平成18年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成18年3月9日(木)
  
1開会  午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事課長 駿  河     勉
  議事課長補佐 千  田  利  之
  主任主査 保  原  良  和
  主      査 小  船     進
  主      査 福  田  清  喜
  主      査 佐々木  ユ  カ
  主      査 渡  辺  謙  一
  主      査 安  藤  知  行
1説明員
  商工労働観光部長 酒  井  俊  巳
  商工企画室長 山  本     博
  ものづくり人材育
  成担当課長 福  澤  淳  一
  商工企画室
  管理担当課長 上  野  一  也
  産業振興課
  総括課長 田  村  均  次
  科学技術課
  総括課長 宇  部  眞  一
  観光経済交流課
  総括課長 松  川     求
  企業立地推進課
  総括課長 齋  藤  淳  夫
  労政能力開発課
  総括課長 菅  原  和  弘
  総合雇用対策局長 長  葭  常  紀
  参事兼総合
  雇用対策監 勝  部     修
  労働委員会
  事務局長 種  田     勝
  審査調整課長 中  澤     一
  環境生活部長 千  葉     弘
  環境生活企画室長 稲  田     収
  産業廃棄物
  不法投棄緊急特別 滝  川  義  明
  対策室長
  環境生活企画室
  企画担当課長 切  金     精
  環境生活企画室
  管理担当課長兼
  交通安全対策 袴  田  尚  武
  担当課長
  食の安全安心・消
  費生活担当課長 菊  池  正  佳
  環境保全課
  総括課長 熊  田     淳
  資源循環推進課
  総括課長 古  川     治
  自然保護課
  総括課長 高  橋  勇  喜
  資源エネルギー課
  総括課長 太  田  和  男
  青少年・男女共同
  参画課総括課長 松  岡     博
  調査追及担当課長 及  川     明
  再生・整備
  担当課長 根  子  忠  美
  予算調製課
  総括課長 菅  野  洋  樹
   
〇工藤大輔委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第25号、議案第35号から議案第39号まで、議案第41号から議案第48号まで、議案第51号、議案第53号及び議案第54号の、以上38件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部、総合雇用対策局、労働委員会及び環境生活部関係を終わらせるよう進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求め、引き続き、総合雇用対策局長に総合雇用対策局関係の説明を求めます。
 なお、皆様のお手元に配付しております資料、「特定区域における産業の活性化に関する条例」についてにつきましては、商工労働観光部から、予算関連議案の説明に際して使用したいので配付を許可されたい旨の申し出があり、当職において、これを認めることといたしたものでございますので、御了承を願います。
[参照]
「特定区域における産業の活性化に関する条例」について(1)
「特定区域における産業の活性化に関する条例」について(2)
〇酒井商工労働観光部長 それでは、平成18年度商工労働観光部関係の予算について御説明を申し上げます。恐縮でございますが、条例3本等もございますので、25分ぐらいかかる予定でございますので、ひとつよろしくお願いをいたします。なるべく速く読みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、当部における施策の基本的な考え方でありますが、人口減少や少子・高齢化の進行、国際競争の激化など経済社会情勢の変化が一層進む中にあって、岩手が真に自立できる地域として発展していくためには、地域経済の活性化が不可欠であります。このため、これまでの工業集積を含め、岩手ならではの地域資源や固有の技術を生かした産業の振興及びそれを支える産業人材の育成に積極的に取り組み、21世紀型の新しい産業先進県の実現を目指すものであります。
 平成18年度予算の編成に当たっては、こうした基本認識のもと、新しい広域振興圏の設定も踏まえ、次の七つのポイント、すなわち伝統産業や食産業を中心とする地場産業の振興、着地型・滞在型・体験型観光と国際観光の推進、障害者雇用対策の充実強化、自動車関連産業などものづくり産業の集積促進、ものづくり産業人材の育成強化、産学官連携等による新産業・新事業の創出、中心市街地の活性化の促進について、重点的に取り組むことにしているものであります。
 それでは、予算の議案につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、総合雇用対策局関係及び労働委員会費を除く21億5、400万2、000円と、7款商工費の522億6、000万3、000円、9ページに参りまして、12款公債費のうち3億749万7、000円、合わせまして547億2、150万2、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと、25億2、440万円余の減、率にいたしまして約4.4%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては予算に関する説明書により御説明申し上げます。主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の134ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、労政部門の職員給与費や地域雇用相談員の設置、中小企業の労務管理改善等に要する経費であります。2目労働教育費は、雇用・労働フォーラムの開催に要する経費であります。次に、135ページに参りまして、3目労働福祉費は、労働者等生活安定支援資金貸し付けなどに要する経費であります。4目雇用促進費でありますが、若年者等就職支援事業費は、新規大学卒業予定者等を対象とした就職面接会の開催や、就業体験による職業意識の啓発など、若年者の就職を支援しようとするものであります。チャレンジド就業支援事業費は、障害者の就業を支援するため、生活面と就業面を一体的に支援するチャレンジド就業支援センターの運営に要する経費等に対し補助しようとするものであります。
 136ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、認定職業訓練費は、職業訓練団体等の認定職業訓練に要する運営費及び施設設備費に対し補助しようとするものであります。ものづくり人材育成事業費は、岩手県技能競技大会を開催するなど、若年技能者等の育成を一層推進しようとするものであります。2目職業訓練校費でありますが、管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。公共職業能力開発校施設設備整備費は、産業技術短期大学校等の施設設備の整備に要する経費であります。就職支援能力開発費は、離転職者等の再就職を促進するための職業訓練及び不安定就労若年者を対象とした職業訓練――日本版デュアルシステムと申しますが――等を職業訓練法人等に委託して実施しようとするものであります。チャレンジド就業支援事業費は、障害者の就業を一層支援するため、職業訓練法人等への委託による職業能力開発を実施しようとするものであります。産業技術短期大学校専攻科設置推進事業費は、本県のものづくり基盤を支えるすぐれた技術・技能を持った人材の育成のため、産業技術短期大学校に産業技術専攻科を設置するための準備に要する経費であります。
 次に、飛びまして、175ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、管理運営費は、商工業部門の職員給与費、事務経費等管理運営に要する経費であります。地域ものづくりネットワーク推進事業費は、北上川流域における産学官が一体となった産業人材育成の新しい仕組みとして地域ものづくりネットワークを設置、運営しようとするものであります。いわて型ペレットストーブ普及促進事業費は、市町村及び一般家庭等がペレットストーブを購入する経費に対し助成しようとするものであります。戦略的事業化発展推進事業費は、成長可能性の高いベンチャー企業に集中的な支援を行うことにより、県内の新たなリーダー的企業の育成を図ろうとするものであります。酸化亜鉛産業クラスター形成事業費は、酸化亜鉛関連の有望な研究開発成果について、産学官連携による実用化研究開発を集中的に支援し、その製品化や事業化を促進しようとするものであります。いわてインキュベーションファンド(仮称)組成事業貸付金は、県内民間企業、金融機関等の出資によるインキュベーションファンドを組成するに当たり、県としてもその運営を支援しようとするものであります。176ページに参りまして、新夢県土いわて戦略的研究開発推進事業費は、事業化・産業化に向けて有望な研究開発の育成・発展を重点的に支援しようとするものであります。岩手医科大学医療・薬学研究センター(仮称)整備支援事業費補助は、岩手医科大学の産学官連携体制を強化するため、同大学が開所を予定している医療・薬学研究センターの整備に要する経費に対し補助しようとするものであります。国際経済交流推進事業費は、県内企業の国際競争力を高め、地域経済の活性化を図るため、東アジアにおけるビジネスフェアの開催等により県内企業の海外展開を支援しようとするものであります。次に、2目中小企業振興費でありますが、食の産業支援強化事業費は、地域の中核となる企業等の育成のため、県内外の有力企業と県が密着した仕組みを構築し、企業間取引とそのすり合わせを通じて企業や生産者を効果的に育成しようとするものであります。次に、貸付原資を金融機関に預託して実施する県単融資でありますが、商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者の設備改善等に要する資金を貸し付けるためのもの、中小企業経営安定資金貸付金は、取引先の倒産、営業不振等により事業経営に支障を来している企業等に対し、運転資金を貸し付けるためのものであります。次に、177ページに参りまして、いわて起業家育成資金貸付金は、新たに事業を始めようとする者に対し創業資金を貸し付けるためのもの、県北・沿岸地域中小企業振興特別資金貸付金は、雇用の増加、事業の拡大、新分野への進出を図ろうとする県北・沿岸地域の中小企業に対し、事業資金を貸し付けるためのものであります。次に、商工業小規模事業対策費は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う商工業小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費に対し補助しようとするものであります。中小企業連携組織対策事業費補助は、岩手県中小企業団体中央会が行う組合等の組織化を支援する事業の実施に要する経費に対し補助しようとするものであります。178ページに参りまして、中小企業等新事業活動支援事業費補助は、新産業・新事業の創出を促進するため、中小企業の経営革新やコミュニティ・ビジネスを含めた起業などの新事業活動に対し支援しようとするものであります。中心市街地活性化推進事業費補助は、タウンマネージメント計画等に位置づけられた商店街活性化のためのソフト事業に対し支援しようとするものであります。自動車関連産業創出推進事業費は、県内企業の自動車関連産業への参入促進等のため、生産工程の改善指導や人材育成のための先進企業への派遣研修に対する支援などを行うほか、近隣他県と連携して産学官のネットワークを構築しようとするものであります。新いわて自動車製造システム開発支援事業費は、自動車関連産業においてニーズの高い金型の高度化・高機能化を図る研究開発を行い、県内企業の自動車関連産業への参入を促進しようとするものであります。戦略的IT産業強化育成事業費は、IT産業の経営基盤強化及び成長促進を図るため、首都圏からの受注拡大に向けた取り組みを行うなど、競争力の強化と新市場の開拓を一体的に推進しようとするものであります。組込みソフトウエア産業振興事業費補助は、組込みソフトウエア産業の育成・振興を図るため、県内中小IT企業による共同受注体制の構築を支援し、同分野への新規参入及び技術者育成を促進しようとするものであります。食品産業等活性化支援事業費は、県内地場産業の振興を図るため、食品産業を中心に、意欲ある事業者の生産、マーケティング、販売活動等の充実強化を一体的に支援しようとするものであります。いわてクラフトビジネス展開事業費は、伝統工芸品産業等の再構築を促進するため、販路開拓、マーケティング、観光との連携、営業力向上などの課題解決を支援しようとするものであります。地域戦略的県産品販路拡大事業費は、首都圏及び関西地区等において、商談会の開催や見本市への出展等による県産品のイメージ浸透と販路の拡大を図ろうとするものであります。179ページに参りまして、3目企業立地対策費でありますが、企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し、資金を貸し付けるための原資を金融機関に預託しようとするものであります。自動車関連産業集積促進奨励事業費補助は、自動車関連産業の集積を促進するため、市町村が実施する事業に対し補助しようとするものであります。特定区域産業活性化奨励事業費補助は、産業の活性化及び雇用機会の創出を図るため、特定区域において工場等を新設または増設する企業に対し補助しようとするものであります。4目中小企業経営指導費の中小企業ベンチャー支援事業費は、中小企業やベンチャー企業に対し、新規創業から商品開発、取引開拓、資金調達などの事業活動を総合的に支援し、育成を図ろうとするものであります。5目貿易振興費は、日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易情報センターの事業運営経費に対する負担金等であります。180ページに参りまして、6目工業技術センター費は、平成18年4月1日、独立行政法人化される岩手県工業技術センターに対する運営費交付金であります。
 次に、181ページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、管理運営費は、観光部門の職員給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。財団法人岩手県観光協会育成事業費は、県内における観光団体の中枢機関である財団法人岩手県観光協会の育成を図るとともに、同協会が行う観光客の誘致宣伝事業及び受け入れ態勢整備事業等に対し補助しようとするものであります。北東北広域観光推進事業費は、観光客の誘致拡大を図るため、青森県、岩手県及び秋田県の3県共同で各種観光宣伝事業等を実施しようとするものであります。北東北大型観光キャンペーン事業費は、平成19年度に実施する北東北大型観光キャンペーンの全国展開に向けて、全国宣伝販売促進会議の開催及び受け入れ態勢の整備等を行おうとするものであります。国際観光推進事業費は、本県への外国人観光客の来訪促進を図るため、ミッション派遣事業、旅行エージェント招請事業、国際チャーター便歓迎支援事業等を実施しようとするものであります。未知の奥・平泉観光振興事業費は、平泉文化遺産の世界遺産登録を目指す取り組みと連動し、観光客の受け入れ態勢の整備や情報発信等を行い、本県全域への観光客誘致拡大を図ろうとするものであります。三陸縦断観光ルート整備事業費は、これまで十分活用されてこなかった自然遊歩道等の観光資源の掘り起こしや、農林水産業者などとの連携による体験型観光の充実など、多様な観光資源の組み合わせによる新たな三陸観光の仕組みを形成しようとするものであります。広域連携観光推進事業費負担金は、地域ぐるみの滞在型観光を促進するため、広域観光団体が地場産業等と連携して行う岩手ならではの旅の商品形成を支援しようとするものであります。2目観光施設費は、家族旅行村の施設改修など県有観光施設の機能強化を図るための経費であります。
 次に、飛びまして、235ページをお開き願います。12款公債費1項公債費でありますが、当部の所管は、県債償還元金のうち、新産業創造支援事業に係る3億749万7、000円でありまして、これは、財団法人いわて産業振興センターからの償還金を財源に、独立行政法人中小企業基盤整備機構へ償還しようとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 戻りまして、議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄3から7までの5件であります。これらは、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に関する損失補償、岩手県信用保証協会が行う創造的中小企業支援資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償、財団法人いわて産業振興センターが貸与した設備に係る被貸与者からの償還金の納入がない場合の不足額の損失補償、岩手県信用保証協会が行う中小企業再生支援に係る融資についての信用保証契約の履行に伴う損失補償、岩手県信用保証協会が行う県北・沿岸地域中小企業振興特別資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償について、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明を申し上げます。議案その1の33ページをお開き願います。
 議案第7号平成18年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ30億9、213万9、000円とするものであり、歳入及び歳出の区分は、34ページの第1表のとおりとするものであります。
 項・目の区分ごとの内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 それでは、予算に関する説明書の356ページをお開き願います。
 歳入歳出予算の総額につきましては、ただいま申し上げましたとおりであります。
 まず、歳入ですが、357ページの1款繰入金1項一般会計繰入金1目一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
 358ページに参りまして、2款繰越金1項繰越金1目繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 359ページの3款諸収入1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入は、設備資金貸し付け等の貸付償還金であります。
 360ページに参りまして、2項預金利子1目預金利子は、歳計現金の利子であります。
 361ページの3項雑入1目雑入は、違約金収入等であります。
 次に、歳出でありますが、362ページをお開き願います。1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費1目設備資金貸付費及び2目設備貸与資金貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸し付け及び設備貸与事業に要する資金を貸し付けるとともに、余裕資金を国へ償還及び一般会計へ繰り出ししようとするものであります。3目高度化資金貸付費は、特別広域高度化資金貸付金及び中小企業基盤整備機構に対する償還金等であります。
 363ページの2項貸付事務費1目貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費及び財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸し付けに要する事務経費に対する補助であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の321ページをお開き願います。議案第47号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうちの商工労働観光部関係の改正は、まず、337ページの通訳案内士登録申請手数料についてでありますが、これは、通訳案内業法の一部改正により、手数料の名称変更等所要の改正をしようとするものであります。
 次に、338ページの計量法関係の検定手数料についてでありますが、これは、工業技術センターが平成18年4月1日独立行政法人化されることから、工業技術センター条例で規定されていた同手数料について、岩手県手数料条例で規定しようとするものであります。
 次に、394ページをお開き願います。議案第53号特定区域における産業の活性化に関する条例でありますが、便宜、お手元に配付しております資料により御説明を申し上げます。資料をごらんいただきたいと思います。この条例は、知事が特定区域を指定し、誘致・地場を問わず当該区域における工場の新設または増設を行う製造業を営む者を対象とした総合的な助成措置を県及び市町村が連携して講じ、新たな投資を誘引することにより、産業の活性化を図るものであります。
 次に、3、特定区域の指定でありますが、知事が、この特定区域の範囲や指定の基準等を示すガイドラインとしての基本方針を定め、市町村長は当該基本方針に基づき、産業の活性化を図る必要があると認める地域を特定地域として知事に申請するものであります。
 次に、4、条例に定める具体的な支援施策でありますが、まず、(1)県税の課税特例措置についてですが、不動産取得税の課税免除及び法人・個人の事業税の課税免除及び不均一課税を行おうとするものであります。特例期間は18年度から22年度までの5カ年とし、不動産取得税は課税免除、法人・個人の事業税は3年間課税免除、課税免除後の2年間については税率を2分の1とする不均一課税とするものであります。課税特例となる要件は、既存補助制度との整合性に加え、他県の状況を勘案し、減価償却資産の取得価格が5、000万円以上、かつ常用雇用者数5人以上としているものであります。
 次に、(2)融資でございますが、具体的には企業立地促進資金貸付金の拡充についてでございますが、本条例による大型補助の交付対象企業を知事特認企業に加え、融資限度額を20億円に引き上げようとするものであります。
 次に、(3)大型補助ですが、これは、大規模な固定資産投資を行う企業に対して県が直接補助を行うものであります。この補助は、現行補助制度と同様に補助要綱等を制定し、補助の基準を明確にしながら運用することとしているものであります。基本的な考え方としては、固定資産投資額50億円以上及び雇用者数100人以上の企業の新設または増設を補助要件とし、補助率については、現行補助制度と同様に、固定資産投資額の10%相当としているものであります。なお、県北・沿岸地域では、固定資産投資額25億円以上及び雇用者数50人以上を補助要件とし、その補助率についても、現行補助制度と同様に固定資産投資額の20%相当としているものであります。
 次に、市町村の支援施策についてですが、企業の工場立地を促進するためには、県及び市町村が互いに協調して助成措置を講じていくことが効果的であることから、市町村においては、県が講じる助成措置に準じて独自の助成措置を行うものとしているところであります。実施期間については、5年間の時限措置として実施しようとするものであります。
 以上で議案第53号特定区域における産業活性化に関する条例の説明を終わりまして、次に、398ページをお開き願います。
 議案第54号産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例でありますが、これは、産業技術短期大学校に産業技術専攻科を設置し、及び同校の授業料等の額を増額しようとするものであります。内容についてでございますが、まず、授業料等の増額でありますが、これは、従来と同様に、独立行政法人雇用・能力開発機構職業能力開発短期大学校の授業料の改定を受けて、授業料及び聴講料の額を増額しようとするものであります。
 次に、産業技術専攻科の設置でありますが、これは、平成19年4月に、矢巾町にございます産業技術短期大学校本校に産業技術専攻科を設置し、入学資格及び授業料等の額を定めようとするものであります。
 以上で商工労働観光部関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
〇長葭総合雇用対策局長 平成18年度の総合雇用対策局関係の予算について御説明を申し上げます。
 初めに、当総合雇用対策局は、平成18年度の組織目標を、県民や地域が実感できる雇用の創出といたしまして、サービス関連産業における1万5、000人の雇用創出目標を中心とした岩手県総合雇用対策の推進、総合的な若年者就職支援体制の確立及び団塊世代の大量退職への対応に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、予算議案につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費1項労政費のうち、1億9、013万1、000円が総合雇用対策局関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと、958万円余の増、率にいたしまして約5.3%の増となっております。
 次に、予算の内容につきまして、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして御説明申し上げますので、御了承願います。
 それでは、予算に関する説明書の134ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費の管理運営費は、総合雇用対策局の職員給与費、運営事務費であります。135ページに参りまして、4目雇用促進費でありますが、若年者就職支援センター管理運営費は、若年者に対してきめ細かなカウンセリング等の就職支援サービスを行うため設置したジョブカフェいわて及び県内5カ所のサテライトセンターの設置・運営に要する経費であります。地域若年者雇用対策強化事業費は、各地方振興局にエリアジョブコーディネーターを配置し、新規高校卒業者を中心とした若年者の就職活動を総合的に支援しようとするものであります。団塊世代キャリアブリッジ推進事業費は、団塊世代が持つ技術・ノウハウ等を活用して、次世代を担う若者のキャリア育成を支援するモデル事業の実施に要する経費であります。
 以上で総合雇用対策局関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇工藤大輔委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇阿部敏雄委員 平成18年度一般会計当初予算の県北・沿岸地域中小企業振興特別貸付金に関連して、3点お尋ねをいたします。
 県では、本年1月4日に、副知事を本部長といたしまして県北・沿岸振興本部を発足させました。地域、技術等を生かしたものづくり基盤の構築などを通じて県北・沿岸地域の振興を図る意向であるとお伺いをいたしております。今後の県北・沿岸地域の振興施策に大いに期待するとともに、振興本部の設置を大変心強く感じたところであります。議会におかれましても、先日、42名の議員の参加を得まして、岩手県議会県北・沿岸議員連盟を発足させたところであります。議会といたしましても、振興施策を注視するだけでなく、県北・沿岸地域の振興に関する諸課題について調査・研究し、振興策を提言するなど、県北・沿岸地域の振興・発展にバックアップしていきたいと思っているところであります。
 ところで、3月4日の岩手日報によりますと、18年1月の県内有効求人倍率は、県南職業安定署管内の北上、水沢より、県北・沿岸地域の有効求人倍率はすべて県平均を下回るなど、非常に厳しい地域格差が拡大しているところと報じております。こうした厳しい状況にあっても、私が仄聞するところ、県北・沿岸地域の中小企業の多くは地域資源を生かして懸命に企業活動に取り組み、地域の雇用を守り、業績の回復、発展拡充に必死になって努めている現状であります。
 この中で、まず1点お聞きいたします。県では、平成18年度、県北・沿岸地域の中小企業を対象とする特別資金を創設するとのことですが、具体的にどのような企業が融資対象になるのでしょうか、お聞きいたします。
〇田村産業振興課総括課長 融資対象の企業ということでございますが、意欲的に事業活動を展開しているものの、財務内容ですとか、所有不動産などの担保価値の低下ということで、既存の融資制度では無担保・保証人不要というような資金の調達が困難である企業ということで、当然のことでございますが、県北・沿岸地域に事業所を有する中小企業者ということでございますし、それから、次のいずれかの要件ということで、5つ掲げてございます。常時使用する従業員を新たに1名以上雇用する。売り上げが単年度でおおむね3%以上または3年間で9%以上増加する。経常利益が増加するということで、これは数値的な基準は設けない予定にしてございます。それから、新商品の開発または生産などの新しい事業活動を展開する。もう一つは、異業種に進出をするというこの五つの要件のいずれかを満たすということを条件にしてお貸ししたいというふうに考えております。
〇阿部敏雄委員 わかりました。要するに、現在、金融から非常に借り入れが困難である。しかし、起業、雇用を促進したい、首を切るわけにいかないという企業に対して、やはり最優先としてという趣旨に聞きましたが、そうですか。要するに、現状では借り入れが非常に厳しいと。しかし、今の条件を一つでも満たせば、窓口としてこの融資に応じるという基本方針ですね。ちょっとそこをお聞きします。
