平成18年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成18年10月24日(火)
   
1 開会 午前10時3分
1 出席委員 別紙出席簿のとおり
1 事務局職員
  議事課長    切  金     精
  議事課長補佐   千  田  利  之
  主任主査    保  原  良  和
  主査    小  船     進
  主査    石木田   浩  美
  主査    佐々木   ユ  カ
  主査    菊  池  芳  彦
  主査    渡  辺  謙  一
1 説明員
  県土整備部長   西  畑  雅  司
  県土整備企画室長 橋  場     覚
  道路都市担当技監 渡  部  正  利
  河川港湾担当技監 沖     正  博
  県土整備企画室
  企画担当課長   渡  邊  健  治
  県土整備企画室
  管理担当課長   早  野  義  夫
  建設技術振興課
  総括課長     中  田  光  雄
  技術企画指導
  担当課長     日  野  利  則
  道路建設課
  総括課長     佐  藤  文  夫
  農林道担当課長  沼  崎  光  宏
  道路環境課
  総括課長     中  野  正  志
  河川課総括課長  沖  野  健  悦
  河川開発担当課長 水  野  尚  光
  砂防災害課
  総括課長     野  中     聡
  都市計画課
  総括課長     深  澤  忠  雄
  まちづくり
  担当課長     大  矢  喜久男
  下水環境課
  総括課長     佐  藤  英  夫
  建築住宅課
  総括課長     澤  口  政登志
  建築指導担当課長 鈴  木     徹
  港湾空港課
  総括課長     高  橋  克  雅
  営繕担当課長   金  田  義  徳
        
  企業局長     岩  渕  良  昭
  経営総務室長   和  嶋  憲  男
  企業局技師長   杉  下  安  弘
  業務課総括課長  武  蔵  岩  夫
  経営総務室
  管理担当課長   宮     卓  司
  経営総務室
  経営企画担当課長 菅  峨  範  夫
        
  保健福祉部長   赤  羽  卓  朗
  保健福祉企画室長 古  内  保  之
  医師確保対策室長 尾  形  盛  幸
  保健福祉企画室
  管理担当課長   川  口     眞
  医療国保課
  総括課長     柳  原  博  樹
  保健衛生課
  総括課長     高  田  清  己
  地域福祉課
  総括課長     下屋敷   正  樹 
  長寿社会課
  総括課長    小田島   智  弥
  障害保健福祉課
  総括課長    小  林  繁  春
  児童家庭課
  総括課長    川  上  裕  二
  出納長    上  村  俊  一
  副出納長兼
  出納局長    平  澤  石  郎
  出納課総括課長  渡  邉  和  男
  監査委員    菊  池  武  利
  監査委員    谷  地  信  子
  監査委員事務局長 高  橋  公  輝
  総務課長     大  森  勝  雄
  監査課長     門  口  正  雄
  参事兼予算調製課
  総括課長     菅  野  洋  樹
   
〇吉田昭彦委員長 これより本日の会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、去る10月17日の人事委員会審査の際、斉藤信委員の発言に関して、佐々木一榮委員から議事進行のありました件につきまして、10月23日、世話人会を開催し、協議をいたしましたので、その結果を報告いたします。
 世話人会において、速記録を精査し、協議いたしたところでありますが、この結果、問題はないものと認められました。
 以上のとおりでありますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成17年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成17年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部及び企業局関係の質疑を行い、企業局関係の質疑終了後、委員会を休憩し、本会議において、当委員会に付託されております平成17年度岩手県一般会計歳入歳出決算の訂正を審議した後、委員会を再開し、継続審査とされておりました保健福祉部の質疑を終え、その後、決算15件について意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇西畑県土整備部長 県土整備部関係の平成17年度の決算について御説明申し上げます前に、県土整備部所管の事務事業に係る総括的な成果・評価と、これを踏まえた次年度以降の取組方針について御説明申し上げます。
 当部では、豊かな自然と調和・共生し、交流・連携が活発に行われる快適で安全な県土の創造を基本に掲げて各種施策に取り組んできたところでありますが、岩手県総合計画の施策ごとに申し上げますと、交流・連携を支える交通ネットワークの整備につきましては、高規格道路の整備促進を初め、県内の地域間の交流・連携を支える幹線道路や日常生活に密着した生活道路などの整備、地域産業の振興を図るため、物流拠点としての港湾整備、国内各地域あるいは海外との交流・連携を図るための空港整備を進めているところであります。
 安全な暮らしの実現につきましては、洪水被害の防止及び水資源の有効活用のため、河川の改修や県営ダムの整備、土石流、地すべり、がけ崩れによる土砂災害などを防止するため、砂防施設や急傾斜地崩壊防止施設などの整備、津波や高潮などから住民の生命・財産を守り、県土の保全を図るため、海岸保全施設などの整備を進めているものであります。
 質が高く快適な暮らしの実現につきましては、快適な生活環境を実現するため、公営住宅や下水道、公園などの整備を進め、快適で魅力ある都市環境の整備のため、区画整理、街路整備事業を実施しているものであります。
 人と自然が共にある環境の保全につきましては、身近な自然環境の保全、創造など、自然と人との触れ合いの場づくりや、自然への理解を深めるための機会づくりを進めるため、事業を実施しているものであります。
 これまでの取り組みに対しての評価は、政策評価を実施する上で設定しました主要な指標の目標値を若干下回る項目はあるものの、おおむね目標を達成している状況となっております。しかし、県北・沿岸圏域において、いまだ整備途上である高速交通ネットワークの整備を初め、今後、高い確率で発生が予想される宮城県沖地震への対応、高度成長期に大量に整備した橋梁を初めとする公共施設の維持管理、修繕、更新への対応など、引き続き県土整備部の果たす役割は大きいものと理解しております。
 このような状況のもと、県土整備部では、少子・高齢社会や来るべき大量施設更新時期を見据えつつ、今ある施設の有効活用を図り、事業の厳格な選択と戦略的な集中を行いながら、産業振興を支援する物流ネットワークの構築、災害に強い県土づくりの推進、効率的、効果的な社会資本の整備、維持管理、県北・沿岸振興について重点的に取り組むこととしております。
 続きまして、平成17年度県土整備部関係の決算について御説明申し上げます。
 なお、平成17年度の決算は、本庁組織の一元化により、環境生活部及び農林水産部から移管された事業につきましても、現在所管している当部から御説明申し上げますので、御了承願います。
 お手元の平成17年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、8款土木費、16ページの11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費及び12款公債費の一部のほか、環境生活部からの移管分としては、12ページに戻っていただきまして、4款衛生費2項環境衛生費の一部、また農林水産部からの移管分としては、14ページ、6款農林水産業費の3項農地費から5項水産業費までの一部及び16ページの11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費の一部であります。これらの予算現額の合計は1、269億6、471万円余でありますが、これに対する支出済額の合計は1、074億1、728万円余となり、一般会計全体の支出済額に占める割合は14.2%となっております。また、翌年度繰越額の合計は190億361万円余となっております。これは、計画調整などに不測の日数を要したほか、用地交渉が難航したことなどによるものであります。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成17年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の224ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費3目環境衛生指導費のうち、当部関係の主なものは、227ページに参りまして、備考欄3行目の浄化槽設置整備事業費補助でありますが、これは、33市町村の浄化槽の設置補助に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして264ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち、当部関係の主なものは、269ページに参りまして、備考欄7行目の農道整備事業費でありますが、これは、一関市西磐井地区ほか13地区の農道整備に要した経費であります。10行目の農業集落排水事業費は、汚水処理施設の整備費に対し市町村へ補助した経費であります。3目農地防災事業費のうち当部関係は、一番下の海岸保全施設整備事業費でありますが、これは、野田村野田海岸ほか1海岸の海岸堤防の新設改良に要した経費であります。
 次に、278ページをお開き願います。4項林業費6目林道費のうち当部関係の主なものについてでありますが、備考欄下から7行目の林道整備事業費は葛巻町の沼ノ平線ほか17路線の林道整備に要した経費であり、下から4行目のふるさと林道緊急整備事業費は雫石町志戸前川線ほか8路線の林道整備に要した経費であります。
 次に、292ページをお開き願います。5項水産業費11目漁港漁場整備費のうち、当部関係の主なものは、295ページに参りまして、備考欄下から3行目の海岸保全施設整備事業費でありますが、これは、防潮堤、護岸などの整備に要した経費であります。
 少し飛びまして、308ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、人件費など当部の管理運営に要した経費、港湾整備事業特別会計ほか3特別会計への繰出金等であります。2目建設業指導監督費は、建設業者の指導監督などに要した経費であります。
 次に、310ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認の事務等に要した経費であります。4目空港費は、いわて花巻空港の管理運営、空港拡張整備等に要した経費であります。
 次に、312ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、一般職員の人件費のほか、市町村道路事業の指導監督に要した経費であります。2目道路維持費の主なものでありますが、備考欄2行目の除雪費は、県下263路線の除雪を実施した経費であり、7行目の道路維持修繕費は、県管理に係る国道及び県道の維持・修繕に要した経費であります。
 次に、314ページをお開き願います。3目道路新設改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の道路改築事業費は、一般国道455号盛岡市北山バイパスほか29カ所の改良工事等に要した経費であります。9行目の緊急地方道路整備事業費は主要地方道二戸安代線二戸市福田ほか185カ所の道路整備に、11行目の地方特定道路整備事業費は、主要地方道大船渡広田陸前高田線陸前高田市小友ほか68カ所の道路整備に、次の行の交流ネットワーク道路整備事業費は一般国道455号盛岡市玉山区ほか22カ所の道路整備にそれぞれ要した経費であります。下から3行目の直轄道路事業費負担金は、国道4号などで国が実施した道路事業等に対する県負担金であります。4目橋りょう維持費は、一般国道281号久慈市尻跳2号橋ほか37カ所の橋梁補修工事等に要した経費であります。
 次に、316ページをお開き願います。5目橋りょう新設改良費の主なものは、緊急橋りょう補強事業費でありますが、これは、一般国道106号川井村箱石大橋ほか45カ所の落橋防止などの震災対策工事に要した経費であります。6目高速道路対策費は、東日本高速道路株式会社の委託を受けて、東北横断自動車道釜石秋田線の建設促進対策に要した経費であります。
 次に、318ページをお開き願います。3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、備考欄1行目の河川水門管理費は、河川水門及び海岸堤防水門の管理等に要した経費であり、一番下の直轄ダム管理費負担金は、四十四田ダムほか4ダムの国の管理経費に対する県負担金であります。2目河川改良費の主なものでありますが、備考欄2行目の基幹河川改修事業費は紫波町の滝名川ほか8河川の改修工事に要した経費であり、4行目の三陸高潮対策事業費は宮古市の津軽石川ほか3河川の高潮対策工事に要した経費であります。5行目の河川激甚災害対策特別緊急事業費は、一関市の砂鉄川の改修工事に要した経費であります。
 次に、320ページをお開き願います。備考欄5行目の直轄河川事業費負担金は、国の北上川上流の改修費等に対する県負担金であります。3目砂防費の主なものでありますが、備考欄1行目の砂防事業費は盛岡市猿田の沢ほか24カ所の砂防堰堤等の工事に要した経費であり、4行目の急傾斜地崩壊対策事業費は一関市鬼吉ほか31カ所の擁壁工等の工事に要した経費であります。
 次に、322ページをお開き願います。4目海岸保全費の主なものは、海岸高潮対策事業費でありますが、これは、洋野町の平内海岸ほか1海岸の防潮堤等に要した経費であります。5目水防費は、水防警報施設の保守点検、雫石町ほか5市町の洪水浸水予想図の作成等に要した経費であります。6目河川総合開発費は、鷹生ダムほか3ダムの建設に要した経費等であります。
 次に、324ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の管理及び修繕に要した経費等であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、326ページに参りまして、備考欄2行目の港湾改修事業費は、釜石港ほか4港の施設整備に要した経費であり、下から4行目の直轄港湾事業費負担金は、国直轄による港湾建設事業に対する県負担金であります。
 5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものは、備考欄下から4行目の広域公園管理費でありますが、これは、花巻広域公園及び御所湖広域公園等の維持管理に要した経費であります。
 次に、328ページをお開き願います。2目街路事業費の主なものでありますが、備考欄3行目の緊急地方道路整備事業費は、盛岡南新都市地区ほか11カ所の都市計画道路整備に要した経費であり、6行目の地方特定道路整備事業費は、盛岡市の向中野安倍舘線ほか4カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。3目下水道事業費の主なものは、過疎地域公共下水道整備代行事業費でありますが、これは、八幡平市ほか5市町村の下水道施設の代行整備に要した経費であります。
 次に、330ページをお開き願います。6項住宅費1目住宅管理費の主なものは、公営住宅維持管理費でありますが、これは、県営住宅等5、178戸の維持管理に要した経費であります。2目住宅建設費の主なものは、公営住宅建設事業費でありますが、これは、花巻市の宮野目団地ほか4団地における県営住宅95戸の建設等に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして370ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費2目林道災害復旧費は、釜石市の黒崎峠線ほかの災害復旧工事に要した経費等であります。
 次に、372ページをお開き願います。2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものは、河川等災害復旧事業費でありますが、これは、葛巻町の1級河川山形川ほかの災害復旧工事等に要した経費であります。3目都市災害復旧費は、市町村都市災害復旧事業の指導監督に要した経費であります。
 次に、374ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金についてでありますが、特定資金公共投資事業債償還元金のうち、当部関係は6億6、997万円余であります。これは、平成13年度借り入れに係る繰り上げ償還に要した経費であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成17年度岩手県歳入歳出決算書の42ページをお開き願います。平成17年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は9億9、892万円余であります。その主な内容は、土地開発基金の運用による利子収入、土地の売払収入及び県債であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は8億7、766万円余であります。その主な内容は、県債の元利償還金及び用地取得に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、46ページをお開き願います。平成17年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は98億9、079万円余であります。その主な内容は、流域下水道の維持管理費等に係る市町村負担金のほか、国庫補助金、一般会計からの繰入金であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は84億9、160万円余であります。その主な内容は、流域下水道の維持管理費及び建設費、県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、50ページをお開き願います。平成17年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は33億1、264万円余であります。その主な内容は、港湾施設用地等の使用料、一般会計からの繰入金及び県債であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は33億356万円余であります。その主な内容は、港湾施設整備費、工業用地造成費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 次に、52ページをお開き願います。平成17年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は4、175万円余であります。その主な内容は、花巻広域公園ゴルフ場の使用料及び一般会計からの繰入金であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は4、175万円余であります。これは、花巻広域公園ゴルフ場の管理に要した経費であります。
 以上で岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもって県土整備部所管に係る平成17年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議くださいますよう、お願い申し上げます。
〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 それでは、昨年末からことし初めには大雪が多かったわけで、それにかかわる道路被害等があったわけですが、これまで凍上災等の関係になりますと、国の基準では過去10年間最低の寒さというか、その記録的なというものが凍上災の要件にあったと思いますが、その中身でいけば、なかなかこの間の寒さは基準値には入らないのかという心配がされてきましたが、今回その凍上災、数値等もほぼ確定してきたと思いますが、現状についてどのようになったかお伺いします。
〇野中砂防災害課総括課長 凍上災の採択についてでございますが、凍上災の採択につきましては、過去10年の凍結指数の最大値を超えるという凍上災の採択要件でありましたが、今回、10年の最大値ではなくて、10年の確率ということで採択要件が国の方針で示されたところでございます。それに伴いまして、当初、最大値では該当箇所がなかったわけでございますが、採択要件の変更に伴いまして、県内、アメダスの33地点のうち16地点が該当になったということで、今回、凍上災の災害報告として958カ所、申請したところでございます。
 凍上災の査定につきましては、9月4日から10月20日にかけて計5回に分けて行われまして、採択状況としては、県工事として423カ所、63億5、000万円、市町村工事では535カ所、71億円と採択されております。県、市町村合計で958カ所、134億5、000万円となっております。
〇工藤大輔委員 まず、無事に査定が終わって、そのとおりになったということは大変喜ばしいことだと思います。公共事業が減っている中ですから、これら決まったものに対してはできるだけ早い発注であったり、適切な時期、振興局とも十分相談をしながらやっていただきたいと思います。
 また、先般の低気圧による災害におきまして、例えば平成11年の県北豪雨災害のときに、一度壊れたものがまた早くも壊れてしまった、例えば設置した護岸等のブロックごと流されてしまったというものも発生をしています。記録的だったのでしょう。そしてまた、そこに相当なる負担がかかったわけでしょうが、新しく直したものが、またこんなにも早く壊れてしまうということからすれば、やはり現状復旧ということだけでは不十分なところも多々あると思いますし、また、九戸村の舘ノ下橋ですか、あそこなんかも昭和40年ごろに設置された橋が、橋のもとの方からえぐり取られるような被害が発生し、そういったものもかけかえなのかどうかというところで、通常であったらもう40年も、昭和40年に設置した橋ですからかけかえ等になっていくと思いますが、今後もかけかえといった場合には、橋梁の場合は、将来的に数年間の間に相当数のかけかえ事業が必要だという数値も出ておるわけですが、それらの対応についてはどう考えているのか、お伺いします。
〇沖野河川課総括課長 舘ノ下橋の復旧についてお答えいたします。
 舘ノ下橋につきましては、工事によりまして、橋梁の上下流が大きく被災したところでございます。このように、橋梁が原因となりまして被災した場合には、改良も含めた事業採択も可能でございます。現在、国に協議しているところでございます。
〇野中砂防災害課総括課長 過去に災害で復旧した箇所が再度被災したという点でございますが、今回の低気圧では、葛巻町の袖山で雨量が376ミリと、観測史上最大値を記録したこともあり、過去に災害復旧時により復旧しました護岸、河川護岸等も含めまして各地で大きな被害が生じたところでございます。災害復旧事業は原形復旧が原則でございますが、護岸の根入れを現河床に合わせて深くする、あるいは改良復旧事業を導入するなど、被災原因の除去あるいは再度災害防止の観点で復旧工法を検討してまいります。
〇工藤大輔委員 今後も改良を含めて適切にされていきますよう、要望したいと思います。
 続いて、これ率直にお伺いしたいのが入札の関係なんですけれども、予定価格から大きく低い価格で落札をされる、また、札を入れて低入札でひっかかるという工事が非常にふえているという感じを持っています。そうなってきますと、予定価格が適正なのかどうかというところも含めて、担当課の方ではどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
〇日野技術企画指導担当課長 低価格入札が続いているという中で、発注者の設計積算が適正かという御質問でございましたけれども、設計積算につきましては、労務費等また資材等、現状を調査いたしまして、実態に近い単価を調査いたしまして、あと、県の積算基準に基づき積算価格を積み上げておりまして、現状に合った適正な価格であるものと認識してございます。
〇工藤大輔委員 ただ、それが70%前後であったり、そういった数値で落札をされているという現状があるわけで、恐らく国の基準にのっとって積算をされているということだと思いますが、こうまで多くなると、果たしてそれが適切かということも考えなければならない。あるいは、低過ぎるものであれば、低価格の基準を、少し価格を上げるような形で、より適切な金額でやるだとか、これ考えなければならないのかと思いますが、また、そういった中で総合評価落札方式も実施され、ことしは37件ぐらいですか、予定されておったと思いますが、それを実施した結果においても、やはり金額では70%ちょっとだとか、そしてあとは技術点の中を加味しても、数万円の差であったり、大きな差がそれほど出ていないのかなというふうにも思います。いずれ、適切な金額が何なのかということ、また、事業の受注された会社またそういった中身が、仕事の中身であったり労務の中身がどうだったかということを十分検証されて、さらに精度を高めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、土地先行取得の件についてお伺いしたいと思いますが、現在、土地先行取得された物件の中で未利用地になっているような土地、活用されていない土地はどのぐらいあるのか、わかればお伺いします。
〇日野技術企画指導担当課長 総合評価落札方式の実施状況についての御意見でございますけれども、総合評価落札方式につきましては、今年度から試行を県土整備部で開始しているところでございます。現在、簡易型、標準型ございますけれども、それらを含めまして23件を試行することとしてございまして、10月19日現在では18件、簡易型14件、標準型4件を落札決定してございます。その中で、技術評価点による最低落札者の逆転なんですけれども、それが18件のうち3件ございまして、また、技術評価点が1位を取得したものが結果的に入札、落札するなど、全体としては私どもが、県土整備部が目標といたしました価格と品質にすぐれた公共の調達という観点からすれば、一定の効果はあったのではないかと考えます。
 また、低価格についての積算の件ですけれども、総務部では、1億円以上の低入札価格調査の対象工事につきましては、落札以降、順次実施状況等を調査することにしておりまして、そういった中で、元下関係等、そういった調査もしておりまして、適正に遂行されているかどうかを調査するというようなことで、監督体制を強めていると聞いてございます。
〇早野県土整備企画室管理担当課長 先行取得した土地の未利用状況ということでございますけれども、先行取得する土地というものはダムで主に活用されているわけでございますけれども、これは集団交渉において一括取得が必要となる、あるいは土地所有者から買い取り請求があるといったようなものでございますので、未利用状態のものはないのではないかと思っています。
〇平澄芳委員 部長の冒頭の説明でも、これまでの取り組み、成果について、そしてまた、これからも県土整備部の果たすべき役割は大きいという御認識を御披瀝いただきました。まことにそのとおりだと思います。県民の願いをしっかり受けとめて頑張ってもらいたいと思います。
