平成17年12月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇43番(藤原良信君) 山猫というイタリアの映画がございます。この映画の中に、現代、将来に大事な示唆をいただく場面がございます。
 舞台は1860年のシチリア。イタリア統一直前の混乱期におけるある貴族の物語でございます。激動の転換の時代に、古い時代に生きる人間が新しい世界に生きる人間にその場を譲っていくというテーマでございます。そのクライマックスのセリフの中で、イタリア統一革命に身を投じました青年が、自分たちを支援してくれているおじである名門の侯爵に、あなたのような方が、なぜ革命軍を支援するのかと尋ねる場面がございます。その老貴族は静かに答えるのでございます。変わらずに生き残るためには、みずから変わらなければならない。この持つ意味が、現代に大きなヒントを与えてくれてございます。
 くしくも昨日のテレビの報道番組で、世界トップレベルのゼネラルエレクトリック社の会長が、同じ発言をしておりました。トップ企業として世界のその冠たる会社を導くためには、みずから常に、社員がみずから変わっていかなければならないということでございます。
 人類の歴史上、長期にわたって繁栄を維持した国は、例外なく自己改革の努力を怠らなかったのでございます。岩手県の最大のテーマは、将来に向かっての自立でございます。そこには誇りと豊かさが同時に付随してまいります。これをなし遂げるためには、執行部と議会が一体となって自己改革をし続けなければなりません。そのために、現在の県政の状況、現実を正しく理解し、社会的な変化を敏感にとらえ、そして、将来に向かっての体制づくりをやっていく責務が私どもにはございます。
 県議会も、世界的、社会的な環境の変化に対応した岩手県づくりのために、議会改革検討委員会を立ち上げ、さまざまな改革をしてまいりました。ことしから決算時期を前倒しにして実行いたしました。限られた財源の中で、どのような成果を生み、どのように有効な使い方ができたかを審査、精査し、翌年度の予算に反映できる時期にしたからでございます。
 ことしの12月定例会は、そういう意味でも重要度を増した議会会期でございます。知事は、決算を振り返り、どんな評価をし、そして翌年度の予算に取り組んでいこうとするのか、お尋ねいたします。
 現場に目を転じますと、岩手県の財政は厳しい状況にございます。やりくりができない状況に来ているのではないかと思います。借換債もできない、基金も底をつきつつある、他会計についても活用は難しくなってきている。すなわち、言い方を変えますならば、危機的な状況に近い財政事情ではないでしょうか。したがいまして、このようなときであればこそ、前向き思考で生産性のある考え方、いわば産業性を高め、岩手県を富める大地の方向にし、産業の振興、雇用の確保と所得、財産の向上を図ることが重要でございます。このことにつきましては、後ほど立法論で提言をいたします。
 一方、大きな変化の中で、社会構造の変化がございます。それは、少子・高齢化社会でございます。このことがすべての分野に影響し、絡んでまいります。これらの対応策を整え、そして、自立できるような県体制に構築していくために政策で実行することが肝要でございます。このことを前提に各論で提言を申し上げ、岩手県のトップリーダーであります知事の理念をお示しいただきたいと思います。
 まず、社会構造の変化の少子・高齢化問題でございます。この意味するところは、生産人口が減少し、負担が大きくなるということを示してございます。ここで問題なのは、少子化問題であります。国家の最大の課題は、産めよふやせよであると私は思います。女性が安心して出産し、男性が協力して子育てができる国家づくりが私は一番大切であると思います。振り返って、岩手県も高齢化率の高い県であればこそその対応策を充実すべきであり、その所見をお伺いしたいと思っております。
 高齢化問題につきましては、高齢者は財産でございます。高齢者にとって何よりも大切なことは、多少の年金をもらうことも大事でありますが、生涯にわたって、自分が社会のため、家族のために貢献しているという生きがいを持つこと、持たせることが大切でございます。経験と知恵を持った宝でもございます。日本社会が社会構成を維持していくには、生産人口が減少していく中で、この知恵と経験豊富な高齢者の人材を活用することが必要不可欠でございます。特にも、全国に先駆けて高齢化比率の高い岩手県ではなおさらのことでございます。これは、福祉のみならず、総合的なプロジェクトによる取り組みが必要であると思います。どのように有効に生かし、そして存在していただくのか、その対応策をどう思っているのか、お示しいただきたいと思います。
 県の財政を含めた行財政構造改革についてお伺いいたします。
 県の借金であります県債残高は、増田知事就任時の5、940億円から平成16年度末には1兆3、956億円に拡大しております。これは、国の経済対策に呼応して社会資本整備を前倒しをして実施してきた等、補正予算債等を発行してきたことに原因があると言われております。議会でも、そのたびごと、将来をにらんで、県債の発行について疑念を問いかけてまいりました。答弁は、優良な県債である、すなわち交付税が半分戻る優良な県債だとの答弁をし続けてまいりました。しかしながら、県債は、いずれは返さなければならないわけであります。これは、知事のみならず、これを認めてきた議会にも責任があり、議会としても真剣に考えて対処する必要があると思ってございます。
 知事は、職員数の削減について言及しております。これだけでは大幅な歳入歳出ギャップの解消はなかなか困難であると思います。前向き思考、すなわち先ほど申し上げました産業振興を初め、組織的、構造的な改革を早急に断行することが必要であると思います。このようなことから、提言を含めて質問いたしていきたいと思っております。
 知事部局の職員数を4、000人体制にするのであれば、限られた資源を十二分に生かす組織体制にする必要がございます。そのあるべき姿についても点検が必要でございます。特に、総合政策室の役割についてお伺いいたします。新しい政策評価システムを導入するなど、総合政策室に政策立案と政策評価の機能を置き、県の政策形成を推進する組織として位置づけてまいりました。しかしながら、現在、全庁的に縦割り組織の閉塞感があるのではないでしょうか。したがって、横断的な課題への対応も含め、人材や財源を配分できる機能、政策調整が必要であります。総務部の生かし方とあわせて見直すべきであると思いますが、いかがでございますか。
 現行組織の見直しについて一部例を挙げますが、流通部門の統合でございます。農林水産部と商工労働観光部の流通体制を一本化し、より効率的な業務執行を図るべきではないでしょうか。
 次に、特別会計の見直しについてお伺いいたします。
 現在、県には港湾整備事業特別会計など11の特別会計がございますが、特別会計は、一般会計に比べ、ややもすると一般の関心も薄く、議会の統制も弱いと言わざるを得ません。そこで、県財政全般の透明性を向上させる観点から、一般会計への統合をも含め抜本的に見直す必要があると思いますが、いかがでございますか。
 次に、県立病院改革についてお伺いいたします。
 急性期の患者に対応することが、広域中核病院の充実を図りながら一層の推進を図る必要がございますが、県立病院等事業会計には一般会計から188億円の繰り出しを行ってございます。県財政が厳しい状況の中で、さらに政策医療については充実を求められ、それにはこたえていかなければなりません。したがって、経営そのものについて大きな変革を行わざるを得ないところであると思います。私は、一部病院の民間移管や医療局の独立行政法人化を含めて早急に検討すべきだと思います。
 また、今後の県立病院の一つのあり方として、地域の県立病院は、地域の福祉施設の医療中核センターとしての機能を充実させながら、慢性期を迎えた患者については福祉施設での受け入れ態勢を進め、地域の福祉施設との連携を一層強める必要があると思いますが、いかがでございますか。
 次に、県立大学についてお伺いいたします。
 ただいまもいろいろとお話ございました。御案内のように、県立大学は独立行政法人化されました。少子化が進み、今後、学生数の減少が予想されます。県財政の悪化が見込まれる中で、県立大学が県財政の圧迫要因となることが予想されます。こうした状況下で、大学を現在のまま維持できるとは思えないのであります。大学を含めた高等教育のあり方を今こそ検討すべきでございます。岩手大学との統合、民間活力の導入等を含めた抜本的な見直しを図るべきではないかと思います。
 また、県立大学は、毎年、これも先ほどございましたが46億円もの運営費がかかっておりますが、欧米に見られるように、寄宿舎が必要であるというのが私の持論でございます。寄宿舎につきましては、民間での経営も可能でございます。特に、海外で岩手県立大学への希望者を募る場合、安心して生活でき、全人的な教育環境にあることが絶対要件であると思います。御所見をお伺いいたします。
 行政改革に関連して、公社の見直しについてお伺いいたします。
 県は、南畑について失敗を認め、これ以上の投資を行わないことを前提に農業公社の再建策を図るべきだと思いますが、いかがでございますか。林業公社、住宅供給公社も含め、早急に公社の見直しを図るべきと考えますが、いかがでございましょうか。
 次に、知事が掲げます現場主義と地域の現実についてお伺いいたします。
 今議会におきまして、振興局再編の関係議案が提出されております。その点については後ほどお尋ねいたしますが、県立高校、県立病院、県立職業能力開発施設など、再編ばやりでございます。社会の変化に合わせて体制の変革を行いますことは先ほど申し上げたとおりであります。それを否とするものではございません。問題は、進め方でございます。再編に当たって原案を示し、異論があれば変更するという手法は、一見民主的な手続のように見えますが、余りにも変更を繰り返しますと県民の信頼を失うのではないかと憂慮するものであります。価値観が多様化している現在、100%賛成でまとまることはあり得ないのであり、地域の実態などを十二分に調査し、地域住民の考え方も十分事前に聴取した上で、あるべき姿を見詰めてから交渉し、異なる意見とも議論し、理解を深めさせて成案をまとめるべきではないでしょうか。
