平成18年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成18年3月14日(火)
   
1開会  午前10時13分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事課長 駿  河     勉
  議事課長補佐 千  田  利  之
  主任主査 保  原  良  和
  主      査 小  船     進
  主      査 福  田  清  喜
  主      査 佐々木  ユ  カ
  主      査 渡  辺  謙  一
  主      査 安  藤  知  行
1説明員
  農林水産部長 今  泉  敏  朗
  農林水産部技監 千  田     勉
  農林水産企画室長 瀬  川     純
  農村整備担当技監
  兼農村計画課 田  山     清
  総括課長
  林務担当技監兼
  林業振興課 千  田  壽  光
  総括課長
  農林水産企画室
  特命参事 大  谷  陽一郎
  農林水産企画室
  特命参事 東大野  潤  一
  農林水産企画室
  企画担当課長 杉  原  永  康
  農林水産企画室
  管理担当課長 小  原  敏  文
  団体指導課
  総括課長 工  藤  孝  男
  指導検査担当課長 平  澤  政  敏
  流通課総括課長 佐々木  和  博
  農業振興課
  総括課長 及  川  傳  弘
  経営体育成
  担当課長 幅  下  順  一
  農業普及技術課
  総括課長 阿  部  郁  夫
  農村建設課
  総括課長 須  藤  勝  夫
  農産園芸課
  総括課長 齋  藤     恭
  水田農業担当課長 山  田     亙
  畜産課総括課長 樋  澤  正  志
  振興・衛生
  担当課長 三  浦  牧  夫
  緑化推進課
  総括課長 西  村  和  明
  緑化育成担当課長 関  口  一  昭
  緑化推進課
  特命参事 藤  沼  豊  頼
  森林保全課
  総括課長 千  田  育  郎
  水産振興課
  総括課長 大  森  正  明
  漁業調整担当課長 井ノ口  伸  幸
  漁港漁村課
  総括課長 佐々木     敦
  予算調製課
  総括課長 菅  野  洋  樹
   
〇工藤大輔委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第25号、議案第35号から議案第39号まで、議案第41号から議案第48号まで、議案第51号、議案第53号及び議案第54号の以上38件を一括議題といたします。
 本日は、農林水産部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 また、本日の審査の進め方についてでありますが、世話人会において協議しました結果、審査の効率化等を考慮し、初めに、岩手県競馬組合に対する貸付金以外の予算及び予算関連議案の審議を実施し、これを終えた後に競馬組合に対する貸付金に係る予算について審議することとしましたので、御了承を願います。
 それでは、農林水産部長から農林水産部関係の説明を求めます。
〇今泉農林水産部長 農林水産部関係の平成18年度の予算関係議案について御説明申し上げます。
 予算の説明に入ります前に、平成18年度における農林水産施策の推進に当たっての基本的な考え方について御説明申し上げます。
 農林水産業を取り巻く社会情勢は、御案内のとおり、WTO交渉の進展などに伴い自由市場経済が拡大し、輸入農産物の増加などによる国内外の競争が激化している一方で、国内でも、食料自給率の低下、消費者ニーズの多様化、少子・高齢化の進行など社会情勢が大きく変化してきたことから、国は、新たな食料・農業・農村基本計画を策定し、構造改革を進めることとしているところであります。
 このような状況のもと、当農林水産部といたしましては、岩手県農業・農村基本計画を初め、平成22年度を目標とした農林水産業の各基本計画の目標達成に向けて、平成18年度は、特に五つの柱といたしまして、自立した担い手の確保・育成、岩手らしさを生かした産地づくりの推進、農山漁村の活性化の推進、環境保全を軸とした森林整備の推進、地域資源循環システムの構築を重点的に展開してまいりたいと考えております。
 それでは、予算関係議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成18年度岩手県一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、農林水産部関係の予算は、6款農林水産業費の775億5、788万1、000円のうち、公共事業の一元化に伴う県土整備部の所管分を除きます690億6、885万9、000円及び9ページの11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費の23億9、095万3、000円のうち、同じく20億6、170万4、000円を合わせまして711億3、056万3、000円となるものであります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと、金額で44億7、738万8、000円、率にいたしまして5.9%の減となるものであり、一般会計の予算総額に占める割合は9.6%となるものであります。
 予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、新規事業を中心に、主な事業を簡潔に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の140ページをお開き願います。6款農林水産業費1項農業費であります。農業総務費は、農政関係職員の人件費や国土調査に要する経費等でありますが、説明欄二つ目の庁舎施設整備費は、平成12年度に岩手県環境保健研究センター用地との交換に供するため、農政部が所管して土地開発基金により取得した土地につきまして、盛岡南新都市土地区画整理事業の進捗にかんがみ、今般、一般会計により再取得を行おうとするものであり、基金取得時の経緯により農林水産部が手続を行うものであります。次に、141ページの農業金融対策費の主なものは、農業近代化資金等の貸し付けを行う農協などの融資機関に対し、利子補給等を行うものでありますが、説明欄下段の集落型経営体育成緊急支援資金貸付金は、平成19年産からの品目横断的経営安定対策の導入に向けまして、同対策の加入者である特定農業団体及びこれと同等の要件を満たす組織の育成を図るため、当該組織に短期運転資金の貸し付けを行う金融機関に対し、その原資の一部を預託しようとするものであります。次に、142ページをお開き願います。農業構造改善対策費の主なものでありますが、説明欄四つ目のいわてグリーン・ツーリズム総合強化事業費は、大学などと連携して地域の魅力・情報を発信するとともに、アドバイザーによる地域診断、研修等による地域の魅力・価値の向上を支援し、県外からの誘客とリピーターの確保を図り、都市と農山漁村の交流を拡大しようとするものであります。次に、説明欄下段の強い農業づくり交付金は、経営構造対策事業費とあわせまして経営構造対策事業の実施に要する経費でありますが、地域の実情に即した経営体を育成するため、農業近代化施設の整備に対し、交付金を交付しようとするものであります。次に、農業改良普及費の主なものは、農業改良普及センターの管理運営に要する経費のほか、説明欄二つ目の新規就農総合対策事業費は、新規就農者の育成・確保を図るため、市町村、青年農業者等育成センター、農業団体等と連携しながら、就農情報の提供、いわて農業入門塾による就農講座の実施、小・中学校における農業体験学習を推進するとともに、実践研修農場の運営等に要する経費に対し、補助しようとするものであります。次に、143ページの農業振興費の主なものであります。恐れ入りますが、144ページをごらんいただきます。説明欄二つ目のいわて農林水産物等情報発信事業費は、台湾への県産農林水産物の輸出拡大を図るため、安全・安心・おいしさなど県産農林水産物のすぐれた点や食文化などの情報発信を行うために要する経費であります。五つ飛んでいただきまして、集落営農育成緊急支援事業費補助は、品目横断的経営安定対策の対象となる集落営農組織の育成・確保のため、組織化を集落現場で支援いたします集落コーディネーターの配置に要する経費に対し、補助しようとするものであります。三つ飛んでいただきまして、新いわて農業担い手支援総合対策事業費は、従前のいわて農業担い手支援総合対策事業を組み替えまして、地域農業の担い手の育成と農地の利用地集積を促進し、地域ぐるみ農業の展開による収益性の高い個性あるいわて農業を形成するため、生産から流通に至る各種の条件整備に要する経費に対し、補助しようとするものであります。次に、農業者ビジネスカレッジ開設事業費は、集落営農組織が経営の多角化・法人化などにより地域の農業の担い手として定着していくために、当該組織のリーダーとなる農業者を対象とした集落営農への取り組みに必要な専門的な経営理論や手法、異業種の経営展開手法や先進的な実践者との交流を通じた経営能力の開発など、より実践的な講座の開設に要する経費であります。四つ飛んでいただきまして、埋設農薬適正処理事業費は、過去に埋設処理を行った農薬につきまして、安全・確実に最終処理を行うために要する経費であります。次に、145ページの農作物対策費の主なものでありますが、生産振興総合対策事業費のうち、いわて純情米トップブランド事業費補助は、高品質・良食味米の安定生産や特色のある米づくりなどにより、需要を先取りした売れる米づくりを強化するため、関係機関や団体が一体となっていわて純情米トップブランド運動を全県的に展開し、消費者ニーズを把握しながら、農家の品質・食味に係る技術向上を図ろうとするものであり、説明欄下段の強い農業づくり交付金とあわせて、生産性の高い営農システム確立の核となる共同利用施設の整備を行い、多様なニーズに対応した特色ある米づくりと生産コストの低減を推進しようとするものであります。次に、畑作振興費の主なものでありますが、説明欄下段の強い農業づくり交付金は、本県産リンゴの産地若返りのための改植に要する経費や、県産雑穀の生産体制を強化し生産と地場消費の拡大を図るため、精選精白施設の整備に要する経費等に対し、交付金を交付しようとするものであります。146ページをお開き願います。北上奥羽山系開発費の主なものは、緑資源機構が北上・奥羽山系地域で実施した広域農業開発事業における地元負担分の償還金であります。次に、植物防疫費は、病害虫の防除指導のほか、農作物生産者及び農薬販売業者に対する農薬の適正使用、適正販売の指導・検査等に要する経費であります。次に、農業協同組合指導費は、農業協同組合の指導監督に要する経費であります。次に、147ページの農業共済団体指導費は、県内七つの農業共済組合の運営費に対する補助等であります。次に、農業研究センター費は、同センターの管理運営及び試験研究に要する経費であります。148ページをお開き願います。農業大学校費は、同校の管理運営に要する経費であります。次に、蚕業費は、県産繭の高品質化とブランド化を推進するとともに、中山間地域において、他の作目との合理的な複合経営を確立し、養蚕農家の経営の安定と産地の活性化を図るため、養蚕団体を中心とした普及指導体制の整備等に要する経費に対する補助等であります。
 次に、150ページをお開き願います。2項畜産業費であります。畜産総務費は、畜産関係職員の人件費等の管理運営に要する経費のほか、畜産団体育成対策費のうち、岩手県競馬組合経営改善対策資金貸付金は、岩手県競馬組合の安定的な事業の継続と財政構造の健全化を図ることを目的として、岩手県競馬組合が作成した岩手県競馬組合改革改訂実行計画を実現するために必要な資金を貸し付けようとするものであります。次に、畜産振興費の主なものでありますが、畜産振興総合対策事業費は、生産性の高い経営体の育成を図るため、生産から流通・消費に至る総合的な地域畜産振興対策に要する経費であります。152ページをお開きいただきまして、説明欄二つ目の強い農業づくり交付金は、粗飼料の増産とその合理的な利用を促進させるための機械整備や自給飼料の安定した飼料生産構造への転換のための草地造成のほか、酪農新技術の実証のため、搾乳作業省力化施設の整備等に要する経費に対し、交付金を交付しようとするものであります。次の、バイオマスの環づくり交付金は、食品廃棄物を飼料化することにより、地域内の食品バイオマス資源の利活用を図り、地域循環型社会を実現するために行う食品残渣の飼料化施設の整備に対し、交付金を交付しようとするものであります。次に、草地対策費の主なものでありますが、畜産基盤再編総合整備事業費は、飼料基盤に立脚した効率的な経営体の重点育成及びこれを核とした畜産主産地の整備を行うため、草地の整備改良や畜舎等の整備に要する経費に対し補助しようとするものであり、畜産基盤再編総合整備事業等資金貸付金は、畜産基盤再編総合整備事業等の円滑な推進を図るため、事業主体である社団法人岩手県農業公社に対し、事業費の補助残相当額を貸し付けようとするものであります。次に、家畜保健衛生費の主なものでありますが、牛海綿状脳症防疫対策事業費は、24カ月齢以上の死亡牛のBSE検査等に要する経費であります。次に、153ページに参りまして、農業研究センター費は、畜産研究所の管理運営及び試験研究に要する経費であります。
 次に、155ページをお開き願います。3項農地費であります。農地総務費は、農地関係職員の人件費等であります。次に、土地改良費は、農地等の区画形質の改善、農道・用排水路等の整備、農業集落排水施設の整備など、農村の生産基盤や生活環境の総合的な整備に要する経費でありますが、説明欄六つ目の経営体育成基盤整備事業費は、効率的で合理的な営農のため、水田の区画整理や用排水路及び農道等の一体的な整備、並びに担い手への農地利用集積を促進しようとするもので、旧ほ場整備事業と旧土地改良総合整備事業を本事業に統合整理し、農業生産を担う安定的な経営体の育成に向けて重点的に実施しようとするものであります。156ページをお開きいただきまして、説明欄下段の元気な地域づくり交付金は、水田農業等の高度化・効率化に資するための暗渠・客土、用排水路等のきめ細かい整備や高度な情報通信ネットワークを構築し、農業情報を含む行政情報等の提供を行うケーブルテレビ等の整備を行うために要する経費に対し、交付金を交付しようとするものであります。次に、157ページに参りまして、農地防災事業費は、農地・農業用施設に対する洪水被害等を防止するための防災ダムや老朽化した水利施設の整備に要する経費であります。158ページをお開き願います。開墾建設事業費は、中山間地域における優良農地の保全を図るための区画整理、及び用排水施設等の整備に要する経費であります。次に、農地調整費の主なものでありますが、農地保有合理化促進費は、農業経営の規模拡大、農地の集団化等を促進するために、岩手県農業公社が行う農用地等の売買、賃貸借等の業務に要する経費に対して補助しようとするものであります。
 次に、160ページをお開き願います。4項林業費であります。林業総務費の主なものでありますが、管理運営費の森のトレー訴訟関係費用や林政関係職員の人件費のほか、県有林事業特別会計への繰出金等であります。次に、161ページの林業構造改善対策費の林業・木材産業構造改革推進事業費は、林業構造改革事業等により施設導入を行った事業体等の経営指導に要する経費に対し、補助等を行おうとするものであります。次に、林業振興指導費の主なものでありますが、説明欄下段の木質バイオマス資源活用促進事業費は、木質バイオマス資源のエネルギー利用を促進するため、ペレットの購入に対してクーポン券を発行して需要拡大を図るなど、普及啓発や流通対策を行うために要する経費であります。次に、162ページをお開き願いまして、説明欄の中ほどより下の地域森林経営担い手対策事業費は、地域の森林経営を担う経営体を育成するため、団地化の企画や森林所有者への施業提案等に関するセミナーを開催しようとするものであります。二つ飛んでいただきまして、間伐等森林整備推進事業費は、間伐等を効率的・効果的に実施するための条件整備を図るため、県産間伐材の利用促進の普及啓発を目的とする施設を整備するとともに、163ページの森林づくり交付金とあわせて、間伐等森林整備を実施するために必要な作業道や林業機械の整備を行うために要する経費であります。三つ飛んでいただきまして、岩手県林業公社事業資金貸付金は、社団法人岩手県林業公社の事業資金のうち、国庫補助金及び公庫融資の残額に対し、資金を貸し付けようとするものであります。163ページに参りまして、いわての森林づくり推進事業費は、すべての県民が享受している水源の涵養、県土の保全等森林の公益的機能を維持・増進し、良好な状態で次の世代に引き継ぐため、県民の理解と協力をいただきまして、いわての森林づくり県民税の税収を財源として基金を造成し、公益上重要で緊急に整備する必要のある森林について、混交林誘導伐を実施して広葉樹と針葉樹の混交林化を進めるほか、上下流連携による森林整備や開かれた里山の整備など、地域力を生かした森林整備を公募し、その活動を支援するために要する経費等であります。次に、森林病害虫等防除費は、松くい虫などの森林病害虫の防除と被害拡大の防止のほか、五葉山地域に生息するシカ被害の防止に要する経費であります。次に、造林費は、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の充実を図るため、森林の育成管理や広葉樹林の整備に対し、補助等を行うものであります。165ページをお開き願います。治山費は、山地災害を未然に防止し、県土の保全を図るため、治山や地すべり防止、保安林の管理、整備などに要する経費であります。166ページをお開き願います。林業技術センター費は、同センターの管理運営及び試験研究などに要する経費であります。
 次に、168ページをお開き願います。5項水産業費であります。水産業総務費は、水産関係職員の人件費及び水産科学館の管理運営や施設改修に要する経費等であります。次に、漁業構造改善対策費は、169ページの強い水産業づくり交付金とあわせて、効率的かつ安定的な漁業経営を育成し、流通の衛生管理向上を図るため、ワカメ、ホタテなどの養殖施設やカキ殻破砕機等の関連機器整備に要する経費に対し、補助等をしようとするものであります。次に、水産業振興費の主なものでありますが、説明欄中段より下のさけ、ます増殖費は、170ページの強い水産業づくり交付金とあわせて、サケ・マス資源の維持安定を図るため、施設の整備や人工増殖事業を推進するために要する経費であります。次に、169ページにお戻りいただきますが、説明欄下段にあります養殖業振興事業費は、本県の特性に即した養殖水産物のブランド化を推進するため、普及・指導、各種調査を行うとともに、マツカワ及びホタテガイの安定生産を促進するための技術開発に要する経費であります。もう一度170ページをお開き願います。水産業協同組合指導費の主なものでありますが、説明欄中段の漁業協同組合組織緊急再編対策事業費は、合併等を行う漁業協同組合の組織、事業基盤の強化を図るため、漁業協同組合が岩手県信用漁業協同組合連合会から借り入れた資金の利息に対し利子補給を行うとともに、合併漁協職員の資質向上のための研修に要する経費等に対し、補助しようとするものであります。次に、漁業調整委員会費と、171ページに参りまして、漁業調整費は、海区漁業調整委員会等の開催、並びに漁業調整などに要する経費であります。次に、漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営や漁業取締船の運航などに要する経費であります。172ページをお開きいただきます。水産技術センター費と173ページの内水面水産技術センター費は、両センターの管理運営及び試験研究に要する経費であります。次に、漁港管理費は、県管理漁港の施設の維持管理等に要する経費であります。次に、漁港漁場整備費は、安全・安心な水産物供給体制の構築、生産・販売の増大と産地競争力の強化、豊かで潤いのある漁村環境の整備等を重点とした、水産業の振興のための漁港・漁場・漁村の水産基盤施設の総合的な整備に要する経費であります。
 次に、大きく飛びまして229ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費であります。農地及び農業用施設災害復旧費のうち、農地等災害復旧事業及び団体営農地等災害復旧事業費、230ページをお開きいただきまして、治山災害復旧費及び漁業用施設災害復旧費、231ページの漁港災害復旧費は、いずれも過年災害と現年災害の災害復旧事業に要する経費であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入れます。議案その1に戻っていただきたいと思います。議案その1の12ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、8市中金融機関が社団法人岩手県農業公社に融通した資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償から、13ページの29漁業経営維持安定資金の融通に伴う利子補給までの22件であります。内容は、社団法人岩手県農業公社及び社団法人岩手県林業公社の事業資金の借り入れに係る損失補償が4件、農林水産業関係の各種資金の融通に伴う利子補給が8件、平成18年度から翌年度以降にわたって施行される工事に係るものが10件でありますが、いずれも、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。なお、10市中金融機関が社団法人岩手県農業公社に融通した長期保有地の保有資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償は、事項といたしましては、今回、新たに債務負担行為を設定しようとするものでありますが、これは、県の施策目的として実施しました農地保有合理化事業で生じた長期保有地を対象といたしまして、農業公社が市中金融機関から借り入れる資金について、元利金の償還がない場合の不足額の損失補償を行うことで、当該事業の適切な実施を図ろうとするものであります。
 次に、特別会計予算について御説明申し上げます。
 22ページをお開き願います。議案第3号平成18年度岩手県農業改良資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ2億559万4、000円とするものであります。
 次に、23ページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、1款繰入金は、一般会計からの繰入金であり、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 24ページをお開き願います。歳出の主なものでありますが、1款農業改良資金貸付費は、新たな農畜産物の生産や加工を開始、または販売方法を改善するなど、農業経営の改善を図るため、農業者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
 次に、25ページに参りまして、議案第4号平成18年度岩手県県有林事業特別会計予算についてでありますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ25億3、324万5、000円とするものであります。
 26ページをお開きいただきまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、1款国庫支出金は、県行造林及び模範林の整備に係る国庫補助金、3款繰入金は、一般会計及び県有林造成基金からの繰入金、5款諸収入は、立木処分に係る売り払い収入等であります。
 27ページに参りまして、歳出の主なものでありますが、県有林事業費は、県行造林造成事業等の下刈り、除・間伐及び県債の償還等に要する経費であります。
 次に、第2表地方債でありますが、県有林事業に充当しようとするものであります。
 28ページをお開き願います。議案第5号平成18年度岩手県林業改善資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ6億8、004万3、000円とするものであります。
 29ページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 30ページをお開きいただきます。歳出の主なものでありますが、1款林業改善資金貸付費は、林業経営の改善を図るため、林業者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
 2款木材産業等高度化推進資金貸付費は、森林組合などに低利の運転資金を融通するため、その原資を金融機関に預託しようとするものであります。
 次に、31ページに参りまして、議案第6号平成18年度岩手県沿岸漁業改善資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ3億310万7、000円とするものであります。
 32ページをお開きいただきます。第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 次に、歳出の1款沿岸漁業改善資金貸付費は、沿岸漁業の経営改善を図るため、漁業従事者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 まず、負担金徴収に関する議案でありますが、57ページをお開き願います。議案第15号農業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、かんがい排水事業等の農業関係の建設事業に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、65ページをお開き願います。議案第17号林業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、県単独治山事業に要する経費の一部を受益市に負担させようとするものであります。
 次に、67ページをお開き願います。議案第19号水産関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、地域水産物供給基盤整備事業などの水産関係の建設事業に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、歳入を伴う条例議案について御説明申し上げます。
 恐れ入れます。議案その2の285ページをお開き願います。議案第39号いわての森林づくり基金条例でありますが、これは、いわての森林づくり県民税の創設の趣旨に沿いまして、水源の涵養、県土の保全等の森林の有する公益的機能の維持増進及び持続的な発揮のために実施する森林環境の保全に関する施策に要する費用に充てるため、いわての森林づくり基金を設置しようとするものであります。
 次に、319ページをお開き願います。議案第46号家畜保健衛生所使用料等条例の一部を改正する条例でありますが、これは、病理解剖検査及び病理組織検査に係る手数料の額を増額しようとするものであります。
 以上で予算関係の議案についての御説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇工藤大輔委員長 それでは、岩手県競馬組合に対する貸付金以外の予算及び予算関連議案について質疑はありませんか。
〇高橋賢輔委員 3点ほど質問いたします。
 まず第1点、県出資団体の整理に当たり、いわゆる負の遺産の処理が大きな問題となっています。この処理に当たり、県が負担するということは県民自身が負担を負うことであり、県民は大変厳しい目で見ております。
 安易な債権放棄は許されないと思いますが、そこで伺います。この10年間で、農林水産部が所管する債権で、これを放棄した例はあるか。あるとすればその内容をお聞かせいただきたい。
 第2点、農林水産部は、出資法人など関係団体に対し補助を出し、事業を行わせてきましたが、幾つかの事業が破綻あるいは休止に追い込まれております。例えば、北上市のわっかビールは、その立地、業務環境など必ずしも受益者の意向に添ったものではなく、事業が破綻した今、結果的にそのしわ寄せは受益者、県民がこうむることになります。農林水産部として、このように失敗した補助事業、すなわち事業が破綻した、あるいは休止に追い込まれた事業に対する認識を伺います。
 このような事態がたび重なると、市町村や末端の事業者は、県に対し不信感を募らせることになりかねない。今、農林水産部の体質が問われていると感じます。部長の取組姿勢を伺いたいと思います。
〇今泉農林水産部長 3点お尋ねでございますけれども、第三セクターが行った事業の問題に関する認識と私の取組姿勢については私が答弁し、その他については担当課長から答弁させますので御了承願います。
 まず一つは、事業が休止等に追い込まれたことに対する認識についてでございますけれども、私どもの所管する非公共の施設整備事業の多くは間接補助事業でございまして、事業主体の申請により当該補助を採択し、計画段階から事業目的に沿った事業が実施できるように協議あるいは助言等を行っているところでございます。当然、事業の実施段階では、事業が休止あるいは中止に追い込まれるという事態を想定しないものでございますけれども、近年そういった例が出てきているということは、やはり事業実施後の社会経済情勢の変化等により、やむを得ず事業中止、休止に至っているのかなということもございます。そういった外部環境の変化に対して適切に対応できなかったということにつきましては、私ども指導する立場としても反省すべき点もあるのではないだろうかというふうに思っているところでございます。
 したがいまして、今後、そういった間接補助事業を採択するに当たりましては、これまで以上に採択時の審査に慎重を期すことは当然でございますけれども、さらに、収支計画の妥当性、あるいは事業を実際に実施する途中において当初計画していた事態と異なった外部環境が出てきたときには、それに十分に対応していけるような経営指導を今後充実して、こうした事態が起こることのないように我々としても取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 1番目の質問でございますけれども、この10年間で、農林水産部が所管する債権で、これを放棄した例があるかということでございますけれども、10年間で債権を放棄した例はないということでございます。
〇高橋賢輔委員 それは大変結構なことです。
 これまでいろんな課題があるわけです。例えば、森のトレーの問題、それから、先般決めた肉牛生産公社の問題、そしてまた、いろんな問題がたび重なっておるわけです。私は、これまでいろんな県民のお話を聞きますと、どうも農林水産部の体質がまずいのではないか、というのは、市町村に対しての指導監督、そういったものが、末端の団体に農林水産部のこれまでとってきた行動に非常に甘さとかなれ合いとかを感ずると言われることが往々にしてあるわけです。農協の破綻にも言えると思いますけれども、それらについても、きちんと指導体制が整っていればああいう結果にはならないと思うんです。固有名詞は出しませんけれども。
 いずれ、これから農林水産部はしっかりした体制で、しかも意識改革をしっかりしていただかなければ、県民は大変、今、農林水産部関係の事業なり何なりに注目しているわけですよ。そういうことで、ひとつ、これからはいろんな面でそういうことをきちっと行動に示していただきたいと思うわけです。
 これで終わります。
〇菊池勲委員 どうも最近、農林水産部長だけが矢面に立たされるような感じで、私も農業者の一人で、気の毒だなと思っていつも心配をしておりました。
 実は先般、県の御指導、御支援を賜りながら、私が管理している和賀川土地改良区という改良区なんですけども、和賀中部の国営の第2工事が平成18年度から着手できる見込みになりました。おかげさまでした。まことにありがとうございます。
 農林水産省東北農政局に陳情に行ってまいりましたけれども、私が国営の事業のお礼かたがた陳情に行ったんだけれども、逆に東北農政局から陳情をされてまいりました。これ、不思議な話なんだけれども、頼みに行って頼まれてきたというのは。正直言って余りいい話ではないんですよね。私が今、改良区の理事長を背負ったのは、約4、400ヘクタールの土地を持っている改良区でありますけれども、私ども農家は、例えば畦畔の雑草を刈ったり、水路の維持管理をするために泥上げしたりすることが年じゅうあるわけなんだけれども、そこで国が、その制度は農家だけでは回り切らぬだろうということで、国も10アール当たり2、200円出す。そして、県も1、100円出してもらう。そして担当の市町村も1、100円出してくれて、10アール当たり4、400円の補助事業を導入しながら、その農村地域の景観の管理をしようという制度が今年から始まるという話を聞いていた。全国で600カ所のモデル地域をつくって、恐らく岩手県にも何カ所かお願いしたはずなんだけれども、先生、岩手県ではたった3カ所しかとってくれなかったという話なんだ。何ぼもらったかわかりませんよ。3カ所しかとってくれなかったってことは、いっぱいだと思う、1より3だからね。だけれども、東北農政局では恐らく県にはかなりの数をお願いしたはずなんだけれども、残念ながら3カ所しかとっていただけなかったと。農政局とすれば、東北農政局管内の関係県に積極的に努力しながら御指導してまいったのだけれども、残念ながら岩手県さんにはこれしかとってもらえなかったと。
 平成17年度からモデル事業としてお願いする岩手県の3カ所、それから東北6県、その他青森、宮城、山形、秋田も含めて何件ぐらいよその県ではとって、岩手県が3カ所になったのか、まずそれをひとつ教えてほしい。
 私どもは、今までも農地を管理すれば、年間少なくても2回は畦畔の雑草を刈らなければならない。これは2回でも少ないんだ。手が回らなければ2回程度で終わっているわけなんだけれども、この事業を導入すれば、あと1回ほど追加をしながら、そしてまた、小河川の泥上げなんかをして、いい環境の農村社会をつくろうという国の施策に対しては、残念ながら3カ所には当たらないと。私ども改良区でも1カ所御指導あったものだから、一応指示しながら、その地域には指導し、県の出先の方々にも御指導をもらって、大方やろうという心構えのときにそこは外れたということになっておりますので、果たして岩手県に何カ所農林水産省からあったものが三つしかとれなかったのか、それをひとつ教えてください。
〇田山農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 農地・水・環境保全向上対策のお話でございます。
