平成20年6月定例会 第6回岩手県議会定例会会議録

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〇33番(工藤勝子君) 自由民主クラブの工藤勝子でございます。
 本定例会におきまして登壇の機会を与えてくださいましたことに感謝を申し上げ、通告に従い順次質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、さきの岩手・宮城内陸地震により、不幸にもお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 また、国や県、自衛隊、消防、全国自治体、民間など、各関係各位による御支援、御協力に心から感謝を申し上げます。
 国や県におかれましては、被災地の一日も早い復興がなされますよう、全力を挙げて災害復旧対策をおとりいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 初めに、知事就任2年目の県政運営等についてお伺いいたします。
 達増知事が就任して1年2カ月が経過いたしました。全国的な経済の低迷や社会の混迷が深刻化する中、岩手もまた、地域経済の低迷、雇用環境、医師不足や人口減少の問題などの危機に直面しており、知事は就任以来、事あるごとに、県政を危機ととらえて、危機を希望に変えると語られておりますが、この1年、危機を希望に変えるためどのようなお考えで県政運営を行われたのか、また、その状況を踏まえ、今後どのような県政運営を行われるのか、お伺いいたします。
 達増知事は、知事とは知ることととらえられ、県民はもとより、各団体、各層の提言や県民の声に耳を傾けたいとの思いを披瀝されており、2月定例会では、できるだけ早い時期に県北・沿岸振興本部会議を現地で開催したい旨の意向を示され、この5月から移動県庁を県内各地で開催されました。県政の重要課題である県北・沿岸振興に弾みをつけることがねらいとのことでありますが、この移動県庁の成果と課題についてお伺いいたします。
 また、移動県庁のほかにも、知ることの強化のために、県政懇談会、草の根地域訪問こんにちは知事ですを開催され、地域の声をお聞きするとともに、知事自身のお考えなどを披瀝され、知事と県民との相互理解に努力されているものと思います。加えて、前知事時代の県政懇談会には、私ども県議会議員は同席もかなわず、いわば排除された形で進められてきただけに、達増知事の姿勢に敬意を表するものであります。草の根地域訪問こんにちは知事ですにおいて、知事が重点的に発信したこと及び地域からの声としての主な内容は何か、お伺いいたします。
 ふるさとに貢献するため、自治体に寄附を行った場合に、所得税や住民税が軽減されるふるさと納税制度が、本年度からスタートいたしました。寄附先は出身地に限定されず自由選択とのことでありますので、本県への寄附額の増加のためには、寄附をしたいと思えるような魅力あるふるさと岩手であることが必要であります。県は、県人会などで協力要請を行っているとのことでありますが、県人会に限らず広く寄附をしていただけるよう、他県の取り組み等情報をとりながら、さらに何らかの手だてを講ずることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 雇用、少子・高齢化などの構造的問題や急速に進展するグローバル化など、解決困難な問題に総力を挙げて取り組むため、いわて未来づくり機構が4月に設立されました。当面、地域の自立と活性化をテーマとして、今後3年を目途に県民所得の向上に道筋をつけるため、一次産品の高機能化などに取り組んでいく計画であるとのことであります。県内各界各層の組織横断的な取り組みであり期待するところ大でありますが、今後の計画とともに、成果をどのように施策に反映させていくのか、お伺いいたします。
 次に、県と市町村との連携についてお伺いいたします。
 県は、市町村優先の行政システムの確立を打ち出しております。これは、国、地方を通じた地方分権改革の方向と一致しているところでありますが、現実には急速に進むものではなく、段階的に進んでいくものと考えられ、その過程で、県と市町村との連携が重要になるものと思われます。最近の国の地方分権に対する取り組みが消極的なだけに、地方における分権への積極的な取り組みが期待されるところであります。
 そこで、まず、4広域振興局体制への移行についてであります。
 県は去る6月3日に、広域振興局体制の整備の基本的考え方の素案を公表し、平成22年4月に、4広域振興局体制への移行を図ることとしておりますが、果たしてそのような広域的な体制で、市町村との連携を十分図りながら地域の課題を解決できるのでしょうか。市町村からは、広域振興局体制への移行について、業務等の集約により、現在より離れた地域にある本局に行かないと用が足せなくなるなどの不満が出ているようですが、新たに広域振興局体制に入る市町村、特に県北・沿岸の理解を得られているのでしょうか。今後、どのようにして県と市町村との連携を図っていくのでしょうか、お伺いをいたします。
 県及び市町村を通じた簡素かつ効率的な行政システムとしていくためには、双方の役割分担を明らかにしていき、住民に身近な事務は市町村に権限移譲を進める必要があると考えます。しかし、県内の市町村は、合併した市町村とそうでない市町村とでは人口規模や職員体制などに差があり、その状況に応じて権限移譲を進める必要があると考えます。
 そこでお伺いいたしますが、県では、市町村との役割分担をどのように構築しようとしているのでしょうか。また、市町村の状況に応じた権限移譲をどのように進めていくこととしているのでしょうか、お伺いいたします。
 市町村合併は、地域の自主的・主体的な判断のもとに行われるべきものであり、県が主導して行うものでないことは言うまでもありません。しかし、県内市町村間ではもちろん、合併の動きのある市町村間においても協議の進展等に差が生じております。県は、市町村合併を推進しているものの、市町村任せにしているとなかなか合併が進まないことも予想されますが、新合併特例法が平成21年度限りと期限が迫っている中、今後、県はどのようなかかわりをしていくのでしょうか。また、このように市町村合併が進展しない中で、広域振興局体制への移行の検討のみ先行させることはいかがなものでしょうか、お伺いいたします。
 次に、農業振興についてお伺いいたします。
 過日、ブラジルにおけるエタノールの使用事情について視察してまいりました。ブラジルでは、ガソリンの代替として、自国産のサトウキビから生産されるエタノールの使用を徹底しており、世界的なエタノール先進国にまでなっております。今後、日本においても、耕作放棄地を利用した農作物を原料とし、エタノール生産が増大することが予測されることから、収量の多い水稲など農作物品種の開発が必要となります。
 また、山形県では、食味のよさでコシヒカリに対抗する水稲品種として山形97号を、秋田県では、高品質なネットメロン品種こまちクイーンを、福島県では、もえ芽が早くて収量の高いアスパラガスの品種を開発するなど、他県では多くの農産物の品種開発に力を入れている状況でありますが、本県における農作物新品種の開発はどのような状況になっているのでしょうか、お伺いいたします。
 農業改良普及員は、常に現場に足を運び、農家の生の声、悩みを聞きながら、適切なアドバイスをしてくれる、農家にとっては最も身近で頼りになる存在であります。これまで、地域リーダーや集落組織の育成、4Hクラブなど若い農業者や農村女性活動への支援、さらに最近では、環境保全型農業の取り組みへの指導やエコファーマー、また、アグリビジネス育成など、本県農業、農村の発展において普及員が果たしてきた役割は大変大きいものと考えております。しかし、全国的にも普及員の数は減少しており、本県においても同様の傾向にあると伺っております。