 そして、先ほど触れられました施策の評価について質問をいたしたいと思うわけであります。そのうち、日常生活に密着した生活道路の整備ということに触れられましたが、このために設定された分野は、地域交通ネットワークの整備ということだと思います。そして、この分野は、指標達成度80%以上100%未満ということなのだと思いますが、達成状況の評価はおおむね達成ということでありまして、また、検証欄には、内陸部の整備は順調と、沿岸部のおくれが顕著と表記されているわけであります。評価に至る流れなど、おおむね理解はしているつもりなんでありますけれども、客観的数値で達成度を評価するのですから、評価に異論を挟む余地もないのでしょうし、間違っているとは思わないわけであります。ただ、県民感情といいますか、県民感覚とは若干の乖離があるんじゃないか、そういう思いがあるわけであります。
 そこで、達成状況の評価と検証について、もう少し説明を加えていただきたい、そのように思います。
 県民は、厳しい財政事情を理解しておりますから、整備目標はおおむね達成したけれども、一定の水準にはまだ至っていない、そういった表現があれば、納得しないまでも、やむを得ないと思っていただけるのかなと思ったりもいたします。
 2点目ですけれども、指標の達成状況を基礎としながらも、県民満足度、全国比較、地域課題の有無など、指標だけでは判断できない要因も勘案して、総合的に達成状況の評価を行うとしているところであります。これらの要因が達成状況の評価と検証にどのように勘案されたのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
 あわせていきますけれども、知事室にも届いていると思いますけれども、我が会派でも、35市町村から要望をいただきました。そしてそのトップは、交通網の整備ということでございます。市町村長からも直接知事に対して届けられていると思いますけれども、やはりいろんな場面、知事に対する市町村長の方々が要望する場面にも同席をさせていただくわけでありますけれども、やっぱり多いのが、道路を含めた交通網の整備というのがトップでございます。内陸部は順調と言われても、あるいは県南の方はそうなのかなと思いつつも、県北はまだまだと、そういった思いもありますし、知事も多分、要望は重く受けとめるけれども、財政事情もあり選択と集中でいきたいと、もうちょっと我慢してくれと、そういう思いなのだろうと思います。
 そこで、知事の思いを部長はどのように認識しているのか、あわせて、部長の思いは知事と同じなのか、お伺いをいたしたいと思います。
〇佐藤道路建設課総括課長 日常生活に密着しました生活道路の整備の分野の達成状況につきましてですが、この分野の評価は、六つの主要な指標により行っております。
 まず、県内の広域生活圏の中心都市の久慈市、宮古市、釜石市、大船渡市から盛岡市への到達時間の指標については、4ルートとも実績時間が、平成17年度の目標値まで整備が進んでおりまして、目標を達成しているという評価をしております。
 次の指標の救急医療施設60分以内到達市町村割合につきましては、平成17年度の目標値74.1%に対しまして、実績値も同じとなっており、目標を達成していると評価しております。
 また、道路における落石等危険箇所整備率につきましては、平成17年度の目標値17.9%に対しまして実績値が19.4%となっておりまして、目標を達成していると考えてございます。
 次に、日常生活の指標についてですが、その指標だけでは判断できない要因があるのではないかというお話でございます。その指標だけで判断できない要因の一つとして、平成18年度に実施しました県民意識調査の項目を勘案しております。その項目は、通勤や買い物などで市町村内や近隣の市町村に出かけるときに使う道路が安全で快適であることという調査項目でございますが、県全体では、重要度が4.260、満足度が3.035、ニーズ度が1.225となっております。行政ニーズは中程度と評価しており、また、このニーズ度は、内陸部より沿岸部の方が高くなっているということでございます。
 この調査項目の平成15年度と18年度の比較では、15年度に比べまして、平成18年度の満足度が低下しておりまして、ニーズ度が高くなっていると考えております。また、国県道の道路改良率は、県内で、地域によっての改良率ですが73.7%から96.2%、地域によっては差が生じてございます。
 これらのことから、主要な指標につきましては、六つの指標すべてが17年の中間目標値を達成しておりますが、満足度の低下と道路改良率の地域による差を勘案しまして、おおむね達成と評価しているところでございます。
〇西畑県土整備部長 道路整備につきましては、非常に多くの要望がございます。また、一方で、厳しい財政状況にあるということも御案内のとおりでございます。知事のお考えは、市町村からの要望などを踏まえて、道路整備は必要と考えながらも、一方で、厳しい財政制約の中で、選択と集中による整備箇所の厳選によって、限られた予算の中で、効果的な事業展開を図りながら取り組むというような御認識であると私は理解してございます。
 私も事業執行に当たりましては、限られた予算ではございますけれども、その限られた予算の中で最大限の効果が上げられるように、事業の厳格な選択と戦略的な集中に取り組んでいるところでございます。
〇平澄芳委員 県土整備部の職員の方々、それぞれ優秀な技術者集団でありますから、お金さえあればいっぱいやりたいことはあるという思いで、しかし一方、お金がなくて刀がさびつつあるのかなと、そんな思いでございます。県民の願いをしっかりと受けとめて頑張っていただければありがたい、そのように思います。
 2点目ですけれども、同じように、災害に強い県土づくりという分野についての評価と検証についてお伺いをしたいと思います。
 この分野も、評価はおおむね達成ということであります。検証欄には、治水砂防事業の整備率は全国に比べ大幅に低いとございます。津波対策などもいまだ途上にありますし、また、検証欄にあるように、治水砂防事業の整備率が低いなど、決しておおむね達成と言われても、県民はなかなかぴんとこないといいますか、先ほど申し上げたように、その評価は正しいと思います。思いつつ、県民の思いといいますか、感覚とは少し離れているんじゃないか、そういう思いもしているわけであります。先ほどと同様に、評価と検証についてもう少し説明をしていただきたいということと、県民満足度、全国比較、地域課題の有無など、指標だけでは判断できない要因が達成状況の評価と検証にどのように勘案されたのか、2点をお伺いいたします。
〇沖野河川課総括課長 災害に強い県土づくり分野に対します評価と検証についてでございますが、この分野の評価につきましては、三つの主要な指標より行っております。
 河川、海岸及び砂防事業につきましては、それぞれ河川整備率、海岸保全施設整備率及び土砂災害危険箇所整備率を評価指標としております。
 河川整備率につきましては、平成17年度末でございますが、目標値46.9%に対しまして実測値が46.8%、海岸保全施設整備率につきましては、目標値が70.6%、それから実測値が70.5%、土砂災害危険箇所整備率につきましては、目標値が10.8%に対しまして実績10.6%となっておりまして、目標値と実績値がほぼ同一となりまして、おおむね目標を達成していると評価しております。
 指標だけでは判断できない要因が達成状況の評価と検証にどのように勘案されているかについてでございますが、主要な指標につきましては、先ほど申しました三つの指標の実績値がほぼ目標どおりでありますことから、おおむね達成していると評価しております。
 なお、平成18年度の県民意識調査の災害を受けにくい県土という調査項目では、重要度が4.516と高いことに比較しまして、満足度が3.009となっております。重要度から満足度を差し引きましたニーズ度が1.507となっておりまして、これは中位にございます。
 また、この調査項目の平成15年度と18年度の比較でございますが、平成15年度に比べて満足度が低下したことによりましてニーズ度が高くなっております。このようなことから、目標値をおおむね達成しているものの、課題の検証につきましてはまだまだ整備が不十分なことから、また、地域からの要望もございますことから、全国に比べて整備率が低いと評価したものでございます。
〇平澄芳委員 県管理河川は約2、800キロということですし、市町村管理の準用河川は1、300キロですか、そのほかに国管理の河川あり、あるいはまた普通河川ありで非常に長いわけでありますし、県土も広いわけですから、整備率が全国に比べて低いというのはやむを得ないことだと、そのようにも思うわけでありますが、ぜひ今後とも頑張っていただきたい、そのように思います。
 3点目ですけれども、今回の災害は県北部や沿岸部への豪雨がありまして、特にも葛巻町や旧山形村──久慈市山形町の降雨は、近年にない記録的な降り方でございました。旧山形村を源流とする瀬月内川は、平成11年の県北豪雨災害やそれ以前にも、雨のたびに災害が発生する、いわゆる災害常襲地帯であります。住民から河川改修の要望があったところでもあります。今回の豪雨災害では、平成11年の県北豪雨災害のときよりも水位が高く、九戸村、軽米町に大きなつめ跡を残したところでございます。このような災害常襲地帯においては、河川改修事業導入の優先的な配慮があってしかるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
 また、厳しい財政状況下にありますから、平常時の河川改修に限界があるとすれば、単なる災害復旧ではなく、積極的な改良復旧事業の導入による整備率の向上が必要と思いますが、現時点において災害関連など、改良復旧事業の導入を考えているでしょうか、お伺いをいたします。
〇沖野河川課総括課長 災害常襲地帯における河川改修事業についてでございますが、治水対策を実施するに当たりましては、過去に住民生活に影響の大きい洪水被害を受けている箇所や、流域内の資産が集中している箇所、それから区画整理や圃場整備関連など、地域計画と整合を図る必要のある箇所などを優先的に整備を進めているところでございます。
 改良復旧事業の導入についてでございますが、今回の豪雨によりまして、県北部や沿岸北部を中心に大きな被害を受けました。特にも、葛巻町の元町川や軽米町の瀬月内川、久慈市の遠別川におきまして、数多くの家屋の床上・床下浸水が発生するなど、甚大な被害が発生しましたことから、再度災害防止を図るため、改良復旧事業の導入を図るべく、国と協議を行っているところでございます。
〇平澄芳委員 平成11年の県北豪雨災害のときよりも水位が高かったということは、確認しておられるでしょうか。通告していませんでしたけれども、その点だけ確認をさせていただきたいと思います。
〇沖野河川課総括課長 現地では、家屋それから農地等にかなり浸水がございまして、平成11年の場合は雪谷川で大きな災害ということでしたが、今回はどちらかといいますと、瀬月内川の方の被災が大きゅうございまして、11年当時と今回の水位がどの程度あるかというのは、ちょっと私把握してございません。しかしながら、平面的にかなり浸水区域が広うございますので、かなり大規模な災害の発生だと認識しております。
〇平澄芳委員 突然質問して申しわけありませんでしたけれども、住民の方々は、前の災害のときよりも水位が高いと、そう言っていますので、多分そうだろうと思います。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 最後ですけれども、ダムの有用性についてお伺いいたしたいと思います。
 馬淵川は、源流である葛巻町や下流の一戸町、二戸市にも大きなつめ跡を残しました。葛巻町では、馬淵川支流の元町川がはんらんし、犠牲者が出るなど極めて深刻な状況であります。ただ、同じ馬淵川の支流である一戸町の平糠川は無傷だったようであります。ここには、国直轄の農業用ダムであります大志田ダムが洪水調節の役目を果たしたとお聞きしております。これは農業用ダムで、洪水調節用のダムではなかったんですけれども、結果として洪水調節に大きく役立ったんだろう、そのように認識しているところであります。ダム不要論を唱える知事や議員もいますけれども、地域規模の気象変動がこれまでの常識を覆す災害をもたらしています。平成11年の軽米町の災害は、200年に一度あるかないかの洪水だと言われました。今回の総雨量は7年前を上回る雨量だったということでも証明されるわけであります。
 そこで、災害に強い県土づくりのためのダム整備に対する思いを部長にお伺いして終わりたいと思います。
〇西畑県土整備部長 洪水被害から県民の生命、財産を守ること、また、県土の保全を図ることは治水事業の根幹でございます。これは、県行政の本当に大事な仕事、責務と考えてございます。
 そこで、治水の方法でございますけれども、堤防をかさ上げしますとか、あるいは川幅を広げますとか、そういう河川改修、あるいは遊水地をつくるとか新たに放水路をつくるとか、あるいはダムをつくるなど、いろんなやり方がございます。そのやり方をどう選択していくかでございますけれども、まず一番は、その川が置かれている条件をよく知るということだと思います。それから、流域の土地利用あるいは自然環境への影響、こういったものもよく考え、そして事業に要する経費、コストにつきましても慎重に検討する。さらに、地元の方々、地域の方々の意向をしっかり受けとめてとらえていくことが肝要だと考えてございます。
 そこでダムでございますが、先ほど委員から御紹介がありましたような大志田ダムは東北農政局のかんがい用のダムでございますが、もう水位が下がっていたものですから、今回の雨で水をためたということで、下流に水を出さないような役割を担ったわけでございます。こういったダムは、治水面で大きな効果を持っております。それから、水資源の確保という重要な機能も有してございます。既設の県営ダムは、治水、利水、その役割をしっかり果たしておるものと認識してございます。したがいまして、個別の川あるいは流域をよく調査し、総合的な検討を行って、県民、地域の方々にとって最良の方法を選択していくのが治水のやり方だと私は理解してございます。
〇飯澤匡委員 2点まとめてお伺いします。
 河川激甚災害対策特別緊急事業費について、先ほど部長も触れられましたが、砂鉄川の災害復旧についてどのような進捗状況であるのか、お知らせ願いたいと思います。
 2点目は、道整備交付金について、これは内閣府の、直接市町村がいろいろな道を一括して整備できるという非常に便利な交付金制度が始まりまして、これは県を経由しない部分もありますので、県のかかわり方、そして県内の市町村への配分状況はどのようになっているのか、まず、この2点をお伺いします。
〇沖野河川課総括課長 砂鉄川の災害復旧についてでございますが、国直轄管理区間におきましては、平成14年度に延長2、600メートル区間を河川災害復旧等関連緊急事業としまして着手し、平成17年度に完成しているところでございます。県管理区間に……(発言する者あり)
〇吉田昭彦委員長 静粛にお願いします。
〇沖野河川課総括課長(続) おきましては、平成14年度に延長1、960メートル区間を河川等災害関連事業として着手し、平成16年度に完成しております。また、現在、猊鼻渓から下流3、400メートルにつきまして、河川激甚災害対策特別緊急事業として鋭意整備を進めているところでございます。
 平成18年度までの進捗状況は、事業費ベースでございますが、約94%となっております。平成19年度の完成を目指しているところでございます。
〇沼崎農林道担当課長 道整備交付金制度についてでありますが、この制度は、地域経済の活性化や地域における雇用機会の創出などの地域再生を目指して、従来の省庁の縦割りによる補助金制度から交付金にすることによりまして、地域の主体性を生かすよう、あるいは自由度が高まるような仕組みにしようということから始められたものであります。
 県では、平成18年度から1地域が加えられまして4地域になっておりますが、県営事業として、広域農道整備事業4路線及び森林基幹林道2路線の整備を進めておりますし、あわせて市町村道31路線に対して、地域の活性化に向け、事業が計画的に展開されるよう必要な支援を行うことにしております。
 また、平成17年度における交付金でございますが、17年度は、3地域19路線につきまして内閣府から8億5、200万円余りが交付され、約16億円の事業費で5.6キロ余りの道路整備を進めているところでございます。
〇飯澤匡委員 砂鉄川については、非常に国の方が主導して県も単独でそれにあわせてつけていただいて、非常に高い進捗率で、これは心から感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、最初、県単の部分ですが、地元の住民説明会、例えば護岸の部分については説明をしたわけですが、当初、環境に優しい護岸ということで計画をしたものが何か別の形になっているのではないかというような指摘も受けていますが、その点、事業費の兼ね合いもあったかと思いますが、どのように認識をなさっているのかお知らせ願いたいと思います。
 それから、道整備交付金については、非常に目ざとい市町村は、この交付金をうまく活用して、さまざまな道路、広域農道、ただいま御紹介のあった林道であるとかという形で非常に有効的に使っておりますが、県内の状況は他県と比べてどのように把握なさっているでしょうか。
 これは三位一体改革の一つの形としてあらわれたものと認識していますが、今後この制度が続いていくのか。そして、県が今後どのような形でかかわっていくのか、その方向性についてお知らせ願いたいと思います。
〇沖野河川課総括課長 砂鉄川の改修につきまして、住民説明での説明と実際やっているのと工法が違うんじゃないかという御質問でございますが、事業を進めるに当たりましては、流域住民の方々に参加をいただきまして、砂鉄川治水懇談会や河道計画検討委員会などを7回開催しながら、また、工事説明会などさまざまな機会をとらえながら地域の方々の御意見を伺い、事業に反映してきております。
 委員御指摘のとおり、環境に配慮した川づくりという面に関して申し上げれば、比較的かたいもので今、河道をつくっておりますけれども、できるだけ河川環境に配慮した工法となるよう頑張っているところでございます。一部護岸につきましては、淵を残すために護岸勾配を2割から1割5分に変更した箇所もございまして、多自然川づくりをできる区間につきましてはできるだけそういう工法をとってきているところでございます。
 本事業も平成19年度が最終年度となりますが、残っている区間につきまして、さまざまな機会をとらえながら、また、地域の皆様方と意見交換を重ねながら、地域と一体となった川づくりを進めてまいりたいと考えております。
〇沼崎農林道担当課長 道整備交付金でございますけれども、全国的に見ますと、平成18年度現在時点で全国で101地域が採択になっておりまして、そのうち東北では11地域となっておりまして、そのうち岩手県が4地域ということで、東北の中でもかなりのシェアを占めているのではないかと考えております。
 また、県内の具体的な事例を御紹介いたしますと、例えば一関市の旧大東町、旧室根村及び旧千厩町が策定しました花きを活かした磐井の里再生計画の中では、広域農道整備事業東磐井地区を核としまして、一関市の市道14路線が有機的に配置され、東磐井地域が目指します、とーばん・いろどり産地という農産物を中心とした産地づくりの早期構築に向け、平成22年度までに13キロの道路整備を進めていこうと考えております。
 このようにしまして、県内4地域でも、県が進める広域農道整備事業あるいは林道整備事業とあわせまして、市町村道を有機的に結びつけて、道路整備を核にしまして、この事業の本来の目的でございます地域経済の活性化あるいは雇用機会の創出などを通じながら地域再生に結びつけていければと考えております。
〇飯澤匡委員 今後どうなんでしょうか。この交付金については一たん始まったので、今後ともこういう形というのは……、どのような情報が入っていますでしょうか。
〇沼崎農林道担当課長 冒頭にもお話ししましたとおり、この制度は、従来の省庁の縦割りによる補助金制度を見直しまして、地域の主体性を生かすように交付金化しようということで進めておりまして、平成22年までの5年間モデル的に進めておりますが、この成果を5年後に点検しまして、地方の時代ということで、さらに拡大の方向にあるのではないかととらえております。いずれ5年間の成果を踏まえて次の展開が示されるのではないかと考えております。
〇飯澤匡委員 最後に、市町村合併などもありまして、さまざまな地域の交通ネットワークが先ほど来議論もありますように大変大きな地域の課題となっていると思っています。国の方でせっかくこのような制度がありますので、企画部分はもちろん市町村が主体となってやるわけですけれども、県の方でもいろいろな事業の組み合わせの中で、この交付金制度を生かした、企画の中にも一緒に入り込んでやって、道路の整備に資するように頑張っていただきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
〇大宮惇幸委員 まず初めに、去る8月18日に局地的な集中豪雨で御神坂沢に土石流が発生したわけでありますが、その県道網張温泉線の復旧に対しましては、本当に県土整備部あるいは振興局の担当の方々の精力的な取り組みによりまして10月2日に開通を見たという御努力に感謝を申し上げたいと思います。
 実はきのう通告したわけでありますけれども、県道の路線あるいは延長についてさまざま今までも議論されてきたわけでありますが、県は、現状の路線数あるいは延長数を変える考えはないというお話を伺ってまいったわけであります。しかし、見直すべきところは見直した方がいいのではないかと私は思っております。そういう意味で、県土整備部内に見直しをするような検討委員会が立ち上がって見直しをしているものかどうか、まず、お聞きしたいと思います。
〇中野道路環境課総括課長 県道の認定に当たりまして、道路法の規定及び都道府県道認定基準などを満たす路線について、県道として早期に整備、管理する必要性などを総合的に判断の上、認定することとしております。一方、県といたしましては、管理している道路や橋梁などの社会資本ストックの増加、あるいは施設の老朽化に伴い維持管理費の増大が見込まれていることもありまして、現状におきましては、新たな整備に伴う県道の認定は難しい状況にございます。これまで、国道昇格による県道の再編などの時点で整理してきた経緯もございますので、今後も引き続き国の動向を見きわめながら判断してまいりたいと考えております。
〇大宮惇幸委員 県内にはこういう道路があるかどうか、私は自分の住んでいる管内しかわからないのでありますけれども、俗に幻の県道と言われる道路があります。二つだけ挙げさせていただきますけれども、紫波雫石線という県道があるわけであります。これは起点、終点があっての認定路線であろうと思いますが、これがいまだに結ばれていない。俗に幻の県道と言われております。もう一つは、県境を越えての路線でありますけれども、西山生保内線という路線が県道に認定されているわけでありますが、この路線もまさに幻の県道であります。西山生保内線といいますと、滝ノ上の地熱発電所のある場所であります。それが一向に結ばれる可能性が少ないと私も思っておりますが、こういう結ばれていない道路が県内にも私が言った以外にあるんでしょうか、それをお示しいただきたいと思います。こういう例があるのであれば、こういう道路の終点、起点を見直す必要があるのではないかと私は思うのでありますが、どのようにお考えでしょうか。
〇中野道路環境課総括課長 道路の認定につきましては、大まかに申し上げますと、道路の起終点を定めて手続を行って認定、それから次の手順といたしましては、現地の方に幅をお示しするという区域決定という手順で事務手続が流れてまいります。先ほどお話しのように、起点、終点を決めて、その後整備に至っていない箇所、路線はまだほかにございます。
 その時点では、県道として必要であるということで認定いただいたと思っております。整備も順次ということで考えておったと思いますが、状況の変化で現在に至っていると認識してございます。
〇大宮惇幸委員 認定をしていただく時点では可能性があったろうと思いますけれども、現時点では相当不可能な話ばかり聞こえてくるわけであります。そういう意味で、先ほども平委員が触れておりましたが、市町村要望の中には県道昇格の要望もあります。そういう意味でも、いま一度この県道というものを見直して、本当に路線もふやさない、延長もしないという考えであれば見直しが必要だと私は思いますが、いかがでしょうか。
 もう一点でありますが、通称奥産道と言われております道路、県土整備委員会の中でも議論されているように報道されておりますが、選択と集中というお話が先ほど部長の方からありましたけれども、40億円を超えるような巨額を投資していたにもかかわらず、知事の判断で中断、中止という結果になったわけでありますけれども、これも放っておきますと幻の県道になる可能性が大であると私は思います。厳しい選択だったと私は理解しておりますけれども、松川側と雫石側を登山道で結んで県道とみなすという結果になったわけでありますけれども、地域住民を初め、県民の皆さん方も、これで道路なのかというような理解であります。やはり道路は結んでその成果なり効果を出すものだと私は思うのでありますが、登山道で結んだ理由は何なのか。
 それから、部長にお願いしても無理な話なんでしょうが、増田知事に生まれ変わってもらったらこれが開通するかと思いますけれども、やはり私は、これだけの巨額の投資をしているんですから、奥産道をぜひとも結んでほしいと思いますが、お考えをお尋ねいたします。
〇中野道路環境課総括課長 市町村の御要望についてでございますが、先ほど申し上げたような状況でございますので、現在、28路線346キロの県道昇格の御要望がございますが、県道の新たな認定は難しい状況にございます。先ほど申し上げましたように、国の動向を見きわめながら判断してまいりたいと考えております。
〇佐藤道路建設課総括課長 奥産道につきましては、平成8年度まで約40数億円を投下して再開を断念したわけでございますが、登山道で結んだ理由でございますが、県が平成14年3月に策定しました活用計画に基づきまして、整備済みの車道、登山道までの連絡歩道及び既存登山道を一連のルートとしまして、道路管理者が適正に管理しまして活用を図っていくため結んだわけでございます。
 今後の取り扱いでございますが、先ほど申し上げました活用計画は1期計画でこのようになっておりまして、今、県で策定した計画は3期までございます。その中では、この連絡歩道あるいは登山道を歩道として利用していく、そういう計画になってございます。
〇大宮惇幸委員 前にもお尋ねしたわけでありますけれども、歩道も県道だという理解になるという話であったわけでありますけれども、いずれ松川工区、雫石工区両方私も現地を踏査しておりますが、雫石工区側に改良してもまだ未舗装の部分がある。私は、登山道整備よりも、既に整備改良した部分を舗装にするべきではないかと思うのであります。登山道は整備しても、人口の交流はそうないだろうと思います。そういう意味で、改良していた部分をいつの時期までに舗装にするのか、その点についてもお伺いいたしますし、最後になりますが、部長の奥産道に対する思いをお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤道路建設課総括課長 現在、改良済みになっているところの未舗装の区間についてでございますが、現在の活用計画では、舗装をする計画はございません。
〇西畑県土整備部長 奥産道の件でございますけれども、延長16キロのうち、残っているのが3キロぐらいになろうかと思います。その3キロぐらいは長大なトンネル区間になる予定でございます。そういう状況の中で、手元に詳しい資料はございませんけれども、当時の試算では70億円とか80億円かかるような計画になっておったと思っております。
