平成18年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成18年10月20日(金)
  
1 開会 午前10時3分
1 出席委員 別紙出席簿のとおり
1 事務局職員
  議事課長    切  金     精
  議事課長補佐   千  田  利  之
  主任主査    保  原  良  和
  主査    小  船     進
  主査    石木田   浩  美
  主査    佐々木   ユ  カ
  主査    菊  池  芳  彦
  主査    渡  辺  謙  一
1 説明員
  医療局長     法  貴     敬
  医療局次長兼
  病院改革室長   細  川  孝  夫
  参事兼職員課
  総括課長     佐々木      茂
  管理課総括課長  佐  藤  義  昭
  業務課総括課長  吉  田  廣  光
  システム管理室長 岡  山     卓
  経営改革監    根  子  忠  美
  医師対策監    相  馬  敏  克
  教育長    照  井     崇
  教育企画室長   小  川  明  彦
  学校教育室長   遠  藤  洋  一
  教育企画室
  企画担当課長   大  友  宏  司
  予算財務担当課長 鈴  木  清  也
  学校施設担当課長 佐  野     淳
  学校企画担当課長 佐  藤     新
  高校改革担当課長 藤  原  忠  雄
  首席指導主事兼
  義務教育担当課長 越     秀  敏
  主任指導主事兼
  高校教育担当課長 熊  谷  英  範
  主任指導主事兼
  特別支援教育   及  川     求
  担当課長
  生涯学習文化課
  総括課長兼
  県立埋蔵文化財  齋  藤  憲一郎
  センター所長
  生涯学習文化課
  文化財・世界遺産
  担当課長兼    中  村  英  俊
  県立埋蔵文化財
  センター副所長
  スポーツ健康課
  総括課長    高  橋  光  彦
  教職員課総括課長 青  木  俊  明
  小中学校人事
  担当課長     熊  谷  雅  英
  県立学校人事
  担当課長    酒  井  長  治
  教職員課特命参事 佐々木   景  一
        
  警察本部長    山  下  史  雄
  警務部長    瀬  戸  隆  一
  生活安全部長   一ノ渡   康  男
  刑事部長    小野寺   英  一
  交通部長    小川口      弘
  警備部長    細  田  敬  一
  警務部参事官兼
  首席監察官    菊  地  啓  一
  警務部参事官兼
  警務課長    小  舘  欣  康
  生活安全部参事官
  兼生活安全企画  米  沢  義  弘
  課      長
  生活安全部参事官
  兼地域課長    及  川     弘
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   船  野     透
  交通部参事官兼
  交通企画課長   中  村  照  美
  警備部参事官兼
  公安課長    渡  辺  一  好
  総務課長    吉  田  尚  邦
  会計課長    元  吉  尚  登
  出納長    上  村  俊  一
  副出納長兼
  出納局長    平  澤  石  郎
  出納課総括課長  渡  邉  和  男
  監査委員     菊  池  武  利
  監査委員    谷  地  信  子
  監査委員事務局長 高  橋  公  輝
  総務課長    大  森  勝  雄
  監査課長    門  口  正  雄
  参事兼予算調製課
  総括課長    菅  野  洋  樹
   
〇吉田昭彦委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成17年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成17年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、医療局、教育委員会、警察本部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇法貴医療局長 認定第1号平成17年度岩手県立病院等事業会計決算につきまして御説明申し上げます。
 県立病院等事業の運営に当たりましては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院などの設置の本旨、県議会の審議を通じての御意見及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえまして、まことに厳しい医療環境ではございますが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配意しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と、保健衛生の向上に努めてきたところでございます。平成17年度におきましても、良質で効率的な医療供給体制と、これを支える安定した経営基盤の確立のため、県立病院改革プラン及びこれに基づく実施計画の実行により、多様な取り組みを展開してきたところでございます。
 まず、県立病院の一体的、効率的な運営につきましては、職員の一定割合を弾力配置する仕組みや、検体検査業務の集約化を全圏域に拡大したほか、材料等の契約事務など、総務事務等の集約化及び給食の献立の統一等を図ったところでございます。
 病床規模の適正化につきましては、圏域ごとに入院需要に見合った適正な病床数を確保しながら、施設効率を高めるため、江刺病院及び花巻厚生病院の各1病棟、125床を休止したところでございます。
 次に、医師確保につきましては、引き続き関係大学へ要請するとともに、奨学資金貸付制度及び医師養成事業などを継続して実施したほか、臨床研修医の積極的な受け入れに取り組んだ結果、平成17年度における臨床研修医は、1年次、2年次合計で79人となったところでございます。また、初期研修終了後の県内定着に向けた環境整備などの実施等により、積極的に医師確保に努めるとともに、地域偏在の緩和に向けた取り組みでは、広域基幹病院などから地域病院などへ、延べ5、919人の診療応援を実施したところでございます。
 このほか、収入確保の取り組みのうち、施設基準の上位への届け出では、釜石病院などの夜間勤務等看護加算及び花巻厚生病院などの外来化学療法加算などについて実施するとともに、個人未収金の縮減では、二戸病院などに未収金回収専門員を配置したほか、クレジットカードでの支払いを導入したところでございます。
 また、費用面では、職員の適正配置、死体処置手当など特殊勤務手当の廃止及び見直し、高田病院などの医事業務及び軽米病院などの調理業務など外部委託の拡大、薬品など材料の在庫管理の適正化と整理統一、後発医薬品の使用拡大などにより費用の抑制を図るなど、総合的な経営改善の実施により、良質で効率的な医療供給体制を確保しながら、安定した経営基盤の確立に努めたところでございます。
 施設の整備につきましては、増大かつ複雑・多様化する医療需要と医学・医術の進歩などに的確に対応するため、山田病院新築工事を平成17年8月に着工したほか、磐井病院及び南光病院新築工事を平成18年3月に完了したところでございます。
 医療器械等の整備につきましては、医療の近代化あるいは高度化に対応するため、磐井病院に磁気共鳴画像診断装置、大船渡病院などに全身用X線CT装置などを整備するとともに、東和病院、磐井病院及び南光病院に電子カルテシステムの整備を行ったところでございます。
 以上、事業の概要を申し上げましたが、国民医療費の総額抑制を最大の目的として、患者負担の引き上げや健康保険組合の再編などを柱とする医療制度改革が進められる中で、診療報酬などにつきましては、平成14年度及び平成16年度に引き続き、3回連続となるマイナス3.16%の改定が本年4月から実施されたところでございます。
 このような状況のもと、今後の事業運営に当たりましては、今般の診療報酬などのマイナス改定の影響をできるだけ少なくするよう努めるとともに、引き続き、県立病院改革実施計画に定める電子カルテなどの情報化の推進による患者サービスの向上や、診療報酬の適正算定、県立中央病院へのDPCの導入などによる収入の確保、給与費の縮減や材料費の抑制、医事・調理業務の外部委託の拡大などにより、費用の抑制に努めることを念頭に、全職員が一丸となって県立病院改革を着実に実行していく必要があると考えております。
 それでは、お手元の決算書に基づきまして、その概要を御説明いたしますが、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めた金額で作成するものであるのに対し、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を除いた金額で作成することとなっており、金額に相異がございますので、あらかじめ御了承願います。
 それでは、決算書の1ページをお開き願います。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でございますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額975億9、700余万円に対し、決算額は969億6、400余万円でございます。
 次に、支出でございますが、第1款病院事業費用は、予算額972億3、800余万円に対し、決算額は964億5、200余万円でございます。
 2ページに参りまして、資本的収入及び支出でございますが、収入の第1款資本的収入は、予算額247億6、000余万円に対し、決算額は255億5、900余万円で、その主なものといたしましては、第1項企業債204億9、100万円、第3項負担金46億2、000余万円などでございます。
 3ページに参りまして、支出の第1款資本的支出は、予算額301億2、000余万円に対し、決算額は285億5、700余万円で、その主なものといたしましては、第1項建設改良費は186億2、500余万円で、磐井病院及び南光病院新築工事、山田病院新築工事及び医療器械等の整備に要した費用でございます。
 第2項企業債償還金は84億500余万円で、施設等の整備のために借り入れた企業債の償還金でございます。
 なお、資本的収入が資本的支出に不足する額58億8、500余万円につきましては、過年度分損益勘定留保資金など50億700余万円で補てんし、残りの8億7、800万円は、当年度許可済未発行企業債で措置するものでございます。
 次に、損益計算書について御説明申し上げます。
 4ページをお開き願います。医業収益は842億3、600余万円で、前年度に比較いたしまして14億4、800余万円、1.8%の増加でございます。その主なものといたしましては、入院収益538億3、100余万円と、外来収益247億9、000余万円でございます。
 次に、医業費用は897億2、000余万円で、前年度に比較いたしまして7億2、200余万円、0.8%の増加でございます。その主なものといたしましては、給与費525億6、800余万円、薬品費を主な内容とする材料費230億4、700余万円、光熱水費、修繕費及び委託料などの経費103億800余万円、減価償却費33億1、000余万円などでございます。
 また、医業外収益は125億6、700余万円で、前年度に比較いたしまして1億2、700余万円、1.0%の増加でございます。その主なものといたしましては、一般会計繰入金のうち、医業外収益として繰り入れました負担金交付金112億2、000余万円などでございます。
 5ページに参りまして、医業外費用は65億100余万円で、前年度に比較いたしまして300余万円、0.1%の減少でございます。その主なものといたしましては、支払い利息及び企業債取扱諸費39億7、800余万円、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税15億8、800余万円を含む雑損失16億7、900余万円などでございます。
 また、特別利益5、400余万円は、中央病院公舎跡地の売却に係る固定資産売却益で、特別損失1億4、200余万円は、磐井病院及び南光病院の移転新築に伴う引越し費用などでございます。
 この結果、平成17年度岩手県立病院等事業会計の損益は、入院及び外来患者が平成16年度に引き続き減少したものの、平均在院日数の短縮などにより、患者1人1日当たり平均単価が増加したことなどから4億9、200余万円の純利益が生じ、黒字決算となったものでございます。このことにより、当年度末累積欠損金は117億8、600余万円となるものでございます。
 以上、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げましたが、剰余金計算書及び貸借対照表、その他の事項につきましては説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしく御審議いただきますよう、お願い申し上げます。
〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 まず、吉田委員長、きのうはお疲れさまでございました。心から御慰労申し上げたいと思っております。
 それでは質問に入ります。
 まず、診療所化の関係でありますが、先行した紫波、花泉両病院、診療所化になりましたけれども、昨年度の年度末で各病院の医師が退職をされました。ついては、その退職の理由、そして支障はないのか。それから、診療所化に切りかわったことで、こういう現象がその要因ではないかと思いますが、そういった認識を持っておられるのか、お伺いいたします。
〇法貴医療局長 医師の退職理由については、個人によってさまざまな事情がありまして、勤務医としての激務が続いているとか、あるいは院長職としての管理業務などによって、本人が目指す患者と向き合う医療が実践できないなどの理由のほか、家庭の事情などが複合して退職に至ったものと聞いており、診療所化のみを理由としたものとは聞いておりません。当然、私たちも、幾度となく慰留に努めましたが、医師の意思はかたいもので、なかなか翻意するに至っておりません。
 大迫病院については、現在のところそういったお話は聞いておりませんで、また、できるだけそのような状況に至らないように、早目早目に対応しておりまして、できれば2人ないし3人の常勤医師と他の県立病院などから診療応援体制を確保していきたいと考えております。
〇佐々木順一委員 患者と医師の関係から申し上げますと、根本的には信頼関係が大事だと思うんですよね、患者から見れば。やっぱりそれを維持していくためには、先生は余り異動があってはいけないと思います。患者さんから見て、いい先生だなと思われることが診療の出発点だと思いますので、これは指摘にとどめたいと思っております。
 いずれ、なかなか医師をつなぎとめておくことも難しいかもしれませんが、いろいろ手だてが講じられるものであれば、そういった御努力をお願いしたいと思っております。
 それで、今回の県立病院改革プラン、一連の診療所化は、最初はたしか無床化で検討されたと承知しております。ついては、なぜ無床化からまず始められたのか、その根拠、主な理由についてお伺いをしたいと思っておりますし、無床化を断念して有床化の診療所と、こうなりました。今、その途上にありますが、その後変更した理由、これについてお伺いをいたします。
〇法貴医療局長 なぜ、無床後有床に直したかということでございますけれども、勤務する医師は、無床になりますと夜間の診療はしなくていい。それから、患者を診なくていい。それから、自分のできるというか、地域に出かけていって在宅診療などが特によくできるという形で、今でもそうなんですけれども、うちに勤務するお医者さんたちは、診療所にするなら無床がいいと、内部的に意見をかなり言われております。
 それから、なぜ有床化にしたかというと、この平成15年度に無床のプランを出した際に、パブリックコメントとしてはかなり多くの数、5、200件を超える数の意見が寄せられ、あるいは議会の中でもさまざまな議論を重ねていただきました。その中で、いきなり夜間の診療がなくなるとか、初期救急がなくなるということは、やはり地域にとってだめなんだろうということで、私どもの内部的な事情からいけば苦渋の選択なんですけれども、有床の診療所という選択をさせていただきました。これによって、経営改革そのものについては、非常にスピードが落ちるわけですけれども、それでもやはり地域の要望だということで、無床から有床に変えて、16年2月に改革プランを議会にお示ししまして、さまざまな議論を重ねて、それでそのまま進めてまいっているところでございます。
〇佐々木順一委員 もう一度確認しますが、パブリックコメントという話もありましたが、結論は、地域の御意見を聞いて変更したと、こういうことでよろしいわけですか。(法貴医療局長「はい」と呼ぶ)よろしいですね。
 それでは、これは後でまた聞きます。
 今回の改革プランのやらなければならない大きな理由は、医師不足に対応するため、それから病院の経営上の問題、それから財政上の問題、そして基幹病院を中心として質の高い医療を提供すると、こういうことと認識しておりましたけれども、私の認識で間違いないか、もし補うものがあれば御披瀝いただきたいと思っております。
〇法貴医療局長 そもそも引き金を引いたのは、14年度の診療報酬改定だと思います。その中から、外来診療ががたがた落ちてきて患者が減ってきていますし、入院もがたがた落ちてきている。その中で、やはり病床をそのまま維持していくことはほとんど無理なんだろうということで、まずサイズダウンをしていこうということと、それから、先ほど佐々木順一委員が言われたように、医師不足の中で、お医者さんが、もう1人では病院では診療できないという要望がかなり出てきていまして、我々は勤務医としてやっていくためには、1人の診療科で複数体制、病院は複数体制の医師を確保していかなければいけないという事情が出てきていました。診療所になれば、それでも医師1人、1診療科1人でも診ていけるんだけれども、できれば病床を持ちたくないというのが一つの理由で、そういう意味で、勤務医が過重な労働になってきているというのは、やはり患者さんの要望が物すごく高くて、昔は少し話をしてすぐ終わるというような診療もあったんですけれども、説明不足になるといろいろなことが起きるということで、一人一人の患者に対する時間がかかってきて、まずそのほかにいろんな業務が、保険料の請求のために診断書を書かなければならないとかという、患者側の要求が非常に出てきていまして、患者に向き合うよりは、そういう業務がふえてきているということで、かなり医師側に不平不満が出てきているということもありまして、そういう労働過重になっているところを改善してやらなければいけないということも、一つの大きな要因になっていると考えています。
〇佐々木順一委員 話は変わりますが、公共団体のいわば仕事の大きな役割は、補完性の論理というものがあると思います。すなわち、民でやれるところは民でやって、民がやれないところは公共機関でやると。市町村がやれないところは県がやると、これが大きな原則だろうと、こう思っております。したがって、この原則に倣うのであれば、過疎における病院のところ、例えば大迫の場合は、入院施設のある病院は県立病院、大迫病院しかないわけでありますし、民間病院といえども、歯医者さんが二つぐらいしかないと思っておりました。そういうところにこそ、考えを直ちに具体化するというのは難しいかもしれませんが、考えを導入する必要があるのではないかと、こう思っております。
 医師不足もわかります。それから経営改善もわかりますが、その経営改善という目標と過疎地における医療の確保、この二つを両立させる考えを持って県立病院の経営と、それから改革に取り組むべきではないかと思っております。したがって、民のできないところは官がやると、こういう考えはあるんでしょうか、ないんでしょうか、それをちょっとお伺いいたします。
〇法貴医療局長 自治体病院というのは、どちらかというとやはり政策的な、不採算地区病院も政策的な医療ですので、政策的な医療をやっていかなければならないということは、そのためにも一般会計から繰出金をもらっているということで、今までも不採算地区病院、県内に8カ所から9カ所あるんですけれども、それもやるべきだということでやってきております。ただ、漫然と不採算だからずっとそのまま続けていいかということもまた一つの議論でございまして、例えば、ここはまだはっきり決まったわけではありませんけれども、国も不採算地区病院として補助金とかさまざまなことで財政支援を出してきていますが、今回、地方分権改革などで、市町村立の不採算地区病院はそのまま財政支援は続けるけれども、県立病院の場合は財政支援を少し細めていきますという議論も出てきているということも確かでありますので、果たして県立でやるべきなのか市町村立でやるべきか、それから民間がやるべきかという議論は、これからずっと続けていかなければならないこともありますけれども、そういう不採算地区病院が確かにやっていかなければならない医療ではあるけれども、だんだん少しずつ見直すことも必要になってきているということもあるわけでございます。
〇佐々木順一委員 現在、大迫地域で住民の理解を深めるために、得るために、説明会を開催されているとお聞きしておりますけれども、今どういう状況にあるのか、どの程度理解が深まっているのか、あるいはどの程度不安が解消されつつあるのか、その辺、御認識で結構でございますから御披瀝をいただきたいと思っております。
〇根子経営改革監 大迫地域の住民の皆様を対象といたしまして、現在説明会を行っております。これまでに町内の4地区のうち3地区実施した状況でございますけれども、外来の診療機能、それから土日、夜間の初期救急医療には変わりがないということについては、おおむね御理解いただいていると認識しております。
 住民の皆さんからは、特に病床が19床になるということへの不安を中心に質問を出されておりまして、私どもとしましては、病院長と一緒に説明に出向いておりまして、特別な場合、例えば感染症が大流行したということで、大勢の患者さんが入院しなければならないというような場合を除きまして、地域の入院需要には対応はできるという説明を行っております。
 それからあと、在宅から入院した患者さんが退院する際でございますけれども、この際には、病院の医師を初めとする看護師、それから薬剤師、そういったすべてのスタッフがそろって、それからあと市の福祉の担当者、それから介護の事業者、サービスの事業者、こういった方々が集まって、それぞれの患者さんが在宅に戻る際にどんなサービスが必要か、例えば訪問診療が必要なのか、あるいは訪問看護なのか、あるいは一時的にショートステイという形で処遇すべきなのかといったようなことを、それぞれの患者さんごとに十分話し合いの中で進めていると、そういう仕組みでございます。それを、今後とも強化しながら進めてまいりたいということを説明しております。
 それからもう一つですけれども、診療所化の実施時期、これが花巻厚生・北上統合病院が開院するまで延期できませんかといったような御質問がございます。これにつきましては、現在の大迫病院の診療体制でございますけれども、その多くがセンター病院である中央病院を中心にやっております。それで診療所に移行しましても、二次保健医療圏の基幹病院を本院としながら、当面、中央病院からの支援を継続するということを柱にしながら、圏域の病院もみんなで協力し合うということの中でやっていきたいと思っていますので、病院の統合が大迫病院の診療所化の時期に影響はしないということで説明しているところでございます。
 今後とも、いずれ住民の不安を解消するよう、説明に努めていきたいと思っております。
〇佐々木順一委員 説明会のとき、センター病院とそれから統合病院の診療応援という話がありましたが、ある程度それは具体的にお示しなされているわけですか。それとも、今のようなお話で終わっているわけでしょうか。
〇根子経営改革監 現在の大迫病院の診療応援体制ですけれども、先ほど申し上げましたように、中央病院とそれから遠野病院、それから関係の大学からの応援をもらっておりますので、基本的には、いずれこの応援は診療所化も継続するということでお話し申し上げております。
〇佐々木順一委員 それではちょっと話を変えますが、最終的には病院の設置条例の改正条例、提案されて、それで最終的に決着するわけでありますが、今後のスケジュールについて確認をさせていただきますが、いつごろ提案の運びになるのかということと、今、議会に請願が継続でかかっております。これが提案の妨げにならないのかということと、それから先ほど医療局長は、無床化から有床化に切りかえる際に、地域住民のあるいは県民の考えを取り入れて有床化というものを、苦渋の判断という表現でありましたがされたということを確認をさせていただきましたので、今、大迫のみならず伊保内も、物によっては住田もそうかもしれませんが、住民説明会が必要になる可能性もあります。その場合、住民の合意がなされなければ提案はないと理解していいのかどうか、ここだけ確認をさせていただきまして、私は質問を終わります。
〇根子経営改革監 大迫病院ほかの診療所に関する条例案でございますけれども、県議会に請願が出され審査されている状況にございますが、私どもといたしましては、住民の皆さん、それから関係機関への十分な周知を図る期間が必要だと考えておりますので、12月の定例会に提案する方向で考えているということでございます。
〇佐々木順一委員 さっき、私言いましたよね。住民の合意がなされない段階での提案はないと理解していいかと、ここだけもう一度確認をさせていただきます。
〇法貴医療局長 この診療所化とか改革というのは、すべての住民がもろ手を挙げて合意をされるとか納得されるというのは、なかなか難しいのではないかと私は考えています。ただ、先ほど申し上げたように、この改革は、医療の質の確保を維持しながら、病院経営をしていくというような一つの命題のもとに行われておりますので、まず診療所化になった後に、我々の言っていたことがうそではなかったんだということを一つ一つお示ししながら、住民の不安感を解消していかざるを得ないのではないかと考えていまして、まず、改革は着実に進めていかなければならないという判断で進めさせていただきたいと思っています。
〇斉藤信委員 大迫病院の診療所化に関連して、私も質問をさせていただきます。
 環境福祉委員会で4回請願が継続審議という、大変異例な、慎重な審査が続いている問題であります。それで、私は大迫病院の診療所化を考える場合に、ことしから診療所化された紫波、花泉病院の診療所化が何をもたらしたのか、その実態は何かということを検証する必要があると思うんです。花泉、紫波病院の診療所化によって、今、佐々木委員のお話にもありましたけれども、医師は、院長を含めて2人ずつやめたんですね。医師不足解消どころか、医師をやめさせてしまったと、4人ですよ。そして、入院患者は、19床どころか10人そこそこに大幅に減少して、花泉に至っては赤字をふやしたと。この実態を一つは示していただきたい。
 二つ目に、花泉、紫波の診療所化は、地元の医師会も地元自治体、議会の理解も得られずに強行したと。私、やり方に無理があったんだと思うんですよ。地元の理解を得るのは大変だと言っているけれども、地元住民の理解だけじゃないんですよ。地元の医師会、地元の自治体、議会。
 例えば、去年の11月22日に両磐地域県立病院運営協議会、これは診療所化が決まった後開かれた運営協議会でも、花泉病院の診療所化への不安が示されたと。市長も、ぎりぎりまで診療所化の見直しを求められましたよね。私は、こういう形で強行したことに問題があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇根子経営改革監 紫波と花泉の二つの地域診療センターについてでございますけれども、いずれも医師の退職があったのは残念でございましたけれども、最終的に二、三人の常勤医師を確保いたしまして、それから他の県立病院や関係大学からの診療応援を受けまして、外来診療はもとより、夜間、休日の初期救急にも対応できる体制となっております。
 入院患者数でございますけれども、8月末までの状況ですけれども、各月1日平均で、紫波では11人から16人、それから、花泉では10人から12人という状況になっています。外来患者については、8月末までの状況で、1日平均で、紫波では108人、花泉では106人、こういう状況でございます。
 それから、経営収支でございますけれども、年度の途中で正確な比較はできませんけれども、参考までに、平成17年の7月末と平成18年の7月末、これの差し引き損益を比較しますと、紫波では約1、700万円赤字が縮小しております。それから、花泉では約1、000万円、赤字が拡大しているという状況にございます。しかし、今年度県立病院全体でも入院患者の、診療報酬の大幅なマイナス改定、こういった影響、それから患者数が減少しているということで、経営収支が悪化の傾向を示しておりまして、必ずしも診療所化のみの影響ではないのではないかと考えております。
 それから、診療所化の地元の理解も得られずに強行したというようなお話でございましたけれども、先ほどの改革プランの策定した後の、15年度に策定した後に案を出してパブリックコメント、これもやりましたし、それから、市町村それから県立病院の運営協議会、医師会などにも説明を行いまして、その結果、先ほど申し上げましたように無床から有床に変更したということ、こういう経緯もございます。
 それから、計画の具体化に当たりまして、昨年度ですけれども、それぞれの地域懇談会、こういった中で改革や診療所化について説明を行ってきたということで、御理解いただけるように努めてきたという経緯はございます。ただ、先ほど局長から申し上げましたように、地元のすべての方々から御理解をいただくというのはなかなか難しいという状況もございますので、今後の診療所化後の状況について、これまでどおりの診療体制を維持していくような、そういったことで地域の方の不安を解消するよう、努めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 本当に説得力のない、支離滅裂な答弁ですよ。
 いいですか。まず一つは、診療所化によって、それぞれ院長を含めて2名ずつ医師がやめたと、4名もやめたと。深刻な話ですよ。医師不足を理由にしながら、逆に医師がやめざるを得ないという事態をつくったのですよ。なぜそうなったかというと、無理無理ごり押ししたからですよ。そして、有床診療所化にしたというのは、平成16年の話ですよ。そういう計画が示されても、運営協議会を開いて、地元の医師会からもそういう意見が去年のぎりぎりまで出されたというのは事実なんですよ。地元の自治体も、首長も、議会も、最後まで見直しを求めてきたのが紫波と一関の実態じゃないですか。そういう要望を受けているでしょう。昔の話をしちゃだめですよ。私はぎりぎりの話をしているんだから。そういう中で、あなた方がごり押ししたからこういう結果になっているのですよ。
 花泉病院、私は新築された磐井病院にも行ってきました。院長にも聞いてきました。こう言っていますよ、院長は。あそこの両盤圏域というのは、病院連携がうまくいっていたのだと。そういう中で、なぜ診療所化をごり押ししなければならなかったのかという危惧を述べていましたよ。そして、大体、磐井、南光が今年度改築オープンしたばかりで診療所化されて、とても診療所の面倒は見られるような状況ではなかったと。いいですか。あなた方の計画というのは、本当にそういう意味ではつじつまがつかないのですよ。だから、花泉は、入院患者は平均で11人ですよ。紫波は13人ですよ、19床あっても。常勤が花泉はたった1人しかいなかったんですよ。私は、本当にどさくさ紛れでごり押しした、こういう診療所化というものは……。
〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げます。質問してください。
〇斉藤信委員(続) 今聞いているんじゃないですか、大事なことを。
〇吉田昭彦委員長 質問してください。
〇斉藤信委員(続) いいですか。どさくさ紛れになったからこういう実態になっているんじゃないかと私は聞いているんですよ。(「関連だぞ。自分の質問じゃないじゃないか」と呼ぶ者あり)一関のことを聞いているのに、いいんですか、そういうことで。
〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げます。質問してください。
〇斉藤信委員(続) いやいや、今聞いたでしょう。(「何を聞こうとしているんだよ」と呼ぶ者あり)実態が違うと言っているんだよ。
〇吉田昭彦委員長 法貴医療局長、簡潔に答えてください。
〇法貴医療局長 はい。先ほどから幾度となく申し上げていますが、やはり病院施設が診療所になると不安というものはなかなかぬぐい切れない。そのために、ぎりぎりまでやらないでくれという要望は確かにありましたし、受け取りました。ただ、我々はそういうところでごり押ししたと言われればそうではなくて、16年2月に御提示申し上げた後も、住民懇談会もこまめにこなして説明会に行って説明していますし、そういう実態の中で、できるだけ不安を解消するような診療体制を組むということで努力しております。
 それから、医師が2人やめたということですけれども、紫波、花泉に限らず、最近は開業する医師がかなりおりまして、そこだけ見れば2人おやめになっていますけれども、県立病院全体でもかなり開業のためにおやめになった方たちが多いので、先ほど言いましたように、医師が自分のために何をしたいかということを自分で決めれば、医師の意思を変えることというのはなかなか難しいということでございますので、御理解賜りたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 斉藤委員、関連する事項について……。
〇斉藤信委員 わかりました。
 私、事実の問題を聞いているんですよ。例えば一関市議会もぎりぎりまで意見書を上げた、首長も要請した、事実でしょう。医師会が運営協議会の中でも見直しを求めた。私は事実をまず確認しますよ。
 それと、大迫の病院もこの轍を踏んではならないと思うんですよ。例えば、北上・花巻厚生病院、これから統合すると、本当にこれから統合問題が大問題ですよ。そういうときに、どこにこれ附属診療所になるんですか、来年診療所になったら。統合しなくちゃならない、新しい病院をつくるときに、そういう病院の統合をきっちりしながら診療所化というのは、結びつけていくこと当たり前じゃないですか。さっき言ったように、中央病院からの医師派遣が中心なんですよ。花巻厚生とか北上に、診療所化する具体的な条件ないんですよ、実際には。条件なくても、無理無理診療所化をするという、こういうやり方は成功しないと。そして、やっぱり地域住民が8、000人を超えるような署名を上げて──例えば大迫病院、5年前にできた立派な病院ですよ。アメニティーのすぐれた、地域に信頼され地域と共に生きる病院というのがスローガンですよ、大迫病院。県下にあまねく医療の均てんをという、この創業の精神から言っても、大迫病院のこの精神から言っても、私は本当に住民合意を大事にしてやる必要があるのではないかと思いますが、医療局長、どうですか。(「委員長、議事進行について。だめだよ、関連にそんなものをやらせたんじゃ」と呼ぶ者あり)これで最後だ。
〇法貴医療局長 どこに附属させるかということは、12月議会までにお示ししたいと思っております。
 それから、先ほど申しましたけれども、一関市長の要望、あるいは運営協議会での紫波医師会長の要望は承っていますが、そのときも同じような答弁をさせていただいております。(斉藤信委員「大迫病院の答弁、ないじゃないか。診療所化の根拠がないじゃないか。答弁漏れだ、委員長」と呼ぶ)
 失礼しました。大迫をなぜ診療所化するかということについては、一般質問で知事からお答えしているとおり、大迫病院の病床利用率がかなり低目で、低位しているということで、岩手中部の中でも低位に進んでいるということで、やむなくそこを診療所化というふうに選択したものでございます。
〇工藤勝子委員 非常に言いづらいんですけれども、関連が出てしまいましたけれども、通告しておりますので、質問を何点か申し上げます。簡潔明瞭に答弁をお願いいたします。
 紹介議員になっていることもあります。遠野市の一部がこの大迫病院を使用しているという住民の声もありまして、質問させていただきたいと思います。
 まず、JTの跡地を利用してこの病院を建てられました。これを整備するときに、こういう診療所化の見通しが立っていなかったんでしょうかということを聞きたいと思います。それから、大迫における高齢化率をどのようにとらえているでしょうかということを聞きたいと思います。
 それから、電車が通っているところではありませんで、交通アクセスの非常に悪いところです。また、高齢化によって、大迫病院まで来るにも、かなりの時間と費用を要するというところでもございます。今度また花北病院の方に移るというようなこと、また、中央病院にも、花巻にも非常にアクセスが悪いところでありまして、この点をきちっと考えてやる必要があるんじゃないかということで、このアクセスの考え方についてお聞きいたします。
 それから、懇談会の中で理解をしてもらうには、何が一番大事な要素だと考えているのかということを聞きます。
 それから、48床から19床になるわけですけれども、29床空きベッドになるわけですが、これを何とかうまく利用できる方法というようなものを考えて理解していただくこともあるのではないかと思っているんですが、この点についてお聞きいたします。
〇根子経営改革監 まず、現在の大迫病院の施設でございますけれども、これ平成3年6月の県立病院等長期経営計画の中で位置づけられておりまして、平成11年から12年にかけまして用地の取得、用地補償、それから建築工事を実施して、平成13年の3月に開院しております。しかしながら、県立病院を取り巻く環境というのが、平成14年4月の診療報酬の本体の大幅マイナス改定、これがあったり、あるいはさらに一段と医師不足や患者数の減少が顕著になってきたということがございまして、平成16年2月に、この改革実施計画を策定したわけでございますけれども、このような急激な環境の変化が、整備に着手する当時には、残念ながら予見できなかったということでございます。
 それから、大迫地区の住民の高齢化でございますけれども、これは高齢化が高い地域であるということは認識しております。それで、引き続き内科、外科を中心とした外来診療機能、それから夜間、休日の初期救急体制を維持するとともに、病院から出向いて行う訪問診療、それから訪問看護、こういったところにさらに力を注ぐということ。それからあと、在宅の介護との十分な連携、これにも努めてまいりたいと思っております。
 それから、交通アクセスの話でしたけれども、住民の皆さんに最も身近な外来ですけれども、これは先ほど申し上げましたように、これまでどおり通院できるといったような診療体制を維持したいと思っておりますし、入院についても、可能な限り入院診療が必要な患者さんに対応できるということでございますので、これまでと大きく変わらない利用ができるものと考えております。
 それから、あと病状に応じては、当然他の病院の方に紹介するということもございますが、これはこれまでもそういう形で行っておりまして、その際にも、大迫地域から花巻や石鳥谷方面のバス路線がございます。それからあと、花巻厚生病院につきましても、花巻市の方の御尽力によりまして、直通のバス路線も整備されたということもございますので、その辺で御理解いただきたいと思っております。
 それから、地区住民との懇談会で何が一番重要かということでございますけれども、私どもとしては、住民の皆さんが何が不安かということをお聞きしまして、それに対して私どもとしては、こういうことをやりますよということを丁寧に説明するということが大事かと思っています。それで、説明会に行って説明を受けたけれども、本当にできるのかということで、やっぱり不安だという方いらっしゃいます。それについては、私どもとしては、これまでどおりの説明の体制を維持するということをお示しすることで、不安の解消をしていくということになるのではないかと思っております。