 一方で、JAの広域合併による営農指導の弱体化、さらには、近年の原油高騰に伴う生産コストの上昇など、農家の不安はますます大きくなっています。このような状況を考えれば、農家のよりどころとして普及員のマンパワー、普及センターに対する期待はこれまで以上に大きくなってくるものと思いますが、今後、このような農家の期待にどのようにこたえていくのか、お伺いいたします。
 次に、教育施策についてお伺いいたします。
 まず、平泉の世界遺産登録についてでありますが、去る5月のイコモス勧告は非常に厳しい内容でありました。しかし、現在、国、県、地元市町村が連携して、間もなく始まるユネスコ世界遺産委員会での逆転登録に向け全力を挙げているところであり、私たち県民も登録を切に願っているところであります。それとともに、これを契機に、県民が平泉文化を継承し、平泉の価値に対する理解を深め、勧告内容や登録の可否にかかわらず、世界遺産登録にかかわるさまざまな取り組みを今後の教育施策につなげていくことも大切であると考えます。
 私は、以前、教育議員連盟で沖縄県を視察した際、小・中・高校生向けの世界遺産副読本を作成するなどの取り組みを通じて、沖縄県の歴史や文化財などに対する児童生徒の理解が進んでいると感心いたしました。本県の取り組みはいかがでしょうか。浄土思想についていまだ県民の理解が十分進んでいないのではないかとも思われ、県として、今後、次世代を担う児童生徒に対して、平泉の平和思想の理解を深める独自の取り組みが必要と思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
 県では、昨年度からいわてスーパーキッズ発掘・育成事業などスポーツ強化に向けた取り組みが始められておりますが、競技力向上のためには、選抜等による選手強化のみならず、そのすそ野を広げるために、児童全体の運動能力を上げる必要があるのではないでしょうか。例えば、走ることは運動の基本でありますが、フォームの修正でタイムが大幅に短縮するなど、小学校高学年段階での専門的な指導は子供たちの潜在能力を引き出し、伸ばしてやることにつながると思いますが、小学校での専門的な指導の充実をどのように図っていくお考えでしょうか。また、小学校への体育専門教員の配置についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
 今年度から子ども農山漁村交流プロジェクトがスタートいたしました。県内では、受け入れモデル地域として遠野市と葛巻町が選ばれました。先日の岩手日報声の欄には、花巻市で1泊2日の農業体験学習をした娘さんが感動し満足して帰ってきたと、宮城県の方の投稿が載っておりました。子供の農業体験については、私自身、千葉県船橋市の中学生の修学旅行でホームステイを受け入れておりますが、この子供たちからも地震のお見舞いとお礼の手紙が届いております。都会の子供たちの受け入れもさることながら、地元の子供たちも、農業のすばらしさを体験する機会がないのではという思いがあります。
 そこで、県内の小・中学校でも、例えば修学旅行や遠足のプログラムとして、地域での農山漁村体験をより多く取り入れることはできないものなのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、県立病院の充実等についてお伺いいたします。
 県立病院における医師確保については、医師確保対策室を設置するなど、さまざまな角度から県民の命を守るために御努力されておりますことに敬意を表します。しかし、産科、小児科にとどまらず、専門の内科医や整形外科医も不在となっている県立病院もあるなど、地域の医療を担う県立病院の医師確保は進展しない状況にあります。厚生労働省では、これまで医師の偏在を問題視していたところ、最近では、地方の医師不足が深刻となっている状況に対して、女性医師の活用や臨床研修制度の見直しをする体制づくりを打ち出してきておりますが、事態改善の兆しが見えておりません。県立病院として医師確保対策にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 慢性的な医師不足による労働環境の改善を図るため、県立病院の医師の補助として、事務的な部分を担う医療クラークが本年度から本格的に配置されておりますが、医療クラーク配置による医師の負担軽減について成果が上がっているのでしょうか。また、医師と同様、医療の最前線で患者と接する看護師についても勤務が厳しくなっている状況にあると聞いておりますが、県立病院における看護師の不足問題はないでしょうか、今後の見通しもあわせてお伺いいたします。
 県立病院における産科医の不足などもあり、中核病院へ産科医が集約されておりますが、妊産婦が少しでも自宅に近い病院で、安全で安心して子供を産み育てられる環境整備は、今後の少子化対策の大きな課題でもあります。そのような中で、県立釜石病院などにおいて院内助産も始まり、妊産婦と医師と助産師との信頼関係の中で成果も出ていると思われますが、院内助産に対する評価と課題についてお伺いいたします。
 遠野市においては安産の里づくりを掲げ、モバイル遠隔健診による公設公営による遠野助産院―ねっと・ゆりかごが昨年12月に開設されました。これは、10の嘱託医療機関の御理解と御協力のもとに、2名の助産師によりきめ細やかな妊産婦サポートが行われております。しかし、助産院の運営の費用の大半は市の財政負担によるものであり、遠野市にとっても厳しい財政の中での運営となっております。全国でもモデルとしてスタートしている遠野市助産院が継続して運営するためには、県はどのような支援をお考えなのか、お尋ねいたします。
 また、県内外から多くの視察も入っており、県としてどう評価しているのかもお伺いいたします。
 次に、建設業における課題等についてお伺いいたします。
 初めに、現在、岩手・宮城内陸地震災害の二次災害の防止や地域住民の皆様が一日でも早くもとの生活に戻れることを願いながら、日夜、復旧工事に当たられている建設業の皆様に感謝を申し上げます。
 さて、建設業の現状は、国、地方自治体の財政状況が厳しくなるのに伴い、公共事業の縮減や地方経済の低迷、入札契約制度の改定などにより価格競争は一層厳しさを増し、倒産に追い込まれる事業者もあります。県における今年度予算も前年度より45億円、5.2%減となるなど、建設業を取り巻く環境は一層厳しくなってきていると思います。建設業の人たちも、県都への90分構想や上下水道環境整備、農道、林業整備など、公共の生活基盤をつくることに自信と誇りを持ち、地域の雇用拡大、技術者の養成、除雪、災害時の復旧工事に励み、地域振興に貢献し、行政の補完的役割も担っているものと思います。
 そこで、県は、平成18年度に建設業対策中期戦略プランを策定し各種施策を実施してこられたと思いますが、建設業の現状をどうとらえ、今後どのように対応していくお考えなのか、お伺いいたします。
 平成19年7月から、条件付一般競争入札が全面的に導入されましたが、普通会計における低入札の発生率は、1億円以上の工事では25.8%、1億円未満の工事では19.3%と上昇し、価格競争の激化によるダンピングのような受注が横行し、そのしわ寄せは、下請、資材業者に及び、さらには従業員解雇にもつながる心配があると思われますが、県はその現状をどうとらえているのか、お伺いいたします。
 また、総合評価落札方式が導入されたものの、価格優位の落札傾向にあることから、技術や地域貢献等をより評価するような見直しが必要との声や、予定価格の事前公表の見直しの声も業界から聞こえてきますが、さらなる入札制度の改革にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、災害対策についてお伺いいたします。
 今回の地震では、地域の小・中学校でも倒壊に至らないまでも被害が多数発生し、改めて災害に強い施設の必要性を再認識させられたところであります。既に国では、中国四川の大地震における被害状況を踏まえ、耐震化事業における特例補助率適用対策の拡大と地方財政措置の拡充を決めており、県内小・中学校についても耐震対策の促進が望まれるところであります。その方法としては補強と改築がありますが、少子化が進む中にあっての統廃合や償却残余年等からすると、改築のほうが経済的となる場合もあるのではないかと考えますが、県は市町村に対しどのように指導していくお考えでしょうか、お伺いいたします。
