平成18年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成18年3月10日(金)
   
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事課長 駿  河     勉
  議事課長補佐 千  田  利  之
  主任主査 保  原  良  和
  主      査 小  船     進
  主      査 福  田  清  喜
  主      査 佐々木  ユ  カ
  主      査 渡  辺  謙  一
  主      査 安  藤  知  行
1説明員
  保健福祉部長 赤  羽  卓  朗
  保健福祉企画室長 藤  原  健  一
  保健福祉企画室
  企画担当課長 福  田  博  明
  保健福祉企画室
  管理担当課長 川  口     眞
  医療国保課
  総括課長 福  島  寛  志
  保健衛生課
  総括課長 柳  原  博  樹
  地域福祉課
  総括課長 菊  池  俊  夫
  監査指導担当課長 奈須川  博  司
  長寿社会課
  総括課長 小田島  智  弥
  障害保健福祉課
  総括課長 高  橋  裕  好
  児童家庭課
  総括課長 古  内  保  之
  医療局長 法  貴     敬
  医療局次長兼
  病院改革室長 岩  渕  良  昭
  管理課総括課長 佐  藤  義  昭
  職員課総括課長 細  川  孝  夫
  業務課総括課長 吉  田  廣  光
  システム管理室長 岡  山     卓
  経営改革監 八  木  善  一
  医師対策監 相  馬  敏  克
  予算調製課
  総括課長 菅  野  洋  樹
   
〇工藤大輔委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第25号、議案第35号から議案第39号まで、議案第41号から議案第48号まで、議案第51号、議案第53号及び議案第54号の以上38件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 最初に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。
〇赤羽保健福祉部長 平成18年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 まず、保健福祉部の平成18年度予算編成に当たりましての基本的な考え方でございますが、県民本位で質の高い保健・医療・福祉サービスの推進を基本的な方針に掲げさせていただき、医療提供体制の整備、少子化対策の推進、介護対策の推進、障害者の自立と地域生活支援、自殺予防対策の推進の五つを施策重点化のポイントといたしまして、特に重点的に取り組んでいくこととしております。
 五つの重点化ポイントについて順次御説明申し上げますと、まず一つ目は、医療提供体制の整備についてでありますが、本県の医師不足や地域的偏在の解消を図るため、離職した女性医師の職場復帰支援や就業している女性医師への育児支援、県外の医師を含めた医師のバンク登録を行うドクターバンク推進事業など、医師のライフステージに応じた総合的な確保対策を図ってまいります。
 また、医療人材育成支援の観点から、岩手医科大学の移転整備、これは薬学部の新設等でございますが、これを支援するとともに、県民医療相談体制や小児救急医療体制、救急救命士実習体制の確保を図るほか、SARS等の一類感染症に対応するため、第一種感染症指定医療機関の病床整備や感染症等の健康危機発生時に備えるため、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄等を行ってまいります。
 二つ目は、少子化対策の推進についてであります。
 市町村・民間企業の少子化対策の取り組みを推進し、女性の家事・育児負担の軽減や働きやすい環境の整備を図ってまいります。
 また、保育ニーズの高い地域の民間保育所に、既存の建物を活用した分園の設置を促進するなど、入所待機児童の解消、保育サービスの充実を図ってまいります。
 さらに、いわて県民情報交流センターに―アイーナでございますが、ここに子育てサポートセンターを設置いたしまして、相談・情報提供・講習会の開催等を通じて子育て支援サービスを提供してまいります。
 三つ目は、介護対策の推進についてであります。
 介護老人福祉施設等の整備を進めてまいりますほか、民家等の改修によるご近所介護ステーションの設置や、低廉な家賃で入居できる高齢者共同賃貸住宅モデルの普及を支援するとともに、地域力を生かした地域住民による支え合いの仕組みづくりを支援してまいります。
 また、市町村や事業者が行う介護予防事業・給付について、その効果を調査分析し、事業評価等を行うほか、介護状態に陥る主要原因であります脳卒中患者等の在宅での生活継続を目指す支援モデルの構築に取り組むこととしております。
 四つ目は、障害者の自立と地域生活支援についてでございます。
 障害者の権利を擁護する成年後見を行う組織を育成するほか、収益性の高い仕事を開拓する就労支援拠点を設置するなど、障害者の就労を支援してまいります。
 また、障害者自立支援法に基づく新たなサービス体系への移行を目指す小規模作業所に対して支援をしてまいります。
 五つ目は、自殺予防対策の推進についてでございます。
 全国でも高い水準にあります本県の自殺死亡率を低下させるため、うつ病に対する正しい知識の普及啓発や自殺予防のための地域介入モデル事業を行ってまいります。
 以上が保健福祉部の平成18年度予算編成に当たっての基本的な考え方あるいは重点的な取り組みでございます。
 引き続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成18年度岩手県一般会計についてでございますが、お手元の議案その1、6ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費535億9、200万円余のうち、2項の県民生活費を除きます530億9、400万円余と、次のページの4款衛生費264億2、100万円余のうち、2項環境衛生費の一部を除きます191億6、300万円余と、9ページに参りまして、12款公債費1、596億8、400万円余の一部400万円余と、次の13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、2項の公営企業出資金と3項の公営企業負担金の一部を除く277億6、600万円余であり、これらを合わせますと1、000億2、800万円余の予算となっております。これを平成17年度当初予算と比較しますと、約4億4、700万円の減額で、率にいたしまして0.44%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の102ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、岩手県社会福祉事業団自立化支援事業費は、平成18年度から県立の入所型社会福祉施設8施設を岩手県社会福祉事業団に移管することに伴い、同事業団が経営自立化するまでの一定の間、施設利用者処遇維持の観点から一定の支援を行うものであります。次に、103ページに参りまして、2目身体障害者福祉費のうち、104ページの重度心身障害者(児)医療助成費は、市町村が行います重度心身障害者(児)医療費助成事業に対し補助するものであります。3目知的障害者福祉費の障害者介護給付費等負担金は、市町村が行う介護給付及び訓練等給付に要する費用の一部を負担するものであります。105ページに参りまして、4目老人福祉費の老人福祉施設整備費は、老人入所施設及び老人利用施設を整備するものであります。106ページに参りまして、下段の介護給付費等負担金は、市町村が行います介護給付費及び予防給付に要する費用の一部を負担するものであります。次に、107ページに参りまして、6目国民健康保険指導費の国民健康保険事業安定化推進費は、市町村国民健康保険者の国保税軽減相当額及び軽減対象被保険者数に応じた平均国保税の一定割合を補助するほか、岩手県調整交付金により保険者間の財政調整を行うなど、保険者の財政基盤の安定を図るとともに、高額医療費の一部を負担するものであります。
 少しページを飛んでいただきまして、112ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の乳幼児、妊産婦医療助成費は、市町村が行う乳幼児、妊産婦医療費助成事業に対し補助するものであります。次に、113ページに参りまして、2目児童措置費の児童保護措置費は、児童養護施設等に児童を措置した際の施設入所等に要する経費であり、その次の児童手当市町村支給費負担金は、市町村が支給する児童手当に要する経費の一部を負担するものであります。3目母子福祉費でありますが、一番下の児童扶養手当支給事業費は、児童扶養手当と、その支給事務に要する経費であります。
 次に、116ページに参りまして、4項生活保護費の2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助費等の給付に要する経費であります。
 次に、119ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の母子保健対策費は、小児慢性特定疾患治療研究事業、特定不妊治療助成事業に要する経費や、総合周産期母子医療センターの運営費に対する補助であります。120ページに参りまして、3目予防費の特定疾患対策費は、パーキンソン病等の特定疾患患者に医療費の自己負担分の給付等を行うものであります。120ページの一番下の第一種感染症指定医療機関整備事業費は、SARS等の一類感染症に対応する第一種感染症指定医療機関の病床整備に助成等を行うものであり、121ページの感染症等健康危機管理体制強化事業費は、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄を行うものであります。4目精神保健費の障害者自立支援医療費は、精神障害者の通院に係る医療費の一部を負担するものであり、自殺予防対策事業費は、うつ病に対する正しい知識の普及啓発や地域介入モデル事業を行うものであります。5目老人保健費の老人保健対策費は、老人保健法に基づき医療費や保健事業費の負担等を行うものであります。122ページに参りまして、6目環境保健研究センター費は、環境保健研究センターの管理運営、及び環境や保健衛生等の諸課題に対応するための試験研究に要する経費であります。
 次に、少し進んでいただきまして、125ページでございます。2項環境衛生費2目食品衛生指導費の牛海綿状脳症対策費は、BSEスクリーニング検査に要する経費であります。
 また少しページ飛んでいただきまして、130ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費でございますが、131ページに参りまして、二つ目の医師確保対策費は、自治医科大学等が実施する医師養成事業に対し負担等するほか、医師のライフステージに応じた総合的な確保対策を行うものでございます。次の救急医療対策費は、病院群輪番制病院や、高度救命救急センターの運営費に対する補助をするものであります。132ページの医療人材育成支援事業費補助は、医療人材育成支援の観点から、岩手医科大学の薬学部新設等の移転整備に対して補助するものであります。3目保健師等指導管理費の保健師等指導費は、看護師等養成所及び院内保育施設の運営費に対し補助するものでございます。
 ページを進んでいただきまして、235ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち489万4、000円が当部の所管でありますが、これは、災害援護資金貸付金の償還金であります。
 236ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行うものであります。
 次に、237ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行うものであります。
 238ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行うものでございます。
 次に、議案第2号平成18年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。
 予算に関する説明書により説明させていただきますが、297ページをお開き願います。歳入と歳出の予算総額は、それぞれ4億2、100万円余となっております。298ページから303ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金と、繰越金、諸収入及び県債でございます。次に、304ページから307ページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計の説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2に移っていただきまして、議案その2の312ページをお開き願います。議案第43号看護師養成所事業料等条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、以前から岩手県立短期大学部授業料の3分の1として改定しております看護師養成所の授業料の額について、岩手県立大学短期大学部授業料の改定に伴い、増額改定しようとするものであります。
 次に、313ページの議案第44号都南の園使用料等条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 この条例案は、障害者自立支援法の施行に伴い、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法及び児童福祉法で定めておりました指定居宅支援を障害者自立支援法の障害福祉サービスに改め、その使用料の額を定めようとするものであります。
 次に、321ページをお開き願います。議案第47号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、当部の関係は、337ページまでの介護保険法関連及び薬事法関連と350ページから357ページまでの動物の愛護及び管理に関する法律関連の改正であります。
 まず、321ページから323ページにかけましての介護保険法関連の改正の主な内容でございますが、同法の一部改正に伴い、平成18年4月1日から新たに発生いたします県の事務のうち、介護支援専門員証の交付・更新事務、情報公表に係る調査事務など、特定の者に対して行う事務に要する経費分について、手数料を徴収しようとするものであります。
 次に、323ページから337ページにかけましての薬事法関連の改正の主な内容は、薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴い、新薬事法に規定する手数料を新たに定めるとともに、所要の改正を行おうとするものでございます。
 次に、350ページから357ページにかけましての動物の愛護及び管理に関する法律関連の改正の主な内容は、同法の一部が改正され、動物取扱業及び特定動物の飼養について全国一律の規制が導入されることに伴い、所要の改正を行おうとするものであります。
 以上で保健福祉部関係の予算関連議案についての説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いします。
〇工藤大輔委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇吉田昭彦委員 先ほどの部長の説明にもありましたが、医師確保対策を重点施策として取り組むという説明がありました。そこでお伺いいたしますが、医務費の医師確保対策事業の中の自治医大運営費負担金1億2、700万円の算定基準について、まずもってお知らせいただきたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 自治医科大学の運営費の負担金についてでございますが、自治医科大学では、各都道府県から毎年2から3名の入学者を受け入れておりまして、1学年の定員は100名、計600名に対して医学教育を行っております。
 この運営費負担金は、大学の創設以来、知事会の決定によりまして大学運営に必要な経費を47都道府県が均等に負担することとしているものでございます。それによって運営をしているということでございます。
 平成18年度予算では、運営費総額59億6、900万円を47都道府県で案分し、すべての都道府県が1億2、700万円を負担することとしているものでございます。
〇吉田昭彦委員 そこでお伺いいたしますが、医師の地域偏在は国でも認めておることだと思いますが、自治医大の入学枠について、全国一律ではなく、それぞれ医師の地域偏在等も加味した上での対応というのが検討されてはおらないんですか。その点お伺いします。
〇赤羽保健福祉部長 100名の定員でございますので、47都道府県から2名入ると100名を少し割り込むということでございます。そうした中で、自治医科大学の方で、各県の事情等を考慮しまして、3名にするといったような取り扱いもしていただいているところでございまして、本県の場合は、来年度、今度の新たな入学者についても3名にしていただいているところでございます。
 ただ、それだけではやはり根本的な解決になってまいりませんので、私どもとしましては、自治医科大学の関係者、あるいは知事会等におきましても、自治医科大学の定員の増でありますとか、そのほかの医科大学の定員の増についても要望しているわけでございますが、医師の不足している地域に常時3名の枠を配分してもらえないかといったようなことで要望しているところでございます。ただ、医学部の定員枠の拡大につきましては、閣議決定といった大きな重い決定があるわけでございまして、なかなかそこを簡単にはクリアできないでいるわけですが、引き続き関係者と協議をしながら、そういった取り組みも進めてまいりたいと考えております。
〇吉田昭彦委員 医師不足、医師確保問題については、医療制度改革の中でも取り上げられておるようであります。確保策を強化するとか、医療対策協議会を制度化し、関係者協議による対策の推進等々で示されてはおるようでありますが、この地域偏在、それから東北・北海道が不足しているんだろうと思いますが、そういう地域偏在について抜本的に、根本的に解決するための対策等については、国の方で何か動きがありますか、お伺いいたします。
〇福島医療国保課総括課長 医師不足問題につきましては、国におきましても、厚生労働省、それから文部科学省、総務省を中心とした関係省庁連絡会議がさまざまに検討を進めております。その中で、昨年の8月には医師確保総合対策といった緊急的な方針も打ち出され、これに基づいて、また医療制度改革の中での議論もあわせて、当面、平成18年度の予算などにも次のような取り組みが出されたところでございます。
 例えば、都道府県に設置しておりますが、へき地医療支援機構といったものがございまして、緊急的に医師不足地域に対しての診療応援などを行う組織としてのへき地医療支援機構、これに代診医を、医師をきっちりと張りつけて、それをより実効の上がるような形にするといったような取り組み、それから、女性医師の就労支援、これは全国的にも女性医師の割合がふえておるということで、この就労支援としての女性医師バンク―仮称でありますが、そうしたことについても予算として上げられております。それから、離職した医師の再就業を支援するための講習会等の取り組みについても上げられているところでございます。
 まだ具体的なこの運用について国から示されておりませんので、県といたしましては、県独自のアクションプランもございますが、これと連動させるような形でこれらも活用していきたいという観点から、国に早く具体的な内容を示していただくように働きかけておりますし、これからも働きかけてまいりたいと考えております。
〇吉田昭彦委員 わかりました。
 なかなか根本的な対策というか、具体的な成果が見えてこないのが実態ではないかと思いますので、先ほどの自治医大の入学枠、平成18年度は3名の入学枠とのお答えがありましたが、自治医大の先生方は、非常に幅広く診療してくれるので、地域にとっては大変貴重な存在ではないかと思うわけでありますが、この自治医大の入学枠をもっと拡大してもらうことが、基本的な解決にもなるし大切ではないかというふうな感じがいたしますので、国の具体的な施策とあわせて、そういうことを引き続き国に対して提起をしていくように申し上げさせていただきたいと思います。
 続いてもう1点、臨床研修制度が実施されてから、これまでそれぞれ成果があらわれておると思いますが、その状況と、それから研修を終了した先生方がそれぞれ新しく誕生してくると思っておりますが、その県内へとどまっていただける先生方がどのような状況になっているか、そのことについてお伺いいたします。
〇福島医療国保課総括課長 臨床研修医制度、平成16年度から必修化されたわけでございまして、17年度で2年次目ということで、明年度、平成18年度初めて2年間の臨床研修を修了して、その後の進路を決めるという時期に差しかかっているわけでございます。
 ごく直近で、現在2年次目の臨床研修を行っております研修医55名おりますが、この方々の、いわゆる来年からどういった進路を選びますかといったような聞き取り調査をいたしました。その結果、この55名のうち、割合からすれば約82%に当たります45名の方が、現時点でまだ一、二名未定の方もおられるようですけれども、いずれ45名の方が本県に引き続き残って、それまでの研修を受けた病院、あるいは別な病院、あるいは医大の大学院ですとか医局とかに残って医療に携わっていただける、こういう御報告をいただいているところでございます。
〇吉田昭彦委員 これで終わりますが、82%、45名の方がそういう希望をなさっていただいているということは、大変これは大きな成果ではないかと思いますので、これについては、引き続き本県に残っていただくように、そのことによって医師確保対策の成果があらわれるように申し上げさせていただいて、終わります。
〇佐々木俊夫委員 私は、幼稚園と保育園の一元化問題、いわゆる幼保一元化問題についてお伺いいたします。
 この問題がようやく現実の問題として動き出してきたわけでありますので、これに対しまして、本県はどのような対応策を講じようとしているのか、こういうことであります。
 この幼保一元化問題というのは、まさに古くて新しい問題、県議会でも何十年もの間と言ってもいいぐらい論じられながら、なかなか実現しなかった問題であります。しかし、県民は非常に関心を持っているわけでありますが、やっぱりこの問題の難点は、文部科学省と厚生労働省の縦割り行政が典型的にあらわれた問題、こう言ってもいいと思うんです。そのようなことで今まで難産的な状況にあったのでありますが、伝えられるところによりますと、政府は7日、幼稚園と保育園を一元化した総合施設、認定こども園を創設する、このような法案を国会に提出したというように報ぜられているわけでありますが、まずこの構想、法律がどのようなことをねらい、どのような構想を持ったものであるのかということについて、御説明を願います。
〇古内児童家庭課総括課長 お尋ねの幼保一元化施設の関連する法案の構想でございますけれども、この法案では、幼保一元化施設を認定こども園と称しまして、従来の幼稚園及び保育所等に新たな機能を付加し、保育所において、保育に欠けない子供の受け入れ、また幼稚園において、教育時間終了後の保育に欠ける子供の保育及び子育て支援の機能を基本として備えたものであり、利用者の希望に応じて一貫した教育・保育を提供する体制の整備を図るものと承知しているところでございます。
〇佐々木俊夫委員 そこで、そういう構想で10月からこれを実施する、このように報じられているわけでありますけれども、本県として、そのことに対してどのような準備体制といいますか、受け入れ体制と言ったらいいのか、どのような構想を持って取り組んでいるのか。その場合、本県にはどのような問題があるのか。
 よく現場に参りますと、保母さん、保育士というんでしょうか、その方と幼稚園の先生との間の資格的な問題があって、なかなか内部的には課題があるやにも聞いたり、あるいはまた、現実には何とかして一本化したものにしてほしいという要請が地域にあるわけでありますから、そうした課題を踏まえながら、本県としてはどのような体制を組みつつあるのか。もう法律は審議に入っているわけでありますから、当然のこと、本県でもその対応策を講じているものと私は思いますが、その辺の状況と課題について御説明いただきます。
〇古内児童家庭課総括課長 まず、認定こども園でございますけれども、これについては、今後、国が示す認定基準を踏まえまして、各都道府県が条例により認定基準を定め、そして知事がその施設を認定するということになってございます。
 そこで、本県におきましても、こうした国会での法案審議の動向を見ながら、幼稚園及び保育所を所管する関係部局で緊密な連携を図って、制度の円滑な施行に向けて対応していきたいと考えているところでございます。
 課題でございますけれども、先ほど資格のお話がございましたが、現在、幼稚園あるいは保育所でお仕事をしていただいております幼稚園教諭でありますとか保育士については、それぞれ両方の資格を持っていらっしゃる方が相当数いらっしゃるというような状況でございます。ですから、この資格問題で、直ちにこのこども園に移行する際に問題が生ずるというふうには考えてはございません。
 ただ、例えば幼稚園で保育に欠ける子供をお預かりするというようなことを想定して考えてみた場合に、幼稚園の先生方というのは、3歳未満の小さな子供さんをお世話したことがないということで、そういった小さな子供さんをうまく扱うことができるようなやはりスキルというものは必要だろうというふうに考えております。
 そういう意味で、これは、予算上は総務部で所管することとなっておりますけれども、この認定こども園の制度化に対応しまして、平成18年度に、制度施行後に、主に実施が見込まれます幼稚園を対象といたしまして、総合施設モデル事業というものを実施しようと予定しております。この幼稚園において、新たに保育に欠ける小さな子供さんたちを受け入れていただくということになると思いますけれども、その中で、実際にどのような課題が出てくるのかとか、そういったものを検証しながら、平成18年10月の本格的な施行に向けて準備をしていきたいと。そういう意味では、モデル事業を県単独の補助金を使ってやろうということで考えているところでございます。
〇佐々木俊夫委員 内々準備が進みつつあるように聞きましたけれども、資格問題は大したことないというお話ですが、現場に行きますと、私は、資格問題が一番重要なように聞きます。また、そういう関係で、保母さんというんですか、そういう方々が、心の中ではどうも嫌だなという感じを持ちつつあるようにも聞いたりするので。それはあくまでもその方々の立場であり、一般の社会から見ますと、早く一元化してほしい、こういうことであります。
 岩手県は、知事が対外的には大変有名でございまして、道州制にしろ、三位一体にしろ、非常に光と影というのが岩手県にあるなと。最近はやっている言葉ですけれどもね。光の方ばかり向いていないで、実はこの影に当たる今のような課題、これは1次産業もしかり、このような本当に教育あるいは保育の根っこにある問題、こうした問題が何か影になっているような気がします。
 そこで、これはもう重大課題として、担当は総務部なんて言わないで、やっぱり保育問題はあなた方ですから、そういう心構えというか、しかも条例化を必要とするというお話が今ございましたので、私は、もう既に相当検討が進んでいなければいかん、10月に法律が施行されるときは、同時に、岩手県がトップを切ってスタートするぐらいの意欲というものが必要だと思います。
 部長、何か話しているようですが、どうですか。話し合いをしているようですけれども、聞いていましたか。決意のほどを。また、そういう話題が出ましたよ、知事、光と影の話が出ましたよということをぜひ加えて、どうぞ答弁。
〇赤羽保健福祉部長 大変失礼いたしました。
 幼保一元化については、さまざまな利点があると思っております。一つは、私ども最近申し述べておりますのは、職場と保育所を近接していけないかということを考えております。そうすると、町の中にある幼稚園が保育機能を持っていることになると、働く母親にとっても、あるいは父親にとっても非常にいいのではないかと考えております。そういったことも頭の中に入れまして、私どもからすれば、いわゆる保育サービスの充実といったことも念頭に入れて、この幼保一元化といったことに積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 また、これまで農村地域でも、例えば江刺の稲瀬でありますとか、宮守村なんかでも、そういう取り組みがなされてきているわけでありますけれども、先ほど御指摘のありました資格問題も含めて、これまで保育所に従事されてきた方と幼稚園に従事されてきた方が、非常にうまくかかわりを持ちながらやっているような事例もありますので、そういった事例も参考にしながら、円滑な制度の導入をぜひ進めてまいりたいと考えております。
 大変失礼いたしました。
〇小原宣良委員 県立社会福祉施設の今後のあり方についてお伺いします。
 1点目は、平成18年4月1日から、県は、入所型県立施設を県社会福祉事業団に移管するとしたところでありますが、このことによって利用者に対するサービスの水準が低下してはならないと思います。そこで、職員の配置等どうお考えか、お伺いいたします。
 2点目は、施設の敷地や建物について、県は当面、事業団に対して無償で貸与するとしているようであります。しかし、県の八つの施設の中には、かなり大規模に修繕しなければならない施設、あるいは建てかえを要するものも見受けられると思います。私も行って、見てまいりました。これについてはどう対処するお考えでしょうか。
 それから、三つ目ですが、障害者自立支援法によりまして、施設利用者には食費、住居費の負担が出てまいります。現在入所している方々の負担は大丈夫でしょうか。退所するといったようなことが発生しないかどうか、このことについてどう見ているかお伺いします。
〇菊池地域福祉課総括課長 県立社会福祉施設の事業団移管に伴う職員の配置についてでございますけれども、入所型8施設の事業団への移管に当たりましては、委員御指摘のとおり、何よりも利用者の処遇水準を維持する、これが極めて大切であると認識しているところでございます。
 このような観点から、県といたしましては、事業団が今後経営的に自立するまでの一定期間、おおむね10年程度と見込んでいるところでございますけれども、その間、施設の運営等に要する経費につきまして必要な支援を行うこととしているところでございます。
 この中におきまして、ただいまお尋ねのありました利用者のサービス水準を維持するため、施設運営に必要な職員の配置についても、事業団が必要な職員を配置できるよう支援措置を講じているところでございます。
 それから、2点目の建物の修繕等についてでございます。
 事業団への移管に伴いまして、建物は無償貸し付けすることとなりますけれども、大規模な維持修繕につきましては、これまでどおり、県において措置することとしているところでございます。
 将来的な改築についてはどうかということでございますが、昨年10月に障害者自立支援法が成立いたしました。この中で、障害者福祉サービスに係る施設体系、これが一定の経過期間、おおむね5年後と言われておりますが、その一定の経過期間を置いて大幅に変更されることが予定されております。また、同法に基づきまして、平成18年度中に障害福祉計画の新たな策定が求められているところでございます。
 こうした障害福祉サービスに係る制度の変更等を踏まえまして、さらには施設の老朽度等も考慮しながら、今後必要な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 障害者自立支援法では、所得に着目した応能負担から、サービス量と所得に着目した定率負担に見直されるとともに、食費、光熱水費等の実費負担が見直されるものであり、住居費の負担というのは求められないものでございます。
 入所施設の食費、光熱水費につきましては、その負担基準がおおむね月額5万8、000円に設定されております。障害基礎年金1級の受給者は負担が月額4万6、000円程度、2級の方は月額4万1、000円程度まで減額されまして、一定額が手元に残るよう補足給付が行われることとなってございます。
 このほか、所得の少ない方々に対しましては、定率負担の上限額設定や社会福祉法人減免なども講じられることとなってございまして、食費等の負担も可能となる水準に軽減されることとなっております。
 なお、市町村におきましては、利用者からの申請に基づきまして、本年4月からのサービスの利用者負担額の認定や補足給付額の認定作業を行っているところでございまして、負担を理由とした退所の意向等につきましては、現時点では把握できておりません。
〇小原宣良委員 施設の修繕、改修という点については、これからの、今後5年後に大幅に変更されるとございましたが、これは施設利用者の区分ということを意味しているんだと思うんですね。これは今後において施設あるいはグループ、ケアホームという形の中で、利用者の利用区分といいましょうか、そういうものが第三者の評価という形で行われる。これは平成18年度からこうした作業に入るということなんですが、ここの区分――区分という表現はいかがかとは思いますけれども、いずれ利用者のそうした利用区分について評価しながら、それぞれ適切な施設利用を行っていただく、こういう意味だと思うんです。
 この区分作業はいつまでに、どういう形で行われるんですか。結局、そういうことを前提にしながら施設の整備というものが出てくるんだと考えるわけですが、その点はいかがですか。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 障害者自立支援法はいわゆる二段ロケット方式でスタートするわけでございまして、4月1日からは徴収金関係等の利用負担の部分がスタートいたします。それから、本格的施行といたしましては、法体系が整備し、新たな体系でのスタートは10月1日でございます。したがいまして、10月1日までの間に、そういった障害者の方々の障害区分認定等を踏まえ、私どもではアセスメントというようなことで、そういう特性あるいは障害者の特性といったものを配慮しながら、ケアプラン等を策定しながら進めていくような形で整備を進めていくということで考えているところでございます。
〇小原宣良委員 先ほども答弁ありましたこの食費、住居費について、この部分で退所ということはなかろう、こういう見通しのようでしたが、本県における全体として施設入所している障害者が負担する食費あるいは光熱費等、住居費、この総額というのはどのように把握しているんでしょうか。これはかなり、介護保険制度においてもそうでありましたが、負担に耐えかねて退所するというような状況も発生しておるわけですけれども、この障害者にかかわる施設入所について、これらの負担というものはどういう額になっていくのか、あるいはそれはかなり大変な負担になるんだと思うんですが、どう受けとめているのかお伺いしたいと思います。
 それから、最後に1点お聞きしますが、移管後においても、この県立の入所型施設は、地域に密着したサービスを提供する、こういう役割は依然としてあるわけでして、高齢者介護なども視野に入れて、この地域の福祉ニーズに対応した事業を積極的に展開する、こういうふうになっているようですけれども、この事業団に移管後においても、そうした事業が十分にできる体制というものもあわせて対応していく必要があると思いますが、いかがですか。
〇赤羽保健福祉部長 移管後の事業団の体制ということについて私の方から、あと負担の件につきましては障害保健福祉課総括課長から答弁いたしますが、事業団のあり方について、基本的には自立した社会福祉法人になっていただかなければならないと思っております。そうした中で、やはり事業団がみずから判断していただいて、そして地域の人々のニーズをきちんと受けとめながら他の社会福祉法人と同じようにやっていただくということが、視点といたしましては大事ではないか。それは、県内にある社会福祉法人がすべてそういった形でいろいろな取り組みをしていただいていると思っておりますし、社会福祉事業団もそうしたことをしていただけるのではないかと思っております。
 これまでも、事業団では、デイサービスのような事業でありますとか、障害者のグループホームでありますとか、そういった独自の事業を積み重ねてきているというノウハウもございます。そうしたことを引き続きやっていただきたいと思っております。
 それから、私自身も理事として残させていただくことにしておりまして、そうしたことも含めまして、必要な支援は行ってまいりたいと考えております。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 平成17年10月1日現在の身体障害者入所施設、それから知的障害者入所施設の入所者数2、371名をもとに、軽減前の食費、光熱費の総額を、あらあらでございますが推計いたしますと、月額で1億3、750万円程度と推計しております。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、生活保護受給者、あるいは障害基礎年金1級受給者、2級受給者など補足給付が行われますことから、その総額は、おおまかな試算ではさらに下がりまして、月額1億410万円程度になるものと見込んでございます。
〇小原宣良委員 この障害者自立支援法、自立支援という名に値するかどうかということについては、私は大いに疑問あり、値しないというふうに私は思っておるんですが、そういう部分については、これからかなり具体的にその内容は、実施後において出てくるだろうと思いますけれども、いずれ、そうしたものについても十分配意をしなければいけない県の立場としてあるであろうと思います。
 そしてまた、こうした施設については、確かに民間の皆さんも大変御努力をいただいているということは十分承知しております。しかし、規模的に大きな部分、あるいは県内のこうした障害者の皆さんの入所施設という点については、県のこれまでやってきた役割、あるいはその果たしてきている効果というものは、民間の皆さんも十分参考にしながら、あるいはそれをある意味手本にしながらやってきているという部分が、これまでの社会福祉事業団においてもございました。今後も、移管されるとはいいながら、その役割は変わりないと思いますので、これは要望にとどめておきますが、ぜひ移管後においてもしっかりとした、本県の障害者の皆さんの入所型施設のあり方については、先導的な役割をこれからも果たしていただきたい、このことを要望して、終わります。
