38、退職者数は39、平成18年度は採用者数が33、退職者数が30と聞いておりますが、間違いないですか。
〇岡山医師対策監 確かにそのとおりとなってございます。
〇岩渕誠委員 これで退職者数が9名ふえておりますが、このふえた原因についてどのように分析をしていらっしゃいますか。
〇岡山医師対策監 退職者の退職した理由等を見ますと、開業されて退職された方が13名、大体3分の1ほどになってございます。そのほか、民間病院等へ退職なされた方が11名となっております。あと、その他につきましては、大学院の進学とか、それから専門医取得のためという、さまざまな事由があるものと思っております。いずれ、医師の勤務がかなり過重になっているという面もございますし、医師の開業医志向、こういったものがあるものと思っております。
〇岩渕誠委員 私は平成18年度の退職者数に比べて、平成19年度の退職者数がふえたことについての理由をお尋ねしたのでありますが、明確な答弁がございません。ただ、答弁の中には、勤務状況について過酷さが増したのであろうというお話がありました。私もそういう要因はあるだろうと思っております。
 そこで、実は昨年の決算特別委員会では、医師の超勤の勤務実態についてはどう把握をされているのかというお話を差し上げたのでありますが、そこはきちんと把握をしていなかったと、そして平成19年度と20年度にかけて、3度にわたってその実態を調査するという答弁をいただいておりますが、平成19年度調査をしているはずであります。医師の平均の超過勤務時間、それから時間ごとで、例えば50時間以上とか100時間以上勤務した者は何人いるか、それから、診療科別にどの程度の超過勤務の状況になっているか、お示しいただきたい。
〇志田参事兼職員課総括課長 それでは、県立病院医師の勤務の状況についてお答え申し上げます。
 まず、超過勤務時間の状況でございますけれども、平成20年1月及び2月に医師の協力を得まして調査いたしました結果によりますと、1人当たりの月平均の超過勤務時間は、54時間24分ということになっております。月平均の100時間以上の超過勤務を行っている医師が、全体の12.3%を占めております。
 それから、診療科別ということでございますけれども、例えば内科が61.02、それから小児科が45.35、外科が56.09、整形が67.24、脳神経外科が57.06という状況になってございます。これはあくまでも時間でございます。
〇岩渕誠委員 わかりました。平均で54時間24分ということでありますが、100時間以上の勤務者が12%いるという現状、正直言って私はこんなに多いのかなという気がします。ただ、こんなに多いのかなというのはもっとあるという意味もありまして、超過勤務のつけ方というのは、恐らく当直をやった場合でも、実際に当直の丸々ではなくて、その間で診察に当たった時間を超勤としていると思いますから、医師の感覚からいうと、もう少し多いのではないかという思いがいたしますが、こういった実態につきまして最新の調査をしていると思うのですが、同じような傾向が出ているのでしょうか。まとまっていればお示しをいただきたいと思いますし、今、示された状況について、局長、どのようにまず率直にお感じになっていますか。
〇田村医療局長 超勤が54時間24分という平均値があって、100時間以上が12%あるということなわけですけれども、お医者さんの場合は通常は季節的に忙しいということはあるわけですが、この方々は年がら年じゅうだということが一つあると思います。それから、この超勤のほかに宿直があったり、そういった宿直が間に挟まっているということですので、それをトータルで考えると、1週間なら1週間のライフスタイルで考えると、相当厳しいと思っております。
 現場の医師といろいろお話をさせていただく機会があるわけですけれども、特に患者さんの治療をして忙しいというのはまだいいと。現場の先生方の言葉で、我慢できないのは事務的な作業が非常に多いんだと。診断書を書いたりだとかいろんなことがあって、その事務的な作業に追われて毎日毎日残業になるというのは、余計しんどいということが現場の意見で寄せられておりますので、特にも、そういった事務的な作業を中心に、少しでも負担を軽減させられないかということで、クラークを入れさせていただいたりしているわけですが、そういった取り組みをしていると。いずれ、そういった現場の声を小まめに聞きながら、では、残業しなくていいのとは彼らも考えているわけではありませんので、その中でやれることというか、診療体制とか診療をなるべく維持しながらお医者さんの負担を軽くする方策というものを、現場のお医者さんと一緒にいろいろ議論しながら取り組んでいるところでございます。