 また、これまでの再編の各議論におきまして、どうも地域における振興局の役割が見えません。影が薄いのであります。いずれ、最近の県の手法では、県民の県行政への信頼度を下げるとともに、県の方針が不明確のまま二転三転するに及んでは、現場の県職員の士気も低下してしまうのではないかと懸念いたします。知事は、これまで現場主義を標榜してまいりましたが、トップリーダーとして、現場、地域の現実をどのように見ておられるのか。また、職員のモチベーションをどのように高めていくおつもりなのか、お尋ねいたします。
 次に、広域生活圏と地方振興局の見直しについてお伺いいたします。
 県は、去る6月に素案を公表して以来、市町村長との意見交換を踏まえて広域圏の設定を見直すといった修正を加え、今議会に2件の議案を提出されました。今回の見直しに関しまして、市町村長からは、唐突な素案の提示であるといった意見が多くあったところでございます。素案を提示して意見を募り、修正を加えて成案をまとめるという手法については、先ほども申し上げましたが、一見民主的なプロセスを重視しているように見えますが、別な視点から申し上げますと、市町村や県民の考え方を十二分に踏まえない形で、いわば検討不十分な案を提示しているという、県に対して不信を招きかねないような状況下にあると思います。この手法に関しましては、先ほども私見を含めてお尋ねしたところでございますが、分権型社会の本格的到来を視野に入れて、本県の地域行政のあり方について新たな方向性を定めていくことは必要でございます。であればこそ、県と市町村の仕事の分担を明確に市町村に示すことが今回の議案の最大の説得力になるのではないでしょうか。知事として、この間のさまざまな議論を踏まえた総括的な所感をお示しいただきたいと思います。
 圏域設定を大きく組み直す中で、具体的にどのような行政サービスを充実させていくのか、県民福祉の向上に向けてどのような施策を充実させていくのかが重要でございます。四つの圏域ごとの振興ビジョンの策定に取り組むと説明されておりますが、このビジョンの組み立ての基礎をなすものは、県と市町村との役割分担でございます。基礎的自治体と市町村はどのような役割を果たしていくのか、広域的課題に取り組む県はどのようなビジョンを掲げていくのか、県から市町村への権限移譲はどのように取り組むべきなのか、これらについてしっかりとした議論、討論がなされなければなりません。こういった基本的な視点を踏まえつつ、広域振興圏を策定していかなければならないと思うのであります。圏域ごとに合併の進捗状況も異なりますし、市町村の行財政基盤が異なる現状にある以上、県と市町村との役割分担のあり方についても異なる視点から検討すべきであると思うものであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 県南広域振興圏における振興局再編を先行して進めるという考え方につきましては一国二制度的でもございます。いかがなものでしょうか。県北・沿岸振興の強化はどうなるのかも疑念が残るところでございます。私は、今回の県の見直しに関しまして、県南を先行させる再編、さらには県北・沿岸振興強化の方向性について、コンセンサスがいまだ不十分ではないかと懸念を持つものでありますが、知事の考え方をお示しいただきたいと思います。
 次に、審議会のあり方についてお聞きいたします。
 審議会は、県民や有権者等からの意見や提言を県の政策立案や県政運営に適切に反映させるために設置しているものと理解してございます。この性格上やむを得ないところがあるんですが、審議会のメンバー自体が県の意向に沿った人が選出されており、審議会の組織や県行政の責任逃れの隠れみのになっているのではないでしょうか。審議会のあり方について検討すべきと考えますが、いかがでございましょうか。
 コンサル委託についてお伺いいたします。
 私は、最近の県のコンサル委託の使い方について大きな疑問を持ってございます。コンサルを技術的、専門的分野で活用することは異論がございません。最近の県の使い方は理解できないものが多いのでございます。例えば農業公社、南畑問題で異例とも言える巨額の県予算や振興局予算を投じたり、岩手競馬組合問題では丸投げした割には内容のない調査報告であったり、人事人材育成専門のコンサルに政策形成モデル事業を委託するなど、有効な使い方をしているとは思えないのであります。この点に関しまして知事の考え方をお示しいただきたいと思います。
 次に、産業振興についてお伺いいたします。
 持続可能な財政構造への転換を図るためには、これまで述べました行財政改革、特にも人件費抑制など歳出の見直しだけではなく、前向き思考で産業振興を進めるべきと考えると申し上げました。そのことによって景気浮揚につながり、法人所得の向上を通じまして県税収入を確保するというサイクルが確立するからでございます。ちなみに、県内総支出の6割は個人消費と言われてございます。雇用がふえ、人口増に寄与いたしますと当然消費拡大につながり、生産性向上に大きく寄与してまいります。
 そこで、企業誘致の振興が必要でございます。既存の県税の減免制度や市町村の固定資産税減免措置のみならず、県独自の法人関係税減免措置の創設、法的手続の窓口一本化、環境アセスメントや各種規制の撤廃などをシステム的に構築することで、国内のみならず、海外からも企業の誘致を進める戦略が必要でございます。いかがでしょうか。これらを進捗させていく上で要点になってきます環境アセスメントの期間短縮や各種規制の撤廃は、構造改革特区で可能であると考えます。特例条例での制定もあるとも考えます。改めて提言をいたしておきます。御所見をお伺いしたいと思います。
 また、これらの産業育成策は、県の部局横断的な総合的プロジェクトとして取り組むべきとも思います。あわせてお伺いしたいと思います。
 第1次産品の戦略についてでございます。
 いわゆる農畜産・林水産物の戦略でございますが、付加価値を高めブランド化を図るべきであり、そのためにも流通の整備が必要でございます。アンテナショップ、海外事務所の有効活用等、重層的に各種の情報収集ルートを確立することが肝要でございます。そのためには、ジェトロ事務所等だけではなく、身近な隣県や東京に行く感覚でみずからが情報収集・選別し、海外における戦略を立てるべきであります。また、第三セクターの岩手県産は充実を図り、販売体制の強化に衣がえを行うとともに、知事が再度社長に就任し、トップセールスを展開すべきであるとも思います。
 さらに、地場産業の振興についてでございますが、県が自動車関連産業育成に重点を置いていることは理解をするところでございます。一方で、これまで岩手を支えてきました地場産業についても一層の振興を図らなければなりません。この振興策についてもあわせてお尋ねいたします。
 医療・福祉の予防対策についてお尋ねいたします。
 先ほど高齢化社会到来に向けた県の取り組みにつきましてお尋ねいたしましたが、右上がりの医療費に対応するためには、疾病予防、特に口腔ケアに今後重点的に取り組む必要があると認識しております。その医療費削減にも大きくつながるのが予防対策でございます。その中でも、口腔ケアの重要性が今問われております。例えば、脳卒中のリハビリにおいては、食物をきちんと摂取できるか否かが重要なポイントでございます。増大する医療費を抑制するためにも、中高年齢者の生活習慣病の予防とともに、口腔ケア推進対策が重要視されてございます。岩手県歯科医師会は、これらに対応する専門医の研修を始めようとしております。時宜を得ていると思ってございます。県はどう理解し、対応していこうとしているのか、お伺いいたします。
 次に、知事の理念でございますがんばらない宣言についてお伺いいたします。
 この宣言の趣旨は、東京中心の価値観から岩手中心の価値観への転換ということを意味していると思ってございますが、頑張ることが東京中心の価値観であり、頑張らないことが岩手中心の価値観なのか、私を含め、岩手県民の率直な感覚からはいま一つ理解しがたいのでございます。がんばらない宣言の提唱とゆとり教育の時期がダブって連想されるのは私だけではないと思います。知事は、この宣言の趣旨が県民に理解をされていると考えているのでしょうか、改めてお伺いしたいと思います。
 教育問題についてお伺いいたします。
 私は、平成14年2月定例会の代表質問におきまして教育問題を取り上げました。教育とは、道徳教育であるとともに人的資本投資でございます。今後、中国を初めとするアジア諸国の工業化の進展という情勢の中で、日本経済が生き延びていくためには労働力の質の向上が不可欠であり、そのための基本的な手段は教育であるということ、このような中にあって、ゆとり教育のもとで教育水準の低下が懸念されることを指摘いたしました。残念ながらこの懸念は的中いたしました。ゆとり教育の見直しが叫ばれておりますが、教育委員会は、ゆとり教育と教育水準の低下についてどのように関連があると考えてございますか。また、教育水準の向上にどのように取り組むおつもりなのか、お伺いいたします。
 将来の岩手の発展のために、今こそ教育の充実を図るべきでございます。教育委員会所管事項ではございますけれども、県政の最高責任者であります知事にお伺いいたします。医師確保対策にもつながる医学部への大学受験のための学力向上のため、知事部局に新たな組織を設置いたしまして全庁的なプロジェクトを組むべきではないかと考えますが、いかがでございますか。
 また、提案もございます。英語を小学校1年生から教えるべきだと思います。いかがでしょうか。日本の英語教育は、受験英語でございます。すなわち文法中心の英語なのであります。会話ができにくい現状でもございます。聞く力と話す力は平等でございまして、ネイティブの先生から学ぶべきであります。すなわちアメリカ人、イギリス人を中心とした発音体系の先生から学ぶことが理想でございます。対面が望ましいんですが、テレビなどのメディアの活用もできるのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、教員採用のあり方について知事にお伺いいたします。
 私は、教員採用に当たっては、知識は当然でございますが、バランス感覚を最も重要視すべきであると思います。団体スポーツなどを体験し、人間として度量のある先生に出会った生徒は幸せでございます。学校教育の主役は先生でございます。いい先生にめぐり会えた生徒は幸せなのであります。そうした生徒の能力をはぐくむ人材を採用すべきと思いますが、いかがですか。また、教員採用後の研修も、申し上げるまでもなく充実すべきだと思います。御答弁をお願いしたいと思います。