 今回の地震では、本県の防災体制に見直すべき余地が多々あることを思い知らされました。ヘリコプターへの燃料補給が追いつかず重症患者の搬送に支障を来したこと、災害用携帯電話の不通による情報伝達の遅延、緊急消防援助隊の調整本部の設置場所の確保など、災害時に最も重要な点が十分機能しなかったわけですが、今回の地震の体験を踏まえどのような対応をお考えなのか、お伺いいたします。
 2033年までに99%の高い確率で宮城県沖地震が発生すると予想されている中、これまで多くの津波被害を受けてきた沿岸に対する支援体制の構築が求められております。このため、沿岸9市町村で構成する三陸地域地震災害後方支援拠点施設整備推進協議会において後方支援拠点施設の設置の必要性が叫ばれ、内陸と沿岸の中間にある遠野市を適地と位置づけ、その整備に向けた要望活動を行っているところであります。災害対応に万全を期すため後方支援拠点施設の設置が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、社会資本整備についてお伺いいたします。
 知事は、12月定例会の道路特定財源に関する一般質問の答弁において、道路特定財源は一般財源化することなく道路整備の財源として確保するとともに、地方公共団体への配分割合を高める必要があると考えていると答弁されております。まさに、広大な面積を有する本県にとって、道路は、産業、経済、観光振興や命をつなぎ、安全・安心につながる重要な社会資本として今後も着実に整備を進める必要があり、道路特定財源が堅持されるよう要望するわけですが、知事の変わらぬ御所見をお伺いいたします。
 また、国における道路特定財源一般財源化や暫定税率の問題もあり、予算確保のおくれにより、道路整備に少なからぬ影響が生じたこととは思いますがどうでしょうか、お伺いをいたします。
 東北横断自動車道遠野―東和間は、全体事業費1、009億円、新直轄方式で整備が進められております。地域格差が進む沿岸部と内陸部を結ぶ経済活性化を図る道路として供用すると、約10分の時間短縮が図られると聞いており、その効果の早期発現を期待しています。(仮称)遠野インターチェンジが接続する一般県道遠野住田線から国道283号に至る(仮称)遠野インター線も県の事業として計画が進められております。設計に当たっては、民話のふるさとの景観を損なうことがないよう、道路の高さの調整などに御努力をいただいております。早期の完成を望むわけですが、現在の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
 一般国道340号の整備については、土渕土地改良事業とあわせて、土渕バイパスの整備に着手されておりますことに感謝を申し上げます。遠野バイパスを回り遠野市と川井村間の立丸峠は標高も高く、自然、地形条件が厳しく、急勾配、急カーブの連続であり、幅員も狭く交通の難所となっております。この道路は、産業、経済、観光、交流、医療を支え、また、災害時の代替道路として県はもっと重要視するべきと考えております。一般質問で毎回取り上げておりますが、今後の改良の見通しについてお伺いいたします。
 私がこの場にいる限り、この立丸峠の改良は毎回取り上げると宣言しておりますので、今回も取り上げました。同じような答弁をいただくかもしれませんけれども、私は、1年も早くトンネルに着手するよう申し上げたいと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。御答弁によっては再質問をさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 工藤勝子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県政運営についてでありますが、私は、草の根の地域の活力こそ、ふるさと岩手を支える基盤であり、こうした地域で暮らす人々の豊かな生活を実現していくことが、私に課せられた責務であると考えております。
 こうした考えのもと、積極的に県内各地を回り、県民の皆さんの声をお聞きし、県民所得の低迷や医師不足など、こういった問題が県民の皆さんの暮らしや仕事を圧迫している現状を目の当たりにいたしました。
 このため、知事就任後、直ちに補正予算を編成し、その解決に向けた取り組みに着手するとともに、県民の総力を結集する地域経営の考え方を基本視点とし、県民の所得と雇用、安心な暮らしを守ることを重点目標に掲げたいわて希望創造プランを策定したところであります。
 本県の経済や医療を取り巻く状況は依然として厳しいものがあると認識しておりますが、一方では、厳しい雇用環境にある県北・沿岸圏域を含め、県内各地での企業立地や工場増設の動きがあること、また、岩手医科大学の定員増や即戦力医師の招聘などの成果も徐々にあらわれつつあると考えております。
 今後においては、いわて希望創造プランに盛り込んだ取り組みを県民の皆様とともに着実に推進しながら、こうした成果をさまざまな分野で生み出し、さらに大きく花開かせることにより、危機を希望に変えていく決意であります。
 次に、移動県庁の成果と課題についてでありますが、去る5月、県北・沿岸振興にかける私の思いを地域の皆さんと共有するため、私を初め、県幹部職員が現地において一堂に会し、地域課題に集中的に取り組む移動県庁を実施したところであります。
 この成果と課題でありますが、私自身改めて、すぐれた景観や安全・安心な高品質の農林水産物など、それぞれの地域が有する地域資源を再認識するとともに、地域の皆さんとの活発な意見交換を通じて、そうした地域資源を活用した県北・沿岸圏域における地域振興の方向性を共有できたところであります。
 また、私自身が地域で起きていることをこの目で見て、この耳で聞くことによりまして、通常、盛岡のこの県庁では思い描けない、県北・沿岸圏域の地域振興のあり方を肌で感じることができたところであります。
 このようなことから、例えば、沿岸圏域にあっては、三陸沿岸の海洋資源を生かした関連産業の集積等による産業振興、県北圏域にあっては、豊かな自然環境を生かした体験型観光の一層の推進や第2クリーンセンターの整備を生かした企業誘致の推進等に取り組むこととしたところであります。
 このように、今回の移動県庁は、一定の成果を得ることができたと考えておりまして、県北・沿岸振興の大きな弾みとなりました。
 私は、今回の移動県庁を通じて、改めて県北・沿岸振興を県政の最重要課題として取り組んでいくことを強く決意したところでありまして、今後とも、この移動県庁を継続的に実施し、地域の皆さんとの対話を一層重ねながら、いわて希望創造プランに掲げる県北・沿岸圏域の将来像の実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと思います。
 次に、草の根地域訪問についてでありますが、私は、知事就任以来、県民の声の県政への反映と県民の皆様との協働による地域づくりを推進する観点から、草の根地域訪問こんにちは知事ですを開催し、元気なコミュニティ100選で選定した団体を中心に訪問して、地域活動されている皆様と直接意見交換を行い、元気の秘訣などを伺っているところであります。
 私は、県民生活の原点であり、よりどころとして多くの役割を担っている町内会、自治会などの地域コミュニティが元気になることができれば、安全・安心なまちづくりや相互扶助、地域の教育力や歴史・文化の伝承など、地域の活力が各地に普及して県全体の活性化につながると考えております。
 こうした考え方のもと、この懇談会の開催を通じて私の考えを伝えるとともに、訪問団体の活動が一層促進されるよう激励してきたところであります。また、こうした懇談会の状況を県のホームページで紹介し、また、多くの報道に取り上げられたこともあり、先導的事例の県内各地域への普及にもつながっていると考えております。