〇田村産業振興課総括課長 この制度のみその部分は、要するに、企業は担保があれば既存の制度で十分借りられるわけですけれども、担保がなかなかないということですとか、そういうような事情があって新たに借り入れが難しい。そこで、この制度のみそは、無担保でも5、000万円を上限にお貸ししますということで、先ほど申しました五つの要件のいずれか、これは、新しいことをしようとする場合には大体当てはまるのではないかなというようなことで要件設定をさせていただいたということでございます。
〇阿部敏雄委員 本当にこの制度はすばらしいと私は思っています。今、沿岸の企業ではこれを求めているんですよね。今、この呼び水が欲しいといっても、窓口が厳しい。ぜひ、保証協会等にこれだけは指導してください。――私は次に聞きますから。
 2点続けて聞きます。
 県内融資制度を初めいろいろな融資制度がありますが、企業からは金融機関に断られ、なかなか融資を受けることができないとの声を耳にいたします。こうした企業であっても、意欲的に事業に取り組む企業に対して融資がなされることが肝要だと考えます。そのためには、融資審査機関であります融資事務を取り扱う金融機関や、特にも信用保証協会等で、この特別融資に対する理解が重要だと考えますが、いかがでしょうか。
 あと1点。また、県は企業に対する融資枠を10億円といたしておりますが、このような資金の創設を期待し、融資を希望する企業が多いと思います。今後、この融資需要が伸びた場合には融資枠を増額する必要があると思いますが、いかがでしょうか、この2点。
〇田村産業振興課総括課長 まず、1点目の理解の促進ということでございますけれども、この資金は、先ほど申しましたように、無担保、第三者保証人不要ということにしておりますので、信用保証協会にとっては保証のリスクが若干高くなるということがございます。その部分を、今回の議案にも出しておりますけれども、県が損失補償をすることによりまして、少しでも借りやすくなるというような仕組みをつくってございます。それで、この資金の実行に当たりましては、金融機関あるいは信用保証協会の理解と協力が重要だというのは御指摘のとおりでございますので、振興局単位に、金融機関ですとか商工団体等に丁寧に説明をしたいというふうに考えておりますし、それから、企業側にもPRしなければならないと思っております。その他、各種の会議、広報媒体を通じましてPRを図っていきたいと考えております。
 それから、2点目の資金の不足の場合ということでございますけれども、融資枠10億円というふうに設定してございますけれども、これは、県北・沿岸地域の保証協会の保証債務残高などを参考にしましてはじいたものということで考えておりますけれども、いずれ、仮に年度中途で融資枠が不足するというような場合には、融資枠の増額を検討していきたいとふうに考えております。
〇阿部敏雄委員 わかりました。きのうの総合政策室の方でもこのあれがいろいろ話されました。やはり沿岸の今回の振興局のいろいろな問題があります。最終的目標は、県北・沿岸地域の産業育成が第一なんですよ、中小企業の。しかし、今、いかに経済新聞なんかで大企業が何千億もうけた、なんぼもうけたと言っても、まだ地方は厳しいです、現実は。先般も倒産もありましたしね、去年も我が地元でも水産業者の大手も倒産しました。何が原因かといえば、最後は金です。融資を断られたと。ですから、確かに企業努力が大事だと言いますけれども、やはりそこに県がこういう施策を講じたというのは、私は本当に県北・沿岸についても心強いなと思いますし、ぜひ、県南そして県北・沿岸の所得格差の是正、解消にもこれが大いに役立つと思いますので、絶対倒産の起きないような施策を講じること、これは企業が一番みずからがそれをしなきゃならないんですけれども、やはりこういう広域圏を今回やるのであるならば、是が非でも企業育成のためのこういう融資制度を弾力的に、そして、県から保証協会、金融機関にぜひというような指導を総合政策室と連携しながらやっていただきたい。これは要望して、終わります。
〇工藤勝子委員 中心市街地活性化推進における県の認識と支援策についてお尋ねをいたします。
 県内における中心市街地は年々シャッターを閉める店が多くなりまして、商店街における空洞化や衰退、また、にぎわいが消えております。そして、商店街そのものが、元気がないと言いましょうか、もうあきらめムードも漂っております。そういう中で、本人、商店街自体が活性化しようとする機運を起していくために、県としての、今までもあったろうと思いますけれども、新たな現状を見据えてのこれからの支援策がありましたら、お願いいたします。
〇田村産業振興課総括課長 中心市街地のにぎわい、あるいは活性化のための支援ということでございますけれども、中心市街地の活性化支援につきましては、本年度におきましては、ハード面では例えば水沢メイプルの再生事業の支援というようなことを行っております。それから、TMOにつきましては、基金を持っておりまして、その基金事業ということでソフト関係の事業支援を行っております。また、県の事業といたしまして、成功店モデル創出などを目的とした実験的臨店指導事業、あるいはみずから考え、みずから行う商業者の支援を図る実験的助成制度などを実施してございます。これらは、商店街自律再生支援事業というふうに呼んでおりますけれども、そういう事業を実施しております。
 それから、来年度ということでございますけれども、これらのTMO基金事業などを引き続き実施するということが1点ございますし、それから、まちづくり三法の見直しの中でも国の支援制度がかなり大きく変わるような動きがございますので、そういった動きも見据えながら、中心市街地活性化支援の方策について検討していきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 今度、仮称でございますけれども、中心市街地活性化懇話会を設置しようとするところがあるようでございます。目的は、やはりこれは中心市街地を活性化しようという懇話会だろうと思いますけれども、そういう新たにつくろうとする目的、それから、委員になるでしょうか、こういう人数の体制、どういう人を人選して、今後、こういう懇話会を設置しようとしているのか。この提言を受けて、さらにどう生かそうとしているのかをお聞きしたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 一般質問等でも答弁申し上げておりますけれども、正式な名称はまだ決めておりませんけれども、この懇話会は、まちづくり三法の抜本的な見直しという動きを踏まえまして、有識者からまちづくりに関する議論の掘り下げをしていただくということを目的にしたいと考えております。
 設置時期ですとか構成メンバー等の具体的な内容は現在検討中でございますけれども、学識経験者、商工団体などの事業者代表、あるいは消費者、行政、市町村関係ですね、市町村などで構成しまして、来年度の早い時期に立ち上げたいというふうに考えております。人数的には、いろいろな関係者が非常に多いということもありますので、十数人になるのではないかというふうに考えております。
 これらの議論におきましては、本県の今後のまちづくりのあり方ですとか中心市街地活性化の具体的な方策ということを検討いたしまして、それらの今後の県としての各種施策に反映させるということの基本的ないろいろな意見をいただきたいという趣旨でございます。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。こういう商店が活性化することによって、ここの部分の雇用もふえるだろうと思われるんです。遠野の例を見ましても、商店を歩きましても、ほとんど店員さんという方を使ってない店が年々多くなりまして、その事業主自体が、私がやっているうちだけで、もうシャッターを閉めるんだという店がかなり多くなってきているところです。ですので、まちににぎわいを戻すためにも、遠野でも町家ひなまつりを行ってかなりにぎわいをしたんですが、その割には商店にお金がおりないんですね。おひな様を見て歩くだけで、商店の物を買わないんですよ。そういう関係で、何とかしてお店にいろいろ足を運びながら物を買っていただく、そういうものを元気を出してやっていただくためにも、ぜひ県でも余りここの部分の予算を切らないで――かなり切っているんですね。見ますと、切っているんですよ。だから、どこかに集中的に使わなきゃならない。全体の予算が減っているんですから、どこかを切らなきゃならないことはわかるんですけれども、旧市街地の活性化というのが市町村にとっても大きな課題だと思っておりますので、ぜひその辺のところをもう一度検討し直して、県としての支援策をお願いしながら、部長のお考えを聞いて終わりたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 まちづくりといいますか、中心市街地の活性化につきましては、地域の大きな課題でありますし、また、行政的な課題になっているということは十分認識をしているところでございます。先ほど申し上げました予算の説明の中でも重点という事業の中に挙げておるわけでございまして、今後、まちづくり三法の見直しがあります。大きく国のスキームも変わってくると思います。それに合わせてやっぱり県の方のスキームも変えていかなければならないことが出ると思いますので、有識者懇談会等の意見を十分踏まえながら、岩手の地域に合ったまちづくり、中心市街地の活性化、そういった方策を検討していきたいというふうに考えてございます。
 それから、予算につきましては、御案内のとおり、大変厳しい中でございますが、お金のない分は人の知恵で頑張るということでやらせていただきたいと思います。
〇小原宣良委員 2点、お伺いをいたします。
 一つは、いわてクラフトビジネス展開事業ということで、手づくり、ものづくりビジネスということでしょうか、この事業のねらいと事業内容について、改めてお伺いします。これは新規事業のようですから、そういう意味でお伺いをしたいわけですが、その中で伝統工芸品の生産者組織、物をつくっている組合がそれぞれあると思うんですが、これを統合した県の一本化した組織があるんだろうかと。それぞれの組合では頑張っておられると思うんですが、それを全体に束ねるような県組織があるかどうか。その組織があるとすれば、それと県は有効に連携をとれるということにもなるんだろうと思うので、お伺いをします。
 それから、ものづくり、手づくり、伝統工芸という分野においては後継者対策というのが大変大事だと思うんですけれども、その対策の現状はどうなっているでしょうか。
 それから、販路拡大策でありますが、県内、県外あるいは海外、それぞれに目標があるだろうというふうに思いますので、県としても、それぞれの組合、連合体があれば連合体、そうしたところでの販路拡大計画というものに対して、県もそれなりなアドバイスなり支援なりということが出てこようかと思いますので、それぞれ拡大目標についてどのように指導されておるのか、お伺いをします。
〇松川観光経済交流課総括課長 いわてクラフトビジネス展開事業についてお答えをいたします。
 まず、事業のねらいと事業内容についてでございますけれども、この事業は、伝統工芸品等の産業が魅力ある産業へ転換を図ることを目的としてございます。県内の伝統工芸品等の生産者から事業の企画を公募いたしまして、販路開拓でありますとか商品開発、あるいは営業力向上などの課題解決への取り組みを支援することによりまして、その自立的経営体として成長することを目指そうとするものでございます。
 それから、その伝統工芸品の生産組合を統合した組織があるかどうかというお尋ねでございます。これにつきましては、南部鉄器、岩谷堂箪笥、漆器のそれぞれの生産組合はあるわけでございますけれども、それらを統合した組織はございません。
 それから、後継者対策の現状ということでございますけれども、後継者対策につきましては、現在、岩谷堂箪笥生産協同組合におきまして、本年度まで国の伝統的工芸品産業支援補助金を活用いたしまして後継者育成事業を実施しておるところでございまして、県においても、これに補助をいたしまして支援をしてきているところでございます。また、岩手県南部鉄器協同組合連合会におきましては、平成16年度までこの後継者育成事業を実施してきたわけでございますが、さらに18年度から国の補助を活用いたしまして後継者育成等に取り組むこととしておるところでございます。この後継者対策ということでございますが、県といたしましては、その後継者となる若者にとって、伝統的工芸品産業が魅力ある産業となることが後継者育成・定着につながるという観点から、平成18年度にいわてクラフトビジネス展開事業を実施いたしまして、意欲ある生産者を支援するなどいたしまして、伝統工芸品産業の活性化に向けた取り組みを行い、その後継者育成につなげていきたいと考えてございます。
 最後に、いわゆる目標ということでございます。県内あるいは海外ごとの目標ということでございますけれども、分野別目標ということは設定してございません。御案内のとおり、近年の景気の低迷でありますとか生活様式の変化ということがございまして、県内の工芸品の需要は伸び悩み、本県の伝統的工芸品の生産額も年々減少しているという状況にございます。現状の生産額を維持するということが当面の目標であるというふうに考えているところでございます。
〇小原宣良委員 この事業費は800万円ぐらいなんですよね。本当に、微々たると言ったら失礼ですけれども、額は少ない。しかし、今、説明がありましたように、伝統工芸についてなかなか伸び悩みの状況にあるんだということで、現状維持にもっていくのがせいぜい今の状況で、これ以上減らさないようにということなんですが、これは少し消極的だと思うんですね。実際の生産者組織の中では、大変苦しい現状というのはあるだろう。しかし、それを支援する県の立場からいたしますと、その現状を追認しながらやむを得ないと言うのじゃなくて、そこの意欲をどう喚起しながら、岩手の伝統工芸のこれからの発展を図るかというところに県の事業のねらいがあるんだと思うんですね。そういう点について改めて。したがって、販路の拡大目標などについても、ないということであれば、意欲の裏返しなわけですけれども、それぞれの生産組合が販路拡大目標をしっかり持って、そこに到達できるような努力をお互いしていこうじゃないかという前向きな取り組みという点が、今、必要ではないかというふうに思います。若干ではありますけれども、これは海外への輸出という部分もそれぞれ見られますし、あるいはそれに対する評価も高いという部分を持っているわけですね。ぜひ、その点について、改めて県の姿勢についてお伺いをしておきたい。
 それから、伝統工芸のそれぞれの組合・組織を、中身が違うという点で全体を束ねるというのは大変だとは思いますけれども、そういう協議会のようなものも含みながら、県の振興意欲という点で相談をしてみてはどうかというふうに思いますので、改めてお伺いをしておきたいと思います。これはお答えください。
 次に、ものづくり人材育成事業についてでありますが、若年技能者の技術向上という点を含めて、平成16年には技能五輪全国大会、これは本県が会場でございました。かなり熱気のあるものであったんですが、本県はその際、総合優勝ということになりました。開催県の利点ということもあったでしょうけれども、大変奮闘した。その成果を、これまでどのように人材育成に生かしてきたのかという点をお伺いしたいと思います。ものづくりの人材という面で、本県のレベルというのはどの程度にあるのか。地域のものづくりに具体的にどう生かされているんだというふうに、どのようにお考えなのか、お伺いをします。
 それから、全国障害者技能競技大会も開催されるわけでありますが、これへの参加状況はどうなっているでしょうか。障害をお持ちの方で、こうした技能者もおるわけですし、大変勇気を与えるという場面でもあろうと思いますので、お伺いをしておきたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 まず、目標に関するお尋ねでございますけれども、先ほど答弁申し上げた目標値でございますが、これは、伝統工芸品生産額のトータルの額について、まず現状維持を図りたいというふうにお答え申したわけでございまして、実は、御案内のとおり、全体の生産額は、例えば南部鉄器で申し上げますと、平成7年は116億円余、平成12年では96億円余、それが平成15年は86億円余ということになってきているわけでございます。これを現状維持を図ることがまず先決だということでございまして、この事業自体は個々の意欲ある事業者の方々を対象にして支援していこうということでございまして、それらの方々については、もちろん販路開拓をさらにこの事業によって上積みをしていくということをねらいにしているものでございます。
 それから、もう一つ、伝統産業の組織の一本化ということでございますけれども、これにつきましてはいわてクラフトふれあい事業は実は今年度までこういう名称で事業を展開してきているわけでございますけれども、この事業実施の中で、もちろん生産団体は別々でございますけれども、例えば南部鉄器の組合、あるいは岩谷堂箪笥の組合、漆器の組合で連携いたしまして見本市に出展をする等々の取り組みをやってきておりまして、今後におきましても、こういった各団体とはともども協議をしながら、伝統産業の振興に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員長 次は、ものづくりに関する答弁はどなたですか。
〇菅原労政能力開発課総括課長 3点お尋ねがございましたが、私から、全国障害者技能競技大会への参加状況をお答え申し上げます。
 全国障害者技能競技大会は、いわゆるアビリンピックと呼ばれているものでございますが、昭和47年に第1回が開催されまして、昨年の山口大会までで都合28回開催されてございます。本県からは、平成4年以降、37人の選手が参加いたしまして、9人の入賞者を出しております。昨年の山口大会には、五つの職種にそれぞれ1名、計5名の選手を派遣いたしましたが、残念ながら入賞者はございませんでした。
 なお、本年の香川大会でございますが、6人の選手の派遣を考えてございます。
〇酒井商工労働観光部長 まず、平成16年度の技能五輪の成果をどう生かしているかということでございますけれども、御案内のとおり、16年度技能五輪岩手大会というのは最優秀技能選手団賞をとったわけでございます。こうした盛り上がりを一過性のものに終わらせないようにしよう、それから、引き続き岩手の若年者の技術向上を図ろうということで、今年度から新たに岩手県技能競技大会、これは、企業で働いている若い方もそうですし、それから高校生とか産業短大とか、そういうところで学んでいる人も参加できる競技大会でございますが、こういったものを今年度から開催したということでございます。今後ともこの競技会を続けていこうと思っていますので、こういったことを通じて本県の若手技能者のレベルアップが図られるのだというふうに考えております。
 それから、平成19年には静岡で技能五輪の国際大会がございますので、これを目指して、岩手の若手の技能をさらに一層向上させるような取り組みを18年度には行っていきたいと考えております。
 それから、ものづくり人材の面で、本県のレベルといいますか、その評価、それから、今後どういうふうにその評価を生かしていくのかという考え方でございますけれども、平成16年度あるいはことしもそうですが、技能五輪で優秀な成績をとっているのは、建具とかタイルとかれんが積みとか、建設系なんですね。あるいは料理とか理美容とか、そういったところでございまして、これはこれですぐれたものづくりでございますけれども、いわゆる製造業の基幹職種である機械とか電気系とか電子とか、そういったところのレベルはどうかといいますと、やはり入賞できない、そういう状況にあるわけでございます。
 したがって、今、岩手県として自動車関連産業の集積を進めているわけでございますし、宮古ではコネクター関連産業の集積が進んでいる。それから、今度は久慈では造船関連企業の進出ということもございますので、この辺のところは、まさに機械とか電気系の人材が必要だということでございますので、平成19年4月には産業技術短期大学校、それから黒沢尻工業高校に専攻科の設置を考えてございますし、宮古の訓練施設、高等技術専門校にも金型関連科を設置することも考えてございます。それから、久慈の方には造船関連科の科目の設置も検討してございますので、岩手の技術、若者の技術・技能の弱いところをこういった施策をしながらカバーしていって全体のレベルを上げていきたいと考えております。
〇松川観光経済交流課総括課長 先ほど、伝統工芸品産業の目標のところで現状維持と申し上げたわけでございますけれども、当面の目標はそうしながらも、少しでもそれを上回るように努力してまいります。
〇川村農夫委員 観光振興と岩手のイメージづくりの視点で2点お伺いします。
 まず第1点ですが、関東自動車の観光ルートとしての位置づけはいかがでしょうかということであります。平泉の歴史・文化の観光ルート、はたまた最新技術を使った自動車の組み立て工場、これをあわせた観光ルートとしての位置づけあるいは取り組みをなされてはいかがかと思うのですが、お考えはどうでしょうか。
 実は私も、ある地域の方々から行ってみたいという話をされまして、申し込もうとしたら、受け入れが非常に少人数であったり、非常に相手に御迷惑をかけるなというイメージを逆にこっちの方が持ってしまうような状況でございまして、その辺に対する県としての位置づけ、取り組みの姿勢についてお伺いします。
〇松川観光経済交流課総括課長 関東自動車の、いわゆる観光面での位置づけということでのお尋ねでございます。
 まず一つは、やはり関東自動車自体に視察者が今後増加するのではないかと思っております。こういった方々を県内のいろいろな観光交流につなげていく取り組みがまず必要ではないかと思っております。県南地域には、平泉でありますとか、遠野あるいは花巻といった観光地がございますし、ちょっと足を伸ばせば陸中海岸でありますとか、そういったところがあるわけでございますので、まあ、これからということになりますけれども、こういった観光ルートのコースづくりでありますとか提案、こういったことを考えてまいりたいと思っております。
 それから、もう一つは、今お話がありましたように、関東自動車自体を見学するということが観光の素材になるかどうかということでございます。御案内のとおり、今、産業観光という分野がございますので、こういった部分についても研究をしてまいりたいと存じております。
〇川村農夫委員 私も大きく期待したいと思いますので、よろしく取り組みを進めていただきたいと思います。
 2点目でありますけれども、実は、1月の中旬ごろだったと思いますが、NHK教育テレビの土曜フォーラムという番組がありまして、夜11時半からでございましたが、地域おこしをテーマにしたフォーラムでございました。そこに本県の増田知事がパネラーとして出席しておりまして、遠野のどぶろく特区を題材としながらいろいろ話が進んでいったわけでありますが、岩手では、どこに行ってもどぶろくを飲んでいると知事が発言しているわけなんです。私は、この発言に非常に悲しい思いと、何か古き昔の貧しかったころの岩手のイメージといいますか、それと、貧しい酒を買えない人が隠れながらつくって飲んでいるようなイメージと、今では、ふるさととか、ふるさとに帰りたいというイメージを誘うものとして遠野のどぶろく特区が生かされているわけですけれども、岩手では、どこに行ってもどぶろくをつくって飲んでいるんですよというこの発言は、岩手に生まれ育った人たち、歴史を知る人たちにとっては非常に悲しい部分というか、古い嫌な部分を思い出させるところがありました。
 私個人的には、若いころ、東京に来た人から岩手の山猿と言われたことがあります。そういった視点がまだあるんじゃないかという思いもしたわけでありますけれども、岩手全体のイメージづくりという観点から、こういった発言、あるいはこれからの岩手を売り出していくイメージとしてどぶろくをどういうふうに位置づけていくかとか、そういったイメージづくりの観点から、この発言についての部長の所感をお伺いいたします。
〇酒井商工労働観光部長 私はその放送を見ていないわけでございますが、多分知事は、いわゆる構造改革特区でどぶろく特区に遠野がなって元気になったんだよと。それがやっぱり観光の面でもいい面が出ていますよということを強く言いたかったためにそういうお話になったのではないかなというふうに思うところでございます。
 それ以上のところは、ちょっと私としては発言しかねるところでございます。
〇川村農夫委員 これは12月6日に関東の方で収録されたものでありまして、確かにそこには岩手県人はいなかったと思うんです。遠野のことをいろいろ政策的にきちんとアピールした後でこういう発言があって、コーディネーターは、非常に驚いた顔をしていましたよ。どこでも飲んでいる、どこでもつくって飲んでいるって、そういうことをしゃべっていいのかというような顔でした、私から見て。もし機会がありましたら、そこを検証した上で、岩手のイメージアップにつなげる新たな展開をしていただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させていただきます。
 初めに、先ほど阿部委員の方からも質問ございまして、それにかかわるわけですけれども、全体のところとして、商工費の商工振興費の中でいろんな貸し付けがございますけれども、当初予算に対して毎年多額の補正をして不用額が生じているという実態があるわけですけれども、平成16年と17年の見込みをまず示していただきたいと思います。それで、その背景、理由をどのようにとらえているか。
 それにもかかわらず毎年多くの予算をつけているような気がしますけれども、そういった事実が本年度の予算編成にどのように影響、反映しているかということをお聞かせ願いたいと思います。
〇福澤ものづくり人材育成担当課長 中小企業振興費についてのお尋ねでございますけれども、中小企業振興費につきましては、例年2月補正におきまして多額の減額補正を行っているところでございます。その内訳の大部分は、県単融資事業及び県単貸与事業に係る貸付金でございます。
 平成16年度及び17年度の見込み額等の状況でございますが、16年度におきましては、当初予算額565億円に対しまして2月補正で72億円を減額し、決算の結果、最終的に不用額となりましたのは1、900万円余となってございます。また、平成17年度の状況でございますが、当初予算額489億円に対しまして2月補正で40億円を減額したところでございますが、最終的な不用額につきましては、今後の決算整理が必要となるものですけれども、おおむね16年度と同程度になるものと見込んでおります。
 こうした多額の減額補正が必要となる背景と申しますか、理由でございますが、実績としまして過年度に貸し付けた分の償還が進んだということ、及び当該年度分の見積額より貸付実績が下回ったことによるものでございます。このことにつきましては、年度途中で貸付原資が不足することを避ける必要があるということで、融資枠については、過去の実績を踏まえまして、その1.3倍から1.5倍の範囲で設定しているところでございます。そうしたことから、どうしても年度末に補正を行わざるを得ない状況になっているものでございます。平成18年度予算につきましても、こうした考えのもとに余裕を持って融資枠の確保を行っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 補正の結果、1、000何がしの残でおさまったということです。これは、見込みを下回ったというのはそのとおりですけれども、なぜ下回っていくのかということだと思うんですね。恐らく企業の景気回復が思うとおりいっていないということですけれども、こういう金額を想定するということは、一定の景気対策を意味してやっていると思うんです。その効果が上がっていないということだと思うんですが、先ほどの県北・沿岸、これもございましたけれども、もう一つ、企業から見れば借りにくい、そういった要素もあると思うんです、制度資金というのは。県北・沿岸地域特定のこれは、既存の制度と何が特に違うのか。地域はもちろんわかりますけれども、それ以外のもので特に違うところを再度説明してもらいたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 県北・沿岸資金のどこが違うのかということでございますけれども、先ほどと若干説明が重複するかもしれませんが、既存の融資制度では、例えば担保を求められるとか、いろんな制約がございます。そういったことで、既存の融資ではなかなかお貸しできないといいますか、借りられないような条件があると。その一番の要因が担保の不足ということで、そういう方々が新しいことに取り組むに当たって借りられるようにするにはどうすればいいかということでいろいろ考えた結果、無担保融資枠をつくったらどうかということでございます。
 この制度の特徴は、ほかのさまざまな融資制度がございますけれども、その融資制度ではなかなか借りられないような、担保がなくて借りられないような状況にある方に無担保の融資枠として5、000万円別途用意させていただきますと。これを使って新しい取り組みを進めてくださいという趣旨でつくっているということでございます。
 そうしますと、今度は、何らかの形で事故が起きた場合、信用保証協会の方ではさらに上位の保険がございまして、焦げついた場合そこで7割から8割は補てんされるんですけれども、残りの2割、3割は信用保証協会が自己負担しなければならないということで、そのリスクを少しでも軽減するために、信用保証協会がかぶる部分のリスクを軽減させるために損失補償をさらにつけるような形でお貸しする。そのことによって保証協会も保証をつけやすくなるのではないかというような考え方でつくったということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 何を言いたいかというと、経営が余り思わしくないような状態の場合には経営安定化資金というのがあるわけです。それを使えばいいわけですよ。新たな投資、事業を展開するとかという形でつくったわけですけれども、現実とすれば信用保証協会がオーケーを出すかどうかがポイントなわけですよ。担保があってもなくても、信用保証協会がその経営内容を含めてオーケーを出さなければ、何ぼ制度をつくったって借りられないわけですよ、先ほどの話じゃないですけれども。そこをどうするかがポイントなわけですよ。どうです、そこまで入っていくんですか。
