平成18年9月定例会 第21回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(伊沢昌弘君) 政和・社民クラブの伊沢でございます。
 ただいま教育長から報告がありました高等学校の必修科目未履修の問題について、私の方からも二、三お伺いをさせていただきたいと思います。
 報告によりますと、高校の地理、歴史の授業で、学習指導要領で必修の世界史と、それから日本史、地理のどちらかを選択し、合わせて2科目を履修するとされている。しかし、報告によりますと、盛岡一高でこの部分が不足していたということでございました。このことについては、今までもお話がありましたけれども、私は、大学受験のひずみが生み出してきたものではないかなと考えられるところでございます。盛岡一高だけでも、報道によりますと、3年生192人。今のやりとりを聞いておりますと、74単位以上であれば卒業ができる。必修科目があたかも必要がないような言い方もしておりますけれども、そのことについて、改めてきちっとした御答弁をお願い申し上げたいというふうに思っているところであります。
 不足をした部分について、やはりこれは科目の単位をきちっと取得させる必要があると思うわけであります。1単位、たしか50分の授業で35時間、そして2単位ということで一つの科目の修得と思われるわけであります。補習授業をやるとすれば、これは何日間必要になるのでしょうか。今までお話がありましたように、卒業を間近に控えた生徒にとっては、大変この時間をとること、教師にとっても大変な部分だと思うわけであります。その方法について、これから検討されるという御答弁でございますけれども、報告でございますけれども、改めてお伺いをしたいと思います。
 あわせて、単位の取得には、一般的に、これは私が卒業した時代の話でございますので恐縮でありますけれども、授業にかえて実習やレポートの提出というのも、これは単位の取得に有効だというふうに私は記憶しております。そういうことで対応している科目もあると思いますけれども、今回のこのような地理、歴史の問題について、同じような方法がとれないのか。生徒に対する軽減等々を含めて、あるような気がするわけでありますけれども、御所見をお伺いしたいというふうに思います。
 また、教育委員会への報告は、必要な科目を履修しているようにうその報告がなされたとあるわけでありますけれども、これは学校長の責任だというふうに、今、教育長は言いましたけれども、教育委員会としての確認というのはどのようになっていたのでしょうか、お伺いをしたいというふうに思います。また、全高校について、今調査中とのことでございますけれども、これらについては速やかに報告をいただくとともに、対策についてお願いを申し上げたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、学習指導要領というのは、公立学校・高校だけに適用されるのでしょうか。必修科目を含めて、私立の高校についても同様なものがあるような気がいたしますけれども、この件についてお伺いをしたいというふうに思うわけであります。
 いずれ、学校5日制の問題、指導要領の問題も含めてあるわけでありますけれども、先ほどの報告の中にもありましたけれども、履修時間いわゆる授業時間が足りない、全範囲を終わることができない、その分を削って、いわば受験のために充ててきたというふうに私は聞き取ったわけであります。受験に偏った教育という部分があるような気がするわけでありますけれども、これについて教育長の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
   〔教育長照井崇君登壇〕
〇教育長(照井崇君) まず、卒業基準といいますか、その単位の関係でございますが、国の基準上は、卒業までに修得させる単位数の中に、この必履修教科の単位数を必ず含めるべきこととはされておりません。したがいまして、必要な74単位、いろんな科目があるわけですが、これ以上を修得していれば、いわば高等学校のそういう課程を修了したということで、卒業することができるというふうになっております。
 それから、今後、必履修科目について何時間必要かとか、あるいはレポート等ではどうかということでございますが、いずれ、これらについても、各学校の実態をしっかり把握して、そしてまた、ただいまお話のありましたレポート等でのそういったいわばかわり、これが可能なのかどうか等についても、文部科学省等の御意見も伺いながら、適切に対応していきたいと思います。
 それから、受験のひずみというようなお尋ねでございますが、盛岡一高の場合は、やはり子供たちのそういう進路の実現、それを何とか達成できるように、そういうようなことでこのような編成でこれまで進めてきたというふうに聞いておりますが、詳しいことについては、今後さらに調査してまいりたいと考えております。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 私立高校の件につきましてお尋ねがございました。本県の私立の各高校に対しまして、きょうのお昼の報道を受けまして、緊急に電話で総務部の方から確認をしてみたところでございます。電話で確認をした限りではございますけれども、本県内の私立の各高校につきましては、学習指導要領で必修科目とされている科目につきましては、いずれも学習指導要領どおり履修をされている、そういう授業を行っているという報告を受けたところでございます。いずれにいたしましても、今後とも、各私立高校が学習指導要領に沿った適切な教育を進めていただけるように指導してまいりたいと考えております。
〇議長(伊藤勢至君) 答弁漏れがありますので、私から指摘をいたします。
 虚偽報告とのことでございますが、教育委員会としての取り扱いはどのようにしていたのか、それについて答弁を願います。