 懇談会においては、地域への誇りや助け合いの重要性、取り組みに当たっての工夫や努力などが語られたほか、活動拠点や発表の場の確保、後継者不足への対応、地域交通の整備等の意見も出されたところであり、こうした声については、今後の県の取り組みに役立ててまいりたいと考えております。
 次に、災害対策における後方支援拠点施設についてでありますが、先般、三陸地域地震災害後方支援拠点施設整備推進協議会から、後方支援拠点施設の遠野市への設置について、県の支援を受けながら国の事業として構想を実現できないかという提案をいただいたところであります。
 この構想については、施設の機能・内容などに加え、国からの支援の実現可能性や平時の用途と活用主体のあり方など、検討を要する点も多いと考えておりますが、宮城県沖地震による津波被害を想定した場合、被災地への支援拠点としての地理的な優位性が感じられるものであり、地元市町から、順次、構想の具体化に向けたアイデアや協議・検討状況などを教えていただきながら、県としても、関連情報の収集や関係市町との意見交換などを進めてまいりたいと思います。
 次に、道路特定財源についてでありますが、本県では、東北横断自動車道釜石秋田線や三陸縦貫自動車道などの高規格幹線道路の整備を初め、身近な道路整備がおくれているため、県民から道路整備を望む多くの要望が寄せられているところであります。
 地方の道路整備を計画的かつ着実に進めるためには、地方が必要とする道路整備の財源が、引き続き安定的に確保されることが重要と考えています。
 道路特定財源については、去る5月13日に閣議決定された道路特定財源等に関する基本方針の中で、平成21年度から一般財源化するとされたところでありますが、一般財源化に当たっては、地方では道路予算の6割を一般財源と借入金によって賄われている実態等にかんがみ、さらなる地方財源の充実強化を図る必要があると考えておりまして、今後も、国の動向を注視しながら、道路整備の財源の確保について要望してまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) まず、ふるさと納税についてでございますが、本年5月にこの制度がスタートして以来、県といたしましては、PR活動につきましては、県外事務所などを中心に、各地方の県人会などでPRをさせていただいておりますほか、各部局における県外でのイベント会場などでのパンフレットの配布などを進めているところでございます。
 また、ふるさと納税を紹介するページを県のホームページに開設しております。
 このパンフレットにおきましては、ふるさと岩手応援寄付という名称で御協力を呼びかけますとともに、そのパンフレットの一部を用いまして寄附の申し出ができ、また、申し出をいただいた方には、振込用紙や税の軽減のための申告様式を県から直接郵送し、面倒なやりとりや事務的な負担なく寄附をしていただけるよう工夫するなど、ふるさと納税をスムーズにしていただけるような取り組みを行っているところでございます。
 このふるさと納税制度は、恒久的な仕組みでございまして、地に足のついた継続的なPRが重要と考えておりますので、他県の例や県と市町村との連携のあり方なども勉強しながら、ホームページやパンフレットをできるだけ多くの方にごらんいただけるよう、さまざまな機会を積極的にとらえて、ふるさと岩手応援寄付をPRしてまいりたいと存じます。
 次に、県営建設工事のダンピング対策についてでございますが、近年の公共工事の減少の中で、落札率の低下が見られておりますことから、不当なダンピング事案の発生を防止していくことは、重要な課題であると認識しております。
 昨年7月の入札制度の改正に際しましても、他の入札者と比べて特に低い価格で入札した者を自動失格とする失格基準価格の導入や、低価格落札工事についての重点監督の強化などのダンピング防止対策の充実を図ったところでございます。
 今後も、こうした制度の的確な運用に努めますとともに、低入札案件の品質や下請契約状況等のフォローアップを進めまして、ダンピングの発生を防止できるよう努めてまいりたいと存じます。
 また、総合評価落札方式などの入札制度改革に関してでありますが、予定価格の公表に関しましては、事前公表を継続してまいりたいと考えておりますけれども、価格のみの競争ではなく、技術や品質、地域貢献度等をより重視していく観点から、総合評価落札方式につきましては、対象工事の拡大や技術評価割合の引き上げなど、さらに拡充していく方向で進めてまいりたいと存じます。
 次に、防災体制の見直しについてでございますが、重症患者のヘリ搬送につきましては、多くの応援ヘリが来た場合の燃料補給のあり方、ヘリ運用の調整の仕方、DMATとの連携の仕方などにつきまして、より効果的な運用ができるよう検討してまいりたいと存じます。
 携帯電話につきましては、災害時優先電話として優先発信が可能である一方で、着信側のふくそう状況によっては、通話ができなくなるものであるということを今後正確に理解した上で、非常参集や発災直後の通信方法をルール化すること、また、NTT電話や携帯電話以外の通信手段でありますとか、関係機関からの情報を駆使しまして、必要な情報を収集する訓練を行うことなどに取り組んでまいりたいと存じます。
 また、緊急消防援助隊等の広域応援部隊の受け入れや総合調整所の設置につきましては、今回の経験から、やはり4階の総合防災室の直近の場所に設置することが重要であると再認識いたしましたことから、レイアウト等を工夫いたしまして、最も機能的な配置ができますようマニュアルの改正等を進めてまいりたいと考えております。
 これら以外にも、今後の課題とすべき事項につきましては、しっかり検証を行い、今後の対策に生かせるよう改善を行ってまいりたいと存じます。
   〔総合政策部長菊池秀一君登壇〕
〇総合政策部長(菊池秀一君) いわて未来づくり機構についてでありますが、この機構は、本県を取り巻くさまざまな課題解決のため、産学官による新たなネットワークづくりを行い、それに賛同する団体が、個々の利害を超えて参加し、ともに知恵を出し、連携しながら、それぞれの立場から実践活動を行うことを目指して設立されたもので、現在56団体が参加しております。
 機構では、五つの検討テーマを設定しており、具体的には、県民所得の向上の道筋をつけるため、一次産品の高機能化、産業基盤の集積と強化、岩手ブランドの国内外展開の3テーマを、また、安全・安心に暮らせる岩手を築くために、地域力を支える人材育成、医療と福祉体制の整備・充実の2テーマを取り上げることとしております。
 このテーマごとに作業部会を設置し、取りまとめ役は産学官がそれぞれ担い、県は、岩手ブランドの国内外展開のテーマを担当することとして、具体的な活動を開始したところであります。
 今後、作業部会での検討を通じて、各会員が有する経営資源や事例、情報の共有を図りながら具体的な提言を行うこととしており、その成果につきましては、県としても取り入れるべき提言、施策や事例などがあれば、積極的に施策に反映させていきたいと考えております。
   〔地域振興部長藤尾善一君登壇〕
〇地域振興部長(藤尾善一君) 県と市町村との連携についてでございますが、広域振興局体制における市町村との連携による地域課題の解決につきましては、まずは、市町村は、住民に身近な行政サービスを総合的に提供し、県は、広域自治体として、広域的、専門的な役割を担うという適切な役割分担の考え方のもとで、それぞれの責任を果たしていけるよう、限られた行財政資源を効果的・効率的に活用することが必要であると考えております。
 その上で、いわて希望創造プランに掲げる振興施策等の展開によって地域課題を解決していく、そのことのためには、市町村、民間企業、NPOなど、あらゆる主体の総力を結集して取り組む必要がございますが、特にも、住民に身近な基礎自治体である市町村との連携は重要であると考えております。
