平成20年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成20年3月12日(水)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長 切 金   精
  議事担当課長 保 原 良 和
  主任主査  菊 池 達 也
  主査  鈴 木 文 彦
  主査  石木田 浩 美
  主査  佐々木 ユ カ
  主査  菊 池 芳 彦
  主査  渡 辺 謙 一
1説明員
  総合政策室長   勝 部   修
  首席政策監    千 葉 茂 樹
  政策調査監    木 村 卓 也
  政策調査監    大 平   尚
  政策調査監    八重樫 幸 治
  秘書担当課長   新 屋 浩 二
  国体担当課長   八重樫 典 彦
  政策推進課
  総括課長    小田島 智 弥
  調整担当課長   渡 邊 健 治
  政策推進課
  管理担当課長   伊 藤 孝 栄
  政策担当課長   岩 間   隆
  経営評価課
  総括課長    高 橋 嘉 行
  政策評価担当課長 保   和 衛
  調査統計課
  総括課長    佐々木 幸 弘
  広聴広報課
  総括課長    齋 藤 信 之
  情報公開担当課長 西 村   豊
  報道監    古 川 良 隆

  地域振興部長   藤 尾 善 一
  地域企画室長   望 月 正 彦
  地域振興支援室長 鈴 木 健 夫
  交通政策参事   菅 原 和 彦
  地域企画室
  企画担当課長   畠 山 智 禎
  地域企画室
  管理担当課長   浅 沼 康 揮
  交通担当課長   平 野   直
  市町村課総括課長 浦 上 哲 朗
  NPO・国際課
  総括課長    佐々木   健
  IT推進課
  総括課長    桐 田 教 男
  行政情報化
  担当課長    中 野   栄
  県北沿岸振興
  担当課長    吉 田 和 明

  会計管理者兼
  出納局長    平 澤 石 郎
  管理担当課長   小 守 武 義
  指導審査担当課長 中 里 格 己

  人事委員会
  事務局長    稲 田   収
  総務課長    佐 藤   新
  職員課長    菊 池 正 佳

  監査委員事務局長 小 川 明 彦
  総括監査監    門 口 正 雄

  予算調製課
  総括課長    中 村 一 郎
〇千葉康一郎委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第31号、議案第33号から議案第37号まで、議案第39号から議案第42号まで、及び議案第47号の以上32件を一括議題といたします。
 本日は、総合政策室、地域振興部、出納局、人事委員会及び監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力よろしくお願いいたします。
 重ねて申し上げますが、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑事項が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるよう、また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑のみならず答弁も簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審議が終了するよう議事進行に御協力をお願い申し上げます。
 最初に、総合政策室長から総合政策室関係の説明を求めます。
〇勝部総合政策室長 総合政策室関係議案の御審議をいただくに当たりまして、まず初めに、平成20年度総合政策室の重点事項について御説明申し上げます。
 1点目は、本県のイメージアップと岩手ブランドの構築に向けた岩手ソフトパワー戦略の展開についてでございます。
 特にも、平泉の文化遺産の世界遺産登録後1年間をいわて平泉年とし、平泉の地ではぐくまれた自立と共生の精神を国内外にアピールするとともに、平泉の文化遺産を初めとする、岩手の文化、岩手の心を岩手ブランドとして積極的に情報発信してまいります。
 2点目は、岩手県総合計画の後期実施計画に位置づけておりますいわて希望創造プランの推進でございます。政策の推進に当たり、政策評価の見直しを図るほか、行財政基盤の強化に向けた改革を着実に進めることとしております。
 あわせて、県民の県政への参画と協働を進める観点などから、政策との両輪という位置づけで広報活動をより積極的に推進するほか、施策の企画・立案、政策評価に資する統計調査を着実に進めてまいります。
 3点目は、平成28年に本県開催が内々定した第71回国民体育大会に向けた取り組みでございます。
 組織体制も、新たに国体推進課を設置し、現在の4人から7人体制へ充実を図るとともに、第71回国民体育大会岩手県準備委員会で御審議いただきながら、会場の選定や実施予定競技種目の選定など、諸準備に取り組んでまいります。
 それでは、歳出予算について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開きいただきたいと思います。総合政策室関係の歳出予算は、2款総務費のうち、2項企画費の9億9、284万円及び7項統計調査費の4億9、201万円余を合わせた総額14億8、485万円余でございます。その内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の86ページをお開きいただきたいと思います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の主なものでございますが、まず、管理運営費は、人件費及び一般管理事務費でございます。次に、いわて平泉年推進事業費でございますが、これは、平泉の世界遺産登録を機に、いわて平泉宣言(仮称)を発すること等により、平泉が実現した自立と共生の理念を県民共通の認識とするとともに、その価値を国内外へ情報発信しようとするものでございます。次に、外部監査費でございますが、これは、地方自治法に基づき外部監査を実施しようとするものでございます。次に、第71回国民体育大会開催準備費でございますが、これは、平成28年に本県開催が内々定している国民体育大会のための必要な準備を行おうとするものでございます。
 次に、2目計画調査費の主なものでございますが、まず、総合計画推進費は、岩手県総合計画の推進を初めとする県の重要施策の総合調整を図ろうとするものでございます。続きまして、次の87ページ、政策形成推進費でございます。これは、政策及び施策の企画・立案に資する各種調査や情報収集を実施しようとするものでございます。次に、政策評価推進費でございますが、これは、政策等の評価に関する条例に基づいて、政策評価委員会の意見を踏まえ、政策や事業の評価を行うほか、県民協働型の外部評価を推進し、県民との協働による政策形成を図ろうとするものでございます。
 3目広聴広報費の主なものでございますが、まず、広聴活動費は、多様な県民ニーズを的確に把握するため、広聴活動を行おうとするものでございます。次に、県政広報事業費でございますが、これは、県の重要な政策等について、さまざまな広報媒体により広く県民に周知し、県政への県民の理解と積極的な参画や協働を促進しようとするものでございます。次に、いわて情報発信強化事業費でございますが、岩手のイメージアップと岩手ブランドの構築に向けて、岩手が持つ各分野の豊かな価値を首都圏を中心に情報発信しようとするものでございます。
 次に、少し飛びまして、99ページをお開きいただきます。7項統計調査費1目統計調査総務費の主なものは管理運営費でございますが、これは、人件費及び一般管理事務費でございます。次に、2目地方統計調査費でございますが、これは、県単独で実施する統計調査に要する経費でございます。続いて、次のページの3目委託統計調査費は、国の委託により実施する統計調査に要する経費でございます。
 以上で総合政策室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。
〇千葉康一郎委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 まず、6ページの企画費に関連いたしましてお伺いいたしたいと思います。
 岩手県は大変な危機に陥っている状況にあると思っております。県政100年の間に職員の給料をこのようにカットしなければならないという状況に立ち至ったことは、多分今までなかったんだろうと思います。したがいまして、こういうことをしなければならない状況をまず県職員の皆様によく理解をいただいて、そして同時に、モチベーションをいかに下げないか、上げるかということも必要になってくると思いますので、これはまさに県の大きな政策の一つだと思うのですが、ちょっと例えがよくないかもしれませんが、3年間はお茶漬けで我慢してください、3年間いろいろなことをやったら3年後にはカツどんに戻りますよという、そういう夢と希望を持てるようなことを皆さんで共有をしていかなければちょっと難しいのではないかというふうに思います。
 そういう中で、総合計画ということでありますが、どうも県内だけの企画、あるいは岩手県の中のお金を使っての企画というふうにしかとれないのですが、そうではなくて、やはり国策というものの状況を見ながら、いかに国の施策をこの岩手の地に取り込んでいくかということも必要になってくると思います。そして、岩手県の経済再生の一番大事な点は、きのうもちょっと総務のほうで言ったのですけれども、岩手県のお金は一銭も県外に出さない、全部県内を流通させる、鉛筆1本から紙1枚から、あるいは公共事業を含んで全部県内に循環させる、それを3年間やったら必ずいい方向が出てくる、そういう計算をするべきだと思いますし、それにあわせて、いかに外貨を獲得するかということがラップをしてくるわけでありますので、そういう点がどうも総合計画、総合政策の視点に入っていないのではないか、こう思いますが、そのことについてまず1点お伺いいたします。
〇勝部総合政策室長 現在置かれている状況が非常に厳しい状況であって、給与の特例減額という措置も行いながら、何とか政策的経費にそれを充当して、職員のモチベーションが下がらないように、今こういう状況であればこそ全体の奉仕者としての公務員の使命を発揮していくべきだという観点から、ただいま委員からお話のありました、国のプロジェクトといいますか、そういうものを導入して岩手県の経済の活性化につなげていくというところは非常に重要な部分でございます。
 ただ、総合計画の中にそれが具体的に盛り込まれていないという部分につきましては、いろいろ国のプロジェクトをこれから導入しようとする情報収集には努めているわけでございますが、なかなか具体化するところまで至っておりませんので、具体的な項目として書き込むのは難しかったという部分もございます。
 いずれにいたしましても、そういう外貨といいますか、国の事業の導入によって岩手県の地域経済の活性化につなげていくという視点は常に持ち続けております。今後ともそういう姿勢は持ち続けていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 8年ぐらい前になると思いますけれども、勝部部長の配慮によりまして、沿岸にいろいろな国の学会とかそういったものが来たためしがないので、何とか沿岸の地に学会なり勉強会を誘致していただきたいとお願いいたしまして、ニュートリノの学者先生たちに集まっていただいて、シンポジウムといいますか勉強会を宮古短大で開いていただきました。ニュートリノ、例の小柴先生がノーベル物理学賞を受賞した部門でありますが、これは太陽から出る原子か量子かわかりませんが、どうも地球を突き抜けてくるものがあるらしいと。これを早く活用することによって、光ファイバーでありますとか、あるいは電信よりも速い通信機関につながるのではないかという研究だと聞いております。その際、東大、大阪大、それから京都大学、いろいろな物理学の先生に来ていただいたわけでありますが、懇談の場で宮古・下閉伊地区は何かの研究フィールドにならないでしょうかと伺いましたところ、ある学者先生が、宮古・下閉伊地区は岩盤が非常にかたくできているので、データバック基地には最適ではないかというお話をいただきました。東海沖地震の話もありますし、2度目の関東大震災もあるのではないか、あるいは宮城県沖の地震は相当な確率で迫ってきている、こういう状況にある中で、宮古・下閉伊の岩盤を使ったデータバック基地というのでしょうか、そういうものを誘致するということは、非常に岩手県、特にも県北・沿岸振興につきましても有力な手だてだと思います。
 こういう学会がいろいろな調査研究をしているわけですが、それが最先端の技術であればあるほど、必ず後ろには国の研究調査費というのがついてくるわけです。このニュートリノの場合はスーパーカミオカンデで、2、000億円ぐらいでしたか200億円でしたか、ちょっとけたは忘れましたけれども、地下の鉱山跡地か何かに大きなタンクをつくってそこで観測とかいろいろやっている。そういったときに、例えば岩手県の場合は釜石鉱山の跡地とか田老鉱山の坑口の跡地であるとか、そういうところも有効だったと思うのです。したがって、そういう学会を誘致して、いろいろな新しい技術を聞いた、ああこれでよかったということではなくて、せっかく来ていただいてそういう情報をもらったら、そこから国がどういうふうに動いていくかという予測を立てて、誘致なり何なりに動くべきだと思うのです。恐らく3年、5年というものがあるのでしょう。
 したがいまして、一つの例は勝部室長に誘致をしていただいたニュートリノの学会、今、スーパーカミオカンデ以上の施設をつくるのかどうかわかりませんが、必ずそういうものがついているということをぜひ胸のうちに持っていただきながら交渉していただきたいと思います。
 海洋政策につきましても、実はきょうと思いましたけれどもちょっと時間がなくなるのでこれは割愛しますが、いずれ基本的に、日本の海洋政策というのはここ30年ぐらい全く何もなかった。それがようやく200海里問題が出て、各国それぞれが海の権利を主張するようになりまして、自分の海だ、EEZ─排他的経済水域を主張するようになって初めて日本もこれに気がつきまして、ようやく海洋政策というものが追っかけ出てきたわけであります。
 当初は、海底資源は日本国内に5兆円を超えるくらい埋蔵量があるのではないかと言われておりました。特にも日本海におきましては、竹島とか尖閣列島の問題があるわけでありますが、海洋研究をしながら自分の領土であることを主張しないと世界の国々に認められないことにやっと気がつきまして、そういう政策が出てきたわけであります。
 1月25日の日本経済新聞にも、文部科学省と経済産業省で5億円、4億円のさらなる研究費を計上してはめ込んでいくということが載っておりましたが、この間、平成8年ごろでしょうか、文部科学省に三陸沿岸を海洋資源研究等の研究フィールドにしてもらいたいという要望を上げてもらったのでありますが、1回上げて、上げたきりでした。フォローも何もなかった。そういうことを実は残念に思っているところであります。
 したがいまして、竹島の問題につきましては、明治8年の閣議で日本固有の領土であると決定したから日本の領土だなんていうとんちんかんな話が、今、世界に通るはずがないんです。海洋調査をして、自分の島だから、自分の国の領土だからということを積み上げていかなければならないわけでありますが、太平洋側にはそういう島がありませんが、200海里─370キロという岩手県の横の距離の2.5倍ぐらいの海域を持っておりますので、この中には無限の可能性があるというふうに思っておりますので、ぜひこれにつきましてもフォローをしていただいて、情報を収集し、取り組んでいただきたいと思うわけでありますが、それについてお伺いします。
〇勝部総合政策室長 伊藤委員からはこれまでも、古くは平成7、8年でしたか、県に科学技術振興室が設置されている当時から、本県の持つ未利用資源、特にも三陸沖の海洋未利用資源についてのさまざまなプロジェクトの誘導についての御提言・御意見をいただいておりまして、現在、商工労働観光部の科学・ものづくり振興課にその関係は引き継がれておるわけでございますが、いずれにいたしましても、県としても三陸沖の海洋未利用資源の開発については沿岸振興にとって大きな意義があると思っておりますので、これからも国の動向を先取りするような形で積極的に情報収集に取り組んでいきたいということで、先日も東京事務所と国の動向等についての情報収集について打ち合わせを行ったところでございます。一番新しい情報としては海洋資源開発に係る国の動向で、来週、海洋基本法に基づく海洋基本計画が閣議決定されるという情報も入っておりますので、そういう国の情報を先取りする形で情報収集に努めていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 最後に、提言を一つしたいと思います。
 今、国の情報を早く集める努力をするという御答弁をいただきましたので提言をしたいと思うのでありますが、今、世界的に環境問題、温暖化の問題が非常にクローズアップされているわけでありますが、3月7日の新聞に、CO2排出量取引制度策定へということで記事が載っておりました。国内の二酸化炭素の排出量取引制度について、環境省は6日、京都議定書で排出削減が義務づけられている2012年までの導入も視野に入れ具体的な制度づくりを始めることを決めた、こういうことであります。
 これに絡んでの提案でありますけれども、本県にはおかげさまで関東自動車という企業が張りついております。先般、東芝もということで内定のような形で報道があったわけでありますが、この際、岩手県の手入れの行き届いていない山をこういう企業に買い取ってもらう、あるいは賃貸がいいのかどうかわかりませんが、そういうことをやってもらうことについて、絶対これは取引につながっていくと思いますので、そういう方向を早く研究されて、岩手県としてまず財源確保、それから荒れた森林を治していくといいますか、手入れをする。そして同時に、そういうことになりますと、これは企業のイメージアップにも必ずつながると思いますし、これからのステータスになると思います。そういう意味で、岩手県の手の行き届いていない山を持っていただいて、関東自動車、東芝は既にCO2対策としてこういうものをやっています、そういうことを働きかけることは本県にとっても非常に重要だと思うのでありますが、それについてお伺いいたします。
〇勝部総合政策室長 ただいま委員から御指摘のありました企業による森林づくりにつきましては、一つは農林水産業の振興という側面もございます。それから、企業のイメージアップにもつながるという部分もございますし、地球温暖化防止にもつながっていく部分もございます。そういう多面的な部分がありますので、企業にとってもメリットが多々あるわけでございます。これから企業が岩手にどんどん進出してくるわけでございますので、そういう岩手の持っている森林─広大な面積を持ってございますし、それから企業との協働による森林づくりの方向性が打ち出せれば岩手県のイメージアップにつながっていく部分もございます。ぜひそういう部分については、今後の県としての方向性の中に入れて、企業と協働で取り組めるように持っていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 今の点、多分、農林水産部あるいは商工労働観光部の話も出ると思いましたが、これをトータルしての総合政策室だと思っておりますので、ぜひ情報を共有して方向性を決めていただいて、できるだけ早く、どうも反応が遅いと言われている嫌いがないわけでもないものですから、先取りをするという点につきましては、拙速であろうがとにかく走り出す、他県の状況を見てからということではいつもおくれをとってしまう、こういうことで、三つの部あるいはその他担当の部をあわせてぜひ検討されて、早く動き出していただいて有利な政策を導入していただきたいということをお願いして終わりたいと思いますが、感想を伺って終わりにします。
〇勝部総合政策室長 素早い迅速な情報収集に努めるということでございますが、インターネット上での情報収集が可能となって、その情報量は確かにふえているわけでございます。しかし、ネット上に公開された情報というのは、それを追いかけているだけではなかなか実りが少ないわけでございまして、やはり私などは、インターネットが普及する前に企業誘致とかポートセールスとか、そういう経験をして、足で稼ぐ情報収集というのを体験してきておりますので、インターネットが普及した今だからこそ、もう一度足で直接歩き、そして情報を仕入れてくるところに、今後意を用いて情報収集に当たらなければだめだと最近そういうふうに感じておるところでございます。そういう心構えで今後取り組んでまいりたいと思います。
〇工藤勝子委員 私は、岩手ソフトパワー戦略、いわて平泉年推進事業についてお尋ねいたします。
 ただいま部長からもお話ありましたが、いわて平泉年として、いわて平泉宣言(仮称)とおっしゃいました。これはいつまで仮称としておくものなんでしょうか。あと4カ月になろうとしている7月に向けて、遺産登録になるというような状況の中でいつまで仮称と言っていたらいいのか、もうこういうものを取ってやらなければならないんじゃないかという思いをしております。
 そういう中で、総合政策室が中心となってこのいわて平泉年を進めていらっしゃるのか。いろいろ調査をしてみますと、例えば商工労働観光部─観光のほうでしょうか、それから教育委員会、県南広域振興局、いろいろなところでことし1年、この平泉の世界遺産登録に向けての事業があるわけですけれども、例えば県庁内でどこがメーンになっているのか。総合政策室なのか、横の連携がどの程度とれていらっしゃるのか、縦割りでそれぞれやっていらっしゃるのか、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 いわて平泉年に係る仮称が括弧でついているということでございますが、いわて平泉年にかかわる予算を計上して審議いただいているわけでございますので、予算措置されましたら、はっきりと括弧は外れるような形で事業が固まることになろうかと思います。
 それから、県庁内であるとか振興局との連携についてでございますが、平泉の文化遺産の世界遺産登録に関連する県庁内関係部局の取り組みでございますが、これについては決して縦割りでございませんで、横の連携をとって相互に連絡調整をとってやっていこうということで、本年1月に世界遺産関連事業推進プロジェクトチームというものを設置してございます。ただ、県南広域振興局が地元として一番最初に動き出しておりますので、現在は県南広域振興局でその進行管理をやってございます。これについては、今後、県庁内部でもいろいろな部署が関係してきますので、情報共有、連携調整、どういう形でやったらいいのかということで議論をしているところでございます。
 それから、プロジェクトチーム会議があるわけでございますが、これを本年度既に3回やっておりまして、当初予算の関連事業などをまとめているところでございます。今後、県南広域振興局以外の振興局も、県内全域に展開していくということを予定してございますので、県南広域振興局でなく全県的な取り組みとして持っていくためにも全庁的な情報共有と連携が非常に重要でございますので、そのあたりは今後議論を詰めていきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 非常にスピードが遅いのではないかなと思っているのです。確かに7月には私たちも期待をしているわけですけれども、ほとんど遺産登録になるだろうと思っているわけですし、なるだろうというような思いでいるわけです。そういう中で、予算が通らなければこういう仮称が取れないとか、そういうことは非常にスピード感に欠けているんじゃないかと思います。
 そしてまた、今後、プロジェクトがあると言っていますけれども、これからというとき、私は、こういうことが出てきたときからもっともっと横の連携をとりながらやらなければならないんじゃないかと思うんです。
 まず宮城県の例をとりますと、伊達という関係もありまして、非常に宮城県が大きな期待を寄せながら動いているということは多分御存じだろうと思っております。宮城県のほうでは、県や市町村、地元企業・団体など80団体が一緒になりまして、仙台・宮城ディスティネーションキャンペーンですか、大型キャンペーンをもうやっているんですね。そうすると、岩手県というのは、地元でありながらいろいろな部分が後手に回っているのではないかという気がしてならないんです。
 そういうところでお聞きしたわけでありまして、今後これを解消していくために、私は総合政策室にもっともっとリードして進めてほしいという希望がありますし、やってほしいと思っております。その中で、例えばこのいわて平泉年について、全県でということもあります。確かに岩手県民みんな大きな期待を持っていると思うんですけれども、それぞれの市町村、例えば県北・沿岸、県南広域振興局はそうでしょうけれども、県北・沿岸を含めた平泉から遠いところの市町村、こういうところの反応をどう受けとめていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 確かにこれまで県南広域振興局中心で動いてきた面もございますし、それから、宮城のほうで観光関係を中心にして非常に活発な動きがあるということも重々承知してございます。本県におきましても、平泉関連では観光分野ではかなり早い段階から動きがありまして、観光以外の分野でどういうふうにそれを一体的な取り組みとして今後集中的にやっていくかということで今、議論をしている最中でございます。
 平泉の地元以外の市町村、県内全域に展開していくに当たって、地元以外の市町村の状況をどのように把握しているかということでございますが、確かに今までは平泉周辺の県南広域振興局管内の市町村が中心だったわけでございますが、今後これを全県的に展開していくために、本年1月に各振興局長に集まっていただきまして、知事を交えて意見交換の場を持っております。そこで、各地域において平泉に関連した何かプロジェクトが起こせないか、あるいは直接平泉と関係がなくとも、あるとき突然平泉の文化が出現したわけではございませんで、縄文の時代からの歴史の積み重ねがあるわけでございますので、県内各地には、そういう縄文時代からのもの、振り返ってみれば必ず平泉につながる何かがあるだろうということで、そういうものをいわば地元学的に各地域で平泉との関連で見つけていこうじゃないか、そういうことで、今、各振興局段階におきまして、地域内における平泉とのつながりを前提にした掘り起こしに取り組んでいるところでございます。
 また、県政懇談会で知事が各地域に行って地域コミュニティの方々との意見交換などもしておるわけでございますが、例えば先日、八幡平市にお邪魔した際にも、鹿角街道という街道の修復を地元の方々が小まめに積み重ねてやっておる。その鹿角街道というのは、かつては平泉のいろいろな物資を中国大陸に運んだ街道ではないか、そういう背景があって、地元の方々が平泉とのつながりで熱心に取り組んでおられる。そういうことも実際に直接お聞きしたりしておりますので、地域には必ずそういう、大小いろいろさまざまありますけれども、平泉つながりでの何がしかの地域おこしにつながるようなものがあるはずだという観点で、今、振興局段階でいろいろ検討している状況でございます。
〇工藤勝子委員 振興局長を集めてやっていると言いますけれども、例えば今までの中で、市町村長との懇談会とか、いろいろな場面があったのではないかと思うんです。振興局が中心になってやるのは、これはもう県のあれですから動くことは当たり前ですけれども、各市町村の人たちの動きというのが、何か私は鈍いというか見えないというか、そういう部分があるので質問してみたんです。
 県政懇談会で知事がと言いましたけれども、遠野でもありましたけれども、一切平泉という言葉は出てきませんでした、遠野においても。そういうこともありますので……(発言する者あり)気を使わなくてもいいんですけれども。
 とにかくそういう部分で、ぜひ今後いろいろな場面で発信をしていただければいいのかなと思っております。
 特にもいろいろな形で、例えば平泉以外で、奥州市が近いわけですけれども、平泉をメーンにして事業をしたところとか予算化しているようなところを把握していらっしゃいますでしょうか。
〇勝部総合政策室長 県南広域振興局以外の市町村における取り組みについてでございますが、その予算措置の状況等については現時点では把握してございません。恐らく市町村のほうでも、今、来年度の予算の組み立て作業中であると思いますし、今後、そのあたりは集中的に把握に努めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 最後に、いろいろ県内、国内、海外、情報の発信の仕方が違うんだろうなと思っております。そういう形の中で、県としては、例えば県内向けに今どういう情報発信をしようとしているのか、国内に向けてはどうなのか、海外に向けてはどういうような形でやるのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
〇勝部総合政策室長 いわて平泉年推進事業に係る情報発信につきましては、一般質問で知事も御答弁申し上げたところでございますが、自立と共生という平泉の理念を盛り込んだいわて平泉宣言というものを発するということで考えているところでございます。
 この宣言は、まず、県内に向けては、特に主権者である我々岩手県民が、中央から自立して地方主権を確立していた平泉の自立の精神を継承して守り続けていくことを県民が確認しようではないかということで、県内向けにそういう形で情報発信をしたいと考えてございます。
 それから、県外や海外に対しましては、特に平和の思想、平泉の持っている平和の思想、命あるものすべてを大切に思う平和の思想というものを、あるいは人と自然との共生という環境の理念もあわせ持っておるわけでございますが、そういう平泉文化の価値を今、平和と環境が強く求められているこの21世紀、今だからこそ世界に向けて発信していくということで、その宣言文についても日本語と英語併記で作成して海外に向けて発信していきたいと考えております。
 そのほか広報事業についても、平泉の世界遺産登録を一つのきっかけとして戦略的な広報を打っていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 私はまだまだ情報の出し方が足りないんじゃないかなと思っております。岩手銀行がいろいろな部分で知名度、観光の部分も含めてですけれども調査しましたならば、平泉じゃなくて遠野だったんだそうですね。そうすると、私は逆に、全国的に知れ渡っているのは平泉ではなくて遠野だという形になってしまったというようなことがあるわけです。ですから、それは遠野は遠野で、私は遠野ですからいいんですけれども、そうなると、逆に世界遺産登録になるという平泉のPRが、全国に向けての発信がかなり不足しているという思いがありましたので、ぜひこの1年、いろいろな形で国内・海外へ、今の精神に基づいて情報を発信していただければと思って終わります。
〇田村誠委員 工藤勝子委員の質問に関連して私もちょっとお聞きしたいと思って、今、手を挙げさせていただきました。
 今度の世界遺産登録に合わせたいわて平泉年、このことは私は大変すばらしいことだと思っております。ぜひこれを進めて、岩手の観光を推し進めていただきたい。私も代表質問でこのことを質問させていただいたのでありますけれども、実は今、私ども平泉から離れている地域、特にも県北・沿岸地域の観光というものは非常にまだおくれていると私は思っております。せっかくこうしたすばらしい企画をしながら、県北、沿岸を含めた岩手県全体の観光政策がこれに結びついていない。したがって、今言ったようなお話が私は出てくるんだろうと思うんです。
 去年、遠野でも千葉家が重要文化財に指定されました。これの整備がまだこれからという段階でありますけれども、例えばこういうルートの結びつきだとか、あるいは大船渡で開かれようとしております海フェスタ、あるいは浄法寺塗、こうしたそれぞれの地域と平泉の結びつきを今やっている最中ということでありますが、もし平泉、平泉ということだけでやっていくとすれば、何か岩手県の観光地は平泉で終わってしまうのではないかという心配が非常にそのほかの地域ではあるわけであります。
 したがって、一日も早く、例えば遠野にどう結びつけてどう観光客を運ぶのか、新しい商品を今つくっている最中だとこの前答弁をいただきましたけれども、そうしたものを一日も早く私は県民に知らせるべきだと思うんです。あるいは、それぞれの地域と平泉の結びつきというものを一日も早く出して、やっていくことによって平泉が岩手の観光に大きく寄与するというふうに思うんです。
 したがって、それぞれの地域に出ている、これは後で商工労働観光部でお聞きしようと思っておりましたけれども、総合政策室として、これからあと何カ月もないわけですから、いつまでにこうしたものをきちっと仕上げて県全体に波及効果を結びつけようとしているのか。例えば遠野の千葉家、あれも早く整備をしてやらないと、重要文化財に指定はされたものの、あと1回大きな地震が来ると崩れそうな状況なんですね。そうしたものの整備だとか、あるいはさっき言った八幡平の観光ルートの関係も早く明らかにしていかなければならないと思うんですが、今後そうしたスケジュールも含めてどのように考えているのか、もう一度お願いいたします。
〇勝部総合政策室長 ただいま、県内全体への波及効果というものを考えて、各地域のそれぞれのイベントであるとか、その地域の特色のあるものに結びつけた展開が必要だということを御指摘いただきました。まさにそのとおりでございます。先ほどの工藤委員からの御指摘、そして今の田村委員からの御指摘も踏まえまして、横の連絡をとる、連絡調整を行うプロジェクトチームの組織もございますので、当面その中で早急に今後の展開について詰めてまいりたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 関連させていただきます。
 地元の選挙区でありますので、平泉について、遠野選挙区、また大船渡選挙区からお話がありましたが、実は今、県議会で観光振興条例をぜひ議員発議したいということで検討をしております。そのときに、実は冠で「黄金の國、いわて。」という、これは広聴広報課だと思いますが、中央のほうで「黄金の國、いわて。」。これは総括質疑でもありましたけれども、私は、はっきり言って岩手県のイメージがもう「黄金の國、いわて。」でスタートするんだと。岩手県はもう「黄金の國、いわて。」という思いでいたんですが、さまざま今ありますように、各地域には各地域のそういった個性がありまして、果たして岩手というものをどう売っていくのか、ブランドイメージですね。
 これについて、県もそうですし、それから観光協会ですとかさまざま、きのうは岩手ナチュラル百貨店という言葉もありましたけれども、これも知らない新人の議員も実はおりました。過去には詩情豊かな岩手路という言葉もあったようでありますが、この辺やっぱり統一していきませんと、今の田村委員のお話ではありませんが、県庁内部はいいんですけれども、全県的に、総括でもありましたが「黄金の國、いわて。」というのは、では、どこを指すんですかという思いがはっきり言ってありまして、さっきのいわて平泉年というのは、平泉というのは地域になりますし、「黄金の國、いわて。」というのは、では、岩手はもう全県黄金の國というイメージでいくのか、非常にもやもやとした部分があります。
 恐らく「黄金の國、いわて。」は、総合政策室がどこか広告代理店から募集してコンペか何かやって予算措置をして発信したかと思いますが、商工労働観光部は、「黄金の國、いわて。」という言葉はまだ県内に周知されていませんと。ですから、そういうような名称の例えば振興条例のようなもの、「黄金の國、いわて。」観光振興条例のような形のものをつくられても、はっきり言って県民理解は全然まだありませんというような話を担当の商工労働観光部ではおっしゃるわけですね。ですから、果たしてこれはどうなのかというのをやっぱり整理する必要があると思いますが、この中心になるのは総合政策室だと思うんですけれども、今の段階でどうお考えでしょうか。
〇勝部総合政策室長 さまざまな御意見があるところでございまして、「黄金の國、いわて。」というキャッチコピーを掲げて、先日、首都圏を中心に岩手を売り込むイベントを行ったわけでございますが、それぞれ観光は観光のほうでの思いもあるわけでございます。そのあたりの総合調整をやはり我々総合政策室でやっていかなければだめだということで今、考えてございます。
 県内だけではなくて、県外に、あるいは海外に関してもどういうふうにそれをPRしていくかということも踏まえますと、まさに平泉の世界遺産登録の年というのが非常に大きい一つのきっかけの年になると思いますので、この機会に岩手としてのしっかりした柱を立てて取り組んでいく必要があるだろうと思っております。
 それから、県内各地への波及効果という面を考えましても、やはり今まで県北・沿岸の観光振興がなかなか軌道に乗らなかったと言われてきたのも事実でございます。これもやはり平泉の世界遺産登録というものを一つのきっかけにして、ことしが千載一遇のチャンスだと思っておりますので、そのあたりも含めて議論を深めていきたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 その議論を深める形を、総合政策室として、リーダーというかトップになってどういう形でそれを進めていかれるイメージがあるのか。
 それから、さっき工藤委員から伊達、宮城県の話が出ましたけれども、名古屋でたしか知事がおでんせ岩手でしたっけか、おでって岩手かわかりませんが、おでんせ岩手という何かキャンペーンみたいなことをやったようですが、我々のほうではおでんせとかおでってという言葉は使いません。ございんというように県南のほうは言いまして、ですから、岩手県というのは、私いつも思うんですが、よく四国4県分に匹敵すると比較されるんですが、県北、沿岸、県南、本当に大きな県でありますから、方言も、知事はこれからどんどん方言を使いながらというお話もしていますけれども、方言自体が違うんですよね。ですから岩手のイメージを考えるときは、当然南部の方も伊達の方も一緒に入って、そして県全体のブランド戦略をやっていかないと、はっきり言って、余りそういう形でなると同じ県内で違和感みたいなものが出てきてもまずいだろうなというようにも思うんですけれども、その辺からも今後の進め方というのは勝部室長のイメージではいかがでしょうか。
〇勝部総合政策室長 ただいま委員おっしゃるとおり、岩手はかなり広いわけでございまして、旧藩時代からの藩も二つの藩が入り込んでおって、方言も当然違っております。これから議論を深める際にどういうイメージでということでございますが、今までは、確かに観光は観光の分野、それから農林水産の特産品は特産品の分野という形でそれぞれに積極的に進めてきた部分があると思います。それから、首都圏とか中京、阪神のほうでいろいろなイベントを打つ場合にも、やはりその辺、横の連携というものが果たしてとれていたのか、十分だったのかと言われると必ずしも十分ではなかった面もあるわけでございまして、その辺、岩手が一本となって戦略的に宣伝をしていかなければだめな時期に今、来ているわけでございますので、私とすれば、やはり横の連携を十分にとった上で、この平泉の世界遺産登録の前に、そこらをしっかりした方向づけをして取り組んでいきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 今回の平泉は千載一遇のチャンスであるということで、国内観光地をつくるということではなくて、世界に向けた観光地をつくろうという意見がさきにありました。
