平成18年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成18年10月23日(月)
   
1 開会 午前10時5分
1 出席委員 別紙出席簿のとおり
1 事務局職員
  議事課長    切  金     精
  議事課長補佐   千  田  利  之
  主任主査    保  原  良  和
  主査    小  船     進
  主査    石木田   浩  美
  主査    佐々木   ユ  カ
  主査    菊  池  芳  彦
  主査    渡  辺  謙  一
1 説明員
  農林水産部長   高前田   寿  幸
  理      事 今  泉  敏  朗
  農林水産企画室長 東大野   潤  一
  農政担当技監   齋  藤     恭
  林務担当技監   千  田  壽  光
  農林水産企画室
  特命参事     沢  田     修
  農林水産企画室
  企画担当課長   杉  原  永  康
  農林水産企画室
  管理担当課長   小  原  敏  文
  団体指導課
  総括課長     松  岡     博
  指導検査担当課長 平  澤  政  敏
  流通課総括課長  佐々木   和  延
  農業振興課
  総括課長    及  川  傳  弘
  担い手対策
  担当課長    平  賀  勇  志
  農業普及技術課
  総括課長    宮  下  慶一郎
  農村計画課
  総括課長    佐々木   雄  康
  農村建設課
  総括課長    須  藤  勝  夫
  農産園芸課
  総括課長    小  原  利  勝
  水田農業担当課長 山  田     亙
  畜産課総括課長  樋  澤  正  志
  振興・衛生
  担当課長    三  浦  牧  夫
  林業振興課
  総括課長    西  村  和  明
  森林整備課
  総括課長    及  川     修
  整備担当課長   石  川  敏  彦
  森林保全課
  総括課長    藤  原     繁
  森林保全課
  特命参事    藤  沼  豊  頼
  水産振興課
  総括課長    大  森  正  明
  漁業調整担当課長 渡  部  茂  雄
  漁港漁村課
  総括課長    佐々木      敦
  出納長    上  村  俊  一
  副出納長兼
  出納局長    平  澤  石  郎
  出納課総括課長  渡  邉  和  男
  監査委員    菊  池  武  利
  監査委員    谷  地  信  子
  監査委員事務局長 高  橋  公  輝
  総務課長    大  森  勝  雄
  監査課長    門  口  正  雄
  参事兼予算調製課
  総括課長    菅  野  洋  樹
   
〇吉田昭彦委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成17年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成17年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、農林水産部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、委員各位御承知のとおり、本日の農林水産部の審査につきましては、議会運営委員会の決定に基づき、第1部、第2部に分けて審査することとし、第1部では農業関係分野について、第2部では林業関係分野及び水産業関係分野について、審査することになっております。
 また、執行部の出席者については、部長、農林水産企画室長、企画室、団体指導課及び流通課には第1部、第2部ともに出席を求め、このほか、第1部については、理事、農政担当技監及び農業振興課、農業普及技術課、農村計画課、農村建設課、農産園芸課、畜産課の出席を、第2部については、林務担当技監及び林業振興課、森林整備課、森林保全課、水産振興課、漁港漁村課の出席を求めておりますので、御了承願います。
 最初に、農林水産部長に農林水産部関係の説明を求めます。
〇高前田農林水産部長 農林水産部関係の平成17年度の決算について御説明申し上げます前に、農林水産部所管の事務事業に係る総括的な成果及び評価と、これを踏まえた次年度以降の取り組み方針について御説明申し上げます。
 農林水産部では、豊かな環境と調和した農林水産業の振興を基本に掲げて各種施策に取り組んできたところでございますが、岩手県総合計画の分野ごとに申し上げますと、まず、安全で健康な国民の食生活を支える農業の分野につきましては、農業の総合生産力を向上させるための米、野菜等の生産条件の整備や、環境に配慮し、消費者の信頼にこたえる生産活動の普及等に取り組んだところでございます。
 この結果、特別栽培米の生産や野菜の契約取引の拡大、エコファーマーの増加等が図られたものの、農業産出額の落ち込みにより、国内産出額に占める本県シェアが低下しており、生産性の向上や規模拡大を図ることが課題となっております。
 このため、今後は、意欲と能力のある担い手の確保・育成とあわせて、単収向上や低コスト化による収益性の向上、園芸・畜産の産地づくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、森林の持つ公益的機能と調和した林業の振興の分野につきましては、林産物の安定供給を図るための森林の整備や林産物の加工・流通体制の整備等に取り組んだところでございますが、木材高次加工工場への県産材の安定供給が促進され、製材品等の生産量に占める県産材の割合が向上したものの、森林の整備については、間伐がおくれており、健全な森林の育成が課題となっております。
 このため、今後は、間伐材の安定供給も含めた利用間伐を促進してまいりたいと考えております。
 次に、新鮮で安全な水産物を供給する水産業の振興の分野につきましては、つくり育てる漁業の確立に向けた種苗生産体制の整備や水産物の加工・流通体制の整備等に取り組んだところでございますが、漁業総生産額に占めるつくり育てる漁業の生産額の割合が他の地域に比べ高くなっているものの、生産量自体が減少しており、養殖漁場における生産性の向上等が課題となっております。
 このため、今後は、意欲と能力のある担い手への漁場集積や機械化・省力化等による漁場の生産性の回復、放流事業の回収率向上に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、生産と地域を支える担い手の育成・確保の分野につきましては、まず、農業の担い手の育成に向けて、集落水田農業ビジョンの策定支援等に取り組んでまいりましたところでございますが、特定農業法人など、集落型の法人や認定農業者は増加したものの、担い手の規模拡大が進んでいないことが課題となっております。
 このため、農地利用集積等の合意形成を進めるとともに、個別経営体の認定農業者への誘導や集落営農組織の育成を推進してまいりたいと考えております。
 また、林業の担い手の育成につきましては、雇用環境の改善や林業機械研修等に取り組んだところでございますが、技術力が高く地域林業の中核的な担い手となる林業作業士の育成は進んだものの、小規模の所有者が多いことなど、施業の共同化が進んでいないため、森林施業の集約が課題となっております。
 このため、今後は、地域の森林経営を担う経営体を育成する取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 また、水産業の担い手の育成につきましては、漁業担い手育成ビジョンを策定するとともに、青年漁業者の育成等に取り組んでまいりましたところでございますが、漁業技術や経営にすぐれた漁業者の育成は進んだものの、生産者の高齢化や価格の低迷等により漁業生産額が減少しており、沿岸漁家1経営体当たりの生産額の向上を図ることが課題となっております。
 このため、今後は、漁場の集積などにより生産規模をさらに拡大する取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、自然環境と調和した産業基盤の整備の分野につきましては、農林漁業の生産性と安全性の向上を図るため、ほ場の整備、林道の整備、漁港の整備等に取り組んだところでございますが、生産基盤の整備が進み生産性等の向上に寄与したものの、厳しい財政状況のもとで、引き続き公共事業予算の削減に対応することが求められておりますことから、今後は、老朽化が進む農業水利施設の適切な維持更新、効率的な森林整備が期待できる林道の整備、安全で安心な水産物を供給するための拠点漁港の整備など、緊急度、重要度の高い事業を重点的に推進してまいりたいと考えております。
 最後に、技術の開発・普及とマーケティングの展開の分野につきましては、農業研究センターなど各研究機関において、新技術・新品種の開発を進めるとともに、多様な販売戦略を展開したところでございますが、新技術等の開発件数が着実に増加するとともに、量販店等と生産者とのマッチングなどにより販路が拡大したものの、重点分野の研究開発や生産者と食産業との一層の連携が課題となっております。
 このため、今後は、担い手の支援など重点課題の解決につながる研究開発と現場への普及や、生産者と食産業との連携強化を図る取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、農林水産部関係の平成17年度の決算について御説明申し上げます。
 平成17年度歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。
 まず、一般会計についてでありますが、農林水産部関係、6款農林水産業費及び16ページの11款災害復旧費のうち、1項農林水産施設災害復旧費及び12款公債費の一部であります。
 14ページをお開き願います。予算の現額は、農林水産業費897億172万円余、うち県土整備部の所管分を除いた767億5、112万円、農林水産施設災害復旧費6億5、825万円余、うち県土整備部の所管分を除いた5億3、989万円余、及び公債費のうち34億5、447万円余、合わせて807億4、549万円余であります。これに対する決算額は、農林水産業費728億9、380万円余、農林水産施設災害復旧費5億3、972万円余、及び公債費のうち34億5、447万円余、合わせて768億8、800万円余となり、前年度に比較して31億4、936万円余、率にして3.9%の減となっております。また、執行率は95.2%であります。
 なお、一般会計の翌年度への繰り越しは32事業で37億1、197万円余となっており、前年度に比べて4億1、802万円余、12.7%の増となっております。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成17年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に簡潔に御説明させていただきますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の244ページをお開き願います。6款農林水産業費、1項農業費であります。農業総務費は、農政関係職員の人件費などの管理運営に要した経費や国土調査に要した経費等であります。農業金融対策費は、農業近代化資金等の貸し付けを行う農協などの融資機関に対し利子補給等を行ったものであります。
 次に、246ページをお開き願います。農業構造改善対策費の主なものでありますが、備考欄の経営構造対策事業費と備考欄下段の強い農業づくり交付金は、地域の実情に即した経営体の育成を図るため、生産・流通・加工施設等農業近代化施設の整備に対し、補助等をしたものでございます。農業改良普及費の主なものでございますが、249ページをお開き願います。新規就農総合対策事業費は、次代の本県農業を担う意欲と能力のある新規就農者の育成確保のため、就農相談の活動や技術研修等に要した経費であります。また、農業やってみようプログラム支援事業費は、ジョブカフェいわてと連携した就農情報の提供や就農前の実践研修制度の整備、農業者等地域人材による支援組織の立ち上げ等に要した経費でございます。農業振興費の主なものでございますが、備考欄、下から四つ目でございます、いわて農林水産ブランド輸出促進事業費は、経済成長の著しい中国・台湾等への県産農林水産物の輸出を促進するため、食品フェアの開催やバイヤーの招聘、輸出セミナーの開催等、販路開拓に要した経費でございます。また、251ページに参りまして、備考欄、上から四つ目でございます中山間地域等直接支払事業費は、中山間地域等における耕作放棄地の発生防止や国土の保全、水源の涵養等の多面的機能を確保するための担い手育成や自律的かつ継続的な農業生産活動等の体制づくりの促進を図るため、平地地域との農業生産条件等の格差の範囲で直接支払交付金を交付したものでございます。備考欄、下から二つ目、元気な地域づくり交付金は、農山漁村の振興、安定した就業機会の確保や所得向上を図るため、生活環境の整備や地域産業の振興のための整備等に対して交付金を交付したものなどでございます。次に、農作物対策費の主なものでございますが、備考欄、下から二つ目、トレーサビリティシステム導入対策事業費は、安全・安心なフードシステムを構築するため、県産農林水産物のトレーサビリティーシステムの導入支援等に要した経費でございます。
 次に、252ページをお開き願います。畑作振興費の主なものでございますが、備考欄、下から四つ目、いわて純情野菜契約ブランド産地育成事業費は、実需ニーズに対応した技術の確立や野菜契約取引のモデル産地育成のため、技術の実証や生産者の意識啓発等に要した経費でございます。強い農業づくり交付金は、本県野菜産地の国際競争力を強化するため、野菜生産の省力化・低コスト化等を図る共同利用機械や施設の整備等に対して交付金を交付したものでございます。次に、北上奥羽山系開発費は、北上奥羽山系地域で実施した広域農業開発事業における地元負担金の償還等に要した経費でございます。254ページをお開き願います。植物防疫費は、病害虫の防除指導のほか、農産物生産者及び農薬販売者に対する農薬の適正使用、販売の取り締まりに要した経費でございます。農業協同組合指導費は、農業協同組合等の指導監督に要した経費でございます。次に、農業共済団体指導費は、農業共済組合の運営費等に対して補助したものでございます。256ページをお開き願います。農業研究センター費は、同センターの管理運営及び試験研究に要した経費であります。農業大学校費は、同校の管理運営に要した経費でございます。258ページをお開き願います。蚕業費は、養蚕農家の経営安定等のため、養蚕団体を中心とした高度な飼育技術の普及指導等に要した経費でございます。
 次に、2項畜産業費でございます。畜産総務費は、畜産関係職員の人件費及び岩手県競馬組合に対する運営資金の貸し付け等でございます。畜産振興費の主なものでございますが、261ページに参りまして、備考欄中段のバイオマス利活用フロンティア整備事業費、バイオマス利活用エネルギー産業創出モデル支援事業費補助及び備考欄最下段のバイオマスの環づくり交付金は、家畜排せつ物の有効活用を促進するため、畜産バイオマスのエネルギー利用等の施設の整備に対し補助したものでございます。次に、草地対策費の主なものでございますが、備考欄、上から三つ目、県営畜産経営環境整備事業費は、総合的な畜産経営の環境整備を図るため、畜産の生産基盤及び家畜排せつ物処理施設の整備等に要した経費でございます。262ページをお開き願います。家畜保健衛生費の主なものでございますが、備考欄、下から二つ目の家畜伝染病予防費は、高病原性鳥インフルエンザに対する危機管理対策として、発生予防に関する啓発指導及び初動防疫資材の整備等に要した経費でございます。農業研究センター費は、畜産研究所の管理運営及び試験研究等に要した経費でございます。
 264ページをお開き願います。3項農地費であります。農地総務費は、農地関係職員の人件費等であります。次に、土地改良費のうち、農林水産部で計上いたしておりますのは、農地等の区画形質の改善、用排水路等の整備など、農村の生産基盤や生活環境の総合的な整備等に要した経費であります。次に、268ページをお開き願います。農地防災事業費のうち、農林水産部で計上しておりますのは、農地・農業用施設の洪水被害等を防止するための防災ダムやため池等の整備及び老朽化した水利施設の整備等に要した経費であります。270ページをお開き願います。開墾建設事業費は、農業経営の安定と総合的な振興を図るため、農地や用排水施設等の整備等に要した経費であります。農地調整費の主なものでございますが、農地保有合理化促進費は、農業経営の規模拡大、農地の集団化等を促進するため、岩手県農業公社が行う農用地等の売買、賃貸借等の業務に要した経費に対し補助したものでございます。
 次に、4項林業費であります。272ページをお開き願います。林業総務費は、林政関係職員の人件費、いわて森のトレー事案に係る訴訟関係費用や県有林事業特別会計への繰出金等であります。次に、林業構造改善対策費は、林業構造改善対策事業関係職員の人件費や林業構造改善対策事業で施設を導入した事業体への経営指導等に対する補助等であります。次に、林業振興指導費の主なものでございますが、275ページに参りまして、備考欄中段の岩手木炭産業再構築事業費は、日本一の生産量を誇る木炭産業を次世代に引き継ぐため、料理店等のニーズや岩手木炭の強み等を把握・分析し、販路拡大や講習会等の開催による生産者の技術向上、また、意欲ある担い手の育成等に要した経費でございます。備考欄、下から四つ目、資源循環利用間伐事業費補助は、国庫補助事業の対象とならない高齢級の森林における森林資源の循環利用や流通促進を図るため、間伐の実施等に要する経費に対し補助したものでございます。276ページをお開き願います。森林病害虫等防除費は、松くい虫などの森林病害虫の防除と被害拡大の防止のほか、五葉山周辺のシカ被害の防止に要した経費並びに重要松林の確実な保全を図るため、樹幹注入による予防措置や生立木除去による樹種転換等に対して交付金を交付したものでございます。造林費は、次の279ページ備考欄記載の事業でございますが、これは、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の充実を図るため、森林の育成管理や広葉樹林の整備に対し補助等を行ったものでございます。林道費のうち、農林水産部の主なものでございますが、木材生産団地路網整備事業費は、県産材の安定的・計画的な生産供給体制を確立するため、木材生産団地において、基幹作業道の開設、林内路網整備の促進に要した経費でございます。280ページをお開き願います。治山費でございますが、山地災害を未然に防止し県土の保全を図るため、治山事業137カ所、地すべり防止事業3カ所の実施等に要した経費でございます。林業技術センター費は、同センターの管理運営及び試験研究などに要した経費でございます。
 282ページをお開き願います。5項水産業費でございます。水産業総務費は、水産関係職員の人件費や水産科学館の管理運営等に要した経費等でございます。284ページをお開き願います。漁業構造改善対策費は、効率的かつ安定的な漁業経営体を育成し、水産物の安定的な供給を図るため、養殖施設や作業保管施設等の整備に対し助成または強い水産業づくり交付金により交付したものでございます。水産業振興費の主なものでございますが、備考欄、下から四つ目、いわてブランド水産加工品創造事業費は、水産物の高付加価値化を図るため、加工関連設備の省力化・合理化や低利用・未利用水産資源の有効活用に向けた技術開発や水産加工業者への資金貸し付けに要した経費であります。次に、287ページに参りまして、備考欄中段のいわて養殖漁業ステップアップ事業費は、本県養殖業が国際競争、国内産地間競争に勝ち抜くための養殖漁業の構造改革の推進のため、養殖規模拡大、新魚種養殖、養殖水産物ブランド化等の事業に要した経費であります。備考欄最下段の強い水産業づくり交付金は、大型クラゲによる漁業被害の軽減を図るため、定置網漁業における改良漁具の導入等に対して交付金を交付したものであります。次に、水産業協同組合指導費の主なものでございますが、備考欄、下から二つ目、漁業協同組合組織緊急再編対策事業費は、漁業協同組合の合併協議の推進や役職員の資質向上を図るとともに、合併した認定漁業協同組合の事務の効率化のため、電子機器の導入等による財務内容の改善に取り組む組合に対し補助したものでございます。288ページをお開き願います。漁業調整委員会費と漁業調整費は、海区漁業調整委員会等の開催及び漁業調整などに要した経費であります。次に、漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営や漁業取締船の運航などに要した経費であります。290ページをお開き願います。水産技術センター費と内水面水産技術センター費は、両センターの管理運営及び試験研究に要した経費であります。292ページをお開き願います。漁港管理費は、県管理漁港施設の維持管理等に要した経費であります。次に、漁港漁場整備費のうち、農林水産部で計上いたしておりますのは、水産業の振興のため、漁港・漁場・漁村の総合的な整備や水産基盤施設の整備等に要した経費であります。
 大きく飛びまして、370ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費であります。1目農地及び農業用施設災害復旧費及び5目漁港災害復旧費は、過年災害と現年災害の災害復旧事業に要した経費であります。
 次に、374ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金、特定資金公共投資事業債償還元金のうち、34億5、447万円余が農林水産部関係のものでございます。これは、公共事業等の財源として、平成14年度に借り入れた特定資金公共投資事業債、いわゆるNTT債について、国庫補助金を受けて繰り上げ償還したものでございます。
 以上、一般会計の決算について申し上げました。
 次に、特別会計の決算について御説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の平成17年度歳入歳出決算書にお戻りいただきます。
 32ページをお開き願います。農業改良資金特別会計についてでありますが、予算現額は6億136万円余でありますが、これに対する決算額についてでありますが、収入済額は6億2、550万円余で、貸付金に係る償還金がその主なものでございます。次に、支出済額は3億3、472万円余で、その主なものでありますが、新たな農畜産物の生産や加工を開始し、または新技術の導入等にチャレンジする農業者に対し、無利子資金を貸し付けたものであります。
 次に、34ページをお開き願います。県有林事業特別会計についてでございますが、予算現額は29億4、057万円余でありますが、これに対する決算額についてでありますが、収入済額は29億5、984万円余で、一般会計及び県有林造成基金からの繰入金、立木処分に係る売り払い収入等であります。次に、支出済額は29億1、828万円余で、県行造林造成事業等に係る除伐や間伐等に要した経費であります。
 次に、36ページに参りまして、林業改善資金特別会計についてであります。予算現額は18億5、115万円余であります。これに対する決算額についてでありますが、収入済額は18億5、482万円余で、貸付金に係る償還金や繰越金等であります。次に、支出済額は12億7、812万円余で、林業経営の改善を図るため、林業従事者等に対し林業・木材産業改善資金等を貸し付けたもの、及び森林組合等に対し低利の運転資金を融通するため、その原資を金融機関に対し預託したものであります。
 次に、38ページをお開き願います。沿岸漁業改善資金特別会計についてでありますが、予算現額は9億3、568万円であります。これに対する決算額についてでありますが、収入済額は9億4、091万円余で、貸付金に係る償還金や繰越金等であります。次に、支出済額は1億370万円余で、沿岸漁業の経営改善を図るため、漁業従事者等に対し経営改善資金等を無利子で貸し付けたものであります。
 以上で農林水産部所管に係る平成17年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明のうち、第1部農業関係について質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 岩手競馬について1点質問いたします。
 まず、累積赤字、平成17年度末で137億円、盛岡競馬場の整備等のための長期借入金ですが、それも153億円、これを足すと合計290億円の返済と年間6億円ということで支払い利息の部分も計上されております。大変な状況下の中で、これを廃止した場合に、債務や廃止に伴う費用は現段階で試算372億円という驚くべき数字で、存続か廃止かというところで大変な決断を迫られている現況です。構成団体の負担が大きいことはわかりますけれども。
 そこでお伺いいたしますが、平成17年度、岩手競馬施設に関する管理費の内訳についてお尋ねしたいと思います。
 盛岡と水沢競馬場の人件費と従事員の数のそれぞれをお示しください。そしてまた、水沢から盛岡間までの馬の輸送というのは、一体どのくらい年間でかかっていたのか。
 それから、オーロパークの競馬場に行ってみて驚きました。大変庭園が立派でございます。そして芝管理、すごくかかっているんだろうなと思っております。大分経費は削減はされて、いろいろ管理なさっていることは聞いておりますが、一体この盛岡競馬場に対しての芝管理費というのはどのくらいかかっているのか。庭の手入れも含めてお知らせください。
 それから、水沢と盛岡のトラックへの砂の搬入、これは、お聞きしますと、前に搬入を結構していたようですが、経費削減で随分砂の搬入も減ったということを聞いております。そのために、馬のけがが大変多くなったという事実も挙げられているようですが、いかがでしょうか。まず、この1点をお聞きいたします。
〇沢田農林水産企画室特命参事 岩手競馬施設、盛岡競馬場及び水沢競馬場の管理費の内訳でございますが、平成17年度決算によりますと、人件費でございますが、オーロパークは2億8、200万円、水沢競馬場が2億8、100万円、そのうち従事員でございますが、合計で従事員は412人となっております。そして、賃金の内訳でございますが、従事員賃金は、盛岡競馬場が2億1、000万円、水沢競馬場が2億2、800万円。競争馬の輸送費でございますが、盛岡競馬場が8、500万円、水沢競馬場が5、800万円。芝走路管理費でございますが、これは盛岡競馬場のみでございますが、6、800万円。敷砂の費用につきましては、オーロパークが2、100万円、水沢競馬場が1、700万円でございます。
 これらの合計につきまして、盛岡競馬場が4億5、600万円、水沢競馬場が3億5、600万円となるものでございます。
〇及川幸子委員 いろいろ人員の縮減等で改善を図ったということは資料を見てわかりましたけれども、大変に、芝の管理とかが6、800万円、これも当時は1億円近くかかっていると伺っておりました。輸送も、馬を輸送するための経費が8、500万円と5、800万円で、結構な金額で運ばれているわけです。いろいろな経費削減の中で、見直すところはやっぱりもっともっと見直していかなければならないというところで、私は、この2場体制のあり方というものを大変疑問に思うところから、次の質問をいたします。
 水沢と盛岡の開催した日数はいかがだったでしょうか。と申し上げますのは、平成17年度、水沢の売上高が93億2、300万円、盛岡が90億100万円ということで、盛岡の方が伸びておりません。盛岡が大変グレードレースが多かったのですが、なぜこのように盛岡の売り上げが伸びなかったのでしょうか。開催日数は盛岡が実際多かったようですが、どうだったのでしょうか。開催日数も含めてお示しください。
〇今泉理事 盛岡競馬場の売り上げについての御質問でございますけれども、平成17年度の盛岡競馬につきましては、16年度に比較いたしまして9開催54日間と3日間減少してございます。平成16年度が10開催で57日間の開催を、17年度は9開催54日間と3日間減少してございます。やはり、売り上げというのは開催日数と非常に密接な関連がございますので、このことが、その減少した要因ではないかと考えてございます。
〇及川幸子委員 済みません、水沢の競馬の開催というのは何日間だったんですか。
〇今泉理事 失礼いたしました。
 平成17年度につきましては、逆に12開催を14開催、それから、66日間の開催を79日間と13日間増加してございます。
〇及川幸子委員 水沢の方が開催日数が多かったのも売り上げの多かった理由になるとは思いますが、私は前から何度も申し上げておりますが、本当に盛岡のオーロパークはアクセスが大変悪いということは、臨時会でも私は知事に指摘しておりました。帰りの道の混雑ということで、大変競馬ファンも行きたくなくなるような状況は常に言われております。そういうところで、やっぱり私は、この水沢と盛岡の競馬の開催の売り上げにこれからもずっとずっと響くのではないかと思うのですが、このアクセスについてはどうでしょうか。
〇今泉理事 確かにアクセスにつきましては、委員御指摘のように、さまざまな御意見が我々のところにも寄せられているところでございます。したがいまして、私ども、いわゆるシャトルバス、無料でバスを運行しております。これによって、幾らかでもそういったアクセスの不便さというものを解消してまいりたいと考えておりますが、今後さらに、もう少しきめの細かいシャトルバスの運行ができないか、ただいま無料でやっているわけでございますけれども、これはやっぱり幾ばくか御負担いただくというような形で、さらに利便性を高めていく、そういった取り組みも必要ではないだろうかと考えておるところでございます。