〇田村産業振興課総括課長 先ほど申しましたように、万が一事故が発生した場合には信用保証協会の方の自己負担が発生するという部分がございます。信用保証料の制度というのは、企業さんからちょうだいしました信用保証料と、それから上位の運営組織みたいな信用保険制度がございまして、中小企業金融公庫がやっている信用保険制度というのがあります。そこにさらに保険料を納めるんですが、若干の差がございますので、基本的には、万が一事故が起きた場合はその差で埋めるということにしておるのですけれども、事故率が余り高くなりますと当然運営ができなくなるということがございます。その部分に対して県も一定の役割を果たそうじゃないかということで、この損失補償制度をかみ合わせて、そのことによって先ほど申しました信用保証協会も少しでも保証しやすくするような枠組みでこの制度をつくったということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 恐らく実効性は私は余りないと思っています。課長も実態をわかっているかもしれませんけれども、焦げつき、そんなところに保証するわけないんですよ、実際に。それは当たり前なんですよ。私が保証協会でもそうします。だから、セーフティガードをやるのは当然ですけれども、これまでの既存との違いをもっと強く打ち出すというのは保証協会に対する指導しかないわけですよ、実際には。もし本気で実効性を上げるつもりだったらぜひそこまで踏み込んでいただきたいと思います。
 それと、ちょっとまた話が変わるんですけれども、シンガポール事務所というのがございます。914万円出していますけれども、大連とかソウルというのは何かやっているような感じがしますけれども、このシンガポール事務所というのは何をやっているのかさっぱりわからないと思うんですけれども、ちょっと説明願いたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 シンガポール事務所のお尋ねにお答えいたします。
 このシンガポール事務所の業務内容でございますけれども、貿易の振興あるいは企業の海外活動の支援、観光事業の振興、その他、東アジア地域との交流に関する業務、こういったことを行っているわけでございます。
 平成17年度は、観光面では、シンガポールで国際旅行博――NATASと言っておりますけれども――に出展をいたしまして観光PRを行ったり、あるいは旅行者ニーズの把握のための調査を行ったということでございまして、今月下旬には2回目の旅行博に出展を予定している状況でございます。
 それから、貿易振興、物産の面でございますけれども、これは、日系デパート等のバイヤーを招聘いたしまして地場産業関係者との商談会を行っておりますほか、現地のデパート等で北海道・みちのくフェアでありますとか東北味の夏祭りといったフェアを行いまして、本県からは延べ35社の参加がございまして、商談成立も9件の成果というような状況でございます。
〇嵯峨壱朗委員 いろいろ成果がありそうな話はしていますけれども、多分そういった一堂の物産販売なんかで売れるのは大した金額じゃないですよ。この914万円も売れるかどうかわかりません、実態は。シンガポールまで行ってこんなことをする必要があるのかどうかというのを再度聞きたいわけです。(「アメリカの方がいい」と呼ぶ者あり)アメリカもちょっとあれだけれども、それをもっと真剣に考えて、例えば、不可能かもしれないけれども、旅行客が一番多いのは台湾でしょう。むしろそういうところにPRする方法を考えた方がはるかにいいんじゃないですか。シンガポールから来ていますか、大体、観光客なんて。ちょっと私は理解できないんです、いつも思うんですけれども。
〇松川観光経済交流課総括課長 確かに海外観光客で本県に一番入り込みの多いのは、その3分の2が台湾でございます。台湾向けの取り組みも積極的に行っているところでございますが、シンガポールにつきましてはこれからの市場というところでございますけれども、例えば国のビジット・ジャパン・キャンペーンでもシンガポールは重点対象国に加えられておりまして、先ほど旅行博でのアンケート調査の話をさせていただきましたけれども、訪日旅行にどういった部分を期待しているかというような調査をいたしまして、具体的なニーズの把握をしたところでございます。今後、これを踏まえて、シンガポールから本県への具体的な商品の提案をして、これからその商品化を実現したいというふうに考えておるところでございます。
 それから、確かに予算額までの商談成約金額にはまだ至らないわけでございますが、日本酒でありますとか、例えばお菓子の分野でありますとか、そういった可能性のある分野が明確になりつつありますので、こういった部分をやはり今後拡充していくような取り組みをしてまいりたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりましたけれども、本当にまじめに考えた方がいいですよ、やめるかどうかということを。
 こういう物産フェアもそうですけれども、海外でやるのに来るのは向こうにいる在留の邦人が大概なんですよね、私も知っていますけれども。そういうところにサービスで行くのはいいけれども、実際の産業振興とか物販とかにほとんどつながっていかないと思いますので、ぜひまじめに考えた方がいいと思いますということを言っておきます。
 それと、これは部長にお聞きしたいんですけれども、以前も聞きましたけれども、平成18年度、青森県の予算をちょっと見ましたけれども、青森県では、ことしこういった振興の何に最も力を入れているかというと、国内で青森県産品をどうやって売っていくか、それを最重点の位置づけでやっています。岩手県は国内で市場占有率が高いんでしょう。だから余りそれに力を入れていないのか、予算を見る以上では、国内での販売というのをどう考えているのかという気がします。岩手県で見ると外貨を稼ぐのが最大の景気対策につながっていくと私は思っていますけれども、わざわざ海外に行って売る以前の問題で、国内でもっとブランド化して売り上げをつくっていく方が先決だと私はいつも思っているんです。改めてここについては考えをお聞きしたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 物産の販売につきましては、当然国内というものも重視してやっているわけでございまして、それは、岩手県産業貿易振興協会なり岩手県産を通じて県産品の販路拡大をしているわけでございまして、何も物産展とか、そういうものを数多くやるのが県産品の拡大だというふうに私は考えておりません。基本的には、継続的に商品を取り扱ってもらうためには、やはり卸機能、そういったものを通じて県産品を国内に販売していくのが重要だと考えてございますので、やはり私は、岩手産業貿易振興協会なり岩手県産で国内に向けた岩手県の物産を販売する力をつけていくのがいいのではないかと考えております。
 それから、海外につきましては、これはやはりあくまでも県内の中小企業の振興だと。つまり、国内の市場が少子・高齢化の中で縮小していく部分がございます。拡大する部分もありますけれども、縮小していく部分もあるだろうということでございまして、やはり国内だけでは県内の中小企業は伸び切れないこともあると思いますので、海外への販路を県内の中小企業が拡大するためにも海外事務所は必要だというふうに考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 この間も同じ議論をしたんですけれども、国内も国内としては重要、そのとおりで、岩手県は、他県に比べると物産販売というのは確かに岩手県産なり産貿を通じてかなりこれまで努力して展開してきています。それは事実、私も知っております。
 そうした中で最近見ていると、具体的な話を1点だけしますけれども、青森県が物産展を展開する場合にどういう形をしているかというと、都心の一等地の百貨店で物産展をどの県もやりたい。そこで、今、百貨店も厳しい状況ですので、広告宣伝費というのを要求するわけです、何百万か。青森県は、それを積極的に県で出しています、青森県の物産展をやるときに。それを出すか出さないかによって、どこの百貨店で物産展を開けるかどうかというのが決まってくるケースが出てきています。それについて岩手県はほとんどない。岩手県産なり何任せ。そうするとどうなるかというと、この物産展だけが販売ではない。ただ、これは物すごい宣伝効果が高いです、大きいところでやればやるほど。そういった意味で私は言っているんです。実態として、他県と比べて消極的な面があるのではないかということを言っているんです。そういった面も、九百何十万円もあれば、シンガポールの事務所をやめれば、この分その辺に向ければ十分できることなんですよ、これは。そういったことを言っているんです。再度お願いします。
〇酒井商工労働観光部長 百貨店での物産展の動向というのは今おっしゃったとおりでございまして、百貨店も大変シビアになってきておりまして、物産展をやる場合、かなりの額の広告宣伝費を出展者に押しつけるという状況でございまして、やはりその費用対効果を考えた場合に、物産展がそれほど効果があるのかというところの見直しをずっとしてきておりまして、岩手県としては、いわゆるデパート等での物産展というのは縮小してきております。それよりはむしろ小さなスーパーとか、そういったところできめ細かな物産販売をやった方が効果的だという考え方で、岩手県産などはむしろ大きな催事は少なくしておりますが、細かい催事はたくさん開いている状況にございます。
 それから、青森のお話でございますが、岩手県は銀河プラザを東京に持っておりますが、御案内だと思いますが、全国で一番販売額が大きいのは沖縄県で、10億円でございます。それに次ぐのが北海道で、5億円でございます。ナンバースリーが岩手県の4億5、000万円でございまして、岩手県の物産というのは、銀河プラザでかなりの部分を稼いでいるところがあるというふうに私は評価しているところでございます。
〇伊沢昌弘委員 1点お伺いしたいと思います。
 予算に関する説明書180ページの工業技術センター費、私何度か取り上げてきていろいろ御努力をいただいて4月1日から地方独立行政法人に移行するわけでありますが、平成17年度に比べて1億7、000万円ほど下回る交付金になると思うんですが、多分、工業技術センターがいろいろ事業をやって、試験依頼の代金とか、いろんな部分を含めて見込んでいった部分が減った分ではないかなというふうに私は思うんですけれども、これまでの年間ベースに比べて、これが独立行政法人に移行した際、下回って、運転ができるのか、運営ができるのかという部分、ちょっと不安がありますので、教えていただきたいと思います。
 また、4月1日ということで、これまでいろいろ準備に御苦労されてきたと思います。もう1点は、人員配置、現状の組織体制と、独法化になった際どのような差が出るのか、その部分を教えていただきたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 まず、1点目のお金の関係でございますけれども、今度、独立行政法人化になることによりまして、例えば外部資金を導入した資金などは、今までは県をくぐしていたわけですが、今度は直接収納されることになります。それから、手数料のたぐいも県の予算をくぐらないで直接収納ということがございます。そういう意味で、総額は一見減っておりますけれども、今回、運営交付金として8億3、000万円やっているわけでございますが、それに対応する経費で見ますと平成17年度は8億2、900万円で微増ということでございますので、いわゆる運営交付金対応の部分については前年度並みということでございます。
 それから、体制面のお話でございますけれども、今回の関係で、計量検定所の関係職員が抜けます。それで、それ以外の人数で見ますと、常勤職員は同数、常勤職員が兼ねる理事もございますけれども、いわゆる職員ベースでの人数は前年度と同数という体制で移行するというふうになっております。
〇伊沢昌弘委員 あと1回でやめます。
 微増ということですから、言ってみれば全体で使えるお金がふえるという認識でいいですね。そこだけの確認です。
 あと、議案事項、付託を受けた議案じゃないんですが、中期目標が議案として――これは常任委員会の方に付託をされておるんですが――出ています。県でやっていた部分と、まさに目標が明らかになったわけでありますので、工業技術センターが独法化で目指すものという部分、これまでとはこう違うんだというところを端的にお示しいただきたいと思っております。
 今までの議論の中で、中小企業の皆さんが日夜努力をして頑張っているんですよ。私は、そこに対して、本当の意味でプラスになるような、そういうものの下支えといいますか、共同研究等々を含めて、有効な技術の提供ができる、そういった法人になっていただきたい、こういう思いから申し上げているのでありまして、よろしくお願いいたします。
〇田村産業振興課総括課長 1点目の、ふえるのかというお話でございますが、外部資金などは、若干の上下はございますけれども、通常の経費については、ふえるというほどの金額ではございませんが、ほぼ前年度並みということで御理解をいただきたいと思います。
 それから、中期目標を設定して独立行政法人としてこれから運営をしていくということでございますけれども、基本的には、大きく変わるというよりも、今までも民間から来ていただいた所長さんを筆頭にしてさまざまな取り組みをしてまいりました。それらを一つの形で集大成をして、やはりお客様の視点に立つということをさらに徹底させるということで考えているということがございますし、それから、独立化したことのメリットを生かすんだということで、サービスの中身もいろいろ工夫をしてスタートをするということで、今、準備を進めているところでございます。
〇関根敏伸委員 産業振興施策につきまして、農林水産業振興についてお聞きをさせていただきます。
 今年度の四つの重点政策の一つに産業振興策が取り上げられておりまして、自動車を中心としたものづくりと、観光振興と並んで農林水産業の振興が挙げられておるわけでございますが、その切り口として挙げられておりますのが食産業かと思っております。
 当部には来年度から特命課長も配置されて集中的な取り組みをされると聞いておるわけでございますが、端的に、今までも当然、農林水産業振興で食産業を切り口とした取り組みは種々されてきておったかと思うんですが、今回新たに食産業に注目されて産業振興の重点施策の一つとして取り上げられたわけでございますが、今までの施策あるいは取り組みと根本的に違っているものはどういったものなのか、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 食産業振興についてのことでございますが、今回の食産業振興の基本的な考え方というのは、いわゆる食にかかわる産業、つまり1次産業でございます農林水産業、それから、2次産業で食といいますと食品製造業等があるわけでございます。それから、3次産業でいえば外食産業とか、そういうものがあるわけでざいますが、これを一つの食産業だというくくりにしたところでございまして、これは、こういうくくりをして、1次、2次、3次――農林水産業、食品製造業、外食産業――など、それらの産業間の横断的な連携、それから取引関係の構築を進めていこうと。それぞれ縦割りでやっていくのではなくて、それぞれが連携をする。取引関係をきちっとつくることによって岩手の食産業全体としての付加価値を上げるということ。それから、岩手の食というものに対するブランド化ということが、大きく岩手の食産業というふうにとらえて、それをいろんな施策を通じて付加価値を上げるというようなことを通じてブランド化というのが図られるのではないかというふうな、そういった基本的な考え方で今回の食産業振興を出したものでございます。
 こういったために、御案内だと思いますが、農林水産部と商工労働観光部を主体とした部局横断のチームを設置いたしました。これがまた一つ今までとは違う取り組みだと考えていただいていいと思います。これまでも一応はその連携がございましたけれども、こういう形で具体的にチームとして設置をするのは初めてでございます。
 こうしたチームを核として、各分野に精通した専門家、これはマーケティングの専門家なり、あるいは工場の生産管理の専門家とか、あるいは食品の商品開発の専門家、こういった方々、あるいは、県内外の有力企業、大学、試験研究機関、金融機関等によります食産業支援のためのネットワークをつくるということでございます。このネットワークが、生産規模の拡大だとか、あるいは販路を拡大しようという、そういったことに意欲的に取り組んでいる農林水産業の生産者の方々あるいは農林水産物を原料として、食品製造業等あるわけでございますが、そういった中で、一定規模以上の地場企業を対象にしまして、もっと成長できるんじゃないかという企業を選びまして、そういうところに対して、そういった農林水産業生産者あるいは地場企業に対して密着をして、チーム全体で経営の改善指導とか有力企業との取引支援、そういったことをまずやろうではないかと。
 それから、あと、本県の特色のある農林水産物としてヤマブドウだとか雑穀とかあるわけでございますが、こういったものを活用しまして、いわゆる食産業のクラスターをつくりたいと考えているわけでざいます。クラスターというものは、いずれヤマブドウを核として、そのクラスターに形成されるのは、ヤマブドウをつくっている生産者の方もありますし、それを活用してジャム等をつくる企業もありますし、さらに、それを活用してパンにそれを入れるという企業もありますし、あるいは健康食品をつくるという企業もあります。そうすると、健康食品を研究開発をする。今度はそれを実際の商品にするために企業を誘致するとか、そういったことをしながら食産業のクラスターというものを岩手の中につくっていきたい、こういうことでございまして、いずれ、従来の、1次産業は農林水産部、2次産業は商工労働観光部、3次産業は商工労働観光部といった、そういった縦割りというものを根本的に改めまして、食産業支援ネットワークを構築して、そういった農林水産業の生産者に対しても濃密な指導をしていって、生産所得の向上につながるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 ぜひとも成功させていただきたいという思いでお聞きするわけですが、大変幅広い、1次から3次産業までまたがります。これが成功すると最終的には生産者の所得向上にも寄与するということでございますので、ぜひとも成功させていただきたいと思っているわけでございますが、その中で、大学、金融機関等を含めたネットワークをつくって、いろんな形で集積を図っていくということでございますが、非常に大ざっぱな聞き方でございますけれども、農林水産部との連携を含めて、民間、金融機関、工業技術センター、生産者等々の役割分担を明確に示していただきたいと思っておるわけです。
 そして、今、部長から答弁いただいたように、このように食産業振興に書いてありますが、食産業の振興や農林水産業の高付加価値化、海外への輸出の促進を図ります。そのために県の農林水産物や、その加工品の発掘、商品開発、新たな流通チャンネルの開拓及びブランド化と、物すごい広大ないろんな分野にまたがる仕事になってくると思うんですが、今申し上げました各部門ごとの役割分担、これをわかりやすく明確にお示しいただきたい、このように思っております。
〇酒井商工労働観光部長 そのネットワークの中には、先ほど言いましたとおり、大学、試験研究機関とか、あるいは専門家というのは、いわゆる大手のスーパーのバイヤー等をやられた方もいらっしゃるわけでございます。それから金融機関も入っているわけでございますけれども、いずれ、それぞれの専門を生かした形で、商品開発なり、あるいは販路拡大のために企業等とのマッチングとか、そういったことをしていただくわけでございますが、大切なことは、やっぱりそれらも縦割りではなくて、例えば農林水産業の生産者に対しては、生産者は生産のことだけ考えていればいいといいますか、生産指導だけを県の試験研究機関なり農林水産部がすればいいというようなことではなくて、重要なのは、末端のマーケットを見た上で生産の方に反映させるということが重要だと思っておりますので、まさにそこがネットワーク、いろんな分野の方、いろんな機関が入っていることによって、言ってみればマーケットインの発想でプロダクト――生産していく、そういったことができるというふうに考えておりますので、役割分担というのも、明確にこの部分はこの機関の仕事、この部分はこの機関の仕事というよりは、やはりそれぞれの専門分野はありますけれども、そこはまさに連携をしてやっていくのだというふうに考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 端的に言うと、やはり商工労働観光部が中心になるということは、つくるということから売るという、恐らくそういった発想に大々的に転換されるということなのかなというふうに考えております。
 ちょっとこれは揚げ足を取る意味ではないんですが、今言ったような形で来年度の予算にいろんな形で食産業の予算がちりばめられております。食の産業支援ですとか、今言った物販の販路開拓でありますとか食品産業活性化支援事業でありますとか、それらとともに、いろんな販路開拓のための金融の貸付金も随分措置されているように思っております。これは大体総枠で1億8、000万円ほどの予算かなと思って見ておったんですが、片や、今まで農林水産振興費として計上されておりました各種予算が同額以上削られているという実態があるのかなと。例えば食の新ビジネスモデル事業、これは農林水産振興費で1億7、600万円計上されておりますが、前年に比較しますと約2億円減額になっておったり、外食等の新需要対応の掘り起こしの事業、これも減額になっておりまして、総枠で農林水産事業で大体2億円程度のものが減額となって、商工労働観光部に約1億8、000万円ほどが増額になっている、このような仕組みになっているのだなと。要は、今までの農林水産の振興を商工労働観光部でやっていくんだということなのかなという意味合いに私はとっておるわけですが、だとすれば、より以上にこの特命課長さんを含めた役割というのが非常にやはり大事になってくるというふうに思っております。
 先ほどクラフト産業でも小原宣良委員が取り上げられましたとおり、最終的にはやっぱりこの分野で目標値を明確に定めて、長期的展望に立って、どの程度の生産額まで持っていくんだと。加工品はこの程度まで商品化するんだ、最終的には生産者の方々の所得向上がこの程度見込めるんだと、やはりこういったことを商工労働観光部の担当部署できっちりと練り上げて生産者等々にも示していくことが必要だというふうに考えておるんですが、この辺につきましては何か数値目標を含めて展望等をお持ちなのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 初めに、農林水産部の予算との関係でございますが、実は、おっしゃるとおりという言い方は変ですが、今まで農林水産部が取り組んできたことと商工労働観光部がやってきたことと、実はダブってやっているところがあったというのが実態でございます。したがって、今回そういうところを整理をしながら、この食産業関係にまとめたというところが実態でございます。
 ただ、今回この事業の方で対象となるのは農林水産物であって、そのまま市場を通して出した方が高く売れるというものについては、それはそのままでいくだろうと。系統流通でずっとやってもいいと思いますし、どうしても加工が必要だという農林水産物もあるわけでございます。小麦とか大豆なんかもそうでしょうか。そういったものについてはこの食産業振興の支援の中に入れて、全体として生産者も含めて所得の向上につながればいいのではないか、そういうふうに考えているところでございます。
 目標については、先ほど言いましたとおり、意欲のある生産者なり地場企業とか、そういったものを重点的に支援をしていこうということでございまして、生産額なり売り上げという今時点での目標、金額が幾らかというのは実は把握しておりませんので、支援対象というのはどんどん動いていきますので、そういった数値目標を今の時点で出すことができません。難しいわけでございますけれども、いずれこの事業をやっぱりきちっと評価・検証していくためには、何らかの数値目標をつくらなければいけないだろうなということで、私どもとしては、支援対象の生産者なり企業の数とか、さっき言った食産業クラスターに参画する企業の数、こういったものはやはり目標値としてはいきたい。
 それから、施策をやった後の売上高、生産高、出荷額、こういったものを把握して、それがこの事業を始める前に、支援をする前にあった売上高と比べて伸びたのかどうかというところをきちんと検証をしてこの事業を進めていきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひとも、今申し上げたとおり、来年度以降の取り組みになろうかと思いますが、当部が中心になりまして、この事業の総枠的ないろんな立てられる部分の目標数値を立てて、取り組む事業者なり生産者の意欲拡大に結びつけていただきたいというふうに、これはお願いしたいと思います。
 最後に1点だけですが、二、三日前に矢巾に食産業の企業が誘致されたという報道が1面に載っておりました。ああいったものもこういった一連の中で県が仕掛けてきたものなのかどうか。
 あと、このヤマブドウとか雑穀等の加工品の見通しも示されておりますが、それ以外にも物になりそうな、商品化できそうなものがいろいろ出ているのかどうか、その辺だけ最後にお聞きして終わりたいと思っております。
〇齋藤企業立地推進課総括課長 私の方は企業誘致のお答えを申し上げます。
 矢巾にこのたび進出する企業につきましては、私どもと、それから地元矢巾町と一緒になりまして誘致の話を進めまして、ようやく実ったということでございます。年度当初にも、当部としまして、食産業の誘致ということも基本的な戦略に持っておりまして、その方針の中で取り組んできた一環でございます。
〇福澤ものづくり人材育成担当課長 先ほどの事例のほかにいろんな取り組みということでございますが、現在、産業創造アドバイザーということで、食の流通の方の専門家の方をそういうアドバイザーに委嘱しまして、いろんな今後の支援対象の掘り起こしに向けて、県内を調査なり、あるいは具体の取引支援まで至っているものもございます。
 例えば、原木シイタケを生産している生産者の方たちがおりますが、これはマッシュエキスパートクラブということで、生産者の方たちがそういうグループ化を図って、そして生産物の安定供給をするという、そうした取り組み、あるいはそこと大手スーパーをつないで、そういう事例がございますし、あるいは魚介類の方でも、生産加工の冷凍食品の販路拡大のための支援とか、あるいは地域の主体的な取り組みと申しますか、いろんな取り組みが始められてございます。例えば久慈なんかでも、漁協の方で水産加工品なんかいろいろつくっておりますけれども、そうしたものの大手のスーパーとの直接取引の支援をするとか、それから、二戸の方でも、かがやけ講座ということで、食関連の関係者の方たちがそれぞれの商品を持ち寄って、品評会と申しますか、協商するというような、そうした取り組みをやっているところでございます。
〇工藤大輔委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時56分 休 憩
   午後 1 時 3 分 再 開
〇伊沢昌弘副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋雪文委員 私の方からは、午前中、工藤勝子委員からもお話がございました中心市街地の活性化に関連して質問させていただきたいと思います。
 郊外型の大型店が岩手県内でも相次いで出店されておりますが、この盛岡でも本宮地区、新しい盛南地区の方にまた大型店が進出するということでございます。この大型店が進出することによって、既存の商店街というところが非常に影響を受けているということでございますけれども、この商店街、これは盛岡だけではなくて地域も含めてでございますが、その損失をどう把握しているのかをお聞かせいただきたいと思います。
 また、大型店の出店によるメリット、デメリットは各市町村でも議論しているところでございますけれども、岩手県においてはどのようにこのメリット、デメリットを把握されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 1点目の商店街の損失ということでございますけれども、大型店の出店が商店街に与える影響につきましては、直接的な影響ですとか間接的な影響について、各方面でさまざまな議論がなされておりますけれども、その因果関係の分析手法も確立されていないということがございまして、商店街の損失というものを把握するというのは困難ではないかなというふうに思っております。ただ、影響があるのかどうかというような視点で、各種来街者、まちに来られる方々の人数の調査ですとか消費者の購買動向調査などを、それぞれの地域のTMOですとか地元の商店街あるいは市町村と協力しながら、その把握に努めているという状況でございます。
 それから、2点目の大型店出店によるメリット、デメリットということでございますけれども、大型店につきましては、消費者サイドで見ますと、多様で質の高い商品・サービスの提供をしているということで、アンケート調査などをしますと、消費者に高い支持を受けているものというふうに認識しておりますけれども、メリット、デメリットというような区分け方をしますと、同じこともある一方ではデメリットだというふうに理解する方もいらっしゃるということがございますので、なかなか一概に言うのは難しいのではないかなと思っております。ただ、大型店が大きくなればなるほど広域からお客様を集めてくるというような特性を持っておりますので、そういう観点で都市のインフラに大きな影響を与えるということで、場合によっては、そういった交通の流れが大きく変わるというようなことに伴いまして、新たな追加整備的なコストが必要になるのではないかというような問題点が指摘されているということでございます。現在の国の方で見直しをしておりますまちづくり三法の見直しの中でも、そういう点を問題意識を持っておりまして、そういった都市構造上の問題点への対応というようなことも含めて、今回のまちづくり三法の見直しが行われているというふうに承知しております。