 次に、次期国体に向けての中期的展望についてお伺いいたします。
 多額の施設整備費、運営費を要することから、一つの方法として、例えば北東北3県での分散開催も考えられますが、3県の合意が前提であり、本県で決めることはできないという状況でもございます。当然、したがいまして単独開催をも予測をし、多面的に今から準備を進めていくことが重要であると考えます。
 そこで一つの提案でございますが、盛岡競馬場を買い取り、改修してメーンスタンドを含めた陸上競技場として活用してはいかがですか。盛岡市議会でもさまざまな議論があることは承知してございますが、仮に実現するならば、競馬組合の抱える140億円の負債も解消し、水沢1場体制で運営も身軽になるなど国体準備以外でのメリットも多いと考えますが、いかがでございますか。現在、競馬組合は経営再建に向けて取り組んでございますが、仮に今年度は目標をクリアできたとしても、今後におけるさまざまな外部環境の変化、一例で申し上げますと、現在、国において取りまとめ中でございますけれども、地方競馬の運営を一元化するという改革案は、その方向性において必然的に我が岩手競馬の再建にも大きく影響してくる可能性があるなど、中長期的には再建に当たって極めて多くの困難が予想されることから、議論すべきものと思いますが、いかがでございましょうか。
 警察行政についてお伺いいたします。
 治安は金で買うものである、アメリカ的にはそういうものもございますけれども、しかしながら、日本におきましてはこの治安体制の整備に警察行政をかけて取り組んでいて、先進国の中ではまれに見るそういう体制を敷いていることは、その努力を多とするものであります。と同時に、警察官は、一般市民、国民と違った特別な権限、例えば捜査権、逮捕権等も所有してございます。したがって、おのずと国民からはそれなりの目線で見られているのも事実でございます。であればこそ、職務の忠実な執行はもとより、尊敬、慕われる警察官像を養成することが大事でございます。警察行政として、警察学校を通じ、職務の中でその対応策等、取り組んでいることもあると思いますが、その取組状況について本部長の見解をお示しいただきたいと思います。
 また、地域の治安は、警察という組織のみで全うできるものではございません。県民、民間団体が一体となることがいい地域づくりにつながるものと思います。それらの対応策もお尋ねいたします。
 社会構造の変化の中で、新たな国の制度で都道府県に大きく影響を及ぼしていくのが分権問題でございます。すなわち、国と地方自治体は、2000年の地方分権推進一括法の施行で機関委任事務等が全面廃止されました。長らく続きました上下・主従の関係から、対等・協力の関係に変わりました。ただ、これだけでは未完の分権改革でございます。国との間に名実ともに対等・協力の関係を築くためには、税財源の自立、自己責任体制の確立が必要でございます。それを裏づけする理由から、国と地方の三位一体改革の推進が今なされつつございます。知事は、全国知事会地方分権推進特別委員会の委員長として、先頭に立ちまして取り組んでございます。しかしながら、霞が関とか永田町では既に改革は終わったがごときの雰囲気でございます。各種報道によりますと、都道府県におきましても一時の熱気が冷めております。地方の意思統一はいかがなのでありましょうか。
 三位一体の改革の中で、義務教育費国庫負担制度の問題については各県知事の間にも温度差がございます。私は、教育は、安全保障、エネルギー問題と同様に国家百年の大計のもとに考えるものであり、片山鳥取県知事の反対意見も風聞しておりますが、そのような考え方に同感でございます。このことにつきましては、県議会は本会議で意見書を採択し、国に送付していることも申し添えます。
 しかしながら、先週30日に決着をいたしました平成18年度予算に係る三位一体改革に関する政府・与党合意におきまして、義務教育費国庫負担金は、その制度を堅持することとした上で、小・中学校を通じて国の負担が2分の1から3分の1に引き下げられました。これは、単に3兆円という総額の数字を取り繕うのみの内容でしかなく、私ども県議会の意見とも地方6団体の意見とも合わないものでございます。どのように思っておりますか。
 また、今回の改革は、三位一体といいながら税制と国庫補助金が先行してございます。これは、国との対峙の中で担保物件をとらないやり方でございます。そういう中での進め方をいかが思っているのでございましょうか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 いずれにしろ、私は、今回の一般質問で、産業の振興を含め、高齢者の活用の仕組み等を提言させていただきましたけれども、今後の将来を担った岩手県づくりは共同責任でございます。これらを含めて知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 終わります。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 藤原良信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、決算審査についてでございますが、先般、平成16年度決算について前倒しで議会の方で御審査、御認定いただいたところでございます。予算と決算とは同じような重みを持つものでございまして、この改革は、予算から決算、そして次の予算へと至るサイクルのより効果的な運営を図る上で意義深いもの、このようにとらえております。
 この評価でありますが、収支の面では、実質収支が黒字、単年度収支も2年連続黒字ということでございまして、適切な財政運営が図られたものと理解しておりますが、公債費比率、経常収支比率がなお高い水準にあり、県債残高も増加するなど、財政状況は極めて厳しいものと認識しております。
 決算認定に際しましては、今後の財政状況と県政課題を見据え、平成18年度予算編成において適切に対応すべしとの趣旨の附帯意見もいただいておりますので、こうした御意見、御提言については真摯に受けとめるべきものと考えております。
 このため、平成18年度の予算編成につきましては、今回の前倒しの趣旨と議会での御議論を十分生かすよう創意工夫に努めながら、行財政構造改革プログラムに基づく自立と構造改革の仕上げの予算とすることを基本としつつ、平成19年度以降の持続可能な財政構造の構築に向けた第一歩ともなるように配意してまいりたいと考えております。
 次に、少子化対策でございますが、これは、県政にとっても極めて重要な課題でございます。これについては、ことしの3月に新たないわて子どもプランを策定いたしまして、これは次世代育成支援対策推進法の地域行動計画の性格もあわせ持っておりますが、内容的には三つの視点を柱にして一層の施策の充実をうたっております。子育てを支え合う地域社会づくりの視点から、例として、地域子育て支援センターにおける子育て相談・支援の充実など、そして、安心して産み育てられる環境づくりの視点からは、保育所の関係、保育所入所定員の拡大、待機児童の解消といったようなことです。それから、子供が健全に育っていける環境づくりの視点からは、放課後児童クラブの拡充など、さまざまな施策をこの中に盛り込んでいるところでございまして、こうした施策の一層の充実を図っていきたい。
 さらに、男性を含めた働き方の見直しで、男女がともに安心して産み育てられる環境づくりを進めていく考えでございます。
 また、高齢者についてでございます。この高齢者の皆さんは、働くことを初めとして、生きがいを持ちながら、まさに住みなれた地域で自立して生活したいと願っておりまして、県として、そうした高齢者の皆さん方の考え方を支援する必要があると認識しております。
 こうした観点に立って、これまで、シルバー人材センター事業、シルバーカレッジ、また老人クラブにおけるさまざまな活動の支援、そしてユニバーサルデザインの推進によります生活環境の整備、こうした多方面の分野の取り組みを総合的に推進しております。
 また、2007年問題に象徴されるごとく、本県では、約7万人の団塊の世代が今後高齢者の仲間入りをするということになるわけでございます。これらの皆さん方は、豊かな知識と経験を持って、リタイア後も社会で活動したいとの意識が高い皆さん方でございますので、こうした皆さん方を地域で受け入れて活用していくことが、極めて重要であると考えております。こうしたことから、この世代の皆さん方が活躍できる条件整備について、少子・高齢化対策の重要な柱として位置づけて、その上で活力のある岩手の形成を目指していく考えでございます。
 行財政構造改革に伴いまして、組織体制について何点かお尋ねがございました。
 まず、総合政策室の関係でございますが、人口減少、少子・高齢化社会への移行、そして、地方分権改革の進展といったようなことで、県政の横断的な課題、そして緊急課題に直ちに対応する、そして、そこに県の組織の重要な宝でございます財源や人材などを重点的に配分して組織全体としての全体最適を図っていく、このような仕組みにしていくことが大変重要でございます。
 こうしたことから、総合政策室の機能を今後も一層強化して、政策評価の機能を強化する。それから、部局予算枠配分方式という形で予算をつくっておりますが、これを知事である私のトップマネジメントを支える総合政策室が示す重点化の方向性を踏まえて、各部局が有効性を競い合う政策優先型の予算配分方式の導入などが重要だと考えております。
 これは、平成19年度の予算編成に向けて、その再構築を進めたいと思っていますが、その際には、今御指摘ございました予算や組織を所管する総務部について、この政策機能を担う総合政策室と、これまで以上に有機的な連携を図っていくことが重要であると考えております。そうした両者の連携をより密にした上で、政策を実現する資源である予算や人を適正に投入する仕組みをしっかりとつくり上げていきたいと考えております。
 次に、農林水産部と商工労働観光部に分かれた流通対策部門の関係でございます。商工労働観光部に一本化すべきではないかというお話がございました。
 これについては、平成13年度の本庁再編の際に、一度一元化を検討いたしました。しかし、農林水産物の流通対策については、どうしても生産部門や流通部門との連携、それから、組合系統組織との連携が弱まることが懸念されるものですから、一元化は行わずに、部と部の連携を特に強化する、そういう取り組みでいくということとしたところでございます。