 それからあと、病院施設の活用の話でございましたけれども、今、病院が中心となって診療所化に移行した後の病床の例えば割り当ての変更だとかも考えていますが、まとまったスペースがあくということもありますので、そういった場合には市と十分相談しながら、例えば福祉の分野で何か活用できないかとか、そういったようなことを十分検討してまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 新聞の記事ですけれども、例えばお医者さんが朝6時に出勤して、お昼を食べる時間もなくて、夜の8時まで勤務しているという、そういう非常に考えられないような勤務時間があるわけです。例えば、診療科によって、今の診療所とか県立病院でこのような厳しい条件で働いている病院がどのくらいあるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇相馬医師対策監 長時間の勤務の御質問でございますけれども、直接的に今御質問のような調査をしたものはございませんけれども、いろんな各病院のあるいは各診療科によってさまざまございます。それに対しましては、患者さん方の診療の予約制とかを取り入れるなどいたしまして、その病院、いろいろ工夫しながら改善するように努めているものでございますので、よろしくお願いいたします。
〇工藤勝子委員 やはりこういう実態があるからこそ、地方というんでしょうか、周りの県立病院とかに勤務したいと思わない、行ってみたいと思う医師が出てこないんじゃないかと、先生が出ないんじゃないかと思うんですね。この辺のところをきちっと改善してやることが必要じゃないかと思っております。
 それで、次に医師確保対策、何回も聞いているわけですけれども、県民の人たちが安心して生活できるためには、それぞれの県立病院において、先ほどの超過勤務も含めまして、医師が確保されることが非常に大事な要件だと思っております。
 この間のNHK特集にも、医者が足りないということで増田知事も出ておりました。その中で、大変医療局も、医師確保対策に対しては御苦労されたり御努力されたりしていることは十分わかっておりますし、感謝を申し上げたいと思っております。それで、特定診療科──産婦人科、小児科、それから特定地域、遠野は入っていないんですけれども、県北と沿岸も含めまして、1人でも2人でも確保されて改善が図られてきているのか。いや、それより、1年前よりもっと厳しくなっているんでしょうか、その状況をお聞かせいただきたいと思います。
〇相馬医師対策監 まず、産婦人科、小児科の御質問でございます。産婦人科につきましては、九つの保健医療圏ごとの基幹的な病院に、これは18年3月31日現在でございますけれども、23名を配置してございます。それから小児科の方につきましては、14病院に27名となってございます。
 それから、医師の充足のことでございますけれども、県立病院におきます医療法に定める医師標準数に対する充足率でございますけれども、これも18年3月31日現在でございますが、県立病院全体では109%となってございます。盛岡、中部、県南部などの北上川流域でございますけれども、こちらの方は123.3%となってございますが、久慈、二戸地域などの県北部、これが99.3%、宮古、釜石、気仙地域などの沿岸部は93.3%となってございまして、県立病院間にあっても、医師の偏在が見られる状況でございます。
 それから、全体数の動きでございますが、これは今現在、9月現在でございますけれども、昨年度の同時期に比べまして、常勤それから非常勤、臨時の医師数で2名ほど増加という形で、ほぼ横ばいの状態で推移してございます。
〇工藤勝子委員 それでは、女性医師の離職防止とか、職場復帰支援とかという形、また、臨床研修医の受け入れ体制の支援とかを行っているわけですけれども、これについて、例えば離職を取りやめていただいたとか、復帰したお医者さんがいらっしゃるのか、お知らせいただきたいと思います。
〇相馬医師対策監 女性医師の方々でございますけれども、今御質問の退職を取りやめていただいたということとかは、ここ1年ほどはございません。皆様、産前産後の休暇等を取得している方はございますけれども、直接的なことは今ございません。
〇工藤勝子委員 職場に新しく復帰した方はいらっしゃらないんでしょうかということと、それから、北上川沿いは100%を超えた、医師がきちっと配置されているわけですが、この地域の医師に対する格差に対して、局長から答弁をいただいて終わりたいと思います。
〇法貴医療局長 女性医が職場復帰した例はないかということですが、これは精神科のお医者さんですけれども、やはり一度は育児で職場を離れた方が、育児が少し落ち着いてきたということで、南光病院の方に医師が復帰した例があります。それから、他県からこちらにいらして、育児があるんだけれどもやはり職場に復帰したいということで、二戸の眼科のお医者さんなんかは、まさしくそういう感じであります。
 それから、医師の充足率だけを見るとかなり、私が入庁したころ、48年から52年のころは、病院の医師数というのは充足率80%くらいが普通、平均でした。それが今123%とか93%とかになっていますのは、恐らく患者数が減ってきたことも充足率を高めてきているんだと思っています。ただし、120何%を超えている中央病院ですら、忙しい忙しい。さっき委員がおっしゃったように、朝7時半に出勤して満足に昼をとれなくて、夕方4時ころに医局のところでお弁当を食べて、そのまま休みもせずに病棟に上がって、やっと帰れるのが9時ころなんていうことが、中央病院ですら起きているという状況がありますので、やはり診療科で複数体制、1人にさせない、分散させないというのが恐らく基本になってくるんじゃないかというふうに思っていますので、集約化、集中化というのは恐らく避けて通れない。医療の質を、お医者さんが疲れて医療事故なんか起こさないようにも複数化、集約化したというのは、恐らく避けて通れないような感じになっていますので、そういう観点で医師確保を少しずつ進めていきたいと考えています。
〇小野寺好委員 工藤勝子委員の医師確保についての質問に関連しますが、岩手医大にお願いして、地元枠年間5人、予算として2億円、これは国立との差額ということで県が頑張っているわけですけれども、17年度を見ますと3人、1億2、177万円となっていますが、本来5人ずつということでしたが、現在では在学生何人になっているのか。
 あと、将来のことなんですけれども、これから岩手医大で定数を10あるいは20とかふやしていった場合に、地元のためというこっちの願いがあるんですけれども、これではちょっと地元枠をつくっていただけるのかどうか心配ですが、その辺についての見通しをお聞きしたいと思います。
 あともう一点ですが、医師確保のために臨時の医師をお願いしているわけですけれども、臨時と言っても1週間に何日も来る方もあれば、数時間で終わる方もいるのかなと思いますが、その実態はどの程度の差があるのか、お聞きしたいと思います。
 あと、恐らく臨時の場合に、大学病院にお願いしているんじゃないかと思うんですが、きのう公表されました医師の研修に関する報道なんですけれども、けさの報道なんですけれども、例えば岩手医大の場合に、臨床研修医の関係でちょっと集まりにくくなっていると。岩手医大の場合は30%以下になっているとかとありますが、こういったことで、臨時の医師もなかなかこれから集めにくくなるのではないかと思いますが、その辺についてお聞きしたいと思います。
〇相馬医師対策監 医師養成負担金の件でございますけれども、17年度は3人で、現在、在学の方は21名となってございます。
 それから、2番目の医師の定数増のお話でございますけれども、私どもの方は、県立病院の費用の中で医師の養成をしてございますけれども、新しく提案されています新医師の確保対策の方につきましては、それはまた新たな制度として、いろんな方法論が議論されてくるものだろうと考えておりますので、その中で検討していきたいと考えてございます。
 それから、3番目の臨時の医師の応援の程度のことでございますけれども、ほぼ1日ということが多いのではないかと考えてございます。朝来て、そして午前の診療をして、そして病棟等をごらんになってということなどがやられてございます。それから、当直の応援ということもございます。
 それから、岩手医大の研修医が報道のように減っていることが、臨時の医師を集めるのに支障にならないかということなんですけれども、この臨時の中には、県立病院間で応援しているものも、延べで申しますと5、000回を超えるくらい年間でございます。それから、医大の方からももちろんいただいてございますが、今の研修が終わった後の3年目、4年目の形になりますと、医大の方に戻って、さらに大学院とかに入って勉強されて第一線に出てくるという方々もいらっしゃいますので、その辺のことなども医師の派遣の方には付加されてくると思いますので、なるべく大学の方多くなってほしいと思いますけれども、私たちもそういう形で、県立病院に臨床研修を受けた方々が、また医大の方に循環するという形もやるようにしてございます。よろしくお願いします。
〇小野寺好委員 臨時の方なんですけれども、来た場合は1日ということなんですが、その方は1カ月どのくらいになっているのか、お聞きしたいと思います。
〇相馬医師対策監 数もございますので、なかなか一律に数に加えていませんけれども、先ほど御質問の中にもございましたけれども、ほぼ曜日を決めて週に1回とか2回とか、それから毎週当直、土曜日の当直とかというふうな形で参りますので、一概には申し上げられませんけれども、週に1、2、3回という方々が多いかと存じております。
〇佐々木博委員 今の小野寺好委員の質問に関連しますけれども、けさの朝刊なんですけれども、小野寺好委員おっしゃったとおり、研修医の来年度の配属先について、あらまし固まったという記事が載っております。
 それによりますと、東京都が一番多いということのようでありまして、地域的に見ますと、要するに医師過疎地域と言われている東北なんかは、やはり研修医の希望者も随分、定足数に満たなかった、充足率は満たなかったというような記事が報道されておりました。
 そこでお伺いしますけれども、県立病院でもかなり熱心に研修医の確保に向けて努力されているようでありますが、来年度の研修医の数が大体決まったと思いますので、まず、そのことについてお伺いしたいと思います。
〇相馬医師対策監 今回の場合は最終マッチングということで、病院の方で採用したい、それから、研修医の方々は希望するという形での内容でございます。この後に、さらに医師の国家試験を受かって、そして最終的なものになるものでございますので、今の時点で確実ということではございませんけれども、48名の方々が県立病院の方で来年度研修したいと言っていただいてございます。定員は67名としてございましたので、72%ほどになってございます。
〇佐々木博委員 72%というのは、多分東北では結構いい方ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 それから、医大の医局の話なんですけれども、大学、東大、京大、慶応のようなところは100%以上の充足率だと載っていましたけれども、今もお話がありましたが、岩手医大、何か全国でも最下位クラスではないかというような記事が載っていました。事実かどうかわかりませんが、報道だから間違いないと思いますが、それで、先ほど、そのことによる影響について余りはっきりした答弁がなかったように私は思うんですが、結局、医局で医者の数が少なければ、当然、派遣している医者を引き揚げるわけですから、私は、かなりの影響があるのではないかと思うんですが、いかがですか。
〇相馬医師対策監 東北各県の件ですが、ほかの県の状況等もまだきちんとは見ていませんのでちょっとわかりませんけれども、70%というのは、昨年より少し落ちてはございますが、いろいろ県全体で努力していただいた結果だと考えてございます。
 それから、岩手医大の研修医の受け入れが、報道のように非常に低いということでございましたけれども、その影響でございますが、先ほど申しましたのは、確かに初期の研修医が2年間、その大学なり病院で研修を受けるわけなんですが、その方々が少ないということは、やっぱり絶対数の不足というものにはなってくると思います。これは、岩手医大の方の御努力を期待するわけなんですけれども、私どもとしてやれることということでお話をしたんですが、県立病院で研修した方々が、さらに専門的なものを深めたいということとか、博士課程に進むとかという方々もいらっしゃいますので、そういう形で県内全体に定着する役割等を県立病院でもやっていきたいということが申し上げた中身でございます。
 ちなみに、今年、第1回目の初期臨床研修の制度が終わりまして、この3月に県立病院から35名の方々が2年間を終えたわけなんですけれども、そのうち岩手医大には8名の方々が大学院等に進むという形で入ってございます。県立病院に残った方も多くいらっしゃいますけれども、大学の方にもそういう形で、県立病院で研修を受けた方々もさらにいらっしゃっているという形でございます。
〇佐々木博委員 最後にしますけれども、初期の一番最初の研修生48名中、今度研修を終わる方が48名、それで医大出身者が35名で、うち8名が大学院に戻られるということでよろしいですか。ちょっと確認させてください。
〇相馬医師対策監 来年度の研修に、県立病院で研修をしたいと手を挙げていただいた方が、今のマッチングの話ですけれども、それが48名でございます。それから、第1期生なんですけれども、ことしの4月に2年間の研修を終えた方々が、県立病院の中では35名いらっしゃいました。そのうち8名の方が岩手医大の方に入ってございます。そういう内容でございます。
〇佐々木博委員 県立病院で受け入れている研修医は、岩手医大だけでなくて、結構ほかにも県内出身の医大を卒業した学生も研修に来ているのではないかと思うんですね。県内出身者も。その方々はどうですか。県内定着率はどの程度ですか。何か統計がもしあるのであれば、ちょっとお示しいただきたい。それで終わります。
〇相馬医師対策監 第1回目の、先ほど申しましたことしの4月に終わった方々のことで申しますと、県立病院で2年間研修された方が35名いらっしゃいました。そのうち22名が県立病院に残ってございます。先に県立病院を申し上げますけれども、その中で、出身が他県という方々が13名ほど、22名中13名が他県の出身の方々でございます。
 失礼いたしました。他大学でございますね。ほかの大学の方で地元の方でございますね。大変失礼しました。4名ほどでいらっしゃいます。あと、そのほかに自治医科大学の方が2人いらっしゃいます。
〇小原宣良委員 花巻厚生、北上病院の統合による新病院の役割についてお伺いいたします。
 11月8日には起工式が予定されているようでありまして、施設整備は順調に進んでいると思います。両病院の統合の根拠の一つに、1診療科に複数医師を配置するという考え方がありました。先ほども質疑がございましたけれども、こういう考え方に基づいて、両病院の統合によって確実に医師の確保を図っていくんだ、こういうことがございました。
 そこで、平成20年の開院を予定しておるわけでありますが、この医師確保の見通しはどうなっているでしょうか。
 また、両病院の統合は、諸経費の節減を図るという観点もございました。そこで、2病院がそれぞれ単独で経営した場合と統合した場合の経費、これはどうなるとお考えでしょうか、まずお伺いいたします。
〇佐藤管理課総括課長 医師確保の見通しでございますけれども、現在、診療科についてきちんと明らかにしておるところでございますが、両病院とも大学の系列等の関係もございまして、まだ明確に何人でいくということは現時点では決まってございません。ただ、可能な限り、1診療科における複数の医師の配置につては進めていきたい、努力してまいりたいと思っております。
 あと、単独でやった場合の費用等につきましては、現時点でまだ算定してはございません。いずれ、統合による効果という部分につきましては、病床が減るというようなこと、あと医師の数につきましては、現在のそれぞれの病院よりも当然ふやすような方向で持っていきたいと考えてございます。あと、それに伴いまして、当然、看護師等の医療スタッフの数についても、これから決まってくると考えてございます。
〇小原宣良委員 そこで、医師確保という点で、これは保健福祉部の審査でもございましたけれども、保健福祉部には、医師確保対策室というものが設置されております。医療局の方では直接、病院長、院長先生を中心として医師確保に奔走する、こういう状況が一方であると思うんですね。そこで、これを一体的な形で医師確保対策を図っていこうというのが、保健福祉部に設置された医師確保対策室なんだろうと思うんです。
 しかし、実際は、それぞれの病院の院長先生が、本当に東奔西走、走り回って医師確保に当たっているというのが現状ではないでしょうか。そういうふうに私には見受けられてならないのですが、この医師確保ということについて、分掌あるいは、だれが具体的に当たっていくのか、それを統括する場所というのはどこなのか、ここのところをしっかりする必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。どういう対応でしょうか。
〇法貴医療局長 今般、9月19日に設置した医師確保対策室というものは、保健福祉部と医療局の共管になっています。それで、今まで確かに委員おっしゃいますように、市町村のお医者さんの確保は保健福祉部だとか、全体の医師確保は保健福祉部、あるいは県立病院だけは私どもと、奨学生制度もばらばらになっていたんですけれども、そういうことで、一本で統括して、片手間じゃなく誘致活動をしっかりしようということで、一つの組織として両部局で共管させていただきました。
 それから、県立病院の医師の確保で、院長先生が非常に御苦労なされて、私どもも、そういうことで院長職として非常に大変だということも各院長さんから言われていまして、そういうことを解消するためにも、どこで何の診療科が足りないかということを院長さんと十分お話しして、こちらで動き回ろうということも考えてつくったところです。
 ただ、どうしてもお医者さん同士の話の方が早いというような感じも出てきていまして、そういうところでは、やはり院長先生、あるいは関連する医局のお医者さんなどのネットワークを通じて確保していった方がやりやすい部分もありますので、我々事務屋だけが動くというよりは、一緒になって動いた方がやりやすいかなと昨今感じているところです。
〇小原宣良委員 病院の院長先生の苦労というのは大変なんですよね。ことしの9月に対策室を設置したということなんですが、これはいかにも遅かったと思うんですね。もっと前から、医師不足、医師確保ということはもうずっと言われてきたことですし、本県の大きな課題。こういう点から言うと、ことしの9月の設置というのはいかにも遅い。
 病院長の先生がそういう役割を果たすというのは、これは一定程度やむを得ないとは思うんですけれども、一方では、その病院の経営全体の全責任を負わせられているわけですね。これはなかなか大変ですよ。私の知っている病院長の先生も、自分は経営学を学んできたのではないんだ、医学を学んできた、こう言っていました。ぜひ、そこのところは、この対策室の中で、あるいはこの対策室、皆さんのところでは、医師の方が対策室に入っても、医師不足のところでこんな話もいかがかとは思いますが、そんな感じでぜひ連携をとって頑張っていただきたい、このように思っております。
 それから、病院と診療所、病診連携でありますが、この新しくできる病院という部分にかかわりまして、北上、花巻、あるいはその周辺を含めた形で病診連携の議論、地元医師会の先生方とも連携しなければなりませんが、どのように行われているのかお伺いします。
〇佐藤管理課総括課長 申しわけございません。先ほどの答弁の中で設計段階というような話をしたわけですが、基本構想の段階というような状況でございます。
 それで、それぞればらばらの病院でやった場合と統合した場合の収支の改善はどの程度図られる見込みかという御質問でございました。大変失礼いたしました。これは、毎年度、当然その病院によって収支が異なってきますけれども、たまたま、これは病床が434床というようなこともございますし、あとは、繰り出し基準のいろいろな変更という影響等もございます。それで、試算した段階では、年間数億円、3億円程度の収益の改善が図られるかと考えてございます。
 それとあと、地区医師会との協議でございますけれども、これは、基本構想の中で地域医療支援機能を有する病院として、圏域内の診療所、病院間での紹介患者の受け入れや逆紹介等、開業医を含みます地域医療機関との機能分担と連携を進めるということとしてございます。
 それで、北上病院におきましては、統合病院における地域医療機関との機能分担と連携を念頭に置きまして、地区医師会の地域連携委員会との協議を行いまして、平成17年12月から、病院内の組織といたしまして地域医療連携室を設けているところでございます。
 それで、具体的な取り組みとしては、まず、ファックスによります紹介患者受付システムをスタートさせております。それで、北上地区の全医療機関に紹介方法の説明と協力要請を行いまして、システムの浸透を図っているところでございます。
 また、花巻厚生病院の方では、組織として地域医療連携室は設置しておりませんけれども、北上病院の取り組みを参考にいたしまして、地区医師会に協力要請を行って、ことしの10月からでございますが、同様にファックスによる紹介患者受付システムをスタートさせたところでございます。
 いずれ、今後におきましても、開業医を含みます地域医療機関との機能分担と連携の促進を図ってまいりたいと考えてございます。
〇小原宣良委員 先ほども議論ありました大迫病院の診療所化についてでありますが、これは大変心痛むものがございますけれども、そこで、先ほども答弁がありましたが、ここは中部医療圏の範囲に入っているわけですね。岩手中部保健医療圏ということになりますが、新しい統合病院を含めて、同じ圏域の中でしっかりとした連携をとっていくというのは、当然のことなんだろうと思っておりました。
 しかし、先ほどの説明ですと、盛岡医療圏とのかかわりが深いということからすればという話もありました。これはどうなんですか、同じ花巻市に存在する地域として、医療圏を分断するということはできないでしょう。しかし、そうすると、機能的に、医療圏の中で中核病院との連携ということは当然求めていかなければならない。しかし、道路事情など、交通事情などから盛岡に出た方が早いといった場合には、これは、医療圏ということでかたく考える必要はなかろうとは思うんですけれども、どうなんですか。医療圏の変更を含んでこれは検討されるということなんでしょうか。
〇法貴医療局長 医療圏の改正そのものは、次期医療計画の中で論議されていくのだと思っていますが、その診療応援をどこからやるかということで、医療圏を変えるということまでは考えておりませんで、今、応援いただいているのが、整形外科とか、循環器とかというところが、潤沢とは言い切れないかもしれませんけれども、中央の方が少し整っているということで、中央から今応援をかけていますが、将来、花北統合病院が構想どおりきちんとお医者さんを確保し、円滑な運営ができる土壌が備わってきているとすれば、花北の方から十分な応援をかけていくと考えています。
〇小原宣良委員 こういう地域的な事情、あるいは生活圏域的な事情の中に大迫は存在している。そして、医療の状況、環境についても、そういう状況にあるんだということを一つ押さえて、これは十分皆さん方が承知の上で進めておられるんだとは思うんですけれども、やはり慎重な形でこれに対応する必要があると思いますよ。
 大迫からおいでになった陳情の皆さん方の顔を見ておりますと、これは何とかしてやりたい、できないものかという思いに本当になります。皆さんも同様だと思うんですね。ぜひ、ここのところは、平成20年の花北の統合病院も見据えながら、応援、支援という部分もあるようですから、それらを含めてしっかりと対応していただきたいということを申し上げたいと思います。
 それから、最後ですが、花巻厚生、それと北上両病院の跡地、これをかなり私どもも聞かれることがあります。どうなるんだろうかということなんですが、これは、現時点でどうなんでしょうか。基本的な考えがおありであれば、お伺いしておきたいと思います。
〇佐藤管理課総括課長 跡地の利用でございますけれども、これまでも申し上げておりますが、まず最初に、県有地の処分に当たりましては、県の他部局での活用、あと2番目に地元市町村での活用、3番目が民間企業等への売却という順に検討しております。
 それで、両病院の跡地利用につきましても同様の手順でございますが、現時点で県の他部局での活用の予定がないということで、地元市に対しまして、まちづくりという観点から、住民の要望も踏まえた活用策の検討をお願いしているところでございます。
 両市とは順次協議してきているところでございますが、花巻市からは、地元中心に活用策を検討し有効な活用策があれば情報提供したいというようなお話でございますし、あと、北上市の方では、庁内外の関係者による検討委員会で検討していきたいという回答をいただいておりますので、今後とも、両市と十分に協議を進めてまいりたいと考えてございます。
〇野田武則委員 まず、医療局におきましては、平成13年度以来、4年ぶりとなる単年度黒字ということで、経営改善に努めてこられたと思います。その要因となりますのが、クリニカルパスの推進、あるいは、場合によっては地域連携パス、あるいは病院機能評価受審、こういったものがあるというお話をお聞きしておりますけれども、まずもって、こうしたものが果たして経営改善に本当に成果が上げられているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
 やっぱり病院というのは、何といっても地域住民のサービスが最終的に目標になるのではないかと思うわけですが、こうした経営改善に伴って、利用者サービス、この点がどのように反映されているのかということをお聞きしたいと思います。
 県立病院の患者満足度調査によりますと、かなり改善されている様子はうかがえますが、特に、外来の待ち時間、これは再三にわたって各委員の皆さんからも質問されているところでございます。外来の待ち時間は、いまだに3時間以上が4.4%もあるということでございますので、これは、やっぱり大きな問題ではないかと思います。
 そこで、こうした経営改善の利用者サービスへの医療局の今後の取り組みといいますか、位置づけといいますか、どのようにお考えになっておられるのかお伺いしたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 県立病院のクリニカルパスの推進ということでございますが、患者さんの標準診療計画を示すクリニカルパスの適用率は、平成17年度末において38.5%になってございます。それで、このパスの推進に当たりましては、新入院患者の適用率を今年度までに40%に引き上げることを目標に、既存のパスの検討やら、その改善を重ねながら、精度を高めるための研修会等も実施しておるところでございます。
 また、各病院においては、クリニカルパス委員会等を設置しまして、適用率の高いパスの作成を推進するように努めておるところでございます。
 それから、地域連携パスというものもございますけれども、患者さんの転院、または転院後の治療を総合的に管理するために、医療機関相互の連携パスを活用して診療情報を共有するものでございますが、現在は中央病院で、今回、4月の診療報酬改定に伴って点数化されてございますけれども、大腿骨頸部骨折に限って地域連携パスを活用しておるところでございます。
 それから、今後においては、医療機関のネットワークを進める中で非常に有効な手段と考えておりますので、今後とも、地域連携パスへの取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
 それから、待ち時間の問題でございますが、県立病院全体として、昨年度の満足度調査の結果においては、3時間以上の待ち時間は、全体としては1.5ポイント改善しておるものでございますけれども、この待ち時間については、救急患者の対応など、それから日々の診療の状況が変化するものでございまして、医師を含め改善に向けて努力しておりますが、なかなか改善が図られない状況のため、今後とも、さまざまな工夫をしながら待ち時間の改善に努めてまいりたいと考えてございます。
〇佐藤管理課総括課長 待ち時間の関係で、私の方から、ハードの部分についてちょっと申し上げたいと思いますけれども、平成17年度から増築工事を行いまして、外来の診察6ブース及び処置室1ブースを増築しました。そして、あと、従来からの外来診療の予約制の実施、あるいはカルテ・診察券の自動作成システム、あるいは自動入金機の導入によりまして待ち時間の短縮を図るというようなこと、あと診察及び投薬の順番表示の導入、あるいは診療時間帯を拡大するというような形で改善を図っているところでございます。
〇根子経営改革監 病院機能評価でございますけれども、これは、患者サービスの向上だとか、あるいは医療への信頼を高めるということであるとともに、職員の意識改革にも役立つということで、今般の病院改革プランにおいても、平成20年度までに15病院の受審を推進するということにしております。
 全体の受審率ですけれども、平成18年度4月末で、県立病院では25病院中11病院、受審率44%でございます。全国的には26.3%という状況になっておりまして、今年度は、新たに3病院実施するという予定にしております。
 それで、その効果についてのお話でございましたけれども、全体としては、改善目標が具体的に明確になるとか、あるいは評価委員からの豊富な情報に基づく改善案提案を受けることができるとか、あるいは職員の改善意欲の向上、それから評価を受けたことを内外にお示しすることによって信頼感が得られるといったようなことでございまして、経営改善という視点からは、評価項目の中にその病院の基本方針だとか、あるいは中長期計画といったものがきちんとつくられていますか、あるいは、それを職員にきちんと明示していますかとか、経営管理の面で病院の分析を行いながら、そういった形で経営状態を把握していますかといったような項目がございますので、そういったことの具体的な仕組みをつくっていく、そして、それを職員に浸透させるということから、経営改善に資するものと思っております。
 それから、もう一つ、患者サービスという評価の項目もございます。中には、来院者への接遇だとか案内、それから、患者や家族への医療相談の体制だとか、プライバシーを保護するためにどういった配慮をしていますか、こういったようなことを、具体的にどういう仕組みがあるかという評価を受けますので、こういうものを職員に徹底することによって、患者サービスに寄与していると考えています。
〇野田武則委員 本当は、利用者サービスの医療局の位置づけといいますか、先ほど医師確保とか、医師の勤務実態等の過酷さということが再三質問されておりましたので、私は、この利用者サービスと、それから医師あるいは看護師の勤務の改善というものが相反するものなのかどうか、そういった点をちょっとお伺いしたかったのが本来の趣旨だったのでございます。これは、また後でやらせていただきます。
 では、とりあえず、県立釜石病院と釜石市民病院の統合に関しましてちょっと質問したいと思いますが、来年の4月に統合ということで、あと半年を切ってしまいました。そこで、いろいろとお伺いしなければならないことがたくさんあるんですが、時間の関係もありますので簡潔に質問したいと思いますが、まず、統合が決定した時点で、釜石市民病院で勤務しておりました医師、看護師、あるいは医療技術員は、一定の条件で医療局が採用するということになっておりましたけれども、これは、多分平成17年度からだと思いますが、この条件について若干説明していただきたいと思いますし、また、駐車場とか、病院の増改築の工事が進められておりますが、それは予定どおり完成するのか、変更があるのかどうか、その辺もお伺いしたいと思います。
 それから、これは統合後の新しい県立病院のイメージというものが、市の当局の方から市民に示されておりまして、それによりますと、平成19年4月には病床数が272の県立病院になると。設置が望まれる診療科としまして、消化器科、循環器科、小児科、外科とあるわけですが、大体これが18科あったわけでございます。今、私の認識では、多分、在宅療養科は設置されているかと思いますが、皮膚科の方がまだ設置されていないと思っております。その辺の診療科の設置状況についてお伺いしたいと思います。
 それにあわせて、医師数が35名になる。これは、市民病院も合わせてということだったと思いますが、現状はどうなっておられるのでしょうか。この見通しについてもお伺いしたいと思います。
 それから、医療機能の充実ということで、例えば、診療体制の充実とか、救急医療体制の充実とか、8項目並んでおりまして、本当にこれが充実されますと大変立派な病院になるんだなという理解のもとで、大方の市民も理解しているのではないかと思っております。こういう状況の中で、こうした医療機能の充実にどのように取り組まれておられるのか、もし具体的にそれが図られているものがあるのであれば、それをお知らせしていただければありがたいと思います。
 最後になりますが、本当に今、この移行期間ということで、入院患者も、外来も、救急車も大変混雑している状況になってございます。そういう中にあって、医師、それから看護師、本当に過酷な勤務の中で一生懸命取り組まれております。そのことに対して、本当に敬意を表したいと思います。
 そこで、医療局長にお伺いしたいんですが、そもそもこういう事態になるということは当初から予想されていたと思いますが、本来、外来の待ち時間も含めてですが、もう少しこうした体制づくりをして、それから統合に向けてもよかったかという感じがしておりますが、その辺の所感についてちょっとお伺いしたいと思います。
 それと、この統合は、イメージと先ほど私申し上げましたが、一つの努力目標と理解していいのか、それとも知事と釜石市の約束ということで重みのある、実現性のある目標として理解していいのか、その辺の医療局長の御認識についてお伺いして、終わりたいと思います。
〇佐藤管理課総括課長 平成19年4月からの県立釜石病院と釜石市民病院の統合に向けまして、職員を平成17年度から19年度までの3年間で受け入れるということでございます。本年度までに医師4名、看護師37名、医療技術員6名を受け入れたところでございます。そして、来年4月には、看護師10名、医療技術員4名の採用を予定しているところでございます。
 あと、ハードの部分につきましては、釜石市民病院の段階的な縮小に伴いまして、県立釜石病院の入院患者数及び救急患者数の増加に対応するために、昨年秋から駐車場拡張工事、これは約80台分でございますがスペースをふやしてございます。あと外来診察、これは先ほど申し上げたのでございますが、それの増設、あとは救急処置部門の拡張ということで、これは100平米ほど新たに拡張してございます。そして、2階の部分には手術室を1室増設するなどしてございます。ということで、これは本年8月に完成しているところでございます。
 また、診療科の体制につきましては、現在、県立釜石病院では、内科を初めとしまして15診療科の開設を標榜しておりますが、統合に向けまして、釜石市民病院から外科2名、脳神経外科1名、血液内科1名の医師を受け入れまして、医療の充実に努めております。いずれ、今後とも医師の確保を図りながら、来年4月に開設が予定されております釜石のぞみ病院や民間診療所を初めとしまして、地域内の既存病院との機能分担を図りながら、医療機能の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
 あと、診療体制の関係につきましては、これは、いずれ引き続き大学の方に医師派遣要請に努めていく必要がございますし、あと、救急医療体制の充実につきましては、救急処置部門の拡張工事を実施しておりますし、高度特殊医療の充実につきましては、広域基幹病院としての高度医療器械を重点配置するということで、機能強化を図っているところでございます。
 また、地域医療支援機能の充実、あるいは在宅診療機能の確保につきましては、地域の開業医、病院医師会との連携を強化しまして、支援体制の充実を図っていくことが必要でございます。それで、地元におきまして釜石地域医療サービス調整会議というものが開かれております。その中で調整が図られているところでございますし、また、保健予防活動の充実につきましては、これは、釜石の保健センターが新設されるということで、その機能が担われていくと考えてございます。
 また、臨床研修病院としての機能の充実ということで、これは、本年度から臨床研修医2名を受け入れているところでございますし、あと、災害拠点病院の充実につきましては、地域災害拠点病院としての受け入れ体制の整備、あるいは災害に対応した医薬品とか、看護関連資材等の充実を図っているところでございます。
〇佐々木参事兼職員課総括課長 統合の移管期間中におけます医師、看護師の勤務実態でございますけれども、このたびの釜石市民病院との統合に伴いまして、医師につきましては4人、看護職員につきましては16人の増員を図ったところでございます。
 職員の勤務の実態につきましては、急激な統合に伴います患者数の増加などによりまして、現場に一時的な混乱や戸惑いがあったために、待ち時間が長くなってしまったというようなところもございますけれども、これらを解消するために、診療予約制を拡大するなど、外来患者数の平準化を図るとともに、地域の医療体制の動向等を見きわめながら、その改善を図ってまいりたいと考えてございます。
〇法貴医療局長 釜石病院と釜石市民病院の統合という話で、どういう病院を目指すのかということでございますけれども、この統合は、開設者が異なる、あるいはお医者さんたちが東北大学、あるいは岩手医科大学、全く別々の病院二つをくっつけるわけですので、かなり統合としては、私たち過去に経験したことのない難しさということが、医者の関係であります。
 そういうことも一つとして、それから、まさしく委員御指摘のとおり、患者数が急激に増加して、現場で少しの混乱、あるいは戸惑いみたいなものがありまして、それに対応するために、かなりさまざまな工夫は重ねていますけれども、なかなかその解消につながっていないということがあります。
 しかしながら、そういうことでもありますけれども、職員が一丸となっていろいろなことをさまざま工夫を重ねて、それを克服しつつありますので、ぜひ、そういうところを克服しつつ、急性期型の病院として機能を維持できればいいと考えています。
 あとは、統合時期に皆目指したものが、約束か、それとも目標かということでございますが、私どもは、それに向かって進めようということで一致団結してやっているわけですけれども、その後に、釜石市民病院の建物を使って新たにのぞみ病院という新しいものができてきた。それから、そこの中にモールみたいに個人開業の診療所の医師も入り、三つの医療機関が重なってくるという新たな動きが出てきていまして、恐らく、そういうことだとすれば、うちの病院を急性期型にいろいろと機能を分化してきて、のぞみ病院の療養型というものを後方病院に見ながら、あるいは在宅診療科を開設する方たちとも十分連携して、患者を平準化して、今よりは目指す姿を少し変えて、連携プレーで動いていった方がいいかという気持ちもあります。
 いずれにしても、釜石病院の機能の強化ということについては、今後もさらに努力を続けていきたいと思っています。
〇野田武則委員 御答弁大変ありがとうございます。そういうわけで、今、大変混雑をしていると不安があるわけでございますが、多分このピークが過ぎれば、恐らく、今、局長がおっしゃったとおりの状況になるだろうと思います。いずれ4月から県立釜石病院ということで、医療局の責任ということになるわけですから、市民の多くの期待に添えるように、今後ともぜひ御助力お願いしたいと思います。
〇中平均委員 時間も時間ですので、私、1点だけ、委員長に協力させていただいて、1点質問させていただきたいと思います。
 個人未収金についてお伺いします。
 監査委員の方からも、年々増加している個人未収金の解消に取り組むなどという文言もございますし、先ほど局長の方からも、回収専門員の配置を行う、またクレジットカードでの支払いも今年度から行っているとお聞きしました。
