平成18年6月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇31番(佐々木博君) ただいまの渡辺幸貫議員の質問に関連して質問させていただきたいと思います。
 教職員給与への成果主義導入について関連質問させていただこうと思っておりましたが、ただいまの渡辺議員の質問に対する知事の答弁等を聞いておりまして、あわせて競馬問題についても若干関連質問させていただきたいというふうに思います。
 最初に、教職員給与への成果主義導入についてでありますけれども、本年の2月定例県議会において、岩手県人事委員会の平成17年10月3日付の給与改定に関する勧告及び国家公務員の給与改定等の措置を踏まえ、一般職の職員や市町村立学校職員の給与に成果主義を導入する等条例の一部改正が可決され、本年の4月1日より施行されているところであります。しかしながら、教職員組合はこの新制度の導入に反対の意向を表明し、現在、県教委と話し合いを継続している状況にあります。報道によりますと、組合は、査定は教育現場になじまず、十分な説明もないと主張しているようであります。
 そこで伺いますが、成果主義の導入が決まった後、県教委は組合にどのように説明し、協議をしてこられたのでしょうか、その経過をお示しください。また、組合の主張は、評価方法が不明確だから反対だという趣旨なのか、あるいは成果主義の導入そのものに反対という趣旨なのか、この点について教育長はどう認識されておられるのか、御所見をお伺いします。
 今度のこの条例改正による成果主義の導入は一般職の職員や教職員すべてが対象で、各任命権者に実施するかどうかを決める権限はゆだねられておりません。したがって、協議が不調のまま推移しますと、当面の問題としては、12月の勤勉手当の評価ができない。したがって、支給できなくなることが懸念されるわけでありますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いします。
 ところで、教育委員会規則に職員の勤務成績の評定に関する規則があり、教員については毎年9月1日に定期評定を実施することとされております。教員をだれがどう評価すべきか、非常に難しいという見解には確かに傾聴すべき点はありますが、この規則に定めてある定期評定をきちんとやってこなかったのではないか、あるいは勤務成績が特に良好な者を対象とすべき特別昇給を一律的に運用してきたツケが、今問われているのではないでしょうか。県教委は、今回、6月の導入を見送り、教職員組合との協議を継続する意向を表明したわけでありますが、条例、人事委員会規則が既に施行されているのに導入を見送るということは、あくまでも評価方法等の話し合いを続けるという趣旨であり、成果主義の導入を断念するという趣旨ではないと理解してよろしいか、教育長の御所見をお伺いします。
 条例で定める評価を実施しない、あるいは全員同じ評価をする。もし、そういった棚上げを行えば、これは人事委員会勧告やあるいは条例に反するだけではなく、公務員改革の否定にもつながるものであり、評価を伴わない昇給は県民の支持を得られるものではないと思います。教職員組合と早期に話し合い、実施すべきと思いますが、教育長の成果主義導入についての決意を改めてお示しいただきたい、そのように思います。
 次に、競馬組合の問題に関連して増田知事に伺いますが、先ほどもお話がありました、例えば28億3、000万を東北映像が民間金融機関から借り入れたことについての責めがあると認識しているという文書、あるいはまた、先日新たに出てきました信託の問題でありますが、例えば28億3、000万の責めがあるという認識は、私の記憶によれば3月29日に締結され、事後報告があったわけであります。こういった保証かどうかという議論がいろいろ競馬組合の議会の中でもありましたが、いずれ、28億3、000万の借り入れに責めがあるという文書に公印を押す、そういったことが事後の説明だけで果たして本当に適当なものかどうか、私は大いに疑問を持っております。
 また、あわせまして信託の問題でありますが、これも恐らく競馬組合が家賃の10%削減等、3、200万円ほど預けていた敷金の一部返還を求めた際に、テナントが出たときには解約されるとか、いろいろな条件をのまされた。これは平成16年の前期であったというふうに思います。したがいまして、本来、この信託が、東北映像が後から出て、実際そのようなことになっているわけでありますが、あの途中においても赤字補てん分を毎年の予算で措置してくれという話が、たしか信託の方から要求されていたはずでありまして、私は、この競馬の改訂実行計画を策定する際に、本当はこの信託の分も含めた改訂実行計画でなければいけないのではなかったかと。そこの部分について、それを考慮しない改訂実行計画をつくり、今までそれを実行できる、実行できると言ってきたことについては、やはり手続的な過誤があるのではないかと考えるものでありますが、いかがでしょうか。この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