 現在は、農林水産部が関係団体と連携を図りながら、高品質な農林水産物の生産振興とあわせて、一体的に販路拡大に取り組みまして、両方の部が連携をしていわての食マッチングフェア、それから、農林水産物や加工食品の輸出の促進事業などを実施してございます。
 この農林水産物の販路拡大と市場価値を高めるということは、大変重要な課題でございますし、加工、流通、販売、さらには観光部門までが有機的に連携した戦略的な取り組みが必要でございますので、今後、農林水産部と商工労働観光部の連携を一層強化して、効率的な業務執行に努めていく考えでございます。
 次に、県立大学の関係でございます。岩手大学との統合を含めた抜本的な考え方の御提案がございました。
 この県立大学は、地域社会の知識、文化の中核として、まさに県民共有のかけがえのない財産でございます。
 この大学が今、少子化社会の進展などで厳しい競争の時代を迎えている中で、県立大学がこうした状況に対応できるように、ことしの4月から公立大学法人に移行させて、教育研究の活性化と、さらには経営の効率化に今取り組んでいただいているわけでございます。
 今後も、法人化によるメリットを最大限に生かして適切な運営に努めていただきたいと思っておりますが、一層厳しさを増す財政状況を考えると、県立大学についても、現状のままの体制・予算規模で運営することは、相当困難となっていくものと考えるわけでございまして、大学には、つくられております中期目標に沿って、外部資金の一層の確保に努めるとともに、民間経営手法の一層の導入など、経営の効率化により思い切った経費の削減を図っていただきたいと考えております。
 県としては、岩手大学を初め、他大学との機能分担も考慮しながら、学部・学科の再編も視野に入れた見直しについて、今後、大学側とも十分協議をしながら検討していきたいと考えております。
 公社の関係でございますが、まず、農業公社の再建でございます。
 ことしの7月に経営改善実行計画を策定して、今、その財務の改善に取り組んでいるわけでございますが、この中では、特に、御指摘ございました南畑の事業用地について、販売収支は組み込まずに、事前の投資も考えていないところでございます。
 この南畑の事業用地についてですが、県と雫石町、農業公社、地元NPOで構成するいわて銀河ファームプロジェクト連絡協議会で、これまで協議を進めてまいりました。それぞれの役割を決めて、今後も有効活用を図るための取り組みを進めていこうとしているところでございますので、県としても、雫石町の要望も踏まえまして、その役割の中で最小限の支援を行っていきたいと考えております。
 それから、他の公社の関係ですが、林業公社については、公社分収林を県有林事業へ一元化し、平成19年度を目途に廃止を予定しておりますし、住宅供給公社については、役割をほぼ終えたと判断されますので、平成20年度までには廃止を予定、肉牛生産公社については、今年度、平成17年度までに廃止を予定して、その家畜改良事業等を類似団体に引き継ぐ、こういうことで、今、手続を進めております。
 また、土地開発公社については、平成13年度から4期連続赤字ということがございますので、今年度、外部の監査法人による外部経営調査を実施いたしました。その結果、経済環境の変化に対応した経営全般の見直しが必要である、このように判断されましたので、そのための検討作業を早急に開始することとしておりまして、今後、半年程度で今後の方向性の取りまとめを行う方針でございます。
 それから、トップリーダーとしての現場、地域の現実に対する認識ということでお話がございました。やはり、私ができるだけ現場に出て、県民の皆さん方の声を聞くということは必要でございますし、また、現場重視の視点から、就任以来、継続的に地方振興局の強化も図ってまいったところでございます。
 今回、次の御質問にもございますが、各種組織の再編、振興局の再編に当たりましても、議論のたたき台となる原案については、現場と接している地方振興局からの報告も踏まえて策定しているわけでございますが、原案公表後においては、地域におけるさまざまな御意見が集約される合意形成過程を重視しておりますので、市町村や各種団体、現地での住民説明会の開催などを積み重ねて、成案の策定を行っているところでございます。
 今、こうした過程について議員からいろいろ御指摘がございました。確かに議員御指摘のとおり、原案が二転三転するような事態が仮に生ずる場合には、県民の不信等も惹起することになりかねないわけでございますので、原案といえども、十分な重みがあるものを作成すべきものと理解しているわけでございます。
 職員のモチベーションについてでありますが、地域において第一線に立つ、特に地方振興局の職員でございますが、こうした職員が県の説明責任を果たす役割を担う場面が大きいということでございますので、私を初めとするトップマネジメントと認識を共有することが極めて重要でございまして、具体的に、今、三役が各地方振興局に足を運んで、職員と意見交換を行って、互いに理解をし合いながら、県としての一体的取り組みの強化を図っているところでございます。
 それから、広域生活圏と地方振興局の見直しについてでございまして、総括的な所感を求められたわけでございます。
 この今回のさまざまな見直しでございますけれども、私は、地域の自立によって、我々県民がみずからの力によって、将来にわたり生活の維持・向上を図ることが可能となることが、まさに県民の皆さんが求めているところだと認識しているわけでございます。
 現在は、あらゆる分野で大変革の最中でございまして、これは今、議員が御指摘のとおりでございます。こうした変革の中で、生活の維持・向上を図る地域をつくっていくためには、まず、これまでの中央集権型の行政システムのひずみがもたらしたさまざまな課題を乗り越えるために、住民と行政の距離を近づけて、住民本位の新しい仕組みが必要と判断しております。
 今般、広域圏、そして地方振興局の再編を行うと御提案しているわけですが、こうしたことによってでき上がる新しい仕組みが目指しているところは次の3点でございまして、第1点目は、分権改革を行って、住民本位の新しい仕組みをこの岩手で実現することによって、まさに住民が真に望むサービスを提供する体制を実現することでございます。具体的には、市町村中心の行政システムの確立に向けて、個々の市町村の置かれている状況を十分に配慮しながらも、さらに市町村合併を積極的に進めること、財源や人材を県が適切に措置するなど、市町村の意向に沿いながら権限移譲を進めていくこと。こうしたことを随時行っていくということだと思います。
 こうした取り組みによりまして、住民に最も身近な自治体であります市町村を住民の真に望む行政サービスを提供する主体とするということでございます。そうなりますと、県は、今後の担う役割が変わってくるわけでございまして、県の役割を広域的な産業の振興や県土の保全、そして広域防災など、より広域・専門的な業務を担って、そして市町村を補完する役割に変化させていきたい、こういう思いでございます。その結果、将来的には、広域振興局の体制も縮小していくというようなことを想定しております。
 2点目は、急激な人口減少時代における地域の自立を図るための産業振興ということでございまして、こうした人口減少の時代の中で地域経済が縮小しないようにしていくために、より広域的な視点で地域の資源や人材を結集して、地域間競争に打ち勝つことのできる戦略的な産業振興を行うことが県の主要な役割となるわけでございまして、これに本格的に取り組み、一刻も早く自立可能な地域経済の確立を目指していきたいという考えでございます。
 3点目は、行財政構造改革の観点でございまして、県の財政は、今、非常に厳しい状況にございます。徹底した行財政改革を断行する必要に迫られているわけでございますが、職員体制について見ますと、現在4、700名ほどでございますが、今後さらに700名規模の削減が必要で、4、000人程度の水準まで削減したいと考えております。こうした大規模なスリム化は、従来の事務事業の見直しなどに加えまして、県組織の約40%を占める振興局の再編を通じて、内部管理事務の効率化や管理職ポストの減、振興局間の調整、業務をぐっと簡略化を図るといったようなことで、この部分でおおむね300人を削減したいということを考えているわけでございます。今回の再編は、こうした行財政改革を進める上でも重要な一環であると考えております。
 本県の将来にとりまして、今が極めて重要な分岐点と認識しているわけでございますので、早急にこうした再編に取り組んで、将来にわたって県民生活の維持・向上を図っていきたい、このように考えております。
 こうした変革の時代には、行政にもスピードが要求されるということもございますし、また、旧来の制度の中でそうした弊害を思い切って断ち切って大胆に改革を進めることも必要かと思います。
 同時に、取り組みの途上で成果と課題を十分に検証して柔軟に進めていく、そのことも肝要であると考えているわけでございまして、県議会初め、県民各層から適時、適切に御意見をちょうだいしながら取り組みを進めていきたいと考えております。
 これからの分権型社会にふさわしい岩手を創造する、そして県民生活を守るということでございますので、格別の御理解をお願い申し上げるところでございます。
 それから、中で県南先行の再編ということをうたっております。それから、県北・沿岸地域の振興の方向性についてお尋ねがございました。
 県南圏域では市町村合併が進み、また、県内においては産業の集積が進んでおりますので、この県南地域は、市町村と民間活力を生かした地域振興に取り組むことのできる条件が今整いつつあるのではないか、したがって、広域振興局にゆだねる体制への移行を開始すべき時期に来ていると判断いたしました。
 一方で、県北・沿岸地域では、まだ本庁がサポートして、市町村の合併の推進に関する構想が今後できるわけですが、その構想をもとに市町村合併を推進して、また、基盤となる産業基盤を強化していった上で、こうした広域振興局体制へ進めていく方が適切ではないかと判断しております。
 したがって、県北・沿岸地域の取り組みを強化する必要がありますので、道路、港湾、情報基盤といった社会資本の整備やそれらを十分に活用した産業振興にさらに取り組む必要がございまして、その推進体制として、本庁に副知事トップの県北・沿岸振興本部を設置して、全庁的な取り組みを進めていきたい。そして、できるだけ早期にこの県北・沿岸地域についても、広域振興局体制に移行できるように努めていく所存でございます。
