平成18年6月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇43番(渡辺幸貫君) 先ほどの質問について再質問いたします。
 先ほど農林水産部長は、産地づくり交付金とかいろいろ足せば大体今までと同じようなお金が出るはずだと、こうお話しになっている。それは、何キロとれたかということなんですね、例えば小麦であるとか大豆であるとか。あなたがお持ちになった数字というのは、227キロとか、そういう数字を基礎にして計算なさっているんじゃないんですか。私が見た数字はそういう数字でしたよ。ですから、統計データで実際に、では、幾らとれたかというと、平均、麦は160キロ、大豆は101キロしかとれていないんです、岩手県全体で。そして、なおかつこれが、統計はこれぐらいとれるだろうということですから、例えば現実にそれが集荷されて検査を受けるということになると、これは数字が全然違ってくるんですね。大豆なんかだったら4分の1ぐらいになってしまうんじゃないんですか。こういう現実の中で、一等、二等でしか払わないというのが今回の政策ですよ。逆に言えば、やっぱりきちんとそういう検査のところを通らない限りお金を出さないというのが今回の制度じゃないんですか。その点について改めて、私は岩手県の場合は大変心配だと。北海道のように230キロもとれればいいんですよ。残念ながら岩手県はそんなにとれていないじゃないですかということを思って岩手県の農林水産部長に私は尋ねているんですから、その心配についてお伺いしたいと思います。
 あと、競馬についてちょっとお聞きするんですが、答弁漏れかと思うのでありますが、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例第3条で、地方自治法第96条第1項第8号の規定によれば、予定価格7、000万円以上の不動産もしくは動産の買い入れもしくは売り払い、また、不動産の信託の受益権買い入れもしくは売り払いとすると条例でうたわれている中で、三連勝導入システムは、とある会社で7億8、700万円、副管理者名、新トータルシステムオッズ電送については企画総務部長名で2億1、000万円、東北映像は28億円に及ぶ金融機関からの借り入れに対し、原因、債務に関し責めがあると認識しているという文書が増田管理者名で出ています。これらのことについて、その権限についてさっきお答えがなかったと思いますので、改めて伺いたいと思います。
 もう一つ、理念に関するお話でございますが、さっき知事は、再生の理念は自助努力だと。そして、構成団体ともよく話し合いながら、県民の理解と協力の中でやるんだというのが理念だというお話をされました。私は、そうじゃないと思うんですね。競馬法23条の3にはこんなことが書いてある。競馬の収益をもって畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行うのに必要な経費の財源に充てるものとする、こういうとうとい財政競馬をやっぱりやるんだということなんだろうと思うんですね。こういうことに寄与できなくなったときには、私たちは理念的に難しいんじゃないかなと思うのが普通ではないかと思うのでありますが、この点についてまずお答えを願います。
〇知事(増田寛也君) 競馬関係についての御質問にお答え申し上げます。
 まず、発注の関係でいろいろ御指摘をいただきました。投票のコンピューターシステムの関係ですとかテレトラックの賃借関係、それからパルソビルの関係でございますが、これにつきましては、それぞれの議案についていろいろ競馬議会の中で御審議、御指摘もいただいたわけでございますが、それぞれその時点で議案として提案するだけのいわば内容を備えていない、このように組合で判断をして報告として説明をさせていただいたものでございます。
 今後とも、やはり議案とすべきものはきちんと議案として提案をして審議をしていただくということが必要でございますし、それから、説明すべき案件につきましても、これはできるだけ早い段階で説明をする。やはり時期というものが大事でありますので、できるだけ早い段階でまず最初の説明をし、その後、ある程度の内容がわかった段階でまた詳しく説明するといったような、そうしたことが必要だろうと思いますので、今後そうした時期も十分に注意をしながら議会の方に御説明をして、御理解を得ながら競馬再生を期していきたい、こういうふうに考えております。
 それから、理念についてお話がございましたが、今、経営改善の取り組みを鋭意進めているわけでございますが、やはり競馬法に基づいて事業を行っておりますので競馬法を当然踏まえなければいけないと思っていますが、今、その競馬組合の特に財政問題についていろいろ御心配をいただいているわけでございますので、その経営改善の取り組みについていいますと、その基本的な考え方は、やはり組合が最大限自助努力をすることを基本として、一方で、現在、構成団体の支援を受けているわけですが、構成団体の支援を受けながら岩手競馬の再生を目指すというのが今の経営改善の取り組みについての考え方ではないかということで申し上げたものでございます。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 品目横断的経営安定対策の関係で、単収についての御指摘がございました。