〇知事(増田寛也君) まず、競馬のお尋ねの方は私の方からお答え申し上げます。これは議会の議決事項と報告事項ということなんですが、今、佐々木議員の方から、あるいは渡辺議員の方からも御指摘いただいた事項について、やはり早い段階で競馬議会の方にきちっと報告をして、いろいろまた議会の皆様方から御意見をいただいた上で必要な手続をとるということがやはり必要だったのではないかと私も思います。議会の議決事項ということになりますと、法的にいろいろこちらも確認したりしまして、競馬議会の中でいろいろ申し上げましたが、いろいろ確認をした上で組合として判断をしたものですが、いずれにしても、先般のパルソビルの信託の問題につきましても、やはり16年3月に――たしか3月だったと思いますが――そういう契約を締結しているのであれば、その前後というか、できれば前なんでしょうけれども、そういう時期に議会の方にお話をして、その後、対応を考えていくといったようなことがあれば、またこの問題についての処理の仕方、いろいろ知恵も出てきたのではないかと私も思っておりまして、そういう意味で、そのほかの二つのものもそうでございますが、やはり早目にきちっと競馬議会の方に御報告をして、そして対応策を考えていくということが必要であると私も考えております。また今後も、こうした問題は、どういう場合であっても、先ほど申し上げましたように、できるだけ早目早目に御報告するなり、議論していただくなりして、対応をやはり考えていきたいというふうに思います。
〇教育長(照井崇君) 新しい昇給制度についてのお尋ねでございますが、まず、教職員団体との交渉の経緯についてです。給与関係条例の改正後、3月末に教職員団体に対しまして、新昇給制度に基づく教職員評価を本年度から実施する旨を提示しました。そして、4月下旬には、客観性あるいは公正性、さらには透明性、公平性、こういったものを確保するために評価の着眼点というものを整理するということ、そして、複数の上司による評価とするということ、さらには被評価者へ評価結果をフィードバックすることなど、そうした教職員評価の実施に当たっての基本的な考え方を提示したところでございます。これに対しまして、教職員団体は、学校現場には評価そのものがなじまないと主張しまして、具体的な評価の内容や方法の議論には至らなかったところでございますが、その後、何度も話し合いを進めまして、5月30日に教職員団体と、今後、引き続き教職員評価の具体的な評価の内容や方法の協議に入るということで合意しまして、現在、その具体的な評価の内容や方法などを示しまして、話し合いをしているところでございます。
 次に、教職員団体の主張に対する認識ということでございますが、教職員団体は、給与関係条例が改正されたことは理解した上で、それまでは具体的な評価の内容や方法などが示されていなかったことから反対していたものと認識しております。
 次に、12月の勤勉手当の支給についてですが、勤勉手当の支給に当たりましては勤務成績の証明が必要でございますが、教育委員会といたしましては、その支給に支障が生じないように、職員団体の理解が得られるように全力で取り組んでまいります。
 次に、今後の職員団体との協議についてですが、5月30日の職員団体との交渉においては、新昇給制度の導入を見送るという趣旨ではなくて、新昇給制度の実施に伴う教職員評価について、教職員への周知等が十分でないとの声があるということから、現場への周知や関係者などの理解を得るために、評価の具体的な内容や方法について、引き続き話し合いを進めるということとしたものでございます。
 次に、決意ということでございますが、この新昇給制度の実施に伴う教職員評価につきましては、学校現場の実態に合った評価の内容や方法とする必要があると考えておりまして、今後も、市町村教育委員会を初めとして職員団体など学校現場の意見を十分お聞きしながら、さらに評価の内容や方法の必要な見直しを行いまして、できるだけ早い時期に円滑に評価を実施できるように全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〇31番(佐々木博君) ありがとうございました。