 審議会のあり方についてでございますが、これは、行政の信頼性を確保する上で重要な役割を担っているものと考えておりますが、この審議会について、幅広い視点から適任者を登用するための取り組み、それから、公募制の導入などに取り組んでまいりました。それから、何よりもこの内容をオープンにするということが大事でございますので、審議内容の情報公開などにも努めてまいりました。
 しかしながら、現時点では、公募制を導入している審議会が10審議会にとどまっているといったようなことで、公正性の確保については、さらに一層取り組む必要があると考えておりますので、今後、こうした公募制の導入を積極的に進めていくほか、前例にとらわれない形で幅広く適任者を登用するなど、偏りのない委員の選任に努力していく考えです。
 それから、コンサル委託でございますが、これは、これまで地域開発、経営改善、人材育成・組織改革といった分野で主に活用してきております。それぞれコンサルが持っている、職員が持ち得ない専門的、高度な知識が必要な分野で活用してきたということでございますが、今後、こうしたコンサルタント活用については、その目的を明確にした上で、十分に委託の必要性や有効性に留意しながら、適切な活用に努めていきたいと考えております。
 産業振興についてでありますが、企業誘致の推進に当たりまして、幅広く充実したサービスを提供していく体制づくりというものが大変大事でございます。
 そのため、県の窓口を一本化して、ワンストップサービスを提供してきたわけでございます。北日本造船などの誘致は、まさにそうした成果であるというふうに思うわけでございます。
 今後、こうしたことをさらに強力に進めていくためにも、各地域の特性を生かした地域を先導する産業に対する重点的な支援など、戦略的な取り組みが不可欠と認識しておりますので、新たに、補助・融資制度及び県税の課税免除などがセットされた総合的な誘致促進制度の創設について検討していきたいと思っております。
 あと、環境アセスメントの期間短縮など、こうしたことについても、引き続き可能な限り短期間で処理するといったようなこととともに、進出企業のニーズに対応した具体的な特区申請なども検討していきたいと考えております。
 それから、第1次産品の流通戦略でございますが、今、東京、大阪、福岡などにアンテナショップを置いております。そこで商談や情報交換、それから百貨店、スーパーでの消費動向調査などによりまして、多岐にわたる情報収集に取り組んでおります。
 それから、海外拠点も設置してございますので、そうしたところや商談会の開催などを通じて、重層的な情報収集ルートの確立を図っておりまして、これが、なお一層今後の課題と認識しております。
 今後もそうした情報収集ルートを一層充実させて、流通戦略に生かしていきたいと考えております。
 県産の関係でございますが、お話がございましたとおり、県産品の販路拡大、新商品開発に支援を行ってまいりましたが、近年、販売額が伸び悩んでおります。
 そこで、社長のトップセールスの機会の拡大、東京、大阪の営業所の職員の増員といったようなことをやりまして、また、スーパーなどへの新たな物産会場の開拓を行ってまいりました。今後、そうしたことをさらに一層行っていきたいというふうに思います。
 私自身は、出資法人の見直しの一環として社長を退任しておりますが、今も取締役会長ということでございまして、今後も県知事として、それから県産の関係については取締役会長として、県産品全体の普及・宣伝、販路の拡大のため、トップセールス初め、一層努力していきたいと考えております。
 地場産業の振興でございますけれども、この食品産業、鋳物、岩谷堂箪笥と、さまざまな伝統的な産業がございまして、経営課題も多々ございますけれども、県がこれまで行ってまいりました中小企業経営革新支援事業等がございます。こうしたことによる事業を通じての助成や、工業技術センターによる技術指導などを今後もさらに強化していきたい。
 それから、新たな食品産業の振興に係るプロジェクト事業の立ち上げを来年度予定してございますので、そういうこともこの地場産業の振興に貢献するような形にしていきたい。また、今回の振興局再編の中で、振興局に産業振興部門の体制強化を図ろうとしておりますので、そうしたことによって、地場産業に対し、より一層きめ細かな支援を行うことができるものと考えております。
 がんばらない宣言についてお話がございました。
 これは、岩手の人々は、過去からずっとすぐれた英知とたゆまぬ努力を積み重ねて、幾多の困難を乗り越えてきたわけでございます。こうした中で、このがんばらない宣言というものは、まさにこの努力を否定するものでもないわけでございまして、そうした頑張った先が、東京のまねをしたり、経済一辺倒の東京を目指すという社会全体の風潮に流れてはいけないということでございまして、この経済一辺倒である東京を中心とした画一的な価値観というものが、今全国に広がってきておりますが、そうした中で、その価値観を転換して、見過ごされてきた地域の歴史・文化、あるいは結いの精神を再発見し、地域に誇りを持てる社会を築いていこうということで、あえて宣言をし、気づきを促したものでございます。
 この県議会初め、大変さまざまな御意見をいただいております。そうした中で、私が提起いたしました趣旨そのものについては、県民の皆さんに浸透し、理解をいただけている、このように考えているところでございます。
 それから、教育の関係でございますが、学力向上は県の最重要課題の一つでございますので、もちろん教育委員会の所管事項でございますが、県全体としても積極的に政策形成プロジェクトに位置づけて、推進しているわけでございます。
 医師の養成について、医学部受験ということでお話がございました。これは、アクションプランが策定されているものでございまして、その中で、高校生を対象とした医学部進学セミナーを開催して、医学部への進学と本県で医師となることへの動機づけなどを行っているわけでございます。
 こうした問題、教育委員会はもとより、関係部局の連携を一層密にして、本県児童生徒の学力向上に積極的に取り組んでいく考えでございます。
 また、英語の学力の向上についてでございますが、早期に英語になれ親しませるためにも、小学校段階から英語教育を実施するというのは、大切だと思っております。
 今、モデル的に14の小学校で、小学校の3年生以上を対象に、聞くこと、それから話すことを中心に、英語教育の実践的な教育に取り組んでおります。
 今後、ビデオなどのメディアも積極的に活用して、聞く、話す力も含めて、将来、国際的にも活躍できる人材を多く育成できるように、この問題にも積極的に取り組むことが必要であると考えております。
 教員採用の考え方でございますが、確かに豊かな人間性を兼ね備えた教員が必要でございまして、一般選考のほか、スポーツ・芸術・社会人特別選考といったような制度が今ございますが、今後、さらに教員にふさわしいかどうか客観的に評価できる手法の導入、それから、人物評価の信頼性・妥当性を高めるための面接の進め方、評価基準の標準化などによりまして、専門的な知識と人間性のバランスがとれた教員を採用する必要があると考えております。
 採用した後の研修なんですが、これまで行ってまいりました研修の成果、あり方をよく検証して、今後は、大学院との連携、民間研修機関や社会人講師の積極的活用などを図って、そして、研修方法の大幅な見直しを行うことによって、教員一人一人の資質向上が図られるものと考えております。
 次期国体の展望でございますが、2巡目国体ということですが、国体については、体協の方で国体改革が今進められておりまして、従来の陸上競技場のほか、屋内施設での実施も可能となるさまざまな改革の取り組みが進められております。
 本県でアンケート調査を以前行いましたところ、8割以上の方が本県での国体開催を望む、それから、既存施設の活用を同じく8割以上の方が望んでいる、こういうことがございました。これらのことを踏まえながら、北東北3県での広域開催、それから近接県の競技施設の活用の可能性、既存施設の活用、改修、今後の財政状況の見通しなど総合的に勘案して、次期国体開催の方向性を出していきたいと考えております。
 それから、盛岡競馬場を買い取って、改修して陸上競技場として活用したらどうかという御提案もございました。これについては、岩手競馬の枠組みにかかわることでございますので、構成団体である水沢、盛岡両市にも伝え、その中で話をしてみたいと考えております。
 三位一体改革についてでございますが、これについては、11月30日に政府・与党合意が行われまして、第1期分の改革の概要がまとまりました。
 これにつきましては、3兆円の税源移譲の実現、移譲対象でないということを言われておりました施設整備関係事業の税源移譲が初めて認められるといったようなことがございました。その部分は成果であったと私は思っておりますが、一方で、単に国の補助率を引き下げるといったような形で、国の関与を残したままで地方の裁量拡大につながらないものが大変多いということもございました。このことは、とても残念なことであったと思っております。
 今回の第1期改革は、今後の分権改革のいわば一里塚のようなものと理解しておりまして、今後も第2期改革を続けていかなければならない。また、新聞社等の調査を見てみましても、多くの知事もやはりそれを望んでいるという結果が出ているわけでございますが、今後の第2期改革の進め方については、今、地方6団体として、学識経験者による新地方分権構想検討委員会というものの設置を考えているということでもございます。そこでやはり十分に検討してもらった上で、その意見も聞きながら、その上で地方6団体として十分に協議・検討を行って、共通認識を持って取り組んでいくことが重要であると考えております。また、国民世論の喚起が不可欠でございます。こうしたことに今後取り組んでいく考えでございます。
 それから、義務教育の関係でございますが、これについては、これまでも申し上げてまいりましたが、地方の自治事務とされているわけでございますので、国の責任のみならず、現場を預かる地方の責任も極めて重要と思っておりまして、地方独自の工夫や地域住民の声を反映させて、自治体の裁量と責任において地域に根差した教育が展開できる仕組みとするべきではないか、このような考えでおりました。これは、これまで申し上げてきたところでございます。