〇高橋雪文委員 午前の工藤勝子委員からの指摘にもありましたが、中心市街地の活性化のための予算、こういうものは前年度と比較しても非常に削減されているという状況であると。今お話を聞きまして、分析はなかなかできない、損失もちょっと考えられないような、そんなお話も賜って、行政側の意識と、実態の商店街を担っている者、もしくは市町村の意識が物すごく隔たりがあるのではないかというふうに思うわけであります。そして、このまちづくり三法はこれからの議論でありまして、明確な概要というのはまだまだ出されていないところでありますけれども、結局、この法律が制定されたとしても、それはいわゆる地域に及ぶ場合にはタイムラグがある。そういうところを考えると、もっと地元の声を聞きながら、積極的に県が関与していくということも必要なのではないかと思うわけであります。この点についてはどのようにお考えなのかをお知らせください。
〇田村産業振興課総括課長 今、委員御指摘のような問題があるというふうに認識しております。現在、まちづくり三法の見直しが行われているわけですけれども、これが岩手県の中ででるだけ速やかに新しい体制に移行するといいますか、新しい形で施策展開をしていくことが必要だというような認識を持っております。そういう意味で、来年度、その懇話会を設置することにしておりますけれども、その中でいろいろ議論していただいて、新しい施策を速やかに打てるようにしていきたい。
 それから、問題のありました市町村ですとか、商店街ですとか、消費者、生活者、いろんな方々のいろんな思いが、実際、中心市街地の問題に関してはございますので、そういった方々のさまざまな意見を入れて、その中で議論をして一つの大きなコンセンサスを得ながらやらなければならないのではないかというようなこともございますので、そういった点を大きな議論をしながら、来年度進めていきたいというふうに考えております。
〇高橋雪文委員 やっぱり今のお話を聞いていても、私の率直な感想からすると、県の考え方というのは、どちらかというと他人事のような、法律が決まってから動けばいい、既存のやり方を踏襲しながらやっていけばいいというように、そんな感じを受けるところであります。ただ、岩手県にとっても、この大型店、特に本社を岩手県に置かない企業が進出することによって、多分、購買の率がかなりその大型店に取られていく。そうすると、必然的に非常に現状低下していくということも考えられる。そうすれば、必然的に自主財源の比率も下がっていくというのはだれが考えても明らかだと思います。そういうものに対して、地方の声をしっかり把握して、そして、国とかまたは事業所なりにもしっかりと伝えていくという努力というか、緊急の努力が必要なのではないかと私は思うわけでありますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
〇田村産業振興課総括課長 他人事というようなお話がございましたけれども、そういうことのないようにするためにも、委員会をつくっていろいろ議論をしたいということでございますので、御理解をいただきたいと思っております。
 それから、購買の問題というお話がございましたけれども、この問題につきましては、大型店の問題と中心商店街というそれだけの問題ではないんだと。都市構造にかかわるさまざまな問題があるんだというふうな指摘をいただいております。そういう点も含めまして、例えば県庁でいいましても、我が商工労働観光部と都市計画サイドが一体的に連携をとらなければならない課題である。同時に、市町村も同じようなことがございますので、そういった連携をしっかりとりながらやりたいのだと。そのために総合的な施策体系をいろいろと御議論をしていただいて、それを受けて施策展開をしたいというふうに考えております。
〇高橋雪文委員 懇談会についていろいろと今議会でも話がされているわけでありますけれども、これは、いつごろできて、いつごろまでに答申をまとめて、そして、いつごろその答申を受けての政策を実現していくのか、その考えがあるのか、それを明確にお知らせいただきたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 都市計画関係の法令の動きもありますけれども、新年度早々に設置をしまして、1年で終わるかどうかは別にしまして、早いものから順に施策化していくということを考えますと、できるだけ早い時点で中間提言みたいなものをいただいて、19年度の施策にうまく結びつけられるようなスケジュールで進めていきたいというふうに考えております。
〇高橋雪文委員 今のやりとりを聞いていると、盛岡広域であれば新しい大型店が出店する。4月ぐらいからもう既に出店していくと。イオングループの場合は、グループ全体で県内の売り場面積の5分の1程度の規模にもなるというふうな話もしているわけであります。にもかかわらず、懇談会は1年を通してやって、そして来年度からという対応策が果たして適正なのか、それが本当に県の行政のやり方なのかというのは、ちょっと私は疑問に思うわけであります。その点について、今のやりとりも含めて、部長、御所見をぜひお聞かせいただきたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 現在のそれぞれ県内の、盛岡を含めてでございますが、中心商店街の状況あるいはまちの状況というものにつきましては、これは長い時間をかけてこういう状況になっているわけでございます。具体的に今日のような中心市街地が廃れるというような状況というのは、確かに大型店の出店も大きな要因ではありますけれども、基本的にはやっぱりモータリゼーションというものがある。その中で大型店問題もあれば、都市政策として中心からどんどん郊外の方に公共施設等を移していった、そういった長い時間の過程の中で今の状況ができているということでございますので、これを短期的な、例えば1年ぐらいの話でこれが活性化するというようなことは基本的にはないんだというふうに考えておりますので、やはり戻すについても長い時間が必要でありますし、それから、やっぱり有効な施策というものはじっくり議論をしてやらないと、大型店問題だけに集約していきますと、それは決してまちづくり、まちの活性化にはつながらないというふうに考えておりますので、これについては、やはり少し時間をじっくりかけて、大型店問題だけではなくて、もう少しほかのものも含めてじっくり検討していかないと、まちづくり三法が今度見直しになったとしても、それをうまく使い切れずに、結局、活性化ができなかったということになるのではないかというふうに考えておりますので、この懇話会につきましては、先ほど田村課長から言いましたが、1年ぐらい、19年3月ぐらいには提言をまとめて、できるものから19年度の施策の方に反映したいというふうに考えておりますので、そういう対応をさせていただきたいというふうに考えているものでございます。
〇高橋雪文委員 大型店だけの問題ではなく、魅力あるまちづくりという視点から、やはりこの大型店というのは考えていかなきゃならないと思いますし、その商店街の活性化というのを立てていかなきゃならない、それは当然のことだと思います。できるだけ早い対応と、市町村との連携も含めて、もっと積極的に出てもらいたい、これが私の思いでありますので、ぜひ酌み取っていただきたいと思うわけであります。
 もう一つ、商店街自律再生支援事業費が前年度から比べると、全体の規模は大きくはないわけですが、かなり削減をされているというところであります。これまでの実績とその評価、そしてこの事業に関してどのように県は考えているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 商店街自律再生支援事業でございますけれども、平成17年度は旧水沢、一関の商店街を重点的に支援するというような考え方で支援をしてございます。毎年度、2カ所を重点支援するというような枠組みで支援をしているものでございます。この事業につきましては、生活者に支持される中心市街地づくり、みずから考え、みずから行う商業者の育成支援ということを目的に実施しているものでございます。事業内容は、個店の活性化、魅力向上のための実験的臨店指導事業、生活者と商店街の連携を促進するための交流会事業、みずから考え、みずから行う商業者の取り組みを支援する実験的助成事業というようなものを柱にして行っております。
 これらの取り組みの成果というような部分でございますけれども、例えば今年度実施しました旧水沢市の中心商店街で行いました実験的な臨店指導事業につきましては、合計6回の取り組みを通じまして、参加モデル店の売り上げの増、客数の対前年度の増というような形で向上しまして、そのことが周辺の商店主さん方の意欲の喚起にもつながっているということで、ちょっと数字的なことを申し上げますと、対前年比がとれる4店舗の状況でございますけれども、対前年比で、売り上げで21.7%の増、お客様が16.6%の増というようなことで、そういう個店レベルにも入って指導といいますか、いろいろ取り組みを進めるというようなことでやっているものでございます。
〇高橋雪文委員 よくわかりましたが、いずれ、商店街の再生なり、中心街の支援なり、口で言っている割には、政策で大きく掲げている割には、予算がどんどん減っているという状況であります。本当にそれで県がこの中心街の発展を推進しているのかというと、私はやっぱり心もとないというふうに思います。その点も踏まえて、予算が配分できない分、行動でぜひとも示していただいて、あとは市町村の連携もしっかりと保っていただいて、本当の意味での中心街の活性化のために御尽力いただきたい。よくお願いしたいと思います。
〇木戸口英司委員 それでは、観光振興についてお聞きしたいと思います。前回、決算特別委員会のときにも私も何点か質問させていただきまして、その答弁を踏まえながら、来年度の取り組みという観点でお聞きしたいと思います。いずれ、言うまでもなく、観光は岩手県にとっても主要産業だととらえておりますし、すそ野の広い大きな可能性のある事業だと思っておりますので、その点でいろいろ御指摘をさせていただきながら、答弁をいただければと思います。
 決算特別委員会のさまざまな私の質問に対する答弁の中で、観光振興戦略の見直しを今進めていると。そして、来年度予算要求を、その戦略の見直しの中でしていくという御答弁がありました。それで、来年度新規事業は結構多い新規事業になっております。今までの事業を改めてとらえ直して、見直しをしてという意味の新規事業もあるんだと思うんですが、北東北大型観光キャンペーン事業とか、未知の奥・平泉観光振興事業、三陸縦断観光ルート整備事業、広域連携観光推進事業という新規事業が出てきているわけでありますし、当然、継続事業の中でもこういった戦略の見直しということで、来年度取り組もうとしていると思います。そういうことで、こういったそれぞれの事業がどのような点でこれまでの戦略の見直しがなされ、そして新たな戦略として取り組まれることになるのか、その点をお伺いしたいと思います。
 また、私もこの点を毎回取り上げているわけですが、県と観光協会、その役割の見直しということ、観光協会の強化ということが平成16年から特に重点的に進められてきたということであります。それが来年度、3年目を迎えるわけでありまして、そういう意味では観光振興ということに主眼を置いた形の観光振興施策、また行政のあり方ということが模索されてきたこの2年間、そして3年目を迎えるということだろうと思っております。そういった観点で、今、理想とするそういった姿を求めながらやっていることだと思いますが、現段階をどういう段階にあるということでとらえられて、そして来年度、県、観光協会、それぞれどのような役割を持って、また連携を図っていかれる考えなのか、まず、この基本的なところをお伺いしたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 決算特別委員会での木戸口委員の質問に対していろいろ答弁申し上げたことがございます。今後見直しをするといって数点お話をしたと思っておりますけれども、それらを整理いたしまして、今年度、その予算をつくるといいますか、予算要求するに当たっていろいろ見直しをしたところがございます。本県の観光にとって戦略的な課題として大きく四つを設定したところでございます。
 その一つが、旅行トレンドが団体旅行から個人旅行というふうに大きく変わってきているところがございまして、そういったところを踏まえまして着地型観光という――ちょっとこれは後で御説明をしたいと思いますが、そういうものを推進するというふうにしたところでございます。それから、情報発信力を強めましょう、観光人材を育成しましょうということ。それから、ホテル・旅館を含みます観光施設の経営基盤を強化したいと思います。この4点を今年度の予算要求をするに当たって戦略として考えたところでございます。この四つの戦略課題の中で今までと特に大きく変わったというのが、一番最初の着地型観光の推進というところでございます。
 このところをお話をさせていただきたいというふうに思っております。着地型観光といいますのは、要は、これまでの旅行というのは、着地型に対して発地型というのがあるわけでございます。これは、例えば県外の旅行代理店がみずから、例えば岩手に来るのであれば、岩手の旅行商品というのはこういうコースでつくるとか、この宿に泊まるとか、そういった旅行商品をつくって、その旅行代理店のあるところでお客を集めてこちらに連れてくるというのが発地型ということで、これが従来型の観光でございます。それに対して、先ほど言いましたとおり、旅行のトレンドが大きく変わってきているところもございまして、これまでのような既存の観光資源だけではなくて、地域の人でなければわからない、――一方では地域の人というのは余りその魅力をわからないけれども、ほかから見ると非常にすぐれた資源だというものがあるわけでございますが、――そういったものを旅行会社が地域、これはホテル・旅館のみならず農林水産業者や地場産業といったところもあるわけでございますが、そういった地域と連携をして、発掘して新しい旅行商品をつくる。その旅行商品を持って発地の方でお客を集めてくる、そういうものが着地型観光という旅行商品になるわけでございますが、こうしたことが求められているというところでございまして、これらを踏まえまして、来年度の新規事業としては、先ほど委員もお話がありました広域連携観光推進事業は、県内の広域観光団体が地場産業等と連携して商品をつくって、それを宣伝しよう、そういったものを応援しようというのがこの広域連携観光推進事業でございますし、それから、三陸縦断観光ルート整備事業も、着地型観光を三陸の中でつくることを促進しよう、そういう仕掛けづくりをするというのがこの三陸縦断観光ルート整備事業でございまして、こういったことが新年度の事業の中では特に目玉として、観光戦略の転換の中で出した事業ということでございます。
 それから、観光協会の関係でございますけれども、御案内のとおり、観光協会につきましては、特に国内観光業務部分については、16年度から、県庁でやっていたものを観光協会に移した、国内観光は観光協会だということでやったわけでございます。これは、官から民へという流れの中でそういったことをしたわけでございますが、役割分担ということについてはおおむね順調に推移をしてきているというふうに考えておりますが、ただ、実態を言いますと、観光協会に県職員は依然として5名派遣をしておるわけでございます。プロパー職員の方が少ないというふうな状況があるわけでございまして、そういう意味でかなりまだ中途半端な状況にあると言っていいのではないかというふうに考えております。御案内のとおり、18年4月から広域振興圏がスタートするわけでございますが、広域振興圏の中でも産業振興、その中でも観光振興というのは非常に重要な位置を占めるわけでございまして、広域振興圏の制度が出てまいりますと、県の観光協会の役割というのを見直しをしなければいけないのではないかというところもございまして、そういう意味で18年度はいずれ観光協会のあり方、役割などにつきまして、もう一度きちんと見直しをしなければいけない。見直しの視点としては、重要なのはやはり観光協会の自立ということをどうやって実現をしていくか、そういったところも見直しをしている中で重要ではないかというふうに考えているところでございます。
〇木戸口英司委員 わかりました。県の観光施策の大転換を図ろうとしているということだと理解いたしました。その中で他産業との連携、地域との連携ということ、着地型というお話がありました。そういう中で当然でありますし、経済波及効果をいかに出していくかということを私も再三申し上げているところでありますが、その中で、そういった観点の数値目標というものを立てながら、産業界それぞれあるわけですね。また、観光協会ともにやはり目標を立てて取り組んでいくということが重要ではないかということを申し上げているわけでありますが、この点について今のお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
 また、今、部長からお話がありましたとおり、4広域振興圏がスタートすると。その産業振興の柱の一つ、大きな柱の一つと言っていいと思います、観光ということを。今お話があったとおりであります。今、あらあらそういうお話があったわけでありますが、改めて観光の所管部として、来年度、こういったいろいろ新しい事業が始まるわけでありますが、もう一度、4広域振興圏がスタートする上での取り組みに対する考え方を確認させていただきたいと思います。
 それから、これから来年度中に振興圏ごとに地域振興ビジョンが策定されるということになっております。当然、この中にも観光振興、観光施策が盛り込まれていくということになるんだろうと思いますが、特に振興圏見直しの文面を見ていきますと、地域振興ビジョンというのは、市町村、住民、関係団体との協働という形で取り組んでいく、策定に入っていくということがあるわけであります。こういった点につきまして、この観光施策を4広域圏として、全県として高めていくという観点でどのように取り組んでいく考えでいるのか、ここも改めて確認をさせていただきたいと思います。
 また、観光協会のかかわりということで、今、若干触れられて、改革に等しい取り組みになるんだろうと思いますが、この点、もう少し具体的にあれば、お示しをいただきたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 今の観光の方の目標数値というのは、40の政策の中でも、ゆったり・ぬくもり岩手の旅推進事業の旅行商品化で何万人かを達成するとか、そういうような目標数値が出ているわけでございますが、一部で観光入り込み客数だけが目標になっているわけでございますが、やはり観光産業を振興するという観点に立てば、入り込み客数だけで観光施策を評価するというのは適当ではないのではないかというふうに考えておりますので、そういった目標数値の設定を含めて、今後検討させていただきたいなというふうに考えているところでございます。
 それから、4広域振興圏の関係でございますけれども、4広域振興圏の観光振興につきましては、これからの広域行政の圏域と地方振興局というふうな検討をする中で、それぞれ4圏域ごとに産業振興の基本方向というものを入れているわけでございますが、この中で、観光の方向についてもそれぞれ大きな方向性は出しているわけでございます。県南については、国際化というものを視野に入れた広域観光である。沿岸広域振興圏では、自然環境や景観の魅力あるいは特色のある地域資源を生かした滞在・周遊型観光の実現、県北は、農村文化や地域の素材を生かした体験型観光という展開だと。県央については、観光関連施設が集積しているという、そこらを生かした観光だと。こんなところを基本方向としてはあらあら入れているわけではございますけれども、今後、地域振興ビジョンをつくるに当たりましては、こういった基本方向をベースとして、それぞれの地域の中で、各広域ごとに振興局が中心となってまとめていくものではございますが、市町村、住民、関係団体との協働というものが大切だということで、これにつきましては、先ほど言いました着地型観光というものをそれぞれの地域で進めていくことが、まさにこの協働を進めることになるのだというふうに考えておりますので、そういったことを進めることが観光ビジョンの策定の中では重要なことではないかなというふうに考えております。
 それから、観光協会につきましては、18年度、大きく見直しをしたいというふうに考えているところでございますが、いずれ、ビジョンづくりに関しては、観光協会もどういう役割を果たすのかというところをきちっと整理をした上で、積極的に参加をさせていきたいなというふうに思っております。
〇木戸口英司委員 わかりました。いずれ、着地型観光という、私はきょう初めてそういうことをお聞きしたんですが、よく理解しましたし、やはり地域ぐるみということ、この間の決算特別委員会の答弁でもそういう取り組みが大事だと。逆に言えば、そういうところに課題があるということだろうと思いますし、また、ホスピタリティーの向上が必要だという御答弁もあったと記憶しております。これは観光施設に特に言えるということだろうと思うんですが、いずれ、これは市民、住民を巻き込んでということが、これからの岩手の観光の一つの大きな方向になってくるんだろうと思いますので、この4広域圏のこれからのビジョンづくりの中で、特にそういったところを持って取り組んでいただけるものであればと、そのようにこの点は御指摘をさせていただきます。
 それで、観光と大きくかかわるわけでありますし、ビジネス、商工振興という部分でも大きくかかわりがあると私は思っておるんですが、いわて花巻空港の新ターミナルビルの着工延期ということについて、これは一般質問でも取り上げられたわけでありますけれども、特に定期便利用客数は、昨今、確かに伸び悩み、目標を達成されていないという状況でありますが、それを特にカバーしようということもありますし、当然、国際交流という観点でチャーター便にここ数年力を入れてきたことは御承知のとおりであります。ところが、台湾便の大型化の問題で、新ターミナルビルができない中で、来年度からは、かなりこうして伸ばしてきたものが他空港へすべて移ってしまう、大型化ということに関して言えば。こういった問題が今出てきているわけであります。そういう意味で観光に与える影響ということについては一般質問でもありまして、部長の御答弁がありました。相当大きな影響があるということのお話だったと思っております。そういう意味で、延期の大きな理由は、当然財政状況ということも大きな理由なわけでありますが、国内定期便の利用者の伸びが思うようでないと、先ほど触れたとおりであります。ここが知事の記者会見の中でも大きく言われたところでありますが、商工労働観光部として、観光面は当然でありますし、ビジネス面という意味で空港の利用促進をこれまでさまざま、今は県土整備部、その前は地域振興部という所管でありますけれども、当然大きい部分で商工労働観光部のかかわりということがあると思いますが、この利用促進策に対するこれまでの総括をどのように評価しているかということ。また、これから新たな取り組みということも知事は言っているわけでありますが、これからそれぞれ観光の新しい戦略の見直しということもあるわけですけれども、もちろん、ビジネス面という面でもそれぞれものづくりの大きな取り組みもあるわけですが、その点のお考えをお伺いしたいと思います。
〇松川観光経済交流課総括課長 いわて花巻空港の利用促進策についてでございますけれども、国内観光の面では、中部以西からの観光客誘致対策ということで、具体的には名古屋、大阪、福岡の各県外事務所を活用いたしまして、地元の旅行会社の招請事業を行いまして旅行商品化を働きかけるというようなことでありますとか、中部国際空港での観光イベントへの出展、その他各種宣伝活動を実施してきたところでございます。しかしながら、就航先の道府県からの観光客入り込み状況は、この10年程度を見ますと横ばいで推移しているということでございまして、海外旅行との競合などから伸び悩んでいるというような状況にあると考えているところでございます。
 今後の宣伝ということでございますが、平成19年7月から9月まで北東北大型観光キャンペーンを実施することにいたしておりますけれども、来年度は特にこのキャンペーンの全国宣伝販売促進会議を本県で開催することにしておりまして、これに航空会社系の旅行会社も招待いたしましてプロモーションを行うなどの取り組みによりまして、中部以西からの観光客誘致に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、お話がありました国際観光の面でございますが、御案内のとおり、チャーター便が就航しております台湾に向けまして、これまでさまざまな誘客対策を講じてまいりました。昨年まで台湾からの観光客は年々増加してきているという状況にあったわけでございます。今般、エバー航空の減便があるわけでございますけれども、官民一体となった観光ミッションを現地に派遣いたしまして、別会社への売り込みでありますとか、旅行会社に対する誘致活動、旅行説明会を開催してまいりまして、本県への旅行商品造成を働きかけてきたところでございます。
 また、本年度は中国・大連との相互チャーター便の運航が初めて実現いたしまして、昨年5月と10月の2回就航いたしました。また、来年度の5月にも予定しておりますことから、これからの交流の拡大につながるものと期待しているところでございます。今後におきましても東アジアを重要なマーケットと位置づけまして、対象国の航空会社、旅行会社等の関係者を本県に招請し、積極的にチャーター便などによる旅行商品の造成を働きかけてまいりたいと考えてございます。
〇木戸口英司委員 これからの空港の利用を進めていくということで、この空港のあり方、知事も便の増発あるいは発着時間の見直しを働きかけていかなければならないと。これは利用促進協議会を中心にこれまで取り組んできたことでありますけれども、観光面、もちろん私が先ほどから言っているビジネス面という部分でも大変大きな、これから考えていかなければならない部分だと思いますが、部長が考えるこれからの利用しやすい花巻空港の姿というもの、また、どのようにそれに向けていかなければならないかという部分があれば、最後にお伺いしたいと思います。
〇酒井商工労働観光部長 まず、先ほど委員の方からビジネスという話もございまして、定期便の便数をふやすとか発着時間を利便性のいいものにするということを進める上では、やはり観光客以上にビジネス客が利用しやすいような、ということは逆に言えばビジネス客を拡大していかなければならないということになるのではないかと考えておりまして、これは間接の話になってしまうわけですが、やはり自動車を初めとして、今年度、県内の企業誘致がもう22社ということで、昨年度が15社で、昨年度をかなり上回る勢いで企業がふえてきておりますので、特に自動車関連などは愛知が多いわけでございますが、そういった企業誘致を促進しながら、また、そういった企業の声も実際に寄せられております。実は、名古屋便をもっと便利にしてくれないかとか、そういうのがあるわけでございますので、そういったところを十分考慮しながら航空会社の方にお願いをしていくということが一つだと思っております。
 あと、利用促進という観点では、私はやはり国内チャーターをもっとふやしてもいいのではないかという気もしておりまして、特に三陸の方の観光をするという場合には、花巻空港というのは役割的にかなり大きいと思います。盛岡から2時間で行くのと、花巻から釜石経由で1時間なり1時間半で行くのでは大分違うんじゃないかという感じがしておりまして、三陸観光を振興する上でも花巻空港のチャーター便活用というものをチャーター便等をもっとふやしていくということを我々も営業しなければいけないのではないかというふうに思っております。
〇高橋比奈子委員 3点、質問をさせていただきますが、なぜそれが必要なのかということでちょっと説明の部分もあるんですが、こちらの方はちょこっとは長くても答弁は簡潔に、オーケーとか、だめだとか、前向きに検討するという形でいただければ幸いです。
〇伊沢昌弘副委員長 短くやってください。
〇高橋比奈子委員 まず、1点目なんですが、178ページから179ページぐらいの予算に関する説明書の中に、県産品の販路拡大とか海外の販路拡大ということで、先ほどからも各委員からお話が出ているんですが、大事なことは、県の中でもしっかりと進めていくと。今、県が頑張って、東京やいろんなところで非常に売っているというのは理解しております。ここをなぜお話をするかというと、青森の日本一のリンゴは、スナックに行っても、観光施設に行っても、自動販売機に行っても、必ずリンゴジュースを出すんですね。そして青森のリンゴジュースの自動販売機があるんです。ここまで徹底しているから日本一になれると。
 私は、ありとあらゆるところで県産品を徹底して利用していくということが大事な中に、県の中でいかに県民が、それから県の職員が、その関係者が、議員が使うということを襟を正してやっていったらいいんじゃないかということを非常に思っております。ですから、これをしっかり徹底して、さらに徹底していただきたいということで、あわせて、県の職員の方や私たち議員が、例えば月に1回とか、本来は日常的がいいと思うんですけど、県産品のネクタイとか、財布とか、名刺入れとか、こういうものをしっかり持つということをやってはいかがかと、この2点です。私は、ホームスパンのマフラーのおしゃれ用のものをやっていましたが、議会ではそれをやってはいけないという規則があると。マフラーはだめだ、おしゃれ物でもだめだというふうに言われまして、それを毎日したかったんですが、残念ながらできないというのが現状です。ぜひ、自分が言うからには議員も含めと言わせていただき、皆さんには恐縮ですが、県の職員の人を含め県の各機関が月に1回でも絶対身につける日というのをつくっていただき、また、日常的に利用していただきたい。さらなる県産品を徹底して利用していただきたいという点が1点。