〇及川幸子委員 競馬ファンに対しての利便性を持ったそういう交通アクセスの難所を解消するための施策はこれからとられるということですが、3点目は、2場から1場にした場合の水沢を残した場合のいろいろな問題点が示されておりましたが、厩舎を直さなければならないとか、厩舎を増設するのに大変お金がかかるということでありますが、先ほど来お伺いした結果、結構、盛岡競馬場に対しての経費がかかっておりますが、その分と関係して、この厩舎を増設、そして新設するのと、盛岡をなくした場合の経費と比べた場合いかがなんでしょうか。一体何が問題になっているのでしょうか、お伺いいたします。
〇今泉理事 今回の新計画の策定に当たりましても、競馬場の体制についてはさまざま検討したところでございます。結果、やはり現在のレース開催日数というものを維持するということを前提にいたしますと、どうしても、委員ただいま御指摘のありましたように、どちらかに寄せた場合に、馬房の新設なり、そういった新たな設備投資が必要になるということでございまして、そういったことを考えますと、やはり2場体制の中で競馬組合の経営の安定化を図ることが重要ではないだろうかと考えているところでございます。
 その中で競馬組合の経営の安定化が図られれば、次のステップとして、どういう体制で事業を行うのかというのは、また次の問題として出てくるのではないだろうかとは考えてございます。
〇及川幸子委員 平成17年度の損益状況を踏まえて、今後への取り組み状況をお示しいただきたいのですが、先日の新聞に、雇用2、500人という部分で、これが大変大げさに言った数字ではないかと県議会から指摘されたという声がありまして、私もこの岩手競馬関係者数の中身を見せていただきましたが、この2、500人という数字には、直接生活に影響がないはずの、と括弧書きで載っているんですが、私は、臨時の方々も、パートで働いている窓口の女性の方々とか、食堂関係者の方々とか、そういう方々が直接生活に影響しないはずはないんですね。一番生活に影響して、それでもなおかつ、だんなさんの給料を手助けするために、家計を手助けするために、そうやってパートの職業として競馬場に長年勤めている多くの方々もいらっしゃるのですから、私は、実際の数字というのが534人などというのはちょっと疑問に思うのですが、いかがでしょうか。関係者というのは、2、500人と載せたほかにも随分いるはずです。そして、物を卸している方々だって生活に密着しているはずですが、どうしてこのような格好で載ったのでしょうか。その辺のところをお聞きします。
〇今泉理事 私ども、2、500人というのは、確かに馬主の方々も入っているわけでございますけれども、ただ、雇用の観点から言えば、馬主さんも一つの事業主であろうと考えてございます。そこから出る預託料で、調教師の方々が活動を行い、さらにその調教師を補助するために厩務員、さらには馬を走らせるために騎手がいるということでございます。そういった方々が一方でいるわけでございます。
 さらに、私どもはやはり大きなサービス産業でございまして、来られた方々に対してサービスを提供するということ、投票券を発売することもその中でございますけれども、そういったことにかかわる方々もございます。
 確かに、私どもも、これまでの経営改革の中で、正規の職員というものを極力減らし、言ってみれば非正規というんですか、そういった方々のウエートを高めてきたということは事実でございますけれども、この方々も、やはり私どものところで生計を立てているということはこれまた事実でございまして、私どもは、2、500人というものが、私どもが仮に競馬を廃止すれば直接影響をこうむる部分、さらには、その周辺に間接的に影響をこうむる方々というものもおるのではないだろうかと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 そうお考えならいいのですが、こういうマスコミの報道というのは、県民に大変不信感を与えます。たった534人だけのために県費を投入するのはいかがなものかと大変な指摘があるわけですが、そういう事実のところをはっきり挙げないと今後だめだと思っております。
 いずれ、この2、500人という人数もですが、この芝管理の額も示されました、6、800万円。やはり競馬開催日以外のときに、競馬組合に従事している方々というのは、手があく方もいらっしゃると思います。民間では、朝、出社して、空き時間で草取りとか庭の掃除を従業員とか社員の方がしています。ある会社では、社長さんがやっているんですよ。大体、競馬組合では、皆さんのそういうお考えが、必死になっているそういうせっぱ詰まった気持ちがそれぞれあるのか、私は最後にお聞きしたいと思います。
〇今泉理事 芝の管理につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、年々下げてきてございますし、今後におきましては、我々で直営で行える分は直営で行うということで、今そういう見直しを進めているところでございます。
 さらに、オーロパークの庭園の植栽管理費につきましては、これもやはり年々大変額を下げてきておりまして、ある意味、手が届かないというようなところも出てきております。ただ、これにつきましては、これもやはり私どもの従事員を、手があいているときには、できるだけそういった植栽管理用に回すというような取り組みもやってございますし、さらには、最近でございますけれども、私どもの周辺にありますいきいき牧場というところと一緒にやりながら庭園の管理というものをやっていけないかというような大変ありがたい御相談を受けまして、先般、私どもの職員も出て庭園の管理を行ったということでございます。
 今後、こういった取り組みも含めながら、私どもでできるところは、なるたけ私どもでやっていく、そういった体制で臨んでまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 まず、今後さまざまな問題点を改善いたしまして、私は、地元水沢として競馬の存続を必死に望むものです。どうぞ関係者の方々の意見を踏まえて、血のにじむような改善計画を立てていただきたいと思います。
〇工藤勝子委員 3点についてお尋ねしたいと思っております。
 まず1点目は、ほ場整備事業、それから経営体育成基盤整備事業についてお尋ねいたします。
 平成19年度、来年度から、品目横断的経営安定対策事業ということで、担い手に絞ったこういう対策が始まるわけですけれども、現在におけるほ場整備事業等における全体的な進捗率についてお伺いいたします。
 それから、この事業も公共事業なわけですけれども、公共事業が年々減少する中で、それを農林水産部としてどうとらえているのかということをお聞きいたします。
 それから、いろいろ今、ほ場整備事業なり、経営体育成基盤整備事業を行っているところの現場の声として、早くこの事業をとにかく進めてほしいということです。そして、遠野においても、例えば上宮守上流地域のこのすばらしい日本的な地域もありますし、綾織で天皇杯をいただいた地域もありまして、この地域はすべて、こういうほ場整備事業から、それぞれの集落ビジョンなりを立てて、すばらしい経営が成り立っているわけであります。そういうところを見ていると、我が地域もいち早くこういう整備事業を進めて、そして、そういうことを地域ぐるみで、例えば町ぐるみでやりたいという希望がたくさん出ておりますので、そういうものと絡めて、今後の担い手対策等を含めて、結びつくと考えていらっしゃるかというようなことの認識も含めてお伺いしたいと思います。
〇須藤農村建設課総括課長 まず最初に、ほ場整備の進捗状況についてでありますが、平成17年度末における県全体の整備率は60.7%となっております。これは、新岩手農業農村整備計画におきましては、平成22年度までの水田の目標整備率を70%と設定しておりますけれども、近年予算が減少してきている影響などによりまして、計画を下回っている状況にございます。
 次に、公共事業予算の減少についてでございます。
 厳しい財政状況のもとで、公共事業予算の縮減に伴う整備量の減少は避けられない状況であると認識しております。農業基盤整備予算全体が減少する中にありましても、ほ場整備は重点事業と位置づけておりまして、予算の重点配分を行いますとともに、工事コストの縮減を図りながら、ほ場整備については、一定の整備量を確保してきているところでございます。
 今後も、限られた予算ではありますが、これを有効に活用いたしまして、重点化、効率化を図りながら、事業効果の早期発現に努めていきたいと考えております。
 次に、事業推進と担い手育成の関係についてであります。
 ほ場整備事業は、営農の効率化、あるいは担い手の育成を図る上で重要な施策であると認識しております。これまでも、委員お話にあったとおり、宮守川上流の生産組合でありますとか、奥州市江刺区の原体ファームなど、ほ場整備を契機に、県内各地で多くの担い手農家、集落型経営体が育成されてきております。
 今後も、こういった担い手、経営体を育成いたしまして、新たな経営安定対策に対応するためにも必要でございますので、重点的にほ場整備を推進していく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 今後、やはりこういう平場でほ場整備事業等が行われていくところと、それから、全然日の目を見ない中山間地、まさに段々畑みたいな、どんどん耕作放棄地がふえていくようなところと分かれてくるだろうと思っています。そういうところでも、農業として生きていく人たちもたくさんいらっしゃるわけですね。そういうところの人たちに、今後、県として、国の事業にも乗れない、また県からもなかなかそういう事業が入っていけない、だけれども、そこで実際に米をつくり、野菜をつくり、いろいろな形で生きている人たちが、県内にいっぱいいらっしゃるわけです。そういう人たちに対しての今後の、例えば、どういう形で、もう少し中山間地まで整備を続けていこうとしているのか、もう平成22年度あたりの70%をめどにして、県としてはこういう事業から手を引こうとしているのか、その見通しについて、少しお話をしていただきたいと思います。
〇須藤農村建設課総括課長 平成22年度末の目標70%としておりますけれども、今のままで、財政状況がこのまま継続した場合には、その目標達成も難しいのではないかと見込まれております。そこで、中山間地域などについてのほ場整備でございますが、これらにつきましても、ほ場整備事業のほかに、中山間地域総合整備事業という事業がございまして、それらの事業制度を活用して整備を進めているところでございます。
 今後におきましても、地域の要望を聞きながら、必要な箇所に事業制度を取り入れまして、それぞれ進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 この決算委員会は次の予算に反映させるために早めて行ったはずでございますので、こういう声を聞いて、来年度の予算には、この集中と選択という意味、重点課題ととらえて、ぜひ予算を前倒しみたいな形ででもとって事業を推進していただけるよう強力に進めてほしい、農林水産部として、ぜひそういう形で行ってほしいということを要望いたします。
 絡めまして、担い手育成についてお伺いいたします。
 新規事業としては、県単といたしまして、農業をやってみようプログラム支援事業、あぐりinジョブカフェ情報促進事業、新規就農者実践研修導入事業という三つの事業を導入いたしまして、新しい担い手を育てていこうという県単独の事業がスタートいたしております。
 まず、この事業の成果とは申しませんけれども、この体験活動に参加した人数、また、この事業を受けて1人でも2人でも就農した人、また情報を提供した人等について、そして就農した人に対して、普及センターを初めとしてどういう指導体制で行っているのかをお伺いいたします。
〇宮下農業普及技術課総括課長 担い手の育成についてお答えいたします。
 ただいま御質問のあった農業をやってみようプログラム支援事業でございますが、この中に細目事業として、あぐりinジョブカフェ情報提供事業、新規就農者実践研修導入事業等を組み込んで、新規就農に係る情報提供の一元化、それから就農への意欲や条件に応じて、段階的かつ継続的に農業体験や技術習得研修を行うことを目的として、平成17年度の単年度事業として実施させていただいたものです。
 この事業によりまして、ジョブカフェいわての利用者がかなり多数来られるわけですけれども、そういう方々に対して、各種パンフレットで情報提供いたしております。また、農家や農業大学校における農業体験及びセミナーには102名の参加、さらに農家での長期実践研修には20名の参加を見ております。このような取り組みによりまして、平成17年度、この中から新たに14名が就農するとともに、参加者の就農に対する意欲が高まるなどの成果が見られたところであります。
 ここにありますが、農業体験やセミナー参加者のアンケート調査によりますと、売ることを考えた農業経営や異業種から参入した農家の経営感覚といったものに刺激され、参考になったという声が多かったと聞いています。また、就農希望地での長期実践研修も行ったんですけれども、それが、地域の人に顔を覚えてもらえるので、就農が容易になったという声がありまして、研修は高い効果があって、この14名の就農につながったのではないかと思っています。
 なお、このようにして就農した若者、新規就農者が、地域で定着していく必要があるわけですけれども、農地や住宅の確保、農業経営面での指導が必要であることから、市町村職員や普及員OBなどの現地就農アドバイザーを配置しまして、地域への定着に向けたきめ細かな支援を行うとともに、農業改良普及センターにおきましても、新規就農者を重点指導対象と位置づけさせていただきまして、これらの就農アドバイザーと連携しながら、技術や経営指導を行っているところであります。
〇工藤勝子委員 せっかく14名の方がこの事業を受けて就農したということで、この人たちが、その地域の集落に住んで、そして、そこの集落を担っていけるような人たちに育っていってほしいと私たちは願っているわけです。ですから、その集落の人たちも、温かい目でその人たちを受け入れて、また、いろいろなコーディネーター等が入るよりも、まず、地域の人たちがいかにその担い手を育てていくかということが非常に大事な要素になってくるんだろうと思っているところでもありまして、今後とも、せっかく就農した人たちが農業を離れないように、いろいろな部分で、その地域を含め、県の指導としてもサポートしていってほしい、そのように思っているところでもございます。
 県では、私は農業委員にいたときに、120人ほどの担い手が1年間に誕生すれば、岩手県としては非常に理想的な人数だというようなことを聞いたことがありましたが、かなり前の話でもありましたので、現在は、例えばリタイアする人も含めまして、この広い県土を担っていく将来的な若者を育てていくために、年間に、まずどのくらいの人数が担い手として誕生していったらいいかというような試算を出していらっしゃいますでしょうか。
〇宮下農業普及技術課総括課長 新規就農者の確保といいますか、目標値として200人という数値を設定しております。200人確保できれば、ほぼ安定的に農業を続けていけるだろう。ただ、実際、現実的には、昨年、平成17年度が143名ということになっています。この数値も、これは平成6年ごろが非常に少なくて70人という形になって、平成13年、14年、15年あたりが110名ということから、ここ2年ほどで143名までふえてきている。我々とすれば、平成22年を目標に200人という数字を立てて、今お話がありましたように、新たに就農する人たちを確保していきたいと考えています。
〇工藤勝子委員 さきの低気圧によっての災害の調査をいたしました。そのときに、ある58戸の集落に行くところの山の道路が崩壊いたしまして、通行どめになっておりました。でも、そこは幸いにいたしまして前にも崩れておりまして代替道路をつくっているところでありました。ですから、その集落の人たちは、通勤するには、今回の災害を含めましても大丈夫、通っておりました。
 しかし、振興局長の話が非常に印象に残りました。なぜかと申しますと、その58世帯の集落で一人も学校に通学する子供がいなかったということなんですね。結局、そこに若いお父さんも、お母さんもいないということなんだろうと私は思いました。毎日通学する子供たちがいないために、山が崩れて、毎日動いてくるのを見ながら通学する子供たちのことが非常に心配。だけれども、それを調査したら、子供が一人もいなかったということで安心した。いかにそういう集落の高齢化が進んでいるか、担い手がそこにいない、若い夫婦がいない、さて、そういう58戸もある集落が将来どうなるのかと思ったとき、そちらの方が非常に心配になったと、いうような局長の説明を受けて、岩手県に、そういうところが非常にたくさんあるのではないかという思いをいたしました。
 そういう意味を含めましても、きのう知事から、遠野のスローライフ月間のフォーラムで、いろいろな小さいものが国も初め切り捨てられようとしているというようなお話がありました。農業も小さいところがだんだんそういうふうに切り捨てられようとしている。また、それが医療も、学校もという話もされましたが、そういう中で、岩手県を本当に環境、国土保全、支えている人たちが、いっぱいそういうところで汗を流している人たちがいますので、ぜひ、そういうところにも少しでも光が当たるような方策を県としても考えていただければと思います。
 農業者とすれば、私たちは、いろいろ生産されたものの販路が拡大していくことが、非常に将来的な生産に夢と希望をつなげるものと期待しているのが、農林水産ブランド強化推進事業であります。中国・台湾等へ販路を拡大しようというようなことで予算化されました。また、議員連盟の中でもそういうお話をいたしましたし、講演もお聞きいたしました。
 そういう中において、この販路拡大の成果と、これは、お話を聞くと、水産物の流通の方が多いと聞きましたけれども、非常に農業面、米は特に規制が厳しくてできないわけですが、この事業の成果と今後の見通し、それから、私たちは幾ら販路が拡大しても、流通コストが高ければ自分の財布に残るお金が非常に少なくなるわけでありまして、その辺のところのとらえ方について御説明をお願いいたします。
〇佐々木流通課総括課長 県産農林水産物の販路拡大の取り組み及びその成果についてでございます。
 県産農林水産物の販路拡大の取り組みにつきましては、経済発展が著しい東アジアのうち、台湾や中国を主なターゲットとして、バイヤーの招聘や商談会の実施、販売促進フェア等の開催により、これまで輸出促進に取り組んできたところでございます。その結果、台湾への農産物輸出につきましては、全体の金額でございますが、平成14年度は700万円ほどでございましたけれども、これが平成17年度には約3、000万円に増加しているところでございまして、品目別ではリンゴがそのほとんどを占めてございます。また、平成17年度からは新たに県産米の輸出に取り組み、販売ルートが確立されたところでございます。
 今後につきましては、JA等との連携のもと、商談会の実施等によるビジネスマッチングの機会の拡充等の取り組みによりまして、百貨店やレストラン、外食等への働きかけを強化し、販売チャンネルの多角化、拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、中国につきましては、水産物や日本酒等の輸出が順調に伸びているものの、農産物については、ただいま委員から御指摘ございましたように、植物検疫等さまざまな貿易障壁がございまして、現在のところ、リンゴとナシに品目が限定されてございます。しかしながら現在、農林水産省が、米、長芋などの輸入解禁を中国政府に要請しているところでございまして、今後につきましては、現地の日系商社と連携したマーケットリサーチ等により、米や乳製品等について輸出可能性を探ってまいりたいと考えてございます。
 次に、流通コストの考え方でございます。
 現在、商業ベースで行われております台湾への米、リンゴの輸出は、いずれも神戸港等の国内港渡しで行われてございまして、海外輸送コスト等は相手国側の輸入業者負担となってございます。また、リンドウのオランダ輸出につきましては、航空運賃や関税等の諸経費を生産者が負担する形で行われておりまして、これまでも県事業による試験輸出を通じて輸送コストの低減化を図ってまいりましたが、今後とも流通コストの削減を支援してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 将来的にもこういう生産者の流通コストの削減をしていただければ、ますます生産活動にも力が入っていくのではないかと思っております。いろいろ丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
〇小原宣良委員 競馬問題に関連いたしまして幾つかお伺いいたします。競馬組合の方では、新しい県競馬組合改革計画(案)を示しておるわけですが、これは、構成団体の協議、あるいは競馬組合の議会の中で成案という形で今後整理をされてくるものと思いますが、幾つかお伺いしておきたいと思います。
 一つは、融資と分賦という考え方ですね、この点について。
 融資については、この計画案の中でも示されておりますように、それぞれ構成団体が基金を造成して、その基金から競馬組合に融資という形でこれまでの負債について整理したいという考え方になっているわけです。その際、例えば奥州市、盛岡市の基金造成の際に、自己資金で造成されない額については県から両市の必要額の貸し付けを行うこともある、こういう考え方が示されておるわけです。この決算特別委員会でも議論があったわけですが、一方、分賦という考え方もあったわけですけれども、この分賦といった場合は、過去の利益金の配分割合という形で分賦の割合は決まっていくだろうと思いますし、その際に立てかえということはあり得ないと思うんですが、この間も答弁があってはっきりしておったとは思いますが、いずれこの融資と分賦の考え方については混同してはいけないだろうと思いますので、いま一度御答弁をいただきたいと思います。
〇高前田農林水産部長 今、御質問ございました融資と分賦の考え方についてでございますけれども、競馬組合の債務への対応方法ということになりますと、いわゆる累積赤字に相当する繰り上げ充用分を平成18年度末に各構成団体に分賦する考え方、これは一つの考え方だろうと思いますが、構成団体の財源で対応する形に切りかえるという意味におきましては、新計画(案)の融資スキームで提案されている全額融資と共通する考え方であると考えております。私ども、全額融資と分賦とを比較した場合、分賦といった場合は競馬組合は債務を返済する義務がなくなるということでございまして、競馬組合の自助努力を促すといった面が弱くなるのではないかと考えております。いろいろと御批判はいただいているわけですが、時間を要するにしても、廃止にならない限り構成団体に返済を続ける必要があると位置づけられる融資の方が、より県民の皆様とか市民の方々の御理解を得やすいのではないかと考えております。そしてさらには、各構成団体の合意できる案ということも考えあわせますと、やはり融資という案が適当ではないかと考えているところでございます。
 両市の分賦の際の財源についても今、御指摘がございましたが、私ども基本的に融資の方が適当であると考えておりまして――現時点での考え方でございますが――、そういった意味では、仮に分賦とした場合、分賦された負担額は確定した構成団体の負担になりますので、もし仮に両市がそれを賄い切れない部分があったとしても、それを県が貸し付けることにつきましては通常の収支不足や財政難に対する貸し付けと同様の性格となってしまいますので、現時点ではそのような貸し付けを行うことは難しいのではないかと考えております。
〇小原宣良委員 考え方としてはわかりました。
 そこで、この基金積み立てについて、330億円という金額も出ておるわけですが、これは、単年度で積み立てという形になっていくかという点です。これは平成18年度なのか19年度なのか、この点はいかがですか。
〇高前田農林水産部長 ただいま、330億円の融資の計画額を単年度でやるのか、それから何カ年かにわたってやるのかという御質問でございましたけれども、基本的に、競馬組合の収支を考えましたときに、収支不足という状態が平成18年度末に到来いたしますことから、私どもは、18年度末にこの融資を行うことを考えているものでございます。
〇小原宣良委員 平成18年度末で融資を行うということであれば、18年度中にこの基金造成をそれぞれ各団体がしなければならないということになりますね。そうしますと、これは答弁、説明でもありましたが、ストレートな形で融資ということに運用するのではなしに、例えば一般会計等においてそれぞれ事業が行われる、その事業の中に基金を繰り入れながら、実質一般会計部分をそこでいわば浮かして、その部分を基金造成するという考え方が示されておったんですね。となりますと、平成18年度で基金造成するということは無理じゃないですか。これはどういうふうに考えたらいいでしょうか。
〇高前田農林水産部長 ただいま御指摘の点につきましては、今、その融資のスキームの具体的な内容についていろいろ議論を重ねておりますが、今、御指摘ございましたように、必要な財源を確保するために既存の基金から一般財源に繰り出して、一般財源の財源をこの融資のための基金に充当するということでございまして、その辺の具体的なスキーム、実施の手順等について、これも含めて現在検討しているところでございます。
〇小原宣良委員 これは平成18年度末で実施することになれば、財政負担の負担区分を変更していくことになる、私の理解ではそうなるんですけれども、それを含めて、基金から一般会計へ、一般会計の部分で基金造成をする、こういう場合では平成18年度の事業実施の財政負担区分に変更が出てくると理解してよろしいですか。
〇高前田農林水産部長 ただいま御指摘のような方法も考えられると思います。具体的には、当然財政を所管しておる総務部等ともよく相談して、これから具体的な内容であるとか手順、そういうものを固めていきたいと考えております。
〇小原宣良委員 県民理解を得るという点で大変重要な点だと思うんですね。したがって、どこの事業に基金の積立分が充当されていくのかによって、新年度――平成19年度の予算編成にかかわって、この基金の取り崩しと充用という部分が県民生活に直接かかわる事業展開に支障を与えてはならない、ここのところはしっかりと明確に説明をしなければならない重要な部分だと思うんです。そういう点で伺っているわけです。そういう方法はあり得ると私も思いますが、その際においても、先ほど言いましたような新年度の予算編成にかかわり、あるいは自然災害等における緊急事態に対応する部分については心配のない形で十分基金として造成はできておりますということを含めた説明責任がしっかり問われるという意味でお伺いしたことでございますので、この点は財政当局とも十分に協議をしながら、そして、それがあいまいな形ではなしに、明確に説明責任はそこに出てくるということをしっかりと踏まえて農林水産部所管部においても対応をいただきたいものだ、こう思っております。
 それから3点目は、この競馬事業の存廃基準という形で示されておりまして、年度を通じて経常損益で黒字または収支均衡の達成ということであります。当然のことだと思うんですが、そうした過去の負債の整理をしながら、さらに一方で、通常経費、損益の黒字または収支均衡を図っていくということ、二つの課題を一度になしていかなければいけない、こういう立場に今立っているわけですね。
 そこで、収支均衡を図るためには、特に経営指標に基づく健全経営の取り組みという部分がありまして、その中で事業運営費16%以内とございます。とりわけ情報システム費という部分について、これはかねてから議論がございました。もう少し切り込めないのか、700億円売り上げの時代と変わっていないんじゃないか、こういう指摘がありました。今日の状況を踏まえて、この点についてはしっかりと対応していかないと収支均衡というのはなかなか難しい。大きなポイントを握っている部分ではないかと思いますが、現状の対応、取り組みはどうなっていますか。
〇今泉理事 委員御指摘のとおりでございまして、確かに500、600億円売れていた時代のシステムがまだ残っているということでございます。やはりここを変えていかないと収支均衡の実現はかなり難しいという認識でおります。ただ、今回ここのコストを削減するに当たりましては大変また相手方に対しても痛みを伴うわけでありまして、現在、どういう形で取り組んでいくか、あるいはそこをどう圧縮していくかについて内部で周到な議論を重ねておりまして、それをもって本当に思い切った取り組みを相手方に求めてまいりたいと考えてございます。今、進行中でございまして、詳細についてはこの辺で御勘弁願いたいと思いますが、いずれ結果を持って中身を皆様にお示ししたいと考えております。
〇小原宣良委員 この点についてはひとつ頑張っていただく以外にないですね。よろしくお願いします。
 最後になりますが、先ほども議論がありましたけれども、競馬事業は大変すそ野の広い事業展開になっております。2、500人か何百人かは別にして、私はそれ以上の直接間接の関係者がおられると。大変すそ野の広い、いわば一大産業ですね。競馬の馬を直接本県においては生産はしていないと思うんですけれども、いずれにしろ、かつての馬産地岩手として、そうした文化を含めた産業を引きずっている県でもあるという意味合いからしても大変すそ野は広い。