 今回、義務教育費国庫負担金について、国の負担割合2分の1を3分の1にする、こういう合意がなされたわけでございますが、これは、中教審での議論にも合いませんし、また、地方団体の考え方にも合わないわけでございまして、極めて中途半端な感が否めないわけでございまして、まさに妥協の、8、500億円を生み出すための数字合わせ、このような考えでいるところでございます。
 地方交付税についてもお尋ねがございました。地方交付税でございますけれども、地域間の財政力格差を解消する重要な機能を持っているわけでございます。あわせて財源保障という機能を持っているわけでございまして、こうした両機能を堅持することは地方6団体として繰り返し強く求めているところでございますし、また、ことしの骨太方針の中でも、地方交付税総額などについて一般財源の総額を確保すると明記しておりますので、国がこれを履行することは当然のことである、このように認識してございます。
 今後、この交付税についても改革の俎上に上がると考えるわけでございますが、その際には、税源の地域偏在のさらなる縮小を図っていく必要がありますので、やはり国税のうち、特に地域偏在の少ない消費税を地方消費税に移譲するようなことが今後必要ではないか。そして、地方交付税はもともと地方の固有財源でございますので、地方交付税の算出過程に地方側の参画を強く求めていく、こうしたことが必要であろうと考えております。
 議員の方から最後に、地域づくりのために執行部と議会との共同責任というお話がございました。それはまさにおっしゃるとおりだと思いますので、それぞれの立場を踏まえながらもお互いに努力していかなければならないもの、このように考えるところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕

〇総務部長(時澤忠君) まず、特別会計の見直しについてでございます。
 特別会計は、特定の事業を行う場合等にそれぞれの趣旨で設置されているものでございますが、それが多数設置されますことは、予算全体の仕組みを複雑でわかりにくくいたしまして、財政の一覧性が損なわれるという面があるとともに、会計が分立することによりまして予算全体としての効率性が損なわれかねないという問題点もございます。例えば、恒常的な不用、繰り越しや多額の剰余金が放置されているものが見られるなど、歳入・歳出の合理化が図られていないのではないか、あるいは一般会計からの繰り入れや借入金等の存在によりまして、適正な受益者の負担、事業収入の確保や歳出削減努力がおろそかになっているのではないか、このような点が指摘されているところでございますので、このような問題点も踏まえまして、歳出の合理化、効率化を図る観点から、特別会計につきまして、まず、事務事業の見直しを不断に進める。さらに歳入面における見直しも行いまして、歳入・歳出を通じた全体の構造の見直しを進める必要があると思っております。その上で、財政全体としての透明性を確保し、説明責任の強化を図ることが必要であると考えております。こうした見直しを行う過程で、特別会計として区分経理する必要性につきましても不断に点検を行っていきたいと考えております。
 次に、県立大学の寄宿舎の設置でございます。
 寄宿舎は、学生の経済的負担を軽減するのみならず、人間形成にも有益な面があると考えております。県立大学では、大学近辺で民間アパートの供給条件が十分に整っていたため整備してこなかったところでございまして、人間形成の面につきましては、教養教育等のカリキュラム編成や少人数指導を通じて取り組んでおります。
 また、外国人留学生に対しましては、留学生が安心して生活できる居住の場を提供したり、生活面、学業面での総合的な支援を行っていく仕組みが必要であると考えております。このため、県立大学では、民間アパートの借り上げなどによります支援のほか、留学生と学生が交流する国際サークルの設置、留学生アドバイザーによります修学・生活面での支援、奨学金助成など総合的な支援を行っているところでございます。
 なお、寄宿舎につきましては、現在、首都大学東京におきまして、学生が寮生活を送りながらボランティア活動やセミナーを通じて切磋琢磨し合い、個性や独創性を刺激し合いながら人間形成を行う新しい形の寮を設置しておりますので、その成果につきましても注視してまいりたいと考えております。
   〔医療局長法貴敬君登壇〕

〇医療局長(法貴敬君) 県立病院改革についてでありますが、医師確保の困難性や人口構造の変化、医療費抑制などの多様な要因により県立病院経営が急速に悪化し、このような状況において、良質な医療を持続的に県民に提供していくために県立病院改革に鋭意取り組んでいるところであり、今後も改革のスピードを速めながら、少しでも早く安定した経営基盤を確立していかなければならないと考えています。
 一方、御提言のありました経営形態については、現在、県の行財政構造改革プログラムの中で医療局の独立行政法人化の検討を平成18年度までに行うとしており、地方公営企業と独立行政法人との制度比較やメリット、デメリットなどについて、外部有識者からの意見も伺いながら検討を進めていくこととしております。
 また、今般、国の総医療費抑制策などを内容とする医療制度改革大綱が取りまとめられたところであり、今後、県立病院の経営をめぐる環境が一段と厳しさを増すことが予想されることから、さらなる改革・改善の余地を探りながら、安定した経営基盤の確立を図り、地域医療の確保に向け全力を傾注していかなければならないと考えております。
 次に、県立病院と福祉施設の連携についてでありますが、高齢化が進む中で、県立病院に限らず医療と福祉との連携が極めて重要であることから、新しい医療計画の策定に当たって盛り込まれるとされている特定疾病ごとの医療連携体制、あるいは地域における慢性期医療と福祉などとの連携の検討の中で、県立病院の機能、役割について考えてまいりたいと考えています。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕

〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 口腔ケアに関してでございますが、口腔ケアの推進につきましては、疾病予防や介護予防の観点から重要視されているところでございます。このような中で、岩手県歯科医師会におかれては、県内各地域で障害者や要介護高齢者に対する歯科医療や口腔ケアを担当する専門的な歯科医師を養成する研修体系を整備することとされておられまして、県としても、このような取り組みに対し、本年度、歯科治療ユニットや器材など研修事業の立ち上がりに要する経費について補助することとしております。
 また、来年度から本格施行されます新たな改正介護保険制度におきましては、新予防給付として口腔機能の向上がメニューとして盛り込まれることとなっております。県としては、市町村や岩手県歯科医師会等の関係機関・団体と連携しながら口腔ケアの推進を図ることとしております。
   〔教育長照井崇君登壇〕

〇教育長(照井崇君) いわゆるゆとり教育についてでございますが、ゆとり教育は、完全学校週5日制のもとで、各学校が教育内容を厳選することによりまして、時間的、精神的なゆとりを生み出し、そのゆとりを活用して子供たち一人一人の理解や習熟の程度などに応じたきめ細かな指導を行うとともに、観察や実験、調査研究などの体験的・問題解決的な学習を行うことにより、子供たちが学習指導要領に示された基礎的・基本的な内容を確実に身につけ、みずから学び、みずから考える力を伸ばすことを基本的なねらいとするものです。
 いわゆるゆとり教育が始められた前後の学力調査における同一問題の正答率の変化を見ますと、国の調査では、同一問題のうち17%の問題でゆとり教育導入後の正答率が下がっておりますが、逆に43%の問題で正答率が上がっております。また、本県の学習定着度状況調査においても、同一問題のうち28%の問題でゆとり教育導入後の正答率が下がっておりますが、逆に64%の問題で正答率が上がっております。このようなことから、ゆとり教育によって学力が低下しているとは必ずしも言い切れないものと考えております。
 しかし、本県の児童生徒の学力の状況を見ますと、平成16年度学習定着度状況調査の結果では、基礎・基本の定着が必ずしも満足できる状況にはなく、また、学年が進むにつれて正答率が低下する傾向が見られるところです。そこで、児童生徒の学力のより正確な実態を把握いたしまして、その状況を詳しく分析し、子供たちの学習到達度等に応じた、よりきめ細かな指導を行うとともに、教員の授業力の一層の向上のために、授業改善研修の拡充を図るなど、学力向上に向けまして全力で取り組んでまいります。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕

〇警察本部長(山内正和君) 尊敬、慕われる警察官づくりへの取り組みについてお答えいたします。
 警察が県民の信頼とその負託にこたえていくためには、一人一人の警察官が自信と責任を持って敢然と職務を執行する力強さと人間性豊かな良識を兼ね備えることが必要であり、これが頼りがいのある、親しまれる警察につながるものと考えております。
 このため、県警察においては、第一線警察の執行力強化のために、術科・技能の教養・指導を行うとともに、県民の目線に立ち、被害者の心の痛みのわかる人間味あふれる職務執行を行うよう教養・指導に努めているところでございます。また、県民が親しみを持ち、気軽に接することができるよう、警察の活動に係る各種広報活動や地域警察官等による県民との触れ合い活動などを積極的に行うとともに、警察安全相談を初めとして、県民に対して開かれた組織とするよう努めております。
 現下の厳しい治安情勢を踏まえれば、警察活動に一瞬の揺るぎも許されないことは言うまでもないところでございますが、他方、県民に慕われる組織とすることも警察活動に対する県民の理解と協力を得る上で不可欠であり、今後とも、このような点にも積極的に配意してまいりたいと考えております。
 次に、県民、民間団体等と連携した治安体制構築への取り組みについてでございますが、地域における治安の維持に関しては、議員御指摘のとおり、関係機関・団体や地域住民と連携した社会全体としての治安対策が必要であり、地域連帯の再生による安全で安心なまちづくりの実現が必要であると考えております。
