平成20年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(高橋昌造君) 民主・県民会議の高橋昌造でございます。
 渡辺議長を初め議員各位の配慮により、登壇の機会をいただきましたことを心から感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
 質問の第1点目、平成20年度予算編成及び今後の財政運営についてお伺いします。
 平成20年度予算については、かつてない財政危機に直面する中、希望の芽を守り育てる希望創造予算として、県民福祉の向上のため財源確保に工夫を凝らし、とりわけ事務事業の総点検、公共事業費抑制、職員給与の特例減額など徹底した歳出の見直しを行い、編成された予算と承知しております。
 一方、歳入の確保については、収入未済金が平成18年度決算において、一般会計、特別会計合わせて91億3、300万円と大変大きな額となっており、財源不足を補い、徹底した歳入確保を図る観点から、収入未済金の縮減、債権の回収になお一層積極的に取り組む必要があるものと考えます。中でも県の自主財源の根幹をなす県税の未収金は22億1、100万円と、未収金全体の約24%に上っております。歳入の確保を図るため、今後、県税の徴収率向上、滞納整理の強化についてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
 また、土地及び建物などの県有財産のうち、活用の予定のない未利用地や遊休施設についてはできるだけ速やかに処分し、歳入として財政に寄与すべきと考えますが、未利用地及び遊休施設の件数、評価額などの実態及び今後の処分方針についてお示し願います。
 次に、財政の早期の健全化のための今後の財政運営についてでありますが、昨年、地方公共団体の財政の健全化に関する法律が制定され、地方公共団体に連結実質赤字比率や将来負担比率などの指標の公表を義務づけるとともに、その比率が基準を超えると、財政健全化計画、財政再生計画の作成を義務づけることになりました。指標の公表は平成19年度決算から、財政健全化計画の策定の義務づけは平成20年度決算から適用されるものとお聞きしておりますが、この新しい制度の導入が本県の財政運営にどのような影響をもたらすのか、また、本県の財政状況は新指標の基準に照らしてどのような位置にあると見込まれ、予算編成に当たりどのように対応しているのか、あわせてお伺いします。
 次に、県民所得の向上に向けた取り組みについてお伺いします。
 知事は、いわて希望創造プランで1人当たり県民所得を平成22年度までに260万円台に引き上げるとの目標を掲げております。しかしながら、先日発表された県民経済計算速報によると、平成18年度の1人当たりの県民所得は240万8、000円と、前年度比1.9%増加はしているものの、1人当たり国民所得を100とした場合の本県の水準は82.4であり、平成12年度の1人当たり県民所得の比較では92.3と、依然として厳しい状況が続いております。また、御案内のように本県人口は減少を続けており、中でも経済活動の根幹をなす生産年齢人口は、平成19年には82万6、000人と、平成12年に比べて約7万3、000人、8.1%も減少しております。こうした現状を踏まえて、計画に掲げる県民所得260万円を達成するためには、県内経済を確かなものとし、地域の活力を高めることが必要であり、若年層を中心に県外への転出を抑制するとともに、県内外の人材に活躍の場を提供していくことが重要であるものと考えます。
 そこで、若者がみずからの個性や能力を発揮できる職業につき、希望を持って県内で生活していけるような環境整備が必要となります。知事は、こうした若年層に対する総合的な雇用対策をどのように進めていくか、お考えをお伺いいたします。
 また、いわゆる団塊世代の大量退職期を迎えておりますが、団塊世代は個性豊かで意識が高く、そして、引き続き職場や地域社会へ貢献したいと考えている世代と言われます。生産年齢人口の減少が見込まれる中、こうした世代が持つ豊かな経験や高い技術・技能を引き続き地域や職場で生かしながら、地域経済発展の一翼を担ってもらうことも必要であろうと思いますが、団塊世代に向けた再就職や雇用の支援についてどのようにお考えか、お伺いします。
 次に、国民体育大会開催に向けた取り組みについてお伺いします。
 去る1月15日、県内市町村や各界を代表する約300人の参加のもと、平成28年に開催が内々定した第71回国民体育大会の岩手県準備委員会が、知事を会長に設立されました。これにより、8年後に迫った国体開催に向けた準備体制が整ったものと考えます。国民体育大会は国内最大のスポーツの祭典であり、本県にとりましては、昭和45年の岩手国体以来半世紀ぶりの開催となり、県民の期待も大変大きいものと考えます。私は、国体の開催や運営に当たり、県内市町村との連携や地域住民の協力、意識の高揚が大変重要であると考えております。今後、競技会場地の選定などの市町村との連携、また、県民意識の高揚を図る上で、国体の愛称やスローガンの募集、さらには県民や企業からの浄財を募ることなどの検討が必要と考えますし、国体運営においては多くのボランティアの参加を得ることが重要であり、そのボランティアが動きやすい体制づくりも必要であると考えますが、県準備委員会会長でもある知事は、国体開催に向け、今後どのように取り組まれるおつもりか、お伺いします。
 さらに、国体における競技力向上対策についてお尋ねします。
 昨年、秋田県で本大会が開催された第62回大会では、個人種目で四つの優勝があったものの、本県の男女総合成績は第34位であり、長らく東北最下位の成績となっています。県では、この成績低迷の要因をどのように把握し、どのような対策を講じようとしているのでしょうか。また、昨今の競技力向上対策においては、スポーツ医・科学分野の成果を生かしたサポート体制の充実と一貫した指導体制づくりが非常に重要なことと認識しています。
 そこで、本県におけるスポーツ医・科学サポートと一貫指導の体制づくりについて、どのように進めていくのか、お伺いします。
 次に、新しい県の総合運動施設の整備についてお伺いします。