〇及川幸子委員 がん発見に有効性のあるPETについて一般質問で伺ったところですが、増田知事は、県立病院で導入に向けた検討を進めることとしているほか、岩手医大でも導入の意向を持っていると聞いているとお答えいただいております。
 民間の河南病院の導入、また県立病院の導入となった場合、果たしてそれほど県内に受診者がいるのだろうかと私は心配するものです。他県でのPET導入施設の動向と受診者はどのように把握していらっしゃるのでしょうか、まずお伺いいたします。
〇福島医療国保課総括課長 他県でのPETの導入状況でありますが、東北6県で見ますと、宮城県で、数が多うございまして5カ所、あとは、それ以外の5県についてはそれぞれ1カ所。本県の場合は、御案内のとおり、滝沢村のサイクロトロンセンターということでございます。
 それから、PET検査の対象の把握ということでございます。
 確かに、委員御指摘のとおり、その需要が果たしてあるのかといった点は、昨年5月の私ども、医大その他の医療関係者との検討会の中でも、これが課題となっているところでございます。しかしながら、きちんとした数字と申しますか、これは、例えば医師の判断に基づいて検査をするという人も中にはおられますし、それから、みずからの意思で検診を受けるという方もございます。特に、こちらの方が割合としては多いと思いますけれども、この部分については、まさしく個々人の健康意識とかかわってまいります関係で、どのように推計するかというのが大変難しい問題でございます。
 しかしながら、PET施設の導入検討に当たりましては、当然こうした点についても、医療関係者の御意見を聞きながら需要動向を把握していく必要があるものと考えております。
〇及川幸子委員 河南病院では本年11月の導入で、もう既に受診をしたいという方々も聞いているわけですが、そういうときに、3月4日の新聞を同僚議員からいただきましてびっくりいたしました。PETによるがん検診で、85%ががんを見抜けなかったという国立がんセンターの調査が載っておりましたが、これは県として、委員会としてどのように把握していらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
〇福島医療国保課総括課長 これにつきましては、私どもも報道で知ったわけでございますけれども、詳細については、国立がんセンター等から情報を仕入れやすい、例えば岩手医科大学等の御協力も得て、これを検証していく必要があろうかと思っております。
 いずれにしましても、がんの検診については、PET以外にもさまざまな方法がございますので、それらの効果、実効性、そうしたものについては、今後、医療関係者と十分に検証し、それから、がん医療の医療提供体制の中にPETを含めて検討してまいりたい。したがって、これについてはなかなかその内容について当方から御説明する材料は、まだ報道内容しか持ち合わせておりませんので、御理解願いたいと思います。
〇及川幸子委員 今まさに取り組んでいこうとするその県の考え方の中で、大変重要な問題だと思っております。ましてや県立病院の赤字の中で数十億円の機械を導入するということは、大変なことだと思っております。報道でだけ知ったというのは、この委員会を昨年5月に立ち上げた割には余りにものんびりしているのではないかとびっくりしているところですけれども、費用も1人10万円から20万円ぐらいかかるこの検査、85%もがんを見抜けないのであれば、そういうのは受けられないよというのが一般県民の考え方じゃないかと思います。この5月に立ち上げられた検討委員会、早急に立ち上げられて、検討をすぐやられるということで、部長、どうなんでしょうか。
〇赤羽保健福祉部長 PETの効果については、国立がんセンターでそういった結果であったということだろうと思います。先ほど福島課長からも申し上げましたとおり、これまでは一定の有効性があるという認識のもとで、全国的にも導入が進んできていたわけですし、そうした方向で私ども検討してきたわけです。
 今回、マスコミ報道等で出た内容をまた確認いたしまして、関係者とも意見交換などをしながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 高額なものでもございますし、患者の方の負担もあるということでもございますので、効果等については、特定の報告だけではなくて、幅広い視点から見ていく必要があるのではないかと思っております。
〇及川幸子委員 国立がんセンターでも、2004年2月から1年間に3、000人の検査をしているわけですから、国立がんセンターの方にはいろいろな資料があると思います。早急にそちらの方等、いろいろ調査なされて、県民が不安にならないように、今まさに河南病院に11月から導入されますので、早急に立ち上げをお願いして、質問を終わります。
〇佐藤正春委員 2点についてお伺いいたします。
 まず、中国人の医師の招聘についてでございますが、ただいまの赤羽部長の説明によりますと、重点対策として医師の対策があったわけですが、中国人の医師招聘については説明がございませんでした。しかるに、知事は記者会見で、中国人医師の招聘で医師不足解消と胸を張って発表し、またNHKでも日本初の試みと報道された次第でございます。
 県民は、これで医師不足が解消されるのではないだろうかと大変に期待したわけでございます。しかしながら、さきの予算特別委員会の総括質疑で、知事の答弁によりますと、私の九つの疑問点に何ら明確な答えがなくて、はぐらかし答弁で終わったわけでございます。いわば、医大に研修医として来られるようでございます。県民は大変がっかりして、私も、県立病院に何カ所か電話で問い合わせしましたが、いや、全く困ったもんだ、知事の思いつき発言で迷惑している、こういうことでございました。
 そこで、中国の瀋陽市にある中国医科大学に同行した保健福祉部の職員から―これは知事が答弁しております。職員、どなたかわかりませんが、ぜひお伺いいたします。高先生は、本県の医師不足解消のために県立病院に赴任するのではなかったんですか。この点についてはっきりお答えを願います。
 また、来年度からも中国人医師が必ず来るということでございますが、どこの県立病院に赴任するのですか。県民は、患者は当然でございますが、首を長くして、どこの病院においでになるのかと思って待っているわけでございます。また、予算を見ましても、中国人招聘の対策について予算を組んでいるわけですね。医大にはまた別に補助金を組んでいるわけですよ。ですから、これはそういう意味では、県立病院においでになるということの予算だと承知をしておりますので、この点についてお答えを願います。
 私は平成13年12月の決算特別委員会で、本県出身ハンセン病患者の対策と難病、知的精神障害者の偏見、差別に対する質問をいたしました。答弁に立った伊藤保健衛生課長は、知事は、入所者の中で、本県出身者が一番多い54人が入所している宮城県の東北新生園に平成13年7月3日に参り、謝罪をし、その際、入所者の方々の御意見をお聞きしながら、今後、県として対応を考えたいと、こう思っていますと答弁をしております。
 その後、どのような対策をされたのですか。いわゆる対策外の見舞金、見舞品については資料をいただいておりますので、御答弁は要りません。まず、この2点についてお答えを願います。
〇福島医療国保課総括課長 中国人医師の招聘についてお答えをいたします。(佐藤正春委員「どなたが行ったんですか、まず」と呼ぶ)
 先般、中国に参りましたのは当課の職員でございますので、私からお答えを申し上げたいと思います。(佐藤正春委員「そこにいないんだな」と呼ぶ)
 いえ、後ろに控えております担当課長でございます。よろしいでしょうか……。私が命じて中国に行かせましたので、私からお答えを申し上げます。
 高先生は、先般、知事がお答えを申し上げましたとおり、基本的に指導医のもとで研修を受けるということで、医師法の特例として認めていただいておりますその修練医制度という中でお招きをしたものでございます。これについては、特に医師不足が際立っております小児科、産婦人科、これについては何としても本県唯一の医師養成、それから供給機関であります岩手医科大学の小児科学講座、産婦人科学講座をまず活性化していただきたいと。そういたしませんと、県立病院などへの日本人医師の応援にも結びつかないと、こういう観点から──そもそも修練医制度は医師派遣そのものが目的ではございませんが、間接的に小児科学講座、産婦人科学講座の活性源になっていただけるものという観点から、お招きをしたものでございます。したがって、構想段階からこの中国人医師修練医は、岩手医科大学の関係講座で受け入れると、こういうことで準備を進めてきたものでございます。
 現在は高先生お1人でございますが、ほかにも、引き続き日本語能力とか臨床経験などから見て優秀な小児科あるいは産婦人科の医師をまたお招きすることによって、さらに医大の関係講座がより活気づくと、こういうことを通じて、できるだけ早く県立病院など県内病院で、特に各地域で小児科、産婦人科、産科の中核的な医療を担っております県立病院など、県内病院への医大からの診療応援に結びつくように努めてまいりたいと考えております。
〇柳原保健衛生課総括課長 平成13年7月に知事が東北新生園を訪問し、入所者の方々に謝罪した後の対応でございますけれども、三つございます。
 一つ目は、ハンセン病に対する偏見や差別の解消を図るための啓発事業といったものを、補正予算を組ませていただいた平成13年度以降、実施してございます。
 二つ目でございますが、14年度に里帰り事業といったものを再開いたしまして、入所者の方々がふるさと岩手に里帰りをしていただいて、地域の方々と交流するための取り組みをしてございます。
 三つ目でございますが、平成14年度に再開いたしました里帰り事業に変えまして、平成15年度から、私どもが療養所を訪問いたしまして、入所者の方々と郷土の結びつきを深めていただくためのふるさと交流事業といったものを実施してございます。
〇佐藤正春委員 福島課長、あなたNHKのテレビ見なかったの。(福島医療国保課総括課長「見ました」と呼ぶ)見ていないんじゃないの。それから、総括質疑での私の九つの問題点というのは聞いていますか。(福島医療国保課総括課長「はい」と呼ぶ)聞いている。全然答弁が違っているんじゃないの。
 知事は、今、福島さんの説明のようなことは言っていないんですよ。あたかも、すぐにでも岩手県の県立病院の医師不足に対応できるようにと、こういう言い方をしているし、知事記者会見でね。NHKの解説もそうなんですよ。ですから、我々も、県民も、ああ、よかったなと。これで医師が来るんだなと。特に今待っている花巻だの北上なんかは、ああ、おらほも来てくれるんだなということなんですよ。今、福島課長のお話だと、最初からそんなことじゃないんだと。岩手医大に来るようになっているんだと、こうでしょう。岩手医大には毎年1人ずつ来ているんですよ、もう既に、11年度から。しかも、予算も医大には補助金で出しているの。この中国人の医師招請については、単独の予算を組んでいるんですよ。どうも今おっしゃった御答弁と知事のおっしゃることはちぐはぐだな。知事がうそを言っているなら、これはいいよ。あの人は最初からほら吹きだから。あなたの言っているのが正しいなら、これはまた別だけれどもね。
 そこで、私、確認したいのは、ことしは医大の研修に行く。これも言えば長くなるけれども、医師免許の関係で来れるわけがないんだからね。それで聞いているんだから、総括質疑でも。いいですか。来年度からもまた来るわけだ、予算を組んで。この人たちはいわゆる岩手県内の各地の県立病院に着任するんですか、赴任するんですか、これだけをひとつお答え願いたい。
〇福島医療国保課総括課長 お2人目以降の中国からお見えになる方々についても、岩手医科大学の小児科あるいは産婦人科学講座で受け入れていただく方向で、御了解をいただいているものでございます。
〇佐藤正春委員 了解じゃないんだよね。NHKも県民も、だまされたと言っちゃ悪いけれども、のせられたのかな。福島さんのおっしゃっていることは正しいのなら、そういうことになるんですよ。知事は、いいかげんなことを言ったということになるんですよ。こういうことはやっぱり部下であるあなた方、注意してもらわなければ困るよ、本当に。迷惑するのは県民だけだから。
 県立病院の人に電話で聞いてみなさい。いや、困ったと言っているんだ。患者に聞かれるというんだ。おらほさいつ来んのっしゃと。それはそれではっきりしたからいいです。
 次の2点目のハンセン病でございます。ただいま三つの対策について伺いました。
 そこで、私はその際にも申し上げたんですが、90年にわたる国家ぐるみの偏見、差別、隔離に対して亡くなられた島比呂志さん、御存じだと思うんですが、この人たちが立ち上がって国家賠償請求訴訟を起こし、熊本地裁にて、平成13年5月に原告が勝訴しました。その7月に知事が東北新生園に謝罪したことは、大変私もこれは評価しているんです、そのときに。
 ただいまの答弁によりますと、3点について対策を講じていると。これは、ここにある私たちにできること、これに載っているんですよ。啓蒙運動に。載っているけれども、全然啓蒙になっていないわけだ。どこに配っているんだかね。私も振興局だの市役所は皆行ったけれども、余り見かけない。どこに配っているんだか知らないけれども、予算は組んでいるんだ。これ、ちゃんと出ていますよ、対策について。
 そこで、私は去る2月8日に直接東北新生園に参り、調査してまいりました。この際、直接聞き取りと間接調査と、複数の職員その他の方から聞いてまいりました。中には、名前を伏せて願いたいと、断りながら実態を話す人もいたわけでございますが、熊本地裁の原告勝訴以後多くの方々が、人権問題を含めて視察に来られると、こう言っていました。大方が視察調査のみで、何らの対策を持ち合わせていないと。ハンセン病入所者に対する実態というのはわかっていないと、こう言っておられました。
 知事は、資料によると、平成13年7月3日、知事見舞金の交付、懇談。14年も知事見舞金と懇談。15年も知事見舞金の交付、懇談。16年も知事見舞金の交付と懇談。17年も知事見舞金の交付と懇談と、こうなっています。ところが、今説明がありましたが、知事は13年度1回しか行っていませんね。見舞金を持って行っているのは、1回しか行っていません。私の方の資料によると、ハンセン病対策事業という資料によりますと、これ行ったように皆書いているんです。ところが、私たちのできること、これを見ると、今おっしゃったように、行ったのは1回なんですよ。あるいはふるさと事業なんかありますね。あれは向こうから患者が来られたということですね。来られたことと行ったことは別だからね、これは。いいですか。ですから、あなたから来た資料と今おっしゃっていることは別なんだ、これは。
 そこで、私が聞いたところでは、2回目以降は、名前も知らない課長さんが来て見舞金を置いて帰るだけだと、こう言っておりました、向こうでは。どなたが行かれたかわかりませんが。ですから、知事の──相変わらず知事がうそばっかり言っていると言うのは申しわけないけれども、事実は事実だから、知事は1回しか行っていないんですよ。あなたの方の資料を見ると、毎回行っているように書いている。どういうことなんですか。
 それから、本当の対策というのはわかっていないんじゃないですか。今、おっしゃるように。入所者の年齢は75歳が平均です。95歳の方もおりました。まずは社会復帰は無理な状況です。熊本地裁勝訴以来、社会での理解が深まって療養所内も明るく非常に楽しい雰囲気となって、生活環境は問題ありません。また、毎回お見舞金を届けておられるようでございますが、入所者は国家賠償を勝ち取った経緯もございまして、経済的には困っていませんと、これは職員の説明でございます。
 また、おっしゃるようなリーフレット、ポスターなどの啓蒙活動の成果、これはどうなっているんですか。私の手元にもありますが、これはどうなっているんですか。
 それから、今予算を見ますと、予算ではハンセン病療養所入所者等生活援護費となっているんですね。ちょっとこれは私の見た実態からすると、この予算の名目はそぐわないところがあるじゃないですか。対策というのはそんなものじゃないですよ。まず、その点についてお伺いしておきます。
〇柳原保健衛生課総括課長 まず、知事見舞金の交付に関してでございます。13年度以降、これまで私ども所管部局の方で知事見舞金をお預かりし、入所者の方々に直接お渡しをしてきたことでございます。
 2点目の予算の事業名、名目がそぐわないのではないかということでございますけれども、今年度におきましても、啓発事業とふるさと交流事業について継続して取り組めるよう、予算計上させていただいているところでございます。
〇佐藤正春委員 啓蒙活動ですね、ポスター、それからリーフレットについての効果。ちゃんと渡してあるでしょう、質問の通告、そこに書いてありますよ。わざとはぐらかしているけれども、知事にまねているんじゃないかな、最近。
〇柳原保健衛生課総括課長 大変失礼いたしました。
 啓発事業の実態と効果ということでございますけれども、まず、リーフレット等による啓発活動でございます。13年度には、小・中・高生向けにリーフレット19万9、000部ほど作成して配布をさせていただいております。また、14年度から15年度にかけまして、一般県民の方々を対象といたしまして、あわせて24万4、000部ほど作成し、市町村等を通じて配布をさせていただいているところでございます。そして16年度には、旅館、ホテルや理容、美容等の13の生活衛生同業組合を通じまして、加入している組合の方々にリーフレットを配布させていただいているところでございます。
 次に、ポスターによる啓発活動でございますけれども、13年度から毎年、約200枚ほど作成をいたしまして、ハンセン病を正しく理解する週間を中心に、東北本線等各線のJR東日本車両に掲出をさせていただいているほか、岩手県交通のバスカード1万枚によりまして、啓発をさせていただいております。さらに、平成15年度からは、三陸鉄道、いわて銀河鉄道の各路線にポスターを掲出させていただきまして、加えまして、県北バスにおきましても、バスカードによる啓発をさせていただいているところでございます。
 こういった活動の効果でございますけれども、平成13年度からこういった取り組みをしてきたわけでございますが、平成13年度に、県内の全小・中・高生に啓発用のリーフレットを配布させていただきました。これを教材として取り上げていただきました盛岡市内の小学校の児童たちがいるわけでございますけれども、この児童たちが、翌平成14年度に実施いたしました里帰り事業の際に、自分たちも入所者の方々を歓迎したいと参加の申し出がございました。そして、入所者の方々と児童の交流をしていただきました。また、これを契機といたしまして、翌年平成15年から16年にかけまして、この同じ小学校の児童が、私どもと一緒にふるさと交流事業に参加をいただきまして、療養所を訪問して入所者の方々と交流をしていただいております。
 このような取り組みを通じまして、一定程度、県民の方々の理解が進んでいるのではないかと、それにこの啓発事業は、効果を示したのではないかと考えているところでございます。しかしながら、啓発活動につきましては、一朝一夕に効果を得ることは難しいと考えております。長期的な取り組みが重要と考えているところでございます。
〇工藤大輔委員長 答弁はもう少し簡潔に願います。
〇佐藤正春委員 あなた今おっしゃったこと、全部ここに出ているんだよ。私たちにできること。こっち見なさい、ちょっと。出ているの、これ。いいですか。ここにちゃんと学校の生徒が出ている、写真。この中に里帰り事業、ふるさと交流、みんな書いてあるんですよ。問題は、岩手県は広いからだろうけれども、こういうものが本当に効果があるのかどうかということなんだ。行き渡っているのかどうかということ。みんな、議員さんに来て威張って言ったって、そんなことあんた、みんな議員は知っているんだから。ハンセン病というのはどういうことか。問題は、こういうことが一般に、こういうものがきちっと啓蒙されているかどうかということを聞いているんですよね。
 それから、ここにポスターがあるわけだ。これ、誤解ということはどういうことなの。ハンセン病に対する誤解というのはどういうことなんですか。非常に関係者は皆怒っているわけだ。誤解ということはどういうことなんですか。誤解ということは、間違って理解することということなの。県民は間違って理解しているんですか、ハンセン病、らい病に対して。どういうことなんですか。お答えください。
〇柳原保健衛生課総括課長 ポスターの内容についてでございますけれども、ハンセン病の関係につきましては、入所者の方々からの御意見といたしまして、いまだにハンセン病は遺伝する病気でございますとか、不治の病であると、そういった誤解に基づく偏見や差別があるという御意見をいただいているところでございます。ハンセン病は、感染力や発病力が非常に弱く、確実に治る病気……(佐藤正春委員「そんなこと聞いていない、委員長、聞かれたことだけ言ってくれ」と呼ぶ)
〇工藤大輔委員長 答弁を続けてください。
〇柳原保健衛生課総括課長(続) 失礼しました。
 ハンセン病は、感染力や発病力が非常に弱く、確実に治る病気であること、体の変形は後遺症にすぎないことなど、ハンセン病に対する正しい知識を伝えて、誤解をなくし、偏見と差別の解消につなげると、こういった活動を続けていくことが必要であると考えてございます。
〇佐藤正春委員 あのね、役所自体がまだそういう考えなんだ。ハンセン病に対する今日までのあり方というものは、これ国家的なものだったんだよ。国、役所、役所が中心だけれども、それから医師、マスコミ、そういう偏見の中から、我々はそういうものか、みんな我々子供のころからでも、本当にちょっと言い方が悪いけれども、あそこの前はちょっと通るなよと、うつるからなということを言われてきたんですよ。誤解じゃないんですよ。みんな知っているんだから、これは。ハンセン病、らい病というのは知っているんだから。今、あなたがくどくどと説明したのは、それは何も誤解でも――そんなことみんな知っていますよ。偏見なんです、これ、偏見。ですから、亡くなった島比呂志さんは、らい病はめったにうつらず、たとえうつっても、すぐ治る病気であると繰り返し言っているんですよ。要するに、らい病に対する差別と偏見に闘ってきたんですよ。誤解に闘ってきたんじゃないんですよ。もう少し勉強してください。だれも言っていませんよ、そんなこと。ですから、そういうものの偏見の一つの延長線にあるのは、エイズであるとかあるいは同和であるとか、知的、精神障害、それが一連の中にあるんですよ、偏見が。これ全部誤解だというんですか、あんた。誤解じゃないでしょう。
 そこで、私から申し上げたいことは、1996年4月にらいの予防法の廃止に関する法律、これが施行されてから大分違ってきたんですが、それでもかなりのまだ偏見というのがなくならない。
 そこで、入所者は何を望んでいるか。私は知事それから担当課に聞きたいんだよ。何を望んでいるのか。今、三つのことを望んでいるんじゃないんですよ、入所者は。あなた行ってこられたの、新生園に。どなたに何を聞いてきたの。いいですか。それは90年間の偏見、差別、隔離の苦しみ、家族から断絶された、社会から見放された悔しさ、この思いを二度と繰り返さない、この教訓を生かしてほしいということなんですよ。いいですか。この教訓を生かしてほしいのが患者。正確に言うと、今ハンセン病の患者っていないんですよ。後遺症なんですよ、今。後遺症を治しているだけなんです、正確に言うと。これが対策なんですよ。この対策が本県の対策には全然見えない。なぜですか。単なるお見舞金やお世辞だけでは、全く患者の感動はございませんよ。ずっとあそこにおられたんですから、患者の人たちは。
 そこで私は、知事執行部関係に強く申し上げたい。本当にあんた方は、今申し上げましたハンセン病患者、難病、エイズ患者、障害者に対する偏見、無知、差別の人権無視を承知しているかということですよ。これはまず役所の人に申し上げたい。ですから、入所者の意見というのは何ですかということなんです。幸い、岩手県議会では、各党各派の同僚議員によって、偏見と差別をなくす条例案を今検討いただいております。私の方から申し上げて御検討いただいております。こういう議会側の先んじた、しかもハンセン病に対する、偏見差別に対する意見というものに対して、あなた方はどういう見解を持っているのか。今までの答弁じゃだめだね、全然。もう一度、本当にハンセン病あるいは今後続くところの精神・知的障害者等々における偏見と差別、その対策、本当の意味の対策ですよ。今おっしゃった三つの対策じゃない。こんなもの対策に入っていないよ、あんた。これに対してひとつ見解、これは部長だ。だめだ下っ端じゃ。部長、ひとつお願いします。
〇赤羽保健福祉部長 入所者の方々の御意見につきましては、柳原総括課長あるいは歴代の課長がこれまで行ったときに、いろいろ承ってきているところでございます。やはり最終的には、ハンセン病に対する正しい知識を広めて、偏見をなくしてほしいということを承っております。社会の中にはハンセン病に対する偏見が強く残っていて、そういったことが差別につながっているのではないかということも承っておりますので、こうした入所者の御意見も伺いながら、引き続き努力してまいりたいと考えております。
 私どもの部の仕事は、障害のある人もない人も、偏見や差別といったものがない社会で、安心して暮らしていけることではないかと思っております。そうした中にあって、障害者基本法の3条3項に、この差別の禁止等についての規定があるわけですけれども、いわゆる理念的な規定にとどまっているというふうなこともありまして、さまざまな取り組みをしなければならないのではないかといった認識も持っております。そうした中で、他県において、差別を禁止するための条例等の制定に向けた動きがあることも承知しております。執行部といたしましては、委員方のそういった御議論といったものを注視してまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、偏見や差別をなくするために、今、委員から御指摘がありましたように、紋切り型の取り組みではなくて、さまざまな取り組みを展開していく必要があると考えているところでございます。
〇亀卦川富夫委員 私は社会福祉施設整備の取り組み方についてお尋ねいたします。そのうち、まず高齢者、老後の住まいに関しましてお尋ねいたします。
 介護の状況に応じて特養からグループホーム、あるいは高齢者向けの賃貸住宅とかグループリビング、こういったものがあるわけでありますが、これらの県内の整備状況、それから今後の見込みといいますか、待機の状況等を含めて見通しをまずお伺いしたいと思います。
 そして、特に高齢者、老人向けの住まいといいますか施設については、これまで郊外型がほとんどではなかったかと。やはり市街地における施設を望む声が私はあると思うんですが、これらの観点に立った状況をお知らせ願いたいと思います。
〇小田島長寿社会課総括課長 高齢者への多様な住まいの提供というお尋ねでございますが、多様な住まいの中でいわゆる住宅、住みかえのシステムとして、これは当部所管ではございませんが、岩手県高齢者住宅政策大綱というものを県土整備部の方でつくっております。この計画におきましては、高齢者の円滑な入居の賃貸住宅の登録の数を、平成16年度の400戸から平成22年度には1、000戸にふやすという計画であります。それから、公営住宅におきましては、高齢者仕様の整備率、これを平成15年度の25.7%から平成22年度の33%にふやすと。それから、シルバーハウジングのプロジェクトにつきましては、平成16年度からの3カ所から平成22年度の8カ所までふやすと伺っております。
 それから、当部におきましても、特別養護老人ホームを初めとしたいろんな施設整備のほかに、ご近所介護プロジェクトの中で、モデル支援ハウスというようなものを位置づけまして、地域の中で住まいを提供する仕組みを考えておりますので、これも着実にふやしたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 そこで、今、これは中心市街地の活性化ということで、私きのう、商工労働観光部からもお聞きしているわけですが、言ってみればまち中の住まいというものに関して、介護の部分も含めた施設整備が望まれると、こういうことで、現在、国においてまちづくり三法の改正をやっておりますね。この中心市街地活性化に関する法律の中で、これから新たな策定が望まれると。7月の法律施行とお伺いしておるわけですが、この中の都市の福利施設というくくりの中で、社会福祉施設あるいは教育文化施設、あるいは医療施設、こういったものの整備計画を策定することがある意味で義務づけられているといいますか、中心市街地として認められるにはそういうものの整備が必要だと、こういう部分があります。これは恐らく当部といいますか、こちらの部も参加した中心市街地に対する研究会、この中にもそういう方向づけ、コンパクトシティーというような形で出ていると思うわけであります。そういう中で、県内で積極的に取り組んでいるという地区も大分あると思うんですね。そこで、医療あるいは福祉のような施設を、従来多かった郊外型から市街地の中で位置づけて整備を促進していくと、こういうものに国も動いているわけでありますが、それに対する認識と今後の取り組み方についてお尋ねいたします。
〇福田保健福祉企画室企画担当課長 まちづくりについての認識についてでございますけれども、この改正法に基づきまして新しいまちづくりを進めるに当たりましては、市町村の基本計画に、医療施設や社会福祉施設などの都市福利施設の整備についても盛り込まなければならないものと伺っております。障害者や高齢者を初め、すべての方々が暮らしやすいコンパクトなまちづくりにつきましては、私どもが所管しておりますユニバーサルデザインの観点からも重要と考えておりまして、このコンパクトなまちづくりの中で、地域の実情に応じた医療施設や社会福祉施設などの、いわゆる都市福利施設が整備されていくということも大切であると考えているところでございます。
 次に、今後の取り組みについても御質問がございましたけれども、都市福利施設の整備を含みます新しいまちづくりへの支援のあり方につきましては、来年度、商工労働観光部が設置をすると伺っております有識者懇談会で議論が尽くされると聞いておりまして、当部といたしましては、当面、この懇話会での議論を見守ってまいりたいと考えておりまして、その中で交わされるさまざまな議論の動向に、当部としても適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇亀卦川富夫委員 この取り組み方でありますが、今、懇話会の中でというお話でしたが、昨日は大分この辺が各委員からも出まして、それを待っていたんでは中心市街地、もたないんじゃないかと。その前に、もう法律施行は7月ということで大体見通しがついているわけでありますし、法律のみではなくて、コンパクトシティーという構想、これはぜひ必要だというわけでありますから、今から十分情報を交換し合いながら──ということは、積極的にそういう施設を市街地に展開すると、こういうような考え方の地区も私はあると思うんです。そういうところをどんどん引っ張っていく、この辺の指導性が必要だろうと思います。
 これの答えと、先ほど佐々木俊夫委員からもお話がありました幼保一元化。赤羽部長の答弁の中に、まちの中の幼稚園に保育園の機能があるのが望ましいと、こういうお話に承りましたが、実はこのまち中の中心市街地に現状として幼稚園があって、保育園も一緒にやろうと、こういうことで随分前から計画しておりましたが、何しろ中心市街地の事業手法がなかなか財政困難で動かなかったわけであります。しかし、今回こういう中心市街地活性化に関する法律でどんと後押しができる状況でありますので、これらの実現というのは、もうたやすく私は目の前にあると思うんです。こういうものは情報を十分交換して取り組んでいただきたい、その辺をお聞きして終わりたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 医療施設あるいは介護施設等について、郊外から中心市街地へというお話でございます。あるいは幼保一元化に向けた取り組みということでございますけれども、必要なところに必要なものを配置していくということが、まず大事ではないかと思っております。
 それから、中心市街地に行った場合に、施設なりがある程度の面積なんかも必要になってまいりますので、そういったことが確保されるかといったことも大事な視点にはなってくると思いますが、いずれにしても、必要なところに必要な資源をつくっていくという観点から、当部としても、山の中に施設をつくるというようなことはもう既にこれからの時代ではないと思っておりますので、商工労働観光部とも情報交換を密接にしながら対応させていただきたいと考えております。
〇佐々木博委員 障害者自立支援法にかかわって最初にお伺いしたいと思います。
 先ほど小原宣良委員からも質問があったわけですが、別な角度からちょっと質問したいんですけれども、先日、厚生労働省の指針が出まして、県とそれから市町村、平成18年度中に障害者の福祉計画を策定することになっているわけですが、その施設の入所者数を23年度まで7%以上削減しろと、あるいは一般就労者数を現在の4倍以上にしろとか、いろいろさまざまな数値目標を盛り込んだ障害福祉計画を作成しろということになっているようであります。数だけだったら、それはだれでもつくれると思いますけれども、実際にそういうことが本当に可能なのか。周りの環境が整わないと、例えば入所者に外に出ろだとか、あるいは今なかなか岩手県の場合、雇用が健常者でも大変な中にあって、そういった方々の、本当に4倍にもふやすことができるかだとか、いろいろさまざまな困難な問題があろうかと思うんですね。
 私も実は、先日、入所者の施設のところに行ってちょっとお話を伺ってまいりました。例えば、ここを出なければいけないとなると──盛岡の人じゃないんですけれども、盛岡市内の施設に入っているんですが、なかなか盛岡市内に部屋を借りて住むというのも大変だし、そうなったらば田舎に帰りますよと、実家に帰りますと。そうしますと、ますます社会とは隔離された状態になってしまって、法の本来の趣旨とは全然かけ離れたことになると思うんですね。いろいろこういった問題もありますし、例えば身障者の場合で言えば、県は県単でやっていただいておりますけれども、全国的には例えばグループホームの制度がないだとか、いろいろそういった諸問題を一つ一つ解消していかないと、数字目標だけ盛れと言われても、なかなか達成できないんじゃないかと思うんですが、まずそのことについてちょっと御見解を伺いたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 まさに今委員から御指摘いただいたような点がこれから大きな課題になってくるのではないかと思っております。就労移行といったことが障害者福祉計画をつくる中での一つの大きな柱になってきますが、そういった就労移行といった面から見た場合に、今委員からもお話がありましたように、住宅をどうやって確保するのか。例えばグループホームでありますとかケアホームでありますとか、それからあとは、その方がお住まいになりたい場所、例えば御出身地でありますとか、そういったところでちゃんとしたサービスを提供できるような体制をつくれるかどうか。それから就労の場として、いわゆるチャレンジドという名前で、社会全体で障害のある方たちに仕事を出していこうという動きもあるわけです。本県でも、チャレンジドジャパンフォーラムなんかも開いたんですが、そういう形で社会全体が、障害者が働けるように、仕事を出していくことができかどうかといったことも、大きな課題になってくるのではないかと思っております。当然、一般の企業の方たちの御理解も大事だと思っております。そうしたことを計画にどう盛り込んでいくかといったことも検討していかなければならない、そうなると非常に大きな課題になってくるのではないかと考えております。
〇佐々木博委員 特に市町村の役割というのは非常に大きいんだと思いますけれども、とりあえず住居の問題ですね。障害のある方、できるだけバリアフリーの住居を準備してあげなければいけないと思うんですが、御承知のとおりの市町村の財政状況ですから、なかなかそれに対応してくれといっても、非常に困難な状態じゃないかと思います。
 それでちょっとお伺いしたいことは、市町村とこれから障害福祉計画を策定するに当たっても、いろいろ協議を重ねながら策定していく、市町村に対しても指導をしながら策定していくということになるんだろうと思いますけれども、その辺がこれからどういうスケジュールになっているものなのか、ちょっとそのことについてお伺いしたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 私どもとしましては、できるだけ平成18年度中にこういった障害福祉計画をつくっていただこうと思っております。そして、障害のある方たちに、姿、どういう形になっていくかということをきちんとお示ししなければならないと思っております。お示しする場合も、私どもからお示しするのではなくて、障害のある方々からも十分に御意見を伺う、あるいは親御さん、御家族にも御意見を伺う、関係者にも十分に御意見を伺っていかなければならないと思っています。
 市町村の計画が一番のキーポイントになってくるわけです。市町村がどういう計画を立てるかということが非常に重要なポイントになってくると思いますので、今申し上げた視点を市町村にもお伝えしながら、あるいは私どもいろんな研究会などを立ち上げながら、例えば施設のあり方をどうしていくかといったようなことについても、これから幅広く意見を伺っていきたいと思っております。そういうところで出された意見を市町村にお伝えするといったことをやりながら、市町村を支援していきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、18年度中にできるだけすべての市町村で計画がきちんとできるように、努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 先ほど二段ロケットで出発されるというお話がありましたけれども、障害者自立支援法は私に言わせますと、ちょっと拙速にできた法律で、障害者団体なんかの意見聴取も全く不十分なままにできた法律じゃないかと思っております。そういった意味で、できるだけ幅広くそういった団体の声を吸い上げていただいて生かしていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 次に、自殺者の問題について伺いたいと思います。
