平成20年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇2番(久保孝喜君) 政和・社民クラブの久保孝喜でございます。
 上程されております意見書について、提案理由を申し上げます。
 現在、国会において焦点となっております道路関係諸税の暫定税率や道路財源の一般財源化については、その本質的議論に踏み込むことなく、政局に絡めた応酬が支配的であり、税制全体との整合性や道路行政の将来にわたる制度設計という真剣な議論とは言いがたい展開が続いております。
 また、こうした状況の一方で、全国の自治体が既に新年度予算として道路財源を計上している現実から、政府に対する現制度の堅持を求める強い意向が繰り返し表明されてもおります。
 地方自治体の現下の財政状況は、一瞬の猶予、空白も許されない状況にあることから、国会におけるこの種議論は、これまでの問題点を洗い出し、期限を定めた見直しの与野党協議の枠組みを定め、その方向性を確認しつつ、現実的な改善策を積み上げる以外にないと思われます。その際、当然のことながら、一方の主張が善であり、他方が悪という二元論は、国民にとって最も不幸な道と言わなければなりません。
 さらに言えば、そうした国会の対立状況そのままを地方議会の場に持ち出し、互いの主張を原則的に繰り返すことがあるとすれば、それは、地方分権の理念、すなわち国と地方が対等の関係性を築こうとする方向性に離反するばかりか、暮らしの現場、その思いに寄り添う議会の議論とは言いがたい姿であります。ましてや議会意思の表明たる意見書の提出にあっては、さまざまな県民世論と合議体である議会全体の一致点を見出す努力の上でなされなければならないものと考えます。
 よって、この道路特定財源については、国会の議論として慎重かつ十分な議論が求められているものであり、次の諸点を中心に改善を図るよう強く求めるものであります。
1、道路関係諸税の暫定税率は、時代状況の変化を踏まえ、見直すこと。
2、見直しに伴う地方財源の減収が生じる場合は、十分な配慮と補てんを行うこと。
3、道路の中期計画は、必要性、緊急性、優先度を精査し、国直轄事業の地方負担金のあり方も含め、計画期間や総額の見直しを図ること。
4、道路特定財源は、将来的な抜本的検討を視野に入れつつ、当面、交通関係の他の特別会計や特定財源と一本化し、交通関係の社会資本整備を総合的に行えるようにするとともに、公共交通の維持・確保、交通バリアフリー化の推進、交通安全対策や環境対策など車社会の負の側面に則した財源として一定の便益を拡大すること。
5、上記対策を進めつつ、道路財源の地方移譲を進めること。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出しようとするものでございます。
 皆様の御賛同をお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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