 県営体育施設の多くは昭和45年の岩手国体を契機として整備されたものと思いますが、特にも県営陸上競技場、県営体育館は、その後、幾多の改修工事を行っているとしても老朽化は免れず、また、バリアフリーなど利用者の利便に十分配慮した施設とは言えないところであります。以前、県では総合的スポーツ施設のあり方について検討した経緯があると伺っており、県の財政状況は非常に厳しいことは認識しておりますが、バリアフリーにも配慮した総合運動施設も必要であることから、その実現に向けたお考えをお示し願います。
 次に、保健福祉対策の充実についてお伺いします。
 国の医療制度改革の一環として、平成20年4月から医療保険者に対し、40歳以上の者を対象とする特定健診及び特定保健指導の事業実施が義務づけられました。本県では、現在、改定が進められております健康いわて21プランなどにおいて、特定健康診査の実施率を平成24年に目標値70%と見込んでおられますが、今後、国が示した保健指導対象者の発生率から推定した人数に対して、特定保健指導を実施できるスタッフの数を各保険者で確保できるのかどうか、事業実施体制の見通しについてお伺いします。
 また、国民健康保険法に規定されております市町村国保同様に、国保組合にもひとしく特定健診及び特定保健指導を実施することにかんがみ、市町村国保並みの補助を国保組合に行うべきではないかと考えますが、今後どのように取り組まれるか、お伺いします。
 また、社会福祉事業等の用に供する自動車税の課税免除については、原則として第1種社会福祉事業として運営している施設を対象としており、障害者自立支援法による新体系サービスに移行する第2種社会福祉事業の障害福祉サービス事業のうち、通所を伴う施設以外の施設及び社会福祉法人以外の者が行う事業については課税免除の対象から除かれております。障害者の自立支援の観点からも、障害者福祉事業を営む者が所有する自動車の課税を免除する範囲をさらに拡大するお考えがないのか、課税を免除した場合の対象自動車台数及び減免額とあわせてお伺いします。
 次に、平泉の文化遺産を核とした観光振興についてお伺いします。
 ことし7月に世界遺産登録を目指しております平泉の文化遺産は、国内外の注目を集めており、登録が決定されますと、観光振興の目玉となります。平泉文化に関連する寺院や史跡などの資源を有する市町村においては、観光客に足を運んでいただけるように、案内板の設置や観光パンフレットの作成、ガイドボランティアの育成などに官民一体で取り組むものと思われます。紫波町では蜂神社、走湯神社、比爪館跡など平泉に関係する貴重な史跡がありますが、世界遺産登録を契機に、NPO法人が中心となり、まちづくりに生かしたいと既に取り組みを始めております。県として、観光産業を振興する上で、そうした各市町村またはNPO法人など民間組織の取り組みを支援するお考えはあるのか、お伺いします。
 次に、農業施策の推進についてお伺いします。
 まず、園芸の産地力強化についてであります。平成18年の本県の農業産出額は2、544億円で、全国第11位となっています。このうち米の占める割合は25.1%で、平成7年に比べ8.9%低下し、野菜などの園芸は18.2%、畜産は52.3%と、米の比率が低下する一方で畜産と園芸のウエートが高くなってきています。他県の動向を見ますと、米産地の宮城県や秋田県、北陸各県などの産出額が低下している一方で、ミカン産地の和歌山県や愛媛県、野菜やリンゴ産地の青森県などの産出額が伸びている状況にあります。米を主体とした農業構造では他産業並みの所得確保は難しい状況にあり、園芸などの新たな作目導入をより積極的に進める必要があると思われます。しかし、原油価格の高騰などによって、園芸ではハウスの暖房費や生産資材価格の上昇など、農業経営は収益性が悪化し、極めて厳しい状況にあると聞いています。加えて、園芸産地では、高齢化や担い手不足によって規模拡大が思うように進まず、産地力が低下しているように見受けられます。このような厳しい情勢の中で、今後、県ではどのようにして園芸産地の拡大や産地力の強化を図っていくのか、お伺いします。
 次に、畜産の振興についてでありますが、我が国の食料自給率は、カロリーベースで39%ですが、飼料用も含めた穀物全体の自給率は何と27%で、極めて脆弱な構造になっています。特に昨今、バイオエタノールの生産急増により穀物市場が世界的に逼迫しており、新聞報道によると、配合飼料価格の農家負担は、ここ1年半で1トン当たり約7、700円も上昇しているとのことです。配合飼料価格の上昇が畜産経営に及ぼす影響を緩和するため配合飼料価格安定制度がありますが、これまでに6期連続して補てんが発動されている状況にあります。しかし、現行制度では、飼料価格が高どまりしていきますと補てん額も下がり、畜産経営に与える影響は極めて大きくなるものと考えます。本県では畜産の産出額が全体の5割以上を占め、まさに畜産県岩手でありますが、このような厳しい情勢の中で、どのようにして畜産経営を安定させていくのか、お伺いします。
 また、安全・安心な農産物の生産についてお尋ねします。昨今の健康志向に加え、特にも食品の表示偽装問題やギョーザの中毒事件などを通じ、食品、食材の安全性に対する国民的な関心が高まっております。本県では、これまで、特別栽培農産物の生産やエコファーマーの普及拡大、トレーサビリティーシステムの構築など、安全・安心な農産物の生産に積極的に取り組んできたところであり、また、先ごろ、岩手県環境と共生する産地づくり基本計画を策定したと伺っています。今後、食の安全・安心に対する消費者ニーズにこたえ、消費者に信頼される安全・安心な農産物の産地づくりをどのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いします。
 さらに、農協合併についてでありますが、新聞報道によりますと、県農協中央会の試算では、県内6農協構想に向けた財務の健全化のために、経営難の農協に必要な資金援助は約132億円に上るとのことです。このうち約71億円を県農協グループでカバーし、残りの61億円はJAバンク中央本部に支援を要請するようであります。