 前年度に比較して大分増額をいたしまして、自殺予防対策事業、来年度計画されているということで非常にこの点については高く評価したいと思っておりますが、まず第1点は、実は北東北3県がワーストスリーなんですね、全国の。それで、本県における自殺の原因だとか、そういったことについて、まずどのように分析されているのか、そのことについてと、それからあわせまして、来年度の事業で、今までに加えてどういったことが新しい事業として、要するに目玉事業になるのか、そのことについてちょっとお伺いしたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 本県におけます自殺の特徴でございますが、これは県警本部の資料によりますと、平成16年中における自殺の概要でございますけれども、原因、動機別では病苦等、それから経済生活問題が多い。そして年代別では、70歳以上の方、そして50歳代の方が多いといったことが一つの特徴でございます。また、圏域別では、御案内のとおり、久慈、二戸圏域の自殺率が高いといったことが大きな特徴ではないかと考えております。
 県としまして、本格的に自殺予防対策に取り組むということで、18年度当初、いわゆる自殺予防のためのプロジェクトというような形で1、100万円ほどでございますが、事業費を計上させていただいております。
 その主な中身といたしましては、主には四つでございますが、一つは、うつということに対しての正しい理解と自殺予防の啓発に努めてまいりたいと。それが1点目でございます。そして2点目、自殺予防活動のための担い手を地域の中できちんと位置づけてやれるような育成をしてまいりたい、二つ目でございます。そして、先ほど申し上げました久慈、二戸地域ほか4地域におきまして、うつの早期発見等のための地域での自殺予防活動の展開をモデル的に、その実態を踏まえた展開をしてもらいたいということで事業を展開する予定でございます。そして、実はハイリスクと言われる方々も地域でございまして、亡くなられた自死遺族等の方々への相談支援体制、支援していきたいというような、四つの観点で進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 あわせてちょっとお伺いしたいんですけれども、秋田なんかも先日テレビで、自殺予防対策、ちょっと拝見しましたし、恐らく青森でもやっているんだろうと思いますが、秋田とか青森ではどういった取り組みをなさっているのか、ちょっと教えていただければありがたいんですが。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 まず、青森県の取り組みですけれども、自殺予防の研修でありますとか、フォーラムの開催など、心のヘルスアップ事業ということで、独自の事業を展開しているようでございますし、また、秋田県では、実は秋田県が非常に高いということもありまして、相談窓口のネットワークということで、困ったときにアクセスしますと相談相手がわかるような、そういう事業で、ふきのとうホットラインというような事業も県民に周知して展開されているようでございます。モデル市町村での予防活動といった活動も、積極的に展開されていると聞いてございます。
 なお、平成14年度からでございますけれども、北海道、北東北3県におきまして、北のくに健康づくり推進会議・自殺予防対策検討部会というものを設置いたしまして、自殺予防に関します情報交換等も取り組んできているところでございまし、引き続き北東北3県で連携しながら自殺予防に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 例えば本県にもいのちの電話だとか、そういったものがございますから、そういったものとも十分連携していただきながら、何とか予防に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、これ通告していなかったんですけれども、ちょっとお伺いしますけれども、医大への補助なんですけれども、保健福祉部で5億4、000万円計上されていますけれども、ほかに商工労働観光部でも1億8、000万円計上されているんですね。それで、今、県は組織をなるべく簡素化するということで、部局横断的になるべく一本化しながらやっている中にあって、ほとんど同じような目的の医大への補助なのに、なんで分かれてそれぞれで計上されているのか、そのことについてちょっとお伺いしたいと思います。
〇福田保健福祉企画室企画担当課長 補助に当たっての考え方のことだと思いますので、そのことを申し上げたいと思いますが、私ども保健福祉部の補助の考え方としましては、県内唯一の医師、歯科医師あるいは薬剤師の育成機関となる岩手医科大学を医療人材育成支援の観点から、医務費で助成をしようということでございます。それから、商工労働観光部の方は、同時に、県内に医療とかバイオ関連産業を創出して雇用創出とか産業振興を図るため、産学官連携推進の観点から商工業総務費で助成しようと、そういう考え方の違いによるものですけれども、目的の違いに応じて二つの名目に分けて支援をしようとするものでございます。
〇工藤大輔委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休 憩
   午後 1 時 3 分 再 開
〇伊沢昌弘副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 なお、この後、保健福祉部関係の質問を予定している委員が11人おられますので、この際、進行に御協力を願うため、質疑・答弁は簡潔にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇千葉伝委員 ただいまの委員長の意に沿うような格好で頑張ってみたいと思います。
 私は予算の説明書、衛生費のうちの予防費に関連して、今、世界的な大流行が心配されている新型インフルエンザに対する取り組みについてお伺いしたいと思います。
 この新型インフルエンザは、鳥のウイルスが変異したりというようなことで、ヒトからヒトへの感染力を獲得して発生するということ、あるいは新型インフルエンザが流行した場合に、ほとんどの人が免疫を持たないということで大流行が心配される、こういうことだと思っています。
 ちょっと途中を省略いたします。
 鳥インフルエンザウイルスの中で、特に高病原性タイプというもののヒトへの感染というのが確認されて以来、現在、ヨーロッパから中東、アフリカまで、あるいは最近ではフランスでも確認されて、フォアグラを含む鶏が輸入禁止となっていることは、目新しいところであります。
 心配される新型インフルエンザに対し、国の指導等に呼応して、本県でもさまざまな対策に取り組んでいると思うわけでありますが、そこで、県において、国が策定した新型インフルエンザ対策行動計画を踏まえ、本年1月末に岩手県新型インフルエンザ対策対応指針を策定したと聞いておりますが、これに関連して幾つか質問いたします。
 まず、この対応方針はどういうものかということと、鳥インフルエンザと新型インフルエンザというものが何か混同されていると私自身も考えております。そういった意味において、今、これからの対応を考えるということにおいては、県民に正しい知識とか適切な情報を伝える、こういうことから、よく風評被害とかというようなことが心配されるわけでありますので、確認の意味で、この鳥インフルエンザと新型インフルエンザというものの関係をちょっと説明をお願いしたいと思います。
〇柳原保健衛生課総括課長 岩手県の新型インフルエンザ対策対応方針の骨子でございますけれども、新型インフルエンザの流行の規模に応じまして、初発患者が発生した場合でありますとか、大規模な流行が発生した場合などを想定いたしまして、段階的にレベル1からレベル6までの危機管理レベルを設定し、対応するということとしてございます。
 その上で、次の五つの事項につきまして、危機管理レベルの各段階に応じた取り組みを進めることとしてございます。一つ目は、県としての危機管理体制や各段階に応じた対応の策定などを行う計画と連携に関する事項。二つ目といたしまして、新型インフルエンザの発生、流行に速やかに対応するために、情報収集、監視を行うサーベイランスに関する事項。三つ目といたしまして、新型インフルエンザの発生予防、感染拡大防止のための予防と封じ込めに関する事項。四つ目といたしまして、感染拡大防止と健康被害を最小限に抑えるための医療の提供に関する事項。五つ目といたしまして、発生情報や対応状況を適切に県民の方々等に伝える情報提供と共有に関する事項につきまして、基本的な取り組み方針を定めているものでございます。
 次に、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係についてでございます。
 委員御指摘のとおり、新型インフルエンザウイルスは、鳥インフルエンザウイルスが変異して発生するとされているわけでございます。
 これを前提といたしまして、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係を説明いたしますと、世界的に鳥インフルエンザウイルスが水鳥から鶏などへの家禽に、さらには鳥インフルエンザを発症いたしました家禽から、それと濃厚接触をしたヒトに感染する事例が世界的に発生してございます。このような段階にとどまっている場合におきましては、これはいわゆる鳥インフルエンザとされるわけでございます。
 ここに、その次の段階といたしまして、ヒトに感染した鳥インフルエンザが、さらに変異などをし、ヒトからヒトへ容易に感染するウイルスとして出現した場合に、実際にそのウイルスがヒトの間で感染確認された場合、こういった段階になりますと、それはいわゆる新型インフルエンザとされるわけでございます。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。
 国の方での行動計画があって、全国それぞれの都道府県でこの対策対応方針、こういうことで先ほど策定した中身、それぞれのレベルに応じた危機管理対策、こういうことでお伺いしました。
 それと、鳥のインフルエンザ、いわば現在世界で発生しているというものについては、先ほど私、申し上げましたけれども、そういった中で、特にヒトからヒト、こういった部分がまだ発生、一部に感染した人が発症したり、あるいは死亡したり、こういう事例は一部あるわけであります。そういったことで、例えば国内、今、茨城県で実際の鳥インフルエンザが発生しております。これの分が、そこの時点で今しっかりと対策を進めていただいて、封じ込めの対策を何とか進めている、こういうふうに思っています。
 そういった中で、一番私が心配したのは、もう鳥インフルエンザが出たということが、即、新型ウイルスで大流行してしまう、こういうようなことがちょっと誤解――先ほど誤解の話はあったんですけれども、誤解される分があるのかなと。こういうことで改めてお聞きしたところであります。
 そういうことじゃなくて、本当にヒトからヒトへ感染するためには、一たん途中で変異――このウイルスが変異しやすいという部分も、それでタイプがいろいろあるわけですけれども、ヒトからヒトへ感染するというウイルスになった場合に、新型のウイルスとして大流行が起きる可能性が高い、こういうことでいいわけですね。ありがとうございました。
 それでは、こちらの保健福祉部だけでなくて、農林水産部の方の、例えば実際に家禽、鶏を飼っている生産現場、この両部が、保健福祉部はここ、農林水産部はここと、ある程度部局横断でこの対策をしっかりとやっていかなければ、新型が発生する前の段階で今、農林水産部では現場の方の指導あるいは検査等をやっているということであります。
 そこで、新型インフルエンザと鳥インフルエンザとの関係は今お聞きしました。それから、では、それぞれの対策はどのような対策を進めているんでしょうか。
〇柳原保健衛生課総括課長 鳥インフルエンザ対策につきましては、食の安全・安心関係、危機管理対応方針等に基づきまして、鳥インフルエンザの感染拡大の防止やヒトへの感染防止などの取り組みによりまして、鳥インフルエンザウイルスから新型インフルエンザウイルスへの変異につながらないよう、予防対策を含めて対応しているところでございます。
 新型インフルエンザにつきましては、新型インフルエンザ対策対応方針に基づき、新型インフルエンザが発生した場合に、その早期発見、感染拡大の防止及び大規模発生時等における健康被害の最小化を図ることとして、二つの対策を連携して進めるということになっているわけでございます。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。
 それで、その新型ウイルスが発生した場合に備えてということで、一つは、この抗インフルエンザ薬、今言われているのはタミフルなわけですけれども、これは国の方から各都道府県に対して、備蓄で対応をしていただく、こういうようなことで今進められていると承知していますが、実際、本県の対応は現在どうなっているでしょうか。
〇柳原保健衛生課総括課長 国と都道府県で2、100万人分を備蓄するとされているこの抗インフルエンザウイルス薬でございますけれども、本県に対しては11万6、000人分の備蓄要請が国からあったところでございます。本県といたしましては、平成18年度と19年度の2カ年で備蓄することを計画しているところでございます。平成18年度におきましては、国からの要請量のうち5万8、000人分を備蓄することとして、予算計上させていただいているところでございます。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。
 よく新聞等、あるいはテレビ等で、この抗インフルエンザ薬を製造しているところが限定されるということで、世界的にどこでも欲しい、欲しいということで、なかなか備蓄等も進まないのではないかという心配もされている部分があるかと思います。それでは、幾らあれば大丈夫かというような話もこれからいろいろ検討しなければならないと思いますし、実際の発生した場合を想定してシミュレーションをやっていくと、大体どの程度の発症がある、その中で実際にどの程度の薬の使用があるのか、そういうようなことも考えての今の備蓄の数量、こういうことでよろしいのでしょうか。
 あともう一つ、これからの対策ということで、先ほど、危機管理レベルの1から6までお聞きしました。それで、つい最近の新聞をちょっと引用させていただきますけれども、3月9日付の読売新聞に、この新型インフルエンザの世界的な流行の封じ込めということで、WHOの専門家会合が6日から8日までジュネーブで開かれ、現在の状況においては、かなり、いつ、どこで発生してもおかしくないような状況だということであります。特に、この対策の最大のねらいというのは、鳥インフルエンザ、あるいは新型インフルエンザの感染被害を局所的な地域にとどめる、いわゆる封じ込めをしっかりやらなければならないということが書かれております。
 この会合の議長を務めた東北大学大学院の押谷教授という方が、この世界の状況を述べておりますが、いずれ世界の対応策は、鳥インフルエンザを制御してヒトへの感染リスクを下げる第1段階、それから、抗ウイルス薬の備蓄計画など準備を進める第2段階から、いわゆる大流行が発生した場合の緊急対応ということの封じ込めを策定すべき段階ということで、もう既にそういう状況に入っていると述べております。
 そういうことで、流行してほしくないわけですけれども、実際にこの新型インフルエンザの対策を進めるに当たって、県としてのこれからさらに取り組んでいくという部分がいろいろと、他の医療機関とか、あるいは先ほどの部局横断的な部分もあろうかと思いますが、今後の取り組みについて、部長、お願いします。
〇赤羽保健福祉部長 新型インフルエンザの対策を進めるに当たりましては、県民や関係機関の理解、あるいは連携協力が必要だと考えておりまして、県で策定した対応方針の徹底が非常に大事だと考えております。
 こうしたことから、対応方針を策定して以来、県内10カ所で医療機関とか、施設の関係者や市町村職員を対象とした説明会を開催させていただいております。柳原総括課長が直接出向いて説明させていただいております。
 これから、国からより具体的な対応について、ガイドラインも示されるのではないかと考えておりまして、これを受けて、さらに県として必要な事項を整理して、これまでの取り組みを踏まえながら、地域における体制の整備とか、情報の周知の徹底に取り組んでまいりたいと考えております。
〇川村農夫委員 それでは、2点お伺いいたします。
 まず第1点ですが、ご近所安心・楽々ネットモデル事業というのが、今度新規にスタートするわけでありますが、女性が家庭を守りながら――中略いたします。非常に地域の力に基づいた事業になろうかと思いますけれども、安心・楽々ネット、すなわちゆったり感のある新規制度だと思いますが、地域福祉ネットワーク事業とどのように連携した将来像を描いているのかという点をお伺いしますし、また、継続事業として息長くできるものを目指していると思いますけれども、そういった観点からの所見をお伺いしたいと思います。
 公募2団体に60万円ずつの補助があるようですけれども、補助金打ち切りからのひとり歩きというのが各団体、今まで取り組んできた団体が非常に苦労しているのをよく見受けます。補助金に寄りかかった組織にならないように、持続性のある組織に育てていただきたいと思いますが、その辺の御所見をお伺いいたします。
〇菊池地域福祉課総括課長 平成18年度の新規事業でありますご近所安心・楽々ネットモデル事業についてのお尋ねでございます。
 この事業は、日常生活におきまして何らかの手助けを必要としているお年寄りの方、高齢者の方、障害者の方々、そういう方々が住みなれた地域でいつまでも暮らせるように、ちょっとした日常的な家事援助などのサービスを地域住民の支えの中で提供していこうというネットワークをつくりまして、これをできれば全圏域に広げていきたいと考えているものでございます。
 システムといたしましては、実施する団体を公募いたします。そして、その団体にお手伝いをしたい方――協力者――それから支援してもらいたい人――利用者――を登録していただきまして、そして、利用者の方々の希望に合ったサービスをコーディネートいたしまして提供しようとするものでございます。
 それで、お尋ねの地域福祉ネットワーク事業との関連でございます。
 地域福祉ネットワーク事業といいますのは、実は、平成3年度以来、ふれあいのまちづくり事業として続けてきた事業でございますけれども、これまで県内の42市町村におきまして、市町村の社会福祉協議会が実施主体となりまして、例えばボランティアの養成でありますとか、小地域における見守りネットワークでありますとか、あるいは福祉に関する相談、ふれあい事業、いろいろな事業をその地域に合った形で行っております。
 そういうふうなことで、地域地域においてボランティアの意識の高揚を初めとして、地域福祉の意識の高揚が図られてきているわけでございますが、今回のご近所安心・楽々ネットモデル事業は、こうしたものを基盤といたしまして、さらにもう一歩進める形、地域の福祉力を掘り起こしまして、例えば小学校区や町内会などのより身近な小地域におきまして、地域住民に密着した関係の中で共助の仕組みづくりを、できれば岩手ならではの新しい結いづくり、そうしたものを進めていこうとするものでございます。
 そういうことで、地域福祉ネットワーク事業を基盤とし、さらにこれと連携しながら進めていこうと考えているところでございます。
 それから、事業の継続性についてのお尋ねでございましたけれども、女性のお話がちょっとございましたが、地域において女性の方々は非常に大きな役割を果たしております。この方々が、社会進出、職場進出していくわけでございますけれども、そういう社会状況の中で、やはり今までの近隣関係とは異なった形での新しい共助のシステムというものが必要ではないかという観点から、この事業を考えております。このため、事業の実施に当たりましては、従来の近隣関係にとどまらず、ボランティアやNPO団体はもとよりといたしまして、町内会組織、それから、これから一斉に地域に戻ってまいります団塊の世代の方々、そういう方々の多様な主体の参画を期待いたしまして実施してまいりたい。そういうことによりまして地域に根づいていくことを期待しているものでございます。
 それから、補助金が打ち切りになった場合に、この事業も終わってしまうのではないかというお尋ねでございましたけれども、このモデル事業は、今後、県内各地にさまざまな形でこうしたネットを自主的につくっていただきたい、いわばその呼び水として考えているものでございます。したがいまして、このモデル事業を通じまして、ネットワークづくりのノウハウ、あるいはサービス支援の参加者がいれば事業を開始できるような、そういうシステムを考えておりまして、このような観点から、補助対象経費につきましては多額のものは想定しておりません。先ほどお話ございましたが、1団体当たり60万円ということで、事業の立ち上げに要する最小限の経費としております。
 補助事業終了後におきましても、少額の事業で自立的に運営していけるような、そういうレベルの補助にとどめておりまして、基本的に、そういうネットをやっていきたいという方々の、そういう強い意識というものに期待しているものでございます。
〇川村農夫委員 ありがとうございます。
 立ち上げたリーダーにのみ負担がかかって挫折しないように、いろいろ側面的に支援・指導をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、2点目でございますが、公衆衛生の分野でございますけれども、実は、県立病院の集団健診の受診者数の推移でございますが、平成14年には11万6、000人余あったわけでありますけれども、平成16年、この3年で7万5、000人まで減っているという状態があります。3年間で65%に減っている、集団健診の受診者が4万人以上減っているという状況であります。平成17年度もさらに減っているような状況のようであります。
 何で集団健診受診者が減っているのかと尋ねてみましたところ、地元企業経営者が、もう負担できない、経営上、負担するのが苦しくなっている、そういった経済的余裕がないというところに原因があって、受診者、職場の集団健診を受けていないという状況が今進んでおります。
 これで、やっぱり集団健診、基本的な健診も受けないで働く一方というような状況がこれ以上進まないように、保健福祉部として、また予防医療の観点からも、この流れをとめて受診を回復させるような行動というか、そういった施策が必要だと考えますが、部長の御所見、取り組み姿勢についてお伺いいたします。
〇赤羽保健福祉部長 実は、老人保健事業の健診を見てみますと、40歳以上の方が対象になるんですけれども、基本健診なんかを見ましても、決して下がってはいないわけです。40%台から、最近は40%後半になっておりまして、全国よりも若干高いという状況になっております。
 ただ、委員御指摘のとおり、私ども各企業の健診の状況については所管していないものですから、数値的に把握しておりませんでした。今御指摘がありましたので、それも含めていろいろと検討してまいりたいと思っております。
 と申しますのも、今回の医療制度改革の一環で、生活習慣病予防対策の推進ということがございます。その中で、これまでは県あるいは保険者、市町村がばらばらで取り組んできたわけですけれども、健康保険の保険者と、それは健保とか、国保とか、いろいろあるわけですが、企業が入っている健保組合なんかもあると思いますが、そういったところと県、市町村がきちんと連携して取り組んでいくということ、それから、保険者が健診については責任を持ってやっていくという仕組みが導入されるような運びになっていくようでございます。
 そうしたことも踏まえながら、県内で保険者による協議会づくりなどを進めて、各職場の中でも基本的な健康診断がきちんとなされる、そして、何よりも、最近のいろいろな仕組みが予防重視という形に動いてきていますので、そういったことがきちんと実現できるように努力してまいりたいと考えております。
〇川村農夫委員 確かに、分野がちょっと違ったところに質問したわけでありますけれども、県立病院だけでも4万人減っているということは、ほかの医療機関にかかっていた方々の減っている数も潜在的に大きくあると思うんです。ですから、そういった数値を見ながら、ぜひ予防の観点で推進をお願いしたいと思います。
〇工藤勝子委員 吉田委員からも御質問がありましたけれども、医師確保対策推進事業についてお尋ねいたします。
 今、岩手県の県立病院のお医者さんの数というのは524人、これは正職員、臨時を含めてと聞いております。その中でも、昨年度同期と比べますと、正職員で12名も増しているということでございます。どこにどう配置になっているかといいますと、やはり中央病院とか、釜石とか磐井病院、こういう大きな病院の方に集中している。その間、例えば地域病院とか、診療所化になる病院は、逆に減になっている形であります。年々この地域的な偏在が広まっていると思いますけれども、この点について部長からの御所見をお伺いしたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 県立病院の医師の配置については、医療局の方で一定の考え方を持って進めているのではないかと考えておりますが、一つには、医療の集中・高度化といったこともあると思います。高度化に対応するために、地域病院と基幹病院の間で役割を整理しながら連携をつくって対応していくということにもなっているのではないかと思っております。
 私どもとしましては、そうした病院間の連携の仕組みなんかをバックアップする意味で、県の情報ネットワークを活用して、テレビ画像を活用した診療支援の仕組みなんかもつくっているところでございます。
 やはりある程度、これからも地域としてどういう医療を提供する仕組みがいいのかといったことを十分考えながら、機能の連携とか、あるいは高度化のための取り組みといったことを進めていかなければならないのではないかと考えております。
〇工藤勝子委員 そういうことがありまして、今度の女性医師によるドクターバンクの設置とか、休んでいる女性の医師の現場復帰等のいろいろな取り組みがあるようですけれども、例えばその辺のところで、やはりドクターバンクが設置されても、地域の病院にはなかなかお医者さんが回らないのではないかと危惧している部分もあるわけです。例えば今、現状として、医療局の方かもしれませんが、休んでいる女性のお医者さんの人数なんかは把握していらっしゃいますでしょうか。
〇福島医療国保課総括課長 女性医師の働きやすい環境整備ということで、昨年来、県医師会等と検討してまいりました。その中で、例えば子育て支援をしていただければ職場にこのまま残りたい、それから職場復帰研修のプログラムを用意してもらえば、今は職場を離れているけれども、再び職場に戻りたい、こういうことで、そういう方が何人おられるのかということで、県医師会の女性医部会の御協力もいただいて調査したことがございます。
 それで見ますと、すべてが県立病院の関係の方々だけではないと思います。全体の数字でございますが、育児支援をしてほしいという女性医師が31名ございました。これは昨年末の段階でございます。それから、職場復帰支援をしてもらえば、もう一回職場に戻りたいという方が4名、その時点でおられました。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。
 ではこの31名の人たちに、育児支援をどういうふうな計画で考えているかということまでありますでしょうか。
〇福島医療国保課総括課長 今般、議会に予算を計上して御審議お願いしております女性医師対策、この中身が、まさに今の御質問の育児支援部分と、それから職場復帰支援部分の二つの柱でございます。
 この子育て支援の方については、支援してほしいという女性医師の勤務しておられる、あるいは勤務を希望する病院の所在で、例えばベビーシッターなどの応援を得て、医師は夜間、早朝、緊急呼び出しなどがありますので、そういった場合でも困らないように、できるだけまた顔合わせをしてなじんだ関係の中で応援していただけるような仕組みを、現在、予算化されない段階ではございますが、内々の準備を進めているところでございます。
 それから、職場復帰支援については、職場を離れてもう何年もたっているということで、いわば臨床場面から遠ざかって、簡単に申せば、少し勘を取り戻すためのプログラムが欲しいという方が、先ほど申しましたように4名ございましたので、これは、特に岩手医科大学の方に教育プログラムの作成をお願いしたいと考えているものでございます。
〇工藤勝子委員 しっかりとこの31名なり、この4名の方々を県としても支えていただいて、その部分で余った――と言えばおかしいんですけれども、できるだけ地方の方にもお医者さんが回れるような対策をお願い申し上げたいと思っております。
 次に、少子化対策についてお尋ねしたいと思います。
 少子化対策として、子育て応援作戦推進事業など、新しく3件の事業が予算化されたことは、評価したいと思っております。女性の就業人口がふえていく中で、今のお医者さんでもないんですけれども、やはり子供を産んで育てやすい環境を整えていくということが、この少子化に対して非常に大事だと思っております。
 特にも中小企業の経営者の人たちの子育てに対する理解が広まらなければ、遠野市においても、いろいろな育児で休む方、お産で休む方は、もうやめてもらうというような状況なわけですね。働きたい人たちが、今、就職難でいっぱい控えておりますので。そういうこともあってなかなか理解できない部分がありますので、ぜひこの応援作戦事業の取り組みについて、私、400万円で何ができるのかと思って、いい事業なわけですけれども、事務的なもので終わってしまうのではないかと思ったんですが、この点についてお伺いいたします。
〇古内児童家庭課総括課長 お尋ねの子育て応援作戦事業でございますけれども、これは、大きく分けて三つの事業から構成されております。一つ目といたしましては、今、お話にもございましたけれども、中小企業団体と連携いたしまして、民間企業個々への事業主行動計画策定の働きかけを行うというものでございます。また、企業トップとのトークセッションの開催、こういったものを通じて、企業の理解と取り組みの促進を図ってまいりたいというものでございます。
 二つ目といたしましては、父親に子育ての基礎的知識あるいは家事、育児の実践方法などを記載いたしました、これは仮称でございますけれども、パパ子育て支援手帳というものをつくりまして、それを、例えば母子健康手帳を交付するときに一緒に配付するなど工夫いたしまして、男性の育児参加を促進していこうというものでございます。
 三つ目といたしましては、子育て支援に関するフォーラムというものを開催いたしまして、市町村の次世代育成支援に対する取り組みを促進していこうと。
 こうした取り組みを通じまして、子育て家庭を社会全体で支え、そして応援する機運の醸成を図りつつ、男女がともに家事や育児に参加できる雇用環境の整備ですとか、子育てに優しい環境の整備を進めていくというものでございます。額はそのとおりでございますけれども、この事業をきっかけとして、さらにまた必要な施策を推進していきたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。大変ありがとうございました。
 企業とかいろいろ、男性育児の部分というようなことがございました。例えば、岩手県で結婚した人たちに、立派なエンゼルプランという冊子をいただいたような気がするんですけれども、ああいう立派なものでなくて、例えば、結婚した人たちにお祝いのメッセージと子育てをする楽しさみたいなもののメッセージを、県として市町村に委託して贈ったらどうなのかというような、エンゼルプランとして、開いてすぐわかるような、男性への育児の話もございましたけれども、そういう計画もしてみたらという考えを持ちましたが、ちょっとだけ、その所感だけ聞きます。
〇赤羽保健福祉部長 子育てに男女ともかかわっていくということが非常に大事でございまして、先ほど申し上げました、仮称でございますのであれなんですが、パパ子育て支援手帳といったものの配付の中で、今、委員から御指摘いただきましたようなことについてもうまく表現して、作成できればと思っております。
 なお、先ほどの答弁の関係で、医師の配置の関係でございますが、医療局、県立病院の中核的な病院では、地域の病院に対する支援の取り組みもやっているわけでございます。例えば、中央病院なんかを中心とした支援の取り組みをやっているわけでございますので、そういう地域支援の取り組みをやっていることに、私どもの女性医師の復帰とか何かが、女性医師の就労支援の取り組みなんかがうまい効果を発揮できればと、そういった連携も考えて組み立てをしてまいりたいと考えております。
 先ほど漏れて、大変申しわけございませんでした。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。
 もう1点お尋ねいたします。生活保護扶助費についてお尋ねいたします。
 人口に占める生活保護を受ける割合を保護率と言うそうでございますけれども、この保護率についてお尋ねしたいと思います。この保護率は全国、非常に地域差が大きいと新聞に報道されておりました。最大は大阪府の2.32%というようなこと、最低は富山県の0.22%というようなことです。岩手県は何%になっていらっしゃるのかというようなことと、この基準に合うかを調査したり、自立支援を促すケースワーカーの人たちというのは、多分、各市町村の福祉事務所等で配置されていると思っているわけですが、県としてこのケースワーカーの基準を決めていらっしゃるのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
 それから、ケースワーカーの人数も、県として把握しているのかをまずお尋ねしたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 生活保護率の地域格差についてでございますけれども、平成17年12月末現在における本県の保護率は7.8パーミルとなっております。
 先ほど全国のお話がございましたが、県内の方はどうなっているかということを参考までに御説明したいと思います。市部では、最高が宮古市の14.9パーミル、最低が北上市の4.5パーミルと約3倍の格差となっております。それから、町村部では、最高が岩泉町の27.7パーミル、最低が胆沢町の1.8パーミルと約15倍の格差となっているところでございます。
 それから、ケースワーカーの基準でございますけれども、これは、実施機関というものは、町村部につきましては県地方振興局が担当しております。これにつきましては、65ケースについて1人となってございます。それから、市部につきましては市の福祉事務所が担当しておりまして、こちらについては80ケースについて1人ということになっております。このようなケースワーカーの配置が適正になされているかどうかということにつきまして、私たち県の方におきまして、毎年度、生活保護法施行事務監査というのを実施しておりまして、その中でその基準が守られるよう指導しているところでございます。
 それから、全体の人数につきましては、実は市町村合併等で変動がございまして、ちょっと今即答できませんが、施行事務監査の結果、特に市町村合併もございまして、その基準数につきましては大体満たしているというところでございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。
 資料の中で生活保護扶助費というのは、昨年度55億2、000万円余というような金額がございました。今年度16億600万円余も減となっているわけですね。それで、ことしは39億1、500万円余という減額、この減額について、受ける人が減ったわけではないでしょうけれども、国の三位一体改革の中で国庫負担金の議論がなされたわけですが、現状のままという形になった中で、多分、市町村に一部負担が動いたのかなという気もするんですが、その件についてお尋ねいたします。
〇菊池地域福祉課総括課長 確かに平成18年度予算では39億1、500万円余と平成17年度の55億2、100万円余に対しまして16億500万円余の大幅な減となっております。これは、実は市町村合併に伴いまして、従来、県で所管しておりました町村の被保護者が市の方に移管されたということに伴いまして、県が支出する扶助費が大幅に減少したものでございます。この結果、当然のことではございますが、各市の方におきましてはふえております。増加しておりまして、県と市を合わせました岩手県全体の扶助費の合計では、生活保護世帯の増加もございまして、平成18年度におきましては前年度を3%程度上回る166億円余となる見込みでございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。
 いろいろ大変な部分もあると思いますけれども、今後とも、ぜひこういう生活に、大変高齢化とか、失業者とか、年々こういう生活保護を受けたい家庭というのは、減少傾向ではなくて、逆にふえていく傾向になっていくのではないかと思いますので、県としてのしっかりとした対策をお願い申し上げたいと思いまして、質問を終わります。
〇野田武則委員 それでは、私の方も少子化対策につきましてお伺いしたいと思います。
 まず、県の方としましては、新たな子育てプランが作成されまして、その施策に基づいて実施されているところでございますが、現時点で、本県の出生率、あるいは未婚率、晩婚化の進展、こういった現状が、その子育てプランに盛られている数値に大きな変動があるのかどうか、その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。
 それと、先ほどもお話がありましたけれども、過去の子育てプランの成果といいますか、そういったものの検証をなされて平成18年度の事業計画が計画されたと思いますが、先ほどの子育て応援作戦推進事業費ですか、400万円の計上がされているわけですが、こうした事業の実効性というものを改めてお伺いしたいと思います。
 まず、この2点につきまして。
〇赤羽保健福祉部長 出生率や、あるいは人口減少につきましては、子育てプランに考えているのと同じようなフレームで考えております。ちなみに、本県の出生率は、昭和55年に2.08であります人口の置きかえ水準を下回っておりまして、その後、ほぼ一貫して減少しております。平成16年は1.43ということで、全国よりは若干高いわけですけれども、いわゆる人口の置きかえ水準を下回っているという状況でございます。
 それから、総人口も、御承知のとおり、昭和60年の143万人をピークに減少して、平成16年は140万人を切っている、明らかに減少している状況にございます。
 これまでの子育てプランの中で、どちらかといえば保育対策を中心とした形で取り組みをしてきたのではないかと考えております。いわば働きながら子育てをすることを支援するためには、預ける場所が必要なんだという考え方で、これは国もそうでございましたが、県としてもそうした考え方でやってきたのではないか。