 集落機能の脆弱化が進む中で、農地や農業用水などの管理体制をどのように維持していくかということは非常に重要な課題であると思ってございます。この対策として、今お話のありました農地・水・環境保全向上対策を国が展開することとして、平成18年度にモデル事業を行った後に、19年度から本格的に実施する予定と伺ってございます。
 県といたしましては、平成18年度、純農村、都市近郊、中山間それぞれの地域における成果を確認したいということで、3地区でのモデル事業の実施を考えております。
 また、東北各県の状況ということでございました。東北各県では、県によって数字は前後いたしますけれども、大体17地区前後というふうに伺っております。
〇菊池勲委員 私ども農家は、この補助事業があろうがなかろうが、自分の土地、隣との関係もあって、どうしてもあぜ道の草も水路の泥も上げなきゃいかぬ。これを一生懸命努力して農村地域と自分の農地を守りながら努力をしたときに、こういう制度があれば、これは非常に助かるなと。モデル事業でありますから、将来に向けて、これは5カ年計画と聞いておったんだけれども、大変得になる制度、今までの制度も立派だったんだけれども、特にこの制度は私ども農家にすれば大変いいことだなと思って期待をしたところに、今、課長の答弁では、3カ所しかとれなかったと。よその県では十七、八カ所と聞いておるという話ですね。
 私はそのとき、例えば当初予算上、今、私も予算審査中だから、詳しくは見てこなかったんだけれども、恐らくそういう予算で組んでおったから、この当初予算にはのせるのは難しいだろうけれども、補正でもし対応できたと仮定した場合は、農政局さんの方ではどう対応してくれますかという質問をしたら、それには答えはなかったんだ。なかったんだけれども、でき得れば、私ども、岩手県さんにも秋田県さんにも青森県さんにも、努力をしながら、将来は、この制度がもしほかより立派なものだとするならば、もっともっと確保しながら農村地域を守る努力をしたいと。
 ということは、御案内のとおり、農村では、農業者はほとんど高齢化になっちゃっている。そしてまた、地域によっては混住化の社会も並行して進んでいるということで、残念ながら農家の人は自分の財産だから管理をしなきゃいかんけれども、そこに住んでるサラリーマンは、管理はしなくても環境のいい農村地域に住めるということですよ。これでは不公平なわけですよね。そのためにこの制度をつくったと話を聞いたんで、残念ながら、期待をしながら3カ所と、私の地域にも当たらないでしまったんですよ。
 できれば部長さん、財政が厳しいことは十分理解はできるけれども、この第1次産業である岩手県の農業、林業も水産業も含めてなんだけれども、たまたまこれは農村地帯ということになりますから、それに今度は漁村地帯のも来るのかもしれない。そういう制度をやりながら県土の管理と、そして農村社会の環境の整備などは十分、岩手県単独の予算を出してくれればそれにこしたことはないんだけれども、今の財政上単独の予算は難しいとするならば、やっぱり国の施策にできるだけ乗りながら、農村地域の環境整備に対して努力をしてほしい。これは部長の考えを聞きたい。
〇今泉農林水産部長 確かに、少子・高齢化が進み、かつまた混住化が進んでまいりますと、農業施設の維持管理というのをこれまでのような形で本当に維持していけるかどうかということはやはり大変大きな課題だろうと思ってございまして、そこをどうしていくかということ、これは農村の活性化という観点からやはり真剣に考えていかなくちゃいけない問題なんだというようには考えております。
 ただ、委員も御案内のとおり、やはり県内には、逆に言うと、そういった問題意識から、むしろ自主的、主体的にそういった取り組みを始めているところも多々ございます。実際そこではそれなりの成果というものを上げつつあるということもこれまた事実でございまして、やはり私どもといたしましては、これからのあるべき姿というのはそういう姿ではないのかというふうに考えてございます。
 そういった観点で、今回、モデル事業ということでもございましたので、私どもといたしましては、3地区で、しかもある程度地域の特性を際立てるようなところですね、例えば都市化が進んでいるところとか、純農村とか中山間というところ、その中で実際にこういうものを入れていった結果がどうなのかということを検証してみようかと。あるいはそれを入れないところで、実際に主体的に自主的に取り組んでいるところとの差異というものを比較検証しながら、どういうやり方が一番いいのかということを考えてまいりたいということで、今回3地区ということでさせていただいたものでございます。
 ただ、やはり私どもといたしましては、これからの農村地域というものを支えるのは、むしろそういう自助、共助のところが大変大事なんじゃないだろうかと思っておりまして、そういった取り組みというものを我々一つでも多く立ち上げ、支援してまいりたいと思っているところでございます。
〇菊池勲委員 ありがとうございました。
 田山課長、ことしは3カ所だったと。今、部長の答弁で、まあ、苦しい答弁のようだけれども3カ所だったということで、私ども、農村、土地改良区に関係する方々に言わせれば、例えば国が10アール当たり2、200円出すと。県、市町村が1、100円ずつでもって4、400円という形になっているようだけれども、今、部長の答弁ではそういう積極的にやっている地域もあるということで、金がなくてもやるということはそれは立派なことなんだけれども、この制度を聞いた数カ所の方々に言わせると、例えば県の1、100円がなくたっておらはやりたいと。先生、どうしてくれるんだという話もあったんだ。それは制度とすれば、確かにその意欲は買う。国の分だけは取る。県は持っていないからしようがないと。そして市町村は出すという形の、そうすると3、300円という形になるんだけれども、金額的にはこれも立派なものなんだよな。我々、そういうことに携わる人たちからすればそれでもやっぱり必要なんだけれども、もし、今年やるとして指導した地域でどうしてもしたいという議論になったときには、課長、受けられますか。私が聞いたときには29カ所ぐらいと聞いておったんだよ。それが3カ所になったということならば、その3カ所がどこになったかそれはわからないけれども、あとの26カ所が指導を受けて、大方できる段取りになってから予算にはのってこないということだから、おれはしたいという地域があるんですよ。そのときにどうする。受けなければ、県の分だけは抜いて国と市町村だけでできるものかどうか、それをひとつ教えてくれますか。
〇田山農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 今お話のありましたように、このモデル事業は平成18年度に行い、この成果を見て19年度からつなげるということですけれども、18年度の実験事業については、国が2、200円、県が1、100円、市町村が1、100円出したことによって成り立つというような要綱になっておりますので、平成18年度県が支出をしないで国と市町村だけで事業ができるかということになると、これは難しいというふうに思っております。
〇小原宣良委員 肉牛生産公社解散に伴う継承事業についてであります。
 優良な種雄牛の作出や雌牛の選抜など、これまでいわて和牛改良増殖対策として行われてきました。この間、スーパー種雄牛と言われる菊茂勝あるいは菊福秀、こうした全国的にも評価の高い系統牛を作出してきましたけれども、今後の対応について、これはどのようになさるのか。
 これらの事業については、今後、肉牛生産公社が担っておった事業については継承するということで説明もあったわけですけれども、これら全国的に大変優秀な種雄牛と、それから産まれる子供、そうした肉牛については大変な評価を受けている。このことについて、どのような管理、種の管理というのは大事ですね。公社の解散に伴って、そうした種の管理というのがどこかに行ってしまうということでは、今までの積み上げというものに対して大変な状況が起きてくるだろうという心配があります。この点は、今後、継承事業の中でどのようにそれらが行われてくるのか。あるいはまた、こうしたスーパー種雄牛と言われるように、岩手から出たすぐれた系統牛を今後も大いにつくり出していかなければならない、こういう役割があると思うんですが、この点どうかと。
 種山畜産研究室、これが大変重要な役割を担ってきたわけですが、今後はどうなっていくのか。あるいは、そこに働いている皆さん方も大変優秀な皆さん方でありますから、こういう方々を含めて、今後の種山の畜産研究室など、これらが継承されてくるんだろうと思いますが、どのような対応を考えているかということです。
 なお、国の補助事業がこの中に入っているようでありまして、これは、基準種雄牛についてデータを蓄積するというわけですね。これは、一般の農家ではなかなか手間暇がかかるし、いろんな面で困難なわけだから、こうした全国的な基準に基づくデータをつくるという、これもひとつの事業として行われてきたわけですね。この点についても公社の果たしてきた役割というのは非常に大きかったんだろうと。これも継承ということになると思いますので、この点はどうかということです。
 そしてまた、種山には、県内のそれぞれ畜産農家が所有している種雄牛などについても、一元化をしながら一括して飼育管理をしている、こういう状況にあるようです。こういう点から見ても、これからの優良な種雄牛、これをどうつくり出していくのか。あるいは種の保管、こういったものも含めて今後の対応について伺っておきたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 家畜改良事業につきましては、低コストで高品質な畜産物を市場に安定的に供給するといったようなことで、欠かせないものと考えてございまして、今後とも、岩手県の評価を高めていく、維持向上していく上では重要なものだというふうに考えているところでございます。
 それから、ただいま委員からお話のございましたように、近年、全国トップクラスの種雄牛が続々と作出されてございますので、これらの利用拡大を図りまして、今後、農家の所得増大、あるいはいわて牛の評価向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 それから、種雄牛の管理につきましては、ただいま種山畜産研究室で管理してございますけども、一部、飼育管理部分を肉牛生産公社に委託していた部分もございますけれども、これにつきましては、引き続き類似団体に継承して管理をしていくといったようなことでございます。
 それから、種山研究室につきましては、今後とも本県の和牛改良の中心的な役割を担う機関でございますので、引き続き種山研究室はこの業務に当たっていくといったようなことでございます。
 それから、今後につきましては、さらに質量兼備の種雄牛造成を目指しまして、選抜と世代交代を進めながら、産肉能力なり、あるいは繁殖能力の改良を進めまして、本県独自といいますか、特色のある種雄牛造成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇小原宣良委員 こうした優良な種雄牛を作出する、つくり出すということには時間がかかってきますね、交配しますからね。これは、どれくらいの期間の中でそれらが実施されていくのか。あるいは、今後の見通しとして、スーパー牛と言われる菊茂勝のような、こういう種雄牛がぜひ後に続いてほしいと思うんですが、これらの今の取組状況はどうですか。
〇樋澤畜産課総括課長 今、委員御指摘のように、種雄牛の造成にはかなりの年月を要します。牛が産まれてから、それから、言ってみれば直接検定、いい牛を選んで検定をかけて、それを選んで、それから産まれる子牛の飼育の状況等を見ながら種牛として残していくといったようなことになれば、種雄牛として認められるまでには5年ないし5年半の年月を要します。
 したがいまして、今後におきましても、県といたしましては、改良事業は重要だといった認識のもとに、県が主導的に取り組んでいきたいと考えてところでございます。
〇小原宣良委員 わかりました。
 そこで、全国和牛能力共進会、これが何年か間隔で行われているわけですね。平成9年には岩手で開催をしました。これは大変な盛況でして、優秀な牛が続々出てきた、こういうことでにぎわった記憶があるんですけれども、平成19年は鳥取と聞いておりますが、この全国和牛能力共進会に向けた今の取り組み、あるいは、平成9年の岩手共進会以降、全国的な評価という点ではどう見ているでしょうか。
〇樋澤畜産課総括課長 平成19年の鳥取全共に向けましては、現在、県有種雄牛の産子を中心として、今後とも、共進会用といいますか、いい牛を共進会に出すといったようなことで、今、農業団体あるいは関係団体と一緒になって着々と進めているところでございます。
 それから、岩手県で行われました全国和牛共進会の後につきましても、全国的にはいい種牛ができてきているといったような状況もございますので、評価としては維持されているものと考えているものでございます。
〇小原宣良委員 わかりました。
 この肉牛生産公社の解散の部分については大きな議論がありました。大変な負債を抱えた中での解散ですから、当然であります。しかし、一方では、こういう大事な事業の継承という部分もあるわけですから、ぜひ今後、こうした優良な種雄牛の作出など、本県の畜産振興、名声高くなるよう頑張っていただきたいと思います。ぜひ部長、一言お願いします。
〇今泉農林水産部長 委員御指摘のとおりでございます。常々申し上げていますけども、例えば今、牛は年間2万頭出荷しておりまして、その半分が東京食肉市場で解体されているわけで、これまではずっと首位を保ってきたわけでありますれけども、最近、大変地域間競争が激しくなってきております。こういった地位を今後も維持し続けるためには、やはり優秀な、優良な種牛というものを作出していかなければいけないということは喫緊の課題でございまして、ぜひそういった方向で今後も全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木順一委員 2点お伺いします。
 肉牛生産公社の件ですが、先日、本会議で意見書をつけてこの議案を可決いたしました。その際に、審議の経過の中で特筆すべき事項も報告に取りまとめまして、本会議で採択されたわけであります。中身につきましては皆様方御承知のことと思いますから省略いたしますが、ついては、附帯意見を含めまして、この指摘事項についてどのように受けとめておられるのか。そして、今後どのような措置を講ずるお考えなのか、この機会に確認をしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 肉牛生産公社の解散処理に当たりまして、2月補正予算議決の際の附帯意見、その間におけるさまざまな御議論、御意見をいただいたことにつきましては大変真摯に受けとめているところでございまして、早速、去る3月8日に緊急の理事会を開催していただきまして、出資団体に対し、県議会での御議論あるいは御意見、または附帯意見の内容について説明し、改めて出資団体での負担等について要請をしたというところでございます。
〇佐々木順一委員 指摘事項の中に、議会の議員の先生方が関心を持っているのは、これが前例となってはならないということをたしか強調したと思っております。イコール、安易な税金はつぎ込んではいけないよ、こういう指摘にもなるわけでありますが、この点につきましてどういう御認識を持っておられるのか、それをお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 やはり、今後、実際の清算手続に入っていくわけでございますけれども、出資団体と協議を継続いたしまして、県民の負担を少しでも軽減できるよう最大限の努力をしてまいりたい、引き続き努力してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 とりあえず、まずこれはここで終わりますが、それで、実は一般質問でも指摘いたしました昨年来続いております競馬組合の融資問題、また今回の肉牛生産公社の処理、放棄に伴う一連の措置、こうした取り組みは、結果として一般会計予算計上ありき、こういうことになります。仕組み上、こうした方法しかとれないことは、私も十分理解するものでありますけれども、この肉牛生産公社のように、いわばきわどい案件でありますよね。これを一般会計予算に組み入れて提案するということは、これはちょっとうがった見方でありますが、議会が反対しづらいと一般会計に紛れ込ませたのではないかという――というですよ、これは――誤解や不信感をある意味では増長しかねないところもあると思います。
 このような手法が今後も続くとなりますと、結果として、議会と執行部の間に不信感が出てくるおそれもありますので、その点、やっぱり改善する必要があるのではないかと私は思います。ついては、予算の提案権は執行部側の専管事項でありますから、私からは改めろとは言いませんけれども、それはそれとして、案件に対する県民あるいは議会の理解を深めるために、何らかの工夫といいますか、そういった策を講ずる必要があるのではないかと思いますが、この点につきまして部長の御見解をお伺いいたします。
〇今泉農林水産部長 その件につきましても、今回いろいろ審議の過程で大変厳しい御意見をいただいたところでございまして、私どもとしては、決してそういうつもりではなかった、それなりに機会をとらえて説明をしておったわけではございますが、やはりまだまだ足りないところが多々あったんだと感じております。今後は、できるだけ事前に十分な説明を行いまして、御理解を得ながら進めていく、そういったことを、これは真剣に考えていかなくてはいけないと思っているところでございます。
〇佐々木順一委員 いずれ内部で最もいい方法をお考えいただきまして、そして十分な情報提供と、そしてまた、できれば方向づけなども、予算とちょっと手前ぐらいに提示してもらえば、我々も議論がさらにしやすいのではないかと思っておりますので、これは指摘にとどめたいと思っております。
 話は変わりますが、次に、担い手についてお伺いしますが、この件につきましては、去年、決算委員会でお伺いしました。その際の本県における4ヘクタール以上の要件を満たす経営規模については全販売農家の6%、また当時の段階で集落営農組織は37団体。したがって、県においては、新たな対策に対応できる経営体育成の支援業務を集中的に担う担い手育成推進クロスファンクショナルチームを設置して、例えば、集落ビジョンで明確にされた担い手のうちの未認定農業者4、000戸、あるいはビジョンに位置づけられている約800の水稲生産組合や大豆転作組合等を含め、認定農業者、集落営農組織への誘導を図ってまいる旨の答弁がありましたが、ついては、現段階でどのような状況に至っているのか、全販売農家に占める担い手と集落営農組織、それぞれの整備状況についてお伺いいたします。
〇及川農業振興課総括課長 現段階における担い手の整備の状況についてでございます。
 これにつきましては、新たな経営安定対策に誘導していく経営体といたしまして、平成18年1月末現在でございますけれども、個別経営体約3、000経営体、それから集落営農組織約400をリストアップしたところであります。
 これにつきましては、市町村あるいはJA等の各地域段階の支援協議会が、農家基本台帳等をもとに、対策の加入要件を加味してリスト化したものでございます。
〇佐々木順一委員 麦を取り入れているところの場合は、本年の8月ごろが播種、種まきになりますよね。また、麦以外につきましては、例えば大豆であれば、多分来年の今ごろだろうと思っております。それぞれ事情が違うわけでありますし、ましてやこのまま協議を積み重ねて担い手を育成していくという方法も、これもまた大事だろうと思いますが、ある意味では、全県の達成目標値とか、あるいは地域段階の支援協議会のレベルにおいても何らかの目標数値みたいなものがあれば取り組みやすいのではないかと思いますが、一方において、この枠から漏れるところもまた出てくるわけでありますから、その辺の兼ね合いが難しいと思うんですが、いずれ何らかの目標設定が必要ではないかと思いますけれども、この点をお伺いしたいと思っております。
〇及川農業振興課総括課長 先ほど申し上げましたリストアップされた経営体につきまして、現在、集落におきまして、認定農業者など個別経営体の農地の集積を進めていくのか、あるいは集落経営体として加入していくのか、あるいはその共存型――合わせ技といいますか――で進めるかにつきまして、話し合いが盛んに行われている段階でございます。
 これらのリストアップされた経営体につきましては、やはり新たな経営対策の対象になるよう確実に育成していくこととしておりますけれども、今、委員御指摘のこのリストアップされた経営体以外の経営体につきましては、このリストアップされた経営体をベースにいたしまして、できるだけ多くの経営体が対策の対象になるよう、さらに追加してリストアップして、具体的に集落の営農組織化なり運営の経営体の明確化なり、きめ細かな指導をしながら、さらに追加した形で育成してまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 私は、2点ほどお聞きしたいと思います。
 一つは、畜産振興費の、今議会で岩手の畜産ということで会報をいただいておるわけでございますけれども、今も小原委員とか、畜産のことが若干出ておりましたが、私は、この畜産振興、実は岩泉に行く途中に岩洞湖、藪川というのがありまして、過日向こうの方を通ってきたんですが、一つは、そのときに岩洞湖が、今は氷が張って、ワカサギ釣りのテントが何百でしょうか、かなりありました。その先ずっと岩泉の方に向かって行ったらば、藪川を通って行ったんですけれども、そのときに牛が、畜産業をなされている方々が何軒かありました。そこを通ったときに、ここはすごく畜産業に――若干、今もう畜産業も行われているんですけれども――適しているところではないかと見受けたんですね。
 実は、アメリカにアーカンソー州という州があるんですけれども、ここはすごく畜産の盛んな州でありまして、私もここを通ったときに、これはインターステイツ40号という道路が通っているんですが、ここを通ったとき、小高い山がありまして、その山が真っ黒なんですよ。それで、その山が動いているんですよ。何だろうなと思ってよく見たら牛なんですね。山全体が牛で、もうすごい。そこには貨車が入って、そこは飼料とか、あとは屠畜に出す牛も、多分貨車で、全部それを使ってやっているんじゃないかと思って見てきたんですが、そこまではどうなのかわかりませんけれども、いずれアメリカでそういうふうに大規模でやっているところを見てきました。
 藪川地方も、通ってみたら、高い山もないし、小高いなだらかな山が多くて、まさしく畜産に適しているところじゃないかと思って見てきました。それでこの、岩手キャトルランドの再構築というのは、私もよくわからないんですけれども、肉用牛生産団地ということなんでしょうか、そういうものをぜひこの藪川地区にも考えてみたらいいのではないかと思いました。
 来年度、畜産基盤再編総合整備事業ということで、県内に5地区、基盤整備及び畜舎等の施設整備を総合的に実施するということが資料にあるわけでございますけれども、いずれそういうふうなことを将来的に考えていったらいいのではないかというのが一つの質問でございます。
 それから、今冬季といいますか冬のシーズンは、豪雪ということで雪が多かったわけでございますけれども、農業用のパイプビニールハウスですか、これの被害がかなり出ているのではないかと考えられますが、どの程度被害が出ているのか、そして、そのハウスの中で栽培されている農産物というんですか、野菜なり果物関係にどの程度の被害が出ているのか、集計が出ているのであれば教えていただきたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 まず、畜産振興についてのお尋ねでございました。
 御案内のとおり、本県は、北上山系開発等で整備しました公共牧場など豊富な粗飼料基盤に恵まれているところでございます。こうしたことから、これら資源を有効に活用しまして、肉用牛の生産振興を図ることが大事だと考えているところでございます。
 こうしたことから、県では、岩手県公共牧場再編整備計画というものを立ててありますけれども、そうした中で、公共牧場の機能を見直ししまして、放牧なり、あるいは採草利用に応じた条件整備、あるいは牧場の広域的な利用再編といったようなことの取り組みを支援しているところでございます。
 今後におきましても、公共牧場を有効に活用しまして、肉用牛の周年預託あるいは子牛の共同育成と地域における機能分担方式を推進するなどを行いまして、肉用牛の増頭に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 豪雪の関係ですけれども、パイプハウスの破損ということでございましたが、3月9日現在でまとめておりますが、農業施設関係ということで、パイプハウス等の破損、倒壊が起きているところでございます。2月2日時点で558棟ということですので、被害が伸びてきているところでございます。
 被害金額なんですが、農業施設ということで、畜舎等とか、堆肥舎、ブドウ棚の倒壊の関係も含めまして4億8、600万円程度の被害額というところでございます。
 それから、農作物の関係の被害ということなんですが、これにつきましては、ブドウが2.8ヘクタール、それからホウレンソウ、花関係、アサツキとか、そういったところに4.2ヘクタール程度の被害ということになっております。被害金額で900万円程度というところでございます。
〇樋下正信委員 被害については、関係機関を通じて県の方の御支援もよろしくお願いしたいと思います。
 それから、畜産関係でございますけれども、実は、藪川は今度盛岡市と合併ということになったわけでございますけれども、盛岡市では、今、盛岡ブランドということで、さまざまな商品を推奨しようとしているわけでございまして、先ほども言いましたが、冬はワカサギ釣りということで岩洞湖を活用する、そして春から秋にかけてはこの畜産をぜひ、あそこは水も豊富なようですし、畜産業をするには大変適しているところではないかというふうに考えられますので、この盛岡地方振興局なり、盛岡市の農政関係といいますか畜産関係の方々とすり合わせをして、ぜひあそこを、葛巻町の畜産開発公社、酪農を支えて日本一というようなすばらしい地域もあるわけでございますので、第2の葛巻町畜産開発公社になるような振興をお願いしたいと思います。
 終わります。
〇飯澤匡委員 それでは、流通問題について二、三点お伺いします。流通課長に特別にお願いします。
 第1次産業と、これから第3次産業をいかに結びつけていくか、これがやはり不可欠でございます。雇用の確保であるとか、内需をどれだけ、労働の雇用確保に努めていくかということ、これは、岩手県はそれだけの潜在力を持っていると思いますし、それにつなげていくということが、これは県の役割だというふうに私は認識しているところでございます。
 過去の一般質問において、いわゆる食品加工であるとか、農産物に付加価値をつけるという意味で、食品加工産業であるとか、それにかかわるいろいろな企業誘致であるとかを御提案申し上げた場面がございました。岩手県の中でこの部分がまだ立ちおくれていると思うんですが、最初に、今まで岩手県として食品加工産業の起業にどのような具体的な支援策をしてきたのか、その点についてまずお伺いいたします。
〇佐々木流通課総括課長 農林水産物の付加価値を高めて、しかもその付加価値部分を生産サイドの方に取り込んでいくということが大切だろうという観点から、食品産業全体につきましては、商工労働観光部と当農林水産部、関係部局が連携して取り組んでいる部分でございますが、当部におきましては、先ほどお話し申し上げましたように、付加価値部分を生産サイドにより多く取り込むという観点から、生産者を中心とした起業化を支援しているところでございます。
 具体的には、まず県の農業大学校でアグリビジネス講座ということで動機づけをしていくということでございますし、さらには、農業改良普及センターにおける相談活動などの充実に取り組んでいるところでございます。具体的に食品加工なりに取り組むという意欲的な方々につきましては、農業研究センターに加工工房を設置してございます。この機能といたしまして、新商品の開発なり、メニューの開発、さらには実際に農産加工に既に取り組んでいる起業化した方々につきましては、さらにその事業が発展できるように、アドバイザーの派遣なり、あるいは、場合によっては施設に対する助成制度などを講ずるなど、ソフト、ハード両面にわたって支援してきたところでございます。
〇飯澤匡委員 印象的には、まだまだそこの部分が、ソフト事業が足りないのではないかという気がしています。やはり同じ生産されたものを同じ市場に出したのでは、これは岩手という産地の差別化はできるかもしれませんけれども、そこに何か一味加えることによって、これは戦略もありますが、大きな付加価値が生まれるものだというふうに私は思います。できるだけそこいら辺は農林水産部の方で戦略を練って、いろいろなことの示唆をしていただきたいと思います。
 第2点目、いわてブランド確立のための今までの具体的施策の検証。これは、外部から岩手県に来た人には特によく聞くんですが、岩手県、素材はいいものがそろっているんだけれども、やはり売り方が少し下手ではないかと。いわてブランドの取り組みについては、今までたくさんやってきたんですけれども、何か一産物でもいいですから、具体的なこういうふうなことをやってきたというものの検証をどの程度、どういうふうにやっているのか、その点をひとつ御紹介願いたいと思います。
 そして、今後のその点に関する課題認識をどのように部として持っているのか、その点もお知らせ願います。
〇佐々木流通課総括課長 ブランド確立のためには、やはり委員御指摘の差別化ということで、本県の農林水産物の利点というか特徴をどう打ち出すかということに係ってくるだろうということで、今まで生産者団体等と一緒になりまして、まず、安全・安心な農林水産物、安全・安心な産地ということを前面に押し出して進めてきたところでございますし、さらに、米につきましては、食味ランキングですばらしい成績をいただいたということも、これまた消費者に対するセールスポイントとして取り組んできたところでございます。
 その結果、安全・安心、食味ということで、卸売関係者なり、そういう関係者の間では相当評価が高まっているというふうに感じているところでございますが、成果が上がってきているととらえてございますが、しからば、一般消費者なり、あるいは小売段階の方々への認知度はどうかということになりますと、さらなる努力が必要であろうということが、実は関係者のアンケートからも明らかになってきてございまして、直接的な消費者あるいは実需者に対して、岩手の農林水産物のいいところを直接訴えかけるような取り組みをさらに強化していかなければならないと考えてございます。
 このためには、いろいろな手法があるわけでございますが、例えば東京のホテルのレストランなどで、いわてフェアということで、岩手の食材を岩手のものだということがわかる形で直接消費者に味わっていただく、そういうふうな取り組みを進めてきてございますし、さらには、ホテル等に岩手の食材を使っていただく、これはビジネスにつなげることが大事でございますから、あくまでもビジネスマッチングということで、県内の食材生産者とホテル側の仕入れ担当者がビジネスベースで交渉をして、納得づくで使っていただくというようなことの取り組みを始めてきたところでございまして、品目ということでございますが、私どもとしては、できるだけ品目単発に終わらないで、岩手丸ごとを売り込めるような形で取り組んでいくことが、いわてブランドの確立につながることではないかと考えてございます。
 それから、岩手のものはいいんだけれども、注文してもなかなか手に入らないとか、いろいろ実需、応援していただける方々からの御不満の声も実は入ってきてございます。ですから、実需の方々、岩手県の農林水産物を応援している方々の要望に的確にこたえていくための生産出荷体制をきっちりつくっていかなければならないと思いますし、さらには、ある程度の量を期待する実需者に的確にこたえていくということになりますと、産地の拡大もあわせて進めていくことによって、いわてブランドがさらに高まっていくものというふうに考えております。
〇飯澤匡委員 そこで、今予算には外食等新需要対応産地発信事業費、または外食産業県産食材普及費、食の新ビジネスモデル構築事業費、また商工費においても、関根委員が質問なされましたが、食の産業支援強化、食品産業等活性化支援事業費と、商工労働観光部と随分、今回は大分切り込んだ形でこの食というものに具体的に踏み込んだということには、これは評価いたしたいと思います。
 そこで、この部の連携をどのような形で今回なさろうとしているのか。いわゆる今までは縦割りでやってきたものをどのような新しい展開でなさろうとしているのか、その点をまずお伺いします。
〇佐々木流通課総括課長 最近、消費者の消費性動向、外食、中食、あるいは加工食品ということにウエートが高まってきてございますので、農林水産物の生産県として、これらの需要に的確に対応していく必要があるということから、外食等の新需要というものに的確に対応していくための産地のあり方、産地をつくっていくということをベースに、これまで取り組んでいるところでございますが、産地としてどう生産なりに取り組むかということになりますと、従来、つくったものを売るという観点から、やはり売れるものをつくっていくという視点が大事ということで組み立てた事業が、今回御提案申し上げている事業でございます。
 それで、先ほど生産サイドの食品加工のお話を説明させていただきましたが、基本的に需要量が大きいのは、やはり企業としての食品産業でございますので、その分については、当然、商工労働観光部との連携ということが重要になってくるわけでございます。私どもとしては、素材としての農林水産物をできるだけ県内の食品産業に安定的に供給し、そこで付加価値を高めていく、さらには、その製品が代表地なりでも高く評価されて、食品産業が発展し、それを支える1次産業が発展していくというふうな考え方で、今、部局横断的に取り組んでおるところでございます。
 私ども農林水産部といたしましては、あくまでも1次産業をベースにし、それの高付加価値化を図っていくことによって、県全体の産業力というか、そういうものが高まっていく、そういうふうな考え方で連携しようとするものでございます。ですから、具体的には……。
〇工藤大輔委員長 執行部に申し上げます。
 答弁はさらに簡潔に願います。
〇佐々木流通課総括課長(続) はい。
 原材料生産から食品産業への橋渡しという部分で、農林水産部、商工労働観光部で連携してまいります。
〇飯澤匡委員 今まで質問した中で、とりあえずは2点だと思うんです。やはり内需型のいろいろな起業なさる――農家の方へも、直接起業なさるのを支援という点と、それからいわてブランドをどのようにして確立しながらマーケットに乗せていくかと。