 さまざまな経緯がありまして、いろんな活用委員会なり検討委員会なりの御提言もいただいて今の形に落ち着いてきて、登山道への連絡歩道も今年度中に整備することになってございますので、まず、それで環境の回復あるいは環境への負荷もよくモニタリングして、次の段階は、今、舗装されているかなり手前の方でゲートでとめてございますけれども、環境への影響もよく踏まえた上で、そのゲートをどこまで上げられるか状況を見ていくということで、今の状況でトンネル工事をやることは難しいものと認識してございます。
〇藤原良信委員 今の奥産道に関しまして、私からもお尋ねいたします。
 部長の今の御答弁は、中止になったときの状況をもとにしていると思います。まず、お尋ねいたしますけれども、この奥産道の路線について40数億円を費やしているというお話でございますけれども、全体の完成までの進捗率は何%と把握しておりますか。
〇佐藤道路建設課総括課長 平成8年時点でございますけれども、事業費ベースで61%となってございます。
〇藤原良信委員 そうしますと、あと残りを全線開通すると39%ということになるんだと思います。今、県北・沿岸振興ということでいろんな対策本部を立ち上げて鋭意努力をされておりますけれども、周辺の市町村からさまざまな状況をお聞きしますと、これが開通した暁には非常な効果が生まれるということをとみにお聞きいたします。これが中止になった原因について、私ども県議会でもよく理解しておりますけれども、あの当時の出来事、コンサル業者が不法なやり方をしたことに端を発したということでございます。これを再開する場合の問題点は、今、部長からお話ございましたけれども、それを含めまして、復活した場合、それ以外のことで何が一番の懸案事項となりますか。
〇西畑県土整備部長 先ほど61%と申しましたけれども、残り39%をする事業費の確保が一番大きな問題になると思います。長大トンネルになると思いますので、かなり膨大な経費が短期間に必要になると思っております。それから、さまざまな経緯があった中で、そこの地域の自然環境をどう回復し、それを維持していくかという観点もきちっと精査する必要もあろうかと思っております。それから、委員から御指摘ございましたように、もし仮に再開するとしたときの効果、委員の方から大きな効果があるという御指摘でございましたが、これにつきまして、いろんな観光面、産業面、さまざまな効果があろうかと思いますけれども、そこをきちっと把握し、それで事業を再開するかということになろうかと。この3点ぐらいが大きな問題ではなかろうかと私は理解してございます。
〇藤原良信委員 申し上げておきたいと思いますけれども、それらは想定される話だと思いますけれども、こういうことは政策変更になっていきますので、政治的な判断となろうと思います。申し上げておきますけれども、環境問題につきましては、この路線をスタートする時点で想定されている問題ですから、今始まった問題ではないんですよ。ですから、これらを材料として大きく取り上げていくことは、今さらおかしな話だと思います、これは注意して対処すればいい話ですから。問題は、事業費のことが一番のネックになるんだと思います、今の変化の中では。だけれども、費用対効果からいきましたら、61%も進捗している状況を、登山道といえばもうやった形に見えるけれども、これは限られた効果ですから、やはりこれは将来的には、私は奥産道は政策変更してやるべき案件だろうと思っております。そのことを申し上げておきたいと思います。
 いずれにしても、手続を踏んで再開をする時期が来るだろうと思います。その点で部長は、今の立場では今の見解しか出されないと思いますけれども、私は今、大宮委員の発言を聞いておりまして、地域の出身者でありますからなおさらのことだと思いますけれども、地域の各市町村を見ますと、かなりそういう熱望を持っております。ですから、そういうことにこたえていくことが県北・沿岸振興、県勢の発展につながるものだと私は思っております。そういうことを申し添えておきます。見解があればお示しください。
〇吉田昭彦委員長 部長、何かございますか。
〇西畑県土整備部長 ただいま委員から御指摘ございました件、よく心に刻んでこれからの行政に取り組んでまいりたいと考えてございます。ありがとうございました。
〇嵯峨壱朗委員 県内90分交通ネットワークについてお尋ねします。
 平成17年度の主要施策の成果に関する説明書及び岩手県総合計画実施状況報告書を見ますと、高速交通拠点への90分以内到達市町村割合が目標を達成したと。到達度100%と出ていましたが、各区間のルート、いわゆる起点と終点はどういうふうになっているのかお聞かせ願いたい。それと、距離及び時間もあわせてお尋ねします。
〇佐藤道路建設課総括課長 県内の90分交通ネットワークにおける各区間のルートなどについてでございますが、まず、久慈ルートは、久慈市の県合同庁舎から国道281号、戸呂町軽米線、軽米九戸線、八戸自動車道及び東北自動車道を経由しまして、盛岡インターチェンジまでの125キロメートルでございまして、到達時間は99分でございます。宮古ルートは、宮古市役所から国道106号を利用し、国道4号茶畑交差点までの92キロメートルでございまして、到達時間は104分でございます。釜石ルートは、釜石市役所から国道283号、国道107号、釜石自動車道及び東北自動車道を経由し、盛岡南インターチェンジまでの118キロメートルで、到達時間は127分でございます。大船渡ルートは、大船渡市の県の合同庁舎から国道107号、283号、釜石自動車道及び東北自動車道を経由しまして、盛岡南インターチェンジまでの106キロメートルでございます。到達時間は108分となってございます。
〇嵯峨壱朗委員 今、説明があったとおり、久慈からの場合、盛岡インターチェンジまで。私は、久慈だけではなくて宮古もそうですけれども、県庁までの距離だと思っていたんですよ。これはどう認識すればいいのか。どう思いますか、このことを。
〇佐藤道路建設課総括課長 起終点のお話ですけれども、まず、90分構想につきましては、平成11年8月に策定しました岩手県総合計画において、時間・距離の短縮プロジェクトの中に県内90分交通ネットワーク整備プログラムということで位置づけられているところでございます。90分で結ぶというのは長期の構想でございまして、段階的な整備としまして、この計画では、平成22年までに今申し上げた起終点の所要時間を90分台にするということで計画に盛り込まれているものでございます。
 終点の盛岡南インターチェンジ、それから茶畑交差点等々ございますが、その当時の計画の積み上げは県庁ではございませんでしたので、このような起終点になってございます。
〇嵯峨壱朗委員 それはあれじゃないですか、計画を字面で数字上達成するために起点、終点をここにしたんじゃないの。普通は、振興局から見たら県庁までと、みんなそう思っていますよ。その考え方をお尋ねしたかったんです。
〇佐藤道路建設課総括課長 総合計画の中の主要な指標一覧という表があるわけですが、その下の方には、やはり終点である盛岡市とは盛岡インターチェンジとか茶畑交差点とか、そういう表現で書いているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そういう話をしているんじゃなくて、何で終点がここなのかということを聞いているんです。何でそうなんですか。書いてあるからじゃないでしょう。
   〔発言する者あり〕
〇吉田昭彦委員長 御静粛にお願いします。
〇佐藤道路建設課総括課長 まず、久慈市の終点は盛岡インターチェンジになってございますが、これにつきましては、八戸自動車道から東北自動車道を経由しまして盛岡に入ってくるわけですが、そこのところということでございます。基本的には、この4ルートとも盛岡市内の県庁までということではございません。そういう考え方で最初から90分構想ということで取り組んでいるものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 だから、それは見ればわかることです、資料をもらっているから。そうじゃなくて、その終点をなぜ盛岡インターチェンジにしているかということ。中心地までの時間の問題じゃないの。県庁まで、もしくは盛岡市役所まででもいいけれども、そこまでを含めて90分台という構想だと私は思って、なぜこれが終点なのか、その説明になっていない。
〇佐藤道路建設課総括課長 手元に確かな資料はございませんが、いずれ盛岡市内に入りますと交通渋滞が起きていることは御案内のとおりでございます。したがいまして、市内に入りますと、気象条件あるいは交通の渋滞状況あるいは時間によって盛岡市内に入ってから県庁までの時間が計算されない、計算できにくいということから、盛岡市の中心部に入る前のところで、計算できる時間のところで終点を設定したということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 いみじくも今言ったとおり、90分にするためのルートなんだね、これは。そうでしょう。そう説明すればいいんじゃないですか。だから、指標達成するためにわざわざその起点と終点をつくったとしか理解できないけれども、そういう理解でいいですか。
〇佐藤道路建設課総括課長 90分というのは最終的な目標でございまして、長期構想です。したがって、90分にするために終点をこのように設定したということではなく、先ほど申し上げましたように、盛岡市内に入れば交通渋滞等ありますので、時間設定を計算できないことから終点をこのように設定しているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ほとんど説明になっていないですね。私は理解できないです。当然ですけれども、改めて県庁から振興局までの距離と設定すべきだと思います。時間がかかるからそこまで計算していない。要するに90分じゃなくてもいいけれども、一定の計画の範囲内におさめるためにつくったルートと私は理解します。答えられないようですからいいですけれども、改めて県庁から振興局までのルートに変更すべきだと思います。
 それと、久慈に関して言うわけではないけれども、高速を使う人と下を来る人のどっちが多いと思いますか。往復5、000円払って来ませんよね、多分。これも恐らく90分なり99分までのルートにするためにそこを選んだんでしょう、と私は理解します。そういう理解でいいですか。
〇佐藤道路建設課総括課長 まず、90分にするために終点をここにしたのではないかということでしたが、何度も繰り返して恐縮ですが、計算できる地点を設定したということでございます。
 次に、高速を利用する方が多いかどうかということですが、交通量調査の資料が今、手元にございませんが、基本的には現道を利用される方の方が交通量としては多いのではないかと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 最初は、恐らく現道――国道でやっていたと思うんです。以前も議論したことがありますけれども、それがいつの間にか高速を利用するというふうに変わっていっていますけれども、もう余り言わないけれども、この辺もう少し現実に合わせて考え直すべきだと私は思いますので、指摘しておきます。
 それともう一点、河川整備についてですけれども、この間の災害のときこういう事例があったんです。河川の護岸を整備しているんですけれども、今まで上がったことがないんだけれども水が上がって床上に近い浸水をした地域があったんです、久慈の地域ですけれども。理由からすると、ある区間の途中までは一定の設計でやって、そして半分ぐらいいった後、100年に一度の洪水に合わせた設計をしても意味がないと、設計変更したらしいんです。ところが、その設計変更したところから水が上がっているわけですね。要するに、高いところで来たのを低くしてやった。変えたわけですよ。そういった事例があったんですけれども、設計変更というのはどういった状況を考えてやっているのか、一般論としてお聞かせ願いたいと思います。
〇沖野河川課総括課長 今の御質問でございますが、河川の整備は、過去の出水状況や現場の状況、それから河川の地理地形条件、それから河川環境及び河川の上下流の状況など、さまざまな要件を総合的に勘案して計画を立て、事業を実施しているところでございます。
 お話しの場所は、想定でございますが、久慈市滝地区の長内川の河川改修の件だと思います。平成14年度から県の単独事業としまして整備を進め、下流の流下能力見合いの300トンという流量を確保するため、河堰の拡大や住居周辺の護岸の整備を実施してきております。この事業の計画に当たりまして、地形条件や土地利用条件などから判断しまして、護岸ののり勾配を5分のブロック積みにしていたものを、工事途中に岩盤が露出した関係で、のり勾配を2割として、その切った岩盤そのものを護岸のかわりにしたということでございます。それに関連しまして、上下流の現況、河川の縦断勾配の変更もあわせまして、当初と同様の計画流量300トンを確保したと聞いております。10月6日から8日にかけましての前線の停滞に伴います集中豪雨による洪水におきましては、計画流量を超える洪水が流下したものと考えられます。施工済みの箇所の築堤部から溢水し、家屋が浸水したと聞いております。これにつきましては、現地精査の上、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
 洪水によります被害を可能な限り少なくするためには、治水施設の整備は重要な課題と認識しております。これからも効率的な事業を進め、着実な整備をしていきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 整備はお願いしたいと思いますけれども、私が言いたかったのは、途中で設計変更して、コストがかかるということでコストを下げる工法をとったと私は理解するんです。その結果こういうふうになったと。いざ終わってみると、600万円の工事で何とかしようと思ったのが800万円の災害になってしまっている。かえって高くつく結果になっていますよね。100年に一度の水害が2年に一回来たわけですから、そういうこともあるわけですね。ですから、最初の設計の方が私は正しかったと思って見ているんです。今、岩盤が出てきたと言うけれども、そういうふうに安易にやるというのはどういうことかということも私は聞いているんです。
〇沖野河川課総括課長 事業の設計変更の考え方でございますが、通常、事業を実施するに当たり設計変更が必要となるのは、地質が変更となりましたり、現場精査によりまして工法変更などが生じたときに、当初計画で想定できなかった場合などが変更の対象となるわけでございます。今回のように県単で100分の1で河川改修を行うというのは私どもちょっと考えられないことでございまして、県単で河川改修する規模は、もっと確率を小さくして実施するのが普通でございます。先ほど、上流が広くて、下流の方、途中から狭く改修したということでございますが、のり勾配の関係とか、そういうものもございまして、流下能力的には上下流あわせた形で改修をしていると聞いております。ただ今回は、計画以上の雨によりまして、出水的なことで洪水があふれて浸水したということでございます。これにつきましては、先ほど申しましたように、再度現地を精査しまして適切な対応を考えていきたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 滝地区のその川だけに限ったわけではなくて、設計変更とかをする場合には慎重にすべきと思っております。単なるコスト、コストとやっていくとこういう結果になる場合もあるということですので、その点を指摘して質問を終わりたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 嵯峨委員の質問を終わりましたので、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時57分 休 憩
午後1時3分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇亀卦川富夫委員 それでは、私からはまず県事業の選択、中止あるいは延期、集中投資という観点でお尋ねいたします。
 通告いたしました文書は、これまで住民が長年待望し、構想計画に参加するなどの事業が、厳しい財政の理由から、選択の上、延期あるいは中止したものが多くあるのではないでしょうか。延期したもの、中止したもので、今後、事業手法の見直しによって期待できるものなど、道路、橋梁、市街地再開発など事業別の数及び県内各地域の代表的なもの、また、その内容について示されたい、こういうことを通告してあります。
 先ほど部長からは、主要目標についてはおおむね達成というようなお話でございましたが、私はそういう意味で、長年住民が待望久しかった事業、地元では必要な事業、そういったものが財政上の理由で隠れてしまったといいますか、延期とかあるいは中止とか、とんざとか、そういうことで、できるものだけをまず集中的にやると、この意味はわかるんですが、そういった意味の達成という評価の反面、相当多くのものがあるんじゃないかと。そういったことで、県当局で事業の計画にはのせていないけれども、延期したものとか中止したものでこういうものがあるんじゃないか、こういうことがあればお伺いしたい、こういう意味でございます。
〇渡邊県土整備企画室企画担当課長 県土整備部に係ります事業におきまして、これまでに延期、中止したものということで、まず、事業化したものについて御紹介いたしますが、17年度の公共事業評価及び大規模事業評価におきまして中止となりました箇所は、県代行事業である旧沢内村道安ケ沢線と、大船渡港の港湾環境整備事業の2カ所となっております。これ以外では、過去に北本内ダムと黒沢生活貯水池が中止となっております。
 また、事業が延期となっている箇所といたしましては、いわて花巻空港のターミナルビルなどがございます。
 計画にのらないで事業が延期になっているという御質問でございましたけれども、計画それから構想段階において、住民参加なり要望を受けて検討してきた事業というのは多数ございまして、それを事業採択するに当たりましては、公明性、公平性等の観点を評価するために、公共事業評価または大規模事業評価等にかけた上で事業化するということにしておりまして、その数については、今、手元に把握していないところでございます。
〇亀卦川富夫委員 今、中止した分というようなもので具体的なものが挙げられました。私は具体的なものじゃない、無数のものの方でお聞きいたしますが、かなり岩手県が事業推進といいますか、事業計画策定に当たって、県も参加してやってきたものがとんざしていると、この辺をひとつお伺いいたします。
 私の地元であります奥州市、当時の水沢市の大町地区の市街地再開発であります。これは昭和60年、中心市街地活性化計画モデル地区認定から始まったものであります。この間、区画整理事業ということで約7ヘクタール、こういったものの開発構想が持ち上がりまして計画策定と。しかし、事業目標が単なる区画整理による道路の拡幅であってはならないと。これは県道があるところであります。この県道20メートルの都市計画道路、これを完成させるための区画整理であってはならないというような観点で、当時の中心市街地というものの方向性から、特に商店街などというものをいろいろ取り上げまして、さまざまな調査あるいは計画策定をしたものであります。その間、行政側から県、市あるいは時によっては国、そういった方々の参加を得て調査をしてきたものでありますが、一定の方向性ができて進む段階で財政上の事情から、一転、とんざしたものであると。当該地区住民、約20年にわたっていろいろ検討してきているものであります。これについて、この辺の経緯なり内容について、どれだけ今の県当局の当事者が把握しているのか、お伺いしたい。
 ということは、地権者は、これ、代わらないわけですね。ところが、担当される県なり市なりの職員の方、これはくるくる代わるわけです。したがって、その都度、かつてはこうだった、ああだったという話の積み重ねで、それが一つはおくれている原因にもなったんではないかと思うんでありますが、財政が極端に悪くなる平成15年度を目前にとんざしたというのは、そういう長引いた部分もあろうかと思います。そういった意味では、手法を変えて新たな局面を今迎えつつあるときに、これまでの経緯というものをしっかり私はつかんでいてほしい、そういう意味で、どれだけの内容で当局は把握されているのか、お伺いいたします。
〇深澤都市計画課総括課長 奥州市の大町地区の街路整備事業についてでございますけれども、昭和60年度に市街地活性化モデル事業の指定を受けまして、それ以来、沿道区画整理型街路事業や沿道整備街路事業等の導入を検討してまいりました。これまでさまざまな経過をたどってきたことは十分承知しているつもりでございます。
 県といたしましては、事業費が膨大なこと、それから費用対効果が小さいこと等の判断から、平成15年度に、早期の事業化は困難である旨、地元に対して説明させていただいたところでございます。
〇亀卦川富夫委員 その内容についてはどのように把握されておりますか。今、費用対効果とかそういうお話があったんですが、それでは事業の内容というものがどんなものだったかというものは、どれだけ把握しておりますか。
〇深澤都市計画課総括課長 先ほどの沿道区画整理型街路事業といいますのは、1街区といいましょうか……。(亀卦川富夫委員「事業の内容はまず……」と呼ぶ)
〇吉田昭彦委員長 亀卦川委員、具体的に質問してください。
〇亀卦川富夫委員 かなり具体的にやっているんですけれども、わからない、そちらで。
 昭和60年に始まって、まず水沢市大町まちづくり計画基本計画報告書、これは平成2年。それから、これも水沢市横町中央、大町──この横町というのは既に沿道区画型街路整備で、これは事業費が非常に逼迫してもう進めたものだということで、つい本年、完成したというようなものであります。これに時間がかかり過ぎたと思いますが──大町活性化モデル事業、これは国費を入れて立派なものをつくった。それから、水沢市特定商業集積整備基本構想。さらに、水沢市大町地区町並みデザイン推進事業、こういったものを積み重ねて水沢市大町地区まちづくり協定まで結んで、これがいわゆる積み重ねであります。これらには全部岩手県の職員が関係している、委員とかなんかで。それがつくって、いよいよ進むと、これ進む段階だったんですよ。進む段階で、ただいま申し上げられたような、何か公共事業の評価がないとか、そういうものを甘んじて受けるにしても、これだけの積み重ねをしてきた事業の内容を、どういうものだということをしっかりつかまえてとらえておかなければならない。したがって、この資料とかそういった内容について、私は大体引き継がれていくものだろうと、こう思います。これ終わったわけじゃないんですから、事業手法を変えてもやろうじゃないかと、こういう意味で、こういったものがあるのかどうか、そういったことからお伺いします。
〇深澤都市計画課総括課長 これまで、今、委員おっしゃられましたような数々の調査が行われてきておりました、確かに。ただ、申し上げたいのは、いろんな調査があるわけですけれども、その中にはいわゆる街路にかかわる整備と、それからその周辺のいわゆる建築物等にかかわる、一体的に整備しようということで、街路と一体となって整備するための建築物等の改善、改築がありまして、それら一体的に進めるためにはどうしたらいいのかということで今まで考えてきたわけでございますけれども、街路事業に限って申しますと、やはりそういった計画は持ちながらも、費用対効果等々の面から、なかなか事業着手されなかったというのが今までの経緯じゃなかったのかということで理解しております。
〇亀卦川富夫委員 それでは経緯を若干、これは、これから進めるために申し上げるのですから、これを批判しているんじゃないですが、間違いのない部分をしっかり覚えていていただきたい。
 結論から言うと、平成15年の財政が極端に公共事業がマイナスになった、それのこれは波及であって、積み重ねたものが悪いという意味じゃないんですよ。その辺を履き違えてもらいたくないので、この辺は質問ということでお話ししておきます。
 一つは、いろんな積み重ねがありました。そこで、平成14年9月13日、場所は水沢市役所で、当時の水沢地方振興局の土木部等が出席し、大町沿道整備街路事業にかかわる全体報告会というのを開きました。そこで、当時の岩手県の方から、この案件は採択し事業認可の条件は整っていると。それで、事実上15年よりの事業着手をしたいのであるが――当時、ちょうど15年度の予算の概要がわかってきた時点で、我々呼ばれてこういうお話を受けたわけです。──そういうものであるが、県費を入れて事業着手していくのには、18年に国庫補助を導入すると。したがって、3年待ってくれと。本来15年でやるべきものを18年まで待っていただきたいと。したがって、15年には県費を入れて道路測量、設計などをやるということで2、000万円ほどこれはついたわけでありますね。それで16年、17年には家屋調査あるいは道路調査をやって18年から7年間で達成したいと、こういうことがあります。これは同年の8月22日、これは経過で、我々いただいたのにあるんですが、大町沿道街路整備事業に関する打ち合わせということで、出席者は当時の県庁都市計画課、県庁まちづくり推進主査、地方振興局土木部都市計画課、水沢市、この方々が8月22日に集まって打ち合わせをして、そして9月13日に、ただいま申し上げたような経緯になったと。そこでお話しされたのは財政だけのお話であります。これについて、どういうコメントかを。
〇深澤都市計画課総括課長 14年の8月22日に、確かに打ち合わせは行われていると認識しておりますけれども、ちょうどこのころから財政状況も厳しくなっておりまして、それから政策評価等の導入もありまして、新規着手に対しては、ある程度今まで以上の厳しい目が向けられてきたということがございます。
 それから、先ほども言いましたように、B/Cという関係もございましたので、着手を見送るとかということもあったのかなと理解しております。
〇亀卦川富夫委員 当時、着工の見通し立たず、地権者に怒りの声などということで地元新聞社、こういったものも恐らく皆さんは持っていると思うんです。これ、見ればわかるんです。まただまされたのかと。こういう声が出ている。
 まただまされたのかというのは、これだけの調査をやったのはなぜかというと、こういうことをやれ、こういうことをやれと、ある意味ではハードルをつけられたわけですね、事業を進めるために。そのハードルを乗り越えるためにこういうことをやってきた。これは県ばかり悪いわけじゃないですよ、市の行政も当然入っておりますから。それで、区画整理については、地権者全員から判こまでとっているんですよ、同意書に。地権者が区画整理事業に同意する判こというのは、まず、こういうものでとることは普通はないわけです。法的にもとらなくていいというやつをとったわけですよ。そういったハードルをすべて越えてきた。したがって、その事業の内容も、評価に足り得るものという意味で住民も参加して、行政の指導のもとに、コンサルも入れてやってきたわけです。こういうものをつくってきた。それがその都度、できないできないというもので、いよいよできるのかというところまで来たわけですよ。建築協定まで結んで、例えば軒先の高さを一緒にやろうとか、素材を何にしようかとか、あるいは駐車場のとり方も、道路に、県道沿いに駐車されては困ると、駐車場を中どりにしましょうとか、さまざまなそういうすぐれたものを全部策定して、いざ取りかかる段階で、先ほどのような経緯でだめになった。それはいろいろ時代も進みますから、ハードルを高くするのは結構だろうと思うんですが、すぐれてこれは財政上できなくなったということなんです。それが14年でございます。
 15年。とんざした後のこれは県とのやりとりの中で、名前は申せませんが、前任の課長が、平成18年度から事業着手と説明していますが、事業着手は困難な状況ですというのは、15年の集まりの中で、1年後にこういうのがはっきり出されている。これは財政計画。
