平成20年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成20年3月17日(月)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長 切 金   精
  議事担当課長 保 原 良 和
  主任主査  菊 池 達 也
  主査  鈴 木 文 彦
  主査  石木田 浩 美
  主査  佐々木 ユ カ
  主査  菊 池 芳 彦
  主査  渡 辺 謙 一
1説明員
  教育委員会委員長 箱 崎 安 弘
  教育長     相 澤   徹
  教育企画室長 菅 野 洋 樹
  学校教育室長 佐々木 義 孝
  教育企画室
  企画担当課長 大 友 宏 司
  予算財務担当課長 鈴 木 清 也
  学校施設担当課長 佐 野   淳
  教育企画室
  特命参事     堀 江   淳
  学校企画担当課長
  兼高校教育担当課長 藤 原 忠 雄
  高校改革担当課長 鷹 觜 文 昭
  学校教育室
  特命参事     田 村 幸 義
  首席指導主事兼
  義務教育担当課長 小 岩 和 彦
  主任指導主事兼
  特別支援教育
  担当課長     及 川   求
  首席指導主事兼
  産業教育担当課長 西 村   豊
  生涯学習文化課
  総括課長兼
  県立埋蔵文化財
  センター所長 齋 藤 憲一郎
  文化財・世界遺産
  担当課長
  兼県立埋蔵文化財
  センター副所長 中 村 英 俊
  スポーツ健康課
  総括課長     川 口 仁 志
  教職員課総括課長 小 原 敏 文
  小中学校人事
  担当課長     侘 美   淳
  県立学校人事
  担当課長     酒 井 長 治

  警察本部長     三 枝   守
  警務部長     瀬 戸 隆 一
  生活安全部長    齋 藤 忠 利
  刑事部長     細 田 敬 一
  交通部長     菊 地 啓 一
  警備部長     小 舘 欣 康
  警務部参事官兼
  首席監察官     小 方 政 司
  警務部参事官兼
  警務課長     佐 藤 英 憲
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長  高 橋 俊 明
  生活安全部
  参事官兼
  地域課長      菊 池 義 憲
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長    遠 藤 貞 造
  交通部参事官兼
  交通企画課長    中 村 照 美
  警備部参事官兼
  公安課長     及 川   弘
  総務課長     菊 池 昭 一
  会計課長     内 山 新 次
  指導監査室長 古 澤 美 幸
  交通規制課長 佐 藤 哲 夫

  予算調製課
  総括課長     中 村 一 郎
〇千葉康一郎委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第31号、議案第33号から議案第37号まで、議案第39号から議案第42号まで、及び議案第47号の以上32件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係でありますけれども、午後5時を目途に審査が終わるよう進行したいと思います。どうぞよろしく御協力をお願い申し上げます。
 最初に、教育長から教育委員会関係の説明を求めます。
〇相澤教育長 平成20年度における教育委員会所管予算につきましては、地域や学校の現状や課題、ニーズ、また、事務事業の総点検結果や県が平成20年度に特に重点的に取り組む施策の方向などを踏まえて調整を行ったところであります。
 平成20年度教育施策の重点事項は、学校教育の改革・充実と競技スポーツの強化、歴史遺産の継承と伝統文化の振興の三つを主要な柱とし、これらの施策の着実な実施により、すべての子供たちに豊かな教育が行き届き、心豊かでたくましい人づくりを推進してまいりたいと考えております。
 まず、重点事項の一つ目の大きな柱である学校教育の改革・充実についてでありますが、家庭・地域と協働する目標達成型の学校経営への改革、児童生徒の学力向上、豊かな心をはぐくむ教育の推進、児童生徒の体力向上、特別支援教育の充実の五つの項目に特に力を入れてまいります。
 二つ目の大きな柱は、競技スポーツの強化であります。本県の競技スポーツの選手強化のため、国体開催を視野に入れて、中長期的な視点に立った選手育成や競技団体組織の充実を図ってまいります。
 三つ目の大きな柱は、歴史遺産の継承と伝統文化の振興であります。世界遺産登録を目指す平泉の文化遺産や伝統芸能など、岩手の文化や岩手の心を継承・発信する取り組みを推進してまいります。
 以上が教育施策の重点事項の概要であります。
 次に、平成20年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係について説明申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開き願います。議案第1号平成20年度岩手県一般会計予算でありますが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は、10款教育費の1項教育総務費から7項保健体育費までと、9ページの11款災害復旧費のうち、3項教育施設災害復旧費を合わせた総額1、467億403万円余であります。これを前年度当初予算額と比較しますと、15億4、372万円余、率にして1.0%の減となっております。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の202ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事項を中心に説明申し上げますので、御了承願います。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。202ページから203ページにわたる2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費、関係県等が共同で設置している日本の次世代リーダー養成塾へ高校生を派遣するための経費、及び外国語指導を行う外国青年招致事業に要する経費であります。203ページの3目教職員人事費は、教職員の人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。204ページをお開き願います。4目教育指導費は、教職員の研修、児童生徒の不登校や問題行動などへの対策、特別支援学校における特別支援教育及び学習定着度状況調査などの学力向上対策などに要する経費であります。
 その主な内容としては、説明欄の5行目の児童生徒健全育成推進費でありますが、いじめや不登校などへの対策について、教育相談の充実のためにスクールカウンセラーを配置するとともに、関係機関等との調整・連携を図るため、小学校等にスクールソーシャルワーカーを配置するなど、相談から訪問による指導まで、柔軟に対応できる総合的な体制を整えようとするものであります。説明欄の中ほどの特別支援教育推進事業費は、ともに学び、育ち合う教育を推進するために、すべての学校における特別支援教育体制の充実・強化を図るための経費のほか、小・中学校等に在籍する学習障害、高機能自閉症等を含め、障害のある児童生徒への支援の充実を図るための非常勤職員の配置などに要する経費であります。次に、小中高キャリア教育地域ぐるみ推進事業費は、児童生徒の勤労観、職業観を育成するため、小学校から発達段階に応じた組織的、系統的なキャリア教育を学校、産業界、関係行政機関が一体となって推進するための経費であります。次に、ものづくり人材育成推進費は、ものづくりを支える専門的職業人及び地域産業界のニーズに応じた職業人の育成を実現させるため、専門高校─工業高校及び農業高校と地域産業界が連携・協働した取り組みに要する経費であります。次のいわてコミュニティ・スクール推進事業費は、目標達成型の学校経営への脱皮を目指して、県内すべての小・中学校が開放的で個性的な教育に取り組む学校づくりの支援に要する経費であります。次に、進学支援ネットワーク事業費は、これまでの県北沿岸地域人材育成事業費、県政課題貢献人材育成事業費、進学目標達成推進事業費の3事業を統合し、将来の本県を支える人材や県北・沿岸地域の産業振興、地域づくりを担う人材を育成するため、生徒個々の進路に応じた各学校の進学指導の支援に要する経費であります。次の指導運営費は、学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、文部科学省からの委託事業等の実施に要する経費であります。
 204ページから205ページにわたる5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であります。205ページから206ページにわたる6目幼稚園費は、こまくさ幼稚園の管理運営に要する経費であります。206ページをお開き願います。7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 207ページの2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費・旅費等のほか、初任者が校内研修や校外研修を実施する際に、授業を代替するための非常勤講師の配置に要する経費であります。また、少人数指導のためのすこやかサポート推進事業費は、引き続き非常勤講師を配置しようとするものであります。
 208ページをお開き願います。3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費・旅費等のほか、初任者が校内研修や校外研修を実施する際に、授業を代替するための非常勤講師の配置に要する経費であります。
 209ページの4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費・旅費等の経費のほか、説明欄の3行目の高等学校教育改革推進費は、併設型中高一貫教育校の設置に向けての準備及び平成17年度に策定した県立高等学校新整備計画後期計画に基づいた県立高等学校の整備推進のほか、平成22年度以降の県立高等学校の整備計画の策定等に要する経費であります。209ページから211ページにわたる2目全日制高等学校管理費及び3目定時制高等学校管理費は、それぞれ各高等学校の管理運営に要する経費であります。211ページをお開き願います。4目教育振興費は、高等学校における備品設備等の整備、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、説明欄の7行目の高校奨学事業費補助は、独立行政法人日本学生支援機構から交付される貸付原資をもとに、高校生を対象とした奨学資金及び事務費等への補助であり、財団法人岩手育英奨学会への補助に要する経費であります。211ページから212ページにわたる5目学校建設費は、高等学校の建物等の施設整備に要する経費であります。説明欄1行目の校舎建設事業費は、一戸高等学校及び釜石南高等学校の改築工事を継続するほか、高等学校の再編整備関係では、(仮称)江刺地区高等学校、(仮称)気仙地区総合的専門高等学校、(仮称)釜石地区総合的専門高等学校の改築工事を継続し、また、一関第一高等学校に併設する県立中学校の校舎として使用するための改修工事を実施することとしております。校地整備事業費は、一関第一高等学校及び大船渡高等学校において工事を継続するほか、新たに釜石南高等学校において工事に着手することとしております。次に、校舎大規模改造事業費は、水沢商業高等学校ほか4校において校舎や屋内運動場の耐震補強工事等を実施することとしております。このほか、校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費を計上しております。212ページをお開き願います。6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
 213ページから214ページにわたる5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費、初任者が校内研修や校外研修を実施する際に、授業を代替するための非常勤講師の配置に要する経費、松園養護学校の高等部設置等に伴う施設整備や維持管理に要する経費であります。
 215ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、子供の読書活動の推進及び児童生徒の安全・安心な居場所を設置する放課後子ども教室など、多様化・高度化する県民ニーズに対応する生涯学習推進に要する経費、次代を担う子供たちを心豊かでたくましい人間として育成するため、学習情報の提供や電話相談等を実施する家庭教育推進に要する経費、生涯学習推進センター並びに青少年の家の管理運営及び施設整備に要する経費であります。216ページをお開き願います。2目視聴覚教育費は、視聴覚教育の指導者養成等に要する経費であります。3目文化財保護費は、指定文化財の保存・修理への補助などの文化財保護の推進や特別天然記念物カモシカの食害防止対策及び県立埋蔵文化財センターの管理運営に要する経費等であります。また、説明欄の中ほどの柳之御所遺跡整備調査事業費は、国指定史跡であります柳之御所遺跡の史跡整備を推進するため、学術調査を行うほか、史跡公園整備のための設計等に要する経費であり、柳之御所遺跡土地公有化事業費は、遺跡地内の民有地の取得に要する経費であります。次に、世界遺産登録推進事業費は、平泉の文化遺産の世界遺産登録を契機として、各種啓発活動を拡充するとともに、世界遺産の保存管理に関する県民意識の醸成を図るために要する経費であります。次の世界遺産ガイダンス施設整備費補助は、平泉の文化遺産の世界遺産登録に当たり、世界遺産のガイダンス機能を付与するために平泉郷土館を改修する平泉町に対する補助に要する経費であります。216ページから217ページにわたる4目芸術文化振興費は、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供、高校生の文化部活動の技量向上を図るための技術講習会等を開催する高校生カルチャーキャンプ事業の実施及び全国高等学校総合文化祭参加への補助等、県中学校総合文化祭開催等への補助、国民文化祭参加への補助、岩手芸術祭の開催に要する経費などの芸術文化振興に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費であります。217ページの5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費であります。217ページから218ページにわたる6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費であります。218ページをお開き願います。7目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費であります。
 219ページの7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、児童生徒の保健管理に要する経費や指導運営に要する経費であります。219ページから220ページにわたる2目体育振興費は、生涯スポーツの振興に要する経費、国体への本県選手団の派遣経費、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費、各種体育大会への選手の派遣に要する経費の補助及び競技力向上のための事業実施に要する経費であります。その主な内容としては、説明欄の2行目の生涯スポーツ推進費は、県内市町村に総合型スポーツクラブを創設・育成を支援するための経費や高田松原野外活動センターでの研修事業の実施に要する経費等であります。次に、全国スポーツ・レクリエーション祭参加推進事業費補助は、10月に滋賀県で開催される第21回全国スポーツ・レクリエーション祭への選手・役員を派遣する岩手県生涯スポーツ推進協議会に対する補助に要する経費であります。220ページをお開き願います。説明欄の中ほどの競技力向上対策事業費は、国体選手等強化対策、ジュニア選手強化対策やスポーツ医・科学理論に裏づけされたサポートを基盤としたジュニア選手の早期発掘と育成などの実施に要する経費であります。第71回国民体育大会競技力向上推進本部(仮称)負担金は、平成28年に本県で開催される国民体育大会に向け、競技団体と連携して選手強化のための仕組みを構築し、選手の育成強化に要する経費であります。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営に要する経費及び県営スキージャンプ場人工芝張りかえ工事など県営体育施設等の整備に要する経費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、228ページをお開き願います。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校施設に災害が発生した場合の復旧に要する経費であります。
 次に、債務負担行為について説明申し上げます。
 議案その1に戻りまして、13ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会で所管する事業は、ナンバー44の校地整備事業の1件であります。これは、釜石南高等学校のグラウンド整備の工期等が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で予算関連議案の御説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇千葉康一郎委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 要保護児童生徒援助費補助金について質問させてもらいたいと思います。
 この制度は、学校教育法第19条の中で、経済的理由によって、就学困難と認められた学齢児童または学齢生徒の保護者に対して市町村は必要な援助をしなければならないという中身でございます。以前は、国から県、そして県から市町村へとこのお金の流れがあったわけですが、現在は国から直接市町村へということで、直接的には市町村の事業になってきているわけですが、その支給、そしてまた利用のされ方について、学校現場から、このお金を支払われている家庭から学校にその分払ってもらえないという状況も出てきているということを聞いています。その現状についてどのように認識されているのか、まずお伺いしたいと思います。
〇佐野学校施設担当課長 要援護児童生徒援助費補助金でございますが、委員御指摘のとおり、国から市町村に直接補助されているものでございます。目的は、おっしゃったとおり、経済的な理由によって就学困難と認められる学齢児童生徒に対して必要な援助を与えなければならないとされる法律の規定に基づいて行われているものでございますが、経費が直接その補助の目的に沿った形で学校のほうに還流しているといいますか、来ているかという実態については直接私どもで把握しているものではございませんが、一般論としては、そういったことは、補助の制度の趣旨及び目的に反することになるおそれがあるのではないかと懸念しているところでございます。
〇工藤大輔委員 これの中身について、直接お金は国から市町村、市町村から保護者ということとなっておりますが、県においては、市町村教育委員会に対して、要保護及び準要保護児童生徒に対する就学援助費補助金事務の手引を作成し、その中で、委任状をとらなければ直接学校に払い込むことができませんよという形のマニュアルをつくっているはずです。これは、もとは、この法律が直接保護者にしか渡せませんよという国の方針に沿っているからこのような形になっていると思いますが、この通達が昭和39年ということで、昔は国から直接来たお金を子供たちに向けるんだということで払った家庭が多いと思いますが、昨今、給食費等の問題にも出ているように、そのお金を払わなかったり、払えるのに払わない家庭がふえているということの一環でこのような問題が出ているんだと思います。
 そこで私は、この目的に沿った形で当然就学援助の補助金は使われるべきであって、その他に流用される、家庭の中で流用されるということはあってはならないと思います。ですから、先生がその家に何度も何度も回収に行くという作業を減らして、先生にはやはり直接生徒への指導により多く時間をとってもらえるよう、市町村の教育委員会と連携をとって、例えば国、市町村から保護者ではなくて、市町村から学校に直接振り込めるような、支払いができるような、そして残った分については保護者に直接支払われるような、そういった運用方法に変えられないのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇佐野学校施設担当課長 先ほど申し上げたとおり、就学援助費が本来の目的である部分に充当されないとすると、それは制度の趣旨に反するおそれがあるということは懸念として持っているところでございます。
 県内の実態を見ますと、多くの市町村では、学校を通じての保護者への直接の支給、または口座振り込みといった方法がとられておりまして、なかなか委任による学校側の代理受領というところまでは進んでいない状況にあるようでございます。
 ただ、今、委員御指摘のように、さまざまな未納の問題等もございますので、学校長による代理受領というのは有効な方法かと認識しておりますので、今後、そういった適切な給付方法について、手続の簡素化あるいは委任状のとり方の工夫等を含めて検討、助言してまいりたいと思っております。
〇工藤大輔委員 ぜひそういう形で進んでいってもらえれば、恐らく学校現場において先生方の負担が軽減されるということ、そしてまた、自分の家の親に払ってもらえないんだという形で子供に心配等もさせることがないような形で、ぜひ適切にこの制度が運用されるようにさらなる改善をよろしくお願いしたいと思います。
 もう1点、これは通告していなかったんですが、学童保育と子ども教室、これは、厚生労働省と文部科学省でやっている学校が終わってからの子供の居場所づくりという形が今、二つの種類で行われておりますが、一方ではお金をもらって対象者を1年生から3年生、またもう一方では全学年を対象ということで、地域においては、特にも学校に入ったばかりの父兄から、何でこんな二つ違いがあるのかと、どうして同じじゃないのかというような声が出ています。国のほうでも放課後子どもプランということで一体化を進めようとしておりますが、現場において、やはり問題があるんだと思います。先ほど申しましたとおり、お金を徴収しながらやる手法と、もらわない子供たちを一体化させるということにも本質的に難があると思いますし、また、この二つの事業が目的とするものも正確に言えば違うわけです。それを一つにすることについて、市町村のほうからどのような声が上がっているのか、また、この二つの制度を一体的に今後進めるに当たって、問題が本当にないのかどうか、まず、基本認識をお伺いしたいと思います。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 放課後子どもプランの関係でございますけれども、確かに文部科学省サイドで行っております放課後子ども教室は原則無料で行っているところでございまして、国のほうでも、一体的あるいは連携しながら事業を実施することが望ましいとしているところでございますが、委員おっしゃいましたとおり、その取り組みについては、ほかの県でも現場では苦労しているようでございます。
 現在、岩手県内では、子ども教室の校区内に放課後児童クラブあるいは児童館等が55ありますが、そのうち、14の教室において子ども教室と児童クラブが連携した取り組みを行っておりまして、例えば小学校内の余裕教室に子ども教室と児童クラブをそれぞれ設置して、児童クラブの指導者の引率のもと子ども教室において積極的な交流を図っている事例ですとか、あるいは学童クラブが始まるまでは子ども教室に参加して交流を図っている事例等々いろいろな事例がありまして、本県においても、一体的というのはなかなか難しいところはあるんですけれども、こうした連携した取り組みを行っているような事例を市町村等あるいは教室に積極的に紹介して、各現場の実態に即したさまざまな取り組みが展開されるよう支援してまいりたいと考えております。
 あるいは場所によっては、既に児童館、児童センターが設置されているところは、これも全児童対象事業でございますので、予算等の問題から、児童館があるからうちのところでは放課後子ども教室は設置しないというようなところもございます。
 いずれにいたしましても、県内に限らず、県外も含めていい取り組みを行っているさまざまな事例を積極的に紹介して今後展開していきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 1年生から3年生対象、また、1年生から6年生対象、この二つをやった場合、これは学童のほうによく言われると思いますけれども、質の低下等も言われていると思います。うまく回っている事例がそのまま進めばいいわけでしょうけれども、決してそれだけではないと思いますし、本来だったら国のほうでこの二つの制度が統合されて一つになることが望ましい姿だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、市町村によっては、待機児童を解消するために、これを学童のほうから全部そっちに振り分けるとなってくると、さらにその中身について、安全管理だけでも手いっぱいだという環境が出てくると思います。ですから、教育委員会で進められているほうはボランティアが中心ということになってくると思いますが、安全管理だけをそこに集中させることなく、本当の子供の居場所についてどのような形が適切かということを踏まえて、さらなる取り組みをされますことをお願い申し上げて質問を終わりたいと思います。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 委員がおっしゃる懸念があるということについて、私どもとしても承知しております。放課後子どもプラン、今年度から始まりました事業でございますので、そういった声を、保健福祉部局、それから文部科学省、厚生労働省と相談して、よりよいものになるように取り組みたいと思っております。
〇高橋比奈子委員 まず最初に、学校の耐震化について伺いたいと思います。
 文部科学省が、公立学校施設の耐震化の推進ということで、平成19年度1、042億円から来年度は2、162億円の予算をつけてまいりました。これによりまして、県内の耐震化の来年度の取り組み、そして、これを行うことによって耐震化率がどれぐらいになるのか、あわせて、今後必要とされる学校についての取り組みはどうしていくのかをお知らせいただければと思います。
〇佐野学校施設担当課長 公立学校の耐震化についてのお尋ねでございます。
 現在の耐震化の状況でございますが、平成19年4月1日現在で申し上げますと、統廃合等で必要のない学校を除きますとほとんどの学校について耐震診断は完了に近づいている状況でございます。耐震化率につきましては、小・中学校において58.5%、高等学校において64.4%、特別支援学校において94.3%となっております。
 文部科学省の予算の状況でございますが、委員御指摘のとおり、平成19年度当初が1、042億円でございましたが、平成19年度の補正という形で1、111億円、そして平成20年度の当初として1、051億円ということで、合わせて2、162億円が措置されておりまして、平成19年度当初に対して倍増という形の重点的な予算づけが行われようとしているところでございます。
 これによって、例えば県内の小・中学校でございますが、平成19年度の事業費ベースで申し上げますと、国の交付金を受けて実施した事業について見ますと、危険改築及び地震補強等の事業を延べ55校で実施しておりまして、平成19年度における事業費が53億8、000万円となっております。平成20年度においては、今、計画を取りまとめている段階でございますが、延べ61校での実施が予定されておりまして、事業費が約57億1、000万円で、これも着実に耐震化に向けた取り組みが行われると承知しております。
 これによって耐震化率がどのようになるかということにつきましては、平成20年度は計画段階でもございますしまだ把握できておりませんけれども、小・中学校につきましては、県が策定しております岩手県耐震改修促進計画において、平成27年度の目標年次の時点で75%という目標になってございます。
 一方、高等学校、県立学校につきましては、平成20年度において耐震化関係の予算として、再編に伴う改築も含めますと58億3、200万円ということで、延べ19校で耐震化を進める計画になっております。
 県立学校の目標でございますが、先ほどの岩手県耐震改修促進計画上では、平成27年度の目標年次において100%を目標として計画的に進めているところでございます。
 いずれ県教育委員会としましては、各市町村において円滑に事業実施ができるように、国、市町村教育委員会と連携を密にしながら、耐震化の促進を引き続き進めてまいる所存でございます。
〇高橋比奈子委員 今後の取り組みは進めていくということなんですね。予算をつけてきておりますので、ぜひ今後も進めていただきますよう、これは要望して次の質問をさせていただきたいと思います。
 次に、学校給食についてですが、学校給食の地元食材と外国産食材等の利用割合と、それから、これまでもやってきていると思うんですが、来年度特に力を入れる県産食材利用拡大への取り組みはどういうものがあるかお知らせいただきたい。
 あわせて、アレルギー児への給食対応については現状でどうなっているのか、お知らせいただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 県内の学校給食におきます地元食材の使用割合でございますけれども、平成18年度、重量ベースで52.6%となってございます。外国産食材の使用割合は、文部科学省の調査で、今年度、学校給食栄養報告ということで調査が行われましたけれども、その対象施設においてはカロリーベースで21%となってございます。
 県産品の使用拡大につきましては、関係機関との連携を持ちながら推進しているところでございますが、各現場の栄養教諭あるいは栄養関連職員に対しましての研修会で県産品の促進については内容を深めているのが現状でございまして、さらにその部分について推進を図っていきたいと考えております。
 食物アレルギーを有する児童生徒への対応についてでございますけれども、給食提供で配慮が必要な児童生徒数は、今年度の調査では、小学校1.3%、中学校1.0%でございます。アレルギーを持つ児童生徒に対しましては、除去食、代替食など個に応じた対応を行っているところでございます。
 今後におきましても、児童生徒の個々の状況をしっかり把握し、主治医、学校医の指示を踏まえ、保護者と教職員とが連携を図りながら対応することが大切と考えておりまして、今後ともその徹底を図っていきたいと考えております。また、食物アレルギーに関する研修の充実をさらに図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋比奈子委員 市町村合併によりまして、地元のものとか手づくりのものでいきたいということがなかなかそういかないというようなお話が私のほうに届いておりまして、ぜひ地元のものを使う、そして、できるだけ手づくりをしたいとか、これは学校だけではなく、本来、幼稚園、保育園も含めてですけれども、ぜひそういう方向性で、できる範囲で進めていただきたいということは要望です。
 それから、アレルギーですけれども、アレルギー児の中では、例えば給食対応できないのでお弁当にしたいというお話をしたときに、お弁当を持ってくるといじめの対象になるので弁当ではなくしてくれというような指導をされている方もいらっしゃるとお聞きしました。お弁当を持たせなければならない親の苦労と、それから給食で本当はいかせたいといっても対応ができないという実態があるわけです。その中でお弁当を持たせざるを得ない場合に、やめろではなく、お弁当を持ってくることへの理解を求める、そういう形の指導をしていただければと思うんです。
 特に、シックハウス、食物アレルギーについては、それをとったり、シックハウスによって授業をきちんと受けられなくなるという事態も出てきますので、ここは現場での指導、それから、毎年毎年診断書を持って来いというような指導ではなく、やはり大変なお母さんたちときっちりと対話をした指導をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 委員御指摘のとおり、食物アレルギーを持つ子供に対しては十分な配慮が必要であると認識しております。したがいまして、従来からもその保護者を通じて食物アレルギーを有する子供たちの実態の情報をしっかりと収集し、その後、保護者との面談をしっかり実施して、それを受けて、各学校ではその対応について十分に検討する、学校全体で検討する、そういうような方法で進めていると認識しておりますが、委員の御指摘にあったような事態、状況があるということでお話をいただきましたので、その辺についてはきちんと学校に指導してまいりたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 牛乳信仰がまだ謳歌していますが、やはり和食に牛乳と味噌汁というのは水分のとり過ぎとか、さまざまな問題も指摘され始めておりますので、牛乳信仰だけではない、地元食材などを含めた郷土料理などの推奨をしながら、あわせてアレルギー児への対応をしていただければと要望させていただきます。
 それから、あと2点あわせてお伺いしたいんですが、学校で運動場のライン引きなどに使っている消石灰で視覚障害が全国でありますということで文部科学省が今年度、初の注意通知などを出しておりますが、県内でこういう消石灰による事故があるのか、また、この通知によりまして、今後どういう方向で学校に勧めていくのか。
 それからもう1点、これは通告しておりませんでしたが、インターハイ、国体などでの練習場についてですが、県立盛岡短期大学の跡地の体育館を、体育協会がさまざまな学校などに、例えば体操競技などで使わせてもらったりしているんです。この練習場がもしなくなれば、新たな練習場などを提供していただかなければ練習する場所がない、そういう事態も出てくると思いますので、インターハイと国体が終わるまでの間、さまざまな部活を含めた選手強化につきましての練習場の確保ということは非常に大事だと思うので、こういうことを進めていただけるかどうかということが1点。幾ら頑張れ、頑張れとか、ここを目指すといっても、練習場所、指導者がいなければうまくいかないと思いますので、練習場確保などについての教育委員会の見解をぜひお知らせいただければと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校の運動場のライン引きで使用する消石灰についてでございます。
 従来から各学校では消石灰が多く使われていたわけでございますけれども、消石灰は強アルカリ性でありまして、目に入ると角膜や結膜を侵して障害を起こす危険性があるという指摘が医師会等からあったところでございます。
 学校における消石灰の使用状況でございますが、今月、盛岡地区の小学校から高校までの87校を対象に行った調査状況によりますと、消石灰のみを使用している学校が31%ございます。それから、安全性が高いと言われるスポーツ用石灰、これは炭酸カルシウムでございますけれども、このスポーツ用石灰を使用している学校が46%、両方を併用している学校が23%というのが現在の状況でございます。盛岡地区につきましては昨年度も同様の調査を実施しておりまして、平成18年度の調査時点から比べますと、消石灰のみを使用している学校は40%減少している状況でございます。
 県内の小・中学校におきます消石灰による事故状況につきましては県の医師会が昨年1月に調査を行っておりまして、平成14年から18年までの5年間で13件の事故報告がございました。事故の事例につきましては、消石灰が風で飛んで目に入ったとか、あるいは消石灰がついた手で目をこすったときに入ったというような状況でございましたが、いずれも眼科を受診し、洗浄、点眼治療などによって完治しているということでございます。
 この運動場のラインなどに使用する石灰の取り扱いにつきましては、県の教育委員会としても既に2度の通知を各市町村教育委員会、それから各県立学校等へ行っているところでございまして、今後とも、安全性の高いスポーツ用石灰の使用について要請等を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、インターハイ、国体を控えた各競技における練習場の確保につきましては、各県営施設につきましては、前年度の2月に使用調整会議を持ちまして、翌年度の使用について計画的に進めております。また、その際には、国体、インターハイを見据えた競技団体については、優先的といいますか、それを十分配慮した形での枠組みを進めているところでございます。