 岐阜県では、コンビニエンス大手のローソンと提携して、これはコンビニエンスに進出したという例がありますけれども、流通業自体も日々動いております。その中で、やはり県が主導的にそのチャンネルを模索していくというよりも、もう切り込んで入っていくというような姿勢がこれから求められると思いますし、なおさらアンテナを高くしていかなければならないと思いますので、まず、申し上げたその2点をより具体的に、そしてまた商工労働観光部とも関係を密にして流通対策を急いでいただきたいと要望申し上げて、終わります。
〇川村農夫委員 1点だけお伺いします。
 昨年成立しました農村活性化条例に基づく平成18年度の具体的取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、そのことにつきまして、市町村、また地域振興部との連携にはどう取り組んでいこうとしているのか、その点についてもお伺いいたします。
〇及川農業振興課総括課長 農村活性化に関する条例の取り組みについてでございますけれども、条例制定後、県庁内に農村の活性化に関する条例の運用に関する検討チームということで、これは農林水産部関係課と、それから地域振興部地域企画室、それから盛岡地方振興局、あるいは普及センター等の担当者により構成する、いわゆる担当者でそういう検討チームをつくりまして、それらが連携して取り組むということで、この検討チームにおいて、農村活性化に関するこれまでの施策を検証、そして、その上に講じようとする諸施策の取り組みを行ってきたところでございます。
 概要について、今議会の予算でいろいろお願いしているわけでございますけれども、計画している事業の中身を若干申し上げたいと思いますが、まず7条関係で、地域間及び世代間の交流の促進、これにつきましては、都市と農村との交流拡大ということで、これの大きな事業としては、いわてグリーン・ツーリズム総合強化事業ということで、これは新規にお願いしているわけですし、さらに中山間地域等直接支払、これはいろいろなものに使えるわけですけれども、それらを使いながら継続して実施していくといった形になっております。
 それから、主なものですけれども、あと8条関係でも、子供の農村生活の体験等の機会の拡充ということがありますが、これにつきましては、小・中学校における農林水産業体験学習の支援なり、あるいは学校の地域の食育活動の支援ということで、これは農林水産業体験学習支援なりを継続事業でやっておりますし、あとプロジェクト事業の関係ではいわて食育支援人材派遣事業とか、いろいろな事業等を配置しているということでございます。
 それから、これは10条関係でございますけれども、農村行事に関する活動の促進ということがありますが、これにつきましては、広報等による普及啓発とか、郷土芸能の保存・伝承活動、さまざまあるわけです。それから、農村の食生活文化の伝承支援等があります。これらにつきましては、活力ある中山間地域構築支援事業等を継続して実施することとしておりますし、やはり中山間地域等直接支払、これもこれに当て込んで活動していただく。さらには、茅文化保存システム支援事業というものもいろいろ検討してございます。もう一つは、農山漁村いきいきチャレンジ支援事業、こういうような事業を組みかえしながら対応してまいりたいということであります。
 そのほかにもう一つ、人材の育成関係、これは13条関係でございます。これは地域の推進リーダーの掘り起こし、質的向上でありますし、これにつきましては、やはり活力ある中山間地域構築支援事業を継続しながら実施していくという形で考えております。
 それから、14条関係につきましては、結いの精神に関する情報の発信というのがございます。これについては、結いの精神を盛り込んだ農業生産、あるいは農村の暮らしの情報発信、それから結いの精神の普及啓発、あるいはこういう活性化に関する条例の趣旨徹底等がございますので、これら、岩手めぐみフェア等のイベントの継続実施、あるいはテレビ、ラジオ、広報等を通じた情報発信等を継続して実施していくことにしてございます。
 最後ですが、15条関係につきましては、多面的機能に関する県民の理解の促進ということで、これにつきましても、多面的機能の理解の醸成ということで、これも継続して関係課でそういうイベント等を行いながら、多面的機能の価値の情報発信をしてまいりたいというようなことであります。
 それから、農村景観の維持形成、この辺の関係につきましては、やはり中山間地域等直接支払事業の継続実施というところで対応したいと思います。
 その他、いろいろ今盛り込んでありますけれども、具体的には、もう少し皆様方に機会をとらえて、またお知らせする機会があれば、もっと詳しくと思っておりますが、以上、概要についてでございますが、こういう形になってございます。
 先ほどの部内関係課等の連携につきましては、そういう検討チームの中で連携を図っていきますし、あわせて、この取り組みの中で、市町村等のそういう取り組み状況、これはやはり情報を密にして連携して、県の取り組む部分、それから市町村独自で取り組む部分もいろいろございますので、その辺も情報収集しながら、一体的といいますか、統一的、そんな形で今後こういう施策を進めてまいりたいという考えでおります。
〇平沼健委員 私、2点お尋ねいたします。
 まず一つは、水産業の担い手対策についてをお尋ねしたいと思います。
 この担い手というのは、農業も、林業も、水産業も、本当にこれは大きな課題でございまして、きょうはこの水産業ということでお尋ねしたいと思います。
 岩手県の海面漁業生産量、生産金額、これはともにこの10年間のデータをいただきましたけれども、これを見ても、年々減少しているというのが実態でございます。特に沿岸漁業、それから養殖業、これが生産量・金額、これも年々落ち込んでいるわけですね。そういうような実態がございます。
 ただ、そういうことのための担い手対策ということで考えますと、これは当然、年収の確保というか、そこに尽きると思うんですね。これは水産業だけに限りません。要するに安定した年収が維持できれば、それは担い手がそこに張りつくということかと思います。
 そういうことを考えると、やっぱり各個人というか、漁家というか、そこが工夫しながら努力しなければならない、これは当然のことでございますけれども、行政として、そういうことをいろいろな面でずっと側面から支援してきたわけでございます。
 そういうようなことを踏まえながら、今回、この岩手県漁業担い手育成ビジョンの一つの案としていただきました。これを見ますと、平成15年が沿岸漁家1経営体当たりの生産額が378万円だった。これは平均ですね。これを平成22年に660万円まで引き上げたい。これにいろいろな形での支援をしたいということだと思います。
 この担い手というのは、ちょっと聞けば、若い人というか、次の人かなという気もするんですが、そういうこともあるでしょうけれども、今やっている50代、60代、70代、実際にやっている方も、これは当然担い手なわけでして、そういうことを踏まえて、短期的、長期的、これの考え方を示していただければと思っております。
〇大森水産振興課総括課長 水産の担い手対策についてでございますが、これまで県としましては、つくり育てる漁業の推進は当然のことですが、そのほかに養殖漁業ステップアップ事業など、養殖漁場の再編、それから災害に強い養殖漁場を整備するという方向、つまり基盤の強化といいますか、そういったことで担い手の対策に取り組んできたところでございます。
 今後は、漁場利用や担い手の育成方策について、漁業協同組合が中心となって地域の合意形成を図りながら、意欲のある担い手などへの漁場の集積など、つまり漁場の生産性を回復させていく方向で所得向上について支援を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 さらに、これらの生産の方の対策とあわせまして、水産加工業者との連携を強化するとか、水産物の付加価値向上や販路開拓の取り組みを漁協と、つまり生産者と一体となって取り組むことによりまして、所得の向上の対策を進めてまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 わかりましたというか、ありがとうございます。ただ、なかなかこれは、言葉で言っても、非常に難しいというか、大変な問題だというふうに私も思っております。
 このビジョンというか案が、平成22年、あと4年後ですか、660万円まで平均で引き上げるということで、今いろいろな基盤整備とか、言ってみれば地域営漁計画というんですか、これをつくってやっていくというお話でした。これについても、やっぱり漁業者も当然ですけれども、各市町村とか、漁協とか、あるいは県とか、いろいろなそういう形があるわけです。ですから、私が伺いたいのは、従来からこういう方向で来ておったのは事実なんですね。今回、こういうビジョンをつくって、どこが違うというか、何を加えたのか、そういうところがもしあれば、その辺をお尋ねしたかったんですけれども、もう一度お願いいたします。
〇大森水産振興課総括課長 農業の方、林業の方、それぞれ担い手対策といいますか、そういったものがつくられているわけですが、水産との大きな違いといいますか、水産は、担い手というか、生産の場が、漁業権という一つ農業、林業と違う状況にございます。その漁業権というのは、県が、養殖の場合は漁業協同組合に免許しているわけでして、運用といいますか、その管理、使い方、これは漁業協同組合に任されているという状況にあって、個人が幾ら生産を拡大したいとか、そういった形を求めましても、必ずしもそうならないという部分がございました。
 それで今回、前と違う、ビジョンの中で力を入れていきたいと思っているのは、漁業者の意識の改革といいますか、漁業権を今、例えば均等に分けているとか、あいている漁場も出たりしているわけで、漁場の生産性が必ずしも十分に使われているわけではないという状況にあります。そこを回復させて生産性を上げていこうというところが、一番の大きな、漁業権といいますか、その古い体質を少しでも、漁業協同組合の方の皆さんで相談して、そこで新しい仕組みというか、合意形成を図って、どう漁業権を効率的に使って担い手をつくっていくか、そこの部分が一番大事じゃないかと思って提案しているものでございます。
〇平沼健委員 本当にそのとおりなんですね。本当にその苦しいところもわかりますし、やっぱりそういう方向で、あいているところがもしあれば、そういうところをきちんと活用していくということは大事かと思います。わかりましたので、よろしくお願いいたします。
 最後に、昨年も大きな被害が発生しました大型クラゲの件でお尋ねしたいと思っております。
 この件については、岩手県としても去年はいろいろな御苦労をされておられましたし、簡単には退治できないというか、いい方法がないというのも知っていながら質問させていただきますけれども、これは岩手県だけの問題ではなくて、やっぱり海がある日本海から太平洋の県がみんな関連するわけでございます。ですから、その辺の関連する県と何か大型クラゲ退治というか、発生防止ということにもつながっていこうかと思うんですが、その辺の連携対策というものを何か行動を起こしておられるのかどうなのか、それが一つですね。
 あとは、これは国というか――大きな形で言えば、国の方でも何かこのエチゼンクラゲというか、大型クラゲの発生予防と言ったらおかしいんでしょうけれども、幾らでも被害を少なくするような方策をこれから打とうとしているのかどうなのか、まずその辺をお尋ねしたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 大型クラゲの対策につきましては、2月補正で予算措置していただきまして、全県で17漁協で36漁場において、定置網の改良網といいますか、クラゲと分離するような網を入れるということで予算をつけていただきました。
 それで、平成18年度以降もクラゲは来るのではないかという、大型クラゲの来遊の可能性は大きいということを前提に、国はいろいろ対策を進めております。
 一つ、関係都道府県との連携のお話ですけれども、実は、大型クラゲ対策全国協議会というのが設置されておりまして、それは水産庁、それから国の研究機関、関係都道府県、関係漁業団体、それから大学等が入りまして、漁業被害を軽減させる方向の各種対策について総合的に検討している協議会でございまして、これに岩手県も構成員として入っておりますので、そこの場で、具体的に今行動はまだ起こしておりませんが、国に対して、関係都道府県と連携した形で、効果的な駆除対策の実施についてお願いしていきたいと思っているところでございます。
 具体的には、恐らく岩手県に来る前に、もっと上流の日本海の方で駆除ができれば一番効果的だとは思っておりますけれども、そういったことを検討しながら、関係県と連携してまいりたいと思っております。
 それから、もう1点、国の具体的な方策ですけれども、実は、平成17年度は交付金事業になったんですが、17年度の補正予算を組みまして全漁連の中に基金を造成しております。平成17年度の補助事業から、18年度の事業については、全漁連の方で基金造成した基金で対応するということになっておりまして、四つほど基金の事業が設定されております。今までどおり、情報の収集と情報の発信をきちんと全国的にまとめて各都道府県へ流すということ、それから、大型クラゲの混獲を回避するような、つまり被害を軽減するような漁具を実際に導入するという事業、それから、洋上で駆除する、船を使って駆除するという試験、事業といいますか、除去もできる……。
〇工藤大輔委員長 済みません、簡潔にお願いします。
〇大森水産振興課総括課長(続) 申しわけございません。
 あと、陸上に揚げたクラゲの処理、そういった形で基金で対応するようになっております。
 そのほかに、基金以外では、マニュアルをつくって技術開発をする、それから、中国、韓国の研究機関と国際共同調査を計画しておりまして、発生源の特定と駆除に向けた技術開発に向けて検討を進めたいと国はしているところでございます。
〇工藤大輔委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩といたします。
   午後 0 時 1 分 休 憩
   午後 1 時 3 分 再 開
〇伊沢昌弘副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇亀卦川富夫委員 私は、農業振興費についてお尋ねいたします。
 先ほど飯澤委員が、付加価値をつけ、あるいはブランド化、そういったことについて基本的にただしたところでありますが、私は、その延長線でもう少し具体的にお尋ねしたいと思います。
 食の新ビジネスモデル構築事業あるいは外食等新需要対応産地発信事業、また、いわて農林水産ブランド輸出促進事業、こういったことが農業振興費ということで出ております。これらは、岩手のすぐれた農林水産物の生産、あるいはさまざまなニーズを的確にとらえて、いわゆる付加価値をつけるといいますか、食品として世に出す加工、あるいはこの販売拡大促進の事業、こういったことだろうと思うんです。一方、先ほどもお話ありましたが、商工労働観光部においても食の産業支援強化事業、売れる食品産業育成事業などが新規に予算化されております。これは、企業との結びつき等を主としたものだろうと思っておりますが、これらに共通して言えるのは、およそ三つくらいに分類してみたいと思いますが、一つは、素材の開発と生産育成、二つ目には、創意工夫を凝らした食品加工、三つ目は、外食産業へのアプローチなどもありますが、国内外における販路拡大、こういった3点に仕分けができるんじゃないかと思うんです。そういったことで、こういった3点について、それぞれ現在どのような課題があるのか、あるいは乗り越えていくための問題点があるのか、この辺の現状についての御認識をまずもってお伺いしたいと思います。
〇佐々木流通課総括課長 まず、素材生産でございますが、やはり需要に見合った素材を生産するということが第一原点でございまして、素材の中には、素材のまま生鮮食料品として流通するもの、あるいは加工品として付加価値を高めていくものとあるわけでございますが、どちらかというと今までは適地適作ということで、これができるから、これの生産性が高いから、生産量が高いからという視点に重きを置きがちだったのではないかということを反省してございます。これからは、やはり需要に見合ったものを計画的に生産し、安定的に供給するという部分が素材の開発、生産育成の部分では重要な部分というふうに認識してございます。
 さらには、食品加工でございますが、これは、食品産業分野が、食料自給率40%でもおわかりのように、その多くの原材料を輸入品に依存しているという現実がございます。食料自給率を高めていくためには、やはり食品加工に対する特色のある素材の供給、それから日本国民に好まれるような加工品の開発、そういうことのニーズをきっちりとらえて、産学官、英知を結集して取り組んでまいらなければならないと考えております。
 さらには、販路拡大でございますが、やはりせっかくのものを販路を拡大し、県内の生産者あるいは食品産業に所得としてはね返ってくるような取り組みが必要でございます。そういう観点から申し上げれば、需要が伸びている外食への対応、さらには、農業国際化と言われている中で、海外市場をも視野に入れた流通対策が必要であろうというふうに認識してございます。
〇亀卦川富夫委員 今、具体的に問題点をお聞きいたしましたが、しからば、こういったことで、今、何か具体的にこういうものができるのではないかというような構想がございますでしょうか。あるいは、生産者とこういったことがあっていいのではないかとか、これは商工労働観光の分野かもしれませんが、企業との一つの商品開発をめぐっての話し合いとか、そういう検討の上でこういう予算化がなされているのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
〇佐々木流通課総括課長 商工労働観光分野ともこれまでも連携してきてございまして、いろいろな芽が出てきております。その芽をさらに膨らますためにということで事業化をお願いしているものでございまして、具体的に申し上げれば、県内のカット野菜の工場に県産の野菜を供給する。これはカット野菜でございますから、生鮮食品として市場流通するよりもまた別な規格のもので、従来ですと、ややもすれば商品にならなかったものまで商品になり、それが所得に結びつくというふうな芽生えがございます。さらには、ヤマブドウのジャムをパンに練り込んで、そういう岩手の特色のある商品をつくっていくという取り組みも芽生えてきてございます。平成18年度の事業は、この成果をさらに高めるためのものというふうに考えております。
〇亀卦川富夫委員 今二つ具体的にお話しいただきましたが、そのほかにも、これからこういったことが進めばできてくるんだろうと、こういうふうなことを期待しております。
 それから、さきほど国内外と申し上げましたが、今までは輸入が多かった、こういったことに対して、国際化の中で、国内のもの、特に岩手県の商品あるいは生産物を世に送る。こういう意味で、今まで中国あるいは台湾、具体的にはリンゴとか米、こういったものの取り組みをされているというお話でございますが、この現状と今後の見通し、さらに、米、リンゴのみならず、何かそういった部分で可能性を秘めたものがあるのかどうか、こういったことについて御答弁願いたいと思います。
〇佐々木流通課総括課長 輸出についてでございますが、現在、具体的に取り組んでおりますのは台湾でございまして、昨年12月には、リンゴ、米、それから長芋等を持ち込みまして、実際に輸出をし、プロモーションもしたところでございます。現実的に、岩手のリンゴあるいは岩手の米というのは台湾においても高い評価をいただいたと思っておりますし、同様に取り組んでいる国内の他都道府県との競争力も十分あるものという感触をつかんできてございますが、このビジネスをさらに発展させていくということになりますと、国内の衛生管理対策なり出荷体制、リンゴですと、園地のモモシンクイガの防除体制とか、輸出相手国の植物防疫制度なり輸入制度に照らした対応を国内産地として求められてきますので、この辺、生産者団体ともども、将来の輸出拡大に向けて当面その辺をきっちりやっていきたいというふうに考えてございます。
 一方、経済事務所を設置しております中国についてでございますが、昨年、水産物の試験輸出ということで行いましたし、商談会等を通じて相手側からいろいろオファーが参っている段階でございます。このオファーの内容、それから取引上の商慣行なり契約の状況等を県といたしまして的確に情報収集し、輸出に意欲的に取り組もうとしている方々に情報提供し、ビジネスとして成立するように支援してまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 今、取組状況をお聞きしましたが、これから本格的な輸出という意味での岩手県における位置づけ、今のところは実験段階のようにお話としてはあるようでございますが、定着していくものは多分このいわて農林水産ブランド輸出促進事業等にあると思うんですけれども、これを定着して、岩手県民が、我々の県からこういったものをどういったところに相当数輸出している、我々もそういうものを生産しているんだと、県民がひとしくわかるような時期というのはどの辺を目標にして進もうとしているのか。平成18年度もある意味では実験段階なんでしょうか。
〇佐々木流通課総括課長 一部実験もございますし、コマーシャルベースに移れるものもあるというふうに考えております。ですけれども、輸出のねらいはいろいろございまして、委員御指摘のように、輸出をする産地であるということ、輸出をするようなすばらしい農林水産物をつくっているという、その生産者の自信と誇りにつながるということは大切なことだと思ってございます。
 将来的に量の拡大ということになってまいりますと、やはり経済的に成立するということが大前提になりますので、今後、数量の拡大と、それに見合った輸送コストなり輸出のトータルコスト等も見きわめまして、さらに量が拡大していった段階で本格的という表現が初めてできるのではないかと思っております。
〇亀卦川富夫委員 これ部長にお聞きする方がいいのかもしれませんが、県南広域圏が4月1日から出発いたします。産業の振興ということが柱でございますが、ややもすると、ものづくりが産業というようなとらえ方が何となくあるんでありますが、農業は大変重要な産業でありますので、そういった意味で、この産業振興というものを柱とした、いわゆる現場主義の広域振興圏、ここで今のお話のいろんな事業が展開されるんだろうと思いますが、その辺の仕組み、どのようにこれを広域圏としてやっていくのか。それと、この事業との関連、こういったことについてお尋ねいたします。
〇今泉農林水産部長 私は、ブランドというものをしっかり確立していけば、食にまつわる産業というものはやはり地域経済を支える基幹産業になるだろうと思ってございます。そのためには、やはり個々の生産者あるいは加工業者が当然努力していくことも大事なわけでございますけれども、やはり地域全体で、その地域の特色ある産品というものにエネルギーを注力して、本当に地域の顔となるような特産品というものをつくり出していくこともさらに大事ではないだろうかと考えてございまして、そういった意味で、広域振興圏はまさに現場にあって、地域の方々と一緒になって、そういう地域の顔となるような特産品をつくり出していく、生み出していく、そういうプロセスを我々としてもしっかり応援していく必要があるのではないだろうかというふうに考えてございます。
〇亀卦川富夫委員 そういたしますと、事業の展開、もう少し具体的に、広域振興圏でやっていく場合に、この事業というものは放す、放すという意味じゃないんでしょうけれども、どういうふうな連携でやるのか、その辺をお聞きして終わりたいと思います。
〇今泉農林水産部長 できるだけ現場で、その現地で自己完結的に取り組んでいけるように我々としても権限の委譲を進めてまいりたい、そういうように考えております。
〇新居田弘文委員 市町村への事務移譲と、それからグリーンツーリズムの関係でお聞きいたします。
 まず一つ目は、県では、昨年の4月、県事務の市町村への移譲指針ということで取りまとめをしまして、人口規模によっていろんな事務事業を市町村の権限にゆだねるというようなことで方針をあらわしておりまして、私も、去る総合政策室の質疑の際お聞きしましたが、農地法については、そのメニューの中に、実はまだ農林水産部との協議が調っていないということでのっていないようでございました。ところが、一方では、例えば都市計画法上の開発行為は平成22年に市町村に権限をおろしますよということですが、農地であれば、農地の許可と開発行為の許可は常に表裏一体的な事務だと思うんですが、都市計画サイドは市町村におろしても、農林サイドの方の転用許可手続、そういうのが従前であると一方がよくても一方がまだ旧態依然ということで進んでいないんですけども、今回の移譲指針取りまとめに当たっての、とりあえず最初に農林水産部として、その辺の協議が調わなかった経過なり、あるいは今後の進め方についての基本的なところをお聞かせいただきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 私どもといたしましても、基本的な考え方に沿って、できるだけ権限というものはやはり市町村なりに移譲していく必要があるだろうと考えてございまして、農地転用許可事務につきましても、権限移譲研究会や広域生活圏あるいは地方振興局の見直しに係る市町村長との意見交換会において移譲の要望があるという声が出てきておりますので、大変変則的ではございますけども、平成18年度の途中での移譲の実現ということも今、視野に入れまして、移譲する権限の範囲について、面積をどの程度にするかとか、農地の区分に応じて限定するのかしないのか、そういった具体的な検討を進めているところでございます。できるだけ早い時期には、というか、これは条例との兼ね合いもございますので、一定の時期的な制約を受けるわけでございますけれども、できるだけ早期に権限移譲できるように進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇新居田弘文委員 わかりましたけれども、いずれ、片方がオーケーになっても農林水産部でブレーキをかけたんでは一体的な事務事業は進まないと思いますので、その点はしっかりと進めていただきたいと思います。
 次に、農地法の3条、4条、5条、今いろいろお話ありましたけれども、具体的には、市町村で許可できるもの、あるいは振興局で許可するもの、あるいは県農業会議まで上がってこないと許可できないもの、いろいろあるわけですけれども、今回、県南広域振興局ができた際、大幅な権限委譲をするというような話もありますが、具体的にそういう計画もその中に考えて、今お話しできるのであればお聞かせいただきたいのが1点と、それから、新たに農業者になる場合の取得最低条件、例えば10アール以上の農地を持たないと農家になれないとか、最低の制限があるやに聞いておりますが、その辺の状況、あるいはもう少し緩和できるような具体的なそういう制度があるのであればそれまで紹介していただきたいと思いますが、ひとつお願いします。
〇瀬川農林水産企画室長 県南広域振興局に対します権限の委譲につきましては、できるだけ業務の完結性を高めながら、広域行政を推進できるようにということで、先ほど部長からもお話ありましたとおり、積極的に権限委譲、事務の委譲を進めたいと考えているところでございます。
 今、具体的に考えておりますのは、例えば農振地域の区域変更など土地利用調整などに関する権限事務、あるいは農業協同組合、森林組合等の団体への指導監督、経営体の育成と農産物等の流通等に関する事務などといったような形で、現在のところ、約50の事務について委譲の方向で検討して調整しているところでございます。
〇及川農業振興課総括課長 農地の権利取得等の下限面積等の緩和についてでございます。
 これにつきましては、構造改革特区ということで実施しておりまして、その実施状況を踏まえて、この中身につきましては、当該区域内に遊休農地が相当存在すること、それから、当該区域内の位置及び規模から見て、50アール未満の農地を耕作の事業に供する者の増加によって、区域内及び周辺の農地の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがない場合には、都道府県知事が10アール以上で定める任意の面積を別段面積として公示することが可能になっておりまして、これにつきましては、平成17年9月1日から特区がありましたけれども、全国展開になっております。どこの町村でも、今言った条件を満たせば実施できることになりました。
 県内におきましては、遠野市と雫石町が特区の認定を受けまして、それぞれ市町全域において下限面積10アールということで公示しておりまして、遠野市におきましては、今現在、1法人、10個人がこういうふうな取得をしておりますし、雫石町におきましては4個人がこの制度を活用して農業に参入している状況でございます。
 これをさらに50アールから10アール未満に下限面積を下げるということで、さらに10アール未満の緩和ということにつきましては、これは全国展開になってまだ1年たっていないわけですけども、市町村の権限において行えるようにすることにつきましては、この面積の活用状況を見きわめながら、最終的には国の方で判断されるべきものではないかと考えてございます。
〇新居田弘文委員 ありがとうございました。
 前段、振興局に大分事務をおろすということですが、大きい転用をする場合、大体その前に大きな土地利用計画を、例えば農業振興地域とか、あるいは都市計画上の用途地域とか、事前に農振法に基づく手順が踏まれて、ここは農地として利用する部分、これは市街地にも使ってもいいというような部分、区分けしてありますので、例えば用途地域内については市町村で許可をやっても大きな支障は私はないのではないかなというような思いがするわけです。国の流れというようなお話がありましたけれども、国自体もその辺を緩和するように、県からも力強い働きかけをぜひしてほしいなという思いをしております。
 それから、農家になるべき最低条件でございますが、10アール未満。今、遠野と雫石の紹介がございましたが、さっきグリーンツーリズムについてもちょっと触れたんですが、先日の新聞報道によりますと、都市部での農山漁村へ移住したいかというようなアンケートの中で、全年齢の平均でも20%以上、特に50代については、退職後、農村の方に移住したいというような希望も40%以上の数字が実は示されておりまして、その受け入れをする側としても、余り10アールというような制限をせず、私は3アールとか5アールでもやりたい、そういう農作業をしながら農家に住みたいという希望を持っている方おりますので、そういう方を受け入れるような、特区じゃなくて、もう少し枠を広げるような形で今後検討していいのではないかなと思いますが、その辺の所見を伺って終わりますが、いかがでしょうか。
〇今泉農林水産部長 これから、特に団塊の世代、大量退職時代を迎えて多様なニーズにこたえていくためには、委員御指摘のように、やはり狭い面積の対応ということも必要になろうかと思っております。ただ、この件に関しましては、先ほど総括課長の方からも答弁いたしましたように、国がまだ権限を握ってございますので、先ほどの委員の御指摘も踏まえながら、なるたけその辺の規制緩和というものを早期に行っていくように、今後も引き続き国の方に働きかけてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 新規事業であります集落営農育成緊急支援事業についてお尋ねいたします。
 来年度から始まる品目横断的安定対策に向けて、地域における経営体、組織化、また法人化に向けて、集落営農の推進のためにコーディネーターを配置しながら経営の一元化をしていくというような重点的な支援方策が出されております。その中で4点ほどお聞きしたいと思っております。
 まず、県が、また市町村がこのコーディネーターを任命するというのでしょうか。そういうことなんでしょうか。また、このコーディネーターにはどういう人たちを選ぼうと思っているのか。県とか市町村とか団体、民間、そういうところを退職した人たちになるんでしょうか、そういうところを聞いてみたいと思います。
 それから、このコーディネーターと農業改良普及センター、また、市町村の農政部なり農林部、また、JAとの連携のとり方というのが非常に大切だと思うんですけれども、この点について県はどう考えていらっしゃるのか。
 それから、コーディネーター同士、例えば、何百人になるかわかりませんけれども、このコーディネーターの人たちの連携とか、さらには情報交換、研修会等はあるのかないのか、この点についても聞いてみたいと思います。
 それから、当初は125地区と聞いておりましたけれども、大幅にふえまして、国が396地区、県が25地区というようなことで、あわせて421地区になりそうです。コーディネーターは何カ所かを担当すると思われるんですけれども、一般質問の中で、県が例えば3、000経営体、それから400の集落支援をしたいというような答弁を聞いておりますけれども、この421地区をどのように絞っていくところなのか、まずこの点を聞いてみたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 集落営農育成緊急支援事業についてでございますが、まず、コーディネーターの人選、それから任命についてでございます。
 これにつきましては、集落営農の合意形成に向け強いリーダーシップを発揮していただく実践的な行動力あるいは実行管理能力にたけているといいますか、認められる人材を選定することとしておりまして、具体的には、農業改良普及員や農協の営農指導員のOB、あるいは当該集落の代表者等を想定しております。そういう方々を地域から推薦していただきまして、先ほどございました、国においては396、県においては25地区ですけども、県の25地区につきましては知事が任命する。国の396地区につきましては、国の方で承認を得て任命するという形になります。
 次に、このコーディネーターと農業改良普及センター、それから市町村あるいはJAとの連携についてでございますけれども、これにつきましては、農業改良普及センター及び市町村、農業協同組合等につきましては、集落コーディネーターの活動を支援する体制を構築していただきまして、集落コーディネーターの要請に応じまして、それぞれの機関、団体が持つ機能、役割を担って、連携を持ちながら集落営農の組織化を推進していくということで、連携を持って進めていくということになります。