 一方で、合併は財務の健全化が条件となっており、欠損金処理が問題となっているわけですが、各農協では、出資金の減資などによって約68億円の圧縮に努めるとのことです。現段階で、6農協構想に基づいた広域合併の進捗状況はどうなっているのか。また、広域合併によって営農販売体制などに影響はないのでしょうか、お伺いします。
 次に、岩手競馬についてお伺いします。
 平成19年度の岩手競馬は、新しい岩手県競馬組合改革計画に基づく330億円の構成団体融資が、幾多の議論を経て実現されたことにより、事業が継続されることとなりました。しかし、昨年8月に発生した馬インフルエンザの影響などもあり、発売額の目標が達成されない中にあって、3度にわたるコスト削減を実施し、計画に掲げる収支均衡、赤字を出さない事業運営の実現に尽力されました。また、構成団体においては、これまでの競馬組合の事業運営を検証し、今後に生かすため、岩手県競馬組合事業運営監視委員会を4月に設置し、その後、その意見を踏まえ、抜本的改革について検討するプロジェクトチームを設置し、鋭意検討を重ねていると承知しております。このような関係者が一体となった取り組みにより本年度は収支均衡が確実となり、平成20年度につなげることができる状況となったと理解しておりますが、決して安定した事業運営とは言いがたい状況であると思われます。ついては、本年度のさまざまな取り組みの状況や結果を踏まえ、今後の事業運営に当たるものと思いますが、平成20年度の基本的な運営方針及びその基本方針を具体化するための手だてはどのようなものか、お示し願います。
 また、昨年6月に改正された競馬法では、地方競馬が将来にわたり安定的に継続できるよう、地方競馬主催者の連携、活性化の促進を目指し、特にも地方競馬全国協会を地方共同法人として新たに位置づけ、地方競馬主催者で構成する運営委員会を設置し、地方競馬主催者の意思が反映される仕組みとしたものと理解しております。1月には知事も運営委員会の委員に就任しており、厳しい運営を強いられている地方競馬の活性化を図るため、大いにその手腕を発揮していただきたいと念願しております。この競馬法の改正を受けて、具体的に動き出した今後の地方競馬の活性化はどのような方向に進んでいくものなのか、現在の取り組み状況、今後の方向について御所見を伺います。
 次に、公共工事にかかわる入札制度についてお伺いします。
 まず、平成18年度より県が導入した総合評価落札方式についてお尋ねします。県の新しい入札制度では、応札可能者数30者を基本として地域要件を広げていく設定を行っていることから、結果的に、これまでよりも地元の地方振興局や支局の建設業者の優位性が低くなったような感じを受けています。また、除雪や災害時においては地元業者の応急対応等が必要不可欠であると考えますが、安値受注に見られる競争の激化による地元業者の存続が懸念されるところであります。総合評価落札方式は、価格だけではなく技術力や地域貢献等の要素も評価して落札者を決定するということですが、いま一つ、地元業者に対する配慮が必要と考えます。つきましては、これまでの試行結果についてどのように評価し、今後、どのように実施しようとしているのでしょうか、お伺いします。
 また、特に町村では技術職員が少ないなどの要因で導入が進んでいないともお聞きしますが、市町村において総合評価落札方式の導入を促進するためには、県・市町村連絡協議会を設置するなど、市町村の技術的な支援を行う必要があると考えますが、県ではどのようにして市町村への導入促進を図ろうとしているのか、お伺いします。
 次に、県営建設工事にかかわる入札制度についてお尋ねいたします。
 県においては、談合等の不正行為が起こりにくく、より公正性、透明性、競争性の高い入札制度の構築を図るため、昨年7月に入札制度改革を実施したところであります。私が心配しているのは、昨今の低入札の状況であります。極端な低入札は粗雑な工事を生み出すとともに、下請業者や資材業者など立場の弱い者へのしわ寄せが懸念されます。国においては、低入札者に対する厳正なヒアリングを中心とする特別重点調査の試行を始め、一定の効果が出ていると聞いていますが、県においては、低入札調査をどのように行っておられるのでしょうか。今年度、1億円以上の工事において調査基準価格を下回る、いわゆる低入札調査を実施した件数、調査の結果、失格者が出た件数の状況とあわせてお伺いします。さらに、低入札の現状を踏まえて、今後の低入札調査制度の改善方向についてどのようにお考えか、県の御所見をお伺いします。
 公開されている個別の入札調査によりますと、落札率が50%台の工事が見受けられます。このような状況を生み出すのは、予定価格が公表されているためであり、予定価格の公表が、結果として県内建設業者の積算能力や施行能力の低下を招いているのではないかとの指摘もあります。入札制度の検証・改善に当たっては、多様な県民の視点で行っていくことも必要であると考えますが、特に、実際の工事の担い手である建設業者の意見を十分に聞く必要があろうかと思います。
 そこで、入札制度に関して、関係業界も含め定期的に協議検討できる場を設けるお考えはないか、お伺いします。
 最後に、国道、県道、市町村道の見直しについてお伺いします。
 県では、いわて希望創造プランを策定し、県民の所得と雇用、安全な暮らしを守ることを重点目標に掲げ、今後の県政の展開を図ることとし、その目標達成のため社会資本の整備を位置づけしております。しかし、現在の厳しい財政状況下では新たなバイパスや大規模事業は困難な状況にあり、今ある県内の道路網、国道約1、734キロメートル、県道約2、991キロメートル、市町村道2万7、932キロメートルを既存ストックとして効果的に活用することが肝要であると考えます。そのためには、これら道路をネットワークとして十分機能させることが重要であります。新しい計画を進めるためには、もう一度、現在の国道、県道、市町村道がどのように使われているかを検証し、再度、国道、県道、市町村道を道路ネットワークとしてどう位置づけ、管理すべきかを検討すべきと考えます。
 そこでお尋ねしますが、今後、県として、国道、県道、市町村道について、昇格や市町村への移管も含めて見直すお考えがあるか、また、あるとすれば、今後どのようなスケジュール、手順により見直す予定なのか、お示し願います。