 今お話がございました県立盛岡短期大学跡地の体操競技についてでございますが、このことにつきましては、体操の統括団体より練習場に使用させてほしいという要望があり、関係機関との調整の結果、現在使用していただいているという段階でございますが、あくまでもこれは臨時的措置としてお借りしている状況でございまして、その後の状況等を踏まえながら判断していかなければならないと考えておりまして、現時点で詳しく申し上げられる段階ではないと承知しております。
〇高橋比奈子委員 事情はわかっているんですが、その場所がなくなると次に練習する場所がないわけです。そういうことを考えていただきながら進めていただければと思います。
 なお、大変前向きな御答弁をいただいておりまして、教育委員会の皆様方には、いつもさまざまな大きないろいろなことをやっていらっしゃるということで、相澤教育長が大変いい指導をしていらしたとどこの現場からもそういうお声をいただいておりまして、ぜひこの体制を申し送りしていただき、子供たちのために心温まる対応をお願いしまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〇高橋博之委員 私の方からは、大きく4点お聞きいたします。それぞれまとめて簡潔にお聞きいたしますので、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
 まず、特別支援教育推進事業費及び特別支援学校費についてお尋ねいたします。
 今般、教育委員長演述並びに知事演述の中でともに学ぶ教育について言及され、希望創造プランにも盛り込まれているわけですが、来年度の予算措置でどの程度進めていくのか、また、その方向性についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 1点目でありますが、小・中学校への支援員の配置状況、市町村と県、来年度の予算措置でどのような配置状況になるのか、お尋ねいたします。
 次に、小・中学校への支援員の配置の役割分担について聞きたいのでありますが、これまで県が特別支援教育かがやきプラン推進事業で手当てをしていたものが、昨年度から国が助成するということで1校当たり84万円支給しているわけですが、今後、市町村と県がどのように役割分担をしていくのか、お尋ねいたしたいと思います。
 それから、来年度から県が初めて高等学校への支援員の配置を打ち出されておりますが、この支援員の配置の人数と配置先、及び今後の高等学校における特別支援教育の方向性についてお尋ねいたしたいと思います。
 それから、特別支援学校の分教室、これも希望創造プランに盛り込まれておりますが、今後の設置見通しについてお尋ねいたしたいと思います。
 それから最後、特別支援教育と学力向上の関係についてでありますが、先般、国立特別支援教育総合研究所が教師への意識調査で、この特別支援教育を推進すると学級全体の学力が向上すると感じている小学校の教員が国語では3割、算数では5割近くに上るという調査結果が出されております。発達障害の児童生徒にもわかりやすい授業への取り組みが他の児童生徒の学習意欲の向上や授業中の態度の変容にもつながって学力アップに結びついている、こういう分析をされているわけでありますが、この学力向上との関係性についてどのように認識されているのか、お尋ねいたしたいと思います。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 5点御質問をいただきました。
 1点目の小・中学校への支援員の配置の状況ということでございます。
 平成19年度、今年度でいいますと、11月1日現在ということで今一番新しいデータですが、市町村による配置は27の市町村で170名、それに県の特別支援教育かがやきプラン推進事業による非常勤職員35名と合わせて合計205名が配置されている状況でございます。これは、平成17年度の合わせて111名から見ますとほぼ倍増という状況になってございます。
 平成20年度につきましては、県では28名を予定しているところでございます。市町村については、今年度開始された地方交付税措置が市町村の公立小・中学校の7割に相当する人数分の交付税措置であったものが、来年度はすべての学校数に相当する支援員の配置に当たる分の交付税が措置されるということで、今年度よりは数がふえてほしいと考えておりますが、具体的に市町村が来年度何名配置するかということについてはまだ詳細は把握してございません。
 配置に当たっての市町村と県との役割分担というお話がございましたが、先ほど申し上げましたように、徐々に国から市町村に対する地方交付税の割合がふえていっておりますので、県といたしましては、今後は、小・中学校への支援員の配置につきましてはできるだけ市町村に御努力をいただき、県といたしましては、今後の重点課題となってまいります高等学校への支援員ですとか、あるいはインクルーシブな教育を拡大するための認定就学者を支援するための支援員の配置、そうした方向に力を注いでまいりたいと考えております。
 こうした考え方で、先ほど申しましたが、特別支援教育かがやきプラン推進事業、平成20年度につきましては総数28名と申し上げましたが、そのうち20名をこれまでどおり特別支援学級等が設置されていない小・中学校に、それから5名を県立高等学校に、それから3名を認定就学者として小・中学校に就学する子供たちのための支援員という割合に分けて配置する計画を立てております。
 それから、高等学校における支援員ということですが、先ほど申し上げました5名については、現在、高校のニーズ等の把握を進めておりますが、複数のそうした対象の生徒を抱えている学校であって、校内でさまざまな体制をとって取り組んでいただけるということで、現状は盛岡工業高校など5校を配置先として検討しているところでございます。
 なお、高等学校では、先般の調査で、特別な支援を必要としている生徒が約700名(後刻「約400人」と訂正)という状況になっておりますので、今後は、特別支援教育に係る校内委員会の設置ですとか、コーディネーターの指名などについて、できるだけ早くすべての県立学校でそうした体制を整えるということを進めてまいります。また、全教員等に対する研修等についても積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 4点目の特別支援学校の分教室の件でございますが、平成20年4月に二戸市立石切所小学校の中にみたけ養護学校の二戸分教室を設置することで計画が進んでおりますが、このほか現時点では、平成21年4月には、現在、小学部でとどまっております一関市内の千厩分教室に中学部を設置するということで一関市との協議を進めているところでございます。平成21年度以降につきましても、各地域のニーズに応じまして、関係する市町村との協議を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、特別支援教育と学力との関係でございますが、障害のある子と障害のない子供がともに学ぶ教育によって、障害のない子供の側に学力向上に支障が生じないかということについてはさまざまな場で心配の声も寄せられているところでございますが、実際のところは、先ほど委員から新聞報道ということで御紹介いただきましたが、本県でも、今年度の、先ほど申し上げた特別支援教育かがやきプラン推進事業による支援員を配置している学校が35校ございますが、その効果を確認する調査をいたしましたところ、35校のうち12校、約3分の1の学校からは学級全体の学力も向上しているという報告をいただいているところでございます。障害のある子供に対するきめの細かい指導がその子だけではなくて学級全体にも好影響を与えているものととらえておりまして、今後もこうした事例を各学校現場に広く紹介していくことが必要と考えております。
〇高橋博之委員 来年度から国の助成が7割からすべての学校にということなんですけれども、花巻市の教育委員会が今、頭を悩めているのが、なかなか支援員が見つからないと。毎日電話をかけているけれどもなかなか支援員さんが見つからないんだよと頭を抱えておりましたので、そこはぜひ県も連携をして、その支援員の確保に向けて工夫なり努力をしていただきたいと思いますが、この点についてお尋ねいたします。
 それから、高等部ですけれども、これから市町村が小・中学校、それから県が高等学校と役割分担をしていくということで、そうなんだと思います。これまで、小・中学校と高等部の特別支援教育がぶちっとここで切れてしまっているような話をよく聞きまして、本当はかなり力のある子が特別支援学校に今いると。今、特別支援学校の高等部も定員オーバーというような状況がある一方で、県立高等学校では定員割れのところも出てきておりますので、ぜひ商業高校や農業高校や工業のほうには門戸をもっと開いていただいて、職業訓練だとか、力のある子もかなりいます。ただ、試験を受けてもなかなか入学できる水準にまで達しないという子供がおるんですが、ぜひそういう子供たちにも門戸を広げていただきたいと思いますが、この点についてお尋ねいたしたいと思います。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 第1点目の支援員の確保が難しいというお話でございますが、市町村が学校にそうした人員をなかなか配置しづらい中には、そうした障害のある子供たちをきちんと理解した人でないと学校現場に入っていただくのが不安であるということもあろうかと思います。そうしたこともございますので、まず、県が今行っておりますのは、実際配置になった支援員を対象とした研修会というような形、あるいは支援員になる方のためのハンドブックを作成して、まず御理解をいただいて、そうした専門の勉強をした方でなくても、安心して支援員の仕事をしていただけるような支援をしてまいりたいと思っておりますし、それから、現在、特別支援学校では、毎年三つの学校を指定いたしまして、ボランティアの養成講座というような形で、市民の方あるいは学生の方々に、特別な支援の必要なお子さんに、どのように対応していってもらうのが適切かといったような勉強会の場も開いておりますので、そうしたことも支援員の確保の面では、一助になるのではないかと考えているところでございます。
 それから、中学校から高等学校への特別な支援が必要な生徒の支援の引き継ぎという問題で、なかなか高等学校に思うように進学できないという御指摘をいただきました。先般の調査で、県では、小・中学校の通常の学級にも4.5%に当たる特別な支援を必要とする子供たちがいるということが明らかになっておりますので、これは数にすると、毎年500人を超える子供たちが高校に進学していってもおかしくない数字ということでございます。県といたしましても、今後、高校のあり方の議論を進めてまいる際には、そうした子供たちをどのような学級の中で学んでもらうのが最も安心なのかということについては、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 いずれ、心をはぐくむということにとどまらずに、学力向上にもつながっているという事例をぜひ─通常、特別支援教育を進めると、学力低下につながるんじゃないかという親御さんや教育現場で考えていらっしゃる先生方も多いようでありますので、ぜひそのあたりの調査結果を各市町村に示して、さらにこの特別支援教育を進めていっていただきたいと思います。
 次に2点目でありますが、共に学ぶ教育の旗振り役の県の教育委員会において、残念と言えば残念なんですが、昨年の11月ですか、労働局が勧告を行いました。法定雇用率1.19%ということで、全国でワースト8位という結果が出たんですが、この勧告についてどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。また、この法定雇用率を達成できなかった理由、及び今後の改善策についてお尋ねをいたします。
〇小原教職員課総括課長 県教育委員会におきます障害者の雇用率、先ほど委員が御指摘のとおり、平成19年6月1日現在で1.19%ということで、法定率である2.0%に76人不足してございます。達成できていないことから、厚生労働省から勧告を受けたところでございます。このこと自体、やはり特別支援教育を行っており、また、率先して法律を守るべき県教育委員会の社会的責任として重く受けとめてございます。
 それで、この低い理由でございますけれども、一番は、この内訳を見ますと教育職員の雇用率が低いと。これはどうしても教員免許を持つ障害者が少ないということで、志願者自体が少ないと。受ける方が少ないということが大きな要因とは思ってございます。
 教育委員会として雇用率を達成していくためには、これは事務職員だけではもともとの比率が極めて少ないものでございますので、教育職員の雇用率の向上に向けて最大限の努力を行ってまいりたいということで、平成18年度から新たに障害者特別選考というものを設けたわけでございますが、来年度、この試験の合格者をこの4月から4名採用予定としてございます。また、事務職員も新規に1名採用予定でございますし、さらに知事部局との交流で、2名を新たに任用する予定でございます。いずれ、関係機関なり障害者団体とも連携をとって、こういう採用ができるんだという状況を広く周知して、まずは意欲ある志願者をどんどんふやしてまいりたいということで、着実に雇用率の改善を進めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋博之委員 なかなかすぐに数字を上げるということにもならないんでしょうけれども、ぜひ息の長い取り組みを続けていただきたいと思います。
 先日、読売新聞だったかと思いますが、人の欄で、腕がなくて、足にチョークを挟んで黒板に書く方が学校の先生になられたという報道がありましたが、本当に子供たちに生きる力というか、生きる勇気を与えてくれると思いますし、何より、本県はともに学ぶ教育をこれから力を入れていくということで進めているので、ぜひ教員の側も、意識改革ということで努力を続けていただきたいと思います。
 次に3点目、いわてコミュニティ・スクール推進事業についてお尋ねをいたします。これ、本県の教育の新たな目玉として昨年からスタートしたわけですが、その成果と課題についてお尋ねをいたします。
 それから、学区再編との兼ね合いについてもお聞きをしたいと思うんでありますが、私の住んでいる花巻というところなんですけれども、今、小学校の学区再編が進んでおりまして、Aという学校とBという学校の人数のバランスが崩れて、選択制にするというのを市教育委員会が昨年度打ち出したわけですが、なかなか地元住民の理解が得られませんでした。というのは、一つの町内会で、Aという学校に行く子供もいればBという学校に行く子供もいて、地域としての一体感が、もうなくなってしまうという心配なんであります。このいわて型コミュニティ・スクール構想はまさに地域とともにということで昨年度から始めたわけですが、今、県内で花巻だけではなくて学区再編が進んでいると思いますが、この兼ね合いについてどのようにお考えなのか、お聞きをいたします。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 いわて型コミュニティ・スクール構想の成果と課題ということでございますが、今年度、この構想につきまして、管理職の先生方あるいは教職員に御理解をいただくためにさまざま説明をしてまいりましたけれども、この構想については、大体、おおむね御理解はいただいているのかなと思っております。それで、各学校では目標達成型、今までどちらかというと、若干抽象的だった学校教育の目標がかなり具体的になってきている部分、それから地域との連携というところでも、例えば地域の学習、あるいは学校に保護者、地域の方々に来ていただいて読書ボランティアとか、さまざまそういう活動が活発になってきているととらえております。そういう取り組みの中で、今年度の成果と課題を各学校なりにまた検証しながら、今現在、来年度の学校経営にどのように生かしていくかということで取り組んでいただいている最中であるととらえております。
 そのような意味で、各地域においても、このいわて型コミュニティ・スクール構想の中で地域と学校、保護者が一緒になって進めていくという学校づくり、環境が少しずつではありますけれども進んできているのかなと成果としてとらえております。ただ、課題の部分ですけれども、校長先生初め学校の先生方、大分御理解はいただいて進めているんですが、まだまだ一般の先生方の御理解のところまでは至っていない部分もあるのではないかと考えておりますし、あるいは、保護者、学校がいろいろ取り組んでいるわけですけれども、保護者の皆様あるいは一般の県民の皆様に対する理解の促進というところが今度課題になっているなと。これは学校だけではなくて、県教委としても、こういう取り組みを今学校で進めているということを、さらにお知らせするような形で支援をしてまいりたいと思っております。
 それから、学区再編との兼ね合いについてでございます。
 委員お話がありました花巻市ということで、いわて型コミュニティ・スクール構想、これ家庭それから学校、地域、この3者が本当の意味で連携をしていくことで成り立つものであります。そういうことから考えますと、やはりこのいわて型コミュニティ・スクール構想が成り立つために、学区というものはしっかりしていなければならないものと考えています。現代の少子化の中で、各地域にいろいろな課題があろうかと思います。その解決のために、花巻市等もいろいろ御苦労されたり工夫をされている部分だと思います。ただ、先ほど申しましたように、今こそ、家庭、地域、学校がしっかりとスクラムを組んで子供たちを育てていくということを進めてまいりたいと思っておりますので、再編等につきましては、各地域でしっかりと論議をしていただければと思っております。
〇千葉康一郎委員長 この際、進行に御協力を願うため、質疑、答弁は、簡潔明瞭にお願いいたします。
〇高橋博之委員 ただいま、学区はしっかりとしなければならないという御答弁があったわけですが、先ほど言いましたように、選択制にすると混乱してしまうわけですね。その市町村のそれぞれが学区で、例えば今後選択制というのをとっていったときに、県のコミュニティ・スクール構想とのそごが生じるのではないかと心配をしているわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 このいわて型コミュニティ・スクール構想ですが、今年度からスタートしたわけですけれども、今現在、各学校が自分の学校の課題あるいは子供たちの課題を解決するために、地域、保護者の方々とどうやっていくかということでいろいろ取り組んでいただいております。そういう意味では、スタートの今の段階としては、学校が例えば中学校であれば中学校の学区という中で、この学校の課題を解決するために進めていくと。ただ、再編が進んでいって、先ほどのように違うところに行く子供たちがいるということになりますと、やはりそこで不都合が生じることはそのとおりだろうと。ただ、いわて型コミュニティ・スクール構想も、今後、自分の学校のエリアだけではなくて、地域の小学校、ほかの中学校という形で、少しずつ拡大をしていきながら充実をしていくということもこれからは出てくるのではないかと、そういう方向に進んでいくことも一つではないかと思っております。
〇高橋博之委員 いずれ、市町村と連携を密にして進めていっていただきたいと思います。
 最後に、教員の多忙感の解消についてまとめてお尋ねをいたします。
 学校現場を歩いていると、とにかく先生方から言われるのは、忙し過ぎるということです。夜、車で歩いていても、小・中学校、夜遅くまでこうこうと明かりがついておるんですが、小・中・高の教員の時間外勤務実態についてお知らせをいただきたいと思います。
 それから、今、忙し過ぎて精神的に病んでしまって、休職をしている先生方が多いと聞くんでありますが、この小中教員の休職者数、それと年代別、その理由もわかればお尋ねをいたしたいと思います。
 それと、教員の多忙感の要因について、県教育委員会としてどのように分析をされておりますでしょうか、その点についてもお尋ねをいたします。
 それから、私はよく、事務仕事が多いというのを聞くんですね。本来やるべき子供たちと向き合う時間が、この事務仕事にとてもとられてしまっているという話を聞くんですが、その事務職員のほうの人数の推移、減っているんではないのかと思うんでありますが、事務職員の数の推移についてもお尋ねをいたします。
 それから、最後、県教委として、このような教員の多忙感を解消していくためにどのような対策をとっておられるのか、また、今後どのような取り組みをしていくおつもりなのか、お尋ねをいたします。
〇堀江教育企画室特命参事 教員の勤務実態でございますが、平成18年度文部科学省が行いました勤務実態調査によれば、教員の1日当たりの時間外勤務は2時間程度となっております。その時間外勤務の多いのは中学校が一番多く、次に高等学校、小学校の順番になっております。平成16年度、18年度に、本県でも独自に実態調査を行っておりますが、結果はおおむね同様になっております。
 教員の多忙感の要因でございますが、これは学校によってさまざまではないかと考えておるところでございまして、例えば先例踏襲的に行われている会議とか行事、あるいは部活動のあり方などさまざまあるかと思いますが、委員御指摘のとおり、デスクワーク的な、事務的な処理が教員の多忙感の一つになっていると認識しているところでございます。
 今後の多忙感に対する対応でございますが、現在県教委では、できるだけ学校現場に対しての調査・照会については精選するように努めているところでございますが、今後、市町村教委とも十分連携をとりながら、児童生徒とは直接関係がないような事務的な業務を、できるだけ減らしていくように進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇小原教職員課総括課長 小・中学校教員の休職者の数でございますが、平成18年度は47名でございます。その内訳でございますが、そのうち40名がいわゆる精神疾患者でございます。全体の教員の割合からしますと、約0.5%というものでございます。
 次に、事務職員の数でございますけれども、市町村立小・中学校の事務職員につきましては、教職員定数の標準に関する法律、いわゆる標準法で定められておりまして、その基準に従って配置してございます。この事務職員、平成19年4月現在で534人となっておりまして、10年前の平成9年4月の626人から比べますと92人、14.7%の減少となってございます。しかしながら、この間、この標準法等の改正はございませんで、児童生徒の減少に伴います統廃合の進捗や学級数の減による事務職員の減というものでございます。
〇高橋博之委員 財源が限られた中で事務職員をふやすということは容易ではないと思いますが、いずれ、市町村と連携をして、ぜひ教員の多忙感、子供たちと向き合う時間をもっともっとふやす取り組みを今後も継続していただきたいとお願いをして、質問を終わります。
〇及川幸子委員 ただいまの教職員の多忙感についてですが、私も一般質問で取り上げましたけれども、今の状態では、ちょっとそれを解消することはできないのではないかと思われます。
 実は私の地元の学校でも、平成19年度から20年度が今度1学級減で、児童数が39人から40人という数字になります。
 今の現況をお話しいたしますと、毎日出される課題研究、宿題ですね、それが大変な量であります。読むことと書くことと、それからスキルでしょうか、これをまず親が一応四つに分けて聞きますね。それを先生がその日のうちに下校時までチェックして、判をつきます。その量というのは大変な量だと思います。先生方の1校時から2校時の間の時間って、今何分なんでしょうか。まず、それをお知らせください。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 業間の休み時間のことだと思いますけれども、大体10分ぐらいかと把握しております。
〇及川幸子委員 その10分間に先生が職員室に戻り、そしてトイレの休憩をして、例えば39人、40人の子供の毎日やってくる宿題に目を通すということは、全くできないと私は思います。国においては、生徒と向き合う時間を多くするという指針を出されたようですが、それが今の状況では絶対緩和されないと思いますが、いかがでしょうか。
〇堀江教育企画室特命参事 確かに限られた時間の中で生徒一人一人の指導をしながら、さらには採点とかを行わなければならないという実態は承知しているところでございまして、そういった意味では、教員の皆さんにかなりの御負担をかけているというのは、県教委としても十分認識しているところではございます。ただ、一つ一つの解決に向けて学校現場あるいは当該学校で学校教育を進めるために何が一番必要かと、その中で取捨選択しながら進めていくということが大事ではないかと、私、感じているところでございますので、そういったことはできれば県教委も含めて、あるいは市町村教委も含めて、そして何よりも学校現場でよく話し合いながら、まさに学校の経営目標をしっかり定めて進めていくことが大事かと思っております。多少、解決するまでは時間がかかるかとは思いますが、私どもとすれば、そういったところを一つ一つ丁寧に対応していきながら、問題を一つ一つ解決させていきたいと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 何が一番必要か、そういうことをお話しされるのはよくわかりますけれども、これは先生方、教育委員会の皆さんとか校長先生に、本音を多分言えないんじゃないかと私は思いますよ。やっぱり言うと、教育委員会からそして校長から目をつけられてどっかに飛ばされる、それが恐ろしいから本音を言えない。忙しいけれども、これは家に持っていってやろうということ。2年生の生徒が、先生がいかに忙しいかを自分で感じ取って、先生は毎日10時、11時に寝ているようだよとか、そういうことをささやくような状況があるんですね。
 どうですか、相澤教育長、本音はそうじゃないんじゃないですか。本当に忙しいんじゃないですか、学校現場の先生方。教育長。
〇相澤教育長 学校の特に中学校の多忙感というのは非常に大きいというふうに感じているんでありますが、基本は、先生の場合は授業を準備する時間と、それから、中学校であれば部活でありますとか、あるいは小学校も含めてでありますが生徒指導の時間、こういう子供と向き合う時間、あるいはそのための準備をする時間、ここをしっかりやっていただきたいと考えています。
 先生は、それ以外の時間、それ以外の仕事は極力減らしていくという、そのことが基本ではないかと思っていまして、教育界の場合、前例踏襲的なことがたくさんありますし、いわば完全主義的に大変分厚い報告書をつくったりということもないわけではないとか、いろんなことが絡まっているんだと思います。その辺を一つ一つ解きほぐしながら対策を考えなきゃいけないと思っておりまして、若干時間はかかりますが、そこを解きほぐしながらしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 どうぞ、精神疾患40名という、こういう恐ろしい数字を出さないように、今後とも検討いただきたいと思います。
〇新居田弘文委員 私の方から、学校給食の問題と児童生徒の携帯電話についてお伺いします。
 学校給食につきましては、先ほど高橋比奈子委員も質問されましたので、それ以外の部分についてお伺いします。
 まず、学校給食の実態でございますが、戦後間もなく脱脂粉乳の給食から始まりまして、いろいろ今日まで至っておりますが、それで、各学校で単独方式とかあるいは共同調理場方式、さまざま歴史があるわけでございますが、今の実態について一つお伺いします。
 それから、食材については先ほどもありましたので、もともと地元の食材の調達については、一層配慮いただきたいと思います。
 前段の今の実態、それから今、学校給食で抱えている問題点がありましたら御紹介をいただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校給食の実態、実施状況でございますが、今年度の調査によりますと、完全給食を行っている学校が91.1%、補食給食が2.1%、ミルク給食が6.8%というような状況でございます。
 また、調理方式の現状でございますけれども、完全給食を実施しております県内小・中学校の566校のうち、単独調理場方式が86校の15%、共同調理場方式が480校、85%となってございます。
 それから、学校給食にかかわる課題といいますか役割ということでございます。
 学校給食は、栄養バランスにすぐれた献立を通しまして、成長過程にある児童生徒に必要な食事を提供すること、また、実際の食事という生きた教材を通して、正しい食事のあり方や好ましい人間関係を体得するなど、ねらいとしましては教育活動ととらえてございます。特にも、食育を効果的に進めるための教材でもありまして、地場産物の活用を通じ、地域の文化や伝統に対する理解と関心を深めることができるなど、高い教育効果があると考えてございます。そういう観点から、地場産品の活用の促進というものについては、まだまだ進められる要素があると考えてございまして、この辺については、さらに推進してまいりたいと考えているところでございます。
〇新居田弘文委員 目的、その必要性については今お話があったとおりでございますが、課題についてもお聞きしたんですが、給食費の問題等もいろいろ指摘されているところでございますが、それはそれで努力していただきたいと思いますけれども、かつては、子供たち、家庭で十分栄養的なものを与えられないとか、そういう意味で学校給食を進めたというような歴史があるわけでございますが、今まさに飽食の時代で、どこの家庭でも材料、弁当については十分対応できるというようなことだと思いますが、一方では、全部丸投げという言い方は失礼ですが、学校でみんな面倒見てくれるから、お母さんのつくった弁当を食べる機会というのはあまりないわけですけれども、そういう意味で親子のきずなといいますか、いろんな問題が発生しているのではないかと思いますが、こういう中で今後を考えますと、もちろん給食は設置者、市町村が主に責任を担っておりますけれども、学校給食のあり方についても、根本的に見直しなり検討する時期にあるのではないかと私一人で思っていますが、その辺についての認識をちょっとお伺いしたいと思います。
 それから、児童生徒の携帯電話について二つ目お聞きします。
 これは、最近携帯電話にまつわるいろんな課題あるいは事件が報道されておりますが、最近県警本部のほうで、岩手県内の中学生、高校生に対する携帯電話等に関するアンケート調査をしたと伺っておりますが、その主な内容について御紹介いただけませんでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 先ほど給食の役割ということにつきましては申し上げたとおりでございまして、その大きな役割を担っていると認識しておるところでございます。ただ、家庭との関係ということにつきましては、現在、食育という部分につきまして、地域と家庭と学校が連携しながら進めるというようなことで推進しておるところでございます。その食育教育という中で、食事のあり方等につきまして、十分地域、保護者との連携を図りながら、ともに考えていくというような形で進めてまいりたいと思っております。
 また、市町村における給食に関係する課題につきましては、今後も情報収集しながら、十分に課題というものを検証してまいりたいと思っております。
〇田村学校教育室特命参事 児童生徒の携帯電話についてのお尋ねでございますが、昨年12月に岩手県警察本部が実施をいたしました携帯電話に関するアンケート調査の主な内容につきまして、特にも携帯電話の所持率につきましては、最近の急速な普及に伴い、高校生を中心に携帯電話を所持する児童生徒の割合が急増している状況でございます。このアンケート調査によりますと、中学生の28.7%、高校生の95.7%が携帯電話を所持しているという結果になっております。
 次に、携帯電話の所持に伴い、それに係る利用状況についてでございます。
 中学生と高校生の平均ということになろうかと思いますが、利用料金の状況につきましては、5、000円以上から1万円未満が67.0%と最も多く、5、000円未満が13.5%、1万円以上3万円未満が10.8%、さらに3万円以上が0.7%となっております。また、利用時間につきましては、携帯電話を1時間以上2時間未満使用する割合が27%と最も多く、次いで3時間以上の使用が26.6%、2時間以上3時間未満が18.5%となっております。
 この調査におきましては、さらに危険、有害な情報を見られなくする、そういう機能をフィルタリングと呼んでおりますが、これの適用状況についても調べてございます。中学生が9.0%、高校生が7.7%。それから、このフィルタリングにつきましては、中学生、高校生の中でわからないと答えた平均が51.8%となっております。
〇新居田弘文委員 いろいろ御説明いただきましたけれども、先ほどの利用料金の問題、一家庭にすれば、1人の子供あるいは2人の子供といろいろあるわけですけれども、それぞれの家庭にとっても大きな経済的な負担もさることながら、もっと心配なのは、長時間にわたって毎日そういうことが繰り返されるということは、いろんな有害情報もありますけれども、そのために学習の時間が非常に割かれており、それに回る時間がないのではないかと危惧されるところでございますが、その辺の状況と今後の対応について、認識をお聞かせいただきたいと思います。
 さらに加えまして、同じような感じしますけれども、きのう、きょうの新聞にもいろいろ出ておりまして、犯罪とかあるいは出会い系サイトとか、さっきフィルタリングの話もありましたけれども、いろんな課題がたくさん出てきておりまして、それこそ子供たち当事者のみならず、社会的な大きな問題にも発展といいますか、そういう状況にあるのではないかと思っております。その辺の対応、それから学校、それからPTAを含めまして、今後どのような取り組みをするのか。あるいは、さっき申し上げましたように、学力の関係で今後どういうような進め方をするのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
〇田村学校教育室特命参事 まず、学力への影響についてでございますが、携帯電話の使用時間が先ほど申し上げましたとおり、3時間以上が3割近くを占めていると。使用時間が多くなりますと、家庭での学習時間が委員御指摘のとおり少なくなるなどの影響がまず懸念をされるところでございます。
 さらに、携帯電話の高機能化などによりまして、インターネット上のさまざまなサイトからの情報取得が可能となるため、例えば出会い系サイトなどの有害情報、あるいはメールに振り回されるなど、児童生徒の関心や興味が学校や学習から離れてしまい、学力面からも勉学に向かう姿勢、あるいは物事を真摯に考える態度、意欲、こういったものが損なわれてしまうことが危惧されるところでございます。
 このように、多くの問題点が考えられる現状ではございますけれども、保護者が携帯電話を連絡用に子供に持たせるとか、あるいは犯罪の被害に巻き込まれそうなところを携帯電話使用によって免れたケースもあることから、一律にこれを禁止したり、あるいは携帯電話そのものを悪と決めつけるのは、大変難しいのではないかと考えております。しかし、あくまで、通常の学校生活を送る上で、携帯電話を所持・使用することは必要ないこと、また、携帯電話の使用に絡む事件とか事故が増加している現状を踏まえまして、県教委としては、情報モラル教育の徹底、それからフィルタリングの適用の強化、こういったものを進めていくこととしております。既に学校におきましては、ホームルームや総合的な学習の時間、あるいは情報科目の時間、こういったものの中で携帯電話使用に当たってのルール、あるいは適正な使用、こういったものを指導しております。
 さらに、例えば、県警のサイバー犯罪対策室の職員を講師に招き、現状や危険性についての講演をお願いしているほか、総合教育センターで開発しました総合情報モラルサイト─これは、インターネットの擬似的な空間をパソコン上に再現をし、そこで出会い系サイトや掲示板などの誹謗中傷行為、こういったものを体験できるソフトでございますが、これらを活用しまして、インターネットの上での危険有害情報やこれにつながっている携帯電話の怖さとか、あるいはその危険を回避するための方法、こういったものを具体的に指導しているところであります。
 また、さらにフィルタリングの適用につきましては、学校から保護者に対し重ねて要請をしているところでございまして、国におきましても、携帯電話事業者へフィルタリングの徹底を要請いたしまして、ことし2月以降、順次、各社とも、不用な意思表示がある場合を除きまして、原則フィルタリングサービスを提供するようになってきております。
 携帯電話につきましては、中学校を卒業して高校に入学する際に、保護者が買い与える場合が非常に多いということから、私ども県教育委員会といたしましても、中学校卒業時期と高校の入学の時期をとらえまして、中・高が連携してフィルタリングの適用を指導するなど、保護者にも御協力をいただくよう、PTA連合会等に要請を行っているところでございます。
 今後とも、携帯電話の適正な使用を引き続き指導してまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 詳細に御説明いただきましてありがとうございました。