 そのようなことから、これまでも地方振興局におきましては、市町村との連携により地域課題の解決に取り組んできたところでありますが、広域振興局体制への移行後におきましても、地方振興局が担ってきた役割にかんがみまして、一つには、広域振興圏域の運営組織への市町村の参画や、市町村において不足する専門職による市町村支援、そのほか、例えば行政センターの庁舎等への市町村関係組織が入居するなどの体制などを通じまして、市町村との連携強化に十分に配慮し、地域での行政サービスが極力維持できるよう努めてまいりたいと存じます。
 次に、市町村との役割分担と権限移譲についてでございますが、平成12年4月の地方分権一括法に基づき、県の役割とされた市町村を越える広域的事務、国や市町村との間の連絡調整事務、市町村に対する補完事務を除きまして、広く市町村が担うこととされ、地方自治における市町村優先の原則が明確にされたところでございます。
 こうした役割分担につきましては、この原則に基づきまして、昨年度、住民本位の行政サービスの一層の向上を目指し、知事を議長とし、市町村の代表者も加わる岩手県分権推進会議で審議いただきまして、この3月に、岩手県権限移譲等推進計画を策定し、県、市町村の各行政分野ごとの役割分担を取りまとめたところであります。
 本年度は、この計画に沿いまして、35市町村ごとに権限移譲推進プログラムを策定し、今後は、これにより権限移譲の推進に努めてまいりたいと考えております。
 なお、単独の市町村では担うことが困難な事務権限につきましては、市町村間の共同処理による対応などの方策につきましても、あわせて検討してまいりたいと存じます。
 次に、今後の市町村合併と広域振興局体制への移行の関係についてでありますが、まず、市町村合併への県のかかわり方についてでございますけれども、現在、県内各地で合併の議論が活発になってきておりますが、県としては、まずは合併協議会などが設置されるよう、市町村議会や民間団体等に対し情報提供を行い、地域の議論も積極的に促しているところであります。
 今後、合併協議会などが設置された場合には、人的・財政的な支援を行い、合併に向けた取り組みをしっかり支援してまいりたいと考えております。
 また、市町村合併とのかかわりの中での広域振興局体制への移行についてでありますが、市町村が合併や権限移譲により、その行財政基盤が強化されていることが望ましいものの、いわて希望創造プランにおける重点目標である県民所得の向上、雇用環境の改善、人口流出の歯どめなどの喫緊の課題に対応するため、より広域的な観点からの取り組みが急務であることや、県として極めて厳しい財政状況の中で、限られた経営資源を生かす視点での簡素にして効率的な行財政構造を再構築しなければならないことなどから、市町村合併の促進も図りつつ、早期の広域振興局体制への移行を進めることとしたものであります。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) まず、本県における農作物新品種の開発についてでございますが、本年3月、赤色リンゴの端境期の9月下旬に収穫できる岩手7号の品種登録を申請し、この秋から苗木の供給を開始することとしておりますほか、今年度中には、新盆に出荷できるリンドウ、さらには、バイオエタノールや飼料用に適する多収稲の品種登録を申請し、リンドウの種子については来年春から、多収稲の種子は平成22年の春から供給を開始することとしております。
 今後におきましても、生物工学研究センターの遺伝子解析技術を活用し、品種開発期間の短縮に努めるとともに、本年4月に設置いたしました岩手県園芸育種研究会の活動を通じ、産学官の連携による品種開発体制を強化しながら、市場ニーズにこたえ、他県産地に打ち勝つ品種の開発に取り組んでまいります。
 次に、農業普及指導についてでございますが、地域農業の核となる担い手の育成や競争力のある産地づくりを推進するためには、関係機関・団体が一体となって、きめ細やかな農家指導を展開することが重要であると考えております。
 このため、遠野市など県内5カ所で、普及センターや市町村、JA等が密接に連携し、担い手を総合的に支援する体制を整備いたしましたほか、一関市など6カ所で、地域のベテラン農家が指南役となって、新規栽培者等への技術指導を行う仕組みを構築するなど、地域協働による支援体制の整備を促進してきたところでございます。
 今後におきましては、こうした取り組みを全県に拡大するとともに、水稲直播栽培など、農家が求める高度な技術につきましても、今年度、新たに農業研究センターに設置したプロジェクト推進室が中心となって、普及部門はもとより、JAとも連携しながら、生産現場での新技術の開発と普及を図ることとしており、こうした活動の積極的な展開により、農家の多様なニーズに的確に対応してまいります。
   〔医療局長田村均次君登壇〕
〇医療局長(田村均次君) 県立病院における医師確保対策でありますが、これまで関係大学に対し医師の派遣を強く要請してきているほか、保健福祉部と共管で設置した医師確保対策室による即戦力医師の招聘に努めるとともに、現在勤務中の医師の離職防止の一環として、医療クラークの配置や臨床検査業務での技師との役割分担の見直しなど、医師の負担軽減に努めるとともに、医師の手当の見直しによる処遇の改善などにも努めております。
 また、女性医師の勤務環境の改善策として、24時間保育の実施、育児短時間勤務制度の導入などにも取り組んでいるところであります。
 さらには、臨床研修医の受け入れと県内定着が大切であることから、県内外の説明会やセミナーなど、医学生の勧誘に積極的に取り組み、初期及び後期研修医の確保に努めているところであります。
 今後とも、これらの対策にしっかりと取り組み、医師の確保に努めてまいる考えであります。
 次に、医療クラークの配置の成果についてでありますが、医療クラークの主な担当業務は、外来における各種伝票の整理、診断書の作成補助などであり、医師からは、事務的業務の負担が軽減された、さらには、患者さんと向き合う時間がふえたとの一定の評価を得ております。しかし、業務の標準化や医療クラークの質の向上などが課題として挙げられており、今後、検証に努めながら、医師の事務的業務の負担がさらに軽減されるよう取り組んでまいる考えであります。
 次に、看護師の配置についてでありますが、患者数や重症度など、業務量に応じた配置を基本としているところでありますが、近年は、がん化学療法、放射線治療などの医療の高度化、医療安全対策の強化、そして多様な患者ニーズへの対応が求められている中、一方では、育児休業者の増加などもあり、このような病院の実情にも十分配慮しながら、今後とも適正な配置に努めてまいる考えであります。
 次に、院内助産の評価と課題についてでありますが、釜石病院では、平成19年9月から本格的に院内助産を開始し、本年4月からは宮古病院で、5月からは久慈病院でも開始しております。
 平成19年度の釜石病院の9月以降の分娩件数169件のうち152件が院内助産によるもので、その割合は約90%となっております。
 院内助産の評価といたしましては、助産師のモチベーションが高まるほか、医師からは、夜間の呼び出し回数が減少するなど激務の軽減が図られているとの評価を得ております。
 また、妊産婦からは、自宅に近い病院で安心して出産でき、助産師との信頼関係ができたとか、院内助産を受けてよかったなどの評価をいただいております。
 今後の課題といたしましては、出産時の裂傷や出血などで医師の処置が必要な場合があることや、助産業務に従事する職員の専門能力の向上と夜間看護体制を含めた人員の確保などが課題であると認識しております。
   〔保健福祉部長岩渕良昭君登壇〕
〇保健福祉部長(岩渕良昭君) 遠野市助産院ねっと・ゆりかごの評価並びに支援についてでありますが、平成19年12月の開設以来、28人の妊婦に対しモバイルを活用した遠隔健診を実施し、妊婦の通院負担の軽減を図るとともに安心感を与えていることは、産科医師不在の地域における妊婦健康診査体制の全国のモデルとなり得るものと評価しているところであります。