 県民、民間団体等と連携した治安対策としては、これまでも、市町村の防犯協会、防犯隊、少年補導員等の防犯や少年非行防止関係のボランティアとの合同パトロールを計画的に実施しているほか、最近では、警察OBで組織するシニアポリス、あるいはPTAによるスクールガード隊などの県内各地で新たに結成されつつあるボランティア組織が地域の治安情勢を踏まえた自主防犯パトロールなどを実施しているところでございます。
 県警察といたしましては、今後とも、これら県民、民間団体等による自主防犯活動に対し、地域安全情報の提供や活動の助言などの支援を積極的に進め、地域社会との連携による県民の安全と安心の確保に努めてまいりたいと考えております。

〇43番(藤原良信君) 多岐にわたりまして知事に答えていただきました。トップリーダーとして、その姿勢を多とするものであります。
 私は、何点かあるんですけれども、次の登壇者もございますから、何点かその中で絞りまして再度質問させていただきたいと思いますので、知事の御見解を賜りたいと思います。
 その中で、先ほど県の行政改革等に関係いたしまして、その組織体制の中で総合政策室の話題を出しました。今も知事からその目的等をお話しされましたし、トップダウンで、ある意味でのそれを実現するためのそういう体系もお示しいただきましたが、それは十二分に熟知してございます。しかしながら、先ほども触れましたけれども、いわゆる政策の横軸の方の調整という役割がこれを遂行する上で極めて重要だと思うんです。過去と対比してみますと、昔は総務部がそれをやっていたと私は思うんです。この調整というのはある意味では財源が伴ってきますから、当然物理的に、今の総合政策室がそれを遂行していく上ではやりにくさがあるんじゃないかなと私は見て取れるんです。そういうことを含めて総務部の生かし方ということを私は提言をしてみたんです。全体的な機能をうまく生かせるようにすることは大事なことでありますので、そういう意味での組織体制の見直しについてもう一度触れていただきたいと思います。
 それからもう一点、代表で、例として何点も挙げるのもいかがなものかと思いますので、私は、流通に関して一本化すべきだということを提案したんですけれども、これは、たびたび目につくからそう話をしましたし、効率的な成果が生まれると思うからそう話したんですけれども、今、強化という御答弁をいただきましたけれども、連携強化ではないと思うんです。私は、統合すべきだと思います。農林水産部、商工労働観光部の流通部門を一本化することだと思います。それによってさらに効果が生まれると思いますが、いかがでございましょうか。
 それから、三位一体改革については、私が聞こうと思っていることは知事はお答えになられました。もう一度さらに確認をしたいんですけれども、結論から言うと、権限を残したまま支出を減らすという政府の方向が見えたわけでございますが、今後、第2期の改革に向けて行動していくんだと思いますけれども、義務教育費の国庫負担金を再び俎上にのせていくお考えなのでしょうか、この点もお尋ねしたいと思います。
 今回の政府・与党合意では、今のお話のとおり3兆円の地方への税源移譲は実現がなりましたが、その具体的中身を見ますと、ただいま申し上げました義務教育費の国庫負担金以外にも、国の補助率を下げる手法で財源を捻出するという手法が多く見られたと思います。これは、三位一体改革のねらいからいたしますと、私は問題の多いやり方だと思います。これでは、自治体の裁量の幅も創意工夫の余地も広がらないと改めて判断をするものであります。改めてこの点についても見解をいただきたいと思います。
 それから、先ほどこれも私の本論の中で話をいたしましたけれども、今回の12月定例会の付託案件の中で大きな議案として注目されておりますのは地方振興局の再編問題でございます。この議案が2件ございます。これが成立するかしないかというのは、極めて大きな方向づけを今後に出してくると思います。これは、先ほど私も言いましたけれども、改革そのもの、環境の変化に対応していろんな制度改革をすることは大切なことであるんですけれども、私は、大事な案件であるがゆえに、広域圏の見直し、そして、それに基づく地方振興局の再編案、そういう進み方の中で、今議会でこれを審議をしていく手前の段階で、今度は地域振興部が新たな市町村合併案を、第3次の、審議会から出されたものを一つの素案として提示いたしました。何が起きているかというと、市町村は、その方向づけについてまだまだ熟知していないところがあるにもかかわらず、というのは中身の問題ですね、先ほど申し上げましたように、どんな権限が、あるいはどんな役割を市町村がそれぞれやるのか、それらについてもっと明示することをわかった上で、ということがあったわけですけれども、それからまた出てきたと。私は、こういうことの大事な案件が今出ている段階で庁内で一本化をした、そのタイミングの問題もあったんですけれども、こういう取り組みについていかがな状況になっているのかなと思っている昨今でございます。これについて、それなりに理由があったから出してきたんだと思いますけれども、お示しをいただきたいと思います。
 そして、これも前段で申し上げたんですけれども、現状をかんがみて、その現状を十二分に理解をして、将来、富める大地岩手県にしていかなければならないということでいろんな提案をさせていただきました。知事にはいろいろとお話をいただきましたが、私は、ローリングをかけましてさまざまな削減策をやって、その中で、県の知事部局を四千七百数十人から4、000人体制にするんだと。七百数十人の削減をするんだという取り組みも明示してございますけれども、そういうことも大切で、やらなければならないことだと思いますけれども、それ以上に大切なのは前向き思考でございまして、それで産業振興をして、やっぱり所得を上げて、そして税の収入を上げていくと。県税の収入も上げて健全な財政体系をつくっていくことが肝要であるという意味で私は産業振興ということを挙げました。
 その中で、具体的に申し上げましたが、改めてお尋ねいたしますけれども、私は、日本国内だけじゃなくて世界から岩手県に産業立地したいという希望が出てくるような状況下の県政提案をしていくべきだと思います。その意味で先ほど税制のことも言ったんです。例えば法人税、法人事業税等も10年間ぐらい無税にする。あるいは市町村と協力して固定資産税も10年間ぐらい無税にする。そういうこと等を含めてですけれども、それだけではなくて、やっぱりこれは県として、そういう産業誘致等に意欲的な戦略的なプロジェクトを組んで進むべきだということを改めてお示しいただきたいと思います。
 それから、地場産業の振興、1次産品の振興にも触れましたけれども、一例で申し上げますけれども、岩手県はいい価値のあるものを生産している飛び抜けた県だと思っております。今までの県の努力もこれあり、生産者と連携した、そういうつくり方をしてきたことが今成果として生まれているんですけれども、その中で、例えばシイタケなんかもそうなんですけれども、岩手県の気象条件が南の方とは違ういい条件も持っているがゆえに、例えばどんこのような製品については、これはもう南の方では肉厚の分厚いものがとれない。ところが、中華料理では干しシイタケは必需品で使われておりますけれども、香港等を含めた東南アジアでは大分県産の方が値段が高いんですね。例えば、東京のデパートでもそうですけれども、2段とか3段重ねで、上が透き通って見えるような箱に、一番上に乗っているのが岩手県産なんだけれども、実態は大分県産シイタケで売られている。これも事実です。
 私は、そういう意味においても、なかなかこれを、全体像を、各論にわたって多々ありますけれども、岩手県の産物、肉であれば前沢牛が日本一になりましたし、リンゴは江刺市のリンゴがとても有名になりましたし、さまざま海のものに関しましても岩手県の三陸海岸の海のものが非常に価値が高まってございます。こういうものを売り込んでいく、ブランド化をして、そしてこれを消費者あるいは国内外に売り込んでいくためには、先ほど言いましたけれども、私は、行政の役割というのは、極めて信用度が高いがゆえに大きなものがあると思います。バイヤーあるいは消費者を集めた中で、いろんなことを聞きますけれども、そういうところで、例えば岩手県の知事が先頭に立って、あるいは県議会の議長が先頭に立って、これは岩手県としては自信を持って皆様方に推薦できる産物であるから、どうぞこれを買っていただきたいというような状況をこれまで以上につくっていく必要があるという意味で第三セクターの岩手県産のことを触れたわけでございます。これは信用度が違うんです。なぜ大分県のシイタケがそうなっていったか、これはシイタケだけじゃないんですけれども、やっぱり前の大分県の平松知事が実際にそうやって売り込んで歩いたそうでございまして、香港でも聞きました。私は、そういうこと等を含めまして、取組体制についてきちっとそういうことを考えてみるべきときじゃないでしょうかと、そう思うわけでございます。
 限られた時間でございますから、いっぱい聞きたいことはあるんですけれども、医療局長にお尋ねいたします。
 県財政の状況から見て、毎年繰り出しているものとして、県立大学、それから県立病院が180億円を超しています。県立病院について、運営費等を含めて出しているわけです。これらが、医療法の改正、医療の質の変化に伴いまして、当然、高齢者社会の状況下等もかんがみて、今、病院改革をやっている最中ですけれども、そういうとらえ方だけじゃなくて、全体像の中でいろんな役割を見直すことが急務だと思います。そういう意味でお尋ねをしたんですけれども、多岐にわたって、時間がないものですから中身までは説明しませんでした。そこで、よく目につくのは、介護保険対象者と診療報酬対象者の患者さんはリンクしているんですよ。どっちに行ってもおかしくない。ですから、病院で賄う慢性期の対象者じゃないのも病院にいるのもあるわけです。ですから、福祉部門ときちっとそこのところを分けて、介護保険対象者が多くなればその市町村の介護保険は高くなりますけれども、しかし、県立病院の経営というのはこのままでは成り立っていかないですよ。医療局長、そこのところを含めてもう一度お示しください。
 まず、知事、今のお話をどうぞよろしくお願いいたします。

〇知事(増田寛也君) 私の方から何点かお答え申し上げます。