〇教育長(照井崇君) 虚偽報告は断じてあってはならないことでありますので、いずれ、今後、必ず正確な報告をしていただくように指導してまいります。
〇37番(伊沢昌弘君) 今の議長の計らいで御答弁いただいた部分、そういうことではなくて、教育委員会として、その報告を確認することは必要ないのか、どのような形で行ったのかとお聞きしましたので、改めて御答弁をお願いします。
 74単位のお話で、大変恐縮なんですけれども、卒業基準の単位数に必履修科目の時間数は必ずしも入れなくていいと、こういう御答弁を繰り返しているわけでありますけれども、とすれば、ほかの必履修でないものでこの74をクリアすればいいのかと。こうなりますと、ほとんど、報道されているように、卒業ができないという断じ切った部分について、うそじゃないのというふうに思うんですけれども、改めてこの部分をお示しいただきたいというふうに思います。
 それと、大学受験を生徒が望んで行きたいと。そして、受ける大学によって選択肢があるということで、必修であろうと、そうでないものであろうと、自分が得意とする分野の授業を受ける、これはあっていいと思うんですけれども、大学受験の窓口を開いている方で、これとこれの、例えば理科では、化学と物理で化学を取ってもいいよ、社会の場合については日本史か世界史、または地理だと。この三つのうちからどれかだと。それに対して、集中講義なり集中補習を受けるというような部分でこれをやっているというのは、わからないわけではないんですけれども、言ってみれば、基礎知識をつけて、社会に出てから活動するという分野において、本当は全方位の目が向けられない生徒が育っていくんじゃないかなというふうな思いで、私は大学受験のひずみかと、こういうふうに申し上げたところであります。私らのころは、たしか全科目受けて、それがために私も大学まで通ったと思います。主要5科目だったら通らなかったと、自分自身は今思っているんですけれども、そういう部分について、教育長はどう思うかという御所見も先ほどちょっとお聞きしたところであります。決まっていることだから仕方ないと言うのか、教育というものについて、どういう形で行うものかということで、ここを改めてお伺いしたいと思います。
〇教育長(照井崇君) 教育委員会において、報告を受けた後の確認ということでございますが、学校からは、年間の指導計画というものを、学習指導要領の基準によって校長がこれを定めて、そして、校長はこれを教育委員会に届け出なければならないことになっております。そして、その実施状況を、翌年度、教育委員会に報告するようになっております。それで、これまで教育委員会では、この届け出と報告については、各校長の責任においてしっかりなされているものというふうに考え、いわば学校に行っての確認調査のようなものはなされておりませんでした。いずれ、この件については、こうした事態がございますので、今後、指導主事等を各学校に派遣するなどして、適切にこれは対応してまいりたいと思います。
 それから、大学受験のひずみの問題等のお尋ねでございますが、いずれ、これは、まず現場の校長先生から、学校から、やっぱりきちんとそこは調査して、その原因、背景というものをまずは確認をしてまいりたいと思います。
 盛岡一高の場合について言えば、やはり子供たちの進路目標の実現なり進学目的を達成するために支援したいという考えで、このような取り扱いとなってきたと聞いておりますが、いずれ、その考えは考えとしても、学習指導要領に沿って適法に、適切に対応していかなければならないと、このように考えております。
〇議長(伊藤勢至君) 答弁漏れがあります。
〇教育長(照井崇君) 失礼いたしました。
 単位の関係ですが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、生徒は、必履修科目というもの、ここで具体的に言えば世界史だったわけですけれども、これは必ず履修、つまり学習しなければならないとなっているんですが、各学校が、それらの単位というものを修得すべきもの、すなわち卒業に必要な修得すべき単位でございますが、その修得すべきものと、何と言いますか、定めていない場合には、それらの必履修とされている世界史なら世界史の成果、すなわち結果ですね、これが単位修得に至らなくても、ほかので74単位以上あれば卒業できるということなのですが、これについては、さらに各学校にこれをしっかりと確認したいと思います。いずれ、解説ではそうなっておりますが、そこを、このとおりでよろしいかと思うんですけど、そこがやはり問題になっていますので、そこはやっぱり確認したいと思います。
〇37番(伊沢昌弘君) きょうのきょうで、調査中の部分でいきなりお聞きした部分もあります。私も含めて誤解があるとまずいものですから、調査結果とあわせて、今のような部分については文書で、言葉で聞いてもわかりませんので、わかるような解説を含めたものを出していただきたいというふうに思うわけであります。
 いずれ、大変な事態でありますけれども、卒業についてはきちっと対応する、事後の卒業生についてもいろいろ行っていくということでありますので、これはやっぱり県を挙げてきちっとした対応をお願い申し上げたいというふうに思います。
 今申し上げた、よくわからない74単位の問題について、きちっとしたものを出していただけるかどうかだけお伺いして、終わりたいと思います。
〇教育長(照井崇君) ただいまの卒業単位数と、それから必履修科目との関係、これについて整理したものを出していきたいと思います。
〇議長(伊藤勢至君) 教育長は、未確認のものを予断をもって答弁をしないようにしてください。
 次に、斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕

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