 以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋昌造議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、若年層の総合的な雇用対策についてでありますが、若年者の就業に向けては、三つの基本にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。第1に雇用の場の創出、第2に地元産業界が求める人材の育成、第3に求職者と地元産業界との適切なマッチングであります。そのため、現在、産業成長戦略に盛り込まれた産業振興施策を積極的に推進し、若年者が県内で働ける場の創出に取り組んでおります。人材育成については、小・中・高校・大学の各段階に応じたキャリア教育の推進や、ジョブカフェ事業におけるキャリアカウンセリングなどに取り組んでおりますし、また、就職面接会の開催などを通じて、求職者と地元産業界とのマッチングに努めているところであります。今後とも、こうした取り組みに加えて県外の大学への進学者などのUターンについても積極的に支援を行い、若年者の県内定着が図られるよう努めてまいりたいと思います。
 次に、団塊世代に対する再就職や雇用の支援についてでありますが、団塊世代の大量退職期を迎え、平成18年4月から企業に対し定年の延長や継続雇用制度の導入などが義務づけられ、高年齢者の雇用の延長が図られました。また、平成19年10月からは採用の年齢制限が禁止され、高年齢者が再就職しやすい環境の整備がなされたところであります。
 県では、こうした国の動きに呼応し、岩手県雇用開発協会との共催による高齢者雇用フェスタや高年齢者雇用支援月間における広報などにより事業所に対する啓発を行っております。また、シルバー人材センターの支援を通じて、高年齢者の多様な就業や社会参加を促進しているところであります。
 団塊世代は長年の職業生活で培われた職業能力を持つ貴重な人材であり、引き続き団塊世代を含めた高年齢者の再就職や雇用の支援に努めてまいりたいと思います。
 次に、国体開催に向けた今後の取り組みでありますが、私が委員長を務めます国体の岩手県準備委員会常任委員会の第1回会議を3月26日に開催し、総務企画、施設及び競技の3専門委員会を設置していきたいと考えております。この専門委員会におきまして、常任委員会からの付託または委任を受けて、国体の愛称、シンボルマーク、スローガンやマスコットなどの募集について検討していくこととしております。
 また、国体運営基金の設置について本議会で追加提案いたしました。これは、国体の運営経費について、その財源の平準化を図るとともに、財政面での不安を払拭して国体開催に向けた県民の機運の醸成を図るためであります。
 国体の運営ボランティアについてですが、本県は、昭和45年の岩手国体において、県民総参加による温かい真心のこもった大会として成功させた輝かしい実績がございます。また、アルペンスキー世界選手権大会など、いわゆる4大イベントや平成17年の岩手りんどう国体の開催に当たって、県民ボランティアの活躍が大会成功に大きく貢献し、今も県民の間にボランティア精神が広く浸透していると考えます。今後、国体準備の専門委員会において、これまでの経験、県民の力を結集して、ボランティアなどが活躍しやすい環境の整備など十分検討されていくものと考えております。
 さらに、競技会場地の選定についても、総務企画専門委員会での検討をもとに、国体準備の常任委員会において十分審議し、決定していくものと考えております。
 次に、平成28年岩手国体に向けての競技力向上についてでありますが、国体における地元選手の活躍は大会そのものの盛り上がりにつながり、大会成功にとって最も重要な要素の一つと考えております。このことから、まず、スポーツ関係者等で組織する第71回国民体育大会岩手県選手強化本部、仮称でございますが、これを今月末に立ち上げて、私が本部長となり、総合的な強化対策を力強く展開してまいります。
 本県の成績低迷の最も大きな要因は、40ある国体種目それぞれの競技団体の選手強化に向けた取り組みに温度差があることであり、選手強化のためのリーダーの養成など、競技団体の活動力の強化を図っていく考えであります。また、競技力向上には指導者の果たす役割が非常に大きいことから、ハイレベルな指導者研修などを実施し、高い目標と知識を持って指導できるよう養成してまいります。同時に、素質ある選手の早期発掘と一貫指導による育成を早急に取り組む必要がありますことから、今年度からスーパーキッズ発掘・育成事業を開始したところであります。また、成年の選手層が薄い状況にありますことから、優秀な選手の雇用促進などについて、県内の産業経済界との連携を十分に図ってまいりたいと考えております。さらには、選手の能力を最大限に発揮させるために、科学的な裏づけに基づいたトレーニングやコンディショニング、栄養指導などが重要と考えており、早期に本県における効果的な進め方を検討し、チーム岩手として選手や指導者をしっかり支えるスポーツ医・科学サポート体制の構築を一層進めてまいります。
 以上のような対策を講じながら、平成28年岩手国体に向かって、県民の理解と協力をエネルギーとして本県競技力の飛躍的な向上を図ってまいります。
 次に、安全・安心な農産物の生産についてでありますが、私は、これからの本県農業が地球環境や本県の豊かな自然環境を保全し、消費者等から信頼される安全・安心な農産物を安定的に提供していくためには、農業の持つ自然循環機能を維持増進し、生産性の向上を図りながら、堆肥による土づくりや化学合成農薬等の低減により、環境と共生する産地づくりを推進することが重要であると考えております。
 このため、県といたしましては、外部の有識者等による委員会での検討を踏まえ、本年1月、岩手県環境と共生する産地づくり基本計画を策定したところであります。
 今後は、この基本計画に基づき、市町村や農協等との連携のもとに、本県の立地条件を生かした環境負荷低減技術の開発ときめ細やかな普及指導、安全な農産物を生産するための生産工程管理の導入促進、さらには、生産から流通、加工、販売までのトータルなトレーサビリティーシステムの構築などによって、岩手らしい、消費者に信頼される農産物の供給体制を確立してまいります。また、こうした取り組みに加え、安全・安心なトップブランドの定着に向けた消費者等への戦略的な情報発信や消費者等の理解を得るための県民運動の展開などにより、岩手らしい、人と環境に優しい産地づくりを推進してまいります。