 それからコーディネーター同士の連携についてでございますが、やはり、県内、このように地区として、国396、県が25地区あるわけですけども、広範にわたりますので、集落コーディネーター同士の連携は、委員御指摘のとおり、必要でございます。そういうことで、この連携を促進させるために、まず地域ごとの情報交換の場をつくりまして、お互いに情報交換し、サポートし合う体制を構築していきたいと考えております。さらには、こういう集落コーディネーターの活動の進捗状況を把握するとともに、取組成果や、あるいはその地域での先進的な集落営農の組織化の事例をお互いに紹介し合いまして、その組織化なりの手法をほかの地域に波及させるということで、できれば四半期ごとに連絡調整会議等を開催しながら、集落コーディネーターの活動の円滑な遂行を支援してまいりたいと考えております。
 それから、集落コーディネーターの配置でございますが、地域の要望に応じまして、国の事業で396地区ございますし、県の事業では25地区配置することにしておりますけども、原則は、この集落コーディネーターは1地区1人ということで配置を考えて進めることで計画しております。
〇工藤勝子委員 私は、このコーディネーターの役割というのは、今後、集落営農を進めていく上で、必要で重要な任務を担うんだろうと思っておりました。きのうの日報の夕刊にもありましたように、まず、そこの地域に溶け込んでいくことが必要だろうと思うんですね。農家の人たちというのは、割と他人が入ったことを余りうまく受けない。おれたちの気持ちが本当にわかっているのかということで他人を阻止するところがあるんですね。私も、そうではないんですが、そういうところがあります。
 このコーディネーターの役割というのは、まず、地域の人間性を知るとか、その地域の環境とか農業の仕方とか、そういうことをまず知ることから始めていかなきゃならないんじゃないかなと思ってるんです。ですから、コーディネーターというのは、会議方式で会議をやれば、ほとんど農家の人っていうのは無口で余り話をしない、なかなか聞き出せない。そこで、どぶろくとまでは言わないんですけれども、せめてお酒を酌み交わしながら、本当にひざを交えて地域の人たちと終身をともにするような形でこのコーディネーターの役割を果たしてほしい、そういうふうに願っておりますし、この役割についても非常に期待しているところがあります。この点について、部長はどうお考えでしょうか。
〇今泉農林水産部長 その辺に関して私も委員御指摘のとおりで全く同感でございまして、やはりひざを交えた取り組みが行えるような方をコーディネーターに人選してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。非常に期待をしながら見ていきたいなと、私はそう思っております。
 それから、2点目ですけれども、純情野菜産地国際競争力強化対策事業についてお尋ねしたいと思っております。
 昨年度の予算が2億4、000万円余、2億2、000万円余の減となっております。これは施設の整備の減ということも聞いておりましたけれども、大幅に予算が減額になりました理由について、まず、お尋ねいたします。
〇齋藤農産園芸課総括課長 当事業の減額理由でありますが、平成17年度につきましては、イチゴの大規模温室なり、あるいは大根の加工施設という整備事業があったんですが、18年度は、その整備事業、整備の取り組みがございませんので、その部分が減額となってございます。
〇工藤勝子委員 減額になった理由はわかりましたけども、輸入野菜に対抗して野菜産地の強化を進めていく事業なわけですけども、昨年度は春から秋までずっと野菜が低価格で推移してきました。その中で農家というのは、やはり安全で安心なもの、そして、さらには消費者に受け入れられるおいしいものをつくろうと努力しているんですね。有機だったり低農薬だったりして一生懸命苦労しているわけで、そういう施設以外にも、例えば産地の構造改革とか低コスト化を進めようというようなこともあるわけですけれども、この点についてどう進めようとしているのか、お聞きいたします。
〇齋藤農産園芸課総括課長 産地づくりあるいは産地の構造改革ということでありますけども、岩手県は、これまでほぼ夏秋期の産地であったわけであります。やはり産地として名声を上げるということになりますと、冬春期――冬から春にかけても出荷できる周年出荷の生産構造にすることが大事ではないのかと考えているところであります。このため、雨よけホウレンソウの産地においては、例えば寒締めホウレンソウなり、あるいは促成アスパラガスの導入などこのごろ進んでおりまして、まず、複数の品目でもって年間を通して出荷できる体制をつくるような取り組みをしてございます。
 また、当然ながら、このような産地づくりにおきましては人づくりが大事なものでありますので、各集落において、そういう創意工夫に富んだ担い手の育成に取り組んでいるところであります。
 それから、低コスト化ということになりますと、どうしても機械化なり、あるいは施設費の低減が大事になってございます。このため、本事業によりまして、いわて純情野菜産地リーディングファームを設けまして、例えば枝豆の機械化一貫体系なり、あるいは、低コストでできる平型の傾斜ハウスを利用しまして、トマトの長期安定出荷、生産技術などの新しい技術の実証に取り組んで、今、低コストあるいは省力化を進めようとしているところであります。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。
 この構造改革というか低コストというのは非常に大事な、外国産の野菜に比較して国内産は高いわけですし、スーパーに行ったときにどちらにしようかとしたときに、消費者の人たちみんな国内の安全なものを選んでいただければ一番いいわけですけども、そういう点で、農家の人たちのコストを下げていくということが非常に大事なわけなんですね。その点でぜひ、まだまだコスト削減の要素があるのではないかなと思いますので、御検討お願い申し上げたいと思っております。
 最後に、農山漁村における男女共同参画についてお尋ねしたいと思っております。
 農山漁村にいて、今の農業なり生活を支えている女性が非常に私は多いと思っております。むら・もり・うみ女性ビジョンが策定されまして、農業現場において経営に参画したり、家族経営協定を進めたり、経営者となったりして生き生きと活躍している女性が数多く県内に見られております。その中でも特に、産直とか加工とか販売において非常に力を出して地域力になっていると私は思っております。次のスッテプに向けて、新たなむら・もり・うみの女性ビジョンも見直しをされました。
 そこで、認定農業者も多くなってきている中で、知事が認定いたします農業農村指導士という制度がございます。私、アドバイザーだったんですが、平成3年から始まりまして、15年で指導農業士と統合になりました。そのときの統合の条件として、私が述べたのは、今後、男女が一緒になることは非常にいいんですけれども、この任命に当たって、男性だけに目を向けてもらっては困りますよと。やはり男女共同参画を進めていくには、まずここが初めてのスタートだと。男性と比べると女性はリーダー性が少ないとか、提言がちょっとまだだめじゃないかというようなところがありますけれども、いろいろ活躍をしている人たちを吸い上げていただいて、任命いただいて、そこで新たな担い手となるというような形で、ところが今年度、認定状況を見ますと、農業農村指導士23名中、女性が1人なんですね。ですから、私が危惧した点がここに出てきていると。何か昨年度はフィフティー・フィフティーだとかと言いましたけれども、何となく男性だけに目が向いている。6割が女性で、いろんなところで活躍している女性がある中で、こういうところにもきちっと男女共同参画の部分を見てほしい。青年農業士は14名中、女性が3名というようなことでもございます。ぜひこの点について御意見を伺って終わりたいと思います。
〇今泉農林水産部長 この件につきまして、私も実際の数字を見て、人のところではもっと男女共同参画を勧めておきながら実はおひざ元が全然そうではなかったということで大変遺憾に感じておるところでございます。
 いずれ、今後、市町村初め、農業関係機関、農業改良普及センターが連携して、女性の方々の登用についてもっと積極的に取り組むよう、私自身も含めてもう少し努力してまいりたいと思いますので、どうぞそこは御理解いただきたいと思います。
〇ザ・グレート・サスケ委員 高病原性鳥インフルエンザについてお尋ねいたします。
 以前からの取り組み、平成16年3月10日に全庁挙げて、JA、それから自衛隊等とともに県高病原性鳥インフルエンザ緊急防疫対策連絡会議を開催したことには敬意を表する次第でございます。
 また、昨年6月には、H5N2型と見られる高病原性鳥インフルエンザが茨城県で発生した際には、これは国の発令もあったと思いますけれども、県内1、000羽以上飼養の全農場30戸を対象に一斉サーベイランスを行った、こういった素早い対応にも感謝を申し上げますが、岩手県新型インフルエンザ対策対応方針を策定した保健福祉部と比べると、まだこの農林水産部の危機感が足りないのではないかと思われます。実際、農林水産部のインターネット、ウエブサイトを見ても、感染しにくいから心配ないというようなことを前面に押し出したような表現がなされておりまして、以後、なかなか更新されていないように見受けられてもいますが、保健福祉部との歩調合わせが今後重要だとは思うんですが、この保健福祉部の岩手県新型インフルエンザ対策対応方針との緊密な連携なども必要だとは思うんですが、現在どの程度の連携策がとられているのか、あるいは今後なされていくのか、この点をお聞きしたいと思います。
〇三浦振興・衛生担当課長 新型インフルエンザ対策対応方針におきましては、農林水産部は、高病原性鳥インフルエンザに関する情報の収集と本病の発生予防、防疫対策を実施することとなってございます。
 新型インフルエンザの出現防止に当たっては、高病原性鳥インフルエンザの発生予防が何よりも重要でございますことから、私どもとしては、養鶏場の巡回指導あるいはパンフレット等による鶏舎への野鳥の侵入防止の啓発、さらには、花巻空港における海外からの入国者に対する靴底消毒の徹底、さらには、早期発見をするために、サーベイランスの実施、そして、飼われてる方等からの異常鶏が見つかった場合の早期発見と通報、そういうふうな形で侵入防止対策と監視体制の強化に万全な取り組みをしているところでございます。
 ただいま御質問のございました保健福祉部との連携につきましては、万が一高病原性鳥インフルエンザが発生した場合におきましては、防疫の作業に従事する方々の感染防止、あるいは保健福祉部への早期通報による人への感染の防止ということが重要になってくると考えてございます。そのため、保健福祉部との間で、他県で発生した場合や、あるいは本県で疑う事例が確認された場合の速やかな情報の提供と共有、さらには、図上演習の実施によりまして、円滑な連絡体制・通報体制の構築、あとは、保健所の職員の方を講師にお願いしまして、防疫作業に従事するに当たっての防護服の着脱の訓練、さらに、農場からの家畜保健衛生所への通報があった場合、鶏の異常の確認だけでなくて、従業員の方の健康状況等についても確認をして、そして保健福祉部の方にも健康状況を連絡するということ、さらに、万が一発生した場合に、防疫の作業に従事する方々の感染防止対策あるいは健康管理につきましては保健福祉部の方に実施いただく、こういうような形で連携体制を現在のところとっているところでございます。
〇ザ・グレート・サスケ委員 先ほど御答弁で飼養業者の健康診断というところもありましたのでほっと一安心はしてるんですが、大事なポイントは、従来H5N1型というのは、かぎとなる遺伝子的要素が一つ欠けていたと。それが動物と人との障害を乗り越えられなかった原因であったのに、昨今それが克服されてしまったということなんですね。これ、私個人的な見解ではありますが、絶対これは人為的なものが入っているんだということなんですけれども、まあ、これは結構なんですが、とりあえず、農林水産部のインターネット上で余りにものんびりとしたような記述が見受けられるので、そこを改めていただいた方がよろしいのかなと思っております。
 飼養業者への健康診断的なお答えがございましたので、よしとしたいと思います。
〇平澄芳委員 私からも、鳥インフルエンザの防疫対策等についてお伺いしたいと思っております。
 大きく二つですけれども、まず第1点目、そのインフルエンザの防疫対策についてでありますけれども、岩手県は全国有数のブロイラー産地でございます。全国第3位でしたか。そして、その中でも、二戸・久慈地域は岩手県の中の主産地ということで、年間9、000万羽ぐらい出しているんだろうと思います。そして、農業産出額に占めるウエートも非常に大きいと。二戸・久慈地域で、平成15年ですか、600億のうち半分の300億がブロイラーということなわけでございます。そしてまた、それに携わる人も非常に多いですね。卵をとる人、ひなを育てる人、今度はひなを大きく育てる、あるいはえさを運ぶ人、出荷をするときにはそれをつかまえる人、運送する人、空っぽになった鶏舎を消毒する人、ブロイラーの工場に持っていけば、今度は従業員を送迎するバス、いろんな作業分担ができていて非常に広いわけですね。それだけに影響も非常に大きいわけでございます、仮に発生をすれば。ですから、絶対に発生をさせてはいけない、そのために、一生懸命農林水産部としても頑張っていただいているわけですが、仮に発生をしたときに、その流れといいますか、その発生確認の仕組みは、どういうふうになっているのか、それについてお伺いしたいと思います。
 そしてまた、最初に獣医さんが異常を発見するとか、あるいは家畜保健衛生所がその後に検査するとか、あるいは国において再検査をするとか、いろんな流れがあるんだと思いますけれども、どの段階で発生をしたと認定するのか、あるいは正式発表をどの段階でするのか、そういったこともお知らせいただきたいと思います。
 そして、その次ですけれども、実は、報道関係の方々に対する対策というのも非常に大事だと私は思うわけでございます。京都で発生した際にも、農家のいろんなところを走り回って、もしかしたらそのウイルスをまき散らしたのは報道陣じゃないかといううわさがあるくらい、その真偽はともかくとしても、その対策をあらかじめとることが必要なんだろう、そのように思うわけであります。
 それから、発生したときの移動禁止の網のかぶせ方なわけですけども、お聞きしたところ、半径で5ないし30キロということでございます。発生源の1戸の農家だけが移動禁止になるのではなくて、エリア内の直径60キロの円の中の農家の鳥が移動禁止になるのだろうと思うんですけれども、その辺の確認と、そのエリア内にえさが搬入できるのかどうか、それが許されるのか。
 それから、二戸・久慈地域は青森県と県境を接しているわけです。青森県にもブロイラー農家はあるわけでして、岩手県で発生したときには当然網が青森県にもかかる、青森県で発生したときには岩手県にもかかる、そういう状況になるんだろうと思います。そういったときの即応体制・対策に青森県、岩手県で差があるのか、濃淡はないのか、そういったこともお聞きしたい。
 それから、先ほども図上訓練等の話がありましたが、両県合同のそうした図上訓練といいますか、そうしたことはやっているのかどうか。
 以上、よろしくお願いいたします。
〇三浦振興・衛生担当課長 最初に、発生確認の流れ、仕組みについてでございますが、死亡羽数の増加あるいは産卵率の低下など鶏に異常があった場合につきましては、飼養者あるいは獣医師から家畜保健衛生所へ通報が来ることになってございます。家畜保健衛生所は、通報を受けた場合、直ちに通報者に対しまして、農場への車両の出入り禁止等所要の指示を行います。所要の指示を行った後に、家畜保健衛生所では直ちに農場の方に出向きまして、臨床検査及び検査材料の採取を行い、その材料につきましては、県の病性鑑定施設でございます中央家畜保健衛生所に搬送いたしまして、直ちに簡易キット検査及び解剖検査等所要の検査を実施いたします。この検査の結果、高病原性鳥インフルエンザを疑う所見が得られた場合につきましては、検査材料を国の動物衛生研究所の方に搬入いたしまして確定診断を実施することになってございます。
 次に、発生の認定でございますが、発生の認定につきましては、国の動物衛生研究所で確定診断の結果が得られた時点が発生の認定になります。その発表につきましては、動物衛生研究所で確定診断の結果が出た時点で正式な発表となりますが、大量の急性死亡などが認められた場合につきましては、直ちに中央家畜保健衛生所でキット検査、解剖等を行いまして、その結果、高病原性鳥インフルエンザが強く疑われた場合につきましては、迅速な防疫対策あるいは周辺の農場への蔓延の防止を図る観点から、当該農場に対しまして、鶏あるいは卵等の移動の自粛を要請いたしますとともに、高病原性鳥インフルエンザが疑われる鶏が確認され、検査を実施している旨の発表をすることといたしてございます。
 次に、報道関係への対応についてでございますが、農林水産省では、平成16年12月に、報道機関に対しまして、高病原性鳥インフルエンザの取材に当たって、発生場所等に立ち入ることがないように要請をしてございます。私ども本県でも、平成17年1月に、報道機関の皆様に対しまして、高病原性鳥インフルエンザの正確な知識あるいは発生時の防疫措置について説明をするとともに、農林水産省と同様の要請をしてございます。
 なお、万が一発生した際には、農場の立ち入りは極めて最小限にする必要がございます。報道関係の皆さんも含め、部外者の農場への立入禁止の措置をとる考えでございます。
 次に、移動禁止についてでございますが、移動制限区域につきましては確定診断がなされた段階で設定されますが、発生農場を含む区域内のすべての家禽、卵、排せつ物等病原体を広げるおそれのあるこれらすべての物品について移動が制限されることになります。
 飼料のエリア内への搬入は可能かということでございましたが、これにつきましては、移動制限区域の周囲に消毒ポイントを設置しますので、消毒ポイントで消毒をして、エリア内の農場等にえさの搬入は可能でございます。また、出て行くときも同じように消毒をして出て行くということになります。
 次に、青森県との連携についてでございますが、県境で発生し、移動制限区域が青森県にまたがる可能性がある場合につきましては、移動制限の範囲あるいは内容あるいは移動制限の開始日、時間、これらにつきまして農林水産省及び青森県との調整を図り、決定することになります。そういう形で取り進めることになりますので、両県とも差異のない対応が講じられる体制となってございます。
 また、両県との間では、養鶏農場や食鳥処理場の所在地をプロットした電子地図を青森県と共有しまして、本県で発生した場合は、青森県の移動制限対象農場がすぐに青森県でわかることになりますし、青森県で発生した場合につきましても、本県の移動制限区域の対象農場が相互に把握できる体制をとってございます。
 さらに、青森、岩手両県で防疫演習をそれぞれ開催してございますが、相互に参加しているほか、県境の防疫会議も開催しているところでございます。特に昨年8月には、青森県が開催した防疫演習におきまして、東北各県あるいは農林水産省の担当者も参画した打合会議を開催いたしまして、県境で発生した場合の消毒ポイントの設置あるいは消毒の確認方法等につきまして、それぞれ具体的な調整を行ってございます。
〇平澄芳委員 ありがとうございます。
 何点かまたお伺いしたいと思うんですが、えさの搬入は、消毒ポイントを通過すれば搬入可能だと、そういうお話でした。一方では、国の確定診断、これが終わって初めて鳥インフルエンザというふうに確定をし、発表すると。しかし、えさを搬入するときに、その消毒ポイントを設けたり、あるいは、仮にその発生した農場を迂回するような、いつものルートと違うルートを搬送しなさいというように運転手さんに命令されるとか、そういったことになると、もしかしたらインフルエンザが発生したのではないかというようなあいまいな情報が流れがちなんだろうと思います。それが結果として陰性だったというかインフルエンザじゃなかったということになったとしても、例えば、テレビで所沢のダイオキシンホウレンソウ問題ですか、結果的にあれは裁判で無罪というか、ホウレンソウは疑わしかったけれどもダイオキシンはなかった、ああいうことがいっぱい起きかねないわけでありまして、しかし、情報を発表しないというのもまた、これはいかがなものかと思うわけですけれども、そのタイミングというのか、情報を漏れないようにしなければ風評被害に遭うし、タイミングがおくれれば消費者が今度は不安になる、そういったこともあるわけですから、その辺、もう少し報道の関係あるいは運転手さん等携わる関係の方々と密接な指導というのか連絡が必要なのかなと。
 先ほど、報道の方には自粛を要請をしたというようなお話がありましたけど、報道機関の方では、それでよろしいというふうに答えてるのか、いや、要請は要請として聞いておきますというぐらいの話なのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
 続けて、大きな2点目をお聞きしたいと思います。
 県北・沿岸振興本部が立ち上がったわけですけれども、これと農政部とのかかわりについてであります。食産業を主軸に置いて県北・沿岸の底上げを図ると総合政策室長は発言しているわけでありますが、どうも私には具体的なイメージがわいてこないわけでありまして、食産業となれば農林水産部も大きくかかわることになると思いますので、その本部の一員であります部長のイメージする食産業というのはどういうものか、そういうようなものをお知らせいただきたいと思います。
 2点目、食産業の振興とブロイラー事業の関係ですけれども、非常に先ほど申し上げたように産出額が大きいと。そして事業者としても全国屈指の方々がいらっしゃるわけでありまして、そういった事業者の方々に具体的な優遇措置を示しながら、必要ならば優遇制度の創設を含めて、多角経営あるいは起業、そうしたものも促して、ブロイラー産業に県北振興の食産業の先駆けになってもらいたいものだなと、そんな思いもあるわけであります。
 商工労働観光部長とは言わず、部長の決意をお伺いしたい。部長はことしまだやめられないないんですか。もしやめられるのであれば、部長の見解というよりも、農林水産部としての見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
〇三浦振興・衛生担当課長 先ほどのインフルエンザの関係の御質問に対してお答えいたします。
 情報の漏れとか、いろいろなそういうふうなことによる混乱ということでございましたが、農場においての大量の急性な死亡というような場合におきましては、家畜保健衛生所の一定の検査の結果、強く疑われるという時点で、農場に対しまして出荷の自粛を要請して、あわせてその検査をしているということにつきまして発表いたします。そういうふうな形で、混乱のないようにしてまいりたいと思ってございます。
 あと、それ以外の何ら臨床症状のないようなケースもございますので、そういう場合については、検査を重ねながら確定診断までつながっていくというようなケースもございます。
 あと1点でございますが、報道機関への要請の関係でございますが、昨年1月に説明会をして、要請してございます。その時点で御理解をいただいたとは思ってございますが、万が一、発生時につきましては、また改めて要請して、理解をいただけるように対応してまいりたいと思ってございます。
〇今泉農林水産部長 私のイメージする食産業についてということでございますけれども、これは2002年といいますから、大体平成14年のデータかと思いますが、国全体で見た場合、農業生産は大体8兆9、000億円ございますが、食と農にかかわるといいますか、そういった加工品の部門でいえば約23兆1、000億円、さらに、外食産業で大体25兆4、000億円ということ、トータルすると大体57兆4、000億円というような規模が、実は食と農を取り巻く一つの経済規模じゃないかというふうに考えてございます。
 県でこれを見ました場合に、これは平成14年の数字でございますけれども、農業、水産も含めてでございますが、大体3、800億円ございます。さらに、食品産業でいえば大体1兆6、000億円ございます。したがいまして、単に農業だけで、かつ、もちろん素材として物を消費者のもとにお届けするということも大変大事なことなわけでありますけれども、ただ単に素材として出すだけでなく、あるいはこういう加工に通す、さらには外食の方にその加工品が回っていくというようなことになりますと、さらに市場規模が拡大していくと考えてございます。
 したがいまして、私どもといたしましても、これからは、やはり農業を軸にした地域の産業というものを考えていくときには、ただ単に生産した素材を出すだけではなくて、こういった何らかの形の1次化、あるいは2次産業化というんですか、3次産業化というんでしょうか、こういった加工なりサービス業のところで付加価値をつけて出していくということが大事じゃないだろうかと考えてございます。
 素材をそのまま出すのではなくて、例えば加工して出すとなりますと、年間を通じての出荷というものが可能になります。素材だけですと、どうしてもそのとれた時期しか出荷がないわけですけれども、一たん加工してしまいますと、年間を通した出荷が可能になる。さらには、そのつくった加工品というもので新しい需要というものを開拓することができる。そうしますと、結果として、それがまた収益率の増加につながってくる。それが、恐らくこれから我々が食と農というところでイメージしていかなければいけない産業なのかなと考えてございまして、この辺につきましては、今後、商工労働観光部ともきっちり連携を図りながら進めていきたいと考えているところでございます。
 次に、ブロイラー事業との関係でございますけれども、確かに、県北には全国で屈指のブロイラー企業が多数張りついてございますし、もうそこが、県北というか、あのあたり一帯が、私は一つの産地のブランド化ができ上がっているんだろうと考えてございます。したがいまして、私どもが考えておりますのは、やっぱりこういった産地のブランド化というものを生かしながら、今、私どもで新しく開発してございます新かしわというんですか、新特産肉用鶏、言ってみれば地鳥でございますけれども、これを何とか活用していけないだろうかと考えてございます。
 できれば県北のそういったブロイラー業界の方々が一体となって、こういった新かしわの加工品化、あるいは外食なり、あるいはさらに惣菜を中心とする中食産業へこれを持っていくというような取り組みをやっていただければ、全く新しい食産業というものをそこに興していくことができるのではないだろうかと考えております。なおかつ、それがただ単に個々の業者名を冠した特産品じゃなくて、地域の特産品というか、まさに地域の資源を生かして、地域の人たちがそれにエネルギーを注ぎ込んだ特産品としてもっともっと全国に売っていくことができるのではないだろうかと考えております。
 ぜひ、その辺につきまして、私どもとしてもこういった取り組みについて声をかけてまいりたいと思いますし、御協力いただけるのであれば大変ありがたいと、一つの大きな可能性というものをそこで試すことができるのではないだろうかと考えてございます。
〇千葉伝委員 サスケ委員、そしてまた、今の平委員の高病原性鳥インフルエンザの防疫対策について、関連して若干お伺いしたいと思います。
 先ほど来、この鳥インフルエンザが、いわゆる高病原性の鳥インフルエンザが発生した場合の対策ということで、かなり徹底した対応をしてもらえるようなことで進めていただいている、いわゆる危機感を持って鋭意取り組んでいただいている、こういうことで私は敬意を表するところであります。
 先ほどのお話の中で、実は、私も保健福祉部の方で、ヒトからヒトへのいわゆる新型インフルエンザ、この分についてお伺いしたところであります。その中身については、御案内のとおり、この高病原性から変異が起こってヒトへ感染する。そしてまた、それが大流行した場合の世界的な大流行のおそれがあるとか、そういったことで、ヒトの方の対策をお伺いしたところであります。
 なぜかということで、このインフルエンザの考え方が、一部混同されている分があるやということで、私は保健福祉部で質問いたしました。ただインフルエンザと聞くと、もうすぐに大流行するのではないか、こういうことじゃないよということで、いわゆる大事なのは、こういったヒトからヒトと行く分と、それから、鳥間の、今ここの部で問題になっている高病原性の鳥インフルエンザ、ここの分というのが、実は、正しい知識、そしてまた県民に対して適切な情報を与えるという意味では、私は、生産現場を抱えている、いわゆる鶏を飼養しているところを抱えている現場としてのこの農林水産部が、第一義的に大事なところを担当している、こういうことだと思っています。
 そういった意味で保健福祉部の方でもお聞きしましたけれども、この正しい知識と適切な情報を伝えるということで、現在、具体的にどのような取り組みをしているのかお伺いしたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 鳥インフルエンザに対する正しい知識なり、あるいはその情報といったような話でございますが、高病原性鳥インフルエンザ対策に当たりましては、進入防止対策、あるいは監視体制の強化によりまして発生の予防に万全を期しているところでございますが、また、万が一発生した場合には、全庁を挙げて取り組むといったような体制はとっているところであります。
 それから、防疫対策につきましても、高病原性鳥インフルエンザ防疫対策マニュアルを策定しまして、具体的な手順を定めて防疫対策の徹底を図っているといったようなところでございます。
 具体的には、本庁段階におきましては、全庁を挙げての体制強化を図るといったような観点から、関係課、市町村等を対象とした図上演習でございます。今年度、実働の防疫演習を含めて3回ほど実施してございますが、こういったようなこと、それから、小・中学校とかに対するパンフレットの配布、あるいは、いわてグラフあるいはラジオ放送の活用によりまして、野鳥の進入防止等のためのいろいろな啓発活動をやっているといったようなことでございます。
 それから、現地の家畜保健衛生所の段階におきましても、養鶏業者とか、それから市町村、あるいは関係団体を対象としました研修会、これは机上演習あるいはその研修会でございますが、今年度、各家畜保健衛生所合わせまして8回ほど実施してございますけれども、こういったようなことで取り組んでおりますし、それから、巡回によりまして飼養管理の指導、あるいは愛玩鶏の飼養者に対しましては、市町村の協力を得ながら、パンフレットの配布でありますとか、市町村の広報だとか回覧板での周知を行っているところであります。
 今後とも引き続きまして、県民に対して正しい理解をいただくように、積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。いずれ防疫対策を進める上での、先ほど私が申し上げた現場のサイドとして、しっかりとそういった、今おっしゃった分というのは、私は非常に大事なことだと思います。可能な限りそういったPRをお願いしたいと思います。
 万一の場合に備えて、結局は、先ほど平委員がおっしゃったのはカイワレの話で、これは風評被害ということで、あれはO-157の話だったと思うんですけれども、風評被害とか、混乱を生じないようなふだんからの対応がまた大事だと思います。それで、先ほどの御答弁を私も大変心強く感じたところであります。関係機関・団体、いろいろなところとしっかりと連携をとって防疫対策を進めていただきたいとお願い申し上げて、終わります。
〇三浦陽子委員 私から大きく3点ほど質問させていただきます。
 岩手の食の恵みを受けて、私たち大変安心してここで生活しているわけですけれども、そこには皆様方のような農業関係、漁業関係者の方々の御努力があると思って、本当に感謝しているところでございます。
 前回、環境生活部の方でちょっと私質問させていただいた食育というところで、一つ質問させていただきたいと思います。
 食育基本法が制定されて、県の計画が示されたわけですけれども、部局横断的な取り組みということになって、大変すばらしい計画書になっていると思います。予算のところで食育支援人材派遣事業という御説明があったんですけれども、それとこの食育推進計画とのかかわりについて具体的にお示しいただけたらと思います。
 ただ、予算が昨年350万円のところが今年度80万円ということで少し減っておりますけれども、これは、人材派遣ということですから、食育パートナーを学校の方に派遣するという事業なのだと思いますが、これは人件費を削減したものなのか、それとも何かとタイアップさせることによって減らしたものなのか、その辺も教えていただけたらと思います。
〇佐々木流通課総括課長 本年2月に県では食育推進計画を立てているわけですけれども、この食育推進計画を一言で言うと、食料生産県としての特性を最大限に生かした岩手らしい食育をやりましょうということです。
 ですから、私ども農林水産部はもちろんでございますが、生活環境部、保健福祉部、教育委員会、それから農林水産部一体となって取り組むということで、これは政策形成プロジェクトの中で食育推進プロジェクトを組んでございます。
 その中で、お尋ねのいわて食育支援人材派遣事業は、その構成事業の中の一つということでございます。その事業の内容につきましては、岩手らしい食育ということで、実際生産に携わる生産者、あるいは食文化を普及している食の匠、こういう方々を学校の授業に派遣するための経費ということで措置しているものでございまして、このことによりまして、まさに生きた食育を農林水産部としてお手伝いできるのではないかと考えてございます。
 それから、事業費の関係でございますが、食育につきましては、今回、食育推進計画が出る以前から、やはり農林水産業とか、農林水産物に対する正しい理解をいただくためには、農林水産部として積極的に取り組むべきだということで予算を措置してきてございました。この中には、首都圏食育交流事業ということで、岩手の生産者が首都圏の小学校に出向いて岩手の農業なり食文化なりを出前授業するというような事業内容も含んでございました。そのことで予算規模として本年度より多くなってきてございます。本年度は予算規模を削減しているわけですけれども、効率的に執行してまいりたいと考えてございます。
〇三浦陽子委員 ということは、ことしは首都圏には出前授業はしないということなんでしょうか。
〇佐々木流通課総括課長 私ども流通課といたしまして、やはり多くの消費者の方々に岩手の農林水産業なり農産物をPRしていくということは、大切なことでございます。その中で取り組んでいけるのかなと思ってございますし、あるいは首都圏の食育交流、学校給食を通じて働きかけたものでございまして、県内の産地と首都圏の小学校が強いきずなで結ばれつつございます。ですから、県が直接やる部分と、それから、おつき合いが始まっている県内の地域なり、あるいは産直施設なりが取り組んでいただけるものと、総合的な取り組みにシフトしていくという考え方でございます。引き続きやってまいります。