 遠野市の遠隔健診は、経済産業省の開発した在宅妊婦管理システムを活用しての実証事業でありますが、平成20年度で終了することから、平成21年度以降も、遠野市助産院が継続した運営ができるように、また、他の地域においても新たに実施できるよう、本年度中に岩手医大附属病院にサーバーを設置して、県内の周産期医療情報ネットワークを整備することとしております。
 遠野市助産院の運営費支援については、補助制度の創設について国に要望するとともに、実質的な支援となる事業の導入について国と協議を重ねておりますが、引き続きどのような支援ができるか、さらに検討してまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長佐藤文夫君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤文夫君) まず、建設業の経営の現状と今後の対応についてでありますが、東日本建設業保証株式会社の分析によりますと、県内建設業の財務指標は、企業活動の収益性を示す総資本経常利益率や売上高経常利益率が、平成16年度以降、いずれもマイナスに落ち込んでおります。受注競争が激しい中で、多くの企業が赤字経営を余儀なくされるなど、極めて厳しい経営状況にあるものと受けとめております。
 議員御指摘のとおり、建設業は社会資本の整備や維持管理、今回のような災害時における緊急対応のほか、地域における雇用の安定に大きな役割を果たしております。このため、県としましては、これまで建設業協会に設置された経営支援センターと緊密な連携を図りながら、新分野進出補助金やアドバイザーの派遣などにより、経営革新に向けた企業の取り組みを支援してきたところであります。企業の経営状況が一層厳しさを増していることから、本年度はこれまでの取り組みに加え、新技術開発や新市場開拓を助成対象に加えるとともに、経営のコストダウンをテーマとした講習会を実施するなど、本業強化につながる技術力や経営基盤強化に向けた支援に力を入れて取り組んでまいります。
 次に、道路関係予算の配分のおくれとその影響についてでございますが、国庫補助事業のうち、早急に執行する必要がある事業につきましては、年度当初に国からの配分内示を受け、順次着手したところでございます。一方、地方道路整備臨時交付金事業につきましては5月中旬の配分となったことから、供用開始時期がおくれる見込みとなった箇所もございます。県の道路事業全体で見ますと、国からの配分のおくれによる大きな影響は生じていないものの、若干スケジュールがおくれている箇所もあることから、できるだけ早期の発注に努めるとともに、事業効果の早期発現が図られるよう、今後とも適切に事業を執行していく考えでございます。
 次に、東北横断自動車道遠野―東和間の進捗状況についてでありますが、宮守―東和間につきましては、今年度トンネルや橋梁などの工事を進めることとしており、今年度末の進捗率は事業費ベースで約40%となる見込みでございます。また、遠野―宮守間につきましては、今年度用地取得の促進とともに、市道の交差部分の改良工事などに着手することとしており、今年度末の進捗率は事業費ベースで約15%となる見込みでございます。
 今後の見通しにつきましては、宮守―東和間は平成20年代半ば、遠野―宮守間は平成20年代後半の供用を目指していると国の方から聞いております。また、(仮称)遠野インター線につきましては、昨年12月とことし5月に地元へ道路計画を説明し、地元の皆様の御理解をいただいたことから、今年度、現地測量の後に設計を行うこととしております。
 今後は、東北横断自動車道の事業の進捗と整合を図りながら、事業を進めてまいります。
 次に、国道340号立丸峠の改良の見通しについてでありますが、急カーブや幅員が狭く、車のすれ違いが困難な箇所の解消を図るため、平成18年度から遠野市側の8カ所及び川井村の25カ所、合わせて33カ所につきまして、急カーブの緩和や待避所の設置などの局部的な改良事業に取り組んでいるところでございます。昨年度までに測量調査を終えるとともに、川井村側の小峠地区の6カ所につきまして保安林解除を行い、現在、ほかの箇所につきましても保安林解除申請に向け関係機関と調整中でございます。今年度は、小峠地区の4カ所で急カーブを緩和する工事を実施する予定でありまして、そのほかの箇所につきましては、保安林解除後に順次工事を進めてまいります。
 なお、複数のトンネルを含む抜本的な改良整備は大規模な事業になると見込まれますことから、交通量の推移や地域開発の動向、県財政の見通しも踏まえ、県全体の道路整備計画の中で、整備のあり方も含めて検討してまいります。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) まず、平泉文化を継承し理解を深めるための取り組みについてでありますが、平泉の浄土思想は平和の思想に通じるものであり、児童生徒がこれを題材として学ぶことにより、身近な地域の歴史や文化について理解を深めながら、世界平和を願う心をはぐくむよい機会になるものと考えております。そのため、今年度は、学校の授業や修学旅行などの機会を利用し平泉の歴史や文化に触れられるよう、副読本や参考資料などを県内の小・中学校及び高等学校に配布し、各学校の自発的な取り組みを促したところであり、知事や教育委員会事務局職員が、みずから学校に出かけて授業を行う平泉授業を実施することとしております。このような取り組みを通じながら、平和思想や平泉の歴史、文化に対する児童生徒の理解を深めてまいります。
 次に、小学校への体育専門教員の配置についてでありますが、小学校期は議員御指摘のとおり、身のこなしの巧みさの習得の大切な時期であり、体育指導の充実を図る必要があることから、今年度、新たに体育実技の支援を必要とする公立小学校に、県内の教員養成コースなどで学んでいる大学生や体育指導委員等、地域の人材を派遣する体育実技アシスタント派遣事業を実施することとしております。また、小学校教員を対象として、専門的な指導の充実を目指した体育授業力のステップアップ講習会など、体育実技研修会の拡充を図ってまいります。現在、小学校において体育専科教員を配置しないところでありますが、今後は、小学校免許と中学校保健体育の免許をあわせて所有している教員や体育指導を得意とする教員の人事配置などについて工夫を凝らし、児童の運動能力の向上に努めてまいります。
 次に、農山漁村体験についてでありますが、体験活動の実施についてはあくまでも各学校の計画によるものでありますが、子供たちの農山漁村における体験活動は、命の大切さや勤労観の醸成、農山漁村への理解を深めさせるものとして重要であると考えているので、農山漁村交流プロジェクトの活用も含めて、今後も農山漁村における体験活動を推進していきたいと考えております。また、県内におけるその実施状況は、各小・中学校の計画により、多くの学校で、農家における田植え体験や野菜、花などの栽培体験など、さまざまな体験活動を行っております。
 平成18年度の宿泊体験活動実施状況調査では、宿泊体験活動の中において、農林漁業体験を含めた活動を実施している学校は、小学校で65校、中学校で192校となっております。
 次に、耐震化に関する市町村への指導についてでありますが、公立学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす活動の場であるとともに、非常災害時においては、地域住民の応急避難場所となる重要な役割を担っており、児童生徒等の安全性を確保するため、早期に耐震化を図ることが肝要であると考えています。このことから、地震防災対策特別措置法の一部改正法の施行に伴い、文部科学省からは、限られた財源の中で喫緊の課題である公立学校施設の耐震化をより効率的・効果的に進める観点から、工事費が安価で工期の短い補強の方式で対応することを検討するようにという内容の通知があり、先般、各市町村に対し周知を図ったところであります。