〇志田参事兼職員課総括課長 先ほど最新のデータはないかということでございますけれども、5月、6月にも調査をいたしました。その結果、全病院の平均でございますけれども、48.01時間ということになってございます。
〇岩渕誠委員 いずれ、相当、職員の残業時間、まさに限界を超えているんだと思います。こういうデータが形になって出てきたというのは、恐らく初めてですよね。そういうことであれば、早速病院内の改善で済むものは早速やっていただきたいんでありますが、やっぱり医療連携をもう少し進めていただくことも必要だと思います。
 それからもう一つは、地域の住民に対して、こういった実態を早期に明らかにするべきだと思います。最近よく言われるのは、モンスターペイシェントとかコンビニ受診なんていうことを言われますけれども、そういったことによって結果的にお医者さんを追い込んでいって、やめていくというケースも間々あると思いますが、まずこういう実態を公表して、賢い患者づくりといいますか、我慢をしなきゃいけないのもやむを得ない部分があると思うんですが、すべきと思いますけれども、これ、きょう公表した格好になっていると思いますけれども、地域のほうにはどういう形でお伝えになるお考えですか。
〇志田参事兼職員課総括課長 当然、医師の業務の軽減のために、県立病院の医師が厳しい勤務条件に置かれているということを地域の皆様方にPRをしながら、住民の方々の御理解と協力を得ていくことを検討してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 では、スピーディーに。
 一つ、県立病院の新しい経営計画にかかわって、私は第1点、県立病院の創業の精神に立って、ぜひ、これは検討していただきたい。県立病院は本当に医療資源がないときに、県内どこに住んでいても良質な医療が受けられると、この精神で県立病院はつくられているので、私は、ぜひこの精神を堅持していただきたい。
 二つ目に、具体的にこれ新聞報道で出たんですけれども、久慈、宮古、大船渡、遠野、この各病院は病棟を減らすと、一方で7対1の看護体制を導入すると、こういう報道がありました。久慈の場合は、運営協議会でも、そういう方向を検討しているということが示されています。これ、病棟単位で減らすということになると思うんですね。7対1の看護体制のためには、どれだけの看護師の増員が必要なのか。久慈、宮古、大船渡、遠野、これ、遠野まで含めて7対1の看護体制を検討しているのか。病棟を減らしても地域の医療の要望に十分こたえられるのか、このことを二つ目にお聞きしたい。
 三つ目は、議論がありましたけれども、新たな診療所化、診療所の無床化。私は、これはかなり議論がありましたから繰り返しませんが、具体的に、大東、沼宮内がガイドラインに引っかかるんですね。3年連続70%以下という。しかし、大東、沼宮内というのは医師の派遣、また、地域医療のあり方というところに私は問題があるのではないかと。これは診療所化の対象にすべきでないと思いますし、診療所化をされたところも、これは県議会で意見書採択をして、住田病院のときでしたけれども、無床化はやらないという県議会の意見書も上がっていますが、それをどう踏まえているのかということをひとつお聞きしたい。
〇根子経営改革監 まず、新しい経営計画の策定に当たってでございますけれども、今の県立病院の現状、医師不足、それから患者数の減少、経営収支の悪化、非常に厳しい状況にございますので、こういった状況を十分に踏まえた上で、医療計画の中で今構築している医療連携体制とか、それから公立病院改革ガイドライン、これを当然整合性を図っていかなければならないと思っていますので、そういう中で、今後とも、良質な医療を提供していくためにはどうしたらいいかということを基本にしながら、平成21年度以降の目指すべき方向と、それから、具体的な方策というのを明らかにするということで、今考えている状況でございます。