 先ほど、最も大事な宣言文を、日本語は当然でありますけれども、英語だけと。これでは、やはり東南アジアからお客様が来ている。そして、まさにそこに我々は物産を売り込もうとしているわけでありますので、例えば韓国の方とか、あるいは中国の方、繁体字、簡体字もあるわけでありますけれども、宣言文というのをたった外国語1カ国語ではなくて、もう少し幅広にして、かつそういったことを我々にアピールしていくということで、もう少し、英語だけではなくてほかの言葉をもっても宣言をするようにしてはいかがかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇勝部総合政策室長 ただいまの御意見ありがたくちょうだいして、今後検討してまいりたいと思います。
〇工藤大輔委員 当該委員ですので簡潔に質問させてもらいたいと思います。
 先ほど「黄金の國、いわて。」という言葉が出ましたので確認させてもらいたいんですが、「黄金の國、いわて。」は、何を意図して、どこを─平泉に限ったことなのか、それとも岩手全体なのか、これがまだ浸透し切れていない。また、今やり始めということもあるでしょうから、それをもとにしてどのように今後PRを総合政策室としてやろうとしているのか、改めて確認したいと思います。
〇齋藤広聴広報課総括課長 「黄金の國、いわて。」についての御質問でございましたけれども、この「黄金の國、いわて。」というイメージコピーでございますが、昨年6月補正予算でいわて情報発信強化事業という県外向けの広報事業の予算を計上させていただいたところでございます。この考え方でございますが、まず、岩手ソフトパワー戦略の考え方に基づきまして、岩手のイメージアップ、それからブランドの構築をしていかなければならないと。その中では、岩手の持つ価値を皆さんにお伝えして、岩手に注目、関心をまず持ってもらわなければならないということを考えたものでございます。
 平泉が世界遺産登録を目指したことで、これが実現いたしますとまさに岩手県にとって千載一遇のチャンスなわけでございますけれども、平泉が岩手県にあるということも全国的にははっきり知らない方もいらっしゃると。観光で平泉にいらっしゃった方に、岩手県全体をめぐっていただくことがまず第一ではないのかと。岩手というものを印象づけていく必要があるのではないかと考えたところでございます。
 このいわて情報発信強化事業で業者のほうからいろいろ提案いただきまして、その中から選んだものでございますけれども、具体的には、平泉を初めとして、岩手の誇るべき歴史や文化、あるいは豊かな自然、高品質な農林水産物とか、あるいは伝統工芸、人材といった県全体の豊かさというものを「黄金の國、いわて。」というふうに表現して、岩手全体を売り込もうということで考えたものでございます。
〇工藤大輔委員 よくわからなかったんですが、岩手全体をこれから黄金に輝くものに持っていこうという、また、その位置づけに持っていこうということなんだと思います。
 ぜひイメージアップのためにそれが広く伝わるように、また、平泉がきっかけかもしれないけれども、平泉だけが黄金ではないんだよという形で広く浸透させてもらいたいと思いますし、また、岩手発の、余りイメージがよくないかどうかよくわかりませんが、岩手で黄金ということになると、例えば競馬のオーロパークも黄金だったり、岩手、これまで金にまつわる話はいろいろあったと思いますが、今回の「黄金の國、いわて。」というものは平泉の世界遺産という大きな柱がまずあるわけですので、それを県内にということで、特にも私の地元は最も遠いところで、その効果がどこまで出るのかというのがなかなか伝わっていない。また、伝わるとすれば、食材を通してだとか、そういったものを期待しているんだと思います。いずれ全県にその波及効果が出るように取り組まれるようによろしくお願いしたいと思いますが、答弁をぜひお願いしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 私たち岩手県民一人一人の心の中に持っているものが黄金に輝くような、そういう目標を持って取り組んでいくこと自体が「黄金の國、いわて。」につながるものだと私は思っております。そういうつもりで取り組んでいきたいと思いますし、それからまた、県内各地にそれをどう波及させていくかということも非常に大事なことでございますので、委員の方々からいただきました御意見・御指摘、重々念頭に置きながら、今後早急に取り組みの具体的なものを決めてまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 名前について関連させていただきます。
 いわば世界の評価に耐え得るものでないとだめだと思うんです。しかも、いろいろ聞かれると思うんです、何で黄金の國なんでしょうかと。そのとき、岩手県民全員が短いフレーズで一口で語れるような解説が私は必要だと思います。いろいろ説明をしなければわからないということは、これは非常に問題があると思います。しかも金でありますから、見方によると成金もあるし、それから鍍金もあるだろうしゴールドラッシュもあるし、あるいは金閣寺だって金だから、さて、岩手は何で金なんだと、こうなると思うんですよ。だから、世界の皆さんに聞かれた際に、それにしっかりと答えることができるような、短いフレーズでこうなんだということを真剣に考えないと、そして、それを岩手県民が誇りを持って言えるようなものにしないと私はだめだと思いますので、この件について室長の御見解を聞きます。
〇勝部総合政策室長 特に世界に向けて黄金の國というものをPRしていくに当たって、私の今考えておりますのは、やはり平泉を中心とした黄金文化というものが中国大陸に伝わって、それがマルコ・ポーロの耳に入り、マルコ・ポーロはそれを東方見聞録に書き落とした。それを多分読んだであろうコロンブスが黄金の国ジパングを目指して航海に出たというストーリー性のあることを今想定しておりまして、コロンブスが目指した「黄金の國、いわて。」と言うこともできるでしょうし、西行法師も平泉に向かって足を運んでおるわけでございますし、マルコ・ポーロもそうでございますし、そういう世界じゅうの目が平泉に向いた時代がかつてあったわけでございます。そういう注目されるべき宝を持っている岩手ということで、そのあたりを中心にコンセプトをつくり上げていければというふうに考えております。
〇佐々木順一委員 やっぱり物語が大事だと思うんです。言ってすぐみんながイメージできるようなものが最も大事だと思いますから、簡単に言うと、黄金の国ジパングは実は平泉だったと、これで通じるわけですから、こういう考え方でいろいろ組み立てていただければと思っております。
 終わります。
〇亀卦川富夫委員 何か随分黄金でいろいろ出ましたが、2点お伺いいたします。
 一つは、財政危機の認識についてお伺いいたします。
 非常に岩手の財政は厳しいと、これはそのとおりであります。そこで、いわて希望創造プランで本県の直面する危機の一つに、この危機という言葉を使っております。一方、財政健全化法、これにまつわる質疑の中で、総務部長は、財政健全化法による健全化判断指標、本県の場合、いずれの指標においても、すぐに早期健全化基準を超える状況にはない、引き続き健全な財政運営に努めつつ必要な政策に対処したい、このような答弁であります。この答弁を聞きますと、危機と健全化という意味での数値のとらえ方に何か乖離があるような気がいたします。
 飯澤委員が総括質疑でこの危機という使い方と深刻というような使い方、勝部室長もこれに答弁されておりますが、ある意味では危険水域に近づいてはならないというような、危険水域というような言葉もあるんだろうと思いますが、この辺、いわて希望創造プランを所管する勝部室長の御見解をお聞きしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 財政健全化法における健全化判断指標に関連しては、一昨日の総括質疑において総務部長のほうから答弁しておるところでございます。
 ただいま委員のほうからも御紹介がありましたとおり、すぐに早期健全化基準を超える状況にはなく云々という答弁があったわけでございますが、今後の本県財政につきましては、中期財政見通しでお示ししてありますとおり、県税収入も大きな伸びが期待できない状況が続く、それから、国の経済対策に呼応した事業等の財源として発行した県債の償還が当分の間、高い水準で推移することもあります。総人件費の抑制を初めとした徹底した歳出削減あるいは県債を最大限活用するなどの財源対策を行っても、毎年度の予算編成に当たっては、基金の取り崩しなどにさらに頼らざるを得ない状況にありまして、また主要3基金の残高も大きく減少してきているという状況、そういうことから見まして、本県の財政状況は大変厳しい状況にあると認識しているところでございます。
 今後、希望創造プランを推進して、県民一人一人が確かな希望を抱く県土づくりを実現していくためには、集中改革プログラムに基づく改革に着実に取り組んでいくこと、それから、将来にわたって安定的な行政サービスを提供できるような持続可能な行財政構造の構築に努めていくということが、今大事なことであろうと考えております。
〇亀卦川富夫委員 いわて希望創造プラン、危機という言葉の使い方はそれといたしまして、非常に厳しいという意味は一つ十分周知徹底して推進していただきたい、このように思います。
 次に、岩手ソフトパワー戦略の展開についてお尋ねいたします。
 これは、総合政策室の非常に大きなポイントでありますが、今も観光という面、いわて平泉年ということで非常にクローズアップされてまいりました。いずれにしても、政策形成あるいは政策立案の後方支援、あるいは広聴広報、こういったことで周知を図っていく当室でありますが、この岩手ソフトパワー戦略について、市町村の段階と申しますか、あるいは各種団体、こういった県民レベルで岩手ソフトパワー戦略ということの理解がどの程度されているのか、私、ここは非常にぼんやりしているのではないかと。まだこの言葉を使って間もないこともありますが、岩手ソフトパワーという意味を一つお聞きすると同時に、どのように県民にこれらを周知していくか。ただいま黄金の國というようなお話もその素材にあったわけでありますが、こういったことと相通じると思いますが、この辺の現状と進め方についてお伺いいたします。
〇勝部総合政策室長 県内市町村の持つソフトパワー戦略についての認識といいますか、そういうことについてのお尋ねでございますが、各地域に根差した資源というのは、各市町村のホームページなどでそれぞれ情報発信されているわけでございますが、それらは岩手ブランドとしての価値を高める源泉になり得るものと思っております。市町村の取り組みがそれぞれ個別にあるわけでございますが、それら市町村の取り組みとよく連携して、相乗効果が得られるような形で、例えば県のホームページなどで国内外に情報発信していくということが必要であろうと考えております。
 ソフトパワー戦略という言葉自体について、市町村にどの程度周知、浸透しているかということにつきましては、ただいま委員のほうからも御指摘いただきましたけれども、まだこの言葉を使い始めて余り日がたっていないということもあるわけでございますが、あらゆる機会をとらえてソフトパワー戦略というものの持つ意味をわかりやすく、市町村はもちろんのこと、県民の皆様にお伝えしていくことが何よりも今は大事だろうと思っておりますので、今後そのような観点で積極的に周知に努めてまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 これからでありましょうが、一つは、観光という側面は非常に取り上げやすいものだろうと思います。もう一つは農産物と申しますか、あるいは農水産物というような生産品、ブランド化という意味では非常にやりやすいのだろうと思います。そういう具体的なものを一つ一つ丹念にやっていく、ウイスキーに例えればモルトといいますか、それぞれのものをブレンドして岩手という形にしていくのか、それぞれのものをストレートに売り出していって、それを岩手が支援していくのか、これはやりようがいろいろあるんだと思います。
 いずれにしても、各地域に持っている資源を本当に自覚して、この岩手県と一緒にやっていく、こういうことだろうと思いますが、この場合、市町村と、あるいは各産業団体、こういったところのすり合わせというもの、その場面というものが非常に私は必要だろうと思うんですが、これを早急にやっていく必要があるのではないか。
 特にいわて平泉年、先ほど以来、平泉という言葉がまだ周知されていないと、これも一つの岩手ソフトパワー戦略の大きな題材ですので、目下はそれに傾注していくんだろうと思いますが、あわせてその辺の進め方をもう一度お伺いしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 いわて平泉年プロジェクトのさまざまな取り組みがある中で、やはり観光の分野もございますでしょうし、それから、一次産品であるとか工芸品など特産品を売り込んでいくという部分もあるでしょうし、それから、岩手の自然を体験してもらう、さまざまな場面が出てまいります。それをいかに有機的に統合するような形で、岩手を訪れる観光客なり訪れる方に、ワンセットのものとしてお示しできるかというところが一番大事なことになってくるであろうと思いますので、一つ一つが個別に展開するのではなく、総合的に、それが有機的に組み合わさった形で提供できるような形に持っていければと思って、その辺もこれから議論を深めてまいります。
〇亀卦川富夫委員 そういう意味では、例えば水沢に正法寺という禅の修業寺がありますが、学びというような観光もあるということからいけば、座禅をお勧めするようなものとか、あるいは天文台というような宇宙に向かったもの、こういった、いわゆる知的なものと申しますか、そういうものもあろうかと思います。その辺ひとつよろしく今後進めていただければと思います。
 この岩手ソフトパワー戦略を展開するに当たって、特に東京圏中心に情報発信していくということがうたわれております。そこで、いろいろ各担当部局は違うかとは思いますが、話題によく出ますいわて銀河プラザ、これが本年が10周年ですか、こういった記念すべき年を迎えたという意味で、さまざま施設整備等をやるとお伺いしております。私は、イートインといいますか、食材を提供するだけではなくて、それを食べていただくというような部分も必要ではないかということをかつて申し上げましたが、今の設備ではできないということであります。
 一方、岩手県内の優良なる企業等は、銀座界わいといいますか、いわて銀河プラザ界わいでお店をオープンしたり、展開しているわけであります。必ずしもいわて銀河プラザにとらわれなくても、そういった意味での周辺での展開と申しますか、そういったことを含めて何か考えられないものか、こういったことを政策担当としてどういうふうに考えておられるのかお伺いしたいと思います。
 あわせて、東京事務所の件についてお尋ねいたしますが、東京事務所にも増員の上、これから取り組んでいくということでありますが、東京事務所の活用を含めて、岩手県出身者が、岩手県人会というような一くくりでというよりもむしろ、例えば私の選挙区であります奥州市では水沢人会ですとか、そういったもの、あるいは産業でまとまったようなものとか、あるいは同窓会、そういったものがいろいろあると思うんです。こういったものを丹念に発掘して、いろいろ岩手を盛り上げていただく、こういうこともひとつ東京事務所を中心としたやり方としては考えられるのではないか、このように思いますが、いわて銀河プラザとか東京事務所をせっかく東京で展開しているわけでありますので、東京圏で岩手ソフトパワー戦略を展開する上では大きな力になると思うのでありますが、具体的に何かそういうものをお考えでしょうか。あるいは、それらを今後いろいろ考えてやっていくということでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 首都圏における拠点としてのいわて銀河プラザ、それから東京事務所のあり方についてのお尋ねでございます。
 いわて銀河プラザは平成10年10月にオープンしてございまして、まさに10年経過するわけでございます。これまで販売額であるとか購買客数ともに毎年順調に増加してきておりまして、首都圏における本県の情報発信機能の中核を担っていると認識しております。今後も一層の集客を通じて、本県の特産品あるいは観光資源の普及、イメージアップ、これらが図られるように努めていくことが必要だと思っております。
 ただいま委員のほうから御提案のありましたイートインですか、その可能性について、これは直接の担当は商工労働観光部のほうでございますので、検討してまいりたいと考えております。
 それから、東京事務所につきましては、これまで主に省庁と本庁のパイプ役としての機能を担ってきていたわけでございますが、地方分権であるとか、それから情報化の進展、地域間競争の激化などによって周辺環境が大分変わってきております。大きく環境が変化してきているということがございまして、そういう状況を踏まえまして、首都圏などに本県を売り込む最前線基地としての機能、そっちのほうに軸足がシフトしてきているというのが今の状況だと認識しております。こうしたことから、東京事務所のほうにおいても、岩手県の首都圏営業本部という意気込みで頑張ってもらっておりますし、平成20年度から職員体制も強化する方向でおります。
 まさに、いわて平泉年の国内外への情報発信であるとか、あるいは食材販売戦略のプロジェクトチームを組織するなど、県産の食材あるいは特産品の販路拡大、さらにはイベントの開催、情報発信などの首都圏での岩手ファンを拡大する取り組み、これらを展開していく機能がますます東京事務所では大きくなっていくものと考えております。
〇亀卦川富夫委員 先ほど、岩手の出身者と申しますか、そういった点に触れたんですが、今のお話の中で、私は東京事務所あるいはいわて銀河プラザ、非常に今後外向きにやっていくということでありますが、岩手出身者のサロンというんでしょうか、そういった方々が集って、あるいは岩手の定住化と定住促進などもいろいろ考えられると思うんですが、何かそういう一つダイナミックなものというんでしょうか、いろいろなつてはあると思うんです。例えば同窓会ですと会報などをよく出していると思うんですが、そういったものでいわて平泉年であるとかに触れながら、ぜひいわて銀河プラザなり、東京事務所もそういう意味ではもう少し開放的なものにして、集っていただくといいますか、そういう進め方もあるのではないかと思います。これは、直ちにやるかどうかは別にいたしまして、お金のかからないやり方につながるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇勝部総合政策室長 ただいま委員のほうから御提案がありました件については、東京事務所長も全く同じ考えを持ってございますので、いかに首都圏で活躍なさっておる岩手県出身の方々、大きくは岩手県人会という組織がございますし、在京産業人会というものがございます。それから、いわて文化大使というものもあるわけでございますので、そういう方々からも貴重な御意見をいただく機会がございますので、そういうものも踏まえまして、どういう形が一番いいのか考えていきたいと思います。
〇佐々木順一委員 それでは、総合計画につきましてお伺いいたします。
 知事は、一般質問とか予算の総括質疑で、次期計画の内容につきましてさまざま考えを断片的でありますが答弁されております。例えば、今までは基本構想、基本計画、実施計画と三つありましたが、基本構想と実施計画の2層も考えられるということがまず大きな特徴であります。
 それから、総合計画審議会の関係につきましても、各政策分野における審議会との連携方法についても検討の必要があると。これもまた、知事の考えでもあります。
 それから、おとといの総括質疑では、マニフェストに基づいて4年ということも中間年次で考えられるというようなポイントが答弁でありましたが、こういった知事の考えを踏まえて、総合政策部では次期総合計画の策定に当たり、これをどのように整理して今後作業に当たられるのか、まず、事務的な姿勢についてお伺いしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 まず、一般質問あるいは予算特別委員会における知事答弁の事務的な整理についてということでございますが、今議会で知事のほうから答弁申し上げましたものを整理いたしますと、まず、実施計画につきましては、地域経済や県民生活を取り巻く環境の変化が目まぐるしく、また、いわゆるマニフェスト型選挙が主流になりつつあるといった時代背景などから、少なくともその計画期間は4年程度とすることが適当であると整理しているところでございます。
 他方、実施計画の上位計画でございます基本構想、基本計画につきましては、おおむね10年程度の長期を見通しつつ、地域の目指す将来像などを県民挙げて考えて話し合っていくことは、大きな意味があるということでございます。その一方で、長期の計画期間とすることは、将来を見通すことの難しさやマニフェストサイクルとの関連において、より短い計画期間とすべきであるとの考え方もあるところでございます。
 また、現在の総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画、この三つの3層構造から成ってございますが、これを基本構想と実施計画の2層構造による構成とすることも考えられるとしてございます。
 したがいまして、まずは、計画の期間でございますとか計画の構成などにつきまして、どのような総合計画のあり方が最も合理的であるか、あるいは策定の手続や手法はどういったものが適当かといったことについて、総合計画審議会などの場において早急に議論を深めていく必要があると考えております。
〇佐々木順一委員 それで、総合計画審議会に諮問するわけですよね。ちょっと聞きますが、総合計画審議会にある程度、どういった柱立てして、多分この諮問といいますか、意見を聞くといいますか、そういった作業になると思いますが、そこの手順をちょっとお聞かせいただきたいと思っております。
〇岩間政策担当課長 総合計画の諮問の関係についてでございますが、条例に基づきまして、知事の諮問機関でございます総合計画審議会に諮問するという手続を経ます。現在の総合計画につきましても、平成9年に諮問申し上げて、平成10年に中間答申を得て、平成11年に最終答申を得た、そういった手続でございます。
 新しい計画につきましても、それに準じたと申しますか、そういう手続になると考えてございます。
〇佐々木順一委員 事務的に、あるいは知事名で諮問するわけでありますから、やはりいろいろな中身を審議会に諮るわけでありますが、恐らく審議会のメンバーも任期満了だろうと思います。今の方々は任期を迎えるわけでありますが、今後、新たな審議会の人選をどういった考えに基づいて選考されるのか、その辺、事務的な考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
〇勝部総合政策室長 総合計画審議会は、県政への総合的な計画の策定及び推進に関する重要事項を調査審議するための知事の諮問機関ということになってございまして、岩手県総合計画審議会条例に基づいて、その委員は20名以内とされており、任期は2年間とされているところでございます。
 委員の構成につきましては、条例の規定によりまして、市町村長のほか、学識経験者としておりまして、例えば大学教授、企業経営者、地域づくり活動のリーダーなど、さまざまな分野で活動している方々を中心に選任しているところでございまして、女性委員であるとか若手委員という構成にも配慮してまいります。地域的なバランス等も考慮していきます。
 現在、4月1日からの任期となります第15期、次期委員でございますけれども、第15期の委員の選任の作業を進めているところでございます。
〇佐々木順一委員 知事も草の根コミュニティを標榜しております。いわば各地域の本当に小さな集落、これが集合して市町村を形成して、さらに岩手県を、ひいては国をつくっているわけでありますから、今度の計画は、いわば極端な話を言いますと、140万県民の意見を聞くような姿勢が最も大事ではないかと思っております。
 前回の計画は、たしか2万5、000人程度の県民から意見を聞いたと聞いておりますし、それなりにいろいろな関係機関の長とかそういったところからも意見は聞いたと思いますけれども、いずれにしろ姿勢、考え方とすれば、せっかく草の根コミュニティという事業も県でおやりになっているわけでありますから、手法はともかくも、理想的には、県民の全員が何らかの形で計画の樹立にかかわった、そのプロセスが大事だと私は思っております。
 いずれにしろ、言うのは簡単でありますが、物理的にはなかなか難しいところもあると思いますけれども、極力そういったところを考慮して計画づくりに当たるべきではないかと思いますが、この考えに対しまして御見解をお聞かせいただきます。
〇勝部総合政策室長 知事の考えも、可能な限り県民の皆様一人一人の声を反映させたいという気持ちでございますので、私どもといたしましても、県政懇談会の内容を充実させるでありますとか、あるいは、あらゆる機会を通じて県民の皆様の意見をお聞きする、そういう場面を数多く取り入れていきたいと思っております。
 また、総合計画審議会の場におきましても、審議会の中に、例えば専門部会というものを設けてやっていくのも一つの方法かと思ってございますし、それから、各部門別の審議会を各部局のほうで所管しておるものがございますので、そちらの各部局別の審議会のほうとの横の連携をとりながら、県の総合計画審議会の条例の中にも他の審議会のほうからの意見も聞くことができるという条項もございますので、そういうものを有効に活用しながら、可能な限り広範囲に御意見を伺う機会をつくってまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 たしか知事が、総合計画審議会と各政策分野における審議会との連携方法と言ったのは、今、室長がおっしゃったようなことですよね。いずれ、今までよりも広範多岐にいろいろな機関を有効活用することが大事だろうと思っております。
 今までは、基本構想、基本計画、実施計画ですか、三つでありましたが、知事は、基本構想と実施計画の二つも考えられるという、まだ固まったわけではないと思いますが、いずれにしろ、今までの計画を見ると、物すごく厚くて、岩手県民だれもが簡単に手にすることはできますが、やはり読むのになかなか面倒くさくなるというのが正直な普通の心境ではないかと思います。
 社会経済情勢も目まぐるしく変化する時代でもありますので、期間をどう定めるか今後の問題だろうと思いますが、いずれにしろ、完成した計画は、どなたでも岩手県民が平易な気持ちで読めるようなものにすべきだと思いますし、また、裏返すと、10年になるのか何年になるのかわかりませんが、その長期の期間に耐えられるような中身にしなければならないと思っております。そこには、やはり予知能力といいますか、未来を予測する想像力もある程度は大事だろうと思っておりますので、その辺を事務的に整理されながら、今後の作業に取り組んでいただきたいと思っております。
 御所見があればお伺いしまして、質問を終わります。
〇勝部総合政策室長 何よりも、わかりやすく県民の皆様にお伝えすることが一番の目的になろうと思います。したがいまして、その点は念頭に置いて取り組んでまいりたいと思います。
 先日公表いたしましたいわて希望創造プランにつきましても、今、作業中でございますけれども、具体的な中身をわかりやすく県民の皆様にお伝えするために、例えば小学生、中学生向けに書いたバージョン、それから、子育て中の親御さん向けの書き方であるとか、あるいは高齢者の方々に向けた、そういう対象ごとに説明の仕方を工夫しながら周知を図っていくことも必要だろうと思っておりますので、いろいろな工夫を凝らしまして取り組んでまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 初めに、予算の中身について若干お聞かせ願いたいと思います。
 2款2項1目企画総務費のうちの外部監査費1、498万4、000円、同じく2項2目計画調査費、政策評価推進費1、060万6、000円とあります。先ほど政策評価推進費については若干説明がございましたけれども、僕らのイメージからするとこれは同じような感じがするんですが、どういった違いがあるのか、内容について説明していただきたいと思います。
 もう1点は、同じく2款2項3目広聴広報費、これが2億8、461万円増となっております。これは、前年度が当初予算の6月現計の体制ではないのでちょっとわからないんですけれども、そういう意味での増になっているのか、それとも何か理由があるのか。
 そしてまた、委託料が1億5、244万5、000円と大半を占めているわけですけれども─さっきのは2、846万円でしたね。委託料、これについての内容を示していただきたいと思います。
〇高橋経営評価課総括課長 まず、外部監査費と、それから政策評価推進費についてのお尋ねでございます。
 まず、外部監査費の1、498万4、000円についてでございますけれども、これは、地方公共団体の監査機能のより一層の充実強化を図るという趣旨で、地方自治法で義務づけられているものでございます。その規定に基づきまして、専門性と独立性を兼ね備えました公認会計士などの外部監査人が監査を行うものでございまして、平成20年度における包括外部監査及び個別外部監査に要する費用を計上しているものでございます。
 この内訳でございますけれども、包括外部監査に要する費用、これは委託料でございます。委託料といたしまして1、397万4、000円、それから個別外部監査に要する費用といたしまして101万円を計上しているものでございます。
 また、次に、政策評価推進費の1、060万6、000円についてでございますけれども、この内容は、政策等の評価に関する条例に基づきまして、平成20年度における政策評価システムの運営及び県民協働型評価の実施に要する費用として計上しているものでございます。
 その内訳は、政策評価委員会の運営費といたしまして865万6、000円、これは、委員19人の委員報酬でございますとか、それから旅費等の事務的な経費でございます。それと、さらには県民協働型評価についての委託料といたしまして195万円を計上しているものでございます。
〇齋藤広聴広報課総括課長 広聴広報費の平成20年度当初予算額でございますけれども、御案内のとおり1億7、560万7、000円ということになってございまして、当初予算額と比較して2、846万1、000円の増額となっております。これは、当初予算額と比較いたしました場合に、いわて情報発信強化事業費の皆増、2、673万6、000円等によるものでございます。
 委員御案内のとおり、御指摘のありましたとおり、これは当初予算額と比較した場合でございまして、実は、平成19年度予算額は6月補正で県政広報事業、それからいわて情報発信強化事業費合わせまして3、991万5、000円増額しております。この6月現計との比較で申し上げますと1、145万4、000円の減額となっているところでございます。
 また、委託費1億5、244万5、000円の内容についてでございますけれども、その内容といたしましては、広報誌、テレビ等による県内広報に係る県政広報事業費が1億1、247万2、000円、それから今年度に引き続き実施いたします県外向けのいわて情報発信強化事業費2、500万円、それから県民室の運営委託費1、335万6、000円、さらに知事記者会見のインターネット配信に要する経費161万7、000円、これを合計したものとなってございます。
〇嵯峨壱朗委員 最初の説明は余りよくわからなかったんですが、後でまた教えてください。やはり同じ県でやっている事業についての評価というか、同じようなことをやっているのかなという気がして聞いたんです。でも、違うんですね。失礼しました。
 先ほど来議論のあったいわて希望創造プランもそうですけれども、このいわてというのは平仮名を使いますよね。なぜ平仮名なのかというのを疑問に思っていたんですけれども、表意文字の意味があると僕は思っているんです。つまり、見てぱっと、ああ岩手なんだといった。なぜ、いわてと平仮名で使っているかお聞かせ願えればと思うんですけれども。
〇齋藤広聴広報課総括課長 「黄金の國、いわて。」のいわて、いわて情報発信強化事業のいわてということかと思いますが……。
〇千葉康一郎委員長 いわて希望創造プランのいわて。
〇齋藤広聴広報課総括課長(続) 失礼いたしました。
〇岩間政策担当課長 プランの名称についてのいわてをなぜ平仮名かというお尋ねでございますが、一見してわかりやすくと申しますか、漢字で書くよりもソフトな印象を県民の皆様にお持ちいただけるのではないかという趣旨も踏まえまして、いわてという平仮名を使用させていただいたということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 まあ、そうでしょうね。そんなものでしょうね。特に意味はないでしょうね。ただ、平仮名というのはよく使われているけれども、本来漢字ですから、そのほうがぱっと岩手だとわかるという面もあると思うんです。だから、慎重にやるべきかなと思っておりますので。いいです。
 それと、いわて希望創造プランについてですけれども、政策編にいろいろな目標数値が示されております。そして、例えば農林水産業においても、サケはどうだとか、アワビはどうだとか出ていますけれども、これは密接に予算とかかわってくるものではないかと思っているんですが、その点のかかわり、調整はどのようになされているのかお聞かせ願いたいと思います。
〇小田島政策推進課総括課長 いわて希望創造プランの目標値と予算とのかかわりについてでありますけれども、平成20年度の当初予算につきましては、このいわて希望創造プランを着実に推進していくための第一歩の予算であるということで、このプランに掲げた各政策項目、この目標値の達成を図っていくという観点から、当室も参画をしながら予算編成に臨んだところであります。
 委員お尋ねの農林水産業の関係の、例えばサケの例がございましたが、そういったプランの政策項目を構成する県としての具体的な推進方策、こういうものにつきましては、全般につきまして、厳しい財政状況ではございますが、必要な予算措置はされたものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 今、必要な予算措置はされたものという説明ですけれども、例えばサケで見ると、平成17年度2万7、000トンが平成22年度は4万トンを目標としている。アワビで見ると231トンが400トン。予算の推移で見ると、私もちょっと調べてもらったと言ったほうが正確か、人件費とか、あと項目別に人件費が入っておるのはちょっと拾えないんですけれども、公共投資の部分を差っ引いて見た場合、6月現計で見ると、例えば水産振興費が11億円に対して9億7、000万円とか、林業費は39億円に対して34億円とか、農業振興費─これはハードは除いているんですね、いわゆる普通建設事業の分は除いているわけです。軒並みかなりの部分ダウンしていますね。
 これを、例えば水産振興にかかわる予算だけで見ると、平成15年度で見ると10億5、000万円あった。それで平成20年度2億9、900万円なんですね。これだけ減っているわけです。恐らくこういった形で、今、必要な手当てをしたということですが、これで十分な手当てと言えるんですか、どうですか。
〇小田島政策推進課総括課長 今、委員御指摘のとおり、農林水産関係の予算、各部門別に見ましても、公共事業費除きでございますが1割程度減っておるわけでございます。非常に厳しい財政状況の中で効果を生むような、そういう仕組みをするということで、そのためにプランの中では大きく三つの柱立てを組んでおります。経営体の育成ですとか産地形成、あるいは販路拡大。その中に、例えば販路拡大の中に、御紹介のありましたサケについては、沿岸漁業の漁獲量なども高める、そのための仕組みを平成19年度、20年度、21年度とずっとやっていく、そういう工程表も設けてございます。予算は非常に厳しくなっておりますが、そういう工程表に従いまして着実に取り組みが推進されるような、そういう形で事業を進めてまいりたいと考えています。
 今回のプランでは、県が、これをやりますよというような形で県だけが行う、そういうものではございませんで、プランの中で取り組みに当たって役割分担、皆様方と一緒に取り組んでいきましょうというプランになってございます。したがいまして、県あるいは市町村、あるいは漁業者の方々、皆様方の力を合わせながら、目標達成に向けて取り組む、そういうことで考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 これは県だけではなく、そういった従事者も含め、経営体も含めて一緒にやっていく、余り県の予算はなくても大丈夫だということなんだね、多分ね。
 経営体の育成というのがございましたけれども、例えばわかりやすいから漁業者でいくと、御承知でしょうけれども、経営体がどんどん減っているわけですね。高年齢化しているわけですよ。例えば平成15年、漁業従事者で言いますと60歳以上の人が36%、平成15年ですから、5年たっていますからもう65歳以上になっていますね、わかるとおりですけれども。そして、人数にしても毎年何%かずつ減っていますよね。そういった背景からすると、協力してやろうと言っても、そういった面で言ってもなかなか難しい。そういったことについて何らかの応援をしていくのが行政ではないんですかと私は思って聞いているんです。どうでしょうか。
〇小田島政策推進課総括課長 今お尋ねのありました経営体の育成でありますけれども、地域の養殖漁業を担う経営体を、こういう厳しい状況の中でどういうふうに育成していくのかということで、例えば中核的な経営体を育成する、あるいはそういうことを核としながら、生産の効率化あるいは高付加価値化を進める、などの取り組みをしていくということで、県としても支援をしてまいると考えております。
〇嵯峨壱朗委員 これについてはこれ以上聞きませんけれども、要するに、せっかく計画を立てても、例えば5年で3分の1になっているような振興費ですよね。これは、いかに県以外の実際の従事者と協力しながらやっていくといっても厳しいのではないかということ、絵にかいたもちになる可能性があるのではないかということを指摘したいと思います。だから、しっかりと予算の裏づけを持った形で進めていただきたいと思っております。
 そして、先ほど来、平泉の話が出ておりましたけれども、世界文化遺産の普遍的価値という、私ちょっとこの平泉における普遍的価値について説明してもらいたいと常日ごろ思っていたんですが、どういうふうに説明しているのかお聞かせ願いたいと思います。
〇八重樫政策調査監 平泉文化の価値についてでございますけれども、一つは、浄土思想を反映した平和の思想、もう一つは平泉のまちづくりにもあらわれていますけれども、環境の理念を踏まえたそういったまちづくりということで、平和と環境の理念ということは、平泉文化の価値であるとともに、この理念は、平泉のはるか以前の縄文時代から岩手の地に脈々と生きてきたということで、こうした意味で、平泉の価値というものは、後世にまでずっと継承していかなければならないということで、まさに普遍的な価値であると認識しております。
〇嵯峨壱朗委員 多分今の説明しにくいように、説明しにくいと思うんですよ。普遍的価値の普遍性をどうやって説明するかというのは、恐らくですね。例えば浄土思想が普遍性って、浄土思想というのは全く普遍性ないですよね。それに、いわゆる宗派からすると一宗派ですよね。そういった面で言うと非常に限られている。