 そこで、20メートルの都市計画道路、これについて皆さんはどう思いますかという話。どう思いますかというよりも、これは我々が決めたんではなくて、都市計画道路を20メートルにしますという前からの計画に合わせてまちづくりをすると、こういう話だった。それで、妙な投げかけ方をされましたが、確かに公共事業の評価とか大規模なものに合わせるために、それではいいようにしてくれと、そういうことでいろいろ調査をして16メートルの都市計画にしましょうということで、4メートル縮小したのは御存じと思います。こういった、段々の経緯を経て今新しい事業手法で、これはとっても区画整理事業でやるにはいつまで待っていればいいんだと、こういう話ですね。
 県当局からは、中止したものではないのでいつかはやるかもしれないと。かもしれないことで待つわけにいかないと。それでは、本来、区画整理事業あるいは沿道街路整備事業で、いわゆる県道の管理者負担金などを活用したまちづくりということだったわけでありますが、これはできないと。さっき言ったように、これは我々から望んだというよりも、いろんなやり方で県とすり合わせてやってきたものが、財政上できないということになったわけですね。いろいろ理由のつけ方はあるだろうと。そこで、16メートルを……。
〇吉田昭彦委員長 亀卦川委員に申し上げます。質問していただけますか。
〇亀卦川富夫委員(続) はい。今これからやります。
 それを軸にしてやるということでありますが、その後の県の対応というのはどうなっておるのか、お伺いしたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 深澤都市計画課総括課長に申し上げますが、質問者の趣旨を理解した上で、簡潔明瞭にお願いします。
〇深澤都市計画課総括課長 平成15年の11月に、地元の方で説明会を開催させていただいたわけでございますけれども、この際の理由が、先ほど委員からお話がありましたように財政上の理由もございますけれども、やはり費用対効果が小さいという御説明をさせていただいております。そういった意味で、その当時の着手を見送ったということでございます。そう理解しております。
〇亀卦川富夫委員 それでは視点を変えまして、先ほど部長は、快適な魅力ある地域づくりという中で、下水道工事あるいは区画整理事業を進めると、こういうお話でありました。まさしくここの私の今質問している当該地は、公共下水道工事あるいは区画整理事業をやる予定であったわけであります。奥州市の中心市街地で、7ヘクタールの中心市街地、これがまだ公共下水道が未整備だというのは御存じでしょうか。
〇西畑県土整備部長 下水道の整備の状況については、私は存じておりません。
〇亀卦川富夫委員 部長じゃなくて、おわかりの方、それじゃ。
〇佐藤下水環境課総括課長 水沢区の大町においては、下水道は整備されていないと考えております。
〇亀卦川富夫委員 そのとおりであります。周辺は公共下水道を整備しましたが、当該地は、区画整理事業が手戻りにならないように、区画整理が進んだ段階で公共下水道をやると、こういうことだったわけです。これは、当然、市の方ですよ。しかし、この県道整備というものに絡んだこれは地区でありますから、県と市、あわせてこれは行政と呼ばせていただきますが、そういったものの中で、県の指導性をもっと発揮してもらってよかったんではないかと、こういう気が一つはしております。
 それからもう一つ、県の交通安全施設という観点で、県道9メートル、これにアーケードのように一見見えるものが当該地にあります。これを歩行者は利用しております。これははしょって言いますが、これは民有地であります。民有地で、しかも雁木スタイルというんでしょうか、中をくりぬいてやっている。これは非常に交通量が多いときに、防衛上やったということもありますが、間違いなく県の交通安全施設として40年間使っている。このものをどういうふうに評価するのか。したがって、公共下水道のおくれ、あるいはこういう交通安全施設、こういったものを含めまして、やはり整備を促進するということが必要ではないかと思いますが、こういったものが費用対効果ということに引っ掛かるんでしょうかね。その辺お伺いします。
〇深澤都市計画課総括課長 事業着手する際のいわゆる事前評価におきまして、どういった項目が評価されるかということですけれども、一般的な街路事業で御説明しますと、いわゆる道路を通過させるための時間短縮の時間とか、それからエネルギー、ガソリン等の消費量の削減といったものが考えられますし、それからもう一つは、歩行者のために歩道を整備した際の歩道の効果を見るというのが一般的でございまして、それ以外については、今のところ効果には含んでおりません。
〇亀卦川富夫委員 そこで、今までの経緯を十分踏まえて、これはこれから進む場所でありますので、県としても今までの経緯を十分踏まえてやっていっていただきたいと、そういう観点から申し上げますと、コンパクトシティ構想というのは、これ岩手県の都市計画課が打ち出したものであります。まさしくコンパクトシティ構想で我々といいますかこの大町地区は考えているわけでありますが、と申しますのは、商店街整備というものの評価が低くなっているのは事実だろうと思うんです。そこで、大町においては多機能なまちづくり、言ってみれば福祉とか教育とか、そういう施設も含めたまちづくりということに踏み込んでいるわけであります。国の法律も変わりました。まちづくり三法というものの改正で、言ってみればそういうまちづくりが裏づけられたということになります。したがって、私は先ほど以来、課長答弁の公共事業の評価という費用対効果、そういうものについては、単に交通量とかそういうもののみじゃなくて、今言ったコンパクトシティーあるいはまちづくり三法に盛られた法の意味、こういったもので評価すべきじゃないかと。したがって、私はこういうものの評価で今後のまちづくりを進めるべきだと、このように思いますが、いかがでしょうか。
〇深澤都市計画課総括課長 委員今おっしゃられたことについては、我々もそのように考えております。ただし、国土交通省の補助要件にも合致しないとまずいものでございますので、残念ながら、今、国土交通省においてはそのような視点での評価はなされておりませんので、この点につきましては、今までもそうでしたけれども、今後も国土交通省の方と調整を図っていきたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 それで今の構想の中で、計画の中では、私は非常にいじましい話だと思うんでありますが、まず県道16メートルの都市計画決定をなされたのに合わせて、これ以上待てないと。待てない。したがって、自分たちの目の黒いうちに何とかしたいというようなことも含めて、例えば新築をするときに、本来なら共同とかいろいろな構想があったわけですが、それができなくなったわけですから、1軒ごとにやるものになるわけですね。あるいは隣同士で組むというようなところも出るかもしれませんが、1軒ごとのようなことになります。そのときに、県道部分は拡幅した形で残して建物を建てる、おわかりですね。そうしますと、この県道部分というのは、今の県の方針では当然移転補償費の対象にはなりませんと。後にそろった段階で用地を買収して道路に整備しますと。いつのことかわかりませんね、これは。したがって、少なくともそういった場合において、引き下がって建物を建てた人の用地については、少なくとも、後に買うというような担保をしっかりしたものにしなきゃならないだろうと思いますし、少なくとも、本来なら単年度でそういった部分は買い取っていってそれから道路整備をすると、このくらいのものはこれまでの経緯等を含めて必要でないかと思うのでありますが、この辺の見解はいかがですか。
〇深澤都市計画課総括課長 ただいま委員がおっしゃられました、何というんでしょうか、1宅地ごとの買収ということだと思いますけれども、街路事業といいますのは、事業認定ということで、事業認定をとってから行うというのが一般的でございまして、そうしますと、ある程度の区間の固まった、1街区というんでしょうか、最低限そのような延長で事業認可をしまして、それに基づいて事業をするということになりますので、今委員のおっしゃられたような形では、なかなか現時点では難しいのではないかと理解しております。
〇亀卦川富夫委員 難しいのはわかりましたが、先ほど以来の長年の案件であります。しかも行政がかなり一緒になってやったというのは長々申し上げた部分でありますが、そういう意味で、地権者に対する心のケアとでも申しますか、そういうものが行政側としては私は必要だと思うんですね。そういう延長線で県道の整備に当たっては、この辺はよほど工夫をして、そういったケアが十分成り立って、地権者の方も喜んで応じる。まただまされたというような言い方じゃないようなやり方をぜひ講じていただきたいことを要望しておきます。
 次に、もう一つ通告してあります北上川架橋についてであります。
 水沢市には、市道久田前田中線というのがございます。これが羽田地区、言ってみれば新幹線の駅があるわけですが、それに延長した段階で長大橋をかけるというようなことが課題としてありまして、これは当時、県との間で水沢市の都市計画として決定して後に整備していくと、こういう段階でいろいろやりとりがありまして、しかし、幅員の問題でとんざしたと私は理解しておるんですが、この辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。
〇佐藤道路建設課総括課長 小谷木橋の件でございますが、これまでの経緯の中で、幅員について市の方では4車、こう主張なさった経緯がございます。県としましては、今後の交通量の動向から、4車の妥当性につきまして、市の方に資料の提示を求めた経緯はございます。平成12年度から地元奥州市、当時の水沢市ですが、いろいろ協議を重ねてまいりましたけれども、小谷木橋そのものについては、今のところ早期の着手は難しいものと考えているところでございます。
〇亀卦川富夫委員 この北上川架橋は極めて産業道路としての必要性というものが問われているところであります。小谷木橋につきましては、これも幅員が狭いということで、まず幅員を広げるという意味では、何しろこれも老朽化した橋でありますから、かけかえという部分が必要じゃないかという指摘があります。したがって、先ほど申し上げました久田前田中線の延長の橋、これはかなりの長大橋であります。それと、国道397号に現在かかっている小谷木橋の幅員の狭さ、老朽化から言ってこれの架け換え、どちらか二者選択というような私は感じで見ておりますが、県当局では、この辺どのようにこれを県南広域振興局の産業上の重要路線として位置づけてやっていくのか、まずその辺の位置づけの問題。さらに、それからの整備ということになろうと思いますが、そういう一つの行程表といいますか、そういうものを示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤道路建設課総括課長 今後の進め方についてでございますが、この小谷木橋につきましては、架設から52年が経過しておりまして、非常に老朽化が目立ってまいりました。したがって、平成17年度から19年度まで、3カ年計画で緊急輸送道路の橋梁耐震補強によりまして、橋げたの連結工事などの耐震工事を行っておりまして、県としては、当面は現在の橋を安全に利用していただけるものと考えているところでございます。
 先ほどの産業上の位置づけ、路線の位置づけも含めた今後の整備のあり方につきまして、さまざまな角度から、奥州市や関係機関とも十分な意見交換を行いながら、検討してまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 いわて花巻空港の利用促進策と整備事業についてお伺いをいたします。
 昨年の利用客の状況でございますが、50万人に2、000人ちょっと足りないという数でありました。その中で国際チャーター便、そのうちの外国人客は1万6、000人を超えると、史上最高の数字を示したわけで、さまざまな景気動向等厳しい環境の中で健闘した年だったのではないか、そう思っております。本年度の上半期の利用状況を見ますと、いずれ滑走路2、500メートル供用開始とともに、新ターミナルビルが完成をしていればと、返す返すも残念な気持ちをしております。さまざまな手が打てたのではないか、そう思っているところでございます。
 その中で、基本的な今の現状認識をまずはお伺いしたいと思いますが、いずれ、今、国内観光需要もなかなか伸び悩んでいる状況でありますし、地方においては景気の動向もまだまだ厳しいと。しかも、観光ビジネスにおいてもニーズの多様化という状況の中で、地方空港というもの、厳しい状況にあると、そのように考えておりますけれども、県土整備部としてはどのような現状認識にあられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
 また、このいわて花巻空港がこうして休止、延期を続けているという状況、これ公共事業のあり方としてどのように考えておられるか。工事着工からもうすぐで10年になるわけであります。しかも84%の進捗率も示しているわけでありますし、当然、公共事業というものはその効果を早期に発現させるということ、これが大前提であると。そう考えれば、このことは大変異常な事態だと、私はそう思っております。そういう中で、造成はもう済んでいるわけでありますし、これは私有地、いわゆる田んぼを造成してつくった土地ということで、これは本当に穀倉地帯、美田を提供した土地であります。また、周辺道路の整備もほぼ完成している。そして、こういうチャーター便のことし半減以下という利用率を見ますと、現実にマイナスの経済効果がもう発現しているという現状、この点を今どのように認識されているか、お伺いしたいと思います。
 それから、改めてでありますけれども、この新ターミナルビル建設の意義といいますか、目的といいますか、これは当然現ターミナルビルの課題、問題点ということにつながるわけでありますけれども、これらの点につきまして、県土整備部の考え方を改めてお伺いをしたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 いわて花巻空港の利用促進策と整備事業についてということで、まず地方空港の置かれている現状についての認識ということですけれども、国内線の航空需要の動向と同様、いわて花巻空港の国内線利用客は伸び悩んでいるという状況であります。
 一方、平成17年度は台湾からのチャーター便91便、利用客数1万5、741人、それから、平成18年度はエバー航空が撤退したものの、昨年は5便しかなかった中華航空によるチャーター便は62便の見込みであり、8月には初めて韓国からのインバウンドチャーターが実現したところであります。花巻空港同様に、地方空港においては、国内線とあわせて海外からのチャーター便を誘致することにより、利用促進を図っているというところであります。
 空港については、このような状況を踏まえて、利用環境の変化に対応した機能の充実を図っていくことが必要だと考えているところであります。
 次に、公共事業のあり方としていかがかということですけれども、公共事業のあり方としては、着手した事業の効果を早期に発現するということは重要だと考えております。
 空港整備は、来年で着工から10年目を迎えます。この間、厳しい財政状況などにより、空港整備は段階的に整備を進めざるを得なかったわけですが、平成17年3月には、滑走路2、500メートルの供用を開始することができたところです。今後は、新ターミナル地域の早期供用開始に向け、ビル会社が自立的経営を見通せるような、新ビルの整備計画をできるだけ早く取りまとめ、新ビルの建設に着手できる環境を整備したいと考えております。
 それから、新しいターミナルビルの建設の意義についてということですけれども、現ターミナルビルの問題点としては、次のとおり考えております。
 一つとして、国際線旅客と国内線旅客との動線が完全に分離できていないため、国内定期便と国際チャーター便が錯綜した際に、双方の旅客に不便を強いているということ。二つ目として、繁忙期や国際チャーター便の就航時に、チェックインロビーや出発ロビーが混雑するということ。3番目に、出国待合室や出入国手続施設が狭く、国際チャーター便旅客の半分程度の人が立たざるを得ない状況にあるということ。それから、手荷物受取所が1カ所しかなく、国内線旅客と国際線旅客を同時に処理することができない状況にあるということ。それから、国際線施設にはトイレが整備されていないため、国際チャーター便旅客は、出国審査後にはトレイを使用できない状態にあるということ。それから空港ターミナルビル全体ですけれども、ユニバーサルデザインへの対応がなされていないということ。こういった問題点の解消を図るために、新ターミナルビルの建設は必要だと考えております。
〇木戸口英司委員 地方空港という観点で最初に聞かせていただきましたが、確かに今取り巻く環境は厳しいんだろうと、そう認識しております。しかし、各地域において、その投資に見合うということ以上に、交流人口をふやしていく、それによる波及効果ということに力点を置いて、その利用促進また空港の整備に努力をしている姿というのはあるんだろうと思います。やはり岩手も競争の舞台に乗っていくと、そういう意味で、こういった施設の整備をしっかりとしていくということは、大変重要だろうと思っております。
 また、今、現ターミナルビルの問題点ということがありましたが、行く人、いわゆるこちらから出発する人にとってみれば、重要度というのが余り見えてこないのかもしれませんけれども、来る人、迎える立場になれば、そういったさまざまな問題が起きていると。
 ここに、チャーター便の就航時の混雑している写真が私のところにあるんですけれども、本当に大変な混雑、皆さん2時間ぐらい出入国にかかるんだそうですけれども、2時間以上ですか、ほとんど立ちっ放しなんですね。そして階段のところに座っている人もあるようです。また、出入国審査が終わると、今度トイレもないというような状況で、やはりこういった観点をしっかりと踏まえて整備をしていく必要があるんだろうと、そう思っております。
 それでは、まずは定期便につきまして利用促進、今、確かに数字的には厳しくなってきているわけでありますけれども、県土整備部といたしまして増便、ダイヤ改善また新規路線の開設と、これは今まで取り組んできた経過があるわけでありますけれども、その状況について、まず、どういう観点で進められているか、お伺いをしたいと思います。
 また、実際に乗せると、乗ってもらうということの観点で、ビジネス需要、これはこうして誘致企業、大きな企業も来ておるわけでありまして、さまざま要望も多いものと、そのように私も聞いておるところでございますが、ビジネス需要また観光需要への対応について、これはそれぞれインバウンド、アウトバウンド事業ということがあるわけでありますけれども、この取り組みの状況につきまして、当然、これは商工労働観光部また岩手県観光協会等との連携という姿もあるんだろうと思いますが、この状況につきましてお伺いしたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 増便、ダイヤ改善、新規路線の開設に向けた取り組みについてということですけれども、空港の利用者数については、航空会社固有の事情、経済の動向、ダイヤの編成状況など、さまざまな要因により、相応の影響を受けて変動するものと認識しております。いわて花巻空港の利用促進を図るためには、とりわけ、運航頻度やダイヤの見直しが必要というように考えているところであります。このため、本年度は、産業振興の観点から、県民及び県内を訪れる者にとって、利便性が実感できるダイヤへの見直しを図るため、航空会社に対して、継続的な協議、働きかけを行っているところであります。
 次に、ビジネス需要、観光需要への対応についてということですけれども、ビジネス需要への対応としては大阪線、これは伊丹便ですけれども、予約がとりにくい状況が続いております。また、名古屋線では、本県への朝の就航便がないといったような問題があります。ビジネス需要を拡大していくためには、いわて花巻空港の利便性を高める取り組みが必要であると考えており、運航ダイヤの見直し、就航便数の見直し等について航空会社への働きかけを行っております。
 また、観光需要への対応策としては、岩手県利用促進協議会の事業により、就航先の旅行代理店に対する旅行商品の造成支援、それから、関西国際空港及び中部国際空港乗り継ぎによる海外旅行商品の造成支援、空港乗り合いタクシーの運行支援による2次交通の充実に向けた取り組みを実施しているところであります。
 なお、空港乗り合いタクシーについては、現在は観光需要に対応した運行コースとなっておりますけれども、今後、ビジネス需要を念頭に置いた、北上、金ケ崎方面への運行コースについても検討しているところであります。
〇木戸口英司委員 増便、ダイヤの改善等については航空会社が相手ということでありますし、JALも会社経営、大変厳しいということ、なかなか交渉も難航しているんじゃないかと思いますが、引き続きこの取り組みをお願いしたいところでありますし、また、到着した方々に対する2次交通の確保ということ、これは大変前進していると感じました。いずれ、全体の利用者数という観点で言うと、こういう今までの数字が出てくるわけですけれども、それぞれニーズも変わってきていると。それに対応した形、さまざま利用客の質の変化ということもあるんだろうと思います。そういう中で、さまざま細かい数値目標といいますか数値設定、そして進行管理をしながら、そして多くの県民の皆さんに、ここに関与していただくという観点が必要なんじゃないか、そう思います。
 例えば、今、平泉の観光に力点を置いているわけでありますから、飛行機を利用して平泉を観光していく人たちがどのぐらいあるかとか、あとは三陸沿岸ですね、沿岸の方にどのぐらい空港を利用して旅行客が来ているかとか、ビジネスのこともそうだと思います。例えば修学旅行のこともあると思います。やはりこういった観点でさまざまな目標設定をしながら、いろんな団体また県民を巻き込んでいくという活動が大事だと思いますので、その点ぜひお考えをお聞きしたいと思います。
 続けます。国際チャーター便につきまして、まず基本的なことをお聞きいたします。県と、これは民間ももちろん相当努力してきているわけでありますが、むしろこちらも大きいと思っております。国際チャーター便による外国人客の誘致活動、熱心に取り組んできたわけであります。それで、昨年は相当大きな数になってきたということでありますが、その背景、なぜこういう取り組みになってきたかということを改めてお伺いしてみたいと思います。
 また、国際チャーター便がいわゆる花巻空港に誘致していくと。他県の空港におりて岩手に来ていればいいじゃないかという議論もあったように思いますけれども、そうでなく、やはりいわて花巻空港におりてそして岩手を訪ねてもらうと、そういったことの経済効果、意義といいますか、こういったことをどのようにとらえているか、お伺いしたいと思います。
 また、本年度国際チャーター便、便数、利用者数とも大幅に落ち込んでおります。利用者数で言うと、半分ということであります。その影響をどのように分析されているか、お伺いをいたします。
 また、先ほどもちょっと触れておられましたけれども、この秋、私もホームページで確認をいたしましたけれども、台湾便の発着数が若干回復する予定のようであります。相当な努力があったんだろうと思いますが、どのような取り組みがあったか、ぜひ御披瀝をいただきたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 まず最初に、ニーズや質の変化に対応した目標の設定と進行管理ということですけれども、空港の整備や利用促進を進めていく上では、単に利用者の数に注目するのではなくて、利用形態の変化に適切に対応していくことも、大切な視点だというように認識しております。そういうことで、今年度はビジネス需要にこたえるためのダイヤや便数の見直し、2次交通の整備に重点的に取り組んでいるところであります。
 次に、国際チャーター便による誘致活動に取り組む背景ということですけれども、東北向けの日本人旅行者が伸び悩んでいる中、県内の観光業界、とりわけホテル業界は、新たなマーケットとして台湾、韓国、香港といった近隣アジア地域の訪日需要に取り組むことに活路を求めているという状況です。現在の海外からの東北向け商品は、周遊型となっております。地元の花巻空港にチャーター便を誘致することにより、旅行日程上、県内の観光施設への立ち寄り、宿泊など、多くの経済効果を取り込むことができるものというように考えております。
 国際チャーター便の落ち込みの影響ということですけれども、この春には、花巻空港へのチャーター便が減少する一方で、県内への外国人入込客数がふえているのではないかというような指摘もあるということは承知しておりますけれども、この秋、エバー航空は仙台空港定期便を減便いたします。それから、エバー航空の東北向けチャーター便は、激減しているという状況にあります。こういった動向を見ますと、花巻空港へのチャーター便が減少しても、県内への外国人の入り込み客数がふえているという状況については、慎重に見定める必要があるというように認識しているところです。
 花巻空港への国際チャーター便が落ち込むことは、外国人観光客がもたらす経済効果が減少するということで理解しております。
 それから、台湾便の回復のための取り組みということですけれども、エバー航空の撤退を受けて、昨年来、小型機での運航が可能な中華航空、マンダリン航空に照準を定め、県、観光協会、ホテル業界等が一体となって誘致活動を展開してまいりました。その上で、空港サイドとしては、現地、これは台北ですけれども、航空会社、旅行代理店、広告代理店と直接連絡調整のできる体制を整備しております。また、地元メディアで商品広告を……。
〇吉田昭彦委員長 高橋課長、簡潔にお願いします。
〇高橋港湾空港課総括課長(続) はい。地元メディアで商品広告を展開することによる旅行先としての認知度の向上、旅行代理店の販売支援などを行ってきたところであります。
〇木戸口英司委員 国内線が厳しいと、その中でしかも国内旅行需要もなかなか伸び悩んでいるということ、これはこれからのトレンドだと思います。その中で、外国人客を誘致していこうという取り組みは当然のことだろうと思います。ところが、国内線が厳しいということで、ターミナルビルを新しくすることを県民に説明がしづらいという動機でターミナルビルをつくらない。それによって、今度はチャーター便で来るお客さんも半減している。全くこの理由づけについては矛盾をしていると、ちょっと観点が違い過ぎるなと、私は常にそう思っているわけであります。
 それと、先ほどあった現ターミナルビルの課題ということは、単純に大型機が発着できないということだけではなく、当然、混雑だったりサービス、ホスピタリティ、アメニティの大変劣悪な環境の中で、これは定期便のお客さんにも影響をしているわけでありますし、やはりこういう観点でしっかりと県民の皆さんに説明をしていく責任があるんじゃないか、そう思っております。
 そこで、ターミナル整備計画の見直し、いわゆる事業費の縮減ということについてでありますが、これも改めてお伺いいたします。
 大規模事業評価委員会の附帯意見、県からの貸し付けのあり方について慎重な検討をということを受けて、ビル会社の自立的な経営の確保に資する事業費の圧縮、ビル会社がみずから資金調達をという観点で今見直しが検討されております。この基本的な考え方を確認させていただきたいことと、検討状況、いわゆる財源のあり方のスキームがこれ変わってくることだろうと思いますけれども、そのことについてお伺いをしたいと思います。
 また、ターミナルビルの経営基盤の強化が必要だということも言われているわけでありますが、その考え方、取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 続けます。また、いわゆる縮減の目標となる数字も、知事の口からちょっと漏れてきたわけでありますけれども、いわゆるそういったターミナルビルの自立し得る整備費のあり方と。もちろん、新ビルの機能がしっかりと確保していくという、その整備費としてのバランスといいますか、これ大事なんだろうと思います。ただただ縮減して、全く機能を果たさないものをつくるわけにもいかないし、やはり縮減していくという方向は私も賛成でありますけれども、いずれ、そのバランスということをどのようにとっていくのか、お伺いをしたいと思います。
