平成18年6月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇議員定数等調査特別委員長(高橋賢輔君) 議員定数等調査特別委員会のこれまでの調査の経過と結果につきまして御報告いたします。
 本委員会は、平成17年6月定例会において設置されて以来、21回にわたり委員会を開催し、議員の定数に関する調査、選挙区の設定に関する調査及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する調査について、調査を行ってまいりました。
 具体的には、総定数、強制合区、任意合区、飛地及び飛地類似地、一つの郡市の区域が二つの衆議院議員の選挙区にまたがることについて、選挙区ごとの定数配分及び郡市の区域についての七つの調査項目を設定し、総定数や選挙区のあり方について活発に議論を交わすとともに、県民からの意見聴取、いわゆるパブリックコメントも実施し、審議を進めてきたところであります。
 以下、調査項目ごとに申し上げますと、まず、総定数については、都道府県の議会の議員の定数は、地方自治法第90条第2項の規定により、その上限数が定められているところでありますが、審議の結果、逼迫する県財政の状況等を踏まえ、行財政改革の一環として率先して削減を行う必要があることから、これまでの51人から3人削減し、48人とすることといたしました。
 次に、飛地及び飛地類似地についてでありますが、都道府県の議会の議員の選挙区は、公職選挙法第15条第1項の規定により、郡市の区域によることとされており、また、同条第4項の規定により、1の郡の区域が他の郡市の区域により2以上の区域に分断され、または分断されてはいないが、地勢及び交通上これに類似する状況にあるときは、当該区域又はそれらの区域を合わせた区域を郡の区域とみなすことができることとされているところであります。
 この件については、後述する合区の検討に先立ち審議したものであり、また、本県においては、岩手郡内及び九戸郡内の区域が飛地に該当し、また、下閉伊郡内の区域が飛地類似地の検討対象区域に該当するわけでありますが、審議の結果、岩手郡については、雫石町と滝沢村を合わせた区域と、葛巻町と岩手町を合わせた区域を、それぞれ郡の区域とみなすことといたしました。
 また、九戸郡については、野田村の区域と野田村を除く九戸郡の区域を、それぞれ郡の区域とみなすことといたしました。
 さらに、下閉伊郡については、山田町の区域と山田町を除く下閉伊郡の区域とが飛地類似地と認められるものの、これらの区域を合わせた下閉伊郡全体の区域を1の選挙区とすることといたしました。
 なお、審議の過程においては、山田町は下閉伊郡のその他の区域とは別の区域とみなし、かつ、隣接する宮古市の区域と合わせて1の選挙区とするべきであるとの意見があったところであります。
 次に、強制合区についてでありますが、郡市の区域の人口が本県の人口を議員定数48人をもって除して得た数、すなわち、議員1人当たりの人口の半数に達しないときは、法第15条第2項の規定により、隣接する他の郡市の区域と合わせて1選挙区を設けなければならないこととされているところであります。本県においては、和賀郡、西磐井郡、東磐井郡、気仙郡及び九戸郡のうち飛地となる野田村の各区域がこれに該当するわけでありますが、審議の結果、和賀郡の区域は北上市の区域と、西磐井郡の区域及び東磐井郡の区域は一関市の区域と、気仙郡の区域は陸前高田市の区域と、九戸郡のうち野田村の区域は久慈市の区域と、それぞれ強制合区することといたしました。
 次に、任意合区についてでありますが、郡市の区域の人口が議員1人当たりの人口の半数以上であっても議員1人当たりの人口に達しないときは、法第15条第3項の規定により、隣接する他の郡市の区域と合わせて1選挙区を設けることができることとされているところであります。
 本県においては、岩手郡のうち飛地となる葛巻町と岩手町を合わせた区域、胆沢郡、上閉伊郡及び二戸郡の各区域がこれに該当するわけでありますが、審議の結果、岩手郡のうち葛巻町と岩手町を合わせた区域は、八幡平市の区域と合わせて1の選挙区とすることといたしました。
 また、胆沢郡の区域は奥州市の区域と、上閉伊郡の区域は釜石市の区域と、二戸郡の区域は二戸市の区域と、それぞれ任意合区することといたしました。
 なお、審議の過程においては、葛巻町と岩手町を合わせた区域は、八幡平市の区域と合わせて1の選挙区とせず、独立した選挙区とすべきとの意見があったところであります。
 次に、一つの郡市の区域が二つの衆議院議員の選挙区にまたがることについてでありますが、一つの郡市の区域が2以上の衆議院議員の選挙区に属する区域に分かれている場合は、法第15条第5項の規定により、当該各区域を郡市の区域とみなすことができることとされているところであります。本県においては、盛岡市玉山区、すなわち旧玉山村の区域がこれに該当するわけでありますが、審議の結果、盛岡市玉山区については、盛岡選挙区とすることといたしました。
 次に、選挙区ごとの定数配分についてでありますが、各選挙区において選挙すべき議会の議員の数は、法第15条第8項の規定により、人口に比例して条例で定めなければならない。ただし、特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができるとされているところであります。
 この件については、審議の過程で、定数は人口に比例して配分すべきであるとの意見、また、人口に比例して配分した場合、定数が削減される地域が県北・沿岸地域となることから、この地域の定数は削減せず、定数の多い選挙区から削減すべきであるとの双方の意見があり、また、県民からの意見聴取においても、同様に双方の意見が寄せられたことから慎重に審議を重ねたところでありますが、最終的には、採決により、同条同項本文の規定に基づき、原則どおり、人口に比例した配分によることとし、同条同項ただし書きの規定は適用しないことといたしました。
 また、定数が削減されることとなる県北・沿岸地域の振興については、県政の重要課題であるため、今後も県議会全体で取り組んでいくこととしたところであります。
 次に、郡市の区域についてでありますが、都道府県の議会の議員の選挙区は、先述のとおり、郡市の区域によることとされておりますが、郡の区域と広域振興圏や行政区域が一致しない地域が存在することから、そのあり方について審議したところであります。この結果、郡市の区域については、これまでどおりとすることといたしましたが、次の意見、すなわち、郡の区域と広域振興圏や行政区域が一致しない地域については、今後の市町村合併や振興局再編の推移を見守りながら、広域連携の推進及び広域振興の観点から、引き続きこれらの是正・改善策の調査・検討に努める必要がある旨の意見を付すことといたしました。
 なお、審議の過程においては、郡の区域と広域振興圏や行政区域が一致しない地域については、積極的にその是正・改善を図ることが望ましいとの意見があったところであります。
 また、これらのほか、次回、選挙区を検討するに当たっては、広域行政との関係を考慮するとともに、1人区についての基本的な考え方を整理した上で、検討を進めるべきとの意見がありました。
 調査の結果については、以上のとおりであります。
 なお、これらの調査結果に基づき、本定例会には、所要の関係条例改正案を発議しているところであります。
 終わりに、終始、精力的に御審議、御協力をいただきました各委員に対しまして、改めて感謝と敬意を表しまして、議員定数等調査特別委員会の報告といたします。(拍手)
〇議長(伊藤勢至君) お諮りいたします。
 議員の定数に関する調査、選挙区の設定に関する調査、各選挙区において選挙すべき議員の数に関する調査については、これをもって調査を終了したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、議員の定数に関する調査、選挙区の設定に関する調査、各選挙区において選挙すべき議員の数に関する調査については、これをもって調査を終了することに決定いたしました。
日程第45 発議案第1号県議会議員の定数等に関する条例の一部を改正する条例
〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第45、発議案第1号県議会議員の定数等に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。高橋賢輔君。
   〔44番高橋賢輔君登壇〕

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