 それから、先ほどから、181ページなども含め観光に関することを本当に一生懸命やっていらっしゃいますし、各委員からもお話がありましたし、着地型の観光というお話も伺いましたが、今後、少子・高齢化社会の中で、10年後は観光客の65%が65歳以上の高齢者になるだろうと。また、障害者の方々の観光客もふえるだろうということが、この先の観光の視点になっていくと。県はユニバーサルデザインを非常に一生懸命やっていますし、観光施設でもユニバーサルデザインや車いすなどの方が利用できるというトイレがほとんどのところは整備されているんですが、車いすで泊まれるホテルが本当に少ないんですね。それで、観光協会に対する啓発の予算なども出ているんですが、181ページの県の観光協会育成事業費ですね、この観光協会から出ていますバリアフリー観光モデルコース、車での移動を中心に考えられたモデルコースですということで、1泊2日、2泊3日という提案があるんですが、遠野泊とか、安比泊とか、久慈泊とあるんですけど、ここは車いすの人が泊まれるホテルがないんですよ。こういうものがこの観光モデルコースとして出てきている。私は、これは商工労働観光部だけではなくて、県土整備部も、福祉も全部一緒になって、また観光協会を含めさまざまなところで、車いすの方や高齢者の方、障害を持った方が泊まれるホテルというのを進めていってほしいと。私は、盛岡市で進めてきたんですが、やりたいけど予算がなくて、高過ぎてできないというのが今のホテル業界の実態だというふうにおっしゃっております。この予算がなくても泊まれるという工夫はできると思うんですね。こういう点からもぜひお進めしていただきたいというのが2点目。
 それから3点目は、中小企業の振興の予算や中心市街地の予算が176ページなどにもありますし、先ほどからまちづくり三法に対してのさまざまなお話がありますが、私も高橋雪文委員のお話をもっともだと思ってお聞きしているんですが、まちづくり三法からの考え方として、大型店の立地というのは、実はこれに対して堺市がきちんと条例の考え方の中に、基本理念の中に、良好な生活環境及び都市環境の保全に寄与することを目的とするということで、店舗の時間制限、時間などにも言及をして、生活環境をよくしていこうという条例をつくっているんですね。つまり大型店に対して時間規制もしているということなんですよ、深夜営業に対して。これは青少年の健全育成という観点からも考えているということなんです。ですから、まちづくり三法の大型店の立地ということが、県でも、これに対して取り組んでほしいという請願を6月に採択していますけれども、子供たちの健全育成の視点と、高齢者、障害者の住んでいるところの近いところで買い物ができるという生活の視点に立って、大型店立地の時間などの問題についてもまちづくり三法として検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇伊沢昌弘副委員長 短くていいそうですから。
〇酒井商工労働観光部長 私の方から県産品の利用拡大の関係でございます。御提言のございました県産品、地場産品を県職員や議員みずから利用拡大していくということにつきましては、県産品愛用の機運を高めるという上では意義があるというふうに思っております。もちろん、私も含めてでございますが、県職員、それから県議会議員の先生方も同様だと思いますけれども、多くは県産品を愛用するという気持ちでおるわけでございまして、贈答品などについても多くの県職員は使っているというふうに思っております。ネクタイ、財布などというものにつきまして月に1回でもということでございますが、ネクタイ、財布というのは趣味・嗜好品というところもございまして、絶対に身につけろというところは、これはなかなか強制できないのではないかというところではございますが、できるだけ協力してもらうということは大変大事なことだと思っておりますので、きょうの御提言の趣旨につきまして、県職員の方に普及PRをしていきたいというふうに思っております。議員の皆様もどうぞよろしくお願いいたします。
〇松川観光経済交流課総括課長 ユニバーサルデザイン関連の観光の取り組みについてお答えをいたします。委員御指摘のとおり、障害者や高齢者が旅行しやすい環境づくりは今後も大切だと考えてございます。ユニバーサルデザインを所管する保健福祉部と連携を図りながら、観光客の受け入れ態勢の整備に係る重要なテーマの一つとして、例えばひとにやさしいまちづくり推進資金の活用を含め普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
〇田村産業振興課総括課長 大型店の深夜規制の関係でございますが、委員御指摘のとおり、6月議会におきまして請願が採択されたということでございます。来年度のまちづくりのあり方の検討の中での重要な論点の一つとして検討していきたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 要望のとおり、短くて前向きな御答弁、また、部長には皆さんにお願いもしていただき、大変ありがとうございます。趣味・嗜好というのもわかりますが、そうじゃない部分もあると思うので、とにかく徹底して県民は県産品を使うんだということを大いに大きな声で奨励していただいて、私たちも感動できるように頑張りたいと思いますので、嗜好品ということもわかりながら、いい物がいっぱいありますので、よろしくお願いします。
 それから、1点、まちづくり三法についてなんですが、前向きに検討したいということで、ぜひ、その中の視点として、大型店という中に、青少年のことと高齢者、障害者のことという中で参考にしていただきたいのが、ファスト風土化する日本というベストセラーになった本では、犯罪現場の近くにはなぜかジャスコがあるとはっきり提言しているんですね。こちらはイオンが多いですけれども、そういう深夜営業の大型店が犯罪現場の近くにはあるということで、統計をとっているんですね。これが発表されているんです。それから、地方が変だという本の中には、不夜城が心を狂わせるということで、こういういろいろなことが今議論として上がっております。それから、大手のローソンが、昨年なんですけれども、日本のように24時間営業の店は欧米にはほとんどないと。これから24時間営業を見直すということを社長が発表しまして、欧米はそういう店がなくても生活が豊かだと。これからの企業は、利益の大小や規模の大きさだけではなく、いかに社会に貢献し、いい会社かということで評価される時代だということをはっきり打ち出しているんですね。こういう点をしっかりと論点の中に入れていただきまして、まちづくり三法と大型店ということには、大型店ということだからとか、消費がどうだということと一緒に、青少年の育成、高齢者・身体障害者の方々に対しての観点からも、こういう深夜営業や大型店に関してもぜひ言及とか検討をされて、その視点から入っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇田村産業振興課総括課長 同じような話で恐縮なんですけれども、来年度の検討の中でも、先ほども申し上げましたけれども、生活者の視点というものも重要な論点の一つだというふうに認識しておりますので、今お話のありましたような点につきましても議論をしていきたいというふうに考えております。
〇亀卦川富夫委員 私も、ただいままでいろいろ話題になっております中心市街地についてお伺いしますが、私は、中心市街地の活性化に関する法律、いわゆるまちづくり三法の改正と、それに基づく県の取り組み方についてお尋ねいたします。
 先ほど来、酒井部長もお話のとおり、これまでさまざまな手だてを講じてきたことは事実でありますが、なかなかこれが中心市街地の活性化に結びつかなかったわけであります。そういう中で、県でも部局横断的に県の職員で構成する研究会を立ち上げまして、いろいろな検討の中で、結論的には従来の都市の拡大・拡散といったものを防止していくべきじゃないか、あるいは大規模集客施設の立地誘導制度の検討などを提案するということでございますが、これは都市計画の方の観点からいくとコンパクトシティを目指すということで、県の都市計画のマスタープランも目指すまちづくりというのはコンパクトシティだということになっておりますが、今回のまちづくり三法の改正は、まさしくそれに基づく都市構造を変えていくという持続的なものであろうと私は思うわけであります。私は、この法律の内容の骨子はこのように把握しておりますが、こういった点をお聞きしながら県の考え方をただしていきたいと思います。
 まず、今回の特色といたしましては、基本計画は内閣総理大臣が認定する。さらに中心市街地活性化本部を国では設置して、この本部長には内閣総理大臣が当たると。これは、まことに国が、先ほど申し上げたような都市の構造というものに対して重要な方策を掲げたということになるんだろうと私は思います。そして、その取り組み方に対して、各地区で多分行われるわけでありますが、国が集中的かつ効果的に支援するということ、これはまさしく国を挙げてやっていくということだろうと思います。
 さらに、当該中心市街地活性化を目指す地区が基本計画を策定するわけでありますが、これは、新たにまたやり直さなきゃならないですね。今回つくり直すと。今までさまざまなところでつくってきたと思うんですが、その基本計画に記載する追加事項は新たな策定が必要となるわけでありますが、一つは、都市福利施設ということでくくっているようでありますが、教育・文化の施設あるいは医療施設、社会福祉施設などの整備に関する事項を追加していく。もう一つは、中心市街地における公営住宅など住宅整備事業、さらに住環境向上事業――コウジョウは上に上るという向上です――こういった10政策も重点的に策定に盛り込むべきだと。さらに都市機能の集積促進を図るための措置、こういう従来のこれまでいろいろ試みてきた商業振興という観点だけではなくて、ただいま申し上げたような福利施設、住宅などというものを一体的に整備されなければ計画が認められない。ただし、認めたものには集中的に支援すると。このためには、まさしく先ほど来委員会の立ち上げなどもお話がありますが、当該地区ですね、地権者等を含めた民間、さらに市町村、県が一体的に取り組むことがまことに肝要なことだろうと、私はこのように思うわけです。
 さらに、この基本計画に記載する追加事項のほかに、中心市街地活性化協議会を設置しなければならないという部分がこの法律の特色であります。ですから、今までTMOと称する組織が法律上の位置づけになったわけでありますが、それがなくなる。それにかわって中心市街地活性化協議会が、市町村あるいは商工会議所、地域住民、こういった構成で設置されるということであるようであります。しかし、TMOの位置づけがなくなったといっても、TMOはあるわけですね、現実に。特に岩手県の場合は全国でも最も多いぐらいのTMOを有する県でありますが、TMOがこの協議会に中心的に参加していくということになりますと、多分、国の方での認定とか支援というものはそういうところに優先的になされるのではないかというようにお伺いしているわけであります。このような法律が7月の法施行を目指して進んでいるわけでありますが、これまで計画を策定済みの市町村は新たな策定が必要となりますので、これはもう既に県内においても、私は水沢市に住んでおりますが……。
〇伊沢昌弘副委員長 質問してください。
〇亀卦川富夫委員 今、入ります。そういうもので新たな事業を行う特段の支援が望まれるということであります。
 そこで、これは商工労働観光部だけではなくて、県土整備部などは特に入ってこなければならないと思います。さらに保健福祉部、教育委員会などとの連携は特に大切であります。したがって、これらの点から県の指導体制が必要と思われますが、先ほど来、委員会を立ち上げると言っておりますが、その立ち上げる前から既にこういう動きが出ているという現状でありますので、ぜひ、この辺の取り組み方をもう少し早めるとか、あるいはこの法律ができる前にも指導していいんじゃないか、今からもうやっていっていいんじゃないかと思うわけでありますが、もう一度、その辺のところをお示し願いたいと思います。
〇田村産業振興課総括課長 大変詳しく新しい仕組みについてわかりやすく言っていただき、ありがとうございます。
 今、委員がお話しになったとおり、いろいろかなり変化をしてきております。TMOというものも、従来のTMOというものの法律上の位置づけがなくなって、新しい枠組みということで中心市街地活性化協議会というものをつくるんだということになっております。委員の方からお話がありましたように、選択と集中という言い方をしておりまして、従来のTMOの中でかなりハードルが現実問題として高くなるのではないかというふうに見込まれておりますので、その辺を踏まえまして、現在のTMOの体制を円滑に新体制に移行させるために、私どもを含めまして関係者それぞれ相当の取り組みが必要なのではないかと考えております。それらも、来年度の有識者懇談会の話は別にしまして、実は今週に国の方の法律の説明会があったんですけれども、その中でも詳細の政令・省令部分はなかなかまだ煮詰まってない部分がございますので、情報収集をしながらやっていきたいと思っております。
 それから、この問題に関しましては、委員の方から今お話がありましたように、今までの商業的な性格から、都市機能の増進ですとか、社会的な、公共的な役割というものが新たに求められる、そういう枠組みでないと新しい活性化協議会の認定をしませんというような扱いになっておりますので、その辺になりますと、それぞれやはり市町村の都市計画についての考え方もかなり整理をしていかなければならないということで、我々も関係部局一体となって支援をしていきたいと思っておりますし、それぞれの地域にあります振興局が支援をしながらこういう取り組みを進めていきたいと思っております。
〇亀卦川富夫委員 今までもこういうふうなまちづくりを志向したものがありました。それの手法は、土地区画整理事業――県土整備サイドでありますが――、そういうものでこういうまちづくりをしようとしているところがあったわけですが、財政上の理由で、地権者がまとまって、県あるいは市町村の財政出動ができないということでとんざしたものがあるわけであります。こういうものが今度の法律の中でもう一度立ち上がる勇気を持つんじゃないか、そういうことで、私は現実進んでいるところもあると思うんです。
 そういった意味で、ぜひしっかり取り組んでいただきたいわけでありますが、幸いというか、この支援策をお聞きするところによりますと、県の持ち出しがないんですね。支援策としては三つの柱があるようでありますが、一つは、今まで国が出すものに対して県が出してやっていた。その県が外れて、国と市町村でいわゆる補助をする、こういう仕組みのようでありますので、とても市町村だけでは間に合わないと思うんです、今の財政では。したがって、先ほど来の議論にあるように、県もここで本腰を入れると。たとえそういうふうな補助基準であっても、頑張らなければならない部分があるんだろうと一つは思います。
 二つ目の支援策としては、国が地元の民間の地権者に直接支援ができるものがある。これも補助と、あるいは融資というような形で行われるようでありますが、そうしますと、よほどしっかりした指導をしていきませんと、せっかくのそういう支援が受けられないということもあり得るわけです。こういうものが二つ目です。
 それから三つ目に、地元のNPOがするまちづくりの活動に対して国がこれも補助をしていく。こういったことで、県が直接出さなくても、相当指導する部分というのが多いだろうと思います。これらは、先ほど来お話しの研究会がなくても、今やっているようなものが直接結びつくということも考え得るわけですので、ひとつ商工労働観光部挙げてこの辺のところを早急に取り組まれる、こういう姿勢が大切だと思うんですが、いかがでございましょうか。
〇田村産業振興課総括課長 委員お話しになりましたとおり、例えば今年度、メイプルに対する施設整備補助を出しているわけでございますが、これは、国が3分の1、県3分の1、事業者3分の1ということで、県をくぐして補助をしておりますが、お話にありましたとおり、こういうものも国が直接補助をする仕組みに変わるという情報が入っておりますので、そういったことがあるということで、かなり大きく仕組みが変わるということで、私ども、実はまだ十分消化し切れていないようなところがございますけれども、お話のありましたとおり、これは行政的なまちづくり懇談会の話とはまた別に、これはこれで、それぞれ県、市町村、よほどしっかり準備しなければいけない課題でございますので、情報につきましても市町村にできるだけ早く流さなければいけませんので、そういう取り組みについては可能なものから順次やっていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 私、簡潔に聞きますので、簡単に。
 大型店の出店・撤退への対応について、盛岡市の場合、今後の出店計画を含めますと、大型店の売り場面積は7万7、000平米で、大型店の占有率は約65%になります。増田知事は、県が広域的調整を行うべきだと述べていますが、県議会での請願採択を踏まえて、どのように無秩序な大型店の出店規制に取り組もうしているのか具体的に示していただきたい。
 盛岡南サティ、ダイエー盛岡店など大型店の撤退の状況、県、市町村の対応はどうなっていますか。雇用対策を含めて示していただきたい。
 中心市街地活性化研究会が目指そうとしているものは何か、さまざま議論がありました。私は、コンパクトシティ構想に具体的に、これは県土整備部都市計画課が直接担当だけれども、まちづくりという観点で、当部が具体的にどう取り組もうとしているか示していただきたい。
〇田村産業振興課総括課長 1点目の大型店の出店の関係でございますけれども、若干今までの繰り返しになると思いますけれども、国におきましては、今国会におきまして、まちづくり三法の抜本的な見直しの法案を審議中でございます。この中で、集約的な都市構造を実現する観点から、大規模集客施設の郊外立地を抑制し、中心市街地の機能充実を図る仕組みを導入するというふうにしております。
 特に、都市計画法におきまして、用途地域設定・変更の同意に際して県が周辺市町村の意見を聞くことができる制度、あるいは準都市計画区域の設定などを県が行える制度になったということで、広域的な観点から県が関与できる制度も盛り込まれており、一定の役割を果たす必要があると認識しております。
 県としましては、当面、このまちづくり三法ですとか、福島県の――ことしの10月から運用が始まりますが――そういった運用の動きなどを踏まえながら、本県としてのまちづくりのあり方や中心市街地活性化の具体的な方策を検討していきたいと考えております。
 それから、大型店の撤退の関係でございますけれども、まちづくり三法が制定されました平成10年以降、本県の主な総合スーパー形式の大型店の撤退事例が、予定も含めまして12件と承知しております。この間、県におきましては、平成15年に、閉鎖店舗でありました旧宮古サティの再生事業について、地元商業者の主体的な取り組みを支援するとか、あるいは本年度におきましては、メイプルの再生事業を支援するというような取り組みを行っているところでございます。
 大型店撤退後の対応につきましては、例えば、現在、ダイエー盛岡店のところに盛岡市が子育て支援施設を整備する検討を行っている例が見られるように、地元市町村の取り組みも重要と考えておりますので、今後とも、関係商業の方々ですとか、市町村の主体的な取り組みを支援していきたいと思っております。
 それから、コンパクトシティへの取り組みということでございますけれども、中心市街地活性化研究会におきまして、今年度いろいろ論点提起をして、一定の論点につきましては整理できたのかなというふうに思っております。こういう論点整理を踏まえまして、一方では国の方で行われているまちづくり三法の見直しという環境変化もありますので、この辺を調整しながら、三法の具体的な制度内容を踏まえた議論の深化、具体化が必要であると認識しております。
 来年度の有識者の懇話会の中で、このコンパクトシティがやっぱり大きな問題になると思っておりますが、人口の減少、少子・高齢化の進展の中での都市構造の改革というような視点から取り組むべき課題と認識しておりますので、県土整備部とも連携をしながら、積極的にさまざまな議論を深めて施策展開に結びつけていきたいと考えております。
 それから、撤退の関係で雇用というお話がございましたけれども、それぞれの事案ごとに、市の方での例えば対策協議会等がございますので、そういう中に県の振興局が入ったりしながら雇用対策についても情報収集をし、あるいは必要に応じて県としても支援をするというようなことで臨んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 これで私は終わりますけれども、まちづくり三法が、県のいわば活性化研究会の議論を超えてしまって、スピードアップして進んでしまったと。自民党がそこまで踏み切らざるを得ないというところに私は事態の深刻さがあるんだと思うんですよ。県の取り組みが遅いんじゃないかというのはそこから出てきているわけです。事態の深刻さに対してもっと、じっくり議論をするというのとスピードアップするというのは矛盾しませんからね。ぜひ私はそういう対応をひとつしていただきたい。
 撤退問題なんですけれども、ダイエーの場合は、確かに今、持ち主がはっきりしていて、持ち主が中心になって、これはオープンに向けて頑張っています。問題は盛岡南サティなんですよ。これは、イオングループがつぶしたと言ってもいい撤退のやり方ですよ。第2イオンを出店させる一方で、南サティをつぶす。ここで働いていたテナントの方々はみんな利益を上げていたんですよ。やる気になったらあそこで十分商売できたんです。だから、テナントの方々は怒っているわけです。何で一方的に撤退させるのかと。
 そして、ダイエーとかメイプルと違うのは、この持ち主は投資会社なんです、今はやりの。得体の知れない投資会社なんですよ。だから、あの盛岡南サティが撤退したら、どう活用するかという、この協議も相談もできない。私は、これは極めて深刻な問題だと思います。都南地区の中心ですからね、盛岡南サティというのは。
 私は、そういう点では、この盛岡南サティについては、やっぱり県ももっとかんで、実際に3月末で撤退されますと何人あそこで失業になるのか、雇用対策を答えてくださいよ。撤退問題というのは、それは入っているんだから。今まで岩手県は、こういう問題については最後の最後まで会社の責任で雇用確保させてきたんですよ。そういう姿勢をしっかり見せなきゃだめですよ。そういうことをきちんと私はお聞きしたい。
 それで、水沢メイプルは、これは大変な、3分の2補助ですか、まさにあそこは水沢の中心ですから、私は、この水沢メイプルがどういうふうに今再生しようとしているかも含めて、盛岡南サティと対比して、雇用対策も含めて答えていただきたい。
 これで終わります。
〇田村産業振興課総括課長 サティの関係でございますけれども、こちらの方は9月30日に盛岡の方で対策協議会が設置されて、幾度か情報交換が行われて、県の方では振興局がメンバーになっておりますので、入って対応するということで、それらの動きを逐一私どもも情報収集しながら推移を見ているわけでございます。いずれなかなか、県と市町村の関係もございますけれども、早いところもあるんですが、私どももこういう問題についてはいろいろかかわりを持って対応させていただいておりますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。
 それから、お話のありましたメイプルの関係でございますが、なかなかリーシング、入居テナント探しにいろいろ苦戦をしながらも4月の開店に向けて準備が大詰めを迎えているということで、何とか予定どおり開店に結びつけるように我々も今いろいろと支援をしておりますけれども、開店に結びつけるようにしていきたいというふうに考えております。
〇酒井商工労働観光部長 各委員からまちづくり三法に関していろいろと御質問がございました。その中で私どもはまちづくり懇話会の話をずっとしてまいりましたけれども、この有識者による懇話会に何でもかんでも押しつけて、その結論を待つまでは何もしないと、そういう気持ちはさらさらございませんので、いずれ有識者懇話会の中で中間的な取りまとめを行いますので、平成19年度の予算に反映できるものは中間の報告を受けながらでもやっていきたいというふうに考えております。
〇斉藤信委員 答弁漏れなので、立つつもりはなかったけれども、岩手県は、今まで工場の撤退、企業の撤退のときには最後までその企業の責任で雇用の確保をやってきたんですよ。私は、だから盛岡南サティについても、じゃ、撤退によってどのぐらいの人が失業するのか。それに対して、やっぱりきちんと責任を持ってやりますよという答弁は何でないんですか。わからないんですか。
〇伊沢昌弘副委員長 先ほどの答弁にもあったんですが、改めての質問でございますので、御答弁ございますか。
〇酒井商工労働観光部長 先ほど田村課長の方から話しましたが、盛岡の振興局がこの問題については県として対応しているところでございますので、盛岡振興局も、市あるいは公共職業安定所等が入っている対策協議会の中で県としての対応をしているはずでございますので、御了解賜りたいと存じます。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はございませんか。
〇千葉康一郎委員 時間も経過しておりますので、私も簡潔に1点だけ質問させていただきます。
 若者の雇用対策についてでありますけれども、早期離職の防止対策でございます。県では、これまでジョブカフェなどで鋭意努力されて若者の就職の支援をして多くの成果を上げてきているところでありますけれども、一方で、高校の新卒者の早期離職の問題が深刻になってきております。せっかく就職しても、極端な例を申し上げますと、入社式の翌日にその会社に来なくなるという若者もいるという話も聞くわけでございます。これは、学校における就職指導の問題もあろうかと思いますけれども、このミスマッチを解消しなければならないのではないかと思うのであります。これでは、せっかく採用した企業としても人材として確保できなくなることになりますし、企業の技術力の維持が難しくなるのではないかということでございます。何とかして早期離職を少なくしなければならないと思いますが、県として今後どのような対策を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇長葭総合雇用対策局長 委員からお話のありましたとおり、若者の早期離職というのは社会的にも大きな難題でございまして、近ごろやっと就職の内定率の方は向上してきているんですが、一方で早期離職ということになりますと、せっかく内定率が向上しても帳消しになってしまいます。まして、フリーターとかニートとか、そういうふうにいってしまうおそれもありますので、県として、やはりこの早期離職防止ということについて積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
 現在は、各地域ごとにエリアジョブコーディネーターを18人配置しておりまして、各地域の、例えば就職先の企業を訪問したり、あるいは就職した子供たちのカウンセリングをしたりということでいろいろやっておりますけれども、平成18年度はこの取り組みをもっと強化していきたいと考えております。
 それからもう一つは、やはり就職した若者たちを地域の中で支えてやる、そういう仕組みが必要だろうと思っておりますので、例えば卒業しました学校でありますとか、あるいは就職した企業でありますとか、それから、私どものジョブカフェのサテライトとかハローワークとか、そういうような企業全体としてそういう子供たちを支えていくような、そんな仕組みづくりをこれからはいろいろ力を入れてやっていきたいというように思っております。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇伊沢昌弘副委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部及び総合雇用対策局関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部及び総合雇用対策局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
 次に、労働委員会事務局長から労働委員会関係の説明を求めます。
〇種田労働委員会事務局長 労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、説明書の138ページをお開き願います。第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、295万8、000円は、委員の報酬及び委員会の運営に要する経費であります。2目事務局費9、920万1、000円は、事務局職員の人件費など、事務局の管理運営に要する経費であります。
 以上で労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議をお願い申し上げます。
〇伊沢昌弘副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇ザ・グレート・サスケ委員 私から、不当労働行為事件関係についてお尋ねいたします。
 ちょっと調べてみましたところ、平成13年までさかのぼりますと、平成13年当時で前年繰り越しが15件あるんですね。15件あって、この年はおよそ半数の7件解決したと。翌14年度に8件繰り越されていまして、その後、ほとんど解決されていないまま、最低でも6件の事件が未解決のまま現在に至っているというような状況でございます。このような状況になっているのはなぜなんでしょうかということですね。そして、当事者たちにこれは理解を得ているのかということ。
 それと、労働委員会の現状に問題はないのかということで、それから、平成18年度はこれを改善できそうかということでお尋ねいたしたいと思います。
〇種田労働委員会事務局長 御指摘のありました次年度繰越件数、8件とか7件という数字が見えるわけでございますが、そのうち、詳しく申し上げますと、7件が長期にわたる繰越案件、差し引きの1件に相当するものが新規の当該年度の申請のあった件数というものでございまして、まず、1点目の未解決の事件といいますのは、ただいま申し上げましたいわゆる公務員事件の7件のことでございます。
 内容を少し申し上げますと、昭和48年から59年の春闘統一行動で賃上げ要求などを行った集会に参加した組合員に対して県及び医療局が懲戒処分等を行いましたことから、この処分取り消しなどを求めて、48年から61年にかけまして、県医療局労働組合から3件、それから県職員労働組合現業評議会から4件、あわせて7件の不当労働行為救済申し立てがあったものでございます。