 また、そろそろ西畑部長のお声も聞きたいと思いまして、ビル着工が2年延期されるということで、1年がそろそろ経過して来年度2年目に入っていくわけでありますけれども、こういった状況を踏まえて、今の検討状況の中で、今後のスケジュールということを確認させていただきたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 新ターミナルビル見直しの基本的考え方についてということですけれども、現在、大規模事業評価の附帯意見を踏まえ、ビル会社の自立的な経営が見通せる整備計画となるよう、面積、構造の見直しによる建設事業費の縮減や財源計画などについて検討中であります。
 ビル会社の経営基盤の強化については、今後、財源計画の見通しとあわせて、ビル会社において、空港ターミナルビルが提供するサービス内容、安定的な収入が得られるテナント展開等を検討する中で、収益力を高める取り組みを具体化していくものと考えております。
 それから、新ビルの機能の充実と事業費の縮減のバランスということですけれども、新ターミナルビルの建設事業費の縮減は、ビル会社が将来にわたる自立的な経営を確保するために重要ではありますけれども、同時に、現在のターミナルビルが抱えている諸問題を解決するための機能を確保することも重要であると考えております。これらの二つのポイントにこたえられる整備計画となるよう、検討しているところであります。
〇西畑県土整備部長 ただいま総括課長御説明しましたように、委員御指摘のように、機能確保ということと、ターミナルビルの事業費縮減、これに現在取り組んでいるところでございます。できる限り早期に供用開始できるように、今後、大規模事業評価あるいは予算要求等に適切に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
〇木戸口英司委員 わかりました。いずれ航空会社、民間とはいえ、また、ビルも民間とはいえ、公共交通の確保ということだと思っております。やはり県民、また利用者の利便性を高めていくという観点で、しっかりとこの計画の見直しに向けていくこと。そして、それを早く県民に説明をしていくこと、それによってまた利用促進に県民を向けていくこと、こういう連動性だと思っておりますので、しっかりとした取り組みをお願いし、終わります。
〇中平均委員 私、河川整備、河川管理の点についてお伺いいたします。
 施策の評価結果において、この災害に強い県土づくりというのはおおむね概成と、達成しているということでありました。相当予算が厳しくなってくる中で、大変な御努力をされているんだということに、改めて敬意を表するものであります。
 その中で、先般、10月の災害があったわけですけれども、その中で河川の堤防等概成しているという中で、堤防の中の方、立木なり、中の方はそのまま全然手がついていないといいますか、水が出たときに、結局流木なり流れてくれば今度橋の方にも影響があるんでしょうし、そういった面を含めていってどういうふうに、あらかた堤防はできているんだけれども、その堤防の中の方の整備という面をどういうふうにやっていくのかという点をお伺いしたいと思います。
 というのは、最近自然保護という観点からも、非常に自然の景観ということもありますけれども、そういう場合、どういうふうに調整してやっていこうと考えているのか、その点についてちょっとお伺いできればと思います。
〇沖野河川課総括課長 堤防、川の中州についての立ち木の関係でございますが、中州の中に、川の中に草木が繁茂しますと、地質上当然影響が出てまいるところでございます。こういうふうに河川管理上支障となっている立木につきましては、少ない予算ではございますが、河川の維持管理費の中で、地域住民の方の御意見を聞きながら、必要に応じて伐採や除去を進めております。
 非常に今河川の管理も、河川の事業も、事業といいますか、堤防のないところに堤防をつくるような、建設から維持管理の方にシフトしつつあるところではございますが、まだまだ維持管理費の予算が厳しゅうございまして、なかなか思うような維持管理ができていない状況にあります。
 それから、河川の中で立木の伐採とか掘削などの事業を、工事を実施するに当たりましては、各振興局内に設置されております希少野生動植物に関する検討委員会というのがございまして、この中に希少野生動植物の専門の先生方も委員になられております。そういう方々から助言を受け、指導を受けながら適切に対応していくこととしております。
〇中平均委員 まず、維持管理の予算がどうしても少ないという、それは私も決算書なりを見てそうなのかなと思っていましたけれども、この間災害があって私の地元、久慈の方でも避難勧告が出たり、その原因としては、無堤地区も若干あったのも事実なんですけれども、その流域に非常に、私が見ていても感じますし、中州なり堤内地の方ですか、堤防と堤防に挟まれたところに立木なりが非常に多くあると。そういった中で、ただ地域としてやっぱり景観を、自然を守っていく、野鳥とかそういったのを保護していこうという動きもまたあるわけで、じゃ、その堤防をつくって人命なり財産を守るという点と、そうした希少動物なりとの兼ね合いというのも非常に難しくなってくるのかなと、最近思っているんです。
 久慈に2本河川があって、もう一つの方は先に整備も進んだこともあって、基本的にそんなに流域に立木がない、見えないものですから目立ちもしないんですが、今回避難が出た方になってくると、そういうふうなことが出てくると。立木が抜けて橋の方とかにも流れてきたりすると、恐らく橋も持っていかれるんだろうなというくらい、まず水かさも出ていましたので、そういった点について予算がない中でも、ただ、今回こういうふうに久慈に限らず各所で災害がありましたけれども、そういった面を考えていく上で、自然保護、希少動物というのは当然守っていかなければならないのを理解した上で、現場の振興局が主体となってやるものだとは思うんですが、これは、県土整備部の方からも予算の観点も含めながら、新しく堤防をつくるよりは維持費の方が金がかからないわけですから、そういった面においても災害に強い県土づくりという面で一歩進んでいかなければならないんじゃないかと思っているんですけれども、その点についてどうでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇沖野河川課総括課長 当然、委員御指摘のように、河川改修で堤防のないところの整備も必要でございますし、今ある堤防で挟まれた河川の中の管理についても重要でございます。いずれ木が大きくなりますと、どうしても渡り鳥といいますか、貴重な動植物がそこに集まってくるような傾向もございまして、木が余り大きくならないうちに、小さいうちに伐採することが理想となっておりますが、河川の中の自然環境を専門の先生方からよくお話を聞きまして、どの程度まで、すっかりきれいにするのがもちろんいいわけでございますが、またそれも味気ない川になるかと思います。安全対策と、それから河川の環境維持とを両立するような形で事業を進めて維持管理を進めてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 そういった意味におきましても、やはりこれは維持管理ということで県土整備部なり振興局なりにリーダーシップをとっていただいて進めていかなければならないことだと思っていますので、その点を来年度の予算措置においても、その方向性を施策の方に盛り込んでいってもらいたい、そのように考えています。
〇斉藤信委員 最初に、県土整備部の公共事業費の推移、建設業者・従業員の推移についてお聞きします。あわせて、県内企業への発注額、比率はどうなっているでしょうか。
〇中田建設技術振興課総括課長 県土整備部の公共事業の推移でございますけれども、普通建設事業費で見ますと、最終予算ベースで平成17年度は734億6、900万円余となってございます。ピーク時の平成10年度の1、772億8、700万円余に比べ58.6%の減少となっております。
 次に、建設業者の推移でございますけれども、建設業の許可業者数でございますが、平成10年度に5、000社の水準に達して以降、近年、ほぼ同様の業者数で推移してきております。平成17年度は、5、000社を割って4、904社となってございます。
 建設業の従業員数でございますけれども、総務省の事業所・企業統計調査によりますと、平成16年度は6万2、545人となっておりまして、ピーク時の平成8年度の8万2、171人に比べ、2万人弱、23.9%の減少となっております。
 次に、県内企業への発注額とその比率でございますけれども、平成17年度の県営建設工事の普通会計におきます発注額は635億300万円余となっております。このうち、県内企業への発注額は546億9、400万円余となっておりまして、その比率は86.1%となっております。
〇斉藤信委員 私は、今まで公共事業はふやし過ぎたということを指摘してまいりました。増田知事もそのことを意識して、実は前回の知事選挙のマニュアルでこういう公約をしているんです。公共事業の投資規模を平成15年度15%、平成16年度15%、平成14年度当初予算から30%を段階的に縮小し、決算ベースで平成4年度からの国の経済対策が行われる以前の水準――平成3年度決算ベースに平準化する、これが増田知事のマニフェストです。平成3年水準というのは、決算額7、008億円、公共事業費1、653億円です。平成17年決算は、決算額7、559億円、公共事業費1、189億円です。どうなりますか、これ。私は、増田知事は、3年半前、4年近く前に国の経済対策が行われる以前、平成3年度ベースだと。これはかなり大胆な政策でしたよ。しかし、大胆どころか、これを超えているんだから、今。だから私は減らし過ぎたと言っているんですよ。これでは本当に県民に必要な公共事業はできないと。むだな公共事業をやっちゃいけませんよ。しかし、県民に必要な公共事業ができない水準まで減らし過ぎたんではないかと。どうですか、部長。知事の公約から見て、公約は何でもやり過ぎたらだめなので、これは全くここまで減らし過ぎると、今、建設業の従業員が2万人も減っている中で、なぜこんなに減り過ぎたのか、その要因を部長にお聞きしたい。
〇西畑県土整備部長 平成14年度当初に想定された財政の見通しと現在の財政の状況がかなり大きく悪化していることが要因であろうと理解しております。
〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げますが、20項目ぐらい予告されておりますので、まとめて質問をされるように御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 まとめてやりますから。今すごくいいところだったのにね。
 えらい簡単な答弁でした。結局、増田県政が完全に財政的に破綻したということでしょう、これは。マニフェストが行き過ぎちゃったんだから。私は、ここにも増田県政の破綻が示されている、そのことを指摘して次に移ります。
 最近の低気圧による被害状況と、特に今、問題になっている河川堤防の点検強化について、今回の低気圧による災害に対する対応はどうなっているか。そして、国管理、北上川の河川堤防の安全性調査によると、これは国交省ですけれども、31%が破堤のおそれがあると。県管理の河川の堤防点検はどうなっているでしょうか。私は、災害対策を考えたら、ダム建設より河川堤防の点検強化こそ今、緊急課題ではないかと思いますが、いかがですか。
〇野中砂防災害課総括課長 最近の低気圧による被害状況でございますが、18日現在で、県、市町村合計で767カ所、約99億円となっており、久慈市、葛巻町、岩泉町、九戸村等県北・沿岸地域を中心にほぼ県内全域に及んでおります。
 災害に対する対応でございますが、被害箇所につきましては年内に災害査定を受けまして、順次発注するなど早期復旧に努めてまいります。
 なお、迂回路のない道路等緊急を要する箇所につきましては、直ちに応急工事に着手するなど、地域の安全確保に努めてまいります。
〇沖野河川課総括課長 河川堤防の点検についてでございますが、河川管理につきましては、従来から堤防を中心に河川巡視を実施しておりまして、その管理には万全を期しているところでございます。
 平成16年に新潟県や福井県などで中小河川におきまして洪水により堤防が壊れ、大きな被害が発生しましたことから、16年8月に全県一斉に約640キロメートル区間において、堤防に亀裂が入っていないか、モグラなど小動物による穴があいていないか、護岸が変形していないかなど、目視によります緊急点検を実施しました。その結果、堤防に小規模な陥没、崩落、また、護岸の裏込め材などの沈下が見つかりまして、これは修繕をいたしたところでございます。
 また、平成16年11月、国土交通省河川局で作成しました中小河川における堤防点検・対策ガイドライン案に基づきまして、破堤した場合に大きな影響が予想されます河川の区間につきまして、詳細な安全性の点検が必要となります区間を選び出し、過去の災害履歴や地質データなどの既存資料を整理した河川カルテを作成したところでございます。この結果、35河川、約109キロ区間におきまして詳細な安全性の検討が必要と判断したところでございます。
 平成18年度には、背後地の市街化が進み、被災履歴のある木賊川など4河川におきまして浸透に関する安全性の検討を行うとともに、残る河川につきましても順次調査検討を進める予定としております。
 今回の堤防点検は、河川管理の一環として堤防の浸透に対する安全性の検討を行うものでございまして、この結果を踏まえて、堤防強化のための対策工法を検討することとしております。
〇斉藤信委員 私が指摘したように、北上川でさえ31%が破堤のおそれですよ。県管理はこれから点検すると。その一つの大事なポイントに簗川がなっていると。今回の水害、災害を考えたら、河川の堤防点検、堤防の強化は、私は緊急の課題だと思います。そういう立場から、簗川でどういう点検をされているか、明らかになっていれば示していただきたい。
 簗川のダム建設事業でありますけれども、この簗川のダムは、当初の計画から私は大きく変わったと思います。多目的ダムからほとんど治水ダムに性格が変わりました。この間の経過についてどう変わったか示していただきたいし、今の進捗状況を示していただきたい。
 ところが、建設事業費は当初と比べて倍増になりました。重大な問題は、建設事業費というのは工事費の積み上げで倍増になるんですけれども、比較する河川改修事業費も倍増となりました。これは、推計なんです。推計で河川事業費を倍増にして、若干安いからダムの方が有効だと、こういう判断を県はしているわけですが、河川改修事業費が倍増になった具体的理由を項目ごとに示していただきたい。当初の河川改修事業費の積算ではなぜだめなのかも示していただきたい。
 あわせて、自然環境影響調査による失われる貴重な動植物はどういうものか。専門委員会の議論では、簗川と根田茂川の合流点は、盛岡市が将来特別保護地区にしてでも守るべきところだと指定されていると指摘がありましたが、この点についてはどう検討されているでしょうか。
 簗川流域懇談会が開催されていますけれども、この状況について示していただきたい。
〇沖野河川課総括課長 簗川の堤防点検についてでございますが、従来どおりに最初は目視による点検を実施してございます。それ以降に、詳細な安全性の検討が必要だということから、過去の災害履歴、地質データなどの既存資料を整理した河川カルテを作成し、その結果、簗川におきましても詳細な点検が必要だということで、今年度、浸透に対する安全性の検討を約400メートルの区間において実施することにしております。
〇水野河川開発担当課長 簗川ダム建設事業についてでございます。
 簗川ダムは、昭和53年度から治水目的のダムとして県単独費による調査を開始し、平成4年度には、洪水調節や水道用水の供給などを目的とする多目的ダムとして建設採択されました。その後、社会経済情勢の変化により、簗川ダムの利水計画を見直し、平成17年7月に岩手県大規模事業評価専門委員会に事業の再評価を諮問し、同年12月に要検討、見直し継続とする県の評価は妥当と認められるとの答申をいただいたところでございます。県といたしましては、簗川ダムは昭和53年度の調査開始以来、治水を主な目的として進めてきており、治水の必要性は従来と変わっていないことから、規模を縮小した多目的ダムとして簗川ダムの建設を進めていくこととしております。
 次に、進捗状況についてでございますが、平成17年度末の簗川ダムの進捗率は、これまでダム事業として223億円余執行しております。また、現在、総事業費を530億円と見込んでおりますことから、進捗率は、事業費ベースでおおむね42%となっております。
 次に、代替案である河川改修単独案の事業費が倍増となった理由についてでございますが、河川改修単独案につきましては、一つ、100分の1で河川改修を行いますことから、大幅に河道が拡幅され、既設護岸を取り壊して施工すること。二つ、平成9年の河川法改正により河川環境の整備と保全が明記されたことを受けまして、多自然工法を用いた緩い傾斜の護岸勾配で、これは5分を2割という勾配でつくるものでございますが、これで河川改修計画を立案していること。最新の情報により精査し、積算単価も異なることなどにより建設事業費がふえたものでございます。
 次に、自然環境影響調査により失われる貴重な動植物はどういうものかについてでございますが、ダム事業区域内及びその周辺の自然環境調査により確認されている種は、動物については2、163種あり、このうち、重要種は60種となっております。カジカガエル、ウサギコウモリ、クマタカなどでございます。また、植物につきましては992種ございまして、このうち重要種は38種となっております。クワクサ、ノダイオウ、タチハコベなどでございます。
 また、大規模事業評価専門委員会において、簗川と根田茂川の合流点は、昔、盛岡市が将来特別保護区にしてでも守るべきところだと指定されているとの指摘があったことについてでございますが、盛岡市の自然環境及び歴史的環境保全条例において指定している区域といたしましては環境保全地区と環境緑化地区がございますが、簗川ダム周辺地域はこれらには指定されていないと盛岡市から聞いているところでございます。
〇吉田昭彦委員長 かいつまんでお願いします。
〇水野河川開発担当課長(続) はい。
 続きまして、簗川流域懇談会の状況でございます。
 流域懇談会は、平成16年に設置されまして、これまで8回ほど開催しております。流域懇談会においては、治水、利水、環境面などすべての分野にわたり県が詳細な説明を行うとともに、委員の方々から多くの意見、提言をいただいております。河川整備計画の策定に向けた取りまとめの段階を迎えていると考えております。
〇斉藤信委員 終わったの。何だか微妙なスタイルですね。
 簗川ダムについては、昨年11月18日の大規模評価専門委員会で要検討、継続、これを妥当と。ところが、どういう取りまとめをしたかというと、けんけんがくがくの議論があったんですよ、参考人の聴取をして。それで、当時の首藤委員長はこういうまとめですよ。本日は、まだそういう作業が進んでいないので、とりあえずこの事業をここでやめるというわけにはいきません。ですから、本日は一応県の提案どおりに事業継続といたしますけれども、とにかく懇談会に提案する数字の根拠をきちんとつくるという作業の委員会を県につくっていただいて、そこでもんでいただく。そして、その答えを懇談会に持ち込む。その結果が出たら再度この委員会に事業のその後をどうするかという判断を求める、こういう順序でいきたい。これが首藤委員長の最後のまとめでした。この11月18日の専門員会というのは、ダムの専門家、地方財政の専門家が意見を述べて、そういう提案されたさまざまな意見について十分な議論ができなかったと。しかし、ここでダム中止という結論には至らないので継続なのだと。具体的な中身は流域懇談会でさらにやってほしい、こういう趣旨だったですね。本当にこの議論が煮詰まっていない。
 それで私は、大変大事なポイントだと思うのは、岩手県がダム建設事業を選択した最大の理由は、河川改修事業費より若干安いという話ですよ。当初、河川改修事業費は幾ら見積もられたのか、そして、事業費を変えてどのぐらい倍増になったのか示していただきたい。多自然型工法というけれども、多自然型工法なんかじゃないと専門家は指摘していますよ、岩手県のやり方は。ただ川幅を広げるだけだと。従来型でこれは違法になるのか。当初に河川改修事業費を見積もった形で、北上川を考えたってそういう多自然型になっていないじゃないですか。私は、中小河川でそんな莫大な金をかけるような河川改修事業費を算定することこそ問題だと思いますけれども、いかがでしょうか。
 今、大変貴重な動植物が重要な種だけでも60種以上、クマタカも飛んでいます。たくさんの貴重種がそこにはあって、盛岡では本当に唯一残されたと言ってもいい、大変自然と環境が守られた地域です。これを水没させるということになったら、この環境リスクというのは大変大きなものがある。そういうことを考えたら、ダム建設というのは決して安いどころか高くつく、私はこういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
〇水野河川開発担当課長 まず、事業費でございます。当初は約380億円程度ございます。平成13年度再評価時では約590億円の事業費でございます。
 それと、河川改修の方がダムよりもいいじゃないかというお話でございますが、簗川は、今10分の1で河川改修を下流から4キロを既に終わっております。ここに今度上の方にダムを完成すれば、簗川はほぼ全川にわたり100分の1の治水安全度が確保されることになります。そのためにダムを行うということでございます。
〇斉藤信委員 私ゆっくり質問しているから、きょう初対決なので落ち着いてやってほしいけれども、私が言っているのは、河川改修事業費が380億円から590億円にとんでもなく倍増したというのは、ダム建設事業費の場合は工事費の積み上げです。河川改修事業費の場合には推計なんですね。その理由として、あなたは多自然型工法だと言った。これは法的に義務づけられたものですかと言っているんですよ。北上川だってそんな多自然型工法になっていないでしょう。ましてや中小河川で事業費が倍増になるようなこんな工法は義務づけられているはずがないじゃないですか。だから、380億円から590億円なんて、技術者のやることじゃないですよ、こんな推計は。2倍になるような推計なんていうのは恥ずかしいことですよ、こんなことは。そういうからくりがこのダム建設には必ずあるんです。
 もう一つ私、指摘しますけれども、流域住民のアンケートを皆さんはとった。その結果どうなっているかというと、自然を残し、かつ利用できるような川を求めるというのが48%、何もしなくてもよいというのが5%、構造物を撤去し、自然を戻すというのが3%、これをあわせると56%です。いわば河川について、過半数の方々が今の自然を残してほしいと、あなた方が行ったアンケートでも出ているんですよ。私は、こういう流域住民の意向をしっかり把握して対応すべきだと思います。そして、流域懇談会でこれから検討されるべき課題があると思うけれども、それもあわせて答えてください。
〇水野河川開発担当課長 3点ほど御質問があったと思います。
 まず、推計でございます。推計につきましては、河川改修事業費につきましては、測量図面に基づきまして実施設計並みで積算しております。そういう内容でございます。
 それから、多自然型工法が位置づけられているかということでございます。これは、平成9年、河川法が改正されました。それで、河川環境の整備と保全というのが明記されまして、できるだけ自然に優しい川をつくるということが努力目標となっております。そういうことから、5分の護岸よりも2割の護岸の方がいいだろうということでこういう計画になっております。
 それから、アンケートでございます。委員おっしゃるようなアンケートもございました。また、アンケートの中には、ダムをやってほしいという御意見もございます。そういうことでございます。
〇吉田昭彦委員長 斉藤委員、まとめてお願いします。
〇斉藤信委員 今、はしなくも河川改修事業費の具体的根拠は示せなかったと私は思いますよ。多自然型工法は努力義務でしょう。実際に河川改修をやろうとしたら、そんな倍増になるような設計はしませんよ。今の財政状況の中でできるわけないじゃないですか。だから、現実的な積算をすべきなんですよ。ダムをつくる気になるから河川改修事業費は勝手に倍増にさせるんですよ。
 改めて聞きますが、380億円から590億円になった項目的な増額理由を示していただきたい。法的義務づけでなかったら、本当に必要で最小限の河川改修の事業費を見積もるべきですよ。そうしたらずっとこっちの方が安くなりますよ。そして、環境破壊にも手をつけなくて済むと私は思いますが、そのことを答えていただきたいし、流域懇談会の課題について答弁がありませんでしたので、後で答えてください。
 次に、津付ダムの問題についてもお聞きします。
 津付ダム建設事業については、毎年1回の報告がこれも大規模評価専門委員会に行われました。私は、この点のポイントは、河川整備の基本方針と当面の河川整備というのは区別して、その妥当性を評価すべきではないか、このように思います。河川整備基本方針は70年に一回です。ところが、当面の整備計画は30年に一回なんです。事業費が全然違うんです。70年に一回の治水対策が必要だとしても、30年に一回の整備計画がどうあるべきか。これは関連がありますけれども、区別してその妥当性を検討すべきです。それで、当面の整備計画は、ダム建設事業費では164億円、河川改修事業費は94億円、いいですか、70億円もダムが高くつくんですよ。今、予想以上に公共事業を減らしているときに、当面の30年に一回の整備をやったらしばらくやりませんよ、これは。こんなときに何で70億円も高いダム建設をしなければならないのか、私は全く根拠がないと思います。
 津付ダムの評価委員会の附帯意見の中には、国道、町道の地質調査を改めて実施するということがありました。ところが、平成15年にやっていますというのが県の回答なんですよ。平成16年の評価でそういうふうに指摘されていながら、前にやっていますといったら簗川の二の舞になるんじゃないでしょうか。これはどうなんでしょうか。
 流域住民との協議状況についても示していただきたい。
〇吉田昭彦委員長 答弁は簡潔明瞭に行うようお願いします。
〇水野河川開発担当課長 河川整備基本方針と当面の河川整備計画は区別して妥当性を評価すべきではないかということについてでございます。
 気仙川の治水対策につきましては、河川整備基本方針に位置づけている目標とする70年に一度の大雨に対して洪水が発生しないよう、河川改修単独、ダムプラス河川改修、遊水地プラス河川改修などさまざまな手法について、経済性、土地の有効利用等を総合的に比較検討した結果、ダムと河川改修を組み合わせた手法が最も有利であると判断したものでございます。
 また、当面、20から30年間の河川整備計画といたしましては、この基本方針を踏まえまして、将来手戻りが生じないよう津付ダムを先行して整備し、ダム下流全川にわたり洪水時の水位を下げ、早期に治水安全度を高めるとともに、洪水流下能力の小さい区間については、優先度を考慮しながら河川改修を充実していきたいと考えております。
 次に、なぜ70億円も事業費が大きいダム事業を進めるのかということについてでございます。
 ただいま申し上げましたが、気仙川では過去に多くの洪水被害が発生しております。流域住民の生命や財産を守るための治水対策の必要性、緊急性が高いと判断しております。目標とする治水安全度を70分の1とする河川整備基本方針を策定したところでございます。気仙川の治水対策は、この基本方針を踏まえまして、ダムや遊水地あるいは河川改修等さまざまな方法から、ダムと河川改修の組み合わせが社会的、経済的に最適であると判断しております。当面の整備計画では、下流全川にわたり、早期に効果的に治水安全度の向上を図ることができる津付ダムを先行して整備しているものでございます。