 なお、学校統廃合に当たっては、改築による費用対効果も十分考えられますが、そのコンセンサスを得るには十分時間をかけて進める必要があることから、当面、補強による耐震化を促進してまいりたいと考えています。
〇33番(工藤勝子君) 大変御答弁ありがとうございました。2点ほど質問をさせていただきたいと思います。
 知事は、現状を危機ととらえて希望に変えていくというようなことで、いわて希望創造プラン、ソフトパワー戦略等を打ち出しまして、まさに1年目は県政に対して土台づくりをし、種をまいたと表現されております。そして2年目は、花を咲かせる時期だというようなこと、そして働く現場、暮らしの現場をよくすることこそ政治と行政の目的であるとも、いろいろ新聞等で話されております。まさに、現場を知るために移動県庁を初めとし、地域県政懇談会も開催されて、多くの県民と同じ情報を共有されたというような御答弁もありました。
 2年目に入りまして、突然このような大きな災害も発生したわけでありまして、県財政のまさにまた大変な時期に入りましたし、県内の雇用の落ち込み等の発表もあります。また、観光客の落ち込みもある中で、農家それから漁村等においては原油高も大きな問題となっておりました。まさに1年目の県政を危機ととらえたなら、2年目は何ということで表現なされるんでしょうか。
 知事として、県民が希望を持てる、そういうことに対してどのような、例えば、県民が、知事の言葉によって希望を持ってこれを乗り越えようとする、そういうものというのはあるのではないかなと私は思います。
 私は、今総務大臣の増田知事の夢県土いわてのとき、農業をしていて、まさに岩手県土が夢県土になるというようなことを信じておりました。そういう言葉に心躍らされたものもあって、頑張ろうという思いもありました。そういう中において、大変な今の危機の中で、知事がどういう、県民に対して、危機を希望に変えるから、もっと何か具体的にいい言葉でもって県民に働きかけようとしているのか、導くための見通し等について、もうちょっと詳しくお聞かせいただきたいと思います。
 また、移動県庁の開催についてでありますけれども、県民の人たちが集まって移動県庁をやったということでございますけれども、では、市町村と連携をとっていたでしょうか。市町村に連絡が入っていたでしょうか。この辺のところがちょっと市町村側から、県とタッグがとれていないというような疑問の声が聞かれるわけですけれども、いかがでしょうか。
 県政の課題というのは、まさに知事がおっしゃるように、所得の向上を含め、産業振興も含め、人口の流出、減少も含め、医療の問題も、まさに市町村にとっても重要な課題であります。ですから、これは県と市町村がまさにこの問題を共有しながら、ともに一緒に取り組むことが大事な中で、移動県庁の中でやはり市町村とタッグをとる必要があるのではないかと思います。今後、移動県庁を開催するときに、やはり市町村長にもちゃんと御案内をして、各市町村の方々にも参加をしていただけるものかというようなところをお聞きしたいなと、そのように思っております。
 それから、平泉教育を始めるというようなことがありました。知事も、まさに先生となって各学校に出向いて平泉授業を進めるのではないかなと思っております。これは、各学校からの要請にこたえるというようなことと私は思っておりましたけれども、各学校からこういう平泉授業に対して、我が学校でやってほしいという学校が今出ているでしょうか。その点を確認してみたいと思いますし、また、平泉教育において、知事は講師としてお願いされた場合、子供たちに浄土思想をどう伝えるのか、まさに平和思想を伝えるのか、どういうところをもって子供たちにわかりやすく説得する授業をするところなのか、いろいろな知事の思いがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
 最後、防災体制でございますけれども、後方支援拠点施設として遠野市が名乗りを上げております。まさに宮城沖地震が、もう本当に高い確率で発生すると言われる中で、沿岸の人たちはもういつ発生してもおかしくないような状況の中で、気が気でないような状況ではないかなと思っております。間もなく100年にもなろうとしております。そういうところから、遠野市、釜石、宮古、陸前高田、大船渡も含めて、関係市町村で後方支援整備協議会というものをつくられました。そこで、知事も昨年の9月の遠野市で開催された県の防災訓練において、統監として参加されております。その中で、例えば遠野の運動公園に大型ヘリ10機、それから小型・中型機であれば30機ぐらいが離発着できるような運動公園が整備されてあり、それを目の当たりにごらんになっただろうと思っております。そして、沿岸と遠野市は防災ヘリで約15分の距離にあるわけであります。
 また、遠野市というのは花崗岩の岩盤でありまして、原燃が遠野市に目をつけるのはさすがだなと私は思いましたけれども、そういう非常に、少しぐらい揺れても岩盤が強固なために災害が余り大きく発生しない、まさに適地であると私は思っております。その中で、備蓄倉庫、例えばテントだとか今回の油をある程度備蓄する体制、それから遠野の防災センター等を含めた指揮本部等の建設等計画を立てているわけでありますけれども、これは遠野市でできるものでもありませんし、県だけでもできるものでもありません。どういう整備が一番適しているのかということを、まさにこの協議会と県が一体となって構想を練って、それでもって共有をしながら国のほうに働きかけていく必要があると思うんですけれども、もう一度、知事があの現状を踏まえた関係から、今後の後方支援というものはどのようにあればいいかということをお聞きしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) では、まず、危機と希望の関係から、さあ2年目ということでありますけれども、まず、私の中では、危機という言葉は、ほうっておくと、もう死んでしまうとかだめになってしまうとか、岩手であれば、岩手が滅びてしまうとかあるいは岩手が岩手でなくなってしまう。これは例えば、所得の低迷や雇用の低迷というものが人口流出にも結びつき、景気がいいときには人口流出が年に1、000人あるいはそれ以下だったのがどんどんふえて、年に6、000人も出ていってしまう。ほうっておくと、もう年に1万人も出ていってしまう。もう、そうなれば岩手は岩手でなくなってしまう。これはもう危機だというふうに考えておりますし、医療についても、これはほうっておくと、もう岩手はまともに人が住めなくなってしまうようなことになってしまうのではないかということで危機と考えております。ですから、県政全体が危機というよりは、そういう、ほうっておくと岩手が岩手でなくなってしまうような危機が幾つかあるので、まずそこから逃げたら終わりですから、あるいはほうっておいても終わりですから、そこから逃げたりほうっておいたりしないでまず県がしっかり取り組むし、また、みんなで協力して克服していこうと。そうすると、危機を克服したときに、それは希望に変わっていくはずということで、危機対応という形でやっているわけであります。災害対策も、これもただほうっておいたんでは人的犠牲がふえたりとか、また、物的被害もさらにふえてしまい、もうこれは岩手が岩手でなくなってしまうということになるので、これはもう危機対応ということで取り組んでおります。
 私が知事になる決意をしたおととし、そして知事選挙を戦い知事に就任した去年の春あたり、まず、そういった危機をきちんと克服していかなければという思いで取り組んでおりまして、なかなか危機が今なくなったというところまではまだいっていないと思います。したがって、もう少しやはりみんなで力を合わせて危機に対応しようというようなことを強調していかなければならないのかなと思っているんですけれども、ただ、繰り返すんですけれども、危機から逃げずに、危機にしっかり取り組んでいけば、それを克服したときに希望に変わる。