〇三浦陽子委員 ありがとうございます。やはり岩手の食文化、本当にすばらしいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
 二つ目には、先ほど来も出ていますが、グリーンツーリズムのことにつきまして、実は私も、恥ずかしながら、余りグリーンツーリズムという言葉を耳にしなかったんです。それで、どのぐらいの皆さんが知っているかというのを調べたデータを見ますと、80%は聞いたことがあり、意味も知っていたとなっているデータがあるんです。これは岩手県内で調べたものなのか、全国的に調べたものか、ちょっとよく私にはわからないんですが、やはり岩手のこの食を皆さんにPRして、体験してもらうという意味合いから考えれば、県外にいろいろ発信しているのではないかと思いますが、その辺の具体的なPR方法、県内でもそうですし、県外におきましても、そういうPR方法がこれからどのようにとられていくのか。あと、先ほどちょっと部長の御説明の中に大学との連携というお話があったんですが、その辺もちょっと具体的に教えていただきたいと思います。
 それから、グリーンツーリズムで県内に入って、体験して、たくさんの方が来てくださることは、本当に大変うれしいことですが、その交流した後に、そこの地域へ何か県としてはまた支援するような対応がとられるのでしょうか。
 実はちょっと、これは昨年ですけれども、NPOでいわてグリーン・ツーリズムサポートセンターというのが立ち上がったという記事を見ましたが、この辺との連携はどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 グリーンツーリズムのお尋ねでございますけれども、まず、PR方法についてでございます。
 やはり委員おっしゃるように、PRが一番大切だということで、県民はもとより、やはり県外に情報発信していくことが極めて重要であります。そういうことで、グリーンツーリズム旅行者の拡大を図っていくためには、県内外に効果的に情報を発信していくことが極めて重要であります。
 そのために、今までもさまざまやってきておりますけれども、実は、新たにターゲットを絞った情報発信を進めることとしております。農林漁業、観光、それから地域振興等を学ぶ首都圏、あるいは県内の特に大学生、そういう方々と情報発信や共同研究に取り組みながら、そういうところから輪を広げていくような形の取り組みをしていこうということでございます。
 さらには、今、北東北でもグリーン・ツーリズム協議会、北東北3県でやっておりますけれども、これにつきましては、平成17年度から、首都圏を対象として農林漁業体験型の修学旅行現地説明会等を実施しております。その中で、平成18年度からは、これまでも広域モデルコースを3県でやってきたわけですけれども、それをさらに拡充しまして、首都圏からの修学旅行の誘致のさらなる拡大を図っていきたいということであります。
 さらには、観光との連携、これらも必要だということであります。本県の持つ豊かな自然景観、それから、地域の食文化、さらには農村文化等を活用した新たな旅行商品等の開発、それから、都市住民に対しての情報発信も進めてまいりたいということであります。この辺につきましては、先ほど委員からもお話がありましたように、いわてNPOサポートセンター、ここを一つの活動拠点にしておりまして、そこを中心に進めてまいりたいと思います。
 次に、交流後の地域の対応につきましても、やはり交流を一過性のものに終わらせないということで、訪れた方々がリピーターとして何度も訪れる、あるいは農林水産物を通じて継続的な交流が図られるよう支援していきたいと考えております。
 そのためには、やはりもう一度訪れてみたいと思う魅力ある地域づくりを進めることが必要でありまして、アドバイザーによる地域診断、あるいは魅力向上研修の開催などによりまして、地域全体の魅力アップ、あるいは価値の向上も図っていくとともに、こういういわてNPOサポートセンターを中心とした受け入れ相談窓口機能を強化しながら進めていきたいと考えております。
 また、本県を訪れたグリーンツーリズム旅行者からは、やはりサポーターとして募って、会員として登録していただきまして、会員に対しては、農林水産物あるいはイベント等の情報を定期的に提供する仕組みを構築いたしまして、交流と継続ということで、リピーターの確保に努めてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 ありがとうございます。岩手県のPRというのは、やっぱりちょっと足りないところがあると思いますので、ぜひ本腰を入れてやっていただきたいと思います。
 次に、食の安心・安全についてお伺いしたいと思います。
 先ほど来、鳥インフルエンザの話も出ておりましたけれども、やはり安心・安全というところからすると、輸入物のBSEの問題が結構クローズアップされまして、私も危機感を持って、ちょっと勉強しに行ったりもして、東京大学名誉教授の山内一也先生という方のお話を聞いたりして、私なりに少し勉強してきたつもりですが、県としては、24カ月の牛を解体してBSEを調べるみたいなことを書いてありましたが、20カ月の全頭検査というのはやっているんですね、今後とも。それを、結局、どうしてもなかなか情報源がないと、やっぱり話だけが先走ってしまいますので、万が一輸入解禁になったとしても安心だと、岩手で食べる牛は絶対安心なんだということをしっかりPRしていただきたいと思いますが、その辺についてどうでしょうか。
〇佐々木流通課総括課長 牛肉に対する信頼が損なわれることがあってはいけないというのが基本でございまして、特にも、私どもの立場とすると、岩手県産牛の安全性を、信頼性をさらに高めていくということで、実は保健福祉部の所管でございますけれども、食肉というか、BSE検査については、全頭検査ということで、当分の間、これを続けることにしてございます。
 さらには、岩手県産牛の信頼を高めていくということで、私どもは県独自のトレーサビリティーシステムも運用してございます。こういうことを地道に続けることによって、県民の方々に安心して県産牛を食べていただくような状況になると思ってございます。
〇三浦陽子委員 何度も何度も同じようなことを聞いて大変申しわけなかったんですけれども、確認をしっかりさせていただきたかったと思います。
 それから、あと海産物の問題なんですけれども、三陸の海が日本の中で一番きれいな海だというふうに言われておりますので、この海の問題を、農林水産部としては、海藻とか、魚とかいろいろありますけれども、とにかく移動できない海産物、貝類もそうですが、そういう問題について、一番私が心配するのは、海がいろんな意味で今汚染されてきているということなので、今後、三陸の海が本当に安全なんだという信頼感、先ほどのBSEもインフルエンザもそうですけれども、信頼感を深めるためには、どのような安全性の確立と対策を考えていらっしゃるか、部長からお伺いして、終わりたいと思います。
〇今泉農林水産部長 本県漁業を将来にわたって持続していくためには、やはり良好な水域環境の維持・保全が不可欠であると認識してございます。
 そのため、漁業者みずからが、良好な養殖漁場の環境を維持し、持続的な養殖生産の確保を図るための自主的な取り組みというものが行われてございまして、これは、岩手県未来につなぐ美しい海計画を策定しているほか、漁協の女性部というのが、その活動の大きな柱として合成洗剤追放運動といった取り組みを進めてございます。
 我々といたしましても、こういった取り組みというものを支援しながら、水域環境の維持・保全を図り、ひいては岩手県の水産物の安全・安心という確立された信頼というものを維持してまいりたいと考えております。
〇佐々木流通課総括課長 先ほど、食育支援人材派遣事業の事業費の減について御説明申し上げましたが、主な減額理由につきましては、食材支援のための教材の印刷費の減がその主なものでございます。訂正させていただきます。
〇嵯峨壱朗委員 本年度立ち上げました県北・沿岸振興本部がございますが、その振興策を考える上で、産業振興上必要と思われる公共事業については優先的に対応していくという趣旨のことは説明を受けております。そうした中で、重要な雇用の受け皿でもあるし、岩手の主産業としての位置づけもあるこの農林水産部所管の中で、どのような事業がそれに対応しているのか、そしてまた、振興本部との調整はどのようになっているのか、お聞かせ願えればと思います。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 公共事業の関係ということで、県北・沿岸振興本部の関係でございます。
 まず、農業関係でございますけれども、適地適作による地域農業の展開を図るためという観点から、畑地帯におけるかんがい等を総合的に行う畑地帯総合整備事業ということで、二戸地域の2市町4地区で実施予定をしております。また、条件不利地域におきまして、生産・生活環境等の整備を行うという中山間地域総合整備事業、これにつきましては、大船渡市など7市町村7地区の実施を予定しているところでございます。
 また、水産業の関係でございますけれども、安定的な生産の確保が必要であるという観点から、漁港や漁場の整備を行う地域水産物供給基盤整備事業、これは久慈市など3市村6地区で予定している事業と、それから、広域漁港整備事業ということで、田野畑村など8市町村16地区実施を予定しているところでございます。
 また、本部との調整はどの程度進んでいるかという御質問でありましたけれども、これにつきましては、県北・沿岸振興本部との連携を図りながら、同本部が3月までということで策定する産業振興の基本方向や各圏域で平成18年度に策定を予定しております地域振興ビジョンにおきまして、当部所管の主要な事業の位置づけがなされる予定というところでございます。公共事業につきましても、選択と集中によって、明らかな効果が期待されるものに絞って重点的に実施してまいるという方向でございます。
〇嵯峨壱朗委員 今、るる事業を説明していただきましたけれども、それはあくまで対応するのであって、振興本部ができたからやった事業ではないですよね。それはそうだと思うんですけれども、そういった意味で言うと、振興本部ができたことによってどのようにそれが変わったのか、どういう影響を受けてそういった事業が選択されたのか。
 (「方針まだ出てないんだってば」と呼ぶ者あり)例えばですよ。今はまだ入っていないでしょうけれども……。
〇伊沢昌弘副委員長 御静粛にお願いします。
〇嵯峨壱朗委員(続) 静粛にお願いします。
 いずれ、今のはどういった事業で対応するかという意味での説明ですが、それはそれでわかります。今後、そういったものを来年度に向けて具体にどういう形で調整していくのか、また、恐らく重点的に、例えば漁場整備、生産量を上げるためにはそうした種苗放流、放流し過ぎてもだめな面もあるけれども、ハードもソフトも含めていろいろなものが出てくると思います。スケジュール等ってわかるんですか。大体、実際の本部との調整するという。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 県北・沿岸振興本部ができて間もないわけですけれども、ハードのほかにソフト事業の関係なんかも、食産業の関係で出てきているところでございます。ですから、ハードについても、これからそういった県北・沿岸振興という視点で重点化を進めながらやっていくという方向で動くという、現時点ではそういう状態でございます。
〇高橋比奈子委員 県は、大変すばらしいバイオマスの計画を進めており、着実に来年度予算にも反映していると私も認識しております。バイオマスは、地球温暖化の防止、資源循環型の社会、産業の育成、農山漁村の活性化を初め、県が目指す有用資源の地域循環型社会の創造のためには、大変重要な取り組みと考えられます。
 そこでまず、県のバイオマス利活用促進の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 本県は、全国有数の畜産県でございます。それで、家畜由来の豊富な有機資源を多く有しております。さらに、本州一の豊かな森林資源や世界でも有数な三陸漁場を有しているわけでございまして、こうした地域に賦存するバイオマス資源につきまして、再利用・再資源化や環境への負荷の少ないエネルギーの創出、あるいは競争力のある新たな産業の育成による循環型社会の形成に向けて、農林漁業分野はもとより、他産業分野においても広く利活用を進めていくことが重要であると考えております。
 このため、県といたしましては、平成17年3月にいわてバイオマス総合利活用マスタープランを策定しているところでございまして、一つには、家畜排せつ物等の活用による資源循環型農業の推進やメタン発酵による発電のほか、木質バイオマスのペレット加工やチップの熱エネルギーの利用、さらにはコンブ、ワカメ、カキ殻などの加工残渣の堆肥化、あるいは土壌改良資材への活用など、バイオマス資源の積極的な利活用を推進していくことにしておるところでございます。
〇高橋比奈子委員 今御答弁をいただきましたが、今の取り組みの中になかったものに、来年度の予算にはあるんですが、生ごみを堆肥にしていくとか、それから岩手県には、民間ですが、岩手コンポストという下水道汚泥、岩手県のおよそ70%を堆肥にしているという施設もありますよね。こういう取り組みが行われているものに関して、有機農業に取り組む生産者から、有機資源の大変いい、良質なものが手に入りにくいという声が非常に上がっていたりとか、食品残渣の焼却がまだまだ続いているという現状があります。
 そこで、私もNPOで随分この取り組みに関して民間と協働してきたんですが、こういう岩手のいい状況、それからつくられたものを使っていこう、こういうことをぜひ農林水産部の方で情報発信をしていただきたい。あわせまして、農林水産省がやっております伊達市などの取り組み、それからこういう取り組みから、三笠市など北海道でも随分、生ごみなどのバイオマスを初めとしたバイオマスが本当に積極的になってまいりました。こういう情報をぜひ有機農業を目指す方を初め、さまざまなところと連携して使っていけるような形まで持っていけるように情報の発信をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 委員御指摘のとおり、家畜排せつ物や食品廃棄物、そういう有機資源を活用していくためには、やはり排出側と需要側とをつないでいく仕組みづくりが大変重要であると考えます。
 例えば、こうした有機質資源から生産される堆肥の活用に向けましては、品質や価格、あるいは運搬、あるいは散布方法など、堆肥活用に対する畜産農家と、これは稲作や野菜等の栽培ですけれども、耕種農家との共通認識を高めていく必要があると思います。
 このため、各農業改良普及センターを単位に、畜産農家と耕種農家を対象とした良質堆肥のつくり方や適正な使い方を検証する土づくり交流会等を開催いたしまして、共通認識を高めるとともに、堆肥マップを作成し需給情報の提供に努めているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、県内では畜産農家が原料を供給して、耕種農家は、望む堆肥をみずからつくるという取り組みもいただいておりますし、また、生ごみを地域の堆肥センターで処理し農地へ還元する取り組みなどもあらわれてきている状況にございます。
 県といたしましては、今後とも排出側と需要側をつなぐ機会の提供に努めますとともに、県内外のそういう先駆的な事例や新たな活用技術の紹介など、バイオマスの積極的な利活用に向けた普及啓発を進めてまいりたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 御答弁ありがとうございます。先ほどの部長の説明の中に、バイオマスの環づくり交付金などの中にも食品残渣ということも進めていますということでしたが、まだまだ食品残渣に関しましては、これだけ世界で餓死をしている子供たちがいるという現状の中で、日本は食べ物を焼却している。私は、こういうことでは、将来の子供たちに罰が当たるのではないかと本当に真剣に考えております。ですから、食べ物はしっかりとバイオマスという活用の仕方をして、土に返して、次の命を生む、こういうことへの取り組みもぜひ力を入れていただきたい。
 また、こういうことをやっています盛岡・紫波地区環境施設組合などが非常にいい堆肥に今転換しております。前はにおいがひどいとか、さまざまなことがありましたが、今、微生物を使いまして非常にいい状況になっておりますので、ぜひこういうことも含め情報提供し、将来の子供たちのためにバイオマスをしっかりと農林水産部として情報提供しながら、これを資源循環したいというところと、使うというところと、それから民間も含めてすべてのところと連動して、できたものを使うシステムづくりにも力をお入れいただきたいと思います。
 最後に部長の御見解を伺いまして、終わりたいと思います。
〇今泉農林水産部長 やはり出す側と使う側をどうつないでいくかというその仕組みづくりが大変大事だろうと思っております。そういった中で、例えばどのような情報発信の仕方がいいのか、あるいはマッチングの場をどうつくっていくのかということ、今既にさまざま取り組んでおられる方々の意見などもしっかりと聞きながら、構築してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、自民党農政のもとで岩手の農業の実態がどうなっているかをまず最初にお聞きいたします。
 一つは、04年度の食料・農業・農村白書で、WTO協定受け入れ以降10年間で農業産出額が全国で21.2%減少した、農産物生産者価格は17.7%下落、肝心の大規模経営の農業所得も5年間で20%から30%減少し、販売農家の農家総所得は過去5年間で8.8%、主業型農家でも6.4%下落というふうに発表されていますが、岩手の実態はどうでしょうか。
 05年農林業センサスが明らかになりましたが、2000年から5年間で、販売農家、年間50万円以上ということになりますが、36万6、000戸減少、これは15.5%であります。耕作放棄地は耕地面積の1割を超えたと言われていますが、岩手の実情はどうでしょうか。
 大規模経営の農業所得が、水田作経営では、米価の下落に伴って農業所得が5年間で26%も減少していますが、岩手の状況、私は、大規模経営ほど自民党農政の打撃を受けているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 農林水産業予算の中で、公共土木事業、価格・所得補償の額、比率を示していただきたい。来年度予算で。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 それでは、1点目でございます、本県の農業産出額等の推移等についてお答えします。
 農業産出額は平成16年で2、619億円となっておりますけれども、10年前と比較しまして897億円、25%減少しております。その内訳を見ますと、米が579億円、園芸が124億円、畜産が120億円それぞれ減少しております。米の生産調整による減収分を園芸、畜産でカバーできていない状況にあると考えております。
 2点目、農産物の価格についてでございます。
 県産米の販売価格で見ますと、平成16年産の岩手ひとめぼれが60キログラム当たり1万5、062円となっておりますけれども、10年前、6年産の価格2万1、344円と比較して約6、000円、3割減少している状態でございます。
 それから、農家の所得という部分でございます。
 平成14年、平年作の最近年で見てみますと、県内農家の平均では、農家総所得が716万3、000円ということで13%減、そのうちの農業所得が78万8、000円、これは31%の減になっております。うち主業農家につきましては、農家総所得が646万7、000円ということで12%減、農業所得が297万9、000円と27%の減となって、いずれも減少している状態でございます。
 次に、農家戸数と耕作放棄地の推移という点でございます。
 年間50万円以上の販売収入を上げています農家数は、平成17年の農林業センサスによりますと4万2、252戸となっております。これは平成12年から7、077戸ということで14.3%減少しているところでございます。
 また、本県の耕作放棄地面積でございますけれども、平成17年の同センサスでは1万2、571ヘクタールということで、平成12年度の1万1、275ヘクタールから1、296ヘクタール、11%増加してきているところでございます。これを耕作放棄地の割合ということで見てみますと9.7%ということで、全国並みというところでございます。
 次に、大規模経営農家に影響が出ているのではないかという御質問でございましたけれども、水稲5ヘクタール以上作付している農家の農業所得を平成14年度で見てみますと406万1、000円と、5年前と比較して59万5、000円、13%の減少となっております。
 一方、これは稲作農家の県平均で、1.5ヘクタール以上の規模農家の平均ということなんですけれども、同様に比較しますと、わずかに、プラス4万4、000円程度増加しているところでございます。
 こういった部分にも、米の生産調整とか米の販売価格の低迷が影響しているものと見られているところでございます。
 それから、農林水産業予算の中の公共土木事業、価格・所得補償の額、比率はどうなっているかという御質問でございます。
 まず、農業関係でございますけれども、230億400万円余で、比率は46%でございます。3%ほど下がっております。林業関係でありますが、47億800万円余で36%でございます。それから、水産業関係が52億1、500万円余で、割合は63%ということで、農林水産業全体で329億2、800万円余で、割合としましても46%ということで、昨年に比べますと3%程度割合が下がっているというところでございます。
 次に、価格・所得補償関係でございますけれども、青果物の価格安定対策及び家畜畜産物の価格安定対策の予算につきましては2億4、700万円余ということで、部の関係予算に占める割合は0.3%ということで、若干上がってきているというところでございます。
〇斉藤信委員 10年間で25%農業総産出額が減少している、これは大変深刻なことで、県の計画から見ても、生産額がふえるどころか、これだけ減っているというのは、逆行現象、大変厳しいと。私はここからしっかりとした教訓を導き出す必要があると思うんです。
 それで次の問題に移りますが、小泉農政改革の経営所得安定対策について、対象となる4ヘクタール以上の農家は5、567戸、販売農家の8%であります。この中で、個別経営を目指すもの、集落営農で役割を果たすもの、これは現段階でどのように把握されているでしょうか。また、どれだけ認定農業者となっているでしょうか。
 二つ目、集落営農ビジョンは1、589策定されていますが、具体的な動きがないもの858、54%を占めています。具体的な取り組みが行われているもの、これが392、24.7%で、いわば皆さんがリストアップしたのはこの約400なんですね。しかし、県はこの400の集落営農組織を先行して誘導すると言っていますけれども、あとの75%はどうなるんでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 経営所得安定対策についてでございますが、まず、この5、567戸の関係でございますが、対象となる4ヘクタール以上の農家5、567戸、これは稲作、畜産、園芸経営などがこの中に含まれているわけですけれども、この中から新たな経営安定対策に誘導していく経営体といたしまして、個別経営体約3、000をリストアップしたところでございます。
 これは平成18年1月末現在でございますけれども、現在、これにつきまして、集落においては認定農業者等の個別経営体への農地集積を進めていくのか、あるいは集落経営体として加入していくのか、あるいはその共存型で進めるのかについて話し合いが盛んに進められている段階でございます。
 このため、集落経営体の設立に伴いまして、リストアップされた個別経営体が集落経営体に参加する場合や、逆に、組織としてリストアップされたものの個別で対策に加入する場合などが想定され、今後の話し合いによってこのデータは動くものでございます。
 なお、リストアップされた個別経営体の関係につきましては、今精査中ではございますけれども、いずれも、ほぼ認定農業者かこれに準ずる経営体であると考えております。
 次に、集落営農ビジョンの関係でございますが、先行して誘導すべき対象といたしまして、具体的な動きがある集落ビジョンの中から、熟度の高い約400の集落営農組織をリストアップしたところでございますが、当面は、このリストに基づきまして、平成19年春とされている加入時期までに、一つでも多くの集落が対策に加入できるように誘導してまいりたいということでございます。
 また、残りについても、いろいろPR等に努めながら、あるいは座談会等を進めながら、順次対策の対象となるよう誘導してまいりたいと考えております。
 なお、その間にあっても、水田農業に取り組んでいる農業者に対しましては、生産調整のメリット措置であります産地づくり交付金などの対象として支援してまいりますし、また、現状におきましても、野菜なり果樹、畜産などにつきましては、品目別の価格安定対策等が講じられておりますので、これらを活用して、対策としては漏れのないような支援をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、4ヘクタール以上の農家5、567戸のうち3、000戸だと。そうすると、5、567戸すべてが担い手になるわけじゃないんですね。このうちの3、000戸なんですね。2、567戸は、これは畜産関係なんですか。今まで、田畑を含めて4ヘクタール以上が5、567戸という話ではなかったんですか。これ、5、567戸と3、000戸の違いをはっきりさせてください。そして、3、000戸というのは販売農家の何%になるのか。
 それと、今、岩手県の農業・農村基本計画を立てようと案が出ています。この案の中では、あなた方の計画はこうなっているんですよ。目指す具体的な姿、多様な担い手、現状は約2、500戸。集落型の経営体は22法人・団体。平成22年の5年後、個別経営体は6、000戸から7、000戸、集落型の経営体は90から100法人・団体。あなた方の計画は、5年たって、集落営農法人・団体はせいぜい100法人じゃないですか、計画にしているのは。400リストアップしたけれども、100ぐらいしか物にならないという計画を考えているのではないですか。
〇及川農業振興課総括課長 先ほどの5、567戸とリストアップした3、000戸の関係でございますが、先ほど申し上げたように、今回の経営安定対策は、農家台帳、いわゆる農業委員会の農家台帳で農地として登録されている、それでカウントするわけでございまして、その中には、当然稲作と、あるいは畜産、それから園芸経営、そういうものがあります。今回の対策につきましては、米と、さらには麦と大豆の対策でございますので、当然、稲作については入ってきますけれども、畜産とか園芸につきましてはこれから外れるわけでございまして、こういう形のうち数になってございます。
 いずれこの3、000戸につきましても、それぞれ今、集落においていろいろ指導しているところでありますし、さらに、これに限らずいろいろ拾っていきたいと考えておりますので、その辺、御了承願いたいと思います。
 それから、先ほどの農業・農村基本計画との関係でございます。平成22年に個別農家6、000から7、000、それから集落型経営体、これは法人ですけれども、約90から100社。それから、集落型経営体を目指す2万9、000から3万の農家というような計画を今描いておりますけれども、いずれこの計画に向けまして、こういうような形で個別経営体、これは効率的・安定的な経営でございますが、これと、それから集落型経営体、法人化、それから、いわゆる法人組織も含めた集落型、こういう形で、個別経営体では6、500、集落型の法人では900前後、任意の組織の集落型経営体では600ほどを考えております。これを育成するために、今回の経営安定対策をてことしながら、こういうようなことをリストアップしながら進めていくというような形のことでございます。
〇伊沢昌弘副委員長 今の答弁に対する質疑ですか。
〇斉藤信委員 もちろん。
〇伊沢昌弘副委員長 新たな項目に……。
〇斉藤信委員 まだまだ、この項目。
〇伊沢昌弘副委員長 では、今の答弁に関して。
〇斉藤信委員 今まで所得安定対策の対象になるのは5、567戸で8%だと答えていたんですよ。私の一般質問にもそう答えたんですよ。そうしたら3、000戸だと。ほかの部分は畜産その他だと。そうしたら、大体今までの答弁と違うじゃないですか。3、000戸の%を示してください。8%だって農家のほんの一部なんですよ。3、000戸になったら約半分でしょう。そのぐらいしかいわば政府の所得安定対策の対象にならないということなんですよ。私は、これは極めて重大だと思います。
 1、589も集落営農ビジョンをつくったのに、リストアップしたのはたった400ですよ。これは24.7%ですよ。だから、75%は、つくったけれど見通しがないということでしょう。
 そして、私が今言ったように、農業・農村計画は、平成22年度90から100法人ですよ、あなた方が他産業並みの所得を維持できるとしているのは。せいぜい100法人ですよ。私、こういうやり方では、岩手の農業も農地も農村も守れないと思いますよ。いかがですか。
〇及川農業振興課総括課長 ちょっと説明があれで申しわけありませんけれども、個別経営体を約3、000リストアップしてございます。これは統計でいきますと、面積では4ヘクタール以上の農家は5、567戸ということでございますが、あと、これからこういう個別経営体にできない部分は、集落型経営体で、集落の組織化なりでやっていくと。それが今400やっております。そういうことで、県内に7万戸ほどの農家があるわけですけれども、その辺の米、麦・大豆の生産農家につきましては、この所得安定対策に拾い上げて、一つでも二つでもそういう個別経営体、それから集落型経営体を対象にしていきたいという考えで進めておるわけでございます。
 それから、先ほどの平成22年の姿につきましては、個別経営体、それから集落型経営体100、これは法人化でございまして、そのほかにも集落型経営体で、任意組織から、そういうようなものも600ほどの組織を育成するとしているところでございまして、その辺の取り組みを進めながら、岩手の農業の担い手を育成してまいりたいという育成の考え方を持っております。(斉藤信委員「3、000戸のパーセンテージは何戸なの」と呼ぶ)
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡委員 何回も目立つんですけれども、委員長が指名しないで、答弁漏れは答弁漏れで、きちんと手を挙げさせて、委員長の方できちんとさばいていただきたいと思います。
〇伊沢昌弘副委員長 わかりました。
 斉藤委員、最後、これだけやって、あと休憩に入りたいと思いますので、よろしくお願いします。(「後で入れば。休憩だ」と呼ぶ者あり)いや、流れがありますので、斉藤信委員、どうぞ。
〇斉藤信委員 私は2度聞いたんですよ、3、000戸の農家は何%になるのかと。もう2度も答弁漏れしているんですよ。きちっと答えさせてくださいよ。
 それで、400リストアップしたというけれども、これも私は、集落営農というのは実態はさまざまなんですね。
 私は胆沢町に行って、さまざまな農家の方々の話を聞いてきました。胆沢町は、個別経営体は見通しがないというので、担い手は全部集落営農の中心に据えるという、こういう取り組みをしておりました。これがいいか悪いかは別ですが、かなり意識的な。それでも、それぞれの集落ごとに全くパターンが違うんですよ。私は、そういう点でいけば、国の六つの要件、経理の一元化とか、農地の集積とか、こういうもうがちがちの条件に合わせて、合った人だけそれを担い手として対象にするというやり方は、これは絶対無理があると。そうすれば、結局は1割程度の農家しか対象にならないと思います。
 それで私は聞きたいんだけれども、現在の集落営農というのは、その地域の条件、農家の規模、歴史的経過でつくられたものです。だから机上のプランの押しつけではなくて、生産に参加しているすべての農家を大事にして、集落と地域の農業を維持することが必要だと思いますが、いかがですか。
 地域の農業は、複合経営や兼業など家族経営で支えられています。兼業農家の農家数、生産量、額、比率、この兼業農家の位置づけがどうなっているかお聞きしたい。
〇及川農業振興課総括課長 先ほどの個別経営体約3、000戸、これにつきましては販売農家の4.5%ほどになってございます。
 それから、先ほどの集落営農の地域農業の維持ということでございますが、やはり集落営農の推進に当たりましては、地域の実情がさまざまございますので、それに適合するよう、集落の話し合いをもとに、認定農業者と小規模兼業農家、それぞれの経営志向に応じた役割を担うという集落営農の組織化の取り組みを支援しているところでありまして、そのような取り組みを進めながら、より多くの農業者が加入できるような組織に育成してまいりたいと考えてございます。
 それから、兼業農家の農家数と生産量・額、比率についてでございますが、これは2004年の農業構造動態調査、これは直近の調査でございますが、販売農家7万870戸のうち、兼業農家は6万1、340戸ということでありまして、これは第1種兼業農家が9、740戸、第2種兼業農家が5万1、600戸となっておりますが、販売農家に占める割合は86.6%ということになってございます。
〇伊沢昌弘副委員長 世話人会の申し合わせにより、この際、10分間ほど休憩いたします。
   午後 3 時 4 分 休 憩
   午後 3 時23分 再 開
〇工藤大輔委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 及川農業振興課総括課長より発言を求められておりますので、これを許します。
〇及川農業振興課総括課長 先ほど斉藤委員からの御質問で、兼業農家の生産量、額、比率についてでございますけれども、これにつきましては、正式な統計等はございませんので、お答えいたしかねます。これにつきましては、業務統計等も持ち合わせがないので、額につきましては把握していないということでひとつよろしく御了承願いたいと思います。
〇斉藤信委員 わかりました。
 3、000戸の農家が4.5%だということが明らかになりました。そして、第2種兼業農家が5万1、600戸で、これは販売農家の72.8%ということになります。私は、岩手の農業・農村・食料を考えたときに、この第2種兼業農家をどう位置づけるかというのが決定的ポイントだと思うんですよ。いわば4ヘクタール以上の農家とか20ヘクタール以上の集落営農だけが担い手というふうにやったら、岩手の農業、農村はもちません。