 そして、よく共生とか自立と言いますけれども、これは現代の言葉でとらえた、あくまで歴史的な制約を持っているパラダイムと申しますか、そういったものだと思っているんです。それを位置づけてとらえていく危険性を非常に感じているんです。
 平和という言葉も使います。確かに平和的思想は、よく出ていますが中尊寺の建立供養願文ですか、ここに戦争で亡くなった味方も、そして死んだ子供についても一緒に浄土に行きましょうという。それは、当時は、恐らくどこまで我々が今とらえているようにとらえているか、非常に私は疑問なんですね。ですから、現代的価値に持っていく場合に、より慎重に訴えていかなければならないという気がしております。
 石見銀山が結構もめたのは、その普遍性をどうやって証明するかというところにポイントがあったと聞いております。ですから、浄土思想を強調するだけでは普遍性が果たして保てるのかという気が私はしているんです。そういった意味で、より説得力のある説明を、県民に理解してもらうのもそうですけれども、対外的にしておかなければ、浄土思想というものもいろいろあるんですね。例えば天台宗の中にも当然、阿弥陀信仰的な浄土思想があるし、浄土宗というものも、浄土真宗もいっぱいあるわけです。浄土でもいろいろあるし、阿弥陀浄土だけでなくていっぱいある。いろいろあるわけです。だから、その辺をどうやって対外的に普遍性を説明していくのかというのは非常に難しいと思っているんです。答弁があれば。
〇勝部総合政策室長 浄土思想の部分だけが前面に出てしまうとなかなか御意見もいろいろ出てくると思います。いずれにしましても、平泉の文化的価値というものにつきましては、藤原三代が、当時の中央からある意味で自立した形で国づくりというんですか、中央政府から自立した形で独自の文化を形成していた、自立の精神という部分が一つ。それから、もう一つは、今、委員のほうから御紹介ありました中尊寺の建立願文にあるような、勝者も敗者も区別なく、人と人との共生といいますか平和の精神、この自立の精神と平和の精神、この二つに尽きると考えております。
 これをいかにわかりやすく発信していくかというところで、今、頭を悩めているところでございますが、いずれ、この自立の精神と平和の精神というものを前面に出して、これが平泉の普遍的価値なんだということで発信していきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 大変だと思います。当時は宇治の平等院も浄土思想、あれは浄土を表現しているわけですね。都ではやったのが当時の浄土信仰だったわけです。当時はそれを持ってきただけの話なんですよね、あれは、実は。独自性があるというわけではないです。
 ただ、さっき言われた自立という意味で言うとそうだと思います。ただし、平和とか共生という概念だけでとらえていくと、当時、間違いなく殺す側と殺される側というか、よく言われているとおり、あれをつくった人とつくらされた人といるわけです。そういった時代ですから。封建時代ですから。今持っている共生とか自立─自立はまあわからないではない。平和とかそういったものはかなり慎重にやっていかないと、普遍性がどこまで主張できるかわからないと私は思っているので、ぜひ慎重に検討していただきたいと思います。
〇千葉康一郎委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時54分 休 憩
午後1時3分再開
〇飯澤匡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇新居田弘文委員 最初に、包括外部監査について伺います。
 議案第53号ということで、包括外部監査契約の締結に関し議決を求めることについて提案されております。午前中の嵯峨委員からの質問に対して、今回、1、397万4、000円を上限とした契約内容ということでございますが、それに関連しましてお伺いします。いわゆる上限ということですからこれから変わるということもあるんですけれども、一定の積算根拠がなければこういう数字は出てこないのかなと思いますが、その積み上げ根拠についてどのような仕組みになっているのかということと、それから、今までもいろいろな方が3年続けながらやってきているわけでございますが、今回、久保さんという方を選んだその辺の根拠といいますか、内容、経過について。
 さらに加えまして、平成11年度から平成19年度までの契約金額を見ますと1、600万円台から1、700万円、1、800万円、あるいは平成17、18年度が1、500万円台、そして平成19年度は1、400万円台ということで、今回は若干下がったといいますか、約1、400万円に近いわけですけれども、その内容、金額の経過、その辺についても御説明をいただきたいと思います。
〇高橋経営評価課総括課長 包括外部監査の委託料の積算根拠等についての御質問でございます。
 まず、その積算でございますけれども、委託料の積算に当たりましては、契約を締結することができる者が公認会計士や弁護士など専門的な知識を有する者に限られていること、さらには、本県においては、これまで公認会計士の資格を有する者と契約を締結してきた、これは、監査は財務監査が対象ということでございまして、公認会計士が適当だろうということでございます。そのような実績等を踏まえまして、公認会計士協会において制定されておりました公認会計士報酬規程を参考に、これまでの包括外部監査における監査人でございますとか、その業務をサポートする補助者の執務日数などをもとに見積もるということでございます。またあわせまして、他の都道府県における予算措置状況なども参考にいたしまして予算額としているものでございます。
 ちなみに、平成19年度当初予算段階におきます都道府県の平均でございますけれども、およそ1、692万円となっているものでございます。全国47都道府県のうち、金額ベースで見ますと、1、000万円以上1、500万円未満の団体が12団体で25.5%、さらに一番多いのが1、500万円以上2、000万円未満で27団体、57.5%になっているものでございます。
 それから、今回、議案として提案いたしております包括外部監査契約の締結についてでございますが、この議案につきましては総務常任委員会に付託されているものでございますけれども、予算と関連ございますので、これについても御説明申し上げたいと思います。
 今回の契約の当事者でございますけれども、これは、あずさ監査法人に所属いたしております久保さんという方でございます。この方を決定するに当たりまして、県といたしましては、岩手県の公認会計士協会でございますとか大手の監査法人に本県の包括外部監査を受託する意思があるかどうか、意向を確認させていただいております。そういう中で、あずさ監査法人からの推薦で久保さんが出てきたということでございます。
 実は、会社法の改正を受けまして会社の内部統制基準がかなり強化されているということで、公認会計士の仕事が飛躍的に多くなってきているということで、その人選にかなり苦労したところでございます。当初段階では推薦がなかなか出てこなかったため、改めてまたすべての団体等に再度手を挙げてほしいというような活動をいたしまして、最終的にこの久保さんが出てきたということでございます。また、この久保さんにつきましては総合政策室で直接面談いたしまして、どういう監査をしていただけるか基本的な考え等を確認させていただいておりまして、包括外部監査人として適切な方ということで今回議案として提出させていただいております。
 それから、この久保さんのこれまでの包括外部監査の経験でございますけれども、秋田県の包括外部監査の補助者の経験もあるということで、県の監査に精通していて、そういう実績がある方でございます。
 それから、委託料のこれまでの経過についてでございますけれども、本年度の監査契約の上限は1、397万円余でございますが、昨年度と比較いたしまして5%の減となっています。これは、本県の厳しい財政状況もございますし、ただ、何よりもきちっとした監査をしていただくということで、他の都道府県等の状況等も見ますとおおむねこの金額で受けていただけるだろうという判断のもとに金額を決定したものでございます。
〇新居田弘文委員 毎年監査テーマがそれぞれ変わっておりますが、この選択は監査法人のほうで決定されるのかどうか、それを1点お聞きしたいと思います。
 それから、今まで監査を受けた結果、指摘事項も多々あったわけでございますが、それに対する県としての対応、改善、その辺の取り組み状況について、ただ、余りにも膨大ですから全部というのはなかなか大変ですけれども、事例を挙げて御紹介いただきたいと思います。
〇高橋経営評価課総括課長 まず、この包括外部監査テーマの決定でございますけれども、これは、地方自治法の規定に基づきまして、包括外部監査人みずからが選択することになっているものでございます。これまでの監査テーマにつきましても、包括外部監査人みずからの判断で決定してきているものでございます。
 それから、これまでの結果等についてでございますけれども、包括外部監査制度につきましては、地方自治法の改正に伴いまして平成11年度から導入されたもので、毎年度それぞれ監査テーマを定めて実施されてきたところでございます。平成11年度から平成18年度までの間に、全体で130件の監査結果としての指摘がなされたところでございます。
 この包括外部監査の結果への措置状況についてでございますけれども、これまで、県営住宅における長期家賃滞納者に対する滞納整理などの法的措置の実施でございますとか、県出資等法人の見直し、補助金支出の適正化などという形で対応措置が講じられてきておりまして、県の業務改善に大いに貢献していると認識しているところでございます。
 なお、この監査結果への措置の内容につきましては監査委員事務局に通知いたしまして、それを踏まえまして、監査委員事務局のほうで県報に登載の上、公表されているところでございます。
 なお、本年度におきましては、公営企業会計を除く九つの特別会計の事務の執行及び事業の管理を監査テーマとして実施されたところでございますけれども、総合政策室といたしましては、関係部局に対しまして、この監査結果等に対する措置計画を定め、速やかに改善措置を講じられるよう措置しているところでございます。
〇新居田弘文委員 措置状況については、概略といいますか、トータルの話があったんですが、私もその資料を拝見したんですが、通知とか、あるいはその指摘事項を徹底したということまではわかるんですけれども、問題は、その後どうなったかということがちゃんとフォローされているかどうか、その辺がちょっと心配といいますか、きちんと確保されているかどうか、その辺を心配したんです。
 例えば、平成18年度の中で土地利用の随意契約についていろいろ指摘がございましたが、これについてもちゃんと会議とか、あるいは文書で種々通知をしているということでありますけれども、通知措置した後をきちっと確認しているかどうか。その辺もきちっとやっていただかないとだめなのかなということでございますので、その辺の見解をお聞きしたいと思います。
 続けて質問しますが、午前中、世界遺産登録の関係でいろいろ取り組みについて質問もあり、皆さんから答弁もございましたし、その決意のほどもわかったんですけれども、最終的には、県外あるいは国外からお客さんに岩手に、平泉に大いに来ていただいて、見てもらうのもそうですが、結果的に何がしかのお金を落としてもらうといいますか、地域経済にプラスにならないと意味は薄れるのかなと私は思っています。そういう意味で、県内広くはもちろんでございますが、地域のいろいろな食材といいますか、農林水産部の関係だと思いますが、いずれ総合政策室が全部を取りまとめてその辺の取り組みをするということですから、もう少し踏み込んだ取り組みをお願いしたいと思うんです。
 というのは、県南振興局あるいは平泉のアクションプランということでいろいろ計画はあるんですが、その中の食材についてちょっと重みが薄いのかなということで、岩手県にはいろいろな食材、いろいろな特産品もございますので、しっかりと取り組んでいただくものを考えてほしいということで、先ほどの件と今のことについての所見をお聞きしたいと思います。
〇高橋経営評価課総括課長 これまでの包括外部監査結果への対応の濃さというか、その辺の御質問でございますけれども、総合政策室といたしましては、一義的には、指摘を受けたことについてはすべて各部で対応してもらうということで、強力にお願いしてきているということでございますが、委員御指摘のように、すべてが監査委員の指摘のとおり、例示なされた随意契約に関しましても、法律上は一定の要件を満たす場合には認められるものもございまして、ただ客観的に見たときにそれが本当に適切かどうかというような問題もあろうかと思います。その辺を具体的に検討した上で現在の形がとられているということだと考えておりますけれども、改めまして、本日委員から御意見もございましたので、これまでの監査結果を、その現状がどうなっているか等について、全体を調整する役割を担っております総合政策室といたしまして、各部局と意見交換をしてみたいというように考えております。
〇勝部総合政策室長 平泉の世界遺産登録に関係して、地域のそれぞれの特色を出した取り組み、そういうものを支援していく方向、これは私どもも念頭に置いておりますし、それぞれの地域が主体的になって取り組んでいる姿は地域おこしの観点からも非常にすばらしいことでございますので、そういう地域が主体的に取り組んでいる事例に対しては積極的に支援してまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 岩手ブランドについてお伺いいたします。
 岩手ブランドは、岩手ソフトパワー戦略において、本県の持つ普遍的な価値を源泉とした魅力を地域開発の商品、サービス、ブランド化等に結びつけて統一的なイメージとして発信し、岩手ブランドとして確立しようとするものと位置づけられております。
 来年度の予算においても、いわて畜産物ブランド強化対策事業やいわて農林水産ブランド輸出促進事業あるいは岩手健康しいたけモッコリくん流通促進資金貸付金とか、これからのものとしてはいわて漆ブランド確立事業が掲げられております。
 そこでお伺いしますけれども、現時点で岩手ブランドとして位置づけられているものは、どういう基準でどのように選定され、何品目ぐらいあるのか。また、今後は、どのようにしてブランドとして指定、育成を進めていかれるのか。あるいは、盛岡や遠野の地域ブランドというのもあるわけでありますけれども、これらとの関係や、その指定についてはどのように進められていくのか、お伺いいたしたいと思います。
〇小田島政策推進課総括課長 岩手ブランドに関しまして大きく2点お尋ねがございました。
 まず1点目、岩手ブランドとしての採択の基準あるいは選定方法、それから品目数ですとか今後の指定、育成の方策についてでありますが、岩手ブランドと言える本県の特産物には、例えば南部鉄器ですとか、あるいは浄法寺塗といった伝統工芸品や、米やワカメといった農林水産物がございます。こうした県産品をブランドとして確立する取り組みといたしましては、県の特別栽培農産物認証制度ですとか、あるいはふるさと食品認証制度、あるいは岩手県の観光協会による良品の土産品の推奨、こういったものがございます。これらにつきましては、県や実施団体がそれぞれ定めた認定基準をクリアした農産物や商品に対して認証マークの表示などが認められるものとなっております。
 現在、統一的な、いわゆる岩手ブランドとしての認証制度があるものではございません。そういう個別のものを総称しまして岩手ブランドと言っているわけでありますが、そういった岩手を代表する特産物につきましては県のホームページに一覧的に掲載するなど、対外的な情報発信をしているものでございます。したがいまして、岩手ブランドとして何品目ある、あるいは採択基準はこうだというものは今、お示しするようなものではございません。
 一例を挙げますと、ふるさと食品につきましては約50品目を認定いたしておるところでございます。こういった県の認証制度、あるいは関係団体への取り組みの支援は継続して取り組んでまいりたい。
 お話のありました市町村の取り組みにつきましても、相まって岩手ブランドとしての価値を高めるものと考えておりますので、必要に応じて支援をしてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 米は米、短角は短角、それぞれがそれぞれの制度で認証して販売促進なり流通、PRをしているということであります。これについては、生産者はもちろん、流通業者、県の担当部局、関係団体は理解をしているということでありますけれども、岩手ブランドということで重要に掲げられているわけでありますが、県民から見ると、確かにたくさんあって、岩手ブランド何ぞやといったときに非常にわかりにくいと言われるんです。ブランドがブラインドになっているんではないかという感じもしないわけではないわけであります。
 岩手の豊かな自然とか、非常にピュアな素材、そしてまじめでひたむきに一生懸命おもてなしの心を持ってつくり出されるサービスあるいは商品のよさが岩手県のイメージを高めるし、岩手県のイメージがその産品を高める、こういうことに持っていくことが相乗効果を生むのではないかと。
 いろいろ課題もあるわけでありますけれども、例えば京都を例にとりますと、工芸品、京都は長い歴史で、あそこの工芸品はいいんだとか、漬物の文化、菓子がある。そういったものとか、あるいはすぐれた化学薬品があるとか、そういったことが京都のイメージを高めるとともに、また京都の持つ歴史性が、そうしたものについて、ああいいものだろうなというイメージを高める。こういう形で相乗的に努めていく必要があるのではないか。
 それから、そうしたことについてホームページ等でもなさっておられるわけでありますけれども、わかりやすく県民に、岩手ブランドというものはそれぞれだとはいいながらも、核になるものはこういうものであるということをまずは理解しやすいように進めていく。県民が、岩手のものでこういうものはいいものですよと。県民も消費をしている。したがって、それを外に向かって発信をするなり、来たお客様方に説明をし、提供していくことが必要ではないかと思うのでありますけれども、この点についてどうお感じになっておられるか、お伺いしたいと思います。
〇小田島政策推進課総括課長 委員御指摘のように、それぞれのブランド、個別というよりは、相まって相乗効果を生むということが必要であると思います。したがいまして、今後、庁内の関係部局が連携をいたしながら、本県独自の総合的なブランド戦略の検討に着手してまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 平泉のこともあって、平泉の宣言をされるということでありますけれども、そうしたことについて統一的な戦略を立てられて、これを、先ほど黄金の話もありましたけれども、ブランドというのは焼き肉もいいんだというのはみんな知っているわけでありますけれども、岩手のブランドのわかりやすいキャッチをつくって、そして、そういう魂に合うような製品の開発なり促進をしていっていただきたいと思います。その辺について、部長の総合的な見地からの見解をお示ししていただければ大変ありがたいと思います。
〇勝部総合政策室長 やはりブランドというものは、生産されたものだけに着目するのではなく、例えばそれを販売する方とか、実際にお迎えする方とか、人とのつながりで考えていくという面から考えますと、一つには、おもてなしの心をブランドの品物とうまく結合して売り出していくことも大事ではないかと思っております。
 昨年、テレビのドラマで、岩手とおもてなしというのを大分結びつけて受けとめられている感がありますので、実際、首都圏でいろいろな方々からお話を聞きますと、おもてなしという言葉と岩手というのが、こちらが思っていた以上にそういう印象を強く受けとめていただいておりますので、そういうところも考えながらブランド化というものに結びつけていければと思っております。
〇岩渕誠委員 私からは、岩手県の広報戦略と政策評価の2点についてお伺いしてまいりたいと思います。
 まず、広報戦略について、県内向け、それから首都圏向けに分けてお伺いしてまいります。
 広報戦略といいますとマスコミ媒体ということになると思いますが、マスコミ媒体以外にも、非常に有効なのは口コミ媒体、こういうことだと思うんです。今、東京のほうで、先ほどもありましたけれども、これまで銀河系いわて大使という事業をやっておられたと思います。これが希望王国いわて文化大使となるということでありますけれども、これはどのように変わるのか、まずお聞きしたいと思います。
〇齋藤広聴広報課総括課長 希望王国いわて文化大使についてのお尋ねでございますが、これまでの大使の制度は銀河系いわて大使というものでございましたけれども、これは、県外における本県に関する情報発信等を図るため、平成7年度から実施してきたものでございます。しかしながら、大使の入れかえが余り行われず人材の高齢化が進んでいたこと、あるいは産業人会など既存組織との違いが不明確な面があったことなど課題があったところでございます。このため、今般、大使制度のあり方を見直しまして、希望王国いわて文化大使として改編したものでございます。この見直しに当たりましては、岩手の持つ文化的魅力の情報発信を中心として、岩手ファンのネットワーク拡大に協力をいただこうとしているところでございます。
 このように、新制度は文化面に重点を置きまして、特に産業人会等との違いを整理したところであり、産業人会、県人会、そして希望王国いわて文化大使という3本の柱によりまして、県外での本県のPR、情報発信を積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、平成20年度からは、県外向け広報─いわて情報発信強化事業と事業を統合いたしまして一体的な事業展開を図ることとしておりまして、岩手のイメージアップと岩手ブランドの構築に向けて相乗的な効果が図られるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 大変御丁寧な説明でありましてよくわからなかったということなんですが、つまるところ人の問題だと思います、これは。今おっしゃっていましたけれども、銀河系いわて大使の活動、初めは確かに華々しかったんですが、こことんと大使が活動しているという話をお聞きしたことはありませんでした。むしろ、本来、首都圏で岩手をPRするために大使というのを任命したにもかかわらず、逆に、ふるさとに帰ってきて、私は銀河系いわて大使でございますと。何か講演会をさせてくれとか、何か物を買ってくれとか、そういう逆の面のほうがあったやに聞いておりまして、本末転倒であろうと、こういうふうに思っております。
 そういう意味では、総合政策室は評価というものを大変大事にしていらっしゃるようですから、まず、任命基準をきちんとすることが必要だと思いますし、活動をきちんと把握することが必要だと思うんです。それから、任期も設けるべきではないかと思うんです。やっぱり動いていただかないと何ともならないということが一つあります。
 それから、もう一つは、県の事業内容を見ますと、やっぱり県のほうにもちょっと問題があるんじゃないかと思います。いただきました資料を見ますと、希望王国いわて文化大使の主な事業内容というのは、大使への定期的な情報提供、県外向け広報紙、ニュースレターを活用、大使用名刺の作成・送付、知事または県職員との意見交換会等の開催、その他随時提案、こういうようになっておるわけでありますが、私、大事なことは、岩手のよさを首都圏でその人たちがどれだけPRするかというのが大使に課せられたミッションであると思っております。そういう意味でいうと、いろいろな岩手県関係のイベントが東京であるわけです。そういったときに、今回は文化的なところに着目をしてということでございますので、それなりの著名な方も含めて影響力のある方を任命されると思うんですが、例えば岩手の共励会であるとか、そのフェアのようなところに文化大使に来ていただいて、岩手の産品に対して、これはこういうところがいいものですよと、やっぱりだれもが知っている人がお話をするほうがより効果的で、大使としての役割を十分に果たすと思うんです。
 今、種々挙げましたけれども、その基準と活動の把握、任期はあるのか等についてお答えいただければと思います。
〇齋藤広聴広報課総括課長 希望王国いわて文化大使制度の内容でございますけれども、目的といたしましては、先ほど申し上げたとおり岩手ブランドの確立と岩手ファンのネットワークの拡大ということでございます。
 要件といたしましては、県外に在住している方で、岩手出身の方にかかわらず、岩手に理解、共感、愛着を持って県外で積極的な情報発信をしていただける方、できるだけ具体的な活動をしていただける方ということで考えてございます。
 任期は1年ごとに見直しまして、そういったいろいろな状況を勘案しまして進めていきたいと思っておりますし、随時さまざま活動していただける方がおられましたら加えていくことにさせていただきたいと思っております。
 範囲といたしましては、学術、芸術、文化人、食文化、スポーツ、マスコミ等の方々、幅広く文化にかかわりの強い方を中心に選ばせていただいているということで、委員から御指摘のありました、いろいろなイベントの際に御活動いただくということも今後検討させていただきたいと思っております。
〇千葉首席政策監 ただいまの答弁に若干補足させていただきます。
 ただいま希望王国いわて文化大使の対象につきましては、今、一般的に最大公約数的に申し上げたところでございますが、例えば具体的に申し上げますと、これまで商工労働観光部で、岩手県の食材を使ってレストランとか、そういうことをやっておられる方々をいわてフレンドリーレストランという名前でいろいろとお願いしているところがあります。ただ、残念ながらそういう方々についてこれまでは銀河系いわて大使に任命したことはなかったということで、どうしてもお店でのPRが主流になっておりましたが、今回、そのような方々にも文化大使、食文化の観点から御協力をいただくことを考えておりまして、その中には業界において幹部の方とか、非常に影響を持つ方もいらっしゃいます。そういう方々にもぜひお願いして、より前向きな、岩手県のよい製品、農産物等の推奨等もお願いしたい、例えばそういうイメージで考えているところでございます。
〇岩渕誠委員 今、いわてフレンドリーレストランの話が出ましたので、実はそのフレンドリーレストラン以外に、最近話題のミシュランガイドに載っているレストランがありますが、その中で相当な星をいただいているようなお店でも岩手の産品をひいきにして使っていただいている方がありますので、ぜひそういった方に上手にお願いをして、岩手のPRをしていただきたいと思っています。
 次に、岩手県内における広報戦略についてお尋ねします。
 きのうもいろいろ議論があったところでありますけれども、今の県の広報体制でありますが、これは私は、平成17年度からでしたか、外部に一括して委託していると認識いたしております。今度で4年目になると思いますけれども、単年度でどの程度の者が応札をして、この3年の間落札者に変化があるのかどうか。
 それから、その落札者は、実際には広告代理店ですから媒体を持っていないわけです。マスコミ媒体を持っていません。実際に広報するということになるとマスコミの振り分けというのがその広告代理店のほうで発生するわけでありますけれども、その先はコンペがされているのか、あるいは広告代理店によっての決定によるものなのか、それをお知らせください。
〇齋藤広聴広報課総括課長 県政広報事業の外部委託についてのお尋ねでございます。
 県政広報事業につきましては、平成16年度までは広報誌とかテレビ、ラジオ等の各媒体ごとの契約となっていたところでございます。平成15年度に岩手県行財政構造改革プログラムの一環ということで、サービスの向上とか経費の節減が見込まれる事務事業については外部委託を進めることとされまして、そういったことから、委員御指摘のとおり平成17年度から一括委託として外部に委託しているところでございます。
 この一括委託に当たりましては、これまで、企画提案の内容について、審査会、いわゆるコンペを実施の上で受託者を選定してきたところでございますけれども、毎回2者程度の提案がございまして、結果といたしましては、一括委託の受託者は平成17年から平成19年度の3年間、同一の1社となっているところでございます。
 それから、媒体の割り振りということでございますが、それにつきましては、一括委託の中で受託しました業者がさまざまな効果を考えて、いろいろテレビ、ラジオ、新聞等について提案をしてまいるというようなことで、こちらの中身についてまでは企画コンペをしているものではございません。
〇岩渕誠委員 今の実態の中で、私が指摘を申し上げたいのは、やっぱり広報というのは質なんですね。質が悪ければ伝わりません。そういう部分できちんとやっていただきたいと思うんです。
 一括契約をした場合、媒体の振り分けの部分でいうと、代理店のクリエーターの質の問題があるのかなという気もしますし、もう一つの問題点とすれば、県が今こういうことを広報に反映させたいのだというのが、一括委託をすることによって、年度で計画を組みますから、なかなか突発的なものに対して県の意向が十分に反映されないのではないかと思っております。
 そういう意味では、一括委託のよさはよさとして生かす一方で、やはり自分たちがビビッドに、的確なタイミングで的確な媒体でできるような手持ちのものを持っていく必要があると思うんですが、その辺いかがお考えでしょうか。
〇齋藤広聴広報課総括課長 広聴関係の実施に当たりましては、受託者の提案を審査いたしまして採用した後に、実際に計画を実施するに当たりましては、県のほうで十分にその業者と協議をしながら進めておるところでございまして、特定の媒体者に偏ることのないよう、委託先のほうと十分に検討しながら公平な広報展開にできるだけ努めてまいりたいと考えてございます。
 いろいろ進めるに当たりましては、例えば今回の新しいいわて希望創造プランの広報に当たりましても、随時、広報を打つ時期等も含めまして受託した業者と十分協議しながらさまざまな広報を行ってきたところでございます。
〇岩渕誠委員 新年度から紙媒体等に関しては一括から外れるように聞いておりましたけれども、それを最後に確認したいと思います。
 時間がありませんので、続けて政策評価の関係の話をさせていただきたいと思います。
 政策評価については、平成13年度からだったと思いますが、そこから続けてきているということだと思います。昨年の当初予算では860万円程度だったと思いますが、これが今年度、200万円程度多くなっていると思いますが、この理由についてお聞かせいただきたいというのが一つでございます。
 それから、大変職員の皆さんには申しわけないのですが、政策評価に対する一般県民の評価というのは極めて低いと思っております。政策実行サイクルの中で大変重要な役割を占めているんですが、やっぱり身内でやっていますから、お手盛り評価だというのは毎年つきまとってまいります。これについて、新年度は、政策の信頼性を高めるために政策評価の段階でどのような改善を行うつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇齋藤広聴広報課総括課長 来年度の県政広報事業について分割されるかというお話でございましたけれども、来年度につきましては、外部委託のメリットを残しながら、先ほど申し上げましたようなある程度限られてしまう課題等にも対応するため、テレビ、新聞等の分と、それからいわてグラフ分の二つに分割することとしております。選定方法をいろいろ工夫して進めようとしておるところでございます。
 これによりまして、いわてグラフの企画提案については、より広く業者の参加が可能になるものと考えてございます。
〇保政策評価担当課長 まず、政策評価の予算額の関係でございますけれども、先ほど答弁にもありましたけれども、今年度は1、060万6、000円でございます。昨年度は、これに対応いたします金額といたしましては1、255万8、000円ということで、厳しい中、なるべく効率化を図ったところでございます。
 それから、なかなか政策評価の中身が県民の皆様に理解されていないのではないかという御指摘でございますが、これは私どもも大変重く受けとめております。政策の質を高めていくためには、現状の取り組みがどうであるかという分析をしっかりやらなくてはいけない。その結果、県としてどういう考えでその次の政策を打っていくのかということに関しては大変重要な情報だと思っております。
 評価のやり方につきましても今、見直しを進めておりまして、来年度からは、今、県の取り組みは一体どうであるかというようなところを自己評価としてきちんと評価、検証していく、そういう機能を高めていくことにしております。そのことをできるだけわかりやすく県民の皆様にお伝えすることも大事でありまして、これまでもいろいろな取り組みをしておりますが、非常に私どもも頭を痛めている部分もございます。引き続きいろいろ鋭意検討してまいりたいと存じております。
〇千葉首席政策監 ただいま課長から答弁いたしましたが、いずれ、この評価の方法及び公表方法について、やっぱりいろいろな課題が出てきております。特に公表の方法につきましては、県民の皆様あるいは議員の皆様からも、非常にわかりにくいとか、大部だとか、いろいろな御指摘もちょうだいし、時系列にごらんいただくと御理解いただけると思いますが、毎年幾らかずつ改善は図ってきております。
 しかしながら、現在一つ大きい問題としますと、非常に網羅的な計画の評価になりますとこれ以上の見直しは限界感が来ておりまして、もう少し評価の仕方につきまして、例えば縦断的にやるとか横断的にやるとか、ちょっとその辺工夫をしないと行き詰ってきているかなという状況もございますので、いずれその辺、今御指摘ありましたような、やっぱり県民にわかりやすい評価、あるいは読んでいただける評価を念頭に置きながら工夫をさせていただきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 おっしゃるとおりだと思います。幾らマイナーチェンジといいますか、少しずつ進化をしても、なかなか理解されないのが現状だと思います。実はこれ私が思うに、評価の手法からくるもの、あるいは公開の仕方からくるわかりにくさではないと思います。これは構造的な欠陥だと思います。これは、やはり県の内部に政策評価の部局を置いていること自体、構造的に問題があるんだと思っております。
 そもそもこの政策評価、そもそも論で申しますと、本来、議会─我々が政策評価ですからやるべき話ではないかと思うんです。そもそも政策評価自体がアメリカの議会から発祥したものと承知しております。そういう意味において、思い切って部局の所管を変える、あるいは、北欧などのように本当に外部、第三者委員会みたいなところで徹底的にやるという方法もあります。
 私は、この政策評価に関しては、岩手県は非常に先進的な取り組みをしているがゆえに、そういう思い切ったドラスチックなことを考えないとなかなか理解を受けないと思うんですが、御所感があったらお伺いして終わりにしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 評価の見直しは、先ほど担当課長からも説明がありましたけれども、毎年毎年工夫を凝らしながらやってきてはおりますが、なお将来的な長期的な視点に立って考えた場合、ただいま委員から御指摘のありましたような方法についても検討に値するものと思っております。幅広く検討対象としてとらえて、今後の検討の材料にさせていただきたいと思います。
〇小野寺有一委員 広報のことについて今、岩渕誠委員からお尋ねがありましたけれども、そのことに関連して質問させていただきたいと思います。
 少し前に、松下電器がナショナルというブランドを廃止してパナソニックというブランド名に統一するというニュースがございました。そういった意味では、例えば企業においては、そういう自社ブランドを変更する、あるいは統一するというのは、経営上非常に重大な決定であると思います。これは本当に、例えば役員会を超えて、もしかしたら株主総会の議題になるのではないかというぐらいのものだと思うんですが、先ほど銀河系いわて大使が希望王国いわて文化大使という形に衣がえになるというお話がありましたけれども、これは、今でも例えば東銀座にあるあのお店はいわて銀河プラザ、それから、例えばホームページも今でもいわて銀河何とかホームページとたしかなっていたように思いますが、そういった県のブランドイメージみたいなものを変更するのに、戦略的な意思決定がなされた上でやっているのか。それが戦略的な意思決定に基づいてなされていくとすれば、先ほどの大使の話ではないですけれども、徐々に変えていくものなのか。それとも、僕はインパクトでいったら、どうせやるなら一遍にやったほうがいいのではないかと思うわけですが、その場合には相当のコストがかかってくるわけでございまして、コストと得られる効果の検証が行われているのか、そういったことについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
〇齋藤広聴広報課総括課長 岩手県の統一的なブランドについてのお尋ねでございますけれども、ブランドにつきましては、先ほど来さまざまお話ございましたけれども、いわて希望創造プランにもございますとおり、ソフトパワー戦略、文化的魅力等によりまして岩手を県外に売り込んでその評価と信頼を高めていく戦略にとりましては、ある程度統一的なブランドを設定して、岩手を統一的に県外の方々にもイメージしていただいて、それでもって岩手県全体の底上げを図って、各分野で、農林水産、商工労働、それぞれ情報発信に努めているわけですけれども、一番底辺から底上げを図っていくと。岩手のブランドができ上がりますと、観光なり物産なり企業誘致なり、さまざまな分野の活動に当たっても非常にしやすくなるのではないのかということで、そういうブランドというのは非常に大事ではないのかと考えてございます。
 そういうことで、とりあえず県外に向けては、先ほど来お話しになっております「黄金の國、いわて。」というもので、岩手の豊かさ、岩手県全体が持つ農林水産物、そして自然あるいは人材、伝統芸能等、そういったものを踏まえたものが「黄金の國、いわて。」ということで県外に向けて情報を発信し始めたものでございますけれども、一気にそれができ上がるかどうかにつきましては、さまざまな分野と調整を図りながら随時進めていく必要があるのではないかと考えてございます。
〇勝部総合政策室長 いわて銀河プラザでありますとか県のホームページについては対外的な部分がかなりありますので、やはり利用者視点で見ていかなければだめなものと思っております。ですから、これを一気に変える場合には相当なリスクが伴う部分もあります。
 希望王国いわて文化大使につきましては、今までの銀河系いわて大使と違って、特に文化面に着目してお願いするということでございまして、その肩書として文化大使ということで考えておりますので、それをもってすべて銀河系というものも一気にチェンジするものではございません。あくまでもいわて銀河プラザの場合は、大変多くの利用者に利用されておりますし、やはり今、利用されている方々にとってのメリット、県にとってのメリットでもございますが、そういう対外的な部分というものを大分尊重していかなければいけないと思っております。
〇小野寺有一委員 今、齋藤広聴広報課総括課長からくしくもお話がありましたけれども、先ほど私、希望王国いわて文化大使の話と銀河系いわて大使の話をさせていただいたわけですが、先ほど「黄金の國、いわて。」というキーワードが出てまいりまして、その時点でもう既に三つにブランドが割れてしまっている。この状態をやはり整理していく必要があるのではないかと思うわけであります。