 そこで、今、遠野市にございます馬の里、ここは、目的はそれぞれあって行っておられると思うんですけれども、現状で県競馬組合の事業とどういうかかわりがあるんでしょうか、その点をお伺いします。
〇今泉理事 現在のところ、調教師の中で馬房割り当て等があるわけですけれども、その中でおさまり切れない、預かった、委託した馬を遠野の里の方に預かってそこで飼育する、今そういった使われ方をしてございます。我々の競馬事業そのものとの直接的なかかわりは持っていません。調教師が預かっていますので、ある意味間接的ということはあるかもしれませんけれども、今のところ直接的なかかわりはまだできておりません。
〇小原宣良委員 直接的ではないにしろ、県競馬事業が廃止になった場合は、遠野の馬の里の経営という点にかかわって言うなら、これは直接のかかわりの中で大変困難をきわめる事態にあるいはなるかもしれないと。どれぐらいの割合でそういう馬が行っているか私は承知しておりませんが、そういう形でもこの競馬事業のすそ野の広さというのが一つはあるんだろうという意味でお伺いいたしましたが、ぜひ健全経営を含めた形で懸命の御努力をいただきたい、以上申し上げて私の質問は終わります。
〇佐々木一榮委員 1点だけお尋ねしたいと思いますけれども、平成18年度末の融資ということで2月定例会での提案と聞いておりますけれども、今、小原委員の方から、要は基金を取り崩して一般会計に入れるということでありますが、2月の補正段階では、既にもう平成18年度予算の執行率は恐らく85から90ぐらいまでいっているんじゃないでしょうか、科目が災害にしても何にしても。ですから、一般会計に繰り入れても、それはもう完全に目的としては融資ということになると思うんですけれども、これが果たして可能なのかどうか。2月補正ですから、もうほとんど確定した部分でのものだと思うんです。増額補正、それから各減額補正が出てくると思うんです。なおかつ平成19年度の一般会計予算案が骨格予算でも出てくると思うんですけれども、そうなった場合に事務的に可能なのか確認しておきたいと思いますし、それから、仮にそれで補正予算を通ったとして、同時に出てくる平成19年度の一般会計予算書には、この部分というのは何の科目で残ってくるんでしょうか。
〇高前田農林水産部長 ただいま、具体的な平成18年度末の対応、それから19年度予算の計上の仕方ということでございましたが、先ほども小原委員に御答弁申し上げましたとおり、具体的に、どういう手続、手順、それから予算の計上の仕方をどうするかといったことを現在事務的に鋭意検討いたしておるところでございまして、できるだけ早くそういったことも明らかにさせていただきたいと考えています。
〇新居田弘文委員 私も競馬貸付金に絡みまして、競馬組合について御質問させていただきます。
 先ほど来お話ありましたように、今回の新しい競馬組合の改革計画(案)についていろいろ議論されているわけでございますが、その成否によっては結論が全く正反対なものになる可能性もあると思います。私は、今この議論をするに当たりまして、若干過去の経緯等もさかのぼりまして御質問させていただきたいと思います。この間の総括質疑では、佐藤正春委員からも盛岡競馬場が当初237億円から410億円になった経過について若干指摘されておりますが、私も、それを含めましてさかのぼってお聞きいたします。
 昭和39年に岩手競馬が発足したわけでございますが、この間、長年にわたりまして、県の出身といいますか、あるいは退職を含めまして職員が派遣あるいは就職されておりますが、今までに副管理者を含めましてどれくらいの人数の方が競馬組合あるいは振興公社の方に再就職された経過なのか。あわせまして、他の構成団体からの就職の状況はどうなのか、含めましてお聞きしたいと思います。
 それから次は、過去の資料をいろいろいただいておりますが、当初は、盛岡競馬場をやっている中で、当面トレーニングセンターをつくりたいという内容の議事がいろいろ展開されております。ところが、昭和63年にトレーニングセンターが新しい盛岡競馬場へ計画が変更されましてずっと進んでおりますが、その前段の昭和60年2月26日の第77回定例会、同じく60年12月17日の第81回、61年2月25日の第82回の定例会の議事録から何点かお聞きいたします。
 昭和60年の定例会では、トレーニングセンター建設費として1億1、500万円を予算計上しておりますが、その時点で水沢市選出の競馬組合議員は、当時も売り上げが減少傾向にあった中で、そのトレセンについては慎重あるいはやめるべきだという発言の要旨が載っております。いずれ、組合当局あるいは他の議員等の御理解もありまして新しい競馬場を盛岡につくることになったようでございますが、当初予定されていたものが、トレセンから新しい競馬場、それから場所についても、今の競馬場以外――多分都南地区だったと思いますが、それが今の競馬場に移った経過、その辺についてお聞きいたします。
〇今泉理事 就職状況につきましては、別途、沢田参事の方から答弁させます。
 トレーニングセンター計画から新競馬場に至った経緯についてでございますが、新盛岡競馬場の建設につきましては、昭和50年2月に、競馬組合議会議員、当時の県農政部長、両市の助役、常勤副管理者及び出納長で構成される岩手県競馬組合運営協議会を組織いたしまして検討を開始したものでございます。昭和58年には、トレーニングセンターを盛岡市新庄字八木田地区に建設することで、建設に係る基本計画の策定並びに地質・水質調査等、必要な調査を実施したところでございます。その後、昭和63年に至りまして、旧盛岡競馬場――当時の盛岡競馬場における周辺の交通問題、周辺の住宅化に伴う生活公害問題、風致地区の規制による施設改善の限界、こういった問題から、トレーニングセンター設置計画を新盛岡競馬場建設に改め、推進することとなったと聞いてございます。
〇沢田農林水産企画室特命参事 構成団体の競馬組合等への就職の状況でございますが、まず、副管理者への県職員のOBの就任につきまして、常勤副管理者が配置されました昭和40年度から昨年度まで11人が副管理者に就任しておりますが、うち10人が県職員OBでございます。
 それ以外の就職状況でございますけれども、資料のございます平成元年度以降、競馬組合には、部長及び部長相当職として6名の県職員OBが就職しております。同様に、財団法人岩手県競馬振興公社には6名、関連会社のアール・ナックには4名が就職しているところでございます。現在、県職員OBは、競馬組合に非常勤職員として1名、競馬振興公社に嘱託職員として3名が勤務しているところでございます。
 御質問がございました他の構成団体につきましては、手元に資料がございませんので、御了承お願いいたします。
〇今泉理事 済みません、私、先ほどの答弁の中で途中まででございました。申しわけございません。
 現在の新庄八木田地区に至った経過でございますが、昭和54年から、盛岡市、盛岡市近郊の候補地を選定いたしまして、用地取得、造成工事、防災工事など開発整備の難易性の観点、交通環境、自然環境など立地性の観点、こういった二つの観点から、最終的には三つの候補地が有力候補地として選定されましたが、これら3カ所について総合的に評価し、交通の問題はありましたものの、開発整備が容易と認められる八木田地区が最終的に候補地として選考されたものでございます。
〇新居田弘文委員 管理者含めて、競馬組合あるいは振興公社あるいはアール・ナック等の就職状況も説明がございましたが、そのほかに盛岡、水沢については資料がないということですが、私の伺っている範囲ではないに等しいんじゃないかと伺っております。それはそれにしましても、岩手県が大きくそこに関与してきたことはこれでわかるかと思います。
 それから、盛岡競馬場にかわった経緯、今、何点か挙げまして3カ所から絞り込んだということですが、私が調べている範囲では、今の盛岡競馬場の従前の土地の所有者、率でいいますと、盛岡市所有地が62%、民有地が38%ということで、ほとんど100%に近い形が盛岡あるいは民有地ということで、その6割強が盛岡の市有地だと確認しております。そこで、あの場所に行く際に、今の三つの条件の中から選択されたということもありますが、古い競馬場の跡地を盛岡が優先して買いたい、あるいは買ってもらうというような取り決め等々の話も仄聞しておりましたが、その辺についてはいかがだったでしょうか。
〇今泉理事 旧盛岡競馬場の処分の関係でございますけれども、処分がおくれた理由は、平成5年当時、盛岡市の方から競馬組合と岩手県に対しまして、跡地の公的利用を検討したいという申し出がございました。当初は競馬組合が一括して処分することを考えておったわけでございますけれども、平成5年当時そういった申し入れがあったということでございます。実際に盛岡市が跡地の公的利用計画を策定したのが、その後時間がかかりまして、平成11年6月となったという経緯がございます。当初の構想では、競馬組合の方が一括して第三者に処分することを考えておったわけでございますが、当該利用計画の中では、公的な利用ゾーンと住宅ゾーンに2分割したいと。その住宅ゾーンの処分については組合みずからでということになったわけでございまして、それが結果として処分時期が遅延する要因になったと考えているところでございます。
 それから、組合が見込んでいた処分と実際にはかなりかけ離れた形でしか処分できなかったわけでございますが、当時、競馬組合は、跡地全体を宅地開発する前提で処分額を見込んでおったわけでございますが、その後、ただいま申し上げましたように利用の形態が2区分に変更になったこと、その後の地価の下落により現在のような結果になったものでございます。
〇新居田弘文委員 私、聞いたのは、新しい競馬場と、それから古い競馬場の、向こうに行く際に、新しい競馬場に決定する際に、さきに答えられましたけれども、盛岡の土地利用計画上ぜひ必要だという話し合いが事前にあったのかどうかをお聞きしたんですが、それはそれでよろしゅうございます。
 次に、今、理事の方から説明があったような経過について聞こうということで準備しておりましたので、若干その辺は交通整理させていただきます。
 新しい盛岡競馬場は、昭和63年2月に債務負担議決をしまして、振興公社の方にその工事をさせる、事業主体を振興公社がやるということで議決をしておりまして、その後2度の計画変更がありまして先ほど申し上げましたように410億円になったわけでございますが、そこで注目すべきは、平成4年4月の第107回定例会におきまして、継続費の補正が84億円になっております。それで結果的に410億円になっておりますが、その際、水沢選出の競馬組合議員は、このように大幅に増額することによる将来の借入金返済の不安を強調しております。まさに今の実態を予見されたかのような質疑がたくさんありまして、競馬組合議会当局に指摘をしております。その中で、当時、工藤知事が競馬組合の管理者ですが、いや、将来のことは心配するなと。安心して任せてくれといいますか、管理者の方に任せてほしい旨の答弁が実はありました。ちょっとそのくだりだけ読ませていただきますと、議員からのお話、もっともでございます。競馬組合の運営問題、ここの財政の問題、すべて管理者が全責任を負うものでございますという答弁が実はありまして、さらに加えまして副管理者の方から、現在計画している盛岡競馬場については、古い盛岡の競馬場の財源を見込むという前提で策定した財政計画でございますという趣旨の答弁をしてございます。
 それで、次の質問に予定しておったのが、今、理事から話がありましたように、盛岡競馬場の跡地処分についていろいろ時間がかかったと。ところがその間に、水沢市議会の方から知事並びに競馬場に対して、競馬場の健全運営のために、岩手県競馬組合の所有する旧盛岡競馬場の処分について早急に取り組みしていただきたいという旨、平成12年2月29日付で要望しております。まさに今、理事からお話がありましたように、盛岡は当初、早く見込んで買い取りする予定のものが、12年11月から一番最後は18年3月まで非常に時間を要したと。しかもその間には、民間の開発業者から地価の高い時期、買い取り要望があったんですが、公共事業優先という形でそれにブレーキをかけてきたというのがその背景にあるんですが、そのために売り上げ総額でも、当初70億円ぐらいに見込んでいたと聞いておりますが、結果的には38億円ということで、半分とは言いませんが、若干それを超えた程度ぐらいに、いわゆる競馬組合としても土地の処分の予定が大幅に狂ったということも今回につながっているのではないかと思いますが、その辺の経過等について御説明をいただきたいと思います。
〇今泉理事 平成4年の定例会の中で事業計画の変更についてさまざま議論があったことは承知してございますし、その中で、副管理者がその財源の一部に旧競馬場の売却益を充てるということでこれがスタートしたと私ども承知しているところでございます。ただ、その後の経緯につきましては、ただいま委員からも御指摘がございましたように、なかなかその跡地利用の計画が進まないこともございまして、さらには、その利用計画、跡地を公的な利用と住宅利用に2分して利用するという構想が打ち出されたこともありまして、結果的に当初見込んでいた売却益を建設費の方に充てることが我々が想定したような形では行えなかったという経緯がございます。
〇新居田弘文委員 その組合議会、さっき紹介したんですが、実はそのときの盛岡市出身の議員は、新しい盛岡競馬場については、盛岡市としても、あるいは同議会としてもこの移転要望は前からあったと。盛岡の新たな、付加価値の高い、要望に沿ったレクリエーションゾーンとしての建設であり、非常に賛成だというような賛成討論もしております。結果的には、組合議員は4人ですから、そのうちの議長を除く3人で採決していますが、水沢市議員は反対で起立しませんでしたが、あとの2人の方が賛成したと。もちろん我々の代表であります県議会出身の議員も当然これに賛成しております。そういう経過があったということを御紹介して、次に移ります。
 いろいろ議論されておりますが、廃止になった場合の影響額372億円の問題、それから地域への影響が100億円、確かにこれは、表面にあらわれるといいますか直接的な影響だと思うんですが、私の言いたいのは、この間総務の財政の関係でも絡めて質問したんですが、もしこうなった場合には構成団体に多大な影響を与えるというが、その影響の分がこの資料には全然見えてこないんですけれども、仮に奥州市が財政再建団体等になった場合、あるいはそれに近い取り扱いになった場合は、合併してもいろいろ皆さんと約束した事業ができない、あるいはこれから新たな市民サービスもできない……(発言する者あり)
〇吉田昭彦委員長 静粛にお願いします。
〇新居田弘文委員(続) いろんなマイナス要素が、これにあらわれてこない部分が出てくると思うんですが、その辺の認識について所感をお聞きしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま、その構成団体の財政対策についての認識ということで御質問をいただきましたが、現在お示ししてございます新計画(案)の融資スキームにおきましては、競馬組合の債務の全額を繰り上げ償還して構成団体からの融資に切りかえることを考えております。各構成団体は、それぞれ新たに基金を設置して、同基金の運用として組合に対して融資を行うということでございますが、この基金の造成に際しては、奥州市、盛岡市、そういった構成団体の行財政運営に大きな支障が生じないように、自己資金で造成し切れない額については県から両市に対して必要額の貸し付けを行うといったことを想定いたしておるところでございます。
〇今泉理事 ただいまは構成団体の分についての答弁でございましたが、さらに若干補足させていただきますと、我々の産業というのはやはりサービス産業でございまして、大変すそ野が広い部分がございます。したがいまして、直接的に私ども、今、廃止になった場合の数字はこうなる、これぐらいの人に影響を与えるということは申し上げているわけでございますけれども、それ以外のところにも間接的に私どもがかかわっている部分がございます。先ほども遠野の馬の里の話も出ましたけれども、ああいったところも含めてさまざまなところに影響が出てくると私どもは危惧してございます。
〇新居田弘文委員 いろいろ説明がございましたが、今の理事なり、あるいは部長のお話でも、スキームの説明はわかるんですが、仮の話でいろいろ議論していますが、廃止になった場合の影響はこんなところでおさまりませんよ、もっと深刻な事態が予見されるのではないかということを私は言いたかったんです。そういう面をしっかりとらえて、県民の皆さんに理解していただくようないろいろな手だてを講じてほしい、そういう趣旨です。いずれ、今示されているものについてみんなに理解が得られるような最大限の努力をお願いしまして終わります。
〇平澄芳委員 簡単に短く質問いたします。
 事項別明細書370ページ、農地及び農業用施設災害復旧費についてでありますが、5億円余りの支出があります。この災害復旧事業に関する農家負担割合はいかほどだったのでしょうか。もちろんケースによって違いがあることは承知しておりますので、目安として大ざっぱで結構です、お示しいただきたいと思います。
 関連して伺います。10月6日から8日にかけて豪雨災害が発生しました。県御当局の災害対応に敬意を表します。
 今回の災害では、特に県北部、沿岸部の被害が大きく、地元の瀬月内川沿いも刈り取り前の稲が土砂に埋もれ、田畑がえぐれ、道路が流失し、住宅の畳や壁に濁流のつめ跡が刻まれ、悲惨この上ないものでした。農家の心配は、1、農地を復旧してもらえるのか、2、来春の田植えに復旧が間に合うのか、3、特にも農家負担がどの程度になるのかということが大きな関心事であります。負担額が大きい場合、離農も考えなければならないと肩を落としておりました。農業をやめても就職の道は険しく、途方に暮れております。農家の心配にどのようにおこたえしていただけるのでしょうか。
 3点目、あわせて激甚災害指定の可能性についてお伺いいたします。
 激甚災害に指定されれば、国庫負担率は高くなって、自治体はもとより、農家負担の軽減も図られます。指定は災害査定額確定後に政府において決定されますから、現時点では明快な答弁はもちろんないだろうと思いますが、被災報告額や従前の採択率等から類推して、現時点における激甚災害指定の可能性を市町村も含めてお伺いしたいと思います。
 また、市町村合併をして税収や農業所得の規模が大きくなったがゆえに指定要件が満たされなかった、結果として農家負担が軽減されなかったということにはならないのかをお伺いいたします。
〇須藤農村建設課総括課長 災害復旧事業の農家負担割合についてでございます。
 事項別明細書にございます決算額は、平成16年と17年に発生した災害復旧事業に要した経費でございまして、国の補助率は市町村ごとに算定いたしますので市町村によって異なっておりますけれども、2カ年の県平均では農地災害が89.7%、農業用施設災害が95.5%の補助率となっております。その補助残は地元負担となるわけでございますが、このうち、市町村によって対応は異なっておりますけれども、かなりの部分を市町村に負担してもらっておりますので、農家負担はさらに低く抑えられているものと見込んでおります。
 次に、このたびの災害への対応についてでございます。
 10月6日から8日にかけての豪雨によりまして、農地、農業用施設につきましては、県北・沿岸地方を中心に15億3、000万円の被害が発生しております。今回被災した農地や施設につきましては、現地での測量、設計作業を早急に進めまして、11月下旬から国の災害査定を受ける予定としております。その後、事業費が決まり次第できるだけ早く工事に着工いたしまして、来春の営農に支障が及ばないように、早期復旧に向けて市町村を指導してまいりたいと思っております。
 また、農家負担についてでありますが、災害復旧事業の基本補助率は、農地災害が50%、農業用施設災害が65%となっておりますけれども、市町村ごとの被害の状況によって補助率がかさ上げされる制度となっております。過去5カ年の県全体の平均補助率では、農地で90.1%、農業用施設で94.7%となっておりまして、今回の災害につきましても地元負担は5から10%程度になるものと思われておりますが、市町村も相応の負担をしてくれるものと見込まれますので、農家負担はさらに軽減されるものと考えております。
 次に、激甚災害の指定の見込みについてであります。
 局地激甚災害は市町村単位で指定されることになっておりますが、農地などの災害復旧事業に要する経費が市町村の農業所得推定額の10%を超える場合に該当することになっております。今回の災害で農地や施設に大きな災害を受けた市町村は、葛巻町や軽米町、九戸村などでございますが、局地激甚災害の指定につきましては、復旧事業費が決定した後で国が判定することになっておりますので、現時点で指定されるかどうかはまだ不明でございます。
 次に、市町村合併した場合の取り扱いについてでございますが、市町村の合併の特例に関する法律に基づきまして、合併後5年間は旧市町村単位に判定することとされておりまして、合併した市町村に不利益が生じないような措置が講じられております。
〇平澄芳委員 倒伏して土砂をかぶった稲は、機械ではもちろん、手で刈り取ることも困難でございます。仮に収穫できたとしても、味がまずくて食べられない。しかも実が入っているために共済も対象外ということで、踏んだりけったりであります。日本の食料基地を自認する岩手県でありますから、今後も農業経営を安定して維持できるように、先ほどの農家負担の軽減についても、市町村に働きかけるなど、市町村の指導、連携など、一層の努力をお願いして終わります。
〇吉田昭彦委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時56分 休 憩
午後1時3分再開
〇小野寺研一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇千葉康一郎委員 私から2点質問したいと思います。
 まず最初は、IMSの活動についてでございます。
 平成17年度に総務部と農林水産部がモデル的に、いわゆるトヨタ式カイゼンに取り組んだところでありますけれども、その改善の成果がどうであったかということ、それからまた、この改善の成果を平成18年度を含めて、以降どのように生かしていくかということについて、まずお伺いしたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 IMS―いわてマネジメントシステム―のカイゼンの成果等の状況について御説明いたします。
 平成17年度、農林水産部は、本庁でIMSの取り組みを実施いたしました。大きく二つに分かれますけれども、一つは執務環境の改善ということで、整理整とん、清潔、清掃、そして習慣づけるということになりますが、これで段ボール箱で1、600箱ほどの書類を廃棄して、執務環境の整備をいたしてございます。
 二つ目がプロセスの改善、処理手順の改善でございますけれども、観点は、無理とか、むだとか、むらを排除するという観点でございまして、手続の簡素化とIT化などを進めてございます。具体的には、振興局等の事業ヒアリングとか審査の効率化、あるいは類似イベントの統合、さらには業務マニュアルの整備による業務情報の共有化とか、引き継ぎの簡素化とか、そういった改善を図っておりまして、これらの取り組みによって、目標を本庁の全体の執務時間の30%、20万時間になりますが、これに対して19万5、000時間ほどの改善の取り組みがなされたと集約してございます。ちなみに、超過勤務時間で見ますと、平成17年度は、前年に比べて25%ほどの超過勤務時間削減をいたしております。
 結果ですけれども、職員個々の意識への定着化といったことは進んでございまして、執務環境についても、あと業務プロセスというか処理手順、そこら辺を考えるにしても、無理とか、むだとか、むらを排除していくんだといったところの意識の定着化は図られてきたと思います。
 ちなみに、平成17年度の成果を生かして、どういったことが象徴的なものとして行われたかにつきましては、平成17年10月に農林水産企画室に品目横断に関連して、年度途中ではございましたけれども、4人の専任職員のクロスファンクショナルチームをつくりまして、品目横断に対する対応を図ってございます。
 今後でございますが、業務処理の簡素化・効率化といったことはもちろんでございますけれども、ただ、行政としてのサービスの質の向上というものが図られないと意味がないとも考えてございますので、これが二つながらに成り立つような、そういった取り組みとして、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇千葉康一郎委員 今お聞きしまして、大分時間とか、あるいは人的にもむだを排除できたと評価いたしますけれども、実は、ことしの2月の予算特別委員会にこのことを取り上げまして、この余った時間とか、あるいは人的なものを、いわゆる農業所得向上につながるような活動に、業務に使うべきではないか、充てるべきではないかということを申し上げました。
 そこで具体的に、直接、間接含めまして例を挙げて、どういうものにこれから時間なり人的なものを充てていくかということをお聞きしたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 農業所得向上に向けた取り組みとして生かしていくかどうかというとこら辺でございますけれども、先ほど申し上げたような、年度途中ではございましたが、クロスファンクショナルチームを設置して、品目横断に対応するような、そういったことをやっていくこともございますし、あと、そのほかにも、県食材の売り込みの関係の要員をふやしたり、個々具体的になりますと、特に組織を設けてというのは、その都度、その都度でございますので、ここで具体的に申し上げかねますが、所得向上に向けても臨機応変な対応で取り組んでまいりたいと考えてございました。
〇千葉康一郎委員 今、直接あるいは間接的な例をお示しいただきたいということを申し上げたんですけれども、やはりこれだけ、いわゆるむだがあったということでしょうか。これは、私がさっきも申し上げましたように、農家所得の向上なり、農村が活性化できるような、そういう方にその人的時間を使うべきではないか。今までの状態でありますと全然変わらないわけですよ。ただやりましただけになってしまいますので、そういうふうにやっていただきたい。
 いずれ業務、事務事業、そういうものの質を向上させるということが当然必要であります。したがって、今後も付加価値の低い今までの事務事業なり作業、これは一層改善に努めまして、今言ったような、生み出した時間なり人を県民ニーズの高い事業や付加価値の高い業務にシフトしていかれるように。これは、平成17年度やって、もう既に18年度も半ばを過ぎたんですね。そういうものにもうシフトしているのではないかと思っているんですが、やっぱりこれは、半年も過ぎましたので、そういうものにどんどんシフトしていっていただきたい、その改善の効果を大いに発揮していただきたいと思っているところでございます。
 この取り組みの決意について、部長からちょっとお聞きしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま、そのIMSの取り組みの姿勢、決意ということでございますけれども、先ほど農林水産企画室長から御答弁申し上げましたように、例えば、昨年度の実績で申し上げますと、このIMSの改善で浮いた時間といいましょうか、削減した時間を使いまして、担い手の育成のためのクロスファンクショナルチームというものを立ち上げました。その成果といたしましては、担い手育成ビジョンといったようなものをまず策定したということで、現在そのビジョンの実施に向けて取り組んでいるといったような成果が、まずございます。
 それから、今年度につきましては、具体的に今やっていることでちょっと御紹介申し上げますと、部内にそれぞれ、私ども特に農業分野、農政推進上の課題が幾つかございますけれども、そういった重要課題ごとに検討作業チームというものを立ち上げまして、これまでの施策の点検でございますとか、今まで何が足りなかったのかといったようなことをフォローアップいたしまして、新しい施策の企画、立案ということに今取り組んでおります。そういったようなことを通じまして、今、委員御指摘のような農業所得の向上であるとか、担い手の育成であるとか、そういうことに結びつけていきたいと考えております。
〇千葉康一郎委員 大いに期待したいと思います。
 次に、2点目、基盤整備、ほ場整備事業等についてのことでございますが、先ほど工藤勝子委員の方から、整備の状況なり、あるいはその進捗状況等々についての御質問があり、それにお答えがございました。やはり私は、この基盤整備、ほ場整備等がなされてこそ、いわゆる今度の平成19年度から始まります品目横断的経営安定対策というものも一層進むのではないかと思っております。
 そこで、この経営安定対策の担い手の条件としては、個人ですと4ヘクタール、それから営農集団、そういう組織でやれば20ヘクタールの経営規模といいますか、そういう面積が必要だとなっております。やっぱり政策の成否というものは、私は、担い手育成の確保にあるのではないかと思っております。対策の成否というのは、担い手の育成にあるのではないかと思っております。このような大規模な農地を経営するためには、一定の基盤整備が整っていなければ、やはり担い手の育成というものはできないだろうと思っております。
 私の地域においても、生産基盤を整備したことによりまして、園芸、特に県下で1位になりました小菊であるとか、あるいはエゴマというものが自由に作付できるわけなんですね。しかも集団でこれができるということなんです。そういう組織化も進んできておるわけなんですけれども、やっぱり基盤整備があったからこそ、やったからこそ、これができたんだということで、地域からは、この基盤整備事業については評価が高いわけなんです。これからもどんどんこれを進めてこそ、品目横断的経営安定対策というものが進むのではないかと思います。