 当委員会では、昭和53年から55年までの間に合計9回の調査を行ったことを踏まえまして、57年に和解の勧告を行いました。それ以後、当事者間で自主的な和解に向けた努力あるいは協議がなされてまいりましたが、結果として、双方の主張あるいは考え方が折り合わずに、最終的な解決には至っていないという状況のものでございます。
 次に、当事者の理解ということにつきましては、申し上げましたとおり、昭和57年に両当事者に対してそれぞれ和解勧告を行いまして、和解解決の趣旨については労使の双方から理解を得ているものでございます。
 それから、3点目ですけれども、労働委員会の現状についてでありますが、和解勧告の趣旨が実現されますよう、両当事者に対して、毎年度、事情聴取あるいは経過の把握、そういったことを行ってまいりました。そして、当事者間の和解協議を促しまして、自主的な和解解決を委員会としては強く期待しながら、事件終結のための努力をしてきたところでございます。
 最後ですけれども、来年度の見通しについてでありますけれども、今後とも、両当事者に対し、自主的に和解解決がなされますよう引き続き働きかけをしてまいりたい、そのように考えております。
〇斉藤信委員 私は、新規の1件について審議経過をお聞きしたい。
 実は、これは盛岡精神病院事件でありまして、昨年5月に盛岡精神病院の院長さんが突然亡くなって、それを受け継いだ新しい経営者が35人を事実上解雇したと。そして、その後の労働条件、その他を含めまして、実質は50人がやめざるを得なかった、こういうことで不当労働行為等の申し立てがなされた事件であります。本当にこれは深刻な事件でありまして、これは、解雇された労働者はもとより、病院の患者さんも大変な打撃と影響を受けています。昨年の4月からことしの2月にかけて10人の患者さんが亡くなっていると。これは、看護体制が大変悪化したと。食事も全部委託になって、食べない患者さんがふえてきた、こういう話も私は聞いているわけでありますが、こうした問題について、私は早期の解決を強く求めるものでありますが、審議の経過についてお聞きしたい。
〇種田労働委員会事務局長 盛岡精神病院事件の審査の状況についてでございますが、本件につきましては、昨年7月14日、当委員会に対しまして、旧病院の従業員組合から新病院の院長を相手方として、団体交渉応諾あるいは支配介入の排除、そして、ポストノーティス――これは謝罪文の意味ですけれども――、こうした内容の不当労働行為救済申し立てがあり、同日、審査決定がなされたものでございます。
 その後、これまでに調査を3回、審問を3回実施して、本年2月10日に結審をしたところでございます。現在、鋭意、命令手続を進めている段階でございます。
〇伊沢昌弘副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇伊沢昌弘副委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会の皆さんは大変御苦労さまでございました。退席されて結構でございます。
 次に、環境生活部長から環境生活部関係の説明を求めます。
〇千葉環境生活部長 それでは、平成18年度の環境生活部関係歳出予算について説明いたします。
 まず、平成18年度の予算編成に当たりましては、環境と共生した持続可能な地域社会を構築するため、環境首都の実現に向けた取り組みといたしまして、県境産業廃棄物不法投棄事案への対応、地球温暖化対策の推進、新エネルギーの導入促進、循環型社会の形成及び環境教育の推進、また、県民生活の安定と向上に向けた安全で安心な社会の構築に向けた取り組みといたしまして、食の安全・安心の確保と食育の推進、男女共同参画の推進及び県民の安全で安心な消費行動への支援について重点化を図り、施策の充実に努めたところでございます。
 それでは、お手元の議案その1、6ページをお開き願います。環境生活部関係予算ですが、3款民生費2項県民生活費の4億9、747万7、000円。7ページに参ります。4款衛生費2項環境衛生費の一部の72億5、827万5、000円。9ページに参ります。13款諸支出金2項公営企業出資金の一部1億3、176万4、000円及び3項公営企業負担金の一部419万円でありまして、総額で78億9、170万6、000円であります。これは、前年度と比較いたしますと1億9、823万3、000円、率にいたしまして2.5%の減となります。
 以下、内容につきまして、便宜、予算に関する説明書により説明いたします。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略いたしまして、主な事業の内容を中心に説明いたします。御了承願います。
 予算に関する説明書の110ページをお開きいただきます。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、消費生活協同組合等育成事業費は、消費生活協同組合の育成や支援などを行おうとするものでありまして、消費者被害救済推進費は、弁護士不在地域などにおきまして、弁護士による無料消費生活相談を行うものでございます。食の安全安心総合対策事業費は、食の安全安心委員会の運営、食の県民カレッジ及びリスクコミュニケーションの開催などを行うものでございます。食育推進費は、2月に策定いたしました食育推進計画の普及啓発及びシンポジウムの開催などを実施しようとするものであります。次に、2目交通安全対策費の主なものでありますが、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の助長や市町村の交通指導員設置への支援を行おうとするものであります。111ページに参ります。3目青少年女性対策費の主なものでありますが、青少年活動交流センター管理運営費は、いわて県民情報交流センター内に青少年活動交流センターを設置いたしまして、活動支援、交流促進、情報提供及び相談業務などを通じて、青少年と地域社会及び青少年同士の触れ合いを促進しようとするものであります。男女共同参画センター管理運営費も同様に、男女共同参画センターを設置いたしまして、情報提供、人材育成、相談業務及び活動交流を実施するものでありまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費とあわせまして、男女共同参画社会の実現に向けた施策を推進しようとするものであります。次に、配偶者暴力防止対策推進事業費でございますが、配偶者からの暴力の根絶のため、普及啓発活動や相談体制の強化、被害者への自立支援などを実施しようとするものであります。
 少し飛びます。124ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでありますが、環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターを設置いたしまして、情報提供、学習支援及び環境保全活動を行う団体の支援を通じて県民の環境保全に関する理解を深め、その意欲を増進しようとするものであります。流域交流ネットワーク形成促進費は、流域における健全な水循環の確保に向けまして、上流地域と下流地域のネットワークを形成し、各主体の協働による取り組みを推進しようとするものであります。環境に配慮した人づくり推進事業費は、北東北子ども環境サミットの開催、あるいはいわてデジタルエコミュージアムの運営など、さまざまな世代や主体を対象といたしまして環境学習の機会を提供しようとするものであります。循環型地域社会形成促進事業費は、循環型地域社会を形成するため、環境に配慮した産業活動の促進や環境関連産業を育成しますとともに、廃棄物の減量化やリサイクルなどの推進に向けた総合的な施策を実施しようとするものであります。一番下の地熱熱水有効利用促進費でございますが、実証調査の終了に伴いまして、熱水利用者に対する代替熱源の補てんなどを行おうとするものであります。屋内温水プールチップボイラー等導入事業費は、地熱熱水にかわる屋内温水プールの熱源といたしまして、木質バイオマスを活用したチップボイラーと地下水利用型ヒートポンプを導入しようとするものであります。地球温暖化対策推進費は、二酸化炭素排出量の増加率の高い民生・運輸部門に対し、県民の温暖化に対する関心を継続的な行動にシフトさせるための施策を行いますほか、地域の主体的な取り組みを推進しようとするものであります。3目環境衛生指導費の主なものであります。126ページでございますが、中ほどの廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理や不法投棄を未然に防止するため、産廃Gメンの配置やスカイパトロールなどを行おうとするものであります。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、産業廃棄物の適正処理を推進するため、モデル施設の運営主体であります財団法人クリーンいわて事業団に対して、最終処分場の拡張整備費の補助及び運営費の貸し付けなどを行おうとするものであります。廃棄物処理モデル施設整備費は、公共関与によります廃棄物処理モデル施設を九戸村に設置するため、PFI事業契約、また、用地取得などを行おうとするものであります。県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県との県境地域に不法投棄された廃棄物の撤去や汚染土壌の浄化などによりまして現場の原状回復を図るほか、首都圏を中心とする排出事業者などの責任追及を行おうとするものであります。4目環境保全費の主なものでありますが、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山からの坑廃水に起因した河川の水質汚濁防止のため中和処理を実施しますとともに、中和処理費用の軽減のため、省エネルギー実証試験設備を購入しようとするものでございます。127ページに参ります。化学物質環境対策費は、環境中の化学物質汚染調査を実施し、環境汚染の実態を把握するとともに、県民、事業者及び行政が相互に理解し合い、情報を共有することによりまして、事業者の環境保全に関する自主的な取り組みを促進しようとするものであります。5目自然保護費でございます。自然環境保全対策費は、自然環境保全地域を適正に保全するため、自然保護指導員を設置するなど、総合的な自然保護施策を推進しようとするものでありまして、自然公園等保護管理費は、自然公園を適正に管理するため、自然公園保護管理員の設置などを行おうとするものでございます。自然公園施設整備事業費ですが、国立公園地域などにおきまして、歩道あるいは標識などの公園施設を改修、補修しようとするものであります。128ページに参ります。6目鳥獣保護費の主なものでありますが、鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置、狩猟事故防止の研修会の開催など、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ろうとするものでありまして、シカ特別対策費は、五葉山地域に生息するホンシュウジカを適正に保護管理するとともに、農林作物の被害の防止を図るなど、対策を推進しようとするものであります。特定鳥獣モニタリング調査事業費は、カモシカ及びツキノワグマの適正な保護管理を推進し、個体群の保護と被害防除等を図るため、保護管理計画に基づき、生息動向を調査しようとするものであります。
 ページを飛びまして、237ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、工業用水道事業会計出資金は、工業用水道事業の経営健全化を図るため、工業用水道事業会計に対して出資しようとするものであります。
 238ページでございますが、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、国の地方公営企業繰出基準に基づきまして、地方公営企業職員に係る児童手当に要する経費の一部について、それぞれの会計に対して負担しようとするものであります。
 以上で環境生活部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇伊沢昌弘副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇千葉康一郎委員 それでは、私から、アスベスト対策について1点質問いたします。
 まず、本県におけるアスベスト対策の現状と今後の対応についてでありますけれども、昨年6月、突如アスベストによる健康被害問題が出まして、連日のように新聞、テレビ等で報道されて、国内では大きな社会問題になったところでございます。あれから8カ月が経過したわけですけれども、この間に、石綿被害救済新法の成立、あるいはさまざまな規制の強化、支援体制の整備等々対策が講じられまして、今ではようやく社会の関心も沈静化しつつあるようであります。
 潜伏期間があることや、アスベスト製品の使用時期からすれば、これによる健康被害は今後ますます増加すると予測されています。よって、今後も引き続き適正な対応を講じなければ取り返しのつかないことになるのではないかと思うのであります。
 そこでお聞きしますが、本県においてもアスベスト使用建築物に関する実態調査あるいは関連する相談受け付け、また、被害の未然防止対策など、さまざまな対策や対応をしてこられたと思いますけれども、これまでの現状と今後の対応について、概要で結構ですからお聞かせいただきたいと思います。
〇熊田環境保全課総括課長 アスベストを使用しております施設の使用状況でございますけれども、2月6日現在で関係部局の調査結果を取りまとめました。重複はございますけれども、県有施設につきましては、全2、060施設中、未処理のものが17施設あります。それから、市町村有施設では、全6、947施設中、未処理のものが93施設残っております。病院では、全100施設中、飛散のおそれのあるものが6施設あります。それから民間施設では、今後、措置を講じる予定のものが26、指導中のものが62、指導予定のものが7施設となっております。
 アスベストに関する相談件数でございますが、12月末の集計でございますけれども、全部で205件でございます。内訳は、傾向といたしまして、大きいものは、やはり一般の住民の方から、作業経験はないんだけれども非常に不安であるというものが一番多くございました。
 今後の対策でございますけれども、今申し上げましたとおり、県は、今まで立入検査の強化とか行ってまいりましたけれども、今般、建築基準法の改正が行われまして、アスベストの除去が義務づけられました。それによって住宅のアスベストの除去が推進されるものと考えております。
 さらに、飛散防止対策といたしまして、大気汚染防止法が改正されまして、今まで面積要件というのがございました。吹きつけ面積50平米、かつ延べ床面積が500平米以上のものが対象となっているわけですけれども、今後それが撤廃されまして、吹きつけアスベストのあるものはすべて対象となるということになっております。
 これらの改正を踏まえまして、県では、解体現場における監視の強化を目的といたしまして、各地方振興局の産廃Gメンを活用する形で、仮称でございますけれども、アスベストGメンというものを委嘱して、よりきめ細かな立入検査を実施したいと考えております。
 今般、石綿の健康被害救済法が成立いたしましたので、国及び独立行政法人であります環境再生保全機構が申請の受け付け、認定、給付を行うことになっておりますけれども、県民の利便性を考慮いたしまして、保健所でも申請を受け付けることができるように、現在、国と調整中でございます。
〇千葉康一郎委員 対策なり対応なりということではこれからも引き続き進めていただきたいと思います。
 そこで、一関市千厩町内に保管されているアスベスト及びアスベストを含有する製品の撤去計画についてお聞きいたします。
 これは、昨年9月の一般質問で私、申し上げたわけでございますけれども、千厩町内には、アスベスト製品の建材をつくる会社があったんですけれども、これが平成12年12月に倒産をいたしました関係からそのまま放置されてきておるという状況で、これは既に承知されていることでございます。この会社の敷地に配送センターとかがあるわけですけれども、その配送センターにはアスベストが45トン、それからアスベスト含有の建材、これは飛び散らないアスベストといいますか、いわゆる非飛散性の建材でありますけれども、約4、000トン強保管されておりますし、それから住宅地に近い保管場所にはその建材が約2、400トン、シートで覆われてはおりますけれども、それぞれ野積みされておるわけでございます。県は、既にアスベスト濃度を 測定するとともに、環境調査や周辺環境の監視を継続実施されておりますけれども、これを撤去しなければ住民の方々が非常に不安に思って心配しておるわけでございますので、これを撤去してもらいたいというのが住民の願いなのであります。
 そこでお伺いしますけれども、今後、県として、現在、保管されているアスベスト、野積みされているものの撤去についてはどのような指導、取り組みをされるのか、その計画をお聞きしたいと思います。
〇古川資源循環推進課総括課長 旧カミヤマのアスベスト原料及びアスベスト製品の処理のことでございますけれども、カミヤマの配送センターを上山製紙株式会社が取得しております。土地を取得した上山製紙株式会社と千廐振興局でいろいろ協議をさせていただいておりまして、まずは、アスベスト原料について早期に撤去するということで助言をいたしておりまして、上山製紙株式会社の方でも、みずから処理をするということで準備を進めているというふうに聞いてございます。
 今後も、処分計画を随時上山製紙株式会社と確認をしながら、適正に処理が進められるように助言していきたいと考えております。
〇千葉康一郎委員 先ほど申し上げましたように、大変な量でございます。これを処理するには、聞きますとトン何万円とかしますので、億単位の費用がかかるということもございまして、非常に会社そのものも困っているわけなんですが、いろいろとこれからも不断の指導をお願いしたいということを申し上げて終わりたいと思います。
〇伊沢昌弘副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後 2 時53分 休 憩
   午後 3 時13分 再 開
〇工藤大輔委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇千葉伝委員 産業廃棄物の不法投棄問題についてお伺いします。予算説明書の127ページ、衛生費中の環境衛生指導費のうち県境不法投棄現場環境再生事業費20億8、700万円余が計上されておりますが、これに関連して幾つか質問させていただきます。
 本県と青森県にまたがる国内最大規模の産業廃棄物不法投棄事件につきましては、知事の方針として、誇れるいわて40の政策の緊急課題の一つとして位置づけられ、その処理に当たっては特別措置法の時限立法である平成24年度までに全部の撤去を完了させるべく、鋭意取り組んでいただいております。撤去には、青森県分が約440億円、本県分が220億円、計660億円の総費用となるわけですが、このような膨大な経費を投じ処理する計画となっております。
 それで、まず最初にお伺いしたいのは、平成17年度事業の進捗状況について、計画と実績はどうなっているでしょうか。当初の契約どおり行っているのか。変更はないのか。もし、その残等があるとすれば、その理由とその処理はどうなるのか、最初にお伺いしたいと思います。
〇根子再生・整備担当課長 青森県境の不法投棄現場の原状回復事業の平成17年度の進捗状況についてでございますけれども、まず、計画と実績ということでございますが、廃棄物の撤去につきましては約3万4、500トンを計画しておりましたが、公正取引委員会の排除勧告の影響によりまして契約締結がおくれたことなどによりまして、今年度の撤去量が3月末までに約3万トン、9割弱と見込まれております。今年度は、現地に整備した選別施設を活用しまして埋立廃棄物の撤去に着手しておりまして、その結果、産廃特措法の期限内に全量撤去するために必要な1日200トンの選別、運搬ができる見通しが立ってきております。したがいまして、平成22年度までの廃棄物の撤去、期限であります平成24年度までの汚染土壌の除去、現場の原状回復の実現に向けて取り組みたいというふうに考えております。
 それから、契約の変更についてのお尋ねでございますけれども、廃棄物の処理業務につきましては、掘削と選別業務が一つ、それから運搬業務、処分業務という三つに区分して発注しておりますが、掘削・選別業務につきましては、掘削量とか選別量に応じまして契約変更を行っております。それから、運搬業務と処分業務につきましては、1トン当たりの単価で契約しておりますので、契約変更ということではなくて、実績に応じて委託料を支払っているという状況でございます。
 それから、3点目の繰り越しの話でございますが、撤去量の減少や入札の結果に伴いまして処理単価が低くなったといったようなこともございまして17年度の事業費が減額となっておりますけれども、これについては、単価契約を行っているということもございますから、繰り越しということではなくて、2月補正で減額した上で来年度の予算で実施するということで進めているものでございます。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。当初予定から見れば90%ということで、その理由は、ちょっと業者等の問題があったということで、処理するまでの期間において、これは特に来年度分にまた合わせてやっていけるということと伺ったところであります。
 それで、こういった処理をする場合に、過去さまざま一般質問あるいはこういった決算特別委員会、予算特別委員会等でいろいろな方々、私も2度、3度伺っているところですが、その中で、一つは、処理と並行して実際のこの原因等について、いわゆる排出業者に対して県が大変な苦労をしてその業者を探す、そしてまたそれの追及をするということで頑張っていただいているわけですけれども、きょうまでというのか、最近までの状況はどうなっているでしょうか。そのうち、もしわかるのであれば、法的責任がとれる業者というのがそのうちどの程度かというのをあわせてお伺いします。
〇及川調査追及担当課長 責任追及の状況についてですが、廃棄物処理法というのがありまして、それに違反した業者については措置命令を発出するということにしているわけですが、今年度、現在まで3社に措置命令を出しております。それで、この3社につきましては、すべて廃棄物の撤去を完了ということになっております。あと、前年度末の3月にもまた3社に措置命令を出しておりまして、これについてもすべて廃棄物の撤去を完了ということで、今年度は、措置命令によりまして都合6社が不法投棄現場からの撤去を完了しております。
 もう一つは、いわゆる自主撤去という動きがありまして、17年8月ですが、県内の医療機関6病院からの自主撤去の申し出がありまして、県としてはこれは高く評価しまして、この申し出を受け入れました。これにつきましても、本県現場からの廃棄物の撤去が17年11月ということで完了しております。平成14年度以来、こういう措置命令等のいわゆる責任追及を行っておりますが、現在まで措置命令及び自主撤去によりまして、28社合わせて3、200トン余りの不法投棄に対していわゆる命令をかける、あるいは申し出を受けるという形になっております。
 それで、今後についてですが、現在調査中ということで、1万2、000社という非常に多くの数にわたりますし、あと、所在地が主として首都圏に9割方あるということで、まだ時間を要するという状況ですが、今後につきましても、これまでの法違反に基づく措置命令による対応とともに、排出事業者による自主的対応が相まりまして、原状回復の早期実現と、これに要する経費負担の軽減を強力に推進していきたいというふうに考えております。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。措置命令で28社ということです。実際上、その相手方が、はっきりと自分のところで出したということで自主的にやってもらう、これが一番いい形になるわけですけれども、相手がきちっとわかっているのにどうしてもやらないという話であれば、そこは県が法的な措置をとってしっかりと処理させるというような強い態度でやっていく必要があるのかなと。ぜひ、そういったことで頑張っていただきたいと思います。
 それから、大きな2点目ですけれども、そういうことで17年度分はお聞きしました。実際に今度は平成18年度の事業が4月から始まるわけですが、その事業計画として、内容あるいはその方法、あるいは発注の区分とか、予算は20億云々ですけれども、その辺の概要という形で、そして、これまでと何か異なるような内容があるのかどうか、そこの部分をお聞きしたい。
 あわせて、廃棄物の処理に当たっては、選別というか、分別をしなきゃならないということなわけですけれども、そこは何をどこで、どのような処理をするということで進めようとしているのか、お伺いします。
〇根子再生・整備担当課長 平成18年度の事業計画というお話でございますけれども、平成18年度につきましては、廃棄物撤去を、特別管理産業廃棄物を約3万8、000トン計画しております。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、17年度と同様、掘削・選別業務、運搬業務、処分業務といったような三つの形で区分して発注するということで、この業務で大体18億円ぐらいがその予算計上をしているという状況でございます。
 それから、18年度の事業としては、これまでの事業の進捗に伴いまして新たな廃棄物が確認されたものがあると。あと、当初の想定よりも見かけの比重が大きかったという、実際撤去してみて、そういう状況もございます。そういったことを踏まえまして、撤去量と事業費の変更を中心にしながら産廃特措法に基づいた実施計画の変更を予定しておりまして、これを年度内の変更に向けて取り組みたいというふうに考えております。
 それから、廃棄物の分別処理の関係の御質問でございますけれども、現在は現地で整備しました選別施設を使って選別しておりまして、そのうちの大体99%を太平洋セメント大船渡工場に委託して、セメント原料として処分しているというもので選別されております。ただ、セメント原料にならないものというのもありまして、例えば塩素分の高い廃プラスチック類だとかあるいは金属、そういったものについては、少量ですけれども、現地で保管しているというものもございます。これにつきましては、処理が可能な4施設を整備しています市町村の処理施設の活用も検討しておりますけれども、地域の住民の皆さんの御理解が得られるということが重要でございますので、関係市町村に検討をお願いしているという状況にございます。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。これまでと違ったところという話で、新たな廃棄物も対応しなきゃならないということですね。ただ、その量はどの程度か。そしてまた、それを処理するのに大幅な変更みたいな形になるのか、そこをちょっと確認したいと思います。
〇根子再生・整備担当課長 量につきましてはこれから精査するわけでございますけれども、新たな本当の青森県の県境部分で確認された部分と、それから、先ほど申し上げましたように、量自体は想定どおりでしたけれども、実際の重さが若干変更するんじゃないかという部分も含めて、今後、いずれ精査をしますけれども、数万トン単位でふえるかなというふうには思っております。ただ、一方で撤去費用については処理単価が見込みよりも低減しておりますので、事業費そのものがそれに比例して大幅にふえるということにはならないのではないかと思っておりますので、それも含めて来年度中に実施計画を精査したいというふうに考えております。
〇千葉伝委員 ありがとうございます。先ほどの答弁の中に処理の分が現地で一部やらなきゃならないもの、そしてまた太平洋セメントに99%処理してもらっているということです。ちょうど私は昨年のこの予算特別委員会のときに、処理業者というのは県内に幾つあるかという話をお聞きしました。そのときは、太平洋セメントも含めてたしか4業者が処理可能な施設としてあるということでした。それに対して県の方は、可能な限り処理ができるかどうかも含めて折衝するという答弁をいただいたんですが、1年たった今、そこはどうなっているでしょうか。
〇根子再生・整備担当課長 昨年、太平洋セメントを含めて4つの可能な施設があるというお話を申し上げましたが、太平洋セメント以外のところについても、その処理を実際に受け入れができるかどうかということでいろいろお話をしておりますけれども、それぞれやっぱり諸条件がいろいろございまして、それがまだ折り合わないという状況になっておりまして、現時点では太平洋セメントに対して委託しているという状況でございます。
〇千葉伝委員 その可能性として、全くだめな感じなのか、かなりお願いができる状況があるのか、それが一つ。
 あと、事業をさまざま今年度もやっていただくわけですけれども、そういった中にやっぱり周辺の環境との部分で、周辺の住民とか、当然これは毎年いろいろと話をしながら進めていただいています。環境モニタリングということで毎年度やっていただいています。そこの部分が、さっきのどういう内容をやるかというのになかったような気がするので、そこをお聞きしたい。まず、そこのところをお願いします。
〇滝川産業廃棄物不法投棄緊急特別対策室長 太平洋セメント以外の受け入れ可能な処理施設、民間と市町村を合わせまして4施設ほど可能性があるわけですが、市町村の施設も何とか使わせていただきたいということで交渉していますが、その地域の住民の方の御了解を得る関係で、市町村の意見をいろいろ伺っております。具体的な名前は勘弁させていただきたいんですが、そのうち二つぐらいは受け入れてもらえる可能性があるんじゃないかなということで、もう少し時間がかかればはっきりしてくるんじゃないかなというふうに考えます。
 それから、民間で実は北上に産廃処理業者で溶融施設を持っているところがございます。これが、御承知のとおり、ちょっとデータの管理で地域の信頼を失っている状況にありまして、実は私どもとしてはぜひ頼みたいと思っておりましたが、それは現地での信頼回復の状況を待ってから、再度アタックしてみたいと。できるだけ基本的にはたくさんのところに受け入れてもらい、早く撤去したいという考えでございます。