 それから、久慈病院等の病棟を減らして7対1の看護体制というお話でございます。ガイドラインでは、3年連続して病床利用率が70%未満の病院についての病床の見直しということを求めておりますけれども、利用率が70%未満の病院、それから、それ以外でも空き病床が結構多い病院がございます。こういったところについては、病床の見直しをして職員の効率的な配置ができないかとか、あるいは患者の療養環境の向上、病室が、ベッドが多いところがそういった向上ができないかとか、あるいは病室を転用して収益が確保できるように活用ができないかとか、そういった点からの見直しが必要だということで、久慈病院等についてはそういった見直しを検討しているという状況でございます。
 それから、一方、7対1看護体制でございますけれども、これについては患者さんが手厚い看護が受けられるということがございます。それからあと、医療安全の面からも大きな効果が期待できるということがございますので、そして収益の増加にもつながるということもあります。そういったことで、広域基幹病院について移行を目指していく必要があるかなとは考えております。ただ、看護師の大幅な増員、これが必要となってきますので、そういったことからすれば当然給与費もふえるということですので、その病棟だけではなくて、今の外来も含めた体制を見直していかなければ、収益とそれから給与費とのバランスがとれない状況になりかねないので、そういうことから、そういった収支のバランスも考慮しながら検討を進めていきたいと考えております。
 それから診療所化の話、それから無床化のお話がございました。それでいろんな県議会の議決、意見書等も十分承知しております。その上で、今度新しい計画を策定するに当たって、先ほど申し上げましたような今の県立病院の厳しい状況、それから医療計画の連携体制、ガイドライン等々を踏まえれば、計画策定に当たっては、これまでの運営状況を検証していく必要があるかなということで、先ほど申し上げました診療体制とか患者の動向、それから、そういったような状況も踏まえて、いろんな検証をした上で進めていきたいと考えておりますので、現在、診療所化あるいは無床化等についても検討は進めているという状況でございます。
〇斉藤信委員 新しい経営計画の前提条件で、経営問題というのが指摘をされているわけです。しかし、今、確かに10億8、000万円の赤字となっているけれども、医師不足による赤字、もう一つは診療報酬引き下げによる赤字、診療報酬の引き下げは4回連続ですから。これ大枠でいいですから、医師不足によってどのぐらいの減収を強いられたか、診療報酬の引き下げによってどのぐらいの減収、引き下げられたか、大まかに10億8、000万円のうち、この程度だというのを示されれば示していただきたい。
 そして、この根源には社会保障2、200億円の削減があるんですよ。舛添厚生労働大臣さえ、もう限界だと言っていて来年もやると。私はもうやってはならないことだと思うんですね。だから、この大枠のところを打開すれば、それは岩手だけでなく、今、公立病院は全国で7割以上赤字になっているわけですから、これは異常なことだと思いますよ、医療行政の問題としては。そこと一体で考えていく必要があるのではないか。
 あともう一つ、過疎地の地域病院のあり方なんですけれども、私、保健福祉部で藤沢町民病院の例を出しました。あの1万人を割る藤沢町で、立派に10年以上黒字経営を続けている。先ほど東和病院の例もありました。やっぱり地域に合った、特に高齢者医療を中心にして、包括的に保健医療と連携してというのが特徴だと思うんですが、県立病院でも、広域基幹病院と地域病院というのは経営のあり方が違うんじゃないかと。医療の進め方も違うんじゃないかと。その点では、私は本当にモデルと言うべきこういう経験にしっかり学んで、地域病院のあり方というのを新しい経営計画の中でぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
〇根子経営改革監 広域基幹病院と地域病院というのは、経営のあり方が違うんじゃないかというお話でございます。それで役割というのは、当然、圏域の基幹病院については、高度専門医療だとかあるいは圏域の中でのいろんな連携体制の中心的な役割を担うということは当然そういうことだと思いますし、地域病院あるいは診療所はそれなりの役割は当然あると思います。その中で、繰り返しになりますけれども、今の県立病院の現状は当然踏まえなければいけないということがございますので、そういったものも踏まえた上で、それぞれ役割なり特色は何かということを考えていくことが必要かなと考えておりますので、例えば同じような面で考えるのではなくて、そういう視点からそれぞれを考えていきたいと思っております。