 保育サービスについても、まだまだ充実しなければならないところは当然あるわけでございますけれども、そうした取り組みだけではやはり不十分ではないかといったような認識なり総括をしているところでございます。保育サービスについては、相当な充実が図られたと思っておりますが、それに加えて、先ほど御指摘がありましたような、働き方の見直しも含めた取り組みといったことをしていかなければならないと思っております。
 この事業についての実効性ということでございますが、実際にやはり動いてみて、そして地域の人たち、あるいは企業の方々に共感をしていただいて、一緒に行動していただけるかどうかということが非常に大きなポイントになるのではないかと思っております。そうした部分に特に力を入れて、私どもは、これまで少子化対策については福祉関係者なりとのつながりが多かったわけですけれども、これからは、そうした従来型のつながりの中だけではなくて、民間企業の方でありますとか、それから企業団体、経済界とも連携しながら、社会全体で取り組むといったような視点を持ちながらやっていかなければならないと思っております。そうした中で、このこうした事業の実効性といったものを確実なものにしてまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 ただいま部長の方からお話ありましたとおり、こうした課題につきましては社会全体で取り組んでいかなければならないと、まことにそのとおりだと思います。
 そこでお尋ねいたしますが、この少子化対策につきましては、知事も長期的な視点に立って取り組まなければいけない、このようなお話をしているところでございますけれども、この長期的という視点が、どうもこの施策に対してあいまいなところがあるのではないか、こういう思いがしているわけでございます。
 そこでお尋ねしたいわけですが、県としては、少子化対策プラン、子育てプラン、いろいろと計画が盛られているわけですけれども、この少子化対策ということに関して、いわゆる本気になって人口減に歯どめをかけようとしているのか、あるいは人口減はやむを得ない、そのやむを得ない中で必要な支援をしていくんだ、こういう考えなのか、あるいはもっと別な考えがあるのか、どうもその辺がはっきりしないところがあるものですから、改めて県の姿勢といいますか、お伺いしたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 県の人口がどうあればいいかというのは、私どもの部だけではなくて、幅広く議論しなければならないことだと思いますが、少なくとも、将来に向かって減少していく可能性は高いのではないか、事実認識として、減少していく可能性は高いのではないか。ただ、そうしていく中で、やはり地域の活力でありますとか、世代間のつながりのもとに、子供がしっかり育っていくための地域力でありますとか、それからお互いに支え合って生きていくための人と人とのつながりといったことを考えると、人口が急速に減っていくのは、やはり好ましくはないのではないかと思っております。
 そうした中で、これは商工労働観光部なり、総合政策室なりの担当になると思いますけれども、産業振興といった視点で、岩手の中で働き、岩手の中で暮らしていけるような取り組みというのも、この少子化対策の中ではやはり非常に重要な視点ではないかと思っております。そうすることによって、岩手の中で定住していける、岩手に生まれてよかったという、そのことが実現できればいいのではないかと思っております。
 識者によると、日本全体とすると、今の少子化の流れというのを現時点で出生率の回復だけでとめようとしても、高齢者の人口が多くて、これから人生に終わりを告げる人が多くなるわけですので、今の段階で出生率が回復したにしても、なかなか人口が増加するといったことにはならないのではいかといったことが、識者の見解のように認識しております。
 そうした中で、岩手としては、地域のいろいろな力が落ちないような人口規模というのをやはり持続しなければならないと思いますし、人口減少というのを放置することはできないのではないかと私どもは考えております。
〇野田武則委員 そういう観点で、またお尋ねしたいと思いますけれども、御承知のとおり、ことし30代前半となります団塊ジュニア世代の出産年齢期が、これからの5年間がチャンスだというお話があるわけでございます。このことは昨年12月定例会におきましても部長にお尋ねしたのですが、答弁がなかったものですから、改めてお尋ねしたいと思います。
 まさに、今部長がおっしゃったとおり、このままではいけないと思うわけでございまして、今、目の前にチャンスがあるということでございますので、このチャンスにどう取り組むのかということが、まさに喫緊の課題ではないかと思うわけでございまして、改めて団塊ジュニア世代に対する取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 団塊ジュニア世代が出産年齢にあるということでございますが、先般の報道によりますと、団塊ジュニア世代の女性で、30代までに子供を産んでいる人は半分以下だという報道もあったところでございます。そうした中で、この人たちにどうやって安心して子供を産んでいただくかということが、非常に大きな課題だと思っております。
 昨年3月に策定したいわて子どもプランには、まさにそうしたことも意識してつくっているものでございまして、今年度から新たに取り組む事業も含めまして、こうした団塊ジュニア世代が子供を持ち、子供を育てやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 ぜひお願いしたいと思います。
 今、お話がありましたとおり、大分前の新聞でしたけれども、今おっしゃったとおり、団塊ジュニア世代の半数以上が、30歳までにまだ赤ちゃんを産んでいない、こういうことで、一層人口減少に拍車がかかるのではないか、こういう分析をしている方もおられます。
 そこで、またお尋ねしたいと思います。
 子育てプラン、先ほど来お話ししていますが、以前にも申し上げましたとおり、この少子化というのは、やはり結婚がまずあるんだろうと思うんですね。一般的ですけれども、結婚があって、出産があって、子育てがあってと。場合によっては離婚ということもあるわけで、その一連の流れの中で、離婚のことについては、再三申し上げまして子育てプランの方に入れていただいたわけでございますが、そのスタートの時点で結婚に対する施策が欠けているのではないかと思いまして、これもまた昨年、御質問したところでございます。部長の答弁によりますと、それも含めて子育てプランに入れているんだ、こういう話だったと思うんです。ただ、結婚しやすい環境づくり、これは当然、所得の向上とか、さまざまな課題があろうかと思います。
 これもきのうの新聞でしたか、いわゆる正社員の男性の結婚率が、アルバイトなどの方よりも30%ぐらい高い、こういう数字も出ているようでございまして、当然のことだと思いますが、いずれ結婚できる所得、あるい環境というものが必要になるわけで、先ほど部長も答弁なされておりましたが、産業振興も含めて、やっぱり社会全体で考えていかなければならない。そうしますと、子育てプランだけで少子化対策に果たして取り組むことができるのかどうか。これは前の質問と全く同じになりますが、改めてその御所見をお伺いしたいと思います。
 それと重ねてですが、やっぱりいろいろな部署と連携をとりながら取り組んでいかなければ、本当の意味での実効性ははかれないのではないかと思いまして、やはり保健福祉部の所管ではありますが、少子化対策室のようなものを別途設けて、そこで長期的な視野に立ってじっくりと取り組むという姿勢が必要ではないかと思いますので、その点もお願いしたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 いわて子育てプランは、いわゆる次世代育成支援対策推進法を受けて、国の法律を受けてつくったものでございまして、当面は、そのいわて子どもプランに基づいた施策を推進してまいりたいと考えております。当然、一定の期間、経過を見ながら、見直し等もしていかなければならないと考えております。
 次に、少子化対策を進める上での体制でございますけれども、これまで保健福祉企画室で少子化対策も担当してきたわけでございますが、今後、少子化に一元的に取り組むということもありまして、児童家庭課の中に保健福祉部でやってきた少子化対策の業務を移管すると同時に、児童家庭課内に少子化担当課長を設置することとしております。そうした中で、これまでいなかったわけでありますけれども、いわゆる担当課長を置きまして、全庁的な連携も視野に入れながら少子化対策を進めてまいりたいと考えております。
〇伊沢昌弘副委員長 質疑・答弁、重ねて簡潔にお願い申し上げたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 今の野田委員の質問にも関連するのか、少子化対策になるのかちょっとあれですけれども、母子福祉費というのがございますが、これで言っている母子、あと説明を見ますと母子家庭等とかとございますが、そういったこの定義というか意味づけをお聞かせ願えれば。そして、母子寡婦福祉資金の中での寡婦も含めて説明してもらえればと思います。
〇古内児童家庭課総括課長 お尋ねの趣旨は、いわゆる母子あるいは母子家庭とはどういうものか、あとは寡婦の考え方なのかと思います。
 母子または母子家庭につきましては、簡単に申し上げますと、配偶者のいない女子と、その方に現に扶養を受けている子供で構成される家庭を母子家庭というふうに呼んでおります。寡婦につきましては、配偶者のない女子であって、かつて配偶者のいない女子として児童を扶養していたことがある方ということでございます。それが定義になります。
〇嵯峨壱朗委員 これは何で聞いているかというと、さっきの少子化の流れですけれども、結婚する人が減っている反面、結婚しても、安心して子供を産んで、万が一のことがあっても安心して育てられるという環境が整っていれば、勧めるわけではないですが、そういうこともあるかなということで聞いているんですが……(「はっきり質問しろ」と呼ぶ者あり)はい。
 それで、この母子及び寡婦福祉法というのがありますが、その中で定義されている内容だと思うんですが、先ほど……(「ゆっくり」と呼ぶ者あり)いや、時間がないというから、今一生懸命……。
 特別会計の実際の対象者の数とか利用状況、また運用しての課題等がわかればお教えいただきたいと思います。
 それと、この母子福祉費の中の母子家庭等の等というのがありますけれども、これは恐らく父子家庭とかも入っているかと思うんですが、そういったものは対象になっているのかどうかも含めて。
〇古内児童家庭課総括課長 まず最初に、母子家庭等の等の意味でございますけれども、これは、母子家庭と父子家庭と寡婦の家庭を含んで、等というふうに呼んでおります。
 あと、特別会計の関係ですね。どういう使われ方をしているかという実態ですか。(嵯峨壱朗委員「実態はどうか」と呼ぶ)母子寡婦福祉資金につきましては、まず、母子福祉資金の関係で申し上げますと、平成16年度の実績でございますけれども、全体で3億3、200万円ほどの貸し付けを行っております。全体で何人という数字は持ち合わせてございませんけれども、特に子供さんの修学に関する貸し付けが最も多くて、全体で795人が貸し付けを受けておりますが、修学資金がその中で593人ということで、たくさんの方が貸し付けを受けております。
 寡婦福祉資金の関係につきましては、全体で26人の方が利用されておりまして、金額で申し上げますと、総額1、600万円ほどの貸し付けとなっております。
〇嵯峨壱朗委員 この法律で見ると、配偶者がかつてあってそして今はないと、そういった人が母子なり寡婦なりということ。それで、かつて配偶者がない場合はどう……、ちょっと変な、シングルマザーというんですかね、いわゆる結婚はしたことがないけれども、未婚の母、何ていうか、そうですね、そういう場合もあるかと思うんですけれども、そういった子供たちとかは対象になるのかどうか。
〇古内児童家庭課総括課長 当然、いわゆるシングルマザー、未婚の母となって、母と子供で構成されている家庭も母子家庭と言いますので、当然こうした福祉資金の活用も可能でございます。
〇関根敏伸委員 私からも少子化につきまして、ダブる点は割愛してお聞きをさせていただきたいと思っております。
 先ほど野田委員の質疑の中で、新しい担当課を設けられてこの少子化対策を進められるというお話がございましたが、ある意味、手探りで少子化対策を講じているというのが正直なところだと思っておりますが、ホームページでちょっと拝見いたしましたが、いわゆる少子化対策に関しては、仮説を立てて検証を不断に重ねながら実行していくと。基本はこの子育てプランの推進なんでしょうが、その中に人口減少、少子・高齢化時代における地域社会のあり方検討会というのが設置されておったようですが、これが先ほど申し上げた少子化対策のための担当部になるのかどうか、それをまずお聞かせをいただきたいと思いますし、あと、全国の出生率の状況はよく報道等されて承知はしているんですが、県内の各市町村ごとの出生率なんかの状況におきまして、いわゆる少子化対策の仮説を立てる上で何か目立った特徴的なもの、あるいはそれから導き出される施策への可能性等々がもしありましたら、ちょっとお聞かせをいただきたいと思っております。
〇赤羽保健福祉部長 今、お尋ねありましたワーキンググループは平成16年度に立ち上げたものでございまして、平成17年度は、8部局の職員で構成する少子化対策部会というのをつくって、いろいろとこれまで県民のニーズ調査とか、中小企業に対する子育て支援の実態とか、子育てサークルへのヒヤリングといったことをやってきております。そうした中で、短期的あるいは中長期的な施策のあり方等について検討してきているところでございます。
 委員から御指摘ありましたように、全国的にも少子化が進行している、あるいは東アジア全体で少子化が進行している、あるいはOECD諸国でもそういった状況にあるという中で、かなり有効な施策をすぐつかみ出せるというのはなかなか困難ではないかと思っています。いろんなことを場合によっては試行錯誤しながらやっていく。試行錯誤する場合には、当然仮説も必要になってくると思いますが、そうした中で、そうした部会の取り組みというのも生かしていければと思っております。
 それから、市町村ごとの違いでございますけれども、出生率が高いのは、川井村でありますとか旧山形村といった地域が出生率が高くなっておりますが、ただ、こうした市町村では出生数自体も少のうございまして、1人生まれてもぼんと合計特殊出生率が高くなるという状況にございます。ですから、そのことを全体としてほかの地域にも当てはめて言えるかどうかということは、なかなか慎重さを要すると思います。ただ、岩手よりも東京の方が低い、それから盛岡よりも中山間地とか農村部の方が高いといったような状況はあると思っております。そうしたところで考えると、やはり地域のつながりとかあるいはさまざまな親族による子育て支援とか、そういったものがあることが出生率の高さにもあるいは影響しているのかなと考えたりもしております。そうした点も全くヒントにならないということではなくて、先ほど来いろいろ申し上げております取り組みにも、一部生かしていけたらということで考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 これも先ほど出た質問ですが、若干角度を変えて1点だけ質問させてください。
 働き方の見直しに重点を置いた少子化対策、いよいよ取り組まれるということで、子育て応援作戦につきまして先ほど何人かの委員から御質問がございました。内容と実効性につきましてそれぞれの所感をいただいたわけでございますが、部長、たしかこれ一般質問の中で、全国トップレベルを目指すという高い意識のもとでの答弁があったように承知をしておりますが、ぜひそういう働きやすさ全国一という仕組みをつくっていただきたいと思っております。
 それで、恐らくこの内容は中小企業、たしか50人以上の企業を対象にいろんな仕組みを1年かけて、まず検討してみるというふうなことだったと思うんですが、やはり最終的には、岩手県の場合は300人以上の大企業に勤められる方というのは、そうそう多くはないと思いますし、また、公務員として恵まれた労働環境の中で子育てができる方も、そう多くはないと思うものですから、最終的には50人以下の企業であるとか、本当に小規模零細企業にこういった仕組みが果たしてつくられていくことができるのか、こういったことにかかってくると思うんですが、それで、今、岩手県はいわゆる事業主の立場として人材育成支援ということで、具体的な行動計画のもとで取り組みをされていらっしゃると思います。また、300人以上の企業もそういった形で取り組みをされておると思いますが、それらからいろいろな問題点とか、恐らく浮き彫りになっていると思うんですが、そういったことを踏まえて、この事業をより中小零細企業にまで行き渡らせるためのいろんな取り組みの推進の方向性についてちょっとお聞かせをください。
〇赤羽保健福祉部長 非常に難しい御質問をいただいたと思っておりますが、計画をつくることは300人以上の企業では義務づけられてつくられているわけです。そこはクリアしたということなんですが、じゃ、それが働いている人たちに実感のあるものになっていくかどうかということが非常に大事だと思っております。計画をつくるだけではなくて、働いている人たちに実感を持っていただかないと、仏をつくって魂入れずという表現がいいのかどうかあれですけれども、そういう形になってしまうということではないかと思っておりまして、ただ単なる事業主とのコミュニケーションだけではなくて、働いている人たちとのコミュニケーションというのも必要になってくるのではないかなと思います。まだ、きちんと検証はしておりませんけれども、事業主行動計画をつくった企業でどんなことが起こっているかといったことなども検証しながら、そうした取り組みをしていかなければならないと思います。そこで起こってきたことを踏まえながら、零細企業の中でどんなことをやっていけるのかといったことも考えてみたいと思っております。
 いずれにしても、企業の方でもやはり企業として営利を追求しなきゃならないという中で、子育ても重視していく社会をつくろうということに御賛同をいただかなければならないわけです。企業は企業の論理というのもあると思いますし、それも大事だと思っておりますが、そうしたことに御了解をいただきながら、岩手が日本の中でも男も女も働きやすい、子育てをしながら働きやすい社会になるよう努力してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 今、県でもいわゆるIMSとかカイゼンでありますとか、また、職員の削減もかなり明確に打ち出されてきておりまして、ある意味では、こういったものを推進していく上では、窮屈な体制になってきつつあるのかと思っております。
 新聞で拝見しましたら、福島はかなり先導的に取り組んで、こういった子育てを応援する企業には金利優遇であるとか入札の優遇制度を取り入れたものを始められたようですが、目標の半分以下という状況の中で、かなり苦戦をされているということが報道としてなされておりました。こういったことを踏まえて、簡単ではないと思いますが、今言った方向性を何とかつくり上げていっていただきたい。また、地域全体としての意識醸成を図っていただきたいと、このように考えておるわけでございますが、今言った、こういった状況等を踏まえまして、もう一度長期的な形での展望に立った答弁をお願いしたいと思います。
〇赤羽保健福祉部長 他県ではそうした優遇をやっているとか、あるいは町内会がそのポイント制の中で子育て中の家庭を支援するといったような取り組みもあると伺っております。たしか、石川県でそういう取り組みをやっている商店街があるということも伺っております。やはり、社会全体に参画していただくということがすごく大事ではないかと思っております。その中で、県としてやれることも十分に考えて工夫していかなければならないと思っております。
 今、お話がありました子育てに優しい企業に対する県としての優遇措置が何かできないかということもあるいは考えていかなければならないのかなとも思っております。現実に、障害者の雇用率については、入札の方にいろいろと反映するような取り組みをやったりしておりまして、そんなことも一つの課題としては認識しております。県としてやれることは、できるだけいろいろ取り組みながら、商店街の方とか中小企業の方にも御協力をいただいて、中長期的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇ザ・グレート・サスケ委員 私からは、感染症と危機管理体制強化事業についてお尋ねしたいと思います。
 先ほど千葉伝委員からも口火を切っていただいたんですが、平成18年度からの新規事業ということで、そもそもこれWHOが平成16年の12月に鳥インフルエンザ、変異型インフルエンザの流行を警告したにもかかわらず、日本では、国もマスコミも、世間も全く本気にしていなかったといういきさつがありました。ところが、昨年の11月1日に、アメリカ・ブッシュ大統領が、新型インフルエンザ対策に71億ドルを投入すると発表した途端に、日本政府も慌てて本腰を入れたと。で、現在に至ったということであります。
 保健福祉部では、アトランタ疾病管理センター──CDCのモデル推計を本県に適用し、危機管理レベルを設定して、最大で外来患者数を27万2、000人、入院患者数を6、000人、死亡者数を1、900人と想定していることに、まさに県民本位と、県民の生命を本気になって守ろうとしていると、私は最大限これは敬意を表する次第であります。
 そこでお尋ねしますけれども、まず、タミフルの備蓄量、これ先ほどお答えがあったのでこれは結構でございます。
 それから、欧米諸外国ではタミフル、正式にはリン酸オセルタミビルということなんですけれども、商品名がタミフルということでタミフルですが、欧米諸外国ではタミフルに頼らずに治そうとするのが一般的であります。県では、タミフルに頼ってしまうような方針ですが、これはなぜでしょうか。
 そして、タミフルは、スイスの製薬会社、ホフマン・ラ・ロシュ製でしょうか。そうだとしたら、これ副作用の危険は感じませんでしょうか。
 また、おととしの2月、岐阜県の男子高校生、それから去年の2月、愛知県の男子中・高生が、このタミフルの副作用と見られる症状で自殺した事件がありました。こういったことを見ますと、自殺予防対策事業と相反するのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
 それから、いわゆるH5N1型のインフルエンザですが、これは人へは感染しにくい、ほとんどしないという遺伝子構造だったはずなんですね。これは動物から人への感染──これ障害があるんですね、遺伝子構造として。これ遺伝子的要素が一つ欠けて、これは動物から人への感染はあり得ないということだったんですが、これが実際、人へと今感染しつつある状況でございます。この辺どのように分析していますでしょうか。
 それから、H5N2型に関してちょっと質問しようとして通告してあったんですが、きのう全議員に配付された、JAから来たファクトブック2006に、これ詳細載っていましたので、これに関してはお答えいただかなくて結構でございます。
 まず、以上の点をお尋ねいたします。
〇柳原保健衛生課総括課長 タミフルの備蓄の関係でございますけれども、今回の備蓄につきましてはパンデミック時、すなわち、新型インフルエンザに感染した患者が世界的にも国内的にも、大規模に発生した段階において使用することを想定しているものでございます。その際に、特に新型インフルエンザを発症した患者さんが入院を要する状態となったり、亡くなるといったような健康被害を最小化することを主目的として備蓄するものでございます。通常のインフルエンザにおきまして、委員御指摘のとおり、欧米主要国においてはタミフルによる治療は余り行わないということでございますけれども、今申し上げました観点から、欧米主要国におきましても、新型インフルエンザ対策の一環として、同様にタミフルの備蓄目標を定めているところでございます。
 具体的には、米国では8、100万人分、英国では1、460万人分、カナダでは1、600万人分と、昨年11月の厚生労働省の資料では、そのようになってございます。
 続きまして、タミフルの副作用の関係でございますけれども、報道された事例につきましては、米国医薬食品局及び日本の厚生労働省においても、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていない、または、因果関係はないという表明がされているわけでございます。また、日本におきまして、小児学会でも同様の見解を発表しているところでございます。県といたしましては、これらの見解を尊重しているところでございます。
 次に、H5N1型の鳥インフルエンザの人への感染についてでございます。委員御指摘のとおり、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスは、鳥と人の種の壁がございますので、通常、容易には感染しないとされております。しかしながら、現在、世界的に発生しております鳥インフルエンザが人に感染している事例につきましては、WHO等の分析によれば、高病原性鳥インフルエンザを発病した鳥を食したり、こうした鳥と接触するといった、いわゆる濃厚接触した方が感染していると、こういった場合に感染すると報告されてございます。
 こうした鳥インフルエンザウイルスの人への感染事例を防止するためには、全世界的に鳥における高病原性鳥インフルエンザの感染防止対策を徹底することが、まず重要だというふうに考えてございます。
〇ザ・グレート・サスケ委員 長くなるとあれなんで、警告の意味を込めまして、ちょっと私から一言述べさせていただきたいんですが、タミフルの効果なんですが、これは熱がある期間を1日程度縮めるという効果しかないんですね。これをまず認識していただきたいということと、それからタミフルの世界的シェアなんですが、毎日新聞のデータでは、これ最新データなんですが、世界の80%を日本で買っているんですね。こういった事実をぜひ認識していただきたいということと、ホフマン・ラ・ロシュ──ロシュの薬だと思うんですが、ロシュという製薬会社は、エイズ治療薬AZTも製造しております。このAZTを服用した人は、間もなく死んでいるんですね。麻薬で有名なLSDの製造元でもあります。こういったところも、ぜひ認識していただきたいと思います。
 それから、これちょっと私のもとにメールが届きました。出どころは伏せておきますが、実際タミフルを飲んだ県内の40代女性、ふわふわ飛ぶ感じがありますということです。それから県内の精神科医師、精神科の患者が飲んでいるのと同じだねというコメント、これ、いただきました。それから、H5N1型が突然変異していると。これ、ちょっと私、人為的なものが介在しているんじゃないかなと個人的に思うんですが、これは結構でございます。
 次の質問なんですが、自殺予防対策事業についてでございます。
 私が以前より指摘しておりましたイーライ・リリー社製のプロザック、これは日本に上陸しましたでしょうか。情報がありましたらぜひお知らせいただきたい。これは個人輸入代行では簡単に入手できるんですね、今。こういったものを個人で入手されて服用されて、結果的に自殺してしまうと。プロザックというのは抗うつ剤ですね。先ほど高橋課長からもお話がありました自殺の一番多いデータで、うつ病患者の方々がいらっしゃるということで、こういった抗うつ剤を、プロザックを服用して結果的には亡くなってしまったという例は報告されていますでしょうか。お願いします。
〇柳原保健衛生課総括課長 プロザックにつきましては、現在、我が国では医薬品としては承認されてございません。また、国内で副作用の報告はされてございません。
〇中平均委員 私からも簡単に2件やらせていただきます。
 まず一つ目、今サスケ委員からも出まして、午前中佐々木博委員からも出ました自殺予防対策事業についてお伺いしたいと思います。
 私も前回の12月の決算特別委員会のときに質問もさせてもらって、そのとき赤羽部長の方から、岩手県の大きな問題だということで、これはやっていかなければならないという力強い決意をお伺いしておりました。そして今回また予算額は別にして、重点の一つとしてこれに取り組んでいくとなったところに、私からも心より感謝を申し上げる次第でございます。
 そういった中で、この事業の中身について私ももう少し詳しく教えていただきたいと。
 去年まではたしか北東北3県の連携での事業によって、パンフレットをつくったりとかアンケートをとったりということで、400万円を使っていたと12月に聞いておりましたが、例えばこの事業はもう終わったようにお聞きはしていたんですけれども、今回これを1、160万円の予算で、うつ病に対する正しい知識の普及啓発と、あと地域介入モデル事業を行うということで、地域介入は先ほど午前中でも、二戸、久慈、盛岡と聞いているんですけれども、この普及啓発の分、どういう形で具体的にやっていくのか。
 あと、地域介入モデルというのを、私は県内4地域と聞いていたんですけれども、そこら辺を具体的に、そしてどういう形での介入モデルというものを構築していくのかという点をお示しいただきたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 まず、1点目の事業の展開方法等につきましてでございますけれども、まず、啓発事業としまして、北東北を中心に事業を展開してきたわけでございますけれども、今後はさらに地域の中でエキスパートといいますか、そういう自殺予防のための知識なり技術なりを持った方々が具体的に地域で展開できるように、研修会を、中央研修あるいは地域研修を行いながらやっていくような事業を一つ考えてございます。
 もう一つは、今お話がありましたように、久慈地域それから二戸地域というようなモデル的な4地域を指定いたしまして、特にこれはマスコミ等でも取り上げていただいておりますが、現在検討中でございますけれども、岩手医大の精神科の方の協力のもとに、県警とも共同しながら、そういった要因でありますとか支援方策でありますとか、そういったものも積み上げて進めていきたいというようなことで事業を考えているものでございます。
〇中平均委員 介入モデルということなので、多分岩手医大だから盛岡だと思うんですけれども、組織と連携を組んでと。あと、例えば久慈は前からいろんな組織でやっているのでわかりやすいんですけれども、新たにやるところとか、そういったところは、どういうふうに組織をつくっていってどういうふうにやっていくか。また、今あるところでも、それをどういうふうにリンク、連動させてやっていくかというのがちょっとはっきりまだ見えていないと、私はちょっとわからなかったもので、そこら辺を具体的に教えてもらえれば、これからやっていく方策もまた見えてくるのではないかと思って、もう一度お聞きしたいんですけれども。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 御案内のように、久慈地区あるいは二戸地区等での活動事業が先行している部分もございまして、この地域の事業展開というのは、住民の中にもかなり浸透してきているわけでございます。さらに、この取り組みというのは県内全県下に広がりつつあるわけですけれども、地域の実態によりまして、自殺対策へのレベルがかなり違ってきてございます。したがいまして、例えば久慈でありますと、これまでの単なる啓発という段階から、うつスクリーニングあるいはハイリスク者へのフォローでありますとか、支援でありますとか、そういった形、それから、具体的には二戸地域ではケアネットワーク等の会議の設置なんかも考えながら支援していく、そういう地域特性に合った、あるいは地域レベルに合った対応を考えてございます。
 それから、特に特徴的なものは、盛岡地域におきましては、先駆的なレベルでの対応も取り組んでいきたいというものでございます。
〇中平均委員 これからの取り組みということでもあると思いますし、進めていっていただきたいと思います。
 資料をいただいていましたけれども、この岩手県、平成14年度からはもう500人ずつ亡くなっているんですね、自殺で。だから、10年すれば5、000人亡くなってしまうということでありますし、単純にそういう計算はできないとは思うんですけれども、やはりこれは社会的な大きな問題だと認識していかなければならないと、そう考えています。
 ただ、前回の決算特別委員会のときでもお話があったんですが、久慈とか先行してやると言っていますけれども、それを先行してやったからと、これがすぐ数字に反映しないのもまた事実だと思うんです。うつ病の予防をする、みんなに知識を、知っていただくと、そういうところがある中で、どうしても予算が厳しい中ですけれども、今年度やってみてすぐ数字が出てこないというのは当然──すぐ出てくれば一番いいんでしょうけれども、出ないことも十分考えられると思うんですね。でも、これは引き続き、1年、2年でまた事業評価という意味ではなく、当然性質が違いますから、続けていかなければならない事業というか施策ではないかと思いますけれども、この点をちょっと部長から一言お伺いします。
〇赤羽保健福祉部長 予算は来年度の予算を審議していただいている段階でありまして、19年度以降どうするかということは、また、18年度の取り組みを見ながら考えていかなければならないと思いますが、委員から御指摘ありましたように、自殺の問題というのは、岩手の中でも非常に大きな課題だと思っております。私どもの部としましては、ぜひこういったものを、県だけではなくて関係者と知恵を集めながら、関係者の方々と連携をさせながらやってきていただいて、人のつながりとか人材もできてきておりますので、私どもとしては、引き続きこの事業の展開を進めていきたいと考えております。
〇中平均委員 自殺予防について最後に1点だけ。
 これは厚生労働省の方でも2005年からですか、全国的に活動をして、うつ病によって亡くなる方を減らそうと。どうしても40代、50代の男性の自殺率が一番高いということで、動いているというふうにも私も情報を聞いていたんですけれども、この点について、岩手県にどういうふうな形で影響というか、どういうふうな活動が起きているのかちょっとお知らせください。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 自殺とうつの関係に関しましては、委員のお話のとおりでございまして、自殺企図者の75%が、何らかの心の病とか精神障害を有していまして、そのうち半数がうつ病ではないかと。そのうち4分の3は未受診だというような状況もございまして、こういった方々に対して、うつをきちんと治療できる、あるいはうつの治療を進めることが自殺予防につながるということを今後進めていくということで対応してきているわけでございますが、実はこういった考え方に立って、国といたしましても、本年度検討会等を立ち上げながら、各都道府県におきましても、こういった事業を進めてほしいというような要請もありまして、本県におきましては、岩手医大が中心になって、県の事業とあわせて医大サイドでも検討していくと、進めていくということで伺っております。
〇中平均委員 施策の推進といいますか、この効果が少しでも早く出ることを期待しております。
 続きまして、岩手版HACCP普及定着促進事業についてお尋ねいたします。
 これは私も資料とかパンフレットをいただいて見ておりましたけれども、詳しい事業の内容と類似のような事業、岩手県以外の県でやっている県があるのかどうか、ちょっとお知らせください。
〇柳原保健衛生課総括課長 岩手版HACCPの取組状況ということでございますけれども、この事業はいわゆるHACCPの考え方に基づく衛生管理の手法といったものを、飲食店や食品販売店などの小規模な食品事業者の方々に普及をしまして、食中毒等の飲食に起因する、いわゆる健康被害を防止することを目的としている事業でございます。平成16年度から事業者団体である社団法人岩手県食品衛生協会と共同いたしまして、その普及に努めているところでございます。
 このような事業を他県でも取り組んでいるのかということにつきましては、同様の取り組みを行っている自治体、全国にも少ないように認識しております。特に東北だけを見ますと、本県だけの実施でございます。
〇中平均委員 ことしから、この事業についている予算でHACCPマークをつくってやっている事業体というか、そういうところに張っていって、わかるようにするというふうにも聞いていましたけれども、そしてまた、全国で少なくて、やっているのは東北では岩手県だけだということであれば、もっともっとアピールしてもらって、それは部局は違うことになるんでしょうけれども、商工なりそういうふうなところと連携することによって、岩手県でこういうふうに食品を例えばお土産で買っていくとか何とか、そういうところの多分対象だと思うんですけれども、せっかくこれをやっていても、だれも──だれもわからないというわけではないと思うんですが、どうしてもわかりづらい面が今までもあったのかなと。いい事業だと思いますし、それを私たちもですし、あと他県から来た観光客の人なり、来た人たちがよりわかっていくことによって、岩手のイメージアップなりブランド化というものができていくんじゃないかと思いますので、そういった点での部局を超えて連携をして、さらにこの事業の効果を出していって、そうすればこの金額以上のものを出していけると思いますので、それを期待したいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇柳原保健衛生課総括課長 この事業は18年度におきましては委員の御説明のとおり、既に施設に対します導入済みのマーク、こういったものの交付と、この取り組みを実際していただいている、いわゆる食品安全サポーターの方々の専門研修によって質を高めることを想定してございます。このほか、ホームページの活用によりまして、広く県民の方々に対して、制度のPRに努めてまいりたいと考えてございます。
 また、部局横断、連携をして、この取り組みをもう少しブランド化できないかということでございますけれども、このHACCPを活用したブランド化といったことにつきましては、今、農林水産部の方で全国から選ばれる産地づくりを進めるということで、産地市場でのHACCPの考えに基づいた鮮度とか衛生管理、この高度化に取り組んでいるところでございます。
 当部といたしましては、この取り組みを技術的な面から支援してまいりたいと考えてございます。
〇中平均委員 まず、農林水産部がやっているHACCPも当然でしょうし、技術的な面というのをサポートしていくというのもそうだと思うんですけれども、よりそれを営業といいますか、そういう面で技術的な面、それを広めていく面、それを技術的な面だけではなくてもっと一般に、簡単に言えば観光パンフレットとかにも書けるくらいのものにしていくような形でやっていかなければ、またこれは、せっかくやってもなかなか効果が見えないと言われかねないんじゃないかと思って提案したまででございますので、その点は今後やっていくときに御検討いただければと思います。