 それから、モニタリングの中身なんですが、これはほぼ従来と変わりませんで、原状回復対策協議会という現地の方と専門家の方が入った協議会の中でいろいろ御意見をいただいて、どんな項目をやるかということで、主にダイオキシン等を含めた有害物質関係等を中心に、水、大気のモニタリングを年4回と、細かいやつについてはさらにふやしてやるということで、地元の御意見等を参考にしながら実施しております。周辺については、これまで特に問題がない、環境の基準を超えたという例はないということで、引き続き同じような形で18年度もやりたいと考えております。
〇千葉伝委員 私がなぜこれを聞くかというと、一番端っこから端っこの処理の格好になっているので、その運搬という部分が、効率的なという話からはちょっと問題があるのかなというような感じ、それから、一つの業者だけにという話になると、何となく独占的な話になるのかなとか、いろんなことが考えられるので、そこの部分をちょっと懸念するものですから、可能な限り、もちろん処理を早くするという分も含めて、1社だけじゃなくてほかの方も処理ができるようなところには何とかしてお願いするということが必要だと思います。
 それで、最終的には今の処理の期限ということで24年度までに処理をするということで進めてもらっています。最初の答弁の中に、全体計画には支障がないというようなことですけれども、もう少し、例えば無理して24年度までにという話じゃなくて、早期にできるものであれば、ここの分までは早く進めれますよとか、そういうような計画とかはないのでしょうか。そして、これを進めるに当たって、この地域の皆さんともいろいろと協議を進めながらやっていただいています。全部すいすい行けばいいわけでしょうけれども、やっぱり一部にいろいろ課題とか、懸案事項とか、そういった部分があるやに聞いております。そういったあたりを、今どのような格好で取り組んでいくおつもりなのか、最後に部長にお伺いします。
〇根子再生・整備担当課長 特措法の期限を待たないでなるべく早くというお話でございますけれども、この事業については、早期全量撤去というのが地域住民の皆さんの最大の願いだということを私どもも承知しております。それで、なるべく早くという気持ちはあるわけでございます。その中で、先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、24年度の特措法の期限ということでございますので、廃棄物の撤去については、廃棄物そのものは22年度までに終えたいということで、その24年度までにそれ以外の汚染土壌だとか、あるいは原状回復を含めてということで、撤去の方はそういう形で前倒しで進めたいということで計画しておりますので、そういうことを御理解いただきたいと思います。
〇千葉環境生活部長 私からは、青森あるいは住民との関係ですが、おっしゃるとおり紆余曲折があったり、いろいろなもめごとがあったりしてきているのは事実でございます。ただ、先ほど滝川室長も申し上げましたけれども、14年度以降、青森県との合同検討委員会を設置して、それぞれの県の委員会はそれぞれやっているわけですが、節々で合同での検討委員会というのもやりまして、意思疎通を図りながら進めてきていると。現状においてはおおむね順調に、円滑に進んでいるというふうに考えてございます。大きな課題として、昨年まで青森と岩手の県境部分に、地下に遮水壁――これは地下水の流動を防ぐためのもの――の是非をめぐって、必要だ、不要だということがありましてちょっともめましたけれども、環境省も間に入りまして無事決着して、この大きな課題も解決したということでございます。
 それから、現場での要するに協力事項としては、例えば運搬車両の洗浄を相互に利用するとか、あるいは水質のモニタリングを時期を調整しながら効率的にやるとか、いろいろ双方話し合いながら今進めている状況にございます。それから、責任追及の方も、これもなかなかいろいろ問題はありますけれども、定期的にそれぞれ行き来し、論議しながら進めているという状況でございます。
〇千葉伝委員 お答えをありがとうございます。いずれ、早期撤去に向けて鋭意頑張っていただきたいと、これだけを申し上げて、私の質問を終わります。
〇小原宣良委員 1点、お伺いをいたします。
 日本原燃株式会社が青森県六ヶ所村に施設整備し、稼働を目指しております核燃料再処理工場の安全性についてでございます。この点については、さきの一般質問で知事にお伺いをしたところであります。知事は日本原燃に対して、本県漁業関係者等に対して早急に説明する機会を設けるよう要請する、こういう答弁でありました。県はこれまでに日本原燃と日程調整などを進めてきたと思いますが、いつ、どこで、どのような形で日本原燃による説明会が行われることになるのか、お伺いをいたします。
〇熊田環境保全課総括課長 今、委員からお話がありましたとおり、知事から答弁がありまして、それを受けまして、日本原燃に対しまして、過日、早急に貴社において岩手県の漁業関係者等に対し、使用済み核燃料再処理工場の安全性等について説明する機会を設けるよう、知事名で要請したところでございます。
 いつ、どこで、どのような形ということでございますけれども、これは、要請を受けた日本原燃が具体的に検討し、適切に進められるものと認識いたしております。
〇小原宣良委員 知事名で要請したということでありますが、いずれ、早急にこの説明の機会を設けるようにということでは、知事はその意向を示して、それを受けたものでありますが、一方、きょうの新聞報道によりますと、本県沿岸を中心とする15市町村長が、昨日、岩手県沿岸の複数会場で説明会を開催するよう日本原燃に対して文書で強く求めたとあります。このことについて県はどう把握しておるでしょうか。そして、どのように対処しようとしているのか伺います。
〇熊田環境保全課総括課長 先ほども申し上げましたとおり、基本的に六ヶ所村の工場につきましての説明責任はあくまでも事業者である日本原燃が持っていると認識しております。したがいまして、どこで何回、どういった形で開くかということにつきましては、説明責任を有する日本原燃が適切に判断するものと考えております。
〇小原宣良委員 まあ、筋としてはそうですね。ただ、日本原燃が誠意を持ってしっかりと岩手県民の不安に対してこたえていただける、あるいはそういう姿勢、そのことが今、岩手県民としては求めているところだというふうに思うんですね。そういう意味で、きのうの要請ということなんですが、少し遅くはありませんか。今後のスケジュールという点で言うと、前段の部分では、文書提出はきのうということではあったんでしょうが、事前に何らかの形で事前折衝があったのではないかと。ある程度、そうした可能性という部分を含めて文書を県としてはお出しになったのではなかろうか、このように思うのですが、その点はいかがですか、見通しについて。
〇千葉環境生活部長 いずれ、知事が本会議で早急にという話をしまして、大変申しわけありませんが、議会の準備もいろいろございまして、きのう送ったという状況でございます。特に事前の打ち合わせとか、そういったことはございません。
〇小原宣良委員 三陸沿岸の漁業者等、直接にやはり海で暮らしている皆さん方は、特にもそうした被害ということについてはもちろん想定したくないことではあるでしょうけれども、しかし、万が一というふうな部分についてはかなり心配の向きがあるということであります。そういう点に照らしてみれば、早急に日本原燃が説明の機会を持つということは当然のことだと思うし、それに対する不安について、岩手県がそれに対応するという点で、これは真剣に対応していただきたい。さらにまた、この優良な漁場を持っている本県でありますので、万が一にも風評的な部分で事が起きてはいけないわけですから、そういう面からいっても、この施設の安全性なり、あるいは万が一ということに対する対応というふうな部分は包み隠さずしっかりと県民に伝えていくということが、県の役割としては非常に大事なんだろうと思うんですね。例えば平成15年に国の委託事業で県が行っている事業の中に、種市沖の海水採取によって水質の観測が行われているわけです。そのデータについては国の方に送っているんだろうと思うんですけれども、例えばそうした海水の水質検査というふうな部分についてもしっかりと公表していくという中で、風評被害ということがもし心配される向きがあるとするなら、これは完全にこれを解消するという役割も県としては必要だと思いますよ。その点はどうお考えになりますか。
〇熊田環境保全課総括課長 15年度から種市沖の海水について監視・調査しておりますが、その結果につきましては振興局の行政情報サブセンターにありますし、ホームページでも公開しております。
〇小原宣良委員 いずれにしろ、この事業者である日本原燃株式会社に対して、これはきのうの申し入れということのようでありますけれども、知事が言われているように、早急に説明の場を持つように、今後努力をいただきたい。
〇三浦陽子委員 2月に岩手県食育推進計画が策定されたというふうに出ておりまして、この計画書を見せていただきました。いきいき!健やか!岩手の食っ子!イーハトーヴの恵みを受けてというすばらしいタイトルをつけた立派な計画書でございまして、私も子供を4人育ててきましたけれども、岩手の食のおかげで私を超す大きな子供たちに育ってくれまして、本当に岩手の恵みといいますか、すばらしい食文化に触れて、ここで生活させていただいて大変感謝しているところでございます。
 それで、ちょっとお聞きしたいことがございます。県の計画では岩手の特性を生かして食育を推進するとありますが、どういうところに力点を置いて進めていくつもりか、これがまず1点です。
 それから2点目、食育を県民運動として進めるとありますが、医師や歯科医師などを初めとする専門家を含め、どのような組織にしようとしていらっしゃるのでしょうか。
 3番目、家庭、学校、地域の連携とありますが、教育振興運動にも触れておりますけれども、地域ごとにどのように推進しようとしているのか、具体的な考えをお示しいただきたいと思います。
〇千葉環境生活部長 食育の推進で、今御紹介がありましたとおり、2月に県の計画を策定いたしました。その中では、本県が全国有数の食料生産県である、地産地消運動あるいは学校給食への県産食材の利用ということが活発に行われているといったようなことがあります。また、豊かな伝統、食文化といったようなこともございます。そういった本県の持っている特性を十分生かした食育を推進しようということで構成されてございます。さらに、本県も全国に先駆けまして食の安全・安心というものを進めてきております。こういったものを生かすためにも、生産とか加工現場の体験学習あるいは見学といったようなものを取り入れてまいりたいというふうに考えます。
 それから、この計画では特に子供に焦点を当てているという特徴がございまして、乳児期、幼児期、小・中・高といった子供のそれぞれの発育段階ごとに、その取り組みの目標や、それに携わる関係者の役割とか責務というものを明らかにいたしまして、発育段階に応じたきめ細かな食育に取り組むことといたしてございます。いずれ、県民の方々が一人でも多くこういった運動に参加していただきたいということで、県民運動という言葉は使っておりますけれども、県民総参加での取り組みを目指してまいりたいと考えてございます。
 2点目の県民運動をどのように組織化するのかということですが、食育はやはり子供のときからの実践が大切だというふうに考えてございまして、したがいまして、学校とかPTAとか、あるいは教育振興運動という話もございましたけれども、こういった既存の組織、あるいは食育に関する活動を行っている団体のメンバーの皆さんとか、そういった方々で、今、県の食育推進ネットワーク会議といったようなものを推進母体として設置したいと考えてございます。この組織には、当然、健康とか疾病予防の観点から医師会あるいは歯科医師会の皆さん、また地産地消、食の安全・安心という観点から生産者団体とか事業者団体の方々の参加を得まして、またその支援をいただきながら進めてまいる形にしてまいりたいと考えてございます。
 3点目の地域での取り組みをどのように推進するか、具体的にということで、まだその具体的なものを十分にお答えできるかあれですが、いずれ、食育の実践の現場というのは基本的にやはり家庭だろうという、これは検討委員会でもそういう議論がなされております。したがいまして、家庭がやはり大切だろうと。この家庭を学校が支援する。また、その学校を地域が支えるといったような形が望ましいだろうというふうに考えております。例えば学校教育の初期の段階、小学校ですが、例を上げますと、学校ごとに食育の担当者、栄養士さんとか、そういった方々になると思いますけれども、そういったものをきちっと決めまして、学校だけじゃなくて、その地域の生産者とか事業者あるいは食生活改善推進員といった方々の協力を得ながら、そこに家庭の保護者も積極的な参加をしていただきまして、地域地域でいろんな食育活動をする。そういった取り組みが、家庭に帰って家庭での食育につながるといったような体制を考えてまいりたい。ちょっと具体的ではございませんけれども、そういった活動が県内広く展開できるような仕組みづくりとか機運の醸成を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
〇三浦陽子委員 ありがとうございます。教育振興運動というのは岩手県は大変進んできておりましたけれども、最近ちょっと形骸化されているという節があります。ですから、この機会にぜひ食育を教育振興運動と連動させて、県内、取り組み方がいろんな地域差があると思うんですね。ですから、できるだけ同じようなスタンスでやれるように、県としても指導していただきたいというふうに思います。
 あと、家庭にというところですけれども、やはり感謝の心といいますか、小学校の方をちょっと見ますと、感謝の心もというふうに入っていますが、やはり乳幼児期から家庭がみんなでそういう命の恵みに感謝するといいますか、そういうムードづくりをやはりしていく必要があるのではないかというふうに思いますので、そういうところもちょっと盛り込んでいただければいいと思いますし、私も乳幼児健診をしていた時期がありまして、お母さんたちに、歯の健診ですから食べることに一番直結しているんですけれども、その折にもやはり食べることの大切さというのを話はしておりましたので、ぜひ、そういう保健所関係の健診業務の方でもそれをしっかりと指導して――指導といいますかね、やはり若いお母さんたちは、離乳食のつくり方も余りよくわからないという方もいらっしゃるので、――実践的な部分にも触れて、みんなで楽しんでつくっていくような、そんなムードづくりも必要なのではないかというふうに思いますし、やはり食べることは口から始まりますので、口の健康状態をしっかり整えた上で、よくそしゃくして飲み込んで体の栄養にするという流れもしっかり教えていっていただきたいなというふうに思います。
 この食育推進費196万6、000円でしたでしょうか、今回の予算はそうでしょうけれども、これを持続するために、やはり予算はしっかりとっていただいて、食べることというのはとにかく命の源ですから、産業振興も大事なんですけれども、やはり命、そういうものを大切にする、その一つの広がりとなると思いますので、ぜひ力を入れていただきたいというふうに思います。そこの所見、部長のお考えを教えてください。
〇千葉環境生活部長 委員、計画書をよく読んでいただいて御紹介いただいた、一々もっともだと考えてございます。いずれ、命と健康なければ産業振興もなりません。しっかりと今のお話を肝に銘じまして、やはり地域地域での具体化する継続的な活動につなげていくと。申し上げましたとおり、地域でそれぞれ事情が異なると思いますので、関係者が一致協力して、特にも子供たちをしつけるというか、教育するような仕組みを何とか広げてまいりたいというふうに考えてございます。
〇工藤勝子委員 シカ特別対策費についてお尋ねをいたします。自然、環境との共生を進めていく中で、野生動物の適正頭数を保護しながら、ともに生きていくことだろうと思っております。五葉山地域に生息する北限のホンシュウジカの件ですけれども、もう五葉山周辺ではなくてかなり遠野市の方にも生息し、繁殖し、そして農産物にも被害が出ているところでもあります。そこで、現在の生息している頭数の把握、それから適正と思われる頭数についてお尋ねしたいと思います。
 また、もし農林業における被害の実態の被害額がわかりましたら、その点についてもお尋ねしたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 シカの生息数と適正頭数についてでございますけれども、五葉山地域のシカの生息数につきましては、平成12年3月にヘリコプターによる目視といいますか、実際に目で見た調査を行いまして、そのときに4、100頭から4、600頭というふうに推計をされておりました。また、五葉山地域の適正生息数につきましては、平成14年に策定しましたシカ保護管理計画で、冬場のえさになりますミヤコザサの量を踏まえた環境収容力ですとか、あるいは農林業被害への影響、また地域個体群として存続できる頭数、それらのものを勘案しまして2、000頭ということにしておるものでございます。この適正頭数の2、000頭を目標にしまして、毎年、1、000頭を超えるシカを有害捕獲と狩猟でもって捕獲しているところでございますけれども、農林業被害の状況、あるいはまたその生息密度調査の結果から、現在の頭数はこの適正頭数を超えているものというふうに考えております。
 次に、農林業への被害額の状況でございますけれども、これは農林水産部の調査で、平成16年度でございますが、水稲、野菜などの農業被害が約2、700万円、杉などの林業被害が約1、500万円、また、シイタケ被害が約400万円で、合計4、600万円の被害額となっております。これは、前年度に比べまして730万円ほど減とはなっておりますけれども、ここ3年ほどは5、000万円前後で横ばいの状況でございます。
〇工藤勝子委員 そうすると、12年度の調査で、大体1、000頭捕獲しても、まだ1、000頭ぐらいが多いということで、あれからまた5年も経過しているわけですので、実際は頭数的にはふえているんだろうなと思っております。多分、遠野に来ているということも確認しているんじゃないかと思っておるところです。
 そこで、遠野は広大な面積もありますし、農林物も大変豊富なところですので、今後、住みつく可能性はかなり多いんじゃないかなと思っております。そこでですけれども、農林水産部にもこのシカ特別対策費があるわけですけれども、縦割りでそれぞれやっているのか、農林水産部とも横の連携をとりながらこの対策費を立てているのか、その辺のところを、今後いろいろな部分が一元化してきている中で、この対策費をどこかの、例えば環境生活部の方で一本化してやるとか、農林水産部の方でやるとか、そういう考えはあるかないか、お聞きいたします。
〇高橋自然保護課総括課長 まず、農林水産部との連携でございますけれども、農林水産部の関係課あるいは振興局の方の農林の担当部、また関係の市町、また学識経験者、そういった皆さんで構成するシカの保護管理検討委員会というものを開催しまして、対策を一緒に協議しながら取り組んでいるということでございます。農林水産部では、主としていわゆる被害の状況の把握ですとか、あるいは防護さくの設置、あるいは忌避剤の散布といった被害防除対策を中心に、環境生活部では生息状況の調査、あるいは有害捕獲、あるいは狩猟期間の延長措置を講ずる、そういったような個体数調整の方の対策といったものを講じておりますけれども、いずれ、両者の対策が有効に機能するように連携をして取り組んでいるところでございます。
 予算を一緒にというお話でございますが、これは、今の時点ではちょっと検討しておりませんので、当面、こういった連携の仕方で総合的に対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
〇工藤勝子委員 それでは、最後に今後の対策についてお尋ねしたいと思っております。
 県には岩手県狩猟組合というのがございまして、私も年2回ぐらい懇談会に呼ばれるわけですけれども、そこでよく聞くことは、銃を持っている人たちの高齢化というようなことが非常によく言われるところです。結局、若い人たちは、お金をかけて猟銃を持って山歩きをするというようなことは、ほとんど今はそういう価値観がなくなってきているということで、こういう人たちが育っていかなければ、多分、適正規模も確保できない状況になっていくのではないかなと思っております。
 そこで、やはりいろんな許可だとか、経費の問題もあるというような話も聞いておりますけれども、その人たちの話になると、例えば県の予算では、いろいろ委託されても弾代にもならないような話が出てくるわけです。そういうところで不安要素もあるわけですが、今後の支援策についてお尋ねして、終わりたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 猟友会がいわゆる鳥獣保護に果たしている役割は大変大きいものだと考えております。いわゆる有害捕獲にいたしましても、ほとんどが猟友会の皆さんが地元市町村と一緒になってそれに取り組んでおります。御指摘がありましたように、確かに猟友会の構成員といいますか、高齢化しまして、メンバーの方の数も減ってございます。私どもとしては、例えば狩猟免許試験といいますか、そういったものをできるだけ受けやすくする。例えば通常やっておりましたものを日曜日に開催して受けやすくするとか、あるいは事前の研修を委託して、できるだけ多くの方が狩猟者免許に合格していただくといったようなことを通じて猟友会の体制を支援してまいりたいというふうに考えております。
〇高橋雪文委員 私の方からは男女共同参画プラン推進、そしてセンター運営費についてお聞きしたいと思います。
 男女共同参画社会形成はこれからの時代として必要不可欠なものであります。その中で県のこれまで行ってきた業務と、センターの関係と、仕事内容の違いについてお知らせいただきたいと思います。また、盛岡市が管轄しております女性センター、これは盛岡のプラザおでっての中にあるわけですけれども、この業務との違いについて教えていただきたいと思います。
 さらには、相談業務というのがセンターの中にあるわけでありますが、この相談業務というものはどんなものを想定して相談に当たるのか、目的としているのかをお知らせいただきたいと思います。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 まず、県の業務と男女共同参画センターの関係、仕事の内容の違いでございますが、これまで県民の皆様を対象としました研修事業ですとか広報、このような事業につきましては県が直接実施してまいったところでございますけれども、今後におきましては、このようないわゆる事業部門につきましては男女共同参画センターの方で基本的に実施する。さらに、男女共同参画センターは、それに新たに相談業務ですとか、県民の皆様の自主的・主体的な活動交流の場の提供とか、そういうものをあわせ担っていただくという形で県とセンターの役割分担的なものを整理しているところでございます。
 では、県はということになりますけれども、県は、事業部門を除いて男女共同参画プランの推進に向けました企画立案とか政策形成、あと、市町村の方々へのいわゆるサポートといいますか、そういう部分を担っていきたいというふうに考えてございます。ただ、この男女共同参画センターは、本県の男女共同参画推進の拠点にしたいというように考えてございますので、役割はこういうふうに一応整理はしてございますけれども、県とセンターと一体となって進めていきたいなというふうに考えているところでございます。
 それから、二つ目のもりおか女性センターと男女共同参画センターの違いということでございますけれども、男女共同参画センターは県民の皆様の活動、交流ということで、四つの基本的な機能、情報の関係、学習の関係、相談の関係、そして活動交流、この四つの機能に沿った形でさまざまな事業を実施したいなというふうに考えているところでございまして、もりおか女性センターも同様の目的で設置されているというふうに考えているところであります。
 それでは、この二つのセンターの違いは何かということでございますけれども、県の男女共同参画センターは、繰り返しになりますが、本県の男女共同参画推進の拠点施設というような位置づけをいたしまして、例えばこれまでやっております男女共同参画サポーターの養成の、県内各地域での男女共同参画推進のリーダーの養成ですとか、県内全域にわたるネットワークの形成、あるいは全国の情報収集・提供など、そんな感じの全県をカバーしたような活動を進めてまいりたいと考えているところでございます。それで、もりおか女性センターは平成12年に設置された施設でございまして、センター運営のノウハウとか実績とか、そういう蓄積が豊富でございますので、お互いにそこら辺は連携して補い合いながら、ともに男女共同参画というものの取り組みを進めていきたいなというふうに考えているところでございます。
 それから三つ目、男女共同参画の相談業務の目的でございます。センターでは、まず、その生き方とか、家族関係とか、職場での人間関係だとか、生活全般にわたるそういうさまざまな相談というものに対応してまいりたいというのが一つでございます。そのほかに、配偶者暴力防止法いわゆるDV防止法に規定しております配偶者暴力相談支援センターとしても位置づけて、配偶者からの暴力被害に対する相談など、そういう専門的な相談にも対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。これらの相談に当たりましては、全県からといいますか、県内全域から広く相談に応じることができるようにということで、電話相談というのはどこでもやっているわけでございますけれども、あとはインターネット相談とか、そういう形で対応してまいりたいなと思います。
 もう一つ、相談の目的ということで考えているのは、県民の皆さんからいろんな相談が来ますので、そういう中にいわゆる男女共同参画の課題とか、問題とか、そんなものを整理して、それを新たな対応とか取り組みとか、そういう方につなげていければいいのかなと考えているところでございます。
〇高橋雪文委員 一つは、このセンターと女性センターとの違いというのはほとんどないということでありますけれども、前にもお話ししたんですが、男女共同参画推進と女性政策の推進は、私は、やはり別次元のものであろうと。これを混在させて、あいまいなままで進めていることが、この男女共同参画社会形成に、私は、ある意味おかしな考え方もまかり通ってしまうというところがあるんじゃないかと。これをしっかりと分けて推進していくということがやっぱり大事なのではないかなと思います。この業務にしても、先ほどお伺いしている中では、女性センターと男女共同参画センターが全く同じような業務内容だと。これもやっぱり私からすると不可解でありますし、県全体の統括という意味で拠点にするということでありますけれども、この辺ももう少ししっかりと考えた方がいいのではないかと。
 あと、相談窓口ということでありますが、NPOの方に移管しながらやっていくということでありますけれども、DVの相談とかは内容が非常にハードなんじゃないかなと。かなりハードなんじゃないか。そういう業務に対してNPOなりの民間団体で対応していくというのが、果たして、その責任の所在も含めて、対処の仕方も含めて、適正であるのかというと、私はちょっと疑問に思う。確かにその分野の中ではいろいろと活動している方なんでしょうけれども、その辺が民間に委託をしていくというのはどうなのかというふうに思います。ぜひ、その点の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 まず、第1点目の男女共同参画と女性政策、そこら辺をきちっと整理した上で図るべきだということでございますが、確かにそのとおりでございます。私どもは、あくまでも男性も女性もともに支えながら、協力し合いながら、そういう社会を築いていくんだという前提に立って、この男女共同参画センターというものを運営してまいるものでございます。
 それから、業務内容が同じだということで、機能的には同じでございますけれども、例えば研修、講座、それを一つとってみましても、先ほど申しましたように、県の男女共同参画センターとしましては、そういうリーダーの養成とか、県内の各地から集まっていただいたそういう方々を主眼というような形で講座を開設していく。いずれ、同じようなものをどっちでもやっていくとか、そういう形のないような配慮をしてまいりたいと考えてございます。
 それから、相談のDVの関係でございますが、確かにDVというのは本当に専門的なものになるかと思います。それで、一応このセンターの業務委託はNPO法人の方にお願いするわけでございますけれども、実際に相談に当たる方々につきましては、NPO法人の方が今回のために採用といいますか、一応そういう勉強をしてきたような方をまず採用する。そして、まず4月から委託するということで一応準備を進めてございましたので、ことしに入りまして、数回にわたり、その方々に対してのいろんな専門研修といいますか、そういうものを積みながら、あとは経験が物を言うわけでございますけれども、いずれ、適切な相談ができるような形で進めてまいりたいというふうに考えているものでございます。
〇高橋雪文委員 このDVの件なんですけれども、勉強してきたからそっちの相談に乗るというのもあるでしょうけれども、実際、DVに困って電話をかけるというのは相当なことなんじゃないかなと思うわけであります。むしろ警察とか、そっちの方にきちっと橋渡しするとかの支援を、警察の方が男女共同参画センターと連携を密にとるとか、そういう工夫の方が大事であろうなと思うわけでありますけれども、まだまだそのあり方についても不明瞭なところがありますし、あとは業務内容についても、もっと突き詰めていかないと、本当に問題を起こしかねないのではないかというふうな危惧もいたすわけであります。その点も考慮いただいて、ぜひ部長の御所見をいただいて、終わりたいと思います。