 次に、附帯意見への対応についてでございますけれども、この附帯意見は、事業の精度を高めるため、付替道路の地質調査を先行させることという意見がありましたことから、県では検討を行いまして、平成17年6月1日に開催されました大規模事業評価専門委員会に、付替道路の地質調査については、国道分は平成15年度、町道分は平成16年度にそれぞれ先行して実施し、これらの調査結果により検討した結果、事業費が大きく変わる要素はないと判断されると報告いたしております。評価委員会が了解をしたところでございます。
 続きまして、流域住民との協議状況についてでございます。
 住民説明会は、平成16年度にダム計画説明会として16会場で、気仙川の現状と治水計画に関する意見交換会として3会場でそれぞれ実施したところでございます。平成17年度には、第3回住民説明会として3会場で実施したところでございます。また、二つの団体からの要請で平成18年6月に現地説明会を2回開催するなど、流域住民の方々の理解を得るよう努めてきたところでございます。
〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げます。各委員の発言機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間にわたることのないよう、質疑、答弁は簡潔明瞭に行うよう世話人会での申し合わせもありますので、進行に御協力願います。もう30分経過して、あと予告によりますと10項目ほどありますが。
〇斉藤信委員 津付ダムの問題について、これも河川改修事業費の積算を当初よりまた倍増させて、わずかにダムの方が安いと。例えばダムプラス河川改修は334億円、河川改修単独案は354億円。ダム建設事業費を考えたら全く誤差の範囲です。
 このダム建設事業費そのものが、6月4日にめぐみ豊かな気仙川と広田湾を守る地域住民の会と皆さんが現地調査をした。そうしたら、農地しかないのに、守るべき民家がないのに堤防建設が計画されている場所がたくさんあったと。そして、気仙川の被害はほとんど9割が下流です。陸前高田市の下流部では潮どめ堰というのがありまして、これを見直せば津付ダムの4倍の洪水量が吐ける、こういう指摘があったはずであります。私は、あなた方がつくった河川改修事業費というのは、農地しかないのに堤防をつくる、こういうとんでもない河川改修の計画をつくってかさ上げした事業費じゃないですか。住宅もないのにばかでかい堤防をつくって事業費をかさ上げして、それよりダムが安いなんていうやり方は、私は全くあなた方は根拠がないと思うけれども、その実態を示していただきたい。
 それと、30年に一回の整備計画というのは、今の財政状況で、それ以上のことは未来永劫と言ってもいいぐらい見込みがないですよ。そのときになぜ70億円経費のかかるダムに着手しなければならないのか。これはまさに政策判断ですよ。私は、今、公共事業費を減らし過ぎるということを指摘したが、もう一つの問題は、減らし過ぎている中で、こういうゼネコンだけが潤うようなダム建設とか大規模開発が温存されていることなんですよ。だからますます地元の業者に仕事が行かないんですよ。ここにあなた方がメスを入れなかったら、地元の建設業者に仕事は回りませんよ。安全も守れないだけでなくて、そういうことをきっちり検討すべきじゃないですか。
 続いてもう少し聞きます。
 ダム建設の談合疑惑について、うちの赤旗新聞がスクープをしました。どういうスクープかというと、ダム営業マニュアル、そして談合リストというのを私ども入手したのです。このリストによると、岩手県は、簗川、津付、遠野第二ダムはもう発注予定者が決まっているというんです。実際に、岩手の鷹生ダム、これは清水建設がとる予定だと。これはもう済んだことですから、鷹生ダムはだれが幾らでとったか示していただきたい。私言っておきますけれども、このリストは平成10年4月に作成されたものであります。そして、このダム営業マニュアルというのは、平成3年2月につくられたものです。これが今でも生きているんです。簗川と津付、遠野ダムはこれからも発注がありますから今、私言うわけにいかないけれども、鷹生についてはだれがとったか示していただきたい。
〇水野河川開発担当課長 鷹生ダムの契約状況についてでございます。請負人は、清水建設株式会社・株式会社熊谷組・株式会社佐賀組特定共同企業体でございます。請負金額は177億4、500万円でございます。(斉藤信委員「97%と言わなければだめでしょう、落札率」と呼ぶ)
〇吉田昭彦委員長 わかってたらいいじゃないですか。
 斉藤委員、まとめてお願いします。
〇斉藤信委員 わかりました。あと全部まとめてやります。
 今いみじくも言われたように、私が入手したこの談合リストどおりなんですよ。そして、簗川も津付も遠野第二ダムも既に受注企業が談合で決まっていると。私は、ダムをやめられない理由がここにあるんだと思うんですよ。ダム利権。福島県もダムで知事が逮捕されるような事態にまで進みました。私は、そういう意味でも、このダム問題というのは、本当に透明、公平、公正に進めていただきたいということを指摘しておきます。
 最後にまとめてお聞きします。
 花巻空港の整備事業について、利用状況の推移を示していただきたい。
 空港管理の採算はどうなっているでしょうか。
 そして、空港整備事業関連事業費、空港整備事業は321億円ですが、関連道路、その他の関連施設は500億円と見られますけれども、どうなっているか、その進捗状況を含めて示していただきたい。
 耐震診断、耐震改修の住宅改修助成事業、これは県内市町村を含めて実施状況と成果を示していただきたい。岩手県の決算書でも木造住宅耐震診断・耐震改修支援事業費補助になっているんですね。今まだ耐震診断の助成しかしていませんが、全国的な状況も踏まえて耐震改修にまで踏み出す必要があるのではないか。
 そして、県営住宅については、最近の倍率を示していただきたい。盛岡は20倍、10倍というのがほとんどですよ。こういう貧困化の中で、要求が強い県営住宅の整備こそすべきではないか。今までの実際に入居できる戸数というのはどうなっているかも示していただきたい。
〇高橋港湾空港課総括課長 いわて花巻空港の利用状況についてですけれども、いわて花巻空港の国内定期便の利用者数は、9月末時点で約23万2、000人、前年同期と比較すると約2万7、000人の減で89.2%となっております。また、国内、国際あわせたチャーター便による利用者数については、9月末時点で35便、4、600人、前年同期と比較すると約5、000人の減、47%となっております。
 次に、花巻空港整備事業費についてですけれども、空港整備の事業費は全体で321億円、内訳は、滑走路延長整備が73億円、ターミナル地域整備が97億円、平行誘導路整備が135億円、その他緩衝緑地等整備が16億円。その進捗状況についてですが、平成17年度末の進捗状況は、事業費ベースで、全体では83%、個別では、ターミナル地域整備は74%、平行誘導路整備は87%、その他緩衝緑地等整備は38%であります。滑走路延長につきましては、昨年3月に供用開始したところであります。
 それから、関連事業ということですけれども、一般県道東宮野目二枚橋線につきましては、平成17年度までに84%の進捗状況であります。
 空港の収支ですけれども、平成17年度の花巻空港管理に係る収入としては、着陸料、停留料、占用料等で約1億7、600万円となっております。また、平成17年度の支出としては、消防施設の監視点検、消防・除雪等業務の委託料、除雪車、凍結防止剤散布車などの備品購入費、灯火や場周さくなどの補修や改修に係る工事費、花巻空港事務所に係る事務経費等で約3億6、800万円となっております。
〇鈴木建築指導担当課長 耐震診断と耐震改修の御質問にお答えいたします。
 耐震診断の状況につきましては、平成17年度は県内で410戸の実績がございました。18年度は、9月末までに33市町村において事業を実施しているところでございまして、現在まで436戸の応募があったところでございます。
 次に、耐震改修事業でございますが、これは、県の助成は行っておりませんけれども、県内の市町村で、平成18年度現在、大船渡市、釜石市、陸前高田市におきまして、1戸当たり30万円を限度として耐震改修への助成を行っております。これまで、大船渡市におきまして6戸、釜石におきまして3戸という実績になってございます。全国的には、23の都府県が耐震改修に対する助成や融資等の支援策を講じているところでございます。
 耐震改修に対する助成につきましては、平成17年度からの耐震診断の応募状況や診断結果、それから、県内でこれまで耐震改修への助成を実施している市町村の状況、あるいはその他の市町村の意向等を勘案しながら検討していきたいと考えているところでございます。
〇澤口建築住宅課総括課長 県営住宅の倍率でございますが、県営住宅は、約5、100戸管理してございます。そのうち、平成17年度には5回の定期募集を行いまして、345戸を募集しております。その募集に対しまして2、028名の応募者がございまして、倍率は5.88倍という形になってございます。委員お話しの入居可能なというのは、入居可能な住宅については常に募集しているということでございますので、入居可能ということであれば、5回で345戸ということになろうかと思います。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、ちょっと聞き方があれでしたが、県営住宅の管理戸数であります。全県的に見て5.88倍、盛岡地方振興局管内だと本当に10倍、20倍なんですよ、募集すると。本当にこれはもう切実な課題で、県営住宅の管理戸数、私が把握している点でいくと、平成7年度が最高で5、449戸、平成18年8月末5、160戸、そうすると、約300戸近く減少しているということになりますね。2戸を一つにしてリフォームした、改修したというのがありますけれども、実際には管理戸数は減っているんじゃないか。私は、今の状況の中で、こういうものこそ県民が求めている公共事業なんだと思うんですよ。ぜひこれを進めていただきたい。
 陸前高田市で、東北では唯一環境共生住宅の県営住宅を今、建設を始めているということですので、この中身も含めて今後の決意を聞いて終わります。
〇澤口建築住宅課総括課長 住宅施策というのは転機に差しかかっておりまして、量から質への時代と言われております。本県におきましても、建てかえ事業及び住戸改善、そういうものの質の向上に努めてまいりますとともに、高齢化社会を背景といたしました県営住宅の居住水準の向上を目指して整備を進めていくつもりでおります。よろしくお願いします。
 陸前高田で環境共生住宅を建設ということでございますが、今年度設計を行いまして、基本的には環境共生ということで、地場産業、環境共生あるいは高齢者に配慮するような住宅を、市町村営住宅のモデル事業になるようなものをつくっていこうということで事業を進めてございます。
〇小野寺好委員 住宅政策について伺います。
 一つ目は、公営住宅の需給バランスはどうなっているか、地域的な偏りがあるかどうかですね。人口減少社会になってさほどかなと思ったんですけれども、今もお話ありましたとおり、最近はなかなか公営住宅に入れないというような話を聞いていますので、平成17年度、全くの新築、建てかえ、リフォーム、この実績と今後の予定をお聞きしたいと思います。
 先週の総括質疑の中で、県営住宅の滞納について聞きましたら1億7、400万円だと御答弁がありましたけれども、どのような特徴、新築のところに多いとか古いところに多いとか地域的な偏りがあるとか、どのような内容になっているかお聞きしたいと思います。
 ついでに、最近の公営住宅は、マンションに近いような、エレベーターもある、占有面積も広くなっているということで、参考までに、建築費と土地代を戸数で割ると1戸当たりどのくらいになっているのか、県営住宅の例で、さっき平成17年度は95戸だと聞いていましたが、その1戸当たりの値打ちをお聞きしたいと思います。
 二つ目は、特定優良賃貸住宅の整備は当初の予定どおりに進んでいるかどうか。県及び民間について今後の方針がどうなっているかお聞きしたいと思います。
 これとの関係で、盛岡は最近すごくマンションの建設ラッシュなんですけれども、恐らく分譲だけではなくて賃貸も結構あるんじゃないかと思うんですけれども、特優賃との関係なんかどうなっているのか、わかっていればお聞きしたいと思います。
 3番目、先ほどもありましたけれども、国の住宅政策が量から質へと転換することになりまして、さきの国会では、住生活基本法、こういった法律で、住みかえも促進させるような条件整備をしていく、そんな方針をお聞きしております。県はどのような方針で臨むかお聞きしたいと思います。
 あわせて、全国的にもですけれども、40年ぐらい前のニュータウンの対策についてはどうするか。盛岡近辺であれば、特に大きなところでは松園、高齢者の方の住みかえとか、結構流れが出てきているかと思います。このニュータウンについての対策をどのように考えているか。
 まず、住宅政策についてこの3点をお聞きしたいと思います。
〇澤口建築住宅課総括課長 まず、公営住宅の需給のバランスでございますが、先ほど斉藤委員の御質問にもお答えしたとおり、345戸の募集戸数に対して2、028名が応募しているということで、倍率が5.88倍とかなり多くなってございます。このような応募状況、応募倍率の高水準を踏まえまして、国では現在、真に住宅に困窮する方が入居しやすくなるような公営住宅の見直しを行っていると聞いております。
 それから、公営住宅の新築、建てかえ、リフォーム等につきましては、平成17年度における建てかえ事業につきましては、花巻市の宮野目アパート24戸、奥州市の北野アパート16戸、一関の駒下アパート6戸、釜石の大平アパート13戸が完成しているところでございます。住宅リフォームの改善につきましては、平成17年度は、一関の関が丘第2アパート24戸におきまして、手すりの設置、床の段差解消等の高齢者改善を実施してございます。3戸を2戸、2戸を1戸にというような改善につきましては、平成17年度は実施してございません。
 それから、滞納の関係でございますが、滞納者の特徴といいますか、主な原因と考えられるものでございますが、生活の怠惰、浪費、サラ金等からの多重債務、他人の連帯保証といったことによる支払い能力の低下、あるいは病気の収入減、失業、夫との離婚、死別、そういうものが滞納者調査の中では多くなってございます。
 次に、1戸当たりの住宅の単価でございますが、公営住宅は、1戸当たり建設費でいいますと1、500万円前後、改善でいうと1戸当たり550万円前後という形になってございます。
 次に、特定優良賃貸住宅の整備でございますが、特定優良賃貸住宅の整備につきましては、県、市町村、住宅供給公社、民間あわせて現在まで267戸整備してございます。
 これらの入居状況につきましては、入居率は91%となってございますが、地域によっては空き室が見られるような状況もございまして、需要が必ずしも十分ではない形になってございます。このため、県におきましても、特定公共賃貸住宅の建設を見合わせているところでございます。今後は、入居状況を勘案しながら、特定公共賃貸住宅及び特定優良賃貸住宅の供給について検討してまいりたいと考えてございます。
 高齢者等の住み替えでございますが、今、国がモデル的に実施してございます、高齢者の所有する戸建て住宅を、広い住宅を必要とする子育て世帯へ賃貸することを円滑化する高齢者の住み替え支援制度などの実施状況を見ながら、この住みかえ施策の検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 もう一つ、住宅政策の量から質への転換でございますけれども、国は、平成17年度までは住宅建設計画法――住宅建設5カ年計画をつくって量の確保を目的とすることで住宅施策を推進してまいりましたけれども、近年の少子・高齢化の急速な進行あるいは社会経済情勢の変化等に対応するため、平成18年度に住生活基本法を制定いたしまして、住生活基本計画を策定し、質の向上を図る施策への転換を進めているところでございます。県におきましても、平成13年度から岩手県住宅マスタープランを策定いたしまして、量の供給にあわせて住宅の質の向上に取り組んでいるところでございますが、今後、住生活基本法の規定に基づきます国の住生活基本計画を踏まえまして、岩手県住宅マスタープランを見直し、岩手県の住生活基本計画を策定することとしております。
〇小野寺好委員 今の答弁の中で、割り算すると1戸1、500万円ぐらいだ、そういったお話で、仮に民間の立場で20年とか25年ローンを組んだ場合に倍になるわけですが、そうすると3、000万円くらい払うと。そういった立派なところに住むわけなので、そういった新しいところに住んで滞納ということのないように頑張っていただきたいと思います。
 この関係で、災害とか火事、こういったときの被災者のための住宅なんですけれども、市町村では政策的に必ずあけているんじゃないかと思うんですが、県の場合も、そういった被災者が出た場合のために何か用意している部分があるかどうかお聞きしたいと思います。
 次に二つ目、治水・浸水対策について伺います。
 地球温暖化、異常気象によるゲリラ的な集中豪雨、これはもうどうしようもない、避けようがない最近の状況なんですけれども、県の場合、北上川のような場合はきちっと観測していると思うんですが、中小の河川の場合、こういった緊急情報が万全に伝わるかどうかお聞きしたいと思います。ホームページを見てくれよなんて言うんですが、そういったときに悠長にホームページを見ているわけにいかないので、きちっとした伝達の方法があるかどうかお聞きしたいと思います。
 二つ目に、水から遠ざけるんじゃなくて水に親しむような河川の親水環境についてどのように進められてきたかお尋ねしたいと思います。国の方で水辺プラザといったことで重点的に取り組んできた経緯がありますけれども、小規模の場合についてはどうなっているか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇澤口建築住宅課総括課長 災害被災者等に対する住宅の提供でございますが、これは、特別に入居が認められます。ただ、常に何戸を災害のためにあけておくということはございませんで、実際には入居率が九十五、六%となってございますので、入居募集が2カ月ごととなってございますので、何人かであれば対応できるという状況になってございます。
〇沖野河川課総括課長 中小河川におきましての河川の緊急情報の提供についてでございますが、県では、一、二級あわせまして310河川を管理しております。このうち、河川の流域の重要性を総合的に勘案し、現在まで、閉伊川など13河川におきまして、水防警報や特別警戒水位などの情報を流域市町村や報道機関に提供して住民への伝達に万全を期しているところでございます。
 なお、ホームページでは、県内47カ所の水位情報や73カ所の雨量情報を提供しており、ことしの6月からは、水位が警戒水位を超過したことを携帯電話へお知らせする河川情報のメール配信サービスを開始したところでございます。
 大雨などによります洪水時の減災対策と並行しまして迅速な情報提供が重要なことから、今後ともより有効な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、河川の親水環境についてでございますが、洪水時の治水対策とともに、地域住民の方々に豊かな水辺空間を提供していくことが必要と考えております。このようなことから、国では、県内10カ所目として平泉町の水辺プラザが計画されまして、道の駅や柳之御所遺跡と一体となった整備が進められておりますし、また、県におきましては、これまで58カ所で親水環境整備を行っております。現在は、一関の吸川などにおきまして、地域の皆様方の意見を聞きながら、あるいは協力して親水空間の整備を進めているところでございます。
〇小野寺好委員 水辺プラザの関係で、特に盛岡についてどうなっているのかお聞きしたいんですが、前に中津川のあたりとか雫石川との合流点とか、ちょっと絵を見せてもらったような気がするんですが、全然具体化していないように思うんですが、いかがでしょうか。国の制度ですけれども。
〇沖野河川課総括課長 国では、水辺プラザとして10カ所ほど整備してきておるわけでございますが、盛岡につきましても、中津川と北上川と雫石川3川合流のところに一応予定しておりまして、今は維持修繕というような形で修景護岸をつくっただけのような気がしておりまして、まだ本格的な水辺プラザには着手していないように聞いております。今後、順次整備していくのかと期待しておるところでございます。
〇吉田昭彦委員長 先ほどの斉藤委員の質問に対しての答弁がありますので、お願いします。
〇水野河川開発担当課長 先ほど斉藤委員の御質問に対して答弁漏れがございました。二つほどございます。
 まず一つが、治水代替案の比較でございます。項目ごとということでございますけれども、大きいものでは、護岸工が大きくふえております。5分が2割になっておりますので大きくふえておりまして、直接工事費が24億円から64億円にふえております。それから附帯工事、これは橋梁とか用排水路の付け替えとか、そういうことでございますけれども、これが約9億円から75億円にふえております。これは、現場を精査してすべて積み上げたものでございます。
 それから、流域懇談会の課題でございます。現在、県では、平成17年度岩手県大規模事業評価専門委員会の答申における附帯意見で、基本高水流量について精査を行っております。その検討を行っております。その結果がまとまった段階で流域懇談会に説明し、理解を得たいと考えております。
〇高橋博之委員 私の方からは、2点お尋ねいたします。
 まず、1点目でありますが、県立花巻広域公園の管理についてお尋ねします。
 平成17年度の利用促進の成果はどうだったでしょうか。また、平成18年度の夏場に閉園時間を夜9時まで延長したということですけれども、来年度以降の実施については、今年度の利用状況を勘案した上で総合的に判断するとのことですが、その結果はいかがでしたでしょうか。
〇深澤都市計画課総括課長 花巻広域公園の利用促進の成果でございますけれども、平成17年度の利用促進について若干お答え申し上げます。
 まず、広報につきましては、テレビによる県政番組を活用いたしまして公園の紹介を行ったほか、チラシ5、000部などを配布したところでございます。それから、有料公園施設につきまして、これはテニスコートと運動広場でございますけれども、これにつきましては、年3回無料開放をいたしております。もう一つ、イベントでございますけれども、NPO法人花巻文化村協議会と振興局との協働によります花巻広域公園ぎんがのもり利活用プロジェクトを組織いたしまして、7月18日にぎんがのもり夏まつりを開催しております。このようなことから、平成17年度の利用状況でございますが、年間8万9、000人ほどの来客がございましたし、ぎんがのもり夏まつりにおきましては2、500人ほどの客が来ております。
 もう一点でございますが、夏季の開園時間の延長についてでございます。これは、本年度から指定管理者である財団法人岩手県スポーツ振興事業団が利用促進策といたしまして自主的に行ったものでございまして、その結果、7月22日から8月20日までの約1カ月間、1日約10人程度でございまして、延べで240人ということでございます。来年度以降につきましては、指定管理者におきまして現在検討中でございますけれども、費用対効果等も勘案しまして、有識者等によります県立都市公園管理運営検討委員会を組織しております。この委員会の御意見も伺いながら決定されるものと理解しております。
〇高橋博之委員 私も夏行って見てきたんですね。というのは、地元の方々がせっかく9時までライトアップしているのに全然だれも来ていないということだったので見に行ったら、本当に入り口に申しわけなさそうに、こんな小っちゃな看板が立っていて、あれじゃ全然わからないと思うんですね。せっかく蛍も見られるということでしたので、もし来年やるんであれば、目立つ形で告知をしていただきたいですし、それから、あと花巻市と連携を図って、例えば花巻市の広報に載せるだとか、そういったこともぜひ検討していただきたいと思います。
 続きまして二つ目は、いわて花巻空港の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 平成17年度からいろいろ利用促進をやってきたわけですけれども、残念ながら、平成18年度上半期の大幅な利用客の減ということになったわけでありますが、まずはこの結果についてどのように分析されていますでしょうか。
〇高橋港湾空港課総括課長 いわて花巻空港の利用客の減少についてということですけれども、上半期の利用者数は約23万7、000人で、前年同期比88.2%となっております。国内定期便が約23万2、000人となっておりますけれども、その要因は、名古屋線における万博の反動、それから、大阪線の乗り入れ空港が1便関西空港に変わったということだと考えております。また、国内、国際あわせたチャーター便による利用者数は4、600人となっておりますが、台湾のエバー航空の撤退の影響が大きいと考えております。
〇高橋博之委員 総括のときにも少し質問させていただいたんですが、要するに、国内線の花巻空港の利用客を増加に反転させるのは、本当に可能なのかということをぜひお聞きしたいわけですけれども、日本の場合、もう既に空港が供給過剰であると、それから航空会社も厳しい経営を迫られておりまして、不採算路線からの減便の動きも大変強くなっております。そうした中で、ダイヤの見直しということでいろいろ働きかけを行っているということですが、これ当然、他の地方空港も同様の動きをされているわけでありまして、利便性あるいは採算性の観点から考えていったときに、航空会社のダイヤの見直しということが果たして可能なのか、そして国内線の利用客をふやしていくことが本当にこういう状況の中で可能なのかということについて、お考えをお聞きしたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 いわて花巻空港の利用者数は、航空会社固有の事情、原油高騰、地域経済の状況等のいわゆる外的な要因、あるいはダイヤ編成の状況等により、その時々の相応の影響を受けながら推移するものと認識しております。本県においては、産業集積の進展に伴い、大阪線、名古屋線の民間需要は根強いものがあると考えており、これらのものづくり産業のさらなる振興に伴って、今後、運航頻度の向上、ダイヤの見直し、季節的な需要に応じた臨時便の運航など、利便性を向上することにより、利用者数が増加することは可能と考えております。
〇高橋博之委員 それでは、チャーター便のことについてお伺いします。
 新ビルの必要性ということで一つ、国際チャーター便の大型化への対応ということが言われているわけです。確かに台湾のエバー航空が下りてこられなくなりまして、花巻、岩手の観光経済にマイナスだと、こういうことが言われてきたわけですが、現実には必ずしもそうならなかったわけです。確かに、ことし上半期の花巻空港の国際便の利用客は、チャーター便、激減をいたしましたが、同じ時期、岩手県を訪れるあるいは花巻市を訪れる外国人客が、これ増加をしているわけです。
 花巻市の例で言いますと、ことし1月から6月まで9、362人が花巻市に訪れています。昨年の同じ時期は7、489人です。大変増加をしております。それから、雫石町におきましても、去年に比べまして47.6%の増加、盛岡市も11.0%の増加ということで、外国人客がふえているわけですが、このことについてどのようにお考えでしょうか。
〇高橋港湾空港課総括課長 県内への外国人の入り込み実績についてですけれども、現時点で正確な県全体を網羅する資料は持ち合わせておりません。県内に入り込み客数が仮にふえたとすれば、ことしの前半は台湾旅行業界の動きとして、愛知万博の反動で、地方、とりわけ東北への送客に関心が高まったということが背景にあると考えられます。その上で、仙台空港への定期便の増便というものがありました。週2便から4便へという増便がありました。ただ、これは7月から2便に戻っております。それから、もう一つがエバー航空の東北地方の他空港へのチャーター便の運航というのがありました。また、中華航空が花巻空港へのチャーター便の運航というような効果もありまして、多くの東北向けの商品が組まれたということが要因というように考えております。