〇三浦陽子委員 私からは、三つ大きく質問させていただきます。
 まず一つ目に、先ほどから同僚議員からも出ております医師確保対策についてです。ドクターバンクを設置すると先ほどからもお聞きしておりますが、具体的にはどういう取り組みになっているんでしょうか。
 それから、これは医師不足解消のためということですけれども、女性医師への育児支援とか復帰希望者支援の取り組みというか、具体的な取り組みはちょっと先ほどもお聞きいたしましたけれども、これはドクターだけのものでしょうか。それとも今、私が昨年ちょっと一般質問させていただいた口腔ケアという領域から考えても、医療費削減に非常に貢献度が高いと思いますけれども、女性歯科医師に対してはそういう援助はないのでしょうか。
 それから、本県出身の自治医科大学卒業生、先ほど3名ということでございましたけれども、その方々の動向についてお伺いしたいと思います。県でお金を出して、医師として県に戻ってくるというのが大きな目的ですけれども、中には事情があって県から離れる方もいらっしゃるかと思います。その方々の動向がわかれば、教えていただきたいと思います。
〇福島医療国保課総括課長 平成18年度予算に計上させていただきまして、今議会で御審議をいただく予定のものがドクターバンク事業と、それから女性医師に対する環境改善のためのさまざまな取り組みの事業でございます。
 ドクターバンクについては、大変厳しい医師不足の中で、県内の、特にも僻地の医療機関などで医師が不在になる、あるいは医師が極端に少なくなって運営そのものが危うくなるといったようなことがちょくちょく出現するわけでございます。こうしたことを受けて、本県に設置しております地域医療対策協議会などでも医療関係者などからの御意見を踏まえて、やはり緊急、臨時緊急的に、そうした場合に医師を派遣できるようなバンクを設置してはどうかという御議論がございました。そうした御議論、検討の結果を踏まえて、今度予算化をお願いしているところでございますが、具体的には、県外の医師で、本県のそういった場合の僻地医療に携わっていただける方を数名募集いたしまして、5名程度ということで予算では積算しておりますが、県でこれは採用いたします。県職員として採用いたしまして、そうした突発の事態などを想定して派遣をするというものでございます。現在はまだ予算化されておりませんが、できる準備はそれぞれ進めております。
 例えば、岩手医科大学の同窓会、これは東京支部あるいは大阪支部などに参りまして、そこの幹部の方と、こうした事業を起こしたら来ていただけるような状況だろうかといったようなことでお話し合いを続けておりますし、実際に予算をお決めいただいて動き出すということになりますと、全国に募集をかけるとか、それから、例えば今も御質問の中にもありましたが、自治医科大学の人脈ですとか、これは従来からも議会でさまざまな人脈を使って呼んできてはどうかという御提言もいただいております。そうしたいろんな取り組みで、何とか県で採用して臨時緊急の場合に派遣したと、こういうものでございます。
 それから、女性医師につきましては、結論だけ申し上げますが、今回予算でお願いしているのはいわゆる医科医師でございますので、これは不足の状況がとりわけ厳しい医科医師ということで御理解を賜りたいと思います。
 それから、自治医科大学の関係でございます。自治医科大学については、卒業後9年間の義務履行がございまして、それ以降は、本来は拘束できないものでございますが、47年の大学創設以来、本県ではこれまで卒業医師が70名おります。23名に現在も県内で義務履行していただいておりますが、義務履行修了者は47名。このうち、先ほど申したとおり、その後は拘束はできないんでございますけれども、47名のうち40名が、ほとんどの方が岩手医科大学の各医局に所属するなどしまして、県立病院でありますとか市町村の病院でありますとか、あるいは開業なさっている方、ほとんどが県内に残っていただいているという状況でございます。自治医科大学からも岩手の場合は、このような厳しい状況でございますので、結構、定着率が高い県だというふうに言われているところでございます。
〇三浦陽子委員 これからおいおいいろんな意味で女性医師、歯科医師も含めてなんですけれども、ぜひ登用していただきたいと思います。
 それからもう一点は、医療制度改革に伴いましていろいろ影響が出てくると思いますけれども、都道府県を単位として保険者の再編・統合というようなことをお聞きしておりますが、おわかりになる範囲で結構です、これから施行される法案になるかもしれないということで、まだよくわからない部分もあるかもしれませんが、国保の状況だけでも教えていただきたいと思います。
〇福島医療国保課総括課長 今お話にございましたとおり、これから国会においても本格的な審議ということでございますが、いずれこの制度改革の動きが出まして以来、県としてもさまざまに検討いたしました。それで、都道府県を単位とする保険者の再編・統合、そのこと自体について言えば、保険体制の、保険運営の面から言えば、保険者の規模が大きくなるということで、これは財政が安定するだろうなと、安定性が向上するだろうなということは言えるかと思います。ただ、被保険者の側から見ますと、現在でも県内市町村で、その間で格差のある保険税もございますので、それから医療サービスも必ずしも県内全域均てん化されておりませんので、そうした点が大きな課題でもあり、今後の影響になってくるだろうなというふうに、大まかにはとらえているところでございます。
 県としましては、こういった観点から全国知事会などを通じて、一元化に向けた道筋をきちんと明らかにしてほしいと、何をどうやったらいいかわからないというふうなことで、そうした要望、それから加入者の高齢化、低所得者の増加といった、特に国保に関して言えば、これは国保の構造的な大きな課題でございます。その課題の解決に向けた具体策をきちんと提示すべきだという御要望も申し上げているところでございますが、現在、国会でこれから審議されるということでございますので、今後の動向について十分に注意しながら、適時市町村にも情報を提供して、県全体として対応におくれをとらないように配意してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 その保険にかかわってなんですが、介護保険の問題もちょっと心配する部分があります。先ほど来からも出ておりますけれども、食費や居住費負担なんかで退所者が出たりする影響が出ていますけれども、これに対して県として何か手だてを考えていらっしゃるのでしょうか。例えば食費などは、ほかの自治体で助成をするというようなサービスを考えているところもあるようなんですけれども、本県としてはいかがなものでしょうか。
〇小田島長寿社会課総括課長 現在、平成17年の10月1日から施行されました介護保険制度の改正によります食費や居住費負担、この導入における対策について述べさせていただきたいと思います。
 まず、施設の退所者の状況でございますが、この数ですが、平成17年10月から本年の1月末日までの間で、特別養護老人ホーム2人、介護老人保健施設38人、介護療養型医療施設9人の合計49人が、食費や居住費負担の導入による施設退所者になっております。
 この退所後の状況を見ますと、入院が7人、特養等の施設入所7人、自宅に戻られた方34人という内訳になっております。この自宅に戻られた方々については、在宅介護サービスの利用が32人ということで、9割以上ということになっており、多くが通所介護あるいは通所リハビリテーションなどの在宅介護サービスを利用しておる状況にございます。
 こうした方々への対策といたしまして、いわゆる補足的給付と申しまして、低所得者の方に対する自己負担額を低くしまして、本来とるべき額との差額について介護保険の制度の中で給付しているものでございます。こういうものだとか、あるいは高額介護サービス費の見直しなどによって、利用者の負担の軽減が行われているところでございます。
 県といたしましては、今述べましたような軽減策、これが着実に行われるよう、引き続き市町村を指導していくということと、それから施設を退所された方々に対しては、適切な在宅サービスが提供されるように、市町村等に対して指導しているところでございます。
〇三浦陽子委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。お願いというのはだめだと言われていますけれども、本当に老人がこれから安心して暮らせるようにアピールしていかなければ、本県として安心、安全をアピールしている岩手県ですので、ぜひそこをお願いしたいと思います。
 あと、障害者の就業支援についての具体的な取り組みについて教えていただきたいと思います。
〇高橋障害保健福祉課総括課長 これまで障害者の就業支援あるいは雇用の促進のために平成15年度以降、プロジェクト事業として県として取り組んでまいりました内容といたしましては、一つには、授産施設等に行政機関から率先して業務を発注するような仕組みづくりでありますとか、それから障害者関連施設に障害者みずからを雇用する事業でありますとか、それから、これは商工労働サイドの事業でございますけれども、職場定着に向けた就業面あるいは生活面での支援を行うための事業、そして福祉的就労基盤であります小規模作業所あるいは授産施設の基盤整備といった、この四つを柱としまして取り組んでまいったところでございます。今回の障害者自立支援法では、実は福祉施設から一般就労への移行ということが大きなポイントでもございます。このため、本県では18年度におきまして、小規模作業所に関しましては、移行のための支援策、ソフト面での支援、それからハード面、設備面での支援の事業費化を計画、予定させていただいております。また、あわせて、先ほど申し上げました就労支援のためのさまざまな支援策としてのチャレンジド就労支援事業、これらへの拡大でありますとか、それからマッチング機関といいまして、収益性の高い仕事をみずからが開拓して、少しでも障害者の方々の工賃が上がるための取り組みといいますか、そういったものを進めてまいりたいと考えております。
 いずれ、当部だけの対応では不十分でございまして、商工関係部局とも十分に連携するとともに、来年度計画策定の中で関係者の意見等も十分に反映させながら、このプランの策定にぜひ努力してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 私は、昨年ドイツの方のそういう施設を見学させていただいたんですけれども、本当にそれぞれ皆さん一生懸命、人それぞれの能力に合った仕事をさせていただいているし、また、そこで訓練して少しでもいい仕事ができるようにという、すごく行き渡った配慮がされた施設でしたので、民と官と一緒にやっていくということも考えていったらいいのではないかと思います。いわゆる弱者にとって優しい岩手県を目指して、今後も期待していますので、よろしくお願いいたします。
〇井沢昌弘副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩をいたします。
   午後 2 時52分 休 憩
   午後 3 時 8 分 再 開
〇工藤大輔委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、医療制度改革法案が今国会に出されておりますけれども、この特徴は、高齢者・重症患者の負担増であります。以下の負担増について、県内の対象者、負担増の見込みについて示していただきたい。
 70歳以上の現役並み所得者が2割から3割負担になります。70歳から74歳のすべてが1割から2割負担になります。療養病床、これは長期入院患者食費・居住費負担、3万円増と言われています。また、08年4月からは、65歳から69歳にこれは拡大されます。高額療養費制度も負担増となります。
 人工透析の月額負担、これは一定所得以上の方が負担2倍になると言われています。
 高齢者医療制度が08年4月から平均年6万円、年金から天引きされる制度等が導入される見込みですが、これらの負担増の実態、見込みについて示していただきたい。
〇福島医療国保課総括課長 私からは、70歳以上の現役並み所得者、そこから高額療養費制度の負担増までお答え申し上げます。
 まず、70歳以上の現役並み所得者、これは2割から3割へということでありますが、国保については、70歳以上75歳未満の現役並み所得者の数は約1、150人と見込んでおります。負担額増分については、総額で約3、900万円、これは1人当たり年間約3万4、000円の増となる見込みでございます。
 便宜、高齢者部分についても申し上げます。
 現行の75歳以上の高齢者を対象とする老人医療制度のうち、現役並み所得者の数は約8、400人、負担額については総額で約4億5、000万円、1人当たりでは年間約5万4、000円の増となる見込みでございます。
 それから、70歳から74歳のただいま申し上げました現役並み所得者を除く方々が1割から2割への増となります。70から74歳は国保の対象者でございますが、その対象人数は約3万2、560人、負担額については、増分が総額で約10億9、000万円、1人当たりにいたしますと年間約3万3、000円の増となる見込みでございます。
 それから、療養型病床の入院患者の食費、居住費負担増ということでございますが、本県の療養型病床の入院患者数は、平成18年1月末現在で3、291人でございます。国の試算では、平均的な入院患者1人当たり月額2万8、000円、約3万円とただいまお話がございましたが、2万8、000円の負担増となるとされておりますことから、本県の場合は、総額で月約9、200万円の負担増となる見込みでございます。1人当たりは、先ほど申し上げましたとおり月2万8、000円の増ということでございます。
 それから、高額療養費の負担増でございますが、国保の高額療養費については、これは通常件数のデータしかございません。すなわちレセプト件数ということでございます。これは約9万6、760件でございます。負担額については、総額で約4億7、000万円、対象レセプト1件当たりで約4、800円の増となる見込みでございます。
〇柳原保健衛生課総括課長 私からは、人工透析の月額負担増の関係について御回答申し上げます。
 人工透析を実施している慢性腎不全患者の方々につきましては、高額療養費の特例、いわゆる長期高額疾病によりまして自己負担限度額が月額1万円とされているところでございます。今般の医療制度改革におきましては、厚生労働省の健康保険法等改正法案の資料によりますと、月収53万円以上の上位所得者の方に限り月額2万円となるとされているところでございます。
 県内における腎不全患者のうち、人工腎臓を実施している方の数と申しますのは、平成17年9月1日現在で、県内医療機関の協力を得て調査した内容では2、425人となってございます。しかしながら、この調査におきましては、月収関係を調査してございませんので、月収53万円以上の方が何人いらっしゃるかについては把握できてございません。したがいまして、総額の負担増については、現時点では算出することができない状況でございます。
〇小田島長寿社会課総括課長 私の方からは、高齢者医療制度についてお答えいたします。
 まず、対象者数でございますが、現行の老人保健法に基づく老人医療受給対象者が、後期高齢者医療制度へ移行することから、平成16年度ベースで約21万円ほどと見込まれてございます。
 次に、保険料でございますが、本県の平成15年度の老人医療費をもとに、患者負担分を除いた総医療費の1割相当として積算いたしますと、1人当たり約6万円と推計されるところでございます。
〇斉藤信委員 詳しく答えがありました。大変な負担増であります。高齢者世帯が今どうなっているかといいますと、高齢者世帯の約4割が年収200万円以下の生活保護基準以下であります。こういう方々の中に、こういう医療費負担増が、高齢者、重症患者に集中的に行われるというところに、私は、大変な問題があって、この医療大改悪は許してはならないと自民党の皆さんにも訴えたいと思うのであります。
 次に、医療制度改革のもう一つの問題は、実は、療養病床の大幅な削減であります。全国的には23万床療養型の病床が削減されるということになっていますが、岩手県の場合は、現在何床で、そして全国並みでいくと何床削減されのか、そして、削減された場合、追い出された高齢者は行き場があるのか、このことを示していただきたい。
〇福田保健福祉企画室企画担当課長 本県の場合を申し上げるためには、全国を少し申し上げないといけませんので、申し上げますと、全国の療養病床は、概算で、医療型が25万床、介護型が13万床の合計、おっしゃるとおり38万床でございます。
 国は、平成23年度末までに療養病床を医療の必要性が高い患者を受け入れるものに限定しまして、医療型15万床とする予定とされております。したがいまして、結果的にですが、医療型10万床、介護型13万床の計23万床を廃止することとなるわけでございます。
 この廃止予定の23万床は、老人保健施設ですとか、ケアハウスですとか、グループホームなどの居住系サービス等に転換することとしているということでございます。
 そこで、本県の療養病床でございますが、医療型が2、649床、介護型が1、013床の合計3、662床、これは平成17年9月現在でございます。国の先ほどの算出方法にならって粗い計算をしてみますと、医療型は1、500弱の病床数となり、それ以外の2、200弱の病床について、病床転換の対象になるものと試算されるものでございます。
〇小田島長寿社会課総括課長 高齢者の方の行き場についてでございます。
 療養病床を老人保健施設などに転換する場合においては、現在の国からの情報では、その支援措置として、一つは、第4期の介護保険事業計画において、転換が円滑に行われるよう、介護保険施設の整備に係る参酌標準の見直しを行う。それから、転換に要する経費についての財政的な支援を行う。それから、療養病床が老人保健施設に転換される場合の施設基準の緩和などが検討されていると伺っております。
 したがいまして、以上のような措置が適切にとられれば、療養型病床の廃止によって、直ちにその方々が特養待機者になるものではないと考えておりますが、国の制度改革の議論がようやく始まったばかりでありまして、転換の具体的な方策など、まだまだ不透明な部分が多うございます。
 県としては、国の動向を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 岩手県でも約2、200弱の療養型のベッドが削減されると。今、特養の待機者は、在宅で2、059人ですよ。病院、施設を含めると5、409人待機されている。こういうときに2、200床も削減されたら、本当にこれは行き場がなくなるんですよ。介護難民が出ると指摘されていますよ。私はこういう点でも、2、200床削減される方向だけはっきりしているが、例えば、じゃ、介護施設はどのぐらい整備される予定ですか。また、グループホームとか、ケアハウスとか、そういういわば施設系のものはどのぐらい整備されるか、今の時点での計画案でもいいですよ、概数を示してください。
〇小田島長寿社会課総括課長 まず、先ほど申し上げましたが、参酌標準については、国の方で今後、見直しについて検討するということになっておりますので、それは枠としては別になると私ども考えておりますが、国の動向を注視したいと考えております。
 それから、現在の整備計画でございますが、今、次期の3カ年計画について詰めておりますので、その数字については、全体として特養の整備あるいはグループホームの整備等を入れまして1、200床ほどの整備を今、確定ではございませんが、検討しております。
〇斉藤信委員 わかりました。
 2、200床削減されて、5、400人待機者があって、1、200床の整備計画だと。この医療制度改悪というのが私たち岩手県民に何をもたらすか、これは本当に許してはならないということを指摘しておきたいと思います。所得の格差が命の格差になってはならないということをこの点では指摘しておきます。
 二つ目、国保滞納者からの保険証取り上げの改善について。
 国保税の滞納者、滞納額はどうなっているでしょうか。資格証明書、短期保険証の発行状況はどうなっているでしょうか。3年間の推移を示してください。払いたくても払えない人がふえている。金の切れ目が命の切れ目にならないように、私は改善すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇福島医療国保課総括課長 平成16年度末におきます滞納世帯数は3万6、973世帯、これは対前年度比で6.3%の増でございます。それから、平成16年度、現年度分の滞納額は約31億6、000万円、これは対前年度比7.6%増となっております。
 資格証明書の交付世帯数は、平成16年2月が1、818世帯、平成17年2月が1、520世帯、平成18年2月が1、637世帯となっております。
 短期被保険者証の交付世帯数は、平成16年2月が1万2、721世帯、平成17年2月が1万4、359世帯、平成18年2月が1万6、634世帯となっております。
 金の切れ目が命の切れ目にならないように、私どもといたしましても、国保の被保険者には比較的低所得者が多いこと、国保税の負担が過重とならないように市町村が行いました国保税の軽減について、県は、保険基盤安定事業を実施しておりまして、一般被保険者に係ります軽減措置を行った場合の軽減相当額の4分3の額、それから国保税の一定割合の額を一般会計から特別会計へ繰り出した場合の4分の1を県としても負担しているところでございます。
 また、震災、風水害、火災などの天災、失業等により所得が皆無になった方など、特別の事情がある場合の救済措置として、これは市町村の条例の定めに基づきまして、市町村長の権限において国保税の減免が行われていること。
 それから、さらに資格証明書の交付についても、単に機械的に交付するのではなく、特別の事情の有無を十分に確認した上で取り扱う、このような取り組みについて、市町村に対し、研修の場、それから保険者指導の場を通じて趣旨をしっかりとお伝えしているところでございます。
〇斉藤信委員 これは岩手日報の12月20日付なんですね。国保停止で11人死亡と。共同通信が全国民医連に依頼して調査をしたという。これは氷山の一角だと。私どものところにも、大変切実で深刻な相談があります。資格証明書ですから、病院で医療費全額負担なんですね。だから、もう病院にかかれないんですよ。国保も払えない人は、本当にもう最後の最後まで我慢して、我慢して、我慢し切れなくなって相談に来るというケースが私のところに多々あります。その方々は、よく見ると生活保護の対象になり得る方も少なくありません。しかし、市役所に行くと、全額払わないと出せないとか、まず払ってもらわないとだめだとか、こういう対応が多いんですよ。
 私は、そういう点では、今課長が言われたように、機械的に保険証を取り上げないようにという話ですから、そこを徹底していただきたい。払える資力があって払わない人は、それは悪質です。しかし今、リストラ、失業、倒産、こういう形で、払いたくても払えない方が多いのですよ。制度もよくわからない方々が多いのです。だから、そういう方々に対して、機械的に保険証を取り上げて資格証明書を発行するようなことは、やっぱりあってはならないと。
 今、何と言われているかというと、フクシのシは死ぬの死だと。福祉で命が奪われる事態が起きているんですよ。そうならないように国保の改善を進めていただきたいし、特に減免要綱、例えば盛岡市は、具体的な減免要綱を出していますよ。例えば減収がどのくらいだったら減免の対象になるか。これはたしか県内3市町村ぐらいしかないですね。こういう減免要綱なんかもきちんと整備すべきだ、そういうこともきちんと指導すべきだと思いますが、いかがですか。
〇福島医療国保課総括課長 まず、最初の機械的に交付するのではなくという点については、事前に十分な納付相談を行うように、改めて機会を見て指導してまいりたいと思います。それから、減免要綱については、基本的には市町村長が定めるものではございますが、こうした取り扱いができるということ、その趣旨をしっかりとお伝えしてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 納付相談に来ないから保険証を取り上げたということがないように。ここがいつもぶつかるところなんですよ。やっぱり役所は敷居が高いですから、怖くて相談に行けないと。1回行ったら、払わなきゃだめだと言われて行けなくなった人もいるので、そのことだけ私、指摘をしておきます。
 次に、釜石市民病院と県立病院の統合問題ですが、釜石市は慢性期型の民間病院設置、このことを今目指しているようですが、その動きに対して、県は具体的にどういう支援ができるのか示していただきたい。
〇福島医療国保課総括課長 釜石市におきましては、現在の釜石市民病院を活用して、慢性期医療に対応した民間病院、民間診療所及び保健福祉の中核施設、これをその施設の中に整備したいという構想を持っております。市の希望としては、平成19年4月に開設したいということでございます。
 病床過剰地域においては、公的病院を再編統合して、これを新たな民間病院に開設するということは、これまでも、現在もできないわけでございますが、釜石市からの特区申請を契機といたしまして、国においては、一般的な規制緩和という方法でこれを認めるという方針が打ち出されております。この具体的な規制緩和の決定は、明年度余り遅くない時期、年度前半ぐらいにはめどがつくだろうという厚生労働省の意向でございますが、それで規制緩和が決定される見通しとなっております。
 したがって、県といたしましては、その規制緩和の決定の時期とあわせまして、市の意向と整備計画とそれぞれ整合するように、必要な指導助言をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 というのは、釜石の中心部にあって、本当に便利のいい病院であります。これが今、3月末まではお医師さんが3人、4月になったら2人。本当にもう、民間に移行する前に大変なことになるのではないか。そのために今、県立病院に患者が急増していて、看護師さんは9時、10時になっても帰れないということがありますので、早くめどを立てて、そして、今働いている人も新しい病院に移行できるようにすれば、雇用の確保という点でもめどがつくので、ぜひ具体的な支援を強めていただきたい。
 少子化対策についてお聞きします。
 岩手県における合計特殊出生率は1.43、盛岡市は1.25であります。全国的には1.29で、05年度は1.26になるのではないかという報道もあります。1.29というのは超少子化国であります。1.3を割ったら超少子化国。今、日本はこういう深刻な状況で、私は、これは県政の緊急・重要な課題だと。
 その点で、一つは、少子化の現状をどう認識しているのか、何が要因だと考えているか。
 二つ目、私は、仕事と子育ての両立、経済的負担の軽減、この二つの柱がこの打開にとっては大きな課題だと考えていますが、どうでしょうか。具体策はどうなっているでしょうか。
 具体的な問題として、乳幼児医療費助成の拡充が必要です。今度の医療費、医療制度の大改悪の中で、乳幼児医療費は2割負担、就学前までという方向が出ています。私は、この分軽減されるのであれば、一部負担を解消すべきじゃないかと。
 保育所の待機児童の解消。これは、盛岡市で79人、岩手県全体で145人。これは増田知事の選挙公約ですよ、待機児童の解消というのは。私は、逆行しているのではないかと。民間の保育所分園に助成するなんていうケチなことでは、この問題は解決できないのではないか。やっぱり保育園の新増設に思い切って取り組む、一気に打開していくという対策をとるべきではないか。学童保育の要望のあるところも、きちんとこれにこたえていくということが必要だと思いますが、いかがですか。
〇赤羽保健福祉部長 御指摘のとおり、少子化は本県でも進行しているわけでございますが、このままいくと、2030年には123万人程度まで人口が減少する見込みとされているところでございます。
 こうした少子化の影響としましては、労働力人口の減少とか、経済成長の鈍化とか、社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下などが、少子化社会白書などにおいて指摘されているところでございます。
 また、その原因については、未婚化とか晩婚化、夫婦の出生力の低下。その要因については、働き方の見直しが進んでいないのではないかとか、あるいは子育て支援サービスが行き渡っていないのではないかとか、子育てに係る負担が重いのではないかといったことも、やはりこの白書の中で記載されているところでございます。国の方でオフィシャルに出しているものでございます。
 そうした中で、総務省の少子化対策に関する政策評価、平成16年7月に出されたものですが、その中では、仕事と子育ての両立、経済的な支援、保育サービスの充実などの対策が必要とされたところでございます。
 今、御提言がありました医療制度改革に伴う就学前の医療費負担に関してでございますけれども、それに伴う県単独医療費の助成事業の見直しにつきましては、厳しい県の財政状況も考慮し慎重に検討すべきものと考えております。
 それから、保育所の増設については、交付金化されまして、市町村が主導してやっていくということになっております。県としては、そうした市町村が保育所を整備しようという場合には、さまざまな助言なり支援をしてまいりたいと考えております。保育所の整備ということも、これまでもやってきておりますし、必要な場所には、これからも保育所の整備をしていくことを考えておりますし、市町村にそういうふうに働きかけてまいりたいと思っております。
 あとは、分園についても、やはりこれは、既存の社会資源を有効に活用し、保職接近といったことを実現するために非常に有効な手だてではないかと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 保育所待機児童の問題について、これは増田知事の選挙公約ですよ。これに何て書いているかというと、こう書いているんですよ。子供を産みやすい、育てやすい岩手県を実現するため、次の施策を実行します。そして、保育所の待機児童ゼロの実現、60%の保育所で多様な保育サービスの実現と。市町村がやることだというのでなくて、知事の公約なんだから、市町村と協力してどうやるのかと。
 私が言ったように、盛岡市は79人も待機児童が解消されていない。全県的に145人。かなり市町村が限られますけれども、しかし、これは本当に少子化を打開していく上では、まさに、すぐ解決しなければならない課題ですよ。知事の公約に基づいて、この待機児童ゼロをいつまでにやるのか。
 それと、今、分園の問題、来年の予算は933万円ですが、4カ所を見込んでいるというんですけれども、これは具体的に、どこに、どのぐらいの定員を見込んでいるのか示していただきたい。60%の保育所で多様な保育サービスはどこまで行きましたか。
〇赤羽保健福祉部長 知事の公約、あるいは40の政策に記載されているのは十分理解しております。保育所の待機児童の解消のためには、県としても計画を策定しているところでございまして、市町村にもそうした待機児童解消のための計画の策定を働きかけているところでございます。特に、特定の市町村に偏っているという特徴がございますので、市町村でしっかりと取り組んでいただくということが非常に大事ではないかと考えておりますし、そうした市町村の取り組みについては、県としても一緒になっていろいろと考え、工夫してやっていきたいと思っております。
 そうした、考えて、工夫してやっていく場合に、委員が御指摘になりましたとおり、待機児童の解消というのはやっぱり緊急のものでございますので、新しい保育所をつくるということだけではなくて、分園による解消ということも一つの方法としてあるのではないかと考えております。
 また、実際に、待機児童が多い市町村で、そうした取り組みをしていることによって、非常に利用者に喜ばれているという実態もあるわけでございます。そうしたことも考慮しながら、市町村とも一緒に連携し、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
 なお、分園の新しい4カ所の計画でありますとか特別保育については、児童家庭課総括課長から答弁させます。
〇古内児童家庭課総括課長 分園の具体的な設置箇所の考え方でございますけれども、これは、待機児童が最も多く発生しているのは盛岡市でございますので、当然、盛岡市において取り組んでいただきたいということで、先般、私が出向いて相談させていただいているところでございます。
 また、さらに釜石市でも待機児童が恒常的に発生しております。既に釜石市では分園設置の考え方も検討に入っているようでございますので、市とタイアップして進めていきたい。
 さらには、一関市も待機児童が多うございます。一関市にはもう既に相談させていただいているところでございますけれども、今後も、分園設置が進むように働きかけてまいりたいと考えております。
 あともう一つ、特別保育事業の関係でございますけれども、多様な保育サービスを進めていくということでございますが、岩手県の場合、これは全国との比較でちょっと申し上げたいと思いますが、例えば延長保育でございますが、これは岩手県では全国第26位ということで、まあまあ中間に位置しているのかなと。一時保育につきましては実施率で全国第9位という上位に位置しておりますし、休日保育につきましては全国5位ということで、箇所数そのものが22カ所ということで少のうございますけれども、実施率で申し上げますと全国でもトップクラスだということで、市町村においては、こうしたいわゆる特別保育の取り組みについて、ニーズに沿ってやっていただいておりますが、まだ必ずしも十分ではないというところがございますので、今後とも、市町村に対してその実施について働きかけていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 わかりました。保育所の待機児童の解消というのは本当に緊急の課題で、私は、このぐらいの数、特に、盛岡市、釜石市、一関市ですから、基本的には新増設、いわば施設の整備されたところで定員をふやすという対策をすべきですよ。そうしないと、分園で、じゃ、給食はどうするんですか、何はどうするんですか。安かろう悪かろうになってしまうので、分園も否定はしませんが、基本的には、やっぱり新増設で対応すべきだと。
 特に盛岡市なんかは、公立保育所を民間移管して安上がりにしていくという方向を出しているんですね。いわば保育の取り組みを強めなければならないときに、安上がりでという方向になっているので、これは全く逆行ではないかという、これは指摘だけにしておきます。
 最後、若者の引きこもり対策についてお聞きします。
 全国163万人とも言われています。大変深刻な問題でありますが、この引きこもりの県内の現状をどう把握されているでしょうか。県としてはどう取り組まれているでしょうか。
 二つ目、民間団体、NPO法人岩手県不登校を考える父母の会など、青少年自立支援センターポランの広場、この民間団体が、大変熱心にこの若者の引きこもり対策に取り組んでいます。さまざまな研修とか、学習会とか、そういうのもこの1月にも取り組まれて、これは学生や県や市役所の担当者や専門家なんかも含めて100名以上が参加したとも言われています。
 ただ、このNPOの団体、青少年自立支援センターの活動は、すべてボランティアなんですよ。若者の居場所、相談活動、さまざまな取り組みが全部ボランティアで賄われている。また、引きこもりや不登校の子供たちの家族によって賄われている。私は、やっぱりこの深刻な引きこもりの問題については、こういうふうに熱心に、先駆的に取り組んでいる民間団体に対する支援をやるべきではないか。一つは、居場所に対する支援、もう一つは引きこもりの青年が就労まで行くまでには、中間的な就労支援事業のようなものが必要ですね。そういうものに対する支援というのが岡山県などではやられています。岩手県でもそこに踏み込んで取り組むべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇赤羽保健福祉部長 引きこもりの方については、岩手県内でも恐らく数千人の方がいらっしゃるのではないかと。他県の委託調査なんかの事例を見ても、そういう状況ではないかと考えております。
 そういう状況と、実際に県内の相談機関にいらしている方との数に余りにも大きな違いがあるということで、やはり引きこもり自体の実態の把握の困難さとか、あるいは引きこもり自体の持つ性格といったこともありまして、相談機関になかなか来られないということもあるわけでございまして、県では、平成16年度から、精神保健福祉センターと県内の三つのモデル保健所で普及啓発、あるいは専門相談窓口の開設、家族教室の開催、関係者連絡会議の設置などを行ってきたところでございます。
 これを今年度8カ所に拡大し、精神保健福祉センター、あるいは県内の8カ所の保健所でこうした事業をやっております。そういう事業を通じて、当事者あるいは家族への支援に一層努めてきているところでございます。また、各地区の不登校を考える親の会や地域生活支援センター、これは精神障害者の方を対象としたものでございますが、そうした民間の機関とか団体との連携を図っているところでございます。
 平成18年度は、相談支援マニュアルの作成とか、ホームページ等による相談機関の周知、全県的な支援体制、相談支援体制の整備を図っていきたいと考えております。
 御指摘のNPO法人等への支援でございますけれども、こうした取り組みの中で、NPO法人を初め、関係機関との情報交換や専門的な個別支援における連携、さらには研修会の開催などを通じて、今後とも支援してまいりたいと考えております。
 なお、NPO法人であります、先ほど御指摘のありましたポランの広場の関係につきましては、公益信託いわてNPO資金の方から、平成15年度から17年度まで計300万円助成されて――これは県が設置しているものでございますので、こうした財政的な支援は既に行っているところでございます。
 ただ、これから個別支援とか、技術支援とか、研修会の開催といったようなことを通じて連携していける部分は非常に大きいなと考えておりまして、これまでのポランの広場などと構築した関係を生かしながら、引きこもり対策にも取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、比較的前向きの答弁があったので、もうこれで終わりますが、岡山県では、引きこもりサポート事業とか、引きこもりバリア低下事業、引きこもり社会適応支援事業、この最後の引きこもり社会適応支援事業というのが4カ所、民間に委託して、居場所、就労支援、こういうものの支援をやっているということなので、今までもやっていないということではないということではあります。しかし、NPOの方々に聞きますと、本当に時間のかかる、手間暇のかかる、そして居場所の確保、本当に――本当にボランティアですよ。