 いずれ、そういう問題点もはらんでおりますので、その辺はこれからもしっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、通告しておりませんでしたが、予算説明書の203ページに教職員の互助会補助ということで計上されております。これは包括外部監査でも、平成16年ごろだったと思いますがいろいろ指摘されまして、県職員それから教職員、それから警察職員ということで、それぞれ見直しを求めた経過がございまして、多分県職員については既にやめられておりますし、あるいは過去にありましたいろんな余剰金といいますか剰余金については県のほうに寄附したというような話も、去年ですか、あったわけでございますが、教職員のほうだけはまだ残っておりますが、これらについても、一方で厳しい財政運営をする中でございますので、いろんな理由があるにしても、今後検討すべきではないかと思います。所感のみお聞かせいただきます。
〇小原教職員課総括課長 県職員互助会に対する補助でございますけれども、包括外部監査の指摘等を踏まえまして、教育委員会におきましても事業の補助は見直してございます。
 現在の補助でございますけれども、今現在、教職員会互助会では専任の職員を抱えておりまして、そして、その建物も別途事務所を借り上げてございます。したがいまして、専任の職員の人件費の2分の1、また、事務所の借り上げ料の2分の1を負担してございます。
 参考までに、知事部局等におきましては、いわゆる人件費負担といいますのは、職員が互助会職員を兼務しておるということから、ある意味で知事部局の職員が互助会の業務に従事しておると。また、建物も県庁の内部に事務所を構えておりまして、したがって、人件費や事務費がかからないといったような事情がございます。したがいまして、2分の1を補助してございますが、この補助のあり方等につきましては、引き続き検討はしてまいりたいと考えてございます。
〇小野寺有一委員 私のほうからは、大きく3点質問を通告させていただいておりましたけれども、第1点目につきましては、放課後子どもプランにかかわる部分でございまして、先ほど工藤大輔委員のほうから同趣旨の質問がございましたので、割愛をさせていただきたいと思います。
 それでは、2点目のいわてスーパーキッズ発掘・育成事業についての質問をさせていただきます。
 まず、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業ということについては、私は国体を前にしてということももちろんでありますが、国体の有無ということがなくても、ぜひこういうスーパーキッズの発掘・育成事業というのはやっていっていただきたいという観点からの質問でありますけれども、このスーパーキッズ発掘・育成事業というのが本年度から始まったわけですが、いわばサンライズしたわけでありますけれども、この事業というのは恒久的に継続される性質のものなのか、それとも一定の期間、例えば国体までというような形で、それが想定された、ある程度サンセットの時期を想定されたものであるのかという基本的な認識についてお尋ねをしたいと思います。
 それから、今年度のスーパーキッズの発掘事業でありますけれども、小学校の5年生、そして6年生から選考されたわけでありますけれども、当然5年生の子供で選考に漏れた子供がいると思うわけであります。この選考に漏れたお子さんというのは、6年生になってから再度スーパーキッズの発掘事業に参加をできるのか、再挑戦できるのかということについてお尋ねをしたいと思います。
 三つ目でありますが、このスーパーキッズに選考された子供たちを対象にして、スペシャルスクールというのが実施されていると伺っております。このスクールに、まず卒業という概念があるのか。基本的に、出口としては、スペシャルスクールというので適性が発見された後に、例えばこの子はこの競技に向いているということがわかってきたといったときに、各競技団体へこういう子がいますよということを引き継いでいくとか、それから、あるいは個人の能力の特性によっては、例えば今は体が小さいけれども、大きくなっていったら、今まではこっちの競技に向いているんじゃないかと思われたんだけれども、身長も伸びてきたし、身長が伸びたことによって有利になる競技にもっていった方がいいんじゃないかとか、そういった競技特性や個人能力の特性によって事情が大きく異なると思うわけであります。それで、個別具体的な対応が求められてくるのではないかと思うんですけれども、これについてどのように対応されていくおつもりなのか、当局の御見解を承りたいと思います。
 それから、スペシャルスクールが今年度3回にわたって実施されたと聞いておりますけれども、その成果とそれから課題について、現時点でお持ちの見解をお示しいただきたいと思います。
 スーパーキッズ関係の最後では、スーパーキッズに選考された子供たちの中で、辞退をした例があると伺っております。その状況と、その理由について把握されていれば教えていただきたいと。そして、一度辞退をされた子供たちに復帰の道があるのか、そういったこともあわせてお答えいただければと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業につきまして、5点ほど御質問がございました。
 1点目の事業の継続についての考えということでございますけれども、事業につきましては当面継続すると考えてございます。ただ、事業につきましては、評価を随時行っていく必要がありまして、その評価に基づき、内容を見直しながら進めていくという考えでございます。
 2点目の今年度選考に漏れた児童についての5年生の件についてでございますが、来年度について、新6年生になるわけですが、再チャレンジの機会は与えていきたいと考えでございます。
 三つ目のスペシャルスクールの卒業の概念ということでございますけれども、現在、スーパーキッズに対しまして実施しております能力開発等を進めながら、委員お話しいただきましたとおり、自分の適性競技種目を見つけるための支援というものを行うこととしておるわけでございまして、その後は競技別技術の習得が重要な段階となっていきます。中学校の1年生、2年生、3年生と進むに従いまして、競技ごとの技術というものの習得が重要になってくる段階に移行していくわけでございます。したがって、自分で選択しました競技種目の技術的トレーニングを主とした競技団体ごとの強化育成、こういうものに徐々に移行していくというような考えでおります。ただし、スーパーキッズの子供たちのその後のデータといいますか、成長状況というものについては、引き続きサポートしていくという考えでおります。
 四つ目のスペシャルスクールの成果と課題ということでございますが、身体能力とか知的能力開発を進めている段階でございまして、この部分については、まだ成果を検証できる段階ではないと思ってございます。しかしながら、プログラムが進むに従いまして、子供たちそれから保護者も含めてでございますが、事業に取り組む姿勢、それから、高い目標に向かう意識というものが非常に高まってきていると感じております。また、この事業につきましては、県内のスポーツ関係者が結集してプロジェクトチームをつくりまして子供たちの育成に当たっているわけでございますが、専門家の英知を結集してつくり上げていっておりますこのノウハウを、県内の関係者へフィードバックできるということで、こういう点からも大きな成果があると感じているところでございます。
 課題ということでございますが、現在スペシャルスクールにつきましては、月1回という実施になってございます。対象の子供たちが全県から集まってくる全県に広がっているということもございまして、月1回の実施となっているわけでございますけれども、このスペシャルスクールから次のスペシャルスクールまでの間のトレーニング効果をいかに維持するのかということについて、もう少し研究が必要であると課題認識しているところでございます。
 最後に、スーパーキッズを辞退した例ということでございますが、1期生につきましては1名ございました。この子供は、本人が所属するスポーツ少年団が全国大会へ出場するということが認定の後決まりまして、この子供がキャプテンであったということもございまして、その練習に専念したいというような理由で、本人及び保護者から辞退届があったものでございます。
 この辞退者の復帰という考え方でございますけれども、スーパーキッズというものを認定しながら育成するという事業を進めてございますけれども、子供たちにはたくさんの可能性がありますし、また、その実現に向かう方向というのは、いろいろな方向があると認識しております。したがって、まだまだ力を持っている子供も、いろんな方向から世界を目指すというようなアプローチをしているわけでございまして、夢に向かって努力する子供たちにつきましては、いろいろな形で今後も支援してまいりたいと考えているところでございます。
〇小野寺有一委員 今のことについて二つお尋ねをしたいと思います。
 まず、スペシャルスクールの出口のことでありまして、競技特性に合わせた形で引き継いでいかれるというようなお話で、それは非常にいいのではないかと思うんですが、そうすると、先ほども申し上げましたとおり、例えば子供によってあるいは競技によって、五月雨式に何となくスペシャルスクールからそれぞれの競技団体のほうに移行していくというようなことになると思うんですが、1カ月に1回ぐらいのペースで集まって、いろんなことをやっている子供たちがそれなりの一体感というか、同士というか、感覚の芽生えみたいなものが多分生じてくると思うんですけれども、それを例えば特に国体とかのときに、あのときの1期生とか2期生はこうだったよなとか、あいつはどうだったよなとかというようなことがあれば、非常にチーム岩手のそういうスポーツ選手として非常にいい方向にあるのではないか。したがって、そういう技術的なところとかで移行していくというのは非常にいいことだろうと思うんですけれども、スーパーキッズの子供たちのこういう団結した感覚とか、そういったものをぜひ何かの形で残していっていただければと思いますが、その所感をぜひちょうだいしたいと思います。
 それから、先ほど1名辞退された子供というのが、サッカーの全国大会に行く、しかもキャプテンとして行くということでありますけれども、スーパーキッズとして欲しい子供は、本来、こういう子供なんじゃないかと思うわけです。身体的な能力だけでなくて、リーダーシップもとれるというような子供がぜひ欲しいと。先ほどそれぞれの子供たちの方向性を重視、尊重していきたいというお話はそれはそれでいいと思いますが、何らかの形で、こういった特別な事情でスーパーキッズを一たん離れるという子供たちが戻ってこられるような仕組みを考えていただければと思いますので、ぜひお願いしたいと。
 そして、実は今、私が辞退の子供たちの御質問をさせていただいたのは、実は私の地元でスペシャルスクールに参加する通いの負担とか、親御さんの負担を含めて非常に大きいということで、1人子供がやめたんだといううわさがあるわけであります。そういったことではなくて、非常に前向きなことだということでありますので、これからスーパーキッズを目指していく子供たちや親御さんに、そういった誤解が生じないような方策というか、きちんとした情報発信をしていただきたいと思いますが、その辺の御見解をいただければと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 スペシャルスクールの出口についてでございますが、委員御指摘のとおりだと思っております。先ほども申しましたように、スペシャルスクールにつきましては、競技ごとに移行していきますが、そのデータの分析、データ測定については継続して行っていきますので、年に数回、測定会の中で集まる機会ということは今後も持っていけるものと思っております。
 それから、辞退した子供のことでございますが、先ほど申しましたように、競技団体ごとのアプローチというのはすごく重要なことだろうと思っております。つまり、いろんな形で目標に向かうという道をつくってあげるということは非常に重要なことだと感じておりまして、ただいまスーパーキッズを進めながら、平行して、競技団体ごとに子供たちを発掘・育成する仕組みというものの開発といいますか、その育成を進めておりまして、それを併用しながら進めたいと考えております。
〇小野寺有一委員 わかりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 最後の質問であります。教育長にお尋ねをしたいと思います。教育長というよりも、きょうはあえて相澤さんと呼ばせていただきたいと思いますが、相澤さんにお尋ねをさせていただきたい。
 本県のあるべき教育の姿についての所見を求めたいということであります。
 例えば、本県には、県立大学という高等教育の機関もあるわけであります。それで非常に重要な役目を負われていると思いますけれども、やはり公教育の要諦というのは初等中等教育、それから先ほどから何度か質問が出ておりますけれども、特別支援教育にあるのではないかと思います。実際に市町村の教育長やそれから高校の校長先生、それから果ては、うちの息子が通っている小学校の若い先生まで、相澤さんとだったらこの岩手の教育を変えていけると言っていた声が非常に大きいわけであります。私自身も全く同感でありまして、恐らくこの委員会室の中にも、同じ感覚というか同じ気持ちを持っていらっしゃる方がほかにもいらっしゃるんではないかと思います。特に、インクルーシブ教育の部分で、今、指導から支援へと、あるいは判定から相談へというような流れがあるわけでありますけれども、初等中等教育それから特別支援教育について、今後、本県の教育のあるべき姿をどう求めていくべきかということにつきまして、相澤さんの所信をいただきまして質問を終わらせていただきたいと思います。
〇相澤教育長 今後の教育のあるべき姿ということでお答えをさせていただきたいと思いますけれども、今、内部でいろんな議論も行っているところなんでありますが、まず教育は学校のみで成り立つものではないと考えておりまして、学校と家庭、地域の連携、この3者の連携が最も大切だと考えております。
 ちょっと例え話で申し上げますと、学校と家庭と地域がいわば3者がいかだを組んで、そのいかだの上に子供たちを乗せて目的地に向かっていくと、こう考えられるのではないかと思います。そのいかだの中に、障害がある子もない子も一緒に乗せていかだをこぎ出していくと考えていいと思うんでありますが、目的地はまずどこかと申し上げますと、教育の目標でありますけれども、単に知識を教えればいいということではなくて、知、徳、体、全体的にしっかり育てて社会に出ていける力、いわば人間形成そのものだと考えております。こういう目的といったものをまずしっかり確認をしたいと思います。障害がある子も、ぜひ人間として育てていくということだと思います。
 じゃ、その環境はどうかということなんでありますが、いろいろ社会の変化、大きなものがございます。豊かになったがゆえにいろんな社会の変化がございまして、規範意識の低下や核家族化の問題もありますし、情報メディアの影響といったようなこともございます。最近では、家庭の離婚もふえておりますし、経済格差の問題もあると。こういう影響を子供たちは大変大きく受けているわけでありまして、子供が自己中心的になったり、ちょっとひ弱になってきたりとか、生活習慣も十分身につかないとか、こういう難しさの中で教育を進めなければいけないと思っておりまして、いかだをこぎ出していくには決してなぎではないといいますか、荒波と言っていいのではないかと思っております。そういう意味で、学校と家庭と地域がしっかり信頼関係を持っていかだのバインドをしっかり固めて、沈まないようにして人間形成という目的地に向かっていくと。そういう中で、共生型社会といったこともしっかり視野に入れてインクルーシブ教育を進めていかなければいけないとも思いますし、教育振興運動などもそういう中で大変大きな役割を果たしていくんだろうと思います。
 そういう形で、ぜひ県教委がそういうものを支えていくといいますか、そういう取り組みをしっかりやっていくべきではないかと考えております。
〇郷右近浩委員 手短に関連で質問させていただきます。
 ただいま小野寺有一委員の質問に関してなんですが、今回スーパーキッズを辞退した例、1件だけということでお答えいただいておりました。その件でございますが、実はスーパーキッズに選考された子供については1件だけということになっておりますが、実際、今回の選考会につきましては、チャレンジワン、ツー、スリーという形での選考になっていると。チャレンジワン、ツーについては地元での選考ということで、それぞれいろんな会場で選考会が行われたというような形になっています。チャレンジスリーについては盛岡でということになっておりまして、そのときに子供さんたち及び父兄の方々からは、これからキッズに選考されても、どうしてもそういったのに対応できないといったような方々が、ワン、ツーの段階でどんどん辞退されていっているというような部分は、自主的に辞退されている例というのは現実には、数字は恐らくあらわれていないところであると聞いております。やはりそうした問題を、せっかく岩手県内の子供たちを将来育成していくと、そうした題目がありながら、本当に本来選ばれるような子まで、どうしてもそういった事情により選ばれないというか、そういった過程に入れられないということは損失であるというか、せっかくの事業のこの目的からは外れていくと思うわけなんですけれども……。
〇千葉康一郎委員長 簡潔にお願いします。
〇郷右近浩委員(続) はい、済みません。そうした中におきまして、何とかそうしたものをきちんと見れるような、地域ごとにといったような対応というのは今年度は考えていらっしゃるんでしょうか。
 それからもう一点だけ、あと各競技団体ごとの育成に移っていくといったような御答弁もありましたが、そうしたものにつきましては、今回はジュニア教室、競技力向上対策事業費といったようなものを計上されておりますけれども、こちらのほうのジュニア教室に移行していくといったような考え方でよろしいのかどうか、お伺いさせていただきます。
〇川口スポーツ健康課総括課長 チャレンジツー、スリーと移行していく中で、当日に辞退したというような子供に関しては数名というように認識してございます。先ほど申しましたように、子供たちのアプローチというものにつきましては、競技団体のところで独自に育成するプログラム、それからまた、市町村ごとにジュニア教室みたいなものが始まってきております。したがいまして、県内にはスーパーキッズに値する子供たちというのはもっとたくさんいると当方でも理解しておりまして、それらにつきましていろいろな方向からこの子供たちを発掘し育成するという仕組みについては、全体として推進していきたいと考えております。
 もう1点の来年度の事業の中身ということの点につきましては、スペシャルスクールというものにつきましては、子供たちの基礎的な能力というものについてスペシャルスクールの中で育てていくということでして、市町村あるいは競技団体で行われるジュニア教室というものについては、またこれは競技団体それから市町村で行われる教室、これについてはそれぞれ独自に行われる形になりまして、その部分についての講師派遣等ということについて、十分に支援してまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉康一郎委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時4分 休 憩
午後1時3分 再 開
〇飯澤匡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、及川特別支援教育担当課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 午前の高橋博之委員からの御質問への答弁の中で、私、高校における特別支援を要する生徒の数を約700人と申し上げましたが、正確には395人で、約400人が正しい数字でございます。訂正させていただきます。
〇飯澤匡副委員長 質疑を続行いたします。
〇工藤勝博委員 後が控えているようなので、単刀直入に質問させていただきます。
 県有の体育施設の利用状況と、その利用料ですか、予算書の中には158万円と載っていますけれども、それぞれの施設の内訳をお示し願いたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 県営体育施設の利用状況でございますが、全体の利用者数で申し上げますと、平成18年度の利用者数は、平成17年度に比べまして7万8、000人の増となってございます。平成18年度の利用者数を施設ごとということでございましたが、陸上競技場につきましては16万5、000人、県営体育館8万5、000人、野球場12万5、000人、スケート場4万5、000人、武道館21万2、000人、艇庫1万3、000人でございます。
〇工藤勝博委員 いろいろ施設があるわけですけれども、実際その維持管理をするには大変な経費がかかっております。そこでお伺いしたいのは、よく野球場なんかでは命名権といいますか、何々スタジアムという形で県有の施設を一般の企業に協賛していただくこともあるわけですけれども、県有の施設に企業から協賛していただくという考えはないのでしょうか、お伺いします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 このような体育施設等の命名権、ネーミングライツと一般的には言っているわけでございますけれども、このことにつきましては、昨年8月に、県内に事業所を持ちます企業276社を対象にネーミングライツに関する意向調査を実施したところでございます。その結果、96社から回答をいただきましたが、6社が興味、関心があるというような状況でございました。しかしながら、各社とも、さらに社内での検討が必要と考えていると回答いただいております。
 他県での成立したケースを見ますと、全国的に知名度が高い施設や、プロ野球、Jリーグ等が本拠地としている施設がほとんどでございまして、地域によっては応募企業がないというケースもございまして、安定した施設利用と、ある程度の観客動員の実績などが必要になると考えているところでございます。
 本県での導入につきましては、さらに企業のニーズを詳しく把握するなど、もう少し時間をかけて検討していく考えでございます。
〇工藤勝博委員 体育施設の維持管理もさることながら、国体に向けた選手強化の対策等も含めて、何とかそういう企業からも支援してもらうような形を強く働きかけるべきだろうと思いますし、実は、八幡平市ではスキー協会が中心になって、市民に声をかけてそういう協賛をいただいて選手の強化費に充てるということに実際、平成20年度から取り組むということがあります。競技種目ごとに全県下にそういう取り組みが可能かどうか一つ伺って終わります。
〇川口スポーツ健康課総括課長 国体に向かって、県民挙げての支援体制づくりというのは非常に重要なことだろうと思っております。特にも、委員御指摘の強化に係る費用等の支援については、県内の産業経済界からの御支援も十分に検討しなければならないと思っております。来年度にそのことに関する検討委員会を設置しまして、本県においてはどのように進めたらいいかについて十分に検討しながら進めてまいりたいと考えております。
〇大宮惇幸委員 県教育委員会の今年の重点施策と推進事業の中に学校教育の改革と充実というのがポイント1で示されておるわけでありますけれども、その中の児童生徒の学力向上についてお尋ねいたします。
 1点お尋ねするのは、授業力の強化という項目があるわけでありますけれども、希望創造プランの総論の中でも教員一人一人の授業力の強化という文言で表現されております。まず、この教員一人一人の授業力の強化という取り組み内容がどういうものであるのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 お尋ねの授業力の強化という点についてでございますが、県の教育委員会では、教科の専門性を持った指導主事がおるんですけれども、この指導主事が各学校を訪問して、実際の授業を通して、その授業はどうだったのか、これからこの授業はどうあればいいのかという訪問指導による授業力強化をやってきております。これをこれからさらに計画的に充実させていきたいと思っておりますし、あとは各教育事務所ごとに、これは授業力ブラッシュアッププランと呼んでおりますけれども、小・中の先生方が一緒にチームを組んで、そしてどういう授業がいいかということを互いに話し合い、そして実際に授業をして、終わった後研究会を開くということも展開しております。
 そのほかにも、初任、5年、10年、15年という中で、授業も含め、あるいは教員としてのあり方も含めて研修会等を実施してきているところであります。
〇大宮惇幸委員 教員の皆さん方には研修を積まれて授業力の強化を図っていただきたいし、それがひいては子供たちの教育に反映されるものと思っておりますので、ぜひとも強力に推進してほしいと期待いたしております。
 そうした中で、参考までに若干お尋ねしますけれども、平成19年度、岩手県の教育委員会でも小・中・高の教職員を採用されたと思います。その中で、教員の倍率はどの程度であったのか。そして、東北6県と比較して岩手県の採用倍率はどの位置にあるのか、お示しいただきたいと思います。
〇酒井県立学校人事担当課長 今年度の教員採用試験についてでございますけれども、小・中学校、義務教育でございますが、倍率は16.1倍。それから、県立学校ですけれども、11.0倍。小・中・高すべて入れて13.8倍でございます。
 なお、東北との比較はございませんけれども、岩手県の場合は全国的に高倍率でございます。
〇大宮惇幸委員 大変質の高い先生方を採用していただいておりまして、感謝しておるところであります。
 私もある時期、子育ての親として教育の現場に携わった経験を踏まえて、若干教育委員会の所見を求めたいと思います。
 午前中にもありましたが、スーパーキッズの関係でも小学生を対象にされておるわけであります。私は、教育課程、小学校、中学校、高校とあるわけでありますけれども、4年生、5年生、6年生、この高学年の時期の教育が最も大事ではなかろうかと体験したところであります。そういう意味で、今後、小学校に、そういう指導力と申しますか、授業力の豊富な先生を配置していただくお考えはないものか。
 そして私たちは、例え話に鉄は熱いうちにたたけということを言われて育ちました。私などは余り伸びなかったわけでありますけれども、やはり小学校の高学年はまさに熱いうちにたたくべきではないのかと、例え方は悪いわけでありますけれども、そういう部分も踏まえまして、小学校高学年の指導のあり方についてお尋ねいたします。
〇侘美小中学校人事担当課長 小学校の高学年の前に、各学校に、県北・沿岸振興も含めて、適正な教員のバランスをとるように人事異動で配置しているところであります。あとは、学校の校長先生のマネジメントの中で、特にも低学年に引き続く中学年、高学年については、それなりにリーダーシップなり資質を持った教員の措置、学校体制の中でそういう体制を整えるようにやっておりますので、今後とも、そういう適切な人事配置あるいは学校の中での配置についてますます一緒になって指導していきたいと思います。
〇大宮惇幸委員 ぜひともそのような御配慮を賜りたいと思います。
 次に、キャリア教育の推進事業についてお尋ねいたします。
 これは、勤労観なり職業観の育成を目的ということでありますけれども、実は去年、平成19年に、私の地元の小学校で実際にこのキャリア教育を実践されたものを私も見ております。まさに大変意義あるキャリア教育の中身であると感心いたしました。
 一例を申し上げますと、職業観なり勤労観でありますから、町内の小児科の先生をお招きして、そう難しい勉強の場ではなかったわけでありますけれども、子供たちが手にとったことのない聴診器を生徒たちがお借りしてそれぞれ相手方の心臓の音を聞くとか、一例を挙げますとそういうのがキャリア教育であろうと思います。今年度もそれなりの予算措置はされておるわけでありますけれども、小・中・高で今年、どの程度の学校を対象にして推進するのか、その点についてお尋ねいたします。
〇西村首席指導主事兼産業教育担当課長 キャリア教育におきましては、世の中に出て働く意義、喜び、さまざまな苦労などを発達段階に応じて子供たちに理解させることが重要であります。当室では、産業界との連携、教員の指導力の向上を軸に進めているところであります。
 来年度の小中高キャリア教育地域ぐるみ推進事業でありますが、これは、キャリア教育推進協議会を各市町村に設立することを目的としております。平成18年度、19年度には10市においてこの協議会を設立して進めてまいりました。平成20年度には、新たに県内8地区を指定して事業を展開する予定であります。
 なお、そのほかに、中学生による連続5日間の職場体験等ということでも県内4地域を指定して進めるところであります。
〇三浦陽子委員 先ほど来スーパーキッズの話が大分出ておりまして、私もそこに絡んだ質問を一つさせていただきたいと思います。
 素質のあるジュニア層を早期発掘して、その子供さんに見合った体力の向上を目指していろいろと次につなげていくという大変すばらしい事業だと思っております。
 しかし、そこに絡みまして、先ほども、サッカーのキャプテンをやることによって辞退されたお子さんもいらっしゃるようですし、また、各市町村の選考のときに、やっぱりスポーツ少年団に力を入れたいということで辞退されたという話も伺いました。そういいながらも、やはり子供たちは、自分たちが小さいころからやってきたスポーツ少年団とか、それから中学校に行けばクラブ活動を一生懸命やりたいと思う子供さんたちも多いかと思います。また、地域との連携ということもありまして、スポーツ少年団の育成に地域の方が一生懸命取り組んで、そして中学校に送り出す。そしてまた中学校では、クラブの先生が一生懸命そこで子供たちの育成に当たるのが非常に理想的な連係プレーだと思いますが、現実にはなかなかそれがうまくいっていない状況もあるやに聞いております。
 そういうところから考えて、スーパーキッズで自分の能力を高める、それも必要だし、また、その子供さんの周りの子供たちとのバランスとか、そういうこともやはり指導者にしっかりとした理解がなければ、やはりいい芽もつぶしてしまうでしょうし、そしてまた、さらに伸ばしてあげられないこともあるのではないかと懸念されますけれども、その辺につきまして、指導者の配置とか、どのような配慮が必要とお考えか伺いたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 選手を系統的に指導していくためには、まず、競技団体ごとに統一した選手育成計画をしっかりとつくることがまず第1番目でございます。そして、その計画に基づきまして、指導者が共通した目標認識を持って、選手に関する情報等につきまして共有するというような連携をしっかりつくっていくことが大事なことだろうと考えております。したがいまして、競技団体ごとに、各世代を指導する指導者のリーダーが一堂に会して連絡、協議するような場、そういう仕組みを競技団体内に構築するように指導してまいりたいと考えているところでございます。
〇三浦陽子委員 本当に実際それがうまくいくようにするためには何が必要なのかと思うんです。例えばある小学校でバレーボールを子供たちに一生懸命地域の方々が教え、すごく力をつけてきたのに、中学校に行った途端に、そういう指導者がいないがためにその子たちの力が伸ばせない。そういう計画は立てても、現実に指導者をどうやって配置するかをどこでどう決めるものなのか伺いたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 先ほどの育成する仕組みの構築のためには、委員御指摘のように、指導者を効果的に配置することが必要でございまして、そういう認識から、中・高の指導者の配置については計画的に進めているところでございます。
 また、中長期的視点で選手を育成するという観点においては、特に高校レベルになりますと、指導者がもっと先を見越した指導計画が重要になっておりまして、長期配置も重要であるという考えから、スポーツ特別強化指定校制度を導入して推進しているところでございます。
〇三浦陽子委員 高校を選択するのは、その子供さんが、例えばバレーならバレーはどこどこが強いから行きたいということで、それは自己選択で行けると思うんですけれども、小学校から中学校は大体エリアの中ですよね。そうすると、そういうお子さんはほとんど同じ中学校に行く場合が多いんですけれども、そのときに、やはりまたバレーをやりたいという子供さんが結構集まりますよね。それをクラブの先生が指導すると、その指導の仕方によって、せっかく地域で育てた子供たちが、例えばそれを中心に頑張るという気持ちが指導者の先生によってなえてしまうこともあるということも聞いているんです。
 校長先生が地域の連携をしっかりとっているような先生だったらいろいろな状況がわかるでしょうけれども、余り情報のない先生だとか把握できない先生がいらした場合には、ちょっとバレーをかじった先生を入れるとか、全く関係ない、バレーをやったことのない先生を置くとか、いずれ指導する力がそこまでに至っていないような先生が配置される場合もあるようなんです。ですから、そういう情報をしっかりとどこで把握してそういう先生を配置していただけるのか、それとも、先ほどから出ているように先生方がお忙しい中ですから、先生が指導できないで、別な、ボランティアで指導していただく方を配置していただく、どこでどのような仕組みでそれが可能なのかということをお伺いしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 県内の選手の、あるいはチームの状況につきましては、競技団体との連携の中で、当課あるいは県体育協会を通して随時情報収集に努めているところでございます。
 どの学校にも専門の先生を配置できないというのが現実でございまして、そういう事態に対する対策としましては、外部指導者をもってその指導に当たるという方法、それから、競技団体が優秀選手を集めて強化指導を定期的に行う、センター方式と呼んでおりますが、こういうような方法等々、いろいろな方法を講じながら進めていっているところでございます。
 今後とも、その情報収集については最善を尽くしながら進めてまいりたいと思っております。
〇三浦陽子委員 この件についてはある程度理解はいたしました。その地域の方々、それから子供たちを中心に、その地域の方々がせっかく育てた芽をなるべく伸ばすために、自分たちがこういうことをしたいですという話を学校側にきちっと受けとめていただくとか、体育協会を通してでも、とにかくそういう特性を生かした取り組みをしていただきたい、これも要望の一つとしてお願いしたいと思います。
 それから二つ目は、スポーツ医学、そして科学サポート体制ということが明記されておりますが、どのような取り組み方なのか、具体的に教えていただきたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 近年の競技力向上につきましては、スポーツ医・科学理論に基づいた効率的、効果的な取り組みが重要であると認識されておりまして、そのことがスポーツ医・科学サポート体制ということでございまして、具体的な幾つかの例で申し上げますと、選手に対し、医・科学的検査、それから体力測定などを行いまして、選手の心身の状態について評価し、その改善についてアドバイスを行うこと。それから、ビデオ撮影などを通しまして選手の動作分析を行いまして、フォームや技術のチェックを行い、その改善に努めるというようなこと。また、競技者のスポーツ障害に対して、予防、それから機能回復の支援を行う、こういったことなどがスポーツ医・科学サポートの内容でございます。選手の競技力向上をスポーツ医・科学の面から総合的にサポートするという考えでございます。
〇三浦陽子委員 私は去年、東京の国立スポーツ科学研究センターというところだったと思いますが、行ってみて、すばらしい施設でしたので、こういうところでそういう医・科学的にサポート体制が整えば本当にすばらしい選手が出るのではないかと思っておりましたけれども、それでも日本はまだまだおくれているという話も聞きました。
 岩手でこういう取り組みをするということは本当に私も非常に理想的なことだと思いますが、現実にそれは、例えばそこはちゃんとした研究センターがあるんですが、これはどういうところで行われるものなんでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 本県におけるスポーツ医・科学サポートの現在の体制というのは、県の体育協会にスポーツ医・科学委員会というものを設置しておりまして、そこが中核となって、現在、競技者のスポーツ医・科学サポートを実施しているということでございます。
 第71回国民体育大会に向けた強化に関しましては、スポーツ医・科学専門部会というものを設置する予定でございまして、その中で、本県の進め方について十分に検討を重ねながら、岩手の方式をどのように進めていくかということをさらに研究しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇三浦陽子委員 委員にはどのような方々が名前を連ねることになっているんでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 県内のスポーツドクター、それからアスレチックトレーナー、それから大学のスポーツ関係の研究者、そういう方々で構成する考えでございます。先ほど申しましたように、現在、県の体育協会に設置されておりますスポーツ医・科学委員会のメンバーが中心となって今後とも進めていただける、協力をいただきたいと考えておるところでございます。