 たった今の勝部室長のお話の中でも、ある程度リスクが伴うと。コーポレートアイデンティティーの変更にはリスクが伴うのは当然のことでありますけれども、ただ、そのリスクを考えるのであれば、例えば銀河系いわて大使というのに、それを文化面に着目するということのみの理由であれば、銀河系いわて文化大使にすればよかっただけの話ではないんでしょうか。そういったところの説明が、私は今のお二方の説明ではちょっと納得しかねるところがございますので、もう一度御説明をちょうだいできればと思います。
〇勝部総合政策室長 銀河系というものを残すべきではなかったかということでございますが、私どもの気持ちといたしましては、新しい地域経営の計画からスタートいたしまして、いわて希望創造プランの中でもうたわれておりますが、希望という文字をどうしてもここに入れてみたかったという思いはあります。
〇斉藤信委員 私、最初に、いわて希望創造プランについて、これが正式に策定されて最初の議会ですので、この中身について聞きたいと思います。
 全部読んでみますと、県議会議員の意見も何度か聞いたということもあって、それなりに改善の跡は見られます。しかし、残念ながら中身の欠陥というのはどうしようもないので、冒頭に、これまでの取り組みと成果と書いているんですが、これは率直に言えば増田県政12年の評価というふうになるんだと思うんです。結果的には、成果よりも負の遺産が多かったのではないか。そこらの評価が大変甘かったのではないかと思います。
 それと、評価している中でも余り正確でないのは、例えば人づくり、少人数教育の充実は全国でもおくれているんですけれども、これは環境が整ったと、こういう評価です。新エネルギーの導入でペレットストーブを評価しているんだけれども、来年度予算、補助金を切って、これも道半ばで破綻しそうだと。そういう意味でいけば、来年度予算とのかかわりでも甘い評価が目立つのではないか、これが第1点です。
 第2点、一番の問題は、二つの基本戦略がわかりにくい。そして、極めて危険だということであります。特に新地域主義戦略というのは、四つの広域振興圏、これを、自立した顔を持つ、その前提として市町村合併を推進する、こうなっているんです。私、何の脈絡も何の根拠もこれにはないのではないかと思います。市町村の理解も得られていないのではないか。
 ソフトパワー戦略については、先ほども議論がありましたが、文化、芸術、伝統を重視するというのは当然のことです。大事なことです。しかし、それで県政が進むかというと、そういう戦略というものになじむものではないのではないか。あくまでも外交用語ですよ、これは。私は、そういう点では、ソフトパワー戦略というのは最もわかりにくい中身で、特に先ほども議論になった本県の持つ普遍的価値、私、これは先ほどの説明を聞いても全くわからない。本県の持つ普遍的価値というのは、もう一度聞きますが、何でしょうか。
〇小田島政策推進課総括課長 委員の御質問でございますが、評価の関係と2大戦略と理解して答えさせていただきます。
 まず、これまでの取り組みと主な成果、これが全体として評価が甘いのではないかというお話がございました。これにつきましては、総合計画策定の過程におきまして、前期の実施計画等の政策の評価結果を踏まえて検証総括をいたしたところでございますが、県議会議員との意見交換あるいは地域説明会を受けまして修正を加えさせていただいたところであります。それぞれ分野ごとに評価の部分と、それから反省すべき課題を織り込ませていただいたところであります。
 特に2点、例示としてお話のございました少人数学級とペレットストーブの関係でございますが、少人数学級につきましては、本県では、これまで35人学級の小学1年生から2年生への拡大、あるいは非常勤講師の配置による少人数指導の実施など、前期の実施期間を通じまして少人数教育を着実に推進してきたことに着目して記述させていただいたところであります。
 それから、2点目のペレットストーブにつきましては、平成18年度末の目標値を2、000台と置いていましたが、残念ながら現時点の普及状況は1、100台で達成はいたしておらないわけですが、この取り組み自体が民間と協力した先駆的な取り組みだということで全国から先進県として注目を浴びてきた、それから、他県に比べて普及台数も着実に増加してきたということに着目してこれも記述させていただいたところであります。
 これがまず評価の点であります。
 それから、2点目の二つの戦略がわかりにくいという御指摘がございました。
 まず、新地域主義戦略でございますが、4広域振興圏を前提とした市町村合併の推進あるいは4広域振興圏の自立性、共通性のお話、理解しにくいといういろいろお話をちょうだいいたしましたが、この4広域振興圏、市町村合併を進めて、それを4広域振興圏にするというような、そういうものではございません。切り離してお考えいただきまして、4広域振興圏につきましては、分権型社会の構築あるいは産業の振興による自立した地域を目指す枠組みとして制定したものであります。一方、市町村合併につきましては、将来にわたって持続的、安定的な行財政運営ができるように推進しているものであります。広域振興圏が将来のいわゆる基礎自治体を目指すという考え方になっておるものではございません。
 そういうことで、4広域振興圏は、自立性あるいは産業の類似性等から、地域の競争力ですとか、あるいは自立性を高めていこうと考えておるものでございまして、また地域コミュニティを大切にしていこう、そういうことで新地域主義戦略を置いたものであります。
 これらについては、市町村の理解を得るためにいろいろな場でお話を差し上げておりますが、今後とも引き続き御理解をいただくようにお話をしたいと考えております。
 それから、二つ目の戦略のソフトパワー戦略であります。これも、まず、国際政治で用いられる用語ではないかということで、いわゆる地方政治にはなじまないのではないかという御指摘がございましたが、確かに国際関係ということで提唱されたものではありますが、文化的魅力と道義的信頼によって相手を動かすということは、特に今、本県が国あるいは外国とのかかわりの中で発展していくためには必要な考え方ということで、地域経営にも通じるものがあると考えております。
 では、本県の持つ普遍的な価値は何だということでありますけれども、これは、定義とすれば、貨幣にかえることのできない本県の豊かな自然あるいは実直な人間性、それを培ってきた歴史や文化などが有する価値、こういうふうに考えております。
 例えば平泉文化等の歴史的遺産あるいは伝統芸能、あるいは本県のまじめさ、勤勉さ、こういうことを本県の普遍的価値というふうに位置づけさせていただいております。
〇斉藤信委員 幾つか具体的にちょっと詰めてお聞きします。
 達増知事のマニフェストではこう書いているんですよ。私は日本全国を300程度の基礎的自治体に分けることで、真に自立可能な地方自治を確立することができると考えます。岩手に当てはめると四つに分けるのがちょうどよく、いわば岩手四分の計。その受け皿として4大広域圏だ、こう言っているんですよ。
 私ね、この発想はとんでもない発想で、大体300自治体なんていうのは道州制を前提にして、岩手だったら30万人規模四つですよ。これと広域振興圏がどうなるのかということもわけわからないんだけれども、知事のマニフェストと今度の4大広域振興圏というのはどうかかわるのか。知事のマニフェストに基づいているものなのか、基づいていないのか。知事のマニフェストは極めてリアルに書いていますからね。私は、この知事のマニフェストから出ているんだとしたら重大だ、大問題だと。これどうですか。
〇飯澤匡副委員長 簡潔にお願いします。
〇小田島政策推進課総括課長 はい。
 先日の予算特別委員会の総括質疑で知事もお答えしたとおりでございますが、この広域振興圏というのは、より広域的な視点で、地域の競争力、自立力を高める上で最適な枠組みとして設定したものだということでありまして、今般のいわて希望創造プランの地域編で、各圏域における産業振興を中心とした目標や具体的な推進方策を明らかにし、これによって、各圏域を構成する市町村や県民と理解、共有、連携をしながら、それぞれの地域の特性を生かした取り組みを進め、明確な顔を持った圏域として進化させていくという、ここまでが広域振興圏についての考え方であります。
〇千葉首席政策監 今答弁したとおりでございますが、いずれ、現在このプランに基づきまして知事みずからが各関係団体と、講演等でお招きいただきまして、このプランについて御説明しておりますが、御説明申し上げている内容は、このプランに記述されているとおりでございます。
〇斉藤信委員 室長に聞きますよ。私は、マニフェストを正確に引用して聞いたんですよ。知事のマニフェストは、日本全国を300程度の基礎自治体に分けることで真に自立可能な地方自治を確立することができると。そんなことをしたら300市町村ということになりますよと。
 それと、その受け皿が4大広域振興圏になるんですよ。市町村ではなくて、今度は広域振興圏が受け皿だとなるんですよ。これは二重に大事な、重大な、とんでもない論なんですよ。そして、今度のいわて希望創造プランでは、4大広域振興圏でそういう体制をつくっていくんだ、自立の顔をつくっていくんだ。私は何の脈絡もないと思うけれども、私は、このマニフェストで指摘した二つの点というのは、どういうふうにこのいわて希望創造プランと関係するのか、関係しないのか。そこはもう無視していわて希望創造プランができたのかどうか、はっきり答えてください。大事ですよ、マニフェストですからね。
〇勝部総合政策室長 いわて希望創造プランで言っている四つの広域圏についてでございますが、産業政策等を進めていく場合には、より広域的な枠組みで取り組んでいったほうが対外的には大きな力を発揮できるというところがベースにあるわけでございまして、なるべく広範囲なくくりで戦略的に物事を進めていく、そういうところにベースがあるわけでございます。したがって、市町村合併であるとか、あるいは今お話のありましたようなものと直接的に関係してくるものとは、我々は認識しておりません。
〇斉藤信委員 あなたの認識を聞いているのではないんですよ。知事のマニフェストと、知事が作成したいわて希望創造プランの関係を聞いているんですよ。マニフェストと知事が作成したプランを聞いているんですよ。
 知事はこうも言っているんですよ。マニフェストで、県北、県央、県南、沿岸の4大広域振興圏を将来の自治体と位置づけます。こんなのあり得ますか。こんなのあり得ないでしょう。だから、あなた方、知事と一緒になって議論してやったんだから、この知事のマニフェストをどう生かして、どう生かさなかったのかと。それは乗り越えたんだというのなら、そういうふうに答えてください。
 いいですか、知事の公約と知事が策定したプランについて聞いているんですよ、私は。室長の認識を聞いているのではないんですよ。
〇勝部総合政策室長 いずれ、知事就任以来、後期実施計画について知事と意見交換、議論を重ねてきた結果が、今のいわて希望創造プランの中身になっております。
〇斉藤信委員 委員長、諮っていただきたい。これは知事が来ないとだめです。最終日に知事を呼んでいただきたい。(「総括でやっているんだから」と呼ぶ者あり)いや、これは、プランが制定されての初めての予算の議論なんだから、これを世話人会で諮ってください。
〇飯澤匡副委員長 後刻、世話人会で協議をいたします。
 これについては保留でいいですか。はい。
〇斉藤信委員 次に、四つの広域振興圏について、これは地元の岩手日報の論説で2回出ました。
 2月22日、これは達増知事の所信表明の直後です。どう書いているかというと、達増知事の新地域主義戦略と岩手ソフトパワー戦略。県民から具体的な内容、方策がわかりにくいとの声が聞かれる。県内四つの広域振興圏と地域コミュニティの強化を指すが、いま一つ理解しにくい面は否めない。
 そして、これは3月7日ですけれども、広域振興局の再編について、もっと議論を深めたいというので、県内市町村と連携を図るはずの地方振興局のあり方をめぐって、県と首長との認識の食い違いが目立つ。首長からは枠組みを含めて異論が出ている。県は6月をめどに素案をまとめる予定だが、財政難の中で中2階の二重行政の無駄をなくすことが先決ではないか。
 具体的に、久慈市長、宮古市長、遠野市長の声もここに紹介されて、広域振興局の再編というのは理解されていないのではないか、わかりにくいのではないか。
 私は、これは市町村長や地域の県民の声をかなり反映したものだと思いますが、いかがですか。
〇勝部総合政策室長 新聞でそのような論説がなされているということは承知しておりまして、それは、そういう意見として重く受けとめております。
 現在、県内各市町村の首長を初め、あるいは振興局段階におきましては市町村の職員等のレベルで意見交換の場を可能な限り多く持っております。そういう中で理解を深めていくような努力がなされているところと認識しております。
〇斉藤信委員 広域振興圏・振興局については、さっき室長も、これは産業振興が共通だと。これは、県南はそういうことが大方言えるかもしれないが、県北・沿岸はそんなこと言えませんよ。産業形態も違っていますからね。だから、産業振興と言っても異論が出ているんですよ。それ以外の分野、福祉・医療だとかとなったら、ますますこれは矛盾に満ちてくるのが広域振興圏ですよ。これは県議会で論議してきたとおりです。
 それで、プランにはこう書いているんです。広域振興圏を基本とした地域経営をするに当たっては、重要なパートナーである市町村の行財政基盤の強化が不可欠な前提条件となる。そのため自主的な市町村合併を推進します。こう書いているんですよ、あなた方は。広域振興圏を基本にするためには、市町村合併の推進、それが前提だ。私の指摘したとおりじゃないですか。あなた方がこう書いているじゃないですか。
 そして、こうも書いているんですよ。市町村合併が、市町村への権限移譲、産業振興の状況のほか、地域の意見も踏まえながら、できるだけ早期の広域振興局体制への移行を目指す。まさに市町村合併推進で、そして次は広域振興局体制だ、こうなっているじゃないですか。こういう市町村の意向を無視した市町村合併推進論、広域振興局体制というのは、私は、全く今、市町村長の賛意を得られていないと思うけれども、いかがですか。
〇勝部総合政策室長 ただいまのプランの中身についての市町村合併のところでございますが、市町村の自主的なという表現を頭で使わせていただいているはずでございます。あくまでも決定するのは地域の自主的な判断でございます。
 それから、先ほど産業振興を前提として、県南のほうはいいが、県北・沿岸のほうは違うんだというお話もございました。確かに、いろいろな問題、課題が多くあります。しかしながら、産業振興の部分で地域の経済的発展を図っていくことが雇用の場の創出にもつながる、全体的に考えれば、やはり産業振興というものが一番前に出てくる部分かなということも考えております。
〇斉藤信委員 どうも答弁になっていないんだよね。広域振興局、県の体制というのは産業振興だけじゃないんですよ。それは大事な課題ですよ。しかし、保健・医療もあり、暮らしもあり、そういう県政、行政の一つの機関なのですよ。だから問題になるのですよ。これは指摘だけにとどめておきます。あなた方の指摘の中でも、広域振興局体制の前提が市町村合併、だからそれは進めると。
 実は、もう一つ言っておきますけれども、この改革編、五つの改革が示されているけれども、第1は市町村合併推進ですよ、あなた方は。改革編の第1が市町村合併の推進なんですよ。だから、このプランと改革編というのは一貫して市町村合併推進なんですよ。しかし、それは、私が総括質疑でも指摘したように、圧倒的多数の市町村長は、今合併する気なんかさらさらない。私は、こんな形でこれを進めたら市町村の理解は得られないと思いますよ。いかがですか。
〇勝部総合政策室長 市町村合併については、総合政策室として直接的に市町村と接触してやっているものではございませんで、地域振興部のほうが中心になってやっておるわけでございます。いずれ、先ほども申しましたとおり、県のほうが地元自治体の意に反して合併を推進していくというスタンスではないということを御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 じゃ、プランについてはここにとどめます。私が指摘したところをよく踏まえて慎重にやっていただきたい。とても6月に素案を出すなんていう状況じゃないと、このことは指摘をしておきたいと思います。
 次に、政策評価について、事務事業の評価と見直し。
 最初に私たちに提起された事務事業の評価結果というのは、たくさん廃止・縮小があって、よく聞いてみたら再編統合で、本当に廃止・縮小するものは少なかったと。このあなた方の示し方、再編統合するものはきちんと一緒にまとめて示すべきですよ。私は、そういうやり方というのは、何年も政策評価をやっている割には余りにもお粗末で、我々に間違った認識を与えかねないのではないか。改めて聞きますが、正確にどうなっていますか。
〇保政策評価担当課長 平成19年度の事務事業評価は、政策的な経費に属する事業、709事業を対象として、拡充、縮減、廃止・休止などの方向性ごとに整理して今後の方向性を判断したものでございます。
 今回、特にその再編統合というような中身が多いのではないかという御指摘でございます。今回は特に厳しい財政状況であったことや、いわて希望創造プランの策定ということもありまして、これを着実に推進するためにはどのような事業の組み立てがよいかというようなことを各部局におきまして徹底して検討した結果ということでございます。
 情報提供の示し方ということにつきまして、私どもといたしましても、間違ったメッセージが届くということは大変いけないことだと思っておりまして、これまでわかりやすさに欠ける面があったということもあると思いますので、今後、その提供の仕方については検討していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 次に、県広報、かなり今回議論されています。私も改めてこの新聞広報をじっくり読ませていただきました。最初が1月26日、次が2月2日、3回目が2月23日、わずか1カ月以内の間に、こういう同じパターンが3回出ました。1回180万円ですから540万円になりますか。これね。3回同じパターンなんですよ。何で3回同じパターンで出さなくてはならないのか。
 2月26日の寒いときにはわざわざ上着を脱いで、何か季節感のない、こうなってしまうんですよね。1回目は少し笑っているけれども、2回目は渋い顔なんですよ。私、これを見た感じ、何でますます、だんだん悪くなるのかと思いましたし、例えば、これは2月2日付ですけれども、医師不足の問題について知事のメッセージが書かれています。勤務医から手紙があった。深刻な労働条件の中で頑張っているというので、知事が会いに行ったら、診療中で会えなかったと。これ、本当ですか。私、知事が会いに行ったら、もちろん診療中じゃないときに会いに行けばいいんですよ。行ったけど会えませんでしたなんてメッセージを書いているんですよ、ここに。とんちんかんじゃないですか。知事が、本当に必要だったら会ったらいいじゃないですか。
 私は、この中身も、全く知事は何考えているんだと。こういう中身をきちんと見たんでしょうか。そして、全体がこうですからね。書いているのはほんのちょっとなんですよ。私は、わずか1カ月、同じパターンで3回も、そして、財政が厳しい、厳しいといって県職員には賃下げを押しつけていたときですよ。テレビも含めて1、000万円超えたんですよ、これ。だから県民は驚いたわけですよ。これは何なんだと。
 中身も含めて、私は極めてお粗末な中身じゃないかと思いますけれども、いかがですか。そして、2月2日のこれは、本当に手紙があって、行ったけど会えなかったんですか、創作ですか。
〇勝部総合政策室長 まず、医師に知事が会いに行って、会えなかったということについては、これは事実でございます。知事が釜石方面に出張の帰り、常々知事は、時間があればどこか寄りたいということで、今までにも、県内各地に行ったときは、アポなしで突然行って、見学してきたりすることがままあります。当日も県南方面の県立病院にお邪魔した。ところが、先生のほうが仕事中で会えなかった。次の日、そういうふうに知事からお話がありました。
 それから、新聞広告の3回ということについては、詳しくは広聴広報課長のほうからこの後説明させますが、これは、広報戦略的に、これを3回と見るか、テレビの番組との連動で連続性のあるものとして我々は企画したところでございます。したがって、1回、1回、1回の計3回と見るのではなくて、一つのシリーズものとして我々はとらえているところでございます。テレビ番組も含めてそういうとらえ方をしてございます。
〇齋藤広聴広報課総括課長 新聞広報の関係でございますけれども、この1月から2月にかけて集中的に3回実施したというものでございますが、これは、6月補正でつけていただきました県政広報の事業の中のこの目的が、いわて希望創造プラン、新しい実施計画の県民への周知といいますか理解を深めるということでございまして、その策定・公表が1月の末でございました。この策定・公表した時期、1月から2月にかけまして、テーマ別に一連の流れとして3回実施したものでございます。
 この方法といたしましては、ただいま室長のほうからも申し上げましたとおり、テレビ放映、まず、今回ゴールデンタイムに実施したわけですが、余り長い時間実施するよりは、県民にわかりやすく短時間でまとめたいということで、ゴールデンタイムに30分、各回行ったわけでございます。その翌日の朝刊に新聞広報を行うというようなことで、テレビをごらんになれなかった方についても、この新聞を見ますと、そのテレビの概要がわかるというようなことで、そういった相乗効果といいますか補完効果等も考えまして、こういう手法を行ったものでございまして、いわゆる今までのお知らせ広報型とは違う、コミュニケーション型といいますか、そういったような提案も踏まえまして、こういった手法を実施したところでございます。
〇飯澤匡副委員長 斉藤委員に申し上げます。
 申し上げにくいのでございますが、委員の質疑にかかわる時間が30分と長時間に及んでおります。まだ複数項目、大項目があるようですので、世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 わかりました。もう少しで終わります。
 確認したいんですけれども、私、今、室長の答弁で、いわばアポもとらないで県立病院に行って会えなかったんだと。こんなことは知事の行動計画であり得ないことですよ。本当にそんなことやっているんですか。だれがそれを管理しているんですか。一分一秒緻密な行動計画をやっているんでしょう。それを私は一つ確認したい。そんなことではないんだと思うんですよ。
 そして、それだけの知事が行ったら、会いたいですよ、現場は。現場は、会って知事に話したいんですよ。私は、これは二重の意味でおかしいと思います。
 それで、いやいや、もう最後の質問までやりますから。最後は、いわて平泉年であります。
 いわて平泉年、この総合政策関係は、いわて平泉宣言、いわて平泉政庁、いわて平泉迎賓館、いわて平泉知事、未来のいわて平泉政庁、こういう事業があるんですね。ほとんど平泉でやるという話なんですよ。しかし、この平泉の世界遺産で県政の一番大事なことは、これを岩手県全体のものとしてどう成功させるかなんですよ。世界遺産に登録されたら平泉には観光客は来るのです。問題は、それを県民全体の運動、岩手県全体に波及させる、そのときに何でも平泉でやったって意味ないじゃないですか。
 それで、このプロジェクトチームは、県南振興局が事務局だ。だめですよ、現地では。全県の取り組みをするんだったら、これは本庁においてやらないと伊達藩の取り組みになりますよ。観光関係者はそう言っているんですよ。このままだったら伊達藩の取り組みにしかならない、南部藩のところまで来ないよと。これは深刻な危機感ですよ。
 私はそういう意味で、何でも、そして大事なことを県南振興局に任せるなんていうのは広域振興局体制のゆがみですよ、これは。本庁の役割が発揮されていないのではないか。そのことについてお聞きしたい。
〇勝部総合政策室長 知事が病院を訪問した件でございますが、さきに説明したときにやや舌足らずのところがありました。知事が訪問したのは勤務時間外の5時以降の時間、知事が、現地での用務を終えた後に、盛岡に戻るときに、若干時間があったので、少し寄ってみようかなということです。
 知事は常々私どもに、少しでも公務先で時間があれば、その時間を利用してより多くの県民の皆様と接触を持って、少しでも意見をお聞きできる機会があればということを申しておりまして、そういう思いから、この日についても病院を訪問したということでございます。ただ、残念ながら先生のほうが、ちょうどたまたま手術の最中だったということでございましたので、そういう事情がありました。
〇木村政策調査監 いわて平泉年の取り組みでございます。
 いわて平泉年の取り組みを全県的に波及しなければならないという認識については、委員御指摘のとおり、我々も同じ認識でおります。お話のありましたプロジェクトチームを構成している関係部局においても、県南局以外で、いずれ県内全体での取り組みが重要という認識で一致しておりまして、そのための取り組みも進めるということにしております。
 また、現在、各地方振興局においても、いずれさまざまな取り組みを検討しておりまして、今後におきましても、各地方振興局と十分連携を図りながら、民間団体の活動とか、市町村の活動なんかとも連携しながら、全県的な展開に結びつけていきたいと考えております。
 それから、プロジェクトチームの取りまとめを県南局が行っていることについてでございますが、これにつきましては、昨年度以来、世界遺産の保存活用の関係につきまして、県のみならず、地元の関係市町、それから観光協会、国の機関等を構成メンバーとしております岩手県世界遺産保存活用推進協議会が今活動を行っておりまして、その中の活用検討部会の部会長を県南局長が務めていたこと、それから、今年度から世界遺産の専担組織でございます世界遺産推進課というものが県南局に設置されまして、なおかつ多くの関連事業を行っておりますし、平成20年度においても行う予定であるということ。それから、地元、中尊寺関係機関も含めて、地元の市町とこれまでずっと連携を図ってきたというようなこと等から県南局が取りまとめを行っていると理解しております。
 いずれ、全庁的に今後、特に平成20年度、展開を図っていかなければいけないという御指摘も踏まえまして、どこが総括すれば一番効率的な事業展開ができるかということを内部でも検討してまいりたいと考えてございます。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋博之委員 1点だけ、広域連携推進費に絡みまして、広域連携、それから道州制に対する基本的な認識についてお尋ねさせていただきたいと思います。
 知事は2大戦略で新地域主義戦略を掲げて、内なるフロンティアについては大変熱心に取り組まれておるわけですが、一方、外なるフロンティア、東北というものもある意味でこれはフロンティアになると思うんですが、ここに対して具体的なメッセージというかビジョンがなかなか見えてこないという状況であると思います。
 今回も、この広域連携推進費に対して250万円と、実に寂しいなと思うわけですが、今、東北で県境をまたいで人、もの、金、サービスの動きが加速しております。東北6県の行政、それから経済界が共同で産業振興、それから観光振興に取り組み始めておりまして、その意味で、地域格差で取り残された地域が、まさに力を合わせて協働で解決策を探し始めようという動きなんだろうと思うわけです。
 先般、知事は、たしか記者会見だったと思いますが、道州制について、今、国の力が弱いときに道州制というのは、ある意味で分社化というのは基本的には間違いであるというような認識を示しておりましたが、県として今現在、この広域連携、それから道州制に対して基本的にどのように考えておられるのか、総合政策室長にお尋ねいたしたいと思います。
〇勝部総合政策室長 これまで、県といたしましては、広域的な行政課題の増加等がございますので、県を超えた広域連携の必要性の増大を背景として、秋田県、青森県と連携して、北東北3県という形で行政課題の解決や行政ニーズへの対応を行ってきたところでございます。
 この取り組みは全国的にも先駆的であると評価されておりまして、住民生活でありますとか経済活動の場が必ずしも都道府県というエリアで完結しなくなっているという現状もございますので、全国各地で、都道府県の枠を超えた連携が行われるようになってきました。本県を含めた北東北3県が、その先鞭をつけたような形になっているのだろうと思っております。
 広域連携の枠組みについては、さまざまな枠組みがあるわけでございまして、どの県とどう連携するかについては、その時々の課題に応じて柔軟に対応していくべきだろうと。必ずしも隣接した県でなくても、同じ共通の課題を抱えているところ同士が、飛び地連携といいますか、離れたところとでも連携は可能でございますので、そこのあたりは柔軟に対応していくべきであろうと考えているところでございます。
 それから、道州制の御質問もございましたけれども、これについては、さきの知事の答弁にもございますとおり、国と地方との役割分担を再構築するということで、中央集権体制から地方分権型の地方自治への転換を図るということで、そういう意味では、その考え方は理解できるものでございます。
 ただ、一方で、地方自治の本旨に立ち返った場合に、地域のことを住民がみずから考えて、その責任において行動していくということが基本になると思いますので、そういうことを考えますと、市町村だけでなく、都道府県であるとか道州であっても同じことと認識いたしますので、そうした観点で、仮に現在の東北のエリアが東北州という形でくくられた場合に、そこの地域に暮らす住民にとって州全体、要するに東北全体を把握した上での意思決定が果たしてどこまで可能であるか、そういう課題も出てくると思います。そういう面で、これからもっともっと議論をしていかなければだめな分野であると認識しているところでございます。
〇高橋博之委員 その議論を深めていく一つの場として、いわゆる全総ですね、国主導の全国総合開発計画にかわって、今回、地域の自立的発展を目指そうと8圏域による地方計画が初めて策定されるということで、この東北圏広域地方計画検討会議の会長が勝部総合政策室長であります。今後この議論をしていく上で、どのような方向性で、皆さんの話を聞きながら議論を踏まえて取りまとめていくんでしょうけれども、この検討会議に臨むに当たってどのような思いでおられるのか、御所見をお伺いいたします。
〇勝部総合政策室長 その検討会議でございますけれども、実は前回、2月末に開催されました検討会議をもって中間報告を取りまとめた形で、私の会長職としての役割もそこで終わっておりまして、次の段階は、今度は、各都道府県の長あるいは国の出先機関であるとか、そういう1段上のところでの協議会の設置というステージに移ります。
 中間取りまとめの段階でも課題がいろいろありまして、たくさんの意見があったわけでございますけれども、それらが一応、今、最終的な取りまとめの作業が行われているはずでございますが、それを踏まえて協議会の場で議論されていくものと。その協議会については、4月早々にでも開催されると伺っているところでございます。
〇高橋博之委員 失礼しました。御退任されたとは知りませんでした。
 最後にしますが、いずれこれまでそれぞれの県ですべての機能を持とうといういわゆるフルセット主義でやってきたわけですが、これだけ、岩手県だけが財政難ではありませんが、それぞれ持っているものをお互い融通し合うという相互補完主義をこれから深めていかなければならないんだろうと私は思います。各県が持っている港湾あるいは空港も含めて、それぞれ機能分担、こういうものまで含めて議論を深めていかなければならないと思いますが、いずれ県として、今後、広域連携あるいは道州制に対して、今、新しい外なるこのフロンティアに対してばふっとした感じでなかなか思いというかビジョンが伝わってこないので、ぜひそこに対して今後もう少し具体的に指し示していただきたいと思いますが、最後にこの点について総合政策室長に御所見をお伺いして、終わります。
〇勝部総合政策室長 委員、今御提言いただいた内容につきましては、今後の協議会での議論に、今までの検討会議の議論を踏まえますと、恐らくそういう議論が深められていくものであろうと思っております。
 検討会議で岩手県として私がその会議に臨んで主張しましたのは、今、委員おっしゃった趣旨と同じところに帰結すると思いますけれども、例えば県境を意識したやり方をやっていると、やはり都道府県の単位で線引きされてしまって県境部分での連携がなかなかうまくとれないということで、岩手県は、秋田県とは山を境にした県境でございますが、青森県、そして宮城県との県境というのは、ほとんど通勤エリアの範囲内に入る、そういう人の交流のある県境を持っているわけでございますので、県境を意識しない、そこに暮らす人々に視点を置いた施策というものもこれから展開すべきではないのか、そういう主張もしてまいったところでございます。
 いずれ、これからの協議会の場で、課題も相当数に上っておりますので、そういうものを一つずつ議論して、解決に向かって結論を出していくような形になろうと思います。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡副委員長 質疑がないようでありますので、これで総合政策室関係の質疑を終わります。
 総合政策室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、地域振興部長から地域振興部関係の説明を求めます。
〇藤尾地域振興部長 平成20年度の地域振興部関係の歳出予算及び予算に関連する議案につきまして御説明申し上げます。
 初めに、当部における施策推進の基本的な考え方でありますが、少子・高齢化や本格的な人口減少社会を迎え、過疎化の進展など、地域を取り巻く環境が大きく変化する中、本年策定いたしました、いわて希望創造プランの着実な推進により、確かな希望を抱く県土づくりに向け、地域の自立と共生の実現を目指してまいりたいと存じております。
 予算編成に当たりましては、このような認識のもと、次の4点について重点的に取り組んでいくこととしております。
 第1に、新地域主義戦略の展開であります。
 権限移譲や市町村合併の推進など、市町村の行財政基盤の強化に向けた支援、広域振興局等による広域行政の推進及び県北・沿岸圏域の振興に取り組んでまいります。
 また、市町村との連携による地域コミュニティの維持・再生に取り組んでまいります。
 第2に、岩手ソフトパワー戦略の展開であります。
 本議会に提案いたしております岩手県文化芸術振興基本条例をよりどころとし、教育委員会等との連携を図りながら、本県の幅広い分野での文化芸術の振興に取り組んでまいります。
 第3に、交流基盤の整備であります。
 岩手ファンの拡大を通じた本県への定住と交流の促進、東アジアを中心とした海外の高度産業人材の活用・育成や市民活動への積極的な参画に向けた環境の整備に取り組んでまいります。
 第4に、さまざまな政策を支える基盤の整備であります。
 地域公共交通の維持・確保や総合的な地域情報化の推進方策の検討により、各政策を支える基盤の整備に取り組んでまいります。
 それでは、歳出予算について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。
 地域振興部関係の予算は、2款総務費のうち3項地域振興費の102億9、031万円余、5項選挙費9、566万円余、総額103億8、598万円余が地域振興部関係予算であります。これを前年度6月現計予算と比較いたしますと31億5、517万円余、率にいたしまして約23.3%の減となっております。
 それでは、各項、目ごとの内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の89ページをお開き願います。なお、平成20年度の重点事項等、主な事業の内容について御説明申し上げまして、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 まず、2款総務費3項地域振興費1目地域振興総務費48億9、632万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。右側の説明欄をごらんください。まず、4行目の地域振興推進費は、広域振興局等において、市町村、NPO及び民間との連携・協働のもと、産業振興を中心とした圏域の活性化に向けた施策を推進しようとするものであります。次の北東北三県地域連携推進費は、北東北3県の地域連携を推進するため、北東北三県広域連携推進事業等を行おうとするものであります。次の草の根コミュニティ再生支援事業費は、地域コミュニティが持つ多面的な機能の維持・再生を図るため、地域リーダーの育成、県民の意識啓発のためのセミナー等を行おうとするものであります。次の地域総合整備資金貸付金は、地域の振興等に資するため、県内民間放送事業者2社が行う地上デジタル放送の施設設備整備に対して、金融機関と協調し、貸し付けを行おうとするものであります。次に、1行飛びまして、NPO協働推進事業費は、県民の参画と協働による地域づくりを推進するため、各種研修等を行おうとするものであります。次のいわて文化芸術王国構築事業費は、本県の文化芸術の振興を図るため、文化芸術振興指針の策定、いわての文化情報大事典の拡充等を行おうとするものであります。次に、3行飛びまして、県北・沿岸産業推進費は、県北・沿岸圏域の各地方振興局に設置した地域産業戦略会議の運営による産業振興の推進とともに、県北・沿岸圏域の質の高い地域資源を県内外にPRしようとするものであります。次のいわてへの定住・交流促進事業費は、首都圏等の団塊の世代を中心とした本県への定住と交流を促進するため、市町村及び関係団体と連携し、情報発信等を行おうとするものであります。
 次に、90ページをお開き願います。2目市町村振興費30億5、157万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の市町村総合補助金は、分権型社会の確立と産業の振興による自立した地域を構築するため、市町村が取り組む事業を支援しようとするものであります。次の市町村優先の行政システム構築事業費は、市町村と県の役割分担を明確にし、住民、市町村及び県が共通認識のもとで権限移譲等を推進しようとするものであります。次に、2行飛びまして、広域行政支援事業費は、社会経済情勢の変化に対応した市町村の行財政基盤の充実・強化を図るため、岩手県における自主的な市町村の合併の推進に関する構想に基づき、市町村合併を推進するとともに、合併後のまちづくりを支援しようとするものであります。次の合併市町村自立支援交付金は、市町村の合併の特例に関する法律の適用を受けて成立した合併市町村が、自立に向けた新たな行政課題等に先導的に対応していくために必要な取り組みに対して交付金を交付しようとするものであります。次に、2行飛びまして、市町村振興宝くじ交付金は、災害関係あるいは地方債資金として市町村への貸付原資や市町村への交付資金として活用するため、財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものであります。
 次に、3目情報化推進費13億9、789万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の地域情報化推進事業費は、ブロードバンド整備、携帯電話不感地域解消及び地上デジタル放送移行への対応など、複数の課題について総合的・効率的に解決するための具体的施策を検討しようとするものであります。次の移動通信用鉄塔施設整備事業費補助は、携帯電話の不感地域を解消するため、鉄塔施設等の整備を実施する市町村に対して支援しようとするものであります。