 実は、日本学術会議が去年の9月15日に、我が国の人口・食料・エネルギー問題についての報告書というのを出しているんです。その中で、大変大事な指摘があるんです。農家の中で、後継者があると答えたのは全体の71%、特に、第2種兼業農家の方が後継者はあるということになっているんです。第2種兼業農家というのは、農業では生計を立てにくくなった農家が地域に存続し続けるために選択した一つの生き方である。したがって、それは一般に考えられているよりはるかに強靭な存在であり、結果として、農業・農村の持つ多面的機能を担う役割を果たしてきた。食料自給率を高める上での問題は、こうした第2種兼業農家が今後どれだけ農業的機能を高め得るかということだと。これは日本学術会議の去年9月の報告で、自民党が進める一部の農家に担い手を集中する、こういう方向では、岩手も日本の農業ももちません。学術会議が指摘しているように、農外収入も含めてその地域を支え、農業を支えている第2種兼業農家、家族経営、こういうものを担い手に位置づけて、岩手県としてはこういう第2種兼業農家も担い手に位置づけて、本当の地域農業、集落営農を推進する必要があるんではないですか。
〇及川農業振興課総括課長 委員おっしゃいますようにそのとおりでございまして、やはり兼業農家、今言ったように、第1種兼業農家、第2種兼業農家があるわけでございますけれども、やはりそこで集落での取り組みというのがやっぱり重要になってきます。主業型農家も当然おるわけですけれども、そういう第1種兼業農家、そういう方々がお互い役割を分担し合いながら、地域として、あるいは集落としての経営の組織化なり、あるいはさまざまな活性化政策だとか、単なる農業生産だけではなくて、産直の経営だとか、あるいは一つの多面的機能の取り組みだとか、そういうのが大事だと思います。
 そういうことで、やはり今回の経営安定対策につきましても、集落経営体で進める一つの大きな意義というのはその辺にあるかと思いますので、その辺を重点にしながら、地域で十分その話を進めながら、やはり地域地域に行きますといろんな課題がありますので、それを解きほぐしながら、来年度、集落コーディネーターも各地域に配置する予定でおりますので、そういう方々を中心にしながら、きめ細かな指導をしてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 私の言うとおりだというなら、あなた方の計画を変えてください。あなた方の計画は、個別経営体、今、2、500戸を6、000から7、000戸にふやす、これは全く非現実的です。そして、集落型の経営体は90から100なんだから、ほんの一部の農家だけを担い手にするという計画なんですよ。これは、私は見直すべきだと思います。その地域で農業を支えている、農業をやろうとして意欲のあるすべての農家を担い手として位置づけて、多様な集落営農を支援していくと。
 部長、これは大事なことなので、あなた方がやろうとしていることと私が言っていることは違うんだから、私が言っていることの方が道理があるというのならちゃんと答えていただきたい。
〇今泉農林水産部長 学術会議の話があったわけでございますけれども、それはそれとして一つの見解として承っておきますが、私は私として、やはり第2種兼業農家も含めた集落の担い手育成というものが大変大事だと思っておりますし、その中で、そこに参加した人たちそれぞれに役割を持っていただくという、それを明確にしながら集落営農の組織化を進めてまいりたい、このように考えております。
〇斉藤信委員 微妙な答弁でしたけれども、国の六つの要件に当てはめたらそうなりませんから。第2種兼業農家も含めて地域の農業を支えたいという、また、そういう農家にこそ後継者はいるのです。ここをしっかり位置づけてやっていただきたい。
 最後はまとめてお聞きします。
 農業研究センターのあり方について、独法化について検討されてきましたが、私は、工業技術センターのときも指摘しましたけれども、こういう規模で、また、工業技術センター以上に利益を得るような機能はないわけだから、農業研究センターというのは独法化はなじまないと思いますが、どのように検討されて、どういう方向なのか示していただきたい。
 漁業問題について、漁業資源の調査と資源保護対策はどうなっているか。京都府では、底びき網漁業協会が資源保護に配慮した自主的な操業を行っていると聞いていますが、岩手でも資源保護のための計画を策定して自主規制などの対策を講じるべきではないでしょうか。
 アワビ資源増大計画の進捗状況と密漁対策はどうなっているでしょうか。
 ヒラメの種苗放流事業の実績、投資効果と今後の見通しはどうでしょうか。
 具体的な後継者対策と計画方針。
 中国の大連大学と県水産技術センターの技術提携の中身。岩手県にとってどういう具体的なメリットがあるのか示していただきたい。
〇阿部農業普及技術課総括課長 農業研究センターの独立行政法人化に関するお尋ねでございますが、平成17年版の行財政構造改革プログラムにおきましては、17年度内に導入の可否を決定することとしておりましたけれども、私ども今年度は、農業研究センターのあり方そのものの検討を先行させまして、独法化につきましては、状況を確認の上、平成18年度を目途に可否を検討することといたしております。
〇大森水産振興課総括課長 水産の方から、五つ質問が出ましたので、一つずつ答えさせていただきます。
 初めに、漁業資源の調査と、その保護対策についてでございます。
 県では、水産技術センターの方で、毎年、沿岸重要魚種の資源調査を行っております。主にカレイとかタラとか、そういった魚なんですが、岩手県沖における漁業資源の生態と資源特性ということで資料を取りまとめて漁業関係者に配付しておるところでございます。
 また、その資源保護対策について県もやるべきだというお話でしたが、実際、地先資源――岩手県の沖にいる魚については、ヒラメ、マコガレイで既に自主規制がなされておりますし、平成18年度からは、さらにアイナメ、ミズダコの自主管理が追加されることとなっております。また、国としまして、複数県に広がる広域な海域ということで太平洋北部沖合性カレイ類資源回復計画をつくっておりまして、その中で、国の研究機関が本県の沖合底びき網漁業者の協力を得て、キチジの小型魚を保護する、優先的に逃がすという漁具改良試験に取り組んでおるところでございまして、この成果で、国の方が沖合底びき網漁業の資源管理の規制に結びついていくのではないかと思っております。
 それから二つ目、アワビの栽培漁業の進捗状況と密漁対策でございますが、アワビについては、基本計画で漁獲目標平成17年度で770トン、平成22年に1、020トンとなっておりまして、一方、漁獲実績は平成10年の559トンというピーク以降減少傾向にありまして、今年度については、海況に恵まれなかったということで、口開けの回数が減った、それから、1月まで開口を延ばしたわけですが、209トンということで、目標を大きく下回っている状況にございます。
 また、密漁対策につきましては、青森、宮城の隣接県、それから取締機関――県警、海上保安部、それから取締事務所の連携、それから漁協と連携した取組強化をしております。また、国に対しては、密漁の罰則強化の実現に向けて要望しておるところでございます。
 それから、三つ目のヒラメの種苗放流事業についてでございます。
 ヒラメの水産業基本計画における漁獲の目標につきましては、平成17年度以降、天然と放流をあわせて200トンとなっておるところでございますが、種苗放流数につきましては、栽培協会の方で平成13年度から毎年110万尾の種苗を生産し、放流しているわけですが、漁獲量については、平成14年度の171トンをピークに、平成15年120トン、平成16年60トン台と減少傾向にあります。
 ヒラメは、周期的に資源が大きく変動するということが知られておりまして、今は減少期に当たると考えられております。今後の資源の増加が期待されるわけですが、放流魚について、回収率を向上させる取り組みが必要だということで、平成18年度から10万尾に標識放流をしまして、大規模な適地集中放流試験を実施していくことにしております。
 それから4点目、後継者の対策とその方針でございます。
 先ほどは担い手のビジョンということでお示ししたわけですが、それ以外にも、後継者、新たに参加する方ということで、実は水産につきましても20年間で毎年500人ずつ1万人減っていますから、約500人、新規参入が入っても500人なわけですが、そういう状況にございます。これは、魅力がない結果と思っております。
 なぜ魅力がないかということをいろいろ検討しているわけですが、一つには、所得が低いということが大きくあります。それから、先ほども言いましたけれども、将来設計ができにくい。漁業権というのがありまして、なかなか自分でふやしたり減らしたりする自由度が低い状況にございます。実際、漁業を取り巻いている環境につきましては、今、1世帯1組合員制とか漁場を均等に配分しているとか、ちょっと古い習慣が残っておりまして、漁業者の意識改革を促していく必要があると考えております。担い手育成ビジョンにもありましたとおり、生産性の向上と付加価値の向上により所得の向上につなげてまいりたいと思っています。
 最後に、大連の水産学院と当県の水産技術センターとの技術提携でございますが、この2月13日に、大連水産学院におきまして協議書を締結しております。その中身につきましては、研究員や職員の交流、学術交流会の定期的な開催、研究成果や科学研究情報の交流ということでありますが、具体的な内容については、今後、両機関が話し合って決めることとしております。
 県としてのメリットですが、大連の水産学院につきましては、貝類等の種苗生産に高い技術を有していることから、その導入が県にとってはメリットと考えられます。
〇高橋博之委員 本2月定例会最大の目玉議題である競馬問題が控えておりますので、できるだけ手短に質問させていただきたいと思います。
 私の方からは、2点、木質バイオマスと、それに絡んで森林税の関係について質問させていただきたいと思います。
 初めに、木質バイオマスについてでありますが、県土の77%を森林資源が占める本県にとりまして、環境保全あるいは林業振興の観点から考えても、この木質バイオマスは大変21世紀に重要な資源になってくると考えております。
 そこでお尋ねいたしますが、林業振興指導費、木質バイオマス資源活用促進事業として平成17年度は6、600万円計上されまして、来年度――平成18年度は1、100万円と、5、500万円の減額となっておりますが、その理由をお聞かせください。
 あわせてお尋ねいたします。平成14年に関係部局等で構成いたします岩手県木質バイオマスエネルギー利用促進会議を庁内に設置しまして、いわて木質バイオマスエネルギー利用拡大プロジェクトが政策形成予算編成システムによるプロジェクト事業としてスタートいたしました。この利用拡大プランで定めた木質バイオマス利用量、そして、木質バイオマス利用機器導入台数の現在の目標達成状況についてお示しいただきたいと思います。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 まず、木質バイオマス資源活用促進事業の減額の理由でございますけれども、これは大きく二つございます。一つには、平成17年度に農林水産省の補助金制度が交付金として見直されました。それに伴いまして、該当する補助金が交付金事業として整理されたことによるものでございます。二つ目は、林業技術センターで実施しておりました調査事業が平成17年度で終了すること。この二つが主な理由となってございます。
 それから、二つ目の木質バイオマスエネルギー利用拡大プランで定めた目標に対する達成状況でございますが、これは、目標を平成18年度にしてございます。17年度時点での実績でございますが、ペレットストーブにつきましては、2、092台の目標に対しまして800台。ペレットボイラーにつきましては、17台の目標に対しまして21台。チップボイラーにつきましては、11台の目標に対しまして9台。それから、ペレットの利用量でございますが、これは、3、671トンに対しまして2、200トン、燃料チップの利用量につきましては、1、320トンの目標に対しまして1、150トンとなってございます。
〇高橋博之委員 ありがとうございます。
 これまで、ペレットとチップ、どちらかというとペレットに重きを置いた施策が行われてきたと思いますが、今お話を聞きましても、チップに関しては順調に目標に向かって進んでいる、一方で、ペレットがなかなかこのままではとてもじゃないけれども目標に達しないという、こういう状況に聞こえました。それで、農林水産部のほかにも、このペレットに関しましては、商工労働観光部で同じくいわて型ペレットストーブ普及促進事業、これも今年度減額であります。一方で、環境生活部の予算でありますが、温室プールのチップボイラー導入事業に来年度1億9、300万円、新しく予算が計上されたわけであります。チップの方が順調でペレットの方がなかなか進んでいない。にもかかわらずペレットがどんどんトーンダウンをしていって、チップがさらにこれからも勢いを増していくような印象を受けるわけでありますが、これは、事実上ペレットからチップへの方向転換と受けとめてもよろしいんでしょうか。
 先日、朝日新聞で、2月22日でありましたが、県、チップボイラーへ需要期待と、こういう記事が掲載されました。ペレットの限界、そして、県はチップボイラーに期待をしていくんだという記事の中身でありました。
 それから、もう1点、増田知事がことし1月20日、盛岡市で開催されました木質バイオマスフォーラムにパネリストとして出席しました。その際、これまでは、県民にわかりやすい木質バイオマス利用として、ペレットのストーブ利用などを県も支援するなどして進めてきたが、今後は、県内で生産される木材を動かしていくためにも、チップボイラーでの木質燃料利用に力を入れ、積極的に推進をしていきたい、このような発言をされているわけでありますが、これは、事実上ペレットからチップへと軸足を移したというふうに受けとめてもよろしいんでしょうか。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 木質バイオマスの利用促進につきましては、ペレット利用とチップ利用がやはり二つの大きな使い方になってございます。これは、使い方、使う場所の違いでもってそれぞれの利用促進対策を図っていかなければならない。例えばペレットにつきましては、住宅あるいは都市近郊、それから、チップにつきましては、比較的場所的に余裕のあるところ、あるいは、いわゆる集積場があるところ、そういう形での推進になろうかと思っております。
 今、委員からお話がありました、県の方ではペレットからチップの方に施策を転換するのかということでございましたが、決してそういうことではなくて、木材の利用促進ということを考えたときには、やはりチップは利用量からいって進めなければならないわけでございますが、もう一つ、木質バイオマスの利用促進を県民の皆様に理解していただく。いわゆる環境というものを理解していただくためには、やはり私は、ペレットを利用した施設の導入が何といっても必要だ、このように考えてございます。
 これまで、いろいろペレットの燃焼機器の導入につきましては、ペレットも含めて、やはり灯油関係の施設に比べれば若干高いんじゃないかとか、そういう隘路があったわけでございますが、そういう隘路を埋めるために、平成18年度には、木質ペレットの流通対策事業を今、議会の方に御提案しておりますので、そういう事業を使いながら、ペレットの利用促進、あるいはペレット利用機器の導入促進にも努めてまいりたい、このように考えてございます。
〇高橋博之委員 この質問については最後にさせていただきます。
 提言のような形になるかもしれないんですけれども、県の林業技術センターの方でも、当初からペレットではなくてチップの利用が林業の振興あるいは森林保全にカンフル剤となり得るという主張から、チップの研究をずっと進めているわけであります。お話を聞きましたら、ペレットではやはり経済的になかなかペイするのは難しいと。しかもエネルギー効率がチップの10倍もあるということで、環境には決して優しくないというお話でありました。
 私が申し上げたいのは、大変財政が厳しい中で、どこに集中投資をしていけば県内の産業あるいは環境が守れるのかという観点から、県内には70の製紙チップ工場が既にあるわけですから、このチップ供給の流れを生かしながら、当面、このバイオマスの利用を促進していくということを考えていただければなと思うんですけれども、最後にこのことについて御所見をいただきたいと思います。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 ペレットが必ずしも環境に優しくないと私、御答弁申し上げたつもりはございません。ペレットであってもチップであっても環境に優しいものでございます。ただ、使い方、使う場所が違います。その使い方、使う場所をきちんと整理しながら両方とも進めていくというのが私どもの考えでございます。
〇高橋博之委員 あと一つだけ質問させてください。
 バイオマスに関連をいたしまして、いわての森林づくり県民税についてお尋ねいたします。
 4月からスタートをすると思うんですが、この間伐に当たりまして、森林所有者の伐採制限等を含む整備協定の締結を行うことに決まっておると思いますが、この締結状況についてお聞かせいただきたいと思います。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 森林整備協定の取組状況でございますけれども、森林整備協定の主な内容につきましては12月定例会において議員の皆様にもお示ししたところでございますけれども、現在、それをもとに森林所有者の方から意見を伺っているところでございます。これらを踏まえまして、協定書の内容を固めたいと考えております。
 具体的な協定の締結でございますけれども、やはり何といっても平成18年度の予算が成立しなければなりませんので、その成立した後におきまして、対象となる森林所有者の方と協議をする、こういうふうなスケジュールで進めたいと考えております。
〇高橋博之委員 今の質問をしましたのは、12月議会での議論を今さら蒸し返すつもりは全くないんですが、どうしても心配になってしまうのは、森林税の主な使途、5割の間伐についてであります。
 急激な間引きをすると、必ず森林の土壌浸食あるいは雪折れの増大を引き起こし、環境破壊あるいは森林所有者から訴訟を起こされかねないとの声が林業関係者に大変強いわけでありますが、そのリスクに対する認識、そして対応についてお聞かせ願いたいと思います。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 いわての森林づくり推進事業費のうち、今のお話は、いわて環境の森整備事業で実施いたします混交林誘導伐のことだと思いますけれども、これは、手入れがおくれている森林に対しまして、林内の光環境の改善を図り、その上で広葉樹の導入をすることが目的でございます。このため、おおむね5割――これは本数率でございますけれども――の伐採を実施するものでございますけれども、この整備に当たりましては、やはり何といっても森林所有者の方と十分協議をして、それから、現地の状況に応じて伐採方法等も検討し、その上で災害が起きないよう最善の注意を払って事業を進めたい、そのような認識を持ってございます。
〇高橋博之委員 この質問を最後にさせていただきたいと思います。
 今の御答弁は、私の質問に対する御答弁とはなかなか聞こえなかったんですけれども、最後も、福島県のことし4月から始まる環境税と比較する形で、ある種提言になってしまうと思うんですけれども、お話しさせていただきたいと思います。
 間伐、急激に5割をするということに関して林業関係者が大変に危惧をいたしております。例えば、その間伐を3割にして、残りの2割をチップボイラーのさらなる普及あるいは燃料用のチップ供給システムの普及に充てるなどすれば、環境保全あるいは林業振興の観点からも大変に意味のあるものではないかと思うわけです。しかも、県民が1人1、000円負担をしているわけですから、例えばチップボイラーですと公共施設に置くわけですね。学校ですとか、あるいは役所ですとか温水プールですとか、自分たちが払った1、000円がこのような形で環境に優しいチップボイラーで利用されているんだという、大変目に見えるわかりやすい形だと思うんです。福島もこのような形でバイオマスの促進につなげるということで使途を決めているそうであります。もう決まった話だと思いますので、例えば事業評価委員会というのが設立されるはずでありますから、十分に今後検証しまして、もし今回の5割の伐採がなかなかうまくいかない、問題が多いということであれば、その使用使途の変更も含めてしっかりと御議論をしていただきたいと思います。
 最後に、この件に関して御所見をお願いいたします。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 この件につきましては、これまで、議会の方あるいは森林所有者の方ともかなり議論をさせていただいたことでございます。やはりその現地現地で適応したやり方があるのではないか。必ずしも5割にこだわらなくてもいいんじゃないかというお話は確かにお伺いいたしました。ただ、私ども、5割と言っているわけではなくて、おおむね5割と言ってございますので、そこはプラス・マイナス20%の許容限度がある、このように考えてございます。
 それから、間伐も、定性間伐、定量間伐といろいろございますので、例えば列状間伐ですと比較的災害に強いということもございますし、そういうふうなやり方等も工夫して、何とか委員のおっしゃるように災害のないような形で事業を進めたいと考えております。
 それから、事業評価委員会の件でございますけれども、いろいろ御提案ありましたけれども、私どもはこのやり方でまず進めさせていただきまして、当然、森林所有者の方からいろんなまた御意見、今、現地も歩いてございますけれども、意見をちょうだいしておりますので、そういうものも逐次事業評価委員会の方にはきちんと上げたいと思います。その上で、どうしても設計変更といいますか、制度変更しなければならないということであれば、その時点でまた検討させていただくということになろうかと思いますけれども、まずは私どもの提案したやり方で進めさせていただきたい、このように考えています。
〇及川幸子委員 ただいまの質問に対して関連いたします。
 大変言葉では、バイオマス促進、環境に優しいとか環境保全、とても聞きなれておりますけれども、私も、増田知事が出席したさまざまな会議等、そういうものに行ってみて、このチップもペレットもいいんですが、この原材料がとても足りないということは御承知でしょうか。私、再三これを質問しております、指導してくださいということで。しかしながら、最近また、ペレットストーブは売れたが、チップ、ペレット、これらを供給するのにとても原材料が間に合わないと。国土交通省の方の機関に先に取られて、廃材とか間伐材が全然手に入らないというのが岩手県内の状況ですが、そういうところはどのように認識されているのでしょうか。
 増田知事は、本当にこの部分を大変簡単に、優しく、ペレットストーブとかバイオマス促進を言われるのはいいんですが、増田知事も原材料が不足しているということをおわかりでしょうか、お答えいただきたいと思います。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 県内には、ペレットを製造している製造メーカーといいますか、会社は3社あるわけでございますけれども、そのうちの1社は委員御承知のところかと思いますけれども、確かに一時的に原材料が入らないというお話は伺いました。私の方でも、その関係するメーカー、それから、同じくペレットを生産している他のメーカーと一緒になりまして、何とか原材料を手当てできるような手だてはないか、そのような形で協議させていただきました。1月に入ってから若干その状況は持ち直したとは聞いているんですが、ただ、当初、そのメーカーが予定しておりました原材料が予定の価格ではどうも手に入りにくくなったというお話がございますので、これからも、突き放すということではなくて、一緒になって、原材料の確保ができるように私どもも協力してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 チップボイラーというのは大変大きなくくりでやられると思いますので、振興局の大きな再編の中で指導を徹底していかないとこういう取り組みもうまくいかないと思いますので、その辺のところをよろしくお願い申し上げて質問を終わります。
〇ザ・グレート・サスケ委員 私も関連させてください。
 屋内温水プールチップボイラーなど県内に施設があると思うんですが、これは環境生活部の所管になると思うんですが、このチップボイラーなんですが、燃焼効率が実際悪いとか、それから、なかなか燃えないということで、結局、重油を使っているという事実があるようですが、その辺御認識されていますでしょうか。
〇千田林務担当技監兼林業振興課総括課長 決定的なダメージがあるというお話は伺っておりませんけれども、チップボイラーといえども、どんな含水率のチップでも燃やせるというものではございませんので、やはり、例えば含水率が100%以下になるとか、そういう形で、チップの原材料もある程度吟味していかなければなりません。
 実際に、高含水率のチップを入れたために燃焼不良を起こしたという事例はこれまで何回かございますので、そういうところにつきましては、やはりきちんとした一定の含水率のチップを入れるように私どもの方でも指導してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤大輔委員長 質疑がないようでありますので、これで岩手県競馬組合に対する貸付金以外の予算及び予算関連議案に係る質疑を終わります。
 審査を終えられた関係課の皆様方は退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、岩手県競馬組合に対する貸付金に係る予算について質疑はありませんか。
〇佐々木一榮委員 最初に、平成17年度の競馬組合の決算見込みに対する評価をお伺いしたいと思いますし、それから、競馬組合議会で可決されました平成18年度の経営計画、これは、修正のまた見直しということも答弁をされておりますけれども、これに対する評価をお伺いします。
〇今泉農林水産部長 平成17年度の計画とその実績でございますけれども、17年度の売り上げ、開幕当初、全体の態勢が万全でなかったということから低迷いたしましたものの、その後回復いたしまして、11月には計画比99%まで達したわけでありますけれども、12月の例年にない降雪でレースの中止や日程変更を強いられたことなどにより、以降低迷し、特別開催4日間を残して、計画した299億円に対して291億円余りとなってございます。
 また、コスト削減につきましては、計画した部分はおおむね達成できているかなと考えておりますけれども、ただ、全体としてみれば、やはりまだまだ我々の努力が足りなかった、そういった結果になったというふうに受けとめてございます。
 済みません、二つ目の発言の趣旨が……、ちょっと申しわけございません。
〇佐々木一榮委員 競馬組合議会で平成18年度の競馬組合の計画が可決されたわけでありますが、それに対する評価と、これで、今度、逆に一般質問でありましたように、その可決された計画をまた見直しするという発言がありますけれども、これについての評価をお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 失礼いたしました。
 大変僅差ではございましたけれども、やはり一応可決したということでございまして、それはやはり、平成17年度の実績を踏まえまして、修正すべきところは修正した上で18年度の計画を立て、それに必要な予算を計上したということが一応御理解をいただいたものなのかなと受けとめてございます。
 ただ、大変いろいろ厳しい御意見もいただいておるわけでございまして、それらを踏まえて、見直しを検討するというような指示が私どもの方にあったものと理解してございます。
〇佐々木一榮委員 昨年、融資の段階で、この計画についてこの定例会でいろいろ議論があったわけでありますが、資産売却の部分で、競馬会館については盛岡市が新年度というお話がありますが、例えば旧競馬場、これが当初11億円を見込んでいたものが4億4、300万円に見込んだと。ところが、実際には3億5、000万円でしか売却できていない。それから、あとは美術品なんかについても、資産計上上1億8、000万円の価値があるとしたものを、実際には資産価値をやると4、500万円と。実際に売れたのは400万円ぐらいの実績のようでありますが、こういったことについて、この1年間で競馬組合でこの計画を実行するためにさまざまやってきたと思いますが、これについてはその都度報告を受けたり、また、これについての評価なり、こういったものは検証されてきたんでしょうか。
〇今泉農林水産部長 その都度その都度定期的に報告は受けてございますし、その報告を受けながら、今後、それに対してどういうふうに手を打っていったらいいのかということは中では議論しながら進めてきたところでございます。
〇佐々木一榮委員 質問者がかなりいらっしゃるようですのでこれで終わりたいと思いますけれども、まず、ちょっと戻りますけれども、盛岡のオーロパークの建設時点、当初236億円――当時の話でありますが――、これがいつの間にか170億円超過して400億円以上になったと。これは当然起債が充当されたということで、これははっきり言って当時の話でありますから状況を詳しくはわからないのでありますが、この状況については庁内で検証をされたことはあるんでしょうか。どうしてこういうように400億円になって、これがどういう理由で、責任の所在はどうかということ、この辺についての検証があったのかどうかということを確認したいと思います。
 関連しまして、こういったことが県議会にも報告されずに当時きたんだと思いますが、例えば今回、競馬組合議会で問題になりました内示書というのがあります。例えば、三連勝導入システムで7億8、700万円という高額のものを副管理者が内示を出している。それから、2億1、000万円という高額のものを企画部長名で内示を出している。例えば県議会ですと、5億円以上ですか、これは当然本会議の議決を経てということになっているんですが、こういったものを、管理者でもない副管理者にこういう決定権があるのか。そして、これも議会の承認も得ないで行われるということについて、こういった競馬組合の体質、この1年間、融資案件からずっとこれできているんですが、こういった体質についていかがお考えでしょうか。
〇今泉農林水産部長 オーロパークがなぜ当初計画から実際の額が膨らんできたのかというあたりについての中での検証はされたかどうかということ、少なくとも私が来た段階ではまだございません。ただ、それであって岩手競馬がどうなったかということにつきましては、当然、平成16年度融資をお願いする際にいろいろ検証いたしまして、こうだったということをお話し申し上げていますが、その中でのせいぜい検証ぐらいであって、なぜここまで膨らんだかということの検証自体は恐らくなされていないんじゃないだろうかと認識してございます。
 それから、内示書に見られる今の競馬組合の事務処理のあり方の問題でございますが、内示書をどう受け取るかという問題はまた別にいたしまして、ただ、やはりいろいろと議論を巻き起こすようなことは、事務処理としては私はやはり適正を欠いている、妥当性を欠いていると思ってございまして、今後、こうしたことがないように、事務処理に当たっては適正を期すように、これは私どもといたしましても強く申し入れをしなければいけないと考えているところでございます。
〇佐々木一榮委員 27億円の融資、これの可決を前提としてお尋ねしますが、平成18年度中に追加融資ということは絶対あり得ないということで言明いただけますでしょうか。
〇今泉農林水産部長 これ以上ふやさないということの前提で進めてきてございますので、平成18年度中に追加で融資をお願いするというようなことはないというふうに今考えてございます。
〇佐々木一榮委員 どうもことしの決算状況と、それからキャッシュフローをいろいろ見ますと秋ごろにショートしそうな気がしますが、今の御発言で間違いないですか。
〇今泉農林水産部長 今、私どもが考えている見通しでは、恐らく第2・四半期ぐらいまで見ればどういうふうになるかということははっきりするだろうというふうには考えてございます。ただ、もちろんこれはそこまできちんと見なくちゃだめだということではなくて、その時々の情勢というものはあるわけでございますから、やはりそこは常に適切にというか、そこの検証というものはやはりしっかりとやりながら進んでいかなくちゃいけないだろうというように思っておりますけれども、ただ、少なくとも今私どもで考えているこの計画ではそういうことはないというように考えてございます。
〇平沼健委員 私は、本会議での一般質問でもこの件についてはいろんな方の御意見がございましたし、また、競馬議会の私たちの会派の議員のお二方から説明もいただきましたし、議事録もいただきました。そういうようなものを踏まえながら、平成18年度の計画案を見直すということで、それに期待をして、私は、存続をさせるために、いろんな考え方を、自分の思いを申し上げたいと思って今手を挙げたんですけれども、昨年からここ1年間やってきてこれから2年目に入るということなんですが、やっぱり企業というか、こういう事業体の再編という、そういう大変なことなんですけれども、どうもこの1年、2年をうまくやれば後はという、そういうような感じを受けないわけでもないんですね。
 これは、やっぱり先までやるんだというための2年間なんですよ。これをもっと考えて、そういうことを踏まえながら、私が言いたいのは、売り上げに余り期待しちゃいけないということなんです。先日、増田知事が、記者の皆さん方との会見で、売り上げ売り上げという言葉しか出てこないんですね。これじゃうまくいくはずはないんですよ。やっぱり企業再建というときには、あくまでも売り上げというものをかたく抑えて、それに合わせるべく、いろんな経費、コストの見直しを図って、それがやっぱり基本だと思うんです。そこのコストの見直しというものを、この平成18年度の計画の変更というか見直しのときにはもっともっとやってもらいたい。これは、競馬組合の社内もそうだし、それから委託もそうです。これをやってもらいたい。それさえすれば、これだけの売り上げがあるんですから、これはできないわけはないんですよ。だから、そういうようなことを基本的に私はもっともっとやってもらいたいなと思っておりました。
 そこまでのところをひとつ。
〇今泉農林水産部長 コスト削減につきましては、平成17年度、やはりそちらを優先する、筋肉質にしていこうということでそこに取り組んでまいりまして、17年度計画とした16億円にほぼ見合う削減ができる見通しでございますが、ただ、まだまだ不十分な面もございます。やはり委員御指摘のように、さらなるコスト削減に取り組んでいくことが必要と考えてございます。