 次に、岩手競馬の平成20年度の基本的な運営方針についてでありますが、今年度の収支均衡の達成が確実となったことは、県民の理解を得られる形で岩手競馬を存続させなければならないという競馬関係者の一丸となった決意が実を結んだものと考えております。平成20年度の事業運営に当たっては、競馬組合議会からの提言、勧告も踏まえ、二つの基本方針、すなわち楽しさ・にぎわいの創出と魅力あるレースの提供、そして安定的な事業運営の継続を基本方針として競馬事業の継続発展に向けて取り組んでいくこととしております。
 この基本方針のもとに、第1に、競走馬の格付区分や新たな短距離特別競争の創設など競走体系の見直しによる魅力あるレースの提供、第2に、各種広報媒体を活用した競馬開催情報等の提供や騎手サイン会などの各種イベントの開催などを通じた楽しさ・にぎわいの創出、そして第3に、現実的な売り上げ見通しに対応したコスト管理の一層の徹底による収支均衡の確保に取り組み、すべての競馬関係者が一丸となって、持続可能で安定的な岩手競馬の構築を目指して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、競馬法改正を受けた地方競馬の活性化についてでありますが、今回の競馬法改正は、地方競馬をめぐる厳しい状況を踏まえて、その活性化を図るため、地方競馬全国協会、いわゆる地全協の地方共同法人化などを内容とするものであります。この改正を受けて、現在、地全協では、第1に、全国やブロック的視点からの日程調整、第2に、ファンの購買意欲を高めるための番組の体系化、統一化の促進、第3に、交流競走の拡大など魅力あるレースを提供するための主催者間の開催日程及び番組編成の調整といった項目の具体的方針の取りまとめが行われております。
 また、主催者相互の連携の促進など、地方競馬の活性化に資する方策の実施による事業収支改善を目的とする競馬活性化計画の策定も進められております。この計画の中では、これまで助成の対象とされてきた主催者の共同による施設整備に加えて、全国的な日程調整等の推進に資することを条件に、主催者単独による施設整備についても地全協の助成の対象とする方向で検討が進められております。
 このような、主催者が連携・共同して活性化を図るという基本的な方向は好ましいものであります。今後とも、私も委員となっております地全協運営委員会等を通じて、地方競馬の活性化が岩手競馬の再生にも資するものとなるように取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 県税の未収金の縮小につきましては重要な課題と認識いたしまして徴収率の向上に努めておりますが、新たな対策といたしまして、納期内納付率の向上や納税利便性の向上を図るため、来年度から自動車税のコンビニ収納を始めることとしております。また、収入未済額の約2割を占めます自動車税につきましては、滞納の初期段階において滞納整理に当たるいわゆる初動集中整理やタイヤロックによる差し押さえ強化などの対策を講じております。
 一方、収入未済額の半分を超えております個人県民税につきましては市町村が徴収をしておりますので、市町村と共同での納付催告や徴収引き継ぎによる県による直接徴収の実施などの徴収支援策を講じますとともに、滞納処分研修による納税担当職員のスキルアップを図りますほか、地方税特別滞納整理機構による差し押さえや公売処分を推進しておりまして、これらを通じまして今後とも地方税全体の税収確保に努めたいと考えております。
 次に、未利用地及び遊休施設についてでございますが、未利用地の中で処分を予定しているものにつきましては、平成19年3月31日現在におきまして、59件で約34ヘクタール、評価額は、財産台帳価格で約44億円でございましたが、そのうち11件は平成19年度中に売却し、約4億円の収入を得たところでございます。これらの未利用地の中には現実には売却が困難なものもございますけれども、可能なものは売却等に努め、歳入確保につなげてまいりたいと存じます。
 現在の未利用地の処分につきましては、用途廃止をした時点で地元市町村に取得意向を確認し、希望がない場合は一般競争入札に付し、また、落札者がなければインターネットオークションに出品するとともに、先着順や不動産業者への媒介制度を活用したりしながら売却を推進しております。
 今後の処分に当たりましては、新聞広告や県ホームページなどの県有地の売却情報の掲載内容をさらに充実させながら売却処分を積極的に進め、歳入確保に努めてまいりたいと存じます。
 次に、財政の早期健全化のための今後の財政運営についてでございますが、地方財政健全化法の施行によりまして、一般会計のみでなく、特別会計や企業会計、さらには第三セクターの負債で一般会計等が負担すべきものなどもあわせまして健全化の度合いを判断していくとともに、監査委員の審査や議会への報告なども行うこととなり、また、他の自治体と指標の比較が容易になりますことから、本県としても、これまで以上に中長期的な視点に立ち、資産、負債の管理に配慮しながら、指標の向上を意識しつつ財政運営を行っていかなければならないものと認識しております。
 具体的には、実質赤字比率及び連結実質赤字比率は平成18年度決算試算ではゼロの見込みでございますし、また、実質公債費比率につきましては、25%以上で早期健全化団体となりますが、平成18年度の決算数値では15.1%でございます。また、将来負担比率は400%以上で早期健全化団体となりますが、まだ計算方法が未確定であるという点はございますが、平成18年度決算数値では280ないし300%程度になるのではないかと予想しております。公営企業資金不足比率は、平成18年度決算では発生してございません。