 次に、4目交通対策費8億1、390万円のうち、主なものについて御説明申し上げます。次ページに参りまして、1行目の三陸鉄道運営支援事業費のうち、三陸鉄道強化促進協議会負担金は、三陸鉄道の経営改善を支援するため、岩手県三陸鉄道強化促進協議会が実施する誘客促進事業等に要する経費の一部を負担しようとするものであります。また、三陸鉄道運営費補助は、三陸鉄道の経営を支援するため、関係市町村と連携して財政支援を行おうとするものであります。次に、1行飛びまして、並行在来線対策事業費のうち、いわて銀河鉄道経営安定化対策費補助は、平成19年度までに積み立てたいわて銀河鉄道経営安定化基金から、会社の経営安定に必要な経費を補助しようとするものであります。また、いわて銀河鉄道指令システム整備事業費補助は、新幹線新青森開業に伴い、IGRいわて銀河鉄道が整備する指令システム構築に要する経費に対し、関係市町村と連携して支援しようとするものであります。次に、1行飛びまして、県立病院再編支援バス運行費補助は、県立病院の再編に関連して、地域の中核的な県立病院への直通バスの運行に要する経費を市町村に対して支援しようとするものであります。
 次に、5目国際交流推進費1億3、062万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の国際交流推進費は、語学指導等を行う外国青年招致事業による国際交流員の招致や県内在住外国人が暮らしやすい多文化共生の地域づくり等を通じて、地域の国際化を推進しようとするものであります。次のグローバルネットワーク推進事業費は、ブラジル岩手県人会創立50周年記念行事への出席、海外県人会との交流を通じて、ネットワークの維持拡大を図ろうとするものであります。次の東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費は、東アジアを中心とした各国から県内大学等への留学生に対する支援、中華人民共和国大連市からの研修員受け入れを通じて、本県との密接なネットワークを形成しようとするものであります。
 次に、95ページをお開き願います。5項選挙費でありますが、1目は選挙管理委員会経費として5、335万円余、2目は選挙啓発費として348万円余、3目は海区漁業調整委員会委員の選挙に要する経費として3、882万円余をそれぞれ計上いたしております。
 以上で、地域振興部関係の歳出予算についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関連する議案につきまして御説明申し上げます。
 議案その2、109ページをお開き願います。議案第33号自治振興基金条例の一部を改正する条例でありますが、これは、自治振興基金の総額を減額し130億5、600万円とするものであります。
 以上で、地域振興部関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
〇飯澤匡副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより暫時休憩いたします。
 なお、先ほど斉藤委員から申し出のあった知事の出席について、世話人会において協議したいと思いますので、世話人の方々は、議会運営委員会室にお集まり願います。
   午後2時54分 休 憩
午後3時24分 再 開
〇千葉康一郎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 斉藤委員から申し出のあった知事の出席を求める件につきましては、世話人会を開催し協議した結果、既に当委員会の質疑において同趣旨の質問があり、知事から一定の答弁があったところであり、世話人会全員一致で知事の出席を求めないとの結論に至りましたので御了承願います。
 これより質疑に入ります。
 先ほどの地域振興部長の説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 連チャンでトップをいただいて恐縮でありますので、時間を短縮して2点だけお伺いいたします。斉藤委員、2点だけ聞かせてください。
 まず、県北・沿岸振興にかかわりまして、三陸鉄道の運営についてでありますが、いろいろ当局には御配慮いただいておることにまず感謝を申し上げたいと思っております。
 これは沿岸住民の長年の悲願がかなった結果でありますが、同時にIGRも同じような経過をたどってきた経緯があると思っております。ただ、経営体は今、違っているわけであります。しかし、同じ岩手県が出資をする会社ということで、すぐにではなくても、将来的には、県北・沿岸振興という大きな観点から経営体を一緒にして、競い合いながらさらに売り上げを上げるといいますか、業績を上げる、そういう議論を今からすべきではないかと思います。条件は違うわけであります。IGRは、両側に人がおります。三陸鉄道は、片側は海であります。条件は違うのでありますが、しかし、同じ岩手県の県北の重要な県民の足としてこれは存続していかなければならない。しかし、常にスリム化ということも考えていかなければならない。こういうことでそういう議論をしていくべきではないかと思いますので、まずこれは1点お伺いします。
 続けてもう一点。県北、沿岸の観光振興について、田野畑村が北山崎、特にも鵜の巣断崖近辺をサッパ船による観光ということでやっておりまして、大変好評を博しているようであります。県政もこういうところに学ぶべきだと思っております。
 といいますのは、今まで県の目が海に向いた際には、陸から海を見るという観点しかなかったのでありますが、今回の田野畑村の観光推進事業は、海から陸を見る。しかも200メートル規模の断崖というのは国内にもそうそうないわけでありまして、さらにこれにグリーンツーリズムを加味していくことになりますと、ある意味、今までの沿岸の未開の、未利用の観光資源を活用する、こういうことにもなると思いますので、そういう視点をぜひ含んでいただいて、さらなる県北・沿岸振興に頑張っていただきたい、こういうふうに思いまして、2点お伺いいたします。
〇藤尾地域振興部長 三陸鉄道とIGRの経営の一体化についての御質問でございました。観光振興関係は地域支援室長から御答弁申し上げます。
 確かに鉄道会社が二つあって、しかも県がいずれにも出資し、主導的な役割を果たしてきているということでございまして、これらにつきましては、現在も経営面でのさまざまな課題がございます。したがって、県あるいは沿線市町村ともども財政的な支援をしながら経営の安定のためにさまざまな努力を重ねてきておるわけでございますが、これが一体化することによって経営基盤を強化し、そしてまた、将来とも持続可能な安定経営ができるかどうかということについては、私どもも、非常に内部の話ではございますが、一昨年、サマーレビューでいろいろ一体化したときの課題について検討してきた経緯がございます。
 いずれにしろ、そういった効果が想定されますので、さらに引き続き研究してまいりたいと思いますが、人的にはそれぞれ相互乗り入れをしつつ、例えば三陸鉄道というのは、北リアス、南リアス、ディーゼルだけの運転をしながら営業しているわけですけれども、これが例えば運転面でとか、あるいは営業面でとか、そういったことを相互に経験することによって、IGRの社員にとっては、三陸鉄道の社員のかなり厳しいコスト削減努力などを学ぶことができるとか、あるいは三陸鉄道の社員にとっても、幹線の経営の感覚みたいなものを三陸鉄道の経営に生かすことはできないのか、当面人的な相互協力みたいなものを図りつつ、将来の経営の一体化などに向けて前向きに取り組んでいくことが必要なのではないか、そのように思います。
 今後、前向きに研究させていただきたい、そのように存じます。
〇鈴木地域振興支援室長 海を活用した観光振興という御提案でございますが、おっしゃるとおり、田野畑のサッパ船のクルージングなどを見ておりますと、倍々ゲームでお客様がふえているといったことで、そういった海を利用した、あるいは従来にない海から見た観光というのはこれからも有望なものだと思っております。
 私どもも、県北・沿岸の観光振興に当たりましては、体験型と申しますか、従来型とは違った、実際に体験していただく、経験していただく、そういった観光というものを推進していくべきだと考えてございます。
 振興局におきましても、そういった観点で、例えば宮古局で体験型観光を推進するような人材育成とか、そういった形で取り組んでございます。それから、大船渡とか釜石などにおいても、海からの観光といったものを推進しようという動きが出てきておりますので、私どもといたしましても大いに推進してまいりたいと考えてございます。
〇樋下正信委員 先輩を見習って簡潔に質問したいと思います。
 交流基盤の整備のところでお伺いしますけれども、いわてへの定住・交流促進事業でございます。団塊の世代を中心とした本県への定住と交流を促進するため、首都圏等にPR活動、受け入れ態勢の整備を行いますということでありますが、実施してまだ年数は浅いと思いますが、どのくらいの受け入れが実現になっているのか、お知らせ願いたいと思います。
 それから、東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費、東アジア各国から県内大学等留学生への支援、海外自治体職員の受け入れ等を通じて本県と留学生との密接なネットワークを形成しますとあります。今までのこの成果はどうなっているのかお知らせ願いたいと思いますし、また、岩手から東アジアのほうに産業人、また、学生が出ていって研修なり仕事についている方がいらっしゃるのかどうか、その辺をお知らせ願いたいと思います。
 それから、もう一点でございますけれども、ブラジル岩手県人会創立50周年記念事業費715万9、000円、予算に関する説明書ではそういうふうになっておりますけれども、議会資料を見ますと、南米移住者等の交流活動支援事業ということで1、700万円という予算が計上されているようですけれども、ここの数字の違いを教えていただきたいと思います。
 それから、もう一つ、実は岩手県にもブラジル県人会というのがありまして、その団体を承知しているかどうかをお聞きしたいと思いますし、そちらの団体にも補助金が出ているのか、出ていなければ、出す予定があるのか。私はぜひ出してほしいと思っているんですけれども、そこも含めて教えていただきたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 定住・交流事業の実績という御質問でございますけれども、これまで定住・交流事業につきましては、さまざまな技術、経験、ノウハウを持った方々に岩手で活躍していただくということで、それは地域の活性化に効果的な方策だと考えてございます。そういったことで、他県も取り組んでいるわけでございますが、岩手県としても積極的に取り組むことにしてございます。
 その取り組みとしては、まず、地域の歴史ですとか風土、伝統文化、自然といった岩手の魅力、よさといったものを積極的に発信いたしまして岩手のファンになっていただくのがまず第1でございます。次に、グリーンツーリズムですとか修学旅行などによって岩手に来ていただいて体験していただくという交流を推進しよう。そこからさらに、農業ですとか安全な食といった地域資源を活用しました岩手らしい定住、実際に住んでいただく、そういった形に進めていこうという戦略的な考えで臨んでございます。
 具体的に実績ということでございますが、まず、情報発信につきましては、首都圏でのいろいろなイベントで、例えば定住・交流コーナーというのを設けまして、お客様といろいろ接触して呼びかける。それから、県人会、同窓会といったものがございますので、その際には知事からのメッセージを送ってございます。それから年賀状等による、ぜひ岩手においでくださいといったような情報発信。あと、一番これが大きいのでございますが、ホームページによる情報発信ということで、ホームページにいわてUJIターン、それから交流居住のススメといったものがございまして、こういったものの発信量を合わせますと、年間約8万8、000件の情報発信をしてございます。
 それから、岩手ファンの拡大ということで、先ほど申し上げましたコーナーでいわて交流サポーターズクラブといった形で岩手の応援団になっていただく方を募集しておりまして、それは1、250人という数字になってございます。
 こういったことを通じまして、実際の定住につきましては、これは県と市町村のそういう窓口を通じての定住でございますが、平成19年度は2月までのところ定住者が34人、平成18年度が15名でございましたから19人ふえてございます。それから、県への相談件数も116件ということで、昨年度の45件よりは大幅にふえているといった状態でございます。
 なお、就農とか就職を含めた定住実績につきましては、3月末で調査する予定としております。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 国際交流推進費のお尋ねでございます。
 まず、東アジアの関係でお尋ねでございます。その成果でございますが、東アジア留学生支援協議会を岩手大学、ジェトロ、それから私ども県等と立ち上げまして、県内企業と留学生の出会いの機会を設定しております。それからもう一つは、企業がインターンシップとして学生を受け入れる、そのインターンシップの実施を年度内にも予定しているというような形で成果を見ているところでございます。
 岩手から東アジアに何人ぐらい留学生が就職しているかという動向については、私どものところでは現在のところ把握していないところでございます。
 それから、グローバルネットワーク推進費として計上しております南米移住者等の交流活動の関係でございますが、本年6月にブラジル県人会50周年の式典がサンパウロでございますので、そちらに知事等が出席するということで1、700万円ほどの費用を見ております。これにプラスしまして、ブラジル、パラグアイ等の海外県人会、11県人会ございますが、そちらのほうに200万円ほど支出しているという内訳になってございます。
 それから、ブラジル岩手県人会につきましては、特に県からの補助金の支給の実態はございませんし、現在のところも補助金を支給する計画はいたしておらないところでございます。
〇樋下正信委員 もう一点、再度質問させていただきますけれども、いわてへの定住・交流促進事業費というのは、それなりに定住している方々もいらっしゃるということでお聞きしたわけでございます。実は、私の知り合いで盛岡に住んでいる方が、広田湾というんでしょうか、沿岸のほうに土地を買った方がいるんです。それは何かというと、向こうは暖かい、そして雪がないということで買ったようでございます。何を言いたいかといえば、県内でも、自分の住んでいるところだけではなくて岩手県内で、移り住むまでいかなくても、季節によって移動して住むという人たちもいるということでございます。
 そういう観点から、岩手県住宅供給公社が在庫をたくさん持っていて、今度清算に入るわけでございますけれども、そういう土地を活用してもいいんじゃないかなと、これは意見でございます。意見というか、そういう考えがあれば一つお聞きしたいと思います。いろいろなことを考えたほうがいいのではないかということでございます。
 それから、南米の移住の関係ですけれども、総合政策室のほうでお話が出ておりますが、平泉がかなりPRされるということでございまして、ブラジルのほうにも、そういうふうな平泉の何か告知といいますか、今度の50周年のときにあるのかないのか、そこをお聞きしたいと思いますし、また、岩手県内のいろいろな文化芸能、そういうものが行くのか行かないのか、その辺もお知らせ願いたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 県内での移住の御提言がございましたけれども、おっしゃるとおりだと思います。私、県北・沿岸振興も担当しておりますので、できますれば県北・沿岸のほうに大いに移住していただきたいと思っております。
 県としては県全体をやっておりますが、それぞれ市町村が取り組んでおりまして、各市町村におきましては県内移住も含めて対応するような体制になってございますので、そういったことも含めまして今後推進してまいりたいと思っております。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 南米ブラジルの知事等の訪問の際の対応でございますが、まず、岩手の文化芸術といいますか、伝統芸能等を紹介するいいチャンスでもあるというとらえ方をしてございまして、内々盛岡のさんさ踊り関係などの団体を中心にして、今、どういった芸能団体を派遣したらいいか検討しておるところでございます。
 それから、いわて平泉年ということもございまして、そのPRということでございますが、これにつきましても、やはり南米におきまして、故郷ということで岩手に関心をお持ちの方がたくさんおられるわけなので、岩手のPRのチャンスということで、いろいろな資料を持ち込む等々の形で岩手をPRしてまいりたいと思っております。
〇亀卦川富夫委員 4点ほどにわたりお伺いいたします。
 最初に、情報通信環境整備についてお尋ねいたします。
 この課題につきましては、携帯電話の不感地帯解消ですとか、あるいは進まないブロードバンドの整備、こういったことで我が県は非常におくれているわけでありますが、幸い、国で設置いたしましたデジタル・ディバイド解消戦略会議、この会議の委員に藤尾部長が選ばれて就任されております。
 そこで、この間のデジタル・ディバイド解消戦略会議の経緯と、あるいはその結果に基づきまして、岩手のおくれている現状をどのように国、県で認識しながらこの問題点解決を進めていくのか、今後の見通しと、いろいろ予算にはのっておりますが、言われて久しくなかなか進まないものが、これからどの程度の年月で整備なされていく考えなのか、お聞きしたいと思います。
〇藤尾地域振興部長 今、委員から御指摘のありました、総務省が昨年10月に設置したデジタル・ディバイド解消戦略会議に委員として参加いたしたわけでございますけれども、この辺の現況等についてお話ししたいと存じます。
 このデジタル・ディバイド解消戦略会議は、国として2010年度までにブロードバンド・ゼロ地域を解消する、あるいは携帯電話の不感地域の解消を目標にいたしまして、実現のための具体的な施策について検討を行う目的で設置されたものでございました。
 これまで3回ほど開催されまして、本県として提言したことは5点ほどございます。本県のように著しく条件が不利な地域におきましては、情報ネットワークとしては、不利地域のようなところも全体としての一部分を占めるわけでございますから、そういったところは国が責任を持ってやるべきだということで、国が直轄事業としてブロードバンド基盤の整備を図るべきではないのかということが第1点。それから、同じく著しく条件が不利な地域における通信事業者の光ファイバー整備に対して、国が直接支援をする制度も必要なのではないか。3点目として、ブロードバンド・ゼロ地域の解消、それから携帯電話不感地域解消、地上デジタル放送の難視聴地域解消、この三つの課題を一時に解消できるような総合的、効率的に推進できるような制度を設けるべきではないか。4点目として、市町村が実施する取り組みに対しましては、補助率のかさ上げ、あるいは事業の複数年度化、単年度予定の支援制度だったものですから、複数年度にわたっても対象にするような取り扱い、あるいは有利な起債制度の創設。そういう支援の拡充、これが4点目。それから、5点目としては、携帯電話不感地域の解消につきましては、地域振興はもちろんですけれども、防災上の観点から、主要幹線道路や観光地も含めた新たな整備指標を設ける必要があるのではないかといったようなことを提言いたしてきたところでございます。
 その結果、今現在示されている第1次報告書(案)というのがございますけれども、先ほど申し上げた3点目の総合的、効率的に地域の情報通信基盤を整備するということで合わせ技プロジェクトを推進することとされておりますし、それから、携帯電話のエリア整備の新たな目標を策定して、山間部等の小規模世帯地域、観光地、国道等のエリア整備を検討することが盛り込まれたところでございます。
 今後も、本県における通信基盤整備を加速化する観点から、ことし6月に予定されております最終報告に向けて継続的な提言を行ってまいりたい、そのように考えております。
 それから、本県の今現在のブロードバンド整備等々の状況でございますけれども、ブロードバンド加入可能世帯率が昨年末現在で86.9%で、残念ながら全国45位という状況です。それから、携帯電話エリア内人口率96.8%ですけれども、これは全国最下位でございます。それから、地デジのカバー率が67.3%ということで、これは全国順位はございませんが、東北最下位という状況にございます。
 いずれにしろ、委員御案内のとおり、こういった情報通信基盤は地域社会に不可欠なものでございますので、いずれ市町村と連携をしながら整備に取り組んでいきたいということで、昨年12月までに本県の情報化支援サポートセンター等が市町村を回りまして市町村ごとの工程表を策定いたしたところでございますので、その工程表に基づきまして、今後、鋭意整備促進に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
〇亀卦川富夫委員 ひとつ委員としての成果を十分上げていただきまして、県内の整備に資するように努力していただきたいと思います。これは一つお願いいたしまして、次に進みます。
 先ほど樋下委員も触れられましたが、岩手定住政策でございますが、これは、これからどの程度、今、人口減少に非常に苦しんでいる危機の一つでありますが、やはり数値化といいますか、どの程度移住者を求めるのか。実績は実績として、やはり一つの目的を数字として示していく。これには県内の市町村との恐らく相当な連係プレーでないとそういった数値化は難しいと思いますが、この辺の考え方についてひとつお伺いしたいと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 数値化と申しますか、目標でございますが、私ども、いわて希望創造プランの中に団塊世代を中心とした定住と交流の促進という形で盛り込んでございます。そこで、定住・交流人口の増加によって、地域活動や生産活動が広がりと深みを保ちながら持続しており、県外の岩手ファンの拡大と相まって、本県の活力を支える基盤となっているということを目指す姿としてございます。
 具体的な目標といたしまして、平成18年度から平成27年度までの10年間、県外から就職や就農、あるいは2地域居住などによりまして、10年間で1万人、毎年1、000人程度の定着を目指したいということにしてございます。そのために、先ほど申し上げましたような岩手独自の情報発信による岩手ファンの獲得ですとか、県と歩調を合わせて積極的に取り組む市町村の拡大。現在、モデル市町村と呼んでおりますが、7市町村ございます。近々葛巻町が加わりまして8市町村になる予定でございますが、そういった市町村の拡大。それから、地域のニーズに即した人材の活用といったことに取り組むこととしております。
 県といたしましては、そういう相談者ですとか移住者の段階に即しましたきめ細かなフォローアップといったものを、地方振興局に100人、定住交流サポーターというのがおりますので、そちらとも連携しながら、一層の移住の促進と地域への定着を支援してまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 先ほど総合政策室でも、東京事務所とか、あるいはいわて銀河プラザの活用、そういったもので広く岩手をPRしていくといいますか、ぜひその辺相まってやっていただきたいと思います。
 東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費あるいは南米移住者等交流活動支援事業というのがここにもあるわけでありますが、ブラジルは日本から移住した方々でこういう交流になっている。今、逆にブラジルから日本に移住を希望するとか、あるいはアジアからの留学生、こういった方々が岩手に定住する、そういうものを視野に入れた交流なり支援というものがあっていいのではないかと思うのでありますが、これは感想で結構でありますが、一つお聞かせ願えればと思います。
〇鈴木地域振興支援室長 首都圏等におきましては、いわて銀河プラザに定住・交流のためのコーナーを設置してございまして相談ができる対応になってございます。それから、その隣に他地域居住を進めるようなNPOもございまして、そういったものとも連携することとしてございます。
 それは別に日本人に限らないわけでございまして、いろいろ外国ですとか、あるいは東アジアからおいでになっている方が県内で就職したいといった方もあると思いますので、NPO・国際課のほうでそういったことを支援することとしてございますので、一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。
〇亀卦川富夫委員 いずれ人口減少社会でありますので、これは地域間競争ともなろうかと思います。例えば東芝のこちらへの設置が決まった。そうしますと、かなりの方々があるいは転勤とかで岩手に赴任される方も多いと思います。そういった方が、岩手はいいということで定住しながら、なおかつ友達を呼ぶとか親類を呼ぶとか、そういうところまで高まるように、ひとつしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に移ります。
 地方公共団体財政健全化法が成立しました。この対応についてでありますが、県の対応は、平成13年度以後の数値で公表化を進めている、このようにきのうも答弁ありました。市町村の対応でありますが、お聞きしたいのは、市町村合併によって新市ができました。この歴史が非常に浅いわけですので、数字だけ見て財政の健全化を図るといいますか、そういうものの背後の関係というのがないほうがかえってさっぱりして見やすいのかもしれませんが、そういった新市の数字というものをどのようにとらえるのか。
 特に合併以前にはそれぞれの地域でそれこそさまざまな財政上の問題等があって、それが顕在化して合併したものか、顕在化しないままに成ったものか。合併した後に、例えば病院の経営の問題などが出てきたとか、そういったいろいろまつわるものがあるんだろうと思います。それぞれの事情が異なったものが合併して新市ができたと。それが今度、財政健全化法に数字として出てくるわけでありますが、こういったものについて、県として市町村をどのように指導、支援していくか、この辺の考え方をお聞きしたいと思います。
〇浦上市町村課総括課長 地方公共団体財政健全化法の施行に伴う合併市町村への対応という御質問でございますが、平成19年度の決算から公表、それから平成20年度決算から本格実施ということで、地方公共団体財政健全化法に基づく各種指標については、地方公共団体間で比較可能にすることが必要だと思っておりますので、これは、合併団体、非合併団体関係なく、一定のルールに基づいて算定されるべきだろうと思っております。当然委員の御指摘のとおり、合併した市町においては、合併前の財政事情、いろいろとよく議論をした上で、いろいろと異なる中で、それを乗り越えて合併をして新しいまちづくりをしているところでございますので、合併によるスケールメリットを生かした行革をきちんとしていただきながら、合併特例債などの有利な財源を使って新しいまちづくりが円滑に進んでいくことが非常に重要だと考えております。
 県としても、市町村合併支援プランに基づきまして、合併市町村自立支援交付金などによりまして財政的な支援を行っているところでございますし、引き続き健全な財政運営を保ちながら新しいまちづくりが進むように助言や支援を行ってまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 ひとつよろしくお願いいたします。
 次、最後でございます。
 平泉の文化世界遺産登録ということで、非常に今、この委員会でもいろいろクローズアップされた意見が出ております。そこで、各部局にわたって、平泉の世界遺産登録を機に、観光なりさまざまなものをやっていこう、こういうものがあるわけでありますが、地域振興部として、世界遺産を活用した地域振興についてお伺いしたいと思います。
 一つは、車のナンバーであります。これは今、席を外しておりますが、伊藤勢至委員が昨年12月にこの話を提言されたと記憶しておりますし、あるいは佐々木一榮委員等もこういったものについて非常にいろいろな意見などを提言されておられるようであります。そういった中で、平泉ナンバーという車両ナンバー、これを実現したらどうだというお話があるわけであります。これは昨年暮れに県南広域振興局長が呼びかけたということで、奥州市、一関市、平泉町の3市町の首長が平泉の文化遺産の活用を協議する連絡調整会議を開いた。この中で、御当地ナンバーを要請していこうではないかということが話し合われたようであります。この要件は私は満たしていると思うのでありますが、県としてどのようにこれを把握されているのか。そして、地元で、こういうものに進んでいきたい、こういう強い意向がまとまって出てきた場合、県としてこれをどのように支援していかれるのか、お伺いしたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 世界遺産登録を契機といたしましたいわゆる御当地ナンバーの導入についてでございますが、先ほど委員からも御案内のとおり、昨年12月定例会での御提言を受けまして、平泉の文化遺産の活用を考える関係市町長、県南広域振興局長の連絡調整会議におきまして、2度にわたりまして意見交換を行ってまいったところでございます。
 この意見交換におきましては、御当地ナンバーの導入に関しまして、世界遺産登録との相乗効果で、その地域を全国にアピールする非常にいい方策の一つであるということで、導入に当たりましては、民間主導で機運の盛り上げを図っていくことが不可欠であるということでございます。また、導入する地域の範囲につきましても、周辺自治体の意向を踏まえる必要があるということもございまして、今後、県南広域振興局におきまして、さらに検討を進めてまいることと確認されているところでございます。
 また、国におきましては、新たな御当地ナンバーの導入に関しましては、現在、登録を認めております19カ所の普及状況を検証した後で検討を行うとしているところでございまして、県といたしましても、今後の国の動向も注視しながら、県南広域局を通じましてさらに地元自治体と協議を重ねまして、民間団体にも必要な情報の提供等を行いながら、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 世界遺産に関しましては、先ほど来、県のスピードある取り組みというのが各委員から求められているわけであります。この平泉ナンバー、御当地ナンバーも、よしとなれば素早く進めて確実なものにしていただきたい、このように思うわけでありますが、その決意をひとつお聞きしたい、このように思います。ひとつよろしくどうぞ。
 どこが中心になって動けばいいのか、そこも一つ教えていただければと思います。
〇藤尾地域振興部長 平泉御当地ナンバーにつきましての取り組みでありますが、世界遺産登録関係については千載一遇という言葉で説明してきております。したがいまして、県としては思い切って、今まで取り組んでこなかったことも含めて、とにかく前向きに取り組んでいくということでございます。今申し上げた文脈の中には当然スピードアップということも入っておりますので、基本的には県南振興局ということになりますが、これは全県的に課題意識を共有しながら取り組んでいくべきものだと思います。いずれ思い切って前向きにいきたい、そのように思いますので、よろしくお願いします。
〇亀卦川富夫委員 伊藤勢至委員が戻ったら非常にまた力強い答弁が来たなと思っておりますが、大変心強い答弁を聞きました。
 そこで、こちらもそれに乗ってさらにお願いしてまいりたいと思うのでありますが、これは奥州市長からでありますが、以前から平泉を中心に国立博物館誘致推進、これはまだ案の段階でありますが、そういったことも一つ視野に入れていただければと思います。
 それから、これは非常にマイナーな話に聞こえるかもしれませんが、記念切手とかいろいろな切手があります。郵便局が民営化になりましたので、私は今どのような手続を進めればいいのかもわかりませんが、平泉の世界遺産というものの切手化、これも1種類じゃないと思うんです。シートなんかになりますと何種類かになります。こういった切手というものに目を向けてやるのも一つではないか、このように思っております。
 それからもう一つ、水沢青年会議所という組織がありますが、かねて奥州にある水沢江刺駅の名称変更をJRにお願いしたりしているんです。なかなかこれはお金もかかるということでありますし、あるいは新幹線が青森まで開通した時点とか、何かのタイミングをつかまえてのお話だろうと思いますが、こういったこともひとつ世界遺産の登録を機に、まさに千載一遇のときに、地域を挙げて、何かそういうふうなもので進むものがあれば大いにこれは進めていきたいものだと思います。
 今三つほど申し上げましたが、私は、一番早いのは切手じゃないかというような気もいたしますが、こういった点についての御所見があればお伺いしたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 お尋ねがございました幾つかの点のうち、切手についてでございますが、国内の世界遺産登録に係る記念切手につきましては平成13年度から発行されておるところでございます。
 また、平成20年度におきます日本郵便事業会社の発行計画が公表されておりまして、平成20年度におきましては、昨年、世界遺産に登録されました石見銀山の記念切手の発行が公表されておるところでございます。また、その計画の中におきまして、平泉が世界遺産に登録された場合におきましては、平泉の記念切手も発行する旨公表されておるところでございます。
 県といたしましては、県南広域局を通じまして、その登録後の早期発行に向けまして、日本郵便事業会社に対しましての働きかけなどを行ってまいりたいと考えています。
〇菅原交通政策参事 水沢江刺駅の名称変更についての御質問がございましたけれども、ちょうどいい状況にございますので、地元の意向を踏まえながらJR東日本と協議し、質問の中にもございましたけれども、お金の問題もございますので、青森開業のような時期をとらえながらJR東日本と協議してまいりたいと思います。
〇亀卦川富夫委員 いろいろ心強い御答弁ありがとうございました。
 切手につきましては、平泉記念のみではなくて、岩手にはぜひ切手にして売り出したいものがたくさん県北・沿岸にもあると思うんです。ですから、どういう名前になるのかわかりませんが、観光基本条例などを県議会でも進めておりますが、そういった一環として、ぜひ岩手の地をいち早く県が郵便事業会社と組んで切手化を図るというようなこともひとつ考えていただければと思います。これは意見として申し上げまして、私の質疑を終わります。
〇及川幸子委員 5時を目途にということで、まだまだ質問者があるようですので、私からは1点質問させていただきます。
 アイーナについてでございます。
 予算額の計上内容と平成19年度の利用状況を示していただきたいと思います。特に光熱水費はどうなっていたでしょうか。
 2点目、このたび利用者のマナーの悪さが指摘されたようであります。今後に向けた取り組みと、どのような状況だったのか、お示しいただきたいと思います。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 アイーナの関係のお尋ねでございますが、平成20年度の当初予算におきましては、アイーナの管理運営費は約7億5、700万円ほど計上させていただいております。主なものは、指定管理者への委託料7億4、000万円でございます。それから、情報システム保守委託費を約1、600万円ほど計上させていただいております。指定管理者への委託料7億円のうち、光熱水費は約2億9、000万円ほどでございます。
 それから、利用状況というお尋ねですが、アイーナの利用者は、平成19年度4月から2月までの実績でございますが、128万9、000人ということで、1日平均で割りますと3、940名ほどとなってございます。これは、前年度に比較しまして約10%の増加になってございます。
 それから、いわゆるマナーの問題でございますが、これは、高校生等を中心に、例えば座席を長時間占有するとか、荷物を置いたまま離席するとか、あるいはカップめん等を食べているということでほかの利用者等から苦情を受けていたことがございましたので、いろいろ指定管理者等とも相談の上、3月から、いわゆるカップめん等の汁物に限りまして、これを持ち込み、あるいは飲食しないというルールをつくらせていただいたところでございます。ただ、一般のパンとかお弁当については従前どおり飲食可能ということで取り扱いをさせていただきたいと考えてございます。
〇及川幸子委員 パンとか弁当はいいということで、汁物の持ち込みは禁じたということです。大体利用をするのにカップめんの汁物とかを持ち込みすること自体、私はどうかと思います。勉強しながら、例えば片手でカップラーメンを食べたり、そういうことがいいものかどうか、そのところからやはり禁じないと。何かお聞きしますと、おでんは売っているけれども汁は入れないで中身だけと言いますけれども、勉強しながらあのにおいをかいだおでんを食べない周りの人はどう思うんでしょうかね。やっぱりそういうものは規制しなければだめなんじゃないでしょうか。
 私、これらの改善策として、食事をする部屋が一つ欲しいと思うんです。ある一定の時間は勉強に集中して、食事の時間になったらそこを離れて、1部屋を利用して食事をするというのはどうなんでしょうか。その点についてもお答えいただきたいと思います。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 御指摘のとおり、カップめん持ち込みというのは、ほかの方々へにおいと見ばえの問題等々もありまして、いろいろな苦情があるところでございます。そういうわけで今回一つのルールをつくらせていただきましたけれども、他方、食事をする部屋を設けてはどうかということですが、これにつきましては、アイーナの現存のスペースの問題もございますので、さらに指定管理者なり入居施設の方々の意見も聞きながら、将来に向かっての検討課題であるのではないかと考えております。
〇及川幸子委員 よろしくお願いします。
 それから、アイーナの建物、行ってみますと大変な吹き抜けですね。利用者の多くは暖房費をかなり心配しておりまして、あの建物はやっぱり都会向きではないかと。寒冷地における東北には合わないのではないかと聞かれますが、ほかの公共施設と比べて暖房費を比較した場合どうなんでしょうか。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 暖房費の関係でございますが、マリオスと比較してみましたが、光熱水費は、年度はちょっとずれがございますけれども、マリオスにおきましては平米当たり約5、970円となっております。それに対しましてアイーナの平成18年度の実績では平米当たり5、650円ほどということで、若干マリオスよりは低くなってございます。
 その要因といたしましては、やはりガラス面の熱損失を低減するようなダブルスキン等がありまして、建物の外壁を複層、二重にしまして、その中に外気を入れるとか、あるいはアルミ製のルーバーといいまして、大きな縦型のブラインドでございますけれども、そういったものを備えつけてあること、井戸水だとか雨水をいろいろな融雪とかに使っていること、それから太陽光発電も一部取り入れているということで、ある意味徹底した省エネの構造がありますので、先ほど申し上げたような数字につながっているのかと考えております。