 そこでちょっとお伺いしますが、この対策を計画している地域で、基盤整備が完了している地域とその割合はどの程度になっているのでしょうか。まず、お伺いしたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 品目横断的経営安定対策を計画している地域での基盤整備が完了している地域の割合についてでございますけれども、現在、加入申し込みが始まったばかりというところでございまして、基盤整備が完了した地域の割合については、まだ確認できなというところでございます。
 この対策は、米、麦、大豆など、水田の土地利用型作物を対象にしており、生産性の向上や農地の利用集積への取り組みが必要だということでございまして、完了した地区も含めて、基盤整備に取り組んでいる地域の割合は高くなるものと考えております。
〇千葉康一郎委員 そこで今、私は、とにかくほ場整備があってこそこういう対策等が進むんだということを申し上げました。そこで、ほ場整備事業を中心としたいわゆる生産基盤整備等、この取り組みの県の方針ということをお聞きしたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 委員御指摘のように、ほ場整備事業というのは、水田の大区画化、あるいは換地による農地の集団化、そして、あわせて担い手への農地の利用集積に取り組んでおり、この事業の導入を契機として集落営農の組織化が大きく加速しているということが現実にあります。今後の品目横断的経営安定対策の推進に大きく寄与するものと認識しております。
 大変厳しい財政状況にありますけれども、いわゆるいわてNNスタンダード等の取り組みにより、整備コストの縮減、あるいは事業の効率化を図りながら、今後ともほ場整備事業を重点事業として位置づけ、基盤整備の推進に努めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 6款1項5目農業振興費の中、それにかかわって質問させていただきます。
 アグリビジネス振興対策事業費というものがございますけれども、これは、文字どおりと理解しますが、建設業等新規農業参入事業者等への支援策は農林水産部としてどう考えているかということをお聞かせ願いたいと思います。
 2点目、農作物対策費、鳥獣害防止総合対策事業というものがございますけれども、いろいろ議論が出ていますが、クマが出たという連絡が入った場合に、実際どう対処しているかというものをお聞かせ願いたいと思います。というのは、農作業中とかの山奥というか、中山間地というか、そこでクマが出たという連絡をしたら、けがをしたら対処しますというか、人害が出たら対処しますという話が、市町村を通じて問い合わせしたら返ってきたということで、どう対処しているのかということをまずお聞かせ願いたいと思います。
 3点目、畜産費、短角牛についてですけれども、これは、県北・沿岸振興、もしくは食の安心・安全にかかわって需要がふえているのではないかと思うんですが、育成の現状とその需要の状況をお聞かせ願えればと思います。
 4点目に、決算の説明は先ほど部長からお聞かせ願いましたけれども、毎年なのかとは思いますが、繰越明許費がかなりの金額にわたっております。この説明があるかと思っていたんですが、なかったので、お聞かせ願いますが、なぜなかったのか、しないのかということ。
〇及川農業振興課総括課長 農業参入事業者などへの支援についてでございますけれども、これにつきましては、平成16年度から各地方振興局に農業参入企業相談センターを設置いたしまして、農業参入に必要な情報の提供や相談活動を実施してきているところでございます。
 また、参入した企業につきましては、各農業普及センター等で個別の技術指導や流通・販売面での指導とともに、必要に応じまして、県単事業等による施設整備の支援も行っているところでございます。
 さらに、本年10月10日からは、建設業が農業分野に進出する場合においても、初期投資に利用可能となるように、農業近代化資金の貸付対象を拡充したところでございます。
 今後とも、こうした取り組みによりまして、建設業等の農業参入に対してまして総合的な支援を行ってまいりたいと考えております。
〇宮下農業普及技術課総括課長 次に、クマによる農作物被害の関係についてお答えしたいと思います。
 今の御質問は、クマが出た場合の連絡が入った場合、どう対応するかという御質問だったわけですけれども、この件につきましては、まず、被害者から市町村担当に連絡が来まして、その後、関係者に連絡をとった上で、捕獲等の場合には、広域振興局等の保健福祉環境部に連絡が行って判断するという流れになっています。
 特に、農作物の被害につきましては、人身に被害が迫っている場合と異なって、事前の対策をある程度講じることができるということから、基本的に、防除措置を講じているにもかかわらず被害を受け、捕獲以外に被害を防ぐ有効な手段がないということなどの場合には、ツキノワグマ保護管理計画、これは、環境生活部の自然保護課が担当して作成したものでございますが、その考え方に沿って、今お話ししました広域振興局等の保健福祉部門で捕獲許可の判断をするということになっております。したがって、農作物の被害と考える場合と、実際の作業中における人身の被害ということを分けて考える必要があるかと思いますけれども、そういう手順で整理されております。
〇佐々木流通課総括課長 短角牛の生産の現状と需要動向についてでございます。
 日本短角種は、草資源に恵まれた県北部を中心に、複合経営の柱として重要な役割を果たしておりますが、飼養頭数は、牛肉輸入自由化などの影響を受け減少してございます。
 需要状況とその見通しについてでございますが、短角牛は、低脂肪の赤身牛肉でございまして、霜降り重視の我が国においては、これまで肉質の評価が低かったわけですが、近年は、放牧を主体とする健康的な牛肉であり、消費者志向にマッチしていること、それから、アミノ酸含有量が多く肉本来のうまみを味わえることが、マスコミなどで大きく取り上げられまして需要が増加しており、今後も、高級外食やホテルなどを中心に、この傾向は続くものと考えております。
 課題と対応方向でございますが、平成17年度の県全体の出荷頭数が1、170頭程度と少なく、生産拡大が課題となっておりますことから、繁殖雌牛の増頭や地域内・経営内一貫生産の推進、粗飼料多給肥育の普及による生産拡大を図っていくこととしてございます。
 また、販売面では、需要がロース、ヒレ等の特定部位に集中し、モモやバラなどの低需要部位の販売促進が課題となっていることから、短角牛肉取扱店の販売ネットワーク化の構築、低需要部位も含めた1頭丸ごとセット販売が可能な飲食店等をターゲットとして、新たに販売ルートを開拓していくということで、有利販売に今後とも取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇小原農林水産企画室管理担当課長 繰り越しの状況でございます。
 説明につきましては、今回の繰り越しでございますけれども、設計・工法の検討に不測の日数を要したため、また多量の降雪により施工に不測の日数を要したため等でございます。
 これにつきましては、繰り越しの金額、昨年よりは若干、12.7%の増とはなっておりますけれども、いわゆる例年生ずべき理由ということで説明を省略したものでございます。
 なお、今後につきましては、繰り越しの重立ったもの、並びにその特徴的なものにつきましては、説明するように検討してまいりたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 1点目の新規参入事業者等、これは、やはり横断的に、ぜひ連携をとってやっていただきたいと思います。労働移動をスムーズにやるということだそうですから、ぜひ、その辺の補完をお願いしたいと思っております。
 2点目、クマについてですけれども、環境生活部が所管、どうするかという基準を持っているということですが、農家の方というか、生産者に言わせると、防除さくをやってくれとか。ところが、実際には、その防除さくというとかなりの金額が―いわゆる電気さくですか―かかるので、それをつくっているよりは、もう生産そのものをやめた方がいいというわけです。当然、何十万円もかかるというわけですね。デントコーンをつくるのに電気さくをやっていたら、もうとんでもないということがあるんですが、やはり何らかの支援措置というものを講ずべきと思うんですが、その辺もお聞かせ願いたいと思います。
 短角牛ですけれども、先ほどの説明ですと、大きい意味では、自由化の影響で頭数が減っていると言っておりますが、後段説明した部分で、流通の問題もあるのでしょうが、生産現場で何らかの課題があるのではないかと思っているんです。その辺、把握しておれば、説明願えればと思うわけであります。
 あと、繰越明許ですけれども、この説明書がもう1冊ありますね。あれを見ると、明許の金額とかそういうもので、事由は大体そうなんです。事故も含めて、いわゆる不測の何とかといろいろあるんですが、大きいものは、やはりきちんと説明してもらいたいと思いますので、その辺は、そういう答弁でいいかと思います。
〇宮下農業普及技術課総括課長 クマの農作物被害の生産者への支援ということなんですが、現在、電気さくの設置が最も有効だと言われておりまして、これにつきましては、中山間地域にあっては、1ヘクタール以上の受益面積を満たすことなどの条件に、国庫補助事業(強い農業づくり交付金)を活用して整備することは可能となっておりますことから、事業の要望等があれば、御相談に応じてまいりたいとは考えております。
 面積的に狭い面積ですと、今お話あった10アール当たり30万円程度かかるわけですが、集まって、今お話ししました1ヘクタール規模になってきますと、10アール当たりの単価にすると10万円以下の施設整備費で済むといったようなこともございますので、具体的に御相談いただいてやっていきたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 短角牛の生産現場での課題というお話がございました。
 短角牛につきましては、先ほど申し上げましたように、一つは牛肉の輸入自由化ということで価格が低迷したということがございますし、それから、あとは、やはり高齢化が進んでいるといったようなことから、どうしても飼養頭数が減ってきている。それから、もう一つは、短角牛の評価の問題で、近年、追い風が吹いておりますけれども、これまでは、どうしても消費サイドからの評価が低かったといったようなこともございまして、なかなか生産に取り組む意欲が高まってこなかったといったような課題があったかと思いますが、今後、先ほど申し上げましたように、繁殖雌牛の増頭でありますとか、あるいは肥育牛の増頭を進めるための地域内・経営内一貫生産体制といったようなことに取り組んでまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 クマについては、多くの問い合わせとか相談が来ていると思うんですけれども、ぜひ適切に対処していただきたいと思います。
 それと、短角牛のこと、これは、需要があるのに、そして一定の評価があるのに肥育牛の販売価格が上がっていかないというのは、なぜかと言われてもわからないでしょうけれども、その辺も、恐らくPRも含めたブランド化といった活動が重要じゃないかと思っています。さらに、先ほど言われた一定の評価を受けているという部分を強調するなりして、みずからのブランド力を高める努力をすべきかと思います。
 そういった策もしているかと思いますが、その点、やっていると思うんですが、何か具体的にお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
 それと、生産現場で子牛が少ない、それが先ほどの雌牛の増頭ということに通ずるんですけれども、やっぱり行政としてできるものというのがあるかと思うんです。そのための技術的な支援もそうですし、ハード面での支援とかも必要ではないのかと思っているんですが、その点もお聞かせ願えればと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま、短角牛の生産体制とか、あわせて販売促進の対策についてお話がございました。御答弁申し上げましたように、短角牛につきましては、輸入自由化ということで大変な影響を受けたわけでございますけれども、近年、やはり健康志向の強まりというものが出てまいりまして、この短角牛が非常に見直しされております。
 そういったようなことから、私どもとしては、今が非常にある意味で短角牛振興の好機であると考えておりまして、一つは生産対策ということで、御指摘のとおり、零細な規模の飼養頭数でございますので、一気に生産拡大というのはなかなか難しい状況にはございますけれども、私どもといたしましては、例えばサイレージの多給といったような飼養管理技術が今出てきておりますし、そういうものも普及させながら、地域と一体となって、まず生産の拡大に向けて取り組んでいきたいということが一つございます。
 それから、販売対策といたしましては、今、委員御指摘のとおり、やはり、これはブランド化というものが非常に重要でございます。したがって、先ほどの答弁の中でもございましたが、首都圏の特にホテルとか高級外食といったようなところをターゲットとした売り込みを行っておりますし、それから、かねて根強い需要として支えていただいております大地の会といったような取り組み、これも重要だと考えておりますので、そういったようなさまざまなブランド化に向けた取り組みということを、これから力を入れてやっていきたいと考えています。
〇千葉伝委員 短角の振興の関連で少しお聞きしたいと思います。
 最終的に、先ほど部長が本県の短角振興、これからの対策としては、牛そのものの生産という部分の対策が必要だ。それからまた、これから進めていくには、やっぱり肉の分も加味した、いわゆる消費者にいかにPRして売っていくか、こういうような対策というものが、当然それは必要だと思っていました。
 私は、実はことしの肉牛共進会でしたか、知事がちょっと出られない等々の話があったんですが、あの時点でいろいろな方から話を聞いたときに、確かに短角は、牛そのものは買われていく、こういうことです。じゃ、どういう買われ方をしているかという話になりますと、肉になる前に、北海道とかそちらの方に、ぜひ向こうで肥育をどんどんしていこうと。単なる肥育じゃなくて、生産する雌牛も一緒に持っていって、100頭、200頭の規模以上のとんでもない多頭飼育で生産していこうと。
 そうなると、これまで岩手県で地域内一貫とかということで、繁殖もやり、あるいは肉牛もやり、こういうことで進めてきた分が、本県から頭数がどんどん減っていくということになれば、当然、もう生産農家の対策をもっともっときちっとやっていかないと、岩手から短角牛がいなくなってしまうのではないか、こういう危惧というのか、心配をしております。
 したがって、お聞きしたいのは、短角振興、ほかの県に負けない、あるいは北海道に負けないやり方をしっかりと生産農家、あるいは関係のところ、もう一つは、飼育の面で増体も含めてかなりの技術を持っていると先ほどちょっと部長がおっしゃいましたけれども、そういったあたりは、もっともっと生産農家に普及させるようなやり方がぜひないかと思うんですが、そこを含めて、もう一度対策をお聞きしたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 本県の短角牛が、ほかの県に買われていくといったようなお話で、何とか本県にとどめておくような方策というお話だったかと思いますけれども、これまでもやってきているわけでありますが、優良種雄牛の造成なり、あるいは優良繁殖雌牛の保有を目的としました集団育種改良事業を今後とも推進していくといったようなことが一つございます。
 それから、近年、各地域でかなりの短角牛の飼養頭数の規模を持った農家も出てきておりましたので、そういったようなやる気、意欲を持った農家を中心としまして、施策を重点的あるいは集中的に配置してまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉伝委員 これまでの岩手県の家畜の飼養の歴史の中に、日本短角牛というのは、私は、本当に粗飼料の豊富な本県、あるいは放牧形態にマッチした牛ということで、それぞれの地域がこれまで、県も鳴り物入りでやってきた経緯、こういうところもあると思います。今おっしゃったように、ある程度の頭数がいないと、改良、あるいはこれからの増頭を図っていくというのは難しいわけであります。そういった意味において、ぜひ農家に定着するような、そしてまた、さらにふやしていくような対策ということで、今お話ししていただいた分を進めていただければありがたいと、要望であります。
 ありがとうございました。
〇小田島峰雄委員 私は、本県の畜産振興、とりわけ肉用牛の振興の観点から、二、三御質問をさせていただきます。
 ただいまも直前に質問があったわけでありますけれども、もっぱら短角を中心の御質問でございましたが、どちらかと申しますと、私は黒毛の方に重点を置いた質問をさせていただきます。
 まず最初に、県内の肉牛の繁殖農家、肥育農家がございますけれども、その飼養戸数や飼養頭数の最近の推移についてお尋ねいたしたいと思います。
 私が住んでおります花巻地区におきましても、もっぱら畜産の盛んな地域でありますけれども、近年、特にも飼養農家戸数や飼養頭数が激減している状況でございます。これが、恐らく全県的にも同様の傾向が見られるのではないかと思いますけれども、その現状と、また、それをどう御認識されて、どのような手だてを講じてこられたのか、まずこれからお聞きしたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 県内の肉牛農家戸数あるいはその飼養頭数の推移と現状分析というお話だったと思いますが、平成18年2月1日現在の本県における肉用牛の飼養戸数は8、780戸、飼養頭数は10万3、200頭となっております。これは、繁殖・肥育経営とも、戸数・頭数は減少傾向でございます。この10年間で、戸数で48%、頭数で71%となっております。
 このように、戸数・頭数が減少している要因としましては、肉用牛の飼養農家全体の9割を占めております繁殖経営が、高齢化に加えまして、輸入自由化、あるいはBSEによる子牛価格の低迷等によって、特に小規模経営体を中心として、飼育をやめた農家がふえていることによるものということで考えているものでございます。
〇小田島峰雄委員 恐らくそのような状況によるものと私も考えております。
 そこで、今度は、これを牛肉の価格面から少しお尋ねしたいと思うのであります。最近の牛肉の価格動向と、また、あわせて米国産牛肉の輸入再開後の価格の見通しについて、ちょっとお伺いいたしたいと思います。これを子牛の販売価格でありますとか、枝肉価格等の面からお答えいただきたいと思います。
〇佐々木流通課総括課長 牛肉の価格動向と米国産牛肉輸入再開後の影響についてでございます。
 最初に、牛肉の価格動向でございますが、全国の食肉中央卸売市場における枝肉価格につきましては、平成10年にキロ1、566円であったものが、平成13年9月には、BSEの発生を受けまして、平成14年には1、444円まで下落したものの、その後、上昇を続け、平成17年には、平成12年以降最高の2、034円と堅調に推移してございます。
 それから、米国産牛肉輸入再開後の影響でございますが、7月27日の米国産牛肉の輸入解禁前後における黒毛和種・去勢・A3の枝肉価格の推移を見ますと、6月が1、931円、7月が1、960円に対しまして、8月が1、924円と、これも堅調に推移してございます。
 これは、米国から輸出可能な牛肉が20カ月未満の牛に限られていること、それから、量販店等が取り扱いの再開に消費者の動向も勘案して慎重であったことということで、8月の輸入量が106トンと少ないことが理由として挙げられ、現時点では、米国産牛肉の輸入再開の影響は、ほとんどないものと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 ただいま枝肉の価格についてお答えがございましたけれども、子牛の販売価格についても、もしおわかりでしたらお答えいただきたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 子牛の販売価格につきましては、ちょっと手持ちの資料がございませんが、今月、子牛市場価格も50万円を超えているといったようなことで、先ほど話がありましたように、いずれ米国産の牛肉の輸入自由化が懸念されたわけでありますけれども、現在のところ、子牛価格は平均価格が50万円を超えているというようなことで、堅調に推移してございます。
〇小田島峰雄委員 お答えございましたように、枝肉価格も堅調に推移しているんだ、また、子牛の販売価格も50万円を超すような勢いだ、こういうお話でございました。特に、子牛の販売価格も非常に高い水準で推移しているようでありますから、繁殖農家にとりましては大変結構なお話でございます。
 しかしながら、子牛が高いということになりますと、当然、今度は肥育農家にとりましては、非常に厳しい状況に陥るということであります。枝肉価格が高い水準で推移しているとはいいましても、松阪牛のように天井知らずというわけでもございません。枝肉が2、000円台ということになりますと、高くても90万円から100万円前後といったところでございましょうか。子牛の導入価格が高ければ、当然、肥育農家の懐に入るお金、手に残る金というものは圧迫されてまいります。飼養技術もそこそこということであれば、なおのこと、高くは売れたけれども手元には残らなかった、こういうことにもなるわけであります。
 そういう観点から、先ほど答弁の中にも地域内一貫でありますとか、経営体内一貫のお話がございました。もちろん理想には違いありませんけれども、しかしながら、現実には経営体内一貫とか地域内一貫というのは、飼養形態も違いますし、飼料もまた、飼料設計も違うということで、なかなか思うとおりに現場が動いていないというのも実態であろうと思います。
 そういう観点から、この、特にも肥育農家に対する何か手だてがございましたなら、お答えいただきたいと思います。
 もう一つ、子牛の価格も高い水準で推移しているわけでありますけれども、価格もさることながら、最近では、この子牛の確保が非常に困難であるといった状況もあるようでございます。それはさまざま、短角と同じような理由によるものだとは思いますけれども、この子牛の絶対数をふやしていくための手だてというものが、これからの肉用牛の振興にとって非常に重要な課題の一つであると思うのであります。この子牛の確保対策、奥州市の方ではキャトルセンターなどを設置して対策に取り組んでおるようでありますが、そういった事例も含めてお答えいただければと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 ただいま、子牛価格が高騰することによって肥育農家に対する影響がどうかというお尋ねだったかと思いますが、委員御指摘のとおり、子牛価格は高値で推移してございますけれども、反面、飼育農家の収益性が圧迫されるといったようなことも懸念されるわけであります。
 こうした中で、肥育農家の方々はいろいろと工夫されているわけでありますが、まず、枝肉の重量を確保できる、いわゆる増体経営へのシフトというものが一つございます。それから、先ほど申し上げましたように、肥育農家の方がその繁殖部門にも取り組むといったような繁殖・肥育一貫経営を始めているといったようなこと、それから、これはかなりの規模の方だと思いますけれども、1舎買い等による安価な素牛導入といったようなことで、それぞれ肥育農家の方々が工夫している面もございます。
 県といたしましても、こういった、いずれ国産牛肉の需要の増加といったようなことがございますが、それは、消費者の牛肉に対する安全・安心志向の定着、あるいはトレーサビリティーシステムの成果と考えております。
 県といたしましては、今後とも、いわて牛のトレーサビリティーのシステムの活用によりまして、消費者のいわて牛に対する信頼を得られるような取り組み、それから、あわせまして肉用牛全体の頭数の増頭、このことによって、いろいろな子牛、素牛、肥育素牛等の確保も図れるわけでありますで、そういったような素牛確保、それからもう一方では、価格安定制度の活用といったようなことで、肉用牛の経営の安定が図られるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇小田島峰雄委員 本県の肉用牛は、飼養頭数あるいは産出額ともに全国でも上位を占めております。そういう点でしっかりと対応いただきたいものと存じます。
 視点を変えて御質問いたします。次に、肉用牛の振興にとって重要な課題は、優良種雄牛の研究開発でございましょう。本県におきましても力を入れて取り組んでおられるとは存じますけれども、その現状と、また、この開発にもっぱら携わってまいりました肉牛公社があのとおりの状況になったわけでございまして、取り組んできたこの事業が全農に引き継がれたと聞いておりますが、この引き継がれた後の種雄牛の研究開発はどうなっているのか、それをお聞きしたいと思います。
 今、市場で農家に人気のある種雄牛のベストスリーを申し上げますと、第1位が菊茂勝、第2位が平茂勝、第3位が福栄となっているとお聞きいたしております。ベストファイブになりますと、北国7の8でありますとか、安重福などというものがございます。そのうち、本県で開発したのが御存じの菊茂勝でございますけれども、あとは既に亡くなってしまったり、あるいは精液が入手困難になったり、さまざまあるわけでございます。今、その菊茂勝以外には、みんな家畜改良事業団の種牛ということになっております。
 そこで、このもう一つの問題は、この精液の価格も非常に肉用牛の振興には課題であると私は思っております。菊茂勝につきましては、技術料を含んで8、000円程度で手に入るようでございますけれども、人気のある種雄牛につきましては数万円、時には四、五万から七、八万円も出さなければ手に入らないといったものもあるようでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、枝肉価格が高含みで推移しているとはいいながらも、天井が限られておりますので、この種を導入するのに四、五万円、1回で受胎すればいいのでありますが、2回ともなりますと10万円以上投資をしなければならないなんていうことになりますと、また肥育農家の所得が減少するわけであります。安価で非常にすぐれた牛の研究開発は、重ねて申し上げるようでありますけれども、非常に重要な分野でありまして、この点の現状、見通し等についてお尋ねいたします。
〇樋澤畜産課総括課長 県有種雄牛の関係でございますけれども、県有種雄牛の造成につきましては、産地間競争に打ち勝つために、県では昭和62年度から取り組みを開始してございまして、これまで32頭を選抜しております。
 特にも近年、先ほど御指摘がございました菊茂勝、あるいは菊福秀、これは平成16年の上物率93%というような高い率を誇っておりますけれども、そういったような産肉能力あるいは肉質ともにすぐれた全国トップクラスの種雄牛が作出されてきているところでございます。この結果としまして、県有種雄牛の凍結精液の県内供給シェアは、5年前の平成13年度の12%から、平成17年度には31%に高まっているところでございます。
 それから、昨年度まで県が肉牛生産公社に委託していた家畜改良事業につきましては、委員御指摘のとおり、畜産協会を通じまして全農岩手県本部に委託してございます。全農県本部では、新たに和牛改良センターを立ち上げまして、肉牛生産公社が行っていた業務と同様の業務を実施しているところでございます。
 それから、精液の供給単価につきましては、県といたしましては、ただいま県有種雄牛については、ザーメンそのものは1本当たり2、000円ということで供給してございますが、それプラスいろいろな技術料が入ってくるかと思います。そんな格好で、現在のところ、むしろ安価過ぎるのではないかと思われるぐらい安い価格で供給していると思っておりました。
〇佐々木流通課総括課長 先ほどの子牛の価格について正確な数値を申し上げます。
 平成18年8月の売買価格は51万4、574円ということで、前年同月比の104.5%になってございます。
〇小田島峰雄委員 種雄牛の研究開発もきちっと今までどおりに続けられるということを聞きまして、一面では安心いたしました。やっぱり優秀な牛を安価に農家に普及し、そして、すそ野を広げていくというのは、極めて大事なことであると存じます。そういう点から、ひとつ引き続き御努力されますようお願い申し上げる次第であります。
 それから、また、将来的な肉用牛生産農家の所得向上対策に向けた本県肉牛の振興施策を最後にお尋ねいたしたいと思います。
 農産物でも何でもそうでありますけれども、その時々の状況によって大きく価格が乱高下する性格を持っております。要は、こういった価格の多少の変動にも耐えられるような足腰の強い農家を育てたり、あるいは、農業振興に努めるということが第一ではないかと思うのであります。