 平成17年、個人未収金が4億5、000万円余で16年が4億1、500万円余かと思うんですが、この個人未収金が年々増加してきている背景といいますか、この原因というものをどうとらえておりますでしょうか。まず、そこをお知らせ願います。
〇吉田業務課総括課長 個人未収金の件でございますが、平成17年度末の残高が4億5、000万円余になってございます。その原因は、患者さんが死亡したもの、あるいは支払い拒否、それから自己破産など、さまざまな理由で未収金になっているものでございますが、健康保険法の改正とか医療の高度化に伴って、患者負担額も高額になってきているということも一つの原因ではないかと考えてございます。
〇中平均委員 今年度からこの専門員が配置されているということで、久慈の県立病院の運営協議会に出た際にもその話がございましたけれども、これは実際、例えば平成17年度の4億5、000万円余という未収金の中で、今あった理由、例えば支払い拒否とか、自己破産などの経済的なものとかさまざまあると思うんですが、これの割合というのはわかるものなんでしょうか。その辺をちょっとお聞きします。
〇吉田業務課総括課長 経済的事情などによって分割払いとか、それから、分割払いを約束しておったにもかかわらず、今支払いが停滞しているというようなものが合わせて全体の未収金の91.4%でございます。それで、支払いについて、自己破産とか、支払い拒否のような事例は全体の7.5%でございます。額にして3、400万円ほどでございます。
〇中平均委員 これで、例えば、回収専門員も配置されていると思うんですが、この専門員を配置したことにより、回収率といいますか、どのように上がってきているのかという点をお願いします。
〇吉田業務課総括課長 回収員の配置は、平成17年度については11月から3病院に配置したところでございます。ですので、まだそれほど実績は上がってはございませんけれども、11月から3月までの実績でございますと、3病院で、1病院平均で55万6、000円ほどの回収をしてございます。
〇中平均委員 未収金となる原因というのは、今、最初にお聞きしましたし、この回収率というものも聞いて、思ったよりあれなんだと思っていますけれども、その中で、例えばこの回収していくという中で、どうしても、自己破産でありますとか、その経済的な理由といっても、分割でも払える人ではなくて、どうしても払えない人とかも出てくるのではないかと。実際の問題としてですね。そういった点について、回収の仕方というのをどうしていくのか。
 この間、久慈の方の協議会で聞いたときには、もう診療の段階で、幾らかかって、こういうクレジットの払い方もありますよ、分割でも大丈夫ですという話をされているという形で回収に努めると聞いておりましたし、その中で、例えば緊急とかで来て、そのときは、緊急で来ますからわからないわけですね。例えばそうなったときとか、払いたくても本当に払えない。ただ、回収をきつくすることによって、今度は、病院に行きたくても行けなくなる人たちも出るのではないかとちょっと危惧している面もあるんですけれども、そこら辺の、回収できる人からはもらう、でも、どうしてもできない人たちのところをどう、ぎりぎりと回収していくつもりなのか、そこら辺をお聞きしたい。
〇吉田業務課総括課長 支払いの困難な方々に対してでございますけれども、基本的には、生活保護の医療費扶助の適用ができないものかどうかとか、それから、医療社会事業士とか医事課の職員によって、早期にそういう支払いができるような相談を常に実施してございます。
 それから、あと、各種の医療費の助成制度がございますので、それらの紹介、あるいは利用の仕方の説明とか、あと、経済的な事情によって、やはり分割払いの人、1回には支払いできないという方々については、分割払いでも結構ですというような格好で、そういう助言をさせていただいております。
 それから、あと、高額療養費貸付金等の制度の利用とか、さまざまそういう制度の利用を患者さんの方に紹介して、それらを活用していただくというふうにしておるところでございます。
〇中平均委員 わかりました。赤字だ、これを経営改善していかなければならないということで、回収も当然きちんとやっていくということであると思うんですけれども、そこの今言ったフォローアップといいますか、生活保護の申請をやってあげるとか、そういうところもきちんとしていってもらいたいと思いますし、例えば、この回収作業は平成17年11月から専門員を置いてやっているということでございますが、これが、ことしの11月でちょうど1年ですか、だんだんにどういう傾向があるかとか、その辺が見えてくると思うんですね。
 そういった中で、これは医療局だけの話ではないと思うんですけれども、この未回収の原因というものがどういうところに大きく根差しているかというのがよりはっきりしてきた中で、これが本当に国の制度といいますか、負担が高くなったのが原因で未収金がふえているのか、それとも経済的に落ち込んでいる中で払えなくてふえているのかといった面を含めながら、医療局で多分データ的にも出てくると思います。そういったものもまた、ほかの部局とも情報共有することによって病院も改革が成っていくと思いますし、岩手県全体の発展にもつながっていくと思うんです。そういった面をこれからも、回収という面だけではなく、全体として見ていくべきではないかと思うんですけれども、その点、ちょっと局長にお伺いして、これで終わりにします。
〇法貴医療局長 料金の徴収という負担の公平性から、やはり、できる限り回収に努めていきたいというのが一つの目標ですけれども、それから、最近取り組みを強化してきたために内容がだんだんにわかってきたということもありますので、そういうものを分析しながら、あと、税務部局などの取り組みなども参考にしながら、さまざま部局連携などにも努めて、経済事情、あるいはそういうものに対してどう取り組んでいけばいいかというものを、これから検討してまいりたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩といたします。
   午前11時58分 休 憩
午後1時3分再開
〇小野寺研一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇三浦陽子委員 私の方から3点ほど質問させていただきます。
 今の県立病院におきましての医療器械の導入につきまして、その設置基準といいますか、設置条件はどうなっているのか。それから、それが患者さんのニーズに十分こたえているものになっているのか。また、さらには、病院側の要望といいますか、それがどのぐらい反映されるものかお聞きしたいと思います。
 2点目には、県立磐井病院の緩和ケア病棟のことにつきましては、さきの一般質問の折にもお答えいただきまして、充足率が41.9%ということですけれども、それをどのようにとらえていらっしゃるか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
 それから、県立病院の職員の休職者の状況につきまして、医師不足は先ほど来からも出ておりましたけれども、いわゆる医療スタッフ、特にも看護師さんたちの休職者が多いように思うんですけれども、その辺の理由と、それから、それに対する補充対策などはどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 医療器械の整備条件ということでございますが、医療器械にはさまざまございますが、そのうち、高度な医療を提供するための医療器械の整備に当たっては、県立病院間の機能分担と連携を基本に、それぞれの診療機能を踏まえた計画的な整備を行っているところでございます。
 例えば、二次保健医療圏を単位として、効率的な医療提供体制を確立するために、平成17年度からは核となる広域基幹病院等へ全身用のCT装置とか、それからMRI装置などの高度、高額な医療器械を重点的に整備し、診療機能の充実を図ってきたところでございます。
 それから、患者さんのニーズに的確に反映されているかということなんでございますが、病院ごとの必要な医療器械については、患者さんの動向、あるいは診療現場の診療科の整備要望、それらを考慮した上で、整備計画をもとに、病院それから医療圏単位で医療器械の整備委員会を開催して、そこで整備の必要性とかあるいは経済性などを総合的に協議して、そこで品目を決定していくというような状況でございます。
〇佐藤管理課総括課長 磐井病院の緩和ケア病棟の病床利用率41.9%についてでございますが、病床利用率、これは単月で見ますと、4月が13.1%、5月が33.7%、6月が49.9%、7月が52.8%、8月が59.4%ということで、その累計が41.9%でございますが、9月におきましては、単月では60.6%ということでございます。順調に利用率が増加しているところでございます。
 磐井病院は開業後間もないこともございますので、緩和ケア病棟の運営についても、その推移を見きわめる必要がございますけれども、今後、緩和ケア医療について県民に対してわかりやすく説明を尽くして、十分な理解を得ることに努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木参事兼職員課総括課長 看護師、准看護師に休職者が多いのはなぜかというお尋ねでございますけれども、平成18年3月31日現在におけます看護部門職員の休職者数は167名となっておりますけれども、その事由の主なものは、育児のための育児休業取得者、これが158名でございます。それ以外に心身の故障による病気の休職者が6名ということで、休職者のうち、お産に伴う育児休業取得者が多いということによるものでございます。
 その補充対策でございますけれども、育児休業等に伴う休職者の補充対策につきましては、原則としては臨時職員を確保するということで対応することにしておりますけれども、地域の事情等、それから職種の問題等から、臨時職員の確保が困難な看護部門の職員につきましては、病院ごとの発生状況等を勘案しながら、正規職員を措置しているところでございます。
 なお、この措置数につきましては、平成18年4月1日現在で、前年度よりも11人多く配置しまして、累計で94名を配置した措置となってございます。
〇三浦陽子委員 まず1点目にお尋ねしました、主には金額の高い高度医療設備のことなんですけれども、県内各地にそれぞれ機能を持った病院があると思いますけれども、特にも県立中央病院、そこの患者さんにとってがん治療に必要なリニアックという器械があるそうですが、それにつきまして利用率が大変高いようです。それで、ほかにもリニアックが必要な病院ももちろん地域としてあると思いますけれども、1日たしか60人ほどの利用があるとお聞きしておりますけれども、大変込んでいるということもありますし、万が一にも何か故障したときに、ストップをしてしまうんじゃないかと、そういう懸念もありますので、その利用率の高いところに関しての──これは高額なものだと思います、どのくらいの金額か、もしおわかりになれば教えていただきたいんですけれども、そういうのが整備委員会というもので要望が出されているものなのか、そして、もしそうであるとすれば、何らかの設置を考えていらっしゃるのか、そのあたりをちょっとお伺いしたいと思います。
〇吉田業務課総括課長 中央病院のリニアックの件についてでございますけれども、中央病院のリニアックは平成8年度に整備したものでございまして、今度、来年度から中央病院、移転新築後20年目の医療器械等の整備の更新の時期になってございます。それで、来年度から3年間をかけまして、計画的に高額な医療器械の更新を考えているところでございます。(三浦陽子委員「金額、わかりますか」と呼ぶ)
 リニアックの金額ということでございますが、昨年度磐井病院に整備した、これは去年できた最新の医療器械でございますけれども、3億4、000万円でございます。
〇三浦陽子委員 高度医療設備が、含めてですけれども、やはり前年比よりも13億7、000万円ほど、17年度の予算というか実績が多くなっているということですけれども、やはり今後かなり医療が高度化されると、またさらにこういう高度医療設備というものが必要になってくるのだと思います。ソフトの面はもちろん充実しなければならないし、こういうハードの部分も整備しなければならないということで、本当に医療界は大変だと思いますけれども、しっかりとした配備ができるようにお願いしたいと思います。
 それから、県立磐井病院の緩和ケア病棟の充足率が月々上がってきているということで、随分浸透はしてきていると思いますけれども、先ほどの御答弁の中で、もっと県民の皆さんにわかるようにするという御答弁をいただきましたが、なかなかここの病院だけでは緩和ケアはできないと思いますし、県内に、病棟がなくとも治療のために外来とか、それからあとは在宅の方でやるとかということで、先生方も一生懸命頑張っていらっしゃるようなことをお伺いしております。県北でも結構そういう緩和医療に一生懸命の先生方もいらっしゃるようなんですが、実はきのうもモルヒネについてちょっとお伺いしたんですが、最近はモルヒネよりも、別な錠剤とかそういうのも使ったりするということですが、県内にうまくそういう薬品が配備されているのか、その辺おわかりになりましたらお願いいたします。
〇吉田業務課総括課長 そういう麻薬類、それから緩和医療に使用される医薬品というのは、医薬品についてはどちらの病院でも必ず準備しているものでございます。
〇三浦陽子委員 そうだとは思っておりますが、全県的にこの緩和ケアにつきましての研修とか、そういうものが非常に重要だと思いますし、実際磐井病院の担当の先生も、本当にスタッフが足りない、研修をいっぱいしてもらわなければ、皆さんのニーズにこたえられないというようなお話もあると聞いておりますので、ぜひ、その辺にも力を入れていただきたいと思います。
 それから、職員、看護師さんを含めて、女性が働きやすい環境をつくるということが急務だと思います。看護師さんもそうですし女性医師もそうなんですけれども、私も実際自分でも経験しておりますが、本当に育児休業をとっている方たちも、患者さんのことを思いながら育児に励んでいらっしゃると思いますので、ぜひその辺のケアをよろしくお願いしたいし、そして、病気でお休みになっている方もいらっしゃるようですけれども、体のこともそうですけれども、やはり精神面のフォローをしっかりとやっていただきたいと思います。質問を終わります。
〇斉藤信委員 最初に、医師不足解消の見通しについてお聞きをします。
 久慈病院、大船渡病院は3次救急、いわば救命救急センターが整備されているところですが、久慈病院の麻酔科、大船渡病院の呼吸器科、神経内科、この見通しは私は最優先の課題だと思うけれども、いかがでしょうか。
 大東病院の内科、整形外科の医師の配置、これについてもお聞きをしますが、実はここは回復リハを実施していましたけれども、医師不足で回復リハを申請できないと。実質は回復リハをやっていると、院長先生を先頭に。だから、本当に必要な医師が配置されれば、それなりの診療報酬の見通しが出てくるのにという、大変私、切実な話を聞いてきたのですけれども、この点での医師確保の努力と見通しについてお聞きしたい。
〇相馬医師対策監 まず、久慈病院の麻酔科の件でございますけれども、18年3月に、常勤1名の医者がおりましたが、引き揚げられまして、4月からは週3回、岩手医大、そのほかのところからの応援を受けて運営している状況でございます。
 それから大船渡病院の呼吸器科、こちらの方は18年3月に常勤医師2人が引き揚げられまして、4月から岩手医大から、週3回の応援を受けてございます。それから神経内科につきましては、今年7月でございますけれども、常勤医師2人が引き揚げられまして、今、週1回、岩手医大の方から応援をいただいてございます。
 それから、大東病院でございますけれども、内科医につきましては、中央病院の方から1カ月交代で常勤の医師を派遣しておりますし、それから磐井病院、岩手医大の方からも応援をいただいている状況でございます。それから整形外科につきましては、中央病院から月2回になりましたけれども、応援をいただいて運営してございます。
 いずれも、再三、関係大学とかそういうところに派遣を要請しておりますし、また、いろんなルートを通じて医師確保をやってございますけれども、なかなか大学でも医師が不足しているところでございまして、非常に厳しい状況が続いてございます。いずれ、引き続きまして粘り強く医師確保の努力をしていくことにしてございますので、よろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 ぜひ頑張っていただきたい。
 次に、中央病院の問題について。
 一つは救急患者、入院患者の入退院、病床利用率、入院在院日数はどうなっているか。
 医師、看護師の超過勤務と年次休暇の取得状況はどうなっているか。
 三つ目に、急性期病院にふさわしく、看護師配置基準、新しく7対1というのが出されました。私は、中央病院にこそ、この7対1を導入すべきでないか。先日、新院長にも会ってきましたけれども、ぜひこの7対1を計画的に整備をしたいのだと、そういう話も、私聞いてまいりました。
 あわせて、いまだに2人夜勤の2病棟が残されていますが、これは直ちに解決すべきではないか。
 4番目は、臨床研修医制度の効果と地域医療支援、この実績、どうなっているでしょうか。
〇吉田業務課総括課長 中央病院の救急患者それから入院患者の入退院、病床利用率、それから在院日数はどうなっているかということでございますが、平成17年度の救急患者数は延べで2万433人、1日平均56人でございます。それから入退院患者数は、入院が延べで1万5、185人、それから退院が1万5、191人でございます。それから病床利用率は88.5%、在院日数は14.6日の状況となっているところでございます。
 それから次に、急性期病院にふさわしい看護師配置基準の7対1を計画的にということでございますが、看護師配置基準7対1については、今回の診療報酬改定の配置基準は、病院全体で7対1か、あるいは10対1等の基準を選択するものでございます。仮に7対1の基準を届け出したとすれば、現在の人員に104人程度の増員が必要と見込まれてございます。それを正規職員で5割を措置したとしても赤字要素となってしまうことから、現在においては、7対1の届け出は困難であると考えてございます。また、全国的にも看護師の確保に奔走し、取り合いが行われているやに聞いております。当県においても、多くの看護師を確保することについても、困難と考えているところでございます。
〇佐々木参事兼職員課総括課長 中央病院の医師、看護師の超過勤務、年次休暇の取得状況でございますけれども、医師の月平均1人当たりの超過勤務の実績は、平成17年度が28.3時間で、平成16年度の22.5時間に比較しまして、5.8時間の増加となってございます。
 それから次に、看護師の月平均1人当たりの超過勤務の実績でございますが、平成17年度が16.4時間で、平成16年度の14.3時間に比較しまして、2.1時間の増加となっております。
 次に、年次休暇の取得の状況でございますけれども、平成17年1月1日から12月31日までの医師、看護師の年次休暇の取得状況は、医師が1人当たり平均4.6日で、前年の4.8日と比較しまして0.2日減少しております。それから、看護師が1人当たり平均9.1日で、前年の10.5日と比較しまして、1.4日減少してございます。
 次に、2人夜勤は直ちに改善すべきではないかというお尋ねでございますけれども、中央病院の夜勤体制につきましては、患者数の動向や重症度などを勘案しながら適正な配置に努めているところでありまして、現在、2人夜勤体制をとっている病棟につきましては、業務の実態等から見まして、現在の体制が適切であると認識してございます。
 今後とも、業務量の実態あるいは全体の経営状況等にも配慮しながら、業務に見合ったような適正な配置に努めてまいりたいと考えてございます。
〇相馬医師対策監 臨床研修医制度の効果と地域医療支援はどうなっているかということでございますが、まず、臨床研修医制度による効果でございますけれども、中央病院におきましては、臨床研修医の採用、これまで初年度の16年度が19名、17年度が15名、18年度15名と、合計で49名を採用してまいりました。そのうち、第1回目の方々が18年3月に終えまして、19名が臨床研修を終えたわけなんですけれども、このうちの10名、52.6%の方が引き続き中央病院に残りまして、いわゆる後期研修、専門研修を続けてございます。
 それから、地域医療支援についてでございますけれども、この臨床研修医制度を活用いたしまして、研修プログラムの充実を図りまして、このプログラムの中に数カ月間の地域医療研修を組み込んでございます。そういう内容を利用いたしまして、大東病院への1カ月単位の内科の応援、それから葛巻病院、新里診療所、沢内病院、西根病院などへ、回数、病院によって若干の違いはありますけれども、週2回から5回という応援をいたしております。そういうことなどの地域医療支援を行っておりまして、短期的な医師確保や地域医療にとっての相応の効果が出ているものと認識してございます。
〇斉藤信委員 今、本当に深刻な中央病院の状況が述べられたと思います。救急は1日56人ですよ。そして、入退院は1日に換算しますと40数人ですね。入院も40数人。退院も40、これ1日ですよ。救急車で毎日56人来て、かなりの数が入院するんですね。一つの病棟で10人近い入退院を毎日繰り返しているということです。それも重症患者です、中央病院の場合は、急性期で。そういう中で、重症度、必要度を検証しているというけれども、看護師さんは9.1日しか年次休暇とれていないんですよ、20日間以上あるのに。医師の場合もっと深刻ですけれども。私はそういう意味でいくと、本当に今医療の安全性が脅かされているのではないか。大体、20日間の有給休暇をとれるような勤務体制をとらなければだめなんじゃないですか、本来。
 私は、看護師さんとも話をしてきましたけれども、超過勤務が多くて大変だと。日勤でも夜8時なら早い方で、9時、10時は当たり前と、これが実態ですよ。そういう点では、今の具体的な回答にもあったように、だからこそ、新しい院長先生も、看護師さんの増員は必要だと、緊急課題だと、開口一番、このことを言われました。私は本当に、2人夜勤をこの中央病院で残しているなんていうのは、絶対許されない事態だと思いますよ、ほかの病院と違うんですから。これだけ新しい患者が入ってくる、入退院を繰り返す、重症の患者が多いという中で、私はそういう点では年次有給休暇をとれるような勤務体制、そして、そのための中央病院の急性期にふさわしい看護師の増員は必要だと思いますが、いかがですか。
〇佐々木参事兼職員課総括課長 中央病院の看護部門の人員の配置につきましては、各病棟につきましては、看護師が患者にかかわる看護ケアの度合いを示す入院患者1人当たりの看護必要度や、当該病棟の入院する重症患者の割合を示します重症患者率などを勘案しまして、業務量に応じたような人員を配置し、外来につきましては、日常の診療に必要な人員、救急業務に必要な人員をそれぞれ配置しておりまして、それぞれ年度によって業務内容の変動等に伴う業務の濃淡はありますけれども、業務に支障のないような必要十分な人員を配置しているものと考えてございます。
〇斉藤信委員 オウム返しの答弁で残念ですけれども、有給休暇20日をとれるような勤務体制、当たり前じゃないですか、労働基準法から言って。
 それと、こういう急性期で重症患者が多くて入退院が多い、この中央病院で2病棟が2人夜勤だというのは本当に異常な事態ですよ。ほかの病院と比べて、この中央病院の2病棟の実態を示してください。あなた方が2人夜勤でもいいというなら、そこを示してくださいよ。
 あわせてお聞きをします。
 北上・花巻厚生病院の統合について、幾つかの質問もありました。統合病院の建設と準備はどうなっているでしょうか。今の北上・花巻厚生病院になくて、新たに開設される診療科、また、病床数、医師、看護師の配置計画はどうなっているでしょうか。
 緩和ケア病棟が北上・花巻厚生病院の場合には、別棟で整備をされます。これにはどんな工夫が磐井病院と比べてされているのでしょうか。また、利用料金というのはどのように設定されるのでしょうか。
〇佐藤管理課総括課長 北上・花巻厚生病院の統合の関係でございますが、建設工事につきましては、建築工事、電気設備工事、空調設備工事、衛生設備工事、昇降機設備工事と5工事に区分いたしまして発注いたしております。9月から10月にかけて契約済みでありまして、平成20年度中の完成を予定しているところであります。また、新しい診療科につきましては、心療内科、リハビリテーション科、麻酔科、病理科の4診療科の新設を予定してございます。
 あと、医師の配置につきましては、現両病院の医師の配置を基本としながら、新たに設置を予定している診療科に対応した医師の確保に向けて、今調整を進めているところでございます。
 また、看護師等の配置につきましても、医療法なり健康保険法の基準によりますとともに、現病院の患者数の動向なり患者の重症度のほか、病院現場からの意見なども総合的に勘案しながら、業務量に応じて適正な職員配置に努めてまいりたいと思います。
 あと、緩和ケア病棟でございますけれども、これは、本館とは別棟で鉄筋コンクリートづくりの平屋建て、延べ床面積1、535.10平米、24床の計画をしてございます。
 磐井病院との違いと申しますのは、そこら辺の組み込み型ではなくて、別棟というような形で考えているところでございます。
 あと、利用料金につきましても、緩和ケア病棟の入院料3万7、800円。うち3割の場合の本人負担は1万1、340円。これ1日でございます。あと、入院時の食事療養費、1食につき640円。うち本人負担は、1食につき260円ということで、3食分を加えますと、本人負担額は、1日当たり1万2、120円となる予定でございます。
〇佐々木参事兼職員課総括課長 先ほどの中央病院の2人夜勤の2病棟についての状況でございます。
 一つは、5階の西病棟が2人夜勤がまだ残ってございますけれども、これは平成18年の9月末現在で、前年同期と比較しまして、眼科の手術の件数が若干減少しているとか、平均在院日数についても、他の病棟と比較して短い状況にはないと。それと、先ほど申し上げました看護師が患者にかかわる看護ケアの度合いを示します患者1人当たりの看護必要度が、ほかの病棟よりは点数が低くなっている。それから、当該病棟の入院する重症患者の割合を示す重症患者率というものも、院内では最低の率となっておりまして、決して他の病棟に比較して業務量が高いとは申せないという状況から、今の配置にしておるところでございます。
 それから、もう一つの2人夜勤の病棟であります9階の西病棟につきましては、一般病床が12床、結核病床45床の計57床で、主に結核患者が入院している病棟でございます。平成18年の9月末現在の在院患者数が21.6人でございますので、病床利用率が38.0%ということで、決して満床になっている状態でもないので、現在の状況で十分かと思ってございます。
〇斉藤信委員 9階西については言い分があるかもしれないけれども、別の病棟と比べてといって、中央病院は県立病院全体の中で最も重症度、入退院が激しいところですから、そこと比べて比較的いいからというのは、私は全然比較の対象にならないと思いますよ。そこだけ指摘しておきますよ。本当に実態を見て改善してほしい。全体として休みもとれない。さっき有給休暇20日とれる勤務体制については答えられませんでした。やっぱり、そういう勤務体制を本来とるべきですよ。とれないで、そういう超過勤務にあるということを、私は指摘をしておきたいと思います。
 北上・花巻厚生の統合病院、私はこれからが大変だと思うんですね。磐井、南光病院についても大変な苦労を聞いてきましたし、オープンしてからもさまざまな問題がありました。病院に行くまでの標識が見にくいとかも含めて、あと内部のさまざまなことも、実際にオープンしてみると出てくるんですね。
 ですから私が言いたいのは、これから大変複雑な、いろんな準備をしなくちゃならないときに、なぜ大迫病院を花巻厚生病院の附属診療所にしなきゃだめなのか。全然これ緊急性、必要性ないと思いますよ。実際の医師派遣も、中央病院から基本的には派遣されていると。だとするなら、何でこういう統合を前にしているときに、無理してやらなきゃだめなのか。そういう点でいけば、北上・花巻厚生病院の統合整備の状況を見ながら対応するというのが、一番正しいやり方だと私は思いますよ。花泉が混乱した原因は、そこに一つあったんですよ。診療所化を進めるというだけでなく、磐井、南光病院の改築ということとぶつかったために、十分な連携がとれなかったと。これは実態でありますので、ぜひ改めて──私は大迫病院というのは、こういう大変複雑で厳しい状況の中で、花巻厚生の附属病院にする理由というのは全くないんではないか。もう少し地域住民の強い声も、要望もあるんですから、それを踏まえてひとつ対応していただきたい。
 あと、北上・花巻厚生病院の入札状況についてお聞きをしたい。1床当たり、1平米あたりの単価はどうなるか。医療器械の入札状況はどうなっているか。1、000万円以上を見ても、随契が多いというのはなぜでしょうか。
〇佐藤管理課総括課長 落札率でございますけれども、76.2%から90%の範囲内でございました。それで、五つの工事の平均落札率は、83.7%でございます。おおむね1床当たりの単価でございますが2、341万6、000円。あと、1平方メートル当たりの単価は、31万5、000円でございます。
〇吉田業務課総括課長 医療器械の入札状況でございますが、平成17年度の本庁執行69件の落札率は93.88%でございます。執行額は、総額で21億7、000余万円でございまして、また、予定価格の設定に当たっては、県立病院での過去の購入実績及び他県の購入実績も含め、独自に市場価格を詳細に調査し、それに基づいて設定しておりまして、また、入札についても厳正に行っておるところでございます。
 それから、随意契約についてでございますが、平成17年度に実施した一般競争入札を除く1、000万円以上の購入25件のうち、14件を随意契約で行ってございます。医療器械の契約に当たっては、原則として競争によるものと認識してございますが、既存の設備との連結性や互換性が求められるもの、あるいは他社製品がない場合、やむを得ず随意契約としているところであります。
 今後とも、適正な事務処理に努めてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 花巻厚生、今、回答があったように、平米当たり31万5、000円。二戸病院は50万円。磐井、南光病院は40万円でした。今、後ろから発言もあったけれども、やっと国立病院並みになったと。恐らく単価も見直したんでしょう。今までどれだけむだ遣いしてきたかということですよ。これは改善されましたのでそれだけで終わりますが、一般競争入札の医療器械、99%台で落札したのが、何件中何件ありますか。
 それと、随契、今25件中14件が随契だと。私、その一覧表をもらったんだけれども、例えば内視鏡画像ファイリングシステム、手術台、こういうのが随契なんですよ。私、こういうのが随契にしなければならない理由に入らないんじゃないかと思いますけれども、本当に一つ一つ点検をされたのでしょうか。
〇吉田業務課総括課長 一般競争入札の99%以上の数でございますが、5件でございます。
 それから、内視鏡とかの随意契約ということでございますけれども、内視鏡については、既存のあるシステムとつなげて使うという場合が非常に多いものでございまして、ですので機種が限定されてくると、メーカーが限定されてくるというような特殊な事情もございます。
 失礼しました。6件でございます。
〇斉藤信委員 99%台が6件ということで、私は医療器械はまだまだ、本当に普通の入札では考えられないような高率でやられていることに大変危惧を感じますし、今、随契の問題、私は全部は言いませんが、14件もあるので、本当に随契せざるを得なかったかどうかというのは、これは業者に言わせたら、そんなことないというのが少なくありませんよ。関連業者に言わせればね。だから、本当に一つ一つこういうのを吟味して改善をしていただきたい。
 最後です。医療局、医師や看護師等職員などに対する成果主義賃金の導入問題について。
 私は医療現場にはなじまないと思います。大体、有給休暇はとれない、超過勤務だ、また大学から医師が派遣されている中で、成果主義で賃金に差をつけるなんということは、私は全く今の医療現場になじまないと思いますが、検討状況はどうなっているでしょうか。
 医療というのは、医師、看護師あわせて本当にチームワークで行われるべき仕事でありますので、医療に混乱と危険をもたらすものではないかと。福島の総合病院でこれを導入したら、もう患者が激減して、医師も職員もどんどんやめていったという事例も最近ありますよ。私はそういう点で、これについては慎重に対応すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇法貴医療局長 新しい昇給制度については、平成18年3月の給与条例の改正を経て、職員の勤務成績に関して監督する地位にある者の証明を得た上で昇給させる制度だというところでありまして、職員の勤務成績などを把握し、その制度を早期に導入する必要性は出てきております。
 新しい昇給制度の目的は、頑張っている職員や努力している職員を適切に評価し、その結果を、加算昇給などのプラス効果としてのみ反映させるというものでありますけれども、まずもって、委員の御懸念を払拭するためにも、医療現場になじむような制度の設計を構築することが、まず必要ではないかと私は考えております。
 新しい昇給制度に対応するには、まず現場の意見を聞きながら、他県の現に実施している病院の人事考課の状況などを十分にしんしゃくいたしまして、医療現場には種々の職種があり、一本化はなかなかできないんですけれども、医療局にその趣旨に沿った制度が確立できるように、検討を進めていきたいと思っています。
 それから、危険をもたらすのではないかという御質問でしたけれども、人事考課制度について、他県ではもう既に公立病院や民間病院において行われているところもあります。その実施状況について、現地調査をしておりますけれども、この制度の導入により、混乱や危険などが生じているということは余り聞いておりません。
 それから、繰り返しになりますけれども、新しい昇給制度に対応するためには、まず現場が納得できる、現場になじむような制度の設計をすることが必要でありまして、この制度の導入によりまして職員のモチベーションが下がらないよう、検討を十分進めてまいりたいと考えています。
〇斉藤信委員 終わりますけれども、県の教育委員会とはかなり対応は違うなと、こう思っております。ただ、まだ具体的な仕組み、内容は全然示されていないようですから、私はもう今年度実施はもとより、来年度でさえ、これは試行、検証というのは前提になるでしょうから、ぜひ職員団体との協議、合意というのを大前提にして慎重にやっていただきたい、最後の答えを求めます。
〇法貴医療局長 いずれ、さまざまな制度設計に手がけていまして、各職域の団体などにもお示しして、御意見を今いただいているところであります。
〇飯沢匡委員 1点だけお伺いします。
 先ほど来議論がありましたように、勤務医の不足というのは当然今後続くことが予想されまして、今後の県病運営が中核病院、地域病院問わず、極めて困難になることが予想されます。その状況に対応するために、医療局では、県立病院の改革プランを今現在実行に移しておりますが、私の考えとして、今の医療環境の激変、医療局の医師の囲い込みや、また、いみじくも冒頭に医療局長が申し上げましたように、診療報酬の改定により、大変私たちの取り巻く医療環境が激変をしております。
 そこで、医療局の皆さん方には、今の地方公営企業法の中で御努力をなされていることについては、これは文句を言うことではなくて、こういう状況に対応した医療局本体の改革、例えば組織の改編であるとか、また、外部からの専門人員の配置を含めて、こういう改革も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 あわせて、他県の県立病院の運営、方式、形態がどうなっているのかもお知らせ願いたいと思います。
〇法貴医療局長 県立病院の運営は、現在のところ、県立病院のみの県立病院改革ということで進めてまいりますが、次期医療計画の中では、診療科別のネットワークとか、さまざまな面で医療資源のさらなる集約化などが進められていくものだと考えています。
 それで、経営形態そのものについても、行財政構造改革プログラムの中で独立行政法人化とか、さまざまな検討をしろと言われておりますが、そういう意味で、外部委員会に先ほど諮りまして意見を求めたところ、まず、県立病院として今後何をしていくのだというのをまず検討してみたらどうだと。それから、経営形態については、全適と独立行政法人は余り変わらないのではないかとか、あとは、先行してやられている他県の状況の効果等も十分検証すべきではないかという御意見も伺っております。本医療局としては、こうした意見を参考にして、今後の次期医療計画を見据えながら、県全体の医療提供体制の中で、県立病院の機能あるいは役割を明確にすることによって、おのずからそういう組織の形態等が明らかになっていくのではないかと考えております。
 それから、他県の状況でございますけれども、全国214病院のうち、地方公営企業法の全部を適用しているのが137病院と最も多い。そして、財務適用というか一部適用と申しますけれども、地方公営企業法の財務規定のみを適用しているものが68病院、地方独立行政法人は6病院、指定管理者3病院となっています。また、過去5年間で、20都道府県で経営形態の変更を行っておりまして、一部適用から全部適用への変更が65病院、地方独立行政法人への移行が6病院、指定管理者が3病院、民間移譲が5病院、市町村への移譲が2病院となっています。
〇飯沢匡委員 外部の方にいろいろな点で審査を依頼しているということですが、現場といいますか、地域の声の中で、こういう医師不足が病院の経営自体にも大変打撃を与えているというのは皆さんもよくわかっています。ただ、現実的にどのように対応していくのか。
 前、医療局の審査の中でも私提言いたしましたけれども、例えば資産の譲渡であるとか、それは人等も、医師も看護師もみんな含めて新たな切り口で対応していかないと、なかなか今の体制の中では限界があるのではないかという感じがしております。そしてまた、今現在に起こっているのは、先ほど申し上げましたように勤務医の不足、そしてまた、現場の大変医師の医療環境の悪化によって、どんどん医師が開業していくと。そして、何を、それをバックグラウンドにしているかと。県病が、そこに入院施設があるからというような、非常に複雑な環境になってきて、結局そういうようなだめな方のスパイラルにどんどん入っていく。これは医師もそれから住民の方々も、医療局も、みんな何か苦しんでいるような状況です。これを打開するには、やはり新たな考え方、思い切った考え方が必要となるんですが、これは局長に聞いてもなかなかこれは──本当は知事あたりに聞いてその考えをただすのが妥当かと考えますけれども、そのことも含めて、もう一回医療局長、御所見があればお伺いします。
〇法貴医療局長 先ほど申しましたけれども、今の改革は県立病院だけの改革になっています。恐らく、今委員御指摘のとおり、地域の医療をだれがどこで確保していくかという議論をまずやる。そして、例えば政策医療をどのように持っていくかという議論をやはりしていかなければ、まず形態そのものを論議するよりも、機能分担論とか連携論をしっかりとした上で、だれが何の医療を提供するかということを決めていった上で経営形態をやっていくことが、順当ではないかと思っております。
 県が政策医療として今さまざまな政策医療をやっていますけれども、例えば救急、小児救急、不採算地区病院あるいは高度医療とか、それを例えば民間がかわりにやれるような状況があれば、そこにはもうそういうふうなことはということも将来的には出てくるのではないかと考えています。
〇小野寺研一副委員長 ほかに質疑ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野寺研一副委員長 質疑がないようでありますので、医療局関係の質疑をこれで終わります。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇照井教育長 教育委員会関係の平成17年度の決算につきまして御説明申し上げます。