〇三浦陽子委員 そのスポーツドクターの中には、いわゆるスポーツドクターですから、けがを防ぐとか予防の立場でとか、どうやって筋力を増強するとか、どのようなトレーニングをすればいいかということも含まれていると思いますが、例えば歯科の先生も入っているということはあるんでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 県歯科医師会にもスポーツ歯学という分野がございまして、そのリーダーであります小林先生もこの体育協会のスポーツ医・科学委員会の委員となってございまして、スポーツ歯学というものもこの領域に入っていただいております。
〇三浦陽子委員 小林先生が今進めていらっしゃるマウスピースですね、あれがなかなか思うように普及していないようなことをちょっと伺っているんですけれども、その辺につきまして、教育委員会としてはどのようにお考えなんでしょうか。
〇川口スポーツ健康課総括課長 マウスピース、あるいはマウスガードと呼んでおりまして、口腔外傷の予防として普及に努めているところでございますが、競技のルールとして、それを必ずつけなさいという競技もございまして、その部分については大変普及が進んでいるわけですが、競技ルール上規定がないものにつきましては、やはり今の段階では、口の中に異物を入れた状態ということでございまして呼吸が苦しいとか、そういう声が選手たちの中からは上がっております。その辺につきましては、スポーツ歯学の先生方と情報を共有しながら、マウスガードそのものの改善にもいろいろお力をいただきながら進めているところでございます。
〇三浦陽子委員 マウスピースと言いましたけれどもマウスガードなんですが、そこは予算化しているんでしょうか。マウスガードをつくるためのお金というのは予算措置とかはされているんですか。
〇飯澤匡副委員長 三浦陽子委員に申し上げます。関連する項目はまとめてお願いいたします。
〇川口スポーツ健康課総括課長 この辺につきましては、まだ予算化の段階には至っておりません。もう少し、実際に選手たちにどのようにニーズがあるのかということをさらに研究をしながら進めてまいりたいと思います。
〇関根敏伸委員 私からは、キャリア教育とものづくり教育につきましてまとめてお伺いをさせていただきたいと思います。
 教育委員会といたしましては、キャリア教育、約2年ほど前から積極的に導入されまして、来年度もキャリア教育の地域ぐるみ事業、ものづくり人材の育成推進事業等総合的に進めていらっしゃると理解しております。ぜひ積極的な推進をという立場でお伺いいたします。
 まず1点ですが、来年度、ものづくり人材育成推進費3、200万円が計上されております。今年度の2、100万円と比べますとかなり大幅なアップになっておりますが、具体的な予算の内訳をお聞かせいただきたいと思います。
 また、先ほど大宮惇幸委員の質問の中に、教育推進のための協議会が新年度8カ所さらに設置をという答弁があったわけでありますが、この協議会のそもそもの内容と、どういった役割を期待してこういった協議会を設置されているのかをお聞かせいただきます。
 それから3点目、新年度に向けまして、キャリア教育2年間を推進してきた中で、総合的に今後キャリア教育を推進するための課題をどのようにとらえ、どう解決しようとされていらっしゃるのか、方向性についてお聞かせいただきたいと思います。
〇西村首席指導主事兼産業教育担当課長 まず、1点目です。
 ものづくり人材育成推進費ということで3、200万円の内訳になります。文部科学省は経済産業省と連携して、工業高校のものづくり人材育成を図るため、平成19年度にものづくり人材育成のための専門高校・地域産業連携事業を公募型国庫委託事業として創設しております。これが1、600万円です。全国で23地域が地域指定となりまして、本県も平成19年6月から3カ年の予定で商工労働観光部との連携を密にして進めている1、600万円ということになります。それから、平成20年度からこの事業が地域産業の担い手育成プロジェクトと位置づけが変わります。それで、工業高校版のほかに農業高校版ということになって、農林水産省との連携による事業、これにも本県で今、手を挙げているところであります。ですから、1、600万円、1、600万円で3、200万円ということであります。
 それから2点目、教育推進協議会の内容であります。
 小中高キャリア教育地域ぐるみ推進事業ということで、キャリア教育を推進する上で重要な小学校における職場見学、中学校の職場体験、高等学校のインターンシップに関して、各校では、受け入れ企業の開拓や講師の確保に苦慮している現状があります。この推進協議会は、産学官の地元の代表十数名で構成しておりまして、小・中・高等学校における職場見学、職場体験、インターンシップ等の体験的活動の受け入れ企業リストの作成、また、勤労観、職業観をはぐくむための外部講師─キャリアアドバイザーの確保、それから、各校のキャリア教育を支援しようとするものであります。平成22年度までに各市町村に、全地域にこのキャリア教育推進協議会を設立したいと考えております。
 それから第3点目、キャリア教育推進の課題でありますが、委員御指摘のとおり、3年目ということもありますが、まず教員のキャリア教育に対する理解、それから指導方法、この辺がまだ十分ではないということが一つ目の課題。もう1点は、キャリア教育は学校だけで進めることは非常に難しくて、企業など地域の連携が不可欠でありますが、企業、産業界等でキャリア教育に協力していくという意識がまだ十分に醸成されていない、この2点であります。
 その解決方法といたしましては、小中高キャリア教育研究協議会、これは県内4地区で今、教員250名を対象にして平成20年度に研修会を行うことにしております。それから、県教育委員会では、キャリア・スタート・ウイーク支援会議、これは産学官の代表で構成するキャリア教育を支援するための会議でありますが、これを初めとして、シンポジウムの開催、あるいはパンフレット等啓発資料の作成ということで、キャリア教育に対する学校、教育行政関係者、企業関係者等への理解を深めていきたいと考えております。それから、小・中・高の教員への企業研修あるいは企業見学も実施しております。
〇関根敏伸委員 かなりものづくり人材の育成に関しましては、いわゆる分野が広がってくるということで大いに期待を申し上げたいと思っております。
 昨年11月でしたけれども、花巻市で行われました産業教育振興会の懇談会に出席させていただきました。そのとき高校生たちのさまざまな取り組みが事例発表されまして、花北青雲高校ですとか花巻農業高校、いろいろな食材でのメニューづくりの実践例が紹介されておりました。その中で、今、大変話題になっておりますが、黒沢尻工業高校の専攻科でロボット鬼剣舞というのを初めて拝見させていただいて、非常に微妙な動きを再現するロボットが紹介されまして感動いたしております。
 この専攻科は、いろいろな意味でものづくり人材、キャリア教育の象徴的な部門なのかなと考えております。さまざまインターンシップの充実ですとか短大生並みの待遇で就職ができる、大学とか産業界から教員が来るといったことで、本当に鳴り物入りでこれが導入されて、まだ1年ということではあろうかと思います。いろいろな意味で技能オリンピックへの参加等々の選手も出ていると聞いておりますが、とりあえず1年を間もなく終えようとしている段階でのこの専攻科についての評価をお伺いさせていただきたいと思います。
 あわせて、2年目、機械科、電気科、12名だと思いますが、間もなく合格発表になろうかと思っております。今年度の入学希望の状況、倍率はどのようになっているのか。あるいは、現在、1年生12名中11名は黒沢尻工業高校からの持ち上がりといったらいいのかどうかわかりませんが、出身者だと聞いておりますが、他校からの応募状況はどうなっているのか、これをお聞かせいただきたいと思っております。あわせて、この評価を踏まえた上で、将来の12名という定員枠について広げるお考えはないのか。あるいはこの1校に限らず、産業短期大学には1年の専攻科があるようですが、圏域の工業高校等にこういった専攻科を設置する考え方についての可能性等々についてお伺いさせていただきたいと思います。
〇西村首席指導主事兼産業教育担当課長 黒沢尻工業高校ですけれども、平成19年4月に専攻科が設置されまして、本県の技術、技能を継承し、ものづくり産業を支えるスペシャリストの育成を目指して資格取得などの具体的な目標を掲げて取り組んでまいりました。
 その評価ですが、資格取得におきましては、機械加工─旋盤ですけれども、2級の資格を機械コース5名全員が取得しております。さらには、教員も1級2名、専攻科の教員が取得しております。そのほかにも、機械保全2級が5名、それから電気・電子コースに関しましては、電気主任技術者試験、シーケンス制御2級、3級、こういうものにも現在挑戦中ということであります。
 特色ある授業といたしましては、岩手大学の講義を受講しておりますし、それから、北上川流域ものづくりネットワークとの連携ということでも、地域産業論ということで、地元の社長さんたちの授業、それから、2週間にわたるインターンシップ等々成果を上げております。
 それから、入学希望の状況ということでありましたけれども、12名定員のところに12名、合格8名ということになって、機械コース4名、電気コース4名が合格となっております。
 他校からの状況ということですが、前年度も1名ありましたけれども、今年度については確認しておりません。済みませんが、よろしくお願いします。
〇鷹觜高校改革担当課長 将来の定員増あるいは他校での配置についてはどうかというお尋ねでございますけれども、専攻科につきましては、今年度設置された黒沢尻工業高校の状況、それから地元の企業の意向、協力体制の確立状況などを十分踏まえまして検討していく必要があると現時点では考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 今年度の高校入試はあす発表になろうかと思っております。先だって、入学志願の状況が新聞に載っておりまして、ぱっと見た感じの印象では専門高校への人気がかなり高まっている傾向があるのかなと考えておりましたが、入学の希望の状況に対しての教育委員会としての所感をお伺いさせていただきたいと思います。
 そして現在、県立高校の新整備計画の後期計画の中で学校数でありますとか学科の配置が行われているわけでありますが、こういったキャリア教育を推進する中で高校生の勤労観、就業観が生まれる中で、学校へのさまざまな希望の状況が変化してくることも十分考えられるのではないかと思います。前回いただいた資料では、専門高校とか総合学科への希望は少なかったと思うんですが、かなりこれが変化してくるのではないかと考えております。次期整備計画が平成22年度からになろうかと思っております。こういった状況を踏まえた中で、次期高校整備計画に向けての取り組みに対してどう考えるかをお聞かせいただきたいと思います。
 また最後に、先ほどコミュニティ・スクールのことも触れられました。小・中学校のコミュニティ・スクールの取り組みというのはかなり目に見える形で成果が出ているのかなと。来年度も100校ぐらいに地域連携に向けた補助金を出して取り組むと聞いておるわけですが、県立高校へのコミュニティ・スクールですね、これは今現在導入されているのかどうか。私は、どうも高校でのコミュニティ・スクールの概念がいまいち理解できません。たしかこの整備計画には、地域ニーズを踏まえて導入を図るという書き方があったわけですが、今現在これが導入されているのかどうか、県立高校でのコミュニティ・スクールのあり方をどう考えていらっしゃるのかを含めて聞かせていただきたいと思います。
〇藤原学校企画担当課長兼高校教育担当課長 専門高校の高校入試における倍率の高さについてでございますけれども、委員御指摘のキャリア教育の充実等々もあろうかと思いますが、まず、校長みずからが中学校を回りまして、高い就職率、あるいはどのような企業に子供たちが進んだかといったあたりを十分にPRし、そういった積極的な活動が功を奏したというふうにも考えております。また、2番目として、一日体験入学や学校公開を積極的に推進してきているということ。それから三つ目としましては、盛商のサッカーに見られるようなスポーツの実績。あるいは今もお話しになりましたけれども、全国3人という非常に狭き門でございましたけれども、技能五輪に専攻科の生徒が出場する、こういったことも人気を集めたものと考えております。また、特に農業に関しましては、食の安全性に対する意識が高まってきていること、そしてまた、県産小麦を使ったパンの製造といったものなど新聞紙上をにぎわし、そういったことが総合的に専門高校に対する期待ということであらわれたもの、このように考えております。
〇鷹觜高校改革担当課長 次期県立高等学校の整備計画の取り組みについてのお尋ねでございますけれども、来年度4月下旬には有識者による検討委員会を立ち上げましていろいろと検討を進めてまいりたいと考えております。委員から御指摘ありましたように、平成22年度以降の計画を考えていくことになります。
 その前段といたしまして、これからの高校はどうあるべきか、岩手の高校のビジョンをどう描くかという大きな視点で、原点に帰る形でどういう高校を目指していくのが本県にとってふさわしいかということ、それから、それぞれの校種別の展開がどうあればいいかということにつきまして、昨年11月から課長会議を発足させまして、教育長、両室長も入りまして5回ほどいろいろ議論をしております。さらに、チーム会議も同じ回数ぐらい検討しておりまして、この3月末までに何とかたたき台を完成させて、そして、先ほど申し上げました有識者会議のところで具体的に検討いただく予定としております。
 そういうことで、各普通高校なり工業高校なり総合学科高校なり、いろいろな部分の課題とか、そういうものを含めまして今後検討していかなければならないと。
 コミュニティ・スクールにつきましても、検討していくということでずっと来ておりまして、実現にはまだ至っておりません。むしろ連携型とか、そういう中高一貫校の形が今は先行している状況でございますので、それらにつきましても4月以降の検討委員会でいろいろと検討してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 おおむね理解をいたしましたが、最後のコミュニティ・スクールのことは、今の答弁ですと次期整備計画の中で導入するという理解でしょうか。今年度中、今期の整備計画の後期計画の中での導入は見送るという意味なのでしょうか、そういったところをもう少し深く御答弁をお願いいたします。
〇鷹觜高校改革担当課長 後期計画の中では、コミュニティ・スクールについては継続して検討するという位置づけになっておりました。そういうことで、さらにまた検討を進めていきたいという趣旨でございますので、御理解いただきたいと思います。
〇五日市王委員 私からは、大きく3点についてお伺いいたします。
 まず、第1点目、新規事業でもあります進学支援ネットワーク事業についてお伺いいたします。
 2、646万円、この事業内容、先ほど御説明の中で3事業の統合ということでお話があったわけですけれども、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。
〇藤原学校企画担当課長兼高校教育担当課長 お尋ねのいわて進学支援ネットワーク事業についてでございますけれども、これまでの県北沿岸地域人材育成事業や県政課題貢献人材育成事業などで行ってきた合同事業によって、進学に関するネットワークが強まったこと、また、限られた予算の有効活用などから三つの進学関係事業を一本化したものでございます。
 事業内容といたしましては、これまで行ってきた講演会とか、あるいは課外授業など、各学校で行う単独事業につきましてはこのまま継続する予定でございますが、学校間の垣根を超えた進学のための合同事業、これまでの、いわゆる難関と言われている大学や2次試験重視型の大学講座のほか、新たにセンター試験重視型大学の合同講座も加えて合同事業の内容を一層充実させ、進路希望に応じて幅広く選択できるようにしてまいりたいと考えているところでございます。
〇五日市王委員 昨年度の3事業の合計は、予算で見ると約3、000万円になっているんですね。今回統合して2、646万円ということで10%ぐらい削減されているわけですけれども、いずれこれは県北沿岸地域人材育成事業においては相当いい効果も出ているということで、ただ予算から見ると全体的に減っているなということで、その辺ちょっと心配するところでもあるんですが、きちんとその学校の要望にこたえられているのかどうか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
〇藤原学校企画担当課長兼高校教育担当課長 最初の平成18年度スタート段階から平成19年度は約65%という削減でございました。さらに、御指摘のとおり、約10%削減されまして、一番最初のスタートから比べますと57%と、かなり圧縮された内容になってございます。そういった中でやりくりをしながら進めていくわけでございますが、初年度は、指導教員が他県に行ってさまざま勉強してくるとか、そういった部分への出費もございましたけれども、2年目、3年目になりまして、そういったものは極力抑えて、専ら子供たちに直接還元するところに集中的に投資したい、このように考えているところでございます。(五日市王委員「要望にはこたえられているのか、その辺の心配は大丈夫ですか」と呼ぶ)
 現場の先生方からは、毎回予算を削らないように、大変いい事業なので何とか現状維持してほしいという強い要望をいただいておるところでございますけれども、今回においても、やはり10%ほど、申しわけないけれどもということでございます。
 その中で比例配分しながら、そして、他の事業とダブらないような形で各学校に平等に配分してまいりたい、このように考えておるところでございます。
〇五日市王委員 わかりました。ぜひ極力こたえられるように御努力いただきたいと思います。
 二つ目ですけれども、教職員研修についてお伺いいたしたいと思います。
 この数字は、通告していなかったんでわかれば教えていただきたいんですが、平成20年度から3年間、給与削減ということで、学校の先生方も削減されるということを聞いておるわけです。平成19年度と比較したときの削減の影響額がもしわかればまず教えていただきたいということと、教育指導費の教職員研修費1、576万6、000円、この額は今年度と比べて来年度どうなっているのか、増減があるのかどうかということも含めてお伺いいたします。
〇小原教職員課総括課長 給与の特例減額に伴います影響額でございますけれども、これは1人当たり平均で年額8万8、000円ほどの減額と見込んでございます。
 次に、教職員研修費の1、576万6、000円でございますが、学校を所管しております文部科学省が主催する各種研修会の派遣等に要する経費が減額になってございますが、その他につきましては基本的に前年度同額の研修費を見込んでございます。
〇五日市王委員 1人当たり年額8万8、000円、できれば小・中・高でわかっていればお願いしたいというのがあるんですが、総額ですね。答弁は一緒にいただきたいと思います。
 何が言いたいかといいますと、いずれ給料が減ったことに伴って先生方のいわゆるモチベーションが下がるのではないかという心配もあります。きょう午前中から質疑があるように、先生も忙しい中で給料が削減されることで、先生方の自主的な研修とか、そういったものが阻害されるおそれもあるんじゃないかという心配を持っております。私も地元の小学校のPTA会長も仰せつかっておりまして、いろいろ先生方から御意見を聞く機会も多いわけでございますけれども、今まで自費で例えば研修してきたとか本を買ったとか、いろいろなことがあると思います。それが結局、給料を削減したことによってできなくなるということも当然考えられると思うんです。ですから、そういった、自主的にやる気のある、特に若い先生方、そういった方が研修に行きたいとか、そういったことに関しては、全額とは言いませんけれども少し補助するなり、何かそういった攻めの部分の対策、そういったものはぜひとるべきではないのかと思うんですが、その件について見解をお伺いしたいと思います。
〇小原教職員課総括課長 初めに、給与の特例減額によります影響額でございますけれども、教育委員会としての影響額、総額約17億円と把握してございます。
 次に、研修等の自主的なスキルアップに対する助成という御提言を今いただいたところでございます。確かに教員の資質向上という観点から、研修は非常に重要であると認識してございます。その中で基本的には、研修というものはやっぱり任命権者のほうで提供していくべきものということで教育センターとか各教育事務所で基本的にやっておりますし、さらに、個々の教職員の課題解決のための希望研修といったものも無料で受講できる仕組みを整えてございます。
 若い教員の育成、確かに最初の数年間が非常に重要な時期であるということで、校外での授業研究やセンター研修が重要なわけでございますが、今、自主的な研修に対する助成というお話もありましたが、これも財政負担を伴うものでございまして、やはり校長のリーダーシップのもとに、お互い授業力を高め合いながら意欲と情熱を持って当たれるように、また、モチベーションを下げないために、目標達成型の学校経営の中で児童生徒の成長を実感できるような環境をつくるような形でモチベーションを高めていきたいと考えてございます。
〇五日市王委員 わかりましたけれども、いずれ総額17億円ですよね。そうしたら発想として、そのうちの例えば10%とは言いませんが、1%だって相当な額なわけです。そういった部分はそういう研修とかで、還元するというわけではないんですが、そういった発想があってもいいんじゃないのかと私は思うんです、ただ減らされるだけじゃなくて。その辺はもう少しいろいろ考えていただければいいのかなと思うんですが、教育長、何かコメントがあればいただきたいと思います。
〇相澤教育長 特に若い先生の研修ですね。特に自分で意欲を持って勉強するという方をぜひ応援していきたいという気持ちがございますし、奨励もしていきたいと思います。そこにお金で助成をするかどうかということも一つの選択肢ではあると思うんでありますけれども、同時に、先生になった時期から、若いうちに志を持って一生教員として岩手のために尽くしていくという気持ちを支える仕組みというか、モチベーションが上がっていくような仕組みといったものも、教育界全体としてつくっていくということも根底では大切だと思っております。
 ちょっと御提言の趣旨はどうなのか、若干検討させていただきたいと思います。
〇五日市王委員 それでは3点目、最後でございますが、カーリングの件についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
 質問に先立ちまして、我が二戸、一戸からチーム岩手が、このたび世界大会に出場するということでございまして、その応援をしていただくということで、支援する会というのも地元のほうで立ち上げまして、私もその発起人の一人になっていたもので、まずは県の職員の方々からは多大なる御寄附をいただきましたことを、この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。特にも、教育委員会におかれましては、募金箱まで設置をしていただいたということでございまして、大変ありがとうございます。ただ、結果のほうは、通算3勝4敗、5位タイということで、残念ながら振るわなかったわけでございますが、いずれ今回の世界大会の出場を機に、実は地元のほうでも大変カーリング熱というものが高まっておりまして、一緒に行ったコーチの小野寺さんですか、あの方にも会うたびに言われるわけでございますが、何としても専用のリンクが欲しいと、何とか専用リンクをつくってもらえないものかというお話を実は何度も何度も承っておりまして、カーリングの関係者の方々も、これからいろいろ要望活動をしなければいけないなみたいな空気が物すごく高まってきております。
 そこで、カーリングの専用施設について、全県的で結構ですが、何かスポーツ振興の観点からお考えがあればお聞きをしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 カーリングにつきましては、国内において比較的新しい冬季スポーツではあるんですけれども、本県では、先ほど委員御紹介のとおり、二戸地域それからもう一極としては盛岡市などを中心に、競技愛好者がふえているという状況でございます。
 県営の専用カーリング場の整備ということについてでございますが、現在、県内では、カーリングが行える施設は盛岡市アイスアリーナ、それから今お話がございました二戸市では、県の教育委員会が所管しております県北青少年の家のスケート場の2施設ということでございます。二戸地域のカーリングは、この県北青少年の家のスケート場を拠点に活動していただいているわけでございます。
 このカーリング場の整備につきましては、教育委員会としては財源の捻出をどのようにするかということが検討していく一番の大きな課題でありまして、この辺を十分検討していかなければならないと認識しております。当面、既存の施設の有効活用を図っていくというスタンスで、現在は考えているところでございます。
〇五日市王委員 既存の施設を有効活用では足りないということで、専用施設を何とかつくってほしいという思いがあるわけでございまして、確かに二戸地方は県北青少年の家で、今ほかの競技ともすみ分けをしながらやっているわけですけれども、具体的に申しますが、県北青少年の家に専用リンクを増築あるいは改築といいますか、そういったお考えがあるのかどうなのか、同じ答えのような気がしますが、いずれお伺いをいたします。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 カーリング専用施設の県北青少年の家の増改築でございますけれども、現在、県北のスケート場では、カーリングのほかアイスホッケーとスピードスケート等の団体が日程調整をしながら活動しておりまして、カーリングは、基本的には週2回の活動時間を確保して、県内外で活躍する活動者の拠点ともなっておりまして、そういう中で委員御指摘のとおり、関係者の間で利用時間の拡大ですとか、専用施設を望む声があることは十分承知をしておりますし、今回のチーム岩手の活躍も、本県のスポーツ振興に大きな効果をもたらしていると思いますし、地元の盛り上がりも十分に認識をしておりますし、私も何とか盛り上げたいと思ってはいるんですけれども、そのために専用施設の県北青少年の家の増改築については、県の財政状況を考えると、なかなか難しい状況であるということから、当面、県北青少年の家のスケート場では、現在の利用状況で何とか頑張っていただきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 ただいまのカーリング並びに冬季スポーツという観点で関連をさせてもらいたいと思います。
 教育委員会のほうには、県北青少年の家に関して、時間の拡大であったり、また、月曜日の利用の拡大をやっていただきました。これは本当に感謝をしたいと思います。今、利用がふえていますし、また、成績もどんどん、他のホッケーも含めて上がっています。ですから、こういった機に、適時適切に支援をするというのは大切だと思いますし、また、ただいまのカーリングというのは、御案内のとおり1ミリちょっと氷が若干違うだけで、本当に誤差が生じるスポーツです。今現在、ホッケーを使った後に例えばカーリングで使うという形で併用しているということになると、非常に競技力の向上と言っても、利用時間の拡大をしてもらったのはありがたいんですが、もう一歩踏み込んでもらわなければ、さらなる向上につながらないと思います。ですから、それについて、事情もわかりますけれども、例えば二戸市とも協力をしてもらいながらやっていくだとか、もう少し前向きに考えていただきたいと思いますが、再度お答えを願います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 ただいまカーリングの施設というようなお話ですけれども、競技施設と競技力向上というところの関係については大変大きな深い関係があるわけでございまして、現在の県営施設というものがすべて老朽化あるいは狭隘化しているというような現状もしっかりと認識しているつもりでございます。この機会をというようなことも十分教育委員会としては認識しておるわけでございまして、そういうことから、いろいろな予算要求というようなことも含めて努力をしているところでございますが、今お話しいただきました地域との連携においてというようなお話もございまして、その地域の連携によって、地域に根差した競技施設というものを用意していくということはいろいろな場面で起こっております。そのことに関しましてはあらゆる情報を提供しながら、ともに協議しながら進めていくというスタンスで考えております。
〇工藤大輔委員 情報も大変ありがたいと思いますが、氷の上で多く練習を積めるというのはさらに競技力を上げる手法となりますので、今のような答弁では、例えば、さらに利用時間をふやして、できるだけもう少し期間を延ばせるよう検討したいだとか、すぐに新設のリンクをつくれなくても、例えば隣の併設で何とか考えたいとか検討するだとか、時間の拡大とか、もう少し検討できること、また踏み込めることがあればぜひお願いしたいと思いますが、もうこれ以上質問しませんので、最後にしますので、お答えを期待したいと思いますが、よろしくお願いします。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 カーリングについてどのような支援ができるかということを関係部局、教育委員会内部、それから関係市町と十分相談をして検討していきたいと思っております。
〇高橋元委員 私のほうからは、高校改革にかかわって2項目質問させていただきたいと思います。
 まず、一つ目は総合学科高校についてであります。
 本県の総合学科高校につきましては、たしか岩谷堂高校が第1号だったような気がしますが、以降、高校改革におきましては現在6校ということで承知をしております。そういう中で、この総合学科高校は一年じゅう共通の普通教科を中心に学習して、2年、3年次に自己の能力とか適性あるいは興味、関心、進路希望等によってそれぞれ選択をして系列、これで勉強していくという特色があるわけであります。そういう中で、現在数年が経過しておりますので、この導入したことのねらいがそのまま出ているのかどうか、その導入効果についてまず1点お尋ねをしたいと。
 それから2点目には、問題点あるいは課題、これをどのようにとらえているか。学校の運営上としての問題、課題もあると思いますし、生徒とか保護者の立場に立っていろいろな課題もあると、そのように思うわけでありまして、その点をお願いしたい。
 それから、卒業生の進路、それぞれ学んだ系列の方向に直線上に進路がいっているのかどうか。せっかく勉強したけれども別なところに行くのであれば、何となく目標から外れていると思っておりますので、その辺をお伺いしたいと思います。
 それから、4点目に私の北上の地域でありますが、私の母校は北上農業高校でありまして、当時の計画では、北上農業高校も花巻農業高校もそれぞれ別々に総合学科高校と一緒になると、最初の案はそうでしたが、地域住民の働きかけによって、二つの農業高校を一つにして花巻農業高校が現在あるわけであります。しかしながら、ここ数年経過しまして、私の地域の中では通学に非常に、現状の花巻農業高校は大変遠くてつらいということで、通学したくても行けないと。そういう中にあって、北上翔南高校で農業系の科目あるいはコースも検討していただけないのか、そういう声が今出てきているわけであります。そういう意味で、その辺のコースの見直しとかそういったものは可能なのかどうか、この4点についてお伺いをしたいと思います。
〇鷹觜高校改革担当課長 まず最初の総合学科を導入した効果はどのように認識しているかというお尋ねでございますけれども、委員御指摘のとおり、総合学科高校は、幅広い科目の中から生徒が自己の興味、関心、進路希望に基づいて科目を選択して系統立って学ぶということで、さまざまな分野を学ぶことによりまして、広い視野や柔軟な考え方を身につけるようになって、入学後の生徒の満足度も高い傾向がございます。また、学習意欲の向上も見られると認識しております。
 各学校の評価の部分をちょっと御紹介いたしますと、生徒の学習意欲の向上、それから生徒や保護者の高い満足度、志願者増による学校の活力の増加、問題行動の減少、それから、ボランティア活動への自主参加の増加という、よい点が挙げられている部分がございます。
 それから、生徒、保護者の評価はどうかというお尋ねでございますけれども、平成18年度末の紫波総合高校の生徒の調査によりますと、高校生活に十分満足したというのが83%、それから、入学してよかったというのが81%になっております。それから、久慈東高校でございますけれども、入学させてよかったという保護者が85%、それから、入学してよかったという生徒が70%となっております。それからもう一つ、北上翔南高校でございますが、学校生活は楽しいというのが80%。ただし、入学してよかったというのが、1年生のときは60%ぐらいあるんですが、全体とすれば44%になっております。それから、親御さんのほうの評価でございますけれども、子供の進路に適した系列学科があると評価しているのは54%ということで、若干学校によって開きがある部分はございますが、総じてよい評価を得てきているものととらえております。
 ただし、委員御指摘のとおり、問題点、課題もあるわけでございます。一つは、単位を取得しやすい科目を選択する傾向があるということで、将来の進路に結びつかないような選択の仕方をするケースも間々あるということでございます。それから、特に職業指導の面ということでは、2年次から専門科目を導入するということで、資格取得の面で、時間割もそうですけれども、大変厳しい部分があるということも指摘されておるところでございます。そういうものがございまして、今後、それらについてはいろいろと検討していかなければならない。先ほどちょっと申し上げましたけれども、新たな整備計画を立案する中でも、総合学科のあり方についても、相当議論していかなければならないんじゃないかと考えております。
 それから、卒業生の進路の状況でございますけれども、18年度、総合学科を卒業した生徒は県全体で1、138名おりまして、そのうち進学が61%、それから就職が34%、その他5%という状況でございます。総合学科高校へ転換することによりまして、進学率が向上する傾向が見られております。
 なお、就職に向けましては、系列とどういうふうにマッチしているかということでございますが、細かい資料を今持ち合わせておりませんので、後ほど御説明したいと思います。
 それから、最後に科目の追加、コースの設定等の見直しについてのお尋ねでございますけれども、育てたい人間像や生徒、地域のニーズに合わせて、系列や設定科目の見直しが常に必要なものだと考えております。特にも、地域や生徒のニーズを踏まえて、それぞれの系列、あるいは選択科目の設定の見直しを図りながら、生徒一人一人の進路実現を図っていく必要があると考えております。
〇飯澤匡副委員長 執行部に申し上げます。
 審査終了までに資料の取り寄せを行い、再度答弁をしてください。
〇高橋元委員 北上で言えば、北上翔南高校の総合学科導入の際には私も当事者の一人でありまして、PTAのほうの代表で、保護者の立場としては、子供が果たしてどういう適性なり能力を持っているのか、あるいはどういう方向に将来進んだらいいのかと、それのためには、こういうさまざまな勉強をして自分を見つけていくと、非常に重要なことだということで、全面的に私は賛成してきた立場であるわけです。そういう中で、今3校の紹介があって、北上翔南高校が少し低いと言われて多少ショックなわけでありますが、その辺、何か北上翔南高校独自の事由があるのかどうか、もしお聞きであればお伺いをしたいと思います。
 それから、これから見直しの中でさまざまな課題等を解決していくということでありますので、そこに期待をしていきたいと思っております。まず1点、そこだけ。
〇鷹觜高校改革担当課長 北上翔南高校でございますけれども、志望動機は、進学のためというのが少なくて、自由な校風、いろいろなものが学べるということが一つ多い志願の理由になっております。それから、入学後の進学者希望が多いということで、進学指導を大事にしていかなければならないという学校の判断もあるところでございます。ただ、進学のためには進学校同様の対応が求められますし、それから、就職するためには専門高校と同様の対応がやはりどうしても求められるというところで、1年生は共通にやりながら、さらに2年、3年でそういう分かれ方をするということで、時間割その他の部分で、大分苦労しているという状況は伺っております。
 それから、産業社会と人間という単元があるわけでございますが、そこの運営で苦労しているという報告が入っておりますので、その辺、早急に改善できるような形で考えてまいりたいと思っております。