 それから、もう一つは、中山間地における肉用牛の振興という観点から申し上げますと、特にも、我が花巻地区も中山間地域をたくさん抱えておるわけでありますけれども、そういう中で、休耕田を利用した水田放牧を実施したり、さまざまな取り組みを農家ではやってございますが、この中山間地と肉用牛というのは非常にマッチしていると思うのであります。耕畜きちんと連携をして、そして有機栽培等を積極的に進めていくことに伴って、ほかの米や野菜の価格も上昇する、安心して安全な農業が実践できるということにもつながるわけでございます。
 そういう観点から、この肉用牛振興には積極的に県は関与すべきと思いますけれども、その辺のことも含めてお答えいただきたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま今後の肉用牛の生産農家の所得向上、そして肉牛振興施策についてというお尋ねでございます。
 今、委員御指摘のとおり、価格の変動にも耐えられる足腰の強い農家の育成であるとか、それから、中山間地と肉牛の連携ということで耕畜連携ということが重要ではないかというお話がございました。まさにそのとおりであると私どもも存じておりますけれども、本県の肉用牛、これは、御存じのとおり、水田との複合経営が多いということで、全国的に見ますと、飼養規模の頭数が全国最下位グループになってございます。
 私どもとしては、こういったような本県の肉用牛の経営の特質も踏まえながら、振興に向けて三つのポイントがあるかと考えております。一つは、やはり何と申しましても担い手の育成である。それから、もう一つは、やはり低コスト生産ということを志向していく必要があるだろうということが二つ目でございます。三つ目といたしましては、販売促進、いわゆるいわて牛ブランドの確立といったようなことが重要であると考えておりまして、この三つの柱で、農家の所得の向上、それから産地力の強化というものを実現していきたいと考えております。
 こういったようなことから、私ども県の方といたしましては、一つはキャトルセンターの整備でございますとか、飼料生産請負組織、いわゆるコントラクター、こういったような支援組織の充実によりまして、まず一つは、経営規模拡大を図っていきたいということでございます。それから、先ほど来お話がございます県の優良種雄牛の作出といったようなことで、家畜改良の推進と、それから、分娩間隔等の短縮といった飼養管理技術の改善、さらには、ことしの6月に新たに設立させていただきましたが、いわて肉用牛生産振興協議会といったような組織を活用した、一体となった増頭運動の推進といったようなことで、まずは生産振興に取り組んでいきたいということでございますし、あわせて、販売面では、東京食肉市場を初めとして、県内外の市場などでの銘柄牛産地としての地位を生かしながら、安全・安心で質の高いいわて牛の販路拡大に努めまして、本県肉用牛の振興を図ってまいりたいと考えています。
〇高橋雪文委員 私からは、通告しております流通と、あと諸委員の皆様方が競馬問題を話されておりますので、それに関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、流通関係でございますが、岩手県内の市場、いろいろあるわけでございますが、その市場内流通と市場外流通について、農産物、水産物それぞれどのように把握されておるか、まずはお知らせいただきたいと思います。
 水産ということですけれども、流通関係ということで、ここで聞きなさいと言われましたので聞きます。
 そして、この市場外流通の大きなところといたしましては、やはり大型店というものが非常に大きくかかわるわけでございますが、大型店の市場内、いわゆる市場を利用する割合、こういうものをどのように把握されているのか。また、大型店でも、県内資本の店舗と、あとは県外資本の店舗があるわけでございますが、それぞれどのように把握されて、そして、県としてどのように指導されておるのでしょうか。
 また、県内の県産品販売の取扱量について、どのように把握されておるでしょうか、まず聞かせていただきたいと思います。
〇佐々木流通課総括課長 それでは、県内の市場流通と市場外流通についてお答え申し上げます。
 岩手県における市場流通については、統計的な資料はあるものの、その市場外流通につきましては、水産物以外は確たる統計資料がないことから、推計となりますけれども、野菜につきましては、平成16年度について申し上げますと、県内向け出荷量が3万5、000トンのうち、市場流通が3万4、000トン、97%、それから、市場外流通が約1、000トン、3%となってございます。
 また、果物につきましては、平成16年産リンゴについて申し上げますと、県内向け出荷量が約1万4、600トンのうち、市場流通が5、600トン、約38%、市場外流通が9、000トン、約62%となっております。
 また、花卉につきましては、平成16年産リンドウについて申し上げますと、県内向け出荷量56万6、000本のうち、市場流通が55万6、000本、98%、市場外流通が約1万本、2%となっております。
 また、水産物につきましては、宮古漁港でしか確たる市場内と市場外の流通の数値がございませんが、宮古漁港の実績を申し上げますと、県内向け出荷量約2、500トンのうち、市場流通が1、400トン、55%、市場外流通が1、100トン、45%となっております。
 次に、大型店の県内市場の利用等についてでございます。
 ジャスコとかイオンに代表される大型店における県内市場の利用状況や県産品の販売取扱量等については、詳細な統計資料は県の方にはございませんけれども、大型店の県内市場の利用状況は、聞き取りによりますと、県内資本及び県外資本の大型店とも、年間を通じた生鮮食料品の安定確保や消費者のニーズに対応した豊富な品ぞろえを図るため、ほとんどの店舗で県内市場を利用しているものと伺っております。
 また、県産品につきましては、これまで県として、生産者、流通業者、小売業者、消費者が一体となった地産地消の取り組みを幅広く展開してきたところであり、この取り組みの中で、県内資本、県外資本の大型店にそれぞれの立場で地産地消を実践する地産地消サポーターに登録していただき、県産農林水産物の取り扱いの拡大を要請してきたところでございます。その結果、県産農林水産物の販売コーナーの設置や、毎月第4金、土、日のいわて食財の日に合わせた販売キャンペーンの実施などにより、県産農林水産物の取り扱いが増加傾向にございます。
 県といたしましては、今後も、地産地消運動の一環として、引き続き大型店に対しまして県産農林水産物の取り扱いの拡大を一層要請してまいりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 きちっとした統計がないということで、あくまでも予測の範疇でしかないのだろうと思うんですが、やはりこの市場内流通と市場外流通の関係が、今、小売店を含めて、県内の関係会社の方々に非常に大きく影響を与えているのが実態であります。現場の声も聞いておりまして、市場外流通について、非常にこれをどうにかしてもらいたいという思いも持っておられるようであります。
 盛岡には中央卸売市場という県内有数の市場があるわけでございますけれども、この取扱量が毎年減少しているという傾向があるようでございます。そして、仲買業者さんがどんどんやめているという実態もありまして、この存在意義そのものが問われているんだろうと思うわけであります。
 そこで質問させていただきますが、その実態と市場の問題点、これはどのように把握されているのでしょうか。また、この存在意義を考えるに当たって、県として何か施策を持って支援していく考えなどあるのかどうか、それをまずお知らせいただきたいと思います。
〇佐々木流通課総括課長 盛岡中央卸売市場の取扱量についてでございます。平成17年の取扱量は、青果部では5年前に比べ約13.1%、水産物部では約11%それぞれ減少してございます。今のは5年前の平成13年と比較してという意味でございます。
 このような厳しい状況の中、本年3月に公表されました盛岡市議会市場対策特別委員会の中間報告では、広域からの集荷力の強化、卸売業者、仲卸業者、売買参加者の3者の連携の強化、経営の効率化や市場利用者、消費者の要望にこたえる経営戦略の構築などの課題が指摘されたものと承知してございます。県といたしましては、盛岡市中央卸売市場は、産地・生産者と小売店・消費者をつなぐ県内の食の流通拠点として重要な役割を果たしていると認識しているところでございまして、こうした課題に適切に対応し、早急に経営基盤の強化の取り組みを図ることが必要であると考えてございます。
 なお、盛岡市中央卸売市場に対する指導につきましては、卸売市場法によりまして国――農林省が監督権限を有してございまして、県が直接指導する立場にないものでございますが、県としては、今後とも盛岡市中央卸売市場運営協議会の委員として、必要に応じて助言をしてまいりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 中央卸売市場については、県内の重要な拠点であるということで、多分この存続もしくは存在意義が非常に県内の流通にも大きく影響を与えていくと思うわけであります。そういったときに、実際は盛岡市が管理運営をしているというのは前提であろうとは思うんですけれども、県としてもより積極的な対応がまず必要でありますし、先ほど言いました市場内流通と市場外流通、この市場外流通の対策については、やはり県が積極的にかかわって、例えば大型店にその市場の商品をできるだけ買っていただくとか、そういう要望も含めて積極的な対応が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐々木流通課総括課長 まさに委員御指摘のとおりでございます。聞くところによりますと、盛岡市長が直接イオンの方に出向いて、品ぞろえについて盛岡中央市場を利用してくれという要請に基づいて、市場を通じて購入するという話も伺ってございます。県としても、市や全農とタイアップしながら働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋雪文委員 ぜひ部長からもその積極的な思いをお知らせいただきたいと思います。
 もう一点、競馬についてでございますが、今回、330億円の基金の創出ということが非常に大きなテーマであるわけでございますけれども、その陰に隠れて今回の特別委員会の方でも余り出てこないんですが、今年度の売り上げがどうなるか非常に厳しいと言われておるんですが、財産の売却もままならない状況にあって、今年度をどういうふうに予想しておられるのか、それを聞きたいと思います。
 そして増田知事は、この存廃の判断というのは平成18年度までにということで、みずからの決断としてやるようなことを言っておられましたが、何か330億円の基金創出で、その基金をつくるのかつくらないのかということで議会にまたさじを投げられたような、そんな思いをしているわけでございますけれども、この330億円の基金、これから出されるとしても、この基金を創出することが存廃の判断の基準になるのかどうか、それを聞かせていただきたいと思います。
〇高前田農林水産部長 中央卸売市場の関係についてまずお答え申し上げたいと思います。
 卸売市場につきましては、御存じのとおり、卸売市場法に基づいて自由な売買が原則となってございます。ただ、今、委員から御指摘がございましたように、やはり私どもとしても、県産農林水産物の消費拡大といったこともございますし、先ほど流通課総括課長がお答え申し上げましたとおり、そういった地産地消の運動の取り組みもございますので、私どもとしても引き続きそういった大型店といったものをターゲットとしていろんな取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇今泉理事 まず、平成18年度の売り上げの予想でございますけれども、年度前半から若干山あり谷ありの状況でやってまいりまして、一時期少し回復したかに見えたんですが、9月に入りましてまた落ち込んできているという状況でございます。したがいまして、仮にこのまま歯どめがかからなければ大変なことになると考えてございまして、残る期間は11月から3月まででございますけれども、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 例年でございますと、どうしても冬季、売り上げは低迷するわけでございますが、ただ、ことしは昨年に比較いたしまして、3月に特別開催を予定してございますが、昨年度は今ごろ開催を決めたということもありまして、他の主催者が発売態勢をとることができなかったということがございます。それに比較いたしまして、今年度は最初から他主催者もそこを自分たちの開催日程の中に組み込んでございますので、そこのところはきちんとした売り上げが見込めるだろうということ、さらに、1月から3月にかけて、もう少し他の受託発売を入れていきたいと考えてございまして、こういった取り組みを通して少しでも歯どめをかける、ないしは少し上向かせてまいりたい、このように考えてございます。
 それから、存廃の話でございますけれども、それは、やはり平成19年度に向けて収支の均衡がとれる見通しができたということがそれらの判断基準になるものだと私は考えているところでございます。
〇高橋雪文委員 とすると、330億円の基金を我々が認めなくても、それは存廃に当たらないというような、そういう声にも聞こえるんですけれども、私は、やはり非常に背水の陣で臨んでいることだろうと思います。そういった意味では、これからの議論ではございますけれども、その330億円の基金に一体どういう意味合いがあるのか、しっかり県民に、そして我々にも指し示す必要があるのではないか。今のままでは到底県民の理解を得られるものではありませんし、そして、我々も非常に判断ができにくい、そんな状況にあると思うわけであります。
 最後にお聞きしますけれども、再生もしくは継続を前提に皆様方御努力していただいていると思いますが、一方で、これだけ危機的な状況であって判断に迷う中にあっては、やはり廃止に至るスキームも必要なのではないか。必要というよりは、それがあって初めてその330億円の基金の話も出せるのではないかという思いもあるわけでございますが、実際そのスキームはあるのかないのか、それだけお聞きします。
〇今泉理事 若干前の答弁を補足させていただきますと、当然今の融資スキームがあって、さらにその上で我々が収支均衡をとれる見通しが、ということでございますので、そこは御理解いただきたいと思います。
 それから、廃止についてのスキームがあるのかないのかということでございますけれども、現実にそういったことをきちんと考えていかなければならない、詰めた議論をしなければならない時期が来ればそういった対応も必要になってくると考えてございますけれども、今は、まずは赤字を出さない、収支均衡する構造の転換に我々としては全力を尽くしていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 最初に私は、農政の構造改革と言われる品目横断的な経営安定対策についてお聞きします。
 品目横断的経営安定対策で対象となる個別農家、集落経営体は現時点でどうなっているでしょうか。県の目標と見込み、現時点での実績、農家の比率を含めて示していただきたい。
 個別農家については、認定農業者となるには他産業並みの所得を得る計画が必要ですが、4ヘクタール規模では無理ではないでしょうか。実態はどうなっているでしょうか。
 大規模農家の農業所得は減少してきていると思いますが、その原因は何でしょうか。
〇平賀担い手対策担当課長 品目横断的経営安定対策について、対策の対象となる個別農家、集落経営体の目標についてでございますけれども、平成19年産の本対策への加入目標は、個別経営体が3、000、集落営農組織が400であり、8月末時点での加入見込みは、個別経営体が約2、500、集落営農組織が約340となっております。農家戸数では、米の販売農家約5万2、000戸のうち、およそ42%の約2万1、600戸の加入が見込まれております。
 次に、認定農業者になるためには4ヘクタール規模では無理ではないか等のお尋ねでありますけれども、4ヘクタールという面積要件は、本対策の対象者となる担い手に対しまして、将来的に他産業並みの所得を確保し得る農業経営に発展していく努力を促すという観点から、他産業並みの所得を確保できる面積のおおむね2分の1となっております。本県におきましては、平成18年産の担い手経営安定対策の加入者から推定した水田農業が主体である認定農業者の水稲の作付面積は約5ヘクタールとなっておりまして、現状では他産業並みの所得を確保することは困難となっております。このため、経営規模の拡大であるとか園芸作物の導入等によりまして、5年後にはその目標所得を確保できるような経営体に育成してまいる考えであります。
 次に、大規模農家の農業所得が減少してきていると思うが、どうか、その原因は何かということでございますけれども、所得と経営規模の関係を分析できます統計資料の制約があることから詳細な分析については困難でありますけれども、平成11年から15年までの連続したデータがとれます農業経営動向統計によりますと、本県における3ヘクタール以上の販売農家1戸当たりの農業所得は、平成11年の268万9、000円が平成15年には206万4、000円と、約23%減少しております。これについては、農業経営に占める稲作の所得割合が高く、その間に米価が低下したことが大きな要因と考えられます。
〇斉藤信委員 この品目横断的な経営安定対策は、今までの価格保障政策を全廃して、一部の特定農家だけに集中して所得対策を講じるという、いわば農政の根本的な転換、改悪と言ってもいいですよね。岩手県が品目横断的安定対策の目標として3、000戸の農家や400の集落営農組織と言っていますけれども、これは、農家数と農地、どのぐらいを対象にしていますか、これをお聞きしたい。
 先ほど販売農家は5万2、000戸と言いましたけれども、6万7、329戸じゃないんですか。この5万2、000戸という販売農家の数は何を根拠に出したのでしょうか。
 それと私、個別農家について聞いたんですけれども、今の基準は4ヘクタール以上です。しかし、農水省が出している他産業並みの所得を確保する水準というのは25ヘクタールなんですよ、700万円の所得で。当面4ヘクタール以上認めますよ、後ではしごを外されて、これが8ヘクタールになりますよ、8ヘクタールでも足りない、こうなったら全く対象がなくなるという仕組みなんです。私はそういう点でいけば、この仕組みそのものに根本的な問題があるのではないかと思いますけれども、まず、この点で改めてお聞きします。
〇平賀担い手対策担当課長 二つほどの御質問だと思いますけれども、第1点目の、米の販売農家は約5万2、000戸ということでございますけれども、これにつきましては、実際米を販売している農家は5万2、000戸でございますので、このとおりの数字でございます。
 それと、県が目標としている400の集落経営体につきましては、市町村、農協、県等で構成します市町村の支援チームが、集落水田農業ビジョンに位置づけられた生産組織の担い手の状況でありますとか集落での意向等を踏まえまして、米、麦、大豆を経営の主体とし、集落等を単位とした営農を行っております組織などを平成19年産での品目横断的経営安定対策への加入を誘導すべき組織としてリストアップしたものでございます。
〇斉藤信委員 販売農家ね、あなた方が各ブロックで説明しているときには6万7、329戸とやっていますよ。この5万2、000戸というのはどこで出てきたんですか。これは、8月24日から行われたあなた方の説明会の資料ですよ。私も今までずっとこういうふうに聞いてきた。突然今、5万2、000戸と言ったけれども、5万2、000戸というふうに販売農家戸数が変わった理由を教えてください。
 それと、私が聞いたことに答えていないんだけれども、品目横断対策であなた方が目標にしている個別経営体3、000戸と集落営農組織400は、農家戸数の推測でやると2万1、000戸ですね。これは販売農家に対する割合は30%、加入面積の目標――面積ですけれども――、これは2万4、860ヘクタールで、これは農地全体の35%と、私が8月10日付でもらった資料にはそう書いていますよ。それで間違いありませんね。
〇齋藤農政担当技監 5万2、000戸と6万7、329戸の差でありますが、6万7、329戸につきましては、農産物を販売した農家全戸数を言っております。それから5万2、000戸については、水稲を主とした販売農家ということであります。
 もう一つ、先ほどの加入目標でありますが、平成19年産への加入目標が、先ほど申し上げましたように、個別経営で3、000、集落経営体で400、農家戸数が約2万1、000戸という形になってございます。加入面積につきましては、水稲で1万9、800ヘクタール、それから小麦3、400、大豆が1、660ヘクタールで、合計で2万4、860ヘクタールが平成19年産の加入目標となってございます。(斉藤信委員「パーセンテージは私が言ったのは間違いないか、30%と35%」と呼ぶ)それはおおむね間違いないと思っております。
〇斉藤信委員 あなた方からもらった資料で聞いているのだからね。それはあなたは違っていると思いますよ。私が8月10日にもらった販売農家に対する割合約30%というのは6万7、000戸が基準になっているんじゃないですか。あなた方は突然5万2、000戸と言い始めたんですよ。そして、さっきも言ったでしょう。米だけでは所得目標が足りないから複合経営でやるんだと言っているんだから、この数は減らさなくていいわけでしょう。突然基準を小さくしたってだめだと思いますよ。間違っていたら言ってください。
 次に私は、この品目横断対策のポイントになっている集落経営体についてお聞きします。
 岩手県は、以前全県で1、589集落営農ビジョンを作成いたしました。私は、これは地域農業を守る、発展させる立場で作成されたものだと受けとめていますが、今、品目横断対策になると突然400になるんですよ。今まで1、600近くつくった集落営農ビジョン、これはどこへ行ったんでしょうか。これは対象にならないから、もう除外されたんでしょうか。
 それと、品目横断対策に見込まれている集落経営体の実態はどうなっているか。私は、県内かなり調査をしてきました。多いのは、転作受託組合です。もう一つは、本当に数少ないんだけれども、地域農業を全体で守るという集落営農形態もあります。しかし、全体とすれば5要件という上からの大変難しい条件がついていますから、それに合わせたいびつな集落営農組織になっていると私は思っていますけれども、今、手を挙げている集落営農組織という実態は、パターンからいうとどういうのが出ているのか。
 5要件というのは、例えば、一部の担い手に所得を集中させる。20ヘクタール以上だったら二、三戸の担い手農家がいれば済んでしまう。そうすると、あとの農家はその地域に要らなくなってしまうという大変な問題が起きてしまうんですよ。国が行ったいわば参考人質疑で、ある学者がこう言っていますよ。ソ連や東欧のような集団農業を上から押しつけて成功するはずがないと。私は、全くこういうやり方を今国がやっているんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇山田水田農業担当課長 集落水田農業ビジョンにつきましてお答えいたします。
 このビジョンにつきましては、品目横断に先立って取り入れられました米政策改革推進対策の中で、本県独自として、集落ごとの目的と戦略を持って取り組んでいただこうということでビジョンの作成を誘導し、お願いしてきたところでございます。このビジョンには三つのポイントがありまして、一つは、需要を先取りした売れる米づくり、それから米以外の作物による個性ある産地化、それから水田農業の担い手育成ということでつくっていただいてまいりましたけれども、現在は、このビジョンの実践段階にあると理解してございます。その一つとして品目横断対策の取り組みも一体となって実施しておりまして、先ほどお話ありました経営体3、000、集落組織400は、この品目横断的経営安定対策の加入という面で推進を図っている部分と考えております。
 また、先ほどお話ししました三つの要素のうち、売れる米づくりと産地化の取り組みにつきましては、安全・安心な特別栽培米の生産がかなり伸びておりますし、そのほか、先ほどほかの方の質問にもありましたけれども、東磐井地域での小菊の産地化だとか花巻地区の雑穀の産地化などに取り組まれているところでございます。また、経営体3、000の中、それから集落営農400の中には、奥州市で現在までに60の特定農業団体の組織化が図られ、また、紫波町では、国内で最大級の515ヘクタールの集落営農組織が生まれるなど、成果も出てきていると考えております。
〇平賀担い手対策担当課長 集落経営体の実態についてどうかということでございますけれども、現時点において、平成19年産で対策への加入が可能と見込んでおります340組織の経営体を見ますと、このうち約100組織は、集落の担い手が中心となって組織化し、米、麦、大豆の作業を受託しますいわゆるオペレーター型の組織でありまして、それ以外の約240組織は、集落の大半の農家が構成員として参加し、米、麦、大豆等の作業を共同で実施する、いわゆる集落ぐるみ型の組織であるととらえております。
 なお、リストアップした400組織のうち、残りの60組織についてはさらに集落での合意形成が必要であり、現時点ではその形態は把握できない状況となっております。
 次に、国の5要件は、地域農業の実態に合わない、上から強制的に集団化させようとするものではないかといった点でございますけれども、集落営農の組織化については、集落の方々みずからの問題といたしまして、将来の地域農業の方向について十分な話し合いを行っていただくことが不可欠であることから、これまでも、本年4月に配置しました集落コーディネーターを初め、市町村、農協等関係者で構成します支援チームが集落に入りながら組織化に向けた合意形成を支援してきたところであります。さらに、集落営農組織が地域の担い手として継続的、安定的に農業経営を行っていくためには、単なる任意組織にとどまるのではなく、経営主体として実体を有し、将来、効率的、安定的な農業経営に発展していくことが組織自体としても重要であります。このため、今後とも、関係者と一体となりまして、法人化であるとか担い手の所得目標等を実現させるために、経営管理技術の向上であるとか農地の利用集積による経営規模拡大、あるいは園芸作物などの高収益作物の導入、さらには、流通・加工の導入による経営の多角化などによって、所得向上に向けてきめ細かな支援活動を実施してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 1、600近く集落営農ビジョンをつくったけれども、結局は、今、品目横断対策への対応ということで、率直に言えばそれは投げ出されて、品目横断の5要件に合うような集落営農組織がつくられているのが実態ですよ。
 県内最大の営農組合に行ったけれども、私もちょっと聞いてきました。担い手に所得目標を集中させたら成り立ちませんと。法人化は目指すのであって、とてもそれは実行は難しい、こう言っていますよ。だから、それは書かなきゃだめだから書いているんですよ。私は、意欲ある農家すべてが参加できる集落営農が重要だと思いますよ。しかし、そういうふうにすると、担い手に所得目標を集中できないのです。岩手県の平均550万円ですよ。550万円の所得ということは、1、000万円の収入ですよ。1、000万円の収入、2戸、3戸やったら、あとは要らないのです。わかりますか。あなた方、わかっているね。いわば5要件に合おうとしたら無理してそういう計画は書かなければだめだが、それを実行したら集落営農は成り立たなくなるというのがこの5要件なのです。そして、法人化をしたら、法人税を取られて、人を配置して記帳もしなければならない。成り立ちませんと言っていますよ。私は、そういう意味では、ここに乗っかろうとする人たちに対しては大いに支援もする、要件緩和を求めていくことが大事だけれども、しかし、実態としては、この品目横断の対策というのは、岩手の地域農業には全く合っていませんよ。
 それで私はお聞きしたいんだけれども、3月にも聞いたけれども、兼業農家も担い手に位置づけて、そうした集落営農を岩手としてきっちり打ち出すべきだと思います。品目横断は農家の3割しか対象にしないんですよ。農地の35%ですよ。あとの7割はどうするんですか。食料自給率向上どころじゃないですよ、これは。だから、あとの7割の農家を、本当に地域を守る、地域を支える地域農業の担い手として位置づけた岩手型地域農業、集落営農のビジョンというのを打ち出す必要があるんじゃないですか。対象とならない7割の農家、7割の農地をどうするかお聞きしたい。
〇高前田農林水産部長 ただいま品目横断的経営安定対策の対象にならない農家はどうするのかという御質問でございますが、私ども考えておりますのは、まずもってこの品目横断的経営安定対策に乗れるような個別経営体の育成と集落営農の組織化を重点的に推進していきたいと考えておりまして、兼業農家、零細農家につきましても、それぞれの役割分担のもとに集落営農に参加していただくことがやはり重要だろうと思っております。それが基本だと思っておりますし、それからもう一つは、それ以外の、いわゆるこの経営安定対策に加入しない農家については、やはり園芸であるとか畜産であるとか、そういう高収益の作物を積極的に導入していただきまして所得の水準を上げていくといった取り組みも一方において重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、基本的には、品目横断的経営安定対策の中で、そういった兼業農家、零細農家も一緒になってその集落の役割分担のもとに営農をしていただくことが基本であると考えます。