〇及川幸子委員 余り心配したほどではない金額であったのでちょっとほっとしましたが、最後に、前から随分いろいろな声が出されておりました利用者に対する駐車の問題でどういう苦情があるか、そして、その苦情に対してどのように改善策を打ち出しているのか、最後にお聞きしたいと思います。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 アイーナの駐車場でございますが、これは平成18年度オープン以来、いろいろな御意見をいただいております。なかなか面積等の制約によりまして敷地内に駐車場を確保することが難しいということで、現状は施設の向かい側の盛岡市営駐車場を中心に利用していただくこととしております。また、最近では周辺に民間の駐車場がいろいろ整備されて、こちらのほうも利用可能になっております。
 現在も当該盛岡市営駐車場が高いのではないかという声も継続的にございます。しかしながら、自家用車利用者に対して県が何らかの助成をすることは、公共交通機関によって来館される方々の交通費の負担とのバランスを欠くので、その意味では困難と考えてございますが、できるだけ公共交通機関の利用をお願いしたいということでございます。
 ただ、最近の情報ですが、盛岡市におきまして現行料金、例えば昼間ですと30分150円だったわけですが、これを100円に改定するという条例改正が12月にされたと伺ってございまして、これが平成20年4月から効力を発すると伺っております。
〇及川幸子委員 特に子育てサポートセンターの利用のお母さん方は長時間利用していると思うんです。公共的な交通機関を利用してと申しましても、子供を連れて荷物を持って、やっぱり車で来て利用したいという人がいるようですので、その辺のところ、盛岡市でもいろいろ低額でやっているようですが、県としても、今後そういうところに耳を傾けながらやっていただきたいと思います。
 特にまた、図書館の利用の方々の部分はどうなっているんでしょうか。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 図書館利用の方々につきましては、閲覧される方は相当時間数滞在されますが、単に本を返却する方の場合については、特に返却口を設けて、短時間の駐車でもって返却手続ができるような配慮がなされていると伺ってございます。
〇及川幸子委員 さまざま答弁をいただきましたけれども、今後に向けても、苦情で、やっぱりアイーナは利用したくない、いろいろ厳しくなったことでもう嫌だという若い人たちの声も聞かれておりますので、そういうことはないんだよという部分をこれから示して、本当に1日何人か利用者が多いようですので、どうぞいろいろ耳を傾けながら改善策を打ち出していただきたいと思います。
 以上です。
〇斉藤信委員 私も聞こうと思っていたので、先ほど利用者が3、940人ということでしたね。これは、階層別、年代別にわかりますか。
 それと、駐車料金、今聞いたら4月から30分100円ですか、これはよかったなと。あの近辺、1時間100円の駐車場になっているんですよ。ここはもう満杯と。アイーナの真ん前はがらがらということで、私もこれは本当に100円ぐらいにしないと、何ぼ高くたって使われなければ意味がないと思っていましたので、これはそういうことであれば、僕は100円ぐらいに下げてほしいんだけれども、そういう要望を上げたらいいんじゃないですか。
 2点。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 盛岡市でそういった改定が現になされているというようなこともございますが、意見として……(斉藤信委員「2点と言ったの、意見じゃない」と呼ぶ)
 それから、利用者の階層別というお尋ねでございます。これは、恒常的に行っているものはございませんが、ことし1月に指定管理者が行った調査によりますと、男女比では男性が51.6%、女性が48.4%という内訳ですが、年齢で見た場合は、10歳代以下の方が約2割、20歳代から30歳代の方が約4割、40歳代から50歳代の方が約3割、60歳代以上の方が約1割というふうになってございまして、かなり広い年齢層にわたって御利用いただいているものと考えております。
〇工藤勝子委員 私のほうからは、地域コミュニティの強化と、それを踏まえて集落の状況調査結果について、そしてさらには、地域振興を踏まえて県南広域振興局の現状について質問していきたいと思います。
 まず一つ、地域コミュニティと草の根コミュニティという言葉がよく出てくるわけですけれども、例えば資料の中でも、地域コミュニティの機能強化とありながら、次に事業名には草の根コミュニティと出てくる。そして、事業内容を読むとまた地域コミュニティという言葉が出てくるわけですけれども、例えばこれ、地域コミュニティと草の根コミュニティをどうとらえていらっしゃるのか。その範囲とか、どういう形でくくっているのかというところをお聞きしたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 地域コミュニティと草の根コミュニティのとらえ方でございますが、どちらも自治会、町内会などの地縁組織としてとらえているところでございます。
〇工藤勝子委員 そうすれば、これは町内会をとらえているということであれば、全部地域コミュニティでもいいわけでしょうか。わざわざ草の根とうたっているのはどういうことなのかなと思って、もう一度お願いしたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 ただいま委員からの御指摘のとおり、どちらも町内会、自治会ということでございまして、どちらかに統一しなければいけないとか、そういう御意見はあろうかと思いますが、草の根の地域というのは、まさに住民生活の根っこであるという意味で、基礎であるという意味で、そういうニュアンスを少し出しながら使わせていただいているところでございますが、その辺、混乱が生じないように、今後の使用に当たりましては、少し留意してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 私は、草の根というのはまさに集落だったのではないかと理解していたんですね。小単位の集落、そして地域コミュニティとはまさに町、例えば遠野市で言えば、私の住んでいる青笹町を地域コミュニティととらえている。そして、私の住んでいる小さな、まさに行政区単位を草の根コミュニティととらえていたんですけれども、そうではないということのようですので、それはそれでいいんですが。
 集落の状況調査を行って結果が出まして、立派な冊子をいただきました。全3、648、さらには52市町村に調査を依頼して回収率もありました。53市町村のうち24市町村が回答したと、あとの11市町村は無回答、これをどうとらえて指導していくのか、どういう方針でしょうか。あとの11市町村に対してはどのような県としての指導をしていらっしゃるのかお聞きいたします。
〇畠山地域企画室企画担当課長 ただいま、私どもが実施いたしました集落状況調査に関します市町村からの回答につきまして、回答のなかったところがあったのではないかという御質問でございますが、今般実施いたしました集落の状況調査、これは全市町村に対して行っておりまして、すべての市町村から御回答をいただいているところでございます。ただし、項目によりましては、例えば平成8年度末及び18年度末の集落におけます年齢区分ごとの人口あるいは今後の動向予測といった項目に関しまして、市町村によりましては集落ごとの情報把握が困難である、要するに市町村がお持ちになっているデータが集落ごとの区分になっていないといったようなことが理由になっていると思いますが、そのために情報把握が困難であるといったことによりまして、一部の市町村におきまして一部の質問項目に回答ができなかったというものでございます。すべての市町村から何がしかの項目については回答をいただいているところでございます。
〇工藤勝子委員 その中で、例えば65歳以上の高齢者が半数以上を超えた集落というのが52あると。前回、約10年前から見ればもう8倍にもなっているというようなことがあるわけですけれども、例えば、そういう項目に記入されなかった市町村をさらに加えると多くなるということなのでしょうか。
 それからまた、再生に向けて支援策を検討する基礎資料となるというような回答があるわけですけれども、この支援策について、いつごろから着手しながら支援をしていこうとしているのかお聞きいたします。
〇畠山地域企画室企画担当課長 委員御指摘のとおり、すべての市町村におきまして、集落ごとに人口精査、これはかなり労力のかかる話でもございますので、もし仮にそういうことが行われるとすれば、あるいは先ほど委員から御指摘のありました高齢化した集落の数がもう少しふえてくる可能性はございます。これは何とも言えないところでございますが、そういうことだろうと思います。
 また、集落維持・再生のための取り組み、対応策ということでございますが、これにつきましては、平成19年度におきましてもさまざま施策を講じてまいりましたが、集落状況調査におきまして、さまざまな課題あるいは求められる支援策というものがはっきりしてきたところでございまして、早速、平成20年度の予算からさまざまな対応をさせていただくことにしておるところでございます。
 例えば、今回の調査におきまして、集落において後継者の育成が課題であり、それが強く求められているといったところが明らかになってまいりましたので、平成20年度におきまして、草の根コミュニティ大学、これは既に19年度からも実施しておりますが、また20年度におきましても実施いたしまして、地域のコミュニティのリーダー養成を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 このほかにもさまざま施策を展開して、コミュニティの維持・再生に県としても市町村とタイアップしながら一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 この中には市町村からの意見だとか出ているんですね。それから、行政への意見、要望等が集落からも出ているわけですけれども、例えば、少子高齢化が進んでなかなか市町村としても対応がよくわからない、どうしたらいいのかわからないということもありますね。さらに、やはり後継者をつくっていくことが急務であるというようなことがあるわけですね。
 そういう中において、県として今後、今お話があったような対策をとっていくんだろうと思いますけれども、しっかりと市町村と連携をとりながらやっていただければと思うんですが、行政の意見の中でおもしろいことが出てきたんです。例えば、集落の活性化には行政側の意見、意識の改革も必要だ。地域の中に入って、住民と一緒に考え行動する、燃える行政マン、そういうものが出てくることを望むとあるんですね。そうすると、この燃える行政マンというのは、私は、市町村よりは、逆に県の人たちの燃える、まさに地域振興にかける燃える行政マンが出てくることを望んでいるのではないかと思うんです。
 そういう意味を含めて、これをどう、まず地域に入る前に、県の地域振興部の中でこのような燃えるような行政マンのリーダーをつくっていくにはどうしたらいいと思いますか、部長、お願いいたします。
〇藤尾地域振興部長 やはり燃える行政マンと言い得るためには、現状を直視し、そしてまた、将来に対する先見性を持つということと、いわゆる衰退しつつあるコミュニティを維持・再生しなければならないという使命感を常に自覚しておる必要があろうかと思います。
 コミュニティの活性化のためには五つのポイントがあるんだと思いますけれども、一つには、やはり知恵をいかに引き出して活用していくかということがまず第1点。二つ目には、燃える行政マンもそうでございますが、その地域の担い手を発掘し、育てていくということが二つ目。三つ目には、先ほど亀卦川委員からお話もございましたが、いわゆる他地域との交流を活発化し、それぞれの地域の財産・資源といったようなものに対して誇りを持ち、継承する、そういう意欲を引き出すことが3点目にあろうかと思います。それから、4点目は資源ですね。他地域との比較優位な資源というものを発掘し、それを最大限生かすということが4点目としてある。それから、五つ目は、地域社会の基盤、これは、地域公共交通であり、それから地域情報化基盤、これはもう今後の将来を見通した場合にはどうしても必要な基盤でございます。
 そういった五つのポイントに沿った施策というものを的確に地域住民のニーズ等を把握しながら展開していける、そういう自信、誇りを持った者が燃える行政マンではないか、そのように存じておりまして、私どもも、燃える行政マンと言われるように一生懸命努力してまいりたい、最善の努力をしてまいりたい、そのように存じております。
〇工藤勝子委員 ぜひ、部長の御指導に期待申し上げたいと思っております。いろいろ県の職員の、例えば給料のカットとか、それから事業のお願いに行っても、まず、県にお金がないということが一番先に、要望に行ってもまず、出したいんだけれども金がないというようなことがあって、なかなかそういうところで、燃える行政マンではなくて、だんだんしぼんでしまう行政マンになってきているのではないかという思いがするんですね。ですから、なければないなりの知恵とアイデアを出すということでありますけれども、ぜひ、そういうことに触れないで、一生懸命市町村を指導して、そして一緒にタッグをとってやるような行政マンに期待をしたいと思っております。
 それでは、県南広域振興局について地域振興の部分から聞いてみたいと思っております。
 局長がおりませんので答弁がなかなか難しいのだろうと思いますけれども、2年が経過いたしてまいりました。一番不便を感じているのは遠野と千厩ではないかと思うんですね。あとは、花巻だって、北上だって、一関だって、振興局から支局に変わっただけで全然変わらないんですよね。変わったのは遠野と千厩じゃないかと思っているんです。
 そういう関係で、例えば産業振興、ものづくりだ、ITだって、すぐ県南だと、そういう話が出てくるんですけれども、まだ全然、遠野とか千厩にそういう産業振興が響いていっていると思わないんです。2年が経過してもそういうものがない、将来も多分ないのではないかという思いがするんです。そういう部分で、2年が経過して、今後この大きくなった県南広域振興局を地域振興部としてどうとらえているのか。
 そしてまた、行政システムの関係なんです。例えて言いますと、私は軽油の免税の書類をとりに行ったんです。そうしましたら行政センターの職員が出してくれました。これとこれが必要だということで出してくれました。しかし、工藤さん、申請には花巻総合支局から職員が来ますので、この日でなければだめですよと言われたんですね。なぜそうなんですか。どうして遠野の行政センターで書類を出せるのに、申請受け付けは花巻支局から行かなければならないんですか。
 それが、例えばその職員だって1時間以上かけて遠野まで来て、また戻る。ガソリン代もかかる、経費もかかるわけです。その書類を出せるぐらいだったら、遠野行政センターだって受け付けしても構わないじゃないですか。例えばこういうことは、将来的に、農業委員会に行って資料をもらったり何かしますので、例えば市町村に権限を移してもいいのではないかという思いもするわけですね。そういう部分についてどのように考えていらっしゃるのかという思いがございます。
 そして、地域住民の評価というものを考えたときに、この間、こんにちは知事ですで、遠野のまさにコミュニティ100選に選ばれたところとの懇談会がありました。聞いていて、まさに一方通行でありました。出てきた一日市町のおかみさん、ひな祭りをやっている人たち、おかみさんとの交流会だったんですけれども、一方的にみんなから話を聞いて、それに対して知事がコメントして終わりだったんですね。
 そして、そこの住民の人たちから出たんです。例えば、保健所だとか、ハローワークだとか、消防署の統合だとか出ているけれども、一体、遠野市だって合併して市になったんだ。なのに、地域振興を図らなければならない、草の根コミュニティを高めなければならないと知事が言っているのに、なぜそういうことをするんですかと、まさに私たちではなくて、そこのおかみさんから切実なる質問が出たのに、これに対してだれも答えなかったんですよ。知事も答えなければ、振興局長も答えなかったんです。統廃合は、例えば行政システムの中でやらなければならないから、だけれども遠野の人たちには迷惑をかけないようにやるとかなんとかと私だったら言うのになと思ったけれども、そういうことが全然なかったんですね。そこでその人たちが、何のこんにちは知事ですだったんですか、何が懇談会だったんですかと不満の声だらけだったんです。
 だから、そういうところで聞いてみたいと思いますし、今後、ここのシステムがうまくいかなければ、次の4広域振興局とするというものに進まないのだろうと。その4広域振興局で一番ネックになっているのは何なんですか。こういうふうに言うのは遠野だけですか。その辺のところをお聞きしたいと思います。
〇望月地域企画室長 県南局の産業振興あるいは行政システムの成果、課題というようなことでお尋ねがありました。
 産業振興の面につきましては、遠野市も含めて産業振興戦略等の迅速な策定でありますとか、あと北上川ものづくりネットワーク、こういったものを初めとした八つのネットワークができているというようなことで、産学官が連携した積極的な地域経営が進められていると思っています。
 それから、行政システムの関係につきましては、まだ振興局そのものが過渡的なものだということで、さまざま今お話がありましたような課題があるかと思っていまして、これにつきましては、例えば今お話がありましたように、行政センターで受け付けができるようにするとか、あと、御提言がありました遠野市のほうに権限移譲するとか、そういったことも含めて検討していきたいと思っています。
 現在、遠野市ではかなり権限移譲を振興局のほうから受けているわけですが、まだまだ十分な行政サービスをやるためには足りない部分もあるかと思っています。
 それから、2点目、住民の皆様の目線から見たときにどうなのかということで、県南局では、本局あるいは総合支局の窓口に寄せられた意見、こういったものを現在分析しております。途中経過ではありますが、先ほど申し上げました成果、課題の検証の中にそういったものを生かしていきたいと思っております。
 また、知事のことにつきましては、━━━━━━━━━━━━━━━━━というようなこともあるかと思いますし、それから振興局のほうでも、今盛んに今後のあり方を検討している段階でございますので、そのあたりにつきまして、今後、市町村長さん方の意見でありますとか、それから住民の皆様の意見を伺いながら……。
〇千葉康一郎委員長 静粛に願います。
〇望月地域企画室長(続) そのあたりは検討していきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 結局、私は一般質問の中でも、例えば県南広域振興局として、あとは全部、行政センターシステムでいいのではないですかと質問して、検討しますと言っていましたが、部長、検討に入っていますか、入らないんですか。どうでしょうか。
〇藤尾地域振興部長 今、工藤委員からお話のございました、県南局のすべての出先機関を行政センター化するということにつきましては、内々、県南局のほうで検討いたしております。
 それから、先ほど軽油引取税の免税申請の関係の例を出されまして、いかにいろいろ御不便をおかけしているか、そういう御指摘がございました。私どもといたしましては、そういった業務運営上の改善すべき点につきましては、いずれ丁寧に拾って、そして、先ほど、例えば解決の方策として、市のほうに権限移譲して、そちらで受けられるようにしたらよろしいのではないかという非常に貴重な御提言をいただきましたけれども、そういったことを一つ一つ丁寧に対応しながら、業務運営上の改善で、そういった行政センター化に伴うところのいろいろな御不便といったようなものについては、解消していかなければなりませんし、解消していきたい、そのように存じておるところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今のに関連してですけれども、センター化されたことによってどうこうという話がありましたが、試行的にいろいろやりながらということですけれども、それを超えているような感じもしないでもない。例えば、今、産業振興とかもいろいろ考えていますね。そのエリアをどうこうという新地域戦略もそうですけれども、その中で、例えば遠野市で保健所が廃止されるんですか、方向性としては。そういった面とかというのは、例えば、遠野市は畜産とかが非常に盛んなところだと思うんですけれども、そういったこともきちんと関係性を持ってやっていかなければ、実際の地域振興というものとかけ離れていくのではないかという気がするんですが、そういったところはどうやって調整しているのか、意見を聞きたいです。
〇望月地域企画室長 振興局以外の出先機関、例えば今お話がありました保健所でありますとか、農業改良普及センター、こういったものがございます。これについては、振興局と二枚看板でやっている面もございますので、今度の再編の中で、そういったもののあり方についても、どういった体制で行政サービスを維持していくのかといったことを検討してまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 工藤委員は多分、本当はそういうことを言いたかったんです。本当に必要なものがなくなっていって、要らないものとは言わないけれども、その辺の選択・集中というんですか、本気で地域のことを考えてやってもらわないと、振興局がこうだ、保健所がそうだ、農業何とかがそうじゃなくて、地元の人からすれば一緒ですから、役所ですから、県ですから。そういったことをきっちりと把握して対応していただきたいと思います。
〇千葉伝委員 先ほど、工藤勝子委員の発言に対して望月地域企画室長が、知事の対応について、━━━━━━、こういう発言がありました。少なくとも知事は、県民一人一人の声をしっかり聞いて対応しなければならない、基本姿勢ですよ。その分を、━━━━━━━━我慢してちょうだいとか勘弁してちょうだいというような声に私は聞こえたものだから、今、立ちました。
 この間の総括質疑のときにも佐々木博委員から、どうも知事は、自分の声で聞いたことに対して答えていないのではないか、こういう声もあります。私も、いろいろなところから声を聞いております。やはり知事は、県民の声に真摯に耳を傾けて、県民のほうを向いて、そして県の内外、そういったところにもっともっとPRをする、これが県のトップの仕事ですよ。そこの分をしっかりと、いや、望月地域企画室長に言ってもあれなのですが、知事の基本姿勢、この分を皆さんがしっかりと支える、こういう姿勢を持っていかなければ、私は県政も、さっきのとおり、燃えるような話は出てこないのではないか、こう思うところであります。
 したがって、今後、知事は、こういった県民の声に耳を傾ける、そして、それにみずからの声でこたえる、こういう姿勢をぜひ持っていただくようにと私は思うんですが、そこを部長から。
〇藤尾地域振興部長 今、千葉委員からお話があったこと、全くそのとおりだと思います。いずれ知事は、県民のために一生懸命やりたい、そういう心構えでいろいろ懇談会とかそういったようなところに出向いております。したがって、そういった組織上の問題とかいろいろあるわけでございますけれども、いずれ広域振興局もセンターもだれのためにあるのか、それは県民のためだ、そういう原点に立ちつつ、いろいろ我々としても県民の方々の声に真摯に耳を傾けながら知事を支えていきたい、そのように存じております。
〇斉藤信委員 やはりさっきの地域企画室長の答弁は撤回したほうがいい。やはり部下が、気持ちはわかりますよ。気持ちはわかるけれども、やはり━━━━━━━━━そういう対応になったというのは、これは正確じゃないと思います。
 増田前知事は、よしあしたくさんあったんだけれども、わからないことは、検討させるとか、指示するとか、懇談会の場できちんと対応したんですよ。達増知事の場合は、そういう対応が不十分なところ、意見が出たものについて、わからないのはわからないでいいんですよ。それを検討させるとか、後で答えますとか、そういう対応はあってしかるべきだとは思うけれども、先ほどのものは撤回したほうがいいのではないですか。
〇千葉康一郎委員長 望月地域企画室長、いかがですか。
〇望月地域企画室長 知事は、これから我々職員で一生懸命支えていきたいと思っております。先ほどちょっと言い過ぎた面があると思いますので、撤回させていただきます。
〇千葉康一郎委員長 ただいま、望月地域企画室長から発言を取り消したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。申し出のとおり、発言の取り消しを許可することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉康一郎委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
〇高橋博之委員 私のほうから、草の根コミュニティ再生支援事業についてお尋ねいたしますが、工藤勝子委員と重複する部分がありますので、重複しない点について、まとめて質問させていただきます。
 まず一つ目が、この元気なコミュニティ100選でありますが、これはとてもいい事業だと思うんですね。中山間地を回っていますと、自分たちも頑張りたいんだけれども、何をどう頑張っていいのかわからないという声が多く聞かれて、その意味で、県内の先進的な取り組みを行っている地域を100選んで紹介するというのは、とてもいいことだと思います。
 ただ、届いていないんですね。せっかく選んでも、中山間地に住んでいらっしゃる方は、県のホームページを開いてこれを見るということもないし、あるいは新聞等、報道機関への情報提供、岩手日日は書いていますが、岩手日日をとっていないところも多いわけです。なので、そういう方々にどうやってこの情報を届けるのか、その点について一つお尋ねいたします。
 それから、2点目でありますが、新規で今度ゼロ予算事業ということで、地域支援希望人材ファンドという新しい事業が立ち上がりました。あれも私は大変ユニークな事業だと評価しているわけですが、ただ、心配なのがマッチングですよね。さまざまな問題を抱えている集落と、それに対してさまざまなノウハウを持っている人材をマッチングさせなければいけないわけですが、よほど母数がなければいけないと思うんです。これを募集して登録するということなんですが、果たしてどれぐらい募集して、登録してくれた方がいるのか懸念してしまうんですが、その募集の方法についてお示しいただきたいと思います。
 それから、ボランティアで派遣をするということですが、例えば県内外の有用な人材ということで、県外の人材をボランティアで派遣するときの交通費、一応ゼロ予算事業ということになっておるんですが、これも手弁当で来ていただくのか。もし交通費を払うのであれば、ゼロ予算事業ということですけれども、それはどこに計上されるのか。この点についてお聞かせいただきたいと思います。
 最後、コミュニティの再生、再生とよく聞くわけですが、何をもって再生ととらえていらっしゃるのか、基本的な認識をお聞かせ願いたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 何点かコミュニティに関しましてのお尋ねでございます。
 まず、元気なコミュニティ100選、御評価いただきましてありがとうございます。これのPRの方法でございます。今のところホームページで概要を掲載しているところでございますが、まだまだやっていかなければいけないと考えてございます。例えば、各種のセミナー、今後予定しておりますけれども、そういった場で活動内容を御紹介いただくとか、あるいは、県政懇談会草の根地域訪問こんにちは知事ですということで、先ほど工藤委員からもお話がございましたが、コミュニティ100選で選ばれた団体を基本に知事に出かけていただいておりまして、そういったところをマスコミにもどんどんPRして、コミュニティ100選に選ばれたところの活動を広く紹介していきたいと考えておりますし、あと市町村の広報誌等に掲載される事例もございますので、そういったことも市町村にどんどん呼びかけてお願いしてまいりたいと考えております。
 また、4月1日から13日まででございますが、盛岡駅ビルのフェザンにおきましてコミュニティ100選のPRイベントがございます。そういった場を通じて、一般の県民の方にも広くPRしてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、地域支援希望ファンド人材版の募集方法でございますが、これにつきましては、もちろんホームページあるいは県の広報誌等、先ほども申し上げましたとおり、市町村の広報誌等を通じましてどんどん募集してまいりたいと考えておりますけれども、それだけでは恐らくなかなか集まらないだろうという御心配もそのとおりだと思いますので、私どもからさまざまな団体を訪問いたしまして、何とか登録いただけることがないかとPR活動を足を運んでやっていきたいと考えております。さまざまなボランティア団体、あるいは県立大学ほかの大学、そういったところにさまざまな知識、活性化のためのノウハウを持った先生方も大勢いらっしゃると思いますので、そういったところにも呼びかけてまいりたいと思いますし、あるいは民間企業の中にさまざまノウハウをお持ちの方でボランティア精神旺盛の方もいらっしゃると思います。とにかく、さまざま足を運びながら集めてまいりたいと考えておるところでございます。
 また、ボランティアの足代という、いわゆる交通費の問題でございますが、これは、基本的にゼロ予算ということもございます。ボランティア精神を発揮していただきまして、無料で、御自分で御負担をいただきながら活動していただくことを基本に考えております。
 再生についての認識ということでございますが、今回、集落状況調査を行ったところでございます。これで地域の集落コミュニティの実態が大変厳しい状況になってきていることもわかってまいりましたけれども、その中でも、さまざま一生懸命活動している実態も明らかになってまいったところでございます。また今後、このような調査を通じまして、その結果、元気に活動している団体がどんどんふえてきていただくことによりまして、再生が図られた証左としてまいりたいと考えておるところでございます。そういった調査を通じまして明らかにしてまいりたいと考えております。
 また、先ほどボランティアの足代全くゼロということを基本にと申し上げましたけれども、県、国、財団等の事業によりまして、コミュニティ助成事業というものがございまして、そういったアドバイザー派遣の旅費を負担する事業もございます。そういったものの活用が可能なのかどうなのか、あわせて考えながら取り組んでまいりたいと思っております。
〇高橋博之委員 元気なコミュニティ100選、先ほどセミナーや盛岡駅ビルフェザンやという話があったんですが、なかなかそこに行けないような地域に住んでいる方々だと思うんですね。市町村の広報という話もありましたが、いわてグラフという全戸配布している広報誌がありますね。あれは、他の中国・山陰地方だとか、九州だとか、あっちの地域の元気な集落の事例は載っておるんですが、あれは結構、私の周りもみんな見ていると言うんですね。なので、ほかの地域の取り組みを紹介するのもいいですけれども、県内でそうやって一生懸命頑張って取り組んでおられる事例があるんですから、それをぜひ、いわてグラフの中で紹介していただきたい、これが一つお願いであります。
 それから、さっきの足代は、やはりいくらなんでも足代ぐらいは、私は、この広い岩手県ですから、志の高い方が、足代まで自分で持てといって及び腰にならないように、そこは何とかお願いしたいと思います。
 それから、この募集の方法、いろいろな団体にこちらからも出かけていくんだということですが、それでいいと思うんですけれども、せっかく元気なコミュニティ100選、まさに人材の宝庫だと思うんですね。この選んだ100の地域にも改めてお願いに行って、ぜひ知恵を拝借したいということで回っていただきたいと思います。
 それから、最後に、この再生についてなんですけれども、もちろん頑張ろうとしている集落、地域を行政として精いっぱい応援していくということは、私は本当に大切なことだと思うんです。ただ一方で、中山間地を回っていますと、意外とその集落に住んでおられる方は、この事態を冷静に受けとめておるところも結構あって、このままじゃ消滅してしまう、大変だ、大変だと言っているのは町なかの人たちが言っているのであって、私たちは、あと10年も20年もすれば、ここはもう集落がなくなる。だから、最後まで私たちは仲よくここで安心して生活したいんだ、余計なお世話だみたいな、とても冷静に時代の変化を受けとめておられるような方々が実はすごく多いんです。
 そこに、頑張って再生だ、活性化だということよりは、そういう地域に対しては、安心してその地域で最後、肩を寄せて生活できるような環境をつくるということも選択肢の一つとして、これは保健福祉部との連携にもなってくるんだろうと思うんですが、いずれ再生、活性化という一律ではなくて、それぞれの集落の意思が尊重されるようなシナリオというか選択肢を提示するのも、私は行政の役目だろうと思うんですが、最後にこの点についてお伺いして終わりたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 いわゆる高齢化してなかなか厳しい状況になった集落への対応につきましてでございますが、委員御指摘のとおり、そういったところがどんどん元気になって、どんどん人がふえていくということは、できればそういうことになっていただきたいわけでございますが、なかなか難しい場合もあろうかと思います。また、そういった中で、その集落の方々のいわゆるクオリティー・オブ・ライフ、生活の質の確保ということも当然必要になってくるわけでございます。
 そういったことにつきましては、集落の方々の相互扶助の活動も当然必要でございますが、保健福祉部などとよく連携いたしまして、そういった面での取り組みにつきましても支援してまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 関連。今の元気なコミュニティ100選と希望人材ファンド創設のゼロ予算の件でちょっとお聞きしたいんですが、今、答弁をお聞きしていると、事業をやるということはわかったんですけれども、将来的な展望とか、その地域をどういうふうにしていきたいかとか、この事業を通じて、どんなふうにその地域を活性化していこうか、そういうビジョンがまるで見当たらない。ただ事業だけをやって、それで終わりのような気がしてならないわけでございます。
 今回、達増知事の大きな柱として地域を活性化していく、こういうもので元気を取り戻していくということなんですけれども、この二つの事業を通して一体何をやろうとしているのか、その辺が見えないので、ぜひその辺を説明いただきたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 私どものコミュニティ対策の方向性につきましてですが、今回、集落状況調査、先ほど工藤委員からも御質問いただきましたけれども、3、600の集落についての調査をいたしまして、8割ぐらいの回答をいただいたところでございます。その中で集落が抱えている課題、そしてまた、必要とされる支援策といったものが明らかになってきたわけでございまして、そういったところにきちんと向かって対策を打ってまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋雪文委員 よくわからないのでもう一度、もし担当課の方がわからなければ、やはり上の部長、きちんと御説明いただきたいのですけれども。
〇藤尾地域振興部長 今回、このコミュニティの活性化のためにいろいろな事業を予定いたしておりますけれども、先ほど担当課長のほうから答弁申し上げましたように、何よりも集落そのものが高齢化したり、あるいはまた人材流出が進んでいる中で、担い手としての人材確保あるいは人材面での活性化といったようなものが第一の課題になってきたところでございますので、市町村と連携しながら、草の根コミュニティ、そういった集落をリーダーとして活性化につなげていけるような、そういうノウハウだとか、あるいは先頭に立てる人間を育成するとか、そしてまた、そこにそういった知恵を人材ファンドみたいなものでマッチングさせて活性化を図っていくといったようなことをねらいといたしておるところでございます。
 ゼロ予算事業と申しますけれども、我々としては、人件費そのものは当然予算化されておるわけでございますから、県職員としてのこれまでのいろいろなマンパワーとしての力、そういったようなものを当然前提とした事業の成り立ちとなっているわけでございますので、何とぞよろしく御理解のほどお願いしたい、そのように思っております。
〇佐々木順一委員 手短にお聞きします。情報基盤の整備につきまして聞きます。
 県のほうでは県民への周知徹底どうするんだとなると、ホームページ等々で掲げております、こういう各部の答弁がもっぱらでありますが、一方において、先ほど情報基盤の状況で明らかになりましたが、ブロードバンドも携帯電話も、それから地デジの関係も、全国的には最低のものがある、ここで矛盾がある意味では生じているわけですよね。
 その中で市町村別整備工程表なるものを昨年12月作成した、こういう御答弁がさっきもありましたし、本会議でもありました。ついては、この中身について具体的にお聞かせいただきたいと思いますし、また、工程表でありますから、目標設定、ここもあわせて確認したいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 市町村別整備工程表についてでありますが、これにつきましては、市町村情報化サポートセンターというものがありますが、その機能は、現地に出向いて市町村と濃密に話し合うというものでありますが、その機能を最大限発揮しまして、委員お話のように、12月に工程表をつくりました。その中身でございますけれども、平成22年度までの整備の計画、整備の時期、それから財源などについてまとめてございます。
 ブロードバンドについて例をお話いたしますと、平成20年4月までにブロードバンド・ゼロ地域を解消すると考えている市町村は35団体中6団体です。それ以外の29団体は、平成21年度、22年度中に整備をして、23年4月にはブロードバンド・ゼロを解消したいと、平成22年度までの後半におおむねの市町村がその整備を想定しております。県といたしましては、平成22年度にブロードバンド・ゼロ、つまり100%の世帯が利用可能にしたいという目標を掲げておりますので、この整備工程表については、年度の後半に寄っていると考えているところであります。
〇佐々木順一委員 携帯電話も地デジもですか。
〇桐田IT推進課総括課長 地デジにつきましては、この整備工程表では、共同受信施設の整備について、そのように整備の時期と財源を明記してほしいと市町村と相談したところでありますが、現在のところ、地デジの受信可能地帯あるいは受信が不可能な地帯についての情報が、昨年9月に国からロードマップという形で示されておりますが、まだ正確ではありません。それから、地デジの世帯カバー率が平成19年度末において67%であり、まだ実際に地デジの電波が届いていない地域が多くありますので、その受信状況を平成20年度におきまして、NHKがNHKの予算でそのような受信点調査について取り組むというようなことが国のほうから情報として流れてきておりますが、そのような受信点調査を踏まえながら、さらに具体的な整備の計画が出てくるものと考えております。