 平成20年度も、臨時財政対策債以外の県債の発行を抑制したこと等によりまして、これらの指標が大きく変動することのないような形での予算編成を行ってきているところでございます。いずれの指標におきましても、すぐに早期健全化基準を超える状況にはございませんので直接的な影響があるとは考えておりませんけれども、他県の状況等を踏まえつつ、引き続き財政指標の動向に留意しながら健全な財政運営に努めてまいりたいと存じます。
 次に、社会福祉事業等の用に供する自動車に対する自動車税についてでございますが、障害者自立支援法の施行に伴い社会福祉法が改正されました際、第1種社会福祉事業の範囲が改正されましたが、従前の課税免除範囲を縮小することのないよう、平成19年6月定例会におきまして県税条例の一部改正を行い、社会福祉法に規定する第1種社会福祉事業のほか、第2種社会福祉事業に当たる障害福祉サービス事業のうち、生活介護、自立訓練、就労移行支援及び就労継続支援の事業において、通所者の送迎等に使用する自動車を課税免除対象としているところでございます。
 自動車税は、所得の有無や所有者の経営状況等にかかわらず納税をしていただいている税でございますので、課税免除制度におきましては、入所者または通所者の利用に供する自動車を免除対象とする仕組みとしておりまして、その適用範囲を、入所者や通所者の利用に供しない、事業者みずからのために使用する自動車などに拡大することについては難しいものと考えているところでございます。
 なお、課税免除の対象範囲を拡大した場合の対象台数等についてでございますが、社会福祉法人以外の者が所有し社会福祉事業の用に供されている自動車が把握できていないこと、また、社会福祉法人が所有する自動車の中にも社会福祉事業以外に用いられている自動車があり得ることなどから具体的な数字は不明でございますが、社会福祉法人の所有する自動車のうち、現在の課税免除制度の対象となっていない台数は平成19年度の定期賦課段階におきまして924台となっており、それらの自動車に係る自動車税は3、200万円程度となっております。
 次に、入札制度等についてでございます。
 総合評価落札方式による県営建設工事の競争入札につきましては、県土整備部及び農林水産部が所管する工事の一部におきまして平成18年度から試行しているところでございまして、この2年間の入札結果を見ますと、技術提案はそれぞれ適切に履行され、また、工事成績も高い水準となっておりまして、総合評価落札方式の趣旨がおおむね生かされた結果が出ていると認識しております。また、事業者からも拡大を望む声が出ているところでございます。
 一方、課題といたしましては、落札結果が価格評価に偏る傾向にあることなどから、総合評価点の算定式を技術評価がより反映しやすい形の加算方式に一本化するということですとか、技術評価点の割合を引き上げることなどにより、建設業者の技術力、提案力がより生かされるよう制度を見直す方向で検討しているところでございます。また、災害救援活動や地域貢献活動の実績を評価項目とするなど、地元での活動状況に一層配慮した技術評価を行う方向で検討しております。
 以上申し上げましたような見直しを加えつつ、対象となる工事の下限額を引き下げ、件数を増加させることについても検討しております。
 低入札調査の実施方法についてでございますが、本県では、予定価格1億円以上の工事におきまして低入札調査制度をとっておりますが、まず、入札金額の低い順に6割の札の平均額に0.9を乗じた価格を下回った者は自動的に失格といたしまして、いわゆるダンピングの防止を図っているところでございます。
 以後、詳細な低入札価格調査を実施していくわけでございますが、その中では、最初に工事費内訳書の費目ごとに数値的判断基準による審査を行い、これを下回った者は直ちに失格としております。さらに、そこで失格とならなかった者に対しては詳細な資料の提出を求め、工事所管課による1次調査、総務部総務室による2次調査を行っております。その中では、提出された書類の詳細な審査を行うとともに、当該入札者はもとより、下請予定業者や資材納入業者に対するヒアリングなどを実施し、当該入札価格で契約の内容に適合した履行が適正になされるか否かを厳正に審査しているところでございます。
 低入札調査の実施結果についてでございますが、今年度1月末までに実施した予定価格1億円以上の工事117件のうち低入札価格調査の対象となった件数は32件となっており、その発生率は27.4%となっております。調査対象となった32件のうち最低価格の者が失格となった件数は19件ございまして、その割合は59.4%でございました。
 この低入札価格調査制度につきましては、当面、この制度の適正かつ円滑な運用に努めることとしておりますが、並行して低入札と工事品質の関係などをフォローアップ調査し、その結果を踏まえて、見直しが必要かどうか検討してまいりたいと存じます。
 入札制度につきましては、納税者である県民の理解と信頼のもとで、円滑な運営ができますよう、透明性、公正性、競争性が高い仕組みを保っていくことが必要と考えているところでございます。
 一方で、県内建設業の健全な発展や地域振興の面にもできる限り配慮すべきとの考えのもと、県内各地におきまして建設業地域懇談会を開催し、その中で入札制度についても建設業界の皆様とお互いに論点を整理しつつ、きめ細かく意見交換を行うなど、関係業界の皆様の御意見を伺いながら進めているところでございます。
 今後とも、この懇談会を初め、さまざまな場で意見をいただきながら、制度の運用面などにおいて参考にしてまいりたいと存じます。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 特定保健指導に従事するスタッフの確保についてでございますが、県では、国民健康保険法に基づき、市町村に対しまして、平成18年度から特定保健指導に従事する保健師等の拡充への財政支援でありますとか研修会の実施による人材育成に向けての必要な支援を行ってきたところでございます。市町村におきましては、平成20年度の特定保健指導の実施予定者数を約1万3、000人と見込んでおりまして、現在、すべての市町村国保において平成20年度の実施体制がほぼ整ったところであると認識しております。今後、平成24年度の目標達成に向けた体制整備がさらに進むものと考えております。