〇八木参事兼業務課総括課長 昨年度の決算における診療報酬の改定額の影響ということになりますけれども、診療報酬改定は、平成18年4月にやって、引き続き19年度にもその影響があったという格好になりますが、その際の平成18年4月の公表改定率は、公表数値がマイナス3.16%でしたが、県立病院のほうで置きかえ試算をしたところマイナス2.32%ということで、その影響額は18億7、000万円ぐらいの減収になったのではないかと見込まれています。
 それから、医師不足による影響額ということでございますけれども、特にも大きかったのは宮古の循環器、それから大船渡の循環器が、平成19年度は途中からいなくなったりしたものですから、この二つだけ合わせましても12億円ぐらいの減収になったのではないかと思っております。
〇斉藤信委員 わかりました。そういう診療報酬の引き下げや医師不足の中で、今言われただけでも30億円近い減収を強いられたと。そういう中で10億8、000万円まで圧縮したというのが私は実態だと思うんですよ。だから、本当に大もとの悪政を変えないとだめだと、これは指摘だけにとどめておきます。
 次に、私は、医師不足の中でこそ、医師を支える看護師等の増員が必要だと思います。この間、私は、中央病院の院長さんや胆沢病院、江刺病院、そして間接的にですけれども、久慈病院の状況などもお聞きいたしました。共通して言われたのは、医療クラークを抜本的にふやしてほしいということなんですよ。今年度たしか64人ですか配置していただいたと。これを評価した上での話なんですね。
 例えば久慈病院の場合、電子カルテが7月から導入される、胆沢もそれを進めている。医者の仕事がふえるわけです。そういうときに、それを支える医療秘書をやはり倍ぐらいにふやしてほしいんだと、これは切実な声です。だから、医師不足の中で、医師の仕事をふやすのだったら、それにふさわしいこういう体制を、ぜひ私は来年度、抜本的な増員を求めたいと思いますが、どうでしょうか。
 中央病院の7対1看護体制について。これは、患者中心にはよかったと思います。しかし、必要な看護師さんは増員されませんでした。80名以上必要なのに40名ぐらいでしたね。外来から引き揚げても足りないというので、沼宮内・紫波病院から応援体制ですよ。しかし、経営的にいったら4億円の増収になると院長さんは言っていましたよ。だから、本来きっちり増員できるのにしなかった。私は、7対1看護体制、やはりしっかり看護師さんを増員してこれはやっていただきたい。中央病院は、やっぱり中途半端です。
 そして、先ほど私は聞いたけれども、久慈病院はまじめに検討しているようですが、一気にすべてできないと思いますが、来年度7対1を検討している病院はどこなのかというのは示してくださいよ。予算に直結する論議をここでしているんだから、来年度どこで7対1を目指すのか、それを示していただきたい。
 そして、薬剤師や臨床工学技士などの配置なども、増員なども、やはり医師不足を支えるという点で、これは院長先生の切実な声でしたので、医師不足の中で医師、医療を支える増員というのをぜひやっていただきたいが、いかがでしょうか。
〇志田参事兼職員課総括課長 ただいまの医療秘書、我々は医療クラークと呼んでおりますけれども、これは、診療所を除きまして希望するすべての病院に、病床数や医師数、また診療報酬で新設されましたので、医師事務作業補助体制加算というのがとれます。これらを勘案しまして、平成20年10月1日現在では62人を配置してございます。
 平成20年8月に実施いたしました調査によりますと、医師からは、書類作成業務の軽減になった、より患者さんと向き合うことができるようになったなど、おおむね高い評価を得ているところでございます。しかし、業務の標準化あるいは医療クラークの質の向上などが課題として挙げられておりまして、これらの検証に努めながら、医師の事務的業務の負担が軽減されるよう、実態調査に基づき検討していきたいと考えております。
