平成20年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) それでは、提案者の久保議員に質問をいたします。
 どうも提案された意見書の中身が極めてあいまい、不明であります。久保議員─提案者は、今、国会で問題になっている政府の修正案についてどういう認識なのでしょうか。この政府の修正案というのは、税制関連法案は確実に通す、一般財源化や暫定税率については全く不明と驚くべき内容のものでありますが、これについてどういう認識をされているでしょうか。
 二つ目に、意見書の項目に沿ってお聞きします。
 第1項目に、道路関係諸税の暫定税率は、時代状況の変化を踏まえ、見直すとなっていますが、社民党の政策では、暫定税率廃止となっております。社民党のこの政策とこの意見書の中にどういう整合性があるのでしょうか。
 二つ目に、道路中期計画は、必要性、緊急性、優先度を精査し、国直轄事業の地方負担金のあり方も含め、計画期間や総額の見直しを図るとなっております。しかし、この道路中期計画こそ、実は道路特定財源の最大の問題点なのであります。この4割は無駄な大型高速道路であります。20年前、バブルの時代に策定された1万4、000キロの高速道路計画がそっくり復活され、7、000キロの地方基幹道路まで入っていますけれども、こういう道路中期計画は撤回しなくていいのでしょうか。必要性、緊急性、優先度と言うなら、一般財源化して、医療、福祉、教育の課題とあわせて必要性、緊急性、優先度は検討されるべきではないでしょうか。
 三つ目に、道路特定財源は、将来的な抜本的検討を視野に入れつつとなっておりますが、これについても社民党は、将来的には一般財源化を目指すとなっております。社民党の政策との整合性もまたここでは不明であります。
 実は、福田首相でさえ道路特定財源は全額一般財源化を指示したのです。しかし、与党の修正案では骨抜きになりましたが、今では一般財源化というのはだれでも言っているものであります。特に、最近のマスコミの世論調査を見ますと、暫定税率の廃止に賛成が7割、道路特定財源の一般財源化に賛成も7割であります。こうした国民の声をどのように認識されているのか、お聞きいたします。
〇2番(久保孝喜君) 御質問をいただきましたが、背を向けて答弁することをお許しいただきたいと思います。
 まず、基本的な質問者の認識と、意見書を提出した私自身の認識のずれがあろうかと思いますので、その点をまず御説明申し上げたいと思います。
 本日のこの意見書の提出については、社民党の議員として提出したものではございません。政和・社民クラブという会派の中での議論を通じて、現在の県民の生活、あるいは地方財政の現状、将来にわたる道路のあり方を総合的に検討をした結果として、会派の意見書として提出されたものでございますので、社民党所属の議員個人の見解をここで申し述べるのはいささか趣旨に合わないと思いますので、その点はまずお許しをいただきたいと思います。
 そしてなお、この質問の提案理由についての箇所で申し上げたとおり、議会の意思としての意見書のあり方という点では、質問者と認識が若干違っているかと思います。
 今、御質問の中にもありましたように、党の方針と違うという観点での御質問であれば、それは全くそのとおりであります。しかし、議会の意見書として提出をするということについていえば、議会の意思の表明ですから、政党の政策発表の場ではないというふうにも思いますし、その点で、私たち議員一人一人がそこは基本的にとらえておかなければならないことなのではないかと私は思っております。
 したがって、御質問の暫定税率の問題、あるいは一般財源化についての、例えば道路中期計画の問題、その将来方向についても、その点で会派の主張としての意見書でございますので、政党の立場を今ここで明らかにすることについては控えさせていただきたいと思います。
〇38番(斉藤信君) 社民党の政策との整合性はないということはお認めになりました。これは極めて重大なことであります。
 しかし、私の質問に残念ながら答えられていない。私は提案者にお聞きしたいんですけれども、今、政府が出している修正案、これについての認識はいかがかと。この修正案というのは、税制関連法案は通す、しかし、一般財源化や暫定税率については今後の協議にゆだねて、何の解決にもならないものであります。国会の混乱をつくっているのは、まさにこうした修正案そのものではないでしょうか。この修正案についての認識を私はお聞きします。
 もう一つ、道路の中期計画について、私は、これは社民党の政策云々ではなくて、必要性、緊急性、優先度を検討するのであれば、一般財源化して、教育、福祉、医療などと一緒に検討してこそ、本当の緊急性、そして必要性、優先度というのが検討されるのではないでしょうか。道路だけの緊急性を検討しても、これは道路の無駄遣いにしかならないのであります。この点について、しっかりと答えていただきたい。
 そして三つ目に、答弁ありませんでしたが、国会論戦を通じて、マスコミの世論調査では、暫定税率廃止を求める声が、道路特定財源の一般財源化を求める声がどんどん高まって、今、7割に達しているのであります。この国民の声をどういうふうに受けとめて今度の意見書案が出されたのか、改めてお聞きいたします。
〇2番(久保孝喜君) 再度のお尋ねでございます。修正案についてどういう意見を持っているかということでございます。
 質問者も御存じのとおり、今回、私の提案いたしましたこの意見書、その表題の第2行目、慎重且つ十分な国会審議を求める意見書ということをうたっております。これは現在、年度末を控えて国会でもかなり慌しい動きが続いております。その中で、例えば福田総理の修正案の問題の提起があったり、あるいは与野党から、かなり論議としては活発になりつつあるわけなんですが、その一々に地方議会がこうするべき、ああするべきと、あるいはそのことに対する見解を申し上げることは、私はこの議会決議たる意見書にはなじまないものだというふうに思っておりますから、この表題のとおり、国会における権能のもとで慎重かつ十分な議論をしてほしい。その際に、五つ挙げましたけれども、方向性を明示して、議会全体が一致し得る、そういう方向性を明示したにすぎないということでございます。
 質問者は十分わかっていての御質問だろうと思いますけれども、修正案や中期計画にかかわってのそれぞれ個々の見解はもちろんございますけれども、そのことを申し立ててこの意見書を評価していただくということについては、やや筋が違うというふうに私は思っております。
 さらに国民の声ということでいえば、私どもは、この意見書が県民の今求められている声として十分に意見書としての機能を満たしているものだと思っておりますので、御了解いただき、御賛同をいただきたいと思います。
〇議長(渡辺幸貫君) これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第13号及び発議案第14号は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第13号及び発議案第14号は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、発言を許します。嵯峨壱朗君。
   〔23番嵯峨壱朗君登壇〕

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