 なお、国保以外の被用者保険におきましては、厚生労働省の指導のもとで特定健診等の体制整備が進められておりまして、県としては、引き続き平成17年3月に設置された各医療保険者により構成されております岩手県保険者協議会への情報提供等を通じまして、被用者保険の体制整備に向けた支援を行うこととしております。
 次に、国保組合に対する補助についてでございますが、まず、市町村国民健康保険に対する経費負担の考え方といたしまして、市町村がこれまで老人保健法に基づき住民健診を実施してきたといった趣旨を踏まえまして、平成20年度以降においても、これまでと同様、国民健康保険法に基づき、国及び都道府県においてそれぞれ3分の1を負担することとされたところでございます。
 一方、県内には医師国保組合や全国規模の組合の支部などがございまして、これらの国保組合につきましては、これまで労働安全衛生法等に基づく事業所健診が中心となって健診が行われてきたところでございます。これらに対しましては、県としてこれまで補助を行ってきていないこと、市町村国保が無職者や低所得者を多く抱え、国保組合とは状況が大きく異なっていること、さらに県の財政状況といったことを考慮いたしまして、国保組合による特定健診等経費への補助は困難なものであると考えているところでございます。
   〔商工労働観光部長阿部健君登壇〕
〇商工労働観光部長(阿部健君) 平泉の世界文化遺産を核とした観光振興における市町村やNPO等民間組織への取り組み支援についてであります。
 これまでも、県内各市町村から提供のあった観光資源やイベント情報を本県の着地型旅行商品として旅行会社に売り込むとともに、岩手の旅やいわて世界遺産情報局といったホームページ等で発信してきたところであります。
 今後は、市町村との連携の中で、いわて・平泉観光キャンペーンの期間中における旅行商品造成を促進するとともに、同キャンペーンのガイドブックや観光ホームページなどを通じて県内各市町村や民間組織の取り組みについて情報発信を行い、県内各地における新たな取り組みが観光振興の面でより高い効果を上げることができるよう支援してまいります。
 また、既にボランティアガイドを初め民間組織の活動が県内各地で始まっていることから、おもてなしの心による受け入れ態勢の整備という意味からも、県内各地における講習会開催等への支援とともに、そのネットワーク化についても支援を進めてまいる考えであります。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) まず、園芸の産地力強化についてでございますが、米価が低迷する中で、本県農業の生産を拡大するためには、園芸を戦略部門として位置づけ、その振興を図ることが重要であると考えております。このため、県といたしましては、ベテラン農家が指南役となって小規模農家等をきめ細やかに指導する体制づくり、県と農協等で構成する収益性向上対策チームによる高品質・多収技術の指導強化や促成アスパラガスなどの冬春野菜の生産拡大、さらには最新の省エネ技術の導入などを促進しているところでございます。
 平成20年度は、こうした取り組みに加えまして、新たに実施するいわて希望農業担い手応援事業により機械、施設等の導入を支援するほか、リンドウやリンゴの県オリジナル品種の導入などにより、活力ある園芸産地いわてを確立してまいりたいと考えております。
 次に、畜産振興についてでございますが、最近の飼料価格の高騰に対応するためには、国の経営安定対策を最大限に活用するとともに、本県の豊富な自給飼料基盤の有効利用や飼養管理技術の改善による生産性の向上を図り、畜産経営への影響ができる限り最小限になるよう努めることが重要であると考えております。このため、県といたしましては、市町村や農業団体と連携を図りながら、飼料価格の高騰による影響を緩和するため、国の肉用牛肥育経営安定対策や家畜飼料特別支援資金等の活用を促進するとともに、水田を活用した飼料作物の生産拡大や飼養管理技術の向上を図るための指導強化に取り組んでいるほか、本年2月には、国に対し配合飼料価格安定対策の充実強化などを提案したところでございます。
 今後は、こうした取り組みに加えまして、先般決定されました国の畜産・酪農支援緊急対策の積極的な活用を図り、本県畜産経営の安定化に努めてまいります。
 次に、6農協構想に基づく広域合併についてでございますが、昨年5月、岩手中央農協と盛岡市農協が合併し、また、岩手北部、岩手中部、気仙の3地区では合併議案が可決され、本年5月の合併に向け、現在、全国からの支援や合併認可の手続を進めているところでございます。残る胆江及び両磐地区では、平成20年度中の合併を目標に、今後、取り組みが進められるものと承知しております。
 また、広域合併による営農販売体制の影響についてでございますが、農協系統では、合併後の新体制においても組合員サービスが低下しないよう、現在の農協エリアごとに営農指導員を集中配置した拠点を設置するとともに、広域的な産地形成や長期間のリレー出荷など、エリア拡大によるメリットの具現化を図りながら営農販売体制を維持・強化することとしているところでございます。
 県といたしましては、市町村や農協、関係機関との連携を強化し、組合員や地域の負託にこたえ得る農協の構築を支援するとともに、地域農業の振興に努めてまいります。
   〔県土整備部長西畑雅司君登壇〕
〇県土整備部長(西畑雅司君) 市町村への総合評価落札方式の導入促進についてでございますが、県では、国と協力いたしまして各市町村長に対する個別説明を行ったほか、県と市町村の連絡協議の場として、全市町村を対象とした岩手県総合評価落札方式研究会を昨年度設置し、導入に係る課題解決のための検討や情報交換を行ってきました。
 県といたしましては、市町村の導入を支援するため、工事成績データや市町村向け評価基準例などを提供いたしまして、実施要領等の作成の指導助言を行うとともに、学識経験者として県職員の派遣を行うなど、積極的に対応してまいりました。この結果、今年度は釜石市や矢巾町を含め3市3町で試行導入を行っており、今後とも県内市町村の総合評価落札方式の導入拡大に向け、本研究会の活用を図りながら支援してまいりたいと考えてございます。