〇斉藤信委員 部長、あなたわかっているかわかっていないか私は本当に疑問を感じたけれども、あなた方の計画、目標で農家の3割しか対象にしないのですよ、最初から。いいですか、3、000の個別農家と400の集落営農というのは農家の3割なんですよ。農地の35%なんですよ。だから、私はあとの7割をどうするか聞いたんですよ。目標がそうなっているのに、その集落営農に参加してもらうなんて言ったって、全然あなた矛盾しているんじゃないですか。ことしの3月に、隣にいる今泉さん、私の質問に対して、兼業農家の役割は重要だと。いわば今の地域の農村・農業を支えているのは兼業農家ですよ。この兼業農家がどれだけ米をつくっていますか。私は、ここは出していただきたい。
 私は、日本学術会議の報告を紹介して聞きました。いわば第2種兼業農家というのは、後継者もいる強靭な体質を持っているんだ。これによって地域の農村と農業は支えられているというのが学術会議の報告でしたよ。今、実際に農家の収入を見たら、大変な状況ですよ。収益も、粗収益と費用合計を計算したらマイナスです。だから農外収入を投入して維持しているというのが実態なんですよ。こういう兼業農家を無視したら、赤字で農業をやれということになるんですよ。
 米生産費、所得、家計労働費、あわせて推移を出してください。
〇山田水田農業担当課長 米の価格の推移、それから生産費の推移でございますけれども、本県産米の入札取引の平均価格は、10年前と比較いたしますけれども、平成7年には60キログラム当たり1万9、862円でありましたけれども、平成17年には1万4、733円、10年間で約25%低下しております。米の生産費につきましては、これは岩手農政事務所の生産費調査でございますけれども、同じく平成7年には60キログラム当たりで全算入生産費で2万374円、これが平成17年産では1万6、170円。この10年間で約20%のコスト削減、低コスト化が進んでおりますけれども、先ほどお話ししましたように、それ以上に米価の下落が大きくて、経営状態としては非常に厳しいのは御指摘のとおりだと思います。
〇小野寺研一副委員長 斉藤信委員に申し上げます。質疑の範疇を超えて討論の範疇に入っているような感じがします。(斉藤信委員「どこがですか」と呼ぶ)見解が……(斉藤信委員「見解じゃないですよ、具体的なことを聞いているんだから、とんでもない、委員長」と呼ぶ)その辺を加味しながら御質問いただきます。
〇斉藤信委員 今の農政の最大の問題は、米価が暴落しているということですよ。この米価暴落の中で、どんなに個別農家だ集落営農だといったって維持できないと。平成17年の粗収益を言います、これは平均です。10万4、595円です。費用合計は11万5、244円です。この費用合計の中には家族労賃が入っているんです。家族労賃を抜くんですよ、本当の意味では。大変なことなんですよ、これ。赤字なんですよ。大規模農家こそ今一番打撃を受けているということを私は指摘をして、ほとんど答弁不能になっていますから、私は、今、地域農業を守る上では、そういう兼業農家の位置づけも含めて、岩手型の集落営農ビジョンというのを打ち出さなかったら7割の農家は除外されてしまう大変な農政になってしまいますよ。
 農業にかかわってあと二つだけお聞きします。
 農業研究センターの独法化が検討されてきましたが、これは現段階ではどうなっているでしょうか。
 農業水産業費に占める公共土木事業費の額、割合を示していただきたい。
〇宮下農業普及技術課総括課長 農業研究センターの独法化についてでございますが、現在、農業研究センターにつきましては、そのあり方そのものについての検討を続けているところであります。その中において独法化についても検討しているところであります。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 平成17年度決算額に対する農業、林業、水産それぞれの公共事業費の額と比率でございます。
 まず、農業関係でございますけれども、決算額524億円余に対しまして公共事業費は187億円余で、割合は36%となっております。また、林業関係におきましては、決算額119億円余に対しまして公共事業費は42億円余となっております。比率は35%となっております。また、水産関係でございますが、決算額90億円余に対しまして公共事業費は56億円余となっておりまして、比率は63%となっております。農林水産部全体でございますが、決算額768億円余に対しまして公共事業費は286億円余で、その比率は37%となっておりますが、昨年度と比較しますと、金額で13億9、000万円余の減、割合で0.2ポイントの減という状況でございます。
〇斉藤信委員 わかりました。恐らく今の数には農道とか林道とかは県道の整備に行って入ってないんじゃないでしょうか。これは後で、入っているのなら入っている、それでいいですから。
 競馬組合問題についてお聞きいたします。
 競馬組合改訂実行計画、私はここ2年間で完全に破綻したと思いますが、計画に対して実績はどうなっているでしょうか。破綻しているとしたら存続、継続の条件がないんじゃないでしょうか。
 平成11年度から経常的収支は赤字が続いてきました。この責任は極めて大きいものと思われます。もうことしで8年目であります。8年間赤字を続けたその要因と責任はどこにあるのか、改めてお聞きします。
 今年度の実績、見通し、先ほども高橋委員から話がありましたが、私は、280億円の見込みはもう崩れているんじゃないかと思いますが、今年度の今の時点での実績、見通し、売上額、経常的収支、最終的収支を示していただきたい。
〇今泉理事 改訂実行計画について、計画に対して実績はどうなっているのか等のお尋ねでございますが、平成17年2月に策定いたしました改訂実行計画の計画と実績についてでございますが、経常損益で、平成17年度計画は、計画額13億円の経常損失に対しまして、実績では18億円の損失、18年度計画は、計画額7億円の損失に対し、現在の見込みで20億円の損失になっております。この2年間では、計画額で20億円の経常損失が、実績では38億円の見込みとなるということでございます。このようなことから、新計画(案)におきましては、収支が均衡し、赤字がこれ以上拡大しないことを条件とする競馬事業存廃の基準を設定し、競馬組合、競馬関係者が一体となって収支均衡を実現していく取り組みとあわせて、構成団体としても一致協力して構成団体融資という形で一定の役割を果たしながら岩手競馬の再生を目指していくことを提案しているところでございます。
 次に、赤字の要因と責任についてでございますが、現在の運営状態を招いた要因は、盛岡競馬場施設整備等の投資負担や長期的な発売額の減少などが主要な要因と認識してございます。
 その責任についてでございますが、これまで競馬組合は、数次にわたりまして経営計画を策定し、コスト削減と発売の拡大によって自助努力による債務の解消に努めてきたところでございますが、多額の債務の累積や発売金額の大幅な低下によりまして累積赤字が年々増加してきたところでございます。このため、収支が均衡し、赤字が拡大しないことを条件に、存廃の基準を明らかにした上で、平成19年度以降は新たな赤字が発生しない経営に切りかえることとし、従来の経営改革の基本的な考え方を大きく変更した新計画(案)を策定したところであります。今後は、競馬組合と競馬関係者が一体となって、収支均衡を実現していく仕組みを構築し、新計画の実現を図っていくことがその責任と考えてございます。
 実績と見通しにつきましては東大野室長の方から答弁させます。
〇東大野農林水産企画室長 競馬組合の今年度の実績と見通しについてでございますけれども、10月9日現在の発売実績は185億4、900万円、入場人員は約26万人となってございます。また、平成18年度の通年での見通しでございますけれども、新計画(案)では、発売額が298億円余、経常損益が、先ほど理事が申し上げましたが、20億円余の損失。当期純損益は、テレトラックの売却を見込んだ場合に8、500万円の黒字、見込まない場合に17億円余の損失と見込んでございます。
〇斉藤信委員 私は、2年前の競馬組合改訂実行計画というのは最後の再建のチャンスだったと思うんですよ。増田知事自身が乾坤一てきでやると言っているんですから。そして、この計画というのは、少なくとも去年、ことしと改善をしてきて、来年の見通しが出るということを前提にしていたんですよ。去年もことしも、さっき言ったように13億円、ことしは7億円の赤字の予想でしたから、しかし来年は、こういうテンポでいったら平成19年度は黒字に転換できるだろうと、改訂実行計画はこうでしたよ。しかし、今言われたように、去年は18億円の赤字、ことしは20億円の赤字だと。逆行しているのですよ。だったら、これはもう本当に存立の条件がないと言わなければならない。これが第1点ですよ。
 第2点は、平成11年度から毎年度赤字をつくってきたというのは、これはもう8年連続ということになると完全な破綻状態ということですよ。8年間これを継続させてきた、放置してきた責任というのは私は万死に値すると思いますよ。乾坤一てきというのは、運命を賭してですよ。だれが運命を賭しているんですか。全然そういう姿が示されない。私は、そういう点で、この間の実績からいうと存立の条件がないと言わなければならない、あなた方の言明からいっても。
 それと、今年度の見通し298億円というのはあれですか、280億円で推移するという話とは違って、ことし大体280億円ぐらいだという話でしたよね。その他の収益を含めて298億円ですか。私は、280億円ということがもう崩れているんじゃないかと思っていますけれども、いかがですか。
〇今泉理事 前段の御質問に対しましては私の方から答弁させていただきますけれども、確かに平成17、18年度の改訂計画の中では、コスト削減も進めるかわりに売り上げの拡大も見込むということで取り組んでおったわけでございますけれども、17、18年度の前半までの状況を見ますと、売り上げの拡大に依拠する改訂計画そのものはやはり難しいのではないかということで、今般方針を大きく見直しまして新たな改訂計画をつくったところでございます。私どもといたしましては、存廃の基準のルールができたこともございます。退路を断って、運営経費を発売額の中から払戻金を除いた額の中で賄える、そういう体制にまずつくり変えることが存立していく上での唯一の絶対条件だろうと考えてございまして、現在そこに鋭意取り組んでいるところでございます。私は、何とかここの構造転換を図りまして、今後とも競馬事業を安定的に継続していける体制に持ってまいりたい、このように考えてございます。また、そうした取り組みに競馬職員並びに関係の団体と一体となって取り組んでいくことがやはり責任のとりようだろう、このように考えているところでございます。
〇東大野農林水産企画室長 失礼いたしました。先ほど298億円と申しましたのは、発売ではなくて売り上げ合計でございまして、発売額とその他収入を含めての額でございます。失礼いたしました。
〇斉藤信委員 結局、知事にしても部長にしても、みずからの言明をいわば覆して競馬組合を存続、継続させてほしいと言っていることですよ。みずからの言明を覆してね。
 じゃ、覆してあなた方が進めようとしている競馬改革計画について、私、具体的にお聞きしたいと思うんです。一言で言うと、つじつま合わせの机上の計画、実効性のない計画ではないかと思います。
 一つは、平成19年度の事業計画はどう計画されているでしょうか。レース、開催日数、グレード競争の拡大の見通しはないのじゃないでしょうか。JRAはもう定まっていますからね。平成19年度の実行計画そのものは成り立たないんじゃないかと思うけれども、今どういうふうに検討されていますか。
 賞典費の削減とリストラで馬資源の確保の見通しはあるんでしょうか。7億9、600万円も削減して、馬資源を確保する見通しは私はないと思いますよ。だったら、その事業計画で見込むレースすらやれないでしょう。ここからもう破綻するんじゃないでしょうか。
 三連単、三連復もインターネット発売も売り上げの拡大には結びつかない、これはあなた方が認めていることじゃないでしょうか。
 情報系分野で4億1、000万円削減すると言っていますが、私は根拠がない話だと思いますよ、相手との関係で。
 街中場外を盛岡市内に設置する具体的計画はどうなっていますか。私はもう必要ないと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇今泉理事 平成19年度の事業計画についてでございますけれども、これは賞典費の削減とも絡む話でございますが、いずれ馬資源をどの程度確保できるかという一つの仮説を立てまして、それに基づきまして、開催日数、それから1日のレース数の検討を行っております。それから、この作業と並行いたしまして、想定する開催日数と日程に基づいた場合、他主催者との受委託の見込みがどうなるだろうかという検討、これらを踏まえまして、さらに他主催者との協議といった作業を現在、同時並行的に行いながら平成19年度計画を検討しているところでございます。また、お話にありましたグレード競争につきましても、こうした作業の中で、現在、検討を進めているところでございます。
 賞典費の削減でございますけれども、賞典費を削減した場合、やはり馬資源の確保に影響が生じる可能性は避けられないだろうという認識は持ってございます。ただ一方で、事業を継続していくためにはコストの縮減・圧縮を図っていかなければならないわけでございまして、ここは関係者の御理解をいただき、賞典費の削減の影響を克服して、商品力のあるレースを展開し、さらに、それによって売り上げがふえてくれば馬資源の確保にもつながっていく、そういったレース構成を図ってまいりたいと思いますし、また、その賞金関係も考えてまいりたい、このように思っておりまして、その方向に向けて今、作業ないし協議を進めているところでございます。
 次に、三連勝式かけ式、それからインターネット発売でございますけれども、三連勝式かけ式につきましては、発売額に占める比率が次第に高まってきておりまして、ファンの興味、関心を高めることに一定の効果があったと考えてございます。また、インターネット発売につきましては、第8回盛岡競馬の10月9日時点で昨年度に比べて340%を超える大幅な伸びを示してございますほか、4月以降、1日平均発売額は増加傾向を維持してございます。そういった意味で、売り上げに一定の効果があるものと考えております。とりわけインターネット発売につきましては、当然岩手県での発売もあるわけでございますけれども、むしろ東海、近畿といったところでの売り上げが伸びているということで、これはやはり岩手競馬が新しいマーケットを今つくりつつある一つの兆しでないだろうかと考えているところでございます。
 次に、情報系のコストの削減についてでございますが、これは、相当思い切ったことをやらなければ、私ども今考えている収支均衡は成り立たないと考えてございます。そのため、これまでの交渉のやり方等も踏まえて若干詳細な準備を進めているところでございますけれども、これは何としても私ども実現してまいりたい、このように考えております。
 それから、街中場外設置についてでございますが、手軽さ、利便性というものから、新規顧客の獲得、さらには、既存ファンで何らかの事情でなかなか盛岡競馬場まで足を運ぶことができなくなった方々に対する場所の提供ということでプラス効果が期待できるだろうと考えておりますし、また、結果としてそのことがにぎわいをもたらすことにもなり、商店街の活性化にもつながるものではないだろうかと考えているところでございます。現在、盛岡市内での街中場外発売所の設置につきまして調査を進めている段階でございます。
〇小野寺研一副委員長 議事進行によろしく御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 今の答弁、私、驚くべき答弁だと思いますよ。新しい組合改革計画を我々は今議論しているわけです。この中には、平成19年度売り上げが284億円、自場発売198億円、こう書いているんですよ。あなた方が私たちに示した計画はこう書いていて、平成19年度の事業計画は、レース数もわからない、グレード競争を拡大する見込みも示せない、そんなばかな話はないじゃないですか。この284億円の根拠はどこにあるのですか。今これを議論しているんですよ、私たちは。しかし、具体的中身を聞いたら、日数もグレード競争の拡大も何も、みんな今、検討しています、協議しています。前と同じじゃないですか。具体的根拠がないのですよ、これは。馬資源が減ったら、すぐこの計画は破綻してしまう、そういうものじゃないですか。私は、そういう点では今の答弁というのは全く中身のない計画を出しているということにしかならないと思うけれども、どうですか。
〇今泉理事 そこに積み上げている数字を具体化していくために現在そういった作業を行っているということで申し上げたわけでございます。
〇斉藤信委員 今すごい答弁ですね。計画の中身を今積み上げていると。普通は積み上げて計画を出すものですよ。だから机上の計画だと言わざるを得ない。こんな計画で進めたらすぐ破綻しますよ、継続しても。
 もう答弁不能の感じですから、最後まとめてお聞きします。
 330億円の融資について、すべての借金をチャラにする融資に県民の理解は得られないと思います。どさくさ紛れに、テレトラックも売れなかった、パルソビルの破綻した7億円もですよ。こんな330億円の借金をチャラにするのは理解を得られない。返済計画は考えるのですか、考えないのですか。返済計画なしに融資するのですか。それとも、例えば2月の基金条例を出すときに、返済計画が前提だと。返済計画なしの融資になるのか、そのことをはっきり答えていただきたい。
 構成団体の分担というのはいつまでに決めるのですか。11月に競馬組合議会も予定されていますけれども、これもはっきり示していただきたい。本来ならこの県議会で議論しているときに示すべきなんですよ。
 私は、破綻、救済スキームと1場体制への縮小、ソフトランディングについて真剣に検討すべきだと思います。実態は破綻なんです。利息も払えないんですよ、この計画は。利息も何も全部330億円に入れちゃった。それでも来年度の見通しはないですよ。私は、そういう点では、やっぱり救済、破綻のスキームを検討すべきで、何度も聞きましたが、資産についても時価評価をして、実際の構成団体の負担額はどうなるかも示すべきです。
 雇用、地域経済への対応ということを考えるなら、やっぱり1場体制に縮小してソフトランディングを考えるべきですよ。私はそういう検討を、あなた方が前にやったあんな大ざっぱな1場、2場体制の検討ではなく、本当にソフトランディングという形で、曲がりなりにも280億円の売り上げは今あるのだから、私は、このままでは成り立たないけれども、1場体制に縮小して今の資源を活用するという規模でやったら可能ではないか、そういうことを真剣に考えるべきだ。そうしないと、収支均衡がだめになって破綻したら全部だめですよ。私は、そういうこともしっかり今のうちに検討すべきだということをお聞きします。
〇小野寺研一副委員長 簡潔にお願いします。
〇今泉理事 救済スキームを検討すべきではないかというお尋ねでございますけれども、現実に目先の問題となれば委員御指摘のとおりもっと詰めた議論も必要かと思いますけれども、まずは赤字を出さない、収支均衡する構図への転換に全力を傾けていきたいと考えてございます。
 また、それと関連する話になろうかと思いますけれども、1場体制への縮小につきましては、何度も申し上げますように、今、私どもが持っている馬資源を活用しながら、かつ一定の売上高を上げていくためにはやはり現在の体制が望ましいと私ども考えてございまして、このようなことから、新計画においては2場体制維持を前提に取りまとめているところでございます。したがいまして、今の段階では、まずもって2場体制の中で競馬組合の経営の安定化を図り、岩手競馬の再生の道筋をつけることが重要であると考えております。
(斉藤信委員「答弁漏れだ」と呼ぶ)
〇東大野農林水産企画室長 330億円の融資関係でございますけれども、まず最初に、融資に対する県民の理解についてでございます。
 今回の新計画(案)の融資スキームでございますが、競馬事業廃止の場合の構成団体の財政負担、競馬関係者の雇用問題の発生、経済効果の喪失、そういった競馬廃止の影響を考慮しながら、構成団体に大きな負担を強いる廃止という事態を避ける最善の方策として提案されているものと理解してございますので、各議会の皆様方、それから県民、市民の皆様方に十分説明させていただき、岩手競馬の再生に向けて御理解と御協力を得られるよう引き続き努力していかなければならないものと考えてございます。
 次に、返済計画についてでございますけれども、融資スキームの関係で、競馬組合の経常収支の黒字分から順次償還されるもの、そういった想定になってございますけれども、具体的なルール等については、今後、競馬組合と構成団体の間で協議して決定されていくものと考えてございます。
 さらに三つ目でございます。構成団体間の分担につきましては、両市においても議会の場等でいろいろ議論がなされてございます。その中で、融資スキームについても意見が出されてございます。それぞれそういった御意見や、そのほかに平成18年度の決算見込み、さらに19年度の財政見通し、そういったことも踏まえないと、融資スキームについて最終的に構成団体間で合意できる内容の取りまとめに進まないと見込まれますので、県として、両市の考え方も十分お伺いしながら、構成団体融資の実現に向けて、具体的な融資割合、条件、そういった内容の調整を図っていくことにしたいと考えてございました。
〇斉藤信委員 そもそもこの競馬組合改革計画が机上の計画で、その中身を今積み上げていると、驚くべき内容でした。330億円も融資するというのに、返済計画のルールもない。本当にこれは私は、問題の究極の先送り、責任回避ですよ。そういう点では、増田知事がここでやめたら、とんずらして終わりですよ。そんなことは私は許されないと思うんですよ。やっぱりこれだけの8年間連続の破綻、赤字について責任を政治家はとらなければだめだ。そういうことを厳しく指摘して終わります。
〇小野寺研一副委員長 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野寺研一副委員長 質疑がないようでありますので、第1部農業関係の質疑をこれで終わります。
 説明をされる方々の入れかえがございます。大変御苦労さまでございました。ありがとうございました。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩をいたします。
   午後 3 時10分 休 憩
午後3時29分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 第2部、林業、水産業関係についての質疑はありませんか。
〇阿部敏雄委員 農林水産施設災害復旧費に関連して質問いたします。
 けさの朝日新聞にも県の支援を求める動きということで大々的に取り上げられているんですけれども、実は、10月6日-8日の間の低気圧による水産被害の状況について3点お聞きいたします。
 まず1点、漁業協同組合の大きな収入源である定置網の被害が甚大である、これは、まさにそのとおりであります。施設の被害状況はどうなっているのか、また、養殖施設にもかなりの被害が及んでおるわけですが、施設や生産物の被害状況はどうなっているのかお示しください。
 2点、漁業協同組合の本当の中心である収入源の一つである定置網の復旧状況はどうなっているのかお知らせください。本県の基幹的漁業である秋サケ漁の影響がどのような状態になっているのか、どの程度を見込んでいるのかもお示し願いたいと思います。
 また、養殖施設については、漁業共済の加入状況と共済金の見込みはどうなっているのか、県はどのような対策に取り組むのか、お示し願いたいと思います。
 まず2点、お聞きいたします。
〇大森水産振興課総括課長 低気圧被害についてでありますが、漁港施設を含めた水産関係被害は、10月20日現在で53億1、000万円となっておりまして、昭和30年以降では3番目に大きな被害となっております。
 なお、定置網等の漁具の被害に限りますと、全市町村に及んでおりまして、その被害額は30億2、000万円となり、昭和30年以降では最も大きな被害となっております。
 それから、養殖の被害でございますが、カキ、ホタテを中心に、施設で8、000万円ほど、それから、養殖生産物の被害が3億4、000万円ほどとなっております。
 それから、定置網の復旧についての御質問ですが、被害を受けた多くの漁場では、替え網という別の網を持っておりまして、これを復旧のために取りかえることに全力で取り組んだことから、10月20日現在で、被害を受けた定置網の約75%、4分の3ほどが、操業がもう再開されているところでございます。
 それから、秋サケ漁業への影響についてでございますが、ことしの被害前までの漁獲量は、前年に比べて20%ほど減で推移してきたところでございました。ところが、低気圧被害を受けた10月6日以降、先ほど言いましたとおり、網をかえたり、修理に全力を尽くし復旧を急いだことから、10月18日現在の漁獲量でございますが、前年比25%減の2、600トンとなっているものの、これについては単価の上昇によりまして、漁獲金額はほぼ前年並みの9億1、000万円になってございます。
 それから、共済の加入についての御質問でありますが、養殖の共済につきましては、全県で生産物に関しては6割、施設に関しては4割となっているところでございます。それから、その支払いの見込みですけれども、共済の支払いについては、損壊の状況査定後、速やかに行うよう関係団体に要請しておりまして、養殖施設ですけれども、早いものでは11月に支払われることとなっております。
 また、生産物の共済については、漁期が終了しないと生産金額が確定しないことから、カキやホタテにつきましては、漁期が7月から6月までという周年でかける状況になっておりますので、それが終わった来年の8月ごろに見込まれるという状況でございます。
〇阿部敏雄委員 私が一番残念に思うのは、今の中で、生産物に共済が6割、施設に4割、中には一切、今回のホタテなんかで入っていない地域もあるわけですよね。それを指導するのが、やはり私は今、漁協の団体、県漁連というものがありますね。本当は、県漁連が、これに全加入することを指導すべきが筋なんですけれども、やはり漁民の中には、こういう災害があれば、何か県に頼ればというような甘い心もあるのではないかという気がします。ですから、本当に私も視察したんですけれども、もう甚大なる被害でした。だから、80歳、70歳の漁師の中には、こういう被害は初めてだ、こういう波は見たことがなかった、もう養殖はやめるという声がいっぱいありました。
 ですので、ぜひ漁業協同組合、県漁連と密な連携をとりながら、今後やはり共済にだけは加入させなければ、今回はこの時期の台風並みの暴風雨でしたけれども、これが3月になると、春雪が降った場合に、また低気圧でワカメの収穫期にやられるおそれがあるんですよね。ただ、ワカメは共済に入っているわけですけれども、ホタテ、カキなんかには、そういうものに入っていない漁民が結構あったと。ただ、施設には共済が適用にならないわけですけれども、今回みたいにやられると、全額漁師さんの借り入れか何かでやらなければならないという深刻な問題です。
 そして、定置網は共済に入っていますか。そこをちょっとお尋ねします。
〇大森水産振興課総括課長 定置網につきましては、1件のみ共済に入っていると聞いています。施設の共済でございます。大抵、漁獲共済といいますか、定置網のとれぐあいによって、5年間の平均で上下外した、それよりも下回った場合に支払われるという漁獲の共済には定置網も入っているわけですけれども、施設については1件しか入っていないと聞いておりますので、ほとんどの定置網が、自前で対応していかなければならないという状況にあると思います。
〇阿部敏雄委員 まさに定置網は漁業協同組合の心臓なんですよ。そして、漁獲量は秋サケが中心ですよね。秋サケがないともう定置網は全くだめということですから、漁業協同組合に対する県のあれはすごいですよね。287ページなんか、漁業協同組合に対する、それから、サケ・マス増殖の3億3、000万円補助している。これは、サケの稚魚の卵に対する補助とか何かね。
 一般の漁民は、こういうことがわからないんですよね。サケというのは自然に帰ってくるものだと思っているわけです。ですから、やはり県としても漁民や県民に、これぐらいの補助をしているんですよ、育成をしているんですよ。養殖事業には1億7、000万円とか、漁業協同組合の育成強化策に7、000万円とか6、000万円とかということがいろいろ載っているわけです。ですから、こういう災害が起きると、一瞬にして元も子もなくなるような状態です。
 今、県では1県1漁協の漁協の合併を指導していると思いますが、この問題を是が非でもやらなければ、これは災害が来るたびに繰り返されますよ。災害はいつ来るかわからないから災害なんです。前もってわかるのなら一つも心配ないんですけれども。ぜひ、その点については、県の部長は、以前は指導課の課長もしておりましたので、その合併推進には最初に動いた方だと思いますので、部長の考えもお示し願いたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま漁業共済の関係、それから1県1漁協の関係でいろいろお話をいただきましたけれども、まず、共済加入の促進につきましては、やはり、私どもも大きな課題だということを認識いたしております。なかなか掛金等の関係で厳しい事情もあるわけですけれども、御指摘のとおり、県漁連等と連携を図りながら、私どもとしても、積極的な加入を促進していきたいと考えております。