〇高橋博之委員 花巻温泉に関しては、聞きましたら、やはり民間の企業努力ということで、仙台や青森から入ってきた外国人客を引っ張ってきていたわけです。つまり、皮肉な形ではありますが、民間の企業努力を今の花巻空港の状況が促しているというような見方も一方でできるわけです。
 外国への観光旅行のとき、1泊2日という人はいないわけです。2泊、3泊、4泊するわけです。ですから、そのうちの1泊、岩手・花巻に泊まっていただいて、お酒を飲んでもらって、お土産を買っていただいて、お金を落としてもらうと。このように考えていかなければいけないと私は思うわけです。その意味で、岩手県単独1県で国際向けの観光というのを考えるのは、私はもう限界に来ていると思います。というのも、我々本県が戦わなければいけないのは、青森でも宮城でも仙台でも福島でも秋田でもありません。関東、関西、中部、近畿、北陸、四国、九州、沖縄、あっちと戦って、外国人のお客さんを集客していかなければいけないわけです。そう考えたときに、東北を一つの固まりとして見て考えていく、その意味で入り口が何も花巻である必要はなくて、仙台から入って青森から出ていくと、こういうことを考えていかなけばならないと私は思うわけですが、この点は商工労働観光部の方ともぜひ協力をして考えていただきたいと思うわけですが、県土整備部として小型機の誘致、これ御努力をされてきて、ことしも中華航空が62便、大韓航空が初めて4便ということで成果が上がっているわけですけれども、ほかにマンダリン航空やアシアナ航空、こちらにも働きかけを行っているということですが、その結果というか経過についてお聞かせをいただきたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 マンダリン航空あるいはアシアナ航空への働きかけということでございますけれども、こちらについては、今のところ目立った成果は出ておりません。ただ、その辺については、先ほども官民一体で誘致活動をしているというお話をいたしましたけれども、アシアナ航空については、どちらかというと民間主導でやっているという状況であります。
〇高橋博之委員 済みません、時間も過ぎていますので、本当にあと3点だけ聞かせていただきたいと思います。(「まとめてやれよ」と呼ぶ者あり)
 はい。では、3点まとめて聞かせていただきます。
 今、ヨーロッパあるいは東南アジアでリージョナルジェット、小型ジェット機という動きが一つあるわけです。東南アジアにおきましても、シンガポールあるいはクアラルンプール、マレーシア、100人規模の小型ジェット機を飛ばすと。要は、目的地にさえ運んでくれればいいんだよと、こういう動きも世界的には一方ではあるわけですが、花巻空港は今大型化に対応しようとしているわけですが、この点についてどのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
 それから、需要予測についてお伺いをいたします。
 平成15年に花巻空港の需要予測の見直しが行われました。新しく発表されました。これは、平成14年度に、総務省から国土交通省に需要予測の精度を上げろとの勧告があり、最新のデータを使って改めて平成15年に需要予測を行った、こういうことでありましたが、この平成15年度の需要予測で示された数字の妥当性というものについてお伺いをしたいわけですが、つまり、平成17年度にターミナル地域が供用開始するということを前提として、平成22年の需要予測が行われているわけです。しかしながら、現状は随分延期をされまして、平成17年度にターミナル地域の供用開始は行われなくて先送りされているわけですね。この分のタイムラグが、この需要予測に全然反映されていないわけです。ですから、平成22年度のこの需要予測は、過大ではないのかということをお伺いしたいと思います。
 それから最後でありますが、大規模施設事業事前評価という中で、要は大規模事業評価委員会がこの事業は妥当だという答申を出しているわけですが、その際に、費用便益という計算をやっているわけですね。花巻空港の事業が妥当かどうか計算をしているわけですが、その計算式の中に、この平成15年度の需要予測の数値を使っているわけです。もし、この平成15年度の需要予測の数値がやはり過大だということであれば、当然、このデータをもとにして計算をした費用便益の結果もやはり妥当性がないということになるわけですが、その点についてもお考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋港湾空港課総括課長 まず最初に、リージョナルジェット機のお話がありました。現状としては、大阪線において朝と夕方に小型ジェット機、166席くらいのジェット機が飛んでおりまして、その間にCRJという50席のジェット機が運航されております。こういうように、輸送力を確保しながら、比較的に需要が少ない時間帯にも柔軟に対応し、また、運航頻度を高めるという形でリージョナルジェットが運航されることは、旅客にとって利便性の向上の観点から望ましいことと考えております。
 一方で、航空貨物輸送や団体客の利用が確保されるかといった点、また、空港のハード、ソフトが対応できるのかといった点も、よく検討する必要もあるかと思っております。いずれにせよ、メリット、デメリットを慎重に見きわめる必要があると考えております。
 それから、花巻空港は大型化への対応をしようとしているということはどうかというお話ですけれども、実際問題として、昨年度チャーター便のエバー航空が撤退したというようなこともありますし、また、エバー航空だけではなく、花巻に来るということがほとんど本決まりになって、その寸前でやっぱり来られないとなったこともありますので、大型化への対応ということも一方で必要かと思っております。
 それから、需要見込みの妥当性についてということですけれども、平成14年度に実施した需要予測というのは、13年度に、国から示された国内航空需要予測の一層の精度の向上についてという通達を受けまして、平成10年度に行っておりました需要予測を見直したものであります。
 いわて花巻空港の利用者数は、航空会社固有の事情、原油高騰、地域経済の状況等いわゆる外的な要因、あるいはダイヤ編成の状況等により、その時々に相応の影響を受けながら推移するものと考えておりますが、平成14年度に実施した需要予測が妥当かどうか、今後の利用促進の取り組みの成果とあわせて検討していきたいというように思っております。したがって、費用便益が過大ではないかというお話につきましても同様に、今後の利用促進の取り組みの成果とあわせて検討していきたいというように思っております。
〇高橋博之委員 済みません、一つだけ忘れていました。最後に一つだけ聞かせてください。
 政策等の評価に関する条例に基づいて、事業採択後の10年を経過する公共事業については再評価を実施し、事業を継続する場合は必要に応じて見直しを行い、また、事業の継続が適当と認められない場合は、事業を中止する制度が導入をされているわけですが、ちょうどこれ平成10年に始まった事業ですから、増田知事が言っている2年延期の2年後は平成20年、ちょうど10年後に当たるわけです。仮にそのとき中止という判断をされた場合に、補助金の返還という問題があると思うわけですが、先ほど奥産道の話がありましたが、あのときは補助金適正化法には抵触しないとの見解で、補助金の返還が必要なかったわけですが、この花巻空港の問題については補助金の返還は必要になってくるんでしょうか、確認のため教えてください。
〇高橋港湾空港課総括課長 現在進めている花巻空港整備事業のうち、ターミナル地域については国庫補助事業で実施しております。県では、政策等の評価に関する条例に基づき、事業採択後10年を経過する公共事業については再評価を実施し、事業を継続する場合は必要に応じて見直しを行い、また、事業の継続が適当と認められない場合は事業を中止する制度を導入しております。基本的に、再評価によって国庫補助事業を中止する場合にあっては、補助金の取り扱いについては、既に事業等の執行が済んだ部分について、補助金の返還は求められないというように理解しております。
〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後 3 時25分 休 憩
午後3時40分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇岩渕企業局長 企業局関係の決算概要について御説明を申し上げます。
 初めに、平成17年度の事業運営における総括的な評価、今後の方向性等について御説明申し上げます。
 平成17年度の電気事業及び工業用水道事業の運営に当たりましては、中期経営計画及び経営改革プログラムを着実に推進しながら、業務委託や人員削減等によりコストの低減を図るなど、効率的な経営に努めるとともに、水力発電を中心としたクリーンな電力と良質な工業用水の安定供給のため、施設の計画的な改良・更新等を行ってまいりました。この結果、損益につきましては、両事業とも昨年度に引き続き黒字を計上することができ、おおむね良好な経営を維持していると考えております。また、小規模水力発電の事業化など、新エネルギーの開発に取り組んだほか、県内の環境保全活動や新エネルギーの導入促進への支援を通じ、地域社会に貢献していくため、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を新たに創設したところでございます。
 今後、企業局では、電力の自由化など、地方公営企業を取り巻く環境の変化に適切に対応していくため、新たに、平成19年度から3年間の中期経営計画を策定することとしております。
 今後とも、目標と計画を着実に管理し、外部の識者で構成する企業局経営評価委員会の評価などを踏まえながら、一層の経営効率化を図り、健全経営に努めるとともに、積立金の活用などにより、地域貢献を行ってまいりたいと考えております。
 それでは、企業局が所管しております認定第2号平成17年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成17年度岩手県工業用水道事業会計決算について、お手元の決算書に基づき、その概要を御説明申し上げます。
 なお、決算書のうち決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税を含めた金額で作成しておりますが、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税抜きの金額で作成することとなっておりまして、金額に相違がありますので、あらかじめ御了承願います。
 認定第2号平成17年度岩手県電気事業会計決算であります。
 電気事業会計決算書の1ページをお開き願います。
 平成17年度岩手県電気事業決算報告書の収益的収入及び支出でありますが、収入の決算総額は51億900万円余、支出の決算総額は40億7、600万円余であります。
 収入の内訳でありますが、第1項営業収益44億1、700万円余は、水力発電に係る電力料が主なものであり、第2項財務収益1億4、400万円余は、株式配当金、貸付金利息及び預金利息等であります。第3項附帯事業収益1億8、100万円余は、稲庭高原風力発電所及び柏台発電所に係る電力料が主なものであり、第4項事業外収益8、300万円余は、松川及び早池峰発電所建設に係る利子補給金、稲庭高原風力発電所の災害共済金等であり、第5項特別利益2億8、200万円余は、盛岡駅西口地区に保有していた用地、アイーナの敷地でありますが、これを売却した固定資産売却益であります。
 支出の内訳でありますが、第1項営業費用34億2、100万円余は、水力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用3億3、800万円余は、企業債に係る支払い利息等であります。第3項附帯事業費用1億8、800万円余は、稲庭高原風力発電所及び柏台発電所の運転等に要した経費であり、第4項事業外費用1億2、800万円余は、納付消費税及び地方消費税等であります。
 次に、2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でありますが、収入の決算総額は25億7、300万円余、支出の決算総額は55億2、900万円余であります。
 収入の内訳でありますが、第1項補助金1、000万円余は、胆沢第三発電所の建設事業に係る国庫補助金であり、第2項負担金400万円余は、仙人発電所の共有施設に係る東北水力地熱株式会社からの負担金であります。第3項長期貸付金償還金1億4、000万円余は、一般会計からの長期貸付金の償還金であり、第4項固定資産売却代金14億1、700万円余は、固定資産の売却処分収入であり、第5項投資償還収入10億円は、預金保険機構債券の償還収入であります。
 支出の内訳でありますが、第1項改良費8億4、300万円余は、各水力発電所の施設の改良や更新に要した経費等であり、第2項電源開発費5、300万円余は、胆沢ダム建設事業に係る負担金及び水力発電開発調査に要した経費であります。第3項企業債償還金6億1、700万円余は、発電所の建設のために借り入れた企業債の償還金であり、第4項長期貸付金30億1、400万円余は、一般会計への財政支援及び工業用水道事業会計に対する企業債償還元金の原資として貸し付けをしたものであり、第5項投資10億円余は、利付国債を購入したものであります。
 2ページの下段欄外に記載してありますとおり、資本的収入額が資本的支出額に不足する額29億5、500万円余については、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額並びに減債積立金などをもって補てんしたところであります。
 次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は、右側の数字8億3、200万円余となっており、この営業利益から財務収支、附帯事業収支及び事業外収支の合計の損失、ただいまの営業利益の下の方、1億2、400万円余を差し引き、特別利益2億8、200万円余を加えた9億9、000万円余が当年度純利益となっております。
 次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書の利益剰余金の部についてでありますが、減債積立金から5ページの中小水力発電開発改良積立金までの当年度末の積立金合計額は、5ページの右側の数字、二重線を引いておりますが、51億5、700万円余となっており、また、当年度未処分利益剰余金は、一番下の二重線を引いておりますが、9億9、100万円余となっております。
 次に、6ページをお開き願います。資本剰余金の部でありますが、国庫補助金以下3科目の当年度末の合計額は、右側の一番下、19億2、100万円余となっております。
 次に、7ページの剰余金処分計算書(案)でありますが、当年度未処分利益剰余金9億9、100万円余のうち、企業債償還金に充てるための減債積立金に6億9、100万円を積み立て、平成18年2月定例議会において予定処分の議決をいただきました地域貢献に活用するための環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金として3億円を積み立て、残額の14万円余を翌年度に繰り越ししようとするものであります。
 次に、8ページをお開き願います。貸借対照表でありますが、9ページの資産合計は、右側の二重線を引いた数字、394億3、300万円余、10ページの負債合計は右側の2番目の数字、13億1、300万円余、11ページの資本合計は、右側下から2番目の数字、381億2、000万円余となっており、負債資本合計は394億3、300万円余であり、資産合計と一致しております。
 以上で電気事業会計の説明を終わります。
 次に、認定第3号平成17年度岩手県工業用水道事業会計決算について御説明いたします。
 工業用水道事業会計決算書の1ページをお開き願います。平成17年度岩手県工業用水道事業会計決算報告書の収益的収入及び支出についてでありますが、収入の決算総額は10億8、500万円余、支出の決算総額は10億3、100万円余であります。
 収入の主な内訳でありますが、第1項営業収益10億8、400万円余は、一般水及びろ過水の給水料金が主なものであります。
 支出の内訳でありますが、第1項営業費用7億4、000万円余は、各工業用水道施設の給水業務及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用2億5、400万円余は、企業債及び電気事業会計からの借入金に係る支払い利息であり、第3項事業外費用3、600万円余は、納付消費税及び地方消費税であります。
 次に、2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でありますが、収入の決算総額は4億1、800万円余、支出の決算総額は7億7、100万円余であります。
 収入の内訳でありますが、第1項企業債1億9、000万円は、工業用水道高資本費対策借換債であり、第2項出資金1億1、400万円余は、経営健全化支援に係る一般会計からの出資金であります。第3項他会計からの長期借入金1億1、400万円余は、電気事業会計から企業債償還元金の原資として借り入れたものであります。
 支出の内訳でありますが、第1項改良費4、100万円余は、各工業用水道施設の設備の改良や更新に要した経費であります。第2項企業債償還金5億3、700万円余は、工業用水道施設の建設のために借り入れした企業債の償還金であり、第3項他会計からの長期借入金償還金1億9、200万円余は、一般会計からの借入金の償還金であります。
 2ページの下段、欄外に記載してありますとおり、資本的収入額が資本的支出額に不足する額3億5、300万円余については、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額並びに過年度及び当年度の損益勘定留保資金で補てんしたところであります。
 次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は右側上の数字、3億500万円余となっており、この営業利益から財務収支及び事業外収支の合計の損失、その下の方、2億5、400万円余を差し引いた5、100万円余が当年度純利益となっております。
 次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書の利益剰余金の部でありますが、当年度の未処理欠損金は、前年度の未処理欠損金、右側の上の方、4億2、100万円余から当年度純利益5、100万円余を差し引いた3億6、900万円余となっております。また、資本剰余金の部でありますが、国庫補助金以下3科目の当年度末の合計額は、右側の一番下、二重線を引いておりますが、40億3、000万円余となっております。
 次に、5ページの欠損金処理計算書でありますが、当年度の未処理欠損金3億6、900万円余は、翌年度へ繰り越しをするものであります。
 次に、6ページをお開き願います。貸借対照表でありますが、資産合計は右側の一番下、141億2、100万円余、7ページの負債合計は、右側の中ほど、22億1、000万円余、8ページの資本合計は右側の下から2番目、119億1、000万円余となっており、負債資本合計は141億2、100万円余であり、資産合計と一致しております。
 以上で企業局関係2会計の平成17年度決算の説明を終ります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。
〇大宮惇幸委員 委員会の進行に協力をいたしまして、通告している幾つかありますけれども、1点だけお尋ねをいたします。
 稲庭高原風力発電所に関連してお尋ねしますけれども、クリーンエネルギーの一つとして、大変一時期ブームになったことがありますけれども、稲庭を経営してみて、本当に岩手県内にこれを推進するような風力であるのかということを一つだけお尋ねしたいと思います。
〇岩渕企業局長 風力発電につきましては、いずれ新エネルギーあるいはクリーンエネルギーということで、これを推進するということは国の政策でもあります。また、岩手県としても、こういうクリーンエネルギーを伸ばしていきましょうという考え方でやってまいりました。そのために、県内での風力発電の出力については、一定の目標を掲げてやっておりまして、これに呼応して、企業局といたしましても、小規模でありますが、稲庭高原風力発電所を13年度から運用しているところでございます。
 ただ、稲庭高原風力発電所につきましては、落雷事故とかその他の事故でかなり運転休止がありまして、予定した実績はなかなか上げておらないところでございます。ただ、企業局といたしましては、その他のところもいろいろ風況調査をしながら実施しております。基本的には、非常に今風力については電力会社がなかなか受け入れがたいと。というのは、国のRPS法、いわゆる新エネルギーの義務量を定めたRPS法、これが非常に少ないと申しますか、既に電力会社を多く持っているということで、今、なかなか難しい状況になっておりますけれども、これは将来ともこのクリーンエネルギーというものは環境対策上求められてくると思われますので、これは地道に、公共性と経済性を勘案しながら、調査等を継続してまいりたいと考えております。
〇平澄芳委員 済みません、3点お伺いをしたいと思います。その1点目は、中期経営計画等の進捗状況についてであります。
 近年、国、地方とも厳しい財政の中で、公的サービスのあり方が問われております。昨年に、国は地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針を策定して、地方公共団体に対し一層積極的な行政改革の推進に努めるよう、通知があったところであります。また、平成7年の電気事業法の改正により、発電事業が自由化され、今後も電力小売りの全面自由化が予定されるなど、今後ますます電力自由化が進展する中で、公営的事業についても、民間的経営手法の導入などによる一層の経営効率化が求められており、公営企業を取り巻く経営環境は、大きく変化してきております。このような経営環境の中、企業局においては、既に平成15年度末に、中期経営計画や経営改革プログラムを策定し、経営改革に向けて具体的な取り組みや経営目標を掲げ、経営の効率化や経営基盤強化に取り組んでいるものと承知しております。
 そこでお伺いをいたします。
 企業局が策定した中期経営計画や経営改革プログラムは、ことしが最終年度になっておりますが、これまでの進捗状況や成果はどのようになっているのでしょうか。また、来年度、平成19年度以降の計画等の策定についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
 2点目でございます。企業局は経営が順調なこともあって、これまで一般会計等に資金貸し付けを行ってきたほか、近年では、植樹活動やクリーンエネルギー導入支援などの地域貢献に取り組んでいると伺っているところであります。従来、利益剰余金の使途については、制度上の制約があって自由に処分することができなかったものの、その後の規制緩和により、利益処分の自由度が拡大した背景から、利益剰余金の有効な活用策として、このたび環境保全クリーンエネルギー導入促進積立金の創設に至ったものと思っております。県、市町村とも厳しい財政事情の中にあって、また、40の政策のうち、環境首都を目指す環境先進県を掲げる本県において、公営企業としてこのような取り組みを行うことは非常に有意義なことであり、今後も利益剰余金の有効活用策を期待しているところでございます。
 そこでお伺いするわけですが、企業局の地域貢献に対する基本的な考え方はどのようなものでしょうか。あわせて、これまでの取り組み、実績についても伺います。
 また、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用した市町村への支援事業はどうなっているのでしょうか、お伺いをいたします。
 3点目でございます。新規小規模水力開発の取り組みについてお伺いをいたします。
 近年の電力小売り自由化による電気事業を取り巻く環境が厳しい中、原子力や火力など、他の電源開発に比べ、建設コストの高い水力発電の新規開発は極めて困難であると聞き及んでいるところであります。しかし、水力発電は石油や天然ガスなど、化石燃料の消費量を低減し、したがって、CO2の排出量が削減されるなど、地球環境を保全する純国産エネルギーであり、今後も開発を進めていくことが重要だと考えます。
 また、県では、40の政策において、電力自給率を平成22年度までに3分の1程度に向上させることになっておりますが、その目標を達成するためにも、水力発電は重要と考えます。
 そこでお伺いをいたします。
 このような環境の中、電気事業者に対し、販売電力量に応じた一定割合の新エネルギーの導入を義務づける制度として、平成15年に、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法が施行されたところであります。企業局として、この制度を活用した小規模水力開発にどのように取り組んできたのでしょうか。
 また、小規模水力開発に関する市町村への支援はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
〇和嶋経営総務室長 私からは、中期経営計画等の進捗状況についてお答えを申し上げます。
 まず、これまでの進捗状況や成果についてでございますが、中期経営計画は、平成18年度までの供給電力量や工業用水の供給量、コスト低減の目標のほか、累積欠損金の削減などを経営目標として掲げてございます。また、経営改革プログラムにおいては、経営目標を達成するために、各年度ごとに施設の改良・修繕、職員数の削減、業務の委託など、最大で47項目に取り組んでいるところでございます。これらの取り組みにつきましては、外部の有識者で構成します企業局経営評価委員会による客観的な評価を受けるなど、いわゆるPDCAのマネジメントサイクルによる進行管理を行っておりまして、その取り組みの約90%が、良好またはおおむね良好と評価されておりまして、計画は順調に進んでいると考えております。その結果、電気事業におきましては、施設・設備の健全化や委託化の検討が進んだほか、平成15年度と比較しまして、発電コストが6.3%低減され、価格競争力・安定供給能力の向上の面において、一定の成果が上がっていると考えてございます。
 また、工業用水道におきましては、高利率企業債の借りかえなどを行い、平成15年度と比較して給水コストが4.3%低減し、累積欠損金も既に18年度目標を上回る1億5、300万円削減され、経営体質の強化が進んでいると考えているところでございます。
 なお、次期計画であります19年度からの3カ年の計画につきましては、今後とも、電力の自由化など、地方公営企業を取り巻く経営環境の変化に適切に対応していくため、電力と工業用水の安定供給を基本とし、経済性の確保、新規開発や地域貢献への取り組みを経営方針に掲げ、これらを達成するための具体的な取り組みにつきまして、現在策定しているところでございます。
〇岩渕企業局長 地域貢献に対する企業局の基本的な考え方についてお答え申します。
 まず、地方公営企業の目的は、言うまでもなく公共の福祉の増進でありまして、電気事業や工業用水道事業におきましては、電力や工業用水を安定的に供給することにより、間接的ではありますけれども、産業振興と県民の福祉の向上に寄与し、今日までその役割を果たしてきたと考えております。
 企業局といたしましては、こうした事業本来の使命に加え、余裕資金を活用した県財政への貢献、さらに県民サービス向上の観点から、新エネルギーの導入促進、環境保全活動への支援等を通じて地域社会に貢献していく、このことが今後の地方公営企業にとって重要な役割になると考えております。