 また、増員についてでございますけれども、確かに、病院から評価が高いものですから要望がたくさんございます。これは私どもも承知しておりまして、今後、いずれ増員に向けて検討を進めていきたいと考えてございます。
 それから、中央病院の7対1の件でございます。
 中央病院の7対1看護につきましては、年度当初に正規の看護師を新たに40名増員いたしました。その後、育児休業者等が大幅に増加したことから、その補充として、平成20年11月、来月なんですが9人、それから12月には3人、合計12人を新たに増員する予定でございます。
 この間、先ほど委員もおっしゃいましたけれども、他病院からの業務応援などにより必要な看護体制を確保していきたいと考えております。
 それで、増収枠なわけですけれども、7対1看護をとりますと1カ月当たり約5、000万円の増収になりまして、年間6億円の増収と見込んでおります。ただし、人件費がございます。これは看護師分だけでございますけれども、約3億9、000万円の人件費がかかります。
 それから、薬剤師、臨床工学技士の配置状況、これは増員を行うべきではないかということでございます。
 平成19年度末の正規職員の配置状況ですが、薬剤師は158人、臨床工学技士は20人となってございます。薬剤師につきましては、今、院外処方が進められておりまして、総数は減少傾向にございます。外来化学療法とか新規業務に対応しまして増員も図っているというところもございます。それから、臨床工学技士につきましては、医療機器の高度化、それから医療安全の確保から増員を図ってきているところでございます。
 それから、職員配置につきましては、業務量に応じて適正な配置をまず原則としておりまして、今後も病院の実情を十分に配慮しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これを最後にしてちょっとまとめて聞きますが、院内保育所24時間保育の問題であります。
 今年度から胆沢病院で24時間保育を実施しました。これは、3、990万円の莫大な委託費で小学館に委託をしたと。しかし、深夜保育をする人はだれもいなかった。私はこれ、調査をしてきました。
 そして、莫大な委託費の割には、保育士さんは8人で契約社員、1年雇用、月収17万円程度。今までの院内保育所は、恐らく数百万円の委託なんですよね。こんな莫大なお金をかけて本当にこれで費用対効果があるのかというのと、もう一つは、来年度一気にこの24時間保育を広げようとしています。私は、江刺病院にも行って聞いたら、ほとんど夜中に預ける要求はありませんと。そういうところで莫大な委託費をかけて24時間保育をやる必要はないのではないかと。
 女医さんにしても看護師さんにしても、夜中に預けて働きたいとは思わないんですよ。延長保育の要望はありますよ、遅いから。しかし、夜中、子供を預けて働きたいんだったら、そういう職場は魅力ないのですよ。だから、私は、延長保育の要望にはこたえなければだめだけれども、こういう莫大なお金をかけて、小学館だけがぼろもうけするような委託を一気に県立病院に広げるというやり方は再検討すべきだと思いますが、いかがですか。
 県立病院の消費税の負担額というのは大変大きいと思いますが、平成19年度、そしてこれまでの累計額が幾らになるかを示していただきたい。
 終わりです。
〇大宮惇幸委員長 志田参事兼職員課総括課長に申し上げますけれども、先ほど、斉藤信委員の質問に、来年7対1となる病院はどこなのかという質問がありましたので答弁願います。
〇根子経営改革監 来年度7対1の病院はどこかという話ですけれども、先ほど申し上げましたように、広域基幹病院については7対1への移行を目指す必要があるとは考えておりますが、大幅な増員が必要になりますので、採用者の数に影響しますので、今、病院のほうから、どれぐらいの人数が必要かといった調査をしながら、来年度、いずれ必要な、それに合致する病院はどこかというところ、あるいはいろいろな病院の機能とかもありますので、どこからやっていけばいいかというのを少し総合的に検討したいと思っています。今の段階では、来年度どこというのは持ち合わせておりません。
〇志田参事兼職員課総括課長 それでは、胆沢病院の夜間帯における保育実績でございますけれども、我々で言う終夜保育というものがございます。これは、18時半から朝の7時半まででございますけれども、これで午後9時半までの利用実績が4月と5月にございました。これは、胆沢病院の女性医師の利用でございました。