 そして、全国的には、ことし初めて第1回社会的ひきこもり支援全国実践交流会が和歌山県で開かれました。全国的な交流もそういうふうになってきた。その中でも岩手県は頑張っていると評価されている運動ですから、ぜひそういうことで、連携と支援を強化されるようにお願いして、終わります。
〇小野寺好委員 児童手当について伺います。
 政府は、財源確保に苦慮しながらも、その拡充に努めているところでありますが、県内における児童手当の支給実績を伺います。
 あわせて、平成18年度の支給予定ですが、対象年齢、所得制限、1人当たりの額、対象人数、そういったものはどのような見通しになるか、それは全体の何%ぐらいカバーすることになるか、お伺いいたします。
〇古内児童家庭課総括課長 児童手当の支給実績でございますけれども、これは、公務員を除きますが、平成16年度の県内の市町村の支給状況でございますが、支給対象児童数は9万8、033人、支給額は62億31万5、000円となっております。
 平成18年度の支給予定でございますけれども、平成18年度から、一つは支給対象年齢の引き上げということで、現在、小学校3年生までになっておりますが、これを小学校卒業時期までに拡大するというものでございます。もう一つは、所得制限額の引き上げということで、現在、被用者収入ベースで年780万円を860万円に引き上げる、こういうふうなことが予定されております。
 1人当たりの支給額につきましては、現行と同じでございまして、第1子と第2子が月額5、000円、第3子が月額1万円となってございます。これら制度の拡充に伴いまして、これは公務員を除きますが、支給対象児童数は12万8、834人、3万6、503人の増になります。また、支給額は85億5、207万5、000円ということで、21億1、950万円の増になる、この程度になるのではないかと見込んでおります。
 なお、カバー率というか、どれだけの支給率になるかということにつきましては、ちょっと今確認させていただいて、報告させていただきたいと思います。
〇小野寺好委員 先般、猪口大臣が出産費用を全部個人負担なしにしたいなんて言っていましたが、それはちょっとなしになったようなんですが、実際の出産費用はどのくらいかかっているか。前に、工藤勝子委員が、夜間、休日はちょっと負担がふえて困るといったことでの取り上げ方をしましたけれども、現実に通常でどのくらいかかっているものなのか。この出産育児一時金の支給実績はどうなっているか、お伺いいたします。
〇福島医療国保課総括課長 これは国民健康保険に限っての御答弁になりますので、御了承願います。
 平成16年度の国民健康保険における出産育児一時金、こちらの方からお答え申し上げますが、これの給付実績は1、783件でございました。給付額全体では5億4、486万円ということで、1件当たり約30万5、000円、こういう実績になっております。
 国民健康保険制度におきましては、この出産育児一時金の額は、各保険者が独自に定めることができるということになっておりますが、実態から申しますと、大体1件当たり30万円から35万円の幅でそれぞれ設定されているようでございます。
 それから、現実の出産の諸費用はどうなっているのかということでございます。ただいま御質問の中にもございましたとおり、休日、深夜ですとか、分娩の時間帯によって若干の費用がまたさらにかかるということはございますが、通常の場合ということでございますので、初産、経産婦、分娩後5日間入院といったような通常の場合を想定しますと、30万円程度ということでございます。これは、実は県立病院の状況をちょっとお聞きしたところでございますが、民間病院になりますと、これはごく、サンプリングと申しましても、個別にお聞きした状況でございますのであれですが、大体これに2万円程度はさらに高くなるのかなと、こういうふうにお聞きしているところでございます。
〇古内児童家庭課総括課長 先ほどのお尋ねの中でお答えしていなかったカバー率の関係でございますが、所得制限限度額が緩和されることによりまして、現在は支給率が約85%でございますけれども、これがおおむね90%になるのではないかと見込んでおるところでございます。
〇小野寺好委員 今度の出産育児一時金の支給予定についてお尋ねいたします。
〇福島医療国保課総括課長 出産育児一時金の今後の見通しといった点については、ちょっと個々の保険者から、これについては通常データを取り寄せておりませんので、その必要があった場合に個別にお聞きするということしか、ちょっとデータは申し上げられませんが、先ほど1、783件と平成16年度の実績を申し上げました。これが、少子化の影響などで少しずつ件数は少なくなっているかと思いますが、いずれ1、600件、1、700件規模であると、ただいまはそういったような答弁でお許しいただきたいと思います。
〇佐々木一榮委員 小野寺好委員の出産費用に関連しましてお尋ねしますが、県内の高校生の中絶率が全国でも高いという話を聞きますけれども、この中絶の部分で、医師会とどういうような連携といいますか、この少子化に絡んで対策を打っておられるか。
 それから、中絶費用というのは、今大体どのぐらいかかっているんでしょうか、お尋ねします。
〇古内児童家庭課総括課長 人工妊娠中絶のお話でございますけれども、県医師会とは、県医師会思春期保健対策委員会というのを医師会の方で、平成14年でございますけれども、立ち上げておられまして、そこに私どもも参画させていただきまして、思春期対策についてさまざま検討させていただいている。その中で、成果といたしましては、これは医師会の方で性教育指導用のCD-ROMを作成いたしまして、県内の各学校に配布して、そうした思春期の問題についての取り組みを行っていただいていると伺っているところでございます。
 ちょっと費用までは把握しておりません。
〇佐々木一榮委員 費用の額はいいんですが、これは基準というのはあるんでしょう。先ほど、出産費用平均30万円というお話があったわけでありますけれども、これに対して、その人工中絶の費用というのは、これはそれぞれの医師が、機関が決めるものか、それともある程度のルールがあるのか、それについて御答弁いただけますか。
〇赤羽保健福祉部長 ちょっと不確かな知識で大変申しわけございませんが、いわゆる医療保険の給付の対象になっているものについては、診療報酬の点数表の中で書いてあるわけですけれども、恐らく中絶費用については記載されていないのではないかと考えております。
〇工藤大輔委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤大輔委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆様は退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます。
〇法貴医療局長 平成18年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 予算の内容を御説明申し上げる前に、事業運営に当たっての基本的な考え方について若干申し上げたいと存じます。
 御案内のとおり、国民医療費の総額抑制を最大の目的とし、患者負担の引き上げや健康保険組合の再編等を柱とする医療制度改革が進められる中、診療報酬などにつきましては、平成14年度及び平成16年度に引き続き3回連続となるマイナス改定が本年4月から予定され、また、医師確保につきましては、地域偏在、診療科偏在が進む中で、医師の臨床研修必修化に伴い、大学からの医師の派遣がますます得にくくなるなど、医療を取り巻く諸情勢は一段と厳しさを増しております。
 県立病院等事業におきましても、診療報酬などのマイナス改定の影響額が大きく見込まれるなど、引き続き厳しい経営状況となっているところでございます。
 このような状況のもと、平成18年度の事業運営に当たりましては、今後とも安定した経営基盤の確立を図りながら、県民に良質な医療を持続的に提供していくため、全職員が一丸となって県立病院改革を着実に実行していく必要があると考えております。
 このため、第1に、二次保健医療圏ごとの県立病院群の連携をさらに強化し、医師のセンター病院・広域基幹病院から地域病院・診療所などへの診療応援を充実・強化するとともに、事務や検体検査業務を集約化するなどにより、業務の効率化を一層推進してまいります。
 また、医師の地域偏在の緩和に努めるとともに、臨床研修医及び後期研修医の受け入れ体制の整備や、女性医師の労働環境の整備、関係大学への協力要請などにより、引き続き医師の確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 第2に、広域基幹病院などに専従のリスクマネジャーである医療安全管理専門員を配置し、医療安全対策を推進するとともに、クリニカルパスの推進や計画的に施設・設備を整備することなどにより患者満足度の向上を図り、質の高い医療サービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
 第3に、経営の改善についてでありますが、診療報酬などのマイナス改定の影響をできるだけ少なくするように努めるとともに、引き続き県立病院改革実施計画に定める電子カルテなどの情報化の推進や診療報酬の適正算定、県立中央病院へのDPCの導入などによる収入の確保、給与費の縮減や材料費の抑制、民間への医事・調理業務委託の拡大などによる費用の抑制に努めることを念頭に、事業運営を行ってまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の46ページをお開き願います。議案第12号平成18年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、974床と定め、年間延べ患者数を、入院では176万3、000人、外来では317万7、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事のうち、新築工事では、花巻厚生・北上病院の統合病院は平成20年度の竣工に向けて、また、山田病院は平成18年度内の竣工に向けて、工事費など所要の事業費を計上するものでございます。増改築等の工事では、中央病院の配管改修などを実施するため、所要の事業費を計上するものでございます。
 また、医療器械につきましては、中央病院に整備する全身用エックス線CT診断装置などの購入が主なものでございます。
 さらに、医師養成負担金につきましては、岩手医科大学に引き続き本県出身者の入学枠5人分を確保し、その養成経費を負担しようとするものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 次に、48ページに参りまして、第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が平成19年度以降にわたる花巻厚生・北上病院新築工事並びに中央病院増改築工事の債務負担行為の期間と限度額をあらかじめ定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械の整備及び退職給与金の財源となる企業債の限度額を92億3、600万円とするとともに、その償還方法などを定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を163億円と定めようとするものでございます。
 49ページに参りまして、第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料などのたな卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条、重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の412ページをお開き願います。平成18年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げますます。
 初めに、収益的収入及び支出でございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は966億2、500余万円で、平成17年度の最終予算と比較しますと、およそ1.0%の減少を見込んでいるものでございます。
 第1項医業収益は843億5、700余万円で、1目入院収益は532億2、500余万円、2目外来収益は253億500余万円でございます。3目その他医業収益は58億2、500余万円で、その主なものといたしましては、救急医療などの一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断などの公衆衛生活動収益等でございます。
 第2項医業外収益は121億1、800余万円で、その主なものといたしまして、2目補助金5億900余万円は、救命救急センター運営事業等運営費などに係る補助金でございます。3目負担金交付金108億600余万円は、結核病床や精神病床及び高度医療などの不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益7億8、300余万円は、不動産貸付料などでございます。
 413ページに参りまして、第3項特別利益は1億5、000余万円で、山田病院の跡地売却益を見込むものでございます。
 次に、支出でございますが、第1款病院事業費用は973億300余万円で、平成17年度の最終予算と比較しますと、およそ0.1%の増加を見込んでいるものでございます。
 第1項医業費用は916億5、600余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費516億3、300余万円、2目材料費240億500余万円、3目経費118億3、800余万円、5目減価償却費36億6、200余万円などでございます。
 414ページに参りまして、第2項医業外費用は52億300余万円で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費41億200余万円、2目繰延勘定償却9億4、200余万円などでございます。
 第3項特別損失は4億3、900余万円で、山田病院の旧建物除却費などでございます。
 この結果、収入と支出を差し引きまして6億7、700余万円の純損失が見込まれるものでございます。
 415ページに参りまして、次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入でございますが、その総額は125億2、500余万円で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債は81億3、600万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました花巻厚生・北上病院の統合病院などの建築工事や医療器械の整備などに充てるものでございます。
 第3項負担金43億6、600余万円は、企業債償還などに係る一般会計からの繰入金でございます。
 次に、支出でございますが、その総額は183億8、200余万円で、その主なものといたしましては、次のページに参りまして、第1款資本的支出の第1項建設改良費85億4、800余万円で、その主なものといたしましては、2目建物費48億3、700余万円、3目医療器械費28億5、600余万円などでございます。
 第2項企業債償還金は92億1、900余万円でございます。
 第3項投資は3億3、400余万円で、その内容は、1目長期貸付金は、医師などに対する奨学資金として1億3、200万円、2目医師養成負担金は2億200余万円などでございます。
 第4項開発費は2億7、800余万円でございますが、その主なものといたしましては、情報処理システムなどの開発費でございます。
 なお、417ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇工藤大輔委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇吉田昭彦委員 2点お伺いしたいと思います。
 まず第1点、それぞれの地域の中での県立病院の役割についてはいろんな分析、見方があると思いますが、地域での依存度合いについてどのように把握しているか、まずもってお伺いしたいと思います。
〇八木経営改革監 お尋ねの県立病院の役割でございますけれども、単純に平成16年の病院報告、これは診療所は含んでございませんが、これで見ますと、全体で、病床数で約30%、精神病院を除く入院患者数で約33%、外来患者数で約47%となってございまして、これは前にも出してございますが、大体こういった数字で推移をしていると。それから、地域的には盛岡以南のいわゆる東北本線沿線筋が、非常に民間病院等の医療機関が相当数あるということで、県立病院が占める割合は低くなってございますし、二戸医療圏、気仙医療圏などの県北・沿岸地域におきましては、県立病院の占める割合が高くなっているという状況でございます。
〇吉田昭彦委員 地域別に数値が出ていると思いますので、もっと詳しく説明をしていただきたいと思いますが、地区別に、医療圏別と言ったらいいんですか、二次医療圏別に今の説明をお願いします。
〇八木経営改革監 医療圏別に見ますと、盛岡医療圏で見ますと、これ病床数で言いますと12.8%、これ県立病院の割合でございますけれども、入院患者数は12.4%、それから外来では16.2%。それから岩手中部医療圏では、これ精神病院を除く病床数で32.7%、それから入院患者数で27.2%、外来で34.6%。胆江も同じような数字でございまして、病床数で34.9%、入院患者数で33.1%、外来では50.3%と。両磐医療圏は、病床数で45.3%、それから入院患者数で45.5%、外来患者数で58.7%。気仙と二戸地区は、ここは県立病院しかございませんのでほぼ100%と。病床数あるいは入院患者それから外来患者にしても、100%という状況です。それから、釜石地区でございますが、ここは病床数で51.7%、それから入院患者数で51.2%、外来患者数では59.8%。宮古医療圏は、病床数で63%、それから入院患者数で58.7%、外来では67.3%と。それから久慈医療圏は、病床数で65.9%、入院患者数で66.4%、それから外来では74.7%と、こういったパーセンテージになっています。
〇吉田昭彦委員 今説明を願ったのは、いかに県立病院の依存度合いがそれぞれの地域によって違うということを説明いただきたかったわけでありますが、そのとおりの説明になったようですので、それを是としますけれども、そこで、これからそれぞれ、先ほど医療局長の説明の中でも、医師の地域偏在の緩和という重点施策のお話、説明がありましたけれども、今後の各県立病院の医師の配置につきまして、県立病院に対する依存度合いの高いところ、そういうところに優先的に医師の配置を考えるということが必要ではないかと思いますが、医療局長、どうでしょうか。
〇法貴医療局長 医師の確保が非常に厳しい状況にあるということで、病院改革を進めておるわけでございますけれども、我々は医師が非常に専門分化しているということで、二次医療圏ごとに広域基幹病院を中心にネットワークでそれをカバーしていこうということになっています。今後とも、地域地域ではかなり運営等は違うわけですけれども、医師の地域偏在を緩和するために、広域基幹病院に医師を重点的に配置しながら、病院間のネットワークによって地域病院等の診療を支援することにより、地域医療の確保に努めたいと考えています。
〇吉田昭彦委員 それぞれ医療過疎のところに、県立病院の設置の趣旨から言っても、そういうところに優先的に医師の配置をするということで進めていただきたい。そのことを提起させていただきたいと思います。
 それから2点目、平成16年度からの病院改革プランの進捗状況についてお伺いします。
 これまでの16年度、17年度、2カ年の成果の評価、あるいは課題についてお伺いします。
 あわせて、平成18年度において重点的に取り組む施策についてお伺いいたします。特に、二次保健医療圏単位での機能分担・連携はどのように図られていると承知しておるか、お伺いいたします。
〇法貴医療局長 私からは、17年度の進捗状況と18年度の重点事業について御説明申し上げ、それから、その他については八木経営改革監からお話しします。
 まず、県立病院改革の進捗状況でありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、二次保健医療圏内の県立病院群の安定的な診療応援を図るということで、医師の広域人事異動システムの実施、あるいは検体検査、事務業務の広域基幹病院への集約などを柱とする、県立病院群の一体的、効率的な運営に取り組んでおります。そのほかに、病床規模の適正化として、5病院292床の病床休止や医事及び調理業務の外部委託などにより、これまでの2カ年で常勤職員205人を減員いたしまして、給与費の抑制を図ってきております。
 そのほかに、材料費の抑制や職員の意識改革など、総合的に経営改革を進めているわけでございまして、こうした取り組みを進めることにより、本年度までの収支改善目標の11億2、000万円を上回る約16億円の改善を達成する見込みとなっているところであります。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、18年度からは3.16%という診療報酬の大幅なマイナス改定がありまして、この改革を進める上で、さらなる改善の余地がないかということを探りながらも、病院改革プランに進めている内容、病棟休止及び診療所化あるいは外部委託のさらなる推進など、さらに取り組みを進めるとともに、一方で3.16のショックを少しでも和らげるために、診療報酬改定によって、新規に打ち出された項目への取り組みや施設基準の見直しあるいは中央病院のDPCへの移行、薬価のマイナス改定に対応した薬品の廉価購入などに努めてまいりたいと考えています。
 なお、18年度につきましても、県立病院経営委員会による評価もいただきながら、着実に推進してまいりたいと考えています。
〇八木経営改革監 二次保健医療圏単位での機能分担と連携についてでございますが、広域基幹病院や地域病院など、それぞれの診療機能に応じて診療応援の実施、患者の紹介、逆紹介、あるいは業務の集約などによって二次保健医療圏ごとに県立病院群を一体的、効率的に運営する取り組みを進めているところでございます。広域基幹病院等から圏域の県立病院への診療応援は16年度で2、500件となっており、また、昨年7月に2週間ほど実施しました県立病院間の患者紹介の件数は293件、それから逆紹介は261件となってございます。引き続き、二次保健医療圏を中心としました県立病院間の診療応援や患者紹介、あるいは逆紹介などを進めるとともに、民間の医療機関とも機能分担を図りながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇吉田昭彦委員 これで終わりますけれども、今、二次保健医療圏単位でいろいろ機能分担、連携強化が図られているというお答えをいただきましたが、その際に、さらに連携を強化する試みとして、二次保健医療圏での収支決算、そういう形で今各病院ごとに決算が行われているわけですけれども、それを二次医療圏単位で決算をするということにすれば非常に連携が図られ、また機能分担も明確になってくるのではないかなと、そのような感じがいたすわけでありますが、このことについてどうですか。
〇八木経営改革監 委員御指摘のとおり、今、県立病院改革におきましては、二次保健医療圏ごとに業務、こういったものを広域基幹病院に集約し、さらに診療応援や職員の弾力的な配置などを行うということで、病院群を一体的、効率的に運営するということを目指していますので、病院単体での経営や運営評価だけでなくて、圏域の病院群としての経営状況、それから連携という意味では紹介、逆紹介といったもの、それから診療応援、職員の相互派遣、さらには業務の集約などについても適切に評価をしながら、今後の県立病院改革の推進や運営の改善につなげてまいりたいと考えてございます。
〇吉田昭彦委員 私が申し上げたのは、各病院単位で収支決算をやると。そうすると、病院間で患者の奪い合いとは申しませんが、そういう形態になったのでは連携が図れないだろうと。そういうことで、二次保健医療圏全体で、いわゆる中核病院それからその他病院、それとの収支を一体的にやった方が、病院間での連携を図るためにはいいのではないかということを申し上げたんです。もう一度お願いします。
〇八木経営改革監 圏域ごとの収支をそういった形で見ていくということは、それは変わりないんでございますが、やはり企業会計でございますので、病院個々の、どうしても収支の状況というのは出さなきゃならないということでございますので、病院個々の収支の状況を出しながら、なおかつ、圏域の中での全体の収支、それから先ほど申しましたような業務応援、あるいは診療応援、こういったものも見ながら、その圏域圏域での、そうした運営状況を把握してまいりたいと考えてございます。
〇吉田昭彦委員 公営企業法でそれぞれの病院単位で収支の決算をしなければならないというのは、それはわかりました。そういうことで、各病院ごとに赤だ、黒だという評価をしないで、いわゆる評価をするのは圏域全体でやることによって連携が図られるんではないかということを提起したわけですが、医療局長、どうですか。
〇法貴医療局長 二次保健医療圏ごとで近年は運営協議会というのを開き始めていまして、一体感が随分醸成されてきておりまして、この改革プランの中でそういう機運が醸成してきまして、なおかつ、そういう見方が一番いいんだというふうなことになれば、単独の決算と同時に、圏域の中での会計で評価していくということも一つの取り組みではないかと考えていますので、そういう方向に向けて少し検討してまいりたいと思っています。
〇工藤勝子委員 県立病院における産婦人科医師の確保について御質問をさせていただきたいと思っております。
 地域総合病院となっております遠野病院に産婦人科医師を配置する見通しはないものでしょうかということです。
 遠野市は、多分、宮守と一緒になりましたので230人前後が誕生していると思っておりますけれども、ここに個人として開業しているお医者さんが1人もいないわけですね。そういう関係で、非常に不安を持って、これが遠野市における少子化にも結びついているような気がしてならないんですよ。お母さんたちの話を聞きますと、1時間、2時間かけてお腹を抱えて健診に来るわけですけれども、もう、ああいう思いはしたくないという。ですから、ここでやめたというお母さんたちの声も、本当に切実なんですよ。そういうことで、ぜひ見通しについて、開業医もいないところに配置を何とかお願いしたいという意味です。それで見通しについてお伺いいたします。
 それから、県立宮古病院、釜石病院において助産師の制度がスタートしたはずです。助産師によっての健診や保健指導が行われていると思っております。そこで、産婦人科の先生との連携、さらには健診を受けている人たちの声などとか効果、まだそこまではいかないかもしれませんけれども、その2点お伺いいたします。
〇法貴医療局長 あらかじめ申し上げますけれども、遠野市にないかということですけれども、なかなか難しいということでございます。
 産婦人科医師の確保は非常に困難を極めておりまして、国とか医局との意向ではもっと──例えば今9広域に24人配置してやっているわけですけれども、もう少しコンパクトにもっとまとめられないかというふうな圧力がかかってきていまして、分散することに対しては非常に困難な状況になっておりまして、そういう集中化、国の動向を見きわめながら、確かに地域地域で出産を迎えたいという気持ちは切実にわかるわけでございますけれども、産婦人科医師がいないということで、ちょっとそこら辺は遠野に──1人では無理で2人の体制をとらなければいけないということになりますので、1人だけ持っていくということはなかなか難しいというふうに考えております。
 それから、宮古、釜石における助産師さんたちの外来についてどうだったということですけれども、助産師外来、いろんな御意見を伺って、釜石病院で受診した64人の妊産婦へのアンケート結果では、聞きやすい雰囲気の中で悩みの解消に役立ったなどの声があるほか、全員が受診してよかったと好評を得ているところであります。また、外来での健診業務の一部を助産師が担うことで、ある程度の皆さんたちの業務の軽減にもつながっているのではないかと考えています。
〇工藤勝子委員 重々難しいということはわかっていて質問いたしておりまして、余り難しいということで片づけてほしくないと思うんですね。これ、本当に悩みなんです。
 そこで、例えば複数体制でなければだめだというような、これはお医者さんの希望だと思うんですけれども、そこで、システムを考えてみたらどうでしょうかという御提言に対し、御意見を伺いたいと思うんですけれども、例えば今の県立宮古、釜石病院の声を聞いても、非常に好評だと思うんです。県立病院に産婦人科の1人の先生が赴任し、そこでこの助産婦さんたちをうまく活用して、いろいろ健診や指導をきちんとやっていただければ、そしてお産をするときはこちらの方の盛岡なり花巻──花巻は今いませんでしたか、とにかく釜石なりそういうところにお産は移動すると。ただ、10カ月にわたる健診においては、そこで地域の病院で、長距離を移動しなくてもできると、そういうシステムをつくっていただけないでしょうか。そうすれば、1人の産婦人科の先生が遠野病院に赴任すれば、連携をとりながら、その先生の長時間に及ぶ時間だとか不規則の部分をある程度カバーをしながら、お産はこちらの盛岡でなり、そういう形に、2人体制のお医者さんに移動してお産をするというような、こういうシステムに変えるようなことはできないものでしょうか、御質問いたします。
〇法貴医療局長 1人の産婦人科のお医者さんが助産師を指導しながらというふうなシステムでございますけれども、産婦人科というのは非常に母体に影響するという、女性にとっては大変な時期を迎えているという、それから医師にとっても1人で365日、24時間体制を組むということは非常に労働過酷な状態になるという状況で、その全体の医師数を確保する中で、やはり24時間、365日体制というのは、なかなか1人の体制では難しいということになっています。
 今、御提言のありました中で、助産師外来というのはそういうものを少しでも地元でやっていただきたいということで、一応今は産婦人科医師のいるところで始めていますけれども、そういう患者さんあるいは助産師、医師の意識が共有化されて、安全、安心でいけるというシステムの中で、例えば遠野病院に月1とか週1の婦人科の先生方が行ったときに助産師の外来を開くとか、そういうシステムが、三位一体でないですけれども、患者とか妊産婦さんたちがそういう意識が共有されるという土壌が備わった時点で、順次そういうものを広げていきたいと考えていますし、一方では、助産師さんたちの意識改革、あるいは資質の向上にも十分努めていかなければならないと思っています。
 決して、片づけているわけじゃなくて、苦肉の策で助産師の外来を今開設したところでありまして、それを検証しながら、各地域で意識を統一していかなければなかなかできませんので、そういう醸成にも努めていきたいと考えています。
〇工藤勝子委員 わかりました。ありがとうございました。
 それで、そういう体制を整える。遠野市にも優秀な助産師さんがいると聞いていました。ですから、どこにどのような助産師の資格を持った人たちがいるかということをきちっと把握をしながら、1人でもそういう人たちの連係プレーができるならばということで、ぜひ考えていただきたいと、私はそのように思っているところでございます。これからの非常に産婦人科の先生が少ない中で、何かを変えなければ地域住民の要望にこたえられないのではないかと。
 この間の日報に、お産するにもいろいろな女性の価値観が生まれてきまして、きちっと自宅で、助産師さんでお産して、元気な子供を抱えた写真が出ていました。そういうことだって私は、健康であって健診の中で異常がなければ、昔もきちっと自宅でお産して、元気な子供たちが育ってきたわけですので、そういう面を考えれば、こういう病院におけるシステムづくり等について御検討いただきながら、お願いをしたいと。
 要望だけで終わるわけにはいきませんので、もう一度よろしくお願いいたします。
〇法貴医療局長 先ほども申し上げましたが、助産師の教育の関係で、管理分娩にずっと長いこと──昔の戦後の、今言った助産師さんが自立して子供を取り上げていたという時代と違いまして、今はお医者さんのいるところで助産師さんが支援的にやっていたという、長い時間がかかっておりまして、それをもう一度自立に向けてどういう意識をしていくかということと、それから、1人でも、約7割が自然分娩ですので、異常分娩以外のものをどう取り上げていくかということについては、先ほど申し上げました医師と妊産婦と助産師さんたちの意識の中で生まれてくれれば一番スムーズにいけるかなと。これは強制的にお医者さんを引っ張っていくわけにいきませんし、助産師に必ずそれをやれというふうに強制的にやるわけにもいきませんので、そういう機運の醸成について今取り組んでいるところでございますので、ぜひ御理解を賜りたいと考えています。
〇柳村典秀委員 平成16年度に包括外部監査で医師確保対策費が取り上げられていますし、平成17年度においては、県立病院全体のことに対して監査が行われております。それらに関連してお尋ねいたします。
 なお、既にもう答弁が出された県立病院の改革実施計画についてはやりませんので。
 そこで、退職給与引当金の平成16年度分で計上されたものなんですけれども、全額の取り崩しを指摘されているわけですが、その理由についてお聞かせください。
 あと、大学研究費助成についてですが、派遣医師数が近年減ってきているにもかかわらず、助成金が常に5、000万円という総額に対して何ら考慮されていないのではないかと、これについては考慮すべきじゃないかという指摘なんですけれども、これらについての対応はどうされているかをお尋ねします。
〇佐藤管理課総括課長 平成17年度の、これは先日議決いただきました2月補正予算におきまして、退職給与引当金6億2、100万円、これは昭和61年度から黒字等になった場合、一定の条件のもとで積み立ててきたものでございますけれども、その分について結局今年度勧奨退職者が大幅にふえていると、そのような状況でございますので、10億円ほど予算が不足すると。そのような状況の中で、まず最初に6億2、100万円を充当して、あと残りの3億9、000万円については内部留保資金を使いまして繰り延べしていくと、そのような事情によりまして取り崩すということになったものでございます。
〇相馬医師対策監 大学助成金のことについてお答えいたします。
 御指摘の岩手医科大学への大学助成金は、大学の方から質の高い医師の安定的な派遣を受けるということを目的として、各講座の種々の研究への助成を行っているものでございまして、医師の派遣数に応じて、連動してというふうなものではございませんので、御理解いただきたいと思います。
 また、この助成金は、質の高い医療の提供あるいは安定的な医師の派遣に十分に寄与しているものだと考えてございます。
〇柳村典秀委員 退職金のことですけれども、16年度に積み立てた分が6億幾らということで、とすれば、今までに積み立てている引当金というのは幾らあるのか。今後、引当金についてどうするのかという点。
 それと、監査は5、000万円の使途といいますか目的といいますか、これは明らかに岩手医大で医師を派遣してくれる見返りといいますか、そういう意味として県が支出しているものだと解釈しているんですよね。ただし、岩手医大では研究費が50億円もあると。その中の県からの5、000万円というのは、言ってみれば微々たるものであるし、目的がそういうことであるならば、医師数に応じた形で対応すべきじゃないかという指摘なんです。ただ、今の話ですと、そうではないよという見解なわけですかね。そこをもう一度確認したいと思います。
〇佐藤管理課総括課長 6億2、100万円の退職引当金につきましては、これは17年度に全部積み立てたものではございません。すべて過去に積み立てたものでございます。
 数字を申し上げますと、最初に積みましたのが昭和61年度、3億1、000万円、62年度に6億1、000万円、63年度に1、250万円、そして平成4年度は逆に4億5、000万円取り崩してございます。その後、平成13年度に4億2、500万円積み立てておりまして、それで17年度現在で6億2、100万円積み立てておると、そのような状況でございます。
 それで、引き当ての考え方につきましては、結局これまでも包括外部監査におきましては、実は平成15年度にも包括外部監査を受けておりまして、そのときに、これは多額の引き当て不足というようなことを言われております。それで、これは医療局といたしましては、多額の累積欠損金を抱えているような状況、なおかつ、病院改革を実施しなければならないと、そういう状況におきましては、引当金の計上、これを解消するというのは現実的に困難でありますし、また、県民の理解も得られないものだというようなことで考えてございまして、それで、これは当方、医療局の方でこれまでに引き当ててきた考え方というのがございまして、剰余金が発生した場合に計上すると。あとは、全職員が年度末に退職したと仮定した退職給与金の所要額から前年度末に在職した職員が全員退職したと仮定した場合の額を控除した額と、これが国の指導基準でございますが、それの2分の1を限度とするというようなことでございまして、あと、実際の計上に当たりましては、給与費の決算残額とすると、そういう形でこれまで運用してまいりましたということで、今後におきましても、そのような状況になった場合についてはやっていきたいと考えてございます。
〇相馬医師対策監 研究助成金のことについてでございますけれども、これについては岩手医科大学と助成の契約を結びまして、そして個々の医局の方での研究内容についても提示してもらいまして、それに対して助成をしているものでございます。ただ、包括外部監査の指摘の方については、いろんな医局の方への助成のいわゆる金額の積算に当たって、派遣していただいている医師のこと等も加味した助成の額等を入れることによって、この指摘にもこたえるような検討をしてまいろうと考えてございます。
〇柳村典秀委員 退職金については、そうすると、今は引当金は全くゼロということでよろしいですね。(相馬医師対策監「はい」と呼ぶ)
 次の質問に移ります。奨学資金貸付金なんですけれども、現在における奨学資金の貸し付け及び返済状況、これがどうなっているか。そしてまた、現時点における返還免除対象中の医師数と、その後勤務している人数はどういうふうになっているか。
 そして医師養成事業についてですけれども、医療局修学生の18年度の応募状況と、近年における応募者数が減少している理由をどう考えているか。そして現在の修学生の専攻科別の人数。修学生が義務を履行しなかった場合のペナルティーはあるのかどうか。これらについてお伺いします。