 それから、1県1漁協の関係でございますが、お話ございましたとおり、1県1漁協、これは漁協の経営基盤の強化ということからも重要な課題だと思っております。ただ、御承知のとおり、各漁協におきましては、財務状況が非常に厳しいという問題を個々の漁協が抱えておりまして、今、まずもってその個々の漁協の財務体質の改善といったようなことで鋭意取り組んでいるところでございますし、私ども県の立場でも、いろいろなお手伝いをさせていただいているところでございます。
 あわせて、1県1漁協の関係につきましては、なかなか当初予定どおりの進捗が見られていないということもございまして、私ども行政の立場でも、各県内の各漁協を、直接現地にお邪魔して、いろいろな現状のお話、抱えている課題といったようなこともお聞きしながら、個別具体の指導をしているところでございます。先日も県漁連の幹部の方々と意見交換をさせていただきまして、具体的な今後の進捗について、これからどうするかといったような意見交換も行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、私ども県の立場でも、できる限りの支援ということはやっていきたいと思いますが、何しろ基本は、漁協系統組織を、みずからの組織をどうするかということは、やはり県漁連で主体的に検討していくべき課題だと思っております。そういったような意識も醸成しつつ、私どもとしても、できる限りのお手伝いをしていきたいと考えております。
〇阿部敏雄委員 漁民の力にも限界があります。その上部であります漁業協同組合の財務が厳しいというのは現実です。ぜひ、この点について県の支援をお願いしたいと思います。
 そして、もう1点、この大雨によって、海岸や漁港に流入した材木等で市町村や漁業者が非常に困っているんです。確かに集めるときは漁民が2日間かかって、全漁民が出て流木を上げたんですが、その後の処理に多大な金がかかるということで、その処理にどのように県が取り組んでいるのか、お示し願いたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 テレビなどでも映されていまして、確かに流木の山積みになっている状況は、非常にインパクトがある映像でございます。
 漁港に流入してくる流木の処理についてでありますけれども、県が管理している漁港につきましては、漁業者等の協力を得ながら、既に陸揚げが終了しておりまして、乾燥した後、県単独事業で本年度内に県が排出処理をする予定となっております。
 また、市町村管理漁港については、市町村が処理することとなっております。
 それから、漁業施設や海岸に漂着した流木については、その回収及び処理の責任が明確でないことから、地元の漁業関係者がボランティアで回収・処理をしているのが実態でありますが、漁業関係者が、処理費用の軽減を図るため実施する焼却処理につきましては、災害時に限り認められていることから、こうした処理について漁協等に周知するとともに、実施に当たっては、地元の市町村とよく協議をし、適切に対応できるよう地元漁協を指導することとしております。
 なお、この災害につきまして、非常に地元の漁協等でやる場合にしても、流木の処理でございますけれども、沿岸市町村、漁業者の大きな負担を伴うということから、今後、国に対して処理に係る財政的な支援について要請してまいりたいと考えているところでございます。
〇阿部敏雄委員 本当に、ぜひ国にも働きかけてほしい。漁民は、もう肉体に限界があって、またぞろその費用までとなると、何のために自分たちがというような思いが強いんですよ。ぜひその点については、今の答弁のとおり、早急に動いてほしいと思います。
 それから、漁業被害は、担い手の問題に非常に影響するんです。子供たちが、息子たちが、もうこういう状態であれば、私は親の跡を継がない、簡単に言えば、担い手にならない、黙ってほかで稼いだ方がいいという状態になるんです。本当は県には関係ないんですけれども、是が非でもその魅力づくりに、特に私も沿岸ですので、県北・沿岸振興対策の大きな柱は、沿岸は水産業と漁業対策ですね。このホタテがとれない、カキがとれないとなれば、そういう業者、海運についても非常に心配事なんです。ですから、ぜひ県北・沿岸振興対策の一環の漁業振興に、今回のこの災害を本当にいい方向に持っていくように、ぜひ最大の支援をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
〇平沼健委員 私も、今の阿部委員が質問されたことと全く同じことになると思うんですが、この災害復旧費の中で、今月の6、7、8日の低気圧災害について、水産関係と、それから関連して林業について、若干お尋ねしたいと思っております。
 今のお話を聞いて、この水産の被害状況が53億1、000万円、これは、まだこれからふえると思います。これは大変な被害でございまして、ただ、これからが最盛期のサケの定置、この辺が75%復旧したというか、操業し出したという話を今伺ったんですが、この替え網というか、これが結構高価なもののようでして、1カ統数千万円とか、あるいは、物によっては億を超えるとか、そういうようなもののようです。操業し出した漁協の場合には、やっぱりそれなりの替え網の準備が相当あったということでしょうし、また、体質が強いというか、体力があるというか、そういうような漁協だと思います。
 私がお尋ねしたいのは、みんな体力がある漁協だけでもないわけでして、非常に、かえ網というか、そういうようなものがあるんだけれども、すぐには使えないというか、補修がまだ終わっていないとか、あるいは新しく買うのに1カ月以上かかる、その間もう漁ができないとか、そういうようなところもあるわけです。そういうようなところに対する、1カ統数千万円というものですから、購入の金額に対する利子補給というものはあるんでしょうけれども、その利子補給以外に、何かもうワンステップ上の補助体制というか、助け船というか、何かそういうものがないかと思っております。
 というのは、昨年から一昨年、エチゼンクラゲが回遊してきました。あのときには、エチゼンクラゲを分断するというか、細かく切って外に出すというか、そういうような網をつくれば、それに対してそれなりの補助というか、助成があったわけです。また、石油の高騰によっての燃油に対する多少の補助というか、そういうものがあるわけでして、その辺を考えまして、今回のこの大きな天災の、しかも一番心臓部に当たるこういう定置網のようなものに対する特段の補助体制というか、何か目新しいものが国を含めて考えられるものかどうなのか、そこからまず一つお尋ねいたします。
〇高前田農林水産部長 ただいま10月6日から7日の低気圧の関係で、被害を受けた定置網の復旧の関係で支援対策というお尋ねでございますが、私ども、本県の定置漁業というのは、主要魚種である秋サケが漁獲の大宗を占めるということ、それから、漁協経営を支える基盤となっているといったようなことから、今回、定置網が大きな被害を受けたということについて、県といたしましても大変憂慮いたしております。
 そこで、この対策ということでいろいろ検討をしているところではございますが、委員御指摘の、昨年大型クラゲ対策で定置への助成があったのではないかということも含めまして、いろいろ検討させていただいておりますが、昨年実施いたしました大型クラゲ対策での定置網への交付金に係る助成、これは、やはり大型クラゲに限定した漁業被害の対策ということでございまして、残念ながら、今回のような災害の場合は、対象とならないということのようでございます。
 具体的に、利子補給以外の別な助成はできないのかということについても、いろいろ検討させていただきましたが、何分、国の事業、強い水産業づくり交付金事業においては、漁業の構造改善を目的とした共同利用施設を対象としておりまして、単なる施設の更新とか補修というものは、対象となっていないということでございます。
 それから、この交付金のガイドラインがございまして、このガイドラインによりますと、対象施設は5年以上のものということでございまして、御存じのように、大蔵省令で耐用年数が定められておりますけれども、この耐用年数で3年ということになっておる関係上、この定置網については、何分消耗的な資材という区分になってしまうということで、この交付の対象外となっております。したがいまして、現時点では、その補助というものは困難な状況でございます。
 したがいまして、私ども県の方といたしましては、まずもって、現在用意しております漁業近代化資金等の制度資金を活用していただきまして、定置の復旧を支援してまいりたいと考えております。
〇平沼健委員 今のお話ですと、網だから消耗品だということで、これは、別に私は今、へ理屈を言うのではないんですが、エチゼンクラゲにしたって、あれは特有の新しい形の網なわけですね。だから、クラゲと低気圧の差なんだという考え方はちょっとおかしいのかもしれませんが、何かしらそういう、本当に体質の弱い漁協があるわけでして、やっぱりこれからの最盛期、魚をとるにもなかなかできないということがあるわけですから、何とかもう一段、御努力をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど阿部委員も質問しておりましたけれども、この養殖、被害額は先ほどお聞かせ願いましたからわかりましたが、共済、私もこの共済について、カキ、ホタテ―カキは大分共済に入っているというようなことを私は伺っておりますが、ホタテの場合には、なかなかそういう場面が少ない。ただ、今回の被害は、カキにしても、ちょうど収穫期に入る寸前だったんですね。だから、本当に1年間、あるいは3年間つくって、これからとろうというときに、ああいう低気圧が来て、流れはしないところがあるにしたって、真水が入ってきたり、あるいは砂とか泥水が湾内に入ってきて、もう死んでしまったというか、流れたというか、本当に悲惨な状況を呈しているところがあります。
 共済に入っていないから、こういう個人の漁家というかそういう方々は、どこにも持っていきようがないんですけれども、そういうような方々は、そういう収穫物の損害以外にも、施設の損失も出しているわけです。その辺を含めて、個人の本当に零細な漁家に対する、共済に入っていない、共済に入っておっても、来年の8月でないとはっきりしないということですから、その間、1年間の期間もありますし、何かしらこれについてのそういう助成というものの考え方があるのかどうなのか、そこをまずお聞かせ願いたいと思います。
〇松岡団体指導課総括課長 被災されました個人の養殖漁業者に対する支援ということで幾つかあるのかと考えてございます。一つは、今回被害を受けました養殖施設の復旧ですとか、あと、カキとかホタテの種苗の購入、これらにつきましては、県と市町村の方で利子補給しております漁業近代化資金の融資というものを活用してまいりたいと考えてございます。
 あと、共同利用の養殖施設であるならば、単独の補助制度がございますので、そちらの方の活用というもので対応してまいりたいと考えてございます。
 それから、当面の養殖漁業者の方々の経営再建のための資金ですとか、あとは当座の生活資金、これらにつきましては、農林漁業金融公庫の方で融資を行っております沿岸漁業経営安定資金という融資制度がございます。いずれも低利の融資でございます。そういう資金などを活用して、操業資金の確保というものを考えてまいりたいと考えております。
 それから、現在借りている方々もいらっしゃると思うんですが、そういう方々に対しましては、その償還期限の延長ですとか、あとはその償還金額を一部繰り下げるとか、そういう貸付条件を緩和する方法を金融機関の方にも要請してまいることにしているところでございます。
 いずれ関係機関、金融機関とか市町村、これらと連携して、そういう制度があるんだということをまず周知して、そして、きちっとした相談対応をとりながら、こういう漁業者の皆様に支援をしてまいりたいと考えているものでございます。
〇平沼健委員 ありがとうございます。どうかよろしく、いろいろな方策をひとつ考えて対応していただきたいと思います。
 そこで、今回のこの低気圧災害に関連して、林業の方で若干お尋ねしたいんですが、先ほど流木の話が出てまいりました。湾内に流木が流れて、結構な量でして、ただ、これは、公有林にしても、民有林にしても除間伐が進んでおりますが、間伐された後の状況というものをどのようにとらえておるのかということの質問をしたいんです。やっぱり用材の場合には、間伐して川下に持ってきて販売できる。ただ、見合わないものは、そのまま山に放置するというものが余りにも多いのではないか。やっぱりそういうものが、大雨が降って流されてきて、いろいろな災害の―これは全部じゃないんですけれども、そういう原因もあるのではないのか。その辺をどのようにとらえているのかということでお尋ねしたいんです。
 ただ、流木を見ると、いろいろな畑のくいとか、あるいは建物の板とか木とか、あるいは河川の真ん中に生えております柳の木とか、いろいろなものが確かに入っているんですけれども、事林業に関して見た場合に、山の間伐は進んでいますと言いながらも、やはり相当数、ただ間伐された状態で放置されているということが余りにも多いのではないかと思えてならないんですが、その辺はどのようにお考えなのでしょうか。それをひとつお尋ねいたします。
〇及川森林整備課総括課長 間伐・除伐後の状況というお尋ねでございますけれども、まず、例えば平成17年度につきましては、間伐の面積は1万1、000ヘクタール余となってございまして、その材積は約19万7、000立方メートルほどでございます。そのうち利用されておりますのは約44%でございまして、半分以上が林内に残されている状況でございます。
 このような状況を踏まえまして、間伐材につきましては、利用率を上げることが非常に重要であると考えておりまして、できるだけ林内に残さないように活用を図りたいと考えてございます。
 県といたしましては、県素材流通協同組合とか、合板メーカーなどの川上から川下に至る関係団体と連携いたしまして、合板などの新しい用途がただいま伸びておりますので、それの用途拡大を進めてまいりたい。今後とも、このような新たな取り組みを強化することによりまして利用間伐を進めて、林内に残るものが少なくなるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇平沼健委員 結構な間伐された材があると思うんですよね。ただ、別に、これは私、我田引水じゃないんですけれども、やっぱりこれは、二次災害ということを考えますと、幾らでも今はけ口というものがあるわけですから、細いものはチップにしてパーチクルボードとか、そういうものの原料ですのでね。ただ問題は、合わないというか、じゃ、運賃をどっちで負担するかとか、いろいろなことがあってこういうことになっているんです。これは県だけの問題ではなくて、国の大きな課題かと思っております。
 そういうようなことで、県としても、そういう間伐された残材木といいましょうか、そういうものを幾らでも利用されるような方策というものを、ぜひまたとっていただきたいと思っております。
 最後に、同じこの林業に関して、昨冬に大変な雪があって、針葉樹に限らず、いろいろな立木が倒れたり、そういう被害がありました。それは官の方というか、国有林、県有林、そういうところは徐々に時間をかけて整備されてきておるんですが、問題は、この民有林のそういう状態のものが、もう折れっ放しというか、そういう状態のものがまだまだあちこちで見えるんですね。これは、針葉樹のようなカラマツに限らず、アカマツでもそうでしょうけれども、やっぱりそういう状態で置くということは、せっかく害虫被害といいますか、松くい虫の発生源ということも、これは当然出てきますので、民有林のそのような状態のところの整備というものは、県としてどういうような指導をされているのか、それをお尋ねして、終わりにします。
〇及川森林整備課総括課長 雪害倒木の処理状況でございますが、今、御指摘のとおり、被害地では、倒伏木が折り重なるとか、いろいろ通常の除間伐とは異なりまして、伐倒整理する費用が重なるなどのことから、なかなか処理が進んでいない状況でございます。9月末現在で、被害面積135ヘクタールございますけれども、このうち国庫補助事業の森林整備事業で11ヘクタール、自力処理が10ヘクタール、合わせて21ヘクタールの処理にとどまってございます。
 このため、今後とも国庫補助の森林整備事業を活用して整備を進めたいと思ってございますが、9月補正予算で新たに計上させていただきました気象災害跡地整理事業を活用いたしまして、雪害木が松くい虫被害の感染源とならないように、伐倒整理とか、防除シートによる被覆とかを行うことにしております。
 今後、この事業を活用させていただきまして、松くい虫被害を受ける危険性の高い雪害木の整理を促進してまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 県有林事業特別会計と県の林業公社についてお尋ねいたします。
 決算によりますと、県有林事業特別会計は総額29億円でございますが、歳出面でいいますと、そのほとんどが過去の借金の償還、その財源を一般会計からの繰入金に求めておりますし、若干の公債費の発行がございます。
 ここで聞きたいのは、いろいろ県有林の県行造林等の整備その他やってきているわけですが、今現在、県有林事業としての負債総額、あるいは、これからの償還の計画等をお示しいただきたいと思います。
 それから、それとあわせまして林業公社の関係でございますが、これも特殊法人等の整理等いろいろ見直しの中で、私らもその内容を知り得たのでございますが、これによりますと、過去の整備のために要した費用のために、借入金が、農林漁業金融公庫が216億円、県からは358億円、市町村から40億円の支出等があって、合わせて614億円あるとされております。これは平成17年3月末現在ですが。ただし、このほかに、農林漁業金融公庫の約定利息93億円が見込まれているということですから、はるか700億円を超す負債といいますか、借入総額になっております。
 この分については、見直しの中で県有林事業会計に一本化するというような意向を示されておりますが、その辺について後でもっと詳しく聞きますけれども、先ほど言いました県有林事業会計の借入総額、あるいはその将来の償還計画等について、お聞かせいただきたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 まず、県有林事業の借り入れの状況でございますけれども、農林漁業金融公庫からの借り入れ、平成17年度末で481億円となっております。償還についてでございますけれども、これら元金につきまして―元利合計で申し上げたいと思います。平成18年度が16億500万円の償還となっておりまして、その後若干ふえまして、平成49年度がピークとなります。この年が25億9、300万円、それから、平成50年度以降は減少を続けまして、最終年の平成67年度の500万円の償還で償還が終了するということになります。平成18年度以降、元利の総合計は810億5、700万円になるということでございます。
 こういった非常に多額の借り入れでございますので、林業公社との一元化を進めながら、経営改善に努めて償還に備えたいと考えております。
〇新居田弘文委員 私は、林業公社の借入総額についてはいろいろ資料提供いただきまして、先ほど紹介したような数字を承知しておりましたが、県有林事業特別会計につきましては、初めて聞いて驚いたというのが実感でございます。ことしは、平成17年度決算を見ますと、いわゆる一般会計からの20億円余の繰入金を原資にして償還しているわけですが、今後とも、この県有林事業会計についての償還の原資は一般会計で対応するのか、そこの点についてお聞きします。
〇藤原森林保全課総括課長 県有林事業の償還財源について、今後とも一般会計で続けるのかという御指摘でございますが、現在、先ほど申し上げましたように、林業公社事業との一元化の中で、今後のそういった県負担をどうしていくのかということを、現時点では、森林の現況調査を踏まえて、そこからどの程度の収益が上がるのか、それから、今後の経費がどうなのかというようなことも踏まえて、現在そういう整理をしておるところでございます。
 ただ、平成15年度におきまして、やはり経営改善に抜本的に取り組まなければならないというときに試算をしたところによりますと、ちょっと古くて恐縮ですけれども、平成16年度から68年度まで、これは現行のまま、実は、一元化をした後は長伐期施業をしようということでおるんですが、県有林事業と林業公社事業を現行のまま続けた場合にはどうなのかという試算をいたしました。そのときには、平成16年度以降68年度まで、事業が終わるまでですが、これは負担額が976億円と試算しております。これは、それぞれ一緒にならないでやった場合ということです。
〇千田林務担当技監 今の御質問でございますけれども、県の方でもいろいろ現在検討を重ねているところですが、基本的には、一般会計からの繰り出しで対応したい、このように考えてございます。
〇新居田弘文委員 そうしますと、県有林事業会計についても、あるいはさっき申し上げました林業公社についても、将来一本化するとなりますと、今時点で償還される部分だけでも合わせて約1、500億円というような金額になります。だから、幾ら長伐期にしても、いわゆる後世といいますか、我々の子、孫、さっきのですと40年、50年あるいは80年というスパンの話なので、この先のことは森林の価値がどう変わるかわかりませんけれども、現状で推移しますと、とてもじゃないが、その時点で払えるというのは大変な状況に陥るだろうと想定するわけでございます。
 私が言いたいのは、そういう状況であるからこそ、今からそれに対する備えが必要ではないかということを実は提案したかったわけです。つきましては、例えば、これらの返済するための基金を造成するとか、そんなことも長年の中で、毎年10億円とか、20億円とか、できる予算の範囲もありますが、そういうことで長期に見て、そういう基金を造成しながらいろいろ検討すべきではないか。
 今、競馬問題が前面にたくさんありますから、これは一、二年で解決をどうするかという話ですけれども、これは、まだ時間はかかりますが、いずれ今からそういう将来のことも視野に入れまして、返済について、1、500億円も償還しなければならない、あるいは一般財源で対応する、山は売ってみなければわからんと、いろいろな不確定要件がございますが、その辺についての検討をすべきではないかという私の提案なんですが、部長の見解をお聞きしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま、一元化された後の林業公社の借入金の返済等を含めてこれからどうするのかというお尋ねでございますけれども、一元化された後の林業公社の借入金返済につきましては、まず、管理コストの一層の縮減とか、償還の平準化を進めることが基本ということで考えております。これとあわせて、これまで林業公社への貸付金として充当してきたその財源を、特別会計へ組みかえることにより償還していくことができるのではないかと考えておりますが、御提案のあった方法なども含めまして、対応のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 なお、林業公社のこの債務問題につきましては、私ども岩手県だけの問題ではございませんで、全国的な問題でもございまして、各県が連携して設置いたしております森林県連合でございますとか、それから、金融問題検討会におきまして、長伐期施業による伐採時期の繰り延べと債務の償還時期のギャップを埋める資金の創設であるとか、長伐期施業による借入期間の長期化に伴う利子負担の増加、これを軽減する措置といったようなことなどにつきまして、国へ提言活動を行ってきているところでございます。
 今後とも、将来の県民負担の軽減を図るために、制度の改善や創設について、国に引き続き働きかけていきたいと考えております。
〇新居田弘文委員 いずれ、そういう不確定要素はたくさんございますが、一度に支払いするのは不可能ですし、さらに、少子・高齢化によって岩手県民の人口も減ると予想されておりまして、県民の担税能力もだんだん下がっていくのでないかという危惧もしておりますので、そういう長期的な戦略の中で御検討いただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 まず、先ほど災害の話がいろいろ出ておりましたけれども、関連しますが、定置が先ほど75%復旧したということですが、実は、替え網がどうしても必要なわけですよね。御承知のとおりですけれども、草等も生えるし。そういったものも含めて、久慈管内だけで見たとしても約20億円近い、17億2、500万円という被害を振興局管内で受けているわけです。これを先ほど言った近代化資金等は借金ですから、返さなければマイナスを背負っていく、今までも背負っているわけですから、これは何らかの形で国等にも要請して、ぜひ、かなり大きな問題だと思うので、先ほどの延長になりますが、いろいろな補助というか支援措置を国等にも要請していくべきだと思います。その点、もう一回お聞かせ願いたいと思います。
 それと流木の問題です。海に浮かんでいるもの、漁港の中に浮かんでいるものについては、その片づけに補助金がつくというのは聞いております。しかしながら、実は、波全体が高くなって、それによっておかにかなり上がったという例も多々あるわけです。おかに上がったものについては補助金の対象にならないと聞いております。それは、なぜそうなんでしょうか。そして、同じことだと思うんですけれども、それをちょっと説明願いたい。そういった支援措置がないものかどうか。すごい量なんです。10トン車で何台というか、それを全部自分たちで負担しろと言ったって不可能に近いというか、その辺、当然あってしかるべきですが、まず、なぜ海に浮かんでいるものは補助対象になって、おかに残ったものはならないのか、説明願いたいと思います。
 それと、全く違う質問になりますけれども、サケ、アワビ、ウニについてお伺いしますが、総合計画で平成17年度を目標にして目標数値が設定されているわけであります。平成10年度を基点にして、平成17年度の目標を、サケであれば112億円を150億円にする、アワビは30億円を50億円にする、ウニは15億円を20億円にするという目標を立てていたわけですけれども、実態はどうなのかということをお聞かせ願いたいと思います。
〇高前田農林水産部長 私の方から定置網の復旧の関係についてお答え申し上げまして、その他のお尋ねにつきましては、水産振興課総括課長の方からお答え申し上げます。
 まず、定置の関係でございます。先ほどもお答えさせていただきましたが、私ども、このたびの水産関係被害は非常に甚大であるという認識を持っておりまして、去る10月11日に、県漁連、信漁連など水産組合6団体との連絡協議会を立ち上げまして、情報共有であるとか、いろいろな対策の検討をしてきているところでございます。
 そういったような中で、先ほど平沼委員からの御質問の際にお答えさせていただきましたような、いわゆる交付金であるとか、助成であるとかということが現行制度でできないかということもいろいろ検討させていただきましたが、現段階では、なかなか難しいということでございます。
 したがいまして、今の段階では、まず、漁業近代化資金、県の方で利子補給している制度がございますので、それをまず活用いただけないかということで検討しているところでございますが、なお、先ほど御説明させていただきましたような事情もございまして、なかなか助成ということは難しいという事情はあると考えておりますけれども、御指摘のとおり、定置の復旧については、非常に多額な投資が必要だということもございます。そして、本県の漁業にとっても非常に重要な役割を占めているというようなこともございますことから、何とかそういった定置への交付金というものができないかということについて、さらに検討を加えまして、必要に応じて、国に対しても要望してまいりたいと考えております。
〇佐々木漁港漁村課総括課長 陸上に上がった流木はなぜ補助対象にならないのかというような御質問でございましたけれども、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、いわゆる負担法では、補助対象施設として、防波堤だとか、岸壁、あるいは臨港道路などの基本施設、これらが被災した場合には補助に該当いたします。漁港施設用地の被災につきましては、補助に該当しないとなってございます。
 また、漁港の埋そくにつきましては、原則、対象除外となってございますけれども、委員お話のように、泊地だとか航路が埋そくいたしまして、漁船の係留だとか航行に非常に重大な支障を及ぼすというような場合には、認められるということもございます。
 このように漁港用地内に打ち上げられました流木の処理につきましては、負担法では補助に該当しないということでございまして、報道がございました下安家漁港の事例は、陸上に流木が打ち上げられました極めてまれなケースということでございまして、漁港施設の破損もございませんし、国の補助制度に該当させることができないというようなケースでございました。
〇大森水産振興課総括課長 サケやアワビ等の総合計画に対する達成状況というお話でございましたが、県の総合計画、水産では、その部門別計画として水産業基本計画があるわけでございます。それで見ますと、サケについては、平成22年度の目標値7万トンに対して、17年度でございますが3万1、000トン、45%の達成にとどまっております。同じくアワビにつきましては、1、020トンの目標値に対して209トンということで約20%、ウニにつきましては、2、000トンの目標に対して785トンと約40%の達成となっておりまして、達成率に関しては厳しい状況となっております。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひ国の方に要望していただきたいと思います。