 平成21年から24年に保育の実施を予定している江刺病院、それから他の広域基幹病院の院内保育所において、現在、運用内容の説明や利用調査を実施しているところでございます。その結果を踏まえて取り進めてまいりたいと考えてございます。
 ちなみに、10月現在で、終夜保育を希望している病院が3病院で10名ございます。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 消費税のお尋ねでございますが、平成19年度におけます消費税でございますが、19億6、900万円余となっております。それに診療報酬に参入されている補てん額といたしまして10億3、600万円余がございますので、これを差し引いた9億3、300万円余が実質的な負担と考えております。
 また、平成元年度から平成19年度までの累積の負担額でございますけれども、156億9、100万円余と推計しております。
〇斉藤信委員 了解。
〇大宮惇幸委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇久保孝喜委員 2点についてお伺いいたします。
 最初は、来年開院予定の統合病院の問題でありますが、着々と進んでいるということで地域の期待も大きいわけですが、先般、7月に行われた医療圏の運営協議会の中でも、この問題で、立地する北上市はもちろんですが、周辺の医療圏内のそれぞれの市町村長さん方からも、新しい病院の経営方針はどうなっているかという指摘が強く出されたところですが、まずは現状をお示しいただきたいと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 新病院におけます基本方針でございますけれども、圏域におけます基幹病院として、他の医療機関等との機能分担と連携を進めながら、新たにPET−CT等の診断機器、それから緩和ケア病棟を整備する等、がん治療の中心施設として機能の充実を図る等、高度・特殊医療を中心に担いたいと考えておりまして、圏域における医療の確保と医療水準の向上に資したいと考えております。
〇久保孝喜委員 整備構想に準じた今のお話だと思うんですが、具体的な開業に当たっての経営の体制、院長先生以下、職員体制とか、まさに先ほど来、県立病院の改革方向で地域との協働がテーマだということがさんざん言われているわけですが、そうした地域での連携のあり方とか、あるいはもっと言えば、具体的な県民の素朴な疑問等々がいまだに払拭されないまま事態が推移しているという点は、私は非常に大きいことだと思うんです。
 一部新聞でも取り上げられているように、現在、統合するそれぞれの病院に通院されている方々が、新しい病院になってからどうなるんだろうかとか、そういう素朴な質問にこたえる説明責任が医療局にはあるんだろうと思います。そういう意味では、地域に対する経営方針の説明、あるいは開院に向けた段取り、県民に対するそういう説明責任をどう果たしていくのかという点での日程なり考え方をぜひ示していただきたいと思います。
〇熊谷参事兼管理課総括課長 地域に対する説明方針ということでございますが、いずれ、統合病院の新しい機能につきましては、地域住民に御理解していただくために、年内を目途に、統合病院の機能、それから統合病院の交通アクセス、地域連携を基本とした受診の仕方を中心としたパンフレットをつくりたいと考えておりますし、それから、医療局のホームページ、病院のホームページに載せたいと考えております。それから、周辺自治体の広報紙等の媒体を利用しながら、地域住民の方々に周知を図っていきたいと考えております。
 それから、開業に向けた準備状況、今後の日程というお尋ねでございますけれども、建設工事につきましては、委員御指摘のとおり、いずれ平成21年1月の完成に向けまして予定どおり進捗しております。平成21年4月の開院を目指しているということでございまして、今後の日程でございますが、平成21年1月の工事完成引き渡しと前後いたしまして、医療機器等の備品購入を開始いたしまして、順次、部門別に現場研修などを行いまして、円滑な開院に向けた準備作業を進めたいと考えております。
〇久保孝喜委員 非常に期待が大きいがゆえに、そういう意味での心配もまた大きいということだろうと思いますので、ぜひ進度を高めていただいて、誠実な説明責任を果たしていただきたいと思います。