 まず、組織体制の関係で、総合政策室、それから総務部の関係でお話がございました。総務部が、今、議員からもお話がございましたとおり、従前、予算編成を通じて政策実現のさまざまな判断をするということで、かなり政策的な機能を持ってそれをリードしてきたということがございましたが、どうしても全体が管理をする部局なものですから、むしろ総合政策室をつくって、そこで政策評価を中心に、そういう客観的な指標をもって政策の優先度を判断しよう、こういう形になっているんですが、予算、財源とそこがうまくリンクをしないと政策として有効な策がやはり立ち得ないということもある。この総合政策室の政策評価機能ですとか、あるいは、これはあくまでも総合政策室がひとりで判断するわけではなくて、私なり、三役のまさにトップマネジメントを、総合政策室がその考えを受けて優先度をいろいろ整理していくという直属の組織でありますので、そこのトップマネジメントが、総務部の予算を調製する機能をうまくとらえて、それで、まさにそういう政策を判断する際には、そうした政策的な判断と財政面での判断を表裏一体のものとしてうまく組み合わせるような組織体制が大事ではないか。これはまだ、今、試行途中であることは試行途中であるんですが、議員の方からお話がありましたように、まさに、そこがうまく横軸と縦軸が融合するような形がとれないか、このように考えているところで、今後それをまたさらに精度を上げていきたいと思うわけでございます。
 それから、一つの例として流通の関係の話がございました。これについてはさまざまな考え方があると思うんですが、県の考え方は、先ほど言いましたように、一度その方向を、ブランド推進課のときに、ブランドをつくり出すだけでなくて、さらに流通までそこを進めていこうという思いがあったんですが、特に、2次、3次の方はいいんですが、1次産品のところで生産段階と、当時、経済連等もございましたし、密接に絡んでいるところがあって、流通部門を商工労働観光部の方に移すことがいかがかということがあって、両方の部に分けながら、連携を強化していこうということでございました。
 これについて、今もそういう考え方でいるわけですが、他県の状況でそこを一体化したところが、最近、青森県でございまして、青森県は農林水産部の方にその全体を、完全に一本化したということでもないようですが、そちらの方で流通部門は特に強化するとか、それから、宮城県は、産業経済部ということで、そもそもうちで言う商工労働観光部と農林水産部が一つの部になっているので、そこで、流通部門を一つの課でやっているといったようなことがあります。そうしたところがどのようにその成果が出ているかなども見ながら、この問題を考えていきたいと思います。
 三位一体改革の2期目の問題がございました。この2期改革については、私は一度、各6団体が今後設置される有識者が検討を進める新しい地方分権の検討委員会での議論も踏まえながら、よく意思統一をする必要があるのではないかと思っておりまして、そこがはっきりしない段階で、2期改革をどのように具体的に内容を進めるかという議論はまだできない。やはりそこは一度、1期改革の検証などもしっかり行って、それで進んでいくべきではないかと。
 それから、特に、お尋ねの義務教育の関係ですが、これは、今回ああいう形で一度結論が出ました。それで、今までもとらえ方としては、義務教育は真っ先に出てくる4番バッターではないだろうという考え方でございまして、2期改革は、むしろそうではない、もっと地方の裁量の余地の高いものを中心に組み立てないといけないわけでありますので、私は、この義務教育、文部科学省も総額裁量制の中で地方の創意工夫ができるだけ生かせるように非常に柔軟な対応をする、ほとんどのことは地方団体の取り組みを可能にするということを中教審の場でも議事録で言っておりますので、今後、来年度からそれがどう運営されるのか、それをしばらく見た方がいいのではないかと思っております。
 2期改革については、いずれにしても、どういう内容で、どういう構成で、どういう手法で盛り込むか、これはよく議論が必要かと思っております。
 それから、振興局、広域圏の見直しを今、御提案しておりますが、あわせて、今、審議会の方で合併の構想について提案してございます。これは、新法が5年以内ということもございまして、特に、県北地域を中心にして合併がなかなかうまく進まなかった地域がございますので、そうしたところでの合併の構想も考えていただく必要がございますし、5年の中でどういう構想を打ち出すかというのはやはり重要でございますので、我々の方で、事務局の方がたたき台ということで出してございます。
 この組み合わせについては、庁内で当然、関係するところで議論をして、それから、今回お出ししている振興局などの再編などとも、内容を見ながら整合性をとってつくり上げているものでございます。考え方として、やはり県南の方が合併が進行しておりますので、したがって、今回問題にしておりますのは、特に県央とか沿岸、県北地域が中心になろうと思っております。逆に、そこはまた、しばらくは現在のまま地方振興局を残しますので、その時間の中で、地元で合併の構想もいろいろお考えいただきながら、振興局のあり方についてもその中で、条件が整った段階で広域局に移行していただければと。
 やはり権限移譲を、特に市町村の方には強力に移譲していかなければなりませんが、これも市町村の方の考えを十分に聞く必要がありますので、ここはかなり柔軟に取り組みたいと考えております。将来的に、今後それぞれの地域がどういう形で基礎自治体が強くなるのか、その考え方も私どもの方で考えながら提案しているものでございます。
 産業振興についてでありますが、行く行く自動車産業のところなどで、技術を海外から我が県に売り込んできて、そういった企業が我が県に立地するぐらいの地域にぜひしていきたい。そのときに、本当の意味でのものづくり産業の基礎が築かれるのではないかと思いますし、そうした意味でのインセンティブ、振興策をどういうふうに整えていくかというのも大変重要な問題だと思っております。
 今までこうした問題について、助成とか融資制度といったようなものを仕組んでございましたけれども、そういったものをさらに超えたような新たな総合的な誘致促進策、当然、補助や融資制度も必要でしょうが、県税の課税免除などの観点も入れた総合的なセットになった誘致促進制度についても検討し、提案していかないと、他県との競争に負けてしまいますので、今、中でそうした内容を一括して盛り込んだ新たな制度が提案できないかということで検討しているところでございます。
 最後に、1次産品、シイタケを初めとしてトップセールスが大変重要だというお話がございました。シイタケに限らず、当然、知事、それから県議会議長にもお願いしたりして活動する必要があると思います。シイタケについても、3団体が、系統が分かれておりましたが、合同の入札会を開いて、そこに顔を出したり、それから県外での入札会に行って関係する皆さん方にいろいろごあいさつしたり、本県のシイタケの優秀なことを今までもいろいろPRしてまいりましたが、今後さらに、そうしたいわゆるトップセールス的な観点からの活動を行っていきたいと考えております。

〇医療局長(法貴敬君) 医療費が抑制基調の中で、病院に対する在院日数の短縮の圧力というものは、今後ますます激しくなると思っています。そのために地域で、例えば保健・予防、あるいは急性期、回復期、慢性期というサイクルの中で、介護と医療というものはやはり緊密な連携をとっていかなければならないと考えていまして、病院あるいは診療所、福祉施設というものは、今後ますます連携を強めていかなければいけないと考えています。
 しかしながら、福祉行政の中でも介護福祉施設の増設とか、いろいろなところに越えなければならない壁がさまざまあると聞いておりますので、今後、医療計画を進める中でどういう連携をとっていけば一番いいのかということを、福祉行政とも十分連携をとりながら病院経営に努めてまいりたいと考えています。

〇地域振興部長(山口和彦君) なぜこの時期に市町村合併の組み合わせを公表したかということについて、知事がお答えしましたけれども、いずれ合併新法の期限は平成21年度末までの5年間でございます。その中で、構想は可能な限り平成17年度中に作成することとの合併新法に基づく国の助言を踏まえまして、本県では、市町村の合併の推進に関する構想を今年度内に策定しまして、市町村合併を早期に推進していくこととしているところでございます。そのために、この時期に岩手県市町村合併推進審議会において、構想対象市町村の組み合わせ、たたき台を審議していただく日程となったところでございます。

〇43番(藤原良信君) 知事、今、産業振興の中でシイタケは一例で申し上げましたので、当然、知事もそうお考えでしょうけれども、そういうトップセールスをすることによってブランド化につながり、そして販路が広がっていくという意味でお話をいたしましたので、よろしくそのことは申し上げておきます。
 それから、地場産業の振興なんですけれども、なかなか既存のいいものがあります。商工労働観光部も岩手大学との連携もして、予算をとってやっている面もありますが、私は、その生かし方が、産業振興をする上でまだまだ考えるところがあると思います。
 例えば、釜石のスチール線、棒線ですけれども、これは世界でナンバーワンの品質です。今、知事を中心として岩手県で取り組んでいる自動車産業との連携、その振興策をやっておりますけれども、それには欠くべからざるものとしてタイヤがあるんですが、このスチール線を使ったタイヤづくりというものが、タイヤはロットがあるものですから、自動車産業の近くに立地することは大変メリットがあるはずなんです。そういうことの生かし方、岩手県にない産業として、例えばタイヤ産業はございません。
 それから、酸化亜鉛の話が出ておりましたけれども、これも出口の分野なんですよ。ですから、これらの対応策を早急に整えていくべきだと思います。そういう意味で、簡単でいいですから御見解をお示しください。産業振興が大事であるという意味でございます。

〇知事(増田寛也君) 今、具体例で釜石のスチールコードのお話がございました。やはりこうしたものについていろいろな素材が、ZnOの方もそうですが、県内にございますので、大学、県の試験研究機関、さらには企業も入った研究会のようなものを組織して、それで製品開発を強力に進めていく、こういった観点も大変大事かと思っております。
 そうした県内企業のネットワーク化などにも今後取り組んで、ぜひいい製品を全国に売り出せるようにしていきたいと考えております。


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