 それと、流木ですけれども、なぜ対象にならないかわからないですよね。法律がそうなっているということなんでしょうけれども、実際には、おかに上がった方が処理の仕方が大変なんです。というのは、風次第で、湾に入ったものが流れていく場合があるんですよ。流木ですから。だから、それは、実はおかに上がった方が処理が大変だ。それを、例えば、今出た下安家漁港なんかだと、約600万円から800万円かかって業者を頼んでやらなければ処理できない。これを養殖施設がやられた、定置網がやられた、さらに木の処理にまで金を出せと、そんなばかな話はないでしょうと思うんです。その辺はやはり、単純に負担法の対象外だからとかじゃなくて、何か知恵を絞って対象になるようなことを考えてもらいたい。また、ぜひ探してもらいたいですね。これは本当に大変です。(「視察のかいがあった」と呼ぶ者あり)視察のかいがあった、そうです。
 ぜひ、もう一回その辺検討していただきたいということを込めて、答弁願いたいと思います。
 それと、サケ、アワビ、ウニ、これは、今お聞きしたとおり、平成22年が目標ということですけれども、これから5年で急にふえるわけないんです。それで、それぞれ理由があると思うんですけれども、この理由をどう分析して、計画達成まで行かなくてもいいけれども、さらにどういうふうにしてふやしていけるのか、どう考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。
〇佐々木漁港漁村課総括課長 先ほどお話ししましたように、国庫補助事業におきましては、漁港の泊地等につきまして負担法が適用されるということでございまして、陸上につきましては、海岸保全区域があるところにつきましては、災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業という長い名称の事業がございます。これですと2分の1の国庫補助がございます。採択基準におきましては、この事業におきましては、漂着量が1、000立米、それから工事費が200万円以上というようなことになってございます。それ以外につきましては、残念ながら単独事業ということになってございますけれども、国庫補助事業の採択基準額に満たないもの、県であれば120万円、市町村でございますと60万円、これに満たないものにつきましては、単独災害復旧事業というもので申請することも可能でございますが、それが可能かどうか、これにつきましては、市町村と協議しながら指導してまいりたいと考えてございます。
〇大森水産振興課総括課長 サケ、アワビ、ウニ等の、なぜ低迷しているかということと、その対策でございました。
 サケにつきましては、回帰率が従来3%以上あったものが2%台に下がっております。その原因については、サケは北洋まで行くわけですけれども、その環境条件とか、いろいろ説がありますが、確かなことはわかっておりません。
 サケにつきましては、今後の増産に向けて、健康な稚魚を効率的に生産するという部分しか、我々生産する現場としてはそういう手だてしかなくて、沖合の北洋の環境云々というところまでは全然行かないわけですので、回帰率の向上を目指すため、適期・適サイズ、健苗放流ということで取り組んでまいりたいと思っております。
 アワビにつきましては、適地放流といいますか、種苗生産がされて、県内で800万個近くのアワビが放流されていると思うんですが、その放流した分がきちんととれて、今、漁獲されているアワビの25%ぐらいは放流のアワビになっているわけです。ですけれども、計画に対してかなり下回っているわけでございます。それで、今までは、栽培漁業というのは、種をつくって、放流して、回収するわけですけれども、そこで一番のネックとなっているのが、均等に放流するという、つまり皆さんがお金を負担しているので、均等に、漁場がいいとか悪いとか関係なく放流している部分がかなりあります。
 それで、やはり効果を上げていくためには、よく回収される、うまくとれるところに多くまくといったやり方をしていかなければいけないのではないかということを考えていまして、アワビについても回収率の向上、つまりいい場所になるたけ多く放流するとか、あと漁期を、今ちょっと試験をやっているんですけれども、夏もとれるようにするとか、そういった回収の向上についての取り組みを考えているところでございます。
 それから、ウニにつきましては、資源の状態は良好である。ウニは結構自然発生があるわけですので、十分な利用が進んでいないということで、とる回数、口あけの回数をふやしたり、そういった取り組みで進めていきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 サケ、アワビ、ウニは、それぞれ自然の要素が大きいかと思うんですが、人為を尽くしていただければと思います。細かく言えばいっぱいあるんです。補助金とか、公費負担金問題があるでしょうけれども、いずれ、これからもさらに指導していただいて、うまいぐあいにやるようにしていただきたいと思います。
 それと、流木については、実際に結構深刻なんです。その辺を、今言われた何でもいいですから適用するように、ぜひ少しでも負担が軽くなるようにお願いしたいと思います。
〇野田武則委員 私の方からは、種苗放流事業につきましてお伺いしたいと思います。
 御案内のとおり、岩手県を中心といたしまして、各市町村、そしてまた漁協の資金をもとにヒラメの放流が進められております。それから、県の委託事業といたしましては、マツカワも進められているところでございまして、岩手県の栽培漁業協会が中心になりまして、事業を行っているとお聞きしております。
 平成13年度から進められておりまして、もう既に5年が経過いたしまして6年目に入っているわけでございますが、漁民の多くは、この放流事業に対しまして大きな期待を持っていたと思います。
 そこで、今日までどのくらいの経費といいますか、投資がなされてきたのか、そして、その成果はどうなのか、あるのか、ないのか、どのような評価をなされているのか、まず、お伺いしたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 魚類栽培の成果というか、実績についてでございますが、平成13年度から、関係者の負担によりましてヒラメの放流が始まっております。毎年110万尾を生産し資源造成に取り組んできているところですが、ヒラメの生産にかかわる経費としまして、毎年県全体で7、000万円かかっておりまして、それを県、市町村、漁協と分担して負担しております。今までどのくらい投入してきたかということですが、ヒラメの栽培用の施設をつくる分として、ちょっと今、数字を持っていませんけれども、大船渡の栽培漁業協会、大槌に施設としてつくってきたところでございます。数字につきましては後ほど。(野田武則委員「漁獲の方は、収穫の」と呼ぶ)
 失礼しました。ヒラメの放流の効果についてでございますが、計画では回収率が20%と設定しておりましたが、回収率が数%台に大きく下回っておりまして、これは岩手県だけではなくて、北海道から茨城までやっているわけですが、多くの道県で事業の経済効果がなかなか発現していない状況にあるところでざいます。(野田武則委員「マツカワについては」と呼ぶ)
 大変失礼いたしました。マツカワについては、まだ事業ではなくて試験放流の段階でございます。県が栽培漁業協会に毎年10万尾稚魚生産を委託しておりまして、その10万尾を使って試験放流をやっているところでございますが、回収率は、ヒラメと同様に、まだうまく出てこないというか、低位の状況にあります。
〇野田武則委員 そういうわけで、本当にこの放流事業につきましては期待しておったんですが、どうもなかなかその期待どおりにいかないという現在の姿があるのではないかと思っております。水産資源は枯渇が進んでおりますし、漁協の経営も大変厳しい状況にありますし、漁家におきましても、後継者不足あるいは所得の減少ということで、魅力のある漁業経営が今、期待されているわけでございますが、そういうわけで、放流事業というものに対する期待も大きいと思います。
 きょうは出納長もおいでですが、私の記憶では、釜石の水産試験場におられたときにたしか東京大学の水産学の博士号を取得なされておりますし、この春も現在の職員の方も博士号を取っておられる。そういうことがたびたび耳に入るわけでございますが、何を言いたいかというと、大変優秀なすぐれた人材が水産界にはあるのではないか、こう思うわけでございまして、ヒラメとかマツカワにこだわらず、新たな魚種の展開を進めてはいかがか、こんな考えをしております。お伺いするところによると、ナマコとかマツモとか、さまざまな事業をこれから手がけようとしているところでございますが、新たな魚種といいますか、魚の方もぜひそういうことで検討なさっていただきたい、こう思いますが、その辺の御所感をお願いしたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 先ほどの数字の件でございますが、平成10年から12年までの3カ年で、事業費として20億円投入しております。
 それから、新しい魚種ということでございましたが、今一番ナマコについて、民間でも始められておりますけれども、県としましてもナマコについて技術開発に取り組んで、ぜひこれを成功させていきたいと思っております。それから、マツモ等についても、今、水産技術センターで研究しておりまして、近いうちに何とかこれも成功させたいと思っております。よろしくお願いします。
〇野田武則委員 私に言われても困るんですけれども、いずれナマコとかマツモには大変期待をしておりますが、私が言いたいのは、それだけではなくてもっといろんな多方面から検討なさって、やれるものはどんどん進めていただきたい。今のヒラメもそうですしマツカワもそうですが、お話を聞くと10年間のスパンの計画だということでございますけれども、10年というのはとても長過ぎまして、できれば3年とか、長くても5年以内にその成果が見られるような事業展開をぜひお願いしたいと思います。
 続きまして、サケについてお伺いしたいと思います。
 サケの増殖事業は、岩手県は随分一生懸命取り組んできまして、平成8年度には過去最高の7万3、000トンの漁獲量となっております。平成11年度以降は2万から3万トン台に減少しておりますけれども、漁獲の金額では50億円とか100億円ということで、本県の水産業を支える本当に重要な魚種になっていると思います。
 そこでお伺いしたいと思いますが、サケにつきましても、これは平成4年から進められているとお伺いしておりますが、どのくらいの投資をしてきたのか。そしてまた、その投資に見合う成果が多分上げられてきたと思うんですが、その辺の評価をぜひお伺いしたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 サケについてでございますが、平成4年と言われましたが、サケについては歴史が古くて、岩手県では100年ぐらい取り組まれております。ただ、県としてやってきたのについては定かではないんですが、昭和の30何年代からサケには取り組んできたかと思っております。
 平成4年以降の県の取り組みですけれども、毎年4億を超える稚魚を買い上げ放流しておりまして、その買い上げて放流する経費、それから、漁協さんのふ化場を整備する経費等を含めますと、今まで50億円ぐらいの県費を使ってサケの資源造成に努めてきたところでございます。
〇野田武則委員 今のお話ですと、本当に100年以上にわたる長い歴史の中で積み重ねられてきているわけでございますし、はっきりしているところでも大体50億円ぐらいの経費をかけてきているわけですが、先ほどお話ししたとおり、漁獲の金額は本当にかなりの金額の成果があると言ってもいいと思いますので、本当にこれはありがたいことだと思っております。
 そこでお伺いしたいのは、県内の主な魚市場では、地元の自治体が開設して地域の漁連が経営をするということで公設民営で進められてきているわけですが、その取り扱いの金額は、サケが最も多くて大体3割とお聞きしております。このように、県の皆さんとか関係機関の皆さんが一丸となってつくり上げてきたサケ市場ですが、これが公設の市場の中で水揚げをされて地域経済を支えてきたわけですが、どうも市場におきまして、水揚げされたサケが県外の加工業者にかなり買い占められている、こういうお話をお聞きするわけでございます。もちろん高値で買ってくださることにつきましては一向に、ある意味では先ほどの成果と言えると思うわけですが、ただ、高く買ってもらえるからいいといって見過ごしていいのかどうかということが大きな課題ではないかと思っております。といいますのは、結局地元の買い付け業者にそういう力がなかったり、あるいは地元の加工業者が買い付ける、結局この多くが中国に輸出されると聞いているわけでございますが、そういった力のある地元業者が最終的には育たないことになりかねないということを大変危惧するわけでございます。多額の投資をして放流して、それを漁獲して一つの地域経済の発展を進めているわけですが、その中で、やっぱり地元の業者といいますか、地元の市場の発展を考えていく時期ではないかということで御質問させていただいております。その辺、今後どのような展開といいますか、お考えなのか、お伺いしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま、県内市場におけるサケの取引についてのお話がございました。そういう取引の実態があることは私どももお聞きしてございます。この問題につきましては、非常に難しい問題でございますが、まず、制度上どうかということについて申し上げますと、御存じのとおり、魚市場における売買取引につきましては、公正かつ効率的な売買取引をしている限り、卸売市場法に基づく指導等を行うことは難しいと考えております。しかしながら、県北・沿岸圏域の振興を考えた場合には、やはり生産、流通、加工の連携が重要でございます。何とか水産加工産業を育成いたしまして、県内の前浜資源を有効に活用して地域で付加価値をつけていくことが重要であると私どもも考えております。したがいまして、県といたしましては、こういう考え方のもとに、高次加工技術の普及によります、例えば熟成サケであるとか高鮮度イクラ等の生産拡大、それから漁協と加工業者との連携強化による水産物の高付加価値化、さらには、産学官連携で新商品の開発に取り組んで、産地間競争に勝てるような水産加工産業を育成して本県の水産業の振興に努めてまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 部長のお言葉をちょうだいいたしまして大変感激しております。今後の進展を期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、先ほど低気圧による暴風雨の被害につきましていろいろと御質問がありましたが、私の方からは、一つだけ、防波堤についてお伺いしたいと思います。
 昨今、台風が来たり暴風雨が来たりすると防波堤も倒壊することがたびたびあるわけでございまして、どうも防波堤があるからいいというものでもないなということを感じているわけでございますが、この間の暴風雨もそうだったんですが、防波堤の高さが違うために波が低い方に流れてくる。そのことによって局部的にそこの被害がある、こういう話も聞いております。この際、ぜひ防波堤の安全点検といいますか、あるいは耐用度といいますか、そういったものの調査、県北、沿岸の防波堤の点検についてぜひ行っていただきたいと思っております。
 この間の暴風雨もそうだったんですが、防波堤のおかげで大分被害が軽減されております。30年以内に宮城県沖地震あるいは津波が来るということで、今回の暴風雨は、そういう意味では大変、前体験と言ったらおかしいんですが、防波堤の効果をある程度実感できたのではないかと思っておりますので、一層防波堤の安全につきまして注意をしていきたいと思っております。どうぞ点検整備、できれば近いうちに報告をまとめて周知していただければありがたいと思いますので、そのことをぜひお願いして終わりたいと思います。
〇佐々木漁港漁村課総括課長 防波堤の高さ等の整備についてでございますけれども、県内には111の漁港がございます。そのうち、安全に係留できる港は約4割しかございません。6割は、このような荒天時には他港に避難しなければならないような整備の状況でございます。したがいまして、今後は、そのような港につきましては、天端高を上げるとか防波堤の幅を広げるとか、そういう整備が必要と考えてございます。高さも含めまして整備に努めてまいりたいと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 松くい虫に関連して幾つかの質問をさせていただきます。
 この平成17年度の決算を見ますと、松くい虫等防除事業費に3億8、513万円余投下されてございます。少なからぬ事業費が投下されておりますが、まず、松くい虫が顕在化いたしましてから一体いかほどの事業費がこの松くい虫に費やされてきたのかお聞きしたいと思いますし、あわせて被害面積等についてもお聞きしたい。面積が難しければ材積でも構いません。そしてまた、これまでにどういった施策を投じてきて、また、成果はどうであったのか。そしてまた、現在被害最前線はどの辺まで北上しているのか、その辺のところをお聞きしたいと思います。
〇石川整備担当課長 松くい虫の被害量についてでありますが、平成17年度における被害量は、前年比10.8%減の4万116立方メートルとなっております。被害面積につきましては、近年、1万1、000ヘクタールから1万2、000ヘクタールとほぼ横ばいで推移しておりますけれども、平成17年度は1万2、085ヘクタールとなっております。また、これまでに投下した事業費につきましては、岩手県で松くい虫が発生した昭和54年から平成17年度までの27年間で55億7、000万円となっております。
 また、最前線の推移でありますけれども、昭和54年に初めて一関市等で被害が発見されたわけですけれども、その後徐々に北上しておりまして、昭和61年度には北上市が最前線、平成8年度は花巻市、平成12年度からは東和、石鳥谷、紫波町など、現在の最先端地域が被害を受けております。また、平成12年以降は、紫波町と、沿岸部は大船渡市が最北端という形になっておりますし、また、昨年ですけれども、平成17年度に旧宮守村で被害木が発見されたということで、若干東の方に内陸部は広がったということでありますし、旧市町村数では24市町村という形になっております。
 また、今までいろんな対策をやってきた成果といたしましては、平成13年度から潜在被害木調査を実施ということで、まだ枯れた状況が見えない木を探すという事業をやっておりますけれども、そういう早期発見・早期駆除の徹底に努めた結果、平成16年度及び平成17年度と2年連続で被害が減少しております。平成17年度には、ピーク時に比べて26%減少しております。さらに18年度からは、松くい虫被害防除監視帯の見直しや潜在被害木調査の拡充など、被害区域を着実に減らすための対策を強化しているところであります。
〇小田島峰雄委員 この松くい虫、ただいまのお答えでは被害が減少しているというお話でございまして、大変結構な話でございますが、松くい虫の被害というのは特用林産物の振興にも大きく影響するわけであります。我が地域におきましてはマツタケの生産が盛んな地域でございまして、かつては県下でも有数の優秀なマツタケの産地でございましたけれども、ここ数年はさっぱりとれないという報告がなされております。これは、雨が降らないだのさまざまいろんなことがあると思いますけれども、一つには松くい虫と地球温暖化の影響だろうと私は見ておるのであります。いずれ、この県議会に参るまで、私も2期8年間、毎年松くい虫防除に取り組んでまいったわけでありますけれども、やれどもやれども終わりのない、果てしない徒労の連続でございました。何としても北上を食いとめて被害を最小限に抑えるためにも、この際根絶をしていかなければいけないと思う次第であります。
 そこで、我が地域におきましては、毎年森林組合を初め、関係の皆さん方が必死になってこの防除に相努めているわけでございます。その中で一つお尋ねいたしたいのは、現在、補助事業があるわけでございます。野原の真ん中で防除作業をやるわけではございませんで、御存じのとおり、高い山の上の神社の境内でありますとか、あるいは建物の付近とか、あるいは急峻ながけ付近、こういう、作業に非常に苦労する場所での防除作業になるわけでありまして、大型クレーン車等も使用しながら対応に当たっているわけでございます。そういう中で、現在の補助率を変えろなどということは申し上げないわけでございますけれども、現行の補助単価については若干見直しをしてやりませんと、なかなか駆除作業、防除作業が進展しないと私は思っているわけでございますが、この補助単価の見直し等のお考えがあるのかどうか、またあるいは、今後どう対応されていかれるのか、その辺のお考えがございましたらお伺いいたします。
〇石川整備担当課長 補助単価の見直しについてでありますが、補助単価につきましては、駆除の標準的な積算経費をもとに助成を行っております。これまでも、市町村等の現場からの要望に応じて、生分解シートの導入やリフトを導入した場合の駆除単価の追加など、現場の実態に応じた見直しを行っているところであります。今後とも、現場の実態を踏まえて、適切に対応してまいりたいと思っております。
〇小田島峰雄委員 実態を見ながら、現場を見ながら検討されるというお考えでございます。繰り返すようではありますけれども、一日も早くこれを根絶する、こういう強い姿勢で対応をいただきたいと思うのであります。
 この松くい虫に関連いたしまして、雪害倒木処理についてお尋ねいたします。
 先ほど平沼委員の御質問もあったところでございますけれども、この雪害倒木処理につきましては、さきの6月定例会におきまして一般質問で取り上げさせていただきました。その際、高前田部長には極めて前向きな答弁をしていただきまして、なおかつ早速この事業に着手されたようでございまして、心から敬意を表する次第であります。特にも、最近、我が地域におきまして高前田部長に対する賞賛の声が日増しに高まっているかどうかはまだ調査していないからわかりませんけれども、いずれにいたしましても、非常に関係者からはありがたいというお話は毎日聞いておりますので、お伝えいたします。
 そこで、先ほども答弁があったところでありますけれども、この際、この現状と支援内容についてお答えいただきたいと思います。ちらっと気象災害跡地整理事業という事業名が出てまいりましたけれども、その事業内容の詳細についてもお知らせいただきたいと思います。
〇石川整備担当課長 被害地では、先ほども答弁ありましたように、倒伏木が折り重なって、通常の除間伐と異なり、伐倒整理に要する費用が非常にかさんでおります。9月末時点では、被害面積135ヘクタールのうち、国庫補助事業や自力施行などで21ヘクタールと、まだその程度の処理にとどまっております。そういうこともありまして、9月補正予算で、気象災害跡地整理事業として、総事業費5、418万2、000円に対しまして補助金として2分の1、2、709万1、000円を計上させていただいたところであります。今後は、この予算を活用して、松くい虫の付着を防ぐための伐倒整理やシート施工、薬剤の地上散布などを行うこととしております。
〇小田島峰雄委員 そこで、この気象災害跡地整理事業について若干お尋ねいたしますけれども、お聞きするところによりますと、1林小班の30%以上の被害を受けた山林が対象になる、こういうことでございます。逆から見ますと、30%以下は残念ながら、山林の所有者については現在御存じのとおりの状況でありますから、なかなか手をつけかねるという状況で、放置されるということもあるわけでございます。冒頭申し上げましたように、この放置された被害木が新たな松くい虫の温床になる可能性は非常に大きいわけでございまして、この際、余りけちなことを申し上げないで、きちんと処理するために、幾ばくかの支援、もちろん同じ支援である必要はないわけでありますけれども、何かしら手を差し伸べるお考えがあるかどうか、これについてお尋ねいたしたいと思います。
〇及川森林整備課総括課長 被害率30%に満たないところということでございますけれども、基本的に森林整備事業に使っていただきたいわけですけれども、なかなか進んでいない現状でございます。小さいけれども、被害地を含めて、その周囲の森林も含めて除間伐の推進ができないかということをただいま森林組合とか関係業界とともに検討しているところでございます。
〇小田島峰雄委員 ぜひ御検討いただきまして、全県に松くい虫被害が広がらないように手を打っていただきたいと思います。松くい虫の最前線で真剣に必死に頑張っておられる方々に元気を出して取り組んでいただくためにもひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。真に本当の賞賛の声が上がるまで、少し頑張っていただきたいとお願いを申し上げまして終わります。
〇斉藤信委員 私からもまず冒頭に、低気圧による暴風雨被害、特に県北の町村への被害が大変大きかったということで、国の補助事業はもとより、県独自の地域活性化事業とか県北・沿岸振興のための特別の交付金とか、そういうのを検討してぜひ対応していただきたい。これは皆さんたくさん言いましたから、要望にとどめます。
 8月26日に、私ども、山田町で三陸沿岸漁業シンポジウムを行いました。県からも担当者をパネリストとして派遣していただいて、地元の漁協関係者200名を超える参加で、大変濃密なシンポジウムになりました。感謝を込めて、そこで議論になった若干の点だけ絞って、簡潔に聞きます。
 水産庁が行ったキチジに関する05年度の底びき網の網目調査の結果はどうなっているか。水産資源の持続的生産や魚場観光を守るため、大型底びき網や大型まき網の操業規制を検討すべきだと思うが、いかがでしょうか。
 二つ目、県北沿岸漁業の産業振興は県政の重要課題ですが、沿岸自治体からどんな要望、提言が出されているか。漁業・水産業振興策について、特に目玉としているのは何か示していただきたい。
〇渡部漁業調整担当課長 底びき網の網目調査の結果についてでございますが、この調査では2種類の網目を使用した調査が行われておりまして、このうち、大きな網目であります79ミリというものを使用した場合では15センチ以下のキチジが網目から逃げる割合は81%という結果になっております。
 次に、大型の底びき網やまき網の操業規制の検討についてでございますが、ただいまの網目調査の結果によりますと、網目を大きくすることによりまして小型魚の保護の面で一定の成果が見られてはおりますが、県といたしましては、さらなる資源管理の推進や沿岸漁業との調整の観点から、平成15年度の底びき網漁業とまき網漁業の許可の更新に当たりましては、操業禁止ラインを現行よりも沖側に設定するよう国に対し要望したところであり、今後とも、その実現に向けて引き続き要望してまいりたいと考えてございます。
〇大森水産振興課総括課長 県北沿岸漁業の振興についてでございますが、県北・沿岸圏域の産業振興の基本方向の案に取りまとめているわけですけれども、各沿岸自治体との意見交換会を開催しているところでございます。この中で、やはり漁業の担い手の確保・育成、それから水産物の販売強化、水産物の高付加価値化に関連する要望、提言等が多かったように思っております。
〇斉藤信委員 ちょっとあっさりし過ぎて物足りないところがありますけれども、県は、漁業担い手育成ビジョンを策定して地域営漁計画を漁協が策定するという目標を掲げております。計画策定と計画実施を支援する県の体制はどう強化されるのか。水産技術センター、地方振興局の水産部の体制ですね、これにあわせてどういう強化策が検討されているか。
 最後ですが、カキ、ホタテの貝殻付着物など漁業系廃棄物の活用策、リサイクルの推進についてどう取り組んでおられるか。山田町、大沢漁協からも具体的な要望が出されていると思いますけれども、どう対応されているでしょうか。
〇大森水産振興課総括課長 県北・沿岸振興の県の体制強化についてでございますが、漁協の地域営漁計画の策定と実行の支援を大きな課題として、県北・沿岸振興のために、本年9月19日に水産振興課の中に新たに特命課長を含め専任の職員を2名配置して組織体制を強化したところでございます。今後は、この新たに設置した組織が中心となって、地方振興局と水産技術センター、さらには市町村、関係団体と連携を強化し、県北沿岸の水産振興に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、漁業系廃棄物の活用策についてでございますが、これまで、いわてバイオマス循環型システム実証事業等によりまして、カキ殻の土壌改良剤への利用とか昆布の残渣の堆肥化等、これらの活用策について推進を図ってきたところでございます。
 また、大沢漁協から要望がありましたカキ殻についている付着物の処理についてでございますが、今年度の産業・地域ゼロエミッション推進事業により、現在、堆肥化の試験が開始されておるところでございます。県といたしましては、今後とも、市町村や漁業関係団体と連絡を図りながら、漁業系廃棄物の活用、リサイクルを推進してまいりたいと思っております。
〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、農林水産部関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 5 時 3 分 散 会

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