 次に、国道、県道、市町村道の見直しについてでございますが、道路法では、国道は全国的な幹線道路網を構成する道路、県道は地方的な幹線道路網を構成する道路、そして市町村道は市町村の区域内に存する道路と位置づけられているところでございます。
 一方、最近の市町村合併によりまして、同一市町村内で完結する県道が増加していることや、市町村道の改築整備が進んだことなどにより交通の流れが変化してきているものと考えてございます。このことから、国道、県道、市町村道を含めた県内道路網については、今後の国の検討状況や他県の動向などを見ながら、再編の必要性を研究してまいりたいと考えてございます。
   〔教育長相澤徹君登壇〕
〇教育長(相澤徹君) 新しい総合運動施設の整備についてでありますが、平成11年度に策定した岩手県総合計画において総合的スポーツ施設整備事業という構想を掲げておりましたが、この厳しい財政状況のもと、実現は困難となっております。しかしながら、競技力の強化や県民の多様化するニーズなどを踏まえて、どのようなスポーツ環境が求められるのか、多面的に検討することが必要であると認識しておりまして、今後とも、スポーツ振興を担当する教育委員会として、長期的な観点に立ってさまざまな角度から調査・研究を続けてまいりたいと考えております。
〇9番(高橋昌造君) 私は、まず総務部長からお聞きしたいんですが、聞き方がちょっとまずかったのかと、今、反省しておりますが、私がお聞きしたいのは、社会福祉法が改正されまして、第1種と第2種の福祉事業が分けられたんですが、前にもう課税免除を受けて、今回、課税免除の対象にならないものも含めてお聞きしたつもりだったので、これは確認です。もし、社会福祉法の改正前で課税免除になっていたものがあれば、この課税免除の対象にできるのかどうかということで、再度お尋ねいたします。
 それから、赤羽保健福祉部長の答弁は、ちょっと私は、今まさに県民総ぐるみで生活習慣病いわゆるメタボリックシンドロームの関係について取り組まなければならないときに、何か、財政が厳しいからとか、もう少し県として、ソフトの面でも結構ですから、財政面でなくてもソフトの面で応援できる支援体制はできないものかどうか、もう少し誠実な答弁をお願いいたしたいと思います。
 それから、西畑県土整備部長、道路法の定義は私もわかっております。今、体をなしてない県道なり市町村道があるわけです。そこで検討していただきたいということで、あえてここで道路法の定義を持ち出しされるのであれば、私も困るわけでございます。そういったことで、もう一度お聞きいたしたい。
 いずれ、知事を初め皆さん方には前向きな、そして誠実な御答弁をいただきまして、本当にありがとうございました。
〇総務部長(川窪俊広君) 大変失礼いたしました。
 今回の社会福祉法の改正と自動車税の課税免除の関係でございますが、従前の県の課税免除条例に基づきまして自動車税が課税免除になっていた車につきましては、同じ用途で買いかえる場合ももちろん同じでございますけれども、そういう車につきましては、改正後も同様に免除になるように条例を改正させていただいたつもりでございます。それで、条例改正が6月になったものですから、平成19年度の課税につきましては、一たん納税通知書を4月の段階でお送りした上で、いわば払わずに待っておいていただいて、条例成立後に課税免除の対象の申請を出していただいて免除するというような取り扱いですべて対象にしているはずでございますけれども、もし、仮にそこの手順がうまくいっていないとか、あるいはちょっと条文との関係でうまく読めなかったというような事情があるようでしたら、そこにつきましては、基本的なスタンスは従前の課税免除の範囲が縮小することがないようということで条例改正をしたはずでございますので、必要な対応をさせていただきたいと考えておりますので、また、個別にそういう事情がございましたら、お知らせいただければありがたいと思っております。
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 私としましては、県民の健康づくりといった視点で、部の職員総力を挙げてさまざまな支援をさせていただいているつもりでございますが、やはり基本的にはそれぞれの保険者が責任を持って特定健診なり保健指導というものをやっていただく必要があるのではないかと考えております。そのための人材でありますとか経費といったものについても、基本的には保険者が御用意いただくのではないかと。ただ、県は県として技術的な支援でありますとか、市町村国保に対する支援といったものもしていきたいと考えておりますし、何よりも健診率とかあるいは指導率の向上というのは非常に大事でありまして、一人一人の県民の方が、こうした特定健診なり保健指導の意義をしっかりと考えて受けていただくということも大事ではないかと思っております。そうした受けた結果として、県の中にいろんなデータが蓄積されてまいりますので、そうしたデータをもとにしたさまざまな分析をし、また、各保険者にお返しをし、さらに実効性のある健診や指導が行われるように努めていくことも県の役割だと考えております。そうした視点に十分に留意しながら、健康づくりにさらに力を入れてまいりたいと考えております。
〇県土整備部長(西畑雅司君) 道路法の定義を申し上げまして、失礼いたしました。あえて言いたかったのは、国道についても地方分権の流れの中での検討が国でも今後なされていくでありましょうし、今、県では市町村から県道昇格という要望をたくさんいただいておるわけでございます。一方で、県で管理している道路、先ほど議員が御質問で述べられたように、非常に長い延長を管理しておりまして、それにかなりの維持管理費がかかっておるということで、なかなか昇格の御要望におこたえできないというのが実情でございます。しかし、議員の御質問にありましたように、昇格だけではなく、市町村への移管も含めという御質問でございましたので、そういった部分につきましてよく研究し、県道についてはこの県議会で、市町村道については市町村のそれぞれの議会で議決が必要となってまいりますので、そういった部分をよく研究してまいりたいと考えております。

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