 そのため、競馬組合では、現在計画しているコスト削減を超えられるよう、もうちょっと上積みできるようにということでございますけれども、プロジェクトチームを編成して既に検討を開始しているところでございます。検討結果が得られ次第、順次具体化するように私どもの方としても強く要請していきたいと考えているところでございます。
〇平沼健委員 これは仄聞というか、いろんな話が伝わってくるんですけれども、やっぱり競馬組合で働いている雇用条件にしても、どうも準公務員的な、そういうような条件で、まだまだそこから脱却し切れていないとか、あるいは委託にしても、ここ2年、3年はひとつ辛抱してくれと。それが過ぎたらまた従来の形ですよなんて、そういううわさも聞かないわけじゃない。これは仄聞ですのであれですけれども、だから、そういう甘さというか、あくまでもそういうようなことからもっともっと突っ込んでいかないと、これは非常に難しい再建だというふうに私は思います。
 そこで、今、資産売却の話がございました。これも、最終的な1年間の決算では、それはもう出てくるでしょう。ただ、これから先、何年かずっと継続してやっていくんだということを考えれば、こういう資産売却で得たものは、それを一つの計画案には含まないのが普通なんです。これは含んじゃいけないんですよ。プラスアルファなんです、あくまでもこれは。5年も10年も先まで資産売却でもって原資が出てくるという、こんなことはないわけですから、これを想定してはいけない。
 それと、やっぱり今でも借入金に対して金利が発生していますよね。これは、金利が一番大きいわけでして、この金利負担を何ぼでも軽減してきたのは事実です。ただ、できれば、これはやっぱり元金が保証されているわけですから、あくまでもこれは。だから、管理者の仕事というのは今回何かというと、ここだと思うんですよ。金利負担をかからないようにするとか、何年間はゼロにしてくれとか、そういうようなことのために管理者がいるんであって、私はそう思うんですが、そこはどうなんでしょうか。
〇今泉農林水産部長 資産売却に頼るべきではないし、そういったものを余り計画に含めるべきではないということは、まさに御指摘のとおりだと私は思います。ただ、何分、今、競馬組合、やはりキャッシュフローを生み出していかなければいけないという差し迫った要請がございます。そういったことの中でやむを得ず資産売却をしてキャッシュを生み出しているんだということでありまして、これが必ずしもいい姿だとは私どもも思っていませんし、競馬組合自体もそれは重々認識しているところでございます。できるだけ早い時期にやはりこういった循環から抜け出していかなくちゃいけないんだということは十分承知してございますし、そういった方向でなるたけ早く抜け出すようにということは我々も競馬組合の方に申し入れしていかなければいけないと考えております。
 それから、管理者の役割、これは多分、金融機関なり何なりに行ってそういうことをお願いして歩けということでございましょうが、ただ、そこはそことして重々わかるわけでありますけれども、何分金融機関というのも最近ガードがかたいというのも事実でございます。我々としても、そういう金利負担は何とか減らしていくというか、そこのところをなるたけ少なくするようにということはこれからも働きかけてまいりたいと思っておりますけれども、ただ、大変そこは厳しいかなと認識しているところでございます。
〇平沼健委員 二つお話ししたいんですけれども、そのキャッシュフローに関しては全くそのとおりですよ。ただ、私が言っているのは、資産売却というのはあっていいんです、そうやって財源を得るというか。ただ、それはそれとして、それを計画とか、あるいは先行きのあれには入れちゃいけないというか、それを別な形にして、それがないところで、そして3年、5年先までいい形が出るような、コストをもっともっと圧縮するべきだということなんです、私が言っているのは。
 それともう一つは、金利の問題です。これは私は、この問題で、やっぱり管理者である知事が実際にメーンバンクに行って金利負担の問題をお願いをすべきなんですよ、これは。そういうこともしないで金融機関はガードがかたいとか、それはかたいですよ、商売ですもの。そういうことをやってから、そういうようなことでないと、だから、本気でやる気があるのかどうかということまで疑ってくるんですよ。私は、これは必ず、今のような形で、今の部長のような決意でやれば、大丈夫これはできますよ。私は、存続をさせる、そういうような形で、ぜひ今のような部長が言ったような形で進めてもらいたい。そして、何ぼでも早く平成18年度の計画を形をつくっていただきたい。
〇今泉農林水産部長 ただいまの、やはり何にも増してコスト削減なんだということは肝に銘じてこれからも競馬組合の方にそういったことはしっかりと申し渡しをし、一層のコスト削減に努めるとともに、やはり委員から御指摘のある、まだまだ職員の意識も甘いのではないかということも含めて、もっと幅広に、まだまだ改革に取り組むように、そこはしっかりと言ってまいりたいと思っております。
〇高橋比奈子委員 コスト削減について関連させていただきます。
 私、議案説明のときにコスト削減について甘いということをお聞きしたんですが、調べさせていただきましたところ、昨年120万円の新車を買っているんですね。それで、どうしてかということを調べましたところ、これは、これまで広告代理店を初めとしたところにPRを頼んでいたものを自分たちでやろうということで、それで、スピーカーをつけて宣伝をして歩くということで新車を買ったというお答えだったんですね。もしこれが自分の家計だとすれば、私は、自分が持っている車にスピーカーをつける。ここまでのコスト削減をしなければ本当にできないというふうに思うんですが、この点などの例も出しながらしっかりとしたコスト削減をしていただきたい。
 あわせて私は、副管理者などは、給与ではなく成功報酬を考えるべきではないかと思うんですが、この点についてはどう思われるでしょうか。
〇今泉農林水産部長 いずれコスト削減につきましては、今のような御指摘も踏まえまして、さらに一層取り組むようにしっかり要請してまいりたいと思います。
 それから、今、副管理者の報酬の件でございますけれども、一応民間企業みたいな感じなんですけれども、実際は一部組合ということでやはり公務員法の網がかぶってございまして、なかなかそういう成功報酬という考え方を導入するのは難しいのかなと思ってございます。ということで御理解いただきたいと思います。
〇高橋比奈子委員 難しいというのであれば、報酬については考えるべきではないか。現状、幾らもらっていて――去年ですね――、そして、来年度は幾らもらう予定で、それに対しての削減などは考えているのかということを御答弁お願いします。
〇東大野農林水産企画室特命参事 金額につきましては、今、手持ち資料を探しましてお答え申し上げます。
 それから、来年度の常勤副管理者の報酬についてでございますけれども、期末手当は30%削減ということで議会で議決いただいて、4月以降、期末手当ですから年2回支給ですけれども、30%削減という対応になります。
 金額でございますけれども、給料につきましては97万6、000円。期末手当は、県の部長級と同じ取り扱いになってございます。平成17年度は1、592万3、000円、ただし、平成18年度は期末手当の削減がございますので1、468万4、000円という年間換算の金額でございます。
〇高橋比奈子委員 私は、大変力のある方だともお聞きしておりますし、そのために、助っ人のために来たという認識を持っておりますが、やはり高過ぎると。本当に大変なところなので、何とかお願いをして、そしてしっかりとした削減のプロジェクトチームの中で、知事を初め、皆さんでお願いして、こういうところからも、県民の税金が入るわけですから、しっかりとしたプロジェクトチームの中での御検討をして、議会にも提示していただきたい。
 私は競馬に対してさまざまな思いがありますが、もしやめた場合に失業者がおよそ3、000人出るという、この大変な事態を踏まえたプロジェクトチームの削減をしっかり要望したいと思いますが、御見解をお聞きして、終わりにしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 ただいまの御提言、しっかりと受けとめて、競馬組合の方に責任を持って申し入れいたします。
〇小原宣良委員 県競馬組合は、先月、平成18年度事業計画及び予算計画を策定しまして、同組合議会も大きな議論の中で承認をしたという経過であります。
 こうした中で、管理者でもある増田知事は、改訂実行計画の見直しに言及いたしております。その真意はどの辺にあると部長は受けとめているでしょうか。確かに、競馬組合の新年度予算を見ますと、これは組合議会の中でも大いに議論された点でありますから詳しくは申し上げませんが、売上高は改訂実行計画に比べて22億4、800万円の減などでありますね。こういう状況の中で、組合議会も、先ほど申しましたように具体的な内容について大いに議論があったようです。このことを踏まえて、部長は、知事の見直し発言をどう受けとめているのか、改めて伺います。
〇今泉農林水産部長 改訂実行計画見直しに係ります知事の発言というのは、恐らく競馬組合議会で議員の方々から、やはり見直しをすべきだという御意見をいただいたことを真摯に受けとめての発言というふうに私は理解してございます。
〇小原宣良委員 さて、そうしますと、知事は、組合議会の中の議論を真摯に受けとめて、そうした発言に及んだ、こういうわけでありますけれども、しからば、この競馬組合の改訂実行計画の見直し、これは、その時期はいつごろというふうにお考えでしょうか。
 この改訂――再改訂ということになるでしょうか、この再改訂に当たっては、競馬組合及び同組合議会、これは十分な議論の上になされるべきだと思いますけれども、この時期はいつごろとお考えですか。
〇今泉農林水産部長 競馬組合の改訂実行計画の見直しというものは、競馬組合が構成団体とも協議しながら立案し、改訂実行計画の変更として、競馬組合議会で審議の上、承認を得て成案となるものというふうに理解はしてございます。ただ、やはり早い時期に構成団体も含めた議論というものも必要だろうと考えてございまして、私どもといたしましては、新たな発売方法、今度、インターネットを含めて新たな発売方法が入るわけでございますけれども、第2・四半期までの実績なども踏まえながら速やかに取りまとめ、競馬組合議会での議論をするように、それでまた、秋に予想される県議会の決算審議の中で議会として議論ができるように、そういったスピード感でやっていただきたいと考えてございます。
 ただ、第2・四半期までの実績とは申しましたが、先ほど佐々木一榮委員からも御質問がございましたように、状況がどう動くかわかりません。だから、その状況次第によっては、もっと早くなるということもあろうかと思いますが、いずれ、そこは我々としては柔軟に対処していきたいと考えてございます。
〇小原宣良委員 部長の認識はちょっと甘いんだと思うんですよ。管理者である知事のこの見直し発言というのは、もう既に平成17年度実績といいますか、そういう状況を踏まえながら、かなり厳しい状況にあるということを示唆しているんだと思います。そういう意味からすると、県競馬組合の今後のあり方という点では、これは新年度のまさに早い時期から、まさに早い時期から県競馬組合及び同組合議会において、早い時期で十分検討する場を持つべきだというふうに私は思います。
 一方、我々県議会の立場ということで考えてみますと、もちろん第一義的には、この県競馬組合及び議会の中で十分検討すべきことではありますが、しかし、県議会としては、融資を議決した責任というものを背負っているわけです。そういう意味では、この県民に対する責任でありますが、私どもも発言あるいは競馬組合の運営について提言をする立場にあると、これは私たちもそう思っております。したがって、そうはいいながらも、第一義的には競馬組合及び競馬組合議会の中で早い時期に十分にそれらの検討をすべし、それが管理者である増田知事の見直し発言の真意ではないかと私は受けとめております。
 そういう点で深刻に受けとめるべきだと思うし、もっと言えば、この新年度の競馬組合及び組合議会の議論、あるいはその立場というのは、私は、ラストチャンスに近いものがあるというふうに受けとめておりますが、部長はどうお考えですか。
〇今泉農林水産部長 改訂実行計画をつくって競馬再生に取り組んだときから、1年目は2年目に向けての助走の期間、つまりコスト削減をして筋肉質にして、2年目は新しい発売方式を入れて、そこで次に向かって進んでいくということは、常々申し上げてきたとおりでございます。そういった意味で、私も、2年目はまさに再生に向けた正念場だと認識してございます。
 いずれ見直しに当たりましても、早急にそういった検討チームというものをつくって、早目にそういった作業に取りかかるよう、あわせて競馬組合の方に要請してまいりたいと考えてございます。
〇小原宣良委員 今回議案として出されております27億円の融資、県から競馬組合へということでありますが、先ほども申し上げましたように、私は、この融資は、当面の競馬組合運営を担保する、こういう意味でやむを得ないとは思いますけれども、しかし、まさにラストチャンスという思いをしっかりと受けとめて運営に当たらないと、その先はなかろうと思いますよ、私は。再度、部長の考えを伺って、終わります。
〇今泉農林水産部長 やはりその先がないという事態を避けるためにも、平成18年度は本当に真剣に取り組んでいかなくてはいけない。そういった意味では、本当の意味での正念場だと理解してございますし、そういった心づもりで取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇佐々木博委員 競馬議員ですので1点だけ伺いますけれども、競馬議会が終わった後に、知事が見直しの指示をしたわけでありますが、それは、議論を聞いていて、恐らくやはり見直しが必要だという認識で見直しの指示をされたと思う。その点では部長と一緒であります。
 それで、私は思うんですが、そもそもこの改訂実行計画をつくったときに、今までの設備投資が過大だったことが赤字の原因だと書いてあるんですね。それで、一番の原因はオーロパークですよ。2番目は県外各地につくったテレトラックですよ。そして、そこの運営である東北映像と賃貸借契約の見直しをしたけれども、全然改善が進んでいないわけですね。
 知事は、平成16年11月の私の一般質問に対して、建物だとか機械のリースの場合、長期契約が普通ですから、リストラをやるといっても支障があるのではないかという私の質問に対して、原則単年度契約でやるから支障は出ないという答弁をされています。もしそうであるならば、これを機会に県外のテレトラックはすべてやめる、そういったリストラに取り組まなければ、私はなかなか大変だと思いますよ。先ほど平沼委員から発言がありました。私も一緒なんですけれども、売り上げに頼るのではなくて、リストラでこの事態を乗り切っていかなければいけない。
 そのためには、県外の場外のテレトラックの売り上げはどうなっていますか。みんな、やったときより半分以下に下がっているでしょう。毎年下がっていますよ。岩手県内以上に下がっているんですね。こういったものは本当にもう、大変だと思いますけれども、決断して全部やめる、それぐらいの気持ちで取り組まないと、なかなか競馬の継続は難しいと思いますし、それから平成18年度の見直しも、第2・四半期なんて言っていたら、もうほとんど終わってしまっていますよ。もっともっと早く取りかからなければいけないと思いますが、この点についてだけ、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 県外の専用場外発売所は、確かに委員御指摘のとおりでございます。一部の発売所は収支を満たしていないというところもございます。ただ、一方で収支に貢献している発売所もあるということなわけでございまして、そこはなかなか判断としては難しい。トレードオフの関係に立ちますので、なかなか判断としては難しい部分がございます。
 ただ、恐らく委員の指摘は、そのぐらいの不退転の覚悟で取り組まなければ何も進まないんだということを多分おっしゃりたいんだろうと思うわけでありまして、そういったことも踏まえながら、もう少し運営体制の見直しによる、例えば運営の効率化ということも課題に取り上げて、例えばコスト削減を進める観点から、人員の再配置の見直しをするとか、そういったことによる維持経費の削減だとか、あるいはもうちょっと運営の効率化という観点で今とは違った取り組み方ができないのかといったようなことも、今度のコスト削減の中で具体化するように競馬組合の方へ要請してまいりたいと思ってございます。
 ただ、あと見直しの件でございますけれども、これにつきましては、やはりなるたけ早くそういったことができる体制を組合の中で組織して取りかかるように、これもあわせて要請してまいる考えでございます。
〇佐々木博委員 それぐらいの決意で取り組まなければという意味だろうと今部長がおっしゃいましたけれども、そうじゃないです。やめなければいけないと思っていますよ、本当に。採算が合っているところも1カ所ぐらいあるでしょうけれども、いずれこのままで行けば採算が合わなくなりますよ。
 それから、テレトラック以外に、福島競馬場と東京競馬場にも場外がある。これもとても合っている売り上げじゃないと思いますよ。やはりそういったものも、撤退するのも大変ですけれども、本当にそれで取り組まなければ、私はなかなか継続できないと思います。ですから、競馬組合にも、県からもそのことを強く要請していただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
〇今泉農林水産部長 その趣旨は、しっかりと伝えます。
〇工藤勝子委員 競馬組合を存続させてほしいという願いから、側面的な部分で質問させていただきたいと思っております。
 昨年度からいろいろ議論を交わされて、再編計画において、やはり努力してきたんだろうと思っております。先ほどもコストの削減の部分がありました。そういう努力に対して、今年度の計画も踏まえて、県はどうこの削減に対して競馬組合の今のこの計画をとらえていらっしゃるかということをまずお聞きしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 平成18年度の計画につきましては、やはり17年度の実績というものを踏まえまして、修正すべきところは修正して出してきている、そういうふうには私ども認識してございます。
〇工藤勝子委員 いろいろそういう御努力が私たちには伝わらないという部分があるんですね。こういうものをこういうふうに削減したという部分を、もう少しきちんと説明責任を果たしてほしい。
 先ほど、期末手当を30%削減することにしたというようなお話がありましたが、昨年度はこういうことに手をつけなかったんでしょうか。その点についてお聞きいたします。
〇東大野農林水産企画室特命参事 各委員様方に対する情報提供につきましては、私の方で所管してございまして、できるだけ即時に情報が伝わるように努力はしてまいりましたけれども、今、委員御指摘ございまして、結果として十分じゃなかったということは反省してございます。
 それから、副管理者の報酬の期末手当の件でございますけれども、昨年は、年度途中で就任したばかりでございまして、平成17年度について報酬の削減という方法はとってございませんでした。
〇工藤勝子委員 わかりました。ぜひ、私たちにも簡潔明瞭に伝わるような情報というものを私は欲しいと思っております。
 それから、遠野には馬の里という大きな施設がございます。例えば、この馬の里のように、岩手競馬が中止になった場合、すぐ窮地に追い込まれるような施設というのは岩手県にありますでしょうか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 直接関連を持って運営されているのは、馬の里、それから振興公社で所管してございますポニースクール、そういった施設が、今委員がおっしゃった関連施設に当たるのではないかと思います。
〇工藤勝子委員 もしそういうふうに競馬が中止になった場合、遠野の馬の里の2月現在の預託状況ですけれども、現在106頭預託されておりまして、約60頭、半数以上が岩手競馬の預託に頼られている部分があるんですね。例えば中止になった場合、こういうところの、馬の里、ポニースクール等のそういう施設を県はどう考えていらっしゃるか、今のところで無理かもしれませんけれども、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 そうした事態に立ち至らないように、とにかく今、一生懸命頑張らなければいけないんだと思ってございます。
〇工藤勝子委員 もう1点お聞きいたします。
 例えば、岩手競馬が中止になった場合、昨年度から議論をしておりますので、県に与える影響、水沢、盛岡に与える経済状況というものをどうとらえていらっしゃいますでしょうか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 経済的な波及でございますけれども、県の産業連関表に当てはめてみた場合に、600億円余りの経済的な影響があると試算してございますが、そのほか、一部事務組合でございますので、そこで発生した損失については、構成団体が規約に従って分賦するというようなルールになると思います。
〇工藤勝子委員 先ほど質問にありましたように、例えば、雇用の部分で3、000人が職を失うというようなこともありました。それから、こういう経済の部分もあるわけですね。ですから、私たちを説得する場合、そういうところにももう少し重点を置いて、このような経済が落ち込むこともあるんですよというようなことを示していただかなければ、存続する意味というものをもう一度考えていかなければならないのではないかと思って質問させていただきました。遠野馬の里のこともあります。それから、馬事文化、馬事振興にだって貢献している部分は高く評価しておりますので、ぜひ継続するような方向で努力してほしいということを申し上げまして、終わりたいと思います。
〇飯澤匡委員 私からは1点、競馬議会の会議録もざっと見させていただきまして、大変熱心な議論があった末の競馬議会の結論だったと認識しているところでございます。亀卦川議員が競馬議会の中で指摘していますように、今度、国の方で地方競馬をいわゆる救済するといいますか、地全協を一たん解散して地方競馬の一元化を図るというような方向性にあるというのは、御案内のとおりでございます。どうもこの点と先行きをあわせた議論がまだまだ深まっていないのではないか。
 いずれこれに移行するためには、地方競馬は全部苦戦していますから、全主催者に求められているのは、赤字体質の脱却に最大限の努力をするということは、これは間違いのないといいますか、不可欠なことでございますが、どうもそこら辺の議論が、その先を見据えた議論が、ちょっと認識が、副管理者も足りないのではないかというような感じがしています。
 そこでお伺いしますけれども、この特例法においては、今のところ年間200億円の資金を地方競馬一元化に向けてつぎ込んで、この地方競馬の立て直しというようなことになっていますが、改めて、県側の特例法をにらんだ認識について、ひとつ考えをお聞きしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 やはり私、この特例法を活用して、競馬組合の主催者がどういう新しい体制というものを構築していけるかということが、多分大変大事な部分じゃないだろうかと思ってございます。そのためには、やはりある意味、小異を捨て大同につくといったことも必要になってくるのではないだろうかと思います。
 今言われているのは、レース数が多いのではないのか。レース数が多い、そういう中で商品価値が下がっていっているのではないのかということ、そういった中で、もう少しそこを絞り込んで質を高めていくべきじゃないのかということが根っこにあるわけでございます。そうなってきますと、やはり今、地方競馬を主催している主催者というのは、それに向けてどういうふうに大同団結していけるかということが、大変大きな課題になってくるのではないかと思っております。
 いずれ私といたしましては、今後、主催者だけじゃなくて、そこの構成団体も含めてどういった連携の仕方があるのか、あるいは連携した際に、どういった形での新しい組織というものをつくっていくのがいいのか、こういったことをもうちょっと議論していかなければいけないのではないかとは思っております。ただ、いずれ、これをどうとらえ、どう活用していくかということは、我々地方競馬にとってみれば、これは大変大きな一つの再生へのきっかけになるのではないだろうかと考えてございます。
〇飯澤匡委員 最終的には、私は存続――私の意見ですけれども、そこに乗れるか乗れないか、そこの段階で、言うなれば今最終コーナーに差しかかっている。ここで乗れないような体質がそのまま、現時点の競馬組合の体質をそのまま引きずっていけば、恐らく乗れないで、一番最悪なシナリオになってしまうであろうと。
 でありますから、先ほどから何回も議論がありますように、まず、いずれこの赤字体質を、過去の負の遺産とはいえ、やはりきちんとやっていくということ、それから脱却するようにきちんと対策を立てていくということ、それから、いずれこの特例法の部分については、いろいろなカウンターパートナーを選んでやっていくというような試案ももう既に出ています。そこら辺も視野に入れて、やはり競馬組合の立て直しというものの構図を描いていくことが私は大事かと思うんですが、再度、その点について言及をいただきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 やはり私は、ただいま申し上げましたように、この特例法を使って地方競馬というものはもう一度新しく生まれ変わっていくというか、新しい組織に脱皮していくということが大変必要なのではないだろうかと思っております。ただ、その前提として、委員から御指摘がありますように、まず我々自身というか、競馬組合自身がまず変わっていかなくてはいけないんだという、まさに今、そのとば口に立たされているんだといった認識でございます。
〇佐々木順一委員 管理者が改訂計画の見直しに言及しましたが、あれは、競馬組合議会終了直後でありました。新聞を見ますと。その後、佐々木博議員も本会議でまた見直しに関連して質疑をいたしましたが、私から言わせてもらえれば、管理者が本会議の直後で見直しに言及したというこのタイミングは、一般的に議会軽視に当たると思います。本来であれば、競馬議員の皆さんの質疑を通じて見直しを認識したのであれば、やっぱり本会議場で管理者みずから自分の思いをそこで正式に発言して、まず議会でこれに結論を出すとか、そういったことが、過去のことでありますが、そうあるべきであったと思います。しかも、議場内の問題を議場外で発言したということは、これは、やっぱり反省しなければならないと思います。
 あえて、御本人がいないから、その点は御見解は求めないことにしますが、いずれ見直しに言及しました。したがって、競馬組合の指導監督の任にある農林水産部に対して、管理者からどういった具体的な指示があったのか、これをまず確認したいと思います。
〇今泉農林水産部長 知事から改訂実行計画の見直しの必要性について、競馬組合、構成団体で議論を始めるよう指示を受けてございますし、その時期についても、余り遅くならない時期にやはり議論ができるようにという指示は受けておるところでございます。
〇佐々木順一委員 今までいろいろな委員の皆様方から、第2・四半期では遅いという指摘がありました。また、佐々木博委員からは、テレトラックの廃止もやるべきだ、こういう貴重な御提言がありました。そういったものを踏まえて、余り遅くならない時期という表現ではありましたが、今後、計画の見直しに当たって、農林水産部として組合に対してどういった提言をしてまいるのか、それを確認したいと思います。
〇今泉農林水産部長 ただいまここの委員会でもさまざまな御意見が出ているわけでございまして、これらを整理した上で、一つの提案の形にまとめて、組合の方に私が責任を持って伝えていかなければいけないと考えているところでございます。
 見直しの時期についてでございますけれども、今後の売り上げの変化とかを当然見ていかなくてはいけないわけでありますが、我々とすれば、やはり第2・四半期かなと。それは状況いかんによってはもっと早まることもございますけれども、今、我々の腹づもりとすれば、2・四半期を踏まえて、2・四半期まで行って、その後に、10月にいわゆる決算議会があるわけでございますけれども、そのあたりには議論いただくような形に持っていきたいなと。もちろん、その前にやっぱり競馬組合での議論というものも必要であるわけでございますけれども、ある程度そういった手順を踏まえながらも、そのあたりには出したいというふうに、今、心づもりしているところでございます。そういった形で組合の方には申し入れをしたいと考えておるところでございます。
〇佐々木順一委員 いずれ可及的速やかに対応していただきたいと思いますが、それで、今27億円の融資関係予算が計上されております。入り口は貸し付けの27億円でありますが、この予算の通る、通らないによって、出口は競馬組合の存廃の是非、こういうところに最終的には到達するわけであります。県の融資が、この27億円が仮に不可能となった場合、想定される現象、どういった動きが出てくるのか、客観的な視点でお答えいただきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 現在、競馬組合は、構成団体からだけじゃなく、金融機関からも支援を受けているわけでありますけれども、金融機関から受けている支援というのは、構成団体が一致して支援することが前提と私ども理解してございます。したがいまして、仮に万一県の融資ができないというようなことになりますと、その前提が崩れるわけでございますので、その後の金融機関からの支援というものは直ちに困難になるだろう、そういった事態が直ちに来るのではないだろうかと私どもは認識しているところでございます。
〇佐々木順一委員 確信は持てないということですよね。(今泉農林水産部長「はい」と呼ぶ)わかりました。
 それで、締めに入りますが、一連の競馬組合問題を振り返ってみますと、去年の12月に、たしかあのときは50億円でしたかがありまして、それが年を越せないという執行部側の説明でありました。結果として、27億円に圧縮いたしまして年は越えました。それで可決したのは2月でありました。そういった事実があります。それから、競馬再建に向けての改訂計画、これも、県の方では必ず達成する、こういうことでありましたが、結果として達成困難という状況にあります。
 いずれ、このように一連の取り組みを見ますと、やっぱり計画そのものよりも、県の姿勢にそれなりの不信感といいますか、信頼できない要素があると思いますので、まず、これを解消する作業が求められるのではないかと思います。
 また、計画の見直しに当たっても、あるいは現実的な計画もさることながら、やはり血を流すところは流すような現実的なものを示す必要があると思っております。しかも、県の御答弁を聞きますと、重く受けとめるとか、その表現はそれで、軽く受けとめるとか、重くとか、量の重さの問題ばかり強調しているわけでありますから、もうその表現の局面は、私は超えたと思っております。
 したがって、信頼をもう一度寄せてもらうというところから始めるためには、部長に言ってもせんないことかもしれませんが、特に管理者の立場では、私の職を賭して絶対にやり遂げるというような説得力ある姿勢・発言が求められると思いますが、その管理者の下で作業される農林水産部でもあるわけでありますから、そういった信頼回復、それから不退転の決意といいますか、そういったものがまず最初にあるべきだと思いますし、1年間のこの取り組みを厳しく反省して、もう一度再スタートといいますか、そういったことが必要ではないかと思います。
 いろいろ言いましたが、何か御所見があれば承りまして、質問を終わりたいと思います。
〇今泉農林水産部長 今回の件だけではなく、肉牛生産公社の問題もそうでありましたけれども、いろいろな経緯は経緯といたしましても、やはり出てきた結果というものは重く受けとめなくてはいけないんだということだけは、私、しっかりと経験させていただきました。
 なかなか失われた信頼を回復するということは、これは大変な難事なわけでありますけれども、やはりそこはしっかりやっていかなくてはいけないだろうと思っております。それが結局は、結果として、今、競馬の改訂実行計画をきちんと軌道に乗せていくということにつながっていくんだろうと思っております。
 いずれ、ただいまの発言、御指摘をしっかりと肝に銘じながら取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞ御理解賜りたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 関連させていただきます。
 部長の役割に対しての発言だと思って聞いてもらいたいんですけれども、今、るる説明がありましたが、知事が計画を見直せということ、私は実は、実際にはもう見直しにかかっているものだと思っていたんです。先ほど来の発言を聞いてびっくりしているんですけれども、本当にこの議案を通す気があるのかどうか。認識が甘い。我々は、これを通すことによってどういうことが待っているのか、そういった覚悟でやっているわけですよ。
 そして、この今の議論を通じて、取りまとめて、競馬組合に要請するというか、提出していくという話をしていますけれども、今までいろいろな議論をする場もあったし、部長もいろいろな議員の方と接して、雰囲気から何からわかっていると思うんですよ。それを10月なんて、倒産してから計画を見直したって、それはだめでしょうと私は思うんですよ。なぜすぐ着手しないんですか、指示しないんですか。知事の考えというか、その辺もちょっと、部長はどう思っていますか。
〇今泉農林水産部長 既にそのことは組合の方には指示してございますし、内々、事務的な打ち合わせというものも進めてはございます。ただ、きちんと組織立って、私ども構成団体が入り込んで、かつ組合と一体となってというのは、今後早急に立ち上げて、そこは動かしていかなくてはいけないだろうというふうには思っております。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、組織的に動いているわけでは、いわゆるプロジェクトチームというふうな形では動いてはいないけれども、既に見直しには着手しているという理解でいいですか。
〇今泉農林水産部長 事務レベルでは、もう既に作業は始めてございます。