私が答弁申し上げましたのは、再生産可能な所得の状況になっているかどうかということで、これを統計的に検証してみるために、それぞれの麦、大豆の生産費調査をもとに試算を行ったものでございます。ただ、議員御指摘のとおり、新たな品目横断的経営安定対策につきましては、これは、一つは単収というものが非常に重要な要素になってまいります。例えば小麦の10アール当たりの収量を見てみましても、本県、平成17年でございますが、私どもの作物統計によりますと111キロ、それから東北が152キロといったようなことで、大分東北等との格差がございます。それから大豆につきましても、同じように10アール当たりの収量で比較いたしますと、109キロと東北が148キロといったようなことで、大分大きな格差がございます。こういったようなことから私どもとしても大変な問題意識を持っておりまして、この5月でございますけれども、麦・大豆収益性向上対策チームというものを私どもとJA、こういったようなものを含めて早速組織いたしまして、具体的な収益性向上に向けた収量向上であるとか技術体系の見直しといったものに取り組んでいるところでございます。
〇43番(渡辺幸貫君) 今の答弁でちょっと違いがあったと、農林水産部長ですよ。さっきは前と同じような再生産可能だというようなお答えをなさっていて、今は再生産可能なことから逆算をして大体これぐらいでやれるんじゃないかと思っていましたということで、私の指摘に対して、ああ、そうか、やっぱり本当はとれないもんなということなんですね。だから、やっぱり現実は私は、恐らく昨年よりも半分ぐらいもらえたらいいんじゃないか。そのために4ヘクタールとか20ヘクタールを必死になって組織しているんですね。ところが、目標である金額は幾らもらえるか、全然あらわれていないのに組織づくり、組織づくりを頑張れって、言葉だけが品目横断的ということが出ていて、農家が振り回されている。その実情をやっぱり、実はこの辺なんだと思うけれども、それでも頑張ってくれとおっしゃるなら非常に誠意があるんだろうと思います。そういうことについてはぜひ配慮してもらいたい。そういう決意があるかどうかをぜひ伺っておきたい。
 順序がさっきと逆で申しわけないんですが、知事、今の答弁で、いろんな議案については、競馬組合の方は内容を備えていないから出さなかった、ちょっと説明しただけだというふうにおっしゃいました。つまり、それは議案として出さなきゃならなかったということを認めたということですか。そこを確認したいと思いますし、私たちは、まだ競馬組合も聞いていないんだけれども、聞くところによると、三連勝導入システムも新トータルオッズシステムも既に畜産近代化リース協会というところに5年リースで4月から頼んでいるんじゃないんですか。そういうふうなことをやっぱり、どんどん事柄は、さっきの柳村議員に対しても、三連勝システムに対して非常に売り上げが高くなってきたというお話もありました、37%ね。それはそのとおりだと思いますが、ただ、現実だけが進んでいって、いや、果たしてそれがどういうふうに寄与するのかなということについて私たちは議論ができないことを大変残念に思っております。その点について再確認をして、あとは佐々木博議員から教育についての質問があると思いますので、よろしくお願いいたします。
〇知事(増田寛也君) 競馬の関係についてお答え申し上げます。
 先ほど御指摘ございました三つの点、投票用のコンピューターシステム導入の内示書の件、それから東北映像との合意書、それからパルソビルの土地信託契約、いずれも議案として提案するだけの内容を備えていないということで議案を出さなかったわけですが、その判断、考え方というのはそのまま維持しておりまして、これは競馬議会の中でも問題になりましたけれども、いろいろ関係者などにも確認しつつ、議案として提案すべき内容ではない、こういうふうに判断をしたものでございます。
 説明をすべき案件として、例えば先般のパルソビル土地信託契約なども説明をさせていただいたわけでございますが、こうした案件、やはり議案とすべきは議案として提案をして審議をいただく。それから、説明すべき案件については、適時適切に時期を選んで説明をするということについて今後もきちっと組合としても対応していかなければならない、このように考えております。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 先ほど私がお答え申し上げましたのは作物統計の収量で御説明をさせていただきましたが、実はこの作物統計と、それから私が一番最初にお答え申し上げました収益性の比較を用いました統計は生産費調査でございまして、母集団が異なります。そういったようなことから非常に誤解を生じるようなことを申し上げまして大変失礼申し上げましたが、やはりこの生産費調査で見ましても、議員御指摘のとおり、単収は、全国、それから東北と比べて低い状況にはなっております。私どもとしては、先ほどもお答え申し上げましたとおり、こういった単収の向上であるとか生産技術の向上ということを非常に重要な要素ととらえておりまして、それで早速その対策チームを設置いたしまして積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

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