 平成17年度の教育委員会における重点事項は、学校教育の充実と文化・スポーツの振興の二つの項目が主要な柱であり、これらの施策の着実な実施に努めてまいったところです。
 まず、一つ目の大きな柱である学校教育の充実については、少人数指導など教育環境の整備を進めた結果、小・中学校とも学習定着度は向上しておりますが、児童生徒の学力は、学年進行に伴い低下する傾向が続いており、また、不登校児童生徒数は減少してきているものの、依然として小・中学校あわせて1、000人を超えております。そのため、今後も、児童生徒の学力向上対策、不登校などの学校不適応対策をさらに強化していく必要があると考えております。
 二つ目の大きな柱は、文化・スポーツの振興ですが、文化の振興については、特に平泉の文化遺産の世界遺産登録を最重点施策として取り組んできた結果、本年9月に政府として推薦することが決定したところであり、今後は、平成20年7月ごろに開催される世界遺産委員会における世界遺産一覧表への記載の決定に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、スポーツ振興については、特に競技スポーツの強化策として、ジュニア層の強化に重点的に取り組んでまいりましたが、全国レベルの競技大会での成績が伸び悩んでいることから、指導者の養成やスポーツ特別強化指定校などの取り組みを一層重点化していく必要があると考えております。
 以上で、重点事項の状況の説明を終わらせていただきまして、決算額等の説明に入らせていただきます。
 お手元の平成17年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。教育委員会所管に係る一般会計予算現額は、10款教育費のうち、1項教育総務費から7項保健体育費まで1、524億9、576万円余で、これに対する支出済額は1、522億2、835万円余、執行率は99.8%です。支出済額は、前年度に比べますと23億8、483万円余、1.5%の減となっております。
 なお、翌年度への繰越額は、校舎建設事業、柳之御所遺跡土地公有化事業、文化財保護事業費補助の5、917万円余となっております。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は、20.1%となります。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成17年度歳入歳出決算事項別明細書により、その主なものについて御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略いたしますので、御了承願います。
 決算事項別明細書の342ページをお開き願います。10款教育費の1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要した経費、2目事務局費は、教育委員会事務局の管理運営に要した経費のほか、保護者向けの広報紙の発行、日本の次世代リーダー養成塾への高校生の派遣、語学やスポーツの指導支援を行うための外国青年の招致、いわて教育の日の推進事業等に要した経費です。3目教職員人事費は、教職員の人事管理や退職手当等に要した経費です。次に、344ページをお開き願います。4目教育指導費は、児童生徒の学力向上を図るため、学習定着度状況調査や4県共同による統一学力テストの実施、中学校の英語指導のためのすぐれたカリキュラムの作成、教材開発などに要した経費のほか、心の教室相談員やスクールカウンセラーの配置、いわて教育情報ネットワークの運営、特別支援教育の充実、高等学校における進学・就職の支援事業などに要した経費です。次に、346ページをお開き願います。5目教育センター費は、教職員の各種研修等に要した経費、6目幼稚園費は、こまくさ幼稚園の管理運営に要した経費です。次に、348ページをお開き願います。7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等の支給に要した経費です。
 2項小学校費1目教職員費は、小学校の教職員の人件費のほか、小学校入門期におけるきめ細かな指導を行うため、小学校1年、2年生の多人数学級及び複式学級への非常勤講師の配置等に要した経費です。
 3項中学校費1目教職員費は、中学校の教職員の人件費や初任者研修等に要した経費です。
 次に、350ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、県立高校の教職員の人件費や初任者研修、高等学校教育改革推進に要した経費です。2目全日制高等学校管理費と352ページの3目定時制高等学校管理費は、各高校の管理運営や教育設備の整備等に要した経費です。4目教育振興費は、県立高校の産業教育設備、部活動設備、情報処理教育設備及び教育実験実習等に要した経費です。次に、354ページをお開き願います。5目学校建設費は、県立高校の施設整備及び維持補修等に要した経費ですが、校舎建設は、高校再編計画に伴い、一戸高校の改築設計、耐震性の確保、盛岡第二高校、一関第一高校、大船渡高校の建築、産業教育施設建設は、大東高校の産振棟の新築、体育館建設は、遠野高校の改築設計、校地整備は、一関第二高校、紫波総合高校、大規模改造は、盛岡工業高校ほか7校の整備と沼宮内高校ほか4校の体育館の耐震診断に要した経費です。6目通信教育費は、通信教育のための管理運営に要した経費です。
 次に、5項特殊学校費ですが、1目盲聾学校費、356ページをお開きいただきまして、2目養護学校費は、盲学校、聾学校及び養護学校の管理運営及び花巻養護学校の寄宿舎の改築等に要した経費です。
 次に、358ページにかけての6項社会教育費1目社会教育総務費は、多様化・高度化する県民の学習ニーズ等に対応する広域学習サービス体制整備に要した経費、子供の読書活動の充実を図るために要した経費、主体的に生きるたくましい青少年の育成を図るため、訪問地での体験学習を行う青少年銀河鉄道体験交流事業の実施に要した経費のほか、生涯学習推進センター及び青少年の家の管理運営等に要した経費です。2目視聴覚教育費は、視聴覚教育の指導者養成等に要した経費です。3目文化財保護費は、指定文化財の保存・修理などへの補助、柳之御所遺跡の史跡整備のために要した経費、平泉の文化遺産の世界遺産への登録に向けた普及啓発に要した経費のほか、埋蔵文化財センターの管理運営等に要した経費です。次に、360ページをお開き願います。4目芸術文化振興費は、芸術文化の振興を図るため、岩手芸術祭や青少年劇場などの開催、高等学校総合文化祭や国民文化祭への派遣、高校生の文化部活動の育成、中学校総合文化祭の開催補助、県民会館の管理運営等に要した経費です。5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要した経費のほか、新県立図書館への移転経費、図書情報総合システムの整備等に要した経費です。次に、362ページをお開き願います。6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び資料収集等に要した経費のほか、博物館内にある重要文化財の改修に要した経費です。7目美術館費は、県立美術館の管理運営に要した経費です。
 次に、364ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、児童生徒の保健管理に要した経費です。2目体育振興費は、昨年10月に開催された第18回全国スポーツ・レクリエーション祭に要した経費のほか、ジュニア選手強化対策を初め、国体選手強化事業など、競技力向上を図るために実施した事業に要した経費です。次に、366ページをお開き願います。3目体育施設費は、県営運動公園、県営体育館など体育施設の管理運営及び施設改修等に要した経費です。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇小野寺研一副委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。
〇及川幸子委員 ただいま教育長の御説明がありましたが、学習定着度が高まっているけれども、その一方、成績はなかなか上がっていないということですが、私からは、この学習、成績という部分については、大変大事なことですが、その裏の部分の心の教育ということでお聞きしたいと思います。
 子供たちを取り巻く環境が大きく変化している今、人に対する思いやり、動物への優しい思い、花々に対して美しいと思う心、幼児期、そして低学年の教育こそが重要であると考えます。
 そこでお伺いいたしますが、本県においての心をはぐくむ教育の取り組み状況をお聞かせください。そしてまた、幼稚園、保育園、小学校において、動物を飼育している状況はいかがでしょうか。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 心をはぐくむ教育の取り組み状況についてでございますけれども、学校教育におきましては、知育、徳育、体育のバランスのとれた力を育てることが重要であり、とりわけ徳育に関係します心をはぐくむ教育につきましては、調和のとれた人間形成を目指す上で欠くことができないものと考えております。
 各学校におきましては、道徳の時間を初め、特別活動や総合的な学習の時間において、命を尊重する心や他者への思いやりなどを学習するとともに、小学校におきましては、農作物などの栽培活動や福祉施設への訪問活動、郷土芸能の伝承活動、中学校におきましては、職場体験、地域の奉仕活動などの社会貢献活動、社会人を招聘しての講演会などの体験活動を通じまして、豊かな心をはぐくんでいるところでございます。
 子供を取り巻く環境の変化が著しいことから、今後とも、道徳教育を初めとした心の教育の一層の充実を図ってまいりたいと思います。
 次に、保育園、幼稚園、小学校における小動物の飼育状況についてでございますが、平成17年8月に保健福祉部が実施いたしました学校等飼育動物の実態調査によりますと、哺乳類、鳥類や爬虫類などの小動物を飼育している保育園、幼稚園、小学校の数は、保育所が70保育所、保育所全体の18%に当たります、幼稚園が98幼稚園、幼稚園全体の63%、小学校が189小学校、小学校全体の42%となっております。
〇及川幸子委員 低学年の教育こそが大変大事だと思うところから、まず、この保育園の70の施設、そして、これが18%という部分をもっと上げていかなければならないと思います。
 次に、豊かな体験活動推進事業の取り組みとその成果をお伺いいたします。
 これは、どういう体験をさせて心を豊かにさせた活動なのか、お聞かせください。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 豊かな体験活動推進事業についてでございますが、子供たちが、豊かな人間性や社会性などをはぐくむために、学校教育におきまして、さまざまな体験活動に取り組むものでございまして、平成17年度に四つの取り組みが行われております。
 一つは、山田町の小・中・高等学校を対象にした事業で、それぞれの発達段階を踏まえた地域にかかわる体験を通して地域について学んだものでございます。一つは、地域間の交流を行うものでございまして、山間部にある一戸町の小学校が、都市部及び沿岸部の小学校と交流を行っております。一つは、長期宿泊体験を行うものでございまして、洋野町の小学校が、5日間程度の宿泊を通して、多様な体験活動や交流活動を行っております。一つは、命の大切さを学ばせる体験活動にかかわるものでございまして、八幡平市におきまして、小学校、中学校、高等学校が連携しながら、かけがえのない命の大切さを学ぶ学習や体験活動などをまとめたプログラムを作成しようとするものでございます。
 このような豊かな体験活動を推進することによりまして、子供たちが、地域の人たちに支えられながら自然体験や勤労体験に積極的に取り組むことを通しまして、自然や人、地域や文化とのかかわりを大切にするようになったと考えております。また、高齢者との触れ合いや異なる地域の人々との交流活動を通しまして、思いやりの心やかかわり合いの大切さなど、豊かな人間性と社会性が養われたものと考えております。
〇及川幸子委員 さまざまな取り組みの中でそれが実践されていくということは、大変すばらしい子供たちの人間形成がされていくのだと安心しますが、しかしながら、その形というのは余りつくられることのないように、むしろ、私たちの周りにある田んぼ、畑で、真っ黒になって田んぼで子供たちが遊ぶさま、そして、田んぼに流れている堰でドジョウとりをしてみる子供たちとか、そういう子供たちの様子が今全然見えないんですが、学校において、田んぼを所有しながら米づくりを体験させている学校というのは、県内どの程度なのでしょうか。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 田んぼの所有についてはデータがございませんけれども、米づくりや野菜づくりをまとめまして、農作物の栽培活動を行っている小学校につきましては、全体の約94%に当たります416校で実施されているところでございます。
〇及川幸子委員 そうしますと、この416校というのは、前年度、前々年度、かなり伸びているという数字でしょうか。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 かなり伸びているというよりは、横ばい状態で、小学校においては栽培活動がよく行われているものと考えております。
〇及川幸子委員 家庭で田畑を持っている子供たちにとっては、そういう栽培の状況は見られると思うんですが、そういう経験がない子供は、どうやってサツマイモがなるのか、どうやって米がとれるのか、そういう過程もなかなかわからないのではないかと思います。幼稚園においても、自分たちでつくったサツマイモを掘り、とても関心を持って家庭に持ち帰ることが多々あります。そういう中で、やっぱり子供たちに、食育の面でも、少しでもそういう栽培のすばらしさ、物を育てるすばらしさを教えることが必要かと思うのですが、横ばいではなく、今後もう少し前向きな考えをちょっとお聞かせいただきたいのですが。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 委員御指摘のとおり、このような活動というのは大変大切な活動だと考えておりますので、できるだけ全小学校で実施されるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 次に移ります。
 ことしの小学校入学式に参列した折のことですが、校長先生が式辞の中で新入生に対して幾つかの約束事を話してくださいました。その中で大変強く印象に残った言葉があります。「早寝早起き朝ごはん」、この言葉は、ことし文部科学省の方でも大変推奨して勧めているという言葉なそうですが、生徒がしっかり朝御飯を食べて、早寝早起きをすることによって学習定着度が高まると考えておりますことから、県内において、朝御飯をしっかり食べている状況というのをどのように把握されているのでしょうか、お聞かせください。
〇高橋スポーツ健康課総括課長 小学校におけます朝御飯の摂取状況についてでありますが、保健福祉部で実施しました平成17年度がん等疾病予防支援システム集計結果によりますと、ほとんど毎日食べているが96.5%となっており、週2日から3日食べないが2.9%、週4日以上食べないが0.6%となっております。
 なお、この集計の対象校は305校、対象学年は1年生と4年生、対象者数は1万3、730人ほどとなってございます。
〇及川幸子委員 96.5%ということでちょっとほっとしましたが、大変朝早く起こして御飯を食べさせるという状況を、私も孫を見ておりますと、1年生、2年生、大変ぼうっとして、御飯が口になかなか運べない状況でおります。それを、早く食べろ、早く食べろと後ろから物すごい言葉を浴びせているんですが、その後、学校に行って実際この孫たちは勉強ができるのだろうかと、私自身大変危惧いたします。
 どうぞ先生方からも、この調査というのは割と、96.5%というのは真実ではないような気がいたします。食べていかなくても平気な子供がいっぱいいるような思いがいたしますので、どうぞ学校現場で、先生方は、朝御飯をしっかり食べてくる、この「早寝早起き朝ごはん」を、とにかく毎日のように子供たちに繰り返していただきたいと思います。
 最後になります。小・中学校におけるいじめの実態、その対応についてお伺いいたしたいと思います。
 全国において、最近、北海道では小学6年生、それから宮崎県では中学2年生、福岡県では中学2年生、いじめによる自殺が発覚しておりまして、大変な報道に心を痛めております。最近、毎日のようにいじめが原因でみずからの命を絶つ報道が後を絶ちません。事前にいじめの実態がつかめなかったのか、多くの意見が寄せられております。
 本県の小・中学校で把握したいじめの実態と、あったとしたなら、その対応をお伺いいたしたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 本県における小・中学校のいじめの実態についてでございますけれども、文部科学省の調査によりますと、平成17年度におけるいじめの発生件数、小学校14件、中学校20件、合計で34件、前年度に比べて17件の減少となっております。1校当たりの発生件数を全国と比較いたしますと少ない状況ではありますが、まだまだいじめがあること自体が問題になりますので、今後とも、重点的に取り組むべき課題と認識しております。
 いじめが発生した場合の対応ということでございますけれども、まず、いじめの早期発見、早期対応が大事であることから、まず、学校においては、職員会議等で教職員がそれぞれの情報を交換するなど、職員が同じ認識のもとで児童生徒の指導に当たるということに取り組んでいるほか、先般の相次いだ事件を受けて、県教委といたしまして、10月17日付で、いじめ問題に関する指導の徹底についての通知を発したところでございます。これによりまして、各学校が、いじめの問題をみずからの課題として受けとめ、教育委員会と学校が一丸となって取り組むように、発生した場合の迅速な対応等について指導の徹底を求めたところでございます。
〇及川幸子委員 小・中合わせて34件ということですが、本当はあってはならないこのいじめの問題であると思いますので、どうぞ学校側も、発覚した後の対応をきちんととっていただきまして、これがゼロになるような取り組みをしていただきたいと思います。
 そして、いじめによる自殺という例はなかったんですが、全国的に大変多い最近でございますので、そのいじめを受ける側の子供たちに対する強さというか、何にも負けない強い心という部分で、やっぱりそういう教育も必要かと思いますが、強い心、負けない心、そういう教えをどのようにされているのか、そしてまた、先ほど来、命の大切さの教育がなされているということですが、それは具体的にどういうことをお話をされているのか。特に低学年に対して、命というのは大切なんだよという教育をどのようになされているのか、最後にお聞きして、終わりたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 まず、子供に強い心、負けない心を育てるための取り組みということでございますけれども、子供たちの発達段階に応じまして、さまざまな体験活動が豊かであればあるほど、くじけずに、たくましさを持った強い心がはぐくまれると考えておりまして、例えば生徒会活動などの特別活動、それからクラブ活動や部活動、自然体験活動、それから、これは校外ですが、異世代交流などの活動に参加していただいて、その結果、自立心や忍耐力、持続力などを養っていくように努めているところでございます。
 今後におきましても、市町村教育委員会を通じて、そのような取り組みを一層充実するように指導してまいりたいと思っております。
 また、命の大切さということにつきましては、具体的には、総合的な学習の時間、道徳の時間において、動植物を育てること、福祉施設への訪問などを通じて、命の大切さなどを教えているところでございまして、さらに中・高校生においては、乳幼児との触れ合いなども実際体験させまして、人間としての基本的な倫理観、規範意識を醸成しているところでございます。
〇千葉伝委員 及川幸子委員の心の教育という観点で、関連して質問させていただきますが、中身は、学校飼育動物の飼育上の課題とか、そういったあたりのことなんですが、いずれ先ほど来の話で、これから将来を担う子供たち、それで、人同士の虐待の話、あるいは、そのはけ口として動物に対しての虐待、そういったことをどうやって防ぐかといった中で、例えば、先ほど保育園、幼稚園、小学校、それぞれの飼育実態の話をいただきました。
 そういった中で、特に動物の愛護という観点から、先ほど来、命の大切さをぜひ学んでいただきたいということで、それぞれの幼少期の教育というか、そういった観点から飼育しているという状態かと思います。
 それで、課題をどうとらえて、どう取り組んでいるかということなんですが、実は、私は獣医師の一人なわけです。それで、先ほど実態の話が出たんですが、獣医師会の立場ということで、教育委員会のお力をかりて、県内の全部の幼・保・小・中の実態を調べていただいた経緯があります。多分その数字かとは思うんですが、そういった中で、特に今、学校で動物を飼育していく上でどういう課題があるのか、そのことをまずお聞きしたいと思います。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 委員から御指摘のあった件でございますけれども、まず、学校で一番問題となっているのは、世話をどのようにやっていくかという、当番制を敷いてはおるわけでございますが、長期休業中等もございますので、それが一番課題となっていると聞いております。
 また、病気等のことも近年話題になっておりますので、その面での、鳥類とか、そういうものに対する専門的な詳しさというんですか、そのような場合に他の機関とどのように連携をとっていくかということも、重要な課題と考えております。
〇千葉伝委員 関連ということであります。学校飼育動物、どういう課題があって、それを子供たち自身が、自分でどうすればいいのかとか、そういったことも覚えながらいくということが、心の教育も含め、あるいは動物愛護を通じながら学んでいくということだろうと思います。そういった中での課題がどのようなものがあるかということでお聞きしたつもりであります。
 今のお答えの中で、それぞれ、えさをやるには、ただどこからか買ってくればいいのか、あるいは自分で見つけてやる、そういったことから、小さいうちから育てていく、そのことが、動物の飼育を通じながら動物を愛する、それがまた人間の方にも同じような気持ちを持つ、こういうことになろうかと思います。言わずもがなかもしれません。
 今後、やっぱりそういった、学校でせっかくそういうことを通じながら教育をされているということでありますので、ぜひ地域の関係のところ、私どもの獣医師会もあるんですが、動物が死ぬ、そういったことで、その死をしっかりと受けとめるとかいったこと、いろいろなことがあろうかと思います。したがって、地域、地域の、今は動物愛護の関係の協議会等々設立してやっているかと思います。そういったことで、今後、特にどういうことに取り組んでいかれるかということをお聞きして、終わります。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 委員の御指摘にもございましたように、地域や保護者、そして子供たちが、そういう飼育に携わっていくということで、保護者、地域の方々との連携、あるいは獣医師さん方との、専門的機関との連携ということに心がけてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 通告しておりましたが、いじめの問題1点だけでございますので、この場で、関連という形で質問させていただきます。
 今、及川幸子委員の冒頭にあったように、やはり、心豊かな人間教育というものが最も基本にあるものと私も考えておりまして、いじめの問題は非常に重く、ショッキングな思いでマスコミの報道を見ておったんですが、先ほど、いじめの実態、小学校14件、中学校20件、合計34件、全国平均から比べると1県当たりの発生率が少ないという発表でございました。この結果がそのままであれば、本当に―本当にいいのかどうかわかりませんが、よしとしたいところなんですが、やはり今、大きく問題になっているのが、このいじめの実態が正確に県の教育委員会に届いているのか、発生したときの対応が本当に学級現場、学校現場でできているのか、これが非常に大きく問題になっている部分だと思いまして、この数値は、何か率直にこのまま受け取る気にならないわけなんです。
 今、文部科学省でも、何か緊急に実態を再調査するように指示があったようでございますし、あわせてマニュアルをつくる、いわゆるいじめのサインを見逃さないマニュアルということを聞きまして、じゃ、今までどういった形でこのいじめを先生方がとらえて、県教委まで実態数字として上がってきていたのかということが、ちょっと私は意外に思っているわけなんです。
 ですから、改めて、今までこのいじめの実態をどのように把握していたのか。もし、いじめを把握したときに、職員会議で検討するのはいいんですが、どのような形でこのいじめをとめようということをされるような対応ができているのか。
 あともう一つ、基本的なことですが、いじめがいつ発生したと認定して、いついじめが終わったと認定するのか、この辺についてちょっと、基本的なことなんですが、教えていただきたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 まず、いじめの実態把握についてでありますけれども、いじめの調査に当たりまして、いじめの定義を、自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものとしているところでございまして、この個々の行為がいじめに当たるか否かの判断が大変難しいところでありますが、いじめられた児童の立場に立って判断するようにということで、調査をしていたところでございます。
 しかしながら、昨日、文部科学省の方で生徒指導担当課長会議がございまして、その中で文部科学省から通知がございました。それで、いじめの兆候をいち早く把握して迅速に対応する必要があること、また、いじめの問題が生じたときは、隠さず、学校、教育委員会、家庭・地域が連携して対処していくようにということで、今まで発見という認識ではなくて、発生というような件数としていたわけですが、発見の段階から、それを見つけて迅速な対応をするようにというような指導があったところでございます。
 これを踏まえまして、今後、いじめというものを早期に発見して、早いうちに解決するという取り組みを各学校では指導してまいりたいと考えているところでございます。
 また、発見した場合の対応として、今の段階では、先ほどもお話ししました、学校では、特に保護者からの訴えとか、児童からの訴えがあるわけですが、これをもとにしまして、事情を聞いて実態把握に努めているところでございますが、その際、市町村の教育委員会に報告し、支援を仰いでいるところでございます。
 また、いじめられた児童生徒、いじめる児童生徒については、保護者の協力も求めて、解決に向けて教育的な指導を行っているところでございます。
 今後におきましても、学校教育全体を通して、このようないじめがないよう指導してまいりたいと思っております。
〇関根敏伸委員 本当に難しい問題だと思いますし、どうも具体的なイメージがなかなかわいてこないのです。やっぱり、いじめた生徒への対応というのも、これは非常にナイーブにやっていかなければならない問題だと思いますから、これ、本当に軽々にどうこうとは言えない問題だと思うから、今回のことを契機に、今言ったような、発見、発生、指導、解決というものを国あるいは市町村の教育委員会現場と密接に連携して、何とかこれをつくり上げていただきたいと思いますし、あるいは実態を個々に県民に知らせていくことも必要だと思っています。
 いじめは長期的に減少しているという報告がさまざまな、40の施策とか、岩手県の総合政策の指標にも出ているんですが、片側では、不登校児童数は減少していないということで、これに対しては、未達成であるとか、Cランクの判定が出ているんですね。ですから、この辺、恐らくこの数値のとらえ方とか分析のし方、ある人がこういったところにもぐり込んでの数値が逆の面で出ているとか、ちょっとアンバランスな教育の現場での状況分析を非常に感じます。
 そこで、今言ったことと同時に、もう一つ、今マスコミなんかで言われているのが、生徒間でのいじめの現状を先生が把握できない、あるいは先生が、担任レベルで把握したとしても、学校長まで上がっていかない。学校長まで上がっていっても、市町村レベルでとどまって県教委まで来ないとか、いろいろな部分、部分での目詰まりの原因が何らかの形であるから、こういう実態になっているのではないかということが言われているわけですよね。これがうそか本当かわかりませんが。だとすると、これはかなり広範囲に、目詰まりの原因が何に起因するのか。例えば、先生の勤務評価にかかわるのか、校長への勤務評価にかかわるのか……。
〇小野寺研一副委員長 関根委員、通告による質疑もやっていただきますので、関連ということで、一応……。
〇関根敏伸委員(続) ここで終わりますので。
 そんな部分が、関連で、いじめの部分であるものですから、その辺についての認識、対応、これについてお聞かせいただきたい、このように思います。
〇佐藤学校企画担当課長 10月17日付の通知で、私ども学校におけるマネジメントの充実という部分を指導の一つの柱と位置づけておりまして、委員御指摘のとおり、学校の中のどこの部分にそういう問題があるか、これはそれぞれ状況が違うと思いますので、まず、校長のリーダーシップのもとに、それぞれの教職員が役割分担をして、一致協力して体制を確立するようにということを通知したところでございます。
 また、教職員と生徒の間のところでも、十分なコミュニケーションがとれていない、あるいは不適切な言動があるというようなこともございますので、そこの部分についても、十分接し方を留意するように指導したところでございます。
 今後におきましても、この指導通知に沿って指導してまいりたいと思っております。
〇佐藤正春委員 まずもって、教育長並びに教育委員会、最近の教育委員会は、スキャンダルあるいは事故が多過ぎる。十分注意をせよ。
 では、本番に入る。2点について伺う。
 まず、盲・聾・養護学校の再編の整備計画でございます。
 これは、今検討中ということでございますが、例えば、私のところに一関の養護学校というものがあるわけでございますが、ここでは知的障害者の入るところがないわけで、現在、前沢の養護学校に一関から83人の児童が就学しております。これは親が、送り迎えも大変だし、中には、近くにアパートを借りているという人もいるんですが、前沢養護では、一関からが一番多いんですよ。ですから、前から一関養護に知的障害の科目を、学科を入れてくれということを申し上げてきたわけでございます。さらに、一関には聾学校がございまして、ここは逆に減少いたしておりまして、現在、生徒数が14人と減少しております。
 こういう中で、今、盲・聾・養護学校の再編ということになると、私の方では、一関の聾学校と養護学校の再編ということになるわけでございますが、これの計画、さらには何年度、来年度あたりから再編をやるのかどうか。場所等も、今の養護学校もかなり老朽化しておりまして、やるとすれば今の養護学校を使ってやるのか、あるいは建築してやるのか、その点についてお伺いしたいと思ってございます。
 それから、もう1点は、今、及川幸子委員からもいじめの問題が出たわけで、これは私も黙っていられないので今申し上げるんですが、今の課長の判断ですと、いじめの判断の定義というのは、弱い者いじめということだそうでございますが、教師が生徒をいじめる場合は、これは教師の方が強い、弱いのは生徒だ。そうすると、その教師が生徒をいじめるということになると、教師にこれはいじめの責任があると判断するわけでございますが、ここにその事例を申し上げます。この事例は、恐らく34件の中に入ってはいないのではないかと思うんですね。
 それは、一関の中里地区のある学校の某教師が、某生徒に対して、これは暴力じゃないんですが、言動でいじめを繰り返してきた。その結果、生徒は自殺寸前まで追い込まれた。そこで親にその生徒は訴えた。親は、学校のその教師並びに校長に、うちのせがれはこういういじめに遭っていると言ったところが、その校長並びに教師は、いや、それはいじめじゃないんだ、それは、いわば熱意のあらわれだと。そうすると、いじめの定義が変わってくるわけだ。熱意のあらわれだ、いじめじゃないんだということを言って、言い逃れをしてきたわけです。
 当然、これは担任の教師並びに―その先生は担任じゃないんですが、体育の先生ですが、そうすると校長も、それを一緒にかばって、何とか隠ぺい工作を続けてきたというのが現状です。
 そこで、その親は困って、ある人に相談に行った。そして、そこで医者の診断書、病院が2カ所ですが、医者の診断書を持って、その診断書を私も見ております。その診断書によると、その教員のいじめによって、非常に精神的な圧迫を受けている。ですから、その教師に会わせないでほしいという診断書。もう1通は、そのことによって体調を壊しているという診断書でございます。
 その結果、校長は、いじめであるということを認めて、その家庭に参り、親に、いじめでございました、お許し願いたいと言ってきました。
 教育委員会はそれを聞いて、当初は、校長からそれはいじめでないという報告があったんですが、教育長は、御存じのとおり藤堂教育長、県の前教育次長、その人が判断をして、その自宅に参り、それはいじめであります、どうぞお許しくださいということになったわけでございます。
 そして、その先生は教育委員会で処分を受けました。これは当然報告を受けておりますが、そして、現状に至って、約1年たっているんです。しかし、親の方ではなかなか納得がいかないということで、現在も係争中でございます。場合によっては民事訴訟を起こすというのが親の考えです。損害賠償のね。これは、暴力事件じゃないから刑事事件にならないんですよ。
 現状がそういうことになっておりますが、こういうような事例が、果たしてこの34件に入っているかどうかわからないが、県の教育委員会ではどのような指導をして、現在どうなっているのか、それをひとつお答え願いたい。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 最初の一関地区の養護学校等の再編につきまして、その方向性と着手の時期、それから、場所についての考え方という3点の御質問を賜りました。
 最初に、再編の方向性につきましてですが、委員御指摘のとおり、一関地区におきましては、これまで一関聾学校、一関養護学校の2校が設置されまして、長年にわたって県南地区の聴覚障害児の教育あるいは病弱児の教育に大きな役割を果たしてまいりましたが、これまでの学校教育法のもとでは、この二つの学校には、知的障害の児童生徒を受け入れるということがかないませんで、多くの児童生徒が、奥州市にございます前沢養護に通学するという状況が続いていたものでございます。
 こうした状況は、実は全国的にも共通したことでございまして、国において検討が重ねられました結果、本年6月、学校教育法の一部が改正されまして、今後、盲学校、聾学校、養護学校につきましては、設置者の判断によって、障害の種別を超えた―特別支援学校というものになりますが―特別支援学校に転換するということが可能となりました。
 そこで、県教育委員会では、一関地区につきましては、現在の2校を一つの学校に統合し、これまでの聴覚障害、病弱児のほか、知的障害、あるいは知的障害をあわせ有する肢体不自由児など、複数の障害に対応が可能な学校として再整備し、それをもって、あわせて前沢養護学校の教室不足等の課題を解消するということを検討しているものでございます。
 その時期につきましてですが、現在、県教育委員会では、この地区に限らず全県的な視野から、将来の各地域の児童生徒数ですとか、必要となる教員数、あるいは施設設備の整備の方策等について検討を加えておるところでございまして、本年度中に県内全体の学校の再編整備計画を策定したいと考えております。着手の時期につきましては、その計画を公表後、保護者の方、あるいは学校関係者、地域の方々の十分な御理解を得る期間が必要でございますので、早くても平成20年以降になるものと考えてございます。
 それから、場所についても御質問いただきましたが、今日の厳しい県の財政状況から、直ちに同地区に統合した新しい校舎を建設するということについては、困難が大きゅうございますので、当面の間は、現在の二つの校舎を併用するほか、さまざまな工夫を加えながら、可能な限り児童生徒を身近な地域の学校に受け入れるということを検討しているものでございます。
〇熊谷小中学校人事担当課長 今の件につきましてでございますが、6月8日に、うちの方でも報告を受けておりまして、そして、そのときに、県といたしまして3点について、教育事務所を通しまして市町村の教育委員会にお話をしたところでございます。
 一つは、事実を包み隠さず報告するようにということ、2点目は、本人、それから保護者、それから学校との関係づくりに努めていただきたいということ、3点目は、教育委員会が子供とか親の立場に立って誠意をもって対応するようにお話をしたところでございます。
 その後、先ほど委員からもお話がありましたように、このことが、教員としては、クラブの中で本人に期待する余りに強い口調で話をした。そういうことから、生徒にとりましても苦痛を受けたということで、市の教育委員会では、それに基づきまして、9月になってでありますが、それらの処分をしたと報告を受けているところでございます。
〇佐藤正春委員 この聾学校、養護学校の再編計画、平成20年じゃ、ちょっと遅いのではないか。あなたは20年でも早いというのかな。かなり老朽化しているし、それから、もう1点は、養護学校の中に、周辺の市町村で、あそこに来た父兄が、面会しながら、泊まりながら生徒に面会するいこいの家というところがあるんですよね。これもかなり老朽化しているんです。これなんかもやっぱり、これから新しくするなら含めて考えていかなければだめではないかと思うんですがね。
 いろいろ議員をやっていれば財政事情もわからないわけではないんですが、そういう意味においては、今、知的障害者が前沢に83人も通学している。恐らくもっと多くなるのではないかと思うんだ。今度は、一関市も合併しましたからね。だから、そういう中で早く、せっかくの一関養護ですから、そこへ移す、その前にでも知的障害者だけ移す、学科だけ移すということはできないのかな。そういうような部分的に移すというような方法はね。できれば、そういうこともひとつお答え願いたい。
 それから、もう1点。いわゆるいじめ、今の課長の答弁を聞いていると、何を言っているかわからないじゃないか。それは行き過ぎとかなんとかというのは本人が言っているかもしれないけれども、現に、いいですか、1年もたって、病院の診断書を見て、あわてて、今までひた隠しにしていた―学校の先生というのは、学校の先輩、後輩で隠ぺいネットワークが強いんだよ。とにかく、まず隠す、隠し通す。いよいよだめ、そうするとバンザイなんだよ。学校の先生のスキャンダルというのはほとんどこういうパターンなんだよ。さんざん1年も引っ張っておいて、今度は、最後になっていじめでございました。
 いいですか、課長、いじめなんだよ、いじめだといって校長が謝りに来ているんだよ。教育長も謝りに行ってるの。いいですか。ただし、本人は、謝りに来たいと言うけれども、家族が嫌だと言っているの。顔を見ると、子供がそこでまた震えが来るんだか何か、子供が会いたくないと言うんだ。だから、現状はまだ行かないでいるんだ。だから、いじめなんですよ。そこがまた、課長が何て言われるか知らんけれども、行き過ぎでも何でもないんだよ、認めているんだよ。
 そして、市の教育委員会では、どの程度処分したか知りませんが、これは処分したということになっている。何の処分ですか、まずそれがね。
 それから、もう一つは、この先生は、この学校に8年も在任しているんですよ。一体、辺地でみんな苦労されている先生がいる中で、一番、自転車でもすぐ行けるようなところに8年間も同じ先生が同じ学校にいられるんですか。人事交流というものはないんですか。それも不思議だな、これもどういうものだか。