 といいますのも、災害は別なんですけれども、経済とかあるいは医療制度とか、そういった社会構造的な危機というものは、仕組みがおくれているといいますか、仕組みを大きく変えることで克服できる、仕組みを変えないできているからこういう危機が深刻化しているので、仕組みを変えることで、つまり、抜本改革を行うことで危機を克服することができるし、危機対応しなければ手がつかなかった抜本改革をやることができる、そういう機会でもある、チャンスでもあるという意味で、希望につながっていくというふうに考えているところであります。
 災害対策に関しても、私は、かつて、後藤新平伯爵が関東大震災直後、むしろこれを、東京を震災以前よりもさらによい首都にするチャンスだというような大ぶろしきを広げたということを思い出しておりまして、この栗駒・須川地域が震災以前、地震以前よりもよりよい観光地、よりよい農村、森林になっていくような、そういう希望を持って、復旧、復興に取り組んでいくべきではないかというふうに考えております。したがって、まずはこの危機にしっかり取り組むというところの中に前に進んでいく力、希望というものを県民の皆さんにも持っていただければと思っているのですが、一方で、新しい総合計画について、これは県議会の皆さんからの指導もあり、新しい総合計画に対して私の任期中に早急に取り組んでいかなければと思っておりまして、この場合、10年とかそれに類する中長期の岩手のビジョンを描いていくことになりますので、その中で、私の任期中に岩手県民が未来に向かって力強く進んでいけるようなスローガンでありますとかビジョンでありますとか、そういうものをつくっていくことができればと考えております。
 さて、移動県庁と市町村でありますけれども、もともと移動県庁は、普段県庁内でやっている庁議でありますとかさまざまな会議を、県北・沿岸、現地でやろうということでありますので、もともと県限りでやっていることをやるというところが発想の原点でありましたので、市町村との連携ということが余りなかったわけでありますけれども、御指摘のとおり、県と市町村が連携して地域振興を図るということは非常に大事でありますので、今後、この移動県庁というものと市町村がどう連携できるかということについては勉強させていただきたいと思います。
 平泉授業については、これは授業を受けたい学校に手を挙げてもらうというよりは、教育委員会で学校現場と教育委員会サイドとで調整をしながら、私が教えに行くところを調整して決めるということでありますので、今どこが手を挙げているということは特にございません。
 遠野市の後方支援拠点施設としてのあり方でありますけれども、去年の防災訓練でも、私も遠野の運動公園、これはもう単なるヘリポートではなくヘリコプター基地と言っていいような機能の圧倒的なすばらしさは実感したところであります。三陸地方、沿岸地方に大きな災害が起こり、道路が寸断されるような事態になったときに、遠野が後方支援拠点として大きな機能を果たし得るというふうに考えます。
 一方、この後方支援拠点施設ということで、平時から何か建物等、そういう施設をどうつくっていくかということについては、例えば備蓄ということを考えても予算もかかりますし、そういう少ない資源をどう配分するかという中で、備蓄の基本はやはり被災現場により近いところに普段から備蓄しておく、沿岸諸都市あるいは内陸の諸都市もいろいろな災害で備蓄が必要になることは考えられるわけでありますから、遠野市はもちろんでありますけれども、盛岡、花巻、北上、奥州といったところにも備蓄が普段から置いてあり、そこが大災害を受けた場合にはそこで備蓄物資が使われる。沿岸で大災害が起こったときに、そこの沿岸の諸都市にそれぞれ備蓄を置いておいて、できればそこで融通したいところですけれども、道路が寸断された場合などに、沿岸同士で融通できないときにということを想定したときに、平時、遠野に巨大な備蓄を置いておくことがいいのか、それとも人口が多く、いざというときに備蓄を使うであろうところに置いておくほうがいいのか。この拠点施設のあり方については、もう少し関係市町村の考え方などを伺って、そのあり方について検討をしていく必要があるのではないかと考えております。
〇33番(工藤勝子君) 大変ありがとうございました。いろいろな文書を見ないで、まさに知事の言葉で答弁をいただきまして非常にありがとうございました。
 移動県庁もそうですけれども、私は35ある市町村それぞれの地域資源を生かし、さらにはそこの地域の人材を生かして、そして市町村はそれぞれ元気になって活発に動くことと申しましょうか、その市町村が地域活性化に向けて取り組むことが、まさにそれをまとめる県とすれば、そのものの県がまとまって岩手県全部が元気になるのではないかなと思っております。
 そういう取り組みの中で、それぞれの市町村に対してもっと県が目を向けながら移動県庁も含め、市町村に対する支援、指導という、そういう部分を強化してほしいと思っているところでもございます。そういう意味で、ぜひ今後、移動県庁や地域県政懇談会には私たちも呼んでいただいて、一緒に問題を共有したいところでもありますし、まさに市町村にも同じ県の悩みなり県の課題なりを一緒に共有して取り組むことが大事ではないかと思いますので、もう一度、知事がその辺のところを、今後の検討についてのお話を聞いて終わります。
 大変ありがとうございました。
〇知事(達増拓也君) 県と市町村は、住民から見ますと、住民は県民でもあり市町村民でもあり、要は住民の暮らしや仕事を守り、また、発展させていくために、住民主権の観点から見れば、主権者として市町村のあり方を決めるのも主権者である住民、県のあり方を決めるのも主権者である住民でありますから、要は主権者である住民が自分たちの暮らしや仕事を守るため、自立と共生を実現していくために市町村はどうあるべきか、県はどうあるべきかを決めていくことができればいいんだと思っております。それを決めていくに際しては、住民から見ますと市町村にあれば市町村議会、そして県にあっては県議会というところを通じて、そういった自立と共生の実現が図られると思っておりまして、それぞれの行政当局、市町村であれば市役所、町村役場、そして県にあっては県庁というものは、そうしたところで住民の主権者の意思に従い、そして議会の決定に従って福祉の向上を図っていくというところに役割があるんだと思います。そうした役割を果たしていくに当たって、行政同士の協力ということは大事だと思いますので、県と市町村はそういう意味で対等なパートナーとして、地方自治における対等なパートナーとして協力して連携を進めていければいいなと考えます。
〇副議長(佐々木大和君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時14分 休憩
出席議員(47名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
21  番 高 橋 比奈子 君
22  番 高 橋 雪 文 君
23  番 嵯 峨 壱 朗 君
24  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
36  番 柳 村 岩 見 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 佐々木 一 榮 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
43  番 渡 辺 幸 貫 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時29分 再開
〇議長(渡辺幸貫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇議長(渡辺幸貫君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇議長(渡辺幸貫君) 日程第1、一般質問を継続いたします。久保孝喜君。
   〔2番久保孝喜君登壇〕(拍手)

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