 続いて、二つ目は医療ミスの問題でございます。
 ことしは夏の福島県立大野病院の問題でかなり医療ミスにかかわるメディアの取り扱い方、議論も沸騰した感があるわけですが、事前にいただいた本県の過去10年にわたる医療ミス案件の解決した件数だけお聞きしたところ、トータルで140件あるということなそうです。そのうちの約半分、74件が補償で解決をして、これに要した補償金額は5億2、000万円余という数字が示されております。
 これは解決した案件ですので、現実にまだ係争中であるとか、あるいは係争には至らないけれども、示談交渉中であるとか、もう一つは、示談の交渉には入らないけれども、まだ、症状固定の間、経過観察をしたり、あるいは加療をしているとか、そういうような件数も当然これ以外にもあろうかと思いますので、まずはその数字をお示しいただきたいと思います。
〇八木参事兼業務課総括課長 医療事故絡みの裁判係争中の案件は、現時点では4件ございます。それから、示談協議中の案件は8件ございます。それから、治療を見てから後で交渉していくという経過観察等の事案でございますけれども、これは8件ほどとなってございます。
〇久保孝喜委員 決して小さくない数字だろうと私は思うんですけれども、こうした医療ミスの起きる背景は、一口ではもちろん言えないわけで、さまざまな要因ということが挙げられるんだろうと思います。
 先ほど来の議論の中でも、経営の問題で言うと負のスパイラルということもありましたし、あるいは診療科とか医師数の縮減の中で多忙化の問題が取りざたされているというようなこと、あるいは患者側のモンスター化などというものもメディアでは言われているということも含めて、総合的な対策ということが当然必要ですし、なおかつ、最近の医療に対する国民の信頼感を取り戻すという意味でも、個々の病院における対策というのは非常にデリケートに、かつ慎重に行っていかなければならない事案だろうと思います。
 そこで、病院ごとの発生件数の問題、解決件数の資料もいただきましたけれども、過去10年で全くないという病院もある中で、一方では、例えば最高の件数で言うと、病院によっては過去10年で22件起きている。解決した案件ですが。先ほどの数字をこれにプラスしていくことになるわけで、かなり病院ごとのばらつきということが見られると思うんですが、このばらつきと対応方針、それぞれの病院の対応方針が違うせいなのか、あるいはどうなのか、この辺の相関関係があるのではないかと思うわけで、その点、お示しいただきたいと思います。
 なお、通告しておりませんでしたけれども、資料によると、こうした医療ミスに対応するための保険が、県予算の中では、例えば平成19年度2億500万円余出されている、こういうことですが、一昨年に比べて昨年は2、000万円ほど保険料自体が多くなるわけですが、その原因がもしわかれば教えていただきたい。
 それから、もう一つ、先ほど、現在、経過観察等でやっているとか、あるいは示談交渉中だという話がありましたが、示談金などの支出がどこから行われるのかという事前の質問に対して、雑費での処理だ、こういうお話でした。そうすると、先ほど保険で補償された5億何千万円とは別な形で、実は会計の中で雑費として処理されている金額が別にあるということなのでしょうか。もしあるとすれば、その金額が今の時点でもしわかれば、お知らせいただきたいと思います。
〇八木参事兼業務課総括課長 まず、病院ごとの発生件数にばらつきがあるかということでございますけれども、やはり発生の数を見ますと、手術とか検査を多くやっている広域基幹病院が、どうしても多く発生する傾向になっていると思ってございます。
 総合的な対策といたしまして、医療局本庁の中に医療安全管理委員会を設置してございますし、さらに、数年前から、広域基幹病院を初め14病院に医療安全管理室を設置して、専任の医療安全管理専門員を配置してございます。
 この活動としますと、医療安全管理委員会の中での活動では、インシデントといいますか、アクシデントの前のヒヤリ・ハット、こういったものの事例の原因分析、それから防止対策の職員への周知徹底、それからいろいろな行為がいっぱい病院の中にはございます。そうしたいろいろな手技に対するマニュアルといったものの遵守や見直しといったものに取り組むよう、医療安全管理専門員を中心にして、これは全県的にも取り組んでいるし、個々の病院にもこの医療安全管理室があって取り組んでいるという状況でございまして、個々の病院の取り組みの中にばらつきがあったから医療事故の件数に差が出たとは、ちょっととらえにくいかと思っています。