〇高橋元委員 この総合学科の特色はさまざまな科目というか、それを選択できると。ただ、たしか5人ぐらい生徒が集まらないと授業ができないということもあるわけです。そういう希望で、なかなか授業にならないようなものもあるのかもしれません、選択科目のところがうまくいかないというのは。その辺の状況をもしおわかりであればお伺いをしたいと。
 それから、大きな項目の二つ目としての後期計画につきましてでありますが、これも先ほど関根委員のほうからも質問がありまして、私の質問の大部分回答があったような気がしますが、まず、高校改革の発端は中学校の卒業生がどんどん減っていくということで、最初に計画した時点での数字は、平成元年3月に2万2、833人だったのが、平成20年3月には1万3、970人、8、863人減少するという危機感から高校改革がスタートしたと思っているわけですが、直近で将来の中学の卒業者数、わかっている数字があればちょっとお伺いをしたいと思います。
 それから、コスト計画については、今回新しい県立高等学校整備計画策定事業費として、235万円余予算措置をされているということであります。これからビジョンを策定しながら有識者の会議を開いて策定をしていくということの説明を受けましたけれども、これ平成20年度で、年度末に策定案が出てくるものかどうか、2年あるいはそれくらいかけてやるのかどうか、その計画の策定めどをお伺いしたいと思います。
 それから、だんだんに中学生が減っていくと統合統合と、どんどん高校が統合されていくような気がするんですけれども、その場合には、その地域の中心的なところに生徒が集まるということが一つと、それから、自分の進路を選択するときに圏域以外の高校に入学したいと、そういう子供たちの希望もあるわけであります。それらを考えたときに、果たして今の状態で通学体制が十分かというと、これは本当に厳しいものがあるのではないかと思うわけであります。新しい整備計画の中で検討されるのかどうかわかりませんが、私は地域地域に複数の高校に通う生徒の寄宿舎でもないけれども、そういうような宿泊施設みたいなものを今後考えていかなきゃならないと思うわけであります。その辺について議論があるのかどうかをお尋ねをしたいと思います。
〇鷹觜高校改革担当課長 初めに、北上翔南高校の小規模な講座の設定についてでございますけれども、やはりどうしても教員の数が、定員が決まっておりまして、その中でいろいろやっていく中で、しかも時間割の設定の関係で、どうしても小さいものについてはなかなか設定できない場合も出てくるということは伺っておるところでございます。
 それから次に、ポスト再編計画に向けてでございますが、直近の卒業生の状況ということでございますけれども、平成20年3月は、先ほど委員おっしゃったように、中学校の卒業生が1万3、970名でございます。それが、5年後の平成25年でございますが1万2、548名ということで、今年度からマイナス1、422名という形になります。それから、平成28年3月、現在の小学校1年生でございますけれども、そうなりますと、全県で1万2、296名ということで、1、674名の減になる見込みという状況でございます。これらを踏まえまして、いろいろと考えていかなければならないと思います。
 それから、策定のめどということでございますが、来年度、4月から検討委員会を立ち上げまして、4回ないし5回ぐらいの一応検討会を予定しております。その間に各地域に出向きまして、いろいろ意見を聞く会を設けていくという予定でございます。これが早ければことしの秋か、できればそのあたりを目指したいと。ただ、いろんな意見によりましてはまたさまざま出てくる可能性がございます。それからいろいろと考えまして、また、その具体案につきましても、各地区に出向いて説明会とかいろんな意見を聞く会を交えまして検討をしていくことになると思いますので、早ければ来年度末ですが、状況によりましては若干ずれ込む可能性もあるという状況で、いろいろ地域の声を聞きながらまとめていかなければならないと考えております。
 それから最後に、いわゆる寮、寄宿舎等の関係のお話でございますけれども、現在、本県では高校の寄宿舎は8校ございます。8校のうち、1校は入居者がいないということで休舎という形になっております。入舎率が低迷しておりまして、遠距離通学者の減少、それから生徒数の減少、生徒の寮離れというものが主な理由となっております。
 後期計画に基づく高校の統合につきましては、公共交通機関により、通学が困難となる場合には市町村と協議をしながら、通学手段の確保等に努めているところでございまして、生徒の通学事情とかそのニーズを踏まえながら、今後、寄宿舎の是非につきましても検討していきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 私からは、本来、放課後子ども教室推進事業やらスーパーキッズというような部分でさまざまお伺いしたかったんですけれども、午前中からの慎重な審議の中でいろいろとわかってまいりましたので、1件だけ質問させていただきたいと思います。
 その1件と言いますのは、学校建設費の件でございます。今回の学校建設費の中の校舎建築事業費についてお伺いいたします。
 今回は、県立高校の後期計画の再編整備の中で5校、そして、あと県立中学校整備ということで1校の学校建設費ということでの金額が計上されておりますけれども、この建設費につきましては、校舎の建設だけに係るといったものなのでしょうか。それとも、私にとっては学校建設費と言いますと、どうしても学校というものは体育館であり校庭であり、きちんと教育の場としてフルセットある程度そろっているといったものがイメージされるわけですけれども、その点についてまずお伺いさせていただきます。
〇佐野学校施設担当課長 来年度、平成20年度予算に計上しております校舎建設事業費、校舎等再編に係る部分については校舎のみでございますが、委員御指摘の体育館、グラウンドのうち、グラウンドの整備事業につきましては、校地建設事業という形で別事業として計上してございます。これらの事業については、校舎の本体の建設事業が終了した後の年度に行うということで、平成20年度校地整備事業費としては一関第一高等学校、大船渡高等学校、釜石南高等学校の整備を予定しているということでございます。
 体育館につきましても同様の考え方でございまして、校舎の建設事業費とは別枠で、体育館の建設事業費、整備事業費ということで計上させていただいて進めております。
〇郷右近浩委員 そうしますと、今回この校舎建設事業に係っている再編学校につきましては、体育館が当面ないところ、もしくは校庭の整備が行わないところが出るということでよろしいでしょうか。
〇佐野学校施設担当課長 全くの新築で学校をつくるわけではございませんで、既存の学校の統廃合によって生じた再編改築事業でございますので、体育館及びグラウンドにつきましては、統合側の学校の既存の施設を当面使うという計画になります。
〇郷右近浩委員 わかりました。それで、平成21年度にも係る部分もあるということで先ほどお話がありましたけれども、私はこういった統合校は、やはりそれぞれの旧学校からのいろいろな形で集まってきた中で、一体感を醸成していくという部分においては、クラブ活動であったりさまざまな行事、そしてまさにクラブ活動を包括した中でのスポーツといったような、そうしたような中で一体感が醸成されていくものだと。また、教育の過程の部分でも必要性はあると思っておりますので、ぜひとも前倒しがかけられるところは前倒ししながら、早目に整備のほうをよろしくお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
〇佐野学校施設担当課長 委員御指摘の懸念もございますので、校舎の改築工事の終了後、既存の校舎の解体等、それから外構の工事が行われていますけれども、それに引き続いて、グラウンドの整備事業に手をかけるところは手をかけていくと。さらに、体育館につきましても、現在のそれぞれの学校には第1体育館と第2体育館という形で授業及び部活に使用しているわけでございますけれども、さまざまな行事等で支障が出ないように、できる限り、早期に必要な体育館の整備については検討してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 相澤教育長には、もう間もなく任期も終わられるというようなことで私も残念に思っておりますが、初めに、教育長、埴輪ファッションというのを御存じですか。お尋ねします。
〇相澤教育長 あまり確たるところはないんでありますが、スカートをはいて、その中にトレーニングウエアのズボンをはいて埴輪のようなスタイル、そういう子供たちの、はい。
〇及川あつし委員 そのとおりであります。なぜ、埴輪ファッションのことを聞くかというと、ほかの地域の子供たちはどうなっているかわかりませんが、私も前から、盛岡の女子児童の格好を見て、なんか変だなとずっと思っていたんです。最近わかりまして、年度途中でお尋ねすると学校の現場に問題が起きるなと思って、あえてきょうお伺いするわけですが、小・中学校の現場で、いまだに体育の授業前などに、男子と女子が同じ教室で着がえているという実態が相当数あると思うんですが、現状はどうなっているか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
〇田村学校教育室特命参事 男女一緒の着がえの実態ということについてお答えをさせていただきます。
 文部科学省が、平成18年6月に公表いたしました学校における男女の扱い等に関する調査、これによりますと、男女の児童生徒が同一の教室で着がえを行っている実態につきましては、小学校においては、全国平均が63%に対しまして、本県では40%になっております。また、中学校におきましては、全国平均7.5%に対し、本県では23.1%となっており、全国平均より高くなっている状況でございます。
〇及川あつし委員 今、小学校は低いというような御答弁がありましたけれども、4、5、6年になると大分減っていると私も承知しておりますし、今御答弁があったように、中学校では全国平均7.3%、しかし岩手県は23.1%、数字も持っております。行っている学校が46校。
 今、私がお聞きしたのは、今どうなっているかということなんですね。これ平成17年度の実態調査で、18年6月に公表されておりますから、19年度どうなっているかということを今お伺いしているわけであります。再度答弁をお願いします。
〇田村学校教育室特命参事 平成19年度の数字につきましては、承知をしておりません。
〇及川あつし委員 数字を承知していないということは、表現厳しいかもしれませんけれども、平成18年6月に文部科学省から通知が出て、平成18年度の後半、そして19年度、一体何をやっていたのかということであります。
 私が知り得る限り、盛岡市内でも相当数の、特に中学校を問題にしたいと思いますが、中学校でいまだに─体育の時間だけじゃないですよ。技術家庭科、美術、掃除の時間、この時間前の着がえに、男子と女子が同じクラスで着がえているんですね。だから、女子児童は埴輪みたいな格好をしていくんです。この実態をどう理解していますでしょうか。
 これまで議会においても、ジェンダーフリーとかバックラッシュがどうだこうだ、いろいろ議論があったと思います。私は、それ以前の議論で、当然、男子と女子はしかるべき年齢になれば着がえの際に分かれるべきだと思っておりますが、指導の経過、あとは現状認識、対策についてもしっかり明示していただきたいと思います。お願いします。
〇田村学校教育室特命参事 文部科学省のほうからただいまの調査の結果の公表、平成18年6月30日付の文書で受領いたしました。直ちに各市町村教育委員会、並びに県立高校等におきまして、それぞれ教育活動の中で児童生徒発達段階を踏まえながら、一人一人の心情を考慮するなど、学校として男女の扱い等に関する適切な対応を図られるようにという指導の徹底の通知をさせていただきました。
 また、男女の児童生徒が同一の教室で着がえを行っている学校の多くにつきましては、更衣室や空き教室、こういったものがないなどの理由によりまして、このような状況に至っているものと考えられているところであります。人間尊重の精神に基づき、正しく異性感の涵養の観点から、思春期にある児童生徒の着がえに関しまして十分配慮するとともに、適切な環境を整える必要があると認識をしております。
 今後につきましては、児童生徒が学校生活において運動着等に着がえる機会につきましては、体育の授業にとどまらず、清掃活動あるいは部活動等、いろいろな場面において頻繁に行われているところと考えておりますので、改善が必要な学校にありましては、すべての教職員が共通した正しい認識を持ちながら、学校の実態に即した改善が行われるよう、早急に指導してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 御答弁は御答弁で受けとめましたけれども、今、更衣室がないとか云々というような事情もお話しされたと思うんですけれども、全然理由にならないと思うんですね。私が中学校のときは、合同体育ですから1組と2組、同じ授業。1組は男子が行って着がえなさい、2組は女子が行きなさい、こうやればいいだけの話であります。つまり、私は、きちっと教育委員会で指導はしたと思うんですけれども、全く徹底されていない、こういう実態があると思うんですね。
 御答弁、漏れていると思うのは、現状はどうなっているんですか、通知が出た後に。私が知っている限りで、学校名を出すと問題になりますから言いませんけれども、相当数、全県的にはどうかわかりませんが、盛岡市内の学校にはまだやっているところありますよ。把握していますか、内容。
〇田村学校教育室特命参事 数字としての調査、そういったものの把握はしておりませんですが、各教育事務所管内ごとに生徒指導連絡担当者会議とかあるいは協議会、こういった中で、生徒指導担当教員のほうからそういう実態については報告を受けております。また、これについての指導につきましても、先ほど申し上げましたが、男女の正しい性差について理解を十分深めて、それから、発達段階にある子供たちのプライバシーの保護とか、そういったものについても十分正しい認識を持つように指導するよう、指示をしているところであります。
〇及川あつし委員 今、把握をしているということでありますので、学校は結構ですので、教育事務所単位で結構でありますので、かなり傾向が出ると思いますので、後ほど御答弁をいただきたいと思います。
 あと2点ありますので、まとめて質問したいと思います。
 次に、いわて型コミュニティ・スクール構想について、ちょっと考え方についてお尋ねをしたいと存じます。
 本県においては、長い歴史の中で、教育振興運動というのをやってきたと承知をしておりますし、私もPTA活動等で、これに取り組ませていただいたものであります。同時に、平成12年だったでしょうか、文部科学省のお声がけで、本県においても各学校で学校評議員制度をつくるということで、当時、私も商工文教委員会の委員でありましたので、この学校評議員制度についてさまざま議論があったことを記憶しております。しかし、当時から、私どうなるかなと思って懸念をしておったんですが、現段階においてもいわゆる学校評議員制度というのが、例えば盛岡市では70校中11校しかできていないとか、紫波町50%、西和賀町、住田町、野田村、普代村、ここに至っては、いわゆる学校評議員制度というのが導入実績が0%、こういう状況になっているわけであります。当時から現場の教職員の皆さんは堂々と言わないものの、裏に行けば、学校評議員制度というのは岩手県が取り組んできた教育振興運動と同じようなものだから、こんなものはやらなくていい、こういう声を伺っていたわけであります。その次に、今回施策が展開されているいわて型コミュニティ・スクール構想というのが昨年度から進められて、きょうもいろいろ議論があったと承知をいたしております。先日、またこれに伴って、教育再生会議の最終報告というのが出たようでありまして、学校支援地域本部を全国展開する、このことについて社会総がかりで早急に対応する、こういう最終報告が出たようであります。
 そこでお尋ねしたいのは、本県が長年取り組んできた教育振興運動、そして文部科学省が進めてきた学校評議員制度、そして今取り組みが進められているいわて型コミュニティ・スクール構想、そして、これから学校支援本部というのがいろいろできてくると思うんですが、一体これの相違性と関連性は何なのかということであります。
 お尋ねする趣旨は、仏つくって魂入れずというのがよくないと思いまして、いろいろと形をつくるのは結構だと思うんですが、その都度名前が変わって、そして現場でいろんな組織だけがつくられていく、こういうことにならないようにぜひ留意をしながら、今後もこうした地域の取り組みについては進めていただきたいという趣旨でありますので、基本的な考え方についてお知らせをいただきたいと思います。
 最後になりますが、正式名称は学校用務員さんというんでしょうか、学校用務員職の民間委託について、考え方について伺いたいと思います。
 伺うところによりますと、一部高校の現場において、学校用務員さんについて民間委託の導入の実験というんですかね、そういうのを行っていると聞いております。いろんな方からお話を聞くと、何でもかんでも民間委託が本当にいいのかと、こういう議論もあるようでございまして、私も現時点で定見を持たないわけでありますが、この事業の導入経過と現状認識と課題、今後の方針についてお示しをいただきたいと存じます。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 いわて型コミュニティ・スクール構想、それから学校評議員制度、それから教育振興運動等の関連性、相違性についてでございます。
 午前中の議論でもございましたけれども、いわて型コミュニティ・スクール構想というのは、今非常に教育が難しい状況になっている中で、まず学校現場、学校をしっかりと強化していきたいという思いがございます。その中で、学校経営を目標達成型と、しっかりとした目標を定めてそれを子供たち、保護者、地域の方々とも共有しながら進めていくと、これが第1点であります。
 第2点目は、学校は本来、地域に支えられてこれまで成り立ってきているものでありますので、そこをもっと強くしていきたいと。つまり、学校と保護者、地域が一緒になって、子供たちを育てていこうという環境づくりをもっとやっていきたいというのが、いわて型コミュニティ・スクール構想であります。
 それに際しまして、学校評議員制度、今委員から御指摘ありましたけれども、これは学校の経営とか学校の教育活動について外部から、外の方々から見ていただこうということであります。
 それから教育振興運動も、先ほどもお話がありましたけれども、岩手の長い歴史の中で、子供たち、地域課題の解決のために、地域など、5者と呼ばれますけれども、一緒に協力をしながら育てていこうと。それで、先ほどお話がありましたように、組織だけができていって学校にいろいろな負担をかけるとか形骸化してしまうと、そうはしたくないと考えております。つまり、各学校の実情は、地域、学校によってさまざま違っております。
 例えば、ある地域では、既存の長い歴史を持つ教育振興運動の組織なりを活用しながら、いわて型コミュニティ・スクール構想を推進していくというところもあろうかと思います。あるいは、国のコミュニティ・スクールでは、学校運営協議会を必ず設置しなさいというあれもありますけれども、そういうことはいわて型コミュニティ・スクール構想では学校にお任せしようと、そういうものが必要であれば、評議員という方々がそれにかわるものでもあるでしょうし、あるいはPTAでもいいのではないか。つまり、こういう形で運営をしなきゃならないという形ではなくて、その地域事情、学校事情が違う中で、それぞれ学校の実態に合わせて、そういうものを取り込みながら、地域との連携をした教育を進めていきたいというものでございます。その事情もそれぞれ抱えている部分で、子供たちの人間形成にどういう組織であればいいか、どういう取り組み活動をすればいいかということで進めてまいりたいと思っております。
〇小原教職員課総括課長 学校用務員の民間委託でございますけれども、現在、平成19年度から県立杜陵高校で試行を行ってございます。
 この民間委託を試行した経緯でございますけれども、一つは、厳しい財政状況にあって職員の削減が求められているという中で、特に現業職員の退職補充がなかなか困難であるということ、また、今現在、正職員が退職した場合の代替手段として、再任用職員なりあるいは非常勤職員で対応してございますが、今後将来的に一層正職員の退職も見込まれますことから、この試行を行っているところでございます。
 現時点で把握しております委託の効果でございますが、1点目、まず庭木の剪定なりグラウンドの草刈り、除雪など、短期間に集中して行う必要がある業務については、委託の業務従事者を集中的に投入できるといったような迅速な対応が可能となっていると。また、人件費の削減というメリットがございます。しかしながら一方で、課題といたしまして、これは委託の内容については仕様書に書かなければなりませんので、その仕様書に書き切れない隙間的な業務、こういうものは正職員が対応せざるを得ないということ。また、委託業者につきましては、これは入札で選ぶこととなりますので、業者がかわった場合はノウハウが蓄積されないと。また、業務に従事する者でございますが、学校への帰属意識が正職員と比べて相対的に低いといったようなことが、中間でございますが挙げられてございます。
 今後の方向性ということでございますが、通年で実施する必要があることから、平成19年度、20年度、2カ年間、杜陵高校で検証を実施することとしておりまして、その結果を踏まえまして、今後の方向については検討してまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 1点目の着がえの件について答弁がありませんでしたので再度お伺いしますが、まず、二つお伺いしたいろんな組織、今、課長の答弁がありましたように、ぜひ現場において組織の積み重ねにならないように、きちっと仕分けをして御対応を願いたいと思います。
 あと、用務員さんの民間委託の試行についてでありますが、今、小原総括課長のほうからお話があったように、私が伺いましたのは、言われたことしかできないんじゃないかと、こういう不安が相当あるようでございますので、平成19年度、20年度の試行ということでございますので、検証結果、時に触れて議会にも報告していただきながら、誤りのない方向にしていただきたいと思うわけでございます。
 答弁漏れがありました。1点目の着がえの件についてでありますが、きちっと再度本県の実態を調査して、年度の変わり際からしっかりと対応をするという考え方があるかどうか、再度お尋ねをしたいと思います。
 私、教育というのは、子供たちに、形とかけじめとか規律を教えるのが教育のあるべき姿だと思うんですね。きょうはいろいろ議論の中で、学校の先生方が忙しいというような議論もありましたが、もちろんそれはそれであると思いますが、事この問題については関係ないと思うんです。やっぱりきちっと男女がしかるべきときにしかるべき形でやるというのがあるべき姿だと思いますので、再度この点について御答弁を求めたいと存じます。
〇相澤教育長 着がえの件でございますけれども、教育の目的、人間形成ということでありまして、知、徳、体がバランスのとれた社会に出ていける人間を育てる。そういう意味で、学校教育の中で男女が一緒に着がえをするということは、大変大きな問題だと思います。しっかりけじめをつけて、健全な羞恥心も育てなきゃいけないと思います。それが社会に出ていく上で大変必要だと、重要だと思います。
 サンプル調査でありますけれども、ちょうどデータが出ましたらお答えできるかと思いますが、サンプル調査で申し上げますと、サンプルでいろいろと盛岡市内の学校を中心に話を聞いてみましたけれども、改善されている状況ではないと私自身は受けとめておりますので、早速その点しっかり客観的な情勢も把握をした上で、私ども県教委としても甘いところがあったと思わざるを得ない面もありますので、先ほど申し上げたような多様な趣旨を踏まえて、しっかり対処してまいりたいと思います。
〇飯澤匡副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩
午後3時18分 再 開
〇千葉康一郎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、鷹觜高校改革担当課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇鷹觜高校改革担当課長 先ほど、高橋元委員からの御質問がございました総合学科の各系列ごとの就職関連状況はどうかという御質問でございますが、きちんとした系列を分けて教育課程を組んでいるのは久慈東高校でございまして、その系列ごとの進路状況は、系列に関係ある進路を選択した率でございますけれども43%ということでございます。代表的なものは、介護福祉が72%、情報ビジネスが59.2%、食物が60.7%という高い系列関連の割合を示しておるものでございます。
 それから、そのほかの総合学科高校におきましては、系列はございますが自由な選択をさせている学校が多く、系列とは別に進学、就職のクラス編成をするということで、そういう進路指導をしていることから、系列ごとの集計は今のところはやっておらない状況でございます。御理解をいただきたいと思います。
〇千葉康一郎委員長 質疑を続行いたします。
 喜多委員は当該委員でありますので、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ、簡潔に質疑されるように御協力をお願いいたします。
〇喜多正敏委員 先ほど相澤教育長から、子供の教育は、力強く社会の中で生きていく、いわば人間形成であるとお話がありました。私も全く同感でありまして、そのためには、学校だけではなく、学校以外の体験学習も重要と思いますが、来年度予算要求の中で豊かな体験活動推進事業が計画され、予算が5、490万円と、平成19年6月に比較して3、450万円の増加となっております。
 文部科学省、総務省、農林水産省は、平成20年度から子ども農山漁村交流プロジェクトの開始を計画していると伺っております。これは、全国の小学校2万3、000校、1学年120万人を目標として長期宿泊体験活動を推進するもので、平成20年度の取り組みは、農山漁村で1週間程度の宿泊体験活動をモデル的に実施し、実施の課題やノウハウの蓄積を行い、また、情報提供を行い、普及の醸成を図る計画であります。
 農林水産省は、各都道府県に1学年100人規模で受け入れ可能なモデル地域、全国40地域のモデル地域を設け、受け入れ拠点施設の整備等を総合的に支援し、行く行くは受け入れ地域を全国500地域に拡大するとされております。
 県教育委員会では、このプロジェクトをどう評価し、また、今後どのように取り組もうとしているか、お伺いします。また、先ほどお話し申し上げました県予算との関連があるか、あわせてお伺いします。
〇小岩首席指導主事兼義務教育担当課長 御質問の農村体験等についてでございます。
 現在の社会を見ていきますと、商品経済の社会、あるいは都市化が進む中で、子供たちはどちらかというと、何でもすぐ安易に、容易に手に入る、そういう安易な消費生活のほうに目が向いている状況ではないかととらえております。そのような中で、働くことの意義、あるいは命の源である食料生産を通して学ぶべきものは非常に大きなものがあるのではないか、あるいは、そこで自然を相手に、たくましく、あるいは厳しい中でもたくましく生活して生きていっている方々から生きざまを学ぶことを通して、岩手の子供たちに豊かな人間性をもう一回しっかり培わせたいと考えております。そういう意味で非常に意義深い事業ではないかととらえております。
 現在でも小学校でもいろいろな宿泊をしながらさまざまな体験活動を行っているわけではありますけれども、現在、この事業につきましては、教育事務所を通じまして、市町村教育委員会あるいは小学校に周知し、現在、応募を募っているところでございます。
 今のこの事業につきましては、御指摘がありましたように国の事業ということで、県としても公募しながら取り進めてまいりたいと思っております。
〇喜多正敏委員 これは教育上ばかりではなく、食の教育とか、あるいは今、大変疲弊している農山漁村の中で直接の触れ合いができるということで、大変地域の自立にとっても子供たちにとっても非常にいい事業だと思いますので、ぜひ関係部局と連携をしながら強力に進めていっていただきたいと思います。お願いして質問を終わります。
〇斉藤信委員 では、簡潔に二つの柱で聞きます。
 一つは、少人数学級の取り組みについて、全国的には来年度16府県で少人数学級が拡充される方向ですが、その中身を把握しているでしょうか。
 東北各県での少人数学級は、どの学年でどれだけの経費で実施されているのでしょうか。
 三つ目は、私、本会議で取り上げましたが、奥州市での小学校3年生までの少人数学級を求める強い声が寄せられていますが、現地での対応はどうなっているでしょうか。
〇侘美小中学校人事担当課長 全国の動向でありますけれども、群馬、千葉等16県にかかわりまして計画を進めているという情報は得ておりますが、詳細について、予算が決まり次第、情報を収集したいと思っておりました。
 二つ目であります。東北6県の少人数学級の状況及び県単の予算でありますけれども、青森は、小学校1年生、2年生及び中学校1年生。予算にかかわりましては、学級と少人数指導、いわゆる少人数教育全体に対する県単予算でありますので、それを網羅してお答えしたいと思います。青森は、6億5、000万円。それから宮城ですが、小学校1年生、2年生及び中学校1年生の選択的な少人数学級を導入しております。ここは、基礎定数あるいは少人数加配等を使って、予算措置はゼロで行っております。秋田県ですが、少人数学級1年生、2年生、中学1年生、5億4、000万円の県単措置を行っております。山形ですが、少人数学級1年生から6年生まで、中学1年生は選択的な導入ということで、約3億円を導入しております。福島でありますが、中学1年生から中学3年生まで条件つきの学年、条件なしあるいは選択性の学年も含めて全学年で少人数学級を施行しております。その額22億1、000万円と聞いております。
 3点目であります。奥州市にかかわる部分ですが、奥州市での小学校3年生までの少人数学級についての保護者等からの要望については、本当に心から承知しておるところです。学級編制について、すべての市町村にかかわる基準になることから、今後、すべての市町村教育委員会との十分な検討、協議が必要と思っております。このことから、平成20年度におきましては、今やっている岩手の少人数教育、いわゆる1、2年生の35人学級、すこやかサポート、低学年及び大きな複式学級への非常勤措置、それから小学校3年生から中学3年生までの少人数指導を進めてまいる所存であります。
〇千葉康一郎委員長 先ほど喜多正敏委員に申し上げましたけれども、斉藤委員も同様でございますので、よろしく御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 協力して簡潔に聞いているんです。
 今の答弁で、東北各県は岩手県以上に、小学校は全学年とか中学校1年とか、それなりの経費もかけてやっているのが実態であります。私は、さっきの教職員の賃金削減で17億円も削減されるというのであれば、本当にこれは教育の拡充、特に子供や父母の切実な要望が強い少人数学級の拡充に向けてこそこれは生かされる、こういうふうに思いますが、教育長、昨年、県議会の請願採択もされております。それも含めて答えていただきたい。
 それと私、奥州市のケースは、ぜひ弾力的な運用も含めて、地元の教育委員会とよく相談してやっていただきたい。
 最後の質問ですが、一関一高に併設する中高一貫の中学校についてお聞きいたします。
 一つは、11月の報告書と1月の方針で変わった内容はあるのか、どこが変わったのか。そして、その中身として、併設する中学校の理念と、それは中高一貫校でなければ実現できないものなのか。中等教育の選択の機会を広げるというのは、結局、教育格差を拡大することではないのか。
 二つ目、適性検査、作文、面接による選抜が行われます。結局、小学校に受験競争をもたらすのではないかと思いますが、それぞれどう点数化されるのか。東北各県の倍率はどうなっているか。
 三つ目、高校段階では、入試して入学してくる生徒との混合のクラスが予定されていますが、6年間の中高一貫の効果がなくなるんじゃないか。
 四つ目、一関一高の伝統と校風は変わるのか変わらないのか。
〇相澤教育長 少人数学級の関係でありますけれども、請願につきましては大変重く受けとめているところであります。
 それを踏まえた上ででありますが、財政制約がいろいろございます。そういう中で、少人数学級も含めてどういう少人数教育を進めていくべきなのか、その制約の中で十分いい選択をしてまいりたい。その選択を誤らないようにしてまいりたい、こう考えておりますので、すべての市町村の教育委員会、教育長も含めて、あるいは小・中学校長会等々も含めて平成20年度中にしっかりした議論を行い、結論を出してまいりたいと考えております。今、そのための諸準備を進めているところでございます。
〇侘美小中学校人事担当課長 奥州市との関係でありますが、教育委員会と十分に詰めながら、いい策を練っていきたいと思います。よろしくお願いします。
〇鷹觜高校改革担当課長 一関一高に併設する中高一貫の中学校についてのお尋ねでございます。
 第1点目、11月の検討委員会からの報告書と1月の県教育委員会で決めた方針の中身でございますけれども、報告された内容を踏まえたものでございまして、文言の整理等いろいろございましたけれども、大きな変更点は特にはございません。
 次に、県立中学校の理念についてでございますけれども、高等学校入学者選抜検査のない6年間の計画的、継続的な教育活動を通して、豊かな人間性と高い知性を持ち、社会の進歩発展に貢献することができる次世代のリーダーの育成を目指すものであり、同一の設置者が6年間の計画的、継続的な教育活動を実施できる点が大きな特徴であり、そういう中身でございます。
 それから、中等教育の選択の機会を広げるということでございますが、格差拡大につながるのではないかというお尋ねでございますけれども、中高一貫教育は、生徒や保護者が、これまでの中学校、高等学校に加えて6年間の中高一貫教育を選択することができるようにすることにより、中等教育を多様化し、進路の選択肢をふやすものでございます。選択の機会を広げること自体が教育格差を拡大することにはつながらないのではないかと考えております。
 次に、入学者の選抜方法についてでございますが、委員御指摘のとおり、県立中学校の入学者選抜は、適性検査、作文、面接を組み合わせて行い、ふだんの授業や日常生活を通して身につけた力、学習に対する意欲などを総合的に見るものと位置づけております。
 配点等の細部につきましてはこれから検討を重ねていくところでございまして、秋に予定しております保護者に対する入学者選抜の説明会の前には決定を図りたいと考えております。
 続いて、東北各県の中高一貫校の志願倍率についてでございますが、どこの県も初年度はかなり高い数値を示しておりまして、徐々に安定してくるというか、そういう状況がございます。
 平成20年度の選抜におきましては、青森県の三本木高校附属中学校が2.6倍、福島県会津学鳳中学校は3.1倍、平成17年度に開校した宮城県古川黎明中学校は3.1倍、秋田県立大館国際情報学院中学校は1.5倍、秋田県立横手清陵学院中学校は1.3倍という状況でございます。
 次に、高校での生徒の融合についてでございますが、併設型の中高一貫校の高校入試時における生徒の接続パターンは、いわゆる高校入試で入ってくる外進生と中高一貫の中学校からそのまま上がる内進生とが別々のクラスになるクラス別型と一緒になる混合型がございます。クラス別型の場合には、6年間という長期間、同一メンバーで固定されることもありまして、弊害もあると言われております。本県におきましては、内進生と外進生をまぜ合わせ、お互い切磋琢磨させることができる混合型のほうがより活性化させることができる、また、外進生に対する波及効果も大きいと考えているものでございます。
 最後になりますが、一関一高の伝統や校風についてでございますが、県立中学校の教育目標などは、一関一高の教育目標や教育方針を十分踏まえて設定したものでございまして、中高一貫校になったといたしましても、一関一高の伝統や校風に変化は生じるものではないと認識しております。
〇斉藤信委員 これで最後です。
 今、文言の整理だという話でありましたが、文言の整理にしても、かなり重大な記述が抜けたり加わったりしているんですね。例えば理念の問題でいいますと、「将来の進路目標が明確で」というのがなくなっています。そして、その目標としては「次世代のリーダーを育成する」と。次世代のリーダーを育成するということは、エリート教育をやると、こういう断言になるんですか。これが第1点です。
 あと、概要、教育の特色の中では、決定されたものには「英語や数学を中心に少人数指導、習熟度別学習を実施する」、これは11月にはなかったですね。そういう違いというのはちゃんと言うべきですよ。しかし、英語や数学だけでいいのか、本当の学力、知性を高める上で。私は、そういう意味でいくと、何が何でも併設中学校を導入するということだけが残って、目指すものは全くなくなってしまったんじゃないか、そういうふうに思いますが、この理念の文章の変更というのは私は大変重大なものがあると思いますが、いかがでしょうか。