 それから、携帯電話につきましては、平成18年度に市町村からの要望調査をとりました結果、52カ所整備したいということで、それは国庫補助、県単補助を使って整備するというものと、携帯電話事業者にみずから取り組んでもらいたいというものの2種類があります。それらにつきましては、携帯電話会社との調整がありますので、どの時期に何カ所というふうにはまだ具体的に整っておりませんが、平成19年度におきまして7カ所、20年度におきましては4カ所と県予算には計上しておりますので、残り52カ所については明確ではありませんが、着実に進んでいけるものと思っております。
〇佐々木順一委員 やはり、いわて平泉年でもあるし、また東芝も来る、こういうことであります。一方において、先ほど来から集落の人口の流出等々の話もあります。となれば、今のところ通信の基盤は全国的に極めて低い、最下位という話がありました。そういった状況の中に今、本県が置かれているということでありますよね。よって、今、過疎あるいは小集落で一番困っているのは、医療も交通手段もこれまた大事なんですが、やはり携帯電話が通じない、それから地上デジタル放送になればテレビは映らない。そうすると、それよりは映るほうに移動するかなという気持ちにならざるを得ないと思うんですよ。だから、これを食いとめるのは、やはり一番の過疎のところとかそういったところを優先的に情報基盤の整備をやることによって、集落もある程度は維持できると思いますし、場合によっては活性化になるということにもなろうかと思います。
 また、他県の人が、あるいは国際的な、外国の人が平泉に来られて、岩手県内を歩いて、しかしながら、携帯電話、テレビの映らない地域があったとなれば、これは岩手県にとって、「黄金の國、いわて。」なんていうイメージはすぐ傷ついてしまうわけでありますから、多少リスクが伴うところもあるかもしれませんが、やはり早急に100%の目標を地域振興部として作成して、それを県内外に公表することによって、ある程度岩手県のイメージが高まると思います。よって、そういった取り組みを今後、部としてやるべきではないかと思いますが、部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇藤尾地域振興部長 いわゆる地理的なハンディにかかわらず、意思疎通し、支え合う社会というものが、今、委員御案内のとおりの地域情報化というものがなし遂げられてこそ可能になるものと考えておるわけでございます。いろいろ課題は確かにございますけれども、工程表をつくって、市町村と一緒になって取り組んでいくということを確認いたしております。
 それから、もう一つは、この間の代表質問でも知事のほうから答弁申し上げたとおりのことでございますけれども、これは行政だけが取り組んでもなかなかはかがいかないということがございますので、この4月に、いわて情報通信基盤整備戦略会議という、言うなればデジタルディバイド解消戦略会議の県版を立ち上げます。これは、いわゆる産学官民の構成メンバーによるものでございまして、部会は、ブロードバンド・ゼロ地域のための部会、それから携帯電話部会、それから地上デジタル放送部会、それから、県庁内でも広域局、支局等も含めてテレビがございますので、そういったようなものの切りかえと廃棄物対策とか、そういった問題が発生していますので、県庁内のデジタル放送対策部会、それから行政監査で御指摘いただいたところの電子申請の利活用の促進、こういった五つの課題のための部会を設けまして、4月早々緊密な連携を図って鋭意進めてまいりたいと存じておるところでございます。
〇佐々木順一委員 いずれ情報通信基盤は、今やこの時代はもうライフラインそのものでありますから、道路も今騒がれておりますが、道路以上にこれは最も大事な事柄だと思います。よって、考え方とすれば、さっきも話がありましたが、人の集まるところ、それから最も都市中心部から遠いところ、こういうところを優先して基盤整備を行っていただくようにお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
〇新居田弘文委員 私は、市町村財政についてお聞きしたいと思います。
 今、県も市町村も、地域の経済活性化とか、あるいは雇用の創出、あるいは所得の向上ということで企業誘致を一生懸命やっております。今回、幸い東芝が北上に来るということで、知事初め、関係各位の御努力にまず敬意を表したいと思いますが、その中で、この間の新聞にも出ておりますが、いわゆる市町村も県もいろいろな優遇措置を計画いたしましてそれぞれ働きかけをしております。県は、不動産取得税とか、あるいは事業税の問題、それから市町村は、固定資産税は免除というわけにいきませんから一たんかけますが、それに見合う立地奨励金とか、あるいはそれ以上のものを別な補助制度で条例化等しましてやっておりますが、一たん基準財政処理ということでその自治体に固定資産税が入るものですから、その結果、交付税が7割5分といいますか、相当の部分がカットされるといいますか、そういう実態があるようでございまして、先般の北上市の例の心配も記事に載っておりました。
 まず、その辺の関係をひとつ御説明いただきたいと思いますし、あるいは、端的に言えば、何とかならないのかという思いなんです。それが1点です。
 もう一つは、同じように、企業立地するために市町村でつくっております土地開発公社というものがございまして、これまた順調に立地している当時はよかったんですが、厳しい環境の中で土地を取得して造成したけれども、なかなか立地していないということで、分譲地をそのまま何年も抱えているというようなことで、将来的にも市町村財政に非常に大きな影響が危惧されているのが実態でございます。5年以上保有しているものは塩漬け土地というような表現も新聞等で拝見したことがあるんですが、まず、その辺の土地の所有状況についてお聞かせいただきたいと思います。
〇浦上市町村課総括課長 まず、1点目の御質問でございますが、誘致企業に係る固定資産税の増収と、またその地方交付税の関係というところでございますが、まず、地方交付税の交付団体におきましては、一般的に企業誘致によりまして固定資産税は増収するわけでございますが、その増収額の75%は普通交付税の基準財政収入額のほうに算入されますので、その分、交付税が減額となって相殺されるという形になっております。ですので、基準財政収入額に算入されない固定資産税の増収分の25%は、トータルとして歳入の増加になるといった仕組みになってございます。
 仮に固定資産税を減免するといろいろ、税収も得られなくなるし、また交付税も落ちてしまうということがありますので、その増収額のある一定の財政力指数等の条件を満たした場合には、増収額の75%が基準財政収入額に入って交付税が減るという措置は緩和してありますという減収補てんという制度がございます。この件につきましては、今、国のほうといろいろと調整しているところでございます。
 それから、土地開発公社の関係につきましては、そもそもいろいろな整備をする際に公有地が必要となるわけですけれども、それを地方公共団体にかわって土地開発公社が先行的に取得するという制度が土地開発公社でございますが、平成18年度末の土地保有の状況は、面積ベースで292ヘクタールとなっております。また、金額ベースでは約324億円ということになってございます。
 そのうち、いわゆる土地開発公社が取得してから5年以上たっている保有の土地は167ヘクタールということになってございますし、また、その中でも10年以上の保有となっているものは98ヘクタールという状況でございます。
〇新居田弘文委員 それで、先ほど私が固定資産税の質問をしたのは、減免ではなくて、一たんは入りますということで、その際、自治体の裁量で補助金等を出しますと、その分が収入に穴があくといいますかそういうことで、先般、東芝が北上市に来た場合、その辺についてちょっと書いておりまして、仮に設備投資が8、000億円でありますと固定資産税額は1年目91億円になるとか、あるいは2年目57億円と。そのために地方交付税が最小として68億円減るということで、まさに市町村の財政が立ち行かなくなるというような、極端な例だと思うんですが、これは北上市に限らず、一般論でも、どこの市町村もそういうことになります。このままでは、せっかく誘致したという反面、逆にその自治体は大変な財政的なピンチになるという実態になるのではないかという心配から話をしているわけでございますので、その辺については、課長も幸い国からおいでということで、これからも時間をかけまして、そういうことをなるべく、その被害といいますか影響の少ないような方法についていろいろ御努力をお願いしたいということで1点目を終わります。
 2点目の土地開発公社の関係ですが、面積のことも今、紹介ありましたが、実際、公社が決算上、ほとんどみんな借り入れして土地を造成していると思うんですけれども、大体借入相当額に見合う固定資産評価になっておりますが、多分毎年の金利負担分も全部資産計上されて、一応、バランスシート上はプラマイゼロというような形になっているのではないかと思います。
 やはり土地開発公社は市町村の要請に基づいて設立し、県がそれを認可した団体でございますので、もともとは市町村に責めの本質はあるわけですけれども、結果的に、さっきの質問でありましたように、それこそいろいろな市町村の財政が、今回、地方公共団体財政健全化法の中で、普通会計から、公社から、あるいは第三セクター、いろいろなものがトータルにカウントされまして、いわゆる夕張市にならないようないろいろな歯どめがかかるのか、あるいは再建策を樹立するのか、そういう大変な事態に遭遇するわけでございます。
 そういう意味で、市町村でつくっている土地開発公社につきましても、市町村側の財政の都合によって、土地開発公社に過大な損失、迷惑がかからないような、そういう指導も県として、認可権者として行うべきではないかと思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
〇浦上市町村課総括課長 市町村の普通会計が優先されて、土地開発公社自体にしわ寄せになっているのではないかという御質問でございますが、確かに一部の市町村におきましては、土地開発公社に対する土地購入の代金を先送りするという形で、いわゆる未収金ということが発生しているところでございまして、平成18年度末の残高は5億3、800万円という形になってございます。
 当然これは、土地開発公社は市町村が全額出資して設立しておりますので、土地開発公社の負債というのは、当然、設立した市町村の負担となるものでございますから、県としては、市町村の未収金については早い時期に計画的に解消するようにと助言させていただいているところでございまして、今該当している市町村におきましては、平成23年度までに解消するという計画を立てているところでございます。
〇新居田弘文委員 では、その件は引き続き指導を一つよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次は、3点目でございますが、盛岡以北の新幹線開業に伴ってのことでございますが、総括質疑等でもいろいろお話がありましたので、繰り返さないために1点だけ質問いたします。
 いわゆる毎年の決算を見ますと、単年度でそれぞれ黒字になっているかのように見えますが、実際はいろいろ補助金とかその他でそういう決算になっておりますが、累損もあります、今回のいわゆる寝台列車の2便の減便によりまして収入が1億2、000万円ほど減収するという実態もありますし、さらにJR貨物の使用料が期待に反してままならないというような状況にもあります。
 そういうわけで、今後、県としてどのような働きかけをしてそれらの経営改善のために努力するか、その1点だけお聞かせいただきたいと思います。
〇平野交通担当課長 並行在来線IGRの今後の経営に対する対応ということだと思います。
 委員御指摘のとおり、IGRにつきましては、開業以来、大変な時期を今迎えようとしていると認識しております。
 やはり一つは、今問題になっておりますところの指令システムの問題、これにつきましても、来年度の予算分につきましては、今のところJR貨物からも半分借り入れるという格好で資金のめどは立ってございますが、それを恒久的に私たちが貨物の負担として受けるためには制度改正が欲しいと。やはりそのためには国を動かしていかなければならないということがございます。
 あわせまして、二つ目の問題といたしまして、寝台特急の減便という問題が今度新たに出てまいりました。今週の15日からダイヤ改正が行われまして、寝台特急2本がなくなります。5本のうち2本がなくなると。そういうことによりまして1億2、000万円の減益がすぐにも生ずることになります。
 これに対する対応でございますけれども、やはり一つ目は、この根源は線路使用料がきっちりとIGRに入るような仕組みになっていないということがあろうかと思います。当初、線路使用料、私どもIGRが開業する前に、平成12年、13年当時、国土交通省と交渉いたしました。その際、私どもの要求する額に対しまして国土交通省は、それを値切ったと申しますか、カットした額で査定をされたところでございます。その不足分を補うために寝台特急が走っているという構図になっておりますので、やはりもともとの本来いただくべき線路使用料をきちっともらう、そういう交渉を今していかなければならないと思っています。
 また、それと同時に、国土交通省に対する要望だけではやはり時間もかかる話でもございますので、やれる対応であればすぐにもやっていく。そのためには、IGRが中心になりますけれども、特に寝台特急の減便に対応して例えば増収策はないのか、あるいは経費削減策はないのか、そういったものを関係者の英知を集めてすぐにでも検討していく必要があろうかと思っています。それに対しまして、県としましては、会社と市町村、県、その中核として積極的に指導してまいりたいと考えております。
〇千葉康一郎委員長 先ほどの指名に当たりまして、当職に不手際がありました。小野寺有一委員には大変失礼いたしました。おわび申し上げます。
 改めて御指名いたします。
〇小野寺有一委員 先ほど伊藤勢至先輩委員から、三陸鉄道とIGRの経営主体の統合という大変大きな観点からのお話があったところであります。私としては、若輩者でございますので、身の丈に合った質問をさせていただきたいと思います。
 来年度から、鉄道事業者に対する国の鉄道軌道近代化設備整備費補助、いわゆる近代化補助が年度を越えて鉄道軌道輸送高度化事業費補助、いわゆる輸送高度化補助に改編されるというお話を伺っております。交通対策費のところで三陸鉄道近代化設備整備費補助という項目が上がっておりますけれども、県費といたしましてはこの欄に該当するものであろうと推測いたしますが、これまで、県内鉄道事業者に対して近代化補助がどのような事業に活用されてきたのかということをお示しいただきたいと思います。
 それから、先ほど近代化補助と、それから輸送高度化補助と申し上げましたけれども、これが具体的に改編されてどこが変わるのかということと、あわせて、新しい輸送高度化補助が平成20年度においてどういった事業に適用されることを想定されていらっしゃるのか、そうしたことをお示しいただきたいと思います。
 それから、最後に、輸送高度化補助というのは、事業者が策定する事業再生構築計画に対して国が3分の1を支援すると伺っておりますが、先ほどからIGRの寝台特急の減便による減益のことがお話に上がってきておりますけれども、たしか今まで近代化補助というのは赤字事業者にのみ適用されると聞いておりましたが、これが、例えば黒字の事業者にも適用できるようになる、あるいはIGRが非常に厳しい経営環境に置かれることが予想される中では、予算では三陸鉄道のほうだけが挙げられておりますけれども、IGRに対してもこの補助を適用すべきではないかと考えるわけでございますが、その辺のところをどのように当局として考えていらっしゃるのかをお尋ねしたいと思います。
〇平野交通担当課長 まず、1点目の近代化補助の導入の実績でございますが、県内の鉄道事業者におきまして、いわゆる近代化補助を導入いたしましたのは三陸鉄道のみでございます。三陸鉄道におきましては、平成6年度から毎年度近代化補助を導入いたしておりまして、例えば主なものといたしましては、車両の更新、エンジンの更新、さらには事故等の対策といたしまして、風速計、雨量計あるいは無線設備、あるいは保守管理のための落石防止の防止さく、あるいは枕木のコンクリート化のための経費、あるいは橋梁、トンネルの改修、こういったものに事業を活用しておりまして、事業総額は約12億円余となっております。
 参考までに、このうち県の負担額は1億6、700万円余となっております。
 次に、平成20年度から新しくなりますところの輸送高度化補助の導入についてでございますが、まず、この輸送高度化補助の概要でございますけれども、国土交通省では、今までは赤字事業者のみを対象としてきた近代化補助を改編いたしまして、輸送高度化事業を委員御指摘のとおり創設したところであります。この輸送高度化事業におきましては、近代化補助の移行によります従来の事業メニューに加えまして、新たに鉄道事業再構築実施計画を策定した場合、次のようなメリットを用意してございます。
 まず一つ目は、制度の対象といたしまして、例えば新型車両ですとか新駅の設置ですとか、あるいは観光のシンボルとなり得るような駅舎の設置・改修、こういったものも認めておりますし、またさらには、ソフト事業も初めて対象にしている。それから、先ほど来申し上げておりますとおり、黒字事業者でも3分の1の補助が受けられる。さらには、これは大きい話でございますけれども、補助金の重点配分が受けられる。今まで原則補助金というのは3分の1というのがございましたが、やはり申請と予算の状況から見て薄まきになる可能性がございました。それに対しまして、重点的に補助するということは国土交通省で強調しているところでございます。このような有利な取り扱いが受けられるような補助が創設されたと承知してございます。
 なお、三陸鉄道におきましては、現時点では、新年度におきましては、近代化補助の移行によりますところの輸送高度化事業を導入して、橋梁の改修、あるいは車両のリニューアルの事業を行うというふうに今のところは計画してございます。
 なお、この事業の活用につきまして、今後の展開、対応、あるいはIGRの対応ということでございますが、まず、いわゆる新しいメニューの輸送高度化補助を導入するためには要件が二つほどございます。
 一つ目の手続的な要件としましては、まず、市町村が主体となって地域公共交通総合連携計画を作成する。これに基づきまして、沿線市町村と鉄道事業者が共同して鉄道事業再構築計画をさらに策定する、これが手続的な要件でございます。
 そして、二つ目の要件といたしまして、この鉄道再構築計画を策定するに当たりましては、線路や駅、土地、こういった鉄道資産を自治体が保有する、いわゆる上下分離方式にするよう求められているところでございます。
 三陸鉄道におきましては、簿価で見た場合、鉄道総資産額は今、約590億円あるわけでございますけれども、資産価値の高いトンネル、橋梁約400億円は既に市町村が保有しております。要するに、国土交通省の求める制度に極めて近い形になっております。こういった状況にありますことから、早急に沿線市町村と今後の対応について協議いたしまして、新たな制度の導入について、是非も含めて検討していきたいと考えてございます。
 なお、IGRにつきましては、今現在、先ほども申し上げたところでございますけれども、指令システムの構築の問題ですとか寝台特急の減便の問題ですとか、大変な問題を抱えているときでございまして、そちらの対応が急務となっております。こういった状況でございますので、そちらのほうをまず先に対策としてはやる必要があると思いますが、いずれ将来をにらみながら、今後の市町村負担を減らす観点から、設備投資がどのようなものがあるかを吟味しながら、この制度の導入について研究をしていく必要があろうかと思っております。
〇千葉康一郎委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後5時34分 休 憩
午後5時47分 再 開
〇飯澤匡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇五日市王委員 私からは、広域振興局体制についてお伺いいたします。
 私、個人的には、岩手四分の計に対しましても、いわゆる1広域圏振興局体制に異を唱えるものではございませんが、先ほどの工藤委員の質問を聞いていましたらちょっと異を唱えたくなってきたような気もいたします。いずれ今回の議会におきまして、平成22年4月にスタートするという方向性が示されました。私が言いたいのは、その時期の問題でございます。はっきり言って、ちょっと早過ぎるのではないか、そういう観点から質問させていただきたいと思います。
 広域局移行のそもそもの目的というものは何だったのか、そして今回、先行して行っております県南広域振興局のメリット、デメリットというものを改めてお聞かせいただきたいと思います。
〇望月地域企画室長 まず、目的といいますか、なぜ県として今やらなければならないかということを申し上げたいと思います。新しい地域計画、いわて希望創造プランができ上がったわけですが、この着実な展開のために、行財政資源の最適配分による最大効率化、振興局の力を結集するということ、それと、組織力の維持・向上ということが一つあります。それから、二つ目として、市町村との適切な役割分担の再構築と支援ができる体制をつくるということ。それから、厳しい財政状況の中で、持続可能な、簡素にして効率的な体制を再構築する必要があるということです。
 単純ではございますけれども、今、知事部局の職員は4、500人ぐらいでございます。4、000人体制を平成22年度中に目指すということを申し上げておりますので、振興局の職員は4割以上いるわけですので、500人減らすことになりますと振興局の職員が200人程度減る。この数というのは宮古局1局分ということです。こういった中で、いかに振興局がその活力を持ちながら地域振興に貢献していくかということを考える必要がある、これがやはり一番の目的ということになろうかと思います。
 それから、メリット、効果ということですが、県南広域振興局でさまざま検証作業を今行っているわけですが、広域局になることによりまして、これまでよりも広域的、専門的な体制によりまして、産業振興を中心とした施策の展開が可能である、それから、本庁から業務を移管して、振興局としてより完結性を高めることが可能になる、それからもう一つ、今、県南広域振興局長は企画理事ということで政策会議にも参加しております。地域特性でありますとか、その地域の意向を政策の場に反映させやすくなる、こういったところがメリットとして挙げられると思います。
 一方、デメリットといいますか、課題、本会議でも出ておりますが、本局と総合支局の役割分担がまだ明確になっていないところがある。それから、本局に集約された業務について利便性が低下している、こういった指摘があることなどが挙げられると思っております。
〇五日市王委員 これは、平成18年3月に出されましたこれからの広域行政の圏域と地方振興局という資料でございます。そもそもの目的、今お聞きいたしましたが、それプラス産業振興ということもこちらには入っているんですが、それを足したところですね、そもそもの目的は。あと、県庁のスリム化、それと市町村の役割分担、いわゆる財源と権限移譲も含めて、そういったものがそもそもの目的であろうと思います。
 そういった中で、これを読みますと、2年前です、これが出たのが。いずれ久慈、二戸に関して、あるいは沿岸に関してはるる説明があって、結果的には現状を維持しますとなっています。最終的には、進め方として、おおむね10年を目安に進めるというお話になっているわけです。では、何でこんなに早くやるんだということになったときには、県議会からの附帯意見もある、そういうお話も今までの答弁で出ているのでありますが、そういった問題では私はないと思います。
 そもそもなぜ10年を目指してやるかというところをもう少し考えていただきたいということなんですね。
 例えば県南広域振興局については、市町村合併も進みましたと、人口10万人前後の都市ができた、産業基盤も整った、だから先行してやるんだというのがそもそもの始まりなんですね。ところが、県北・沿岸に関しては、そういったことが起きていますか、現実問題。まだ起きていないんですね。これからそうなるかもしれません。そういった中で、これはたかだか2年前ですよ。2年前に出したものが、2年後にもう平成22年にやります。つまり、4年後にもうやります、もう移行しますというのは、これはやっぱりちょっと早いんじゃないですか。もう少し地域の基盤が整うまでは様子を見てもいいんじゃないですか。県議会だって早くやれとは言っていますが、4年でやれとは言っていないわけですよね。その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
〇望月地域企画室長 理想とすれば、今、五日市委員からお話がありましたように、県北・沿岸地域においても市町村合併が進んでいて、県と市町村の役割分担がもっとより明確になっているというのが理想だと思います。これについては、振興局再編の検討とあわせて、現在、知事を座長とする岩手県分権推進会議という組織をつくっておりまして、この中で県と市町村の役割分担のあり方を平成19年度から4年間で検討することとしております。こういった検討状況も踏まえながら進めていく必要があると思っております。
 それから、繰り返しになりますけれども、やはり県の組織がこれから縮小していく中で、少しでも地域振興に貢献できるような振興局体制をつくるのが今、県がスリム化していく中で急務だと思っておりまして、こういったことを踏まえまして、平成22年4月からスタートというのを目標に進めていきたいと考えているところであります。
〇五日市王委員 この間、二戸にも2月に県南広域振興局長がおいでになりまして、さまざま県南広域振興局のメリット、デメリットのようなものを御紹介していただきました。結局は、本庁のスリム化を前提としているけれどもそうなっていないし、役割分担もきちんとなっていない。十分、不十分はあるにしても、不十分だというような指摘もなされているんです。結局やる以上は、私も納得ができればそれでいいと思うんですが、やっぱり本来の目的をきちんと、県庁のスリム化だったらスリム化をきちんとやる。そして、本庁から広域振興局に権限、財源を移す、さらに振興局の部分も市町村に移せるものは移すということをきちんとやらないと、私はまた同じような問題が出てきて、どんどん長引いていくと思うんです。だから、極端な話、それをきちんとやるというめどが立つのであれば私も賛成の方向で考えますが、その辺どうですか、どこまでやりますか。
〇望月地域企画室長 御指摘の点はもっともだと思っております。単に今ある県北・沿岸の振興局をまとめるというだけではなくて、本庁からの権限移譲、本庁と振興局の役割分担はどうあるべきかという検討を現在もやっておりまして、そういったものを踏まえて振興局のあるべき姿というのをまず明らかにする、これが一番大事なことだと思っておりまして、それを素案の段階でお示ししてさまざまな意見をちょうだいできればと思っております。
〇五日市王委員 では、その素案に期待をいたしたいと思います。
 県北地域は今二つの振興局があります。これは、県南を見たとき、一つが広域振興局になって一つが総合支局になるのか。また、沿岸は三つございます。そうなると、それプラス行政センターの体制で考えているのか、今のところその辺はっきりしていたら教えていただきたいと思います。
〇望月地域企画室長 現在、県南広域振興局は、3層構造があります。本局、総合支局、行政センター、これを見直すことも含めて検討しているところでございます。
 基本的には、いろいろな指摘をいただいておりますので、総合支局のようなものはむしろなくして、県民に密着したものについては行政センターで行うような体制を基本に考えるべきだろうと思っています。
 ただ、県北については若干ほかのところと違うところがあるのかなと思っていまして、そのあたりは、基本は基本としながらも、地域の実情に応じて柔軟に対応できる、そういったことを検討していきたいと思っています。
〇五日市王委員 いずれ2010年4月のスタートということで、新聞には6月ごろにも素案を示すというような報道もあったわけですが、それも含めて、いわゆるスケジュールですね、素案を示した後、市町村あるいは住民とどのような話し合いを持っていくのか、その辺、平成22年4月ともう決まったわけですから、当然あると思いますので。それと、この平成20年度はまず何をやるのかということをあわせてお伺いいたしたいと思います。
〇望月地域企画室長 平成19年度につきましては、内部的な検討、それから、県南広域振興局の検証を行っておりましたが、同時に1月から市町村長の方々との意見交換を開始しております。現在までに七つの市町村の首長と意見交換をしておりますが、こういったことを6月の素案を公表するまでの間にもっと密度を多くしてやっていきたいと思っています。素案を表に出す前に、さまざまな意見を聞いて、取り入れることができるものは取り入れていきたいと思っています。
 先ほど言いましたように、6月には素案をお示ししたいと思っておりまして、その素案の段階で各地域での説明会、それから県民の皆様からのパブリックコメントを行っていきたいと思っておりますし、それを踏まえて、平成21年度のできるだけ早い時期に最終案といいますか、振興局再編の案をお示しして、またそれについてもいろいろ御意見を伺うという形で、いずれ地域の皆様の意向を十分反映した形で検討を進めていきたいと思っております。
〇五日市王委員 これは通告しておりませんでしたけれども、今、意見交換を各市町村とやっているということだったんですが、斉藤信委員の総合政策室での質問でもあったんですが、新聞報道などによると、かなり否定的といいますか、そういった首長さんが多いように私も見ていたわけでございますが、今のところその感触みたいなものをお聞かせいただければと思います。
〇望月地域企画室長 感触ということですが、やはり市町村長の方々が一番危惧しているのは、階層構造といいますか、二重構造、三重構造というものがあって、センター、支局、本局あるいは県庁と。そのあたりのことをやっぱりはっきりしてくれというのが一つございます。今のままでは、ちょっと広域振興局については課題があるという認識を持たれている方が多いと思っております。
 やる以上は、きちんと権限を移譲していただきたいということを言われる方が多いと。まだ数は少のうございますが、そういった感触を受けているところでございます。
〇斉藤信委員 それでは、今、広域振興圏と広域振興局がちょうど議論になっていますので、私もここから質問したいと思います。
 いわば1月につくったばかりのいわて希望創造プランでは、この広域振興局についてどう書いているか。いいですか、こう書いているんですよ、市町村の行財政基盤の強化が不可欠な前提条件となりますと。だから自主的な合併を推進しますと。さらに、市町村合併や市町村への権限移譲、産業振興の状況のほか、地域の意見も踏まえながら、できるだけ早期の広域振興局体制への移行を目指しますと。今のままだと市町村合併は進みませんよ、そういう意向はないんだから。不可欠の前提条件というのはないんじゃないですか、これが一つ。
 もう一つ、県南広域振興局について検証していると言うけれども、検証結果は出ていませんよ。そして、県南広域振興局というのは過渡的な体制ですよ、今。過渡的な体制で、中途半端な検証で、何で6月に素案が出るんですか。前提条件もないのに、検証も定まっていないし、今、検証しているのは過渡的な広域振興局体制ですよ。それで6月に素案を出して、平成21年度中には最終案なんていう、何でそんなスケジュールになるんですか、おかしいじゃないですか。
〇望月地域企画室長 まず、市町村との関係でございますが、先ほども申し上げましたが、今、岩手県分権推進会議の中におきまして、県と市町村の役割分担、それから市町村への権限移譲をどのように進めるかということについて協議しております。また、パブリックコメントで権限移譲推進計画を今かけているところでございまして、そういった意味で、県と市町村の役割分担の明確化なり、市町村の権限移譲の推進というのは、現在から平成22年度までの間に相当進めていきたいということで考えております。
 したがいまして、不可欠の前提ということではなくて、市町村は市町村としてそれぞれ権限移譲を受けるなり、そういった力をつけていただくということに取り組んでいきたいと思っています。
 それから、県南広域振興局の検証ということですが、今後の県南局の整備のあり方につきまして、現在、県南局、それから本庁におきまして県南局の成果と課題の検証作業を行っているところです。この結果につきましては、成果と課題をさらに検証いたしまして、広域振興局体制の整備に係る素案とともに公表してまいりたい、こういうふうに思っております。もちろん、その素案の中には、こういった検証作業で出てきたものを盛り込んでいきたい、こういうふうに思っております。
〇斉藤信委員 私、あなた方が1月につくったいわて希望創造プランをさっき引用したんですよ。広域振興圏を基本にした地域経営をするに当たっては、重要なパートナーである市町村の行財政基盤の強化が不可欠な前提だと書いているんじゃないですか。
 もう一つ紹介したでしょう、私。市町村合併は、市町村への権限移譲、産業振興の状況のほか、地域の意見も踏まえながら、できるだけ早期の広域振興局体制への移行を目指しますと。1月につくったばかりの創造プランですよ、これ。あなた方の基本方針ですよ。しかし、その不可欠の前提条件の市町村合併の意向というのはほとんどないでしょう。進まないでしょう。不可欠の前提条件が進まないのに、何で6月に素案になって平成22年度には広域振興局体制ということになるんですか。このあなた方がつくったプランの立場で答えてください。
〇藤尾地域振興部長 今、御紹介のありましたいわて希望創造プラン、これは18ページのところに御指摘のとおりの内容のものが記載されてございます。言うなれば、広域圏を基本とした地域経営をするに当たっては、重要なパートナーである市町村の行財政基盤の強化が不可欠だと。
 したがって、これはある意味到達点ではなくして、いわゆる広域局体制によって、先ほど室長が2番目の、なぜ今、広域局体制なのかというところで申し上げましたように、いわゆる市町村との役割分担を再構築して、市町村を支援して行財政基盤の強化を目指していくという解釈に受け取っていただきたい、そのように存じております。
〇斉藤信委員 私、時間とりたくないけれども、そんな曲解すべきじゃないですよ。今、部長が答弁した次にどう書いているか。そのため、自主的な市町村合併を推進しますなんですよ。いいですか、不可欠な前提条件で、そのため、自主的な市町村合併を推進しますと。だれが曲解しているんですか。
 よく読んでもらえば、国語の問題だから。私は、今、広域振興局を6月に素案を出して平成22年度にスタートさせるなんていう前提条件があなた方の方針から見たって全くないということをまず一つ指摘しておきます。
 そして、県南広域振興局について、これは過渡的な体制ですよ、今自体が。あなた方がさっき答弁したように、行政センターにしますといったら遠野や千厩の事態が花巻、北上、一関に広がるということですよ。そういう課題を抱えている中で、私は検証そのものをしっかりすべきだと。広過ぎて、中3階で全然だめだったというのが中身じゃないですか。
 次に、その前提となっている市町村合併についてお聞きします。
 首長の意向調査がありました。勧告すべきだというのがわずか2団体、大船渡市と藤沢町。大船渡市は、周りは勧告すべきではないと言っていますから、これは全く不可能ですね。一関市はどちらかとすれば勧告すべきだと言っていますが、議会の動きは全くありません。私は、そういう意味では、そもそも市町村合併の動きがないし、合併推進審議会でも、勧告するとすれば平成20年秋ごろが目安だと。なおさら今の動向から見たら全く勧告する状況にないのではないか、こう思いますが、いかがですか。
〇浦上市町村課総括課長 今、勧告する状況にないのではないかという御指摘でございますが、審議会の中においては、合併協議会設置の勧告については、合併するかしないかも含めて検討する場としての合併協議会ですので、積極的にそういった場はつくるべきではないかという意見も当然ございましたし、一方で、議論そのものも自主的にやるべきだという意見もございましたので、首長は消極だけれども議会が合併協議会の設置を望んでいる場合とか、住民発議によっていろいろと合併協議会の設置の請求を行った場合において勧告が有効に機能される場合にやるべきだという論旨が2月において出されたところでございまして、大方その考え方は了承されたものと考えております。
 そういった状況というのは、これから秋に向けて、市町村議会において、なぜ今、合併しなければいけないのか、合併のことを考えなければいけないのかといったことを議論していくはずでございますし、きちんとした情報のもとに的確な判断をしていくことが必要だと思っていますので、これから議論がなされていくというふうに考えております。
〇斉藤信委員 この勧告については、合併を今、目指している川井村の村長でさえ勧告すべきじゃないと言っているんですよ。合併というのは、本来自主的にそれぞれが自治体の権限で決めるべきだと。住民自身が決めるべきだ、私は、これは民主主義の根本問題だと思いますよ。現段階では全くそういう条件がないと思いますけれども、これは確認したい。
 時間がないので進みます。
 企業誘致と市町村財政の問題について、先ほど新居田委員からも質問がありました。私、厳密に答えていただきたい。北上市の制度は、固定資産税の減免制度ではないんですか。いわば固定資産税をもらった上で、その同額を補助するという制度になっているのですか。私、この制度の違いでそれこそ地方交付税措置とか出てくるので、その制度の違いについて正確に、北上市の制度がどうなっていて、その際、減免なり補助の場合にはどういう補てんの対策になるのかということを正確に教えていただきたい。
〇浦上市町村課総括課長 御質問の件でございますが、まず、東芝新工場に対する固定資産税の課税免除というのが基本的にあって、その中で減収補てんの制度がきくものについては課税免除をしていくと。ただ、そうでない場合は、固定資産税をいただいた中での補助金をするというふうに伺ってはおりますが、ただ、北上市においては、東芝新工場に対する課税免除とか、また、そういった補助金をどうするのかということについては、新工場の建設計画というのがまだ明らかになっておりませんので、どのような措置にするかも含めて北上市において検討していると聞いております。
〇斉藤信委員 そうすると、制度とすれば固定資産税はいただいて、同額を補助する制度だということですね、北上市の場合は。違いますか。
〇浦上市町村課総括課長 基本は、固定資産税の課税免除だということでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、課税免除分については75%交付税措置があるということですね。毎日新聞、これ間違っていますね、そうすると。余りこれ正確じゃないですね。僕はびっくりしたんですよ。91億円固定資産税をもらって、丸々これを補助して2年目は57億円なんていうんだったら、これは大変な補助なのであり得ないと思っておりましたが、ここはそういうことであればわかりました。