〇相馬医師対策監 奨学金のことについてですが、現在の奨学生への貸し付け、それから返済と申しますか、その状況でございます。
 現在の奨学生制度、古いものもございますが、現在のものは平成9年に改正されまして運用しているものでございますが、18年3月1日現在におきましては、89名に貸し付けを行いまして、うち29名が大学を卒業してございます。この中の返済と申しますか、義務を果たすことなく返還した方は1名おります。
 それから、現時点で返還免除対象中と申しますか、これは、要するに勤務しているという御質問と理解いたしましたけれども、現在、義務履行中の者は12名でございます。
 それから、現時点で義務を終了した後においても県立病院に勤務しているという者は、平成9年以降の制度ではまだございません。
 それから、医師養成事業のことでございます。18年度の応募状況と、近年、応募者が減少している理由ということでございますが、この事業は平成14年から19年までの6年間、毎年5名を定員として養成するものでございますけれども、応募者が一時減少いたしましたけれども、18年度の応募者は15名というふうに回復してきております。このことは、テレビあるいは新聞による広報、県立病院のホームページの掲載、それから高校の進路指導の会議等での制度の説明等を行ったことによるものと認識しておりまして、今後においても、広く制度の周知を図り、多くの有能な高校生が応募できるように努めてまいりたいと考えてございます。
 それから、この修学生の専攻科別の人数ということでございますけれども、今、修学生制度で養成している方々の第1期生と申しますか、一番最初の方々は、今、医学部の4年生でございます。今現在は、一般教養あるいは基本的な実技の臨床実習を行っているという状況でございまして、一般的には、どの科を専攻するかというのは、卒業後、臨床研修という形で病院の方に出てから決める場合が多いものでございますので、現時点でこの4年生の方々の修学生の専攻科別というのは、把握できかねる状況でございます。
 それから、義務を果たさなかった場合の対応でございますけれども、これは修学生と医療局とで覚書を取り交わしておりまして、義務を果たさなかった場合は、元本と、それから所定の利息をあわせた違約金の返還義務が生じるというものでございます。
〇柳村典秀委員 奨学資金貸付金の件ですけれども、実際これ月20万円、そして年間240万円が6年ということなわけですね。この目的というのは、将来、県立病院に勤務して医師として従事しようとする者に対して貸し付けるということが目的だと。だから、将来的には県立病院の医師になりますよということで、条例も医療局職員奨学資金貸付金と。だから、あくまでも医療局の職員に対して貸し付けるんだよというような、条例の名前はそういう形になっています。ところが、実際には、従事をしないで全額返してしまってほかの病院に行くとかという例がかなりあるということが、この16年度の監査では指摘されております。
 もう一つは、6年間勤務すれば、今まで年間240万円ずつのが免除されますよと。だから6年間は勤務してくださいよということですよね。ところが、6年の勤務をしないうちにやめていく人たちがいると。トータルすると、50%の人たちが途中で返還していなくなっちゃうということなんですよね。
 ところが、最初募集するときには、希望者は、定員が10人だから10人以上いるわけですよね。すると、面接というか、応募してきた人たちとの約束をしてやるんでしょうけれども、なぜそういうふうな、半分がいなくなるという現実が出てくるのか、そこをまずお聞きしたいです。
 それと医師養成事業、これ5人ですよね。これは国立大学と私立大学との差額、これが6年間で約4、000万円あると、これを負担するというものですよね。そうすると、これはそれぞれの専攻科に応じて7年のところと9年のところがある。だから7年間勤務すればそれらが免除されるよと。言ってみれば、4、000万円が7年間で免除されるという話になりますね。もしこれ、先ほど途中でやめた場合は貸し付けたというか、実際払ったわけですよね。払った分について利息をつけて返してもらうという話でしたね。それは、利息というのはどういう、延滞金という話なんですか、どういう話での利息ということなのか。とすれば、さっきの貸し付けている240万円もそういうことでの返還をしているのか。そして予算の中身は、一気に5人に対して4、000万円、約2億円が計上されていますけれども、これは6年分を一気に大学に払い込むという方法で計上しているものなのか、そこをお願いします。
〇相馬医師対策監 まず最初に奨学金のことでございますが、今御指摘の中で、半分、50%が義務を履行しないでやめられるという御指摘がございましたけれども、先ほど申しましたように、まず今の平成9年からの制度は、義務履行に出た方は実際まだ3人でございますので、そういうことはございませんが、仮にそれまでの、昭和25年からずっとあった旧の制度でございますけれども、こちらの実績で申し上げますと、私どもの方では69%の方が義務履行をしてございます。それからまだ、今現在でも履行中の方がさらに、最後のころの方ですけれどもいらっしゃるというふうなことになってございまして、半分がやめていくということはありませんで、ある一定の県立病院に勤めていただいたという成果はあるものと考えてございます。
 それから、医師養成事業の方の修学生のお話でございました。違約金の利息のことでございますけれども、これは基本的には貸しているというか、大学を卒業して医師になってから県立病院に勤めてくださいという制度なんですけれども、勤めずに一定年限が経過すれば、それに対して1年間に年利9%の利息が発生しますよという形になってございまして、時間が経過すればするほど、利息がふえていくという中身でございます。
 それから、一度に岩手医科大学の方に初年度に払い込むという内容は、御指摘のとおりでございます。
〇柳村典秀委員 奨学資金の方も話を聞いたんですが。
〇相馬医師対策監 失礼いたしました。一つ漏れました。
 勤務しない理由ということでございましたけれども、これは私どもの方の方々ですと、勤務しないというか、最初に、今ですと大学を終わりまして、そして一つは大学院に進むというふうな方々もございます。これは専門医をとったり学位をとったりするためにでございますが、そういうときには猶予という形にいたします。そういうことから、さらに勤務をしなくなるという方々の場合には、いろんな例はございますけれども、一つは岩手県外のほかの大学の方に行ってそこで研究に入ったりという形で、あるいはそこの病院に勤めてこちらの方に戻って来れないような家庭的な事情等も発生したりということがあることがございます。
〇柳村典秀委員 こちらの方には足せば50になっていたものだから、そういうふうに話をしましたけれども、現実にいるわけですよね、義務を履行しないで、結局お金を返しちゃってほかに行くということが。実際そして丸々6年分はもらって、一切義務を履行しなかったという方も先ほど1名いると言いましたよね。だから、そのことが問題で、やっぱり目的が医師確保対策であるし、勤務してもらうことが目的なはずですよね。そして、応募者の中から選別してそして対象者を決めているはずなのに、実際はそういう人たちが出るということは、じゃ、選考の仕方がまずかったのか。あるいはこの仕組み自体が、そういうふうに安易に、いや、もらうときはもらってあと返せばいいんだよという話で、安易に使える状況になっているのか、そこら辺。そのことが実は今度医師5名という分はもっと大きいわけですよね、金額がね。このことにはすごく期待しているわけですよね。ところが、7年、9年という話があるけれども、実際これからその人たちが本当に活躍してくれるかどうかという、そこの心配が実は今後出てくる可能性もあるんじゃないかと。だから、今いる間、あるいはこれから新たにまたそういう人たちをお願いしていくわけですよね、そして負担していくわけですよね。だから、慎重にも慎重に、面接なり何なり応募者がいる中で、じゃ、だれをそういうふうにお願いするかということが、今後非常に大事になってくるんじゃないか。じゃないと、困っているこちらがこういう制度をつくっても、それを逆に悪用する人たちが出てくることも考えられるわけですよね。そのことについてどういうふうに今後していくのかというか、考え方をお聞きして終わります。
〇相馬医師対策監 選考の仕方でございますけれども、書類審査と面接等で審査しているわけなんですけれども、高校を終わるときの状態で選抜するというふうな状況でございますので、その後いろんなことが医師になっていくまでの間、結構時間がかかりますので、いろんなことが出てまいりますけれども、私どもが考えているというか、これからきっちりやっていこうと思っていますのは、まず確かに選考のことがございますし、それから終わった後に大学6年間いろんなことを経験しながらいくわけなんですけれども、私どもの方からも、修学生の方々は岩手県の県立病院に勤めるという約束で、そして今勉強させていただいているわけですし、その後にちゃんと勤めてくださいよということを繰り返し、コミュニケーションをとりながら意識の中に置いていただきながらやっていくということを昨年度からさらに始めてございます。そういう形で、この若い先生方がきちんと県立病院に勤務するようにやっていきたいと思いますし、もう一つの方法は、先ほど県外にいらっしゃる方のことを申しましたけれども、今、医師の臨床研修の初期研修で県立病院11病院で受けてございますけれども、こういうふうにして意識してもらいながら、大学を終わりましたら、初期研修でまず岩手県の県立病院で受けてくださいということで、そこからさらに勤務の方に持っていくというか、していただくというふうなことの意識づけであるとか、そういうふうなことをあわせやりながら、なるべく履行率が高まるように努力していきたいと思っております。
〇阿部敏雄委員 時間も時間ですので、簡単に聞きます。
 地元医療に関連して、県立釜石病院と釜石市民病院統合についての2点お伺いをいたします。
 まず1点、統合によって市中心部から中核的な医療施設がなくなることについて、市民の不安もあると考えております。実際、まさにそのとおりであります。統合に向けた県立釜石病院の施設整備や医師確保の状況についてお伺いをいたします。
 また、先ほどの保健福祉部の方からも答弁が出ましたが、市民病院統合の後の今後の活用。何か聞くところによると、規制緩和によって、厚生労働省によって慢性病院のような、19年というような話も出て発表されておりますので、わかっている範囲内で、医療局の方からもそこを説明願いたいと思います。
 まず1点どうぞ。
〇岩渕医療局次長兼病院改革室長 統合に伴います県立釜石病院の施設整備の状況についてでございますけれども、医師の増加等に対応するために外来診察室6ブースの増設、救急処置部門の拡張、手術室の1室の増設等の工事を進めているところでございます。あわせて、駐車場の拡張工事も行い、新たに約80台程度のスペースを確保することとしております。
 医師の確保につきましては、昨年4月から釜石市民病院から移行した3名の医師を含めて4名の医師を新たに確保いたしまして、常勤24名体制で診療しているところでございます。
 今後とも、県立釜石病院が地域の広域基幹病院としての役割を果たせるよう、医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
 それから、釜石市民病院跡の活用につきましては、慢性期型の民間医療法人の経営、それから診療所の開設、そして保健センター等をそこにともに入れるというような話でございまして、そういうふうに聞いております。
〇阿部敏雄委員 この問題については、私、何も反対とかなんかじゃないんですけれども、私、12月の一般質問で同じようなことを聞きました。私は地元として、本当に市民病院を守る会というのが必死になって、これでいいのかという声を今でも出しています。それというのは、あそこは釜石、大槌、同じ大槌病院ありますけれども、県立大槌病院から整形の医者も釜石に連れていかれたんだか、異動されたかどうかわからないけれども、本当に大槌病院では非常にその点について場所が遠いために、整骨関係にかかっている人たちは、1日がかりなんですよね。医療局の方も県立釜石病院に行くとわかるんですけれども、本当に込んでいますよ。もう1日がかりなんですよね。朝7時のバスに乗っていって、帰ってくるのが4時、5時ですね。そういう状況を見ると、本当に今後の県立釜石病院にぜひ医療局の力を出してくれて、本当に市民が安心して、また、守る会の人たちも、ああ、これでいいなというようにしなければ、非常に根が深くて、今もなぜこういう状態になってまた釜石市の方で、今度慢性の個人の方々にさせるという、急に何か納得のいかないまま、私も本当に、前に話しましたが、何かやみ取引があって市民病院と急にこういうことになったんですかということを聞いたことがありましたが、ですからぜひ市民の方々が納得するように、今後も県立釜石病院に対する支援体制をぜひお願いいたしたいと思います。
 今度は2点、ここが一番私お願いしたいんですけれども、釜石市民病院に勤務している看護師等の職員の受け入れの現状と今後の見通しについてお伺いいたします。
 特にも職員の受け入れに当たっては、職員の家族構成、働いている人の家族構成ですね、小さい子供がいるとか家庭にお年寄りがいて、遠いところに異動された場合にはやめざるを得ないという、そういうような状況もないわけじゃないです。事実、私の施設に2名、市民病院から、もう遠いところに異動されるんじゃないかということで、そして私の方の施設にぜひ入りたいということで、職員として募集に応募してきまして今働いているんですけれども、本当にそういう家族構成を十分配慮して、円滑に職員が移行できるように配慮をしていただきたい。
 それから、これは県医療局の方には関係ないと言えばないのかどうだかわかりませんけれども、市民病院には臨時職員とかパートも結構働いているんですよね。正職員だけで今までの市民病院が成り立ってきたんじゃないんですよね、臨時職員とかそういう人のことについて、市民病院の臨時職員、パートについても、そういうことを含めた話し合いも市なんかとしているんですかね。そういうところはぴんとこないんですよね。市の方でもそういうことを、こうやっているぞということは、我々にもないし一般にもないようですから、そこに市民病院を守る会の人たち、職員体制は本職員だけでなく、臨時とかパートの人たちもどうにかしてほしいという本心、また、働いている人も──なぜ私はこれを言うかと言えば、今までの予算特別委員会の中で大きなあれが産業振興ということで、雇用の場ということが大きな政治テーマなんですよね。そのために振興局の再編、県北・沿岸の活性化のためにというのは何でもないんですよ。雇用をどうして、働く場を確保するためには、どうしなければならないかというのが、大きなテーマなんです。それを含めたとき、釜石市民病院のパートとか臨時職員の人たちが行く場を失ったらどうなるかなと。ですから、もしできるものでしたら、医療局の方から、今度の市民病院の後に入るそういうところに助言をしたり、市と相談したりして、1人でも多く再就職できるような指導をしてほしいというのが願いですので、ちょっとそこを含めて御答弁願いたいと思います。
〇岩渕医療局次長兼病院改革室長 釜石市民病院からの職員の受け入れの現状と今後の受け入れ予定についてでございますけれども、県立病院の採用を希望する職員を、17年度から19年度までの3年間で受け入れることとしております。昨年の4月1日付で看護師16名の受け入れを行いました。残る18年度、19年度の2年間で、不確定ではありますけれども、看護師、薬剤師等55名について受け入れすることとしております。
 平成18年度4月1日の予定では、看護師21名、薬剤師1名、診療放射線技師2名、臨床検査技師2名及び理学療法士1名の計27名の受け入れを予定しております。残る28名については、19年度の受け入れを予定しているところでございます。
 なお、職員の受け入れに当たりましては、できる限り、本人の希望、あるいは委員おっしゃいます家庭事情等も念頭に置いて、各県立病院に配置したいと考えております。
 それから、市民病院の臨職、パート職員等の件につきましてでございますが、いずれ統合に当たっての職員の受け入れにつきましては、基本的には正規職員ベースという話し合いをやってきた経緯がございます。したがいまして、県立病院でも臨時の看護師等の募集を行っている場合も多々ありますので、その際にはさらに応募していただいて、採用面接を経て、よければ採用するというような形で持っていきたいと考えております。
〇阿部敏雄委員 どうもありがとうございました。正職員はもう100%心配ないと思うんですけれども、臨時職員とかパート、もし再募集がある場合には、そういう人たちを優先として雇用することによって、今働いているパート、臨時の職員も心に安心感が生まれると思いますので、ぜひ前向きに取り組んで、これは要望して終わります。本当にありがとうございました。
〇工藤大輔委員長 この際、10分間ほど休憩をしたいと思いますが、いかがですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤大輔委員長 では、そのようにしたいと思います。
   午後 5 時 4 分 休 憩
   午後 5 時25分 再 開
〇伊沢昌弘副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋雪文委員 大きな視点で二つ質問させていただきます。
 先ほど、柳村委員から退職金の話が出ましたので、それにかかわって、会計について少しお聞きしたいと思います。46ページです。
 第3条のところで退職給与金約37億円余りと、それの財源に充てるために企業債11億円を計上するということでありますけれども、退職金というのは人件費でございまして、どちらかというと、この項目であると病院事業収支の方に位置されるわけであります。ところが、今回、退職金のために企業債から11億円を出すわけでありますけれども、企業債のあり方からすると、果たして退職金、いわゆる人件費を充てていくというのがなじむものなのかということをまず聞きたいと思います。
 あわせて、次ページ、48ページでございますが、第6条にその病院建築と医療器機整備及び退職給与金ということで項目があるわけでありますが、ここも少し、実際考えてみると、それが果たして正しいのかというそもそも論になるんですが、その辺はどのように考えればよろしいのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤管理課総括課長 まず、46ページの方の第3条のこの企業債11億円の分についてでございますけれども、これは現時点での見込みというようなことで、支出の方の医業費用の916億5、600万円ほどの中の人件費分として、給与費といたしまして516億3、300万円ほど計上しております。うち、退職給与金として37億4、500万円ということで見込んでおるわけでございます。
 その中で、結局、財源の部分で足りなくなるというような状況で、現時点で11億円の、これは、まだ平成18年度、総務省の方から新たな制度の枠組みは出ておりませんけれども、事前に説明等がございまして、例の団塊の世代対策というようなことで企業債を借り入れられるようにするというような制度創設の話がございます。それに基づいて、結局不足する分11億円を見込んでいるものでございます。したがいまして、こちらの48ページの方にも同一の、92億3、600万円の中に11億円を見込んでいるものでございます。
〇高橋雪文委員 基本的に総務省の方で認める方向ということでありますけれども、資本的収支に当たるものなのかなというのがちょっと疑問に思うところであります。いずれこの部分については、指摘だけさせていただきたいと思うわけであります。
 それでは、もう一つ目の質問でございます。県立病院の医療行為に対しての質問をさせていただきたいと思います。
 近年、ほかの都道府県の事例ではありますが、県立病院の医療行為に対して訴訟問題が起こったりなど、クレームが話題になっているところでありますけれども、本県の県立病院において、そのようなクレームもしくは訴訟などは何件ぐらいあるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 県立病院に寄せられておりますクレームについてでございますが、平成16年度に寄せられた医療局全体のクレームの件数は669件となってございます。
 その主な内容別に見ますと、接遇に関するものが281件で42%を占めてございます。それから、次に、診療内容に関するものが133件、これが19.9%、あと待ち時間に関するものが59件で8.8%、あとその他、設備関係とか会計に関する等のクレーム等が――クレームといいますか、苦情といいますか、そういう内容になってございます。
 この内容で訴訟になっておるというようなものはございません。
〇高橋雪文委員 私も何件か県立病院の医療行為について――医師の先生方は一生懸命やられている、当然そうであるんですけれども――お聞きしているんですが、これを相談するとか、それに対しての対応窓口というのがなかなかわからないと。相談しても、非常に一方的な対応しかされない、そういうふうに感じておられる方もいらっしゃるわけですけれども、このクレーム処理についてどのような対応をされているのか、もしくはどんな考えを持っておられるのか、それを少し教えていただきたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 クレームの対応でございますけれども、私ども県立病院では、利用者へのサービス向上等、病院運営の改善を図り、広く利用者の声を反映させるため、全病院に医療相談コーナーを設けてございます。さらに、投書箱でありますふれあいポストを設置してございます。それから、医療局本庁におきましても、医療相談コーナーを設置しておりまして、クレーム等に対応しているところでございます。
 その処理については、院内で意思統一を図りまして、その回答を院内に掲示するなど、患者さんとの情報共有等も図っているところでございます。
 特にも、診療内容に関するクレームについては、インフォームドコンセントを徹底し、説明責任を果たすよう鋭意努力してまいりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 その説明責任が、近年、非常に大切だということであるわけでありますけれども、例えばそういうものが納得いかないというときには、苦情を訴える人はどういうことをすればいいのか、どういう対応をすればいいのか、ちょっと教えていただければと思うんですけれども。
〇吉田業務課総括課長 病院でいろいろ相談なさっても、病院ではなかなか解決されないというようなケースがよく、我々本庁の方にもいろいろ電話、あるいは直接本庁の方に足を運んでいただいているケースもございますので、そういう部分については、私ども医療局本庁の方で誠意を持って対応するという仕組みをつくってございます。
〇高橋雪文委員 私が聞いた事例なので、これは本庁の方に持っていったということですけれども、また病院に返されたこともあるということであります。そういう対応を聞くと、果たして本当に誠意ある対応なのかなという思いがあるわけでありますけれども、いずれ先生方も一生懸命やられているわけですし、ただ、人間のすることですからミスもあるだろうと。患者の思いと企業局もしくは医療を行う側の考え方も違うのかもしれませんけれども、この辺をうまくやっていく工夫がこれから必要なのではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
〇吉田業務課総括課長 平成18年4月から臨床研修指定病院11病院に専任の医療安全管理専門員を配置しまして、医療安全対策及びクレーム等に臨機応変に対応できる体制をとりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 最後でありますけれども、この相談員の普及啓蒙はどういうふうにしていくんでしょうか。
〇細川職員課総括課長 今、11病院に対して医療安全管理専門員を私ども専従で置きたいと思っておりますが、その中身とすれば、看護師を充ててございます。医師あるいは薬剤師を充てるという方法もあるんですが、看護師を充てるということにしてございます。
 配置場所につきましては、独立した医療相談コーナーあるいは事務局に置くということを考えてございまして、そういう、どこに配置しているか、あるいは相談の窓口体制、あるいは相談体制等につきましては、それぞれの病院で、できるだけわかるような形で対応していきたいと思っております。
〇高橋雪文委員 非常にこのクレームを発する人というのは、なかなか勇気も要るんだろうという思いもあるわけであります。ましてや行政に対して訴訟を起こすなんていうことは、常識的には、一般の人は考えられないと思うわけであります。その分、やはり誠意ある対応というのがどうしても求められるわけでもありますし、こういうデリケートな問題に、もう少し真摯に対応できるような窓口を設置していくべきではないかと思うわけであります。
 看護師を充てるというのも、私は悪くはないと思いますけれども、やはりそれなりの法的な知識とか、いわゆる第三者機関みたいな相談窓口がもう少しあってもいいのではないかと思うわけでありますが、その点はどのようにお考えなんでしょうか。
〇法貴医療局長 確かに、なかなか患者側からクレームというのは難しいということですけれども、最近においては、やっぱり患者さん方も医学に対する知識がかなり高くなってきているということで、病院現場では、院長たちによく話をするんですが、そういう話が来たら、何回でも説明してくれと話していますし、我々がそこに置くというよりは、第三者というときには、やはり第三者の弁護士みたいな方に行っていただければ、こちらもそこを通して話をしていくということになろうかと思います。
 ただ、先ほど申しましたとおり、相談とか説明責任というのは果たしていかなければいけませんし、患者満足度調査などを年1回は必ずやりますので、そういうところから、どういうところに問題点があるのかということは検証して、できるだけその改善に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
〇中平均委員 私の方から2点質問させていただきます。
 最初に、薬品費の関係で、後発薬というんですか、ジェネリック医薬品の件でちょっとお聞きしたいんですけれども、平成15年から県立病院の方で使い始めて、15年は全体の12.96%、16年度が13.76%というふうに推移してきていると。平成17年も12月までの分を見ると14.4%でしょうか、そういう形で来ています。
 最初に一つ聞きたいんですが、この後発薬というんですか、この医薬品を使った場合に、病院経営に及ぼす影響といいますか、そういうものがあるのかないのか、教えていただきたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 いわゆる後発薬品の使用についてでございますけれども、委員先ほどおっしゃいました、県立病院では品目数ベースで14.4%今現在使用してございます。これが、金額ベースでいきますと5.1%になります。金額でいきますと5億1、400万円になってございます。
 後発薬品を使うことによって、経営収支の方にどのように影響するかという点でございますが、後発薬品を購入した場合は、薬価が安いために、購入薬品費は減少します。ただし、薬価も低いわけですので、収入もそれに伴って同じく減るというようなことで、経営部分については、そんなに影響はないのかなというふうに思います。
 ただし、患者さんの方には、薬品費が、薬価が安いものですから、医療費が安くて済む、それで患者さんの会計が安くて済むというようなメリットはございます。
〇中平均委員 多分そうなのかなと思って聞いてみたんですけれども、今度、4月から法律も促進策が入って、また変わっていくと聞いているんですが、こういった中で、平成15年から県がやっていて、微増であるんだけれども、この後発薬を使っている部分がふえているんですよね。逆に、このふえた理由というのは、どういう理由があるととらえているのか。わずかずつですけれども、品目で見て1%ずつふえていることの理由ですね。
〇吉田業務課総括課長 県立病院では、後発薬品の使用を促進するように今してございます。業務の重点項目としてもとらえてございまして、医療局主導で後発薬品の購入を積極的に進めているほか、平成18年度は、診療報酬改正により高齢者の自己負担もふえることから、患者負担の軽減を図るため、引き続き後発薬品の使用拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
〇中平均委員 わかりました。
 ただ、この平成17年12月で見ても、品目では14.4%となっていますけれども、金額で言えば全体の100億円のうちの5億円ですか、端数を切って5%ということですので、本当にこの患者さんの負担率を下げていくという面では、これをもっともっと進めていくことをやっていかなければならないのではないかと。
 医療局の方で積極的にやっているでしょうけれども、一般の患者さんたちが知っていれば、もっとこういうふうになってくるのではないかと。例えば、病院にかかって、お医者さんに行って、そのときに自動的にお医者さんの方で、これは安い方でもいいというふうな判断をして出てきているものなのか、それとも、患者さんが、例えばそれがなくても、知っている段階で、患者さんがこの薬のどちらかを選択できるとか、安い方を――安い方がいいと言うと思うんですが、そういうものをもっと認知するようになっているのか、そういう体制は今どうなっているのか、ちょっと教えてください。
〇吉田業務課総括課長 薬の処方は、やはりドクターがしてございまして、患者さんが直接、先発の薬品か、後発の薬品かを選択するというような仕組みにはなってございません。
 それで、やはり後発薬品でも、製造過程とか、添加物等の違いがございますので、必ずしも先発薬品と製品の中身が100%同一ということにはならないものもございますので、やはりその辺はきちんと副作用とかそういう部分を考えて、病院の方で採用を決定して処方しているものでございます。
〇中平均委員 わかりました。であれば逆に、ほかの事例でも、これとは違う話であったんですけれども、そういうものの説明がないままやられて、なぜ似たようなものなのに価格がこう違うんだとか、そういうものがあっても、それこそ病院の方も忙しいのも事実ですし、そこまで説明責任はやれないというのもあるのかもしれませんが、そこをきちんと、まして今度4月からさらに促進されるということであれば、その徹底をさらに図っていかなければ、先ほどの話じゃないですけれども、クレームの件数がまたふえるということも出てくるのではないかと思っています。
 そして、いろいろな中の都合もある――中の都合という言い方は表現が悪いかもしれませんけれども、患者として、私もそうですが、言ってもなかなかわからないんですよね。そういうところをもっと徹底してといいますか、安い方で済むのであればやっていくべきだと思いますし、まして、枠が変わるだけで収支の方に反映しないということであれば、その取り組みをもっと積極的にやっていってもらって、金額ベースでももっと、欧米ほどまでいきなりは行かないでしょうけれども、伸びていくような形でやっていっていただきたいと思っております。
 これは終わって、次に、2点目の方に入らせていただきます。
 次に、医療過誤ということで通告はさせていただいていますけれども、医療事故のことについてお伺いします。
 先ほどの高橋雪文委員の質問ともちょっと関連するんですが、この包括外部監査の方も見させてもらっているんですけれども、これで、なかなか医療事故があってもすぐに公開になっていない事例もあるように書いてあるんですよね。3カ月かかった、半年かかったというふうなことがあるんですが、この公開する基準というのはどういうふうになっているのか、まずお教えください。
〇吉田業務課総括課長 平成16年7月に、みずから医療事故の事実とその対策を公表することにより医療の透明性を高め、県民から信頼を得るとともに、医療事故防止を図ることを目的として、岩手県立病院医療事故公表基準を策定したところでございます。
 それで、その公表の方法でございますけれども、事故の内容により、事故発生後できるだけ速やかに報道機関に行う原則公表と、それから、半期分を一括して年2回県立病院のホームページに掲載する包括公表に区分して公表しているところでございます。
 なお、公表に当たっては、過失のある医療事故のうち、患者及び家族から同意を得た事例について、患者など特定個人が識別されないように個人情報に十分配慮して公表しているということでございます。
〇中平均委員 それでは、もうちょっと細かく、事故発生後速やかに行う原則公表と、半年ごとに行う包括公表を別々にしているその基準というのは何なんですか。
〇吉田業務課総括課長 事故の内容によって3段階に区分してございます。
 それで、包括公表する場合は、間違ったことを実施し、治療、それから処置の必要性が生じた場合、このような事例については、包括で年2回公表しているところでございます。
 それから、原則公表の方は、事故により、高度な後遺症が残る可能性が生じた場合、あるいは事故により死亡した場合と分けてございます。
〇中平均委員 この医療事故レベルのレベル3までが包括公表になって、それ以上だと原則、事故発生後、すぐやるということと今認識したんですけれども、そうすれば、あと個人情報保護との絡みで、例えば、原則公表しなければならないものでも、個人情報があれば、やっぱり延びることもあると思いますし、それこそ包括公表の方でも、個人情報があれば、当然延びることも、半年ごとにやるものが、そのときにできなくてということも事例としてはあるのかと思うんです。
 見ていても、久慈病院の件と、あと遠野病院のものも載っているんですが、そういうときに、ただ、この外部監査のものを見ていても、やっぱり個人情報をどこまで保護するかもあるけれども、それを早く公表することによって、これからの同じような事故も防げるし、また逆に信頼を増すとあるんですが、そことの兼ね合いをどういうふうにとって、個人情報の保護との兼ね合いをどういうふうにとってこの公表の時期を選んでいるのか、ちょっと教えていただきたい。
〇吉田業務課総括課長 包括公表については、半期ごとに1回ということでホームページに公表してございますけれども、やはり患者さんの同意を得た上でというのが原則にございますので、その同意を得るために、やはり相当の時間がかかっているというのが現状でございます。
〇伊沢昌弘副委員長 簡潔にお願いします。よろしくどうぞ。
〇中平均委員 いや、質問の中身自体は短いです、私。
 では、今お伺いしている、結局、今の答弁だと、正直言ってわからないんですよね。どういうふうな、個人情報の保護という、個人が特定されないのであれば、この名前をわからなくする、どういうふうな医療事故かわからなくするという、事故の内容までわからなくするとオープンにはならないんでしょうけれども、段階的にやっていく方法なり何なりというのはあると思うんですが、そういうことじゃなく、純粋に、もう話がつくまでは何もやらないというか、オープンにしないで、公開しないで今まで来ているという認識でとらせていただきます。
 であれば、次に、平成16年まではこれに出ていたんですけれども、まだ今年度は終わっていないんですが、平成17年で――本来あってはならないし、やらないように努力されてやっているのは当然理解した上でお聞きしますが、平成17年度は何件ぐらいあったんでしょうか。包括公表に当たる分と原則公表に当たる分という意味で。
〇吉田業務課総括課長 平成17年度の包括公表で公表した部分が、平成17年4月1日から9月30日までの部分でございますが、医療事故9件のうち6件を包括公表してございます。
 医療事故そのものの件数でございますが、平成18年1月31日現在において、病院から報告のあった医療事故の件数は、全病院で14件になってございます。ですので、上期の部分で9件のうち6件を包括公表しているということでございます。下期は、また下期が終わった段階で下期の分を公表するという予定にしてございます。
〇中平均委員 何か数字がちょっと微妙に合わないような気もするんですけれども。
 じゃ、まず、済みません、余り長くてもあれでしょうから、残り5件はまた、これから半年の分に出てくると。ただ、9件のうち残り3件は、別の機会にこれは公表されてくるという認識でいいんでしょうか。
〇伊沢昌弘副委員長 はっきり答えてください。
〇吉田業務課総括課長 先ほどお話し申し上げましたけれども、公表する場合は、大前提として、患者さん及び御家族の同意を得た上でということがございますので、この9件のうち3件は、同意が得られなかったために公表しなかったということでございます。
〇中平均委員 わかりました。まず、事故を隠していたということがないようにと包括外部監査にも書いていますので、そういう誤解を受けないようなやり方をぜひ医療局の方にはやっていただきたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
〇法貴医療局長 医療事故につきましては、公表基準を決めて、さまざまな事故が起きた場合には、それにのっとって公表しているわけですけれども、いずれ隠すということは余りやりませんので――余りというか、できれば公表するんですけれども、先ほど言いましたように、患者さんの同意を必ずとるということが前提でございますので、患者の同意が得られて、その基準にのっとって適切に公表してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 今のお話にちょっと関連するんですけれども、実は、3月6日の日報に、医療も“マニフェスト”というタイトルで、県立遠野病院の、東北唯一、BSC導入というので載っておりました。バランスト・スコアカードといって、企業などの経営目標を財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の四つの視点で多目的に評価し、行動計画や評価指標、達成目標を定めて経営の改善・革新を促す手法となっております。
 今、中平委員とか雪文委員がおっしゃったように、医療事故とか、そういうものを食いとめるのにも、これは大変有効なのではないかと思いますが、県立病院におきまして、今は遠野病院だけと載っておりましたけれども、その効果をどのように認識されるかと、あと展望についてお伺いしたいと思います。
〇細川職員課総括課長 県立病院におきますバランスト・スコアカードの導入についてでございますけれども、今、どんなものかということについては御案内いただきましたので、いずれこのバランスト・スコアカードというのは、医療の分野でも最近急速に進歩してございます。ここ一、二年で相当浸透してきているという状況でございます。