 それと、入学者選抜方法、聞きましたら、適性検査、作文、面接。適性検査というのは筆記試験ですよ。ところが、点数化されるのは筆記試験だけで、作文、面接は、報告書ではA、B、C、Dといっているんですよ。これは何カ月たってもまだわからないんですか。そして、どうやって総合的評価をするんですか。それで、実際にこれが実施されているところは、小学校の段階でみんな模擬試験をやるんです、受けたい人がいますから。私は、小学校の教育がゆがめられるんではないか、そういうことになっていいのかと。小学校に受験競争が持ち込まれて、受験する子供たちのための模擬試験、そういうことが行われていいのかと。本当にこれは大体3倍以上の倍率ですから、240人受けたら160人落ちるんですよ、小学校の段階で。こういうことが本当に、小学校にそういう受験競争がもたらされて効果があるのか。高校に入ってしまうと、入試で入るのが4クラスですよ。混合クラスになって、中高一貫の特徴なんか何もなくなってしまうじゃないですか。私は、全くこれは一貫性のない併設中学校ではないのかと思いますが、いかがでしょうか。どこに中高一貫でなければ達成できない理念や目標があるのですか。
〇鷹觜高校改革担当課長 まず、理念についてでございますけれども、当初、教育委員会議を2回ほど開いていろいろ検討した経緯がございます。当初は、ただいま委員御指摘のとおり、検討委員会の報告書に基づいた形でいろいろと御提案申し上げましたけれども、やはりもう少しわかりやすく、そしてきちっとした形に改めるべきだという御指摘もございまして、再度1月に出し直しをしたという経緯がございます。
 次世代のリーダーを育成するということで、エリート教育ではないかという御指摘でございますけれども、あくまでも私どもは、リーダーを育成する。いわゆるリーダーというのは、組織とか集団とか、それらを統括できる方、あるいは代表していろいろ意見を言ったり述べたりできるということで、人望があって、そしていろいろと人間的な幅も持っていける人材と考えております。そういうことで、エリートという形のものとは全く一線を画すものだと考えております。
 それから、目指す教育の中の教育の特色で、英語や数学を中心にということで、英語、数学でいいかということでございますが、これはあくまでも方針の部分のところで教育の特色ということで例示として挙げている部分でもございます。これから具体的な中身につきましては、4月以降に中高一貫担当も設置されますので、その中で一関一高と十分協議しながら、どういう教育課程を組んでいくのが望ましいのか、その辺も含めて詳細について検討していきたいと考えておるところでございます。
 それから、入学者の判定についてでございますが、いわゆる適性検査と作文と面接の配点をどういうふうな形にするかとか、いろいろなものにつきましては現在、他県の先進県の例の資料をたくさん集めているところでございまして、それらをもとにして、どういう配点の仕方、あるいはその三つをどう位置づけていくのがいいのか、その辺を具体的に検討していきたいと思っております。
 委員御指摘のとおり、確かに小学校6年生の段階で、他県の中高一貫校を見ましても、初年度にかなり高い志願倍率になるということで非常に危惧はしております。先般、各地域別の説明会におきましても、中身については、併設型の中高一貫校の仕組みとか、それからいろいろな特徴についてるる説明をしてまいりました。ある程度御理解はいただいたものと認識しておりますけれども、秋にかけまして再度そういう形で説明を加えながら、できるだけ加熱しないような方向に、関係市町村の教育委員会及び学校のほうとも連携をして対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 県政の重要課題であります地域医療を担う医師、それから県民の暮らしを守る弁護士、高度で専門的な研究・技術者、将来の本県を支える人材を育成するため、県では、県政課題貢献人材育成事業として、盛岡第一高校、盛岡第三高校、花巻北高校、黒沢尻北高校、水沢高校、一関第一高校の6校を対象校として、生徒の医学部や難関大学・学部への進学希望を実現できるよう、高校の取り組みを支援しますということで進められてまいりましたが、この事業実施以来の成果はどのようになっているでしょうか。
 それから、その対象校6校の最近の医学部、また、難関大学と言っております大学への進学状況についてはどのようになっているでしょうか、お尋ねします。
〇藤原学校企画担当課長兼高校教育担当課長 県政課題貢献人材育成についてでございますけれども、これは平成18年度から2年間続きまして、平成18年度、19年度となりまして、来年度、平成20年度には、それら三つの事業が統合されるということでございます。
 これらの成果についてですが、平成18年度の成果が昨年3月に出ました。次の2年目の成果につきましては、現在、入試が終わりまして合格が今出つつありますので、まだ集計中でございます。1回の比較でありますが、現場からは、非常に生徒が刺激を受けて一生懸命取り組み、実力アップにつながった、また、外部講師もありますけれども、内部講師18名が実際に講座に携わりまして、学校の枠を超えて事業を展開したということで、教師自身の意識改革あるいは質の高い授業に向けての実力養成にもつながったと聞いております。
 数的には、先ほど申しましたように1回だけの結果でございますが、昨年3月では、東北大学に関しましては、平成16年110名の合格に対して、136名と26名増となりました。東京大学は7名から16名と9名の増。医学部、現役でございますが、20名から33名と13名の増と数的にはそのような結果が出ておりますが、これにつきましては毎年変動もございますので、これだけが原因とは申し述べられないかと思います。
 それから、2点目でございますけれども、その指定されている6校の状況でございます。東北大学でございますが、平成18年、19年と続けて読みますが、盛岡第一高校が47名から55名、盛岡三高が21名から36名、花巻北高校は13名から10名、黒沢尻北高校は5名から9名、水沢高校は15名から11名、一関第一高校は9名から15名、このようになっております。
 次に、東京大学でございますが、盛岡第一高校が6名から15名、それから水沢高校は1名から1名でございます。合計しますと7名から16名にふえたということでございます。
 それから、現役の医学部でございますが、盛岡第一高校は14名から25名、盛岡三高はゼロから1名、花巻北高校は2名から1名、水沢高校は3名から4名、一関第一高校は1名から2名、このような結果になりまして、20名から33名と13名の増、このようになってございます。
〇佐々木一榮委員 それぞれ6校、今、御説明いただきますと、伸びた学校、また若干減った学校あるようですが、これは藤原課長は授業の成果かどうかという話でありますが、これは事業の成果もはっきり出ているんじゃないかと思っております。
 そこでお尋ねしたいと思いますが、三つの事業が今度一緒になるということでありますが、私は、個人的に、県の総合政策室の、やっぱり今後、医師、弁護士という問題は県政の重要な課題ということで、県の教育委員会もこれに連携してこの事業に取り組まれてきたと思いますので、この対象を6校とした事業、これは平成20年度どのように進めていかれるのか。それから、恐らくこの事業というのはエンドレスだと思うんですけれども、この辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
〇藤原学校企画担当課長兼高校教育担当課長 初めに、事業がエンドレスかどうかにつきまして、予算がだんだんに削減されてきておりますけれども、現場の強い要望もございますし、これから長く長く続けていけばと期待しているものでございます。
 また、事業名は変わりまして三つの事業が一つになりますけれども、内容は基本的には変わりません。また、県北沿岸地域人材育成のほうも、学校の垣根を払って1カ所に、一堂に会して講座を受けるチャンスもありますし、また、地域、地域で集まるのが大変だというときには、近くの学校あるいは県北あるいは沿岸というまとまりでの講座も展開してまいるということでございます。すなわち、事業名は変わりましたけれども、内容について、いいものについては引き継いでまいりたい。
 また、一関第一高校に関しまして県南の主幹校という位置づけになってございまして、県南地域の北上、奥州、一関のかなめとして今後もしっかりと活躍していただけるものと思っております。
〇佐々木一榮委員 この進学以降も、やはり県の政策でやるわけでありますから、その生徒さんたちが実際希望の医学部なり難関大学へ県の政策の中でうまくいったとして、その方々のUターンだと思うんです。そうなってくると、当然ながら就職先の問題も含めて、県では保健福祉部、医療局、総合政策室、この辺と県教育委員会の指導の連携というのは非常に出てくると思いますし、大学に入っても、今度は大学との連携、当然親御さんとのUターンのお話なんかもあるかと思いますが、ぜひこの辺は県教育委員会のほうで知事部局のほうと連携をとっていただきたいと思っております。
 最後ですが、先ほど斉藤信委員からも一関一高の中高一貫のお話がありました。これと関連いたしますが、この一関一高の中高一貫については、今、質問いたしました県政課題と同じように、医師、弁護士、要は受験対策と言うとあれでありますが、中学校のころからそういうところで6年間教育を受けながら自分の目標とする進路に進んでいくということで、通常の高校とは違う形をとるというふうに私は理解しているわけでありますが、先ほど来いろいろ検討委員会なんかも地場で広げてやってこられましたが、基本的には、やはり今、質問してきました県で人材不足とされる医師ですとか弁護士ですとか、今後必要な人材を育てていくための受験校、はっきり言ってそういう位置づけで私はとらえているんですが、それで間違いないでしょうか、確認いたします。
〇藤原学校企画担当課長兼高校教育担当課長 最初の御質問でございますけれども、委員御指摘のとおり、各方面、各部署と十分に連携をとりながら進めてまいりたい、このように考えております。
 また、中高一貫校に転換される一関第一高校、それとこの事業とは直接は関係ございません。しかしながら、県の重要課題であります医師、弁護士不足につきましては、特にも医師につきましては人命を預かる大変重要な仕事でございますので、中高一貫という6年間の中でそういった思いをしっかりと子供たちに伝えながら、そして立派な人物を育ててまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
〇佐々木一榮委員 しつこくて申しわけありません。
 先ほど鷹觜高校改革担当課長からは、経済界も含めてグループの将来的なリーダーになるような子供を養成するというお話もあったわけでありますが、今、藤原課長からは、事業は違うけれども、やはり県で問題となっている医師ですとか、そういった分野の、逆に言うと専門家ですよね、スペシャリストを目指すというお話もありましたけれども、これは若干違うと思うんですが、どちらに重きを置いていかれるんでしょうか。
〇鷹觜高校改革担当課長 難しい部分もございますけれども、県立中学校、中高一貫校につきましては、基本的には、特定の医師、弁護士のみならず、広く福祉、産業、教育、司法、行政等にもかかわったリーダーを育成していきたいということで、それらを包含するという形で御理解いただければと思います。
〇千葉康一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉康一郎委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さん、大変御苦労さまでした。退席されて結構でございます。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求めます。
〇三枝警察本部長 警察本部所管の予算等の御審議をいただくに当たりまして、予算編成の基本的な考え方について御説明申し上げます。
 初めに、県内の治安情勢についてでありますけれども、刑法犯認知件数は平成14年以降6年連続して減少している一方で、検挙率は平成13年の過去最低の水準から上昇傾向にあり、犯罪の増加と検挙率の低下に一定の歯どめがかかりつつあります。しかしながら、昨年の一関市東山町における親子2名殺害の強盗殺人事件の発生や強制わいせつ事件の増加、子供に対する声かけ事案が依然として後を絶たないなど、県内の治安情勢は決して楽観できる状況にはないものと認識いたしております。
 また、交通事故死者数につきましても、昨年、一昨年と2年連続で2けた台にとどまっているものの、死者に占める高齢者の割合が高いこと、高齢ドライバーの事故が年々増加傾向にあることなど、依然として憂慮すべき状況にあります。
 平成20年度当初予算は、こうした状況を踏まえ、各種治安対策を引き続き強力に推進することを念頭に編成しております。
 それでは、警察本部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成20年度岩手県一般会計予算についてであります。お手元の議案その1、8ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、警察本部関係の予算は、第9款警察費289億7、836万3、000円であります。これを前年度6月現計予算と比較いたしますと、金額で7億443万7、000円、率にいたしまして2.4%の減となっております。
 予算の内容につきましては、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
 なお、金額の読み上げについては省略させていただきまして、主な内容について簡潔に御説明いたしますので、御了承をお願いいたします。
 まず、195ページをお開き願います。第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費であります。その内容は、公安委員会の運営に必要な活動経費及び委員報酬であります。第2目警察本部費の主なものは、警察行政運営費でありますが、その内容は、警察職員の給料、交番相談員等の非常勤職員報酬、庁舎光熱水費、警察情報機器の維持管理経費など、岩手県警察の運営に必要な経費であり、その中には、運転免許証のICカード化に伴う警察情報管理システムの改修経費が含まれております。続きまして、196ページをお開き願います。第3目装備費の主なものは、まず、自動車等維持費でありますが、その内容は、車両・警備船・航空機の燃料費や維持費などの維持管理経費であります。次に、車両購入費でありますが、その内容は、老朽化した警察車両10台を更新整備するための経費であります。第4目警察施設費の主なものは、警察署庁舎整備事業費として、老朽・狭隘化が著しい二戸警察署庁舎及び機動隊庁舎を移転するための経費、駐在所等用地購入費として、二戸警察署の移転用地購入費、交番、駐在所建設事業費として、北上警察署常盤台交番(仮称)の新築のための調査費のほか、財産管理費として公共下水道の接続経費、庁舎及び各種設備の維持管理経費等を計上いたしております。続きまして、197ページをお開き願います。第5目運転免許費の主なものは、運転免許試験場等運営費でありますが、その内容は、自動車運転免許証の取得、更新などの運転免許行政のための経費であり、この中には、平成21年1月から実施する予定の自動車運転免許証のIC化に伴う機器整備経費が含まれております。続きまして、198ページをお開き願います。第6目は恩給及び退職年金費であります。
 続きまして、199ページをお開き願います。第2項警察活動費第1目一般警察活動費の主なものは、警察活動運営費でありますが、その内容は、通信指令、警察通信維持費、地域警察活動経費、機動隊活動経費など、警察活動の運営に必要な経費であります。第2目刑事警察費の主なものは、まず、犯罪捜査取締費でありますが、その内容は、捜査関係旅費や捜査資機材の維持、整備経費など犯罪捜査に必要な経費であります。次に、少年非行防止対策及び保安警察費でありますが、その内容は、高齢者・女性の犯罪被害防止、スクールサポーターと学校の連携による少年非行防止対策や非行少年の立ち直り支援、銃器、薬物事犯対策、インターネット犯罪の捜査などに必要な経費であります。200ページをお開き願います。第3目交通指導取締費の主なものは、まず、交通安全施設整備費でありますが、その内容は、総合的な計画のもとに、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良、老朽施設の更新などを行い、交通の安全と円滑化を図るための経費であります。次に、交通警察費でありますが、その内容は、交通指導取締活動や高齢者の交通事故防止を目的としたシニア・セーフティーアドバイザーの活動支援、子供の自転車事故防止を図るための自転車免許証普及啓発事業などに要する経費であります。
 以上御説明申し上げましたとおり、県警察では、県民が安全・安心を実感できる社会を実現し、治安再生の道筋を確かなものとしていくために、平成20年は、県民の体感治安の改善を最大のテーマとして、岩手県警察総合治安対策プログラムに基づく施策を引き続き着実に実施していくものであります。
 続きまして、議案第41号岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例案について御説明を申し上げます。
 議案その2の125ページをお開き願います。改正の内容につきましては、運転免許証のICカード化に伴い、第1種または第2種免許証交付手数料等の額を増額しようとするものであります。平成13年の道路交通法改正により、都道府県公安委員会は、運転免許証に記載され、または表示されるものの一部を電磁的方法により記録することができることとされました。これは、運転免許証の偽造、変造の防止、本籍の券面からの削除によるプライバシーの保護等を目的として改正されたものであります。
 本県では、先ほど申し上げましたけれども、来年1月から運転免許証のICカード化を開始することとしており、第1種または第2種免許証交付手数料等4種類の手数料の額を増額しようとするものであります。
 なお、改正手数料の額は、道路交通法施行令に定めるこれら手数料の標準額と同額としており、施行期日につきましては、発行開始日に合わせ、平成21年1月4日とするものであります。
 以上で警察本部関係の当初予算及び関連議案の説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇千葉康一郎委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 私からは、交通事故対策についてお伺いいたします。
 昨年における本県の交通事故死者数は前年比22人増の98人であり、増加数は青森県に次いで全国ワースト2位と、うれしくない状況であります。98人の犠牲者のうち高齢者は半数以上の54人となっておりますが、今後においてどのような取り組みをされ、また、特に高齢者に対してどのような指導をなされるのか、2点、まずお伺いいたします。
〇菊地交通部長 交通事故対策についてお答えいたします。
 まず、昨年の交通事故の増加数が全国ワースト2位に対して今後の取り組みでございますが、委員御指摘のとおり、平成19年中の本県の交通事故による死者は98人であり、増加数で全国ワースト2位という残念な結果になっております。
 昨年の事故の主な特徴といたしましては、高齢者の関係する交通事故が多いこと、速度の出し過ぎによる事故が多く致死率が高いこと、自動車乗車中のシートベルト非着用の死者が多いことなどが挙げられますことから、高齢者事故防止対策、速度抑制対策、シートベルトなど着用による被害軽減対策を重点として、引き続き交通事故防止に努めてまいる所存であります。
 次に、高齢者の指導についてでありますが、全死者数の半数以上が高齢者の事故となっておりますことから、引き続き重点地域を指定しての高齢者在宅家庭訪問指導、参加体験型実践型の交通安全教室、高齢者マークの普及、啓発など諸対策を関係機関・団体と一体となって推進してまいる所存でございます。
〇及川幸子委員 いろいろ防止策についてはシートベルトの着用なども進めるということですが、このシートベルトの着用の状況をお知らせいただきたいと思います。今後において後部座席者にもシートベルトが着用されるということを聞きましたが、高速道路などにおいてシートベルトを着用していたおかげで助かったという例もあると思います。シートベルトの着用の状況と、それから、今後における取り組みをお示しいただきたいと思います。
〇菊地交通部長 シートベルトの着用率については、昨年10月の調査結果では、運転席が一般道で98.4%、高速道路で99.8%、助手席が一般道で86.1%、高速道で98.7%、後部座席が一般道で5.1%、高速道で17.6%となっており、特に後部座席の一般道で、本県は全国平均より3.7ポイントほど低くなっております。
 次に、シートベルト非着用による交通死亡事故についてでありますが、平成19年中、自動車乗車中に事故で亡くなった方は47人で、そのうち17人、36.2%の方がシートベルト非着用でありました。また、この17人のうち14人、82.4%の方は、シートベルトを着用していれば助かったと思われます。
 本年6月1日には全座席のシートベルト着用義務づけ等を内容とする道路交通改正法が施行されますことから、県警といたしましては、関係機関・団体と連携し、全部の座席におけるシートベルトの着用率向上に向け、広報啓発活動や街頭活動を推進してまいる所存であります。
〇及川幸子委員 全座席で、後部は大変窮屈な思いはいたしますが、交通事故になってけがしたり死ぬよりもましでございますから、これは徹底していきたいと思います。
 そこで、全国主要都市における交通事故死者数を見ますと、昨年10月末時点で我が奥州市はワースト1位でありました。今、ワースト3位まで改善されました。これについては、汚名を一掃するため、住民の団結がなされた結果のようでありました。
 そこでお伺いいたしますが、各市町村に対して今後どのように交通事故対策を徹底されようとしているのか、特にワースト1、2、3の市町村に対してはどのように指導徹底されるのか、お伺いいたします。
〇菊地交通部長 市町村に対する交通事故防止対策の徹底、指導の状況についてでありますが、市町村におきまして、市町村交通安全対策協議会を組織するなど主体的に交通事故防止対策に取り組んでおり、地元警察では、市町村の主催する交通安全運動や交通安全行事に積極的に参加して一体となって交通安全活動を推進しております。
 県警察といたしましては、引き続き交通事故発生実態等のデータを提供するなど、今後とも地域の交通事故防止活動を支援してまいりたいと考えております。
 それから、奥州市の関係の対策でございますが、奥州市の関連の交通事故死者数につきましては一昨年15人ということでございました。これは、県内町村で最多でありました。また、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、現在はワースト3位になっております。
 昨年の奥州市における交通死亡事故の特徴は、交差点における出会い頭衝突による事故が多いこと、それから、死者に占める高齢者の割合が高いこと、夜間の死亡事故率が高いことなどであり、その原因といたしましては、地形的に平たんでスピードが出しやすく、交差点が多い、それから、広域農免道等郊外における道路網が発達しており交通量が多いことなどが挙げられるところでございます。
 そういったところから、事故防止するために、奥州市交通安全対策協議会や市老人クラブ連合会におきまして、高齢者の訪問指導、それから死亡事故現場への看板の設置、老人クラブ会員による交通安全誓約書の提出、会員同士による家庭訪問指導などに住民一体となって取り組んでいただきました。そういった結果、現在におきましては、昨年10月27日以降、今年に入りまして4カ月以上死亡事故が発生していない現状でございます。
 県警といたしましても、繰り返しになりますけれども、道路管理者と連携した交差点をわかりやすくする対策や、高齢者の事故防止対策、交通指導取り締まりをより一層推進するなど、死亡事故抑止対策を強化してまいるところでございます。
〇及川幸子委員 奥州市として全国的にワースト1位という有名なものをいただいて、これを何とか挽回しようということで、本当に住民総参加でやったと思われます。答弁にもありましたけれども、夜間に発生しているのが事故の65%と伺ったことから、夜間に通る、特に高齢者などについては、夜光塗料を塗ったたすきですか、ああいうのもかけるように、個人を訪問したときにはああいうのも確認されているのでしょうか。そしてまた、見通しのよい道路については署員の方が時々立たれるということもなさっているんでしょうか。胆沢区のあじさいロードにおいては大型トラックが大変通っておりまして、何回もあそこは事故が起きております。時々署員の交通指導の方が立たれるのもいいのではないかと思うんですが、その点について答弁をお願いします。
〇菊地交通部長 夜間の関係の事故防止対策でございますが、まず、平成19年中、道路横断中の死者数の─県内でございますけれども、76%は夜間に発生している状況でございます。このことから県警察といたしましては、運転者対策といたしまして、今、委員御指摘のとおり、夜間における速度抑制のための取り締まりの強化をしております。それから、ライトの早目点灯と小まめな下向き、上向きの切りかえ運動を関係機関・団体と協力して推進しているところでございます。
 また、歩行者対策といたしまして、参加体験型の反射材着用安全教室の開催や反射材の配布・着用の呼びかけを関係機関・団体と協力して推進しているところでございます。
〇及川幸子委員 次に、飲酒運転の検挙の状況についてですが、先日、県内の校長先生が、高速道路が通行どめになり待っている間、解除になるまでに、何と車の中でチューハイを飲んだという恐ろしい事実を知りまして、指導者たるものがそういうことでいいかということで、大変憤りを感じました。やっぱり酒を飲んだら乗るなという徹底が必要だと思いますが、その飲酒運転の検挙状況と今後の対策。
 次に、答弁にもありましたけれども、信号機の設置ということで県内の要望の状況と、それに対する対応と、それから逆に、信号機が設置されているけれども、車の交通量の変化で信号機の夜の機能を余り果たしていないので点滅式にしてほしいという点があるのかどうか、その2点についてお伺いしたいと思います。
〇菊地交通部長 まず、飲酒運転の検挙状況と今後の対策ということで、平成19年中における飲酒運転の検挙は、酒酔い運転が17件、酒気帯び運転が597件、計614件を検挙しております。しかしながら、前年比677件の減少となっているところでございます。
 減少の要因といたしましては、罰則の強化や飲酒運転根絶の社会的機運の高まりなどが挙げられると考えております。
 運転免許の根絶対策につきましては、飲酒運転を助長した者を含め、取り締まりの強化のほか、テレビによる飲酒運転撲滅キャンペーン等の広報啓発活動を推進するなど、飲酒運転の根絶に向けた活動を強化してまいる所存であります。
 それから、信号機の要望でございますが、最近5年間における県内から要望されております信号機の設置要望につきましては、平成15年度が68カ所、16年度が58カ所、17年度が53カ所、18年度が61カ所、19年度が61カ所になっております。
 点滅の関係でございますが、これは現場の状況を見ながら、随時切りかえ等をやっているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
〇及川幸子委員 最後になります。
 この信号機の設置の要件を満たすというのはあるんでしょうか。交通事故が1カ月に何回起きるとか、そういう要件があるかどうか。
 そして、最後に本部長にお聞きしたいと思います。県警において、年間死者数83人以下を目指すとされておりますが、昨年の98人から15人減の目標が妥当なのか。ワースト2位が98人ならば、交通事故対策をもっともっと強化されて、目標数値をもっと低くすべきと思いますが、御所見をお伺いして質問を終わります。
〇菊地交通部長 信号機の設置基準でございますが、交通事故防止のために設置する場合といたしまして、人身事故が過去1年間に2件以上発生している場合とか、それから学校、病院等の付近において、生徒児童、高齢者等の安全を特に必要とする場合等でございます。それから、円滑化確保のために設置する場合として、交通量が多く容易に道路を横断することができない上、直近に信号機または横断歩道橋等がないというような、これはあくまでも一部の例示でございますが、こういったものを基準として設置しているところでございます。
〇三枝警察本部長 年間死者数が83人以下という御趣旨の御質問でありましたけれども、まず、状況を申し上げますと、環境生活部等の県の組織、それから県警察、国の行政機関、市町村等で構成をいたします岩手県交通安全対策会議というのがございまして、そこで国の第8次交通安全基本計画、年間事故死者数を5、500人以下を目指すという目標を掲げているわけですが、そういう状況、国の第8次交通安全基本計画を踏まえまして、第8次岩手県交通安全計画の目標を、平成22年までに年間の交通事故死者数を83人以下とするという目標が設定されております。
 委員御指摘のように、昨年は98人ということで、私もちょうど本部長に赴任いたしまして1年近くなったわけですが、毎日毎日きょうもというので、本当に心配することが大変多い日々を過ごしましたし、98人という大変多い方が亡くなったということで、心から残念だと思っております。ただ、今申し上げましたように、そういった機関の合意に基づいて83人としておりますけれども、我々それ以下をもちろん目指すのは当然でありますので、そういう取り組みを続けていきたいと考えております。
〇及川幸子委員 どうぞ、酒気帯び運転597件という恐ろしい数字を徹底して減らすように、職場と学校の先生方ももちろんですが、そういう指導者にある立場の方々にも、啓発を一層強めていただきたいと思います。
〇小野寺好委員 信号機の関連でちょっとお伺いしたいと思います。
 割と歩行者の多い交差点に歩車分離式信号、結構なっていますけれども、これは予定されたくらいもうつけ終わったんでしょうか。これが一つ。
 もう一つ、高齢化が進んで、特に4車線の道路を横断する場合に、信号機、歩行者用の信号なんですけれども、別にボタンを押せばちょっと延長になるとかという高齢者用の信号もあるんですが、県内にどのくらいこれが設置になっているか、また、今後そういった要望があってふやす見込みなのかどうか、この2点お伺いしたいと思います。
〇菊地交通部長 歩車分離の信号機の関係でございますが、今年の2月現在で、県内23カ所の交差点に整備しているところでございます。成果も上がっているところから、安全面と円滑性を総合的に判断して、導入の検討を随時行っているところでございます。
 それから、高齢者用の信号機につきましては、今数字的に調べておりましたので、後で回答いたします。
〇樋下正信委員 私は運転免許費のところで、玉山にあります県の運転試験場の運営についてお聞きをしたいと思います。
 まず、年間の利用者数はどのくらいになっているかお伺いしたいと思います。また、そこに従事している職員数は何人ほどなのか、お伺いします。
 それから、そこの試験場では実技の予約制をとっておりますが、東北6県の中では、予約制をとっているのは岩手県を含めて何県あるのか、お伺いします。
 そして次に、この試験場では今現在免許の更新がなされていないようですが、今アイーナのほうでやっていると思いますけれども、県北とか玉山周辺といいますか、特に県北周辺の方々だと思いますけれども、そこでも免許の更新をしてほしいという声があると思いますが、どのように把握しているのか、お知らせ願いたいと思います。
〇菊地交通部長 まず、一本木の自動車運転試験場における利用状況でございます。自動車運転免許試験場においては、講習を伴う免許証の更新を除く免許業務や学科試験、技能試験及び技能を伴う講習等の業務を行っております。利用者数につきましては、平成19年中、講習を伴う免許証更新を除く免許業務が2、141名、それから学科試験が2、572名、技能試験が3、040名、講習が7、204名、それから、各種適性検査が329名ということで、合計1万5、286名の利用をいただいているところでございます。
 なお、土曜、日曜、祝日、振りかえ休日等につきましてはコースを開放しており、その利用者数が285名ということでございます。その職員数につきましては、試験場長以下12名のほか、嘱託職員3名、それからこのほか、行政処分関係業務を担当する交通聴聞官以下10名がおります。繁忙期、閑散期等の差はございますけれども、1日平均の利用者が71名となっております。
 それから、予約制の関係は今調べておりますので。
 それから、運転免許試験場で更新業務の再開ができないのかということでございますが、今申し上げたとおり、運転免許証更新及び更新時講習は県民大多数の方の利便性の向上を図るため、交通アクセスにすぐれ、地理的にも県中央部に位置する盛岡駅西口に、平成18年5月8日から盛岡運転免許センターを開設し、同センターにおいて実施しているところでございます。盛岡運転免許センターが開設されたことによりまして、自動車免許試験場では、試験コースの使用を必要とする技能試験や講習の業務、盛岡運転免許センターでは、免許証の更新、更新時講習、技能を伴わない運転免許関係業務を行っております。
 盛岡運転免許センターは、従来の一本木の運転免許センター職員や機械設備を分割するなどして開設したものでありまして、再び現在の自動車運転免許試験場で免許証更新及び更新時講習を再開することは、担当職員の再配置や機械設備の再設置、限られた数の講習指導員等の配置等の事情を考慮しますと、極めて困難な状況にありますことを御理解いただきたいと思っております。
〇樋下正信委員 今の更新につきましては利便性という話ですけれども、実は車で行く方とか、駐車場を必要とする方は玉山の方がいいんじゃないかという方もおりますし、向こうの方は特に盛岡までわざわざ出てこなくてもいいという意見があります。
 次にお聞きしますけれども、施設の使い方についてですけれども、実は私、学科試験を受けに行ったんですけれども、そうしましたら、2月だったんですけれども、この部屋以上に広いところで学科試験が行われまして、試験を受けたのが最初の日は3人かな、次の日が4人。部屋が暖かいなと思いまして温度計を見たんですよ。そうしたら28度から30度。これは今岩手県で財政難と言っているときに、そしてまたウォームビズという話の中で逆行しているんではないかなと感じましたが、これについてどういう運用をしているのか、お伺いします。
 それからもう一つは、コースの使い方についてですが、2点あります。1点目は、大型2種の路上試験のときに、出入りするために、我々も議会を通していると思いますけれども、五、六年前ですか、進入路を新しくつくっております。これが現在使われていないようですけれども、どのくらい使用したのかお伺いしたいと思います。
 それからもう一つ、実は下見をしたいということで私、窓口の方に下見をしていいですかと聞きましたら、だめですと言われたんですよ。何でだめなんですかと聞きましたら、時間がないからだめですと言われたんですね。試験時間が10時からだったんですけれども、15分から20分ぐらいまだ時間が早かったものですから、まだ時間があるんじゃないですかと言いましたら、どうぞと言われたんですよ。私は、私だけにそういうふうに接したのか、その試験を受けに行った県民、受けた方々にそういうふうな接し方をしているのか、お伺いします。
 それからもう一つ、公安委員会の委託事業についてお伺いしますけれども、資料を持っていると思いますけれども、公安委員会の委託事業別、委託料というものがありまして、東北6県では取得時の講習につきまして、青森県と山形県は100%委託料を払って各教習所にお願いしているようです。秋田と福島と宮城は100%ではないんですけれども、そこの違いをお伺いします。
 それから、できれば東北6県の平均値での委託料が可能なのかどうかもあわせてお伺いします。
〇菊地交通部長 施設利用の関係につきましては、委員御指摘のとおり、いろいろ検討しながら改善してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、各種試験につきましては、厳正、公平な態度で接しておりまして、その辺がちょっと不十分だったのかなというような感じをしているところでございます。
 それから、大型のコースの進入路の関係でございますが、現在は使用していないということでございます(後刻「3回程度利用している」と訂正)。
 それから、公安委員会の委託の関係でございますが、当県におきましては、教習所関係の委託につきましては、指定自動車教習所協会へ一括して委託契約をしているところでございます。教習所協会に委託している業務につきましては、講習業務のうち、高齢者講習と取得時と応急救護措置講習でございます。それから、運転免許事務にかかわる補助事業のうち、仮免許試験補助事業を委託しているところでございます。