 これまでの地域貢献の取り組みの実績でございますが、一般会計へ自治振興基金、環境保全基金、環境保全事業の原資及び財政支援として貸し付けをしており、貸し付け総額は平成17年度末で57億5、900万円となっております。
 また、市町村におきます新エネルギー開発の取り組み、具体的には小水力発電や木質バイオマス発電等の取り組みに対しまして、技術的な支援あるいは調査等を行ってきたところでございます。
 さらに、平成16年度からは市町村等が行う植樹活動に対しまして、苗木の提供や職員の植樹活動への参加を継続しており、ちなみに、平成17年度は、22地区に苗木6、000本の提供を行うと、それと同時に、延べ102名の職員が植樹活動に参加しております。これにつきましては、今後とも、できるだけ継続してまいりたいと考えております。
 また、今回、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を創設しまして、18年度から積立金を活用した新たな地域貢献を実施しているところでございます。
〇菅峨経営総務室経営企画担当課長 環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用した市町村への支援事業はどうなっているかという御質問についてでございますけれども、市町村が小規模なクリーンエネルギー設備を設置する際に、一定額の補助を行うものでありまして、申請のあった七つの市町に対しまして、総額1、000万円の補助交付決定を行ったところであります。
 採択された事業内容については、学校等の駐輪場や公園駐車場、あるいは津波避難場所や避難経路などの公共施設に、太陽光発電などを利用した街灯や避難誘導灯を設置するというものが多くを占めております。また、自然エネルギー利用の学習啓発を目的として、小水力発電システムを設置するという事業もございます。
 これらの事業につきましては、おおむね年内に設置工事が完了する予定となってございます。
〇杉下企業局技師長 小水力小規模水力開発の取り組みについてでございますが、企業局では、平成15年度施行されました電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法の対象となる新エネルギー利用の事業展開を目的として、小規模水力開発に向けた調査、設計を行ってきました。その結果、既存発電所の未利用落差を利用することによって、経済性が良好と判断された柏台地点を有望地点として、平成17年12月より開発に向け、東北電力株式会社と交渉を進めてきました。同社では、RPS法による新エネルギー利用の義務量は満足しているものの、小規模水力開発に前向きな姿勢を示していることから、企業局としては、交渉を継続して年度内を目途に開発の可否を判断したいと考えております。
 次に、市町村支援についてですが、企業局における開発の検討とあわせて、市町村における新エネルギー開発を支援するため、市町村が事業主体となり、開発の可能性があると思われる地点の調査・検討を行い、成果を関係市町村に説明しております。その中で、平成16年度に調査指導を行いました八幡平市松川地点の発電計画は、平成17年度の新エネルギー財団によるハイドロバレー計画開発促進調査地点に採択されました。ハイドロバレー計画は、全国の市町村などの地方公共団体による自家消費型の小規模水力の開発計画で、地域の活性化や雇用創出に資するとされております。
 今後とも、市町村の要請に応じ、積極的に支援、指導を行ってまいりたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 だんだん質問しづらい雰囲気になってまいりましたので、私もたくさん通告をいたしておりますけれども、圧縮して3点半お聞きします。半と申しますのは、先ほど大宮委員とかぶった部分でございますので、若干省略をいたして質問をさせていただきます。
 まず、冒頭、岩渕企業局長から17年度の決算について説明があったところでありますけれども、さまざまな県政課題が山積する中にありまして、両事業とも黒字になったことに、まずは敬意を表する次第であります。しかしながら、電気事業あるいは工業用水道事業、いずれを見ましても、将来的には決して楽観できる情勢にない、こう思うわけでございまして、こうした経営環境の中で、まず初めに局長にお尋ねをいたしますけれども、平成17年度の電気事業及び工業用水道事業の事業運営において、具体的にどのような点に主眼を置いて経営に当たったのか、お伺いをいたします。
 次に、損益計算書を見ますと、電気事業においては、約9億9、000万円の純利益となっております。これには、土地の売却に伴う特別利益2億8、000万円という、特別な要因があったわけでありますけれども、特別利益を除くと7億円となります。一方、工業用水道事業においては、厳しい経営状況の中にあって、5、000万円の純利益を確保しておりますが、前年度と比較してみると、約5、000万円減少している、こういう状況であります。
 そこで伺いますが、発電や給水などの状況及び前年度に比較して利益が増減した理由など、企業局として17年度決算をどのように評価しているのか、また、評価を踏まえた今後の経営方針についてもあわせてお尋ねをいたします。
 大きな二つ目です。全部一回に聞いてしまいますので、よろしくお願いします。
 2点目は、企業局の経営形態のあり方についてであります。このことにつきましては、先般の一般質問におきまして、今後とも一層の効率化を進め、経営基盤の強化を図り、現行の地方公営企業方式にて事業を継続していくという答弁があったところであります。
 そこでお伺いいたします。
 地方独立行政法人制度と比べて、現行制度の地方公営企業方式のどういった点がすぐれているのか、お伺いをいたしたいと思います。
 また、二つ目には、本県のように、現行の公営企業方式で事業を継続することを決めている県はどのくらいあるのか、また、それはどのような理由から公営企業方式で継続するとしたのか。また、あわせて、他の経営形態である民間への事業譲渡等、承知しているものがあればこれもお示しをいただきたいと思います。
 大きな三つ目でございます。工業用水道の状況についてお尋ねをいたします。
 思ったように企業誘致が進んでいないと、こういうことから、工業用水の需要がなかなか伸びないという状況であるように聞きました。特に、岩手中部工業団地と北上南部工業団地に供給する第二北上中部工業用水道は、日量5万2、000立方メートルの取水能力を抱えながら、契約水量が1万6、000立方メートルと、確保された水源の3分の1しか利用されていない状況で、累積欠損金も減ってはきてはおりますものの、全体でいまだ3億6、900万円余りにも達しており、経営が非常に厳しいところであると承知をいたしております。このような状況下におきまして、昨年12月に最も余剰水源を抱える第二北上中部工業用水道から、日量3万5、000立方メートルを農業用途に水源を譲渡し、未利用水源の解消を図り、経営規模の適正化を行うこととして、東北農政局との間で覚書を締結したということであります。
 そこでお伺いをしますが、農業用途への余剰水源の譲渡に関連し、今後の工業用水の供給余力はどのくらいあるのか。また、余剰水源の譲渡によって、企業誘致に影響はないのか。特にまだ決まったわけではないということでありましたが、東芝の半導体工場を新規に企業誘致しようとしている動きとの関連はどうか、お伺いをいたします。
 最後、3点半の半の部分でございます。
 風力発電につきましては、先ほど大宮委員の質問にありました。稲庭高原風力発電所の運転状況は、これはお答えをいただきましたので省略をいたします。
 お聞きをいたしたいのは、新規風力開発についてであります。
 企業局では、稲庭高原風力発電所の後に続く新規風力開発として、高森高原での風力開発を有望視しておりましたが、その後の取組状況はどうなっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
 そしてまた、高森高原に続く今後の風力開発計画についてどのように進めようとしているのか、あわせてお伺いをいたします。
〇岩渕企業局長 私からは、17年度の決算について及び風力発電につきまして答弁申し上げ、経営形態のあり方については経営企画担当課長、工業用水道の状況につきましては業務課総括課長から答弁させますので、御了承願います。
 まず、どのような点に主眼を置いて経営に当たったかについてでございますが、第1に、電力と工業用水を安定的に供給すること、これが最も重要でありますので、修繕・改良等10カ年計画に基づいて、発電所の水車設備更新工事、工業用水道ろ過施設配水池の補修工事など、既存施設の必要な整備を行い、機能維持に努めてきたところであります。
 第2に、経営効率化を図るため、経営改革プログラムに基づき、計画的に人員削減を進めるとともに、発電所の保守管理業務を外部に委託する場合の経済性、信頼性等について検証をするため、今年度、4月から久慈市の滝発電所を民間に委託をしているところでございます。
 また、工業用水道の未売水対策の一つとして、水源の一部を国営かんがい配水事業に転用するため、東北農政局と覚書を取り交わしたほか、高利率企業債の繰り上げ償還により、支払い利息の低減を図って経営基盤の強化に努めてまいりました。
 3点目は、新エネルギー開発などに取り組むことといたしまして、小規模水力発電の事業化を検討するとともに、風力発電については、東北電力の募集に対して高森高原地点を応募するなど、事業化に向けて準備を進めたところでございます。
 さらに、地域貢献に資するため、先ほども申し上げましたが、特別利益を原資とした積立金を創設して、18年度からこれを活用した事業に取り組んでいるところでございます。
 次に、17年度の決算に係る評価についてでありますが、電気事業につきましては、水力発電は供給目標電力量に対して99.5%を確保したところであり、風力発電は67.6%と低調でありましたが、全体としてはおおむね目標どおりでありました。総収益は特別利益があったことから、前年度より2億4、100万円増加しまして、一方、費用につきましては、修繕費や企業債の支払い利息が減少したことなどによって、前年度より2億6、600万円余減少したところであります。
 この結果、当年度の純利益は9億9、000万円余と、過去5年間では最高額となりまして、事業運営はおおむね順調であったと考えております。
 工業用水道事業の評価についてでありますが、給水量は前年度とおおむね同量でありました。しかし、富士通のろ過施設に係る経営負担金というものがありますけれども、これが平成16年度で終了したことによって、収益が4、900万円余下回った。一方、費用については前年度とほぼ同額でありました。
 この結果、5、100万円の純利益を計上したことから、累積欠損金は3億6、900万円余に減少したところでありまして、厳しい経営が続いているものの、事業運営はおおむね順調に推移しているものと考えております。
 次に、今後の経営方針についてでありますが、電気事業については、引き続き市場コストは低廉化に向かうと考えられるために、今後とも、人員削減や外部委託の活用などによりまして、一層の経営合理化に努め、あわせて積立金の活用などにより、さらに地域貢献を進めてまいりますし、工業用水道事業につきましては、今後とも、引き続き新規水需要の開拓や水利権の転用等により、累積欠損金の解消に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、高森高原における風力発電の取組状況についでありますが、高森高原は平成12年から1年間実施した風況観測の結果、これは毎秒6.0メートルの平均風速であったということで、発電の有望地点であると判断し、開発準備を進めてきたところでございます。
 本年3月に、東北電力が3年ぶりに風力発電の募集を開始いたしましたので、企業局は、800キロワットの風車を2基で、計1、600キロワットの規模を計画していたということで、2、000キロワット未満のクラス、それ以上のクラスもありますけれども、このクラスに応募をしまして、抽選の結果、54組中9位、20位以内に入ればよろしいのですが9位ということで、電圧変動の対策等の技術検討に同社が入ったところでございます。その結果につきましては、9月末に返事がございまして、この地点は電柱新設に伴う地権者交渉が必要であり、同社は第三者への影響が出る地点は選定対象外だということで、最終的には、系統連系候補としては選定されなかったものでございます。電力会社が風力発電の受け入れに厳しい制限を設けております現状では、高森高原地点の事業化は、現時点では断念せざるを得ないと考えております。
 次に、今後の新規の風力開発についてでありますが、先ほども大宮委員に答弁申し上げましたけれども、このように、現時点では風力開発は大変厳しい環境下にあります。今後、電力会社に一定量以上の新エネルギーによる電気を利用するよう義務づけたRPS法、現在、義務比率が平成22年で供給電力量の1.35%ということになっておりますが、その見直しというものが国によってなされて、その環境が好転することを期待しているところでございます。
 もとより、風力開発を行うには1年以上の風況観測、機種選定、採算性の試算など、準備期間に長い時間を要します。したがって、開発の好機を逃さないよう、今後とも、風況観測を行う開発地点を確保する必要があると考えております。現在、昨年12月から洋野町種市角浜地点で風況観測を行っておりますけれども、さらなる有望地点の確保に努めたいと考えております。
〇菅峨経営総務室経営企画担当課長 経営形態のあり方について、地方独立行政法人と比べて現行の地方公営企業方式のどういった点がすぐれているのかという御質問でございます。
 制度について、まず、公営企業管理者と法人の理事長の権限、経営責任、経営に対するチェック機能、資金調達の方法や資金運用、職員の身分などにつきまして、機動性、弾力性及び経済性といった観点から比較検討を行ったところでございます。
 主要な比較について申し上げますと、1点目としては、施設の建設改良等のための資金調達の面では、地方独立行政法人は、設立団体である県からの調達に限られておりますけれども、地方公営企業は、管理者の判断で独自に資金調達を行うことができます。また、2点目として、余裕資金の運用面では、地方公営企業は、地域貢献や他会計への財政支援を行うことができるなど、機動性、弾力性がございますが、地方独立行政法人においては、こうしたことは困難であります。次に、3点目として、コストの面では、地方独立行政法人の場合は、新たに理事、監事といった役員あるいは会計監査人に対する報酬や職員が非公務員となることに伴う雇用保険料などのランニングコストが大幅に増加することとなり、料金の引き上げの要因となること。以上の点では地方公営企業方式がすぐれていると考えているところでございます。
 一方、地方独立行政法人におきましては、3年から5年の中期計画期間内での複数年契約が可能であることや、目標管理手法の面で業績評価を制度化していることがすぐれている点とされておりますけれども、企業局では、既に独自に中期経営計画を策定し、外部委員による経営評価を行うなど、こうした目標管理による手法を取り入れているところでございます。また、顧客である電力会社あるいは工業用水ユーザーへのサービスの質の向上を図ることができるかどうかという観点につきましては、現行の地方公営企業方式でも可能であります。これらのことから、当面、現行の地方公営企業方式で事業を継続することとしたものでございます。
 電気事業において地方公営企業方式で継続すると決めている県もございまして、最大出力10万キロワット以上の大規模な事業を行っている神奈川県、群馬県、宮崎県、山梨県の4県であります。また、山形県、大分県、栃木県なども同様でございます。これらの県に共通するのは、比較的事業規模が大きく、経営状況がよいことでございます。これらの県が現行方式で事業を継続することとした理由につきましては、順調な経営を続けている事業でございますので、あえて経営形態を変える必要性はないと判断したこと、また、県の環境・エネルギー施策や上水、農業用水との共同事業を行う場合に行政と連携して進める必要があること、また、県財政や地域貢献に寄与していくことなどであると聞いてございます。
 次に、電気事業を電力会社等へ事業譲渡した事例としては、広島県、福島県、和歌山県の3県でございます。これらの県は、比較的規模が小さく、将来的に採算性が保てなくなることが主な理由であると聞いてございます。
〇武蔵業務課総括課長 工業用水道の状況のうちの余剰水源の譲渡に関連し、今後の工業用水の供給余力はどれくらいあるかについてでありますが、水源転用後における工業用水道の供給余力についてであるが、現在、日量約9万立方メートル余の水源が確保されているのに対し、供給量は日量約4万立方メートルであることから、供給余力としては日量約5万立方メートルである。平成24年度に予定されている国営かんがい排水事業和賀中部地区への日量3万5、000立方メートルの水源転用を行った後の供給余力は、北上中部工業用水道、第二北上中部工業用水道、第三北上中部工業用水道をあわせて、最大で日量1万5、000立方メートルと見込んでいる。
 次に、工業用水道事業について、余剰水源の譲渡による企業誘致への影響についてでありますが、供給余力のうち、水利権並びに施設の供給能力から、日量約1万立方メートルを北上工業団地へ供給することが可能であります。
 なお、将来的に供給余力の日量約1万立方メートルを超える場合も想定し、建設候補地や建設規模の検討を進めている。また、新たな水源を確保する必要がある場合には、関係部局並びに関係市や町と協議をしながら対応してまいります。
〇小田島峰雄委員 時間の関係で再質問はいたしませんけれども、ただいまお聞きいたしてまいりましたように、今後とも健全経営を堅持して、性根を入れて住民の福祉向上と地域貢献に尽力されますことを御期待申し上げて質問を終わります。
〇斉藤信委員 私、三つ準備しましたけれども、一つだけ聞きます。
 風力発電の問題ですけれども、実績が先ほど示されました。平成17年度67.6%、ところが、平成18年度は42.1%と大変低迷して、その理由が落雷とか発電機コイルの傷損とか、これは以前にもあったんですね。なぜこういう事故が続いているのかということをお示しいただきたい。私は、新エネルギーとしては、風力発電というのはこれからもっと重視されるべきだと思いますので、その点を今後に生かすべき教訓としてどういう問題があるのか。
 先ほど新たな風況の可能性調査がありましたけれども、今の時点では、風力、風速の関係で、対象になるところはないという受けとめでよろしいですか。
〇武蔵業務課総括課長 風力発電の実績でございますが、平成17年度の供給電力量は約371万キロワットアワーで、目標電力量に対する達成率は67.6%となっている。達成率が低かった理由は、3基の風力発電機のうち、3号風車の羽根が落雷により損傷し、67日間停止したこと、平成18年2月には、ボルトが脱落し、3号発電機内部が損傷したため長期間停止したこと、また、風速が計画値を下回ったことが主な要因である。
〇岩渕企業局長 いろいろな故障が起きておりますけれども、その主なものは、御案内のとおり落雷による事故でございます。これにつきましては、機種の関係もあるかもしれませんが、その辺のところは確たるものはございませんので、基本的に雷警報装置をつけて自動的にとまるような仕組みをとるとか、あるいは雷に強いブレード、他県でも採用している羽根につけるブレードを今回3号機につけてまた効果を試してみたいと考えておりますし、それから今回、2月から9月まで長期間にわたって故障し、動かなかった3号機につきましては、予想しがたい、発電機内部のボルトがいつかの時点で内部に入り込みまして故障したと。これについては、やっぱり保守管理をどうするかということが大きな問題でありますので、保守管理を委託する際のいろんな規定、内容についてもう少し詰めてやらなければなりませんし、委託先の会社についても十分指導してやらなければいけないのかなと考えております。
 それから、今までの風力可能地点、今、高森高原地点、6.0メートル以上あればいいわけですので、そのほかにあとないかということで、やっております。なかなか最適な地点が見つかりませんけれども、今、もう一つ県北の方で考えている地点がありますので、そこを地元市町と話し合ってやっていきたいと考えております。
〇吉田昭彦委員長 ほかにありませんか。
〇小野寺好委員 事故に関連して一つだけお伺いします。
 平成17年度中に工業用水道の供給をできなくなったような事故の有無を伺います。月別の業務量を見ますとずっと平たんに来ているので何もなかったのかと、そんな気もしましたけれども、もしあれば、どの程度事業会計への影響が出たか伺います。
〇武蔵業務課総括課長 平成17年度中に工業用水道の供給ができなくなった例はあるかということですが、平成17年4月6日に重油流出事故による給水停止、それから、平成17年5月13日に軽油流出による給水停止がございました。
〇小野寺好委員 局長から冒頭に何も説明がなかったのではるか昔のことかなと思っていましたけれども、そこで、損害賠償を求められたような事態になったかどうか。逆に、原因者、油を出したところに対して企業局の方から損害賠償を求めた経緯があるかどうか。最後に、これを教訓にした今後の危機管理はどうなのか、その辺をお伺いします。
〇和嶋経営総務室長 私の方から損害賠償の請求に関してお答え申し上げます。
 工水の方には先ほど2件あったと申し上げました。1件につきましては550万円ぐらいあるわけですけれども、それにつきましては今、請求してございまして、毎月何がしかの償還がございます。もう一件の軽油の流出につきましては、これは既に損害賠償をいただいてございます。そういうことでございます。(小野寺委員「もらう方だけじゃなくて、請求された例」と呼ぶ)
〇吉田昭彦委員長 簡潔にお願いします。
〇武蔵業務課総括課長 油流出事故防止などの啓蒙啓発をしながら取り組んでいるところでございます。
〇和嶋経営総務室長 答弁漏れがございました。
 損害賠償を請求された例があるかというお話、いわゆるユーザー等からのことだと思うんですけれども、それにつきましては、ユーザー等からの賠償請求はございませんけれども、水を供給しなかった分の減免はしてございます。
〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、企業局関係の質疑をこれで終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後 4 時40分 休 憩
午後5時1分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先ほどの本会議におきまして、当委員会に付託されております認定第4号平成17年度岩手県一般会計歳入歳出決算の訂正が承認されました。
 この際、継続審査とされておりました保健福祉部関係の質疑を続行いたします。
 質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わります。
 執行部の皆さん、御苦労さまでした。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後 5 時 3 分 休 憩
午後6時12分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算15件に対する各会派の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 認定第1号平成17年度岩手県立病院等事業会計決算については、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 平成17年度の経営収支は、入院患者の平均在院日数の短縮や平均単価の増加等により医業収益が増加したことに加え、特別損失の減少等により事業費用が低く抑えられたことなどにより、4億円余の純利益を生じ、平成13年度以来4年ぶりの黒字となったが、なお、当年度末の累積欠損金は117億円余となっている。
 また、今般の診療報酬の改定の実施等により、大幅な減収が見込まれる一方、医療需要等に対応した施設の整備等による諸経費の増加が見込まれるなど、今後さらに厳しい経営環境に置かれることが予測される。
 今後の経営に当たっては、今般の国における医療制度改革の影響を見極めながら、引き続き国に対し、財政措置の強化や医師等人材の確保・育成支援などを積極的に要請するほか、県立病院改革の推進に当たっては、引き続き県民の理解を得る努力を重ねるとともに、医療資源の有効活用や職員一丸となった改革への取り組みを進め、安定した経営基盤の確立と、良質で効率的な医療提供体制の構築を図り、もって県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたいとの意見を付し、認定第4号平成17年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、平成17年度における本県財政は、国と地方に関する三位一体の改革の影響により、国庫支出金が前年度に引き続き大幅に減少したことから、政策評価による事務・事業の重点化、効率化や投資的経費の抑制を図ったものの、依然として非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 経常収支比率や公債費比率は引き続き高い水準にあり、当年度末の普通会計における県債現在高も1兆4、537億円余に上るなど、本県財政の硬直化は一層進行している。
 また、平成19年度以降も多額の財源不足が見込まれることに加え、今後の岩手県競馬組合の経営の状況によっては、構成団体である本県の財政にさらなる負担の発生が懸念されるなど、本県の行財政を取り巻く環境は極めて危機的な状況にある。
 今後の行財政運営に当たっては、地方財政対策における地方交付税等一般財源所要額の確保を国に強く働きかけるとともに、新たな行財政構造改革プログラムを早期に策定し、県出資法人等の整理合理化を含めた徹底した改革の取り組みを進めるなど、持続可能な財政基盤と効率的な行政執行体制を構築し、顕在化する県政の諸課題の解決に取り組み、県民福祉の維持・向上に一層努める必要がある。
 また、平成19年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたい。
 なお、審査の過程で、平成17年度岩手県一般会計歳入歳出決算の一部が訂正されたことは、誠に遺憾である。
 今後は、かかる事態が再発しないよう、なお一層、適正な事務の執行に努めるよう強く指摘するとの意見を付し、それぞれ認定することとし、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第15号までは、認定することといたした次第であります。
 これより採決いたします。
 認定第1号及び認定第4号については、ただいまの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇吉田昭彦委員長 起立多数であります。よって、認定第1号及び認定第4号の2件については、ただいまの意見を付し、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第15号までの13件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇吉田昭彦委員長 起立全員であります。よって、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第15号までの13件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し、深く感謝申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後 6 時19分 閉 会

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