 そして、もっとあれなのは、医者の診断書は、その生徒と先生と顔を合わせてはいけませんよという診断書なんだ。その先生は、学校内で大きな顔をして振る舞っているわけだよ。これはどういうことなんですか。そういうことは教育委員会で指導しているんですか。
 もう一回よく考えて、まず、いじめというものはどういうもので、今あなたがおっしゃるように、いじめというものは、弱い者を強い者がいじめるのがいじめなんだよ。学校の教師が生徒をいじめるなんて言語道断でしょう。それを校長、教育委員会、県教委も含めて皆かばっているんですか。これは大変なことですよ。
 私も今どうなるかと思って聞いていたけれども、及川幸子委員やほかの委員がおっしゃるから、私は具体的な事例で申し上げているの。きのうの質問と違うんだから。具体的な事例だからね。挙げてくれと言うなら学校の名前でも挙げますよ。もう一回しっかりとお答えください。
〇熊谷小中学校人事担当課長 この件につきましては、一関の教育委員会からの報告では、ことしの5月12日からの報告をいただいているところでございまして、うちの方にそういうことで報告があったのは、ことしの6月8日でございます。
 それから、処分についてでございますが、これまでの生徒への精神的な苦痛に対して、また、野球部の指導を通して、これまで混乱をさせたこと等について、けじめとして、文書訓告をもって処分をするということで、市町村教育委員会が処分をしたと聞いているところでございます。
 それから、人事異動のことでございますが、8年間ということでございますが、この教員は、そのクラブ活動等で地元から信頼されて、この学校に長くいたと聞いているところでございます。8年もということで、他にいないのかと言えば、そういうケースはたくさんございます。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 一関地区の養護学校、聾学校の再編を早くできないかという御質問でございました。先ほど申し上げましたように、場合によっては、知的障害のお子さんを受け入れるために、現在の一関聾学校の校舎を活用するということも考慮しなければならない。そういたしますと、聾学校の子供たち、先ほどのお話にありましたように、人数は少なくなっておりますが、長くなじんできた校舎の一部を知的障害の子供たちのために貸していただくというか、転用するというようなことで、御本人、保護者の方々にも十分御納得を得る必要がございます。
 それから、聴覚障害のお子さんと比べまして、知的障害のお子さんの場合には、思いがけない行動等で危険な行動に走らないとも限らない場面もありまして、そうした面では、安全な校舎にできるかというようなことについても、ある程度の検討は必要ということで、時間が必要かと考えておりましたが、いずれ御提案もございましたので、できるだけ早く再編できるような方向性について、改めて検討させていただきたいと思います。
 それから、いこいの家という御指摘がありました。これは、恐らく国立病院機構の岩手病院の中にございます重症児病棟あすなろ病棟の入所者の方のために、保護者の方ですとかが、例えば面会に訪れるときなどにお使いいただいている施設かと存じます。学校の施設とはまた別な形でございまして、周辺市町村の御協力を得ながら共同設置というような形になっているものと把握してございますが、将来的に、福祉、教育が共同して複合的な施設を考えるといった際には、改めて、このいこいの家のあり方についても検討させていただきたいと思っております。
〇佐藤正春委員 いじめの担当課長、あなた、自分が何を答弁しているかわからないのじゃないの。何月何日報告があったじゃないんだよ。報告を聞いているのではないんですよ。これが県の教育委員会としていじめとして認定するならば、今後どういう対応をするんだ、どういう処分をするんだ、どういう指導をするのかということを聞いているんだよ。何月何日報告があった、8年は長くもない、短くもない、そんなこと聞いているんじゃないんだよ。そんな嫌らしい悪徳教師を8年も置くのかというんだよ。
 この生徒は、たまたま思い切って親に訴えたから自殺しないで済んだの。悶々として自殺寸前まで行ったんだよ。聞いてるのか、隣のメモなんか見なくていいよ。いいかい。どうも真剣さが足りないんじゃないのか。全国教育長会議で言われたばかりでしょう。私は、本県にそういう具体的な事例がありますよと言っているんだ。具体的な事例が。私がかかわっているんだから、うそじゃないんだよ。いいですか。
 これに対して、繰り返すが、県教委では、これはいじめなのかどうなのか、どういう判断をしているんだ、どういう指導をしているんだ、これからどういう処分をするのかということを聞いているんだよ。それだけ聞いて、終わり。
〇照井教育長 本来、子供を守るべき立場の学校なり教員が、そうした弱い立場にある子供を攻撃するということは、絶対許されないことであり、あるまじきことでございます。
 いずれ県教委といたしましては、このいじめを根絶するために、今後あらゆる手段を講じていろいろ進めてまいりますけれども、特に、教職員の何気ないそうした言動というようなものが、児童生徒にいかに大きな影響を与えるかということを、各学校、各先生がしっかりとここを認識して、そして、そうした児童生徒への接し方について十分注意して、今後、教育に当たるよう指導してまいります。
〇千葉康一郎委員 休憩を前にしてですから、今の養護学校に関連して一つだけ質問したいと思います。
 実は、この養護学校の件につきましては、私も平成16年2月、それから17年9月に一般質問しているわけなんですが、一関から前沢に83人も行っているということなんですが、旧東磐井郡内からも相当の子供が、しかも通学しているという事例もあるわけなんです。
 そこで、提案として、小学校の空き教室を使って分校設置をしてはどうかという提案をしているんですが、今聞きますと、特別支援教育計画ですか、これが今年度中ですか、本当は去年のうちにできるはずだったんですね。それがまだできていない。しかも、この学校も、平成20年度以降につくることになるだろうということなんですが、それでは、今通学している子供たちが大変なんです。これは親も、肉体的にも経済的にも大変な苦痛なんですよ。したがって、できれば多い地域に小学校の空き教室なり何なり使って、分校設置をして進めていく考えはないかということをお聞きしたい。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 旧東磐井地区からの現状で申し上げますと、地域外の養護学校等に通学しているお子さんの数は、知的障害の子供さんが前沢養護に8名、それから病弱のお子さんが一関養護の方に8名という現状になってございます。
 今後とも、今回、来年4月、遠野地区への養護学校の小学校分教室の設置について方向性を固めたところでございますが、今後、東磐井地区につきましても、関係市との協議を進めてまいりたいと思ってございます。
〇千葉康一郎委員 これは、同じようなことは前に聞いているんですよ。ところが全然進んでいないので、そこを聞きたかったんです。ひとつもう一回、こういうものを、東磐井はいつごろ計画にきちんと入れられるのか、そこをお聞きします。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 現在確定しておりますのは、来年度ですので、平成19年4月からは遠野地区に関する分教室の設置ということでございまして、これを追いかけて、遠野地区をモデルケースとしまして今後広げていくということになりますと、早くて平成20年4月が現実的な線かと考えてございます。
〇小野寺研一副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後 3 時 7 分 休 憩
午後3時23分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇小原宣良委員 北上農業高校と花巻農業高校との統合にかかわる問題についてお伺いをいたします。
 両校の統合に当たりましては、当初、整備検討委員会を設置いたしまして検討がなされてきました。その後、あり方検討委員会という形で協議、検討がなされてきたと思っております。
 そこで、これらの検討経過と現状について、検討課題別にどうなっておるのか、お知らせをいただきたいと思います。
〇藤原高校改革担当課長 新しい花巻農業高校のあり方に関する検討委員会に係る経過等についての御質問でございますが、北上農業高校と花巻農業高校は平成15年4月に統合し、当面は、従来の花巻農業高校の施設設備を利用して、新しい花巻農業高校として教育活動を行っているところでございます。
 新しい農業高校は三つの学科でスタートしましたが、これらの学科をどのように充実させるか、また、必要な施設設備等について検討するとともに、新しい教育内容にふさわしい校舎のあり方など、総合的に検討する必要がありました。そこで、県教育委員会といたしましては、平成16年9月に、両校PTA、同窓会や両市、両校関係者による新しい花巻農業高等学校の農業教育の在り方に関する検討委員会準備会を立ち上げ、新しい農業高校のあり方や委員構成、進め方などについて、2回にわたり検討してまいりました。その準備会の方向性を踏まえ、今年1月に、新しい花巻農業高等学校の農業教育の在り方に関する検討委員会を立ち上げたところでございます。
 次に、検討委員会で話し合われた内容等々でございますけれども、まず、検討委員会は、岩手大学農学部教授を委員長とし、花巻市、北上市両市のPTA連合会や県南広域振興局の花巻、北上支局の農林部長などで構成し、現在までに4回開催しており、残り2回については、年度内に開催する予定としているところであります。
 4回までの検討内容といたしましては、岩手県の高等学校における農業教育の現状、また、本県の農業政策と農業教育の方向性について説明をいただき、意見交換をするとともに、前回第4回では、花巻農業高校から将来のグランドデザインが示され、今後の学科構成について論議されたところでございます。
 次回以降につきましては、将来の学科にふさわしい施設設備のあり方や、それに伴う校舎の設置場所について議論される予定でございます。
 このように、年度内をめどに検討を終了する予定でございますが、検討委員会からいただく報告に基づいて、県教育委員会としては、なるべく早く花巻農業高校の方向性について検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
〇小原宣良委員 これら検討の内容について、それぞれ今のお話ですと、岩手大学の農学部教授を委員長というんですか、会長というんですか、トップにして、それぞれ検討がなされているということなんですが、それらの情報については、どんなふうに情報開示をされているものか、我々には杳としてわからないですね。この点は、情報を伝達なり、それぞれ議論を深めるという点からも、今後どのようにお考えかということをお伺いしたいと思います。
 それと、年度内ということでございますが、年度内に校舎の場所ということも含めて検討だということでございますが、かつて合田教育長の当時、私も一般質問で伺ったことがございまして、その際は、今の花巻農業高校の校舎、これについては耐用年数が間近であること、あるいは、花巻空港のターミナルの移築など滑走路の延長等教育環境上の観点で、場所については検討を要するということなどが示されてきたところでございました。あわせて、学科のあり方ということで新たに進めているということでありますから、そういう学科というのは、これからの地域農業を担っていく、あるいは本県の農業を担っていく人材の育成、こういう観点かと思いますので、そういう学科のあり方を含めて今の花巻農業高校、これは校名変更を含めて検討という形になるか、あるいは花巻農業高校という形がそのまま継続をされながら、教育環境という点で場所等の設置ということになっていくのか、その検討の方向性についてはいかがでしょうか。
〇藤原高校改革担当課長 最初に、会議の内容についてでございますけれども、公開で行われておりまして、新聞社も数社、毎回見えてございます。ただ、記事になるかどうかについては、新聞社の判断ということでございまして、私どもとしては、大いに記事にしていただきたいということでお願いしているところでございます。また、県のホームページ等で、インターネットを通じて、会議の中身については詳しく公開されているところでございます。
 また、場所等につきまして、それらも含めて検討委員会での報告がなされ、それについて県の教育委員会として判断してまいるということになろうかと存じます。
 それから、学科等につきましては、第4回である程度方向が示されてございます。基本的には、現在の3学科を強化しようという内容でございますが、その中には、現在、盛岡、花巻、水沢と、県内に3地区に拠点としてある農業高校で、盛岡と水沢については、担い手育成高校としての大規模農場、こういったものを活用した農業のスタイルが一つ考えられるだろうと。また、その間にある現の花巻農業については、担い手育成、これもさることながら、それだけに特化することなく、農業関連従事者育成や実験重視型の農業学習をするという、そういった農業高校であってはいかがかという話し合いがなされているところでございます。
 なお、校名等につきましても、設置場所によって影響を受けるものと、このように考えております。
〇小原宣良委員 わかりました。ぜひ統合の経過という部分を十分に体しながら、本県の農業の担い手育成という観点で、ぜひ充実した内容ということになりますように、検討については御期待を申し上げております。
 それから二つ目でありますが、今、教職員の評価制度、これは査定昇給制度に伴う教職員評価ということになるわけでありますが、これらについては、それぞれ国及び全国の都道府県におきましても、かなり困惑をしながらといいましょうか、教育現場にあってどういう形にすればいいのかを含めて、検討がなされているようであります。
 そこで、これらの全国の取り組み状況について、県教育委員会はどのように把握をしておられるでしょうか。実施あるいは実施に向けた検討の状況等について、お知らせをいただきたいと思います。
〇青木教職員課総括課長 新昇給制度の全国の実施状況でございますけれども、全国的には、既に東京都が評価結果を給与に結びつけるということでの取り組みを進めているという状況でございます。全国でそういう形で現在動いておりますのは、東京都のみということで承知をしてございます。
〇小原宣良委員 これらは現場の先生方の意向というのは一番大事かと思いますので、そういう点で、東京都は先行しておるということですが、ほかの道府県については、慎重な対応が見られるということであろうかと思います。
 そこで、高度な教育理論というのは私はよく承知をしないわけではありますが、一般的に考えまして、教師の皆さん、先生の皆さん方のいわば集団ですね、教師個々の資質、もちろん大事ですけれども、しかし、教師全体として子供に対して当たっていく、こういういわば一人の先生の悩みなりあるいは問題意識というものについて先生方全員が共有をしていくと、少なくともその学校の中でということが大事だと思うんですね。先ほどもいじめの問題で議論がございましたけれども、そうした連帯といいましょうか、共有意識、そういう中で、子供にどう向かい合っていくのかということだろうと思うんです。個々ばらばらの対応ということでは、問題の解決にはならないということが言えるんだろうと思います。そういう状況の中に、この評価制度というものがぽーんと入ってくるということになってくると、勢い、その問題意識なり悩みなりというものを共有をしていくと、そして教育の効果を高めていこう、子供たちの教育をしっかりしていこうと、こういう意欲、こういったものを阻害をする要因というものは、少なくともこの制度においてつくり出してはならないと思うのですけれども、この点をしっかりと踏まえて、この制度というものは、仮に実施するにしてもしっかりとした対応というものが求められる難しさというものがある。したがって、東京都は既に実施ということではありますが、ほかの道府県については、今慎重に検討をされておられるという状況にあるんだろうと思います。ぜひそういう点で、これは決して焦ることなく、慌てることなく、問題意識を教育委員会の皆さん方と現場が共有するということも含めて、しっかりと対応していかなければらないと考えております。ぜひ、この部分について、十分な話し合いというものが、現場あるいは職員団体となされていく必要があろうかと思うんですけれども、この点、教育長、どうでしょうか。そういう問題意識という部分についてお伺いをいたしたいのですが、こうした問題意識についてはどうお考えですか。
〇照井教育長 新しい昇給制度でございますけれども、これは何度も申し上げているところでございますけれども、年1回の普通昇給という部分についてはこれまでどおりにして、従来の特別昇給、この部分について国民からのいろいろ批判等もあって、職務の取り組みの状況とか達成状況、こういったものを踏まえて加算しようというものでございます。
 それで、この昇給制度については、既に4月から動いているわけですが、学校教育の場合は、今、委員御指摘のありましたように、教職員が相互に連携・協力して、教育目標の達成に向けて日々教育活動が行われております。そこで、この新しく導入された制度の運用に当たっては、学校の現場の実態に合ったそういう内容、仕組みにして運用していくことが大事であると、このように考えて、これまで職員団体はもとより、市町村教育委員会あるいは校長の方々と、幾度もこの辺についての御説明やら意見交換をしてきたところです。その結果、多くの方々から、やはりそうした学校の事情等から、いきなり本格実施というよりはいわば試行、こういったものを実施して、いわばならし運転をして、そして本格実施すべきではないかというような意見がございまして、それで今この運用に当たって、試行の実施も含めて具体的にどういう内容、仕組みであれば、本県の学校の現場の実態に合ったものになるのか、いろいろさまざま引き続き意見を聞いております。いずれにしろ、できるだけ早い時期に方向性というものを打ち出して、現場の皆様の御理解もいただいて、そして早くこの新昇給制度を実施していきたい、このように考えているところでございます。
〇小原宣良委員 問題は、先生方の待遇、処遇ということもさることながら、教育の質をどう高めていくのか、ここが大事なポイントだと思うんですね。昇給はそれぞれするんだと、プラスして、多く加算をする人をいわば見つけ出さなきゃならない制度なんで困っているんだと、こういう話になるわけですよ。これはちょっと本末転倒しているので、その制度を仮にやるにしても、それによって教育の現場が混乱したり、教育の中身、質が低下をするということがあっては、これはやらないに劣る話でありまして、問題は、そこの子供をしっかり見据えて、この制度の運用をどうするかということを考えていくべきだと思います。
 そこで、試行ということでありますけれども、確かに試行も一つの手法でしょうが、しかし、そのことによって、試行が実際に給与なりそういったものに反映をされていくということであっては、これは実質、実施と変わりないことになるわけでして、ここのところは十分慎重な形で対応をいただきたいと、するべきであるというふうに思いますが、再度教育長、いかがですか。
〇照井教育長 今、委員御指摘のありましたように、やはりこの制度の趣旨は、もともと職員の意欲を高める、そして学校教育の活性化を図ろうということでございます。やはり、そのためには学校関係者の皆さんが、この制度についてしっかりとした御理解をいただいて、それで、先ほど申し上げましたような、それぞれの学校の教育目標の実現に向けて全員一致して、協力して進んでいくということが大事だろうと思います。
 今、後段の方でお話のありました試行でございますが、試行でございますので、その結果については、直接給与に反映させるということは考えておりません。いずれ、まずはやってみて、そして検証して、どこにそうすると問題があるのか、どうやればしっくり学校現場になじんでいくものなのか、そういったことを見ようとするものでございます。
〇木戸口英司委員 私から1点だけ。
 花巻農業高等学校の検討委員会について今質問があったわけでありますが、教育長に確認をさせていただきたいと思います。
 私、この検討委員会の話し合われてきた内容について資料をいただきまして、読ませていただきました。
 先日100周年を迎えて、その伝統を踏まえ、しかしこういう農業の諸情勢の中で、これからの農業教育を真摯に検討されているという印象を持ったわけであります。施設整備、校舎のあり方、そういった問題もあるわけですが、まずは教育内容の充実ということから、そういう観点で話し合いが進められていることに、私も一つ明るい方向性を見た感じがするわけでありますけれども、その中で先ほど課長からお話がありました、盛岡農業、水沢農業の特色化ということで、この中には、盛岡、水沢は重装備型と、花巻は軽装備型と。都市型農業高校を花巻農業は目指していくという、文言としてありましたけれども、さっき若干イメージ、触れられておりましたけれども、県下の中で特色化ということを図っていくことは大変重要だろうと、そう思うんです。いずれ、県立高校改革の後、数年後に花巻農業高校も一つ俎上に上がってくるということも示されているわけでありますし、これは花巻農業高校一つで解決できる問題ではないと思っております。
 そういう中で、現状の農業のあり方、また、生徒のニーズと動向、社会の要請、これは就職の状況ということもあると思うんですが、こういったことを踏まえながら、今後、県下全般で、この盛岡農業の校長先生もグランドデザインをこれからつくっていくんだということもあるようでありますけれども、どういった考え方、また、どういった仕掛けでこれからそれが検討され、また、その中でこの花巻農業高校というものがどういう位置づけをされていくのか、その点を確認させていただきたいと思います。
〇照井教育長 今は花巻農業高校に関連しての御質問でございますが、いずれ、現在の高校再編整備計画後期計画においては、専門高校のあり方ということで、これについては地域の産業の状況とか、今後の方向性、動向とか、そういったもの、それから企業とか地域のニーズ、それから生徒の志望、こういったものを総合的に勘案していろいろ、学校の配置もそうですが、学科のあり方とかカリキュラムのあり方とか、そういったことを検討していくことにしております。
 それで、花巻農業高校の今後のあり方についての検討委員会では、そうしたことで、地域の置かれている状況などを踏まえて、これからの花巻農業高校はどうあるべきかということを、幅広くいろんな観点から、さまざまな観点から検討していると承知しております。この検討委員会、先ほど御説明申し上げましたけれども、あと2回予定しておるようでございますが、いずれ、その検討委員会でのそうした議論、これを十分踏まえて、これからの花巻農業高校の方向性というものを打ち出していきたい、このように考えております。
〇斉藤信委員 新昇給制度、成果主義賃金制度の導入問題について関連してお聞きします。
 県の教育委員会が導入しようとしている新昇給制度の仕組みはどうなっているんでしょうか。条例改正では、業績を評価した昇給制度にと、人事院規則では成績主義賃金制度ということを言っていますが、いわゆる成果主義賃金制度、県教委はどういうふうに具体化しているか。検討会、校長会、市町村教育長協議会、職員団体との間での話し合いの状況、合意の状況について示していただきたい。
 合意されていないとすれば、何が問題になっているか。県教委の新昇給制度の今年度の実施、私はもう既に仕組みが示されていない段階では不可能ではないか。あり方を含めて、今指摘があったように時間をかけて検討すべきでないか。
 人事委員会規則第46条では、この規則によることができない場合、またはこの規則によることが著しく不適当であると認められた場合には、別に人事委員会の定めるところにより、またはあらかじめ人事委員会の承認を得て別段の取り扱いをすることができるとされています。この条項に基づいて対応すべき段階に来ているのではないでしょうか。
〇青木教職員課総括課長 新昇給制度についてのお尋ねでございますけれども、この新昇給制度の仕組みとしましては、年1回の普通昇給に当たる部分はこれまでどおりという扱いでございまして、従来の特別昇給に当たる部分につきまして、職務の取り組み状況ですとか、達成状況を踏まえて加算をしていくという制度でございます。また、勤勉手当につきましても、これまでどおりの支給ということが保証されるわけでございますが、その支給に当たりまして、同様に職務の取り組み状況ですとか、達成状況を踏まえて、さらに加算されるというものでございます。
 この具体的な運用方法、内容につきましては、市町村の教育長あるいは校長会の代表の方々などから御意見を伺いながら、現在、検討・協議を進めているところでございます。これまで、この制度につきまして、正しく御理解いただくための資料を作成・配布して周知に努めているところでございますし、説明会を各地区で数次にわたり実施してきたところでございます。また、職員団体等につきましても、意見の交換会を数次にわたり行ってきているところでございまして、その制度の趣旨、内容等については、おおむね一定の理解をいただいているものと、私ども受けとめているところでございます。
 次に、合意されないとすれば何が問題となっているかということでございますが、先ほど教育長からも答弁申し上げた内容にございましたが、学校関係者の皆様からは、試行期間を設けるなど、慎重に進めてほしいという御意見ですとか、学校現場にふさわしい仕組みにしてほしい。さらには、教育関係者からの意見を聞いて、具体的な運用方法、内容に反映してほしいというような御意見をいただいているところでございまして、現在、これらについての具体的な運用方法、内容について、検討を鋭意進めているところでございます。
 次に、今年度の実施は不可能ではないかというお尋ねでございますけれども、給与関係条例、規則等が既に改正をされて、本年の4月から導入をされているということでございまして、この制度の趣旨にのっとった適正な運用を、可能な限り早期に行う必要があると考えてございまして、教育関係者の方々の御理解をいただきながら、速やかに実施できるよう、全力で取り組んでいるところでございます。
 次に、人事委員会規則の規定に基づく別段の取り扱いの運用についてのお尋ねでございますが、勤勉手当の支給ですとか昇給の取り扱いについて、人事委員会規則どおりの運用は困難であるという場合は、別段の取り扱いを行うことについて人事委員会との協議または承認が必要となるものでございますが、そのためには、早期の実施に向けた具体的な準備などの対応が必要とされていることから、現在、その試行の実施を含め、市町村教育委員会や学校関係者の理解のもと、当面、12月の勤勉手当の支給に支障が生じないように、現在、努力を進めているという状況でございます。
〇斉藤信委員 最後に教育長にお聞きをしたい。
 普通昇給には手をつけないんだというけれども、特別昇給そして勤勉手当だけで、極めて優秀な教員と良好な教員では20万円、年間差がつくんですよね。大変大きな問題です。それと、管理職の場合は、良好な場合は3号級でマイナスになります。普通昇給、全部上がりません。私は説明が正確じゃないと思いますよ。
 それで、この問題は教育と学校にかかわる大変重大な問題で、今さまざまな説明会をやられている、周知徹底が図られていると。しかし、県議会議員には資料が提供されない。なぜ非公開、密室で協議するのか。
 先ほど高校再編の花巻農業の問題については、マスコミも入れてぜひ報道してほしいという、意思形成過程の中身も含めてそういう態度でした。これ、当然のことですよ。しかし、反対が多いこの問題については、一貫してなぜ密室協議、非公開でやるのか。県議会議員にも資料を提供して、意見もくみ上げながらやるべきではないでしょうか。
 最後ですけれども、試行の意見も出ていると。試行については、昇給に反映しないとなりますからね。私は実質、もう今年度の新昇給制度の実施は無理なんだと思うんです。試行をやるとすれば、せめて1年、そういう期間、一応必要だと思うんですよね。もう、12月、あと2カ月ないですよ。1カ月半ですよ。私、そういう段階で、じっくり時間をかけて合意形成をするというスタンスをあなた方が示すことが、この話し合いを円滑に進めることになるのではないか、最後に教育長にお聞きします。
〇照井教育長 今、進めております市町村教育長あるいは学校の校長の代表の方々との検討ですけれども、これはあくまでも評価する側、調整する側の立場でどうあればいいのか、学校の現場に合ったものとなるようにするためにはどうあればいいのか、そこを議論しているところでございまして、いずれ、これはそういうことで、県としての新しい仕組みをつくるに至るまでの意思形成過程ということで、座長の判断で非公開となっているものでございます。
 それから試行については、いずれ年度内、そういうことでまず実施して、どこに問題があるのか、その辺を検証しようというものでございます。
〇工藤大輔委員 2004年から宮城、和歌山、福岡と合同で実施している統一学力テストについてお伺いしたいと思います。
 この結果をどのように評価しているのでしょうか。また、この学力テストは、小学校5年生においては4教科、中学校2年生で5教科ということで、ことしは10月4日ですか、実施したと思いますが、まず、大体10月ごろに実施して、その結果を翌年3月に出して、それからの生徒指導に当てていくという趣旨、また、中1ギャップという言葉もあるように、そういったときのつまずきを減らす意味からもこの時期なのかなと私は思っていましたが、この時期にやる意味について、やってきた意味についてお伺いします。
〇越主席指導主事兼義務教育担当課長 お尋ねの4県統一学力テストについてでございますけれども、この学力テストは、全国で初めて複数県によるテストの実施であるということ、それから、データに基づきまして、どういうような施策を立案して効果を上げていくか。また、それに伴いまして、良好な成績を上げております他県の教育方法を参考にしてどのような対策を立てるかなど、いろいろな面で効果があったものと考えております。
 なお、このテストの実施時期の10月につきましては、原則は前年の内容ではございますけれども、1学期分も含めた内容ということと、それから、年度内に補充ができるというようなことを考えまして、今のところ、4県でそれぞれ実施時期を考えて、10月ということで合意して実施しているところでございます。
〇工藤大輔委員 来年度は、宮城、福岡が不参加というような表明をしているようですが、これに対する来年以降の対応についてお伺いします。
 また、来年度からは文部科学省の方で全国学力テストが、小学校6年生で国語と算数、中学校3年生で国語と数学ということで4月に実施するようですが、実施時期、教科が違うこの学力テストをどのようにとらえているのでしょうか、お伺いします。
〇越主席指導主事兼義務教育担当課長 最初に、来年度の4県統一学力テストにつきましては、委員御指摘のとおり、宮城県と福岡県が事情によりまして不参加を表明しております。そうしますと、来年は和歌山県と本県のみの2県になるわけでございまして、現在、来年度どのように取り扱うかということにつきまして、和歌山県と協議をしているところでございます。
 次に、文部科学省が行います全国学力・学習状況調査でございますが、国語と算数・数学ということで、4教科、5教科を実施してきた本県と2教科ということで、若干の違いはございます。ただ、残念ながら、この2教科でありましても、小学校、中学校とも、4時間から5時間のテスト時間を要するということでございまして、小学校6年生と中学校3年生に、改めて県のまたテストを課すということは難しいものと考えております。したがいまして、国の4月24日に行われますこの国語と算数・数学につきましては、全国で全員受けます。結果だけであれば10%ぐらいで、もう統計的にはいいと言われておりますけれども、全員受けるということは、児童生徒が、どこができて、どこができないのかということを全国レベルでつかむことができるというので、大変意義のあるものと考えております。
〇工藤大輔委員 先ほど私、中1ギャップという言葉で表現しましたが、岩手にとってみれば、広く全体の学力を、定着度を高めていくんだという目標に立つとすれば、この小学校6年と中学校3年、中学校の場合は高校受験のあるときですよね、前年。それよりもやはり1年前、さらに1年前からどういったところが足りないかということを確認し合うという意味だとか、また、学校になかなか、小学校と中学校の環境が違うためにやはり不適応な生徒がふえているということからすると、学力の面だとかそういった面で、できるだけ早くつまずきに気づくという教育方針がやはりあっていいのかなと。そういった観点からいくと、これまでの方がよりよいというふうに思いますが、その点につきましてはどのように考え、その対応をとっていこうとするのか、お伺いします。
〇越主席指導主事兼義務教育担当課長 全国の学力・学習状況調査につきましては、4月に実施して、少なくとも二、三カ月で結果が返ってくると聞いております。したがいまして、小学校6年間できちっと補充をして中学校に臨む、中学3年生はきちっと中学生活を見直して、なおかつ受験勉強に取り組むということができるものと考えております。
〇工藤大輔委員 私はなかなか難しいのかなと。もし、そのようなお考えが正しいとすれば、県内の例えば不登校の生徒だとかいろんな、不登校はそれだけの要因じゃないわけでしょうが、いずれ、中1になったときにつまずいて中2でなかなか学力が上がらない、そして、さらに勉強しないというふうな子供が今ふえていると思うんですね。じゃ、それについてどのように考えているか、数値等でとらえているのかお伺いしますし、その結果が例えば全国と比較して、明らかに家庭での学習量も減っているという数値も出ていると思いますが、そういった部分を含めてどのように考えますか。
〇越主席指導主事兼義務教育担当課長 中1ギャップあるいは中学校でのつまずきという大きな問題があるわけでございますが、これはずっと見てきますと、小学校5年生、6年生から徐々にではありますが──中学校になるとかなり下がってまいりますけれども、徐々に定着率が私は落ちてきているものと思います。したがいまして、つまずきにつきましては、やはり小学校は小学校で、きちっと身につけるべきものは身につけ中学校に臨むということが必要と考えております。
 また、学習の定着度には生徒指導等もいろいろ関係あろうかと思いますけれども、生徒指導の方は生徒指導で、またきちっと取り組んでいかなければなりませんし、この学習のつまずきというのも、また子供にとって必ず基礎・基本を身につけさせるんだという意識で取り組んでいかなければならないものと考えております。
〇工藤大輔委員 お答えはそのとおりなんですけれども、つまずきは早く見つけて対応するということになると思います。しっかりと現場現場で、学年学年で対応ができれば何も問題がないわけでしょうが、できていないという現状があるわけですから、やはりなかなか今の答弁は、ちょっと私は苦しいかなというふうな思いがします。
 それでは、次に指導主事等の方々が、学校訪問をしながら授業を見て先生方に指導をするという取り組みがなされていますが、この取り組みによって出てきた問題点は一体どういったものがあるのか。また、その授業をどのように全体として評価されているのか、お伺いします。
〇佐藤学校企画担当課長 学力向上のための学校訪問指導ということについてでありますが、他県に比べまして、中学校、高校とも、英語と数学の学力が低いという実態を踏まえまして、17年度から学力向上担当の英語と数学の専任の指導主事によりまして、中高の連携による学校訪問指導を実施しているところでございます。従来は、教育事務所において、義務教育の指導主事が学校訪問をしておりましたが、専任の指導主事によりまして、学力向上を目指して授業改善のための教員への助言・指導、あるいはすぐれた授業実践についての情報収集に努めているところでございます。
 課題についてのお尋ねでございますけれども、中学校での内容を十分踏まえないまま高等学校で指導しているなど、中高の指導上の連携が十分図られていないということ、あるいは生徒にとってわかる授業になっていない授業が見られること、また、みずからの授業の課題を認識できないというような教員もいるといったことなどが挙げられております。また、こういうことで、今後そういう授業改善に努めまして、授業力の向上を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 そのように見られた授業について、例えば1回だけの指導なのか、どのような形でその先生方に指導力を改善させようとしてきたのか。また、全体として評価に値するというような授業等が実際どのぐらいあったのか、お伺いします。
〇佐藤学校企画担当課長 確かに委員御指摘のとおり、訪問数、現在、英語、数学、小・中あわせて150校ということで年間回っておりまして、複数回にわたって同じ教員の授業を見て改善させるというのは不可能でありますので、このことについては、学校の中での指導、あるいは中学校においては、教育事務所の指導主事に引き継ぎまして、繰り返し改善指導を行っているところでございます。
 また、すぐれた授業実践ということでございますが、これは評価、集計をしたデータはございませんが、回った指導主事の感触ということで受けとめていただきたいんですが、約1割程度ではないかと把握しております。
〇工藤大輔委員 最後にお聞きしたいと思いますが、教育長にお伺いしますが、結果としてそのような結果が出ているという中で、学校での教育であったり、また、これは家庭での教育時間も非常に大切でしょうし、また、つまずきがあった際には、できるだけつまずいた生徒に対して早く改善の道を見つけるというものを的確に、これまで以上にやらなければ、こういった課題というのはなかなか解決していかないものだと思います。特にも、地域によっては、それを補習したりする塾があったりなかったりとか、地域によって環境が違うわけですが、いずれ、学校の中でやるべきものをしっかりやってもらいたいという思いの中、所見があればお伺いします。
〇照井教育長 本年度教育委員会としては、この学力向上を最重要課題と位置づけまして、ただいま御指摘のありましたように学校教育はもとよりのこと、家庭での学習の促進、進めとか、いろいろさまざまな方策等を用いて今進めているところでございます。やはり、子供たちがみずから進んで学習したい、勉強しよう、そしてわかって、あっ、おもしろい、何だ、こういうことだったのかと。よし、じゃ、こういうことはどうなんだろうとか、そういうふうな動機づけといいましょうか、進んで勉強する、それがやはり一番大事なのかなと。そして、それを私ども学校、行政、家庭が支援していくということで、今後、特に力を入れていきたいのは、地域での皆様の御協力などをいただきながら、例えば放課後、今の御指摘のあったような、つまずいているところなどを繰り返し復習といいましょうか、そして確実に身につけていく、そういった取り組みを今後特に力を入れていきたい、このように考えているところでございます。
〇柳村岩見委員 国体の開催県の決定については、全国を中部ブロック、西部ブロック、東部ブロックと三つのブロックに分けて、それぞれのブロックのローテーション、それから、それぞれのブロックの中の各県のまたローテーションで決めていく、こういう慣例になっているということでございます。それを踏まえて考えますと、岩手県における第2巡目の国体は平成28年の第71回国体と予測される、こういうことになっております。それの立候補の時期などの質問に対しまして、平成19年から20年という時期には立候補表明をすると、こう言われている。特にも知事は、平成19年度の早い時期に立候補したい。その立候補とは、国民体育大会開催要望書を提出するということを意味しますけれども、そういうことを平成19年の早い時期と、こう答弁されているところであります。そういう状況を踏まえて、次の段階の話としてお尋ねをいたします。
 国会に、国民体育大会開催要望書を提出するという手順について、教育委員会内でのいわば出すという、提出するという、その意思決定のプロセス、それは教育委員会で決めたということだけでは済まない、知事部局との関係がありますでしょう。それから、当然その中で県の決定がされてくると。そして議会との関係はどうなりますか。議会に言わなくていいことだと、言うべきことだと、あるいはまた示して理解をいただくと、いろいろあると思いますが、そういう関係についてもお尋ねをしたいと思います。