 委員御指摘の点につきましては、免許証等に関する手数料は、道路交通法及び同法施行令により標準額が定められ、この額を標準として条例で定めなければならないとされており、岩手県では、岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例によって定められております。本県の委託料につきましては、条例で定めた手数料から警察で行っております通知にかかわる人件費や郵送代などの事務費を引いた額で設定しておりまして、その額で指定教習所協会と委託契約を締結しているところでございます。
 委託料につきましては、各県の実情により定められているところであります。
〇樋下正信委員 委託料につきましては、協会と一括契約とか各教習所での契約ということでございますので、岩手県では協会と一括で契約しているということですので、ぜひ協会とよくお話をしながら、できれば東北6県の平均値というんですか、その辺でお願いしたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、先ほど回答いただいていないんですけれども、技能試験につきましては、岩手県は予約制でやっているようですけれども、よその県はどうなっているかまだお話をちょうだいしていないんですけれども、ぜひ受験する方は、できれば月曜日から金曜日がいいのかどうかわかりませんけれども、限られた曜日だけじゃなくやっていただければいいのかなと私自身は感じましたので、できればそうしていただければと考えております。
 それから、先ほどの施設の使い方をちょっと検討したほうが私は、どういうふうに皆さんは聞いたかわかりませんけれども、あのだだっ広いところで、2人、3人の試験はいかがなものかと思いますけれども、その辺よく検討して運用していただければと思います。
 御所見があればお伺いしますし、なければなくても結構でございます。
〇三枝警察本部長 今、交通部長がお答えをいたしましたが、本県の委託料は条例で定めた手数料の額で、警察で行っている通知にかかわるいろいろな郵便代とかの事務費を除いた額で委託をしていると。県によってはそういう経費を全く入れないで、そのまま委託をしているという県もあるようでありますが、当県はそういう意味で、事務費を削減した額で委託をしておりますので、各県によってそういう契約の仕方というのはどうも違うみたいですが、そういうことであるということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それから、先ほど樋下委員おっしゃるように、閑散としたところで28度、30度あっちゃやっぱり私もいけないと思いますので、その点はよく確認をいたします。
 それと、閑散だというのは、先ほど交通部長がちょっと説明をしましたけれども、1日平均で大体71人くらいで、曜日とか時間帯によってどうもそういう差はあるものですから、いつもいつも、委員おっしゃったように2人とか3人とか、そういうことではないんだろうと思います。ただ、御指摘のように無駄とか厳しい財政事情の中ですので、そういうことのないように心してやっていきたいと思います。
〇千葉康一郎委員長 先ほどの小野寺好委員の質疑に対する答弁ですか。
〇菊地交通部長 先ほどの免許の予約制の関係でございますが、東北では山形以外、その他の5県が予約制をとっているところでございます。
〇千葉康一郎委員長 先ほど小野寺好委員から質疑がございました内容については、答弁可能ですか。
〇菊地交通部長(続) はい。先ほど高齢者用の信号機の関係でございますが、県内の押しボタン式信号機は379基ございまして、うち、弱者感応式がついているものにつきましては47基がついております。
〇三浦陽子委員 まず、日ごろ県民の命と財産を守るために警察の皆様、大変御苦労さまでございます。ありがとうございます。
 岩手県は、多分全国に比較して安心・安全な県なのではないかと私は思っておりますけれども、先ほど三枝本部長がおっしゃいましたように、刑法犯が減っているということもありますし、非常に今殺人事件とかも全国いろんな形で出ておりまして、本当に日本も安心して暮らせないような状況になっている折ですけれども、私は婦人警察官の本県における採用状況と主な任務状況、そして女性が巻き込まれる、女性の被害者、それからまた、逆に女性が犯罪を犯してしまうその犯罪者の実態から、今後どのような対策が考えられるかお伺いしたいと思います。
〇瀬戸警務部長 女性警察官につきましては、平成5年度から平成19年度までに105人を採用しております。また、平成10年度には交通巡視員、女性ですけれども、12人の身分を警察官に切りかえたところであります。平成20年の3月1日現在における女性警察官は90人でございます。現在の主な配属所属といたしましては、警察本部を初めとしまして、県内13警察署に配置しております。また、県民と直接触れ合う機会が多い交番等の地域警察部門にも、専務係としまして留置管理部門、生活安全部門、刑事部門、交通部門など、幅広い分野で活躍しているところであります。
 続きまして、近年、女性が被害者また被疑者となった事件が目立っておりますが、こうした対応のために女性の刑事を任用しております。また、ほかに少年補導、交通指導取り締まり活動、交通安全教育等、警察業務には女性が必要とされる分野も多くありまして、そういったところには女性警察官を適正に配置しております。
 平成19年度末の定期人事異動におきましても、これまで女性警察官の配置がなかった千厩警察署に新たに2名の女性警察官を配置します。また、当県警といたしましても、初の女性白バイ隊員2名の配置も予定しております。
 今後とも、女性警察官を含む女性職員の勤務環境の整備等に配意しながら、さらなる職域拡大を図ってまいりたいと考えています。
〇三浦陽子委員 今、女性が社会に進出していく可能性がこれからどんどんふえていきますし、また、逆に家庭でいろんな家族を巻き込んだトラブルが発生している状況を見ますと、そこにまた絡んだ将来ある子供たちの問題も含めて、そういう意味でも女性をしっかりと守っていただく、そしてまた、支援していただくような体制をつくっていただくためにも、女性の警察官の登用というのは大変大事なことだと思いますし、きめ細かく対応できるような体制をぜひとっていただきたいと思います。
 そして、今ちょっと子供の話が出ましたけれども、本県における刑法犯少年の検挙・補導の現状と、非行少年に対する社会復帰支援対策の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
 そしてまた、最近の青少年犯罪の背景にどんなことが主に考えられるか、お伺いしたいと思います。
〇齋藤生活安全部長 まず最初に、本県における刑法犯少年の検挙・補導状況ですが、刑法犯少年は800人で前年より154人減少し、5年連続減少しております。
 特徴的傾向といたしましては、万引きや自動車盗(後刻「自転車盗」と訂正)・占有離脱物横領の検挙件数が大きく減少したものの、一方で、傷害や恐喝など粗暴犯が79名と、前年比で14名増加しております。
 次に、非行少年に対する社会復帰支援対策の取り組み状況についてですが、平成18年度から岩手っ子いきいきサポート作戦と銘打って、非行少年の立ち直り支援対策などを強力に推進しているところであります。
 この作戦の主な事業を申し上げますと、一つ目は、大学生ボランティアの少年サポート隊17名による少年の勉学支援活動や料理教室、スポーツ交流活動などを行っており、本年度の活動は20名の少年に対して勉学支援25回、料理教室3回、収穫祭1回、スポーツ活動1回を開催しているところです。
 二つ目は、学校等関係機関による少年サポートチームを結成し、情報を共有しながら、2名の少年を支援しているところでございます。
 三つ目は、愛のレター作戦と称しまして、非行少年等に対して警察職員による手紙を発出し、規範意識を植えつけ、再販防止に当たっているところであります。昨年の発出件数は501通(後刻「514通」と訂正)となっております。
 次に、最近の青少年犯罪の背景についてですが、県警察において、平成16年に行った意識調査で、補導歴のある少年たちの多くは、学校をだれもが楽しいと思えるようにしてほしい、家庭が楽しいと思えるようにしてほしいと答えております。親や家庭の問題、学校の問題が関係しているのではないかと推察されます。さらに考えられるのは、少年自身の規範意識の希薄化、地域における犯罪抑止機能の低下、少年を取り巻く環境の悪化などが考えられるところであります。
〇三浦陽子委員 本当にいろいろな部門で今子供たちを支えるために、学校、地域、家庭、一生懸命かかわっていかなければいけませんけれども、本当に警察のお世話になって、そして今いろんな大学生のサポートをいただいたり、それから愛のレター作戦など、本当に心温まる御支援をいただいているんだなということがわかりました。
 子供たちというのは、どうしても大人に対する不信感というものが大きくあると、なかなか自分をさらけ出せない部分というのもあるんだと思いますので、そういう意味でも、警察の対応のいかんによって、随分また壁をつくってしまわないような対策をとっていただくのも大きな子供たちの支援だと思いますし、検挙するということだけじゃない、防ぐという、予防という意味におきましても、ぜひ学校や地域と連携してやっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
〇齋藤生活安全部長 今の訂正です。先ほど減った理由として自動車盗と申し上げましたけれども、自転車盗の間違いですので訂正してください。
 それからもう一点、愛のレター作戦で501通と申し上げましたが、514通の間違いですので、ちょっと訂正をお願いします。
〇工藤勝子委員 平泉の世界遺産登録に向けて、平成20年度大きく観光客の動きが出てくるだろうと期待されているところでございます。そういう中において、岩手の歴史、文化、それから人、物、そういうものに関して、岩手の旅を満喫して心豊かにしてお帰りをいただきたいと願っているわけでございますけれども、いろいろお客さんが多くなることによって、事件、事故等もふえるのではないかと考えているところであります。特にも、交通事故等は8月にずっと多くなるわけですね。年間を通して見ると、8月が多くなってきている。8月が多いということは、つまり帰省する人たちも含めて、非常にお客さんたちが多くなるということではないかと思っております。
 そこで、警察本部といたしまして、外国人の対策も含めて、事件、事故に対しての対策をお考えなのか、まず先にお伺いいたします。
〇瀬戸警務部長 平泉の世界遺産登録に向けた警察本部の対策についてでありますが、世界遺産登録に関連する交通安全施設整備としまして、国道4号平泉バイパスにLED信号機3基を新設します。また、平泉町、一関市、奥州市の世界遺産関連地域におきます規制標識の交換等、景観に配慮した整備を行うこととしております。また、交通事故や犯罪の発生を防止する取り組みといたしまして、これまで以上に街頭活動を強化するとともに、関係機関・団体の方々との連携したパトロール活動を行うこととしております。
 続きまして、外国人への対策でございますが、地元である一関警察署の取り組みとしまして、外国人向けのミニ広報誌の発行とか外国語版のホームページの立ち上げなど、管内居住の外国人の方々等の協力をいただきながら、平泉の世界遺産登録に伴う対策を進めているところでございます。
〇工藤勝子委員 せっかく岩手に来て悪いイメージで帰られないように、万全を期していろいろと対策を考えていただきたいと思っております。この件に関して本部長の御所見があったら、後ほどお伺いしたいと思っております。
 次に、ゼロ予算についてお尋ねしたいと思っております。
 警察の方にもゼロ予算事業、4項目ほどございます。その中で、各警察署それから地域のボランティア、交通安全協会とか防犯協会の人たちと連携して、いろいろ事業を今までも進めてきたんだろうと思っています。その中で、わざわざゼロ予算として掲示する必要があるのかということ。それから、例えば経費が必要となったときの対応はどうなのか。
 それから、子ども110番の家というのは、全県下で設置されているというようなお話がありますけれども、これは声かけ事案がふえている中で、非常に目につくところに、この家が110番の家ですよと、だれが車で歩いていてもわかるようなこと、これは子供の安全・安心もありますけれども、そういう声かけ事案に対する啓発になるのではないかと考えられます。そういう形で、商店等は広告等と一緒にステッカーで張ったりしてあるわけですけれども、郊外のほうはできるだけ道路のそばの家だろうと思いますので、きちっとわかるような、この家が子供たちが万が一あったときに駆け込みできる、また、そういう声かけをしようと思っている悪い人に対して、ここの地域はだめだなと思うような啓発が必要ではないかと思いますので、そういうところでゼロ予算を含めて聞いてみたいと思います。
 それから、交通事故対策のほうについては及川幸子委員のほうからもお話がありましたけれども、私のほうからは別の観点でお聞きしたいと思います。
 まず、高齢者対策といたしまして、警友会というシニア・セーフティアドバイザーというのが119人委嘱されてあるとあります。この人たちがいろいろ活動されているということでございますけれども、なかなか活動が私たちにはわからない、どういう活動をされているのか。この人たちが交通安全対策に対して、例えばお年寄りの人たちを訪問していらっしゃるのかというようなことを聞いてみたいと思っております。予算を見ると40万円。非常に少ない予算の中でどんな活動ができるのかという思い。割り算をしてみますと、1人3、000円ちょっとという形でもございます。これ一人一人に渡すお金ではないだろうと。警友会のまさに活動資金として出しているお金なのかもしれませんけれども、この点のところも、もう少しこの人たちの動きが活発で、そしてお年寄りの人たちを家庭訪問したり、子供たちの見守り隊みたいなことができれば、もっと治安もよくなるし交通事故も減るのではないかと思っております。そういう点についてお伺いいたします。
 次に、運転免許証自主返納制度というのがあります。今年度からというようなこともありますけれども、前からもこういうことはあったと思っています。ある程度高齢化になって運転している人たちもあるわけですけれども、これを自主的に免許証を返すという人たちもあると思っておりますけれども、返納された人数がわかりますでしょうか。
 それから、一生懸命返したほうがいい、返したほうがいいと勧められて、ついそれに乗って返してしまう人もあるわけですけれども、でも、これ足なんですよね。高齢者の人たちが病院に通う、買い物に行く、まさに自分たちの生活の足になっているわけでありますので、勧める、勧めない、その辺のところはわかりませんけれども、自主的ですからそこまではいかないだろうと思いますけれども、その辺の御理解をいただいて、きちっともみじマークをつけていただくとかというほうに切りかえていただければいいのかなという思いがいたします。
 まず、この点についてお伺いいたします。
〇瀬戸警務部長 警察本部のゼロ予算事業につきましては、地域防犯ボランティアの活動支援等、また、二つ目としましては110番の家の支援等、三つ目に暴力団対策の推進、四つ目に高齢者の交通安全対策の4項目が挙がっているところでございます。これらの活動はこれまでも地域の住民、ボランティア団体の方々の協力をいただきながら行ってきたものでございます。
 必要な経費の対応についてのお尋ねでございますが、ゼロ予算事業につきましては、警察のマンパワーや地域住民、ボランティア団体の方々との連携により、特段の予算を必要としないものであると考えております。例えば、地域防犯ボランティア活動がございますが、これに対する支援といたしましては、地域安全・安心ステーションモデル事業というのがございまして、これについては、防犯ボランティア団体に対して国からパトロール用資材の貸与が行われております。
 警察本部といたしましては、このような事業を活用しながら、今後とも、地域の方々と連携した各種安全活動を継続してまいりたいと考えています。
〇齋藤生活安全部長 110番の家の関係でございますけれども、これにつきましては、平成19年末で一般家庭あるいは店舗、あるいは事業所に対し1万3、448カ所設置してございますが、その看板につきまして、委員御指摘のとおり、できるだけ意に沿うようにしていきたいと考えております。
〇中村交通部参事官兼交通企画課長 セーフティアドバイザーの活動という件に関してお答えいたしますが、警察OBにこれまでの長年の業務経験を生かして、日常の行動の中でいろいろ交通安全を呼びかけてもらおうという趣旨で昨年度設立したものでございまして、改めて街頭で指導するとか、それから、家庭を訪問して指導するというところまでは実は要求しておらないわけでございます。いろいろ地域での老人クラブの会長ですとか、あるいは町内会の会長ですとか、いろんな役職等になっている方が多いものですから、そういう会合等の際に、一言交通安全の話題を出していただいて呼びかけをしていただこうと、こういう趣旨の活動でございます。
 予算が非常に少ないんじゃないかという御意見ございましたけれども、あくまでもこの予算というのは、OBのアドバイザーに対して、年に1度ないし2度研修事業をやろうと。元警察官と言いましても、長年、時間の経過とともに新しい情報等が乏しくなっておるものですから、そういう情報を与える場ということで、あくまでも研修事業だということで御理解をいただきたいと思います。
 それから、免許証の自主返納でございますが、高齢ドライバー対策の一環として、いずれ本年度運転免許証の自主返納、これを進めてまいりたいと考えております。
 それで、どうすれば一番効果が上がるのかということで、実はアンケート調査を実施いたしたところでございます。その結果、自主返納の制度は、6割の方はそういう制度があるということはわかっておりますよと。ですが、9割の方は、いや、私は免許証の返納ということを考えたことがございませんと、こういうアンケートの結果でございました。返納を考える環境整備、じゃ、どういう整備が整えば返納してもらえますかというようなアンケートに関しましては、病院への送迎便の整備、病院に行く足の確保をお願いしたいと。それから、バス料金、タクシー料金のサービス、それからバス本数の増加、そういうような環境整備の要望等が強いわけでございます。こういうアンケート結果を受けまして、いずれ警察といたしましては、現在、バス協会あるいはタクシー協会のほうに協力要請をしますとともに、いろいろ検討していると。それから、さらには市町村あるいは関係団体と連携しながら、何とか効果的に推進してまいりたいと考えております。
 それから、自主返納でどれぐらいの人が返しているのかということでございますが、本人みずからの自主返納というよりも、家族等の勧めもあって返納した数でございますが、昨年、平成19年は63人の方が返納しておるという状況でございます。
〇三枝警察本部長 平泉の世界遺産に向けての警察の対応ということで、本部長の所見をということで。
 私も昨年の5月、ちょうど連休のときに行ってまいりましたけれども、あの時期になりますと大変な混雑をいたします。それだけでもびっくりいたしましたけれども、去年そういう指定を受けた島根県の石見銀山だったでしょうか、それなんか見ても、指定前からかなりの方がお見えになるということで、そういう状況を踏まえながら、我々の警察の役割としては事件や事故に遭わないように、安心して観光していただけるような取り組みということを念頭に置いて対策をとっていく必要がありますし、それから、あの周辺、かなり交通の、駐車場の問題とかいろいろあろうかと思いますので、関係機関、市等と御協議をした上で、交通の円滑化、安全化についても、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 どうぞよろしくお願い申し上げたいと思っております。警察というのは、事件や事故が起きてからの対応ではなくて、まさにそういうのが起きないようにするのも、対策をとるのもこれから警察の仕事ではないかと思っているところでもございます。
 次に、交通事故の関係のほうで、児童についての部分について触れてみたいと思っております。これが最後になります。
 自転車免許証普及啓発事業、これは4年生、5年生の児童500人を対象にして自転車教育を行うと、そして免許証を交付すると、そして意識の醸成を図るというようなことでございますけれども、例えば毎年4月になって新入生の児童が学校に入ってきますと、それぞれ安全教室も開かれておりますし、各学校、4年生以上の子供たちを対象にして、学校自体が免許証を子供たちに出すためのいろいろな駐在所、警察署の職員、交通安全指導隊の皆さんが一体となってそういうのを学校でやっているんですね。改めてこういう事業をすることになった経緯、また、それとダブらないのかというようなところを聞いてみたいと思いますので、お願いいたします。
〇菊地交通部長 自転車免許証の普及啓発事業についてでございますけれども、自転車の交通安全教室につきましては、これまでも、警察、交通指導隊等が学校と連携して実施してきたところでございます。
 本年度実施予定の自転車免許証普及事業は、設備の整った交通公園を借り上げ実技指導を実施するとともに、自転車の交通ルールに関する学科テストや実技テストを実施するものであります。平成20年度は、モデル事業として、盛岡市内の小学4、5年生を対象に実施と考えており、自転車の安全な乗り方、通行方法を中心とした学科と実技で、先ほど委員からありました1回当たり100人で、年間5回を予定しているところでございます。
 このように、今まで実施してきた自転車教室の内容をさらに充実するとともに、自転車運転免許証を交付することにより、参加者の意欲向上と免許証携帯による教育効果の継続を図ろうとするものでございます。
〇工藤勝子委員 今の件について、これは100人で5回というような形で500人ですけれども、希望を募るわけですか、各学校から。盛岡市内の子供というのは、自転車で通っているんですか。逆に、郊外の子供たちのほうが自転車で通学するんじゃないかと思うんですけれども、これをやる今の趣旨もございましたけれども、改めて、その人数を把握する対象についてお聞きいたします。
〇菊地交通部長 対象につきましては、現在教育委員会と連携いたしまして、対象校を選定しているところでございます。そういった中から、今委員指摘のような学校も対象に入ってくるものと考えております。
〇工藤勝子委員 今後、これを各警察署管内に将来的に向けて普及をしていくお考えがあるのかないのか、お尋ねいたします。
〇菊地交通部長 今回実施いたしますモデル事業の結果を見ながら検討してまいりたいと思っているところでございます。
〇久保孝喜委員 当該委員でもありますので、簡潔に1点だけお尋ねをしたいと思います。
 免許証の返納の関係でございますが、先ほど数字が63人と、こういうことで発表になりましたが、資料によると、例えばお隣の秋田県では、昨年1年間で三百三十何人という返納者があったと。しかも、そのうちの8割が、昨年の11月の途中から12月までの間に生じたと。それはなぜかというと、結局制度が発足をして、返納者に対してはタクシー料金の1割を減額すると、そういうことがタクシー業界との間の話し合いの中で新しい制度として発足をしたということですから、極めてびっくりするぐらいの効果が実は出たということなんです。これがストレートに、交通事故の減少につながるかどうかは別の問題としても、先ほど検討するというお話でしたので、具体的な案を提示して直ちに交渉に入ると、お隣の秋田の例が示すように、これはかなり反応としては高いんだということが言えるんじゃないかと思いますが、その辺の所感をぜひお示しをいただきたいと思います。
〇中村交通部参事官兼交通企画課長 秋田で大変効果を上げているという新聞報道は、私自身も承知してございます。そういうことで、タクシー協会あるいはバス協会と、現在は秋田の例等も踏まえながらいろいろ検討している段階でございまして、何とか実現に向けて努力してまいりたいと、このように考えております。
〇千葉康一郎委員長 この際、菊地交通部長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇菊地交通部長 先ほど樋下委員からの大型免許の出入り口の関係で、一部訂正させていただきます。
 大型2種の出入り口につきましては、試験場の正面出入り口を利用しているところでございます。新たに設置した出入り口は大型1種のもので、これまで改修後、3回程度利用しているというところでございます。
〇関根敏伸委員 昨年の4月に施行されました犯罪のない安全・安心なまちづくり条例に基づきまして、岩手県警では、現在、総合治安対策プログラムを策定いたしまして、平成22年度までのさまざまな総合的な治安対策を実施していらっしゃる、このように承知をしております。また、大変厳しい財政環境下の中で、治安基盤の大宗を占めます警察施設の整備につきましては、さまざまな形で新交番の設置等に向けまして御尽力をいただきましたこと、冒頭にまず御礼を申し上げたいと思っております。
 大きく2点聞かせていただきたいと思います。
 まず、総合治安対策プログラムの大きな柱になっていると思いますが、刑法犯の認知件数の減少ということで、現在、具体的な目標数値を定めて取り組んでいらっしゃいます。平成9年をピークといたしまして、この刑法犯の認知件数は減少傾向にあると聞いておりますが、目標としておりますのが昭和50年代当初の治安体系を実現するということで、8、000件台という大きな目標設定になっていると聞いております。そんな中で、刑法犯を減少させるという観点から検挙率の上昇といったことも今お話があったと記憶しておりますが、上昇傾向にはあると聞いております。県警だけではなくて、県職員全般に言えるわけでありますが、いわゆる経験と技術を有した団塊の世代の職員の方々の大量退職時代に来ていると承知をしているわけでありますが、先般、地方紙にも人材育成課を設けるという方向性も聞いておりましたが、前提条件といたしまして、いわゆる警察職員の大量退職の現状、あと最近の傾向と将来的な人数の傾向、これどのように把握をしているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
〇瀬戸警務部長 警察本部の退職者の推移と将来予測についてでございますが、平成16年度から平成18年度までの勧奨退職者を含む退職者数は毎年50人前後で推移しておりましたが、平成19年度以降10年間では、本県警察官の4割に当たる約700人が退職するという、大量退職、大量採用時代が到来することとなります。警察職員の人的構成が大きく変化していくということでございます。
 近年は、警察官の職務執行を取り巻く環境も著しく悪化しておりまして、特にこれらの影響が最も懸念される警察署で、若手警察官を重点とした第一線警察官も早期に育成することが喫緊の重要課題になっているといったことでございます。このようなことから、本県警察では、岩手県警察総合治安対策プログラムの中で、優秀な人材の確保と指導育成、精強な第一線警察を構築するための各種施策の展開等を重点的に推進することといたしております。
〇関根敏伸委員 かなりここ10年で大幅に人員構成が変わってくるということを今聞かせていただきました。当然、犯罪防止あるいは検挙率防止のために、科学的な捜査でありますとかさまざま高等の捜査技術をつくられるということであろうかと思っておりますが、今答弁にもありましたとおり、新しく大量に入ってきた新人の警察官をいかに早急に技術をつけられるような体系、研修体系をつくられるかと、これがかなり重要な要素を占めるんじゃないかと考えています。
 そこで、現状の新人警察官を採用した後の研修体系の基本がどのような形で行われているのか、そして今後の大量退職時代に向けて、経験技術の継承に向けてどのような取り組みをされていくのか、あるいはまた、OBの警察官が現状どのような形で第一線で活用されていらっしゃるのか、こういった状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
〇瀬戸警務部長 警察官採用後の研修体系についてでございますが、警察官につきましては、大学卒業の者は警察官A、短大・高校卒業の者は警察官Bという区分で採用されます。
 採用後、A区分採用者は6カ月間、B区分採用者は10カ月間、初任科生として警察学校において必要な基礎教養を受けることとなっております。基礎教養の修了後、それぞれ配置された警察署におきまして研修を受け、警察官として必要な知識、技能を習得することとしております。これら警察学校等における採用時教養が修了した後、第一線で一人前の警察官として勤務することになるところでございます。
 続きまして、経験、技術等の継承に向けた現在の取り組み、また、OBの活用方法についてでございますが、現在、長年にわたって警察組織を支えてきたベテラン警察官の大量退職時代になっているといったことで、現場執行力の低下が懸念されております。その長年の経験により培われた知識と技能の確実な継承を図るため、ベテラン警察官やOB警察官の積極的な活用を図っているところであります。
 具体的には、警察実務に関する専門的技能及び知識を有するベテラン警察官を技能指導官または伝承指導官等として任命しております。
 技能指導官ですけれども、これは、専門的技能等にすぐれた者を全県で3名ですけれども本部長が任命しまして、県下各警察署に対する専門的な業務に関する巡回指導や警察学校における専門的な教養など、実戦的な伝承教養に努めております。
 続きまして、伝承指導官ですが、各署長が実務経験豊富な職員87名を指定しております。署内の若手警察職員に対して、日常の業務を通じて実践指導に当たるなど、ベテラン警察官の持つ経験、技術の継承に努めております。
 続きまして、OBの活用方法についてでございますが、警察学校におきまして、卓越した技能と豊富な経験を有するOB警察官による技能の継承、誇りと使命感を醸成する伝承教養を実施しております。また、非常勤職員としまして交番相談員、警察安全相談員に採用しまして、これまで培った経験と技能を生かすなど、より効果的な教養の推進に努めているところでございます。
〇関根敏伸委員 理解いたしました。
 技能指導官制度あるいは伝承指導官制度というのがあるということを今初めて理解いたしました。本部長、所属長それぞれの指定、任命ということになっていると理解しています。一層この研修制度でありますとか技能、経験、勘等々を含めた伝承制度を充実させることを御期待申し上げます。そういった方向での取り組みをぜひよろしくお願い申し上げたいと思いまして、2点目に移らせていただきます。
 2点目でございます。これは通告しておりましたが、先ほどの三浦陽子委員の質問とかなりダブりますので、詳細は省かせていただきます。少年非行の立ち直りの支援事業という観点からお聞きしたかったわけですが、事業の内容については理解いたしました。
 少年非行の検挙率も年々減っていると理解しておりまして、そういった意味では、平成16年度以降からさまざまな作戦を設けられているのが功を奏しているのかなと思うわけでありますが、その中で一つ気になるのが、少年非行の再犯率という部分です。
 再犯率を低くするという観点から、先ほど、大学生とかボランティア、そういったさまざまな立ち直り支援を実行されていらっしゃるようですが、現状この岩手県の少年非行の再犯率というのはどのような状況で推移しているのか、あるいはこれが全国的な傾向で見てどのような位置にあるのかをできればお示しいただきたいと考えておりますし、再犯の防止というのは、恐らくさまざまな意味で、大きな誘惑でありますとか立ち直りのきっかけを阻害する要因も多くあるのではないかと推察いたします。
 そういった中で、ボランティア、大学生等々のさまざまな取り組みは評価したいと思うんですが、根本的な立ち直り支援ということになると、やっぱり警察本部のさまざまな関与でありますとか目配りというものもかなり必要ではないかと素人ながら思うわけであります。そういった中で、今の推移を含めまして、平成19年度にもボランティア等々の事業を実施されておりますが、これがどう再犯率の低減に結びついてきたのか、あるいは今後一層この再犯率を低減させていくために、現状の施策を含め、どのような方向で、今後、警察本部としてさまざまな取り組みをしていくのか、こういった状況についてお聞かせいただきたいと思います。
〇齋藤生活安全部長 まず、少年非行の立ち直り支援事業でございますけれども、本県におきましては、犯罪少年の再犯者率が平成15年から3年連続して30%台で推移しておりまして、全国平均の28.7%より高い状況にあったため、平成18年度から3年計画で再犯者率を25%以下に抑制することを目的に、岩手っ子いきいきサポート作戦と銘打って、非行少年の立ち直り支援対策を強力に推進しているところでございます。
 この作戦の主な事業は、先ほど三浦委員に話したとおりでございます。
 この事業につきましてはあと1年ございますが、引き続き実施していきたいと考えております。
 次に、この事業の効果についてでございますけれども、この事業は、再犯率25%以下を目標に実施したわけでございますが、今申し上げた活動等によりまして、平成19年の再犯率は23.5%と、その目標値を2年にして達成しております。そういった意味で、事業の効果はあったものと認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 最初に、警察の安全関係の問題についてお聞きします。
 警察の安全相談の内容、特徴、解決状況を示していただきたい。
 二つ目に、信号機の整備、要望件数と推移、老朽化した信号機の交換、来年度はどうなるか。
 三つ目に、歩車分離の結果、実績について示していただきたい。
〇瀬戸警務部長 警察安全相談の平成19年中における総受理件数は2万3、561件で、前年に比べて3、706件、割合にして13.6%減少しております。これは、架空請求等の悪質商法の相談が前年比で半減しておりまして、中でも、従来型のはがきによる架空請求に関する相談の減少が最大の要因でございます。
 平成19年中は、生活安全関係の相談が74.8%と最も多くを占めております。相談内容別にいいますと、ヤミ金や架空請求等の悪質商法関係が3、218件で最も多く、全体の約14%を占めております。次いで防犯上の問題や迷惑電話等の被害防止関係、家事問題関係、契約・取引関係といった順になっております。増加している相談ですが、生活安全関係のネットオークションなどのハイテクに関するもので、前年比366件増の1、708件となっております。
 相談内容から事件化等で解決したものでございますが、全部で108件ございまして、前年に比べてプラス9件となっております。
 解決した1例を挙げますと、販売した書籍が落丁していたとして弁償させられたほか、損害金を要求されているとの相談から、代金の返還等を要求した詐欺事件として検挙したものがございます。また、困り事等の解決などもやっておりまして、適切な対応に対して感謝された事例がございます。1例を挙げますと、県外に居住する相談者から、実家でひとり暮らしをしている病弱な実母の安否確認がとれないと相談を受けまして、その実家に赴いたところ、自宅内で倒れていた関係者を発見しまして、病院に搬送して一命を取りとめた、そういったことなど多くの事例がございます。
 警察安全相談は今後ますます複雑多岐になるものと思われますが、相談の受理に当たっては真摯に受けとめ、警察業務に反映させるように努めてまいりたいと思います。
 また、所管外の相談にあっても、誠実に受けとめて当該事案に権限を有する機関を教示する等、適切な対応に配慮しているところでございます。
〇菊地交通部長 信号機の整備関連、それから要望件数と推移についてであります。
 平成19年度における信号機の設置要望は61カ所で、これに対しまして25カ所を予定しているところでございます。現在まで18カ所に設置しております。しかし、工事のおくれ等から7カ所については平成20年度設置ということになります。
 また、最近5年間における要望と設置状況につきましては、平成15年度が68カ所に対して13カ所、それから、平成16年度が58カ所に対して16カ所、平成17年度が53カ所に対しまして16カ所、平成18年度が61カ所に対して20カ所、平成19年度が61カ所に対して21カ所でございまして、平成20年度につきましては、72カ所の要望に対しまして19カ所の設置を予定しているところでございます。さらに必要な場所にあっては、交通流量、事故実態を見ながら検討していくこととしているところでございます。
 それから、老朽信号機柱の交換でございますが、老朽信号機のとらえ方につきましては、鉄筋コンクリート電柱の耐用年数を参考に、設置後42年を目安としておりますが、経年変化などでひび割れ等が発生したものを老朽信号機柱としているところでございます。
 県内には平成20年2月末現在で信号機柱が9、461本ありますが、そのうち、設置後42年を経過している信号機柱につきましては3、108本であります。平成19年度は、全信号機柱のうち、ひび割れ等により緊急の交換が必要となったものについては42本、道路の改良等に伴う移設等で取りかえたものが50本、合わせて92本の信号機柱について、いわゆる鉄鋼製の鋼管柱に取りかえているところでございます。
 なお、平成20年度におきましても、安全管理を目的に定期点検を早期に実施して、交換が必要なものについては速やかに交換していくこととしております。