〇嵯峨壱朗委員 それでは、ある程度安心しました。というのは、やはりみんな真剣にやっているし、先ほどの答弁だと四半期でしたか、ちょっと忘れましたが、そういった後どうこう、実際にはそんなレベルじゃないでしょう。コスト削減もうまくいっているわけじゃない、売り上げだってずさんな見込み、そして計画達成できていない。大体、Dr.コパとか、あんなの出して、売り上げ増になるわけないですよ。私はそう思います。小池栄子とか、そういうのだったらまだ私――例えばですよ、例えばね、例えば。そんな感じですから、もっとどうやったら来てもらえるか、そういったことを真剣に考えてもらうように。
 やっぱり我々は真剣に議論しているんですよ。何とか継続にできればしたいと思っているし。それもしっかり踏まえた上で、組合の方に強く、速やかに計画を立てるように指示してもらいたいと思います。
〇工藤大輔委員長 要望ですか。
〇嵯峨壱朗委員 答弁をお願いします。
〇今泉農林水産部長 しっかりと責任を持って伝えます。
〇新居田弘文委員 既に諸先輩からいろいろな御意見、御質問が出ましたので、後からなかなか質問の項目がないんですが、せっかく通告しておりますので、二、三点お聞きいたします。
 競馬組合は、昭和39年から始まりまして、ピーク時は690億円余の売り上げもした経過がございますが、年々売り上げ減少ということで、それでも岩手県を初め、水沢市、あるいは盛岡市に今まで407億円の配分金を交付し、それから、先ほど来お話が出ておりますように、2、800人から3、000人の雇用拡大というようなことで、地域経済にも貢献した力は大きかったと思います。
 また、その中で、公営企業金融公庫あるいは地全協に対して100億あるいは200億円を超すような交付金等も交付しておりますが、先ほど来お話が出ておりますように、オーロパーク・新盛岡競馬場の1.73倍に及ぶ工事費、建設費の拡大によりまして、あるいは今日の経済低迷によりまして売り上げが減ったということで、いろいろ決算の状況も、皆さんから御指摘いただいているような状況になったというように理解しております。
 ことしの売り上げは先ほど来お話がありましたので、そこは避けますが、少なくとも入場者数は前年対比105%ということで伸びておりますが、結果的には、購買単価が少ないというようなことで売り上げ増にはつながらなかったということでございます。また、コスト削減等、いろいろと組合議会でも御指摘されているようでございますが、今回の予算書を見ますと、確かに副管理者の期末手当の削減とか、いろいろな工夫の跡は見られますが、一部組合公務員の身分保障ということでもございますが、やっぱり職員の自覚からいっても、この退職金制度あるいは給与ベースについても、それぞれ厳しく受けとめて、組合としてもみずから襟を正すような努力があってしかるべきではないかと思いますが、まずその点からお聞きいたします。
〇今泉農林水産部長 やはりコスト削減と職員の意識を変えていくということは、これはもうまさに表裏一体の関係だというように思っております。どちらかというと、これまでコスト削減ということだけが先行し過ぎたようなきらいがありますけれども、やはりこれからは、コスト削減とあわせて職員の意識も変えていくということ、そういったことの両方にしっかりと取り組んでいきながら、実を上げていくという取り組みをぜひ競馬組合の方にはとっていただきたいと考えておるところでございます。
〇新居田弘文委員 先ほど、入場者数のふえた部分についてお話ししましたが、いわゆる1人当たりの購買単価が多くなれば、その分だけ売り上げも伸びるわけですけれども、今のいわゆるレースの内容その他を見ますと、かなりレースのグレードも下がっておりますし、集客しても売り上げにつながらないという部分が指摘されておりますが、その辺の自覚と今後の取り組みについて、所感があれば伺いたいと思います。
〇今泉農林水産部長 その辺は十分自覚してございまして、平成18年度は、やはり商品力、商品の企画向上、そういったところにも力を入れていくということで計画はつくっているところでございまして、ぜひそこは、我々としてもバックアップしてまいりたいと考えているところでございます。
〇新居田弘文委員 去年もそういう質問をしたんですが、結果的には余り期待した結果には実は、私はそう受けとめておりますが、その辺について、本当に最善の努力をしていただきたいと思います。
 それから、改訂実行計画の見直しについても先ほど来いろいろ出ておりますが、私も、部長からお話のような状況の中では、余りにも遅過ぎるというような思いをしておりますので、その辺については組合の方にしっかり指導していただきたいと思います。
 あわせまして、その結果、どうなるかまだわかりませんが、一般質問の中でも佐々木一榮議員が、1場体制も含めて議論してはどうかというような提言も実はございました。知事からは、どっちかといえばあいまいな、答弁にならないような答弁だったんですが、その辺も真剣に、いわゆる先ほど亀卦川委員からもお話が出ましたように、やっぱりもう少し先を見据えたこの一、二年をどうするかというような視点でいろいろ考えるべきではないかというような考えを持っておりますが、その点について御答弁いただきたいと思います。
〇今泉農林水産部長 ただいま御提言の趣旨も踏まえて、今度の見直しの中で、どこができるか議論してまいりたいと思っております。
〇新居田弘文委員 今の念押しになりますけれども、もう少し真剣にといいますか、本当に岩手競馬を残すのか、残さないのか、あるいは来年で終わりにしても構わないのか、それとも1場体制でどこか生き残りを考えるのか、この再建といいますか、改訂実行計画の見直しと同時に、並行してこの辺の議論を組合あるいは構成団体、あるいは県といろいろ協議してしかるべきと思いますが、所感をもう一度お伺いします。
〇今泉農林水産部長 今の体制をどうするかという問題、これは当然、構成団体の構成にかかわる問題でございますので、軽々な発言は本来差し控えるべきだと思いますけれども、やはりその前提としては、私、今抱えている借入金を減らすような形での収入がそこで見込めないと、単に、例えば1場体制、今の体制をどうするかという論点はなかなか難しいだろうと思うんですね。要は、今2場体制を維持しているというのは、今のままでというか、例えば今の開催日とか何とかを前提にしていく中では、やはり2場体制を維持していく方がコスト的にはいいというか、その方がコストが少なくて済むということでやっているわけでありますが、仮にどちらかという話になったときには、やはりそれを処分したことによって得られる収益で今の借入金というものをもっと圧縮するような方向に行かないと、かえって経営を圧迫してしまうということにもなりかねないと私ども考えてございます。
 ですから、ここの問題の議論というのは、やはりもうちょっと長いスパンで議論していかなくてはいけないのではないだろうかと考えているわけでございまして、それで先ほどのような答弁をさせていただいたということでございます。その辺は、ぜひ御理解いただきたいと思います。
〇工藤大輔委員長 この際、10分間ほど休憩いたしたいと思います。
   午後 5 時11分 休 憩
   午後 5 時27分 再 開
〇伊沢昌弘副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇ザ・グレート・サスケ委員 2003年でしたでしょうか、JRAでも岩手競馬が買えるということで場外が設置されて、その東京競馬場の開通記念のイベントのゲストとして私も出させていただいて宣伝マンもやらせていただきましたのでちょっと責任を感じておるんですが、私からは、改訂実行計画の中で、競馬以外のイベントでの新規顧客の誘致のような旨の文言があったと思うんですが、これは、実際には平成17年度どのようなイベント等、実績がございましたでしょうか、まずはそれからお尋ねいたします。
〇東大野農林水産企画室特命参事 競馬以外のイベントでの新しい顧客の誘致でございますけれども、競馬組合で策定した改訂実行計画では、今お話あったように、新しい顧客を誘致するために、馬にかかわる歴史あるいは伝統・文化、そういったこととか、地域の優位性といったものを生かしながら、市民、県民が家族で、友達と広く誘い合って参加できるといった視点でイベントを実施してございます。
 水沢競馬場では、例えば、全国の競馬実況アナウンサーのサミットを6月に実施いたしました。それから、奥州市では毎年、日高火防祭がございますけれども、そういったもののプレイベントあるいは子供騎馬武者といった催し物も5月に実施させていただきました。また、盛岡競馬場では、東北の輓馬競技盛岡競馬場大会ということで、5月と11月、2回実施させていただきましたし、相馬野馬追甲冑競馬という形で、これも2回ですけれども、5月と9月に実施させていただいて、それぞれ誘客という面では、対前年比最も高いもので、対象日のせいもあるかと思いますけれども、前年の4倍といった来場者があったという例もございます。
 ただ、組合の反省にもございましたように、それが売り上げにどう結びついたかというところは反省すべき点があるということで、平成18年度はどういった形でそれを本業の方に結びつけていくかということをいろいろ考えてございます。ただ、こういったイベントは18年度も引き続き開催して、新しいお客さんの獲得に努めていきたいというのが組合の考え方でございます。
〇ザ・グレート・サスケ委員 確かに競馬以外のイベントではございますが、でも、馬にまつわるイベントですよね。やっぱりもう少し視点を変えないとだめだと思うんです。天下のJRAでさえも毎回タレントさんを呼んでみたりとか、それから、いろんな催し物を開催して、これは全く馬に関係ない催し物です。全く馬に関係ない催し物を開催して、何とか、馬に興味のない、競馬に興味のないのはもちろんですけれども、馬に興味のない方々も、とにかく遊園地に遊びに行くような感覚で競馬場に足を運ばせている。結果的には売り上げも微増にはなると思うんです。先ほどの御答弁でも、最大で前年比4倍という来場者もあったということですね、イベントの内容によっては。これは4倍どころか、来場者が10倍、20倍に膨れ上がる可能性もあると思うんです。それがひいてはちょっとでも売り上げにつながっていく。これは天下のJRAでも毎回やっていることですから、やっぱりこういったところを、今度は逆にいかにお金をかけずにやるかということで、JRAではみちのくプロレスなんかも呼んだようですけれども、そういったことも大事だと思うんです。その辺、いかがでしょうか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 岩手競馬はごらんのような財政状態ですので、JRAさんのようなお金をかけたイベントはなかなか難しいわけではございますけれども、例えばフリーマーケット等も続けてやらせていただいているといったことで、そういった意味で、家族でも来られるような環境づくりとか、そういった面の工夫はこれからも続けていくということで、何とか工夫して、新しくお客様に足を運んでもらえる岩手競馬を目指していきたいと考えてございますので、私らもぜひ協力していきたい、そのように考えてございます。
〇ザ・グレート・サスケ委員 とにかくお金をかけずに、本当に頭を使っていろんなことができる可能性がまだまだ残っていると思います。
 これは通告はしていなかったんですが、特にオーロパークなんかは最上階にクラブハウスですとかロイヤル会員向けの、いわゆるVIPルームというようなところがあると思うんですけれども、やっぱりあそこも、もうちょっと会員のふやし方のまだ努力の余地があるのかなと思うんです。安比高原なんかは、バブルの時代に首都圏の裕福層に対して集中的に営業をかけて、結果、ブランド化に成功したという事例もありますので、昨今、貧困層というのがクローズアップされていますけれども、逆に言えば超裕福層もいるわけで、そういった超裕福層に仕掛けて、いわゆるVIPフロア、VIPルームの営業戦略というのも立ててみる可能性、まだまだそういったことも残っているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 盛岡競馬場4階のクラブハウスの活用でございますけれども、ことし競馬組合は、あそこを一般開放ということで利用させていただきました。ただ、今、委員御指摘の方向性も、またこれありだと思いますので、いろいろ研究させていただきたいということでお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 競馬組合問題について、今年度の実績見込みを正確に示していただきたい。渡された資料では、営業利益で10億9、000万円の赤字、特別損益を含めても3億円の赤字となるのではないかと思いますが、乾坤一てきの再建計画は、初年度から失敗、破綻と言うべきではないでしょうか。乾坤一てきというのは、運命を賭してやるということですよ。それが初年度から赤字では何ともならないんじゃないでしょうか。
 水沢競馬場の耐震改修を目的とした特別開催がありましたが、本当にそのためにこの売り上げは使われるんでしょうか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 平成17年度の損益でございますけれども、今、競馬会館の売却が18年度になるという見込みでありますことから、赤字は見込まれますけれども、その金額というのは、売却価格というのがまだ明らかになってございませんので……(斉藤信委員「売れないんだからわかるだろう」と呼ぶ)、計画は未達成という認識ではございます。
 競馬事業関係者あるいは競馬組合職員が努力した結果として一定の成果という水準まではいったけれども、最終的に目標達成と言えなかったということは、構成団体、私どもも含めてやっぱり努力が足りなかったということだと認識してございます。
 もう1点、特別開催の関係でございますけれども、平成17年度の特別開催、これは、水沢競馬場の耐震補強工事に必要な資金を確保するということで計画されたものでございますので、収益はその趣旨に沿って処理されるものと理解してございます。
〇斉藤信委員 私らがこの予算説明のときにもらったのは、私が今言ったように、営業利益でいくと10億9、000万円の赤字ですよ。特別損益は、このとき18億1、700万円計上されているんですよ。これは、競馬会館を売却するということを前提にしたものですよ。大体、盛岡の市長が副管理者で、そんな見通しはないことをわかっていてこれは計上されていたんですよ。ここから引いたら、実際に幾ら赤字になるかわかるでしょう、見込みが。
〇東大野農林水産企画室特命参事 予算書上18億強の特別利益ということで見込んではございますけれども、そのうち、競馬会館の売却が平成18年度にずれ込むことによって未実現となる利益水準がいかほどになるかは、今、価格については盛岡市と調整中でございますので、明らかにならないということでございます。
〇斉藤信委員 私はそんなことを聞いているんじゃないんですよ。決算見込みを聞いているの。何ぼで売れるかなんて聞いてないんですよ、それは平成18年度の予算にかかわるから。いいですか。18億1、700万円が特別利益で私たちの予算のときには説明されていたんです。この中には、恐らく3億8、000万円じゃないですか、競馬会館の売却見込みが。だから、3億8、000万円引かなきゃだめでしょう、だとすれば。このときは、5、600万円全体では黒字になるというのが見込みだったんですよ。平成17年度は、いろいろあるけれども、まあ、営業利益で10億円赤字というのは、私は全くこれはどうしようもないと思うけれども、しかし、いろんな資産を売却すれば5、600万円黒字になりますよと、だから来年度もやらせてくださいというのがぎりぎりの見込みですよ。そのぎりぎりの見込みが、競馬会館を売れずに逆に3億円余の赤字になるということをはっきり言ってくださいよ。そうじゃないですか。来年度何ぼで売れるかなんて聞いてないんですよ、僕は。
〇東大野農林水産企画室特命参事 18億円余りの特別利益のうち、未実現になっているのが3億8、000万円でございますけれども、内容として、競馬会館と旧盛岡競馬場跡地の残地、それから組合が保有する株式――全部ではなく一部ですけれども――、それらを含んでございますので、それらの内容もすべて金額確定しませんと見込みということになりませんので、先ほど申し上げた答弁といったような内容になります。
〇斉藤信委員 こんなつまらない論戦をしていて困るんだけれども、私はこういうふうにもらっているんですよ。売却価格は、テレトラックつがるが11億5、200万円余、旧盛岡競馬場跡地が3億3、000万円余、絵画等が3、929万円、あわせて15億2、158万円じゃないですか。これしか売れてないじゃないですか。だったら、わかるでしょう。それを引けばいいんですよ。3億円足らないんです。何でそんなこと、あなた、まともに答えられないの。あなたからもらった資料だよ、これ。こんな事務的なことでまともに赤字の額を言えないというのはとんでもない話ですよ。
 赤字になったら、この赤字の補てんはどうするんですか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 委員お手元の資料は、未実現部分が三つの内容、先ほども申し上げました競馬会館と、それから旧盛岡競馬場跡地残地、それから株式、あわせて3億8、000万円という資料だと思いますけれども、したがって、内容に移動がある可能性があるものですから、決算見込みについてはっきりした数字が申し上げられないということでございます。
 それから、もし赤字になった場合ですけれども、繰上げ充用というような形になるのではないかと思います。
〇斉藤信委員 競馬会館と旧盛岡競馬場跡地の残地、これをあわせて売り上げ見込み額が3億8、000万円、これは平成18年度なんですよ。私が15億2、100万円と言ったのは、売却価格ですよ。特別利益ですよ、この分は。何、混同しているんですか。
 いずれ3億円余の赤字になると。それは繰り上げ充用という形で、私は、まさに初年度は赤字決算だったというのは極めて重大なことだということをまず指摘しておきます。
 二つ目に、問題は、県が27億円の融資を認めるかどうかの最大のポイントは、来年度うまくいくかということなんですよ。
 そこで私はお聞きしたい。まず、大前提の問題として、中央競馬も地方競馬も例外なく売り上げを減少させています。例えば中央競馬は、7年間で1兆869億円売り上げを減少しました。これは27%減です。地方競馬はどうかというと、これは10年間で3、459億円、47.2%売り上げ減です。毎年減です。地方競馬すべて売り上げが減少していますね。私、こういう中で、JRAも頑張っているんだけれども7年間で1兆円も減らした。そういう中で、なぜ岩手競馬が30億円も売り上げを上げるという計画になるのかと。その根拠は全くないんじゃないかと。大前提の問題としてこの問題をお聞きしたい。
〇東大野農林水産企画室特命参事 平成18年度の売り上げ見込みについてでございますけれども、18年度は、新しい発売方法、インターネット発売、新たなかけ式、さらに兵庫県競馬組合との広域場外発売の拡大といった内容がございますので、これらを展開して売り上げを増加するといったことを考えてございますけれども、例えばインターネット発売を見てみますと、昨年10月以降、D-netでインターネット銀行の利用が可能となったということもございまして、インターネットとか電話投票の会員数が増加しているということもございますし、あと、同様のかけ式を最近追加した他の主催者の実績から見ても売り上げは増加させているといった実態もございますので、売り上げ増加は可能ではないかと考えてございます。
〇斉藤信委員 全く全国的な状況、地方競馬をめぐる状況をあなたは全然考慮していない。一番インターネットで売っているのはJRAでしょう。JRAの売り上げの45%はインターネットですよ。インターネットの売り上げは伸ばしたが、全体の売り上げが1兆円も減ったんですよ。いいですか、平成15年から16年の間に970億円も売り上げを減らしているんですよ。地方競馬は590億円売り上げを減らしていますよ、15年度から16年度にかけて。インターネットが売れたって、全体で売り上げがふえるということにはどこもなっていない。関東でやっている競馬だってそうなんですよ。
 じゃ、あなた方の売り上げ増加対策について私、詳しく聞きます。営業目標で26億7、500万円見込んでいますが、何で26億7、500万円既存の売り上げにプラスになるんですか。
 新かけ式――三連単、三連複の導入で20億円の売り上げ増だと。しかし、馬券を買う人は同じじゃないですか。既存の売り上げは減るだけじゃないですか。
 インターネット発売で10億円の売り上げ増だと。対象は青年だと。しかし、今、青年は2人に1人がフリーターで、月収10万円そこそこですよ。どうしてこういう人たちが馬券を買うんですか。
 街中場外、3億2、000万円売り上げする。北海道競馬は、このミニ場外を8カ所つくって売り上げを減らしたんですよ。
 資産売却の見通しもないんじゃないですか。具体的に示していただきたい。
〇東大野農林水産企画室特命参事 まず、売り上げ目標についてでございますけれども、売り上げ目標26億7、500万円のうち、16億7、500万円につきましては、セグメント別営業戦術ということで従前から展開していたものでございます。あとの10億円は、新たに展開する兵庫県競馬組合との広域場間場外発売の拡大を計画に見込んでいるものでございます。
 それから、新たなかけ式の20億円でございますけれども、これは、南関東で実際に三連勝式のかけ式を導入した際の傾向7%ほど、かけ式を導入しなかったと考えた場合の傾向値と実績を比較した場合に7%強売り上げが増加しているんですけれども、これを参考に20億円と見込んだものです。
 それから、インターネット発売についてでございますけれども、インターネット発売は、この発売方式の導入によって購入できる地域が全国に面的に拡大するということ、それから、ネット投票利用の主な年齢層が20代から30代といったところにございますので、その年齢層に拡大していくという、この二つをもって新しい岩手競馬の購買者を獲得していけるんだと見込んだものでございます。
 それから、街中場外についてでございますけれども、これにつきましては、現在、交渉を進めているというふうに聞いてございます。
 それから、資産売却についても、これも話し合いを継続しているというふうに競馬組合から聞いてございます。
〇斉藤信委員 今年度もセグメント営業というものをやったわけですね。しかし、結果的には、前年と比べて何の営業が減ったんですか。去年は三百何十億でしたか。今回は現時点で291億円ですね。これは開催日数をふやしても、前年度と比べてこんなに減ったんですよ。来年度は、今年度をさらに30億円ふやすという話ですよ。私、全くそういう点では一つ一つが根拠のない話だと思います。
 例えば、新かけ式、そのかけ式は、一瞬そのかけ式への売り上げは上がるんです。しかし、これは勝つ人が少ないですから、たくさん勝てば、これできょうは終わりとなるんです。少し勝つとまた馬券を買う、こういうふうになるんですよ、これ。勝つ人が少なければ少ないほど馬券を買う比率は少なくなるんですよ。同じ人ですよ、馬券を買うのは、三連単、三連複だって。新しい人がこれを買いに来るわけじゃないんですよ。
 インターネットもそうですよ。新しい層といったって、今までやっていた人が実際には馬券を買っている。JRAの実態はそうでしょう。だから、総売り上げに結びつかないんですよ。そして、こういうインターネット発売を広げれば広げるほど、単なるギャンブルになるんです。増田知事が言うようなスポーツとか、そういうのにならない。ギャンブルにしかならない。私は、ますます競馬が衰退する道になると思いますね、こういうやり方というのは。
 街中場外はまだ折衝中だというので、これは風営法の関係がありますから、私、単純じゃないと思いますよ。盛岡市内にそういう街中場外をつくっていいのかと。これは地域住民の合意だって必要になるでしょう。私、さっき言ったけれども、北海道は8カ所つくって売り上げを減らしたんですよ。失敗だと言われているんです。
 資産売却の見込みだって、今はっきりしているのは競馬会館と旧競馬場跡地の残地ですね。これは3億8、000万円余ですよ。あと、テレトラックでしょう。テレトラックの種市でしょう。しかし、種市というのは、テレトラックの中で売り上げがいい方なんです。これがもし売れたら、そこでの売り上げは大幅に減少しますよ。だから、赤字のツケを回すことはできても、売り上げ減少にしかならないんですよ、実際には。
 私は、本当に出された計画が、あと1年もたせるだけの計画ではないのかと。今やめたら3、000人の失業と言っているけれども……。
〇伊沢昌弘副委員長 質問してください、斉藤委員、わかったから。
〇斉藤信委員(続) 今やめたら3、000人の失業と言うけれども、先送りするだけなんです、見通しがなければ。私は、知事の公約はもう半分以上破綻しているのではないかと思いますが、私が指摘した点について示していただきたい、資産売却の見込みも含めて。
〇今泉農林水産部長 私どもも、売り上げは大事な部分だと、要素だと思っておりますけれども、先ほど来議論の中で、それもさることながら、やはりもっとコスト削減にしっかり取り組むべきなんだという御意見をいただいているところでありまして、そこのところは両方あわせながら我々今後取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、資産売却の見込みでございますけれども、これにつきまして、今、具体例を挙げてのお話もございましたけれども、競馬組合の将来の経営に資する最善の選択となるように慎重に検討を進めることが大事ではないかと考えてございまして、その辺はもうちょっと今後競馬組合とも話をしなくちゃいけないのかなと思っているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、一般管理費について、専用場外賃料が2億8、100万円来年度増加します。パルソは用地等賃料が1、500万円増加するのはなぜでしょうか。
 それと、来年度まで実施したとして、先ほど部長は、半年を見て、見込みがなければ判断をするということになるんですか。
〇今泉農林水産部長 管理費は東大野の方から答弁させますが、最後の質問についてお答えしたいと思いますけれども、改訂実行計画が達成できないという見通しに立った場合の判断についての御質問だと受けとめてございますけれども、昨年の2月議会において同趣旨の御質問がございまして、知事は、絶対そうした事態にしないということはもちろん大前提ではあるがというお断りは申し上げた上で、万が一の際には非常に厳しい決断をしなければならない場合もあり得るというふうに答弁をしてございます。
 ただ、私といたしましては、そうした事態にはしないという決意のもとに全力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
〇東大野農林水産企画室特命参事 専用場外賃料の2億8、100万円の増、それから、パルソ用地等賃料の1、500万円の増ですけれども、これは、専用場外につきまして、賃料削減交渉の未達で生じたものでございますし、あと、パルソ用地賃料につきましては、水沢競馬場用地の賃料の削減交渉を行ってきましたけれども、それが未達になったことによって改訂実行計画で平成18年度に計画したものを上回ったものでございます。
〇斉藤信委員 競馬会館の向かいにパルソビルがありますね。あそこには東北映像が入っていたんですけれども、これ、出たんですね。あのパルソビルというのは、信託方式でつくった、競馬組合がつくらせた、競馬組合が責任を持たなければならないビルでしょう。あそこの賃料というのはどうなっているんですか。あそこの負債というのも競馬組合はきちんと見ているんですか。年間の負債額ってわかりますか。
〇東大野農林水産企画室特命参事 パルソビルの残債については、手元に資料がございませんのでお答えしかねます。申しわけありません。
〇斉藤信委員 これを最後にしますけれども、部長に最後にお聞きしたい。
 私は、一番の問題は、JRAでも地方競馬でも同じように努力しているんですよ。同じように努力しているが、売り上げは確実に減少しているんですよ。そういうときに岩手競馬がそこを無視して、頑張れば30億円売り上げをふやせるなんていう、私はここに一番の過ちがあると思います。やっぱり確実な見込みを立てて、それで経営するということをしなかったら再建なんかできるわけないじゃないですか。不況のときに売り上げ増という計画を立てて、私はまず、その計画から根本的に見直さなきゃだめだと。JRAでさえ売り上げを減らしているときです。これが一つ。
 もう一つ、なぜそういう無理な売り上げ増になるかというと、294億円の借入金があるからなんです。この借金返済を考えるから売り上げをふやさなきゃならないということになるんです。だから、本当にこの競馬を残したいというのなら、この累積赤字を一括処理するとか凍結するとかしなかったらだめです。それができなかったら、私は見込みがないと思う。だから、そういうことを考えてやらないと、結局、できもしない計画になるんですよ。私は、そこに本当に今、メスを入れないとこれはできないと思いますが、いかがですか。
〇今泉農林水産部長 ただいまの御指摘のような点も含めてこれから検討していかなくちゃいけないだろうと思っておりますけれども、ただ、まず何よりもことしは、やはり確実に実現できるものに取り組んでいく、そういうことで、特にコスト削減についていろいろ御指摘をいただいたところでありまして、そんなことを含めながら、そういったことをしっかり踏まえながら取り組んでまいりたいと思ってございます。
〇斉藤信委員 残念ながら説得力ある答弁はありませんでした。私は、今の答弁だったら、とても27億円の融資には賛成できない。とんでもない話ですよ。先送りするだけですよ。そのことを指摘して終わります。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇阿部富雄委員 組合の財務内容についてお伺いいたしますが、現時点での債権あるいは債務というのは一体どういう状況にあるのでしょうか。
 それから、この数値は、昨年に比較してどういうふうな状況に推移しているのか。
 もう1点は、来年度――18年度末にはどの程度の財務内容になるというふうに想定されるのか、お聞きいたします。
〇東大野農林水産企画室特命参事 財務内容のうち、借入金の状況だけお知らせいたします。平成17年度末見込みですけれども、長期借入金――起債でございます――の残高見込みが152億7、500万円、それと、あと短期借り入れ――一時借り入れになりますけれども――が141億7、400万円、合計で294億4、900万円です。18年度末見込みは、長期借り入れ、短期借り入れも同額で計画してございます。
〇阿部富雄委員 起債だけでは財務の中身がわからないんですよね。さっきから言われているように、かなりの資産売却も進められてきているということもありますし、これからもなお資産売却は進めていく、こういうふうな考え方でいるわけですから、起債あるいは短期借り入れだけではなくて、そういう資産も含めた債権、債務というのは一体どういう状況にあるかということを現時点と去年との比較、それから、来年度末にはどういうふうに推移していくかということをお尋ねいたします。
〇東大野農林水産企画室特命参事 組合の方では貸借対照表をまだ作成してございませんで、直近の仮の貸借対照表を通して作成したのが平成17年3月31日現在でございます。それで申し上げますと、流動資産が20億3、500万円、それから、固定資産が――評価の問題はあるかとは思いますけれども――346億9、200万円、資産合計が367億2、700万円。流動負債でございますけれども、160億4、400万円、それから、固定負債が156億7、700万円、負債合計が317億2、200万円。資本相当部分が50億500万円。そういった仮の貸借対照表が作成されてございます。これは、組合の決算議会の際に参考資料として提出されたものです。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋博之委員 若い世代の代表として一言、というか、一つ意見を言わせていただきたいと思います。
 先ほどの斉藤委員の質問にも若干関連するのでありますが、若者をターゲットにという話もあったんですが、私は、結論から申し上げれば、難しいというか、無理だと思います。その無理な理由というのは、斉藤委員とは私は違うのでありますけれども、今、日本国内に350万人ニートがいます。働かなくても、仕事をしなくても、学校に行かなくても食べられる、そういう大変豊かな時代に、昔は1、000円札を握り締めて競馬場で狂喜乱舞して一獲千金夢を見ていた若者たちもたくさんいたと思いますが、今、そういうハングリー精神の旺盛なというか、そういう若い人はもうほとんどおらないと思います。
 何を言いたいのかといいますと、右肩上がりの時代につくった立派な競馬場が、右肩が上がらなくなって維持ができなくなったという話であります。ですから、私は、根本から発想を転換していかなければならないと思っています。先ほどザ・グレート・サスケ委員の方からもありました。以前、佐々木一榮委員の方からも御指摘がありました。やはりこの競馬を存続させるためには、頭から競馬を離れて私は考えていくべきであると思います。幸い競馬で使っている日数も、年間毎日使っているわけではありません。なぜ県民の理解が得られないかといえば、競馬をしている人が少ない、県民の中でも競馬を実際に利用している人が少ない、しかもばくちでありますから、自分が使わないことに、利用しないことに県民の税金を使うことに関して皆さん反発をされるわけです。ですから、競馬から離れて、多くの県民の皆様方が利活用できるようなことが何かないか、真剣にここについて議論をすれば、それが直結売上高につながらなくても、多くの県民の皆さんが利用するんですから、理解が得られていくのではないかと思います。
 プロレスの話もありましたが、何でもいいと思うんです、コンサートでも何でも。そこについてしっかりというか、真剣に考えていただければというふうに思います。御所見をお伺いしたいと思います。
〇今泉農林水産部長 大変貴重な御提言をいただきましてありがとうございます。
 そういった観点で、昨年来いろんな取り組みはやってきてございます。できるだけ盛岡市民なり、あるいは県民の方々にオーロパークというものの露出度を高めていこうというふうに考えてやってございますけれども、今後も引き続き、ただいまの御提言の趣旨も十分踏まえながら、さらに露出度を高めるような取り組みをするよう組合の方ともしっかり協議してまいりたいと思っております。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇伊沢昌弘副委員長 質疑がないようでありますので、これで農林水産部関係の質疑を終わります。
 農林水産部の皆さんは御苦労さまでございました。退席されて結構でございます。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 6 時 4 分 散 会

前へ 次へ