〇高橋スポーツ健康課総括課長 2巡目国体の本県開催に向けての県教育委員会や知事部局との関係も含めました県としての決定プロセスについてのお尋ねでございますけれども、現在、スポーツ健康課に設置されている特命課長を中心としまして、日本体育協会の国体改革の動向や、和歌山県など開催予定県の情報収集を進めているところでございます。今後、開催の理念や方法などを検討しまして、県体育協会など関係団体の意見も踏まえながら、県教育委員会として準備したいと考えております。
 また、関係部局との連携でございますけれども、財政状況を含めた体制準備などの多角的な視点での検討を行いまして、関係部局との調整や、政策決定など所要の庁内手続を踏まえて全庁的な合意形成を図りまして、県として、平成19年度の早い時期には、2巡目国体の本県開催誘致の方向性を出してまいりたいと考えてございます。そして、その後文部科学省、日本体育協会に対しまして、国体開催要望書を提出するということになろうかと思います。
 さらに、県議会との関係ということでございますが、先例によりますと、県において開催誘致の方向性を出した後、県議会としての開催誘致などの決議がなされると承知してございます。
〇柳村岩見委員 2点目に、それぞれの意思決定がどういったスケジュールでしょうかと聞きたかったのですが、通告もしていましたけれども、細やかに一つ一つの意思決定段階を、どういう日程でとお尋ねしても答えられないだろうと思います。19年と言いましたから、それはそれで結構であります。
 逆に、このようなことをお聞きして終わりたいと思いますが、国民体育大会開催要望書を提出する段階では、開催主会場、特にも開会式会場を示す必要がなかったと記憶しておりますが、示さないで要望書を提出することができるのですね。それを確認して終わりたいと思います。
〇高橋スポーツ健康課総括課長 そのとおりでございます。
〇伊沢昌弘委員 2点お伺いをいたします。
 まず、不登校対策についてでございます。
 教育長の方から先ほどの冒頭の説明の中でも、不登校、学校不適応の生徒が幾分減ってきているが、激減はしていないと。1、000人程度があると、こういうことでのお話がありました。不登校になる要因というのは、数多くあると思います。先ほど来のいじめの問題とか、学力に追いつかない問題だとか、その他もろもろで、100人いれば100通りと言っても構わないと思うわけであります。
 そういった中で、不登校の方々というのは、先ほどのいじめの件数のような数字ではなくて、実際来ていないと。そこに対する手当てもしていると思いますので、実態の中身についてお知らせいただきたいのと、どのような対策を基本的にとってきているのか、お伺いをしたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 不登校の実態とこれまでの対策ということについてお答えいたします。
 不登校の実態につきまして、平成17年度、30日以上欠席した児童生徒ということで、小学校では145人、中学校では995人、高等学校474人、全体で1、614人ということでございまして、前年度に比べて70人減っているところでございます。
 不登校の要因というお尋ねでございますが、不登校状態となったきっかけという形で調査をしてございまして、小学校の場合は、極度の不安や緊張、無気力など、本人にかかわる問題という部分が一番多く、その次に親等の関係で、親子関係をめぐる問題というのが2番目という状況です。中学校においては、友人関係をめぐる問題ということで、これはいじめ、けんかなど友人関係から発生しているというのが一番多く、次いで本人にかかわる問題というのが2番目でございます。高校については、本人にかかわる問題が一番多いというようにとらえているところでございます。
 この不登校の対策についてでありますけれども、現在スクールカウンセラーを中学校に配置しております。また、心の教室相談員、学校適応相談員などの各種相談員も各中学校に配置し、その対策をとっているところでございますし、また、総合教育センターには嘱託医、専任カウンセラーを配置し、専門的な教育相談に当たっているところでございます。また、教員に対しては、教職員の教育相談に関する指導力の向上ということで、カウンセリング講座などの研修を実施しているところでございます。また、今年度から中1ギャップ解消推進事業を実施しておりまして、中学校1年生が非常に不登校が多くなるという実態を踏まえまして、小学校と中学校の連携を密接にする不登校予防の対策に取り組んでいるところでございます。
〇伊沢昌弘委員 小学校で100人台で、中学校に行って900人、1、000人になっちゃう。この部分を引きずっていくと、最終的には高校でも500人近くいると。
 商工労働観光部の審査のときにも、実は雇用対策といいますか、若年の問題も含めて、そういう人が本当に社会に出てどうなんだということも含めて、教育との連携もきちっとしてほしいということも申し上げたことがありました。
 不登校と言っても、最終的に立ち直って頑張っている方々が世の中にいっぱいいるわけであります。私の友人でも、自治体の職員として指導的な立場で、学校に行って講演もすると。自分は実は不登校だったよと言ってはばからない、これを越えるためのという方がいるわけであります。レアケースかもしれませんけれども、減らないという中でも、その後、中学校なり高校に入って頑張っているという、そういう生徒がいるとすれば、つかんでいるとすればお示しをいただいて、そういう人たちの実態を広げることがいわば近道ではないのかなと、一つのカンフル剤になるんじゃないかと思うんですけれども、その辺についていかがでしょうか。
〇佐藤学校企画担当課長 不登校についてはさまざまな対応がありまして、現在、適応指導教室というような形で、各市町村において、学校に行けない子供たちをまずそういう教室に連れていって、家庭、関係機関と連携して、学校への復帰というものに取り組んでいるという実態がございます。また、それがだんだん保健室登校ですとか、学校の中に入れることによって、次第に復帰していくという段階を経て、不登校対策に取り組んでいると認識しております。具体的にそれが改善された数というものは把握しておりませんが、そういった形で、学校ではさまざまな取り組みにより、不登校の減少について努めているというふうに考えております。
〇伊沢昌弘委員 難しい課題ですけれども、本当の意味で強い子供をつくる、こういう意味で取り組みの強化をお願いしたいと思います。
 2点目ですが、けりがついたと怒られそうでありますけれども、こまくさ幼稚園の問題について何点かお伺いをいたします。
 昨年、18年度の3歳児募集を停止するということで教育委員会が決めて、9月議会に請願が出されて全会一致で採択をしたと。本年度の募集は例年どおり、3歳、4歳、5歳児、そろった形で動いているところであります。しかし、ことしの9月に御案内のとおり、19年度の3歳児募集を停止して21年3月に廃園にすると、こういう方針が出て、改めて父母の皆さんから、県議会に対する存続を求める請願が出されたところであります。請願は、さきの本会議で常任委員長の報告のとおり、否決をされたわけでありますけれども、父母の方々の涙を見て、私も残念だなと思った次第であります。
 そこで、これまでほぼ1年、去年のスタートからすれば1年半あったと思うんですが、教育委員会が関係をする方々に理解を得るために、懇談会とか意見交換会の場を数多く持ってきたと私も承知をしております。直接、教育長にもお会いする機会もとって、私どもも同席をさせていただいたというのもあったわけでありますけれども、どのような説明をして納得を得るような形で行ってきたのか、改めて私、この間聞く機会がなかったわけでありますので、お示しをいただきたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 こまくさ幼稚園のあり方につきましては、昨年4月以降、委員御指摘のとおり、何度も保護者あるいはPTAの代表の方々等と意見交換を重ねてきたところでございます。この中で、県教委としての考え方、こまくさ幼稚園を閉園することとした理由などについて御説明申し上げ、また、保護者の方々からいろいろな意見、提案をいただいたところでございます。
 その結果、私どもの方として可能な限り保護者の皆様方の御意見、御提案を取り入れて検討をしてまいりました。それで、7月の段階で一定の検討結果ということで、保護者の方々に県教委の考え方をお示しし、その後、PTAの代表の方々に説明、また意見交換を行ったところでございます。10月7日には、保護者全員を対象とした説明会を開催いたしまして、理解を求めたところでございます。
 そういったことで、私どもの考え方、それから保護者の御意見を誠意をもってお聞きし、結論を出したところでございます。
〇伊沢昌弘委員 数多いいろいろな懇談をやってきたということで私ども説明を受けました。ただ、私も行ってお伺いした経緯があったんですけれども、来年やめるという話は、実は、年度が変わってから一度も受けていなかったというお話を父母の方々からいただいたわけであります。廃止ありきではないよ、御意見をいただきたいということで、ずっと存続に向けた意見を言ってきたということを言われました。
 私はその場で、行政というのは、昨年廃止を打ち出して、ことしつないだということは、次の年には基本的にはやめるという前提で、論外にあったのではないかということも私の口からもしゃべりました。しかし、直接的にそういうお話がなかったということだったわけでありますけれども、そのことの確認だけさせてください。思いがあったとは思うんですけれども、具体的に、そういうことで進めてこられたのかどうか、ここだけ確認させてください。
〇佐藤学校企画担当課長 私ども県教委といたしましては、昨年閉園という一つの方針を出したということを踏まえまして、その後、この閉園理由について、改めてこれを変えることがないかどうかという形での再確認をしてきたところでございまして、一たん、昨年閉園の方針を出したということを踏まえて、意見交換というものをやってきたつもりでございます。
〇伊沢昌弘委員 廃園の部分で、本当は英断をして何年か続けるということもあってよかったかと思っているところであります。
 そこで、結果的には、教育委員会の方で決めて、私もきのう、こまくさ幼稚園に寄ってまいりました。今年度の募集要項が既に配られておりまして、10月24日から27日まで、3日間の願書の受け付けだということで、最終的には平成21年3月で閉園しますよというのが、御丁寧に今回のものには書かれているようであります。昨年のものにはこれはなかったと思うんですけれども、そういった部分で今動いています。
 そういう中で、返せ、戻せの話じゃありません。幼児教育というのは、大変重要な教育だと私は思っています。そんな中で、このこまくさ幼稚園が30数年かけて培ってきた小学校との幼小連携教育とか、幼稚園教諭の養成事業を今後どのように広めていくのかというところが大変重要だと思います。そういった部分をどうお考えなのかお伺いしたいと思います。
 また、こまくさ幼稚園そのものが、来年3月に廃止されるものではなくて、現在の3歳児が卒園するまでの2年数カ月続くことになります。園児にとって楽しい幼稚園生活を確保するためには、教職員の皆さんとか、父母の皆さんの協力が大変重要だと思っているところであります。
 今後、教育委員会として、どのようにこの父母との協力体制も含めたものを構築していこうとしているのか。先日の形の中で、大変ぎくしゃくしたものになっていると私は思っておりますので、これらをどのようにしていこうというのか、お示しいただきたいと思います。
 あわせて、実はきょう幼稚園では幼稚園の公開を行っていると聞きました。前に行ったときに10月20日と聞いたものですから、多分午前中にやったと思います。教育研究については、小・中学校でも学校公開を行っているところであります。多くの教育関係者の参加のもとで、授業内容を公開して、それぞれ研究をしてきている。
 これまでの幼児教育に係る公開授業の実施状況、こまくさ幼稚園廃止後の対応については、県立がなくなったから幼稚園の部分については知らないとは言わないと思うんですけれども、どのように進めていこうとしているのか、この辺をお伺いしたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 まず、こまくさ幼稚園が培ってきました幼小連携、あるいは幼稚園教諭の養成についてでありますけれども、平成15年度、16年度にこまくさ幼稚園を幼保小連携の研究校に指定いたしまして、研究を実施してきたところでございます。
 また、こうした取り組みについては、県内各地で取り組んでおりまして、釜石市、あるいは大船渡市などの幼稚園でも実施しております。
 今後、こまくさ幼稚園でのこのような研究成果に加え、各県内の幼稚園での研究成果も広く県内に普及させていきたいと考えております。
 次に、幼稚園教諭を目指す実習園としての位置づけでございますけれども、盛岡短期大学の学生の実習施設であったわけですが、その大学がなくなったということでございますが、これまで、岩手大学附属幼稚園、盛岡大学附属幼稚園ほか、こまくさ幼稚園以外の幼稚園でも同様の目的で養成をしているところでございますし、他の幼稚園においても、卒園生を中心としまして受け入れをやっておりますので、そうしたことで、こまくさ幼稚園閉園後、幼稚園教諭の養成に影響を及ぼすということはないと考えているところでございます。
 次に、教職員や保護者の協力ということでございますが、私どもとしましては、閉園する平成21年3月まで、これまでにも増して在園の園児の方々に保育を充実させまして、できる限りのしっかりとした保育を行うことによって、こまくさ幼稚園に入ってよかった、卒園してよかったと思っていただき、また保護者の皆さんからも、その期待にこたえることが一番大切なことと考えております。このため、教職員一丸となって、この目の前にいる園児の保育に専念してもらうとともに、保護者の協力という部分では、今後、閉園に向けてのさまざまな課題、あるいは要望といったものがおありかと思いますので、それらに、誠意をもってお聞きし、対応していくことで協力を得ていきたいと考えております。
 次に、公開授業の実施状況ということでございますが、こまくさ幼稚園においては、平成13年度から17年度まで、県内の幼稚園・保育所の職員を対象とした研修として、保育技術協議会というものを実施してきたところでございます。今年度は、またそれとは違った形で自主公開という形で公開を行っております。
 これらの公開については、各県内の公立幼稚園、私立幼稚園でも行っているところでございまして、今後、保育公開による教職員の研修につきましては、さまざまなこういった他の幼稚園を参観していただいて、そして、研究協議を行いながら資質の向上を図っていきたいと思っておりまして、県教委といたしましては、幼稚園担当指導主事を置いておりますので、この指導主事をそれらの研究会に派遣いたしまして、指導・助言をして支援をしてまいりたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 まさに幼児教育、そこの部分からスタートしていって、行った人たちだけがということではないと思うんですが、小学校、中学校に行って、核になって、仲間づくりをしながら、いろいろな意味での不登校対策なり、いじめ対策を含めてもいろいろな効果が出るものだろうと思うので、今言った部分を含めてきちんとした対応をお願いしたいと思っております。
 最後になりますけれども、もう1点お聞きします。
 実は、岩手県立学校設置条例というものがありまして、その3条に、県立の幼稚園を次のとおり設置するとあり、こまくさ幼稚園が明記されています。平成21年で閉園しますという形になるんですが、今の段階で廃園がもう決まっているわけですね。直ちに施設が廃止される状況にはないわけですけれども、条例に記載されている施設の廃止にかかわる、いわゆる募集停止も含めて今公然となっているわけですが、条例の廃止条例というものについては、私は今見ておりません。なくなる寸前で条例がかかればいいのだとお思いなんでしょうけれども、議会で、このこまくさ幼稚園にかかわる論議をしたのは、請願が出たということだけで、常任委員会の中での話でございました。
 あらかじめ何年度かわかると、廃止条例の変更を出して、施行規則を廃止の部分でやるという方法もあるのではないかと思うんですが、これらについては、いろいろなテクニックもあろうかと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。出すべきではなかったかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
〇佐藤学校企画担当課長 こまくさ幼稚園に関する条例改正についてでありますけれども、県教委では、こまくさ幼稚園は、現在の3歳児が卒園する平成21年3月に閉園することとして、19年度の募集は、3歳児の募集を停止して4歳児のみとするという方針を県議会に御説明、報告した上で、最終決定することとしておりました。今般、こまくさ幼稚園の存続に係る請願が県議会に提出され、審査され、不採択になったことから、県教委の方針が了承されたものと受けとめまして、教育委員会規則を改正いたしております。それで、4歳児のみの募集としたところでございます。
 手続上、正式な廃止決定は、委員御指摘のとおり、岩手県立学校設置条例の改正をもって行うものでありますが、県立学校の廃止につきましても、従前、この条例改正については、最後の1学年のみとなった年度に行ってきているということから、この例にならって、こまくさ幼稚園についても同様に、5歳児のみとなった年度、すなわち平成20年度を改正時期と考えているところでございます。
〇伊沢昌弘委員 従前そういうことでわかるんですが、さりとて、廃止条例を審査する際に、後はいませんよと言えば、それは相ならん、続けろと言っても、これは論議にならないわけでありますので、あり方については、学級編制なり募集については、教育委員会の特権事項だとは思うんですけれども、あり方について再考すべきではないかと思いますので、その辺、指摘をさせていただきたいと思います。
 最後に、今いみじくも請願という言葉が出ました。教育長にお伺いしたいんです。
 この間、教育委員会にかかわるいろいろな、学校再編なり、今回も、こまくさ幼稚園のみならず、福岡工業高校の学科再編の問題についても請願という形で出されました。佐藤担当課長とか、遠藤室長含めて、教育委員会の皆さんが誠心誠意、こまくさ幼稚園についても、その他についても頑張っていろいろ論議をしてきたと思うんですね。ただ、最終的に理解が得られずに、県民の請願権があるのはそのとおりでありますけれども、請願によって、県議会の方にその趨勢を決めることをゆだねるといいますか―言い方が悪ければ―それが賛否を問うと、賛成になっても反対になっても、どちらにとっても不幸だという部分があると思うんです。
 教育の本当のやり方というのは、地域社会で子供たちに思いやりのある心、豊かな心をもって、学校、地域、家庭が協力体制をとるというのが基本理念だと思うわけであります。そういった意味からいけば、いろいろな新しくつくるもの、改廃するもの、設置をして関係者と話をする、十分な話をしてきた。しかし、最終的には押し切るというのはあっていいと思うんですが、請願に余りにも結びついてきた経緯があると思うんです。
 このような状況について、教育長、これは、今後改めるような形も含めて、もっと頑張ってほしいと思うんですが、御所見を承りたいと思います。
〇照井教育長 私ども、ただいま御指摘のありましたような学校の改廃でありますとか、学科のそうした設置とか等については、これまでも、いろいろ時間をかけて地元の皆様方に十分御説明をして、御理解を求めてきたところでございますが、こうした請願という形で2年続けて出てきたということについては、やはり、さらに今後、いろいろなこうした問題が出てくるときに、もっと、いずれ時間をかけて、そして地元の皆様方の一定の御理解をいただいて進めていきたい、このように考えております。
〇伊沢昌弘委員 全部というのは無理だと思うんですけれども、ぜひお願いしたいと思います。いろいろな課題がいっぱいあるわけでありますけれども、教育委員会並びに学校現場を含めて、教育委員会が一丸となって、岩手の教育、単なる学力向上というのが最大の眼目のようでありますが、他にもいろいろ課題がありますので、それらの推進に向かって邁進していただくことをお願い申し上げて終わります。ありがとうございました。
〇平野ユキ子委員 私の方からは1点お伺いしたいと思います。
 10款教育費中、6項社会教育費の4目芸術文化振興費中の岩手芸術祭開催費、事項別明細書で言いますと361ページの1、347万余円の決算額についてお伺いいたします。
 これは昨年度のものですけれども、今、岩手芸術祭がちょうど開催されている最中かと思いますが、この使途状況、内訳についてお伺いしたいと思います。
 もう1点は、この額は、多分こういった財政状況の中ですから、年々減額している状況ではないかと拝察するわけですが、前年比で何%減か。ここ数年、平成18年度、これは決算予定額となると思いますが、そこまで何%減かということをお示しいただければと思います。
 まず、これをお伺いいたします。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 岩手芸術祭に関する御質問でございます。
 この岩手芸術祭は、県民の芸術文化活動の成果を発表し、広く県民に鑑賞の機会を提供することにより、芸術文化の創造と発展に寄与するとともに、豊かな県民性の高揚に資することを目的として開催するものでございます。
 平成17年度の決算額についてでございますが、この開催費約1、347万円でございますが、この内訳については、まず、岩手芸術祭共催負担金、この芸術祭は、社団法人岩手県芸術文化協会、それから財団法人岩手県文化振興事業団、テレビ、新聞、ラジオ各社の共催で行っているところでございますが、この共催負担金として850万円。2番目に、岩手芸術祭の開幕フェスティバルの開催でございますけれども、この開幕フェスティバル、県内の芸術文化団体が出演して行うものでございますが、この開催に関しまして芸術文化協会への委託費約296万円。3番目といたしまして、芸術祭の事務に要する経費として、文化振興事業団への委託費約202万円となっているところでございます。
 それから、開催費の推移についてでございますが、平成15年度の決算額では約1、212万円、平成16年度の決算額では約1、198万円、17年度の決算額は申し上げたとおりでございますが、平成18年度予算額につきましては約1、353万円ということになっております。パーセンテージで申し上げますと、例えば、平成15年度の決算額を100とした場合には、18年度の予算額は111.6%ということになってございます。
 県教委といたしましても、厳しい財政状況ではございますけれども、芸術文化は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人生を送る上での大きな力となるものであることから、この芸術祭の開催も含めまして、文化芸術振興のための施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 減額になっているのかと思いましたが、今お聞きした限りでは、何とか予算措置をしていただいているようなので、安心いたしました。
 先日、10月7日、この芸術祭の開幕フェスティバルに御案内をいただいたので見てまいりましたけれども、本当にさまざまな芸術が披露されまして、詩の朗読だとか、歌ですとか、コラボレーション―コラボレーションというのは昨年から始まったということで、さまざまな芸術の統合したような形で披露されるわけですけれども、ことしはモダン芸術のコラボレーションでしたが、本当に、実は見て、芸術のすばらしさを堪能した開幕フェスティバルでしたので、もっと皆さんに見ていただきたいと思いました。
 この当日は本当に悪天候で、多分、農林水産業の被害が生じた暴風雨のときだったと思います。盛岡市内も暴風雨で、会場に行くときは傘がキノコ状態になったりして非常に大変だったんですけれども、ただ、このフェスティバルに行って、そういった芸術作品といいますか、芸術を鑑賞して、本当に心が豊かになったという実感がございました。
 先ほど来、いじめの問題ですとか不登校、こういった教育現場での問題がるる出まして、それでその中で、心の豊かさに対する教育が必要ではないかというような意見が出ました。私も、全くそのとおりだと思います。
 昔は、芸術とか文化といいますと余り生産性がないわけで、芸術家というのは、いわばぐうたらと思われて、そんなことをしているぐらいなら、あるいは絵をかいたりとかしているくらいならば働けと言われたような時代もございましたが、本当に、それは時代背景としても殺伐とした時代だったと思うわけです。それで今、社会状況とかそういった学校教育現場を考えると、非常に人心が殺伐としているという状況を感じているわけです。
 岩手の場合は、さまざまな芸術、書道であれ、ダンスであれ、芸能であれ、全国的に見てレベルが高いと思うんですね。ですから、そういったところをもう少し子供たちにも味わって、そして教育現場でも生かしていただきたいという思いがあります。
 予算が減額しているのではないかと心配していましたけれども、今お伺いして安心していますが、これから先、どうしても減らさなければいけないときには我慢しなければいけないわけですが、こういった部分、芸術とか文化に関する部分も、やはり重要視していただきたいと思います。
 文化・スポーツの振興ということが、一つの今年度の目標だったということも最初にお伺いしましたので、そういった面におきまして、学校現場でのもう少し徳育の部分、知育が学力の向上ということでしょうが、徳育の部分で、文化と芸術といったものに触れさせて心豊かにするということが、教育として必要ではないかと思うわけですが、この点について教育長の所見をお伺いしたいと思います。
〇照井教育長 やはり子供たちを、今御指摘のありましたように、知、徳、体、これがバランスよくはぐくまれて、そして、しっかりと将来自立できる、そういうふうに育てていきたいと考えております。とりわけ、やはり徳の部分、中でも、豊かな心、美しいものに素直に感動するとか、そうしたことは、本当に将来を考える上で大事なところだと思います。
 したがいまして、学校教育の中でも、音楽とか、美術とか、そういう教科はもちろんですけれども、特別活動とか、部活とかというさまざまの場を通じ、それからまた、地域でも、いろいろな地域の皆様の御協力をいただきながら、そうした情操教育初め、健やかな心と体をはぐくむ取り組みを一層推進していきたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 ことしで59回ですから、来年は60回ということで一つの節目を迎えるわけですが、これだけ長い間続けてこられた陰には、関係各位の方々の御努力があったことと心より敬意を表する……。
〇吉田昭彦委員長 平野委員、質問してください。
〇平野ユキ子委員(続) はい。
 そういうことで、いずれ芸術とか文化の点におきましても、応援といいますか、その措置をお願いしたいと思いますので、要望で終わらせていただきます。
〇工藤勝子委員 質問に先立ちまして、先ほどお話ありましたように、遠野市に養護学校の分教室が設置されるに当たりまして、感謝を申し上げたいと思います。
 県内におけるモデル校となりますように、遠野市もない財源を使いまして空き教室の改築に入ると聞いております。そういうことで、今後とも、いろいろな部分で御指導、御支援をお願い申し上げたいと思います。
 また、通告しておりました不登校、それからいじめの問題については、各委員から議論が交わされましたので、私からは、この中で1点だけ聞いて終わりたいと思います。
 まず、学校現場と行政の教育委員会、また、その教育委員会の中には教育委員長、委員がいらっしゃいます。私も何年か教育委員を務めさせていただきました。学校の訪問というのは、入学式とか、卒業式の役割、それから1年に1回ぐらい学校訪問もあったんですけれども、やはりこういうことで、学校現場と教育委員を中心とした情報の交換、いいことにつけ、悪いことにつけ、いいことがあったならば、教育委員たちが出向いていって、その学校の先生方を褒めたり、生徒も褒めたり、もっと教育委員を活用すべきではないかと私は思いました。そういう点についての御認識をただして、終わりたいと思います。
〇大友教育企画室企画担当課長 教育委員の活動につきましてのお尋ねでございますので、お答え申し上げます。
 県の教育委員でございますけれども、県内の実態の調査ということも必要でございまして、本年度におきますと、4回、県内の広域圏別に教育事務所を回ってございまして、地域の教育関係者の方々と、それから学校訪問ということで回ってございます。そこでいろいろと現場の先生方の実態とか、保護者の方々の御意見とかを伺っておりまして、実態の把握に努めているということでございます。
 この点につきましては、まだ今年度1回残っておりますけれども、やはり現場の声を聞く機会というものも随時つくりまして、いろいろと実態を見て、理解していただきたいと思ってございます。
〇飯澤匡委員 養護学校費と外国青年招致事業費について、2点簡潔にお伺いします。
 先ほど来お話がありました、遠野市の県立花巻養護学校の分教室を設置するという報道がありました。県教委は、来年4月の改正学校教育法施行に伴い検討してきたということで、毎回毎回厳しい非難の質問ばかりしていたんですが、このことについては、大いに評価をしたいと思います。今後の広がりについては、期待がかかるということですが、先ほど千葉康一郎委員からも話がありましたように、私も、大いにこの広がりについて期待を持ちたいと思います。
 今回は、私が推測するところによると、遠野市のかなりの財政的、また、いろいろな部分での支援というものが確約されてこの設置に至ったものと思いますけれども、そこで、今後、こんな分教室設置の必要要件であるとか、設置基準、これらについて示していただきたいと思いますし、また、地元自治体との協議の中で、自治体側の協力体制として重要な点は何があるのかということを御披露していただければ、教えていただきたいと思います。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 養護学校等の分教室につきましては、当該学校以外の施設の中に教育の場を置く必要がある場合に設置するということでございまして、これまででありますと、病院ですとか、福祉施設などの施設の一部を借りるという形で、分教室を設置してまいったものでございます。
 そうした際の分教室の設置に当たっては、一定期間、学級を置くに足りるような安定した児童生徒数がきちんと見込まれるかということ、それから、障害のある子供たちにとってふさわしい教室を置くための適切なスペースが安定的に確保されるのかということ、もう一つは、教育委員会側の方といたしましては、教員の定数をきちんと確保できるかというような条件が整うかどうかということが条件になるわけです。
 今回、遠野地区の場合に当たりましては、1番目の対象児童生徒数につきましては、現在、他地区に通っている子供たちが小学部2学級程度ございますが、今後も同程度の人数が見込まれるということがありました。それから、大事なことは、教室の確保について、遠野市の側からきちんと遠野小学校の一部をという指定をいただきまして、なおかつ、その教室の一部を障害のある児童のために改修する、あるいは、トイレなどについても改修していただけるというような見通しが立ったということが挙げられると思います。
 そういうわけで、自治体側との協力体制ということで申し上げますと、今回の遠野市との協議の過程でも見られますように、地元自治体から非常に積極的な御提案をいただいたというものでありまして、地域を挙げての熱意と御協力をいただけたということが、分教室設置に当たっての何よりも大きい要素になったものととらえているところでございます。
〇飯澤匡委員 その遠野市の熱意というものは非常に感じましたし、ということは、先ほど東磐井郡の人数の件も御報告いただきまして、遠野市ほどではないですが、大体、非常に多い数が前沢養護学校、または一関の方の学校に通っていると。そうすると、一関市のいろいろな対応がきっちりすれば、こちらについても非常に可能性があるということですね。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 先ほど来話題になっておりますように、東磐井地区につきましても、前々から養護学校が未設置状態ということで、私どもといたしましても、大変気にかけておる地域でございました。決して遠野市だけが大事と思って進めたわけではございませんで、できるところから一つずつという進め方をさせていただきましたことについて、御理解願いたいと思います。
 一関市につきましても、早速、できるだけ早い時期に協議をさせていただきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 市側の方にも、千葉康一郎委員とともに働きかけたいと思います。
 それでは2点目、ALTの問題について。
 平成11年あたりから年76人の県教委の契約ということで、大変人数がふえて、それなりに所期の目的というものは果たしてきていると思いますが、人数がふえると同時に、その職能能力が低下しているのではないかというような意見が出されております。前も聞きましたけれども、そういう職能能力の管理についての状況をお知らせ願いたいと思います。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 まず、ALTの職能管理の状況について御説明申し上げます。
 本県では、年度末にALTの職務の状況について毎年調査を行っております。その調査の内容につきましては、まず一つ目が、勤務状況でございます。もう1点が、契約は3年間ということでございまして、再契約に当たっての適格性等を調査してございます。
 過去3年間、各所属公所から再契約不適当であると上申されたALTはございません。また、勤務状況につきましても、授業の状況、さらには生徒への接し方等5項目の評価につきましても、5点満点で、平均で3未満のALTは一人もおらず、良好な勤務状況にあると把握してございます。
〇飯澤匡委員 そのような把握だそうですが、どうやらちょっと違うような感じをいたしております。
 確かに、アメリカの景気がよくなって、今ちょっと悪くなりましたけれども、確実に米国からの外国人指導助手の質は、私は低下していると思います。
 そこで、これは文部科学省のいわゆる招致事業、したがって岩手県教委も採用しているわけですが、私は、そのような現実に厳しく対処して、こういう質の低下ということに対して、県教委は、独自のALT活用の基準を定めて、本県のALTの質を採用の段階から厳格に見定める必要があるのではないか。というのは、やはり76人という学校の確保のために、ある程度能力というものの見きわめがあいまいではないのかというような気がしております。
 先ほど申し上げましたように、聞く、そして話すという所期の目的というのは、もうある程度、ALT事業というのは約20年ですから、私は次の段階に入るべきだと。特に県立高校においては、高校の特色、そしてまた、さまざまな部分で多様に、これは機能的に、そういう基準を定めながら配置すべきではないかと考えますが、それについてはどのようにお考えですか。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 ALTの採用と配置について御説明申し上げます。
 本事業は、総務省が地方交付税措置を講じて実施している事業で、ALTの採用につきましては外務省が担当しており、県教育委員会で選考することはできないということになっております。しかし、能力・適性、人間性等、資質のすぐれたALTの確保につきましては、各県からも要望が出されているところでございますので、今後とも、外務省に要望をしてまいりたいと考えております。
 また、ALTの配置に当たりましては、県立学校に配置希望の調査を行いまして、その調査結果を踏まえ、ALTの専門分野、経歴等を勘案の上、現在配置しているところでございます。今後とも、より一層適正な配置に努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 全くかみ合わないですね。学校の希望で入れるということは、要するに、大分質が低下しているという、それは私の認識ですけれども、学校の希望に沿ってそのまま入れてしまうと、そういう質が低下のまま入っていってしまう。だから、岩手県内ではそこを、少し学校を絞ってもいいのではないかと。1人で2校を見るとか、もう一回そのような見直しをした方がいいのではないかということが私の意見です。
 その第2段階に入るというのは、さまざまな、例えば、ほかの教科のことを教えているというような能力のあるALTがいることも私は知っていますし、そういうことをどんどんさせていくような、いい循環にさせていくためにも、ただただ希望があるところにあてがっていくというようなやり方では、いつまでたっても進歩がないのではないかという意見でございますが、いかがですか。
〇遠藤学校教育室長 ALTの状況につきまして、さまざまな、それぞれの地域における現状、今までの配置の状況等を踏まえての御質問だと思います。
 今お話ししましたとおり、採用につきましては、直接県教委がタッチできないような状況になっておりますけれども、配置とか、あるいは再任用につきましては、各学校の状況を踏まえた形で、できるだけ適切な形で、場合によっては複数校に配置するとか、いろいろなことを考えております。
 いずれ、毎年、校長あるいは所属長の方から一応評価はもらっているわけですけれども、より適切な形で日ごろの活動、教科指導だけではございません、外国語指導助手という名前はついておりますけれども、さまざま地域活動とか、地域の方々と一緒になっての文化紹介とか、いろいろな活動がありますので、それらも総合的な形で評価して、より厳格な形で個人の評価をいただきながら、適切な配置に努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 くどいようですけれども、結局76人―今71人でしょうか、やっていて、日本の若い人と違って、やはり生活力であるとか、どうサバイブしていくかという点については、日本人も見習う点があると思うんですが、ここ数年、契約途中で帰ったり、それを補充するために何か別の形態で契約せざるを得ないというようなことも聞いています。それをイコール、私は能力の低下と含めて申し上げているところです。
 だから、そういうところも厳正にやはり県教委は見ながら、詳しくは申し上げませんけれども、そういう問題があるやに聞いていますから、そういうことで、第2段階に入るためには、少しレベルアップをしながらやっていかないとだめなのではないかということです。
 教育長、じゃ、最後にお願いします。
〇照井教育長 このALTの採用を直接担当している国に対して、ただいま御指摘のありましたような点と本県の事情、これをしっかりと御説明し、いずれ能力・適性はもちろんですけれども、人間的に立派なALTを配属していただけるよう強く求めていきます。それからまた、本県においても、ただいま室長がお答えしましたように、当然それぞれの学校で、学校の経営計画・方針がありますので、そうした方針に沿った形で、資質にすぐれた者を配置するように努めていきたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 今、飯澤委員のおっしゃったALTの問題ですが、私は現場を知っておりますので、一言、飯澤委員の今おっしゃったことにつきまして応援したいと思います。
 実際、ALTは、現場では本当に戸惑い、平成11年からですから、受け入れてかなり年月もたっていますから大分落ちついてきてはいますけれども、それでもいまだに、もし問題が起きていないとすれば、それは、受け入れている現場の先生方が本当に努力なさっているからだと思います。