 それから、歩車道分離の信号機の効果でございますが、歩行者と車両の通行を時間的に分離する歩車分離信号機は、平成20年2月現在、県内23カ所の交差点に整備しております。歩車分離信号機を整備した交差点において、設置前に比較し全事故では31件から14件となっており、マイナス17件、54.8%の減少であります。歩行者被害に係る事故についても4件から2件と半減しており、その効果が認められるところでございます。
〇斉藤信委員 老朽信号機柱は3、108本対象になっていて92本ぐらいだと。これはもう10年も20年もかかってしまうのかなと。これは全部見ているわけではないんでしょう。緊急に対応が必要なのだけやっているという……。まあ、いいです、そこを一つだけつけ加えて。
 あと、捜査報償費についてお聞きします。
 捜査報償費の使途基準はどうなっているか。
 来年度予算の捜査報償費、これは県費では2、417万円余で、前年比254万円余、11.7%増額となっていますけれども、なぜ増額となっているのか。
 3番目、昨年度の捜査報償費の実績について、盛岡東署の捜査報償費が94万円から208万円に2倍以上になっていますが、その具体的理由は何でしょうか。釜石署は47万円から87万円に1.8倍、久慈署は42万円から73万円に1.73倍になっていますが、これだけ急にふえた具体的理由は何か。
 県警本部生活安全企画課が44万円から9万円余に激減しています。少年課は4年前の82万円から3万円に激減していますが、これはただならぬ理由があるのではないでしょうか、示していただきたい。
〇瀬戸警務部長 捜査用報償費の使途基準についてお答えいたします。
 捜査用報償費は、犯罪の捜査等に従事する警察職員の活動のための諸経費及び捜査協力者等に対する諸経費で、緊急を要し、または秘密を要するため、通常の支出手続を経ていては警察活動上支障を来す場合に使用できる経費として現金経理が認められている経費でございます。
 具体的な使途例としましては、捜査協力者、情報提供者に対する謝礼、捜査協力者、情報提供者との接触に際して必要となる交通費等、聞き込み、張り込み、尾行等に際して必要となる交通費、通信費等であります。
 続きまして、捜査用報償費の予算額につきましては、前年度実績及び事件等の発生状況、今後予想される事案などを総合的に勘案して計上したところでございます。また、平成19年度と平成20年度のそれぞれ当初予算を統一地方選挙取締費を除いて比較しますと同額となるところでございます。
 続きまして、盛岡東警察署のほか2警察署の平成18年度の捜査用報償費が増額し、生活安全企画課及び少年課において減少している理由についてお答えいたします。
 捜査活動に要する経費につきましては、その年度の事案の発生状況や発生する事件の形態により、捜査の規模、期間、人員等が異なり、一概に申し上げることはできないものと考えます。例えば、発生する事件の形態によりまして、所属単独によるもの、また、ほかの所属の応援を受けて行うもの、ほかの所属との合同によるものなど、それぞれ事件によって捜査の規模、期間、人員等はまちまちになります。さらに、同じ1件の事件捜査を見てみましても、初動捜査の段階で解決し、捜査用報償費の執行が少ない場合もあれば、逆に、長期間にわたって捜査を行い、捜査用報償費の執行の場面が多くなることもあります。このようなことから、各所属の捜査用報償費執行額の増減理由については一概に申し上げることはできないものと考えております。
 また、具体的な理由につきましては、当該所属の捜査活動の内容の詳細にかかわる事項でありますことから、答弁は控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 捜査報償費になると答弁不能になるんですよね。予算額がふえたと私は指摘したが、いや、県議選の経費が入っていないからと。入っていなければ減るはずなんじゃないですか。
 そもそも平成18年度が2、030万円なんですよ。平成19年度が2、163万円、これは予算ですよ。そして、平成20年度が2、417万円と。私はふえた理由を聞いているんですよ。去年、おととしと見たってどんどんふやしているんじゃないですか。はっきり答えてください。
 それで、生活安全企画課、平成17年度で44万円使った、18年度は9万3、000円だ。生活安全企画部長、これは激減ですよ、4分の1以下ですよ。これは減ったんだから、事件があったんじゃないんだから、減った理由を言ってください。
 それと少年課は平成14年度82万円も使っていたんですよ。私は、今まで少年にスパイをつくっているのか、情報提供者をつくっているのか、そんなことは許されない、こういう指摘をしてきた。私はその結果が3万6、000円だと思うんですよ。平成14年度何でこんなに使って、今何で使わなくなったのか示していただきたい。
 それと、組織犯罪対策課というのが、平成17年度は3万4、000円の報償費が平成18年度は160万円になりました。これはなぜなんでしょうか、わかりやすく答えてください。
〇瀬戸警務部長 まず、予算の話でございますが、平成19年度の当初予算は2、547万4、000円でございまして、平成20年度の当初予算が2、417万4、000円でございます。これは、昨年度、平成19年度中の統一地方選挙取締費130万円を引きますと、当初予算は、平成19年度、20年度同額になるといったことでございます。
 続きまして、少年課及び生活安全企画課、組織犯罪対策課についての御質問でございますが、これらにつきましては、その捜査の形態によりまして、規模、期間、人員等がそれぞれ異なり、その減少、増減理由については一概には申し上げることができないということでございます。また、その具体的な理由につきましては、当該所属の捜査活動の内容の詳細に係る事項であるといったことでございまして、答弁は控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 私に資料をよこした人が間違ったんですか。これ、平成19年度の予算2、163万円となっているんですよ。(「間違ったんだ」と呼ぶ者あり)余り間違っていないような数字なんだよね。問題だね、これは。
 いずれにしても、捜査報償費、今、私はかなり具体的に聞きました。1年前と比べて4分の1も減るという。事件の名前なんか聞いているんじゃないんですよ。少年課なんか82万円から3万6、000円ですよ。事件じゃないでしょう、使っていなかったということでしょう、これだけ激減したということは。
 特に県警本部の各課は半分以下に減っていますよ、この間、全部の課が。私は、だから県警本部は使えなくなったと思うんだね、裏金が。だから私、聞いているんですよ。減った理由を聞いているんだから。事件がふえて捜査報償費がふえたというんだったら、まあ、これもごまかしかもしれないけれども。減っている理由を聞いているのに、重大事件が減ったということですか、情報提供者が激減したということですか、そういうことをきっちりと答えてくれませんか。
 これは県民の税金なんですよ。全国的に裏金が大問題になっているから私は聞いているんですよ。大体半分に減ったとか4分の1に減ったとか、さっき私、組織犯罪対策課を聞いたでしょう、3万4、000円から160万円になったのは何でなんですかと。これは仕組みが変わったんじゃないんですか。そういうことも答えられないんですか。
〇瀬戸警務部長 まず、予算の話でございますが、当方から資料提供させていただきました2、163万円、委員おっしゃったものでございますが、これは2月補正後のものでございまして、つまり執行額になります。ですので、平成19年度当初予算と20年度当初予算とを比較すると、選挙取締費を除くと同額になるといったことでございます。
 続きまして、組織犯罪対策課の捜査報償費の関係でございますが、こちらのほうは、平成17年度末、18年3月に組織犯罪対策課が立ち上がって、1カ月間の捜査報償費しか計上されていないといったことでございまして、それで次の年と比べるとかなり違うといったことでございます。
〇斉藤信委員 1カ月間を12カ月にしたって、3万4、000円が何で160万円になるんですか。その説明もでたらめなんですよ。
 それと、組織犯罪対策課が去年の3月にできたというのなら、どこの課がここに統合されたのか、もう少しまじめに答えてくださいよ。
 それと、私がもらった資料にはこう書いているんですよ。ちゃんと予算額のところに2、163万円と書いて、執行額は空白になっているんですよ。私に間違ったデータをよこした。どっちが正しいか、後からちゃんと言ってくださいよ。あなた方から資料をもらって私は質問しているんだからね。資料もごまかし、答弁もごまかしじゃだめじゃないですか。
〇瀬戸警務部長 委員にお渡しいたしました資料でございますが、こちらのほうは予算額が2、163万円─これは平成19年度ですね、となっておりまして、先ほどこちらが渡した資料に間違いはないものと承知しております。
 あと、組織犯罪対策課につきましては、平成18年3月24日付─本当に年度末の最後の最後ですが、に立ち上がったものでございまして、組織につきましては、捜査二課から独立いたしまして、薬物対策の班を組み込んで組織犯罪対策課として独立したものでございます。
〇斉藤信委員 いずれにしても、資料もでたらめ、答弁もでたらめ、私は、警察の体質が出ていると思いますよ。こういうことを本当に正していただきたい。この資料を見せてもいいですよ。予算額に書いているんだよ、括弧についてないんだよ。そういうことはやめていただきたいし、まともな資料で質問しても答えないと。いずれ捜査報償費はそういうことが実態だと。
 次に進みます。
 超過勤務、サービス残業について、県警の場合は超過勤務時間はどう確認され、記録されているでしょうか。
 超過勤務手当の予算化の基準は何でしょうか。
 超過勤務手当が警察官で1人当たり─これは平成18年度ですけれども、私の試算では41万円、サービス残業、不払い残業になっていますが、来年度の超過勤務手当が前年比2、567万円も削減されているのはなぜでしょうか。来年度の賃下げで県職員は平均して40歳で約8万円の削減となりますが、警察官の場合はどうなりますか。
 超過勤務手当も出さないで成果主義賃金などというのは、私は、もうそんな土台はないんじゃないか、まず、出すべきものを出す。こういう成果主義賃金を改めるべきだと思いますが、いかがですか。
〇瀬戸警務部長 超過勤務時間の確認、記録についてでありますが、職員の超過勤務につきましては、所定の勤務時間内で業務遂行がなされるように努めることを基本としながら、やむを得ず超過勤務を行わせなければならない場合においては、各所属の管理監督の立場にある職員が原則として事前に超過勤務命令を行い、超過勤務の実施後において、当該職員の申告や当直責任者等からの報告により超過勤務の状況を確認、記録しております。
 なお、交番、駐在所等遠隔の地にある公署に勤務している職員につきましては、毎日定時に当日の勤務状況を管理監督の立場にある職員に電話報告させて管理しております。
 続きまして、超過勤務手当の予算につきましては、前年度の10月1日現在の現員数に新年度の定数増減を加味して当初予算に計上しております。
 具体的には、地方財政計画で算定基礎とされております率を踏まえまして、警察官は、給料総額及び諸手当の13%、その他の職員については、同様に7%が計上されているところでございます。
 続きまして、来年度の超過勤務手当の予算額についてでありますが、減額となった主な理由については、超過勤務手当算定の基礎となります給料総額が、定年退職者が増加しまして、その年齢構成の若返りに伴って減額となっております。超過勤務手当についても、それに連動しまして減額となったものでございます。
 次に、警察官の給与の特例減額につきましては、管理職員を含めた公安職の平均給料月額である35万5、286円に一般級の削減割合である2%を掛ける方法で単純計算いたしますと、月額で7、100円、年額で8万5、000円程度となるところでございます。
 最後に、超過勤務手当予算と新昇給制度の関係についてでございますが、超過勤務の縮減と同時に新昇給制度の定着を図ることが重要であると考えております。新昇給制度は、努力して顕著な成績を上げた職員を正しく評価し、的確に処遇に反映させることにより職員の士気の確保や組織の活性化が図られるとともに、適正な人事管理を推進するために必要な制度と考えております。他方、超過勤務につきましては、今後とも、事務の合理化、効率化による縮減に努めるとともに、突発的な事件・事故が発生した場合には、所要の措置を講じるなどして実績に見合った手当の支給に努めてまいりたいと考えています。
〇斉藤信委員 来年度から公安職で賃金削減で年間8万5、000円減額でしょう。ところが、あなた方、超過勤務をさせておいて、手当は58%しか出ていない。その42%分は、警察官で41万円だと。8万5、000円減額されて、働いた41万円が不払いということは許されないんじゃないですか。
 本部長、これをどういうふうに解決しようとしているか。これは警察官であろうと何であろうと許されないんですよ、不払い労働というのは、サービス残業というのは。この問題を、私は真剣に本部長が先頭になって解決しないと士気が上がらないと思いますよ。
〇三枝警察本部長 私も、警察職員約2、400人、この人たちの処遇とか、そしてこの方たちには大切な御家族もありますので、そういう御家族も含めたこの人たちの平穏な生活、そして活動に対する士気ということは常々考えております。
 委員おっしゃった、今の差があるという点については、私は、これは最終的には、事件・事故があると、どうしても我々は、どうにもならない面はもちろんあるんですが、例えば事務処理的なものを極力減らしていくとか、そういうことを進めながら超過勤務手当の縮減を一生懸命図っていく。あわせて、例えば捜査本部事件なんかがあったり、ことしはいろいろな交通安全非常事態宣言があって多くの警察官が街頭に立って死亡事故の抑止活動をやりましたけれども、そういうような活動があったときには、そういうものに見合うといいますか、必要な経費を措置するとか、そういうことを徐々に進めることによってそういった問題を解決していけるのではないかというように思っております。
〇斉藤信委員 いずれにしても、この間の超過勤務手当の予算と執行額を見ると、ほとんど予算額の範囲内。だから、オーバーしたら補正予算を組むというのが考え方なんですよ。2月補正というのは、そういう意味で、減るところは減らす、ふやすところはふやせばいいんですよ。これが本当の考え方ですよ。そういうことで、来年度、超過勤務の予算が減っているということは、またこの範囲内ということになればますます不払い労働がふえていくので、この真剣な解決策、打開策を筋道立ててやっていただきたい。
 最後です。
 県警ヘリの運用状況について、今年度の県警ヘリの出動状況は具体的にどうなっているでしょうか。
 救難救助活動の出動はどういう手順で行われるのでしょうか。
 県警ヘリの体制はどうなっていますか。警察本部の所管はどこですか。
 年間の経費はどうなっていますか。
 昨年11月14日の件について、県警ヘリには、いつ、どういう要請があったのか。それはどこで、どう検討されたのか示していただきたい。
〇齋藤生活安全部長 初めに、今年度の県警ヘリの出動状況ですが、本年2月末の出動件数は190件で、飛行時間は268時間05分となっております。
 内訳は、基本活動の警らが59件、81時間55分、特別活動の緊急配備、初動活動が11件で11時間05分、救難救助活動が37件で54時間55分、各警察部門の支援活動が35件で53時間、その他訓練などが48件で67時間10分であります。
 次に、一般的な救難救助活動の出動手順ですが、部内からの出動要請は、出動を必要とする所属長から本部地域課長を経て本部長に要請されます。部外からの出動要請は、平日の場合ですが、県防災センター所長から県警航空隊長が受理し、警察本部地域課長を経て本部長に要請されます。夜間、休日の場合は、県警総合当直の当直責任者が受理し、本部地域課長を経て本部長に要請されます。出動の可否ですが、本部地域課長の検討を経て本部長が承認することとなります。
 航空隊の体制ですが、警察航空隊長以下7名体制となっております。所管は、岩手県警察本部生活安全部地域課です。
 平成19年度の経費ですが、4、210万円余となっております。内訳は、需用費2、336万円余、それから役務費178万円余、負担金補助48万円余、耐空検査・点検整備経費1、648万円余であります。
 昨年11月14日の件でありますが、午後2時30分過ぎに、県防災センターから県警航空隊に、県立東和病院の入院患者を県警ヘリで都内の慈恵医大病院に転院搬送できるかとの打診がありましたので、緊急性があると判断し、飛行準備に取りかかり、県防災センターには、機体及び体制的には問題ない旨回答をしております。
 この時点で、警察航空隊から本部地域課に防災センターからの転院搬送について出動の打診が入ったと報告がなされました。県警航空隊員は、事前準備として、飛行コースや給油場所、着陸地、天候等を調査し、機体点検とヘリ室内の後部座席を除去した上、患者搬送用担架も準備しました。
 本部地域課において、警察航空隊を通じて防災センターに対し、出発時刻、搭乗地と着陸地、搬送患者と病状、同乗医師、持ち込み資器材と必要な機内電源等について照会、確認中、午後3時過ぎですが、県防災センターから搬送日時が明朝との連絡があり、直ちに出動する緊急の転院搬送ではないことが判明し、県警ヘリは通常勤務に移行しております。
 その後、午後4時過ぎに、県防災センターから、転院搬送は宮城県の防災ヘリが対応すると連絡が入ったものであります。
 県警といたしましては、今後とも岩手県防災センターと緊密な連携をとり、応援要請にこたえてまいります。
〇斉藤信委員 この11月14日の件は、私は、総合防災室でもお聞きして、こういう経過だったんです。中央病院でも手術をしたことのある方で、中央病院ではなかなか難しいと言われて、東和病院で─東和の方ですから、療養していた。しかし、また症状が悪くなったので、家族の方が、中央病院では難しいようだからということで、インターネットで調べて慈恵医科大まで行って専門の先生にカルテを見せて相談したら、すぐヘリで搬送しなさいと、こういうことでこういう形になったんです。私、今の経過を聞いて、県警は対応して準備をしたんだと、こういう話でしたね。本当に一分一秒を争うケースだったと。
 今の答弁ですと、県警の航空隊長は、機体、体制は支援可能だと、準備も入ったと、こういうことですね。それはあれですか、県警本部長にもそういうことで報告はあった、こういうふうに受けとめていいか。
 もう一つ、家族からこういう話がありました。実は、緊急を要するので、防災との対応もいろいろあったようですが、県警にも電話したんだと、お昼過ぎに。こういう話もありましたが、お昼過ぎに県警に家族の方から、これは家族の方からの電話ですから正式な要請となるかならないか私はわかりませんが、そういうことがあったのではないか。もっと緻密に緊密に連携すれば、翌日の搬送ではなくて当日の搬送が可能だったのではないかと私は思いますが、いかがですか。
〇齋藤生活安全部長 今、飛べるかという御質問でございましたが、その時点では検討中、調査中でございました。気象状況とかヘリの着陸地、その他もろもろ検討中といいますか、調査中ということでございます。
 それから、本部長に報告をしたかということでございますけれども、本部長への報告につきましては、11月14日は支援打診の段階でございました。搬送内容の詳細や安全な運航あるいは代替性などについて検討中の打診から30分ほどのうちに15日の搬送との連絡でありまして、その後、宮城県防災ヘリでの転院搬送となりましたので、本部長への報告は行っておりません。
〇斉藤信委員 これを最後にします。
 実は、私に対する情報提供はこうなんです。現地の県警は、いわばその要請を受けて搬送の準備に入ったと。しかし、県警にそういう報告をしたけれども、県警からは搬送保留と、オーケーが最後まで出なかったと。それで最終的には翌日の搬送ということになったんだと。私は、救急患者の、それも東京まで搬送するというケースなので大変これは複雑なケースだったと思いますけれども、しかし、その対応に30分も40分もかかって結局は当日の搬送ができなかったということになれば、私は対応に機敏性を欠いたのではないかと思いますが、さっき私が聞いたお昼過ぎの電話も含めて、現場からのそういう対応に対して、搬送保留で、いわば行くという決断が出ないまま翌日になったということではないですか。
〇齋藤生活安全部長 当日家族から電話があったかどうかということにつきましては、当警察本部ではその電話は把握しておりません。
 それから、拒否したのかという話でございますが……(斉藤信委員「保留」と呼ぶ)、拒否、保留は全くございません。
〇内山会計課長 先ほどの報償費予算のことでございますけれども、委員にお渡ししている平成19年度以前の予算というのは2月補正後の予算でございまして、平成20年度は括弧書きしておりまして2、417万4、000円と書いてございますけれども、平成19年度の当初予算は2、417万4、000円にプラスすることの統一地方選挙取り締まりの経費130万円が積まれておりまして2、547万4、000円でございました。ですから、統一地方選挙の分130万円を除いた平成19年度当初予算と20年度当初予算は同じでございまして、委員にお渡ししているのは平成19年度の執行を見込んだ2月補正後の金額で2、163万円となっているわけでございます。
〇及川あつし委員 時間も経過しておりますので、2点まとめて簡潔に伺いたいと存じます。
 刑事警察費についてであります。
 きょう午前中の教育委員会の質疑の中でも新居田弘文委員から取り上げられました、いわゆる携帯電話に関するアンケート調査、公表されているものを私も拝見させていただいたものであります。まず、的確なアンケート調査だったと思っておりまして、その点については高く敬意と評価を申し上げたいと存じます。
 このアンケート調査結果を見まして少々驚いたわけでありますが、約5、000人中、出会い系サイトにアクセスした子が150人、しかも、その出会い系サイトで知り合った異性はいるかとの問いについては34名いると回答がありました。これは恐らく学校を通じての調査でありますので、実態はもっとあるんじゃないかと思って私も驚いているところでございます。
 この件について、フィルタリングの認識度の調査もあったようでございますけれども、これを踏まえて伺いますが、少年被害にかかわる犯罪で、出会いサイトが介在する犯罪でここ数年の発生状況、被害防止にかかわる県警察の取り組み状況、また、県教委との連携も必要だと思っておりますが、この点についてお示しいただきたいと存じます。
 次に、いわゆるスクールサポーター制度であります。
 私も学校のPTAの取り組みを通じて、この事業は非常にいいと感じておるところでございます。実質申し上げますと、地域ぐるみで今、一生懸命取り組んでおりますが、何分素人なものですから、やっぱり警察の方々の協力もさらに必要だということで期待しているものでございます。
 そこで伺うわけでございますが、このスクールサポーターの活動内容を改めて御紹介いただきたいということでございますし、あと、学校、保護者等の反響についてもわかる範囲でお知らせいただきたいと思います。
 最後になりますが、警察の総合治安対策プログラムというのも拝見しております。それによれば、平成22年度までにこのスクールサポーターは10名程度の配置と伺っておりますが、予算に関する説明書を見ると、予算がふえていないということで2名、2名という説明がございました。これは配置計画が変わったんでしょうか。平成22年度まで10名、これでも少ないのかなと思っているんですが、この点はどうなっているのか、お知らせ願いたいと存じます。
〇齋藤生活安全部長 まず初めに、御質問の出会い系サイトが介在する福祉犯罪のここ3年間の検挙状況でございますけれども、平成17年は9件、9名、平成18年は10件、10名、そして昨年は2件、2名となっております。ただ、昨年は、出会い系サイトばかりではなく、これと類似するサイトによっても3件、3名の児童が同じような被害に遭っております。
 次に、少年の被害防止対策についての取り組みですが、携帯電話に興味を持ち始める中学生に対し、インターネットの危険性について非行防止教室などを継続的に開催し、安全な利用について訴えていきたいと考えておりますし、既に本年2月に携帯電話のアンケート結果を掲載したフィルタリングに関するリーフレットを作成して、全中学生を対象に4万4、000枚を配布しております。また、フィルタリング機能や出会い系サイトでの被害状況について、保護者や学校教員が知らなければ対応できないことから、保護者、教員及び地域住民を対象として、職員を派遣しながら広報啓発活動に努めております。
 次に、県教委との連携ですが、先ほど申し上げたフィルタリングに関するリーフレットにつきまして岩手県教育委員会、岩手県と連名作成しておりますし、2月には公安委員会と教育委員会との意見交換会を開催し、子供を取り巻く治安問題、その中でも、携帯電話に関するアンケート調査結果を踏まえて検討を実施したところでございます。さらに、子供たちに対しては、学校現場からも指導が必要であり、現在、教育委員会と検討しながら、学校の先生方に配布するインターネットトラブル対応マニュアルを作成しているところであります。このマニュアルにつきましては、新年度に教育委員会等を通じて、小学校、中学校、高校等に配布することとしております。
 次に、スクールサポーターの活動内容ですが、スクールサポーターの主な任務としては、少年の非行防止及び立ち直り支援、それから学校等における生徒の安全確保対策、非行・犯罪被害防止教育の支援、それから地域安全情報等の把握及び提供などであります。
 具体的内容といたしましては、学校訪問、たまり場となりやすいところへのパトロール、家庭訪問活動などを実施しており、昨年4月配置以来、本年2月末で、2名により学校訪問延べ304校、たまり場対策84カ所、合同パトロール59回、個別相談27回、家庭訪問104回など、全部で752回の活動を行っております。
 好事例といたしましては、中学校側と積極的かつ綿密に連携し、不良行為少年グループとたまり場の解体を行った活動があります。
 次に、学校、保護者からの反響、現状での問題点についてですが、学校現場からは、直接学校に来てくれるのでたわいもないことでも相談ができる、それから、生徒一人一人のことまで細かく相談できるので助かるとの好評を得ております。また、教育委員会からは、スクールサポーターは元警察官で、校長先生や教員では持っていない知識を持っているので本当に助かっているとの話があり、さらなる増員要望を受けているところであります。また、保護者からは、スクールサポーターのところへ子供に対する対応の仕方などを教えてほしいと直接電話がかかってきている現状にありまして、保護者からも信頼を受けているものと認識しております。
 次に、現状での問題点としては、特に盛岡地区では学校数が多いことから要望も多く、そのすべてに応じ切れていないのが問題点ではないかと考えております。
 次に、スクールサポーターの今後の配置計画ですけれども、県内の10教育事務所に対応して配置していきたいと考えているところであり、少年非行の実態や教育現場の要望等を踏まえながら順次配置を進めていきたいと思っております。
〇及川あつし委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。
 社会要望の高い事項でありますので、さらにお取り組みをお願いして、審議に協力するため、質疑は終わります。
〇千葉康一郎委員長 高橋比奈子委員は、当該委員であります。世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ、簡潔に質疑されるよう御協力をお願いします。
〇高橋比奈子委員 総務委員会で質問をしたいと確認しましたが、担当者が今回の総務委員会には出席しないということをお聞きしましたので、大変恐縮ですが、この場で簡潔に質問させていただきます。
 本県には、犯罪や事故に遭われた方へのさまざまな支援活動を行っているいわて被害者支援センターという民間団体がございます。犯罪被害者の精神的なショックや体調不良、経済的困窮やマスコミ取材によるストレスなどさまざまな2次的被害への支援は、日本のみならず世界の潮流と思っております。この活動を行ってくださっております民間団体に敬意を表するところです。
 そこでお伺いしますが、いわて被害者支援センターの主な活動と、同センターに対するこれまでの県警察の関与の状況についてお知らせ願います。
 このいわて被害者支援センターでは、現在、犯罪被害者等早期援助団体の指定のため、ことし中の法人化に向け、財政基盤の強化を図っていると伺っております。この犯罪被害者等早期支援団体の指定を受けることによりセンターの活動にどのようなメリットがあるのか。各都道府県にも同様の団体がございますが、全国の法人化の状況、犯罪被害者等早期支援団体の指定状況についても、簡潔にでいいですのでお示しいただきたいと思います。
 最後に、県警察では、今後、同センターの法人化あるいは活動に対し、どのように支援、援助していくお考えか。今後の支援に関しましては、恐縮ですが、県警本部長にお答えいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
〇瀬戸警務部長 犯罪被害者の方々は、委員からおっしゃっていただきましたように、精神的なショック等さまざまな問題に苦しめられております。いわて被害者支援センターは、犯罪被害者の抱えるこのような問題にこたえること、また、その被害者の負った深い心の傷を専門的かつ長期にケアしていくことの重要性が高まったことと、もう一つ、社会的にも民間による支援組織の設立が叫ばれたといったことがございまして、平成13年に岩手県犯罪被害者対策連絡会が中心となって、関係機関・団体と連携しながら設立された任意団体でございます。その運営資金は、センター会員からの会費、県からの補助金、市町村からの賛助金等で賄われているところでございます。
 同センターの活動概要につきましては、ボランティアの方々が中心となっております。週3回の電話相談とか臨床心理士による面接相談、また、裁判所等への付き添い支援、それから被害者フォーラムを毎年開催するなど広報啓発活動に取り組んでおります。
 県警察の関与ですけれども、会長のほかに、法曹関係者、医療関係者、警察職員及び県知事部局職員で構成される同センターの運営委員会がございますが、そちらの一員として関与しているところであります。また、人的・財政的基盤の確立に向けて、会員拡大とかボランティアの育成等の支援に当たってまいりました。
 同センターでも、平成22年までに公安委員会からの犯罪被害者等早期援助団体の指定を目指しておるところでございます。その前段として、本年6月には社団法人化に向けた準備を進めているところでございます。
 続きまして、犯罪被害者等早期援助団体についてでございます。
 こちらは、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律第23条に基づく団体でございます。指定要件でございますが、社団法人等の法人格を有する営利を目的としない団体であること、また、被害者等支援を行える人的体制が整備されていること、安定的な財政基盤が確立されていることなどが指定要件とされているところであります。そういった要件がそろえば、公安委員会から指定され、公的認証を得る制度であります。
 指定を受けることのメリットについてのお尋ねでございますが、この指定を受けますと、まず、事件発生直後から、被害者の同意を得られますと、ボランティアの方々が警察から被害者に対する情報をすぐに受けることができます。また、犯罪被害者給付金の支給申請の補助もそこでできるようになるといったことから、被害者に対する迅速かつ能動的なアプローチができるようになるということで、極めて有効だと言われております。
 また、全国の被害者支援団体の設立状況でございますが、平成19年12月末現在では、全国45都道府県に46団体が設立され、そのうち23団体が社団法人化されています。また、16団体が公安委員会から早期援助団体の指定を受けております。
 ちなみに、東北管内でございますが、岩手を除く5県の民間被害者支援団体が既に社団法人となっておりまして、そのうち、宮城、秋田、山形の3団体が公安委員会から犯罪被害者等早期支援援助団体の指定を受けているところでございます。
〇三枝警察本部長 今後の支援、援助をどうするのかというお尋ねにお答え申し上げます。
 先ほど警務部長が答弁をいたしましたように、犯罪被害者等早期支援団体となるためには、まず、その法人化が一つの条件である。それは現在、そういう準備を同センターにおいて進めていて、6月には法人化に向けた取り組みが行われる。もう一つは、財政的な基盤がしっかりとしている。活動するために財政的な基盤がしっかりしている。それと、そこでボランティアの方たちのそういう被害者支援を行うための体制がしっかりしているという三つがポイントとなると考えておりまして、そういうことで、我々センターの運営は、会員からの会費とか県からの補助金、市町村からの賛助金、その他個人、法人からの賛助金、寄附金等で賄われていて、大変厳しい財政状況にあると。それから、構成員はほとんどがボランティアの方で、被害者支援に関する知識とか必要な措置について私どもがお教えをする等によって、育成支援も必要となるということでございます。
 今後、我々としては、これまでの支援に引き続いて、本年1月に警察職員から賛助金を募りまして、それで125万円ばかりをお送りしたわけですが、それはほとんど焼け石に水みたいな、大した御支援ではないわけでありまして、今後、そこの団体の財政的な基盤をしっかりさせるために、いろんな団体それから広く県民の方にも御協力を求めていこうと考えております。
 それと、体制面では、先ほど申し上げたとおりに、我々が御支援をしていろいろな情報を差し上げて、そして犯罪被害者の特性だとか、それに対してどう対応するかとか、そういうことも知識として蓄えていただく必要がありますので、そういう面の支援もしっかりやっていきたいと考えております。
〇千葉康一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇佐々木一榮委員 私も当該委員でありますので遠慮しておりましたが、1点だけお尋ねしたいと思います。
 全国的に、最近介護疲れによる家族同士の殺人事件、それから、障害を持つ子供の将来を案じての親による殺人事件等が増加しているというように伺っています。過去に、私の地元一関でもそういう事件がありましたが、県内の現状についてお知らせいただければと思います。
 それから、次につきましては、ぜひ三枝本部長にお尋ねしたいと思っておりますけれども、本県は高齢者比率が非常に全国より高いわけでありまして、ここに来て、当然ながら県民所得の伸び悩みもありますし、それから療養型の病床がなくなるですとか、それから後期高齢者医療制度がスタートするですとか、そういった中で、老人福祉施設への待機者はどんどんふえる。そうしますと、当然ながら在宅での老老介護、これが今以上にふえてくるというように私は思っております。
 それで、犯罪というとおかしいんですが、事件の未然防止、こういった今県民が置かれている環境からしますと、ぜひこれは私は県警本部が中心になって、執行当局では保健福祉部も該当しますし、さまざま地元の市町村役場も関係してくるかと思いますが、ぜひ県警が中心になった連絡協議会みたいなものを立ち上げて、そして地元の交番の方々の巡回ですとか、民生委員の方々ですとか、そういう方々との連携強化によって、起きないことがいいんでありますが、そういう未然防止というものを考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇細田刑事部長 介護疲れ等による事件という統計、そういった形ではとっておりませんので詳細承知しておりませんけれども、平成18年、19年、私の承知している範囲では、そういった事件の発生はなかったと思っております。
〇三枝警察本部長 今委員お尋ねの高齢者の事件、事故等への未然防止ということでありますけれども、我々警察としては、高齢者が例えばオレオレ詐欺とか振り込め詐欺とかに遭わないように、各高齢者の御自宅を個別に訪問して御指導するとか、それから地域警察官が、先ほどちょっと警務部長が説明した相談の対応のところでもあったんですが、遠く離れた御子弟が、うちの親と連絡がとれないんだけれども、交番の駐在さん、ちょっと家に行ってみてくれないかとか、そういうようなことも頼られているという状況にあります。本当にこれからますます高齢化をして、私も含めてだんだん年をとっていくわけでありますが、そういうことで、我々警察だけでできるというのは、これはもう絶対そんなことはあり得ないわけでありまして、警察も、さっき委員おっしゃったような各種団体と連携しながら、そういう方たちが元気でしっかりとお過ごしになっているか、またはそういうためのいろいろな情報の提供とか、そういうことをこれからもしっかりやっていきたいと思っています。
〇千葉康一郎委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉康一郎委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さんは大変御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時24分 散 会

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