 もう一つ、私、この北上市の問題でお聞きしたいのは、北上市というのは一番企業誘致が進んで労働者もふえている、そういう自治体なんですけれども、実は、エコノミストの1月20日付、自治体破綻の特集の中で、連結赤字、全国40番目にひどいと。これは特別会計の赤字というのが理由のようですが、何で企業が誘致をされて労働者がふえているこの北上市でこういう連結決算が赤字ということになるのか、その要因を県から見て示していただきたい。
〇浦上市町村課総括課長 多々マスコミ報道があると思いますけれども、まだ具体的な算定方法が決まっておりませんので、余りそういったところに惑わされてほしくはないという気持ちはあるんですけれども、まず、北上市の平成18年度の普通会計決算につきましては実質収支で3.1億円が黒字ということでございますが、普通会計の実質収支と公営企業とかの特別会計の実質収支を本当に単純に合計した場合においては、北上市は30.8億円の赤字となります。
 この赤字の要因については、特別会計のほうに問題がありまして、北上市特有の問題として、北上南部工業団地の先行投資に伴います宅地造成事業にかかわる特別会計の赤字、これが34.3億円ございますし、また、それに関連して、北上南部工業団地に関連する特定公共下水道事業に係る特別会計の赤字が4.1億円となっておりますので、そういったものが大きく影響しているものと認識しておりますが、この赤字をどういうふうに考えるかというのを、今まさに財政健全化法の試算の中にどう入れるかと議論がなされているところでございまして、そもそもこういった宅地造成事業とか、また、下水道事業という公営企業につきましては、事業の性質上、すぐに赤字が解消するものではないというものがございまして、構造的に最初から資金不足が生じる場合がある。例えば宅地造成事業に関しては、北上地区広域土地開発公社の土地に係る借入金利息を軽減するために特別会計が土地開発公社から土地の買い取りをしているんですけれども、その土地はすぐに売れるわけではございませんので、その未売却分が赤字となって累積しているということもございますし、特定公共下水道に関しましては、北上南部工業団地内の汚水処理を目的として整備されておりますけれども、すぐに工場が立地して下水道の料金収入が入るというわけではございませんので、そういった先行投資分が赤字となっているということでございまして、その赤字をどういうふうにして考えたらいいんだろうかというのがまさに今、議論の対象になっておりまして、最終的に財政健全化法において、北上市の今ある表面上の赤字がどういうふうに算定されるのかというのは総務省で検討中でございますので、現時点では何とも申し上げることができないといった状況でございます。
〇飯澤匡副委員長 答弁は、時間がかなり経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。質問者もよろしくお願いします。
〇斉藤信委員 わかりました。
 企業誘致が進んだ北上市で、そのために特別会計が赤字決算だというのは、なかなかこれは微妙な、複雑な問題ではないかと思います。
 最後、二つまとめてお聞きします。
 いわゆる限界集落問題について。私は、コミュニティ対策の焦点は、やっぱりこういういわゆる限界集落と言われる、消滅の危険がある集落に対する対策なんだと思うんです。
 京都府の綾部市というのが一つ参考例として紹介をされているんですけれども、ここでは水源の里条例というのを制定して、そういう限界集落でも地域全体の水源を守る役割というので、そこを何としても守るというので、必要な共同施設、交通施設、いろいろな意味で2、200万円の施設を建てたと言っていますが、私、限界集落が全体にとってどういう役割を果たしているのかどうか、それを見定めて、一般的なコミュニティ対策ではなくて、こういうところについては立ち入った具体的な対策を市町村と協働してとるべきではないかと思います。
 最後ですが、NPOの現状と実態について、県は、NPOにさまざまな委託をしています。指定管理者制度でもやっています。特にいわてNPOセンターというのがいろいろな仕事をとっているんです。実態的にいうと、県政の下請NPOです。これをちょっと私、示していただきたいと思うんだけれども、これでは全く意味がないのではないかと思いますが、NPOの実態、特にいわてNPOセンターの実態について示していただきたい。
〇畠山地域企画室企画担当課長 御質問のうち、コミュニティ、集落の対策についてでございます。
 地域のコミュニティにつきましては、御指摘のありました水源を含みます県土の保全、あるいは相互扶助、地域の伝統文化の継承といった多面的な重要な機能を担っているところでございます。しかしながら、先ほど来御紹介申し上げました、今年度実施いたしました集落状況調査の中で、住民の高齢化であるとか集落の活動の若手後継者が不足している、あるいは集落活動への参加率が低下しているといったさまざまな課題に直面している実態が明らかになったところでございまして、県といたしましても、市町村と連携いたしまして課題解決を図ってまいりたいと考えております。
 具体的に御指摘をいただきました県土あるいは水源の保全、こういった観点につきましては、中山間地域等直接支払事業などによります耕作放棄地の発生防止、あるいは道路維持修繕費、河川海岸等維持修繕費によりますところの地域住民への道路等の管理委託などによりまして取り組んでまいるほか、後継者の確保の問題につきましては、草の根コミュニティ大学によりますリーダー養成などに取り組んでまいります。こういった各部間の横断的な連携によりまして、その地域コミュニティの維持・再生に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、御指摘いただいております限界集落という言葉でございますが、これにつきましては、長野大学の大野晃教授の提唱する概念でございまして、65歳以上の人口が50%を超え、共同体の維持が限界に達している集落というものでございますけれども、県内にはさまざまな厳しい条件の中で課題に取り組んで頑張っている集落も数多くありますので、県といたしましては、限界集落という言葉は使わずに、市町村と連携し、そういった頑張っている取り組みを応援しながらコミュニティの維持・再生を支援してまいりたいと考えておりますので、よろしく御了解いただきたいと思います。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 いわてNPOセンターの状況ということの御照会でございますが、平成19年度、私どもの調査によりますと、県の関係4部局、私ども地域振興部を含めて4部局から委託を受けているということで、事業数は6事業でございまして、事業費は調査時点では約3、000万円と把握してございます。
 私どもは、平成15年、いわゆるNPOとの協働を進めるためのガイドライン、あるいは協働推進マニュアル、これは平成18年度作成しておりますが、そういったマニュアル及びガイドラインに基づきまして、NPOとの対等な協働関係の構築に努めているところでございます。
 今後とも、良好な協働関係を構築するため、協働の意義や必要性とともに協働の手順を正しく理解することが必要であることから、今後もマニュアルの一層の普及に努めてまいりたいと考えております。
 なお、個々のNPOの組織、運営の状況につきましては、事業報告等により承知している部分はありますが、詳細については報告義務のない部分もございますので、できるだけNPOにおきましては、財政基盤などが確立して人材も育成されることを期待しているものでございます。
〇斉藤信委員 いわてNPOセンター、今言ったように4部局6事業、これはNPOとして受託ですね。そのほかに指定管理者も受けております。何から何までやっているという、だから結局は県庁の下請なんですよ。
 この事業報告書を見ますと、職員体制はどうなっているか。平成18年度は正職員5人、臨時職員16人、パート9人、嘱託7人、業務執行理事4人、全体で42人となっています。前年は、正職員13人でした。劣悪な労働条件になっているんですね。ですから、私のところにも告発がありました。たくさんの職員がやめているよと。ひどい条件ですよと。結局、県がコスト削減を目的にして下請をして、下請をしたNPOがこういう、職員体制も今示しましたけれども、劣悪な労働条件の中で、とても県民の協働と言えるような実態ではないのではないか。
 このNPOというのも、特化した、例えばこういうもので非営利活動をやりたいんだというNPOももちろんありますから、私は、すべてを否定するつもりは全くありません。しかし、今言ったような県の仕事を何でもかんでも下請して、そしてこういう職員体制で、結局は働く人たちに犠牲が転嫁されるようなやり方でいいのかと。これは根本的に私は検証して再検討すべきではないかと思いますが、最後にこれを聞いて終わります。
〇佐々木NPO・国際課総括課長 先ほど申し上げましたとおり、各NPOの労働条件につきましては特段報告義務がないということで詳細は把握してございませんが、いずれNPOの活動につきましては、中間支援NPO等が地域におけるNPOに対して支援を活発にできるような工夫をしながら、NPOの組織体制の強化なり運営の充実なりという方向で図ってまいりたいと考えてございます。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋元委員 時間が押しておりますが、2点ほどお伺いしたいと思います。
 今まで公共交通の関係でバス関係の質疑がなかったわけでありまして、この関係についてお尋ねしたいと思います。
 町村部におきましては、公共交通ということで、このバスについて非常に頼りにしているところでございます。そういう中で、人口の減少あるいは少子・高齢化等々さまざまな要因で乗降客が減少してきている。そういう中から、廃止というのが毎年話題になってきているわけでありますが、平成19年度において廃止となった路線はどのくらいあるのか。あるいは、今、平成20年度になるわけでありますが、その20年度に向けて話題になっている路線があるのかどうか。それとまた、平成19年度において廃止になった路線についての代替交通が検討されているのか、この点をお伺いしたい。
 それから、平成18年度に道路運送法の改正がされて国と地方の役割分担が明確化されたということでありまして、自治体においては地域の交通政策を検討してほしいということのようであります。
 そこで、地域公共交通会議なるものが各市町村に設置されて、その中でさまざまな公共交通についての議論がされると言われておりますけれども、今日までの設置状況はどうなっているのか1点。
 それから、設置されたとすれば、県はこれとのかかわり合いを今後どのように持っていくのか、これが2点目。
 それから、各市町村からさまざまな意見、要望が出てくると思いますが、これらについてどのように対応していくか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇平野交通担当課長 バスについてのお尋ねの第1点目でございますけれども、本年度の休廃止の数ということでございましたが、年度の進行中ということもございまして、現在、集計はしておらない状況でございますが、傾向として申し上げさせていただきたいと思います。
 まず一つ目は、昨年度、平成18年度におきましては45件の休廃止の申請がございましたが、今年度は、昨年度に比較すれば比較的数は少ない、そしてなおかつ、昨年度は、ちょうど今ごろでございましたけれども、久慈なり二戸なり、非常に県民生活に重大で深刻な影響を及ぼす案件が出てまいりましたが、今年度におきましては幸いそのような案件は、比較の問題でありますけれども、出てきてはおらない状況にございます。そうしたことから数自体も少なくなってございまして、おおむね平年ベース、大体休廃止で35件前後が出てくるのではないか、積み重なっているのではないかと推計しております。
 平成20年度につきましては、先ほど申しましたとおり、今のところ大きな深刻な案件というのは出ておらないと認識しております。
 なお、平成19年度の廃止に対します代替バス等の状況でございますけれども、これにつきましては、やはり一定程度、半分以上は市町村のほうで何らかの足の確保をしたという実態、状況になってございます。
 それと、もう一点お尋ねの地域公共交通会議でございますが、最近になってやはり数がふえております。今現在の数でございますけれども、国土交通省の自動車交通局の取りまとめた結果がございますが、岩手県におきましては10市町で既に公共交通会議を設置してございます。これにつきましては、市町村のほうで設置したいという意向もありますので、35団体のうち、恐らく平成20年度の半ばには半分ぐらい設置されるのではないかと予測しておるところでございます。
 これに関しますところの県のかかわりでございますが、振興局段階でこの地域公共交通会議のメンバーということで参画をさせてもらっておりますので、その中で個別の事案に対しましていろいろ意見交換をさせてもらっております。
 また、この中からの意見、要望ということでございましたが、特段私ども本庁のほうには上がっておりませんが、総合補助金を地域の実情に合わせた形で交付することになっておりますので、そういった形で市町村もいろいろ工夫しているというようなことは報告として上がっております。
〇高橋元委員 地域公共交通会議につきましては、現在、10市町ということで、これから多くの市町村で設置してくるものと思っています。この会議の持ち方というのも非常に大事ではないかと思っています。ふだんからバスを利用する方、もちろんバス運営する企業、あるいはそこでバスを運行している従業員の方々、さまざまな分野の方々がこのメンバーの中に入って、そして、より充実した会議にしていく必要があるのではないかと思っております。その辺については、設置の仕方は県のほうで多分指導すると思いますが、平成18年度ですか、説明会を1度持ったようですが、もう一度やはりその辺を設けてやるべきではないかと私は思うんですが、そういう指導のあり方をどのように考えておられるのか、1点お伺いしたいと思います。
 それから、バス交通については運行の補助費が若干今回は増額になっているような感じがします。これは一つの基準を設けてやっていると思いますが、町村会としては、町村会の財政が厳しいからもう少し増額してくれないか、そういう要望があるように私は聞いているんですが、その辺のことは可能なのかどうかお伺いしたいと思います。
〇平野交通担当課長 1点目のお尋ねの地域公共交通会議のあり方に対します県の指導ということでございますけれども、平成18年10月の道路運送法の改正によりましてこの会議が設けられたわけでございますが、その際の説明会に加えまして、今年度におきましても、私どもとしまして四つの振興局単位で会議を開催いたしまして、個別に各市町村と意見交換をさせていただきました。その中で、やはりこれからは、地域の公共交通といいますのは、自分たちの市町村で利用者あるいは事業者と一緒に意見交換をしながら築いていってほしいということで、早急に設置してもらいたいということをお願い申し上げ、また、意見交換をさせてもらっているところでございます。
 今後におきましても、やはりその基本にのっとりまして、市町村のほうで公共交通会議を設置していただくというようなことは折に触れてお話をしてまいりたいと思っております。
〇菅原交通政策参事 バス運行対策費補助というものは平成20年度当初予算で2、343万2、000円ほど計上しております。このうち事務費が72万2、000円ございますけれども、前年度6月現計と比べますと1、665万5、000円増額になっております。これは、国と県が協調しまして、地方バスを維持する運行事業者に対して補助をするものでございますけれども、一定の要件がございますので、その要件のもとで査定された赤字額が増額されたということで、特に要件を変えて増額になったという話ではございません。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡副委員長 質疑がないようでありますので、これで地域振興部関係の質疑を終わります。
 地域振興部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、出納局長から出納局関係の説明を求めます。
〇平澤出納局長 出納局関係の予算について御説明申し上げます。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、80ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどにあります2億6、474万円余であり、出納局職員の人件費であります。次に、82ページをお開き願います。第5目会計管理費5億595万円余でありますが、これは、一時借入金の利息など、管理運営に要する経費及び収入証紙売りさばき手数料等でございます。
 次に、飛びまして、376ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計でありますが、予算額は、歳入歳出ともに64億625万円余であります。
 歳入の主なものは、378ページにありますように、県税に係る証紙収入が41億8、827万円余であり、その内訳は、自動車税、自動車取得税等に係るものであります。
 また、使用料及び手数料は22億1、797万円余であり、その主なものは、運転免許申請及び食品衛生指導等に係るものであります。
 次に、380ページをお開き願います。歳出でありますが、これは、証紙により収入した県税、使用料及び手数料を一般会計のそれぞれの歳入科目に同額を繰り出すものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇飯澤匡副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小田島峰雄委員 大分時間が経過いたしておりますので、簡潔にお尋ねいたします。
 御存じのとおり、本県財政は未曾有の危機的状況下にあります中、出納局におかれましては、経費の節減やら、あるいは資金の安全かつ効率的な運用等に相当意を用いて御苦労されていると聞いております。そういう観点から何点かお尋ねいたします。一遍に全部お尋ねしますので、順にお答えをいただきたいと思います。
 第1点、出納局におかれましては、事務機器のリース等、全庁舎一括して契約を行ったり、あるいは事務用品を集中管理して一括して契約を行ったり、さまざまな工夫をやっておられると聞いておりますが、その努力の結果、一体いかほど節減あるいは削減につながったのか、数値でお示しいただきたいと思います。
 第2点、いろいろ歳入関係におきましては、例えば国庫支出金など、部分払いやら前払い制度を小まめに活用するなどしてその運用を図っておられると聞いております。また、歳出におきましても、例えば支払い日の集中を避けたり、さまざま御苦労もおありだと思うのでありますけれども、そういったいろいろ今現在取り組んでおられることについてお答え賜ればと思います。
 第3点目、一時借入金、さっきも説明がございました。一時借入金の限度額1、000億円でございましたか、これは直近の運用実績等についてお答えいただきたいと思いますし、また、一時借入金につきましても、例えば預金を担保に入れるなど、低金利ではあるけれども、さらに、例えば金利の軽減等に意を用いていると思うのでありますが、そういったことについてもお答えいただきたいと思います。
 次、4点目、極めて低金利の情勢下にありまして、その資金を安全に、かつ有利に運用するというのは並大抵の苦労ではないと思うのであります。平成20年度の予算でいきますと6、500億円強、前年度予算で7、000億円そこそこ、そういった中で、この資金をどういう形で運用しておられるのか、運用した結果、例えばどの程度の運用益があったのか、そういったことについて、以上4点、まずお答えいただきたいと思います。
〇平澤出納局長 出納局の経費削減のやっていることということでございます。大小いろいろございますが、代表的なものを述べさせていただきます。
 まず、事務機器のリースの関係ですが、複写機の関係です。これは、平成18年1月1日から施行しました長期継続契約条例と縮めて言っていますが、この条例により、県では長期継続契約できるようになりましたので、平成18年4月1日から、使用する複写機につきまして少し工夫をして行っております。
 その内容についてですが、従来、各部局で複写機の契約をやっていたわけですが、平成18年4月からは、県庁本庁分については出納局が、それから、振興局の管内分については振興局の総務関係のところが一括して入札して契約するとしたものでございます。出納局は本庁分なんですが、振興局の場合は、出先機関というんですか、高校とか警察、あるいは研究機関とかも含めた管内分の県の組織で使っている複写機を一括して入札する、あるいは契約するというふうに考えたものです。この際、各部局におきましては入札事務あるいは契約事務がなくなるというメリットがございますし、また、台数が多くなって契約期間が3年と長期になることから安くなるのではないかと思ってやったものでございます。
 その結果、単純に言いますと、県庁の場合は、コピー1枚に従前4円ぐらいかかっていたんですが、それが1円前後の値段になった。振興局のほうは、台数が少ないこともあるのでこの単価が十何円していたのが、今現在、高いところだと3円ぐらいということで、一応それぞれ低減効果はあったと考えています。
 従前の金額と比較しまして、平成18年度ベースですと1億1、000万円ぐらい縮減できた。19年度は6、000万円ぐらい。来年度分、既に入札はしております。予算が通ったら契約しますという前提で入札しておりますが、来年度分は、県本庁分しかわかっておりませんが、これについては18台で約1、000万円の節減ができる見込みかなと思っています。合わせて3年間で1億8、000万円ほどの節減ができたと思っております。
 それから、事務用品の関係の経費節減ということでありましたが、これも……。
〇飯澤匡副委員長 簡潔に。
〇平澤出納局長(続) はい。
 平成17年12月に県庁は県庁分の事務用品、振興局は振興局の事務用品を1カ所に集めましょうということを考えました。各部局で倉庫等を使っていろいろ買っておりますが、何となく無駄もあるかなという気もしましたので、協力してもらって1カ所に集めた。その結果、県本庁の場合は、出納局が地下の倉庫を利用して集めたわけですが、この場合、90品目で約2、200万円相当のものが集まった。それをまた、各部局で使う都度持っていってもらって使用しているということでございます。これは、具体的にどれぐらい節減になったかというのはなかなか難しいんですが、それ以降は、買う部分については出納局が入札してまとめて買うということから、若干無駄な部分がなくなっているのではないかと考えております。
 3点目でございます。県の歳入歳出においてどんな工夫をしているかという話でございますが、一つの例としては、平成18年度に市町村あるいは県に対する国庫支出金の支払い時期を見直ししたと。つまり国から何月何日に県にお金を入れますよと通知が来るわけですが、県としては、使う時期あるいは市町村に支出しなければならない時期までに支出すればいいということが従前の姿だったんですが、国から通知があったら、すぐ県の金庫に入れる、あるいはすぐ市町村に出してやるということを行いました。
 これをもし市町村あるいは県が銀行から借り入れした場合どうなるかということで利息計算をしますと、仮の姿ではございますが、全県の市町村では1億1、000万円程度の利息支払いをしないで済んだのではないか、県の場合は2、400万円ほど利息が浮いているという計算になります。それ以降、平成19年度も引き続き行っておりますし、今後ともそういうふうにやっておきたいと思っております。
 それから、今度は歳出の関係ですが、一つの例として、県が施設を管理委託している場合は、かつては四半期ごと、3カ月ごとに委託料を支払っていた。例えば福祉施設などを社会福祉事業団に委託している場合についても、3カ月ごと、4月、5月、6月分については4月に支払っていたということがございましたが、これも県の財政が非常に厳しいということで、毎月の支払いにさせていただいたというようなことがございます。
 その他、各部局でいろいろなものがありまして、全体としては100億円前後の金の支払いを毎月に移しております。これについても利息計算しますと、県としては2、100万円ほど利息を削減できたのではないかと試算しております。
〇飯澤匡副委員長 次に、一時借入金の状況について。
〇平澤出納局長(続) それから、一時借入金の状況についてどうやっているかという話ですが、非常に県のお金が、予算規模が縮小するに従ってやっているわけですが、ちょっと話が前後逆になりますけれども、どういう工夫をしてやっているかというほうからお話しさせていただきますと、県では基金を活用しております。各種基金25基金のうち24基金を県の出納局で運用しております。それを活用しているということでございます。それから、代表的なものとしては、企業局からお金を借りております。
 ただ、繰りかえ運用と言っていますが、これらの基金を活用したり企業当局から借り入れして支払っている利息は、例えば基金に払っている分は、平成17年度が3、200万円余、18年度は1億1、700万円、19年度2月の補正の数字ですが1億5、800万円とか、年々ふえております。それから、企業局関係につきましても、平成17年度は96万円だったのが、18年度は1、000万円、19年度は2、700万円余の利息を支払うというようなことをやっております。
 今度は借り入れのほうなんですけれども、借り入れの運用も、利息支払いを少なくするためにこういうことをやった結果、一時借入金の利息というものは大分低減にはなっておりますが、昨今の金利の上昇に伴いまして、平成17年度は金融機関に77万円の利息を支払っていたのが、19年度、今年度は6、200万円ほど払うことになった、来年度はさらに相当高くなるのかなと思っております。
〇小田島峰雄委員 実に懇切丁寧なお答えを賜りました。お礼の申し上げようもありません。いずれ、かいつまんで申し上げれば、さまざまな工夫を重ねて資金運用をやられている、こういうことがわかったわけでございます。なかなかこういう出納局の仕事というのは県民にわかりにくい、そういうことがありましたので、大変ありがとうございました。
 最後に、出納局長は会計管理者であります。言ってみれば出納長と同じ職務を今やられておるわけでございますけれども、新しい年度移行に当たりまして、何か新たに取り組まれようとしておられることがおありかどうか、それから、こういった点に留意をして、これからこういった資金管理をやっていかなければいけないなどということがございましたなら、簡潔にひとつお答えを賜れば幸いでございます。
〇平澤出納局長 ただいまちょっと工夫して、今データ集めをしているのが一つございます。それは、電話料金、県庁の場合、平成18年度で7億円ほど使っているんですけれども、これが削減できる方法がないかということで、今調査をしております。この結果については、6月ごろには明らかになる予定なんですが、これが1点でございます。
 それから、取り組み姿勢といたしましては、小田島委員から質疑要旨をいただいた際、出納局で答弁をいろいろ検討しながら思ったことは、職員がもう少し継続して削減に取り組むといったことを次々伝えていかなければならないかなという思いをいたしたところです。職員全体、非常にいろいろ取り組んでおりますが、新しい人は自分の部分しか見えないという部分があるので、全局的に見て取り組んでいくというベテランの人たちの姿勢も広めたいと思っているところでございます。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡副委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長から人事委員会関係の説明を求めます。
〇稲田人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、101ページをお開き願います。2款総務費8項人事委員会費のうち、1目委員会費の689万9、000円は、委員3名分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億5、222万7、000円は、事務局16名分の人件費、事務費など、事務局の公平審査事務、任用関係事務及び給与関係事務等の管理運営に要する経費でございます。
 以上で人事委員会関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇飯澤匡副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 県職員の超過勤務時間の把握、確認、このことについて私は本会議でも取り上げました。そこで、県庁の場合は自己申告制だ、こういうふうに言っていますけれども、厚生労働省通知に基づいて3条件ありますが、この3条件に具体的にどう取り組まれているか把握しているでしょうか。これが第1点。
 第2点は、この3条件の中には実態を調査するということになっています。人事委員会委員長は私の質問に対して、今後とも必要に応じて実態調査を行うなど、適時適切に各任命権者を指導していきたいと答えました。今後ともということは、今まで実態調査をしたことがあるのか。大体県庁の場合は、超過勤務時間と超過勤務手当が全く一致しているんですよ。超過勤務手当以外の超過勤務時間は認めないという異例なことなので、実態調査をしたというなら、どういう状況だったか、どういう調査をしたか示していただきたい。
〇佐藤人事委員会総務課長 1点目の、どのように把握したかということでございますけれども、この三つの条件につきまして、私ども、任命権者への聞き取り、あるいはこれまで事業場に調査をするというようなこともやってまいりましたし、給与の支払い管理調査というものも実施しております。そういった中で、どのような形で超過勤務が把握されているかというものを確認してきてございます。その結果、知事部局においては、始業時間については管理監督者が出勤簿により確認して、終業時間については、管理監督者が現認するか、あるいは翌日、超過勤務記録簿で確認していると聞いております。それから、警察本部については、やはり直接私どものほうが出向きまして調査をしまして、その状況について聞いてきております。
 それから、2点目の、実態を調査するということだが、今まではどうかということでございますが、重複しますけれども、そういった形で適時に任命権者に聞き取るなどしまして実態を調査しておりますし、全部の公所ということはできませんが、抽出して何カ所か事業場へ行って、労働安全衛生法も含めて、すべて状況を見て、その中で超過勤務についても調査してきたということでございます。
〇斉藤信委員 私の質問をよく聞いてください。いいですか。労働時間の確認というのは、原則二つの方法なんです。わかっていますね。使用者が現認するか、もしくはタイムカード、ICカード等、パソコンを含めて客観的に確認し記録する。自己申告制というのは、こう書いているんですよ。自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずるというので、私は3条件、時間がないから私は3条件を言わなかったんです。3条件をあなた方はどのように具体的に確認したかとさっき聞いたんですよ。いいですか。3条件をどのように具体的に確認してきたか。
 それと、使用者側に聞き取りなんかしたってだめなんですよ。使用者側は超過勤務時間を認めていないのだから。例えば、総合政策室、平成18年度、1人当たり月10.7時間の超過勤務だった。平成19年度7.1時間で33.6%減りました。いいですか、いわて希望創造プランを休みも返上してつくった総合政策室ですよ。これが何で33%も超過勤務時間が減るのですか。減らしたのですよ、これは。
 あなた方はそういう実態を本当に把握しましたか。大体、超過勤務時間と超過勤務手当が一致するなんていうのは異常なことなんですよ。改めてお聞きします。
〇稲田人事委員会事務局長 今、委員から話の出ました厚生労働省の基準、これの遵守のための確認についてでございますけれども、これまで委員長あるいは課長がお答えしましたように、知事部局に対するこれまでの調査におきましては、適正にそういう基準を遵守するような形で勤務時間の把握がなされて、その実績に応じて超過勤務手当が支給されているという結果で、そういう認識をしてございます。
 これまでの監督指導におきましては、こういうことで適正な勤務時間の把握がなされて、その実績に応じて超勤手当が支給されているという状況にあると認識しておりますけれども、今後の監督指導におきまして、適正な勤務時間の把握がなされていないというようなことが認められる場合がありましたら、任命権者に対して所要の指導を行うという方針でまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 人事委員会というのは、労働基準監督署にかわって県職員の労働時間を適正に把握する、あなた方はそういう権限を持っているんですよ。人事委員会というのは、県庁の下請機関ではないんです。
 大体、私は本会議でも紹介したが、県職労の機関紙で、いわば上司の成績を上げるために超過勤務手当を返上してサービス残業させられたと。これは、人事課との交渉でこういう告発をしているのですよ。私は、そういう点では、あなた方は労働基準監督署の立場で本当に県職員の労働時間が適切に把握されているか、使用者側の聞き取りではなくてやるべきですよ。
 そして、自己申告制というのは例外的な措置なんです。1人1台のパソコンだから、パソコンで始業時間、終業時間は基本的に確認できるのです。なぜそれをやらないのか。そして、例外的にやる場合だったら、厳密に3条件というのは出ているのですよ。正確に自己申告できるように必要に応じて実態調査をするとなっているんですよ。やっていないですよ、こんなことは。あとは、正確な申告をするためには、超過勤務を減らしなさいなんていうことを言ってはだめですよ。例外措置には、そういうことがきちんと指摘されているのです。
 大体あなた方は、自己申告制がとられていることについて厳密にやっていないでしょう。今までやっていないのははっきりしているから、来年度に向かって、きっちり厚生労働省通知に基づいて、なぜ原則的な労働時間の把握ができないのか、例外的な措置をやる場合には、この3条件をきっちり貫かせるということをやってくださいよ、人事委員会事務局長。
〇稲田人事委員会事務局長 人事委員会では、労働基準監督機関としての職責を行使するということが、地方公務員法上規定されておりまして、その機関としての役割を果たすために、管轄の事業場に対する調査とか労働安全衛生指導の実施などをやってきているわけでございます。
 今後も、これらの監督・調査等により、不適切な事例が見つかった場合には是正するよう指導してまいりたいと思います。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡副委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、監査委員事務局長から監査委員関係の説明を求めます。
〇小川監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げます。
 お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、103ページをお開き願います。2款総務費9項監査委員費のうち、1目委員費の予算額2、083万6、000円は、監査委員4名の報酬、給与及び監査委員の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の予算額2億660万4、000円は、事務局職員20名の人件費等事務局の管理運営に要する経費でございます。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇飯澤匡副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私からは2点についてお伺いいたします。
 まず、第1点目につきましては、この地方財政健全化法が施行されたことによりまして、監査委員が毎年度、財政指標の審査、そして意見を付さなければならないことが義務づけられたわけでございますが、今後、監査体制の充実を含めた取り組みについてお伺いいたします。
 それから、第2点目につきましては、監査は、もう御存じのとおり、財務監査と行政監査があるわけでございますが、今、特に財務監査に主眼が置かれておるわけでございます。行政事務の適法性、妥当性、そして行政運営の公正、そして合理的にかつ効率的に進めるためにも、今後、行政監査はますます重要性が増してくるのではないかということで、今の行政監査の現状、そして今後どのように取り組まれるか、また、取り組まれる中におきまして課題があれば、その課題解決についてどのように考えておるかお伺いいたします。
〇小川監査委員事務局長 地方財政健全化法の施行に伴う監査機能の強化ということでございますが、健全化判断比率の審査等への対応とともに、議会での決算審査の前倒しに伴いまして決算監査の実施率が現状では下がっているということがありまして、その実施率を向上させる、こういう二つの理由から、今回、事務局の職員2名を増員し、事務局体制の強化を図ったところでございます。
 職員の専門的能力の強化を図るため、今年度から、実は公認会計士等専門家による研修等を行ってその強化を図っておりますが、引き続き、こういう研修等を強化して行う予定としております。
 また、関連する財政的援助団体等の監査につきまして、来年度からは、監査を前倒しいたしまして、議会の決算審査前に実施する予定としております。
 地方財政健全化法に定める健全化判断比率の審査につきましては、まだ総務省から具体的な審査方法、手引等が示されておりませんので、これらが示された段階で、限られた時間、人員の中で、事務局職員の専門的能力を高めて、監査、審査の強化に努めてまいりたいと考えています。
 次に、行政監査に対する取り組みでございますが、現状につきましてでございますが、平成16年度までは特定のテーマに基づいてやっておりました。決算監査の前倒しに伴いまして、人数的に非常に厳しくなったものですから、平成17年度、18年度と行政監査につきましては特定テーマに基づいてやっておりません。
 今年度につきましては、やはり長期的な課題とか、それから、期間をまたがるような問題、そういうものにつきましては、やはりテーマを持ってやらなければならないのではないかということで、平成19年度は、特定テーマに基づきまして行政監査をやったところでございます。
 平成20年度につきましては、特定課題につき行政監査はどういうことを行うかということにつきましては、2月の監査委員協議におきまして、20年度の監査の執行方針及び実施計画ということを決定したところであります。その中で、業務委託、請負工事の随意契約、それから県単独補助金等の執行等を重点的に監査するということにしております。
 そうした中で、さらに踏み込んだ監査とか、広く全県的に監査すべき課題等が見受けられた場合には、行政監査のテーマとして、先行して、時期を失することなく行政監査を実施し、適正な県行政の執行を確保してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡副委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
 監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後7時15分 散 会

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