 やはり患者さんの症状とか、いろいろな手術あるいは治療する際の手技等に応じて、予期せぬ事態が発生したことによっての医療事故ということでございますので、いずれ、医療安全には十分万全を尽くしてやっていくという方針で、今、本庁初め各病院で取り組んでいるということでございます。
 それから、保険料が高くなっているということでございます。
 保険料は、平成18年度は1億8、500万円、19年度が2億円ほどということで2、000万円ほど上がってございますが、やはり保険会社のほうからの割り増しの分なんですね。(「事故が多い」と呼ぶ者あり)事故が、当然そういう部分も加味されていますし、基本は、ベッド数に応じて幾らという格好、さらにベッド数の多いところは加算していくという格好でございまして、それが少し、若干そういう事例が多いと割り増し分が来る、そういう状況でございます。
 それから、雑費の件でございますけれども、費用に関しますと、示談金等は、患者様に、あるいは御家族の方にお支払いするのは雑費計上してございますし、保険料は収入で見ているんです。医業外収入ということで、収入のところで見てございます。
 あくまでも保険料というのは、示談の額とか、あるいは弁護士の費用とか、そういったものに対する保険会社からの収入といいますか補てんという格好になりますので、保険金に対する保険収入が見合うというのは、なかなか難しい部分もあるかなと。ちなみに、過去5年間の支払った保険料は7億9、000万円ほどでございますけれども、保険収入で入っているのが6億5、000万円ほど、そういう状況になってございます。
〇久保孝喜委員 先ほど最後に聞いたのは、いわゆる保険で補償された金額はそのとおりでしょうけれども、そうじゃない、示談や何かが雑費処理されているのだとすれば、その推移がもしわかればということでお聞きしたわけです。今じゃなくても結構ですけれども、いずれ、後でお示しいただければ結構ですが、この医療ミスの問題は、先ほど、ばらつきは、対応にばらつきがあるためという趣旨ではなかったんですが、しかし、かなり大きなばらつき、件数だけ見るとそういうばらつきがあると。
 それから、先ほど来、財務の話でも、赤字になる病院もあれば黒字になる病院もある。黒字になる病院にいかに学ぶのかという話も出されましたけれども、同じように、この医療ミスの問題も、そういう対応が丁寧に行われていかなければならないものだと思っています。
 なお、全国の自治体病院協議会の中でのこうした事故件数の比較も多分あろうかと思うんですが、今後の対応方、特にも病院改革にこれから取り組んでいくという中で、この問題は県民に対する非常に大きな発信力になっていくんだろうと思いますので、その決意を最後にお聞きして、終わります。
〇八木参事兼業務課総括課長 委員おっしゃるとおり、医療の質を確保する、それから医療安全を確保していくということが、これからいろいろな病院運営をするためにも、住民に対してきちんと対応していくことが大事だと考えてございます。
 今、病院のほうでも、先ほど申しましたような医療安全管理室を中心にして、例えば院内ラウンドといいますか、医療安全管理専門員が各部署を回りながら安全に関するチェックをしていくとか、そういうことに取り組んでおりまして、医療局としても、医療安全に対する取り組みは最重要課題ととらえてこれからの運営に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、先ほどの示談と雑費の関係ですが、平成19年度が4、675万5、000円、18年度が1億6、095万円となってございます。
〇大宮惇幸委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大宮惇幸委員長 質疑がないようでありますので、医療局関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。
   午後5時44分 散会

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