〇千葉環境生活部長 おっしゃるとおりですし、松岡課長が答えたとおりですが、いずれ、大変深い、難しい、相談員さんは大変な業務だと思っております。ですから、NPO法人に管理は頼みますが、それなりの人を法人が選抜して採用すると。なおかつ、ことしに入って3回の研修になりますが、さらに経験を積んで覚えていく以外にないだろうなと思っております。警察との連携は当然やります。そういうことは想定しておりますし、この構想を練るに当たっては、実は、実際に被害に遭われた方数人からもいろんな意見を聞いて参考にいたしておりますし、これからやはりいろんな実際の現場数を踏んで、経験を積んで、そういった相談能力とか対応能力を向上させてまいりたいと考えてございます。現実に潜在的に困っている方がいっぱいいるということですので、今、パーフェクトに準備ができるまで待てないということで、やはり走りながら進めていく部分というのはあろうかと思っております。
 いずれ、努力して、そういった方々の期待にこたえられるような体制に持っていきたいと思います。
〇斉藤信委員 最初に、私は、灯油価格の高騰と悪徳商法に対する対応についてお聞きします。
 厳しい寒波の中で灯油が高騰いたしました。県民への影響をどういうふうに把握しているのか、1世帯当たり、そして、県内全体総額でどのぐらいの負担増になったか示していただきたい。
 二つ目に、灯油の高騰の背景には、元売会社の悪徳商法とも言うべきものがあったと指摘があります。12月から2月の3カ月間で、灯油の仕切り価格というのは18円から22円も値上げをしました。この期間、ガソリンは全然上がっていないんですね。何で灯油だけ上がったのかと。そこには、石油元売会社が系列の特約小売店に、いわば供給するだけではなくて、いわゆる業転市場という、系列以外にも高値で販売をして、ここでぼろもうけをして、その業転市場から高く買ってまた系列に流すということをやったんだと。これは、まさにもう便乗値上げどころじゃない、悪徳商法だと指摘をされています。こうした状況があるわけですから、県としてどういうふうに今まで関係機関に働きかけてきたのか示していただきたい。
〇菊池食の安全安心・消費生活担当課長 まず、灯油高騰の県民への影響についてということでございますが、最新の2月分の調査結果によりますと、家庭用の灯油18リットルの配達価格の県内平均が1、509円でございまして、昨年の2月と比較しますと、約44.1%、462円ほど値上がりしてございます。
 この結果と、平成16年度の岩手県内の1世帯当たりの年間使用量が1、163.9リットルでございますので、これを用いて影響額を試算いたしますと、1世帯当たり年間2万9、800円程度の灯油の高騰による負担増があるものと推測してございます。
 今、県内の世帯全体でどうかということもございました。県内の世帯数、平成16年10月の岩手県の人口移動報告年報によりますと、世帯数が49万1、538世帯になっております。これを単純計算いたしますと、これが影響額として正しい試算になるかどうかということはありますが、146億4、000万円強という試算結果になります。
 それから、この灯油高騰の背景についてというお話でございましたが、これは、元売各社に対しての便乗値上げの防止、それから、安定供給の指導などについては国が行ってございます。その国の情報を逐次得ておりますが、このような灯油の卸価格の値上がりにつきましては、原油価格の高騰や製品輸入によるコストの増加によるものと言われておりまして、便乗値上げ等の状況は認められないとしてございます。
 次に、関係機関や元売会社への働きかけということでございますが、これまでも国に対しては、東北地方灯油懇談会等の機会を利用いたしまして、価格の安定及び安定供給について要請したところでございます。ただ、依然として灯油の価格が高値で推移しているということ、それから、一般家庭への影響が大きいということから、平成18年2月10日に、県といたしまして、東北経済産業局に対して灯油の便乗値上げの監視と安定供給について、また、石油元売会社に対しまして、灯油の適正価格及び安定供給について要請を行ったところでございます。
 なお、県におきましては、灯油高騰の動きを見せ始めました10月以降、通常の隔月調査に加えまして臨時調査を加えまして、毎月調査を実施して調査監視を強化しているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手県内では146億円余の負担増だったと。私は、本当にこれは大変なことだと思うし、便乗値上げはないという国の見解ですけれども、1月24日現在の灯油の業転価格は、灯油は79円、ガソリンは税抜きで49円ですよ。ガソリンより30円も高くなっている。これ一つ見ても異常な値上げだったということは私ははっきりしていると思うので、ぜひこの問題は引き続きやっていただきたい。
 次に、第2クリーンセンター問題についてお聞きします。
 整備運営事業者がタクマグループに決まったようです。事業の概要、進捗状況はどうなっているでしょうか。
 二つ目に、PFI方式が導入されますが、公的施設としての県の監視、関与、これは具体的にどうなるのでしょうか。
 三つ目、一番の問題は環境への影響でありますが、公害防止計画によるダイオキシン類、窒素酸化物、硫黄酸化物などの排ガスの放出量は1日当たりどれだけになるのか。研究者の試算によれば、1日当たり400キログラムの排ガスが出ると指摘する研究者もいます。周辺の農地などに蓄積される危険はないか、公害防止協定の見通しはどうなるのか。
 全体計画では、一般廃棄物処理、畜産系廃棄物処理、リサイクル施設などの大規模な計画でありました。これらは現在どうなったのか。結局もう産廃処理だけしか残っていないのか。このことを示してください。
 また、地元の要求は、雇用効果、地域経済の波及効果を期待しているわけですが、これは、今の時点でどのように見込まれているでしょうか。
〇古川資源循環推進課総括課長 第2クリーンセンターの提案ございましたタクマグループの事業概要でございますけれども、その提案内容の主なものでございますが、産業廃棄物の焼却施設、これは、1日70トン処理の施設でございます。さらに、灰を溶融する溶融施設、これは1日13トン処理のものでございます。また、排ガスは、県が設定しました要求水準、これは、国の基準を上回る厳しい基準としておりますが、これ以下とするという内容になってございますし、排水はクローズドシステム――外に出さないシステムになってございます。また、あわせて発電設備を導入するという内容になってございます。
 それから、進捗状況でございますが、これから優先交渉事業者になった方々に特定目的会社をつくっていただき、本年6月の事業契約に向けて、現在、その事業者の方々と協議を進めている状況でございます。
 次に、県の関与でございますけれども、これまで、用地の選定、住民の方々への説明、地質調査、それから環境アセスメント調査等を実施しております。また、事業用地については、県が、来年度でございますが取得をしまして、事業者に有償で貸し付ける予定としております。
 また、県の監視でございますが、設計・施工の状況あるいは完成した後の運営・維持管理の状況、財務の状況等について定期的なモニタリングを行うほか、必要に応じて指導、勧告することといたしております。
 次に、環境への影響でございますが、大気汚染物質の排出濃度は、ダイオキシン類については法定基準の10分の1の0.1ナノグラム、1立米でございます。窒素酸化物については、法定基準の3分の1の100ppm以下、硫黄酸化物については、法定基準の80分の1の50ppm以下といたしております。この数字と、1日当たりの排ガス量を掛けて計算した数字でございますが、ダイオキシン類については0.0001グラム――1万分の1グラム、1日当たりでございます。窒素酸化物については206キロ、硫黄酸化物については143キロと計算されております。これらについては、この規制基準を守ることによって十分な安全性が確保されるものと考えてございます。
 次に、公害防止に係る取り組みでございますが、今、申し上げました法の基準より厳しい県の要求基準の内容で、平成18年度中――来年度中に事業者、九戸村及び県で締結いたします運営協定の中で情報公開、環境保全措置、緊急時の対応などを盛り込んでいきたいと考えてございます。
 次に、第2クリーンセンターの全体計画でございますが、第2クリーンセンターの整備計画につきましては、久慈、二戸両広域市町村から一般廃棄物部門の延期要請がございましたので、県では、やむを得ないということで、全体構想の基本計画の枠組みは維持しつつ、第1期事業として産業廃棄物処理施設を先行整備することとしたものでございます。第2期事業として予定いたしております一般廃棄物処理部門につきましては、今後も整備に向けまして、久慈、二戸両広域市町村と引き続き協議を行うことといたしております。また、第3期事業として想定しております農林水産系リサイクル施設につきましては、メタン発酵等のエネルギー化を図ることなど検討してまいりましたが、今のところコスト面で農家の方々の負担など難しい課題があることから、地元の市町村等とも協議しながら慎重に検討していきたいと考えております。
 次に、地元の雇用効果、それから地域経済の波及効果ということでございますが、事業者の提案によれば、直接雇用については、当初10名程度、将来的に運転管理になれてくれば8割程度の運転員を地元雇用で対応したいという内容となってございます。
 また、地域経済への波及効果でございますが、おおよそでございますが、総投資額は約40億円となっております。そのほか、完成しますと、人件費、光熱費や補修費などの運転・管理経費として年間約5億円、その他固定資産税や法人税など4、000万円程度が見込まれてございます。
 地域貢献策としましては、施設見学会の開催や地元行事への積極的な参加などによりまして、地域の一員として地域の活性化に協力していくというような提案の内容になってございます。
〇斉藤信委員 ぜひ地域住民によく説明をして、PFI方式というのは、これは初めてのやり方ですから、何がどうなるかわからないところもありますので、地域住民によく説明して、合意をきちんと形成しながら進めていただきたい。
 公害防止計画なんですけれども、確かに法定基準よりは厳しいものになっていますけれども、今答弁があったように、やっぱり約400キログラムの排ガスは出るのですよ。だから、これは安全だということにはならないんですね、どんどんこれは蓄積されていくというふうに見ると。だから、安全だという宣伝をしたら、私は正しくないと思う。法定基準をクリアしているけれども、そういうものは出るのだということを前提にして対応しないと、私は間違ってしまうと思います。
 次に3番目、アスベスト対策で環境生活部が窓口になっているので私ここでまとめて聞きたいんだけれども、アスベストが原因と思われる中皮腫による死亡者というのは県内で41人であります。私は、この方々のいわば具体的な原因を究明すれば汚染源というのがわかるのではないか。こういう追及は国と協力してやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。また、現在の発症者というのは把握されていないのでしょうか。
 二つ目に、アスベストが原因となる健康被害者はこれから増大します。検診の体制が特別に重要ですが、県内には指定病院がありません。やっぱり県内でもきちっとした検診ができるような指定病院が必要だと思いますが、これはどう検討されているでしょうか。
 三つ目の問題は、今後の対策では、被害未然防止対策が重要です。アスベスト除去の場合の防止対策、こういうものがきちんと既にやられているのかどうか、このことをお聞きします。
〇熊田環境保全課総括課長 中皮腫の死亡者についてでございますけれども、厚生労働省の死亡原因統計により把握しておりますけれども、患者数については把握していないと聞いております。
 それから、死亡された方の原因についてでございますけれども、関西の方でそういったことを国と一体となってやっていると聞いております。
 それから、検診体制でございますが、中皮腫など肺の病気の診断につきましては、呼吸器科の医師にも診断が可能であり、こうした診療科は県内に県立病院を含め8病院あり、35名の医師が配置されていると聞いております。
 なお、アスベストとの関連性など専門的な診断につきましては仙台市の東北労災病院が指定されており、主に2名の呼吸器科の医師が対応していると聞いております。
 それから、アスベストの除去対策でございますけれども、現在、先ほど千葉委員にお答えいたしましたとおり、2月6日現在で、県有施設ですと未処理のものが17施設残っているわけですけれども、今後は、先ほど申し上げましたとおり、ガイドラインに基づきまして除去対策を講じるよう指導していくこととしております。法令上は、建築基準法の改正等によりまして、吹きつけアスベストを使用した施設につきましては改修時に除去が義務づけられますので、一層その面でのアスベストの除去が進むと思います。
 それから、補助制度、融資制度の関係でございますけれども、公共施設につきましては、除去工事の費用につきまして、地方債の活用が可能となっております。そのほか、民間施設につきましても、国土交通省の事業で、アスベストの除去費用につきまして補助制度が導入されるということで、今後一層の除去の進展が見込まれると考えております。
〇斉藤信委員 中皮腫の死亡者41人というのは把握されていると。関西では国と協力してその後の調査もやられているようだと。私、これは大変大事だと思うんですよ。岩手県内の死亡者がどこで発症したのか、発症した原因がどこなのかというのは、この死亡者を追跡することによってわかるわけです。実は、これは、20年後、30年後発症するんですよ。これから健康被害者がどんどん出てくるということになるんです。ですから、そういうことをつかめば、早く検診をしたり対策がとれるわけですから、関西でそういうことが可能だということであれば、死亡者が少ないといってもこれからふえていくわけですから、ぜひそういうことを検討していただきたい。これは要望しておきます。
 最後です。
 私からも男女共同参画事業と青少年育成事業についてお聞きしたいと思います。
 男女共同参画事業で、立派な冊子ができました。いただいて読みました。女性が一番困っている問題は何かというと、やっぱり職場・雇用での男女平等の取り組みなんですね。しかしこれは、逆行しているのが実情です。女性の2人に1人は不安定雇用です。賃金は、男性の5割程度です。本当に劣悪な状況に置かれている。この問題について、これは商工労働観光部の所管だと思いますけれども、こういう問題に正面から取り組んでいく必要があるのではないか。
 二つ目に、苦情処理機関を設置したわけです。これは大変大事なことでした。男女共同参画条例で苦情処理機関を設けた。ところが、どういう場合に苦情処理を受け入れるのかというのがかなり厳しいんですよ。県の施策によって人権侵害が起きたという、こういうかかわり合いの相談しか受けないというふうになっている。男女共同参画を進める上での障害になる問題について、私はすべて受け付ける必要があるんじゃないかと思うんです。恐らく苦情処理の相談件数はほとんどないんじゃないでしょうか。だとすれば意味がないんですね。男女共同参画を進める上で障害になる問題については全部相談を受けるという、そういうことが必要なのではないか。これが2番目です。
 3番目は、男女共同参画センターです。先ほど高橋委員からもお話がありました。私、DVの相談まで民間に丸投げするというのはいただけないと思いますよ。これは深刻なプライバシー、生命の危険にもかかわる問題なんです。これは、総合福祉センターで、専門の相談員が今必死になってやっているんです。何で共同センターつくったから、そこで民間に丸投げしてそういう仕事をやらせることができるのか。私は、個人情報保護という点でも、本当に最も専門的な力量が問われるこの仕事で、そんな民間の丸投げでやるような仕事ではないのではないかというふうに思います。
 2、500万円の委託費ですね。管理運営費、委託費の内訳はどうなっていますか。人件費で幾ら、事業費で幾ら。そして、このセンター長ってあるんでしょうかね。男女共同参画センターの運営協議会みたいなものはあるんでしょうか。私は、やっぱりきちっとそういう体制があってやらないと、このNPOというのもこのためにつくられたNPOでしょうから、本当にこれは大変だと大変私は危惧をしていますが、いかがでしょうか。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 まず、雇用の場における男女共同参画の件でございます。
 私どもとしましては、男性、女性に限らず、個々人の能力が活用、発揮できるような職場環境ですとか、それから仕事と家庭の両立が可能な職場づくりが非常に重要だと、そういう認識でとらえてございまして、プランにも掲げているところでございます。
 ただ、現実にはまだ、例えば男性と女性の賃金の差とか、あとは育児休業制度の定着率とか再就職の状況とか、そういういろんな統計数値を見ますと、やはり目指している姿、状況からはまだ十分とは言えないのかなと、そういう認識を持っているところでございます。
 したがいまして、今後とも、国の労働局の方などとも連携を図りながら、セミナーとか労働相談とか――ソフトになりますけれども――、そういう形で雇用均等法の制度の普及啓発とか、そういうのを頑張っていきたいと。
 あわせて、中小企業に対しても、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定なども働きかけをしていきながら、仕事と家庭が両立できるような職場環境をつくっていくように取り組んでまいりたいと考えているものでございます。
 それから、二つ目は、男女共同参画に関する苦情処理制度の関係でございます。
 これは、条例ができて、平成15年4月1日からこの制度が始まったもので、3年目になるわけでございますけれども、ことしの3月1日現在で、取扱件数は、男女共同参画推進に関します県の施策への苦情に対しては3件です。それから、人権侵害に関する相談が5件という形でございます。
 制度ができてからだんだんとこの相談件数も少なくなってきておりまして、これは全国的な傾向のようでございます。やっぱりその原因としましては、制度が始まったときは一生懸命PR、普及啓発をやったわけでございますけれども、だんだんとそれが十分でないのかなと、そんな部分があったのかなというふうに考えているところでございます。
 今年度は、男女共同参画プランの改定がなりましたので、概要版などもつくりました。その薄い概要版の半分ぐらいを割いて、こういう場合には調整員制度、苦情処理制度があるんだよというのをお知らせして、そして、これはいろんなところにお配りしながらこの制度の普及に努めてまいりたいと考えているものでございます。
 それから、三つ目の男女共同参画センターの関係でございます。
 私、先ほどちょっと説明不足だったかもしれませんけれども、いわゆる配偶者暴力相談支援センターというのは、現在は県の福祉総合相談センターに1カ所ございます。そして、そこに相談員さんがおられてDV相談をやっているわけでございます。今回、男女共同参画センターをDVセンターにするというのは、今まで福祉総合相談センターでやっていたものを移すというものではなくて、さらにいろんな身近なところでそういうDV相談ができるということで、そのセンターの数をまずふやすという意味でこの男女共同参画センターもDVセンターに位置づけるというものでございます。そして、それこそ専門的なというか、経験を積んだ相談員さんも福祉総合相談センターの方におられますので、そこら辺でもうまく、警察も当然でございますけれども、連携を図りながらこういう相談に対応してまいりたいと考えているものでございます。
 それから、センター長ですけれども、それは、NPO法人の理事長の方が一応センター長という形で就任といいますか、そういう責任あるポジションにつく予定になってございます。
 それから、運営協議会という話もございました。やっぱり県民の皆さんというか、利用する方々の御意見を聞きながらこのセンターを運営していきたいと考えてございますので、名称は、男女共同参画運営協議会になるのか何かまだあれですけれども、利用者の方、それから、今までこのセンターの策定検討に携わってきた方とか、そういう関係の協議会というものをつくりまして、そしていろんな御意見を聞きながらこの男女共同参画センターというのをうまくみんなに使っていただけるような、そういうセンターにしてまいりたいと考えているものでございます。
 管理運営費は全部で2、564万2、000円でございますけれども、そのうち、人件費が1、600万円ちょっとでございます。事業費の方が900万円弱、そういう内訳になってございます。
〇斉藤信委員 まず、苦情処理の対応について、15、16、17と3年やって8件と。私、やっぱりどういう相談を受けるか、苦情処理を受けるかというのを極めて狭くしているからだと思うんです。私も1回、セクハラで相談してきた方にこの相談を受けられないかと言ったら、いや、対象にならないと。しかし、いいですか、あなた方のパンフの中で、アンケートでこうなっているんですよね。女性の人権が尊重されていないと感じることの第1位は、家庭内の夫から妻への暴力、次が職場におけるセクシャルハラスメントなんですよ。いわば、女性が一番人権侵害を感じているのは夫の暴力とセクハラですよ、職場での。こういう問題の相談を受け付けなかったら、本当に人権問題に対応できないじゃないですか。せっかく専門家の弁護士さんとか学識経験者とかお願いしているんでしょう。私、この相談機能というのは、苦情処理機能というのは、もっともっと活用されてしかるべきだと。そういう男女共同参画の推進にかかわる障害になる問題については、もっと積極的に相談に乗る、解決を図る、こういうことが必要だと思うんです。なぜかというと、例えば職場のセクハラというのは、そういう人が対応すれば、直接企業を呼んで事情を聞くことができるんですよ。すぐ法的な場というわけにいかないんです、これは。だからそういう意味では、大変こういう相談機能、苦情処理機能というのはいいものなんです。それをきちっと活用できるようにしていただきたい。これが第1点。
 第2点は、男女共同参画センターの管理運営なんですけれども、丸投げという実態が浮き彫りになりましたね。私は、本当にこれではだめだと思いますよ。やっぱり公設民営で管理運営は委託したって、責任者まで委託する必要はないでしょう。そして、その運営というのは、今、少し考えているって、今ごろ考えているようじゃだめだけれども――4月からオープンするわけだから――、きちっとした運営協議会をやっぱりやって、どういうふうに男女共同参画センターの活動をやるのかというふうにしないと、私は、一部の団体に頼んで、あとは民間任せ、ましてやDVの相談までやらせる。
 大体人件費1、600万円というのは、何人分なんですか。本当にこれは大変な専門的力量が問われる、守秘義務も問われる、場合によっては一時保護をすぐしなければならない、そういうところとの連携もしなくちゃならないという大変シビアなものなんですね。だから、私はそういう点でいけば、それなりの人を配置しないと本来は対応できない。人件費、これは何人分なのかも含めて、私はこの丸投げ的発想を見直すべきではないか。これは青少年センターもそうだし、その他の県民運動のセンターが幾つかあるけれども、丸投げ的ではなく、関係する人たち、そして、本当に県庁の所管部が責任を持てるような形でやらないと、施設は金をかけてつくった、駐車場はない、仕事はみんな丸投げ、こういう最悪のパターンになりかねないですよ。いかがですか。
〇工藤大輔委員長 質疑、答弁は簡潔明瞭にしていただき、議事進行に御協力を願います。
〇松岡青少年・男女共同参画課総括課長 まず最初に、センターの方からですが、決して丸投げではございません。これはあくまでも業務委託ということでお願いするものでございますので、きちんとその委託の内容なり、そういうものをお示しした形でお願いするということが1点と、そして、当然このセンターの運営については、県と、それから委託先との共同で目的に向かって運営していくということで御理解いただきたいと思います。
 運営協議会についても、名称はまだ決まっていないというだけであって、いずれそういう形で適切な運営をしてまいりたいというものでございます。
 それから、苦情処理制度の活用、これについては、調整委員の皆様からももっと何かやりたいという御意見もちょうだいしてございますので、そこら辺はいろいろと考えてまいりたいと考えてございます。
 男女共同参画センターの人件費、積算上は6人分ということで積算はしてございます。
〇小野寺好委員 外来種の影響と対策について伺います。
 一つは、生態系を乱すほどは広まらないだろうと思っていましたブラックバス等のリリースの状況はどうなっているか。
 あと、爬虫類とか両生類、そういった珍種ペット等意図的に持ち込んだ、その後、飽きたからといって飼育を放棄して野生化しているような、ときどきテレビなんかで話題になりますが、岩手県ではこういった状況はどうなっているか。
 2番目は、雑草の種とか昆虫、小動物、こういったものが木材、その他のものに付随して入ってきているような場合があるかどうか、お尋ねしたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 ブラックバスによる影響ということでございますけれども、これは、魚食性で大変繁殖力が強いということでございますので、アユ、ヤマメ等の稚魚への被害、あるいは御指摘ありましたとおり、生態系への影響というものが懸念されているところでございます。そのため、ブラックバス等につきましては、いわゆる特定外来生物法の指定を受けておりまして、飼養ですとか、あるいは運搬等が原則禁止されているところでございますし、また、本県の内水面漁場管理委員会では、漁業法に基づく指示によりまして、キャッチ・アンド・リリースを禁止しているところでございます。
 あと、いわゆるペットが放された場合の事例ということでございましたけれども、私どもの方ではそういったものの把握はしてございません。いずれ、何らかの理由で野外に放された場合は、やはり、例えば在来種との交雑ですとか、生息地、えさの競合といったことで、生態系にとって、それをかく乱するといいますか、大きな乱れを起こすというふうに懸念いたしております。
 それから、雑草等の種あるいは昆虫、小動物が付随してくる例があるかということでございましたけれども、これにつきましても、やはり私どものところではちょっと具体的な事例を把握してございません。
〇小野寺好委員 野鳥について伺います。
 渡り鳥などがもたらす影響はどうなっているか。特に、鳥の死骸なんかについて今注意を払っているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 もう一つですけれども、盛岡グランドホテルの下の国道4号のあたりに、毎日夕方になると異様な光景、電線が切れるんじゃないかと思うぐらい鳥が群がっていたりするんですが、これによる被害とか何か報告、もしあればお伺いしたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 渡り鳥のもたらす影響ということでございますけれども、本県には、冬鳥として、ハクチョウですとか、ガン、カモ類あるいはオオジロワシとかワシ類も来ますけれども、夏鳥ではツバメとかオオルリ、そういったものが渡ってきますが、そういった渡り鳥が生態系ですとか、あるいは生活環境、あるいは農林水産業に大きな被害をもたらしているということについては聞いておりませんが、ただ、鳥インフルエンザの関係で、やはり水鳥といいますか、渡り鳥が高病原性鳥インフルエンザウイルスを保有していて、それが鶏といったような家禽類に感染しているのではないかということが言われておりますので、これに関しまして、環境省におきましても、平成16年度に渡り鳥のウイルスの保有状況を調査しております。また、本県でも、鳥インフルエンザ対策の一環として、この1月からハクチョウなどのウイルスの保有状況を調査しております。
 これまでのところ、環境省で行った調査におきましても、また、本県で調査したハクチョウなどの10羽につきましても、調査結果は陰性でございます。
 それから、国道4号の、カラスかと思いますが、具体的な被害の状況ということではちょっと聞いておりません。申しわけございません。
〇小野寺好委員 よく報道で、公衆浴場でレジオネラ菌が検出された、こういった報道がある場合、わざと特定できないように、県北地方のとか、県南地方のある施設、こういった表現なんですけれども、こういった場合、従来の公衆浴場、いわゆる銭湯みたいなものなのか、レジャー施設的大型浴場なのか全く特定できなくて、そういったニュースがあっても、そこに行かないようにしようにもどうにもならないと。こういった場合の報道というのは無理なんでしょうかね。レジオネラ菌、子供とか高齢者、体力の弱い人だけ気をつけてちょうだいよと。成人の人は大丈夫ですからと、そういった意味なのか、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。
〇熊田環境保全課総括課長 施設が条例に基づきまして水質の自主検査を行った結果、レジオネラ菌が検出された場合は保健所に届け出があります。保健所では、その施設の指導を行いまして、再検査により菌が検出されないことが確認されるまで使用の自粛を指導しております。ですから、今お話のあったように、菌が出てからずっと営業するということはございませんで、菌が出ればそこで営業を自粛するという指導をしております。
 そういった届け出に基づきまして、県では現在、今お話がありましたとおり、区域名を県内の4区域と施設の宿泊施設と公衆浴場、その二つの区分で公表しております。このような取り扱いになっておりますのは、届け出情報が営業者の自主検査に基づくものであり、また、菌検出が直ちに健康被害に必ずしも結びつくものではないということから、県民の健康と事業者の利益を比較いたしまして、個別説明については公表しないということで現在取り扱っております。
〇工藤大輔委員長 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤大輔委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 4 時53分 散 会

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