平成20年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇42番(伊藤勢至君) ただいまの高橋昌造議員の質問に関連いたしまして、1点お伺いをいたしたいと思います。
 その前に、高橋昌造議員の質問は、豊富な識見をもとに押したり引いたり、立派な質問であったと思っておりまして、これは議員の冠たる、模範たる行為であると敬意を表したいと思いますし、このような立派な議員を選択していただいた矢巾町の皆様にも敬意を表したいと思います。
 そこでお伺いいたしますが、9番目の公共工事に係る入札制度についてであります。私どもこの県議会では、ちょうど1年前になりますけれども、平成19年3月2日、決議を上げておりまして、満場一致で採択いたしております。ちょっと前段を省略して本文のところを読ませていただきます。
 このたび、本県においては、公共調達改革に係る今後の取り組み方針案が示されたところである。この方針案においては、条件付一般競争入札の拡大に関して県内企業の参加を優先する地域要件を設定するなど、県内建設産業や地域の振興への一定の配慮が認められるが、応札可能者数についても、県内業者への優先発注を念頭に置き、弾力的な運用を可能として、単にその数を確保するがために、県外業者にまで範囲を拡大することなく、より県内建設産業や地域振興に配慮すべきである。
 急速な過疎化が進行する本県においては、建設産業に従事する人々が、農林業や地域のコミュニティの維持に寄与していること、さらには、農林業に従事する人々の農閑期等における貴重な現金収入の道を閉ざすことにもなりかねないなど、建設業の崩壊は、農林業の崩壊ひいては地域社会の崩壊へつながることも危惧される。
 よって、本県議会は、入札制度改革の実施に当たっては、公正性・透明性の向上に向けた取り組みはもとより、本県の建設産業が地域において果たす役割にかんがみ、関係団体等に対する事前の十分な説明や理解のもと、実施に向けた準備に万全を期しつつ、適正な競争のもとで、建設産業を初め地域産業の持続的発展が可能となるよう、その振興・育成にも十分配慮されることを強く望むものである。こういう決議を上げたところであります。
 総務部長にお伺いいたしますが、この決議は、1年たったから、効能がなくなったから、これを考えなくてもいいとお思いなのでしょうか、この点について、まず1点お伺いいたします。
 それから、去る平成20年2月14日に、社団法人岩手県建設産業団体連合会長様、岩手県総務部長ということで通知が入ったようであります。平成20年度県営建設工事に係る入札制度の改善についてということでありますが、この内容は、14日の日付の文書でありながら、なお、本案につきましては、あす、つまり15日に開催する岩手県県営建設工事入札契約適正化委員会において審議の上、3月下旬に正式に決定する予定としております。貴会において御意見等がございましたら2月29日までに出してくれということでありますが、これは逆なんじゃないですか。14日に出して15日ではなくて、業界の声を聞いて、それをもって、この契約委員会か何かを開会して、そこに県民の声を十分に反映させる、こういうことが昨年上げた我々の決議であったはずであります。どうも、この建設産業はスケープゴートにされていると私は思っておりますが、建設産業は、私はハードな福祉であると思っております。福祉、医療、教育あるいは介護、それらをやるにも必ず公共のインフラというものは必要なわけでありまして、したがって、それらをやってくれる建設産業は大変重要であると思います。そして、夢県土いわての夢が破れて、これから希望を持って希望王国をつくっていくときに、岩手県民にまず希望を与えてもらわなくてはならないと思いますとき、業界すなわち県民、すなわち納税者を大事にする政策こそが、今、岩手県に最も求められる政策だと思うのでありますが、このやり方は、お上が決めてああしたから、もう大体固めてしまうから、何か文句があったら言ってきてちょうだい的な上意下達のやり方である、このように思います。したがって、こういうことを改めていただいて、まず、民草の声を聞いてから、それを反映させる政策を打ってもらいたい、私はこのように思うわけでありまして、総務部長にお伺いいたします。
〇総務部長(川窪俊広君) 2点いただきまして、1点目の昨年の決議との関係でございますが、昨年、県議会でいただいた決議につきましては、もとより、決議いただいた内容を十分に踏まえまして、今後とも対応していかなければならないと考えているところでございますので、1年たっているから軽く見るというようなことは全くございませんので、そういう考え方のもとに、再度、肝に銘じ直して対応してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の2月14日付の通知の件でございますが、こちらにつきましては、御指摘がございましたような通知といいますか、意見照会をさせていただいているのですが、15日の入札契約適正化委員会といいますのは、こちらのほうもいわば第三者委員会でございますが、これも意見を聞くという趣旨での委員会でございまして、入札契約適正化委員会に、いわば決定する権限とか、そういうようなものがあるわけではございませんで、制度に関して言えば、これは意見を聞くということで、14日から業界の皆様方に意見を聞き始め、そして15日には入札契約適正化委員会にも意見を聞くこととしたということでございまして、その上でいただいた意見を踏まえまして検討した上で、3月下旬を目指して、どのような結論にするかを考えようという順番の整理で考えていたものでございます。
 なお、29日までに御意見をということでお願いをしたわけでございますけれども、正直なところ、ちょっと期間が短かったのかなというところもございまして、今現在、さらに意見をこの後いただくというお話もございますので、そういった意見につきましても十分に踏まえまして検討をさせていただきたいと考えておりますので、何とぞ御了承をお願い申し上げたいと存じます。
〇42番(伊藤勢至君) どうも、この年度末にばたばたと急いで新しいルールをつくっていくというのは、言ってみれば、先に結論ありきのように県民に理解をされかねないと思うんです。せっかくいいことをしようと思っても、説明不足、理解不足、その上にやったのでは、結果として、角を矯めて牛を殺すことになりはしないか、私はこのように危惧するものでありまして、せっかく皆さんはいろんな政策を打つ際にパブリックコメントというものもやっているじゃありませんか。そういう意見を聞くということを尊重していただいて、県民をまず第一に考えていただいて、そして岩手県政を打っていただきたい、このように思います。今まで、決議等につきましては、達増新知事は知らなかったと思いますので、あえて読ませていただきましたが、何も地産地消というのは食べ物だけではなくて、岩手にあるものは岩手で使っていこう、これが地産地消だと思うのでありまして、知事の御所見を伺って、終わりにしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) サービスの分野における地産地消というのも大変大事なことだと思います。地元の会社、個人が心を込めて地元の人たちのために仕事をするというのはとても大事なことだと思います。また、建設業の岩手における役割の大切さというのは、議員御指摘のとおりだと思いますので、公正さ、効率性等行財政改革の趣旨を進めていくのは当然ではありますけれども、それが角を矯めて牛を殺すことのないように、岩手の暮らしや仕事の現場をしっかり守っていくことを念頭に県政を進めてまいりたいと思います。
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、阿部富雄君。
   〔37番阿部富雄君登壇〕(拍手)

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