 そして、契約途中で帰るとか、現場でのトラブルというのは非常に多々ありまして―もちろんいい方もいます。そのいい方というのは、英語なり外国語を教えたいという熱意に燃えて、そして日本に来ている方なんですよね。でも、そうではなくて、実際は、先ほどアメリカの経済がどうこうという話も出ましたが、失業しているために、日本に文部科学省で募集しているそれに応募して、かなり高いですから、ネットでいくと月30万円というアシュアランスがあって、それをクリアしているわけですから、そのために応募してきているという中途半端な思いで来ている先生も、実は、私は現場ですから知っています。ですから、そういう人たちは、教えようという意欲で来ているというよりは、そういったことが目的で来ているという現実もあるわけです。
 ですから、本当にいい方がいて、そういう方を欲しいという現場の要望もありますし、それにこたえてくれる先生も確かにおりますけれども、必ずしもそうではなくて、要らないという声もあるわけです。そして、要らないという声は、実は出せないという現場の思いもあります。要らないと言ったら能力がないのではないかと見られてしまうとか、そういうことももっと検案してほしいですし、私は、日本が好きで来たならば、非常に現場とうまくいくので、そういう人をよこしてほしい。
 そのために一つの方法として、日本語能力3級検定を取っている人というような条件を出して、文部科学省で募集したらどうですかということを商工文教のときに申し上げたことがあります。ですから、そういった要望を出していくということも必要なのではないかと思いますので、もう一度、御所見を伺いたいと思います。
〇照井教育長 いずれ本県が求めるそういうALT像といいましょうか、こういったものをしっかりと国の方に示しますし、それからまた、先ほど3年ごとの契約のときに評価するということでしたが、この辺の評価、これをしっかりと基準等を例えば定めて、その辺をやっていきたいと思います。
 いずれ、それこそ子供たちにとって、学校にとって、地域にとって、信頼され、頼りにされる、そういうALTを配置できるように努めてまいりたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 関連質問は簡潔にお願いします。
〇平野ユキ子委員 そういう要望を出していくことができるのであれば、もう一つ、現場の声として申し上げておきたいことがあります。
 本当に熱心に教えたい先生で、現場と合っていて、もっとやりたいというのに、今おっしゃったように3年が年限なんですよね。そういう方たちの継続する道もしていただきたい。そういう方たちが、もう外国に帰らざるを得なくなって、そして、来た人たちとまた新たにトラブルを回避しながらやっていくというのは、本当に現場も大変ですし、生徒たちも残念な思いでおりますので、そういう方たちへの道も残していただきたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 今のは要望ですか。
〇平野ユキ子委員 要望です。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇柳村岩見委員 関連質問ということの定義づけについて、やはり世話人会で確認を賜りたいと思います。といいますのは、自分の質問のチャンスが終わってから、ほかの方が質問したことに対して、やおら関連と言いますと、これも関連かということになりますと、後は何度でもいいのですか、委員長。
〇吉田昭彦委員長 関連質問は、本質問に対して関連性のあるもののみ、簡潔に発言されるようお願いしているところであります。
 進行いたします。
〇高橋比奈子委員 2点通告しておりますので、初めに、世界文化遺産登録を目指す平泉町についての質問です。
 6月に行われました国際専門家会議終了後の記者会見で、鉄塔が景観を損ねるという指摘がありました。これは、世界文化遺産登録に向け、実質的な審査を担う国際記念物遺跡会議オランダ委員、ロバート・デ・ヨング氏が、国際専門家会議を終えた後の記者会見で、正直に申し上げて、景観に好ましくないものもあって、金鶏山を望んだとき鉄塔がすぐ後ろに見えた。これは何かの間違いに違いないと思いましたと指摘しています。
 来年の夏には、ユネスコ世界遺産委員会から依頼された専門機関の現地調査も予定されており、現状のままでは登録へのネックとなりかねないと関係者は指摘しております。これに対しまして、マスコミ報道に、文化財・世界遺産担当課長は、現状をしっかり話された後に、将来にわたって考える必要はあるというコメントをしてくださいました。現状をぜひお知らせいただきたいと思います。
〇中村文化財・世界遺産担当課長 金鶏山の鉄塔が景観を損ねているという問題、委員御指摘のとおり、国際専門家会議で指摘があったところでございます。史跡地内の鉄塔につきましては、世界遺産登録の際にマイナスの要因として働くということは考えられるところでございますけれども、一方で、一般家庭等の電気を供給する上で欠かせないものでもあるというところのものでもございます。そこで、世界遺産登録の推薦書等におきましては、公益上必要なものは、現状の利用を尊重しつつ、当面修景等を行うことによって景観に対する影響の軽減を図ると記載したところでございます。
 鉄塔につきましては、現在、地元平泉町や文化庁とも対応を協議している段階でございますけれども、その方針が固まり次第、事業者にも協力をお願いしてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋比奈子委員 ただいま協議をされているということでしたが、一たん登録された世界遺産が、景観上好ましくないという理由で、最近取り消しになった事例も出ております。ですから、私は、この件は昨年までは平泉町と東北電力との協議が足踏み状態になったままだという報道がございましたので、ぜひ県、それからまた国、また民間も合わせて、世界登録ができるようにお力をおかりして、全力を尽くしていただきたいと思いますが、いかかでしょうか。
〇中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 世界遺産登録になった後、例えば、高層マンション等ができて、危機遺産という形で登録されているものもあるわけでございますけれども、一度登録になったものが、現在、登録を外されたものはないと認識しているわけでございます。いずれそういったことがあれば、危機遺産として登録され、世界じゅうにそういった注目を集めるということでは、余り名誉なことではないとは考えているところでございます。
 いずれ今後、修景あるいは移設、あるいは埋設、さまざまな方法があるわけでございますけれども、どのような対処をするかということが決まった時点で、東北電力等とも協議をしてまいりたいと考えてございます。
〇高橋比奈子委員 ぜひ協議を今後も進めたいということで、また、この登録が取り消しになりそうだという事例があるということも、現状でお伺いしておりますので、その辺もお調べいただければと思います。
 次に、最近、私の子供が通学する盛岡市内の中学校を対象に、ある国立研究機関から、中学生における薬物乱用に関する意識・実態調査というアンケートが行われました。同様で、厚生労働省のアンケート結果も公表されておりまして、改めて、このような調査の依頼があったということを考えると、児童生徒における薬物の乱用が全国的にふえつつあるのではという不安を感じてしまいます。
 そこで伺いますが、本県の児童生徒における薬物乱用について、どのように把握していらっしゃるのか。また、国では、薬物乱用防止について県や教育委員会に通知をしております。また、教育委員会は、各学校に年に1度は学習の場をなど、指導の徹底を通知していますが、本県ではどのように進めていらっしゃるのかをお伺いします。
〇佐藤学校企画担当課長 児童生徒における薬物乱用について、どのように把握しているかというお尋ねについてでありますが、県教委では、そのような事案が発生した場合、学校からの報告を市町村教育委員会、教育事務所を経由して把握しているところでございます。
 今後とも、関係機関と緊密な連携を図りまして、把握に努めてまいりたいと考えております。
〇高橋スポーツ健康課総括課長 学校におけます薬物乱用防止教育についてでございますが、小学校、中学校では、保健の授業で、飲酒、喫煙を中心としながらも、シンナーや大麻などを取り上げながら、飲酒、喫煙、薬物乱用などの行為は健康を損なう原因となることの学習を行っております。高校では、同じく保健の授業で、薬物乱用とその薬理作用や薬物乱用が引き起こす社会問題等の学習を行っているところでございます。
 また、お話にございましたような中学校、高校に対しまして、年に1度は薬剤師や警察職員などの外部講師を招いて薬物乱用防止教室を開催するように、指導を行っているところでございます。これにつきましては、引き続き効果的な薬物乱用防止教室が毎年実施できるよう、各学校へ指導してまいりたいと考えております。
 また、文部科学省の方からも、パンフレット等、中学校1年生あるいは高校1年生を対象に、全生徒に配布できるような資料が届いてございますので、そういうもの等も利用しながら、指導への活用を図っているところでございます。
〇高橋比奈子委員 平成17年度は、警察庁の発表では、覚せい剤・大麻・シンナー・MDMAの合成麻薬は、全国で中学生が197人、高校生293人の検挙があったと発表されています。
 ことしの県での補導、検挙など、県内では行われているのか。それから、検挙、補導、こちらの方は県警の担当になります。万が一にも検挙の事実があった場合は、その児童の更正を第一に、県警と連携をとられて御指導をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤学校企画担当課長 今年度の状況につきましては、現在のところ報告は受けておらないところでございます。
 警察との連携につきましては、いわてっ子健全育成サポート事業ということで、県教委と県警察本部の間で連携をとりながら、情報交換をし、こういう問題行動に対して対応しているところでございますので、このような連携を今後とも密にしながら、取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 私の方の情報では、文部科学省の指定で、雫石町の学校で、今月末に薬物乱用防止の公開研究会を開催する予定だということを伺っております。これに、ぜひたくさんの方が参加されて、成果を各学校に周知され、一層の充実を、また、これを機に、ぜひ各学校などと連携をとられまして、こういうことがないよう徹底した指導をお願いしたいと思いますが、最後に、この御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋スポーツ健康課総括課長 今お話がございましたように、文部科学省の薬物乱用防止教育支援体制整備・活用モデル推進事業の指定を受けまして、雫石地区を地域指定にして、小・中・高が連携し、各発達段階に応じた薬物乱用防止教育の進め方について、調査研究事業を行っているところでございます。
 御指摘のとおり、各方面に連絡、通知いたしまして、多くの教職員、あるいは保護者等が参加できるような形をとらせていただきたいと思っております。
〇小野寺好委員 最初に、小・中学校のコンピューター指導体制について伺います。
 いただいた資料の中には、小・中学校情報教育設備整備事業、こういったものがあるんですけれども、今の時代の道具としてのコンピューターなんですが、必ずしも幸せとか、そういったものに結びつかない。例えば、長崎で小学生同士の事件がありましたので、このコンピューターについても、多分に親の所得とかで、扱える子とそうでない子の格差とかが物すごいのかなと、そういったこととか、あと、果たして接続して情報発信とか情報収集、小学生、中学生に本当に必要なんだろうかと、そういった疑問も抱きます。そこで、現在の小中学校におけるコンピューターの指導者、あと設備、どの程度までコンピューター教育にかかわっているか、弊害等がなかったかお伺いします。
 次に、先ほど来不登校についていろいろ出ていますけれども、高校になった場合、不登校あと退学、そういったことにつながるかと思うんですが、最近の県立高校の退学者。あと、これに対してどのような対策を講じてきたか。退学したら学歴としては中学卒なんですが、今の時代では本当に大変じゃないかと思うんですが、高校を退学した人はその後どうなっているか追跡調査、もしやっていればお聞きしたいと思います。
 最後ですが、17年度に県立高校20校を選んで進学目標達成推進事業、こういったことで、要するに予備校化しているかと思うんですが、最近、かつてのような有名校主義はちょっと色あせてきたんじゃないかと思うんですが、時代おくれの追っかけをやっているような気がするんですが、どの程度評価されているか、お聞きしたい。
〇佐藤学校企画担当課長 小中学校のコンピューターの指導体制についてでございますが、まず、小・中学校のコンピューターの設備状況でございます。
 コンピューター1台当たりの児童生徒数という統計がございまして、小学校では7.1人に1台、それから中学校では5.5人に1台ということで、いずれも全国平均を上回っているという状況にあります。小学校、中学校の指導の面では、小学校では、自由に表現できる楽しさを味わわせるという、基本的な操作を身につけさせるものでございまして、総合的な学習などで教員が指導しているところでございます。
 一方、中学校におきましては、技術家庭の教科の中で情報とコンピューターという単元がございまして、その中で指導しているところでございまして、技術家庭の教員が研修をして指導に当たっているという状況でございます。
 弊害につきましては、子供が被害者、加害者として犯罪に巻き込まれるケースとか、子供の人格形成に悪影響を及ぼすというようなことが問題とされていることから、各学校におきましては、情報モラルの指導ということで、さまざまな指導を行っているところでございます。
 また、所得格差ということにつきましては、こういった形で、ある程度学校の方でのコンピューターの設備が整っているということから、学校のコンピューターで子供たちが扱うことによって、例えば自宅にコンピューターがある、ないによっての格差というものは、特に学校教育の現場においては、差が生まれていないと聞いているところでございます。
 次に、県立学校における中途退学者の状況でございますけれども、17年度の中途退学者は521人でございまして、中退率で申しますと1.43%でございます。昨年に比べて44人増加しているところでございます。
 退学者のその後の進路につきましては追跡調査を行っておりませんが、退学時点での進路を聞いた中では、就職、アルバイトというものが最も多く46%、その他例えば高等学校卒業程度の認定試験、いわゆる昔の大検というものを受けるといったものが23%、他校の高校に入学というのが19%ととらえております。
 今後の対応につきましては、中高連携ということで一貫した指導を行う必要があることから、特に中学校における進路指導を行うため、高校の1日体験入学を充実させて不本意入学を減らすというような取り組みや、高校においては、魅力ある学校づくりを推進し、わかる授業、参加する授業の工夫改善を進めまして、学校としての取り組みを充実させているところでございます。また、カウンセリングや相談体制といったものも充実させまして、生徒の相談の対応をしているところでございます。
 このような取り組みを通じまして、生徒が充実した高校生活が送れるよう、きめ細かな親身な指導に努めることによりまして、中途退学者を減らしてまいりたいと考えております。
〇熊谷主任指導主査兼高校教育担当課長 次に、本来の教育目標と生徒、保護者等の進路希望との間でどのように工夫されているかという御質問でございますけれども、まず、教育目標についてでございます。
 高等学校の教育目標は、学校教育法によりまして、中学校における教育の成果をさらに発展拡充させ、国家及び社会の有為な形成者としての必要な資質を養うこと。二つ目が、社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること。3点目が、社会において広い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めることとされております。これに沿いまして、本県の各高等学校におきましても、それぞれ教育目標を掲げ、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 近年におきまして、生徒並びに保護者の多様なニーズに対応するため、生徒個々の進路希望に応じたり、教科・科目を受講できる選択科目制を導入する等、教育課程を弾力的に編成したり、習熟度別授業を行っている学校も多くなってきております。さらには、昨年度より20校におきまして、進学目標達成推進事業などを実施しているところでございます。いずれも、これは、生徒の学力向上方策を支援するということで行っている事業でございます。しかし、その一方で、ほぼすべての高等学校におきまして、望ましい職業観を育成するために、インターンシップや職場体験学習を実施したり、豊かな心を育てるために、老人施設におけるボランティア活動等の体験的学習を導入、あるいは芸術鑑賞会や文化講演会等を開催したりしております。さらには、思いやりの心を育て、仲間意識や帰属意識を高めるために、クラス対抗スポーツ大会や、合唱コンクール等も開催しているところでございます。また、各学年が設定する学年目標におきましては、第1番目に、基本的生活習慣の確立を掲げることが通例であり、さらに運動部、文化部の部活動への参加を積極的に指導し、たくましい身体と強靭な精神力を兼ね備えた人材の育成にも、十分、意を用いているところでございます。
 このように、教科指導や学校行事等、学校の教育活動を通じて、生徒、保護者や地域等のニーズにこたえるだけではなく、学校本来の目標である知・徳・体のバランスのとれた人材の育成に努力しているところでございます。
〇小野寺好委員 ただいまは充実した高校生活を送ってもらえるように頑張っていると、そういったお話でしたけれども、かつての年間700人、800人、そのときと比べれば521人というのは確かに少なくはなっているんですけれども、その本人とか家族にとっては本当に深刻かなと。そこで、例えば勉強についていけない場合に、学力をつけるための補講をやっているとか、学科がちょっと合わないとかといった場合に、同じ学校の中での学科を変わるとか、よその学校に転学するとか、そういった、やめるという決断の前にどのような体制で臨んできているのか、ちょっともう一回確認して終わりたいと思います。
〇遠藤学校教育室長 今、御指摘いただきましたとおり、確かに全体の数は減ってきております。ただ、一人一人の子供の立場、保護者の方の立場に立ってみると、本当に重大な問題だと思います。それで、いろんなつまずきでもって中退せざるを得ないような状況に陥る生徒がいるわけでございますけれども、直接的にはクラス担任とか、あるいは場合によってはクラブの顧問とかが、個人個人に対するきめ細かな指導をやってきております。不登校とはまた違うかもしれませんけれども、場合によっては、保健室とかというような養護教諭の力を借りながらということもございます。いろんな教育相談の担当の教員もございます。いろんなネットワークの中で、教科の指導でつまずく場合には、補講とか個別指導、家庭訪問までしての指導をやる場合もございますし、あるいは、そんなふうな子供さんがいる場所みたいなものを学校につくって、いろんな教員あるいは地域の方の力も借りながら力をつけて、何とかして、できればその学校で卒業させたいという思いは、すべての教員が持っているところでございます。ただ、どうしても難しい場合、どうしてもいろんなハードルを越えられない場合は、次のところ、どんなところに行けばその子が生かせるかということを考えて転学も考えます。普通科から専門科とか、そんなことも場合によっては考えることもございますし、さらに、学校になかなか適応できないような場合には、いわゆる大検みたいな制度もございます。さまざまな方法で橋渡しの工夫はやっておるところでございますので、可能な限りの形で、各学校は努力をしているということを御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 では、1点のみ。
 少人数学級、35人学級の実施状況とその効果について。また、市町村独自に少人数学級を実施している状況を示していただきたい。来年度は小学校2年生まで拡充される方針が示されていますけれども、競馬組合の犠牲になるようなことはないと私は思っていますが、大丈夫でしょうか。
〇熊谷小中学校人事担当課長 少人数学級の実施状況についてでございますが、小学校1年生、28校で実施しております。また、研究指定校の継続として、小学校2年生で9校、4年生で2校で実施しております。中学校は、弾力的な学級編成により8校で実施しております。
 効果についてでございますが、8月に総合教育センターが、小学校1年生の実施校28校に対して実施いたしました少人数学級のアンケート結果によりますと、学習面において、集中して授業を受けるようになってきている。生活面においては、落ちついた学校生活を送ることができるようになっているなど、指導の効果が上がっているという報告がなされております。また、市町村独自で少人数学級を実施している学校はございません。
 それから、来年度の2年生の拡充についてでございますが、本県の小学校は、原則的に小学校1年生から2年生に進級する時点で学級がえを行わない学校が多いことから、児童の立場に立って、2年生においても35人学級に拡充する計画で、現在検討しているところでございます。
〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑ありませんか。
〇佐々木一榮委員 飲酒運転が今大きな問題となっています。あと1カ月半ぐらいしますと、忘年会シーズンに入るかと思いますけれども、平成17年県教育委員会事務局教職員の酒酔い運転、酒気帯び運転の件数、処分状況はどうなっていますでしょうか。また、今年度の状況がわかれば、お聞かせいただきたいと思います。
 知事が、8月の福岡の市職員の事故のことを受けて記者会見をしておりますけれども、実はその事件以前から飲酒運転の原則免職は、青森、秋田などの教育委員会を含め、7府県の教育委員会が厳罰化をしており、多くの教育委員会が現在検討中ということで聞いております。知事は、酒気帯び運転も酒酔い運転もどちらも重大な違反、よほどのことがない限り一番重い処分でいいということで、酒酔いと酒気帯びの分け隔てなく厳罰化をすると、要は懲戒免職ということだと思いますが、こういうことを会見で述べられております。現在、県教育委員会ではどのような検討状況でしょうか。
 私、知事部局よりも先に教育委員会が発表した方がよろしいのではないかというように思っておりますが、いかがでしょうか。
〇青木教職員課総括課長 教育委員会におきます飲酒運転等の発生処分状況についてでございますが、平成17年度におきましては、酒気帯び運転が2件発生してございまして、いずれも停職の処分をいたしてございます。本年度に入りましてから、教員による飲酒運転が既に2件発生しております。県教育委員会におきましては、この2件の事案のいずれにつきましても、違反の態様、内容を個別に十分に調査した上で、飲酒運転の同乗者を含めて、3人について懲戒の免職処分といたしているところでございます。
 私ども、その飲酒運転につきましての処分基準を持っておりまして、その基準によりますと、免職または停職以上の処分にするという扱いにしてございます。その飲酒運転につきましては、基本的には停職以上というのが基準でございますけれども、実際の運用におきましては、この飲酒運転の社会的な影響の大きさということを十分に考慮いたしまして、飲酒運転は原則として免職になるというような基本的な方針で対応してきているところでございます。
 今後におきましても、飲酒運転を行った教職員に対しましては、その事案の態様、内容を十分に調査した上で、厳正に対処していきたいと考えてございます。さらには、免職処分となった場合につきましては、原則として、氏名等も公表しているという状況でございます。
 今後においても、この基準に基づきまして、私どもも厳正に対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木一榮委員 それでは、これはぜひ県教委の方から、そういうルールがもうきちっとあるということでありますが、これは新聞報道で、全国のこういう検討状況ということになりますと、岩手県は、ただ変更なしということだけになっているんですよね。例えば青森、秋田は、原則免職というように、もう以前からやっているということで、これはアンケートのとり方がはっきり言って違うんだと思いますけれども、やはりこの辺を、県民はこういった情報しか入らないと思いますので、もう少しきちっと公開すべきじゃないかと思いますので、その辺はぜひ御検討をお願いしたいと思います。
〇吉田昭彦委員長 ほかにありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後 5 時41分 休 憩
午後5時58分再開
〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇山下警察本部長 平成17年度の警察本部関係の決算について御審議をいただくに当たり、まず、警察業務の推進状況について御説明を申し上げます。
 県警察といたしましては、県民の安全と平穏な生活を守るため、平成17年度における運営重点の基本姿勢を、県民のための力強い警察と設定をいたしました。地域社会と連携を図りながら、活動重点として掲げた身近な犯罪の抑止、交通死亡事故の抑止、少年非行の防止、悪質・重要犯罪の徹底検挙、テロ・災害等突発重大事案対策の推進の5項目に、組織の総力を挙げて取り組んだところであります。
 昨年の県内の治安情勢につきましては、刑法犯認知件数が1万1、289件で、前年に比べて1、596件、率にして12.4%のマイナスとなり、平成14年以降、4年連続して減少しております。一方、刑法犯検挙率も、平成13年の過去最低の水準から4年連続上昇するなど、犯罪の増加傾向と検挙率の低下に一定の歯どめがかかりつつあるものと認識をしております。しかしながら、本年に入り、高校生による母親殺害事件、一関市や洋野町での強盗殺人事件など、かつて見られなかったような凶悪な事件が相次いで発生するとともに、女性、子供を対象とした性犯罪が多発するなど、極めて憂慮すべき状況にあります。
 また、交通事故による昨年の死者数は114人で、平成14年以降4年連続して減少しており、特に本年は9月末現在で死者数が50人と、前年同期に比較いたしましてマイナス37人、率にしましてマイナスの42.5%と激減をしておりますが、死者数に占める高齢者の割合は全国に比べて高いなど、いまだ予断を許さない状況にあると認識をしております。
 国、地方とも、財政状況が極めて厳しく、職員の大幅な削減に取り組んでいる中、緊急治安対策の一環として、県警察においては、平成17年度は10名、平成18年度は20名の警察官が増員されたところであります。県警察といたしましては、その意義を十分踏まえつつ、県民が強く望んでいる犯罪や事故の不安が少ない社会の実現のため、自治体を初め関係機関等と連携を図り、協働しながら総合的な治安対策を推進し、県民の安全・安心な暮らしの確保に努める考えでございます。
 それでは、決算について御説明を申し上げます。
 お手元の平成17年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。第9款警察費の歳出予算現額は295億3、001万円余で、これに対する支出済額は293億6、365万円余であります。支出済額は、前年度に比べますと2億9、843万円余、1.0%の減となっております。
 なお、翌年度繰越額は、交通安全施設整備事業の484万円余となっております。
 この結果、一般会計決算額に占める警察費の決算額の割合は、3.9%となるものであります。
 以下、個々の内容につきましては、お手元の平成17年度歳入歳出決算事項別明細書により、項目ごとに主な事務事業の成果とあわせて御説明を申し上げます。
 334ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費の支出済額751万円余は、公安委員の活動経費や委員報酬など公安委員会の運営に要した経費でございます。第2目警察本部費の支出済額244億7、336万円余は、警察職員の給料、職員手当などの人件費が主なもので、ほかに警察情報管理システムなどに要した経費でございます。第3目装備費の支出済額3億6、205万円余は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両の購入や車両、警備船、航空機などの維持管理に要した経費でございます。
 次に、336ページをお開き願います。第4目警察施設費の支出済額9億3、698万円余は、治安の基盤をなす警察署、交番・駐在所などの警察施設の整備や維持管理などに要した経費であります。第5目運転免許費の支出済額6億9、618万円余は、自動車運転免許試験、更新、行政処分などの経費のほか、道路交通法の一部改正に伴う試験コースの改修などに要した経費であります。次に、338ページをお開き願います。第6目恩給及び退職年金費の支出済額7、363万円余は、恩給、扶助費等の支出に要した経費であります。
 次に、第2項警察活動費第1目一般警察活動費の支出済額8億3、891万円余は、交番相談員の配置などの交番・駐在所関係経費、警察通信施設の維持管理経費及び110番通報を処理する新通信指令システム経費のほか、新警察移動通信システムの整備に要した経費でございます。交番相談員設置費につきましては、平成17年度末で19名の交番相談員を配置しております。交番相談員が配置された交番では、地域警察官がパトロール活動を強化できるほか、地域警察官が不在となる、いわゆる空き交番の改修を図ることができることから、今後も継続していく必要があると考えております。第2目刑事警察費の支出済額3億3、950万円余は、少年非行防止や銃器・薬物犯罪対策などの保安警察に要した経費及びサイバー犯罪対策に要した経費並びに犯罪捜査に要した経費であります。少年非行防止対策及び保安警察費関係では、安全・安心まちづくり推進事業の一つとして、犯罪の多い地域をモデル地区に指定をし、自主防犯活動に必要な防犯パトロール用の資器材等の支援を行いました。その結果、事業を実施した地域では、刑法犯の認知件数が県全体の減少率を上回る減少を示すという成果が得られたところでございます。身近な犯罪を防止し、安全な暮らしを確保していく上で、地域社会との連携とその活動に対する支援が重要であり、継続的に取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、340ページをお開き願います。第3目交通指導取締費の支出済額16億3、549万円余は、交通安全活動や交通指導取締活動に要した経費及び交通事故の防止と交通の円滑化を図るための交通安全施設の整備、維持管理などに要した経費のほか、道路交通法の一部改正に伴う良好な駐車秩序を確立するための違法駐車対策事業に要した経費であります。交通警察費関係では、自動車保有関係手続ワンストップ化事業として、いわゆる自動車保管場所証明関係の手続について、窓口に出向かなくても電子申請で行うことができる行政手続のワンストップ化のためのシステムを構築するため、平成17年度はシステムの基本設計を行っております。平成19年1月の運用開始に向けて平成18年度も整備を進めておりますが、今後は、対象業務の拡大に向けて継続して実施していく必要があると考えております。
 以上のとおりでございますので、よろしく御審議をいただきますようお願いを申し上げます。
〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木一榮委員 3点お伺いしたいと思います。
 先ほど教育委員会でも質問したんでありますが、飲酒運転にかかわってお伺いしたいと思います。
 飲酒運転、非常に大きな社会問題となっておりまして、8月に発生した福岡の事件、これは特に痛ましい事件でありましたけれども、これを契機に、公務員による飲酒運転がマスコミで非常に大きく取り上げられ、全国の多くの自治体では、懲戒処分基準の見直しなど厳罰化が図られているというようにお聞きしております。マスコミの報道の印象では、非常に公務員の飲酒運転が多いように感じられるわけでありますが、本県における平成17年度飲酒運転の検挙、事故の発生状況、また、この数値が全国に比較して多いのか少ないのか。また、このうち、全体に占める公務員の飲酒運転の状況はどうなのか、お伺いしたいと思います。
 過日報道されました岩手日報では、本県の処分は44人ということで、全国では、北海道に次いで2位というようなことも出ておりますけれども、お伺いしたいと思います。
 また、知事が会見で、県職員の飲酒運転は厳罰をもって臨むという発言をされていますが、逆に取り締まる立場の、また、県民に対して啓発を促す立場にある県警として、職員の飲酒運転を起こした場合の処分基準はどうなっているか。また、今後、厳罰化等の検討はされているのか、あわせてお伺いいたします。
〇小川口交通部長 本県における飲酒運転の検挙、事故の発生状況及び公務員の飲酒運転の状況についてお答えいたします。
 本県における9月末現在の飲酒運転の検挙件数は1、063件で、前年同期に比較して184件、14.8%減少しております。また、飲酒運転による交通事故につきましては62件の人身事故が発生し、8人の方が亡くなり、66人の方が負傷しております。前年同期に比較しますと、発生件数では2件増加、死者数では同数、傷者数では16人減少しております。
 本県における飲酒運転が全国に比較して多いか少ないかについては、昨年中の免許人口1、000人当たりの飲酒運転違反者数を見ますと、本県では1.95人、全国では1.79人となっており、全国平均を若干上回る違反実態が認められます。また、昨年中の飲酒運転による事故の割合を見ますと、本県では全事故5、766件中、飲酒運転による事故が77件で、その占有率は1.3%となっておりますが、全国では占有率が1.6%でありますので、事故の割合は若干低くなっております。
 次に、県警察で把握している公務員による飲酒運転の検挙件数は、9月末現在で19件となっており、前年同期に比較し2件減少し、飲酒運転全体に占める比率は1.8%となっております。
 なお、公務員の全国の状況については、把握しておりません。
 平成17年中の公務員の飲酒事故は、昨年は国家公務員3、県職9等になって、計26人になっております。
〇瀬戸警務部長 県警の職員が飲酒運転をした場合の処分基準、厳罰化の検討についてお答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、県警察は飲酒運転を取り締まるとともに、飲酒運転撲滅を目指して各種の取り組みを行っており、そうした組織の職員が飲酒運転を行うなどということは、絶対にあってはならない行為であります。したがって、仮にこうした事案が発生した場合には、事案の態様、本人の職責等を踏まえつつ、当然のことながら、厳しく処分をすることとしております。
〇佐々木一榮委員 それでは次に、職員の健康管理についてお伺いしたいと思います。
 最近のテレビ、新聞で、毎日のように痛ましい殺人事件ですとか新手の、新手法の詐欺ですとか、ネット犯罪など、非常に犯罪も多様化しております。先ほど本部長からお話がありましたように、私の地元のようなのどかなところでも、殺人事件が起こるというようなことでありまして、非常に大変な状況が起こっています。
 そこで、県財政も大変厳しく県警予算も圧縮されている中で、先ほどお話しのように、警察官の20名の増員を見たということでありますが、まだまだ不足の状況だと思います。そういった意味では、現場では大変苦労されていると思いますけれども、制服さえ更新できないというようお話も聞いております。
 そこで、警察の職員の方々の、メタボリック症候群ですとか、躁うつも含めて精神的なメンタルヘルス、こういった健康管理体制についてはどのようにされているのか、お伺いします。
 平成17年度の疾病別による、病気による休暇、これはどのようになっておりますでしょうか。また、その対応についてもお伺いします。
〇瀬戸警務部長 警察職員の健康管理対策についてお答えいたします。
 警察職員の健康管理対策につきましては、勤務時間が不規則であるという特殊性から、定期健康診断のほか、深夜業務などに従事する職員の健康管理に配意しまして、特殊業務健康診断を実施しております。また、各種のがん検診を初め、いわゆる生活習慣病等の予防対策として講習会を開催するなどの指導を強化し、病気の早期発見、早期治療に努めているところであります。
 一方、職員が健康で充実した職場生活を過ごすためには、メンタルヘルス対策が重要であります。メンタルヘルス講習会や管理職に対する研修を行い、心の健康に対する意識の高揚を図っております。また、専門医や相談窓口の紹介など、職員及び家族が気軽に相談できる環境づくりに配意しているところであります。警察組織が力強い執行力を発揮するためには、職員一人一人が健全な身体と精神を保持することが重要であると考えております。
 今後とも、食生活の改善や運動の習慣化など、健康的な生活習慣を確立することは、警察職員の責務であるという意識づけを図り、健康管理対策を推進してまいりたいと考えております。
 また、現在、30日以上の病気休暇による療養者は14名でございます。主なところで言いますと整形、つまり、椎間板ヘルニアとか骨折の方は5名、また、委員御指摘のメンタル的な方は3名ということでございます。
〇佐々木一榮委員 最後になりますけれども、県警察本部には、全県からさまざまな要望等が県民から上がっていると思いますけれども、警察署の施設整備を初め駐在所の設置、また、信号機を初めとする交通安全施設等の要望が多いと思いますけれども、平成17年度までのこれらの各地域の協議会といいますか、そちらを通ってきた要望に対する実施状況についてはいかがな状況でしょうか、お尋ねしたいと思います。
 また、県では新たな行財政構造改革プログラム、これ検討中と聞いておりますが、県警で予定しています──私も総務委員会時代に視察したんでありますが、機動隊の移転計画等、そういった分野について影響がないのか、お伺いしたいと思います。
〇小川口交通部長 平成17年における交通安全施設整備に関する住民要望の状況と整備実態についてお答えいたします。
 交通安全施設整備に関しましては、毎年各警察署で交通規制案を取りまとめる段階で、地域の皆さんから寄せられた意見や要望を織り込み、それを警察署管内の各方面の代表者の方々で構成されている交通規制対策協議会で検討の上、警察本部に上申する仕組みになっております。平成17年度における交通安全施設に関する住民要望による交通規制上申総数は627件で、そのうち実施した件数は444件となっており、実施率は70.8%となっております。
 主なものとして、信号機関連の要望が53件に対して実施数は16件で30.2%の実施率、横断歩道関係の要望が182件で実施数は139件、速度規制関係の要望が63件で、実施数は58件となっております。
〇元吉会計課長 警察施設の要望等の状況でございます。
 平成10年以降、警察署については建てかえが1件、新設1件の計2件、交番・駐在所については新設に係る9件の設置要望、陳情を受けております。これらの要望、陳情があったもののうち、設置が実現したものは1件であります。平成13年4月、水沢警察署管内に常盤交番を新設しております。
 続きまして、機動隊の庁舎整備についてであります。確かに現在、行財政構造改革プログラムの中で県財政、かなり厳しいものでございます。機動隊の庁舎の整備につきましては、大部分が国費整備を計画しております。若干ですが、県費は投入するつもりでおりますが、その意味では影響は少ないかと考えております。
〇工藤勝子委員 駐在所についてお尋ねをしたいと思います。
 一番身近なところで、地域の安全・安心を守りながら、日夜を問わず、事件・事故には一番先にかけつけるとか、相談窓口、それから地域回りをいたしておりますし、ひとり暮らしの老人の訪問もしながら、交通指導など24時間態勢で働いている現状がございます。子供たちからは、お巡りさんと言って親しまれておりますし、地域の人たちからは駐在さんと、名前で呼ばれないで駐在さんと声をかけられております。私の住むところの駐在さんが、1日の活動の様子をテレビで放映されたことも昨年度ありました。
 それで、県内における駐在所は何カ所ありますでしょうか。それから駐在所の老朽化、新しくなったところもありますけれども、非常に老朽化している部分も見えるんですけれども、そういう年次計画というものをきちっと立てていらっしゃるでしょうか。
