平成20年6月定例会 第6回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇40番(及川幸子君) 民主・県民会議の及川幸子でございます。
 ただいま千葉環境福祉委員長より御説明がありました発議案第3号後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書について、会派を代表いたしまして賛成の立場から討論を行わせていただきます。
 本年4月から実施されております後期高齢者医療制度は、保険料を年金から天引きする一方で、高齢者が十分な医療を受けにくくする高齢者いじめ法だとも言われております。
 まず、この制度、75歳以上の高齢者を後期高齢者と名づけはっきりと分類をしたことですが、世界でも類を見ない驚くべき医療制度でもあります。戦中を生き抜き、言うに言えぬほどの苦労の中、国を支え抜いた75歳以上の方々、その方々のはかり知れない恩恵を受けて今の我が国の進展があるはずです。大いなる感謝をし、老後は安心・安全な暮らしを守ってあげることが我が国として課せられた義務でもあったはずです。なぜ今になり、急に75歳以上の高齢者が74歳以下の一般国民と違った制度の対象となるのでしょうか。明らかに年齢差別ではないのでしょうか。
 75歳以上で年間18万円以上、つまり月1万5、000円以上の年金受給者の方が4月15日より年金支給額から保険料を天引きされました。平均月6、000円の天引きであります。消えた年金の解決は一向に進まない公約違反の状況で、年金からの保険料天引きだけが強行されるのは、事実上の年金の引き下げであります。
 一方、年間18万円以下の年金受給者は、保険料が年金から天引きされないかわりに、1年以上滞納すれば医療費が全額自己負担になる資格証明書が発行されます。全くうれしくもない証明書であり、貧しい高齢者は医療にかかれませんと言わんばかりの制度であります。
 この制度に必要な財源は、今年度が560億円、来年度以降は毎年330億円、今年度分は補正予算で対応するようでありますが、財源をめぐり、政府・与党のせめぎ合いが予想されます。制度をつくった自民党内でもうば捨て山だなどの批判の声も多く、抜本的な見直し論も強かったこの制度、福田首相は制度の説明が不十分などと言っているようですが、本当にそうでしょうか。逆に、内容が知られれば知られるほど国民に怒りが広がってくる制度なのであります。
 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求め、全国から集まった医師や歯科医師ら約80人が、5月15日、衆院第2議員会館周辺で白衣の国会前集会を開いております。制度に反対する署名は全国で550万人を超え、570以上の地方議会が見直しの意見書を提出しております。そんな全国の反対行動の中で、今なお心に強く刻み込まれているのは、制度の廃止を訴えて、高齢者の方々300人が国会前に座り込みをしたことであります。5月22日、東京地方の最高気温が26度まで上がる夏日でありました。御高齢の方々には体にきついその日だったことでしょう。
 ここに、行動に参加した方々の意を紹介いたします。80歳の方、「夫婦2人で年間の掛金が8万円上がった。国民の目線で政治が行われていない。私たち高齢者は早く死ねということですか。この国の復興のために頑張ってきた、こんな制度では安心して生きることも安らかに死ぬこともできないよ」。お一人お一人が強い不満を訴えていたあの日、だれもがこの制度の矛盾を感じたのではないのでしょうか。
 国の公益法人は全国で4、700あり、天下り職員数が2万7、000人おります。それに要するお金は12兆6、000億円。その中の契約に係る経費が5兆8、000億円と言われております。もちろん必要な法人もありますが、今こそ無駄な法人を見直し、財源の確保を行っていただきたいと思うのです。どれだけの医療費が生み出せるでしょうか。
 以上申し上げてまいりましたが、今、一番弱い立場のお年寄りに老後の暮らしを心配なく元気で暮らしていただくために、私はこの意見書に強く賛成するものであります。
 議員各位の御賛同をいただけますようお願いを申し上げ、賛成討論といたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、小野寺好君。
   〔48番小野寺好君登壇〕

前へ 次へ