平成18年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇38番(小原宣良君) 政和・社民クラブの小原宣良でございます。
 私は、ただいま提案されました議案第1号平成18年度岩手県一般会計予算案に対する修正案に反対し、工藤大輔予算特別委員長の報告に賛成の立場から討論を行います。
 反対する第1の理由は、平成18年度当初予算案に対する対応姿勢に不明確な点のあることです。さきの予算特別委員会の採決に当たり、議案第1号平成18年度一般会計予算案に多くの議員の反対がありました。もし仮にこの議案が否決されていたとしたなら、本会議の場ではないにしろ、県政は対外的信用、評価を含め、まれに見る混乱に陥ったでありましょう。先ほどの質疑にもありましたが、県競馬組合に対する27億円の融資に反対するのであるなら、なぜあの時点で分離した形での修正案を提出しなかったのでしょうか。もちろん議員は本会議採決前であれば議案に対して修正動議を発議できますから、この修正案の手続をどうこう言うつもりはありません。委員会においても同様のものであります。
 問題は、7、398億円余の県当初予算案総体をどう評価しての対応であったのかを問いたいのであります。確かに1兆4、000億円余の多額の県債残高を抱えるに至った本県財政運営の最高責任者たる増田知事の責任を看過するものではありません。しかしながら、今日直面している地方財政悪化の要因を一自治体の長の責任とすることもまた短絡にすぎるものであります。事実、国と地方との税財源のあり方をめぐる、いわゆる三位一体改革の現状がこのことを如実にあらわしています。こうした中にあって、県当初予算案はさまざまな制約の中での編成であったことを思えば、個別の問題はあるにしろ私はその労を多といたします。
 反対理由の第2は、予算修正案は県競馬組合への支援策である27億円の融資を認めないとしている点であります。そもそもこの27億円の融資は一昨年以来の経過を含め、昨年2月に策定した岩手県競馬組合改訂実行計画を実現するために必要な資金として県に融資を要請したことに始まるものであります。その背景には、本県の有力な地方金融機関から県競馬組合が融資を断られたという事情があったものであります。こうした状況にあって県は、平成17年度対応分として27億円の県競馬組合への貸付関連議案を昨年2月定例県議会に提案いたしました。その理由は、このままでは県競馬組合が資金ショートを起こすというものでありました。これを受けて本県議会は、真剣な議論のもとに、貴重な県民の税金等からなる一般会計からの貸し付けに同意をいたしましたが、それは、県競馬組合みずからが総力を挙げた努力によって資金ショートを回避し、改訂実行計画の確実な実施を期待したからであります。
 さて、今般の措置は、ただいま述べましたとおり、平成17年度に融資した27億円を償還原資としての平成18年度における同額の融資措置であります。いわば短期運転資金と言ってもよいでしょう。しかし、この融資案を本県議会が同意しないとすれば、県競馬組合の事業運営はたちどころに破綻することは火を見るより明らかであります。よって、この際は、県競馬組合に対する27億円の融資を認め、その上で、県競馬組合に対しては予算特別委員会の附帯意見にあるとおり、平成18年度を最後の機会と受けとめて、再建への糸口を何が何でもつかみ取るとのかたい決意を促すことではないでしょうか。
 反対する第3の理由は、県競馬組合の法的位置づけに対する認識が不十分ではないかと思われる点であります。県競馬組合は、地方自治法上の地方公共団体であります。申し上げるまでもなく、県競馬組合の運営は、まずもって地方公共団体である県競馬組合と同組合が主体的に取り組むべきものであります。もし県競馬組合に今後の展望なしとするなら、県競馬組合みずからが重大な決意と責任を持って整理・解散のスキームを示すべきものであり、決して本県議会が地方公共団体である県競馬組合に先駆けて同組合の破綻や解散を先導してはなりません。この予算修正案は、先ほどの説明で、決して廃止を求めているものでないとのことでありましたが、27億円の県からの融資をストップすることによって、事実上、県競馬組合に対して事業の停止、または廃止を通告するに等しいものであることを強く指摘したいと思います。
 以上の理由から、議案第1号に係る予算修正案に反対をいたします。議員各位には、述べましたように、本県議会の立場を御認識いただき、よくよく御考慮の上、採決に臨んでいただきますよう、お訴えを申し上げまして私の討論を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(伊藤勢至君) 次に、斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕

前へ 次へ