 それから、警察官と異なる、例えば24時間態勢のような勤務をしている駐在さんもいっぱいいらっしゃるわけですけれども、こういう面についての優遇面というものはありますでしょうか。
 それから、駐在所に対するパトカー、我が地域にもミニパトカーが配置されておりません。自分の乗用車で地内を回っているわけですけれども、この配置率、配置計画についてお尋ねいたします。
〇瀬戸警務部長 交番・駐在所は県下に交番39カ所、駐在所171カ所、あわせて210カ所あります。その施設整備につきましては、地域の安全活動の拠点としまして、また、効果的な警察活動、住民サービスの向上及び勤務員の執務環境の改善等を考慮しまして、逐次、建てかえを行っているところでございます。
 建てかえにつきましては、建築後おおむね25年以上を経過した施設について、個別に老朽度や狭隘度を調査し、また、別地への移転が必要な場合は、移転用地の確保状況を調査するなど、総合的に検討し、建てかえを行っております。
 実際に過去5年間に建てかえいたしました交番・駐在所の建てかえまでの経過年数は、平均30.4年となっております。そうしたことから、こうした建てかえの対象となる建築後30年以上経過した交番・駐在所の数は、本年4月1日現在で、交番8カ所、駐在所24カ所、あわせて32カ所となっております。
 また、建てかえに至らない建物につきましても、老朽度合いから判断しまして、逐次改修を行い、耐用年数の延伸を図っております。さらに、市町村の下水道の供用開始に合わせ、トイレの水洗化工事、あるいは玄関にカメラつきインターホンの設置などの改修も行っております。
 次に、駐在所員の処遇についてです。
 駐在所に勤務する警察官につきましては、家族とともに地域に密着した活動を行っております。その特殊性から、家族に対する協力の謝礼といたしまして、駐在所等家族報償費が認められ支給しております。また、生活の著しく不便な駐在所勤務員には、特地勤務手当及び特地勤務手当に準ずる手当を支給しております。駐在所等家族報償費については、月額7万9、000円を支給しております。また、特地勤務手当及び特地勤務手当に準ずる手当については、駐在所の場所により、給料月額と扶養手当の合計額に100分の3から9を乗じた額となっておるところでございます。
 駐在所員につきましては、その特殊性から、警察本部長以下幹部警察官により、遠隔地等のいわゆる家族同伴駐在所の督励を実施しておるところです。その際、駐在所員及び夫人から、管内事情や夫人の労苦、要望等を聞き取り、職場や住居環境の整備、処遇面に反映させております。
 最後に、駐在所へのパトカー配備の状況についてです。
 本県は、管轄区域が広く、また、山間地帯や豪雪地帯を管轄する交番・駐在所が数多くあることから、管内における犯罪の未然防止や事件・事故発生時の早期対応など、迅速かつ的確な警察活動を行うため、小型警ら車、通称パトカーですけれども、その整備に努めているところであります。
 平成17年度末現在、県内171カ所の駐在所のうち、148カ所に整備しております。その整備率は86.5%となっておるところでございます。配置計画につきましては、平成18年度は9カ所の整備を予定しているところであり、今後とも、管轄区域の諸情勢を考慮しながら、計画的な整備を進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、駐在所勤務員の処遇及び施設の執務環境や住居環境の改善を図りながら、より効果的な警察活動を推進し、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 駐在所の老朽化というのは、家族同伴というような条件もありまして、やはり激務の関係から、少し住宅環境ばかりもきちっと整えてほしいというようなことがございまして申し上げたところでもございます。また、相談員の設置もありますが、19名と。171カ所において少ないんじゃないかなという思いがありまして、その認識についてもお尋ねしたいと思います。
 それから処遇面についても、土曜、日曜問わないんですね。地域のイベントにも出ますし、保育園、小学校、中学校のいろんな行事にも呼ばれます。何かお弁当があれば金一封も包みます。そういう関係で、非常にそういう面の交際費もかかっているのではないかと考えているところでございまして、そういう面も認識していただきたいものだと思っております。
 それからミニパトカー、やはり乗用車で地域を回るかミニパトカーで回るかでは、犯罪の未然防止というのはかなり防げる部分があるのではないかと思っております。普通乗用車で歩けば、だれが歩いているかわからない。でも、ミニパトカーで赤色灯でも回しなから歩けば、完全にそういうところには犯罪者が入ってこれないというような、とにかく1日1回は回っているみたいな状況であります。そういう面について、本部長からもう一度、この駐在所に対しての認識を聞いて終わりたいと思います。
〇山下警察本部長 委員御指摘のとおり、当県では地域に密着した警察活動という面で、駐在所の果たしている役割は大変大きいと思っています。
 申し上げましたように、箇所数が171カ所でございます。交番の39カ所に対しまして圧倒的に駐在所が多いと。まさに広い県土の安全・安心、しかも地域住民の方に最も密着した安全・安心というのは駐在所員、これは基本的には家族、配偶者同伴ということが原則となっております。夫人、家族とともに地域に移住をし、職住一体で、そこで地域に密着した警察活動を行うという点で、まさに委員御指摘のいろいろな労苦も多いと思っております。そういう意味で、御指摘の住居環境をきちっと整備をしていく必要があろうかと思っております。
 またイベント等、いろいろな行事、小学校の運動会であるとか各種の行事、それからいろいろな地域のお祭りとか、そういうところに必ず顔を出して、そして地域の方と交流することがまさに安全・安心を支える礎ということでございますので、土曜、日曜問わずというか、むしろ土曜、日曜の方がそうしたイベントは当然多いということでございます。したがって、そういうところへの労苦も含めまして、先ほど申し上げたような駐在所の手当も支給をしておる。あるいは特に、住居環境が大変厳しい、いわゆる僻地で勤務をしておる者については、そういう特地手当というのも支給をしておるところでございます。
 いずれにしても、こういった処遇面につきましては、やはりきめ細かく常に見ていかなきゃいかんだろうと思っております。私自身も、僻地で勤務をする18カ所の駐在所、ことしの4月から先月までに督励をしてまいりました。そうしたさまざまな実態も、よくこれからフォローしていきたいと思っています。
 それから、ミニパトについてのお尋ねでございます。確かにツートンカラーで、赤色灯を回転させながらパトロールをすると。特に最近問題となっております子供の安全対策という面でも、これ非常に重要でございます。多くの駐在所では、小学校の通学路、子供たちの帰宅時間に大体合わせて駐在所員がミニパトでパトロールしていると、こういう状況でございます。そういう意味で、先ほど申し上げたような整備率というのが十分なのかどうなのかというところにつきましては、本来は100%、当然目指さなきゃいかんだろう思っております。また、この点につきましても、引き続き整備をしていきたいと思っています。
 それから、相談員についてでございますけれども、これは駐在所ではございませんが、交番に相談員を配置しております。平成17年度末で19名と、先ほど申し上げました。本年度はさらに5名の増員をいたしました。現在24名の交番相談員を配置いたしております。先ほど御説明申し上げましたように、まさにこの警察官がどんどんパトロールで外へ出ると。そうしますと、交番はどうしても空いてしまいます。そうした交番が空いてしまっているという状態が、地域の方からすれば大変不安だということにもなります。空き交番対策ということを進めていくという上でも、相談員のさらなる整備ということにつきましても、今後とも進めていきたいと思っております。
〇及川幸子委員 交通対策についてお伺いいたします。
 まず1点目でございますが、私は平成15年の予算特別委員会において、開運橋西たもとの交通渋滞対策について質疑をさせていただきました。その中で、不来方橋が開通するまでの間は、信号機の総体的な時間調整などの検証を行い、渋滞緩和の措置を講じてまいりたいとの答弁をいただきました。その後、その取り組み状況を私も注視しておりまして、タクシーに乗った際に、運転手さんに聞いてみました。
 渋滞だったようですが、このごろどうですかと聞きましたら、ええ、大分変わりましてね、信号機の設置時間の時間帯が大分変わったんですよというお話でした。そこで、すぐその現場に行き、地域の要望をとらえて、いろいろと取り組んでおられるその姿に、本当に敬意を表したいと思います。
 まず、褒める言葉はこのくらいにいたしまして、現実にある程度の緩和効果を見たわけですが、本年3月27日に、その不来方橋が開通いたしました。私も通っておりますが、私の感覚として、県警の答弁があったとおり、橋の開通によってかなりの渋滞緩和が図られたと思うのですが、具体的な効果というのは実際どうだったのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
 2点目です。佐々木委員も質問いたしましたが、私は角度を変えて質問いたします。
 交通安全施設の整備状況についてお尋ねいたしますが、本県の交通事故の多くは、高齢者事故とお聞きしております。県警としても、高齢者事故への対策を重要視し、家庭訪問などさまざまな高齢者対策を推進されておられるようですが、ハード面においてはどうでしょうか。
 現在は、信号機等の交通安全施設も、歩行者支援装置や、視覚障害者用付加装置を取りつけたバリアフリー型のものもあると聞いております。当県においての、このような人にやさしい信号機等の整備状況をお示しいただきたいと思います。
〇小川口交通部長 開運橋西たもとの交通渋滞緩和と不来方橋の開通後の具体的効果についてお答えいたします。
 不来方橋の開通に伴い、開運橋における交通量のうち、市内から盛岡駅方向では28%、逆方向では24%が減少しております。具体的には、朝夕ラッシュ時の開運橋の交通量が減少し、渋滞が緩和されたほかに、隣接する旭橋の市街地方向への交通量の減少、中の橋でも、市街地方向への交通量が減少するなどの効果が見られます。
 次に、人にやさしい信号機の整備状況についてお答えいたします。
 平成17年度末現在で申し上げますと、人にやさしい信号機として、身障者、高齢者等の方が専用の押しボタンを押すことにより、通常よりも歩行者用の青信号の時間が長くなる弱者感応式信号機を46カ所、視覚障害者等に対し歩行者用青信号の状況を音声で知らせる音響式歩行者誘導付加装置信号機11カ所、メロディー式、擬音式などの視覚障害者用付加装置信号機を140カ所、視覚障害者等の方が使用する白つえに張った反射シートをセンサーが検出し、交差点の名称や歩行者用信号機の色を音声で知らせる歩行者等支援情報システム信号機を3カ所、信号交差点における歩行者と車両の通行を完全に分離する歩車分離式信号機を21カ所整備しております。
 ちなみに、本年4月にオープンしたアイーナ前交差点には、身障者、高齢者の方が多数利用することを考慮し、押しボタン式信号機に弱者感応機能と視覚障害者用の機能を付加しております。
 なお、本年度は、歩行者等支援情報システムを1カ所、これは盛岡市の開運橋東たもと交差点を予定しております。また、音響式歩行者誘導付加装置信号機を県内で5カ所、視覚障害者用付加装置信号機を同じく5カ所設置しております。
〇及川幸子委員 やはり財政難ということはわかりますけれども、この信号機の設置とかそれから身障者、高齢者の方々への優しい対策については大変要望があると思いますので、どうぞ頭をひねって、人にやさしいまちづくりのために御努力いただきたいと思います。
 3点目です。交通事故自動記録装置についてお聞きいたしますが、先日、夕方のテレビニュースが、岩手県内でも交通事故自動記録装置が設置されていると報じておりました。私は、この装置については余り聞いたことがなく、興味を持って見させていただきました。交差点で交通事故が発生した際に、衝突音やスリップ音を感知して、カメラが、その交差点内の映像を数秒前にさかのぼって自動的に記録するといったもののようです。
 そこでお尋ねいたしますが、この装置はいつから設置・運用されているのでしょうか。具体的には、どのような効果をねらって設置されたのでしょうか。また、この設置の費用、そして台数、設置箇所などをお知らせいただきたいと思います。
 続けて4点目ですが、先ほど佐々木委員からも質問されたので、私は飲酒運転の部分ですが、飲酒運転、酒気帯び運転の部分ですが、これは、飲ませた側にも罪があるということで伺っております。幇助罪という罪なそうですが、この間ある食堂に入りましたら、張り紙が3枚ほど張ってありました。全部同じ文句でしたが、当店ではドライバーには飲ませません。幇助罪で逮捕されますという物々しいもので、私もビールを飲もうかと思ったんですが、運転してはいなかったんですが、ちょっと、おっと思いましてお店の方に聞きました。ええ、すごいですねと言ったら、いやいや、うちは、いずれドライバーさんには酒は絶対飲ませないんですよということを言っていましたが、県内において、食堂にはそういう啓発的なことを運動されているのでしょうか、お知らせください。
〇小川口交通部長 最初に、交通事故自動記録装置の関係についてお答えいたします。
 この装置の効果についてですが、事故発生時の信号機の現示状況や当事車両の進行状況等を明らかにすることができるため、当事者間で争いなどがある交通事故の場合、客観的な証拠を示すことにより、科学的かつ効率的な交通事故事件捜査を推進することができるほか、交通事故の分析を通じて、再発防止対策にも活用できると考えております。
 本県におきましては、国費により平成13年2月に県内5カ所の交差点に5基設置し、運用しておりますが、本年においては、9月末現在で14件の交通事故を撮影して活用しております。
 なお、設置費用につきましては、当時、1基300万円余りとなっております。
 次に、飲酒運転の関係でございますが、飲酒運転の幇助等の違反の状況、飲ませた方でございますが、昨年は、飲酒運転者に自分の車を貸し与えた幇助違反が1件ありましたが、本年の検挙はありません。
 この飲酒運転幇助等の対策といたしましては、飲酒運転者等に対する取り締まり強化と合わせて、関係機関・団体と連携した飲食店を訪問しての協力依頼、飲食店業界への取り組みの強化の働きかけなどの、飲酒運転根絶に向けた啓発活動を強力に推進しているところでございます。
〇及川幸子委員 1基300万円というところですが、やっぱりこういう機械が装置されているということを知っただけでも、ドライバーは絶対注意するはずですので、積極的な装置をお願いしたいと思います。
 そして、この幇助違反、お店に訪問して啓発活動をなさっているということですので、引き続き事故防止のために、飲ませた方も大変な罪になるんだよという取り締まりの啓発を積極的にお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 じゃ、できるだけまとめて。
 交通安全施設整備費については、たくさん質問がありましたので、私は、なぜ大幅に削減されているのか、恐らく警察本部の予算・決算の減額以上に、交通安全施設整備費は減っているのではないかと思いますが、この間の推移を含めて簡潔に示していただきたい。
 それと、交通安全施設整備費の入札なんですけれども、これは、県警本部の方が積算をして入札をされるということだと思いますが、いかがでしょうか。
 二つ目、超過勤務時間の実態と超過勤務手当の支給の実績を示してください。
 三つ目、新昇給制度、成果主義賃金制度の導入について。私は、これは警察の業務になじまないのではないか。全国の警察の状況はどうなっているでしょうか。県警本部の取り組み状況について示していただきたい。導入するとすれば、評価基準は何か。上司の目ばかり気にする警察官がふえるのではないか。いかがでしょうか。
〇小川口交通部長 交通安全施設整備費についてお答えいたします。
 平成17年度の交通安全施設整備費としましては、工事調査や検収旅費などの事務費が7、485万517円、補助事業や県単独事業の工事請負費が8億8、159万3、650円となっております。
 工事請負費の主な内訳は、補助事業が4億4、152万2、000円、県単独事業が4億4、007万1、650円となっております。
 補助事業では、交通管制センターの整備、あんしん歩行エリア内の交通安全施設整備などを実施しております。
 県単独事業では、信号機の新設や移設、標識・標示の新設や高輝度化、老朽施設の更新などを実施しております。
 次に、大幅に削減されていることについて申し上げますと、県の岩手県行財政構造改革プログラムの趣旨を踏まえ、事業の内容については、交通の安全と円滑という視点から重要度・優先度を念頭に、精査を重ね、真に効果的な事業に絞り込んだ結果であります。
 今後とも、限られた予算を有効に活用できるよう、十分な検討を行い、効果的な交通安全施設整備事業を推進してまいりたいと考えております。
〇元吉会計課長 交通安全施設の入札に関してでございます。
 これは、委員おっしゃるとおり、県警の方では積算を行って、入札は県の入札担当課の方で行っております。
〇瀬戸警務部長 超過勤務時間の実態と超過勤務手当の支給実績についてお答え申し上げます。
 平成17年度の超過勤務手当は1人平均363.5時間となっておりまして、1カ月当たり30.2時間で、支給率は実績に対して約55%となっております。
 続きまして、新昇給制度につきましてお答え申し上げます。
 本年3月末に県人事委員会から通知を受けており、職員の勤務実績をより的確に反映し得る制度との位置づけであると認識しております。
 県警察におきましては、昭和36年制定の岩手県警察職員の勤務評定に関する訓令に基づきまして、これまでも職員の勤務成績の適正な評価を実施してきたところでございます。
 新昇給制度の全国警察の導入状況については把握しておりませんが、県警察では、本年4月から施行された一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例等に基づき、平成19年4月1日の昇給から実施することとしております。
 今後とも、現在実施している勤務評定制度を基準としまして、新昇給制度の趣旨に配意し、引き続き仕事の実績や取り組み状況、職務の適性などを適正に評価し、新昇給制度を運用してまいりたいと考えております。
 新昇給制度の導入につきましては、努力して実績を上げた職員を正しく評価し、的確に処遇に反映させることにより、職員の士気を確保し、組織の活性化を図るとともに、適正な人事管理を推進するために必要な制度と考えておるところでございます。
〇斉藤信委員 行財政改革プランで、重要度・優先度を検討して交通安全施設の予算額は減っていると、私はとんでもない話だと思うんですよ。平成14年度の交通安全施設全体は21億円でした。平成18年度は8億6、600万円、17年度は8億9、600万円と半分以下なんですよね。県警本部の予算はこんなに減っていないと思うんです。私は、交通安全施設というものは、これだけ質問がたくさん出るように、最も切実で県民の命にかかわる問題ですよね。だから、なぜこの交通安全施設整備費がこれだけ減ったのかというのを、今の答弁では全く納得できない。
 それと、交通安全施設整備費のもの、私は入札を全部調べてみました。それで、昨年の8月2日に入札された道路標示塗装工事が4件あります。落札額ですよ、100%、99%、99.9%、99.4%。8月2日の入札の4件は、ほとんど予定価格どおりです。このときの入札というのは、予定価格が公表されていないのです。予定価格が公表されたのは昨年の9月からです。どういうことかというと、予定価格が漏れているということなんですよ、これ。あとのところは95%とか97%があるけれども、8月2日の4件については、ほとんど予定価格そのもので落札されている。私は、これは極めて異常なものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、超過勤務手当については、平均して363.5時間超過勤務しているということは大変なことですね。ところが55%しか支給されていない。こんなに頑張っている警察の職員に、半分しか超過勤務手当が支給されていないというのは、私は、本当に異常なことだと思いますよ。
 それで、一方では、今度、成果主義賃金を導入して、頑張っている評価を何でやるかよく見えないけれども、頑張っているという、例えば、県庁が今やろうとしているのは、極めて優秀が5%、その次優秀が20%で、昇給の対象になるのはたった25%なんですよ。私は、こんなことをする前に、まず超過勤務手当を全額支給すべきじゃないかと。そうしなければ公平性が保てないと思います。士気なんか上がらないと思いますよ。
 特に、警察業務というのは、本当に特殊性、複雑性で、犯罪が多くなって、犯罪に取り組めば成果が上がるのか、そんなものじゃないと思うんですよね。また、犯罪捜査もチームワークでしょう。私はそういう意味では、一般的なこの成果主義というのは、やっぱり警察業務になじまないと思う。全国が不明だというのは、やっていないということでしょう。あなた方、全国警察で全国の状況が不明なんていうことはないんですよ。都合が悪いからお答えがないだけでしょう。岩手県のように、全警察職員を対象に成果主義賃金を導入しようなんていうところは一つもないのではないですか。改めてここをお聞きします。
〇小川口交通部長 交通安全施設整備費が四、五年前より半減しているということは、事実そのとおりでございますが、県警察といたしましては、今後とも、やはり限られた予算を有効に活用できるよう、十分な検討を行いまして、効果的な整備事業を推進してまいりたいということであります。
〇元吉会計課長 昨年度の交通安全施設の入札に関してでございます。
 道路標示塗装工事入札におきまして、昨年、入札金額が設計額に極めて近い入札があったということは承知しております。県警といたしましては、先ほども申し上げましたが、積算は行っております。その積算については、部外に漏れることのないように、秘密裏といいますか、厳正な管理をしております。漏れるようなことはございません。
 本入札に関しては、県営建設工事公正入札調査委員会等が、必要な調査をしているものと承知しております。
〇瀬戸警務部長 新昇給制度の全国警察の導入状況については、把握してございません。
 超過勤務につきましてですが、本来、予算の範囲内で命じることが原則と考えておりますが、第一線の警察業務は、突発的に発生する事件・事故に直ちに対処し事件・事故の早期解決を図らなければならず、予算の範囲内で調整して超過勤務を命じることが困難な場合もございます。
 今後とも、実績に見合った手当が支給できるように努力してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は去年の8月2日の話をしたんですけれども、いずれ入札参加業者は10社程度ですよ。予定価格は公表されていないのに、それにびったりくっつくなんてことはあり得ないじゃないですか。これは、本当に私は、警察の中でこういうことがあってはならないと指摘しておきます。こういうものこそ、きちんと捜査すべきですよ。
 それと、超過勤務手当、突発的な仕事でと言うけれども、いいですか、平成15年度が364時間ですよ、平成16年度も360時間、17年度が363時間で、予算措置したらいいじゃないですか、毎年こういう超過勤務をやっているんだから。先ほども駐在の話があったけれども、末端の第一線の警察官を大事にしなければだめですよ。半分しか超過勤務手当を出さないなんてとんでもない。それでいて成果主義賃金を導入するなんて、全く私は、土台も道理もないと指摘しておきます。まともな答弁がないからね。
 次に、捜査報償費の実態についてお聞きをします。
 昨年度の捜査報償費の実績はどうなっているでしょうか。国の捜査費も含めて、この間の推移をあわせて示していただきたい。
 捜査報償費が一昨年と比べて約6割近く削減されていることは、異常なことであります。本当は使われていなかったのではないか。大幅に削減された具体的な理由を示していただきたい。
 9月29日、高松高裁は、高知県警本部の捜査費支出について、広く県警の組織的不正経理疑惑が存在していたと指摘できると述べ、捜査費文書の開示を命じた。この判決では、警視庁、北海道警、静岡県警、福岡県警、愛媛県警など、全国で捜査費支出に非難されるべき点が認められるとも指摘をしている。この判決をどう受けとめているのでしょうか。
〇瀬戸警務部長 まず、平成17年度の県費捜査用報償費の決算額についてでありますが、1、383万円余、国費捜査費の決算額につきましては3、305万円余となっております。
 次に、県費捜査用報償費及び国費捜査費の過去3年分の決算額の推移について申し上げます。
 県費捜査用報償費の決算額の推移につきましては、平成15年度が3、061万円余、平成16年度が1、380万円余、国費捜査費の決算額の推移につきましては、平成15年度が4、557万円余、平成16年度が3、304万円余となっております。
 続きまして、捜査用報償費の執行額の減少理由について申し上げます。
 その減少理由につきましては、捜査を取り巻く環境の変化、あるいはその年度の事案発生状況など、いろいろな要因が考えられるところであります。大きな要因としましては、権利意識の変化、都市化の進展等による情報収集の困難化、警察相談業務の増加による捜査以外の業務の増大、司法手続の精密化による事務的業務の増大などが考えられます。
 さらに、具体的に申し上げますと、一つには、警察改革を踏まえました警察安全相談業務が、平成16年度には前年度を上回る3万4、000件余と増加しまして、平成17年度は若干の減少は見られるものの、平成12年度の実に2.7倍という件数でございました。
 その相談内容も、時代の流れを反映しまして複雑・多岐にわたっております。それにきちんと対応し、事件化すべきものは反復した聞き取り捜査を実施しておりますし、それに至らない場合でも解決策を教示するということで、依然として現場では大きな業務負担となっているところでございます。
 二つ目ですが、平成17年度の刑法犯認知件数の方が依然として高水準で推移しております。犯罪発生後は直ちに初動捜査を行わなければならないということでございます。加えまして、最近の犯罪傾向といたしましては、振り込め詐欺やインターネット使用犯罪など、通信手段を利用している犯罪が多発していることから、協力者からの情報収集が困難な事案が増加しているところでございます。
 その結果、継続捜査に専念するための時間が十分にとれず、捜査手法の一つであります自分の畑を耕して情報源を開拓するというための時間がなかなかとれないという実情でございます。
 以上申し上げましたが、このような点が捜査用報償費が減少した具体的な理由と考えているところでございます。
 続きまして、委員御質問の高知県警察本部における捜査費支出に係る高松高裁の判決につきましてお答え申し上げます。
 これにつきましては、報道の範囲で承知しておりますが、もとより予算の不適正な執行があってはならないということは、言うまでもないことと認識しております。
 岩手県警察といたしましては、捜査費等を含め予算を適正に執行することは、警察活動に対する県民の理解と協力を得る上でも重要なことと認識しています。これまでも適正経理に関する指導・教養を徹底し、各種の検査・監査に誠実に対応しておりますが、さらにその徹底を期してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 全く根拠のない答弁が繰り返されました。例えば、いいですか、問題になっているのは、平成15年から16年に激減して、その激減した捜査報償費が17年も継続しているということですよ。15年から16年、17年にどんな劇的な変化があったのか。
 刑法犯総数、平成15年1万3、686件、平成16年1万2、885件、減っているんですよ。平成17年1万1、289件、減っているのです。警察安全相談件数、平成15年3万3、000件、平成16年3万4、652件―ちょっとふえました―平成17年2万7、208件ですよ、15年より減っているんです。警務部長の答弁、全然事実と違うじゃないですか。そんな本当に回答にもならない回答を繰り返していたらだめですよ。大体、捜査報償費が6割も減るなんていうのは、よっぽどの理由がなければ起きないことですよ。
 最後、私は県警本部長に聞きますから。もう最後ですね。この問題の最後ですよ。
 県警本部長に、去年もそういう答弁をしたんですよ。しかし、事実と違うじゃないか、激減した理由にはなりませんよ。私はそういう点で、やっぱり全国、高知、愛媛、福岡、北海道、全国警察、仕組みが同じなんです。会計処理も同じなんです。全国会計課長会議もやっているんでしょう。同じ仕組みでやられて、私は、こういう実態になっているのではないかと。そういう点で、この捜査報償費のこの激減というのを、私は、本当に何か別なものに前は使っていたのではないか、今は使えなくなっただけの話じゃないか。
 もう一つ言いますと、駐在所の報償費はほとんど減っていません。これ心配しないでください、皆さん。私は、それを減らせなんて言いません。その他の報償費は減っていないのです。捜査報償費、情報提供者に対する謝礼のような報償費だけが6割減ったのです。だから問題だと私は言っているのですよ。それは裏金だったのではないか。どうですか、県警本部長。
〇山下警察本部長 委員御指摘の捜査用報償費の執行額の減少理由でございますが、繰り返しになりますけれども、いわゆる捜査を取り巻く環境の変化というものが、やはり年々大変厳しくなってきているということかと思っております。
 大きな要因として申し上げましたけれども、やはり情報収集というのが非常に難しくなっている。なかなか捜査費を使って情報収集をしようと思っても、やはり協力者が獲得できない、あるいは拒まれるというようなことがあります。
 それから、安全相談についても御指摘でございますけれども、これは、実は件数が以前に比べて非常にふえているということにプラスしまして、この相談内容というものも、その時々の時代の反映として、年々複雑多岐にわたっているということがございます。
 例えば、大変多かった相談事例の一例を挙げますと、架空請求事案、いわゆる振り込め詐欺の関係ですね、この点につきますと、平成15年に比べて16年、17年、大変手口が巧妙化してきております。いわゆる公的機関をかたるであるとか、あるいは複数の者が役割分担をして請求をする。こういうような相談を受けますと、一つの相談を関係者がいろいろ確認をする、あるいはその事件化のためのさまざまな措置、あるいは解決するためのいろいろな教示、こういったことで膨大な時間がとられるというようなことがございます。そうした量的な変化のほかに、質的にも、例えば相談については大変困難化しているというような実情がございます。
 それから、先ほど警務部長の方から申し上げましたように、犯罪の種類といたしましても、今申し上げた振り込め詐欺、あるいはインターネットの利用犯罪、こういったものも大変ふえてきております。こうした相談、インターネット関係の犯罪の相談の件数とか検挙件数も非常にふえて、昨年でいきますと271件のサイバー犯罪の検挙件数というものもございました。こうしたこと等が、この捜査報償費の減少の理由ということで挙げられるのではないかと思っております。
 委員御指摘を待つまでもなく、この適正な会計経理をきちんと保持するというのは、県民の理解と協力を得る上で当然のことだと思っておりまして、実は私自身も、やはり常日ごろから、幹部に対しては、いろいろな機会にこのことを厳しく教養し、指導しております。また、本年度から、私自身が関係職員とともに各所属に参りまして、各所属長あるいは捜査員からも、私みずから聞き取り調査というようなこともやっております。こうした形で、内部監査もさらに徹底してやっております。
 もとより岩手県警察では、これまで適正な会計経理というものを保持してまいりましたが、今後ともさらにその徹底を図ってまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 県警本部長、相談件数はふえていない、減っていると私指摘したでしょう。そして、中身が複雑になっていると言うけれども、あの生活安全企画課は対応が大変だろうと思うけれども、じゃ捜査一課はどうなんですか、捜査二課はどうなんですか。大体少年課なんてがばっと減っていますよ、平成17年度。私が、少年にスパイをつくるのかと言ったら、がばっと減っています、半分以下に減っています。だから、そういう余り説得力のない答弁はしない方がいい。
 それで、最後の質問なんですけれども、玉山村に突然パチンコ店の出店問題が起きました。これは、イオン玉山ショッピングセンターの隣に、本来は駐車場用地として都市計画の区域が変更された。ところが、その駐車場用地にパチンコ店が出店するというので、地元の人たちが大変心配して、署名運動をやって盛岡市議会に請願までした。残念ながら、この請願は、委員会では採択されたが、本会議では不採択という、大変不明朗な結果になったんですが、盛岡市の都市整備部長もこう言っているんですよ、当該地におけるパチンコ店の立地は、周辺地区との調和や環境形成の観点からは好ましくないと考えている。現状の地区計画では、しかし、パチンコ店の立地を制限することはできないと、残念な答弁であります。
 この地域は、姫神ホールの斜め向かい、近くには啄木記念館があって小学校もあるという、まさに文化・教育の地域なんですよ。私は、こうしたパチンコ店出店に対しては、これは風営法にかかわると思いますので、こうした地域住民の合意も踏まえて対応すべきじゃないかと思いますが、警察の対応をお聞きしたい。
〇一ノ渡生活安全部長 パチンコ店の出店についてお尋ねでございますので、風営法における規制等につきまして御説明申し上げます。
 いわゆる風営法及び風営法施行条例の規定によりますと、パチンコ営業につきましては、県内の居住地域では営業を許可することはできません。さらに、居住地域以外においてパチンコ営業を営もうとする場合にあっても、そのパチンコ営業所の周辺に、風営法施行条例に定める学校、病院等が存在する場合には、その施設を基準として、一定の距離を保たなければ営業を許可できないものであります。
 その一定の距離とは、風営法施行条例では、学校が第一種住居地域等にある場合にはその土地の周辺100メートル、商業地域に建っている場合にはその土地の周辺30メートル、それ以外の地域に建っている場合にはその土地の周辺60メートルには営業を許可することはできませんし、同様に、病院等が第一種住居地域等にある場合にはその土地の周辺60メートル、商業地域に建っている場合にはその土地の周辺10メートル、それ以外の地域に建っている場合にはその土地の周辺30メートルには営業を許可することはできません。
 このように、パチンコ営業に対する公安委員会の営業の許可につきましては、風営法等で定められた営業所の制限地域の規制がございます。このほかに人的欠格事由、営業所の構造設備の技術上の基準についてもございます。それぞれ審査し、欠格事由に該当しなければ営業を許可するものであります。
〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊沢昌弘委員 時間の押しているところ恐縮でございます。質問させてください。
 けさの新聞に、差出人だれ、という見出しで、代金引換郵便が届いて代金を払ったら、だれも注文していなかったというのが載っていました。
 実は私、夕べ帰りましたら、私のうちに私の名前で不在郵便の届け出がございまして、1万9、800円用意をして、けさ郵便局に行ってきました。買った覚えがなかったものでございましたけれども、郵便局の窓口は、この新聞にもあるんですが、郵政公社はきちっとした対応をせよ、買った覚えがないものについては引き取り拒否で対応します、こういうことで対応していただきました。
 そのことを踏まえて、いろいろこういう新たな手口が出ている。多分ホームページを含めて県警、それから消費生活センターはやっていると思うんですが、私の例えば家族がいて、確認しないで払ってしまう。払ってしまえば戻ってこない。こういうことのようでありますけれども、新たに出てくるものですから、これらに対して県警としてどのような対応をしてこられたのか、また、今後どうされようとしているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
〇瀬戸警務部長 委員おっしゃいました代引き配達詐欺についてお答え申し上げます。
 県警察にも、この手口に関する相談が数件寄せられております。寄せられている相談内容でございますが、先ほど委員がおっしゃったような形でして、代金引換郵便により実在するインターネットプロバイダー業者名で郵便小包が送られてきたが、注文した覚えもなく、全く心当たりがないという相談でございました。
 これに対しまして、警察といたしましても、相談者に対しまして、全く身に覚えがない場合は受け取らないこと、また、注文したかどうか不明の場合は確認できるまで受け取らないこと、迷ったりした場合はすぐ警察に相談すること等について指導しているところでございます。
 今後とも、関係機関・団体と連携しまして、被害防止広報に努めていく所存でございます。
〇伊沢昌弘委員 私みたいな有名でもない者の名前で来るわけですから、著名な方々には多分届くと思いますので、これは、きちっとした対応をお願い申し上げたいと思っております。
 最後、もう1点ですが、今の質疑の中で、施設整備、それから人的整備を含めて要望がございました。行財政構造改革プログラムの関係を含めて大変厳しい状況だという苦しい御答弁があったわけでありますが、聞いてみますと、171カ所の駐在所に141台のミニパトしかない。私は盛岡にいるものですから、駐在所には全部ミニパトがあると思っていましたけれども、それすらないというのは、大変状況がまずいのではないかと思っています。信号機にしても3分の1ぐらいしかついていない、こういう状況は、大変、本当の意味から言ったら安心できないと思っております。
 県警にお聞きするのではなくて、この場所に予算調製課の菅野課長がおられるわけなので、菅野課長に振って、ちょっとお伺いしたいと思います。厳しい中ではありますけれども、ほとんどの議員が地域からいろいろ要望をもらってこういった問題が出ております。ぜひ、どこに厚くというのはここでは言えないと思いますけれども、こういった要望を行財政構造改革プログラムの中でも参酌いただけないものかということでありますので、御所見をお伺いしたいと思います。
〇菅野参事兼予算調製課総括課長 委員御指摘のとおり、今、県財政が厳しいところは厳しいんですが、ただ、必要なものはやらなければならないというのは、御指摘のとおりだと思います。
 ただ、現在、御案内のとおり、各部局にいわゆる予算枠を配分して、各部局においてそれぞれ選択と集中をやっている、今までは、どちらかというと政策形成プロジェクトということで、新規事業を中心に全庁調整をやるという仕組みでしたので、今御指摘のありました県警本部が所管している事業のように、新しい事業ではないんだけれども的確にやっていかなければならないというものに対しては、なかなか政策的に事業が回りづらかったという面は確かにあったと思います。
 来年度以降につきましては、やはりそういう厳しい財政環境ということもございますが、既存事業、そういった地道にやらなければならない事業まで含めて、全庁的な観点から少し見直さなければならないのではないかと思っておりまして、そういった視点も踏まえながら、今後、財政運営を私どもとしても努力してまいりたいと思っております。
〇伊沢昌弘委員 よろしくお願いします。
〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田昭彦委員長 質議がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。どうも御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 7 時14分 散 会

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