 最初に競馬の問題ですけれども、知事から、やはり事前に競馬議会で説明すべきだったという御答弁がありましたけれども、私は全くそのとおりだったというふうに思います。特にも東北映像の28億8、000万、保証かどうか、言葉にこだわることはありませんが、いずれ、法的な責任があるとはっきり書いてあるわけでありますけれども、3月29日というのは、県議会もそうでしたし、盛岡も、あるいはあのときは水沢かな、いずれ議会も競馬問題ではかなり白熱した議論が展開された後なんですね。やっぱりそういったときに、何ら後で報告事項でいいというようなことでその合意文書を交わすというのは、やはりちょっと軽率だったのではないか。あるいはまた信託も、解約しなければ特に負担は生じないんですね。あれは平成33年まででしたでしょうか、解約しなければ何ら負担は生じない。それを、恐らく資金繰りの関係だったのではないかなと私は思いますけれども、いずれ解約してしまったために7億以上の負担が生じるような、そういった判断をしてしまったわけですね。こういった問題はやはり事前に、せっかくある競馬議会でありますから、今後同じようなことがあるかどうか。ない方がいいに決まっているわけですけれども、いずれ、やはりそういったことは事前に協議していただけるように、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。
 それから教育長、確かに教員の評価というのは難しい面があるということは否定しませんけれども、しかし、教員は聖職ではありません。例えば一般職の公務員だって、これはやはり評価は非常に難しいと思うんですよ。特に仕事はチームワークでやっているわけでありますから、一人一人の評価というのは本当に難しいと思いますが、しかし、それを積み重ねていろいろなノウハウが出てきて、それで適正に評価される、やはりそういった問題だと思います。ですから、既にもう施行されているわけですから、そして、これが進まなければ勤勉手当も支給できないわけですから、できるだけ早期に話し合いをして合意に結びつけるように、今、強い決意を伺いましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
   
〇副議長(藤原泰次郎君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時49分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 高  橋  博  之 君
2  番 亀卦川  富  夫 君
3  番 五日市     王 君
4  番 小田島  峰  雄 君
5  番 三  浦  陽  子 君
6  番 中  平     均 君
7  番 ザ・グレート・サスケ 君
8  番 木戸口  英  司 君
9  番 高  橋  比奈子 君
10  番 高  橋  雪  文 君
11  番 嵯  峨  壱  朗 君
13  番 柳  村  典  秀 君
14  番 飯  澤     匡 君
15  番 関  根  敏  伸 君
16  番 野  田  武  則 君
17  番 平  野  ユキ子 君
18  番 大  宮  惇  幸 君
19  番 千  葉  康一郎 君
20  番 新居田  弘  文 君
21  番 平     澄  芳 君
22  番 工  藤  勝  子 君
23  番 平  沼     健 君
25  番 阿  部  富  雄 君
26  番 斉  藤     信 君
27  番 田  村     誠 君
28  番 工  藤  大  輔 君
29  番 川  村  農  夫 君
30  番 佐々木  順  一 君
31  番 佐々木     博 君
32  番 及  川  幸  子 君
33  番 樋  下  正  信 君
34  番 柳  村  岩  見 君
35  番 小野寺  研  一 君
37  番 伊  沢  昌  弘 君
38  番 小  原  宣  良 君
39  番 阿  部  敏  雄 君
40  番 吉  田  昭  彦 君
41  番 佐々木  一  榮 君
42  番 伊  藤  勢  至 君
43  番 渡  辺  幸  貫 君
44  番 高  橋  賢  輔 君
46  番 佐々木  大  和 君
47  番 藤  原  泰次郎 君
48  番 菊  池     勲 君
51  番 佐々木  俊  夫 君
欠席議員(4名)
36  番 小野寺     好 君
45  番 千  葉     伝 君
49  番 藤  原  良  信 君
50  番 佐  藤  正  春 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
   午後 4 時 9 分 再 開
〇副議長(藤原泰次郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。樋下正信君。
   〔33番樋下正信君登壇〕(拍手)

前へ 次へ