 私どもといたしましては、職員一人一人が病院の経営目標ですとか、あるいは戦略を常に意識して、目標を持った形で業務を遂行できるということを目指す、まさに職員の意識改革を図りたいというものからこういう導入を図っていることが一つと、あわせて医療の経営の質の向上も期待できるんだということで導入を進めてきてございます。
 本年度、圏域でいいますと、二戸圏あるいは大船渡を中心とした気仙圏の全7病院でこの導入を進めてきたところでございます。
 それから、先ほど御案内あったとおり、病院独自の取り組みといたしましては、遠野病院で取り組んできております。遠野病院は、経営理念である敷居の低い病院づくりを目指しているということから、そういった取り組みを進めてまいっております。
 それから、今後どうするのかということにつきまして、当面、平成18年度につきましては、岩手中部、それから両磐、9病院になるんですが、この9病院に拡大し、いずれ最終的には全病院に拡大していきたいと考えてございます。
〇三浦陽子委員 これが拡大されるということは、大変患者さんにとっても安心な材料だと思いますし、やはり危機管理能力をしっかりと持つためにも、大変有効だと思います。
 私の勤めていた病院も、比較的こういったような感じで従業員のスタッフの意識改革をしておりましたので、ぜひやっていただきたいと思います。
 あと、県立病院における医師、それから歯科医師ももちろんそうですけれども、従業員の人数が適正かどうかというのがちょっと心配なところです。先ほどから出ておりますように、医師不足ということがありますから、医師が少ないのはよくわかっておりますけれども、やはりそれによっての労働状況が、過重な負担といいますか、そういうものがあって、逆にまたそういう医療ミスにつながったりすることもあるかもしれませんが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
〇法貴医療局長 近年、医療が高度化してくるということで、医師側も専門分化してくる。逆に、患者様の医療に対する意識の高まりということで、インフォームドコンセント、あるいは説明責任ということで、医師の業務というのは従来にも増してきめ細やかな対応が求められている一方で、診療科偏在とか、地域偏在に加えて、勤務医の労働条件の過酷さということから、開業医志向に行くとか、女性医がふえてきているという環境において、本県では、やはり医師が大分不足しているのではないかと考えています。
 このような状況において、医師の労働環境を抜本的に改善してやるということになると、やはり何にも増して医師の絶対数を確保していかなければいけないということで、効果的にやっていくということはなかなか難しいんですが、それについては全力を挙げてやっていかなければならないのかなと思っています。
 それから、看護師などの医師以外の職種については、毎年毎年定数調査をやりますので、医療法基準とか、保険点数基準とかいろいろありまして、それから、現場の聞き取りなども進めながら、業務の度合いに応じて適正に配置を進めてまいりたいと考えています。
〇三浦陽子委員 医療現場においてはもちろんそうだと思います。それから、あと、患者様の食事をつくるところ、給食にかかわるところのスタッフの皆さんが、何かかなり過酷な労働状況だという話もちょっと耳にいたします。やはり栄養の面とかは本当に大事なものですし、余りにも過酷な労働条件であれば、やっぱりおいしく食べてもいただけないのかなということもありましたが、そういうことを耳にしたり、声として上がっているということはありますでしょうか。
〇法貴医療局長 労働組合などからは、やはり大幅増員要求などが来ているわけですけれども、どちらかというと、適正な配置のためには、やはり毎年業務量を確認するということを続けていく、それから、現場での状況をよく聞くということがありますので、できる限り現場の声を聞きながら、その業務が本当に適正なのかどうかというのも検証しながら、定数の適正配置に努めてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 ぜひ、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それで、産婦人科医師がなかなかふえないという悩みをお持ちだということなんですが、実は、私の弟も産婦人科医で、北海道の方の北大から網走に派遣されておりまして、かなり労働条件が悪いです。本当に、家族を置いて単身赴任で日々頑張っているんですけれども、産婦人科医が大変だという思いを皆さんも思い込み過ぎているというか、本当にやりがいのあるところなんですが、やはり労働条件というものをもっと緩和して、産婦人科医がふえるような雰囲気づくりにも取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇法貴医療局長 不足している特定の診療科、小児科もそうですけれども、労働条件を抜本的に改善してあげたいということは、例えば、交代制勤務にするとかということなんですが、先ほど申し上げたとおり、まず、交代制にするにしても絶対数が不足しているということなので、特定診療科を専攻する方たちは、例えば奨学金のときに義務年限を短くするとか、いろいろな措置があると思います。
 あとは、先ほど、国の動向と言いましたけれども、できる限り集約化していかざるを得ないのかなということを考えながら、産婦人科医師の方たちの御意見は、こんなに過酷にやらせておいてどうなんだという話はよくあるんですが、他の医師との関係もありますので、そこの部分だけを抜本的に、例えば倍にするなんていうことはなかなか難しい。給与水準を上げていくというのは難しいので、どうすれば、我慢しながらも、満足してもらえるのかというのは、現場とよく相談したいと考えています。
〇三浦陽子委員 ありがとうございました。本当に県立病院が、ますます安全な病院であるように祈念して、終わります。
〇斉藤信委員 それでは最初に、私は紫波病院と花泉病院の診療所化についてお聞きします。
 医師、看護師などの職員体制、これはどういうふうになるでしょうか。
 診療科は拡充されるのでしょうか。岩手医大を含めた医師の応援体制はどうなるでしょうか。
 これまでの入院患者が急減しておりますけれども、これは退院、転院させたのでしょうか。
 これまでどおりの救急患者に4月以降も対応できるのでしょうか。
〇相馬医師対策監 医師の職員体制のことでございますけれども、関連大学等からの応援を含めまして、平均3名以上となるように現在調整を進めているところでございます。
 それから、診療科の拡充、それから岩手医大等からの応援体制でございますが、紫波・花泉診療センターともに、診療科については内科、外科とすることとしてございます。また、関連大学等からの応援については、現状どおり維持できるという見込みになっておりまして、本院等からの診療応援については、現在調整中でございます。
〇細川職員課総括課長 看護師などの職員体制の件についてでございますが、看護師等、医師以外の職員体制につきましては、事務や検体検査などの本院への大幅な集約を行ってございますし、院外処方の推進だとか、医事あるいは給食業務の外部委託なども実施してございます。本院と一体となった効率的かつ弾力的な運営を行うことを基本としまして、患者数とか業務量に見合った適正な配置とすることとしてございます。
 その中で、特に看護師につきましてでございますが、2人夜勤体制とし、臨時職員を含む17人体制とすることとしております。それから、医療技術職員、いわゆる薬剤、放射線、検査等でございますが、これにつきましては、本院から常時派遣し、1人体制で実施しようと考えてございます。
 それから、事務につきましては、事務長以下3人体制とするということとしてございまして、地域医療連携の業務を分担する地域医療支援主査を1人配置しようとしているものでございます。
〇吉田業務課総括課長 紫波病院、花泉病院の診療所化については、入院患者が減少しているが、退院しているのか、転院しているのかということでございますが、入院患者の減少については、現在入院している患者に、特に退院、転院の措置を講じているものではございません。診療所の開設に向けて新入院患者の調整を図っているものでございます。
 それから、これまでどおり救急患者に対応できるのかということでございますが、診療所化に当たっては、地元からの要望を踏まえて対応していくこととしておりまして、診療所への移行後においても初期救急医療に対応できるものと考えてございます。
〇斉藤信委員 この紫波病院、花泉病院の診療所化というのは、地元の医師会も、地元の自治体も含めた、住民も納得してないまま強行されたものです。
 それで、今どんなことが起きているかを率直に言いますと、例えば紫波病院では、院長さんが退職されると。そして、自治体と病院の話し合いがされているけれども、今までと同じようには入院させられない。にいやま荘、百寿の郷――これは特養の施設ですね、ここからの夜間救急が来ても入院はできません。C型肝炎、これは紫波町に特に多いんですけれども、この夜間診療はぜひやってほしいという要望が出ていて、私は、今までの説明と話が違うのではないかと。
 花泉病院はどうなっているか。ここも副院長さんはやめられる。院長先生も開業の準備をしている。外来の予約は打ち切っている。薬の投与は――患者の意思じゃないですよ――二、三カ月に延長されている。入院患者が、その結果、20人弱に減っている。
 今、入院患者を調整していると言うけれども、まさに今までの病院と全く違った形に変質されているんですよ。だから、地域住民は、不安と怒りを高めていますよ。開業医の方々も、県立病院がそんなことでは開業医がもたないんだ、こういうふうに言っているんですよ。
 私、本当にこの事態というのは、どういうことなのか。あれでしょう、医師を効果的に活用するといって診療所化したら、みんなやめていくといったら、どうしようもないじゃないですか。私が今言ったような実態について、どう把握しているのか。私が言ったとおりなのか、そうでないのか、答えていただきたい。
〇法貴医療局長 診療所の医師の体制については、今、鋭意努力中ですけれども、その前にお話しした3人の体制は整えるということで、今調整中でございます。
 病院長さんがおやめになるとかという話ですけれども、その分、違う方ということで、所長さんということになります。
 それから、やはり診療所化に当たって、紹介患者を他の病院に回すということは、現状ではありますので、その地域の中で医療を確保するということで、例えば救急患者ならば日赤に回すとか、他の開業医の中で受け入れ体制があればその方に回すとか、そういう調整を図りながら19床まで持っていきまして、19床になった時点で、ほぼ安定的な運営ができるものと考えています。過渡期の状態ですので、19床の診療所になるということが安定してくれば、今のようなお話がなくなると考えています。
〇斉藤信委員 だから、私は全然話が違っていると思うんですよ。入院したい患者、すべき患者がいるのに、追い出しているということでしょう。今の話は、19床まで。
 そして、例えば紫波の場合だったら、あの県立病院というのは、にいやま荘と接続しているんですよね。そのにいやま荘、また百寿の郷という特養から夜間救急が来ても、入院させられないというのは本当ですか。そうだったら、本当に私は約束違反だと思いますよ。
 それと、私はC型肝炎の患者が多いということを言いました。実は、これに対応しているのが医大からの応援なんですよ。医大から、午後、当直、午前という診療を3日間やっているんですよね。これは確実に確保されるのですか。それも教えてください。
 それと、私は花泉病院のことを言いました。外来の予約を打ち切って、薬の投与は、患者の意向を無視して二、三カ月に延長している。こういう形で患者を離していったら、本当に信頼どころじゃないじゃないですか。私は、診療所化の強行というのも、本当に地元住民の賛同を得られなかったし、そして、そのやり方もまた、こういう住民に背を向けるようなやり方でいいのかと。そして、結局は、そこにいた医者がやめていくと。私は、本当にこの診療所化の重大な犯罪的な姿というのがここに出ているのではないかと思いますけれども、いかがですか。
〇法貴医療局長 診療所化というのは、その地域で病床数の適正配置ということでございますので、そこの中で完結する医療ということを目指しているわけでございます。
 それから、にいやま荘の救急のことについては把握しておりませんので、御理解願いたいと思います。
 それから、長期投与の場合は、県立病院の場合は、結構長期投与に切りかえてきていますので、それは医師の判断によって、2週間、あるいは30日、60日という投与はあり得るものと考えています。
〇相馬医師対策監 C型肝炎の診療を担当する岩手医科大学からの応援でございますけれども、これは、委員おっしゃいましたようなパターンで応援をいただけることは、確認してございます。
〇斉藤信委員 極めて私は無責任な答弁だと思いますよ。私は、今言ったようなことは、医療局の決算審査のときにも、私はこれを指摘していたんですよ。例えば、救急患者が、ことしの12月末まで、紫波は1、115人ですよ。花泉は827人。こういうものに対応できるんですかと、あなた方は対応できると言ってきた。しかし、実際はもうできないとなっているんですよ、現場は。だから、診療所化を進めるときには格好いいことを言って、進めようとしているときには全く違ったことをやる。
 薬剤の長期投与だって、2週間もらっていたのが、突然何で2カ月、3カ月になるんですか。患者さんがびっくりしているんですよ、これでいいのかと。患者と相談して、あなたの病状はこうだから、今度は、じゃ、2週間から1カ月、2カ月にしますよ、こうじゃないんですから。私は、本当にそういう点では、しゃにむにもう診療所化を進めているという深刻な実態があるのではないか。この改善を強く求めておきます。
 2番目、県立釜石病院の問題を阿部敏雄委員が取り上げましたので、私は、それに関連して、特に県立病院の入院患者、救急患者の増加にどう対応するのか、このことをお聞きしたい。
 入院患者は12月末までで6、035人ふえています。これは9.9%増です。救急患者が、これも12月までで6、615人、1日当たり24人ですよ。そのためにベッドは満床状態。市立病院に少し安定したら回すというような状況で混合病棟になっている。看護師さん、日勤でも帰る状況が9時、10時だと。
 私は、これは本当に大変深刻な状況だが、これに対してどういう対応を県立釜石病院ではしているでしょうか。
〇佐藤管理課総括課長 入院・外来患者の、救急患者の増加に対応するために、これはハード整備ということになるんですが、外来診察室の増設、救急処置部門の拡張、あと手術室の増設等の病院増築を今進めているところでございますし、また、自動車での来院者の利便性を確保するために、駐車場の拡張工事も行っております。
 また、看護度の高い入院患者の増加に伴います夜勤体制の強化、あるいは医師の移行によります外来診察ブースの増、あるいは救急患者の増に伴う体制強化、手術件数の増などに対応するために、平成17年4月から、昨年の4月からですが、看護師を10人増員したところでございます。
〇斉藤信委員 大変深刻な事態で、対策が後追いで、患者が大変困っているというような状況です。これは、釜石市が誘致しようとしている新たな療養型病院の早期の整備とあわせて解決していただきたい。
 三つ目に、中央病院の問題についてお聞きします。
 知事は、県立病院で導入に向けた検討を進めているというPETの問題で前向きの答弁がございました。私は、導入をするなら中央病院ではないかと。中央病院は、がん拠点病院であります。大規模改修の時期にも入りますので、私は、がん拠点病院としてPETの導入と緩和ケア病棟の整備も含めて検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 2人夜勤の解消について、この中央病院は、平成16年度6億数千万円の黒字、今年度は9億円を超える黒字が予想されていますね。厳しい中でそれだけ患者さんがふえているんです。入退院が激しくされています。
 それなのに、5階西病棟はいまだに2人夜勤が残されている。直ちにこれは解消すべきではないでしょうか。
〇佐藤管理課総括課長 中央病院へのPETの導入についてでございますけれども、これも前から何度も申し上げておるのでございますが、現時点におきましてはPETの導入、これは整備費が高額でございますし、また一定規模の面積が必要でございます。また、専門医等所要の人員配置が必要でございますし、あと必要なコストに見合う患者数が求められております。
 これらが課題となっていると考えておりますが、他県等の状況を見ますと、茨城県のように、PET検査用の診断薬のデリバリーを活用することによりまして、初期投資が大きいというハードルを克服してございます。そのような形ではPETを導入しているケースもございますので、それらについてもあわせて早急に検討してまいりたいと考えております。
 中央病院につきましては、委員御指摘のとおり、地域がん拠点病院として指定されていることもありまして、これらについて十分考慮しながら進めてまいりたいと考えております。
 あと、緩和ケア病棟の設置の関係でございますけれども、これにつきましても、前から申し上げておりますのが、県立病院の今のこういう厳しい状況というようなこともございます。採算性についても十分検討していく必要があるんだろうということで、まず、新設いたします磐井病院の運用状況も見ながら検討していかなければならないのではないかと考えております。
〇細川職員課総括課長 中央病院5階西病棟の夜勤体制の件についてでございます。
 夜勤体制につきましては、御存じのとおり、患者数がどうなっているかという患者数の動向ですとか、あるいは重症度などを勘案しながら、適正な配置に努めるということを基本としてございまして、御指摘の中央病院5階西病棟については、院内の他の病棟と比べまして、業務量が低くなっている状況にあると見てございます。したがいまして、今後とも、業務量の実態ですとか、あるいは全体の経営状況等にも配慮しながら、業務に見合った適正な配置に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 そうすると、知事は、県立病院で導入に向けた検討を進めるというふうになっていますが、PETを導入するとしたら、地域がん拠点病院である中央病院ということで検討されているのか、改めてそこを確認したい。
 それと、2人夜勤の解消について、5階西病棟は業務量が少ないと、客観的根拠はありますか。私は現場から何度も聞いているんですよ。9億円も利益を上げるような状況で、この5階西病棟も同じなんですよ。毎日、退院が出て、入院が入っているという状況ですよ。本当にほかの病院の3・3体制と比べて、ここの業務量が少ないのかどうか。そんなことは私はないと思うけれども、そこを示していただきたい。
 あわせて医療事故、ヒヤリハット事例への対応についてお聞きします。
 このヒヤリハット事例インシデント報告、その中身、要因、それへの対応はどうなっているでしょうか。
 県医労の調査によると、85.4%の看護師が、この3年間で医療ミスやニアミスがあったとアンケート調査で答えています。その理由は、84.5%が医療の現場の忙しさ、こういうふうにしています。まさに慢性的人員不足の解消というのが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうしか。
 また、アンケート調査では、十分な看護ができていないと答えた看護師さんが70.3%。十分な看護ができていると答えているのが8%です。その理由は、業務が過密だ64%、人員が少ない54.6%であります。このインシデント報告、アクシデント報告、それへの対応、その要因、これも含めて、今のこの現場の実態をどうとらえているか答えていただきたい。
〇法貴医療局長 PETは、先ほど管理課総括課長が答えたとおりでございますが、導入に当たっては、中央病院の状態、あるいは他の県立病院の状態を十分勘案して導入していくということでございまして、中央病院に今入れるというふうに検討しているわけではありません。
〇細川職員課総括課長 先ほどの中央病院5階西病棟の件についてでございますが、当該病棟は総合内科、腎臓内科、眼科を収容している病棟でございますが、前年度と比較しますと眼科の手術件数が若干増加している。しかしながら、平均在院日数は他の病棟と比較いたしまして、短い状況にはございません。
 それから、看護師が患者にかかわる看護ケアの度合いを示します入院患者1人当たりの看護度につきましても、当該病棟の入院する重症患者の割合を示す重症率、この両面見ましても、院内で最低というふうになってございます。
 ちなみに、数字的に申し上げますと、看護度は2.44点あるいは重症率は7.8%と、こんな形で院内他の病棟に比べまして、低い状況になっているということでございます。
 それから、医療事故、ヒヤリハット事例に基づくことでございますが、御指摘の看護職員の労働実態調査の結果というものにつきましては、県立病院の看護職員のみならず、保健師ですとか、あるいは他の、私ども以外の他の病院の職員などを含む県全体の状況であると認識してございます。
 看護職員の配置に当たりましては、繰り返しになりますが、いずれ医療法ですとか健康保険法の基準によるほか、患者数の動向あるいは重症度、それから病院現場からの聞き取りとか、そういったものを総合的に勘案しながら、業務量に見合った体制とすることを基本としてございます。
 今後とも、現場の業務の実態を踏まえながら、より適正な配置に努めてまいりたいと思っております。
 それから、18年4月、今度の4月からでございますが、医療安全対策の強化・充実を図るということで先ほども話題に上りましたが、中央病院を初めとする広域基幹病院等、11病院に院内のどの部門にも属さない院長直属の医療安全管理者あるいは管理室、部を設置しまして、専従の看護師による医療安全専門員を各1名でございますが、配置することとしてございます。
〇吉田業務課総括課長 ヒヤリハット事例の報告とその要因についてでございますが、インシデント事例報告は、日々安全対策を行い、常に業務改善をしていくことを基本として、事の大小にかかわらず報告するものとして取り組んでおるものでございます。
 その発生の原因として多いものについては、不注意によるものが大体28%、それから思い込みによるものが12.8%、それから患者さんの状態把握不足によるもの、それから患者さん側の要因によるもの、これらをあわせると全体で67.9%になってございます。
 それから、ヒヤリハット事例の対応についてでございますが、病院では、毎月医療安全対策委員会等でインシデントレポートの内容を分析し、その対策を検討し、全職員にフィードバックし注意を喚起するとともに、医療局本庁へも報告しております。本庁においては、各病院からの報告を取りまとめまして、その結果を各病院に通知して全病院でその事例を共有することにより、再発の防止に努めているということでございます。
 それから、特にも看護部門のインシデント事例報告の件数で、21.1%を占める転倒・転落については、転倒・転落防止用のベッドサイドレールを今年度521台分を措置するとともに、アセスメントスコアシートを検討し、各病院に通知して、各病院でそれを活用することにより、発生防止に努めているところでございます。
〇伊沢昌弘副委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 1人の委員の質疑が長時間でございますので、御協力をお願いします。残りは幾つあるんですか。
〇斉藤信委員 じゃ、まとめて全部聞きますから。
 中央病院の5階西病棟は、ベッド数が64床なんですよ。それで満床状態ですよ。そして、中央病院自身が重症患者をほとんど扱っているんですよ、5階西病棟も。ここが2・3体制というのは本当に異常な事態なんですよ。ほかの病院でも3・3になっているときに、私は本当にあなたの言う根拠というのは全くないと思いますよ。これは指摘だけにとどめておきます。
 医療事故、ヒヤリハット事例で、直接的には不注意とか思い込み、状態把握が不足したというのは、これは本当に重大な問題ですよ。私が指摘したように、この背景に何があるかというと、やっぱり医療現場が忙し過ぎると、看護師さんが84.5%そう言っているんですよね。だから、本当にもう40代、50代になると、事故を起こす前にやめたいという感じになってくるんですよ。そういう意味で、本当にこれは大変深刻な事態なので、これは指摘だけにとどめて、最後の質問をします。
 包括外部監査の報告が出ました。私はこの報告全体がよしとはしません。しかし、この中には、私が今まで指摘してきた問題も取り上げられております。そこで、指摘された問題の実態と改善についてお聞きしたい。
 未利用の医療器械等の実態と改善はどう図るのか。
 新築病院の建設単価。これ私、かなり具体的に今まで高いぞと言ってきましたけれども、監査報告でもかなりリアルに、県立病院は高過ぎると指摘をされておりました。この実態と改善方向。
 医療機器の購入落札率が高い、随契も問題だと。
 経営体制では医療局長4年、病院長と事務局長の役割、異動が早過ぎるということも指摘されています。こういう点を、いわば経営体制をどういうふうにきちんととるのか。
 時間外の委員会・研修も改善すべきではないかと、こういうことが指摘をされていますが、この改善方向。
 最後に、これは簡潔でいいんですけれども、私のところに寄せられた医師問題で、これだけ対応策を教えていただきたい。久慈病院の麻酔科、北上の脳外科、宮古の耳鼻科、大船渡の呼吸器科、大東の整形外科、この見通しについて示していただきたい。
〇佐藤管理課総括課長 まず、私の方からは、新築病院の建設単価の実態と改善の方向について御答弁申し上げたいと思います。
 最近建設いたしました県立病院の1平米当たりの建設単価についてでございますが、これは税込みの値段になりますが、二戸病院は50万1、000円、磐井、南光病院40万9、000円となっております。これは税込みの数字でございます。
 それで、これまでも基本計画、実施計画及び施工段階におきまして技術的検討を加えまして、建設コスト縮減に努めているところでございます。今後におきましても、当然それぞれ病院の持つ機能があるいは役割が異なりますので、一律に比較すること、あるいは建設単価を単純に引き下げるということは困難でございますので、設計VEなどの手法を有効に活用しながら、より一層のコスト縮減に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田業務課総括課長 未利用の医療器械等の実態と改善をどう図るかということについてでございますが、包括外部監査において、未利用の医療器械等の実態把握や固定資産管理の不備について指摘を受けたところであり、適正な資産管理及び事務の執行について、2月15日に各病院に対して、事務処理手順を示して周知徹底を図ったものでございます。今後とも、適正な資産管理に努めてまいりたいと考えております。特にも、診療科の廃止などにより、使用見込みのない医療器械等については状況把握に努め、病院間のネットワークを通じて有効活用していきたいと考えてございます。
 次に、医療器械の落札率についてでございますが、平成16年度の本庁執行の医療器械47件の落札率については、98.70%となってございます。競争入札についてはいずれも複数の業者による競争でございまして、適正な競争の結果であると認識しております。
 また、予定価格の設定については、県立病院の過去の購入実績及び他県の購入実績も含め、独自に市場価格を詳細に調査し、それに基づいて設定しておりまして、また、入札についても厳正に行っておるところでございます。
 次に、随意契約についてでございますが、医療器械の契約に当たっては、原則として競争によるものと認識してございますが、既存の設備との連結性や互換性が求められるもの、あるいは他社製品がない場合、やむを得ず随意契約としているところでございます。16年度の本庁執行47件のうち、14件を随意契約で行ってございます。今後とも、適正な事務処理に努めてまいりたいと考えてございます。
 それから、次に時間外の委員会・研修も改善すべきではないかということについてでございますが、包括外部監査報告書に示されている委員会・研修会については、チーム医療の中で、良質な医療を提供するために必要な活動と認識しており、今後においても、その活動について適切に評価してまいりたいと考えてございます。
 ちなみに、看護科における時間外の委員会開催の割合は1.7%程度であり、この時間外の要因は会議の延長であることから、開催時間の繰り上げや効率的な会議の運営などに努め、改善を図ってまいりたいと考えてございます。
〇法貴医療局長 経営体制の中で事務局長、医療局長の異動が早過ぎるのではないかというお尋ねでございますけれども、事務局長にあっては、年齢構成あるいは人事ローテーションという関係がありまして、理論的になかなか難しいんですけれども、今現在、県立病院に置かれている厳しい経営環境にあって、やはりこういう病院改革プランを着実に推進する上で病院長を補佐し、マネジメント能力を十分に発揮できる人材を適正に配置してまいりたいと考えています。
 また、私自身の任期につきましては4年とされておりますが、地方公共団体の長である知事の任命とされておりますので、私としては答弁を差し控えたいと思います。
〇相馬医師対策監 久慈病院ほかの体制でございます。
 久慈病院の麻酔科につきましては、医局の医師数のことなどから引き揚げが言われているものでございますけれども、原則週3日、予定によっては4日という応援をいただくことでお願いしてございます。
 北上病院の脳外科につきましては、これは脳外科医局の全体の医師数の関係から、花巻厚生病院の方が1名増となって、そちらの方からの外来応援をしているものでございます。
 それから、宮古病院の耳鼻科のことでございますけれども、これは大学の方からの応援を継続してお願いするようにしてございます。
 それから、大船渡病院の呼吸器科でございますけれども、常勤を引き揚げましたけれども、これは──ちょっと大船渡病院は後ほど説明いたします。
 大東病院の整形外科でございますけれども、こちらの方は、中央病院からの応援を今いただいてございますけれども、こちらの増等を調整してございます。
 大船渡病院の呼吸器科は、今現在、まだ常勤の状態でございますけれども、これについては継続等に努めて、これから調整も続けてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 ちょっと病院の建設単価について、磐井病院50万円と言いました。国立病院の免震構造で高崎病院というのがあるんですけれども、これ30万4、000円ですよ。20万円違うんですよ、平米単価で。これ真剣に考えていただきたい。
 それと、委員会・研修なんですけれども、これ看護師さんのアンケートでは、時間内にやっているのは25%ですよ、時間内にやっているのは。あなた方の把握、全くでたらめですよ。そこはきちっと改善をしていただきたい。
〇小野寺好委員 医師養成負担金2億円余について伺います。
 これは岩手医大との関係なんですけれども、一つは、採用基準はどうなっているのか伺いたいと思います。
 初めから五つのいすが用意してあって、選ぶのは医療局で選んで、それをそのまま医大で受けるようになっているのかどうか。その場合に、いわゆる頭のいいという基準ですけれども、物覚えがよくて多少難しい問題も早く正確にできると、そういった自信のある御本人、家族、高校の先生とかが推すのじゃないかと思うんですが、実際、感情のある生身の人間を相手にするわけですので、医者を育てる側の要件とか、そういったものときちっと合致しているものかどうか、その辺のところを伺いたいと思います。
 二つ目は、今度5年目になるわけですが、応募数に対する採用数、これどうなっているのか、5回分お聞きしたいと思います。
 3番目は在学者数、4年間、さっきも御答弁ありましたけれども、4学年までそろったということは、5人ずつきちんと4学年までそろっているのか。場合によっては、ちょっと自分は合わないとかでやめてしまったとか、大学の方で御遠慮願いたいというようこともないとは限らないような気もするんで、その辺の状況、きちっと5人掛ける4でこうなってきているのか、お尋ねしたいと思います。
〇相馬医師対策監 まず、最初の採用の要件の件でございますけれども、岩手医科大学、仕組みそのものは医療局の方で選考して、岩手医科大学の推薦の試験を受けるという形になってございます。その中で、岩手医科大学では、誠の人間、誠の医師を育成するというふうな建学の精神がございますので、これをよく理解して、地域医療を志す優秀な学生を求めておりまして、そういうふうな形での選考になってございます。
 内容的には、医療局による選考の後、岩手医科大学の推薦の書類審査、それから小論文、それから適性検査及び面接というふうなことを受けまして、総合的に判定していると伺ってございます。
 今後におきましても、こういう制度の周知を図りながら、医師を目指す優秀な学生さんを確保してまいりたいと考えてございます。
 2番目に、応募者数に対する採用数でございますけれども、初年度から申し上げます。
 14年度は21名の応募に対して5名合格でございます。15年度は13名の応募に対して5名採用、16年度は9名の応募に対して5名の採用、17年度は9名の応募に対して4名採用と、18年度は15名の応募に対して3名採用となってございます。
 それから、3番目の学年別の学生数でございますけれども、今4年生が4名、それから3年生が5名、2年生が5名、1年生が4名となってございます。
 途中の退学のことでございますけれども、今年度に1名が退学してございます。
〇小野寺好委員 一番上の学年の方が1人やめたということですね。どのような理由によるものか、支障がなければお聞きしたいと思います。
 それと、今度18年の4月から入るはずの5人の枠のところに3人しかいないと。そうすると、さっきお聞きしました6年間分の差額、4、000万円掛ける6で、大体、そういったことで一気に入学のときに国立との差額を納めるということになっていますが、そうすると18年については3人分だけなんでしょうか。それとも、急遽、あと2名受け付けますよということになるのか、その辺ちょっとお聞きしたいなと思います。
〇相馬医師対策監 最初の1名の退学の理由でございますけれども、個人のことにかかわってまいりますので、大変恐れ入りますが、答弁を差し控えさせていただきます。
 それから、2番目の18年度のことでございますけれども、18年度に入る方のことを申し上げましたので、この予算については、今年度末に執行する予算でございますけれども、これについては2月の補正で2名分を減補正してございます。
〇小野寺好委員 非常にもったいないという気がするんですが、その辺、何でこの3名になってしまったのか。15人も応募していて3名と。これは医療局の方で判断を誤ったのか、どうなんでしょう、その辺をお聞きしたいと思います。
 あと、先ほど柳村委員の質問の中で、貸付金の方でお話ありました。人間というのは気持ちが変わる、約束を破ると、そういうことで契約というのをやるわけですが、最初の学年の1期生の方、違約みたいな部分についてはどうなっているんでしょうか。
〇相馬医師対策監 今度の5名枠のところに3名ということでございますけれども、医療局の方から5名を選考して推薦の試験を受けたわけなんですけれども、その中で、先ほど申しましたけれども、論文とか適性とかございますけれども、そういう中の総合的な判定の中で不合格になったということでございます。
 それから、先ほどの約束を破るという方の1期生の方なんですけれども、理由によっていろんなやむを得ない理由、あるいはその方の責任に帰する理由というのがあると思いますけれども、その辺のことも大変申しわけございませんが、控えさせていただきたいと思います。
〇小野寺好委員 今年度3人ということで、医療局で5人ちゃんと推薦したけれども、だめだったと。そういったことで、医療局として医大の方とどのような医師を育てるか、応募する方、そういったのもちょっと検討すべきではないかと思いますが、その辺のところ、最後医療局長、どうでしょうか。
〇法貴医療局長 5人推薦して3名しか合格できなかったというのは非常に残念な結果だということで、大学の方からも、今後どうすればいいのか話し合おうということになっていますので、十分話し合いながら制度をどうしていけばいいか考えていきたいと思います。学業だけじゃなくて、小論文とか面接試験もありますので、合わなかったということだと思います。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇渡辺幸貫委員 私は1点だけ。
 今、話があったので関連したいんですが、医師確保の投資が足りないということですよ。岩手医大に1億2、000万円しか払っていないとか、奨学金が1億2、900万円。単価だけ見るとでかく見えますよ。だけれども、1、000億円の売り上げを五百数十人の人で担っているということは、医者1人で2億円ぐらいの収益を稼いでいるということですよ。1年間にですよ。それだけでかく稼いでいるんですから、どこの院長先生に聞いても、医者が足りないんだって。皆さんおっしゃるとおり。だけれども、私は今患者でございますから、私の出会ったお医者さんは、4時間とか5時間しか寝ていないんですよ。こんな勤務体制の中で、本音はやっぱり老人保健施設のようなところでのんびりと8時間寝て暮らしたいと、こういう実態の中で、さっきおっしゃった、さっぱり若い人は残らないという、結論的に、奨学金を払った人が残らないと。もう、これでは医療局が破産するという私は危機感を持っていますね。ですから、どんどん投資をして、岩手医大にだって1億円ぐらい──これじゃ、たくさんやってくださいよ。そうすれば、1年間に2億円。なぜかというと、7年間だってその人は例えば14億円売り上げを稼ぐんですよ。高々1年間に1、000万円の現金をくれたって7、000万円しか払わなくて、(「それは別なんだ」と呼ぶものあり)いやいや、それは原価はさまざまあるにしても、トータルにしても、そういうことだということの認識について、概括的に医師確保について伺いたいと、こういうことです。
〇法貴医療局長 医師確保にどの程度の投資をすれば潤沢に医師を得られるかという問題については、さまざまな状況、御意見いただいております。ただ、県立病院の経営の中で限度もありますし、民意の許す範囲内ということもありますので、十分そういうところを調整しながら、できる限りお医者さんが来てくださるような投資の仕方をしていきたいと考えています。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇伊沢昌弘副委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御退席されて結構です。大変御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 6 時51分 散 会

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